(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-28
(54)【発明の名称】SIGE/SI超格子の形成の方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/205 20060101AFI20240621BHJP
C23C 16/42 20060101ALI20240621BHJP
C23C 16/24 20060101ALI20240621BHJP
【FI】
H01L21/205
C23C16/42
C23C16/24
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023563941
(86)(22)【出願日】2022-07-21
(85)【翻訳文提出日】2023-12-13
(86)【国際出願番号】 US2022037842
(87)【国際公開番号】W WO2023004023
(87)【国際公開日】2023-01-26
(32)【優先日】2021-07-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】トリー, ジョン
(72)【発明者】
【氏名】カーシュネイター, トーマス
(72)【発明者】
【氏名】マーゲティス, ジョー
(72)【発明者】
【氏名】リウ, パトリシア エム.
(72)【発明者】
【氏名】シュ, ズオミン
(72)【発明者】
【氏名】チャン, フローラ フォン-ソン
【テーマコード(参考)】
4K030
5F045
【Fターム(参考)】
4K030AA03
4K030AA05
4K030AA06
4K030BA08
4K030BA29
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5F045AA06
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5F045GB05
(57)【要約】
基板上に超格子構造体を形成するための方法および装置が、本明細書において説明される。超格子構造体は、スタックされたパターンをなして配置された、複数のシリコンゲルマニウム層と、複数のシリコン層とを含む。本明細書において説明される方法は、シリコンゲルマニウム層の各々と、近接するシリコン層との間の、約1.4nm未満の遷移幅を伴う超格子構造体を生み出す。本明細書において説明される方法は、シリコン含有ガス、ゲルマニウム含有ガス、および、ハロゲン化された核種の、1つまたは組み合わせを流すことを含む。
【選択図】
図2A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)シリコン含有ガスおよびゲルマニウム含有ガスを堆積チャンバ内へと、前記堆積チャンバの中の基板上にシリコンゲルマニウム層を形成するために導入することと、
(b)前記シリコンゲルマニウム層を形成した後に、前記堆積チャンバ内への前記シリコン含有ガスおよび前記ゲルマニウム含有ガスの流れを停止することと、
(c)ハロゲン化された核種を前記堆積チャンバ内へと流すことと、
(d)シリコン含有ガスを前記堆積チャンバ内へと、前記堆積チャンバの中の前記基板上にシリコン層を形成するために導入することと
を含む、半導体デバイスを形成する方法。
【請求項2】
(a)~(d)を反復することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
(a)~(d)は、20回よりも多い回数反復される、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記ハロゲン化された核種は、H
xSiY
(4-x)、H
xGeY
(4-x)、またはHYの、1つまたは組み合わせを含み、ただし、xは、0~3の間の整数に等しく、Yは、塩素(Cl)、臭素(Br)、またはヨウ素(I)のうちの1つに等しい、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
(c)は、(b)と(d)との間で実行される、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
(c)は、(a)および(d)中に実行される、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記シリコンゲルマニウム層および前記シリコン層は、約150nm/分よりも速い成長速度において成長させられる、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記シリコンゲルマニウム層および前記シリコン層の各々の間の遷移幅は、約1.4nm未満である、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記シリコンゲルマニウム層は、約12%から約30%のゲルマニウムを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
ユニットセルを形成することであって、
シリコン含有ガスおよびゲルマニウム含有ガスを堆積チャンバ内へと、前記堆積チャンバの中の基板上にシリコンゲルマニウム層を形成するために導入することと、
前記シリコンゲルマニウム層を形成した後に、前記堆積チャンバ内への前記ゲルマニウム含有ガスの流れを停止することと、
ハロゲン化された核種を前記堆積チャンバ内へと流すことと、
前記シリコン含有ガスから前記堆積チャンバの中の前記基板上にシリコン層を形成することと
を含む、前記ユニットセルを形成することと、
ユニットセルのスタックを形成するために、前記ユニットセルを前記形成することを反復することと
を含む、半導体デバイスを形成する方法。
【請求項11】
前記ユニットセルを前記形成することを前記反復することは、25個よりも多いユニットセルを形成することを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記ハロゲン化された核種は、前記シリコンゲルマニウム層の前記形成中、前記シリコン層の前記形成中、および、前記シリコンゲルマニウム層の前記形成と前記シリコン層の前記形成との間のそれぞれの期間で導入される、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記シリコン層は、前記シリコンゲルマニウム層上に直接に配置される、請求項10に記載の方法。
【請求項14】
前記ハロゲン化された核種は、前記シリコンゲルマニウム層の形成中、前記シリコン層の形成中、および、前記シリコンゲルマニウム層と前記シリコン層との前記形成の間のそれぞれの期間で、前記堆積チャンバ内へと流される、請求項10に記載の方法。
【請求項15】
前記ハロゲン化された核種は、前記シリコンゲルマニウム層と前記シリコン層との前記形成の間に、前記堆積チャンバ内へと流される、請求項10に記載の方法。
【請求項16】
第1のユニットセルであって、
第1のシリコンゲルマニウム層と、
前記第1のシリコンゲルマニウム層上に配置された第1のシリコン層とを含んでおり、前記第1のシリコンゲルマニウム層と前記第1のシリコン層との間の遷移幅は、約1.4nm未満である、前記第1のユニットセルと、
第2のユニットセルであって、
第2のシリコンゲルマニウム層と、
前記第2のシリコンゲルマニウム層上に配置された第2のシリコン層とを含んでおり、前記第2のシリコンゲルマニウム層と前記第2のシリコン層との間の前記遷移幅は、約1.4nm未満である、前記第2のユニットセルと
を含む、超格子デバイス構造体。
【請求項17】
前記シリコンゲルマニウム層は、約12%から約30%のゲルマニウムを含む、請求項16に記載の超格子デバイス構造体。
【請求項18】
前記シリコン層は、約1%未満のゲルマニウムを含む、請求項16に記載の超格子デバイス構造体。
【請求項19】
前記第1のユニットセルおよび前記第2のユニットセルの各々は、追加的なシリコンゲルマニウム層、および、追加的なシリコン層をさらに含む、請求項16に記載の超格子デバイス構造体。
【請求項20】
前記第1のシリコンゲルマニウム層、前記第2のシリコンゲルマニウム層、前記第1のシリコン層、および、前記第2のシリコン層は、変動する厚さを有する、請求項16に記載の超格子デバイス構造体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施形態は、一般的には、半導体デバイス(semiconductor device)を形成するための方法に関する。より詳しくは、本出願は、シリコンおよびシリコンゲルマニウム超格子構造体を形成するためのエピタキシャル堆積方法に関する。
【背景技術】
【0002】
トランジスタデバイスの特徴サイズが、より大きい回路密度、および、より高い性能を達成するために縮小し続けるので、静電結合を改善し、パラメータキャパシタンス(parasitic capacitance)およびオフ状態リークなどの負の影響を低減するために、トランジスタデバイス構造体を改善する必要性が存する。トランジスタデバイス構造体の例は、平面の構造体、フィン電界効果トランジスタ(FinFET)構造体、および水平ゲートオールアラウンド(hGAA)構造体を含む。hGAAデバイス構造体は、スタックされた構成をなして浮かせられ、ソース/ドレイン領域により接続される、いくつかの格子整合チャネルを含む。
【0003】
3次元ダイナミックランダムアクセスメモリ(3D DRAM)用途のための格子構造体を形成する現在の方法は、交互のシリコン層およびシリコンゲルマニウム層の形成を含む。しかしながら、格子構造体を成長させる、以前の方法は、低い成長速度、および、スタックの各層の間の大きい遷移層を有する。層形成の反復性は、さらには、これまで困難であり、層厚さおよび品質が、構造体の全体を通して変動しやすい。
【0004】
それゆえに、小さい遷移層を伴う、および、改善された品質を伴う、迅速にシリコンおよびシリコンゲルマニウム格子構造体を形成する方法の必要性が存する。
【発明の概要】
【0005】
本明細書において説明される態様は、半導体デバイスを形成するための方法に関する。1つの実施形態において、半導体デバイスを形成する方法が説明される。方法は、(a)シリコン含有ガスおよびゲルマニウム含有ガスを堆積チャンバ内へと、堆積チャンバの中の基板上にシリコンゲルマニウム層を形成するために導入することと、(b)シリコンゲルマニウム層を形成した後に、堆積チャンバ内へのシリコン含有ガスおよびゲルマニウム含有ガスの流れを停止することと、(c)ハロゲン化された核種を堆積チャンバ内へと流すことと、(d)シリコン含有ガスを堆積チャンバ内へと、堆積チャンバの中の基板上にシリコン層を形成するために導入することとを含む。
【0006】
別の実施形態において、半導体デバイスを形成するための方法は、ユニットセルを形成することであって、シリコン含有ガスおよびゲルマニウム含有ガスを堆積チャンバ内へと、堆積チャンバの中の基板上にシリコンゲルマニウム層を形成するために導入することと、シリコンゲルマニウム層を形成した後に、堆積チャンバ内へのシリコン含有ガスおよびゲルマニウム含有ガスの流れを停止することと、ハロゲン化された核種を堆積チャンバ内へと流すことと、シリコン含有ガスを堆積チャンバ内へと、シリコン含有ガスから堆積チャンバの中の基板上にシリコン層を形成するために導入することとによる、ユニットセルを形成することと、ユニットセルのスタックを形成するために、ユニットセルを形成することを反復することとを含む。
【0007】
別の態様において、半導体は、第1のシリコンゲルマニウム層と、第1のシリコンゲルマニウム層上に配置された第1のシリコン層とを含む第1のユニットセルを含む超格子デバイス構造体を含む。超格子デバイス構造体は、第2のシリコンゲルマニウム層と、第2のシリコンゲルマニウム層上に配置された第2のシリコン層とを含む第2のユニットセルをさらに含む。シリコンゲルマニウム層およびゲルマニウム層の各々の間の遷移幅は、約1.4nm未満である。
【0008】
本開示の特徴を上記詳説した様式が、詳細に理解され得るように、上記で簡潔に約言された、本開示のより個別の説明が、実施形態への参照により享受されることがあり、それらの実施形態のうちの一部は、添付される図面において例解される。しかしながら、添付される図面は、単に例示的な実施形態を例解し、それゆえに、本開示の範囲を制限するものと考えられるべきではなく、他の等しく効果的な実施形態を認めることがあるということが留意されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本開示の1つの実施形態に係る、あるタイプの堆積チャンバの概略例解図である。
【
図2A】本開示の1つの実施形態に係る、超格子構造体の概略断面視図である。
【
図2B】本開示の1つの実施形態に係る、超格子構造体の概略断面視図である。
【
図5A】超格子構造体の層の電子顕微鏡測定を例解する図である。
【
図5B】超格子構造体の層の電子顕微鏡測定を例解する図である。
【
図7】本開示の1つの実施形態に係る、メモリデバイスの部分デバイス構造体を例解する図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
理解を容易にするために、同一の参照番号が、可能な場合、図に共通である同一の要素を指定するために使用されている。1つの実施形態の要素および特徴は、さらなる詳説なしに、他の実施形態に有益に組み込まれることがあるということが思索される。
【0011】
本開示は、3D DRAMデバイスの形成中に使用される、シリコンゲルマニウム(SiGe)/シリコン(Si)超格子構造体などの超格子構造体を形成する方法に向けられたものである。ウエハの直径にわたる(厚さおよび組成物における)均一な層、層スタックのユニットセルどうしの間の均一な層間厚さおよび組成物、ならびに、超格子構造体の中の各層の間の急激な化学遷移を有することが有益である。本明細書において説明されるのは、各層の中の改善された均一性、改善された層間均一性、および、層の各々の間のより急激な化学遷移を有する超格子構造体を形成する方法である。
【0012】
本明細書において説明される方法および化学現象によって、堆積プロセス中の、急激なインターフェースを伴う、超格子デバイスの中のSiGeおよびSi層の高い成長速度がさらに可能になる。等温および等圧プロセス条件が、堆積プロセス中に利用される。堆積プロセスは、ハロゲン化された核種、または、ハロゲン化された前駆体の使用を含む。ハロゲン化された前駆体の使用は、層どうしの間の化学遷移の急激さを増大することが証明されており、層の成長速度を改善する。ハロゲン化された核種は、シリコンおよび/またはゲルマニウム含有反応性ガスと並行流にされる(co-flowed)か、層の各々の形成の間に連続して流されるかのいずれかであり得る。層ごとの流れ乱れを最小化するための、堆積層にわたる総合的な流れの落ち着かせが、総体的なデバイス層形成結果をさらに改善する。
【0013】
本明細書において説明される方法は、SiGeおよびSiの両方の層形成について約150nm/分を上回る成長速度を有することが証明されている。高い成長速度が、約1.4nm未満の急激な層遷移によって達成される。層間反復性は、さらには、特定の高温計温度制御体系を使用するときに改善されることが証明されている。高温計温度制御体系は、層が基板上に形成される際の熱的ドリフトを低減するための、基板の上方に配置された高温計の使用を含む。
【0014】
図1は、本開示の1つの実施形態に係る、あるタイプの堆積チャンバ100の概略例解図である。堆積チャンバ100は、基板102などの基板上にエピタキシャル膜を成長させるために利用される。堆積チャンバ100は、基板102の頂面150を横切る前駆体の交差流を作る。
【0015】
堆積チャンバ100は、上側本体156、上側本体156の下方に配置された下側本体148、上側本体156と下側本体148との間に配置されたフローモジュール112を含む。上側本体156、フローモジュール112、および下側本体148は、チャンバ本体を形成する。チャンバ本体の中に配置されるのは、基板支持体106、上側ドーム108、下側ドーム110、複数の上側ランプ141、および、複数の下側ランプ143である。示されるように、コントローラ120が、堆積チャンバ100と通信しており、本明細書において説明されるプロセスなどのプロセスを制御するために使用される。基板支持体106は、上側ドーム108と下側ドーム110との間に配置される。複数の上側ランプ141は、上側ドーム108とリッド154との間に配置される。リッド154は、堆積チャンバ100の中の温度を測定するための、そのリッド154内に配置された複数のセンサ153を含む。複数のセンサ153のうちの少なくとも1つは、基板102の温度を測定するための高温計であることがある。複数の下側ランプ143は、下側ドーム110と床152との間に配置される。複数の下側ランプ143は、下側ランプアセンブリ145を形成する。
【0016】
処理量(processing volume)136が、上側ドーム108と下側ドーム110との間に形成される。処理量136は、その処理量136内に配置された基板支持体106を有する。基板支持体106は、上に基板102が配置された頂面を含む。基板支持体106は、シャフト118に取り付けられる。シャフトは、モーションアセンブリ121に接続される。モーションアセンブリ121は、処理量136の中でのシャフト118および/または基板支持体106の動きおよび/または調整をもたらす、1つまたは複数のアクチュエータおよび/または調整デバイスを含む。モーションアセンブリ121は、堆積チャンバ100の縦軸Aの周りにシャフト118および/または基板支持体106を回転させるロータリアクチュエータ122を含む。モーションアセンブリ121は、z方向において基板支持体106をリフトする、および下げるための垂直アクチュエータ124をさらに含む。モーションアセンブリは、基板支持体106の平面の配向(orientation)を調整するために使用される傾斜調整デバイス126と、シャフト118および基板支持体106の位置を処理量136の中で左右に調整するために使用される横方向調整デバイス128とを含む。
【0017】
基板支持体106は、その基板支持体106内に配置されたリフトピン孔107を含むことがある。リフトピン孔107は、堆積プロセスが実行される前または後のいずれかの、基板支持体106からの基板102のリフティングのためのリフトピン132を収容するようにサイズを定められる。リフトピン132は、基板支持体106が処理位置から移送位置に下げられるときに、リフトピン停止部134上に載ることがある。
【0018】
フローモジュール112は、複数のプロセスガス入り口114と、複数のパージガス入り口164と、1つまたは複数の排気ガス出口116とを含む。複数のプロセスガス入り口114、および、複数のパージガス入り口164は、フローモジュール112の、1つまたは複数の排気ガス出口116とは反対側に配置される。1つまたは複数のフローガイド146が、複数のプロセスガス入り口114、および、1つまたは複数の排気ガス出口116の下方に配置される。フローガイド146は、パージガス入り口164の上方に配置される。ライナ163が、フローモジュール112の内側表面上に配され、堆積プロセス中に使用される反応性ガスからフローモジュール112を保護する。プロセスガス入り口114およびパージガス入り口164は、処理量136の中に配置された基板102の頂面150に平行にガスを流すように位置決めされる。プロセスガス入り口114は、プロセスガス源151に流体接続される。パージガス入り口164は、パージガス源162に流体接続される。1つまたは複数の排気ガス出口116は、排気ポンプ157に流体接続される。プロセスガス源151およびパージガス源162の各々は、1つまたは複数の前駆体またはプロセスガスを処理量136内へと供給するように構成されることがある。
【0019】
本明細書において説明される実施形態において、バルブ166が、プロセスガス源151とプロセスガス入り口114との間に流体的に配置される。バルブ166は、プロセスガス源151から流されるガスを、第1のガス導管168または第2のガス導管170のうちの1つ内へと、迂回させる、または分けるように構成される。第1のガス導管168は、バルブ166およびプロセスガス入り口114を流体接続する。第2のガス導管170は、バルブ166および排気ポンプ157を流体接続し、ガスが、プロセス量(process volume)136を避けて迂回させられ、プロセス量136に進入することなく排気される。本明細書において説明されるように、バルブ166は、フローダイバータまたはフローデバイダであることがある。バルブ166は、ガス流を分けるために使用されることができ、制御される数量がプロセス量136に進入し、一方で、残りのプロセスガスがプロセス量136を避けて流される。一部の実施形態において、複数個のバルブ166、ならびに、第1のガス導管168および第2のガス導管170と同様の複数個の追加的な導管が存する。追加的なバルブおよび導管は、異なるガス組み合わせがプロセス量136の中で利用されることを可能にするために使用され、単一のガス組み合わせは、各バルブ166内へと、および、各バルブ166から外に流されるが、複数個のガス組み合わせが、プロセスガス入り口114を経て処理量136に進入することができる。
【0020】
基板102は、結晶シリコン(例えば、Si<100>および/またはSi<110>)、酸化ケイ素、ストレインドシリコン、シリコンゲルマニウム、ゲルマニウム、ドープされた、もしくは非ドープのポリシリコン、ドープされた、もしくは非ドープのシリコンウエハ、および、パターン付きもしくはパターンなしのウエハシリコンオンインシュレータ(SOI)、炭素がドープされた酸化ケイ素、窒化ケイ素、ドープされたシリコン、ゲルマニウム、ヒ化ガリウム、ガラス、またはサファイアなどの材料であることがある。基板102は、200mm、300mm、450mm、または他の直径などの様々な寸法を有する、そして無論のこと、長方形または正方形パネルであることがある。別段に指摘されない限り、本明細書において説明される例は、直径200mm、直径300mm、または直径450mmの基板について施される。
【0021】
図2Aおよび
図2Bは、
図1の基板102の頂面150上に配置された超格子構造体200a、200bの概略断面視図である。超格子構造体200a、200bは、本明細書において説明されるように、複数の層と、複数のユニットセルとを含む。超格子構造体200a、200bは、3D DRAMデバイスなどのデバイスの将来の形成を可能にするように形成される。
【0022】
図2Aは、第1の超格子構造体200aである。第1の超格子構造体200aは、2つの層のユニットセル206a、206bを使用して形成される。各ユニットセル206a、206bは、1つの第1の層202a~202eと、1つの第2の層204a~204eとを含む。第1の層202a~202eは、シリコンゲルマニウム層であり、第1の層202a~202eは、シリコンおよびゲルマニウムの両方を含む。第1の層202a~202eは、約70%から約90%のシリコンと、約12%から約30%のゲルマニウムとをなど、約50%から約90%のシリコンと、約10%から約30%のゲルマニウムとを含む。第2の層204a~204eは、シリコン含有層であり、第2の層204a~204eは、シリコンを含むが、1%未満のゲルマニウムなど、0.5%未満のゲルマニウムなど、より少なく0.1%ゲルマニウムなど、実質的にゲルマニウムを含まない。第2の層204a~204bは、98%よりも多いシリコンなど、99%よりも多いシリコンなど、99.5%よりも多いシリコンなど、95%よりも多いシリコンである。
【0023】
第1の層202a~202e、および、第2の層204a~204eは、交互の方式において配され、第1の層202a~202eの各ペアの間に、第2の層204a~204eがある。第1のユニットセル206aは、基板102の頂面150上に配置された第1の層202aを含む。第2の層204aは、第1の層202aの頂部上に直接的に配され、第1のユニットセル206aを形成する。第2のユニットセル206bは、第2の層204aの頂部上に配置された第1の層202bを含む。追加的な第2の層204bが、第1の層202bの頂部上に配され、第2のユニットセル206bを形成する。追加的なユニットセルが、後続の交互の第1の層202c、202d、202e、および、第2の層204c、202d、204eを使用して形成される。
【0024】
本明細書において説明される実施形態において、第2の層204a~204eの厚さは、第1の層202a~202eの厚さよりも大きい。代替的な実施形態において、第1の層202a~202eの厚さは、第2の層204a~204eの厚さよりも大きい。
【0025】
本明細書において説明される実施形態において、50個よりも多いユニットセルなど、75個よりも多いユニットセル206a、206bなど、100個よりも多いユニットセル206a、206bなど、30個よりも多いユニットセル206a、206bが存する。
【0026】
図2Bは、第2の超格子構造体200bである。第2の超格子構造体200bは、4つの層のユニットセル216a、216bを使用して形成される。各ユニットセル216a、216bは、1つの第1の層208a、208b、208cと、1つの第2の層210a、210b、210cと、1つの第3の層212a、212b、212cと、1つの第4の層214a、214b、214cとを含む。第1の層208a、208b、208c、および、第3の層212a、212b、212cの各々は、シリコンゲルマニウム層であり、第1の層208a、208b、208c、および、第3の層212a、212b、212cは、シリコンおよびゲルマニウムの両方を含む。第1の層208a、208b、208c、および、第3の層212a、212b、212cは、約70%から約90%のシリコンと、約12%から約30%のゲルマニウムとをなど、約50%から約90%のシリコンと、約10%から約30%のゲルマニウムとを含む。第2の層210a、210b、210c、および、第4の層214a、214b、214cは、シリコン含有層であり、第2の層210a、210b、210c、および、第4の層214a、214b、214cは、シリコンを含むが、1%未満のゲルマニウムなど、0.5%未満のゲルマニウムなど、より少なく0.1%ゲルマニウムなど、実質的にゲルマニウムを含まない。第2の層210a、210b、210c、および、第4の層214a、214b、214cは、98%よりも多いシリコンなど、99%よりも多いシリコンなど、99.5%よりも多いシリコンなど、95%よりも多いシリコンである。
【0027】
第1の層208a、208b、208c、第2の層210a、210b、210c、第3の層212a、212b、212c、および、第4の層214a、214b、214cは、スタックされ、第2の層210a、210b、210cが、第1の層208a、208a、208cの頂部上に配され、第3の層212a、212b、212cが、第2の層210a、210b、210cの頂部上に配置され、第4の層214a、214b、214cが、第3の層212a、212b、212cの頂部上に配置される。
図2Bにおいて示されるように、第1の層208aは、基板102の頂面150上に配置される。第2の層210aは、第1の層208a上に配置される。第3の層212aは、第2の層210a上に配置される。第4の層214aは、第3の層212a上に配置される。第1の層208a、第2の層210a、第3の層212a、および、第4の層214aは、第1のユニットセル216aを形成する。第1の層208b、第2の層210b、第3の層212b、および、第4の層214bの第2のセットが、第1のユニットセル216aの頂部上に配され、第2のユニットセル216bを形成する。層の追加的なセットが、追加的なユニットセルを形成するために、基板102上に配置される。
【0028】
本明細書において説明される実施形態において、50個よりも多いユニットセルなど、75個よりも多いユニットセル216a、216bなど、100個よりも多いユニットセル216a、216bなど、30個よりも多いユニットセル216a、216bが存する。
図2Bにおいて示されるように、第1の層208a、208b、208c、第2の層210a、210b、210c、第3の層212a、212b、212c、および、第4の層214a、214b、214cの各々の厚さは様々である。本明細書において示されるように、第1の層208a、208b、208c、および、第3の層212a、212b、212cは、同様の厚さを有し、一方で、第2の層210a、210b、210cは、第4の層214a、214b、214cよりも小さい厚さを有する。本明細書において説明される、各ユニットセル216a、216bの中の層の厚さおよび数は例示的である。他の層厚さ組み合わせおよび層組み合わせが、さらには思索される。
【0029】
図3Aおよび
図3Bは、
図2Aおよび
図2Bの超格子構造体200a、200bと同様の超格子構造体を形成する方法300、350を例解する。
図3Aは、第1の方法300を例解する。第1の方法300は、第1のチャンバ内の基板102などの基板に関する予洗浄プロセスを実行する動作302を含む。予洗浄は、基板102の頂面150上に形成される何らかの自然酸化物を除去することができる。基板102は、次いで、第1のチャンバから第2のチャンバに移される。予洗浄動作302の後に、動作304中に、基板102が、第2のチャンバの中で焼成される。第2のチャンバは、
図1の堆積チャンバ100と同様であり得、エピタキシャル堆積チャンバであることがある。一部の実施形態において、動作302は、動作304中の焼成が、約500℃よりも高いなど、約750℃よりも高いなど、約850℃よりも高いなど、高温において実行されるときには、任意選択である。基板102を焼成した後に、動作306中に、基板の頂面150が、第2のチャンバ内で処置されることがある。処置は、基板102上のシリコンの高温成長を含むことがある。シリコンの高温成長は、約750℃よりも高いなど、約850℃よりも高いなど、約500℃よりも高い温度において実行される。シリコンの高温成長中に、シリコン前駆体が、第2のチャンバ内へと導入される。
【0030】
基板102を処置した後に、動作308中に、第2のチャンバが、堆積温度に冷却される。第2のチャンバは、動作308中に、同時的に、または連続してのいずれかで、堆積圧力に至らせられる。本明細書において説明される堆積温度は、約500℃から約850℃など、約550℃から約850℃など、約550℃から約800℃など、約850℃未満である。堆積圧力は、約3トルから約30トルなど、約5トルから約25トルなど、約1トルから約50トルである。一部の実施形態において、温度または圧力のいずれか1つまたは両方は、すでに、動作308の前に、堆積温度または堆積圧力にある。温度および圧力は、動作308中に安定化され、温度および圧力が、約75℃未満のレンジなど、約50℃未満など、約25℃未満など、約10℃未満など、あらかじめ決定されたレンジの中にとどまる。圧力は、約5トル未満など、約3トル未満など、約1トル未満など、約10トル未満のレンジの中にとどまるように安定化される。
【0031】
第2のチャンバの中の温度および圧力の調整の後に、または、その調整と同時的に、動作310中に、第1のガスの第1の流れ、第2のガスの第2の流れ、および、ハロゲン化された核種の第3の流れが、プロセスガス源151などのプロセスガス源からつながる導管の中で安定化される。ガスの流れを安定化することは、第1のガス、第2のガス、および、ハロゲン化された核種の各々を、方法300の中で利用される最大流量に等しい流量において流すことを含む。代替法として、流量は、方法300の中で利用される最大流量未満であることがある。堆積動作を開始する前に、第1のガス、第2のガス、および、ハロゲン化された核種の各々の流れを安定化することによって、ガスの各々の流量が、層の各々の間の遷移幅を低減するために、各層形成の間で迅速に調整されることが可能になる。安定化されたガス流は、第2のチャンバの処理量を避けて迂回させられてもよく、そのことは、安定化されたガス流が、排気に、バルブまたはフローダイバータにおいて迂回させられる。
【0032】
本明細書において説明されるように、第1のガスは、シリコン含有ガスであり、第2のガスは、ゲルマニウム含有ガスであり、ハロゲン化された核種は、ハロゲン前駆体を含有するガス、またはハロゲンガスである。シリコン含有ガスは、シラン(SiH4)、ジシラン(Si2H6)、ジクロロシラン(SiH2Cl2)、またはトリクロロシラン(SiCl3H)の、任意の1つまたは混合物を含む。ゲルマニウム含有ガスは、ゲルマン(GeH4)またはジゲルマン(Ge2H6)の、任意の1つまたは混合物を含む。ハロゲン化された核種は、HxSiY(4-x)、HxGeY(4=x)、またはHYの、任意の1つまたは混合物を含み、ただし、xは、0~3の間の整数に等しく、yは、塩素(Cl)、臭素(Br)、またはヨウ素(I)のうちの1つに等しい。それゆえに、ハロゲン化された核種は、H3SiCl、H2SiCl2、HSiCl3、H3GeCl、H2GeCl2、HGeCl3、またはHClのうちの任意の1つを含むことがある。臭素またはヨウ素を利用する変形例が、さらには理論化される。
【0033】
ガス流を安定化した後に、動作312中に、第1のガスおよび第2のガスが、プロセスガス入り口114などの複数の入り口を経て、第2のチャンバのプロセス量内へと導入される。プロセス量内への第1のガスおよび第2のガスの導入によって、シリコンゲルマニウム層202a~202e、208a~208c、および212a~212cなどのシリコンゲルマニウム層の形成が可能になる。第1のガスおよび第2のガスは、
図4Aにおいて例解されるような第1の流量において流される。本明細書において説明されるプロセス条件および前駆体と同様のプロセス条件および前駆体を使用すると、シリコンゲルマニウム層202a~202e、208a~208c、および212a~212cの成長速度は、約150nm/分よりも多いなど、約200nm/分よりも多いなど、約100nm/分よりも多い。
【0034】
動作312の後に、動作314中に、第2のチャンバ内への第1のガスおよび第2のガスの流れが停止され、ハロゲン化された核種が、第2のチャンバ内へと流される。第2のチャンバ内への第1のガスおよび第2のガスの流れを停止することは、プロセス量内への流れを停止するのみである。第1のガスおよび第2のガスは、それゆえに、動作310のガス流安定化中と同様に、通風または排気に再指向される。第2のチャンバ内へのハロゲン化された核種の流しは、第2のチャンバ内への第1のガスおよび第2のガス流の停止に引き続いて、または、その停止と同時的に、のいずれかで実行される。動作314中に、層形成は、休止させられ、または、減速される。2つの層の堆積の間のハロゲン化された核種の流れが、層の各々の間のインターフェーシャル境界の幅を低減する。ハロゲン化された核種の中のハロゲンが、シリコンゲルマニウム層の表面の付近のゲルマニウム拡散および蓄積を抑制し、それゆえに、シリコンゲルマニウム層の頂部上に堆積させられるシリコン層内へのゲルマニウムの拡散を低減するということが見いだされている。
【0035】
動作314の後に、動作316中に、第1のガスが、第2のチャンバ内へと再び流され、ハロゲン化された核種の流れが停止される。ハロゲン化された核種の流れを停止することは、基板を伴うプロセス量内へのハロゲン化された核種の流れを停止することを含むが、ハロゲン化された核種は、それでもなお、動作310のガス流安定化中と同様の様式において、通風または排気に、安定化された速度において流される。第2のチャンバ内への第1のガスの流れが、第2の層204a~204e、第2の層210a~210c、および、第4の層214a~214cなどのシリコン層を成長させるために使用される。第2のチャンバ内への第1のガスの流量は、動作312中の第2のチャンバ内への第1のガスの流量よりも多い、または、その流量に等しいのいずれかであることがある。
図4Aにおいて示されるように、第1のガスの流量は、動作312中よりも動作316中に大きい。第2のガスは、ゲルマニウムを伴わない層の形成を可能にするために、動作316中に流されない。
【0036】
動作316中のシリコン層の形成の後に、動作318中に、第2のチャンバ内への第1のガスの流れが停止される。第1のガスの流れを停止することは、基板を伴うプロセス量内への第1のガス流を停止することを含むが、第1のガスは、それでもなお、安定化された流量において流される。プロセス量内へと流される代わりに、第1のガスは、動作310において説明された様式と同様の様式において、通風または排気に再指向される。
【0037】
第1のガスの流れを停止した後に、動作320中に、パージガスが、第2のチャンバ内へと導入される。パージガスを第2のチャンバ内へと導入することは、超格子構造体200a、200b上の層の形成を停止する。パージガスは、不活性ガスであることがあり、パージガスが、窒素(N2)、ヘリウム(He)、ネオン(Ne)、アルゴン(Ar)、またはクリプトン(Kr)の、1つまたは組み合わせを含む。パージガスは、さらには、プロセス動作310、312、314、316、および318中など、他のプロセス動作の各々中に流されることがある。
【0038】
第2のチャンバの処理量をパージした後に、動作312ないし動作320は、25回よりも多い回数など、50回よりも多い回数など、75回よりも多い回数など、100回よりも多い回数など、所望される数の回数反復されることがある。動作312、動作314、動作316、動作318、および動作320の各々の反復は、所望される数のユニットセル206a、206bまで、ユニットセル206a、206bのスタックを形成する。
【0039】
超格子構造体200a、200bの層を形成した後に、動作322中に、基板が、冷却され、第2のチャンバからアンロードされる。基板の冷却は、基板への熱の付与を休止させることにより実行されることがある。基板は、約700℃未満など、約600℃未満など、約500℃未満など、約850℃未満の温度に冷却される。
【0040】
図3Bの方法350は、
図3Aの方法300と同様であるが、動作324~328が、動作312~318に取って代わる。動作324中に、第1のガス、第2のガス、および、ハロゲン化された核種が、シリコンゲルマニウム層を形成するために、同時的に第2のチャンバ内へと導入される。シリコンゲルマニウム層202a~202e、208a~208c、および212a~212cなどのシリコンゲルマニウム層の形成中に、ハロゲン化された核種を導入することは、超格子構造体200a、200bの中のゲルマニウム拡散または集まりを抑制することにより、各後続の層の間の遷移幅を低減することが証明されている。ハロゲン化された核種は、エッチング液が導入された場合に起こるであろう、膜成長の減速はしない。ハロゲン分子が、本明細書において説明されるシリコン含有またはゲルマニウム含有分子の中に配置されることは、ハロゲンのエッチバック効果を低減する、または消失させるということが理論化される。
【0041】
動作324の後に、動作326中に、第2のチャンバ内への第2のガスの流れが停止される。第2のチャンバ内への第2のガスの流れを停止することによって、第2の層204a~204e、第2の層210a~210c、および、第4の層214a~214cなどのシリコン層の成長が可能になる。第2のガスの流れを停止することは、基板を伴うプロセス量内への第2のガス流を停止することを含むが、第2のガスは、それでもなお、安定化された流量において流される。プロセス量内へと流される代わりに、第2のガスは、動作310において説明された様式と同様の様式において、通風または排気に再指向される。第1のガスおよび第2のガスの両方が第2のチャンバ内へと流れることから、第1のガスのみがチャンバ内へと流れることへの、流れの遷移中に、ハロゲン化された核種の流量は、処理量をパージし、第1の層および第2の層の境界の付近のゲルマニウムの拡散または蓄積を抑制することを支援するために増大されることがある。動作326中に第2のガスの流れが停止される後に、または、動作316中の第2のガスの流れの停止と同時的に、第1のガスの流量は、シリコン層の堆積速度を増大するために増大される。
【0042】
シリコン層の形成の後に、動作328中に、第2のチャンバ内への第1のガスおよびハロゲン化された核種の流れが停止される。第1のガスおよびハロゲン化された核種の流れを停止することは、基板を伴うプロセス量内への、第1のガス流、および、ハロゲン化された核種流を停止することを含むが、第1のガスおよびハロゲン化された核種は、それでもなお、安定化された流量において流される。プロセス量内へと流される代わりに、第1のガスおよびハロゲン化された核種は、動作310において説明された様式と同様の様式において、通風または排気に再指向される。第1のガスおよびハロゲン化された核種の流れを停止した後に、動作320中に、パージガスが、第2のチャンバ内へと導入される。パージガスを第2のチャンバ内へと導入することは、超格子構造体200a、200b上の層の形成を停止する。第2のチャンバの処理量をパージした後に、動作324ないし動作320は、25回よりも多い回数など、50回よりも多い回数など、75回よりも多い回数など、100回よりも多い回数など、所望される数の回数反復されることがある。
【0043】
方法300の、動作310、動作312、動作314、動作316、動作318、および動作320の各々中に、プロセス量の中の温度および圧力は、動作308中に確立された、安定化された温度および圧力において、相対的に一定に保持される。温度および圧力の少しの変動が測定されることがあるが、温度は、動作310、動作312、動作314、動作316、動作318、および動作320のうちの任意の2つの間で、約100℃未満だけ変動する。一部の実施形態において、温度は、動作310、動作312、動作314、動作316、動作318、および動作320のうちの任意の2つの間で、約50℃未満だけ変動する。一部の実施形態において、温度は、動作310、動作312、動作314、動作316、動作318、および動作320のうちの任意の2つの間で、約25℃未満だけ変動する。同様に、温度および圧力は、方法350中に、動作310、動作324、動作326、動作328、および動作320中に、相対的に一定に保持される。それゆえに、温度は、動作310、動作324、動作326、動作328、および動作320のうちの任意の2つの間で、約100℃未満だけ変動する。一部の実施形態において、温度は、動作310、動作324、動作326、動作328、および動作320のうちの任意の2つの間で、約50℃未満だけ変動する。一部の実施形態において、温度は、動作310、動作324、動作326、動作328、および動作320のうちの任意の2つの間で、約25℃未満だけ変動する。
【0044】
図4Aおよび
図4Bは、
図3Aおよび
図3Bの方法の一部分中のプロセスガス流グラフを例解する。
図4Aおよび
図4Bにおいて示されるように、第2のチャンバのプロセス量内への、第1のグラフG1のセットは、第1のガスの流量を例解し、第2のグラフG2のセットは、第2のガスの流量を例解し、第3のグラフG3のセットは、ハロゲン化された核種の流量を例解する。本明細書において説明されるきっかりの流量は例示的である。追加的なガス流組み合わせが思索される。
【0045】
1つの実施形態において、ハロゲン化された核種の流量は、第1の方法300の動作312~316の各々の全体を通して、および、第2の方法350の動作324~328の各々を通して一定である。第1のガスの流量は、さらには、第1の方法300の動作312および316を通して、そして無論のこと、第2の方法350の動作324~328を通して同様であることがある。
図4Aおよび
図4Bにおいて示されるように、膜形成動作は、パージ動作320中に第2のチャンバのプロセス量をパージした後に反復する。
【0046】
図5Aおよび
図5Bは、超格子構造体の層の電子顕微鏡測定を例解する。
図5Aにより例解される断面は、約85%シリコンおよび約15%ゲルマニウムのシリコンゲルマニウム層を使用して形成される。
図5Bにより例解される断面は、約75%シリコンおよび約25%ゲルマニウムのシリコンゲルマニウム層を使用して形成される。
図5Aおよび
図5Bの超格子構造体の形成中に、ハロゲン化された核種は、層どうしの間の遷移幅を低減することを支援するために、層の各々の形成の間に導入される。
【0047】
図5Aは、2つのシリコン層502、510の間に配置された単一のシリコンゲルマニウム層506を例解する。第1のシリコン層502およびシリコンゲルマニウム層506は、それらの第1のシリコン層とシリコンゲルマニウム層との間に配置された第1の遷移ゾーン504を含む。シリコンゲルマニウム層506および第2のシリコン層502は、それらのシリコンゲルマニウム層と第2のシリコン層との間に配置された第2の遷移ゾーン508を含む。異なる横方向位置にわたっての遷移ゾーン504、508の幅が、
図6Aにおいてグラフにされる。
図6Aにおいて示されるように、第1の遷移ゾーン504および第2の遷移ゾーン508の遷移幅は、両方が、格子構造体の測定された横方向一部分にわたり、平均して約1.14nmである。
図6Aにおいて、平均の第1の遷移幅ライン602は、第1の遷移ゾーン504にわたる平均遷移幅を表す。平均の第2の遷移幅ライン604は、第2の遷移ゾーン508にわたる平均遷移幅を表す。
【0048】
図5Bは、2つのシリコン層512、520の間に配置された単一のシリコンゲルマニウム層516を例解する。第1のシリコン層512およびシリコンゲルマニウム層516は、それらの第1のシリコン層とシリコンゲルマニウム層との間に配置された第1の遷移ゾーン514を含む。シリコンゲルマニウム層516および第2のシリコン層520は、それらのシリコンゲルマニウム層と第2のシリコン層との間に配置された第2の遷移ゾーン518を含む。異なる横方向位置にわたっての遷移ゾーン514、518の幅が、
図6Bにおいてグラフにされる。
図6Bにおいて示されるように、第1の遷移ゾーン514の遷移幅は、約0.90nmであり、第2の遷移ゾーン518の遷移幅は、約1.31nmである。
図6Bにおいて、平均の第1の遷移幅ライン606は、第1の遷移ゾーン514にわたる平均遷移幅を表す。平均の第2の遷移幅ライン608は、第2の遷移ゾーン518にわたる平均遷移幅を表す。
【0049】
図7は、メモリデバイスの部分デバイス構造体700を例解する。部分デバイス構造体700は、第1の超格子構造体200aから形成される。同様のデバイス構造体が、第2の超格子構造体200bなどの異なる超格子構造体から形成されることがある。部分デバイス構造体700は、第1の超格子構造体200aの層202a~202eおよび204a~204eを通して形成される複数のトレンチ708を含む。トレンチは、後程のプロセス動作中にエッチングまたは処置されることがある側壁710を含む。部分デバイス構造体700は、トレンチ708と同様であることがある複数のエッチング孔702をさらに含む。しかしながら、エッチング孔702は、ポリ材料704および酸化物材料706のうちの1つまたは複数を充填されている。ポリ材料704は、多結晶シリコン材料であることがある。酸化物材料706は、酸化ケイ素または窒化ケイ素であることがある。一部の実施形態において、酸化物材料607は、代わりに、シリコンゲルマニウム材料であることがある。
【0050】
部分デバイス構造体700は、第1の超格子構造体200aから形成されることがある例示的な構造体として、本明細書において例解される。種々のデバイス構造体が、本明細書において説明される方法を使用して作られ得る超格子構造体から形成されることがあるということが思索される。
【0051】
本明細書において説明されるように、本明細書において説明される化学現象およびプロセス条件によって、高い成長速度における、良好に画定されたインターフェーシャル遷移の形成が可能になる。シリコンゲルマニウム層の成長速度は、200nm/分よりも多いことがある。シリコン層の成長速度は、150nm/分よりも多いことがある。本明細書において形成される層は、層の中に、あるとしてもわずかな欠陥を有することが証明されており、種々の異なるスタック構成によって使用され得る。
【0052】
本明細書において説明されるプロセス動作は、第1に、エピタキシャル堆積チャンバ内での適切な焼成が後に続く、予洗浄動作(HF浸漬または同様の)により自然酸化物を除去することを含むことがある。代替法として、エピタキシャル堆積チャンバ内での高温焼成が、別個の予洗浄動作を伴わずに使用されることがある。第2に、追加的な表面処置が、シリコンの高温成長など、エピタキシャル堆積チャンバ内で実行されることがある。第3に、エピタキシャル堆積チャンバが、850℃以下の堆積温度に冷却される。第4に、エピタキシャル堆積チャンバ圧力が、約1トルから約50トルの堆積圧力に調整される。第5に、エピタキシャル堆積チャンバの温度および圧力が安定化される。第6に、プロセスガスが、プロセスガス流を安定化するために通風される。第7に、適切なプロセスガスが、初期層の成長を開始するために、エピタキシャル堆積チャンバに導入される。初期層は、約12%から約30%のゲルマニウム濃度を伴うシリコンゲルマニウム層である。追加的なハロゲン化された核種が、層どうしの間の組成的遷移を改善するために含まれ得る。第8に、前駆体の流れが、シリコンゲルマニウム反応性ガスの流れを停止する、または、エピタキシャル堆積チャンバを避けてシリコンゲルマニウム反応性ガスの流れを通風するために調整される。ハロゲン化された核種が、次いで、事前の動作に含まれないならば流される。ハロゲン化された核種が、事前の動作に含まれるならば、この動作中に、ハロゲン化された核種の流量を増大することは任意選択である。この動作は、さらには、望まれない核種(Ge)をチャンバからパージするように働くということに留意されたい。第9に、シリコン層成長前駆体が導入される。層遷移を改善するために使用されるハロゲン化された核種に応じて、ハロゲン化された核種は、チャンバに指向される、遮断される、または、通風に指向されるままであることがある。第10に、シリコン前駆体流が停止され、または、シリコン前駆体が、チャンバを避けて通風される。第11に、エピタキシャル堆積チャンバがパージされる。エピタキシャル堆積チャンバのパージングは、ヘリウム(He)、ネオン(Ne)、またはアルゴン(Ar)などのパージガスの導入を含むことがある。動作7ないし11は、超格子構造体を形成するために、所望される数の回数反復されることがある。異なる厚さを伴う追加的なSiGeおよびSi層が、異なるユニットセルを生み出すために、ユニットセルを修正するために追加され得る。超格子構造体の形成が完了した後に、基板は、冷却され、エピタキシャル堆積チャンバからアンロードされる。
【0053】
前述は、本開示の実施形態に向けられたものであるが、本開示の他の、およびさらなる実施形態が、本開示の基本的な範囲から逸脱することなく考案されることができ、本開示の範囲は、後に続く特許請求の範囲により決定される。
【国際調査報告】