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特表2024-521237基板画像の処理に基づいたピクセルおよび領域の膜不均一分類
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-29
(54)【発明の名称】基板画像の処理に基づいたピクセルおよび領域の膜不均一分類
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/304 20060101AFI20240522BHJP
   G01N 21/956 20060101ALI20240522BHJP
   G01N 21/88 20060101ALI20240522BHJP
   B24B 49/12 20060101ALN20240522BHJP
   B24B 37/10 20120101ALN20240522BHJP
   B24B 37/013 20120101ALN20240522BHJP
   G01B 11/02 20060101ALN20240522BHJP
【FI】
H01L21/304 622S
G01N21/956 A
G01N21/88 J
B24B49/12
B24B37/10
B24B37/013
G01B11/02 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023553541
(86)(22)【出願日】2022-02-24
(85)【翻訳文提出日】2023-11-02
(86)【国際出願番号】 US2022017764
(87)【国際公開番号】W WO2022187079
(87)【国際公開日】2022-09-09
(31)【優先権主張番号】63/156,856
(32)【優先日】2021-03-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ベンヴェニュ, ドミニク ジェー.
(72)【発明者】
【氏名】モオタメディ, ノジャン
【テーマコード(参考)】
2F065
2G051
3C034
3C158
5F057
【Fターム(参考)】
2F065AA21
2F065AA31
2F065BB01
2F065CC17
2F065FF04
2F065FF48
2F065FF49
2F065JJ26
2F065QQ06
2F065QQ08
2F065QQ25
2F065QQ42
2F065RR08
2F065TT08
2G051AA51
2G051AB07
2G051BA20
2G051BB01
2G051BB07
2G051CA03
2G051CA04
2G051CB01
2G051CB10
2G051CC07
2G051DA06
2G051DA08
2G051EA08
2G051EA17
2G051EB01
2G051EC01
2G051EC02
2G051ED01
2G051ED07
2G051ED12
3C034AA13
3C034AA19
3C034BB93
3C034CA19
3C034CA22
3C034CA26
3C034CA30
3C034CB02
3C034CB04
3C034CB07
3C034CB13
3C034CB18
3C034CB20
3C034DD10
3C034DD18
3C158AA07
3C158AC02
3C158BB06
3C158BB08
3C158BB09
3C158BC01
3C158BC02
3C158BC03
3C158CB06
3C158DA12
3C158DA17
3C158EA11
3C158EB01
5F057AA03
5F057AA19
5F057BA15
5F057CA12
5F057DA03
5F057FA46
5F057GB02
5F057GB13
(57)【要約】
基板上の膜不均一性を分類する方法は、複数の色チャネルを含む、基板の色画像を取得することと、基板の色画像に対する標準色を取得することと、色画像の経路に沿った各ピクセルそれぞれについて、各ピクセルの色と標準色との差分ベクトルを決定して、一連の差分ベクトルを生成することと、一連の差分ベクトルを閾値と比較することを含めて、差分ベクトルのシーケンスに基づいて、経路に沿ったピクセルを、少なくとも1つの正常領域および少なくとも1つの異常領域を含む複数の領域にソートすることとを含む。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上の膜不均一性を分類するコンピュータプログラムを備える非一時的コンピュータ可読媒体であって、前記コンピュータプログラムが、
複数の色チャネルを含む、基板の色画像を取得することと、
前記基板の前記色画像に対する標準色を取得することと、
前記色画像の経路に沿った各ピクセルそれぞれについて、前記各ピクセルの色と前記標準色との差分ベクトルを決定して、一連の差分ベクトルを生成することと、
一連の差分ベクトルに基づいて、前記一連の差分ベクトルを一連の閾値と比較することによって、前記経路に沿った前記ピクセルを正常または異常に分類することと、
前記ピクセルが正常または異常と特定されるのに応答して、前記ピクセルを1つまたは複数の領域にソートすることと、を1つまたは複数のコンピュータに行わせる命令を含む、非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項2】
前記ピクセルを分類するための前記命令が、前記複数の差分ベクトルのうち各差分ベクトルそれぞれに対して、前記各差分ベクトルの大きさが第1の閾値を上回るか否かを判定するための命令を含む、請求項1に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項3】
前記ピクセルを分類するための前記命令が、前記経路に沿った複数の連続するピクセルの各ピクセルが第2の閾値を上回るか否かの判定に基づいて、ピクセルをラベリングするための命令を含む、請求項1に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項4】
前記標準色を取得するための前記命令が、前記色画像の前記複数のチャネルの各チャネルについて強度ヒストグラムを決定し、各ヒストグラムそれぞれのピークの強度を選択し、前記ピークの前記強度に対応する値を有するタプルとして前記標準色を設定するための命令を含む、請求項1に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項5】
前記標準色を取得するための前記命令が、前記色画像の平均色を決定するための命令を含む、請求項1に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項6】
前記基板上の複数の経路を決定し、各経路それぞれについて、前記各経路に沿った各ピクセルに対して前記差分を決定し、前記各経路に沿った前記ピクセルを前記複数の領域にソートするための命令を含む、請求項1に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項7】
前記複数の経路が、前記基板の中心から外側へと延在する半径方向の経路である、請求項6に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項8】
異常領域と隣接する正常領域との間の境界におけるピクセルの少なくとも1つの差分ベクトルに基づいて、前記異常領域を過研磨または研磨不足に分類するための命令を含む、請求項1に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項9】
前記境界における前記経路に沿った複数の連続するピクセルそれぞれについて、複数の差分ベクトルに基づいて、前記異常領域を過研磨または研磨不足に分類するための命令を含む、請求項8に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項10】
前記複数の連続するピクセルが5つ以下のピクセルである、請求項9に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項11】
基準を満たす前記複数の差分ベクトルそれぞれに基づいて、前記異常領域を過研磨または研磨不足に分類するための命令を含む、請求項9に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項12】
前記異常領域を過研磨または研磨不足に分類するための前記命令が、2つの色チャネルにおける差分値の比に基づいて係数を計算するための命令を含む、請求項10に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項13】
前記係数を計算するための前記命令が、第1の2つの色チャネルにおける差分値の第1の比と、第2の2つの色チャネルにおける差分値の第2の比との合計を計算するための命令を含む、請求項12に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項14】
前記異常領域を過研磨または研磨不足に分類するための前記命令が、前記係数を少なくとも第3の閾値と比較するための命令を含む、請求項12に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項15】
前記複数の差分ベクトルに基づいて、異常領域の重大度を決定するための命令を含む、請求項1に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項16】
前記重大度を決定することが、前記色チャネルの少なくとも2つで色空間における前記異常領域内のピクセルに対する前記差分ベクトルを含む最小外接領域を決定することと、外接領域の面積を第5の閾値と比較することとを含む、請求項15に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項17】
前記最小外接領域が矩形を含む、請求項16に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項18】
複数の色チャネルを含む、基板の色画像を取得することと、
前記基板の前記色画像に対する標準色を取得することと、
前記色画像の経路に沿った各ピクセルそれぞれについて、前記各ピクセルの色と前記標準色との差分ベクトルを決定して、一連の差分ベクトルを生成することと、
前記一連の差分ベクトルを閾値と比較することを含めて、前記一連の差分ベクトルに基づいて、前記経路に沿った前記ピクセルを、少なくとも1つの正常領域および少なくとも1つの異常領域を含む複数の領域にソートすることと
を含む、基板上の膜不均一性を分類する方法。
【請求項19】
前記色画像を取得することが、ラインスキャン撮像装置を含むインライン計測システムで前記基板をスキャンすることを含む、請求項18に記載の方法媒体。
【請求項20】
基板を研磨するポリッシャーと、
複数の色チャネルを含む基板の色画像を取得するためのインライン計測システムと、
コントローラであって、
前記色画像を前記インライン計測システムから受信および取得し、
前記基板の前記色画像に対する標準色を取得し、
前記色画像の経路に沿った各ピクセルそれぞれについて、前記各ピクセルの色と前記標準色との差分ベクトルを決定して、一連の差分ベクトルを生成し、
前記一連の差分ベクトルに基づいて、前記一連の差分ベクトルを閾値と比較することによって、前記経路に沿った前記ピクセルを正常または異常に分類し、
前記ピクセルが正常または異常と特定されるのに応答して、前記ピクセルを1つまたは複数の領域にソートし、
少なくとも1つの異常領域にソートされたピクセルに基づいて、前記ポリッシャーの研磨パラメータを調節するように構成された、コントローラと
を備える、研磨システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、例えば、基板上の膜の不均一性を分類する技法である、光学計測に関する。
【背景技術】
【0002】
集積回路は、一般的に、導電層、半導電層、または絶縁層をシリコンウエハ上に順次堆積させることによって、基板上に形成される。充填層除去のため、または集積回路の製造中のフォトリソグラフィのために平坦性を改善するため、基板表面の平坦化が必要なことがある。
【0003】
化学機械研磨(CMP)は、1つの許容された平坦化方法である。この平坦化方法は、一般的に、基板をキャリアまたは研磨ヘッド上に載置する必要がある。基板の露出面は、一般的に、回転する研磨パッドに接して配置される。キャリアヘッドは、制御可能な負荷を基板に与えて基板を研磨パッドに押し付ける。一般的に、砥粒研磨スラリが研磨パッドの表面に供給される。
【0004】
様々な光計測システム、例えば分光または偏光解析システムを使用して、例えば、インラインまたはスタンドアロン計測ステーション内で、研磨前および研磨後の基板層の厚さを測定することができる。
【0005】
同時に、グラフィック処理ユニット(GPU)およびテンソル処理ユニット(TPU)などのハードウェアリソースの進歩により、深層学習アルゴリズムおよびそれらの応用における多大な改善がもたらされてきた。深層学習の展開分野の1つは、コンピュータビジョンおよび画像認識である。かかるコンピュータビジョンアルゴリズムはほとんどが画像分類またはセグメンテーションのために設計されている。
【発明の概要】
【0006】
一態様では、基板上の膜不均一性を分類する方法は、複数の色チャネルを含む、基板の色画像を取得することと、基板の色画像に対する標準色を取得することと、色画像の経路に沿った各ピクセルそれぞれについて、各ピクセルの色と標準色との差のベクトルを判定して、一連の差分ベクトルを生成することと、当該複数の差分ベクトルを一連の閾値と比較することを含めて、一連の差分ベクトルに基づいて、経路に沿ったピクセルを、少なくとも1つの正常領域および少なくとも1つの異常領域を含む複数の領域にソートすることとを含む。
【0007】
別の態様では、膜を分類する、コンピュータプログラム製品を提供することができる。
【0008】
別の態様では、化学機械研磨システムは、膜を分類するように構成された制御システムを含む。
【0009】
実施例は次の特徴のうち1つまたは複数を含むことができる。ソートすることは、それぞれの差分の大きさが第1の閾値を上回るという判定に応答して、ピクセルを異常とラベリングすることを含んでもよい。差分を判定することは、それぞれのピクセルの色を表す第1のタプルと標準色を表す第2のタプルとのベクトルの差の大きさを計算することを含んでもよい。ソートすることは、それぞれの差の大きさが第1の閾値未満であるという判定に基づいて、ピクセルを正常とラベリングすることを含んでもよい。基板外のスクライブラインおよび/または領域を除去するため、マスクが色画像に適用されてもよい。第1の2つの色チャネルは緑色および赤色であってもよく、ならびに第2の2つの色チャネルは青色および赤色であってもよい。複数の半径方向の経路は基板の中心の周りで均一に離隔されてもよい。
【0010】
実施例は次の潜在的な利点のうち1つまたは複数を含むことができる。基板上の膜における異常、例えば厚さの不均一性、および残留物または欠陥の存在は、迅速に解析することができる。いくつかの実施例では、基板上の膜における異常は、ダイ別測定(die-to-die measurements)のために迅速に解析することができる。例えば、インライン計測システムは、基板の色画像に基づいて、基板の膜異常を測定することができる。測定された異常、例えば測定された不均一性を使用して、基板の研磨不足および過研磨を補償するように、研磨パラメータを制御することができる。
【0011】
記載するアプローチは、一連のピクセルの色値を使用して、基板の膜における異常を検出し、異常のタイプを分類することができる。色値に基づいて異なるタイプの異常を判定するように、モデルを訓練することができる。
【0012】
計測システムは、不均一領域の高い推論速度ならびに優れた検出性および分類性を有することができる。このアプローチは、副層のばらつきも考慮することができる。
【0013】
1つまたは複数の実施例の詳細を、添付図面および以下の記載で説明する。他の態様、特徴、および利点は、記載および図面から、また特許請求の範囲から明白となるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】インライン光学測定システムの一例を示す図である。
図2】コンピュータアプローチを使用して基板上の膜の不均一性を分類する方法を示すフローチャートである。
図3A】コンピュータ解析に使用される基板の例示的な画像に適用されるマスクを示す図である。
図3B】3つの色チャネルについてのヒストグラムを示すグラフである。
図4A】半径方向のプロファイルを有する基板の例示的な画像、および不均一性解析の結果の一例を示す図である。
図4B】半径方向のプロファイルを有する基板の例示的な画像、および不均一性解析の結果の一例を示す図である。
図4C】半径方向のプロファイルを有する基板の例示的な画像、および不均一性解析の結果の一例を示す図である。
図5A】半径方向のプロファイルを有する基板の例示的な画像、および不均一性解析の結果の別の一例を示す図である。
図5B】半径方向のプロファイルを有する基板の例示的な画像、および不均一性解析の結果の別の一例を示す図である。
図5C】半径方向のプロファイルを有する基板の例示的な画像、および不均一性解析の結果の別の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
様々な図面における同様の参照記号は同様の要素を示す。
【0016】
CMPプロセスにおいて起こる研磨速度のばらつきのため、CMP処理ではドライ計測(dry metrology)システムによる薄膜厚さ測定が使用される。かかるドライ計測測定技法は、フィルムスタックの光学モデルにおける変数が収集された測定値に適合する、分光または偏光解析アプローチを使用する場合が多い。かかる測定技法は、一般的に、モデルが収集された測定値に適用可能であることを担保するため、基板の測定スポットへ、センサを精密に位置合わせすることが必要である。したがって、基板上の多数のポイントを測定するには時間がかかる可能性があり、研磨不足および過研磨のタイプならびに程度の分類は、スループットの許容できない低減をもたらすため、実行不能なことがある。
【0017】
しかしながら、色画像に基づいた画像処理技法は、基板上の異常をより高速で検出し、異常のタイプを十分な精度で分類することができる。特に、基板から取ったダイの色画像を複数領域に分割することができる。各領域は、同じ色または類似色の複数の範囲に分割することができる。例えば、ターゲットベクトルに十分に近い色ベクトルを有するピクセルを、適切に研磨されたものに分類することができ、試験に不合格のピクセルを異常に分類することができる。一実施形態では、基板にわたる複数の経路それぞれについて、経路に沿った各ピクセルの色を解析することができ、経路に沿って適切に研磨された領域と不適切に研磨された領域との境界にあるピクセルについて、色空間内のベクトルのシーケンスに基づいて、異常のタイプおよび程度を決定することができる。例えば、領域が他の領域と比べて過研磨されているかまたは研磨不足か、および過研磨または研磨不足の程度は、ベクトルに基づいて判定することができる。
【0018】
図1を参照すると、研磨装置100は、基板10を保持するようにそれぞれ構成された1つまたは複数のキャリアヘッド126と、1つまたは複数の研磨ステーション106と、基板をキャリアヘッドにロードし、基板をキャリアヘッドからアンロードする転送ステーションとを含む。各研磨ステーション106は、プラテン120上で支持される研磨パッド130を含む。研磨パッド130は、外側の研磨層とより柔らかいバッキング層とを有する、二層の研磨パッドであることができる。
【0019】
キャリアヘッド126は、支持体128から懸架することができ、研磨ステーション間で移動可能であることができる。いくつかの実施例では、支持体128はオーバーヘッドトラックであり、各キャリアヘッド126は、各キャリッジ108を研磨ステーション124と転送ステーションとの間で選択的に移動させることができるようにしてトラックに取り付けられた、キャリッジ108に結合される。あるいは、いくつかの実施例では、支持体128は回転式のカルーセルであり、カルーセルが回転するとキャリアヘッド126が同時に円形経路に沿って移動する。
【0020】
研磨装置100の各研磨ステーション106は、例えば、アーム134の端部に、砥粒スラリなどの研磨液136を研磨パッド130上に分配する、ポートを含むことができる。研磨装置100の各研磨ステーション106はまた、研磨パッド130を磨耗して研磨パッド130を一貫した砥粒状態で維持する、パッド調整装置を含むことができる。
【0021】
各キャリアヘッド126は、研磨パッド130に接して基板10を保持するように動作可能である。各キャリアヘッド126は、各基板それぞれと関連付けられた研磨パラメータ、例えば圧力の、独立制御を有することができる。特に、各キャリアヘッド126は、基板10を可撓性の膜144の下方で保定する保定リング142を含むことができる。各キャリアヘッド126はまた、可撓性の膜144上の、したがって基板10上の関連するゾーンに独立制御可能な圧力を加えることができる、膜によって画成された複数の独立制御可能である加圧可能なチャンバを、例えば3つのチャンバ146a~146cを、含むことができる。例示を簡単にするため、図1には3つのチャンバのみが示されるが、1つもしくは2つのチャンバ、または4つ以上のチャンバ、例えば5つのチャンバが存在し得る。
【0022】
各キャリアヘッド126は、支持体128から懸架され、キャリアヘッドが軸線127を中心にして回転できるように、ドライバシャフト154によってキャリアヘッド回転モータ156に接続される。任意に、各キャリアヘッド126は、例えばキャリッジ108をトラック上で駆動することによって、またはカルーセル自体の回転振動によって、横方向に振動することができる。動作の際、プラテンはその中心軸を中心にして回転し、各キャリアヘッドは、その中心軸127を中心にして回転し、研磨パッドの上面を横切って横方向に並進する。
【0023】
プログラマブルコンピュータなどのコントローラ190が制御システムとなる。コントローラ190は各モータに接続されて、プラテン120およびキャリアヘッド126の回転速度を独立して制御する。コントローラ190は、中央処理ユニット(CPU)、メモリ、および支援回路、例えば入力/出力回路、電力源、クロック回路、キャッシュなどを含むことができる。メモリはCPUに接続される。メモリは、非一時的計算可能可読媒体であり、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読出し専用メモリ(ROM)、フロッピーディスク、ハードディスク、または別の形態のデジタルストレージなど、1つまたは複数の容易に利用可能なメモリであることができる。加えて、単一のコンピュータとして示されているが、コントローラ190は、例えば、複数の独立して動作するプロセッサおよびメモリを含む、分散されたシステムであることができる。
【0024】
研磨装置100はまた、インライン(インシーケンスとも呼ばれる)光計測システム160を含む。インライン光計測システム160のカラー撮像システムは、研磨装置100内に配置されるが、研磨動作中の測定は実施せず、それよりもむしろ、研磨動作の合間、例えば基板を1つの研磨ステーションから別の研磨ステーションへと移動させている間に、または研磨前もしくは研磨後、例えば基板を転送ステーションから研磨ステーションへあるいはその逆へと移動させている間に、測定値が収集される。加えて、インライン光計測システム160は、基板がカセットから抽出された後であるが基板が研磨ユニットまで移動する前、または基板が洗浄された後であるが基板がカセットに戻される前に、基板を測定するため、ファブリック(fab)インターフェースユニットまたはファブリックインターフェースユニットからアクセス可能なモジュール内に位置付けることができる。
【0025】
インライン光計測システム160は、基板10をカラー撮像するセンサアセンブリ161を含む。センサアセンブリ161は、光源162と、光検出器164と、コントローラ190と光源162および光検出器164との間で信号を送信および受信する回路166とを含むことができる。
【0026】
光源162は白色光を放射するように動作可能であることができる。一実施例では、放射された白色光は200~800ナノメートルの波長を有する光を含む。好適な光源は、白色発光ダイオード(LED)のアレイ、またはキセノンランプもしくはキセノン水銀ランプである。光源162は、非ゼロの入射角αで光168を基板10の露出表面に向けるように配向される。入射角αは、例えば、約30°~75°、例えば50°であることができる。
【0027】
光源は、基板10の幅にわたる実質的に直線的な細長い領域を照明することができる。例えば、光源162は、光を光源から細長い領域内へと拡散する光学部品、例えばビームエキスパンダを含むことができる。別の方法としてまたは加えて、光源162は光源の直線的なアレイを含むことができる。光源162自体、および基板上で照明される領域は、細長く、基板の表面に平行な長手方向軸線を有するものであることができる。
【0028】
光が基板10に達する前に光を散乱させるため、ディフューザー170を光168の経路内に置くことができ、または光源162はディフューザーを含むことができる。
【0029】
検出器164は、光源162からの光に対する感度をもつカラーカメラである。カメラは検出器素子のアレイを含む。例えば、カメラはCCDアレイを含むことができる。いくつかの実施例では、アレイは単列の検出器素子である。例えば、カメラはラインスキャンカメラであることができる。検出器素子の列は、光源162によって照明される細長い領域の長手方向軸線に平行に延在することができる。光源162が発光素子の列を含む場合、検出器素子の列は、光源162の長手方向軸線に平行な第1の軸線に沿って延在することができる。検出器素子の列は1024個以上の素子を含むことができる。
【0030】
カメラ164は、基板の視野を検出器素子のアレイ上に投影するように、適切な集束光学部品172で構成される。視野は、基板10の全長を見るのに十分な長さ、例えば長さ150~300mmであり得る。カメラ164は、関連する光学部品172を含めて、個々のピクセルが約0.5mm以下の長さを有する領域に対応するように構成することができる。例えば、視野が長さ約200mmであり、検出器164が1024個の素子を含むと仮定して、ラインスキャンカメラによって生成される画像は、長さ約0.5mmのピクセルを有することができる。画像の長さ分解能を判定するには、視野(FOV)の長さを、長さ分解能に達するためにFOVが結像されるピクセル数で割ることができる。
【0031】
カメラ164はまた、ピクセル幅がピクセル長さと同等であるように構成することができる。例えば、ラインスキャンカメラの利点はフレームレートが非常に高速であるという点である。フレームレートは少なくとも5kHzであることができる。フレームレートは、結像範囲が基板10全体をスキャンする際に、ピクセル幅がピクセル長さと同等である、例えば約0.3mm以下であるような周波数で、設定することができる。
【0032】
光源162および光検出器164はステージ180上で支持することができる。光検出器164がラインスキャンカメラの場合、光源162およびカメラ164は、結像範囲が基板の長さ全体をスキャンできるように、基板10に対して移動可能である。特に、相対移動は、基板10の表面に平行であってラインスキャンカメラ164の検出器素子の列に垂直な方向であることができる。
【0033】
いくつかの実施例では、ステージ182は定置であり、基板の支持体が移動する。例えば、キャリアヘッド126は、例えば、キャリッジ108の動揺またはカルーセルの回転振動のどちらかによって移動することができ、あるいはファクトリインターフェースユニット内の基板を保持するロボットアームが、ラインスキャンカメラ182を越えて基板10を移動させることができる。いくつかの実施例では、ステージ180が移動可能であり、画像獲得のため、キャリアヘッドまたはロボットアームが定置したままである。例えば、ステージ180は、リニアアクチュエータ182によってレール184に沿って移動可能であることができる。いずれの場合も、これによって、スキャンされる範囲が基板10全体を移動する際に、光源162およびカメラ164が互いに対して固定位置に留まることを可能にする。
【0034】
例えば、従来の2Dカメラと比較して、基板全体をともに移動するラインスキャンカメラおよび光源を有することの考えられる利点は、ウエハ全体の異なる位置に対して、光源とカメラとの間の相対角度が一定のままであるという点である。結果として、視野角のばらつきによって生じるアーチファクトを低減または排除することができる。加えて、従来の2Dカメラは固有の透視歪みを示すので、その時は画像変換によって補正する必要があるが、ラインスキャンカメラは透視歪みを排除することができる。
【0035】
センサアセンブリ161は、基板10と光源162および検出器164との間の垂直距離を調節するメカニズムを含むことができる。例えば、センサアセンブリ161は、ステージ180の垂直位置を調節するアクチュエータを含むことができる。
【0036】
任意に、光の経路内、例えば基板10と検出器164との間に、偏光フィルタ174を位置付けることができる。偏光フィルタ174は円偏光板(CPL)であることができる。一般的なCPLは、直線的偏光子と4分の1波長板との組み合わせである。偏光フィルタ174の偏光軸を適切に配向することで、画像のぼけを低減し、望ましい視覚的特徴を鮮明にするかまたは向上させることができる。
【0037】
基板上の最外層が半透明層、例えば誘電体層であると仮定して、検出器164で検出される光の色は、例えば、基板表面の組成物、基板表面の平滑性、および/または基板上の1つもしくは複数の層(例えば、誘電体層)の異なるインターフェースから反射される光の干渉の量に応じて決まる。上述したように、光源162および光検出器164は、動作を制御し信号を受信するように動作可能な、コンピューティングデバイス、例えばコントローラ190に接続することができる。色画像を厚さ測定値へと変換するのに様々な機能を実施するコンピューティングデバイスは、計測システム160の一部とみなすことができる。
【0038】
図2は、基板上の膜における異常を検出し分類するのに使用される、画像処理の方法200を示している。方法はコントローラ190によって実施することができる。コントローラ190は基板の色画像を受信する。色画像は、RGB画像、または別の色空間、例えばXYZもしくはHCLの画像であることができる。
【0039】
コントローラは、色画像を処理する画像処理アルゴリズムを実行する。コントローラは、光検出器164からの個々の画線を組み合わせて二次元色画像にする(ステップ205)。コントローラは、オフセットおよび/またはゲイン調節を、各色チャネルにおける画像中のピクセルの強度値に適用することができる(ステップ210)。各色チャネルは異なるオフセットおよび/またはゲインを有する場合がある。任意に、画像を正規化することができる(ステップ215)。例えば、測定された画像と標準の規定画像との差分を計算することができる。例えば、コントローラは、赤色、緑色、および青色チャネルそれぞれに対して背景画像を保存することができ、背景画像を各色チャネルに対する測定された画像から差し引くことができる。また、画像を変換して、例えば、拡大縮小および/または回転ならびに/あるいは並進させて、標準画像座標フレームとすることができる(ステップ220)。例えば、基板中心が画像の中心点にあるように、画像を並進させることができ、ならびに/あるいは基板の端面が画像の端面にあるように、画像を拡大縮小することができ、および/または画像のx軸と、基板中心と基板配向特徴、例えばウエハのノッチもしくはフラットとを接続する半径方向のセグメントとの間の角度が0°であるように、画像を回転させることができる。基板配向は、例えば、画像内のスクライブラインの角度を決定するため、ノッチファインダによって、または色画像320の画像処理によって決定することができる。基板位置はまた、色画像320の画像処理によって、例えば、円形基板端面を検出し、次に円の中心を決定することによって、決定することができる。
【0040】
マスクを画像320に適用することができる。マスクは、望ましくないピクセル、例えば、スクライブラインに対応する基板の部分からのピクセルを、計算から排除することができる。一例として、コントローラ190は、画像における関心位置および関心範囲を特定するダイマスクを保存することができる。例えば、長方形領域の場合、範囲は画像内の右上および左下の座標によって規定することができる。したがって、マスクは、各領域に対して一対の右上および左下の座標を含む、データファイルであることができる。領域が長方形でないその他の場合、より複雑な機能を使用することができる。いくつかの実施例では、基板の配向および位置を決定することができ、ダイマスクを画像に対して位置合わせすることができる。
【0041】
図3を参照すると、基板10の画像300がインライン光計測システム160によって収集される一例が示されている。インライン光計測システム160は、少なくとも3つの色チャネル、例えばRGBチャネルを有する色画像300を作成する。画像は、高分解能画像、例えば、少なくとも720×1080ピクセルの高分解能の画像であることができるが、例えば150×150ピクセルまで下げた低い分解能、またはさらに高い分解能を使用することができる。任意の特定のピクセルにおける色は、ピクセルに対応する基板の範囲における、上層を含む1つもしくは複数の層の厚さに応じて決まる。
【0042】
次に、アルゴリズムは、画像のマスキングしていない部分の「均一色」を決定する(ステップ225)。いくつかの実施例では、各色チャネルに対して強度ヒストグラムが決定され、アルゴリズムは、3つのヒストグラム(R面、G面、およびB面)それぞれのピークを見つける。ヒストグラムのピークからの強度値のタプルが色値となる。この色値は画像300の「均一色」(UC)と呼ばれる。例えば、図3Bは、赤色、緑色、および青色のチャネルそれぞれに対するヒストグラム360、370、380と、各ヒストグラムのR1、G1、およびB1におけるピークとを示している。タプル(R1、G1、B1)は均一色となる。しかしながら、均一色を規定する他の技法、例えば、単純に各チャネルのモード値または平均値を計算するものを使用することができる。
【0043】
収集された色画像は、後の解析または処理のため、PNG画像として保存することができるが、他の多くのフォーマット、例えばJPEGなどが可能である。
【0044】
図2に戻ると、マスキングされた画像を画像処理アルゴリズムに供給することができる。コントローラは、画像全体にわたる複数の経路を規定するデータを保存することができる。例えば、経路は、基板の中心から外側へと半径方向に延在する線であることができるが(図4Aの経路406を参照)、他の経路が可能である。半径方向の線について、線は、基板の中心の周りに均等な角度間隔で、例えば1~10°で位置付けることができる。
【0045】
各経路について、コントローラは、経路に沿った一連のピクセルの各ピクセル間の差分ベクトル(DV)と、均一色(UC)とを計算する(ステップ230)。差分ベクトルは、タプル、例えば(D、D、D)として表すことができる。ピクセルの差分ベクトルは、以下に示すような計算アルゴリズム内で、デカルト座標または球面座標のどちらかによって表すことができる。
DV=(D,D,Db)、式中 (デカルト座標)
=X-PPMEAN、式中、X=R、G、またはB
DV=(ρ、θ、φ)、式中 (球面座標)
θ=tan-1(D/D
φ=tan-1(D/S) 式中、
は(RG)面上へのDVの投影である。
【0046】
特定の経路に沿った一連の差分ベクトルは、差分ベクトルプロファイルをもたらす。各差分ベクトルプロファイルを解析して、不均一な半径方向のプロファイルに沿った領域またはセグメントが検出される(ステップ240)。
【0047】
いくつかの実施例では、均一な領域は閾値を使用することによって不均一な領域と区別される。差分ベクトルの大きさ(例えば、従来のユークリッド距離として計算される)が閾値を上回るピクセルは、「不均一」に分類される。対照的に、差分ベクトルの大きさが閾値を下回るピクセルは「均一」に分類される。いくつかの実施例では、領域の解釈は機械学習を使用することによって自動的に設定することができる。
【0048】
いくつかの実施例では、コントローラは、ピクセルに対して、適切に研磨(タイプ1)、研磨不足(タイプ2)、過研磨(タイプ3)、または不均一に研磨されたが未分類もしくは例外(タイプ4)という4つの可能な分類を確立した。
【0049】
アルゴリズムは最初に、経路を、近接する適切に研磨されたピクセルのグループと、近接する未分類のピクセルのグループとに分割する。選択されたピクセルに対して、前のピクセルが適切に研磨されていたが、差分ベクトルの大きさ(MagDV)が閾値よりも大きい場合、新しい不均一領域(即ち、nonPPまたはタイプ4)領域が特定される。アルゴリズムは、経路に沿ったピクセルを、複数の連続した適切に研磨されたピクセルに当たるまで、特定された不均一領域にグループ分けし続ける。このプロセスを経路に沿って繰り返すことによって、ピクセルは、正常なピクセルのグループと異常なピクセルのグループとに分割される。「nSustain」パラメータをノイズフィルタとして使用して、新しいタイプの領域を開始するのにどの程度の長さの隣接するピクセルのシーケンスが必要かを判定することができる。例えば、タイプ1(即ち、正常なピクセル)領域がnSustainパラメータ値よりも短い場合、それらのタイプ1のピクセルは、タイプ4(即ち、正常でないピクセル)の隣接する領域に割り当てられる。
【0050】
経路に沿ったピクセルをグループに分割して、異常のタイプ、例えば研磨不足(タイプ2)または過研磨(タイプ3)を、各グループについて分類することができる(ステップ250)。異常のタイプは、差分ベクトルを、特に異常なピクセルのグループの始まりにおける差分ベクトルを調べることによって判定することができる。いずれの特定の理論にも限定されないが、不均一領域の中心における色値は一致する可能性があるものの、PP領域から研磨不足(即ち、UPまたはタイプ2)領域への移行は、PP領域から過研磨(即ち、OPタイプ3)領域への移行とは異なる場合がある。
【0051】
いくつかの実施例では、値Fは、特定の色チャネルにおける差分の比に基づいて計算される。例えば、Fは、2つの色チャネルにおける第1の差分比、および2つの色チャネルにおける第2の差分比の合計に基づいて、計算することができる。次に、値Fを1つまたは2つの閾値と比較して、領域が研磨不足(タイプ2)または過研磨(タイプ3)のどちらかを判定することができる。Fがどちらの閾値も満たさない場合、領域は、異常、例えば残りのタイプ4と特定することができる。
【0052】
いくつかの実施例では、Fおよび異常のタイプは次式にしたがって判定される。
式中、D、D、およびDは、赤色、緑色、および青色チャネルの差分値であり、FT1およびFT2は経験則的に決定された閾値である。
【0053】
隣り合うPP領域で始まる経路に沿って連続する、nonPP領域のプリセットされたピクセル数が求められる。プリセットされたピクセル数はユーザによって、例えばユーザ入力によって選択することができる。分類シーケンスは、3~10ピクセル、例えば3~5ピクセル(例えば、1つの領域は幅50~60ピクセルであることができる)を見て、差分の比を計算することによって実施される。例えば、Nピクセルのシーケンスにおける各ピクセルについて、コントローラは係数(F)を計算して、F1、F2、F3、.....、FNを提供する。計算されたF、即ちF1、F2、F3、.....、FNはそれぞれ、各閾値FT1、FT2、...、FTnと比較される。すべてのピクセルが同じ条件を満たす場合、例えば、F1、...、FNがすべてFT1未満であるか、またはすべてFT2超過の場合、領域は「過研磨」または「研磨不足」に分類される。それ以外であれば、未分類の不均一性または異常に分類される。
【0054】
別の実施例では、研磨不足または過研磨の解釈は、タイプ4領域のDVポイント(即ち、隣り合うタイプ1領域に隣接するポイント)の球面座標角度(例えば、θおよびφ)を使用して求めることができる。したがって、UPまたはOPを判定するシーケンスは、a)UP挙動に対してθおよびφの上限および下限閾値を設定する、b)タイプ4領域のいくつかのPP隣接ポイントを解析する、ならびにc)θおよびφがタイプ2の範囲内にある場合はタイプ2に分類し、それ以外はタイプ3に分類する、というものである。
【0055】
計算されたデータに基づいて、「不均一性」をさらに、タイプ別(ステップ250a)および重大度別(ステップ250b)に分類することができる(ステップ250)。それまでのステップと同様に、色画像が画像処理アルゴリズムに入力され、体積に分割され、次にDVが各体積に対して計算される。各不均一領域について、重大度は、「軽度」、「中程度」、または「重度」などの準定量的記述によって判定される。不均一領域内のRGBピクセルのセットをrg色度空間に変換することによって、各半径方向のプロファイルに対してこれが実行される。次に、rg空間における不均一ピクセルシーケンスの外接矩形面積(BRA)が計算される。次に、BRAを閾値面積と比較して、重大度のレベルが判定される。例えば、2つの閾値A1およびA2があってA1<A1である場合、BRAがA1未満であれば、「軽度」と分類する。BRAがA1とA2との間の場合、「中程度」と分類する。BRAがA2超過の場合、「重度」と分類する。上述したように、3つのカテゴリのみが列挙されているが、アルゴリズムは、面積閾値の数に基づいて、3つよりも多いまたは少ないカテゴリを有することができる。
【0056】
重大度を判定する別の方法として、(BRAの代わりに)rgシーケンスの弧長を計算することができる。これはより困難なことがあるが、基礎となる理論に対応しているべきである。しかしながら、外接矩形の計算はより簡単な計算であり、精度の面で十分であると思われる。
【0057】
図4A図4Cを参照すると、異常レベルが「重大」である不均一領域402および404を示す、半径方向のプロファイルを有する基板の例示的な画像400の第1の例が示されている。重大レベルが分類され、図4Bに示されるチャートにデータによって表される。ライン408は閾値レベルを示し、閾値ライン408の上にあるデータ412は不均一であり、閾値ライン408の下にあるデータ410は均一である。BRA面積のサイズが計算され、図4Cに表されて、この半径方向のプロファイル400の不均一性が重大であることが確認される。
【0058】
図5A図5Cは、不均一性が軽度から中程度である事例を示す、半径方向のプロファイルを有する基板の例示的な画像500の別の例を示している。
【0059】
概して、データは、CMP装置の1つまたは複数の動作パラメータを制御するのに使用することができる。動作パラメータは、例えば、プラテン回転速度、基板回転速度、基板の研磨経路、プレートを移動する基板速度、基板にかかる圧力、スラリ組成物、スラリ流量、および基板表面温度を含む。動作パラメータは、リアルタイムで制御することができ、さらに人間が介入する必要なく自動で調節することができる。
【0060】
本明細書で使用されるとき、基板という用語は、例えば、製品基板(例えば、複数のメモリもしくはプロセッサダイを含む)、テスト基板、ベア基板、およびゲーティング基板を含むことができる。基板は、集積回路製造の様々な段階にあることができ、例えば、基板はベアウエハであることができ、あるいは1つもしくは複数の堆積および/またはパターニングされた層を含むことができる。基板という用語は、円形ディスクおよび長方形シートを含むことができる。
【0061】
本発明の実施形態、および本明細書に記載する機能的動作のすべては、デジタル電子回路で、あるいは本明細書で開示する構造的手段およびそれらの構造的等価物を含む、コンピュータソフトウェア、ファームウェア、またはハードウェアで、あるいは上記の組み合わせで実現することができる。本発明の実施形態は、1つまたは複数のコンピュータプログラム製品、即ち、データ処理装置、例えばプログラマブルプロセッサ、コンピュータ、または複数のプロセッサもしくはコンピュータによって実行される、あるいはその動作を制御する、非一時的機械可読記憶媒体の形で有形的に具体化された、1つまたは複数のコンピュータプログラムとして実現することができる。
【0062】
相対位置付けという用語は、必ずしも重力に関してではなく、システムの構成要素の互いに対する位置付けを示すのに使用され、研磨面および基板は、垂直配向または他の何らかの配向で保持することができることが理解されるべきである。
【0063】
多数の実施例について記載してきた。それでもなお、様々な修正が行われてもよいことが理解されるであろう。例えば、
・ラインスキャンカメラではなく、基板全体を撮像するカメラを使用することができる。この場合、基板に対するカメラの移動は不要である。
・カメラは、基板の全幅よりも網羅する範囲が狭い場合がある。この場合、基板全体をスキャンするために、カメラを2つの直交方向で移動させる、例えばX-Yステージ上で支持する必要がある。
・光源は基板全体を照明することができる。この場合、光源は必ずしも基板に対して移動しなくてよい。
・光検出器はカラーカメラではなく分光計であることができ、そのため、スペクトルデータをRGB色空間に縮約することができる。
・感覚アセンブリは必ずしも、研磨ステーション間、または研磨ステーションと転送ステーションとの間に位置付けられるインラインシステムでなくてもよい。例えば、センサアセンブリは、転送ステーション内に位置付けるか、カセットインターフェースユニットに位置付けるか、またはスタンドアロンシステムであることができる。
【0064】
したがって、他の実施例が特許請求の範囲内にある。
図1
図2
図3A
図3B
図4A
図4B
図4C
図5A
図5B
図5C
【国際調査報告】