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特表2024-521685基板処理中の層厚測定用スペクトルデータのフーリエフィルタリング
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-04
(54)【発明の名称】基板処理中の層厚測定用スペクトルデータのフーリエフィルタリング
(51)【国際特許分類】
   B24B 37/013 20120101AFI20240528BHJP
   H01L 21/304 20060101ALI20240528BHJP
   B24B 49/12 20060101ALI20240528BHJP
   B24B 49/04 20060101ALI20240528BHJP
   G01B 11/06 20060101ALI20240528BHJP
【FI】
B24B37/013
H01L21/304 622X
H01L21/304 622S
B24B49/12
B24B49/04 Z
G01B11/06 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023571608
(86)(22)【出願日】2022-05-20
(85)【翻訳文提出日】2024-01-16
(86)【国際出願番号】 US2022030193
(87)【国際公開番号】W WO2022246157
(87)【国際公開日】2022-11-24
(31)【優先権主張番号】17/325,364
(32)【優先日】2021-05-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Linux
(71)【出願人】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】シェリアン, ベンジャミン
(72)【発明者】
【氏名】ベンヴェニュ, ドミニク ジェー.
(72)【発明者】
【氏名】リー, ハリー キュー.
【テーマコード(参考)】
2F065
3C034
3C158
5F057
【Fターム(参考)】
2F065AA30
2F065BB03
2F065CC19
2F065LL67
2F065QQ16
2F065QQ23
2F065QQ33
2F065QQ38
2F065QQ41
3C034AA13
3C034AA19
3C034BB93
3C034CA02
3C034CA22
3C034CA26
3C034CB11
3C034DD10
3C034DD20
3C158AA07
3C158AC02
3C158BA01
3C158BA02
3C158BA09
3C158BB02
3C158BB06
3C158BB08
3C158BB09
3C158BC01
3C158BC02
3C158CB01
3C158DA12
3C158DA17
3C158EA13
3C158EB01
5F057AA02
5F057AA16
5F057AA20
5F057BA15
5F057BB03
5F057CA12
5F057DA03
5F057EB11
5F057EB27
5F057FA19
5F057FA20
5F057FA39
5F057GA02
5F057GA12
5F057GA16
5F057GA17
5F057GA27
5F057GB02
5F057GB13
5F057GB20
(57)【要約】
半導体プロセス中にウエハ上の層の厚さを決定することは、ウエハ上の層にプロセスを実行することと、ウエハから反射されたスペクトルデータを生成するために、プロセス中のウエハを現場分光モニタリングシステムで監視することと、フィルタリングされたスペクトルデータを生成するために、スペクトルデータにバンドパスフィルタ処理を適用することであって、バンドパスフィルタは、ウエハ上の層に対応する周波数範囲を通過させるように構成され得る、スペクトルデータにバンドパスフィルタ処理を適用することと、フィルタリングされたスペクトルデータを基準のフィルタリングされたスペクトルデータと照合することであって、基準のフィルタリングされたスペクトルデータは、バンドパスフィルタ処理を使用してフィルタリングされていてよく、基準のフィルタリングされたスペクトルデータは、層の厚さに関連し得る、フィルタリングされたスペクトルデータを基準のフィルタリングされたスペクトルデータと照合することとを含み得る。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
化学機械研磨(CMP)プロセス中にウエハ上の層の厚さを決定する方法であって、
前記CMPプロセスを用いて前記ウエハ上の層を研磨することと、
前記ウエハから反射されたスペクトルデータを生成するために、前記CMPプロセス中の前記ウエハを現場分光モニタリングシステムで監視することと、
フィルタリングされたスペクトルデータを生成するために、前記スペクトルデータにバンドパスフィルタ処理を適用することであって、前記バンドパスフィルタは、前記ウエハ上の層に対応する周波数範囲を通過させるように構成される、前記スペクトルデータにバンドパスフィルタ処理を適用することと、
前記フィルタリングされたスペクトルデータを基準のフィルタリングされたスペクトルデータと照合することであって、前記基準のフィルタリングされたスペクトルデータは、前記バンドパスフィルタ処理を使用してフィルタリングされており、前記基準のフィルタリングされたスペクトルデータは、前記層の厚さに関連する、前記フィルタリングされたスペクトルデータを基準のフィルタリングされたスペクトルデータと照合することと
を含む方法。
【請求項2】
前記ウエハに対応するモデルをシミュレーションすることにより、複数の基準のフィルタリングされたスペクトルデータを生成すること
を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
フィルタリングされたスペクトルデータを前記基準のフィルタリングされたスペクトルデータと照合することは、
前記基準のフィルタリングされたスペクトルデータを前記フィルタリングされたスペクトルデータに最も類似するものとして識別するために、前記フィルタリングされたスペクトルデータと前記複数の基準のフィルタリングされたスペクトルデータの各々との間の類似度を計算すること
を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記ウエハに対応するモデルは、前記ウエハ上の層より下のパターニングされた特徴及び/又は層を除去した簡略化モデルを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
バンドパスフィルタ処理は、前記ウエハ上の層より下のパターニングされた特徴及び/又は層に関連する周波数成分をスペクトルデータから除去する、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記基準のフィルタリングされたスペクトルデータは、セットアップウエハからのスペクトルデータ測定値及び厚さ測定値から導出される、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記ウエハ上の層が目標厚さに達するまで、前記層の厚さに基づいて前記CMPプロセスを行うこと
を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
システムであって、
研磨パッドと、
ウエハを前記研磨パッドに対して保持するように構成されたキャリアヘッドと、
前記ウエハ上に光を当てて、前記ウエハから反射された光を受光するように構成されたモニタシステムと、
1又は複数のプロセッサと、
1又は複数のメモリデバイスであって、前記1又は複数のプロセッサによって実行されると、前記1又は複数のプロセッサに、
前記ウエハから反射された光に基づくスペクトルデータを受信することと、
フィルタリングされたスペクトルデータを生成するために、前記スペクトルデータにバンドパスフィルタ処理を適用することであって、前記バンドパスフィルタは、前記ウエハ上の層に対応する周波数範囲を通過させるように構成される、前記スペクトルデータにバンドパスフィルタ処理を適用することと、
前記フィルタリングされたスペクトルデータを基準のフィルタリングされたスペクトルデータと照合することであって、前記基準のフィルタリングされたスペクトルデータは、前記バンドパスフィルタ処理を使用してフィルタリングされており、前記基準のフィルタリングされたスペクトルデータは、前記層の厚さに関連する、前記フィルタリングされたスペクトルデータを基準のフィルタリングされたスペクトルデータと照合することと、
前記厚さに基づいて前記ウエハの研磨プロセスを制御することと
を含む処理を実行させる命令を含む1又は複数のメモリデバイスと
を備えるシステム。
【請求項9】
前記処理は更に、
前記層の層内波の数を表す波数データを生成するために、前記スペクトルデータを波数空間に変換することであって、前記波数空間は、前記スペクトルデータの各データポイントにおいて前記層の波長依存屈折率に依存する、前記スペクトルデータを波数空間に変換すること
を含む、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記処理は更に、
前記波数データを波数値の等間隔の分布上に補間すること
を含む、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記波数値の等間隔の分布は、波数値の2のべき乗数を含む、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記処理は更に、
DFTデータを生成するために、前記波数データの離散フーリエ変換(DFT)を計算すること
を含む、請求項10に記載のシステム。
【請求項13】
前記処理は更に、
層の推定厚さに対応する前記DFTデータのウインドウを識別すること
を含む、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
バンドパスフィルタ処理を適用することは、前記ウインドウの外側の前記DFTデータの値をゼロに設定すること
を含む、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
非一過性コンピュータ可読媒体であって、1又は複数のプロセッサによって実行されると、前記1又は複数のプロセッサに、
ウエハから反射された光に基づくスペクトルデータを受信することと、
フィルタリングされたスペクトルデータを生成するために、前記スペクトルデータにバンドパスフィルタ処理を適用することであって、前記バンドパスフィルタは、ウエハ上の層に対応する周波数範囲を通過させるように構成される、前記スペクトルデータにバンドパスフィルタ処理を適用することと、
前記フィルタリングされたスペクトルデータを基準のフィルタリングされたスペクトルデータと照合することであって、前記基準のフィルタリングされたスペクトルデータは、前記バンドパスフィルタ処理を使用してフィルタリングされており、前記基準のフィルタリングされたスペクトルデータは、前記層の厚さに関連する、前記フィルタリングされたスペクトルデータを基準のフィルタリングされたスペクトルデータと照合することと、
前記厚さに基づいて前記ウエハに実行されるプロセスを制御することと
を含む処理を実行させる命令を含む、非一過性コンピュータ可読媒体。
【請求項16】
前記スペクトルデータは、前記ウエハ上の層以外の層に関連する複数のピークを含む、請求項15に記載の非一過性コンピュータ可読媒体。
【請求項17】
前記スペクトルデータに前記バンドパスフィルタ処理を適用することは、
前記層に関連するピークに対応する周波数を識別することと、
波数領域又は波長領域において前記スペクトルデータに前記バンドパスフィルタ処理を適用することであって、前記バンドパスフィルタ処理は前記ピークに対応する周波数を中心とする、波数領域又は波長領域において前記スペクトルデータに前記バンドパスフィルタ処理を適用することと
を含む、請求項15に記載の非一過性コンピュータ可読媒体。
【請求項18】
前記バンドパスフィルタ処理を適用することは、
前記層の層内波の数を表す波数データを生成するために、前記スペクトルデータを波数空間に変換することであって、前記波数空間は、前記スペクトルデータの各データポイントにおいて前記層の波長依存屈折率に依存する、前記スペクトルデータを波数空間に変換することと、
前記波数データを波数値の等間隔の分布上に補間することと
を含む、請求項15に記載の非一過性コンピュータ可読媒体。
【請求項19】
前記バンドパスフィルタ処理を適用することは更に、
DFTデータを生成するために、前記波数データの離散フーリエ変換(DFT)を計算することと、
前記層の推定厚さに対応する前記DFTデータのウインドウを識別することと、
前記ウインドウの外側の前記DFTデータの値をゼロに設定することと
を含む、請求項18に記載の非一過性コンピュータ可読媒体。
【請求項20】
前記バンドパスフィルタ処理を適用することは更に、
前記DFTデータから逆DFTを計算すること
を含む、請求項19に記載の非一過性コンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001]本出願は、2021年5月20日出願の「FOURIER FILTERING OF SPECTRAL DATA FOR MEASURING LAYER THICKNESS DURING SUBSTRATE PROCESSING」と題する米国非仮特許出願第17/325,364号の利益及び優先権を主張するものであり、その内容を全て、参照により本明細書に援用する。
【0002】
[0002]本開示は、概して、半導体基板の処理中に光スペクトルデータを監視することに関する。具体的には、本開示は、基板プロセス中に層厚を測定するためのスペクトルデータのフーリエフィルタリングについて説明するものである。
【背景技術】
【0003】
[0003]集積回路は通常、シリコンウエハ上への導電層、半導電層、及び/又は絶縁層の順次堆積によって基板上に形成される。様々な製造プロセスが、処理ステップの間に基板上の層の平坦化を用いる。例えば、パターニングされた層のトレンチにビア、プラグ、及び/又はラインを形成するための金属層の研磨等の特定の用途では、パターニングされた層の上面が露出するまで、その上の層が平坦化される。他の用途、例えばフォトリソグラフィ用の誘電体層の平坦化では、下層の上に所望の厚さが残るまでその上の層を研磨する。
【0004】
[0004]化学機械研磨(CMP)は、平坦化の一般的な方法の1つである。この平坦化方法では、通常、基板をキャリア又は研磨ヘッドに取り付ける必要がある。通常、基板の露出面が回転する研磨パッドに当接される。キャリアヘッドは、基板に制御可能な荷重を与え、基板を研磨パッドに押し付ける。通常、研磨スラリが研磨パッドの表面に供給される。
【0005】
[0005]CMPにおける1つの問題は、研磨プロセスが完了したか否か、すなわち、基板層が所望の平坦度又は厚さに平坦化されたか否か、又は所望の量の材料が除去されたか否かを決定することである。スラリの分布、研磨パッドの状態、研磨パッドと基板との間の相対速度、及び/又は基板上の荷重の変動は、材料除去速度の変動を引き起こす可能性がある。これらの変動は、基板層の初期厚さの変動と同様に、研磨終点に到達するのに必要な時間の変動を引き起こす。したがって、研磨終点を単に研磨時間の関数として決定すると、ウエハ内不均一性(WTWNU)及びウエハ間不均一性(WTWNU)が生じる可能性がある。
【0006】
[0006]幾つかのシステムでは、基板は、例えば研磨パッドの窓を通して、研磨中に光学的にその場で(in-situ)監視される。しかしながら、既存の光学モニタ技法では、半導体デバイス製造業者の高まる要求が満たされない可能性がある。
【発明の概要】
【0007】
[0007]幾つかの実施形態では、化学機械研磨(CMP)プロセス中にウエハ上の層の厚さを決定する方法は、CMPプロセスを用いてウエハ上の層を研磨することと、ウエハから反射されたスペクトルデータを生成すべくCMPプロセス中のウエハを現場分光モニタリングシステムで監視することと、フィルタリングされたスペクトルデータを生成するために、スペクトルデータにバンドパスフィルタ処理を適用することであって、バンドパスフィルタは、ウエハ上の層に対応する周波数範囲を通過させるように構成され得る、スペクトルデータにバンドパスフィルタ処理を適用することと、フィルタリングされたスペクトルデータを基準のフィルタリングされたスペクトルデータと照合することであって、基準のフィルタリングされたスペクトルデータは、バンドパスフィルタ処理を使用してフィルタリングされていてよく、基準のフィルタリングされたスペクトルデータは、層の厚さに関連し得る、フィルタリングされたスペクトルデータを基準のフィルタリングされたスペクトルデータと照合することとを含み得る。
【0008】
[0008]幾つかの実施形態では、システムは、研磨パッドと、ウエハを研磨パッドに対して保持するように構成されたキャリアヘッドと、ウエハ上に光を当てて、ウエハから反射された光を受光するように構成されたモニタシステムと、1又は複数のプロセッサと、1又は複数のメモリデバイスとを含み得る。1又は複数のメモリデバイスは、1又は複数のプロセッサによって実行されると、1又は複数のプロセッサに、ウエハから反射された光に基づくスペクトルデータを受信することと、フィルタリングされたスペクトルデータを生成するために、スペクトルデータにバンドパスフィルタ処理を適用することであって、バンドパスフィルタは、ウエハ上の層に対応する周波数範囲を通過させるように構成され得る、スペクトルデータにバンドパスフィルタ処理を適用することと、フィルタリングされたスペクトルデータを基準のフィルタリングされたスペクトルデータと照合することであって、基準のフィルタリングされたスペクトルデータは、バンドパスフィルタ処理を使用してフィルタリングされていてよく、基準のフィルタリングされたスペクトルデータは、層の厚さに関連し得る、フィルタリングされたスペクトルデータを基準のフィルタリングされたスペクトルデータと照合することと、厚さに基づいてウエハの研磨プロセスを制御することとを含む処理を実行させる命令を含み得る。
【0009】
[0009]幾つかの実施形態では、非一過性コンピュータ可読媒体は、1又は複数のプロセッサによって実行されると、1又は複数のプロセッサに、ウエハから反射された光に基づくスペクトルデータを受信することと、フィルタリングされたスペクトルデータを生成するために、スペクトルデータにバンドパスフィルタ処理を適用することであって、バンドパスフィルタは、ウエハ上の層に対応する周波数範囲を通過させるように構成され得る、スペクトルデータにバンドパスフィルタ処理を適用することと、フィルタリングされたスペクトルデータを基準のフィルタリングされたスペクトルデータと照合することであって、基準のフィルタリングされたスペクトルデータは、バンドパスフィルタ処理を使用してフィルタリングされていてよく、基準のフィルタリングされたスペクトルデータは、層の厚さに関連し得る、フィルタリングされたスペクトルデータを基準のフィルタリングされたスペクトルデータと照合することと、厚さに基づいてウエハに実行されるプロセスを制御することとを含む処理を実行させる命令を含み得る。
【0010】
[0010]いずれの実施形態においても、以下の特徴のいずれか及びすべてを、任意の組み合わせで、制限なく実施することが可能である。本方法/処理はまた、ウエハに対応するモデルをシミュレーションすることにより、複数の基準のフィルタリングされたスペクトルデータを生成することを含み得る。フィルタリングされたスペクトルデータを基準のフィルタリングされたスペクトルデータと照合することは、基準のフィルタリングされたスペクトルデータをフィルタリングされたスペクトルデータに最も類似するものとして識別するために、フィルタリングされたスペクトルデータと複数の基準のフィルタリングされたスペクトルデータの各々との間の類似度を計算することを含み得る。ウエハに対応するモデルは、ウエハ上の層より下のパターニングされた特徴及び/又は層を除去した簡略化モデルを含み得る。バンドパスフィルタ処理は、ウエハ上の層より下のパターニングされた特徴及び/又は層に関連する周波数成分をスペクトルデータから除去し得る。基準のフィルタリングされたスペクトルデータは、セットアップウエハからのスペクトルデータ測定値及び厚さ測定値から導出され得る。本方法/工程はまた、ウエハ上の層が目標厚さに達するまで、層の厚さに基づいてCMPプロセスを行うことを含み得る。本方法/処理はまた、層の層内波の数を表す波数データを生成するために、スペクトルデータを波数空間に変換することであって、波数空間は、スペクトルデータの各データポイントにおいて層の波長依存屈折率に依存し得る、スペクトルデータを波数空間に変換することを含み得る。本方法/処理はまた、波数データを波数値の等間隔の分布上に補間することを含み得る。波数値の等間隔の分布は、波数値の2のべき乗数を含み得る。本方法/処理はまた、DFTデータを生成するために、波数データの離散フーリエ変換(DFT)を計算すること、及び/又は層の推定厚さに対応するDFTデータのウインドウを識別することを含み得る。バンドパスフィルタ処理を適用することは、ウインドウの外側のDFTデータの値をゼロに設定することを含み得る。スペクトルデータは、ウエハ上の層以外の層に関連し得る複数のピークを含み得る。本方法/処理はまた、層に関連するピークに対応する周波数を識別することと、波数領域又は波長領域においてスペクトルデータにバンドパスフィルタ処理を適用することであって、バンドパスフィルタ処理はピークに対応する周波数を中心とし得る、波数領域又は波長領域においてスペクトルデータにバンドパスフィルタ処理を適用することとを含み得る。
【0011】
[0011]様々な技術の性質及び利点の更なる理解は、本明細書の残りの部分及び図面を参照することによって得ることができ、同様の参照番号は、幾つかの図面にわたって同様の構成要素を指すために使用されている。幾つかの例では、複数の類似の構成要素のうちの1つを示すために、サブラベルが参照番号に関連付けられている。既存のサブラベルを指定せずに参照番号に言及する場合、そのような複数の類似の構成要素のすべてを指し示すことが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】幾つかの実施形態に係る研磨装置の一例を示す概略断面図である。
図2】幾つかの実施形態に係るその場での光学モニタリングシステムからの測定スペクトルを示す図である。
図3】幾つかの実施形態に係る基板上の一連のスペクトル測定の経路を示す図である。
図4】幾つかの実施形態に係るウエハから測定され得る光の反射を示す図である。
図5】CMPプロセス中のウエハ上の層の厚さを決定する方法を示すフローチャートである。
図6】幾つかの実施形態に係るバンドパスフィルタ処理を適用するための方法を示すフローチャートである。
図7】幾つかの実施形態に係る分光計から受信され得るスペクトルデータを示すグラフである。
図8】幾つかの実施形態に係る等間隔の波数空間に変換された後のスペクトルデータを示すグラフである。
図9】幾つかの実施形態に係る、スペクトル波数データのDFTを示すグラフである。
図10】幾つかの実施形態に係る、逆DFTを計算した後の波数空間におけるフィルタリングされたスペクトルデータの強度を示すグラフである。
図11】様々な実施形態が実装され得る例示的なコンピュータシステムを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
[0023]本開示は、ウエハ上の層の厚さを測定する際に、フーリエ解析を使用して、スペクトルデータの位置を特定し、スペクトルデータにバンドパスフィルタを適用するための方法及びシステムについて説明するものである。半導体プロセス中、ウエハの最上層の厚さは、目標厚さに達するまで連続的に測定され得る。例えば、研磨プロセスでは、目標厚さに達するまで最上層から材料を除去し得る。層のリアルタイムの厚さは、層上に光を当てて、分光計を使用して反射されたスペクトルデータを測定することによって測定される。このスペクトルデータを、既知の厚さを有する基準スペクトルデータセットと相関させることで、層の現在の厚さを推定することができる。しかし、基準スペクトルデータセットを生成するために使用されるモデルは、正確な一致をもたらすために非常に高忠実度でなければならず、すべての反射波長の中から層に対応するピークをフーリエ解析で見つけるには分解能に限界があるため、正確な厚さ測定を行うことは非常に困難である。
【0014】
[0024]これらの実施形態は、スペクトルデータを使用して層厚を測定する精度を向上させる。スペクトルデータは、波数空間に変換され、等間隔の分布上に補間され得る。波数データに対して離散フーリエ変換(DFT)を計算することができ、ピークの推定又は既知の位置がフーリエ空間において識別され得る。この位置が識別されると、フーリエ空間のDFT値をゼロにすることによってバンドパスフィルタを適用することができる、あるいは他の方法で波数空間又は波長空間においてバンドパスフィルタを適用することができる。逆DFTを計算することができ、パターニングされた特徴及び/又は下層に起因する波長成分が除去された結果、スペクトルデータは主に測定中の層を表すようになり得る。このプロセスは、正確な一致をもたらすために、簡略化ウエハモデルを使用した参照データと、その場でのライブ測定とに対して実施され得る。
【0015】
[0025]図1は、研磨装置100の一例を示す図である。研磨装置100は、研磨パッド110がその上に配置され得る回転可能なディスク形状のプラテン120を含み得る。プラテンは、軸125を中心に回転するように動作可能であってよい。例えば、モータ121が駆動軸124を回転させてプラテン120を回転させることができる。研磨パッド110は、外側研磨層112及びより柔らかいバッキング層114を有する2層研磨パッドであってよい。
【0016】
[0026]研磨装置100は、スラリ等の研磨液132を研磨パッド110上に分配するためのポート130を含み得る。研磨装置はまた、研磨パッド110を一貫した研磨状態に維持するために研磨パッド110を研磨する研磨パッドコンディショナーを含み得る。
【0017】
[0027]研磨装置100は、少なくとも1つのキャリアヘッド140を含み得る。キャリアヘッド140は、研磨パッド110に対して基板10を保持するように動作可能であってよい。キャリアヘッド140は、それぞれの基板に関連する研磨パラメータ、例えば圧力の独立した制御を有していてよい。
【0018】
[0028]具体的には、キャリアヘッド140は、可撓性膜144の下に基板10を保持するための保持リング142を含み得る。キャリアヘッド140はまた、可撓性膜144上の、したがって基板10上の関連するゾーンに独立して制御可能な圧力を印加することができる、膜によって画定された複数の独立して制御可能な加圧可能チャンバ、例えば3つのチャンバ146a~146cを含んでいてよい。図1には、図示を容易にするために3つのチャンバのみを図示したが、他の実施形態では、1つ又は2つのチャンバ、あるいは4つ以上のチャンバ、例えば5つのチャンバが存在し得る。
【0019】
[0029]キャリアヘッド140は、支持構造150、例えばカルーセル又はトラックから吊り下げられていてよく、キャリアヘッドが軸155を中心に回転できるように、駆動軸152によってキャリアヘッド回転モータ154に接続されていてよい。オプションとして、キャリアヘッド140は、例えば、カルーセル150又はトラック上のスライダ上で、又はカルーセル自体の回転振動によって、横方向に振動し得る。工程において、プラテンはその中心軸125を中心に回転することができ、キャリアヘッドはその中心軸155を中心に回転し、及び/又は研磨パッドの上面を横切って横方向に平行移動し得る。
【0020】
[0030]キャリアヘッド140を1つのみ図示したが、研磨パッド110の表面積を効率的に使用することができるように、追加の基板を保持するためにより多くのキャリアヘッドを配設することができる。研磨装置はまた、現場モニタリングシステム160を含み得る。現場モニタリングシステムは、基板上の層の厚さに依存する値の時変する一連の値を生成し得る。現場モニタリングシステム160は、光学モニタシステムを含み得る。具体的には、現場モニタリングシステム160は、研磨中に基板から反射される光の一連のスペクトルを測定し得る。
【0021】
[0031]研磨パッドを通る光アクセス108は、開孔(すなわち、パッドを貫通する穴)又は固体窓118を含むことによって得ることができる。固体窓118は、例えば、研磨パッドの開孔を埋めるプラグとして、研磨パッド110に固定され得る。幾つかの実施態様では、固体窓はプラテン120上で支持され、研磨パッドの開孔内に突出し得るが、固体窓は、代替的に、研磨パッドに成形され得る、又は接着固定され得る。
【0022】
[0032]光学モニタリングシステム160は、光源162、光検出器164、及び遠隔コントローラ190、例えばコンピュータと光源162及び光検出器164との間で信号を送受信するための回路166を含み得る。1又は複数の光ファイバを使用して、光源162からの光を研磨パッドの光アクセスに伝送し、基板10から反射された光を検出器164に伝送することができる。例えば、分岐光ファイバ170を使用して、光源162からの光を基板10に伝送し、検出器164に戻すことができる。分岐光ファイバは、光アクセスに近接して位置決めされた主要部172と、光源162及び検出器164にそれぞれ接続された2つの分岐部174及び176とを含み得る。
【0023】
[0033]幾つかの実施態様では、プラテンの最上面は、分岐ファイバの主要部172の一端を保持する光学ヘッド168をはめ込む凹部128を含み得る。光学ヘッド168は、主要部172の最上部と固体窓118との間の垂直距離を調整する機構を含み得る。
【0024】
[0034]回路166の出力は、駆動軸124のロータリカプラ129、例えばスリップリングを通過して光学モニタシステム用のコントローラ190に至るデジタル電子信号であってよい。同様に、光源は、コントローラ190からロータリカプラ129を通って光学モニタリングシステム160に送られるデジタル電子信号の制御コマンドに応答して、オン又はオフにされ得る。あるいは、回路166は、無線信号によってコントローラ190と通信し得る。
【0025】
[0035]光源162は、紫外線(UV)、可視光線、又は近赤外線(NIR)を発光するように動作可能であり得る。光検出器164は、分光計であってよい。分光計は、電磁スペクトルの一部にわたって光の強度を測定するための光学機器である。例えば、回折格子分光計が使用され得る。分光計の典型的な出力には、波長(又は周波数)の関数としての光の強度が含まれ得る。図2に、波長の関数としての強度を有する測定スペクトル200の例を示す。
【0026】
[0036]上述したように、光源162及び光検出器164は、それらの工程を制御し、それらの信号を受信するように動作可能なコンピューティングデバイス、例えばコントローラ190に接続され得る。コンピューティングデバイスは、研磨装置の近くに位置するマイクロプロセッサを含み得る。例えば、コンピューティングデバイスはプログラム可能なコンピュータであってよい。制御に関して、コンピューティングデバイスは、例えば、光源の起動をプラテン120の回転と同期させることができる。ディスプレイ192、例えばLEDスクリーン、及びユーザ入力装置194、例えばキーボード及び/又はマウスが、コントローラ190に接続され得る。
【0027】
[0037]処理中、コントローラ190は、例えば、光源の特定の閃光又は検出器の時間枠に対して、光検出器によって受光された光のスペクトルを表す情報を運ぶ信号を受信することができる。したがって、このスペクトルは、研磨中に現場で測定されたスペクトルであってよい。特定の理論に限定されることなく、基板10から反射される光のスペクトルは、最外層の厚さの変化により研磨が進むにつれて変化する可能性があり、その結果、時間的に変化する一連のスペクトルが得られる。
【0028】
[0038]光学モニタリングシステム160は、測定周波数で測定された一連のスペクトル、すなわち「スペクトルデータ」を生成するように構成され得る。基板10と光アクセス108との間の相対運動により、一連のスペクトルが基板10上の異なる位置で測定される。幾つかの実施態様では、光源162によって生成された光ビームは、プラテン120とともに回転する(図3に矢印Rで示す)点から出射し得る。図3に示すように、そのような実施態様では、基板10と光アクセス108との間の相対運動により、基板10を横切る経路の位置300でスペクトルが測定され得る。幾つかの実施態様では、プラテンの1回転につき1つのスペクトルのみが測定される。更に、幾つかの実施態様では、光ビームの発光点は静止しており、測定は光アクセス108が光ビームにアライメントされたときにのみ行われる。
【0029】
[0039]図4は、幾つかの実施形態に係るウエハ400から測定され得る光反射を示す図である。これは、基板404及び透明層402を含むウエハ400の簡略化された表現を表していることに留意されたい。実際には、ウエハ400は、基板404及び透明層402に加えて、多くの追加層を含み得る。更に、様々な層は、トレース、ビア、及び/又は明瞭化のために図4から省略された集積回路の他の要素を含む、複雑なパターニングされた構造を含み得る。
【0030】
[0040]この例では、透明層402の目標厚さに達するまで透明層402の一部を徐々に除去するために、透明層406をCMPシステムの研磨パッドに当接させることができる。透明層402の現在の厚さ406を監視するために、光学モニタリングシステムは、透明層402に光410を当てて、その結果生じる全ての反射を分光計で測定する、上述したような分光モニタシステムを含み得る。後述するように、測定された反射結果を用いて透明層402の厚さ406を正確に決定する技法が開発されている。厚さ406の測定は、透明層402の厚さ406が目標厚さに達したときに研磨プロセスを終了することができるように、研磨プロセス中に連続的に行うことができる。
【0031】
[0041]厚さ406の決定には、分光モニタリングシステムによって取り込まれた様々な波長の反射率測定値が使用され得る。ウエハ400の様々な層及び/又は特徴によって反射された光は、分光計によって収集され、そこでこれらの測定値がスペクトル分解され得る。コンピュータはこれらの測定値をスペクトルデータとして記憶し得る。図4に示すように、スペクトルデータは、透明層402から入射する初期反射412を含み得る。また、スペクトルデータは、ウエハ400の追加層間の境界から、又はウエハ400の層の特徴から入射する1又は複数の反射を含み得る。図4の簡略化された例では、これは透明層402を通過し、透明層402と基板404との間の境界から反射416として戻ってくる光414を含む場合がある。この反射416は、その後、透明層402を通過して戻り、分光計によって反射418として受光される。図4には明確に示していないが、分光計によって記録される追加の反射には、ウエハ400に存在する可能性のある様々な層における追加の層境界及び他のパターニングされた構造からの反射が含まれる可能性がある。
【0032】
[0042]スペクトルデータを使用して透明層402の現在の厚さ406を測定するために、多くの異なる技法が提案されている。ある方法では、スペクトルデータの反射率対波長情報を使用して、スペクトルデータに対してフーリエ解析を実行し得る。例えば、離散フーリエ変換(DFT)を用いてスペクトルデータをフーリエ領域に変換することができる。得られた周波数分布を解析して、透明層402に関連するピークを特定することができる。そして、このピークの位置を透明層402の厚さ406を表す数値と相関させることができる。しかし、この技法では分解能に限界があるため、正確な厚さの測定が必要な場合には問題が生じる可能性がある。
【0033】
[0043]透明層402の厚さ406を測定するための別の方法は、ウエハ400上の層スタックのシミュレーションを使用することを含む。ウエハ400の様々な層及びパターニングされた特徴の正確なモデルを開発することができ、透明層402の各増分厚さにおいて光反射をシミュレーションすることができる。その結果、シミュレーションされたスペクトルデータセットは、各シミュレーションで使用された対応する厚さとともに記憶される。スペクトルデータの実際の測定値が分光計から受信されると、シミュレーションされたスペクトルデータにおける最も近い一致が、測定されたスペクトルデータに対して識別され得る。そして、一致したシミュレーションされたスペクトルデータで使用された透明層の厚さを、研磨プロセスのその時点での透明層402のおおよその厚さ406として使用することができる。しかしながら、この方法が正確であるためには、ウエハのモデルが正確であり、実際のウエハ400の様々な層及びパターニングされた特徴のすべてを表現していなければならない。これによりモデルが複雑になるだけでなく、ウエハ400のパターン及び回路レイアウトが、CMP装置によって研磨されるウエハのバッチごとに変更される可能性がある。そのため、ウエハに存在する可能性のある様々な層のすべてを正確に表現するモデルを生成することは困難であり、その結果、正確な厚さを決定するために、測定されたスペクトルデータを適切な対応するシミュレーションされたスペクトルデータと照合するプロセスが複雑になる。
【0034】
[0044]本明細書に記載の実施形態は、様々な半導体プロセス中にウエハ上の最上層の厚さを測定するためのこれらの技術的問題及び他の技術的問題を解決する。具体的には、研磨中の層に焦点を合わせるために、スペクトルデータをフィルタリングすることができる。研磨されている最上層とは関係のない層及び特徴に関連するスペクトルデータの周波数成分を除去するために、バンドパスフィルタを適用することができる。このバンドパスフィルタリング処理は、研磨プロセス中に受信される現場測定値にも、基準として使用され得るシミュレーションされたスペクトルデータにも適用可能である。ウエハの他の層/特徴に起因する周波数成分は、現場測定値とシミュレーションされたスペクトルデータの両方からバンドパスフィルタを使用して除去されるため、ウエハごとに変化し得る複雑なパターン及び特徴をほとんど無視することができる簡略化されたモデルをシミュレーションに使用することができる。その後、フィルタリングされた測定スペクトルデータを、簡略化されたモデルからのフィルタリングされたシミュレーション結果と比較して、複雑なウエハモデルに依存していた以前の技法よりもはるかに正確なおよその厚さを識別することができる。例えば、スペクトルデータを波数空間に変換した後、DFTを実行することができる。バンドパスフィルタリング処理により、ウエハの対象の膜のおおよその予想厚さに関連しない周波数成分をゼロにすることができる。逆DFTによりデータを再び波数空間に変換することができ、その後、既存の技法のいずれかを使用して最上層の厚さを決定することができる。
【0035】
[0045]図5は、CMPプロセス中のウエハ上の層の厚さを決定する方法を示すフローチャート500である。本方法は、CMPプロセスを使用してウエハ上の層を研磨すること(502)を含み得る。この方法は、上述し、図1に図示した研磨装置100の様々な構成要素によって実行され得る。本方法はまた、ウエハから反射されたスペクトルデータを生成するために、現場分光モニタリングシステムを用いてCMPプロセス中のウエハを監視すること(504)を含み得る。上述したように、これには、光をウエハに当てて、分光計によって測定される反射波長を受信することが含まれ得る。分光計はコンピュータシステムによって制御され得る。したがって、本方法における幾つかのステップは、非一過性コンピュータ可読媒体に記憶された命令の結果として、1又は複数のプロセッサによって実行され得る。スペクトルデータは、コンピュータシステムによって記憶及び/又は処理され得る。
【0036】
[0046]本方法は、フィルタリングされたスペクトルデータを生成するために、スペクトルデータにバンドパスフィルタ処理を適用すること(506)を更に含み得る。例えば、幾つかの実施形態は、スペクトルデータを波数空間に変更し、波数空間データを規則的に間隔の空いた点の集合に補間し、DFTを実行してフーリエ領域のスペクトル周波数データを生成することができる。おおよその層厚に対応するピークをフーリエ領域で識別することができ、バンドパスフィルタ処理により、ピーク周辺のウインドウの外側の値がフーリエ領域でゼロに設定され得る。フィルタリングされた周波数データの逆関数は、その後、再び波数空間及び/又は再びスペクトルデータ形式に変換され得る。このプロセスを、本開示の残りの部分を通して、以下により詳細に説明する。
【0037】
[0047]バンドパスフィルタ処理を適用するプロセスは、多くの異なる方法で実行され得る。例えば、フーリエ領域における閾値ウインドウの形態でハードバンドパスフィルタを適用する代わりに、幾つかの実施形態は、代わりに、DFTと平滑化ウインドウ関数(例えば、Hannウインドウ、Blackmanウインドウ等)とを乗算し得る。あるいは、幾つかの実施形態は、単にDFTを使用してバンドパス周波数ウインドウの中心位置を識別し、代わりに波数領域の標準バンドパスフィルタを適用することができる。以下に説明するように、これらの技法を使用して、バンドパスフィルタの中心位置を識別することができるが、バンドパスフィルタの種類及びそのバンドパスフィルタが実行される場所は、本開示によって限定されない。むしろ、いかなる種類のフィルタも使用可能であり、フィルタの位置が判明した後は、プロセスの任意の時点でフィルタを適用することができる。したがって、以下に説明するバンドパスフィルタ処理を実行する具体的な方法は、例示のためにのみ提供されるものであり、限定を意味するものではない。
【0038】
[0048]本方法は、フィルタリングされたスペクトルデータを基準のフィルタリングされたスペクトルデータと照合すること(508)を更に含み得る。上述したプロセスを使用して、その場で行われる現実世界の測定値と、研磨されるウエハのモデルから生成されるシミュレーションされたデータの両方をフィルタリングすることができる。例えば、スペクトルデータは、実際の研磨プロセス中にCMP装置によって取得されたリアルタイムの測定値から読み取ることができる。あるいは、スペクトルデータは、研磨中のウエハに近似したモデルを使用したシミュレーションからも生成可能である。リアルタイムの測定値を使用してウエハの厚さを決定するために、フィルタリングされたスペクトルデータを、シミュレーションから得られた基準のフィルタリングされたスペクトルデータのセットと照合することができる。この照合が行われると、シミュレーションに使用された既知の層厚を、現在の厚さ測定値として処理中のウエハ上の層に割り当てることができる。現在の厚さ測定値を使用して、現在の厚さ測定値が目標厚さ測定値に達するまでCMP装置が層を研磨するように、CMP装置の処理を制御することができる。
【0039】
[0049]一般的に、スペクトルデータと基準のスペクトルデータとの間のこの照合を行うことは、上述の理由により困難である。すなわち、モデルは非常に忠実度が高く、処理されるウエハの実際の物理的特性に最も近く一致していなければならない。そうでなければ、その場での測定における反射されたスペクトルデータは、モデルから基準として利用可能になったシミュレーションされたスペクトルデータとは異なったものとなる。しかし、本明細書に記載のバンドパスフィルタ処理を適用することで、モデルを大幅に簡略化することができる。バンドパスフィルタは、研磨されている最上層に起因しない周波数成分を減衰させる又は除去するため、インシトゥ測定で発生するその他の反射は除去される。同じフィルタリング処理がシミュレーションされたデータに適用されるため、簡略化されたモデルから得られるフィルタリングされたスペクトルデータは、バンドパスフィルタが適用されない場合よりもはるかに正確に、測定から得られるフィルタリングされたスペクトルデータと一致する傾向がある。
【0040】
[0050]簡略化されたモデルは、ウエハの実際の膜スタックの「ブランケット膜」表現を使用し得る。これは、ウエハ上の様々な層の各パターンから回折効果を計算しようとする「複雑な」モデルとは対照的であり得る。複雑なパターン構造を有する層は、有効屈折率を表す非物理的なブランケット層に置き換えることができる。その他の層又は特徴は、スペクトルデータに最小限の影響しか与えない場合、無視しても差し支えない。例えば、シリコンの層の後にパターニングされたCu配線がN層続き、その後に接着層が続き、その後に別のシリコン層が続くような場合、簡略化モデルではシリコン/接着/シリコンの一連の層としてモデル化することができる。これにより、特定のウエハ上に実装され得る様々な回路設計及びパターンを、簡易モデルでより広範囲に網羅することができる。
【0041】
[0051]図5に示す特定のステップは、様々な実施形態に係る、処理されるウエハの厚さを測定する特定の方法を提供するものであることを理解されたい。ステップの他のシーケンスも、代替の実施形態に従って実行することができる。例えば、代替の実施形態は、上記で概説したステップを異なる順序で実行可能である。更に、図5に示す個々のステップは、個々のステップに適切なように様々なシーケンスで実行され得る複数のサブステップを含み得る。更に、特定の用途に応じて、追加のステップを追加又は削除することができる。多くの変形、修正、及び代替例もまた、本開示の範囲内にある。
【0042】
[0052]上述し、図1に示すCMPプロセスは、本開示において、これらの測定技法の実用的な応用としての例として使用されているが、CMPプロセスは、例として提供されているに過ぎず、限定を意味するものではない。反射光及び分光計を使用する同じ技法を、任意の種類の製造プロセス中のいかなる種類の半導体層の厚さの測定にも使用することができる。例えば、層厚は、堆積プロセス中、又はウエハ上に膜を成長させるプロセス中に測定することができる。また、層厚は、材料がエッチングされるとき、又は他の方法でウエハから除去されるときに、これらの技法を用いて測定され得る。また、幾つかの実施形態では、これらの技法を使用して層厚を測定し、製造プロセスをテスト又は特性評価することができる、又はウエハが正しく製造されたことを検証することができる。したがって、実現可能な例として使用されるCMPプロセス及び装置は、本開示の範囲内において、制限なく、他の種類の装置及び/又はプロセスに置き換えることができる。
【0043】
[0053]図6は、幾つかの実施形態に係るバンドパスフィルタ処理を適用する方法を示すフローチャート600である。フローチャート600は、フローチャート500において上述したバンドパスフィルタ処理を適用する1つの方法を表し得る。この方法は、1又は複数のプロセッサを備えるコンピュータ又はコンピュータシステムによって実行され得る。コンピュータシステムは、1又は複数のプロセッサによって実行されると、1又は複数のプロセッサにこれらの処理を実行させる命令を記憶する1又は複数のメモリデバイスを含み得る。
【0044】
[0054]本方法は、スペクトルデータを波数空間に変換すること(602)を含み得る。コンピュータシステムは、分光計からスペクトルデータを受信することができる。分光計からの元のデータは、ある時間間隔にわたって受信される光の波長の検出器からのカウントを含む場合がある。したがって、スペクトルデータは、各波長におけるカウントのスペクトルを含み得る。図7は、分光計から受信され得るスペクトルデータを示すグラフである。この例では、監視波長は900nmから1675nmであってよいが、他の実施形態では他の範囲の波長を監視及び/又は処理することができる。幾つかの実施形態では、反射特性が既知であり、シミュレーションが容易なベアシリコンウエハからの反射を使用する基準プロセスを使用することができることに留意されたい。測定されるインシトゥデータを基準データと比較して、反射率対波長に比例し得る基準スペクトルを生成することができる。
【0045】
[0055]スペクトルデータを波長空間の代わりに波数空間に変換するには、各波長を、その波長における屈折率を波長で割ったものに置き換える。一般的な波数は屈折率に関係なく計算されるが、これらの実施形態では、測定中の層の分散を考慮するため、分子に波長依存性の屈折率を含める。これにより、層の内部にいくつの波長が収まるかを波数によって表すことができる。屈折率は波長依存であるため、波が層内部でどのように圧縮されるかを示す尺度となる。例えば、層内部の特定の波長においてn=2である場合、層内部の有効波長は真空中の半分になる。屈折率を含めることで、このプロセスは層内部の真の波数をより正確に反映する。波数空間への変換は、Y軸上のスペクトルデータの値を変えるのではなく、単にX軸上の単位を変えるだけであることに留意されたい。ここでデータは強度対波長ではなく、強度対波数を表し得る。
【0046】
[0056]図6の方法は、等間隔になるように波数を補間すること(604)も含み得る。分光計からの波長データは、通常、等間隔となる(例えば、ナノメートルごとのデータ)。しかし、等間隔の波長は波数計算の分母に含まれるため、結果として得られる波数空間のデータポイントは等間隔にはならない。これは、高速フーリエ変換(FFT)アルゴリズムを使用してDFTを効率的に実行する上で問題となる可能性がある。したがって、幾つかの実施形態では、波数空間の不均等な間隔の値を、波数値の等間隔の分布のセットに補間することができる。FFTアルゴリズムを使用するために、不均等な間隔の波数が補間される「グリッド」は、2のべき乗数の点を使用し得る。例えば、上述したスペクトルデータの波長900nmから1675nmの場合、これは補間された波数空間の1024点に相当する。例えば、最初の波数点[0]は、3.81/1675=0.00227463となるように補間することができ、最後の波数点[1023]は、3.81/900=0.004233となるように補間することができ、その間の波数点は、これらの2点間で線形補間される。図8は、幾つかの実施形態に係る等間隔の波数空間に変換された後のスペクトルデータを示すグラフである。
【0047】
[0057]図6の方法は、更に、波数スペクトルデータのDFTを計算すること(606)を含み得る。図9は、スペクトル波数データのDFTを示すグラフである。DFTは、フーリエ空間に変換された後の波数スペクトルデータを表す。従来の時間ベースのデータと同様に、DFTはスペクトルをサインとコサインの和として表す。ただし、周波数は反射光の周波数ではなく、波数軸に沿った間隔を指す。図9のY軸はサインとコサインの和に関連する大きさの係数を表し、X軸はDFTデータのインデックスを表す。Bin[0]は、システムのDCオフセットを表すピーク910を含む。連続する各Binは、Bin[n]/signal_lengthの周波数を有する項の係数を表していてよく、この例ではsignal_lengthは1024である。Kのサンプリング周波数を使用して取り込まれた信号の表現可能な最大周波数はK/2であり、この例では512/signal_length、又は(512/1024)(1/signal_spacing)に対応し、これは0.5sampling_frequencyに等しいことに留意されたい。
【0048】
[0058]本方法は、測定中の層に関連するピークを有するDFTデータのウインドウを識別すること(608)を更に含み得る。DCオフセットに関連するピーク910は、ほとんどの場合、無視され得る。更に、DFTデータは、1又は複数の追加のピークを含み得る。これらのピークには、現在研磨中の層に関連するピーク902が含まれる場合がある。ピーク904及びピーク906等の追加のピークは、ウエハの他の内部層又はパターン特徴に関連し得る。この段階で、関連するピークが存在するおおよそのBinを決定することができる。例えば、上述した単純なモデルからのシミュレーションデータを扱う場合、層の厚さはシミュレーションから既に知られている。層に関連するピーク902のおおよそのBinは、シミュレーションからの厚さに2を乗算し、次に、データが補間される膜内波数の差の上限と下限の差を乗算することによって決定することができる。その結果は、ピーク902の中心のおおよそのBinを示す整数値に四捨五入される。
【0049】
[0059]ピーク902の中心Binを識別した後に、中心Binを中心とするDFTデータのウインドウを決定することができる。例えば、ピーク902を取り込むには、ウインドウの上限及び下限を生成するために、ウインドウサイズの半分が中心Binの位置に加算及び/又は中心Binの位置から減算され得る。例えば、下限は、中心Binの位置から5000μmを減算することによって決定することができ、上限は、中心Binの位置に5000μmを加算することによって決定することができる。これらの厚さ距離をDFTBinン番号に変換して、ピーク902の周りのウインドウを定義する上下のBinを識別することができる。
【0050】
[0060]ピーク902の周りのウインドウを識別することは、最初にDFTデータのピーク902の位置を識別せずに実行することができることに留意されたい。その代わりに、ピーク902の周りのウインドウは、シミュレーションからのデータの既知の厚さを使用して識別され得る。この段階で、幾つかの実施形態は、次に、ウインドウ内の検索をセンタリングすることによってピーク902の位置を特定することができる。DFTデータは、ピーク904及びピーク906等の、測定中の層に起因しない多数のピークを含む可能性があるため、この測定に関連する特定のピークを識別することは、従来の技法を使用すると複雑になる可能性がある。しかし、最初にウインドウを識別し、ウインドウ内の領域に検索を限定することにより、測定中の層に関連するピーク902をDFTデータの他のピークから容易に区別することができる。
【0051】
[0061]本方法は、ウインドウの外側のDFTデータのBinをゼロに設定すること(610)も含み得る。これらの値をゼロに設定することは、データのバンドパスフィルタとして作用し、測定中の層に関連しないピークが除去される。上述したように、ピーク902の周りのウインドウを使用してDFTデータにこのバンドパスフィルタ処理を実行することは、このバンドパスフィルタ処理がどのように実行され得るかの一例に過ぎない。ピーク902の位置が計算されると、又はシミュレーションデータから既知になると、このバンドパスフィルタ処理は、本方法の実行中に異なる時点に実行され得る。例えば、対応するフィルタは、波数空間又は波長空間においてピークを中心とし得る。しかし、DFTデータにバンドパスフィルタ処理を実行することは、追加の計算又は数学的演算を必要とせずに、単にBin値をゼロに設定することによって計算が簡略化される。
【0052】
[0062]オプションとして、幾つかの実施形態は、測定中の層に関連するピーク902の高さを使用してDFTデータを正規化し得る。これは、測定中の層に関連するシヌソイドが、シミュレーション中に容易にモデル化されない理由で減衰又はミュートされる場合に有用であり得る。これにより、測定されたデータがシミュレーションされたデータと容易に一致しないことがある。したがって、DFTデータを正規化する(例えば、DFTデータの値をピーク902の高さで割る)ことにより、シミュレーションされた理論上のスペクトルと経験的に測定されたスペクトルとが同じ高さを有するようになり、その結果、層厚を決定する際に測定されたデータが基準データとより密接に一致するようになる。
【0053】
[0063]本方法は、フィルタリングされた波数データを生成するために、フィルタリングされたDFTデータの逆DFTを計算すること(612)を更に含み得る。これは、データをフーリエ空間から波数空間に戻す。図10は、幾つかの実施形態に係る逆DFTを計算した後の波数空間におけるフィルタリングされたスペクトルデータの強度を示すグラフである。波数空間においてフィルタリングされたスペクトルデータは、測定中の膜に関連しない全ての信号成分を除去した波数スペクトルを表す。事実上、これは、測定中の最上膜の下にある層のスペクトル成分を「フィルタリング」する。
【0054】
[0064]図6に示す方法は、測定中の膜の各増分厚さについて基準のフィルタリングされたスペクトルデータのライブラリを生成するために、シミュレーションされたスペクトルデータを使用して異なる回数を実行することができる。増分厚さのこの分解能は、シミュレーションを行っているコンピュータシステムの計算限界又は他の要因によって決定され得る。例えば、厚さの範囲を所定の数の厚さ測定に分割することができる。幾つかの実施形態では、シミュレーションされる異なる厚さ測定の数は、測定の観察可能な効果に依存し得る。つまり、増分厚さは、結果として得られるスペクトルデータに十分に有意な変化が観察され得る厚さの差に基づいていてよい。
【0055】
[0065]シミュレーションされた結果に基づいて基準のフィルタリングされたスペクトルデータを生成することに加えて、フローチャート600の方法は、実際の研磨プロセスからの測定されたスペクトルデータに対しても実行され得る。これらのステップは、シミュレーションされたデータについて上述したのと同じバンドパスフィルタが適用されたフィルタリングされたスペクトルデータを生成するために、シミュレーションされたデータについて上述したのと実質的に同じ方法で実行され得る。このように、本方法は、ウエハの処理中に実際の厚さ測定値を導出するために、ウエハプロセス中に測定値がその場で受信され、基準のフィルタリングされたスペクトルデータと比較される際に実施され得る。
【0056】
[0066]測定されたスペクトルデータに対してフローチャート600の方法が実行され得る方法との1つの違いは、測定中の層に対応するピークの位置がDFTデータでどのように位置特定されるかを含む。バンドパスフィルタは、このピークの位置で適用され得ることを想起されたい。シミュレーションされたスペクトルデータを処理する場合、ピークの位置はシミュレーション自体から知ることができる。言い換えれば、シミュレーションされた最上層の厚さを使用してDFTにおける位置を識別し、それによってバンドパスフィルタの中心周波数を識別することができる。しかし、測定されたスペクトルデータを処理する場合、測定されたデータの実際の厚さは事前にはわかっていない。
【0057】
[0067]測定されたデータを使用する場合、正確な厚さはわからないため、幾つかの実施形態は、代わりに、プロセスの開始時に層の厚さについての初期推測を提供し得る。初期推測が提供された後に、システムは、プロセスが後続の各測定に進むにつれて、今後の厚さの値を連続的に外挿することができる。例えば、幾つかの実施形態では、研磨中のウエハの公称厚さを使用することができる。この公称厚さは、研磨の開始時にユーザによって提供され得る。あるいは、ウエハの厚さを測定する他の方法を使用して、ウエハの厚さを開始点として自動的に決定することができる。例えば、あるプロセスでは、厚さが約70μmで、約5μmの誤差があると予想し得る。プロセスが進むにつれて、材料がウエハに追加される速度及び/又はウエハから除去される速度を使用して、プロセス中に計算された厚さ値から抽出され得る今後の値を推定することができる。この方法を使用して決定されたこれまでの厚さ値はその後、後続の測定の開始点として、今後の厚さの推測値を外挿するために使用され得る。
【0058】
[0068]厚さの推定値を使用して、測定されたスペクトルデータから得られるDFTデータのピークの位置を特定することができる。上述のプロセスを使用して、推定された厚さに2を乗算し、次いでDFTデータの境界間の差を乗算することによって、DFTデータにおけるBinの位置を識別することができる。次に、中心位置の両側の誤差厚さに対応するBinの数を加算/減算することにより、DFTデータの初期ウインドウを決定することができる。次に、DFTデータのウインドウにおいて最も高いピークのBinについて、このウインドウを検索することができる。ピークの位置に関する最初の推測はかなり正確であるため、ウインドウ内で容易にピークの位置を特定し、ウエハの他の層に対応し得る他のピークと区別することができる。その後バンドパスフィルタ処理を、フーリエ空間、波数空間において、又はシミュレーションされたデータの場合について上述したように他の方法で、測定されたデータに適用することができる。
【0059】
[0069]その後、逆DFTを計算して、測定用にフィルタリングされたスペクトルデータを生成することができる。このデータは、基準ライブラリのデータの形式に応じて、波数空間のままであってよい、又は波長空間に変換し直すことができる。測定されたデータの実際の厚さを決定するために、フィルタリングされたスペクトルデータが、基準ライブラリの基準のフィルタリングされたスペクトルデータと比較される。様々な技法を使用して、最もよく一致する基準を識別することができる。例えば、幾つかの実施形態は、基準ライブラリの各基準のフィルタリングされたスペクトルデータと測定されたフィルタリングされたスペクトルデータとの間の差の二乗和(SSD)を計算することができる。他の実施形態は、類似度の尺度としてコサイン類似度を使用し得る。幾つかの実施形態では、コサイン類似度を計算する前に、基準のフィルタリングされたスペクトルデータを波長空間又は波数空間においてシフトさせることもできる。最も近い一致が見つかったら、基準のフィルタリングされたスペクトルデータを生成したシミュレーションで使用された厚さを、測定中の層の現在の厚さとして使用することができる。
【0060】
[0070]上記の例では、シミュレーションされたデータを使用して、測定されたスペクトルデータを照合することができる基準を生成していることに留意されたい。しかしながら、他の実施形態では、基準のフィルタリングされたスペクトルデータについて異なるソースを使用することができる。例えば、幾つかの実施形態は、中央ソースからダウンロードされ得る、又は他の方法で提供され得る利用可能なスペクトルデータのライブラリを使用することができる。幾つかの実施形態は、処理中のウエハの実際の測定から導出された過去の測定スペクトルデータを使用し得る。例えば、同様の(「セットアップ」)ウエハを装置上にセットアップして処理(例えば、CMP装置で研磨)し、同様の方法で処理される今後の同様のウエハと比較するために、このウエハから厚さデータ及び/又はスペクトルデータを測定して記憶することができる。
【0061】
[0071]図6に示す特定のステップは、様々な実施形態に係るバンドパスフィルタ処理を適用する特定の方法を提供することを理解されたい。ステップの他のシーケンスも、代替の実施形態に従って実行され得る。例えば、代替の実施形態は、上記で概説したステップを異なる順序で実行し得る。更に、図6に示す個々のステップは、個々のステップに適切なように様々なシーケンスで実行され得る複数のサブステップを含み得る。更に、特定の用途に応じて、追加のステップを追加又は削除することができる。多くの変形、修正、及び代替例もまた、本開示の範囲内にある。
【0062】
[0072]本明細書に記載の各方法は、コンピュータシステムによって実行され得る。これらの方法の各ステップは、コンピュータシステムによって自動的に実行され得る、及び/又はユーザが関与する入力/出力を伴って提供され得る。例えば、ユーザは、方法の各ステップに対して入力を提供することができ、これらの各入力は、そのような入力を要求する特定の出力への応答であってよく、出力は、コンピュータシステムによって生成される。各入力は、対応する要求出力に応答して受信され得る。更に、入力は、ユーザから、データストリームとして他のコンピュータシステムから受信され得る、メモリ位置から読み出され得る、ネットワークを介して取得され得る、ウェブサービスから要求され得る等である。同様に、出力は、ユーザに、データストリームとして別のコンピュータシステムに提供され得る、メモリ位置に保存され得る、ネットワークを介して送信され得る、ウェブサービスに提供され得る等である。要するに、本明細書に記載の方法の各ステップは、コンピュータシステムによって実行することができ、ユーザが関与していてよい又は関与していなくてよい、コンピュータシステムへの、及びコンピュータシステムからの、任意の数の入力、出力、及び/又は要求を伴い得る。ユーザが関与しないこれらのステップは、人間の介入なしにコンピュータシステムによって自動的に実行されると言うことができる。したがって、本開示に照らして、本明細書に記載の各方法の各ステップは、ユーザとの間の入力及び出力を含むように変更することができる、又は人間の介入なしにコンピュータシステムによって自動的に行われ得、その場合、任意の決定はプロセッサによって行われることが理解されるであろう。更に、本明細書に記載の各方法の幾つかの実施形態は、有形ソフトウェア製品を形成するために有形の非一過性記憶媒体に記憶された命令セットとして実装され得る。
【0063】
[0073]図11は、様々な実施形態が実装され得る例示的なコンピュータシステム1100を示す図である。システム1100は、上述したコンピュータシステムのいずれかを実装するために使用することができる。図示のように、コンピュータシステム1100は、バスサブシステム1102を介して多数の周辺サブシステムと通信する処理ユニット1104を含む。これらの周辺サブシステムは、処理加速ユニット1106、入出力サブシステム1108、ストレージサブシステム1118、及び通信サブシステム1124を含み得る。ストレージサブシステム1118は、有形のコンピュータ可読記憶媒体1122及びシステムメモリ1110を含む。
【0064】
[0074]バスサブシステム1102は、コンピュータシステム1100の様々な構成要素及びサブシステムを、意図されたように互いに通信させるための機構を提供する。バスサブシステム1102を単一のバスとして概略的に示したが、バスサブシステムの代替実施形態は、複数のバスを利用することができる。バスサブシステム1102は、様々なバスアーキテクチャのいずれかを使用するメモリバス又はメモリコントローラ、周辺バス、及びローカルバスを含む、幾つかのタイプのバス構造のいずれかであってよい。例えば、そのようなアーキテクチャには、Industry Standard Architecture(ISA)バス、Micro Channel Architecture(MCA)バス、Enhanced ISA(EISA)バス、Video Electronics Standards Association(VESA)ローカルバス、及びPeripheral Component Interconnect(PCI)バスが含まれていてよく、これは、IEEE P1386.1規格に準拠して製造されたMezzanineバスとして実装され得る。
【0065】
[0075]1又は複数の集積回路(例えば、従来のマイクロプロセッサ又はマイクロコントローラ)として実装され得る処理ユニット1104は、コンピュータシステム1100の動作を制御する。1又は複数のプロセッサが、処理ユニット1104に含まれ得る。これらのプロセッサは、シングルコアプロセッサ又はマルチコアプロセッサを含み得る。特定の実施形態では、処理ユニット1104は、各処理ユニットに含まれるシングルコア又はマルチコアプロセッサを有する1又は複数の独立した処理ユニット1132及び/又は1134として実装され得る。他の実施形態では、処理ユニット1104はまた、2つのデュアルコアプロセッサを単一チップに統合することによって形成されるクアッドコア処理ユニットとして実装され得る。
【0066】
[0076]様々な実施形態では、処理ユニット1104は、プログラムコードに応答して様々なプログラムを実行することができ、複数の同時実行プログラム又はプロセスを維持することができる。任意の所与の時点で、実行されるプログラムコードの一部又はすべてが、プロセッサ1104(複数可)及び/又はストレージサブシステム1118に常駐し得る。適切なプログラミングを通して、プロセッサ1104(複数可)は、上述の様々な機能性を提供することができる。コンピュータシステム1100は更に、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特殊用途プロセッサ等を含んでいてよい処理加速ユニット1106を含み得る。
【0067】
[0077]入出力サブシステム1108は、ユーザインターフェース入力デバイス及びユーザインターフェース出力デバイスを含み得る。ユーザインターフェース入力デバイスは、キーボード、マウス又はトラックボール等のポインティングデバイス、ディスプレイに組み込まれたタッチパッド又はタッチスクリーン、スクロールホイール、クリックホイール、ダイヤル、ボタン、スイッチ、キーパッド、音声コマンド認識システムを有する音声入力デバイス、マイクロフォン、及び他のタイプの入力デバイスを含み得る。ユーザインターフェース入力デバイスには、例えば、ジェスチャ及び音声コマンドを使用した自然なユーザインターフェースを通じて、ユーザがマイクロソフトXbox(登録商標)360ゲームコントローラ等の入力デバイスを制御し、対話することを可能にするマイクロソフトKinect(登録商標)運動センサ等の運動感知及び/又はジェスチャ認識デバイスが含まれ得る。また、ユーザインターフェース入力デバイスには、ユーザの目の活動(例えば、写真撮影中及び/又はメニュー選択中の「まばたき」)を検出し、目のジェスチャを入力デバイス(例えば、Google Glass(登録商標))への入力として変換するGoogle Glass(登録商標)まばたき検出器等の目のジェスチャ認識デバイスも含まれ得る。更に、ユーザインターフェース入力デバイスには、ユーザが音声コマンドを通して音声認識システム(例えば、Siri(登録商標)ナビゲータ)と対話できるようにする音声認識感知デバイスが含まれ得る。
【0068】
[0078]ユーザインターフェース入力デバイスはまた、限定しないが、三次元(3D)マウス、ジョイスティック又はポインティングスティック、ゲームパッド及びグラフィックタブレット、ならびにスピーカ、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、ポータブルメディアプレーヤ、ウェブカメラ、画像スキャナ、指紋スキャナ、バーコードリーダ3Dスキャナ、3Dプリンタ、レーザレンジファインダ、及び視線追跡デバイス等の音声/視覚デバイスを含み得る。更に、ユーザインターフェース入力デバイスには、例えば、コンピュータ断層撮影装置、磁気共鳴撮像装置、体位放射断層撮影装置、医療用超音波診断デバイス等の医療用画像入力デバイスが含まれ得る。また、ユーザインターフェース入力装置には、例えば、MIDIキーボード、デジタル楽器等の音声入力デバイスが含まれ得る。
【0069】
[0079]ユーザインターフェース出力デバイスは、ディスプレイサブシステム、インジケータライト、又は音声出力デバイス等の非視覚ディスプレイを含み得る。ディスプレイサブシステムは、陰極線管(CRT)、液晶ディスプレイ(LCD)又はプラズマディスプレイ等を使用するフラットパネルデバイス、投影デバイス、タッチスクリーン等であってよい。一般に、用語「出力デバイス」の使用は、コンピュータシステム1100からユーザ又は他のコンピュータに情報を出力するためのすべての可能なタイプのデバイス及び機構を含むことを意図している。例えば、ユーザインターフェース出力デバイスには、限定しないが、モニタ、プリンタ、スピーカ、ヘッドフォン、自動車用ナビゲーションシステム、プロッタ、音声出力デバイス、及びモデム等、テキスト、グラフィック、音声/映像情報を視覚的に伝える様々なディスプレイデバイスが含まれ得る。
【0070】
[0080]コンピュータシステム1100は、現在システムメモリ1110内に位置しているように図示されたソフトウェア要素を含むストレージサブシステム1118を備え得る。システムメモリ1110は、処理ユニット1104上でロード可能及び実行可能であるプログラム命令、ならびにこれらのプログラムの実行中に生成されるデータを記憶し得る。
【0071】
[0081]コンピュータシステム1100の構成及びタイプに応じて、システムメモリ1110は、揮発性(ランダムアクセスメモリ(RAM)等)及び/又は不揮発性(読み取り専用メモリ(ROM)、フラッシュメモリ等)であってよい。RAMは通常、処理ユニット1104によって直ちにアクセス可能である、及び/又は現在操作及び実行されているデータ及び/又はプログラムモジュールを含む。幾つかの実装態様では、システムメモリ1110は、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)又はダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)等の複数の異なるタイプのメモリを含み得る。幾つかの実装態様では、起動中等に、コンピュータシステム1100内の要素間で情報を転送するのに役立つ基本ルーチンを含む基本入出力システム(BIOS)が通常、ROMに記憶され得る。限定ではなく例として、システムメモリ1110は、クライアントアプリケーション、ウェブブラウザ、中層アプリケーション、リレーショナルデータベース管理システム(RDBMS)等を含み得るアプリケーションプログラム1112、プログラムデータ1114、及びオペレーティングシステム1116も図示する。例として、オペレーティングシステム1116は、Microsoft Windows(登録商標)、Apple Macintosh(登録商標)、及び/又はLinuxオペレーティングシステムの様々なバージョン、様々な市販のUNIX(登録商標)又はUNIXの様なオペレーティングシステム(限定しないが、様々なGNU/Linuxオペレーティングシステム、Google Chrome(登録商標)OS等を含む)、及び/又はiOS、Windows(登録商標)Phone、Android(登録商標)OS、BlackBerry(登録商標)10 OS、及びPalm(登録商標)OSオペレーティングシステム等のモバイルオペレーティングシステムを含み得る。
【0072】
[0082]ストレージサブシステム1118はまた、幾つかの実施形態の機能性を提供する基本的なプログラミング及びデータ構成を記憶するための有形のコンピュータ可読記憶媒体を提供し得る。プロセッサによって実行されたときに上述の機能性を提供するソフトウェア(プログラム、コードモジュール、命令)が、ストレージサブシステム1118に記憶され得る。これらのソフトウェアモジュール又は命令は、処理ユニット1104によって実行され得る。ストレージサブシステム1118はまた、幾つかの実施形態に従って使用されるデータを記憶するためのリポジトリを提供し得る。
【0073】
[0083]ストレージサブシステム1100はまた、コンピュータ可読記憶媒体1122に更に接続され得るコンピュータ可読記憶媒体読み取り装置1120を含み得る。コンピュータ可読記憶媒体1122は、共に及びオプションとして、システムメモリ1110と組み合わせて、リモート、ローカル、固定、及び/又は取り外し可能なストレージデバイスに加えて、コンピュータ可読情報を一時的及び/又はより永続的に格納、記憶、送信、及び検索するための記憶媒体を包括的に表し得る。
【0074】
[0084]コード、又はコードの一部を含むコンピュータ可読記憶媒体1122はまた、情報の記憶及び/又は送信のための任意の方法又は技術において実装される、揮発性及び不揮発性、取り外し可能及び取り外し不可能な媒体等であるが、これらに限定されない、記憶媒体及び通信媒体を含む任意の適切な媒体を含み得る。これには、RAM、ROM、電子的に消去可能なプログラマブルROM(EEPROM)、フラッシュメモリ又は他のメモリ技術、CD-ROM、デジタル多用途ディスク(DVD)又は他の光ストレージ、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスクストレージ又は他の磁気ストレージデバイス、又は他の有形のコンピュータ可読媒体等の有形のコンピュータ可読記憶媒体を含み得る。これはまた、データ信号、データ送信、又は所望の情報を送信するために使用することができ、コンピュータシステム1100によってアクセス可能な任意の他の媒体等の、非有形のコンピュータ可読媒体を含み得る。
【0075】
[0085]一例として、コンピュータ可読記憶媒体1122は、取り外し不可能な不揮発性磁気媒体から読み取る、又は取り外し不可能な不揮発性磁気媒体に書き込むハードディスクドライブ、取り外し可能な不揮発性磁気ディスクから読み取る、又は取り外し可能な不揮発性磁気ディスクに書き込む磁気ディスクドライブ、及びCD ROM、DVD、及びBlu-Ray(登録商標)ディスク、又は他の光媒体等の取り外し可能な不揮発性光ディスクから読み取る、又は取り外し可能な不揮発性光ディスクに書き込む光ディスクドライブを含み得る。コンピュータ可読記憶媒体1122には、Zip(登録商標)ドライブ、フラッシュメモリカード、ユニバーサルシリアルバス(USB)フラッシュドライブ、セキュアデジタル(SD)カード、DVDディスク、デジタルビデオテープ等が含まれ得るが、これらに限定されない。コンピュータ可読記憶媒体1122はまた、フラッシュメモリベースのSSD、エンタープライズフラッシュドライブ、ソリッドステートROM等の不揮発性メモリに基づくソリッドステートドライブ(SSD)、ソリッドステートRAM、ダイナミックRAM、スタティックRAM、DRAMベースのSSD、磁気抵抗RAM(MRAM)SSD、及びDRAMとフラッシュメモリベースのSSDの組み合わせを使用するハイブリッドSSD等の揮発性メモリに基づくSSDを含み得る。ディスクドライブ及びそれらに関連するコンピュータ可読媒体は、コンピュータシステム1100のためのコンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール、及び他のデータの不揮発性ストレージを提供することができる。
【0076】
[0086]通信サブシステム1124は、他のコンピュータシステム及びネットワークへのインターフェースを提供する。通信サブシステム1124は、コンピュータシステム1100からデータを受信し、他のシステムにデータを送信するためのインターフェースとして機能する。例えば、通信サブシステム1124は、コンピュータシステム1100がインターネットを介して1又は複数のデバイスに接続することを可能にすることができる。幾つかの実施形態では、通信サブシステム1124は、無線音声及び/又はデータネットワーク(例えば、携帯電話技術、3G、4G又はEDGE(enhanced data rates for global evolution)等の高度データネットワーク技術、WiFi(IEEE 802.11ファミリー規格、又は他のモバイル通信技術、又はそれらの任意の組合せを使用する)にアクセスするための無線周波数(RF)送受信構成要素、全地球測位システム(GPS)受信構成要素、及び/又は他の構成要素を含み得る。幾つかの実施形態では、通信サブシステム1124は、無線インターフェースに加えて、又は無線インターフェースの代わりに、有線ネットワーク接続(例えば、イーサネット)を提供することができる。
【0077】
[0087]幾つかの実施形態では、通信サブシステム1124はまた、コンピュータシステム1100を使用し得る1人又は複数のユーザに代わって、構造化及び/又は非構造化データフィード1126、イベントストリーム1128、イベント更新1130等の形態の入力通信を受信し得る。
【0078】
[0088]一例として、通信サブシステム1124は、Twitter(登録商標)フィード、Facebook(登録商標)更新、リッチ・サイト・サマリー(RSS)フィード等のウェブフィード、及び/又は1又は複数のサードパーティの情報源からのリアルタイムの更新等のソーシャルネットワーク及び/又は他の通信サービスのユーザからデータフィード1126をリアルタイムで受信するように構成され得る。
【0079】
[0089]更に、通信サブシステム1124は、明示的な終了を伴わない、連続的な又は非有界の性質であり得るリアルタイムイベント及び/又はイベント更新1130のイベントストリーム1128を含み得る連続的なデータストリームの形態でデータを受信するようにも構成され得る。連続データを生成する用途の例は、例えば、センサデータ用途、金融ティッカ、ネットワーク性能測定ツール(例えば、ネットワーク監視及びトラフィック管理用途)、クリックストリーム解析ツール、自動車トラフィック監視等を含み得る。
【0080】
[0090]通信サブシステム1124はまた、構造化データフィード1126及び/又は非構造化データフィード1126、イベントストリーム1128、イベント更新1130等を、コンピュータシステム1100に結合された1又は複数のストリーミングデータソースコンピュータと通信し得る1又は複数のデータベースに出力するように構成され得る。
【0081】
[0091]コンピュータシステム1100は、ハンドヘルドポータブルデバイス(例えば、iPhone(登録商標)携帯電話、iPad(登録商標)コンピューティングタブレット、PDA)、ウェアラブルデバイス(例えば、Google Glass(登録商標)ヘッドマウントディスプレイ)、PC、ワークステーション、メインフレーム、キオスク、サーバラック、又は任意の他のデータ処理システムを含む、様々なタイプのうちの1つであってよい。
【0082】
[0092]コンピュータ及びネットワークは常に変化する性質であるため、図に示すコンピュータシステム1100の説明は、単なる特定例となるように意図されている。図に示すシステムよりも多い又は少ない構成要素を有する他の多くの構成が可能である。例えば、カスタマイズされたハードウェアも使用することができる、及び/又は特定の要素がハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア(アプレットを含む)、又はその組み合わせで実装され得る。更に、ネットワーク入出力デバイス等の他のコンピューティングデバイスへの接続を採用することができる。本明細書で提供される開示及び教示に基づいて、様々な実施形態を実装する他の手法及び/又は方法が明らかになるはずである。
【0083】
[0093]上記の記述では、説明の目的で、様々な実施形態を十分に理解できるように、多数の具体的な詳細が示されている。しかしながら、幾つかの実施形態は、これらの幾つかの具体的な詳細なく実施され得ることが当業者には明らかとなろう。他の例では、周知の構造及びデバイスがブロック図の形態で示されている。
【0084】
[0094]前述の説明は、単に例示的な実施形態を提供するものであり、本開示の範囲、適用性、又は構成を限定することを意図していない。むしろ、様々な実施形態の前述の説明は、少なくとも1つの実施形態を実装するための可能な開示を提供するものである。添付の特許請求の範囲に記載される幾つかの実施形態の主旨及び範囲から逸脱することなく、要素の機能及び配置に様々な変更を加えることができることを理解されたい。
【0085】
[0095]前述の説明では、実施形態を十分に理解するために、具体的な詳細を示している。しかしながら、実施形態はこれらの具体的な詳細なしに実施され得ることが理解されよう。例えば、回路、システム、ネットワーク、プロセス、及び他の構成要素は、不必要な詳細で実施形態を不明瞭にしないために、ブロック図の形態で構成要素として示している場合がある。他の例では、周知の回路、プロセス、アルゴリズム、構造、及び技法は、実施形態を不明瞭にしないために、不必要な詳細なしに示している場合がある。
【0086】
[0096]また、個々の実施形態は、フローチャート、フロー図、データフロー図、構造図、又はブロック図として示すプロセスとして図示している場合があることに留意されたい。フローチャートは、処理を連続的なプロセスとして説明している場合があるが、処理の多くは、並行して又は同時に実行することができる。更に、処理の順序を並べ替えることもできる。プロセスは、その処理が完了すれば終了するが、図に含まれていない追加のステップがある場合もある。プロセスは、方法、関数、手順、サブルーチン、サブプログラム等に対応し得る。プロセスが関数に対応する場合、その終了は、呼び出し関数又はメイン関数への関数の戻りに対応し得る。
【0087】
[0097]「コンピュータ可読媒体」という用語は、可搬式又は固定式のストレージデバイス、光ストレージデバイス、無線チャネル、及び命令(複数可)及び/又はデータを記憶、格納、又は担持することができる他の様々な媒体を含むが、これらに限定されない。コードセグメント又は機械実行可能命令は、手順、関数、サブプログラム、プログラム、ルーチン、サブルーチン、モジュール、ソフトウェアパッケージ、クラス、又は命令、データ構造、又はプログラムステートメントの任意の組み合わせを表し得る。コードセグメントは、情報、データ、引数、パラメータ、又はメモリコンテンツを受け渡しすることによって、別のコードセグメント又はハードウェア回路に結合され得る。情報、引数、パラメータ、データ等は、メモリ共有、メッセージパッシング、トークンパッシング、ネットワーク送信等を含む任意の適切な手段を介して、渡され得る、転送され得る、又は送信され得る。
【0088】
[0098]更に、実施形態は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語、又はそれらの任意の組み合わせによって実装され得る。ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、又はマイクロコードで実装される場合、必要なタスクを実行するためのプログラムコード又はコードセグメントは、機械可読媒体に記憶され得る。プロセッサ(複数可)が必要なタスクを実行し得る。
【0089】
[0099]前述の明細書において、特徴を、その具体的な実施形態を参照しながら説明したが、すべての実施形態がそれらに限定されるわけではないことを認識されたい。幾つかの実施形態の様々な特徴及び態様は、個別に又は共同で使用可能である。更に、実施形態は、本明細書のより広い主旨及び範囲から逸脱することなく、本明細書に記載の範囲を越えた任意の数の環境及び用途において用いることができる。したがって、本明細書及び図面は、限定するものというよりはむしろ例示的なものとみなされる。
【0090】
[0100]更に、説明の目的で、本方法を特定の順序で記載した。代替の実施形態では、本方法は、記載された順序とは異なる順序で実行され得ることを理解されたい。また、上述した方法は、ハードウェア構成要素によって実行され得ること、又は命令でプログラムされた汎用プロセッサ又は特殊用途プロセッサ、又は論理回路等の機械に本方法を実行させるために使用され得る機械実行可能命令のシーケンスで具現化され得ることを理解されたい。これらの機械実行可能命令は、CD-ROM又は他のタイプの光ディスク、フロッピーディスク、ROM、RAM、EPROM、EEPROM、磁気カード又は光カード、フラッシュメモリ、又は電子命令を記憶するのに適した他のタイプの機械可読媒体等の1又は複数の機械可読媒体に記憶され得る。あるいは、本方法は、ハードウェアとソフトウェアの組み合わせによっても実行可能である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
【国際調査報告】