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  • 特表-ウエハ容器およびパージシステム 図1A
  • 特表-ウエハ容器およびパージシステム 図1B
  • 特表-ウエハ容器およびパージシステム 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-21
(54)【発明の名称】ウエハ容器およびパージシステム
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/673 20060101AFI20240614BHJP
【FI】
H01L21/68 V
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023575375
(86)(22)【出願日】2022-06-08
(85)【翻訳文提出日】2024-01-24
(86)【国際出願番号】 US2022032698
(87)【国際公開番号】W WO2022261227
(87)【国際公開日】2022-12-15
(31)【優先権主張番号】63/208,180
(32)【優先日】2021-06-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】505307471
【氏名又は名称】インテグリス・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】フラー, マシュー エー.
(72)【発明者】
【氏名】ハー, コルトン ジェー.
(72)【発明者】
【氏名】ギャラガー, ギャリー
(72)【発明者】
【氏名】ドーイングス, ピーター ディー.
(72)【発明者】
【氏名】ウィルキー, トーマス エイチ.
【テーマコード(参考)】
5F131
【Fターム(参考)】
5F131AA02
5F131CA12
5F131GA12
5F131GA92
5F131JA04
5F131JA15
5F131JA24
(57)【要約】
ウエハ容器では、ディフューザは、ウエハ容器の中心線に近くなるように位置決めされる。これにより、ウエハ容器内のパージガスの分配が改善される。ディフューザは、それらの位置が後壁の凹状中央パネルに対応するように位置決めすることができる。ディフューザは、ウエハ容器内に収容されたウエハの中心に対するディフューザ間の角度が60度以下になるように位置決めすることが可能である。ディフューザは、ディフューザがパージポートよりもウエハ容器の中心線に近くなるように配向されたオフセットコネクタによってパージポートに接合され得る。ディフューザの各々からウエハ容器の中心線までの距離は、ウエハ容器が収容するように構成されるウエハの直径の1/4未満であってもよい。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウエハ容器であって、
上壁と、
底壁と、
第1の側壁と、
第2の側壁と、
後壁であって、前記上壁、前記底壁、前記第1の側壁、前記第2の側壁、および前記後壁は、内部空間を画定し、前記内部空間は、1つまたは複数のウエハを収容するように構成される後壁と、
前記内部空間内に位置する第1のディフューザと、
前記内部空間内に位置する第2のディフューザと
を備え、
前記1つまたは複数のウエハが前記内部空間内に収容されたときの前記1つまたは複数のウエハの中央軸に対する前記第1のディフューザと前記第2のディフューザとの間の角度は、60度以下であり、前記中央軸は、前記1つまたは複数のウエハの各々の中心を通って前記1つまたは複数のウエハの平面に垂直に延びる、
ウエハ容器。
【請求項2】
前記第1のディフューザは、前記内部空間の中心線の第1の側に位置し、前記中心線は、前記第1の側壁と前記第2の側壁との間に均等に間隔を置いて配置され、前記第2のディフューザは、前記内部空間の前記中心線の第2の側に位置し、前記中心線は、前記ウエハ容器の開口部に垂直に延び、前記1つまたは複数のウエハの前記中央軸と交差する、請求項1に記載のウエハ容器。
【請求項3】
前記中央軸に対する前記中心線と前記第1のディフューザとの間の角度は、30度以下であり、前記中央軸に対する前記中心線と前記第2のディフューザとの間の角度は、30度以下である、請求項2に記載のウエハ容器。
【請求項4】
前記第1のディフューザと第1のパージポートとの間の第1のオフセットと、前記第2のディフューザと第2のパージポートとの間の第2のオフセットとをさらに含む、請求項1に記載のウエハ容器。
【請求項5】
前記第1のディフューザは、ディフューザタワーを含む、請求項1に記載のウエハ容器。
【請求項6】
前記第1のディフューザは、前記中心線から前記第1のパージポートまでの距離よりも小さい距離だけ前記中心線から離れており、
前記第2のディフューザは、前記中心線から前記第2のパージポートまでの距離よりも小さい距離だけ前記中心線から離れている、
請求項1に記載のウエハ容器。
【請求項7】
ウエハ容器であって、
上壁と、
底壁と、
第1の側壁と、
第2の側壁と、
後壁であって、前記上壁、前記底壁、前記第1の側壁、前記第2の側壁、および前記後壁は、内部空間を画定し、前記内部空間は、前記第1の側壁と前記第2の側壁との間に均等に間隔を置いて配置された中心線を有し、前記中心線は、前記後壁に垂直である後壁と、
前記中心線の第1の側で前記内部空間内に位置する第1のディフューザと、
前記中心線の第2の側で前記内部空間内に位置する第2のディフューザと
を備え、
前記ウエハ容器は、所定の直径を有する1つまたは複数のウエハを収容するように構成され、
前記第1のディフューザは、前記所定の直径の1/4未満の距離だけ前記中心線から離れており、
前記第2のディフューザは、前記所定の直径の1/4未満の距離だけ前記中心線から離れている、
ウエハ容器。
【請求項8】
前記第1のディフューザおよび前記第2のディフューザは、前記中心線に対して対称である、請求項7に記載のウエハ容器。
【請求項9】
前記中心線と、前記第1のディフューザとウエハ格納位置の中心との間の線との間の角度は、約30度である、請求項7に記載のウエハ容器。
【請求項10】
ウエハ容器であって、
上壁と、
底壁と、
第1の側壁と、
第2の側壁と、
後壁であって、前記上壁、前記底壁、前記第1の側壁、前記第2の側壁、および前記後壁は、内部空間を画定し、前記後壁は、中央パネルを含み、前記中央パネルは、前記ウエハ容器の外部に対して凹んでいる後壁と、
前記内部空間内に位置する第1のディフューザと、
前記内部空間内に位置する第2のディフューザと
を備え、
前記第1のディフューザは、前記後壁の前記中央パネルの幅よりも小さい距離だけ前記後壁の平面に平行な方向に前記第2のディフューザから離れている、
ウエハ容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、賭け容器から湿った空気をパージするための、特に賭け容器の下側スロットに対応する領域から湿った空気をパージするためのパージディフューザを含むウエハ容器を対象とする。
【背景技術】
【0002】
ウエハ容器は、半導体ウエハなどのウエハの格納および処理中に使用される。いくつかのプロセスステップの間、湿った空気などの望ましくないガスがウエハ容器内に存在する場合がある。望ましくないガスは、パージガスをウエハ容器内に導入することによってパージすることができる。しかし、ウエハ容器の制約された構造およびそのような容器の必要な標準的特徴は、そのようなウエハ容器におけるパージ性能を制限する可能性がある。
【発明の概要】
【0003】
本開示は、賭け容器から湿った空気をパージするための、特に賭け容器の下側スロットに対応する領域から湿った空気をパージするためのパージディフューザを含むウエハ容器を対象とする。
【0004】
実施形態によるウエハ容器では、ディフューザは、それぞれのパージポートから容器の中心線に向かってずれている。これにより、ディフューザは、後壁の中心パネルに対応する位置で後壁に沿って互いに接近して載置される。これはまた、ウエハがウエハ容器内に格納されるときのウエハの中心を中心とした互いに関するディフューザ間の角度、およびウエハ容器の中心線に関する各ディフューザ間の角度を減少させる。容器およびウエハの特徴に関するディフューザの位置決めは、パージガスの分配の改善をもたらし、ウエハ容器の下側スロットをより効果的にパージすることができる。
【0005】
一実施形態では、ウエハ容器は、上壁と、底壁と、第1の側壁と、第2の側壁と、後壁とを含む。上壁、底壁、第1の側壁、第2の側壁、および後壁は、内部空間を画定する。内部空間は、1つまたは複数のウエハを収容するように構成される。ウエハ容器は、内部空間内に位置する第1のディフューザと、内部空間内に位置する第2のディフューザとをさらに含む。1つまたは複数のウエハが内部空間内に収容されたときの1つまたは複数のウエハの中央軸に対する第1のディフューザと第2のディフューザとの間の角度は、60度以下であり、中央軸は、1つまたは複数のウエハの各々の中心を通って1つまたは複数のウエハの平面に垂直に延びる。
【0006】
一実施形態では、第1のディフューザは、内部空間の中心線の第1の側に位置し、中心線は、第1の側壁と第2の側壁との間に均等に間隔を置いて配置され、第2のディフューザは、内部空間の中心線の第2の側に位置し、中心線は、ウエハ容器の開口部に垂直に延び、1つまたは複数のウエハの中央軸と交差する。
【0007】
一実施形態では、中央軸に対する中心線と第1のディフューザとの間の角度は、30度以下であり、中央軸に対する中心線と第2のディフューザとの間の角度は、30度以下である。
【0008】
一実施形態では、ウエハ容器は、上壁と、底壁と、第1の側壁と、第2の側壁と、後壁とを含む。上壁、底壁、第1の側壁、第2の側壁、および後壁は、内部空間を画定する。内部空間は、第1の側壁と第2の側壁との間に均等に間隔を置いて配置された中心線を有し、中心線は、後壁に垂直である。ウエハ容器は、中心線の第1の側で内部空間内に位置する第1のディフューザと、中心線の第2の側で内部空間内に位置する第2のディフューザとをさらに含む。ウエハ容器は、所定の直径を有する1つまたは複数のウエハを収容するように構成される。第1のディフューザは、所定の直径の1/4未満の距離だけ中心線から離れており、第2のディフューザは、所定の直径の1/4未満の距離だけ中心線から離れている。
【0009】
一実施形態では、ウエハ容器は、上壁と、底壁と、第1の側壁と、第2の側壁と、後壁とを含む。上壁、底壁、第1の側壁、第2の側壁、および後壁は、内部空間を画定する。後壁は、中央パネルを含み、中央パネルは、ウエハ容器の外部に対して凹んでいる。ウエハ容器は、内部空間内に位置する第1のディフューザと、内部空間内に位置する第2のディフューザとをさらに含む。第1のディフューザは、後壁の中央パネルの幅よりも小さい距離だけ後壁の平面に平行な方向に第2のディフューザから離れている。
【0010】
一実施形態では、ウエハ容器は、上壁と、底壁と、第1の側壁と、第2の側壁と、後壁とを含む。上壁、底壁、第1の側壁、第2の側壁、および後壁は、内部空間を画定する。内部空間は、第1の側壁と第2の側壁との間に均等に間隔を置いて配置された中心線を有し、中心線は、後壁に垂直である。ウエハ容器は、底壁に形成された第1のパージポートと、中心線の第1の側で内部空間内に位置する第1のディフューザであって、第1のディフューザは、第1のパージポートに接続される第1のディフューザとをさらに含む。ウエハ容器はまた、底壁に形成された第2のパージポートと、中心線の第2の側で内部空間内に位置する第2のディフューザであって、第2のディフューザは、第2のパージポートに接続される第2のディフューザとを含む。第1のディフューザは、中心線から第1のパージポートまでの距離よりも小さい距離だけ中心線から離れており、第2のディフューザは、中心線から第2のパージポートまでの距離よりも小さい距離だけ中心線から離れている。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1A】一実施形態によるウエハ容器の正面図である。
図1B】ウエハがウエハ容器に追加されたときの図1Aのウエハ容器の正面図である。
図2】一実施形態によるウエハ容器の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本開示は、賭け容器から湿った空気をパージするための、特に賭け容器の下側スロットに対応する領域から湿った空気をパージするためのパージディフューザを含むウエハ容器を対象とする。
【0013】
図1Aは、一実施形態によるウエハ容器の正面図を示す。ウエハ容器100は、第1の側壁102と、第2の側壁104と、底壁106と、第2の側108とを含む。第1の側壁102、第2の側壁104、底壁106、および上壁108は、ウエハ容器100の前方開口部110を画定する。後壁112が、後端を囲んでウエハ容器100の内部空間を形成する。後壁は、後壁112が第1の側壁102および第2の側壁104と交わる突出コーナー部分114と、突出コーナー部分114間の後壁112の中心における凹状中央パネル116とを含む。第1の側壁102および第2の側壁104は各々、内部空間内に突出するフランジ118を含み、各々がウエハを支持するように構成されたウエハスロットを画定する。ウエハ容器100は、ディフューザ120を含み、ディフューザ120は各々、第1または第2のオフセットコネクタ122aおよび122bの一方に取り付けられる。
【0014】
ウエハ容器100は、1つまたは複数のウエハを収容するように構成された容器である。ウエハ容器100は、例えば、フロントオープニングユニファイドポッド(FOUP)とすることができる。ウエハ容器100のサイズは、ウエハ容器100内に格納されるウエハの所定のサイズに基づくことができる。所定のサイズは、ウエハに適した任意のサイズであってもよい。ウエハ容器100が収容するように構成され得るウエハサイズの非限定的な例には、450mmウエハまたは300mmウエハが挙げられる。一実施形態では、ウエハ容器100は、300mmウエハを収容するように構成される。
【0015】
第1の側壁102、第2の側壁104、底壁106、上壁108、および後壁112は、内部空間を含むウエハ容器100を画定する。前方開口部110は、ウエハをウエハ容器100に挿入またはウエハ容器100から取り外すことを可能にするようなサイズとすることができる。一実施形態では、前方開口部110を囲むようにドア(図示せず)を設けることが可能である。一実施形態では、前方開口部110は、例えばパージ動作中に流体がウエハ容器100から出ることを可能にすることができる。内部空間内に載置されたウエハは各々、第1および第2の側壁102および104に設けられたフランジ118によって支持されたウエハスロット内に載置され得る。
【0016】
後壁112は、突出コーナー部分114を含むことができる。突出コーナー部分114は、後壁112の外側部分に位置決めすることができ、後壁112は、それぞれ第1の側壁102または第2の側壁104と交わる。突出コーナー部分114は、内部空間に対して外方に、すなわち図1Aの正面図において観察者から離れるように突き出ることが可能である。中央パネル116が、突出コーナー部分114間に位置決めされ得る。中央パネル116は、ウエハ容器100の中心線CLを横切ることができる。中央パネルは、突出コーナー部分114に対して内部空間内に、すなわち図1Aの正面図において観察者に向かって離れるように凹むことが可能である。中心線CLは、第1の側壁102と第2の側壁104との間に均等に間隔を置いて配置された線である。後壁112の中央パネル116は、ウエハ容器100の中心線CLと同一直線上にある中心線を有することができる。
【0017】
ディフューザ120は、ウエハ容器100の内部空間内にパージガスを分配するように構成されたディフューザである。ディフューザ120は、パージガスを分配するための任意の適切なディフューザとすることができる。一実施形態では、ディフューザ120は、多孔質材料で作製された管である。一実施形態では、ディフューザ120は、ディフューザタワーである。ディフューザ120は各々、第1のオフセットコネクタ122aまたは第2のオフセットコネクタ122bの一方に接続される。オフセットコネクタ122a、bは、ディフューザ120と、パージガスの供給を受け取るように構成された後方パージポート(図示せず、図2に見ることができ、以下に記載される)との間の接続を提供する。オフセットコネクタ122a、bは、パージポートの中心と、そのパージポートに接続されたディフューザ120の中心との間にオフセットを提供する。一実施形態では、オフセットコネクタ122a、bによって提供されるオフセットは、ディフューザ120がパージポートよりもウエハ容器100の中心線CLに近いようなものである。
【0018】
一実施形態では、ディフューザ120の位置は、後壁112の中央パネル116を参照して理解することができる。一実施形態では、ディフューザ120は、図1Aの正面図などの正面図で見たときにディフューザ120が中央パネル116の周囲内にあるように位置決めされる。ディフューザ120間の距離Dは、中央パネル116の幅Wよりも小さくすることができる。
【0019】
図1Bは、ウエハがウエハ容器に追加されたときの図1Aのウエハ容器の正面図を示す。ウエハ150は、前方開口部110を通ってウエハ容器100内にロードされ、それにより各々がウエハスロットを画定するフランジ118上に置かれる。一実施形態では、ウエハ150がウエハスロット内に位置決めされると、ウエハの各々の中心を通って鉛直に延びる中央軸が画定され得る。中央軸は、賭け容器100の中心線CLと平面内にあり得る。一実施形態では、ディフューザ120の位置は、図2に示され以下に記載されるように、中央軸を中心に形成されるそれぞれの角度によって画定することができる。一実施形態では、ディフューザ120の位置は、ウエハ容器100が収容するように構成されるウエハ150の直径に基づく距離だけディフューザ120が離間されるようにすることができる。ディフューザ120間の距離は、例えば、ウエハ容器100が収容するように構成されるウエハ150の直径の1/4以下とすることが可能である。ウエハ150は、例えば、300mmウエハであってもよい。一実施形態では、ディフューザは、中心線CLから各ディフューザ120までの距離が同じであり、ディフューザ120が中心線CLの対向する側にあるように、中心線CLの両側に均等に分配させることができる。
【0020】
図2は、一実施形態によるウエハ容器の断面図を示す。図2の断面図において、観察者は、上面図からウエハ容器200を見ている。ウエハ容器200は、第1の側壁202と、第2の側壁204と、底壁206とを含む。ウエハ容器200はまた、突出コーナーセクション210および凹状中央パネル212を含む後壁208を含む。ウエハ容器200は、図2の図においてそのセクションがとられている上方の上壁(図示せず)をさらに含む。ウエハ容器200は、ウエハ216を支持するように構成されたスロットを提供するために、第1の側壁202および第2の側壁204から延びるフランジ214を含む。ウエハ容器200は、第1および第2の後方パージポート218aおよび218bと、第1および第2のオフセットコネクタ220aおよび220bと、ディフューザ222とを含む。
【0021】
ウエハ容器200は、ウエハを収容するようなサイズの容器である。ウエハ容器200は、例えば、フロントオープニングユニファイドポッド(FOUP)とすることができる。ウエハ容器200のサイズは、ウエハ容器200内に格納されるウエハ216の所定のサイズに基づくことができる。所定のサイズは、ウエハに適した任意のサイズであってもよい。ウエハ容器200が収容するように構成され得るウエハサイズの非限定的な例には、450mmウエハまたは300mmウエハが挙げられる。一実施形態では、ウエハ容器200は、300mmウエハを収容するように構成される。
【0022】
第1の側壁202、第2の側壁204、底壁206、後壁208、および上壁は、開いた前方側を有するウエハ容器200の内部空間を画定するように互いに接続される。ウエハ容器200の中心線CLは、第1の側壁202と第2の側壁204との間に均等に間隔を置いて配置された線である。中心線CLは、ウエハ容器200の高さにわたって一致することができ、底壁206に垂直な平面を提供する。第1の側壁202および第2の側壁204は各々、内部空間内に内方に延びるフランジ214を含む。フランジ214は、ウエハ容器200内に載置される賭けを支持するスロットを形成する。
【0023】
後壁208は、ウエハ容器200の背面を形成する。後壁208は、後壁208が第1および第2の側壁202、204と交わる場所から外方に膨出する突出コーナーセクション210を含む。後壁208の中央パネル212は、後壁208の突出コーナーセクション210と比較して相対的に凹んでいる。中央パネル212は、ウエハ容器の中心線CLを横切って延びることができる。
【0024】
第1および第2の後方パージポート218a、bは、ウエハ容器200の底壁206を通るポートである。第1および第2の後方パージポート218a、bは、ウエハ容器200の内部空間内へのパージガスの導入を可能にするように構成される。第1の後方パージポート218aは、中心線CLの第1の側に位置し得る。第2の後方パージポート218bは、第1の後方パージポート218aが位置する第1の側とは反対側の、中心線CLの第2の側に位置し得る。一実施形態では、第1の後方パージポート218aと中心線CLとの間の距離および中心線CLと第2の後方パージポート218bとの間の距離は、等しい。一実施形態では、第1の後方パージポート218aおよび第2の後方パージポート218bは各々、それぞれのパージポート218a、bの中心が中心線CLのそれぞれの側の中央パネル212の端部よりも中心線CLから遠くなるように位置する。
【0025】
第1および第2のオフセットコネクタ220a、bは、それぞれの第1および第2の後方パージポート218a、bからパージガスを導くように構成されたコネクタである。第1および第2のオフセットコネクタ220a、bは各々、接続されたディフューザの中心が対応するパージポート218a、bの中心と同一直線上にないようなオフセットを含む。一実施形態では、第1および第2のオフセットコネクタ220a、bによって提供されるオフセットは、ディフューザ222の各々がそれぞれのパージポート218a、bよりも中心線の近くに位置するようなものである。一実施形態では、ディフューザ222の各々の中央軸は、それぞれのパージポート218a、bの中央軸よりも中心線に近い。一実施形態では、中心線に対するディフューザ222の各々の最外縁は、それぞれのパージポート218a、bの対応する最外縁よりも中心線に近い。ディフューザ222は各々、オフセットコネクタ220a、bの一方からパージガスを受け取り、パージガスをウエハ容器200の内部空間に提供するように構成される。ディフューザ222は、パージガスを内部空間に提供するための任意の適切な構造とすることができる。一実施形態では、ディフューザ222は、多孔質材料で作製された管である。ディフューザ222は、ディフューザタワーとすることができる。
【0026】
一実施形態では、ディフューザ222の位置は、ウエハ216の中央軸に関する角度に対して画定することができる。ウエハ216の中央軸は、ウエハ216の各々の中心WCを通って延びる線とすることができる。中央軸は、底壁206から上壁までウエハ容器200の鉛直方向に延びる。一実施形態では、ウエハの中央軸に対して2つのディフューザの位置によって形成される角度φは、60度以下である。一実施形態では、φは、52度以下であってもよい。一実施形態では、φは、44度以下であってもよい。一実施形態では、φは、30度~60度であってもよい。一実施形態では、φは、38度~52度であってもよい。一実施形態では、第1のオフセットコネクタ220aに接続されたディフューザ222と中心線CLとの間の角度θは、30度以下である。一実施形態では、中心線CLと第2のオフセットコネクタ220bに接続されたディフューザ222との間の角度θは、30度以下である。一実施形態では、θは、θに等しい。一実施形態では、θおよびθの一方または両方は各々、26度以下であってもよい。一実施形態では、θおよびθの一方または両方は各々、26度以下であってもよい。一実施形態では、θおよびθの一方または両方は各々、15度~30度であってもよい。一実施形態では、θおよびθの一方または両方は各々、19度~26度であってもよい。
【0027】
一実施形態では、ディフューザ222の位置は、中心線CLからの距離に対して定義することができる。一実施形態では、ディフューザ222の各々と中心線CLとの間の距離は、ウエハ容器200が収容するように構成されるウエハ216の所定のサイズに基づくことができる。ディフューザ222の各々と中心線CLとの間の距離は、例えば、ウエハ容器200が収容するように構成されるウエハの直径の1/4未満であってもよい。例えば、ウエハ容器200が300mmウエハを収容するように構成される場合、ディフューザのいずれかと中心線CLとの間の最大距離は、75mm以下とすることができる。
【0028】
一実施形態では、ディフューザ222の位置は、後壁208の中央パネル212に対応することができる。ディフューザ222は、中央パネル212の幅Wよりも小さい距離だけ離れることが可能である。一実施形態では、ディフューザ222は、ディフューザ222の各々から中心線CLまでの距離が、中心線CLから、中央パネル212が中心線CLの同じ側の突出コーナー部分210のうちの1つと交わる前記中央パネル212の端部までの距離よりも小さくなるように位置決めすることができる。
【0029】
態様:
【0030】
態様1~3のいずれかは、態様4、5、および/または6のいずれかと組み合わせることができることが理解される。態様4は、態様5および/または6のいずれかと組み合わせることができることが理解される。態様5は、態様6と組み合わせることができることが理解される。
【0031】
態様1.ウエハ容器であって、
上壁と、
底壁と、
第1の側壁と、
第2の側壁と、
後壁であって、前記上壁、前記底壁、前記第1の側壁、前記第2の側壁、および前記後壁は、内部空間を画定し、前記内部空間は、1つまたは複数のウエハを収容するように構成される後壁と、
前記内部空間内に位置する第1のディフューザと、
前記内部空間内に位置する第2のディフューザと
を備え、
前記1つまたは複数のウエハが前記内部空間内に収容されたときの前記1つまたは複数のウエハの中央軸に対する前記第1のディフューザと前記第2のディフューザとの間の角度は、60度以下であり、前記中央軸は、前記1つまたは複数のウエハの各々の中心を通って前記1つまたは複数のウエハの平面に垂直に延びる、
ウエハ容器。
【0032】
態様2.前記第1のディフューザは、前記内部空間の中心線の第1の側に位置し、前記中心線は、前記第1の側壁と前記第2の側壁との間に均等に間隔を置いて配置され、前記第2のディフューザは、前記内部空間の前記中心線の第2の側に位置し、前記中心線は、前記ウエハ容器の開口部に垂直に延び、前記1つまたは複数のウエハの前記中央軸と交差する、態様1に記載のウエハ容器。
【0033】
態様3.前記中央軸に対する前記中心線と前記第1のディフューザとの間の角度は、30度以下であり、前記中央軸に対する前記中心線と前記第2のディフューザとの間の角度は、30度以下である、態様2に記載のウエハ容器。
【0034】
態様4.ウエハ容器であって、
上壁と、
底壁と、
第1の側壁と、
第2の側壁と、
後壁であって、前記上壁、前記底壁、前記第1の側壁、前記第2の側壁、および前記後壁は、内部空間を画定し、前記内部空間は、前記第1の側壁と前記第2の側壁との間に均等に間隔を置いて配置された中心線を有し、前記中心線は、前記後壁に垂直である後壁と、
前記中心線の第1の側で前記内部空間内に位置する第1のディフューザと、
前記中心線の第2の側で前記内部空間内に位置する第2のディフューザと
を備え、
前記ウエハ容器は、所定の直径を有する1つまたは複数のウエハを収容するように構成され、
前記第1のディフューザは、前記所定の直径の1/4未満の距離だけ前記中心線から離れており、
前記第2のディフューザは、前記所定の直径の1/4未満の距離だけ前記中心線から離れている、
ウエハ容器。
【0035】
態様5.ウエハ容器であって、
上壁と、
底壁と、
第1の側壁と、
第2の側壁と、
後壁であって、前記上壁、前記底壁、前記第1の側壁、前記第2の側壁、および前記後壁は、内部空間を画定し、前記後壁は、中央パネルを含み、前記中央パネルは、前記ウエハ容器の外部に対して凹んでいる後壁と、
前記内部空間内に位置する第1のディフューザと、
前記内部空間内に位置する第2のディフューザと
を備え、
前記第1のディフューザは、前記後壁の前記中央パネルの幅よりも小さい距離だけ前記後壁の平面に平行な方向に前記第2のディフューザから離れている、
ウエハ容器。
【0036】
態様6.ウエハ容器であって、
上壁と、
底壁と、
第1の側壁と、
第2の側壁と、
後壁であって、前記上壁、前記底壁、前記第1の側壁、前記第2の側壁、および前記後壁は、内部空間を画定し、前記内部空間は、前記第1の側壁と前記第2の側壁との間に均等に間隔を置いて配置された中心線を有し、前記中心線は、前記後壁に垂直である後壁と、
前記底壁に形成された第1のパージポートと、
前記中心線の第1の側で前記内部空間内に位置する第1のディフューザであって、前記第1のディフューザは、前記第1のパージポートに接続される第1のディフューザと、
前記底壁に形成された第2のパージポートと、
前記中心線の第2の側で前記内部空間内に位置する第2のディフューザであって、前記第2のディフューザは、前記第2のパージポートに接続される第2のディフューザと
を備え、
前記第1のディフューザは、前記中心線から前記第1のパージポートまでの距離よりも小さい距離だけ前記中心線から離れており、
前記第2のディフューザは、前記中心線から前記第2のパージポートまでの距離よりも小さい距離だけ前記中心線から離れている、
ウエハ容器。
【0037】
本出願で開示される例は、すべての点において例示的であり、限定的ではないと見なされるべきである。本発明の範囲は、前述の説明ではなく添付の特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内にあるすべての変更は、特許請求の範囲に包含されることを意図している。
図1A
図1B
図2
【手続補正書】
【提出日】2024-02-21
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウエハ容器であって、
上壁と、
底壁と、
第1の側壁と、
第2の側壁と、
後壁であって、前記上壁、前記底壁、前記第1の側壁、前記第2の側壁、および前記後壁は、内部空間を画定し、前記内部空間は、1つまたは複数のウエハを収容するように構成される後壁と、
前記内部空間内に位置する第1のディフューザと、
前記内部空間内に位置する第2のディフューザと
を備え、
前記1つまたは複数のウエハが前記内部空間内に収容されたときの前記1つまたは複数のウエハの中央軸に対する前記第1のディフューザと前記第2のディフューザとの間の角度は、60度以下であり、前記中央軸は、前記1つまたは複数のウエハの各々の中心を通って前記1つまたは複数のウエハの平面に垂直に延びる、
ウエハ容器。
【請求項2】
前記第1のディフューザは、前記内部空間の中心線の第1の側に位置し、前記中心線は、前記第1の側壁と前記第2の側壁との間に均等に間隔を置いて配置され、前記第2のディフューザは、前記内部空間の前記中心線の第2の側に位置し、前記中心線は、前記ウエハ容器の開口部に垂直に延び、前記1つまたは複数のウエハの前記中央軸と交差する、請求項1に記載のウエハ容器。
【請求項3】
前記第1のディフューザと第1のパージポートとの間の第1のオフセットと、前記第2のディフューザと第2のパージポートとの間の第2のオフセットとをさらに含む、請求項1に記載のウエハ容器。
【請求項4】
ウエハ容器であって、
上壁と、
底壁と、
第1の側壁と、
第2の側壁と、
後壁であって、前記上壁、前記底壁、前記第1の側壁、前記第2の側壁、および前記後壁は、内部空間を画定し、前記内部空間は、前記第1の側壁と前記第2の側壁との間に均等に間隔を置いて配置された中心線を有し、前記中心線は、前記後壁に垂直である後壁と、
前記中心線の第1の側で前記内部空間内に位置する第1のディフューザと、
前記中心線の第2の側で前記内部空間内に位置する第2のディフューザと
を備え、
前記ウエハ容器は、所定の直径を有する1つまたは複数のウエハを収容するように構成され、
前記第1のディフューザは、前記所定の直径の1/4未満の距離だけ前記中心線から離れており、
前記第2のディフューザは、前記所定の直径の1/4未満の距離だけ前記中心線から離れている、
ウエハ容器。
【請求項5】
ウエハ容器であって、
上壁と、
底壁と、
第1の側壁と、
第2の側壁と、
後壁であって、前記上壁、前記底壁、前記第1の側壁、前記第2の側壁、および前記後壁は、内部空間を画定し、前記後壁は、中央パネルを含み、前記中央パネルは、前記ウエハ容器の外部に対して凹んでいる後壁と、
前記内部空間内に位置する第1のディフューザと、
前記内部空間内に位置する第2のディフューザと
を備え、
前記第1のディフューザは、前記後壁の前記中央パネルの幅よりも小さい距離だけ前記後壁の平面に平行な方向に前記第2のディフューザから離れている、
ウエハ容器。
【国際調査報告】