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特表2024-521151ゲートオールアラウンド型FETアーキテクチャにおけるボイドフリーなコンタクトトレンチ充填
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-28
(54)【発明の名称】ゲートオールアラウンド型FETアーキテクチャにおけるボイドフリーなコンタクトトレンチ充填
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/336 20060101AFI20240521BHJP
   H01L 21/28 20060101ALI20240521BHJP
   H01L 21/3205 20060101ALN20240521BHJP
【FI】
H01L29/78 301Y
H01L21/28 301S
H01L21/88 R
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023572579
(86)(22)【出願日】2022-04-25
(85)【翻訳文提出日】2024-01-18
(86)【国際出願番号】 US2022026141
(87)【国際公開番号】W WO2022250820
(87)【国際公開日】2022-12-01
(31)【優先権主張番号】63/194,673
(32)【優先日】2021-05-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ブレイル, ニコラス ルイス
(72)【発明者】
【氏名】リー, ビョン チャン
(72)【発明者】
【氏名】コロンボー, ベンジャミン
【テーマコード(参考)】
4M104
5F033
5F140
【Fターム(参考)】
4M104AA01
4M104AA03
4M104BB20
4M104BB21
4M104BB25
4M104BB26
4M104BB27
4M104CC01
4M104DD33
4M104DD43
4M104DD45
4M104DD46
4M104DD84
4M104FF18
4M104GG09
4M104HH13
4M104HH15
5F033HH07
5F033HH15
5F033HH19
5F033HH20
5F033HH32
5F033HH33
5F033MM13
5F033PP04
5F033PP06
5F033PP14
5F033PP26
5F033QQ08
5F033QQ11
5F033XX02
5F140AA00
5F140BA01
5F140BA05
5F140BB05
5F140BB06
5F140BH27
5F140BJ08
5F140BJ17
5F140BJ20
5F140BK18
5F140BK29
5F140BK30
5F140BK34
(57)【要約】
半導体デバイスにおいてコンタクトトレンチ構造体を形成する方法であって、方法は、トレンチの側壁上にコンタクトを形成するための第1の選択的堆積プロセスを実行することであって、トレンチの側壁のそれぞれは、第1の材料の第1の断面および第2の材料の第2の断面を含む、第1の選択的堆積プロセスを実行することと、コンタクト上に金属シリサイド層を形成するために第2の選択的堆積プロセスを実行することと、トレンチ内にコンタクトプラグを形成するための第1の金属充填プロセスを実行することであって、第1の金属充填プロセスはコンタクトプラグ金属材料をトレンチ内に堆積させることを含む、第1の金属充填プロセスを実行することと、トレンチ内に開口部を形成するためのエッチングプロセスを実行することであって、トレンチ内のコンタクトプラグ金属材料を部分的にエッチングすることを含む、エッチングプロセスを実行することと、第2の金属充填プロセスを実行することであって、第2の金属充填プロセスは開口部内にコンタクトプラグ金属材料を堆積させることを含む、第2の金属充填プロセスを実行することと、を含む。
【選択図】図3H
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体デバイスにおいてコンタクトトレンチ構造体を形成する方法であって、
トレンチの側壁上にコンタクトを形成するための第1の選択的堆積プロセスを実行することであって、前記トレンチの前記側壁のそれぞれは第1の材料の第1の断面および第2の材料の第2の断面を含み、前記第1の選択的堆積プロセスは、
前記トレンチの前記側壁上に第3の材料をエピタキシャル成長させること、および
前記トレンチ内の前記第2の材料の前記第2の断面上に選択的に前記コンタクトを形成するために前記第1の材料の前記第1の断面上に形成された前記第3の材料の部分をエッチングすることを含む、第1の選択的堆積プロセスを実行することと、
前記コンタクト上に金属シリサイド層を形成するために第2の選択的堆積プロセスを実行することであって、前記第2の選択的堆積プロセスは、
前記トレンチ内に、前記コンタクト、および前記第1の材料の前記第1の断面上に金属シリサイド材料を成長させること、および
前記コンタクト上に選択的に前記金属シリサイド層を形成するために前記第1の材料の前記第1の断面上に形成された前記金属シリサイド材料の部分をエッチングすることを含む、第2の選択的堆積プロセスを実行することと、
前記トレンチ内にコンタクトプラグを形成するための第1の金属充填プロセスを実行することであって、前記第1の金属充填プロセスはコンタクトプラグ金属材料を前記トレンチ内に堆積させることを含む、第1の金属充填プロセスを実行することと、
前記トレンチ内に開口部を形成するためのエッチングプロセスを実行することであって、前記トレンチ内の前記コンタクトプラグ金属材料を部分的にエッチングすることを含む、エッチングプロセスを実行することと、
第2の金属充填プロセスを実行することであって、前記第2の金属充填プロセスは前記開口部内に前記コンタクトプラグ金属材料を堆積させることを含む、第2の金属充填プロセスを実行することと、を含む、方法。
【請求項2】
前記第1の材料は二酸化ケイ素または窒化ケイ素を含み、
前記第2の材料はケイ素含有材料を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第3の材料は、シリコン(Si)、炭化ケイ素(SiC)、およびシリコンゲルマニウム(SiG)で構成されるグループから選択された材料を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記コンタクトプラグ金属材料は、タングステン(W)、コバルト(Co)、ルテニウム(Ru)、およびモリブデン(Mo)で構成されるグループから選択された材料を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記金属シリサイド材料は、ケイ化チタン(Ti)、ケイ化コバルト(Co)、ケイ化ニッケル(Ni)、ケイ化モリブデン(Mo)、またはケイ化タンタル(Ta)で構成されるグループから選択された材料を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記第1の金属充填プロセスより前に共形堆積プロセスを実行することであって、前記共形堆積プロセスは、
前記トレンチの露出面上にバリア金属材料を堆積させることを含む、共形堆積プロセスを実行することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記バリア金属材料は、窒化チタン(TiN)および窒化タンタル(TaN)で構成されるグループから選択された材料を含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
半導体デバイスにおいてボイドフリーなトレンチコンタクトプラグを形成する方法であって、
トレンチ内にコンタクトプラグを形成するための第1の金属充填プロセスを実行することであって、前記第1の金属充填プロセスは前記トレンチ内にコンタクトプラグ金属材料を堆積させることを含み、前記トレンチの側壁は、エピタキシャル成長したコンタクトが形成される第1の材料の第1の断面、および第2の材料の第2の断面を含む、第1の金属充填プロセスを実行することと、
前記トレンチ内に開口部を形成するためのエッチングプロセスを実行することであって、前記トレンチ内の前記コンタクトプラグ金属材料を部分的にエッチングすることを含む、エッチングプロセスを実行することと、
第2の金属充填プロセスを実行することであって、前記第2の金属充填プロセスは前記開口部内に前記コンタクトプラグ金属材料を堆積させることを含む、第2の金属充填プロセスを実行することと、を含む、方法。
【請求項9】
前記第1の材料は二酸化ケイ素または窒化ケイ素を含み、
前記第2の材料はケイ素含有材料を含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記エピタキシャル成長したコンタクトは、シリコン(Si)、炭化ケイ素(SiC)、およびシリコンゲルマニウム(SiGe)で構成されるグループから選択された材料を含む、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記コンタクトプラグ金属材料は、タングステン(W)、コバルト(Co)、ルテニウム(Ru)、およびモリブデン(Mo)で構成されるグループから選択された材料を含む、請求項8に記載の方法。
【請求項12】
前記トレンチの露出面上に金属バリア層を共形堆積させることをさらに含む、請求項8に記載の方法。
【請求項13】
バリア金属材料は、窒化チタン(TiN)および窒化タンタル(TaN)で構成されるグループから選択された材料を含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
第1の半導体層および第2の半導体層のスタックであって、トレンチが前記スタックを通して形成される、スタックと、
前記トレンチに面する前記第1の半導体層のそれぞれの端部に形成されるスペーサと、
前記トレンチ内の前記第2の半導体層の第1の断面のそれぞれにおいてエピタキシャル成長したコンタクトと、
前記コンタクト上に成長した金属シリサイド層と、
前記トレンチ内の前記金属シリサイド層上のバリア金属層と、
前記トレンチ内のボイドフリーな金属コンタクトプラグと、を備える、半導体構造体。
【請求項15】
前記第1の半導体層はシリコンゲルマニウムを含み、
前記第2の半導体層はシリコンを含む、請求項14に記載の半導体構造体。
【請求項16】
前記スペーサは二酸化ケイ素または窒化ケイ素を含む、請求項14に記載の半導体構造体。
【請求項17】
前記コンタクトは、シリコン(Si)、炭化ケイ素(SiC)、およびシリコンゲルマニウム(SiGe)で構成されるグループから選択された材料を含む、請求項14に記載の半導体構造体。
【請求項18】
前記ボイドフリーな金属コンタクトプラグは、タングステン(W)、コバルト(Co)、ルテニウム(Ru)、およびモリブデン(Mo)で構成されるグループから選択された材料を含む、請求項14に記載の半導体構造体。
【請求項19】
前記金属シリサイド層は、ケイ化チタン(Ti)、ケイ化コバルト(Co)、ケイ化ニッケル(Ni)、ケイ化モリブデン(Mo)、またはケイ化タンタル(Ta)で構成されるグループから選択された材料を含む、請求項14に記載の半導体構造体。
【請求項20】
バリア金属材料は、窒化チタン(TiN)および窒化タンタル(TaN)で構成されるグループから選択された材料を含む、請求項14に記載の半導体構造体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に記載される実施形態は、一般的に、半導体デバイス製造に関し、より詳細には、ゲートオールアラウンド型電界効果トランジスタ(FET)においてコンタクトトレンチ構造体を形成するシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
複数のゲートを単一のデバイスに組み込むため、従来の平面バルクMOSFETよりもスケーラブルであるマルチゲート金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)、例えば、二重ゲート電界効果トランジスタ(FinFET)、シリコンオンインシュレータ(SOI)トライゲートMOSFET、およびゲートオールアラウンド型(GAA)FETは、それらの3次元(3D)設計および小型であることにより、生産上の難題をもたらしている。ゲートがシリコンベースのチャネルの2つまたは4つ全ての側部に設置されるGAA FETなどの10~15nm未満の技術ノード用のアーキテクチャでは、寄生抵抗または外部抵抗はデバイスの性能にかなりの影響を与える。そのような寄生抵抗を最小化するために、シリコンベースのチャネルと金属コンタクトプラグとをインターフェース接続するためのコンタクトが形成される。しかしながら、この構造体は、既存の金属充填プロセスによってコンタクトプラグにおけるボイドまたはコアの形成が生じることが多いため、金属コンタクトプラグを形成する際にさらなる難題をもたらす。コンタクトプラグにおけるボイドの存在によって、接触抵抗が大幅に増大する可能性がある。
【0003】
よって、寄生抵抗を最小化しかつボイドフリーな(void-free)金属コンタクトプラグを有するFETデバイスを製造できるシステムおよび方法が必要とされている。
【発明の概要】
【0004】
本開示の実施形態は、半導体デバイスにおいてコンタクトトレンチ構造体を形成する方法を提供する。方法は、トレンチの側壁上にコンタクトを形成するための第1の選択的堆積プロセスを実行することであって、トレンチの側壁のそれぞれは、第1の材料の第1の断面、および第2の材料の第2の断面を含む、第1の選択的堆積プロセスを実行することと、コンタクト上に金属シリサイド層を形成するための第2の選択的堆積プロセスを実行することと、トレンチ内にコンタクトプラグを形成するための第1の金属充填プロセスを実行することであって、第1の金属充填プロセスはコンタクトプラグ金属材料をトレンチ内に堆積させることを含む、第1の金属充填プロセスを実行することと、トレンチ内に開口部を形成するためのエッチングプロセスを実行することであって、トレンチ内のコンタクトプラグ金属材料を部分的にエッチングすることを含む、エッチングプロセスを実行することと、第2の金属充填プロセスを実行することであって、第2の金属充填プロセスは開口部内にコンタクトプラグ金属材料を堆積させることを含む、第2の金属充填プロセスを実行することと、を含む。第1の選択的堆積プロセスは、トレンチの側壁上にシリサイド材料を成長させることと、トレンチ内の第2の材料の第2の断面上に選択的にコンタクトを形成するために第1の材料の第1の断面上に形成されたシリサイド材料の部分をエッチングすることとを含む。第2の選択的堆積プロセスは、トレンチ内に、コンタクト、および第1の材料の第1の断面上に金属シリサイド材料を成長させることと、コンタクト上に選択的に金属シリサイド層を形成するために第1の材料の第1の断面上に形成された金属シリサイド材料の部分をエッチングすることと、を含む。
【0005】
本開示の実施形態は、半導体デバイスにおいてボイドフリーなトレンチコンタクトプラグを形成する方法も提供する。方法は、トレンチ内にコンタクトプラグを形成するための第1の金属充填プロセスを実行することであって、第1の金属充填プロセスはトレンチ内にコンタクトプラグ金属材料を堆積させることを含み、トレンチの側壁は、エピタキシャル成長したコンタクトが形成される第1の材料の第1の断面、および第2の材料の第2の断面を含む、第1の金属充填プロセスを実行することと、トレンチ内に開口部を形成するためのエッチングプロセスを実行することであって、トレンチ内のコンタクトプラグ金属材料を部分的にエッチングすることを含む、エッチングプロセスを実行することと、第2の金属充填プロセスを実行することであって、第2の金属充填プロセスは開口部内にコンタクトプラグ金属材料を堆積させることを含む、第2の金属充填プロセスを実行することと、を含む。
【0006】
本開示の実施形態は半導体構造体をさらに提供する。半導体構造体は、第1の半導体層および第2の半導体層のスタックであって、トレンチがスタックを通して形成される、スタックと、トレンチに面する第1の半導体層のそれぞれの端部に形成されたスペーサと、トレンチ内の第2の半導体層の第1の断面のそれぞれにおいてエピタキシャル成長したコンタクトと、コンタクト上に成長した金属シリサイド層と、トレンチ内の金属シリサイド層上のバリア金属層と、トレンチ内のボイドフリーな金属コンタクトプラグと、を含む。
【0007】
本開示の上記の特徴が詳細に理解可能であるように、上に簡潔に要約された本開示のより詳細な説明は、一部が添付の図面に例示されている実施形態を参照して得られ得る。しかしながら、添付の図面は、本開示の典型的な実施形態のみ例示しているため、本開示の範囲を限定するものとみなされるべきではなく、本開示では、他の等しく効果的な実施形態が認められ得ることに留意すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】一実施形態による例示のマルチチャンバ処理システムの概略的な上面図である。
図2】一実施形態による半導体構造体においてコンタクトトレンチ構造体を形成する方法のプロセスフロー図である。
図3A】一実施形態による半導体構造体の等角図である。
図3B】一実施形態による半導体構造体の一部分の断面図である。
図3C】一実施形態による半導体構造体の一部分の断面図である。
図3D】一実施形態による半導体構造体の一部分の断面図である。
図3E】一実施形態による半導体構造体の一部分の断面図である。
図3F】一実施形態による半導体構造体の一部分の断面図である。
図3G】一実施形態による半導体構造体の一部分の断面図である。
図3H】一実施形態による半導体構造体の一部分の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
理解を容易にするように、図に共通する同一の要素を指定するために、可能な限り同一の参照記号が使用されている。一実施形態の要素および特徴は、有益には、さらに詳述することなく他の実施形態に組み込まれる場合があることが考えられる。
【0010】
本明細書に説明される実施形態は、隣接するデバイスモジュール間のトレンチ内に形成された金属コンタクトプラグ、およびコンタクトプラグとデバイスモジュールにおけるシリコンベースのチャネルとをインターフェース接続するコンタクトを有するゲートオールアラウンド型(GAA)FETなど、大幅にスケール変更された処理ノード用のトランジスタデバイスを形成するためのシステムおよび方法を提供する。コンタクトは、寄生抵抗を低減するように選択的堆積プロセスによって形成される。トレンチは、その後、金属コンタクトプラグを形成するためにコンタクト上に金属が充填されるが、金属コンタクトプラグにはボイドまたはコアが形成される場合がある。よって、トレンチに形成されたコンタクトプラグは、トンレンチ内に開口部を形成するために部分的にエッチングされ、開口部にはボイドフリーなコンタクトプラグを形成するために金属が充填されて、接触抵抗が低減される。
【0011】
図1は、本開示のいくつかの実施形態によるマルチチャンバ処理システム100の一例の概略的な上面図である。処理システム100は、一般的に、ファクトリインターフェース102と、ロードロックチャンバ104、106と、各々の移送ロボット112、114を有する移送チャンバ108、110と、保持チャンバ116、118と、処理チャンバ120、122、124、126、128、130とを含む。本明細書に詳述されるように、処理システム100におけるウエハは、ウエハを処理システム100の外側の周囲環境(例えば、製造工場などに存在し得る周囲大気環境)に露出することなく、さまざまなチャンバにおいて処理可能でありかつこれらの間で移送可能である。例えば、ウエハは、処理システム100におけるウエハに対して実行されるさまざまなプロセス間の低圧または真空環境を破壊することなく、低圧(例えば、約300トル以下)または真空環境のさまざまなチャンバにおいて処理可能でありかつそれらの間で移送可能である。それ故に、処理システム100は、ウエハの一部の処理のための統合されたソリューションを提供し得る。
【0012】
本明細書に提供された教示に従って適切に修正され得る処理システムの例には、カリフォルニア州サンタクララにあるApplied Materials社から市販されているEndura(登録商標)、Producer(登録商標)、もしくはCentura(登録商標)統合処理システムまたは他の適切な処理システムが含まれる。他の処理システム(他の製造業者からのものを含む)が、本明細書に説明される態様から利益を得るように適応され得ることが企図される。
【0013】
図1の示された例では、ファクトリインターフェース102は、ウエハの移送を容易にするために、ドッキングステーション140およびファクトリインターフェースロボット142を含む。ドッキングステーション140は、1つまたは複数の前方開口型統一ポッド(FOUP)144を受け入れるように構成される。いくつかの例では、それぞれのファクトリインターフェースロボット142は、一般的に、ファクトリインターフェース102からロードロックチャンバ104、106にウエハを移送するように構成された対応するファクトリインターフェースロボット142の一端に配置されたブレード148を備える。
【0014】
ロードロックチャンバ104、106は、ファクトリインターフェース102に結合された各々のポート150、152と、移送チャンバ108に結合された各々のポート154、156とを有する。移送チャンバ108は、保持チャンバ116、118に結合された各々のポート158、160と、処理チャンバ120、122に結合された各々のポート162、164とをさらに有する。同様に、移送チャンバ110は、保持チャンバ116、118に結合された各々のポート166、168と、処理チャンバ124、126、128、130に結合された各々のポート170、172、174、176とを有する。ポート154、156、158、160、162、164、166、168、170、172、174、176は、例えば、移送ロボット112、114によってウエハを受け渡しするための、および各々のチャンバ間でガスが通過するのを防止するために各々のチャンバ間の密閉を行うためのスリットバルブを有するスリットバルブ開口部とすることができる。概して、いずれのポートもウエハを移送するために開いており、それ他の場合は、ポートは閉じている。
【0015】
ロードロックチャンバ104、106、移送チャンバ108、110、保持チャンバ116、118、および処理チャンバ120、122、124、126、128、130は、ガスおよび圧力制御システム(具体的には図示せず)に流体結合されてよい。ガスおよび圧力制御システムは、1つまたは複数のガスポンプ(例えば、ターボポンプ、クライオポンプ、粗引きポンプ)、ガス源、さまざまなバルブ、およびさまざまなチャンバに流体結合された導管を含むことができる。動作時に、ファクトリインターフェースロボット142は、ウエハをFOUP144からポート150または152を通してロードロックチャンバ104または106に移送する。ガスおよび圧力制御システムは、ロードロックチャンバ104または106をポンプダウンする。ガスおよび圧力制御システムは、移送チャンバ108、110および保持チャンバ116、118を内部低圧または真空環境(不活性ガスを含んでよい)でさらに維持する。それ故に、ロードロックチャンバ104または106のポンプダウンは、例えば、ファクトリインターフェース102の大気環境と移送チャンバ108の低圧または真空環境との間でのウエハの受け渡しを容易にする。
【0016】
ポンプダウンされたロードロックチャンバ104または106にウエハがある状態で、移送ロボット112は、ポート154または156を通してロードロックチャンバ104または106から移送チャンバ108内にウエハを移送する。次いで、移送ロボット112は、各々のポート162、164を通して処理するための処理チャンバ120、122の、および、各々のポート158、160を通してさらなる移送を待つために保持するための保持チャンバ116、118のいずれかにおよび/またはこれらのいずれかの間でウエハを移送することが可能である。同様に、移送ロボット114は、ポート166または168を通して保持チャンバ116または118におけるウエハにアクセスすることが可能であり、各々のポート170、172、174、176を通して処理するための処理チャンバ124、126、128、130の、および、各々のポート166、168を通してさらなる移送を待つために保持するための保持チャンバ116、118のいずれかにおよび/またはそれらのいずれかの間でウエハを移送することが可能である。さまざまなチャンバ内のおよびチャンバ間でのウエハの移送および保持は、ガスおよび圧力制御システムによって提供される低圧または真空環境において行われ得る。
【0017】
処理チャンバ120、122、124、126、128、130は、ウエハを処理するための任意の適したチャンバとすることができる。いくつかの例では、処理チャンバ122は洗浄プロセスを実行可能であり得、処理チャンバ120はエッチングプロセスを実行可能であり得、処理チャンバ124、126、128、130は各々のエピタキシャル成長プロセスを実行可能であり得る。処理チャンバ122は、カリフォルニア州サンタクララのApplied Materialsから入手可能なSiCoNi(商標)Precleanチャンバであってよい。処理チャンバ120は、カリフォルニア州サンタクララのApplied Materialsから入手可能なSelectra(商標)エッチングチャンバであってよい。
【0018】
システムコントローラ190は、処理システム100またはこの構成要素を制御するために処理システム100に結合される。例えば、システムコントローラ190は、処理システム100のチャンバ104、106、108、116、118、110、120、122、124、126、128、130の直接制御を使用して、またはチャンバ104、106、108、116、118、110、120、122、124、126、128、130と関連付けられたコントローラを制御することによって、処理システム100の動作を制御してよい。動作時に、システムコントローラ190は、処理システム100の性能を調整するために、各々のチャンバからのデータ収集およびフィードバックを可能にする。
【0019】
システムコントローラ190は、一般に、中央処理装置(CPU)192、メモリ194、および支援回路196を含む。CPU192は、工業環境で使用可能である任意の形態の汎用プロセッサのうちの1つであってよい。メモリ194または非一時的コンピュータ可読媒体は、CPU192によってアクセス可能であり、かつ、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、フロッピーディスク、ハードディスク、またはローカルまたはリモートの任意の他の形態のデジタルストレージなどのメモリのうちの1つまたは複数であってよい。支援回路196は、CPU192に結合され、キャッシュ、クロック回路、入力/出力サブシステム、および電源などを備えてよい。本明細書に開示されるさまざまな方法は、一般的に、例えば、ソフトウェアルーチンとしてメモリ194(または特定のプロセスチャンバのメモリ)に記憶されたコンピュータ命令コードを実行するCPU192によってCPU192の制御下で実施されてよい。コンピュータ命令コードがCPU192によって実行されるとき、CPU192は、チャンバを制御してさまざまな方法に従ってプロセスを実行する。
【0020】
他の処理システムは、他の構成であり得る。例えば、より多くのまたはより少ない処理チャンバが移送装置に結合されてよい。示された例では、移送装置は、移送チャンバ108、110と、保持チャンバ116、118とを含む。他の例では、より多いもしくはより少ない移送チャンバ(例えば、1つの移送チャンバ)および/またはより多いもしくはより少ない保持チャンバ(例えば、保持チャンバなし)が、処理システムにおける移送装置として実装されてよい。
【0021】
図2は、本開示の1つまたは複数の実装形態による、半導体構造体300でコンタクトトレンチ構造体を形成する方法200のプロセスフロー図を示す。図3Aは半導体構造体300の等角図である。図3B図3C図3D図3E図3F図3G、および図3Hは、方法200のさまざまな状態に対応する半導体構造体300の一部分の断面図である。図3A図3B図3C図3D図3E図3F図3G、および図3Hが、半導体構造体300の部分的な概略図のみを示し、半導体構造体300が図に示されるような態様を有する任意の数のトランジスタ部およびさらなる材料を含有し得ることは、理解されるべきである。図2に示される方法が順を追って説明されているが、省略および/または追加された1つまたは複数の動作を含む、および/または別の望ましい順序で再配置されている他の工程順序が、本明細書に提供される本開示の実施形態の範囲内にあることも留意されるべきである。
【0022】
図3A図3B図3C図3D図3E図3F図3G、および図3Hを参照すると、半導体構造体300は、第1のゲートオールアラウンド型電界効果トランジスタ(GAA FET)モジュールTR1と第2のGAA FETモジュールTR2とを有する基板302を含み得る。第2のGAA FETモジュールTR2は図3Aに示されていない。第1のGAA FETモジュールTR1および第2のGAA FETモジュールTR2は、トレンチ304によって分離される。
【0023】
本明細書で使用される用語「基板」は、後続の処理動作の基盤としての役割を果たしかつ洗浄される表面を含む材料の層を指す。基板302は、必要に応じて、シリコン系材料または任意の適切な絶縁材料もしくは導電性材料であってよい。基板302は、結晶シリコン(例えば、Si<100>またはSi<111>)、酸化ケイ素、歪みシリコン、シリコンゲルマニウム、ドープされたまたはドープされていないポリシリコン、ドープされたまたはドープされていないシリコンウエハおよびパターン形成されたまたはパターン形成されていないウエハ、シリコンオンインシュレータ(SOI)、炭素がドープされた酸化ケイ素、窒化ケイ素、ドープされたシリコン、ゲルマニウム、ヒ化ガリウム、ガラス、またはサファイアなどの材料を含んでよい。
【0024】
GAA FETモジュールTR1およびTR2のそれぞれは、基板302上に交互にかつ繰り返し積み重ねられた第1の半導体層306および第2の半導体層308を含む。第1の半導体層306は、第2の半導体層308が形成される第2の材料に対するエッチング選択性を有する第1の材料で形成される(すなわち、第1の材料のエッチング速度は第2の材料のエッチング速度より高い)。エッチング選択性(すなわち、第1の材料のエッチング速度対第2の材料のエッチング速度の比率)は約10:1~200:1である。第1の材料と第2の材料との例示の組み合わせには、シリコンゲルマニウム(SiG
e)/シリコン(Si)、シリコンゲルマニウム(SiGe)/ゲルマニウム(Ge)、およびゲルマニウム錫(GeSn)/シリコン(Si)が含まれる。第1の半導体層306および第2の半導体層308のスタックは、第1のGAA FETモジュールTR1と第2のGAA FETモジュールTR2との間でトレンチ304によって分離され、かつ第1のGAA FETモジュールTR1および第2のGAA FETモジュールTR2のそれぞれのモジュール内の別個のピラー310に分割される。第1の半導体層306は、トレンチ304に面する第1の半導体層306の端部においてくぼみを形成するように選択的にエッチングされてよく、このそれぞれにはスペーサ312が形成される。これらスペーサ312は、第1のGAA FETモジュールTR1および第2のGAA FETモジュールTR2におけるピラーの隣に堆積させるソース/ドレイン領域(図示せず)間に形成されてよい。スペーサ312は、二酸化ケイ素(SiO)、窒化ケイ素(Si)、酸窒化ケイ素(SiON)、オキシ炭化ケイ素(SiOC)、ホウ素がドープされたオキシ炭窒化シリコン(SiOCBN)、酸化アルミニウム(Al)、または酸化ハフニウム(HfO)などの誘電材料で形成されてよい。
【0025】
ピラーにおける第2の半導体層308は、数ナノメートル~数10ナノメートルの幅を有するチャネルとしての役割を果たし得る。
【0026】
第1の半導体層306および第2の半導体層308は、化学気相堆積(CVD)、原子層堆積(ALD)、または物理的気相堆積(PVD)などの任意の適切な堆積技法を使用して形成されてよく、ピラー310は、リソグラフィおよびエッチングプロセスなどのパターニング技法によって形成される。第1の半導体層306および第2の半導体層308はそれぞれ、約6nm~約14nm、例えば約10nmの厚さを有してよい。第1の半導体層306の選択的エッチングは、乾式プラズマエッチングプロセスなどの任意の適したエッチングプロセスによって行われてよい。
【0027】
方法200は、図3Cに示されるように、トレンチ304内の第2の半導体層308の露出断面308S上に選択的にコンタクト314を形成するように、ブロック210において第1の選択的堆積プロセスによって開始される。コンタクト314は、寄生抵抗を最小化するために、以下に論じられるように、第2の半導体層308と金属コンタクトプラグとの間のインターフェースとして形成される。コンタクト314は第3の材料で形成される。第3の材料の例には、シリコン(Si)、炭化ケイ素(SiC)、およびゲルマニウム(Ge)の比率が20%~100%の範囲のシリコンゲルマニウム(SiGe)が含まれる。コンタクト314は、コンタクト314の所望の伝導特性に応じて、濃度が約1020cm-3~5・1021cm-3の、ホウ素(B)またはガリウム(Ga)などのp型ドーパントでドープされ得る。コンタクト314は、濃度が約1020cm-3~5・1021cm-3の、リン(P)、アンチモン(Sb)などのn型ドーパントでドープされ得る。
【0028】
第1の選択的堆積プロセスは、第1の堆積プロセスおよび第1のエッチングプロセスを含む。第1の堆積プロセスはエピタキシャル堆積プロセスである。第1の選択的堆積プロセスにおける選択性は、トレンチ304内の、第2の半導体層308の露出断面308S(例えば、シリコン(Si)またはシリコンゲルマニウム(SiGe))およびスペーサ312の露出断面312S(例えば、二酸化ケイ素(SiO)または窒化ケイ素(Si))における第3の材料の核生成の差異から生じ得る。核生成は、(図3Bに示されるように)スペーサ312の露出断面312S(例えば、二酸化ケイ素(SiO)または窒化ケイ素(Si))よりも第2の半導体層308の露出断面308S(例えば、シリコン(Si)またはシリコンゲルマニウム(SiGe))での方が早い速度で生じ得るため、第3の材料のエピタキシャル層は、第2の半導体層308の露出断面308S(例えば、シリコン(Si)またはシリコンゲルマニウム(SiGe))上で形成されてよく、第3の材料のアモルファス層は、トレンチ304の側壁304Sが第1の堆積プロセスにおいてシリコン源および金属源を含有する堆積ガスにさらされたとき、トレンチ304内のスペーサ312の露出断面312S(例えば、二酸化ケイ素(SiO)または窒化ケイ素(Si))上に形成されてよい。その後の第1のエッチングプロセスでは、スペーサ312の露出断面312S上に形成された第3の材料のアモルファス層は、適したエッチングガスによって、第2の半導体層308の露出断面308S上に形成された第3の材料のエピタキシャル層よりも早い速度でエッチング可能である。よって、第1の堆積プロセスと第1のエッチングプロセスとが組み合わせられることで、全体として、トレンチ304内の第2の半導体層308の露出断面308S上の第3の材料のエピタキシャル成長が得られ得るが、もしあれば、スペーサ312の露出断面312S上の第3の材料の成長は最小限に抑えられる。
【0029】
いくつかの実施形態では、堆積ガスにおけるシリコン源は、例えば、シラン(SiH)、ジクロルシラン(SiHCl)、トリクロロシラン(SiHCl)、テトラクロロシラン(SiCl)、ジシラン(Si)、およびトリシラン(Si)、またはこれらの組み合わせなどのケイ素含有前駆体を含んでよい。堆積ガスは、代替的には、ゲルマン(GeH)およびジゲルマン(Ge)などのゲルマニウム含有前駆体を含むゲルマニウム源を含んでよい。プロセスガスはドーパント源をさらに含んでよい。ドーパント源は、例えば、エピタキシャル堆積したコンタクト314の所望の伝導特性に応じて、炭素、リン、ホウ素、ヒ素、ガリウム、またはアルミニウムを含んでよい。堆積ガスの金属源は、例えば、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)、タングステン(W)、チタン(Ti)、および鉄(Fe)を含んでよい。ドーパント源は、p型ドーピング用の前駆体ジボラン(B)およびn型ドーピング用のリン(PH)を含んでよい。エッチングガスはエッチャントガスおよびキャリアガスを含む。エッチャントガスは、塩化水素(HCI)、塩素(Cl)、またはフッ化水素(HF)などのハロゲン含有ガスを含んでよい。キャリアガスは、窒素(N)、アルゴン(Ar)、ヘリウム(He)、または水素(H)を含んでよい。
【0030】
ブロック210における第1の堆積プロセスおよび第1のエッチングプロセスはそれぞれ、約300℃~約800℃の温度、および5゜トル~600゜トルの圧力で、図1に示される処理チャンバ120、122、124、126、128、または130などの処理チャンバにおいて実行されてよい。
【0031】
第1の堆積プロセスおよび第1のエッチングプロセスのサイクルは、トレンチ304内のコンタクト314の所望の厚さを得るために必要に応じて繰り返されてよい。コンタクト314の厚さは約5Å~約10Åであってよい。
【0032】
エピタキシャル成長した第3の材料が、第2の半導体層308の露出断面308Sに対して、類似の結晶構造体を有しかつ格子不整合が小さいため、エピタキシャル成長した第3の材料が第2の半導体層308の露出断面308Sに対する明白な結晶方位関係を示し得ることは留意されるべきである。例えば、ニッケルシリサイド(NiSi)は、シリコン単結晶(100)および(111)においてエピタキシャル成長可能であり、格子整合は良好である。エピタキシャル成長した第3の材料と第2の半導体層308の露出断面308Sとのこの結晶方位関係により、エピタキシャル成長したコンタクト314はそれぞれ、第1の堆積プロセスおよび第1のエッチングプロセスに対する条件に応じて、ボール形状またはピラミッド形状であり得る。
【0033】
ブロック220において、図3Dに示されるように、コンタクト314上に金属シリサイド層316を堆積するための第2の選択的堆積プロセスが実行される。金属シリサイド層316は、コンタクト314に当てられ、かつトレンチ304におけるコンタクトプラグと第2の半導体層308との間の電気接続を提供し、これらを通した電気接続を維持する。金属シリサイド層316は、ケイ化チタン(Ti)、ケイ化コバルト(Co)、ケイ化ニッケル(Ni)、ケイ化モリブデン(Mo)、またはケイ化タンタル(Ta)などの金属シリサイド材料で形成されてよい。
【0034】
第2の選択的堆積プロセスは、第2の堆積プロセスおよび第2のエッチングプロセスを含む。第2の選択的堆積プロセスにおける選択性は、トレンチ304内の、コンタクト314(例えば、シリコン(Si)またはシリコンゲルマニウム(SiGe))およびスペーサ312の露出断面312S(例えば、二酸化ケイ素(SiO)または窒化ケイ素(Si))における、金属シリサイド材料の核生成の差異から生じ得る。核生成は、スペーサ312の露出断面312S(例えば、二酸化ケイ素(SiO)または窒化ケイ素(Si))よりもコンタクト314(例えば、シリコン(Si)またはシリコンゲルマニウム(SiGe))での方が早い速度で生じ得るため、金属シリサイド材料のエピタキシャル層は、コンタクト314(例えば、シリコン(Si)またはシリコンゲルマニウム(SiGe))上で形成されてよく、金属シリサイド材料のアモルファス層は、第2の堆積プロセスにおいて金属シリサイド源を含有する堆積ガスにさらされたとき、トレンチ304内のスペーサ312の露出断面312S(例えば、二酸化ケイ素(SiO)または窒化ケイ素(Si))上に形成されてよい。その後の第2のエッチングプロセスでは、スペーサ312の露出断面312S上に形成された金属シリサイド材料のアモルファス層は、適したエッチングガスによって、コンタクト314上に形成された金属シリサイド材料のエピタキシャル層よりも早い速度でエッチング可能である。よって、第2の堆積プロセスと第2のエッチングプロセスとが組み合わせられることで、全体として、トレンチ304内のコンタクト314上の金属シリサイド材料のエピタキシャル成長が得られ得るが、もしあれば、スペーサ312の露出断面312S上の金属シリサイド材料の成長は最小限に抑えられる。
【0035】
いくつかの実施形態では、金属シリサイド源は、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、またはこれらの組み合わせを含んでよい。エッチングガスはエッチャントガスおよびキャリアガスを含む。エッチャントガスは、塩化水素(HCI)、塩素(Cl)、四塩化炭素(CCl)、クロロホルム(CHCl)、ジクロロメタン(CHCl)、またはクロロメタン(CHCl)などの塩素含有ガスを含んでよい。キャリアガスは、窒素(N)、アルゴン(Ar)、ヘリウム(He)、または水素(H)を含んでよい。メタン(CH)、エタン(C)、またはエチレン(C)などの炭素含有ガスはまた、金属シリサイド層316のエッチングのための触媒として供給されてよい。
【0036】
ブロック220における第2の堆積プロセスおよび第2のエッチングプロセスはそれぞれ、約300℃~約800℃の温度、および1゜トル~5゜トルの圧力で、図1に示される処理チャンバ120、122、124、126、128、または130などの処理チャンバにおいて実行されてよい。
【0037】
第2の堆積プロセスおよび第2のエッチングプロセスのサイクルは、金属シリサイド層316の所望の厚さを得るために必要に応じて繰り返されてよい。
【0038】
ブロック230では、図3Eに示されるように、金属シリサイド層316、スペーサ312の露出断面312S、トレンチ304の底面320、および第1のGAA FETモジュールTR1および第2のGAA FETモジュールTR2の上面322を含めて、トレンチ304の露出面上にバリア金属層318を形成するための共形堆積プロセスが実行される。バリア金属層318は、以下に論じられるように、金属シリサイド層316を保護し、かつトレンチ304におけるコンタクトプラグ324の核生成および成長を可能にする。バリア金属層318は、窒化チタン(TiN)または窒化タンタル(TaN)であるバリア金属材料で形成されてよい。
【0039】
ブロック230における共形堆積プロセスは、約100℃~約300℃の温度での、図1に示される処理チャンバ120、122、124、126、128、または130などの処理チャンバにおける、原子層堆積(ALD)、化学気相堆積(CVD)、スピンオン、物理的気相堆積(PVD)などの任意の適した堆積プロセスを含み得る。
【0040】
ブロック240において、図3Fに示されるように、コンタクトプラグ324を形成するためにトレンチ304に金属を充填するための第1の金属充填プロセスが実行される。ブロック240における第1の金属充填プロセスで形成されたコンタクトプラグ324は、タングステン(W)、コバルト(Co)、ルテニウム(Ru)、またはモリブデン(Mo)などのコンタクトプラグ金属材料で形成されてよい。コンタクトプラグ324はp型ドープまたはn型ドープされてよい。ブロック240における第1の金属充填プロセスは、図1に示される処理チャンバ120、122、124、126、128、または130などの処理チャンバにおける、WFなどのタングステン含有前駆体、またはコバルト含有前駆体を使用する化学気相堆積(CVD)プロセスを含んでよい。
【0041】
ブロック240において第1の金属充填プロセスで堆積したコンタクトプラグ324は、トレンチ304にボイド326を含む場合があるが、これは、トレンチ304の幅が、ブロック210~230で形成された、コンタクト314、金属シリサイド層316、および第2のバリア金属層318により狭くなっているためであり、それによって、金属充填堆積のための通路は部分的にふさがれる。方法200はブロック240~250に進んで、トレンチ304内のコンタクトプラグ324におけるボイド326を取り除く。
【0042】
ブロック250において、図3Gに示されるように、トレンチ304内のコンタクトプラグ324を選択的にエッチングしかつ開口部328を形成するためのエッチングプロセスが実行される。ブロック250におけるエッチングプロセスは、図1に示される処理チャンバ120、122、124、126、128、または130などの処理チャンバにおいて、エッチャントガスおよびキャリアガスを含むエッチングガスを使用して行われる。エッチャントガスは、三フッ化窒素(NF)などのフッ素含有ガスを含んでよい。
【0043】
ブロック260において、図3Hに示されるように、コンタクトプラグ330を形成するために開口部328にコンタクトプラグ金属材料を充填するための第2の金属プロセスが実行される。ブロック260における第2の金属充填プロセスは、ブロック240における第1の金属充填プロセスと同じ条件で実行される。ブロック250におけるエッチングプロセスおよびブロック260における第2の金属充填プロセスは、コンタクトプラグ330にボイドがなくなるまで繰り返されてよい。コンタクトプラグ330のそのようなボイドがない品質は、走査型電子顕微鏡(SEM)またはトンネル顕微鏡(TEM)によって観測され得、コンタクトプラグ314の抵抗が低減され得る。いくつかの実施形態では、ブロック250におけるエッチングプロセスおよびブロック260における第2の金属充填プロセスは、約10サイクル繰り返される。
【0044】
本明細書に説明される実施形態は、ゲートオールアラウンド型(GAA)FETなどのトランジスタデバイスにおけるコンタクトトレンチ構造体を形成するためのシステムおよび方法を提供する。コンタクトトレンチ構造体は、隣接するデバイスモジュール間のトレンチ内に形成された金属コンタクトプラグ、およびコンタクトプラグと、デバイスモジュールにおけるシリコンベースのチャネルとをインターフェース接続するコンタクトを含む。コンタクトは、寄生抵抗を低減するように選択的堆積プロセスによって形成される。金属コンタクトプラグは、堆積エッチングプロセスごとにボイドなく形成されることで、接触抵抗が低減される。
【0045】
前述は本開示の実施形態を対象としているが、本開示の他のおよびさらなる実施形態は、本開示の基本的な範囲から逸脱することなく考案されてよく、本開示の範囲は以下の特許請求の範囲によって判断される。
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図3D
図3E
図3F
図3G
図3H
【国際調査報告】