(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-18
(54)【発明の名称】高ピクセル密度構造及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
G09F 9/00 20060101AFI20240611BHJP
G09F 9/33 20060101ALI20240611BHJP
G09F 9/30 20060101ALI20240611BHJP
G09F 9/302 20060101ALI20240611BHJP
H01L 33/50 20100101ALI20240611BHJP
【FI】
G09F9/00 338
G09F9/33
G09F9/30 349Z
G09F9/302 C
G09F9/30 338
H01L33/50
G09F9/00 307A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023576044
(86)(22)【出願日】2022-06-02
(85)【翻訳文提出日】2024-02-06
(86)【国際出願番号】 US2022031857
(87)【国際公開番号】W WO2022260914
(87)【国際公開日】2022-12-15
(32)【優先日】2021-06-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】シュ, リソン
(72)【発明者】
【氏名】チュー, ミンウェイ
(72)【発明者】
【氏名】クワク, ビョン スン
(72)【発明者】
【氏名】バン, ヒョンスン
(72)【発明者】
【氏名】ツァオ, リャン
(72)【発明者】
【氏名】ウン, ホウ ティ-.
(72)【発明者】
【氏名】ガナパティアッパン, シヴァパキア
(72)【発明者】
【氏名】パティバンドラ, ナグ
【テーマコード(参考)】
5C094
5F142
5G435
【Fターム(参考)】
5C094AA09
5C094AA42
5C094BA03
5C094BA25
5C094CA20
5C094DA12
5C094DB05
5C094ED01
5C094ED20
5C094FB02
5C094FB14
5C094GB10
5C094JA01
5C094JA08
5F142AA81
5F142BA32
5F142CA02
5F142CB12
5F142CB23
5F142CD02
5F142CE08
5F142DA14
5F142DA36
5F142DA64
5F142DA72
5F142DA73
5F142DB12
5F142DB17
5F142GA02
5G435AA04
5G435AA17
5G435BB04
5G435CC09
5G435HH20
5G435KK05
(57)【要約】
高ピクセル密度LED構造の製造方法について説明する。本方法は、バックプレーン基板及びLED基板を形成することを含み得る。バックプレーン基板及びLED基板は互いに結合させることができ、結合された基板はLEDピクセルのアレイを含み得る。LEDピクセルの各々は、分離されたサブピクセルの群を含み得る。LEDピクセルの各々の分離されたサブピクセルのうちの少なくとも1つに量子ドット層が形成され得る。本方法は更に、欠陥のあるLEDピクセルの量子ドット層のないサブピクセル上に置換量子ドット層を形成することによって、少なくとも1つの欠陥のあるLEDピクセルを修復することを含み得る。本方法は、少なくとも1つの欠陥のあるLEDピクセルを修復した後に、LEDピクセルのアレイ上にUVバリア層を形成することも含み得る。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体処理方法であって、
バックプレーン基板及びLED基板を形成することと、
前記バックプレーン基板を前記LED基板に結合させることであって、結合された基板はLEDピクセルのアレイを含み、前記LEDピクセルの各々は分離されたサブピクセルの群を含む、前記バックプレーン基板を前記LED基板に結合させることと、
前記LEDピクセルの各々の前記分離されたサブピクセルのうちの少なくとも1つに量子ドット層を形成することと、
欠陥のあるLEDピクセルの量子ドット層のないサブピクセル上に置換量子ドット層を形成することによって、少なくとも1つの欠陥のあるLEDピクセルを修復することと、
前記少なくとも1つの欠陥のあるLEDピクセルを修復した後に、前記LEDピクセルのアレイ上にUVバリア層を形成することと
を含む方法。
【請求項2】
LEDサブピクセルの各々は、約400nm以下の波長によって特徴付けられる第1の波長光を発光するように動作可能なガリウム-窒素含有発光ダイオード構造を含む、請求項1に記載の半導体処理方法。
【請求項3】
量子ドット層は、前記ガリウム-窒素含有発光ダイオード構造から発光された前記第1の波長光を吸収し、前記第1の波長光よりも長い波長によって特徴付けられる第2の波長光を発光するように動作可能である、請求項2に記載の半導体処理方法。
【請求項4】
前記置換量子ドット層は、前記欠陥のあるLEDピクセルの動作していないサブピクセル上に形成された量子ドット層と同じ波長の光を発光するように動作可能である、請求項1に記載の半導体処理方法。
【請求項5】
修復されていないLEDピクセルは、前記LEDピクセルのアレイ上に前記UVバリア層を形成した後に、量子ドット層のないサブピクセルを含む、請求項1に記載の半導体処理方法。
【請求項6】
前記LEDピクセルのアレイは、1インチ当たり約1000ピクセル以上のピクセル密度を有する、請求項1に記載の半導体処理方法。
【請求項7】
前記分離されたサブピクセルの各々の最長寸法は、約10μm以下である、請求項1に記載の半導体処理方法。
【請求項8】
前記方法は更に、前記LEDピクセルの各々の前記サブピクセルのうちの少なくとも1つにマイクロレンズを形成することを含む、請求項1に記載の半導体処理方法。
【請求項9】
半導体処理方法であって、
バックプレーン基板及びLED基板を形成することと、
前記バックプレーン基板を前記LED基板に結合させることであって、結合された基板はLEDピクセルのアレイを含み、前記LEDピクセルの各々は少なくとも4つの分離されたサブピクセルを含む、前記バックプレーン基板を前記LED基板に結合させることと、
前記LEDピクセルの各々の前記分離されたサブピクセルのうちの少なくとも3つに量子ドット層を形成することであって、前記量子ドット層の各々は、前記LEDピクセルの他の量子ドット層とは異なる波長の可視光を発光するように動作可能である、前記LEDピクセルの各々の前記分離されたサブピクセルのうちの少なくとも3つに量子ドット層を形成することと、
前記LEDピクセルのアレイ上にUVバリア層を形成することであって、前記UVバリア層を形成した後に、前記LEDピクセルの少なくとも一部は少なくとも1つの量子ドット層のないサブピクセルを含む、前記LEDピクセルのアレイ上にUVバリア層を形成することと
を含む方法。
【請求項10】
前記LED基板が前記バックプレーン基板に結合される前に、前記LED基板にピクセル分離構造が形成される、請求項9に記載の半導体処理方法。
【請求項11】
前記LED基板が前記バックプレーン基板に結合された後に、前記結合された基板にピクセル分離構造が形成される、請求項9に記載の半導体処理方法。
【請求項12】
前記LED基板が前記バックプレーン基板に結合される前に、前記LED基板にLED構造が形成される、請求項9に記載の半導体処理方法。
【請求項13】
前記LED基板が前記バックプレーン基板に結合された後に、前記結合された基板に前記LED構造が形成される、請求項9に記載の半導体処理方法。
【請求項14】
前記LED基板の露出面において、前記結合された基板に追加のバックプレーン基板が結合される、請求項9に記載の半導体処理方法。
【請求項15】
半導体構造であって、
バックプレーン層と、
前記バックプレーン層と接触するLEDピクセルのアレイと、
前記LEDピクセルのアレイ上のUVバリア層と
を備え、
前記LEDピクセルの各々は、少なくとも4つの分離されたサブピクセルを含み、
前記分離されたサブピクセルのうちの少なくとも3つは、量子ドット層を含み、
前記LEDピクセルの少なくとも一部は、量子ドット層のないサブピクセルを含む、半導体構造。
【請求項16】
前記バックプレーン層は、前記LEDピクセルの各々の前記分離されたサブピクセルの各々と電気的に接触するCMOSデバイスを有するシリコン含有層を含む、請求項15に記載の半導体構造。
【請求項17】
前記構造は更に、前記LEDピクセルの各々の前記サブピクセルの各々の間にピクセル分離構造を備え、前記ピクセル分離構造は、前記サブピクセルのうちの1つから発光された光が隣接するサブピクセルによって吸収されるのを防止する、請求項15に記載の半導体構造。
【請求項18】
前記サブピクセルの各々は、ガリウム-窒素含有発光ダイオード構造を含む、請求項15に記載の半導体構造。
【請求項19】
前記LEDピクセルの各々の前記サブピクセルのうちの少なくとも1つは更に、前記UVバリア層と接触するマイクロレンズを含む、請求項15に記載の半導体構造。
【請求項20】
前記半導体構造は、仮想現実ヘッドセット又は拡張現実メガネ用のLEDディスプレイ内に組み込まれる、請求項15に記載の半導体構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001]本出願は、2021年6月11日に出願の「HIGH PIXEL DENSITY STRUCTURES AND METHODS OF MAKING」と題する米国非仮出願第17/345,970号の利益及び優先権を主張するものであり、その内容を全て、参照により本明細書に援用する。
【0002】
[0002]本技術は、半導体プロセス及び半導体製品に関する。より具体的には、本技術は、半導体構造及び形成されたデバイスの製造に関する。
【背景技術】
【0003】
[0003]数百万個のミクロンサイズのピクセルでできた発光ダイオード(LED)ディスプレイデバイスは、基板表面に複雑にパターニングされた材料層を形成する製造プロセスによって可能になる。基板上にパターニングされた材料を製造するには、制御された材料の堆積及び除去方法が必要である。しかし、新しいデバイス設計では、非常に正確な寸法の高品質な材料層を製造することは困難な場合がある。
【0004】
[0004]従って、LEDディスプレイデバイス用の高品質な材料及び構造を製造するために使用できる改良されたシステム及び方法が必要である。これら及び他のニーズは、本技術によって対処される。
【発明の概要】
【0005】
[0005]本技術は、バックプレーン基板及びLED基板を形成することを含む例示的な半導体処理方法を含む。バックプレーン基板及びLED基板は互いに結合され、結合された基板はLEDピクセルのアレイを含む。LEDピクセルの各々は、分離されたサブピクセルの群を含み得る。LEDピクセルの各々の分離されたサブピクセルのうちの少なくとも1つに量子ドット層が形成され得る。本方法は更に、欠陥のあるLEDピクセルの量子ドット層のないサブピクセル上に置換量子ドット層を形成することによって、少なくとも1つの欠陥のあるLEDピクセルを修復することを含み得る。本方法は、少なくとも1つの欠陥のあるLEDピクセルを修復した後に、LEDピクセルのアレイ上にUVバリア層を形成することも含み得る。
【0006】
[0006]追加の実施形態では、LEDサブピクセルの各々は、約400nm以下の波長によって特徴付けられる第1の波長光を発光するように動作可能なガリウム-窒素含有発光ダイオード構造を含み得る。更なる実施形態では、量子ドット層は、ガリウム-窒素含有発光ダイオード構造から発光された第1の波長光を吸収し、第1の波長光よりも長い波長によって特徴付けられる第2の波長光を発光するように動作可能である。また更なる実施形態では、置換量子ドット層は、欠陥のあるLEDピクセルの動作していないサブピクセル上に形成された量子ドット層と同じ波長の光を発光するように動作可能である。更に追加の実施形態では、修復されていないLEDピクセルは、LEDピクセルのアレイ上にUVバリア層を形成した後に、量子ドット層のないサブピクセルを含む。更なる実施形態では、LEDピクセルのアレイは、1インチ当たり約1000ピクセル以上のピクセル密度を有する。また更なる実施形態では、分離されたサブピクセルの各々の最長寸法は、約10μm以下である。また更なる実施形態では、本方法は更に、LEDピクセルの各々のサブピクセルのうちの少なくとも1つにマイクロレンズを形成することを含む。
【0007】
[0007]本技術はまた、バックプレーン基板及びLED基板を形成することを含み得る追加の半導体処理方法を含む。バックプレーン基板及びLED基板は互いに結合させることができ、結合された基板はLEDピクセルのアレイを含む。LEDピクセルの各々は少なくとも4つの分離されたサブピクセルを含み得る。LEDピクセルの各々の分離されたサブピクセルのうちの少なくとも3つに量子ドット層が形成され得る。量子ドット層の各々は、LEDピクセルの他の量子ドット層とは異なる波長の可視光を発光するように動作可能であり得る。本方法は更に、LEDピクセルのアレイ上にUVバリア層を形成することを含み得る。実施形態では、UVバリア層を形成した後に、LEDピクセルの少なくとも一部は少なくとも1つの量子ドット層のないサブピクセルを含む。
【0008】
[0008]追加の実施形態では、LED基板及びバックプレーン基板が互いに結合される前に、LED基板にピクセル分離構造が形成され得る。更なる実施形態では、LED基板及びバックプレーン基板が互いに結合された後に、結合された基板にピクセル分離構造が形成される。また更なる実施形態では、LED基板及びバックプレーン基板が互いに結合される前に、LED基板にLED構造が形成される。更に追加の実施形態では、LED基板及びバックプレーン基板が互いに結合された後に、結合された基板にLED構造が形成される。更なる実施形態では、LED基板の露出面において、結合された基板に追加のバックプレーン基板が結合される。
【0009】
[0009]本技術は更に、バックプレーン層、バックプレーン層と接触するLEDピクセルのアレイ、及びLEDピクセルのアレイ上のUVバリア層を含み得る半導体構造を含む。LEDピクセルの各々は、少なくとも4つの分離されたサブピクセルを含み得る。分離されたサブピクセルのうちの少なくとも3つは、量子ドット層を含んでいてよく、LEDピクセルの少なくとも一部は、量子ドット層のないサブピクセルを含み得る。
【0010】
[0010]追加の実施形態では、バックプレーン層は、LEDピクセルの各々の分離されたサブピクセルの各々と電気的に接触するCMOSデバイスを有するシリコン含有層を含む。更なる実施形態では、半導体構造は、LEDピクセルの各々のサブピクセルの各々の間にピクセル分離構造を含む。ピクセル分離構造は、サブピクセルのうちの1つから発光された光が隣接するサブピクセルによって吸収されるのを防止する。また更なる実施形態では、サブピクセルの各々は、ガリウム-窒素含有発光ダイオード構造を含み得る。更に追加の実施形態では、LEDピクセルの各々のサブピクセルのうちの少なくとも1つは更に、UVバリア層と接触するマイクロレンズを含む。更なる実施形態では、半導体構造は、仮想現実ヘッドセット又は拡張現実メガネ用のLEDディスプレイ内に組み込まれる。
【0011】
[0011]上記技術は、従来の半導体処理方法及び構造よりも多くの利点を提供し得る。例えば、処理方法の実施形態は、従来の処理方法よりも欠陥のあるピクセルが少ない高ピクセル密度のディスプレイを製造し得る。更なる実施形態では、処理方法は、高密度LED基板と、ディスプレイの各ピクセルのサブピクセルに個別にアドレス指定できるサブミクロンサイズの制御回路を含むバックプレーン基板とを互いに結合させることによって、1インチ当たり約1000ピクセル以上のピクセル密度を有するディスプレイを製造することができる。また更なる実施形態では、高ピクセル密度、低ピクセル欠陥構造は、仮想現実ヘッドセット及び拡張現実メガネ等の近距離で見るディスプレイにおいて、改善された視聴体験を生み出す。これら及び他の実施形態を、それらの多くの利点及び特徴と共に、以下の説明及び添付の図面と併せて、より詳細に説明する。
【0012】
[0012]開示された技術の性質及び利点の更なる理解は、本明細書の残りの部分及び図面を参照することによって得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】A及びBは、本技術の幾つかの実施形態に係る、結合のために基板をアライメントするためのフィデューシャルを含む、バックプレーン及びLED基板を示す上から見た簡略図である。
【
図2】本技術の実施形態に係る、LEDアレイの一部を示す上から見た図である。
【
図3】本技術の実施形態に係る、LEDピクセルを示す裂開断面図である。
【
図4】本技術の実施形態に係る、ガリウム-窒素含有LED構造を示す断面図である。
【
図5】本技術の幾つかの実施形態に係る、高ピクセル密度半導体構造の形成方法における例示的な工程を示す図である。
【
図6A】本技術の実施形態に従って処理されている半導体構造を示す断面図である。
【
図6B】本技術の実施形態に従って処理されている半導体構造を示す断面図である。
【
図6C】本技術の実施形態に従って処理されている半導体構造を示す断面図である。
【
図6D】本技術の実施形態に従って処理されている半導体構造を示す断面図である。
【
図6E】本技術の実施形態に従って処理されている半導体構造を示す断面図である。
【
図7A】本技術の実施形態に従って処理されている別の半導体構造を示す断面図である。
【
図7B】本技術の実施形態に従って処理されている別の半導体構造を示す断面図である。
【
図7C】本技術の実施形態に従って処理されている別の半導体構造を示す断面図である。
【
図7D】本技術の実施形態に従って処理されている別の半導体構造を示す断面図である。
【
図7E】本技術の実施形態に従って処理されている別の半導体構造を示す断面図である。
【
図7F】本技術の実施形態に従って処理されている別の半導体構造を示す断面図である。
【
図8】A及びBは、本技術の実施形態に従って処理されている更に別の半導体構造を示す断面図である。
【
図9】A及びBは、本技術の実施形態に従って処理されている更なる半導体構造を示す断面図である。
【
図10】A及びBは、本技術の実施形態に従って処理されている更に別の半導体構造を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
[0023]幾つかの図面は概略図として含まれている。図は例示するためのものであり、縮尺が具体的に記載されていない限り、縮尺通りとみなすべきでないことを理解されたい。更に、概略図として、図は理解を助けるために提供されるものであり、現実的な表現と比較して、全ての態様又は情報を含まない場合があり、例示のために誇張された材料を含む場合がある。
【0015】
[0024]添付の図では、同様の構成要素及び/又は特徴には、同じ参照ラベルが付いている場合がある。更に、同じ種類の様々な構成要素は、参照ラベルの後に類似の構成要素を区別する文字を付けることで区別され得る。本明細書で最初の参照ラベルのみを使用した場合、その説明は、文字に関係なく、同じ最初の参照ラベルを有する類似の構成要素のいずれか1つにも適用可能である。
【0016】
[0025]本技術は、欠陥のあるピクセルの数の少ない高ピクセル密度発光ダイオードデバイスを製造するための実施形態を含む。追加の実施形態には、仮想現実ヘッドセット及び拡張現実メガネ等の近接視ディスプレイデバイス、ならびに高解像度テレビ、モニタ、及びスマートフォンやタブレット等の電子機器用ディスプレイに組み込むことができる高ピクセル密度半導体構造が含まれる。本技術の実施形態には、1インチ当たり約1000ピクセル(ppi)以上を有し、ほとんどの視聴者が気づかないほど欠陥のあるピクセルが非常に少ない半導体構造を製造する方法が含まれる。
【0017】
[0026]LCDディスプレイ技術は、過去10年間にディスプレイ解像度を急速に向上させてきた。現在製造されているほとんどのLEDテレビやモニタのピクセル密度は約80ppi(すなわち、「4K」解像度)であり、160ppi(すなわち、「8K」解像度)のディスプレイを提供するメーカーの数も増えてきている。ディスプレイ業界は、最大650ppiのピクセル密度を有する「マイクロLED」ディスプレイ(通称、μ-LED)と呼ばれている次世代の高解像度ディスプレイを公表し始めている。しかし、これらのマイクロLEDディスプレイの解像度でさえも、仮想現実ヘッドセット及び拡張現実メガネ等のように、視聴者が非常に近い距離(例えば、約3インチ以下)でディスプレイを見る多くの用途には十分な高さではない場合がある。このような用途の多くでは、満足のいくユーザ体験のために、約1000ppi以上の高ピクセル密度のディスプレイが必要とされる。
【0018】
[0027]残念ながら、薄膜トランジスタから製造されたLCDサブピクセル用の従来の制御回路は、ピクセル密度が600ppiを超えて大幅に高まるにつれて、他の問題の中でもとりわけ応答時間の低下及び輝度の低下を含む性能問題が増大する。このような性能問題に対処する試みには、1000ppi未満のピクセル密度に近づいた有機LED(OLED)技術の開発が含まれる。しかし、これらのOLED技術は、経時劣化してディスプレイの寿命を縮める可能性のある有機ポリマー材料を使用している。約1000ppi以上のピクセル密度によって特徴付けられるディスプレイ用に安定した高ピクセル密度構造を製造するには、改良された方法及び構造が必要である。
【0019】
[0028]高ピクセル密度構造を製造する際の別の問題は、ピクセル数が多いということは、製造工程中にピクセル欠陥が発生する機会が多くなるということである。ピクセル欠陥には、全く発光しないサブピクセル(すなわち、「デッド」サブピクセル)の点欠陥、及び発光量が多すぎて又は少なすぎてピクセル全体に色の歪みを生じさせるサブピクセルが含まれる。残念ながら、高ピクセル密度構造では、ピクセルの寸法が小さくなるにつれて、隣接するサブピクセル、及びサブピクセルと電子通信している1又は複数のバックプレーン層の制御回路を破壊することなく、サブピクセルの点欠陥を分離して交換することがますます困難になる。欠陥のあるLEDピクセルのサブピクセルを交換し、高ピクセル密度構造におけるピクセル欠陥の数を減らすには、改良された方法が必要である。
【0020】
[0029]ピクセル密度を約1000ppi以上に高めることによる更に別の問題は、隣接するサブピクセルによって発光される光からの干渉が増加する、クロストークとして知られる特性である。より密に詰め込まれたピクセルとサブピクセルとの間のクロストークの増加は、ディスプレイ上に変色及び画像の歪みを生じさせる可能性がある。各サブピクセルから発光される光を分離し、各サブピクセルの隣接するサブピクセルとのクロストークを増加させないようにするためには、改良された製造方法及び構造が必要である。
【0021】
[0030]本技術の実施形態は、高ピクセル密度ディスプレイのピクセル密度を約1000ppi以上に高める際の問題に対処する。実施形態は、LEDの材料を1つの基板(LED基板)上に成長させ、LEDからの発光を制御するための制御回路を第2の基板(バックプレーン基板)上に形成する製造方法を含む。実施形態では、バックプレーン基板は、LEDディスプレイの各サブピクセルをアドレス指定及び活性化するためのCMOS回路が形成されたシリコン基板であってよい。CMOS回路は、最大寸法が約10μm以下のサブピクセルを活性化するための高速応答時間によって特徴付けられ得る。
【0022】
[0031]本技術の実施形態は、高ピクセル密度構造において欠陥のあるピクセルの数を減少させる問題にも対処する。実施形態では、製造方法は、LEDピクセルの他のサブピクセルのうちの1つが欠陥である場合に置換サブピクセルとして機能し得る少なくとも1つの余分なサブピクセルをLEDピクセルの各々に形成することを含み得る。更なる実施形態では、欠陥のあるLEDピクセルは、交換されるサブピクセルとほぼ同じ波長の光を発光する量子ドット層を余分なサブピクセルに形成することによって修復することができる。欠陥のあるLEDピクセルを修復した後に、製造工程を継続して、欠陥のあるLEDピクセルの数が少ない、あるいは全くない高ピクセル密度構造を製造する。
【0023】
[0032]本技術の実施形態は更に、1つのサブピクセルから発光された光が隣接するサブピクセルから発光された光と干渉するのを防止するピクセル分離要素を有する高ピクセル密度構造の製造方法を含む。ピクセル分離要素は、隣接するサブピクセルから発光される光によって生じるクロストークを減少させ、高ピクセル密度構造を組み込んだディスプレイにおける変色及び画像の歪みを低減させる。
【0024】
LED含有高ピクセル密度構造
[0033]
図1A及び
図1Bは各々、本技術の実施形態に係る高ピクセル密度構造を形成するために互いに結合され得るバックプレーン基板及びLED基板を示す上から見た図である。
図1Aは、バックプレーン基板102及びLED基板104を示す図である。実施形態では、バックプレーン基板102は、LEDピクセルのサブピクセルをアドレス指定及び制御するためにCMOSデバイス構造106が形成されるシリコン基板であってよい。更なる実施形態では、LED基板104は、高ピクセル密度構造のLEDピクセルのアレイのサブピクセルを形成するLED材料の層を含み得る。更なる実施形態では、LED基板104は、その上にLED材料の他の層が形成されるシリコン又はサファイア等の基板成長層を含み得る。
図1Aに示す実施形態では、基板が互いに結合された後まで、LED基板104にLED構造が形成されない場合がある。更なる実施形態では、バックプレーン基板102及びLED基板104は更に、結合時に基板のアライメントを助けるフィデューシャル108及び110をそれぞれ含む。
【0025】
[0034]
図1Bは、バックプレーン基板152及びLED基板154の別の実施形態を示す図である。実施形態では、バックプレーン基板152は、LEDピクセルのサブピクセルをアドレス指定及び制御するためにCMOSデバイス構造156が形成されるシリコン基板であってよい。
図1Bに示す実施形態では、LED基板がバックプレーン基板152と結合される前に、LED基板154にLED構造162が形成される。追加の実施形態では、バックプレーン基板152及びLED基板154は更に、結合時に基板のアライメントを助けるフィデューシャル158及び160をそれぞれ含む。
【0026】
[0035]
図2は、本技術の実施形態に係るLEDアレイ200の一部を示す上から見た図である。図示の実施形態では、LEDアレイ200の一部は、各々が4つのサブピクセル204a~dを含む4つのLEDピクセル202を含む。サブピクセル204a~dは、異なる平均ピーク波長の可視光を発光するように動作可能な3つのサブピクセル204a~cと、高ピクセル密度構造の製造中に他の3つのサブピクセル204a~cのいずれかが故障した場合に置換サブピクセルとして機能することができる第4のサブピクセル204dとを含む。実施形態では、3つのサブピクセル204a~cは、電磁スペクトルの赤、緑、及び青の部分の可視光を発光するように動作可能であり得る。更なる実施形態では、サブピクセル204aは、約580nm以上、約585nm以上、約590nm以上、約595nm以上、約600nm以上、約605nm以上、約610nm以上、約615nm以上、約620nm以上、又はそれ以上のピーク強度波長によって特徴付けられる可視光を発光するように動作可能な赤色サブピクセルと見なされ得る。更なる実施形態では、サブピクセル204bは、500nmから580nmのピーク強度波長によって特徴付けられる可視光を発光するように動作可能な緑色サブピクセルであってよい。また更なる実施形態では、サブピクセル204cは、約500nm以下、約490nm以下、約480nm以下、約470nm以下、約460nm以下、約450nm以下、約440nm以下、約430nm以下、約420nm以下、約410nm以下、約400nm以下、又はそれ未満のピーク強度波長によって特徴付けられる可視光を発光するように動作可能な青色サブピクセルであってよい。また更なる実施形態では、サブピクセルから発光される光は、約100nm以下、約90nm以下、約80nm以下、約70nm以下、約60nm以下、約50nm以下、約40nm以下、約30nm以下、約20nm以下、又はそれ未満のスペクトル帯域幅によって特徴付けられ得る。
【0027】
[0036]
図2に示す実施形態では、サブピクセル204a~dは、正方形として示され、ピクセル202は、4つの正方形のサブピクセルの正方形の配置として示されている。サブピクセル204a~dの実施形態は、他の種類の形状の中でも、長方形、平行四辺形、台形、五角形、六角形、七角形、八角形、九角形、円形、及び楕円形等の追加の形状を有し得ることが理解されよう。また更なる実施形態では、ピクセル202は、他の種類の形状の中でも、長方形、平行四辺形、台形、円形、及び楕円形等の追加の形状に配置することもできる。更なる実施形態では、サブピクセル204a~dの各々は、約10μm以下、約9μm以下、約8μm以下、約7μm以下、約6μm以下、約5μm以下、又はそれ未満の最長寸法(例えば、対角線の長さ)によって特徴付けられ得る。また更なる実施形態では、ピクセル202の各々は、約25μm以下、約22.5μm以下、約20μm以下、約17.5μm以下、約15μm以下、約12.5μm以下、約10μm以下、又はそれ未満の最長寸法によって特徴付けられ得る。
【0028】
[0037]
図3は、本技術の実施形態に係るLEDピクセル300を示す裂開断面図である。図示の実施形態では、
図2に示すピクセル202等のLEDピクセルは、赤、緑、青、及びブランクのサブピクセル302a~dの断面ライナ配置を明らかにするために、サブピクセル204a~b及び204c~dの間で切断され、裂開されている。サブピクセル302a~dは、隣接するサブピクセル間のピクセル分離構造304によって互いに分離されている。実施形態では、サブピクセル302a~dのうちの1又は複数は、UVバリア層308上に配置されたマイクロレンズ306を含み得る。更なる実施形態では、各サブピクセル302a~cは、可視光の異なるピーク強度波長(例えば、赤色光、緑色光、及び青色光)を発光するように動作可能な量子ドット層310a~cを更に含み得る。第4のサブピクセル302dは、他のサブピクセルのうちの1つの置換サブピクセルとして機能しない限り、量子ドット層のないマトリクス材料を含み得る。
【0029】
[0038]サブピクセル302a~dは、量子ドット層310a~cを励起してより長波長の可視光を発光させる短波長の光を生成するように動作可能なLED構造312を含み得る。追加の実施形態では、LED構造312は、バックプレーン基板314によって独立して活性化され得る。実施形態では、バックプレーン基板314は、LED構造312に独立して対処する半導体層318に形成された一組の第1のコンタクト316及び第2のコンタクト318を含み得る。実施形態では、コンタクトは、他の導電性材料の中でも、銅、アルミニウム、金、タングステン、クロム、又はニッケル等の導電性材料でできていてよい。また更なる実施形態では、LED構造312は、LED構造とバックプレーン基板314のコンタクトとの間の導電経路の一部を形成する透明導電層322と324との間に位置決めされ得る。追加の実施形態では、透明導電層は、他の透明導電性材料の中でも、酸化インジウムスズ又は酸化インジウム亜鉛でできていてよい。また更なる実施形態では、ミラー層326を透明電気層324に隣接して位置決めして、LED構造によって発光された光を量子ドット層に向かって反射させることができる。更なる実施形態では、ミラー層は、銅、アルミニウム、クロム、銀、白金、又はモリブデン等の1又は複数の反射性金属でできていてよい。また更なる実施形態では、LED基板をバックプレーン基板に結合する導電性結合層328を、ミラー層326とバックプレーン基板314との間に位置決めし得る。更なる実施形態では、導電性結合層は、他の導電性材料の中でも、スズ、金、又はインジウム等の1又は複数の導電性材料でできていてよい。
【0030】
[0039]追加の実施形態では、電気絶縁性のパッシベーション層329が、LED構造312及び隣接する導電層(例えば、透明導電層322及び324、ミラー層326、ならびに結合層328)の周囲に位置決めされ得る。パッシベーション層329は、LED構造312をサブピクセル302a~dの他の導電性材料から電気的に絶縁し、第1及び第2のコンタクト316及び318のみがLED構造を電気的にオン/オフできるようにする。実施形態では、パッシベーション層は、他の誘電体材料の中でも、酸化ケイ素、窒化ケイ素、酸化アルミニウム、又は窒化アルミニウム等の誘電体材料でできていてよい。更なる実施形態では、サブピクセル302a~dは、第1のコンタクト316及び第2のコンタクト318を通して電気信号を送信することによって、独立してオン及びオフに切り替えることができる。電気信号は、コンタクト、及び結合層328、ミラー層326、透明導電層322、324等の他の導電層を通過して、LED構造を活性化し、LED構造に発光させることができる。
【0031】
[0040]更なる実施形態では、LED構造312によって発光される光の波長は、量子ドット層310a~cのいずれかによって発光される波長よりも短くて(すなわち、よりエネルギーが高くて)よい。追加の実施形態では、LED構造312は、約400nm以下、約395nm以下、約390nm以下、約385nm以下、約380nm以下、約375nm以下、約370nm以下、約365nm以下、約360nm以下、約355nm以下、約350nm以下、又はそれ未満のピーク強度波長によって特徴付けられる光を発光するように動作可能であり得る。また更なる実施形態では、LED構造312は、紫外光と同じピーク強度波長又は紫外光と異なるピーク強度波長を発光することができる。
【0032】
[0041]実施形態では、LED構造312は、ガリウム-窒素含有LED構造であってよい。
図4は、本技術の高ピクセル密度構造に含まれ得るガリウム-窒素含有LED構造400を示す簡略化された断面図である。図示の実施形態では、LED構造400は、基板402上にエピタキシャル形成された窒化ガリウムLED構造である。追加の実施形態では、基板402は、他の種類の基板の中でも、シリコン基板又はサファイア基板であってよい。LED構造は更に、nドープGaN層404及びpドープGaN層408を含む。nドープGaN層404とpドープGaN層408との間に形成されているのは、LED構造によって発光される光が生成される多重量子井戸(MQW)領域406である。LED構造400は更に、nドープGaN層404を電流が通過する経路を形成する導電性Nパッドコンタクト410を含み得る。また、LED構造400は、pドープGaN層408を電流が通過する経路を形成する導電性のPパッドコンタクト412を含み得る。Nパッドコンタクト410及びPパッドコンタクト412は、LEDサブピクセルの導電層に接続され得る、又はバックプレーン基板の制御回路のコンタクトに直接接続され得る。実施形態では、制御回路からの電気信号は、LED構造400を通る電流の流れを作り出し、構造のMQW領域406からの発光を引き起こす。追加の実施形態では、MQW領域406は、印加された電気信号(例えば、電流及び/又は電圧)に対して再現可能なピーク強度波長及び量子効率によって特徴付けられる光を発光するように形成される。実施形態では、MQW領域406から発光される光のピーク強度波長は、紫外波長であってよい。
【0033】
[0042]
図4では、基板402上に完全に形成されたLED構造400が示されている。後述する追加の実施形態では、基板402は、構造が形成される前に、LED構造400を形成するLED材料の層から除去され得る。これらの実施形態の幾つかでは、LED基板及びバックプレーン基板は、LED材料が構造400のような個別のLED構造内に形成される前に互いに結合される。追加の実施形態では、基板402は、LED材料の層がLED構造内に形成される前に、バックプレーン基板に結合されたLED材料の層から分離される。
【0034】
[0043]
図3に戻ると、LED構造312によって発光された短波長の光は、量子ドット層310a~cを励起させ、量子ドット層310a~cにより長い波長の光を発光させることができる。上述のように、各量子ドット層310a~cは、それぞれのLED構造312からの光を吸収し、電磁スペクトルの異なる部分の光を発光するように動作可能である。図示の実施形態では、量子ドット層310aはスペクトルの赤色部分の光を発光するように動作可能であり、量子ドット層310bはスペクトルの緑色部分の光を発光するように動作可能であり、量子ドット層310cはスペクトルの青色部分の光を発光するように動作可能である。量子ドット層310a~c及びLED構造312によって生成された光は、LED構造312によって生成された紫外光を吸収するが、量子ドット層310a~cからの可視光を通過させるUVバリア層308を通過する。幾つかの実施形態では、UVバリア層308を通過した光は、マイクロレンズ306によって集光され、高ピクセル密度構造によって表示される画像の品質を更に向上させることができる。
【0035】
[0044]本技術の実施形態では、LED構造312は、同じピーク強度波長又はほぼ同じピーク強度波長によって特徴付けられる光を発光することができる。これらの実施形態は、異なるピーク強度波長での発光において著しく異なる量子効率を有するガリウム-窒素含有LED構造に関する問題に対処する。これらの差は、赤色及び青色の可視光を発光するガリウム-窒素含有LED構造間で特に顕著である。ガリウム-窒素含有LED構造は、赤色光よりも青色光の発光において著しく高い量子効率を有し、多くの場合、それを補うために追加の構造及び処理技術が必要となる。本技術の実施形態では、LED構造312は、同じ又はほぼ同じピーク強度波長の光を発光するように形成されていてよく、ガリウム-窒素含有LED構造にとって高い量子効率を有する波長の光を発光するように選択され得る。追加の実施形態では、ピーク強度波長は、量子ドット層によって吸収され、量子ドット層に可視波長の光を発光させることができる紫外波長であってよい。可視スペクトルの青色部分と赤色部分との間で発光される光の量子効率に広い変動範囲を有するガリウム-窒素含有LED構造とは対照的に、量子ドット層は、紫外波長で吸収された光が可視スペクトルの異なる波長で発光を引き起こすための量子効率のばらつきが狭い。
【0036】
[0045]実施形態では、量子ドット層310a~cから発光される可視光の量子効率の変動範囲は、約25%以下、約15%以下、約10%以下、約5%以下、約2.5%以下、約1%以下、又はそれ未満であってよい。追加の実施形態では、量子ドット層は、約50%以上、約60%以上、約70%以上、約80%以上、約90%以上、約95%以上、約97%以上、約98%以上、約99%以上、又はそれ以上の量子効率によって特徴付けられ得る。
【0037】
[0046]更なる実施形態では、隣接するサブピクセル及び近くのサブピクセルから生成された光によって生じるクロストークを、隣接するサブピクセル間のピクセル分離構造304によって低減又は除去することができる。実施形態では、隣接するピクセル及び近くのピクセルからの光の強度の低減は、約50%以上、約60%以上、約70%以上、約80%以上、約90%以上、約95%以上、約99%以上、又はそれ以上であってよい。追加の実施形態では、ピクセル分離構造304は、アルミニウム又は銅等の反射性材料の層等の材料の1又は複数の追加の層によって覆われているピクセル分離材料のコア柱を含み得る。実施形態では、コア柱の材料は、他の種類の材料の中でも、金属又は誘電体材料を含み得る。更なる実施形態では、金属材料は、他の金属の中でも、シリコン、タングステン、銅、及びアルミニウムのうちの1又は複数を含み得る。また更なる実施形態では、誘電体材料は、他の誘電体材料の中でも、酸化ケイ素、窒化ケイ素、炭化ケイ素、フォトレジスト材料、又は誘電体有機ポリマー材料のうちの1又は複数を含み得る。
【0038】
[0047]実施形態では、ピクセル分離構造304は、バックプレーン基板314から量子ドット層310a~cの上面まで延びていてよい。更なる実施形態では、ピクセル分離構造304は、UVバリア層308まで、また更なる実施形態では、マイクロレンズ306の頂点まで延びていてよい。追加の実施形態では、ピクセル分離構造304は、約2.5μm以上、約5μm以上、約7.5μm以上、約10μm以上、約12.5μm以上、約15μm以上、約17.5μm以上、約20μm以上、又はそれ以上の高さを有し得る。更に追加の実施形態では、ピクセル分離構造304は、約1μm以上、約2μm以上、約3μm以上、約4μm以上、約5μm以上、約6μm以上、約7μm以上、約8μm以上、約9μm以上、約10μm以上、又はそれ以上の幅を有し得る。また更なる実施形態では、ピクセル分離構造304は、約1.5:1以上、約2:1以上、約2.5:1以上、約3:1以上、約3.5:1以上、約4:1以上、約4.5:1以上、約5:1以上、又はそれ以上である高さ対幅のアスペクト比を有し得る。
【0039】
高ピクセル密度LED構造の製造方法
[0048]
図5は、本技術の実施形態に係る高ピクセル密度LED構造の形成方法500における選択された工程を示すフロー図である。方法500は、フロントエンド処理、堆積、エッチング、研磨、洗浄、又は記載された工程の前に実行され得る任意の他の工程を含む、本方法の開始前の1又は複数の工程を含んでいてよい、又は含んでいなくてよい。本方法は、本技術に係る方法の幾つかの実施形態に具体的に関連していてよい、又は関連していなくてよい多数のオプションの工程を含み得る。方法500は、
図6A~
図6E、
図7A~
図7F、
図8A~
図8B、
図9A~
図9B、及び
図10A~
図10Bに簡略化された概略形態で示す半導体構造の実施形態を形成する工程を記載したものであり、その図示を、方法500の工程と併せて説明する。
図6A~
図6E、
図7A~
図7F、
図8A~
図8B、
図9A~
図9B、及び
図10A~
図10Bは単に、限定された詳細を有する部分的な概略図の例示であり、幾つかの実施形態では、基板は、図に例示したような態様を有する任意の数の半導体セクション、ならびにやはり本技術の態様のいずれかから利益を得ることができる代替構造態様を含み得ることを理解されたい。
【0040】
[0049]方法500で説明する実施形態は、高ピクセル密度LED構造を開発する工程を含む。方法500は、バックプレーン基板を形成すること505と、LED基板を形成すること510とを含み得る。実施形態では、バックプレーン基板は、高ピクセル密度LED構造の各LEDピクセルのサブピクセルを活性化するための制御回路の少なくとも一部を含むバックプレーン層を含み得る。追加の実施形態では、バックプレーン層は、バックプレーン基板とLED基板との間の接合面を通る導電性経路を形成するためのコンタクトを含む、制御回路の要素が形成されるシリコン層であってよい。
【0041】
[0050]
図6Aに示す高ピクセル密度構造600の実施形態では、別個のバックプレーン基板602及びLED基板604が設けられている。バックプレーン基板602は、第1のコンタクト608及び第2のコンタクト610が形成されたバックプレーン層606を含む。バックプレーン基板602は、電気絶縁性のパッシベーション層612も含む。図示の実施形態では、高ピクセル密度構造600は、構造のすべての制御回路がバックプレーン基板602に形成され、LED構造の一方の側面に位置決めされるフリップチップLED構造の一部であってよい。LED基板604は、LED基板層616上に形成されたガリウム-窒素含有層614を含む。LED基板604はまた、LED基板層616と接触している側とは反対側のガリウム-窒素含有層614上に形成された透明導電層618、ミラー層620、及び結合層622を含む。
図6Aに示す実施形態では、LED構造は、バックプレーン基板602とLED基板604とが互いに結合された後まで、LED材料及びその周囲の材料の層に形成されない。
【0042】
[0051]
図7Aはまた、実施形態に係る別個のバックプレーン基板702及びLED基板704を有する高ピクセル密度構造700の一部を示す図である。バックプレーン基板702は、第1のコンタクト708が形成されたバックプレーン層706を含む。バックプレーン基板702は、電気絶縁性のパッシベーション層712も含む。図示の実施形態では、高ピクセル密度構造700は、構造の制御回路の一部がバックプレーン基板702に形成され、制御回路の別の部分(図示せず)がバックプレーン基板702の反対側のLED構造の側面に位置決めされた垂直LED構造の一部であってもよい。LED基板704は、基板層716上に形成されたLED材料層のスタックを含み得る。LED材料層は、ガリウム-窒素含有層714、透明導電層718、ミラー層720、及び結合層722を含み得る。
図7Aに示す実施形態では、LED構造は、バックプレーン基板702とLED基板704とが互いに結合された後まで、LED材料層に形成されない。
【0043】
[0052]
図8Aは、別個のバックプレーン基板802及びLED基板804を有する高ピクセル密度構造800の一部の別の実施形態を示す図である。バックプレーン基板802は、第1のコンタクト808が形成されたバックプレーン層806を含む。バックプレーン基板802は、電気絶縁性のパッシベーション層812も含む。図示の実施形態では、高ピクセル密度構造800は、構造の制御回路の一部がバックプレーン基板802に形成され、制御回路の別の部分(図示せず)がバックプレーン基板802の反対側のLED構造の側面に位置決めされた垂直LED構造の一部であってよい。LED基板804は、基板層816上に形成されたLED材料層のスタックを含み得る。LED材料層は、ガリウム-窒素含有層814、透明導電層818、パッシベーション層819、ミラー層820、及び結合層822を含み得る。
図8Aに示す実施形態では、バックプレーン基板802とLED基板804とが互いに結合される前に、LED材料層にLED構造が既に形成されている。
【0044】
[0053]
図9Aは、別個のバックプレーン基板902及びLED基板904を有する高ピクセル密度構造900の一部の更に別の実施形態を示す図である。バックプレーン基板902は、第1のコンタクト908が形成されたバックプレーン層906を含む。バックプレーン基板902は、電気絶縁性のパッシベーション層912も含む。図示の実施形態では、高ピクセル密度構造900は、構造の制御回路の一部がバックプレーン基板902に形成され、制御回路の別の部分(図示せず)がバックプレーン基板902の反対側のLED構造の側面に位置決めされた垂直LED構造の一部であってよい。LED基板904は、基板層916上に形成されたLED材料層のスタックを含み得る。LED材料層は、ガリウム-窒素含有層914、透明導電層918、ミラー層920、及び結合層922を含み得る。LED基板904はまた、LED基板904の他の層に直交する方向に形成されたピクセル分離構造924を含み得る。実施形態では、ピクセル分離構造924は、反射性及び導電性材料(例えば、金属)でできていてよく、ピクセル分離構造がガリウム-窒素含有層914に形成されたLED構造に短絡するのを防止するために、電気絶縁性のピクセル分離パッシベーション層926によって囲まれていてよい。
図9Aに示す実施形態では、LED構造及びピクセル分離構造は、バックプレーン基板902とLED基板904とが互いに結合される前に、LED材料層に既に形成されている。
【0045】
[0054]
図10Aは、別個のバックプレーン基板1002及びLED基板1004を有する高ピクセル密度構造1000の一部の更に別の実施形態を示す図である。バックプレーン基板1002は、第1のコンタクト1008が形成されたバックプレーン層1006を含む。バックプレーン基板1002は、電気絶縁性のパッシベーション層1012も含む。図示の実施形態では、高ピクセル密度構造1000は、構造の制御回路の一部がバックプレーン基板1002に形成され、制御回路の別の部分(図示せず)がバックプレーン基板1002の反対側のLED構造の側面に位置決めされた垂直LED構造の一部であってよい。LED基板1004は、基板層1016上に形成されたLED材料層のスタックを含み得る。LED材料層は、ガリウム-窒素含有層1014、透明導電層1018、ミラー層1020、及び結合層1022を含み得る。LED基板1004はまた、LED基板1004の他の層に直交する方向に形成されたピクセル分離構造1024を含み得る。実施形態では、ピクセル分離構造1024は、反射性及び導電性材料(例えば、金属)でできていてよく、ピクセル分離構造がガリウム-窒素含有層1014に形成されたLED構造を短絡するのを防止するために、電気絶縁性のピクセル分離パッシベーション層1026によって囲まれていてよい。追加の実施形態では、LED基板1004は、ミラー層1020及びピクセル分離構造1024と接触する誘電体層1028を含み得る。
図10Aに示す実施形態では、LED構造及びピクセル分離構造は、バックプレーン基板1002及びLED基板1004が互いに結合される前に、LED材料層に既に形成されている。
【0046】
[0055]本技術の実施形態では、方法500は更に、工程515においてLED構造をパターニングする工程、工程520においてサブピクセルを分離する工程、及び工程525においてバックプレーン基板とLED基板とを互いに結合させる工程を含み得る。実施形態では、工程515、520、及び525は、異なる順序で実行され得る。幾つかの実施形態では、LED構造は、バックプレーン基板とLED基板とを工程525において互いに結合させる前に、工程515においてLED基板上にパターニングされ得る。追加の実施形態では、バックプレーン基板及びLED基板は、工程515においてLED基板(又はLED層材料)上にLED構造をパターニングする前に、工程525において互いに結合される。また更なる実施形態では、サブピクセルは、工程515においてLED基板にLED構造が形成される前又は形成された後に、また、工程525においてバックプレーン基板とLED基板とが互いに結合される前又は結合された後に、工程520において互いに分離され得る。
【0047】
[0056]
図6Bは、LED構造がLED基板にパターニングされる前に、又はピクセル分離構造が形成される前に、バックプレーン基板602とLED基板604とが互いに結合される実施形態を示す図である。図示の実施形態では、バックプレーン基板602とLED基板604とが互いに結合されたときに、第1のコンタクト608がパッシベーション層612を貫通して形成され、第1のコンタクトと結合層622との間に導電性接合面が形成されている。基板602及び604が互いに結合された後に、
図6C及び
図6Dに示すように、組み合わされた基板にLED構造がパターニングされる。
図6Cは、第2のコンタクト610と、第1のコンタクト608と電気的に接触している表面とは反対側のガリウム-窒素含有層614の表面との間に形成された導電性ビア624を図示している。追加の実施形態では、第1のコンタクト608は、ガリウム-窒素含有層614のPパッドコンタクト(図示せず)と電気的に接触していてよく、第2のコンタクト610は、層614のNパッドコンタクト(図示せず)と電気的に接触していてよい。更なる実施形態では、電気絶縁性のパッシベーション層626がビア624と接触して、ガリウム-窒素含有層614のpドープ領域とnドープ領域との間の電気的短絡を防止することができる。
図6Dは、バックプレーン基板602上にパターニングされた後のLED構造を図示している。図示の実施形態では、別の電気絶縁性のパッシベーション層628が、ピクセル分離工程の形成に備えてLED構造の周囲に形成されている。
【0048】
[0057]
図6Eは、先に形成されたLED構造の周囲に形成されたピクセル分離構造を示す図である。図示の実施形態では、ピクセル分離構造は、ミラー層630及びピクセル分離柱632を含む。ミラー層630は、ガリウム-窒素含有層614から発光された光を、LED構造の上方でピクセルミラー層とピクセル分離柱632との間に続いて形成される量子ドット層(図示せず)に向けて反射させるように動作可能であってよい。また更なる実施形態では、LEDパッシベーション層628の上方に形成されたミラー層630の一部を除去して、ガリウム-窒素含有層614によって発光された光が量子ドット層を保持する空間内を通過できるようにすることができる。LEDパッシベーション層628は、発光された光の透過率が高くなるようにできている。
【0049】
[0058]
図7Bはまた、LED構造がLED基板にパターニングされる前に、又はピクセル分離構造が形成されるときに、互いに結合されるバックプレーン基板702及びLED基板704を示している。第1のコンタクト708は、バックプレーン基板702とLED基板704とが互いに結合されるときに、パッシベーション層712を貫通して形成され、コンタクトと結合層722との間に導電性接合面を形成する。基板702及び704が互いに結合された後に、
図7Cに示すように、組み合わされた基板にLED構造がパターニングされる。図示の実施形態では、LED構造はバックプレーン基板702上にパターニングされ、ピクセル分離構造が形成される前に、別の電気絶縁性のパッシベーション層728及びミラー層730がLED構造の周囲に形成される。
【0050】
[0059]
図7Dは、先に形成されたLED構造の周囲に形成されたピクセル分離構造を示す図である。図示の実施形態では、ピクセル分離構造は、ミラー層731及びピクセル分離柱732の追加部分を含む。ピクセル分離構造は更に、ピクセル分離構造の側壁及びガリウム-窒素含有層714の表面に形成された追加の透明導電層734を含む。ミラー層731は、ガリウム-窒素含有層714から発光された光を、LED構造の上方でピクセルミラー層とピクセル分離柱732との間に続いて形成される量子ドット層(図示せず)に向けて反射させるように動作可能であってよい。また更なる実施形態では、ミラー層730及びLEDパッシベーション層728の一部を除去し、追加の透明導電層734に置き換えることができる。ガリウム-窒素含有層714から発光された光は、追加の透明導電層734を通過して量子ドット層を保持する空間に入ることができる。
【0051】
[0060]
図7E及び
図7Fは、本技術の実施形態に従ってLED構造をパターニングし、サブピクセルを分離するための別の実施形態を示す図である。
図7Eは、LED構造を有するLED基板層上に堆積されパターニングされた誘電体材料750を示している。パターニングされた誘電体材料750は、ピクセル分離構造がその上に形成され得る犠牲柱を形成し得る。図示の実施形態では、パッシベーション層752及びピクセル分離柱754がパターニングされた誘電体材料750の上に堆積されパターニングされる。
図7Fは、パターニングされた誘電体材料が除去され、底部にガリウム-窒素含有層714、側壁(パッシベーション層とピクセル分離柱を含む)にピクセル分離構造を含む開口部が形成された状態を示している。追加の実施形態では、別の透明導電層756をガリウム-窒素含有層714及びピクセル分離構造上に形成し得る。
【0052】
[0061]
図8Bは、LED構造がLED基板にパターニングされた後に、バックプレーン基板802及びLED基板804が互いに結合された実施形態を示す図である。図示の実施形態では、バックプレーン基板802及びLED基板804が互いに結合されたときに、コンタクト808がパッシベーション層812を貫通して形成され、コンタクトと結合層822との間に導電性接合面を形成する。また、実施形態では、基板層を除去してガリウム-窒素含有層814を露出させる。追加の実施形態では、ピクセル分離構造(図示せず)が、結合層822、ミラー層820、及びパッシベーション層819の側壁を含むLED構造の側壁に沿って形成され得る。更なる実施形態では、ピクセル分離構造は、電気絶縁性のパッシベーション層及び金属又は誘電体材料等のピクセル分離材料の柱を含み得る。また更なる実施形態では、ピクセル分離構造は、ピクセル分離構造とLED構造とによって形成された開口部に位置決めされた量子ドット層(図示せず)に向けて光を反射させるために、構造の内部側壁に形成された追加のミラー層を含み得る。
【0053】
[0062]
図9Bは、LED構造及びピクセル分離構造の少なくとも一部がLED基板にパターニングされた後に、バックプレーン基板902及びLED基板904が互いに結合された実施形態を示す図である。図示の実施形態では、バックプレーン基板902とLED基板904とが互いに結合されたときに、コンタクト908がパッシベーション層912を貫通して形成され、コンタクトと結合層922との間に導電性接合面を形成する。また、実施形態では、基板層を除去して、ガリウム-窒素含有層914とピクセル分離構造924の上部とを露出させる。実施形態では、追加の透明導電層928をガリウム-窒素含有層914及びピクセル分離構造924上に形成し得る。
【0054】
[0063]
図10Bは、LED構造及びピクセル分離構造の少なくとも一部がLED基板にパターニングされた後に、バックプレーン基板1002及びLED基板1004が互いに結合された別の実施形態を示す図である。図示の実施形態では、バックプレーン層1006のコンタクト1008と、LED構造のミラー層1020、透明導電層1018、及びガリウム-窒素含有層1014との間に導電経路を形成するために、誘電体層1028に導電性相互接続部1030が形成される。また、実施形態では、基板層1016を除去して、ガリウム-窒素含有層1014及びピクセル分離構造1024の上部を露出させる。実施形態では、追加の透明導電層1032が、ガリウム-窒素含有層1014及びピクセル分離構造1024上に形成され得る。
【0055】
[0064]
図5に戻ると、方法500はまた更に、工程530において、分離したLEDサブピクセル構造における量子ドット層の形成を含み得る。実施形態では、量子ドット層の形成は、LEDピクセルのアレイの各LEDピクセルのサブピクセルのうちの1つにおいて特定のピーク強度波長によって特徴付けられる光を発光するように動作可能な量子ドット層を形成するための連続的な工程を含み得る。更なる実施形態では、連続的な工程は、各LEDピクセルのサブピクセルのうちの1つに赤色の量子ドット層を形成し、次に、サブピクセルのうちの別の1つに緑色の量子ドット層を形成し、次に、サブピクセルのうちの更に別の1つに青色の量子ドット層を形成することを含み得る。青色量子ドットの形成後、LEDピクセルのアレイの各LEDピクセルは、赤、緑、青のサブピクセルを含む。
【0056】
[0065]追加の実施形態では、LEDサブピクセルにおいて特定の色の可視光(例えば、赤色光、緑色光、又は青色光)を発光するように動作可能な量子ドット層の形成は、高ピクセル密度LED構造上に光硬化性流体を分注すること、LEDピクセルのアレイの各LEDピクセルのサブピクセルのうちの1つを活性化して、そのサブピクセル上で光硬化性流体を照射して硬化させること、及び活性化されなかった他のサブピクセルから未硬化の光硬化性流体を除去することを含み得る。これらの形成工程は、LEDピクセルのアレイの各色の光を発光するサブピクセルに対して繰り返すことができる。実施形態では、形成工程は、LEDピクセルのアレイ全体にわたって、量子ドット層をLEDピクセルの活性化されたサブピクセルとセルフアライメントさせる。量子ドット層を適切な群のサブピクセルに形成するための精密なアライメント工程は必要ない。量子ドット層のセルフアライメントは、サブピクセルのサイズが縮小し、ピクセル密度が高くなるにつれて、ますます有益になる。
【0057】
[0066]実施形態では、光硬化性流体は、1又は複数の架橋性化合物、光開始剤、及び色変換剤を含み得る。追加の実施形態では、架橋性化合物は、硬化したときにポリマーを形成するモノマーを含み得る。更なる実施形態では、モノマーは、アクリレートモノマー、メタクリレートモノマー、及びアクリルアミドモノマーを含み得る。また更なる実施形態では、架橋性化合物は、SU-8フォトレジスト等のネガ型フォトレジスト材料を含み得る。更なる実施形態では、光開始剤は、紫外光によって励起されたときに不飽和化合物の硬化を開始するラジカルを生成する他の種類の光開始剤化合物の中でも、ホスフィンオキシド化合物及びケト化合物を含み得る。市販の光開始剤化合物としては、他の光開始剤の中でも、Irgacure 184、Irgacure 819、Darocur 1173、Darocur 4265、Darocur TPO、Omnicat 250、及びOmnicat 550が挙げられる。また更なる実施形態では、色変換剤は、LED構造からのより短い波長の(すなわち、よりエネルギーの高い)光を吸収し、サブピクセルによって発光される光の色に対応するより長い波長の光を発光することができる量子ドット材料を含み得る。実施形態では、これらの量子ドット材料は、他の半導体材料の中でも、リン化インジウム、セレン化亜鉛、硫化亜鉛、シリコン、ケイ酸塩、グラフェン等の無機半導体材料、及びドープされた無機酸化物のうちの1又は複数の種類でできたナノ粒子を含み得る。
【0058】
[0067]方法500は、工程535における量子ドット層の形成後にサブピクセルを試験することも含み得る。幾つかの実施形態では、サブピクセルは、量子ドット層の各色の形成後に試験され得る。追加の実施形態では、サブピクセルは、すべての量子ドット層が形成された後に試験され得る。また更なる実施形態では、試験工程は、全てのサブピクセルを活性化することと、どのサブピクセルに欠陥があるかを検出することとを含み得る。実施形態では、これらの欠陥は、他の種類の欠陥の中でも、全く光を生成しないサブピクセル、一定の強度で光を生成しないサブピクセル、及び目標強度で光を生成しないサブピクセル(例えば、薄暗すぎる又は明るすぎるサブピクセル)を含み得る。
【0059】
[0068]方法500はまた更に、工程540において、欠陥のあるサブピクセルを置換することを含み得る。実施形態では、置換は、LEDピクセルの量子ドット層のない(ブランク)サブピクセルに置換量子ドット層を形成することを含み得る。置換量子ドット層は、非活性化される欠陥のあるサブピクセルと同じ波長の光を発光するように動作可能である。置換工程540は、高ピクセル密度構造における欠陥のあるLEDピクセルの数を大幅に減少させることができる。実施形態では、高ピクセル密度構造における欠陥のあるサブピクセルの割合は、約75%以上、約85%以上、約95%以上、約99%以上、又はそれ以上に低下し得る。追加の実施形態では、置換工程540の後、高ピクセル密度構造の欠陥のあるLEDピクセルの数は、1000個あたり約1個以下、5000個あたり約1個以下、10,000個あたり約1個以下、25,000個あたり約1個以下、50,000個あたり約1個以下、75,000個あたり約1個以下、100,000個あたり約1個以下、250,000個あたり約1個以下、500,000個あたり約1個以下、750,000個あたり約1個以下、1,000,000個あたり約1個以下、又はそれ未満であってよい。
【0060】
[0069]方法500はまた更に、工程545において、LEDピクセルのサブピクセル上にUVバリア層を形成することを含み得る。実施形態では、UVバリア層は、量子ドット層を含むサブピクセルでは量子ドット層の上に、量子ドット層のないサブピクセルではLED構造の上に形成され得る。更なる実施形態では、UVバリア層は、量子ドット層によって発光された可視光を透過させ、サブピクセルのLED構造によって生成されたUV光を吸収する誘電体層であってよい。実施形態では、誘電体層は、化学気相堆積又は物理的気相堆積によって堆積された酸化ケイ素層であってよい。追加の実施形態では、UVバリア層は、ポリアクリレート、ポリメチルメタクリレート、及びポリアクリレートとポリメチルメタクリレートとのコポリマー等の有機ポリマーからできていてよい。また更なる実施形態では、UVバリア層は、BASFからのTinuvin CarboProtect、及びEverlightからのEversorbシリーズ等の市販の材料からできていてよい。実施形態では、UVバリア層は、高ピクセル密度構造から発光される全光におけるUV光の割合を、約5%以下、約2.5%以下、約1%以下、約0.5%以下、約0.1%以下、約0.05%以下、約0.01%以下、又はそれ未満に低下させ得る。追加の実施形態では、UVバリア層は、量子ドット層からの可視光を約50%以上、約75%以上、約85%以上、約90%以上、約95%以上、約99%以上、又はそれ以上で透過させることができる。
【0061】
[0070]方法500はまた追加として、工程550において、LEDピクセルのアレイのLEDピクセルのサブピクセルのうちの1又は複数にマイクロレンズを形成することを含み得る。実施形態では、マイクロレンズは、LEDピクセルの各々におけるサブピクセルのうちの2つ以上、サブピクセルのうちの3つ以上、及びサブピクセルの全てに形成され得る。追加の実施形態では、マイクロレンズは、他のレンズ形状の中でも、凸型レンズ、凹型レンズ、フレネル型レンズであってよい。更なる実施形態では、マイクロレンズは、サブピクセルから発光された可視光を透過させることができる無機材料又は有機材料でできていてよい。追加の実施形態では、マイクロレンズは、他のポリマーの中でも、ポリジメチルシロキサン、ポリアクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリスチレン、及びポリ(ベンジルメタクリレート)等のポリマーでできていてよい。更なる実施形態では、マイクロレンズは、他の無機材料の中でも、シリカ、酸化亜鉛、及び酸化アルミニウム等の無機材料でできていてよい。マイクロレンズは、他の用途の中でも、高ピクセル密度構造によって発光された光を曲げたり集束させたりして、VRヘッドセット及びARメガネ等の特定の用途のための画質を向上させる。
【0062】
[0071]方法500等の本方法の実施形態は、約1000ppi以上、約1250ppi以上、約1500ppi以上、約1750ppi以上、約2000ppi以上、約2500ppi以上、約2750ppi以上、約3000ppi以上、又はそれ以上のピクセル密度を有する高ピクセル密度構造を製造するために使用され得る。実施形態では、本方法は、サブピクセルを形成し、分離させることで、隣接するサブピクセルとのクロストークを低減させることを含む。追加の実施形態では、本方法は、サブピクセルを試験し、先に量子ドット層のないブランクサブピクセルに置換量子ドット層を形成することによって欠陥のあるサブピクセルを置換する工程により、欠陥のあるピクセルがより少ない高ピクセル密度構造の製造を可能にする。本方法により、高ピクセル密度、高速応答時間、及び高画質画像表示能力の両方を必要とする仮想現実ヘッドセット及び拡張現実メガネ等のディスプレイデバイスに組み込むことができる高ピクセル密度構造の製造が可能になる。
【0063】
[0072]前述の説明では、説明の目的で、本技術の様々な実施形態の理解を提供するために、多数の詳細が記載されている。しかしながら、当業者には、特定の実施形態が、これらの詳細の一部を伴わずに、又は追加の詳細を伴って実施され得ることが明らかであろう。
【0064】
[0073]幾つかの実施形態を開示したが、実施形態の主旨から逸脱することなく、様々な修正、代替構造、及び同等物を使用できることが当業者によって認識されるであろう。さらに、本技術を不必要に曖昧にすることを避けるために、幾つかの周知のプロセス及び要素は説明していない。従って、上記の明細を、本技術の範囲を限定するものと解釈すべきではない。さらに、方法又はプロセスは、順次又は段階的に説明され得るが、工程は、同時に、又は列挙されたものとは異なる順序で実行され得ることが理解されるべきである。
【0065】
[0074]値の範囲が提供される場合、文脈が明確に別段の指示をしていない限り、その範囲の上限と下限との間の、下限の単位の最小部分までの各介在値もまた、具体的に開示されることを理解されたい。いずれかの記載された値又は記載された範囲の記載されていない介在値と、その記載された範囲の他のいずれかの記載された値又は介在値との間のいかなるより狭い範囲も含まれる。これらのより小さい範囲の上限と下限は、独立して範囲に含まれる又は除外される場合があり、より小さい範囲に一方の限界値、又は両方の限界値が含まれる、又はどちらの限界値も含まれない各範囲も、記載された範囲におけるいずれかの具体的に除外された限界値に従って、本技術内に含まれる。記載された範囲に限界値の一方又は両方が含まれる場合、それら含まれる限界値の一方又は両方を除外する範囲も含まれる。
【0066】
[0075]本明細書及び添付の特許請求の範囲において使用される場合、単数形「a」、「an」、及び「the」は、文脈が明確に別段の指示をしていない限り、複数の参照を含む。従って、例えば、「ピクセル(a pixel)」への言及は、複数の上記ピクセルを含み、「層(the layer)」への言及は、当業者に周知の1又は複数の層及びその等価物等への言及を含む。
【0067】
[0076]また、本明細書及び以下の特許請求の範囲で使用する場合、「含む、備える(comprise)」、「含む、備える(comprising)」、「含む(contain)」、「含む(containing)」、「含む(include)」、及び「含む(including)」という用語は、記載された特徴、整数、構成要素、又は工程の存在を指定するものであるが、1又は複数の他の特徴、整数、構成要素、工程、動作、又は群の存在又は追加を排除するものではない。
【国際調査報告】