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特表2024-522520芳香化学物質としての5-メチル-5-(4-メチル-3-ペンテン-1-イル)-2(5H)-フラノンの使用
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-21
(54)【発明の名称】芳香化学物質としての5-メチル-5-(4-メチル-3-ペンテン-1-イル)-2(5H)-フラノンの使用
(51)【国際特許分類】
   C11B 9/00 20060101AFI20240614BHJP
   C11D 3/50 20060101ALI20240614BHJP
   C07D 307/58 20060101ALI20240614BHJP
   A61Q 13/00 20060101ALI20240614BHJP
   A61K 8/49 20060101ALI20240614BHJP
   A61Q 5/12 20060101ALI20240614BHJP
   A61Q 17/04 20060101ALI20240614BHJP
   A61Q 19/10 20060101ALI20240614BHJP
   A61Q 5/02 20060101ALI20240614BHJP
   A61Q 9/02 20060101ALI20240614BHJP
   A61K 47/22 20060101ALI20240614BHJP
【FI】
C11B9/00 U
C11D3/50
C07D307/58
A61Q13/00 101
A61K8/49
A61Q5/12
A61Q17/04
A61Q19/10
A61Q5/02
A61Q9/02
A61K47/22
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023573553
(86)(22)【出願日】2022-05-27
(85)【翻訳文提出日】2023-11-29
(86)【国際出願番号】 EP2022064439
(87)【国際公開番号】W WO2022253709
(87)【国際公開日】2022-12-08
(31)【優先権主張番号】21177161.3
(32)【優先日】2021-06-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】508020155
【氏名又は名称】ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】Carl-Bosch-Strasse 38, 67056 Ludwigshafen am Rhein, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】弁理士法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】シェルヴィース,マティアス
(72)【発明者】
【氏名】ブルンナー,ベルンハルト
(72)【発明者】
【氏名】ペルツァー,ラルフ
【テーマコード(参考)】
4C076
4C083
4H003
【Fターム(参考)】
4C076DD59T
4C076FF52
4C083AC841
4C083AC842
4C083CC17
4C083CC19
4C083CC21
4C083CC22
4C083CC23
4C083CC32
4C083CC33
4C083CC38
4C083DD08
4C083DD31
4C083DD41
4C083KK02
4H003BA09
4H003BA12
4H003BA15
4H003DA01
4H003DA02
4H003FA26
(57)【要約】
本発明は、スウィート、トンカ、アカシア、ウッディのような印象を組成物に付与する芳香化学物質として使用される式(I)の化合物に関する。本発明は、更に、スウィート、トンカ、アカシア、及び/又はウッディのような印象を組成物に付与する芳香化学物質としての、並びにまた組成物の芳香を向上及び/又は改質するための式(I)の化合物の使用に関する。本発明は、更に、式(I)の少なくとも1つの化合物と、(i)式(I)の化合物とは異なる少なくとも1つの芳香化学物質、又は(ii)少なくとも1つの非芳香化学物質担体、又は(iii)(i)と(ii)の両方と、を含む組成物を対象とする。
【化1】
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
組成物に芳香の印象を付与するための、式(I)
【化1】
の化合物又はその立体異性体
の使用。
【請求項2】
前記式(I)の化合物が、単一のエナンチオマーI(a)若しくはI(b)又はI(a)とI(b)との任意の比率の混合物を含む、請求項1に記載の使用。
【請求項3】
請求項1に記載の式(I)の少なくとも1つの化合物を組成物に添加する工程を少なくとも含む、組成物に芳香のノートを付与する方法。
【請求項4】
前記組成物が、香水組成物、ボディケア組成物、衛生用品、洗浄組成物、繊維製品洗剤組成物、香りディスペンサー用組成物、食品、栄養補助食品、医薬組成物、及び作物保護組成物からなる群から選択される、請求項1~3のいずれか一項に記載の使用又は方法。
【請求項5】
前記芳香の印象が、スウィートノート、トンカノート、アカシアノート、及びウッディノートからなる群から選択される、請求項1~3のいずれか一項に記載の使用又は方法。
【請求項6】
式(I)の化合物が、前記組成物の総重量に基づいて、0.001重量%以上から70.0重量%以下の範囲で存在する、請求項1~3のいずれか一項に記載の使用又は方法。
【請求項7】
請求項1又は2のいずれか一項に記載の式(I)の少なくとも1つの化合物と、
(i)前記式(I)の化合物とは異なる少なくとも1つの芳香化学物質(X)、又は
(ii)少なくとも1つの非芳香化学物質担体、又は
(i)と(ii)の両方と、を含む組成物。
【請求項8】
式(I)の化合物が、前記組成物の総重量に基づいて、0.001重量%以上から70.0重量%以下の範囲で存在する、請求項7に記載の組成物。
【請求項9】
前記少なくとも1つの非芳香化学物質担体(ii)が、界面活性剤、オイル成分、酸化防止剤、消臭活性剤、及び溶媒からなる群から選択される、請求項7に記載の組成物。
【請求項10】
前記組成物が、香水組成物、ボディケア組成物、衛生用品、洗浄組成物、繊維製品洗剤組成物、香りディスペンサー用組成物、食品、栄養補助食品、医薬組成物、及び作物保護組成物からなる群から選択される、請求項7~9のいずれか一項に記載の組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スウィート、トンカ、アカシア、ウッディのような印象を組成物に付与する芳香化学物質として使用される式(I)の化合物に関する。本発明は、更に、スウィート、トンカ、アカシア、及び/又はウッディのような印象を組成物に付与する芳香化学物質としての、並びにまた組成物の芳香を向上及び/又は改質するための式(I)の化合物の使用に関する。本発明は、更に、式(I)の少なくとも1つの化合物と、(i)式(I)の化合物とは異なる少なくとも1つの芳香化学物質、又は(ii)少なくとも1つの非芳香化学物質担体、又は(iii)(i)と(ii)の両方と、を含む組成物を対象とする。
【背景技術】
【0002】
芳香化学物質、特に芳香剤は、特に、化粧品、洗浄及び洗濯用組成物の分野で大きな関心を集めている。
【0003】
多数の合成芳香化学物質が既に存在しているにもかかわらず、非常に多様な用途分野で望まれる多数の特性を満たすことができるようにするために、新しい成分が常に必要とされている。これらには、第1に、感覚特性が含まれる、即ち、化合物は、有利な嗅覚特性を有する必要がある。更にまた、芳香化学物質は、例えば、効率的な調製方法、他の芳香化学物質との相乗効果の結果としてのより良好な感覚プロファイルを提供する可能性、特定の適用条件下でのより高い安定性、より良好で高い持続性などの、更なる肯定的な二次特性も有する必要がある。
【0004】
このような特性は、例えば、ケア組成物、衛生用品、洗浄組成物、繊維製品洗剤組成物、及び香りディスペンサー(scent dispenser)用組成物などの組成物において特に関心となっている。
【0005】
特に関心となっているのは、組成物に1つ以上の明確な感覚的印象を与え、これにより、豊かで興味深い感覚プロファイル、特に組成物の嗅覚プロファイルに寄与することができる芳香化学物質である。この関連で、スウィート、トンカ、アカシア、及び/又はウッディの印象を付与することができる芳香化学物質は、大きな関心を集めている。加えて、持続性及び粘り強さは、組成物において、及び組成物で処理された表面に長期持続する匂いの印象を得るために特に関心となっている。
【0006】
しかしながら、化学構造が少し変化するだけさえで、匂い及び/又は風味などの感覚特性が大きく変化するため、特定の匂いなどの特定の及び明確な感覚特性を持つ物質を対象として探索することは非常に困難である。したがって、新しい芳香化学物質の探索は、ほとんどの場合、望まれる匂い及び/又は風味を持つ物質が実際に見つかるかどうかさえわからないままでは、困難で骨の折れる作業である。
【0007】
現に特許請求されている発明の目的は、芳香化学物質として、組成物において単独で又は混合物として使用できる物質を提供することであり、特に、心地よい匂いを有する強い匂い物質が求められている。更に、それらは、他の芳香化学物質と組み合わせることができる必要があり、新規で有利な感覚プロファイルの生成を可能にし、組成物に使用できる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
心地よい嗅覚の印象;好ましくは、スウィートノート、トンカノート、アカシアノート、及びウッディノートからなる群から選択される印象のうちの2つ以上の組み合わせを有する新規の芳香化学物質を提供することが、本発明の目的である。
【0009】
本発明の更なる目的は、芳香化学物質が、それらの迅速且つ経済的な製造が可能になるように、容易に入手可能な出発材料から入手可能でなければならないことである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
これらの目的は、本発明の式(I)の化合物を提供することによって達成された。
【0011】
驚くべきことに、本発明の式(I)の化合物が、心地よい嗅覚の印象;好ましくは、スウィートノート、トンカノート、アカシアノート、及びウッディノートから選択される印象のうちの2つ以上の組み合わせを有することが見出された。
【0012】
現に特許請求されている発明の第1の態様は、組成物に芳香の印象を付与するための、式(I)
【化1】
の化合物又はその立体異性体の使用に関する。
【0013】
現に特許請求されている発明の第2の態様は、式I(a)及びI(b)
【化2】
の化合物で表されるエナンチオマーの混合組成物を含む式(I)の化合物に関する。
【0014】
現に特許請求されている発明の第3の態様は、式(I)の少なくとも1つの化合物を組成物に添加する工程を含む、組成物に芳香の印象を付与する方法に関する。
【0015】
現に特許請求されている発明の別の態様は、芳香の特徴のある組成物を改質するための、式(I)の少なくとも1つの化合物の使用に関する。
【0016】
現に特許請求されている発明の更なる態様は、組成物の芳香を増強する方法に関する。上記方法は、芳香化学物質組成物を得るために、式(I)の少なくとも1つの化合物を、例えば式(I)の化合物とは異なる少なくとも1つの他の芳香化学物質及び/又は少なくとも1つの非芳香化学物質担体などの他の成分と混合する工程を含む。
【0017】
現に特許請求されている発明の更に別の態様は、化学組成物の芳香を改質する方法に関する。上記方法は、芳香が改質された芳香化学物質組成物を得るために、現に特許請求されている発明の少なくとも1つの化合物を芳香化学物質組成物に組み込む工程を含む。
【0018】
更に、式(I)の化合物は、容易に入手可能な出発物質から出発する単純な合成によって、良好な収率及び純度で生成されることができる。したがって、現に特許請求されている発明の化合物は、大規模で簡易的なコスト効率のよい方法で生成されることができる。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下の詳細な説明は、本質的に例示であり、現に特許請求されている発明、又は現に特許請求されている発明の用途及び使用を限定することを意図するものではない。更に、前述の技術分野、背景、概要、又は以下の詳細な説明で提示された理論に拘束される意図はない。
【0020】
本明細書で使用される「含む(comprising)」、「含む(comprises)」及び「から構成される(comprised of)」という用語は、「含む(including)」、「含む(includes)」又は「含有する(containing)」、「含有する(contains)」と同義であり、包括的又は無制限であり、追加の、列挙されていない部材、要素又は方法の工程を除外しない。本明細書で使用される「含む(comprising)」、「含む(comprises)」及び「から構成される(comprised of)」という用語は、「からなる(consisting of)」、「からなる(consists)」及び「からなる(consists of)」という用語を含むことを理解されたい。
【0021】
更に、明細書及び特許請求の範囲における「(a)」、「(b)」、「(c)」、「(d)」などの用語は、同様の要素を区別するために使用され、必ずしも順序又は時系列を説明するために使用されるわけではない。そのように使用される用語は、適切な状況下で交換可能であり、本明細書に記載の主題の実施形態は、本明細書に記載又は例示された以外の順序で操作できることを理解されたい。備えのために、「(A)」、「(B)」及び「(C)」又はAA)、BB)及びCC)又は「(a)」、「(b)」、「(c)」、「(d)」、「(i)」、「(ii)」などの用語は、方法又は使用又はアッセイの工程に関する場合、工程の間に時間又は時間間隔の一貫性はない、即ち、工程は同時に実行されることができる、又は、本明細書の上記又は下記に記載されているように、用途で別段の指示がない限り、そのような工程の間には、秒、分、時間、日、週、月、又は更には年の時間間隔があり得る。
【0022】
以下の文章では、主題の様々な態様がより詳細に定義されている。そのように定義されている各態様は、反対のことが明確に示されていない限り、任意の他の態様と組み合わせることができる。特に、好ましい又は有利であると示された任意の特徴は、好ましい又は有利であると示された任意の他の特徴と組み合わせることができる。
【0023】
本明細書に渡る「一実施形態(one embodiment)」又は「一実施形態(an embodiment)」又は「好ましい実施形態」への言及は、その実施形態に関連して説明された特定の特徴、構造又は特性が、現に特許請求されている発明の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書に渡る様々な場所での「一実施形態では」又は「好ましい実施形態で(In a preferred embodiment)」又は「好ましい実施形態では(in a preferred embodiment)」という語句の出現は、必ずしも全てが同じ実施形態を指すわけではないが、指す場合がある。更に、本開示から当業者には明らかなように、1つ以上の実施形態では、特徴、構造、又は特性を任意の好適な方法で組み合わせることができる。更に、当業者には理解されるように、本明細書に記載されるいくつかの実施形態は、いくつかの特徴を含むが、他の実施形態に含まれる他の特徴を含まず、異なる実施形態の特徴の組み合わせは、主題の範囲内にあり、異なる実施形態を形成することを意味する。例えば、添付の特許請求の範囲では、特許請求された実施形態のいずれかが任意の組み合わせで使用される。
【0024】
更に、本明細書に渡り定義される範囲には、最終値も含まれる、即ち、1~10の範囲は、1と10の両方が範囲に含まれることを意図する。疑義を避けるために、本出願人は、適用法に従って任意の均等物を得る権利を有するものとする。
【0025】
本発明の文脈において、「芳香」という用語は、感覚特性を指し、匂い及び/又は風味を含む。
【0026】
「芳香化学物質」という用語は、感覚的又は官能的(本明細書では交換可能に使用される)印象を得るために使用される物質を意味し、嗅覚及び/又は風味の印象を得るためのその使用を含む。「嗅覚の印象」又は「ノート」という用語(本明細書では交換可能に使用される)は、肯定的又は否定的な判断のない匂いの印象を意味し、本明細書で使用される場合、「香りの印象」又は「芳香剤の印象」又は「芳香の印象」(本明細書では交換可能に使用される)という用語は、一般的に心地よいと感じられる匂いの印象に関連している。したがって、「芳香剤」又は「香り」は、心地よい匂いの印象を主に誘発する芳香化学物質を意味する。風味は、味覚の印象を誘発する芳香化学物質を意味する。
【0027】
本明細書で使用される場合、「芳香組成物」という用語は、芳香を誘発する組成物を指す。芳香組成物という用語は、「匂い組成物」及び/又は「風味組成物」を含む。匂い組成物は、主に匂いの印象を誘発する組成物であり、風味組成物は、主に味覚の印象を誘発する組成物である。
【0028】
「芳香プロファイル」という用語は、芳香化学物質の全体的な芳香の印象を意味し、芳香化学物質の個々の芳香の印象から構成される。
【0029】
匂い組成物という用語は、主に一般的に心地よいと感じられる匂いの印象を誘発する、「芳香剤組成物」又は「香り組成物」(本明細書では交換可能に使用される)を含む。
【0030】
一般的な表現「有利な感覚特性」又は「有利な官能特性」は、芳香化学物質によって伝達される官能的印象の快適さ(niceness)及び明確さ(conciseness)を表している。「快適さ」及び「明確さ」は、調香師などの当業者によく知られている用語である。快適さは、一般的に、自発的にもたらされ、肯定的に知覚された心地よい感覚的印象を指す。しかしながら、「快適である」は、「スウィート」と同義である必要はない。「快適である」は、ムスク又はサンダルウッドの匂いでもあり得る。「明確さ」とは一般的に、自発的にもたらされる感覚的印象を指し、同じ試験パネリストにおいて、特定の何かを再現可能に同一的に思い出させるものをもたらす。例えば、ある物質が、自発的に「リンゴ」の匂いを思い出させる匂いを有する場合があると、その匂いは、明確に「リンゴ」になる。このリンゴの匂いが、例えば、甘くて完熟したリンゴを思い出させるため、非常に心地よい場合、その匂いは、「快適である」と呼ばれる。しかしながら、典型的には酸っぱいリンゴの匂いも、明確であり得る。物質の匂いをかぐと両方の反応が起こり、この例では、これにより快適で明確なリンゴの匂いがする場合、この物質は、特に有利な感覚特性を有する。
【0031】
組成物、方法又は2つの化合物の使用を参照して本明細書で使用される場合、表現「の組み合わせ」、「と組み合わせて」又は「と組み合わせた」は、2つの化合物は、前述の化合物の物理的混合物の形態で使用される必要はなく、別々に使用(例えば、添加)されることができるということを考慮に入れる。化合物が別々に使用される場合、それらは、任意の順序で連続的に(即ち、次々に)、又は併行して(即ち、基本的に同時に)、使用(例えば、添加)されることができる。
【0032】
「増強する(boosting)」又は「増強する(boost)」という用語は、本明細書では、芳香化学物質の又は組成物の芳香を向上及び/又は改質する効果を表すために使用される。「向上する」という用語は、芳香の快適さ及び/又は明確さの改善、及び/又は強度の改善を含む。「改質する」という用語は、芳香プロファイルの変化を含む。「快適さ」及び「明確さ」という用語は、調香師などの当業者によく知られており、それぞれの意味を有する。
【0033】
強度は、閾値の決定によって決定されることができる。もはや定義する必要はないが、匂いの閾値は、代表する試験パネリストが匂いの印象を依然として知覚できる、関連するガス空間内の物質の濃度である。
【0034】
増強物効果は、例えば、デオドラント、消臭剤、又はチューインガムにおける味覚分野などで、匂いが特に迅速且つ集中的に伝達される、トップノートを特徴とする用途が必要な芳香剤組成物で特に望まれる。
【0035】
「本発明は、に関する」及び「本発明は、を対象とする」という用語は、本発明に渡り同義的に使用される。
【0036】
「粘り強さ」という用語は、芳香化学物質の経時的な蒸発挙動を表す。粘り強さは、例えば、芳香化学物質を試験ストリップに塗布し、続いて試験ストリップの匂いの印象を嗅覚的に評価することによって決定されることができる。高い粘り強さを有する芳香化学物質の場合、パネリストが、依然として芳香の印象を識別できるまでの時間間隔は長くなる。
【0037】
「持続性」という用語は、特に、例えば洗浄などの表面のその後の処理の後の、例えば、皮膚又は繊維製品などの表面との芳香化学物質の相互作用を表す。持続性は、例えば、芳香化学物質を含む繊維製品洗剤組成物で繊維製品を洗浄し、続いて洗浄直後の繊維製品(濡れた繊維製品)の嗅覚的評価、及び長期保存後の乾燥した繊維製品の評価によって決定されることができる。
【0038】
「安定性」という用語は、酸素、光、及び/又は他の物質と接触した際の芳香化学物質の挙動を表す。安定性の高い芳香化学物質は、長期に渡り、好ましくは多種多様な組成物及び様々な保存条件下で、その芳香プロファイルを維持する。
【0039】
組成物に又は組成物で処理された表面に長期に渡り続く芳香の印象を付与するために、組成物における芳香化学物質の粘り強さ、持続性及び安定性は、好ましくは高くある必要がある。
【0040】
本明細書で特に指示がない限り、本明細書に記載される「化合物(I)」は、式(I)で定義される化合物又はその立体異性体に関する。
【0041】
「立体異性体」という用語は、IUPACにより記載されている一般的な用語であり、原子の結合性ではなく、空間内の原子の配向のみが異なる個々の化合物の全ての異性体に使用される。したがって、立体異性体という用語は、鏡像異性体(エナンチオマー)、幾何異性体(シス/トランス又はE/Z)異性体、及びジアステレオ異性体を含む。用語の正確な定義については、IUPACの定義又はG.Helmchen:“Vocabulary and Nomenclature of Organic Stereochemistry”.In Houben-Weyl E21a,Stereoselective Synthesis.Helmchen,R.W.Hoffmann,J.Mulzer,E.Schaumann(Hrsg.),1995,1-74を参照されたい。可能な異性体は、混合物(すなわち、ラセミ体、シス/トランス混合物、又はジアステレオ異性体の混合物)として存在し得る。
【0042】
使用
現に特許請求されている発明の一実施形態は、組成物に芳香の印象を付与するための、式(I)
【化3】
の化合物又はその立体異性体の使用に関する。
【0043】
一実施形態では、式Ia及びIb
【化4】
の化合物で表されるエナンチオマーの混合組成物を含む式(I)の化合物
【0044】
一実施形態では、式I(a)の化合物及び式I(b)の化合物は、単独で使用されるか、又は任意の割合で混合して使用され得る。
【0045】
別の実施形態では、式I(a)の化合物及び式I(b)の化合物の混合物は、化合物の比率が1:99~99:1の範囲である混合物である。
【0046】
別の実施形態では、式I(a)の化合物及び式I(b)の化合物の混合物は、化合物の比率が50:50の比率である混合物である。
【0047】
当業者は、式I(a)の化合物及び式I(b)の化合物の比率を調節して、0.1:99.9~99.9:0.1の範囲内の特定の比率に到達させ、特定の芳香の印象又はいくつかの芳香の印象を組成物に付与することができる。
【0048】
現に特許請求されている発明の好ましい実施形態は、スウィートノート、トンカノート、アカシアノート、及び/又はウッディノートを組成物に付与する芳香化学物質としての、式(I)の少なくとも1つの化合物の使用に関する。
【0049】
更なる実施形態では、現に特許請求されている発明は、組成物の芳香を増強するための、式(I)の化合物の使用に関する。
【0050】
現に特許請求されている発明の実施形態では、式(I)の少なくとも1つの化合物は、芳香剤又は芳香剤組成物として使用される。
【0051】
特に、式(I)の少なくとも1つの化合物を使用して、スウィートノート、トンカノート、アカシアノート、及びウッディノートからなる群から選択されるノートを組成物に付与する
【0052】
好ましくは、式(I)の化合物を使用して、スウィートノート、トンカノート、アカシアノート、及びウッディノートからなる群から選択される印象のうちの2つ以上の組み合わせを組成物に付与する。
【0053】
好ましくは、式(I)の化合物は、5-メチル-5-(4-メチル-3-ペンテン-1-イル)-2(5H)-フラノンである。
【0054】
上記の好適な組成物は、例えば、パーソナルケア、ホームケア、産業用途で使用される組成物、及び医薬組成物又は作物保護組成物などの他の用途で使用される組成物である。
【0055】
好ましくは、現に特許請求されている発明による式(I)の化合物は、香水組成物、ボディケア組成物(化粧品組成物並びに口腔及び歯科衛生用製品を含む)、衛生用品、洗浄組成物(食器洗い組成物を含む)、繊維製品洗剤組成物、香りディスペンサー用組成物、食品、栄養補助食品、医薬組成物及び作物保護組成物からなる群から選択される組成物に使用される。
【0056】
組成物は、以下の段落に記載されている。
【0057】
組成物
一実施形態では、現に特許請求されている発明は、式(I)の少なくとも1つの化合物と、
(i)式(I)の化合物とは異なる少なくとも1つの芳香化学物質(X)、又は
(ii)少なくとも1つの非芳香化学物質担体、又は
(iii)(i)と(ii)の両方と、を含む組成物に関する。
【0058】
好ましくは、本実施形態では、組成物は、組成物の総重量に基づいて、0.01重量%以上から70.0重量%以下の範囲の総量で、式(I)の化合物を含む。
【0059】
好ましくは、組成物は、芳香組成物、より好ましくは、芳香剤組成物である。
【0060】
芳香化学物質は、式(I)の化合物とは異なる。
【0061】
一実施形態では、混合物は、式(I)の化合物とは異なる少なくとも1つの芳香化学物質を含む。式(I)の化合物とは異なる芳香化学物質は、芳香化学物質(X)とも称される。
【0062】
それらの物理的特性により、式(I)の化合物は、芳香組成物、特に芳香剤組成物中の式(I)の化合物及び他の通常の成分とは異なる芳香化学物質とうまく組み合わせることができる。これにより、例えば、新規で有利な感覚プロファイルを有する芳香組成物(好ましくは、芳香剤組成物)の生成が可能になる。特に、既に上記で説明したように、この化合物は、他の芳香化学物質(芳香剤など)に増強物効果を提供することができる。
【0063】
芳香化学物質(X)は、好ましくは:
ゲラニルアセテート、α-ヘキシルシンナムアルデヒド、2-フェノキシエチルイソブチレート、ジヒドロミルセノール、メチルジヒドロジャスモネート、4,6,6,7,8,8-ヘキサメチル-1,3,4,6,7,8-ヘキサヒドロシクロペンタ[g]ベンゾピラン、テトラヒドロリナロール、エチルリナロール、ベンジルサリチレート、2-メチル-3-(4-tert-ブチルフェニル)プロパナール、シンナミルアルコール、4,7-メタノ-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-5-インデニルアセテート及び/又は4,7-メタノ-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-6-インデニルアセテート、シトロネロール、シトロネリルアセテート、テトラヒドロゲラニオール、バニリン、リナリルアセテート、スチロリルアセテート、オクタヒドロ-2,3,8,8-テトラメチル-2-アセトナフトン及び/又は2-アセチル-1,2,3,4,6,7,8-オクタヒドロ-2,3,8,8-テトラメチルナフタレン、ヘキシルサリチレート、4-tert-ブチルシクロヘキシルアセテート、2-tert-ブチルシクロヘキシルアセテート、α-イオノン、n-α-メチルイオノン、α-イソメチルイオノン、クマリン、テルピニルアセテート、2-フェニルエチルアルコール、4-(4-ヒドロキシ-4-メチルペンチル)-3-シクロヘキセン-カルボキシアルデヒド、α-アミルシンナムアルデヒド、エチレンブラシレート、(E)-及び/又は(Z)-3-メチルシクロペンタデカ-5-エノン、15-ペンタデカ-11-エノリド及び/又は15-ペンタデカ-12-エノリド、15-シクロペンタデカノリド、1-(5,6,7,8-テトラヒドロ-3,5,5,6,8,8-ヘキサメチル-2-ナフタレニル)エタノン、2-イソブチル-4-メチルテトラヒドロ-2H-ピラン-4-オール、2-エチル-4-(2,2,3-トリメチル-3-シクロペンテン-1-イル)-2-ブテン-1-オール、シス-3-ヘキセニルアセテート、トランス-3-ヘキセニルアセテート、トランス-2/シス-6-ノナジエノール、2,4-ジメチル-3-シクロヘキセンカルボキシアルデヒド、2,4,4,7-テトラメチルオクタ-6-エン-3-オン、2,6-ジメチル-5-ヘプテン-1-アール、ボルネオール、3-(3-イソプロピルフェニル)ブタナール、2-メチル-3-(3,4-メチレンジオキシフェニル)-プロパナール、3-(4-エチルフェニル)-2,2-ジメチルプロパナール、7-メチル-2H-1,5-ベンゾジオキセピン-3(4H)-オン、3,3,5-トリメチルシクロヘキシルアセテート、2,5,5-トリメチル-1,2,3,4,4a,5,6,7-オクタヒドロナフタレン-2-オール、3-(4-tert-ブチルフェニル)-プロパナール、エチル2-メチルペンタノエート、エトキシメトキシシクロドデカン、2,4-ジメチル-4,4a,5,9b-テトラヒドロインデノ[1,2-d][1,3]ジオキシン、(2-tert-ブチルシクロヘキシル)アセテート、及び3-[5,5,6-トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-イル]シクロヘキサン-1-オールからなる群から選択される。
【0064】
好ましい実施形態では、少なくとも1つの芳香化学物質(i)は、メチルベンゾエート、ベンジルアセテート、ゲラニルアセテート、2-イソブチル-4-メチルテトラヒドロ-2H-ピラン-4-オール、リナロール、2-イソブチル-4-メチルテトラヒドロ-2H-ピラン-4-オール、及びメチルベンゾエートからなる群から選択される。
【0065】
別の好ましい実施形態では、少なくとも1つの芳香化学物質(i)は、エチルバニリン、バニリン、2,5-ジメチル-4-ヒドロキシ-2H-フラン-3-オン(フラネオール)、及び3-ヒドロキシ-2-メチル-4H-ピラン-4-オン(マルトール)からなる群から選択される。
【0066】
式の化合物を組み合わせて、現に特許請求されている発明による組成物を得ることができる更なる芳香化学物質は、例えば、S.Arctander,Perfume and Flavor Chemicals,Vol.I and II,Montclair,N.J.,1969,self-published又はH.Surburg and J.Panten,Common Fragrance and Flavor Materials,4th Ed.,Wiley- VCH,Weinheim 2016に見られ得る。具体的には、以下のものを挙げることができる:天然原料からの抽出物、例えば、精油、コンクリート、アブソリュート(absolutes)、樹脂、樹脂状物質、バルサム、チンキ、例えば、アンバーグリースチンキ、アミリス(amyris)オイル、アンゼリカ種子オイル、アンゼリカ根オイル、アニスオイル、バレリアンオイル、バジルオイル、ツリーモスアブソリュート(tree moss absolute)、ベイオイル、よもぎオイル、ベンゾイン樹脂、ベルガモットオイル、蜜蝋アブソリュート(beeswax absolute)、バーチタールオイル、ビターアーモンドオイル、セイバリーオイル、ブチュリーフオイル、カブレバオイル、ケードオイル、カルマスオイル、カンフルオイル、カナンガオイル、カルダモンオイル、カスカリーラオイル、カシアオイル、カシアアブソリュート(cassia absolute)、カストリウムアブソリュート(castoreum absolute)、シダーリーフオイル、シダーウッドオイル、シスタスオイル、シトロネラオイル、レモンオイル、コパイババルサム、コパイババルサムオイル、コリアンダーオイル、コスタスルート(costus root)オイル、クミンオイル、ヒノキオイル、ダバナオイル、ディルウィードオイル、ディルシードオイル、Eau de broutsアブソリュート(absolute)、オークモスアブソリュート(oak moss absolute)、エレミオイル、タラゴンオイル、ユーカリシトリオドラオイル、ユーカリオイル、フェンネルオイル、松葉オイル、ガルバナムオイル、ガルバナム樹脂、ゼラニウムオイル、グレープフルーツオイル、グアイアックウッドオイル、グルジャンバルサム、グルジャンバルサムオイル、ヘリクリサムアブソリュート(helichrysum absolute)、ヘリクリサム(helichrysum)オイル、ジンジャーオイル、イリス根アブソリュート(absolute)、イリス根オイル、ジャスミンアブソリュート(absolute)、カルマスオイル、カモミールオイルブルー、ローマンカモミールオイル、ニンジンシードオイル、カスカリーラオイル、松葉オイル、スペアミントオイル、キャラウェイオイル、ラブダナムオイル、ラブダナムアブソリュート(absolute)、ラブダナム樹脂、ラバンジンアブソリュート(absolute)、ラバンジンオイル、ラベンダーアブソリュート(absolute)、ラベンダーオイル、レモングラスオイル、ラベージオイル、ライムオイルディスティルド(lime oil distilled)、ライムオイルプレスド(lime oil pressed)、リナロールオイル、リツエアクベバ(litsea cubeba)オイル、月桂樹葉オイル、メイスオイル、マジョラムオイル、マンダリンオイル、マッソイア樹皮(massoia bark)オイル、ミモザアブソリュート(mimosa absolute)、ムスクシードオイル、ムスクチンキ、クラリセージオイル、ナツメグオイル、ミルラアブソリュート(absolute)、ミルラオイル、ギンバイカオイル、クローブリーフオイル、クローブフラワーオイル、ネロリオイル、オリバナムアブソリュート(absolute)、オリバナムオイル、オポパナックスオイル、オレンジブロッサムアブソリュート(absolute)、オレンジオイル、オリガナムオイル、パルマローザオイル、パチョリオイル、パリラオイル、ペルーバルサムオイル、パセリリーフオイル、パセリシードオイル、プチグレンオイル、ペパーミントオイル、ペッパーオイル、ピメントオイル、パインオイル、ペニーロイヤルオイル、ローズアブソリュート(absolute)、ローズウッドオイル、ローズオイル、ローズマリーオイル、ダルメシアンセージオイル、スペイン(Spanish)セージオイル、サンダルウッドオイル、セロリシードオイル、スパイクラベンダーオイル、スターアニスオイル、エゴノキオイル、マンジュギクオイル、ファーニードルオイル、ティーツリーオイル、テレピンオイル、タイムオイル、トルバルサム、トンカアブソリュート(absolute)、チューベローズアブソリュート(absolute)、バニラ抽出物、バイオレットリーフアブソリュート(absolute)、バーベナオイル、ベチバーオイル、ジュニパーベリーオイル、ワインリース(wine lees)オイル、アブサンオイル、ウィンターグリーンオイル、ヒソップオイル、シベットアブソリュート(absolute)、シナモンリーフオイル、シナモン樹皮オイル、及びそれらの画分、又はそれらから単離された成分など、
炭化水素の群からの個々の芳香剤、例えば、3カレン、α-ピネン、β-ピネン、α-テルピネン、γ-テルピネン、p-シメン、ビサボレン、カンフェン、カリオフィレン、セドレン、ファルネセン、リモネン、ロンギフォレン、ミルセン、オシメン、バレンセン、(E,Z)-1,3,5-ウンデカトリエン、スチレン、ジフェニルメタンなど、
脂肪族アルコール、例えば、ヘキサノール、オクタノール、3-オクタノール、2,6-ジメチルヘプタノール、2-メチル-2-ヘプタノール、2-メチル-2-オクタノール、(E)-2-ヘキセノール、(E)-及び(Z)-3-ヘキセノール、1オクテン-3-オール、3,4,5,6,6-ペンタメチル-3/4-ヘプテン-2-オールと3,5,6,6-テトラメチル-4-メチレンヘプタン-2-オールの混合物、(E,Z)-2,6-ノナジエノール、3,7-ジメチル-7-メトキシオクタン-2-オール、9-デセノール、10-ウンデセノール、4-メチル-3-デセン-5-オールなど、
脂肪族アルデヒド及びそのアセタール、例えば、ヘキサナール、ヘプタナール、オクタナール、ノナナール、デカナール、ウンデカナール、ドデカナール、トリデカナール、2-メチルオクタナール、2-メチルノナナール、(E)-2-ヘキセナール、(Z)-4-ヘプテナール、2,6-ジメチル-5-ヘプテナール、10-ウンデセナール、(E)-4-デセナール、2-ドデセナール、2,6,10-トリメチル-9-ウンデセナール、2,6,10トリメチル-5,9-ウンデカジエナール、ヘプタナールジエチルアセタール、1,1-ジメトキシ-2,2,5トリメチル-4-ヘキセン、シトロネリルオキシアセトアルデヒド、(E/Z)-1-(1-メトキシプロポキシ)-ヘキサ-3-エンなど、脂肪族ケトン及びそのオキシム、例えば、2-ヘプタノン、2-オクタノン、3-オクタノン、2-ノナノン、5-メチル-3-ヘプタノン、5-メチル-3ヘプタノンオキシム、2,4,4,7-テトラメチル-6-オクテン-3-オン、6-メチル-5-ヘプテン-2-オンなど、
脂肪族硫黄含有化合物、例えば、3-メチルチオヘキサノール、3-メチルチオヘキシルアセテート、3-メルカプトヘキサノール、3-メルカプトヘキシルアセテート、3-メルカプトヘキシルブチレート、3-アセチルチオヘキシルアセテート、1-メンテン-8-チオールなど、
脂肪族ニトリル、例えば、2-ノネンニトリル、2-ウンデセンニトリル、2トリデセンニトリル、3,12-トリデカジエンニトリル、3,7-ジメチル-2,6-オクタジエンニトリル、3,7-ジメチル-6オクテンニトリルなど、
脂肪族カルボン酸のエステル、例えば、(E)及び(Z)-3-ヘキセニルホルメート、エチルアセトアセテート、イソアミルアセテート、ヘキシルアセテート、3,5,5-トリメチルヘキシルアセテート、3メチル-2-ブテニルアセテート、(E)-2-ヘキセニルアセテート、(E)及び(Z)-3-ヘキセニルアセテート、オクチルアセテート、3-オクチルアセテート、1-オクテン-3-イルアセテート、エチルブチレート、ブチルブチレート、イソアミルブチレート、ヘキシルブチレート、(E)及び(Z)-3-ヘキセニルイソブチレート、ヘキシルクロトネート、エチルソバレレート、エチル2-メチルペンタノエート、エチルヘキサノエート、アリルヘキサノエート、エチルヘプタノエート、アリルヘプタノエート、エチルオクタノエート、エチル(E,Z)-2,4-デカジエノエート、メチル2-オクチネート、メチル2-ノニネート、アリル2-イソアミルオキシアセテート、メチル-3,7-ジメチル-2,6-オクタジエノエート、4-メチル-2-ペンチルクロトネートなど、
非環式テルペンアルコール、例えば、ゲラニオール、ネロール、リナロール、ラヴァンデュロール、ネロリドール、ファルネソール、テトラヒドロリナロール、2,6-ジメチル-7-オクテン-2-オール、2,6-ジメチルオクタン-2-オール、2-メチル-6-メチレン-7-オクテン-2-オール、2,6-ジメチル-5,7-オクタジエン-2-オール、2,6-ジメチル-3,5-オクタジエン-2オール、3,7-ジメチル-4,6-オクタジエン-3-オール、3,7-ジメチル-1,5,7-オクタトリエン-3-オール、2,6-ジメチル-2,5,7-オクタトリエン-1-オール、並びにそれらのホルメート、アセテート、プロピオネート、イソブチレート、ブチレート、イソバレレート、ペンタノエート、ヘキサノエート、クロトネート、チグリネート及び3-メチル-2ブテノエートなど、
非環式テルペンアルデヒド及びケトン、例えば、ゲラニアル、ネラール、シトロネラール、7ヒドロキシ-3,7-ジメチルオクタナール、7メトキシ-3,7-ジメチルオクタナール、2,6,10-トリメチル-9ウンデセナール、ゲラニルアセトン、並びにゲラニアル、ネラール、7-ヒドロキシ-3,7-ジメチルオクタナールのジメチル及びジエチルアセタールなど、環状テルペンアルコール、例えば、メントール、イソプレゴール、α-テルピネオール、テルピン-4-オール、メンタン-8-オール、メンタン-1-オール、メンタン-7-オール、ボルネオール、イソボルネオール、リナロール酸化物、ノポール、セドロール、アンブリノール、ベチロール、グアジョール、並びにそれらのホルメート、アセテート、プロピオネート、イソブチレート、ブチレート、イソバレレート、ペンタノエート、ヘキサノエート、クロトネート、チグリネート及び3-メチル-2-ブテノエートなど、
環状テルペンアルデヒド及びケトン、例えば、メントン、イソメントン、8メルカプトメンタン-3-オン、カルボン、カンフル、フェンコン、α-イオノン、β-イオノン、α-n-メチルイオノン、β-n-メチルイオノン、α-イソメチルイオノン、β-イソメチルイオノン、α-イロン、α-ダマスコン、β-ダマスコン、β-ダマセノン、δ-ダマスコン、γ-ダマスコン、1-(2,4,4-トリメチル-2-シクロヘキセン-1-イル)-2-ブテン-1-オン、1,3,4,6,7,8a-ヘキサヒドロ-1,1,5,5-テトラメチル-2H-2,4a-メタノ-ナフタレン-8(5H)-オン、2-メチル-4-(2,6,6-トリメチル-1-シクロヘキセン-1-イル)-2-ブテナール、ヌートカトン、ジヒドロヌートカトン、4,6,8-メガスティグマトリエン-3-オン、α-シネンサル、β-シネンサル、アセチル化シダーウッドオイル(メチルセドリルケトン)など、
環状アルコール、例えば、4-tert-ブチルシクロヘキサノール、3,3,5-トリメチルシクロヘキサノール、3-イソカンフィルシクロヘキサノール、2,6,9-トリメチル-Z2,Z5,E9-シクロドデカトリエン-1-オール、2-イソブチル-4-メチルテトラヒドロ-2H-ピラン-4-オールなど、
脂環式アルコール、例えば、α-3,3-トリメチルシクロヘキシルメタノール、1(4-イソプロピルシクロヘキシル)エタノール、2-メチル-4-(2,2,3-トリメチル-3-シクロペント-1-イル)ブタノール、2-メチル-4-(2,2,3トリメチル-3-シクロペント-1-イル)-2-ブテン-1-オール、2-エチル-4-(2,2,3-トリメチル-3シクロペント-1-イル)-2-ブテン-1-オール、3-メチル-5-(2,2,3トリメチル-3-シクロペント-1-イル)ペンタン-2オール、3-メチル-5-(2,2,3-トリメチル-3-シクロペント-1-イル)-4-ペンテン-2-オール、3,3-ジメチル-5-(2,2,3-トリメチル-3-シクロペント-1-イル)-4-ペンテン-2-オール、1-(2,2,6-トリメチルシクロヘキシル)ペンタン-3-オール、1-(2,2,6-トリメチルシクロヘキシル)ヘキサン-3-オールなど、
環状及び脂環式エーテル、例えば、シネオール、セドリルメチルエーテル、シクロドデシルメチルエーテル、1,1-ジメトキシシクロドデカン、(エトキシメトキシ)シクロドデカン、α-セドレンエポキシド、3a,6,6,9a-テトラメチルドデカヒドロナフト[2,1-b]フラン、3a-エチル-6,6,9a-トリメチルドデカヒドロ-ナフト[2,1-b]フラン、1,5,9-トリメチル-13-オキサビシクロ-[10.1.0]トリデカ-4,8-ジエン、ローズ酸化物、2-(2,4-ジメチル-3-シクロヘキセン-1-イル)-5-メチル-5-(1-メチルプロピル)-1,3-ジオキサンなど、
環状及び大環状ケトン、例えば、4-tert-ブチルシクロヘキサノン、2,2,5トリメチル-5-ペンチルシクロペンタノン、2-ヘプチルシクロペンタノン、2-ペンチルシクロペンタノン、2-ヒドロキシ-3-メチル-2-シクロペンテン-1-オン、3-メチル-シス-2-ペンテン-1-イル-2シクロペンテン-1-オン、3-メチル-2-ペンチル-2-シクロペンテン-1-オン、3-メチル-4-シクロペンタ-デセノン、3-メチル-5-シクロペンタデセノン、3-メチルシクロペンタデカノン、4-(1-エトキシビニル)-3,3,5,5-テトラメチルシクロヘキサノン、4-tert-ペンチルシクロヘキサノン、5-シクロヘキサデセン-1-オン、6,7-ジヒドロ-1,1,2,3,3-ペンタメチル-4(5H)-インダノン、8-シクロヘキサデセン-1-オン、7-シクロヘキサデセン-1-オン、(7/8)-シクロヘキサデセン-1-オン、9シクロヘプタデセン-1-オン、シクロペンタデカノン、シクロヘキサデカノンなど、
脂環式アルデヒド、例えば、2,4-ジメチル-3-シクロヘキセンカルバルデヒド、2メチル-4-(2,2,6-トリメチルシクロヘキセン-1-イル)-2-ブテナール、4-(4-ヒドロキシ-4-メチルペンチル)-3シクロヘキセンカルバルデヒド、4-(4-メチル-3-ペンテン-1-イル)-3-シクロヘキセンカルバルデヒドなど、
脂環式ケトン、例えば、1-(3,3-ジメチルシクロヘキシル)-4-ペンテン-1-オン、2,2ジメチル-1-(2,4-ジメチル-3-シクロヘキセン-1-イル)-1-プロパノン、1-(5,5-ジメチル-1シクロヘキセン-1-イル)-4-ペンテン-1-オン、2,3,8,8-テトラメチル-1,2,3,4,5,6,7,8-オクタヒドロ-2-ナフタレニルメチルケトン、メチル2,6,10-トリメチル-2,5,9-シクロドデカトリエニルケトン、tert-ブチル(2,4-ジメチル-3-シクロヘキセン-1-イル)ケトンなど、
環状アルコールのエステル、例えば、2-tert-ブチルシクロヘキシルアセテート、4-tert-ブチルシクロヘキシルアセテート、2-tert-ペンチルシクロヘキシルアセテート、4-tert-ペンチルシクロヘキシルアセテート、3,3,5-トリメチルシクロヘキシルアセテート、デカヒドロ-2-ナフチルアセテート、2-シクロペンチルシクロペンチルクロトネート、3-ペンチルテトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルアセテート、デカヒドロ-2,5,5,8a-テトラメチル-2-ナフチルアセテート、4,7-メタノ-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-5又は6-インデニルアセテート、4,7-メタノ-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-5又は6インデニルプロピオネート、4,7-メタノ-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-5又は6-インデニルイソブチレート、4,7メタノオクタヒドロ-5又は6-インデニルアセテートなど、
脂環式アルコールのエステル、例えば、1-シクロヘキシルエチルクロトネートなど、
脂環式カルボン酸のエステル、例えば、アリル3-シクロヘキシルプロピオネート、アリルシクロヘキシルオキシアセテート、シス及びトランス-メチルジヒドロジャスモネート、シス及びトランス-メチルジャスモネート、メチル2-ヘキシル-3-オキソシクロペンタンカルボキシレート、エチル2-エチル-6,6ジメチル-2-シクロヘキセンカルボキシレート、エチル2,3,6,6-テトラメチル-2-シクロヘキセンカルボキシレート、エチル2-メチル-1,3-ジオキソラン-2-アセテートなど、
芳香脂肪族アルコール、例えば、ベンジルアルコール、1-フェニルエチルアルコール、2フェニルエチルアルコール、3-フェニルプロパノール、2-フェニルプロパノール、2-フェノキシエタノール、2,2-ジメチル-3-フェニルプロパノール、2,2-ジメチル-3-(3-メチルフェニル)プロパノール、1,1-ジメチル-2フェニルエチルアルコール、1,1-ジメチル-3-フェニルプロパノール、1-エチル-1-メチル-3-フェニルプロパノール、2-メチル-5-フェニルペンタノール、3-メチル-5-フェニルペンタノール、3-フェニル-2-プロペン-1-オール、4-メトキシベンジルアルコール、1-(4-イソプロピルフェニル)エタノールなど、
芳香脂肪族アルコールと脂肪族カルボン酸のエステル、例えば、ベンジルアセテート、ベンジルプロピオネート、ベンジルイソブチレート、ベンジルイソバレレート、2-フェニルエチルアセテート、2-フェニルエチルプロピオネート、2-フェニルエチルイソブチレート、2フェニルエチルイソバレレート、1フェニルエチルアセテート、α-トリクロロメチルベンジルアセテート、α,α-ジメチルフェニルエチルアセテート、α,α-ジメチルフェニルエチルブチレート、シンナミルアセテート、2-フェノキシエチルイソブチレート、4-メトキシベンジルアセテートなど、
芳香脂肪族エーテル、例えば、2-フェニルエチルメチルエーテル、2フェニルエチルイソアミルエーテル、2-フェニルエチル1-エトキシエチルエーテル、フェニルアセトアルデヒドジメチルアセタール、フェニルアセトアルデヒドジエチルアセタール、ヒドラトロパアルデヒドジメチルアセタール、フェニルアセトアルデヒドグリセロールアセタール、2,4,6-トリメチル-4-フェニル-1,3-ジオキサン、4,4a,5,9b-テトラヒドロインデノ[1,2-d]-m-ジオキシン、4,4a,5,9b-テトラヒドロ-2,4-ジメチルインデノ[1,2-d]-mジオキシンなど、
芳香族及び芳香脂肪族アルデヒド、例えば、ベンズアルデヒド、フェニルアセトアルデヒド、3-フェニルプロパナール、ヒドラトロパアルデヒド、4-メチルベンズアルデヒド、4メチルフェニルアセトアルデヒド、3-(4-エチルフェニル)-2,2-ジメチルプロパナール、2-メチル-3-(4-イソプロピルフェニル)プロパナール、2-メチル-3-(4-tert-ブチルフェニル)プロパナール、2-メチル-3-(4-イソブチルフェニル)プロパナール、3-(4-tert-ブチルフェニル)プロパナール、シンナムアルデヒド、α-ブチルシンナムアルデヒド、α-アミルシンナムアルデヒド、α-ヘキシルシンナムアルデヒド、3メチル-5-フェニルペンタナール、4-メトキシベンズアルデヒド、4-ヒドロキシ-3メトキシ-ベンズアルデヒド、4-ヒドロキシ-3-エトキシベンズアルデヒド、3,4-メチレンジオキシベンズアルデヒド、3,4-ジメトキシベンズアルデヒド、2-メチル-3-(4-メトキシフェニル)プロパナール、2-メチル-3-(4-メチレンジオキシフェニル)プロパナールなど、
芳香族及び芳香脂肪族ケトン、例えば、アセトフェノン、4-メチルアセトフェノン、4-メトキシアセトフェノン、4-tert-ブチル-2,6-ジメチルアセト-フェノン、4-フェニル-2-ブタノン、4-(4-ヒドロキシフェニル)-2-ブタノン、1-(2-ナフタレニル)-エタノン、2-ベンゾフラニルエタノン、(3-メチル-2-ベンゾフラニル)エタノン、ベンゾフェノン、1,1,2,3,3,6-ヘキサメチル-5-インダニルメチルケトン、6-tert-ブチル-1,1ジメチル-4インダニルメチルケトン、1-[2,3-ジヒドロ-1,1,2,6-テトラメチル-3-(1-メチルエチル)-1H-5インデニル]エタノン、5’,6’,7’,8’-テトラヒドロ-3’,5’,5’,6’,8’,8’-ヘキサメチル-2-アセトナフトンなど、
芳香族及び脂肪族カルボン酸及びそれらのエステル、例えば、安息香酸、フェニル酢酸、メチルベンゾエート、エチルベンゾエート、ヘキシルベンゾエート、ベンジルベンゾエート、メチルフェニルアセテート、エチルフェニルアセテート、ゲラニルフェニルアセテート、フェニルエチルフェニルアセテート、メチルシンナメート、エチルシンナメート、ベンジルシンナメート、フェニルエチルシンナメート、シンナミルシンナメート、アリルフェノキシアセテート、メチルサリチレート、イソアミルサリチレート、ヘキシルサリチレート、シクロヘキシルサリチレート、シス-3-ヘキセニルサリチレート、ベンジルサリチレート、フェニルエチルサリチレート、メチル2,4-ジヒドロキシ-3,6-ジメチルベンゾエート、エチル3-フェニルグリシデート、エチル3-メチル-3-フェニルグリシデートなど、
含窒素芳香族化合物、例えば、2,4,6-トリニトロ-1,3-ジメチル-5tert-ブチルベンゼン、3,5-ジニトロ-2,6-ジメチル-4-tert-ブチルアセトフェノン、シナモニトリル、3メチル-5-フェニル-2-ペンテノニトリル、3-メチル-5-フェニルペンタノニトリル、メチルアントラニレート、メチル-N-メチルアントラニレート、7ヒドロキシ-3,7-ジメチルオクタナール、2-メチル-3-(4-tert-ブチルフェニル)プロパナール又は2,4ジメチル-3-シクロヘキセンカルバルデヒドとのメチルアントラニレートのシッフ塩基、6-イソプロピルキノリン、6-イソブチルキノリン、6-sec-ブチルキノリン、2-(3-フェニルプロピル)ピリジン、インドール、スカトール、2-メトキシ-3イソプロピル-ピラジン、2-イソブチル-3-メトキシピラジンなど、
フェノール、フェニルエーテル及びフェニルエステル、例えば、エストラゴール、アネトール、オイゲノール、オイゲニルメチルエーテル、イソオイゲノール、イソオイゲニルメチルエーテル、チモール、カルバクロール、ジフェニルエーテル、β-ナフチルメチルエーテル、β-ナフチルエチルエーテル、β-ナフチルイソブチルエーテル、1,4-ジメトキシベンゼン、オイゲニルアセテート、2-メトキシ-4-メチルフェノール、2エトキシ-5-(1-プロペニル)フェノール、p-クレシルフェニルアセテートなど、
複素環式化合物、例えば、2,5-ジメチル-4-ヒドロキシ-2H-フラン-3-オン、2エチル-4-ヒドロキシ-5-メチル-2H-フラン-3-オン、3-ヒドロキシ-2-メチル-4H-ピラン-4-オン、2エチル-3-ヒドロキシ-4H-ピラン-4-オンなど、
ラクトン、例えば、1,4-オクタノリド、3-メチル-1,4-オクタノリド、1,4-ノナノリド、1,4-デカノリド、8-デセン-1,4-オリド、1,4-ウンデカノリド、1,4-ドデカノリド、1,5-デカノリド、1,5-ドデカノリド、4-メチル-1,4-デカノリド、1,15-ペンタデカノリド、シス及びトランス-11-ペンタデセン-1,15-オリド、シス及びトランス-12-ペンタデセン-1,15-オリド、1,16-ヘキサデカノリド、9-ヘキサデセン-1,16-オリド、10-オキサ-1,16-ヘキサデカノリド、11-オキサ-1,16-ヘキサデカノリド、12-オキサ-1,16-ヘキサデカノリド、エチレン1,12-ドデカンジオエート、エチレン1,13-トリデカンジオエート、クマリン、2,3-ジヒドロクマリン、オクタヒドロクマリンなど。
【0067】
組成物で使用される芳香化学物質(X)は、既知の民間の供給元から入手され、ドイツから調達される。
【0068】
好ましい実施形態では、組成物は、式(I)の少なくとも1つの化合物と、少なくとも1つの芳香化学物質(X)と、を含む。
【0069】
非芳香化学物質担体:
本発明の組成物中の非芳香化学物質担体は、好ましくは、界面活性剤、オイル成分、酸化防止剤、消臭活性剤、及び溶媒からなる群から選択される。
【0070】
好ましくは、少なくとも1つの非芳香化学物質担体は、感覚特性を有さないか、又は注目すべき感覚特性を有さない化合物、化合物の混合物、又はその他の添加剤である。非芳香化学物質担体は、組成物中に含まれる場合、式(I)の化合物、並びに任意選択的に、上記で定義した少なくとも1つの芳香化学物質(X)の希釈及び/又は固定に役立ち得る。
【0071】
本発明の組成物中の非芳香化学物質担体は、好ましくは、界面活性剤、オイル成分、溶媒、又は前述のものの2つ以上の任意の混合物からなる群から選択される。
【0072】
溶媒
現に特許請求されている発明の文脈において、「溶媒」は、それ自体の芳香を有さない本発明に従って使用される式(I)の化合物の希釈に役立つ。
【0073】
溶媒の量は、組成に応じて選択される。
【0074】
好ましくは、溶媒は、組成物の総重量に基づいて、組成物に、総量0.01重量%~99.0重量%、より好ましくは総量0.05重量%~95.0重量%、更により好ましくは総量0.1重量%~80.0重量%、最も好ましくは0.1重量%~70.0重量%、特に総量0.1重量%~60.0重量%で存在する。
【0075】
好ましい実施形態では、組成物は、組成物の総重量に基づいて、0.05重量%~10重量%、より好ましくは0.1重量%~5重量%、更により好ましくは0.2重量%~3重量%の総溶媒を含む。本発明の更に別の好ましい実施形態では、組成物は、組成物の総重量に基づいて、20重量%~70重量%、より好ましくは25重量%~50重量%の総溶媒を含む。
【0076】
好ましい溶媒は、エタノール、イソプロパノール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、グリセロール、プロピレングリコール、1,2-ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチルシトレート、イソプロピルミリステート、及び前述のものの2つ以上の任意の混合物からなる群から選択される。
【0077】
好ましい実施形態では、組成物は、式(I)の少なくとも1つの化合物と、少なくとも1つの溶媒と、任意選択的に、少なくとも1つの芳香化学物質(X)と、を含む。
【0078】
オイル成分
好ましくは、総オイル成分は、組成物の総重量に基づいて、0.1~80重量%、より好ましくは0.5~70重量%、更により好ましくは1~60重量%、更により好ましくは1~50重量%、特に1~40重量%、より詳細には5~25重量%、特に5~15重量%の量で存在する。
【0079】
好ましくは、オイル成分は、6~18、好ましくは8~10の炭素原子を含む脂肪族アルコールに基づくゲルベアルコール、及び他の更なるエステル、例えば、ミリスチルミリステート、ミリスチルパルミテート、ミリスチルステアレート、ミリスチルイソステアレート、ミリスチルオレエート、ミリスチルベヘネート、ミリスチルエルケート、セチルミリステート、セチルパルミテート、セチルステアレート、セチルイソステアレート、セチルオレエート、セチルベヘネート、セチルエルケート、ステアリルミリステート、ステアリルパルミテート、ステアリルステアレート、ステアリルイソステアレート、ステアリルオレエート、ステアリルベヘネート、ステアリルエルケート、イソステアリルミリステート、イソステアリルパルミテート、イソステアリルステアレート、イソステアリルイソステアレート、イソステアリルオレエート、イソステアリルベヘネート、イソステアリルオレエート、オレイルミリステート、オレイルパルミテート、オレイルステアレート、オレイルイソステアレート、オレイルオレエート、オレイルベヘネート、オレイルエルケート、ベヘニルミリステート、ベヘニルパルミテート、ベヘニルステアレート、ベヘニルイソステアレート、ベヘニルオレエート、ベヘニルベヘネート、ベヘニルエルケート、エルシルミリステート、エルシルパルミテート、エルシルステアレート、エルシルイソステアレート、エルシルオレエート、エルシルベヘネート、及びエルシルエルケートなどから選択される。また、C18~C38アルキル-ヒドロキシカルボン酸と直鎖状又は分枝状C6~C22脂肪アルコールとのエステル、より具体的には、ジオクチルマレート、直鎖状及び/又は分岐状脂肪酸と多価アルコール(例えば、プロピレングリコール、二量体ジオール又は三量体トリオール)とのエステル、C6~C10脂肪酸に基づくトリグリセリド、C6~C18脂肪酸に基づく液体モノ-、ジ-及びトリグリセリド混合物、C6~C22脂肪アルコール及び/又はゲルベアルコールと芳香族カルボン酸とのエステル、より具体的には、安息香酸、2~10の炭素原子及び2~6のヒドロキシル基を含むポリオールとのジカルボン酸のエステル、植物オイル、分岐状1級アルコール、置換シクロヘキサン、直鎖状及び分岐状C6~C22脂肪アルコールカーボネート、例えば、ジカプリリルカーボネート(Cetiol(登録商標)CC)など、6~18、好ましくは8~10の炭素原子を含む脂肪アルコールに基づくゲルベカーボネート、安息香酸と直鎖状及び/又は分岐状C6~C22アルコールとのエステル(例えば、Finsolv(登録商標)TN)、アルキル基当たり6~22の炭素原子を含む直鎖状又は分岐状の対称又は非対称のジアルキルエーテル、例えば、ジカプリリルエーテル(Cetiol(登録商標)OE)など、ポリオール及び炭化水素又はそれらの混合物によるエポキシ化脂肪酸エステルの開環生成物が好適である。
【0080】
好ましい実施形態では、組成物は、式(I)の少なくとも1つの化合物と、少なくとも1つのオイル成分と、任意選択的に、少なくとも1つの芳香化学物質(X)と、を含む。
【0081】
酸化防止剤
酸化防止剤は、酸素効果及び他の酸化プロセスによって引き起こされる、保護されるべき組成物における望ましくない変化を阻害又は防止できることが理解されるべきである。酸化防止剤の効果は、ほとんどの場合、自動酸化中に発生するフリーラジカルにおけるフリーラジカルスカベンジャーとして作用することにある。
【0082】
好ましい実施形態では、酸化防止剤は、以下からなる群から選択される:
・アミノ酸(例えば、グリシン、アラニン、アルギニン、セリン、スレオニン、ヒスチジン、チロシン、トリプトファンなど)及びそれらの誘導体、
・イミダゾール(例えば、ウロカニン酸)及びその誘導体、
・D,L-カルノシン、D-カルノシン、L-カルノシン(=β-アラニル-L-ヒスチジン)及びそれらの誘導体などのペプチド、
・カロテノイド、カロテン(例えば、α-カロテン、β-カロテン、リコピン、ルテイン)又はそれらの誘導体、
・クロロゲン酸及びその誘導体、
・リポ酸及びその誘導体(例えば、ジヒドロリポ酸)、
・アウロチオグルコース、プロピルチオウラシル、及び他のチオール(例えば、チオレドキシン、グルタチオン、システイン、シスチン、シスタミン、並びにそれらのグリコシル、N-アセチル、メチル、エチル、プロピル、アミル、ブチル及びラウリル、パルミトイル、オレイル、γ-リノレイル、コレステリル及びグリセリルエステル)並びにそれらの塩、
・ジラウリルチオジプロピオネート、ジステアリルチオジプロピオネート、チオジプロピオン酸及びそれらの誘導体(エステル、エーテル、ペプチド、脂質、ヌクレオチド、ヌクレオシド及び塩)、
・スルホキシミン化合物(例えば、ブチオニンスルホキシミン、ホモシステインスルホキシミン、ブチオニンスルホン、ペンタ-、ヘキサ-、ヘプタチオニンスルホキシミン)、
・(金属)キレート剤(例えば、α-ヒドロキシ脂肪酸、パルミチン酸、フィチン酸、ラクトフェリン)、
・α-ヒドロキシ酸(例えば、クエン酸、乳酸、リンゴ酸)、
・フミン酸、胆汁酸、胆汁抽出物、ビリルビン、ビリベルジン、ボルディン(=植物、ボルド(Peumus boldus)由来のアルカロイド、ボルド抽出物、
・EDTA、EGTA及びそれらの誘導体、
・不飽和脂肪酸及びその誘導体(例えば、γ-リノレン酸、リノール酸、オレイン酸)、
・葉酸及びその誘導体、
・ユビキノン及びユビキノール及びそれらの誘導体、
・ビタミンC及び誘導体(例えば、アスコルビルパルミテート、Mg
アスコルビルホスフェート、アスコルビルアセテート)、
・トコフェロール及び誘導体(例えば、ビタミンEアセテート)、
・ビタミンA及び誘導体(例えば、ビタミンAパルミテート)、
・ガムベンゾイン(gum benzoin)のコニフェリルベンゾエート、ルチン酸及びその誘導体、α-グリコシルルチン、フェルラ酸、フルフリリデングルシトール、
・ブチルヒドロキシトルエン(BHT)、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)、
・ノルジヒドログアヤク酸、ノルジヒドログアイアレチン酸、トリヒドロキシブチロフェノン、尿酸及びそれらの誘導体、マンノース及びその誘導体、
・スーパーオキシドジスムターゼ、
・亜鉛及びその誘導体(例えば、ZnO、ZnSO4)、
・セレン及びその誘導体(例えば、セレノメチオニン)、
・スチルベン及びその誘導体(例えば、スチルベンオキシド、trans-スチルベンオキシド)
並びに前述のものの2つ以上の混合物。
【0083】
好ましい実施形態では、酸化防止剤は、ペンタエリスリチル、テトラ-ジ-t-ブチル-ヒドロキシヒドロシンナメート、ノルジヒドログアイアレチン酸、フェルラ酸、レスベラトロール、没食子酸プロピル(propyl gallate)、ブチルヒドロキシトルエン(BHT)、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)、アスコルビルパルミテート、トコフェロール、及び前述のものの2つ以上の混合物からなる群から選択される。
【0084】
好ましくは、現に特許請求されている発明による組成物は、組成物の総重量に基づいて、0.001~25重量%、好ましくは0.005~10重量%、より好ましくは0.01~8重量%、更により好ましくは0.025~7重量%、更により好ましくは0.05~5重量%の総量で酸化防止剤を含む。
【0085】
好ましい実施形態では、組成物は、式(I)の少なくとも1つの化合物と、少なくとも1つの酸化防止剤と、任意選択的に、少なくとも1つの芳香化学物質(X)と、を含む。
【0086】
消臭活性剤
消臭組成物(デオドラント及び制汗剤)は、体臭を中和、マスク、又は除去する。体臭は、アポクリン汗に対する皮膚細菌の作用によって形成され、不快な臭いの分解生成物が形成される。
【0087】
好ましくは、消臭活性剤は、制汗剤、エステラーゼ阻害剤、抗菌剤、及び前述のものの2つ以上の混合物からなる群から選択される。
【0088】
好適な制汗剤は、アルミニウム、ジルコニウム又は亜鉛の塩からなる群から選択される。例としては、塩化アルミニウム、アルミニウムクロロハイドレート、アルミニウムジクロロハイドレート、アルミニウムセスキクロロハイドレート、及び、例えば、1,2-プロピレングリコールとのそれらの複合化合物、アルミニウムヒドロキシアラントイネート、アルミニウムクロリドタルトレート、アルミニウムジルコニウムトリクロロハイドレート、アルミニウムジルコニウムテトラクロロハイドレート、アルミニウムジルコニウムペンタクロロハイドレート、及び、例えば、グリシンなどのアミノ酸とのそれらの複合化合物である。アルミニウムクロロハイドレート、アルミニウムジルコニウムテトラクロロハイドレート、アルミニウムジルコニウムペンタクロロハイドレート及びそれらの複合化合物が、好ましく使用される。
【0089】
好ましくは、制汗剤は、塩化アルミニウム、アルミニウムクロロハイドレート、アルミニウムジクロロハイドレート、アルミニウムセスキクロロハイドレート、アルミニウムヒドロキシアラントイネート、アルミニウムクロリドタルトレート、アルミニウムジルコニウムトリクロロハイドレート、アルミニウムジルコニウムテトラクロロハイドレート、アルミニウムジルコニウムペンタクロロハイドレート、及び前述のものの2つ以上の混合物からなる群から選択される。
【0090】
汗が脇の下の領域に存在する場合、細胞外酵素-エステラーゼ、主に、プロテアーゼ及び/又はリパーゼが、細菌によって形成され、汗に存在するエステルを分解し、その過程で匂いを放出する。好適なエステラーゼ阻害剤は、例えば、トリメチルシトレート、トリプロピルシトレート、トリイソプロピルシトレート、トリブチルシトレート、及び特にトリエチルシトレートなどのトリアルキルシトレートである。エステラーゼ阻害剤は、酵素活性を阻害し、従って匂いの発生を低減する。遊離酸は、おそらくクエン酸エステルの切断によって放出され、アシル化によって酵素が不活性化される程度まで皮膚のpH値を減少させる。他のエステラーゼ阻害剤は、例えば、ラノステロール、コレステロール、カンペステロール、スチグマステロール及びシトステロール硫酸又はリン酸などのステロール硫酸又はリン酸、ジカルボン酸及びそのエステル、例えば、グルタル酸、グルタル酸モノエチルエステル、グルタル酸ジエチルエステル、アジピン酸、アジピン酸モノエチルエステル、アジピン酸ジエチルエステル、マロン酸及びマロン酸ジエチルエステル、ヒドロキシカルボン酸及びそのエステル、例えば、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸又は酒石酸ジエチルエステル、亜鉛グリシネート、及び前述のものの2つ以上の混合物である。
【0091】
好ましくは、エステラーゼ阻害剤は、トリメチルシトレート、トリプロピルシトレート、トリイソプロピルシトレート、トリブチルシトレート、トリエチルシトレート、ラノステロール、コレステロール、カンペステロール、スチグマステロール、シトステロールスルフェート、シトステロールホスフェート、グルタル酸、グルタル酸モノエチルエステル、グルタル酸ジエチルエステル、アジピン酸、アジピン酸モノエチルエステル、アジピン酸ジエチルエステル、マロン酸、マロン酸ジエチルエステル、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、酒石酸ジエチルエステル、亜鉛グリシネート及び前述のものの2つ以上の混合物からなる群から選択される。
【0092】
好ましくは、現に特許請求されている発明による組成物は、組成物の総重量に基づいて、0.01~20重量%、好ましくは0.1~10重量%、より具体的には0.5~5重量%の範囲の総量で、エステラーゼ阻害剤を含む。
【0093】
本明細書で使用される「抗菌剤」という用語は、殺菌及び/又は静菌特性を有する物質を包含する。典型的には、これらの物質、例えば、4-ヒドロキシ安息香酸及びその塩及びエステル、N-(4-クロロフェニル)-N’-(3,4-ジクロロフェニル)-尿素、2,4,4’-トリクロロ-2’-ヒドロキシジフェニルエーテル(トリクロサン)、4-クロロ-3,5-ジメチルフェノール、2,2’-メチレン-ビス-(6-ブロモ-4-クロロフェノール)、3-メチル-4-(1-メチルエチル)-フェノール、2-ベンジル-4-クロロフェノール、3-(4-クロロフェノキシ)-プロパン-1,2-ジオール、3-ヨード-2-プロピニルブチルカーバメート、クロルヘキシジン、3,4,4’-トリクロロカルバニリド(TTC)、フェノキシエタノール、グリセロールモノカプレート、グリセロールモノカプリレート、グリセロールモノラウレート(GML)、ジグリセロールモノカプレート(DMC)など、例えば、サリチル酸-n-オクチルアミド又はサリチル酸-n-デシルアミドなどのサリチル酸-N-アルキルアミドなどは、グラム陽性菌に対して作用する。
【0094】
好ましくは、抗菌剤は、キトサン、フェノキシエタノール、5-クロロ-2-(2,4-ジクロロフェノキシ)-フェノール、4-ヒドロキシ安息香酸及びその塩及びエステル、N-(4-クロロフェニル)-N’-(3,4-ジクロロフェニル)-尿素、2,4,4’-トリクロロ-2’-ヒドロキシジフェニルエーテル(トリクロサン)、4-クロロ-3,5-ジメチルフェノール、2,2’-メチレン-ビス-(6-ブロモ-4-クロロフェノール)、3-メチル-4-(1-メチルエチル)-フェノール、2-ベンジル-4-クロロフェノール、3-(4-クロロフェノキシ)-プロパン-1,2-ジオール、3-ヨード-2-プロピニルブチルカーバメート、クロルヘキシジン、3,4,4’-トリクロロカルバニリド(TTC)、フェノキシエタノール、グリセロールモノカプレート、グリセロールモノカプリレート、グリセロールモノラウレート(GML)、ジグリセロールモノカプレート(DMC)、サリチル酸-N-アルキルアミド、及び前述のものの2つ以上の混合物からなる群から選択される。
【0095】
好ましくは、現に特許請求されている発明による組成物は、組成物の総重量に基づいて、0.01~5重量%、好ましくは0.1~2重量%の範囲の総量で抗菌剤を含む。
【0096】
好ましい実施形態では、組成物は、式(I)の少なくとも1つの化合物と、少なくとも1つの消臭活性剤と、任意選択的に、少なくとも1つの芳香化学物質(X)と、を含む。
【0097】
界面活性剤
好ましくは、界面活性剤は、アニオン性、非イオン性、カチオン性、両性、双性イオン性界面活性剤、及び前述のものの2つ以上の混合物からなる群から選択される。より好ましくは、界面活性剤は、アニオン性界面活性剤である。
【0098】
好ましくは、本発明による組成物は、組成物の総重量に基づいて、0~40重量%、より好ましくは0~20重量%、より好ましくは0.1~15重量%、特に0.1~10重量%の総量で界面活性剤を含む。
【0099】
好適な非イオン性界面活性剤は、脂肪アルコールポリグリコールエーテル、アルキルフェノールポリグリコールエーテル、脂肪酸ポリグリコールエステル、脂肪酸アミドポリグリコールエーテル、脂肪アミンポリグリコールエーテル、アルコキシル化トリグリセリド、混合エーテル及び混合ホルマール、任意に部分酸化されたアルキル(アルケニル)オリゴグリコシド又はグルクロン酸誘導体、脂肪酸-N-アルキルグルカミド、タンパク質加水分解物(特に小麦系野菜製品)、ポリオール脂肪酸エステル、糖エステル、ソルビタンエステル、ポリソルベート及びアミンオキシドである。非イオン性界面活性剤がポリグリコールエーテル鎖を含む場合、それらは従来の同族体(homolog)分布を有し得るが、狭い範囲の同族体分布を有することが好ましい。
【0100】
双性イオン性界面活性剤は、分子内に少なくとも1つの4級アンモニウム基及び少なくとも1つのCOO(-)又はSO3(-)基を含む界面活性化合物である。
【0101】
特に好適な双性イオン性界面活性剤は、いわゆる、ベタイン、例えば、N-アルキル-N,N-ジメチルアンモニウムグリシネート、例えば、ココアルキルジメチルアンモニウムグリシネート、N-アシルアミノプロピル-N,N-ジメチルアンモニウムグリシネート、例えば、ココアシルアミノプロピルジメチルアンモニウムグリシネート、及びアルキル又はアシル基に8~18の炭素原子を含む2-アルキル-3-カルボキシメチル-3-ヒドロキシエチルイミダゾリン、及びココアシルアミノエチルヒドロキシエチルカルボキシメチルグリシネートである。コカミドプロピルベタインのCTFA名で知られている脂肪酸アミド誘導体が、特に好ましい。
【0102】
また、両性界面活性剤が、特に補助界面活性剤として好適である。両性界面活性剤は、C8~C18のアルキル基又はアシル基に加えて、分子内に、少なくとも1つの遊離アミノ基及び少なくとも1つの-COOH又はSO3H基を含み、分子内塩を形成することができる界面活性化合物である。好適な両性界面活性剤の例は、アルキル基に約8~18の炭素原子を含む、N-アルキルグリシン、N-アルキルプロピオン酸、N-アルキルアミノ酪酸、N-アルキルイミノジプロピオン酸、N-ヒドロキシエチル-N-アルキルアミドプロピルグリシン、N-アルキルタウリン、N-アルキルサルコシン、2-アルキルアミノプロピオン酸、及びアルキルアミノ酢酸である。特に好ましい両性界面活性剤は、N-ココアアルキルアミノプロピオネート、ココアシルアミノエチルアミノプロピオネート、及びアシルサルコシンである。
【0103】
アニオン性界面活性剤は、水溶性アニオン性基、例えば、カルボキシレート、スルフェート、スルホネート、又はホスフェート基及び親油性基が特徴である。皮膚科学的に安全なアニオン性界面活性剤は、関連する教科書から多数の実践者に知られており、市販されている。それらは、特に、それらのアルカリ金属、アンモニウム塩又はアルカノールアンモニウム塩の形態のアルキルスルフェート、それらのアルカリ金属又はアンモニウム塩の形態の、アルキルエーテルスルフェート、アルキルエーテルカルボキシレート、アシルイセチオネート、アシルサルコシネート、直鎖状C12~C18アルキル又はアシル基を含むアシルタウリン、及びスルホスクシネート、及びアシルグルタメートである。
【0104】
特に好適なカチオン性界面活性剤は、4級アンモニウム化合物、好ましくはアンモニウムハライド、より具体的には、アルキルトリメチルアンモニウムクロリド、ジアルキルジメチルアンモニウムクロリド及びトリアルキルメチルアンモニウムクロリドなどのクロリド及びブロミド、例えば、セチルトリメチルアンモニウムクロリド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロリド、ジステアリルジメチルアンモニウムクロリド、ラウリルジメチルアンモニウムクロリド、ラウリルジメチルベンジルアンモニウムクロリド、及びトリセチルメチルアンモニウムクロリドである。加えて、容易に生分解される4級エステル化合物、例えば、Stepantexeの名前で市販されているジアルキルアンモニウムメトスルフェート及びメチルヒドロキシアルキルジアルキルオキシアルキルアンモニウムメトスルフェート、並びにDehyquart(登録商標)シリーズの対応する製品などが、カチオン性界面活性剤として使用され得る。「エステルクワット(Esterquats)」は、一般に、四級化脂肪酸トリエタノールアミンエステル塩であると理解されている。それらは組成物に特定の柔らかさを付与することができる。それらは、有機化学の関連する方法によって調製される既知の物質である。本発明による使用に好適な他のカチオン性界面活性剤は、4級化タンパク質加水分解物である。
【0105】
式(I)の化合物の特徴的な感覚特性及びその持続性、粘り強さ、並びに安定性により、例えば、洗浄剤(特にランドリーケア製品及び多目的洗浄剤)などの界面活性剤含有組成物に、匂い、好ましくは芳香剤の印象を付与するために特に使用することができる。好ましくは、長期持続するスウィートノート、トンカノート、アカシアノート、及び/又はウッディを界面活性剤を含む組成物に付与することに使用することができる。
【0106】
好ましい実施形態では、組成物は、式(I)の少なくとも1つの化合物と、少なくとも1つの界面活性剤と、任意選択的に、少なくとも1つの芳香化学物質(X)と、を含む。
【0107】
好適な組成物は、例えば、香水組成物、ボディケア組成物(化粧品組成物並びに口腔及び歯科衛生用製品を含む)、衛生用品、洗浄組成物(食器洗い組成物を含む)、繊維製品洗剤組成物、香りディスペンサー用組成物、食品、栄養補助食品、医薬組成物及び作物保護組成物である。
【0108】
香水組成物は、ファイン芳香剤、液体形態、ゲル状形態又は固体担体に塗布された形態の消臭剤、エアゾールスプレー、芳香洗浄剤、香水キャンドル、及びランプオイル又はマッサージ用オイルなどのオイルから選択することができる。
【0109】
ファイン芳香剤の例は、香水抽出物、オードパルファム、オードトワレ、オーデコロン、オードソリド(Eau de Solide)、及びエクストラパルファム(Extrait Parfum)である。
【0110】
ボディケア組成物は、化粧品組成物並びに口腔及び歯科衛生用製品を含み、アフターシェーブ、プレシェーブ製品、スプラッシュコロン、固形及び液体ソープ、シャワージェル、シャンプー、シェービングソープ、シェービングフォーム、バスオイル、水中油型、油中水型及び水中油中水型(water-in-oil-in-water type)の化粧品エマルジョン、例えば、スキンクリーム及びローション、フェイスクリーム及びローション、日焼け止めクリーム及びローション、アフターサン(after-sun)クリーム及びローション、ハンドクリーム及びローション、フットクリーム及びローション、脱毛クリーム及びローション、アフターシェーブクリーム及びローション、日焼け防止クリーム及びローションなど、ヘアケア製品、例えば、ヘアスプレー、ヘアジェル、セットヘアローション、ヘアコンディショナー、ヘアシャンプー、パーマネント及びセミパーマネントヘアカラー剤、コールドウェーブ及びヘアスムージング組成物などのヘアシェイプ組成物、ヘアトニック、ヘアクリーム及びヘアローションなど、消臭剤及び制汗剤、例えば、脇の下用スプレー、ロールオン(roll-on)、デオドラントスティック及びデオドラントクリームなど、装飾化粧品の製品、例えば、アイライナー、アイシャドウ、マニキュア、メイク用品、口紅及びマスカラなど、並びに、口腔及び歯科衛生用製品、例えば、歯磨き粉、デンタルフロス、マウスウォッシュ、口臭除去剤、デンタルフォーム、デンタルジェル、及びデンタルストリップなどから選択することができる。
【0111】
衛生用品は、線香、殺虫剤、忌避剤、噴射剤(propellant)、さび取り剤、香水の香りのフレッシュワイプ(perfumed freshening wipe)、脇の下用パッド、赤ちゃん用おむつ、生理用ナプキン、トイレットペーパー、化粧用ワイプ、ポケットティッシュ、食器洗剤、及び消臭剤から選択することができる。
【0112】
洗浄組成物、例えば、固体表面用の洗浄剤などは、香水の香りの、酸性、アルカリ性、及び中性洗浄剤、例えば、床用洗浄剤、窓用洗浄剤、手洗い用と機械洗い用の両方の食器洗い用組成物、バス用及び衛生用洗浄剤、精練乳、固体及び液体のトイレ用洗浄剤、粉末及び泡状のカーペット用洗浄剤、家具用つや出し剤などのワックス及びつや出し剤、床用ワックス、靴用クリーム、消毒剤、表面消毒剤及びサニタリー用洗浄剤、ブレーキ用洗浄剤、パイプ用洗浄剤、水あか除去剤、グリル及びオーブン用洗浄剤、藻類及びコケ除去剤、カビ除去剤、ファサード洗浄剤(facade cleaner)から選択することができる。
【0113】
繊維製品洗剤組成物は、液体洗剤、粉末洗剤、漂白剤、浸漬剤及びしみ除去剤などの洗濯前処理剤、柔軟剤、洗濯用石鹸、洗濯用タブレットから選択することができる。
【0114】
食品とは、未加工、調理済み、又は加工済みの食用物質、氷、飲料、或いはその全て又は一部が人間が消費するために使用される、又は使用が意図されている成分、或いはチューインガム、グミ、ゼリー、及び菓子を意味する。
【0115】
栄養補助食品は、食事に更なる栄養価を追加することを意図した食事成分を含む摂取を意図した製品である。食事成分は、以下の物質の1つ又は任意の組み合わせであり得る:ビタミン、ミネラル、ハーブ又は他の植物、アミノ酸、総食事摂取量を増やすことによって食事を補うために人々が使用する食事物質、濃縮物、代謝産物、成分、又は抽出物。栄養補助食品は、錠剤、カプセル、ソフトジェル、ジェルキャップ、液体、又は粉末など、多くの形態で見られることができる。
【0116】
医薬組成物は、病気の診断、治癒、軽減、治療、又は予防に使用することを意図した組成物、並びに人又は他の動物の体の構造又は任意の機能に影響を与えることを意図した物品(食品以外)を含む。
【0117】
作物保護組成物は、農作物及び森林に損害を与える植物病害、雑草及び他の害虫(脊椎動物及び無脊椎動物の両方)の管理を意図した組成物を含む。
【0118】
好ましくは、本発明による組成物は、防腐剤、研磨剤、抗ざ瘡剤、皮膚の老化に対処するための薬剤、抗セルライト剤、抗フケ剤、抗炎症剤、炎症抑制剤、刺激緩和剤、収斂剤、制汗剤、防腐剤、帯電防止剤、結合剤、緩衝剤、担体材料、キレート剤、細胞刺激剤、ケア剤、脱毛剤、乳化剤、酵素、精油、繊維、皮膜形成剤、固定剤、発泡剤、整泡剤、発泡防止剤、発泡促進剤、殺菌剤、ゲル化剤、ゲル形成剤、ヘアケア剤、髪整形剤、整髪剤、水分供与剤、保湿剤、湿潤剤、漂白剤、強化剤、染み抜き剤、蛍光増白剤、含浸剤、防汚剤、摩擦低減剤、潤滑剤、保湿クリーム、軟膏、乳白剤、可塑剤、被覆剤、つや出し剤、光沢剤、ポリマー、粉末、タンパク質、再脂肪化剤、角質除去剤、シリコーン、皮膚鎮静剤、皮膚洗浄剤、スキンケア剤、皮膚治癒剤、皮膚美白剤、皮膚保護剤、皮膚軟化剤、冷却剤、皮膚冷却剤、加温剤、皮膚加温剤、安定剤、紫外線吸収剤、紫外線フィルター、柔軟剤、懸濁剤、皮膚日焼け止め剤、増粘剤、ビタミン、ワックス、脂肪、リン脂質、飽和脂肪酸、一価又は多価不飽和脂肪酸、α-ヒドロキシ酸、ポリヒドロキシ脂肪酸、液化剤、染料、色保護剤、顔料、防食剤、ポリオール、電解質、及びシリコーン誘導体からなる群から選択される少なくとも1つの補助剤を更に含む。
【0119】
組成物に芳香の印象を付与するための組成物の調製及び組成物に芳香の印象を付与するための方法
【0120】
本発明の一実施形態は:
(i)本発明による化合物以外の少なくとも1つの芳香化学物質(X)、又は
(ii)少なくとも1つの非芳香化学物質担体、又は
(i)と(ii)の両方を含む式(I)の化合物の組成物を調製するための方法を対象とする。
【0121】
本発明はまた、組成物の芳香の印象を増強するための方法であって、式(I)の少なくとも1つの化合物を組成物に組み込むことを含む、方法を対象とする。
【0122】
特に、本発明は、香水組成物、ボディケア組成物、衛生用品、洗浄組成物、繊維製品洗剤組成物、香りディスペンサー用組成物、食品、栄養補助食品、医薬組成物又は作物保護組成物を調製する方法であって、香水組成物、ボディケア組成物、衛生用品、洗浄組成物、繊維製品洗剤組成物、香りディスペンサー用組成物、食品、栄養補助食品、医薬組成物又は作物保護組成物における式(I)の少なくとも1つの化合物を含むことを含む、方法を対象とする。
【0123】
一実施形態では、スウィートノート、トンカノート、アカシアノート、及び/又はウッディノートの要素を思い出させるノートを、香水組成物、ボディケア組成物、衛生用品、洗浄組成物、繊維製品洗剤組成物、香りディスペンサー用組成物、食品、栄養補助食品、医薬組成物又は作物保護組成物に付与するための方法であって、香水組成物、ボディケア組成物、衛生用品、洗浄組成物、繊維製品洗剤組成物、香りディスペンサー用組成物、食品、栄養補助食品、医薬組成物又は作物保護組成物における式(I)の少なくとも1つの化合物を含むことを含む、方法を対象とする。
【0124】

一般に、本発明による組成物、方法及び使用における式(I)の化合物の総量は、典型的には、特定の意図された使用又は意図された用途に適合され、したがって広範囲にわたって変化し得る。原則として、芳香化学物質、好ましくは香りの通常の標準的な商業量が使用される。好ましくは、本発明による組成物は、組成物の総重量に基づいて、0.001~99.9重量%の総量で、式(I)の化合物を含む。特に、組成物は、組成物の総重量に基づいて、0.001~99.5重量%、好ましくは、50~99重量%、より好ましくは、80~95重量%、特に90~95重量%の総量で、式(I)の化合物を含む。
【0125】
特に、組成物は、組成物の総重量に基づいて、0.005~80重量%、好ましくは、0.1~30重量%、より好ましくは、1~20重量%、特に5~15重量%の総量で、式(I)の化合物を含む。特に、組成物は、組成物の総重量に基づいて、0.001~20重量%、好ましくは、0.005~6重量%、より好ましくは、0.05~4重量%、特に0.1~3重量%の総量で、式(I)の化合物を含む。
【0126】
化合物(compound)(I)及び式(I)の化合物という用語は、本明細書全体にわたって同じ意味で用いられる。また、化合物(compounds)(I)及び式(I)の化合物という用語は、本明細書全体にわたって同じ意味で用いられる。
【0127】
実施形態
以下に、本開示を更に例示するために実施形態のリストを提供するが、本開示を以下に挙げる特定の実施形態に限定することを意図するものではない。
【0128】
1.組成物に芳香の印象を付与するための、式(I)
【化5】
の化合物又はその立体異性体
の使用。
【0129】
2.式(I)の化合物が、単一のエナンチオマーI(a)若しくはI(b)又はI(a)とI(b)との任意の比率の混合物を含む、請求項1に記載の使用。
【0130】
3.実施形態1に記載の式(I)の少なくとも1つの化合物を組成物に添加する工程を少なくとも含む、組成物に芳香のノートを付与する方法。
【0131】
4.組成物が、香水組成物、ボディケア組成物、衛生用品、洗浄組成物、繊維製品洗剤組成物、香りディスペンサー用組成物、食品、栄養補助食品、医薬組成物、及び作物保護組成物からなる群から選択される、実施形態1~3のいずれか1つに記載の使用又は方法。
【0132】
5.芳香の印象が、スウィートノート、トンカノート、アカシアノート、及びウッディノートからなる群から選択される、実施形態1~3のいずれか1つに記載の使用又は方法。
【0133】
6.式(I)の化合物が、組成物の総重量に基づいて、0.001重量%以上から70.0重量%以下の範囲で存在する、実施形態1~3のいずれか1つに記載の使用又は方法。
【0134】
7.実施形態1又は2に記載の式(I)の少なくとも1つの化合物と、
(i)式(I)の化合物とは異なる少なくとも1つの芳香化学物質(X)、又は
(ii)少なくとも1つの非芳香化学物質担体、又は
(i)と(ii)の両方と、を含む組成物。
【0135】
8.式(I)の化合物が、組成物の総重量に基づいて、0.001重量%以上から70.0重量%以下の範囲で存在する、実施形態7に記載の組成物。
【0136】
9.少なくとも1つの非芳香化学物質担体(ii)が、界面活性剤、オイル成分、酸化防止剤、消臭活性剤、及び溶媒からなる群から選択される、実施形態7に記載の組成物。
【0137】
10.組成物が、香水組成物、ボディケア組成物、衛生用品、洗浄組成物、繊維製品洗剤組成物、香りディスペンサー用組成物、食品、栄養補助食品、医薬組成物、及び作物保護組成物からなる群から選択される、実施形態7~9のいずれか1つに記載の組成物。
【実施例
【0138】
本発明は、以下の非限定的な実施例によって詳細に説明される。より具体的には、以下に特定する試験方法は、本出願の一般的な開示の一部であり、特定の実施例に限定されない。
【0139】
1.分析方法:
特性評価は、13C-NMR及びH-NMRによって行われる。13C-NMR及びH-NMRスペクトルが、Bruker DPX-500分光計において測定された。
【0140】
2.合成
実施例1
(化合物A(式(I)-5-メチル-5-(4-メチルペンタ-3-エニル)フラン-2-オンの化合物の調製)
【化6】
カルボニル化によってリナロールから調製した(E/Z)-4,8-ジメチル-3,7-ノナジエン酸(13.9g、76.4mmol)をTHF(160mL)中に溶解させ、内部温度計及び磁気撹拌棒を装着した1L三口フラスコに入れ、水性NaHCO(250mLの水中10g)で処理した。溶液を20分間撹拌し、フラスコをアルミホイルで包み、暗さを保った。ヨウ化カリウム(58.1g、350mmol)及びヨウ素(132mmol、33.6g)を水(200mL)中に溶解させ、添加した。得られた混合物を4時間撹拌した。
【0141】
Na(飽和水溶液)を添加した。相を分離し、水相をEtOAc(4×40mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を水性NaHCO(40mL)で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥させた。溶媒を真空中で除去した。
【0142】
ヨードラクトンを含有する得られた粗残渣をトルエン(100mL)中に溶解させ、還流凝縮器を装着した250mLの三口フラスコに入れた。溶液をNEt(22.2g、220mmol)で処理し、100℃で撹拌した。懸濁液は暗褐色になった。GC対照は、100℃で4時間撹拌した後、出発物質が完全に消費されたことを示した。水(50mL)を添加し、相を分離した。水相水相をEtOAc(3×20mL)で抽出した。合わせた有機抽出物をNaCl(30mL)で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥させて、溶媒を真空中で除去した。クーゲルロール蒸留による精製により、ラセミ5-メチル-5-(4-メチルペンタ-3-エニル)フラン-2-オン(化合物A)をわずかに黄色の油(11.1g、78%収率)として得た。
H NMR(CDCl3,500MHz):δ=6.5(d,1H,2-H),5.6(d,1H,3-H),4.8(t,J=7.5Hz,2H,7-H),1.2-1.7(m,4H,2xCH),1.6(s,3H,CH),1.4(s,3H,CH),1.0(s,3 H,CH).13C NMR(d8-トルエン,125MHz):δ=171.4,159.3,132.0,123.7,120.6,87.6,38.4,25.7,24.0,22.7,17.6ppm.
【0143】
3.嗅覚の印象
本発明の化合物及び混合物の品質及び強度を試験するために、香りストリップ試験を行った。
【0144】
この目的のために、吸収性紙のストリップを、クエン酸トリエチル中に1~10重量%の試験対象化合物を含有する溶液に浸漬した。溶媒を蒸発させた後(約30秒)、トレーニングされた調香師により香りの印象を嗅覚で評価した。
【0145】
本発明の式(I)-5-メチル-5-(4-メチルペンタ-3-エニル)フラン-2-オンの化合物の芳香の印象を以下の表1に示した。化合物を表2及び3による香水組成物中に配合し、化合物Aと標識した。
【0146】
【表1】
【0147】
4.有利な組成物
表1に示される化合物を、表2及び3に従って組成物として配合した。表1に示される化合物を、表2及び表3において「化合物A」と標識した。
【0148】
【表2】
【0149】
【表3】
【0150】
表2及び表3による組成物、即ち、1A、1B、2A、2Bは、デオポンプスプレー(Deo pump spray)、クリーンヘアコンディショナー、フェイスウォッシュジェル、フォームバスコンセントレート(Foam bath concentrate)、ヘアジェル、セルフフォーミング(Self-foaming)ボディウォッシュ、スプレー可能サンケアエマルジョン、スプレー可能サンプロテクションエマルジョン、エモリエントフェイシャルジェル、2相オイルフォームバス、シャンプー、シャワーバス、ハイドロアルコールAP/デオポンプスプレー(AP/Deo pump spray)、エアゾール、水性/アルコールAP/デオロールオン(AP/Deo roll-on)、スタイリングジェルタイプ「アウトオブベッド(Out of Bed)」、シェービングフォーム、敏感肌用ベビーシャンプー、敏感肌用ボディウォッシュ、敏感頭皮用グロスエンハンシングシャンプー(Gloss Enhancing Shampoo)、デオスティック(Deo Stick)、ベビーワイプ、アフターシェーブバーム、フェイスジェル、フェイスデイケアクリーム、フェイスクレンザー、ボディローション、サンケアSPF50+、スプレー可能ローション、ハンドディッシュクリーナー-レギュラー、ハンドディッシュクリーナー-濃縮液、サニタリー用洗剤-濃縮液、多目的洗浄剤、抗菌柔軟剤、洗剤組成物、粉末洗剤組成物、及び液体洗剤組成物からなる群から選択される様々な組成物に含まれることができるであろう。
【0151】
当業者は、上述の製品における様々な一般的な配合に精通しているであろう。
【0152】
組成物1A、1B、2A及び2Bは、例えば、IP.com番号:IPCOM000258614D、題名New Arroma Chemicals、6~46ページ、表1~表D13に開示されているような特定の配合にて配合することができ、この場合、「芳香剤組成物1A」は、同一量の組成物1A、1B、2A、又は2Bによって置き換えられる。
【国際調査報告】