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特表2024-522378ペンドリン抑制活性を有する新規化合物およびその医薬用途
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-18
(54)【発明の名称】ペンドリン抑制活性を有する新規化合物およびその医薬用途
(51)【国際特許分類】
   C07D 209/42 20060101AFI20240611BHJP
   A61P 11/00 20060101ALI20240611BHJP
   A61P 11/06 20060101ALI20240611BHJP
   A61P 11/02 20060101ALI20240611BHJP
   A61K 45/00 20060101ALI20240611BHJP
   A61P 13/02 20060101ALI20240611BHJP
   A61K 31/635 20060101ALI20240611BHJP
   A61K 31/496 20060101ALI20240611BHJP
   A23L 33/10 20160101ALI20240611BHJP
   A61K 31/341 20060101ALN20240611BHJP
【FI】
C07D209/42 CSP
A61P11/00
A61P11/06
A61P11/02
A61K45/00
A61P13/02
A61K31/635
A61K31/496
A23L33/10
A61K31/341
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023577106
(86)(22)【出願日】2022-06-10
(85)【翻訳文提出日】2023-12-08
(86)【国際出願番号】 KR2022008257
(87)【国際公開番号】W WO2022260494
(87)【国際公開日】2022-12-15
(31)【優先権主張番号】10-2021-0075738
(32)【優先日】2021-06-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2022-0053009
(32)【優先日】2022-04-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】514274672
【氏名又は名称】延世大学校 産学協力団
【氏名又は名称原語表記】UIF (University Industry Foundation), Yonsei University
【住所又は居所原語表記】50,YONSEI-RO, SEODAEMUN-GU, SEOUL 03722, REPUBLIC OF KOREA
(71)【出願人】
【識別番号】523465573
【氏名又は名称】アーボーメッド・カンパニー・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】ARBORMED CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】6F, 12 NONHYEON‐RO 81‐GIL, GANGNAM‐GU, SEOUL 06237, REPUBLIC OF KOREA
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】チェ,ジェ・ヨン
(72)【発明者】
【氏名】ハン,ギュンヒ
(72)【発明者】
【氏名】ナムグン,ワン
(72)【発明者】
【氏名】パク,ム・ソク
(72)【発明者】
【氏名】パク,ソンハ
(72)【発明者】
【氏名】ユ,テ‐ヒョン
(72)【発明者】
【氏名】パク,ジュンヨン
(72)【発明者】
【氏名】イム,ウォンビン
(72)【発明者】
【氏名】パク,オク
(72)【発明者】
【氏名】チョン,チュンウォン
(72)【発明者】
【氏名】ミン,ビョン‐ゴル
(72)【発明者】
【氏名】キム,テウォン
(72)【発明者】
【氏名】チェ,ソヨン
【テーマコード(参考)】
4B018
4C084
4C086
【Fターム(参考)】
4B018MD10
4B018MD18
4B018ME14
4B018MF01
4B018MF10
4C084AA19
4C084NA05
4C084ZA831
4C084ZA832
4C084ZC751
4C086AA01
4C086AA02
4C086BA03
4C086BC50
4C086DA20
4C086GA07
4C086GA12
4C086GA16
4C086MA02
4C086MA52
4C086MA55
4C086NA05
4C086ZA83
4C086ZC75
(57)【要約】
本発明は、ペンドリン抑制活性を有する新規化合物およびその医薬用途に関し、下記化学式1で表される化合物、そのE-またはZ-異性体、その光学異性体、その前駆体、その薬学的に許容可能な塩、その溶媒和物またはその2種の異性体混合物およびそのペンドリン抑制活性を利用した呼吸器疾患予防、改善または治療用組成物および利尿用組成物を提供する。
【化1】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記化学式1で表される化合物、そのE-またはZ-異性体、その光学異性体、その前駆体、その薬学的に許容可能な塩、その溶媒和物またはその2種の異性体混合物:
【化1】
前記化学式1中、
は水素、ハロゲン、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、アリール、炭素数1~10のアルキルアリール、炭素数3~7のシクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、炭素数1~10のアルキル、炭素数2~10のアルケニル、炭素数2~10のアルキニル、C(O)OR、C(O)R、ORおよびOCRからなる群より独立して選択される一つ以上の基で置換された1~3個の窒素原子を含む炭素数5~10のヘテロアリールであり、
Aは水素、ハロゲン、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、アリール、炭素数1~10のアルキルアリール、炭素数3~7のシクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、炭素数1~10のアルキル、炭素数2~10のアルケニル、炭素数2~10のアルキニル、C(O)OR、C(O)R、OR、OCRおよびOCORからなる群より独立して選択される一つ以上の基で置換された1~3個の窒素原子を含む炭素数5~7のヘテロアリールまたは1~3個のヘテロ原子を含む炭素数5~7のヘテロシクロアルキルであり、
は水素、ハロゲン、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、アリール、炭素数1~10のアルキルアリール、炭素数3~7のシクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、炭素数1~10のアルキル、炭素数2~10のアルケニル、炭素数2~10のアルキニル、C(O)OR、C(O)R、OR、OCRおよびOCORからなる群より独立して選択される一つ以上の基で置換されるアリール、炭素数1~10のアルキル、炭素数5~7のシクロアルキルまたはC(O)ORであり、
は水素、ハロゲン、炭素数1~10のアルキル、炭素数2~6のアルケニルおよび炭素数2~6のアルキニルからなる群より独立して選択される一つ以上であり、
は水素、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、アリール、アリール(炭素数1~10のアルキル)、炭素数1~10のアルキルアリール、ヘテロアリール、ヘテロアリール(炭素数1~10のアルキル)、炭素数1~10のアルキルヘテロアリール、炭素数1~10のアルキル、炭素数2~6のアルケニル、炭素数2~6のアルキニル、炭素数3~6のシクロアルキルおよびヘテロシクロアルキルからなる群より独立して選択され、
nは1~5の整数である。
【請求項2】
は水素、ハロゲン、トリフルオロメチル、炭素数3~7のシクロアルキル、炭素数1~10のアルキル、炭素数2~10のアルケニル、炭素数2~10のアルキニル、C(O)OR、C(O)R、OR、OCRおよびOCORからなる群より独立して選択される一つ以上の基で置換されたインドリル、イソインドリル、3H-インドール、1H-インドール、キノリル、イソキノリル、5,6,7,8-テトラヒドロキノリル、5,6,7,8-テトラヒドロイソキノリル、キノリジニル、キナゾリニル、フタラジニル、シンノリニルまたはナフチリジニルであり、
Aは水素、ハロゲン、トリフルオロメチル、炭素数3~7のシクロアルキル、炭素数1~10のアルキル、炭素数2~10のアルケニルおよび炭素数2~10のアルキニルからなる群より独立して選択される一つ以上の基で置換されたピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニルまたはデカヒドロイソキノリニルであり、
は水素、ハロゲン、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、アリール、炭素数1~10のアルキルアリール、炭素数3~7のシクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、炭素数1~10のアルキル、炭素数2~10のアルケニル、炭素数2~10のアルキニル、炭素数3~6のシクロアルキル、C(O)OR、C(O)R、ORおよびOCRからなる群より独立して選択される一つ以上の基で置換される炭素数5~7のアリール、炭素数1~10のアルキル、炭素数5~7のシクロアルキルまたはC(O)ORであり、
は水素、ハロゲン、炭素数1~10のアルキル、炭素数2~6のアルケニルおよび炭素数2~6のアルキニルからなる群より独立して選択される一つ以上であり、
は水素、トリフルオロメチル、アリール、アリール(炭素数1~10のアルキル)、炭素数1~10のアルキルアリール、炭素数1~10のアルキル、炭素数2~6のアルケニル、炭素数2~6のアルキニル、炭素数3~6のシクロアルキルからなる群より独立して選択され、
nは1~5の整数である、請求項1に記載の化合物、そのE-またはZ-異性体、その光学異性体、その前駆体、その薬学的に許容可能な塩、その溶媒和物またはその2種の異性体混合物。
【請求項3】
下記化学式1aで表される、請求項1に記載の化合物、そのE-またはZ-異性体、その光学異性体、その前駆体、その薬学的に許容可能な塩、その溶媒和物またはその2種の異性体混合物。
【化2】
前記化学式1a中、
は水素、ハロゲン、炭素数1~10のアルキル、炭素数2~6のアルケニルおよび炭素数2~6のアルキニルからなる群より独立して選択される一つ以上であり、
は水素、ハロゲン、トリフルオロメチル、炭素数3~7のシクロアルキル、炭素数1~10のアルキル、炭素数2~10のアルケニル、炭素数2~10のアルキニル、C(O)OR、C(O)R、ORおよびOCRからなる群より独立して選択される一つ以上の基であり、
はC(O)OR、C(O)R、OR、OCRおよびOCORからなる群より独立して選択される基であり、
は水素、炭素数3~7のシクロアルキル、炭素数1~10のアルキル、炭素数2~10のアルケニルおよび炭素数2~10のアルキニルからなる群より独立して選択される一つ以上の基であり、
は水素、ハロゲン、トリフルオロメチル、炭素数3~7のシクロアルキル、炭素数1~10のアルキル、炭素数2~10のアルケニル、炭素数2~10のアルキニル、C(O)OR、C(O)R、ORおよびOCRからなる群より独立して選択される一つ以上の基であり、
は水素、トリフルオロメチル、アリール、アリール(炭素数1~10のアルキル)、炭素数1~10のアルキルアリール、炭素数1~10のアルキル、炭素数2~6のアルケニル、炭素数2~6のアルキニル、炭素数3~6のシクロアルキルからなる群より独立して選択され、
nは1~5の整数である。
【請求項4】
下記化学式1bで表される、請求項1に記載の化合物、そのE-またはZ-異性体、その光学異性体、その前駆体、その薬学的に許容可能な塩、その溶媒和物またはその2種の異性体混合物。
【化3】
前記化学式1b中、
は水素、ハロゲン、炭素数1~10のアルキル、炭素数2~6のアルケニルおよび炭素数2~6のアルキニルからなる群より独立して選択される一つ以上であり、
は水素、ハロゲン、トリフルオロメチル、炭素数3~7のシクロアルキル、炭素数1~10のアルキル、炭素数2~10のアルケニル、炭素数2~10のアルキニル、C(O)OR、C(O)R、ORおよびOCRからなる群より独立して選択される一つ以上の基であり、
はC(O)OR、C(O)R、OR、OCRおよびOCORからなる群より独立して選択される基であり、
は水素、炭素数3~7のシクロアルキル、炭素数1~10のアルキル、炭素数2~10のアルケニルおよび炭素数2~10のアルキニルからなる群より独立して選択される一つ以上の基であり、
は水素、ハロゲン、トリフルオロメチル、炭素数3~7のシクロアルキル、炭素数1~10のアルキル、炭素数2~10のアルケニルおよび炭素数2~10のアルキニルからなる群より独立して選択される一つ以上の基であり、
は水素、トリフルオロメチル、アリール、アリール(炭素数1~10のアルキル)、炭素数1~10のアルキルアリール、炭素数1~10のアルキル、炭素数2~6のアルケニル、炭素数2~6のアルキニル、炭素数3~6のシクロアルキルからなる群より独立して選択され、
nは1~5の整数である。
【請求項5】
前記化合物は、
(1)5-クロロ-3-(2-オキソ-2-(4-(4-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペラジン-1-イル)エチル)-1H-インドール-2-カルボン酸;
(2)5-クロロ-3-(2-オキソ-2-(4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペラジン-1-イル)エチル)-1H-インドール-2-カルボン酸;
(3)5-クロロ-3-(2-(4-(2,6-ジメチルフェニル)ピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル)-1H-インドール-2-カルボン酸;
(4)5-クロロ-3-(2-(4-(2,4-ジメチルフェニル)ピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル)-1H-インドール-2-カルボン酸;
(5)5-クロロ-3-(2-(4-(3-メトキシフェニル)ピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル)-1H-インドール-2-カルボン酸;
(6)5-クロロ-3-(2-(4-(2-クロロフェニル)ピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル)-1H-インドール-2-カルボン酸;
(7)5-クロロ-3-(2-(4-(4-クロロフェニル)ピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル)-1H-インドール-2-カルボン酸;
(8)3-(2-(4-(2-ブロモフェニル)ピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル)-5-クロロ-1H-インドール-2-カルボン酸;
(9)3-(2-(4-(3-ブロモフェニル)ピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル)-5-クロロ-1H-インドール-2-カルボン酸;
(10)3-(2-(4-(4-ブロモフェニル)ピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル)-5-クロロ-1H-インドール-2-カルボン酸;
(11)5-クロロ-3-(2-オキソ-2-(4-(o-トリル)ピペラジン-1-イル)エチル)-1H-インドール-2-カルボン酸;
(12)5-クロロ-3-(2-オキソ-2-(4-(m-トリル)ピペラジン-1-イル)エチル)-1H-インドール-2-カルボン酸;
(13)5-クロロ-3-(2-オキソ-2-(4-(p-トリル)ピペラジン-1-イル)エチル)-1H-インドール-2-カルボン酸;
(14)3-(2-(4-(tert-ブトキシカルボニル)ピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル)-5-クロロ-1H-インドール-2-カルボン酸;
(15)5-クロロ-3-(2-(4-(2-クロロ-6-メチルフェニル)ピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル)-1H-インドール-2-カルボン酸;
(16)5-クロロ-3-(2-(4-(2-エトキシフェニル)ピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル)-1H-インドール-2-カルボン酸;
(17)5-クロロ-3-(2-(3-メチル-4-フェニルピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル)-1H-インドール-2-カルボン酸;
(18)5-クロロ-3-(2-(4-(4-クロロフェニル)-2,2-ジメチルピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル)-1H-インドール-2-カルボン酸;
(19)5-クロロ-3-(2-(4-(2-クロロ-4-フルオロフェニル)ピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル)-1H-インドール-2-カルボン酸;
(20)5-クロロ-3-(2-(4-(2-クロロ-5-メトキシフェニル)ピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル)-1H-インドール-2-カルボン酸;
(21)5-クロロ-3-(2-(4-(2,4-ジクロロフェニル)ピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル)-1H-インドール-2-カルボン酸;
(22)(R)-5-クロロ-3-(2-(2-メチル-4-フェニルピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル)-1H-インドール-2-カルボン酸;
(23)5-クロロ-3-(2-(4-(2,4-ジフルオロフェニル)ピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル)-1H-インドール-2-カルボン酸;
(24)5-クロロ-3-(2-オキソ-2-(4-(3,4,5-トリクロロフェニル)ピペラジン-1-イル)エチル)-1H-インドール-2-カルボン酸;
(25)5-クロロ-3-(2-(4-(2-フルオロフェニル)ピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル)-1H-インドール-2-カルボン酸;
(26)5-クロロ-3-(2-(4-(3-クロロ-2-メチルフェニル)ピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル)-1H-インドール-2-カルボン酸;
(27)3-(2-(4-(4-カルボキシフェニル)ピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル)-5-クロロ-1H-インドール-2-カルボン酸;
(28)3-(2-(4-(4-アセチルフェニル)ピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル)-5-クロロ-1H-インドール-2-カルボン酸;
(29)5-クロロ-3-(2-(4-(4-エトキシフェニル)ピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル)-1H-インドール-2-カルボン酸;
(30)3-(2-(4-(4-(tert-ブチル)フェニル)ピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル)-5-クロロ-1H-インドール-2-カルボン酸;
(31)3-(2-(4-(4-(tert-ブチル)フェニル)ピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル)-5-メチル-1H-インドール-2-カルボン酸;
(32)3-(2-(4-(4-(tert-ブチル)フェニル)ピペラジン-1-イル-2-オキソエチル)-5,7-ジメチル-1H-インドール-2-カルボン酸;
(33)3-(2-(4-(2,6-ジメチルフェニル)ピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル)-5-メチル-1H-インドール-2-カルボン酸;
(34)3-(2-(4-(2,6-ジメチルフェニル)ピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル)-5,7-ジメチル-1H-インドール-2-カルボン酸;
(35)3-(2-(4-(2-クロロ-6-メチルフェニル)ピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル)-5-メチル-1H-インドール-2-カルボン酸;
(36)3-(2-(4-(2-クロロ-6-メチルフェニル)ピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル)-5,7-ジメチル-1H-インドール-2-カルボン酸;
(37)3-(2-(4-(2-クロロ-6-メチルフェニル)ピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル)-5-フルオロ-1H-インドール-2-カルボン酸;
(38)3-(2-(4-(2,6-ジメチルフェニル)ピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル)-5-フルオロ-1H-インドール-2-カルボン酸;
(39)3-(2-(4-(4-(tert-ブチル)フェニル)ピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル)-5-フルオロ-1H-インドール-2-カルボン酸;
(40)3-(2-(4-([1,1’-ビフェニル]-4-イル)ピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル)-5-クロロ-1H-インドール-2-カルボン酸;または
(41)5-クロロ-3-(2-(4-(2,5-ジメチルフェニル)ピペラジン-1-イル-)-2-オキソエチル)-1H-インドール-2-カルボン酸である、請求項1に記載の化合物、そのE-またはZ-異性体、その光学異性体、その前駆体、その薬学的に許容可能な塩、その溶媒和物またはその2種の異性体混合物。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか一項に記載の化合物、そのE-またはZ-異性体、その光学異性体、その前駆体、その薬学的に許容可能な塩、その溶媒和物またはその2種の異性体混合物を有効成分として含む、呼吸器疾患の予防または治療用薬学組成物。
【請求項7】
前記呼吸器疾患は炎症性気道疾患である、請求項6に記載の薬学組成物。
【請求項8】
前記炎症性気道疾患は喘息、急性または慢性気管支炎、アレルギー性鼻炎、急性呼吸器感染、急性上部呼吸器感染、嚢胞性線維症、急性呼吸困難症候群(ARDS)、急性肺損傷(ALI)および慢性閉塞性肺疾患(COPD)からなる群より選択される一つ以上である、請求項7に記載の薬学組成物。
【請求項9】
前記有効成分はペンドリン抑制剤として作用する、請求項6に記載の薬学組成物。
【請求項10】
前記有効成分は、気道表面液体(ASL)の体積を保存または増加させる、請求項6に記載の薬学組成物。
【請求項11】
他の薬学成分をさらに含む、請求項6に記載の薬学組成物。
【請求項12】
請求項1~5のいずれか一項に記載の化合物、そのE-またはZ-異性体、その光学異性体、その前駆体、その薬学的に許容可能な塩、その溶媒和物またはその2種の異性体混合物を有効成分として含む、呼吸器疾患の予防または改善用健康機能食品。
【請求項13】
請求項1~5のいずれか一項に記載の化合物、そのE-またはZ-異性体、その光学異性体、その前駆体、その薬学的に許容可能な塩、その溶媒和物またはその2種の異性体混合物を有効成分として含む、利尿用薬学組成物。
【請求項14】
他の利尿剤と共投与される、請求項13に記載の薬学組成物。
【請求項15】
前記他の利尿剤はフロセミドであり、前記薬学組成物と前記フロセミドは1:10の重量比で投与される、請求項14に記載の薬学組成物。
【請求項16】
請求項1~5のいずれか一項に記載の化合物、そのE-またはZ-異性体、その光学異性体、その前駆体、その薬学的に許容可能な塩、その溶媒和物またはその2種の異性体混合物を有効成分として含む、利尿用健康機能食品組成物。
【請求項17】
請求項1~5のいずれか一項に記載の化合物、そのE-またはZ-異性体、その光学異性体、その前駆体、その薬学的に許容可能な塩、その溶媒和物またはその2種の異性体混合物を投与する段階を含む、呼吸器疾患予防、改善または治療方法。
【請求項18】
請求項1~5のいずれか一項に記載の化合物、そのE-またはZ-異性体、その光学異性体、その前駆体、その薬学的に許容可能な塩、その溶媒和物またはその2種の異性体混合物を投与する段階を含む、利尿方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ペンドリン抑制活性を有する新規化合物およびその医薬用途に関し、下記化学式1で表される化合物、そのE-またはZ-異性体、その光学異性体、その前駆体、その薬学的に許容可能な塩、その溶媒和物またはその2種の異性体混合物およびそのペンドリン抑制活性を利用した呼吸器疾患予防、改善または治療用組成物および利尿用組成物を提供する。
【0002】
【化1】
【背景技術】
【0003】
非正常的な陰イオン交換は様々なヒト疾患と関連がある。例えば、血漿または尿の溶質不均衡は腎臓、心臓または肝臓の問題を示すことができる。嚢胞性線維症(cystic fibrosis)における検出ClおよびHCO 輸送は、気道表面液体(airway surface liquid)の体積と組成を変えて損傷した免疫機能およびCD疾患の病因などの多様な合併症を誘発することができる。したがって、陰イオン交換に関与する細胞のメカニズムは潜在的な治療標的として注目される。
【0004】
ペンドリン(以下、「PDS」とも言う)は、SLC26遺伝子ファミリーのメンバーであるSLC26A4(solute carrier family 26、member4:溶質キャリアファミリー26、メンバー4)遺伝子によってコードされ、炎症のある気道上皮、内耳(inner ear)、甲状腺、副腎および腎臓を含む多様な組織において発現する陰イオン交換体であって、ClをHCO 、I、OHおよびSCNおよびHCO などの陰イオンに交換する。ペンドリンは気道上皮細胞の内腔膜に発現する細胞膜タンパク質である。しかし、ペンドリンの発現は、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、アレルギー性鼻塩、喘息、百日咳菌感染、急性肺損傷(ALI)、急性呼吸困難症候群(ARDS)およびライノウイルスによる一般的な風邪のような炎症性気道疾患で強くアップレギュレーションされ、ペンドリンのアップレギュレーションは1次気道上皮細胞がIL-4、IL-13およびIL-17Aと共に培養される時に観察される。興味深いことに、ペンドリンノックアウト(KO)は、COPD、アレルギー性鼻炎、喘息、百日咳菌感染およびライノウイルス感染に対するすべてのマウスモデルにおける気道炎症を改善する。気道炎症においてペンドリンの病理生理学的役割は明確に究明されていない。しかし、新たな証拠は、ペンドリンが炎症性気道疾患において気道表面液体(ASL)の体積保存および粘液生成の調節に関与することを示す。
【0005】
IL-13による1次マウス気管上皮細胞の培養においてASLの体積増加は、WTマウス対照群に比べてペンドリンKOマウスで有意にさらに高かった。ペンドリン突然変異体(DFNB4)を運ぶ聴覚障害患者の1次ヒト鼻腔上皮(HNE)細胞の培養においてIL-13誘導されたASLの体積増加は、正常対照群より有意にさらに高かった。また、ペンドリン抑制剤によるペンドリンの抑制は、ヒト気管支上皮細胞の1次培養においてIL-13誘導されたASLの体積を有意に増加させた。このような発見は、ペンドリンのダウンレギュレーションが炎症性気道疾患においてASLの体積恒常性の調節に有利な影響を及ぼし得ることを示唆する。
【0006】
粘液の過度な生産は、喘息およびCOPDなどの炎症性気道疾患の共通した特徴である。ペンドリンの過剰発現は、ヒト肺癌株NCI-H292細胞およびマウス肺組織でMUC5AC遺伝子発現を有意に増加させた。IL-13処理は、正常対象からHNE細胞でMUC5AC遺伝子発現を有意に増加させたが、IL-13によって誘導されたMUC5ACのアップレギュレーションは、ペンドリン突然変異体を保有する聴覚障害患者のHNE細胞で完全に消失した。このような研究結果は、ペンドリンのダウンレギュレーションが喘息およびCOPDの治療に有利であり得ることを示唆する。
【0007】
従来技術として米国特許公開2019/0054071号においては、下記化学式Iで表される化合物のペンドリンイオン交換の小分子抑制剤およびその呼吸器疾患治療剤または利尿剤としての医薬用途が開示されている。
【0008】
【化2】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、特定新規化合物がペンドリン抑制剤として作用し、ペンドリン抑制活性による関連疾患の治療剤または利尿剤として用いられるという知見に基づく。
【0010】
したがって、本発明は、下記化学式1で表される新規化合物、そのペンドリン抑制活性による呼吸器疾患予防、改善または治療用組成物および利尿用組成物を提供することを目的とする。
【0011】
また、本発明は、下記化学式1で表される新規化合物、そのペンドリン抑制活性による呼吸器疾患予防、改善または治療方法および利尿方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、上記課題を解決するために、下記化学式1で表される化合物、そのE-またはZ-異性体、その光学異性体、その前駆体、その薬学的に許容可能な塩、その溶媒和物またはその2種の異性体混合物を提供する。
【0013】
【化3】
前記化学式1中、
は水素、ハロゲン、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、アリール、炭素数1~10のアルキルアリール、炭素数3~7のシクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、炭素数1~10のアルキル、炭素数2~10のアルケニル、炭素数2~10のアルキニル、C(O)OR、C(O)R、ORおよびOCRからなる群より独立して選択される一つ以上の基で置換された1~3個の窒素原子を含む炭素数5~10のヘテロアリールであり、
Aは水素、ハロゲン、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、アリール、炭素数1~10のアルキルアリール、炭素数3~7のシクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、炭素数1~10のアルキル、炭素数2~10のアルケニル、炭素数2~10のアルキニル、C(O)OR、C(O)R、OR、OCRおよびOCORからなる群より独立して選択される一つ以上の基で置換された1~3個の窒素原子を含む炭素数5~7のヘテロアリールまたは1~3個のヘテロ原子を含む炭素数5~7のヘテロシクロアルキルであり、
は水素、ハロゲン、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、アリール、炭素数1~10のアルキルアリール、炭素数3~7のシクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、炭素数1~10のアルキル、炭素数2~10のアルケニル、炭素数2~10のアルキニル、C(O)OR、C(O)R、OR、OCRおよびOCORからなる群より独立して選択される一つ以上の基で置換されるアリール、炭素数1~10のアルキル、炭素数5~7のシクロアルキルまたはC(O)ORであり、
は水素、ハロゲン、炭素数1~10のアルキル、炭素数2~6のアルケニルおよび炭素数2~6のアルキニルからなる群より独立して選択される一つ以上であり、
は水素、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、アリール、アリール(炭素数1~10のアルキル)、炭素数1~10のアルキルアリール、ヘテロアリール、ヘテロアリール(炭素数1~10のアルキル)、炭素数1~10のアルキルヘテロアリール、炭素数1~10のアルキル、炭素数2~6のアルケニル、炭素数2~6のアルキニル、炭素数3~6のシクロアルキルおよびヘテロシクロアルキルからなる群より独立して選択され、
nは1~5の整数である。
本発明の好ましい一実施形態によれば、前記化学式1中、Vは水素、ハロゲン、トリフルオロメチル、炭素数3~7のシクロアルキル、炭素数1~10のアルキル、炭素数2~10のアルケニル、炭素数2~10のアルキニル、C(O)OR、C(O)R、OR、OCRおよびOCORからなる群より独立して選択される一つ以上の基で置換されたインドリル、イソインドリル、3H-インドール、1H-インドール、キノリル、イソキノリル、5,6,7,8-テトラヒドロキノリル、5,6,7,8-テトラヒドロイソキノリル、キノリジニル、キナゾリニル、フタラジニル、シンノリニルまたはナフチリジニルであり、
Aは水素、ハロゲン、トリフルオロメチル、炭素数3~7のシクロアルキル、炭素数1~10のアルキル、炭素数2~10のアルケニルおよび炭素数2~10のアルキニルからなる群より独立して選択される一つ以上の基で置換されたピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニルまたはデカヒドロイソキノリニルであり、
は水素、ハロゲン、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、アリール、炭素数1~10のアルキルアリール、炭素数3~7のシクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、炭素数1~10のアルキル、炭素数2~10のアルケニル、炭素数2~10のアルキニル、炭素数3~6のシクロアルキル、C(O)OR、C(O)R、ORおよびOCRからなる群より独立して選択される一つ以上の基で置換される炭素数5~7のアリール、炭素数1~10のアルキル、炭素数5~7のシクロアルキルまたはC(O)ORであり、
は水素、ハロゲン、炭素数1~10のアルキル、炭素数2~6のアルケニルおよび炭素数2~6のアルキニルからなる群より独立して選択される一つ以上であり、
は水素、トリフルオロメチル、アリール、アリール(炭素数1~10のアルキル)、炭素数1~10のアルキルアリール、炭素数1~10のアルキル、炭素数2~6のアルケニル、炭素数2~6のアルキニル、炭素数3~6のシクロアルキルからなる群より独立して選択され、
nは1~5の整数である。
【0014】
本発明の好ましい他の一実施形態によれば、前記化学式1で表される化合物、そのE-またはZ-異性体、その光学異性体、その前駆体、その薬学的に許容可能な塩、その溶媒和物またはその2種の異性体混合物は下記化学式1aで表される化合物、そのE-またはZ-異性体、その光学異性体、その前駆体、その薬学的に許容可能な塩、その溶媒和物またはその2種の異性体混合物を含む。
【0015】
【化4】
前記化学式1a中、
は水素、ハロゲン、炭素数1~10のアルキル、炭素数2~6のアルケニルおよび炭素数2~6のアルキニルからなる群より独立して選択される一つ以上であり、
は水素、ハロゲン、トリフルオロメチル、炭素数3~7のシクロアルキル、炭素数1~10のアルキル、炭素数2~10のアルケニル、炭素数2~10のアルキニル、C(O)OR、C(O)R、ORおよびOCRからなる群より独立して選択される一つ以上の基であり、
はC(O)OR、C(O)R、OR、OCRおよびOCORからなる群より独立して選択される基であり、
は水素、炭素数3~7のシクロアルキル、炭素数1~10のアルキル、炭素数2~10のアルケニルおよび炭素数2~10のアルキニルからなる群より独立して選択される一つ以上の基であり、
は水素、ハロゲン、トリフルオロメチル、炭素数3~7のシクロアルキル、炭素数1~10のアルキル、炭素数2~10のアルケニル、炭素数2~10のアルキニル、C(O)OR、C(O)R、ORおよびOCRからなる群より独立して選択される一つ以上の基であり、
は水素、トリフルオロメチル、アリール、アリール(炭素数1~10のアルキル)、炭素数1~10のアルキルアリール、炭素数1~10のアルキル、炭素数2~6のアルケニル、炭素数2~6のアルキニル、炭素数3~6のシクロアルキルからなる群より独立して選択され、
nは1~5の整数である。
【0016】
本発明の好ましいさらに他の一実施形態によれば、前記化学式1で表される化合物、そのE-またはZ-異性体、その光学異性体、その前駆体、その薬学的に許容可能な塩、その溶媒和物またはその2種の異性体混合物は、下記化学式1bで表される化合物、そのE-またはZ-異性体、その光学異性体、その前駆体、その薬学的に許容可能な塩、その溶媒和物またはその2種の異性体混合物を含む。
【0017】
【化5】
前記化学式1b中、
は水素、ハロゲン、炭素数1~10のアルキル、炭素数2~6のアルケニルおよび炭素数2~6のアルキニルからなる群より独立して選択される一つ以上であり、
は水素、ハロゲン、トリフルオロメチル、炭素数3~7のシクロアルキル、炭素数1~10のアルキル、炭素数2~10のアルケニル、炭素数2~10のアルキニル、C(O)OR、C(O)R、ORおよびOCRからなる群より独立して選択される一つ以上の基であり、
はC(O)OR、C(O)R、OR、OCRおよびOCORからなる群より独立して選択される基であり、
は水素、炭素数3~7のシクロアルキル、炭素数1~10のアルキル、炭素数2~10のアルケニルおよび炭素数2~10のアルキニルからなる群より独立して選択される一つ以上の基であり、
は水素、ハロゲン、トリフルオロメチル、炭素数3~7のシクロアルキル、炭素数1~10のアルキル、炭素数2~10のアルケニルおよび炭素数2~10のアルキニルからなる群より独立して選択される一つ以上の基であり、
は水素、トリフルオロメチル、アリール、アリール(炭素数1~10のアルキル)、炭素数1~10のアルキルアリール、炭素数1~10のアルキル、炭素数2~6のアルケニル、炭素数2~6のアルキニル、炭素数3~6のシクロアルキルからなる群より独立して選択され、
nは1~5の整数である。
【0018】
本発明の好ましい他の一実施形態によれば、前記化合物は:
(1)5-クロロ-3-(2-オキソ-2-(4-(4-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペラジン-1-イル)エチル)-1H-インドール-2-カルボン酸;
(2)5-クロロ-3-(2-オキソ-2-(4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペラジン-1-イル)エチル)-1H-インドール-2-カルボン酸;
(3)5-クロロ-3-(2-(4-(2,6-ジメチルフェニル)ピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル)-1H-インドール-2-カルボン酸;
(4)5-クロロ-3-(2-(4-(2,4-ジメチルフェニル)ピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル)-1H-インドール-2-カルボン酸;
(5)5-クロロ-3-(2-(4-(3-メトキシフェニル)ピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル)-1H-インドール-2-カルボン酸;
(6)5-クロロ-3-(2-(4-(2-クロロフェニル)ピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル)-1H-インドール-2-カルボン酸;
(7)5-クロロ-3-(2-(4-(4-クロロフェニル)ピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル)-1H-インドール-2-カルボン酸;
(8)3-(2-(4-(2-ブロモフェニル)ピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル)-5-クロロ-1H-インドール-2-カルボン酸;
(9)3-(2-(4-(3-ブロモフェニル)ピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル)-5-クロロ-1H-インドール-2-カルボン酸;
(10)3-(2-(4-(4-ブロモフェニル)ピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル)-5-クロロ-1H-インドール-2-カルボン酸;
(11)5-クロロ-3-(2-オキソ-2-(4-(o-トリル)ピペラジン-1-イル)エチル)-1H-インドール-2-カルボン酸;
(12)5-クロロ-3-(2-オキソ-2-(4-(m-トリル)ピペラジン-1-イル)エチル)-1H-インドール-2-カルボン酸;
(13)5-クロロ-3-(2-オキソ-2-(4-(p-トリル)ピペラジン-1-イル)エチル)-1H-インドール-2-カルボン酸;
(14)3-(2-(4-(tert-ブトキシカルボニル)ピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル)-5-クロロ-1H-インドール-2-カルボン酸;
(15)5-クロロ-3-(2-(4-(2-クロロ-6-メチルフェニル)ピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル)-1H-インドール-2-カルボン酸;
(16)5-クロロ-3-(2-(4-(2-エトキシフェニル)ピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル)-1H-インドール-2-カルボン酸;
(17)5-クロロ-3-(2-(3-メチル-4-フェニルピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル)-1H-インドール-2-カルボン酸;
(18)5-クロロ-3-(2-(4-(4-クロロフェニル)-2,2-ジメチルピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル)-1H-インドール-2-カルボン酸;
(19)5-クロロ-3-(2-(4-(2-クロロ-4-フルオロフェニル)ピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル)-1H-インドール-2-カルボン酸;
(20)5-クロロ-3-(2-(4-(2-クロロ-5-メトキシフェニル)ピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル)-1H-インドール-2-カルボン酸;
(21)5-クロロ-3-(2-(4-(2,4-ジクロロフェニル)ピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル)-1H-インドール-2-カルボン酸;
(22)(R)-5-クロロ-3-(2-(2-メチル-4-フェニルピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル)-1H-インドール-2-カルボン酸;
(23)5-クロロ-3-(2-(4-(2,4-ジフルオロフェニル)ピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル)-1H-インドール-2-カルボン酸;
(24)5-クロロ-3-(2-オキソ-2-(4-(3,4,5-トリクロロフェニル)ピペラジン-1-イル)エチル)-1H-インドール-2-カルボン酸;
(25)5-クロロ-3-(2-(4-(2-フルオロフェニル)ピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル)-1H-インドール-2-カルボン酸;
(26)5-クロロ-3-(2-(4-(3-クロロ-2-メチルフェニル)ピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル)-1H-インドール-2-カルボン酸;
(27)3-(2-(4-(4-カルボキシフェニル)ピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル)-5-クロロ-1H-インドール-2-カルボン酸;
(28)3-(2-(4-(4-アセチルフェニル)ピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル)-5-クロロ-1H-インドール-2-カルボン酸;
(29)5-クロロ-3-(2-(4-(4-エトキシフェニル)ピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル)-1H-インドール-2-カルボン酸;
(30)3-(2-(4-(4-(tert-ブチル)フェニル)ピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル)-5-クロロ-1H-インドール-2-カルボン酸;
(31)3-(2-(4-(4-(tert-ブチル)フェニル)ピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル)-5-メチル-1H-インドール-2-カルボン酸;
(32)3-(2-(4-(4-(tert-ブチル)フェニル)ピペラジン-1-イル-2-オキソエチル)-5,7-ジメチル-1H-インドール-2-カルボン酸;
(33)3-(2-(4-(2,6-ジメチルフェニル)ピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル)-5-メチル-1H-インドール-2-カルボン酸;
(34)3-(2-(4-(2,6-ジメチルフェニル)ピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル)-5,7-ジメチル-1H-インドール-2-カルボン酸;
(35)3-(2-(4-(2-クロロ-6-メチルフェニル)ピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル)-5-メチル-1H-インドール-2-カルボン酸;
(36)3-(2-(4-(2-クロロ-6-メチルフェニル)ピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル)-5,7-ジメチル-1H-インドール-2-カルボン酸;
(37)3-(2-(4-(2-クロロ-6-メチルフェニル)ピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル)-5-フルオロ-1H-インドール-2-カルボン酸;
(38)3-(2-(4-(2,6-ジメチルフェニル)ピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル)-5-フルオロ-1H-インドール-2-カルボン酸;
(39)3-(2-(4-(4-(tert-ブチル)フェニル)ピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル)-5-フルオロ-1H-インドール-2-カルボン酸;
(40)3-(2-(4-([1,1’-ビフェニル]-4-イル)ピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル)-5-クロロ-1H-インドール-2-カルボン酸;または
(41)5-クロロ-3-(2-(4-(2,5-ジメチルフェニル)ピペラジン-1-イル-)-2-オキソエチル)-1H-インドール-2-カルボン酸であり得る。
【0019】
他の側面において、本発明は上述した化合物、そのE-またはZ-異性体、その光学異性体、その前駆体、その薬学的に許容可能な塩、その溶媒和物またはその2種の異性体混合物を有効成分として含む呼吸器疾患の予防または治療用薬学組成物および/または同一の有効成分を含む呼吸器疾患の予防または改善用健康機能食品を提供する。
【0020】
本発明の好ましい一実施形態によれば、前記呼吸器疾患は炎症性気道疾患であり得る。
【0021】
本発明の好ましい他の一実施形態によれば、前記炎症性気道疾患は喘息、急性または慢性気管支炎、アレルギー性鼻炎、急性呼吸器感染、急性上部呼吸器感染、嚢胞性線維症、急性呼吸困難症候群(ARDS)、急性肺損傷(ALI)または慢性閉塞性肺疾患(COPD)からなる群より選択される一つ以上であり得る。
【0022】
本発明の好ましいさらに他の一実施形態によれば、前記有効成分はペンドリン抑制剤として作用することができる。
【0023】
本発明の好ましい他の一実施形態によれば、前記有効成分は気道表面液体(ASL)の体積を保存または増加させることができる。
【0024】
本発明の好ましいさらに他の一実施形態によれば、前記薬学組成物は他の薬学成分をさらに含むことができる。
【0025】
他の側面において、本発明は上述した化合物、そのE-またはZ-異性体、その光学異性体、その前駆体、その薬学的に許容可能な塩、その溶媒和物またはその2種の異性体混合物を有効成分として含む利尿用薬学組成物および/または同一の有効成分を含む利尿用健康機能食品組成物を提供する。
【0026】
本発明の好ましい一実施形態によれば、前記組成物は、他の利尿剤と共投与することができる。
【0027】
本発明の好ましい他の一実施形態によれば、前記他の利尿剤はフロセミドであり、前記組成物と前記フロセミドは約1:10の重量比で投与することができる。
【0028】
他の側面において、本発明は上述した化合物、そのE-またはZ-異性体、その光学異性体、その前駆体、その薬学的に許容可能な塩、その溶媒和物またはその2種の異性体混合物を投与する段階を含む呼吸器疾患予防、改善または治療方法および利尿方法を提供する。
【発明の効果】
【0029】
本発明による化学式1で表される化合物、そのE-またはZ-異性体、その光学異性体、その前駆体、その薬学的に許容可能な塩、その溶媒和物またはその2種の異性体混合物はペンドリン抑制剤として作用し、呼吸器疾患、例えば、炎症性気道疾患、特に、喘息または急性肺損傷の予防、改善または治療に有用で、利尿剤としても活用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1図1は、ヒトペンドリンを安定的に発現するCHO-K1-YFP細胞内ペンドリンのCl/I交換活性に対するYPI-H05とYPI-A4948の抑制効果の例示を示すYFP蛍光変化を示したものである。
図2図2は、ヒトSLC26A3を安定的に発現するLN-215-YFP細胞内SLC26A3のCl/I交換活性に対するYPI-H05とYPI-A4948の抑制効果の例示を示すYFP蛍光変化を示したものである。
図3図3は、YPI-H05とYPI-A4948が陰イオン輸送体であるSLC26A9、CFTR、およびANO1の活性に及ぼす影響を示したもので、(A)および(B)は、ヒトSLC26A9を安定的に発現するLN-215-YFP細胞内SLC26A9のCl/I交換活性に対するYPI-H05とYPI-A4948の効果に対する例示を示すYFP蛍光変化を示したものであり、(C)および(D)は、ヒトCFTRを安定的に発現するFRT-YFP細胞内CFTRのI輸送活性に対するYPI-H05とYPI-A4948の抑制効果の例示を示すYFP蛍光変化を示したものであり、(E)および(F)は、ヒトANO1を安定的に発現するFRT-YFP細胞内ANO1のI輸送活性に対するYPI-H05とYPI-A4948の抑制効果の例示を示すYFP蛍光変化を示したものである。
図4図4は、CHO-K1細胞における細胞生存率に対するYPI-H05とYPI-A4948の効果を示したものである。細胞を24時間YPI-H05とYPI-A4948で処理し、細胞生存率はMTS比色分析によって測定した(平均±SEM、n=3)。
図5図5は、ヒト鼻上皮細胞(HNE)を一次培養した細胞を分化させた状態でYPI-H05がIL-4処理によって減少した気道表面液体(airway surface liquid、ASL)に及ぼす影響を示したものである(平均±SEM、n=3)。*P<0.05。
図6図6は、LPS-誘起性急性肺損傷モデルにおけるYPI-A4948処理前後の保護効果を確認するために設計された投与スケジュールである。
図7図7は、LPS-誘起性急性肺損傷モデルにおけるYPI-A4948処理前後の急性肺損傷表現型の抑制効果を確認したもので、(A)はマウスの平均体重、(B)はBALFの総細胞数、(C)はBALFのタンパク質濃度を示す。
図8図8は、LPS-誘起性急性肺損傷モデルにおけるYPI-A4948処理前後の肺損傷の減少効果を確認したもので、上段パネルはBALFのサイトスピン染色結果を示したものであり、下段パネルはH&E肺組織染色結果を示したものである。
図9図9は、マウスモデルにおけるYPI-A4948処理による利尿効果を確認したものである。
図10図10は、心不全マウスモデルの確立のためのアドリアマイシンの投与スケジュールを示したものである。
図11図11は、アドリアマイシンの投与前後の心臓超音波検査結果を示したものである。
図12図12は、アドリアマイシンによって誘導された心不全マウスモデルにおけるYPI-A4948単独またはYPI-A4948およびフロセミドの共投与による利尿効果を確認したものである。
図13a図13aは、ペンドリン過剰発現したヒト肺胞上皮細胞(hAEC)におけるペンドリンのCl/SCN交換活性に対するYPI-A4948の効果を確認した図である。
図13b図13bは、ヒト肺胞上皮細胞(hAEC)におけるリポ多糖(LPS)を投与後、YPI-A4948濃度によるタンパク質とmRNAの発現量を確認したものである。
図14a図14aは、LPS-誘導肺損傷マウスモデルにおけるYPI-A4948処理による急性肺損傷抑制効果を確認したもので、上段左から投与スケジュール、ペンドリン(PDS)の発現をウェスタンブロットで確認した結果とこれを数値化したグラフ、ペンドリンのmRNA発現量、気管支細胞洗浄液(BALF)の総細胞数、およびBALFのタンパク質濃度を示すグラフである。図14aおよび図14b中、*P<0.05、**P<0.01、***P<0.001を意味し、Bonferroni事後検定を用いて一元分散分析で行った。
図14b図14bは、YPI-A4948処理による肺の炎症性サイトカイン4種のレベルを確認したグラフである。図14aおよび図14b中、*P<0.05、**P<0.01、***P<0.001を意味し、Bonferroni事後検定を用いて一元分散分析で行った。
図15a図15aおよび図15bは、LPS-誘導肺損傷マウスモデルにおける陰イオンを外部からさらに供給した場合、YPI-A4948効能の変化を確認したグラフである。図15aにおいて、上段左から投与スケジュール、肺損傷スコア(lung injury score)、BALFの総細胞数、およびBALFのタンパク質濃度を示すグラフである。図15bにおいて、上段パネルはBALFの細胞病理染色結果を示したものであり、下段パネルは肺組織のH&E染色結果を示したものである。図15aおよび図15b中、*P<0.05、**P<0.01、***P<0.001を示し、Bonferroni事後検定を用いて一元分散分析で行った。
図15b図15aおよび図15bは、LPS-誘導肺損傷マウスモデルにおける陰イオンを外部からさらに供給した場合、YPI-A4948効能の変化を確認したグラフである。図15aにおいて、上段左から投与スケジュール、肺損傷スコア(lung injury score)、BALFの総細胞数、およびBALFのタンパク質濃度を示すグラフである。図15bにおいて、上段パネルはBALFの細胞病理染色結果を示したものであり、下段パネルは肺組織のH&E染色結果を示したものである。図15aおよび図15b中、*P<0.05、**P<0.01、***P<0.001を示し、Bonferroni事後検定を用いて一元分散分析で行った。
図16図16は、YPI-A4948が陰イオン輸送体であるSLC26A3、SLC26A6、CFTR、およびANO1の活性に及ぼす影響を示したもので、(A)はヒトSLC26A3を安定的に発現するLN-215-YFP細胞内SLC26A9のCl/I交換活性に対するYPI-A4948の効果に対する例示を示すYFP蛍光変化を示したものであり、(B)はヒトSLC26A6を安定的に発現するLN-215-YFP細胞内SLC26A9のCl/I交換活性に対するYPI-A4948の効果に対する例示を示すYFP蛍光変化を示したものであり、(C)はヒトCFTRを安定的に発現するFRT-YFP細胞内CFTRのI輸送活性に対するYPI-A4948の抑制効果の例示を示すYFP蛍光変化を示したものであり、(D)はヒトANO1を安定的に発現するFRT-YFP細胞内ANO1のI輸送活性に対するYPI-A4948の抑制効果の例示を示すYFP蛍光変化を示したものである。
【発明を実施するための形態】
【0031】
1.定義
他に定義されなければ、本発明に使用されたすべての技術および科学用語は本発明の属する当業者によって一般に理解される意味を有する。下記の参考文献は当業者に本発明に使用された多くの用語の一般的な定義を提供する:The Cambridge Dictionary of Science and Technology(Walker ed.,1988);The Glossary of Genetics,5th Ed.,R.Rieger et.al.(eds.),Springer Verlag(1991);and Hale&Marham,The Harper Collins Dictionary of Biology(1991)。本発明に使用されているように、下記の用語は他に明示されなければ、下記に言及された意味を有する。
【0032】
文脈で具体的に言及されたり明らかでなければ、本発明に使用された用語「または」は、包括的なものと理解される。
【0033】
文脈で具体的に言及されたり明らかでなければ、本発明に使用された用語「約」は、当業界の一般的な許容範囲内で、例えば、平均の2つの標準偏差内で理解される。約は、明示された値の10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、0.5%、0.1%、0.05%または0.01%以内と理解される。文脈で他に明確でなければ、本発明に提供されたすべての数値は、用語、約によって修正される。
【0034】
用語「活性剤」、「薬物」および「薬学製剤」は、本発明に記載された任意の手段(例えば、ヒトまたは非ヒト動物を含む任意の動物)によって対象に投与される時、所望の薬理学的効果(例えば、炎症の減少など)を誘導する化学物質または化合物を指すために、本発明において相互交換的に使用される。
【0035】
本発明に使用された「添加剤」は、本発明に記述された組成物および化学式に添加される任意の追加成分を指すことができる。例えば、追加成分が治療される特定の状態のために薬学的に許容可能であることを提供しかつ、添加剤は、賦形剤(例えば、1つ以上の賦形剤)、抗酸化剤(例えば、1つ以上の抗酸化剤)、安定化剤(例えば、1つ以上の安定化剤)、保存剤(例えば、1つ以上の保存剤)、pH調整および/または緩衝剤(例えば、1つ以上のpH調整および/または緩衝剤)、等張性調節剤(例えば、1つ以上の等張性調節剤)、増粘剤(例えば、1つ以上の増粘剤)、懸濁剤(例えば、1つ以上の懸濁剤)、結合剤(例えば、1つ以上の結合剤)、粘度増加剤(例えば、1つ以上の粘度増加剤)などを含むことができる。また、添加剤は、カルシウムホスフェート、マグネシウムステアレート、タルク、単糖類、二糖類、デンプン、ゼラチン、セルロース、メチルセルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、デキストロース、ヒドロキシプロピル-ベータ-シクロデキストリン、ポリビニルピロリドン、低融点ワックス、イオン交換樹脂などの処理剤および薬物伝達改質剤、エンハンサーおよびその任意の2以上の組み合わせを含むことができる。他の適した薬学的に許容可能な賦形剤は、参考文献として本発明に統合される、「Remington’s Pharmaceutical Sciences」Mack Pub.Co.,New Jersey(1991)、および「Remington:The Science and Practice of Pharmacy」、Lippincott Williams&Wilkins,Philadelphia,20th edition(2003)および21st edition(2005)で記述される。本発明に記述された添加剤は、任意の適した薬として使用できる。
【0036】
本発明に使用された用語「投与」は、対象に経口投与、座薬、局所接触静脈内、非経口、腹腔内、筋肉内、病変内、脊髄腔内、鼻腔内、硝子体内または皮下として投与、または徐放型装置、例えば、小型-浸透圧ポンプの移植を意味する。投与は、非経口および経粘膜(例えば、経口、鼻腔、肺、直腸、頬側、膣、眼球および経皮経路)を含む任意の経路によって投与される。
【0037】
「アナログ」および「誘導体」は、本発明において相互交換的に使用され、親化合物と同一のコアを有するが、1つ以上の原子および/または原子の群、およびその組み合わせの不在または存在下で、結合順序において親化合物と異なる化合物を指す。誘導体は、例えば、1つ以上の原子、官能基または下位構造を含み得るコア上に存在する1つ以上の置換体において親化合物と異なっていてもよい。また、誘導体は、コア内に原子間結合順序において親化合物と異なっていてもよい。一般に、誘導体は、少なくとも理論的に、化学的および/または物理的工程により親化合物から形成されることが予測できる。
【0038】
本発明に使用された「抗酸化剤」は、一部類型の細胞損傷および/または酸化を防止するか、または遅延させる人工または天然物質を指すことができる。酸化防止剤は、果物と野菜を含む多くの食物から発見される。また、それらは健康補助食品として使用することができる。例示的な抗酸化剤は、β-カロテン、ルテイン、リコピン、セレン、ビタミンA、ビタミンCおよびビタミンEを含むことができる。また、当業者に公知の他の抗酸化剤を使用することができる。本発明に記述された抗酸化剤は、任意の適した量で使用できる。
【0039】
「共-投与」は、本発明に記述された化合物または組成物が、本発明に記述された追加の治療または活性剤または添加剤の投与直前または直後に同時に投与されることを意味する。本発明の化合物または組成物は、患者に単独で投与されるか、または共-投与されてもよい。共-投与は、化合物を個別的または組み合わせて(1つ以上の化合物または製剤)同時または順次に投与することを含んで解釈される。所望の場合、さらに、製剤は他の活性物質と組み合わされてもよい。
【0040】
本発明において、「含む」、「含有する」および「有する」などは、それらに属する意味を有することができ、「含む」などを意味することができ;「必須として構成される」または「必須として構成する」も同様に、それらに属する意味を有することができ、前記用語は開放型であり、引用されたものの基本または新規の特徴が言及されたもの以上の存在によって変化しない限り、引用されたもの以上の存在を許容するが、従来技術の実施例は排除される。
【0041】
本発明に使用された「同時投与」は、少なくとも部分的に持続期間の重複を含む。例えば、2つの製剤(例えば、生体活性を有する本発明に記述された任意の製剤または部類の製剤)が同時に投与される時、これらの投与は、特定の所望の時間内に起こる。製剤の投与は同じ日に開始し終了できる。また、1つの製剤の投与は、2つの製剤が同じ日に少なくとも1回服用される限り、2番目の製剤の投与に先行すると良い。同様に、1つの製剤の投与は、2つの製剤が同じ日に少なくとも1回服用される限り、2番目の製剤の投与を超えて延長できる。生物活性剤/製剤は同時投与を含むために毎日同じ時間に服用する必要はない。
【0042】
本発明に使用された「有効量」または「治療有効量」は、臨床結果を含む有利な結果などの所望の生物学的効果に影響を与えるのに十分な量である。したがって、「有効量」は、それが適用される状況にかかっている。有効量は、治療される個体の疾患状態、年齢、性別および体重などの当業界に公知の因子に応じて異なる。様々な分割用量が毎日投与されるか、または治療状況の緊急性によって指示された用量が比例的に減少してもよい。また、本発明の組成物/製剤は、治療量を達成するために必要なだけ頻繁に投与されてもよい。
【0043】
本発明に使用された用語「ゲル」は、容易に流動性液体ではなく、固体、つまり、半固体でない物質を指すことができる。ゲルは、天然または合成物質で形成される。ゲルは、整列されずに若干整列されて複屈折、液晶特性を示す。ゲルは、局所的に投与可能である。
【0044】
本発明に使用された用語「呼吸器疾患」は、通常の医学的意味を有し、喘息、急性または慢性気管支炎、アレルギー鼻炎、急性呼吸器感染、急性上部呼吸器感染、嚢胞性線維症、急性呼吸困難症候群(ARDS)、急性肺損傷(ALI)または慢性閉塞性肺疾患(COPD)、および呼吸系の密接な関連疾患および障害を含むが、これらに限定されない。
本発明に使用された用語「抑制」は、予防、減少、鈍化または停止を意味する。一実施形態において、化合物または組成物の不在下で量または速度と比較する時、化合物または組成物の存在下で発生する工程または反応の量または速度が少なくとも約10%に減少する場合、組成物または化合物は、少なくとも1つのタンパク質(例えば、ペンドリン)の生存性を抑制するものと見なされる。他の実施形態において、化合物または組成物の不在下で量または速度と比較する時、化合物または組成物の存在下で発生する工程または反応の量または速度が少なくとも約20%に減少する場合、組成物または化合物は、工程または反応を抑制するものと見なされる。他の実施形態において、化合物または組成物の不在下で量または速度と比較する時、化合物または組成物の存在下で発生する抑制の量または速度が約25%以上、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約75%または約80%に減少した場合、化合物または組成物は、1つ以上のタンパク質(例えば、ペンドリン)を抑制するものと見なされる。他の実施形態において、化合物または組成物は、1つ以上のタンパク質の生存力を抑制するもの、つまり、その発達を阻止するものと見なされる。
【0045】
本発明に使用された「間欠的投与」は、製剤を投与する期間(これは「第1投与期間」と見なされる)、次に、製剤を摂取しなかったり、より低い用量で摂取したりする期間(これは「オフ-期間」と見なされる)、次に、製剤を再び投与する期間(これは「第2投与期間」と見なされる)を含む。一般に、第2投与期間の、製剤の投与量レベルは、第1投与期間に投与されたものと一致するが、医学的に必要に応じて増加または減少可能である。
【0046】
本発明による「ゼリー」は、ゲルで構成され、これは、構造的凝集性マトリックスが高い部分の液体、通常水を含有する液体によって浸透された小さい無機粒子または大きい有機分子のうちの1つからなる懸濁液で構成された半固体システムである。
【0047】
本発明に使用された「液体」は、液体状態の組成物で構成された投与形態である。液体は注ぐことができ;これは室温で容器を流れて行動する。液体はニュートンまたは擬似可塑性流動挙動を示す。
【0048】
実施形態において、本発明に使用された「半液体」は、液体および他の製剤(つまり、懸濁液、乳剤、溶液、クリーム、ゲル、ゼリーなど)のすべての特性を有することができる。
【0049】
本発明に使用された用語「軟膏」は、疾患、症候群または状態の治療的治療に使用できる高粘度液体または半液体剤形を示すことができる。
【0050】
本発明に使用された「薬学的に許容可能な担体」は、生理学的に適した任意のおよびすべての溶媒、分散媒質、コーティング、抗菌および抗真菌剤、等張性および吸収遅延剤などを含む。担体の類型は、意図された投与経路に基づいて選択可能である。薬学的に許容可能な担体は、滅菌局所溶液または分散液のその場製造のための滅菌水溶液または分散液および滅菌粉末を含む。薬学的な活性物質のためのかかる媒質および製剤の使用は当業界にてよく知られている。任意の従来の媒体または製剤が組成物と両立できない限り(例えば、本発明に記述された化学式1、化学式1の誘導体またはアナログ、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒、水和物または多形体)、本発明のための組成物におけるその使用が考慮される。
【0051】
本発明に使用された「薬学的な担体」または「担体」は、採用された投与量および濃度において細胞または哺乳動物に毒性のない薬学的に許容可能な担体、賦形剤または安定化剤を追加的に含むことができる。生理学的に許容可能な担体は、時々、水性pH緩衝溶液である。生理学的に許容可能な担体の例示は、ホスフェート、シトレートおよび他の有機酸などの緩衝剤;アスコルビン酸を含む抗酸化剤;低分子量(約10残基未満)ポリペプチド;血清アルブミン、ゼラチンまたは免疫グロブリンなどのタンパク質;ポリビニルピロリドンなどの親水性ポリマー;グリシン、グルタミン、アスパラギン、アルギニンまたはリシンなどのアミノ酸;グルコース、マンノースまたはデキストリンを含む単糖類、二糖類および他の炭水化物;EDTAなどのキレート剤;マンニトールまたはソルビトールなどの糖アルコール;ナトリウムなどの塩-形成反対イオン;および/またはTweenTM、ポリエチレングリコール(PEG)およびPluronicsTMなどの非イオン性界面活性剤を含む。追加的に、「薬学的に許容可能な」は、連邦または州政府の規制機関または米国以外の国で当該機関によって承認されるか、承認され得るか、動物、およびより特に、ヒトに使用するために米国薬房局またはその他一般に認められる薬房局に挙げられていることを意味する。
【0052】
用語「薬学的に許容可能な塩または錯体」は、下記の特定された化学式1で表される化合物の塩または錯体を指す。このような塩の例示は、アルカリ金属(例えば、ナトリウム、カリウムまたはリチウム)およびアルカリ土類金属(例えば、カルシウムまたはマグネシウム)からなる群より選択されるもののような金属陽イオンのヒドロキシド、カーボネートまたはバイカーボネートなどの有機または無機塩基を有するか、または1級、2級、または3級アルキルアミンを有する化学式1で表される化合物の反応によって形成された塩基付加塩を含むが、これに限定されない。メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モルホリン、N-メチル-D-グルカミン、N,N’-ビス(フェニルメチル)-1,2-エタンジアミン、トロメタミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、エチレンジアミン、N-メチルモルホリン、プロカイン、ピペリジン、ピペラジンなどから誘導されたアミン塩は、本発明の範囲内にあるものと考えられる。
【0053】
また、本発明に使用された「塩」または「塩形態」または「薬学的に許容可能な塩」は、例えば、ナトリウム、カリウム、アンモニウム、カルシウムまたは第2鉄ヒドロキシドなどの無機塩基、および例えば、イソプロピルアミン、トリメチルアミン、2-エチルアミノ-エタノール、ヒスチジン、プロカインなどのような有機塩基に由来する塩基付加塩(遊離カルボキシルまたは他の陰イオン性基で形成された)を含むことができる。このような塩は、任意の遊離陽イオン性基を有する酸付加塩として形成され、例えば、塩酸、硫酸またはリン酸などの無機酸、または例えば、酢酸、クエン酸、p-トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、シュウ酸、酒石酸、マンデル酸などの有機酸のような有機酸で一般に形成される。本発明の塩は、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、リン酸などのような無機酸を有するアミノ基のプロトン化によって形成されたアミン塩を含むことができる。また、本発明の塩は、p-トルエンスルホン酸、酢酸などのような適した有機酸を有するアミノ基のプロトン化によって形成されたアミン塩を含む。
【0054】
本発明に使用された用語「pH製剤」または「緩衝剤」は、pH調整剤として有用な化合物または緩衝剤を指すことができる。これらは、グリセロール緩衝剤、シトレート緩衝剤、ボレート緩衝剤、アセテート緩衝剤、グルコネート緩衝剤、ホスフェート緩衝剤またはクエン酸-ホスフェート緩衝剤を含むことができるが、これに限定されない。pH製剤または緩衝剤は、任意の適した量で使用できる。
【0055】
本発明に記述された用語「保存剤」は、本発明に記述された化合物または組成物または化学式の望ましくない化学的変化を防止する物質または化学物質を指すことができる。好適な保存剤は、例えば、ベンズアルコニウムクロライド、チメロサール、クロロブタノール、メチルパラベン、プロピルパラベン、フェニルエチルアルコール、エデテートジナトリウムソルビン酸、オナマーMポリクォート、セチルブロミド、セチルピリジニウムクロライド、ベンジルブロミド、EDTA、フェニル水銀ニトレート、フェニル水銀アセテート、チメロサール、メルチオレート、アセテートおよびフェニル水銀ボレート、ポリミキシンBスルフェート、メチルおよびプロピルパラベン、4級アンモニウムクロライド、ナトリウムベンゾエート、ナトリウムプロピオネートおよびナトリウムペルボレート、および当業者に公知の他の製剤、またはこれらの組み合わせを含むことができる。保存剤は任意の適した量で使用できる。
【0056】
本発明に使用された用語「予防する」または「予防」および他の文法的な等価物は、症候群の発生を減少させるためだけでなく、疾病または状態症候群の発達、発生、妨害または回避を防止するためのものを含む。予防は、完全(つまり、検出可能な症状がない)または部分的であり得て、治療がない時より少ない症状が観察される。用語は、予防的利点を追加的に含む。疾患または状態を予防するために、組成物は、特定の疾患が発病する危険がある患者、またはこのような疾患の診断でないかもしれないが疾患の1つ以上の生理学的症候群を報告する患者に投与される。
【0057】
本発明に提供された範囲は、範囲内のすべての値に対する短縮であることが理解される。例えば、1~10の範囲は、例えば、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8および1.9といった、前述した整数間のすべての中間十進法の値だけでなく、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10からなる群より任意の数字、数字の組み合わせまたは下位範囲を含むことが理解される。下位範囲に関連して、範囲の終点のうちの1つから延長される「重なった下位範囲」は特に考慮される。例えば、1~50の例示範囲の重なった下位範囲は、一方向に1~10、1~20、1~30、および1~40を含むか、他の方向に50~40、50~30、50~20、および50~10を含むことができる。範囲は、本発明において「約」1つの特定値および/または「約」他の特定値で表現される。このような範囲が表現される時、他の側面は、1つの特定値および/または他の特定値を含む。同様に、先行の「約」を用いて値が近似値で表現される時、特定値が他の側面を形成することが理解される。各範囲の終点は、他の終点に関連して、および他の終点と独立して重要であることがさらに理解される。また、本発明に開示された多数の値があり、それぞれの値がまたもその値自体以外にその特定値に対して「約」で本発明に開示されることが理解される。また、適用全体にわたり、データは多数の異なるフォーマットで提供され、このようなデータはデータポイントの任意の組み合わせに対する終点および始点と範囲を示すことが理解される。例えば、特定のデータポイント「10」および特定のデータポイント「15」が開示される場合、10および15の間だけでなく、10および15超過、以上、未満、以下、および同等のものが開示されたと見なされる。さらに、2つの特定ユニット間のそれぞれのユニットが開示されることが理解される。例えば、10および15が開示される場合、11、12、13および14も開示される。
【0058】
本発明の実施例で使用するために考慮される追加の賦形剤は、当業者に利用可能なもの、例えば、関連内容が参考文献として本発明に統合されるUnited States Pharmacopoeia Vol.XXII and National Formulary Vol.XVII,U.S.Pharmacopoeia Convention,Inc.,Rockville,Md.(1989)で見出される。
【0059】
本発明による「半固体ゲル」は、半固体である。半固体製剤の見かけ粘度は、濃度に応じて増加できる。
【0060】
本発明に使用された「順次的投与」は、2つの製剤(例えば、本発明に記述された化合物または組成物)の投与は、同じ日に個別的に行われるか、または同じ日に行われないこと(例えば、連続した日に発生する)を含む。
【0061】
本発明による「溶液」は、溶媒または互いに混和性である溶媒の混合物に溶解した1つ以上の化学物質を含有する透明で均質な液体投与形態であってもよい。溶液は、好適な溶媒または互いに混和性である溶媒の混合物内の1つ以上の溶解した化学物質を含有する液体製剤である。溶液内薬物物質の分子が均一に分散するため、投与形態としての溶液の使用は、投与時、均一な投与量の保障および溶液が希釈したり、他に混合されたりした時、良好な正確度を一般に提供する。
【0062】
本発明に使用された用語「溶媒」は、水性または非水性である液体溶媒を指す。溶媒の選択は、特に前記溶媒に対する組成物の溶解度および投与方式に依存する。水性溶媒は、水だけで構成されるか、水および1つ以上の混和性溶媒で構成されてもよいし、糖、緩衝剤、塩または他の賦形剤などの溶解した溶質を含有することができる。より通常使用される非水性溶媒は、メタノール、エタノール、プロパノールなどの短鎖有機アルコール、アセトンなどの短鎖ケトン、およびグリセロールなどのポリアルコールである。
【0063】
「対象」または「患者」は、哺乳動物などのヒトまたは非ヒト動物を意味する。「対象」は、ウマ、イヌ、ネコ、ブタ、ヤギ、ウサギ、ハムスター、サル、モルモット、ラット、マウス、トカゲ、ヘビ、ヒツジ、ウシ、魚および鳥類を含む任意の動物を含むことができる。ヒト対象は、患者を指すことができる。
【0064】
本発明に使用された「懸濁液」は、液体ビヒクル内の分散した固体粒子を含有する液体投与形態である。
【0065】
本発明に使用された「粘度」は、流体の流動抵抗性を指す。粘度剤は、本発明で使用可能であり、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、当業者に公知の他の製剤、またはこれらの組み合わせを含む。
【0066】
用語「重量百分率」または「%(w/w)」は、成分および溶媒の重量を基準として計算される溶液内成分の百分率を指す。例えば、成分の1%(w/w)溶液は、100gの溶媒に溶解した1gの成分を有するであろう。用語「体積百分率」または「%(v/v)」は、成分および溶媒の体積を基準として計算される溶液内成分の百分率を指す。例えば、成分の1%(v/v)溶液は、100mlの溶媒に溶解した1mlの成分を有するであろう。用語「重量/体積百分率」または「%(w/v)」は、成分の重量および溶媒の体積を基準として計算される溶液内成分の百分率を指す。例えば、成分の1.0%(w/v)溶液は、100mlの溶媒に溶解した1gの成分を有するであろう。
【0067】
本発明で使用された用語「症候群」は、持続的に共に発生する症状の群または一連の関連症状を特徴とする状態を指す。症候群(例えば、急性呼吸困難症候群)は、互いに関連があり、時々特定の疾病と関連がある一連の医学的兆候および症状であり得る。これに対し、疾病は、その後に明らかに定義された理由のある健康状態であり得る。しかし、症候群(「共に走る」を意味するギリシャ語由来)は、確認可能な原因なしに多数の症状を誘発することがある。それらは根本的な疾病の可能性または疾病が発生する可能性を暗示することができる。
【0068】
本発明で使用された用語「治療する」または「治療」、および他の文法的な等価物は、疾患、状態(例えば、急性呼吸困難症候群)または症状の緩和、弱化、改善または予防、追加症状の予防、症状の根本的な代謝の原因の改善または予防、疾患または状態の抑制、例えば、疾患または状態の発達停止、疾患または状態の緩和、疾患または状態の退行、疾患または状態によって引き起こされる状態の緩和、または疾患または状態の症状の中止を含み、予防を含むように意図される。前記用語は、治療的利点および/または予防的利益を達成することを追加的に含む。治療的利点は、治療される根本的な障害の根絶または改善を意味する。また、根本的な障害に関連する1つ以上の生理学的症状の根絶または改善で治療的利点が達成されるので、患者が依然として根本的な障害に苦しめられるにもかかわらず、患者において改善が観察される。
【0069】
用語「健康機能食品」は、人体の生理学的機能を向上および/または栄養および/または保存するのに有用な原料、機能性成分、活性薬学成分または添加剤として製造または加工された食品または食品補充剤を示す。
【0070】
用語「急性呼吸困難症候群(ARDS)」は、肺で広範囲な炎症を有する重症患者から発生する医学的状態を指す。ARDSは、肺炎および敗血症などの多様な病理によって発生しうる臨床表現型である。肺胞バリア、界面活性剤機能障害、異常な凝固および先天性免疫反応の活性化を形成する細胞に対する広範囲な損傷はARDSの特徴である。
【0071】
用語「急性肺損傷(ALI)は、低酸素血症および古典的な放射線学的外観に関連する炎症症候群および増加した透過性を指す。このようなスペクトルの最も深刻な末端にはARDSがある。
【0072】
用語「気道表面液体(ASL)」は、空気の界面で気道上皮の頂端部表面をコーティングする薄い層の流体を指す。ASLは、気道恒常性を維持するのに中枢的な役割を果たす。ASLの体積、pHおよびイオン均衡は、抗菌活性、繊毛機能および粘膜クリアランスの調節に直接的に関与する。
【0073】
用語「炎症性気道疾患」は、喘息、急性または慢性気管支炎、アレルギー鼻炎、急性呼吸器感染、急性上部呼吸器感染、嚢胞性線維症、急性呼吸困難症候群(ARDS)、急性肺損傷(ALI)、慢性閉塞性肺疾患(COPD)などを含む多様な炎症性気道障害を指す。
【0074】
本発明の文脈で使用される用語「抑制剤」は、所望の生物学的効果を誘導する標的または2以上の標的の活性を完全にまたは部分的に抑制する分子、2以上の分子または薬学組成物として定義される。標的の非限定的な例示は、酵素、受容体、イオン-チャネルまたは輸送体(例えば、ペンドリン)などを含む。「抑制剤」は、標的を可逆的にまたは不可逆的に抑制することができ、可逆的抑制は、競争抑制、競争しない(uncompetitive)抑制、非-競争(non-competitive)抑制および混合抑制を含む。
【0075】
用語「アルキル」は、単独でまたは他の用語と共に使用される時、1~20個の炭素原子を有する1価のアルキル基を示す直鎖または分鎖C-C20アルキルを含む。このような用語は、メチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、n-ブチル、s-ブチル、i-ブチル、t-ブチル、n-ペンチル、1-エチルプロピル、2-メチルブチル、3-メチルブチル、2,2-ジメチルプロピル、n-ヘキシル、2-メチルペンチル、3-メチルペンチル、4-メチルペンチル、n-ヘプチル、2-メチルヘキシル、3-メチルヘキシル、4-メチルヘキシル、5-メチルヘキシル、n-ヘプチル、n-オクチル、n-ノニル、n-デシル、テトラヒドロゲラニル(tetrahydrogeranyl)、n-ドデシル、n-トリデシル、n-テトラデシル、n-ペンタデシル、n-ヘキサデシル、n-オクタデシル、n-ノナデシルおよびn-エイコサニルなどの群として例示される。好ましくは、これらは、C-Cアルキル、より好ましくは、C-Cアルキル、特に好ましくは、C-Cアルキルを含むが、これは類似して、1~9個の炭素原子を有する1価のアルキル基、1~6個の炭素原子を有する1価のアルキル基および1~4個の炭素原子を有する1価のアルキル基をそれぞれ示す。
【0076】
用語「アルケニル」は、単独でまたは他の用語と共に使用される時、直鎖または分鎖C-C20アルケニルを含む。任意の利用可能な位置において任意の利用可能な数の二重結合を有してもよく、二重結合の構成は、(E)または(Z)構成であってもよい。このような用語は、ビニル、アリル、イソプロペニル、1-プロペニル、2-メチル-1-プロペニル、1-ブテニル、2-ブテニル、3-ブテニル、2-エチル-1-ブテニル、3-メチル-2-ブテニル、1-ペンテニル、2-ペンテニル、3-ペンテニル、4-ペンテニル、4-メチル-3-ペンテニル、1-ヘキセニル、2-ヘキセニル、3-ヘキセニル、4-ヘキセニル、5-ヘキセニル、1-ヘプテニル、1-オクテニル、ゲラニル、1-デセニル、1-テトラデセニル、1-オクタデセニル、9-オクタデセニル、1-エイコセニルおよび3,7,11,15-テトラメチル-1-ヘキサデセニルなどの群として例示される。好ましくは、これらは、C-Cアルケニル、さらに好ましくは、C-Cアルケニルを含む。なかでも、ビニルまたはエテニル(-CH=CH)、n-2-プロペニル(アリル、-CHCH=CH)、イソプロペニル、1-プロペニル、2-メチル-1-プロペニル、1-ブテニル、2-ブテニル、3-メチル-2-ブテニルなどが特に好ましい。
【0077】
用語「アルキニル」は、単独でまたは他の用語と共に使用される時、直鎖または分鎖C-C20アルキニルを含む。任意の利用可能な位置において任意の利用可能な数の三重結合を有してもよい。このような用語は、エチニル(-C≡1-プロピニル、2-プロピニル(プロパルギル:-CHC≡2-ブチニル、2-ペンテン-4-イニルなどのような、炭素数2~20個および任意の二重結合または三重結合を有してもよいアルキニル基などの基として例示される。特に、これらは、C-Cアルキニル、より好ましくは、C-Cアルキニルなどを含む。好ましくは、2~6個の炭素原子を有し、少なくとも1個または2個の位置のアルキニル不飽和を有する基を示すC-Cアルキニルを含む。
【0078】
用語「ヘテロアルキル」は、C-C12-アルキル、好ましくは、C-C-アルキルを指し、前記少なくとも1つの炭素は、2-メトキシエチルなどを含む、O、NまたはSから選択されたヘテロ原子に代替される。
【0079】
用語「アリール」は、単一環(例えば、フェニル)または多重縮合環(例えば、インデニル、ナフチル、2、3-ジヒドロ-1H-インデニル、1,2,3,4-テトラヒドロナフチル)を有する6~14個の炭素原子の不飽和芳香族カルボサイクリック基を指す。アリールは、フェニル、ナフチル、アントリル、フェナントレニルなどを含む。
【0080】
用語「C-Cアルキルアリール」は、メチルフェニル、エチルフェニル、t-ブチルフェニルなどを含むC-Cアルキル置換基を有するアリール基を指す。
【0081】
用語「アリールC-Cアルキル」は、3-フェニルプロパニル、ベンジルなどを含むアリール置換基を有するC-Cアルキル基を指す。
【0082】
用語「ヘテロアリール」は、モノサイクリックヘテロ芳香族、またはビサイクリックまたはトリサイクリック縮合-環ヘテロ芳香族基を指す。ヘテロ芳香族基の特定の例示は、任意に置換されたピリジル、ピロリル、ピリミジニル、フリル、チエニル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、ピラゾリル、1H-ピラゾリル、1,2,3-トリアゾリル、1,2,4-トリアゾリル、1,2,3-オキサジアゾリル、1,2,4-オキサジアゾリル、1,2,5-オキサジアゾリル、1,3,4-オキサジアゾリル、1,3,4-トリアジニル、1,2,3-トリアジニル、ベンゾフリル、[2,3-ジヒドロ]ベンゾフリル、イソベンゾフリル、ベンゾチエニル、ベンゾトリアゾリル、イソベンゾチエニル、インドリル、イソインドリル、3H-インドール、ベンズイミダゾリル、イミダゾ[1,2-a]ピリジル、ベンゾチアゾリル、ベンゾオキサ-ゾリル、キノリジニル、キナゾリニル、フタラジニル、キノキサリニル、シンノリニル、ナフチリジニル、ピリド[3,4-b]ピリジル、ピリド[3,2-b]ピリジル、ピリド[4,3-b]ピリジル、キノリル、イソキノリル、テトラゾリル、5,6,7,8-テトラヒドロキノリル、5,6,7,8-テトラヒドロイソキノリル、プリニル、プテリジニル、カルバゾリル、キサンテニル、ベンゾキノリル、ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル、3,4-ジヒドロ-1H-ピラノ[4,3-c]ピリジル、キノリン-2(1H)-オン、4H-クロメン、1H-インドールなどを含む。
【0083】
用語「C-Cアルキルヘテロアリール」は、メチルフリル、t-ブチルフリルなどを含むC-Cアルキル置換基を有するヘテロアリール基を指す。
【0084】
用語「ヘテロアリールC-Cアルキル」は、フリルメチルなどを含むヘテロアリール置換基を有するC-Cアルキル基を指す。
【0085】
用語「C-Cアルケニルアリール」は、ビニルフェニルなどを含むC-Cアルケニル置換基を有するアリール基を指す。
【0086】
用語「アリールC-Cアルケニル」は、フェニルビニルなどを含むアリール置換基を有するC-Cアルケニル基を指す。
【0087】
用語「C-Cアルケニルヘテロアリール」は、ビニルピリジニルなどを含むC-Cアルケニル置換基を有するヘテロアリール基を指す。
【0088】
用語「ヘテロアリールC-Cアルケニル」は、ピリジニルビニルなどを含むヘテロアリール置換基を有するC-Cアルケニル基を指す。
【0089】
用語「C-C-シクロアルキル」は、単一環(例えば、シクロヘキシル)または多重縮合環(例えば、ノルボルニル)を有する3~8個の炭素原子の飽和カルボサイクリック基を指す。C-C-シクロアルキルは、シクロペンチル、シクロヘキシル、ノルボルニルなどを含む。
【0090】
用語「ヘテロシクロアルキル」は、最大3個の炭素原子がO、SおよびNR(Rは水素またはメチルで定義される)からなる群より選択されるヘテロ原子に置換された、前記定義によるC-C-シクロアルキルまたは多重縮合環を指す。ヘテロシクロアルキルは、ラクタムまたはラクトンを含む。非限定的な例示は、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、テトラヒドロフラニル、デカヒドロイソキノリニル、オクタヒドロ-1H-ピラノ[3,4-c]ピリジニル、4-メチレン-5(4H)-オン、ピロリジン-2-オンなどである。
【0091】
用語「C-CアルキルC-Cシクロアルキル」は、メチルシクロペンチルなどを含むC-Cアルキル置換基を有するC-Cシクロアルキル基を指す。
【0092】
用語「C-C-シクロアルキルC-Cアルキル」は、3-シクロペンチルプロピルなどを含むC-C-シクロアルキル置換基を有するC-Cアルキル基を指す。
【0093】
用語「C-Cアルキルヘテロシクロアルキル」は、4-メチルピペリジニルなどを含むC-Cアルキル置換基を有するヘテロシクロアルキル基を指す。
【0094】
用語「ヘテロシクロアルキルC-Cアルキル」は、(1-メチルピペリジン-4-イル)メチルなどを含むヘテロシクロアルキル置換基を有するC-Cアルキル基を指す。
【0095】
用語「カルボキシ」は、基-C(O)OHを指す。
【0096】
用語「カルボキシC-Cアルキル」は、2-カルボキシエチルなどを含むカルボキシ置換基を有するC-Cアルキル基を指す。
【0097】
用語「アシル」は、アセチルなどを含む基-C(O)Rを指し、この時、Rは、H、「アルキル」、好ましくは、「C-Cアルキル」「アリール」「ヘテロアリール」「C-Cシクロアルキル」「ヘテロシクロアルキル」「アリールC-Cアルキル」「ヘテロアリールC-Cアルキル」「C-CシクロアルキルC-Cアルキル」または「ヘテロシクロアルキルC-Cアルキル」を含む。
【0098】
用語「アシルC-Cアルキル」は、2-アセチルエチルなどを含むアシル置換基を有するC-Cアルキル基を指す。
【0099】
用語「アシルアリール」は、2-アセチルフェニルなどを含むアシル置換基を有するアリール基を指す。
【0100】
用語「アシルオキシ」は、アセチルオキシなどを含む基-OC(O)Rを指し、この時、Rは、H、「C-Cアルキル」、「C-Cアルケニル」「C-Cアルキニル」「C-C-シクロアルキル」「ヘテロシクロアルキル」「アリール」「ヘテロアリール」「アリールC-Cアルキル」、「ヘテロアリールC-Cアルキル」「アリールC-Cアルケニル」「ヘテロアリールC-Cアルケニル」「アリールC-Cアルキニル」「ヘテロアリールC-Cアルキニル」「C-C-シクロアルキルC-Cアルキル」または「ヘテロシクロアルキルC-Cアルキル」を含む。
【0101】
用語「アシルオキシC-Cアルキル」は、2-(エチルカルボニルオキシ)エチルなどを含むアシルオキシ置換基を有するC-Cアルキル基を指す。
【0102】
用語「アルコキシ」は、基-ORを指し、この時、Rは、「C-Cアルキル」、「アリール」、「ヘテロアリール」、「アリールC-Cアルキル」または「ヘテロアリールC-Cアルキル」を含む。好ましいアルコキシ基は、例えば、メトキシ、エトキシ、フェノキシなどを含む。
【0103】
用語「アルコキシC-Cアルキル」は、メトキシエチルなどを含む、アルコキシ置換基を有するC-Cアルキル基を指す。
【0104】
用語「アルコキシカルボニル」は、基-C(O)ORを指し、この時、Rは、「C-Cアルキル」、「アリール」、「ヘテロアリール」、「アリールC-Cアルキル」、「ヘテロアリールC-Cアルキル」または「ヘテロアルキル」を含む。
【0105】
用語「アルコキシカルボニルC-Cアルキル」は、2-(ベンジルオキシカルボニル)エチルなどを含むアルコキシカルボニル置換基を有するC-Cアルキル基を指す。
【0106】
用語「アミノカルボニル」は、N-フェニルカルボニルなどを含む基-C(O)NRR’を指し、この時、RおよびR’は、独立して、H、C-Cアルキル、アリール、ヘテロアリール、「アリールC-Cアルキル」または「ヘテロアリールC-Cアルキル」である。
【0107】
用語「アミノカルボニルC-Cアルキル」は、2-(ジメチルアミノカルボニル)エチル、N-エチルアセトアミジル、N,N-ジエチル-アセトアミジルなどを含むアミノカルボニル置換基を有するアルキル基を指す。
【0108】
用語「アシルアミノ」は、アセチルアミノなどを含む基-NRC(O)R’を指し、この時、RおよびR’は、独立して、H、「C-Cアルキル」「C-Cアルケニル」「C-Cアルキニル」「C-C-シクロアルキル」「ヘテロシクロアルキル」「アリール」「ヘテロアリール」「アリールC-Cアルキル」、「ヘテロアリールC-Cアルキル」「アリールC-Cアルケニル」「ヘテロアリールC-Cアルケニル」「アリールC-Cアルキニル」「ヘテロアリールC-Cアルキニル」「シクロアルキルC-Cアルキル」または「ヘテロシクロアルキルC-Cアルキル」である。
【0109】
用語「アシルアミノC-Cアルキル」は、2-(プロピオニルアミノ)エチルなどを含むアシルアミノ置換基を有するC-Cアルキル基を指す。
【0110】
用語「ウレイド(ureido)」は、基-NRC(O)NR’R’’を指し、この時、R、R’およびR’’は、独立して、H、「C-Cアルキル」「アルケニル」「アルキニル」「C-Cシクロアルキル」「ヘテロシクロアルキル」「C-Cアリール」「ヘテロアリール」「アリールC-Cアルキル」、「ヘテロアリールC-Cアルキル」「アリールC-Cアルケニル」「ヘテロアリールC-Cアルケニル」「アリールC-Cアルキニル」「ヘテロアリールC-Cアルキニル」「シクロアルキルC-Cアルキル」または「ヘテロシクロアルキルC-Cアルキル」であり、この時、R’およびR’’は、これらに付着している窒素原子と共に、3-8員ヘテロシクロアルキル環を任意に形成してもよい。
【0111】
用語「ウレイドC-Cアルキル」は、2-(N’-メチルウレイド)エチルなどを含むウレイド置換基を有するC-Cアルキル基を指す。
【0112】
用語「カルバメート」は、基-NRC(O)OR’を指し、この時、RおよびR’は、独立して、「C-Cアルキル」「C-Cアルケニル」「C-Cアルキニル」「C-C-シクロアルキル」「ヘテロシクロアルキル」「アリール」「ヘテロアリール」「C-Cアルキルアリール」、「ヘテロアリールC-Cアルキル」「アリールC-Cアルケニル」「ヘテロアリールC-Cアルケニル」「アリールC-Cアルキニル」「ヘテロアリールC-Cアルキニル」「シクロアルキルC-Cアルキル」または「ヘテロシクロアルキルC-Cアルキル」であり、また、Rは、水素であってもよい。
【0113】
用語「アミノ」は、基-NRR’を指し、この時、RおよびR’は、独立して、H、「C-Cアルキル」、「アリール」、「ヘテロアリール」、「C-Cアルキルアリール」、「C-Cアルキルヘテロアリール」「シクロアルキル」または「ヘテロシクロアルキル」であり、この時、RおよびR’は、これらに付着している窒素原子と共に、3-8員ヘテロシクロアルキル環を任意に形成してもよい。
【0114】
用語「アミノアルキル」は、2-(1-ピロリジニル)エチルなどを含むアミノ置換基を有するアルキル基を指す。
【0115】
用語「アンモニウム」は、正に荷電した基-NRR’R’’を指し、この時、R、R’およびR’’は、独立して、「C-Cアルキル」、「C-Cアルキルアリール」、「C-Cアルキルヘテロアリール」「シクロアルキル」または「ヘテロシクロアルキル」であり、この時、RおよびR’は、これらに付着している窒素原子と共に、3-8員ヘテロシクロアルキル環を任意に形成してもよい。
【0116】
用語「アンモニウムアルキル」は、1-エチルピロリジニウムなどを含むアンモニウム置換基を有するアルキル基を指す。
【0117】
用語「ハロゲン」は、フルオロ、クロロ、ブロモおよびヨード原子を指す。
【0118】
用語「スルホニルオキシ」は、基-OSORを指し、この時、Rは、「C-Cアルキル」ハロゲンで置換された「C-Cアルキル」、例えば、-OSOCF基、「C-Cアルケニル」「アルキニル」「C-Cシクロアルキル」「ヘテロシクロアルキル」「アリール」「ヘテロアリール」「アリールC-Cアルキル」、「ヘテロアリールC-Cアルキル」「アリールC-Cアルケニル」「ヘテロアリールC-Cアルケニル」「アリールC-Cアルキニル」「ヘテロアリールC-Cアルキニル」「シクロアルキルC-Cアルキル」または「ヘテロシクロアルキルアルキル」から選択される。
【0119】
用語「スルホニルオキシC-Cアルキル」は、2-(メチルスルホニルオキシ)エチルなどを含むスルホニルオキシ置換基を有するアルキル基を指す。
【0120】
用語「スルホニル」は、基「-SOR」を指し、この時、Rは、「アリール」「ヘテロアリール」「C-Cアルキル」ハロゲンで置換された「C-Cアルキル」、例えば、-SOCF基、「C-Cアルケニル」「C-Cアルキニル」「C-Cシクロアルキル」「ヘテロシクロアルキル」「アリール」「ヘテロアリール」「アリールC-Cアルキル」、「ヘテロアリールC-Cアルキル」「アリールC-Cアルケニル」「ヘテロアリールC-Cアルケニル」「アリールC-Cアルキニル」「ヘテロアリールC-Cアルキニル」「シクロアルキルC-Cアルキル」または「ヘテロシクロアルキルC-Cアルキル」から選択される。
【0121】
用語「スルホニルC-Cアルキル」は、2-(メチルスルホニル)エチルなどを含むスルホニル置換基を有するアルキル基を指す。
【0122】
用語「スルフィニル(sulfinyl)」は、基「-S(O)R」を指し、この時、Rは、「アルキル」ハロゲンで置換された「アルキル」、例えば、-SOCF基、「C-Cアルケニル」「C-Cアルキニル」「C-Cシクロアルキル」「ヘテロシクロアルキル」「アリール」「ヘテロアリール」「アリールC-Cアルキル」、「ヘテロアリールC-Cアルキル」「アリールC-Cアルケニル」「ヘテロアリールC-Cアルケニル」「アリールC-Cアルキニル」「ヘテロアリールC-Cアルキニル」「C-C-シクロアルキルC-Cアルキル」または「ヘテロシクロアルキルC-Cアルキル」から選択される。
【0123】
用語「スルフィニルアルキル」は、2-(メチルスルフィニル)エチルなどを含むスルフィニル置換基を有するアルキル基を指す。
【0124】
用語「スルファニル(sulfanyl)」は、基-SRを指し、この時、Rは、H、「C-Cアルキル」、ハロゲンで置換された「C-Cアルキル」、例えば、-SCF基、「C-Cアルケニル」「C-Cアルキニル」「C-C-シクロアルキル」「ヘテロシクロアルキル」「アリール」「ヘテロアリール」「アリールC-Cアルキル」、「ヘテロアリールC-Cアルキル」「アリールC-Cアルケニル」「ヘテロアリールC-Cアルケニル」「アリールC-Cアルキニル」「アルキニルヘテロアリール」「シクロアルキルC-Cアルキル」または「ヘテロシクロアルキルC-Cアルキル」を含む。好ましいスルファニル基は、メチルスルファニル、エチルスルファニルなどを含む。
【0125】
用語「スルファニルC-Cアルキル」は、2-(エチルスルファニル)エチルなどを含むスルファニル置換基を有するC-C-アルキル基を指す。
【0126】
用語「スルホニルアミノ」は、基-NRSOR’を指し、この時、RおよびR’は、独立して、「C-Cアルキル」「C-Cアルケニル」「C-Cアルキニル」「C-C-シクロアルキル」「ヘテロシクロアルキル」「アリール」「ヘテロアリール」「アリールC-Cアルキル」、「ヘテロアリールC-Cアルキル」「アリールC-Cアルケニル」「ヘテロアリールC-Cアルケニル」「アリールC-Cアルキニル」「ヘテロアリールC-Cアルキニル」「C-CシクロアルキルC-Cアルキル」または「ヘテロシクロアルキルC-Cアルキル」である。
【0127】
用語「スルホニルアミノC-Cアルキル」は、2-(エチルスルホニルアミノ)エチルなどを含むスルホニルアミノ置換基を有するアルキル基を指す。
【0128】
用語「アミノスルホニル」は、基-SONRR’を指し、この時、RおよびR’は、独立して、H、「C-Cアルキル」「C-Cアルケニル」「C-Cアルキニル」「C-C-シクロアルキル」「ヘテロシクロアルキル」「アリール」「ヘテロアリール」「アリールC-Cアルキル」、「ヘテロアリールC-Cアルキル」「アリールアルケニル」「ヘテロアリールC-Cアルケニル」「アリールC-Cアルキニル」「ヘテロアリールC-Cアルキニル」「C-C-シクロアルキルC-Cアルキル」または「ヘテロシクロアルキルC-Cアルキル」であり、この時、RおよびR’は、これらに付着している窒素原子と共に、3-8員ヘテロシクロアルキル環を任意に形成してもよい。アミノスルホニル基は、シクロヘキシルアミノスルホニル、ピペリジニルスルホニルなどを含む。
【0129】
用語「アミノスルホニルC-Cアルキル」は、2-(シクロヘキシルアミノスルホニル)エチルなどを含む、アミノスルホニル置換基を有するC-Cアルキル基を指す。
【0130】
個別置換基の定義によって他に制限されない限り、前記置換基のすべては、すべて任意に置換されたものと理解されなければならない。
【0131】
個別置換基の定義によって他に制限されない限り、用語「置換された」は、「C-Cアルキル」、「C-Cアルケニル」、「C-Cアルキニル」、「C-Cシクロアルキル」、「ヘテロシクロアルキル」、「C-Cアルキルアリール」、「C-Cアルキルヘテロアリール」、「C-Cアルキルシクロアルキル」、「C-Cアルキルヘテロシクロアルキル」、「アミノ」、「アミノスルホニル」、「アンモニウム」、「アシルアミノ」、「アミノカルボニル」、「アリール」、「ヘテロアリール」、「スルフィニル」、「スルホニル」、「アルコキシ」、「アルコキシカルボニル」、「カルバメート」、「スルファニル」、「ハロゲン」、トリハロメチル、シアノ、ヒドロキシ、メルカプト、ニトロなどからなる群より選択される1~5個の置換基で置換された基を指す。
【0132】
2.化合物
本発明の第1側面は、下記化学式1で表される化合物、そのE-またはZ-異性体、その光学異性体、その前駆体、その薬学的に許容可能な塩、その溶媒和物またはその2種の異性体混合物に関する。
【0133】
【化6】
前記化学式1中、
は水素、ハロゲン、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、アリール、炭素数1~10のアルキルアリール、炭素数3~7のシクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、炭素数1~10のアルキル、炭素数2~10のアルケニル、炭素数2~10のアルキニル、C(O)OR、C(O)R、ORおよびOCRからなる群より独立して選択される一つ以上の基で置換された1~3個の窒素原子を含む炭素数5~10のヘテロアリールであり、
Aは水素、ハロゲン、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、アリール、炭素数1~10のアルキルアリール、炭素数3~7のシクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、炭素数1~10のアルキル、炭素数2~10のアルケニル、炭素数2~10のアルキニル、C(O)OR、C(O)R、OR、OCRおよびOCORからなる群より独立して選択される一つ以上の基で置換された1~3個の窒素原子を含む炭素数5~7のヘテロアリールまたは1~3個のヘテロ原子を含む炭素数5~7のヘテロシクロアルキルであり、
は水素、ハロゲン、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、アリール、炭素数1~10のアルキルアリール、炭素数3~7のシクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、炭素数1~10のアルキル、炭素数2~10のアルケニル、炭素数2~10のアルキニル、C(O)OR、C(O)R、OR、OCRおよびOCORからなる群より独立して選択される一つ以上の基で置換されるアリール、炭素数1~10のアルキル、炭素数5~7のシクロアルキルまたはC(O)ORであり、
は水素、ハロゲン、炭素数1~10のアルキル、炭素数2~6のアルケニルおよび炭素数2~6のアルキニルからなる群より独立して選択される一つ以上であり、
は水素、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、アリール、アリール(炭素数1~10のアルキル)、炭素数1~10のアルキルアリール、ヘテロアリール、ヘテロアリール(炭素数1~10のアルキル)、炭素数1~10のアルキルヘテロアリール、炭素数1~10のアルキル、炭素数2~6のアルケニル、炭素数2~6のアルキニル、炭素数3~6のシクロアルキルおよびヘテロシクロアルキルからなる群より独立して選択され、
nは1~5の整数である。
【0134】
より具体的には、前記化学式1中、Vは水素、ハロゲン、トリフルオロメチル、炭素数3~7のシクロアルキル、炭素数1~10のアルキル、炭素数2~10のアルケニル、炭素数2~10のアルキニル、C(O)OR、C(O)R、OR、OCRおよびOCORからなる群より独立して選択される一つ以上の基で置換されたインドリル、イソインドリル、3H-インドール、1H-インドール、キノリル、イソキノリル、5,6,7,8-テトラヒドロキノリル、5,6,7,8-テトラヒドロイソキノリル、キノリジニル、キナゾリニル、フタラジニル、シンノリニルまたはナフチリジニルであり、
Aは水素、ハロゲン、トリフルオロメチル、炭素数3~7のシクロアルキル、炭素数1~10のアルキル、炭素数2~10のアルケニルおよび炭素数2~10のアルキニルからなる群より独立して選択される一つ以上の基で置換されたピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニルまたはデカヒドロイソキノリニルであり、
は水素、ハロゲン、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、アリール、炭素数1~10のアルキルアリール、炭素数3~7のシクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、炭素数1~10のアルキル、炭素数2~10のアルケニル、炭素数2~10のアルキニル、炭素数3~6のシクロアルキル、C(O)OR、C(O)R、ORおよびOCRからなる群より独立して選択される一つ以上の基で置換される炭素数5~7のアリールまたはC(O)ORであり、
は水素、トリフルオロメチル、アリール、アリール(炭素数1~10のアルキル)、炭素数1~10のアルキルアリール、炭素数1~10のアルキル、炭素数2~6のアルケニル、炭素数2~6のアルキニル、炭素数3~6のシクロアルキルからなる群より独立して選択され、
nは1~5の整数である。
【0135】
より具体的には、本発明は、下記化学式1aで表される化合物、そのE-またはZ-異性体、その光学異性体、その前駆体、その薬学的に許容可能な塩、その溶媒和物またはその2種の異性体混合物に関する。
【0136】
【化7】
前記化学式1a中、
は水素、ハロゲン、炭素数1~10のアルキル、炭素数2~6のアルケニルおよび炭素数2~6のアルキニルからなる群より独立して選択される一つ以上であり、
は水素、ハロゲン、トリフルオロメチル、炭素数3~7のシクロアルキル、炭素数1~10のアルキル、炭素数2~10のアルケニル、炭素数2~10のアルキニル、C(O)OR、C(O)R、ORおよびOCRからなる群より独立して選択される一つ以上の基であり、
はC(O)OR、C(O)R、OR、OCRおよびOCORからなる群より独立して選択される基であり、
は水素、炭素数3~7のシクロアルキル、炭素数1~10のアルキル、炭素数2~10のアルケニルおよび炭素数2~10のアルキニルからなる群より独立して選択される一つ以上の基であり、
は水素、ハロゲン、トリフルオロメチル、炭素数3~7のシクロアルキル、炭素数1~10のアルキル、炭素数2~10のアルケニル、炭素数2~10のアルキニル、C(O)OR、C(O)R、ORおよびOCRからなる群より独立して選択される一つ以上の基であり、
は水素、トリフルオロメチル、アリール、アリール(炭素数1~10のアルキル)、炭素数1~10のアルキルアリール、炭素数1~10のアルキル、炭素数2~6のアルケニル、炭素数2~6のアルキニル、炭素数3~6のシクロアルキルからなる群より独立して選択され、
nは1~5の整数である。
【0137】
より具体的には、本発明は、下記化学式1bで表される化合物、そのE-またはZ-異性体、その光学異性体、その前駆体、その薬学的に許容可能な塩、その溶媒和物またはその2種の異性体混合物に関する。
【0138】
【化8】
前記化学式1b中、
は水素、ハロゲン、炭素数1~10のアルキル、炭素数2~6のアルケニルおよび炭素数2~6のアルキニルからなる群より独立して選択される一つ以上であり、
は水素、ハロゲン、トリフルオロメチル、炭素数3~7のシクロアルキル、炭素数1~10のアルキル、炭素数2~10のアルケニル、炭素数2~10のアルキニル、C(O)OR、C(O)R、ORおよびOCRからなる群より独立して選択される一つ以上の基であり、
はC(O)OR、C(O)R、OR、OCRおよびOCORからなる群より独立して選択される基であり、
は水素、炭素数3~7のシクロアルキル、炭素数1~10のアルキル、炭素数2~10のアルケニルおよび炭素数2~10のアルキニルからなる群より独立して選択される一つ以上の基であり、
は水素、ハロゲン、トリフルオロメチル、炭素数3~7のシクロアルキル、炭素数1~10のアルキル、炭素数2~10のアルケニルおよび炭素数2~10のアルキニルからなる群より独立して選択される一つ以上の基であり、
は水素、トリフルオロメチル、アリール、アリール(炭素数1~10のアルキル)、炭素数1~10のアルキルアリール、炭素数1~10のアルキル、炭素数2~6のアルケニル、炭素数2~6のアルキニル、炭素数3~6のシクロアルキルからなる群より独立して選択され、
nは1~5の整数である。
【0139】
以下、好ましくは、上述した化合物を含むが、これらに限定されない。
(1)5-クロロ-3-(2-オキソ-2-(4-(4-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペラジン-1-イル)エチル)-1H-インドール-2-カルボン酸;
(2)5-クロロ-3-(2-オキソ-2-(4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペラジン-1-イル)エチル)-1H-インドール-2-カルボン酸;
(3)5-クロロ-3-(2-(4-(2,6-ジメチルフェニル)ピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル)-1H-インドール-2-カルボン酸;
(4)5-クロロ-3-(2-(4-(2,4-ジメチルフェニル)ピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル)-1H-インドール-2-カルボン酸;
(5)5-クロロ-3-(2-(4-(3-メトキシフェニル)ピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル)-1H-インドール-2-カルボン酸;
(6)5-クロロ-3-(2-(4-(2-クロロフェニル)ピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル)-1H-インドール-2-カルボン酸;
(7)5-クロロ-3-(2-(4-(4-クロロフェニル)ピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル)-1H-インドール-2-カルボン酸;
(8)3-(2-(4-(2-ブロモフェニル)ピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル)-5-クロロ-1H-インドール-2-カルボン酸;
(9)3-(2-(4-(3-ブロモフェニル)ピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル)-5-クロロ-1H-インドール-2-カルボン酸;
(10)3-(2-(4-(4-ブロモフェニル)ピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル)-5-クロロ-1H-インドール-2-カルボン酸;
(11)5-クロロ-3-(2-オキソ-2-(4-(o-トリル)ピペラジン-1-イル)エチル)-1H-インドール-2-カルボン酸;
(12)5-クロロ-3-(2-オキソ-2-(4-(m-トリル)ピペラジン-1-イル)エチル)-1H-インドール-2-カルボン酸;
(13)5-クロロ-3-(2-オキソ-2-(4-(p-トリル)ピペラジン-1-イル)エチル)-1H-インドール-2-カルボン酸;
(14)3-(2-(4-(tert-ブトキシカルボニル)ピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル)-5-クロロ-1H-インドール-2-カルボン酸;
(15)5-クロロ-3-(2-(4-(2-クロロ-6-メチルフェニル)ピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル)-1H-インドール-2-カルボン酸;
(16)5-クロロ-3-(2-(4-(2-エトキシフェニル)ピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル)-1H-インドール-2-カルボン酸;
(17)5-クロロ-3-(2-(3-メチル-4-フェニルピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル)-1H-インドール-2-カルボン酸;
(18)5-クロロ-3-(2-(4-(4-クロロフェニル)-2,2-ジメチルピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル)-1H-インドール-2-カルボン酸;
(19)5-クロロ-3-(2-(4-(2-クロロ-4-フルオロフェニル)ピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル)-1H-インドール-2-カルボン酸;
(20)5-クロロ-3-(2-(4-(2-クロロ-5-メトキシフェニル)ピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル)-1H-インドール-2-カルボン酸;
(21)5-クロロ-3-(2-(4-(2,4-ジクロロフェニル)ピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル)-1H-インドール-2-カルボン酸;
(22)(R)-5-クロロ-3-(2-(2-メチル-4-フェニルピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル)-1H-インドール-2-カルボン酸;
(23)5-クロロ-3-(2-(4-(2,4-ジフルオロフェニル)ピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル)-1H-インドール-2-カルボン酸;
(24)5-クロロ-3-(2-オキソ-2-(4-(3,4,5-トリクロロフェニル)ピペラジン-1-イル)エチル)-1H-インドール-2-カルボン酸;
(25)5-クロロ-3-(2-(4-(2-フルオロフェニル)ピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル)-1H-インドール-2-カルボン酸;
(26)5-クロロ-3-(2-(4-(3-クロロ-2-メチルフェニル)ピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル)-1H-インドール-2-カルボン酸;
(27)3-(2-(4-(4-カルボキシフェニル)ピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル)-5-クロロ-1H-インドール-2-カルボン酸;
(28)3-(2-(4-(4-アセチルフェニル)ピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル)-5-クロロ-1H-インドール-2-カルボン酸;
(29)5-クロロ-3-(2-(4-(4-エトキシフェニル)ピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル)-1H-インドール-2-カルボン酸;
(30)3-(2-(4-(4-(tert-ブチル)フェニル)ピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル)-5-クロロ-1H-インドール-2-カルボン酸;
(31)3-(2-(4-(4-(tert-ブチル)フェニル)ピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル)-5-メチル-1H-インドール-2-カルボン酸;
(32)3-(2-(4-(4-(tert-ブチル)フェニル)ピペラジン-1-イル-2-オキソエチル)-5,7-ジメチル-1H-インドール-2-カルボン酸;
(33)3-(2-(4-(2,6-ジメチルフェニル)ピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル)-5-メチル-1H-インドール-2-カルボン酸;
(34)3-(2-(4-(2,6-ジメチルフェニル)ピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル)-5,7-ジメチル-1H-インドール-2-カルボン酸;
(35)3-(2-(4-(2-クロロ-6-メチルフェニル)ピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル)-5-メチル-1H-インドール-2-カルボン酸;
(36)3-(2-(4-(2-クロロ-6-メチルフェニル)ピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル)-5,7-ジメチル-1H-インドール-2-カルボン酸;
(37)3-(2-(4-(2-クロロ-6-メチルフェニル)ピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル)-5-フルオロ-1H-インドール-2-カルボン酸;
(38)3-(2-(4-(2,6-ジメチルフェニル)ピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル)-5-フルオロ-1H-インドール-2-カルボン酸;
(39)3-(2-(4-(4-(tert-ブチル)フェニル)ピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル)-5-フルオロ-1H-インドール-2-カルボン酸;
(40)3-(2-(4-([1,1’-ビフェニル]-4-イル)ピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル)-5-クロロ-1H-インドール-2-カルボン酸;または
(41)5-クロロ-3-(2-(4-(2,5-ジメチルフェニル)ピペラジン-1-イル-)-2-オキソエチル)-1H-インドール-2-カルボン酸。
【0140】
本明細書内の用語「本発明の化合物」および同等の表現は、先に記述した化学式1で表される化合物を含むもので、このような表現は、そのE-またはZ-異性体、その光学異性体、その前駆体、その薬学的に許容可能な塩、その溶媒和物またはその2種の異性体混合物を含み、新規に合成されたものを含む。
【0141】
本発明は、いかなる方式で本発明の範囲を限定しない下記の実施例によって追加的に説明される。
【0142】
3.製造方法
本発明の第1側面において、さらに本発明は、化学式1、化学式1aおよび化学式1bで表される化合物を製造する方法を提供する。本発明の化学式1による代表化合物であるYPI-A4948の合成方法は実施例1に詳細に記述され、本発明の新規化合物は実施例1に記載された合成方法に基づいて製造することができる。
【0143】
一部の実施形態において、有機合成中に、塩基の使用は、有機または無機塩基であってもよい。前記有機塩基の非限定的な例示は、ピリジン、トリメチルアミン、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)および1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデ-7-エン(DBU)を含む。前記無機塩基の非限定的な例示は、ナトリウムヒドロキシド、ナトリウムカーボネート、カリウムカーボネート、セシウムカーボネートおよびナトリウムハイドライドを含む。これらは、単独でまたは組み合わせて化学量論的または過剰に使用できる。使用できる溶媒の非限定的な例示は、エーテル(例えば、テトラヒドロフラン(THF)、ジエチルエーテルおよび1,2-ジメトキシエタン)、アルコール(例えば、メタノール、エタノール、プロパノールおよびブタノール)、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジクロロメタン(DCM)、ジクロロエタン、水、アセトンである。前記溶媒は、単独でまたは組み合わせて使用可能である。
【0144】
4.組成物および剤形
本発明は、本発明に記述された化合物および本発明に記述された化合物の投与に適した剤形を含む薬学組成物を含む。任意の医学的に許容可能な手段による投与に適した薬学組成物の剤形が本発明に含まれる。薬学剤形は、投与の手段に適した薬学的に許容可能な添加剤または担体および薬学的に許容可能な化合物(組成物)を含むことができる。
【0145】
本発明に記述された化合物は、賦形剤(例えば、1つ以上の賦形剤)、抗酸化剤(例えば、1つ以上の抗酸化剤)、安定化剤(例えば、1つ以上の安定化剤)、保存剤(例えば、1つ以上の保存剤)、pH調整および/または緩衝剤(例えば、1つ以上のpH調整および/または緩衝剤)、等張性調節剤(例えば、1つ以上の等張性調節剤)、増粘剤(例えば、1つ以上の増粘剤)、懸濁剤(例えば、1つ以上の懸濁剤)、結合剤(例えば、1つ以上の結合剤)、粘度増加剤(例えば、1つ以上の粘度増加剤)などの添加剤を有する剤形(薬学組成物を含む)であってもよく、治療される特定の状態に対して薬学的に許容可能な追加成分として提供される。一部の実施形態において、前記剤形は、本発明に記述されたような追加成分(例えば、2、3、4、5、6、7、8つ以上の追加成分)の組み合わせを含むことができる。一部の実施形態において、前記添加剤は、例えば、カルシウムホスフェート、マグネシウムステアレート、タルク、単糖類、二糖類、デンプン、ゼラチン、セルロース、メチルセルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、デキストロース、ヒドロキシプロピル-ベータ-シクロデキストリン、ポリビニルピロリドン、低融点ワックス、イオン交換樹脂などの処理剤および薬物伝達改質剤、エンハンサーおよびその任意の2以上の組み合わせを含むことができる。
【0146】
他の適した薬学的に許容可能な賦形剤は、参考文献として本発明に統合される、「Remington’s Pharmaceutical Sciences」Mack Pub.Co.,New Jersey(1991)、および「Remington:The Science and Practice of Pharmacy」、Lippincott Williams&Wilkins、Philadelphia、20th edition(2003)および21st edition(2005)で記述される。
【0147】
本発明に記述された組成物の剤形は、吸入、鼻スプレー、静脈内、筋肉内注射、硝子体内注射、軟膏としてまたは溶液、懸濁液、半液体、半固体、ゲル、半固体ゲル、ゼリー、エマルジョン、軟膏、錠剤、液体およびクリームで構成される経口投与に適することができる。錠剤形態は、ラクトース、スクロース、マンニトール、ソルビトール、カルシウムホスフェート、トウモロコシデンプン、ジャガイモデンプン、微細結晶質セルロース、ゼラチン、コロイド性二酸化ケイ素、タルク、マグネシウムステアレート、ステアリン酸および他の賦形剤、着色剤、充填剤、結合剤、希釈剤、緩衝剤、保湿剤、保存剤、香味剤、染料、崩壊剤および薬学的に適した担体の1つ以上を含むことができる。カプセルは化合物と共に好適な賦形剤を含有できるか、化合物はシェルで単独で使用可能である。これら剤形化された化合物のすべては、単独で投与されるか、共投与されるか、間欠的に投与されるか、順次または同時に投与されてもよい。
【0148】
5.投与
本発明の組成物は、経口、非経口、舌下、経皮、直腸、経粘膜、局所、吸入による、頬側または鼻腔内投与による、またはその組み合わせの任意の方式で投与されるものを含むが、これらに限定されない。非経口投与は、静脈内、動脈内、腹膜内、皮下、筋肉内、脊椎腔内および動脈内を含むが、これらに限定されない。また、本発明の組成物は、インプラントで投与されてもよいし、これは、組成物の遅い放出だけでなく、遅く調節された静脈内投与を許容する。
【0149】
個人に単一または多重用量で投与される用量は、薬動学的特性、患者の状態および特性(性別、年齢、体重、健康、大きさ)、症状の程度、同時治療、治療頻度および所望の効果を含む多様な因子に依存して多様に変化するであろう。
【0150】
本発明の一実施形態によれば、本発明による化合物およびその薬学的な剤形は、単独でまたは呼吸器障害または疾患の治療に有用な補助剤と共に投与可能である。本発明の他の実施形態によれば、本発明による化合物およびその薬学的な剤形は、放射線療法と共に投与されてもよい。
【0151】
本発明は、本発明による化合物またはその薬学的な剤形の投与を含み、本発明による化合物またはその薬学的な剤形は、治療学的に有効な量で、癌の治療に有用な他の治療療法または補助剤(例えば、多重薬物療法)に先立って同時にまたは順次に個体に投与される。前記補助剤と同時に投与される本発明による化合物またはその薬学剤形は、同一または異なる組成物においておよび同一または異なる投与経路によって投与可能である。
【0152】
一実施形態において、本発明による患者は、気管支喘息、気管支炎、アレルギー性鼻炎、成人呼吸器症候群、嚢胞性線維症、肺ウイルス感染(インフルエンザ)、肺高血圧、特発性肺線維症および慢性閉塞性肺疾患(COPD)などの呼吸器障害または疾患を患う患者である。
【0153】
他の一実施形態において、本発明による化合物およびその薬学的な剤形は、単独でまたは一つ以上の他の利尿剤と共に投与することができる。前記利尿剤は、フロセミド、トラセミド(torasemide)、ブメタニド(bumetanide)、エタクリン酸(etacrynic acid)、アゾセミド(azosemide)、ムゾリミン(muzolimine)、ピレタニド(piretanide)、トリパミド(tripamide)、ベンドロフルメチアジド(bendroflumethazide)、クロロチアジド(chlorothiazide)、ヒドロクロロチアジド(hydrochlorothiazide)、ヒドロフルメチアジド(hydroflumethiazide)、メチクロチアジド(methychlothiazide)、ポリチアジド(polythiazide)、トリクロルメチアジド(trichlormethiazide)、クロルチアリドン(chlorthialidone)、インダパミド(indapamide)、メトラゾン(metolazone)、キネタゾン(quinethazone)、エトゾリン(etozolin)、トリアムテレン(triamterene)、アミロライド(amiloride)および薬剤学的に許容されるそれらの誘導体からなるグループから選択されるが、これらに限定されるものではない。
【0154】
好ましくは、本発明による化合物またはその薬学的な剤形はフロセミドと共に投与され、各薬物の毒性を考慮して適切な比率で投与することができる。例えば、前記化合物またはその薬学的な剤形およびフロセミドは約1:10の重量比で投与することができるが、これに限定されるものではない。
【0155】
6.本発明による化合物の用途
本発明の第2の側面は、呼吸器疾患(炎症性気道疾患)の予防、改善または治療のための化学式1、化学式1aまたは化学式1bで表される化合物、化合物の混合物またはその薬学組成物の用途を提供する。
【0156】
一実施形態において、本発明は、ペンドリン抑制剤として化学式1、化学式1aまたは化学式1bで表される化合物およびその薬学組成物の用途を提供する。
【0157】
他の一実施形態において、化学式1、化学式1aまたは化学式1bで表される化合物およびその薬学組成物の用途を提供し、これは気道表面液体(ASL)の体積を保存または増加させる。
【0158】
他の一実施形態において、本発明は、喘息、急性または慢性気管支炎、アレルギー鼻炎、急性呼吸器感染、急性上部呼吸器感染、嚢胞性線維症、急性呼吸困難症候群(ARDS)、急性肺損傷(ALI)または慢性閉塞性肺疾患(COPD)などからなる群より選択される1つ以上で呼吸器疾患(炎症性気道疾患)に対する用途を提供する。
【0159】
他の一実施形態において、本発明は、健康機能食品において有効成分として呼吸器疾患(炎症性気道疾患)の予防または向上のための化学式1、化学式1aまたは化学式1bで表される化合物、化合物の混合物またはその健康機能食品組成物の用途を提供する。
【0160】
他の一実施形態において、本発明は、健康機能食品において有効成分として呼吸器疾患(炎症性気道疾患)の予防または向上のためのペンドリン抑制剤として化学式1、化学式1aまたは化学式1bで表される化合物およびその健康機能食品組成物の用途を提供する。
【0161】
他の一実施形態において、本発明は、化学式1、化学式1aまたは化学式1bで表される化合物およびその薬学組成物の用途を提供し、これは健康機能食品において有効成分として呼吸器疾患(炎症性気道疾患)の予防または向上のために気道表面液体(ASL)の体積を保存または増加させる。
【0162】
他の一実施形態において、本発明は、健康機能食品において有効成分として呼吸器疾患(炎症性気道疾患)の予防または向上のための用途を提供し、前記呼吸器疾患(炎症性気道疾患)は、喘息、急性または慢性気管支炎、アレルギー鼻炎、急性呼吸器感染、急性上部呼吸器感染、嚢胞性線維症、急性呼吸困難症候群(ARDS)、急性肺損傷(ALI)または慢性閉塞性肺疾患(COPD)からなる群より1つ以上選択される。
【0163】
本発明の第3側面は、他の側面は利尿効果を示す化学式1、化学式1aまたは化学式1bで表される化合物、化合物の混合物またはその薬学組成物の用途を提供する。
【0164】
他の一実施形態において、本発明は、健康機能食品において有効成分として利尿効果を示す化学式1、化学式1aまたは化学式1bで表される化合物、化合物の混合物またはその健康機能食品組成物の用途を提供する。
【0165】
全体実験を限定しない詳細な実験の非限定的な実施例が本発明に記述される。本発明に記載された本発明の説明は実施例としての役割を果たし、本発明に係る技術に対する一般的な知識を有する者は、本発明の技術的な思想や必須の特徴を変更することなく他の特定領域または形態に容易に変更できることを理解しなければならない。記述された本発明は下記の実施例を例示的に提示するが、これに限定されるものではない。
【0166】
化合物の名称はChemDraw Professional V.15.1によって生成された。本発明による化合物は、化学式1で表される化合物、その互変異性体、その幾何異性体(例えば、e、z異性体)、その光学異性体として光学的に活性である形態、その部分異性体およびそのラセミ体の形態だけでなく、その薬学的に許容可能な塩を含む。本発明に例示された誘導体は、次の一般的な方法および手順を用いて容易に利用可能な出発物質から製造できる。典型的なまたは好ましい実験条件(つまり、反応温度、時間、試薬のモル、溶媒など)が与えられると、他に言及されない限り、他の実験条件が使用できることを理解するであろう。最適な反応条件は使用された特定の反応物または溶媒に応じて異なるが、このような条件は日常的な最適化手順を用いて当業者によって決定可能である。
【0167】
本発明に引用された参考文献は、その全体が参考文献として本発明に統合される。本発明は、本発明の個別の側面の単一の例示として意図される、本発明に記述された特定の実施形態として範囲に限定されず、機能的に同等の方法および成分は本発明の範囲内にある。実際に、本明細書に図示および説明されたものに追加して、本発明の多様な変形は、前述した説明および添付図面から当業者に明らかになるであろう。このような変形は、添付した特許請求範囲の範囲内に属することが意図される。
【実施例
【0168】
[実施例1]
新規化合物の製造
【0169】
本発明による新規化合物の合成方法は次の通りである。
【0170】
(1)3-(カルボキシメチル)-5-メチル-1H-インドール-2-カルボン酸
【化9】
【0171】
(a)2-ケトグルタル酸、蒸留水、100℃、16時間還流加熱
蒸留水に(4-クロロフェニル)ヒドラジン塩酸塩1当量(3g)と2-ケトグルタル酸1.5当量を100℃で16時間還流加熱した。反応終結確認後、常温に冷却して蒸留水と酢酸エチルを用いて3回繰り返し抽出した。集めた有機層は硫酸ナトリウムを用いて脱水した後、ろ過紙を用いて硫酸ナトリウムを除去した。ろ過液は減圧蒸留した。
【0172】
(2)エチル3-(2-エトキシ-2-オキソエチル)-5-メチル-1H-インドール-2-カルボキシレート
【化10】
【0173】
(b)濃硫酸(95%)、エタノール、78℃、16時間還流加熱
前の段階で得られた原液(3.5g)をエタノールに溶解させた後、濃硫酸7mLをガラス棒を用いて慎重に攪拌しながら処理した。濃硫酸を全て処理した後、78℃で16時間還流加熱した。反応終結確認後、減圧蒸留した。その後、原液に蒸留水と酢酸エチルを加えた後、炭酸水素ナトリウムを用いて中和した。中和が完了した後、蒸留水と酢酸エチルを用いて3回繰り返し抽出した。集めた有機層は硫酸ナトリウムを用いて脱水した後、ろ過紙を用いて硫酸ナトリウムを除去した。ろ過液は減圧蒸留した後、カラムクロマトグラフィーを用いて精製した。(移動相として酢酸エチル:n-ヘキサン=体積比1:10の混合溶液)
【0174】
(3)2-(2-(エトキシカルボニル)-5-メチル-1H-インドール-3-イル)酢酸
【化11】
【0175】
(c)水酸化ナトリウム、テトラヒドロフラン、エタノール、蒸留水、-10℃、16時間攪拌
前の段階で精製した化合物(1.6g)をテトラヒドロフラン20mL、エタノール20mLに溶解した。その後、蒸留水4mLに水酸化ナトリウム1.1当量を溶解して処理した。低温反応器を用いて-10℃で16時間攪拌した。反応終結確認後、10%塩酸溶液を用いて中和した。その後、蒸留水と酢酸エチルを用いて3回繰り返し抽出した。集めた有機層は硫酸ナトリウムを用いて脱水した後、ろ過紙を用いて硫酸ナトリウムを除去した。ろ過液は減圧蒸留した後、カラムクロマトグラフィーを用いて精製した。(酢酸エチル:n-ヘキサン=1:10→1:1)
【0176】
(4)エチル3-(2-(4-(2-クロロ-6-メチルフェニル)ピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル)-5-メチル-1H-インドール-2-カルボキシレート
【化12】
【0177】
(d)ヘキサフルオロリン酸アザベンゾトリアゾールテトラメチルウロニウム、N,N-ジイソプロピルエチルアミン、テトラヒドロフラン、常温で5時間攪拌
前の段階で精製した化合物(50mg)をテトラヒドロフランに溶解した後、フェニルピペラジン1.2当量、ヘキサフルオロリン酸アザベンゾトリアゾールテトラメチルウロニウム(HATU)1.1当量、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)3当量を処理した。常温で5時間攪拌した。反応終結確認後、減圧蒸留してカラムクロマトグラフィーを用いて精製した。(酢酸エチル:n-ヘキサン=1:5)
【0178】
(5)3-(2-(4-(2-クロロ-6-メチルフェニル)ピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル)-5-メチル-1H-インドール-2-カルボン酸(YPI-A4948)
【化13】
【0179】
(e)水酸化リチウム、テトラヒドロフラン、蒸留水、常温で16時間攪拌
前の段階で精製した化合物(70mg)をテトラヒドロフランに溶解した後、水酸化リチウム5当量を蒸留水5mLに溶解して処理した。水酸化リチウムを全て処理した後、常温で16時間攪拌した。反応終結を確認した後、減圧蒸留した。その後、残余溶媒を全て除去した状態で蒸留水を加えた後、10%塩酸溶液を処理してカルボン酸を析出した。析出されたカルボン酸はろ過紙を用いてろ過した後、蒸留水で洗浄して精製した。
【0180】
1-1.5-クロロ-3-(2-(4-(2,5-ジメチルフェニル)ピペラジン-1-イル-)-2-オキソエチル)-1H-インドール-2-カルボン酸(YPI-H05)
【化14】
【0181】
1-2.5-クロロ-3-(2-オキソ-2-(4-(4-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペラジン-1-イル)エチル)-1H-インドール-2-カルボン酸(YPI-A4779)
【化15】
【0182】
H NMR(300MHz、DMSO-d)δ13.28(s、1H)、11.79(s、1H)、7.76-7.75(m、1H)、7.54-7.51(m、2H)、7.42-7.40(m、1H)、7.25-7.22(m、1H)、7.09-7.07(m、2H)、4.21(s、2H)、3.78-3.62(m、4H)、3.37-3.26(m、4H)。
ESI(m/z)464(MH-)。
【0183】
1-3.5-クロロ-3-(2-オキソ-2-(4-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペラジン-1-イル)エチル)-1H-インドール-2-カルボン酸(YPI-A4781)
【化16】
1H NMR(300MHz、DMSO-d6)δ13.28(s、1H)、11.78(s、1H)、7.77(m、1H)、7.70-7.65(m、2H)、7.53-7.51(m、1H)、7.44-7.41(m、1H)、7.39-7.35(m、1H)、7.27-7.24(m、1H)、4.20(s、2H)、3.74-3.59(m、4H)、2.85-2.81(m、4H)。
ESI(m/z)466(MH+)、464(MH-)。
【0184】
1-4.5-クロロ-3-(2-(4-(2,6-ジメチルフェニル)ピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル)-1H-インドール-2-カルボン酸(YPI-A4783)
【化17】
【0185】
1H NMR(300MHz、DMSO-d)δ13.26(s、1H)、11.77(s、1H)、7.76(m、1H)、7.43-7.41(m、1H)、7.26-7.23(m、1H)、6.97-6.89(m、3H)、4.21(s、2H)、3.66-3.58(m、4H)、2.90-2.83(m、4H)、2.18(s、6H)。
ESI(m/z)425(MH+)、424(MH-)。
【0186】
1-5.5-クロロ-3-(2-(4-(2,3-ジメチルフェニル)ピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル)-1H-インドール-2-カルボン酸(YPI-A4799)
【化18】
【0187】
1H NMR(300MHz、DMSO-d6)δ11.75(s、1H)、7.70-7.69(m、1H)、7.61-7.59(m、1H)、7.05-7.03(m、1H)、6.97-6.94(m、1H)、6.84-6.82(m、1H)、6.67-6.65(m、1H)、4.38(s、2H)、3.86-3.58(m、4H)、2.61(s、2H)、2.46(s、2H)、2.16(s、3H)、2.08(s、3H)。
ESI(m/z)425(MH+)、424(MH-)。
【0188】
1-6.5-クロロ-3-(2-(4-(2,4-ジメチルフェニル)ピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル)-1H-インドール-2-カルボン酸(YPI-A4801)
【化19】
【0189】
1H NMR(300MHz、DMSO-d6)δ11.56(s、1H)、7.69(m、1H)、7.51-7.49(m、1H)、7.08-7.05(m、1H)、6.93(m、1H)、6.87-6.85(m、1H)、6.71-6.69(m、1H)、4.34(s、2H)、3.81-3.56(m、4H)、2.62-2.50(m、4H)、2.17(s、3H)、2.15(s、3H)。
ESI(m/z)426(MH+)、424(MH-)。
【0190】
1-7.5-クロロ-3-(2-(4-(2-メトキシフェニル)ピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル)-1H-インドール-2-カルボン酸(YPI-A4876)
【化20】
【0191】
1H NMR(300MHz、DMSO-d6)δ13.24(s、1H)、11.75(s、1H)、7.75-7.74(m、1H)、7.43-7.40(m、1H)、7.26-7.22(m、1H)、6.98-6.85(m、4H)、4.19(s、2H)、3.79(s、3H)、3.75-3.60(m、4H)、2.90(m、4H)。
ESI(m/z)426(MH-)。
【0192】
1-8.5-クロロ-3-(2-(4-(3-メトキシフェニル)ピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル)-1H-インドール-2-カルボン酸(YPI-A4877)
【化21】
【0193】
1H NMR(300MHz、DMSO-d6)δ11.59(s、1H)、7.71-7.70(m、1H)、7.50-7.47(m、1H)、7.11-7.03(m、2H)、6.44-6.33(m、3H)、4.33(s、2H)、3.83-3.56(m、4H)、3.68(s、3H)、2.98-2.89(m、4H)。
ESI(m/z)428(MH+)、426(MH-)。
【0194】
1-9.5-クロロ-3-(2-(4-(4-メトキシフェニル)ピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル)-1H-インドール-2-カルボン酸(YPI-A4878)
【化22】
【0195】
1H NMR(300MHz、DMSO-d6)δ11.55(s、1H)、7.71-7.70(m、1H)、7.49-7.46(m、1H)、7.10-7.07(m、1H)、6.82-6.74(m、4H)、4.33(s、2H)、3.84-3.57(m、4H)、3.66(s、3H)、2.84-2.74(m、4H)。
ESI(m/z)428(MH+)、426(MH-)。
【0196】
1-10.5-クロロ-3-(2-(4-(2-クロロフェニル)ピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル)-1H-インドール-2-カルボン酸(YPI-A4803)
【化23】
【0197】
1H NMR(300MHz、DMSO-d6)δ11.57(s、1H)、7.70(m、1H)、7.53-7.51(m、1H)、7.38-7.36(m、1H)、7.23-7.21(m、1H)、7.08-6.96(m、3H)、4.35(s、2H)、3.88-3.59(m、4H)、2.80-2.69(m、4H)。
ESI(m/z)430(MH-)、432(MH-)、434(MH-)。
【0198】
1-11.5-クロロ-3-(2-(4-(4-クロロフェニル)ピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル)-1H-インドール-2-カルボン酸(YPI-A4843)
【化24】
【0199】
1H NMR(300MHz、DMSO-d6)δ13.26(s、1H)、11.75(s、1H)、7.74(m、1H)、7.42-7.40(m、1H)、7.25-7.22(m、3H)、6.97-6.94(m、2H)、4.20(s、2H)、3.75-7.60(m、4H)、3.12-3.08(m、4H)。
ESI(m/z)432(MH+)、434(MH+)、436(MH+)。
【0200】
1-12.3-(2-(4-(2-ブロモフェニル)ピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル)-5-クロロ-1H-インドール-2-カルボン酸(YPI-A4844)
【化25】
【0201】
1H NMR(300MHz、DMSO-d6)δ11.41(s、1H)、7.69(m、1H)、7.57-7.54(m、1H)、7.49-7.46(m、1H)、7.30-7.25(m、1H)、7.06-7.03(m、1H)、6.98-6.92(m、2H)、4.36(s、2H)、3.89-3.58(m、4H)、2.79-2.66(m、4H)。
ESI(m/z)476(MH+)、474(MH-)。
【0202】
1-13.3-(2-(4-(3-ブロモフェニル)ピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル)-5-クロロ-1H-インドール-2-カルボン酸(YPI-A4845)
【化26】
【0203】
1H NMR(300MHz、DMSO-d6)δ13.23(s、1H)、11.75(s、1H)、7.74(m、1H)、7.42-7.39(m、1H)、7.25-7.21(m、1H)、7.19-7.09(m、2H)、6.96-6.92(m、2H)、4.20(s、2H)、3.75-3.60(m、4H)、3.17-3.13(m、4H)。
ESI(m/z)474(MH-)、476(MH-)、478(MH-)。
【0204】
1-14.3-(2-(4-(4-ブロモフェニル)ピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル)-5-クロロ-1H-インドール-2-カルボン酸(YPI-A4846)
【化27】
【0205】
1H NMR(300MHz、DMSO-d6)δ11.49(s、1H)、7.74(m、1H)、7.39-7.37(m、1H)、7.32-7.30(m、2H)、7.15-7.13(m、1H)、6.86-6.84(m、2H)、4.26(s、2H)、3.80-3.57(m、4H)、3.00(m、4H)。
ESI(m/z)474(MH-)、476(MH-)。
【0206】
1-15.5-クロロ-3-(2-オキソ-2-(4-(o-トリル)ピペラジン-1-イル)エチル)-1H-インドール-2-カルボン酸(YPI-A4847)
【化28】
【0207】
1H NMR(300MHz、DMSO-d6)δ11.51(s、1H)、7.70-7.69(m、1H)、7.52-7.49(m、1H)、7.13-7.05(m、3H)、6.94-6.89(m、1H)、6.83-6.81(m、1H)、4.35(s、2H)、3.84-3.57(m、4H)、2.66-2.54(m、4H)、2.19(s、3H)。
ESI(m/z)412(MH+)、414(MH+)、410(MH-)、412(MH-)。
【0208】
1-16.5-クロロ-3-(2-オキソ-2-(4-(m-トリル)ピペラジン-1-イル)エチル)-1H-インドール-2-カルボン酸(YPI-A4848)
【化29】
【0209】
1H NMR(300MHz、DMSO-d6)δ13.23(s、1H)、11.75(s、1H)、7.74(m、1H)、7.42-7.39(m、1H)、7.25-7.21(m、1H)、7.12-7.07(m、1H)、6.76-6.61(m、3H)、4.20(s、2H)、3.75-3.60(m、4H)、3.07(m、4H)、2.25(s、3H)。
ESI(m/z)412(MH+)、414(MH+)、410(MH-)、412(MH-)。
【0210】
1-17.5-クロロ-3-(2-オキソ-2-(4-(p-トリル)ピペラジン-1-イル)エチル)-1H-インドール-2-カルボン酸(YPI-A4849)
【化30】
【0211】
1H NMR(300MHz、DMSO-d6)δ11.47(s、1H)、7.70-7.69(m、1H)、7.46-7.43(m、1H)、7.09-7.05(m、1H)、6.99-6.96(m、2H)、6.75-6.73(m、2H)、4.32(s、2H)、3.83-3.56(m、4H)、2.89-2.79(m、4H)、2.17(s、3H)。
ESI(m/z)412(MH+)、414(MH+)、410(MH-)、412(MH-)。
【0212】
1-18.3-(2-(4-(tert-ブトキシカルボニル)ピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル)-5-クロロ-1H-インドール-2-カルボン酸(YPI-A4879)
【化31】
【0213】
1H NMR(300MHz、DMSO-d6)δ13.22(s、1H)、11.75(s、1H)、7.73-7.72(m、1H)、7.42-7.39(m、1H)、7.25-7.21(m、1H)、4.15(s、2H)、3.60-3.44(m、4H)、3.32(m、4H)、1.41(s、9H)。
ESI(m/z)422(MH+)、424(MH+)、420(MH-)、422(MH-)。
【0214】
1-19.5-クロロ-3-(2-(4-(2-クロロ-6-メチルフェニル)ピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル)-1H-インドール-2-カルボン酸(YPI-A4880)
【化32】
【0215】
1H NMR(300MHz、DMSO-d6)δ13.30(s、1H)、11.77(s、1H)、7.77-7.76(m、1H)、7.45-7.42(m、1H)、7.27-7.16(m、3H)、7.08-7.03(m、1H)、4.25(q、2H、J=30.0Hz)、4.04-3.89(m、2H)、3.51-3.04(m、4H)、2.83-2.74(m、2H)、2.29(s、3H)。
ESI(m/z)444(MH-)、446(MH-)、448(MH-)。
【0216】
1-20.5-クロロ-3-(2-オキソ-2-(4-(フェニルピペラジン-1-イル)エチル)-1H-インドール-2-カルボン酸(YPI-A4881)
【化33】
【0217】
1H NMR(300MHz、DMSO-d6)δ11.67(s、1H)、7.74-7.73(m、1H)、7.41-7.38(m、1H)、7.24-7.18(m、3H)、6.94-6.91(m、2H)、6.82-6.77(m、1H)、4.22(s、2H)、3.77-3.60(m、4H)、3.07(m、4H)。
ESI(m/z)396(MH-)、398(MH-)。
【0218】
1-21.5-クロロ-3-(2-(4-(2-エトキシフェニル)ピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル)-1H-インドール-2-カルボン酸(YPI-A4882)
【化34】
【0219】
1H NMR(300MHz、DMSO-d6)δ13.33(s、1H)、11.72(s、1H)、7.75-7.74(m、1H)、7.42-7.39(m、1H)、7.25-7.21(m、1H)、6.94-6.82(m、4H)、4.20(s、2H)、4.03(q、2H、J=9.0Hz)、3.75-3.60(m、4H)、2.92(m、4H)、1.35(t、3H、J=7.5Hz)。
ESI(m/z)442(MH+)、444(MH+)、440(MH-)、442(MH-)。
【0220】
1-22.5-クロロ-3-(2-(3-メチル-4-フェニルピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル)-1H-インドール-2-カルボン酸(YPI-A4883)
【化35】
【0221】
1H NMR(300MHz、DMSO-d6)δ11.71(s、1H)、7.76-7.73(m、1H)、7.43-7.40(m、1H)、7.24-7.19(m、3H)、6.92-6.86(m、2H)、6.80-6.74(m、1H)、4.40-3.99(m、3H)、4.22(s、2H)、3.55-2.87(m、4H)、0.88-0.77(m、3H)。
ESI(m/z)412(MH+)、414(MH+)、410(MH-)、412(MH-)。
【0222】
1-23.5-クロロ-3-(2-(4-(4-クロロフェニル)-2,2-ジメチルピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル)-1H-インドール-2-カルボン酸(YPI-A4884)
【化36】
【0223】
1H NMR(300MHz、DMSO-d6)δ13.18(s、1H)、11.73(s、1H)、7.73(m、1H)、7.43-7.40(m、1H)、7.24-7.15(m、3H)、6.71-6.68(m、2H)、4.15(s、2H)、3.89-3.87(m、2H)、3.33-3.25(m、4H)、1.36(s、6H)。
ESI(m/z)458(MH-)、460(MH-)、462(MH-)。
【0224】
1-24.5-クロロ-3-(2-(4-(2-クロロ-4-フルオロフェニル)ピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル)-1H-インドール-2-カルボン酸(YPI-A4885)
【化37】
【0225】
1H NMR(300MHz、DMSO-d6)δ13.23(s、1H)、11.74(s、1H)、7.75-7.74(m、1H)、7.44-7.40(m、2H)、7.25-7.16(m、3H)、4.20(s、2H)、3.78-3.62(m、4H)、2.89(m、4H)。
ESI(m/z)448(MH-)、450(MH-)、452(MH-)。
【0226】
1-25.5-クロロ-3-(2-(4-(2-クロロ-5-メトキシフェニル)ピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル)-1H-インドール-2-カルボン酸(YPI-A4886)
【化38】
【0227】
1H NMR(300MHz、DMSO-d6)δ13.22(s、1H)、11.75(s、1H)、7.75(m、1H)、7.43-7.40(m、1H)、7.33-7.30(m、1H)、7.26-7.22(m、1H)、6.67-6.64(m、2H)、4.20(s、2H)、3.77-3.62(m、4H)、3.75(s、3H)、2.93(m、4H)。
ESI(m/z)460(MH-)、462(MH-)、464(MH-)。
【0228】
1-26.5-クロロ-3-(2-(4-(2,4-ジクロロフェニル)ピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル)-1H-インドール-2-カルボン酸(YPI-A4887)
【化39】
【0229】
1H NMR(300MHz、DMSO-d6)δ11.70(s、1H)、7.70-7.69(m、1H)、7.58-7.55(m、1H)、7.50-7.49(m、1H)、7.28-7.25(m、1H)、7.08-7.04(m、1H)、6.98-6.95(m、1H)、4.36(s、2H)、3.88-3.58(m、4H)、2.79-2.67(m、4H)。
ESI(m/z)464(MH-)、466(MH-)、468(MH-)。
【0230】
1-27.(R)-5-クロロ-3-(2-(2-メチル-4-フェニルピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル)-1H-インドール-2-カルボン酸(YPI-A4914)
【化40】
【0231】
1H NMR(300MHz、DMSO-d6)δ13.19(s、1H)、11.75(s、1H)、7.73(m、1H)、7.42-7.40(m、1H)、7.22(m、3H)、6.92-6.79(m、3H)、4.64-4.03(m、2H)、4.19(s、2H)、3.59-2.78(m、5H)、1.30-1.17(m、3H)。
ESI(m/z)412(MH+)、414(MH+)、410(MH-)、412(MH-)
【0232】
1-28.5-クロロ-3-(2-(4-(2,4-ジフルオロフェニル)ピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル)-1H-インドール-2-カルボン酸(YPI-A4915)
【化41】
【0233】
1H NMR(300MHz、DMSO-d6)δ13.19(s、1H)、11.75(s、1H)、7.74(m、1H)、7.43-7.40(m、1H)、7.25-7.18(m、2H)、7.07-6.97(m、2H)、4.19(s、2H)、3.77-3.62(m、4H)、2.94-2.90(m、4H)。
ESI(m/z)432(MH-)、434(MH-)。
【0234】
1-29.5-クロロ-3-(2-オキソ-2-(4-(3,4,5-トリクロロフェニル)ピペラジン-1-イル)エチル)-1H-インドール-2-カルボン酸(YPI-A4916)
【化42】
【0235】
1H NMR(300MHz、DMSO-d6)δ13.11(s、1H)、11.75(s、1H)、7.73(m、1H)、7.42-7.40(m、1H)、7.24-7.18(m、3H)、4.19(s、2H)、3.73-3.58(m、4H)、3.27-3.21(m、4H)。
ESI(m/z)498(MH-)、500(MH-)、502(MH-)。
【0236】
1-30.5-クロロ-3-(2-(4-(2-フルオロフェニル)ピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル)-1H-インドール-2-カルボン酸(YPI-A4917)
【化43】
【0237】
1H NMR(300MHz、DMSO-d6)δ13.18(s、1H)、11.74(s、1H)、7.74(m、1H)、7.43-7.40(m、1H)、7.25-7.00(m、5H)、4.20(s、2H)、3.78-3.62(m、4H)、2.98-2.95(m、4H)。
ESI(m/z)416(MH+)、418(MH+)、414(MH-)、416(MH-)。
【0238】
1-31.5-クロロ-3-(2-(4-(3-クロロ-2-メチルフェニル)ピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル)-1H-インドール-2-カルボン酸(YPI-A4918)
【化44】
【0239】
1H NMR(300MHz、DMSO-d6)δ11.76(s、1H)、7.75(m、1H)、7.41(m、1H)、7.23-7.16(m、3H)、6.98(m、1H)、4.20(s、2H)、3.77-3.63(m、4H)、2.79-2.32(m、4H)、1.36-0.80(m、3H)。
ESI(m/z)444(MH-)、446(MH-)、448(MH-)。
【0240】
1-32.3-(2-(4-(4-カルボキシフェニル)ピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル)-5-クロロ-1H-インドール-2-カルボン酸(YPI-A4919)
【化45】
【0241】
1H NMR(300MHz、DMSO-d6)δ12.77(s、2H)、11.76(s、1H)、7.81-7.75(m、3H)、7.43-7.40(m、1H)、7.26-7.22(m、1H)、6.99-6.96(m、2H)、4.21(s、2H)、3.79-3.62(m、4H)、3.34(m、4H)。
ESI(m/z)440(MH-)、442(MH-)。
【0242】
1-33.3-(2-(4-(4-アセチルフェニル)ピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル)-5-クロロ-1H-インドール-2-カルボン酸(YPI-A4920)
【化46】
【0243】
1H NMR(300MHz、DMSO-d6)δ13.23(s、1H)、11.75(s、1H)、7.83-7.81(m、2H)、7.74(m、1H)、7.42-7.40(m、1H)、7.24-7.22(m、1H)、6.98-6.96(m、2H)、4.20(s、2H)、3.78-3.62(m、4H)、3.32(m、4H)、2.46(s、3H)。
ESI(m/z)438(MH-)、440(MH-)。
【0244】
1-34.5-クロロ-3-(2-(4-(4-エトキシフェニル)ピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル)-1H-インドール-2-カルボン酸(YPI-A4921)
【化47】
【0245】
1H NMR(300MHz、DMSO-d6)δ11.53(s、1H)、7.72(m、1H)、7.42-7.40(m、1H)、7.15-7.13(m、1H)、6.82-6.74(m、4H)、4.27(s、2H)、3.91(q、2H、J=6.0Hz)、3.79-3.57(m、4H)、2.85-2.83(m、4H)、1.27(t、3H、J=6.0Hz)。
ESI(m/z)442(MH+)、444(MH+)、440(MH-)、442(MH-)。
【0246】
1-35.3-(2-(4-(4-(tert-ブチル)フェニル)ピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル)-5-クロロ-1H-インドール-2-カルボン酸(YPI-A4943)
【化48】
【0247】
1H NMR(300MHz、DMSO-d6)δ13.23(s、1H)、11.76(s、1H)、7.74(m、1H)、7.42-7.40(m、1H)、7.24-7.22(m、3H)、6.88-6.86(m、2H)、4.20(s、2H)、3.75-3.60(m、4H)、3.05-3.02(m、4H)、1.24(s、9H)。
ESI(m/z)452(MH-)、454(MH-)。
【0248】
1-36.3-(2-(4-(4-(tert-ブチル)フェニル)ピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル)-5-メチル-1H-インドール-2-カルボン酸(YPI-A4944)
【化49】
【0249】
1H NMR(300MHz、DMSO-d6)δ12.99(s、1H)、11.41(s、1H)、7.42(s、1H)、7.30-7.28(m、1H)、7.24-7.22(m、2H)、7.07-7.05(m、1H)、6.87-6.85(m、2H)、4.17(s、2H)、3.75-3.60(m、4H)、3.02-3.01(m、4H)、2.35(s、3H)、1.23(s、9H)。
ESI(m/z)434(MH+)、432(MH-)。
【0250】
1-37.3-(2-(4-(4-(tert-ブチル)フェニル)ピペラジン-1-イル-2-オキソエチル)-5,7-ジメチル-1H-インドール-2-カルボン酸(YPI-A4945)
【化50】
【0251】
1H NMR(300MHz、DMSO-d6)δ11.16(s、1H)、724(m、2H)、7.21(s、1H)、6.87(s、1H)、6.84(m、2H)、4.17(s、2H)、3.75-3.59(m、4H)、3.02(m、4H)、2.46(s、3H)、2.31(s、3H)、1.23(s、9H)。
ESI(m/z)448(MH+)、446(MH-)。
【0252】
1-38.3-(2-(4-(2,6-ジメチルフェニル)ピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル)-5-メチル-1H-インドール-2-カルボン酸(YPI-A4946)
【化51】
【0253】
1H NMR(300MHz、DMSO-d6)δ13.04(s、1H)、11.42(s、1H)、7.46(s、1H)、7.31-7.29(m、1H)、7.09-7.06(m、1H)、6.95-6.91(m、3H)、4.19(s、2H)、3.66-3.57(m、4H)、2.89-2.79(m、4H)、2.37(s、3H)、2.16(s、6H)。
ESI(m/z)406(MH+)、404(MH-)。
【0254】
1-39.3-(2-(4-(2,6-ジメチルフェニル)ピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル)-5,7-ジメチル-1H-インドール-2-カルボン酸(YPI-A4947)
【化52】
【0255】
1H NMR(300MHz、DMSO-d6)δ13.01(s、1H)、11.21(s、1H)、7.28(s、1H)、6.97-6.91(m、3H)、6.87(s、1H)、4.18(s、2H)、3.66-3.57(m、4H)、2.88-2.81(m、4H)、2.47(s、3H)、2.33(s、3H)、2.16(s、6H)。
ESI(m/z)420(MH+)、418(MH-)。
【0256】
1-40.3-(2-(4-(2-クロロ-6-メチルフェニル)ピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル)-5-メチル-1H-インドール-2-カルボン酸(YPI-A4948)
【化53】
【0257】
1H NMR(300MHz、DMSO-d6)δ11.37(s、1H)、7.45(s、1H)、7.30-7.28(m、1H)、7.19-7.14(m、2H)、7.07-7.03(m、2H)、4.20(q、2H、J=12Hz)、4.00-3.90(m、2H)、3.18-3.02(m、4H)、2.81-2.70(m、2H)、2.36(s、3H)、2.27(s、3H)。
ESI(m/z)426(MH+)、428(MH+)、424(MH-)、426(MH-)。
【0258】
1-41.3-(2-(4-(2-クロロ-6-メチルフェニル)ピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル)-5,7-ジメチル-1H-インドール-2-カルボン酸(YPI-A4949)
【化54】
【0259】
1H NMR(300MHz、DMSO-d6)δ12.97(s、1H)、11.20(s、1H)、7.27(s、1H)、7.20-7.15(m、2H)、7.07-7.02(m、1H)、6.87(s、1H)、4.18(q、2H、J=15Hz)、3.96-3.89(m、2H)、3.22-3.06(m、4H)、2.81-2.73(m、2H)、2.47(s、3H)、2.33(s、3H)、2.28(s、3H)。
ESI(m/z)440(MH+)、442(MH+)、438(MH-)、440(MH-)。
【0260】
1-42.3-(2-(4-(2-クロロ-6-メチルフェニル)ピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル)-5-フルオロ-1H-インドール-2-カルボン酸(YPI-A4963)
【化55】
【0261】
1H NMR(300MHz、DMSO-d6)δ13.23(s、1H)、11.67(s、1H)、7.47-7.39(m、2H)、7.20-7.03(m、4H)、4.23(q、2H、J=30Hz)、3.50-3.47(m、2H)、3.22-3.02(m、4H)、2.82-2.73(m、2H)、2.28(s、3H)。
ESI(m/z)430(MH+)、432(MH+)、428(MH-)、430(MH-)。
【0262】
1-43.3-(2-(4-(2,6-ジメチルフェニル)ピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル)-5-フルオロ-1H-インドール-2-カルボン酸(YPI-A4964)
【化56】
【0263】
1H NMR(300MHz、DMSO-d6)δ13.12(s、1H)、11.66(s、1H)、7.46-7.40(m、2H)、7.14-7.09(m、1H)、6.95-6.90(m、3H)、4.20(s、2H)、3.65-3.57(m、4H)、2.88-2.81(m、4H)、2.16(s、6H)。
ESI(m/z)410(MH+)、408(MH-)。
【0264】
1-44.3-(2-(4-(4-(tert-ブチル)フェニル)ピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル)-5-フルオロ-1H-インドール-2-カルボン酸(YPI-A4965)
【化57】
【0265】
1H NMR(300MHz、DMSO-d6)δ13.21(s、1H)、11.66(s、1H)、7.45-7.38(m、2H)、7.25-7.22(m、2H)、7.13-7.07(m、1H)、6.88-6.85(m、2H)、4.18(s、2H)、3.75-3.61(m、4H)、3.03(m、4H)、1.24(s、9H)。
ESI(m/z)438(MH+)、436(MH-)。
【0266】
1-45.3-(2-(4-([1,1’-ビフェニル]-4-イル)ピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル)-5-クロロ-1H-インドール-2-カルボン酸(YPI-A4966)
【化58】
【0267】
1H NMR(300MHz、DMSO-d6)δ11.76(s、1H)、7.75(m、1H)、7.62-7.53(m、4H)、7.43-7.39(m、3H)、7.28-7.22(m、2H)、7.05-7.02(m、2H)、4.22(s、2H)、3.78-3.63(m、4H)、3.16(m、4H)。
ESI(m/z)474(MH+)、476(MH+)、472(MH-)、474(MH-)。
【0268】
[実施例2]
新規化合物のペンドリン抑制活性確認
【0269】
2-1.細胞培養
チャイニーズハムスター卵巣(CHO)-K1細胞を、10%ウシ胎児血清(FBS)、100units/mlペニシリンおよび100μg/mlストレプトマイシンを含有するDMEM培地で培養した。CHO-K1細胞をハライドセンサYFP-H148Q/I152L/F46Lおよびヒト野生型(WT)-ペンドリンをコードするpcDNA3.1で安定的にトランスフェクトさせた。
【0270】
2-2.化合物のペンドリンCl/I交換抑制活性評価
ヒトWTペンドリンおよびYFP-F46L/H148Q/I152Lを発現するCHO-K1細胞をウェルあたり2×10細胞の密度で96-ウェルマイクロプレートにプレーティングし、48時間培養した。細胞培養された96-ウェルプレートのそれぞれのウェルを200μLのPBSで2回洗浄し、それぞれの50μLのHEPES緩衝溶液(140mM NaCl、5mM KCl、1mM MgCl、1mM CaCl、10mMグルコースおよび10mM HEPES(pH7.4))で充填した。試験化合物(1μL)を1、3、10、30、100μMの最終濃度で添加した。37℃で10分間培養した後、96-ウェルプレートを蛍光分析のためのFLUOstar Omegaマイクロプレートリーダー(BMG Labtech、Ortenberg、Germany)に位置させた。1秒(基準線)間蛍光を連続的に(ポイントあたり400ms)記録することによって、ペンドリン-媒介Iの流入に対してそれぞれのウェルを個別的に分析した後、1秒で液体注入器を用いて50μLのNaI-置換されたHEPES緩衝溶液(NaClの代わりにNaIを使用)を添加し、5秒間YFP蛍光を記録した。初期ヨウ化物流入速度はヨウ化物を注入した後、非線形回帰による蛍光の初期傾きから決定された。
【0271】
実施例1の45種の化合物に対する濃度別ペンドリン抑制活性(%抑制)を表1に示す。
【0272】
【表1】
【0273】
[実施例3]
新規化合物のペンドリン抑制剤としての機能確認
【0274】
3-1.細胞培養
チャイニーズハムスター卵巣(CHO)-K1細胞を、10%ウシ胎児血清(FBS)、100units/mlペニシリンおよび100μg/mlストレプトマイシンを含有するDMEM培地で培養した。CHO-K1細胞をハライドセンサYFP-H148Q/I152L/F46Lおよびヒト野生型(WT)-ペンドリンをコードするpcDNA3.1で安定的にトランスフェクトさせた。
【0275】
3-2.ペンドリンCl/I交換活性評価
ヒトWTペンドリンおよびYFP-F46L/H148Q/I152Lを発現するCHO-K1細胞をウェルあたり2×10細胞の密度で96-ウェルマイクロプレートにプレーティングし、48時間培養した。細胞培養された96-ウェルプレートのそれぞれのウェルを200μLのPBSで2回洗浄し、それぞれの50μLのHEPES緩衝溶液(140mM NaCl、5mM KCl、1mM MgCl、1mM CaCl、10mMグルコースおよび10mM HEPES(pH7.4))で充填した。試験化合物(1μL)を50μMの最終濃度で添加した。37℃で10分間培養した後、96-ウェルプレートを蛍光分析のためのFLUOstar Omegaマイクロプレートリーダー(BMG Labtech、Ortenberg、Germany)に位置させた。1秒(基準線)間蛍光を連続的に(ポイントあたり400ms)記録することによって、ペンドリン-媒介Iの流入に対してそれぞれのウェルを個別的に分析した後、1秒で液体注入器を用いて50μLのNaI-置換されたHEPES緩衝溶液(NaClの代わりにNaIを使用)を添加し、5秒間YFP蛍光を記録した。初期ヨウ化物流入速度はヨウ化物を注入した後、非線形回帰による蛍光の初期傾きから決定された。
【0276】
その結果、図1に示すように、新規ペンドリン抑制剤であるYPI-H05とYPI-A4948はいずれもペンドリンによるCl/I陰イオン交換を濃度依存的に抑制した。特に、YPI-A4948(IC50=570nM)はYPI-05(IC50=2.7μM)より約5倍高い効力を示した。
【0277】
[実施例4]
新規化合物がSLC26A3活性に及ぼす影響確認
【0278】
4-1.細胞培養
LN-215細胞を10%ウシ胎児血清(FBS)、100units/mlペニシリンおよび100μg/mlストレプトマイシンを含有するDMEM培地で培養した。LN-215細胞をハライドセンサYFP-H148Q/I152L/F46Lおよびヒト野生型(WT)-SLC26A3をコードするpcDNA3.1で安定的にトランスフェクトさせた。
【0279】
4-2.SLC26A3 Cl/I交換活性評価
ヒトWT SLC26A3およびYFP-F46L/H148Q/I152Lを発現するLN-215細胞をウェルあたり2×10細胞の密度で96-ウェルマイクロプレートにプレーティングし、48時間培養した。細胞培養された96-ウェルプレートのそれぞれのウェルを200μLのPBSで2回洗浄し、それぞれの50μLのHEPES緩衝溶液(140mM NaCl、5mM KCl、1mM MgCl、1mM CaCl、10mMグルコースおよび10mM HEPES(pH7.4))で充填した。試験化合物(1μL)を100μMの最終濃度で添加した。37℃で10分間培養した後、96-ウェルプレートを蛍光分析のためのFLUOstar Omegaマイクロプレートリーダー(BMG Labtech、Ortenberg、Germany)に位置させた。1秒(基準線)間蛍光を連続的に(ポイントあたり400ms)記録することによって、SLC26A3-媒介Iの流入に対してそれぞれのウェルを個別的に分析した後、1秒で液体注入器を用いて50μLのNaI-置換されたHEPES緩衝溶液(NaClの代わりにNaIを使用)を添加し、5秒間YFP蛍光を記録した。初期ヨウ化物流入速度はヨウ化物を注入した後、非線形回帰による蛍光の初期傾きから決定された。
【0280】
新規ペンドリン抑制剤であるYPI-H05とYPI-A4948がSLC26Aファミリーのうち、ペンドリン(SLC26A4)と最も近接した陰イオン交換体であるSLC26A3によるCl/I陰イオン交換に及ぼす影響を判別した結果、図2に示すように、YPI-H05(IC50=3.8μM)はペンドリンとSLC26A3を同様の効力で抑制することを示した。しかし、YPI-A4948(IC50=11.4μM)はペンドリンに対する選択性がSLC26A3より約18倍高かった。したがって、YPI-A4948は選択性に優れたペンドリン抑制剤である。
【0281】
[実施例5]
新規化合物がSLC26A9、CFTR、ANO1の活性に及ぼす影響確認
【0282】
5-1.細胞培養
チャイニーズハムスター卵巣(CHO)-K1またはLN-215細胞を、10%ウシ胎児血清(FBS)、100units/mlペニシリンおよび100μg/mlストレプトマイシンを含有するDMEM培地で培養した。CHO-K1またはLN-215細胞をハライドセンサYFP-H148Q/I152L/F46Lおよびヒト野生型(WT)-SLC26A9をコードするpcDNA3.1で安定的にトランスフェクトした。YFP-H148Q/I152L/F46Lおよびヒト野生型(WT)-CFTRまたはヒト野生型(WT)-ANO1を安定的にトランスフェクトしたFisher rat thyroid(FRT)細胞を10%ウシ胎児血清(FBS)、100units/mlペニシリンおよび100μg/mlストレプトマイシンを含有するDMEM/F-12培地で培養した。
【0283】
5-2.SLC26A9、CFTR、ANO1の活性評価
ヒトWT SLC26A9およびYFP-F46L/H148Q/I152Lを発現するLN-215細胞と、ヒトWT CFTRまたはANO1およびYFP-F46L/H148Q/I152Lを発現するFRT細胞をウェルあたり2×10細胞の密度で96-ウェルマイクロプレートにプレーティングし、48時間培養した。細胞培養された96-ウェルプレートのそれぞれのウェルを200μLのPBSで2回洗浄し、それぞれの50μLのHEPES緩衝溶液(140mM NaCl、5mM KCl、1mM MgCl、1mM CaCl、10mMグルコースおよび10mM HEPES(pH7.4))で充填した。試験化合物(1μL)を100μMの最終濃度で添加した。CFTR活性評価の場合、CFTRを活性化するために10μM Forskolinを一緒に処理した。37℃で10分間培養した後、96-ウェルプレートを蛍光分析のためのFLUOstar Omegaマイクロプレートリーダー(BMG Labtech、Ortenberg、Germany)に位置させた。SLC29A9の活性評価のために1秒(基準線)間蛍光を連続的に(ポイントあたり400ms)記録することによって、SLC26A9-媒介Iの流入に対してそれぞれのウェルを個別的に分析した後、1秒で液体注入器を用いて50μLのNaI-置換されたHEPES緩衝溶液(NaClの代わりにNaIを使用)を添加し、6秒間YFP蛍光を記録した。CFTRの活性評価のために2秒(基準線)間蛍光を連続的に(ポイントあたり400ms)記録することによって、CFTR-媒介Iの流入に対してそれぞれのウェルを個別的に分析した後、2秒で液体注入器を用いて50μLのNaI-置換されたHEPES緩衝溶液(NaClの代わりにNaIを使用)を添加し、8秒間YFP蛍光を記録した。ANO1の活性評価のために1秒(基準線)間蛍光を連続的に(ポイントあたり400ms)記録することによって、ANO1-媒介Iの流入に対してそれぞれのウェルを個別的に分析した後、1秒で液体注入器を用いて50μLのATP(200μM)を含むNaI-置換されたHEPES緩衝溶液(NaClの代わりにNaIを使用)を添加し、6秒間YFP蛍光を記録した。初期ヨウ化物流入速度はヨウ化物を注入した後、非線形回帰による蛍光の初期傾きから決定された。
【0284】
新規ペンドリン抑制剤であるYPI-H05とYPI-A4948がSLC26AファミリーであるSLC26A9と代表的な陰イオン輸送体であるCFTRとANO1陰イオンチャネルに及ぼす影響を判別した結果、図3に示すように、YPI-H05とYPI-A4948は全て100μMでSLC26A9の活性を全く抑制しなかった。CFTRの場合、YPI-H05は100μMで約50%程度の活性を抑制したが、YPI-A4948は100μMでほとんどCFTRの活性に影響を与えなかった。ANO1の活性の場合、YPI-H05は30μMで約80%程度の活性を抑制したが、YPI-A4948は30μMでANO1の活性を弱く抑制した。したがって、YPI-A4948は選択性に優れたペンドリン特異的抑制剤であることを確認した。
【0285】
[実施例6]
新規化合物が細胞の生存率に及ぼす影響確認
【0286】
6-1.細胞培養
チャイニーズハムスター卵巣(CHO)-K1細胞を、10%ウシ胎児血清(FBS)、100units/mlペニシリンおよび100μg/mlストレプトマイシンを含有するDMEM培地で培養した。
【0287】
6-2.細胞の生存率測定
細胞の生存率の測定はCellTiter 96(登録商標)AQueous One Solution細胞増殖分析キット(Promega、Madison、WI、USA)を用いて行った。CHO-K1細胞を96-ウェルプレートで24時間、10%FBSが補充された培地に一緒に培養した後、化合物またはビヒクルを培地で処理し、24時間後に培地を完全に除去し、製造業者のプロトコルに従ってMTS分析を行った。ホルマザン(formazan)の吸光度はInfinite M200マイクロプレートリーダー(Tecan、Austria)を用いて490nmの波長で測定した。
【0288】
新規ペンドリン抑制剤であるYPI-H05とYPI-A4948の細胞毒性をCHO-K1細胞株で判別した結果、図4に示すように、YPI-H05とYPI-A4948は全て30μMで細胞毒性を示さなかった。100μMでもYPI-H05とYPI-A4948は10%以内の生存率の変化を示した。したがって、YPI-H05とYPI-A4948は細胞毒性が非常に低い化合物であることを確認した。
【0289】
[実施例7]
新規化合物のIL-4によって損傷されたASLの回復機能確認
【0290】
7-1.細胞培養
ヒト鼻上皮細胞の1次培養の分化のために、細胞を2×10細胞/cmの密度で0.45μmの気孔を有するトランスウェル(Transwell、Costar Co.、Cambridge、MA)に培養した。細胞を次の成長因子が補充された、ダルベッコ改変イーグル培地(Dulbecco’s modified Eagle’s medium;Lonza)および気管支上皮細胞成長培地(bronchial epithelial growth medium;Lonza)の1:1の混合培養液で2~3日間隔で培養液を交換しながら培養した。細胞を最初の7日間は培養液に浸漬した状態で培養し、その後の培養期間の間はトランスウェルの上部は空気に露出させて培養した。空気-液体界面(air-liquid interface、ALI)の確立後、21日間細胞を培養して分化させた。培養のすべての段階で細胞培養装置は5%CO、37℃の条件を維持した。
【0291】
7-2.気道表面液体(ASL)の体積評価
正常ペンドリンを発現する分化したNHE細胞が成長しているトランスウェルの基底液にビヒクル、IL-4(10ng/ml)、YPI-H05(30μM)を添加し、48時間インキュベータで37℃、5%CO下で培養した。培養後、直径10mmの円形ろ過紙をトランスウェルの内腔側に入れ、10秒間置いて気道表面液体の水分を吸収した。精密電子天秤を用いて増加したろ過紙の重量を通して気道表面液体の体積変化を測定した。
【0292】
その結果、図5に示すように、新規ペンドリン抑制剤であるYPI-H05は、分化した呼吸器上皮細胞であるHNE細胞でIL-4処理により発現が増加したペンドリンにより大きく減少した気道表面液体(ASL)の体積を有意に増加させた。これにより、YPI-H05はヒトの呼吸器上皮細胞に作用して薬理作用を示すことができるペンドリン抑制剤であることを確認した。
【0293】
[実施例8]
LPS-誘起性急性肺損傷(Acute lung injury)モデルにおける新規化合物の効果確認
【0294】
生後8~10週齢、体重20~24gの野生型雄C57BL/6Nマウスをオリエントバイオ社(城南市、韓国)から購入した。表2に示すように、マウスを5つのグループに分け、図6の投与スケジュールで試料を処理した。
【0295】
【表2】
【0296】
具体的には、50μL PBSに溶解したLPS(Escherichia coli、O111:B4、Sigma)(10mg/kg)を鼻腔(i.n.)吸入で投与した。対照群には50μLの滅菌PBSを鼻腔内投与した。前処理の場合、50μL DMSOに溶解したYPI-A4948をそれぞれ0.1mg/kg、1.0mg/kgおよび10mg/kgずつLPS吸入1時間前に腹腔内(i.p)投与し、後処理の場合、LPS吸入12時間後にYPI-A4948をそれぞれ0.1mg/kg、1.0mg/kgおよび10mg/kgずつ投与した。ビヒクル対照群は、前処理および後処理と同じ時点でそれぞれ50μL DMSOを腹腔内投与した。マウスをLPS吸入48時間後に安楽死させ、肺を摘出した。
【0297】
その結果、図7に示すように、LPS吸入前後でYPI-A4948を処理した群のマウスは、LPS吸入前後でビヒクルを処理した群のマウスに比べてBALFの総細胞数およびタンパク質濃度レベルが顕著に減少した。
【0298】
また、BALFサイトスピン染色およびH&E肺組織染色を行い、肺損傷の程度を観察した。図8に示すように、LPS吸入前後でYPI-A4948を処理した群のマウスは、LPS吸入前後でビヒクルを処理した群のマウスに比べて肺損傷を有意に減少させた。
【0299】
[実施例9]
新規化合物の利尿効果確認
【0300】
生後8週齢、体重20~24gの野生型雄C57BL/6Nマウスをオリエントバイオ社(城南市、韓国)から購入した。実験前に水と食餌を制限し、膀胱を刺激して尿を誘導した。DMSOに溶解した100mg/mlストック濃度のYPI-A4948を最終濃度がそれぞれ0.001mg/kg/100ul、0.005mg/kg/100ulおよび0.001mg/kg/100ul、0.05mg/kg/100ul、0.1mg/kg/100ul、0.5mg/kg/100ulおよび1mg/kg/100ul(1%DMSO+DW)となるように用意して3時間間隔で2回腹腔内注射した。6時間後、各グループのマウスの尿量を測定した。
【0301】
その結果、図9に示すように、YPI-A4948を濃度別に単独投与したとき、0.01mg/kgから利尿効果を示し、ペンドリン抑制剤の利尿剤としての可能性を確認した。
【0302】
[実施例10]
心不全モデルにおける新規化合物の利尿効果確認
【0303】
10-1.心不全マウスモデルの確立
生後8週齢、体重20~24gの野生型雄C57BL/6Nマウスをオリエントバイオ社(城南市、韓国)から購入した。アドリアマイシン投与前に心臓超音波検査を行った。その後、図10に示すように、5mg/kgアドリアマイシンを毎週1回、総5週間腹腔内投与し、投与前の体重を測定した。5週間後に心臓超音波検査を行い、心不全が誘導されたかを確認した。
【0304】
図11に示すように、アドリアマイシン投与後の左室駆出率(left ventricular ejection fraction、LVEF)と左室内径短縮率(fractional shortening、FS)が顕著に減少して心不全モデルが確立されたことを検証した。
【0305】
10-2.新規化合物の処理による利尿剤効果確認
DMSOに溶解した100mg/mlストック濃度のYPI-A4948を最終濃度がそれぞれ0.1mg/kg/100ul、0.5mg/kg/100ulおよび1mg/kg/100ul(1%DMSO+DW)となるように用意した。心不全マウスをマウス代謝ケージに入れ、水と食餌を制限した。YPI-A4948を投与する前にマウスの膀胱を刺激し、6時間の間、3時間ごとに一回ずつ総2回YPI-A4948を単独で腹腔内注射した。他のグループにおいては、他の利尿剤との共投与効果を確認するために、それぞれ0.5mg/kgおよび1mg/kgのフロセミドと一緒に投与した。6時間後、各グループのマウスから尿を収集した。
【0306】
その結果、図12に示すように、YPI-A4948を濃度別に単独投与した際には1mg/kgで利尿効果を示し、0.5mg/kgのYPI-A4948と1.0mg/kgのフロセミドを共投与した際には相加効果(additive effect)を示した。したがって、心不全マウスモデルにおけるペンドリン抑制剤の利尿剤としての可能性を確認した。
【0307】
[実施例11]
ヒト肺胞上皮細胞(hAEC)におけるペンドリン活性に対するYPI-A4948の効果
【0308】
図13aは、ペンドリンが過剰発現したヒト肺胞上皮細胞(hAEC)に新規ペンドリン抑制剤であるYPI-A4948を0.3μMから30μMまで処理してYPI-A4948処理前と比較したとき、YFP蛍光の変化量でSLC26A4のCl/SCN交換能を測定し、ヒト野生型ペンドリン媒介Cl/SCN交換活性のIC50は0.9μMであることを確認した。また、図13bに示すように、in vitro上でYPI-A4948前処理後、LPS処理によって過剰発現で誘導されたSLC26A4(ペンドリン)のタンパク質発現量がYPI-A4948によって用量依存的に抑制された。しかし、in vitroでLPSによって増加したペンドリンのmRNA発現量はYPI-A4948によって統計的に有意に減少しなかった。
【0309】
[実施例12]
マウスにおけるLPS誘発肺損傷モデルに対するペンドリン抑制効果
【0310】
50μL PBSに溶解したリポ多糖(LPS、200μg/head)をC57BL/6Nマウスに鼻腔内注入した。YPI-A4948(1、10μg/kg)は、LPS注入6時間後および12時間後に総2回静脈内投与し、マウスはLPS吸入24時間後に安楽死させ、肺を摘出した。
【0311】
免疫細胞捕集は、摘出された肺にPBS 1mLを注入した後、PBSを再抽出して確保した気管支肺胞洗浄液(BALF)によって確認した。肺損傷媒介変数は肺組織を溶解した後、ELISAによって測定した。ペンドリンタンパク質の発現レベルはウェスタンブロットで確認し、これを陰影計測計を用いて数値化して測定した(平均±SEM、グループあたりn=3)。ペンドリンmRNAレベルは、肺組織から抽出してリアルタイム定量PCRによって決定された(平均±SEM、グループあたりn=3)。IL-1β、MIP-2、IL-6およびTNF-αのレベルは肺組織溶解物でELISAによって測定された(平均±SEM、n=グループあたり4-7匹のマウス)。
【0312】
その結果、図14aに示すように、LPS吸入後、YPI-A4948を処理した群のマウスはLPSのみを処理した群のマウスに比べて、ペンドリンmRNAおよびタンパク質、BALFの総細胞数およびBALFのタンパク質濃度レベルが顕著に減少した。また、陽性対照群であるデキサメタゾン(3mg/kg)投与群に比べて300~3000倍低い投与用量で同等のレベルの効能を示した。
【0313】
さらに、図14bに示すように、肺の炎症性サイトカインであるIL-1β、IL-6、MIP-2およびTNF-αは、マウスにYPI-A4948を処理後、統計的に有意に減少したことを確認した。
【0314】
[実施例13]
YPI-A4948を投与したLPS誘発肺損傷モデルにおける陰イオンの役割
【0315】
LPS誘発肺損傷マウスモデルにおける陰イオンの供給に応じたYPI-A4948の効能変化を確認した。
【0316】
具体的には、50μL PBSに溶解したリポ多糖(LPS、200μg/head)を鼻腔内注入し、LPS吸入6時間後に静脈内投与で、1回、YPI-A4948を5μg/kgで投与し、これと同時にOH、HCO 、SCN陰イオンを鼻腔にそれぞれ投与した。LPS吸入24時間後に安楽死させ、肺を摘出し、その後、肺組織H&E染色を行い、肺損傷の程度を観察し、実施例12と同様の方法で気管支肺胞洗浄液(BALF)を抽出してBALFの総細胞数、BALFのタンパク質濃度レベルおよびDiff-Quik Stainを用いた細胞病理染色を行った。提供されたデータは、平均±SEM(グループあたりn=3-5匹)、400倍で撮影されたH&E染色と細胞病理染色のスケールバーは50μmである。
【0317】
その結果、図15aおよび図15bに示すように、YPI-A4948による肺損傷改善効能が、投与された3種の陰イオンのうち唯一、SCNによって弱くなることを確認した。これは、機序的にLPS誘発肺損傷時にSCN陰イオンがペンドリンを経て肺損傷を誘導し、その下位機序においても重要な役割を果たすことを確認した。YPI-A4948の投与により肺損傷が減少することを確認し、SCN陰イオンとの関連性を証明した。
【0318】
[実施例14]
新規化合物がSLC26A3、SLC26A6、CFTR、ANO1の活性に及ぼす影響確認
【0319】
SLC26A3およびSLC26A6の場合、LN-215細胞に各輸送体タンパク質(transporter protein)およびハライド感受性(halide sensitive)YFPを発現させ、各輸送体タンパク質(transporter protein)の活性(activity)を測定した。CFTRの場合、CHO-K1にWT-CFTRおよびハライド感受性(halide sensitive)YFPを発現させ、CFTRの活性(activity)を測定した。ANO1の場合、FRTにANO1およびハライド感受性(halide sensitive)YFPを発現させ、CFTRの活性(activity)を測定した。CFTRの場合、アデニリルシクラーゼアクチベータ(adenylyl cyclase activator)であるフォルスコリン(forskolin)を10μMで10分間処理して細胞内cyclic AMPを増加させてCFTRを活性化させた後、評価を行った。ANO1の場合、ATP 100μMを直ちに処理して細胞内Ca2+を増加させて活性化させた後、評価を行った。その他の内容は実施例5と同様の方法で行った。
【0320】
その結果を図16に示す。新規ペンドリン抑制剤であるYPI-A4948がSLC26AファミリーのうちSLC26A4(Pendrin)と類似タンパク質であるSLC26A3とSLC26A6(A6)、および代表的な陰イオン輸送体であるCFTRおよびANO1陰イオンチャネルに及ぼす影響を判別した結果、図16に示すように、YPI-A4948はSLC26A6の活性を全く抑制せず、SLC26A3に対してはIC50が10.6μMであることを確認した。これは、SLC26A4(Pendrin)のCl/I交換のIC50が0.55μMと比べて、大きな差を示すとみなされる。CFTRの場合、YPI-A4948は100μMでほとんどCFTRの活性に影響を与えなかった。ANO1の活性の場合、YPI-A4948は30μMでANO1の活性を弱く抑制した。したがって、YPI-A4948は選択性に優れたペンドリン特異的抑制剤であることを確認した。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13a
図13b
図14a
図14b
図15a
図15b
図16
【国際調査報告】