(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-11
(54)【発明の名称】イオンエネルギー制御を伴うプラズマ励起
(51)【国際特許分類】
H05H 1/46 20060101AFI20240604BHJP
H01L 21/3065 20060101ALI20240604BHJP
H01L 21/31 20060101ALI20240604BHJP
C23C 16/509 20060101ALI20240604BHJP
【FI】
H05H1/46 R
H01L21/302 101B
H01L21/31 C
H05H1/46 M
C23C16/509
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023572682
(86)(22)【出願日】2022-04-13
(85)【翻訳文提出日】2024-01-19
(86)【国際出願番号】 US2022024678
(87)【国際公開番号】W WO2022256086
(87)【国際公開日】2022-12-08
(32)【優先日】2021-06-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ヤン, ヤン
(72)【発明者】
【氏名】クオ, ユエ
(72)【発明者】
【氏名】ラーマスワーミ, カーティク
【テーマコード(参考)】
2G084
4K030
5F004
5F045
【Fターム(参考)】
2G084AA02
2G084AA05
2G084AA08
2G084BB23
2G084CC12
2G084DD02
2G084DD15
2G084DD23
2G084DD24
2G084DD38
2G084FF04
2G084FF06
2G084FF38
4K030FA03
4K030KA30
4K030KA41
4K030LA15
5F004BA09
5F004BB12
5F004BB13
5F004BB18
5F004BB22
5F004BB23
5F004BB25
5F004BB26
5F004BB29
5F004BD04
5F004CA03
5F004CA04
5F004CA06
5F045AA08
5F045AA15
5F045AD01
5F045DP03
5F045DQ10
5F045EE17
5F045EF05
5F045EH05
5F045EH12
5F045EK07
5F045EM05
(57)【要約】
本明細書で提供される実施形態は、概して、処理チャンバにおける基板のプラズマ処理のための波形の生成のための装置、プラズマ処理システムおよび方法を含む。一実施形態は、出力ノードに選択的に結合される電圧源を有する、波形ジェネレータを含み、この場合、出力ノードは、処理チャンバ内に配設された電極に結合されるように構成され、かつ、出力ノードは、接地ノードに選択的に結合される。波形ジェネレータはまた、高周波(RF)信号ジェネレータと、RF信号ジェネレータと出力ノードとの間に結合された第1のフィルタとを含み得る。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラズマ処理のための波形ジェネレータであって、
出力ノードに選択的に結合された電圧源であって、
前記出力ノードが、処理チャンバ内に配設された電極に結合されるように構成され、
前記出力ノードが、接地ノードに選択的に結合される、
電圧源と、
高周波(RF)信号ジェネレータと、
前記RF信号ジェネレータと前記出力ノードとの間に結合された第1のフィルタと
を備える、波形ジェネレータ。
【請求項2】
前記波形ジェネレータが、前記出力ノードに前記電圧源と前記接地ノードとを選択的に結合することによって、パルス電圧信号を生成するように構成され、前記RF信号ジェネレータが、前記パルス電圧信号上にオーバーレイされるRF信号を生成するように構成された、請求項1に記載の波形ジェネレータ。
【請求項3】
前記第1のフィルタが、ハイパスフィルタを含む、請求項1に記載の波形ジェネレータ。
【請求項4】
前記電圧源が、スイッチを介して前記出力ノードに選択的に結合される、請求項1に記載の波形ジェネレータ。
【請求項5】
前記接地ノードが、スイッチを介して前記出力ノードに選択的に結合される、請求項1に記載の波形ジェネレータ。
【請求項6】
前記電圧源と前記出力ノードとの間に結合された第2のフィルタをさらに備える、請求項1に記載の波形ジェネレータ。
【請求項7】
前記接地ノードと前記出力ノードとの間に結合された第2のフィルタをさらに備える、請求項1に記載の波形ジェネレータ。
【請求項8】
前記第2のフィルタが、ローパスフィルタを含む、請求項7に記載の波形ジェネレータ。
【請求項9】
前記ローパスフィルタが、誘導性要素と並列な容量性要素を備える、請求項8に記載の波形ジェネレータ。
【請求項10】
前記出力ノードに結合された電流源と、
前記電流源と前記出力ノードとの間に結合された第2のフィルタと
をさらに備える、請求項1に記載の波形ジェネレータ。
【請求項11】
第1の位相中に前記出力ノードに前記電圧源を結合するように構成された第1のスイッチと、
第2の位相中に前記出力ノードに前記接地ノードを結合するように構成された第2のスイッチと
をさらに備え、前記第1のスイッチおよび前記第2のスイッチが、第3の位相中に前記出力ノードから前記電圧源および前記接地ノードを結合解除するようにさらに構成され、前記RF信号ジェネレータが、前記第3の位相中に前記出力ノードに結合される、請求項10に記載の波形ジェネレータ。
【請求項12】
前記電流源と前記接地ノードとの間に結合されたインピーダンスをさらに備える、請求項10に記載の波形ジェネレータ。
【請求項13】
前記インピーダンスが、誘導性要素と抵抗要素とを備える、請求項12に記載の波形ジェネレータ。
【請求項14】
波形生成のための装置であって、
メモリと、
前記メモリに結合された1つまたは複数のプロセッサと
を備え、前記メモリおよび前記1つまたは複数のプロセッサは、
波形の第1の位相中に出力ノードに電圧源を結合することであって、前記出力ノードが、処理チャンバ内に配設された電極に結合される、出力ノードに電圧源を結合することと、
前記波形の第2の位相中に前記出力ノードに接地ノードを結合すること
を行うように構成され、高周波(RF)信号ジェネレータが、前記第1の位相中にフィルタを通して前記出力ノードに結合される、
装置。
【請求項15】
電流源が、前記波形の第3の位相中に前記出力ノードに結合され、前記電圧源および前記接地ノードが、前記第3の位相中に前記出力ノードから結合解除される、請求項14に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施形態は、一般に、半導体デバイス製造において使用されるシステムに関する。より詳細には、本開示の実施形態は、基板を処理するために使用されるプラズマ処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
高アスペクト比特徴を確実に作り出すことは、次世代の半導体デバイスについての主要技術課題のうちの1つである。高アスペクト比特徴を形成する1つの方法は、プラズマ支援エッチングプロセスを使用し、プラズマ支援エッチングプロセスでは、プラズマが処理チャンバ中に形成され、プラズマからのイオンが、基板の表面に向かって加速されて、基板の表面上に形成されたマスク層の下に配設された材料層中に開口を形成する。
【0003】
一般的なプラズマ支援エッチングプロセスでは、基板は、処理チャンバ中に配設された基板支持体上に配置され、プラズマが基板の上に形成され、イオンが、プラズマと基板の表面との間に形成された、プラズマシース、すなわち、電子が枯渇した領域を横切って、基板に向かってプラズマから加速される。
【0004】
プラズマ処理チャンバ中の電極のうちの1つまたは複数に、RF信号を含んでいる正弦波形を供給するにすぎない、従来のRFプラズマ支援エッチングプロセスは、シース特性と生成されたイオンエネルギーとを適切にまたは望ましく制御せず、これは望ましくないプラズマ処理結果につながることがわかっている。望ましくない処理結果は、マスク層の過剰なスパッタリングと、高アスペクト比特徴における側壁欠陥の生成とを含むことがある。
【0005】
したがって、当技術分野では、望ましいプラズマ支援エッチングプロセス結果を提供することが可能である、プラズマ処理およびバイアス方法が必要である。
【発明の概要】
【0006】
本明細書で提供される実施形態は、概して、処理チャンバにおける基板のプラズマ処理のための波形の生成のための装置、プラズマ処理システムおよび方法を含む。
【0007】
本開示の一実施形態は、プラズマ処理のための波形ジェネレータを対象とする。本波形ジェネレータは、概して、出力ノードに選択的に結合された電圧源であって、出力ノードが、処理チャンバ内に配設された電極に結合されるように構成され、出力ノードが、接地ノードに選択的に結合される、電圧源と、高周波(RF)信号ジェネレータと、RF信号ジェネレータと出力ノードとの間に結合された第1のフィルタとを含む。
【0008】
本開示の一実施形態は、波形生成のための方法を対象とする。本方法は、概して、波形の第1の位相中に出力ノードに電圧源を結合することであって、出力ノードが、処理チャンバ内に配設された電極に結合される、出力ノードに電圧源を結合することと、波形の第2の位相中に出力ノードに接地ノードを結合することであって、RF信号ジェネレータが、フィルタを通して出力ノードに結合される、出力ノードに接地ノードを結合することとを含む。
【0009】
本開示の一実施形態は、波形生成のための装置を対象とする。本装置は、概して、メモリと、メモリに結合された1つまたは複数のプロセッサとを含む。メモリおよび1つまたは複数のプロセッサは、波形の第1の位相中に出力ノードに電圧源を結合することであって、出力ノードが、処理チャンバ内に配設された電極に結合される、出力ノードに電圧源を結合することと、波形の第2の位相中に出力ノードに接地ノードを結合することであって、RF信号ジェネレータが、フィルタを通して出力ノードに結合される、出力ノードに接地ノードを結合することとを行うように構成される。
【0010】
本開示の上記で具陳された特徴が詳細に理解され得るように、上記で手短に要約された本開示のより詳細な説明は、添付の図面にその一部が示されている実施形態を参照することによってなされ得る。しかしながら、添付の図面は、例示的な実施形態を示すにすぎず、したがって、その範囲の限定と見なされるべきでなく、他の等しく有効な実施形態を認め得ることに留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本明細書に記載される方法を実践するように構成された、1つまたは複数の実施形態による、処理システムの概略断面図である。
【
図2A】1つまたは複数の実施形態による、処理チャンバの電極に印加され得る電圧波形を示す図である。
【
図2B】処理チャンバの電極に印加された電圧波形により基板上に確立される電圧波形を示す図である。
【
図3A】単一周波数励起波形を使用するときの一般的なイオンエネルギー分布(IED)を示す図である。
【
図3B】本開示のいくつかの実施形態による、IED関数(IEDF)を示すグラフである。
【
図4】本開示のいくつかの実施形態による、波形ジェネレータを使用して生成される波形を示す図である。
【
図5】本開示のいくつかの態様による、IED制御を達成するために基板をバイアスするための波形ジェネレータの例示的な一実装形態を示す図である。
【
図6】本開示のいくつかの実施形態による、例示的なフィルタトポロジーを示す図である。
【
図7】本開示のいくつかの態様による、
図5の波形ジェネレータのスイッチの状態を示すタイミング図である。
【
図8】波形生成のための方法を示すプロセスフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
技術ノードが2nmに向けて進歩するにつれて、より大きいアスペクト比をもつより小さい特徴の製造は、プラズマ処理のための原子精度を伴う。プラズマイオンが重要な役割を果たすエッチングプロセスでは、イオンエネルギー制御が、半導体機器産業にとって課題である。旧来、RFバイアス技法は、プラズマを励起し、イオンを加速するために、正弦波を使用する。
【0013】
本開示のいくつかの実施形態は、概して、イオンエネルギー分布(IED)を制御するための波形を生成するための技法を対象とする。たとえば、パルス電圧波形および高周波(RF)波形が、本明細書でより詳細に説明されるように、低エネルギーピークと高エネルギーピークとの間の中間エネルギーをほとんどもたないIED関数における、低エネルギーピークと高エネルギーピークとを実装するために、プラズマチャンバ中の同じノードに印加され得る。高エネルギーピークに関連するイオンが、エッチングされている高アスペクト比特徴の底部に達し、エッチング反応を可能にする、エネルギーおよび方向性を有する。低エネルギーをもつイオンはエッチング中に特徴の底部に達することができないが、低エネルギーイオンは、依然として、エッチングプロセスにとって重要である。中間エネルギーをもつイオンは、所望の方向性を有せず、エッチングされている特徴の側壁に当たることになり、しばしば、エッチングされた特徴における側壁の望ましくないボーイング(bowing)を生じるので、中間エネルギーをもつイオンはエッチングプロセスにとって有益でない。いくつかの実施形態は、中間エネルギーイオンをほとんどもたない、高エネルギーピークと低エネルギーピークとを有する波形を生成するための技法を対象とする。
【0014】
プラズマ処理システム例
図1は、本明細書に記載されるプラズマ処理方法のうちの1つまたは複数を実施するように構成された処理システム10の概略断面図である。いくつかの実施形態では、処理システム10は、反応性イオンエッチング(RIE)プラズマ処理など、プラズマ支援エッチングプロセスのために構成される。しかしながら、本明細書で説明される実施形態はまた、プラズマ堆積プロセス、たとえば、プラズマ化学気相堆積(PECVD)プロセス、プラズマ物理的気相堆積(PEPVD)プロセス、プラズマ原子層堆積(PEALD)プロセス、プラズマ処置処理またはプラズマベースイオン注入処理、たとえば、プラズマドーピング(PLAD)処理など、他のプラズマ支援プロセスにおいて使用するために構成された処理システムとともに使用されることに留意されたい。
【0015】
示されているように、処理システム10は、容量結合プラズマ(CCP)を形成するように構成され、処理チャンバ100が、処理ボリューム129中に配設された上側電極(たとえば、チャンバリッド123)を含み、上側電極は、同じく処理ボリューム129中に配設された下側電極(たとえば、基板支持アセンブリ136)に対向する。一般的な容量結合プラズマ(CCP)処理システムでは、高周波(RF)源が、上側電極または下側電極のうちの1つに電気的に結合され、RF信号を供給し、RF信号は、上側電極および下側電極の各々に容量結合され、上側電極と下側電極との間の処理領域中に配設される、プラズマ(たとえば、プラズマ101)に点火し、プラズマを維持するように構成される。一般に、上側電極または下側電極のうちの対向する1つは、接地に、または追加のプラズマ励起のための第2のRF電源に結合される。示されているように、処理システム10は、処理チャンバ100と、支持アセンブリ136と、システムコントローラ126とを含む。
【0016】
処理チャンバ100は、一般に、集合的に処理ボリューム129を画定する、チャンバリッド123と、1つまたは複数の側壁122と、チャンバベース124とを含む、チャンバ本体113を含む。1つまたは複数の側壁122およびチャンバベース124は、概して、処理チャンバ100の要素のための構造的支持体を形成するようにサイズ決定および整形された材料を含み、プラズマ101が、処理中に処理チャンバ100の処理ボリューム129において維持された真空環境内で生成される間、1つまたは複数の側壁122およびチャンバベース124に印加される圧力および追加されたエネルギーに耐えるように構成される。一例では、1つまたは複数の側壁122およびチャンバベース124は、アルミニウム、アルミニウム合金、またはステンレス鋼合金など、金属から形成される。
【0017】
チャンバリッド123を通って配設されたガス入口128が、処理ボリューム129と流体連結している処理ガス源119から、処理ボリューム129に、1つまたは複数の処理ガスを供給するために使用される。基板103が、基板103のプラズマ処理中にスリットバルブ(図示せず)で密封される、1つまたは複数の側壁122のうちの1つ中の開口(図示せず)を通って、処理ボリューム129中にロードされ、処理ボリューム129から除去される。
【0018】
いくつかの実施形態では、基板支持アセンブリ136中に形成された開口を通って移動可能に配設された複数のリフトピン20が、基板支持表面105Aへのおよび基板支持表面105Aからの基板移送を容易にするために使用される。いくつかの実施形態では、複数のリフトピン20は、処理ボリューム129中に配設されたリフトピンフープ(図示せず)の上方に配設され、リフトピンフープに結合され、および/またはリフトピンフープと係合可能である。リフトピンフープは、チャンバベース124を通って密封的に延びるシャフト(図示せず)に結合され得る。シャフトは、リフトピンフープを上げ下げするために使用されるアクチュエータ(図示せず)に結合され得る。リフトピンフープが上げられた位置にあるとき、リフトピンフープは、複数のリフトピン20と係合して、基板支持表面105Aより上にリフトピンの上面を上げ、基板支持表面105Aから基板103を持ち上げ、ロボットハンドラ(図示せず)による基板103の非アクティブ(裏側)表面へのアクセスを可能にする。リフトピンフープが下げられた位置にあるとき、複数のリフトピン20は、基板支持表面105Aと面一であるか、または基板支持表面105Aより下に引っ込められ、基板103は、基板支持表面105A上に載る。
【0019】
本明細書では処理チャンバコントローラとも呼ばれる、システムコントローラ126は、中央処理ユニット(CPU)133と、メモリ134と、サポート回路135とを含む。システムコントローラ126は、本明細書で説明される基板バイアス方法を含む、基板103を処理するために使用されるプロセスシーケンスを制御するために使用される。CPU133は、処理チャンバと処理チャンバに関係するサブプロセッサとを制御するための産業用設定において使用するために構成された汎用コンピュータプロセッサである。概して不揮発性メモリである、本明細書で説明されるメモリ134は、ランダムアクセスメモリ、読取り専用メモリ、フロッピーまたはハードディスクドライブ、あるいはローカルまたはリモートの他の好適な形態のデジタルストレージを含み得る。サポート回路135は、従来、CPU133に結合され、キャッシュ、クロック回路、入出力サブシステム、電源などと、それらの組合せとを備える。ソフトウェア命令(プログラム)およびデータが、CPU133内のプロセッサに命令するために、コーディングされ、メモリ134内に記憶され得る。システムコントローラ126中のCPU133によって可読なソフトウェアプログラム(またはコンピュータ命令)が、どのタスクが処理システム10中の構成要素によって実施可能であるかを決定する。
【0020】
一般に、システムコントローラ126中のCPU133によって可読であるプログラムは、プロセッサ(CPU133)によって実行されたとき、本明細書で説明されるプラズマ処理方式に関係するタスクを実施する、コードを含む。プログラムは、本明細書で説明される方法を実装するために使用される様々なプロセスタスクおよび様々なプロセスシーケンスを実施するように処理システム10内の様々なハードウェアおよび電気構成要素を制御するために使用される、命令を含み得る。一実施形態では、プログラムは、
図8に関して以下で説明される動作のうちの1つまたは複数を実施するために使用される命令を含む。
【0021】
プラズマ制御システムは、概して、バイアス電極104において少なくとも第1のパルス電圧(PV)波形を確立するための第1のソースアセンブリ(source assembly)196と、エッジ制御電極115において少なくとも第2のPV波形を確立するための第2のソースアセンブリ197とを含む。第1のPV波形または第2のPV波形は、
図4および
図5に関して本明細書でより詳細に説明される波形ジェネレータに対応し得る、波形ジェネレータアセンブリ150内の1つまたは複数の構成要素を使用して生成され得る。いくつかの実施形態では、波形ジェネレータは、基板支持アセンブリ136とチャンバリッド123との間に配設された処理領域においてプラズマ101を生成する(プラズマ101を維持するおよび/またはプラズマ101に点火する)ために使用され得る、支持ベース107(たとえば、電力電極またはカソード)またはバイアス電極104に、RF信号を供給する。
【0022】
いくつかの実施形態では、RF信号は、処理ボリューム129中に配設された処理ガスと、支持ベース107および/またはバイアス電極104に供給されたRF電力(RF信号)によって生成された電界とを使用して、処理プラズマ101に点火し、処理プラズマ101を維持するために使用される。いくつかの態様では、RF信号は、波形ジェネレータアセンブリ150によって生成され得る。処理ボリューム129は、真空出口120を通って1つまたは複数の専用真空ポンプに流動的に結合され、これは、準大気圧条件に処理ボリューム129を維持し、処理ボリューム129から、処理ガスおよび/または他のガスを排気する。いくつかの実施形態では、処理ボリューム129中に配設された基板支持アセンブリ136は、接地され、チャンバベース124を通って延びる、支持シャフト138上に配設される。波形ジェネレータアセンブリ150は、
図5に示されているように、RFジェネレータ506を含み得る。
図5に示されているように、RFジェネレータ506は、いくつかの実施形態では、RF信号源580とRFマッチングネットワーク582とを使用して実装され得る。いくつかの実施形態では、以下でさらに説明されるように、RFジェネレータ506は、約40MHzから約200MHzの間のなど、40MHzよりも大きい周波数を有するRF信号を供給するように構成される。
【0023】
上記で手短に説明された基板支持アセンブリ136は、概して、基板支持体105(たとえば、ESC基板支持体)と、支持ベース107とを含む。いくつかの実施形態では、基板支持アセンブリ136は、以下でさらに説明されるように、絶縁体プレート111と接地プレート112とをさらに含むことができる。支持ベース107は、絶縁体プレート111によってチャンバベース124から電気的に絶縁され、接地プレート112は、絶縁体プレート111とチャンバベース124との間に挿入される。基板支持体105は、支持ベース107に熱結合され、支持ベース107上に配設される。いくつかの実施形態では、支持ベース107は、基板処理中に、基板支持体105と、基板支持体105上に配設された基板103との温度を調節するように構成される。いくつかの実施形態では、支持ベース107は、支持ベース107中に配設された1つまたは複数の冷却チャネル(図示せず)を含み、1つまたは複数の冷却チャネルは、比較的高い電気抵抗を有する冷媒源または水源など、冷却剤源(図示せず)に流動的に結合され、冷却剤源と流体連結している。いくつかの実施形態では、基板支持体105は、基板支持体105の誘電体材料中に埋め込まれた抵抗加熱要素(resistive heating element)など、ヒータ(図示せず)を含む。本明細書では、支持ベース107は、耐腐食性金属、たとえば、アルミニウム、アルミニウム合金、またはステンレス鋼など、耐腐食性熱導電性材料から形成され、接着剤でまたは機械的手段によって基板支持体に結合される。
【0024】
一般に、基板支持体105は、耐腐食性金属酸化物または金属窒化物材料、たとえば、酸化アルミニウム(Al2O3)、窒化アルミニウム(AlN)、酸化チタン(TiO)、窒化チタン(TiN)、酸化イットリウム(Y2O3)、それらの混合物、またはそれらの組合せなど、バルク焼結セラミック材料など、誘電体材料から形成される。本明細書の実施形態では、基板支持体105は、基板支持体105の誘電体材料中に埋め込まれたバイアス電極104をさらに含む。
【0025】
一構成では、バイアス電極104は、基板支持体105の基板支持表面105Aに基板103を固定する(すなわち、チャックする)ために、および本明細書で説明されるパルス電圧バイアス方式のうちの1つまたは複数を使用して処理プラズマ101に関して基板103をバイアスするために使用されるチャッキング極である。一般に、バイアス電極104は、1つまたは複数の金属メッシュ、フォイル、プレート、またはそれらの組合せなど、1つまたは複数の導電性部分から形成される。
【0026】
いくつかの実施形態では、バイアス電極104は、クランピングネットワークに電気的に結合され、クランピングネットワークは、同軸電力供給ライン106(たとえば、同軸ケーブル)など、電気導体を使用して、約-5000Vから約5000Vの間の静的DC電圧など、チャッキング電圧をバイアス電極104に提供する。以下でさらに説明されるように、クランピングネットワークは、DC電源155(たとえば、高電圧DC(HVDC)電源)と、フィルタ151(たとえば、ローパスフィルタ)とを含む。
【0027】
基板支持アセンブリ136は、エッジ制御電極115をさらに含み得、エッジ制御電極115は、エッジリング114の下方に配置され、バイアス電極104を囲み、および/またはバイアス電極104の中心からある距離に配設される。概して、円形基板を処理するように構成された処理チャンバ100の場合、エッジ制御電極115は、形状が環状であり、導電性材料から作られ、バイアス電極104の少なくとも一部分を囲むように構成される。
図1に示されているものなど、いくつかの実施形態では、エッジ制御電極115は、基板支持体105の領域内に配置される。いくつかの実施形態では、
図1に示されているように、エッジ制御電極115は、基板支持体105の基板支持表面105Aからバイアス電極104と同様の距離(すなわち、Z方向)に配設された、導電性メッシュ、フォイル、および/またはプレートを含む。
【0028】
エッジ制御電極115は、バイアス電極104をバイアスするために使用される波形ジェネレータアセンブリ150とは異なる、波形ジェネレータアセンブリの使用によってバイアスされ得る。いくつかの実施形態では、エッジ制御電極115は、波形ジェネレータアセンブリ150の使用によってバイアスされ得、波形ジェネレータアセンブリ150は、エッジ制御電極115への電力の一部を分割することによってバイアス電極104をバイアスするためにも使用される。一構成では、第1のソースアセンブリ196の第1の波形ジェネレータアセンブリ150が、バイアス電極104をバイアスするように構成され、第2のソースアセンブリ197の第2の波形ジェネレータアセンブリ150が、エッジ制御電極115をバイアスするように構成される。
【0029】
電力供給ライン157は、バイアス電極104に、第1のソースアセンブリ196の波形ジェネレータアセンブリ150の出力を電気的に接続する。以下の説明は、バイアス電極104に波形ジェネレータアセンブリ150を結合するために使用される、第1のソースアセンブリ196の電力供給ライン157について主に説明するが、エッジ制御電極115に波形ジェネレータアセンブリ150を結合する、第2のソースアセンブリ197の電力供給ライン158は、同じまたは同様の構成要素を含むことになる。電力供給ライン157の様々な部分内の(1つまたは複数の)電気導体は、(a)剛性同軸ケーブルと直列に接続されたフレキシブル同軸ケーブルなど、同軸ケーブルのうちの1つまたは組合せ、(b)絶縁高電圧耐コロナ性フックアップ線、(c)裸線、(d)金属棒、(e)電気コネクタ、あるいは(f)(a)~(e)における電気要素の任意の組合せを含み得る。
【0030】
いくつかの実施形態では、処理チャンバ100は、基板支持体105および/または支持ベース107が、腐食性の処理ガスまたはプラズマ、洗浄ガスまたはプラズマ、あるいはそれらの副産物と接触するのを防ぐために、基板支持アセンブリ136の部分に少なくとも部分的に外接する、石英パイプ110またはカラーをさらに含む。一般に、石英パイプ110、絶縁体プレート111、および接地プレート112は、ライナ108によって外接される。いくつかの実施形態では、プラズマスクリーン109が、カソードライナ108と側壁122との間に配置されて、プラズマが、ライナ108と1つまたは複数の側壁122との間のプラズマスクリーン109の下のボリューム中に形成するのを防ぐ。
【0031】
図2Aは、処理チャンバの電極において確立され得る電圧波形を示す。
図2Bは、
図2Aに示されている電圧波形と同様の、異なる電圧波形により基板において確立された異なるタイプの電圧波形225と電圧波形230との一例を示し、それらは、処理チャンバ内の電極において別々に確立される。それらの波形は、示されているように、2つのステージ、すなわち、イオン電流ステージとシース崩壊ステージとを含む。イオン電流ステージの始まりにおいて、基板電圧の降下が、基板の上方に高電圧シースを作成し、基板に対して正イオンを加速する。イオン電流ステージ中に基板の表面に衝撃を与える正イオンは、基板表面上に正電荷を堆積させ、これは、補償されていない場合、
図2B中の電圧波形225によって示されているように、イオン電流ステージ中に基板電圧を正に徐々に増加させることを引き起こす。しかしながら、基板表面上での正電荷の制御されない蓄積は、シースキャパシタおよびチャックキャパシタを望ましくなく徐々に放電し、電圧波形225によって示されているように、シース電圧降下を緩やかに減少させ、基板電位を0により近づける。正電荷の蓄積は、基板において確立される電圧波形中に電圧ドループを生じる(
図2B)。しかしながら、
図2Aに示されているように、イオン電流ステージ中に負の傾斜を有する、電極において確立される電圧波形が、
図2B中の曲線230によって示されているように、確立される基板電圧波形について正方形の領域(たとえば、ほぼ0の傾斜)を確立するように生成され得る。イオン電流ステージ中に電極において確立される波形における傾斜を実装することは、電流補償と呼ばれることがある。イオン電流位相の始まりと終わりとの間の電圧差が、イオンエネルギー分布関数(IEDF)幅を決定する。電圧差が大きいほど、IEDF幅は広くなる。モノエネルギー性(monoenergetic)イオンとより狭いIEDF幅とを達成するために、電流補償を使用してイオン電流位相における基板電圧波形を平坦化するための動作が実施される。本開示のいくつかの実施形態では、RF信号が、
図2Aに示されている電圧波形上にオーバーレイされる。
【0032】
波形生成のための生成技法
現在のいくつかの実施形態は、概して、エッチングされた高アスペクト比特徴中に形成される望ましくないIEDボーイングプロファイルを低減しながら、同時のプラズマ生成とイオンエネルギー分布(IED)制御とを使用して基板のプラズマ処理を容易にする、波形生成のための技法を対象とする。たとえば、パルス電圧(PV)波形が、RF信号がPV波形上にオーバーレイされて、生成され得る。いくつかの実施形態では、生成された波形は、本明細書で説明されるように、電流補償を容易にするためのランプ信号をも含み得る。
【0033】
図3Aは、単一RF周波数励起波形を使用するときの一般的なIEDを示す。示されているように、IEDは、高エネルギーピーク306と、低エネルギーピーク302と、(たとえば、中間エネルギー領域304に関連する)中間エネルギーイオンとを有する、バイモーダル形状を有する。プラズマエッチングプロセスの見地から、高エネルギーピークにおけるまたは高エネルギーピークの近くのイオンのみが、エッチングされている材料中に作成されるイオン生成帯電効果を克服し、特徴の底部に達し、エッチング反応を可能にするための、エネルギーおよび方向性を有する。中間エネルギーをもつイオンは、方向性を有せず、特徴の側壁に当たる傾向があることになり、しばしば、望ましくないIEDボーイングプロファイルを生じるので、中間エネルギーをもつイオンはエッチングプロセスにとって有益でない。低エネルギーをもつイオンは、マスク表面を洗浄し、マスク層の形状を維持し、孔の詰まりを防ぐので、低エネルギーをもつイオンはエッチングプロセスにとって重要である。本開示のいくつかの実施形態は、高エネルギーピークと低エネルギーピークとを有し、高エネルギーピークと低エネルギーピークとの間に中間エネルギーをほとんどもたない、エネルギープロファイルを作成することを対象とする。
【0034】
図3Bは、本開示のいくつかの実施形態による、IED関数(IEDF)を示すグラフである。示されているように、IEDFは、低エネルギーピーク301と高エネルギーピーク303とを含む。低エネルギーピークに関連するエネルギーは、数百eVよりも小さい(たとえば、1K eVよりも小さい)ことがあり、高エネルギーピークに関連するエネルギーは、基板中に形成されるべき特徴のアスペクト比に応じて、数百eV~数万eVであり得る。たとえば、いくつかの場合には、高エネルギーピークに関連するエネルギーは、4k eVから10k eVの間であり得る。示されているように、低エネルギーピーク301と高エネルギーピーク303との間にイオンが存在しない(または少なくとも従来の実装よりも少ない)。いくつかの実施形態は、本明細書でより詳細に説明されるように、波形調整技法を使用して
図3Bに示されているイオンエネルギー分布を実装するための技法を対象とする。
【0035】
図4は、本開示のいくつかの実施形態による、波形ジェネレータを使用して生成される波形400を示す。示されているように、波形400は、波形領域401と波形領域405とを含む。波形領域401は、RF信号404でオーバーレイされた直流(DC)信号を含み、波形領域405は、RF信号404でオーバーレイされた(たとえば、電流補償のための)電圧ランプを含む。
【0036】
RF信号404は、チャンバ中のプラズマを持続させ、
図3Bに関して説明された低エネルギーピーク301を作り出す。RF信号404は、いくつかの実施形態では、40MHzから200MHzの間の周波数を有し得る。RF信号404の周波数は、イオンシース移動周波数(ion sheath transit frequency)よりも高いことがある。この場合、シース厚さを横切る平均イオン移動時間は、RF信号404の周期よりも長く、イオンが、RF信号404の複数のサイクルを経験し、複数のサイクルに関連する平均エネルギーを取得して、低エネルギーピーク301を作成することを生じる。したがって、イオンは、RF信号404によって引き起こされた平均シース電位によって加速され、したがって、単一イオンエネルギーピークが達成される。高周波数RF励起は、モノエネルギーピークをもつイオンを作り出す。言い換えれば、シースを横切って進むイオンは、RF信号404によって駆動された平均シース電位を経験し、連続エネルギー分布ではなく、単一イオンエネルギーピークを作成する。
【0037】
パルス波形サイクルの一部分中に、プラズマバルク電子が、パルスステップの立上りエッジ402により、基板(たとえば、基板103)の表面に引きつけられる。しかしながら、プラズマバルク電子は、より高いエネルギーピーク303を作り出すための負のDCシース電位を確立することができないことがある。基板表面および電極(たとえば、支持ベース107)は、(たとえば、静電チャックキャパシタ(C
esc)と呼ばれる)容量性要素を形成し、容量性要素は、いくつかの実施形態では、
図1に示されているように、バイアス電極104と基板支持表面105Aとの間に配設された基板支持体105の誘電体材料層を含む。(たとえば、基板上の負電荷と比較して)電極上の等しい量の正電荷があって、プラズマバルク電子によって生成された電界を打ち消す。波形400の立下りエッジ403において、イオンは、電極への波形の印加により、電子によって中和される。したがって、負のDCシース電位が、基板表面上に確立される。これは、より高いエネルギーピーク303の起点である。DCシース電位(Vdc)、またはより高いイオンエネルギーは、立下りエッジの大きさ(ΔV)と、C
escとシースキャパシタンス(C
sheath)との間の比とを使用して、以下の式に基づいて、近似され得る。
したがって、波形領域401は、チャンバ中で(たとえば、より低いエネルギーピーク301を作り出しながら)プラズマを持続させ、より高いエネルギーピーク303についてのDCシース電位を確立するように働く。
【0038】
入って来るイオンが基板表面上の電子を中和するので、DCシース電位は、補償の手段がない場合、減少する。したがって、基板に入射するイオンは、モノエネルギー性でなくなる。いくつかの実施形態では、電圧ランプが波形領域405中に実装されて、増加する量の電子を電極に与えて、入って来るイオンによる正電荷によって引き起こされる、さもなければ増加する電界を打ち消し、それにより、一定のシース電位(モノエネルギーピーク)を維持する。ランプを実装するためのDC供給電流が、イオン電流ステージ中に提供されるイオン電流を等化および補償するように制御され得る。イオン電流(I
ion)は、イオンエネルギー診断を使用することによって較正されるか、または、(たとえば、V0の時間導関数を計算するための)電極電圧(V0)と、シース電位の値とをサンプリングすることによって、以下の式に基づいて、計算される。
示されているように、RF信号404はまた、チャンバ中で(たとえば、より低いエネルギーピーク301を作り出しながら)プラズマを持続させることと、より高いエネルギーピーク303についてのDCシース電位を確立することとを続けるために、領域405中にランプ信号上にオーバーレイされ得る。
【0039】
図5は、本開示のいくつかの実施形態による、IED制御を達成するために基板をバイアスするための波形ジェネレータ500の例示的な一実装形態を示す。波形ジェネレータ500は、
図1に関して説明されたように、波形ジェネレータアセンブリ150を実装するために使用され得る。示されているように、波形ジェネレータ500は、
図4に関して説明された波形400を生成し得る。
【0040】
波形ジェネレータ500は、波形領域401中に正電圧を実装するための主電圧源502(たとえば、DC電圧源)と、波形領域405中にランプ電圧を実装するための電流源505と、RF信号404を提供するための(RF信号ジェネレータとも呼ばれる)RFジェネレータ506とを含む。波形ジェネレータ500は、出力ノード504において波形400を生成する。出力ノード504は、基板支持体105(たとえば、セラミックパック)中のバイアス電極104または支持ベース107に結合され得る。出力ノード504が支持ベース107に結合された場合、出力ノード504と基板103との間の総キャパシタンス(たとえば、1/Ctotal=1/Cesc+1/CSBであり、ここで、CSBは、支持ベース107とバイアス電極104との間に配設された誘電体層のキャパシタンスである)は、出力ノード504がバイアス電極104に結合された場合(たとえば、Cesc)よりも大きくなる。より大きいキャパシタンスは、Cescにわたるより低い電圧降下と、シース上でのより多くの電圧降下とを生じ得る。
【0041】
示されているように、スイッチ520(たとえば、高電圧固体リレー)が、主電圧源502と出力ノード504との間に結合され得、スイッチ522(たとえば、高電圧固体リレー)が、接地ノード508と出力ノード504との間に結合され得る。示されているように、RFフィルタ540は、電圧源502とスイッチ520との間の経路において実装され得、RFフィルタ542は、接地ノード508とスイッチ522との間の経路において実装され得、RFフィルタ544は、電流源505と出力ノード504との間に実装され得る。RFフィルタ540、542、544は、RFジェネレータ506から提供される(1つまたは複数の)RF信号をブロックするように構成された、ローパスフィルタとして実装され得る。電圧源502および電流源505は、RFジェネレータ506の出力から、それぞれのRFフィルタ540、544によって保護される。言い換えれば、RFフィルタ540、544は、RFジェネレータ506から提供される高周波数RF信号をブロックするように構成される。接地ノード508は、スイッチ522が閉じられたとき、RFフィルタ542(たとえば、ローパスフィルタ)によってRFジェネレータ506から隔てられる。いくつかの実施形態では、RFフィルタ540、542、544の各々は、
図6に示されているように、並列LCトポロジーとして実装され得る。
【0042】
図6は、容量性要素602と誘導性要素604とを有する、並列LCフィルタトポロジー600を示す。示されているように、容量性要素602は、誘導性要素604に並列に、およびノード610とノード612との間に結合され得る。RFフィルタ540、542、544の各々は、並列LCフィルタトポロジー600を使用して実装され得る。たとえば、RFフィルタ542の場合、ノード610は接地ノード508に結合され得、ノード612はスイッチ522に結合され得る。一例として、40MHz RF信号の場合、40MHz RF信号をブロックするために、容量性要素602は100ピコファラド(pF)であり得、誘導性要素604は158ナノヘンリー(nH)であり得る。言い換えれば、LCフィルタトポロジー600は、40MHz信号について開回路として効果的に働き、40MHz RF信号から、電圧源502、接地ノード508、または電流源505を隔てる、共振回路である。
【0043】
図7は、本開示のいくつかの実施形態による、(「S1」と標示された)スイッチ520と、(「S2」と標示された)スイッチ522との状態を示す、タイミング
図700である。示されているように、スイッチ520とスイッチ522とは、接地ノード508に電圧源502を電気的に短絡させることを回避するために、同時に閉じられない。いくつかの実施形態では、波形サイクル(たとえば、波形400のサイクル)の位相1中に、スイッチ520は、
図4に示されているように立上りエッジ402を作り出すために、閉じられ得る。スイッチ520は、十分な数の電子が基板表面において収集されることを可能にするために、20nsから2000nsの範囲に及ぶ期間の間、閉じられ得る。波形領域401に関連する期間の後に、波形サイクルの位相2中に立下りエッジ403を作り出すために、スイッチ520は開かれ得、スイッチ522は閉じられ得る。スイッチS1を開いた後に、スイッチS2は、10nsから100nsの範囲に及ぶ時間期間の間、閉じられ得る。
【0044】
いくつかの実施形態では、スイッチS1が閉じられる間の位相1中に、正電荷が、
図1に示されている基板103上に蓄積する。基板103上の電圧は、容量効果により、瞬時に変化することができない。したがって、位相2中に、スイッチS1が開かれ、スイッチS2が閉じられると、出力ノード504における(たとえば、
図1に示されている電極104における)電圧は、
図4に示されているように、正電圧から負電圧に降下する。正電圧から負電圧への降下は、負電荷が電極104上に形成して基板104上の正電荷を相殺することによるものであると考えられる。言い換えれば、基板103上の正電荷は、電極104に電子を引きつけ、スイッチS2の閉鎖時に出力ノード504における負電圧への降下を引き起こす。
【0045】
波形サイクルの位相3中に、両方のスイッチ520、522は開いたままである。
図5に示されているように、RFジェネレータ506および電流源505は、常に、出力ノード504に(たとえば、チャンバに)接続され得る。いくつかの実施形態では、ハイパスフィルタ546が、RFジェネレータ506と出力ノード504との間に結合され得る。ハイパスフィルタ546は、(たとえば、スイッチ520が閉じられたときの電流源505、電圧源502、またはスイッチ522が閉じられたときの接地ノード508によって引き起こされる)出力ノード504におけるDC成分から、RFジェネレータを隔てる。ハイパスフィルタ546は、いくつかの実施形態では、交流(AC)ブロッキングキャパシタとして実装され得る。
【0046】
いくつかの実施形態では、インピーダンス570が、スイッチ520が閉じたときに電流源505からの出力電流を分流させるために、電流源505の出力と接地ノードとの間に結合され得る。言い換えれば、急激なインピーダンス変化が、出力ノード504への電圧源502の結合により、発生し得る。インピーダンス570は、スイッチ520が閉じると、電流源505から接地への電流についての流路を提供し、立上りエッジ402の後の電流源505からの電流の徐々の減少を可能にする。示されているように、インピーダンス570は、誘導性要素574と抵抗要素572とを有する、インダクタ-抵抗器(RL)回路を使用して実装され得る。40MHz RF信号を使用するとき、誘導性要素のインピーダンスは2マイクロヘンリー(μH)であり得、抵抗要素572の抵抗は100オームであり得る。
【0047】
本開示の実施形態は、プロセスに好都合なデュアルピークIEDと、同時のプラズマ励起および持続を伴って、プラズマ処理チャンバについて基板表面上でそのようなIEDを達成するための方法とを提供する。旧来のイオンエネルギー制御技法と比較した、本開示の実施形態の1つの利点は、同時のプラズマ生成とIED制御とである。1つのPV波形サイクルが完了した後に、繰り返される第2の電圧波形サイクルの部分図によって
図4に示されているように、複数の追加のPV波形サイクルが、複数回連続的に繰り返されることになる。いくつかの実施形態では、電極において確立された電圧波形は、イオン電流時間期間(たとえば、波形領域405の長さ)と、波形周期T
P(たとえば、波形領域401の長さ+波形領域405の長さ)との比として定義され、80%から95%の間のなど、50%よりも大きいかまたは70%よりも大きい、オン時間を有する。いくつかの実施形態では、約2.5μsの周期T
Pを有する波形サイクルを有するPV波形が、約100マイクロ秒(μs)から約10ミリ秒(ms)の間であるバースト期間を有する、PV波形バースト内で連続的に繰り返される。PV波形のバーストは、約50%から約95%の間のなど、約5%~100%の間である、バーストデューティサイクルを有することができ、デューティサイクルは、バースト期間を、バースト期間+バースト期間を分離する非バースト期間(すなわち、PV波形が生成されない)で除算した、比である。
【0048】
図8は、波形生成のための方法800を示すプロセスフロー図である。方法800は、波形ジェネレータ500などの波形ジェネレータ、および/またはシステムコントローラ126などのシステムコントローラを含む、波形生成システムによって実施され得る。
【0049】
アクティビティ802において、波形生成システムは、波形(たとえば、波形400)の第1の位相(たとえば、
図7に示されている位相1)中に、出力ノード(たとえば、出力ノード504)に、電圧源(たとえば、電圧源502)を、(たとえば、スイッチ520を閉じることによって)結合する。出力ノードは、処理チャンバ(たとえば、処理チャンバ100)内に配設された電極に結合され得る。たとえば、出力ノードは、電極104または支持ベース107に結合され得る。
【0050】
アクティビティ804において、波形生成システムは、波形の第2の位相(たとえば、
図7に示されている位相2)中に、出力ノードに、接地ノード(たとえば、接地ノード508)を、(たとえば、スイッチ522を閉じることによって)結合する。いくつかの実施形態では、RF信号ジェネレータ(たとえば、RFジェネレータ506)が、第1の位相中に、フィルタ(たとえば、フィルタ546)を通して出力ノードに結合される。RF信号ジェネレータは、波形の第1の位相、第2の位相、および第3の位相(たとえば、
図7に示されている位相3)中に、出力ノードに結合され得る。電圧源および接地ノードは、第3の位相中に、出力ノードから(たとえば、スイッチ520、522を開くことによって)結合解除される。いくつかの実施形態では、電圧源は、フィルタ(たとえば、フィルタ540)を通して出力ノードに結合され、接地ノードは、フィルタ(たとえば、フィルタ542)を通して出力ノードに結合される。
【0051】
いくつかの実施形態では、電流源(たとえば、電流源505)が、波形の第3の位相中に出力ノードに結合され、電圧源および接地ノードは、第3の位相中に出力ノードから結合解除される。電流源は、フィルタ(たとえば、フィルタ544)を通して出力ノードに結合され得る。
【0052】
「結合された(coupled)」という用語は、本明細書では、2つの物体間の直接的または間接的結合を指すために使用される。たとえば、物体Aが物体Bに物理的に接し、物体Bが物体Cに接する場合、物体Aと物体Cとは、物体Aと物体Cとが互いに直接的に物理的に接しない場合でも、依然として、互いに結合されたと見なされ得る。たとえば、第1の物体は、第1の物体が決して第2の物体と直接的に物理的に接触していなくても、第2の物体に結合され得る。
【0053】
上記は本開示の実施形態を対象とするが、本開示の他のおよびさらなる実施形態がその基本的範囲から逸脱することなく考案され得、その範囲は以下の特許請求の範囲によって決定される。
【国際調査報告】