(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-21
(54)【発明の名称】イミダゾリウム系ポリ(イオン液体)及びその使用
(51)【国際特許分類】
H01L 21/304 20060101AFI20240614BHJP
B24B 37/00 20120101ALI20240614BHJP
C09K 3/14 20060101ALI20240614BHJP
【FI】
H01L21/304 622D
B24B37/00 H
C09K3/14 550D
C09K3/14 550C
C09K3/14 550Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023571735
(86)(22)【出願日】2022-05-16
(85)【翻訳文提出日】2024-01-16
(86)【国際出願番号】 US2022072336
(87)【国際公開番号】W WO2022246381
(87)【国際公開日】2022-11-24
(32)【優先日】2021-05-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517114182
【氏名又は名称】バーサム マテリアルズ ユーエス,リミティド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100195213
【氏名又は名称】木村 健治
(74)【代理人】
【識別番号】100202441
【氏名又は名称】岩田 純
(72)【発明者】
【氏名】グレゴール ラービグ
(72)【発明者】
【氏名】ピア カーシュ
(72)【発明者】
【氏名】マティアス ステンダー
(72)【発明者】
【氏名】シアオポー シー
【テーマコード(参考)】
3C158
5F057
【Fターム(参考)】
3C158AA07
3C158CA04
3C158DA12
3C158EB01
3C158ED10
3C158ED22
3C158ED26
5F057AA02
5F057AA03
5F057AA09
5F057BA11
5F057BB02
5F057BC01
5F057CA12
5F057DA03
5F057EA07
5F057EA10
5F057EA22
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5F057EA24
5F057EA25
5F057EA26
5F057EA27
5F057EA28
5F057EA29
5F057EA30
5F057EA32
(57)【要約】
イミダゾリウム系ポリ(イオン液体)の合成が開示される。化学機械的平坦化(CMP)スラリーは、研磨剤、活性化剤、酸化剤、イミダゾリウム系ポリ(イオン液体)を含む添加剤、及び水を含む。CMPスラリーにおける合成イミダゾリウム系ポリ(イオン液体)の使用は、高選択性タングステンスラリーにおけるディッシング及びエロージョンを低減する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
構造(I)を有する少なくとも1つのイミダゾリウム基を有する少なくとも1種のモノマーを含むイミダゾリウム系ポリ(イオン液体)であって、
【化1】
(a)構造(I)を有する前記少なくとも1つのイミダゾリウム基が、前記イミダゾリウム系ポリ(イオン液体)の1つの側鎖又は複数の側鎖中にあり、
式中、
L
1及びL
2の一方が、イミダゾリウム環を前記イミダゾリウム系ポリ(イオン液体)の主鎖に接続する共有結合又はスペーサーであり、置換若しくは非置換脂肪族、環状若しくは分岐脂肪族、芳香族、ヘテロ芳香族又はシロキサン部分を含み、前記主鎖が、ビニル、アリル、スチレン、アクリル、メタクリル、アクリルアミド、メタクリルアミド、シロキサン、マレイミド、ノルボルネン、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される重合性基の重合後に形成され、
L
1及びL
2の他方が、直鎖、分岐、及び環状アルキル基からなる群から選択されるアルキル基であり、そのCH
2が、ヘテロ原子が互いに結合しないようにO、S又はNによって置き換えられていてもよく、水素が、F、Cl又はCNによって置き換えられてもよく、
R
1、R
2、R
3の各々が、独立して、H、又は直鎖、分岐、及び環状アルキル基からなる群から選択されるアルキル基であってもよく、そのCH
2が、ヘテロ原子が互いに結合しないようにO、S又はNによって置き換えられていてもよく、水素が、F、Cl又はCNによって置き換えられていてもよく、R
2及びR
3がまた、環状単位に結合していてもよく、好ましくは、R
1=R
2=Hであり、
並びに
アニオンX
-が、ハライド(F-、Cl-、Br-、I-)、BF
4-、PF
6-、[C
2F
5BF
3]-、R=H、アルキル又はアリールのカルボキシレートRCOO-、マロネート、シトレート、フマレート、MeOSO
3-、MeSO
3-、CF
3COO-、CF
3SO
3-、ニトレート、及びスルフェートからなる群から選択され、Meが、メチルであり、
(b)構造(I)を有する前記少なくとも1つのイミダゾリウム基が、前記イミダゾリウム系ポリ(イオン液体)の主鎖中にあり、
式中、
L
1及びL
2が、各々独立して、置換又は非置換脂肪族、環状又は分岐脂肪族、芳香族、ヘテロ芳香族、及びシロキサン部分を含み、そのCH
2が、ヘテロ原子が互いに結合しないようにO、S又はNによって置き換えられていてもよく、水素が、F、Cl又はCNによって置き換えられてもよく、
L
1、L
2、又はL
1及びL
2の両方が、前記少なくとも1つのイミダゾリウム基を好適な官能基を介して前記主鎖に結合して、前記イミダゾリウム系ポリ(イオン液体)を形成することができ、前記好適な官能基が、エステル、アミド、ウレタン、エーテル、チオエーテル、イミド、及びこれらの組み合わせからなる群から選択され、
R
1、R
2、R
3の各々が、独立して、H、又は直鎖、分岐、及び環状アルキル基からなる群から選択されるアルキル基であってもよく、CH
2が、ヘテロ原子が互いに結合しないようにO、S又はNによって置き換えられていてもよく、水素が、F、Cl又はCNによって置き換えられていてもよく、R
2及びR
3がまた、環状単位に結合していてもよく、好ましくは、R
1=R
2=Hであり、
並びに
アニオンX
-が、ハライド(F-、Cl-、Br-、I-)、BF
4-、PF
6-、[C
2F
5BF
3]-、R=H、アルキル又はアリールのカルボキシレートRCOO-、マロネート、シトレート、フマレート、MeOSO
3-、MeSO
3-、CF
3COO-、CF
3SO
3-、ニトレート、及びスルフェートからなる群から選択され、Meが、メチルであり、
並びに
(c)構造(I)を有する前記少なくとも1つのイミダゾリウム基が、上記(a)で定義された前記イミダゾリウム系ポリ(イオン液体)の前記1つの側鎖又は前記複数の側鎖及び上記(b)で定義された前記イミダゾリウム系ポリ(イオン液体)の前記主鎖の両方にある、
イミダゾリウム系ポリ(イオン液体)。
【請求項2】
前記イミダゾリウム系ポリ(イオン液体)が、(a)のL
1及びL
2のための重合性基を有する架橋性モノマーを含む、請求項1に記載のイミダゾリウム系ポリ(イオン液体)。
【請求項3】
前記イミダゾリウム系ポリ(イオン液体)が、(a)、(b)、並びに(e)(a)のモノマー又は(b)のモノマーとコポリマーを形成することができる、アクリレート又はメタクリレート、アクリルアミド又はメタクリルアミド、マレイミド、ビニルベンゼン、ビニル型モノマー、エチレングリコール、シロキサン、ノルボルネン、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、非イオン性モノマーから選択される少なくとも2つの異なるモノマーを含むコポリマーである、請求項1に記載のイミダゾリウム系ポリ(イオン液体)。
【請求項4】
前記イミダゾリウム系ポリ(イオン液体)が、ブロックコポリマーである、請求項1に記載のイミダゾリウム系ポリ(イオン液体)。
【請求項5】
前記イミダゾリウム系ポリ(イオン液体)が、還元剤又は錯化剤として少なくとも1つの官能性アニオンを含む、請求項1に記載のイミダゾリウム系ポリ(イオン液体)。
【請求項6】
前記イミダゾリウム系ポリ(イオン液体)の重合が、フリーラジカル重合、可逆的付加開裂連鎖移動重合(RAFT)、ニトロキシド媒介重合(NMP)、原子移動反応重合(ATRP)、開環重合(ROMP)、重縮合反応、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1に記載のイミダゾリウム系ポリ(イオン液体)。
【請求項7】
前記イミダゾリウム系ポリ(イオン液体)が、ポリ(ビニルベンジル1-ブチル-1H-イミダゾール-3-イウム)クロリド、ポリ(ビニル3-エチル-1H-イミダゾール-3-イウム)ブロミド、ポリ(ビニルベンジル1-ブチル-1H-イミダゾール-3-イウム-コ-アクリルアミド)クロリド、ポリ(ビニルベンジル1-ブチル-1H-イミダゾール-3-イウム-コ-アクリロモルホリン)クロリド、ポリ(ビニル3-エチル-1H-イミダゾール-3-イウム-コ-N-ビニルピロリドン)ブロミド、ポリ(ビニルベンジル1-ブチル-1H-イミダゾール-3-イウム-コ-N-メチルマレイミド)クロリド、ポリ3-ブチル-1H-イミダゾール-3-イウムアセテート、及びポリ3-(2,2’-(エタン-1,2-ジイルビス(オキシ))ビス(エタン)-1H-イミダゾール-3-イウムアセテート、ポリ(ビニル3-ブチル-1H-イミダゾール-3-イウム)ブロミド、ポリ(ビニルベンジル-1-エチル-1H-イミダゾール-3-イウム)クロリド、ポリ(ビニル3-エチル-1H-イミダゾール-3-イウム-コ-ビニル3,3’-ブタン-1H-イミダゾール-3-イウム)ブロミド、ポリ(ビニルベンジル-1-エチル-1H-イミダゾール-3-イウム-コ-ビニル-3-エチル-1H-イミダゾール-3-イウム)ブロミドクロリド、ポリ(1-エチル-3-プロピル-1H-イミダゾール-3-イウムアクリレート)ブロミド、ポリ(ビニル3-イソプロピル-1H-イミダゾール-3-イウム)ブロミド、ポリ(ビニル3-イソプロピル-1H-イミダゾール-3-イウム-コ-N-ビニルピロリドン)ブロミド、ポリ(ビニル3-ブチル-1H-イミダゾール-3-イウム-コ-N-ビニルピロリドン)ブロミド、ポリ(ビニル3-エチル-1H-イミダゾール-3-イウム)アセテート、ポリ(ビニル3-エチル-1H-イミダゾール-3-イウム)マロネート、ポリ(ビニル3-エチル-1H-イミダゾール-3-イウム)ニトレート、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1に記載のイミダゾリウム系ポリ(イオン液体)。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか一項に記載のイミダゾリウム系ポリ(イオン液体)を含む添加剤と、
水と、
任意選択で
研磨剤と、
活性化剤と、
酸化剤と、
腐食防止剤と、
ディッシング低減剤と、
安定剤と、
pH調整剤と、
を含む、化学機械的平坦化組成物。
【請求項9】
前記研磨剤が、無機酸化物粒子、金属酸化物被覆無機酸化物粒子、有機ポリマー粒子、金属酸化物被覆有機ポリマー粒子、及びこれらの組み合わせからなる群から選択され、
前記酸化剤が、過酸化水素、過酸化尿素、パーオキシギ酸、過酢酸、プロパンパーオキソ酸、置換又は非置換ブタンパーオキソ酸、ヒドロパーオキシアセトアルデヒド、過ヨウ素酸カリウム、パーオキシ一硫酸アンモニウムからなる群から選択されるパーオキシ化合物、及び亜硝酸第二鉄、KClO
4、KBrO
4、KMnO
4からなる群から選択される非パーオキシ化合物、並びにこれらの組み合わせからなる群から選択され、
前記活性化剤が、(1)表面に遷移金属が被覆された無機酸化物粒子であって、前記遷移金属が、Fe、Cu、Mn、Co、Ce、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、無機酸化物粒子、(2)シュウ酸鉄(III)アンモニウム三水和物、三塩基性クエン酸鉄(III)一水和物、鉄(III)アセチルアセトネート及びエチレンジアミン四酢酸、鉄(III)ナトリウム塩水和物からなる群から選択される可溶性触媒、(3)Ag、Co、Cr、Cu、Fe、Mo、Mn、Nb、Ni、Os、Pd、Ru、Sn、Ti、V、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される複数の酸化状態を有する金属化合物、からなる群から選択され、
前記腐食防止剤が、1,2,3-トリアゾール、1,2,4-トリアゾール、1,2,3-ベンゾトリアゾール、5-メチルベンゾトリアゾール、ベンゾトリアゾール、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール、4-ヒドロキシベンゾトリアゾール、3-アミノ-1,2,4-トリアゾール、4-アミノ-4H-1,2,4-トリアゾール、5アミノトリアゾール、ベンゾイミダゾール、2,1,3-ベンゾチアジアゾール、トリアジンチオール、トリアジンジチオール、及びトリアジントリチオール、ピラゾール、イミダゾール、1,3,5-トリス(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌレートなどのイソシアヌレート、並びにこれらの組み合わせからなる群から選択され、
前記ディッシング低減剤が、サルコシネート及び関連カルボン酸化合物、炭化水素置換サルコシネート、アミノ酸、ポリエチレンオキシド(PEO)などのエチレンオキシド繰り返し単位を含有する分子を有する有機ポリマー及びコポリマー、エトキシ化界面活性剤、窒素-水素結合を含まない窒素含有複素環、スルフィド、オキサゾリジン又は1つの化合物中の官能基の混合物、アルキルアンモニウムイオンを形成する3個以上の炭素原子を有する窒素含有化合物、3個以上の炭素原子を有するアミノアルキル、少なくとも1つの窒素含有複素環又は第三級若しくは第四級窒素原子の繰り返し基を含むポリマー腐食防止剤、ポリカチオン性アミン化合物、シクロデキストリン化合物、ポリエチレンイミン化合物、グリコール酸、キトサン、糖アルコール、多糖類、アルギネート化合物、ホスホニウム化合物、及びスルホン酸ポリマー、並びにこれらの組み合わせからなる群から選択され、
前記安定剤が、アジピン酸、フタル酸、クエン酸、マロン酸、オルトフタル酸、リン酸、置換又は非置換ホスホン酸、ニトリル、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、
請求項8に記載の化学機械的平坦化組成物。
【請求項10】
前記研磨剤が、0.01重量%~30重量%、0.05重量%~20重量%、0.01重量%~10重量%、又は0.1重量%~2重量%の範囲であり、
イミダゾリウム系カチオン性ポリマーを含む前記添加剤が、0.00001重量%~1重量%、0.0001重量%~0.5重量%、又は0.0005重量%~0.1重量%の範囲であり、
前記酸化剤が、0.01重量%~30重量%、0.1重量%~20重量%、又は0.5重量%~10重量%の範囲であり、
前記活性化剤が、0.00001重量%~5.0重量%、0.0001重量%~2.0重量%、0.0005重量%~1.0重量%、又は0.001重量%~0.5重量%の範囲であり、
前記腐食防止剤が、1.0重量%未満、0.5重量%未満、又は0.25重量%未満の範囲であり、
前記ディッシング低減剤が、0.001重量%~2.0重量%、0.005重量%~1.5重量%、又は0.01重量%~1.0重量%の範囲であり、
及び
前記安定剤が、0.0001~5重量%、0.0005~2重量%、又は0.001~1重量%の範囲である、
請求項8に記載の化学機械的平坦化組成物。
【請求項11】
前記pH調整剤が、(a)前記pHを低下させるための硝酸、硫酸、酒石酸、コハク酸、クエン酸、リンゴ酸、マロン酸、様々な脂肪酸、様々なポリカルボン酸、及びこれらの混合物、並びに(b)前記pHを上昇させるための水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、アンモニア、水酸化テトラエチルアンモニウム、エチレンジアミン、ピペラジン、ポリエチレンイミン、修飾ポリエチレンイミン、及びこれらの混合物からなる群から選択され、前記組成物のpHが、1~14、1~7、1~6、又は1~4である、請求項8に記載の化学機械的平坦化組成物。
【請求項12】
前記化学機械的平坦化組成物が、
シリカ粒子、並びにポリ(ビニルベンジル1-ブチル-1H-イミダゾール-3-イウム)クロリド、ポリ(ビニル3-エチル-1H-イミダゾール-3-イウム)ブロミド、ポリ(ビニルベンジル1-ブチル-1H-イミダゾール-3-イウム-コ-アクリルアミド)クロリド、ポリ(ビニルベンジル1-ブチル-1H-イミダゾール-3-イウム-コ-アクリロモルホリン)クロリド、ポリ(ビニル3-エチル-1H-イミダゾール-3-イウム-コ-N-ビニルピロリドン)ブロミド、ポリ(ビニルベンジル1-ブチル-1H-イミダゾール-3-イウム-コ-N-メチルマレイミド)クロリド、ポリ3-ブチル-1H-イミダゾール-3-イウムアセテート、及びポリ3-(2,2’-(エタン-1,2-ジイルビス(オキシ))ビス(エタン)-1H-イミダゾール-3-イウムアセテート、ポリ(ビニル3-ブチル-1H-イミダゾール-3-イウム)ブロミド、ポリ(ビニルベンジル-1-エチル-1H-イミダゾール-3-イウム)クロリド、ポリ(ビニル3-エチル-1H-イミダゾール-3-イウム-コ-ビニル3,3’-ブタン-1H-イミダゾール-3-イウム)ブロミド、ポリ(ビニルベンジル-1-エチル-1H-イミダゾール-3-イウム-コ-ビニル-3-エチル-1H-イミダゾール-3-イウム)ブロミドクロリド、ポリ(1-エチル-3-プロピル-1H-イミダゾール-3-イウムアクリレート)ブロミド、ポリ(ビニル3-イソプロピル-1H-イミダゾール-3-イウム)ブロミド、ポリ(ビニル3-イソプロピル-1H-イミダゾール-3-イウム-コ-N-ビニルピロリドン)ブロミド、ポリ(ビニル3-ブチル-1H-イミダゾール-3-イウム-コ-N-ビニルピロリドン)ブロミド、ポリ(ビニル3-エチル-1H-イミダゾール-3-イウム)アセテート、ポリ(ビニル3-エチル-1H-イミダゾール-3-イウム)マロネート、ポリ(ビニル3-エチル-1H-イミダゾール-3-イウム)ニトレート、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される前記イミダゾリウム系ポリ(イオン液体)を含む、請求項8に記載の化学機械的平坦化組成物。
【請求項13】
前記化学機械的平坦化組成物が、シリカ粒子、硝酸第二鉄、マロン酸、過酸化水素、ポリ(ビニルベンジル1-ブチル-1H-イミダゾール-3-イウム)クロリド、ポリ(ビニル3-エチル-1H-イミダゾール-3-イウム)ブロミド、ポリ(ビニルベンジル1-ブチル-1H-イミダゾール-3-イウム-コ-アクリルアミド)クロリド、ポリ(ビニルベンジル1-ブチル-1H-イミダゾール-3-イウム-コ-アクリロモルホリン)クロリド、ポリ(ビニル3-エチル-1H-イミダゾール-3-イウム-コ-N-ビニルピロリドン)ブロミド、ポリ(ビニルベンジル1-ブチル-1H-イミダゾール-3-イウム-コ-N-メチルマレイミド)クロリド、ポリ3-ブチル-1H-イミダゾール-3-イウムアセテート、及びポリ3-(2,2’-(エタン-1,2-ジイルビス(オキシ))ビス(エタン)-1H-イミダゾール-3-イウムアセテート、ポリ(ビニル3-ブチル-1H-イミダゾール-3-イウム)ブロミド、ポリ(ビニルベンジル-1-エチル-1H-イミダゾール-3-イウム)クロリド、ポリ(ビニル3-エチル-1H-イミダゾール-3-イウム-コ-ビニル3,3’-ブタン-1H-イミダゾール-3-イウム)ブロミド、ポリ(ビニルベンジル-1-エチル-1H-イミダゾール-3-イウム-コ-ビニル-3-エチル-1H-イミダゾール-3-イウム)ブロミドクロリド、ポリ(1-エチル-3-プロピル-1H-イミダゾール-3-イウムアクリレート)ブロミド、ポリ(ビニル3-イソプロピル-1H-イミダゾール-3-イウム)ブロミド、ポリ(ビニル3-イソプロピル-1H-イミダゾール-3-イウム-コ-N-ビニルピロリドン)ブロミド、ポリ(ビニル3-ブチル-1H-イミダゾール-3-イウム-コ-N-ビニルピロリドン)ブロミド、ポリ(ビニル3-エチル-1H-イミダゾール-3-イウム)アセテート、ポリ(ビニル3-エチル-1H-イミダゾール-3-イウム)マロネート、ポリ(ビニル3-エチル-1H-イミダゾール-3-イウム)ニトレート、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される前記イミダゾリウム系ポリ(イオン液体)を含む、請求項8に記載の化学機械的平坦化組成物。
【請求項14】
タングステンを含有する少なくとも1つの表面を備える半導体基板の化学機械的平坦化のための研磨方法であって、
a)研磨パッドを提供する工程と、
b)化学機械的研磨組成物を提供する工程であって、
請求項1~7のいずれか一項に記載のイミダゾリウム系ポリ(イオン液体)を含む添加剤と、
水と、任意選択で
無機酸化物粒子、金属酸化物被覆無機酸化物粒子、有機ポリマー粒子、金属酸化物被覆有機ポリマー粒子、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される研磨剤と、
活性化剤と、
酸化剤と、
腐食防止剤と、
ディッシング低減剤と、
安定剤と、
pH調整剤と、を含む、
化学機械的研磨組成物を提供する工程と、
c)タングステンを含有する前記少なくとも1つの表面を、前記化学機械的平坦化組成物で研磨する工程と、
を含む、研磨方法。
【請求項15】
前記化学機械的研磨組成物において、
前記研磨剤が、0.01重量%~30重量%、0.05重量%~20重量%、0.01重量%~10重量%、又は0.1重量%~2重量%の範囲であり、
イミダゾリウム系カチオン性ポリマーを含む前記添加剤が、0.00001重量%~1重量%、0.0001重量%~0.5重量%、又は0.0005重量%~0.1重量%の範囲であり、
前記酸化剤が、0.01重量%~30重量%、0.1重量%~20重量%、又は0.5重量%~10重量%の範囲であり、
前記活性化剤が、0.00001重量%~5.0重量%、0.0001重量%~2.0重量%、0.0005重量%~1.0重量%、又は0.001重量%~0.5重量%の範囲であり、
前記腐食防止剤が、1.0重量%未満、0.5重量%未満、又は0.25重量%未満の範囲であり、
前記ディッシング低減剤が、0.001重量%~2.0重量%、0.005重量%~1.5重量%、又は0.01重量%~1.0重量%の範囲であり、
及び
前記安定剤が、0.0001~5重量%、0.0005~2重量%、又は0.001~1重量%の範囲である、
請求項14に記載の研磨方法。
【請求項16】
前記化学機械的研磨組成物において、
前記酸化剤が、過酸化水素、過酸化尿素、パーオキシギ酸、過酢酸、プロパンパーオキソ酸、置換又は非置換ブタンパーオキソ酸、ヒドロパーオキシアセトアルデヒド、過ヨウ素酸カリウム、パーオキシ一硫酸アンモニウムからなる群から選択されるパーオキシ化合物、及び亜硝酸第二鉄、KClO
4、KBrO
4、KMnO
4からなる群から選択される非パーオキシ化合物、並びにこれらの組み合わせからなる群から選択され、
前記活性化剤が、(1)表面に遷移金属が被覆された無機酸化物粒子であって、前記遷移金属が、Fe、Cu、Mn、Co、Ce、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、無機酸化物粒子、(2)シュウ酸鉄(III)アンモニウム三水和物、三塩基性クエン酸鉄(III)一水和物、鉄(III)アセチルアセトネート及びエチレンジアミン四酢酸、鉄(III)ナトリウム塩水和物からなる群から選択される可溶性触媒、(3)Ag、Co、Cr、Cu、Fe、Mo、Mn、Nb、Ni、Os、Pd、Ru、Sn、Ti、V、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される複数の酸化状態を有する金属化合物、からなる群から選択され、
前記腐食防止剤が、1,2,3-トリアゾール、1,2,4-トリアゾール、1,2,3-ベンゾトリアゾール、5-メチルベンゾトリアゾール、ベンゾトリアゾール、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール、4-ヒドロキシベンゾトリアゾール、3-アミノ-1,2,4-トリアゾール、4-アミノ-4H-1,2,4-トリアゾール、5アミノトリアゾール、ベンゾイミダゾール、2,1,3-ベンゾチアジアゾール、トリアジンチオール、トリアジンジチオール、及びトリアジントリチオール、ピラゾール、イミダゾール、1,3,5-トリス(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌレートなどのイソシアヌレート、並びにこれらの組み合わせからなる群から選択され、
前記ディッシング低減剤が、サルコシネート及び関連カルボン酸化合物、炭化水素置換サルコシネート、アミノ酸、ポリエチレンオキシド(PEO)などのエチレンオキシド繰り返し単位を含有する分子を有する有機ポリマー及びコポリマー、エトキシ化界面活性剤、窒素-水素結合を含まない窒素含有複素環、スルフィド、オキサゾリジン又は1つの化合物中の官能基の混合物、アルキルアンモニウムイオンを形成する3個以上の炭素原子を有する窒素含有化合物、3個以上の炭素原子を有するアミノアルキル、少なくとも1つの窒素含有複素環又は第三級若しくは第四級窒素原子の繰り返し基を含むポリマー腐食防止剤、ポリカチオン性アミン化合物、シクロデキストリン化合物、ポリエチレンイミン化合物、グリコール酸、キトサン、糖アルコール、多糖類、アルギネート化合物、ホスホニウム化合物、及びスルホン酸ポリマー、並びにこれらの組み合わせからなる群から選択され、
前記安定剤が、アジピン酸、フタル酸、クエン酸、マロン酸、オルトフタル酸、リン酸、置換又は非置換ホスホン酸、ニトリル、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、
請求項14に記載の研磨方法。
【請求項17】
前記化学機械的研磨組成物において、
前記pH調整剤が、(a)前記pHを低下させるための硝酸、硫酸、酒石酸、コハク酸、クエン酸、リンゴ酸、マロン酸、様々な脂肪酸、様々なポリカルボン酸、及びこれらの混合物、並びに(b)前記pHを上昇させるための水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、アンモニア、水酸化テトラエチルアンモニウム、エチレンジアミン、ピペラジン、ポリエチレンイミン、修飾ポリエチレンイミン、及びこれらの混合物からなる群から選択され、前記組成物のpHが、1~14、1~7、1~6、又は1~4である、請求項14に記載の研磨方法。
【請求項18】
前記化学機械的平坦化組成物が、前記研磨剤、並びに
ポリ(ビニルベンジル1-ブチル-1H-イミダゾール-3-イウム)クロリド、ポリ(ビニル3-エチル-1H-イミダゾール-3-イウム)ブロミド、ポリ(ビニルベンジル1-ブチル-1H-イミダゾール-3-イウム-コ-アクリルアミド)クロリド、ポリ(ビニルベンジル1-ブチル-1H-イミダゾール-3-イウム-コ-アクリロモルホリン)クロリド、ポリ(ビニル3-エチル-1H-イミダゾール-3-イウム-コ-N-ビニルピロリドン)ブロミド、ポリ(ビニルベンジル1-ブチル-1H-イミダゾール-3-イウム-コ-N-メチルマレイミド)クロリド、ポリ3-ブチル-1H-イミダゾール-3-イウムアセテート、及びポリ3-(2,2’-(エタン-1,2-ジイルビス(オキシ))ビス(エタン)-1H-イミダゾール-3-イウムアセテート、ポリ(ビニル3-ブチル-1H-イミダゾール-3-イウム)ブロミド、ポリ(ビニルベンジル-1-エチル-1H-イミダゾール-3-イウム)クロリド、ポリ(ビニル3-エチル-1H-イミダゾール-3-イウム-コ-ビニル3,3’-ブタン-1H-イミダゾール-3-イウム)ブロミド、ポリ(ビニルベンジル-1-エチル-1H-イミダゾール-3-イウム-コ-ビニル-3-エチル-1H-イミダゾール-3-イウム)ブロミドクロリド、ポリ(1-エチル-3-プロピル-1H-イミダゾール-3-イウムアクリレート)ブロミド、ポリ(ビニル3-イソプロピル-1H-イミダゾール-3-イウム)ブロミド、ポリ(ビニル3-イソプロピル-1H-イミダゾール-3-イウム-コ-N-ビニルピロリドン)ブロミド、ポリ(ビニル3-ブチル-1H-イミダゾール-3-イウム-コ-N-ビニルピロリドン)ブロミド、ポリ(ビニル3-エチル-1H-イミダゾール-3-イウム)アセテート、ポリ(ビニル3-エチル-1H-イミダゾール-3-イウム)マロネート、ポリ(ビニル3-エチル-1H-イミダゾール-3-イウム)ニトレート、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される前記イミダゾリウム系ポリ(イオン液体)を含む、請求項14に記載の研磨方法。
【請求項19】
前記化学機械的平坦化組成物が、シリカ粒子、硝酸第二鉄、マロン酸、過酸化水素、ポリ(ビニルベンジル1-ブチル-1H-イミダゾール-3-イウム)クロリド、ポリ(ビニル3-エチル-1H-イミダゾール-3-イウム)ブロミド、ポリ(ビニルベンジル1-ブチル-1H-イミダゾール-3-イウム-コ-アクリルアミド)クロリド、ポリ(ビニルベンジル1-ブチル-1H-イミダゾール-3-イウム-コ-アクリロモルホリン)クロリド、ポリ(ビニル3-エチル-1H-イミダゾール-3-イウム-コ-N-ビニルピロリドン)ブロミド、ポリ(ビニルベンジル1-ブチル-1H-イミダゾール-3-イウム-コ-N-メチルマレイミド)クロリド、ポリ3-ブチル-1H-イミダゾール-3-イウムアセテート、ポリ3-(2,2’-(エタン-1,2-ジイルビス(オキシ))ビス(エタン)-1H-イミダゾール-3-イウムアセテート、ポリ(ビニル3-ブチル-1H-イミダゾール-3-イウム)ブロミド、ポリ(ビニルベンジル-1-エチル-1H-イミダゾール-3-イウム)クロリド、ポリ(ビニル3-エチル-1H-イミダゾール-3-イウム-コ-ビニル3,3’-ブタン-1H-イミダゾール-3-イウム)ブロミド、ポリ(ビニルベンジル-1-エチル-1H-イミダゾール-3-イウム-コ-ビニル-3-エチル-1H-イミダゾール-3-イウム)ブロミドクロリド、ポリ(1-エチル-3-プロピル-1H-イミダゾール-3-イウムアクリレート)ブロミド、ポリ(ビニル3-イソプロピル-1H-イミダゾール-3-イウム)ブロミド、ポリ(ビニル3-イソプロピル-1H-イミダゾール-3-イウム-コ-N-ビニルピロリドン)ブロミド、ポリ(ビニル3-ブチル-1H-イミダゾール-3-イウム-コ-N-ビニルピロリドン)ブロミド、ポリ(ビニル3-エチル-1H-イミダゾール-3-イウム)アセテート、ポリ(ビニル3-エチル-1H-イミダゾール-3-イウム)マロネート、ポリ(ビニル3-エチル-1H-イミダゾール-3-イウム)ニトレート、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される前記イミダゾリウム系ポリ(イオン液体)を含む、請求項14に記載の研磨方法。
【請求項20】
タングステンを含有する少なくとも1つの表面が、2000オングストローム未満又は1000オングストローム未満のディッシングトポグラフィ及び2000オングストローム未満又は1000オングストローム未満のエロージョントポグラフィを含む、請求項14に記載の研磨方法。
【請求項21】
タングステンを含有する少なくとも1つの表面を備える半導体基板の化学機械的平坦化のためのシステムであって、
a)研磨パッドと、
b)化学機械的研磨組成物であって、
請求項1~7のいずれか一項に記載のイミダゾリウム系ポリ(イオン液体)を含む添加剤と、
水と、任意選択で
無機酸化物粒子、金属酸化物被覆無機酸化物粒子、有機ポリマー粒子、金属酸化物被覆有機ポリマー粒子、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される研磨剤と、
活性化剤と、
酸化剤と、
腐食防止剤と、
ディッシング低減剤と、
安定剤と、
pH調整剤と、
を含む、化学機械的研磨組成物を含み、
前記タングステンを含有する少なくとも1つの表面が、前記研磨パッド及び前記化学機械的平坦化組成物と接触しており、前記タングステンを含有する少なくとも1つの表面を前記化学機械的平坦化組成物で研磨する、
システム。
【請求項22】
前記化学機械的研磨組成物において、
前記研磨剤が、0.01重量%~30重量%、0.05重量%~20重量%、0.01重量%~10重量%、又は0.1重量%~2重量%の範囲であり、
イミダゾリウム系カチオン性ポリマーを含む前記添加剤が、0.00001重量%~1重量%、0.0001重量%~0.5重量%、又は0.0005重量%~0.1重量%の範囲であり、
前記酸化剤が、0.01重量%~30重量%、0.1重量%~20重量%、又は0.5重量%~10重量%の範囲であり、
前記活性化剤が、0.00001重量%~5.0重量%、0.0001重量%~2.0重量%、0.0005重量%~1.0重量%、又は0.001重量%~0.5重量%の範囲であり、
前記腐食防止剤が、1.0重量%未満、0.5重量%未満、又は0.25重量%未満の範囲であり、
前記ディッシング低減剤が、0.001重量%~2.0重量%、0.005重量%~1.5重量%、又は0.01重量%~1.0重量%の範囲であり、
及び
前記安定剤が、0.0001~5重量%、0.0005~2重量%、又は0.001~1重量%の範囲である、
請求項21に記載のシステム。
【請求項23】
前記化学機械的研磨組成物において、
前記酸化剤が、過酸化水素、過酸化尿素、パーオキシギ酸、過酢酸、プロパンパーオキソ酸、置換又は非置換ブタンパーオキソ酸、ヒドロパーオキシアセトアルデヒド、過ヨウ素酸カリウム、パーオキシ一硫酸アンモニウムからなる群から選択されるパーオキシ化合物、及び亜硝酸第二鉄、KClO
4、KBrO
4、KMnO
4からなる群から選択される非パーオキシ化合物、並びにこれらの組み合わせからなる群から選択され、
前記活性化剤が、(1)表面に遷移金属が被覆された無機酸化物粒子であって、前記遷移金属が、Fe、Cu、Mn、Co、Ce、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、無機酸化物粒子、(2)シュウ酸鉄(III)アンモニウム三水和物、三塩基性クエン酸鉄(III)一水和物、鉄(III)アセチルアセトネート及びエチレンジアミン四酢酸、鉄(III)ナトリウム塩水和物からなる群から選択される可溶性触媒、(3)Ag、Co、Cr、Cu、Fe、Mo、Mn、Nb、Ni、Os、Pd、Ru、Sn、Ti、V、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される複数の酸化状態を有する金属化合物、からなる群から選択され、
前記腐食防止剤が、1,2,3-トリアゾール、1,2,4-トリアゾール、1,2,3-ベンゾトリアゾール、5-メチルベンゾトリアゾール、ベンゾトリアゾール、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール、4-ヒドロキシベンゾトリアゾール、3-アミノ-1,2,4-トリアゾール、4-アミノ-4H-1,2,4-トリアゾール、5アミノトリアゾール、ベンゾイミダゾール、2,1,3-ベンゾチアジアゾール、トリアジンチオール、トリアジンジチオール、及びトリアジントリチオール、ピラゾール、イミダゾール、1,3,5-トリス(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌレートなどのイソシアヌレート、並びにこれらの組み合わせからなる群から選択され、
前記ディッシング低減剤が、サルコシネート及び関連カルボン酸化合物、炭化水素置換サルコシネート、アミノ酸、ポリエチレンオキシド(PEO)などのエチレンオキシド繰り返し単位を含有する分子を有する有機ポリマー及びコポリマー、エトキシ化界面活性剤、窒素-水素結合を含まない窒素含有複素環、スルフィド、オキサゾリジン又は1つの化合物中の官能基の混合物、アルキルアンモニウムイオンを形成する3個以上の炭素原子を有する窒素含有化合物、3個以上の炭素原子を有するアミノアルキル、少なくとも1つの窒素含有複素環又は第三級若しくは第四級窒素原子の繰り返し基を含むポリマー腐食防止剤、ポリカチオン性アミン化合物、シクロデキストリン化合物、ポリエチレンイミン化合物、グリコール酸、キトサン、糖アルコール、多糖類、アルギネート化合物、ホスホニウム化合物、及びスルホン酸ポリマー、並びにこれらの組み合わせからなる群から選択され、
前記安定剤が、アジピン酸、フタル酸、クエン酸、マロン酸、オルトフタル酸、リン酸、置換又は非置換ホスホン酸、ニトリル、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、
請求項21に記載のシステム。
【請求項24】
前記化学機械的研磨組成物において、前記pH調整剤が、(a)前記pHを低下させるための硝酸、硫酸、酒石酸、コハク酸、クエン酸、リンゴ酸、マロン酸、様々な脂肪酸、様々なポリカルボン酸、及びこれらの混合物、並びに(b)前記pHを上昇させるための水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、アンモニア、水酸化テトラエチルアンモニウム、エチレンジアミン、ピペラジン、ポリエチレンイミン、修飾ポリエチレンイミン、及びこれらの混合物からなる群から選択され、前記組成物のpHが、1~14、1~7、1~6、又は1~4である、請求項21に記載のシステム。
【請求項25】
前記化学機械的平坦化組成物が、
シリカ粒子、並びに
ポリ(ビニルベンジル1-ブチル-1H-イミダゾール-3-イウム)クロリド、ポリ(ビニル3-エチル-1H-イミダゾール-3-イウム)ブロミド、ポリ(ビニルベンジル1-ブチル-1H-イミダゾール-3-イウム-コ-アクリルアミド)クロリド、ポリ(ビニルベンジル1-ブチル-1H-イミダゾール-3-イウム-コ-アクリロモルホリン)クロリド、ポリ(ビニル3-エチル-1H-イミダゾール-3-イウム-コ-N-ビニルピロリドン)ブロミド、ポリ(ビニルベンジル1-ブチル-1H-イミダゾール-3-イウム-コ-N-メチルマレイミド)クロリド、ポリ3-ブチル-1H-イミダゾール-3-イウムアセテート、及びポリ3-(2,2’-(エタン-1,2-ジイルビス(オキシ))ビス(エタン)-1H-イミダゾール-3-イウムアセテート、ポリ(ビニル3-ブチル-1H-イミダゾール-3-イウム)ブロミド、ポリ(ビニルベンジル-1-エチル-1H-イミダゾール-3-イウム)クロリド、ポリ(ビニル3-エチル-1H-イミダゾール-3-イウム-コ-ビニル3,3’-ブタン-1H-イミダゾール-3-イウム)ブロミド、ポリ(ビニルベンジル-1-エチル-1H-イミダゾール-3-イウム-コ-ビニル-3-エチル-1H-イミダゾール-3-イウム)ブロミドクロリド、ポリ(1-エチル-3-プロピル-1H-イミダゾール-3-イウムアクリレート)ブロミド、ポリ(ビニル3-イソプロピル-1H-イミダゾール-3-イウム)ブロミド、ポリ(ビニル3-イソプロピル-1H-イミダゾール-3-イウム-コ-N-ビニルピロリドン)ブロミド、ポリ(ビニル3-ブチル-1H-イミダゾール-3-イウム-コ-N-ビニルピロリドン)ブロミド、ポリ(ビニル3-エチル-1H-イミダゾール-3-イウム)アセテート、ポリ(ビニル3-エチル-1H-イミダゾール-3-イウム)マロネート、ポリ(ビニル3-エチル-1H-イミダゾール-3-イウム)ニトレート、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される前記イミダゾリウム系ポリ(イオン液体)を含む、請求項21に記載のシステム。
【請求項26】
前記化学機械的平坦化組成物が、シリカ粒子、硝酸第二鉄、マロン酸、過酸化水素、ポリ(ビニルベンジル1-ブチル-1H-イミダゾール-3-イウム)クロリド、ポリ(ビニル3-エチル-1H-イミダゾール-3-イウム)ブロミド、ポリ(ビニルベンジル1-ブチル-1H-イミダゾール-3-イウム-コ-アクリルアミド)クロリド、ポリ(ビニルベンジル1-ブチル-1H-イミダゾール-3-イウム-コ-アクリロモルホリン)クロリド、ポリ(ビニル3-エチル-1H-イミダゾール-3-イウム-コ-N-ビニルピロリドン)ブロミド、ポリ(ビニルベンジル1-ブチル-1H-イミダゾール-3-イウム-コ-N-メチルマレイミド)クロリド、ポリ3-ブチル-1H-イミダゾール-3-イウムアセテート、ポリ3-(2,2’-(エタン-1,2-ジイルビス(オキシ))ビス(エタン)-1H-イミダゾール-3-イウムアセテート、ポリ(ビニル3-ブチル-1H-イミダゾール-3-イウム)ブロミド、ポリ(ビニルベンジル-1-エチル-1H-イミダゾール-3-イウム)クロリド、ポリ(ビニル3-エチル-1H-イミダゾール-3-イウム-コ-ビニル3,3’-ブタン-1H-イミダゾール-3-イウム)ブロミド、ポリ(ビニルベンジル-1-エチル-1H-イミダゾール-3-イウム-コ-ビニル-3-エチル-1H-イミダゾール-3-イウム)ブロミドクロリド、ポリ(1-エチル-3-プロピル-1H-イミダゾール-3-イウムアクリレート)ブロミド、ポリ(ビニル3-イソプロピル-1H-イミダゾール-3-イウム)ブロミド、ポリ(ビニル3-イソプロピル-1H-イミダゾール-3-イウム-コ-N-ビニルピロリドン)ブロミド、ポリ(ビニル3-ブチル-1H-イミダゾール-3-イウム-コ-N-ビニルピロリドン)ブロミド、ポリ(ビニル3-エチル-1H-イミダゾール-3-イウム)アセテート、ポリ(ビニル3-ブチル-1H-イミダゾール-3-イウム-コ-N-ビニルピロリドン)ブロミド、ポリ(ビニル3-エチル-1H-イミダゾール-3-イウム)マロネート、ポリ(ビニル3-エチル-1H-イミダゾール-3-イウム)ニトレート、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される前記イミダゾリウム系ポリ(イオン液体)を含む、請求項21に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2021年5月20日に出願された米国仮出願第63/191,047号の利益を主張するものであり、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
本開示は、イミダゾリウム系ポリ(イオン液体)の合成、及びその使用に関する。
【0003】
本開示はまた、半導体デバイスの製造における化学機械的平坦化又は研磨(「CMP」)スラリー(又は組成物、又は配合物)中の添加剤としてのイミダゾリウム系ポリ(イオン液体)の使用、化学機械的平坦化を行うための研磨方法及び研磨システムに関する。特に、本開示は、タングステンを含有する金属材料を含む、パターニングされた半導体ウエハを研磨するために好適に使用される研磨スラリーに関する。
【0004】
集積回路は、周知の多層相互配線の使用によって相互配線される。相互配線構造は、通常、メタライゼーションの第1の層、相互配線層、メタライゼーションの第2の層、及び典型的にはメタライゼーションの第3及び後続の層を有する。シリコン基板又はウェル内の異なる層のメタライゼーションを電気的に絶縁するために、二酸化ケイ素などの層間絶縁材料、及び時にはlow-k材料が使用される。異なる相互配線層間の電気的接続は、金属化ビア、特にタングステンビアを使用することによって行われる。米国特許第4,789,648号には、絶縁膜中に複数の金属化(メタライゼーション化)層及び金属化ビアを調製する方法が記載されている。同様に、金属コンタクトは、相互配線層とウェル内に形成されたデバイスとの間の電気的接続を形成するために使用される。金属ビア及びコンタクトは、概してタングステンで充填され、概して窒化チタン(TiN)及び/又はチタンなどの接着層を用いて、タングステン金属層などの金属層を絶縁材料に接着する。
【0005】
1つの半導体製造プロセスでは、金属化ビア又はコンタクトは、ブランケットタングステン堆積とそれに続くCMP工程によって形成される。典型的なプロセスでは、層間絶縁膜(ILD)を通して相互配線の線又は半導体基板までビアホールがエッチングされる。次に、窒化チタン及び/又はチタンなどの薄い接着層が、概してILDの上に形成され、エッチングされたビアホール内に向けられる。次いで、タングステン膜が、接着層上及びビア内にブランケット堆積される。堆積は、ビアホールがタングステンで充填されるまで継続される。最後に、過剰なタングステンをCMPによって除去して、金属ビアを形成する。
【0006】
別の半導体製造プロセスでは、タングステンは、A.Yagishita et al,IEEE TRANSACTIONS ON ELECTRON DEVICES,VOL.47,NO.5,MAY 2000に教示されるように、従来ゲート電極材料として使用されてきたポリシリコンよりも電気的特性が優れているため、トランジスタのゲート電極材料として使用される。
【0007】
典型的なCMPプロセスでは、基板を、回転する研磨パッドに直接接触させる。キャリアは、基板の裏側に対して圧力を加える。研磨プロセス中、パッド及びテーブルは回転され、その間、下向きの力が基板裏面に対して維持される。一般に研磨「スラリー」、研磨「組成物」又は研磨「配合物」と呼ばれる研磨剤及び化学反応性溶液が、研磨中にパッド上に堆積され、ウエハに対するパッドの回転及び/又は運動によって、当該スラリーが研磨パッドと基板表面との間の空間に運ばれる。スラリーは、研磨される膜と化学的に反応することによって研磨プロセスを開始する。研磨プロセスは、スラリーがウエハ/パッド界面に供給されるときに、基板に対するパッドの回転運動によって促進される。絶縁体上の所望の膜が除去されるまで、この方法で研磨が続けられる。CMPにおけるタングステンの除去は、機械的研磨とタングステン酸化とそれに続く溶解との相乗作用によると考えられている。
【0008】
その比較的単純な外観にもかかわらず、化学機械的平坦化(CMP)は、非常に複雑なプロセスである。半導体産業におけるデバイススケーリング及び新しいトレンドに対する過去及び将来の要求のための技術を可能にすることの重要性は、議論の余地がない。ウエハ、スラリー及びパッドの間の多数の相互作用並びに全般的なプロセスパラメータが、CMPの結果を決定する。最後に、CMPにおける材料除去は、化学的力と機械的力との間の複雑な相互作用の結果である。多数の材料が半導体デバイス製造において使用されており、それらの全ては、最適化されたCMPプロセスを必要とする。絶縁材料、バリア及び金属層などの完全に異なる材料の組み合わせを同時に研磨することは、CMPの真の課題である。
【0009】
高選択性スラリーは、金属の除去速度対絶縁膜の除去速度において大きな差を有し、将来の産業ニーズにとって大きな関心が持たれている。しかしながら、これらの高選択性スラリーの使用に関連する不完全性が存在する。金属層は容易に過剰研磨され、「ディッシング」効果を生じ得る。別の許容できない欠陥は、「エロージョン(腐食)」と呼ばれ、これは、絶縁膜を有する領域と金属ビア又はトレンチの密なアレイとの間のトポグラフィの差を表す。
【0010】
CMPにおいて、特にタングステンなどの金属用途において一般的に遭遇する問題の1つは、エロージョン及びディッシングなどのトポロジー欠陥をどのように制御するかである。
【0011】
水系スラリーは、将来のデバイスのためのCMP性能を改善する際の主な推進要因と考えられる。スラリーの開発によると、異なる層間の除去速度及び選択性に影響を及ぼすだけでなく、研磨プロセス中の欠陥を制御する。概して、スラリー組成物は、異なる機能を有する研磨剤及び化学成分の複雑な組み合わせである。
【0012】
米国特許第5,876,490号は、研磨粒子を含み、垂直応力効果を示し、当該研磨粒子に関連するものとは異なる電荷のイオン部分を有する高分子電解質を更に含み、当該高分子電解質の濃度が当該研磨粒子の約5~約50重量%であり、当該高分子電解質が約500~約10,000の分子量を有する、研磨スラリーの使用を記載している。
【0013】
米国特許第6,776,810号は、金属基板上で使用するためのシリカ又はアルミナ粒子を含むCMPスラリー中で使用するための、15,000以上の分子量を有する、正に荷電した高分子電解質の使用を記載している。様々な異なるカチオン性ホモポリマー及びコポリマーが、この特許において言及されている。
【0014】
米国特許第7,247,567号は、タングステンエッチング剤、タングステンエッチングの阻害剤、及び水を含む組成物の使用によって、タングステンを含む基板を化学機械的研磨する方法を記載しており、タングステン研磨の阻害剤は、少なくとも1つの窒素含有複素環又は第三級若しくは第四級窒素原子を含む少なくとも1つの繰り返し基を含む、ポリマー、コポリマー、又はポリマーブレンドである。本発明は、タングステン含有基板を研磨するのに特に有用な化学機械的研磨組成物を更に提供する。
【0015】
米国特許第7,994,057号は、液体キャリア、カチオン性ポリマー、及びアミノシラン化合物で処理された研磨粒子を含む本発明の研磨組成物で基板を化学機械的研磨することを含む、方法を開示している。
【0016】
米国特許第8,858,819号は、タングステンスラリー中の抑制剤として、大きな正電荷密度を有するポリマーである(ポリアルキレンイミン)の使用を記載している。
【0017】
米国特許第8,492,276号は、酸性(pH1~3)タングステンスラリー中で使用するためのカチオン性水溶性ポリマーの使用を記載している。様々な異なるタイプのカチオン性ポリマーが列挙されており、配合物をパターン化されたウエハ上で評価していた。トポグラフィに対する良好な性能が報告されたが、特定のディッシング値は示されていない。
【0018】
米国特許第8,480,920号は、タングステンを含有する配線層を含む研磨対象を研磨するために使用される化学機械的研磨水性分散体を記載しており、化学機械的研磨水性分散体は、(A)カチオン性水溶性ポリマーと、(B)鉄(III)化合物と、(C)BET法によって決定される比表面積から算出される平均粒子径が10~60nmであるコロイダルシリカと、を含み、カチオン性水溶性ポリマー(A)の含有量(MA)(質量%)と、コロイダルシリカ(C)の含有量(MC)(質量%)とが、「MA/MC=0.0001~0.003」の関係を満たし、化学機械的研磨用水系分散体のpHが1~3である。
【0019】
米国特許第8,808,573号及び米国特許第9,633,863号は、化学機械的研磨(CMP)プロセスにおいて窒化ケイ素含有基板を研磨するのに好適な酸性水性研磨組成物を記載している。組成物は、使用時に、約0.01~約2重量%の粒状焼成セリア研磨剤、約10~約1000ppmの少なくとも1つのカチオン性ポリマー、任意選択で約10~約2000ppmのポリオキシアルキレンポリマー、及びそれらのための水性キャリアを含む。少なくとも1つのカチオン性ポリマーは、ポリ(ビニルピリジン)ポリマー、及びポリ(ビニルピリジン)ポリマーと第四級アンモニウム置換ポリマーとの組み合わせから選択される。組成物を使用して、基板を研磨する方法、及びポリシリコンの除去に優先して基板から窒化ケイ素を選択的に除去する方法も提供される。
【0020】
米国特許第9,358,659号は、(a)研磨粒子、(b)ポリマー、及び(c)水を含有する化学機械的研磨組成物であって、(i)ポリマーが全電荷を有し、(ii)研磨粒子がポリマーの非存在下で測定されるゼータ電位Zaを有し、研磨粒子がポリマーの存在下で測定されるゼータ電位Zbを有し、ゼータ電位Zaがポリマーの全電荷と同じ符号である数値であり、(iii)|ゼータ電位Zb|>|ゼータ電位Za|である、化学機械的研磨組成物を記載している。本発明はまた、研磨組成物で基板を研磨する方法を提供する。
【0021】
米国特許第9,631,122号は、化学機械的研磨組成物、及びタングステンを含有する基板の表面を平坦化するために組成物を使用する方法を記載しており、組成物はシリカ研磨粒子及びカチオン性界面活性剤を含有する。
【0022】
米国特許第6,083,838号明細書は、金属、特にタングステン表面を平坦化するためにCMPスラリーに界面活性剤を添加することを記載している。一実施形態において、本方法は、研磨剤及び酸化剤の従来の成分を含有するスラリーを選択することを含む。酸化剤は、既知の酸化速度を有することが知られており、金属を酸化することができる。この実施形態は、スラリーの特性を変えることによって酸化剤への金属の曝露速度を低下させることと、低下した速度で金属を酸化させて金属の酸化物を形成することと、研磨剤で酸化物を除去して半導体ウエハの平坦化された表面を生成することと、を更に含む。
【0023】
CMPにおいて、特にタングステンなどの金属用途において一般的に遭遇する問題の1つは、タングステン配線のディッシング及び金属配線のアレイのエロージョンである。ディッシング及びエロージョンは、研磨されたウエハの平坦性を規定する重要なCMPパラメータである。配線のディッシングは、典型的には、より広い配線について増加する。アレイのエロージョンは、典型的には、パターン密度の増加とともに増加する。
【0024】
タングステンCMPスラリーは、デバイスが機能するために重要な特定の設計目標を満たすように、ディッシング及びエロージョンを最小限に抑えることができるように配合されるべきである。
【0025】
エロージョン及びディッシングなどのトポロジー欠陥を制御するための解決策を見出すことは、将来のCMP要件にとって重要である。研磨において望ましい除去速度を維持しながら、ディッシング及びエロージョンを低減することができる新規なタングステンCMPスラリーが依然として必要とされている。
【発明の概要】
【0026】
本発明は、金属層、特にタングステン膜の望ましい研磨を維持しながら、ディッシング及びエロージョンの表面欠陥を最小限に抑えるために、インテリジェントデザインされたタングステンCMPスラリー、CMPスラリーを使用するシステム及び方法を提供することによって、この必要性を満たす。
【0027】
本発明は、イミダゾリウム系ポリ(イオン液体)及びタングステンCMPにおけるそれらの使用に関する。
【0028】
より具体的には、本発明は、特定のイミダゾリウム系ポリ(イオン液体)の合成を開示し、高選択性タングステンスラリーにおけるディッシング及びエロージョンの記載された問題を低減するための、CMPスラリーにおける合成イミダゾリウム系ポリ(イオン液体)の使用を示す。
【0029】
イミダゾリウム系ポリ(イオン液体)は、モノマーの主鎖、側鎖、又は主鎖及び側鎖の両方にイミダゾリウム基を有するカチオン性ポリマーである。
【0030】
加えて、本発明のいくつかの特定の態様を以下に概説する。
態様1:構造(I)を有する少なくとも1つのイミダゾリウム基を有する少なくとも1種のモノマーを含むイミダゾリウム系ポリ(イオン液体)であって、
【化1】
(a)構造(I)を有する少なくとも1つのイミダゾリウム基が、イミダゾリウム系ポリ(イオン液体)の1つの側鎖又は複数の側鎖中にあり、
式中、
L
1及びL
2の一方が、イミダゾリウム環をイミダゾリウム系ポリ(イオン液体)の主鎖に接続する共有結合又はスペーサーであり、置換若しくは非置換脂肪族、環状若しくは分岐脂肪族、芳香族、ヘテロ芳香族又はシロキサン部分を含み、主鎖が、ビニル、アリル、スチレン、アクリル、メタクリル、アクリルアミド、メタクリルアミド、シロキサン、マレイミド、ノルボルネン、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される重合性基の重合後に形成され、
L
1及びL
2の他方が、直鎖、分岐、及び環状アルキル基からなる群から選択されるアルキル基であり、そのCH
2が、ヘテロ原子が互いに結合しないようにO、S又はNによって置き換えられていてもよく、水素が、F、Cl又はCNによって置き換えられてもよく、
R
1、R
2、R
3の各々が、独立して、H、又は直鎖、分岐、及び環状アルキル基からなる群から選択されるアルキル基であってもよく、そのCH
2が、ヘテロ原子が互いに結合しないようにO、S又はNによって置き換えられていてもよく、水素が、F、Cl又はCNによって置き換えられていてもよく、R
2及びR
3がまた、環状単位に結合していてもよく、好ましくは、R
1=R
2=Hであり、
並びに
アニオンX
-が、ハライド(F-、Cl-、Br-、I-)、BF
4-、PF
6-、[C
2F
5BF
3]-、R=H、アルキル又はアリールのカルボキシレートRCOO-、マロネート、シトレート、フマレート、MeOSO
3-、MeSO
3-、CF
3COO-、CF
3SO
3-、ニトレート、及びスルフェートからなる群から選択され、Meが、メチルであり、
(b)構造(I)を有する少なくとも1つのイミダゾリウム基が、イミダゾリウム系ポリ(イオン液体)の主鎖中にあり、
式中、
L
1及びL
2が、各々独立して、置換又は非置換脂肪族、環状又は分岐脂肪族、芳香族、ヘテロ芳香族、及びシロキサン部分を含み、そのCH
2が、ヘテロ原子が互いに結合しないようにO、S又はNによって置き換えられていてもよく、水素が、F、Cl又はCNによって置き換えられてもよく、
L
1、L
2、又はL
1及びL
2の両方が、少なくとも1つのイミダゾリウム基を好適な官能基を介して主鎖に結合して、イミダゾリウム系ポリ(イオン液体)を形成することができ、好適な官能基が、エステル、アミド、ウレタン、エーテル、チオエーテル、イミド、及びこれらの組み合わせからなる群から選択され、
R
1、R
2、R
3の各々が、独立して、H、又は直鎖、分岐、及び環状アルキル基からなる群から選択されるアルキル基であってもよく、CH
2が、ヘテロ原子が互いに結合しないようにO、S又はNによって置き換えられていてもよく、水素が、F、Cl又はCNによって置き換えられていてもよく、R
2及びR
3がまた、環状単位に結合していてもよく、好ましくは、R
1=R
2=Hであり、
並びに
アニオンX
-が、ハライド(F-、Cl-、Br-、I-)、BF
4-、PF
6-、[C
2F
5BF
3]-、R=H、アルキル又はアリールのカルボキシレートRCOO-、マロネート、シトレート、フマレート、MeOSO
3-、MeSO
3-、CF
3COO-、CF
3SO
3-、ニトレート、及びスルフェートからなる群から選択され、Meが、メチルであり、
並びに
(c)構造(I)を有する少なくとも1つのイミダゾリウム基が、上記(a)で定義されたイミダゾリウム系ポリ(イオン液体)の1つの側鎖又は複数の側鎖及び上記(b)で定義されたイミダゾリウム系ポリ(イオン液体)の主鎖の両方にある、
イミダゾリウム系ポリ(イオン液体)。
態様2:イミダゾリウム系ポリ(イオン液体)が、(a)のL
1及びL
2のための重合性基を有する架橋性モノマーを有する、態様1に記載のイミダゾリウム系ポリ(イオン液体)。
態様3:イミダゾリウム系ポリ(イオン液体)が、(a)、(b)、並びに(e)アクリレート、メタクリレート、アクリルアミド、メタクリルアミド、マレイミド、ビニルベンゼン、他のビニル型モノマー、エチレングリコール、シロキサン、ノルボルネン、これらの組み合わせ、又は(a)及び(b)とコポリマーを形成することができる、他のモノマーからなる群から選択される、非イオン性モノマーから選択される少なくとも2つの異なるモノマーを含むコポリマーである、態様1に記載のイミダゾリウム系ポリ(イオン液体)。
態様4:イミダゾリウム系ポリ(イオン液体)の重合が、フリーラジカル重合、可逆的付加開裂連鎖移動重合(RAFT)、ニトロキシド媒介重合(NMP)、原子移動反応重合(ATRP)、開環重合(ROMP)、及び重縮合反応からなる群から選択される方法である、態様1に記載のイミダゾリウム系ポリ(イオン液体)。
態様5:イミダゾリウム系ポリ(イオン液体)が、ブロックコポリマーである、態様1に記載のイミダゾリウム系ポリ(イオン液体)。
態様6:イミダゾリウム系ポリ(イオン液体)が、還元剤又は錯化剤として少なくとも1つの官能性アニオンを有する、態様1に記載のイミダゾリウム系ポリ(イオン液体)。
態様7:イミダゾリウム系ポリ(イオン液体)が、ポリ(ビニルベンジル1-ブチル-1H-イミダゾール-3-イウム)クロリド、ポリ(ビニル3-エチル-1H-イミダゾール-3-イウム)ブロミド、ポリ(ビニルベンジル1-ブチル-1H-イミダゾール-3-イウム-コ-アクリルアミド)クロリド、ポリ(ビニルベンジル1-ブチル-1H-イミダゾール-3-イウム-コ-アクリロモルホリン)クロリド、ポリ(ビニル3-エチル-1H-イミダゾール-3-イウム-コ-N-ビニルピロリドン)ブロミド、ポリ(ビニルベンジル1-ブチル-1H-イミダゾール-3-イウム-コ-N-メチルマレイミド)クロリド、ポリ3-ブチル-1H-イミダゾール-3-イウムアセテート、ポリ3-(2,2’-(エタン-1,2-ジイルビス(オキシ))ビス(エタン)-1H-イミダゾール-3-イウムアセテート、ポリ(ビニル3-ブチル-1H-イミダゾール-3-イウム)ブロミド、及びポリ(ビニルベンジル-1-エチル-1H-イミダゾール-3-イウム)クロリド、ポリ(ビニル3-エチル-1H-イミダゾール-3-イウム-コ-ビニル3,3’-ブタン-1H-イミダゾール-3-イウム)ブロミド、ポリ(ビニルベンジル-1-エチル-1H-イミダゾール-3-イウム-コ-ビニル-3-エチル-1H-イミダゾール-3-イウム)ブロミドクロリド、ポリ(1-エチル-3-プロピル-1H-イミダゾール-3-イウムアクリレート)ブロミドからなる群から選択される、態様1に記載のイミダゾリウム系ポリ(イオン液体)。
態様8:態様1~7のいずれか1つに記載のイミダゾリウム系ポリ(イオン液体)を含む添加剤を含む、化学機械的平坦化組成物。
態様9:
無機酸化物粒子、金属酸化物被覆無機酸化物粒子、有機ポリマー粒子、金属酸化物被覆有機ポリマー粒子、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される研磨剤と、
態様1~7のいずれか1つに記載のイミダゾリウム系ポリ(イオン液体)を含む添加剤と、
水と、任意選択で
活性化剤と、
酸化剤と、
腐食防止剤と、
ディッシング低減剤と、
安定剤と、
pH調整剤と、
を含む、化学機械的平坦化組成物。
態様10:化学機械的平坦化のためのシステムであって、
タングステンを含有する少なくとも1つの表面を備える半導体基板と、
研磨パッドと、
態様8~9のいずれか1つに記載の化学機械的平坦化組成物と、を含み、
タングステンを含有する少なくとも1つの表面が、研磨パッド及び化学機械的平坦化組成物と接触している、
化学機械的平坦化のためのシステム。
態様10:タングステンを含有する少なくとも1つの表面を備える半導体基板の化学機械的平坦化のための研磨方法であって、
a)タングステンを含有する前記少なくとも1つの表面を研磨パッドと接触させる工程と、
b)態様8~9のいずれか1つに記載の化学機械的平坦化組成物を送達する工程と、
c)タングステンを含有する少なくとも1つの表面を、化学機械的平坦化組成物で研磨する工程と、
を含む、研磨方法。
【0031】
研磨剤としては、無機酸化物粒子、金属酸化物被覆無機酸化物粒子、有機ポリマー粒子、金属酸化物被覆有機ポリマー粒子、及びこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0032】
無機金属酸化物粒子としては、セリア、コロイダルシリカ、高純度コロイダルシリカ、ヒュームドシリカ、コロイダルセリア、アルミナ、チタニア、ジルコニア粒子が挙げられるが、これらに限定されない。
【0033】
金属酸化物被覆無機金属酸化物粒子としては、セリア被覆無機金属酸化物粒子、例えば、セリア被覆コロイダルシリカ、セリア被覆高純度コロイダルシリカ、セリア被覆アルミナ、セリア被覆チタニア、セリア被覆ジルコニア、又は任意の他のセリア被覆無機金属酸化物粒子が挙げられるが、これらに限定されない。
【0034】
有機ポリマー粒子としては、ポリスチレン粒子、ポリウレタン粒子、ポリアクリレート粒子、又は任意の他の有機ポリマー粒子が挙げられるが、これらに限定されない。
【0035】
金属酸化物被覆有機ポリマー粒子は、セリア被覆有機ポリマー粒子、ジルコニア被覆有機ポリマーからなる群から選択される。
【0036】
研磨剤の濃度は、約0.01重量%~約30重量%の範囲であり得、好ましくは約0.05重量%~約10重量%であり、より好ましくは約0.1~約2重量%である。重量%は、組成物に対するものである。
【0037】
酸化剤としては、過酸化水素、過酸化尿素、パーオキシギ酸、過酢酸、プロパンパーオキソ酸、置換又は非置換ブタンパーオキソ酸、ヒドロパーオキシアセトアルデヒド、過ヨウ素酸カリウム、パーオキシ一硫酸アンモニウムからなる群から選択されるパーオキシ化合物、及び亜硝酸第二鉄、KClO4、KBrO4、KMnO4からなる群から選択される非パーオキシ化合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0038】
酸化剤濃度は、約0.01重量%~約30重量%の範囲であり得るが、より好ましいのは約0.5重量%~約10重量%である。重量%は、組成物に対するものである。
【0039】
イミダゾリウム系カチオン性ポリマーを含む添加剤としては、イミダゾリウム系ポリ(イオン液体)が挙げられるが、これに限定されない。
【0040】
添加剤の全般的な量は、0.1~10,000ppm、1ppm~5,000ppm、5~1,000ppm、又は10~600ppmの範囲である。
【0041】
研磨組成物のpHを低下させるのに好適なpH調整剤としては、硝酸、硫酸、酒石酸、コハク酸、クエン酸、リンゴ酸、マロン酸、様々な脂肪酸、様々なポリカルボン酸、及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。研磨組成物のpHを上昇させるのに好適なpH調整剤としては、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、アンモニア、水酸化テトラエチルアンモニウム、エチレンジアミン、ピペラジン、ポリエチレンイミン、修飾ポリエチレンイミン、及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0042】
スラリーのpHは、1~14であり、好ましくは1~7であり、より好ましくは1~6であり、最も好ましくは1~4である。
【0043】
CMPスラリーは、界面活性剤、分散剤、キレート剤、膜形成腐食防止剤、及び殺生物剤を更に含んでもよい。
【0044】
上述の巨大分子は、タングステン表面と相互作用し、金属の除去を阻害することが見出され、全体的なトポグラフィ制御、特にディッシング及びエロージョンを低減するための有望な候補となった。
【0045】
本発明の他の態様、特徴及び実施形態は、以下の開示及び添付の特許請求の範囲からより完全に明らかになるであろう。
【0046】
本発明の実施形態は、単独で、又は互いに組み合わせて使用することができる。
【発明を実施するための形態】
【0047】
本発明は、タングステン含有半導体デバイス、基板、又は膜の化学機械的平坦化(CMP)において使用することができる、スラリー、システム、及び方法に関する。本発明のCMPスラリーは、研磨における望ましい除去速度を維持しながら、ディッシング及びエロージョンを低減する。本発明は、イミダゾリウム系ポリ(イオン液体)及びタングステンCMPにおけるそれらの使用に関する。
【0048】
より具体的には、本発明は、イミダゾリウム系ポリ(イオン液体)の合成を開示し、高選択性タングステンスラリーにおけるディッシング及びエロージョンの記載された問題を低減するための、CMPスラリーにおける合成イミダゾリウム系ポリ(イオン液体)の使用を示す。
【0049】
本明細書に引用される刊行物、特許出願、及び特許を含む全ての参考文献は、各参考文献が、参照により組み込まれることが個々にかつ具体的に示され、その全体が本明細書に記載されているのと同程度に、参照により本明細書に組み込まれる。
【0050】
本発明を説明する文脈において(特に以下の特許請求の範囲の文脈において)「a」及び「an」及び「the」という用語の使用並びに同様の言及は、本明細書において別段の指示がない限り、又は文脈によって明確に否定されない限り、単数形及び複数形の両方を網羅すると解釈されるべきである。「含む(comprising)」、「有する(having)」、「含む(including)」及び「含有する(containing)」という用語は、別段の記載がない限り、オープンエンドの用語(すなわち、「挙げられるが、これらに限定されない」を意味する)として解釈されるべきである。本明細書における値の範囲の列挙は、本明細書において別段の指示がない限り、その範囲内に入る各個別の値を個々に言及する省略法としての役割を果たすことが単に意図されており、各個別の値は、本明細書において個々に列挙されているのと同様に本明細書に組み込まれる。本明細書に記載される全ての方法は、本明細書に別段の指示がない限り、又は文脈によって明確に否定されない限り、任意の好適な順序で実行することができる。本明細書で提供される任意の及び全ての例、又は例示的な言語(例えば、「など」)の使用は、単に本発明をよりよく解明することを意図しており、別様に特許請求されない限り本発明の範囲で限定を課すものではない。本明細書中のいかなる言語も、本発明の実施に不可欠な任意の特許請求されていない要素を示すものとして解釈されるべきではない。本明細書及び特許請求の範囲における「含む(comprising)」という用語の使用は、「から本質的になる(consisting essentially of)」及び「からなる(consisting of)」というより狭い言葉を含む。
【0051】
本発明を実施するために本発明者らに知られている最良の形態を含む実施形態が、本明細書に記載されている。これらの実施形態の変形は、前述の説明を読めば、当業者には明らかになり得る。本発明者らは、当業者が必要に応じてそのような変形形態を使用することを予想し、本発明者らは、本発明が本明細書に具体的に記載されているものとは別の方法で実施されることを意図する。したがって、本発明は、適用可能な法によって許容されるように、本明細書に添付された特許請求の範囲で記載された主題の全ての修正形態及び均等物を含む。更に、その全ての可能な変形形態における上記要素の任意の組み合わせは、本明細書において別段の指示がない限り、又は文脈によって明確に否定されない限り、本発明によって包含される。
【0052】
参照を容易にするために、「マイクロ電子デバイス」は、半導体基板、フラットパネルディスプレイ、相変化メモリデバイス、ソーラーパネル、並びにマイクロエレクトロニクス、集積回路、又はコンピュータチップ用途における使用のために製造されたソーラー基板、光起電装置、及び微小電気機械システム(MEMS)を含む他の製品に対応する。ソーラー基板としては、シリコン、アモルファスシリコン、多結晶シリコン、単結晶シリコン、CdTe、セレン化銅インジウム、硫化銅インジウム、及びガリウム上のヒ化ガリウムが挙げられるが、これらに限定されない。ソーラー基板は、ドープ処理であっても未ドープ処理であってもよい。「マイクロ電子デバイス」という用語は、決して限定することを意味するものではなく、最終的にマイクロ電子デバイス又はマイクロ電子アセンブリになる任意の基板を含むことを理解されたい。
【0053】
「実質的に含まない」とは、本明細書では0.001重量%未満として定義される。「実質的に含まない」はまた、0.000重量%を含む。「含まない」という用語は、0.000重量%を意味する。
【0054】
本明細書で使用される場合、「約」は、述べられた値の±5%、好ましくは±2%に対応することが意図される。
【0055】
一態様において、本発明は、構造(I)を有する少なくとも1つのイミダゾリウム基を有する少なくとも1種のモノマーを含むイミダゾリウム系ポリ(イオン液体)であって、
【化2】
(a)構造(I)を有する少なくとも1つのイミダゾリウム基が、イミダゾリウム系ポリ(イオン液体)の1つの側鎖又は複数の側鎖中にあり、
式中、
L
1及びL
2の一方が、イミダゾリウム環をイミダゾリウム系ポリ(イオン液体)の主鎖に接続する共有結合又はスペーサーであり、置換若しくは非置換脂肪族、環状若しくは分岐脂肪族、芳香族、ヘテロ芳香族又はシロキサン部分を含み、主鎖が、ビニル、アリル、スチレン、アクリル、メタクリル、アクリルアミド、メタクリルアミド、シロキサン、マレイミド、ノルボルネン、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される重合性基の重合後に形成され、
L
1及びL
2の他方が、直鎖、分岐、及び環状アルキル基からなる群から選択されるアルキル基であり、そのCH
2が、ヘテロ原子が互いに結合しないようにO、S又はNによって置き換えられていてもよく、水素が、F、Cl又はCNによって置き換えられてもよく、
R
1、R
2、R
3の各々が、独立して、H、又は直鎖、分岐、及び環状アルキル基からなる群から選択されるアルキル基であってもよく、そのCH
2が、ヘテロ原子が互いに結合しないようにO、S又はNによって置き換えられていてもよく、水素が、F、Cl又はCNによって置き換えられていてもよく、R
2及びR
3がまた、環状単位に結合していてもよく、好ましくは、R
1=R
2=Hであり、
並びに
アニオンX
-が、ハライド(F-、Cl-、Br-、I-)、BF
4-、PF
6-、[C
2F
5BF
3]-、R=H、アルキル又はアリールのカルボキシレートRCOO-、マロネート、シトレート、フマレート、MeOSO
3-、MeSO
3-、CF
3COO-、CF
3SO
3-、ニトレート、及びスルフェートからなる群から選択され、Meが、メチルであり、
(b)構造(I)を有する少なくとも1つのイミダゾリウム基が、イミダゾリウム系ポリ(イオン液体)の主鎖中にあり、
式中、
L
1及びL
2が、各々独立して、置換又は非置換脂肪族、環状又は分岐脂肪族、芳香族、ヘテロ芳香族、及びシロキサン部分を含み、そのCH
2が、ヘテロ原子が互いに結合しないようにO、S又はNによって置き換えられていてもよく、水素が、F、Cl又はCNによって置き換えられてもよく、
L
1、L
2、又はL
1及びL
2の両方が、少なくとも1つのイミダゾリウム基を好適な官能基を介して主鎖に結合して、イミダゾリウム系ポリ(イオン液体)を形成することができ、好適な官能基が、エステル、アミド、ウレタン、エーテル、チオエーテル、イミド、及びこれらの組み合わせからなる群から選択され、
R
1、R
2、R
3の各々が、独立して、H、又は直鎖、分岐、及び環状アルキル基からなる群から選択されるアルキル基であってもよく、CH
2が、ヘテロ原子が互いに結合しないようにO、S又はNによって置き換えられていてもよく、水素が、F、Cl又はCNによって置き換えられていてもよく、R
2及びR
3がまた、環状単位に結合していてもよく、好ましくは、R
1=R
2=Hであり、
並びに
アニオンX
-が、ハライド(F-、Cl-、Br-、I-)、BF
4-、PF
6-、[C
2F
5BF
3]-、R=H、アルキル又はアリールのカルボキシレートRCOO-、マロネート、シトレート、フマレート、MeOSO
3-、MeSO
3-、CF
3COO-、CF
3SO
3-、ニトレート、及びスルフェートからなる群から選択され、Meが、メチルであり、
並びに
(c)構造(I)を有する少なくとも1つのイミダゾリウム基が、上記(a)で定義されたイミダゾリウム系ポリ(イオン液体)の1つの側鎖又は複数の側鎖及び上記(b)で定義されたイミダゾリウム系ポリ(イオン液体)の主鎖の両方にある、イミダゾリウム系ポリ(イオン液体)である。
【0056】
イミダゾリウム系ポリ(イオン液体)は、対応するモノマーの好適な重縮合反応によって形成することができる。加えて、イミダゾリウム基は、ジアミン、ジカルボニル及びアルデヒドに基づくDebus-Radziszewskiイミダゾール反応などの好適な反応によって重合プロセス中に形成することができる。
【0057】
イミダゾリウム系ポリ(イオン液体)は、(a)のL1及びL2のための重合性基を有する架橋性モノマーを有することができる。
【0058】
イミダゾリウム系ポリ(イオン液体)は、(a)、(b)、並びに(e)アクリレート、メタクリレート、アクリルアミド、メタクリルアミド、マレイミド、ビニルベンゼン、他のビニル型モノマー、エチレングリコール、シロキサン、ノルボルネン、これらの組み合わせ、又は(a)及び(b)とコポリマーを形成することができる他のモノマーからなる群から選択される非イオン性モノマーから選択される少なくとも2つの異なるモノマーを含むコポリマーであってもよい。
【0059】
イミダゾリウム系ポリ(イオン液体)は、ブロックコポリマーであってもよい。
【0060】
イミダゾリウム系ポリ(イオン液体)は、還元剤又は錯化剤として少なくとも1つの官能性アニオンを有することができる。
【0061】
イミダゾリウム系ポリ(イオン液体)の重合は、フリーラジカル重合、可逆的付加開裂連鎖移動重合(RAFT)、ニトロキシド媒介重合(NMP)、原子移動反応重合(ATRP)、開環重合(ROMP)、及び重縮合反応からなる群から選択される方法であってもよい。
【0062】
別の態様において、本発明は、イミダゾリウム系ポリ(イオン液体)を添加剤として含む、化学機械的平坦化(CMP)研磨組成物である。
【0063】
CMPスラリーは、研磨剤、任意選択で酸化剤(すなわち、フリーラジカル発生剤ではない酸化剤)、活性化剤又は触媒、腐食防止剤、ディッシング低減剤、安定剤、及びpH調整剤を含むことができる。
【0064】
CMPスラリーは、界面活性剤、分散剤、キレート剤、膜形成腐食防止剤、殺生物剤、及び研磨増強剤を更に含むことができる。
【0065】
スラリーのpHは、1~14であり、好ましくは1~7であり、より好ましくは1~6であり、最も好ましくは1~4である。
【0066】
組成物の特定の成分が0の下限を含む重量パーセント範囲を参照して論じられる全てのそのような組成物において、そのような成分は、組成物の様々な特定の実施形態において存在しても存在しなくてもよく、そのような成分が存在する場合、そのような成分は、そのような成分が使用される組成物の総重量に基づいて、0.00001重量パーセント程度の低い濃度で存在してもよいことが理解されるであろう。
【0067】
更に別の態様において、本発明は、イミダゾリウム系ポリ(イオン液体)を含む化学機械的平坦化(CMP)研磨組成物を使用する方法である。
【0068】
更に別の態様において、本発明は、イミダゾリウム系ポリ(イオン液体)を含む化学機械的平坦化(CMP)研磨組成物を使用するシステムである。
【0069】
研磨剤
任意の好適な研磨剤を使用することができる。
【0070】
CMPスラリーに使用される研磨剤としては、無機酸化物粒子、金属酸化物被覆無機酸化物粒子、有機ポリマー粒子、金属酸化物被覆有機ポリマー粒子、表面改質研磨剤粒子、及びこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0071】
CMPスラリーに使用される研磨剤は、活性化剤含有粒子(すなわち、活性化剤コーティングを有する研磨剤)、又は非活性化剤含有粒子であってもよい。
【0072】
無機酸化物粒子としては、セリア、シリカ、アルミナ、チタニア、ゲルマニア、スピネル、タングステンの酸化物若しくは窒化物、ジルコニア粒子、又は1つ以上の他の鉱物若しくは元素でドープされた上記のいずれか、及びこれらの任意の組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。酸化物研磨剤は、ゾル-ゲル法、水熱法、加水分解法、プラズマ法、熱分解法、エアロゲル法、発煙法及び沈殿法、並びにこれらの任意の組み合わせを含む様々な技術のいずれかによって製造することができる。
【0073】
沈殿無機酸化物粒子は、金属塩及び酸又は他の沈殿剤の反応による既知の方法によって得ることができる。熱分解金属酸化物及び/又はメタロイド酸化物粒子は、酸素/水素火炎中での好適な蒸発可能な出発材料の加水分解によって得られる。一例は、四塩化ケイ素からの熱分解二酸化ケイ素である。酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化ジルコニウム、二酸化ケイ素、酸化セリウム、酸化ゲルマニウム及び酸化バナジウムの熱分解酸化物並びにそれらの化学的及び物理的混合物が好適である。
【0074】
金属酸化物被覆無機金属酸化物粒子としては、セリア被覆若しくはアルミナ被覆無機酸化物粒子、例えば、セリア被覆コロイダルシリカ、アルミナ被覆コロイダルシリカ、セリア被覆高純度コロイダルシリカ、アルミナ被覆高純度コロイダルシリカ、セリア被覆アルミナ、セリア被覆チタニア、アルミナ被覆チタニア、セリア被覆ジルコニア、アルミナ被覆ジルコニア、又は任意の他のセリア被覆若しくはアルミナ被覆無機金属酸化物粒子が挙げられるが、これらに限定されない。
【0075】
金属酸化物被覆有機ポリマー粒子は、セリア被覆有機ポリマー粒子、ジルコニア被覆有機ポリマーからなる群から選択される。
【0076】
有機ポリマー粒子としては、ポリスチレン粒子、ポリウレタン粒子、ポリアクリレート粒子、又は任意の他の有機ポリマー粒子が挙げられるが、これらに限定されない。
【0077】
コロイダルシリカ粒子及び高純度コロイダルシリカ粒子は、好ましい研磨粒子である。シリカは、沈降シリカ、ヒュームドシリカ、ヒュームドシリカ、焼成シリカ、1つ以上の助剤(adjutant)でドープされたシリカ、又は任意の他のシリカ系化合物のいずれであってもよい。
【0078】
研磨剤として使用されるコロイダルシリカ粒子及び高純度コロイダルシリカ粒子はまた、そのようなシリカ粒子表面が異なる化学官能基を有し、CMPスラリー中の異なる適用pH条件で正電荷又は負電荷を有することを可能にする、化学カップリング反応を介して表面化学修飾されたシリカ粒子を含む。そのような表面化学修飾シリカ粒子の例としては、SiO2-R-NH2、-SiO-R-SO3Mが挙げられるが、これらに限定されず、式中、Rは、例えば、(CH2)n基であってもよく、nは、1~12の範囲であってもよく、Mは、例えば、ナトリウム、カリウム、又はアンモニウムであってもよい。
【0079】
代替的実施形態において、シリカは、例えば、ゾル-ゲル法、水熱法、プラズマ法、発煙法、沈殿法、及びこれらの任意の組み合わせからなる群から選択されるプロセスによって製造することができる。
【0080】
研磨剤は、概して、1つの材料又は異なる材料の組み合わせの研磨粒子、典型的には多くの研磨粒子の形態である。概して、好適な研磨粒子は、ほぼ球状であり、約10~700nm、約20~500nm、又は約30~300ナノメートル(nm)の有効直径を有するが、個々の粒径は変動し得る。強凝集又は弱凝集粒子の形態の研磨剤は、好ましくは更に処理されて、個々の研磨粒子を形成する。
【0081】
研磨粒子は、コロイド安定性の改善に役立ち得る金属不純物を除去するために、イオン交換などの好適な方法を使用して精製されてもよい。あるいは、高純度研磨粒子が使用される。
【0082】
概して、上述の研磨剤は、単独で又は互いに組み合わせて使用することができる。優れた性能を得るために、異なるサイズを有する2つ以上の研磨粒子又は異なる種類の研磨剤を組み合わせることが、有利であり得る。
【0083】
研磨剤の濃度は、0.01重量%~30重量%の範囲であり得、好ましい範囲は、約0.05重量%~約20重量%であり、より好ましい範囲は約0.01~約10重量%であり、最も好ましい範囲は、0.1重量%~2重量%である。重量%は、組成物に対するものである。
【0084】
添加剤
本発明のCMPスラリーは、イミダゾリウム系ポリ(イオン液体)である添加剤を含む。
【0085】
ポリマーイオン液体は、材料科学の様々な分野において重要な要素と考えられる。ポリ(イオン液体)は、イオン液体の固有の特性をポリマー構造の柔軟性及び特性と組み合わせて、様々な用途に対して大きな可能性がある新規の特性及び機能を提供する。
【0086】
イミダゾリウム塩は、複素環における両方の窒素原子のアルキル化を介したイミダゾール環からの誘導体である。イミダゾールは、リガンドとして金属に結合し、また他の好適な結合パートナーと水素結合を形成する強い能力を有するが、イミダゾリウム塩は、それらの金属結合挙動を失っており、Riduan,S.N.;Zhang,Y.Imidazolium salts and their polymeric materials for biological applications.Chemical Society Reviews 2013,42(23),9055によって記載されるようにはるかに弱い水素結合の能力を示す。
【0087】
イミダゾリウム塩は、イオン液体の一種であり、高い化学的及び熱的安定性を有する。加えて、イミダゾリウム基は、ビニル型だけでなく、多くの他のポリマー主鎖に導入することができる。これらの特性により、ポリイミダゾリウム化合物は、CMP用途において前述したポリビニルイミダゾールと区別される。
【0088】
エロージョン及びディッシングに影響を及ぼすための重要な要素は、ポリマー添加剤と異なって帯電した表面との静電相互作用である。1-ビニルイミダゾール又はイミダゾリウム化合物に基づくポリマーは、対応するカチオンに対するそれらのpH依存性において明確に区別することができる。pKa値を使用して、イミダゾリウムカチオン又はイミダゾールカチオンの酸性の性質を明らかにすることができる。ビニルイミダゾールモノマーのpKa値は6.79として与えられている一方、ポリビニルイミダゾールのpKaは3.6~4.9の範囲の値を有する。Journal of Materials Research 2009,24(5),1700。
【0089】
一方、DMSO又は水中の単純な1,3-ジアルキルイミダゾリウムカチオンのpKa値を測定したところ、21~24の範囲であった。Molecules 2009,14(9),3780。これらの数が部分的にのみ比較可能であり、いくつかの要因に依存するという事実にもかかわらず、ポリイミダゾールとポリイミダゾリウム系ポリマーとの間の全般的な差異は明らかになるべきものであり、イミダゾリウム基の性質は、はるかに広いpH範囲にわたってCMPにおいてこれらの添加剤を使用することを可能にする。言い換えれば、ポリイミダゾリウム系化合物は、それらの親ポリイミダゾール材料よりもはるかに広いpH範囲で静電的に相互作用する。タングステンCMPが典型的に実施される酸性条件下であっても、ポリビニルイミダゾールのイオン化の程度は、ポリマーネットワーク中のイミダゾール基のアクセス性に依存して、完全ではないことが多い。The Journal of Physical Chemistry B 2008,112(33),10123。ポリイミダゾリウムポリマーは、すでにカチオンを有しており、CMP用途における不完全なイオン化挙動によって影響を受けない。
【0090】
原理的に、イミダゾリウム基がどのポリマー主鎖に結合しているか、又はどのタイプの重合反応が使用されるかは、作用様式にとって重要ではない。加えて、ランダムに又はブロック様に結合したコポリマーは、それらが主鎖、側鎖、又は主鎖及び側鎖の両方にイミダゾリウム基を有する場合、現在の解決策の一部である。
【0091】
CMPスラリー中のイミダゾリウム系ポリ(イオン液体)は、タングステン表面に付着して保護膜を形成することができると考えられる。タングステンの酸化が抑制され、それによってタングステン除去速度が低下し、それにより、過剰研磨、すなわちディッシング又はエロージョンが防止される。
【0092】
更に、本発明は、可逆的付加開裂連鎖移動重合(RAFT)などのいくつかの制御されたラジカル重合技術を包含し、これらは関連特許文献に網羅されていない。そのような制御されたプロセスを使用することによって、最適化された分子量及び多分散性を有する材料の特定の設計が可能であり、これは、CMP用途における他の記載されたポリマーとは明確に区別される特徴である。
【0093】
イミダゾリウム系ポリ(イオン液体)は、上述したように、主鎖(主鎖イミダゾリウムポリマー)若しくは側鎖(側鎖イミダゾリウムポリマー)のいずれか、又は主鎖及び側鎖の両方にイミダゾリウム基を有するカチオン性ポリマーである。
【0094】
上述の巨大分子は、タングステン表面と相互作用し、金属の除去を阻害することが見出され、全体的なトポグラフィ制御、特にディッシング及びエロージョンを低減するための有望な候補となった。
【0095】
イミダゾリウム系ポリ(イオン液体)の例としては、ポリ(ビニルベンジル1-ブチル-1H-イミダゾール-3-イウム)クロリド、ポリ(ビニル3-エチル-1H-イミダゾール-3-イウム)ブロミド、ポリ(ビニルベンジル1-ブチル-1H-イミダゾール-3-イウム-コ-アクリルアミド)クロリド、ポリ(ビニルベンジル1-ブチル-1H-イミダゾール-3-イウム-コ-アクリロモルホリン)クロリド、ポリ(ビニル3-エチル-1H-イミダゾール-3-イウム-コ-N-ビニルピロリドン)ブロミド、ポリ(ビニルベンジル1-ブチル-1H-イミダゾール-3-イウム-コ-N-メチルマレイミド)クロリド、ポリ3-ブチル-1H-イミダゾール-3-イウムアセテート、及びポリ3-(2,2’-(エタン-1,2-ジイルビス(オキシ))ビス(エタン)-1H-イミダゾール-3-イウムアセテートが挙げられるが、これらに限定されない。
【0096】
合成イミダゾリウム系カチオン性ポリマーの例は、以下のとおりである:
(1)ポリ(ビニルベンゼン1-ブチル-1H-イミダゾール-3-イウム)クロリド:
【化3】
式中、nが、5~2000、10~1000又は20~500であるもの、
(2)ポリ(ビニル3-エチル-1H-イミダゾール-3-イウム)ブロミド:
【化4】
式中、nが、5~2000、10~1000又は20~500であるもの、
(3)ポリ(ビニルベンジル1-ブチル-1H-イミダゾール-3-イウム-コ-アクリルアミド)クロリド:
【化5】
式中、n、mが、各々独立して、5~2000、10~1000又は20~500であるもの、
(4)ポリ(ビニルベンジル1-ブチル-1H-イミダゾール-3-イウム-コ-アクリロモルホリン)クロリド:
【化6】
式中、n、mが、各々独立して、5~2000、10~1000又は20~500であるもの、
(5)ポリ(ビニル3-エチル-1H-イミダゾール-3-イウム-コ-N-ビニルピロリドン)ブロミド:
【化7】
式中、n、mが、各々独立して、5~2000、10~1000又は20~500であるもの、
(6)ポリ(ビニルベンジル1-ブチル-1H-イミダゾール-3-イウム-コ-N-メチルマレイミド)クロリド:
【化8】
式中、n、mが、各々独立して、5~1000、10~750又は20~500であるもの、
(7)ポリ3-ブチル-1H-イミダゾール-3-イウムアセテート:
【化9】
式中、nが、5~1000、10~500又は20~250であるもの、
(8)ポリ3-(2,2’-(エタン-1,2-ジイルビス(オキシ))ビス(エタン)-1H-イミダゾール-3-イウムアセテート:
【化10】
式中、nが、5~1000、10~500又は20~250であるもの、
(9)ポリ(ビニル3-ブチル-1H-イミダゾール-3-イウム)ブロミド:
【化11】
式中、nが、5~2000、10~1000又は20~500であるもの、
(10)ポリ(ビニルベンジル-1-エチル-1H-イミダゾール-3-イウム)クロリド:
【化12】
式中、nが、5~2000、10~1000又は20~500であるもの、
(11)ポリ(ビニル3-エチル-1H-イミダゾール-3-イウム-コ-ビニル3,3’-ブタン-1H-イミダゾール-3-イウム)ブロミド:
【化13】
式中、nが、5~2000、10~1000又は20~500であり、mが、1~100又は1~25であるもの、
(12)ポリ(ビニルベンジル-1-エチル-1H-イミダゾール-3-イウム-コ-ビニル-3-エチル-1H-イミダゾール-3-イウム)ブロミドクロリド:
【化14】
式中、n、mが、各々独立して、5~2000、10~1000又は20~500であるもの、
(13)ポリ(1-エチル-3-プロピル-1H-イミダゾール-3-イウムアクリレート)ブロミド
【化15】
式中、nが、5~2000、10~1000又は20~500であるもの、
(14)ポリ(ビニル3-イソプロピル-1H-イミダゾール-3-イウム)ブロミド
【化16】
式中、nが、5~2000、10~1000又は20~500であるもの、
(15)ポリ(ビニル3-イソプロピル-1H-イミダゾール-3-イウム-コ-N-ビニルピロリドン)ブロミド
【化17】
式中、n、mが、各々独立して、5~2000、10~1000又は20~500であるもの、
(16)ポリ(ビニル3-ブチル-1H-イミダゾール-3-イウム-コ-N-ビニルピロリドン)ブロミド
【化18】
式中、n、mが、各々独立して、5~2000、10~1000又は20~500であるもの、
(17)ポリ(ビニル3-エチル-1H-イミダゾール-3-イウム)アセテート
【化19】
式中、nが、5~2000、10~1000又は20~500であるもの、
(18)ポリ(ビニル3-エチル-1H-イミダゾール-3-イウム)マロネート
【化20】
式中、nが、5~2000、10~1000又は20~500であるもの、
(19)ポリ(ビニル3-エチル-1H-イミダゾール-3-イウム)ニトレート
【化21】
式中、nが、5~2000、10~1000又は20~500であるもの。
【0097】
添加剤は、約0.00001重量%~1.0重量%、好ましくは約0.0001重量%~0.5重量%、より好ましくは0.0005重量%~0.1重量%の範囲の濃度を有する。
【0098】
酸化剤
本発明のCMPスラリーは、材料の化学エッチングのための酸化剤(oxidizing agent)又は酸化剤(oxidizer)を含む。任意の好適な酸化剤を使用することができる。
【0099】
CMPスラリーの酸化剤は、基板と接触している、基板表面上の標的物質の化学的除去を助ける、流体組成物中にある。したがって、酸化剤成分は、組成物の材料除去速度を向上又は増加させると考えられる。好ましくは、組成物中の酸化剤の量は、化学除去プロセスを補助するのに十分であるが、取扱い、環境の問題、又はコストなどの類似若しくは関連する問題を最小限に抑えるために、可能な限り少ない。
【0100】
有利なことに、本発明の一実施形態において、酸化剤は、少なくとも1つの活性化剤に曝露されると、少なくとも選択された構造上でエッチング速度を増加させるフリーラジカルを生成する成分である。以下に記載されるフリーラジカルは、ほとんどの金属を酸化し、表面を他の酸化剤からの酸化に対してより感受性にする。しかしながら、いくつかの酸化剤は、活性化剤に曝露されたときに容易にフリーラジカルを形成せず、いくつかの実施形態において、基板上に見出され得る金属の様々な組み合わせに対して適合したエッチング速度又は優先的なエッチング速度を提供する1つ以上の酸化剤を有することが有利であるため、酸化剤は、以下で議論される「フリーラジカルを生成する化合物」とは別個に列挙される。
【0101】
当該技術分野において知られているように、いくつかの酸化剤は、他の成分よりも特定の成分により適している。本発明のいくつかの実施形態において、当該技術分野で知られているように、別の金属とは対照的に1つの金属に対するCMPシステムの選択性が最大化される。しかしながら、本発明の特定の実施形態において、酸化剤の組み合わせは、導体及びバリアの組み合わせに対して実質的に同様のCMP速度(単なるエッチング速度とは異なり)を提供するように選択される。
【0102】
一実施形態において、酸化剤は、無機又は有機過化合物である。
【0103】
過化合物は、全般的に、過塩素酸などの最も高い酸化状態にある元素を含有する化合物、又は過酢酸及び過クロム酸などの少なくとも1つのパーオキシ基(-O-O-)を含有する化合物として定義される。
【0104】
少なくとも1つのパーオキシ基を含有する好適な過化合物としては、過酢酸又はその塩、過炭酸塩、及び有機過酸化物、例えば、過酸化ベンゾイル、過酸化尿素、及び/又は過酸化ジ-t-ブチルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0105】
少なくとも1つのパーオキシ基を含有する好適な過化合物としては、過酸化物が挙げられる。本明細書で使用される場合、「過酸化物」という用語は、R-O-O-R’を包含し、式中、R及びR’は、各々独立して、H、C1~C6直鎖若しくは分岐アルキル、アルカノール、カルボン酸、ケトン(例えば)、又はアミンであり、上記の各々は、独立して、それ自体がOH又はC1-C5アルキルで置換されていてもよい1つ以上のベンジル基(例えば過酸化ベンゾイル)、並びにそれらの塩及び付加物で置換されていてもよい。したがって、この用語は、過酸化水素、パーオキシギ酸、過酢酸、プロパンパーオキソ酸、置換又は非置換ブタンパーオキソ酸、ヒドロパーオキシ-アセトアルデヒドなどの一般的な例を含み、過酸化物、例えば過酸化尿素の一般的な複合体もこの用語に包含される。
【0106】
少なくとも1つのパーオキシ基を含有する好適な過化合物としては、過硫酸塩が挙げられる。本明細書で使用される場合、「過硫酸塩」という用語は、一過硫酸塩、二過硫酸塩、並びにその酸及び塩及び付加物を包含する。例えば、パーオキシ二硫酸塩、パーオキシ一硫酸及び/又はパーオキシ一硫酸塩、カロ-酸(Caro’s acid)が挙げられ、例えば、パーオキシ一硫酸カリウムなどの塩が挙げられるが、好ましくはパーオキシ一硫酸アンモニウムなどの非金属塩である。
【0107】
少なくとも1つのパーオキシ基を含有する好適な過化合物としては、上記のように定義された、パーオキシジホスフェートを含むパーホスフェートが挙げられる。
【0108】
また、オゾンは、単独で、又は1つ以上の他の好適な酸化剤と組み合わせて、好適な酸化剤である。
【0109】
パーオキシ基を含有しない好適な過化合物としては、過ヨウ素酸及び/又は任意の過ヨウ素酸塩(以下「過ヨウ素酸塩」)、過塩素酸及び/又は任意の過塩素酸塩(以下「過塩素酸塩」)、過臭素酸及び/又は任意の過臭素酸塩(以下「過臭素酸塩」)、並びに過ホウ酸及び/又は任意の過ホウ酸塩(以下「過臭素酸塩」)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0110】
他の酸化剤も、本発明の組成物の好適な成分である。ヨウ素酸塩は有用な酸化剤である。
【0111】
2つ以上の酸化剤を組み合わせて、相乗的な性能利益を得ることもできる。
【0112】
本発明のほとんどの実施形態において、酸化剤は、過酸化水素、過酸化尿素、パーオキシギ酸、過酢酸、プロパンパーオキソ酸、置換又は非置換ブタンパーオキソ酸、ヒドロパーオキシアセトアルデヒド、過ヨウ素酸カリウム、パーオキシ一硫酸アンモニウムからなる群から選択されるパーオキシ化合物、及び亜硝酸第二鉄、KClO4、KBrO4、KMnO4からなる群から選択される非パーオキシ化合物からなる群から選択される。
【0113】
いくつかの実施形態において、好ましい酸化剤は、過酸化水素である。
【0114】
酸化剤濃度は、約0.01重量%~30重量%の範囲であり得るが、酸化剤の好ましい濃度は、約0.1重量%~20重量%であり、酸化剤のより好ましい濃度は、約0.5重量%~約10重量%である。重量%は、組成物に対するものである。
【0115】
活性化剤
活性化剤又は触媒は、酸化剤と相互作用する、流体中に存在する少なくとも1つのフリーラジカル生成化合物によるフリーラジカルの形成を促進する材料である。
【0116】
活性化剤は、金属含有化合物、特に、過酸化水素などの酸化剤の存在下でフェントン反応プロセスを活性化することが知られている金属からなる群から選択される金属であってもよい。
【0117】
活性化剤は、非金属含有化合物であってもよい。ヨウ素は、例えば過酸化水素とともにフリーラジカルを形成するのに有用である。
【0118】
活性化剤が金属イオン又は金属含有化合物である場合、活性化剤は、流体と接触する固体の表面に結合した薄層中に存在する。活性化剤が非金属含有物質である場合、活性化剤は、流体中に溶解することができる。活性化剤は、所望の反応を促進するのに十分な量で存在することが好ましい。
【0119】
活性化剤としては、(1)表面に遷移金属が被覆された無機酸化物粒子であって、遷移金属が、鉄、銅、マンガン、コバルト、セリウム、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、無機酸化物粒子、(2)シュウ酸鉄(III)アンモニウム三水和物、三塩基性クエン酸鉄(III)一水和物、鉄(III)アセチルアセトネート及びエチレンジアミン四酢酸、鉄(III)ナトリウム塩水和物、Ag、Co、Cr、Cu、Fe、Mo、Mn、Nb、Ni、Os、Pd、Ru、Sn、Ti、Vからなる群から選択される複数の酸化状態を有する金属化合物並びにこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない可溶性触媒、が挙げられるが、これらに限定されない。
【0120】
スラリー中の活性化剤の量は、約0.00001重量%~5重量%、好ましくは約0.0001重量%~2.0重量%、より好ましくは約0.0005重量%~1.0重量%、最も好ましくは0.001重量%~0.5重量%の範囲である。
【0121】
水
研磨組成物は、水系であり、したがって水を含む。組成物において、水は、例えば、組成物の1つ以上の固体成分を溶解するため、成分のキャリアとして、研磨残渣の除去における助剤として、及び希釈剤としてなど、様々な方法で機能する。好ましくは、洗浄組成物に用いられる水は、脱イオン(DI)水である。
【0122】
ほとんどの用途について、水は、例えば、約10~約90重量%又は90重量%の水を含むと考えられる。他の好ましい実施形態は、約30~約95重量%の水を含むことができる。更に他の好ましい実施形態は、約50~約90重量%の水を含むことができる。更に他の好ましい実施形態は、他の成分の所望の重量パーセントを達成する量で水を含むことができる。
【0123】
腐食防止剤(任意選択)
本明細書に開示されるCMP組成物に使用される腐食防止剤としては、1,2,3-トリアゾール、1,2,4-トリアゾール、1,2,3-ベンゾトリアゾール、5-メチルベンゾトリアゾール、ベンゾトリアゾール、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール、4-ヒドロキシベンゾトリアゾール、3-アミノ-1,2,4-トリアゾール、4-アミノ-4H-1,2,4-トリアゾール、5アミノトリアゾール、ベンゾイミダゾールなどの窒素環状化合物、2,1,3-ベンゾチアジアゾール、トリアジンチオール、トリアジンジチオール、及びトリアジントリチオールなどのベンゾチアゾール、ピラゾール、イミダゾール、1,3,5-トリス(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌレートなどのイソシアヌレート、並びにこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。好ましい抑制剤は、1,2,4-トリアゾール、5-アミノトリアゾール及び1,3,5-トリス(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌレートである。
【0124】
本明細書に開示されるCMP組成物は、好ましくは1.0重量%未満、好ましくは0.5重量%未満、又はより好ましくは0.25重量%未満を含有する。
【0125】
ディッシング低減剤(任意選択)
CMP組成物は、サルコシネート及び関連カルボン酸化合物、炭化水素置換サルコシネート、アミノ酸、ポリエチレンオキシド(PEO)などのエチレンオキシド繰り返し単位を含有する分子を有する有機ポリマー及びコポリマー、エトキシ化界面活性剤、窒素-水素結合を含まない窒素含有複素環、スルフィド、オキサゾリジン又は1つの化合物中の官能基の混合物、アルキルアンモニウムイオンを形成する3個以上の炭素原子を有する窒素含有化合物、3個以上の炭素原子を有するアミノアルキル、少なくとも1つの窒素含有複素環又は第三級若しくは第四級窒素原子の繰り返し基を含むポリマー腐食防止剤、ポリカチオン性アミン化合物、シクロデキストリン化合物、ポリエチレンイミン化合物、グリコール酸、キトサン、糖アルコール、多糖類、アルギネート化合物、ホスホニウム化合物、スルホン酸ポリマーからなる群から選択されるディッシング低減剤(dishing reducing agent)、又はディッシング低減剤(dishing reducer)を更に含むことができる。グリシンは、好ましいディッシング低減剤である。
【0126】
ディッシング低減剤が存在する場合、ディッシング低減剤の量は、CMP組成物全体の重量当たりの重量に基づいて、約0.001重量%~2.0重量%、好ましくは0.005重量%~1.5重量%、より好ましくは0.01重量%~1.5重量%の範囲である。
【0127】
安定剤(任意選択)
組成物はまた、1つ以上の様々な任意選択の添加剤を含んでもよい。好適な任意選択の添加剤としては、安定剤が挙げられる。これらの任意選択の添加剤は、概して、沈降、凝集(粒子の沈殿、強凝集又は弱凝集などを含む)、及び分解に対する組成物の安定化を容易にする又は促進するために使用される。安定剤は、活性化剤材料を単離することによって、フリーラジカルを消滅させることによって、又は別様にフリーラジカルを形成する化合物を安定化することによって、フリーラジカルを生成する化合物を含む酸化剤の可使時間を延長するために使用することができる。
【0128】
いくつかの材料は、過酸化水素を安定化するのに有用である。金属混入に対する1つの例外は、スズなどの選択された安定化金属の存在である。本発明のいくつかの実施形態において、スズは、少量、典型的には約25ppm未満、例えば約3~約20ppmで存在することができる。同様に、亜鉛は、安定剤として使用されることが多い。本発明のいくつかの実施形態において、亜鉛は、少量、典型的には約20ppm未満、例えば約1~約20ppmで存在することができる。別の好ましい実施形態において、基板と接触する流体組成物は、複数の酸化状態を有する、スズ及び亜鉛を除く溶解金属を500ppm未満、例えば100ppm未満有する。本発明の最も好ましい商業的実施形態において、基板に接触する流体組成物は、スズ及び亜鉛を除いて、複数の酸化状態を有する9ppm未満の溶解金属、例えば、複数の酸化状態を有する2ppm未満の溶解金属を有する。本発明のいくつかの好ましい実施形態において、基板に接触する流体組成物は、スズ及び亜鉛を除いて、50ppm未満、好ましくは20ppm未満、より好ましくは10ppm未満の溶解した総金属を有する。
【0129】
溶液中の金属は概して阻止されるので、塩形態、例えば過硫酸塩で典型的に存在する非金属含有酸化剤は、酸形態及び/又はアンモニウム塩形態、例えば過硫酸アンモニウムであることが好ましい。
【0130】
他の安定剤としては、フリーラジカルクエンチャーが挙げられる。上述したように、これらは生成されたフリーラジカルの有用性を損なう。したがって、安定剤が存在する場合、少量で存在することが好ましい。ほとんどの抗酸化剤、すなわちビタミンB、ビタミンC、クエン酸などは、フリーラジカルクエンチャーである。ほとんどの有機酸はフリーラジカルクエンチャーであるが、有効であり他の有益な安定化特性を有する3つは、ホスホン酸、結合剤シュウ酸、及び非ラジカル捕捉性金属イオン封鎖剤没食子酸である。
【0131】
加えて、炭酸塩及びリン酸塩は活性化剤に結合し、流体のアクセスを妨げると考えられる。炭酸塩は、スラリーを安定化させるために使用することができるので、特に有用であるが、少量の酸は安定化イオンを迅速に除去することがある。吸収された活性化剤に有用な安定剤は、シリカ粒子上に膜を形成する膜形成剤であってもよい。
【0132】
好適な安定剤としては、アジピン酸、フタル酸、クエン酸、マロン酸、オルトフタル酸、及びリン酸、置換又は非置換ホスホン酸、すなわち、ホスホネート化合物、ニトリルなどの有機酸、並びに他のリガンド、例えば、活性化剤材料に結合し、それにより酸化剤を分解する反応を低減するもの、並びに前述の薬剤の任意の組み合わせが挙げられる。本明細書で使用される場合、酸安定剤(acid stabilizing agent)は、酸安定剤(acid stabilizer)及びその共役塩基の両方を指す。すなわち、様々な酸安定剤はまた、それらの共役形態で使用され得る。例として、本明細書において、上述の酸安定剤について、アジピン酸安定剤はアジピン酸及び/又はその共役塩基を包含し、カルボン酸安定剤はカルボン酸及び/又はその共役塩基、カルボキシレートなどを包含する。単独で又は1つ以上の他の安定剤と組み合わせて使用される好適な安定剤は、CMPスラリーに混合されたときに過酸化水素などの酸化剤が分解する速度を低下させる。
【0133】
一方、組成物中に安定剤が存在すると、活性化剤の有効性が損なわれる可能性がある。この量は、CMPシステムの有効性に対する悪影響が最も少ない状態で、必要な安定性に適合するように調整されるべきである。概して、これらの任意選択の添加剤はいずれも、組成物を実質的に安定化するのに十分な量で存在すべきである。必要な量は、選択される特定の添加剤及びCMP組成物の特定の構成、例えば研磨成分の表面の性質に依存して変化する。使用される添加剤が少なすぎる場合、添加剤は組成物の安定性にほとんど又は全く影響を及ぼさない。一方、使用される添加剤が多すぎる場合、添加剤は、組成物中の望ましくない泡及び/又は凝集剤の形成の一因となり得る。
【0134】
概ね、これらの安定剤の好適な量は、組成物に対して約0.0001~5重量%、好ましくは約0.0005~2重量%、より好ましくは約0.001~約1重量%の範囲である。安定剤は、組成物に直接添加されてもよく、又は組成物の研磨成分の表面に適用されてもよい。
【0135】
pH調整剤(任意選択)
本明細書に開示される組成物は、pH調整剤を含む。pH調整剤は、典型的には、研磨組成物のpHを上昇又は低下させるために、本明細書に開示される組成物において使用される。pH調整剤は、必要に応じて、研磨組成物の安定性を改善するため、研磨組成物のイオン強度を調整するため、並びに取扱い及び使用における安全性を改善するために使用することができる。
【0136】
研磨組成物のpHを低下させるのに好適なpH調整剤としては、硝酸、硫酸、酒石酸、コハク酸、クエン酸、リンゴ酸、マロン酸、様々な脂肪酸、様々なポリカルボン酸、及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。研磨組成物のpHを上昇させるのに好適なpH調整剤としては、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、アンモニア、水酸化テトラエチルアンモニウム、エチレンジアミン、ピペラジン、ポリエチレンイミン、修飾ポリエチレンイミン、及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0137】
使用される場合、pH調整剤の量は、好ましくは、研磨組成物の総重量に対して約0.01重量%~約5.0重量%の範囲である。好ましい範囲は、約0.01重量%~約1重量%又は約0.05重量%~約0.15重量%である。
【0138】
スラリーのpHは、1~14であり、好ましくは1~7であり、より好ましくは1~6であり、最も好ましくは1~4である。
【0139】
界面活性剤(任意選択)
本明細書に開示される組成物は、任意選択で界面活性剤を含み、界面活性剤は、部分的に、研磨中及び研磨後にウエハ表面を保護してウエハ表面の欠陥を低減するのを助ける。界面活性剤を使用して、low-K絶縁膜などの研磨に使用される膜のいくつかの除去速度を制御することもできる。好適な界面活性剤としては、非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0140】
非イオン性界面活性剤は、長鎖アルコール、エトキシ化アルコール、エトキシ化アセチレンジオール界面活性剤、ポリエチレングリコールアルキルエーテル、プロピレングリコールアルキルエーテル、グルコシドアルキルエーテル、ポリエチレングリコールオクチルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールアルキルフェニルエーテル、グリセロールアルキルエステル、ポリオキシエチレングリコールソルビトンアルキルエステル、ソルビトンアルキルエステル、コカミドモノエタノールアミン、コカミドジエタノールアミンドデシルジメチルアミンオキシド、ポリエチレングリコールとポリプロピレングリコールのブロックコポリマー、ポリエトキシ化タローアミン、フルオロ界面活性剤を含むがこれらに限定されない化学タイプの範囲から選択することができる。
【0141】
界面活性剤の分子量は、数百から百万を超える範囲であってよい。これらの材料の粘度も非常に広い分布を有する。
【0142】
アニオン性界面活性剤としては、アルキルカルボキシレート、アルキルポリアクリル酸塩、アルキルスルフェート、アルキルホスフェート、アルキルビカルボキシレート、アルキルビスルフェート、アルキルビホスフェート、例えばアルコキシカルボキシレート、アルコキシスルフェート、アルコキシホスフェート、アルコキシビカルボキシレート、アルコキシビスルフェート、アルコキシビホスフェート、例えば置換アリールカルボキシレート、置換アリールスルフェート、置換アリールホスフェート、置換アリールビカルボキシレート、置換アリールビスルフェート、及び置換アリールビホスフェートなどが挙げられるが、これらに限定されない。この種の界面活性剤の対イオンとしては、カリウムイオン、アンモニウムイオン、及び他の陽イオンが挙げられるが、これらに限定されない。これらのアニオン性表面湿潤剤の分子量は、数百から数十万の範囲である。
【0143】
カチオン性界面活性剤は、分子骨格の主要部分に正の正味電荷を有する。カチオン性界面活性剤は、典型的には、アミン、四級アンモニウム、ベンザルコニウム、及びアルキルピリジニウムイオンなどの、疎水性鎖及びカチオン性電荷中心を含む分子のハライドである。
【0144】
別の態様において、界面活性剤は、主分子鎖上に正(カチオン性)及び負(アニオン性)の両方の電荷を有し、それらの対応する対イオンを有する、両性界面活性剤であってもよい。カチオン性部分は、一級、二級若しくは三級アミン又は四級アンモニウムカチオンに基づく。アニオン性部分は、より可変であり得、スルタインCHAPS(3-[(3-コラミドプロピル)ジメチルアンモニオ]-1-プロパンスルホネート)及びコカミドプロピルヒドロキシスルタインにおけるように、スルホネートを含み得る。コカミドプロピルベタインなどのベタインは、アンモニウムと共にカルボキシレートを有する。両性界面活性剤のいくつかは、リン脂質ホスファチジルセリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルコリン、及びスフィンゴミエリンなどのアミン又はアンモニウムと共にホスフェートアニオンを有し得る。
【0145】
界面活性剤の例としては、ドデシル硫酸ナトリウム塩、ラウリル硫酸ナトリウム、ドデシル硫酸アンモニウム塩、二級アルカンスルホネート、アルコールエトキシレート、アセチレン系界面活性剤、及びこれらの任意の組み合わせも挙げられるが、これらに限定されない。好適な市販の界面活性剤の例としては、Dow Chemicalsによって製造されているTRITON(登録商標)、Tergitol(商標)、DOWFAX(商標)ファミリーの界面活性剤、並びにAir Products and Chemicalsによって製造されているSURFYNOL(商標)、DYNOL(商標)、Zetasperse(商標)、Nonidet(商標)、及びTomadol(商標)界面活性剤ファミリーの様々な界面活性剤が挙げられる。界面活性剤のうちの好適な界面活性剤としては、エチレンオキシド(EO)基及びプロピレンオキシド(PO)基を含むポリマーも挙げることができる。EO-POポリマーの例は、BASF Chemicals製のTetronic(商標)90R4である。
【0146】
使用される場合、界面活性剤の量は、典型的には、バリアCMP組成物の総重量に対して0.0001重量%~約1.0重量%の範囲である。使用される場合、好ましい範囲は、約0.010重量%~約0.1重量%である。
【0147】
キレート剤(任意選択)
キレート剤は、金属カチオンに対するキレートリガンドの親和性を増強するために、本明細書に開示される組成物において任意選択で使用されてもよい。キレート剤はまた、パッド汚れ及び除去速度の不安定性を引き起こすパッド上の金属イオンの蓄積を防止するために使用され得る。好適なキレート剤としては、例えば、エチレンジアミンなどのアミン化合物、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ニトリロ三酢酸(NTA)などのアミノポリカルボン酸、ベンゼンスルホン酸、4-トリルスルホン酸、2,4-ジアミノ-ベンゾスルホン酸などの芳香族酸、イタコン酸、リンゴ酸、マロン酸、酒石酸、クエン酸、シュウ酸、グルコン酸、乳酸、マンデル酸、又はそれらの塩などの非芳香族有機酸、様々なアミノ酸及びそれらの誘導体、例えばグリシン、セリン、プロリン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、トレオニン、トリプトファン、バリン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン酸、グルタミン、オルニチン、セレノシステイン、チロシン、サルコシン、ビシン、トリシン、アセグルタミド、N-アセチルアスパラギン酸、アセチルカルニチン、アセチルシステイン、N-アセチルグルタミン酸、アセチルロイシン、アシビシン、S-アデノシル-L-ホモシステイン、アガリチン、アラノシン、アミノ馬尿酸、L-アルギニンエチルエステル、アスパルターム、アスパルチルグルコサミン、ベンジルメルカプト尿酸、ビオサイチン、ブリバニブアラニン酸、カルボシステイン、N(6)-カルボキシメチルリジン、カルグルミン酸、シラスタチン、シチオロン、コプリン、ジブロモチロシン、ジヒドロキシフェニルグリシン、エフロルニチン、フェンクロニン、4-フルオロ-L-スレオニン、N-ホルミルメチオニン、γ-L-グルタミル-L-システイン、4-(γ-グルタミルアミノ)ブタン酸、グルタウリン、グリコシアミン、ハダシジン、ヘパプレシン、リシノプリル、リメサイクリン、N-メチル-D-アスパラギン酸、N-メチル-L-グルタミン酸、ミラセミド、ニトロソプロリン ノカルジシンA、ノパリン、オクトピン、オンブラブリン、オピン、オルサニル酸、オキサセプロール、ポリリジン、レマセミド、サリチル酸、シルクアミノ酸、スタンパイジン、タブトキシン、テトラゾリルグリシン、チオルファン、チメクタシン、チオプロニン、トリプトファントリプトフィルキノン、バラシクロビル、バルガンシクロビル、ホスホン酸及びその誘導体、例えば、オクチルホスホン酸、アミノベンジルホスホン酸など、並びにこれらの組み合わせ及びこれらの塩が挙げられるが、これらに限定されない。
【0148】
例えば、銅カチオン及びタンタルカチオンを化学的に結合させて、酸化銅及び酸化タンタルの溶解を促進し、銅線、ビア、又はトレンチ及びバリア層、又はバリア膜の望ましい除去速度を得る必要がある場合には、キレート剤を使用してもよい。
【0149】
使用される場合、キレート剤の量は、好ましくは、組成物の総重量に対して約0.01重量%~約3.0重量%、より好ましくは約0.4重量%~約1.5重量%の範囲である。
【0150】
殺生物剤(任意選択)
本明細書に開示されるCMP配合物はまた、殺生物剤などの生物学的増殖を制御するための添加剤を含んでもよい。生物学的増殖を制御するための添加剤のいくつかは、米国特許第5,230,833号及び米国特許出願公開第2002/0025762号に開示されており、これらは参照により本明細書に組み込まれる。生物学的増殖阻害剤としては、テトラメチルアンモニウムクロリド、テトラエチルアンモニウムクロリド、テトラプロピルアンモニウムクロリド、アルキルベンジルジメチルアンモニウムクロリド(アルキル鎖が1~約20個の炭素原子の範囲である)、亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸ナトリウム、メチルイソチアゾリノン、メチルクロロイソチアゾリノン及びベンズイソチアゾリノンなどのイソチアゾリノン化合物が挙げられるが、これらに限定されない。市販の防腐剤のいくつかとしては、Dow Chemicals製のKATHON(商標)及びNEOLENE(商標)製品ファミリー、並びにLanxess製のPreventol(商標)ファミリーが挙げられる。
【0151】
好ましい殺生物剤は、メチルイソチアゾリノン、メチルクロロイソチアゾリノン及びベンゾイソチアゾリノンなどのイソチオジオン化合物である。
【0152】
CMP研磨組成物は、任意選択で、貯蔵中の細菌及び真菌の増殖を防止するために、0.0001重量%~0.10重量%、好ましくは0.0001重量%~0.005重量%、より好ましくは0.0002重量%~0.0025重量%の範囲の殺生物剤を含有する。
【0153】
本明細書に開示される組成物は、濃縮形態で製造され、その後、使用時にDI水で希釈されてもよい。例えば、酸化剤などの他の成分は、濃縮物の形態で取り出されてもよく、濃縮物の形態における成分間の非相溶性を最小限にするために使用時に添加されてもよい。本明細書に開示される組成物は、使用前に混合することができる2つ以上の成分で製造されてもよい。
【実施例】
【0154】
全般的な実験手順
全ての百分率は、別段の指示がない限り、重量百分率である。
【0155】
パートI合成 イミダゾリウム系ポリ(イオン液体)
本発明は、可逆的付加開裂連鎖移動重合(RAFT)などのいくつかの制御ラジカル重合技術を包含する。そのような制御されたプロセスを使用することによって、最適化された分子量及び多分散性を有する材料の特定の設計が可能であり、これは、CMP用途における他の記載されたポリマーとは明確に区別される特徴である。
【0156】
全ての試薬及び溶媒は、最も高い商用グレードのものをSigma-Aldrich(Merck)から購入し、特に明記しない限り、受領したままの状態で使用した。
【0157】
特定方法
【0158】
NMRスペクトルは、Sigma-Aldrich(Merck)製の重水素化溶媒を使用して、500MHz Bruker Avance II+スペクトル計で記録した。化学シフトはd値(ppm)として報告され、内部標準Si(OMe)4(0.00ppm)に従って較正された。
【0159】
ポリマーを、10mM酢酸ナトリウムを含有するH2O/MeOH/EtOAc(54/23/23、v/v/v)中、40℃で実行するサイズ排除クロマトグラフィー(SEC)によって分析した(流量:0.5mL/分)。PSS Novemaプレカラム及びPSS Novema MAX ultraheighカラムからなるカラムセットを備えたAgilent 1260 HPLCで測定を実施した。試料を、内部標準として0.1%エチレングリコールを含む溶離液に50℃で溶解した。ポリマーの平均モル質量は、ポリ(2-ビニルピリジン)較正曲線に基づく屈折率シグナルから導出した。
【0160】
実施例1
ポリ(ビニルベンジル1-ブチル-1H-イミダゾール-3-イウム)クロリドの合成
【化22】
式中、nは、5~2000、10~1000又は20~500である。
【0161】
【0162】
1-ブチルイミダゾール(CAS:4316-42-1、6.2g、49mmol)、4-ビニルベンジルクロリド(CAS:1592-20-7、8.4g、55mmol)及び2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェノール(CAS:128-37-0、0.8g、3.6mmol)をアセトニトリル(50mL)に溶解した。得られた溶液を60℃で48時間加熱した後、続いて真空中で濃縮した。粘性溶液をメチルtert-ブチルエーテル(MTBE、200mL)に添加した。白色固体を分離し、MTBEですすぎ、真空乾燥させて、白色固体(10.5g、収率69%)を得た。
【0163】
1H NMR(500MHz,メタノール-d4):δ=9.18(d,J=1.7Hz,1H),7.68(dt,J=18.5,2.0Hz,2H),7.55-7.50(m,2H),7.45-7.40(m,2H),6.77(dd,J=17.6,11.0Hz,1H),5.85(dd,J=17.6,0.9Hz,1H),5.44(s,2H),5.31(dd,J=11.0,0.9Hz,1H),4.26(t,J=7.3Hz,2H),1.94-1.85(m,2H),1.44-1.33(m,2H),1.00(t,J=7.4Hz,3H)ppm。
【0164】
ポリマーは、以下に示すプロセスから選択して合成した。
【0165】
実施例1-1:
【化24】
1-ブチル-3-(4-ビニルベンジル)-1H-イミダゾール-3-イウムクロリド(10.5g、38mmol)及びAIBN(CAS:78-67-1、32mg、0.19mmol)を54mLのDMF/H
2O(1:1、v/v)に溶解した。溶液をArで30分間パージし、65℃で24時間加熱した後、続いて真空中で濃縮した。粗生成物をジクロロメタン(10mL)に溶解し、THF(100mL)を添加することによって沈殿させ、真空乾燥後に白色固体を得た(9.5g、収率90.5%)。
【0166】
1H NMR(500MHz,メタノール-d4)δ:9.58-9.48(m,1H),7.75-7.60(m,2H),7.36-7.13(m,2H),6.50-6.33(m,2H),5.55-5.42(m,2H),4.29-4.26(m,2H),1.93-1.86(m,2H),1.65-1.24(m,5H),1.02-0.93(m,3H)ppm。
【0167】
SEC:Mn:35.3kDa、Mw:106kDa、PDI:3.0。
【0168】
実施例1-2:
【化25】
シュレンクフラスコに、1-ブチル-3-(4-ビニルベンジル)-1H-イミダゾール-3-イウムクロリド(10.5g、38mmol)、AIBN(CAS:78-67-1、32mg、0.19mmol)及び2-(ドデシルチオカルボノチオイルチオ)-2-メチルプロピオン酸(DDMAT、CAS:461642-78-4、0.26g、0.7mmol)を充填した。混合物をアセトニトリル/水(1:1、v/v)に溶解し、Arで30分間パージし、次いで65℃で16時間加熱した。溶液を凍結乾燥し、得られた固体をアセトニトリルで数回洗浄し、再度凍結乾燥した(7.4g、収率70.5%)。
【0169】
SEC:Mn:4.1kDa、Mw:5.6kDa、PDI:1.3。
【0170】
実施例1-3:
0.077g(0.21mmol)のDDMATを使用した以外、実施例1-1又は実施例1-2と同じ手順に従った。6.7g(64%)の白色ポリマーを得た。
【0171】
SEC:Mn:10.3kDa、Mw:17.6kDa、PDI:1.7。
【0172】
実施例1-4:
0.026g(0.07mmol)のDDMATを使用した以外、実施例1-1又は実施例1-2と同じ手順に従った。8.2g(78%)の白色ポリマーを得た。
【0173】
SEC:Mn:21.9kDa、Mw:40.3kDa、PDI:1.8。
【0174】
実施例2
ポリ(ビニル3-エチル-1H-イミダゾール-3-イウム)ブロミドの合成
【化26】
式中、nは、5~2000、10~1000又は20~500である。
【0175】
【0176】
ブロモエタン(CAS:74-96-4、45.8g、420.8mmol)をアセトニトリル(100mL)に溶解した。1-ビニルイミダゾール(CAS:1072-63-5、20g、210mmol)を室温で滴下した。次いで、反応混合物を60℃で12時間撹拌し、室温に冷却し、酢酸エチル(1.2L)に添加し、それによって白色固体が沈殿した。固体を酢酸エチルで3回洗浄し、真空乾燥させた(38g、収率89%)。
【0177】
1H NMR(500MHz,DMSO-d6)δ:9.60(t,J=1.6Hz,1H),8.23(t,J=1.9Hz,1H),7.98(t,J=1.8Hz,1H),7.32(dd,J=15.7,8.7Hz,1H),5.99(dd,J=15.7,2.4Hz,1H),5.43(dd,J=8.7,2.3Hz,1H),4.25(q,J=7.3Hz,2H),1.46(t,J=7.3Hz,3H)ppm。
【0178】
ポリマーは、以下に示すプロセスを使用して合成した。
【0179】
実施例2-1:
【化28】
3-エチル-1-ビニル-1H-イミダゾール-3-イウムブロミド(7g、34.5mmol)及びAIBN(CAS:78-67-1、23mg、0.14mmol)を40mLのDMF/H
2O(1:1、v/v)に溶解した。溶液をArで30分間パージし、65℃で24時間加熱し、室温に冷却し、酢酸エチルを添加することによって沈殿させ、真空乾燥後に白色固体を得た(6.4g、収率91%)。
【0180】
1H NMR(500MHz,DMSO-d6)δ:9.44(ブロードシグナル,1H),7.61(ブロードシグナル,2H),4.31(ブロードシグナル,3H),2.42(ブロードシグナル,2H),1.40(ブロードシグナル,3H)ppm。
【0181】
SEC:Mn:19.6kDa、Mw:96.8kDa、PDI:5.0。
【0182】
実施例2-2:
【化29】
シュレンクフラスコに、3-エチル-1-ビニル-1H-イミダゾール-3-イウムブロミド(5g、24.6mmol)、AIBN(CAS:78-67-1、5.4mg、0.03mmol)及び2-(ドデシルチオカルボノチオイルチオ)-2-メチルプロピオン酸(DDMAT、CAS:461642-78-4、36.5mg、0.1mmol)を充填した。混合物をアセトニトリル/水(30mL、1:1、v/v)に溶解し、Arで30分間パージし、次いで65℃で18時間加熱した。アセトニトリルを除去し、ジクロロメタン(10mL)を添加し、THFを添加することによってポリマーを沈殿させた。沈殿物を真空下で乾燥させ、水に溶解し、クロスフロー濾過(PES、10kDa MWCO)によって精製した。凍結乾燥後、生成物を白色固体として得た(4g、収率80%)。
【0183】
SEC:Mn:19.4kDa、Mw:32.1kDa、PDI:1.7。
【0184】
実施例2-3:
0.018g(0.05mmol)のDDMATを用いて、実施例2-2と同じ手順に従った。2.9g(58%)の白色ポリマーを得た。
【0185】
SEC:Mn:27.8kDa、Mw:47.8kDa、PDI:1.7。
【0186】
実施例3
ポリ(ビニルベンジル1-ブチル-1H-イミダゾール-3-イウム-コ-アクリルアミド)クロリドの合成
【化30】
式中、n、mは、各々独立して、5~2000、10~1000又は20~500である。
【0187】
実施例1で得られたモノマーを使用した。
【0188】
ポリマーは、以下に示すプロセスを使用して合成した。
【0189】
実施例3-1:
【化31】
シュレンクフラスコに、1-ブチル-3-(4-ビニルベンジル)-1H-イミダゾール-3-イウムクロリド(6g、21.7mmol)、アクリルアミド(CAS:79-06-1、1.56g、21.7mmol)、AIBN(CAS:78-67-1、36mg、0.217mmol)及び2-(ドデシルチオカルボノチオイルチオ)-2-メチルプロピオン酸(DDMAT、CAS:461642-78-4、0.18g、0.5mmol)を充填した。混合物をアセトニトリル/水(1:1、v/v)に溶解し、Arで30分間パージし、次いで65℃で16時間加熱した。溶液を凍結乾燥し、得られた固体をアセトニトリルで数回洗浄し、再度凍結乾燥した(5.2g、収率69%)。
【0190】
SEC:Mn:4.1kDa、Mw:5.9kDa、PDI:1.4。
【0191】
実施例3-2:
0.055g(0.15mmol)のDDMATを用いて、実施例3-1と同じ手順に従った。7.1g(94.2%)の白色ポリマーを得た。
【0192】
SEC:Mn:15.1kDa、Mw:27.4kDa、PDI:1.8。
【0193】
実施例3-3:
0.028g(0.077mmol)のDDMATを用いて、実施例3-1と同じ手順に従った。7.5g(99.5%)の白色ポリマーを得た。
【0194】
SEC:Mn:20.9kDa、Mw:43.9kDa、PDI:2.1。
【0195】
実施例4
ポリ(ビニルベンジル1-ブチル-1H-イミダゾール-3-イウム-コ-アクリロモルホリン)クロリドの合成
【化32】
式中、n、mは、各々独立して、5~2000、10~1000又は20~500である。
【0196】
実施例1で得られたモノマーを使用した。
【0197】
ポリマーは、以下に示すプロセスを使用して合成した。
【0198】
実施例4-1:
【化33】
シュレンクフラスコに、1-ブチル-3-(4-ビニルベンジル)-1H-イミダゾール-3-イウムクロリド(7g、25.3mmol)、4-アクリロイルモルホリン(CAS:5117-12-4、3.68g、25.3mmol)、AIBN(CAS:78-67-1、41.3mg、0.25mmol)及び2-(ドデシルチオカルボノチオイルチオ)-2-メチルプロピオン酸(DDMAT、CAS:461642-78-4、0.26g、0.71mmol)を充填した。混合物をアセトニトリル/水(1:1、v/v)に溶解し、Arで30分間パージし、次いで65℃で16時間加熱した。溶液を凍結乾燥し、得られた固体をアセトニトリルで数回洗浄し、再度凍結乾燥した(8.4g、収率79%)。
【0199】
SEC:Mn:6.2kDa、Mw:14.3kDa、PDI:2.3。
【0200】
実施例4-2:
0.078g(0.21mmol)のDDMATを用いて、実施例4-1と同じ手順に従った。7.3g(68.9%)の白色ポリマーを得た。
【0201】
SEC:Mn:20.5kDa、Mw:43.6kDa、PDI:2.1。
【0202】
実施例4-3:
0.039g(0.1mmol)のDDMATを用いて、実施例4-1と同じ手順に従った。8.7g(82%)の白色ポリマーを得た。
【0203】
SEC:Mn:26.7kDa、Mw:73.4kDa、PDI:2.8。
【0204】
実施例5
ポリ(ビニル3-エチル-1H-イミダゾール-3-イウム-コ-N-ビニルピロリドン)ブロミドの合成
【化34】
式中、n、mは、各々独立して、5~2000、10~1000又は20~500である。
【0205】
実施例5-1:
【化35】
3-エチル-1-ビニル-1H-イミダゾール-3-イウムブロミド(5.25g、25.8mmol)、1-ビニル-2-ピロリドン(CAS:88-12-0、0.96g、8.6mmol)及びAIBN(CAS:78-67-1、19mg、0.12mmol)を40mLのDMF/H
2O(1:1、v/v)に溶解した。溶液をArで30分間パージし、65℃で24時間加熱し、室温に冷却し、酢酸エチルを添加することによって沈殿させ、真空乾燥後に白色固体を得た(6g、収率97%)。
【0206】
1H NMR(500MHz,重水)δ:9.26-8.43(m),7.76-7.04(m),4.46-3.74(m),シグナル,2H),2.91(s),2.44(s),2.18-1.78(m),1.58-1.02(m)ppm。
【0207】
SEC:Mn:20kDa、Mw:107kDa、PDI:5.3
【0208】
実施例5-2:
4.67g(23mmol)の3-エチル-1-ビニル-1H-イミダゾール-3-イウムブロミド及び1.28g(11.5mmol)の1-ビニル-2-ピロリドン(CAS:88-12-0)を用いて、実施例5-1と同じ手順に従った。5g(84%)の白色ポリマーを得た。
【0209】
SEC:Mn:16kDa、Mw:110kDa、PDI:6.7
【0210】
実施例5-3:
4g(19.7mmol)の3-エチル-1-ビニル-1H-イミダゾール-3-イウムブロミド及び2.19g(19.7mmol)の1-ビニル-2-ピロリドン(CAS:88-12-0)を用いて、実施例5-1と同じ手順に従った。5.3g(86%)の白色ポリマーを得た。
【0211】
SEC:Mn:28kDa、Mw:144kDa、PDI:5.1
【0212】
実施例5-4:
3g(14.8mmol)の3-エチル-1-ビニル-1H-イミダゾール-3-イウムブロミド及び3.3g(29.5mmol)の1-ビニル-2-ピロリドン(CAS:88-12-0)を用いて、実施例5-1と同じ手順に従った。4.5g(71%)の白色ポリマーを得た。
【0213】
SEC:Mn:29kDa、Mw:160kDa、PDI:5.6
【0214】
実施例5-5:
2g(9.5mmol)の3-エチル-1-ビニル-1H-イミダゾール-3-イウムブロミド及び4.4g(39.4mmol)の1-ビニル-2-ピロリドン(CAS:88-12-0)を用いて、実施例5-1と同じ手順に従った。5.2g(81%)の白色ポリマーを得た。
【0215】
SEC:Mn:16kDa、Mw:192kDa、PDI:11.7
【0216】
実施例5-6:
シュレンクフラスコに、3-ブチル-1-ビニル-1H-イミダゾール-3-イウムブロミド(5g、24.6mmol)、1-ビニル-2-ピロリドン(CAS:2.74g、24.6mmol)、AIBN(CAS:78-67-1、4.2mg、0.026mmol)及び2-(ドデシルチオカルボノチオイルチオ)-2-メチルプロピオン酸(DDMAT、CAS:461642-78-4、28mg、0.077mmol)を充填した。混合物をアセトニトリル/水(60mL、1:1、v/v)に溶解し、Arで30分間パージし、次いで70℃で48時間加熱した。アセトニトリルを除去し、ジクロロメタン(10mL)を添加し、THFを添加することによってポリマーを沈殿させた。沈殿物を真空下で乾燥させ、水に溶解し、クロスフロー濾過(PES、10kDa MWCO)によって精製した。凍結乾燥後、生成物を白色固体として得た(6.7g、収率87%)。
【0217】
SEC:Mn:20.5kDa、Mw:86.4kDa、PDI:4.2。
【0218】
実施例5-7:
シュレンクフラスコに、3-ブチル-1-ビニル-1H-イミダゾール-3-イウムブロミド(5g、24.6mmol)、AIBN(CAS:78-67-1、4.2mg、0.026mmol)及び2-(ドデシルチオカルボノチオイルチオ)-2-メチルプロピオン酸(DDMAT、CAS:461642-78-4、28mg、0.077mmol)を充填した。混合物をアセトニトリル/水(60mL、1:1、v/v)に溶解し、Arで30分間パージし、次いで70℃で48時間加熱した。反応物を室温に冷却し、アセトニトリルを除去し、残渣をジクロロメタン(10mL)で処理し、THF(100mL)中に沈殿させた。沈殿物を真空下で乾燥させ、水に溶解し、クロスフロー濾過(PES、10kDa MWCO)によって精製した。得られたポリマーを約30mLの溶液に濃縮し、アセトニトリル(30mL)で処理した。1-ビニル-2ピロリドン(CAS:、2.74g、24.6mmol)及びAIBN(CAS:78-67-1、4.2mg、0.026mmol)を添加し、混合物をArで30分間パージし、次いで70℃で48時間加熱した。アセトニトリルを除去し、残渣をジクロロメタンで処理し、THF(100mL)中に沈殿させた。粗生成物をクロスフロー濾過(PES、10kDa MWCO)によって精製し、凍結乾燥して5.6g、73%)を得た。
【0219】
SEC:Mn:17.8kDa、Mw:39.7kDa、PDI:2.2。
【0220】
実施例6
ポリ(ビニルベンジル1-ブチル-1H-イミダゾール-3-イウム-コ-N-メチルマレイミド)クロリドの合成
【化36】
式中、n、mは、各々独立して、5~2000、10~1000又は20~500である。
【0221】
実施例6-1:
【化37】
1-ブチル-3-(4-ビニルベンジル)-1H-イミダゾール-3-イウムクロリド(3.8g、13.7mmol)、N-メチルマレイミド(CAS:930-88-1、1.53g、13.7mmol)及びAIBN(17.5mg、0.11mmol)を32mLのアセトニトリル/H
2O(1:1、v/v)に溶解した。溶液をArで30分間パージし、65℃で24時間加熱し、続いて真空中で濃縮した。粗生成物をジクロロメタン(10mL)に溶解し、THF(100mL)を添加することによって沈殿させ、4.8g(90%)のポリマーを白色固体として得た。
【0222】
1H NMR(500MHz,DMSO-d6)δ:8.54-7.82(m),7.47-7.38(m),7.08-6.24(m),5.99-5.30(m),4.23(s),1.22(s),0.83(s)ppm。
【0223】
SEC:Mn:37.7kDa、Mw:242kDa、PDI:6.4
【0224】
実施例7
ポリ3-ブチル-1H-イミダゾール-3-イウムアセテートの合成
【化38】
式中、nは、5~2000、10~1000又は20~500である。
【0225】
実施例7-1:
【化39】
グリオキサール(CAS:107-22-2、水中40%、4.9g、34mmol)、ホルムアルデヒド(CAS:50-00-0、水中36.5~38%、2.76g、34mmol)、酢酸(CAS:64-19-7、4.1g、68mmol)及び水(35mL)の溶液を調製し、Arで30分間パージした。1,4-ジアミノブタン(CAS:110-60-1、2.85g、32.3mmol)をゆっくり添加し、その後、反応混合物を100℃で18時間加熱する。室温に冷却した後、混合物を凍結乾燥し、粗ポリマーを、クロスフロー濾過(PES、10kDa MWCO)を用いて精製し、暗色油を得た(5.2g、追加の凍結乾燥後98%)。
【0226】
1H NMR(500MHz,DMSO-d6)δ:10.25(s),7.93(d,J=17.4Hz),4.37-4.16(m),1.81(h,J=7.8,5.9Hz),1.65(s)ppm。
【0227】
SEC:Mn:2.7kDa、Mw:8.4kDa、PDI:3.1
【0228】
実施例7-2:
2.55gの1,4-ジアミノ-ブタン(CAS:110-60-1、28.9mmol)を用いて、実施例7-1と同じ手順に従った。4.8g(79%)の暗色油を得た。
【0229】
SEC:Mn:22.1kDa、Mw:34.9kDa、PDI:1.6
【0230】
実施例8
ポリ3-(2,2’-(エタン-1,2-ジイルビス(オキシ))ビス(エタン)-1H-イミダゾール-3-イウムアセテートの合成
【化40】
式中、nは、5~2000、10~1000又は20~500である。
【0231】
実施例8-1:
【化41】
2,2’(エチレンジオキシ)-ビス(エチルアミン)(CAS:929-59-9、4.3g、28.9mmol)を用いて、実施例7-1と同じ手順に従った。5.2g(85%)の暗色油を得た。
【0232】
1H NMR(500MHz,DMSO-d6)δ:10.01(s),7.87(d,J=1.6Hz),4.42(t,J=5.0Hz),3.76(t,J=5.1Hz),3.52(d,J=4.1Hz),1.61(s)ppm。
【0233】
SEC:Mn:7.9kDa、Mw:30.0kDa、PDI:3.8
【0234】
実施例9
ポリ(ビニル3-ブチル-1H-イミダゾール-3-イウム)ブロミドの合成
【化42】
式中、nは、5~2000、10~1000又は20~500である。
【0235】
【0236】
1-ブロモブタン(CAS:109-65-9、59g、421mmol)をアセトニトリル(100mL)に溶解した。1-ビニルイミダゾール(CAS:1072-63-5、20g、210mmol)を室温で滴下した。次いで、反応混合物を60℃で12時間撹拌し、室温に冷却し、酢酸エチル(1L)に添加し、それによって油状残渣が形成された。残渣を酢酸エチルで3回洗浄し、真空乾燥させた(40.8g、収率84%)。
【0237】
1H NMR(500MHz,DMSO-d6)δ:9.81(d,J=1.7Hz,1H),8.31(t,J=1.8Hz,1H),8.03(t,J=1.8Hz,1H),7.36(dd,J=15.7,8.7Hz,1H),6.03(dd,J=15.6,2.4Hz,1H),5.41(dd,J=8.8,2.4Hz,1H),4.25(t,J=7.2Hz,2H),1.86-1.76(m,2H),1.32-1.21(m,2H),0.89(t,J=7.4Hz,3H)ppm。
【0238】
ポリマーは、以下に示すプロセスを使用して合成した。
【0239】
実施例9-1:
【化44】
3-ブチル-1-ビニル-1H-イミダゾール-3-イウムブロミド(10g、44mmol)及びAIBN(CAS:78-67-1、42.6mg、0.26mmol)を60mLのDMF/H
2O(1:1、v/v)に溶解した。溶液をArで30分間パージし、65℃で24時間加熱した。アセトニトリルを除去し、ジクロロメタン(10mL)を添加し、THFを添加することによってポリマーを沈殿させた。沈殿物を真空下で乾燥させ、水に溶解し、クロスフロー濾過(PES、10kDa MWCO)によって精製した。凍結乾燥後、生成物を白色固体として得た(8.1g、収率80%)。
【0240】
SEC:Mn:25.0kDa、Mw:52.5kDa、PDI:2.1
【0241】
実施例10
ポリ(ビニルベンジル-1-エチル-1H-イミダゾール-3-イウム)クロリドの合成
【化45】
式中、nは、5~2000、10~1000又は20~500である。
【0242】
【0243】
1-エチルイミダゾール(abcr、CAS:7098-07-9、14.5g、147mmol)、4-ビニルベンジルクロリド(CAS:1592-20-7、25g、164mmol)及び2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェノール(CAS:128-37-0、2.4g、10.7mmol)をアセトニトリル(150mL)に溶解した。得られた溶液を60℃で48時間加熱した後、続いて真空中で濃縮した。粘性溶液をメチルtert-ブチルエーテル(MTBE、200mL)に添加した。白色固体を分離し、MTBEですすぎ、真空乾燥させて、白色固体(34.5g、収率85%)を得た。
【0244】
1H NMR(500MHz,メタノール-d4):δ=9.38(d,J=1.8Hz,1H),7.77(t,J=1.8Hz,2H),7.73(t,J=1.9Hz,1H),7.51(s,4H),6.75(dd,J=17.7,10.9Hz,1H),5.83(dd,J=17.6,0.9Hz,1H),5.52(s,2H),5.29(dd,J=11.0,0.9Hz,1H),4.33(q,J=7.4Hz,2H),1.55(t,J=7.4Hz,3H)ppm。
【0245】
ポリマーは、以下に示すプロセスを使用して合成した。
【0246】
実施例10-1:
【化47】
1-エチル-3-(4-ビニルベンジル)-1H-イミダゾール-3-イウムクロリド(7g、28mmol)及びAIBN(CAS:78-67-1、46mg、0.28mmol)を40mLのアセトニトリル/H
2O(1:1、v/v)に溶解した。溶液をArで30分間パージし、65℃で24時間加熱した後、続いて真空中で濃縮した。粗生成物をジクロロメタン(10mL)に溶解し、THF(100mL)を添加することによって沈殿させ、真空乾燥後に白色固体を得た(5.9g、収率79.5%)。
【0247】
1H NMR(500MHz,メタノール-d4)δ=9.47(ブロードs),7.87-7.50(m),7.49-7.04(m),6.43(ブロードs),5.52(ブロードs),4.31(ブロードd,J=13.4Hz),1.71-1.18(m)ppm。
【0248】
SEC:Mn:26.4kDa、Mw:87.5kDa、PDI:3.3。
【0249】
実施例10-2:
【化48】
シュレンクフラスコに、1-エチル-3-(4-ビニルベンジル)-1H-イミダゾール-3-イウムクロリド(7g、28mmol)、AIBN(CAS:78-67-1、46mg、0.28mmol)及び2-(ドデシルチオカルボノチオイルチオ)-2-メチルプロピオン酸(DDMAT、CAS:461642-78-4、0.05g、0.14mmol)を充填した。混合物を40mLのアセトニトリル/水(1:1、v/v)に溶解し、Arで30分間パージし、次いで65℃で16時間加熱した。溶液を凍結乾燥し、得られた固体をアセトニトリルで数回洗浄し、再度凍結乾燥した(5.9g、収率79.5%)。
【0250】
1H NMR(500MHz,メタノール-d4)δ=9.47(ブロードs),7.80-7.50(m),7.46-7.02(m),6.72-6.28(m),5.63-5.34(m),4.31(ブロードd,J=11.1Hz),1.80-1.08(m)ppm。
【0251】
SEC:Mn:14.1kDa、Mw:25.6kDa、PDI:1.81。
【0252】
実施例11
ポリ(ビニル3-エチル-1H-イミダゾール-3-イウム-コ-ビニル3,3’-ブタン-1H-イミダゾール-3-イウム)ブロミドの合成
【化49】
式中、n、mは、各々独立して、5~2000、10~1000又は20~500である。
【0253】
二官能性モノマーを以下に示すように合成した:
【化50】
【0254】
1,4-ジブロモブタン(CAS:110-52-1、11.4g、52.6mmol)をアセトニトリル(50mL)に溶解した。1-ビニルイミダゾール(CAS:1072-63-5、10g、105mmol)を室温で滴下した。次いで、反応混合物を60℃で12時間撹拌し、室温に冷却し、酢酸エチル(1.2L)に添加し、それによって油状残渣が形成された。残渣を酢酸エチルで3回洗浄し、真空乾燥させた(40g、収率93%)。
【0255】
1H NMR(500MHz,DMSO-d6)δ:9.69(d,J=1.7Hz,2H),8.26(t,J=1.9Hz,2H),8.00(t,J=1.9Hz,2H),7.34(dd,J=15.6,8.7Hz,2H),6.00(dd,J=15.6,2.4Hz,2H),5.44(dd,J=8.8,2.4Hz,2H),4.33-4.25(m,4H),1.91-1.84(m,4H)ppm。
【0256】
ポリマーは、以下に示すプロセスを使用して合成した。
【0257】
実施例11-1:
【化51】
シュレンクフラスコに、3-エチル-1-ビニル-1H-イミダゾール-3-イウムブロミド(5g、24.6mmol)、3,3’-(ブタン-1,4-ジイル)ビス(1-ビニル-1H-イミダゾール-3-イウム)ブロミド(0.1g、0.25mmol)、AIBN(CAS:78-67-1、5.5mg、0.033mmol)及び2-(ドデシルチオカルボノチオイルチオ)-2-メチルプロピオン酸(DDMAT、CAS:461642-78-4、0.036g、0.41mmol)を充填した。混合物を30mLのアセトニトリル/水(1:1、v/v)に溶解し、Arで30分間パージし、次いで65℃で16時間加熱した。反応混合物を室温に冷却し、アセトニトリルを除去し、100mLのTHFを添加することによって沈殿させた。粗ポリマーを水に溶解し、クロスフロー濾過(PES、10kDa MWCO)によって精製し、凍結乾燥して、淡黄色固体(4.6g、90%)を得た。
【0258】
SEC:Mn:15.7kDa、Mw:36.6kDa、PDI:2.3。
【0259】
実施例12
ポリ(ビニルベンジル-1-エチル-1H-イミダゾール-3-イウム-コ-ビニル-3-エチル-1H-イミダゾール-3-イウム)ブロミドクロリドの合成
【化52】
式中、n、mは、各々独立して、5~2000、10~1000又は20~500である。
【0260】
実施例2及び実施例10で得られたモノマーを使用した。
【0261】
ポリマーは、以下に示すプロセスから合成した。
【0262】
実施例12-1:
【化53】
シュレンクフラスコに、3-エチル-1-ビニル-1H-イミダゾール-3-イウムブロミド(3g、14.8mmol)、1-エチル-3-(4-ビニルベンジル)-1H-イミダゾール-3-イウムクロリド(3.68g、14.8mmol)、AIBN(CAS:78-67-1、3.7mg、0.02mmol)及び2-(ドデシルチオカルボノチオイルチオ)-2-メチルプロピオン酸(DDMAT、CAS:461642-78-4、24.3mg、0.07mmol)を充填した。混合物を50mLのアセトニトリル/水(1:1、v/v)に溶解し、Arで30分間パージし、次いで70℃で48時間加熱した。反応混合物を室温に冷却し、アセトニトリルを除去し、残渣をジクロロメタン(10mL)で処理し、100mLのTHFを添加することによって沈殿させた。粗ポリマーをクロスフロー濾過(PES、10kDa MWCO)によって精製して、凍結乾燥後に5.2g(78%)の淡黄色固体を得た。
【0263】
SEC:Mn:19.3kDa、Mw:27.2kDa、PDI:1.4。
【0264】
実施例13
ポリ(1-エチル-3-プロピル-1H-イミダゾール-3-イウムアクリレート)ブロミドの合成
【化54】
式中、nは、5~2000、10~1000又は10~500である。
【0265】
【0266】
3-ブロモ-1-プロパノール(CAS:627-18-9、42.2g、304mmol)を345mLのジクロロメタンに溶解し、トリエチルアミン(38mL、276mmol)と混合し、0℃で塩化アクリロイル(CAS:814-68-6、25gを70mLのDCMに溶解、276mmol)を滴下して処理した。反応混合物を室温で4時間撹拌した。その後、有機層を水(3×200mL)及びブライン(1×200mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、最後に減圧下で還元して、42g(79%)の液体を得た。
1H NMR(500MHz,DMSO-d
6)δ:6.35(dd,J=17.3,1.5Hz,1H),6.18(dd,J=17.3,10.4Hz,1H),5.95(dd,J=10.4,1.5Hz,1H),4.22(q,J=6.1Hz,2H),3.59(t,J=6.6Hz,2H),2.17(p,J=6.4Hz,2H)ppm。
【化56】
【0267】
3-ブロモプロピルアクリレート(生成物工程1、9.9g、51.5mmol)をアセトニトリル(30mL)に溶解し、1-エチルイミダゾール(CAS:7098-07-9、4.9g、51.5mmol)と混合し、還流下で一晩撹拌した。混合物を室温に冷却し、500mLの酢酸エチルで処理すると、生成物が生じた。油状固体を酢酸エチル(各100mL)で2回洗浄し、水に溶解し、凍結乾燥して12.2g(82%)の油状固体を得た。
【0268】
1H NMR(500MHz,DMSO-d6)δ:9.25(s,1H),7.82(d,J=1.7Hz,2H),6.31(dd,J=17.2,1.5Hz,1H),6.12(dd,J=17.2,10.5Hz,1H),5.97(dd,J=10.4,1.6Hz,1H),4.29(t,J=6.9Hz,2H),4.22-4.13(m,4H),2.20(p,J=6.6Hz,2H),1.42(t,J=7.3Hz,3H)ppm。
【0269】
ポリマーは、以下に示すプロセスを使用して合成した。
【0270】
実施例13-1:
【化57】
3-(3-アクリロイルオキシ)プロピル)-1-エチル-1H-イミダゾール-3-イウムブロミド(3g、10.3mmol)及びAIBN(CAS:78-67-1、9.9mg、0.06mmol)をDMF(40mL)に溶解した。溶液をArで30分間パージし、65℃で24時間加熱し、室温に冷却し、クロスフロー濾過(10kDa MWCO)によって精製した。保持液を凍結乾燥して、3g(97%)の淡黄色油を得た。
【0271】
1H NMR(500MHz,DMSO-d6)δ:9.67(ブロードシグナル),8.03(ブロードシグナル),7.87(ブロードシグナル),4.39(ブロードシグナル),4.04(ブロードシグナル),2.18(ブロードシグナル),1.64(ブロードシグナル)ppm。
【0272】
SEC:Mn:4.8kDa、Mw:16.3kDa、PDI:3.4。
【0273】
実施例14(従来技術の材料)
ポリビニルイミダゾールの合成
【化58】
式中、nは、5~2000、10~1000又は20~500である。
【0274】
ポリマーは、以下に示すプロセスを使用して合成した。
【0275】
実施例14-1:
【化59】
1-ビニルイミダゾール(CAS:1072-63-5、7g、75mmol)を、AIBN(CAS:78-67-1、63mg、0.39mmol)とともにDMF(30mL)に溶解した。溶液をArで30分間パージし、65℃で48時間加熱し、室温に冷却し、THF(250mL)を添加して、生成物を沈殿させた。沈殿したポリマーを濾過し、THFで2回洗浄し、真空下で乾燥させた。収率は96%であった。
【0276】
SEC:Mn:13.7kDa、Mw:33.1kDa、PDI:2.4。
【0277】
実施例14-2:
【化60】
シュレンクフラスコに、1-ビニルイミダゾール(CAS:1072-63-5、6g、64mmol)、AIBN(CAS:78-67-1、26mg、0.16mmol)及び2-(ドデシルチオカルボノチオイルチオ)-2-メチルプロピオン酸(DDMAT、CAS:461642-78-4、0.03g、0.08mmol)を充填した。混合物を26mLの酢酸に溶解し、Arで30分間パージし、次いで70℃で48時間加熱した。溶液を室温に冷却し、アセトンを添加することによって沈殿させ、アセトンで洗浄し、真空乾燥させた(4.8g、収率80%)。
【0278】
SEC:Mn:7.1kDa、Mw:18.0kDa、PDI:2.5。
【0279】
実施例15
ポリ(ビニル3-イソプロピル-1H-イミダゾール-3-イウム)ブロミドの合成
【化61】
式中、nは、5~2000、10~1000又は20~500である。
【0280】
【0281】
2-ブロモプロパン(CAS:75-26-3、36g、289mmol)をアセトニトリル(125mL)に溶解した。1-ビニルイミダゾール(CAS:1072-63-5、25g、263mmol)を室温で滴下した。次いで、反応混合物を60℃で12時間撹拌し、室温に冷却し、酢酸エチル(1L)に添加し、それによって油状残渣が形成された。残渣を酢酸エチルで3回洗浄し、真空乾燥させた(45.6g、収率80%)。
【0282】
1H NMR(500MHz,DMSO-d6)δ:9.67(t,J=1.7Hz,1H),8.26(t,J=1.9Hz,1H),8.09(t,J=1.9Hz,1H),7.30(dd,J=15.7,8.7Hz,1H),5.43(dd,J=8.8,2.4Hz,1H),4.68(hept,J=6.7Hz,1H),1.51(d,J=6.7Hz,6H)ppm。
【0283】
ポリマーは、以下に示すプロセスを使用して合成した。
【0284】
実施例15-1:
【化63】
3-イソプロピル-1-ビニル-1H-イミダゾール-3-イウムブロミド(5g、23mmol)及びAIBN(CAS:78-67-1、27mg、0.12mmol)を40mLのDMF/H
2O(1:1、v/v)に溶解した。溶液をArで30分間パージし、65℃で24時間加熱し、室温に冷却し、酢酸エチルを添加することによって沈殿させ、真空乾燥後に白色固体を得た(4.5g、収率90%)。
【0285】
1H NMR(500MHz,DMSO-d6)δ:9.65(ブロードシグナル,1H),7.61(ブロードシグナル,2H),4.50(ブロードシグナル,2H),2.74(ブロードシグナル,2H),1.50(ブロードシグナル,6H)ppm。
【0286】
SEC:Mn:16.3kDa、Mw:56.6kDa、PDI:3.5。
【0287】
実施例16
ポリ(ビニル3-イソプロピル-1H-イミダゾール-3-イウム-コ-N-ビニルピロリドン)ブロミドの合成
【化64】
式中、n、mは、各々独立して、5~2000、10~1000又は20~500である。
【0288】
実施例16-1:
【化65】
3-イソプロピル-1-ビニル-1H-イミダゾール-3-イウムブロミド(4.9g、22.5mmol)。1-ビニル-2-ピロリドン(CAS:88-12-0、0.9g、8mmol)及びAIBN(CAS:78-67-1、18.9mg、0.12mmol)を40mLのDMF/H
2O(1:1、v/v)に溶解した。溶液をArで30分間パージし、65℃で24時間加熱し、室温に冷却し、酢酸エチルを添加することによって沈殿させ、真空乾燥後に白色固体を得た(5.0g、収率86%)。
【0289】
1H NMR(500MHz,DMSO-d6)δ:9.77-9.45(m),7.84(ブロードシグナル),4.52(ブロードシグナル),3.11(ブロードシグナル),2.91(ブロードシグナル),2.44(ブロードシグナル),1.97(ブロードシグナル),1.50(ブロードシグナル)ppm。
【0290】
SEC:Mn:24.8kDa、Mw:138.1kDa、PDI:5.6。
【0291】
実施例17
ポリ(ビニル3-ブチル-1H-イミダゾール-3-イウム-コ-N-ビニルピロリドン)ブロミドの合成
【化66】
式中、n、mは、各々独立して、5~2000、10~1000又は20~500である。
実施例17-1:
【化67】
3-ブチル-1-ビニル-1H-イミダゾール-3-イウムブロミド(6.2g、27mmol)、1-ビニル-2-ピロリドン(CAS:88-12-0、1g、9mmol)及びAIBN(CAS:78-67-1、10mg、0.06mmol)を40mLのDMF/H
2O(1:1、v/v)に溶解した。溶液をArで30分間パージし、65℃で24時間加熱し、室温に冷却し、酢酸エチルを添加することによって沈殿させ、真空乾燥後に白色固体を得た(6.6g、収率90%)。
【0292】
1H NMR(500MHz,DMSO-d6)δ:9.63(ブロードシグナル),7.79(ブロードシグナル),4.47-4.10(ブロードシグナル),3.13(ブロードシグナル),1.82(ブロードシグナル),1.31(ブロードシグナル),0.93(ブロードシグナル)ppm。
【0293】
SEC:Mn:44.4kDa、Mw:152.6kDa、PDI:3.4。
【0294】
実施例18
ポリ(ビニル3-エチル-1H-イミダゾール-3-イウム)アセテートの合成
【化68】
式中、nは、5~2000、10~1000又は20~500である。
モノマーを以下に示すように合成した:
【化69】
【0295】
3-エチル-1-ビニル-1H-イミダゾール-3-イウムブロミドの水溶液(モノマー実施例2、30gを100mLの水に溶解)を、ヒドロキシド型のアニオン交換樹脂(120g、SUPELCO Amberlite IRN-78)を充填したカラムに通した。続いて、調製した塩基性溶液を、酢酸をわずかに過剰に滴下することによって中和した。混合物を周囲温度で12時間撹拌した。次いで過剰の水を凍結乾燥により除去した。得られた生成物を、未反応の酸を除去するために酢酸エチルで洗浄し、水に再溶解し、クロスフロー濾過(10 MWCO、PES)によって更に精製し、凍結乾燥して、対応する3-エチル-1-ビニル-1H-イミダゾールアセテート(24.3g、90%)を得た。
【0296】
1H NMR(500MHz,DMSO-d6)δ:10.07(t,J=1.7Hz,1H),8.27(t,J=1.9Hz,1H),7.99(t,J=1.9Hz),7.39(dd,J=15.7,8.8Hz,1H),6.01(dd,J=15.7,2.4,1H),5.37(dd,J=8.7,2.4 1H),4.26(q,J=7.3Hz,2H),1.74(s,3H),1.44(t,J=7.3Hz,3H)ppm。
【0297】
ポリマーは、以下に示すプロセスを使用して合成した。
【0298】
実施例18-1:
【化70】
3-エチル-1-ビニル-1H-イミダゾールアセテート(7g、38.4mmol)及び2,2’-アゾビス(2-メチルプロピオンアミジン)ジヒドロクロリド(V50、CAS:2997-92-4、19mg、0.07mmol)を40mLのH
2Oに溶解した。溶液をArで10分間パージし、70℃で24時間加熱し、室温に冷却し、THFを添加することによって沈殿させ、水に溶解し、クロスフロー濾過(10 MWCO、PES)によって精製した。精製したポリマーを凍結乾燥して、5.8g(83%)の白色固体を得た。
【0299】
1H NMR(500MHz,DMSO-d6)δ:9.33(ブロードシグナル),7.55(ブロードシグナル),4.57(ブロードシグナル),3.89(ブロードシグナル),2.51(ブロードシグナル),1.66(ブロードシグナル),1.31(ブロードシグナル)ppm。
【0300】
SEC:Mn:36.0kDa、Mw:73.5kDa、PDI:2.04。
【0301】
実施例19
ポリ(ビニル3-エチル-1H-イミダゾール-3-イウム)マロネートの合成
【化71】
式中、nは、5~2000、10~1000又は20~500である。
実施例19-1:
【化72】
ブロミドポリマーの水溶液(30gを100mLの水に溶解)を、水酸化物形態のアニオン交換樹脂(SUPELCO Amberlite IRN-78)を充填したカラムに通した。続いて、調製した塩基性ポリマー溶液を、対応するカルボン酸(10%マロン酸水溶液)をわずかに過剰に滴下することによって中和した。混合物を周囲温度で12時間撹拌した。次いで過剰の水を凍結乾燥により除去した。得られた生成物を、未反応の酸を除去するために酢酸エチルで洗浄し、水に再溶解し、クロスフロー濾過によって更に精製し、凍結乾燥して、マロネート対イオンを伴う対応するポリマーを得た。
【0302】
SEC:Mn:39.8kDa、Mw:99.7kDa、PDI:2.5。
【0303】
実施例20
ポリ(ビニル3-エチル-1H-イミダゾール-3-イウム)ニトレートの合成
【化73】
式中、nは、5~2000、10~1000又は20~500である。
実施例20-1:
【化74】
ブロミドポリマーの水溶液(100mLの水に溶解した30g)を、水酸化物形態のアニオン交換樹脂(SUPELCO Amberlite IRN-78)を充填したカラムに通した。続いて、調製した塩基性ポリマー溶液を、対応するカルボン酸(10%硝酸水溶液)をわずかに過剰に滴下することによって中和した。混合物を周囲温度で12時間撹拌した。次いで過剰の水を凍結乾燥により除去した。得られた生成物を、水に再溶解し、クロスフロー濾過(10 MWCO、PES)によって精製し、再度凍結乾燥して、ニトレート対イオンを伴う対応するポリマーを得た。
【0304】
SEC:Mn:35.4kDa、Mw:91.8kDa、PDI:2.6。
【0305】
パートII CMP実験
パートIにおける合成イミダゾリウム系ポリ(イオン液体)を使用
本明細書に記載の研磨組成物及び関連する方法は、ほとんどの基板を含む多種多様な基板のCMPに有効であり、タングステン基板の研磨に特に有用である。
【0306】
以下に示す実施例では、以下に示す手順及び実験条件を用いて、CMP実験を行った。
パラメータ
Å:オングストローム-長さの単位
BP:背圧、psi単位
CMP:化学機械的平坦化=化学機械的研磨
CS:キャリア速度
DF:ダウンフォース:CMP中に加えられる圧力、単位:psi
min:分
mL:ミリリットル
mV:ミリボルト
psi:ポンド/平方インチ
PS:研磨ツールのプラテン回転速度、単位:rpm(毎分回転数)
SF:研磨組成物の流量、mL/分
TEOS:テトラエチルオルトシリケートを前駆体として用いた化学蒸着法(CVD)による酸化ケイ素膜
重量%:(列挙された成分の)重量百分率
除去速度(RR)=(研磨前の膜厚-研磨後の膜厚)/研磨時間。
除去速度及び選択性
タングステン除去速度:CMPツールの2.5psiのダウン圧力で測定されたタングステン除去速度。
TEOS除去速度:所定のダウン圧力で測定されたTEOS除去速度。CMPツールのダウン圧力は、2.5psiであった。
SiN除去速度:所定のダウン圧力で測定されたSiN除去速度。CMPツールのダウン圧力は、2.5psiであった。
【0307】
実施例で使用したCMPツールは、Applied Materials,Inc.3050 Bowers Avenue,Santa Clara,California,95054によって製造されたAMAT 200mm Mirra(登録商標)である。Dow Chemicalsによって供給されるIC1010研磨パッドを、研磨試験のためにプラテン上で使用した。
【0308】
タングステン膜、TEOS膜、SiN膜又はタングステン含有SKWパターン化構造で被覆された直径200mmのシリコンウエハを、SKW Associate,Inc.2920 Scott Blvd,Santa Clara,CA 95054から入手した。ブランケット膜の研磨時間は、1分であった。シート抵抗測定技術を使用して、タングステン除去速度を測定した。TEOSを使用して、TEOSの除去を測定した。パターン化されたウエハを、Ebara研磨機で渦電流技術に基づいて所定時間研磨した。パターン化されたウエハの研磨時間は、渦電流終点技術によって特定された終点を過ぎてから15秒であった。パターン化されたウエハを、KLA Tencor P15 Profiler(大きいフィーチャサイズ)又はAFMツール(小さいフィーチャサイズ)で分析した。
【0309】
研磨は、2.5psiのダウンフォース、111RPMのテーブル速度、113RPMのキャリア速度、及び200mL/分のスラリー流量を使用して実施した。
【0310】
研磨プロセスでは、基板(例えば、Wを有するウエハ)は、CMP研磨機の回転可能なプラテンに固定して取り付けられた研磨パッド上に下向きに配置された。このようにして、研磨され平坦化される基板を研磨パッドと直接接触させて配置した。ウエハキャリアシステム又は研磨ヘッドを使用して、定位置に基板を保持し、CMP処理中に基板の裏側に対して下向きの圧力を加え、プラテン及び基板を回転させた。研磨組成物(スラリー)は、材料の効果的な除去及び基板の平坦化のために、CMP処理中にパッド上に(通常は連続的に)適用された。
【0311】
0.01重量%の硝酸第2鉄、0.08重量%のマロン酸(安定剤)、2.0重量%の過酸化水素、0.1重量%のグリシン及び0.25重量%のFuso PL-2Cシリカ粒子を水中に含む、pHを硝酸で2.3に調整したCMPベーススラリー(添加剤なし)を調製した。ベーススラリーの性能を試験した。
【0312】
W、TEOS及びSiNの除去速度(Å/分)、及びW:TEOS及びW:SiNの除去速度選択性を表Aに示した。
【表1】
【0313】
渦電流測定を使用することによってパターンウエハ研磨終点が検出された後に、ウエハが15秒間の追加の時間又は過剰研磨(OP)時間にわたって研磨されたとき、タングステンのディッシングが、50×50ミクロンアレイ(絶縁膜線幅/スペーサーによって分離されたタングステン線幅/トレンチ(ミクロン単位))(50/50μm)、1×1ミクロン(1/1μm)、0.5×0.5ミクロン(0.5/0.5μm)、0.25×0.25ミクロン(0.25/0.25μm)、及び0.18×0.18ミクロンアレイ(0.18/0.18μm)を含む異なるアレイ上で試験された。結果を表Bに示した。
【表2】
【0314】
7/3μm、1/1μm、0.5/0.5μm、0.25/0.25μm、0.18/0.18μmアレイについて、様々な配合で20%の過剰研磨にて、エロージョンを試験した。結果を表Cに示した。
【表3】
【0315】
以下の作業実施例では、異なる添加剤を異なる量でベーススラリーに添加して、作業実施例を作製した。
【0316】
パートIの実施例1-1、実施例1-2、実施例1-3及び実施例1-4、実施例2.1、実施例3-2及び実施例3-3、並びに実施例5-1、実施例5-2、実施例5-3及び実施例5-4、実施例6-1、実施例8-1、実施例9-1、並びに実施例12-1で作製された異なるイミダゾリウム系ポリ(イオン液体)を異なる濃度でベーススラリーに添加して、作業用スラリーを得た。
【0317】
タングステン除去、エロージョン及びディッシングに対するイミダゾリウム系ポリ(イオン液体)の効果を、ベーススラリーで試験したのと同じ条件下で試験した。
【0318】
タングステン除去結果を表1に示した。最初に、様々な量のイミダゾリウム系ポリ(イオン液体)を使用して、全般的な濃度ウィンドウを特定し、次いで、これを試験に使用して、エロージョン及びディッシングに対する効果を特定した。
【表4】
【0319】
表1に示すように、少量の合成イミダゾリウム系ポリ(イオン液体)を含む作業用CMPスラリーは、高いタングステン除去速度を提供し、濃度の増加はタングステン除去に対する影響を抑制した。
【0320】
表2は、様々な量の合成イミダゾリウム系ポリ(イオン液体)を含む作業用CMPスラリーのタングステン、TEOS及びSiN除去速度をまとめたものである。
【0321】
表2に示すように、作業用CMPスラリーは、高いW:TEOS RR及びW:SiN RR選択性を有する。TEOS又はSiNの除去速度は非常に低いが、タングステンの除去速度は依然として高い。
【表5】
【0322】
渦電流測定を使用することによってパターンウエハ研磨終点が検出された後、ウエハが15秒間の追加の時間又は過剰研磨(OP)時間にわたって研磨されたとき、タングステンのディッシングが、ベーススラリー上で試験されたのと同じ条件下で、すなわち、50×50ミクロンアレイ(絶縁膜線幅/スペーサーによって分離されたタングステン線幅/トレンチ(ミクロン単位))(50/50μm)、1×1ミクロン(1/1μm)、0.5×0.5ミクロン(0.5/0.5μm)、0.25×0.25ミクロン(0.25/0.25μm)、及び0.18×0.18ミクロンアレイ(0.18/0.18μm)を含む異なるアレイ上で試験された。
【0323】
【0324】
配線のディッシングは、典型的には、より広い配線について増加する。W線ディッシングの負の値は、基本的に、W線ディッシングが見られなかった(W線の突出)ことを意味する。
【0325】
典型的なタングステンCMPプロセスでは、より広い線フィーチャ線のタングステンディッシングは、1500オングストローム[Å]未満であることが望ましい。
【0326】
ベーススラリーで試験したのと同じ条件下で:すなわち7/3μm、1/1μm、0.5/0.5μm、0.25/0.25μm、0.18/0.18μmのアレイ上で、様々な配合物について、20%の過剰研磨でのエロージョンを試験した。
【0327】
【0328】
アレイのエロージョンは、典型的には、パターン密度の増加とともに増加する。エロージョンにおける負の値は、突出を表す。基本的に、エロージョンは見られなかった。
【0329】
典型的なタングステンCMPプロセスでは、70%及び90%密度<1000オングストロームなどの高密度フィーチャにエロージョンを有することが望ましい。
【0330】
表3及び表4にそれぞれ示される結果から明らかなように、イミダゾリウム系ポリ(イオン液体)の使用は、タングステンの研磨において望ましい除去速度を維持しながら、エロージョン及びディッシングの両方を著しく低減する。
【0331】
本発明の原理を好ましい実施形態に関連させて上記で説明してきたが、この説明は例としてのみ行われており、本発明の範囲を限定するものではないことを明確に理解されたい。むしろ、好ましい例示的な実施形態の詳細な説明は、本発明の好ましい例示的な実施形態を実施することを可能にする説明を当業者に提供するものである。添付の特許請求の範囲で記載されているように、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、要素の機能及び構成に様々な変更を加えることができる。
【手続補正書】
【提出日】2024-01-18
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0331
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0331】
本発明の原理を好ましい実施形態に関連させて上記で説明してきたが、この説明は例としてのみ行われており、本発明の範囲を限定するものではないことを明確に理解されたい。むしろ、好ましい例示的な実施形態の詳細な説明は、本発明の好ましい例示的な実施形態を実施することを可能にする説明を当業者に提供するものである。添付の特許請求の範囲で記載されているように、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、要素の機能及び構成に様々な変更を加えることができる。
以下の項目[態様1]~[態様26]に本発明の実施形態の例を列記する。
[態様1]
構造(I)を有する少なくとも1つのイミダゾリウム基を有する少なくとも1種のモノマーを含むイミダゾリウム系ポリ(イオン液体)であって、
【化1】
(a)構造(I)を有する前記少なくとも1つのイミダゾリウム基が、前記イミダゾリウム系ポリ(イオン液体)の1つの側鎖又は複数の側鎖中にあり、
式中、
L
1
及びL
2
の一方が、イミダゾリウム環を前記イミダゾリウム系ポリ(イオン液体)の主鎖に接続する共有結合又はスペーサーであり、置換若しくは非置換脂肪族、環状若しくは分岐脂肪族、芳香族、ヘテロ芳香族又はシロキサン部分を含み、前記主鎖が、ビニル、アリル、スチレン、アクリル、メタクリル、アクリルアミド、メタクリルアミド、シロキサン、マレイミド、ノルボルネン、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される重合性基の重合後に形成され、
L
1
及びL
2
の他方が、直鎖、分岐、及び環状アルキル基からなる群から選択されるアルキル基であり、そのCH
2
が、ヘテロ原子が互いに結合しないようにO、S又はNによって置き換えられていてもよく、水素が、F、Cl又はCNによって置き換えられてもよく、
R
1
、R
2
、R
3
の各々が、独立して、H、又は直鎖、分岐、及び環状アルキル基からなる群から選択されるアルキル基であってもよく、そのCH
2
が、ヘテロ原子が互いに結合しないようにO、S又はNによって置き換えられていてもよく、水素が、F、Cl又はCNによって置き換えられていてもよく、R
2
及びR
3
がまた、環状単位に結合していてもよく、好ましくは、R
1
=R
2
=Hであり、
並びに
アニオンX
-
が、ハライド(F-、Cl-、Br-、I-)、BF
4
-、PF
6
-、[C
2
F
5
BF
3
]-、R=H、アルキル又はアリールのカルボキシレートRCOO-、マロネート、シトレート、フマレート、MeOSO
3
-、MeSO
3
-、CF
3
COO-、CF
3
SO
3
-、ニトレート、及びスルフェートからなる群から選択され、Meが、メチルであり、
(b)構造(I)を有する前記少なくとも1つのイミダゾリウム基が、前記イミダゾリウム系ポリ(イオン液体)の主鎖中にあり、
式中、
L
1
及びL
2
が、各々独立して、置換又は非置換脂肪族、環状又は分岐脂肪族、芳香族、ヘテロ芳香族、及びシロキサン部分を含み、そのCH
2
が、ヘテロ原子が互いに結合しないようにO、S又はNによって置き換えられていてもよく、水素が、F、Cl又はCNによって置き換えられてもよく、
L
1
、L
2
、又はL
1
及びL
2
の両方が、前記少なくとも1つのイミダゾリウム基を好適な官能基を介して前記主鎖に結合して、前記イミダゾリウム系ポリ(イオン液体)を形成することができ、前記好適な官能基が、エステル、アミド、ウレタン、エーテル、チオエーテル、イミド、及びこれらの組み合わせからなる群から選択され、
R
1
、R
2
、R
3
の各々が、独立して、H、又は直鎖、分岐、及び環状アルキル基からなる群から選択されるアルキル基であってもよく、CH
2
が、ヘテロ原子が互いに結合しないようにO、S又はNによって置き換えられていてもよく、水素が、F、Cl又はCNによって置き換えられていてもよく、R
2
及びR
3
がまた、環状単位に結合していてもよく、好ましくは、R
1
=R
2
=Hであり、
並びに
アニオンX
-
が、ハライド(F-、Cl-、Br-、I-)、BF
4
-、PF
6
-、[C
2
F
5
BF
3
]-、R=H、アルキル又はアリールのカルボキシレートRCOO-、マロネート、シトレート、フマレート、MeOSO
3
-、MeSO
3
-、CF
3
COO-、CF
3
SO
3
-、ニトレート、及びスルフェートからなる群から選択され、Meが、メチルであり、
並びに
(c)構造(I)を有する前記少なくとも1つのイミダゾリウム基が、上記(a)で定義された前記イミダゾリウム系ポリ(イオン液体)の前記1つの側鎖又は前記複数の側鎖及び上記(b)で定義された前記イミダゾリウム系ポリ(イオン液体)の前記主鎖の両方にある、
イミダゾリウム系ポリ(イオン液体)。
[態様2]
前記イミダゾリウム系ポリ(イオン液体)が、(a)のL
1
及びL
2
のための重合性基を有する架橋性モノマーを含む、態様1に記載のイミダゾリウム系ポリ(イオン液体)。
[態様3]
前記イミダゾリウム系ポリ(イオン液体)が、(a)、(b)、並びに(e)(a)のモノマー又は(b)のモノマーとコポリマーを形成することができる、アクリレート又はメタクリレート、アクリルアミド又はメタクリルアミド、マレイミド、ビニルベンゼン、ビニル型モノマー、エチレングリコール、シロキサン、ノルボルネン、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、非イオン性モノマーから選択される少なくとも2つの異なるモノマーを含むコポリマーである、態様1に記載のイミダゾリウム系ポリ(イオン液体)。
[態様4]
前記イミダゾリウム系ポリ(イオン液体)が、ブロックコポリマーである、態様1に記載のイミダゾリウム系ポリ(イオン液体)。
[態様5]
前記イミダゾリウム系ポリ(イオン液体)が、還元剤又は錯化剤として少なくとも1つの官能性アニオンを含む、態様1に記載のイミダゾリウム系ポリ(イオン液体)。
[態様6]
前記イミダゾリウム系ポリ(イオン液体)の重合が、フリーラジカル重合、可逆的付加開裂連鎖移動重合(RAFT)、ニトロキシド媒介重合(NMP)、原子移動反応重合(ATRP)、開環重合(ROMP)、重縮合反応、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、態様1に記載のイミダゾリウム系ポリ(イオン液体)。
[態様7]
前記イミダゾリウム系ポリ(イオン液体)が、ポリ(ビニルベンジル1-ブチル-1H-イミダゾール-3-イウム)クロリド、ポリ(ビニル3-エチル-1H-イミダゾール-3-イウム)ブロミド、ポリ(ビニルベンジル1-ブチル-1H-イミダゾール-3-イウム-コ-アクリルアミド)クロリド、ポリ(ビニルベンジル1-ブチル-1H-イミダゾール-3-イウム-コ-アクリロモルホリン)クロリド、ポリ(ビニル3-エチル-1H-イミダゾール-3-イウム-コ-N-ビニルピロリドン)ブロミド、ポリ(ビニルベンジル1-ブチル-1H-イミダゾール-3-イウム-コ-N-メチルマレイミド)クロリド、ポリ3-ブチル-1H-イミダゾール-3-イウムアセテート、及びポリ3-(2,2’-(エタン-1,2-ジイルビス(オキシ))ビス(エタン)-1H-イミダゾール-3-イウムアセテート、ポリ(ビニル3-ブチル-1H-イミダゾール-3-イウム)ブロミド、ポリ(ビニルベンジル-1-エチル-1H-イミダゾール-3-イウム)クロリド、ポリ(ビニル3-エチル-1H-イミダゾール-3-イウム-コ-ビニル3,3’-ブタン-1H-イミダゾール-3-イウム)ブロミド、ポリ(ビニルベンジル-1-エチル-1H-イミダゾール-3-イウム-コ-ビニル-3-エチル-1H-イミダゾール-3-イウム)ブロミドクロリド、ポリ(1-エチル-3-プロピル-1H-イミダゾール-3-イウムアクリレート)ブロミド、ポリ(ビニル3-イソプロピル-1H-イミダゾール-3-イウム)ブロミド、ポリ(ビニル3-イソプロピル-1H-イミダゾール-3-イウム-コ-N-ビニルピロリドン)ブロミド、ポリ(ビニル3-ブチル-1H-イミダゾール-3-イウム-コ-N-ビニルピロリドン)ブロミド、ポリ(ビニル3-エチル-1H-イミダゾール-3-イウム)アセテート、ポリ(ビニル3-エチル-1H-イミダゾール-3-イウム)マロネート、ポリ(ビニル3-エチル-1H-イミダゾール-3-イウム)ニトレート、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、態様1に記載のイミダゾリウム系ポリ(イオン液体)。
[態様8]
態様1~7のいずれか一つに記載のイミダゾリウム系ポリ(イオン液体)を含む添加剤と、
水と、
任意選択で
研磨剤と、
活性化剤と、
酸化剤と、
腐食防止剤と、
ディッシング低減剤と、
安定剤と、
pH調整剤と、
を含む、化学機械的平坦化組成物。
[態様9]
前記研磨剤が、無機酸化物粒子、金属酸化物被覆無機酸化物粒子、有機ポリマー粒子、金属酸化物被覆有機ポリマー粒子、及びこれらの組み合わせからなる群から選択され、
前記酸化剤が、過酸化水素、過酸化尿素、パーオキシギ酸、過酢酸、プロパンパーオキソ酸、置換又は非置換ブタンパーオキソ酸、ヒドロパーオキシアセトアルデヒド、過ヨウ素酸カリウム、パーオキシ一硫酸アンモニウムからなる群から選択されるパーオキシ化合物、及び亜硝酸第二鉄、KClO
4
、KBrO
4
、KMnO
4
からなる群から選択される非パーオキシ化合物、並びにこれらの組み合わせからなる群から選択され、
前記活性化剤が、(1)表面に遷移金属が被覆された無機酸化物粒子であって、前記遷移金属が、Fe、Cu、Mn、Co、Ce、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、無機酸化物粒子、(2)シュウ酸鉄(III)アンモニウム三水和物、三塩基性クエン酸鉄(III)一水和物、鉄(III)アセチルアセトネート及びエチレンジアミン四酢酸、鉄(III)ナトリウム塩水和物からなる群から選択される可溶性触媒、(3)Ag、Co、Cr、Cu、Fe、Mo、Mn、Nb、Ni、Os、Pd、Ru、Sn、Ti、V、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される複数の酸化状態を有する金属化合物、からなる群から選択され、
前記腐食防止剤が、1,2,3-トリアゾール、1,2,4-トリアゾール、1,2,3-ベンゾトリアゾール、5-メチルベンゾトリアゾール、ベンゾトリアゾール、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール、4-ヒドロキシベンゾトリアゾール、3-アミノ-1,2,4-トリアゾール、4-アミノ-4H-1,2,4-トリアゾール、5アミノトリアゾール、ベンゾイミダゾール、2,1,3-ベンゾチアジアゾール、トリアジンチオール、トリアジンジチオール、及びトリアジントリチオール、ピラゾール、イミダゾール、1,3,5-トリス(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌレートなどのイソシアヌレート、並びにこれらの組み合わせからなる群から選択され、
前記ディッシング低減剤が、サルコシネート及び関連カルボン酸化合物、炭化水素置換サルコシネート、アミノ酸、ポリエチレンオキシド(PEO)などのエチレンオキシド繰り返し単位を含有する分子を有する有機ポリマー及びコポリマー、エトキシ化界面活性剤、窒素-水素結合を含まない窒素含有複素環、スルフィド、オキサゾリジン又は1つの化合物中の官能基の混合物、アルキルアンモニウムイオンを形成する3個以上の炭素原子を有する窒素含有化合物、3個以上の炭素原子を有するアミノアルキル、少なくとも1つの窒素含有複素環又は第三級若しくは第四級窒素原子の繰り返し基を含むポリマー腐食防止剤、ポリカチオン性アミン化合物、シクロデキストリン化合物、ポリエチレンイミン化合物、グリコール酸、キトサン、糖アルコール、多糖類、アルギネート化合物、ホスホニウム化合物、及びスルホン酸ポリマー、並びにこれらの組み合わせからなる群から選択され、
前記安定剤が、アジピン酸、フタル酸、クエン酸、マロン酸、オルトフタル酸、リン酸、置換又は非置換ホスホン酸、ニトリル、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、
態様8に記載の化学機械的平坦化組成物。
[態様10]
前記研磨剤が、0.01重量%~30重量%、0.05重量%~20重量%、0.01重量%~10重量%、又は0.1重量%~2重量%の範囲であり、
イミダゾリウム系カチオン性ポリマーを含む前記添加剤が、0.00001重量%~1重量%、0.0001重量%~0.5重量%、又は0.0005重量%~0.1重量%の範囲であり、
前記酸化剤が、0.01重量%~30重量%、0.1重量%~20重量%、又は0.5重量%~10重量%の範囲であり、
前記活性化剤が、0.00001重量%~5.0重量%、0.0001重量%~2.0重量%、0.0005重量%~1.0重量%、又は0.001重量%~0.5重量%の範囲であり、
前記腐食防止剤が、1.0重量%未満、0.5重量%未満、又は0.25重量%未満の範囲であり、
前記ディッシング低減剤が、0.001重量%~2.0重量%、0.005重量%~1.5重量%、又は0.01重量%~1.0重量%の範囲であり、
及び
前記安定剤が、0.0001~5重量%、0.0005~2重量%、又は0.001~1重量%の範囲である、
態様8に記載の化学機械的平坦化組成物。
[態様11]
前記pH調整剤が、(a)前記pHを低下させるための硝酸、硫酸、酒石酸、コハク酸、クエン酸、リンゴ酸、マロン酸、様々な脂肪酸、様々なポリカルボン酸、及びこれらの混合物、並びに(b)前記pHを上昇させるための水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、アンモニア、水酸化テトラエチルアンモニウム、エチレンジアミン、ピペラジン、ポリエチレンイミン、修飾ポリエチレンイミン、及びこれらの混合物からなる群から選択され、前記組成物のpHが、1~14、1~7、1~6、又は1~4である、態様8に記載の化学機械的平坦化組成物。
[態様12]
前記化学機械的平坦化組成物が、
シリカ粒子、並びにポリ(ビニルベンジル1-ブチル-1H-イミダゾール-3-イウム)クロリド、ポリ(ビニル3-エチル-1H-イミダゾール-3-イウム)ブロミド、ポリ(ビニルベンジル1-ブチル-1H-イミダゾール-3-イウム-コ-アクリルアミド)クロリド、ポリ(ビニルベンジル1-ブチル-1H-イミダゾール-3-イウム-コ-アクリロモルホリン)クロリド、ポリ(ビニル3-エチル-1H-イミダゾール-3-イウム-コ-N-ビニルピロリドン)ブロミド、ポリ(ビニルベンジル1-ブチル-1H-イミダゾール-3-イウム-コ-N-メチルマレイミド)クロリド、ポリ3-ブチル-1H-イミダゾール-3-イウムアセテート、及びポリ3-(2,2’-(エタン-1,2-ジイルビス(オキシ))ビス(エタン)-1H-イミダゾール-3-イウムアセテート、ポリ(ビニル3-ブチル-1H-イミダゾール-3-イウム)ブロミド、ポリ(ビニルベンジル-1-エチル-1H-イミダゾール-3-イウム)クロリド、ポリ(ビニル3-エチル-1H-イミダゾール-3-イウム-コ-ビニル3,3’-ブタン-1H-イミダゾール-3-イウム)ブロミド、ポリ(ビニルベンジル-1-エチル-1H-イミダゾール-3-イウム-コ-ビニル-3-エチル-1H-イミダゾール-3-イウム)ブロミドクロリド、ポリ(1-エチル-3-プロピル-1H-イミダゾール-3-イウムアクリレート)ブロミド、ポリ(ビニル3-イソプロピル-1H-イミダゾール-3-イウム)ブロミド、ポリ(ビニル3-イソプロピル-1H-イミダゾール-3-イウム-コ-N-ビニルピロリドン)ブロミド、ポリ(ビニル3-ブチル-1H-イミダゾール-3-イウム-コ-N-ビニルピロリドン)ブロミド、ポリ(ビニル3-エチル-1H-イミダゾール-3-イウム)アセテート、ポリ(ビニル3-エチル-1H-イミダゾール-3-イウム)マロネート、ポリ(ビニル3-エチル-1H-イミダゾール-3-イウム)ニトレート、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される前記イミダゾリウム系ポリ(イオン液体)を含む、態様8に記載の化学機械的平坦化組成物。
[態様13]
前記化学機械的平坦化組成物が、シリカ粒子、硝酸第二鉄、マロン酸、過酸化水素、ポリ(ビニルベンジル1-ブチル-1H-イミダゾール-3-イウム)クロリド、ポリ(ビニル3-エチル-1H-イミダゾール-3-イウム)ブロミド、ポリ(ビニルベンジル1-ブチル-1H-イミダゾール-3-イウム-コ-アクリルアミド)クロリド、ポリ(ビニルベンジル1-ブチル-1H-イミダゾール-3-イウム-コ-アクリロモルホリン)クロリド、ポリ(ビニル3-エチル-1H-イミダゾール-3-イウム-コ-N-ビニルピロリドン)ブロミド、ポリ(ビニルベンジル1-ブチル-1H-イミダゾール-3-イウム-コ-N-メチルマレイミド)クロリド、ポリ3-ブチル-1H-イミダゾール-3-イウムアセテート、及びポリ3-(2,2’-(エタン-1,2-ジイルビス(オキシ))ビス(エタン)-1H-イミダゾール-3-イウムアセテート、ポリ(ビニル3-ブチル-1H-イミダゾール-3-イウム)ブロミド、ポリ(ビニルベンジル-1-エチル-1H-イミダゾール-3-イウム)クロリド、ポリ(ビニル3-エチル-1H-イミダゾール-3-イウム-コ-ビニル3,3’-ブタン-1H-イミダゾール-3-イウム)ブロミド、ポリ(ビニルベンジル-1-エチル-1H-イミダゾール-3-イウム-コ-ビニル-3-エチル-1H-イミダゾール-3-イウム)ブロミドクロリド、ポリ(1-エチル-3-プロピル-1H-イミダゾール-3-イウムアクリレート)ブロミド、ポリ(ビニル3-イソプロピル-1H-イミダゾール-3-イウム)ブロミド、ポリ(ビニル3-イソプロピル-1H-イミダゾール-3-イウム-コ-N-ビニルピロリドン)ブロミド、ポリ(ビニル3-ブチル-1H-イミダゾール-3-イウム-コ-N-ビニルピロリドン)ブロミド、ポリ(ビニル3-エチル-1H-イミダゾール-3-イウム)アセテート、ポリ(ビニル3-エチル-1H-イミダゾール-3-イウム)マロネート、ポリ(ビニル3-エチル-1H-イミダゾール-3-イウム)ニトレート、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される前記イミダゾリウム系ポリ(イオン液体)を含む、態様8に記載の化学機械的平坦化組成物。
[態様14]
タングステンを含有する少なくとも1つの表面を備える半導体基板の化学機械的平坦化のための研磨方法であって、
a)研磨パッドを提供する工程と、
b)化学機械的研磨組成物を提供する工程であって、
態様1~7のいずれか一つに記載のイミダゾリウム系ポリ(イオン液体)を含む添加剤と、
水と、任意選択で
無機酸化物粒子、金属酸化物被覆無機酸化物粒子、有機ポリマー粒子、金属酸化物被覆有機ポリマー粒子、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される研磨剤と、
活性化剤と、
酸化剤と、
腐食防止剤と、
ディッシング低減剤と、
安定剤と、
pH調整剤と、を含む、
化学機械的研磨組成物を提供する工程と、
c)タングステンを含有する前記少なくとも1つの表面を、前記化学機械的平坦化組成物で研磨する工程と、
を含む、研磨方法。
[態様15]
前記化学機械的研磨組成物において、
前記研磨剤が、0.01重量%~30重量%、0.05重量%~20重量%、0.01重量%~10重量%、又は0.1重量%~2重量%の範囲であり、
イミダゾリウム系カチオン性ポリマーを含む前記添加剤が、0.00001重量%~1重量%、0.0001重量%~0.5重量%、又は0.0005重量%~0.1重量%の範囲であり、
前記酸化剤が、0.01重量%~30重量%、0.1重量%~20重量%、又は0.5重量%~10重量%の範囲であり、
前記活性化剤が、0.00001重量%~5.0重量%、0.0001重量%~2.0重量%、0.0005重量%~1.0重量%、又は0.001重量%~0.5重量%の範囲であり、
前記腐食防止剤が、1.0重量%未満、0.5重量%未満、又は0.25重量%未満の範囲であり、
前記ディッシング低減剤が、0.001重量%~2.0重量%、0.005重量%~1.5重量%、又は0.01重量%~1.0重量%の範囲であり、
及び
前記安定剤が、0.0001~5重量%、0.0005~2重量%、又は0.001~1重量%の範囲である、
態様14に記載の研磨方法。
[態様16]
前記化学機械的研磨組成物において、
前記酸化剤が、過酸化水素、過酸化尿素、パーオキシギ酸、過酢酸、プロパンパーオキソ酸、置換又は非置換ブタンパーオキソ酸、ヒドロパーオキシアセトアルデヒド、過ヨウ素酸カリウム、パーオキシ一硫酸アンモニウムからなる群から選択されるパーオキシ化合物、及び亜硝酸第二鉄、KClO
4
、KBrO
4
、KMnO
4
からなる群から選択される非パーオキシ化合物、並びにこれらの組み合わせからなる群から選択され、
前記活性化剤が、(1)表面に遷移金属が被覆された無機酸化物粒子であって、前記遷移金属が、Fe、Cu、Mn、Co、Ce、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、無機酸化物粒子、(2)シュウ酸鉄(III)アンモニウム三水和物、三塩基性クエン酸鉄(III)一水和物、鉄(III)アセチルアセトネート及びエチレンジアミン四酢酸、鉄(III)ナトリウム塩水和物からなる群から選択される可溶性触媒、(3)Ag、Co、Cr、Cu、Fe、Mo、Mn、Nb、Ni、Os、Pd、Ru、Sn、Ti、V、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される複数の酸化状態を有する金属化合物、からなる群から選択され、
前記腐食防止剤が、1,2,3-トリアゾール、1,2,4-トリアゾール、1,2,3-ベンゾトリアゾール、5-メチルベンゾトリアゾール、ベンゾトリアゾール、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール、4-ヒドロキシベンゾトリアゾール、3-アミノ-1,2,4-トリアゾール、4-アミノ-4H-1,2,4-トリアゾール、5アミノトリアゾール、ベンゾイミダゾール、2,1,3-ベンゾチアジアゾール、トリアジンチオール、トリアジンジチオール、及びトリアジントリチオール、ピラゾール、イミダゾール、1,3,5-トリス(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌレートなどのイソシアヌレート、並びにこれらの組み合わせからなる群から選択され、
前記ディッシング低減剤が、サルコシネート及び関連カルボン酸化合物、炭化水素置換サルコシネート、アミノ酸、ポリエチレンオキシド(PEO)などのエチレンオキシド繰り返し単位を含有する分子を有する有機ポリマー及びコポリマー、エトキシ化界面活性剤、窒素-水素結合を含まない窒素含有複素環、スルフィド、オキサゾリジン又は1つの化合物中の官能基の混合物、アルキルアンモニウムイオンを形成する3個以上の炭素原子を有する窒素含有化合物、3個以上の炭素原子を有するアミノアルキル、少なくとも1つの窒素含有複素環又は第三級若しくは第四級窒素原子の繰り返し基を含むポリマー腐食防止剤、ポリカチオン性アミン化合物、シクロデキストリン化合物、ポリエチレンイミン化合物、グリコール酸、キトサン、糖アルコール、多糖類、アルギネート化合物、ホスホニウム化合物、及びスルホン酸ポリマー、並びにこれらの組み合わせからなる群から選択され、
前記安定剤が、アジピン酸、フタル酸、クエン酸、マロン酸、オルトフタル酸、リン酸、置換又は非置換ホスホン酸、ニトリル、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、
態様14に記載の研磨方法。
[態様17]
前記化学機械的研磨組成物において、
前記pH調整剤が、(a)前記pHを低下させるための硝酸、硫酸、酒石酸、コハク酸、クエン酸、リンゴ酸、マロン酸、様々な脂肪酸、様々なポリカルボン酸、及びこれらの混合物、並びに(b)前記pHを上昇させるための水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、アンモニア、水酸化テトラエチルアンモニウム、エチレンジアミン、ピペラジン、ポリエチレンイミン、修飾ポリエチレンイミン、及びこれらの混合物からなる群から選択され、前記組成物のpHが、1~14、1~7、1~6、又は1~4である、態様14に記載の研磨方法。
[態様18]
前記化学機械的平坦化組成物が、前記研磨剤、並びに
ポリ(ビニルベンジル1-ブチル-1H-イミダゾール-3-イウム)クロリド、ポリ(ビニル3-エチル-1H-イミダゾール-3-イウム)ブロミド、ポリ(ビニルベンジル1-ブチル-1H-イミダゾール-3-イウム-コ-アクリルアミド)クロリド、ポリ(ビニルベンジル1-ブチル-1H-イミダゾール-3-イウム-コ-アクリロモルホリン)クロリド、ポリ(ビニル3-エチル-1H-イミダゾール-3-イウム-コ-N-ビニルピロリドン)ブロミド、ポリ(ビニルベンジル1-ブチル-1H-イミダゾール-3-イウム-コ-N-メチルマレイミド)クロリド、ポリ3-ブチル-1H-イミダゾール-3-イウムアセテート、及びポリ3-(2,2’-(エタン-1,2-ジイルビス(オキシ))ビス(エタン)-1H-イミダゾール-3-イウムアセテート、ポリ(ビニル3-ブチル-1H-イミダゾール-3-イウム)ブロミド、ポリ(ビニルベンジル-1-エチル-1H-イミダゾール-3-イウム)クロリド、ポリ(ビニル3-エチル-1H-イミダゾール-3-イウム-コ-ビニル3,3’-ブタン-1H-イミダゾール-3-イウム)ブロミド、ポリ(ビニルベンジル-1-エチル-1H-イミダゾール-3-イウム-コ-ビニル-3-エチル-1H-イミダゾール-3-イウム)ブロミドクロリド、ポリ(1-エチル-3-プロピル-1H-イミダゾール-3-イウムアクリレート)ブロミド、ポリ(ビニル3-イソプロピル-1H-イミダゾール-3-イウム)ブロミド、ポリ(ビニル3-イソプロピル-1H-イミダゾール-3-イウム-コ-N-ビニルピロリドン)ブロミド、ポリ(ビニル3-ブチル-1H-イミダゾール-3-イウム-コ-N-ビニルピロリドン)ブロミド、ポリ(ビニル3-エチル-1H-イミダゾール-3-イウム)アセテート、ポリ(ビニル3-エチル-1H-イミダゾール-3-イウム)マロネート、ポリ(ビニル3-エチル-1H-イミダゾール-3-イウム)ニトレート、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される前記イミダゾリウム系ポリ(イオン液体)を含む、態様14に記載の研磨方法。
[態様19]
前記化学機械的平坦化組成物が、シリカ粒子、硝酸第二鉄、マロン酸、過酸化水素、ポリ(ビニルベンジル1-ブチル-1H-イミダゾール-3-イウム)クロリド、ポリ(ビニル3-エチル-1H-イミダゾール-3-イウム)ブロミド、ポリ(ビニルベンジル1-ブチル-1H-イミダゾール-3-イウム-コ-アクリルアミド)クロリド、ポリ(ビニルベンジル1-ブチル-1H-イミダゾール-3-イウム-コ-アクリロモルホリン)クロリド、ポリ(ビニル3-エチル-1H-イミダゾール-3-イウム-コ-N-ビニルピロリドン)ブロミド、ポリ(ビニルベンジル1-ブチル-1H-イミダゾール-3-イウム-コ-N-メチルマレイミド)クロリド、ポリ3-ブチル-1H-イミダゾール-3-イウムアセテート、ポリ3-(2,2’-(エタン-1,2-ジイルビス(オキシ))ビス(エタン)-1H-イミダゾール-3-イウムアセテート、ポリ(ビニル3-ブチル-1H-イミダゾール-3-イウム)ブロミド、ポリ(ビニルベンジル-1-エチル-1H-イミダゾール-3-イウム)クロリド、ポリ(ビニル3-エチル-1H-イミダゾール-3-イウム-コ-ビニル3,3’-ブタン-1H-イミダゾール-3-イウム)ブロミド、ポリ(ビニルベンジル-1-エチル-1H-イミダゾール-3-イウム-コ-ビニル-3-エチル-1H-イミダゾール-3-イウム)ブロミドクロリド、ポリ(1-エチル-3-プロピル-1H-イミダゾール-3-イウムアクリレート)ブロミド、ポリ(ビニル3-イソプロピル-1H-イミダゾール-3-イウム)ブロミド、ポリ(ビニル3-イソプロピル-1H-イミダゾール-3-イウム-コ-N-ビニルピロリドン)ブロミド、ポリ(ビニル3-ブチル-1H-イミダゾール-3-イウム-コ-N-ビニルピロリドン)ブロミド、ポリ(ビニル3-エチル-1H-イミダゾール-3-イウム)アセテート、ポリ(ビニル3-エチル-1H-イミダゾール-3-イウム)マロネート、ポリ(ビニル3-エチル-1H-イミダゾール-3-イウム)ニトレート、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される前記イミダゾリウム系ポリ(イオン液体)を含む、態様14に記載の研磨方法。
[態様20]
タングステンを含有する少なくとも1つの表面が、2000オングストローム未満又は1000オングストローム未満のディッシングトポグラフィ及び2000オングストローム未満又は1000オングストローム未満のエロージョントポグラフィを含む、態様14に記載の研磨方法。
[態様21]
タングステンを含有する少なくとも1つの表面を備える半導体基板の化学機械的平坦化のためのシステムであって、
a)研磨パッドと、
b)化学機械的研磨組成物であって、
態様1~7のいずれか一つに記載のイミダゾリウム系ポリ(イオン液体)を含む添加剤と、
水と、任意選択で
無機酸化物粒子、金属酸化物被覆無機酸化物粒子、有機ポリマー粒子、金属酸化物被覆有機ポリマー粒子、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される研磨剤と、
活性化剤と、
酸化剤と、
腐食防止剤と、
ディッシング低減剤と、
安定剤と、
pH調整剤と、
を含む、化学機械的研磨組成物を含み、
前記タングステンを含有する少なくとも1つの表面が、前記研磨パッド及び前記化学機械的平坦化組成物と接触しており、前記タングステンを含有する少なくとも1つの表面を前記化学機械的平坦化組成物で研磨する、
システム。
[態様22]
前記化学機械的研磨組成物において、
前記研磨剤が、0.01重量%~30重量%、0.05重量%~20重量%、0.01重量%~10重量%、又は0.1重量%~2重量%の範囲であり、
イミダゾリウム系カチオン性ポリマーを含む前記添加剤が、0.00001重量%~1重量%、0.0001重量%~0.5重量%、又は0.0005重量%~0.1重量%の範囲であり、
前記酸化剤が、0.01重量%~30重量%、0.1重量%~20重量%、又は0.5重量%~10重量%の範囲であり、
前記活性化剤が、0.00001重量%~5.0重量%、0.0001重量%~2.0重量%、0.0005重量%~1.0重量%、又は0.001重量%~0.5重量%の範囲であり、
前記腐食防止剤が、1.0重量%未満、0.5重量%未満、又は0.25重量%未満の範囲であり、
前記ディッシング低減剤が、0.001重量%~2.0重量%、0.005重量%~1.5重量%、又は0.01重量%~1.0重量%の範囲であり、
及び
前記安定剤が、0.0001~5重量%、0.0005~2重量%、又は0.001~1重量%の範囲である、
態様21に記載のシステム。
[態様23]
前記化学機械的研磨組成物において、
前記酸化剤が、過酸化水素、過酸化尿素、パーオキシギ酸、過酢酸、プロパンパーオキソ酸、置換又は非置換ブタンパーオキソ酸、ヒドロパーオキシアセトアルデヒド、過ヨウ素酸カリウム、パーオキシ一硫酸アンモニウムからなる群から選択されるパーオキシ化合物、及び亜硝酸第二鉄、KClO
4
、KBrO
4
、KMnO
4
からなる群から選択される非パーオキシ化合物、並びにこれらの組み合わせからなる群から選択され、
前記活性化剤が、(1)表面に遷移金属が被覆された無機酸化物粒子であって、前記遷移金属が、Fe、Cu、Mn、Co、Ce、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、無機酸化物粒子、(2)シュウ酸鉄(III)アンモニウム三水和物、三塩基性クエン酸鉄(III)一水和物、鉄(III)アセチルアセトネート及びエチレンジアミン四酢酸、鉄(III)ナトリウム塩水和物からなる群から選択される可溶性触媒、(3)Ag、Co、Cr、Cu、Fe、Mo、Mn、Nb、Ni、Os、Pd、Ru、Sn、Ti、V、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される複数の酸化状態を有する金属化合物、からなる群から選択され、
前記腐食防止剤が、1,2,3-トリアゾール、1,2,4-トリアゾール、1,2,3-ベンゾトリアゾール、5-メチルベンゾトリアゾール、ベンゾトリアゾール、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール、4-ヒドロキシベンゾトリアゾール、3-アミノ-1,2,4-トリアゾール、4-アミノ-4H-1,2,4-トリアゾール、5アミノトリアゾール、ベンゾイミダゾール、2,1,3-ベンゾチアジアゾール、トリアジンチオール、トリアジンジチオール、及びトリアジントリチオール、ピラゾール、イミダゾール、1,3,5-トリス(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌレートなどのイソシアヌレート、並びにこれらの組み合わせからなる群から選択され、
前記ディッシング低減剤が、サルコシネート及び関連カルボン酸化合物、炭化水素置換サルコシネート、アミノ酸、ポリエチレンオキシド(PEO)などのエチレンオキシド繰り返し単位を含有する分子を有する有機ポリマー及びコポリマー、エトキシ化界面活性剤、窒素-水素結合を含まない窒素含有複素環、スルフィド、オキサゾリジン又は1つの化合物中の官能基の混合物、アルキルアンモニウムイオンを形成する3個以上の炭素原子を有する窒素含有化合物、3個以上の炭素原子を有するアミノアルキル、少なくとも1つの窒素含有複素環又は第三級若しくは第四級窒素原子の繰り返し基を含むポリマー腐食防止剤、ポリカチオン性アミン化合物、シクロデキストリン化合物、ポリエチレンイミン化合物、グリコール酸、キトサン、糖アルコール、多糖類、アルギネート化合物、ホスホニウム化合物、及びスルホン酸ポリマー、並びにこれらの組み合わせからなる群から選択され、
前記安定剤が、アジピン酸、フタル酸、クエン酸、マロン酸、オルトフタル酸、リン酸、置換又は非置換ホスホン酸、ニトリル、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、
態様21に記載のシステム。
[態様24]
前記化学機械的研磨組成物において、前記pH調整剤が、(a)前記pHを低下させるための硝酸、硫酸、酒石酸、コハク酸、クエン酸、リンゴ酸、マロン酸、様々な脂肪酸、様々なポリカルボン酸、及びこれらの混合物、並びに(b)前記pHを上昇させるための水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、アンモニア、水酸化テトラエチルアンモニウム、エチレンジアミン、ピペラジン、ポリエチレンイミン、修飾ポリエチレンイミン、及びこれらの混合物からなる群から選択され、前記組成物のpHが、1~14、1~7、1~6、又は1~4である、態様21に記載のシステム。
[態様25]
前記化学機械的平坦化組成物が、
シリカ粒子、並びに
ポリ(ビニルベンジル1-ブチル-1H-イミダゾール-3-イウム)クロリド、ポリ(ビニル3-エチル-1H-イミダゾール-3-イウム)ブロミド、ポリ(ビニルベンジル1-ブチル-1H-イミダゾール-3-イウム-コ-アクリルアミド)クロリド、ポリ(ビニルベンジル1-ブチル-1H-イミダゾール-3-イウム-コ-アクリロモルホリン)クロリド、ポリ(ビニル3-エチル-1H-イミダゾール-3-イウム-コ-N-ビニルピロリドン)ブロミド、ポリ(ビニルベンジル1-ブチル-1H-イミダゾール-3-イウム-コ-N-メチルマレイミド)クロリド、ポリ3-ブチル-1H-イミダゾール-3-イウムアセテート、及びポリ3-(2,2’-(エタン-1,2-ジイルビス(オキシ))ビス(エタン)-1H-イミダゾール-3-イウムアセテート、ポリ(ビニル3-ブチル-1H-イミダゾール-3-イウム)ブロミド、ポリ(ビニルベンジル-1-エチル-1H-イミダゾール-3-イウム)クロリド、ポリ(ビニル3-エチル-1H-イミダゾール-3-イウム-コ-ビニル3,3’-ブタン-1H-イミダゾール-3-イウム)ブロミド、ポリ(ビニルベンジル-1-エチル-1H-イミダゾール-3-イウム-コ-ビニル-3-エチル-1H-イミダゾール-3-イウム)ブロミドクロリド、ポリ(1-エチル-3-プロピル-1H-イミダゾール-3-イウムアクリレート)ブロミド、ポリ(ビニル3-イソプロピル-1H-イミダゾール-3-イウム)ブロミド、ポリ(ビニル3-イソプロピル-1H-イミダゾール-3-イウム-コ-N-ビニルピロリドン)ブロミド、ポリ(ビニル3-ブチル-1H-イミダゾール-3-イウム-コ-N-ビニルピロリドン)ブロミド、ポリ(ビニル3-エチル-1H-イミダゾール-3-イウム)アセテート、ポリ(ビニル3-エチル-1H-イミダゾール-3-イウム)マロネート、ポリ(ビニル3-エチル-1H-イミダゾール-3-イウム)ニトレート、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される前記イミダゾリウム系ポリ(イオン液体)を含む、態様21に記載のシステム。
[態様26]
前記化学機械的平坦化組成物が、シリカ粒子、硝酸第二鉄、マロン酸、過酸化水素、ポリ(ビニルベンジル1-ブチル-1H-イミダゾール-3-イウム)クロリド、ポリ(ビニル3-エチル-1H-イミダゾール-3-イウム)ブロミド、ポリ(ビニルベンジル1-ブチル-1H-イミダゾール-3-イウム-コ-アクリルアミド)クロリド、ポリ(ビニルベンジル1-ブチル-1H-イミダゾール-3-イウム-コ-アクリロモルホリン)クロリド、ポリ(ビニル3-エチル-1H-イミダゾール-3-イウム-コ-N-ビニルピロリドン)ブロミド、ポリ(ビニルベンジル1-ブチル-1H-イミダゾール-3-イウム-コ-N-メチルマレイミド)クロリド、ポリ3-ブチル-1H-イミダゾール-3-イウムアセテート、ポリ3-(2,2’-(エタン-1,2-ジイルビス(オキシ))ビス(エタン)-1H-イミダゾール-3-イウムアセテート、ポリ(ビニル3-ブチル-1H-イミダゾール-3-イウム)ブロミド、ポリ(ビニルベンジル-1-エチル-1H-イミダゾール-3-イウム)クロリド、ポリ(ビニル3-エチル-1H-イミダゾール-3-イウム-コ-ビニル3,3’-ブタン-1H-イミダゾール-3-イウム)ブロミド、ポリ(ビニルベンジル-1-エチル-1H-イミダゾール-3-イウム-コ-ビニル-3-エチル-1H-イミダゾール-3-イウム)ブロミドクロリド、ポリ(1-エチル-3-プロピル-1H-イミダゾール-3-イウムアクリレート)ブロミド、ポリ(ビニル3-イソプロピル-1H-イミダゾール-3-イウム)ブロミド、ポリ(ビニル3-イソプロピル-1H-イミダゾール-3-イウム-コ-N-ビニルピロリドン)ブロミド、ポリ(ビニル3-ブチル-1H-イミダゾール-3-イウム-コ-N-ビニルピロリドン)ブロミド、ポリ(ビニル3-エチル-1H-イミダゾール-3-イウム)アセテート、ポリ(ビニル3-ブチル-1H-イミダゾール-3-イウム-コ-N-ビニルピロリドン)ブロミド、ポリ(ビニル3-エチル-1H-イミダゾール-3-イウム)マロネート、ポリ(ビニル3-エチル-1H-イミダゾール-3-イウム)ニトレート、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される前記イミダゾリウム系ポリ(イオン液体)を含む、態様21に記載のシステム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
構造(I)を有する少なくとも1つのイミダゾリウム基を有する少なくとも1種のモノマーを含むイミダゾリウム系ポリ(イオン液体)であって、
【化1】
(a)構造(I)を有する前記少なくとも1つのイミダゾリウム基が、前記イミダゾリウム系ポリ(イオン液体)の1つの側鎖又は複数の側鎖中にあり、
式中、
L
1及びL
2の一方が、イミダゾリウム環を前記イミダゾリウム系ポリ(イオン液体)の主鎖に接続する共有結合又はスペーサーであり、置換若しくは非置換脂肪族、環状若しくは分岐脂肪族、芳香族、ヘテロ芳香族又はシロキサン部分を含み、前記主鎖が、ビニル、アリル、スチレン、アクリル、メタクリル、アクリルアミド、メタクリルアミド、シロキサン、マレイミド、ノルボルネン、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される重合性基の重合後に形成され、
L
1及びL
2の他方が、直鎖、分岐、及び環状アルキル基からなる群から選択されるアルキル基であり、そのCH
2が、ヘテロ原子が互いに結合しないようにO、S又はNによって置き換えられていてもよく、水素が、F、Cl又はCNによって置き換えられてもよく、
R
1、R
2、R
3の各々が、独立して、H、又は直鎖、分岐、及び環状アルキル基からなる群から選択されるアルキル基であってもよく、そのCH
2が、ヘテロ原子が互いに結合しないようにO、S又はNによって置き換えられていてもよく、水素が、F、Cl又はCNによって置き換えられていてもよく、R
2及びR
3がまた、環状単位に結合していてもよく、好ましくは、R
1=R
2=Hであり、
並びに
アニオンX
-が、ハライド(F-、Cl-、Br-、I-)、BF
4-、PF
6-、[C
2F
5BF
3]-、R=H、アルキル又はアリールのカルボキシレートRCOO-、マロネート、シトレート、フマレート、MeOSO
3-、MeSO
3-、CF
3COO-、CF
3SO
3-、ニトレート、及びスルフェートからなる群から選択され、Meが、メチルであり、
(b)構造(I)を有する前記少なくとも1つのイミダゾリウム基が、前記イミダゾリウム系ポリ(イオン液体)の主鎖中にあり、
式中、
L
1及びL
2が、各々独立して、置換又は非置換脂肪族、環状又は分岐脂肪族、芳香族、ヘテロ芳香族、及びシロキサン部分を含み、そのCH
2が、ヘテロ原子が互いに結合しないようにO、S又はNによって置き換えられていてもよく、水素が、F、Cl又はCNによって置き換えられてもよく、
L
1、L
2、又はL
1及びL
2の両方が、前記少なくとも1つのイミダゾリウム基を好適な官能基を介して前記主鎖に結合して、前記イミダゾリウム系ポリ(イオン液体)を形成することができ、前記好適な官能基が、エステル、アミド、ウレタン、エーテル、チオエーテル、イミド、及びこれらの組み合わせからなる群から選択され、
R
1、R
2、R
3の各々が、独立して、H、又は直鎖、分岐、及び環状アルキル基からなる群から選択されるアルキル基であってもよく、CH
2が、ヘテロ原子が互いに結合しないようにO、S又はNによって置き換えられていてもよく、水素が、F、Cl又はCNによって置き換えられていてもよく、R
2及びR
3がまた、環状単位に結合していてもよく、好ましくは、R
1=R
2=Hであり、
並びに
アニオンX
-が、ハライド(F-、Cl-、Br-、I-)、BF
4-、PF
6-、[C
2F
5BF
3]-、R=H、アルキル又はアリールのカルボキシレートRCOO-、マロネート、シトレート、フマレート、MeOSO
3-、MeSO
3-、CF
3COO-、CF
3SO
3-、ニトレート、及びスルフェートからなる群から選択され、Meが、メチルであり、
並びに
(c)構造(I)を有する前記少なくとも1つのイミダゾリウム基が、上記(a)で定義された前記イミダゾリウム系ポリ(イオン液体)の前記1つの側鎖又は前記複数の側鎖及び上記(b)で定義された前記イミダゾリウム系ポリ(イオン液体)の前記主鎖の両方にある、
イミダゾリウム系ポリ(イオン液体)。
【請求項2】
前記イミダゾリウム系ポリ(イオン液体)が、(a)のL
1及びL
2のための重合性基を有する架橋性モノマーを含む、請求項1に記載のイミダゾリウム系ポリ(イオン液体)。
【請求項3】
前記イミダゾリウム系ポリ(イオン液体)が、(a)、(b)、並びに(e)(a)のモノマー又は(b)のモノマーとコポリマーを形成することができる、アクリレート又はメタクリレート、アクリルアミド又はメタクリルアミド、マレイミド、ビニルベンゼン
、エチレングリコール、シロキサン、ノルボルネン、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、非イオン性モノマーから選択される少なくとも2つの異なるモノマーを含むコポリマーである、請求項1に記載のイミダゾリウム系ポリ(イオン液体)。
【請求項4】
前記イミダゾリウム系ポリ(イオン液体)が、ブロックコポリマーである、請求項1に記載のイミダゾリウム系ポリ(イオン液体)。
【請求項5】
前記イミダゾリウム系ポリ(イオン液体)が、還元剤又は錯化剤として少なくとも1つの官能性アニオンを含む、請求項1に記載のイミダゾリウム系ポリ(イオン液体)。
【請求項6】
前記イミダゾリウム系ポリ(イオン液体)の重合が、フリーラジカル重合、可逆的付加開裂連鎖移動重合(RAFT)、ニトロキシド媒介重合(NMP)、原子移動反応重合(ATRP)、開環重合(ROMP)、重縮合反応、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1に記載のイミダゾリウム系ポリ(イオン液体)。
【請求項7】
前記イミダゾリウム系ポリ(イオン液体)が、ポリ(ビニルベンジル1-ブチル-1H-イミダゾール-3-イウム)クロリド、ポリ(ビニル3-エチル-1H-イミダゾール-3-イウム)ブロミド、ポリ(ビニルベンジル1-ブチル-1H-イミダゾール-3-イウム-コ-アクリルアミド)クロリド、ポリ(ビニルベンジル1-ブチル-1H-イミダゾール-3-イウム-コ-アクリロモルホリン)クロリド、ポリ(ビニル3-エチル-1H-イミダゾール-3-イウム-コ-N-ビニルピロリドン)ブロミド、ポリ(ビニルベンジル1-ブチル-1H-イミダゾール-3-イウム-コ-N-メチルマレイミド)クロリド、ポリ3-ブチル-1H-イミダゾール-3-イウムアセテート、及びポリ3-(2,2’-(エタン-1,2-ジイルビス(オキシ))ビス(エタン)-1H-イミダゾール-3-イウムアセテート、ポリ(ビニル3-ブチル-1H-イミダゾール-3-イウム)ブロミド、ポリ(ビニルベンジル-1-エチル-1H-イミダゾール-3-イウム)クロリド、ポリ(ビニル3-エチル-1H-イミダゾール-3-イウム-コ-ビニル3,3’-ブタン-1H-イミダゾール-3-イウム)ブロミド、ポリ(ビニルベンジル-1-エチル-1H-イミダゾール-3-イウム-コ-ビニル-3-エチル-1H-イミダゾール-3-イウム)ブロミドクロリド、ポリ(1-エチル-3-プロピル-1H-イミダゾール-3-イウムアクリレート)ブロミド、ポリ(ビニル3-イソプロピル-1H-イミダゾール-3-イウム)ブロミド、ポリ(ビニル3-イソプロピル-1H-イミダゾール-3-イウム-コ-N-ビニルピロリドン)ブロミド、ポリ(ビニル3-ブチル-1H-イミダゾール-3-イウム-コ-N-ビニルピロリドン)ブロミド、ポリ(ビニル3-エチル-1H-イミダゾール-3-イウム)アセテート、ポリ(ビニル3-エチル-1H-イミダゾール-3-イウム)マロネート、ポリ(ビニル3-エチル-1H-イミダゾール-3-イウム)ニトレート、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1に記載のイミダゾリウム系ポリ(イオン液体)。
【請求項8】
請求項
1に記載のイミダゾリウム系ポリ(イオン液体)を含む添加剤と、
研磨剤と、
水と、
任意選択
で
活性化剤と、
酸化剤と、
腐食防止剤と、
ディッシング低減剤と、
安定剤と、
pH調整剤と、
を含む、化学機械的平坦化組成物。
【請求項9】
前記添加剤が、0.0005重量%~0.01重量%の範囲であり、
前記研磨剤が、無機酸化物粒子、金属酸化物被覆無機酸化物粒子、有機ポリマー粒子、金属酸化物被覆有機ポリマー粒子、及びこれらの組み合わせからなる群から選択され、
前記研磨剤が、0.5重量%~20重量%の範囲であり、
前記酸化剤が、過酸化水素、過酸化尿素、パーオキシギ酸、過酢酸、プロパンパーオキソ酸、置換又は非置換ブタンパーオキソ酸、ヒドロパーオキシアセトアルデヒド、過ヨウ素酸カリウム、パーオキシ一硫酸アンモニウムからなる群から選択されるパーオキシ化合物、及び亜硝酸第二鉄、KClO
4、KBrO
4、KMnO
4からなる群から選択される非パーオキシ化合物、並びにこれらの組み合わせからなる群から選択され、
前記酸化剤が、0.1重量%~10重量%の範囲であり、
前記活性化剤が、(1)表面に遷移金属が被覆された無機酸化物粒子であって、前記遷移金属が、Fe、Cu、Mn、Co、Ce、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、無機酸化物粒子、(2)シュウ酸鉄(III)アンモニウム三水和物、三塩基性クエン酸鉄(III)一水和物、鉄(III)アセチルアセトネート及びエチレンジアミン四酢酸、鉄(III)ナトリウム塩水和物からなる群から選択される可溶性触媒、(3)Ag、Co、Cr、Cu、Fe、Mo、Mn、Nb、Ni、Os、Pd、Ru、Sn、Ti、V、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される複数の酸化状態を有する金属化合物、からなる群から選択され、
前記活性化剤が、0.00001重量%~5.0重量%の範囲であり、
前記腐食防止剤が、1,2,3-トリアゾール、1,2,4-トリアゾール、1,2,3-ベンゾトリアゾール、5-メチルベンゾトリアゾール
、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール、4-ヒドロキシベンゾトリアゾール、3-アミノ-1,2,4-トリアゾール、4-アミノ-4H-1,2,4-トリアゾール、5アミノトリアゾール、ベンゾイミダゾール、2,1,3-ベンゾチアジアゾール、トリアジンチオール、トリアジンジチオール、及びトリアジントリチオール、ピラゾール、イミダゾール
、イソシアヌレート、並びにこれらの組み合わせからなる群から選択され、
前記腐食防止剤が、1.0重量%未満の範囲であり、
前記ディッシング低減剤が、サルコシネート及び関連カルボン酸化合物、炭化水素置換サルコシネート、アミノ酸、ポリエチレンオキシド(PEO)などのエチレンオキシド繰り返し単位を含有する分子を有する有機ポリマー及びコポリマー、エトキシ化界面活性剤、窒素-水素結合を含まない窒素含有複素環、スルフィド、オキサゾリジン又は1つの化合物中の官能基の混合物、アルキルアンモニウムイオンを形成する3個以上の炭素原子を有する窒素含有化合物、3個以上の炭素原子を有するアミノアルキル、少なくとも1つの窒素含有複素環又は第三級若しくは第四級窒素原子の繰り返し基を含むポリマー腐食防止剤、ポリカチオン性アミン化合物、シクロデキストリン化合物、ポリエチレンイミン化合物、グリコール酸、キトサン、糖アルコール、多糖類、アルギネート化合物、ホスホニウム化合物、及びスルホン酸ポリマー、並びにこれらの組み合わせからなる群から選択され、
前記ディッシング低減剤が、0.001重量%~2.0重量%の範囲であり、
前記安定剤が、アジピン酸、フタル酸、クエン酸、マロン酸
、リン酸、置換又は非置換ホスホン酸、ニトリル、及びこれらの組み合わせからなる群から選択さ
れ、前記安定剤が、0.0001~5重量%の範囲であり、
前記pH調整剤が、(a)前記pHを低下させるための硝酸、硫酸、酒石酸、コハク酸、クエン酸、リンゴ酸、マロン酸、他の脂肪酸、ポリカルボン酸、及びこれらの混合物、並びに(b)前記pHを上昇させるための水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、アンモニア、水酸化テトラエチルアンモニウム、エチレンジアミン、ピペラジン、ポリエチレンイミン、修飾ポリエチレンイミン、及びこれらの混合物からなる群から選択され、前記組成物のpHが、1~14、又は1~6である、
請求項8に記載の化学機械的平坦化組成物。
【請求項10】
前記化学機械的平坦化組成物が、
シリカ粒子、並びにポリ(ビニルベンジル1-ブチル-1H-イミダゾール-3-イウム)クロリド、ポリ(ビニル3-エチル-1H-イミダゾール-3-イウム)ブロミド、ポリ(ビニルベンジル1-ブチル-1H-イミダゾール-3-イウム-コ-アクリルアミド)クロリド、ポリ(ビニルベンジル1-ブチル-1H-イミダゾール-3-イウム-コ-アクリロモルホリン)クロリド、ポリ(ビニル3-エチル-1H-イミダゾール-3-イウム-コ-N-ビニルピロリドン)ブロミド、ポリ(ビニルベンジル1-ブチル-1H-イミダゾール-3-イウム-コ-N-メチルマレイミド)クロリド、ポリ3-ブチル-1H-イミダゾール-3-イウムアセテート、及びポリ3-(2,2’-(エタン-1,2-ジイルビス(オキシ))ビス(エタン)-1H-イミダゾール-3-イウムアセテート、ポリ(ビニル3-ブチル-1H-イミダゾール-3-イウム)ブロミド、ポリ(ビニルベンジル-1-エチル-1H-イミダゾール-3-イウム)クロリド、ポリ(ビニル3-エチル-1H-イミダゾール-3-イウム-コ-ビニル3,3’-ブタン-1H-イミダゾール-3-イウム)ブロミド、ポリ(ビニルベンジル-1-エチル-1H-イミダゾール-3-イウム-コ-ビニル-3-エチル-1H-イミダゾール-3-イウム)ブロミドクロリド、ポリ(1-エチル-3-プロピル-1H-イミダゾール-3-イウムアクリレート)ブロミド、ポリ(ビニル3-イソプロピル-1H-イミダゾール-3-イウム)ブロミド、ポリ(ビニル3-イソプロピル-1H-イミダゾール-3-イウム-コ-N-ビニルピロリドン)ブロミド、ポリ(ビニル3-ブチル-1H-イミダゾール-3-イウム-コ-N-ビニルピロリドン)ブロミド、ポリ(ビニル3-エチル-1H-イミダゾール-3-イウム)アセテート、ポリ(ビニル3-エチル-1H-イミダゾール-3-イウム)マロネート、ポリ(ビニル3-エチル-1H-イミダゾール-3-イウム)ニトレート、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される前記イミダゾリウム系ポリ(イオン液体)を含む、請求項8に記載の化学機械的平坦化組成物。
【請求項11】
前記化学機械的平坦化組成物が、シリカ粒子、硝酸第二鉄、マロン酸、過酸化水素、ポリ(ビニルベンジル1-ブチル-1H-イミダゾール-3-イウム)クロリド、ポリ(ビニル3-エチル-1H-イミダゾール-3-イウム)ブロミド、ポリ(ビニルベンジル1-ブチル-1H-イミダゾール-3-イウム-コ-アクリルアミド)クロリド、ポリ(ビニルベンジル1-ブチル-1H-イミダゾール-3-イウム-コ-アクリロモルホリン)クロリド、ポリ(ビニル3-エチル-1H-イミダゾール-3-イウム-コ-N-ビニルピロリドン)ブロミド、ポリ(ビニルベンジル1-ブチル-1H-イミダゾール-3-イウム-コ-N-メチルマレイミド)クロリド、ポリ3-ブチル-1H-イミダゾール-3-イウムアセテート、及びポリ3-(2,2’-(エタン-1,2-ジイルビス(オキシ))ビス(エタン)-1H-イミダゾール-3-イウムアセテート、ポリ(ビニル3-ブチル-1H-イミダゾール-3-イウム)ブロミド、ポリ(ビニルベンジル-1-エチル-1H-イミダゾール-3-イウム)クロリド、ポリ(ビニル3-エチル-1H-イミダゾール-3-イウム-コ-ビニル3,3’-ブタン-1H-イミダゾール-3-イウム)ブロミド、ポリ(ビニルベンジル-1-エチル-1H-イミダゾール-3-イウム-コ-ビニル-3-エチル-1H-イミダゾール-3-イウム)ブロミドクロリド、ポリ(1-エチル-3-プロピル-1H-イミダゾール-3-イウムアクリレート)ブロミド、ポリ(ビニル3-イソプロピル-1H-イミダゾール-3-イウム)ブロミド、ポリ(ビニル3-イソプロピル-1H-イミダゾール-3-イウム-コ-N-ビニルピロリドン)ブロミド、ポリ(ビニル3-ブチル-1H-イミダゾール-3-イウム-コ-N-ビニルピロリドン)ブロミド、ポリ(ビニル3-エチル-1H-イミダゾール-3-イウム)アセテート、ポリ(ビニル3-エチル-1H-イミダゾール-3-イウム)マロネート、ポリ(ビニル3-エチル-1H-イミダゾール-3-イウム)ニトレート、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される前記イミダゾリウム系ポリ(イオン液体)を含む、請求項8に記載の化学機械的平坦化組成物。
【請求項12】
タングステンを含有する少なくとも1つの表面を備える半導体基板の化学機械的平坦化のための研磨方法であって、
a)研磨パッドを提供する工程と、
b)化学機械的研磨組成物を提供する工程であって、
請求項
1に記載のイミダゾリウム系ポリ(イオン液体)を含む添加剤と、
研磨剤と、
水と、任意選択
で
活性化剤と、
酸化剤と、
腐食防止剤と、
ディッシング低減剤と、
安定剤と、
pH調整剤と、を含む、
化学機械的研磨組成物を提供する工程と、
c)タングステンを含有する前記少なくとも1つの表面を、前記化学機械的平坦化組成物で研磨する工程と、
を含む、研磨方法。
【請求項13】
前記化学機械的研磨組成物において、
前記添加剤が、0.0005重量%~0.01重量%の範囲であり、
前記研磨剤が、無機酸化物粒子、金属酸化物被覆無機酸化物粒子、有機ポリマー粒子、金属酸化物被覆有機ポリマー粒子、及びこれらの組み合わせからなる群から選択され、前記研磨剤が、0.5重量%~20重量%の範囲であり、
前記酸化剤が、過酸化水素、過酸化尿素、パーオキシギ酸、過酢酸、プロパンパーオキソ酸、置換又は非置換ブタンパーオキソ酸、ヒドロパーオキシアセトアルデヒド、過ヨウ素酸カリウム、パーオキシ一硫酸アンモニウムからなる群から選択されるパーオキシ化合物、及び亜硝酸第二鉄、KClO
4、KBrO
4、KMnO
4からなる群から選択される非パーオキシ化合物、並びにこれらの組み合わせからなる群から選択され、
前記酸化剤が、0.1重量%~10重量%の範囲であり、
前記活性化剤が、(1)表面に遷移金属が被覆された無機酸化物粒子であって、前記遷移金属が、Fe、Cu、Mn、Co、Ce、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、無機酸化物粒子、(2)シュウ酸鉄(III)アンモニウム三水和物、三塩基性クエン酸鉄(III)一水和物、鉄(III)アセチルアセトネート及びエチレンジアミン四酢酸、鉄(III)ナトリウム塩水和物からなる群から選択される可溶性触媒、(3)Ag、Co、Cr、Cu、Fe、Mo、Mn、Nb、Ni、Os、Pd、Ru、Sn、Ti、V、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される複数の酸化状態を有する金属化合物、からなる群から選択され、
前記活性化剤が、0.00001重量%~5.0重量%の範囲であり、
前記腐食防止剤が、1,2,3-トリアゾール、1,2,4-トリアゾール、1,2,3-ベンゾトリアゾール、5-メチルベンゾトリアゾール
、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール、4-ヒドロキシベンゾトリアゾール、3-アミノ-1,2,4-トリアゾール、4-アミノ-4H-1,2,4-トリアゾール、5アミノトリアゾール、ベンゾイミダゾール、2,1,3-ベンゾチアジアゾール、トリアジンチオール、トリアジンジチオール、及びトリアジントリチオール、ピラゾール、イミダゾール
、イソシアヌレート、並びにこれらの組み合わせからなる群から選択され、
前記腐食防止剤が、1.0重量%未満の範囲であり、
前記ディッシング低減剤が、サルコシネート及び関連カルボン酸化合物、炭化水素置換サルコシネート、アミノ酸、ポリエチレンオキシド(PEO)などのエチレンオキシド繰り返し単位を含有する分子を有する有機ポリマー及びコポリマー、エトキシ化界面活性剤、窒素-水素結合を含まない窒素含有複素環、スルフィド、オキサゾリジン又は1つの化合物中の官能基の混合物、アルキルアンモニウムイオンを形成する3個以上の炭素原子を有する窒素含有化合物、3個以上の炭素原子を有するアミノアルキル、少なくとも1つの窒素含有複素環又は第三級若しくは第四級窒素原子の繰り返し基を含むポリマー腐食防止剤、ポリカチオン性アミン化合物、シクロデキストリン化合物、ポリエチレンイミン化合物、グリコール酸、キトサン、糖アルコール、多糖類、アルギネート化合物、ホスホニウム化合物、及びスルホン酸ポリマー、並びにこれらの組み合わせからなる群から選択され、
前記ディッシング低減剤が、0.001重量%~2.0重量%の範囲であり、
前記安定剤が、アジピン酸、フタル酸、クエン酸、マロン酸
、リン酸、置換又は非置換ホスホン酸、ニトリル、及びこれらの組み合わせからなる群から選択さ
れ、前記安定剤が、0.0001~5重量%の範囲であり、
前記pH調整剤が、(a)前記pHを低下させるための硝酸、硫酸、酒石酸、コハク酸、クエン酸、リンゴ酸、マロン酸、他の脂肪酸、ポリカルボン酸、及びこれらの混合物、並びに(b)前記pHを上昇させるための水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、アンモニア、水酸化テトラエチルアンモニウム、エチレンジアミン、ピペラジン、ポリエチレンイミン、修飾ポリエチレンイミン、及びこれらの混合物からなる群から選択され、前記組成物のpHが、1~14、又は1~6である、
請求項
12に記載の研磨方法。
【請求項14】
前記化学機械的平坦化組成物が、前記研磨剤、並びに
ポリ(ビニルベンジル1-ブチル-1H-イミダゾール-3-イウム)クロリド、ポリ(ビニル3-エチル-1H-イミダゾール-3-イウム)ブロミド、ポリ(ビニルベンジル1-ブチル-1H-イミダゾール-3-イウム-コ-アクリルアミド)クロリド、ポリ(ビニルベンジル1-ブチル-1H-イミダゾール-3-イウム-コ-アクリロモルホリン)クロリド、ポリ(ビニル3-エチル-1H-イミダゾール-3-イウム-コ-N-ビニルピロリドン)ブロミド、ポリ(ビニルベンジル1-ブチル-1H-イミダゾール-3-イウム-コ-N-メチルマレイミド)クロリド、ポリ3-ブチル-1H-イミダゾール-3-イウムアセテート、及びポリ3-(2,2’-(エタン-1,2-ジイルビス(オキシ))ビス(エタン)-1H-イミダゾール-3-イウムアセテート、ポリ(ビニル3-ブチル-1H-イミダゾール-3-イウム)ブロミド、ポリ(ビニルベンジル-1-エチル-1H-イミダゾール-3-イウム)クロリド、ポリ(ビニル3-エチル-1H-イミダゾール-3-イウム-コ-ビニル3,3’-ブタン-1H-イミダゾール-3-イウム)ブロミド、ポリ(ビニルベンジル-1-エチル-1H-イミダゾール-3-イウム-コ-ビニル-3-エチル-1H-イミダゾール-3-イウム)ブロミドクロリド、ポリ(1-エチル-3-プロピル-1H-イミダゾール-3-イウムアクリレート)ブロミド、ポリ(ビニル3-イソプロピル-1H-イミダゾール-3-イウム)ブロミド、ポリ(ビニル3-イソプロピル-1H-イミダゾール-3-イウム-コ-N-ビニルピロリドン)ブロミド、ポリ(ビニル3-ブチル-1H-イミダゾール-3-イウム-コ-N-ビニルピロリドン)ブロミド、ポリ(ビニル3-エチル-1H-イミダゾール-3-イウム)アセテート、ポリ(ビニル3-エチル-1H-イミダゾール-3-イウム)マロネート、ポリ(ビニル3-エチル-1H-イミダゾール-3-イウム)ニトレート、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される前記イミダゾリウム系ポリ(イオン液体)を含む、請求項
12に記載の研磨方法。
【請求項15】
前記化学機械的平坦化組成物が、シリカ粒子、硝酸第二鉄、マロン酸、過酸化水素、ポリ(ビニルベンジル1-ブチル-1H-イミダゾール-3-イウム)クロリド、ポリ(ビニル3-エチル-1H-イミダゾール-3-イウム)ブロミド、ポリ(ビニルベンジル1-ブチル-1H-イミダゾール-3-イウム-コ-アクリルアミド)クロリド、ポリ(ビニルベンジル1-ブチル-1H-イミダゾール-3-イウム-コ-アクリロモルホリン)クロリド、ポリ(ビニル3-エチル-1H-イミダゾール-3-イウム-コ-N-ビニルピロリドン)ブロミド、ポリ(ビニルベンジル1-ブチル-1H-イミダゾール-3-イウム-コ-N-メチルマレイミド)クロリド、ポリ3-ブチル-1H-イミダゾール-3-イウムアセテート、ポリ3-(2,2’-(エタン-1,2-ジイルビス(オキシ))ビス(エタン)-1H-イミダゾール-3-イウムアセテート、ポリ(ビニル3-ブチル-1H-イミダゾール-3-イウム)ブロミド、ポリ(ビニルベンジル-1-エチル-1H-イミダゾール-3-イウム)クロリド、ポリ(ビニル3-エチル-1H-イミダゾール-3-イウム-コ-ビニル3,3’-ブタン-1H-イミダゾール-3-イウム)ブロミド、ポリ(ビニルベンジル-1-エチル-1H-イミダゾール-3-イウム-コ-ビニル-3-エチル-1H-イミダゾール-3-イウム)ブロミドクロリド、ポリ(1-エチル-3-プロピル-1H-イミダゾール-3-イウムアクリレート)ブロミド、ポリ(ビニル3-イソプロピル-1H-イミダゾール-3-イウム)ブロミド、ポリ(ビニル3-イソプロピル-1H-イミダゾール-3-イウム-コ-N-ビニルピロリドン)ブロミド、ポリ(ビニル3-ブチル-1H-イミダゾール-3-イウム-コ-N-ビニルピロリドン)ブロミド、ポリ(ビニル3-エチル-1H-イミダゾール-3-イウム)アセテート、ポリ(ビニル3-エチル-1H-イミダゾール-3-イウム)マロネート、ポリ(ビニル3-エチル-1H-イミダゾール-3-イウム)ニトレート、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される前記イミダゾリウム系ポリ(イオン液体)を含む、請求項
12に記載の研磨方法。
【請求項16】
タングステンを含有する少なくとも1つの表面が、2000オングストローム未満又は1000オングストローム未満のディッシングトポグラフィ及び2000オングストローム未満又は1000オングストローム未満のエロージョントポグラフィを含む、請求項
12に記載の研磨方法。
【請求項17】
タングステンを含有する少なくとも1つの表面を備える半導体基板の化学機械的平坦化のためのシステムであって、
a)研磨パッドと、
b)化学機械的研磨組成物であって、
請求項
1に記載のイミダゾリウム系ポリ(イオン液体)を含む添加剤と、
研磨剤と、
水と、任意選択
で
活性化剤と、
酸化剤と、
腐食防止剤と、
ディッシング低減剤と、
安定剤と、
pH調整剤と、
を含む、化学機械的研磨組成物を含み、
前記タングステンを含有する少なくとも1つの表面が、前記研磨パッド及び前記化学機械的平坦化組成物と接触しており、前記タングステンを含有する少なくとも1つの表面を前記化学機械的平坦化組成物で研磨する、
システム。
【請求項18】
前記化学機械的研磨組成物において、
前記添加剤が、0.0005重量%~0.01重量%の範囲であり、
前記研磨剤が、無機酸化物粒子、金属酸化物被覆無機酸化物粒子、有機ポリマー粒子、金属酸化物被覆有機ポリマー粒子、及びこれらの組み合わせからなる群から選択され、前記研磨剤が、0.5重量%~20重量%の範囲であり、
前記酸化剤が、過酸化水素、過酸化尿素、パーオキシギ酸、過酢酸、プロパンパーオキソ酸、置換又は非置換ブタンパーオキソ酸、ヒドロパーオキシアセトアルデヒド、過ヨウ素酸カリウム、パーオキシ一硫酸アンモニウムからなる群から選択されるパーオキシ化合物、及び亜硝酸第二鉄、KClO
4、KBrO
4、KMnO
4からなる群から選択される非パーオキシ化合物、並びにこれらの組み合わせからなる群から選択され、
前記酸化剤が、0.1重量%~10重量%の範囲であり、
前記活性化剤が、(1)表面に遷移金属が被覆された無機酸化物粒子であって、前記遷移金属が、Fe、Cu、Mn、Co、Ce、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、無機酸化物粒子、(2)シュウ酸鉄(III)アンモニウム三水和物、三塩基性クエン酸鉄(III)一水和物、鉄(III)アセチルアセトネート及びエチレンジアミン四酢酸、鉄(III)ナトリウム塩水和物からなる群から選択される可溶性触媒、(3)Ag、Co、Cr、Cu、Fe、Mo、Mn、Nb、Ni、Os、Pd、Ru、Sn、Ti、V、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される複数の酸化状態を有する金属化合物、からなる群から選択され、
前記活性化剤が、0.00001重量%~5.0重量%の範囲であり、
前記腐食防止剤が、1,2,3-トリアゾール、1,2,4-トリアゾール、1,2,3-ベンゾトリアゾール、5-メチルベンゾトリアゾール
、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール、4-ヒドロキシベンゾトリアゾール、3-アミノ-1,2,4-トリアゾール、4-アミノ-4H-1,2,4-トリアゾール、5アミノトリアゾール、ベンゾイミダゾール、2,1,3-ベンゾチアジアゾール、トリアジンチオール、トリアジンジチオール、及びトリアジントリチオール、ピラゾール、イミダゾール
、イソシアヌレート、並びにこれらの組み合わせからなる群から選択され、
前記腐食防止剤が、1.0重量%未満の範囲であり、
前記ディッシング低減剤が、サルコシネート及び関連カルボン酸化合物、炭化水素置換サルコシネート、アミノ酸
、エチレンオキシド繰り返し単位を含有する分子を有する有機ポリマー及びコポリマー、エトキシ化界面活性剤、窒素-水素結合を含まない窒素含有複素環、スルフィド、オキサゾリジン又は1つの化合物中の官能基の混合物、アルキルアンモニウムイオンを形成する3個以上の炭素原子を有する窒素含有化合物、3個以上の炭素原子を有するアミノアルキル、少なくとも1つの窒素含有複素環又は第三級若しくは第四級窒素原子の繰り返し基を含むポリマー腐食防止剤、ポリカチオン性アミン化合物、シクロデキストリン化合物、ポリエチレンイミン化合物、グリコール酸、キトサン、糖アルコール、多糖類、アルギネート化合物、ホスホニウム化合物、及びスルホン酸ポリマー、並びにこれらの組み合わせからなる群から選択され、
前記ディッシング低減剤が、0.001重量%~2.0重量%の範囲であり、
前記安定剤が、アジピン酸、フタル酸、クエン酸、マロン酸
、リン酸、置換又は非置換ホスホン酸、ニトリル、及びこれらの組み合わせからなる群から選択さ
れ、前記安定剤が、0.0001~5重量%の範囲であり、
前記pH調整剤が、(a)前記pHを低下させるための硝酸、硫酸、酒石酸、コハク酸、クエン酸、リンゴ酸、マロン酸、他の脂肪酸、ポリカルボン酸、及びこれらの混合物、並びに(b)前記pHを上昇させるための水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、アンモニア、水酸化テトラエチルアンモニウム、エチレンジアミン、ピペラジン、ポリエチレンイミン、修飾ポリエチレンイミン、及びこれらの混合物からなる群から選択され、前記組成物のpHが、1~14、又は1~6である、
請求項
17に記載のシステム。
【請求項19】
前記化学機械的平坦化組成物が、
シリカ粒子、並びに
ポリ(ビニルベンジル1-ブチル-1H-イミダゾール-3-イウム)クロリド、ポリ(ビニル3-エチル-1H-イミダゾール-3-イウム)ブロミド、ポリ(ビニルベンジル1-ブチル-1H-イミダゾール-3-イウム-コ-アクリルアミド)クロリド、ポリ(ビニルベンジル1-ブチル-1H-イミダゾール-3-イウム-コ-アクリロモルホリン)クロリド、ポリ(ビニル3-エチル-1H-イミダゾール-3-イウム-コ-N-ビニルピロリドン)ブロミド、ポリ(ビニルベンジル1-ブチル-1H-イミダゾール-3-イウム-コ-N-メチルマレイミド)クロリド、ポリ3-ブチル-1H-イミダゾール-3-イウムアセテート、及びポリ3-(2,2’-(エタン-1,2-ジイルビス(オキシ))ビス(エタン)-1H-イミダゾール-3-イウムアセテート、ポリ(ビニル3-ブチル-1H-イミダゾール-3-イウム)ブロミド、ポリ(ビニルベンジル-1-エチル-1H-イミダゾール-3-イウム)クロリド、ポリ(ビニル3-エチル-1H-イミダゾール-3-イウム-コ-ビニル3,3’-ブタン-1H-イミダゾール-3-イウム)ブロミド、ポリ(ビニルベンジル-1-エチル-1H-イミダゾール-3-イウム-コ-ビニル-3-エチル-1H-イミダゾール-3-イウム)ブロミドクロリド、ポリ(1-エチル-3-プロピル-1H-イミダゾール-3-イウムアクリレート)ブロミド、ポリ(ビニル3-イソプロピル-1H-イミダゾール-3-イウム)ブロミド、ポリ(ビニル3-イソプロピル-1H-イミダゾール-3-イウム-コ-N-ビニルピロリドン)ブロミド、ポリ(ビニル3-ブチル-1H-イミダゾール-3-イウム-コ-N-ビニルピロリドン)ブロミド、ポリ(ビニル3-エチル-1H-イミダゾール-3-イウム)アセテート、ポリ(ビニル3-エチル-1H-イミダゾール-3-イウム)マロネート、ポリ(ビニル3-エチル-1H-イミダゾール-3-イウム)ニトレート、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される前記イミダゾリウム系ポリ(イオン液体)を含む、請求項
17に記載のシステム。
【請求項20】
前記化学機械的平坦化組成物が、シリカ粒子、硝酸第二鉄、マロン酸、過酸化水素、ポリ(ビニルベンジル1-ブチル-1H-イミダゾール-3-イウム)クロリド、ポリ(ビニル3-エチル-1H-イミダゾール-3-イウム)ブロミド、ポリ(ビニルベンジル1-ブチル-1H-イミダゾール-3-イウム-コ-アクリルアミド)クロリド、ポリ(ビニルベンジル1-ブチル-1H-イミダゾール-3-イウム-コ-アクリロモルホリン)クロリド、ポリ(ビニル3-エチル-1H-イミダゾール-3-イウム-コ-N-ビニルピロリドン)ブロミド、ポリ(ビニルベンジル1-ブチル-1H-イミダゾール-3-イウム-コ-N-メチルマレイミド)クロリド、ポリ3-ブチル-1H-イミダゾール-3-イウムアセテート、ポリ3-(2,2’-(エタン-1,2-ジイルビス(オキシ))ビス(エタン)-1H-イミダゾール-3-イウムアセテート、ポリ(ビニル3-ブチル-1H-イミダゾール-3-イウム)ブロミド、ポリ(ビニルベンジル-1-エチル-1H-イミダゾール-3-イウム)クロリド、ポリ(ビニル3-エチル-1H-イミダゾール-3-イウム-コ-ビニル3,3’-ブタン-1H-イミダゾール-3-イウム)ブロミド、ポリ(ビニルベンジル-1-エチル-1H-イミダゾール-3-イウム-コ-ビニル-3-エチル-1H-イミダゾール-3-イウム)ブロミドクロリド、ポリ(1-エチル-3-プロピル-1H-イミダゾール-3-イウムアクリレート)ブロミド、ポリ(ビニル3-イソプロピル-1H-イミダゾール-3-イウム)ブロミド、ポリ(ビニル3-イソプロピル-1H-イミダゾール-3-イウム-コ-N-ビニルピロリドン)ブロミド、ポリ(ビニル3-ブチル-1H-イミダゾール-3-イウム-コ-N-ビニルピロリドン)ブロミド、ポリ(ビニル3-エチル-1H-イミダゾール-3-イウム)アセテート、ポリ(ビニル3-ブチル-1H-イミダゾール-3-イウム-コ-N-ビニルピロリドン)ブロミド、ポリ(ビニル3-エチル-1H-イミダゾール-3-イウム)マロネート、ポリ(ビニル3-エチル-1H-イミダゾール-3-イウム)ニトレート、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される前記イミダゾリウム系ポリ(イオン液体)を含む、請求項
17に記載のシステム。
【国際調査報告】