(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-11
(54)【発明の名称】画像アップサンプリングを伴う光学的ウェハ特性評価のシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/66 20060101AFI20240604BHJP
G01N 21/956 20060101ALI20240604BHJP
【FI】
H01L21/66 J
G01N21/956 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023557805
(86)(22)【出願日】2022-05-11
(85)【翻訳文提出日】2023-09-20
(86)【国際出願番号】 US2022028648
(87)【国際公開番号】W WO2022245602
(87)【国際公開日】2022-11-24
(32)【優先日】2021-05-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-10-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500049141
【氏名又は名称】ケーエルエー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】セズギナー アブドゥラフマン
(72)【発明者】
【氏名】ジャオ ウェイ
(72)【発明者】
【氏名】ウォーリングフォード リチャード
(72)【発明者】
【氏名】チェン グレース エイチ
(72)【発明者】
【氏名】リウ シュージャオ
(72)【発明者】
【氏名】コン グー
(72)【発明者】
【氏名】ユ レオン
(72)【発明者】
【氏名】ヴィルク クルジット
(72)【発明者】
【氏名】チャン ボーシェン
(72)【発明者】
【氏名】パテル アムリーシュ
(72)【発明者】
【氏名】マクブライド パトリック
【テーマコード(参考)】
2G051
4M106
【Fターム(参考)】
2G051AA51
2G051AB02
2G051AC21
2G051CA03
2G051CB01
2G051CC07
2G051EA02
2G051EA08
2G051EB01
4M106AA01
4M106AA09
4M106BA05
4M106CA39
4M106DB04
4M106DJ17
4M106DJ18
4M106DJ20
(57)【要約】
システムは、光学的ウェハ特性評価システムの検出器アレイに通信可能に接続される処理ユニットを備える。処理ユニットは、方法又は処理の1又は複数のステップを実行するように構成される。当該ステップは、前記検出器アレイから、ウェハ上の対象箇所の1又は複数の対象画像を取得するステップと、少なくとも1又は複数の対象画像に対して、ノイズ除去フィルタをかけるステップと、1又は複数の基準画像、及び前記1又は複数の対象画像から、1又は複数の差分画像を決定するステップと、前記1又は複数の差分画像をアップサンプリングすることで、1又は複数のアップサンプリングされた画像を生成するステップとを含む。1又は複数の差分画像、又は1又は複数のアップサンプリングされた画像において、1又は複数のウェハ欠陥が検出可能である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
システムであって、
光学的ウェハ特性評価システムの検出器アレイに通信可能に接続された処理ユニットを備え、
前記処理ユニットは、
前記検出器アレイから、ウェハ上の対象箇所の1又は複数の対象画像を取得し、
1又は複数の基準画像、及び前記1又は複数の対象画像から、1又は複数の差分画像を決定し、
前記1又は複数の差分画像をアップサンプリングすることで、1又は複数のアップサンプリングされた画像を生成するように構成され、
前記1又は複数のアップサンプリングされた画像において、1又は複数のウェハ欠陥が検出可能である、システム。
【請求項2】
前記処理ユニットは、前記検出器アレイから前記1又は複数の基準画像を取得するように構成され、
前記1又は複数の基準画像は、前記ウェハ上の前記対象箇所の近傍の基準箇所のものである、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記処理ユニットは、前記1又は複数の基準画像を前記1又は複数の対象画像から減算することで、前記1又は複数の基準画像及び前記1又は複数の対象画像から1又は複数の差分画像を決定するように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記処理ユニットは、少なくとも前記1又は複数の対象画像に対してノイズ除去フィルタをかけ、
前記1又は複数の基準画像、及びノイズ除去後の前記1又は複数の対象画像から、前記1又は複数の差分画像を決定するように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記ノイズ除去フィルタは、空間周波数フィルタであり、前記検出器アレイにより取得された少なくとも前記1又は複数の対象画像におけるノイズの一部を除去するように構成され、ノイズ無し画像の変化を抑制するように構成される、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記空間周波数フィルタは、高速フーリエ変換(FFT)フィルタであり、
前記少なくとも1又は複数の対象画像は、前記FFTフィルタにより、フーリエ変換され、空間周波数の関数で乗算され、逆フーリエ変換される、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記空間周波数フィルタは、有限インパルス応答(FIR)フィルタであり、
前記少なくとも1又は複数の対象画像は、前記FIRフィルタにより畳み込まれる、請求項5に記載のシステム。
【請求項8】
前記処理ユニットは、前記1又は複数の基準画像に対して前記ノイズ除去フィルタをかけ、
前記1又は複数の基準画像及び前記1又は複数の対象画像のノイズ除去後に、前記1又は複数の基準画像及び前記1又は複数の対象画像から、前記1又は複数の差分画像を決定するように構成される、請求項4に記載のシステム。
【請求項9】
前記処理ユニットは、前記1又は複数のアップサンプリングされた画像を、異常検出器に通過させるように構成され、
前記異常検出器は、設定閾値を超えるアップサンプリングされた画像ピクセル値を調整、又は除去するように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記処理ユニットは、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、特定用途向け集積回路、画像処理装置、又は中央演算処理装置を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記光学的ウェハ特性評価システムは、ブロードバンドプラズマ(BBP)ツールである、請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
前記処理ユニットは、前記1又は複数のアップサンプリングされた画像において検出された1又は複数のウェハ欠陥に基づいて、1又は複数の制御信号を決定するように構成され、
前記1又は複数の制御信号は、前記光学的ウェハ特性評価システムの1又は複数の光学的ウェハ特性評価コンポーネントと、半導体製造システムの1又は複数の半導体製造コンポーネントとの内の少なくとも一方に、1又は複数の調整を行うように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
前記処理ユニットは、コントローラに通信可能に接続され、
前記コントローラは、1又は複数のプロセッサ及びメモリを含み、
前記メモリは、プログラム命令を記憶するように構成され、
前記1又は複数のプロセッサは、前記プログラム命令を実行するように構成され、
前記プログラム命令は前記1又は複数のプロセッサに、
前記処理ユニットから、前記1又は複数のアップサンプリングされた画像を受信させ、
前記1又は複数のアップサンプリングされた画像において検出された1又は複数のウェハ欠陥に基づいて、1又は複数の制御信号を決定させるものであって、
前記1又は複数の制御信号は、前記光学的ウェハ特性評価システムの1又は複数の光学的ウェハ特性評価コンポーネントと、半導体製造システムの1又は複数の半導体製造コンポーネントとの内の少なくとも一方に、1又は複数の調整を行うように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項14】
方法であって、
処理ユニットにより、光学的ウェハ特性評価システムの検出器アレイから、ウェハ上の対象箇所の1又は複数の対象画像を取得することと、
前記処理ユニットにより、1又は複数の基準画像、及び前記1又は複数の対象画像から、1又は複数の差分画像を決定することと、
前記処理ユニットにより、前記1又は複数の差分画像をアップサンプリングすることで、1又は複数のアップサンプリングされた画像を生成することと、を含み、
前記1又は複数のアップサンプリングされた画像において、1又は複数のウェハ欠陥が検出可能である、方法。
【請求項15】
前記処理ユニットにより、前記検出器アレイから前記1又は複数の基準画像を取得することをさらに含み、
前記1又は複数の基準画像は、前記ウェハ上の前記対象箇所の近傍の基準箇所のものである、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記1又は複数の基準画像及び前記1又は複数の対象画像から、前記1又は複数の差分画像を決定することは、前記1又は複数の基準画像を前記1又は複数の対象画像から減算することを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
前記処理ユニットにより、少なくとも前記1又は複数の対象画像に対してノイズ除去フィルタをかけることと、
前記処理ユニットにより、前記1又は複数の基準画像、及びノイズ除去後の前記1又は複数の対象画像から、前記1又は複数の差分画像を決定することと、をさらに含む、請求項14に記載の方法。
【請求項18】
前記ノイズ除去フィルタは、空間周波数フィルタであり、前記検出器アレイにより取得された少なくとも前記1又は複数の対象画像におけるノイズの一部を除去するように構成され、ノイズ無し画像の変化を抑制するように構成される、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記空間周波数フィルタは、高速フーリエ変換(FFT)フィルタであり、
前記少なくとも1又は複数の対象画像は、前記FFTフィルタにより、フーリエ変換され、空間周波数の関数で乗算され、逆フーリエ変換される、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記空間周波数フィルタは、有限インパルス応答(FIR)フィルタであり、
前記少なくとも1又は複数の対象画像は、前記FIRフィルタにより畳み込まれる、請求項18に記載の方法。
【請求項21】
前記1又は複数の基準画像に対して前記ノイズ除去フィルタをかけることと、
前記1又は複数の基準画像及び前記1又は複数の対象画像のノイズ除去後に、前記1又は複数の基準画像及び前記1又は複数の対象画像から、前記1又は複数の差分画像を決定することと、をさらに含む、請求項17に記載の方法。
【請求項22】
前記処理ユニットにより、前記1又は複数のアップサンプリングされた画像を、異常検出器に通過させることをさらに含み、
前記異常検出器は、設定閾値を超えるアップサンプリングされた画像ピクセル値を調整、又は除去するように構成される、請求項14に記載の方法。
【請求項23】
前記処理ユニットは、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、特定用途向け集積回路、画像処理装置、又は中央演算処理装置を含む、請求項14に記載の方法。
【請求項24】
前記光学的ウェハ特性評価システムは、ブロードバンドプラズマ(BBP)ツールである、請求項14に記載の方法。
【請求項25】
前記処理ユニットにより、前記1又は複数のアップサンプリングされた画像において検出された1又は複数のウェハ欠陥に基づいて、1又は複数の制御信号を決定することをさらに含み、
前記1又は複数の制御信号は、前記光学的ウェハ特性評価システムの1又は複数の光学的ウェハ特性評価コンポーネントと、半導体製造システムの1又は複数の半導体製造コンポーネントとの内の少なくとも一方に、1又は複数の調整を行うように構成される、請求項14に記載の方法。
【請求項26】
前記処理ユニットは、コントローラに通信可能に接続され、
前記方法は、前記コントローラにより、前記処理ユニットから前記1又は複数のアップサンプリングされた画像を受信することと、
前記コントローラにより、前記1又は複数のアップサンプリングされた画像において検出された1又は複数のウェハ欠陥に基づいて、1又は複数の制御信号を決定することと、をさらに含み、
前記1又は複数の制御信号は、前記光学的ウェハ特性評価システムの1又は複数の光学的ウェハ特性評価コンポーネントと、半導体製造システムの1又は複数の半導体製造コンポーネントとの内の少なくとも一方に、1又は複数の調整を行うように構成される、請求項14に記載の方法。
【請求項27】
光学的ウェハ特性評価システムであって、
光を生成して発するように構成された光源と、
ステージアセンブリ上に配置されたウェハに、前記光源から受光した前記光を照射するように構成された1又は複数の照明光学系を有する照明アームと、
1又は複数の集光光学系を有する集光アームと、
1又は複数のセンサを有する検出器アレイであって、前記1又は複数の集光光学系が、前記検出器アレイ上に前記ウェハを結像するように構成された検出器アレイと、
前記検出器アレイに通信可能に接続された処理ユニットと、を備え、
前記処理ユニットは、
前記検出器アレイから、前記ウェハ上の対象箇所の1又は複数の対象画像を取得し、
1又は複数の基準画像、及び前記1又は複数の対象画像から、1又は複数の差分画像を決定し、
前記1又は複数の差分画像をアップサンプリングすることで、1又は複数のアップサンプリングされた画像を生成するように構成され、
前記1又は複数のアップサンプリングされた画像において、1又は複数のウェハ欠陥が検出可能である、光学的ウェハ特性評価システム。
【請求項28】
前記処理ユニットは、前記検出器アレイから前記1又は複数の基準画像を取得するように構成され、
前記1又は複数の基準画像は、前記ウェハ上の前記対象箇所の近傍の基準箇所のものである、請求項27に記載の光学的ウェハ特性評価システム。
【請求項29】
前記処理ユニットは、前記1又は複数の基準画像を前記1又は複数の対象画像から減算することで、前記1又は複数の基準画像及び前記1又は複数の対象画像から1又は複数の差分画像を決定するように構成される、請求項27に記載の光学的ウェハ特性評価システム。
【請求項30】
前記処理ユニットは、少なくとも前記1又は複数の対象画像に対してノイズ除去フィルタをかけ、
前記1又は複数の基準画像、及びノイズ除去後の前記1又は複数の対象画像から、前記1又は複数の差分画像を決定するように構成される、請求項27に記載の光学的ウェハ特性評価システム。
【請求項31】
前記ノイズ除去フィルタは、空間周波数フィルタであり、前記検出器アレイにより取得された少なくとも前記1又は複数の対象画像におけるノイズの一部を除去するように構成され、ノイズ無し画像の変化を抑制するように構成される、請求項30に記載の光学的ウェハ特性評価システム。
【請求項32】
前記空間周波数フィルタは、高速フーリエ変換(FFT)フィルタであり、
前記少なくとも1又は複数の対象画像は、前記FFTフィルタにより、フーリエ変換され、空間周波数の関数で乗算され、逆フーリエ変換される、請求項31に記載の光学的ウェハ特性評価システム。
【請求項33】
前記空間周波数フィルタは、有限インパルス応答(FIR)フィルタであり、
前記少なくとも1又は複数の対象画像は、前記FIRフィルタにより畳み込まれる、請求項31に記載の光学的ウェハ特性評価システム。
【請求項34】
前記処理ユニットは、前記1又は複数の基準画像に対して前記ノイズ除去フィルタをかけ、
前記1又は複数の基準画像及び前記1又は複数の対象画像のノイズ除去後に、前記1又は複数の基準画像及び前記1又は複数の対象画像から、前記1又は複数の差分画像を決定するように構成される、請求項30に記載の光学的ウェハ特性評価システム。
【請求項35】
前記処理ユニットは、前記1又は複数のアップサンプリングされた画像を、異常検出器に通過させ、
前記異常検出器は、設定閾値を超えるアップサンプリングされた画像ピクセル値を調整、又は除去するように構成される、請求項27に記載の光学的ウェハ特性評価システム。
【請求項36】
前記処理ユニットは、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、特定用途向け集積回路、画像処理装置、又は中央演算処理装置を含む、請求項27に記載の光学的ウェハ特性評価システム。
【請求項37】
前記光学的ウェハ特性評価システムは、レーザー励起プラズマ光源を備えるブロードバンドプラズマ(BBP)ツールである、請求項27に記載の光学的ウェハ特性評価システム。
【請求項38】
前記処理ユニットは、前記1又は複数のアップサンプリングされた画像において検出された1又は複数のウェハ欠陥に基づいて、1又は複数の制御信号を決定するように構成され、
前記1又は複数の制御信号は、前記光学的ウェハ特性評価システムの1又は複数の光学的ウェハ特性評価コンポーネントと、半導体製造システムの1又は複数の半導体製造コンポーネントとの内の少なくとも一方に、1又は複数の調整を行うように構成される、請求項27に記載の光学的ウェハ特性評価システム。
【請求項39】
前記光学的ウェハ特性評価システムが、
前記処理ユニットに通信可能に接続されるコントローラをさらに備え、
前記コントローラは、1又は複数のプロセッサ及びメモリを含み、
前記メモリは、プログラム命令を記憶するように構成され、
前記1又は複数のプロセッサは、前記プログラム命令を実行するように構成され、
前記プログラム命令は前記1又は複数のプロセッサに、
前記処理ユニットから、前記1又は複数のアップサンプリングされた画像を受信させ、
前記1又は複数のアップサンプリングされた画像において検出された1又は複数のウェハ欠陥に基づいて、1又は複数の制御信号を決定させるものであって、
前記1又は複数の制御信号は、前記光学的ウェハ特性評価システムの1又は複数の光学的ウェハ特性評価コンポーネントと、半導体製造システムの1又は複数の半導体製造コンポーネントとの内の少なくとも一方に、1又は複数の調整を行うように構成される、請求項27に記載の光学的ウェハ特性評価システム。
【請求項40】
システムであって、
光学的ウェハ特性評価システムの検出器アレイに通信可能に接続された処理ユニットを備え、
前記処理ユニットは、
前記検出器アレイから、ウェハ上の対象箇所の、1又は複数の対象画像を取得し、
少なくとも前記1又は複数の対象画像に対してノイズ除去フィルタをかけ、
少なくとも前記1又は複数の対象画像のノイズ除去後に、1又は複数の基準画像及び前記1又は複数の対象画像から1又は複数の差分画像を決定するように構成され、
前記1又は複数の差分画像において、1又は複数のウェハ欠陥が検出可能である、システム。
【請求項41】
前記処理ユニットは、前記検出器アレイから前記1又は複数の基準画像を取得するように構成され、
前記1又は複数の基準画像は、前記ウェハ上の前記対象箇所の近傍の基準箇所のものである、請求項40に記載のシステム。
【請求項42】
前記処理ユニットは、前記1又は複数の基準画像を前記1又は複数の対象画像から減算することで、前記1又は複数の基準画像及び前記1又は複数の対象画像から、前記1又は複数の差分画像を決定するように構成される、請求項40に記載のシステム。
【請求項43】
前記ノイズ除去フィルタは、空間周波数フィルタであり、前記検出器アレイにより取得された少なくとも前記1又は複数の対象画像におけるノイズの一部を除去するように構成され、ノイズ無し画像の変化を抑制するように構成される、請求項40に記載のシステム。
【請求項44】
前記空間周波数フィルタは、高速フーリエ変換(FFT)フィルタであり、
前記少なくとも1又は複数の対象画像は、前記FFTフィルタにより、フーリエ変換され、空間周波数の関数で乗算され、逆フーリエ変換される、請求項43に記載のシステム。
【請求項45】
前記空間周波数フィルタは、有限インパルス応答(FIR)フィルタであり、
前記少なくとも1又は複数の対象画像は、前記FIRフィルタにより畳み込まれる、請求項43に記載のシステム。
【請求項46】
前記処理ユニットは、前記1又は複数の基準画像に対してノイズ除去フィルタをかけ、
前記1又は複数の基準画像及び前記1又は複数の対象画像のノイズ除去後に、前記1又は複数の基準画像及び前記1又は複数の対象画像から、前記1又は複数の差分画像を決定するように構成される、請求項40に記載のシステム。
【請求項47】
前記処理ユニットは、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、特定用途向け集積回路、画像処理装置、又は中央演算処理装置を含む、請求項40に記載のシステム。
【請求項48】
前記光学的ウェハ特性評価システムは、ブロードバンドプラズマ(BBP)ツールである、請求項40に記載のシステム。
【請求項49】
前記処理ユニットは、前記差分画像において検出された1又は複数のウェハ欠陥に基づいて、1又は複数の制御信号を決定するように構成され、
前記1又は複数の制御信号は、前記光学的ウェハ特性評価システムの1又は複数の光学的ウェハ特性評価コンポーネントと、半導体製造システムの1又は複数の半導体製造コンポーネントとの内の少なくとも一方に、1又は複数の調整を行うように構成される、請求項40に記載のシステム。
【請求項50】
前記処理ユニットは、コントローラに通信可能に接続され、
前記コントローラは、1又は複数のプロセッサ及びメモリを含み、
前記メモリは、プログラム命令を記憶するように構成され、
前記1又は複数のプロセッサは、前記プログラム命令を実行するように構成され、
前記プログラム命令は前記1又は複数のプロセッサに、
前記処理ユニットから、前記1又は複数の差分画像を受信させ、
前記1又は複数の差分画像において検出された1又は複数のウェハ欠陥に基づいて、1又は複数の制御信号を決定させるものであって、
前記1又は複数の制御信号は、前記光学的ウェハ特性評価システムの1又は複数の光学的ウェハ特性評価コンポーネントと、半導体製造システムの1又は複数の半導体製造コンポーネントとの内の少なくとも一方に、1又は複数の調整を行うように構成される、請求項40に記載のシステム。
【請求項51】
方法であって、
処理ユニットにより、光学的ウェハ特性評価システムの検出器アレイから、ウェハ上の対象箇所の1又は複数の対象画像を取得することと、
前記処理ユニットにより、少なくとも前記1又は複数の対象画像に対してノイズ除去フィルタをかけることと、
前記処理ユニットにより、少なくとも前記1又は複数の対象画像のノイズ除去後に、1又は複数の基準画像及び前記1又は複数の対象画像から1又は複数の差分画像を決定することと、を含み、
前記1又は複数の差分画像において、1又は複数のウェハ欠陥が検出可能である、方法。
【請求項52】
前記処理ユニットにより、前記検出器アレイから前記1又は複数の基準画像を取得することをさらに含み、
前記1又は複数の基準画像は、前記ウェハ上の前記対象箇所の近傍の基準箇所のものである、請求項51に記載の方法。
【請求項53】
前記処理ユニットにより、前記1又は複数の基準画像を前記1又は複数の対象画像から減算することで、前記1又は複数の基準画像及び前記1又は複数の対象画像から、前記1又は複数の差分画像を決定することをさらに含む、請求項51に記載の方法。
【請求項54】
前記ノイズ除去フィルタは、空間周波数フィルタであり、前記検出器アレイにより取得された少なくとも前記1又は複数の対象画像におけるノイズの一部を除去するように構成され、ノイズ無し画像の変化を抑制するように構成される、請求項51に記載の方法。
【請求項55】
前記空間周波数フィルタは、高速フーリエ変換(FFT)フィルタであり、
前記少なくとも1又は複数の対象画像は、前記FFTフィルタにより、フーリエ変換され、空間周波数の関数で乗算され、逆フーリエ変換される、請求項54に記載の方法。
【請求項56】
前記空間周波数フィルタは、有限インパルス応答(FIR)フィルタであり、
前記少なくとも1又は複数の対象画像は、前記FIRフィルタにより畳み込まれる、請求項54に記載の方法。
【請求項57】
前記処理ユニットにより、前記1又は複数の基準画像に対してノイズ除去フィルタをかけることと、
前記処理ユニットにより、前記1又は複数の基準画像及び前記1又は複数の対象画像のノイズ除去後に、前記1又は複数の基準画像及び前記1又は複数の対象画像から、前記1又は複数の差分画像を決定することと、をさらに含む、請求項51に記載の方法。
【請求項58】
前記処理ユニットは、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、特定用途向け集積回路、画像処理装置、又は中央演算処理装置を含む、請求項51に記載の方法。
【請求項59】
前記光学的ウェハ特性評価システムは、ブロードバンドプラズマ(BBP)ツールである、請求項51に記載の方法。
【請求項60】
前記処理ユニットにより、前記差分画像において検出された1又は複数のウェハ欠陥に基づいて、1又は複数の制御信号を決定することをさらに含み、
前記1又は複数の制御信号は、前記光学的ウェハ特性評価システムの1又は複数の光学的ウェハ特性評価コンポーネントと、半導体製造システムの1又は複数の半導体製造コンポーネントとの内の少なくとも一方に、1又は複数の調整を行うように構成される、請求項51に記載の方法。
【請求項61】
前記処理ユニットは、コントローラに通信可能に接続され、
方法は、
前記コントローラにより、前記処理ユニットから前記1又は複数の差分画像を受信することと、
前記コントローラにより、前記1又は複数の差分画像において検出された1又は複数のウェハ欠陥に基づいて、1又は複数の制御信号を決定することと、をさらに含み、
前記1又は複数の制御信号は、前記光学的ウェハ特性評価システムの1又は複数の光学的ウェハ特性評価コンポーネントと、半導体製造システムの1又は複数の半導体製造コンポーネントとの内の少なくとも一方に、1又は複数の調整を行うように構成される、請求項51に記載の方法。
【請求項62】
光学的ウェハ特性評価システムであって、
光を生成して発するように構成された光源と、
ステージアセンブリ上に配置されたウェハに、前記光源から受光した前記光を照射するように構成された1又は複数の照明光学系を有する照明アームと、
1又は複数の集光光学系を有する集光アームと、
1又は複数のセンサを有する検出器アレイであって、前記1又は複数の集光光学系が、前記検出器アレイ上に前記ウェハを結像するように構成された検出器アレイと、
前記検出器アレイに通信可能に接続された処理ユニットと、を備え、
前記処理ユニットは、
前記検出器アレイから、ウェハ上の対象箇所の1又は複数の対象画像を取得し、
少なくとも前記1又は複数の対象画像に対してノイズ除去フィルタをかけ、
少なくとも前記1又は複数の対象画像のノイズ除去後に、1又は複数の基準画像及び前記1又は複数の対象画像から1又は複数の差分画像を決定するように構成され、
前記1又は複数の差分画像において、1又は複数のウェハ欠陥が検出可能である、光学的ウェハ特性評価システム。
【請求項63】
前記処理ユニットは、前記検出器アレイから前記1又は複数の基準画像を取得するように構成され、
前記1又は複数の基準画像は、前記ウェハ上の前記対象箇所の近傍の基準箇所のものである、請求項62に記載の光学的ウェハ特性評価システム。
【請求項64】
前記処理ユニットは、前記1又は複数の基準画像を前記1又は複数の対象画像から減算することで、前記1又は複数の基準画像及び前記1又は複数の対象画像から、前記1又は複数の差分画像を決定するように構成される、請求項62に記載の光学的ウェハ特性評価システム。
【請求項65】
前記ノイズ除去フィルタは、空間周波数フィルタであり、前記検出器アレイにより取得された少なくとも前記1又は複数の対象画像におけるノイズの一部を除去するように構成され、ノイズ無し画像の変化を抑制するように構成される、請求項62に記載の光学的ウェハ特性評価システム。
【請求項66】
前記空間周波数フィルタは、高速フーリエ変換(FFT)フィルタであり、
前記少なくとも1又は複数の対象画像は、前記FFTフィルタにより、フーリエ変換され、空間周波数の関数で乗算され、逆フーリエ変換される、請求項65に記載の光学的ウェハ特性評価システム。
【請求項67】
前記空間周波数フィルタは、有限インパルス応答(FIR)フィルタであり、
前記少なくとも1又は複数の対象画像は、前記FIRフィルタにより畳み込まれる、請求項65に記載の光学的ウェハ特性評価システム。
【請求項68】
前記処理ユニットは、前記1又は複数の基準画像に対してノイズ除去フィルタをかけ、
前記1又は複数の基準画像及び前記1又は複数の対象画像のノイズ除去後に、前記1又は複数の基準画像及び前記1又は複数の対象画像から、前記1又は複数の差分画像を決定するように構成される、請求項62に記載の光学的ウェハ特性評価システム。
【請求項69】
前記処理ユニットは、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、特定用途向け集積回路、画像処理装置、又は中央演算処理装置を含む、請求項62に記載の光学的ウェハ特性評価システム。
【請求項70】
前記光学的ウェハ特性評価システムは、ブロードバンドプラズマ(BBP)ツールである、請求項62に記載の光学的ウェハ特性評価システム。
【請求項71】
前記処理ユニットは、前記差分画像において検出された1又は複数のウェハ欠陥に基づいて、1又は複数の制御信号を決定するように構成され、
前記1又は複数の制御信号は、前記光学的ウェハ特性評価システムの1又は複数の光学的ウェハ特性評価コンポーネントと、半導体製造システムの1又は複数の半導体製造コンポーネントとの内の少なくとも一方に、1又は複数の調整を行うように構成される、請求項62に記載の光学的ウェハ特性評価システム。
【請求項72】
前記光学的ウェハ特性評価システムが、
前記処理ユニットに通信可能に接続されるコントローラをさらに備え、
前記コントローラは、1又は複数のプロセッサ及びメモリを含み、
前記メモリは、プログラム命令を記憶するように構成され、
前記1又は複数のプロセッサは、前記プログラム命令を実行するように構成され、
前記プログラム命令は前記1又は複数のプロセッサに、
前記処理ユニットから、前記1又は複数の差分画像を受信させ、
前記1又は複数の差分画像において検出された1又は複数のウェハ欠陥に基づいて、1又は複数の制御信号を決定させるものであって、
前記1又は複数の制御信号は、前記光学的ウェハ特性評価システムの1又は複数の光学的ウェハ特性評価コンポーネントと、半導体製造システムの1又は複数の半導体製造コンポーネントとの内の少なくとも一方に、1又は複数の調整を行うように構成される、請求項62に記載の光学的ウェハ特性評価システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して検体特性評価及び検査に関し、具体的には画像アップサンプリングを伴う光学的ウェハ特性評価システム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
関連出願の相互参照
本出願は、2021年5月21日に出願された米国仮出願第63/191,845号の優先権を主張し、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0003】
フットプリント及びフィーチャをますます小さくした電子論理及びメモリデバイスに対する需要により、所望の規模での製造に留まらない、広範囲の製造課題が提示される。例えば、ブロードバンドプラズマ(BBP)ウェハ検査においては、ピクセルをより小さくすることにより、感度向上が図られ得るが、スループットが犠牲となる。したがって、結果的に感度とスループットの間で妥協が必要となる。別の例において、BBPウェハ検査は、対象画像と、基準画像とのグレーレベルの減算により、差分画像を取得することを含み得るが、関心欠陥の信号雑音比(SNR)を改善するために、差分画像にかけられるフィルタの容量は限られ得る。別の例において、BBPウェハ検査で利用される検査態様におけるサンプリングの種類、及び/又は量によっては、画像にエイリアシングノイズが導入され得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許出願公開第2011/0274342号
【特許文献2】米国特許第6200823号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、上記の先行手法の欠点を解消するシステム及び方法を提供することが望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の1又は複数の実施形態に係るシステムが開示される。一例示的実施形態において、システムは、光学的ウェハ特性評価システムの検出器アレイに通信可能に接続された処理ユニットを備える。別の例示的実施形態において、処理ユニットは、検出器アレイから、ウェハ上の対象箇所の1又は複数の対象画像を取得するように構成される。別の例示的実施形態において、処理ユニットは、1又は複数の基準画像、及び1又は複数の対象画像から、1又は複数の差分画像を決定するように構成される。別の例示的実施形態において、処理ユニットは、1又は複数の差分画像をアップサンプリングすることで、1又は複数のアップサンプリングされた画像を生成するように構成される。別の例示的実施形態において、1又は複数のアップサンプリングされた画像において、1又は複数のウェハ欠陥が検出可能である。
【0007】
本開示の1又は複数の実施形態に係る方法が開示される。一例示的実施形態において、方法は、非限定的に、処理ユニットにより、光学的ウェハ特性評価システムの検出器アレイから、ウェハ上の対象箇所の1又は複数の対象画像を取得することを含み得る。別の例示的実施形態において、方法は、非限定的に、処理ユニットにより、1又は複数の基準画像、及び1又は複数の対象画像から、1又は複数の差分画像を決定することを含み得る。別の例示的実施形態において、方法は、非限定的に、処理ユニットにより、1又は複数の差分画像をアップサンプリングすることで、1又は複数のアップサンプリングされた画像を生成することを含み得る。別の例示的実施形態において、1又は複数のアップサンプリングされた画像において、1又は複数のウェハ欠陥が検出可能である。
【0008】
本開示の1又は複数の実施形態に係る光学的ウェハ特性評価システムが開示される。一例示的実施形態において、光学的ウェハ特性評価システムは、光を生成して発するように構成された光源を備える。別の例示的実施形態において、光学的ウェハ特性評価システムは、ステージアセンブリ上に配置されたウェハに、光源から受光した光を照射するように構成された1又は複数の照明光学系を有する照明アームを備える。別の例示的実施形態において、光学的ウェハ特性評価システムは、1又は複数の集光光学系を有する集光アームを備える。別の例示的実施形態において、光学的ウェハ特性評価システムは、1又は複数のセンサを有する検出器アレイを備える。別の例示的実施形態において、1又は複数の集光光学系は、検出器アレイ上にウェハを結像するように構成される。別の例示的実施形態において、光学的ウェハ特性評価システムは、検出器アレイに通信可能に接続された処理ユニットを備える。別の例示的実施形態において、処理ユニットは、検出器アレイから、ウェハ上の対象箇所の1又は複数の対象画像を取得するように構成される。別の例示的実施形態において、処理ユニットは、1又は複数の基準画像、及び1又は複数の対象画像から、1又は複数の差分画像を決定するように構成される。別の例示的実施形態において、処理ユニットは、1又は複数の差分画像をアップサンプリングすることで、1又は複数のアップサンプリングされた画像を生成するように構成される。別の例示的実施形態において、1又は複数のアップサンプリングされた画像において、1又は複数のウェハ欠陥が検出可能である。
【0009】
本開示の1又は複数の実施形態に係るシステムが開示される。一例示的実施形態において、システムは、光学的ウェハ特性評価システムの検出器アレイに通信可能に接続された処理ユニットを備える。別の例示的実施形態において、処理ユニットは、検出器アレイから、ウェハ上の対象箇所の1又は複数の対象画像を取得するように構成される。別の例示的実施形態において、処理ユニットは、少なくとも1又は複数の対象画像に対して、ノイズ除去フィルタをかけるように構成される。別の例示的実施形態において、処理ユニットは、少なくとも1又は複数の対象画像のノイズ除去後に、1又は複数の基準画像、及び1又は複数の対象画像から、1又は複数の差分画像を決定するように構成される。別の例示的実施形態において、1又は複数の差分画像において、1又は複数のウェハ欠陥が検出可能である。
【0010】
本開示の1又は複数の実施形態に係る方法が開示される。一例示的実施形態において、方法は、非限定的に、処理ユニットにより、光学的ウェハ特性評価システムの検出器アレイから、ウェハ上の対象箇所の1又は複数の対象画像を取得することを含み得る。別の例示的実施形態において、方法は、非限定的に、処理ユニットにより、少なくとも1又は複数の対象画像に対して、ノイズ除去フィルタをかけることを含み得る。別の例示的実施形態において、方法は、非限定的に、処理ユニットにより、少なくとも1又は複数の対象画像のノイズ除去後に、1又は複数の基準画像、及び1又は複数の対象画像から、1又は複数の差分画像を決定することを含み得る。別の例示的実施形態において、1又は複数の差分画像において、1又は複数のウェハ欠陥が検出可能である。
【0011】
本開示の1又は複数の実施形態に係る光学的ウェハ特性評価システムが開示される。一例示的実施形態において、光学的ウェハ特性評価システムは、光を生成して発するように構成された光源を備える。別の例示的実施形態において、光学的ウェハ特性評価システムは、ステージアセンブリ上に配置されたウェハに、光源から受光した光を照射するように構成された1又は複数の照明光学系を有する照明アームを備える。別の例示的実施形態において、光学的ウェハ特性評価システムは、1又は複数の集光光学系を有する集光アームを備える。別の例示的実施形態において、光学的ウェハ特性評価システムは、1又は複数のセンサを有する検出器アレイを備える。別の例示的実施形態において、1又は複数の集光光学系は、検出器アレイ上にウェハを結像するように構成される。別の例示的実施形態において、光学的ウェハ特性評価システムは、検出器アレイに通信可能に接続された処理ユニットを備える。別の例示的実施形態において、処理ユニットは、検出器アレイから、ウェハ上の対象箇所の1又は複数の対象画像を取得するように構成される。別の例示的実施形態において、処理ユニットは、少なくとも1又は複数の対象画像に対して、ノイズ除去フィルタをかけるように構成される。別の例示的実施形態において、処理ユニットは、少なくとも1又は複数の対象画像のノイズ除去後に、1又は複数の基準画像、及び1又は複数の対象画像から、1又は複数の差分画像を決定するように構成される。別の例示的実施形態において、1又は複数の差分画像において、1又は複数のウェハ欠陥が検出可能である。
【0012】
上述の概要、そして下記詳細な説明のいずれも、あくまで例示的及び説明を目的としたものであって、請求項の発明を必ずしも限定するものではない。本明細書に組み込まれ、その一部を成す添付の図面は、本発明の実施形態を示すものであって、概要と共に、本発明の原理の説明に供されるものである。
【図面の簡単な説明】
【0013】
以下の添付図面を参照することで、当業者に本開示の多くの利点がより良く理解され得る。
【
図1】
図1は、本開示の1又は複数の実施形態に係る、画像アップサンプリングを伴う光学的ウェハ特性評価のためのシステムの、簡略的ブロック図を示す。
【
図2】
図2は、本開示の1又は複数の実施形態に係る、画像アップサンプリングを伴う光学的ウェハ特性評価のためのシステムの、簡略的概略図を示す。
【
図3】
図3は、本開示の1又は複数の実施形態に係る、画像アップサンプリングを伴う光学的ウェハ特性評価のための方法で実施されるステップを示すフロー図である。
【
図4】
図4は、本開示の1又は複数の実施形態に係る、画像アップサンプリングを伴う光学的ウェハ特性評価のための方法のブロック図を示す。
【
図5A】
図5Aは、本開示の1又は複数の実施形態に係る、ノイズからの光学的情報の分離を示すグラフである。
【
図5B】
図5Bは、本開示の1又は複数の実施形態に係る、ノイズからの光学的情報の分離を示すグラフである。
【
図6A】
図6Aは、本開示の1又は複数の実施形態に係る、有限インパルス応答(FIR)フィルタの伝達関数を示す円の画像である。
【
図6B】
図6Bは、本開示の1又は複数の実施形態に係る、x空間正規化周波数を介したFIRフィルタの伝達関数の比較グラフである。
【
図7】
図7は、本開示の1又は複数の実施形態に係る、周波数領域ゼロパディングを利用したアップサンプリングの処理を示す画像シーケンスである。
【
図8A】
図8Aは、本開示の1又は複数の実施形態に係る、元の明視野(BF)画像である。
【
図8B】
図8Bは、本開示の1又は複数の実施形態に係る、再生BF画像である。
【
図9A】
図9Aは、本開示の1又は複数の実施形態に係る、アップサンプリングを利用したフィルタ、差分フィルタ、及びアップサンプリングと差分フィルタの組み合わせを比較したグラフである。
【
図9B】
図9Bは、本開示の1又は複数の実施形態に係る、アップサンプリングを利用したフィルタ、差分フィルタ、及びアップサンプリングと差分フィルタの組み合わせを比較したグラフである。
【
図10A】
図10Aは、本開示の1又は複数の実施形態に係る、ぼかされていない画像を示す。
【
図10B】
図10Bは、本開示の1又は複数の実施形態に係る、2ピクセル分のぼけによりぼかされた画像を示す。
【
図11】
図11は、本開示の1又は複数の実施形態に係る、ぼかされていない、1ピクセル分のぼけ、2ピクセル分のぼけ後の、補間再構築エラーを比較したグラフである。
【
図12A】
図12Aは、本開示の1又は複数の実施形態に係る、エイリアシングされた画像を示す。
【
図12B】
図12Bは、本開示の1又は複数の実施形態に係る、アンチエイリアシングされた画像を示す。
【
図13】
図13は、本開示の1又は複数の実施形態に係る、アンチエイリアシングされた場合のSNRと、アンチエイリアシングされた画像について、欠陥数の改善を比較することで、平均信号雑音比(SNR)改善を示すグラフである。
【
図14】
図14は、本開示の1又は複数の実施形態に係る、画像アップサンプリングを伴う光学的ウェハ特性評価の方法で実行されるステップを示すフロー図である。
【
図15】
図15は、本開示の1又は複数の実施形態に係る、画像アップサンプリングを伴う光学的ウェハ特性評価のシステムの簡略的概略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本開示を、特定の実施形態及びその具体的な特徴に関して、具体的に図示及び説明する。ここで記載される実施形態は、限定的ではなく、例示的と解されるものである。本開示の要旨及び範囲から逸脱することなく、形態及び詳細に関して各種変更及び変形が成され得ることが当業者には容易に理解されよう。
【0015】
以下に、添付の図面に示される本開示の主題を詳細に参照する。
【0016】
フットプリント及びフィーチャをますます小さくした電子論理及びメモリデバイスに対する需要により、所望の規模での製造に留まらない、広範囲の製造課題が提示される。
【0017】
例えば、ブロードバンドプラズマ(BBP)ウェハ検査においては、ピクセルを小さくすることにより、感度向上が図られ得るが、スループットが犠牲となる(例えば、高感度、低スループット)。一方、ピクセルを大きくすることにより、スループット向上が図られ得るが、感度が犠牲となる(例えば、高スループット、低感度)。したがって、結果的に感度とスループットの間で妥協が必要となる。
【0018】
別の例において、BBPウェハ検査は、対象画像と、基準画像とのグレーレベルの減算により、差分画像を取得することを含み得るが、関心欠陥の信号雑音比(SNR)を改善するために、差分画像にかけられるフィルタの容量は限られ得る。本明細書における「差分画像にフィルタをかける」という記載は、本開示の目的に関し、2次元カーネルが、検出器ピクセルのサイズの二乗として、画像と畳み込まれるものと解され得る。
【0019】
本例において、フィルタ、即ち「diff-filter」又は「dif-filter」は、差分画像にのみかけられ得る。対象及び基準画像については、画像が大きく変化してしまい得、画像アライメントアルゴリズムの劣化が生じ得るため、かけられない。したがって、対象及び基準画像におけるノイズが、二次元(2D)検出アルゴリズム(例えば、マルチダイ自動閾値(multi-die automatic threshold(MDAT))アルゴリズム等)、BBP検査時に疑似イベントフィルタ(Nuisance Event Filter(NEF))で使用される属性などに影響を及ぼすことで、潜在的にウェハ検査品質に影響を及ぼすにもかかわらず、対象及び基準画像についてdiff-filter/dif-filterの利点が得られないことが考えられる。さらに、diff-filter/dif-filterは、BBP検査システムにおける撮像コンピュータの中央演算処理装置(CPU)においてかけられ得るが、この場合、撮像コンピュータのスループットを低下することなく使用され得る最大のフィルタが限定され得る。
【0020】
別の例として、BBPウェハ検査時に利用される検査モードにおけるサンプリング種類、及び/又は量によっては、画像にエイリアシングノイズが導入され得る。
【0021】
ここで
図1Aから15を参照して、本開示の1又は複数の実施形態に係る、画像アップサンプリングを伴う光学的ウェハ特性評価システム及び方法を説明する。
【0022】
実施形態は、画像アップサンプリングを伴う光学的ウェハ特性評価システム及び方法に関する。本開示の実施形態はさらに、アップサンプリングにより大ピクセルを使用して、同等の低ピクセル感度とすることによる、スループットと感度との間のトレードオフの改善に関する。本開示の実施形態はさらに、検出器により結像された光学的画像の信号雑音比(SNR)改善に使用可能な、空間周波数フィルタ又は帯域制限フィルタ(BLF)に関する。本開示の実施形態は、アンチエイリアシング技術に関する。
【0023】
図1及び
図2は、本開示の1又は複数の実施形態に係る、光学的ウェハ特性評価システム100及び光学的ウェハ特性評価システム200をそれぞれ示す。概して、システム100及び/又はシステム200は、非限定的に検査又は計測システムを含む、当該技術において周知の、任意の特性評価システムを含み得る。例えば、システム100及び/又はシステム200はブロードバンドプラズマ(BBP)光学的検査システムを含み得る。したがって、システム100及び/又はシステム200は、サンプルに対して検査又は光学的計測を実行するように構成され得る。但しここで、上記記載は、本開示を限定するものではなく、あくまで例示的として解されるべきであることに留意されたい。
図1のシステム100に関して説明される各種実施形態及びコンポーネントは、
図2のシステム200にも適用されるものと解されるべきであり、その逆も然りである。
【0024】
実施形態において、システム100は、光を生成して発するように構成された光源102と、光を受光するように構成された照明アーム104と、検出器アレイ108に光を導くように構成された集光アーム106と、1又は複数のプロセッサ112及びメモリ114を有するコントローラ110とを備える。例えば、光源102は、非限定的にブロードバンドプラズマ(BBP)光源を含み得る。例えば、光源102は、非限定的に、レーザー支持プラズマ(LSP)照射源102を含み得る。
【0025】
本開示全体で使用される用語「サンプル」は概して、半導体又は非半導体材料(例えば、ウェハ、レチクル/フォトマスクなど)製の基板を指す。例えば、半導体又は非半導体材料は非限定的に、単結晶シリコン、ガリウムヒ素、リン化インジウムを含み得る。サンプルは1又は複数の層を含み得る。例えば、当該層は、非限定的に、レジスト、誘電材料、導電材料、半導体料を含み得る。多様な種類の当該層が当該技術分野で公知であり、本明細書で使用されるサンプルという用語は、あらゆる種類の当該層が形成され得るサンプルを含むことが意図される。サンプル上に形成された1又は複数の層は、パターニングされてもよいし、されなくてもよい。例えば、サンプルは、それぞれ繰り返し可能にパターニングされたフィーチャを有する複数のダイを含み得る。別の例において、複数のダイはそれぞれ、複数のフィールドを含み得る。当該層の材料の形成及び処理は、最終的に完成したデバイスに帰結し得る。サンプル上には、多様な種類のデバイスが形成され得、本明細書で使用される用語、サンプルは、当該技術分野で公知のあらゆる種類のデバイスが製造されたサンプルを含むことが意図される。さらに、本開示の目的のため、用語、サンプルおよびウェハは同義と解されるべきである。
【0026】
実施形態において、サンプル116は、ステージアセンブリ118上に配置される。これにより、サンプル116の移動が促進される。ステージアセンブリ118は、非限定的に、X-Yステージ、R-θステージなどを含む、当該技術分野で公知のあらゆるステージアセンブリ118を含み得る。実施形態において、ステージアセンブリ118は、サンプル116に対する焦光が維持されるように、検査又は撮像中にサンプル116の高さを調整可能である。概して、ステージアセンブリ118は、非限定的に、1又は複数の直線方向(例えば、x方向、y方向及び/又はz方向)に沿ってサンプル116を選択的に直進させるのに適した1又は複数の直進ステージを含み得る。さらに、ステージアセンブリ118は非限定的に、回転方向に沿ってサンプル116を選択的に回転するのに適した1又は複数の回転ステージを含み得る。別の例において、ステージアセンブリ118は非限定的に、選択的に、サンプル116を直線方向に沿って直進させる、及び/又は回転方向に沿ってサンプル116を回転させるのに適した回転ステージ及び直進ステージを含み得る。
【0027】
実施形態において、照明アーム104は、光源102からの光120をサンプル116に導くように構成される。照明アーム104は、任意の数、及び/又は種類の当該技術分野で公知の光学的要素を含み得る。例えば、照明アーム104は、非限定的に、1又は複数の光学素子122、ビームスプリッタ124、及び対物レンズ126を含み得る。例えば、1又は複数の光学素子122は、非限定的に1又は複数のミラー、1又は複数のレンズ、1又は複数の偏光子、1又は複数の格子1又は複数のフィルタ、或いは1又は複数のビームスプリッタを含む、当該技術分野で公知の任意の光学素子又は光学素子の組み合わせを含み得る。したがって、照明アーム104は、サンプル116の表面に、光源102からの光120を焦光するように構成され得る。
【0028】
実施形態において、集光アーム106は、サンプル116から反射、分散、回析、及び/又は発せられた光を集光するように構成される。集光アーム106は、当該技術分野で公知の任意の数、及び/又は種類の光学的コンポーネントを含み得る。例えば、集光アーム106は、非限定的に、1又は複数の光学素子128を含み得る。例えば、1又は複数の光学素子128は、非限定的に1又は複数のミラー、1又は複数のレンズ、1又は複数の偏光子、又は1又は複数の格子、1又は複数のフィルタ、或いは1又は複数のビームスプリッタを含む、当該技術分野で公知の任意の光学素子又は光学素子の組み合わせを含み得る。
【0029】
実施形態において、集光アーム106は、サンプル116からの光を、検出器アレイ108のセンサ又は検出器130に対して、導く、及び/又は集光させるように構成される。なお、検出器130及び検出器アレイ108は、当該技術分野で公知の任意のセンサ及び検出器アセンブリを含み得る。検出器130は、非限定的に電荷結合素子(CCD)検出器、相補型金属酸化膜半導体(CMOS)検出器、時間遅延積分(TDI)検出器、光電子増倍管(PMT)、又はアバランシェフォトダイオード(APD)などを含み得る。さらに検出器130は、非限定的にラインセンサ、または電子衝撃型ラインセンサを含み得る。
【0030】
実施形態において、検出器アレイ108は、処理ユニット132に通信可能に接続される。例えば、処理ユニット132は、非限定的に、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)を含み得る。別の例において、処理ユニット132は、非限定的に、特定用途向け集積回路、画像処理装置(GPU)、又は中央演算処理装置(CPU)を含み得る。なお、ここで、処理ユニット132は、上述の例の内の1つ、又はそれらの組み合わせを含み得る。
【0031】
実施形態において、処理ユニット132は、1又は複数のプロセッサ112及びメモリ114を有するコントローラ110に通信可能に接続される。1又は複数のプロセッサ112はメモリ114に通信可能に接続され得る。この場合、1又は複数のプロセッサ112は、メモリ114に格納されたプログラム命令組を実行するように構成される。但しここで、処理ユニット132は、独立したコンポーネントではなく、コントローラ110に組み込まれ得ることに留意されたい。またここで、検出器アレイ108は、1又は複数のプロセッサ112及びメモリ114を有するコントローラ110に通信可能に接続され得ることに留意されたい。その場合、処理ユニット132は、検出器アレイ108又はコントローラ110内に組み込まれ得、処理ユニット132がシステム100のコンポーネントでない場合もあり得る(例えば、コントローラ110が処理ユニット132の機能を実行するように構成される)。
【0032】
実施形態において、1又は複数のプロセッサ112は、検出器アレイ108の出力を分析するように構成される。実施形態において、プログラム命令組は、1又は複数のプロセッサ112に、サンプル116の1又は複数の特徴を分析させるように構成される。実施形態において、プログラム命令組は、1又は複数のプロセッサ112に、サンプル116及び/又は検出器130上の集光を維持するため、システム100の1又は複数の特徴を変更させるように構成される。例えば、1又は複数のプロセッサ112は、光源102からの光120をサンプル116の表面上に焦光するように、対物レンズ126又は1又は複数の光学素子122を調整するように構成され得る。別の例において、1又は複数のプロセッサ112は、サンプル116の表面からの照明を集光し、集光した照明を検出器130に焦光するように、対物レンズ126及び/又は1又は複数の光学素子128を調整するように構成され得る。
【0033】
システム100は、非限定的に、暗視野構成、明視野配向などを含む、当該技術分野で公知の任意の光学的構成内に構成され得る。
【0034】
システム100の1又は複数のコンポーネントは、当該技術分野で公知の任意の態様で、システム100の各種その他コンポーネントに通信可能に接続され得ることに留意されたい。例えば、光源102、検出器アレイ108、処理ユニット132、コントローラ110、及び/又は1又は複数のプロセッサ112は、互いに、及び別のコンポーネントに、有線(例えば、銅線、又は光ファイバーケーブルなど)、無線(例えば、RF接続、IR接続、WiMax(商標)、Bluetooth(登録商標)、3G、4G、4GLTE、又は5Gなど)で通信可能に接続され得る。
【0035】
実施形態において、システム200は、光源102と、照明アーム104と、集光アーム106と、検出器アレイ108と、1又は複数のプロセッサ112及びメモリ114を有するコントローラ110とを備える。システム200は、反射率測定法及び/又は偏光解析法構成内に配置されたシステム200であり得る。ここでシステム200は、当該技術分野で公知の任意の種類の計測システムを含み得ることに留意されたい。
【0036】
実施形態において、光源102からの光120は、照明アーム104によりサンプル116に導かれる。実施形態において、システム200は、サンプル116から発せられる放射光を集光アーム106を介して集光する。照明アーム104は、光120を変形及び/又は調整するのに適した、1又は複数のビーム調整要素202を含み得る。例えば、1又は複数のビーム調整要素202は、非限定的に、1又は複数の偏光子、1又は複数のフィルタ、1又は複数のビームスプリッタ、1又は複数のディフューザ、1又は複数のホモジナイザ、1又は複数のアポダイザ、1又は複数のビームシェイパ、或いは1又は複数のレンズを含み得る。
【0037】
実施形態において、照明アーム104は、ステージアセンブリ118上に配置されたサンプル116上に光120を焦光及び/又は導くために、第1集光要素204を利用し得る。実施形態において、集光アーム106は、サンプル116からの放射光を集光するために、第2集光要素206を有し得る。集光アーム106は、さらに、第2集光要素206により集光された照明を導く、及び/又は変形するために、1又は複数の集光ビーム調整要素208を有し得る。例えば、1又は複数の集光ビーム調整要素208は、非限定的に、1又は複数のレンズ、1又は複数のフィルタ、1又は複数の偏光子、或いは1又は複数の位相板を備え得る。
【0038】
実施形態において、検出器アレイ108は、集光アーム106を通じて、サンプル116から発せられた放射光を結像するように構成される。例えば、検出器アセンブリ又はアレイ108は、サンプル116から反射又は拡散(例えば、鏡面反射又は拡散反射など)された放射光を受光し得る。別の例において、検出器アレイ108は、サンプル116により生成された放射光(例えば、光120の吸収に関連付けられた発光など)を受光し得る。検出器アレイ108は、当該技術分野で公知の任意のセンサ及び検出器アセンブリを含み得ることに留意されたい。センサは非限定的に、CCD検出器、CMOS検出器、TDI検出器、PMT、APDなどを含み得る。
【0039】
システム200は、当該技術分野で公知の、任意の種類の計測ツールで構成され得る。当該ツールとしては、非限定的に、1または複数の照明角度を有する分光エリプソメータ、ミュラー行列要素を測定するための分光エリプソメータ(例えば、回転補償器を使用する)、単波長エリプソメータ、角度分解エリプソメータ(例えば、ビームプロファイルエリプソメータ)、分光反射率計、単一波長反射率計、角度分解反射率計(例えば、ビームプロファイル反射率計)、撮像システム、瞳撮像システム、分光撮像システム、またはスキャトロメータが挙げられる。
【0040】
本開示の各種実施形態での実施に好適な検査/測定ツールについて以下に記載されており、これらは、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。発明の名称が「Split Field Inspection System Using Small Catadioptric Objectives」で、2009年7月16日に公開された米国特許出願公開第2009/0180176号、発明の名称が「Beam Delivery System for Laser Dark-Field Illumination in a Catadioptric Optical System」で、2007年1月4日に公開された米国特許出願公開第2007/0002465号と、発明の名称が「Ultra-broadband UV Microscope Imaging System with Wide Range Zoom Capability」で、1999年12月7日に発行された米国特許第5,999,310号と、発明の名称が「Surface Inspection System Using Laser Line Illumination with Two Dimensional Imaging」で、2009年4月28日に発行された米国特許第7,525,649号と、Wangらによる発明の名称が「Dynamically Adjustable Semiconductor Metrology System」で2013年5月9日に公開された米国特許出願公開第2013/0114085号と、Piwonka-Corleらによる発明の名称が「Focused Beam Spectroscopic Ellipsometry Method and System」で、1997年3月4日発行の米国特許第5,608,526号と、Rosencwaigらによる発明の名称が「Apparatus for Analyzing Multi-Layer Thin Film Stacks on Semiconductors」で、2001年10月2日発行の米国特許第6,297,880号。
【0041】
実施形態において、システム100、200は、本明細書において、プロセスツールに物理接続されていないツールと解される、「スタンドアロンツール」として構成され得る。検査又は計測システムなどの別の実施形態において、システム100、200は有線および/または無線部を含み得る伝送媒体によってプロセスツール(不図示)へと接続され得る。例えばプロセスツールは、当該分野において公知の任意のプロセスツールを含み得る。その例としては、リソグラフィツール、エッチツール、蒸着ツール、研磨ツール、メッキツール、洗浄ツール、イオン注入ツールなどが挙げられる。本明細書に記載のシステム100、200が実行する検査又は測定の結果は、フィードバック制御技術、フィードフォワード制御技術、及び/又はインシチュー制御技術を使用して、プロセス又はプロセスツールのパラメータを変更するのに使用され得る。プロセス又はプロセスツールのパラメータは、手動又は自動で変更され得る。
【0042】
システム100、200の実施形態は、本明細書に記載のとおり、さらに構成され得る。さらに、システム100、200は、本明細書に記載の方法実施形態(1又は複数)の内の任意の別のステップ(1又は複数)を実行するように構成され得る。
【0043】
図3は、本開示の1又は複数の実施形態に係る、画像アップサンプリングを伴う光学的ウェハ特性評価に対する方法又は処理300のフロー図を示す。
図4は、本開示の1又は複数の実施形態に係る、画像アップサンプリングを伴う光学的ウェハ特性評価に対する方法又は処理300のブロック
図400を示す。方法又は処理300の1又は複数のステップは、システム100及び/又はシステム200からの1又は複数の画像などの情報を利用し得る。方法又は処理300の1又は複数のステップは、システム100及び/又はシステム200の1又は複数のコンポーネント上で、又はこれにより実行され得る。例えば、方法又は処理300の1又は複数のステップは、処理ユニット132及び/又はコントローラ110により実行され得る。
【0044】
ステップ302において、1又は複数の基準画像が取得される。ステップ304において、1又は複数の対象画像が取得される。例えば、1又は複数の対象画像は、検出器アレイ108により結像された、テスト中のウェハ116上のダイ上の箇所(例えば、フィールド)の画像であり、1又は複数の基準画像は、検出器アレイ108により結像された、ウェハ116上の近接(例えば、近傍、隣接、又は区間距離内など)ダイからの、同じ箇所(例えば、フィールド)の画像であり得る。別の例において、1又は複数の対象画像は、検出器アレイ108により結像された、テスト中のウェハ116上のダイ上の箇所(例えば、フィールド)の画像であり、1又は複数の基準画像は、別のウェハ116上のダイからの、同じ箇所(例えば、フィールド)の履歴データであり得る。例えば、1又は複数の対象画像は、好ましいピクセルサイズで取得され得る。取得画像402は、1又は複数の基準画像、及び1又は複数の対象画像を含み得る。但しここで、1又は複数の対象画像は取得画像402として示されること(例えば、1又は複数の基準画像が履歴データである場合)に留意されたい。
【0045】
非限定的な一例において、ブロードバンドプラズマ(BBP)検査システム100、200は、半導体ウェハ116の欠陥検査を行う自動検査顕微鏡である。サンプル116は、サンプル116を連続的に動かす作動ステージ118上に配置され得る。サンプル116は、検出器130により、検出器アレイ108上に結像され得る。システム100、200の撮像光学系は、ズームレンズを含み得る。例えば、ズームレンズにより、サンプル116から検出器アレイ108への倍率が調整され得る。例えば、倍率が高い(例えば600x)場合、サンプル116上の1つの検出器ピクセルの画像は、検出器130のピクセルの実寸の600分の1となり得、検出器130の視野は、検出器アレイ108の600分の1となり得る。検出器130は、TDIモードで動作し得る。例えば、CCD検出器130上の光生成電荷キャリアが、CCD検出器130を横切るサンプル116の画像の動きに同期して、印加される電解により掃き寄せられ得る。電荷は、検出器アレイ108の端に到達するとデジタル化され得る。
【0046】
システム100、200は、広域スペクトラムで照射を行う、レーザー励起プラズマ光源102を有し得る。照明アーム104内の照明光学系は、サンプル116の一部を照明し得る。例えば、照明光学系は、照明アーム104に、波長フィルタ及び/又は偏光子を挿入し得る。サンプル116上の照射フィールドは固定され、集光アーム106の撮像ズーム設定と無関係であり得る。例えば、サンプル116上の照射フィールドは、最小倍率での検出器130の視野と少なくとも同じ大きさであればよい。光強度を損なうことなく、検出器130の視野上に全ての生成光を結像するには、BBP光源102の範囲が広過ぎることから、照明光学系にズームレンズを設けないので、照射フィールドが固定され得ることに留意されたい。したがって、サンプル116から反射される光束F[光子/s/m2]は、撮像倍率とは無関係となり得る。
【0047】
サンプル116でのピクセルサイズpに関して、検出器130ピクセルに毎秒到達する光子の数nをn=η*F*p2として示す。式中、ηは撮像システム100、200及び検出器130の伝達効率を示し、pは、検出器アレイ108上のピクセルの物理的寸法を集光アーム106における倍率で割ったものである。
【0048】
例えば、TDIが、一列のピクセルが周波数fLでデジタル化されるようにクロックされた場合、各ピクセルのTDI積分時間はTint=nx/fLとなる。式中、nxは走査方向(例えば、x方向)における検出器アレイ108上のピクセル数を示す。さらに、ステージアセンブリ118の速度vは、v=p*fLである。さらに、検出器130のy方向高さがnxピクセル分である場合、検出器130は、帯高さhswath=p*nxのウェハ116の帯領域を走査し得る。さらに、検査のスループット(例えば、単位時間毎に検査されるウェハで計測)は、Tput=(v*hswath)/A=(p2*fL*ny)/Aとなる。式中、Aは、サンプル116上の検査領域である。さらに、検出器130ピクセルで集光される光子の数nvは、nv=η*F*p2*Tint=(η*F*p2*nx)/fLで示される。上記を組み合わせる際、スループットは、次の式1で示される検出器130ピクセルにおける光子数に関する。
Tput=(p2*fL*ny)/A=(p4*F*nx*ny)/(A*ny)
式1
【0049】
スループットTputは、フィルタ有り、又は無しのサンプル116上のピクセルサイズに応じて増加する。ここで、ピクセル毎の光子数は一定であり、スループットTputは、サンプル116上のピクセル長さ寸法の4乗である、p4に比例する。或いは、スループットTputを一定とすると、ピクセル毎の光子数がp4に比例する。検出器が飽和する(例えばCCDのポテンシャル井戸が満たされる)まで、この関係は成立する。しかし、画像にフィルタをかけると、スループットTputがp2に比例するように減少する。ここで、短ノイズ変数が一定に維持される。
【0050】
ここで、全ての取得画像402(例えば、1又は複数の対象画像及び/又は1又は複数の基準画像)が、ノイズ除去フィルタ404をかける、及び/又は1又は複数の差分画像406を生成する前に、アップサンプリングされ得ることに留意されたい。アップサンプリングについては本明細書において詳細に説明する。
【0051】
ステップ306において、取得画像にノイズ除去フィルタ404がかけられる。例えば、周波数平面(fx,fy)における任意の方向で2*NA/λminを超える空間周波数をはじくフィルタ404により、1又は複数の基準画像及び/又は1又は複数の対象画像のノイズ除去が行われ得る。
【0052】
システム100の空間解像度は、組み合わされて分解される得る2点の近さに依存し得る。光学的画像は、暗視野及び/又は明視野撮像システムのいずれにおいても、任意の方向における画像の最大空間周波数がfmax=2*NA/λminを超えないよう、空間周波数平面において帯域制限される。式中、NAは、サンプル116側での撮像光学系の開口数であり、λminは、検出される光のスペクトルにおける最短、又は最小波長であり、空間周波数fの単位は、単位長さ毎の周期である。ここで、NAを検出器側の開口数とする場合、空間周波数は検出器アレイ平面での往復距離となることに留意されたい。さらに、本明細書においてNAが対象の開口数である場合、空間周波数は対象(ウェハ)平面での往復距離であることに留意されたい。
【0053】
本開示の利点の1つは、空間周波数フィルタ又は帯域制限フィルタ(BLF)である。BLFは、半形2*NA/λminの円内(例えば、伝達関数振幅=1、位相=0)の全ての空間周波数をそのまま通過させ、円外(例えば、伝達関数振幅=1)の全ての周波数をブロックし得る。BLFにより、ノイズのない光学的画像は無変化であり得る(例えば、ぼけ又は歪みが生じない)。したがって、BLFは、画像のアライメント及び/又は画像処理アルゴリズムに対して悪影響を及ぼすものでなくなり得る。一方で、BLFは、画像内のノイズの一部をはねることで、画像の信号雑音比(SNR)を改善し得る。したがって、空間周波数フィルタは、検出器アレイ108が取得した1又は複数の対象画像及び/又は1又は複数の基準画像におけるノイズの一部を除去するように構成され、ノイズ無し画像の変化を抑制するように構成されたものと解され得る。
【0054】
ポワゾン分布となる、整数の光子を検出器130が検出するため、画像はショットノイズを含む。或る光強度について、光子の平均数はmであり、これは分数であり得る。検出器130は、P(n)=e-m*mn/n!の確率で整数nの光子をランダムに検出し得る。検出器130ピクセルでの光子数(σ2=m)のランダム変動は、ピクセル間で相関しない。したがって、ショットノイズは、白いスペクトルを持ち(例えば、その空間スペクトル密度が一定)、半径2*NA/λminの円外のこのホワイトノイズのスペクトル部分が光学的画像に影響することなく、BLFによりはねられ得る。
【0055】
読み出しノイズにより、広域ノイズが生じ得る。例えば、読み出しノイズは、検出器アレイ108の出力をAD変換する際に、電子装置により生じ得る。BLFは、半径2*NA/λminの円外の読み出しノイズのスペクトル部分をはね得る。
【0056】
ピクセルピッチがpで、検出器アレイ108がN×N個のピクセルを有する非限定的な一例において、検出器アレイ108は、空間周波数平面における(1/p)×(1/p)正方形領域をサンプリングし得る。視野におけるグレーレベルが均一であれば、この平面において、ショットノイズは均一に分布し得、BLFは、半径2*NA/λminの円内のショットノイズを通過させ得る。ノイズの変動は、以下の式2で示される分数で低減される。
フィルタリング後のショットノイズ変数/フィルタリング前のショットノイズ変数=4π(p*NA)2/λ2min=π/4*(p/ΔNyquist)2 式2
式中ΔNyquist=1/2fminが成立する。
【0057】
p<ΔNyquistの場合、画像はオーバーサンプリングされており、オーバーサンプリング因数が大きい程、フィルタの信号対ノイズに関する利点も大きくなる。画像がオーバーサンプリングされていると、ショットノイズと、光学的画像とがより分離しやすくなり得る。光学的画像から際立ったショットノイズの部分をフィルタリングすることによる、オーバーサンプリングという要素によりSNRが改善され得る。このSNRの改善は、速度と引き換えに図られ得る。ここで、フィルタは、臨界サンプリング近くでもショットノイズを約20%低減することに留意されたい。
【0058】
図5A及び5Bはそれぞれ、ノイズ504(例えば、ショットノイズ、読み出しノイズなど)からの光学的情報502の分離を示すグラフ500及び510を示す。
図5A及び5Bに示す非限定的な例において、光学的情報は、半径4πNA/λminとフィルタ値1の円盤に含まれ、ノイズ504は円盤外でフィルタ値0が与えられ得る。ここで、よりオーバーサンプリングされた態様ほど(例えば、グリッドサイズ(1/t
2)×(1/t
2)のグラフ510と、グリッドサイズ(1/t
1)×(1/t
1)のグラフ500との比較)、ショットノイズが除去される割合が増すことに留意されたい。
【0059】
いくつかの実施形態において、BLFは、有限インパルス応答(FIR)と、高速フーリエ変換(FFT)という2つの方法の内の1つで実施され得る。
【0060】
FIRでの実施の場合、FIRは、フィルタ係数hによるストレートな畳み込みである。フィルタがかけられた画像は、式3に示すように計算され得る。
【数1】
式3において、x及びx’は、(それぞれ)画像及びフィルタ列の整数インデックスであり、y及びy’は、(それぞれ)画像及びフィルタ行の整数インデックスである。Image
inは、検出器アレイから取得された画像であり、グレースケール値の二次元アレイであり、Image
outはフィルタの出力である。フィルタのサイズは(2N+1)×(2N+1)である。フィルタリング時、画像の最初と最後のN列及び最初と最後のN行は無効となる。したがって、画像の浸食が生じるが、独立して処理される画像の帯間の重複を増やすことで補償され得る。フィルタ係数h(x’,y’)は、最適化問題を解くことで決定され得る。最適化問題において、損失関数は、半径2*NA/λminの円の外では0で円内では1である理想伝達関数に対する、h(x’,y’)のフーリエ変換の偏差の二乗和である。
【0061】
【0062】
式4において、
【数3】
は、
【数4】
の二次元フーリエ変換であり、g(f
x,f
y)はフィルタの伝達関数の目標であり、式5に示す。
【数5】
式中、
【数6】
が成立する。
【0063】
式4において、重み関数w(f
x,f
y)は、式6に示すように、通過帯域から阻止帯域への遷移時にその不連続辺りで目標g(f
x,f
y)に一致するための要件緩和に寄与し得る。
【数7】
【0064】
非限定的な一例において、式6中、∈は0.05に設定される。ここで、円形通過帯域の半径±5%内に伝達関数を括らないことで、±5%のマージン外での通過帯域での通過、及び阻止帯域での減衰を改善し得ることに留意されたい。
【0065】
FFTでの実施の場合、フーリエ変換は、実測値となり、式7に示すようにフィルタが対称に限定されていることで、同じ対称性を有する。
h(x,y)=h(-x,y)=h(x,-y)=h(y,x) 式7
【0066】
図6Aは、30ナノメートル(nm)ピクセルピッチ、0.9NA、及び190nm最小波長について設計された15×15FIRフィルタの伝達関数を示す円の画像600を示す。画像600において、空間周波数軸f
x及びf
yは、f
max=2*NA/λminにより正規化される。
【0067】
図6Bは、30ナノメートル(nm)ピクセルピッチ、0.9NA、及び190nm最小波長について設計された15×15FIRフィルタの伝達関数を、正規化されたx空間周波数(例えば、ゼロy空間周波数を通じた部位、又はf
y=0)と比較するグラフ610である。グラフ610において、空間周波数軸はf
max=2*NA/λminにより正規化される。
【0068】
FFTによる実施を式8および9に示す。
Image
out=F
-1{h(f
x,f
y)FImage
in} 式8
【数8】
式中、f
r
2=f
x
2+f
y
2が成立する。
【0069】
式8及び9において、FはFFTを示し、F-1は逆FFTを示し、fx及びfyは、空間周波数変数(例えば、変換変数)を示し、frはラジアル空間周波数を示す。無次元変数∈は1よりかなり小さくなり得(例えば、0.05など)、通過帯域から阻止帯域への円滑なコサイン遷移の幅を定義し得る。ここで、円滑な遷移とは、Imageout(x,y)におけるリンギング(例えば、振動)を低減し得ることに留意されたい。
【0070】
式8及び9において、FFT Fは、選択された画像周波数が円内に収まり、非選択の画像周波数及び/又はノイズが円外となる円に帰結する。よって、逆FFT F-1を計算する前に、ノイズが除去可能となる。
【0071】
FIRによる実施と、FFTによる実施とを比較すると、入力画像のサイズが大きく(例えば、1024×1024ピクセル)、FIRフィルタサイズが小さい(例えば、20×20ピクセル)場合に、FFTにより実施されたBLFが、FIRにより実施されたBLFよりも理想伝達関数に近似することを理解されたい。したがって、FFTによる実施の場合、より精度が高くなり得る。
【0072】
ただし、演算スループットに関しては、FIRによる実施の方が好ましくなり得る。ここで、処理ユニット132が、FIRによる実施(例えば、15×15FIRフィルタ)を、1又は複数の検出器130により取得されたロー画像に対して適用し得ることに留意されたい(例えば、処理ユニット132が、システム100内の検出器アレイ108とコントローラ110との間に、又は検出器アレイ108内に配置され、コントローラ110への送信前にロー画像を受信するように構成された場合)。
【0073】
ここで、SNR及び/又はNAが異なれば、異なるフィルタが必要となり得ることに留意されたい。したがって、本開示の実施形態は、SNR及び/又はNAに応じてフィルタが調整され得る、動的光学的設定に関する。
【0074】
本開示の実施形態は、ノイズ除去フィルタの実施を示すが、ここで、ノイズ除去フィルタ404は、方法又は処理300から省略され得ることに留意されたい。したがって、上記説明は本開示を限定するものではなく、あくまで例示であるものと解されるべきである。
【0075】
ステップ308において、1又は複数の差分画像406が1又は複数の取得画像から決定される。例えば、1又は複数の対象画像を1又は複数の基準画像で変形することで、1又は複数の差分画像406が決定され得る。例えば、1又は複数の差分画像406は、1又は複数の対象画像から1又は複数の基準画像を減算することで決定され得る。
【0076】
ステップ310において、1又は複数の差分画像406がアップサンプリングされ、1又は複数のアップサンプリングされた画像408が生成される。例えば、1又は複数のアップサンプリングされた画像408内で、1又は複数のウェハ欠陥が検出可能となり得る。
【0077】
ここで、ウェハ上の小ピクセルサイズ(例えば、高倍率)は、感度に関して有利であることに留意されたい。試験対象ウェハに関する集積回路設計における異なる複数の領域は、異なる感度設定で検査され得る。設計フィーチャへの画像マッピングは、各画像ピクセルに領域IDを割り当てることで完了し得る。一般的に、集積回路設計フィーチャは、光学的画像のピクセルの1/2から1/3であり得る。したがって、ピクセルが小さい程、設計フィーチャへのマッピングがより有用となる。
【0078】
小ピクセルサイズは感度に有利だが、スループットに関しては、大ピクセルサイズ(例えば、低倍率)が好ましい。本開示の実施形態は、アンダーサンプリングとならない最大ピクセルサイズで画像を取得し、その画像をアルゴリズムによりアップサンプリングすることで、スループットと感度とのトレードオフを改善することに関する。ここで、アップサンプリングは、信号のピークを見つけやすくし、信号強度を増すものであり得ることに留意されたい。またここで、アップサンプリングは、より小さいピクセルが使用された場合よりも、画像を実際の設計に合わせ易くするものであり得ることに留意されたい。
【0079】
アンダーサンプリング(例えば、エイリアシング)を避けるため、ピクセルピッチは、p<λmin/4*NAという不等式を満たすべきである。例えば、ウェハ116上の好ましいピクセルサイズは、5%のマージンで、不等式p<λmin/4*NAを満たす最大のピクセルサイズである。
【0080】
アップサンプリングの非限定的な一例として、アップサンプリングは、式10で示すように、Whittaker-Shannon補間式により実施される。
【数9】
【0081】
式10において、pはImagein(m,n)のサンプリング間隔を示し、整数mおよびnは、補間対象画像の列および行それぞれのインデクスである。Imageout(x,y)は補間による出力であり、(x,y)は当該出力画像のピクセルの中心座標である。変数x、y及びpは、距離単位が同じであり、アップサンプリングされた画像Imageout(x,y)のピクセルは、pよりも小さい。正規化されたsinc関数は、sinc(z)=sin(πz)/πzと定義され得る。
【0082】
補間誤差は、整数Nが無限に近づくほど、ゼロに近くなる。本開示の目的に関して、1つの好ましい演算スループットと、補間精度とが、N=6で実現される。但し、ナイキストの定理にしたがい、光学的画像がオーバーサンプリングされることを保証するp<λmin/4*NAが成立する限り適切な任意の補間が、本開示の目的に使用可能である。
【0083】
アップサンプリングの別の非限定的な一例において、検出アルゴリズムを通過した欠陥からの画像のみを使用した、ナイキスト基準(例えば、連続したアナログ画像において、最高周波数の少なくとも2倍のレートで画像がサンプリングされる必要があるものとする)を満たす画像データのサブセットに対して画像補間又はアップサンプリングを適用することで、結果として欠陥パッチ内の欠陥信号が改善し得、さらなる後処理フィルタリング、或いはニュイサンス及び/又はビニングに対して改善したフィーチャ抽出に使用可能となり得る。例えば、目標検査スループットを実現する、又は微小光暗視野光学的モードにおける適切な光量を実現するために、ナイキスト基準を満たさない大きなピクセルサイズが使用されることが好ましく成り得る。
【0084】
図7は、周波数領域ゼロパディングを利用したアップサンプリングの処理を示す、画像700、710、720、730のシーケンスである。非限定的な一例において、アップサンプリングは、Image
in(例えば、画像700から画像710)の二次元FFT Fをとり、変換アレイ(画像710から画像720)を乗算又はゼロパディングし、パディングされたアレイ(例えば、画像720から画像730)の逆FFT F
-1をとることで実行され得る。ゼロパディングされたスペクトルは、逆変換され得る。その結果は、周波数領域のゼロパディングの範囲で制御され得る補間値を含む。例えば、2倍のアップサンプリング(例えば、元のピクセル間の等距離点を補間)は、2倍のゼロパディングで実現される。
【0085】
欠陥信号のサンプリングは、統計的処理であり、任意の単一の取得は、アップサンプリングによる多少のSNR改善に帰結し得る。ノイズを低減しながら欠陥エネルギーを改善するように設計されたdiff-filter/dif-filterにより、さらなる欠陥SNRの改善が実現され得る。例えば、diff-filter/dif-filterは、アップサンプリング前にかけられ得る。したがって、より小さいピクセルと比較して、アップサンプリングされたピクセルを改善するためのFIR及び/又はFFTを実施するdiff-filter/dif-filter、及び/又はノイズ除去フィルタが、アップサンプリングに組み合わされ得る。これにより、スループットと、感度との間のトレードオフが改善する。例えば、diff-filter/dif-filterのアップサンプリングは、ノイズの改善に帰結し得る。但しここで、diff-filter/dif-filterは適切に設計されなければ欠陥SNRを劣化し得る一方、アップサンプリングは欠陥SNRを劣化させないことに留意されたい。
【0086】
図8A及び8Bは、明視野(BF)画像の画像800及び810をそれぞれ示す。
図8Aにおいて、画像800は、実際の36nmBF画像を含む。
図8Bにおいて、画像810は、アップサンプリング係数50/36=1.39で、50nm画像をアップサンプリングすることで、再構築された36nmBF画像を含む。
図8A及び8Bの比較から、断面比較に示すように、高精度で36nmBF画像が再生されている。選択状況下で、実際の36nmピクセルは、50nmピクセルに対して15%の改善を示し得、36nmアップサンプリングは、50nmピクセルに対して10%の改善を示し得る。
【0087】
図9A及び9Bは、アップサンプリング(例えば、Upsample)と、diff-filter/dif-filter(例えば、AutoDiff)と、アップサンプリング及びdiff-filter/dif-filterの組み合わせ(例えば、Combination)とを比較することによる、各種欠陥のSNR改善(%)のグラフ900及び910を示す。
図9A及び9Bに示すように、アップサンプリングと、diff-filter/dif-filterとの組み合せは、アップサンプリング、又はdiff-filter/dif-filter単独のいずれの場合よりも、大きな改善を実現する。選択状況下で、アップサンプリングによる改善は平均7から8%であり、diff-filter/dif-filterによる改善は平均18から28%であり、diff-filter/dif-filterと、アップサンプリングとの組み合わせによる改善は、その改善に6から9%上乗せされる。
【0088】
さらに欠陥SNRを改善する試みとして、フィールド単位検査におけるエイリアシング有り検査モードに対し、アンチエイリアシングプレフィルタリングが実施され得る。ここで、フィールドは、相互比較可能な、ダイ内の繰り返し論理パターン領域のような箇所であるものと理解され得る。画像エイリアシングは、光学的システムを通過する全ての画像周波数を結像するのに不十分なレートで画像がデジタル化されることによるエラーである。アンチエイリアシングは、デジタル画像及び信号処理において、デジタル化前のアナログ画像又は信号における周波数コンテンツを制限するために使用されるフィルタリング処理であり得る。この場合、フィルタは、ナイキスト基準を満たし、エイリアシングを生じないように設計される必要がある。
【0089】
本明細書に全体が組み込まれる、2015年2月3日に発行された米国特許第8,947,521号において、エイリアシングを抑制する方策が確認され得る。当該方策適用の非限定的な一例において、アンチエイリアシングプレフィルタ用のTDI型方法は、意図的に1又は複数の検出器130に亘って、x及び/又はy方向に、画像内にぼけを導入することを含み得る。TDIクロック、ステージ速度、又は画像倍率の何れかに小さなエラーを入れることで、読み出し前にTDI上の画像にぼけが導入され得る。Nピクセル幅TDIについて、公称TDI倍率に2/Nエラーを与えれば、最終画像に2ピクセル分のぼけが導入される。このぼけは、画像領域内の方形関数による畳み込み、又は同等のものとして、空間周波数領域内のsinc関数による乗算としてモデル化され得る。こうして得られたsincプレフィルタは、サイドローブを含み得る。その結果、一部のエイリアシングエネルギーが通過帯域に漏洩する。
【0090】
式11に、ピクセル化及び画像ぼけを含む撮像領域合成方程式を示す。
【数10】
式中、I(x)は真の画像を示し、sはピクセルサイズを示し、Eはピクセル単位のぼけ量を示す。
【0091】
対応する、周波数領域における変調伝達関数を式12に示す。
【数11】
【0092】
ここで、エイリアシングエネルギーを最小化し、サンプリング周波数の半分でカットオフされた空間周波数を生成するのに必要なぼけは、約2ピクセルの値であり得ることに留意されたい。例えば、あるアンダーサンプリングのピクセルレートrについて、周波数成分はr/2に限定する必要がある。したがって、2ピクセル分のぼけが必要となる。
【0093】
図10A及び10Bは、それぞれ画像1000及び1010を示す。
図10Aにおいて、画像1000はぼけていない。
図10Bにおいて、画像1010は2ピクセル分のぼけでアンチエイリアシングされている。
図9A及び9Bの比較から、2ピクセル分のぼけにより、高周波数スペクトルX成分が大幅に減衰していることが分かる。
【0094】
図11は、ぼけ無し(フィルタリング無し)画像、1ピクセル分のぼけを含む画像、及び2ピクセル分のぼけを含む画像の間で、補間距離に対するエラーパーセンテージ(%)を比較することによる、補間再構築エラーを示すグラフ1100である。
図11に示すように、1ピクセル分のぼけは、エイリアシングノイズ抑制に不十分であり得、一方で、2ピクセル分のぼけは、一般的に最小エイリアシングと見做されるエラー<5%に帰結することが分かる。
【0095】
図12A及び12Bはそれぞれ、欠陥数に関する、画像1200及び1210を示す。
図12Aにおいて、エイリアシング対象が示される(例えば、プレフィルタリングを含まない)。
図12Bにおいて、アンチエイリアシング対象が示される。
図12A及び12Bの比較から、フィールド単位検査が実施される場合、エイリアシングを伴うモードでのフィールド単位検査では、プレフィルタリングのないフィールド単位検査と比較して、SNRが約2倍改善した。選択状況下で、フィールド単位検査時にアンチエイリアシングが適用されると、欠陥信号は平均14から20%改善し得る。
【0096】
図13は、欠陥数を、パーセンテージで示される、エイリアシングの場合に対してアンチエイリアシングされた場合のSNRの改善と比較することで、平均SNR改善を示すグラフ1300である。
図13に示すように、選択状況下で、画像にアンチエイリアシングプレフィルタリングが適用されると、平均117%の改善が確認された。
【0097】
ここで、ダイ単位検査の場合は、平均欠陥信号およびアンチエイリアシングの場合でのSNRが若干劣化し得るが、フィールド単位検査におけるアンチエイリアシング技術により実現される改善は、そのような若干の劣化を打ち消す、及び/又は上回るものであることに留意されたい。
【0098】
ステップ312において、1又は複数のアップサンプリングされた画像408が、異常(又は欠陥)検出器を通過する。異常検出器410は、背景よりも大幅に高い又は低いピクセル値を探す。例えば、異常検出器410は、背景を超える又は下回る設定閾値を超えるピクセル値を探し得る。例えば、異常検出器410は、背景を超える又は下回る設定閾値を超えるアップサンプリングされた画像ピクセル値を調整又は除去し得る。ここで、欠陥がなければ、対象及び基準画像は好ましくは同一で、その差はゼロであることに留意されたい。しかし、隣接するダイは同一ではなく、差分画像がゼロでないことが多い。
【0099】
したがって、光学的画像のオーバーサンプリングに対応する最小倍率が選択され、画像をアップサンプリングすることで、より小さなピクセルサイズが取得される。特にこれにより、光学的画像が検出器130を飽和しなければ、信号対ショットノイズ比が改善される。さらにこれは、井戸深さ、即ち検出器アレイ108のダイナミックレンジを利用するのに十分な照明強度でない場合に有利である。
【0100】
ステップ314において、1又は複数の光学的検査コンポーネントに1又は複数の調整を行うための1又は複数の制御信号が決定される。例えば、1又は複数のアップサンプリングされた画像に基づいて、1又は複数の制御信号が決定され得る。別の例において、1又は複数の差分画像に基づいて、1又は複数の制御信号が決定され得る(例えば、1又は複数のアップサンプリングされた画像に基づいて、1又は複数の制御信号を決定することに代えて、又は加えて)。一般的に、システム100及び/又はシステム200の1又は複数のコンポーネントの1又は複数の特徴を選択的に調整するように、1又は複数の制御信号は構成され得る。
【0101】
システム100及び/又はシステム200について上述した実施形態及び実現技術は、方法又は処理300に適用されるものと解されるべきである。したがって、方法又は処理300のステップは、システム100及び/又はシステム200で実行され得、方法又は処理300は、システム100及び/又はシステム200のアーキテクチャで求められる、又は示唆される1又は複数のステップをさらに含み得る。但し、方法又は処理300は、システム100及び/又はシステム200のアーキテクチャに限定されるものではなく、方法又は処理300の1又は複数のステップ或いはその一部は、代替的なシステムコンポーネント及び/又はアーキテクチャで実行され得ることが理解されよう。さらに、方法又は処理300のステップは、本明細書で別途言及しない限り、任意の順序で実行され得る。
【0102】
図14は、本開示の1又は複数の実施形態に係る、方法又は処理1400を示す。
図15は、本開示の1又は複数の実施形態に係る方法又は処理1400の1又は複数のステップを実行するためのシステム1500を示す。方法又は処理1400は、システム1500からの情報を利用し得る。方法又は処理1400は、システム1500の1又は複数のコンポーネントの上で、又はそれにより実行され得る。
【0103】
ステップ1402において、1又は複数の半導体製造処理が実行される。1又は複数の半導体製造処理は、1又は複数の半導体製造ツール1502により、サンプル116に実行され得る。例えば、1又は複数の半導体製造ツール1502は、当該技術分野で公知の、任意のマイクロエレクトロニクス製造用プロセスツールを含み得る。これは非限定的に、リソグラフィツール及び/又はプラズマプロセスツール(例えば、エッチングツール、蒸着ツール、研磨ツール、スキャナなど)を含み得る。
【0104】
ステップ1404において、画像アップサンプリングを伴う光学的ウェハ特性評価が実行される。例えば、本開示全体で記載されているように、方法又は処理300のステップの内の1又は複数が、システム100及び/又はシステム200により実行され得る。
【0105】
ステップ1406において、1又は複数の製造プロセスに1又は複数の調整を行うための1又は複数の制御信号が決定される。例えば、方法又は処理300のステップの1又は複数により生成された1又は複数のアップサンプリングされた画像に基づいて、1又は複数の制御信号が決定され得る。別の例において、方法又は処理300のステップの1又は複数により生成された1又は複数の差分画像に基づいて、1又は複数の制御信号が決定され得る(例えば、1又は複数のアップサンプリングされた画像に基づいて、1又は複数の制御信号を決定することに代えて、又は加えて)。一般的に、システム100及び/又はシステム1500の1又は複数のコンポーネントの1又は複数の特徴を選択的に調整するように、1又は複数の制御信号は構成され得る。
【0106】
1又は複数の半導体製造ツール1502は、1又は複数のプロセッサ112及びメモリ114を有するコントローラ1504に通信可能に接続され得る。
【0107】
コントローラ1504は、システム100及び/又はシステム200に通信可能に接続され得る。ここで、コントローラ1504は、コントローラ110から分離されてもよく、直接、又は第三者サーバを介して、コントローラ110に通信可能に接続されてもよい。さらに、ここで、コントローラ110は、(例えばコントローラ1504が不要になるように)1又は複数の半導体製造ツール1502、システム100、及び/又はシステム200により共有され得ることに留意されたい。
【0108】
コントローラ1504は、システム100及び/又はシステム200から受信した入力に基づいて、フィードフォワード又はフィードバックループにおいて、1又は複数のプロセスツールの1又は複数の特徴を調整するように構成された1又は複数の制御信号を生成するように構成され得る。コントローラ1504は、ユーザインタフェース1506に接続され得る。
【0109】
1又は複数のプロセッサ112は、本件技術分野で公知の任意の1又は複数の処理要素を含み得る。その意味で、当該1又は複数のプロセッサ112は、ソフトウェアアルゴリズム及び/又は命令を実行するよう構成された任意のマイクロプロセッサ型デバイスを含み得る。1又は複数のプロセッサ112は、デスクトップコンピュータ、メインフレームコンピュータシステム、ワークステーション、イメージコンピュータ、並列プロセッサ又はその他のコンピュータシステム(例えば、ネットワーク接続されたコンピュータ)であり、本開示全体に記載の如く、システム100を動作させるよう構成されるプログラムを実行するよう構成され得る。本開示全体に記載のステップを単一コンピュータシステムにより実行してもよいし、或いは複数のコンピュータシステムにより実行してもよいことを理解されたい。さらに、本開示全体に記載のステップは、当該1又は複数のプロセッサ112のうち何れか1個又は複数個で実行され得る。概して、「プロセッサ」という用語は、メモリ114から得たプログラム命令を実行する処理要素を1又は複数有する任意のデバイスが包含されるよう、広義に定義され得る。さらに、システム100の様々なサブシステム(例えば、検出器アレイ108、処理ユニット132、ユーザインタフェース1506など)が、本開示全体に記載のステップのうち少なくとも一部分を実行するのに適するプロセッサ又は論理素子を含んでもよく、或いはこれらであってもよい。したがって、上掲の記述は、本開示に対する限定事項としてではなく、あくまで例示として解されるべきである。
【0110】
メモリ114は、関連する1又は複数のプロセッサ112により実行可能なプログラム命令と、測定サブシステムから受信したデータとを格納するのに適した、本件技術分野で公知の、任意の格納媒体を含み得る。例えば、メモリ114は非一時的記憶媒体を含み得る。例えば、メモリ114は、非限定的に、リードオンリメモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、磁気又は光記憶装置(例えばディスク)、磁気テープ、固体ドライブなどを含み得る。さらに、メモリ114は1又は複数のプロセッサ112と共に共通コントローラハウジング内に収容され得る。代替的実施形態において、メモリ114はプロセッサ112、コントローラ110、コントローラ1504などの物理的位置に対し遠隔配置され得る。別の実施形態において、メモリ114はプログラム命令を保持し、そのプログラム命令によって、1又は複数のプロセッサ112に本開示全体に記載の各種ステップを実行させ得る。
【0111】
実施形態において、ユーザインタフェース1506が、コントローラ1504に通信可能に接続される。実施形態において、ユーザインタフェース1506は非限定的に、1又は複数のデスクトップ、タブレット、スマートフォン、スマートウォッチなどを含み得る。別の実施形態において、ユーザインタフェース1506はディスプレイを有する。ディスプレイは、システム100のデータをユーザに表示するのに使用される。ユーザインタフェース1506のディスプレイは、本件技術分野で公知の任意のディスプレイを含み得る。そうしたディスプレイの例としては、非限定的に、液晶ディスプレイ(LCD)、有機発光ダイオード(OLED)式ディスプレイ又はCRTディスプレイが挙げられ得る。当業者には、ユーザインタフェース1506との統合が可能な任意のディスプレイデバイスが、本件開示での実装に適していることが理解されよう。別の実施形態において、ユーザは、ユーザインタフェース1506のユーザ入力デバイスを通じてユーザに表示されたデータに応じて、選択及び/又は命令を入力し得る。
【0112】
システム1500に関して本明細書で上述した実施形態と実現技術は、方法又は処理1400に適用されるものと解されるべきである。したがって、方法又は処理1400のステップはシステム1500により実行され得、方法又は処理1400は、システム1500のアーキテクチャで求められる、又は示唆される1又は複数のステップをさらに含み得る。但し、方法又は処理1400は、システム1500のアーキテクチャに限定されるものではなく、方法又は処理1400の1又は複数のステップ或いはその一部は、代替的なシステムコンポーネント及び/又はアーキテクチャで実行され得ることが理解されよう。さらに、方法又は処理1400のステップは、本明細書で別途言及しない限り、任意の順序で実行され得る。
【0113】
ここで、方法又は処理300、1400は、記載のステップ及び/又はサブステップに限定されないことに留意されたい。方法又は処理300、1400に含まれるステップ及び/又はサブステップの数は、より多くとも、又はより少なくともよい。方法又は処理300、1400のステップ及び/又はサブステップは同時に実行され得る。方法又は処理300、1400のステップ及び/又はサブステップは順次実行され得、記載の順序又は記載のものと異なる順序が含まれ得る。したがって、上記説明は本開示の範囲を限定するものではなく、あくまで例示として解されるべきである。
【0114】
したがって、本開示は従来のシステム及び方法に対して多くの利点を有する。本開示の利点は、画像アップサンプリングを伴う光学的ウェハ特性評価システム及び方法に関する。本開示の利点はさらに、アップサンプリングにより大きなピクセルを使用して、同等の小ピクセル感度を実現することによる、スループットと、感度とのトレードオフ改善に関する。本開示の利点はさらに、検出器により結像された光学的画像の信号雑音比(SNR)を改善するのに利用可能な空間周波数フィルタ又は帯域制限フィルタ(BLF)に関する。本開示の利点はさらに、アンチエイリアシング技術に関する。
【0115】
当業者であれば、本明細書に記載の各種構成要素(例えば、動作)、デバイス、物体及びそれらに付随する記載は概念的明瞭性のため例として用いられており、様々な構成修正が想定されていることが理解されよう。従って、本明細書において、上述の具体的な例示及びそれに付随する記載は、それらのより一般的な分類を表すことを意図している。具体的に、任意の具体的例示の使用は、その分類を表すことを意図しており、具体的な構成要素(例えば、動作)、デバイス及び物体が含まれていないことを限定として捉えるべきではない。
【0116】
当業者であれば、本明細書に記載のプロセス及び/又はシステム及び/又はその他のテクノロジを実行・実現可能な手段は各種存在し(例えば、ハードウェア、ソフトウェア及び/又はファームウェア)、どの手段が相応しいかは当該プロセス及び/又はシステム及び/又はその他のテクノロジが利用される状況によって変わるであろうことが理解されよう。例えば、速度及び正確性が肝要であると実施者が判断している場合、その実施者は主としてハードウェア的及び/又はファームウェア的な手段を選択するであろうし、一方柔軟性が肝要である場合は、実施者は主としてソフトウェア的な実現形態を選択するであろうし、その何れでもない場合は、実施者はハードウェア、ソフトウェア及び/又はファームウェアの何らかの組合せを選択するであろう。このように、本明細書に記載のプロセス及び/又は装置及び/又はその他のテクノロジを実行・実現可能な潜在的手段が幾通りかあるなか、何れかのものが他のものに比べ本質的に優れているわけではなく、どの手段を利用すべきかは、その手段が重用される状況や実施者の具体的懸念(例えば、速度、柔軟性又は予測可能性)といった、変転しうる事項によって左右される選択的事項となっている。
【0117】
上掲の記述は、当業者が本発明を具体的な用途及びその条件での文脈にて提示の如く実施及び使用可能とするため、提示されたものである。本明細書で用いられている方向指示語、例えば「頂」、「底」、「上方」、「下方」、「上寄り」、「上向き」、「下寄り」、「下降」及び「下向き」は、記述目的で相対位置を提示することを目的としており、絶対座標系を指定するものではない。様々な修正を記載の実施形態になし得ることは、当業者には明らかであろう。また、本明細書にて規定されている一般的原理は別の実施形態にも適用することができる。このように、本発明は、図示及び記述されている具体的実施形態に限定されることは意図されず、本明細書に開示の原理及び新規特徴と符合する最大限の技術的範囲に紐づけられるべきものである。
【0118】
本明細書におけるほぼ全ての複数形及び/または単数形の使用に関して、当業者であれば、文脈及び/または用途に適するように、複数形から単数形に読み替える、かつ/または単数形から複数形に読み替えることができよう。明瞭化のため、ここでは様々な単数形/複数形の置き換えを明示的に説明することはない。
【0119】
ここに記載した方法は、すべて、メモリに方法実施形態の1又は複数の工程の結果を保存することを含むことができる。それらの結果は、ここに記載した結果のあらゆるものを含み得、当技術分野で公知の任意の方式で保存され得る。メモリは、本明細書に記載したあらゆるメモリでも、或いは当技術分野で公知の他のあらゆる適切な記憶媒体も含み得る。該結果が保存された後、結果は、メモリ中でアクセスでき、ここに記載したどの方法或いはシステムの実施形態によっても使用することができ、さらに、ユーザ向けのディスプレイ用にフォーマットし、別のソフトウェア・モジュール、方法、或いはシステムなどで使用できる。さらに、この結果は、「永久に」、「半永久に」、「一時的に」、或いはある期間保存できる。例えば、メモリは、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)でもよいが、これらの結果は必ずしも無期限にメモリに存続するとは限らない。
【0120】
さらに、上述した方法の実施形態それぞれは、本明細書に記載されている他の何れかの方法(群)の他の何れかのステップ(群)を組み込み得ると考えられる。加えて、上述した方法の実施形態それぞれを、本明細書記載のシステムの何れで実行してもよい。
【0121】
本明細書において説明された主題は、場合によっては、別のコンポーネントの内部に含まれた、または別のコンポーネントと関係した、異なるコンポーネントを示し得る。このように描写されたアーキテクチャは単に典型的であるにすぎず、実際、同一の機能性を達成する他の多くのアーキテクチャを実装できることを理解されたい。概念的な意味では、同一の機能性を達成するコンポーネントから成る任意の構成は、所望の機能が達成されるように効果的に「関連付けられる」。したがって、特定の機能性を達成するために本明細書において組み合わされた任意の2つのコンポーネントは、アーキテクチャまたは介在するコンポーネントに関係なく、所望の機能性が達成されるように互いに「関連付けられている」とみなすことができる。同様にして、このように関連付けられた任意の2つのコンポーネントも、所望の機能性を達成するために、互いに「接続されている」、または「結合されている」とみなすことができ、このように関連付けることができる任意の2つのコンポーネントも、所望の機能性を達成するために、互いに「結合可能」とみなすことができる。動作可能に結合可能の具体例としては、非限定的に、物理的にはめ合い可能なコンポーネントおよび/もしくは物理的にやり取りするコンポーネント、ならびに/または無線でやり取り可能なコンポーネントおよび/もしくは無線でやり取りするコンポーネント、ならびに/または論理的にやり取りするコンポーネントおよび/もしくは論理的にやり取り可能なコンポーネントが挙げられる。
【0122】
さらに、本発明は添付の特許請求の範囲によって定義されることを理解されたい。当業者には理解されるように、一般的に、本明細書、特に、添付の請求項(例えば、添付の請求項の本文)において使用される用語は、「オープンな」用語(例えば、「including(~を含む)」という用語は、「including but not limited to(これに限定されないが~を含む)」と解釈されるべきであり、「having(~を有する)」という用語は、「having at least(~を少なくとも有する)」と解釈されるべきであり、「includes(含む)」という用語は、「includes but not limited to(これに限定されないが~を含む)」と解釈されるべきであるなど)として用いられる。さらに、当業者には理解されるように、特定の数の項目を請求項で列挙しようとする場合、このような列挙は、請求項に明示的に記載されることになり、このような列挙が行われない場合は、このような列挙は、請求項には記載されない。例えば、理解し易くするために、添付の請求項では、項目を請求項で列挙するために「at least one(少なくとも1つの)」及び「one or more(1又は複数の)」という導入句を使用することができる。しかしながら、このような語句の使用は、項目を請求項で不定冠詞「a」または「an」によって列挙することにより、請求項で列挙されるこのような項目を含むいずれの特定の請求項も、同じ請求項が導入句「one or more(1又は複数の)」または「at least one(少なくとも1つの)」、及び「a」または「an」のような不定冠詞を含んでいる場合でも、列挙される項目を1つしか含んでいない実施形態に限定されてしまうものと解釈されてはならない(例:「a」及び/または「an」は、「at least one(少なくとも1つの)」または「one or more(1又は複数の)」を意味するものと解釈されるべきである)。同じことが、項目を請求項で列挙するために使用される定冠詞の用法についても言える。また、特定の数の項目が請求項で明示的に列挙される場合でも、この技術分野の当業者であれば、このような列挙が、列挙される数以上の数を意味すると解釈されるべきであることを理解できるであろう(例えば、他に修飾語が付いていない単に「two recitations(2つの項目)」の列挙は、少なくとも2つの項目、または2つ以上の項目を意味する)。さらに、「at least one of A, B, and C, or the like(A、B、及びCなどのうちの少なくとも1つ)」に類似した慣例句が使用される例では、一般的に、そのような並びの語句は、当業者が慣例句を理解している意味で用いられる(例えば、「a system having at least one of A, B, and C(A、B、及びCのうちの少なくとも1つを有するシステム)」は、これらには限定されないが、Aのみ、Bのみ、Cのみ、A及びBを共に、A及びCを共に、B及びCを共に、かつ/またはA、B、及びCを全て有するシステムなどを含む)。「at least one of A, B, or C, or the like(A、B、またはCなどのうちの少なくとも1つ)」に類似した慣例句が使用される例では、一般的に、そのような並びの語句は、この技術分野の当業者が慣例句を理解している意味で用いられる(例えば、「a system having at least one of A, B, or C(A、B、またはCのうちの少なくとも1つを有するシステム)」は、これらには限定されないが、Aのみ、Bのみ、Cのみ、A及びBを共に、A及びCを共に、B及びCを共に、かつ/またはA、B、及びCを全て有するシステムなどを含む)。さらに、当業者には、2つ以上の選択項目があることを表すほぼ全ての離接語及び/または語句は、詳細な説明、請求項、または図面に含まれているかどうかに関係なく、これらの項目のうちの1つの項目、いずれかの項目、または両方の項目を含んでいる可能性があると考えられることを理解すべきである。例えば、「A or B(AまたはB)」という語句は、「A」、「B」、または「A and B(A及びB)」である可能性を含んでいることが理解されよう。
【0123】
本件開示及びそれに付随する長所の多くについては上掲の記述により理解できるであろうと考える。また、開示される主題から逸脱することなく或いはその主要な長所全てを損なうことなく構成要素の形態、構成及び配置に様々な改変を施せることも明らかであろう。記述されている形態はあくまで説明用のものであり、後掲の特許請求の範囲の意図はそうした改変を包括、包含することにある。さらに、本発明を定義するのは添付の特許請求の範囲であることが理解されたい。
【国際調査報告】