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特表2024-520394湿気ロバスト性及び高加速寿命試験のための多層カプセル化及び製造方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-24
(54)【発明の名称】湿気ロバスト性及び高加速寿命試験のための多層カプセル化及び製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/316 20060101AFI20240517BHJP
   H01L 21/318 20060101ALI20240517BHJP
【FI】
H01L21/316 X
H01L21/318 B
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023572608
(86)(22)【出願日】2022-05-24
(85)【翻訳文提出日】2024-01-22
(86)【国際出願番号】 US2022030619
(87)【国際公開番号】W WO2022256196
(87)【国際公開日】2022-12-08
(31)【優先権主張番号】17/335,796
(32)【優先日】2021-06-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/591,704
(32)【優先日】2022-02-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】592054856
【氏名又は名称】ウルフスピード インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】WOLFSPEED,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】リー、キョン - グン
(72)【発明者】
【氏名】エッター、ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】ラデュルスク、ファビアン
(72)【発明者】
【氏名】シェパード、スコット
(72)【発明者】
【氏名】ナミシア、ダニエル
【テーマコード(参考)】
5F058
【Fターム(参考)】
5F058BA07
5F058BA10
5F058BA20
5F058BB01
5F058BB04
5F058BC02
5F058BC03
5F058BC08
5F058BD04
5F058BD05
5F058BD10
5F058BF02
5F058BF22
5F058BF29
5F058BF30
5F058BF37
5F058BJ03
(57)【要約】
半導体ダイは、半導体ボディと、半導体ボディ上の多層環境バリアとを含む。多層環境バリアは、半導体ボディ上に積層させられた複数の副層を含む。各副層は、1つ又は複数の方向においてそれぞれの応力を含み、少なくとも2つの副層のそれぞれの応力は異なる。副層は、第1の応力を含む第1のストレッサ副層と、1つ又は複数の方向において第1の応力を少なくとも部分的に補償する第2の応力を含む第2のストレッサ副層とを含んでよい。関連する装置及び製造方法も論じられている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体ダイであって、
半導体ボディと、
前記半導体ボディ上の多層環境バリアであって、前記多層環境バリアは、それぞれ第1及び第2の酸化物材料の第1及び第2の副層を含み、前記第1の酸化物材料は、前記第2の酸化物材料とは異なる、多層環境バリアと
を備える、半導体ダイ。
【請求項2】
前記第1及び第2の副層が、原子層堆積(ALD)層を含む、請求項1に記載の半導体ダイ。
【請求項3】
前記第1又は第2の酸化物材料のうちの少なくとも1つが、窒化ケイ素よりも高い密度を有する、請求項1に記載の半導体ダイ。
【請求項4】
前記第1又は第2の酸化物材料のうちの少なくとも1つが、絶縁金属酸化物を含む、請求項1に記載の半導体ダイ。
【請求項5】
前記第1及び第2の副層が、反復する層構造に含まれており、前記第1及び第2の酸化物材料は、それぞれ前記絶縁金属酸化物及び非金属酸化物を含む、請求項4に記載の半導体ダイ。
【請求項6】
前記絶縁金属酸化物は、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム又は酸化ハフニウムのうちの少なくとも1つを含む、請求項5に記載の半導体ダイ。
【請求項7】
前記絶縁金属酸化物は、酸化アルミニウムを含み、前記非金属酸化物は、酸化ケイ素を含む、請求項5に記載の半導体ダイ。
【請求項8】
前記第1の副層の厚さと前記第2の副層の厚さとの比は、約2:1以上、約5:1以上、又は約8:1以上である、請求項5に記載の半導体ダイ。
【請求項9】
前記半導体ボディと前記多層環境バリアとの間にパッシベーション層をさらに備え、前記パッシベーション層は、窒化ケイ素を含む、請求項4に記載の半導体ダイ。
【請求項10】
前記パッシベーション層とは反対側の前記多層環境バリアの表面は、酸化ケイ素又は窒化ケイ素の層を含む、請求項1に記載の半導体ダイ。
【請求項11】
前記第1の酸化物材料は、前記第2の酸化物材料とは異なる、水に関する拡散係数を有する、請求項1に記載の半導体ダイ。
【請求項12】
前記半導体ボディ上のゲート、ソース・コンタクト及びドレイン・コンタクトと、
前記ゲート、前記ソース・コンタクト及び前記ドレイン・コンタクト上に延びるパッシベーション層と
をさらに備え、
前記第1及び第2の副層は、前記ゲート、前記ソース・コンタクト及び前記ドレイン・コンタクトに沿って実質的に均一なそれぞれの厚さで前記パッシベーション層上にコンフォーマルに延びている、請求項1に記載の半導体ダイ。
【請求項13】
前記第1及び第2の副層は、反復する層構造に含まれており、前記多層環境バリアは、少なくとも2つの前記反復する層構造、少なくとも10の前記反復する層構造又は少なくとも20の前記反復する層構造を含む、請求項1に記載の半導体ダイ。
【請求項14】
前記多層環境バリアの合計厚さは、約500オングストローム~約3000オングストロームである、請求項13に記載の半導体ダイ。
【請求項15】
前記反復する層構造は、
前記第1及び第2の副層が積層されている2層構造、
前記第1の副層、前記第2の副層及び第3の副層が積層されている3層構造、及び/又は
前記第1の副層、前記第2の副層、第3の副層及び第4の副層が積層されている4層構造
を含む、請求項13に記載の半導体ダイ。
【請求項16】
半導体ダイであって、
半導体ボディと、
前記半導体ボディ上の多層環境バリアであって、前記多層環境バリアは、それぞれの絶縁材料の2つ以上の副層を含む反復する層構造を含み、前記それぞれの絶縁材料のうちの少なくとも1つは、窒化ケイ素よりも高い密度を有する、多層環境バリアと
を備える、半導体ダイ。
【請求項17】
前記2つ以上の副層は、原子層堆積(ALD)層を含む、請求項16に記載の半導体ダイ。
【請求項18】
前記多層環境バリアは、少なくとも2つの前記反復する層構造、少なくとも10の前記反復する層構造又は少なくとも20の前記反復する層構造を含む、請求項17に記載の半導体ダイ。
【請求項19】
前記それぞれの絶縁材料のうちの前記少なくとも1つの密度は、前記それぞれの絶縁材料のうちの他の少なくとも1つの前記密度よりも高い、請求項18に記載の半導体ダイ。
【請求項20】
前記それぞれの絶縁材料のうちの前記少なくとも1つが、金属酸化物を含み、前記それぞれの絶縁材料の他の少なくとも1つが、非金属酸化物を含む、請求項18に記載の半導体ダイ。
【請求項21】
前記金属酸化物は、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム又は酸化ハフニウムを含む、請求項20に記載の半導体ダイ。
【請求項22】
前記非金属酸化物は、酸化ケイ素を含む、請求項21に記載の半導体ダイ。
【請求項23】
前記半導体ボディと前記多層環境バリアとの間にパッシベーション層をさらに備え、前記パッシベーション層は、窒化ケイ素を含む、請求項22に記載の半導体ダイ。
【請求項24】
前記2つ以上の副層のうちの第1及び第2の副層のそれぞれの厚さの比が、約2:1以上、約5:1以上又は約8:1以上である、請求項18に記載の半導体ダイ。
【請求項25】
前記半導体ボディ上のゲート、ソース・コンタクト及びドレイン・コンタクトと、
前記ゲート、前記ソース・コンタクト及び前記ドレイン・コンタクト上に延びるパッシベーション層と
をさらに備え、
前記2つ以上の副層は、前記ゲート、前記ソース・コンタクト及び前記ドレイン・コンタクトに沿って実質的に均一なそれぞれの厚さで前記パッシベーション層上にコンフォーマルに延びている、請求項17に記載の半導体ダイ。
【請求項26】
前記それぞれの絶縁材料のうちの少なくとも2つは、水に関して異なる拡散係数を有する、請求項16に記載の半導体ダイ。
【請求項27】
半導体ダイであって、
半導体ボディと、
前記半導体ボディ上の多層環境バリアであって、前記多層環境バリアは、第1の絶縁副層及び第2の絶縁副層を含む反復する層構造を含み、前記第1の絶縁副層の第1の厚さと前記第2の絶縁副層の第2の厚さとの比は、約2:1以上である、多層環境バリアと
を備える、半導体ダイ。
【請求項28】
前記第1及び第2の絶縁副層は、それぞれ第1及び第2の材料を含み、前記第1の材料の密度は、前記第2の材料の密度よりも高い、請求項27に記載の半導体ダイ。
【請求項29】
前記第1の材料又は前記第2の材料のうちの少なくとも1つの前記密度は、窒化ケイ素よりも高い、請求項28に記載の半導体ダイ。
【請求項30】
前記第1及び第2の絶縁副層は、原子層堆積(ALD)層を含む、請求項28に記載の半導体ダイ。
【請求項31】
前記第1の材料は、金属を含み、前記第2の材料は、非金属を含む、請求項28に記載の半導体ダイ。
【請求項32】
前記第1の材料は、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化ハフニウム又は窒化ケイ素を含む、請求項28に記載の半導体ダイ。
【請求項33】
前記第2の材料は、酸化ケイ素を含む、請求項32に記載の半導体ダイ。
【請求項34】
前記第1の材料は、前記第2の材料とは異なる、水に関する拡散係数を有する、請求項28に記載の半導体ダイ。
【請求項35】
前記半導体ボディ上のゲート、ソース・コンタクト及びドレイン・コンタクトと、
前記ゲート、前記ソース・コンタクト及び前記ドレイン・コンタクト上に延びるパッシベーション層と
をさらに備え、
前記第1及び第2の絶縁副層は、前記パッシベーション層上にコンフォーマルに延びており、前記第1及び第2の厚さは、前記ゲート、前記ソース・コンタクト及び前記ドレイン・コンタクトに沿って実質的に均一である、請求項27に記載の半導体ダイ。
【請求項36】
半導体ダイを製造する方法であって、
半導体ボディを提供するステップと、
前記半導体ボディ上に多層環境バリアを形成するステップであって、前記多層環境バリアは、それぞれ第1及び第2の酸化物材料の第1及び第2の副層を含み、前記第1の酸化物材料は、前記第2の酸化物材料とは異なる、ステップと
を含む、半導体ダイを製造する方法。
【請求項37】
前記パッシベーション層上に前記多層環境バリアを形成するステップは、原子層堆積(ALD)によって前記第1及び第2の副層を形成するステップを含む、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
前記多層環境バリアを形成するステップは、
前記第1の副層を形成するための第1のALDプロセスと、反復する層構造において前記第1の副層上に前記第2の副層を形成する第2のALDプロセスとを交互に実行するステップ
を含む、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
前記第1又は第2の酸化物材料のうちの少なくとも1つは、窒化ケイ素よりも高い密度を有する、請求項36に記載の方法。
【請求項40】
前記第1又は第2の酸化物材料のうちの少なくとも1つは、絶縁金属酸化物を含む、請求項36に記載の方法。
【請求項41】
前記第1及び第2の副層は、反復する層構造に含まれており、前記第1及び第2の酸化物材料は、それぞれ前記絶縁金属酸化物及び非金属酸化物を含む、請求項40に記載の方法。
【請求項42】
前記絶縁金属酸化物は、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム又は酸化ハフニウムのうちの少なくとも1つを含む、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
前記絶縁金属酸化物は、酸化アルミニウムを含み、前記非金属酸化物は、酸化ケイ素を含む、請求項42に記載の方法。
【請求項44】
前記多層環境バリアを形成する前に前記半導体ボディ上にパッシベーション層を形成するステップであって、前記パッシベーション層は、窒化ケイ素を含む、ステップをさらに含む、請求項39に記載の方法。
【請求項45】
前記半導体ボディ上にゲート、ソース・コンタクト及びドレイン・コンタクトを形成するステップと、
前記ゲート、前記ソース・コンタクト及び前記ドレイン・コンタクト上に延びるパッシベーション層を形成するステップであって、前記第1及び第2の副層は、前記ゲート、前記ソース・コンタクト及び前記ドレイン・コンタクトに沿って実質的に均一なそれぞれの厚さで前記パッシベーション層上にコンフォーマルに延びている、ステップと
をさらに含む、請求項38に記載の方法。
【請求項46】
前記半導体ボディとは反対側の前記多層環境バリアの表面は、酸化ケイ素又は窒化ケイ素の層を含む、請求項36に記載の方法。
【請求項47】
前記第1の酸化物材料は、前記第2の酸化物材料とは異なる、水に関する拡散係数を有する、請求項36に記載の方法。
【請求項48】
前記第1の副層の厚さと前記第2の副層の厚さとの比は、約2:1以上、約5:1以上、又は約8:1以上である、請求項36に記載の方法。
【請求項49】
前記半導体ダイは、高電子移動度トランジスタを含む、請求項36に記載の方法。
【請求項50】
前記半導体ダイは、金属酸化物半導体電界効果トランジスタを含む、請求項36に記載の方法。
【請求項51】
半導体ダイであって、
半導体ボディと、
前記半導体ボディ上に積層された複数の副層を含む多層環境バリアと
を備え、
前記副層のそれぞれは、1つ又は複数の方向においてそれぞれの応力を含み、前記副層のうちの少なくとも2つの前記それぞれの応力は異なる、半導体ダイ。
【請求項52】
前記副層のうちの少なくとも2つは、第1の応力を含む第1のストレッサ副層と、前記1つ又は複数の方向において前記第1の応力を少なくとも部分的に補償する第2の応力を含む第2のストレッサ副層とを含む、請求項51に記載の半導体ダイ。
【請求項53】
前記第1の応力は引張であり、前記第2の応力は圧縮である、請求項52に記載の半導体ダイ。
【請求項54】
前記第1及び第2のストレッサ副層は、それぞれ第1及び第2の酸化物材料を含み、前記第1の酸化物材料は前記第2の酸化物材料とは異なる、請求項52に記載の半導体ダイ。
【請求項55】
前記第1又は第2のストレッサ副層のうちの少なくとも1つは、金属絶縁材料を含む、請求項52に記載の半導体ダイ。
【請求項56】
前記第1又は第2のストレッサ複数のうちの別のものは、金属を含む、請求項55に記載の半導体ダイ。
【請求項57】
前記金属絶縁材料は、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム又は酸化ハフニウムのうちの少なくとも1つを含む、請求項55に記載の半導体ダイ。
【請求項58】
前記第1又は第2のストレッサ副層のうちの別のものは、非金属絶縁材料を含む、請求項55に記載の半導体ダイ。
【請求項59】
前記金属絶縁材料は、酸化アルミニウムを含み、前記非金属絶縁材料は、酸化ケイ素を含む、請求項58に記載の半導体ダイ。
【請求項60】
前記副層は、前記第1及び第2のストレッサ副層を含む反復する層構造を含む、請求項52に記載の半導体ダイ。
【請求項61】
前記反復する層構造は、
前記第1及び第2のストレッサ副層が積層されている2層構造、
前記第1のストレッサ副層、前記第2のストレッサ副層、及び第3のストレッサ副層が積層されている3層構造、及び/又は
前記第1のストレッサ副層、前記第2のストレッサ副層、前記第3のストレッサ副層、及び第4のストレッサ副層が積層されている4層構造
を含む、請求項60に記載の半導体ダイ。
【請求項62】
前記多層環境バリアは、少なくとも2つの前記反復する層構造、少なくとも10の前記反復する層構造、又は少なくとも20の前記反復する層構造を含む、請求項61に記載の半導体ダイ。
【請求項63】
前記第1のストレッサ副層は、前記第2のストレッサ副層と前記半導体ボディとの間にあり、前記第1のストレッサ副層は、前記第2のストレッサ副層の第2の材料よりも高い密度を有する第1の材料を含む、請求項52に記載の半導体ダイ。
【請求項64】
前記第1のストレッサ副層の第1の材料又は前記第2のストレッサ副層の第2の材料のうちの少なくとも一方の密度は、窒化ケイ素よりも高い、請求項52に記載の半導体ダイ。
【請求項65】
前記第1のストレッサ副層の厚さと前記第2のストレッサ副層の厚さとの比は、約2:1以上、約5:1以上、又は約8:1以上である、請求項52に記載の半導体ダイ。
【請求項66】
前記半導体ボディ上のゲート、ソース・コンタクト及びドレイン・コンタクトをさらに備え、
前記第1及び第2のストレッサ副層は、実質的に均一なそれぞれの厚さで前記ゲート、前記ソース・コンタクト及び前記ドレイン・コンタクト上に直接コンフォーマルに延びている、請求項52に記載の半導体ダイ。
【請求項67】
前記第1及び第2のストレッサ副層は、原子層堆積(ALD)層を含む、請求項52に記載の半導体ダイ。
【請求項68】
前記多層環境バリアは、1つ又は複数の拡散バリア特性を含み、前記多層環境バリアの前記副層の集合的応力は、前記拡散バリア特性のうちの少なくとも1つを含む1つ又は複数の窒化ケイ素層のものよりも小さい、請求項51に記載の半導体ダイ。
【請求項69】
前記多層環境バリアの合計厚さは、約500オングストローム~約3500オングストロームである、請求項68に記載の半導体ダイ。
【請求項70】
半導体ダイであって、
半導体ボディと、
反復する層構造で前記半導体ボディ上に積層させられた2つ以上の副層を含む多層環境バリアと
を備え、
前記多層環境バリアは、2つ以上の拡散バリア特性を含み、前記多層環境バリアの集合的応力は、前記拡散バリア特性のうちの少なくとも1つを含む1つ又は複数の窒化ケイ素層のものよりも小さい、半導体ダイ。
【請求項71】
前記副層のそれぞれは、1つ又は複数の方向においてそれぞれの応力を含み、前記副層のうちの少なくとも2つの前記それぞれの応力は異なる、請求項70に記載の半導体ダイ。
【請求項72】
前記副層のうちの前記少なくとも2つは、第1の応力を含む第1のストレッサ副層と、前記1つ又は複数の方向において前記第1の応力を少なくとも部分的に補償する第2の応力を含む第2のストレッサ副層とを含む、請求項71に記載の半導体ダイ。
【請求項73】
前記第1の応力は引張であり、前記第2の応力は圧縮である、請求項72に記載の半導体ダイ。
【請求項74】
前記第1又は第2のストレッサ副層のうちの少なくとも一方は、金属絶縁材料を含む、請求項72に記載の半導体ダイ。
【請求項75】
前記第1又は第2のストレッサ副層のうちの別のものは、金属を含む、請求項74に記載の半導体ダイ。
【請求項76】
前記金属絶縁材料は、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム又は酸化ハフニウムのうちの少なくとも1つを含む、請求項74に記載の半導体ダイ。
【請求項77】
前記第1又は第2のストレッサ副層のうちの別のものは、非金属絶縁材料を含む、請求項74に記載の半導体ダイ。
【請求項78】
前記拡散バリア特性のうちの前記少なくとも1つは、湿気保護を含み、前記多層環境バリアの合計厚さは、約500オングストローム~約3500オングストロームである、請求項71に記載の半導体ダイ。
【請求項79】
前記多層環境バリアの前記集合的応力は、前記半導体ダイを含むパッケージされた装置の作動温度範囲にわたって前記1つ又は複数の窒化ケイ素層のものよりも小さい、請求項71に記載の半導体ダイ。
【請求項80】
半導体ダイを製造する方法であって、
半導体ボディを提供するステップと、
前記半導体ボディ上に積層させられた複数の副層を含む多層環境バリアを形成するステップと
を含み、前記多層環境バリアを形成するステップは、
第1の応力を含む第1のストレッサ副層を形成するステップと、
前記第1のストレッサ副層上に第2の応力を含む第2のストレッサ副層を形成するステップであって、前記第2の応力は、1つ又は複数の方向において前記第1の応力を少なくとも部分的に補償する、ステップと
を含む、半導体ダイを製造する方法。
【請求項81】
前記第1の応力は引張であり、前記第2の応力は圧縮である、請求項80に記載の方法。
【請求項82】
前記多層環境バリアを形成するステップは、原子層堆積(ALD)を使用して前記第1及び第2のストレッサ副層を形成するステップを含む、請求項80に記載の方法。
【請求項83】
前記多層環境バリアを形成するステップは、
前記第1のストレッサ副層を形成するための第1のALDプロセスと、反復する層構造において前記第2のストレッサ副層を形成するための第2のALDプロセスとを交互に実行するステップ
を含む、請求項82に記載の方法。
【請求項84】
前記反復する層構造は、
前記第1及び第2のストレッサ副層が積層されている2層構造、
前記第1のストレッサ副層、前記第2のストレッサ副層、及び第3のストレッサ副層が積層されている3層構造、及び/又は
前記第1のストレッサ副層、前記第2のストレッサ副層、前記第3のストレッサ副層、及び第4のストレッサ副層が積層された4層構造
を含む、請求項83に記載の方法。
【請求項85】
前記第1及び第2のストレッサ副層は、それぞれ第1及び第2の酸化物材料を含み、前記第1の酸化物材料は、前記第2の酸化物材料とは異なる、請求項80に記載の方法。
【請求項86】
前記第1又は第2のストレッサ副層のうちの少なくとも一方は、金属絶縁材料を含む、請求項80に記載の方法。
【請求項87】
前記第1又は第2のストレッサ副層のうちの別のものは、金属を含む、請求項86に記載の方法。
【請求項88】
前記金属絶縁材料は、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム又は酸化ハフニウムのうちの少なくとも1つを含む、請求項86に記載の方法。
【請求項89】
前記第1又は第2のストレッサ副層のうちの別のものは、非金属絶縁材料を含む、請求項86に記載の方法。
【請求項90】
前記金属絶縁材料は、酸化アルミニウムを含み、前記非金属絶縁材料は、酸化ケイ素を含む、請求項89に記載の方法。
【請求項91】
前記第1のストレッサ副層は、前記第2のストレッサ副層の第2の材料よりも高い密度を有する第1の材料を含む、請求項80に記載の方法。
【請求項92】
前記多層環境バリアは、1つ又は複数の拡散バリア特性を含み、前記多層環境バリアの前記副層の集合的応力は、前記拡散バリア特性のうちの少なくとも1つを含む1つ又は複数の窒化ケイ素層のものよりも小さい、請求項80に記載の方法。
【請求項93】
前記多層環境バリアの合計厚さは、約500オングストローム~約3500オングストロームである、請求項80に記載の方法。
【請求項94】
前記半導体ダイは、高電子移動度トランジスタを含む、請求項80に記載の方法。
【請求項95】
前記半導体ダイは、金属酸化物半導体電界効果トランジスタを含む、請求項80に記載の方法。
【請求項96】
半導体ダイであって、
半導体ボディと、
前記半導体ボディ上の多層環境バリアであって、前記多層環境バリアは、金属絶縁材料の第1の副層及び積層させられた非金属絶縁材料の第2の副層を含む、多層環境バリアと
を含む、半導体ダイ。
【請求項97】
前記金属絶縁材料は、金属酸化物又は金属窒化物を含み、前記非金属絶縁材料は、非金属酸化物又は非金属窒化物を含む、請求項96に記載の半導体ダイ。
【請求項98】
前記金属絶縁材料は、アルミニウム(Al)、ジルコニウム(Zr)、又はハフニウム(Hf)のうちの少なくとも1つを含み、前記非金属絶縁材料は、ビスマス(B)、ケイ素(Si)、ゲルマニウム(Ge)、ヒ素(As)、アンチモン(Sb)、又はテルル(Te)のうちの少なくとも1つを含む、請求項96に記載の半導体ダイ。
【請求項99】
前記第1の副層は、前記第2の副層と前記半導体ボディとの間にある、請求項96に記載の半導体ダイ。
【請求項100】
前記第1の副層は、第1の応力を含み、前記第2の副層は、1つ又は複数の方向において前記第1の応力を少なくとも部分的に補償する第2の応力を含む、請求項96に記載の半導体ダイ。
【請求項101】
前記第1及び第2の副層は、反復する層構造において交互に積層させられている、請求項96に記載の半導体ダイ。
【請求項102】
前記多層環境バリアは、少なくとも2つの前記反復する層構造、少なくとも10の前記反復する層構造、又は少なくとも20の前記反復する層構造を含む、請求項101に記載の半導体ダイ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、その開示の全体が参照として本明細書に組み込まれる、2021年6月1日に出願された米国特許出願第17/335,796号の一部継続出願であり且つその優先権を主張する、2022年2月3日に出願された米国特許出願第17/591,704号の優先権を主張する。
【0002】
本発明は、半導体装置、より具体的には、半導体装置の環境保護及び関連する製造方法に関する。
【背景技術】
【0003】
ケイ素(Si)及びヒ化ガリウム(GaAs)などの材料は、低電力で、Siの場合には低周波数の用途のための半導体装置における広い用途を見出している。しかしながら、これらの材料は、例えば、その比較的小さなバンドギャップ(室温においてSiの場合は1.12eV及びGaAsの場合は1.42)及び比較的小さな絶縁破壊電圧により、高電力及び/又は高周波数用途にはあまり適していない場合がある。
【0004】
高電力、高温及び/又は高周波数用途及び装置のために、炭化ケイ素(SiC)(例えば、室温において4H-SiCの場合は約3.2eVのバンドギャップを有する)及びIII族窒化物(例えば、室温において窒化ガリウム(GaN)の場合は約3.36eVのバンドギャップを有する)など、広バンドギャップ半導体材料が使用されてよい。本明細書において使用される場合、「III族窒化物」という用語は、窒素(N)と周期表におけるIII族の元素、通常はアルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)及び/又はインジウム(In)との間に形成される半導体化合物を指す。この用語は、GaN、AlGaN及びAlInGaNなど、二元、三元及び四元化合物を指す。これらの化合物は、1モルの窒素が合計で1モルのIII族元素と組み合わされる実験式を有する。これらの材料は、GaAs及びSiと比較して、より高い電界絶縁破壊強度及びより高い電子飽和速度を有する場合がある。
【0005】
SiC及び/又はIII族窒化物から製造された半導体装置は、MOSFET(金属酸化物半導体電界効果トランジスタ)、DMOS(二重拡散金属酸化物半導体)トランジスタ、HEMT(高電子移動度トランジスタ)、MESFET(金属半導体電界効果トランジスタ)、LDMOS(横方向拡散金属酸化物半導体)トランジスタなどを含む電界効果トランジスタ(FET)装置などの電力トランジスタ装置を含んでよい。これらの装置は、一般的に、装置の露出面を保護するために及び/又はその他の理由から、二酸化ケイ素(SiO)などの酸化物層で不働態化される。しかしながら、半導体ボディと酸化物層との間の境界面は、電子の高い表面移動度を得るために不十分である場合がある。例えば、SiCとSiOとの間の境界面は、従来、境界面状態の高密度を示し、これは、表面電子移動度を減じ且つキャリア・トラップを導入する場合があり、これは、ひいては装置の所望の性能特性を減じる可能性がある。したがって、酸化物層を含むものを含む半導体装置は、例えば、特許文献1に記載されているように、結果的な電子特性を改善するために窒化ケイ素(例えば、非晶質窒化ケイ素、SiNx)の1つ又は複数の層を組み込んでもよい。
【0006】
半導体装置は、高温及び/又は高湿度環境において動作することが必要とされる場合があり、不十分に設計又は処理されたチップは、故障メカニズムを示す可能性があり、これは、予想される装置動作寿命を減じる又は妥協する場合がある。例えば、湿気が半導体装置に到達することが許容されると、腐食が生じる場合があり、これは、半導体装置の性能を低下させ得る。半導体構成要素における湿気保護は、一般的に、CVDによって堆積させられた単一の層を有する、SiNなどの最終的なパッシベーション・フィルムを使用して実装される。
【0007】
環境バリアとして、SiNは、SiOと比較して装置上により優れた封止を形成する場合があり、水などの汚染物質が装置のエピタキシャル層に到達し、劣化を生じることを減じる又は防止する。例えば、特許文献2に記載されているように、半導体装置のための環境バリアとしてSiNを形成するために、プラズマ励起化学気相堆積(PECVD)が使用されてよい。しかしながら、PECVDのSiN層は、ピン・ホール及び柱状構造などの欠陥を生じやすい場合があり、これらの欠陥は、湿気をSiN層に浸透させ、装置に到達させる可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許第6,246,076号明細書
【特許文献2】米国特許第7,525,122号明細書
【発明の概要】
【0009】
本発明の幾つかの実施例によれば、半導体ダイは、半導体ボディと、半導体ボディ上の多層環境バリアと、を備える。多層環境バリアは、それぞれ第1及び第2の酸化物材料の第1及び第2の副層を含み、第1の酸化物材料は第2の酸化物材料とは異なる。
【0010】
幾つかの実施例において、第1及び第2の副層は、原子層堆積(ALD)層であってよい。
【0011】
幾つかの実施例において、第1又は第2の酸化物材料のうちの少なくとも1つは、窒化ケイ素よりも高い密度を有してよい。
【0012】
幾つかの実施例において、第1又は第2の酸化物材料のうちの少なくとも1つは、絶縁金属酸化物であってよい。
【0013】
幾つかの実施例において、第1及び第2の副層は、反復する層構造に含まれてよく、第1及び第2の酸化物材料は、それぞれ絶縁金属酸化物及び非金属酸化物を含む。
【0014】
幾つかの実施例において、絶縁金属酸化物は、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム又は酸化ハフニウムのうちの少なくとも1つであってよい。
【0015】
幾つかの実施例において、絶縁金属酸化物は、酸化アルミニウムであってよく、非金属酸化物は、酸化ケイ素を含む。
【0016】
幾つかの実施例において、第1の副層の厚さと第2の副層の厚さとの比は、約2:1以上、約5:1以上、又は約8:1以上であってよい。
【0017】
幾つかの実施例において、パッシベーション層が、半導体ボディと多層環境バリアとの間に設けられてよい。例えば、パッシベーション層は、窒化ケイ素を含んでよい。
【0018】
幾つかの実施例において、パッシベーション層とは反対側の多層環境バリアの表面は、酸化ケイ素又は窒化ケイ素の層を含んでよい。
【0019】
幾つかの実施例において、第1の酸化物材料は、第2の酸化物材料とは異なる、水に関する拡散係数を有してよい。
【0020】
幾つかの実施例において、ゲート、ソース・コンタクト及びドレイン・コンタクトが半導体ボディ上に設けられてよく、パッシベーション層は、ゲート、ソース・コンタクト及びドレイン・コンタクト上に延びていてよい。第1及び第2の副層は、ゲート、ソース・コンタクト及びドレイン・コンタクトに沿って実質的に均一なそれぞれの厚さでパッシベーション層上にコンフォーマルに延びていてよい。
【0021】
幾つかの実施例において、第1及び第2の副層は、反復する層構造に含まれてよい。多層環境バリアは、少なくとも2つの反復する層構造、少なくとも10の反復する層構造、又は少なくとも20の反復する層構造を含んでよい。
【0022】
幾つかの実施例において、多層環境バリアの合計厚さは、約500オングストローム~約3000オングストロームであってよい。
【0023】
幾つかの実施例において、反復する層構造は、第1及び第2の副層が積層されている2層構造、第1の副層、第2の副層、及び第3の副層が積層されている3層構造、及び/又は第1の副層、第2の副層、第3の副層、及び第4の副層が積層されている4層構造であってよい。
【0024】
本発明の幾つかの実施例によれば、半導体ダイは、半導体ボディと、半導体ボディ上の多層環境バリアとを含む。多層環境バリアは、それぞれの絶縁材料の2つ以上の副層を有する反復する層構造を含み、それぞれの絶縁材料のうちの少なくとも1つは、窒化ケイ素よりも高い密度を有する。
【0025】
幾つかの実施例において、2つ以上の副層は、原子層堆積(ALD)層であってよい。
【0026】
幾つかの実施例において、それぞれの絶縁材料のうちの少なくとも1つの密度は、それぞれの絶縁材料のうちの少なくとの1つの他のものの密度よりも高くてよい。
【0027】
幾つかの実施例において、それぞれの絶縁材料のうちの少なくとも1つは、金属酸化物であってよく、それぞれの絶縁材料のうちの少なくとも1つの他のものは、非金属酸化物であってよい。
【0028】
幾つかの実施例において、金属酸化物は、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム又は酸化ハフニウムであってよい。
【0029】
幾つかの実施例において、非金属酸化物は、酸化ケイ素であってよい。
【0030】
幾つかの実施例において、パッシベーション層が、半導体ボディと多層環境バリアとの間に設けられてよい。
【0031】
幾つかの実施例において、2つ以上の副層の第1及び第2の副層のそれぞれの厚さの比は、約2:1以上、約5:1以上、又は約8:1以上であってよい。
【0032】
幾つかの実施例において、ゲート、ソース・コンタクト及びドレイン・コンタクトが半導体ボディ上に設けられてよく、パッシベーション層は、ゲート、ソース・コンタクト及びドレイン・コンタクト上に延びていてよい。2つ以上の副層は、ゲート、ソース・コンタクト及びドレイン・コンタクトに沿って実質的に均一なそれぞれの厚さでパッシベーション層上にコンフォーマルに延びていてよい。
【0033】
幾つかの実施例において、それぞれの絶縁材料のうちの少なくとも2つは、水に関する異なる拡散係数を有してよい。
【0034】
本発明の幾つかの実施例によれば、半導体ダイは、半導体ボディと、半導体ボディ上の多層環境バリアとを含む。多層環境バリアは、第1の絶縁副層及び第2の絶縁副層を有する反復する層構造を含む。第1の絶縁副層の第1の厚さと第2の絶縁副層の第2の厚さとの比は、約2:1以上である。
【0035】
幾つかの実施例において、第1及び第2の絶縁副層は、それぞれ第1及び第2の材料であってよく、第1の材料の密度は、第2の材料の密度よりも高くてよい。
【0036】
幾つかの実施例において、第1の材料又は第2の材料のうちの少なくとも1つの密度は、窒化ケイ素よりも高くてよい。
【0037】
幾つかの実施例において、第1及び第2の絶縁副層は、原子層堆積(ALD)層であってよい。
【0038】
幾つかの実施例において、第1の材料は金属であってよく、第2の材料は非金属であってよい。
【0039】
幾つかの実施例において、第1の材料は、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化ハフニウム、又は窒化ケイ素であってよい。
【0040】
幾つかの実施例において、第2の材料は酸化ケイ素であってよい。
【0041】
幾つかの実施例において、第1の材料は、第2の材料とは異なる、水に関する拡散係数を有してよい。
【0042】
本発明の幾つかの実施例によれば、半導体ダイを製造する方法は、半導体ボディを提供することと、半導体ボディ上に多層環境バリアを形成することと、を含む。多層環境バリアは、それぞれ第1及び第2の酸化物材料の第1及び第2の副層を含み、第1の酸化物材料は第2の酸化物材料とは異なる。
【0043】
幾つかの実施例において、パッシベーション層上に多層環境バリアを形成することは、原子層堆積(ALD)によって第1及び第2の副層を形成することを含んでよい。
【0044】
幾つかの実施例において、多層環境バリアを形成することは、第1の副層を形成するための第1のALDプロセスと、反復する層構造を規定するように第1の副層上に第2の副層を形成するための第2のALDプロセスとを交互に実行することを含んでよい。
【0045】
幾つかの実施例において、第1又は第2の酸化物材料のうちの少なくとも1つは、窒化ケイ素よりも高い密度を有してよい。
【0046】
幾つかの実施例において、第1又は第2の酸化物材料のうちの少なくとも1つは、絶縁金属酸化物であってよい。
【0047】
幾つかの実施例において、第1及び第2の酸化物材料のうちの別のものは、非金属酸化物であってよい。
【0048】
幾つかの実施例において、絶縁金属酸化物は、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム又は酸化ハフニウムのうちの少なくとも1つであってよい。
【0049】
幾つかの実施例において、絶縁金属酸化物は、酸化アルミニウムであってよく、非金属酸化物は、酸化ケイ素であってよい。
【0050】
幾つかの実施例において、パッシベーション層が、多層環境バリアを形成する前に半導体ボディ上に形成されてよい。
【0051】
幾つかの実施例において、ゲート、ソース・コンタクト及びドレイン・コンタクトが、半導体ボディ上に形成されてよい。パッシベーション層が、ゲート、ソース・コンタクト及びドレイン・コンタクト上に形成されてよい。第1及び第2の副層は、ゲート、ソース・コンタクト及びドレイン・コンタクトに沿って実質的に均一なそれぞれの厚さでパッシベーション層上にコンフォーマルに延びていてよい。
【0052】
幾つかの実施例において、半導体ボディとは反対側の多層環境バリアの表面は、酸化ケイ素又は窒化ケイ素の層を含んでよい。
【0053】
幾つかの実施例において、第1の酸化物材料は、第2の酸化物材料とは異なる、水に関する拡散係数を有してよい。
【0054】
本発明の幾つかの実施例によれば、半導体ダイは、半導体ボディと、半導体ボディ上に積層させられた複数の副層を含む多層環境バリアと、を含む。各副層は、1つ又は複数の方向においてそれぞれの応力を含み、副層のうちの少なくとも2つのそれぞれの応力は異なる。
【0055】
幾つかの実施例において、副層のうちの少なくとも2つは、第1の応力を含む第1のストレッサ副層と、1つ又は複数の方向において第1の応力を少なくとも部分的に補償する第2の応力を含む第2のストレッサ副層とを含んでよい。
【0056】
幾つかの実施例において、第1の応力は引張であってよく、第2の応力は圧縮であってよい。
【0057】
幾つかの実施例において、第1及び第2のストレッサ副層は、それぞれ第1及び第2の酸化物材料を含んでよい。第1の酸化物材料は、第2の酸化物材料とは異なってよい。
【0058】
幾つかの実施例において、第1又は第2のストレッサ副層のうちの少なくとも一方は、金属絶縁材料を含んでよい。
【0059】
幾つかの実施例において、第1又は第2のストレッサ副層のうちの別のものは、金属を含んでよい。
【0060】
幾つかの実施例において、金属絶縁材料は、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム又は酸化ハフニウムのうちの少なくとも1つを含んでよい。
【0061】
幾つかの実施例において、第1又は第2のストレッサ副層のうちの別のものは、非金属絶縁材料を含んでよい。
【0062】
幾つかの実施例において、金属絶縁材料は、酸化アルミニウムを含んでよく、非金属絶縁材料は、酸化ケイ素を含んでよい。
【0063】
幾つかの実施例において、副層は、第1及び第2のストレッサ副層を含む反復する層構造を含む。
【0064】
幾つかの実施例において、反復する層構造は、第1及び第2のストレッサ副層が積層された2層構造、第1のストレッサ副層、第2のストレッサ副層、及び第3のストレッサ副層が積層された3層構造、及び/又は第1のストレッサ副層、第2のストレッサ副層、第3のストレッサ副層、及び第4のストレッサ副層が積層された4層構造を含んでよい。
【0065】
幾つかの実施例において、多層環境バリアは、少なくとも2つの反復する層構造、少なくとも10の反復する層構造、又は少なくとも20の反復する層構造を含んでよい。
【0066】
幾つかの実施例において、第1のストレッサ副層は、第2のストレッサ副層と半導体ボディとの間にあってよい。第1のストレッサ副層は、第2のストレッサ副層の第2の材料よりも高い密度を有する第1の材料を含んでよい。
【0067】
幾つかの実施例において、第1のストレッサ副層の第1の材料又は第2のストレッサ副層の第2の材料のうちの少なくとも一方の密度は、窒化ケイ素よりも高くてよい。
【0068】
幾つかの実施例において、第1のストレッサ副層の厚さと第2のストレッサ副層の厚さとの比は、約2:1以上、約5:1以上、又は約8:1以上であってよい。
【0069】
幾つかの実施例において、半導体ダイは、半導体ボディ上にゲート、ソース・コンタクト及びドレイン・コンタクトをさらに含んでよい。第1及び第2のストレッサ副層は、実質的に均一なそれぞれの厚さでゲート、ソース・コンタクト及びドレイン・コンタクト上に直接コンフォーマルに延びていてよい。
【0070】
幾つかの実施例において、第1及び第2のストレッサ副層は、原子層堆積(ALD)層を含んでよい。
【0071】
幾つかの実施例において、多層環境バリアは、1つ又は複数の拡散バリア特性を含んでよく、多層環境バリアの副層の集合的応力は、拡散バリア特性のうちの少なくとも1つを含む1つ又は複数の窒化ケイ素層のものよりも小さくてよい。
【0072】
本発明の幾つかの実施例によれば、半導体ダイは、半導体ボディと、反復する層構造で半導体ボディ上に積層させられた2つ以上の副層を含む多層環境バリアと、を含む。多層環境バリアは、2つ以上の拡散バリア特性を含む。多層環境バリアの集合的応力は、拡散バリア特性のうちの少なくとも1つを含む1つ又は複数の窒化ケイ素層のものよりも小さい。
【0073】
幾つかの実施例において、各副層は、1つ又は複数の方向においてそれぞれの応力を含んでよく、副層のうちの少なくとも2つのそれぞれの応力は、異なってよい。
【0074】
幾つかの実施例において、拡散バリア特性のうちの少なくとも1つは、湿気保護を含んでよく、多層環境バリアの合計厚さは、約500オングストローム~約3500オングストロームであってよい。
【0075】
幾つかの実施例において、多層環境バリアの集合的応力は、半導体ダイを含むパッケージされた装置の作動温度範囲にわたって1つ又は複数の窒化ケイ素層のものよりも小さくてよい。
【0076】
本発明の幾つかの実施例によれば、半導体ダイを製造する方法は、半導体ボディを提供することと、半導体ボディ上に積層させられた複数の副層を含む多層環境バリアを形成することと、を含む。多層環境バリアを形成することは、第1の応力を含む第1のストレッサ副層を形成することと、第1のストレッサ副層上に第2の応力を含む第2のストレッサ副層を形成することと、を含み、第2の応力は、1つ又は複数の方向において第1の応力を少なくとも部分的に補償する。
【0077】
幾つかの実施例において、第1の応力は引張であってよく、第2の応力は圧縮であってよい。
【0078】
幾つかの実施例において、多層環境バリアを形成することは、原子層堆積(ALD)を使用して第1及び第2のストレッサ副層を形成することを含んでよい。
【0079】
幾つかの実施例において、多層環境バリアを形成することは、第1のストレッサ副層を形成するための第1のALDプロセスと、反復する層構造で第2のストレッサ副層を形成するための第2のALDプロセスとを交互に実行することを含んでよい。
【0080】
幾つかの実施例において、第1及び第2のストレッサ副層は、それぞれ第1及び第2の酸化物材料を含んでよく、第1の酸化物材料は、第2の酸化物材料とは異なる。
【0081】
幾つかの実施例において、第1又は第2のストレッサ副層のうちの少なくとも1つは、金属絶縁材料を含んでよい。金属絶縁材料は、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム又は酸化ハフニウムのうちの少なくとも1つを含んでよい。
【0082】
幾つかの実施例において、第1又は第2のストレッサ副層のうちの別のものは、金属を含んでよい。
【0083】
幾つかの実施例において、第1又は第2のストレッサ副層のうちの別のものは、非金属絶縁材料を含んでよい。
【0084】
幾つかの実施例において、金属絶縁材料は、酸化アルミニウムを含んでよく、非金属絶縁材料は、酸化ケイ素を含んでよい。
【0085】
幾つかの実施例において、第1のストレッサ副層は、第2のストレッサ副層の第2の材料よりも大きな密度を有する第1の材料を含んでよい。
【0086】
幾つかの実施例において、多層環境バリアは、1つ又は複数の拡散バリア特性を含んでよく、多層環境バリアの副層の集合的応力は、拡散バリア特性のうちの少なくとも1つを含む1つ又は複数の窒化ケイ素層のものよりも小さくてよい。
【0087】
幾つかの実施例において、多層環境バリアの合計厚さは、約500オングストローム~約3500オングストロームであってよい。
【0088】
本発明の幾つかの実施例によれば、半導体ダイは、半導体ボディと、半導体ボディ上の多層環境バリアと、を含む。多層環境バリアは、互いに積層させられた金属絶縁材料の第1の副層及び非金属絶縁材料の第2の副層を含む。
【0089】
幾つかの実施例において、金属絶縁材料は、金属酸化物又は金属窒化物であってよく、非金属絶縁材料は、非金属酸化物又は非金属窒化物であってよい。
【0090】
幾つかの実施例において、金属絶縁材料は、アルミニウム(Al)、ジルコニウム(Zr)、又はハフニウム(Hf)のうちの少なくとも1つを含んでよく、非金属絶縁材料は、ビスマス(B)、ケイ素(Si)、ゲルマニウム(Ge)、ヒ素(As)、アンチモン(Sb)、又はテルル(Te)のうちの少なくとも1つを含んでよい。
【0091】
幾つかの実施例において、第1の副層は、第2の副層と半導体ボディとの間にあってよい。
【0092】
幾つかの実施例において、第1の副層は、第1の応力を含んでよく、第2の副層は、1つ又は複数の方向において第1の応力を少なくとも部分的に補償する第2の応力を含んでよい。
【0093】
幾つかの実施例において、第1及び第2の副層は、反復する層構造において交互に積層させられてよい。例えば、多層環境バリアは、少なくとも2つの反復する層構造、少なくとも10の反復する層構造、又は少なくとも20の反復する層構造を含む。
【0094】
幾つかの実施例において、半導体ダイは、高電子移動度トランジスタを含んでよい。
【0095】
幾つかの実施例において、半導体ダイは、金属酸化物半導体電界効果トランジスタを含んでよい。
【0096】
幾つかの実施例によるその他のデバイス、装置及び/又は方法が、以下の図面及び詳細な説明を検討することにより当業者に明らかになるであろう。全てのこのような追加的な実施例は、上記実施例のあらゆる及び全ての組合せに加えて、本記載内に含まれ、発明の範囲内にあり、添付の請求項によって保護されることが意図されている。
【図面の簡単な説明】
【0097】
図1】本発明の幾つかの実施例による多層環境バリアを含む半導体装置の概略的な断面図である。
図2】本発明の幾つかの実施例による多層環境バリアを含むトランジスタ装置の概略的な断面図である。
図3】本発明の幾つかの実施例による多層環境バリアを含むトランジスタ装置の概略的な断面図である。
図4】本発明の幾つかの実施例による多層環境バリアを含むトランジスタ装置の概略的な断面図である。
図5A】本発明の幾つかの実施例による多層環境バリアの副層をより詳細に示すトランジスタ装置の拡大図である。
図5B】本発明の幾つかの実施例による多層環境バリアの副層をより詳細に示すトランジスタ装置の拡大図である。
図5C】本発明の幾つかの実施例による多層環境バリアの副層をより詳細に示すトランジスタ装置の拡大図である。
図5D】本発明の幾つかの実施例による多層環境バリアの副層をより詳細に示すトランジスタ装置の拡大図である。
図5E】本発明の幾つかの実施例による多層環境バリアの副層を示すトランジスタ装置の拡大図である。
図6A】本発明の幾つかの実施例による多層環境バリアを含むトランジスタ装置の断面図を示すSTEM画像である。特に、図6Aは、HEMT装置の断面図である。
図6B】本発明の幾つかの実施例による多層環境バリアを含むトランジスタ装置の断面図を示すSTEM画像である。図6Bは、図6Aに示されたパッシベーション層及び多層環境バリアの拡大図である。
図6C】本発明の幾つかの実施例による多層環境バリアを含むトランジスタ装置の断面図を示すSTEM画像である。図6Cは、図6Bに示された多層環境バリアの拡大図である。
図7A】本発明の幾つかの実施例によるトランジスタ装置上に多層環境バリアを製造する方法における中間製造ステップを示す断面図である。
図7B】本発明の幾つかの実施例によるトランジスタ装置上に多層環境バリアを製造する方法における中間製造ステップを示す断面図である。
図7C】本発明の幾つかの実施例によるトランジスタ装置上に多層環境バリアを製造する方法における中間製造ステップを示す断面図である。
図7D】本発明の幾つかの実施例によるトランジスタ装置上に多層環境バリアを製造する方法における中間製造ステップを示す断面図である。
図8A】パッケージされたトランジスタ増幅器を提供するために本発明の実施例によるトランジスタ装置を含む複数の例示的なパッケージを示す概略的な断面図である。
図8B】パッケージされたトランジスタ増幅器を提供するために本発明の実施例によるトランジスタ装置を含む複数の例示的なパッケージを示す概略的な断面図である。
図8C】パッケージされたトランジスタ増幅器を提供するために本発明の実施例によるトランジスタ装置を含む複数の例示的なパッケージを示す概略的な断面図である。
図9】その半導体層構造の表面上のメタライゼーションを示す本発明の実施例によるIII族窒化物ベーストランジスタダイの概略的な平面図である。
図10】本発明の幾つかの実施例による多層環境バリアの副層のそれぞれの応力を示すトランジスタ装置の拡大図である。
図11】比較例に対する本発明の幾つかの実施例による多層環境バリアにおける応力対温度を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0098】
幾つかの半導体装置のためのパッケージは、幾つかの用途において環境保護のためのハーメチックシールを提供しない場合がある。環境は、オペレーティング環境(即ち、ユーザアプリケーションにおいてバイアス下で作動するとき)又は製造環境(即ち、集積、パッケージ技術など、異なるイオン性汚染物質プロフィルを含む得る処理条件下)を含む場合がある。したがって、カプセル化構造又は環境バリアが、湿度及び/又は環境のその他の条件からの保護として半導体装置上に提供される場合がある(ダイレベル環境バリアとも呼ばれる)。本明細書において使用される場合、「ダイ」又はチップは、半導体材料の小さなブロック又はボディ若しくはその上に電子回路素子が製造されるその他の基板を指してよい。ダイは、幾つかの実装において並列又は直列に電気的に接続されてよい多数の個々の「ユニットセル」トランジスタ構造を含んでよい。本明細書に記載される半導体ダイは、半導体ボディ並びにその上に形成される金属及び/又は絶縁層を含んでよい。
【0099】
ダイレベル環境バリアの1つの実装は、一般的に化学蒸着(CVD)によって堆積させられる単一の層である最上位又は最終的なパッシベーション・フィルムであってよい。最終的なパッシベーション・フィルムのための材料選択は、所望の拡散バリア特性によって決定される場合があり、その機能は、湿った環境に存在する様々な汚染物質種が半導体ダイのアクティブ領域に達することを防止することである。例えば、水蒸気に加えて、高湿度環境は、様々な原子、分子及びイオンの汚染物質種の微量元素も含む場合がある。様々なイオン種の例は、これらに限定されないが、ハロゲン(例えば、Cl-、F-、Br-等)、分子イオン(例えば、OH-、NO-、NO-、PO-、SO-等)、カチオン(例えば、Na+、K+、Au+、Ti+等)及び弱有機酸(例えば、炭酸塩、酢酸塩等)を含んでよい。このようなイオン種は、バイアス下の電気装置のための劣化の原因であり得る。なぜならば、電界は、湿気保護層を通じたイオン移動又は拡散を加速させる可能性があるからである。例えば、PECVD SiN層は、水分子に関して拡散バリア特性を提供し得るが、欠陥(ピン・ホール及び/又は柱状構造など)により湿気進入を受けやすいことに加え、汚染物質ハロゲン(例えば、F-及びCl-)の存在において酸化、エッチング及び/又は腐食を受けやすい。このような汚染物質の存在は、頻繁に起こり得ることであり、複数の発生源から提供され得る。
【0100】
本発明の幾つかの実施例は、広範囲の様々な可能な汚染物質種を考慮すると、保護フィルム材料の選択は非理想的なトレードオフを表し得るという認識から生じ得る。したがって、本発明の実施例は、本明細書において多層環境バリア・フィルム若しくはスタック若しくは構造、又は単に多層環境バリアとも呼ばれる、異なる特性を有する様々な絶縁材料(誘電性材料など)の複数の積層された副層を含む保護フィルムを提供する。多層環境バリアは、半導体ダイを水分子のみならず、環境中に存在し得る様々なイオン種から保護するために、異なる拡散バリア特性を有するそれぞれの絶縁副層を含んでよい。即ち、(例えば、水分子に関して)異なる拡散係数を有する様々な絶縁材料の副層を積層することは、環境中の水分子に加え、様々なイオン性微量原子の移動を標的とする湿度バリアを提供することができる。本明細書に記載された層又は副層は厚さが均一又は変化していてよく、及び/又は連続的又は不連続であってよいことが理解されるであろう。
【0101】
本明細書において論じられているように、多層環境バリアは、低欠陥で、非常にコンフォーマルな材料スタックである。特に、多層環境バリアは、異なる汚染物質種を標的とし且つ半導体装置のためのより頑強な湿度拡散バリアを提供するために(例えば、幾つかの実施例において交互の又は反復する層構造として)様々な材料及び/又は厚さの2つ以上の副層を含んでよい。本明細書に記載された幾つかの実施例は、欠陥形成を低減し得る及び/又はハロゲンの効果を減速させ得る、SiNと置換する又はSiN副層と組み合わせて(例えば、SiN副層と交互に)異なる絶縁材料の追加的な副層を含む多層環境バリアを提供してよく、これにより、スタックの拡散バリア特性を改善する。幾つかの実施例において、副層のうちの少なくとも1つは、湿気及び/又はその他の汚染物質の進入を妨げ得る、SiNよりも高い密度を有する材料を含んでよい。より一般的に、本明細書に記載される副層及び/又は副層の間に規定される追加的な境界面のための異なる特性の選択は、欠陥又は汚染物質の伝播に対する増大したバリアを提供し得る。
【0102】
図1は、本発明の幾つかの実施例による多層環境バリアを含む半導体装置又はダイ100の概略的な断面図である。図1に示したように、多層環境バリア・フィルム又はスタック160は、湿気及び/又は環境のその他の条件から半導体ボディ190を保護するために半導体ボディ190上に提供されている。半導体ボディ190は、炭化ケイ素(SiC)基板などの基板(後続の図面に122として示されている)に提供されてよい。半導体ボディ190は、幾つかの実施例において、SiCベース及び/又はIII族窒化物ベース材料であってよい。半導体ボディ190の一部は、トランジスタ装置のチャネル領域を規定してよい。このようなトランジスタ装置の金属層及び/又はその他の構造は、図1には示されていない。
【0103】
幾つかの実施例において、選択的な(破線によって示されている)パッシベーション層又は層構造150が、半導体ボディ190の表面上に設けられてよく、多層環境バリア160は、半導体ボディ190とは反対側でパッシベーション層上に設けられてよい。パッシベーション構造150は、半導体ボディ190の1つ又は複数の層の寄生容量を減じ、電荷トラップを減じ、及び/又はさもなければ電子特性を高めるように構成されてよい。存在するとき、パッシベーション構造150は、例えば、CVDによって堆積されたSiNの1つ又は複数の層を含んでよい。より一般的に、パッシベーション構造150は、原子層堆積(ALD)以外の堆積方法を使用する多層堆積であってよい。
【0104】
多層環境バリア160は、積層構造において形成された異なる特性を有するそれぞれの絶縁材料の2つ以上の副層160a~160dを含む。幾つかの実施例において、副層160a~160dは、周期的な又はその他の反復する層構造において交互に積層されてよい。例えば、多層スタック160は、2層スタック(各周期に2つの副層160a、160b、例えば、AlOx-SiOxを含む)、3層スタック(各周期に3つの副層160a、160b、160c、例えば、AlOx-SiOx-HfOxを含む)又は4層スタック(各周期に4つの副層160a、160b、160c、160d、例えば、AlOx-SiOx-HfOx-ZrOxを含む)を含んでよい。より一般的に、本明細書に記載された多層環境バリア160は、反復する各構造又は周期における副層160a~160dの数に関して限定されない。同様に、本明細書に記載された多層環境バリア160は、スタックにおける反復する構造又は周期の数に関して限定されない。多層スタック160は、異なる反復する層構造の組合せ、例えば、幾つかの例において1つ又は複数の介在層を有する、2層スタック上の4層スタックの反復する構造を含んでもよい。反復する層構造は、周期的又は非周期的であってよい。幾つかの実施例において、多層環境バリア160は、少なくとも2つの反復する層構造若しくは周期、少なくとも10の反復する層構造若しくは周期、又は少なくとも20の反復する層構造若しくは周期を含んでよい。反復する各層構造は、約5ナノメートル(nm)(約50オングストローム(Å))よりも大きい厚さ、例えば、約10nm(100Å)を有してよい。したがって、多層環境バリア160は、約500Å~約8000Å、例えば、約1000Åよりも大きい、約1500Åよりも大きい、又は約2000Å以上の合計厚さを有してよい。
【0105】
周期的な又は反復する各層構造の中の副層160a~160dのうちの2つ以上の異なる特性は、それぞれの拡散バリア特性を提供してよい。それぞれの拡散バリア特性は、各副層160a~160dの材料組成及び/又は厚さによって規定されてよい。例えば、比較的より密度の高い材料の絶縁副層(例えば、酸化アルミニウム又はその他の絶縁金属酸化物又は窒化物など、窒化ケイ素よりも高い密度を有する)及び/又は比較的より大きな厚さの絶縁副層は、環境中に存在し得る水/湿気及び/又は様々なイオン種の進入に対するより優れた保護を提供し得る。その他の材料の絶縁副層(例えば、酸化ケイ素などの、半導体酸化物又は窒化物)は、エッチャント及び/又はその他の後続の製造条件に対するより優れた保護を提供し得る。本明細書において使用される場合、「非金属」絶縁材料又は層とは、金属を含まないが、ビスマス(B)、ケイ素(Si)、ゲルマニウム(Ge)、ヒ素(As)、アンチモン(Sb)、テルル(Te)などの(但しこれらに限定されない)、メタロイド又は半金属を含んでよい絶縁材料又は層を指してよい。非金属絶縁材料又は層の例は、メタロイド酸化物(例えば、BOx、SiOx、GeOx、AsOx、SbOx、TeOx)及びメタロイド窒化物(例えば、SiN)を含んでよいが、これらに限定されない。
【0106】
スタック160の最上位の副層160d(又は最上位の副層160d上の追加的なキャッピング層170)は、下にある層をその後の化学的処理条件(例えば、基本的なエッチング化学作用)から保護する非金属絶縁材料又は層(例えば、酸化ケイ素又は窒化ケイ素などの半金属絶縁材料)であってよい。加えて、異なる特性を有する副層160a~160dの多層スタックの間のそれぞれの境界面は、1つの副層の欠陥及び/又は汚染物質がスタック160における次の副層へ伝播することを防止するバリアを提供することができる。したがって、それぞれがそれぞれの汚染物質又は環境的条件に基づいて構成されている(例えば、反復する層構造における)様々な材料及び/又は厚さの複数の副層160a~160dを積層することは、複数の汚染物質種に対する保護を提供し得る。
【0107】
即ち、異なる拡散バリア特性を有する副層160a~160dの組合せを含む多層環境バリア160は、いずれか1つの副層よりも広い範囲の汚染物質種の進入に対して保護するように調整されることができる。このような汚染物質種は、ハロゲン(Cl-、F-、Br-)、分子イオン(OH-、NO2-、NO3-、PO4-、SO4-等)、カチオン(Na+、K+、Au+、Ti+等)及び弱有機酸(炭酸塩、酢酸塩等)を含んでよいが、これらに限定されない。例えば、副層160aは、水に関して低い拡散係数を提供する材料組成及び/又は厚さを含んでよく、副層160bは、ハロゲンベースのイオン種に関して低い拡散係数を提供する材料組成及び/又は厚さを含んでよく、副層160cは、非ハロゲンベースのイオン種に関して低い拡散係数を提供する材料組成及び/又は厚さを含んでよく、副層160dは、基本的な化学化合物に対する保護を提供する材料組成及び/又は厚さを含んでよい。幾つかの実施例において、異なる副層160a~160dは、同じプロセス・チャンバにおいて又はさもなければプロセス・チャンバにおける真空を破壊することなく多層スタック構造160全体の製造を可能にし得る、ALDなどの同じ堆積技術を使用して堆積させられてよい。
【0108】
それぞれの副層160a~160dの異なる材料組成、厚さ及び/又はその他の特性の組合せは、異なる用途若しくは環境のために変更若しくはさもなければカスタマイズされてよい、及び/又は複数の用途又は環境における使用のために特性の組合せを提供してよい。例えば、本明細書に記載されているような多層環境バリア構造160は、図8A図8Cに示された例示的なパッケージ・タイプなどの特定のパッケージ・タイプに特定であり得る環境的条件又は汚染物質に応じて変化するそれぞれの組成を有する副層160a~160dを含んでよい。本明細書に示されたパッケージ・タイプは、限定ではなく例として提供されていることが理解されるであろう。特定の汚染物質に関連し得る追加的な例示的なパッケージ・タイプは、スルーホール・ベース、表面実装ベース、チップ・キャリア、ピン・グリッド・アレイ、フラット、スモール・アウトライン集積回路(SOIC)、チップ・スケール、ボール・グリッド・アレイ、トランジスタ/ダイオード/スモール・ピン・カウントIC、及び/又はセラミック又はプラスチック・パッケージを含むマルチ・チップ・パッケージを含むが、これらに限定されない。別の例として、本明細書に記載されているような多層環境バリア構造160は、複数の異なる環境又は用途において普遍的に適用されてよい副層160a~160dの組合せを含む多層環境バリア160を提供するために、それぞれがそれぞれの条件又は汚染物質に対して拡散バリアを提供するように構成された副層160a~160dを含んでよい。
【0109】
図2図3及び図4は、本発明の幾つかの実施例による多層環境バリアを含むトランジスタ装置の概略的な断面図である。図2図3及び図4に示したように、トランジスタ装置200、300及び400は、例えば、炭化ケイ素基板などの基板122上に形成されている。示された装置200、300及び400は、半導体ダイのユニット・セル・トランジスタ構造を表し、半導体ダイにおいて、数百又は数千のユニット・セル・トランジスタ構造が半導体基板122上に形成され、電気的に接続(例えば、並列に)されてよい。基板122は、半絶縁性SiC基板であってよい。しかしながら、本発明の実施例は、サファイア(Al)、窒化アルミニウム(AlN)、窒化アルミニウム・ガリウム(AlGaN)、窒化ガリウム(GaN)、ケイ素(Si)、GaAs、LAO、酸化亜鉛(ZnO)、OAO、リン化インジウム(InP)等のあらゆる適切な基板を利用してよい。基板122は、SiCウェハであってよく、装置200、300、400は、少なくとも部分的に、ウェハ・レベル処理を介して形成されてよく、次いで、ウェハは、複数のユニット・セル・トランジスタ構造を含むダイを提供するためにダイシング又はさもなければ単一化されてよい。
【0110】
半導体ボディ190は、エピタキシャル成長によって形成された1つ又は複数の層を含む半導体層構造であってよい。半導体ボディ190の層は、例えば、1つ又は複数のIII族窒化物ベース層などの1つ又は複数の広バンドギャップ材料を含んでよい。例えば、半導体ボディ190は、GaN又はAlGaNの1つ又は複数の層から形成されてよい。しかしながら、その他のIII族窒化物材料が使用されてよい。別の例として、基板122及び半導体ボディ190の両方がSiCから形成されてよい。
【0111】
ソース領域215及びドレイン領域205は、例えば、所望のドーピング濃度を達成するために半導体ボディ190の表面に適切なイオンを埋め込むことによって、半導体ボディ190に形成されている。ソース・コンタクト115は、ソース領域215上の半導体ボディ190の表面における1つ又は複数の金属層によって形成されている。同様に、ドレイン・コンタクト105は、ドレイン領域205上の半導体ボディ190の表面における1つ又は複数の金属層によって形成されている。ソース及びドレイン・コンタクト115及び105は、それぞれ、ソース及びドレイン領域215及び205への低抵抗オーミック・コンタクトを提供してよい。ゲート110は、ソース領域215とドレイン領域205との間において半導体ボディ190の表面上に1つ又は複数の金属層によって形成されている。
【0112】
図2は、金属半導体電界効果トランジスタ(MESFET)装置200を示しており、この場合、ソース及びドレイン領域215及び205の間の半導体ボディ190の領域は、MESFET200の導電チャネル又はチャネル領域を提供している。図3は、金属酸化物半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)装置300を示しており、この場合、ソース及びドレイン領域215及び205の間の半導体ボディ190の領域は、MOSFET300のチャネル領域を提供しており、ゲート110は、ゲート酸化物層109によってチャネル領域から分離されている。図4は、高電子移動度トランジスタ(HEMT)装置400を示しており、この場合、半導体ボディ190は、基板122上の低バンドギャップチャネル層124と、基板122とは反対側のチャネル層124上の高バンドギャップバリア層126とを含む。2DEG伝導チャネル40は、チャネル層124とバリア層126との間のヘテロ境界面に沿ってソース及びドレイン領域215及び205の間の半導体ボディ190の領域に誘導されることができる。幾つかの実施例において、基板122はSiCを含み、チャネル層124はGaNを含み、バリア層126はAlGaNを含む。金属フィールド・プレート128が設けられてもよく、幾つかの実施例において、ゲート110に電気的に接続されてよい(ピーク電界を減じてよく、これにより、絶縁破壊電圧を増大し、高電界電荷トラップ効果を減じる)又はソース・コンタクト115に電気的に接続されてよい(ゲート・ドレイン間容量(Cgd)を減じ、ゲインを高め、及び/又は装置400の線形性を改善してよい)。
【0113】
1つ又は複数の絶縁体層(例えば、1つ又は複数のパッシベーション層)150は、半導体ボディ190の表面上に形成されている。パッシベーション層150は、表面又は半導体ボディ190との境界面に沿って表面状態を不働態化し及び/又はさもなければ電気特性を改善してよい。パッシベーション層150は、SiNを含んでよく、幾つかの実施例においてCVDプロセス(PECVDなど)又はその他の非ALDプロセスによって堆積させられてよい。主に本明細書においてSiNパッシベーション層150に関して論じられているが、パッシベーション層150はSiNに限定されないことが理解されよう。
【0114】
トランジスタ装置200、300及び400はそれぞれ、多層環境バリア160を含む。図1の非金属酸化物ベース又は窒化物ベースのキャッピング層170などの選択的なキャッピング層は、図解を容易にするために示されていない。図2図3及び図4の実例は、多層環境バリア160があらゆる特定のトランジスタ構造との使用に限定されるのではなく、むしろ、あらゆる適切な半導体装置のための環境バリアとして利用することができることを示すことが意図されている。このように、装置200、300及び400の動作に関するさらなる詳細は、本明細書において詳細に記載されない。
【0115】
多層環境バリア160は、異なる特性(異なる材料組成及び/又は厚さなど)を有する複数の絶縁副層(誘電副層など)を含む。図2図3及び図4に示したように、多層環境バリア層160は、トランジスタ装置200、300及び400の様々な要素をコンフォーマルにカバーしている。幾つかの実施例において、多層環境バリア160の複数の副層は、同じプロセス・ツール・チャンバを使用して、又はさもなければプロセス・チャンバにおける真空を破壊することなく堆積させられる異なる材料の酸化物層であってよい。例えば、多層環境バリア160のそれぞれの副層は、ALDを使用して堆積させられてよく、ALDは、同じプロセス・チャンバにおける高度のコンフォーマリティ及び厚さ均一性を有する副層を含む構造160の体積を可能にしてよい。
【0116】
本明細書に記載されているように異なる材料組成及び/又は厚さの複数の副層を使用することは、交互に位置する酸化物及び窒化物副層を含むもののような、幾つかの従来の環境バリアと比較して、実質的に改良された環境バリア特性を提供してよい。いかなる特定の理論にも縛られることなく、このようなSiN副層は、F-及びCl-などの汚染物質ハロゲンの存在において酸化、エッチング及び/又は腐食を受けやすい場合があることが認識されている。加えて、ALDベースの層は、改善されたコンフォーマリティを提供し得ることが認識されており、これは、湿気保護のために有利及び/又は重要であり得る。しかしながら、SiNは、一般的に、CVDによって堆積させられ、これは、欠陥(例えば、ピン・ホール、柱状構造)を生じる場合がある。また、同じものにおける従来の交互に位置する酸化物及び窒化物副層の堆積は、クロス・コンタミネーション問題により、問題があるものとなり得る。より厚い及び/又はより密度の高い絶縁フィルム又は副層(絶縁金属酸化物など)が改善された汚染物質進入保護を提供し得ることがさらに認識されている。例えば、AlO、HfO、及び/又はZrOベース層は、SiNベース層よりも高い密度を有する場合があり、より優れた湿気保護を提供し得る。このように、幾つかの実施例において、異なる絶縁材料の1つ又は複数の副層は、従来の酸化物又は窒化物副層と交互に積層されてよく(又は置き換えられてよく)、これにより、異なる拡散バリア特性、即ち複数の異なる汚染物質又は異なる汚染物質の組合せに関する酸化、エッチング及び/又は腐食に対する改善された抵抗を有する多層環境バリアを提供する。
【0117】
複数材料環境バリアスタックは、異なる汚染物質組成を有する湿った環境に対処するために、例えば、水以外の(又は水に加えて)元素又は化学物質に対するバリアを提供するためにカスタマイズされることができる。幾つかの実施例において、副層のうちの少なくとも1つは、多層環境バリアの少なくとも1つの他の副層の材料とは密度及び/又は厚さが異なってよい。例えば、副層のうちの少なくとも1つのそれぞれの絶縁材料は、SiNよりも大きな密度を有してよい。加えて、所望の化学処理保護を提供するために、非金属絶縁フィルム又は副層がスタックに含まれてよい。したがって、本明細書に記載されているように(例えば、反復する又は周期的な層構造において)異なる材料組成及び/又は異なる厚さの積層された副層の組合せは、その後の製造プロセスに対する保護を同時に提供しながら、汚染物質進入及び/又は損傷に対するより優れた保護を提供することができる。
【0118】
図5A図5B図5C図5D及び図5Eは、本発明の幾つかの実施例による多層環境バリアにおける副層の様々な組合せをより詳細に示すトランジスタ装置の拡大図である。選択的なパッシベーション層又は層構造150上に交互に積層させられた第1及び第2の副層を含む2層周期構造160’、160’’、160’’’、160(4)、160(5)に関して図5A図5Eに示されているが、これらの構造160’、160’’、160’’’、160(4)、160(5)は例として示されているだけであり、本明細書に記載されている多層環境バリア160’、160’’、160’’’、160(4)、160(5)、160(6)(集合的に160)は、異なる特性を有する3つ以上の副層を含んでよく(例えば、3層構造、4層構造を規定する)、及び/又は非反復層構造若しくは周期的又は非周期的な反復層構造で積層させられてよいことが理解されるであろう。
【0119】
図5Aの実例において、多層環境バリア160’は、各周期が第1の副層160a’及び第2の副層160b’を含む、周期的な反復する層構造を規定するように交互に積層させられたそれぞれの絶縁材料の副層160a’、160b’のスタックを含む。第1及び第2の副層160a’、160b’のそれぞれの絶縁材料のうちの1つは、他のものよりも比較的高い密度を有してよい。副層160a’、160b’のうちの1つ又は複数は、SiNのものよりも大きな密度を有してよい。副層160a’、160b’のうちの別のものは、SiNと等しいか又はそれよりも小さい密度を有してよい。図5Aにおいて、第1の副層160a’は、比較的高い密度の絶縁材料を含み、第2の絶縁副層160b’は、比較的低い密度の材料を含む。例えば、第1の絶縁副層160a’は、酸化アルミニウム(AlO)、酸化ハフニウム(HfO)又は酸化ジルコニウム(ZrO)などの金属絶縁材料、若しくはその他の金属リッチ絶縁材料を含んでよい。即ち、金属絶縁材料又は層の実例は、金属酸化物(例えば、AlO、HfO、ZrO)又は金属窒化物を含んでよいが、これらに限定されない。第2の絶縁副層160b’は、非金属絶縁材料、例えば、酸化ケイ素(SiO)又は窒化ケイ素(SiN)などの半導体酸化物又は窒化物、若しくはその他の金属欠乏絶縁材料を含んでよい。上記のように、非金属絶縁材料又は層の実例は、メタロイド酸化物(例えば、BOx、SiOx、GeOx、AsOx、SbOx、TeOx)及びメタロイド窒化物(例えば、SiN)を含んでよいが、これらに限定されない。化合物化学式に関して本明細書に記載されている材料(例えば、SiO)は、異なるストイキオメトリ又は構成元素のあらゆる化合物、及び材料の非晶質又は結晶質状態を含んでよい。SiO、SiN、AlO、ZrO及びHfOの典型的な密度は、それぞれ2.65、3.17、3.95、5.68及び9.68グラム毎立方センチメートル(g/cm)である。即ち、材料密度に関し、HfO>ZrO>AlO>SiN>SiOである。一般的に、より密度の高いフィルムは、より優れた水又はその他の汚染物質進入防止を提供し得る。例えば、HfO及びZrOは、AlO、SiN及びSiOよりも密度が高く、したがって、汚染物質の進入をより良好に妨げ得る。
【0120】
図5Bの実例において、多層環境バリア160’’は、各周期が第1の酸化物副層160a’’及び第2の酸化物副層160b’’を含む、周期的な反復する層構造を規定するように交互に積層させられたそれぞれの酸化物材料の副層160a’’、160b’’のスタックを含む。第1及び第2の酸化物副層160a’’、160b’’のそれぞれの酸化物材料は、材料組成が互いに異なってよい。例えば、第1の酸化物副層160a’’はAlO、HfO又はZrOを含んでよいのに対し、第2の酸化物副層160b’’はSiOを含んでよい。図5Cは、周期的な反復する層構造において交互に積層させられた絶縁金属酸化物材料又は層(例えば、AlO、HfO又はZrO)の第1の副層160a’’’及び絶縁非金属酸化物材料又は層(例えば、SiO)の第2の副層160b’’’を含む多層環境バリア160’’’のより具体的な実例を示す。したがって、交互に積層させられた第1及び第2の副層160a’’’及び160b’’’を含む多層環境バリア160’’’は、非金属酸化物副層160b’’’の酸化、エッチング及び/又は腐食の受けやすさを軽減し得る。図5Dの実例において、多層環境バリア160(4)は、各周期が第1の窒化物副層160a(4)及び第2の窒化物副層160b(4)を含む、周期的な反復する層構造を規定するように交互に積層させられたそれぞれの窒化物材料の副層160a(4)、160b(4)のスタックを含み、副層160a(4)、160b(4)のそれぞれの窒化物材料は、材料組成が互いに異なってよい。図5Eは、周期的な反復する層構造で交互に積層させられた絶縁金属酸化物材料(例えば、AlO、HfO又はZrO)の第1の副層160a(5)及び金属材料(例えば、Al、Au)の第2の副層160b(5)を含む多層環境バリア160(5)の別の実例を示し、金属副層160b(5)は、湿気進入に対するより有効なバリアを提供し得る。
【0121】
図5A図5Eに示したように、多層環境バリア160の各周期の副層のうちの少なくとも2つは、互いに異なる厚さを有してよい。例えば、第1の副層160a’/160a’’/160a’’’/160a(4)/160a(5)/160a(6)(集合的に160a)の厚さT1と第2の副層160b’/160b’’/160b’’’/160b(4)/160b(5)/160b(6)(集合的に160b)の厚さT2との比は、幾つかの実施例において、2:1よりも大きくてよい、5:1よりも大きくてよい、8:1よりも大きくてよい、又は10:1よりも大きくてよい。副層160a、160bの厚さの比は、異なる絶縁材料のそれぞれの密度に依存してよい又は基づいてよい。例えば、示された2層周期的層構造において、第1のより密度の高い材料の副層160a’が、第2のより密度の低い材料の副層160b’の厚さT2よりも大きい厚さT1を有するように堆積させられてよい。同様に、3層周期的層構造又は4層周期的層構造を含む多層環境バリア160は、それぞれ3つの副層又は4つの副層を含んでよく、各周期における副層のうちの少なくとも2つは厚さが異なってよい。
【0122】
図5A図5Eには様々な副層材料組合せに関して示されているが、本発明の実施例による多層環境バリアはこれらの特定の材料に限定されないことが理解されるであろう。例えば、幾つかの実施例において、副層160a、160bは、多層環境バリア160を規定するために交互に積層させられた有機材料及び無機材料を含んでよい。特に、図5Bにおいて、酸化物層160a’’、160b’’のうちの1つは、交互に位置する有機副層/酸化物副層の多層環境バリア160’’を規定するように有機材料副層によって置き換えられてもよい。同様に、図5Bにおいて、窒化物層160a(4)、160b(4)のうちの1つは、交互に位置する有機副層/窒化物副層の多層環境バリア160(4)を規定するように有機材料副層によって置き換えられてよい。
【0123】
より一般的に、図5A図5Eに示された多層環境バリア160は、異なる材料組成及び同じ厚さ、同じ材料組成及び異なる厚さ、又は異なる材料組成及び異なる厚さを有する2つ以上の副層160a、160bを含んでよい。2つ以上の副層160a、160bは、反復する又は反復しない層構造に積層させられてよい。反復する層構造は、周期的(2つ以上の周期を有する)又は非周期的であってよい。
【0124】
図5A図5Cに示された多層環境バリア160の特定の実施例において、各周期の第1の副層160aはAlOであってよく、各周期の第2の副層160bはSiOであってよい。SiO副層は、非晶質層(例えば、シリカ)又は結晶質(例えばSiO)であってよい。同様に、AlO副層は、非晶質層(例えば、アルミナ)又は結晶質層(例えば、Al)であってよい。AlOは、比較的安定していてよく、幾つかの窒化物材料(例えば、SiN)と比較して、広く利用可能な堆積ツールを使用して製造することが比較的容易であり得る。AlOは、SiNよりも高い密度を有してもよく、したがって、改善された湿気バリアを提供し得る。AlO副層は、例えばSiO副層よりも数倍厚くてよい。なぜならば、AlOのための堆積速度及び/又は密度は、SiOのそれの数倍であり得るからである。例えば、SiO副層の厚さT2は、幾つかの実施例において、AlO副層の厚さT1の約4分の1未満又は約5分の1未満であってよい。特定の実施例において、本明細書に記載されているような多層環境バリアにおけるAlO及びSiO副層のそれぞれの厚さT1及びT2は、それぞれ約2~8nm及び1nmであってよく、これにより、AlOとSiOとの厚さ比は、例えば、約2:1以上、約5:1以上、又は約8:1以上であってよい。
【0125】
さらに図5A図5Eを参照すると、SiO又はSiNなどの非金属絶縁層は、多層環境バリア160の最上位の副層160bとして又は最上位の副層160bの上に含まれてよい。例えば、SiOは、基本的な(酸性ではない)化学作用に依存し得るさらなる化学処理において多層環境バリア構造160の下にある副層を保護してよい。幾つかの実施例において、非金属絶縁層は、多層環境バリア160の最上位の副層160bによって実装されてよい。その他の実施例において、非金属絶縁層は、多層環境バリア160の最上位副層160b上に形成された追加的なSiO又はSiNキャッピング層170によって実装されてよい。即ち、パッシベーション層150とは反対側の多層環境バリア160の表面は、非金属絶縁層であってよいか、その上に非金属絶縁層を有してよい。
【0126】
幾つかの実施例において、多層環境バリア160の2つ以上の副層は、ALDなどのコンフォーマル堆積プロセスによって形成されてよい。ALD(副)層又はALD材料は、熱ALD及びプラズマ支援ALD(PEALD)プロセスを含むがこれらに限定されないALDによって形成される層又は材料を指してよい。多層スタック160における複数の(又は全ての)副層を形成するためのALDの使用は、下にある表面に沿ってコンフォーマルに延びる実質的に均一な厚さを有し、より薄く、CVDによって達成され得るよりも優れたステップカバレッジを有する副層を可能にし得る。例えば、ALDは、上部側の又は平坦な厚さの約80%のCVD側壁カバレッジと比較して、最大100%のコンフォーマリティを達成し得る。本明細書に記載されているように、特定の表面に沿った層のコンフォーマリティは、平坦な表面に堆積させられたときの層の厚さのパーセンテージとして表されてよい。ALDプロセスは、追加的なウェハ移動なしに(即ち真空を破壊することなしに)且つ(例えば、クロス・コンタミネーションを回避するための)サブステップの間のリセットなしに、同じチャンバにおける複数の薄い副層の製造を可能にすることによって多層スタックを形成する際にも有利であり得る。
【0127】
図6A図6B及び図6Cは、本発明の幾つかの実施例によるALD酸化物副層から形成された多層環境バリアを含むトランジスタ装置の断面図を示すSTEM画像である。特に、図6Aは、HEMT装置600の断面図である。図6Bは、図6Aに示されたパッシベーション層150及び多層環境バリア160の拡大図である。図6Cは、図6Bに示された多層環境バリア160の拡大図である。
【0128】
図6A図6Cに示したように、多層環境バリア160は、ALD SiO及びALD AlOの交互に位置する副層を含む2層スタックであってよい。ALDプロセスは、実質的に均一な厚さ及び高いコンフォーマリティ(例えば、平坦な表面厚さの80%よりも大きく且つ最大約100%である)のAlO及びSiO副層の堆積を可能にし得る。特に、図6Bは、AlO/SiO環境バリア160が、ゲート110及びフィールド・プレート128の上に形成された、下にあるパッシベーション層150の形状に実質的に一致することを示している。AlO及びSiO副層のそれぞれは、実質的に均一な厚さを有し、パッシベーション層150及び下にあるゲート110及びフィールド・プレート128構造によって規定された形状に沿ってコンフォーマルに延びている。
【0129】
AlO副層は、比較的高い密度を有してよく、したがって、SiNと比較して、改善された湿気ロバスト性及び汚染物質ハロゲンによる酸化、エッチング及び/又は腐食に対する改善された保護を提供し得る。交互に位置するSiO副層は、AlO層と複数のAlO/SiO境界面を規定してよく、これは、1つの副層の欠陥及び/又は汚染物質がスタック160における次の副層へ伝播することを減じる又は防止することができる。SiO副層は、後続の処理において(例えば、基本的なエッチング化学作用に対して)保護も提供してよい。加えて又は代替的に、多層環境バリア160は、ALD HfO、ZrO及び/又はSiNの副層を含んでよい。図6A図6Cに示された例示的な装置600において、多層環境バリア160における最上位又は終端層は、SiO副層である。しかしながら、その他の実施例において、追加的なSiO又はSiNキャッピング層170が、多層環境バリア160の最上位の副層上に形成されてよい。
【0130】
図7A図7B図7C及び図7Dは、本発明の幾つかの実施例による半導体装置における多層環境バリアを製造する方法における中間製造ステップを示す断面図である。図7Aに示したように、トランジスタ構造は、半導体ボディ190(この実例では、基板122上のチャネル層124及びバリア層126を含む、図4のHEMT装置400に関して示されている)上にゲート110、ソース・コンタクト115及びドレイン・コンタクト105を含む。SiNベースのパッシベーション層などのパッシベーション層又は層構造150は、ゲート110上及びゲートとソース及びドレイン・コンタクト115及び105との間の半導体ボディ190の部分上に形成されている。
【0131】
金属フィールド・プレート128が、パッシベーション層150上に形成されている。ゲート110に隣接する又は重なり合う第1の段状部分及びドレイン・コンタクト105に隣接する第2の段状部分を有するパッシベーション層150に沿ってコンフォーマルに延びる段状プロフィルを含むものとして示されているが、フィールド・プレート128は、本発明の実施例に従って様々な構成で実装されてよい。例えば、フィールド・プレート128は、ゲート110とドレイン・コンタクト105との間又はゲート110とソース・コンタクト115との間のパッシベーション層150の部分に沿って延びる実質的に平坦なプロフィルを有してよい、及び/又は鉛直方向(Z)方向においてゲート110の重なりがないようにゲート110から横方向に離れていてよい。
【0132】
図7B及び図7Cに示したように、ALDプロセスは、パッシベーション層150の表目上に第1の絶縁副層160aをコンフォーマルに堆積させ且つ第1の絶縁副層160aの表面上に第2の絶縁副層160bをコンフォーマルに堆積させるために行われる。例えば、第1の絶縁副層160aは、AlO、HfO、ZrOなどの金属絶縁材料、又はSiNよりも大きな密度を有するその他の金属酸化物又は絶縁層を含んでよい。幾つかの実施例において、第2の絶縁副層160bは、SiO、SiNなどの非金属絶縁材料、又はSiNと等しい又はそれよりも小さい密度を有するその他の非金属酸化物又は絶縁層を含んでよい。
【0133】
ALDプロセスは、サブモノレイヤ・レベルにおいて制御可能であってよい実質的に均一な厚さを有する非常にコンフォーマルな絶縁副層160a、160bを堆積させるために気体反応物と露出した固体表面との間の交互の自己限定性反応に依存してよい。特に、その上に形成されたフィーチャ105、110、115、128及び150を含む半導体ボディ190は、プロセス・チャンバにおいて連続する重ならない形式において2つの反応物A(図7Bにおける)及びB(図7Cにおける)に曝される。図7Bにおいて、反応物Aは、第1の副層160aを規定するために半導体ボディ190及びフィーチャの露出した表面上の有限数の反応部位と反応し、有限数の部位が自己限定形式で消費されると成長が停止する。反応物Aの残りの量はチャンバから排出され、チャンバにおける真空を破壊することなく、図7Cにおいて反応物Bが導入される。反応物Bは、同様に、第2の副層160bを規定するために露出した表面上の有限数の反応部位と反応し、有限数の部位が消費されると成長が停止し、反応物Bの残りの量はチャンバから排出される。反応物A及びBに交互に曝されることにより、図7Dに示したように、交互に位置する副層160a及び160bを含む薄いフィルムの多層環境バリア160が堆積させられる。
【0134】
ALDプロセスは、実質的に均一な厚さを有し且つ複雑な下にある形状又は構造上の高いコンフォーマリティを有する副層160a及び160bを堆積させる。例えば、ALDは、副層160a及び160bの平坦部分の厚さの最大100%のコンフォーマリティを達成してよい。ALDプロセスは、追加的なウェハ移動なしに(即ち、真空を破壊することなく)且つ(例えば、クロス・コンタミネーションを回避するために)サブステップの間のリセットなしに、同じチャンバにおいて複数の薄い副層160a、160bの製造を可能にすることによって、多層スタック160を形成する際にも有利であり得る。
【0135】
幾つかの実施例において、より低い温度において、図7B及び図7Cに示したようなALDプロセスは、非晶質フィルムを製造してよく、この非晶質フィルムはその後結晶化されてよい。例えば、幾つかの実施例において、第1の副層160aが、非晶質AlO(AlOxとも呼ばれる)として堆積させられてよく、これは、結晶化され、Alを形成してよい。第2の副層160bは、非晶質SiO(SiOxとも呼ばれる)として堆積させられてよく、これは、結晶化され、SiOを形成してよい。SiO又はSiNなどの非金属酸化物層が、多層環境バリア160の最上位の副層160bとして、又は最上位の副層160b上に(例えば、キャッピング層170として)、ALD又は非ALDプロセスを使用して形成されてよい。
【0136】
上記のように、本明細書に記載されているような多層環境バリア構造160は、用途特有であり得る環境条件/汚染物質に基づいて選択されるそれぞれの組成を有する副層を含んでよい。例えば、環境条件/汚染物質は、オープン・キャビティ、オーバーモールド、熱的に強化された、スルーホール・ベース、表面実装ベース、チップ・キャリア、ピン・グリッド・アレイ、フラット、スモール・アウトライン集積回路(SOIC)、チップ・スケール、ボール・グリッド・アレイ、トランジスタ/ダイオード/スモール・ピン・カウントIC、及び/又はマルチ・チップ・パッケージなど、セラミック又はプラスチック・パッケージを含む、特定の半導体パッケージ・タイプに固有であってよい。このように、本明細書に記載された幾つかの実施例は、特定のパッケージ技術に対応することを目的とされてよいそれぞれの材料の副層を含む多層環境バリア構造160を提供してよい。
【0137】
図8A図8B及び図8Cは、複数の例示的なパッケージ・タイプ800A、800B、800Cを示す概略的な断面図であり、各パッケージ技術800A、800B、800Cは、固有の特定のイオン性又はその他の汚染物質内容物を含む場合がある。図8A図8Cは、本明細書に記載されたトランジスタ構造200、300、400のいずれかを含んでよいトランジスタ装置1000のパッケージングを示す。
【0138】
特に、図8Aは、III族窒化物ベースRFトランジスタ増幅器のためのパッケージ800Aの概略的な側面図である。図8Aに示したように、パッケージされたRFトランジスタ増幅器800Aは、オープン・キャビティ・パッケージ構造810AにパッケージされたRFトランジスタ増幅器ダイ1000を含む。パッケージ構造810Aは、金属ゲート・リード822A、金属ドレイン・リード824A、金属サブマウント830、側壁840及びリッド842を含む。
【0139】
サブマウント830は、パッケージ800Aの熱管理を補助するように構成された材料を含んでよい。例えば、サブマウント830は、銅及び/又はモリブデンを含んでよい。幾つかの実施例において、サブマウント830は、複数の層から成ってよい及び/又はビア/インターコネクトを含んでよい。例示的な実施例において、サブマウント830は、そのそれぞれの主面に銅クラッディング層を有するコア・モリブデン層を含む多層銅/モリブデン/銅金属フランジであってよい。幾つかの実施例において、サブマウント830は、リード・フレーム又は金属スラグの一部である金属ヒートシンクを含んでよい。側壁840及び/又はリッド842は、幾つかの実施例において絶縁材料から形成されてよい又は絶縁材料を含んでよい。例えば、側壁840及び/又はリッド842は、セラミック材料から形成されてよい又はセラミック材料を含んでよい。幾つかの実施例において、側壁840及び/又はリッド842は、例えば、Alから形成されてよい。リッド842は、エポキシ・グルーを使用して側壁840に接着されてよい。側壁840は、例えば、ブレージングを介してサブマウント830に取り付けられてよい。ゲート・リード822A及びドレイン・リード824Aは、側壁840を貫通するように構成されてよいが、本発明の実施例はそれに限定されない。
【0140】
RFトランジスタ増幅器ダイ1000は、金属サブマウント830、セラミック側壁840及びセラミック・リッド842によって画定された、空気で満たされたキャビティ812において金属サブマウント830の上面にマウントされている。RFトランジスタ増幅器ダイ1000のゲート及びドレイン端子132、134は、半導体構造190の上部側にあるのに対し、ソース端子136は、半導体構造190の下部側にある。ソース端子136は、例えば、導電性ダイ取付け材料(図示せず)を使用して金属サブマウント830にマウントされてよい。金属サブマウント830は、ソース端子136に電気接続を提供してよく、RFトランジスタ増幅器ダイ1000において発生した熱を放散する熱放散構造としても機能してよい。
【0141】
入力整合回路850及び/又は出力整合回路852もパッケージ800A内にマウントされてよい。整合回路850、852は、インピーダンス整合及び/又は高調波終端回路を含んでよい。インピーダンス整合回路は、RFトランジスタ増幅器へ入力される又はRFトランジスタ増幅器から出力されるRF信号の基本コンポーネントのインピーダンスをそれぞれRFトランジスタ増幅器ダイ1000の入力又は出力におけるインピーダンスに整合させるために使用されてよい。高調波終端回路は、RFトランジスタ増幅器ダイ1000の入力又は出力に存在し得る基本RF信号の高調波を接地するために使用されてよい。2つ以上の入力整合回路850及び/又は出力整合回路852が設けられてよい。図8Aに概略的に示したように、入力及び出力整合回路850、852は、金属サブマウント830にマウントされてよい。ゲート・リード822Aは、1つ又は複数のボンド・ワイヤ854によって入力整合回路850に接続されてよく、入力整合回路850は、1つ又は複数の追加的なボンド・ワイヤ854によってRFトランジスタ増幅器ダイ1000のゲート端子132に接続されてよい。同様に、ドレイン・リード824Aは、1つ又は複数のボンド・ワイヤ854によって出力整合回路852に接続されてよく、出力整合回路852は、1つ又は複数の追加的なボンド・ワイヤ854によってRFトランジスタ増幅器ダイ1000のドレイン端子134に接続されてよい。誘導性エレメントであるボンド・ワイヤ854は、入力及び/又は出力整合回路の一部を形成してよい。
【0142】
本明細書に記載されているような多層環境バリア160は、半導体構造190の上部側に形成されており、ゲート及びドレイン端子132、134を露出させるためにパターン付けされてよい。多層環境バリア160は、上記に記載のように、例えば、反復する層構造において、それぞれの絶縁材料の2つ以上の副層を含んでよい。副層の組成及び/又は厚さ、副層の数、及び/又は周期の数は、特定のパッケージ・タイプ800A、800B、800Cに存在し得るイオン性内容物又はその他の汚染物質に基づいて変化してよい。
【0143】
図8Bは、プリント回路基板ベースのパッケージ構造810Bにおいてパッケージされたトランジスタ装置1000を含む、パッケージされたIII族窒化物ベースRFトランジスタ増幅器800Bの概略的な側面図である。パッケージされたRFトランジスタ増幅器800Bは、パッケージ構造810Aのゲート及びドレイン・リード822A、824Aがパッケージ構造810Bにおけるプリント回路基板ベースのリード822B、824Bと置き換えられていることを除き、図8AのパッケージされたRFトランジスタ増幅器800Aに非常に類似している。
【0144】
パッケージ構造810Bは、サブマウント830、セラミック側壁840、セラミック・リッド842を含み、それらはそれぞれ、上記で論じられたパッケージ構造810Aの同じ番号の要素と実質的に同一であってよい。パッケージ構造810Bは、プリント回路基板820をさらに含む。プリント回路基板820上の導電性トレースは、金属ゲート・リード822B及び金属ドレイン・リード824Bを形成している。プリント回路基板820は、例えば、導電性グルーを介してサブマウント830に取り付けられてよい。プリント回路基板820は、中央開口を含み、RFトランジスタ増幅器ダイ1000は、サブマウント830においてこの開口内にマウントされている。RFトランジスタ増幅器800Bのその他の構成要素は、RFトランジスタ増幅器800Aの同じ番号の構成要素と同じであってよく、したがって、そのさらなる説明は省略する。
【0145】
図8Cは、別のパッケージされたIII族窒化物ベースRFトランジスタ増幅器800Cの概略的な側面図である。RFトランジスタ増幅器800Cは、異なるパッケージ構造810Cを含む点で、RFトランジスタ増幅器800Aとは異なる。パッケージ構造810Cは、金属サブマウント830(パッケージ構造810Aのサブマウント830と類似又は同一であってよい)と、金属ゲート及びドレイン・リード822C、824Cとを含む。RFトランジスタ増幅器800Cは、RFトランジスタ増幅器ダイ1000、リード822C、824C及び金属サブマウント830を少なくとも部分的に包囲するプラスチック・オーバーモールド860も含む。RFトランジスタ増幅器800Cのその他の構成要素は、RFトランジスタ増幅器800Aの同じ番号の構成要素と同じであってよいので、そのさらなる説明は省略する。
【0146】
図9は、半導体構造190の表面上のメタライゼーションを示す、トランジスタ装置又はダイ1000の概略的な平面図である。メタライゼーション構造の様々な導電性エレメントを互いに分離させるために本明細書に記載されているように設けられている多層環境バリア160及び/又はその他の誘電層は、図面を簡略化するために図9には示されていない。
【0147】
図9に示したように、トランジスタ装置又はダイ1000は、装置端子又は電極(例えば、入力端子、出力端子、及び接地端子)に対して並列に接続された複数のトランジスタ構造900を含んでよい。例えば、ゲート110、ドレイン105及びソース115コンタクトのそれぞれは、第1の方向(例えば、Y方向)に延びていてよく、これにより、ゲート、ドレイン及び/又はソース「フィンガ」を規定しており、これらのフィンガは、1つ又は複数のそれぞれのバス(例えば、半導体構造190の上面におけるゲート・バス112及びドレイン・バス114)によって接続されてよい。
【0148】
図9において、ゲート・フィンガ110、ドレイン・フィンガ105及びソース・フィンガ115は、互いに平行に延びており、ゲート・フィンガ110はゲート・バス112から第1の方向に延びており、ドレイン・フィンガ105はドレイン・バス114から、第1の方向とは反対方向に延びている。各ゲート・フィンガ110は、本明細書に記載されたユニット・セル・トランジスタ構造200、300、400などのユニットセル900を規定するために、ドレイン・フィンガ105とソース・フィンガ115との間に位置決めされていてよい。ゲート・フィンガ110、ドレイン・フィンガ105、及びソース・フィンガ115(及び接続するバス)は、上部側又は前側メタライゼーション構造によって規定されるように、それぞれ、装置のゲート接続、ドレイン接続及びソース接続された電極の一部を規定してよい。ゲート・フィンガ110は共通のゲート・バス112に電気的に接続されており、ドレイン・フィンガ105は共通のドレイン・バス114に電気的に接続されており、ソース・フィンガ115は一緒に電気的に接続されているので(例えば、それぞれのビア開口146及び基板122の裏面における裏側金属層を介して)、ユニット・セル・トランジスタ900は並列に一緒に電気的に接続されていることが分かる。
【0149】
装置の端子のうちの1つ(例えば、ソース・コンタクト115に接続されたソース端子)は、例えば、電気接地などの基準信号に結合されるように構成されてよい。幾つかの実施例において、導電性基板貫通ビア接続又は構造(例えば、裏面を貫通して形成された裏側ビア開口)は、基板122及びエピタキシャル層124、126を貫通していてよく、これにより、コンタクト105、115のうちの1つの一部を吐出させ、基板の裏側におけるパッド又は端子とのコンタクトを可能にする(例えば、ソース・コンタクト115を接地に結合するために)。その他の実施例において、端子装置のうちの1つ(例えば、ソース端子)への接地接続は、アクティブ領域の外側、例えば、周辺領域に設けられてよい。幾つかの実施例において、基板122の裏側におけるバックメタル層は、例えば、接地への近接が望まれ得る用途において、裏側接地平面を提供してよい。
【0150】
本発明のさらなる実施例は、環境バリア・フィルムの厚さを増大することによって湿気保護を改善することができるという認識から生じ得る。しかしながら、幾つかの単層環境バリア・フィルムにおいて、増大した厚さはまた、動作中の一軸静的膜応力を増大させ、これは、装置寿命を減じる又は低下させ得る。例えば、本明細書において論じられているように、CVDによって堆積されたSiNは、環境バリア・フィルムとして使用されてよい。CVDベースSiNフィルムは、堆積条件(例えば、温度)を調節することによって調整され得る所定のタイプの応力(例えば、引張又は圧縮)を含み得るが、応力の大きさは、SiN層の厚さと共に増大し得る。増大した応力は、例えば、トランジスタ・チャネル領域において、装置特性に悪影響を及ぼし得る。特に、HEMT装置において、応力は、2DEGチャネルにおけるキャリア密度に影響する場合があり、これは、装置性能低下を生じ得る。
【0151】
本明細書において使用される「応力」という用語は、(例えば、上に位置する又は下に位置する層からの固有の力によって誘発されるような)材料の隣接する粒子の間に加えられる力を指してよいが、「ひずみ」は、(例えば、層からの応力による)材料の変形の尺度を指してよい。本発明の実施例は、幾つかの実施例において幾つかの従来の環境バリア・フィルムと同等又はそれよりも優れた湿気保護も提供しながら、応力を低減又は最小化するように構成された、応力補償された多層カプセル化構造又は環境バリアを提供してよい。例えば、一軸応力は、本明細書に記載されているような多層の薄いフィルムにおいて多軸応力(例えば、一軸、二軸又は三軸)を提供することによって低減又は最小化させることができる。全体的な応力は、各副層において異なるタイプ及び/又は指向性応力を提供するために多層環境バリアの副層を製造することによって補償されてよく、これにより、それぞれの副層は、スタックにおいてその上及び/又はその下の副層によって提供される応力を補償してよい。
【0152】
本明細書において使用されるように、別の層又は副層の応力を「補償する」層又は副層は、他の層又は副層の応力の特定のタイプ及び/又は方向に対抗する(タイプ及び/又は方向に関して)又はさもなければ少なくとも部分的に補償する又は反作用する応力を含んでよい。即ち、本明細書に記載されているような多層環境バリア・フィルムは、タイプ(例えば、引張又は圧縮)及び/又は方向(例えば、X、Y及び/又はZ方向)が変化するそれぞれの応力を有する副層を含んでよい。例えば、原子層堆積(ALD)などの最新式堆積技術は、様々な材料の副層を有する多層フィルムを形成するために使用されてよく、これにより、各副層は、上又は下の副層のものとは異なるそれぞれの応力を有する。ALDは、2層、3層及び4層スタックを含む、様々な組合せにおいて異なる材料の副層を形成するために使用されてよい。本明細書に記載されているような多層環境バリアは、単独で又は本明細書に記載された拡散バリア特性(例えば、湿気保護)と組み合わせて応力減少を提供するように構成されてよい。
【0153】
図10は、本発明の幾つかの実施例による半導体ボディ上に形成された多層環境バリアにおける応力補償副層の例示的な組合せをより詳細に示すトランジスタ装置の拡大図である。選択的なパッシベーション層又は層構造150上に交互に積層させられた第1及び第2のストレッサ副層160a(6)、160b(6)を含む2層周期構造160(6)に関して図10に示されているが、この構造160(6)は例として示されているだけであり、上記に記載された多層環境バリア160’、160’’、160’’’、160(4)、160(5)に関して、多層環境バリア160(6)(集合的に160)は、異なるそれぞれの応力を有する3つ以上のストレッサ副層を含んでよく(例えば、3層構造、4層構造を規定する)、及び/又は半導体ボディ190及びゲート110、ドレイン105及びソース115コンタクト上に直接、又は選択的な介在するパッシベーション層150上に、非反復層構造若しくは周期的又は非周期的な反復層構造において積層させられてよいことが理解されるであろう。
【0154】
図10の実例において、多層環境バリア160(6)は、それぞれの周期が、タイプ及び/又は方向が異なるそれぞれの応力を有する第1の副層160a(6)及び第2の副層160b(6)を含む、周期的な反復する層構造を規定するように交互に積層させられたそれぞれの材料のストレッサ副層160a(6)、160b(6)のスタックを含む。第1及び第2のストレッサ副層160a(6)、160b(6)のそれぞれの材料のうちの1つは、他方における応力のタイプ及び/又は方向に少なくとも部分的に反作用する又は補償する応力を提供するように構成されてよい。例えば、第1のストレッサ副層160a(6)はAlOフィルムであってよく、第2のストレッサ副層160b(6)はSiOフィルムであってよく(例えば、それぞれ引張及び圧縮応力を有する)、比較的単純且つ安定したALDプロセスを使用して反復する層構造において2層スタックとして交互に形成されてよい。
【0155】
図10に示したように、第1のストレッサ副層160a(6)は、引張応力(X方向に沿って互いから離れる方向を指す反対向きの矢印によって示されている)を含んでよいのに対し、第2のストレッサ副層160b(6)は、第1のストレッサ副層160a(6)の引張応力を少なくとも部分的に補償することができる圧縮応力(X方向に沿って互いに向かう方向を指す対面する矢印によって示されている)を含んでよく、又はその逆であり、これにより、多層環境バリア160(6)の全体的又は集合的応力は低減又は最小化される。それぞれのストレッサ副層160a(6)、160b(6)の材料、厚さ及び/又は製造プロセスは、各副層160a(6)、160b(6)などにおける応力がすぐ上の副層及び/又は下の副層によって少なくとも部分的に反作用されるように選択されてよい。このように、それぞれの副層の応力方向は例として示されているだけであり、堆積条件及び後処理(例えば、アニーリング)を変化させることによって応力の所望のタイプ及び/又は方向を提供するように変化させられることができることが理解されるであろう。より一般的に、副層は、特定の応力タイプ(例えば、引張又は圧縮)及び/又は応力の方向(例えば、X、Y及び/又はZ方向)に関して本明細書に記載及び例示されていてよいが、副層は、選択された製造プロセス及び/又は条件に応じて、示されたものとは反対の応力タイプ及び/又は異なる方向を有してよい。
【0156】
図10の実例において、第1のストレッサ副層160a(6)の材料は、副層160a(6)が、例えば、下にある層からの固有の力によって誘発されるように、引張応力を有するように選択及び堆積させられてよい。例えば、幾つかの実施例において、1つ又は複数の選択的なパッシベーション層150(例えば、CVDベースSiN)は、表面状態を不働態化し、及び/又はさもなければ半導体ボディ190の表面に沿った電気的特性を改善するために、多層環境バリア160(6)の前に半導体ボディ190の表面上に形成されてよい。パッシベーション層150は、ゲート110、ソース115及びドレイン105コンタクトの金属腐食に対しても保護してよい。しかしながら、パッシベーション層150は、追加的な応力(例えば、SiNベースパッシベーション層150からの圧縮応力)を導入し得る。
【0157】
さらに図10を参照すると、第2のストレッサ副層160b(6)の材料は、副層160b(6)が、例えば、下にある第1の副層160a(6)の引張応力を補償する又はさもなければ対抗するために圧縮応力を有するように選択及び堆積させられてよい。幾つかの実施例において、パッシベーション層150は省略されてよく、多層環境バリア160(6)のストレッサ副層160a(6)、160b(6)は、半導体ボディ190並びにゲート110、ソース・コンタクト115、及びドレイン・コンタクト105の表面上に直接形成されてよく、例えば、実質的に均一なそれぞれの厚さT1及びT2とコンフォーマルに形成されてよい。多層環境バリア160のストレッサ副層160a(6)、160b(6)は、あらゆる順序でスタックにおいて実装されてよく、これにより、各副層の応力が、スタックにおけるその上又はその下の層の応力に少なくとも部分的に対抗する又は補償することが理解されるであろう。
【0158】
多層環境バリア160(6)の反復する層構造を規定するストレッサ副層160a(6)、160b(6)は、互いに同じ又は異なる厚さを有してよい。幾つかの実施例において、多層環境バリア160(6)の各周期の副層のうちの少なくとも2つは、互いに異なる厚さを有してよい。特に、図10は、2層周期的層構造を示しており、この場合、第1の引張応力材料副層160a(6)が、第2の圧縮応力材料副層160b(6)の厚さT2よりも大きい厚さT1で堆積させられてよい。同様に、3層周期的層構造又は4層周期的層構造を含む多層環境バリア160(6)は、それぞれ3つの副層又は4つの副層を含んでよく、この場合、各周期における副層のうちの少なくとも2つは、厚さ及び/又は応力が異なってよい。
【0159】
第1の副層160a(6)の厚さT1と第2の副層160b(6)の厚さT2との比は、各副層における応力の大きさ及びその上又はその下の副層の補償応力に依存して又は基づいて変化させられてよい。例えば、第1の副層160a(6)の厚さT1と第2の副層160b(6)の厚さT2との比は、約1:1、約1:2、約1:5、約1:8、又は約1:10以上であってよい。即ち、ストレッサ副層160a(6)、160b(6)の厚さ比は、ストレッサ副層160a(6)、160b(6)の異なる材料のそれぞれの応力及びその上又はその下の層に提供される効果に依存する又は基づいてよい。相対的なサイズ又は寸法は例として示されているだけであり、原子サイズ、密度、又は層のその他の特性に関して限定しようとするものではないことが理解されるであろう。また、主に簡略化のために一軸又は二軸ひずみ(例えば、X及び/又はY方向における)に関して示されているが、本明細書に記載された副層は、追加的な方向及び/又は特に示されているものとは異なる方向(例えば、X、Y及びZ方向における三軸ひずみ)においてひずまされてよいことが理解されるであろう。
【0160】
幾つかの実施例において、多層環境バリア160(6)は、拡散バリア特性(例えば、湿気保護)と組み合わせて応力減少を提供するように構成されてよい。このように、第1の副層160a(6)の厚さT1と第2の副層160b(6)の厚さT2との比は、図5A図5Eの実施例に関して上記に記載したように、約2:1、約5:1、約8:1、又は約10:1以上であってよい。
【0161】
例えば、図5Aを参照して上記に記載したように、第1のストレッサ副層160a(6)は、比較的高い密度の材料(例えば、AlO、HfO、ZrO、又はその他の金属リッチ絶縁材料)を含んでよく、第2のストレッサ副層160b(6)は、比較的低い密度の材料(例えば、SiO、SiN、又はその他の金属欠乏絶縁材料)を含んでよい。ストレッサ副層160a(6)、160b(6)のうちの1つ又は複数は、SiNよりも高い密度を有してよいのに対し、ストレッサ副層160a(6)、160b(6)のうちの別のものは、SiNと等しいか又はそれより小さい密度を有してよい。湿気保護との組合せにおいて応力減少を提供するように構成される場合、第1の高密度材料副層160a(6)は、より大きな厚さT1で最初に堆積させられてよく、その後、第2の低密度材料副層160b(6)がより小さな厚さT2で堆積させられ、これにより、第1のストレッサ副層160a(6)が、第2のストレッサ副層160b(6)と半導体ボディ190との間にある。
【0162】
幾つかの実施例において、図5Bを参照して上記に記載したように、第1及び第2のストレッサ副層160a(6)、160b(6)は、周期的な反復する層構造を規定するように交互に積層させられたそれぞれの酸化物材料であってよい。例えば、図5Cを参照して上記に記載したように、第1及び第2のストレッサ副層160a(6)、160b(6)は、周期的な反復する層構造において交互に積層させられた絶縁金属酸化物材料又は層(例えば、AlO、HfO又はZrO)及び絶縁非金属(例えば、半金属)酸化物材料又は層(例えば、SiO)を含んでよく、金属酸化物副層は、非金属酸化物副層の酸化、エッチング、及び/又は腐食の受けやすさを改善し得る。幾つかの実施例において、図5Dを参照して上記に記載したように、第1及び第2のストレッサ副層160a(6)、160b(6)は、周期的な反復する層構造を規定するように交互に積層させられたそれぞれの窒化物材料を含んでよく、副層のそれぞれの窒化物材料は、材料組成が互いに異なってよい。
【0163】
多層環境バリア160(6)のストレッサ副層160a(6)、160b(6)は、絶縁層に限定されなくてよい。例えば、図5Eを参照して上記に記載したように、1つ又は複数の金属層が、例えば、本明細書に記載されているような材料の選択及び/又は堆積プロセスに基づいて、1つ又は複数の所望の方向において所望の引張応力又は圧縮応力を提供するようにスタックにおいて形成されてよい。このように、多層環境バリア160(6)は、周期的な反復する層構造において交互に積層させられた絶縁金属酸化物材料(例えば、AlO、HfO又はZrO)の第1の副層160a(6)及び金属材料(例えば、Al、Au)の第2の副層160b(6)を含んでよく、金属副層160b(6)は、湿気進入に対するより有効なバリアを提供し得る。
【0164】
本発明の実施例による多層環境バリア160(6)は、上記の実例に関して記載された特定の副層材料組合せに限定されないことが理解されるであろう。例えば、幾つかの実施例において、ストレッサ副層160a(6)、160b(6)は、多層環境バリア160(6)を規定するように交互に積層させられた有機材料及び無機材料を含んでよい。より一般的に、多層環境バリア160(6)は、その上及び/又はその下の副層の応力に少なくとも部分的に反作用するように構成された副層のあらゆる組合せを含んでよい。
【0165】
幾つかの実施例において、多層環境バリア160(6)の2つ以上の副層は、ALD(熱ALD及びプラズマ支援ALD(PEALD)プロセスを含むが、これらに限定されない)などのコンフォーマル堆積プロセスによって形成されてよい。例えば、図10に示されたストレッサ副層160a(6)、160b(6)は、図7A図7Dに示されたオペレーションに従って形成されてよく、ALDプロセスは、半導体ボディ190(HEMT装置に関して示されている)上にゲート110、ソース・コンタクト115及びドレイン・コンタクト105を含むトランジスタ構造上に第1のストレッサ副層160a(6)(より一般的に160aとして示されている)をコンフォーマルに堆積させ、且つ第1の絶縁副層160aの表面上に第2のストレッサ副層160b(6)(より一般的に160bとして示されている)をコンフォーマルに堆積させるために、実行される。より具体的には、(図7Bに示されているような)反応物A及び(図7Cに示されているような)反応物Bに交互に曝すことによって、反復する(例えば、2層)層構造において交互に位置するストレッサ副層160a及び160bを含む薄いフィルムの多層環境バリア160が、図7Dに示したように実質的に均一な厚さ及び複雑な下にある形状又は構造上の高いコンフォーマリティで堆積させられる。追加的な反応物が、3層又は4層の反復する層構造を堆積させるために交互の曝露に含まれてよい。幾つかの実施例において、より低温において、図7B及び図7Cに示されたALDプロセスは、非晶質ストレッサ副層フィルムを生成してよく、これは、その後、結晶化されてよい。例えば、第1のストレッサ副層160aは、非晶質AlOxとして堆積させられてよく、これは、Alを形成するために結晶化されてよい。第2のストレッサ副層160bは非晶質SiOxとして堆積させられてよく、これは、SiOを形成するために結晶化されてよい。
【0166】
主にALDベースの製造に関して上記実例において記載されているが、多層環境バリア160(6)のストレッサ副層160a(6)、160b(6)は、ALD以外の堆積方法によって形成されてよいことが理解されるであろう。例えば、幾つかの実施例において本明細書に記載されているように多層フィルム160(6)を形成するためにCVDが使用されてよい。しかしながら、より薄いCVDベースの副層160a(6)、160b(6)は、所望の湿気バリア性能を提供するために多孔質すぎる場合があるのに対し、より厚いCVDベースの副層160a(6)、160b(6)は、副層ごとの応力を増大させる場合がある。また、CVDベースのバリア・フィルム160の品質は、より高温での製造により改善され得るが、このような温度は、下にある半導体層構造190における装置の特性及び/又は動作に不利であり得る。
【0167】
図11は、CVDによって形成された従来の単層フィルム(本明細書ではCVDベースの単層フィルムとも呼ばれる)及び本発明の幾つかの実施例に従ってALDによって形成された多層環境バリアのための加熱及び冷却の温度変化にわたる正規化された応力測定を示すグラフであり、初期応力がゼロに正規化されている。例えば、高加速寿命試験(HAST)プロセスは、最大摂氏約400度(℃)以上の作動温度範囲にわたる装置の加熱及び冷却を伴ってよい。
【0168】
図11に示したように、従来のCVDベースの単層フィルム(例えば、SiNベースフィルム)は、室温(25℃)から最大装置作動温度までの正規化された作動温度範囲にわたる加熱及び冷却中に約235メガパスカル(MPa)の応力変化1110を示す場合がある。対照的に、図11は、本発明の幾つかの実施例によるALDベースの多層AlOx及びSiOx環境バリア・フィルムが、同じ室温から最大装置作動温度範囲にわたる加熱及び冷却の間に約40MPaのみの応力の変化1160を示す場合があることを示している。このように、本発明の幾つかの実施例による環境バリア・フィルムは、CVDベースの単層SiNフィルムと比較してその複数のストレッサ副層によって提供される全体的な補償される応力により、装置作動において経験され得る温度範囲にわたって減じられた応力(及び応力のより小さな変化)を含み得る。即ち、本発明の実施例による多層環境バリア・フィルムは、装置の作動寿命を減じ得る幾つかの従来の単層フィルムよりも、装置作動条件にわたって、より低いレベルの応力及び/又はより少ない応力変化(ひいてはより大きな安定性)を生じる場合がある。
【0169】
図11のグラフに示された多層環境バリア及び単層フィルムは、それぞれの厚さ及び/又は1つ又は複数の類似の拡散バリア特性(例えば、類似又は均等の湿気保護)を提供するその他の特性を有してよい。例えば、従来の技術は、CVDベースのSiNxを使用して環境バリア・フィルムを提供してよく、これは、所望のレベルの湿気保護を提供するためにより大きな厚さ(例えば、約5000オングストローム~約10,000オングストローム)を必要とする場合があり、したがって、より高い一軸応力(例えば、この実例における加熱及び冷却の前後の約235MPaの差)を生じ得る。対照的に、本明細書に記載されたような多層環境バリア・フィルム(例えば、ALDベースのAlOx及びSiOxの交互に位置する層を含む)は、幾つかの例においてより小さな全体的厚さ(例えば、約500オングストローム~約3500オングストローム、例えば、約1000オングストローム~約3000オングストローム又は約1500オングストローム~約2500オングストローム)で、同等の又は優れた湿気ロバスト性において応力の著しい減少(測定公差によりより少ない又はさらには無視できる)を提供することができる。言い換えれば、多層環境バリア160の副層160a、160bの集合的応力は、幾つかの実施例において約室温(25℃)から最大装置作動温度までの温度範囲にわたって、類似の拡散バリア特性を提供する1つ又は複数のSiN層の集合応力よりも小さい場合がある。副層は、幾つかの実施例において非ALD法を使用して堆積させることができる。
【0170】
本発明の実施例による多層環境バリアスタック(例えば、2層スタック、3層スタック、4層スタックなど)は、したがって、SiNフィルムと比較して、より低い集合的応力及び/又はより小さな厚さで、同等の又は優れた拡散バリア特性を提供することができる。上記のように、多層環境バリアは、交互に位置するAlOx及びSiOx副層に限定されず、代替的に、所望の補償応力及び/又は方向に応じて、HfO、ZrO及び/又はSiN副層、及び/又はその他の副層を含んでよい。
【0171】
本明細書に記載されているような多層環境バリア構造を含む本発明の実施例は、受動的及び/又は能動的RF装置において改善された性能を提供し得る。しかしながら、本発明の実施例は、RF用途に限定されず、湿気ロバスト性を要求し得るあらゆる半導体IC技術を含む様々なその他の用途において使用されてよい。例えば、本発明の実施例は、約6GHz未満からKu-バンド(6~18GHz)及びKa-バンド設計(例えば、26~40GHz)の範囲の作動周波数を有する用途において使用されてよい。本発明の特定の実施例は、マクロ(例えば、20~80W及び異なる周波数帯)平均電力応用を含む、例えば、5G及び基地局用途のための、様々なセルラー・インフラストラクチャ(CIFR)RF電力製品(5W、10W、20W、40W、60W、80W及び異なる周波数帯を含むが、これらに限定されない)において使用されてよい。本発明の実施例は、レーダ、モノリシックマイクロ波集積回路(MMIC)タイプ用途、誘電性クロスオーバ装置、及びスプリット・ゲート装置に適用されてもよい。より一般的に、本発明の実施例は、湿気ロバスト性及び/又は応力減少を必要とするあらゆる半導体IC技術において使用されてよい。
【0172】
本発明は、発明の実施例が示されている添付の図面を参照して記載されている。しかしながら、本発明は、本明細書に示された実施例に限定されると解釈されるべきではない。むしろ、これらの実施例は、本開示が徹底的且つ完全であり、発明の範囲を当業者に完全に伝えるように提供されている。図面において、層及び領域の厚さは、分かりやすくするために誇張されている。同じ番号は、全体を通じて同じ要素を指している。
【0173】
層、領域又は基板などの要素が、別の要素「上に」ある又は「上へ」延びていると述べられたとき、その要素は、他方の要素の上に直接あるか若しくはその上へ直接延びていることができる又は介在する要素が存在してもよいことが理解されるであろう。対照的に、要素が、別の要素「上に直接」ある又は「上へ直接」延びていると述べられたとき、介在する要素は存在しない。要素が、別の要素に「接続」又は「結合」されていると述べられたとき、その要素は、他方の要素に直接に接続又は結合されることができるか又は介在する要素が存在してもよいことも理解されるであろう。対照的に、要素が、別の要素に「直接接続」又は「直接結合」されていると述べられたとき、介在する要素は存在しない。
【0174】
様々な要素を記述するために、第1、第2などの用語が本明細書において使用されてよいが、これらの要素はこれらの用語によって限定されるべきではないことも理解されるであろう。これらの用語は、1つの要素を別の要素から区別するためにのみ使用されている。例えば、本発明の範囲から逸脱することなく、第1の要素を第2の要素と呼ぶことができ、同様に、第2の要素を第1の要素と呼ぶことができる。
【0175】
さらに、「下側」又は「下部側」及び「上側」又は「上部側」などの相対的な用語は、図面に示された別の要素に対する1つの要素の関係を説明するために本明細書において使用されてよい。相対的な用語は、図面に示された向きに加えて装置の異なる向きを含むことが意図されていることが理解されるであろう。例えば、図面のうちの1つにおける装置が逆さにされると、他方の要素の「下」側にあると説明される要素は、他方の要素の「上」側に向けられる。したがって、「下」という例示的な用語は、図面の特定の向きに応じて「下」及び「上」の両方の向きを含む。同様に、図面のうちの1つにおける装置が逆さにされると、他方の要素の「下方」又は「下側」として説明された要素は、他方の要素の「上方」に向けられる。したがって、「下方」又は「下側」という例示的な用語は、上方及び下方の両方の向きを含むことができる。
【0176】
本明細書における発明の説明において使用される用語は、特定の実施例を説明するためのものでしかなく、発明を限定することは意図されていない。発明の説明及び添付の請求項において使用されているように、単数形「a」、「an」及び「the」は、文脈がそうでないことを明らかに示されない限り、複数形も含むことが意図されている。本明細書において使用されている「及び/又は」という用語は、関連する列挙されたアイテムのうちの1つ又は複数のあらゆる及び全ての可能な組合せを指し且つこれを含むことも理解されるであろう。「含む(comprises)」及び/又は「含んでいる(comprising)」という用語は、本明細書において使用されるとき、述べられた特徴、整数、ステップ、オペレーション、要素、及び/又は構成要素の存在を明示するが、1つ又は複数のその他の特徴、整数、ステップ、オペレーション、要素、構成要素、及び/又はそのグループの存在又は追加を排除しないことがさらに理解されるであろう。
【0177】
発明の実施例は、発明の理想化された実施例(及び中間構造)の概略的な図である断面図を参照して本明細書に説明されている。このように、例えば、製造技術及び/又は公差の結果としての図の形状からの変化は予想される。したがって、発明の実施例は、本明細書に示された領域の特定の形状に限定されると解釈されるべきではなく、例えば、製造から生じる形状の逸脱を含む。例えば、矩形として示されたインプラントされた領域は、一般的に、インプラントされた領域からインプラントされていない領域へのバイナリ変化ではなくそのエッジにおいて丸み付けられた又は湾曲した特徴及び/又はインプラント濃度の勾配を有する。同様に、インプランテーションによって形成された埋め込まれた領域は、幾つかのインプランテーションにおいて、埋め込まれた領域と、それを通じてインプランテーションが生じる表面との間の領域を生じ得る。したがって、図に示された領域は本質的に概略的であり、それらの形状は、装置の領域の実際の形状を示すことは意図されておらず、発明の範囲を限定することは意図されていない。
【0178】
別段の定めがない限り、技術的及び科学的用語を含む発明の実施例を開示する際に使用されている全ての用語は、本発明が属する技術の分野における当業者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有し、必ずしも、記載されている本発明の時点において知られている特定の定義に限定されない。したがって、これらの用語は、このような時間の後に生成された同等の用語を含むことができる。一般的に使用される辞書に定義されているような用語は、本明細書におけるそれらの意味と一貫しており且つ関連技術の文脈における意味を有するものとして解釈されるべきであり、本明細書において明示的にそのように定義されない限り、理想化された又は過剰に形式的な意味で解釈されないことがさらに理解されるであろう。本明細書において言及された全ての出版物、特許出願、特許、及びその他の参照物は、それらの全体が参照により組み込まれる。
【0179】
図面及び明細書において、発明の典型的な実施例が開示されており、特定の用語が採用されているが、それらの用語は、包括的且つ記述的な意味でのみ使用されており、限定の目的ではない。
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図5C
図5D
図5E
図6A-6C】
図7A
図7B
図7C
図7D
図8A
図8B
図8C
図9
図10
図11
【手続補正書】
【提出日】2024-01-22
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体ダイであって、
半導体ボディと、
前記半導体ボディ上の多層環境バリアであって、前記多層環境バリアは、それぞれ第1及び第2の酸化物材料の第1及び第2の副層を含み、前記第1の酸化物材料は、前記第2の酸化物材料とは異なる、多層環境バリアと
を備える、半導体ダイ。
【請求項2】
前記第1及び第2の副層が、原子層堆積(ALD)層を含む、請求項1に記載の半導体ダイ。
【請求項3】
前記第1又は第2の酸化物材料のうちの少なくとも1つが、窒化ケイ素よりも高い密度を有する、請求項1に記載の半導体ダイ。
【請求項4】
前記第1又は第2の酸化物材料のうちの少なくとも1つが、絶縁金属酸化物を含む、請求項1に記載の半導体ダイ。
【請求項5】
前記第1及び第2の副層が、反復する層構造に含まれており、前記第1及び第2の酸化物材料は、それぞれ前記絶縁金属酸化物及び非金属酸化物を含む、請求項4に記載の半導体ダイ。
【請求項6】
前記絶縁金属酸化物は、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム又は酸化ハフニウムのうちの少なくとも1つを含む、請求項5に記載の半導体ダイ。
【請求項7】
前記絶縁金属酸化物は、酸化アルミニウムを含み、前記非金属酸化物は、酸化ケイ素を含む、請求項5に記載の半導体ダイ。
【請求項8】
前記第1の副層の厚さと前記第2の副層の厚さとの比は、2:1以上、5:1以上、又は8:1以上である、請求項5に記載の半導体ダイ。
【請求項9】
前記半導体ボディと前記多層環境バリアとの間にパッシベーション層をさらに備え、前記パッシベーション層は、窒化ケイ素を含む、請求項4に記載の半導体ダイ。
【請求項10】
前記パッシベーション層とは反対側の前記多層環境バリアの表面は、酸化ケイ素又は窒化ケイ素の層を含む、請求項1に記載の半導体ダイ。
【請求項11】
前記第1の酸化物材料は、前記第2の酸化物材料とは異なる、水に関する拡散係数を有する、請求項1に記載の半導体ダイ。
【請求項12】
前記半導体ボディ上のゲート、ソース・コンタクト及びドレイン・コンタクトと、
前記ゲート、前記ソース・コンタクト及び前記ドレイン・コンタクト上に延びるパッシベーション層と
をさらに備え、
前記第1及び第2の副層は、前記ゲート、前記ソース・コンタクト及び前記ドレイン・コンタクトに沿って実質的に均一なそれぞれの厚さで前記パッシベーション層上にコンフォーマルに延びている、請求項1に記載の半導体ダイ。
【請求項13】
前記第1及び第2の副層は、反復する層構造に含まれており、前記多層環境バリアは、少なくとも2つの前記反復する層構造、少なくとも10の前記反復する層構造又は少なくとも20の前記反復する層構造を含む、請求項1に記載の半導体ダイ。
【請求項14】
前記多層環境バリアの合計厚さは、500オングストローム~3000オングストロームである、請求項13に記載の半導体ダイ。
【請求項15】
前記反復する層構造は、
前記第1及び第2の副層が積層されている2層構造、
前記第1の副層、前記第2の副層及び第3の副層が積層されている3層構造、及び/又は
前記第1の副層、前記第2の副層、第3の副層及び第4の副層が積層されている4層構造
を含む、請求項13に記載の半導体ダイ。
【請求項16】
半導体ダイであって、
半導体ボディと、
前記半導体ボディ上の多層環境バリアであって、前記多層環境バリアは、それぞれの絶縁材料の2つ以上の副層を含む反復する層構造を含み、前記それぞれの絶縁材料のうちの少なくとも1つは、窒化ケイ素よりも高い密度を有する、多層環境バリアと
を備える、半導体ダイ。
【請求項17】
前記2つ以上の副層は、原子層堆積(ALD)層を含む、請求項16に記載の半導体ダイ。
【請求項18】
前記多層環境バリアは、少なくとも2つの前記反復する層構造、少なくとも10の前記反復する層構造又は少なくとも20の前記反復する層構造を含む、請求項17に記載の半導体ダイ。
【請求項19】
前記それぞれの絶縁材料のうちの前記少なくとも1つの密度は、前記それぞれの絶縁材料のうちの他の少なくとも1つの前記密度よりも高い、請求項18に記載の半導体ダイ。
【請求項20】
前記それぞれの絶縁材料のうちの前記少なくとも1つが、金属酸化物を含み、前記それぞれの絶縁材料の他の少なくとも1つが、非金属酸化物を含む、請求項18に記載の半導体ダイ。
【請求項21】
前記金属酸化物は、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム又は酸化ハフニウムを含む、請求項20に記載の半導体ダイ。
【請求項22】
前記非金属酸化物は、酸化ケイ素を含む、請求項21に記載の半導体ダイ。
【請求項23】
前記半導体ボディと前記多層環境バリアとの間にパッシベーション層をさらに備え、前記パッシベーション層は、窒化ケイ素を含む、請求項22に記載の半導体ダイ。
【請求項24】
前記2つ以上の副層のうちの第1及び第2の副層のそれぞれの厚さの比が、2:1以上、5:1以上は8:1以上である、請求項18に記載の半導体ダイ。
【請求項25】
前記半導体ボディ上のゲート、ソース・コンタクト及びドレイン・コンタクトと、
前記ゲート、前記ソース・コンタクト及び前記ドレイン・コンタクト上に延びるパッシベーション層と
をさらに備え、
前記2つ以上の副層は、前記ゲート、前記ソース・コンタクト及び前記ドレイン・コンタクトに沿って実質的に均一なそれぞれの厚さで前記パッシベーション層上にコンフォーマルに延びている、請求項17に記載の半導体ダイ。
【請求項26】
前記それぞれの絶縁材料のうちの少なくとも2つは、水に関して異なる拡散係数を有する、請求項16に記載の半導体ダイ。
【国際調査報告】