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特表2024-522506ウエハの可変相対速度による非対称性補正
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-21
(54)【発明の名称】ウエハの可変相対速度による非対称性補正
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/304 20060101AFI20240614BHJP
   B24B 37/005 20120101ALI20240614BHJP
   B24B 37/12 20120101ALI20240614BHJP
   B24B 37/10 20120101ALI20240614BHJP
   B24B 37/30 20120101ALI20240614BHJP
【FI】
H01L21/304 621D
B24B37/005 Z
B24B37/12 D
B24B37/10
B24B37/30 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023573105
(86)(22)【出願日】2022-05-26
(85)【翻訳文提出日】2024-01-22
(86)【国際出願番号】 US2022031093
(87)【国際公開番号】W WO2022256221
(87)【国際公開日】2022-12-08
(31)【優先権主張番号】17/335,868
(32)【優先日】2021-06-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ツァン, ジミン
(72)【発明者】
【氏名】ブラウン, ブライアン ジェー.
(72)【発明者】
【氏名】ラウ, エリック
(72)【発明者】
【氏名】ミハイリチェンコ, エカテリーナ
(72)【発明者】
【氏名】オー, ジョンフン
(72)【発明者】
【氏名】アロンツォ, ジェラルド ジェー.
【テーマコード(参考)】
3C158
5F057
【Fターム(参考)】
3C158AA07
3C158AB04
3C158AC02
3C158AC04
3C158BA02
3C158BA04
3C158BA07
3C158BB02
3C158BC01
3C158BC02
3C158CB01
3C158DA12
3C158DA17
3C158EA12
3C158EB01
5F057AA02
5F057CA11
5F057DA03
5F057GA03
5F057GA15
5F057GB02
5F057GB03
5F057GB04
5F057GB13
(57)【要約】
本開示のある種の態様が、基板上の材料を除去する方法のための技法を提供する。例示的な方法は、基板を第1の軸を中心として第1の方向に回転させることと、基板を回転させている間、研磨パッドの研磨表面に対して基板の表面を押し当てることとを含み、基板を第1の軸を中心として回転させることが、基板を第1の回転速度において第1の角度回転させることと、次いで、基板を第2の回転速度において第2の角度回転させることとを含み、第1の回転速度が、第2の回転速度とは異なる。
【選択図】図5C
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上の材料を除去する方法であって、
基板を第1の軸を中心として第1の方向に回転させることと、
前記基板を回転させている間、研磨パッドの研磨表面に対して前記基板の表面を押し当てることとを含み、
前記基板を前記第1の軸を中心として回転させることが、前記基板を第1の回転速度プロファイルにおいて第1の角度回転させることと、次いで、前記基板を第2の回転速度プロファイルにおいて第2の角度回転させることとを含み、
前記第1の回転速度プロファイルが、前記第2の回転速度プロファイルとは異なる、
方法。
【請求項2】
研磨パッドを第2の軸を中心として第2の方向に回転させることをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1の軸と前記第2の軸とが、実質的に平行であり、共線的でない、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記第1の回転速度プロファイルが複数の第1の回転速度を含み、前記第2の回転速度プロファイルが複数の第2の回転速度を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記第1の回転速度プロファイルと前記第2の回転速度プロファイルとが、各々、ステップ関数または正弦関数の少なくとも一部分を含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記第1の回転速度プロファイルの第1の平均回転速度が、前記第2の回転速度プロファイルの第2の平均回転速度よりも大きい、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記第1の方向と前記第2の方向とが、両方とも時計回り方向に回転されるか、または両方とも反時計回り方向に回転される、請求項2に記載の方法。
【請求項8】
前記研磨パッドを前記第2の軸を中心として回転させることが、前記研磨パッドを一定である第3の回転速度プロファイルにおいて回転させることを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項9】
前記研磨パッドを前記第2の軸を中心として回転させることが、前記研磨パッドを第3の回転速度プロファイルにおいて第3の角度回転させることと、次いで、前記研磨パッドを第4の回転速度プロファイルにおいて第4の角度回転させることとを含み、前記第3の回転速度プロファイルが、前記第4の回転速度プロファイルとは異なる、請求項2に記載の方法。
【請求項10】
前記第1の角度と前記第2の角度との和が、約360度よりも小さいかまたはそれに等しい、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
基板を第1の軸を中心として第1の方向に回転させることより前に、前記基板の厚さプロファイルを測定することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記基板を前記第1の軸を中心として前記第1の方向に回転させることより前に、前記厚さプロファイルに従って前記基板を配向および位置合わせすることと、
キャリアヘッドによって、配向および位置合わせされた前記基板を受けることと
をさらに含み、
前記キャリアヘッドが、前記基板を回転させている間、前記研磨パッドの前記研磨表面に対して前記基板の前記表面を押し当てるように構成された、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記第1の回転速度プロファイルおよび前記第2の回転速度プロファイルは、前記材料が前記基板の前記表面から非対称に除去されるようなものである、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記基板を前記第1の軸を中心として回転させることが、前記基板を一定の回転速度において第3の角度回転させることをさらに含み、前記第3の角度が360度よりも大きい、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
基板上の材料を除去する方法であって、
基板を第1の軸を中心として第1の方向に回転させることと、
前記基板を前記第1の軸を中心として回転させている間、研磨パッドの研磨表面に対して前記基板の表面を押し当てることとを含み、
前記基板を前記第1の軸を中心として回転させることは、
(a) 前記基板を、第1の回転速度プロファイルにおける360度回転内で180度以下回転させることと、
(b) 次いで、前記基板を、前記第1の回転速度プロファイルとは異なる第2の回転速度プロファイルにおける前記360度回転内で180度以下回転させることと、
(c) (a)および(b)を少なくとももう1回繰り返すことと
を含む、
方法。
【請求項16】
研磨パッドを第2の軸を中心として第2の方向に回転させることをさらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記第1の方向と前記第2の方向とが、両方とも時計回り方向におけるものであるか、または両方とも反時計回り方向におけるものである、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記第1の回転速度プロファイルが複数の第1の回転速度を含み、前記第2の回転速度プロファイルが複数の第2の回転速度を含む、請求項15に記載の方法。
【請求項19】
前記複数の第1の回転速度と前記複数の第2の回転速度とを、ステップ関数または正弦関数に従って変動させることをさらに含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
第1の回転軸を有するキャリアヘッドと、
プラテンの表面上に配設された研磨パッドであって、前記プラテンが第2の回転軸を有する、研磨パッドと、
コンピュータ実行可能命令を備える非一時的コンピュータ可読媒体と
を備える、化学機械研磨システムであって、前記コンピュータ実行可能命令が、処理システムによって実行されたとき、前記処理システムに、基板上の材料を除去する方法を実施させ、前記方法が、
前記キャリアヘッドを前記第1の回転軸を中心として第1の方向に回転させることと、
前記キャリアヘッドの使用によって、前記基板を前記第1の回転軸を中心として回転させている間、前記研磨パッドの研磨表面に対して前記基板の表面を押し当てることとを含み、
前記基板を前記第1の回転軸を中心として回転させることが、前記基板を第1の回転速度プロファイルにおいて第1の角度回転させることと、次いで、前記基板を第2の回転速度プロファイルにおいて第2の角度回転させることとを含み、
前記第1の回転速度プロファイルが、前記第2の回転速度プロファイルとは異なる、
化学機械研磨システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、化学機械研磨(CMP)に関し、より詳細には、CMP中に厚さ非対称性を補正することに関する。
【背景技術】
【0002】
集積回路は、一般に、半導体基板上の導電層、半導電層、または絶縁層の連続した堆積によって、基板上に形成される。様々な製造プロセスは、基板上の層の平坦化を必要とする。たとえば、1つの製造ステップは、充填層を非平坦表面上に堆積させることと、その充填層を平坦化することとを伴う。いくつかの適用例では、充填層は、パターニングされた層の上面(top surface)が露出されるまで平坦化される。たとえば、金属層が、パターニングされた絶縁層上に堆積されて、その絶縁層中のトレンチおよび孔を充填し得る。平坦化の後に、パターニングされた層のトレンチおよび孔中の金属の残りの部分は、ビア、プラグ、およびラインを形成して、基板上の集積回路(IC)間の導電経路を提供する。別の例として、誘電体層が、パターニングされた導電層上に堆積され、次いで、平坦化されて、後続のフォトリソグラフィステップを可能にし得る。
【0003】
化学機械研磨(CMP)は、平坦化の1つの容認された方法である。この平坦化方法は、一般に、基板がキャリアヘッド上に取り付けられることを必要とする。基板の露出された表面、層堆積を伴う表面は、一般に、回転する研磨パッドに対して置かれる。キャリアヘッドは、基板上に制御可能な加重を与えて、研磨パッドに対してその基板を押し当てる。研磨剤(abrasive)粒子をもつ研磨スラリが、一般に、研磨パッドの表面に与えられ、基板と研磨パッドとの中間に広がる。研磨パッドとキャリアヘッドとは、各々、一定の回転スピードにおいて回転し、研磨剤スラリは、層のうちの1つまたは複数から材料を除去する。材料が平坦に除去され、材料除去プロセスは、中心軸を中心として対称である。対称除去プロセスは、非対称的に不均一な厚さプロファイルを有する基板が、CMPプロセスが完了した後に、非対称なままであるので、問題になり得る。たとえば、基板の非対称の厚さは、基板のより薄いエッジ上に形成されたICが、基板のより厚いエッジ上に形成されたICよりも、少ない金属を有するので、基板の表面上に形成された回路が、基板の同じ表面の反対側上に形成されたデバイス中の集積回路に対して異なるRC時定数を有することを生じ得る。生じた集積回路は、対応する基板厚さに基づいて変動する処理スピードを有することになる。したがって、RC時定数の変動は、変動する品質のデバイスを生じ、これは、望ましくない。反対側またはエッジとして説明されたが、基板の最も薄いおよび最も厚い側またはエリアの位置は、基板の他の位置にあり得る。
【0004】
したがって、当技術分野では、CMP中に基板の非対称性を補正する方法が必要である。
【発明の概要】
【0005】
本開示の実施形態は、一般に化学機械研磨(CMP)プロセスの使用によって基板を研磨することに関する。特に、本明細書の実施形態は、CMPプロセスの使用によって基板の厚さプロファイルの非対称性を補正するための方法を提供する。
【0006】
一実施形態では、基板上の材料を除去する方法が提供される。概して、本方法は、基板を第1の軸を中心として第1の方向に回転させることと、基板を回転させている間、研磨パッドの研磨表面に対して基板の表面を押し当てることとを含む。基板を第1の軸を中心として回転させることは、基板を第1の回転速度プロファイルにおいて第1の角度回転させることと、次いで、基板を第2の回転速度プロファイルにおいて第2の角度回転させることとを含む。第1の回転速度プロファイルは、第2の回転速度プロファイルとは異なる。
【0007】
別の実施形態では、基板上の材料を除去する方法が提供される。概して、本方法は、基板を第1の軸を中心として第1の方向に回転させることと、基板を第1の軸を中心として回転させている間、研磨パッドの研磨表面に対して基板の表面を押し当てることとを含む。基板を第1の軸を中心として回転させることは、基板を、第1の回転速度プロファイルにおける360度回転内で180度以下回転させることと、次いで、基板を、第2の回転速度プロファイルにおける360度回転内で180度以下回転させることであって、第2の回転速度プロファイルが、第1の回転速度プロファイルとは異なる、基板を、第2の回転速度プロファイルにおける360度回転内で180度以下回転させることと、第1および第2の回転速度プロファイルを少なくとももう1回繰り返すこととを含む。
【0008】
別の実施形態では、非一時的コンピュータ可読媒体が、処理システムによって実行されたとき、処理システムに、基板上の材料を除去する方法を実施させる、コンピュータ実行可能命令を含む。概して、本方法は、基板を第1の軸を中心として第1の方向に回転させることと、基板を回転させている間、研磨パッドの研磨表面に対して基板の表面を押し当てることとを含む。基板を第1の軸を中心として回転させることは、基板を第1の回転速度プロファイルにおいて第1の角度回転させることと、次いで、基板を第2の回転速度プロファイルにおいて第2の角度回転させることとを含む。第1の回転速度プロファイルは、第2の回転速度プロファイルとは異なる。
【0009】
本開示の実施形態は、基板上の材料を除去する方法であって、厚さプロファイルに従って基板を配向することと、キャリアヘッドによって、配向された基板を受けることと、基板をキャリアヘッド中の既知の位置に位置合わせすることとを含み、キャリアヘッドが、基板を第1の軸を中心として回転させている間、研磨パッドの研磨表面に対して基板の表面を押し当てる、プロセスを行うように構成され、基板を第1の軸を中心として回転させることが、基板の位置合わせに基づいて、異なる回転スピードにおいて基板を回転させることを含む、方法をさらに提供し得る。厚さプロファイルに従って基板を配向することは、基板の最大厚さに基づいて基板を位置合わせすることを含む。一例では、基板の最大厚さは、基板の第1の半径におけるものであり、その最大厚さは、本方法の実行中に第1の半径上の他の位置よりも高い相対速度において回転される。
【0010】
本開示の実施形態は、第1の回転軸を有するキャリアヘッドと、プラテンの表面上に配置された研磨パッドであって、プラテンが第2の回転軸を有する、研磨パッドと、コンピュータ実行可能命令を備える非一時的コンピュータ可読媒体とを備える、化学機械研磨システムをさらに提供し得る。コンピュータ実行可能命令は、処理システムによって実行されたとき、処理システムに、基板上の材料を除去する方法を実行させ、本方法は、キャリアヘッドを第1の回転軸を中心として第1の方向に回転させることと、キャリアヘッドの使用によって、基板を第1の回転軸を中心として回転させている間、研磨パッドの研磨表面に対して基板の表面を押し当てることとを含み、基板を第1の回転軸を中心として回転させることは、基板を第1の回転速度プロファイルにおいて第1の角度回転させることと、次いで、基板を第2の回転速度プロファイルにおいて第2の角度回転させることとを含み、第1の回転速度プロファイルは、第2の回転速度プロファイルとは異なる。
【0011】
本開示の実施形態は、基板上の材料を除去する方法であって、基板を第1の軸を中心として第1の方向に回転させることと、基板を第1の軸を中心として回転させている間、研磨パッドの研磨表面に対して基板の表面を押し当てることとを含む、方法をさらに提供し得る。基板を第1の軸を中心として回転させることは、(a) 基板を、第1の回転速度プロファイルにおける360度回転内で180度以下回転させることと、(b) 次いで、基板を、第2の回転速度プロファイルにおける360度回転内で180度以下回転させることであって、第2の回転速度プロファイルが、第1の回転速度プロファイルとは異なる、基板を、第2の回転速度プロファイルにおける360度回転内で180度以下回転させることと、(c) (a)および(b)を少なくとももう1回繰り返すこととを含む。
【0012】
本開示の実施形態は、基板上の材料を除去する方法であって、基板を第1の軸を中心として第1の方向に回転させることと、基板を回転させている間、研磨パッドの研磨表面に対して基板の表面を押し当てることとを含む、方法をさらに提供し得る。基板を第1の軸を中心として回転させることは、基板を第1の回転速度プロファイルにおいて第1の角度回転させることと、次いで、基板を第2の回転速度プロファイルにおいて第2の角度回転させることとを含み、第1の回転速度プロファイルは、第2の回転速度プロファイルとは異なる。
【0013】
本開示の上記の具陳された特徴が詳細に理解され得るように、上記で手短に要約された、本開示のより詳細な説明は、添付の図面にその一部が示されている実施形態を参照することによってなされ得る。しかしながら、本開示は、他の等しく有効な実施形態を認め得るので、添付の図面は、本開示の典型的な実施形態を示すにすぎず、したがって、その範囲の限定と見なされるべきでないことに留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】例示的な化学機械研磨(CMP)システムの概略平面図である。
図2】本明細書で説明される実施形態による、図1からのCMPシステムの例示的な研磨ステーションの概略断面図である。
図3A】本明細書で説明される実施形態による、図2の研磨ステーションからの研磨パッド上に配置されたキャリアヘッドの概略平面図である。
図3B】本明細書で説明される実施形態による、図3Aからの基板の概略側面図である。
図4A】本明細書で説明される実施形態による、基板上のいくつかの点とそれらの点の相対速度とを示す図である。
図4B】本明細書で説明される実施形態による、基板上のいくつかの点とそれらの点の相対速度とを示す図である。
図4C】本明細書で説明される実施形態による、基板上のいくつかの点とそれらの点の相対速度とを示す図である。
図4D】本明細書で説明される実施形態による、研磨プロセスの部分中に図4Aからの基板上の点における相対速度の大きさを決定するために使用され得る、研磨パッドおよび基板の概略平面図である。
図4E】本明細書で説明される実施形態による、研磨プロセスの部分中に図4Aからの基板上の点における相対速度の大きさを決定するために使用され得る、研磨パッドおよび基板の概略平面図である。
図5A】本明細書で説明される実施形態による、キャリアヘッドの異なる回転速度(rotation rate)における、図5A図5Dの基板上の2つの異なる点の相対速度を示す図である。
図5B】本明細書で説明される実施形態による、キャリアヘッドの異なる回転速度における、図5A図5Dの基板上の2つの異なる点の相対速度を示す図である。
図5C】本明細書で説明される実施形態による、キャリアヘッドが可変回転速度において回転するときの、図5A図5Bの基板上の複数点の相対速度および基板を示す図である。
図5D】本明細書で説明される実施形態による、キャリアヘッドが可変回転速度において回転するときの、図5A図5Bの基板上の複数点の相対速度および基板を示す図である。
図5E】本明細書で説明される実施形態による、図5C図5Dからの点の異なる角度位置ごとの異なる回転速度プロファイルおよび相対速度を示す図である。
図5F】本明細書で説明される実施形態による、図5C図5Dからの点の異なる角度位置ごとの異なる回転速度プロファイルおよび相対速度を示す図である。
図6】本明細書で説明される実施形態による、キャリアヘッドおよび/あるいはプラテンまたは研磨パッドのためのコントローラの機能ブロック図の一例を示す図である。
図7】本明細書で説明される実施形態による、研磨システムにおいて実施され得る非対称研磨プロセスシーケンスの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
理解を容易にするために、可能な場合、図面に共通である同じ要素を示すために同じ参照番号が使用されている。一実施形態の要素および特徴が、さらなる具陳なしに他の実施形態に有益に組み込まれ得ることが企図される。
【0016】
以下の説明では、開示される主題の理解を容易にするために、詳細が例として記載される。しかしながら、開示される実施形態は、例示的であり、すべての可能な実施形態を網羅するものでないことが、当業者に明らかであろう。したがって、説明される例への言及が、本開示の範囲を限定するものではないことを理解されたい。本開示が関係する当業者に通常想起されるように、説明されるデバイス、器械、方法、および本開示の原理の任意のさらなる適用例への変更およびさらなる修正が、十分に企図される。特に、一実施形態に関して説明される特徴、構成要素、および/またはステップが、本開示の他の実施形態に関して説明される特徴、構成要素、および/またはステップと組み合わせられ得ることが、十分に企図される。本明細書で使用される「約」という用語は、公称値から+/-10%の変動を指し得る。そのような変動が、本明細書で提供される任意の値中に含まれ得ることを理解されたい。
【0017】
本開示の態様は、化学機械研磨(CMP)プロセスの使用によって厚さプロファイルの非対称性を補正するための装置、方法、処理システム、およびコンピュータ可読媒体を提供する。
【0018】
特定の研磨システムでは、プラテンとキャリアヘッドとが使用され、研磨パッドが、プラテン上に配置され、プラテンに付けられる。研磨されるべき基板が、キャリアヘッドと研磨パッドとの間に配置される。キャリアヘッドならびに/またはプラテンおよび研磨パッドは、研磨剤粒子を含んでいるスラリが研磨パッドの表面に塗布されるように、回転する。キャリアヘッド中の膜が使用されて、研磨中に基板に対して圧力を加えて、材料除去速度(material removal rate)を調節し、基板上で達成される平坦化および均一性の結果を制御する。しかしながら、研磨されるより前に、基板は、初期の非対称な、不均一な厚さプロファイルを有し得、これは、従来のCMPプロセスの使用によって、従来のCMPプロセスにおいて提供される対称材料除去速度により、研磨中およびその後に非対称厚さプロファイルが変化しないことを生じる。以下でさらに説明されるように、初期非対称厚さプロファイルを打ち消すために、非対称除去プロファイルが、本明細書で説明される実施形態のうちの1つまたは複数の使用によってもたらされる。非対称除去プロファイルは、知られているとき、基板の初期非対称厚さプロファイルと組み合わせられて、それにより、研磨された基板が、極めて対称である最終厚さプロファイルを有することになり得る。
【0019】
基板の初期厚さプロファイルは、異なる測定または計測(metrology)ツールおよび方法を使用して決定され得る。測定は、花崗岩テーブル(granite table)および測定用高さゲージを用いてなど、手動で行われるか、または、自動システムを用いてなど、自動的に行われ得る。測定は、ゲージを使用するものなど、接触方法を使用して、あるいは、レーザまたは光学機器を使用するものなど、非接触方法を使用して行われ得る。いくつかの実施形態では、計測ステーションが、厚さプロファイルを測定するために使用され得る。厚さプロファイルは、参照マッピングを通して基板上のフィーチャーまたはマーキングを参照し得る。たとえば、基板は、その外周またはエッジ中にV字形ノッチ(たとえば、図3A中のノッチ313)を含み得、厚さプロファイルの配向は、そのノッチを基準にして、記載またはロギングされる。以下でさらに説明されるように、参照マッピングは、非対称除去プロファイルを展開するときに使用される。
【0020】
本明細書で提供される本開示の実施形態のうちの1つまたは複数では、処理中にキャリアヘッドおよび/または研磨パッドの回転スピードを変動させることによって、非対称除去プロファイルが達成され得る。研磨パッドとキャリアヘッドとが一定の回転スピードにおいて回転するとき、基板の半径上のある点の相対速度が、平均すると、半径上の任意の他の点と同じであることになる。たとえば、基板の外周上のある点の平均相対速度は、外周上のあらゆる他の点と同じである。多くの研磨プロセスの1つを変化させると、一定の平均相対速度の使用は、対称除去プロファイルの生成を促進する傾向がある。以下でさらに説明されるように、処理中にキャリアヘッドならびに/または研磨パッドおよびプラテンの回転スピードを変動させることによって、基板の半径上の異なる点の相対速度は、非対称除去プロファイルがもたらされ得るように、相対速度が互いに異なるように、調節され得る。
【0021】
非対称除去プロファイルは、基板の1つまたは複数の材料厚さ非対称性を補正するために使用される。望ましい非対称除去プロファイルを形成しようとして、いくつかの実施形態では、研磨パッドの回転スピードは、一定値において保たれ得るが、キャリアヘッドの回転スピードは、キャリアヘッドの角度回転位置とともに変動し得る。異なる回転角度において回転スピードを変動させることは、望ましい非対称除去プロファイルをもたらすことができると考えられる。適切に位置合わせされたとき、非対称除去プロファイルと基板の非対称厚さプロファイルとは、少なくとも部分的に互いに相殺し、したがって、最終基板厚さプロファイルの非対称性を低減または除去し得る。
【0022】
本出願は、しばしば、キャリアヘッド210(図2)の動きに関して、回転、回転速度(rotational rate)、回転スピード、スピード、および/または速度に言及する。しかしながら、そのような説明は、基板115が、キャリアヘッド210と接触しており、キャリアヘッド210とともに回転するので、別段に記載されていない限り、基板115にも同様に適用されることを理解されたい。本出願は、回転スピード、回転速度、スピード、および速度に言及する。しかしながら、これらの用語は、限定するものではなく、特に記載されていない限り互換的に使用され得る。たとえば、速度は、スピードおよび方向をもつ速度、または速度の大きさ(たとえば、スピード)を意味し得る。
【0023】
非対称性補正のための例示的なシステム
図1は、化学機械研磨(「CMP」)システム100の一実施形態を示す平面図である。CMPシステム100は、ファクトリインターフェースモジュール102と、洗浄装置104と、研磨モジュール106とを含む。湿式ロボット108が、ファクトリインターフェースモジュール102と研磨モジュール106との間で基板115を移送するために提供される。湿式ロボット108はまた、研磨モジュール106と洗浄装置104との間で基板115を移送するように構成され得る。ファクトリインターフェースモジュール102は、1つまたは複数のカセット114と、1つまたは複数の計測ステーション117と、1つまたは複数の移送プラットフォーム116との間で基板115を移送するように構成された乾燥ロボット(dry robot)110を含む。図1に示されている一実施形態では、4つの基板ストレージカセット114が示されている。ファクトリインターフェースモジュール102内の乾燥ロボット110は、4つのカセット114と1つまたは複数の移送プラットフォーム116との間の移送を容易にするための、十分な動き範囲を有する。随意に、乾燥ロボット110は、ファクトリインターフェースモジュール102内に横方向にロボット110を配置するために、レールまたはトラック112上に取り付けられ得る。乾燥ロボット110は、さらに、洗浄装置104から基板115を受け、清浄な研磨された基板を基板ストレージカセット114に返すように構成される。
【0024】
まだ図1を参照すると、研磨モジュール106は、基板115が、キャリアヘッド210中に保持される間、その上で研磨される、複数の研磨ステーション124を含む。研磨ステーション124は、基板115の研磨が、単一の研磨ステーション124中で行われ得るように、1つまたは複数のキャリアヘッド210とインターフェースするようにサイズ決定される。キャリアヘッド210は、図1に想像線で示されているオーバーヘッドトラック128に取り付けられた、キャリッジ(図示せず)に結合される。オーバーヘッドトラック128は、キャリッジが、研磨モジュール106の周りに選択的に配置されることを可能にし、これは、研磨ステーション124およびロードカップ122上で選択的にキャリアヘッド210を配置することを容易にする。図1に示されている実施形態では、オーバーヘッドトラック128は円形構成を有し、これは、キャリアヘッド210を保持するキャリッジが、選択的におよび独立してロードカップ122および研磨ステーション124上でならびに/またはそれらから離れて回転されることを可能にする。
【0025】
一実施形態では、図1に示されているように、研磨モジュール106中に位置する3つの研磨ステーション124が示されている。少なくとも1つのロードカップ122が、湿式ロボット108に最も近い研磨ステーション124間の研磨モジュール106のコーナーにある。ロードカップ122は、湿式ロボット108とキャリアヘッド210との間の移送を容易にする。
【0026】
各研磨ステーション124は、基板115を研磨することが可能な研磨表面(たとえば、図2中の研磨表面204A)を有する研磨パッド204を含む。各研磨ステーション124は、1つまたは複数のキャリアヘッド210と、調整アセンブリ132と、研磨流体供給モジュール135とを含む。一実施形態では、調整アセンブリ132は、パッド調整ディスク133の使用によって、研磨デブリを除去し、研磨パッド204のポアを開けることによって、研磨パッド204の研磨表面を整える、パッド調整アセンブリ140を備え得る。別の実施形態では、研磨流体供給モジュール135は、スラリを供給するための流体供給アーム134を備え得る。一実施形態では、各研磨ステーション124は、パッド調整アセンブリ132を備える。一実施形態では、流体供給アーム134は、研磨ステーション124に流体ストリーム(たとえば、図2中の流体222)を供給するように構成される。研磨パッド204は、処理中に研磨表面を回転させるプラテン(たとえば、図2中のプラテン202)上で支持される。CMPシステム100は、電源180に結合される。
【0027】
いくつかの実施形態では、その上に1つまたは複数の層が堆積されたシリコンウエハなど、基板115は、カセット114を介してCMPシステム100にロードされる。基板115は、一般に、中心軸に対する基板の主要面(major surface)の回転配向を示すために使用され得る、ノッチ、平坦なまたは他のタイプの基準マークを有する。ファクトリインターフェースモジュール102は、コントローラ190がCMPシステム100の動作を協調させる間、カセット114から基板115を抽出する、処理を始める。ファクトリインターフェースモジュール102は、計測ステーション117に基板115を移送し、計測ステーション117は、基板115の厚さプロファイルを測定し、基板115のノッチに対する厚さプロファイルの配向を決定する。計測ステーション117は、図2に関して説明されるように、光学プロセス、渦電流プロセス、抵抗プロセス、または他の有用なプロセスを使用し得る。コントローラ190は、計測ステーション117から厚さプロファイルの測定値および配向を受け、基板115が処理されるとき、ノッチを使用して厚さプロファイルの配向を追跡する。ファクトリインターフェースモジュール102は、移送プラットフォーム116に基板115を移送し、湿式ロボット108は、CMPシステム100を含む後続の処理構成要素を通して基板を移送する。
【0028】
ロードカップ122は、湿式ロボット108から基板115を受けることと、基板115を洗うことと、キャリアヘッド(たとえば、図2中のキャリアヘッド210)に基板115をロードすることとを含む、複数の機能を果たす。各研磨ステーションは、回転可能なプラテン202に固着された研磨パッド204を含む。基板115の材料除去を制御するために、異なる研磨ステーション124において異なる研磨パッド204が使用され得る。CMPシステム動作の態様が、図2においてさらに説明される。
【0029】
いくつかの実施形態では、ファクトリインターフェースモジュール102は、既知のおよび望ましい回転配向において基板115を配置するための、事前位置合わせ器(pre-aligner)118をも含むことができる。所望の回転配向への基板の事前位置合わせは、基板が、システムにおける1つまたは複数のロボットによって、キャリアヘッド210が基板を受けることができる位置に移送されるとき、基板が、キャリアヘッド210および回転可能なプラテン202に対する、既知のおよび望ましい配向において配向されるように、基板が配置および配向されることを可能にする。事前位置合わせ器118は、基板ノッチが特定の角度位置にあるときを感知するための、光遮断器センサ(optical interrupter sensor)(図示せず)など、ノッチ検出システムを含む。たとえば、研磨動作の後に、不確定な角度位置にあり得る、基板115は、計測ステーション117によって走査されたとき、既知の配向を有し、したがって、基板115上の測定のx-y(またはr-θ)位置の正確な決定を可能にする。
【0030】
いくつかの実施形態では、基板115は、乾燥ロボット110によって計測ステーション117に移動され、そこで、厚さ均一性、および/または、ノッチなどの基準マークに対する角度配向の関数としての基板の厚さなど、基板115の特性が測定される。たとえば、ファクトリ乾燥ロボット110は、たとえば、真空吸引によって、基板を「ピック」アップし、研磨されていない基板を計測ステーション117に輸送する。計測ステーション117は、基板115にわたって複数の厚さまたは平坦性測定を実施し得る。コントローラ190は、基板115の厚さおよび/または平坦性が、非対称であり、たとえば、一方の側で反対側よりも厚いと決定し得る。たとえば、コントローラ190は、基板の厚さプロファイル、たとえば、基板厚さの3次元(3D)マップを決定する。厚さを測定するのに好適な計測ステーション117は、NanometricsおよびNova Measuring Instrumentsから入手可能である。
【0031】
乾燥ロボット110は、次いで、移送プラットフォーム116に各基板115を移送し、次いで、湿式ロボット108は、CMPシステム100内の異なる研磨ステーション124に基板を輸送する。最終的に、基板115は、ロードカップ122にロードされ、したがって、キャリアヘッド210が、基板115を保持し、選択された研磨パラメータに従ってCMPプロセスを受けるように、基板115を1つまたは複数の研磨ステーション124の各々に輸送することができる。CMP中に、コントローラ190は、研磨ステーション124の態様を制御する。いくつかの実施形態では、コントローラ190は、デジタル制御ソフトウェアを実行する1つまたは複数のプログラム可能なデジタルコンピュータである。コントローラ190は、研磨装置の近くにあるプロセッサ192、たとえば、パーソナルコンピュータなど、プログラム可能なコンピュータを含むことができる。コントローラは、メモリ194とサポート回路(support circuit)196とを含むことができる。コントローラ190は、非対称除去プロファイルが基板115の非対称厚さプロファイルと位置合わせされるように、たとえば、研磨パッドおよびキャリアヘッドの回転を協調させることができる。これらのプロファイルを位置合わせすることは、基板115の最も厚い部分が、最も多くの材料を除去されることを確実にし、研磨中に基板115の非対称性を低減する。コントローラ190は、図6においてさらに説明される。
【0032】
研磨の後に、湿式ロボット108は、ロードカップ122から洗浄装置104中の洗浄チャンバに基板115を輸送し、そこで、研磨中に基板表面上に累積したスラリおよび他の汚染物質が除去される。図1に示されている実施形態では、洗浄装置104は、2つの前洗浄モジュール144と、2つのメガソニック洗浄装置モジュール146と、2つのブラシボックスモジュール148と、スプレージェットモジュール150と、2つの乾燥装置152とを含む。
【0033】
乾燥ロボット110は、次いで、洗浄装置104から基板115を除去し、再び測定されるように基板115を計測ステーション117に移送する。いくつかの実施形態では、研磨後層厚さ測定が、後続の基板のために研磨プロセスパラメータを調節するために使用され得る。最終的に、乾燥ロボット110は、基板115をカセット114のうちの1つに返す。
【0034】
いくつかの実施形態では、計測ステーション117は、ファクトリインターフェースモジュール102の一部である。いくつかの実施形態では、計測ステーション117は、ファクトリインターフェースモジュール102に接続された別個のモジュール(図示せず)中に収納される。
【0035】
図2は、本明細書で説明される実施形態に従って形成された研磨パッド204を有する研磨アセンブリ200を備える、図1からのCMPシステム100の研磨ステーション124の概略断面図を示す。特に、図2は、キャリアヘッド210が、研磨パッド204に対してどのように配置されるかを示す。x軸、y軸、およびz軸を有する、座標系201が、この図および後続の図中の研磨アセンブリ200の異なる構成要素の配向を示す。座標系201は、x軸、y軸、およびz軸の正の方向と、反時計回り方向にある、z軸を中心とした回転についての正の方向とを示す。反対方向(図示せず)は、負の方向である。
【0036】
いくつかの実施形態では、研磨パッド204は、研磨パッド204とプラテン202との間に配設された、感圧性接着剤(PSA)層(図示せず)など、接着剤を使用して、プラテン202に固着される。その上に取り付けられたプラテン202および研磨パッド204に対向する、キャリアヘッド210は、キャリアヘッド210と研磨パッド204との間に配設された基板115の表面に対して異なる圧力をかけるように構成されたフレキシブルダイアフラム212を含む。キャリアヘッド210は、所定の位置に基板を保つ、基板115を囲むキャリアリング218を含む。キャリアヘッド210は、フレキシブルダイアフラム212が、研磨パッド204の研磨表面204Aに対して基板115の研磨されるべき表面を押し当てている間、キャリアヘッド軸216を中心として回転する。研磨中に、キャリアリング218に対するダウンフォースが、研磨パッド204に対してキャリアリング218を押し当て、研磨プロセス均一性を改善し、基板115がキャリアヘッド210の下からずれるのを防ぐ。いくつかの実施形態では、キャリアヘッド210は、キャリアヘッド軸216と共線的である軸を有するシャフト211を含む。いくつかの実施形態では、プラテン202およびキャリアヘッド210は、各々、それらが回転するとき、それらの角度位置および/または回転速度を測定するための、エンコーダなど、回転センサ(図示せず)を有する。さらなる実施形態では、プラテン202およびキャリアヘッド210は、各々、それらの回転を駆動する機構またはモーター(図示せず)を有する。エンコーダおよびモーターは、図6においてさらに説明されるように、それぞれ、入力および出力としてコントローラに組み込まれ得る。さらなる実施形態では、コントローラは、エンコーダおよび内部タイミング要素を使用して、キャリアヘッド210ならびに/またはプラテン202および研磨パッド204の回転速度を計算し得る。
【0037】
いくつかの実施形態では、研磨パッド204は、プラテン軸205を中心として回転する。いくつかの実施形態では、研磨パッド204は、プラテン軸205と共線的である研磨パッド軸206を有する。いくつかの実施形態では、研磨パッド204は、キャリアヘッド210の回転方向と同じ回転方向に回転する。たとえば、研磨パッド204とキャリアヘッド210とは、図3において説明されるように、両方とも反時計回り方向に回転する。図2に示されているように、研磨パッド204は、基板115の研磨されるべき表面エリアよりも大きい表面エリアを有する。しかしながら、さらなる実施形態では、研磨パッド204は、基板115の研磨されるべき表面エリアよりも小さい表面エリアを有する。
【0038】
本出願は、しばしば、プラテン202およびプラテン軸205の回転速度を含めて、プラテン202およびプラテン軸205に言及する。しかしながら、そのような説明は、いくつかの実施形態では、研磨パッド204とプラテン202とが、1つのものとして回転し、研磨パッド軸206とプラテン軸205とが共線的であるので、別段に記載されていない限り、研磨パッド204および研磨パッド軸206にも同様に適用されることを理解されたい。
【0039】
いくつかの実施形態では、終点検出(EPD)システム224が、研磨中に基板の特性を検出するために、処理中に、プラテン開口226を通して、およびさらに、プラテン開口226の上に配設された研磨パッド204の光学的に透明な窓フィーチャー227を通して、基板115のほうへ光を向ける。EPDシステム224は、研磨アセンブリ200が使用中である間、基板115の厚さ測定が行われることを可能にする。さらなる実施形態では、基板115の表面上に形成された導電層の厚さを測定するために、渦電流プローブが使用される。
【0040】
特に、本出願は、キャリアヘッド210の回転、回転速度、スピード、および/または速度に言及し得る。そのような説明は、基板115が、概してキャリアヘッド210とともに回転するので、別段に記載されていない限り、基板115にも適用されることを理解されたい。
【0041】
研磨中に、流体222が、研磨パッド204の上に配置された、研磨流体供給モジュール135の流体供給アーム134部分を通して、研磨パッド204に導入される。いくつかの実施形態では、流体222は、研磨流体、研磨スラリ、洗浄流体、またはそれらの組合せである。いくつかの実施形態では、研磨流体は、研磨剤粒子を含む水性の化学的性質を含み得る。流体222は、研磨パッド204と併せて基板115の材料表面のCMPを可能にするための、pH調節剤、および/または、酸化剤などの化学的活性成分(chemically active component)をも含み得る。いくつかの実施形態では、流体222は、キャリアヘッド210が研磨パッド204に対して基板を押し当てるとき、基板から材料を除去する。
【0042】
図3Aは、本明細書で説明される実施形態による、図2の研磨アセンブリ200からの研磨パッド204上に配置されたキャリアヘッド210の概略平面図を示す。特に、図3Aは、キャリアヘッド210と研磨パッド204とが他方に対してどのように回転するかの一例を示す。基板115とキャリアリング218とは、それらがこの図ではキャリアヘッド210の下に隠れているので、想像線として示されている。
【0043】
いくつかの実施形態では、基板115は、図1に関して前に説明されたように非対称厚さプロファイル328を有する。一構成では、図3Bに示されているように、基板115は、その上に形成された堆積層303を有するベース基板301(たとえば、単結晶または多結晶シリコン基板)を含む。この例では、前の半導体デバイス処理ステップの実施により、堆積層303(たとえば、金属層または誘電体層)は、変動するフィルム厚さを含み、これは、非対称厚さプロファイル328をもたらした。非対称厚さプロファイル328は、より厚い部分330とより薄い部分332とを有する。部分330と部分332とは、分割線334によって分画され、分割線334は、説明の目的で図3Aに想像線として示されており、基板115上に物理的に存在しない。非対称厚さプロファイル328は、図3Bにおいてさらに説明される。
【0044】
基板115は、図1において前に説明されたV字形ノッチなどのノッチ313を有する。ノッチ313は、一般に、基板115において形成された結晶面の配向を示し、さらに、処理中に基板115を配向するために使用され得る。たとえば、非対称厚さプロファイル328は、ノッチ313を基準にしてメモリに記載、ロギング、または記憶され、したがって、より厚い部分330とより薄い部分332との位置および配向は、基板115の処理中に既知である。コントローラ(たとえば、図1中のコントローラ190)は、図1において前に説明されたように基板115が処理されるとき、非対称厚さプロファイル328の配向を追跡するために使用され得る。
【0045】
図3Aに示されているように、研磨パッド204とキャリアヘッド210とは、両方とも反時計回り方向に回転する。いくつかの実施形態では、研磨パッド204とキャリアヘッド210とは、両方とも時計回り方向に回転する。他の実施形態では、研磨パッド204とキャリアヘッド210とは、反対方向に回転する。たとえば、研磨パッド204は時計回り方向に回転し、キャリアヘッド210は反時計回り方向に回転する。研磨パッド204はプラテン202とともに回転し、基板115はキャリアヘッド210とともに回転する。図3Aに関して説明されたが、研磨パッド204およびキャリアヘッド210の回転方向は、本明細書で開示される任意の図および/または実施形態に適用され得る。
【0046】
図3Aでは、研磨パッド軸206とキャリアヘッド軸216とは、実質的に平行であり、共線的でない。他の実施形態では、キャリアヘッド210は、研磨パッド軸206に対して異なる位置にある。
【0047】
他の実施形態では、研磨中に、キャリアヘッド210は、研磨パッド204の内径から研磨パッド204の外径まで、座標系201のx軸に沿って前後に掃引して、部分的に、研磨均一性を改善し、基板115の一様でない摩耗を低減する。いくつかの実施形態では、キャリアヘッド210は、研磨中に座標系201のy軸の上下に掃引する。いくつかの実施形態では、キャリアヘッド210は、研磨中に研磨パッド軸206を中心として掃引する。他の実施形態では、研磨パッド204は研磨中に掃引するが、キャリアヘッド210は掃引しない。他の実施形態では、研磨パッド204とキャリアヘッド210とは、研磨中に掃引する。概して、プラテンにわたるキャリアヘッド210の掃引はまた、時間的に任意の瞬間における相対速度計算に影響を及ぼし、したがって、本明細書で開示される方法のうちの1つまたは複数において補償され得る。
【0048】
図3Bは、本明細書で説明される実施形態による、基板115の概略側面図を示す。特に、図3Bは、基板115の非対称厚さプロファイル328を示す。
【0049】
この実施形態では、より薄い部分332の表面エリアとより厚い部分330の表面エリアとが等しいように、分割線334が示されている。いくつかの実施形態では、より薄い部分332の表面エリアとより厚い部分330の表面エリアとは等しくない。この実施形態、および図3Aに示されている実施形態では、分割線334は直線として示されているが、いくつかの実施形態では、分割線334は、アーク、スプライン、または自由形式の線など、異なるタイプの線である。
【0050】
これらの実施形態では、基板115の非対称厚さプロファイル328は、最小厚さ333と最大厚さ331とを有する。説明しやすいように、基板115の厚さが、最小厚さ333と最大厚さ331との間で線形的に増加すると仮定される。しかしながら、厚さの変動が線形的に変動するという仮定は、本明細書で提供される本開示の範囲に関して限定するものではない。
【0051】
図3Aおよび図3Bでは、最小厚さ333と最大厚さ331とは、基板115の外周上に位置する。いくつかの実施形態では、ピーク厚さ331および333は、外周上に位置せず、代わりに、それぞれ、より薄い部分332および/またはより厚い部分330内の別の位置に位置する。
【0052】
図4A図4Cは、本明細書で説明される実施形態による、基板115上のいくつかの点とそれらの点の相対速度のプロットとを示す。特に、図4A図4Cは、基板115上の点の相対速度が、角度位置および/またはキャリアヘッド軸216からの距離(たとえば、半径)とともにどのように変動するかを示す。点の相対速度は、基板115および研磨パッド204の半径方向成分および角速度成分(radial and angular velocity component)に基づき、点の半径方向位置および角度位置とともに変動する。したがって、変動する相対速度は、基板115の異なる部分または点について異なる摩耗速度(たとえば、研磨速度)を生じ得る。
【0053】
図4Aは、基板115上のいくつかの点の位置を示す。それらの点は、基板115の(たとえば、180度離れて)反対側にあり、キャリアヘッド軸216から同じ距離のところにある、ペアで示される。たとえば、第1の点440と第2の点442とは、基板115の反対端部にあり、同じ直径(たとえば、キャリアヘッド軸216からの半径方向距離)上にある。以下の点、すなわち、435aおよび435b、436aおよび436b、437aおよび437b、438aおよび438b、ならびに439aおよび439bもペアであり、各ペアは同じ直径上にある。図示のように、点436a、436b、438a、438b、440、および442は、キャリアヘッド軸216から第1の半径方向距離のところに配置され、点435a、435b、437a、437b、439a、および439bは、キャリアヘッド軸216から第2の半径方向距離のところに配置される。第1の半径方向距離は、第2の半径方向距離よりも大きい。
【0054】
図4Aは、点の角度位置を表す、いくつかの角度位置マーカー426(たとえば、0度における角度位置マーカー426a、90度における角度位置マーカー426b、180度における角度位置マーカー426c、および270度角度位置における角度位置マーカー426d)を示す。基板115は、図2において前に説明されたものと同様のキャリアヘッド(図示せず)と研磨パッド204とをもつシステムの一部として回転する。図4Aに示されているように、キャリアヘッド軸216は、研磨パッド軸206から距離426d(たとえば、R)オフセットされ、したがって、研磨パッド204の回転は、時間的に任意の瞬間において、基板115の表面上の点の各々と研磨パッド204上のそれらの対応する点との間の相対速度をもたらすことになる。研磨パッド204およびプラテン202の一部分のみが示されていることを示すために、研磨パッド204およびプラテン202の一部が想像線で示されている。
【0055】
図4Aでは、第1の点440の相対速度は、第1の点440の位置におけるものである研磨パッド204上の点の速度と、第1の点440の位置におけるものであるキャリアヘッド(たとえば、図3A中のキャリアヘッド210)上の点の速度とからなる。したがって、研磨パッド204の回転速度およびキャリアヘッドの回転速度は、各々、第1の点440の相対速度に寄与し、いずれか一方を変化させることは、図4Dに関して説明される異なる相対速度を生じることになる。図4A図4Cにおいて説明される例では、研磨パッドの回転速度は81毎分回転数(RPM)であり、キャリアヘッドの回転速度は66RPMである。さらなる実施形態では、異なる回転速度が、研磨パッドおよびキャリアヘッドのために使用される。
【0056】
図4Bを参照すると、曲線428が、角度位置の関数として、第1の半径方向距離における基板115上のすべての点における相対速度を表す。点436a、436b、438a、438b、440、および442の相対速度は、それらの角度位置に従って曲線428上に示されている。たとえば、第2の点442は0度におけるものであり、点438bは35度におけるものである。したがって、図4Bは、第1の半径方向距離についての一定の回転速度における相対速度の一例を示す。
【0057】
特に、曲線428に沿った相対速度は、基板115がキャリアヘッド軸216を中心として回転するとき、変化する。たとえば、角度位置が第2の点442から点438bに変化するとき、相対速度は増加する。この実施形態では、相対速度は、研磨パッド軸206から、キャリアヘッド軸216を通って、および点436bを通って延びる、半径方向位置と一致する、90度角度位置マーカー426bにおいて最大相対速度に達するまで、増加し続ける。相対速度は、次いで、相対速度が点436aにおいて最小値に達するまで、角度位置が増加するにつれて、減少し、次いで、角度位置が点442にもう一度達するまで、増加する。この例では、キャリアヘッド210および基板115の回転速度は、研磨パッド204の回転速度とは著しく異なる(たとえば、キャリアヘッド/基板回転速度は、研磨パッド回転速度の90%以下である)。したがって、以下でさらに説明されるように、この例では、点493における、基板115上の点および研磨パッド204上の点における速度ベクトルが、基板115と研磨パッド204の両方の反時計回り回転により同じ方向に整合されるが、研磨速度は、基板115上で点436bにおいて点436aよりも大きく、それらの速度ベクトルは点436aにおいて反対方向にあり、これは、主に、研磨パッド軸206から延びる半径の差による、点436b対点436aにおける増加された速度差によるものである。この影響は、図4D図4Eおよび図5Aにおいてさらに説明される。
【0058】
図4Bに示されているように、第1の点440における相対速度は、第2の点442と同じである。相対速度は角度位置とともに変動するが、一定の回転速度を使用するとき、その差は、全回転角掃引(たとえば、>360度)が、少なくとも1回繰り返され、より一般的には、複数回繰り返された場合、所与の半径について、平均化して同じになる。したがって、この実施形態では、基板115の所与の半径上のすべての点(たとえば、点436a、436b、438a、438b、440、および442)は、同じ速度において摩耗することになる。
【0059】
図4Cは、点435a、435b、437a、437b、439a、および439bの、それらの角度位置に従う相対速度を示す。点435a、435b、437a、437b、439a、および439bの角度位置は、それぞれ、(図4B中の)点436a、436b、438a、438b、440、および442の角度位置と同じである。たとえば、第1の点440と点439aとは、両方とも(たとえば、0度における)位置マーカー426aから180度において配置される。
【0060】
曲線429が、角度位置の関数として、点435a、435b、437a、437b、439a、および439bを含む、第2の半径方向距離における基板115上のすべての点における相対速度を表す。図示のように、点435a、435b、437a、437b、439a、および439bの相対速度は、図4Bにおいて説明されたものと同様の様式で角度位置とともに変化する。したがって、曲線429の相対速度は、図4Bに示されている曲線428と同じ様式で角度位置とともに増加および減少するが、曲線429は、曲線428(たとえば、点436bにおける最大相対速度および点436aにおける最小相対速度)よりも小さい、(たとえば、それぞれ、点435bと点435aとにおける)その最大相対速度と最小相対速度との間の差を有する。その差は、第2の半径方向距離が第1の半径方向距離よりも小さいので、より小さい。しかしながら、曲線428および429の相対速度は、研磨パッド204およびキャリアヘッドのために一定の回転速度が使用されるとき、図4Bおよび図4Cに破線によって示されているように、1回の完全な回転(たとえば、0~360度)の過程にわたって、平均化されて同じになることになる。したがって、平均相対速度は、基板115上のすべての点について同じである。
【0061】
研磨パッド204および/またはキャリアヘッドの回転速度を変動させることはまた、相対速度を変化させ、したがって、基板115の、本明細書では研磨速度とも呼ばれる、研磨プロセス材料除去速度を変化させ得る。特に、基板115上の所与の点の角度位置とともにキャリアヘッドの回転速度を変動させることは、基板115の異なる部分または点について、異なる相対速度(およびしたがって、研磨プロセス材料除去速度)を生じ得る。この概念は、図5B図5Dにおいて説明されるように非対称除去プロファイルをもたらすために使用され得る。
【0062】
相対速度分析
図4Dは、本明細書で説明される実施形態による、研磨プロセスの部分中に基板115上の点と一致する点(たとえば、点438a)の相対速度の大きさを決定するプロセスについて説明するために本明細書で使用される、研磨パッド204および基板115の概略平面図である。いくつかの実施形態では、キャリアヘッド210および/または研磨パッド204が、一般に、研磨中に掃引するが、この運動は、この説明において、説明を簡略化するために無視される。座標系401は、座標系201と同様である。いくつかの実施形態では、座標系401は、研磨パッド軸206において原点を有する。他の実施形態では、原点は、キャリアヘッド軸216にある。
【0063】
点438aの相対速度の大きさを計算するための式が、いくつかのステップにおいて導出される。その全体が参照により本明細書に組み込まれる、Krzysztof D. Kopanskiによる「Analysis of Slurry Flow in Chemical-Mechanical Polishing」(Thesis(SM)-Massachusetts Institute of Technology,Dept. of Mechanical Engineering、2005年)が、本明細書で説明されるような相対速度を計算することに関連するいくつかの方法について説明する。さらに、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、Jiun-Yu Laiによる「Mechanics, Mechanisms, and Modeling of the Chemical Mechanical Polishing Process」(Thesis(Ph.D.)-Massachusetts Institute of Technology,Dept. of Mechanical Engineering、2001年)が、本明細書で説明されるような相対速度を計算することに関連するさらなる方法について説明する。これらの参考文献において説明されるような、同様の記法を使用して、基板115上の点の相対速度ベクトルが以下の式のとおりに計算され、ここで、使用される変数は参考文献とは異なり得る。
ここで、Vrelは、基板115上の点(たとえば、点438a)の相対速度であり、ωは、研磨パッド204の角速度441pであり、ωは、基板115の角速度443sであり、rは、キャリアヘッド軸216とその点との間の半径443rであり、Rは、研磨パッド軸206とキャリアヘッド軸216との間の距離441dであり、φは、Rと共線的である、座標系401のx軸401xと、半径443rとの間の角度443aである。「Analysis of Slurry Flow in Chemical-Mechanical Polishing」において説明されるように、研磨パッド204に対するキャリアヘッド210の典型的な振動掃引運動(oscillating sweeping movement)は、その運動が相対速度にあまり著しく寄与しないので、無視され得る。
【0064】
相対速度の大きさが、以下の式のとおりに計算される。
ここで、|Vrel|は、相対速度の大きさである。したがって、研磨パッド204の角速度441pと基板115の角速度443sとの間のより大きい差が、最大相対速度と最小相対速度との間のより大きい差を生じることになる。同様に、キャリアヘッド軸216とある点との間のより大きい半径(たとえば、半径方向距離)において回転されるその点が、より小さい半径において回転される点よりも大きい最大相対速度と最小相対速度とを生じることになる。しかしながら、図4Bおよび図4Cにおいて説明されたように、1回の完全な回転の過程にわたって、基板115上の所与の半径(たとえば、r)についての平均相対速度が、研磨パッド204およびキャリアヘッド210が一定の角速度において回転するとき、同じであることになる。
【0065】
前の相対速度ベクトルの式において使用されないが、研磨パッド204は、研磨パッド軸206と点との間の半径441r(たとえば、r)、およびx軸401xと半径441rとの間の角度441a(たとえば、θ)を有する。角度位置マーカー446(たとえば、0度における角度位置マーカー446a、90度における角度位置マーカー446b、180度における角度位置マーカー446c、および270度角度位置における角度位置マーカー446d)によって示されているような、角度441aおよび443aが配向される。特に、角度位置マーカー446は、図4A中の426とは別様に配向され、これは、図4Dにおいて後で説明される。
【0066】
角速度441pおよび443sは、以下の式のとおりに計算される。
ω=RPM/(60sec/min)*2πrad/rev
ここで、ωは角速度である。一例では、キャリアヘッド210、したがって、基板115は、66RPMの一定の率において回転する。したがって、基板115の角速度443sは、6.91rad/secである。一例では、研磨パッド204は、81RPMの一定の速度において回転し、したがって、角速度441pは、8.48rad/secである。
【0067】
一例では、基板115は300mmウエハであり、したがって、半径443rは、点438aが基板115の外周またはエッジにあるので、0.15mである。点438aは、125度(2.18rad)の角度443aにおけるものである。研磨パッド軸206とキャリアヘッド軸216との間の距離441dは、0.19mである。したがって、点438aにおける相対速度の大きさは、1.49m/sである。
【0068】
前に説明されたように、角度位置マーカー446は、それらが、図4Aと比較して90度だけシフトされるように、図4A中の角度位置マーカー426とは異なる配向において示されている。たとえば、図4A中の90度角度位置マーカー426bは、図4D中の0度角度位置マーカー446aと同じ配向におけるものである。したがって、異なる角度位置における点について相対速度を計算するとき、この90度シフトは考慮に入れられるべきである。この例では、半径443rは、半径443r、したがって、点438bが、125度の角度位置におけるものであるように、配向される。しかしながら、図4Aおよび図4Bに示されているように、点438bは、(125度よりも90度多い)215度の角度位置におけるものである。したがって、点の相対速度の大きさを計算するとき、角度位置マーカー426に変換するために、90度が角度に加算されなければならない。
【0069】
他の実施形態では、研磨パッド204および/またはキャリアヘッド210は、図5A図5Fにおいて説明されるように、異なる一定の速度において、または可変回転速度において回転し得る。そのような実施形態では、このセクションにおいて説明される式は、角速度が一定である期間についての相対速度を計算するために使用され得る。
【0070】
図4Eは、本明細書で説明される実施形態による、研磨プロセスの部分中に基板115上の点と一致する異なる点(たとえば、第1の点440)の相対速度の大きさを決定するプロセスについて説明するために本明細書で使用される、研磨パッド204および基板115の概略平面図である。相対速度の大きさは、図4Dにおいて説明されたものと実質的に同様の様式で計算される。
【0071】
図4Eでは、第1の半径453r(たとえば、r1)が、キャリアヘッド軸216と第1の点440との間のものであり、第1の角度443a(たとえば、φ)が、座標系401のx軸401xと第1の半径453rとの間のものである。第2の半径451r(たとえば、r2)が、研磨パッド軸206と第1の点440との間のものであり、第2の角度451a(たとえば、θ)が、x軸401xと第2の半径451rとの間のものである。
【0072】
一例では、基板115は300mmウエハであり、したがって、第1の半径453rは、点438aが基板115の外周またはエッジにあるので、0.15mである。基板115の角速度443sは、6.91rad/secであり、研磨パッド204の角速度441pは、8.48rad/secである。第1の点440は、90度(1.57rad)の第1の角度453aにおけるものである。研磨パッド軸206とキャリアヘッド軸216との間の距離441dは、0.19mである。したがって、点440における相対速度の大きさは、1.62m/sである。図4Dにおいて説明された角度シフトを考慮したとき、第1の点440は、図4Aおよび図4Bに示されているように180度におけるものである。
【0073】
非対称除去プロセス例
図5Aおよび図5Bは、本明細書で説明される実施形態による、キャリアヘッド210の異なる回転速度における基板115上の第1の点540および第2の点542の相対速度を示す。特に、基板115は、キャリアヘッド軸216を中心として回転し得、単に第1の点440および第2の点442として形式的に知られていたものが、ここで、第1の点540および第2の点542と呼ばれる。たとえば、点540および542は、図4A中の点440および442と一致するそれらの初期開始点から、異なる角度位置に、基板115とともに回転する。相対速度は、図4A図4Eにおいて前に説明されたものと同様に、点540および542の角度位置とともに変動する。
【0074】
図5Aは、基板115上の点540および542についての角度位置を示す。特に、図5Aは、図4Aと実質的に同様であり、キャリアヘッド210中の基板115を角度位置マーカー426とともに示す。
【0075】
図5Bは、一定の研磨パッド(たとえば、図3A中の研磨パッド204)回転速度に対する、キャリアヘッド210の、異なる、一定の回転速度における、点540および542の相対速度のグラフを示す。特に、図5Bは、一定の研磨パッド回転速度に対する、キャリアヘッド210の異なる回転速度についての、異なる角度位置おける点540および542の相対速度を示す。
【0076】
この実施形態では、研磨パッド204とキャリアヘッド210の両方が、反時計回り方向に回転する。1つの研磨プロセス例では、研磨パッド204の回転速度は、81RPMにおいて一定である。線564aおよび564bが、0度位置からの基板115の点540および542の角度位置の関数として、66RPMのキャリアヘッド210回転速度(たとえば、キャリアヘッド/基板回転速度は、研磨パッド回転速度のおよそ80%までである)での相対速度を示す。同様に、線565aおよび565bが、73.5RPM(たとえば、キャリアヘッド/基板回転速度は、研磨パッド回転速度のおよそ90%までである)についての相対速度を示す。線567aおよび567bが、88.5RPM(たとえば、キャリアヘッド/基板回転速度は、研磨パッド回転速度のおよそ110%までである)についての相対速度を示す。568aおよび568bが、96RPM(たとえば、キャリアヘッド/基板回転速度は、研磨パッド回転速度のおよそ120%までである)についての相対速度を示す。
【0077】
研磨パッド204の回転速度とキャリアヘッド210の回転速度とが両方とも81RPMである、この構成の一実施形態では、線566aおよび566bの場合のように、点540および542の各々の相対速度は、一定であり、等しく、キャリアヘッド210の位置とともに変動しない。特に、相対速度は、キャリアヘッド210が回転するにつれて、およびキャリアヘッド210の回転速度が研磨パッド204の回転速度とは異なるとき、増減する。図示のように、相対速度は、0度、180度、および360度において収束する。
【0078】
本出願は、360度および0度に言及するが、これらの用語は、限定するものではなく、特に記載されていない限り互換的に使用され得る。たとえば、360度は、0度と同じ物理的角度位置であり、0度として言及されるかまたは図に示され得る。
【0079】
増減する最大および最小相対速度は、基板115の最大厚さにおけるものである、第1の点540などの点についての相対速度を制御して、これらの点における研磨速度を調節するために、有益に使用され得る。たとえば、第1の点540の回転速度が、0度~180度の角度領域内で66RPMである場合、相対速度は、線564aとして示され、90度において最大相対速度(すなわち、最大研磨速度)がある。第1の点540が180度~360度の角度領域内にあるとき、回転速度が96RPMに切り替わる場合、相対速度は線568bに従い、270度において第2の最大相対速度がある。基板115の反対側エッジにおけるものである、第2の点542の相対速度は、その場合、線564bおよび568aに従うことになり、これは、90度および270度において最小相対速度を有する。線564aおよび568bの平均相対速度は、線564bおよび568bの平均相対速度よりも高く、したがって、第1の点540がこうむる研磨速度と第2の点542がこうむる研磨速度とは異なる。したがって、説明されるように、第1の点540の角度位置とともにキャリアヘッド210の回転速度を変動させることは、第1の点540が、研磨プロセスのこの部分中に第2の点542よりも高い平均相対速度をこうむることを確実にする。これは、研磨プロセス中に、この例では、基板の最大厚さと一致する、第1の点540についてのより高い研磨速度に対する、最小厚さと一致する、第2の点542がこうむる研磨速度を生じ、したがって、非対称除去プロファイルをもたらすために使用される。
【0080】
図5Cおよび図5Dは、本明細書で説明される実施形態による、キャリアヘッド210が可変回転速度において回転するときの点540および542の相対速度を示す。特に、図5Cおよび図5Dは、第1の回転速度570と第2の回転速度572とを示す。図5Bにおいて説明されたように、相対速度は、キャリアヘッド210の回転速度および角度位置とともに変動する。
【0081】
図5Cは、分割線579によって分離された第1のゾーン571と第2のゾーン573とを示す。分割線579は、説明の目的で想像線で示されており、基板115上に物理的に存在しない。分割線は、0度角度位置と180度角度位置とを接続し、空間において固定される。ゾーン571および573は、キャリアヘッド210の回転速度(たとえば、第1の回転速度570および第2の回転速度572)が、第1の点540の角度位置とともにどのように変化するかを説明するために使用される。
【0082】
キャリアヘッド210が回転する間、点540と点542の両方が、分割線579上のゾーン571とゾーン573との間にない限り、第1の点540はゾーンのうちの一方にあり、第2の点542は他方のゾーンにある。たとえば、第1の点540が第2のゾーン573にあるとき、第2の点542は第1のゾーン571にある。図5Bにおいて前に説明されたように、点540および542の平均相対速度は、角度位置の関数としてキャリアヘッド210の回転速度を変動させることによって制御され得る。上述のように、この例では、プラテンと研磨パッドとが一定の速度において回転していると仮定され、したがって、点540および542の平均相対速度は、キャリアヘッド210の回転速度の調節によって直接影響を受ける。一例では、第1の点540が第2のゾーン573にある間、キャリアヘッド210は第2の回転速度572において回転し、第1の点540が第1のゾーン571にある間、キャリアヘッド210は第1の回転速度570において回転する。これは、適切な回転速度570および572が使用される場合、第1の点540の平均相対速度が第2の点542の平均相対速度よりも高いことを確実にする。第1の点540のより高い平均相対速度は、第1の点540について、より高い研磨速度を生じ、これは、第1の点540において、第2の点542よりも多くの材料が除去される、非対称除去プロファイルを生じる。非対称除去プロファイルは、第1の点540が基板115の最大厚さのところにあるかまたはその近くにあり、第2の点542が最小厚さのところにあるかまたはその近くにあるとき、有益である。
【0083】
このようにして、非対称除去プロファイルは、基板115における層厚さ非対称性を補正するために使用され得る。図1において前に説明されたように、基板上に形成された厚さプロファイルの測定値および配向は、研磨の前に検出および記録される。非対称除去プロファイルは、前の図において説明された概念を使用して、研磨の前にモデル化され得る。たとえば、材料除去速度が、研磨パッドおよびキャリアヘッド210の回転速度を使用して、計算されるかまたは相関させられ得る。この実施形態では、材料除去速度は、異なる回転速度570および572がゾーン571および573の各々について使用されるので、ゾーン571と573とで変動する。研磨中に基板115に与えられるダウンフォース、研磨のために使用される流体、およびその流体の流量など、他のファクタも、非対称除去プロファイルモデルの調節において考慮され得る。モデルは、基板の非対称性が研磨の後に低減または除去されるように、基板115の非対称厚さプロファイルとの非対称除去プロファイルの位置合わせを定義するために、基板115の最大および最小厚さの決定された位置および配向をさらに使用する。
【0084】
図5Dは、研磨中のキャリアヘッド210の回転速度570および572における、点540および542の相対速度のプロットを示す。特に、図5Dは、第1の点540が、ゾーン571にあるのか、ゾーン573にあるのかに基づいて、キャリアヘッド210の回転速度を変動させることの影響を示す。
【0085】
この実施形態では、第1の回転速度570は66RPMであり、第2の回転速度572は96RPMである。第1の点540が第2のゾーン573を通って進むとき、第1の点540の相対速度は線574aによって示されており、第2の点542の相対速度は線576aによって示されている。第1の点540が第1のゾーン571を通って進むとき、第1の点540の相対速度は線574bであり、第2の点542の相対速度は線576bである。
【0086】
キャリアヘッド210の回転速度を変動させることは、第1の点540の相対速度(たとえば、線574)が、概して、第2の点542の対応する第2の相対速度(たとえば、線576)よりも高いことを生じる。この例では、第1の点540は、それぞれ、90度および270度において約1.85m/secの最大相対速度において進む。第1の点が最大相対速度にある間、第2の点542は、270度および90度において約1.38m/secの最小相対速度にある。第1の点540のより高い相対速度(たとえば、線574aおよび574b)は、有益には、図5Bおよび図5Cにおいて前に説明されたように非対称除去プロファイルをもたらす。
【0087】
図4A図4Eにおいて説明されたように、同じ半径(たとえば、図4D中の半径443r)に沿った点が、同じ角度位置(たとえば、それぞれ、図4Bおよび図4C中の点436bおよび435b)において最大および最小相対速度を有することになる。したがって、基板115が、その最大厚さが図5A図5Dにおいて説明された第1の点440の半径と一致するように配向された場合、最大厚さにおける点が、最高平均相対速度において進み、基板115の他の角度位置よりも速い速度において摩耗することになる。これは、最大厚さが、最小厚さよりも短い半径におけるものであり、したがって、最大厚さにおける点の相対速度が、最小厚さにおける点の相対速度よりも小さい大きさを有する場合でも、当てはまる。したがって、最大厚さにおける点が、図5Dにおいて説明されたような回転速度570および572を引き起こすように、基板115を配向することは、最大厚さにおける点が最高摩耗速度をこうむることを確実にする。いくつかの実施形態では、これは、研磨プロセスの始めに角度位置マーカー426a(たとえば、0度)において最大厚さにおける点(たとえば、第1の点540)を配置または位置合わせすることを意味する。
【0088】
図5Eは、キャリアヘッド210の全回転サイクル中の第1の点540の角度位置の関数として回転速度570および572を変動させる、矩形波580および正弦波578など、2つの回転速度関数のチャートを示す。図示のように、第1の点540は、0度においてサイクルを開始し、これは、図5Dとは異なる開始角度位置である。
【0089】
図5Bおよび図5Dにおいてなど、いくつかの実施形態では、矩形波580関数は、回転速度570および572を達成するために使用される。この実施形態では、矩形波580関数を使用するとき、第2の回転速度572は、第1の点540が第2のゾーン573にある間、96RPMに設定され、第1の回転速度570は、第1の点540が第1のゾーン571にある間、66RPMに設定される。第1の回転速度570および第2の回転速度572は、キャリアヘッド210が、回転速度570と回転速度572との間で遷移するとき、ランプアップおよびランプダウンしなければならないので、それぞれ、第1の回転速度プロファイルおよび第2の回転速度プロファイルを通して達成される。たとえば、キャリアヘッド210は、96RPMと66RPMとの間で瞬時に切り替わることができない。したがって、回転速度570と回転速度572とは、各々、複数の回転速度を含む。したがって、基板115は、第1の回転速度プロファイルにおいてキャリアヘッド軸216を中心としてある角度に関して回転され、次いで、第1の回転速度プロファイルが第2の回転速度プロファイルとは異なるように、第2の回転速度プロファイルにおいて別の角度に関して回転され得る。代替的に、基板115は、第1の回転速度プロファイルにおける360度回転内で180度以下回転され、次いで、第2の回転速度プロファイルが、第1の回転速度プロファイルとは異なるように、第2の回転速度プロファイルにおける360度回転内で180度以下回転され得る。このプロセスは、少なくとも1回繰り返され得る。
【0090】
このサイクルは、キャリアヘッド210が、処理中に回転し続けるとき、続く。しかしながら、回転速度570および572の急激なおよび繰り返される変化は、キャリアヘッド210の回転を駆動する機構、モーター、またはアクチュエータにとって厳しいことがあり、ゾーン571とゾーン573との間のより滑らかな遷移が望まれ得る。したがって、いくつかの実施形態では、正弦波578が、第1および第2の回転速度プロファイルを通して回転速度570および572を達成するために使用される。一例では、正弦波578関数を使用するとき、第2の回転速度プロファイルは、第1の点540が第2のゾーン573にある間、180度における81RPMにおいて開始し、270度における第2の回転速度572(たとえば、96RPM)まで徐々に増加し、次いで、360度における81RPMまで徐々に減少して戻る。0度において第1のゾーン571に入るとき、回転速度は、81RPMにおいて第1の回転速度プロファイルに遷移し、90度における第1の回転速度(たとえば、66RPM)まで徐々に減少し、次いで、180度における81RPMまで徐々に増加して戻る。そのサイクルは、第1の点540が第2のゾーン573に再び入るとき、繰り返される。正弦波578の徐々の増加および減少は、キャリアヘッド210の回転を駆動する機構、モーター、またはアクチュエータに対して、より緩やかであり、矩形波580よりも滑らかな、ゾーン571とゾーン573との間の遷移を提供し、したがって、システム内の機械的構成要素の寿命を改善する。
【0091】
図5Fは、本明細書で説明される実施形態による、図5Eにおいて説明された回転速度関数を使用する点540および542の相対速度のチャートを示す。特に、図5Fは、第1の点540が、ゾーン571にあるのか、ゾーン573にあるのかに基づいて、キャリアヘッド210の回転速度570および572を制御するために、矩形波580および正弦波578を使用することの影響を示す。この例では、第1の回転速度570は66RPMであり、第2の回転速度572は96RPMである。したがって、第1の点540が第2のゾーン573を通って進むとき、第1の点540の相対速度は、矩形波580を使用するとき、線574aによって示されており、正弦波578を使用するとき、線575aによって示されている。第2の点542についての対応する相対速度は、矩形波580を使用するとき、線576aによって示されており、正弦波578を使用するとき、線577aによって示されている。同様に、第1の点540が第1のゾーン571を通って進むとき、第1の点540の相対速度は、矩形波580を使用するとき、線574bによって示されており、正弦波578を使用するとき、線575bによって示されている。第2の点542についての対応する相対速度は、矩形波580を使用するとき、線576bによって示されており、正弦波578を使用するとき、線577bによって示されている。
【0092】
図示のように、矩形波580についての相対速度574および576(たとえば、線574および576)は、平均すると、それぞれ、正弦波578の相対速度575および577(たとえば、線575および577)よりも大きい大きさを有する。一例では、矩形波580の相対速度574および576の平均は、正弦波578の相対速度575および577の平均よりも約20%多い。しかしながら、前に説明されたように、正弦波578は、回転速度570と回転速度572との間のより滑らかな遷移を有益に提供する。したがって、いくつかの実施形態では、正弦波578は、キャリアヘッド回転アクチュエータに対する過大な摩耗を回避するために使用される。
【0093】
さらなる実施形態では、三角形または鋸歯状回転動きプロファイルなど、他の回転速度プロファイル、または波パターンが、矩形波580または正弦波578の代わりに使用される。本明細書で提供される例は、研磨パッド204および/またはキャリアヘッド210のほんのいくつかの異なる回転速度を開示するが、これらの例は、他の回転速度が研磨パッド204および/またはキャリアヘッド210のために使用され得るので、本明細書で説明される本開示に関して限定するものではない。その上、本明細書で説明される回転する研磨パッド構成も、研磨パッドの線形運動を利用する構成(たとえば、ベルトスタイルプロセス)が、代替的に、基板の表面上の所望の相対速度を達成するために使用され得るので、本明細書で提供される本開示の範囲に関して限定するものではない。
【0094】
さらなる実施形態では、ゾーン571および573は、0度および180度以外の他の角度位置を含むように定義され得る。さらなる実施形態では、それらのゾーンは、等しい角度回転位置をカバーしないことがある。たとえば、基板は、第1の回転速度において、180度以外の、第1の角度に関して回転し、次いで、第2の回転速度において、180度以外の、第2の角度に関して回転する。たとえば、第1の角度は、(30度回転位置から60度回転位置の間などの)30度であり得、第2の角度は、(60度回転位置から、360度回転位置を通って、30度回転位置の間などの)300度であり得る。さらなる実施形態では、2つ(たとえば、ゾーン571および573)よりも多いゾーンが、回転速度を変動させるために使用され得る。
【0095】
さらなる実施形態では、研磨パッド204の回転速度が変動され、キャリアヘッド210の回転速度は、一定の回転速度において保たれる。このプロセスは、キャリアヘッド210の回転速度を変動させ、研磨パッドの回転速度を一定に保つことと同様の影響を達成することができる。たとえば、第1の点540の平均相対速度は、第2の点542の平均相対速度よりも高くされ、非対称除去プロファイルを有益に生じることができる。
【0096】
本明細書で説明される概念を使用するさらなる実施形態では、研磨パッドおよびキャリアヘッド210の回転速度は、非対称除去プロファイルを有益に生じるために変動される。いくつかの実施形態では、研磨パッド204の回転速度とキャリアヘッド210の回転速度は、両方とも、非対称除去プロセスが実施されるスピードを改善するように、および/または、研磨プロセスの異なる段階中の除去速度のより良い制御を達成するように、調節される。一例では、研磨プロセスの開始時に高い除去速度を含むことと、次いで、非対称性が、プロセスの1つまたは複数の異なる段階中に相対速度を調節すること(たとえば、両方の回転速度を変動させること)によって小さくされるので、その除去速度を漸進的に減速させることとが望ましいことがある。
【0097】
図6は、キャリアヘッド(たとえば、図2中のキャリアヘッド210)および/あるいはプラテンまたは研磨パッド(たとえば、図2中のプラテン202または研磨パッド204)のためのコントローラ190の一例の機能ブロック図を示す。コントローラ190は、メモリ194、入力デバイス630、および出力デバイス640とデータ通信している、プロセッサ192を含む。図示されていないが、コントローラ190の他の実施形態は、コントローラ190のために示されているものと同様の構成要素を有する。いくつかの実施形態では、プロセッサ192は、さらに、随意のネットワークインターフェースカード650とデータ通信している。別個に説明されるが、コントローラ190に関して説明される機能ブロックが、別個の構造要素である必要がないことを諒解されたい。たとえば、プロセッサ192とメモリ620とは、単一のチップにおいて具現され得る。プロセッサ192は、汎用プロセッサ、デジタルシグナルプロセッサ(「DSP」)、特定用途向け集積回路(「ASIC」)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(「FPGA」)または他のプログラマブル論理デバイス、個別ゲートまたはトランジスタ論理、個別ハードウェア構成要素、あるいは本明細書で説明される機能を実施するように設計されたそれらの任意の好適な組合せであり得る。プロセッサはまた、コンピューティングデバイスの組合せ、たとえば、DSPとマイクロプロセッサとの組合せ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと連携した1つまたは複数のマイクロプロセッサ、または任意の他のそのような構成として実装され得る。
【0098】
プロセッサ192は、1つまたは複数のバスを介して、メモリ620から情報を読み取るかまたはメモリ620に情報を書き込むために、結合され得る。プロセッサは、追加として、または代替として、プロセッサレジスタなど、メモリを含んでいることがある。メモリ620は、異なるレベルが異なる容量およびアクセススピードを有するマルチレベル階層キャッシュを含む、プロセッサキャッシュを含むことができる。メモリ620は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、他の揮発性ストレージデバイス、または不揮発性ストレージデバイスをも含むことができる。ストレージは、ハードドライブ、フラッシュメモリなどを含むことができる。様々な事例において、メモリは、コンピュータ可読ストレージ媒体と呼ばれる。コンピュータ可読ストレージ媒体は、情報を記憶することが可能な非一時的デバイスであり、ある位置から別の位置に情報を搬送することが可能な電子一時的信号など、コンピュータ可読伝送媒体と区別可能である。本明細書で説明されるコンピュータ可読媒体は、概して、コンピュータ可読ストレージ媒体またはコンピュータ可読伝送媒体を指し得る。
【0099】
プロセッサ192はまた、それぞれ、コントローラ190のユーザから入力を受けること、およびコントローラ190のユーザに出力を提供することを行うための、入力デバイス630および出力デバイス640に結合され得る。好適な入力デバイスは、限定はしないが、キーボード、ボタン、キー、スイッチ、ポインティングデバイス、マウス、ジョイスティック、遠隔制御、赤外線検出器、バーコードリーダー、スキャナ、(場合によっては、たとえば、手ジェスチャーまたは顔ジェスチャーを検出するために、ビデオ処理ソフトウェアと結合された)ビデオカメラ、動き検出器、または(場合によっては、たとえば、ボイスコマンドを検出するために、オーディオ処理ソフトウェアに結合された)マイクロフォンを含む。入力デバイス630は、図2において説明されたようにキャリアヘッド210またはプラテン202の回転を測定するためのエンコーダまたは他のセンサを含む。好適な出力デバイスは、限定はしないが、ディスプレイおよびプリンタを含む、視覚出力デバイスと、スピーカー、ヘッドフォン、イヤフォン、およびアラームを含む、オーディオ出力デバイスと、付加製造機械と、ハプティック出力デバイスとを含む。図2において説明されたように、出力デバイス640は、キャリアヘッド210またはプラテン202の回転を駆動するために使用される機構またはモーターを駆動および制御するように構成された様々な電気的構成要素を含む。
【0100】
いくつかの実施形態では、プロセッサ192は、水晶または抵抗器-キャパシタ組合せなど、タイミング要素615を含み、内部発振器の一部として使用される。タイミング要素は、計時するためにプロセッサ192によって使用され得、たとえば、回転速度を計算するためにエンコーダとともに使用され得る。
【0101】
さらなる実施形態では、入力デバイス630、出力デバイス640、ネットワークインターフェースカード650、および/または他の構成要素は、サポート回路(たとえば、図1中のサポート回路)と見なされる。
【0102】
プロセスシーケンス例
図7は、図1に示されているCMPシステム100など、研磨システムにおいて実施され得る非対称研磨プロセスシーケンス700の一例を示す。図7に関して説明されるプロセスシーケンスは、主に、非対称研磨プロセスを実施するために使用される処理に焦点を当てるが、処理のこの短縮されたリストは、他の研磨プロセス処理が、本明細書で提供される本開示の基本的範囲から逸脱することなく、非対称研磨プロセスシーケンス700に関して説明される処理の前に、それらの処理中に、またはそれらの処理の後に挿入され得るので、本明細書で説明される本開示の範囲に関して限定するものではない。一例では、上記で手短に説明されたように、非対称研磨プロセスシーケンス700が基板に対して実施された後に、1つまたは複数の洗浄プロセスが、CMPシステム100内の洗浄装置104中で基板に対して実施され得る。別の例では、1つまたは複数の追加の研磨プロセス(すなわち、非対称研磨プロセスまたは従来の対称研磨プロセス)が、同じく、非対称研磨プロセスシーケンス700を実施する前または後に、同じキャリアヘッド210を使用して、CMPシステム100内の同じまたは異なる研磨パッド204上の基板に対して実施され得る。
【0103】
処理702において、基板115が、乾燥ロボット110によってカセット114から除去され、事前位置合わせ器118中に配置される。事前位置合わせ器118は、次いで、ノッチ313など、基板115の表面上に形成された1つまたは複数のフィーチャーを検出することによって基板115の配向を決定するために使用される。事前位置合わせ器118は、次いで、乾燥ロボット110が、次いで、配向および事前位置合わせされた基板115を受けることができるように、所望の角度配向において基板115を配置する。
【0104】
処理704において、配向および事前位置合わせされた基板115は、次いで、乾燥ロボット110によって事前位置合わせ器118から除去され、計測ステーション117中に配置される。上記で説明されたように、計測ステーション117は、次いで、基板115の厚さプロファイルを測定し、ノッチ313など、基板115の表面上に形成された1つまたは複数のフィーチャーに対する厚さプロファイルの配向を決定するために使用される。処理704中に、コントローラ190は、計測ステーション117から厚さプロファイルの測定値および配向を受ける。コントローラ190は、次いで、測定値および基板配向情報を使用して、たとえば、図5Dにおいて説明されたように、後続の処理において実施される(1つまたは複数の)非対称研磨プロセスを協調させることができる。
【0105】
いくつかの実施形態では、処理702と処理704とは、同じチャンバ中で実施され、したがって、計測ステーション117が1つまたは複数の基板配向検出要素を含むので、別個の事前位置合わせ器118が必要でないことがある。
【0106】
処理706において、配向、事前位置合わせ、および厚さプロファイル測定された基板115は、次いで、乾燥ロボット110によって移送プラットフォーム116に移送され、湿式ロボット108は、次いで、ロードカップ122に基板115を移送する。基板115の既知の配向、位置合わせ、および厚さプロファイルに基づいて、基板115は、次いで、キャリアヘッド210が、既知の角度配向において基板115をピックアップすることができるように、ロードカップ122中に所望の位置および配向において配置される。いくつかの実施形態では、処理702中に実施される(1つまたは複数の)事前位置合わせステップは、乾燥ロボット110および湿式ロボット108によって実施される後続の移送ステップが、基板115の角度位置合わせをロードカップ122中の所望の配向において終了させることになるように、基板115を位置合わせおよび配置するように構成される。既知のおよび望ましい配向において、既知の厚さプロファイルを有する、基板115を受けるキャリアヘッド210の能力は、処理710における後続の非対称研磨プロセスが、研磨ステーション124のうちの1つまたは複数において基板115の所望の領域に対して実施されることを可能にする。
【0107】
処理708において、キャリアヘッド210は、次いで、配向および位置合わせされた基板115を、ロードカップ122内のその既知の位置からピックアップし、処理710における後続の非対称研磨プロセスが実施され得るように、研磨ステーション124中の研磨パッド204の表面204Aに基板115を移送する。処理708より前にまたは処理708中に、1つまたは複数のキャリアヘッド210配向検出要素が、ロードカップ122に対するキャリアヘッド210の角度配向と、ノッチ313など、基板115の表面上に形成された1つまたは複数のフィーチャーの位置とが、既知であり、正しく配向されることを保証するために使用される。いくつかの実施形態では、キャリアヘッド210は、アクチュエータ(図示せず)に結合された、エンコーダ、位置フラグまたは(1つまたは複数の)他の配向検出要素を含み、これらは、協働することにより、キャリアヘッド210が、位置合わせおよび配向された基板115をロードカップ122からピックアップするとき、キャリアヘッド210が、既知のおよび所望の角度配向において配向されることを可能にする。
【0108】
処理710において、コントローラ190は、次いで、上記で説明された非対称除去プロセスのうちの1つまたは複数に関して説明された、非対称研磨プロセスを実施するために使用される処理ステップを実施するように、キャリアヘッド210ならびに研磨パッド204および/またはプラテン202の相対動きを協調させる。一例では、図5Dに関して説明されたように、研磨パッド204は、キャリアヘッド210の回転速度がキャリアヘッド210の角度位置とともに変動される間、一定の回転速度において回転し得る。コントローラ190は、回転速度を、配向および位置合わせされた基板115の厚さプロファイルと協調させ、したがって、厚さプロファイルの配向はキャリアヘッド210の角度位置に関して既知である。キャリアヘッド210の角度の関数としての回転速度の協調は、より厚い部分330など、基板115の部分が、より薄い部分332とは異なる研磨速度において研磨されることを生じる。上記で説明されたように、より薄い部分332に対する、より高い相対速度をより厚い部分330に提供することによって、研磨中に、より厚い部分330から、より薄い部分332よりも多くの材料を有益に除去する、非対称除去プロファイルをもたらす。前に説明されたように、キャリアヘッド210および研磨パッド204またはプラテン202は、各々、所望の非対称研磨プロファイルを達成するために、異なる一定のおよび/または変動する回転速度において回転し得る。いくつかの実施形態では、コントローラ190は、(1つまたは複数の)配向検出要素を使用して、キャリアヘッド210および研磨パッド204またはプラテン202、ならびにそれらのそれぞれのアクチュエータの角度位置を決定し、回転速度を調節し、基板からの材料の非対称除去をもたらす。
【0109】
処理710を実施した後に、処理712において、図4A図4Eにおいて説明されたような対称研磨プロセスを実施することが望ましいことがある。対称研磨プロセスは、基板115の高い点と低い点(たとえば、それぞれ、図4A中の440と442)との間の差が、たとえば、設定値として、または厚さの割合として、あらかじめ決定され得る、最小値に達したとき、始まり得る。その最小値において、基板は、均一な厚さプロファイルを有すると見なされる。動作712中に、コントローラ190は、対称材料除去プロファイルをもたらすために、キャリアヘッド210ならびに研磨パッド204および/またはプラテン202を一定の回転速度において回転させる。他の実施形態では、処理712は、処理710の前に実施される。
【0110】
処理710および/または712を実施した後に、処理714において、代替非対称研磨プロセスが、次いで、基板に対して実施される必要があるかどうかを決定するために、基板115上の非対称研磨プロセス後厚さプロファイルを測定することが望ましいことがある。処理714中に、キャリアヘッドが、研磨された基板115をロードカップ122中に堆積させる、湿式ロボット108が、洗浄装置104に基板115を移送する、基板115が、洗浄装置104中で洗浄される、および、乾燥ロボット110が、次いで、洗浄装置104から洗浄された基板115を受け、現在の厚さプロファイルが測定され得るように、計測ステーション117に基板115を移送するなど、複数の中間プロセスが実施され得る。次いで、所望される場合、処理706~714は、コントローラ190からのコマンドの使用によって、少なくとも追加の1回完了され得る。他の実施形態では、処理714は、高い点と低い点との間の差が、最小値にあるまたはそれを下回るかどうかを検査または検証するために、処理710と処理712との間で実施される。処理710および714は、最小値が達成されるまで、少なくとも1回繰り返され得る。処理714は、次いで、処理712の結果が満足のいくものであることを検証するために、処理712が完了した後に再び実施され得る。
【0111】
先行する説明は、当業者が、本明細書で説明される様々な実施形態を実践することを可能にするために提供される。本明細書で説明される例は、特許請求の範囲に記載された範囲、適用可能性、または実施形態を限定しない。これらの実施形態への様々な修正は当業者に容易に明らかとなり、本明細書で定義される一般原理は他の実施形態に適用され得る。たとえば、本開示の範囲から逸脱することなく、説明される要素の機能および構成において変更が行われる。様々な例は、適宜に、様々なプロシージャまたは構成要素を省略、置換、または追加し得る。たとえば、説明される方法は、説明されるものとは異なる順序で実施され得、様々なステップが、追加されるか、省略されるか、または組み合わせられ得る。また、いくつかの例に関して説明される特徴は、いくつかの他の例において組み合わせられ得る。たとえば、本明細書に記載される任意の数の態様を使用して、装置が実装され得、方法が実践され得る。さらに、本開示の範囲は、本明細書に記載される本開示の様々な態様に加えて、またはそれらの態様以外に、他の構造、機能、または構造および機能を使用して実践される、そのような装置または方法をカバーするものとする。本明細書で開示される本開示の態様は、クレームの1つまたは複数の要素によって具現され得ることを理解されたい。
【0112】
本明細書で使用される「例示的」という単語は、「例、事例、または例示として働くこと」を意味する。「例示的」として本明細書で説明されるいかなる態様も、必ずしも他の態様よりも好ましいまたは有利であると解釈されるべきであるとは限らない。
【0113】
本明細書で使用される、項目のリスト「のうちの少なくとも1つ」を指す句は、単一の部材を含む、それらの項目の任意の組合せを指す。一例として、「a、b、またはcのうちの少なくとも1つ」は、a、b、c、a-b、a-c、b-c、およびa-b-c、ならびに複数の同じ要素との任意の組合せ(たとえば、a-a、a-a-a、a-a-b、a-a-c、a-b-b、a-c-c、b-b、b-b-b、b-b-c、c-c、およびc-c-c、またはa、b、およびcの任意の他の順序)をカバーするものとする。
【0114】
本明細書で使用される「決定すること」という用語は、多種多様なアクションを包含する。たとえば、「決定すること」は、計算すること、算出すること、処理すること、導出すること、調査すること、ルックアップすること(たとえば、テーブル、データベース、または別のデータ構造においてルックアップすること)、確認することなどを含み得る。また、「決定すること」は、受けること(たとえば、情報を受けること)、アクセスすること(たとえば、メモリ中のデータにアクセスすること)などを含み得る。また、「決定すること」は、解決すること、選択すること、選定すること、確立することなどを含み得る。
【0115】
本明細書で開示される方法は、方法を達成するための1つまたは複数のステップまたはアクションを含む。方法ステップおよび/またはアクションは、特許請求の範囲から逸脱することなく互いに交換され得る。言い換えれば、ステップまたはアクションの特定の順序が指定されない限り、特定のステップおよび/またはアクションの順序および/または使用は、特許請求の範囲から逸脱することなく修正され得る。さらに、上記で説明された方法の様々な動作は、対応する機能を実施することが可能な任意の好適な手段によって実施され得る。それらの手段は、限定はしないが、回路、特定用途向け集積回路(ASIC)、またはプロセッサを含む、様々なハードウェアならびに/あるいはソフトウェア構成要素および/またはモジュールを含み得る。概して、図に示された動作がある場合、それらの動作は、同様の番号付けをもつ対応するカウンターパートミーンズプラスファンクション構成要素を有し得る。
【0116】
以下の特許請求の範囲は、本明細書に示される実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の文言に一致する全範囲を与えられるべきである。クレーム内で、単数形での要素への言及は、そのように明記されていない限り、「唯一」を意味するものでなく、むしろ「1つまたは複数」を意味するものとする。別段に明記されていない限り、「いくつか」という用語は、1つまたは複数を指す。いかなるクレーム要素も、その要素が「ための手段」という句を使用して明確に具陳されていない限り、または方法クレームの場合には、その要素が「ためのステップ」という句を使用して具陳されていない限り、米国特許法第112条(f)の規定の下で解釈されるべきではない。当業者に知られているかまたは当業者に後で知られることになる、本開示全体にわたって説明される様々な態様の要素に対するすべての構造的および機能的等価物は、参照により本明細書に明確に組み込まれ、特許請求の範囲によって包含されるものとする。その上、本明細書で開示されるいかなることも、そのような開示が特許請求の範囲に明示的に具陳されているかどうかにかかわらず、公に供するものではない。
図1
図2
図3A
図3B
図4A
図4B
図4C
図4D
図4E
図5A
図5B
図5C
図5D
図5E
図5F
図6
図7
【手続補正書】
【提出日】2024-02-05
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上の材料を除去する方法であって、
基板と接触しているキャリアヘッド、前記キャリアヘッドの各全回転サイクル中に前記キャリアヘッド上の基準点の角度位置の関数として変動する可変回転速度で、キャリアヘッド軸を中心として第1の方向に回転させることと、
前記キャリアヘッドを回転させている間、プラテン上で支持された研磨パッドの研磨表面に対して前記基板の表面を押し当てることと
含む、方法。
【請求項2】
前記プラテンプラテン軸を中心として第2の方向に回転させることをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記キャリアヘッド軸と前記プラテン軸とが、実質的に平行であり、共線的でない、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記可変回転速度が、第1の角度位置と第2の角度位置の間の前記角度位置についての複数の第1の回転速度と、前記第2の角度位置と第3の角度位置の間の前記角度位置についての複数の第2の回転速度を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記可変回転速度が、ステップ関数または正弦関数の少なくとも一部分を含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記第1の回転速度の平均回転速度が、前記第2の回転速度の平均回転速度よりも大きい、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記第1の方向と前記第2の方向とが、両方とも時計回り方向に回転されるか、または両方とも反時計回り方向に回転される、請求項2に記載の方法。
【請求項8】
前記プラテンを前記プラテン軸を中心として回転させることが、前記プラテンを一定の回転速度において回転させることを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項9】
前記プラテンを前記プラテン軸を中心として回転させることが、前記プラテン可変回転速度において回転させることを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項10】
前記第3の角度位置と前記第1の角度位置との間の差が、約360度よりも小さいかまたはそれに等しい、請求項に記載の方法。
【請求項11】
前記キャリアヘッド前記キャリアヘッド軸を中心として前記第1の方向に回転させることより前に、前記基板の厚さプロファイルを測定することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記キャリアヘッドを前記キャリアヘッド軸を中心として前記第1の方向に回転させることより前に、前記厚さプロファイルに従って前記基板を配向および位置合わせすることと、
前記キャリアヘッドによって、配向および位置合わせされた前記基板を受けることと
をさらに含み、
前記キャリアヘッドは、前記キャリアヘッドを回転させている間に前記研磨パッドの前記研磨表面に対して前記基板の前記表面を押し当てるように構成された、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記可変回転速度は、前記材料が前記基板の前記表面から非対称に除去されるようなものである、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記キャリアヘッドを、前記キャリアヘッド軸を中心として回転させることが、前記キャリアヘッドを一定の回転速度において前記第3の角度位置と第4の角度位置の間の前記角度位置に関して回転させることをさらに含み、前記第4の角度位置が360度よりも大きい、請求項に記載の方法。
【請求項15】
基板上の材料を除去する方法であって、
基板と接触しているキャリアヘッド、キャリアヘッド軸を中心として第1の方向に回転させることと、
前記キャリアヘッドを前記キャリアヘッド軸を中心として回転させている間、プラテン上で支持された研磨パッドの研磨表面に対して前記基板の表面を押し当てることとを含み、
前記キャリアヘッドを前記キャリアヘッド軸を中心として回転させることは、
(a)前記キャリアヘッドを、複数の第1の回転速度における360度回転内で180度以下回転させることと、
(b)次いで、前記キャリアヘッドを、前記複数の第1の回転速度とは異なる複数の第2の回転速度における前記360度回転内で180度以下回転させることと、
(c)(a)および(b)を少なくとももう1回繰り返すことと
を含む、
方法。
【請求項16】
前記プラテンプラテン軸を中心として第2の方向に回転させることをさらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記第1の方向と前記第2の方向とが、両方とも時計回り方向におけるものであるか、または両方とも反時計回り方向におけるものである、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記複数の第1の回転速度と前記複数の第2の回転速度とを、ステップ関数または正弦関数に従って変動させることをさらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項19】
第1の回転軸を有するキャリアヘッドと、
プラテンの表面上に配設された研磨パッドであって、前記プラテンが第2の回転軸を有する、研磨パッドと、
コンピュータ実行可能命令を備える非一時的コンピュータ可読媒体と
を備える、化学機械研磨システムであって、前記コンピュータ実行可能命令が、処理システムによって実行されたとき、前記処理システムに、基板上の材料を除去する方法を実施させ、前記方法が、
前記基板と接触している前記キャリアヘッドを、前記キャリアヘッドの各全回転サイクル中に前記キャリアヘッド上の基準点の角度位置の関数として変動する可変回転速度において、前記第1の回転軸を中心として第1の方向に回転させることと、
前記キャリアヘッドを前記第1の回転軸を中心として回転させている間、前記キャリアヘッドの使用によって、前記研磨パッドの研磨表面に対して前記基板の表面を押し当てることとを含む
化学機械研磨システム。
【国際調査報告】