(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-28
(54)【発明の名称】先進的なパッケージングのためのマイクロビア形成の方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/3065 20060101AFI20240521BHJP
H01L 21/302 20060101ALI20240521BHJP
H05K 3/46 20060101ALI20240521BHJP
【FI】
H01L21/302 105A
H01L21/302 201B
H01L21/302 101C
H05K3/46 N
H05K3/46 B
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023571474
(86)(22)【出願日】2022-04-28
(85)【翻訳文提出日】2024-01-11
(86)【国際出願番号】 US2022026652
(87)【国際公開番号】W WO2022245512
(87)【国際公開日】2022-11-24
(32)【優先日】2021-05-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】レイ, ウェイ-ション
(72)【発明者】
【氏名】レシュキーズ, カーティス
(72)【発明者】
【氏名】ゴウク, ローマン
(72)【発明者】
【氏名】パク, ギバク
(72)【発明者】
【氏名】チョ, キュイル
(72)【発明者】
【氏名】チャクラボルティ, タパシュ
(72)【発明者】
【氏名】チェン, ハンウェン
(72)【発明者】
【氏名】ヴァハヴェルベク, スティーヴン
【テーマコード(参考)】
5E316
5F004
【Fターム(参考)】
5E316AA43
5E316CC02
5E316CC09
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5F004AA09
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5F004EB01
5F004FA05
(57)【要約】
本開示は、先進的なウエハレベル半導体パッケージングにおける相互接続のためのマイクロビア構造に関する。本明細書に記載の方法により、均一性が向上した高品質かつ低アスペクト比のマイクロビア構造の形成が可能になり、ひいては帯域幅及び出力が向上し、高いI/O密度を有する薄型かつ小型のフォームファクタの半導体デバイスの実現を促進する。
【選択図】
図2J
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体デバイスのマイクロビア構造を形成する方法であって、
前記半導体デバイスの上に誘電体層を積層することと、
前記誘電体層の上に金属層を堆積させることと、
前記金属層の上に、レジストを塗布、パターニング、及び現像することであって、前記レジストの層を現像することが、前記マイクロビア構造の所望の横方向の寸法に対応する前記レジストの層にトレンチを形成する、レジストを塗布、パターニング、及び現像することと、
現像された前記レジストの層の前記トレンチを通って前記金属層をエッチングすることであって、前記金属層をエッチングすることが、前記金属層内に前記トレンチを延在させ、前記誘電体層の一部分を露出させる、前記金属層をエッチングすることと、
前記誘電体層の露出された部分をレーザアブレーションすることであって、前記誘電体層の露出された部分をレーザアブレーションすることが、前記所望の横方向の寸法を有する前記マイクロビア構造を形成する、露出された部分をレーザアブレーションすることと
を含む、方法。
【請求項2】
前記誘電体層が、セラミック充填材を有するエポキシ樹脂材料を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記金属層が、クロム(Cr)、タングステン(W)、モリブデン、又は銅を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記金属層が、クロム(Cr)を含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記金属層が、物理的気相堆積(PVD)によって、前記誘電体層の上に堆積する、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記レジストが、フォトレジストであり、UV照射への選択的な露出を介してパターニングされる、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記レジストが、直接書込みデジタルリソグラフィを使用して、パターニングされる、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記金属層が、酸素ベースのプラズマを使用して、ドライエッチングされる、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記誘電体層が、近赤外線(NIR)又は中赤外(mid-IR)レーザを使用して、レーザアブレーションされる、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記誘電体層が、パルスバーストモードで紫外線(UV)レーザを使用して、レーザアブレーションされる、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
半導体デバイスのマイクロビア構造を形成する方法であって、
前記半導体デバイスの導電層の上に誘電体層を積層することと、
前記誘電体層の上に金属層を堆積させることと、
前記金属層の上に、レジストを塗布、パターニング、及び現像することであって、前記レジストの層を現像することが、前記マイクロビア構造の所望の横方向の寸法に対応する前記レジストの層にトレンチを形成する、レジストを塗布、パターニング、及び現像することと、
現像された前記レジストの層の前記トレンチを通って前記金属層を選択的にエッチングすることであって、前記金属層を選択的にエッチングすることが、前記金属層内に前記トレンチを延在させ、前記誘電体層の一部分を露出させる、前記金属層を選択的にエッチングすることと、
前記誘電体層の露出された部分をレーザアブレーションすることであって、前記誘電体層の露出された部分をレーザアブレーションすることが、前記所望の横方向の寸法を有する前記マイクロビア構造を形成する、露出された部分をレーザアブレーションすることと、
破片を除去するために、前記マイクロビア構造を洗浄プロセスに晒すことと、
前記誘電体層から前記金属層を選択的に除去することと
を含む、方法。
【請求項12】
前記金属層が、クロム(Cr)を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記金属層が、物理的気相堆積(PVD)によって、前記誘電体層の上に堆積する、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記レジストが、直接書込みデジタルリソグラフィを使用して、パターニングされる、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記金属層が、酸素ベースのプラズマを使用して、選択的にドライエッチングされる、請求項11に記載の方法。
【請求項16】
前記誘電体層が、近赤外線(NIR)又は中赤外(mid-IR)レーザを使用して、レーザアブレーションされる、請求項11に記載の方法。
【請求項17】
前記誘電体層が、パルスバーストモードで紫外線(UV)レーザを使用して、レーザアブレーションされる、請求項11に記載の方法。
【請求項18】
前記マイクロビア構造が、約2μmから約10μmの間の横方向の寸法を有する、請求項11に記載の方法。
【請求項19】
前記マイクロビア構造が、約2μmから約15μmの間の第1の横方向の寸法、及び約1μmから約8.5μmの間の第2の横方向の寸法を有する、請求項11に記載の方法。
【請求項20】
半導体デバイスのマイクロビア構造を形成する方法であって、
前記半導体デバイスの導電層の上に誘電体層を積層することと、
前記誘電体層の上にクロム層を堆積させることと、
前記クロム層の上に、レジストを塗布、パターニング、及び現像することであって、前記レジストの層を現像することが、前記マイクロビア構造の所望の横方向の寸法に対応する前記レジストの層にトレンチを形成する、レジストを塗布、パターニング、及び現像することと、
現像された前記レジストの層の前記トレンチを通って前記クロム層を選択的にエッチングすることであって、前記クロム層を選択的にエッチングすることが、前記クロム層内に前記トレンチを延在させ、前記誘電体層の一部分を露出させる、前記クロム層を選択的にエッチングすることと、
前記誘電体層の露出された部分をレーザアブレーションすることであって、前記誘電体層の露出された部分をレーザアブレーションすることが、前記所望の横方向の寸法を有する前記マイクロビア構造を形成し、前記半導体デバイスの前記導電層が、レーザストップとして利用される、露出された部分をレーザアブレーションすることと、
前記クロム層から前記レジストを除去することと、
破片を除去するために、前記マイクロビア構造を洗浄プロセスに晒すことであって、前記洗浄プロセスが、フッ素ベースの乾式プラズマエッチング及びメタノールベースの湿式洗浄を含む、前記マイクロビア構造を露出させることと、
前記誘電体層から湿式エッチングプロセスを用いて前記クロム層を選択的に除去することと
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本明細書に記載の実施形態は、広くは、先進的なウエハレベル半導体パッケージング用のマイクロビア構造及びその形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
関連技術の記載
[0002]小型化された電子デバイス及び部品の開発におけるその他の進行中の傾向に伴い、回路密度の高い高速処理能力に対する要求が、集積回路チップ、回路基板、及びパッケージ構造の製造に利用される材料、構造、及びプロセスに対応する要求を課している。したがって、半導体デバイス開発における焦点の1つの領域は、横方向の寸法が低減されたデバイス相互接続(すなわち、相互接続又は相互接続構造)の構造及び製造方法である。
【0003】
[0010]既知のように、鉛直相互接続アクセス(又は「VIA」)は相互接続構造の一例であり、レーザ穿孔はビアを形成するための確立された方法である。相互接続密度を高めるためにビアを小さくする傾向があるにもかかわらず、かかる小さな直径(例えば10μm以下)を有するビアを形成する従来のアプローチは、特に大量の製造環境では、所望の寸法を取得するためにビアの特定の品質パラメータを犠牲にする可能性がある。かかる品質パラメータの例には、一般に、ビアの形態、均一性、及びビアパッドの清浄度が含まれる。
【0004】
[0011]更に、ビアをレーザ穿孔する現在のアプローチは、通常、パネル内のビアを直接穿孔するために紫外線(UV)レーザ又はパルスCO2レーザに依存している。これらのアプローチは両方とも、レーザ源によって放出されるガウスレーザビームプロファイルをトップハット(すなわち、平らな上部)形状のビームプロファイルに変換するための複雑なビーム整形光学系を必要とし、かかるトップハット形状のビームプロファイルは通常、一貫したコスト効率の高い方法で40μm未満の直径を穿孔することができない。したがって、所望のビアサイズを達成するために、マスクをレーザ穿孔と組み合わせて使用することができる。しかし、現在のマスキング技法では、マスクのパターニングにウェットエッチング及び/又はレーザ穿孔が必要で、下層への損傷及び/又は不要な破片の形成を引き起こす可能性がある。更に、特定のアプローチでは、下層の導電層及び/又は相互接続と実質的に同じ材料で形成されたマスクを利用するため、ビアのレーザ穿孔時にマスクを除去することが困難になる。
【0005】
[0003]したがって、当技術分野では、高品質の小径ビア、例えばマイクロビアを形成する改良された方法が必要とされている。
【発明の概要】
【0006】
[0004]本開示は、広くは、先進的なウエハレベル半導体パッケージング用のマイクロビア構造及びその形成方法に関する。
【0007】
[0005]特定の実施形態では、半導体デバイスにマイクロビア構造を形成する方法が提供される。本方法は、半導体デバイスの上に誘電体層を積層することと、誘電体層の上に金属層を堆積させることと、金属層の上に、レジストを塗布、パターニング、及び現像して、マイクロビア構造の所望の横方向の寸法に対応するレジストの層にトレンチを形成することとを含む。本方法は、現像されたレジストの層のトレンチを通って金属層をエッチングして、金属層内にトレンチを延在させ、誘電体層の一部分を露出させることを更に含む。本方法はまた、誘電体層の露出された部分をレーザアブレーションして、所望の横方向の寸法を有するマイクロビア構造を形成することを含む。
【0008】
[0006]特定の実施形態では、半導体デバイスにマイクロビア構造を形成する方法が提供される。本方法は、半導体デバイスの導電層の上に誘電体層を積層することと、誘電体層の上に金属層を堆積させることと、金属層の上に、レジストを塗布、パターニング、及び現像して、マイクロビア構造の所望の横方向の寸法に対応するレジストの層にトレンチを形成することとを含む。本方法は、現像されたレジストの層のトレンチを通って金属層を選択的にエッチングして、金属層内にトレンチを延在させ、誘電体層の一部分を露出させることと、誘電体層の露出された部分をレーザアブレーションして、所望の横方向の寸法を有するマイクロビア構造を形成することと、破片を除去するために、マイクロビア構造を洗浄プロセスに晒すことと、誘電体層から金属層を選択的に除去することとを更に含む。
【0009】
[0007]特定の実施形態では、半導体デバイスにマイクロビア構造を形成する方法が提供される。本方法は、半導体デバイスの導電層の上に誘電体層を積層することと、誘電体層の上にクロム層を堆積させることと、クロム層の上に、レジストを塗布、パターニング、及び現像して、マイクロビア構造の所望の横方向の寸法に対応するレジストの層にトレンチを形成することとを含む。本方法は、現像されたレジストの層のトレンチを通ってクロム層を選択的にエッチングして、クロム層内にトレンチを延在させ、誘電体層の一部分を露出させることと、誘電体層の露出された部分をレーザアブレーションして、所望の横方向の寸法を有するマイクロビア構造を形成することとを更に含み、半導体デバイスの導電層が、レーザストップとして利用される。本方法は、クロム層からレジストを除去することと、破片を除去するために、マイクロビア構造を洗浄プロセスに晒すことと、誘電体層から湿式エッチングプロセスを用いてクロム層を選択的に除去することとを更に含む。洗浄プロセスは、フッ素ベースの乾式プラズマエッチング及びメタノールベースの湿式洗浄を含む。
【0010】
[0008]上述した本開示の特徴を詳しく理解し得るように、上記で簡単に要約された本開示のより詳細な記載が、実施形態を参照することによって得られる。一部の実施形態は、添付の図面に示されている。しかしながら、添付の図面は本開示の典型的な実施形態のみを示すものであり、したがって、本開示の範囲を限定するものと見なすべきではなく、本開示は他の等しく有効な実施形態も許容し得ることに留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】[0009]本明細書に記載の実施形態に係る、半導体デバイスにマイクロビアを形成するためのプロセスのフロー図である。
【
図2A】[0010]本明細書に記載の実施形態に係る、
図1に示されたプロセスの異なる段階での半導体デバイスの一部分の断面図を概略的に示す。
【
図2B】本明細書に記載の実施形態に係る、
図1に示されたプロセスの異なる段階での半導体デバイスの一部分の断面図を概略的に示す。
【
図2C】本明細書に記載の実施形態に係る、
図1に示されたプロセスの異なる段階での半導体デバイスの一部分の断面図を概略的に示す。
【
図2D】本明細書に記載の実施形態に係る、
図1に示されたプロセスの異なる段階での半導体デバイスの一部分の断面図を概略的に示す。
【
図2E】本明細書に記載の実施形態に係る、
図1に示されたプロセスの異なる段階での半導体デバイスの一部分の断面図を概略的に示す。
【
図2F】本明細書に記載の実施形態に係る、
図1に示されたプロセスの異なる段階での半導体デバイスの一部分の断面図を概略的に示す。
【
図2G】本明細書に記載の実施形態に係る、
図1に示されたプロセスの異なる段階での半導体デバイスの一部分の断面図を概略的に示す。
【
図2H】本明細書に記載の実施形態に係る、
図1に示されたプロセスの異なる段階での半導体デバイスの一部分の断面図を概略的に示す。
【
図2I】本明細書に記載の実施形態に係る、
図1に示されたプロセスの異なる段階での半導体デバイスの一部分の断面図を概略的に示す。
【
図2J】本明細書に記載の実施形態に係る、
図1に示されたプロセスの異なる段階での半導体デバイスの一部分の断面図を概略的に示す。
【
図3A-3B】[0011]本明細書に記載の実施形態に係る、
図1に示されたプロセスによって形成されたマイクロビアの断面図を概略的に示す。
【
図4】[0012]本明細書に記載の実施形態に係る、
図1に示されたプロセスによって形成されたマイクロビアを含む例示的な半導体デバイスの断面図を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
[0013]本開示の実施形態は、先進的なウエハレベル半導体パッケージング用のマイクロビア構造及びその形成方法に関する。より高密度の小型パッケージ構造に対する進行中の要求により、対応する小型の相互接続(例えばビア)の必要性が高まっている。しかし、回路密度が増加し、ビア寸法が減少するにつれて、主に狭いビア構造のレーザ穿孔の品質及び均一性に関連する制限のため、ビア形成方法はますます困難となる。その結果、低品質で不均一なビアが形成され、性能が低下する可能性がある。本明細書に記載の方法は、高品質で均一なマイクロビア構造を形成する改良された方法を提供する。
【0013】
[0014]
図1は、本開示の特定の実施形態による、半導体パッケージの再配線層(RDL)などの半導体デバイスにマイクロビアを形成するための代表的な方法100のフロー図を示す。
図2A~
図2Jは、
図1に表された方法100の異なる段階での半導体デバイス200の一部分の断面図を概略的に示す。したがって、明確にするために、
図1及び
図2A~
図2Jを本明細書では一緒に記載する。単一のマイクロビアの形成に関して記載したが、本明細書に開示の方法は、半導体デバイス内に複数のマイクロビア又はアレイを同時に又は順番に形成するために利用できることに留意されたい。
【0014】
[0015]概して、方法100は、
図2Aに対応する動作102で始まり、絶縁層208が半導体デバイス200の上に積層される。上述したように、
図2A~
図2Jでは、半導体デバイス200の一部分のみが示されており、絶縁層208を利用してその上にRDLを形成することができる。半導体デバイス200は、任意の適切な種類の半導体デバイスであってもよく、3D半導体パッケージ(例えば、3Dウエハレベルパッケージ(WLP)、3Dシステムインパッケージ(SiP)、積層集積回路(SIC)、3Dパッケージオンパッケージ(POP)等)、2.5Dインターポーザ、2D半導体パッケージなどを含むがこれらに限定される訳ではない。したがって、半導体デバイス200は、一又は複数の埋め込み型能動及び/又は受動デバイス(例えば、半導体ダイ、メモリダイ、コンデンサ、インダクタ、RFデバイス等)(図示せず)と、それらの間に配線された一又は複数の導電性相互接続(図示せず)とを含み得る。
【0015】
[0016]
図2Aに示されるように、半導体デバイス200は基板202を含み、これは半導体デバイス200のフレーム又はコア構造として機能し得る。概して、基板202は、任意の適切な基板材料から作製され、III-V族化合物半導体材料、シリコン(例えば、約1~約10Ω・cmの抵抗率又は約100W/mKの導電率を有する)、結晶シリコン(例えば、Si<100>又はSi<111>)、酸化ケイ素(SiO
2)、シリコンゲルマニウム(SiGe)、ドープ又は非ドープのシリコン、非ドープの高抵抗率シリコン(例えば、溶存酸素含有量が低く、約5000~約10000Ω・cmの抵抗率を有するフロートゾーンシリコン)、ドープ又は非ドープのポリシリコン、窒化ケイ素(Si
3N
4)、炭化ケイ素(SiC)(例えば、約500W/mKの導電率を有する)、石英、ガラス(例えば、ホウケイ酸ガラス)、サファイア又は酸化アルミニウム(Al
2O
3)、及び/又はセラミック材料を含むが、これらに限定される訳ではない。特定の実施形態では、基板202は、単結晶のp型又はn型シリコン基板である。特定の実施形態では、基板202は、多結晶のp型又はn型シリコン基板である。特定の実施形態では、基板202は、p型又はn型のシリコン太陽基板である。
【0016】
[0017]基板202は更に、任意の適切な形状及び/又は寸法を有し得る。例えば、基板202は、多角形又は円形の形状を有し得る。特定の実施形態では、基板202は、面取りエッジの有無にかかわらず、約120mm~約220mm、例えば約160mm又は約156mm~約166mmの横方向の寸法を有する実質的に正方形のシリコン基板を含む。特定の他の実施形態では、基板202は、約100mm~約450mm、例えば約150mm~約300mm(例えば約200mm)の直径を有する円形のシリコン含有ウエハを含む。
【0017】
[0018]特に明記されていない限り、本明細書に記載の実施形態及び実施例は、約50μm~約1500μm、例えば約90μm~約780μmの厚さを有する基板上で実施される。例えば、基板202は、約100μm~約300μmの厚さ、例えば約110μm~約200μmの厚さを有する。別の実施例では、基板202は、約60μm~約180μmの厚さ、例えば約80μm~約120μmの厚さを有する。
【0018】
[0019]特定の実施形態では、半導体デバイス202は、基板202上に形成された絶縁層204を更に含む。概して、絶縁層204は、エポキシ樹脂などの誘電体及び重合体の材料で形成され得る。例えば、絶縁層204は、実質的に球形のシリカ(SiO2)粒子が充填された(例えば、含有する)エポキシ樹脂などの、セラミック充填材含有エポキシ樹脂から形成され得る。本明細書で使用される場合、「球形」という用語は、任意の円形、楕円体、又は回転楕円体の形状を指す。例えば、特定の実施形態では、セラミック充填材は、楕円形、長方形の楕円形、又は他の同様の円形の形状を有してもよい。しかし、他の形態も想定される。誘電体フィルム220を形成するために利用され得るセラミック充填材の他の例としては、窒化アルミニウム(AlN)、酸化アルミニウム(Al2O3)、炭化ケイ素(SiC)、窒化ケイ素(Si3N4)、Sr2Ce2Ti5O16セラミックス、ケイ酸ジルコニウム(ZrSiO4)、ウォラストン石(CaSiO3)、酸化ベリリウム(BeO)、二酸化セリウム(CeO2)、窒化ホウ素(BN)、酸化カルシウム銅チタン(CaCu3Ti4O12)、酸化マグネシウム(MgO)、二酸化チタン(TiO2)、酸化亜鉛(ZnO)などが含まれる。
【0019】
[0020]幾つかの実施例では、絶縁層204を形成するために利用されるセラミック充填材は、約40nm~約1.5μm、例えば約80nm~約1μmの範囲のサイズの粒子を有する。例えば、絶縁層204を形成するために利用されるセラミック充填材は、約200nm~約800nm、例えば約300nm~約600nmの範囲のサイズの粒子を有する。特定の実施形態では、セラミック充填材は、相互接続用のビア及び能動デバイス及び/又は受動デバイス用のキャビティを含む、基板202内にパターニングされた所望の構造の幅又は直径の約25%未満のサイズを有する粒子を含む。特定の実施形態では、セラミック充填材は、所望のパターニングされた構造の幅又は直径の約15%未満のサイズを有する粒子を有する。
【0020】
[0021]更に別の実施形態では、絶縁層204は、感光性又は非感光性ポリイミド材料、ポリベンゾオキサゾール(PBO)材料、二酸化ケイ素材料、及び/又は窒化ケイ素材料などのポリイミド材料で形成される。
【0021】
[0022]
図2Aに更に示されるように、半導体デバイス202は絶縁層204の上に形成された導電層206を含む。導電層206は、トレース層、配線層、パッド層、又は一又は複数の能動デバイス及び/又は受動デバイスを電気的に結合するための任意の他の種類の横方向相互接続構造を表し得る。特定の実施形態では、導電層206は、約2μm~約20μmの間、例えば、約3μm~約18μmの間、例えば、約6μm~約18μmの間の厚さを有する。導電層206は、概して、任意の適切な導電性材料の一又は複数の層から形成され、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、金(Au)、ニッケル(Ni)、銀(Ag)、パラジウム(Pd)、スズ(Sn)などを含むが、これらに限定される訳ではない。特定の実施形態では、接着層(図示せず)及び/又はシード層(図示せず)が、絶縁層204と導電層206の表面間に形成され、導電層206の接着を良くし、導電性材料の拡散を阻止する。例えば、特定の実施形態では、モリブデン(Mo)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、又はチタン-タングステン(WTi)接着層及び/又は銅シード層が、絶縁層204と導電層206との間に形成される。
【0022】
[0023]ここで
図1及び方法100に戻ると、動作102において、絶縁層208が半導体デバイス200の上に積層される。特定の実施形態では、絶縁層208は絶縁層204と実質的に類似である。例えば、特定の実施形態では、絶縁層208は、セラミック充填材含有エポキシ樹脂、ポリイミド材料、PBO材料、二酸化ケイ素材料、及び/又は窒化ケイ素材料などの誘電体材料で形成される。しかし、特定の他の実施形態では、絶縁層208は、絶縁層204とは異なる材料で形成される。概して、絶縁層208は、約2μm~約20μmの間、例えば、約4μm~約18μmの間、例えば、約6μm~約14μmの間の厚さを有する。
【0023】
[0024]積層中、絶縁層208(例えばフィルムとして)が半導体デバイス200の上に配置され、その後高温に露出されることにより、絶縁層208が軟化し、例えば半導体デバイス200の導電層206に付着する。特定の実施形態では、積層動作には、ラミネータ又は他の適切なデバイスで実行され得る真空積層プロセスが含まれる。特定の実施形態では、積層動作はホットプレスプロセスを使用して実行される。
【0024】
[0025]特定の実施形態では、積層動作は、約80℃~約200℃の温度で、約5秒~約90秒の間の期間、例えば約30秒~約60秒の間、実行される。特定の実施形態では、積層動作は、絶縁層208がその上に配置された半導体デバイス200を約80℃~約140℃の間の温度に約5秒~約90秒の間の期間露出させながら、約1psig~約50psigの間の圧力を適用することを含む。例えば、積層動作は、約5psig~約40psigの間の圧力及び約100℃~約120℃の間の温度で、約10秒~約1分の間の期間実行される。幾つかの実施例では、積層動作は、約110℃の温度で、約20秒の期間実行される。
【0025】
[0026]絶縁層208が半導体デバイス200上に積層されると、
図2Bに対応する動作104において、絶縁層208の上に金属マスク層210が堆積する。金属マスク層210は、クロム(Cr)、タングステン(W)、モリブデン、銅などを含むがこれらに限定されない一又は複数の適切な金属で形成され得る。特定の実施形態では、金属マスク層210は高融点金属で形成される。概して、金属マスク層210は、約50nm~約500nmの間、例えば、約100nm~約400nmの間、例えば、約100nm~約300nmの間の厚さを有する。例えば、特定の実施形態では、金属マスク層210は約200nmの厚さを有する。金属マスク層210は、スパッタリング堆積プロセス(すなわち、PVD堆積プロセスによるスパッタリング)を含むがこれに限定されない任意の適切な堆積技法によって絶縁層208の上に堆積し得る。
【0026】
[0027]動作106及び
図2Cにおいて、フォトレジストなどのスピンオン/スプレーオン又はドライフィルムレジスト層212が、金属マスク層210の上に塗布され、積層され、パターニングされる。特定の実施形態では、レジスト層212は、UV放射への選択的な露出によってパターニングされて、一又は複数のパターニングされた領域213を形成する。例えば、特定の実施形態では、レジスト層212は、直接書き込みデジタルリソグラフィなどのマスクレスリソグラフィを使用して、UV放射に選択的に露出される。パターニングの際、動作108及び
図2Dにおいてレジスト層212が現像されて、その中に一又は複数のトレンチ214を形成する。
図2Dに示すように、レジスト層212がネガ型フォトレジストである実施例では、トレンチ212は、動作106において予めパターニングされずに残されたレジスト層212の領域に形成される。レジスト層212がポジ型フォトレジストである実施例では、トレンチ212は、動作106において形成されたパターニングされた領域213に対応する。特定の実施形態では、現像プロセスは、レジスト層212を溶媒に露出することを含む湿式プロセスである。例えば、現像プロセスは、水性エッチングプロセスを利用した湿式エッチングプロセスであってもよい。他の実施例では、フィルム現像プロセスは、所望の材料に対して選択的なバッファエッチングプロセスを利用する湿式エッチングプロセスであってもよい。しかし、レジストフィルムの現像プロセスには、任意の適切な湿式溶媒又は湿式エッチャントの組み合わせを使用することができる。
【0027】
[0028]
図2C~
図2Dに示すように、レジスト層212は、その後に形成されるマイクロビアの所望の形態及び横方向の寸法にしたがってパターニング及び現像される。一般に、マイクロビアは、貫通して配線される相互接続の形態に対応する円筒形又は円形の管状の形状を有する。したがって、特定の実施形態では、レジスト層212がパターニング及び現像されて、その中に円筒形のトレンチ214が形成され、金属マスク層210及び絶縁層208への円筒形パターンの下流転写が可能になる。しかし、更なる実施形態では、非円筒形又は非環状の相互接続及び/又はビアが望まれるため、非円筒形のトレンチ214が形成される。例えば、特定の実施形態では、動作108においてレジスト層212に形成されるトレンチ214の形状は、卵形、楕円形、又は多角形であってもよい。
【0028】
[0029]動作110及び
図2Eにおいて、パターニングされ現像されたレジスト層212がその上に形成された半導体デバイス200は、エッチングプロセスに晒されて、レジスト層212のパターンを金属マスク層210に転写する。したがって、トレンチ214は金属マスク層210内に延在し、ひいては下方の絶縁層208を露出させる。
図2Eに示すように、プロセス中にレジスト層212の一部分も消費され得る。
【0029】
[0030]特定の実施形態では、エッチングプロセスは、誘導結合プラズマ(ICP)ドライエッチングチャンバ内で実行されるプラズマベースのドライエッチングプロセスである。例えば、金属マスク層210がクロムマスク層である実施形態では、半導体デバイス200は、ドライクロム選択的エッチングプロセスに晒され得る。かかる実施形態では、ドライエッチングプロセスは、酸素(O2)、アンモニア(NH3)、窒素(N2)、ヘリウム(He)、塩素(Cl2)、及び/又はアルゴン(Ar)反応性ガスを利用し得る。例えば、特定の実施形態では、90:5:20のCl2:O2:Arの反応性混合ガスが利用される。クロム選択的エッチングプロセスは更に、約200ワット(W)~約2000W、例えば約600Wのプラズマ生成電力を利用し、バイアス電力は約100W~約400W、例えば約220Wであってもよく、約2ミリトール(mTorr)~約100ミリトール(mTorr)の間、例えば約10mTの圧力で実施され得る。
【0030】
[0031]金属マスク層210をエッチングした後、動作112及び
図2Fにおいて、半導体デバイス200をレーザアブレーションプロセスに晒して、金属マスク層210を通して露出した絶縁層208の部分をアブレーションし、ひいてはその中にマイクロビア216を形成する。レーザアブレーションプロセスは、レーザ電源、焦点ビーム直径、焦点高さ、パルスエネルギー、パルス幅、バーストエネルギー、バーストトレイン当たりのパルス数(例えば、所望の持続時間によって分離されたパルスのシーケンス)、パルス周波数、バースト周波数、ビームスポットサイズ、及び空間ビームプロファイル(ガウス又はトップハット)などを含むがこれらに限定されない調整可能なレーザプロセスパラメータ及び特性を備えた任意の適切な種類のレーザシステムを利用して実行され得る。概して、金属マスク層210はその下に配置された絶縁層208の部分を保護するため、動作112においてレーザシステムは、金属マスク層210のリソグラフィで画定された孔より大きいスポットサイズを有するレーザビームを生成し得る。
【0031】
[0032]特定の実施形態では、動作112におけるレーザアブレーションプロセスは、Innoslabレーザ光源を備えたフェムト秒(fs)UVレーザなどの紫外線(UV)レーザを利用して実行され、約180nm~約400nm、例えば、約300nm~約360nm、例えば、約345nm又は約355nmの波長を有するレーザビームを放出する。かかる実施形態では、UVレーザは、パルスレーザビームを生成することによって絶縁層208をアブレーションすることができ、このパルスレーザビームは、一又は複数の固定周波数(例えば50MHz以上)、約5nJ~約10nJのパルスエネルギーを持つパルスバーストトレインで放出され得る。銅などの金属はUVレーザビームに対して耐性がないため、約5~10nJの間の正確なエネルギー線量でパルスバーストモードを利用すると、連続又は連続パルスのUVレーザビームと比較して、破片の形成を低減し、下層の導電層206への損傷をほとんど又は全く与えずに絶縁層208のアブレーションを容易にすることができる。したがって、導電層206は、動作112におけるレーザアブレーションプロセス中にレーザストップとして作用し得る。更に、上述のUVレーザ条件は、予めパターニングされた金属マスク層210と組み合わせて、上部/底部開口部サイズ、開口部形態、及び上部/底部開口部間のテーパを含む、非常に正確なビア形状制御を可能にする。
【0032】
[0033]特定の実施形態では、動作112におけるレーザアブレーションプロセスは、約700nm~約2.5μmの間の近赤外(NIR)波長、又は約2.5μm~約24μmの間の中赤外(mid-IR)波長など、約700nm~約1mmの間の赤外(IR)波長で実行されるレーザ光源を利用して実行される。例えば、特定の実施形態では、動作112におけるレーザアブレーションプロセスは、約2μm~約3μmの間のNIRからmid-IRまでの波長を有するレーザ光源を使用して実行される。2~3μmの波長は、金属材料に対するポリマー材料の選択性が高く、したがって、金属マスク層210はレーザビームの不整列部分を単に反映するため、放出されたレーザビームと金属マスク層210の予めパターニングされたトレンチ214との間のより大きな位置合わせ許容差を可能にする。更に、絶縁層208などのポリマー材料の2~3μmの波長のアブレーション効率の増加、及び金属のアブレーション効率が比較的低いため、動作112中に下層の導電層206への損傷がほとんど又は全く発生しない。特定の実施形態では、NIR又はmid-IRレーザは、光ファイバ内の一又は複数のカスケードプロセスを介してレーザビームを作り出すファイバレーザである。例えば、特定の実施形態では、ファイバレーザは、例えば約1μmの波長のナノ秒(ns)又はピコ秒(ps)シードレーザビームを一連の受動又は能動ファイバに注入し、非線形周波数変換のために所望のIR波長範囲で拡張伝送を行うことができる。特定の他の実施形態では、ファイバレーザは、fsシードレーザビームなどの短パルス、高強度のシードレーザビームを、カルコゲニドガラスファイバなどの正常分散を用いる高非線形光学媒体にポンピングすることができる。更に他の実施形態では、ファイバレーザは、エルビウムドープ又はフッ化物ファイバ、又は他のドープされたmid-IRファイバを利用して、約3μmの波長で放出し得る。
【0033】
[0034]複数のマイクロビア216又はアレイが必要とされる実施形態では、レーザシステムは、単軸又は多軸大型角度ガルバノメータ光学スキャナ(例えばガルボスキャナ)などのスキャナ220を含み得、半導体デバイス200の表面を横切るレーザ光源からの一又は複数のレーザビームのスキャンを容易にして、複数のマイクロビア216又はアレイを形成する。「ガルバノメータスキャナ」という用語は、一般に、半導体デバイス200全体にわたって一又は複数のレーザビームを掃引するために、一又は複数のレーザビームの投影又は反射角度を変更し得る任意の種類のデバイスを指す。例えば、スキャナ220は、動作112におけるレーザアブレーションプロセス中に、半導体デバイス200全体にわたってレーザビームを発散(例えば、増倍)及び/又は方向付けるために、一又は複数の調整可能かつ電気機械的に制御されるミラーを含み得る。特定の実施形態では、スキャナ220の利用により、半導体デバイス200内の単一のマイクロビア216を一度に穿孔したり、複数のマイクロビア216を同時に穿孔したり、半導体デバイス200の表面の端から端までレーザビームをスキャンして幾らかの掃引を伴う複数のマイクロビア216を形成したりすることが可能になる。
【0034】
[0035]動作114及び
図2Gにおいて、半導体デバイス200からレジスト層212を取り除くためにレジスト除去プロセスが実行される。動作114は、動作112におけるレーザアブレーションプロセスの前後に実行され得る。特定の実施形態では、レジスト層212は、ドライエッチング又はアッシングなどの一又は複数のドライプロセスによって除去される。特定の実施形態では、レジスト除去プロセスは、半導体デバイス200を約60℃~約100℃の間、例えば約80℃の温度に維持しつつ、半導体デバイス200をマイクロ波O
2プラズマに露出することを含み、これにより、マイクロビア216を通じて露出された導電層206に損傷を与えることなく、レジスト層212を除去することが可能になる。低すぎる温度を利用するとレジスト剥離速度が大幅に減少し、一方、高すぎる温度を利用すると下層の導電層206に損傷を与える可能性があるため、温度は動作114における重要な要因である。
【0035】
[0036]レジスト除去後、半導体デバイス200は、動作116及び
図2Hにおいて洗浄プロセスに晒され、前のレーザアブレーションプロセスからマイクロビア216内に残った不要な破片を除去し、レーザ穿孔に露出されたマイクロビア216の表面(例えば壁)を滑らかにする。洗浄プロセスには、乾式及び/又は湿式プロセスの任意の組み合わせが含まれ得る。特定の実施形態では、半導体デバイス200は、プラズマベースのドライエッチングプロセスなどのドライエッチングプロセスに晒される。かかる実施形態では、プラズマベースのドライエッチングプロセスは、O
2、CF
4、NH
3、N
2、Cl
2、及び/又はAr反応性ガスを利用し得る。例えば、特定の実施形態では、プラズマベースのドライエッチングプロセスは、50:3:5のO
2:CF
4:Arの反応性混合ガス、約200ワット(W)~約2000W、例えば500Wのプラズマ生成電力、約25ワット(W)~約100W、例えば約50Wのバイアス電力を利用する。更なる実施形態では、半導体デバイス200は、一又は複数の乾式プロセスと組み合わせて使用され得る湿式プロセスに晒される。例えば、特定の実施形態では、半導体デバイス200は5%メタノールの水溶液である塩化第2銅(CuCl
2)3:1に露出され、反応性フッ素ガスを利用したプラズマベースのドライエッチングプロセスなど、プラズマベースのドライエッチングプロセスと組み合わせて利用することができる。
【0036】
[0037]動作118および
図2Iでは、洗浄された半導体デバイス200が選択的にエッチングされて、金属マスク層210を除去する。したがって、幾つかの従来の方法とは異なり、金属マスク層210は、下流の相互接続形成中に半導体デバイス200上に残らないため、相互接続形成前に絶縁層208の上にシード層及び/又はバリア層が直接堆積することを可能にする。特定の実施形態では、動作118におけるエッチングプロセスは、任意の適切な湿式エッチャント又は水溶液中の湿式エッチャントの組み合わせを利用する湿式エッチングプロセスである。例えば、金属マスク層210がクロムを含む実施形態の場合、半導体デバイス200は、50%のNaOHと33%のK
3[FE(CN)
6](1:3)を含むエッチング水溶液にほぼ室温(27℃)で約2~約10分間、例えば約3~約5分間、浸漬され得る。
【0037】
[0038]金属マスク層210を選択的にエッチングすると、
図2Jに示すように、マイクロビア216内に相互接続222が形成され得る。相互接続222は、絶縁層208によって画定され、マイクロビア216を通って下層の導電層206まで延伸するマイクロビア216の側壁上に形成され得る。相互接続222は、無電解堆積、又は物理的気相堆積(PVD)と電気化学堆積(ECD)の組み合わせを含む任意の適切な方法によってマイクロビア216内に堆積し得る。特定の実施形態では、相互接続222は、マイクロビア216を充填又は「プラグ」するために堆積され、ひいてはその中に固体又は充填された導電体が生み出される。しかし、特定の他の実施形態では、相互接続222は、マイクロビア216の線表面のみに堆積される。
【0038】
[0039]相互接続222は、概して、任意の適切な導電性材料の一又は複数の層から形成されてもよく、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、金(Au)、ニッケル(Ni)、銀(Ag)、パラジウム(Pd)、スズ(Sn)などを含むが、これらに限定される訳ではない。特定の実施形態では、上述のように、相互接続222の堆積前に、マイクロビア216の表面の上に接着層(図示せず)及び/又はシード層(図示せず)が形成され得る。例えば、特定の実施形態では、モリブデン、チタン、タンタル、又はチタンタングステン接着層及び/又は銅シード層が、相互接続222の堆積前にマイクロビア216の側壁上に堆積して、その接着性を向上させ、導電性材料の拡散を阻止する。
【0039】
[0040]
図3A及び
図3Bは、特定の実施形態による、例えば上述の方法100によって半導体デバイス200内に形成され得る例示的なマイクロビア構造の断面図を概略的に示す。
図3A~
図3Bには、半導体デバイス200の一部分のみが示されていることに留意されたい。
【0040】
[0041]
図3Aに示すように、マイクロビア316aは、半導体パッケージであり得る半導体デバイス200の再配線層に形成されたマイクロビアの一例である。したがって、マイクロビア316aは、基板202の上方の絶縁層208を貫通して配置されているように示されており、基板202は、その上に形成された絶縁層204および導電層206を更に含む。概して、マイクロビア316aは、絶縁層208の厚さ全体を貫通して形成され、したがって、導電層206は、マイクロビア316aのレーザアブレーション中にレーザストップとして使用され得る。特定の実施形態では、マイクロビア316aは、約2μm~約20μmの間の高さを有し、これは、絶縁層208の厚さと同等であり得る。特定の実施形態では、マイクロビア316aは、実質的に鉛直な側壁を有し、したがって、約2μm~約10μmの間の均一な直径、例えば、約3μm~約7μmの間の均一な直径を有し得る。特定の実施形態では、マイクロビア316aの直径と絶縁層208の厚さの比は、約1:2から約1:1の間である。
【0041】
[0042]特定の他の実施形態では、
図3Aに示すように、マイクロビアはテーパ状又は角度の付いた側壁を有する。例えば、マイクロビア316の側壁は、約60°~約90°のテーパ角α、例えば約80°~約90°のテーパ角αを有し得る。かかる実施形態では、マイクロビア316aの上部直径DTは、約2μm~約15μmの間、例えば、約4μm~約12μmの間であり、マイクロビア316aの底部直径DBは、約1μm~約8.5μmの間、例えば約2μm~約6μmの間である。テーパ状又は円錐状の形態の形成は、例えば、動作112で利用されるレーザシステムのレーザビームを、マイクロビア316aの中心軸に対して螺旋状(例えば、円形、コルク栓抜き)運動で移動させることによって達成され得る。レーザビームは、運動システムを使用して角度を付けて、テーパ状マイクロビア316aを形成することもできる。
【0042】
[0043]
図3Bに示すように、マイクロビア316bは、半導体デバイス200の基板202を貫通して形成され、例えば基板202の第1の表面303aから第2の表面303bまで延在するマイクロビアの一例である。かかる実施形態では、マイクロビア316bは、基板202をカプセル化し(例えば、取り囲み)、基板202に形成されたシリコン貫通ビア314を通過する、半導体デバイス200の絶縁層204を通してレーザアブレーションされる。したがって、マイクロビア316bを形成するためには、上述の方法100の前に、まず任意の適切な一又は複数の基板パターニング方法によって基板202を貫通してシリコン貫通ビア314を形成する必要があり、その後、動作100において、絶縁層204が基板202の上に積層されて、基板202に付着し、シリコン貫通ビア314に流れ込む。
【0043】
[0012]特定の実施形態では、シリコン貫通ビア314は、例えば、IR、UV、又はCO
2レーザを使用するレーザアブレーションによって形成される。例えば、シリコン貫通ビア314をアブレーションするために利用されるレーザは、ps又はfsUVレーザであり得る。特定の実施例では、レーザはfsグリーンレーザである。更に他の実施形態では、シリコン貫通ビア314は、適切なエッチングプロセス、例えば、ドライエッチングプロセス又はビードブラストプロセスによって形成される。概して、シリコン貫通ビア314は、
図3Bに示すように、円筒形又はテーパ状の形態を有し得る。マイクロビア316aと同様に、テーパ状又は円錐状の形態の形成は、例えば、シリコン貫通ビア314の中心軸に対して螺旋状(例えば、円形、コルク栓抜き)運動で基板パターニング中に利用されるレーザのレーザビームを移動させることによって達成され得る。レーザビームは、運動システムを使用して角度を付けることもできる。同様の方法を利用して、均一な直径を有する円筒形のシリコン貫通ビア314を形成することもできる。
【0044】
[0044]シリコン貫通ビア314の形成の際、絶縁層204は、基板202の上に配置され、例えば方法100の動作102において積層され、ひいてはシリコン貫通ビア314に流れ込み、充填することができる。特定の実施形態では、積層プロセスは、オートクレーブ又は他の適切なデバイスで実行され得る真空積層プロセスである。特定の実施形態では、積層プロセスは、ホットプレスプロセスを使用して実行される。特定の実施形態では、積層プロセスは、約80℃~約140℃の間の温度で、約5秒~約1.5分の間の期間、実行される。かかる実施形態では、積層プロセスは、約1psigから約50psigの間の圧力で実行され得る。例えば、積層プロセスは、約5psig~約40psigの間の圧力及び約100℃~約120℃の間の温度で、約10秒~約1分の間の期間実行され得る。
【0045】
[0045]積層後、
図3Bに示すように、方法100を使用して、シリコン貫通ビア314を通って延在する絶縁層204の一部分にマイクロビア316bが形成される。概して、マイクロビア316bは、マイクロビア316aと同様の横方向の形状及び/又は寸法、例えばテーパ状又は円錐状の形態を有し得る。
【0046】
[0046]
図4は、特定の実施形態による、上述の方法100によって形成されたマイクロビアを有する例示的な半導体パッケージ400の概略側方断面図を示す。図示のように、半導体パッケージ400は、パッケージフレームとして機能し、一又は複数のキャビティ408及び一又は複数のシリコン貫通ビア414が形成された基板402、例えばシリコン基板を含む。絶縁層404は基板402の上に積層され、キャビティ408及びシリコン貫通ビア414を通って基板402の第1の側403aから第2の側403bまで延在する。一又は複数の半導体ダイ406が各キャビティ408内に配置され、その中の絶縁層404内に埋め込まれる。同様に、一又は複数の相互接続412が各シリコン貫通ビア414内に配置され、その中の絶縁層404によって取り囲まれる。半導体パッケージ400のいずれの側にも再配線層420があり、再配線層420は、一又は複数の相互接続412と電気的に通信する一又は複数の再配線相互接続422から構成される。再配線相互接続422は、トレース、ワイヤ、及びパッドなどの鉛直相互接続及び横方向相互接続を含み得る。
【0047】
[0047]半導体パッケージ400の形成中、絶縁層404の積層により、その誘電体材料がシリコン貫通ビア414内に流入して充填される。したがって、絶縁層404の積層後、基板402全体に相互接続412用のチャネル又は経路を形成するために、シリコン貫通ビア414内の絶縁層404の誘電体材料にビア416aをレーザ穿孔することができ、ひいては相互接続412の配線のためのビアインビア構造を形成し得る。同様に、相互接続412の形成後、再配線相互接続422を再配線ビア416b内で半導体パッケージ400のいずれの側にも形成することができ、これも同様に絶縁層404にレーザ穿孔することができる。したがって、絶縁層404内に形成されるビア416a及び再配線ビア416bは、上記の
図1及び
図2A~
図2Jを参照して上述した方法によって形成されるマイクロビアであり得る。
【0048】
[0048]要約すると、上述の方法及びマイクロビア構造は、半導体デバイス用の従来のビア製造技法を実装する方法及びアーキテクチャよりも多くの利点を提供する。かかる恩恵には、高品質で低アスペクト比のマイクロビア構造を形成できることが含まれ、これにより、従来のパッケージング技術と比較して、性能と柔軟性が向上し、製造コストが比較的低い、先進的な集積半導体デバイス用の高密度パッケージングアーキテクチャが有利に可能になる。
【0049】
[0049]上記の説明は本開示の実施形態を対象としているが、本開示の基本的な範囲を逸脱しなければ、本開示の他の実施形態及び更なる実施形態が考案されてよく、本開示の範囲は以下の特許請求の範囲によって決まる。
【国際調査報告】