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特表2024-522717脈動流レジームを用いる連続フロー反応器におけるゼオライト合成
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  • 特表-脈動流レジームを用いる連続フロー反応器におけるゼオライト合成 図1
  • 特表-脈動流レジームを用いる連続フロー反応器におけるゼオライト合成 図2
  • 特表-脈動流レジームを用いる連続フロー反応器におけるゼオライト合成 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-21
(54)【発明の名称】脈動流レジームを用いる連続フロー反応器におけるゼオライト合成
(51)【国際特許分類】
   C01B 39/48 20060101AFI20240614BHJP
   B01J 37/10 20060101ALI20240614BHJP
   B01J 29/70 20060101ALI20240614BHJP
【FI】
C01B39/48
B01J37/10
B01J29/70 M
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023577343
(86)(22)【出願日】2022-06-14
(85)【翻訳文提出日】2024-02-08
(86)【国際出願番号】 EP2022066151
(87)【国際公開番号】W WO2022263436
(87)【国際公開日】2022-12-22
(31)【優先権主張番号】21179243.7
(32)【優先日】2021-06-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】508020155
【氏名又は名称】ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】Carl-Bosch-Strasse 38, 67056 Ludwigshafen am Rhein, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100100354
【弁理士】
【氏名又は名称】江藤 聡明
(74)【代理人】
【識別番号】100167106
【弁理士】
【氏名又は名称】倉脇 明子
(74)【代理人】
【識別番号】100194135
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 修
(74)【代理人】
【識別番号】100206069
【弁理士】
【氏名又は名称】稲垣 謙司
(74)【代理人】
【識別番号】100185915
【弁理士】
【氏名又は名称】長山 弘典
(72)【発明者】
【氏名】シュライアー,ハンナー
(72)【発明者】
【氏名】パルフレスク,アンドライ-ニコラエ
(72)【発明者】
【氏名】ベーリンク,ラルフ
(72)【発明者】
【氏名】リーマン,クリスティアン
【テーマコード(参考)】
4G073
4G169
【Fターム(参考)】
4G073BA02
4G073BA04
4G073BA63
4G073BA69
4G073BA75
4G073BB03
4G073BB14
4G073BB48
4G073BD21
4G073CZ17
4G073FB11
4G073FB24
4G073FB36
4G073FC19
4G073FC25
4G073FC26
4G073FD02
4G073FD03
4G073FD04
4G073FD12
4G073GA01
4G073UA01
4G073UA06
4G169AA01
4G169AA02
4G169AA08
4G169BA07A
4G169BA07B
4G169BC16A
4G169BC16B
4G169BC17A
4G169BC18A
4G169BC50A
4G169BD03A
4G169BD05A
4G169BD05B
4G169BE17C
4G169CA03
4G169CA07
4G169CA08
4G169CA11
4G169CA13
4G169CB21
4G169CB46
4G169CB63
4G169CC07
4G169CC21
4G169DA05
4G169EA01Y
4G169FA01
4G169FB05
4G169FB79
4G169FC07
4G169ZA14B
4G169ZA37A
4G169ZA38A
4G169ZB03
4G169ZB08
4G169ZB09
4G169ZC06
(57)【要約】
本発明は、骨格構造中にSiOを含むゼオライト材料を製造するための連続的方法に関し、前記方法は、
(i) 1つ以上の溶媒、1つ以上の構造指示剤、及び1つ以上のSiOの源を含む混合物を連続的に調製する工程、
(ii) 工程(i)で調製した混合物を1つ以上の連続フロー反応器に連続的に供給する工程、及び
(iii) 混合物を1つ以上の連続フロー反応器内で加熱して、骨格構造中にSiOを含むゼオライト材料を連続的に得る工程
を含み、
1つ以上の連続フロー反応器内に含有される混合物は、脈動流レジームに供される。本発明はまた、前記方法によって得ることができる及び/又は得られるゼオライト材料、及びそのゼオライト材料を分子ふるいとして、吸着剤として、イオン交換のために、又は触媒として及び/又は触媒担体として使用する方法に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
骨格構造中にSiOを含むゼオライト材料を製造するための連続的方法であって、
(i) 1つ以上の溶媒、1つ以上の構造指示剤、及び1つ以上のSiOの源を含む混合物を連続的に調製する工程、
(ii) 工程(i)で調製した混合物を1つ以上の連続フロー反応器に連続的に供給する工程、及び
(iii) 前記混合物を前記1つ以上の連続フロー反応器内で加熱して、骨格構造中にSiOを含むゼオライト材料を連続的に得る工程
を含み、
前記1つ以上の連続フロー反応器内に含有される前記混合物が脈動流レジームに供される、方法。
【請求項2】
工程(ii)において、工程(i)で連続的に調製された混合物が、10~2,000kg/hの速度で前記1つ以上の連続フロー反応器に連続的に供給される、請求項1に記載の連続的方法。
【請求項3】
工程(ii)において、工程(i)で連続的に調製された混合物が、1~10個の連続フロー反応器に連続的に供給される、請求項1又は2に記載の連続的方法。
【請求項4】
前記脈動流レジームが、流れの一般的な方向における、又は流れの一般的な方向とその逆方向とにおける半連続的な流れレジームによって達成され、流れの一般的な方向は、工程(i)で調製した混合物が連続的に供給される前記1つ以上の連続フロー反応器の各々の入口端と、工程(iii)で得られたゼオライト材料が連続的に回収される前記1つ以上の連続フロー反応器の各々の出口端とによって画定される、請求項1から3のいずれか一項に記載の連続的方法。
【請求項5】
前記脈動流レジームが、流れの一般的な方向における、又は流れの一般的な方向とその逆方向とにおける脈動運動によって達成される、請求項4に記載の連続的方法。
【請求項6】
脈動の周波数が0.001~1秒-1の範囲である、請求項5に記載の連続的方法。
【請求項7】
工程(iii)において、前記混合物を90~280℃の範囲の温度に加熱する、請求項1から6のいずれか一項に記載の連続的方法。
【請求項8】
工程(iii)において、前記混合物が自発生圧力下で加熱される、請求項1から7のいずれか一項に記載の連続的方法。
【請求項9】
工程(ii)において、工程(i)で調製した混合物を、5~365日の範囲の期間、前記1つ以上の連続フロー反応器に連続的に供給する、請求項1から8のいずれか一項に記載の連続的方法。
【請求項10】
前記1つ以上の連続フロー反応器の各々が、管形反応器、リング反応器、及び連続振動反応器の中から選択される、請求項1から9のいずれか一項に記載の連続的方法。
【請求項11】
前記ゼオライト材料がその骨格構造中にXをさらに含み、式中、Xは3価の元素を表し、そして工程(i)における混合物はXの1つ以上の源をさらに含む、請求項1から10のいずれか一項に記載の連続的方法。
【請求項12】
Xが、Al、B、In、Ga、及びそれらの2つ以上の混合物からなる群から選択される、請求項11に記載の連続的方法。
【請求項13】
前記ゼオライト材料が、その骨格構造中にTiOをさらに含み、そして工程(i)における混合物がTiOの1つ以上の源をさらに含む、請求項1から12のいずれか一項に記載の連続的方法。
【請求項14】
請求項1から13のいずれか一項に記載の方法により得ることができる及び/又は得られるゼオライト材料。
【請求項15】
請求項14に記載のゼオライト材料を、分子ふるいとして、吸着剤として、イオン交換のために、又は触媒として及び/又は触媒担体として使用する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゼオライト材料の製造方法、及び前記方法により得ることができる又は得られる触媒自体に関する。さらに、本発明は、ゼオライト材料の、特に触媒としての使用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
簡単な出発化合物からゼオライト材料を合成するには、しばしば高温及び/又は圧力などの特殊な条件を必要とする複雑な自己組織化プロセスを伴い、そのような反応では、一般に、自発生圧力下での出発材料の加熱が必要であり、数日から数週間に及ぶ長い反応時間の後にゼオライト材料が得られる。よって、しばしば過酷な反応条件及び長い反応時間に起因し、長い間、バッチ合成がゼオライト材料の合成に選択される方法とされてきた。しかしながら、バッチ反応には多くの制限、特に達成され得る空時収率のレベルに関して、数多くの制限がある。
【0003】
よって、改良されたバッチ反応手順と、ゼオライト材料の合成のために利用されていた古典的なバッチ式合成手順に利点を提供する代替方法とを見出すことに努力が費やされてきた。この点に関して研究された1つの方法は連続撹拌タンク反応器の使用を含み、そこでは、流体試薬がタンク反応器の頂部から連続的に導入され、固体反応生成物を含有する排出物がタンク反応器の底部から連続的に除去される。前記方法により、非連続的な条件下におけるバッチ運転の間に反応容器を空にする必要性が排除されるが、結晶化に必要な反応時間は、長い時間がかかるままである。
【0004】
その観点から、ゼオライト材料の急速な合成を可能にする反応器形状が考案されてきた。それ故、US2016/0115039A1は、外側面積に対して体積の低い比率を示す管形反応器でゼオライトを連続生産するための方法に関する。同様に、Liuら、Angew.Chem.Int.Ed.2015年、54、第5683~5687頁は、非常に短い反応時間を使用する高シリカゼオライトSSZ-13の連続合成を開示している。他方では、Ju,J.ら、Chemical Engineering Journal、2006年、116、第115~121頁及びVandermeersch,T.ら、Microporous and Mesoporous Materials、2016年、226、第133~139頁は、それぞれ連続フロー反応器構成におけるミクロンサイズのNaAゼオライトの急速な合成を開示している。Liu,Z.ら、Chemistry of Materials、2014年、26、第2327~2331頁は、結晶性微孔質アルミノホスフェートAlPO-5の超高速連続フロー合成に関する。Slangenら、「Continuous Synthesis of Zeolites using a Tubular Reactor」、12th International Zeolite Conference、Materials Research Society、1999年は、6mm外径(~3mm内径)及び可変長の管形反応器におけるNaAゼオライト、NaYゼオライト、及びシリカライト-1の連続合成に関する。Bebon,C.ら、Microporous and Mesoporous Materials、2002年、53、13~20は、オートクレーブに含有されているガイド管を使用したゼオライトの合成方法に関し、反応混合物は、その軸に沿ってガイド管内に配置されたアルキメデススクリューの助けでガイド管を通して運ばれる。
【0005】
高圧を必要としない反応に関して、ゼオライトLTAの連続合成に関するBonaccorsi,L.ら、Microporous and Mesoporous Materials、2008年、112、481~493のように、マイクロ波の補助による手順が研究されてきた。同様に、US2001/0054549A1は、マイクロ波を使用して無機材料を調製するための連続的方法及び装置に関する。
【0006】
WO2020/109292A1は連続的ゼオライト間変換の方法に関するものであり、そしてWO2020/025799Aはチタノールシリケート材料の連続合成に関するものである。
【0007】
連続撹拌タンク及び多段反応器の使用を考慮して、反応効率に関してかなりの進歩があったが、反応時間の短縮を考慮して行なわれた進歩は、実験室規模のレベルで適用された反応器形状に限定されている。さらに、反応時間の短縮に関して行なわれた努力は、反応器の目詰まりにより、特にゼオライト合成中に起こる反応混合物のレオロジーの明白な変化により、経済的に実行可能な運転時間に関して極めて制限されたままである。より詳細には、層流の管形反応器で加熱すると、合成ゲルは通常、壁近くの領域で高い剪断速度を示すが、中心に向かう熱伝達の速度が遅いため、一部は壁近くの領域における合成ゲルの断熱効果のため、中心はほとんど剪断速度を示さない。結果として、合成ゲルは、壁領域から中心に向かって大きな温度勾配を示し、大きな滞留分布時間が観察される。この状況で生じる合成ゲルの厳しい不均一な処理を考慮して、満足のいく結晶化度を得るためには、非常に長い反応器を使用する必要がある。
【0008】
この点に関し、WO2019/101854Aは、速度プロファイルが制御された反応器におけるゼオライトの合成方法に関する。
【0009】
ゼオライト材料の連続合成に関してもたらされた進歩にもかかわらず、連続フロー反応器内の合成ゲルが経験する不十分な熱伝達及びその後の不均一な反応条件の問題を回避する方法の必要性が残っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】US2016/0115039A1
【特許文献2】US2001/0054549A1
【特許文献3】WO2020/109292A1
【特許文献4】WO2020/025799A
【特許文献5】WO2019/101854A
【非特許文献】
【0011】
【非特許文献1】Liuら、Angew.Chem.Int.Ed.2015年、54、第5683~5687頁
【非特許文献2】Ju,J.ら、Chemical Engineering Journal、2006年、116、第115~121頁
【非特許文献3】Vandermeersch,T.ら、Microporous and Mesoporous Materials、2016年、226、第133~139頁
【非特許文献4】Liu,Z.ら、Chemistry of Materials、2014年、26、第2327~2331頁
【非特許文献5】Slangenら、「Continuous Synthesis of Zeolites using a Tubular Reactor」、12th International Zeolite Conference、Materials Research Society、1999年
【非特許文献6】Bebon,C.ら、Microporous and Mesoporous Materials、2002年、53、13~20
【非特許文献7】Bonaccorsi,L.ら、Microporous and Mesoporous Materials、2008年、112、481~493
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
従って、本発明の目的は、結晶化プロセス中の粘度の急激な上昇に起因するゼオライト材料形成中の連続フロー反応器の目詰まりを防止する、ゼオライト材料製造の改善された方法を提供することである。これにより、驚くべきことに、規定された剪断速度を有する脈動流レジームを使用することにより、目詰まりを防止できることが判明した。
【0013】
従って、本発明は、骨格構造中にSiOを含むゼオライト材料を製造するための連続的方法に関し、前記方法は、
(i) 1つ以上の溶媒、1つ以上の構造指示剤、及び1つ以上のSiOの源を含む混合物を連続的に調製する工程、
(ii) 工程(i)で調製した混合物を1つ以上の連続フロー反応器に連続的に供給する工程、及び
(iii) 混合物を1つ以上の連続フロー反応器内で加熱して、骨格構造中にSiOを含むゼオライト材料を連続的に得る工程
を含み、
1つ以上の連続フロー反応器内に含有される混合物は、脈動流レジームに供される。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1は、参考例2による合成ゲルの常温での粘度測定結果を示す。
図2図2は、流動状態における「Piff-paff」モードのシミュレーション結果を示す。ゼオライトの質量分率と対応する粘度を示す。
図3図3は、流れを適用しない場合の「Piff-paff」モードのシミュレーション結果を示す。ゼオライトの質量分率と対応する粘度を示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の意味において、脈動流は、好ましくは、管又はパイプに沿った圧力勾配の調和的変化、すなわち正弦波をいう。しかしながら一般には、流れの脈動は、調和的運動によって引き起こされる必要はなく、すなわち、正方形、のこぎり歯状、又は他のプロファイルも、本発明の意味における脈動流を表すであろう。
【0016】
脈動流レジーム(pulsatile flow regime)によって達成される最大剪断速度は、0~2,500秒-1、好ましくは0~1,500秒-1、より好ましくは0~1000秒-1、より好ましくは0~700秒-1、より好ましくは0~500秒-1、より好ましくは0~400秒-1、より好ましくは0~300秒-1、より好ましくは0~250秒-1、より好ましくは0~200秒-1、より好ましくは0~150秒-1、より好ましくは0~100秒-1、及びより好ましくは0~50秒-1の範囲であることが好ましい。本発明によれば、連続フロー反応器における最大剪断速度は、好ましくは体積流量又は質量流量に基づいて決定される。より詳細には、測定された質量流量から出発して、以前に測定された物質法則が反復数学モデルにおいて適用され、速度プロファイル及び最終的な剪断速度が計算される。特に、最大剪断速度は、小規模な実験室装置で、好ましくはSchubspannungskontrolliertes Rotationsviskosimeter Physika MCR301を使用した測定によって、非ニュートン剪断減粘則を決定するプロセスによって決定される。流体に力を加えることにより、或る流動プロファイルが形成される。得られた法則、すなわちmu=f(剪断速度、温度、組成)は、運転条件(例えば置換ポンプ及び置換パルセータの使用から)及び反応器の形状による体積流量Qに関する情報と共に、流体力学シミュレーションツールに実装され、好ましくは最先端のAnsys(登録商標)Fluent CFDコードが使用される。そして剪断速度は、速度の勾配によって計算される。
【0017】
工程(i)の後及び(ii)の前に、工程(i)で調製した混合物が均質化されることが好ましく、均質化は、好ましくは、混合物の撹拌によって達成される。さらに、均質化は、2つの連続撹拌タンク反応器(CSTR)で行われることが好ましく、第1のCSTRは連続的方法において第2のCSTRの上流に位置し、そして第1のCSTRで得られた混合物は第2のCSTRに連続的に供給される。
【0018】
均質化が2つの連続撹拌タンク反応器(CSTR)で行われ、第1のCSTRが連続的方法において第2のCSTRの上流に位置し、そして第1のCSTRで得られた混合物が第2のCSTRに連続的に供給される場合、第1のCSTRは、1つ以上のバッフルをそれぞれ備えた1つ以上の撹拌シャフトを用いることが好ましい。さらに、且つそれとは独立して、第1のCSTRが、20~120℃の範囲、好ましくは21~80℃、より好ましくは22~40℃、より好ましくは23~30℃、及びより好ましくは24~26℃の範囲の温度で運転されることが好ましい。
【0019】
第1のCSTRが、1~3バールの範囲、好ましくは1~2.5バール、より好ましくは1~2バール、より好ましくは1~1.5バール、及びより好ましくは1~1.2バールの範囲の圧力で運転されることが好ましい。
【0020】
第1のCSTRは、10~1,000Lの範囲、好ましくは100~800L、より好ましくは150~600L、より好ましくは200~400L、及びより好ましくは240~260Lの範囲の容量を有することが好ましい。
【0021】
第2のCSTRは、1つ以上のスパイラルスターラーをそれぞれ備えた1つ以上の撹拌シャフトを用いることが好ましい。
【0022】
第2のCSTRが、20~120℃の範囲、好ましくは21~80℃、より好ましくは22~40℃、より好ましくは23~30℃、及びより好ましくは24~26℃の範囲の温度で運転されることが好ましい。
【0023】
第2のCSTRが、1~3バールの範囲、好ましくは1~2.5バール、より好ましくは1~2バール、より好ましくは1~1.5バール、及びより好ましくは1~1.2バールの範囲の圧力で運転されることが好ましい。
【0024】
第2のCSTRは、20~2,000Lの範囲、好ましくは200~1,200L、より好ましくは300~800L、より好ましくは450~550L、及びより好ましくは490~510Lの範囲の容量を有することが好ましい。
【0025】
工程(ii)において、工程(i)で連続的に調製された混合物が、10~2,000kg/h、好ましくは50~1200kg/h、より好ましくは100~800kg/h、より好ましくは150~400kg/h、より好ましくは250~350kg/h、及び好ましくは290~310kg/hの範囲の速度で、1つ以上の連続フロー反応器に、連続的に供給されることが好ましい。
【0026】
工程(ii)において、工程(i)で連続的に調製された混合物が、1~10個の連続フロー反応器、好ましくは1~8個の連続フロー反応器、より好ましくは1~6個の連続フロー反応器、より好ましくは1~4個の連続フロー反応器、及びより好ましくは2~3個の連続フロー反応器に連続的に供給されることが好ましい。
【0027】
工程(ii)において、連続供給は、1つ以上の投与ポンプで、好ましくは連続フロー反応器1つ当たり1つの投与ポンプで送り込むことによって達成されることが好ましい。
【0028】
工程(ii)において、連続供給が1つ以上の投与ポンプで送り込むことによって達成される場合、1つ以上の投与ポンプは、反応温度において反応混合物の蒸気圧超を構築することができる投与ポンプから選択されることが好ましく、好ましくは、1つ以上の投与ポンプは、ピストンダイヤフラムポンプ、及びより好ましくは脈動ダンパーを有するピストンダイヤフラムポンプである。
【0029】
工程(ii)において、連続供給が1つ以上の投与ポンプで送り込むことによって達成される場合、1つ以上の投与ポンプの各々が、5~500kg/hの範囲、好ましくは20~400kg/h、より好ましくは40~300kg/h、より好ましくは80~150kg/h、及びより好ましくは90~110kg/hの範囲の速度で運転されることが好ましい。
【0030】
1つ以上の投与ポンプの各々が、0.5~15MPaの範囲、好ましくは1~10MPa、より好ましくは1.5~8MPa、より好ましくは2~6MPa、より好ましくは2.5~5.5MPa、より好ましくは3~5MPa、より好ましくは3.5~4.5MPa、及びより好ましくは3.8~4.2MPaの範囲の圧力で運転されることが好ましく、この圧力は、1つ以上の投与ポンプの出口で生じる圧力を指す。
【0031】
1つ以上の投与ポンプの各々が0.5~15MPaの範囲の圧力で運転され、この圧力が1つ以上の投与ポンプの出口で生じる圧力を指す場合、脈動流レジームは、流れの一般的な方向における、又は流れの一般的な方向とその逆方向とにおける、半連続的な流れレジームによって達成されることが好ましく、流れの一般的な方向は、工程(i)で調製した混合物が連続的に供給される1つ以上の連続フロー反応器の各々の入口端と、工程(iii)で得られたゼオライト材料が連続的に回収される1つ以上の連続フロー反応器の各々の出口端とによって画定される。
【0032】
脈動流レジームが、流れの一般的な方向における又は流れの一般的な方向とその逆方向とにおける半連続的な流れレジームによって達成され、流れの一般的な方向が、工程(i)で調製した混合物が連続的に供給される1つ以上の連続フロー反応器の各々の入口端と工程(iii)で得られたゼオライト材料が連続的に回収される1つ以上の連続フロー反応器の各々の出口端とによって画定される場合、脈動流レジームは、流れの一般的な方向における、又は流れの一般的な方向とその逆方向とにおける、脈動運動によって達成されることが好ましい。
【0033】
脈動流レジームが流れの一般的な方向における又は流れの一般的な方向とその逆方向とにおける脈動運動によって達成される場合、脈動の周波数は0.001~1秒-1、好ましくは0.003~0.7秒-1、より好ましくは0.005~0.4秒-1、より好ましくは0.008~0.2秒-1、より好ましくは0.01~0.15秒-1、より好ましくは0.04~0.1秒-1、及びより好ましくは0.05~0.07秒-1の範囲であることが好ましい。
【0034】
脈動流レジームは、流れの方向を、流れの一般的な方向とその逆方向とにおいて周期的に交代させることにより達成されることが好ましい。
【0035】
脈動流レジームが流れの方向を流れの一般的な方向とその逆方向とにおいて周期的に交代させることにより達成される場合、流れの方向の交代の周波数は、0.01~3秒-1、好ましくは0.03~2秒-1、より好ましくは0.05~1.5秒-1、より好ましくは0.08~1.2秒-1、より好ましくは0.1~1秒-1、より好ましくは0.15~0.8秒-1、及びより好ましくは0.2~0.5秒-1の範囲であることが好ましい。
【0036】
工程(ii)における連続供給は、0.1~10h-1の範囲、好ましくは0.5~8h-1、より好ましくは1~6h-1、より好ましくは1.25~4h-1及びより好ましくは1.5~2h-1の範囲の液体時空間速度で行われることが好ましい。
【0037】
工程(iii)において、混合物を、90~280℃の範囲、好ましくは100~270℃、より好ましくは150~260℃、より好ましくは200~265℃、及びより好ましくは248~252℃の範囲の温度に加熱することが好ましい。
【0038】
工程(iii)において、混合物が自発生圧力下で加熱されることが好ましく、好ましくは、圧力は0.5~15MPa、より好ましくは1~10MPa、より好ましくは1.5~8MPa、より好ましくは2~6MPa、より好ましくは2.5~5.5MPa、より好ましくは3~5MPa、より好ましくは3.5~4.5MPa、及びより好ましくは3.8~4.2MPaの範囲である。
【0039】
工程(ii)において、工程(i)で調製した混合物を、5~365日、好ましくは10~300日、より好ましくは15~240日、より好ましくは30~180日、より好ましくは50~120日、及びより好ましくは80~100日の範囲の期間、1つ以上の連続フロー反応器に連続的に供給することが好ましい。
【0040】
工程(iii)で結晶化される供給物を構成する混合物が2液相からなることが好ましく、第1液相は水を含む水相であり、そして第2液相は潤滑剤を含み、潤滑剤は好ましくは1つ以上のフッ素化合物を含む。
【0041】
工程(iii)で結晶化される供給物を構成する混合物が2液相からなり、第1液相が水を含む水相であり、そして第2液相が潤滑剤を含み、潤滑剤が好ましくは1つ以上のフッ素化合物を含む場合、潤滑剤は、1つ以上のフッ素化ポリマー、好ましくは1つ以上のフッ素化ポリエーテル、及びより好ましくは1つ以上のパーフルオロポリエーテルを含むことが好ましい。さらに、且つそれとは独立して、潤滑剤は1つ以上のフルオロカーボン、好ましくは1つ以上のパーフルオロカーボンを含むことが好ましく、より好ましくは潤滑剤はパーフルオロデカリンを含む。
【0042】
潤滑剤が液体パラフィンを含むことが好ましい。
【0043】
1つ以上の連続フロー反応器の各々の容積は、0.5~1,000Lの範囲、好ましくは20~750L、より好ましくは30~250L、より好ましくは40~90L、及びより好ましくは49~51Lの範囲であることが好ましい。
【0044】
1つ以上の連続フロー反応器の各々は、管形反応器、リング反応器、及び連続振動反応器の中から、好ましくは平管形反応器、管形膜反応器、リング反応器、連続振動バッフル反応器、及びそれらの組み合わせの中から選択されることが好ましく、より好ましくは、1つ以上の連続フロー反応器の各々は平管形反応器及び/又はリング反応器であり、より好ましくは、1つ以上の連続フロー反応器の各々は平管形反応器である。
【0045】
1つ以上の連続フロー反応器の各々が、流れの方向に対して直線状であり、及び/又は1つ以上の曲線を含むことが好ましく、好ましくは、1つ以上の連続フロー反応器の各々が、流れの方向に対して直線状であり、及び/又はコイル状の形態を有し、より好ましくは、1つ以上の連続フロー反応器の各々が、流れの方向に対してコイル状の形態を有する。
【0046】
1つ以上の連続フロー反応器の各々が流れの方向に対して直線状であり、及び/又は1つ以上の曲線を含む場合、コイル形態の内径は6~100mm、好ましくは7~80mm、より好ましくは8~60mm、より好ましくは9~40mm、より好ましくは10~25mm、及びより好ましくは15~10mmの範囲であることが好ましい。
【0047】
1つ以上の連続フロー反応器の各々が管形反応器であることが好ましく、管形反応器の少なくとも一部は、流れの方向に垂直な一定の内径を有する正円筒形のものであり、この内径は、好ましくは5~250mmの範囲、より好ましくは10~200mmの範囲、より好ましくは15~150mmの範囲、より好ましくは20~75mmの範囲、及びより好ましくは23~27mmの範囲である。
【0048】
1つ以上の連続フロー反応器の各々が、1~500mの範囲、好ましくは30~400m、より好ましくは50~300m、より好ましくは85~150m、及びより好ましくは98~102mの範囲の長さを有することが好ましい。
【0049】
1つ以上の連続フロー反応器の各々の壁が金属材料でできていることが好ましく、金属材料は、Ta、Cr、Fe、Ni、Cu、Al、Mo、及びそれらの2つ以上の組み合わせ及び/又は合金からなる群から、好ましくはTa、Cr、Fe、Ni、Mo、及びそれらの2つ以上の組み合わせ及び/又は合金からなる群から、好ましくはCr、Fe、Ni、Mo、及びそれらの2つ以上の組み合わせ及び/又は合金からなる群から選択される1つ以上の金属を含み、好ましくは、金属材料はステンレス鋼を含み、より好ましくは、金属材料はステンレス鋼からなる。
【0050】
1つ以上の連続フロー反応器の各々の内壁の表面が有機ポリマー材料で裏打ちされていることが好ましく、有機ポリマー材料は、好ましくは、フッ素化ポリアルキレン及びそれらの2つ以上の混合物からなる群から、好ましくは、(C2~C3)ポリアルキレン及びそれらの2つ以上の混合物からなる群から、好ましくは、フッ素化ポリエチレン及びそれらの2つ以上の混合物からなる群から選択される1つ以上のポリマーを含み、より好ましくは、ポリマー材料はポリ(テトラフルオロエチレン)を含み、より好ましくは、1つ以上の連続フロー反応器の各々の内壁はポリ(テトラフルオロエチレン)で裏打ちされている。
【0051】
1つ以上の連続フロー反応器の各々の内壁の表面は、ポリシロキサン、好ましくは式[RSiO]を有するビルディングブロックを含むポリシロキサンで裏打ちされていることが好ましく、式中、Rは、好ましくは有機基、より好ましくはアルキル基及び/又はフェニル基である。
【0052】
1つ以上の連続フロー反応器の各々は、単段からなることが好ましい。
【0053】
1つ以上の連続フロー反応器を連続的に出る反応混合物は、反応混合物の100質量%に対して2~50質量%、好ましくは、反応混合物の100質量%に対して4~40質量%、より好ましくは6~30質量%、より好ましくは10~20質量%、及びより好ましくは13~15質量%の範囲の固形分含量を示すことが好ましい。
【0054】
ゼオライト材料がその骨格構造中にXをさらに含むことが好ましく、式中、Xは3価の元素を表し、そして工程(i)における混合物はXの1つ以上の源をさらに含む。
【0055】
ゼオライト材料がその骨格構造中にXをさらに含み、式中、Xが3価の元素を表し、そして工程(i)における混合物がXの1つ以上の源をさらに含む場合、Xは、Al、B、In、Ga、及びそれらの2つ以上の混合物からなる群から選択されることが好ましく、Xは、好ましくはAl及び/又はBであり、そしてより好ましくはAlである。
【0056】
SiO及びXの1つ以上の源が、骨格構造中にSiO及びXを含む第1のゼオライト材料を含むことが好ましく、そして
工程(iii)において、混合物を1つ以上の連続フロー反応器中で加熱して、骨格構造中にSiO及びXを含む第2のゼオライト材料を得、工程(iii)で得られた第2のゼオライト材料は、工程(i)で調製した混合物に含有される第1のゼオライト材料とは異なる型の骨格構造を有する。
【0057】
SiO及びXの1つ以上の源が、骨格構造中にSiO及びXを含む第1のゼオライト材料を含み、そして
工程(iii)において、混合物を1つ以上の連続フロー反応器中で加熱して骨格構造中にSiO及びXを含む第2のゼオライト材料を得、工程(iii)で得られた第2のゼオライト材料が工程(i)で調製した混合物に含有される第1のゼオライト材料とは異なる型の骨格構造を有する場合、第1のゼオライト材料は、FAU-、GIS-、MOR-、LTA-、FER-、TON-、MTT-、BEA-、MEL-、MWW-、MFS-、及び/又はMFI-型骨格構造、好ましくはFAU-、GIS-、BEA-、及び/又はMFI-型骨格構造、より好ましくはFAU-及び/又はBEA-型骨格構造、及びより好ましくはFAU-型骨格構造を有することが好ましい。
【0058】
FAU-型骨格構造を有する第1のゼオライト材料が、ZSM-3、フォージャサイト、[Al-Ge-O]-FAU、CSZ-1、ECR-30、ゼオライトX、ゼオライトY、LZ-210、SAPO-37、ZSM-20、Na-X、US-Y、Na-Y、[Ga-Ge-O]-FAU、Li-LSX、[Ga-Al-Si-O]-FAU、及び[Ga-Si-O]-FAU、及びそれらの2つ以上の混合物からなる群から、好ましくは、ZSM-3、フォージャサイト、CSZ-1、ECR-30、ゼオライトX、ゼオライトY、LZ-210、ZSM-20、Na-X、US-Y、Na-Y、及びLi-LSX、及びそれらの2つ以上の混合物からなる群から、より好ましくは、フォージャサイト、ゼオライトX、ゼオライトY、Na-X、US-Y、及びNa-Y、及びそれらの2つ以上の混合物からなる群から、より好ましくは、フォージャサイト、ゼオライトX、及びゼオライトY、及びそれらの2つ以上の混合物からなる群から選択されることが好ましく、より好ましくは、FAU-型骨格構造を有する第1のゼオライト材料は、ゼオライトX及び/又はゼオライトY、好ましくはゼオライトYを含み、より好ましくは、FAU-型骨格構造を有する第1のゼオライト材料は、ゼオライトX及び/又はゼオライトY、好ましくはゼオライトYである。
【0059】
第2のゼオライト材料は、CHA-、AEI-、GME-、及び/又はMFI-型骨格構造、好ましくはCHA-及び/又はAEI-型骨格構造、及びより好ましくはCHA-型骨格構造を有することが好ましい。
【0060】
工程(iii)で得られた第2のゼオライト材料がCHA-型骨格構造を有することが好ましく、好ましくは、CHA-型骨格構造を有するゼオライト材料は、ウィルヘンダーソナイト、ZYT-6、SAPO-47、Na-チャバザイト、チャバザイト、LZ-218、リンデD、リンデR、SAPO-34、ZK-14、K-チャバザイト、MeAPSO-47、Phi、DAF-5、UiO-21、|Li-Na|[Al-Si-O]-CHA、(Ni(deta)2)-UT-6、SSZ-13、及びSSZ-62、及びそれらの2つ以上の混合物からなる群から、より好ましくは、ZYT-6、SAPO-47、Na-チャバザイト、チャバザイト、LZ-218、リンデD、リンデR、SAPO-34、ZK-14、K-チャバザイト、Phi、DAF-5、UiO-21、SSZ-13、及びSSZ-62、及びそれらの2つ以上の混合物からなる群から、より好ましくは、チャバザイト、リンデD、リンデR、SAPO-34、SSZ-13、及びSSZ-62、及びそれらの2つ以上の混合物からなる群から、より好ましくは、チャバザイト、SSZ-13、及びSSZ-62、及びそれらの2つ又は3つの混合物からなる群から選択され、より好ましくは、工程(iii)で得られた第2のゼオライト材料は、チャバザイト及び/又はSSZ-13、好ましくはSSZ-13を含み、そしてより好ましくは、工程(iii)で得られた第2のゼオライト材料は、チャバザイト及び/又はSSZ-13、好ましくはSSZ-13である。
【0061】
第1のゼオライト材料の骨格構造が、互いに独立して、5~120、好ましくは8~80、より好ましくは10~50、より好ましくは15~40、より好ましくは20~30、より好ましくは22~28、及びより好ましくは24~26の範囲のYO:Xモル比を示すことが好ましい。
【0062】
工程(i)で調製され、そして工程(iii)で加熱された混合物が、OHのための少なくとも1つの源をさらに含むことが好ましく、混合物は、第1のゼオライト材料の骨格構造中のヒドロキシド対SiOのOH:SiOモル比を、0.05~1、好ましくは0.1~0.7、より好ましくは0.3~0.6、より好ましくは0.4~0.55、より好ましくは0.45~0.5、より好ましくは0.46~0.49、及びより好ましくは0.47~0.48の範囲に示す。
【0063】
工程(i)で調製した混合物中の1つ以上の溶媒が、水、好ましくは蒸留水を含むことが好ましく、より好ましくは、工程(i)で調製した混合物中の1つ以上の溶媒として、水、好ましくは蒸留水が含有される。
【0064】
工程(i)で調製した混合物中の1つ以上の溶媒が水を含む場合、工程(i)で調製した混合物中の水対酸化物として計算されるSiOのHO:SiOモル比が、3~50、好ましくは7~40、より好ましくは9~30、より好ましくは11~25、より好ましくは13~22、より好ましくは15~20、より好ましくは16~19、及びより好ましくは17~18の範囲であることが好ましい。
【0065】
工程(i)で調製され、そして工程(iii)で加熱された混合物が、OHのための少なくとも1つの源をさらに含むことが好ましく、前記OHのための少なくとも1つの源は、好ましくは金属ヒドロキシド、より好ましくはアルカリ金属Mのヒドロキシド、より好ましくは水酸化ナトリウム及び/又は水酸化カリウム、及びより好ましくは水酸化ナトリウムを含み、より好ましくは、OHのための少なくとも1つの源は水酸化ナトリウムである。
【0066】
工程(i)で調製した混合物が、種結晶をさらに含むことが好ましく、好ましくは、種結晶は、CHA-、AEI-、GME-、及び/又はMFI-型骨格構造を有するゼオライト材料を含み、より好ましくは、種結晶は、CHA-型及び/又はAEI-型骨格構造を有するゼオライト材料を含み、より好ましくは、種結晶のゼオライト材料は、本発明の特定の及び好ましい実施形態の任意の1つによって得ることができる及び/又は得られる。
【0067】
工程(i)で調製した混合物が種結晶をさらに含む場合、好ましくは、種結晶はCHA-、AEI-、GME-、及び/又はMFI-型骨格構造を有するゼオライト材料を含み、種結晶中に含まれるCHA-型骨格構造を有するゼオライト材料が、ウィルヘンダーソナイト、ZYT-6、SAPO-47、Na-チャバザイト、チャバザイト、LZ-218、リンデD、リンデR、SAPO-34、ZK-14、K-チャバザイト、MeAPSO-47、Phi、DAF-5、UiO-21、|Li-Na|[Al-Si-O]-CHA、(Ni(deta)2)-UT-6、SSZ-13、及びSSZ-62、及びそれらの2つ以上の混合物からなる群から、好ましくは、ZYT-6、SAPO-47、Na-チャバザイト、チャバザイト、LZ-218、リンデD、リンデR、SAPO-34、ZK-14、K-チャバザイト、Phi、DAF-5、UiO-21、SSZ-13、及びSSZ-62、及びそれらの2つ以上の混合物からなる群から、より好ましくは、チャバザイト、リンデD、リンデR、SAPO-34、SSZ-13、及びSSZ-62、及びそれらの2つ以上の混合物からなる群から、より好ましくは、チャバザイト、SSZ-13、及びSSZ-62、及びそれらの2つ又は3つの混合物からなる群から選択されることが好ましく、より好ましくは、種結晶中に含まれるCHA-型骨格構造を有するゼオライト材料は、チャバザイト及び/又はSSZ-13、好ましくはSSZ-13である。さらに、且つそれとは独立して、工程(i)で調製され、そして工程(iii)で加熱された混合物中の種結晶の量は、第1のゼオライト材料の骨格構造中のSiOの100質量%に対して0.1~25質量%、好ましくは第1のゼオライト材料の骨格構造中のSiOの100質量%に対して0.5~15質量%、より好ましくは1~10質量%、より好ましくは2~7質量%、より好ましくは3~6質量%、及びより好ましくは4~5質量%の範囲であることが好ましい。
【0068】
1つ以上の構造指示剤が、1つ以上のテトラアルキルアンモニウムカチオンR-含有化合物を含むことが好ましく、式中、R、R、R及びRは、互いに独立してアルキルを表す。
【0069】
1つ以上の構造指示剤が1つ以上のテトラアルキルアンモニウムカチオンR-含有化合物を含み、式中R、R、R及びRが互いに独立してアルキルを表す場合、Rはアダマンチル及び/又はベンジル、好ましくは1-アダマンチルを表すことが好ましい。
【0070】
がアダマンチル及び/又はベンジル、好ましくは1-アダマンチルを表す場合、R、R、及びRは、互いに独立して、任意に置換された及び/又は任意に分岐した(C~C)アルキル、好ましくは(C~C)アルキル、より好ましくは(C~C)アルキル、より好ましくは(C~C)アルキル、及びより好ましくは任意に置換されたメチル又はエチルを表すことが好ましく、より好ましくは、R、R、及びRは、互いに独立して、任意に置換されたメチル又はエチル、好ましくは無置換のメチル又はエチルを表し、より好ましくは、R、R、及びRは、互いに独立して、任意に置換されたメチル、好ましくは無置換のメチルを表す。さらに、且つそれとは独立して、Rは、任意に複素環式及び/又は任意に置換されたアダマンチル及び/又はベンジル、好ましくは任意に複素環式及び/又は任意に置換された1-アダマンチル、より好ましくは任意に置換されたアダマンチル及び/又はベンジル、より好ましくは任意に置換された1-アダマンチル、より好ましくは無置換のアダマンチル及び/又はベンジル、及びより好ましくは無置換の1-アダマンチルを表すことが好ましい。
【0071】
1つ以上のテトラアルキルアンモニウムカチオンR-含有化合物が、1つ以上のN,N,N-トリ(C~C)アルキル-1-アダマンタンモニウム化合物、好ましくは1つ以上のN,N,N-トリ(C~C)アルキル-1-アダマンタンモニウム化合物、より好ましくは1つ以上のN,N,N-トリ(C~C)アルキル-1-アダマンタンモニウム化合物、より好ましくは1つ以上のN,N,N-トリ(C~C)アルキル-1-アダマンタンモニウム及び/又は1つ以上のN,N,N-トリ(C~C)アルキル-1-アダマンタンモニウム化合物、より好ましくは、N,N,N-トリエチル-1-アダマンタンモニウム、N,N-ジエチル-N-メチル-1-アダマンタンモニウム、N,N-ジメチル-N-エチル-1-アダマンタンモニウム、N,N,N-トリメチル-1-アダマンタンモニウム化合物、及びそれらの2つ以上の混合物から選択される1つ以上の化合物を含むことが好ましく、より好ましくは、1つ以上のテトラアルキルアンモニウムカチオンR-含有化合物は、1つ以上のN,N,N-トリメチル-1-アダマンタンモニウム化合物を含む。
【0072】
1つ以上のテトラアルキルアンモニウムカチオンR-含有化合物が、塩、好ましくはハライド、スルフェート、ニトレート、ホスフェート、アセテート、及びそれらの2つ以上の混合物からなる群から、より好ましくはブロミド、クロリド、ヒドロキシド、スルフェート、及びそれらの2つ以上の混合物からなる群から選択される1つ以上の塩であることが好ましく、より好ましくは、1つ以上のテトラアルキルアンモニウムカチオンR-含有化合物は、テトラアルキルアンモニウムヒドロキシド及び/又はスルフェート、及びより好ましくはテトラアルキルアンモニウムヒドロキシドである。
【0073】
1つ以上の構造指示剤が1つ以上のテトラアルキルアンモニウムカチオンR-含有化合物を含み、式中R、R、R及びRが互いに独立してアルキルを表す場合、Rはシクロアルキルを表すことが好ましい。
【0074】
がシクロアルキルを表す場合、R及びRは、互いに独立して、任意に置換された及び/又は任意に分岐した(C~C)アルキル、好ましくは(C~C)アルキル、より好ましくは(C~C)アルキル、より好ましくは(C~C)アルキル、及びより好ましくは任意に置換されたメチル又はエチルを表すことが好ましく、より好ましくは、R及びRは、互いに独立して、任意に置換されたメチル又はエチル、好ましくは無置換のメチル又はエチルを表し、より好ましくは、R及びRは、互いに独立して、任意に置換されたメチル、好ましくは無置換のメチルを表す。
【0075】
が任意に置換された及び/又は任意に分岐した(C~C)アルキル、好ましくは(C~C)アルキル、より好ましくは(C~C)アルキル、より好ましくは(C~C)アルキル、及びより好ましくは任意に置換されたメチル又はエチルを表すことが好ましく、より好ましくは、Rは、任意に置換されたエチル、好ましくは無置換のエチルを表す。
【0076】
が、任意に複素環式及び/又は任意に置換された5員~8員シクロアルキル、好ましくは5員~7員シクロアルキル、より好ましくは5員又は6員シクロアルキルを表すことが好ましく、より好ましくは、Rは、任意に複素環式及び/又は任意に置換された6員シクロアルキル、好ましくは任意に置換されたシクロヘキシル、及びより好ましくは無置換のシクロヘキシルを表す。
【0077】
1つ以上のテトラアルキルアンモニウムカチオンR-含有化合物が、1つ以上のN,N,N-トリ(C~C)アルキル-(C~C)シクロアルキルアンモニウム化合物、好ましくは1つ以上のN,N,N-トリ(C~C)アルキル-(C~C)シクロアルキルアンモニウム化合物、より好ましくは1つ以上のN,N,N-トリ(C~C)アルキル-(C~C)シクロアルキルアンモニウム化合物、より好ましくは1つ以上のN,N,N-トリ(C~C)アルキル-シクロペンチルアンモニウム及び/又は1つ以上のN,N,N-トリ(C~C)アルキル-シクロヘキシルアンモニウム化合物、より好ましくは、N,N,N-トリエチル-シクロヘキシルアンモニウム、N,N-ジエチル-N-メチル-シクロヘキシルアンモニウム、N,N-ジメチル-N-エチル-シクロヘキシルアンモニウム、N,N,N-トリメチル-シクロヘキシルアンモニウム化合物、及びそれらの2つ以上の混合物から選択される1つ以上の化合物を含むことが好ましく、より好ましくは、1つ以上のテトラアルキルアンモニウムカチオンR-含有化合物は、1つ以上のN,N-ジメチル-N-エチル-シクロヘキシルアンモニウム化合物を含む。
【0078】
1つ以上のテトラアルキルアンモニウムカチオンR-含有化合物が、塩、好ましくはハライド、スルフェート、ニトレート、ホスフェート、アセテート、及びそれらの2つ以上の混合物からなる群から、より好ましくはブロミド、クロリド、ヒドロキシド、スルフェート、及びそれらの2つ以上の混合物からなる群から選択される1つ以上の塩であることが好ましく、より好ましくは、1つ以上のテトラアルキルアンモニウムカチオンR-含有化合物は、テトラアルキルアンモニウムヒドロキシド及び/又はスルフェート、及びより好ましくはテトラアルキルアンモニウムヒドロキシドである。
【0079】
1つ以上の構造指示剤が、1つ以上のテトラアルキルアンモニウムカチオンR-含有化合物を含むことが好ましく、工程(i)で調製され、そして工程(iii)で加熱された混合物が、第1のゼオライト材料の骨格構造中の1つ以上のテトラアルキルアンモニウムカチオン対SiOのR:SiOモル比を0.05~1.5、好ましくは0.1~0.8、より好ましくは0.3~0.5、より好ましくは0.5~0.3、より好ましくは0.7~0.2、より好ましくは0.8~0.15、より好ましくは0.85~0.12、より好ましくは0.9~0.11、及びより好ましくは0.95~0.1の範囲に示す。
【0080】
工程(iii)において、混合物を70~300℃、好ましくは90~280℃、より好ましくは120~250℃、より好ましくは140~230℃、より好ましくは160~220℃、より好ましくは180~210℃、及びより好ましくは190~200℃の範囲の温度に加熱することが好ましい。
【0081】
ゼオライト材料が、その骨格構造中にTiOをさらに含むことが好ましく、工程(i)における混合物は、TiOの1つ以上の源をさらに含み、そして1つ以上の構造指示剤は、好ましくは1つ以上のテトラアルキルアンモニウムカチオンR-含有化合物を含み、R、R、R及びRは互いに独立してアルキルを表す。
【0082】
ゼオライト材料がその骨格構造中にTiOをさらに含み、工程(i)における混合物がTiOの1つ以上の源をさらに含む場合、工程(iii)で得られたゼオライト材料が、MFI、MEL、IMF、SVY、FER、SVR、及びそれらの2つ以上の相互成長構造からなる群から選択される骨格構造型を有することが好ましく、好ましくは、工程(iii)で得られたゼオライト材料が、MFI-及び/又はMEL-型骨格構造、好ましくはMFI-型骨格構造を有する。
【0083】
工程(i)で調製した混合物中の1つ以上の溶媒が水、好ましくは蒸留水を含むことが好ましく、より好ましくは、工程(i)で調製した混合物中の1つ以上の溶媒として、水、好ましくは蒸留水が含有される。
【0084】
工程(i)で調製した混合物中の1つ以上の溶媒が水を含む場合、工程(i)で調製した混合物中の水対SiOとして計算される1つ以上のSi源のHO:SiOモル比が、2~13、好ましくは3~11、より好ましくは4~10、より好ましくは4.5~9.5、より好ましくは5~9、より好ましくは5.5~8.5、より好ましくは6~8、及びより好ましくは6.5~7.5の範囲であることが好ましい。
【0085】
、R、R、及びRが、互いに独立して、任意に分岐した(C~C)アルキル、好ましくは(C~C)アルキル、より好ましくは(C~C)アルキル、及びより好ましくは任意に分岐した(C~C)アルキルを表すことが好ましく、より好ましくは、R、R、R及びRは、互いに独立してエチル又はプロピルを表し、より好ましくは、R、R、R及びRは、プロピル、好ましくはn-プロピルを表す。
【0086】
1つ以上のテトラアルキルアンモニウムカチオンR-含有化合物が、互いに独立して、塩、好ましくは、ハライド、好ましくはクロリド及び/又はブロミド、より好ましくはクロリド、ヒドロキシド、スルフェート、ニトレート、ホスフェート、アセテート、及びそれらの2つ以上の混合物からなる群から、より好ましくはクロリド、ヒドロキシド、スルフェート及びそれらの2つ以上の混合物からなる群から選択される塩であることが好ましく、より好ましくは、1つ以上のテトラアルキルアンモニウムカチオンR-含有化合物は、テトラアルキルアンモニウムヒドロキシド及び/又はクロリド、及びより好ましくはテトラアルキルアンモニウムヒドロキシドである。
【0087】
工程(i)で調製され、工程(iii)で結晶化された混合物が、1つ以上のテトラアルキルアンモニウムカチオンR-含有化合物対SiOとして計算されるSiの1つ以上の源のモル比を、0.001~1.5、好ましくは0.005~1、より好ましくは0.01~0.7、より好ましくは0.05~0.5、より好ましくは0.07~0.4、より好ましくは0.1~0.3、より好ましくは0.13~0.25、より好ましくは0.15~0.22、及びさらにより好ましくは0.17~0.19の範囲で示すことが好ましい。
【0088】
SiOの1つ以上の源が、SiO、シリカ、シリケート、及びそれらの混合物からなる群から、
好ましくはヒュームドシリカ、シリカヒドロゾル、反応性非晶質固体シリカ、シリカゲル、ケイ酸、水ガラス、ナトリウムメタシリケートヒドレート、セスキシリケート、ジシリケート、コロイダルシリカ、焼成シリカ、ケイ酸エステル、テトラアルコキシシラン、及びそれらの2つ以上の混合物からなる群から、
より好ましくは、シリカヒドロゾル、シリカゲル、ケイ酸、水ガラス、ナトリウムメタシリケートヒドレート、コロイダルシリカ、ケイ酸エステル、テトラアルコキシシラン、及びそれらの2つ以上の混合物からなる群から、
より好ましくは、シリカヒドロゾル、ケイ酸、コロイダルシリカ、ケイ酸エステル、テトラアルコキシシラン、及びそれらの2つ以上の混合物からなる群から選択される1つ以上の化合物を含むことが好ましく、
より好ましくは、SiOの1つ以上の源は、(C~C)テトラアルコキシシラン及びそれらの2つ以上の混合物、好ましくは(C~C)テトラアルコキシシラン及びそれらの2つ以上の混合物、より好ましくは(C~C)テトラアルコキシシラン及びそれらの2つ以上の混合物、より好ましくは(C~C)テトラアルコキシシラン及びそれらの2つ以上の混合物からなる群から選択される1つ以上のテトラアルコキシシランを含み、より好ましくは、SiOの1つ以上の源は、テトラメトキシシラン及び/又はテトラエトキシシラン、好ましくはテトラエトキシシランを含み、そしてより好ましくは、Siの1つ以上の源は、テトラメトキシシラン及び/又はテトラエトキシシラン、好ましくはテトラエトキシシランである。
【0089】
Tiの1つ以上の源が、酸化チタン、チタン塩、チタニル化合物、チタン酸、チタン酸エステル、及びそれらの2つ以上の混合物からなる群から選択される1つ以上の化合物、好ましくは、テトラブチルオルトチタネート、テトライソプロピルオルトチタネート、テトラエチルオルトチタネート、二酸化チタン、チタニウムテトラクロリド、チタニウムtert-ブトキシド、TiOSO及び/又はKTiOPO、及びそれらの2つ以上の混合物からなる群から、より好ましくは、テトラブチルオルトチタネート、テトライソプロピルオルトチタネート、テトラエチルオルトチタネート、二酸化チタン、チタニウムテトラクロリド、チタニウムtert-ブトキシド、及びそれらの2つ以上の混合物からなる群から選択される1つ以上の化合物を含むことが好ましく、チタン源は、好ましくはテトラメチル及び/又はテトラエチルオルトチタネート、より好ましくはテトラエチルオルトチタネートである。
【0090】
工程(i)で調製した混合物の、SiOとして計算されるSiOの1つ以上の源対TiOとして計算されるTiOの1つ以上の源のSiO:TiOモル比が、1~500、好ましくは2~200、より好ましくは5~150、より好ましくは10~100、より好ましくは20~70、より好ましくは25~50、より好ましくは30~45、及びより好ましくは35~40の範囲であることが好ましい。
【0091】
工程(iii)において、混合物を90~280℃、好ましくは110~250℃、より好ましくは130~220℃、より好ましくは150~200℃、より好ましくは160~190℃、及びより好ましくは170~180℃の範囲の温度に加熱することが好ましい。
【0092】
工程(ii)の前に、工程(i)で調製した混合物を40~120℃、好ましくは50~115℃、より好ましくは60~110℃、より好ましくは70~105℃、より好ましくは80~100℃、及びより好ましくは85~95℃の範囲の温度でエージングさせることが好ましい。
【0093】
工程(ii)の前に、工程(i)で調製した混合物を0.05~48時間、より好ましくは0.15~24時間、より好ましくは0.25~12時間、より好ましくは0.5~6時間、より好ましくは0.75~3時間、より好ましくは1~2時間、及びより好ましくは1.25~1.75時間の範囲の期間でエージングさせることが好ましい。
【0094】
方法が、
(iv) 工程(iii)で得られたゼオライト材料を、好ましくは濾過によって、より好ましくは膜濾過によって、及びより好ましくはクロスフロー濾過によって、濃縮する工程、
及び/又は、好ましくは及び、
(v) 工程(iii)又は(iv)で得られたゼオライト材料を、1つ以上の溶媒を含む液体で洗浄する工程、
及び/又は、好ましくは及び
(vi) 工程(iii)、(iv)又は(v)で得られたゼオライト材料を乾燥する工程、
及び/又は、好ましくは及び
(vii) 工程(iii)、(iv)、(v)又は(vi)で得られたゼオライト材料を焼成する工程
をさらに含むことが好ましい。
【0095】
方法が、
(iv) 工程(iii)で得られたゼオライト材料を、好ましくは濾過によって、より好ましくは膜濾過によって、及びより好ましくはクロスフロー濾過によって、濃縮する工程、
及び/又は、好ましくは及び、
(v) 工程(iii)又は(iv)で得られたゼオライト材料を、1つ以上の溶媒を含む液体で洗浄する工程、
及び/又は、好ましくは及び
(vi) 工程(iii)、(iv)又は(v)で得られたゼオライト材料を乾燥する工程、
及び/又は、好ましくは及び
(vii) 工程(iii)、(iv)、(v)又は(vi)で得られたゼオライト材料を焼成する工程
をさらに含む場合、工程(iv)における濃縮及び工程(v)における洗浄が、順に連続する2段階以上、好ましくは2~10段階、より好ましくは3~8段階、より好ましくは3~7段階、より好ましくは4~6段階、及びより好ましくは4~5段階の膜濾過で同時に行われることが好ましく、膜濾過の1つの段階の保持液は、後続の段階に供給される際に1つ以上の溶媒を含む液体で希釈される。
【0096】
工程(iv)における濃縮及び工程(v)における洗浄が順に連続する2段階以上の膜濾過で同時に行われ、膜濾過の1つの段階の保持液が後続の段階に供給される際に1つ以上の溶媒を含む液体で希釈される場合、工程(i)で連続的に調製した混合物から1つ以上の構造指示剤の一部を含む膜濾過の1つの段階の透過液を、工程(i)に連続的に再循環させることが好ましい。
【0097】
膜濾過は、0.2~60バール、好ましくは0.5~20バール、より好ましくは1~15バール、より好ましくは3~12バール、及びより好ましくは5~8バールの範囲の圧力で行われることが好ましい。
【0098】
膜濾過は、20~200℃の範囲、好ましくは50~150℃、より好ましくは80~120℃、より好ましくは90~110℃、及びより好ましくは97~103℃の範囲の温度で行われることが好ましい。
【0099】
膜濾過はクロスフロー濾過であることが好ましい。
【0100】
膜濾過がクロスフロー濾過である場合、クロスフロー濾過は、1つ以上の順に連続するクロスフロー濾過ユニット、好ましくは1~10個の順に連続するクロスフロー濾過ユニット、より好ましくは2~9個の順に連続するクロスフロー濾過ユニット、より好ましくは3~8個の順に連続するクロスフロー濾過ユニット、より好ましくは4~6個の順に連続するクロスフロー濾過ユニット、及びより好ましくは4~5個の順に連続するクロスフロー濾過ユニットで行われることが好ましい。
【0101】
クロスフロー濾過が1つ以上の順に連続するクロスフロー濾過ユニットで行われる場合、1つ以上の順に連続するクロスフロー濾過ユニットの各々は、10~10,000本の管、好ましくは250~7,500本の管、より好ましくは500~5,000本の管、より好ましくは750~2,500本の管、及びより好ましくは975~1025本の管を含むことが好ましい。
【0102】
1つ以上の順に連続するクロスフロー濾過ユニットの各々が10~10,000本の管を含む場合、管の内径は2~25mmの範囲、好ましくは3~20mm、より好ましくは4~15mm、より好ましくは5~10mm、及びより好ましくは5.5~6.5mmの範囲であることが好ましい。
【0103】
工程(v)において、液体が、極性プロトン性溶媒及びそれらの混合物からなる群から、好ましくは、n-ブタノール、イソプロパノール、プロパノール、エタノール、メタノール、水、及びそれらの混合物からなる群から、より好ましくは、エタノール、メタノール、水、及びそれらの混合物からなる群から選択される1つ以上の溶媒を含むことが好ましく、より好ましくは液体は水を含み、そしてより好ましくは、液体として水、好ましくは脱イオン水が使用される。
【0104】
工程(vi)における乾燥は、50~220℃、好ましくは70~190℃、より好ましくは80~170℃、より好ましくは90~150℃、より好ましくは100~140℃、及びより好ましくは110~130℃の範囲の温度で行われることが好ましい。
【0105】
工程(vi)におけるゼオライト材料の乾燥が、工程(iii)、(iv)又は(v)で得られたゼオライト材料を噴霧乾燥する工程を含むことが好ましい。
【0106】
工程(vi)におけるゼオライト材料の乾燥が、工程(iii)、(iv)又は(v)で得られたゼオライト材料を噴霧乾燥する工程を含む場合、噴霧乾燥は、100~500℃、好ましくは150~450℃、より好ましくは200~400℃、より好ましくは250~350℃、及びより好ましくは275~325℃の範囲の温度を有する乾燥ガスを用いて行われることが好ましい。
【0107】
本発明はまた、本発明の特定の及び好ましい実施形態の任意の1つの方法によって得ることができる及び/又は得られるゼオライト材料に関する。
【0108】
ゼオライト材料がCHA-骨格構造を有することが好ましく、好ましくは、ゼオライト材料は、ウィルヘンダーソナイト、ZYT-6、SAPO-47、Na-チャバザイト、チャバザイト、LZ-218、リンデD、リンデR、SAPO-34、ZK-14、K-チャバザイト、MeAPSO-47、Phi、DAF-5、UiO-21、|Li-Na|[Al-Si-O]-CHA、(Ni(deta)2)-UT-6、SSZ-13、及びSSZ-62、及びそれらの2つ以上の混合物からなる群から、より好ましくは、ZYT-6、SAPO-47、Na-チャバザイト、チャバザイト、LZ-218、リンデD、リンデR、SAPO-34、ZK-14、K-チャバザイト、Phi、DAF-5、UiO-21、SSZ-13、及びSSZ-62、及びそれらの2つ以上の混合物からなる群から、より好ましくは、チャバザイト、リンデD、リンデR、SAPO-34、SSZ-13、及びSSZ-62、及びそれらの2つ以上の混合物からなる群から、より好ましくは、チャバザイト、SSZ-13、及びSSZ-62、及びそれらの2つ又は3つの混合物からなる群から選択され、より好ましくは、ゼオライト材料はチャバザイト及び/又はSSZ-13、好ましくはSSZ-13を含み、そしてより好ましくは、ゼオライト材料はチャバザイト及び/又はSSZ-13、好ましくはSSZ-13である。
【0109】
本発明はまた、本発明の特定の及び好ましい実施形態の任意によるゼオライト材料を、分子ふるいとして、吸着剤として、イオン交換のために、又は触媒として及び/又は触媒担体として、好ましくは触媒及び/又は触媒担体として、窒素酸化物NOの選択的触媒還元(SCR)のために、COの貯蔵及び/又は吸着のために、NHの酸化のために、特にディーゼルシステムにおけるNHスリップの酸化のために、NOの分解のために、流動接触分解(FCC)プロセスにおける添加剤として、及び/又は触媒及び/又は触媒担体として、有機転化反応において、好ましくはアルコールからオレフィンへの転化において、及びより好ましくはメタノールからオレフィンへの(MTO)触媒作用において、より好ましくは窒素酸化物NOの選択的触媒還元(SCR)のために、そしてより好ましくは、燃焼エンジンからの、好ましくはディーゼルエンジン又は希薄燃焼ガソリンエンジンからの排気ガス中の窒素酸化物NOの選択的触媒還元(SCR)のために、使用する方法に関する。
【0110】
本発明の特定の及び好ましい実施形態の任意の1つの方法によって得ることができる及び/又は得られるゼオライト材料の場合、ゼオライト材料がMFI-型骨格構造を有することが好ましく、MFI-型骨格構造を有するゼオライト材料はTS-1を含み、より好ましくは、ゼオライト材料はTS-1である。
【0111】
本発明はまた、本発明の特定の及び好ましい実施形態の任意によるゼオライト材料を、分子ふるいとして、吸着剤として、イオン交換のために、又は触媒として及び/又は触媒担体として、好ましくは触媒及び/又は触媒担体として、C-C結合形成及び/又は転化を含む反応において、そして好ましくは触媒及び/又は触媒担体として、異性化反応において、アンモキシド化反応において、アミノ化反応において、水素化分解反応において、アルキル化反応において、アシル化反応において、アルカンからオレフィンへの転化のための反応において、又は1つ以上のオキシゲネートのオレフィン及び/又は芳香族への転化のための反応において、過酸化水素の合成のための反応において、アルドール縮合反応において、エポキシドの異性化のための反応において、トランスエステル化反応において、又はエポキシ化反応において、好ましくは触媒及び/又は触媒担体としてオレフィンのエポキシ化のための反応において、より好ましくはC2~C5アルケンのエポキシ化のための反応において、より好ましくはC2~C4アルケンのエポキシ化のための反応において、C2又はC3アルケンのエポキシ化のための、より好ましくはC3アルケンのエポキシ化のための反応において、そしてより好ましくは触媒としてプロピレンのプロピレンオキシドへの転化のために、使用する方法に関する。
【0112】
本発明は、以下の実施形態のセット及び示される従属項及び後方参照から生じる実施形態の組み合わせによってさらに例示される。特に、実施形態の範囲が言及されている各例において、例えば「実施形態1から4のいずれか1つに記載の方法」などの用語の文脈において、この範囲の全ての実施形態は、当業者にとって明示的に開示されることを意味し、すなわち、この用語の表現は、「実施形態1、2、3、及び4のいずれか1つに記載の方法」と同義であると当業者によって理解されるものであることに留意されたい。さらに、以下の実施形態のセットは、保護の範囲を決定する特許請求の範囲のセットではなく、本発明の一般的且つ好ましい態様に関する記述の好適に構成された部分を表すことに明示的に留意されたい。
【0113】
1. 骨格構造中にSiOを含むゼオライト材料を製造するための連続的方法であって、
(i) 1つ以上の溶媒、1つ以上の構造指示剤、及び1つ以上のSiOの源を含む混合物を連続的に調製する工程、
(ii) 工程(i)で調製した混合物を1つ以上の連続フロー反応器に連続的に供給する工程、及び
(iii) 混合物を1つ以上の連続フロー反応器内で加熱して、骨格構造中にSiOを含むゼオライト材料を連続的に得る工程
を含み、
1つ以上の連続フロー反応器内に含有される混合物は、脈動流レジームに供される、方法。
【0114】
2. 脈動流レジームによって達成される最大剪断速度が、0~2,500秒-1、好ましくは0~1,500秒-1、より好ましくは0~1000秒-1、より好ましくは0~700秒-1、より好ましくは0~500秒-1、より好ましくは0~400秒-1、より好ましくは0~300秒-1、より好ましくは0~250秒-1、より好ましくは0~200秒-1、より好ましくは0~150秒-1、より好ましくは0~100秒-1、及びより好ましくは0~50秒-1の範囲である、実施形態1に記載の連続的方法。
【0115】
3. 工程(i)の後及び(ii)の前に、工程(i)で調製した混合物が均質化され、均質化が好ましくは混合物の撹拌によって達成される、実施形態1又は2に記載の連続的方法。
【0116】
4. 均質化が2つの連続撹拌タンク反応器(CSTR)で行われ、第1のCSTRが連続的方法において第2のCSTRの上流に位置し、そして第1のCSTRで得られた混合物が第2のCSTRに連続的に供給される、実施形態3に記載の連続的方法。
【0117】
5.第1のCSTRが、1つ以上のバッフルをそれぞれ備えた1つ以上の撹拌シャフトを用いる、実施形態4に記載の連続的方法。
【0118】
6.第1のCSTRが、20~120℃の範囲、好ましくは21~80℃、より好ましくは22~40℃、より好ましくは23~30℃、及びより好ましくは24~26℃の範囲の温度で運転される、実施形態4又は5に記載の連続的方法。
【0119】
7.第1のCSTRが、1~3バールの範囲、好ましくは1~2.5バール、より好ましくは1~2バール、より好ましくは1~1.5バール、及びより好ましくは1~1.2バールの範囲の圧力で運転される、実施形態4から6のいずれかに記載の連続的方法。
【0120】
8.第1のCSTRが、10~1,000Lの範囲、好ましくは100~800L、より好ましくは150~600L、より好ましくは200~400L、及びより好ましくは240~260Lの範囲の容量を有する、実施形態4から7のいずれかに記載の連続的方法。
【0121】
9. 第2のCSTRが、1つ以上のスパイラルスターラーをそれぞれ備えた1つ以上の撹拌シャフトを用いる、実施形態4から8のいずれかに記載の連続的方法。
【0122】
10. 第2のCSTRが、20~120℃の範囲、好ましくは21~80℃、より好ましくは22~40℃、より好ましくは23~30℃、及びより好ましくは24~26℃の範囲の温度で運転される、実施形態4から9のいずれかに記載の連続的方法。
【0123】
11. 第2のCSTRが、1~3バールの範囲、好ましくは1~2.5バール、より好ましくは1~2バール、より好ましくは1~1.5バール、及びより好ましくは1~1.2バールの範囲の圧力で運転される、実施形態4から10のいずれかに記載の連続的方法。
【0124】
12. 第2のCSTRが、20~2,000Lの範囲、好ましくは200~1,200L、より好ましくは300~800L、より好ましくは450~550L、及びより好ましくは490~510Lの範囲の容量を有する、実施形態4から11のいずれかに記載の連続的方法。
【0125】
13. 工程(ii)において、工程(i)で連続的に調製された混合物が、10~2,000kg/h、好ましくは50~1200kg/h、より好ましくは100~800kg/h、より好ましくは150~400kg/h、より好ましくは250~350kg/h、及び好ましくは290~310kg/hの範囲の速度で、1つ以上の連続フロー反応器に、連続的に供給される、実施形態1から12のいずれかに記載の連続的方法。
【0126】
14. 工程(ii)において、工程(i)で連続的に調製された混合物が、1~10個の連続フロー反応器、好ましくは1~8個の連続フロー反応器、より好ましくは1~6個の連続フロー反応器、より好ましくは1~4個の連続フロー反応器、及びより好ましくは2~3個の連続フロー反応器に連続的に供給される、実施形態1から13のいずれかに記載の連続的方法。
【0127】
15. 工程(ii)において、連続供給が、1つ以上の投与ポンプで、好ましくは連続フロー反応器1つ当たり1つの投与ポンプで送り込むことによって達成される、実施形態1から14のいずれかに記載の連続的方法。
【0128】
16. 1つ以上の投与ポンプが、反応温度において反応混合物の蒸気圧超を構築することができる投与ポンプから選択され、好ましくは、1つ以上の投与ポンプが、ピストンダイヤフラムポンプ、及びより好ましくは脈動ダンパーを有するピストンダイヤフラムポンプである、実施形態15に記載の連続的方法。
【0129】
17. 1つ以上の投与ポンプの各々が、5~500kg/hの範囲、好ましくは20~400kg/h、より好ましくは40~300kg/h、より好ましくは80~150kg/h、及びより好ましくは90~110kg/hの範囲の速度で運転される、実施形態15又は16に記載の連続的方法。
【0130】
18. 1つ以上の投与ポンプの各々が、0.5~15MPaの範囲、好ましくは1~10MPa、より好ましくは1.5~8MPa、より好ましくは2~6MPa、より好ましくは2.5~5.5MPa、より好ましくは3~5MPa、より好ましくは3.5~4.5MPa、及びより好ましくは3.8~4.2MPaの範囲の圧力で運転され、この圧力は1つ以上の投与ポンプの出口で生じる圧力を指す、実施形態15から17のいずれかに記載の連続的方法。
【0131】
19. 脈動流レジームが、流れの一般的な方向における、又は流れの一般的な方向とその逆方向とにおける半連続的な流れレジームによって達成され、流れの一般的な方向は、工程(i)で調製した混合物が連続的に供給される1つ以上の連続フロー反応器の各々の入口端と、工程(iii)で得られたゼオライト材料が連続的に回収される1つ以上の連続フロー反応器の各々の出口端とによって画定される、実施形態1から18のいずれかに記載の連続的方法。
【0132】
20. 脈動流レジームが、流れの一般的な方向における、又は流れの一般的な方向とその逆方向とにおける脈動運動によって達成される、実施形態19に記載の連続的方法。
【0133】
21. 脈動の周波数が0.001~1秒-1、好ましくは0.003~0.7秒-1、より好ましくは0.005~0.4秒-1、より好ましくは0.008~0.2秒-1、より好ましくは0.01~0.15秒-1、より好ましくは0.04~0.1秒-1、及びより好ましくは0.05~0.07秒-1の範囲である、実施形態20に記載の連続的方法。
【0134】
22. 脈動流レジームが、流れの方向を流れの一般的な方向とその逆方向とにおいて周期的に交代させることにより達成される、実施形態19から21のいずれかに記載の連続的方法。
【0135】
23. 流れの方向の交代の周波数が、0.01~3秒-1、好ましくは0.03~2秒-1、より好ましくは0.05~1.5秒-1、より好ましくは0.08~1.2秒-1、より好ましくは0.1~1秒-1、より好ましくは0.15~0.8秒-1、及びより好ましくは0.2~0.5秒-1の範囲である、実施形態22に記載の連続的方法。
【0136】
24. 工程(ii)における連続供給が、0.1~10h-1の範囲、好ましくは0.5~8h-1、より好ましくは1~6h-1、より好ましくは1.25~4h-1及びより好ましくは1.5~2h-1の範囲の液体時空間速度で行われる、実施形態1から23のいずれかに記載の連続的方法。
【0137】
25. 工程(iii)において、混合物を、90~280℃の範囲、好ましくは100~270℃、より好ましくは150~260℃、より好ましくは200~265℃、及びより好ましくは248~252℃の範囲の温度に加熱する、実施形態1から24のいずれかに記載の連続的方法。
【0138】
26. 工程(iii)において、混合物が自発生圧力下で加熱され、好ましくは、圧力は0.5~15MPa、より好ましくは1~10MPa、より好ましくは1.5~8MPa、より好ましくは2~6MPa、より好ましくは2.5~5.5MPa、より好ましくは3~5MPa、より好ましくは3.5~4.5MPa、及びより好ましくは3.8~4.2MPaの範囲である、実施形態1から25のいずれかに記載の連続的方法。
【0139】
27. 工程(ii)において、工程(i)で調製した混合物を、5~365日、好ましくは10~300日、より好ましくは15~240日、より好ましくは30~180日、より好ましくは50~120日、及びより好ましくは80~100日の範囲の期間、1つ以上の連続フロー反応器に連続的に供給する、実施形態1から26のいずれかに記載の連続的方法。
【0140】
28. 工程(iii)で結晶化される供給物を構成する混合物が2液相からなり、第1液相は水を含む水相であり、そして第2液相は潤滑剤を含み、潤滑剤は好ましくは1つ以上のフッ素化合物を含む、実施形態1から27のいずれかに記載の連続的方法。
【0141】
29. 潤滑剤が、1つ以上のフッ素化ポリマー、好ましくは1つ以上のフッ素化ポリエーテル、及びより好ましくは1つ以上のパーフルオロポリエーテルを含む、実施形態28に記載の連続的方法。
【0142】
30. 潤滑剤が1つ以上のフルオロカーボン、好ましくは1つ以上のパーフルオロカーボンを含み、より好ましくは潤滑剤がパーフルオロデカリンを含む、実施形態28又は29に記載の連続的方法。
【0143】
31. 潤滑剤が液体パラフィンを含む、実施形態28から30のいずれかに記載の連続的方法。
【0144】
32. 1つ以上の連続フロー反応器の各々の容積が、0.5~1,000Lの範囲、好ましくは20~750L、より好ましくは30~250L、より好ましくは40~90L、及びより好ましくは49~51Lの範囲である、実施形態1から31のいずれかに記載の連続的方法。
【0145】
33. 1つ以上の連続フロー反応器の各々が、管形反応器、リング反応器、及び連続振動反応器の中から、好ましくは平管形反応器、管形膜反応器、リング反応器、連続振動バッフル反応器、及びそれらの組み合わせの中から選択され、より好ましくは、1つ以上の連続フロー反応器の各々が平管形反応器及び/又はリング反応器であり、より好ましくは、1つ以上の連続フロー反応器の各々が平管形反応器である、実施形態1から32のいずれかに記載の連続的方法。
【0146】
34. 1つ以上の連続フロー反応器の各々が、流れの方向に対して直線状であり、及び/又は1つ以上の曲線を含み、好ましくは、1つ以上の連続フロー反応器の各々が、流れの方向に対して直線状であり、及び/又はコイル状の形態を有し、より好ましくは、1つ以上の連続フロー反応器の各々が、流れの方向に対してコイル状の形態を有する、実施形態1から33のいずれかに記載の連続的方法。
【0147】
35. コイル形態の内径が6~100mm、好ましくは7~80mm、より好ましくは8~60mm、より好ましくは9~40mm、より好ましくは10~25mm、及びより好ましくは15~10mmの範囲である、実施形態34に記載の連続的方法。
【0148】
36. 1つ以上の連続フロー反応器の各々が管形反応器であり、管形反応器の少なくとも一部が、流れの方向に垂直な一定の内径を有する正円筒形のものであり、この内径は、好ましくは5~250mmの範囲、より好ましくは10~200mmの範囲、より好ましくは15~150mmの範囲、より好ましくは20~75mmの範囲、及びより好ましくは23~27mmの範囲である、実施形態1から35のいずれかに記載の連続的方法。
【0149】
37. 1つ以上の連続フロー反応器の各々が、1~500mの範囲、好ましくは30~400m、より好ましくは50~300m、より好ましくは85~150m、及びより好ましくは98~102mの範囲の長さを有する、実施形態1から36のいずれかに記載の連続的方法。
【0150】
38. 1つ以上の連続フロー反応器の各々の壁が金属材料でできており、金属材料は、Ta、Cr、Fe、Ni、Cu、Al、Mo、及びそれらの2つ以上の組み合わせ及び/又は合金からなる群から、好ましくはTa、Cr、Fe、Ni、Mo、及びそれらの2つ以上の組み合わせ及び/又は合金からなる群から、好ましくはCr、Fe、Ni、Mo、及びそれらの2つ以上の組み合わせ及び/又は合金からなる群から選択される1つ以上の金属を含み、好ましくは、金属材料はステンレス鋼を含み、より好ましくは、金属材料はステンレス鋼からなる、実施形態1から37のいずれかに記載の連続的方法。
【0151】
39. 1つ以上の連続フロー反応器の各々の内壁の表面が有機ポリマー材料で裏打ちされており、有機ポリマー材料は、好ましくは、フッ素化ポリアルキレン及びそれらの2つ以上の混合物からなる群から、好ましくは、(C2~C3)ポリアルキレン及びそれらの2つ以上の混合物からなる群から、好ましくは、フッ素化ポリエチレン及びそれらの2つ以上の混合物からなる群から選択される1つ以上のポリマーを含み、より好ましくは、ポリマー材料はポリ(テトラフルオロエチレン)を含み、より好ましくは、1つ以上の連続フロー反応器の各々の内壁はポリ(テトラフルオロエチレン)で裏打ちされている、実施形態1から38のいずれかに記載の連続的方法。
【0152】
40. 1つ以上の連続フロー反応器の各々の内壁の表面が、ポリシロキサン、好ましくは式[RSiO]を有するビルディングブロックを含むポリシロキサンで裏打ちされており、式中、Rは好ましくは有機基、より好ましくはアルキル基及び/又はフェニル基である、実施形態1から39のいずれかに記載の連続的方法。
【0153】
41. 1つ以上の連続フロー反応器の各々が単段からなる、実施形態1から40のいずれかに記載の連続的方法。
【0154】
42. 1つ以上の連続フロー反応器を連続的に出る反応混合物が、反応混合物の100質量%に対して2~50質量%、好ましくは、反応混合物の100質量%に対して4~40質量%、より好ましくは6~30質量%、より好ましくは10~20質量%、及びより好ましくは13~15質量%の範囲の固形分含量を示す、実施形態1から41のいずれかに記載の連続的方法。
【0155】
43. ゼオライト材料がその骨格構造中にXをさらに含み、式中、Xは3価の元素を表し、そして工程(i)における混合物はXの1つ以上の源をさらに含む、実施形態1から42のいずれかに記載の連続的方法。
【0156】
44. Xが、Al、B、In、Ga、及びそれらの2つ以上の混合物からなる群から選択され、Xは好ましくはAl及び/又はBであり、そしてより好ましくはAlである、実施形態43に記載の連続的方法。
【0157】
45. SiO及びXの1つ以上の源が、骨格構造中にSiO及びXを含む第1のゼオライト材料を含み、そして
工程(iii)において、混合物を1つ以上の連続フロー反応器中で加熱して骨格構造中にSiO及びXを含む第2のゼオライト材料を得、工程(iii)で得られた第2のゼオライト材料が工程(i)で調製した混合物に含有される第1のゼオライト材料とは異なる型の骨格構造を有する、実施形態43又は44に記載の連続的方法。
【0158】
46. 第1のゼオライト材料が、FAU-、GIS-、MOR-、LTA-、FER-、TON-、MTT-、BEA-、MEL-、MWW-、MFS-、及び/又はMFI-型骨格構造、好ましくはFAU-、GIS-、BEA-、及び/又はMFI-型骨格構造、より好ましくはFAU-及び/又はBEA-型骨格構造、及びより好ましくはFAU-型骨格構造を有する、実施形態45に記載の連続的方法。
【0159】
47. FAU-型骨格構造を有する第1のゼオライト材料が、ZSM-3、フォージャサイト、[Al-Ge-O]-FAU、CSZ-1、ECR-30、ゼオライトX、ゼオライトY、LZ-210、SAPO-37、ZSM-20、Na-X、US-Y、Na-Y、[Ga-Ge-O]-FAU、Li-LSX、[Ga-Al-Si-O]-FAU、及び[Ga-Si-O]-FAU、及びそれらの2つ以上の混合物からなる群から、好ましくは、ZSM-3、フォージャサイト、CSZ-1、ECR-30、ゼオライトX、ゼオライトY、LZ-210、ZSM-20、Na-X、US-Y、Na-Y、及びLi-LSX、及びそれらの2つ以上の混合物からなる群から、より好ましくは、フォージャサイト、ゼオライトX、ゼオライトY、Na-X、US-Y、及びNa-Y、及びそれらの2つ以上の混合物からなる群から、より好ましくは、フォージャサイト、ゼオライトX、及びゼオライトY、及びそれらの2つ以上の混合物からなる群から選択され、より好ましくは、FAU-型骨格構造を有する第1のゼオライト材料は、ゼオライトX及び/又はゼオライトY、好ましくはゼオライトYを含み、より好ましくは、FAU-型骨格構造を有する第1のゼオライト材料は、ゼオライトX及び/又はゼオライトY、好ましくはゼオライトYである、実施形態45又は46に記載の連続的方法。
【0160】
48. 第2のゼオライト材料が、CHA-、AEI-、GME-、及び/又はMFI-型骨格構造、好ましくはCHA-及び/又はAEI-型骨格構造、及びより好ましくはCHA-型骨格構造を有する、実施形態45から47のいずれかに記載の連続的方法。
【0161】
49. 工程(iii)で得られた第2のゼオライト材料がCHA-型骨格構造を有し、好ましくは、CHA-型骨格構造を有するゼオライト材料は、ウィルヘンダーソナイト、ZYT-6、SAPO-47、Na-チャバザイト、チャバザイト、LZ-218、リンデD、リンデR、SAPO-34、ZK-14、K-チャバザイト、MeAPSO-47、Phi、DAF-5、UiO-21、|Li-Na|[Al-Si-O]-CHA、(Ni(deta)2)-UT-6、SSZ-13、及びSSZ-62、及びそれらの2つ以上の混合物からなる群から、より好ましくは、ZYT-6、SAPO-47、Na-チャバザイト、チャバザイト、LZ-218、リンデD、リンデR、SAPO-34、ZK-14、K-チャバザイト、Phi、DAF-5、UiO-21、SSZ-13、及びSSZ-62、及びそれらの2つ以上の混合物からなる群から、より好ましくは、チャバザイト、リンデD、リンデR、SAPO-34、SSZ-13、及びSSZ-62、及びそれらの2つ以上の混合物からなる群から、より好ましくは、チャバザイト、SSZ-13、及びSSZ-62、及びそれらの2つ又は3つの混合物からなる群から選択され、より好ましくは、工程(iii)で得られた第2のゼオライト材料は、チャバザイト及び/又はSSZ-13、好ましくはSSZ-13を含み、そしてより好ましくは、工程(iii)で得られた第2のゼオライト材料は、チャバザイト及び/又はSSZ-13、好ましくはSSZ-13である、実施形態45から48のいずれかに記載の連続的方法。
【0162】
50. 第1のゼオライト材料の骨格構造が、互いに独立して、5~120、好ましくは8~80、より好ましくは10~50、より好ましくは15~40、より好ましくは20~30、より好ましくは22~28、及びより好ましくは24~26の範囲のYO:Xモル比を示す、実施形態45から49のいずれかに記載の連続的方法。
【0163】
51. 工程(i)で調製され、そして工程(iii)で加熱された混合物が、OHのための少なくとも1つの源をさらに含み、混合物は、第1のゼオライト材料の骨格構造中のヒドロキシド対SiOのOH:SiOモル比を、0.05~1、好ましくは0.1~0.7、より好ましくは0.3~0.6、より好ましくは0.4~0.55、より好ましくは0.45~0.5、より好ましくは0.46~0.49、及びより好ましくは0.47~0.48の範囲に示す、実施形態45から50のいずれかに記載の連続的方法。
【0164】
52. 工程(i)で調製した混合物中の1つ以上の溶媒が、水、好ましくは蒸留水を含み、より好ましくは、工程(i)で調製した混合物中の1つ以上の溶媒として、水、好ましくは蒸留水が含有される、実施形態1から51のいずれかに記載の連続的方法。
【0165】
53. 工程(i)で調製した混合物中の水対酸化物として計算されるSiOのHO:SiOモル比が、3~50、好ましくは7~40、より好ましくは9~30、より好ましくは11~25、より好ましくは13~22、より好ましくは15~20、より好ましくは16~19、及びより好ましくは17~18の範囲である、実施形態52に記載の連続的方法。
【0166】
54. 工程(i)で調製され、そして工程(iii)で加熱された混合物が、OHのための少なくとも1つの源をさらに含み、前記OHのための少なくとも1つの源は、好ましくは金属ヒドロキシド、より好ましくはアルカリ金属Mのヒドロキシド、より好ましくは水酸化ナトリウム及び/又は水酸化カリウム、及びより好ましくは水酸化ナトリウムを含み、より好ましくは、OHのための少なくとも1つの源は水酸化ナトリウムである、実施形態1から53のいずれかに記載の連続的方法。
【0167】
55. 工程(i)で調製した混合物が、種結晶をさらに含み、好ましくは、種結晶は、CHA-、AEI-、GME-、及び/又はMFI-型骨格構造を有するゼオライト材料を含み、より好ましくは、種結晶は、CHA-型及び/又はAEI-型骨格構造を有するゼオライト材料を含み、より好ましくは、種結晶のゼオライト材料は、実施形態1から54のいずれか1つによって得ることができる及び/又は得られる、実施形態1から54のいずれかに記載の連続的方法。
【0168】
56. 種結晶中に含まれるCHA-型骨格構造を有するゼオライト材料が、ウィルヘンダーソナイト、ZYT-6、SAPO-47、Na-チャバザイト、チャバザイト、LZ-218、リンデD、リンデR、SAPO-34、ZK-14、K-チャバザイト、MeAPSO-47、Phi、DAF-5、UiO-21、|Li-Na|[Al-Si-O]-CHA、(Ni(deta)2)-UT-6、SSZ-13、及びSSZ-62、及びそれらの2つ以上の混合物からなる群から、好ましくは、ZYT-6、SAPO-47、Na-チャバザイト、チャバザイト、LZ-218、リンデD、リンデR、SAPO-34、ZK-14、K-チャバザイト、Phi、DAF-5、UiO-21、SSZ-13、及びSSZ-62、及びそれらの2つ以上の混合物からなる群から、より好ましくは、チャバザイト、リンデD、リンデR、SAPO-34、SSZ-13、及びSSZ-62、及びそれらの2つ以上の混合物からなる群から、より好ましくは、チャバザイト、SSZ-13、及びSSZ-62、及びそれらの2つ又は3つの混合物からなる群から選択され、より好ましくは、種結晶中に含まれるCHA-型骨格構造を有するゼオライト材料は、チャバザイト及び/又はSSZ-13、好ましくはSSZ-13である、実施形態55に記載の連続的方法。
【0169】
57. 工程(i)で調製され、そして工程(iii)で加熱された混合物中の種結晶の量が、第1のゼオライト材料の骨格構造中のSiOの100質量%に対して0.1~25質量%、好ましくは第1のゼオライト材料の骨格構造中のSiOの100質量%に対して0.5~15質量%、より好ましくは1~10質量%、より好ましくは2~7質量%、より好ましくは3~6質量%、及びより好ましくは4~5質量%の範囲である、実施形態55又は56に記載の連続的方法。
【0170】
58. 1つ以上の構造指示剤が、1つ以上のテトラアルキルアンモニウムカチオンR-含有化合物を含み、式中、R、R、R及びRは、互いに独立してアルキルを表す、実施形態1から57のいずれかに記載の連続的方法。
【0171】
59. Rがアダマンチル及び/又はベンジル、好ましくは1-アダマンチルを表す、実施形態58に記載の連続的方法。
【0172】
60. R、R、及びRが、互いに独立して、任意に置換された及び/又は任意に分岐した(C~C)アルキル、好ましくは(C~C)アルキル、より好ましくは(C~C)アルキル、より好ましくは(C~C)アルキル、及びより好ましくは任意に置換されたメチル又はエチルを表し、より好ましくは、R、R、及びRは、互いに独立して、任意に置換されたメチル又はエチル、好ましくは無置換のメチル又はエチルを表し、より好ましくは、R、R、及びRは、互いに独立して、任意に置換されたメチル、好ましくは無置換のメチルを表す、実施形態59に記載の連続的方法。
【0173】
61. Rが、任意に複素環式及び/又は任意に置換されたアダマンチル及び/又はベンジル、好ましくは任意に複素環式及び/又は任意に置換された1-アダマンチル、より好ましくは任意に置換されたアダマンチル及び/又はベンジル、より好ましくは任意に置換された1-アダマンチル、より好ましくは無置換のアダマンチル及び/又はベンジル、及びより好ましくは無置換の1-アダマンチルを表す、実施形態59又は60に記載の連続的方法。
【0174】
62. 1つ以上のテトラアルキルアンモニウムカチオンR-含有化合物が、1つ以上のN,N,N-トリ(C~C)アルキル-1-アダマンタンモニウム化合物、好ましくは1つ以上のN,N,N-トリ(C~C)アルキル-1-アダマンタンモニウム化合物、より好ましくは1つ以上のN,N,N-トリ(C~C)アルキル-1-アダマンタンモニウム化合物、より好ましくは1つ以上のN,N,N-トリ(C~C)アルキル-1-アダマンタンモニウム及び/又は1つ以上のN,N,N-トリ(C~C)アルキル-1-アダマンタンモニウム化合物、より好ましくは、N,N,N-トリエチル-1-アダマンタンモニウム、N,N-ジエチル-N-メチル-1-アダマンタンモニウム、N,N-ジメチル-N-エチル-1-アダマンタンモニウム、N,N,N-トリメチル-1-アダマンタンモニウム化合物、及びそれらの2つ以上の混合物から選択される1つ以上の化合物を含み、より好ましくは、1つ以上のテトラアルキルアンモニウムカチオンR-含有化合物が、1つ以上のN,N,N-トリメチル-1-アダマンタンモニウム化合物を含む、実施形態59から61のいずれかに記載の連続的方法。
【0175】
63. 1つ以上のテトラアルキルアンモニウムカチオンR-含有化合物が、塩、好ましくはハライド、スルフェート、ニトレート、ホスフェート、アセテート、及びそれらの2つ以上の混合物からなる群から、より好ましくはブロミド、クロリド、ヒドロキシド、スルフェート、及びそれらの2つ以上の混合物からなる群から選択される1つ以上の塩であり、より好ましくは、1つ以上のテトラアルキルアンモニウムカチオンR-含有化合物は、テトラアルキルアンモニウムヒドロキシド及び/又はスルフェート、及びより好ましくはテトラアルキルアンモニウムヒドロキシドである、実施形態59から62のいずれかに記載の連続的方法。
【0176】
64. Rがシクロアルキルを表す、実施形態58に記載の連続的方法。
【0177】
65. R及びRが、互いに独立して、任意に置換された及び/又は任意に分岐した(C~C)アルキル、好ましくは(C~C)アルキル、より好ましくは(C~C)アルキル、より好ましくは(C~C)アルキル、及びより好ましくは任意に置換されたメチル又はエチルを表し、より好ましくは、R及びRは、互いに独立して、任意に置換されたメチル又はエチル、好ましくは無置換のメチル又はエチルを表し、より好ましくは、R及びRは、互いに独立して、任意に置換されたメチル、好ましくは無置換のメチルを表す、実施形態64に記載の連続的方法。
【0178】
66. Rが、任意に置換された及び/又は任意に分岐した(C~C)アルキル、好ましくは(C~C)アルキル、より好ましくは(C~C)アルキル、より好ましくは(C~C)アルキル、及びより好ましくは任意に置換されたメチル又はエチルを表し、より好ましくは、Rは、任意に置換されたエチル、好ましくは無置換のエチルを表す、実施形態64又は65に記載の連続的方法。
【0179】
67. Rが、任意に複素環式及び/又は任意に置換された5員~8員シクロアルキル、好ましくは5員~7員シクロアルキル、より好ましくは5員又は6員シクロアルキルを表し、より好ましくは、Rは、任意に複素環式及び/又は任意に置換された6員シクロアルキル、好ましくは任意に置換されたシクロヘキシル、及びより好ましくは無置換のシクロヘキシルを表す、実施形態64から66のいずれかに記載の連続的方法。
【0180】
68. 1つ以上のテトラアルキルアンモニウムカチオンR-含有化合物が、1つ以上のN,N,N-トリ(C~C)アルキル-(C~C)シクロアルキルアンモニウム化合物、好ましくは1つ以上のN,N,N-トリ(C~C)アルキル-(C~C)シクロアルキルアンモニウム化合物、より好ましくは1つ以上のN,N,N-トリ(C~C)アルキル-(C~C)シクロアルキルアンモニウム化合物、より好ましくは1つ以上のN,N,N-トリ(C~C)アルキル-シクロペンチルアンモニウム及び/又は1つ以上のN,N,N-トリ(C~C)アルキル-シクロヘキシルアンモニウム化合物、より好ましくは、N,N,N-トリエチル-シクロヘキシルアンモニウム、N,N-ジエチル-N-メチル-シクロヘキシルアンモニウム、N,N-ジメチル-N-エチル-シクロヘキシルアンモニウム、N,N,N-トリメチル-シクロヘキシルアンモニウム化合物、及びそれらの2つ以上の混合物から選択される1つ以上の化合物を含み、より好ましくは、1つ以上のテトラアルキルアンモニウムカチオンR-含有化合物は、1つ以上のN,N-ジメチル-N-エチル-シクロヘキシルアンモニウム化合物を含む、実施形態64から67のいずれかに記載の連続的方法。
【0181】
69. 1つ以上のテトラアルキルアンモニウムカチオンR-含有化合物が、塩、好ましくはハライド、スルフェート、ニトレート、ホスフェート、アセテート、及びそれらの2つ以上の混合物からなる群から、より好ましくはブロミド、クロリド、ヒドロキシド、スルフェート、及びそれらの2つ以上の混合物からなる群から選択される1つ以上の塩であり、より好ましくは、1つ以上のテトラアルキルアンモニウムカチオンR-含有化合物は、テトラアルキルアンモニウムヒドロキシド及び/又はスルフェート、及びより好ましくはテトラアルキルアンモニウムヒドロキシドである、実施形態64から68のいずれかに記載の連続的方法。
【0182】
70. 1つ以上の構造指示剤が、1つ以上のテトラアルキルアンモニウムカチオンR-含有化合物を含み、工程(i)で調製され、そして工程(iii)で加熱された混合物が、第1のゼオライト材料の骨格構造中の1つ以上のテトラアルキルアンモニウムカチオン対SiOのR:SiOモル比を0.05~1.5、好ましくは0.1~0.8、より好ましくは0.3~0.5、より好ましくは0.5~0.3、より好ましくは0.7~0.2、より好ましくは0.8~0.15、より好ましくは0.85~0.12、より好ましくは0.9~0.11、及びより好ましくは0.95~0.1の範囲に示す、実施形態64から69のいずれかに記載の連続的方法。
【0183】
71 工程(iii)において、混合物を70~300℃、好ましくは90~280℃、より好ましくは120~250℃、より好ましくは140~230℃、より好ましくは160~220℃、より好ましくは180~210℃、及びより好ましくは190~200℃の範囲の温度に加熱する、実施形態1から70のいずれかに記載の連続的方法。
【0184】
72. ゼオライト材料が、その骨格構造中にTiOをさらに含み、工程(i)における混合物は、TiOの1つ以上の源をさらに含み、そして1つ以上の構造指示剤は、好ましくは1つ以上のテトラアルキルアンモニウムカチオンR-含有化合物を含み、R、R、R及びRは互いに独立してアルキルを表す、実施形態1から42のいずれかに記載の連続的方法。
【0185】
73. 工程(iii)で得られたゼオライト材料が、MFI、MEL、IMF、SVY、FER、SVR、及びそれらの2つ以上の相互成長構造からなる群から選択される骨格構造型を有し、好ましくは、工程(iii)で得られたゼオライト材料が、MFI-及び/又はMEL-型骨格構造、好ましくはMFI-型骨格構造を有する、実施形態72に記載の連続的方法。
【0186】
74. 工程(i)で調製した混合物中の1つ以上の溶媒が水、好ましくは蒸留水を含み、より好ましくは、工程(i)で調製した混合物中の1つ以上の溶媒として、水、好ましくは蒸留水が含有される、実施形態72又は73に記載の連続的方法。
【0187】
75. 工程(i)で調製した混合物中の水対SiOとして計算される1つ以上のSi源のHO:SiOモル比が、2~13、好ましくは3~11、より好ましくは4~10、より好ましくは4.5~9.5、より好ましくは5~9、より好ましくは5.5~8.5、より好ましくは6~8、及びより好ましくは6.5~7.5の範囲である、実施形態74に記載の連続的方法。
【0188】
76. R、R、R、及びRが、互いに独立して、任意に分岐した(C~C)アルキル、好ましくは(C~C)アルキル、より好ましくは(C~C)アルキル、及びより好ましくは任意に分岐した(C~C)アルキルを表し、より好ましくは、R、R、R及びRは、互いに独立してエチル又はプロピルを表し、より好ましくは、R、R、R及びRは、プロピル、好ましくはn-プロピルを表す、実施形態72から75のいずれかに記載の連続的方法。
【0189】
77. 1つ以上のテトラアルキルアンモニウムカチオンR-含有化合物が、互いに独立して、塩、好ましくは、ハライド、好ましくはクロリド及び/又はブロミド、より好ましくはクロリド、ヒドロキシド、スルフェート、ニトレート、ホスフェート、アセテート、及びそれらの2つ以上の混合物からなる群から、より好ましくはクロリド、ヒドロキシド、スルフェート及びそれらの2つ以上の混合物からなる群から選択される塩であり、より好ましくは、1つ以上のテトラアルキルアンモニウムカチオンR-含有化合物は、テトラアルキルアンモニウムヒドロキシド及び/又はクロリド、及びより好ましくはテトラアルキルアンモニウムヒドロキシドである、実施形態72から76のいずれかに記載の連続的方法。
【0190】
78. 工程(i)で調製され、工程(iii)で結晶化された混合物が、1つ以上のテトラアルキルアンモニウムカチオンR-含有化合物対SiOとして計算されるSiの1つ以上の源のモル比を、0.001~1.5、好ましくは0.005~1、より好ましくは0.01~0.7、より好ましくは0.05~0.5、より好ましくは0.07~0.4、より好ましくは0.1~0.3、より好ましくは0.13~0.25、より好ましくは0.15~0.22、及びさらにより好ましくは0.17~0.19の範囲で示す、実施形態72から77のいずれかに記載の連続的方法。
【0191】
79. SiOの1つ以上の源が、SiO、シリカ、シリケート、及びそれらの混合物からなる群から、
好ましくはヒュームドシリカ、シリカヒドロゾル、反応性非晶質固体シリカ、シリカゲル、ケイ酸、水ガラス、ナトリウムメタシリケートヒドレート、セスキシリケート、ジシリケート、コロイダルシリカ、焼成シリカ、ケイ酸エステル、テトラアルコキシシラン、及びそれらの2つ以上の混合物からなる群から、
より好ましくは、シリカヒドロゾル、シリカゲル、ケイ酸、水ガラス、ナトリウムメタシリケートヒドレート、コロイダルシリカ、ケイ酸エステル、テトラアルコキシシラン、及びそれらの2つ以上の混合物からなる群から、
より好ましくは、シリカヒドロゾル、ケイ酸、コロイダルシリカ、ケイ酸エステル、テトラアルコキシシラン、及びそれらの2つ以上の混合物からなる群から選択される1つ以上の化合物を含み、
より好ましくは、SiOの1つ以上の源は、(C~C)テトラアルコキシシラン及びそれらの2つ以上の混合物、好ましくは(C~C)テトラアルコキシシラン及びそれらの2つ以上の混合物、より好ましくは(C~C)テトラアルコキシシラン及びそれらの2つ以上の混合物、より好ましくは(C~C)テトラアルコキシシラン及びそれらの2つ以上の混合物からなる群から選択される1つ以上のテトラアルコキシシランを含み、より好ましくは、SiOの1つ以上の源は、テトラメトキシシラン及び/又はテトラエトキシシラン、好ましくはテトラエトキシシランを含み、そしてより好ましくは、Siの1つ以上の源は、テトラメトキシシラン及び/又はテトラエトキシシラン、好ましくはテトラエトキシシランである、実施形態72から78のいずれかに記載の連続的方法。
【0192】
80. Tiの1つ以上の源が、酸化チタン、チタン塩、チタニル化合物、チタン酸、チタン酸エステル、及びそれらの2つ以上の混合物からなる群から選択される1つ以上の化合物、好ましくは、テトラブチルオルトチタネート、テトライソプロピルオルトチタネート、テトラエチルオルトチタネート、二酸化チタン、チタニウムテトラクロリド、チタニウムtert-ブトキシド、TiOSO及び/又はKTiOPO、及びそれらの2つ以上の混合物からなる群から、より好ましくは、テトラブチルオルトチタネート、テトライソプロピルオルトチタネート、テトラエチルオルトチタネート、二酸化チタン、チタニウムテトラクロリド、チタニウムtert-ブトキシド、及びそれらの2つ以上の混合物からなる群から選択される1つ以上の化合物を含み、チタン源は、好ましくはテトラメチル及び/又はテトラエチルオルトチタネート、より好ましくはテトラエチルオルトチタネートである、実施形態72から79のいずれかに記載の連続的方法。
【0193】
81. 工程(i)で調製した混合物の、SiOとして計算されるSiOの1つ以上の源対TiOとして計算されるTiOの1つ以上の源のSiO:TiOモル比が、1~500、好ましくは2~200、より好ましくは5~150、より好ましくは10~100、より好ましくは20~70、より好ましくは25~50、より好ましくは30~45、及びより好ましくは35~40の範囲である、実施形態72から80のいずれかに記載の連続的方法。
【0194】
82. 工程(iii)において、混合物を90~280℃、好ましくは110~250℃、より好ましくは130~220℃、より好ましくは150~200℃、より好ましくは160~190℃、及びより好ましくは170~180℃の範囲の温度に加熱する、実施形態72から81のいずれかに記載の連続的方法。
【0195】
83. 工程(ii)の前に、工程(i)で調製した混合物を40~120℃、好ましくは50~115℃、より好ましくは60~110℃、より好ましくは70~105℃、より好ましくは80~100℃、及びより好ましくは85~95℃の範囲の温度でエージングさせる、実施形態72から82のいずれかに記載の連続的方法。
【0196】
84. 工程(ii)の前に、工程(i)で調製した混合物を0.05~48時間、より好ましくは0.15~24時間、より好ましくは0.25~12時間、より好ましくは0.5~6時間、より好ましくは0.75~3時間、より好ましくは1~2時間、及びより好ましくは1.25~1.75時間の範囲でエージングさせる、実施形態72から83のいずれかに記載の連続的方法。
【0197】
85. 以下の工程、
(iv) 工程(iii)で得られたゼオライト材料を、好ましくは濾過によって、より好ましくは膜濾過によって、及びより好ましくはクロスフロー濾過によって、濃縮する工程、
及び/又は、好ましくは及び、
(v) 工程(iii)又は(iv)で得られたゼオライト材料を、1つ以上の溶媒を含む液体で洗浄する工程、
及び/又は、好ましくは及び
(vi) 工程(iii)、(iv)又は(v)で得られたゼオライト材料を乾燥する工程、
及び/又は、好ましくは及び
(vii) 工程(iii)、(iv)、(v)又は(vi)で得られたゼオライト材料を焼成する工程
をさらに含む、実施形態1から84のいずれかに記載の連続的方法。
【0198】
86. 工程(iv)における濃縮及び工程(v)における洗浄が、順に連続する2段階以上、好ましくは2~10段階、より好ましくは3~8段階、より好ましくは3~7段階、より好ましくは4~6段階、及びより好ましくは4~5段階の膜濾過で同時に行われ、膜濾過の1つの段階の保持液が、後続の段階に供給される際に1つ以上の溶媒を含む液体で希釈される、実施形態85に記載の連続的方法。
【0199】
87. 工程(i)で連続的に調製した混合物から1つ以上の構造指示剤の一部を含む膜濾過の1つの段階の透過液を、工程(i)に連続的に再循環させる、実施形態86に記載の連続的方法。
【0200】
88. 膜濾過が、0.2~60バール、好ましくは0.5~20バール、より好ましくは1~15バール、より好ましくは3~12バール、及びより好ましくは5~8バールの範囲の圧力で行われる、実施形態85から87のいずれかに記載の連続的方法。
【0201】
89. 膜濾過が、20~200℃の範囲、好ましくは50~150℃、より好ましくは80~120℃、より好ましくは90~110℃、及びより好ましくは97~103℃の範囲の温度で行われる、実施形態85から88のいずれかに記載の連続的方法。
【0202】
90. 膜濾過がクロスフロー濾過である、実施形態85から89のいずれかに記載の連続的方法。
【0203】
91. クロスフロー濾過が、1つ以上の順に連続するクロスフロー濾過ユニット、好ましくは1~10個の順に連続するクロスフロー濾過ユニット、より好ましくは2~9個の順に連続するクロスフロー濾過ユニット、より好ましくは3~8個の順に連続するクロスフロー濾過ユニット、より好ましくは4~6個の順に連続するクロスフロー濾過ユニット、及びより好ましくは4~5個の順に連続するクロスフロー濾過ユニットで行われる、実施形態90に記載の連続的方法。
【0204】
92. 1つ以上の順に連続するクロスフロー濾過ユニットの各々が、10~10,000本の管、好ましくは250~7,500本の管、より好ましくは500~5,000本の管、より好ましくは750~2,500本の管、及びより好ましくは975~1025本の管を含む、実施形態91に記載の連続的方法。
【0205】
93. 管の内径が2~25mmの範囲、好ましくは3~20mm、より好ましくは4~15mm、より好ましくは5~10mm、及びより好ましくは5.5~6.5mmの範囲である、実施形態92に記載の連続的方法。
【0206】
94. 工程(v)において、液体が、極性プロトン性溶媒及びそれらの混合物からなる群から、好ましくは、n-ブタノール、イソプロパノール、プロパノール、エタノール、メタノール、水、及びそれらの混合物からなる群から、より好ましくは、エタノール、メタノール、水、及びそれらの混合物からなる群から選択される1つ以上の溶媒を含み、より好ましくは液体は水を含み、そしてより好ましくは、液体として水、好ましくは脱イオン水が使用される、実施形態85から93のいずれかに記載の連続的方法。
【0207】
95. 工程(vi)における乾燥が、50~220℃、好ましくは70~190℃、より好ましくは80~170℃、より好ましくは90~150℃、より好ましくは100~140℃、及びより好ましくは110~130℃の範囲の温度で行われる、実施形態85から94のいずれかに記載の連続的方法。
【0208】
96. 工程(vi)におけるゼオライト材料の乾燥が、工程(iii)、(iv)又は(v)で得られたゼオライト材料を噴霧乾燥する工程を含む、実施形態85から95のいずれかに記載の連続的方法。
【0209】
97. 噴霧乾燥が、100~500℃、好ましくは150~450℃、より好ましくは200~400℃、より好ましくは250~350℃、及びより好ましくは275~325℃の範囲の温度を有する乾燥ガスを用いて行われる、実施形態96に記載の連続的方法。
【0210】
98. 実施形態1から97のいずれか一項に記載の方法によって得ることができる及び/又は得られるゼオライト材料。
【0211】
99. ゼオライト材料がCHA-骨格構造を有し、好ましくは、ゼオライト材料は、ウィルヘンダーソナイト、ZYT-6、SAPO-47、Na-チャバザイト、チャバザイト、LZ-218、リンデD、リンデR、SAPO-34、ZK-14、K-チャバザイト、MeAPSO-47、Phi、DAF-5、UiO-21、|Li-Na|[Al-Si-O]-CHA、(Ni(deta)2)-UT-6、SSZ-13、及びSSZ-62、及びそれらの2つ以上の混合物からなる群から、より好ましくは、ZYT-6、SAPO-47、Na-チャバザイト、チャバザイト、LZ-218、リンデD、リンデR、SAPO-34、ZK-14、K-チャバザイト、Phi、DAF-5、UiO-21、SSZ-13、及びSSZ-62、及びそれらの2つ以上の混合物からなる群から、より好ましくは、チャバザイト、リンデD、リンデR、SAPO-34、SSZ-13、及びSSZ-62、及びそれらの2つ以上の混合物からなる群から、より好ましくは、チャバザイト、SSZ-13、及びSSZ-62、及びそれらの2つ又は3つの混合物からなる群から選択され、より好ましくは、ゼオライト材料はチャバザイト及び/又はSSZ-13、好ましくはSSZ-13を含み、そしてより好ましくは、ゼオライト材料はチャバザイト及び/又はSSZ-13、好ましくはSSZ-13である、実施形態98に記載のゼオライト材料。
【0212】
100. 実施形態98又は99によるゼオライト材料を、分子ふるいとして、吸着剤として、イオン交換のために、又は触媒として及び/又は触媒担体として、好ましくは触媒及び/又は触媒担体として、窒素酸化物NOの選択的触媒還元(SCR)のために、COの貯蔵及び/又は吸着のために、NHの酸化のために、特にディーゼルシステムにおけるNHスリップの酸化のために、NOの分解のために、流動接触分解(FCC)プロセスにおける添加剤として、及び/又は触媒及び/又は触媒担体として、有機転化反応において、好ましくはアルコールからオレフィンへの転化において、及びより好ましくはメタノールからオレフィンへの(MTO)触媒作用において、より好ましくは窒素酸化物NOの選択的触媒還元(SCR)のために、そしてより好ましくは、燃焼エンジンからの、好ましくはディーゼルエンジン又は希薄燃焼ガソリンエンジンからの排気ガス中の窒素酸化物NOの選択的触媒還元(SCR)のために、使用する方法。
【0213】
101. ゼオライト材料がMFI-型骨格構造を有し、MFI-型骨格構造を有するゼオライト材料はTS-1を含み、より好ましくはゼオライト材料はTS-1である、実施形態98に記載のゼオライト材料。
【0214】
102. 実施形態98又は101に記載のゼオライト材料を、分子ふるいとして、吸着剤として、イオン交換のために、又は触媒として及び/又は触媒担体として、好ましくは触媒及び/又は触媒担体として、C-C結合形成及び/又は転化を含む反応において、そして好ましくは触媒及び/又は触媒担体として、異性化反応において、アンモキシド化反応において、アミノ化反応において、水素化分解反応において、アルキル化反応において、アシル化反応において、アルカンからオレフィンへの転化のための反応において、又は1つ以上のオキシゲネートのオレフィン及び/又は芳香族への転化のための反応において、過酸化水素の合成のための反応において、アルドール縮合反応において、エポキシドの異性化のための反応において、トランスエステル化反応において、又はエポキシ化反応において、好ましくは触媒及び/又は触媒担体としてオレフィンのエポキシ化のための反応において、より好ましくはC2~C5アルケンのエポキシ化のための反応において、より好ましくはC2~C4アルケンのエポキシ化のための反応において、C2又はC3アルケンのエポキシ化のための、より好ましくはC3アルケンのエポキシ化のための反応において、そしてより好ましくは触媒としてプロピレンのプロピレンオキシドへの転化のために、使用する方法。
【実施例
【0215】
本発明を、以下の実施例及び参考例によってさらに説明する。
【0216】
参考例1: CHA-骨格構造を有する種結晶の調製
194.5gの脱イオン水及び943.1gの1-アダマンチルトリメチルアンモニウムヒドロキシド(AdaTMAOH)溶液(BASF社から入手した20.17質量%水溶液)をフラスコに入れ、86.4gの水酸化ナトリウム溶液(50質量%水溶液)で処理することにより、透明な溶液を得た。次いで28.1gの水酸化アルミニウム(Sigma Aldrich社から入手)を段階的に加え、得られた混合物を室温で30分間撹拌して乳白色の溶液を得た。次いで901.3gのLudox SM30(Sigma Aldrich社から入手した水中30質量%のSiO懸濁液)を撹拌しながら添加し、その間に混合物の粘度が上昇した。1:0.04:0.24:0.20のモル比SiO:Al(OH):NaOH:AdaTMAOHを示す懸濁液を、室温でさらに30分間撹拌した。
【0217】
次いで反応混合物を容積2.5Lのオートクレーブに入れ、撹拌(200rpm)しながら45分間かけて160℃に加熱し、その後その温度で120分間保持した。反応中にオートクレーブ内で測定された最大圧力は0.5MPa(5バール)であった。合成後、懸濁液を濾過し、固体生成物を蒸留水で洗浄した。フィルターケーキ(214.8g)を120℃の循環式空気オーブンで一晩乾燥し、結晶性生成物を得た。
【0218】
骨格構造はX線回折パターンによりCHA-型と決定された。結晶化度は、当該試料のX線回折図に基づいて52%と計算された。ISO13320:2009によって決定された体積平均粒径D50は150μmであり、そして粒径D10及びD90は、それぞれ12μm及び504μmであった。
【0219】
生成物の元素分析では、C:15.7%、Al:2.3%、Na:0.37%、Si:34%が得られた。
【0220】
参考例2: CHA-型骨格構造を有するゼオライト材料の連続合成用合成ゲルの調製
423.3gのシクロヘキシルトリメチルアンモニウムヒドロキシド(CHTMAOH)の水溶液(BASF社からの20質量%水溶液)及び123.7gのテトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAOH)の水溶液(Sachem社から入手した25質量%水溶液)を2Lの四つ口丸底フラスコに入れた。次いで、16.9gの水酸化アルミニウム(和光社から入手)を段階的に加え、得られた混合物を室温で45分間撹拌して白色の懸濁液を得た。次いで450.0gのLudox AS40(Grace社から入手した水中40質量%のSiO懸濁液)を撹拌しながら添加し、得られた混合物をさらに15分間撹拌した。次いで参考例1から得た結晶性生成物18.0gを添加し、得られたモル比SiO:Al(OH):CHTMAOH:TMAOH:HO=1:0.072:0.177:0.113:13を示す混合物を85℃に加熱し、その温度で一晩撹拌(270rpm)してエージングしたゲルを得た。
【0221】
実施例1: 連続運転した反応器のシミュレーション
CHA骨格構造を有するゼオライト材料の調製を、数値流体力学(CFD)によってシミュレーションした。Fluent(登録商標)を使用した。
【0222】
参考例2による合成ゲルをシミュレーションに考慮した。
【0223】
一般に、チャバザイトの形成は、加熱中に粘度が低下する水性混合物から始まる。さらに加熱すると、非ニュートン挙動を示すゲル相への転移が誘発される。よって粘度を反応進行の指標として想定した。ゼオライトの形成が進むと、レオロジーは変化してニュートンに戻り、粘度は著しく低下する。これは、以前の実験により、始動後数時間後に起こることが示されている。当該実験の結果を図1に示す。
【0224】
半対数チャートの直線的な増加は、r=-k*[ゲル]型の一次の単純反応と仮定した。
【0225】
表1に、シミュレーションのために設定されたパラメータを列挙する。
【0226】
【表1】
【0227】
CFDシミュレーションを設定し、脈動モード(流量制御弁の音にちなんで「Piff-Paff」モードとも呼ばれる)における管形反応器内の実際の剪断速度を特定して、安定した運転に必要な剪断速度を把握した。反応器の設定は、WO2021/122533A1の実施例1b)に詳細に記載されている。供給は水性流体としてモデル化される。この流体は、上記に示した反応速度論を介してゲルに変換される。CFDシミュレーションツールでは、水性供給物は水としてモデル化される。ゲルは、非ニュートンレオロジーを除き、水と同じ材料特性で定義される。
【0228】
実験設定として、不活性オイル充填による反応器への充填をシミュレーションで実施した。通常、加熱反応器の上流に設けられる加圧タンクは、シミュレーションでは省略することができ、供給物は管形反応器の入口に直接適用される。「Piff-Paff」モードは、流動及び無流動交代の入口境界条件としてモデル化される。
【0229】
開放弁(流動)モードの流速は、300mL/hの平均流量に基づいた。実際の運転では、流動は0.5秒間のみ適用され、39.5秒間は入口と出口が遮断されて流動は系を通らない。これは、短い開放流動期間中の実際の流量が、時間平均流量の80倍であることを意味する。所与の系において、これは0.11m/sの実際の流速となる。
【0230】
最初のセクションでは、供給流の境界条件を設定した。入口は一定速度の入口速度、ここでは0.11m/s(Fluent(登録商標)で直接設定)とし、そして出口は圧力出口とした。この条件を、0.05秒の時間工程でシミュレーションを行う間0.5秒保持する。続いて、無流動条件は入口と出口の両方を壁とする。この条件を、0.5秒のシミュレーション時間工程で39.5秒間保持する。
【0231】
シミュレーションの重要な結果を図2-3に示す。図2に流動状態(開放弁)、図3に無流動状態(閉鎖弁)を示す。各状況について、ゲル質量分率と対応する粘度を示す。図2-3からわかるように、供給物からゲル相への移行は、供給管が90°曲がったところですでに起きている。剪断速度220秒-1が好ましいことが判明した。
【0232】
混合物が動いている場合、粘度は中程度の値を示す。弁が閉じられ、混合物が静止すると、粘度は顕著に増加する。これはゲルの非ニュートン性(ここでは剪断減粘性)によるものである。
【0233】
この課題を克服する選択肢は、パルセータ装置の適用である。パルセータはマスフローには影響を与えないが、管形反応器内で液体を前後に移動させ続ける。非ニュートンレオロジーにより、このようなパルセータの設計にCFD法を用いた。或る研究では、モデル化された系を簡易化できるかどうかが調査された。そこで、完全な管形反応器のシミュレーションで得られた剪断速度が、短い管のモデルで再現できるかどうかを試験した。この試験は成功し、いくつかの結果を表2にまとめる。
【0234】
【表2】
【0235】
簡易管を用いた試験に非ニュートンレオロジーを含めることで、最適な剪断速度を得ることができる。パルセータのシミュレーションにより、必要な脈動速度プロファイルを特定することができる。この情報は、パルセータ及びその運転、例えばサイズ、パス及び周波数の設計に使用することができる。剪断速度220秒-1は、反応器管の直径6.2mm及びゲル流量3.3・×10-6/sに相当する。パルセータはこの速度を提供する必要がある。所与の管直径につして、パルセータのサイズ、パス長及び周波数を決定することができる。2つのパルセータ系を検討し、これらの計算周波数を表3に示す。
【0236】
【表3】
【0237】
まとめると、交互流動パターン(「Piff-Paff」モード)で半連続的に運転される管形反応器におけるゼオライト材料の調製は、安定したゼオライト転化を可能とする一方で、一定流量が遅いと、反応器のブロッキングなどの問題を引き起こすようであることが判明した。
【0238】
引用された先行技術文献:
- US2016/0115039A1
- Liuら、Angew.Chem.Int.Ed.2015年、54、第5683~5687頁
- Ju,J.ら、Chemical Engineering Journal、2006年、116、第115~121頁
- Vandermeersch,T.ら、Microporous and Mesoporous Materials、2016年、226、第133~139頁
- Liu,Z.ら、Chemistry of Materials、2014年、26、第2327~2331頁
- Slangenら、「Continuous Synthesis of Zeolites using a Tubular Reactor」、12th International Zeolite Conference、Materials Research Society、1999年
- Bonaccorsi,L.ら、Microporous and Mesoporous Materials、2008年、112、481~493
- US2001/0054549A1
- WO2020/109292A1
- WO2020/025799A
- WO2019/101854A
図1
図2
図3
【国際調査報告】