(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-21
(54)【発明の名称】合成ガスの調製方法
(51)【国際特許分類】
C01B 3/40 20060101AFI20240614BHJP
B01J 23/83 20060101ALI20240614BHJP
【FI】
C01B3/40
B01J23/83 M
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023577132
(86)(22)【出願日】2022-06-14
(85)【翻訳文提出日】2023-12-13
(86)【国際出願番号】 EP2022066145
(87)【国際公開番号】W WO2022263431
(87)【国際公開日】2022-12-22
(32)【優先日】2021-06-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】508020155
【氏名又は名称】ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】Carl-Bosch-Strasse 38, 67056 Ludwigshafen am Rhein, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】弁理士法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ランゲ デ オリベイラ,アルミン
(72)【発明者】
【氏名】マグナス,サンドラ
(72)【発明者】
【氏名】クシェル,アンドレアス
(72)【発明者】
【氏名】クレツスカ,クリスティアーネ
(72)【発明者】
【氏名】カウフマン レチュルスキ,マルセロ ダニエル
【テーマコード(参考)】
4G140
4G169
【Fターム(参考)】
4G140EA03
4G140EA05
4G140EA06
4G140EB03
4G140EC01
4G140EC02
4G140EC04
4G169AA02
4G169BB04A
4G169BB04B
4G169BC16A
4G169BC16B
4G169BC42A
4G169BC42B
4G169BC67A
4G169BC67B
4G169BD02A
4G169BD02B
(57)【要約】
1つ以上の炭化水素を水素と一酸化炭素とを含む合成ガスに改質するための連続方法であって、前記方法の開始段階が、(i)コバルトと酸素とを含む混合酸化物を含む触媒を含む反応域を含む反応器を提供する工程と、(ii)1つ以上の不活性ガスを含む不活性ガスストリームを(i)に従う反応域に連続的に通過させる工程と、(iii)反応体ガスストリームを(ii)から得られた反応域内に連続的に流し込む工程であって、反応域内に流し込まれる反応体ガスストリームの95~100体積%が、1つ以上の炭化水素、二酸化炭素、及び水からなる工程と、前記反応体ガスストリームを前記反応域における改質条件に供する工程と、水素と一酸化炭素とを含む生成物ストリームを前記反応域から除去する工程とを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つ以上の炭化水素を水素と一酸化炭素とを含む合成ガスに改質するための連続方法であって、前記方法の開始段階が、
(i)コバルトと酸素とを含む混合酸化物を含む触媒を含む反応域を含む反応器を提供する工程と、
(ii)1つ以上の不活性ガスを含む不活性ガスストリームを(i)に従う前記反応域に連続的に通過させる工程と、
(iii)反応体ガスストリームを(ii)から得られた前記反応域内に連続的に流し込む工程であって、前記反応域内に流し込まれる前記反応体ガスストリームの95~100体積%が、1つ以上の炭化水素、二酸化炭素、及び水からなる工程と、
前記反応体ガスストリームを前記反応域における改質条件に供する工程と、
水素と一酸化炭素とを含む生成物ストリームを前記反応域から除去する工程とを含む、方法。
【請求項2】
前記触媒が成形物、好ましくは板状小片である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記混合酸化物が、ランタン及びアルミニウムのうちの1つ以上、好ましくはランタン及びアルミニウムを更に含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記混合酸化物がアルミニウムを更に含み、且つ前記混合酸化物において、元素として計算される、コバルトのアルミニウムに対する重量比が、好ましくは少なくとも0.1:1、より好ましくは0.13:1~0.3:1の範囲、より好ましくは0.15:1~0.25:1の範囲、より好ましくは0.17:1~0.22:1の範囲である、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記反応体ガスストリームを(iii)に従って反応器内に流し込む前に、(ii)から得られた前記反応域が0~0.1体積%、好ましくは0~0.01体積%、より好ましくは0~0.001体積%の酸素(O
2)を含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
炭化水素及び水のうちの1つ以上、好ましくは炭化水素及び水を含み0~0.1体積%、より好ましくは0~0.01体積%、より好ましくは0~0.001体積%の二酸化炭素を含む反応体ストリームが、(iii)の前に、(i)に従う反応域内に流し込まれない、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
95~100体積%、好ましくは98~100体積%、より好ましくは99~100体積%の、炭化水素及び水のうちの1つ以上、好ましくは炭化水素及び水からなるストリームが、(iii)の前に、(i)に従う前記反応域内に流し込まれない、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
(ii)から且つ(iii)の前に得られた前記反応域が、0~0.1体積%、好ましくは0~0.01体積%、より好ましくは0~0.001体積%の、二酸化炭素及び酸素(O
2)のうちの1つ以上、好ましくは二酸化炭素及び酸素(O
2)を含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記炭化水素がメタン、エタン、プロパン及びブタンのうちの1つ以上、好ましくはメタンである、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
(ii)から得られた前記反応域内に流し込まれる前記反応体ガスストリームにおいて、前記炭化水素の前記二酸化炭素に対する体積比が0.75:1~1.25:1の範囲、好ましくは0.8:1~1.2:1の範囲、より好ましくは0.9:1~1.1:1の範囲、より好ましくは0.95:1~1.05:1の範囲である、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
(ii)から得られた前記反応域内に流される前記反応体ガスストリームにおいて、前記炭化水素の前記水に対する体積比が1.7:1~2.9:1の範囲、好ましくは1.8:1~2.8:1の範囲、より好ましくは1.85:1~2.75:1の範囲である、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
(ii)から得られた前記反応域を通過する前に、前記反応体ガスストリームの1~50体積%、好ましくは10~50体積%、より好ましくは30~50体積%、より好ましくは35~45体積%、より好ましくは37~40.5体積%が前記炭化水素からなる、請求項1~11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
(ii)から得られた前記反応域を通過する前に、前記反応体ガスストリームの1~50体積%、好ましくは10~50体積%、より好ましくは30~50体積%、より好ましくは35~45体積%、より好ましくは37~40.5体積%が二酸化炭素(CO
2)からなる、請求項1~12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
(ii)から得られた前記反応域を通過する前に、前記反応体ガスストリームの1~50体積%、好ましくは5~35体積%、より好ましくは10~25体積%、より好ましくは12~23体積%、より好ましくは14~21体積%が水(H
2O)からなる、請求項1~13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
(iii)の間、前記反応域における改質条件が設定(iii.1)と前記設定(iii.1)の直後に達成される設定(iii.2)とを含み、前記設定(iii.1)が、
(a)反応域内に流し込まれる反応体ガスストリーム中の炭化水素:二酸化炭素:水の体積比、
(b)前記反応域内の温度;
(c)前記反応域内に流し込まれる前記反応体ガスストリームのガス時空間速度
の少なくとも1つにおいて前記設定(iii.2)と異なる、請求項1~14のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、合成ガスの調製方法に関する。合成ガス(synthesis gas)又は合成ガス(syngas)、主に水素、一酸化炭素、及び非常にしばしば若干の二酸化炭素からなる燃料ガス混合物である。合成ガスは、特にスチーム及び二酸化炭素との反応によって天然ガス、石炭、又はバイオマスなどの多くの供給源から製造することができる。合成ガスは、水素、アンモニア、メタノール、及び合成炭化水素燃料の製造のための重要な資源である。調製方法は、天然ガス又は炭化水素をスチーム改質して水素を製造することを含む。
【0002】
特に、本発明は、1つ以上の炭化水素を水素と一酸化炭素とを含む合成ガスに改質するための連続方法に関し、ここで、前記方法の特定の開始段階が適用される。この方法の開始段階は、一般的な開始段階が、不活性ガスストリームを反応域に通過させた後、二酸化炭素を含まない反応体ガスストリームを反応域内に流し込むことを含むという点で、特に後者から区別される。二酸化炭素供給物はもっと後の時点で反応体ガスストリームに加えられる。それと対照的に、本発明の方法はこのような工程を避け、反応域内に導入される反応体ガスストリームはまた、二酸化炭素を含む。
【背景技術】
【0003】
一般的な改質触媒に関して、国際公開第2013/118078A1号パンフレットには、コバルトとLa、Ba、Srの群からの少なくとも1つの追加の元素とを含有するヘキサアルミン酸塩含有相を含む、ヘキサアルミン酸塩含有触媒が開示されている。ヘキサアルミン酸塩含有相の他に、触媒は0~50重量%の酸化物第二相を含むことができる。更に、炭化水素を変換するための改質方法が開示され、この方法は、触媒が700℃を超える加工温度で使用され、プロセス圧力が5バール超であることを特徴としている。実施例によると、改質方法は、メタンとスチームとを含む反応体ガスストリームを850℃の反応器内に導入することで開始される。
【0004】
更に、米国特許出願公開第2003/176278A1号明細書は、メタン燃焼において使用するために、特に天然ガスを燃料とするガスターピンにおいて使用するためにそれらをきわめて適したものにする、燃焼触媒として及びより一般的には酸化触媒としての活性を維持しながら長時間の間高温で良い触媒活性及び/又は安定性を示す金属交換ヘキサアルミン酸塩触媒に関する。実施例によると、メタン燃焼のための触媒の活性は、空気中メタン3%の混合物を517kPa(75psi)の圧力及び17000/hのガス時空間速度で触媒上に流すことによって測定された。
【0005】
合成ガスへの変換は、例えば、反応の温度によって、すなわち、反応器の温度、触媒の温度、及び任意のガスストリームの温度によって、ガス時空間速度によって及び反応器内に導入される任意のガスストリームの組成によって影響され得る。より具体的には、合成ガスへの炭化水素の改質のための製造コストは、より活性の選び抜かれた触媒を使用することによって更に改善することが可能であるが、触媒の安定性を高めること及び触媒の製造コストを改善することによっても可能である。炭化水素の変換の増加は、反応器の大きさ、従って、リフォーミングプラントの大きさ、必要とされる触媒の量、及び再循環の大きさを減じることができるので、非常に有利である。
【0006】
通常、合成ガスへの変換、すなわち、改質の開始手順は、二酸化炭素が反応器内に導入されないスチーム改質段階を含む。しかしながら、改質の開始手順に必要とされるパラメーターの特定の順序は特にCo系触媒の活性に明らかな影響を与え得ることが驚くべきことに見出された。それは、スチーム改質段階なしでCo系乾燥改質触媒を開始する活性のために有利である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】国際公開第2013/118078号
【特許文献2】米国特許第9259712号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、本発明の目的は、出発原料、特に炭化水素、好ましくはメタン、及び/又は二酸化炭素に対して高い変換率を同時に可能にしながら、反応の副産物(by-products)及び副生成物(side-products)に対して低い選択率をもたらす特にコバルトを含む混合酸化物を含む触媒の存在下で水素、一酸化炭素及び二酸化炭素を含む合成ガスを製造するための改良された方法を提供することであった。
【0009】
驚くべきことに、触媒の存在下で、好ましくは、特にコバルトを含む混合酸化物を含む触媒の存在下で合成ガスを製造するための方法において、プロセスステップの特定の順序が実施されて触媒の改良された活性をもたらす場合この問題を解決できることが見出された。
【課題を解決するための手段】
【0010】
したがって、本発明は、1つ以上の炭化水素を水素と一酸化炭素とを含む合成ガスに改質するための連続方法に関し、前記方法の開始段階は、
(i)コバルトと酸素とを含む混合酸化物を含む触媒を含む反応域を含む反応器を提供する工程と、
(ii)1つ以上の不活性ガスを含む不活性ガスストリームを(i)に従う反応域に連続的に通過させる工程と、
(iii)反応体ガスストリームを(ii)から得られた反応域内に連続的に流し込む工程であって、反応域内に流し込まれる反応体ガスストリームの95~100体積%が、1つ以上の炭化水素、二酸化炭素、及び水からなる工程と、
前記反応体ガスストリームを前記反応域における改質条件に供する工程と、
水素と一酸化炭素とを含む生成物ストリームを前記反応域から除去する工程とを含む。
【0011】
更に、本発明は、1つ以上の炭化水素を水素と一酸化炭素とを含む合成ガスに改質するための連続方法に関し、前記方法の開始段階は、
(i)コバルトと酸素とを含む混合酸化物を含む触媒を含む反応域を含む反応器を提供する工程と、
(ii)1つ以上の不活性ガスを含む不活性ガスストリームを(i)に従う反応域に連続的に通過させる工程と、
(iii)反応体ガスストリームを(ii)から得られた反応域内に連続的に流し込む工程であって、反応域内に流し込まれる反応体ガスストリームの95~100体積%が、1つ以上の炭化水素、二酸化炭素、及び水からなる工程と、
前記反応体ガスストリームを前記反応域における改質条件に供する工程と、
水素と一酸化炭素とを含む生成物ストリームを前記反応域から除去する工程とを含み、
ここで、(iii)の間、反応域における改質条件が設定(iii.1)と設定(iii.1)の直後に達成される設定(iii.2)とを含み、設定(iii.1)は、
(a)反応域内に流し込まれる反応体ガスストリーム中の炭化水素:二酸化炭素:水の体積比、
(b)反応域内の温度、
(c)反応域内に流し込まれる反応体ガスストリームのガス時空間速度
の少なくとも1つにおいて設定(iii.2)と異なる。
【0012】
更にまた、本発明は、1つ以上の炭化水素を水素と一酸化炭素とを含む合成ガスに改質するための連続方法に関し、前記方法の開始段階は、
(i)コバルトと酸素とを含む混合酸化物を含む触媒を含む反応域を含む反応器を提供する工程と、
(ii)1つ以上の不活性ガスを含む不活性ガスストリームを(i)に従う反応域に連続的に通過させる工程と、
(iii)反応体ガスストリームを(ii)から得られた反応域内に連続的に流し込む工程であって、反応域内に流し込まれる反応体ガスストリームの95~100体積%が、1つ以上の炭化水素、二酸化炭素、及び水からなる工程と、
前記反応体ガスストリームを前記反応域における改質条件に供する工程と、
水素と一酸化炭素とを含む生成物ストリームを前記反応域から除去する工程とを含み、
ここで、(iii)の間、反応域における改質条件が設定(iii.1)と設定(iii.1)の直後に達成される設定(iii.2)とを含み、設定(iii.1)は、
(a)反応域内に流し込まれる反応体ガスストリーム中の炭化水素:二酸化炭素:水の体積比、
(b)反応域内の温度、
(c)反応域内に流し込まれる反応体ガスストリームのガス時空間速度
の少なくとも1つにおいて設定(iii.2)と異なり、
ここで、(iii)の間、反応域における改質条件は1つ以上の設定(iii.x)を更に含み、設定(iii.x)の各々は、
(a)反応域内に流し込まれる反応体ガスストリーム中の炭化水素:二酸化炭素:水の体積比、
(b)反応域内の温度、
(c)反応域内に流し込まれる反応体ガスストリームのガス時空間速度
の少なくとも1つにおいて設定(iii.x-1)と異なる(xは整数であり且つx>2である)。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】合成ガスを製造するための一般的な先行技術のプロセスについて%単位の二酸化炭素及びメタン変換率を縦座標(左)に示す。また、ガス供給ストリームの温度、組成、及びガス時空間速度GHSVが縦座標(右)に示される。ガス流通時間(time on stream)TOSは横座標に示される。
【
図2】合成ガスを製造するための本発明によるプロセスについて%単位の二酸化炭素及びメタン変換を縦座標(左)に示す。また、反応体ガスストリームの温度、組成、及びガス時空間速度GHSVが縦座標(右)に示される。ガス流通時間TOSは横座標に示される。
【発明を実施するための形態】
【0014】
反応器については、(i)に従って提供される反応器が2つ以上の反応域を含むことが好ましい。更に、(i)に従って提供される反応器が並列に配置される2つ以上の反応器を含むことが好ましい。
【0015】
2つ以上の反応域が並列に配置されることが好ましい。更に、2つ以上の反応域が直列に配置されることが好ましい。
【0016】
触媒については、(i)に従う反応域が固定床触媒として配置された触媒を含むことが好ましい。
【0017】
触媒の99~100重量%、より好ましくは99.5~100重量%、より好ましくは99.9~100重量%が混合酸化物からなることが好ましい。
【0018】
触媒を任意の適した形態で反応域内に提供することができる。例えば、触媒は粉末であり得る。触媒が成形物、より好ましくは板状小片であることが好ましい。
【0019】
参考実施例1に記載されるように測定される、触媒のBET比表面積は7~13m2/gの範囲、より好ましくは7.5~12m2/gの範囲、より好ましくは8~12m2/gの範囲であることが好ましい。
【0020】
更に、参考実施例1に記載されるように測定される、触媒のラングミュア(Langmuir)比表面積は9~15m2/gの範囲であることが好ましい。
【0021】
触媒中に含まれる混合酸化物については、元素として計算されると、混合酸化物の5~10重量%がコバルトからなることが好ましい。
【0022】
混合酸化物中に含まれるコバルトは、非晶相として及び/又は結晶相として存在し得る。混合酸化物中に含まれるコバルトが1つ以上の結晶相として、より好ましくは少なくとも2つの結晶相として、より好ましくは少なくとも3つの結晶相として、より好ましくは3つの結晶相として存在していることが好ましい。
【0023】
触媒中に含まれる混合酸化物については、混合酸化物がランタン及びアルミニウムのうちの1つ以上、より好ましくはランタン及びアルミニウムを更に含むことが好ましい。
【0024】
混合酸化物がアルミニウムを更に含むことが好ましい。更に、混合酸化物がアルミニウムを更に含む場合、混合酸化物中、元素として計算されると、コバルトのアルミニウムに対する重量比が、少なくとも0.1:1、より好ましくは0.13:1~0.3:1の範囲、より好ましくは0.15:1~0.25:1の範囲、より好ましくは0.17:1~0.22:1の範囲であることが好ましい。更に、混合酸化物がアルミニウムを更に含む場合、元素として計算されると、混合酸化物の33~40重量%、より好ましくは34~38重量%、より好ましくは35~37重量%、より好ましくは35.5~36.5重量%がアルミニウムからなることが好ましい。
【0025】
混合酸化物がランタンを更に含むことが好ましい。更に、混合酸化物がランタンを更に含む場合、混合酸化物中、元素として計算されると、コバルトのランタンに対する重量比が0.2:1~0.6:1の範囲、より好ましくは0.25:1~0.5:1の範囲であることが好ましい。更に混合酸化物がランタンを更に含む場合、元素として計算されると、混合酸化物の15~25重量%、より好ましくは16~23重量%がランタンからなることが好ましい。
【0026】
混合酸化物については、混合酸化物の80~100重量%、より好ましくは90~100重量%、より好ましくは92~100重量%が結晶形態であることが好ましい。
【0027】
混合酸化物がランタン及びアルミニウムを更に含むことが特に好ましい。混合酸化物がランタン及びアルミニウムを更に含む場合、混合酸化物が少なくともLaCoAl11O19の結晶相及びLaAl(Co)O3の結晶相を含むことが好ましい。
【0028】
本発明によると、混合酸化物は、特に参考実施例2に記載されるように、X線回折によって測定され得る特異性を示す。したがって、更に、混合酸化物がランタン及びアルミニウム、並びに少なくともLaCoAl11O19の結晶相及びLaAl(Co)O3の結晶相を更に含む場合、混合酸化物中、参考実施例2に記載されるようにXRDによって測定される、LaCoAl11O19のLaAl(Co)O3に対する重量比が少なくとも10:1、より好ましくは10:1~25:1の範囲であることが特に好ましい。
【0029】
混合酸化物がランタン及びアルミニウムを更に含む場合、混合酸化物が結晶相LaAlO3、より好ましくは結晶相LaAlO3及び結晶相CoAl2O4、より好ましくは結晶相LaAlO3、結晶相CoAl2O4、及び結晶相La(OH)3を含むことが好ましい。
【0030】
更に、混合酸化物がランタン及びアルミニウムを更に含む場合、混合酸化物が結晶相LaCoAl11O19及び結晶相CoAl2O4を含むことが好ましい。混合酸化物が結晶相LaCoAl11O19及び結晶相CoAl2O4を含む場合、参考実施例2に記載されるようにXRDによって測定される、LaCoAl11O19のCoAl2O4に対する重量比が少なくとも10:1、より好ましくは12:1~30:1の範囲であることが好ましい。
【0031】
混合酸化物は、元素の周期表の他の元素を更に含むことができる。したがって、混合酸化物は、バリウム、ストロンチウム及びそれらの混合物のうちの1つ以上を更に含むことができる。
【0032】
触媒が(i)、(ii)及び(iii)の1つ以上において、より好ましくは(ii)及び(iii)の1つ以上において、より好ましくは(ii)及び(iii)において加熱されることが好ましい。
【0033】
(ii)に従う不活性ガスストリームを(i)に従う反応域に連続的に通過させるための条件については、特定の制限は受けない。触媒が(ii)の間350~450℃の範囲、より好ましくは375~425℃の範囲の温度に加熱されることが好ましい。
【0034】
(iii)に従う反応体ガスストリームを(ii)から得られた反応域内に連続的に流し込むための条件については、また特定の制限は受けない。触媒が(iii)の間550~980℃の範囲、より好ましくは575~975℃の範囲、より好ましくは600~950℃の範囲の温度に加熱されることが好ましい。
【0035】
一般的には、プロセスは、酸素(O2)を除去することによって行われるのが好ましい。特に、(ii)から得られた反応域が、反応体ガスストリームを(iii)に従って反応器内に流し込む前に酸素(O2)を本質的に含まないことが好ましい。(ii)から得られた反応域が、反応体ガスストリームを(iii)に従って反応器内に流し込む前に0~0.1体積%、より好ましくは0~0.01体積%、より好ましくは0~0.001体積%の酸素(O2)を含むことが特に好ましい。
【0036】
炭化水素及び水のうちの1つ以上、より好ましくは炭化水素及び水を含み0~0.1体積%、より好ましくは0~0.01体積%、より好ましくは0~0.001体積%の二酸化炭素を含む反応体ストリームが、(iii)の前に、(i)に従う反応域内に流し込まれないことが好ましい。
【0037】
更に、95~100体積%、好ましくは98~100体積%、より好ましくは99~100体積%の、炭化水素及び水のうちの1つ以上、好ましくは炭化水素及び水からなるストリームが、(iii)の前に、(i)に従う反応域内に流し込まれないことが好ましい。
【0038】
更に、反応域については、(ii)から且つ(iii)の前に得られた反応域が二酸化炭素及び酸素(O2)のうちの1つ以上を本質的に含まない、好ましくは二酸化炭素及び酸素(O2)を含まないことが好ましい。(ii)から且つ(iii)の前に得られた反応域が0~0.1体積%、より好ましくは0~0.01体積%、より好ましくは0~0.001体積%の、二酸化炭素及び酸素(O2)のうちの1つ以上、好ましくは二酸化炭素及び酸素(O2)を含むことが特に好ましい。
【0039】
不活性ガスストリームについては、(ii)に従う不活性ガスストリームの95~100体積%、より好ましくは98~100体積%、より好ましくは99~100体積%が1つ以上の不活性ガスからなることが好ましい。
【0040】
不活性ガスについては、特定の制限は受けず、任意の適した不活性ガスを用いてもよい。(ii)に従う1つ以上の不活性ガスが窒素及びアルゴンのうちの1つ以上を含むことが好ましい。更に、1つ以上の不活性ガスが窒素及びアルゴンであることが特に好ましい。代わりに、1つ以上の不活性ガスが窒素、好ましくは技術的窒素であることが特に好ましい。
【0041】
(ii)に従って不活性ガスストリームを(i)に従う反応域に通過させる条件については、特定の制限は受けない。(ii)に従って不活性ガスストリームを(i)に従う反応域に1000~10000/時間、より好ましくは2000~6000/時間の範囲、より好ましくは3000~4000/時間の範囲の不活性ガスストリームのガス時空間速度(GHSV)で通過させることが好ましい。
【0042】
反応体ガスストリームについては、炭化水素の物理的又は化学的特性に関して特定の制限は受けない。炭化水素がメタン、エタン、プロパン及びブタンのうちの1つ以上、好ましくはメタンであることが好ましい。
【0043】
(ii)から得られた反応域内に流される反応体ガスストリーム中、炭化水素の、二酸化炭素に対する体積比が0.75:1~1.25:1の範囲、より好ましくは0.8:1~1.2:1の範囲、より好ましくは0.9:1~1.1:1の範囲、より好ましくは0.95:1~1.05:1の範囲であることが好ましい。
【0044】
更に、(ii)から得られた反応域内に流される反応体ガスストリーム中、炭化水素の、水に対する体積比が1.7:1~2.9:1の範囲、より好ましくは1.8:1~2.8:1の範囲、より好ましくは1.85:1~2.75:1の範囲であることが好ましい。
【0045】
(ii)から得られた反応域内に流し込まれる反応体ガスストリームの96~100体積%、より好ましくは98~100体積%、より好ましくは99~100体積%、より好ましくは99.5~100体積%が、炭化水素、二酸化炭素、及び水からなることが好ましい。
【0046】
反応体ガスストリーム中に含まれる追加の成分については、特定の制限は受けない。例えば、(ii)から得られた反応域内に流し込まれる反応体ガスストリームは、試験目的の内部標準として1つ以上の不活性ガス、より好ましくは窒素及びアルゴンのうちの1つ以上を更に含むことができる。これに関連して、(ii)から得られた反応域内に流し込まれる反応体ガスストリームの1~5体積%、より好ましくは2~5体積%、より好ましくは4.5~5体積%が、1つ以上の不活性ガスからなることが好ましい。したがって、反応体ガスストリームの95~100体積%、より好ましくは96~100体積%、より好ましくは97~100体積%、より好ましくは99~100体積%、より好ましくは99.5~100体積%が、炭化水素、二酸化炭素、水、及び1つ以上の不活性ガスからなることが特に好ましい。
【0047】
(ii)から得られた反応域を通過する前の反応体ガスストリームの特定の組成物については、特定の制限は受けない。(ii)から得られた反応域を通過する前に反応体ガスストリームの1~50体積%、好ましくは10~50体積%、より好ましくは30~50体積%、より好ましくは35~45体積%、より好ましくは37~40.5体積%が炭化水素からなることが好ましい。更に、(ii)から得られた反応域を通過する前に反応体ガスストリームの1~50体積%、好ましくは10~50体積%、より好ましくは30~50体積%、より好ましくは35~45体積%、より好ましくは37~40.5体積%が二酸化炭素(CO2)からなることが好ましい。更に、(ii)から得られた反応域を通過する前に反応体ガスストリームの1~50体積%、好ましくは5~35体積%、より好ましくは10~25体積%、好ましくは12~23体積%、より好ましくは14~21体積%が、水(H2O)からなることが好ましい。
【0048】
(ii)に従う反応域における改質条件については、特定の制限は受けない。(iii)に従う反応域における改質条件が1~50バール(abs)の範囲、好ましくは10~40バール(abs)の範囲、より好ましくは15~30バール(abs)の範囲、より好ましくは17~23バール(abs)の範囲、より好ましくは19~21バール(abs)の範囲、より好ましくは19.5~20.5バール(abs)の範囲の気相の圧力を含むことが好ましい。更に、(iii)に従う反応域における改質条件が1000~7500/時間の範囲、より好ましくは1250~7300/時間の範囲、より好ましくは1500~7100/時間の範囲、より好ましくは3500~7500/時間、より好ましくは3700~7300/時間、より好ましくは3900~7100/時間の反応体ガスストリームのガス時空間速度(GHSV)を含むことが好ましい。更に、(iii)に従う反応域における改質条件が550~980℃の範囲、好ましくは575~975℃の範囲、より好ましくは600~950℃の範囲の反応域における気相の温度を含むことが好ましい。したがって、(iii)に従う反応域における改質条件が19.5~20.5バール(abs)の範囲の気相の圧力、3900~7100/時間の範囲の反応体ガスストリームのガス時空間速度(GHSV)、及び600~950℃の範囲の反応域における気相の温度を含むことが特に好ましい。
【0049】
本発明によると、反応域における改質条件、特に反応域内に流し込まれる反応体ガスストリーム中の炭化水素:二酸化炭素:水の体積比、反応域内の温度、及び反応域内に流し込まれる反応体ガスストリームのガス時空間速度は、異なった設定を有するように(iii)の間に変えられると考えうる。
【0050】
したがって、1つ以上の炭化水素を水素と一酸化炭素とを含む合成ガスに改質するための連続方法の開始段階が、
(i)コバルトと酸素とを含む混合酸化物を含む触媒を含む反応域を含む反応器を提供する工程と、
(ii)1つ以上の不活性ガスを含む不活性ガスストリームを(i)に従う反応域に連続的に通過させる工程と、
(iii)反応体ガスストリームを(ii)から得られた反応域内に連続的に流し込む工程であって、反応域内に流し込まれる反応体ガスストリームの95~100体積%が、1つ以上の炭化水素、二酸化炭素、及び水からなる工程と、
前記反応体ガスストリームを前記反応域における改質条件に供する工程と、
水素と一酸化炭素とを含む生成物ストリームを前記反応域から除去する工程とを含み、
ここで、(iii)の間、反応域における改質条件が設定(iii.1)と設定(iii.1)の直後に達成される設定(iii.2)とを含み、設定(iii.1)は、
(a)反応域内に流し込まれる反応体ガスストリーム中の炭化水素:二酸化炭素:水の体積比、
(b)反応域内の温度、
(c)反応域内に流し込まれる反応体ガスストリームのガス時空間速度
の少なくとも1つにおいて設定(iii.2)と異なることが特に好ましい。
【0051】
設定(iii.1)に従う、反応域内に流し込まれる反応体ガスストリーム中の炭化水素:二酸化炭素:水の体積比、反応域内の温度、及び反応域内に流し込まれる反応体ガスストリームのガス時空間速度については、特定の制限は受けない。設定(iii.1)に従う反応体ガスストリーム中の炭化水素:二酸化炭素:水の体積比が(2.5~2.9):(2.5~2.9):(0.8~1.2)、より好ましくは(2.55~2.8):(2.55~2.8):(0.9~1.1)、より好ましくは(2.6~2.75):(2.6~2.75):(0.95~1.05)であることが好ましい。更に、設定(iii.1)に従う反応域内の温度が550~980℃の範囲、より好ましくは575~975℃の範囲、より好ましくは600~950℃の範囲、より好ましくは880~920℃の範囲、より好ましくは890~910℃の範囲、より好ましくは895~905℃であることが好ましい。更に、設定(iii.1)に従う反応体ガスストリームのガス時空間速度が1000~7500/時間の範囲、好ましくは1250~7300/時間の範囲、より好ましくは1500~7100/時間の範囲、より好ましくは3700~4300/時間の範囲、より好ましくは3800~4200/時間の範囲、より好ましくは3900~4100/時間の範囲であることが好ましい。
【0052】
設定(iii.1)が1~10時間の範囲、より好ましくは3~8時間の範囲、より好ましくは4~6時間の範囲の時間の間維持されることが好ましい。
【0053】
設定(iii.2)に従う、反応域内に流し込まれる反応体ガスストリーム中の炭化水素:二酸化炭素:水の体積比、反応域内の温度、及び反応域内に流し込まれる反応体ガスストリームのガス時空間速度については、また特定の制限は受けない。設定(iii.2)に従う反応体ガスストリーム中の炭化水素:二酸化炭素:水の体積比が(2.5~2.9):(2.5~2.9):(0.8~1.2)、より好ましくは(2.55~2.8):(2.55~2.8):(0.9~1.1)、より好ましくは(2.6~2.75):(2.6~2.75):(0.95~1.05)であることが好ましい。更に、設定(iii.2)に従う反応域内の温度が550~980℃の範囲、より好ましくは575~975℃の範囲、より好ましくは600~970℃の範囲、より好ましくは930~970℃の範囲、より好ましくは940~960℃の範囲、より好ましくは945~955℃の範囲であることが好ましい。更に、設定(iii.2)に従うガス時空間速度が1000~7500/時間の範囲、より好ましくは1250~7300/時間の範囲、より好ましくは1500~7100/時間の範囲、より好ましくは3700~4300/時間の範囲、より好ましくは3800~4200/時間の範囲、より好ましくは3900~4100/時間の範囲であることが好ましい。
【0054】
設定(iii.2)が10~50時間の範囲、好ましくは20~40時間の範囲、より好ましくは30~35時間の範囲の時間の間維持されることが好ましい。
【0055】
(iii)の間の反応域における改質条件が設定(iii.1)と設定(iii.1)の直後に達成される設定(iii.2)とを含む場合、反応域における改質条件が設定(iii.2)の直後に達成される設定(iii.3)を更に含むことが好ましく、ここで、設定(iii.3)は、
(a)反応域内に流し込まれる反応体ガスストリーム中の炭化水素:二酸化炭素:水の体積比、
(b)反応域内の温度、
(c)反応域内に流し込まれる反応体ガスストリームのガス時空間速度
の少なくとも1つにおいて設定(iii.2)と異なる。
【0056】
設定(iii.3)に従う、反応域内に流し込まれる反応体ガスストリーム中の炭化水素:二酸化炭素:水の体積比、反応域内の温度、及び反応域内に流し込まれる反応体ガスストリームのガス時空間速度については、また特定の制限は受けない。設定(iii.3)に従う反応体ガスストリーム中の炭化水素:二酸化炭素:水の体積比が(1.7~2.1):(1.7~2.1):(0.8~1.2)、より好ましくは(1.8~1.95):(1.8~1.95):(0.9~1.1)、より好ましくは(1.85~1.9):(1.85~1.9):(0.95~1.05)であることが好ましい。更に、設定(iii.3)に従う反応域内の温度が550~980℃の範囲、より好ましくは575~975℃の範囲、好ましくは600~970℃の範囲、より好ましくは930~970℃の範囲、より好ましくは940~960℃の範囲、より好ましくは945~955℃の範囲であることが好ましい。更に、設定(iii.3)に従うガス時空間速度が1000~7500/時間の範囲、より好ましくは1250~7300/時間の範囲、より好ましくは1500~7100/時間の範囲、より好ましくは3700~4300/時間、より好ましくは3800~4200/時間の範囲、より好ましくは3900~4100/時間の範囲であることが好ましい。
【0057】
設定(iii.3)が5~50時間の範囲、好ましくは10~40時間の範囲、より好ましくは20~30時間の範囲の時間の間維持されることが好ましい。
【0058】
(iii)の間の反応域における改質条件が設定(iii.2)の直後に達成される設定(iii.3)を含む場合、反応域における改質条件が設定(iii.3)の直後に達成される設定(iii.4)を更に含むことが好ましく、ここで、設定(iii.4)は、
(a)反応域内に流し込まれる反応体ガスストリーム中の炭化水素:二酸化炭素:水の体積比、
(b)反応域内の温度、
(c)反応域内に流し込まれる反応体ガスストリームのガス時空間速度
の少なくとも1つにおいて設定(iii.3)と異なる。
【0059】
設定(iii.4)に従う、反応域内に流し込まれる反応体ガスストリーム中の炭化水素:二酸化炭素:水の体積比、反応域内の温度、及び反応域内に流し込まれる反応体ガスストリームのガス時空間速度については、また特定の制限は受けない。設定(iii.4)に従う反応体ガスストリーム中の体積比炭化水素:二酸化炭素:水が(1.7~2.1):(1.7~2.1):(0.8~1.2)、より好ましくは(1.8~1.95):(1.8~1.95):(0.9~1.1)、より好ましくは(1.85~1.9):(1.85~1.9):(0.95~1.05)であることが好ましい。更に、設定(iii.4)に従う反応域内の温度が550~980℃の範囲、より好ましくは575~975℃の範囲、より好ましくは600~970℃の範囲、より好ましくは930~970℃、より好ましくは940~960℃の範囲、より好ましくは945~955℃の範囲であることが好ましい。更に、設定(iii.4)に従うガス時空間速度が1000~7500/時間の範囲、より好ましくは1250~7300/時間の範囲、より好ましくは1500~7100/時間の範囲、より好ましくは6700~7100/時間、より好ましくは6800~7100/時間の範囲、より好ましくは6900~7100/時間の範囲であることが好ましい。
【0060】
設定(iii.4)が2~30時間の範囲、好ましくは5~20時間の範囲、より好ましくは10~15時間の範囲の時間の間維持されることが好ましい。
【0061】
(iii)の間の反応域における改質条件が設定(iii.3)の直後に達成される設定(iii.4)を含む場合、反応域における改質条件が設定(iii.4)の直後に達成される設定(iii.5)を含むことが好ましく、ここで、設定(iii.5)は、
(a)反応域内に流し込まれる反応体ガスストリーム中の炭化水素:二酸化炭素:水の体積比、
(b)反応域内の温度、
(c)反応域内に流し込まれる反応体ガスストリームのガス時空間速度
の少なくとも1つにおいて設定(iii.4)と異なる。
【0062】
設定(iii.5)に従う、反応域内に流し込まれる反応体ガスストリーム中の炭化水素:二酸化炭素:水の体積比、反応域内の温度、及び反応域内に流し込まれる反応体ガスストリームのガス時空間速度については、また特定の制限は受けない。設定(iii.5)に従う反応体ガスストリーム中の体積比炭化水素:二酸化炭素:水が(2.5~2.9):(2.5~2.9):(0.8~1.2)、より好ましくは(2.55~2.8):(2.55~2.8):(0.9~1.1)、より好ましくは(2.6~2.75):(2.6~2.75):(0.95~1.05)であることが好ましい。更に、設定(iii.5)に従う反応域内の温度が550~980℃の範囲、より好ましくは575~975℃の範囲、より好ましくは600~970℃の範囲、より好ましくは930~970℃、より好ましくは940~960℃の範囲、より好ましくは945~955℃の範囲であることが好ましい。更に、設定(iii.5)に従うガス時空間速度が1000~7500/時間の範囲、より好ましくは1250~7300/時間の範囲、より好ましくは1500~7100/時間の範囲、より好ましくは6700~7100/時間、より好ましくは6800~7100/時間の範囲、より好ましくは6900~7100/時間の範囲であることが好ましい。
【0063】
設定(iii.5)が2~30時間の範囲、より好ましくは5~20時間の範囲、より好ましくは10~15時間の範囲の時間の間維持されることが好ましい。
【0064】
(iii)の間の反応域における改質条件が設定(iii.4)の直後に達成される設定(iii.5)を含む場合、反応域における改質条件が設定(iii.5)の直後に達成される設定(iii.6)を更に含むことが好ましく、ここで、設定(iii.6)は、
(a)反応域内に流し込まれる反応体ガスストリーム中の炭化水素:二酸化炭素:水の体積比、
(b)反応域内の温度、
(c)反応域内に流し込まれる反応体ガスストリームのガス時空間速度
の少なくとも1つにおいて設定(iii.5)と異なる。
【0065】
設定(iii.6)に従う、反応域内に流し込まれる反応体ガスストリーム中の炭化水素:二酸化炭素:水の体積比、反応域内の温度、及び反応域内に流し込まれる反応体ガスストリームのガス時空間速度については、また特定の制限は受けない。設定(iii.6)に従う反応体ガスストリーム中の炭化水素:二酸化炭素:水の体積比は(1.7~2.1):(1.7~2.1):(0.8~1.2)、より好ましくは(1.8~1.95):(1.8~1.95):(0.9~1.1)、より好ましくは(1.85~1.9):(1.85~1.9):(0.95~1.05)であることが好ましい。更に、設定(iii.6)に従う反応域内の温度が550~980℃の範囲、より好ましくは575~975℃の範囲、より好ましくは600~970℃の範囲、より好ましくは930~970℃、より好ましくは940~960℃の範囲、より好ましくは945~955℃の範囲であることが好ましい。更に、設定(iii.6)に従うガス時空間速度が1000~7500/時間の範囲、好ましくは1250~7300/時間の範囲、より好ましくは1500~7100/時間の範囲、より好ましくは3700~4300/時間、より好ましくは3800~4200/時間の範囲、より好ましくは3900~4100/時間の範囲であることが好ましい。
【0066】
設定(iii.6)は2~30時間の範囲、好ましくは5~20時間の範囲、より好ましくは10~15時間の範囲の時間の間維持されることが好ましい。
【0067】
(iii)の間の反応域における改質条件が設定(iii.5)の直後に達成される設定(iii.6)を含む場合、反応域における改質条件は設定(iii.6)の直後に達成されるは1つ以上の設定(iii.x)を更に含み得、ここで、設定(iii.x)の各々は、
(a)反応域内に流し込まれる反応体ガスストリーム中の炭化水素:二酸化炭素:水の体積比、
(b)反応域内の温度、
(c)反応域内に流し込まれる反応体ガスストリームのガス時空間速度
の少なくとも1つにおいて設定(iii.x-1)と異なる(xは整数であり且つx>6である)。
【0068】
全ての引用された文献は、参照によって本願明細書に組み込まれる。
【0069】
単位バール(abs)は、1バールが105Paに等しい絶対圧力を意味する。
【0070】
本発明を、示される従属関係及び後方参照から得られる下記の一連の実施形態及び実施形態の組み合わせによって更に例示する。特に、例えば「実施形態(1)~(4)のいずれか1つに記載の方法。」などの用語に関連して実施形態の範囲が言及される各例において、この範囲中の全ての実施形態が当業者に明示的に開示されていることを意味し、すなわち、この用語の語法は、「実施形態1、2、3及び4のいずれか1つに記載の方法」と同義であると当業者に理解されるべきであることに留意されたい。
【0071】
1. 1つ以上の炭化水素を水素と一酸化炭素とを含む合成ガスに改質するための連続方法であって、前記方法の開始段階が、
(i)コバルトと酸素とを含む混合酸化物を含む触媒を含む反応域を含む反応器を提供する工程と、
(ii)1つ以上の不活性ガスを含む不活性ガスストリームを(i)に従う反応域に連続的に通過させる工程と、
(iii)反応体ガスストリームを(ii)から得られた反応域内に連続的に流し込む工程であって、反応域内に流し込まれる反応体ガスストリームの95~100体積%が、1つ以上の炭化水素、二酸化炭素、及び水からなる工程と、
前記反応体ガスストリームを前記反応域における改質条件に供する工程と、
水素と一酸化炭素とを含む生成物ストリームを前記反応域から除去する工程とを含む、方法。
【0072】
2. (i)に従う反応域が固定床触媒として配置された触媒を含む、実施形態1に記載の方法。
【0073】
3. (i)に従って提供される反応器が2つ以上の反応域を含む、実施形態1又は2に記載の方法。
【0074】
4. 2つ以上の反応域が並列に配置される、実施形態3に記載の方法。
【0075】
5. 2つ以上の反応域が直列に配置される、実施形態3又は4に記載の方法。
【0076】
6. (i)に従って提供される反応器が並列に配置される2つ以上の反応器を含む、実施形態1~5のいずれか1つに記載の方法。
【0077】
7. 触媒の99~100重量%、好ましくは99.5~100重量%、より好ましくは99.9~100重量%が、混合酸化物からなる、実施形態1~6のいずれか1つに記載の方法。
【0078】
8. 触媒が成形物、好ましくは板状小片である、実施形態1~7のいずれか1つに記載の方法。
【0079】
9. 参考実施例1に記載されるように測定される、触媒のBET比表面積が7~13m2/gの範囲、好ましくは7.5~12m2/gの範囲、より好ましくは8~12m2/gの範囲である、実施形態1~8のいずれか1つに記載の方法。
【0080】
10. 参考実施例1に記載されるように測定される、触媒のラングミュア(Langmuir)比表面積が9~15m2/gの範囲である、実施形態1~9のいずれか1つに記載の方法。
【0081】
11. 元素として計算されると、混合酸化物の5~10重量%がコバルトからなる、実施形態1~10のいずれか1つに記載の方法。
【0082】
12. コバルトが1つ以上の結晶相として、好ましくは少なくとも2つの結晶相として、より好ましくは少なくとも3つの結晶相として、より好ましくは3つの結晶相として存在している、実施形態1~11のいずれか1つに記載の方法。
【0083】
13. 混合酸化物が、ランタン及びアルミニウムのうちの1つ以上、好ましくはランタン及びアルミニウムを更に含む、実施形態1~12のいずれか1つに記載の方法。
【0084】
14. 混合酸化物がアルミニウムを更に含み、且つ混合酸化物中、元素として計算される、コバルトのアルミニウムに対する重量比が好ましくは少なくとも0.1:1、より好ましくは0.13:1~0.3:1の範囲、より好ましくは0.15:1~0.25:1の範囲、より好ましくは0.17:1~0.22:1の範囲である、実施形態1~13のいずれか1つに記載の方法。
【0085】
15. 混合酸化物がランタンを更に含み、且つ混合酸化物中、元素として計算される、コバルトのランタンに対する重量比が好ましくは0.2:1~0.6:1の範囲、好ましくは0.25:1~0.5:1の範囲である、実施形態1~14のいずれか1つに記載の方法。
【0086】
16. 混合酸化物がランタンを更に含み、元素として計算される、混合酸化物の15~25重量%、好ましくは16~23重量%がランタンからなる、実施形態1~15のいずれか1つに記載の方法。
【0087】
17. 混合酸化物がアルミニウムを更に含み、元素として計算される、混合酸化物の33~40重量%、好ましくは34~38重量%、より好ましくは35~37重量%、より好ましくは35.5~36.5重量%がアルミニウムからなる、実施形態1~16のいずれか1つに記載の方法。
【0088】
18. 混合酸化物の80~100重量%、好ましくは90~100重量%、より好ましくは92~100重量%が結晶形態である、実施形態1~17のいずれか1つに記載の方法。
【0089】
19. 混合酸化物がランタン及びアルミニウムを更に含み、混合酸化物が少なくともLaCoAl11O19の結晶相及びLaAl(Co)O3の結晶相を含む、実施形態1~18のいずれか1つに記載の方法。
【0090】
20. 混合酸化物において、参考実施例2に記載されるようにXRDによって測定される、LaCoAl11O19のLaAl(Co)O3に対する重量比が少なくとも10:1、好ましくは10:1~25:1の範囲である、実施形態19に記載の方法。
【0091】
21. 混合酸化物がランタン及びアルミニウムを更に含み、混合酸化物が結晶相LaAlO3、好ましくは結晶相LaAlO3及び結晶相CoAl2O4、より好ましくは結晶相LaAlO3、結晶相CoAl2O4、及び結晶相La(OH)3を含む、実施形態1~20のいずれか1つに記載の方法。
【0092】
22. 混合酸化物がランタン及びアルミニウムを更に含み、混合酸化物が結晶相LaCoAl11O19及び結晶相CoAl2O4を含む、実施形態1~21のいずれか1つに記載の方法。
【0093】
23. 混合酸化物がランタン及びアルミニウムを更に含み、混合酸化物が結晶相LaCoAl11O19及び結晶相CoAl2O4含み、ここで、参考実施例2に記載されるようにXRDによって測定される、LaCoAl11O19のCoAl2O4に対する重量比が好ましくは少なくとも10:1、より好ましくは12:1~30:1の範囲である、実施形態1~22のいずれか1つに記載の方法。
【0094】
24. 混合酸化物がバリウム、ストロンチウム及びそれらの混合物のうちの1つ以上を更に含む、実施形態1~23のいずれか1つに記載の方法。
【0095】
25. 触媒が(i)、(ii)及び(iii)の1つ以上において、好ましくは(ii)及び(iii)の1つ以上において、より好ましくは(ii)及び(iii)において加熱される、実施形態1~24のいずれか1つに記載の方法。
【0096】
26. (ii)の間、触媒が350~450℃の範囲、好ましくは375~425℃の範囲の温度に加熱される、実施形態1~25のいずれか1つに記載の方法。
【0097】
27. (iii)の間、触媒が550~980℃の範囲、好ましくは575~975℃の範囲、より好ましくは600~950℃の範囲の温度に加熱される、実施形態1~26のいずれか1つに記載の方法。
【0098】
28. 反応体ガスストリームを(iii)に従って反応器内に流し込む前に、(ii)から得られた反応域が0~0.1体積%、好ましくは0~0.01体積%、より好ましくは0~0.001体積%の酸素(O2)を含む、実施形態1~27のいずれか1つに記載の方法。
【0099】
29. 炭化水素及び水のうちの1つ以上、好ましくは炭化水素及び水を含み0~0.1体積%、より好ましくは0~0.01体積%、より好ましくは0~0.001体積%の二酸化炭素を含む反応体ストリームが、(iii)の前に、(i)に従う反応域内に流し込まれない、実施形態1~28のいずれか1つに記載の方法。
【0100】
30. 95~100体積%、好ましくは98~100体積%、より好ましくは99~100体積%の、炭化水素及び水のうちの1つ以上、好ましくは炭化水素及び水からなるストリームが、(iii)の前に、(i)に従う反応域内に流し込まれない、実施形態1~29のいずれか1つに記載の方法。
【0101】
31. (ii)から且つ(iii)の前に得られた反応域が、0~0.1体積%、好ましくは0~0.01体積%、より好ましくは0~0.001体積%の、二酸化炭素及び酸素(O2)のうちの1つ以上、好ましくは二酸化炭素及び酸素(O2)を含む、実施形態1~30のいずれか1つに記載の方法。
【0102】
32. (ii)に従う不活性ガスストリームの95~100体積%、好ましくは98~100体積%、より好ましくは99~100体積%が1つ以上の不活性ガスからなる、実施形態1~31のいずれか1つに記載の方法。
【0103】
33. (ii)に従う1つ以上の不活性ガスが窒素及びアルゴンのうちの1つ以上を含む、実施形態1~32のいずれか1つに記載の方法。
【0104】
34. 1つ以上の不活性ガスが窒素及びアルゴンである、実施形態1~33のいずれか1つに記載の方法。
【0105】
35. 1つ以上の不活性ガスが窒素、好ましくは技術的窒素である、実施形態1~33のいずれか1つに記載の方法。
【0106】
36. (ii)に従って、不活性ガスストリームを(i)に従う反応域に1000~10000/時間の範囲、好ましくは2000~6000/時間の範囲、より好ましくは3000~4000/時間の範囲の不活性ガスストリームのガス時空間速度(GHSV)で通過させる、実施形態1~35のいずれか1つに記載の方法。
【0107】
37. 炭化水素がメタン、エタン、プロパン及びブタンのうちの1つ以上、好ましくはメタンである、実施形態1~36のいずれか1つに記載の方法。
【0108】
38. (ii)から得られた反応域内に流される反応体ガスストリーム中、炭化水素の二酸化炭素に対する体積比が0.75:1~1.25:1の範囲、好ましくは0.8:1~1.2:1の範囲、より好ましくは0.9:1~1.1:1の範囲、より好ましくは0.95:1~1.05:1の範囲である、実施形態1~37のいずれか1つに記載の方法。
【0109】
39. (ii)から得られた反応域内に流される反応体ガスストリーム中、炭化水素の、水に対する体積比が1.7:1~2.9:1の範囲、好ましくは1.8:1~2.8:1の範囲、より好ましくは1.85:1~2.75:1の範囲である、実施形態1~38のいずれか1つに記載の方法。
【0110】
40. (ii)から得られた反応域内に流し込まれる反応体ガスストリームの96~100体積%、好ましくは98~100体積%、より好ましくは99~100体積%、より好ましくは99.5~100体積%が炭化水素、二酸化炭素、及び水からなる、実施形態1~39のいずれか1つに記載の方法。
【0111】
41. (ii)から得られた反応域を通過する前に、反応体ガスストリームの1~50体積%、好ましくは10~50体積%、より好ましくは30~50体積%、より好ましくは35~45体積%、より好ましくは37~40.5体積%が炭化水素からなる、実施形態1~40のいずれか1つに記載の方法。
【0112】
42. (ii)から得られた反応域を通過する前に、反応体ガスストリームの1~50体積%、好ましくは10~50体積%、より好ましくは30~50体積%、より好ましくは35~45体積%、より好ましくは37~40.5体積%が二酸化炭素(CO2)からなる、実施形態1~41のいずれか1つに記載の方法。
【0113】
43. (ii)から得られた反応域を通過する前に、反応体ガスストリームの1~50体積%、好ましくは5~35体積%、より好ましくは10~25体積%、より好ましくは12~23体積%、より好ましくは14~21体積%が水(H2O)からなる、実施形態1~42のいずれか1つに記載の方法。
【0114】
44. (iii)に従う反応域における改質条件が1~50バール(abs)の範囲、好ましくは10~40バール(abs)の範囲、より好ましくは15~30バール(abs)の範囲、より好ましくは17~23バール(abs)の範囲、より好ましくは17~23バール(abs)の範囲、より好ましくは19~21バール(abs)の範囲、より好ましくは19.5~20.5バール(abs)の範囲の気相の圧力を含む、実施形態1~43のいずれか1つに記載の方法。
【0115】
45. (iii)に従う反応域における改質条件が1000~7500/時間の範囲、好ましくは1250~7300/時間の範囲、より好ましくは1500~7100/時間の範囲、より好ましくは3500~7500/時間、より好ましくは3700~7300/時間、より好ましくは3900~7100/時間の反応体ガスストリームのガス時空間速度(GHSV)を含む、実施形態1~44のいずれか1つに記載の方法。
【0116】
46. (iii)に従う反応域における改質条件が550~980℃の範囲、好ましくは575~975℃の範囲、より好ましくは600~950℃の範囲の反応域における気相の温度を含む、実施形態1~45のいずれか1つに記載の方法。
【0117】
47. (iii)の間、反応域における改質条件が設定(iii.1)と設定(iii.1)の直後に達成される設定(iii.2)とを含み、ここで、設定(iii.1)は、
(a)反応域内に流し込まれる反応体ガスストリーム中の炭化水素:二酸化炭素:水の体積比、
(b)反応域内の温度、
(c)反応域内に流し込まれる反応体ガスストリームのガス時空間速度
の少なくとも1つにおいて設定(iii.2)と異なる、実施形態1~46のいずれか1つに記載の方法。
【0118】
48. 設定(iii.1)に従う反応体ガスストリーム中の体積比炭化水素:二酸化炭素:水が(2.5~2.9):(2.5~2.9):(0.8~1.2)、好ましくは(2.55~2.8):(2.55~2.8):(0.9~1.1)、より好ましくは(2.6~2.75):(2.6~2.75):(0.95~1.05)である、実施形態47に記載の方法。
【0119】
49. 設定(iii.1)に従う反応域内の温度が550~980℃の範囲、好ましくは575~975℃の範囲、より好ましくは600~950℃の範囲、より好ましくは880~920℃の範囲、より好ましくは890~910℃の範囲、より好ましくは895~905℃である、実施形態47又は48に記載の方法。
【0120】
50. 設定(iii.1)に従う反応体ガスストリームのガス時空間速度が1000~7500/時間の範囲、好ましくは1250~7300/時間の範囲、より好ましくは1500~7100/時間の範囲、より好ましくは3700~4300/時間の範囲、より好ましくは3800~4200/時間の範囲、より好ましくは3900~4100/時間の範囲である、実施形態48~49のいずれか1つに記載の方法。
【0121】
51. 設定(iii.1)が1~10時間の範囲、好ましくは3~8時間の範囲、より好ましくは4~6時間の範囲の時間の間維持される、実施形態47~50のいずれか1つに記載の方法。
【0122】
52. 設定(iii.2)に従う反応体ガスストリーム中の体積比炭化水素:二酸化炭素:水が(2.5~2.9):(2.5~2.9):(0.8~1.2)、好ましくは(2.55~2.8):(2.55~2.8):(0.9~1.1)、より好ましくは(2.6~2.75):(2.6~2.75):(0.95~1.05)である、実施形態47~51のいずれか1つに記載の方法。
【0123】
53. 設定(iii.2)に従う反応域内の温度が550~980℃の範囲、好ましくは575~975℃の範囲、より好ましくは600~970℃の範囲、より好ましくは930~970℃の範囲、より好ましくは940~960℃の範囲、より好ましくは945~955℃の範囲である、実施形態47~52のいずれか1つに記載の方法。
【0124】
54. 設定(iii.2)に従うガス時空間速度が1000~7500/時間の範囲、好ましくは1250~7300/時間の範囲、より好ましくは1500~7100/時間の範囲、より好ましくは3700~4300/時間の範囲、より好ましくは3800~4200/時間の範囲、より好ましくは3900~4100/時間の範囲である、実施形態47~53のいずれか1つに記載の方法。
【0125】
55. 設定(iii.2)が10~50時間の範囲、好ましくは20~40時間の範囲、より好ましくは30~35時間の範囲の時間の間維持される、実施形態47~54のいずれか1つに記載の方法。
【0126】
56. (iii)の間、反応域における改質条件が設定(iii.2)の直後に達成される設定(iii.3)を更に含み、ここで、設定(iii.3)が、
(a)反応域内に流し込まれる反応体ガスストリーム中の炭化水素:二酸化炭素:水の体積比、
(b)反応域内の温度、
(c)反応域内に流し込まれる反応体ガスストリームのガス時空間速度
の少なくとも1つにおいて設定(iii.2)と異なる、実施形態47~55のいずれか1つに記載の方法。
【0127】
57. 設定(iii.3)に従う反応体ガスストリーム中の炭化水素:二酸化炭素:水の体積比が(1.7~2.1):(1.7~2.1):(0.8~1.2)、好ましくは(1.8~1.95):(1.8~1.95):(0.9~1.1)、より好ましくは(1.85~1.9):(1.85~1.9):(0.95~1.05)である、実施形態56に記載の方法。
【0128】
58. 設定(iii.3)に従う反応域内の温度が550~980℃の範囲、好ましくは575~975℃の範囲、より好ましくは600~970℃の範囲、より好ましくは930~970℃の範囲、より好ましくは940~960℃の範囲、より好ましくは945~955℃の範囲である、実施形態56又は57に記載の方法。
【0129】
59. 設定(iii.3)に従うガス時空間速度が1000~7500/時間の範囲、好ましくは1250~7300/時間の範囲、より好ましくは1500~7100/時間の範囲、より好ましくは3700~4300/時間、より好ましくは3800~4200/時間の範囲、より好ましくは3900~4100/時間の範囲である、実施形態56~58のいずれか1つに記載の方法。
【0130】
60. 設定(iii.3)が5~50時間の範囲、好ましくは10~40時間の範囲、より好ましくは20~30時間の範囲の時間の間維持される、実施形態56~59のいずれか1つに記載の方法。
【0131】
61. (iii)の間、反応域における改質条件が設定(iii.3)の直後に達成される設定(iii.4)を更に含み、ここで、設定(iii.4)は、
(a)反応域内に流し込まれる反応体ガスストリーム中の炭化水素:二酸化炭素:水の体積比、
(b)反応域内の温度、
(c)反応域内に流し込まれる反応体ガスストリームのガス時空間速度
の少なくとも1つにおいて設定(iii.3)と異なる、実施形態56~60のいずれか1つに記載の方法。
【0132】
62. 設定(iii.4)に従う反応体ガスストリーム中の体積比炭化水素:二酸化炭素:水が(1.7~2.1):(1.7~2.1):(0.8~1.2)、好ましくは(1.8~1.95):(1.8~1.95):(0.9~1.1)、より好ましくは(1.85~1.9):(1.85~1.9):(0.95~1.05)である、実施形態61に記載の方法。
【0133】
63. 設定(iii.4)に従う反応域内の温度が550~980℃の範囲、好ましくは575~975℃の範囲、より好ましくは600~970℃の範囲、より好ましくは930~970℃、より好ましくは940~960℃の範囲、より好ましくは945~955℃の範囲である、実施形態61又は62に記載の方法。
【0134】
64. 設定(iii.4)に従うガス時空間速度が1000~7500/時間の範囲、好ましくは1250~7300/時間の範囲、より好ましくは1500~7100/時間の範囲、より好ましくは6700~7100/時間、より好ましくは6800~7100/時間の範囲、より好ましくは6900~7100/時間の範囲である、実施形態61~63のいずれか1つに記載の方法。
【0135】
65. 設定(iii.4)が2~30時間の範囲、好ましくは5~20時間の範囲、より好ましくは10~15時間の範囲の時間の間維持される、実施形態61~64のいずれか1つに記載の方法。
【0136】
66. (iii)の間、反応域における改質条件が、設定(iii.4)の直後に達成される設定(iii.5)を更に含み、ここで、設定(iii.5)が、
(a)反応域内に流し込まれる反応体ガスストリーム中の炭化水素:二酸化炭素:水の体積比、
(b)反応域内の温度、
(c)反応域内に流し込まれる反応体ガスストリームのガス時空間速度
の少なくとも1つにおいて設定(iii.4)と異なる、実施形態61~65のいずれか1つに記載の方法。
【0137】
67. 設定(iii.5)に従う反応体ガスストリーム中の体積比炭化水素:二酸化炭素:水が(2.5~2.9):(2.5~2.9):(0.8~1.2)、好ましくは(2.55~2.8):(2.55~2.8):(0.9~1.1)、より好ましくは(2.6~2.75):(2.6~2.75):(0.95~1.05)である、実施形態66に記載の方法。
【0138】
68. 設定(iii.5)に従う反応域内の温度が550~980℃の範囲、好ましくは575~975℃の範囲、より好ましくは600~970℃の範囲、より好ましくは930~970℃、より好ましくは940~960℃の範囲、より好ましくは945~955℃の範囲である、実施形態66又は67に記載の方法。
【0139】
69. 設定(iii.5)に従うガス時空間速度が1000~7500/時間の範囲、好ましくは1250~7300/時間の範囲、より好ましくは1500~7100/時間の範囲、より好ましくは6700~7100/時間、より好ましくは6800~7100/時間の範囲、より好ましくは6900~7100/時間の範囲である、実施形態66~68のいずれか1つに記載の方法。
【0140】
70. 設定(iii.5)が2~30時間の範囲、好ましくは5~20時間の範囲、より好ましくは10~15時間の範囲の時間の間維持される、実施形態66~69のいずれか1つに記載の方法。
【0141】
71. (iii)の間、反応域における改質条件が設定(iii.5)の直後に達成される設定(iii.6)を更に含み、ここで、設定(iii.6)が、
(a)反応域内に流し込まれる反応体ガスストリーム中の炭化水素:二酸化炭素:水の体積比、
(b)反応域内の温度、
(c)反応域内に流し込まれる反応体ガスストリームのガス時空間速度
の少なくとも1つにおいて設定(iii.5)と異なる、実施形態66~70のいずれか1つに記載の方法。
【0142】
72. 設定(iii.6)に従う反応体ガスストリーム中の体積比炭化水素:二酸化炭素:水が(1.7~2.1):(1.7~2.1):(0.8~1.2)、好ましくは(1.8~1.95):(1.8~1.95):(0.9~1.1)、より好ましくは(1.85~1.9):(1.85~1.9):(0.95~1.05)である、実施形態71に記載の方法。
【0143】
73. 設定(iii.6)に従う反応域内の温度が550~980℃の範囲、好ましくは575~975℃の範囲、より好ましくは600~970℃の範囲、より好ましくは930~970℃、より好ましくは940~960℃の範囲、より好ましくは945~955℃の範囲である、実施形態71又は72に記載の方法。
【0144】
74. 設定(iii.6)に従うガス時空間速度が1000~7500/時間の範囲、好ましくは1250~7300/時間の範囲、より好ましくは1500~7100/時間の範囲、より好ましくは3700~4300/時間、より好ましくは3800~4200/時間の範囲、より好ましくは3900~4100/時間の範囲である、実施形態71~73のいずれか1つに記載の方法。
【0145】
75. 設定(iii.6)が2~30時間の範囲、好ましくは5~20時間の範囲、より好ましくは10~15時間の範囲の時間の間維持される、実施形態71~74のいずれか1つに記載の方法。
【0146】
76. (iii)の間、反応域における改質条件が設定(iii.6)後に達成される1つ以上の設定(iii.x)を更に含み、ここで、設定(iii.x)の各々は、
(a)反応域内に流し込まれる反応体ガスストリーム中の炭化水素:二酸化炭素:水の体積比、
(b)反応域内の温度、
(c)反応域内に流し込まれる反応体ガスストリームのガス時空間速度
の少なくとも1つにおいて設定(iii.x-1)と異なる
(xは整数であり且つx>6である)、実施形態71~75のいずれか1つに記載の方法。
【0147】
本発明を以下の実施例及び参考実施例によって更に例示する。
【実施例】
【0148】
参考実施例1:BET比表面積及びラングミュア(Langmuir)比表面積の測定
BET比表面積及びラングミュア(Langmuir)比表面積は、DIN66131に開示される方法に従って77Kで窒素物理的収着によって測定された。
【0149】
参考実施例2:XRDによる結晶度の測定
実験室用回折計(D8 Discover,Bruker AXS GmbH,Karlsruhe)を使用して粉末X線回折(PXRD)データを集めた。モリブデンX線管を使用して計測器を準備した。曲げゲルマニウムヨハンセン型一次モノクロメーターを使用して固有K-アルファ線を単色化した。データは、Bragg-Brentano反射幾何学で収集された。LYNXEYEエリア・ディテクターを利用して、散乱X線信号を収集した。
【0150】
IKAチューブ・ミル及びMT40.100使い捨て粉砕チャンバを使用して粉末を微粉砕した。粉末を試料ホルダー内に置き、ガラス板を使用して平らにした。
【0151】
DIFFRAC.EVA V4及びDIFFRAC.TOPAS V4 ソフトウェア(Bruker AXS GmbH)を使用してデータ分析を行なった。DIFFRAC.EVAを使用して結晶度を推定した。デフォルト値をアルゴリズム(DIFFRAC.EVA User Manual,2014,Bruker AXS GmbH,Karlsruhe)のための入力情報として使用した。
【0152】
DIFFRAC.TOPASを使用して全ての他のパラメーターを決定した。六方晶LaCoAl11O19、斜方六面体晶LaAlO3、立方晶CoAl2O4、六方晶La(OH)3、立方晶CoドープLaAlO3及びコランダムの結晶構造を用いて回折パターン全体をシミュレートした。シミュレーションの間、29のパラメーターを改良して、シミュレートされた回折を測定されたデータに適合させた。結果が以下の表1に示される。
【0153】
【0154】
【0155】
微結晶のサイズの値は、DIFFRAC.TOPASでLvol-FWHMとして報告されたものである。信頼できる微結晶のサイズの値を確実にするために回折計の幾何学的配置をソフトウェアに入力して基礎パラメーターアプローチ(DIFFRAC.TOPAS User Manual,2014、Bruker AXS GmbH,Karlsruhe)に基づいた計器分解能の計算を可能にする。スケールファクタは、DIFFRAC.TOPASによって質量パーセント値に再計算され、記録された。
【0156】
実施例1:コバルトと酸素とを含む混合酸化物の調製
合成ガスを製造するためのプロセスにおいて触媒として試験された混合酸化物を以下の合成手順に従って調製した:6kgのAlOOH水溶液(Disperal(登録商標)、Sasol、78重量%のAl2O3を含有する)、1.95kgのCo(NO3)2・6H2O(Merck、97%の純度を有する)及び4.8kgのLa(NO3)3・6H2O(Fluka、99%の純度を有する)を混練機内で均質に混合し、850mlの水を加えた。混合物を4mmの円柱に押出した。これらのストランドをマッフル炉内で105℃で16時間の間乾燥させた。次に、乾燥されたストランドを以下の順序でマッフル炉内で仮焼した:a)490℃で15分間、b)520℃で120分間。その後、仮焼したストランドを0.5~1.0ミリメートルの直径を有する粒子に割り、最後に1100℃の空気中で30時間の間仮焼した。
【0157】
得られた混合酸化物は、それぞれ元素として計算されると、36重量%のアルミニウム、5.8重量%のコバルト及び23重量%のランタンを含んだ。最終触媒のBET比表面積は、参考実施例1に従って測定したとき11m2/gであった。
【0158】
実施例2:触媒試験
触媒試験は、単一の反応器を含む試験装置で行われた。この装置は、(1.000バールで)1100℃及び(最高950℃で)20バールまでの広い温度及び圧力領域での試験条件を可能にする。反応体ガスストリームのためのガス供給物として二酸化炭素、メタン、水素、窒素及びアルゴンを提供し、質量流量制御装置(MFC)によってオンライン制御する。貯水器に接続された蒸発器によってスチームとして水をガス供給ストリームに加え、それにより、蒸発器への投入は、流量計によってポンプ制御される高性能液体クロマトグラフィー(HPLC)によって行われた。生成物ストリームの組成の分析は、内部標準としてArを使用してンラインガスクロマトグラフィーによって行われた。ガスクロマトグラフィー分析は、水素、一酸化炭素、二酸化炭素、メタン及びC2-成分の定量化を可能にした。ガスクロマトグラフィー法の時間は約24分であった。
【0159】
触媒試験のために、裂片(0.5~1.0μmの粒径)として15mlの触媒を使用した。セラミック器具を使用して試料を反応器の恒温領域内に置いた。実験の開始前に背圧を測定した。
【0160】
生成物ストリームの定量化に基づいてメタン変換率及び二酸化炭素変換率を式[1]及び[2]に従って計算した。
CH4-変換率:x(CH4)=1-(CH4-out/CH4-in)[1]
CO2-変換率:x(CO2)=1-(CO2-out/CO2-in)[2]
【0161】
ガス時空間速度(GHSV)は式[3]に従って定義される。
GHSV=全ガスストリームの流量[L/h]/触媒画分の体積[L][3]
【0162】
比較例2.1:一般的なプロセスにおける実施例1の触媒の触媒試験
メタンを合成ガスに変換するためのプロセスにおいて一般に使用される反応パラメーターを表3に記載する。プロセスは、メタンと水だけがガス供給ストリームにおいて使用される反応段階から開始し、その後に、メタンとスチームが二酸化炭素によって部分的に置き換えられる時間の長くかかる段階が続く。圧力は20バール(abs)であった。
【0163】
【0164】
本発明による合成ガスの調製のための得られた活性を
図1に記載する。
【0165】
実施例2.2:本発明によるプロセスでの実施例1の触媒の触媒試験
本発明のプロセスに従って改良された活性を得るために使用される反応パラメーターを表4に記載する。この場合、プロセスは、メタン、二酸化炭素及び水を含有する反応体ガスストリームで最初から開始する。圧力は20バール(abs)であった。
【0166】
【0167】
本発明による合成ガスの調製のために得られた活性を
図2に示す。
図2から見ることができるように、実施例2.2に従って本発明のプロセスにおいて使用される触媒の活性は、特に、表4に記載された作業条件を使用することによって、比較例2.1の場合の2倍である。CO
2-変換率は50%未満にならず、CH
4-変換率は45%未満にならないことが
図2から詳細に知ることができる。それと比較して、先行技術によるプロセスについてはCO
2-変換率は45%に達せず、CH
4-変換率は50%に達しないことを
図1に見ることができる。温度の変化、ガス時空間速度及びガス供給物の組成などの同じ条件が本発明の実施例及び比較例の両方に適用され、それによってガス供給物中のスチーム、メタン及び二酸化炭素の含有量が経時的に変化したので、これはいっそう驚くべきことである。
【国際調査報告】