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特表2024-521435結晶化度に優れたポリラクチド樹脂組成物、及びその製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-31
(54)【発明の名称】結晶化度に優れたポリラクチド樹脂組成物、及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   C08L 67/04 20060101AFI20240524BHJP
   C08K 5/3477 20060101ALI20240524BHJP
   C08G 63/08 20060101ALI20240524BHJP
【FI】
C08L67/04
C08K5/3477
C08G63/08
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023575947
(86)(22)【出願日】2023-02-27
(85)【翻訳文提出日】2023-12-08
(86)【国際出願番号】 KR2023002705
(87)【国際公開番号】W WO2023182688
(87)【国際公開日】2023-09-28
(31)【優先権主張番号】10-2022-0035554
(32)【優先日】2022-03-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500239823
【氏名又は名称】エルジー・ケム・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100122161
【弁理士】
【氏名又は名称】渡部 崇
(72)【発明者】
【氏名】ユジン・アン
(72)【発明者】
【氏名】ジョン・フン・チョ
(72)【発明者】
【氏名】ミンチャン・ソン
(72)【発明者】
【氏名】ワン・キュ・オ
【テーマコード(参考)】
4J002
4J029
【Fターム(参考)】
4J002CF181
4J002CF182
4J002CF191
4J002CF192
4J002EU186
4J002FD202
4J002FD206
4J029AA02
4J029AB07
4J029AC01
4J029AD01
4J029AE18
4J029EA05
4J029EH03
4J029JE181
4J029JE182
(57)【要約】
本発明は、特定の核剤を組み合わせて熱処理して製造したポリラクチド樹脂組成物に関するものであり、結晶化度に優れているという特徴がある。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリラクチド樹脂と、第1核剤と、第2核剤とを含むポリラクチド樹脂組成物を、25ないし120℃で1分ないし30分間熱処理したポリラクチド樹脂組成物において、
前記第1核剤は、ウラシル(uracil)またはオロト酸(orotic acid)であり、
前記第2核剤は、ラクチドオリゴマー構造を含む化合物である、
ポリラクチド樹脂組成物。
【請求項2】
前記熱処理の温度が90ないし110℃である、
請求項1に記載のポリラクチド樹脂組成物。
【請求項3】
前記熱処理の時間が3分ないし5分である、
請求項1に記載のポリラクチド樹脂組成物。
【請求項4】
前記ポリラクチド樹脂組成物の結晶化度が30%以上である、
請求項1に記載のポリラクチド樹脂組成物。
【請求項5】
前記ポリラクチド樹脂の重量平均分子量が70,000ないし400,000である、
請求項1に記載のポリラクチド樹脂組成物。
【請求項6】
前記第1核剤を、前記ポリラクチド樹脂組成物の総重量に対して0.1ないし5重量%で含む、
請求項1に記載のポリラクチド樹脂組成物。
【請求項7】
前記第1核剤を、前記ポリラクチド樹脂組成物の総重量に対して0.5ないし3.5重量%で含む、
請求項1に記載のポリラクチド樹脂組成物。
【請求項8】
前記第2核剤は、下記化学式1で表される化合物である、
請求項1に記載のポリラクチド樹脂組成物。
[化学式1]
【化1】
前記化学式1において、
Lは、下記で構成される群から選択されるいずれか一つであり、
【化2】
前記において、
n1は、1ないし4の整数であり、
n2は、1ないし30の整数であり、
Rは、下記化学式2で表される置換基であり、
[化学式2]
【化3】
nは、繰り返し単位数を示し、
R’は、水素、または、アセチルである。
【請求項9】
前記第2核剤の重量平均分子量は、1,000ないし50,000である、
請求項1に記載のポリラクチド樹脂組成物。
【請求項10】
前記第2核剤は、前記ポリラクチド樹脂組成物の総重量に対して3ないし25重量%で含む、
請求項1に記載のポリラクチド樹脂組成物。
【請求項11】
前記第2核剤は、前記ポリラクチド樹脂組成物の総重量に対して4.5ないし21重量%で含む、
請求項1に記載のポリラクチド樹脂組成物。
【請求項12】
1)ポリラクチド樹脂と、第1核剤と、第2核剤とを混合してポリラクチド樹脂組成物を製造するステップ(ステップ1)と、
2)前記ステップ1で製造されたポリラクチド樹脂組成物を80ないし120℃で1分ないし10分間熱処理するステップ(ステップ2)と、を含む、
ポリラクチド樹脂組成物の製造方法において、
前記第1核剤は、ウラシル(uracil)またはオロト酸(orotic acid)であり、
前記第2核剤は、ラクチドオリゴマー構造を含む化合物である、
請求項1ないし請求項11のいずれか一項に記載のポリラクチド樹脂組成物の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願(等)との相互引用
本出願は、2022年3月22日付の韓国特許出願第10-2022-0035554号に基づいた優先権の利益を主張して、当該韓国特許出願等の文献に開示されたすべての内容は本明細書の一部として含まれる。
【0002】
本発明は、結晶化度に優れたポリラクチド樹脂組成物及びその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0003】
ポリラクチド(または、ポリ乳酸;PLA)樹脂は、バイオ原料に基づいて製造されるものであって、製造過程で温室効果ガスである二酸化炭素の排出が少なく、また、特定の温度と堆肥化設備によって分解される特徴を有する環境に優しい素材である。また、最近は、廃プラスチック使用及び炭素排出規制に対する対応案として、既存の原油ベースの樹脂を代替可能な素材のうち一つとして注目されている。
【0004】
また、ポリラクチド樹脂は、他の生分解性高分子に比べて安価で、かつ高い引張強度とモジュラスの特性を有しているというメリットがある。
【0005】
しかし、ポリラクチド樹脂は、rigidな高分子主鎖が短い単位で繰り返され、遅い連鎖移動性により結晶化速度が遅いため成形サイクルが長く、これにより生産性に劣るという問題点がある。したがって、このような問題点を改善するために核剤のような物質を導入して生産性と耐熱性を改善させる研究が多く進められている。
【0006】
一般的に、前記核剤として用いられる物質は、主に無機系核剤であって、タルク(Talc)、マイカ(Mica)、ナノクレイ(nanoclay)のような物質が用いられ、これをPLAの成形時に、一部添加して耐熱性と強度を改善できることが報告されている。しかし、このような核剤を過量で添加すると、樹脂比重の増加と透明性に劣るという問題がある。一方、結晶性と透明性を向上させる物質として、LAK 301(aromatic sulfonate drivate)、sodium benzoate、N-aminophthalimide、phthalhydrazide、cadmium phenylmalonateなどのような有機系核剤が用いられている。しかし、このような物質は、バイオ基盤の物質ではなく、PLA樹脂との分散の問題が存在する。
【0007】
したがって、環境に優しい製品に製造することができ、同時に透明性を阻害しないバイオベースの有機系核剤を導入する必要がある。また、ポリラクチド樹脂との分散の問題が少ない核剤を導入してポリラクチド樹脂の結晶化度をさらに改善することが必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、特定の核剤を組み合わせて用いて結晶化度に優れたポリラクチド樹脂組成物を提供するためのものである。
【0009】
また、本発明は、前記ポリラクチド樹脂組成物の製造方法に関するものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記課題を解決するために、本発明は、下記のポリラクチド樹脂組成物を提供する。
【0011】
ポリラクチド樹脂と、第1核剤と、第2核剤とを含むポリラクチド樹脂組成物を、25ないし120℃で1分ないし30分間熱処理したポリラクチド樹脂組成物において、
前記第1核剤は、ウラシル(uracil)またはオロト酸(orotic acid)であり、
前記第2核剤は、ラクチドオリゴマー構造を含む化合物である、
ポリラクチド樹脂組成物。
【0012】
本発明で使用する用語「ポリラクチド樹脂」とは、下記の繰り返し単位を含む単一重合体または共重合体を包括して称すものと定義される。
【化1】
【0013】
前記ポリラクチド樹脂は、ラクチド単量体の開環重合によって前記繰り返し単位を形成するステップを含んで製造することができ、このような開環重合及び前記繰り返し単位の形成工程が完了した後の重合体を、前記「ポリラクチド樹脂」と称することができる。
【0014】
本願において、「ラクチド単量体」は、次のように定義することができる。通常、ラクチドは、L-乳酸からなるL-ラクチド、D-乳酸からなるD-ラクチド、L-形態とD-形態とがそれぞれ一つずつからなるmesoラクチドに区分することができる。また、L-ラクチドとD-ラクチドとが50:50で混合されていることを、D,L-ラクチドまたはrac-ラクチドという。これらのラクチドのうち、光学的純度の高いL-ラクチドまたはD-ラクチドだけを用いて重合を行うと、立体規則性が非常に高いL-またはD-ポリラクチド(PLLA、またはPDLA)が得られるものと知られており、このようなポリラクチドは、光学的純度の低いポリラクチドに対して結晶化速度が速く結晶化度も高いものと知られている。ただし、本明細書において、「ラクチド単量体」とは、各形態に係るラクチドの特性差及びこれから形成されたポリラクチド樹脂の特性差に関係なく、すべての形態のラクチドを含むものと定義される。
【0015】
一方、本発明に係るポリラクチド樹脂は、一例として重量平均分子量が70,000ないし400,000である。
【0016】
本発明は、このようなポリラクチド樹脂を前記第1核剤及び第2核剤と共に用い、また、このような組成物を特定の温度及び特定の時間で熱処理することによって、ポリラクチド樹脂の結晶化度を改善することを特徴とする。
【0017】
好ましくは、前記熱処理温度は、30℃以上、40℃以上、50℃以上、60℃以上、70℃以上、80℃以上、または90℃以上であり、かつ115℃以下、または110℃以下である。最も好ましくは、前記熱処理温度は、90ないし110℃である。
【0018】
好ましくは、前記熱処理時間は、2分以上または3分以上であり、かつ25分以下、20分以下、15分以下、10分以下または5分以下である。最も好ましくは、前記熱処理時間は、3分ないし5分である。
【0019】
前記第1核剤は、ウラシル(uracil)またはオロト酸(orotic acid)である。前記第1核剤は、バイオ基盤の有機系物質であって、ポリラクチド樹脂に添加されてnucleation siteとして作用し、高い温度で結晶核の生成を誘発して結晶化速度を向上させることができる。
【0020】
好ましくは、前記第1核剤は、前記ポリラクチド樹脂組成物の総重量に対して0.1ないし5重量%で含まれる。前記含有量が0.1重量%未満である場合には、前記第1核剤の使用効果が微々たるものであり、前記含有量が5重量%を超過すると、ポリラクチド樹脂固有の物性を阻害する恐れがある。より好ましくは、前記第1核剤は、前記ポリラクチド樹脂組成物の総重量に対して0.2重量%以上、0.3重量%以上、0.4重量%以上、または0.5重量%以上であり、かつ4.5重量%以下、4.0重量%以下、または3.5重量%以下で含まれる。
前記第2核剤は、ラクチド単量体のオリゴマー構造を含む核剤であって、このようなラクチド単量体のオリゴマー構造によってポリラクチド樹脂との相容性が高く、ポリラクチド樹脂に添加され、可塑剤と類似の役割を果たす。これにより、ポリラクチド樹脂内でfree volumeを形成してポリラクチド樹脂の連鎖移動性を向上させ、結晶化度を高めることができる。
【0021】
好ましくは、前記第2核剤は、下記化学式1で表される化合物である。
[化学式1]
【化2】
【0022】
前記化学式1において、Lは、下記で構成される群から選択されるいずれか一つであり、
【化3】
【0023】
前記において、
n1は、1ないし4の整数であり、
n2は、1ないし30の整数であり、
Rは、下記化学式2で表される置換基であり、
[化学式2]
【化4】
【0024】
nは、繰り返し単位数を示し、
R’は、水素、または、アセチルである。
【0025】
前記第2核剤の重量平均分子量は、各ラクチド繰り返し単位数により調節することができる。好ましくは、前記第2核剤の重量平均分子量は、1,000ないし50,000である。より好ましくは、前記第2核剤の重量平均分子量は、1,100以上、1,200以上、1,300以上、1,400以上、または1,500以上であり、かつ40,000以下、30,000以下、20,000以下、10,000以下、9,000以下、または8,000以下である。
【0026】
好ましくは、前記第2核剤は、前記ポリラクチド樹脂組成物の総重量に対して3ないし25重量%で含まれる。前記含有量が3重量%未満である場合には、前記第2核剤の使用効果が微々たるものであり、前記含有量が25重量%を超過すると、ポリラクチド樹脂固有の物性を阻害する恐れがある。より好ましくは、前記第2核剤は、前記ポリラクチド樹脂組成物の総重量に対して3.5重量%以上、4.0重量%以上または4.5重量%以上であり、かつ24重量%以下、23重量%以下、22重量%以下または21重量%以下で含まれる。
【0027】
一方、前述した本発明に係るポリラクチド樹脂組成物の製造方法は、前述したポリラクチド樹脂組成物を製造するステップ(ステップ1)と、前記ステップ1で製造されたポリラクチド樹脂組成物を25ないし120℃で1分ないし30分間熱処理するステップ(ステップ2)と、を含む。このとき、前記ステップ2の熱処理温度と時間は、先に説明した通りである。
【発明の効果】
【0028】
前述した本発明に係るポリラクチド樹脂組成物は、結晶化度に優れ、加工性に優れると共にポリラクチド樹脂固有の特性を維持することができる。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明の具現例を下記の実施例でより詳細に説明する。ただし、下記の実施例は、本発明の具現例を例示するものであるだけで、本発明の内容が下記の実施例によって限定されるものではない。
【実施例
【0030】
製造例1:第2核剤(P10-A-オリゴマー)の製造
PEG-1000(P10)を開始剤として用いて、オリゴマーを製造した。具体的には、20mLバイアルにラクチド:P10のモル比が16:1(モル比)で、合計4.5gとなるようにそれぞれ注ぎ入れ、Sn(Oct)触媒を0.1ないし0.2wt%となるように投入した後、130℃で4時間反応させた。温度を120℃に調節した後、無水酢酸(末端のOH基に対して4当量)を投入し、12時間反応をさらに行った。反応終了後、真空乾燥により、副産物である酢酸及び残留無水酢酸を除去し、末端基がアセチル基で置換された構造を有する第2核剤を製造し、これをP10-A002と命名し、重量平均分子量は、以下の表1ないし3に示した。
【0031】
製造例2:第2核剤(SB-オリゴマーの製造)
ソルビトール(sorbitol;SB)を開始剤として用いて、オリゴマーを製造した。具体的には、20mLバイアルにラクチド:SBのモル比が24:1(モル比)で、合計4.5gとなるようにそれぞれ注ぎ入れ、Sn(Oct)触媒を0.1ないし0.2wt%となるように投入した後、130℃で4時間反応させた。真空乾燥後、常温で冷却して第2核剤を製造し、これをSB-O-002と命名し、重量平均分子量は、以下の表1ないし3に示した。
【0032】
実施例及び比較例
PLA pellet(NatureWorks社の4032D;重量平均分子量約200,000)65g、及び下記表1ないし3に記載された第1核剤を各含有量に応じて混合した。これをHaake mixerに入れ、180℃で、5分間60rpmで混合した。ここに下記表1に記載された第2核剤を各含有量に応じて入れ、180℃で、5分間60rpmで混合した。このとき、下記表1ないし3で第1核剤及び第2核剤の含有量は、PLA樹脂、第1核剤及び第2核剤の総含有量に対するwt%を意味する。
【0033】
前記混合物を真空オーブンに入れ、85℃の温度で4時間乾燥させた。これをコンベクションオーブンに入れ、下記表1ないし3に記載された温度及び時間で熱処理を行い、ポリラクチド樹脂組成物を製造した。
【0034】
実験例
前記製造した第1核剤、第2核剤及びポリラクチド樹脂組成物に対して、以下の方法で物性を測定した。
【0035】
1)重量平均分子量
GPC(Gel Permeation Chromatography)装備を用いて数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)を算出し、オリゴマー分子量分布(Mw/Mn)を測定し、具体的な測定条件は、下記の通りである。
【0036】
-カラム:PLgel Mixed E×2
-溶媒:THF
-流速:0.7mL/min
-試料濃度:3.0mg/mL
-注入量:100μl
-カラム温度:40℃
-Detector:Waters 2414 RID
-Standard:PS(ポリスチレン)
【0037】
2)DSC(differential scanning calorimetry)
Blenidng PLA試料のアニーリング熱履歴からの効果を確認するために、
1次昇温時の結晶化度分析を行う。DSCは、10℃/minの加熱速度でPLAの溶融温度以上の250℃まで加熱して測定を行った。昇温時の溶融ピークであるΔHmを確認し、以下の式を用いて結晶化度Xcを計算した(100% crystalline PLA ΔHm=93J/g)。
-1st Run結晶化度:1st thermogram内の吸熱ピークの面積、ΔHm)/100% crystalline PLA ΔHm)×100
【0038】
【表1】
【表2】
【表3】
【0039】
前記表1ないし3に示しているように、本発明により第1核剤及び第2核剤を共に用いた実施例の場合、少ない含有量でも結晶化温度及び結晶化度が改善されることを確認することができた。
【手続補正書】
【提出日】2023-12-08
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリラクチド樹脂と、第1核剤と、第2核剤とを含むポリラクチド樹脂組成物を、25ないし120℃で1分ないし30分間熱処理したポリラクチド樹脂組成物において、
前記第1核剤は、ウラシル(uracil)またはオロト酸(orotic acid)であり、
前記第2核剤は、ラクチドオリゴマー構造を含む化合物である、
ポリラクチド樹脂組成物。
【請求項2】
前記熱処理の温度が90ないし110℃である、
請求項1に記載のポリラクチド樹脂組成物。
【請求項3】
前記熱処理の時間が3分ないし5分である、
請求項1に記載のポリラクチド樹脂組成物。
【請求項4】
前記ポリラクチド樹脂組成物の結晶化度が30%以上である、
請求項1に記載のポリラクチド樹脂組成物。
【請求項5】
前記ポリラクチド樹脂の重量平均分子量が70,000ないし400,000である、
請求項1に記載のポリラクチド樹脂組成物。
【請求項6】
前記第1核剤を、前記ポリラクチド樹脂組成物の総重量に対して0.1ないし5重量%で含む、
請求項1に記載のポリラクチド樹脂組成物。
【請求項7】
前記第1核剤を、前記ポリラクチド樹脂組成物の総重量に対して0.5ないし3.5重量%で含む、
請求項1に記載のポリラクチド樹脂組成物。
【請求項8】
前記第2核剤は、下記化学式1で表される化合物である、
請求項1に記載のポリラクチド樹脂組成物。
[化学式1]
【化1】
前記化学式1において、
Lは、下記で構成される群から選択されるいずれか一つであり、
【化2】
前記において、
n1は、1ないし4の整数であり、
n2は、1ないし30の整数であり、
Rは、下記化学式2で表される置換基であり、
[化学式2]
【化3】
nは、繰り返し単位数を示し、
R’は、水素、または、アセチルである。
【請求項9】
前記第2核剤の重量平均分子量は、1,000ないし50,000である、
請求項1に記載のポリラクチド樹脂組成物。
【請求項10】
前記第2核剤は、前記ポリラクチド樹脂組成物の総重量に対して3ないし25重量%で含む、
請求項1に記載のポリラクチド樹脂組成物。
【請求項11】
前記第2核剤は、前記ポリラクチド樹脂組成物の総重量に対して4.5ないし21重量%で含む、
請求項1に記載のポリラクチド樹脂組成物。
【請求項12】
1)ポリラクチド樹脂と、第1核剤と、第2核剤とを混合してポリラクチド樹脂組成物を製造するステップ(ステップ1)と、
2)前記ステップ1で製造されたポリラクチド樹脂組成物を25ないし120℃で1分ないし30分間熱処理するステップ(ステップ2)と、を含む、
ポリラクチド樹脂組成物の製造方法において、
前記第1核剤は、ウラシル(uracil)またはオロト酸(orotic acid)であり、
前記第2核剤は、ラクチドオリゴマー構造を含む化合物である、
請求項1ないし請求項11のいずれか一項に記載のポリラクチド樹脂組成物の製造方法。
【国際調査報告】