(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-03
(54)【発明の名称】アルカリ金属化合物のエッチング
(51)【国際特許分類】
H01L 21/302 20060101AFI20240527BHJP
【FI】
H01L21/302 201A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023575564
(86)(22)【出願日】2022-06-08
(85)【翻訳文提出日】2024-02-02
(86)【国際出願番号】 US2022032686
(87)【国際公開番号】W WO2022261216
(87)【国際公開日】2022-12-15
(31)【優先権主張番号】202141025658
(32)【優先日】2021-06-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ディーパク, ニティン
(72)【発明者】
【氏名】チャクラボルティ, タパシュ
(72)【発明者】
【氏名】ゴラディア, プレルナ ソンサリア
(72)【発明者】
【氏名】シヴァラマクリシュナン, ヴィスウェスウォレン
(72)【発明者】
【氏名】バグール, ニレッシュ チマンラオ
(72)【発明者】
【氏名】ウパディ, バーフバリ エス.
【テーマコード(参考)】
5F004
【Fターム(参考)】
5F004AA01
5F004BA19
5F004BD03
5F004DA23
5F004DB12
5F004EA30
(57)【要約】
アルカリ金属化合物をエッチングする方法が開示される。本開示のいくつかの実施形態では、アルカリ金属化合物をアルコールに暴露して、揮発性金属アルコキシドを形成する。本開示のいくつかの実施形態では、アルカリ金属化合物をβ-ジケトンに暴露して、揮発性金属β-ジケトナート化合物を形成する。本開示のいくつかの実施形態は、堆積プロセス後にイン・サイチュで行われる。本開示のいくつかの実施形態により、アルカリ金属化合物を選択的にエッチングする方法がもたらされる。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アルカリ金属化合物をエッチングする方法であって、アルカリ金属化合物をアルコールに暴露して、揮発性金属アルコキシドを形成することを含む、方法。
【請求項2】
アルカリ金属化合物が、純金属、金属酸化物又は金属窒化物のうち1又は複数を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
アルカリ金属化合物が、実質的にリチウムから成る、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
アルコールが、1~6個の炭素原子を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
アルコールが、メタノール、エタノール、イソプロパノール又は第三級ブタノールのうち1又は複数を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
アルカリ金属化合物が、パルス時間にわたりアルコールに暴露され、さらに、パージ時間にわたり揮発性金属アルコキシドをパージすることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記パルス時間が0.5秒~60秒の範囲にあり、前記パージ時間が0.05秒~5秒の範囲にある、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
アルカリ金属化合物の所定の厚さをエッチングするために、暴露及びパージ動作が繰り返される、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
アルカリ金属化合物が、50℃~200℃の範囲の温度に維持される、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
真空下、0.01mbar~100mbarの範囲の圧力で行われる、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
アルカリ金属化合物が、アルコールと不活性キャリアガスとの共流に暴露される、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記不活性キャリアガスが、Ar、Xe又はNeのうち1又は複数を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
アルコールが、不活性キャリアガスの一定の流量内へとパルスされる、請求項6に記載の方法。
【請求項14】
アルカリ金属化合物が、1分あたり1ミクロンから1分あたり20ミクロンの範囲の速度でエッチングされる、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
ステンレス鋼又は銅の表面に比して、アルカリ金属化合物を選択的にエッチングする、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
アルカリ金属化合物をエッチングする方法であって、アルカリ金属化合物をβ-ジケトンに暴露して、揮発性アルカリ金属β-ジケトナート化合物を形成することを含む、方法。
【請求項17】
アルカリ金属化合物がリチウムを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
β-ジケトンへの暴露前に、アルカリ金属化合物を酸化して、アルカリ金属酸化物を形成することをさらに含む、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
アルカリ金属化合物を酸化することが、アルカリ金属化合物をH
2O、O
2、O
3又はO
2プラズマのうち1又は複数に暴露することを含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
β-ジケトンが、ジピバロイルメタン(HDPM)、ヘキサフルオロアセチルアセトナート(HHFA)、ピバロイルトリフルオロアセトン(HPTA)又はトリフルオロアセチルアセトン(HTFA)のうち1又は複数を含む、請求項16に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施形態は一般的に、アルカリ金属化合物をエッチングする方法に関する。本開示の実施形態は特に、アルカリ金属ベースの堆積プロセス後にイン・サイチュ(in-situ)で行われる、アルカリ金属化合物をエッチングする方法に関する。
【背景技術】
【0002】
アルカリ金属は、反応性が高い材料である。同様に、アルカリ金属化合物(例えば酸化物、窒化物)はしばしば、大気条件ですぐに反応する。これらの反応は発熱性が高いことがあり、さらには爆発性であり得る。よって、アルカリ金属化合物(リチウム金属を含む)は、プロセス中、大いに注意する必要がある。
【0003】
アルカリ金属材料は、エネルギーセル形成のために、魅力的な材料になっている。これらのエネルギーセルはしばしば、小型電子デバイスに電力供給するために使用され、このため、エネルギー容量をさらに増加させるとともに、さらなる小型化が必要となっている。
【0004】
この目的のため、半導体材料の製造のために現在使用される技術の多くが、アルカリ金属ベースのエネルギーセルの製造に適用される。これらの技術及び方法は、物理気相堆積(PVD)及び化学気相堆積(CVD)による処理スキームのための真空プロセスチャンバの使用を含む。
【0005】
残念ながら、これらの方法ではしばしば、ターゲット基板以外の処理装置部分に材料が堆積されてしまう。先に述べたように、特にアルカリ金属の場合、当該材料は、チャンバ内に蓄積されると危険であり得ることが判明している。しかしながら、アルカリ金属は通常、融点が比較的低く、揮発性誘導体はほとんどない。
【0006】
よって、アルカリ金属化合物をエッチング又は除去するための方法が必要である。
【0007】
[概要]
本開示の1又は複数の実施形態は、アルカリ金属化合物をエッチングする方法に向けられている。本方法は、アルカリ金属化合物をアルコールに暴露して、揮発性金属アルコキシドを形成することを含む。
【0008】
本開示のさらなる実施形態は、アルカリ金属化合物をエッチングする方法に向けられている。本方法は、アルカリ金属化合物をβ-ジケトンに暴露して、揮発性アルカリ金属β-ジケトナート化合物を形成することを含む。
【0009】
[詳細な説明]
本開示の例示的な実施形態のうちいくつかを説明する前に、本開示が、以下の説明で規定される構成又はプロセス工程の詳細に限られないことが理解されるべきである。本開示については、他の実施形態が可能であり、様々なやり方で実施又は実行され得る。
【0010】
本明細書及び添付特許請求の範囲で使用するように、「基板」という用語は、プロセスが行われる表面又は表面の一部を指す。文脈でそうではない旨が明示的に述べられていない限り、基板への言及が、基板の一部のみへの言及も含むこともまた、当業者は理解するであろう。さらに、基板での堆積への言及は、むき出しの表面と、1又は複数の膜又はフィーチャが堆積又は形成された基板の双方を意味し得る。
【0011】
ここで使用するように「基板」とは、作製プロセス中に膜処理が行われる基板に形成される基板又は材料表面を指す。例えば、処理が行われる基板表面は、シリコン、酸化シリコン、歪みシリコン、シリコン・オン・インシュレータ(SOI)、炭素がドープされた酸化シリコン、アモルファスシリコン、ドープされたシリコン、ゲルマニウム、ガリウム砒素、ガラス、サファイア等の材料、及び金属、金属窒化物、金属合金などのその他の材料、並びに用途に応じた他の導電材料を含む。基板には、半導体ウェハが含まれるが、これに限られない。基板は、基板表面を研磨、エッチング、還元、酸化、ヒドロキシ化、アニール、紫外線(UV)硬化、電子ビーム硬化、及び/又は焼成する前処理プロセスに暴露され得る。本開示では、基板自体の表面に直接、膜処理を行うことに加えて、開示された膜処理工程のいずれかを、以下で詳細に説明するように、基板に形成された下層で行うことができ、「基板表面」という用語は、文脈が示すように、このような下層を含むことが意図されている。よって例えば、膜/層又は一部の膜/層が基板表面に堆積されている場合、新たに堆積された膜/層の露出表面が、基板表面になる。
【0012】
本開示の1又は複数の実施形態は、アルカリ金属化合物をエッチングする方法に向けられている。いくつかの実施形態では、アルカリ金属化合物が、純金属、金属酸化物、金属窒化物、又はこれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、アルカリ金属化合物のアルカリ金属が、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、又はセシウムのうち1又は複数を含む。いくつかの実施形態では、アルカリ金属化合物のアルカリ金属がリチウムを含むか、又は実質的にリチウムから成る。いくつかの実施形態では、アルカリ金属化合物が、実質的にリチウム金属から成る。
【0013】
これについて使用されるように、言及される材料又は化合物「から実質的に成る」材料又は反応体は、言及される材料又は化合物を、それぞれ原子基準又はモル基準で、約95%以上、約97%以上、約98%以上、約99%以上、又は約99.5%以上、含む。反応体の場合、モルパーセンテージでは、不活性な希釈ガス又は非反応性キャリアガスが除外される。
【0014】
いくつかの実施形態において、本方法は、底部、側壁、及びチャンバリッドを含む処理チャンバ内で行われる。いくつかの実施形態では、処理チャンバがさらに、処理チャンバに反応体をもたらし、過剰な反応物又は反応副生成物を除去するための1又は複数のガス供給ライン及び/又は真空ラインを備える。いくつかの実施形態では、処理チャンバがさらに、暴露されたアルカリ金属化合物を含む基板を支持するための基板支持ペデスタルを備える。いくつかの実施形態では、基板支持ペデスタルが、所定の温度に基板を維持するためのヒータを備える。
【0015】
本開示のいくつかの実施形態によれば、有利なことに、真空を中断せずに、又は堆積とエッチングとの間、基板を大気条件に暴露させない、イン・サイチュで実行可能な、アルカリ金属化合物をエッチングする方法がもたらさる。理論に拘束されることはないが、ここに開示されるイン・サイチュ法の少なくともいくつかにより、アルカリ金属化合物、特にリチウム金属が、大気条件(高い発熱反応又は爆発的な反応につながりかねない)に暴露されることが、防止されると考えられる。
【0016】
本開示のいくつかの実施形態により、アルカリ金属化合物をエッチングする方法がもたらされる。いくつかの実施形態において、本方法は、アルカリ金属化合物をアルコールに暴露して、揮発性金属アルコキシドを形成することを含む。いくつかの実施形態において、本方法はさらに、揮発性金属アルコキシドを除去することを含む。
【0017】
いくつかの実施形態において、本方法は、アルカリ金属化合物をβ-ジケトンに暴露して、揮発性アルカリ金属β-ジケトナート化合物を形成することを含む。いくつかの実施形態において、本方法はさらに、揮発性アルカリ金属β-ジケトナート化合物を除去することを含む。
【0018】
これについて使用するように、「揮発性」反応生成物は、本方法の処理条件下で気体状である。「揮発性」副生成物は、基板表面から、又は隣接する処理領域から、真空により除去可能である。
【0019】
いくつかの実施形態では、アルカリ金属化合物が、アルコール又はβ-ジケトナートへの暴露前に変換される。いくつかの実施形態では、アルカリ金属化合物が酸化されて、アルカリ金属酸化物を形成する。いくつかの実施形態では、アルカリ金属化合物を酸化することが、アルカリ金属化合物を、H2O、CO2、O2、O3又はO2プラズマのうち1又は複数に暴露することを含む。いくつかの実施形態では、アルカリ金属化合物が窒化されてアルカリ金属窒化物を形成する。いくつかの実施形態では、アルカリ金属化合物を窒化することが、アルカリ金属化合物をN2、NH3、N2O、NO2、ヒドラジン、又はこれらのプラズマのうち1又は複数に暴露することを含む。いくつかの実施形態では、アルカリ金属化合物が還元されて、アルカリ金属を形成する。いくつかの実施形態では、アルカリ金属化合物を還元することが、アルカリ金属化合物を、H2又はH2プラズマのうち1又は複数に暴露することを含む。
【0020】
いくつかの実施形態では、アルコールが1~6個の炭素原子を含む。いくつかの実施形態では、アルコールが直鎖状、分枝鎖状、又は環状である。いくつかの実施形態では、アルコールが、1つより多いヒドロキシ基を含む。
【0021】
いくつかの実施形態では、アルコールが、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、第二級ブタノール、又は第三級ブタノールのうち1又は複数を含むか、又はこれらのうち1又は複数から実質的に成る。いくつかの実施形態では、アルコールが、イソプロパノールから実質的に成る。
【0022】
いくつかの実施形態では、β-ジケトンが、ジピバロイルメタン(HDPM)、ヘキサフルオロアセチルアセトナート(HHFA)、ピバロイルトリフルオロアセトン(HPTA)、トリフルオロアセチルアセトン(HTFA)、又はこれらの組み合わせのうち1又は複数を含む。
【0023】
いくつかの実施形態では、アルカリ金属が、アルコール又はβ-ジケトンと、キャリアガスとの共流(coflow)に暴露される。いくつかの実施形態では、キャリアガスが非反応性である。これについて使用するように、「非反応性」ガスの存在は、反応熱力学に影響を与えないか、又はさもなくば、アルカリ金属化合物と反応しない。いくつかの実施形態では、キャリアガスが、水素、ヘリウム、窒素、ネオン、アルゴン、又はキセノンのうち1又は複数を含む。いくつかの実施形態では、アルコール又はβ-ジケトンが、キャリアガスの一定の流量の中にパルスされる。
【0024】
いくつかの実施形態では、本方法が、1又は複数のサイクルで行われる。いくつかの実施形態では、各サイクルが、アルカリ金属化合物を、パルス時間にわたりアルコール又はβ-ジケトンに暴露すること、及び揮発性金属アルコキシド又は揮発性アルカリ金属β-ジケトナートを、パージ時間にわたりパージすることを含む。いくつかの実施形態では、アルカリ金属化合物の所定の厚さをエッチングするために、本方法のサイクルが繰り返される。
【0025】
いくつかの実施形態では、パルス時間が、0.1秒~10000秒の範囲、0.1秒~1000秒の範囲、0.1秒~120秒の範囲、0.5秒~60秒の範囲、1秒~30秒の範囲、又は1秒~15秒の範囲にある。いくつかの実施形態では、パルス時間が、0.1秒以上、0.5秒以上、1秒以上、2秒以上、又は5秒以上であり、60秒以下、30秒以下、15秒以下、10秒以下、又は5秒以下である。いくつかの実施形態では、パルス時間が、約2秒、約5秒、約10秒、又は約20秒である。
【0026】
いくつかの実施形態では、パージ時間が、パルス時間よりも短い。いくつかの実施形態では、パージ時間が、0.01秒~10000秒の範囲、0.01秒~1000秒の範囲、0.01秒~100秒の範囲、0.01秒~10秒の範囲、0.05秒~5秒の範囲、0.1秒~2秒の範囲、又は0.1秒~1秒の範囲にある。いくつかの実施形態では、パージ時間が、0.01秒以上、0.05秒以上、0.1秒以上、0.2秒以上、又は0.5秒以上であり、5秒以下、2秒以下、1秒以下、又は0.5秒以下である。いくつかの実施形態では、パルス時間が、約0.2秒、約0.5秒、約1秒、又は約2秒である。
【0027】
前述のように、いくつかの実施形態では、アルカリ金属化合物の温度は、50℃~200℃の範囲、80℃~200℃の範囲、又は100℃~175℃の範囲の温度に維持される。
【0028】
いくつかの実施形態では、本方法が真空下で行われる。いくつかの実施形態では、真空圧が、0.01mbar~100mbarの範囲、0.1mbar~5mbarの範囲、0.5mbar~2mbarの範囲、又は0.7mbar~1.7mbarの範囲にある。
【0029】
いくつかの実施形態では、アルカリ金属化合物が、1ミクロン/分~50ミクロン/分の範囲、1ミクロン/分~20ミクロン/分の範囲、1ミクロン/分~10ミクロン/分の範囲、又は2ミクロン/分から~8ミクロン/分の範囲の速度でエッチングされる。いくつかの実施形態では、アルカリ金属化合物が、1ミクロン/分以上、1ミクロン/分以上、1ミクロン/分以上、又は1ミクロン/分以上の速度で、50ミクロン/分以下、40ミクロン/分以下、30ミクロン/分以下、20ミクロン/分以下、10ミクロン/分以下、又は5ミクロン/分以下の速度で、エッチングされる。
【0030】
いくつかの実施形態では、本方法により、他の露出された材料よりも、アルカリ金属材料が選択的にエッチングされる。いくつかの実施形態では、他の露出された材料が、銅又はステンレス鋼を含む。
【0031】
本明細書及び添付特許請求の範囲で使用するように、別の材料などよりもある材料を「選択的にエッチング」するという用語は、ある材料について第1の量、及び他の材料について第2の量がエッチングされることを意味し、ここで第2の量は、第1の量よりも少ないか、又は他の材料のエッチングが観察されない。
【0032】
これについて使用する「よりも(over)」という用語は、別の表面の上部における物理的な方向を意味するのではなく、露出されたある材料による化学反応の熱力学又は動力学特性と、露出された他の材料による化学反応の熱力学又は動力学特性との関係を示す。例えば、誘電材料よりも金属材料を選択的にエッチングするとは、金属材料がエッチングされ、誘電材料がそれよりも少なくエッチングされるか、もしくは誘電材料がエッチングされないこと、又は金属材料のエッチングが、誘電材料に比して、熱力学又は動力学的に好ましいことを意味する。
【0033】
エッチングプロセスの選択性は、エッチング速度の倍数として表現され得る。例えば、ある表面が別の表面よりも25倍速くエッチングされる場合、このプロセスは、25:1の選択性を有すると記載されることになる。これについて、より高い比率は、より選択的なプロセスを示す。いくつかの実施形態では、本方法が、50以上、100以上、500以上、1000以上、5000以上、又は10000以上の選択性を有する。
【0034】
本明細書を通じて、「1つの実施形態」、「ある実施形態」、「1又は複数の実施形態」、又は「実施形態」とは、当該実施形態との関連で記載された特定の特徴、構造、材料、又は特性が、本開示の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。よって、本明細書全体の様々な箇所に現れる「1又は複数の実施形態において」、「ある実施形態において」、「1つの実施形態において」、又は「実施形態において」のような文言は、必ずしも本開示の同じ実施形態について言及しているわけではない。さらに、特定の特徴、構造、材料、又は特性が、1又は複数の実施形態において適切なやり方で組み合され得る。
【0035】
ここに開示されたことは、特定の実施形態を参照して記載されているものの、当業者であれば、記載された実施形態が単に、本開示の原理及び応用を説明するものであることを理解するだろう。本開示の思想及び範囲から逸脱しない限り、本開示の方法及び装置に対して、様々な修正及び変更がなされ得ることは、当業者には明らかであろう。よって本開示には、添付特許請求の範囲及びその均等論の範囲にある修正及び変更が含まれ得る。
【国際調査報告】