(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-28
(54)【発明の名称】化学機械研磨コンディショニングディスク配向を検出する方法
(51)【国際特許分類】
B24B 53/017 20120101AFI20240621BHJP
B24B 53/00 20060101ALI20240621BHJP
B24B 53/12 20060101ALI20240621BHJP
B24B 37/10 20120101ALI20240621BHJP
B24B 37/12 20120101ALI20240621BHJP
B24B 37/005 20120101ALI20240621BHJP
B24B 49/10 20060101ALI20240621BHJP
B24B 49/12 20060101ALI20240621BHJP
H01L 21/304 20060101ALI20240621BHJP
【FI】
B24B53/017 A
B24B53/00 A
B24B53/12 Z
B24B37/10
B24B37/12 D
B24B37/005 Z
B24B49/10
B24B49/12
H01L21/304 622M
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023574338
(86)(22)【出願日】2022-05-12
(85)【翻訳文提出日】2024-02-01
(86)【国際出願番号】 US2022029028
(87)【国際公開番号】W WO2022256157
(87)【国際公開日】2022-12-08
(32)【優先日】2021-06-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】オー, ジョンフン
(72)【発明者】
【氏名】リー, クリストファー フンギュン
【テーマコード(参考)】
3C034
3C047
3C158
5F057
【Fターム(参考)】
3C034AA07
3C034BB92
3C034BB93
3C034CA11
3C034CA14
3C034CA22
3C034CB12
3C034DD10
3C047AA06
3C047AA08
3C047AA15
3C047AA18
3C047AA34
3C047EE11
3C158AA07
3C158AA19
3C158AB04
3C158AC02
3C158AC04
3C158BA07
3C158BB02
3C158BC01
3C158BC02
3C158DA12
3C158DA17
3C158EA12
3C158EB01
5F057AA03
5F057AA24
5F057DA03
5F057EB27
5F057FA39
5F057GB02
5F057GB03
5F057GB31
(57)【要約】
研磨パッド厚さプロファイルを決定するための方法および装置が、本明細書で説明される。アーム変位センサと1つまたは複数のコンディショニングディスク変位センサとを含む変位センサのセットが、コンディショニングディスクの配向と研磨パッドの厚さとを決定するために利用される。変位センサは、レーザセンサ、容量性センサ、または誘導性センサなど、非接触センサである。研磨パッドの厚さプロファイルが決定されると、基板研磨を向上させるために1つまたは複数のプロセス条件が変えられる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
化学機械研磨(CMP)装置のためのパッドコンディショニングアセンブリであって、
コンディショニングディスクと、
前記コンディショニングディスクに結合された第1のアクチュエータと、
前記コンディショニングディスクの半径方向外向きに配置された第2のアクチュエータと、
前記第1のアクチュエータと前記第2のアクチュエータとを結合するコンディショナアームと、
前記コンディショナアームに結合されたアーム変位センサと、
前記第1のアクチュエータに結合された1つまたは複数のコンディショニングディスク変位センサと
を備える、パッドコンディショニングアセンブリ。
【請求項2】
前記コンディショニングディスク変位センサが、前記コンディショニングディスク変位センサの各々と前記コンディショニングディスクの一部分との間の距離を測定するように構成された、請求項1に記載のパッドコンディショニングアセンブリ。
【請求項3】
前記コンディショニングディスク変位センサが、誘導性センサ、容量性センサ、またはレーザセンサのうちの1つである、請求項2に記載のパッドコンディショニングアセンブリ。
【請求項4】
前記1つまたは複数のコンディショニングディスク変位センサが、2つまたはそれ以上のコンディショニングディスク変位センサを備える、請求項2に記載のパッドコンディショニングアセンブリ。
【請求項5】
前記アーム変位センサが、誘導性センサ、容量性センサ、またはレーザセンサである、請求項1に記載のパッドコンディショニングアセンブリ。
【請求項6】
前記アーム変位センサが、前記アーム変位センサと前記コンディショナアームの下に配置された研磨プラテンの上面との間の距離を測定するように構成された、請求項5に記載のパッドコンディショニングアセンブリ。
【請求項7】
前記コンディショニングディスクが、さらに、コンディショニングディスクホルダと前記コンディショニングディスクホルダ内に配置されたコンディショニングディスクパッドとを備え、前記コンディショニングディスクパッドが、研磨パッドに対して押しつけられるように構成された、請求項1に記載のパッドコンディショニングアセンブリ。
【請求項8】
前記パッドコンディショニングアセンブリが、前記第2のアクチュエータを使用して、前記コンディショニングディスクを研磨パッドの研磨表面にわたって移動するように構成された、請求項1に記載のパッドコンディショニングアセンブリ。
【請求項9】
基板処理のための装置であって、
研磨プラテンと、
基板キャリアと、
パッドコンディショニングアセンブリと
を備え、前記パッドコンディショニングアセンブリが、
コンディショニングディスクと、
前記コンディショニングディスクに結合された第1のアクチュエータと、
前記コンディショニングディスクの半径方向外向きに配置された第2のアクチュエータと、
前記第1のアクチュエータと前記第2のアクチュエータとを結合するコンディショナアームと、
アーム変位センサであって、前記コンディショナアームの底部コンディショナアーム表面に結合され、前記アーム変位センサと前記研磨プラテンの上面との間の第1の距離を測定するように構成された、アーム変位センサと、
1つまたは複数のコンディショニングディスク変位センサであって、前記第1のアクチュエータの底部アクチュエータ表面上に配置され、前記コンディショニングディスク変位センサの各々と前記コンディショニングディスクの一部分との間の第2の距離を測定するように構成された、1つまたは複数のコンディショニングディスク変位センサと
を備える、装置。
【請求項10】
前記アーム変位センサおよび前記1つまたは複数のコンディショニングディスク変位センサの各々が、誘導性センサ、容量性センサ、またはレーザセンサである、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記1つまたは複数のコンディショニングディスク変位センサは、各々が、前記コンディショニングディスクの回転軸に対して異なる角度位置において配向される、2つまたはそれ以上のコンディショニングディスク変位センサを備える、請求項9に記載の装置。
【請求項12】
前記2つまたはそれ以上のコンディショニングディスク変位センサが、3つのコンディショニングディスク変位センサを備える、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記2つまたはそれ以上のコンディショニングディスク変位センサが、4つのコンディショニングディスク変位センサを備える、請求項11に記載の装置。
【請求項14】
前記コンディショニングディスクが、さらに、コンディショニングディスクホルダと、前記コンディショニングディスクホルダ内に配置されたコンディショニングディスクパッドとを備え、前記コンディショニングディスクパッドが、研磨パッドに対して押しつけられるように構成され、前記1つまたは複数のコンディショニングディスク変位センサが、前記コンディショニングディスク変位センサの各々と前記コンディショニングディスクパッドの一部分との間の前記第1の距離を測定するように構成された、請求項9に記載の装置。
【請求項15】
コントローラをさらに備え、前記コントローラが、
前記1つまたは複数のコンディショニングディスク変位センサおよび前記アーム変位センサの各々からの入力により、前記コンディショニングディスクの配向を決定すること
を行うように構成された、請求項9に記載の装置。
【請求項16】
前記コントローラが、
前記研磨プラテン上に配設された研磨パッドの厚さプロファイルを決定することと、
前記厚さプロファイルを決定することの後に、1つまたは複数のコンディショニングパラメータを変更することと
を行うようにさらに構成された、請求項15に記載の装置。
【請求項17】
基板処理の方法であって、
研磨パッドの表面に対してコンディショニングディスクを押しつけることと、
コンディショニングアームと前記研磨パッドの下に配設された研磨プラテンとの間の距離を測定することであって、前記コンディショニングアームが、第1のアクチュエータを介して前記コンディショニングディスクに結合された、コンディショニングアームと前記研磨パッドの下に配設された研磨プラテンとの間の距離を測定することと、
1つまたは複数のコンディショニングディスク変位センサを使用して、前記コンディショニングディスクの配向を決定することと、
前記コンディショニングディスクの前記配向から前記研磨パッドの厚さプロファイルを決定することと、
前記厚さプロファイルを決定することの後に、1つまたは複数のコンディショニングパラメータを変更することと
を含む、方法。
【請求項18】
前記コンディショニングディスクの前記配向を決定することが、さらに、前記コンディショニングアームの底部アーム表面上に配置されたアーム変位センサを使用することを備える、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記アーム変位センサおよび前記1つまたは複数のコンディショニングディスク変位センサの各々が、誘導性センサ、容量性センサ、またはレーザセンサである、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記1つまたは複数のコンディショニングパラメータが、前記研磨パッドの異なる半径方向位置での前記コンディショニングディスクの滞在時間、または前記研磨パッドの前記異なる半径方向位置での前記コンディショニングディスクのダウンフォースである、請求項17に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施形態は、一般に半導体デバイス製造に関し、より詳細には、半導体デバイス製造において使用される化学機械研磨(CMP)システムと、CMPシステムに関係する基板処理方法とに関する。
【背景技術】
【0002】
化学機械研磨(CMP)は、基板上に堆積された材料の層を平坦化または研磨するために、高密度集積回路の製造において一般的に使用されている。半導体デバイス製造におけるCMPプロセスの1つの一般的な適用例は、バルクフィルムの平坦化、たとえばプレメタル誘電体(PMD)または層間誘電体(ILD)研磨であり、ここで、基礎をなす2次元または3次元フィーチャーが、平坦化されるべき材料表面の表面における凹部および突出部をもたらす。他の一般的な適用例は、シャロートレンチ分離(STI)および層間金属相互接続形成を含み、ここで、CMPプロセスは、STIまたは金属相互接続特徴がその中に配設された材料の層の露出した表面(領域)から、ビア、接点またはトレンチ充填材料(オーバーバーデン)を除去するために使用される。
【0003】
一般的なCMPプロセスでは、研磨パッドが、回転可能な研磨プラテンに取り付けられる。基板の材料表面が、研磨流体の存在下で研磨パッドに対して押しつけ(urge)られる。一般に、研磨流体は、水溶液中に懸濁された1つまたは複数の化学的活性構成要素および研磨剤粒子(abrasive particle)の、水溶液であり、たとえば、CMPスラリである。基板の材料表面は、基板キャリアを使用して研磨パッドに対して押しつけられる。一般的な基板キャリアは、基板の裏側表面に対して配設された膜、ブラダー、またはバッキング板と、基板に外接する環状保持リングとを含む。膜、ブラダー、またはバッキング板は、基板キャリアがキャリア軸を中心として回転する間、基板に対してダウンフォースをかけるために使用される。保持リングは、基板が研磨パッドに対して押しつけられるときに基板を囲み、基板が基板キャリアからずれるのを防ぐために使用される。研磨流体によって提供される化学的および機械的作用と、基板と研磨パッドとの相対的動きと、研磨パッドに対して基板上に加えられるダウンフォースとの組合せを通して、研磨パッドと接触している基板の表面にわたって、材料が除去される。
【0004】
概して、CMPプロセス性能は、基板の表面からの材料除去率(material removal rate)と、基板の表面にわたる材料除去率の均一性(除去率均一性)とに関して特徴づけられる。誘電体バルクフィルム平坦化プロセスでは、基板の表面にわたる不均一な材料除去率が、誘電体材料の不十分な平坦性および/または望ましくない厚さ変動がCMP後に残ることにつながることがある。金属相互接続CMP適用例では、不十分な局所平坦化および/または不均一な材料除去率から生じる金属損失が、金属フィーチャーの実効抵抗の望ましくない変動を引き起こし、したがって、デバイス性能および信頼性に影響を及ぼすことがある。したがって、基板の表面にわたる不均一な材料除去率は、デバイス性能に悪影響を及ぼし、および/または基板上に形成される使用可能なデバイスの抑圧された歩留まりを生じる、デバイス故障を引き起こすことがある。
【0005】
研磨パッドのプロファイルにおける不均一性は、基板がその不均一性を経るとき、基板の表面にわたる除去率に影響を及ぼし得る。これらの不均一性が考慮されない場合、基板の各々の研磨は不均一であり、デバイス性能に悪影響を及ぼし得る。研磨パッド不均一性を考慮する現在の方法は、研磨パッドにとって破壊的であるか、または研磨パッド摩耗をモデル化することに関与する。研磨パッドプロファイルを測定するための現在の非破壊的な方法および装置は、不十分な分解能および正確さを有する。
【0006】
したがって、当技術分野において必要なものは、上記で説明された問題のソリューションである。
【発明の概要】
【0007】
本明細書の実施形態は、一般に、研磨パッドコンディショニング処理を改善するための化学機械研磨(CMP)システムおよび方法に関する。
【0008】
一実施形態では、化学機械研磨(CMP)装置のためのパッドコンディショニングアセンブリが説明される。パッドコンディショニングアセンブリは、コンディショニングディスクと、コンディショニングディスクに結合された第1のアクチュエータと、コンディショニングディスクの半径方向外向きに(radially outward)配置された第2のアクチュエータと、第1のアクチュエータと第2のアクチュエータとを結合するコンディショナアームと、コンディショナアームに結合されたアーム変位センサと、第1のアクチュエータに結合された1つまたは複数のコンディショニングディスク変位センサとを含む。
【0009】
別の実施形態では、基板処理のための装置が説明される。基板処理のための装置は、研磨プラテンと、基板キャリアと、パッドコンディショニングアセンブリとを含む。パッドコンディショニングアセンブリは、コンディショニングディスクと、コンディショニングディスクに結合された第1のアクチュエータと、コンディショニングディスクの半径方向外向きに配置された第2のアクチュエータと、第1のアクチュエータと第2のアクチュエータとを結合するコンディショナアームと、コンディショナアームの底部コンディショナアーム表面に結合されたアーム変位センサと、第1のアクチュエータの底部アクチュエータ表面上に配置された1つまたは複数のコンディショニングディスク変位センサとを含む。アーム変位センサは、アーム変位センサと研磨プラテンの上面との間の第1の距離を測定するように構成される。1つまたは複数のコンディショニングディスク変位センサは、コンディショニングディスク変位センサの各々とコンディショニングディスクの一部分との間の第2の距離を測定するように構成される。
【0010】
また別の実施形態では、基板処理の方法が説明される。基板処理の方法は、研磨パッドの表面に対してコンディショニングディスクを押しつけることと、コンディショニングアームと研磨パッドの下に配置された研磨プラテンとの間の距離を測定することとを含む。コンディショニングアームは、第1のアクチュエータを介してコンディショニングディスクに結合される。1つまたは複数のコンディショニングディスク変位センサを使用して、コンディショニングディスクの配向が決定される。コンディショニングディスクの配向から研磨パッドの厚さプロファイルが決定される。厚さプロファイルを決定した後に、1つまたは複数のコンディショニングパラメータが変更される。
【0011】
本開示の上記の具陳された特徴が詳細に理解され得るように、上記で手短に要約された、本開示のより詳細な説明は、添付の図面にその一部が示されている実施形態を参照することによってなされ得る。しかしながら、本開示は、他の等しく有効な実施形態を認め得るので、添付の図面は、例示的な実施形態を示すにすぎず、したがって、その範囲の限定と見なされるべきでないことに留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1A】本明細書で説明される実施形態による、研磨システムの概略平面図である。
【
図1B】本明細書で説明される実施形態による、
図1Aの研磨システムの概略断面図である。
【
図2】本明細書で説明される実施形態による、
図1Aの研磨システムの一部分の概略断面図である。
【
図3】本明細書で説明される実施形態による、複数の位置にコンディショニングディスクを備えた
図1Aの研磨システムの一部分の概略断面図である。
【
図4】A~Cは、本明細書で説明される実施形態による、コンディショニングディスク変位センサの異なる構成をもつコンディショニングディスクの概略平面図である。
【
図5】本明細書で説明される実施形態による、研磨パッド厚さプロファイルを形成する方法のフロー図である。
【0013】
理解を容易にするために、可能な場合、図に共通である同じ要素を指定するために同じ参照番号が使用されている。一実施形態の要素および特徴が、さらなる具陳なしに他の実施形態に有益に組み込まれ得ることが企図される。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本開示は、一般に、CMPシステム内で使用される装置および方法を対象とする。本明細書で説明される装置および方法は、より詳細には、単一の研磨モジュール内の研磨パッドプロファイルの測定を対象とする。装置は、パッドコンディショニングアセンブリのコンディショナアームに結合されたアーム変位センサ、ならびにパッドコンディショニングアセンブリのコンディショニングディスクの一部分の変位を測定するように配置された1つまたは複数の追加のコンディショニングディスク変位センサを含む。アーム変位センサは、コンディショナアームと研磨プラテンの上側表面との間の距離を測定するように構成される。1つまたは複数のコンディショニングディスク変位センサは、コンディショニングディスクが研磨パッドの上面にわたって掃引されるとき、コンディショニングディスクの配向の測定を可能にする。
【0015】
アーム変位センサとコンディショニングディスク変位センサとの組合せは、研磨パッドの厚さプロファイルが決定されることを可能にする。厚さプロファイルは、コンディショニングディスクが研磨パッドの表面にわたって掃引されるとき、継続的に更新され得る。厚さプロファイルは、研磨パッドの上面内の溝またはディボットの検出を可能にする。単一のアーム変位センサの使用は、研磨パッドの厚さプロファイルの全体的推定値を提供し得るが、コンディショニングディスク変位センサを追加することによって、研磨パッド厚さ測定値の正確さおよび分解能が改善される。
【0016】
図1Aは、本明細書に記載される方法を実践するように構成された、一実施形態による、研磨システムの概略平面図である。
図1Bは、
図1Aの研磨システムの概略断面側面図である。ここで、研磨システム100は、研磨プラテン102と、基板キャリア104と、流体供給アーム106と、パッドコンディショナアセンブリ108と、システムコントローラ110とを含む。研磨プラテン102は、研磨パッド取付表面118を提供するために、円筒形プラテン本体114と、プラテン本体114の表面上に配設された低接着材料層116とを採用する。プラテン本体114は、一般に、アルミニウム、アルミニウム合金(たとえば、6061アルミニウム)、またはステンレス鋼など、適切に堅い、軽量な、および研磨流体耐腐食性(corrosion resistant)材料から形成される。低接着材料層116は、一般に、1つまたは複数のフッ素含有ポリマー前駆体または溶融加工可能なフルオロポリマーから形成された、ポリマー材料を備える。低接着材料層116は、望ましくは、研磨パッド112がその有効寿命の終了に達しすると、研磨パッド取付表面118から研磨パッド112を取り外すために必要とされる力の量を低減し、さらに、プラテン本体114の金属を望ましくない研磨流体の引き起こす腐食から保護する。
【0017】
ここで、パッド取付表面118は、プラテン軸Aを中心として形成された複数の同心ゾーン120a~cを含む。複数の同心ゾーン120a~cは、円形(上から下に見られたとき)または環状の第1のゾーン120aと、第1のゾーン120aに外接する環状の第2のゾーン120bと、第2のゾーン120bから半径方向外向きに配設され、第2のゾーン120bに外接する環状の第3のゾーン120cとを含む。パッド取付表面118は、第1のパッド取付表面118a、第2のパッド取付表面118b、および第3のパッド取付表面118cが、それぞれ、環状の第1のゾーン120a、環状の第2のゾーン120b、環状の第3のゾーン120cの各々に対応するように、セクションに分割される。
【0018】
ここで、第2のゾーン120b中の第2のパッド取付表面118bは、平面Pから距離Z
1凹ませられる。平面Pは、第1のゾーン120a中のパッド取付表面118aと第3のゾーン120c中のパッド取付表面118cとによって画定され、それらは、いくつかの実施形態では、および
図1Bに示されているように、互いに実質的に共面である。たとえば、第1のゾーン120a中のパッド取付表面118aと第3のゾーン120c中のパッド取付表面118cとが互いに共面ではない、いくつかの実施形態では、平面Pは、凹ませられた第2のゾーン120bにわたるように、第1のゾーン120aおよび第3のゾーン120cの上におよびそれらに接触して置かれた平面表面を有する物体によって画定され得る。
【0019】
図1Bでは、第2のゾーン120b中の第2のパッド取付表面118bは、実質的に平面であり、第1のゾーン120aの表面と第3のゾーン120cの表面とによって形成された平面に平行である。したがって、距離Z
1は、第2のゾーン120b中の凹まされたパッド取付表面118bの幅Wにわたって実質的に一定である。他の実施形態では、第2のゾーン120b中の凹まされた表面は、第1のゾーン120aのパッド取付表面と第3のゾーン120cのパッド取付表面とによって形成された平面に平行でなく、および/またはその幅Wにわたって実質的に平面でない。
【0020】
一般に、研磨パッド112は、ポリマー材料の1つまたは複数の層から形成され、感圧性接着剤を使用してパッド取付表面118a~cに固定される。研磨パッド112を形成するために使用されるポリマー材料は、研磨パッド112が、第2のゾーン120b中の凹まされたパッド取付表面118bならびにそれに隣接する第1のゾーン120aのパッド取付表面118aおよび第3のゾーン120cのパッド取付表面118cに適合することを可能にするために、比較的コンプライアント(compliant)であり得、または堅く、その研磨表面におけるチャネルまたは溝で形成され得る。したがって、ゾーン120a~cの各々中の研磨パッド112の研磨表面は、プラテン102のパッド取付表面118について上記で説明されたものと実質的に同じ形状および相対寸法を有する。
【0021】
ここで、回転基板キャリア104は、研磨パッド112がプラテン軸Aを中心として回転されるとき、研磨パッド112に対して基板113の材料表面を押しつけるために基板113に対してダウンフォースを加えるために使用される。図示のように、基板キャリア104は、可撓性膜124と環状保持リング126とを採用する。基板研磨中に、可撓性膜124は、その下に配設された基板113の非活性(裏側)表面に対してダウンフォースを加える。保持リング126は、基板113が、研磨パッド112がその下で移動するときに基板キャリア104からずれるのを防ぐために、基板113を囲む。一般に、基板キャリア104は、基板113に対して加えられるダウンフォースとは無関係のダウンフォースを、保持リング126に対して加えるように構成される。いくつかの実施形態では、基板キャリア104は、部分的に、その下に配設された研磨パッド112の一様でない摩耗を低減するために、研磨プラテンの半径方向に振動する。
【0022】
一般に、基板113は、流体供給アーム106によって供給される1つまたは複数の研磨流体の存在下で、研磨パッド112に対して押しつけられる。一般的な研磨流体は、研磨剤粒子が中に懸濁された水溶液から形成されたスラリを備える。研磨流体は、基板113の材料表面を変形するために使用され、したがってその化学機械研磨を可能にする、1つまたは複数の化学的活性成分を含んでいる。
【0023】
パッドコンディショナアセンブリ108は、基板113の研磨の前、後、または間に研磨パッド112の表面に対してコンディショニングディスク128を押しつけることによって、研磨パッド112を調整するために使用される。
図2に示されているように、パッドコンディショナアセンブリ108は、コンディショニングディスク128と、軸Cを中心としてコンディショニングディスク128を回転させるための第1のアクチュエータ130と、第1のアクチュエータ130を第2のアクチュエータ134に結合するコンディショナアーム132と、回転位置センサ135と、第3のアクチュエータ136とを含む。第2のアクチュエータ134を使用して、軸Dを中心としてコンディショナアーム132を振り、したがって、回転コンディショニングディスク128を研磨パッド112の内半径と外半径との間で前後に掃引する。位置センサ135は、第2のアクチュエータ134に結合され、コンディショナアーム132の角度位置を決定するために使用され、これは、研磨パッド112上のコンディショニングディスク128の半径方向ロケーションを、その上でコンディショニングディスク128が掃引されるとき、決定するために使用され得る。第3のアクチュエータ136は、コンディショニングディスク128が研磨パッド112に対して押しつけられるとき、コンディショニングディスク128上にダウンフォースを加えるために使用される。ここで、第3のアクチュエータ136は、第2のアクチュエータ134に近接したおよびコンディショニングディスク128から遠位にあるロケーションにおいて、アーム132の端部に結合される。
【0024】
パッドコンディショニングアセンブリ108の処理を含む、研磨システム100の処理が、システムコントローラ110(
図1B)によって容易にされる。システムコントローラ110は、メモリ142(たとえば、不揮発性メモリ)およびサポート回路144とともに動作可能であるプログラム可能な中央処理ユニット(CPU140)を含む。たとえば、いくつかの実施形態では、CPU140は、様々な研磨システム構成要素およびサブプロセッサを制御するためのプログラマブルロジックコントローラ(PLC)など、産業環境において使用される汎用コンピュータプロセッサの任意の形式のものである。CPU140に結合されたメモリ142は、非一時的であり、一般に、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読取り専用メモリ(ROM)、フロッピーディスクドライブ(drive)、ハードディスク、あるいは、ローカルまたは遠隔のデジタルストレージの任意の他の形式など、すぐに利用可能なメモリのうちの1つまたは複数である。サポート回路144は、従来、CPU140に結合され、基板研磨プロセスの制御を容易にするために、研磨システム100の様々な構成要素に結合された、キャッシュ、クロック回路、入出力サブシステム、電源など、およびそれらの組合せを備える。
【0025】
ここでは、メモリ142は、CPU140によって実行されたとき、研磨システム100の処理を容易にする命令を含んでいる、コンピュータ可読ストレージ媒体の形式のもの(たとえば、不揮発性メモリ)である。例示的なコンピュータ可読ストレージ媒体は、限定はしないが、(i)情報が永続的に記憶される書込み不可能なストレージ媒体(たとえば、CD-ROMドライブによって読取り可能なCD-ROMディスクなどのコンピュータ内の読取り専用メモリデバイス、フラッシュメモリ、ROMチップ、または任意のタイプの固体不揮発性半導体メモリ)、および(ii)変更可能な情報が記憶される書込み可能なストレージ媒体(たとえば、ディスケットドライブまたはハードディスクドライブ内のフロッピーディスク、あるいは任意のタイプのソリッドステートランダムアクセス半導体メモリ)を含む。メモリ142中の命令は、本開示の方法を実装するプログラムなど、プログラム製品の形式のもの(たとえば、ミドルウェアアプリケーション、機器ソフトウェアアプリケーションなど)である。いくつかの実施形態では、本開示は、コンピュータシステムとともに使用するための非一時的コンピュータ可読ストレージ媒体に記憶されたプログラム製品として実装され得る。したがって、プログラム製品の(1つまたは複数の)プログラムが、(本明細書で説明される方法を含む)実施形態の機能を定義する。
【0026】
図2は、本明細書で説明される実施形態による、
図1Aの研磨システム100の一部分の概略断面図である。研磨システム100は、アーム変位センサ238および1つまたは複数のコンディショニングディスク変位センサ210a、210bで構成される。アーム変位センサ238およびコンディショニングディスク変位センサ210a、210bは、研磨パッド112の厚さプロファイルの測定を可能にするように構成される。厚さプロファイルは、プラテン本体114の研磨パッド取付表面118内の凹部によって引き起こされる研磨パッド112のプロファイルの変化、ならびに一様でない摩耗または粒子蓄積によって引き起こされる研磨パッド112における不均一性を測定する。
【0027】
一般に、コンディショニングディスク128は、ジンバル208を使用して第1のアクチュエータ130に結合され、ジンバル208は、コンディショニングディスク128が研磨パッド112に対して押しつけられるとき、コンディショニングディスク128が研磨パッド112の表面との平行関係を維持することを可能にする。ここで、コンディショニングディスク128は、コンディショニングディスクホルダ202と、コンディショニングディスクホルダ202内に配置されたコンディショニングディスクパッド204とを含む。コンディショニングディスクホルダ202は、フルオロカーボン含有材料など、ポリマーまたはプラスチック材料である。プラスチック材料は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)またはポリエーテルエーテルケトン(PEEK)であり得る。コンディショニングディスクホルダ202は、コンディショニングディスク変位センサ210aが、コンディショニングディスクホルダ202の中に配置されたコンディショニングディスクパッド204のロケーションを測定することを可能にするために、約5mm未満など、約10mm未満の厚さを有する。コンディショニングディスクパッド204は、たとえば、ダイヤモンドが金属合金に埋め込まれた、固定砥粒研磨コンディショニング表面(fixed abrasive conditioning surface)を有しており、研磨パッド112の表面を研磨および復活させるために、およびそこから研磨副産物または他のデブリを除去するために使用される。一般に、コンディショニングディスク128は、約90mmから約120mm、またはたとえば、約108mm(4.25インチ)の間など、約80mmから約130mmの間の直径を有する。いくつかの実施形態では、コンディショニングディスク128が、第2のゾーン120b中の研磨パッド112の表面のコンディショニング中、研磨パッド112の表面との接点を維持し得るように、コンディショニングディスク128の直径は、第2のゾーン120bの幅Wよりも小さい。
【0028】
アーム変位センサ238は、アーム変位センサ238がコンディショナアーム132の底表面220上に配置されるように、コンディショナアーム132に接続される。アーム変位センサ238は、誘導性センサ、容量性センサ、またはレーザセンサである。アーム変位センサ238が誘導性センサである実施形態では、アーム変位センサ238は、アーム変位センサ238の端部と、その端部の下に配設されたプラテン本体114の金属表面との間の距離Z2を決定するために渦電流を測定するように構成される。アーム変位センサ238と位置センサ135とは、第2のゾーン120bに隣接する第1のゾーン120aおよび第3のゾーン120c中の研磨パッド112の表面からの、第2のゾーン120b中の研磨パッド112の表面の凹まされた距離Z3を決定するために、組み合わせて使用される。しかしながら、第2のゾーン120bがコンディショニングディスク128の直径よりも狭い、いくつかの実施形態では、アーム変位センサ238によって行われた距離Z2測定は、推定にすぎず、第2のゾーン120bの完全な形状または深度を考慮しないことがある。アーム変位センサ238は、機械的にまたは遠隔でのいずれかで、システムコントローラ110に接続され得る。アーム変位センサ238がシステムコントローラ110に遠隔で接続される実施形態では、アーム変位センサ238は、短距離ワイヤレス(BLUETOOTH(登録商標))、高周波、またはWi-Fi(ワイヤレスフィデリティ)接続を含む。
【0029】
コンディショニングディスク変位センサ210a、210bは、第1のアクチュエータ130の底面206などで、パッドコンディショナアセンブリ108に結合される。本明細書で説明されるコンディショニングディスク変位センサ210a、210bは、コンディショニングディスク128の直上に配置される。コンディショニングディスク128に近いことにより、同じタイプのコンディショニングディスク変位センサ210a、210bを使用するとき、測定精度と正確さが改善される。コンディショニングディスク変位センサ210a、210bを、第1のアクチュエータ130およびコンディショニングディスク128とともに移動するパッドコンディショナアセンブリ108の一部分に結合することは、コンディショニングディスク128に一定の基準系を提供し、研磨パッド112の表面にわたる第1のアクチュエータ130およびコンディショニングディスク128の位置を考慮する必要をなくし、したがって誤差を低減する。本明細書で説明されるコンディショニングディスク変位センサ210a、210bは、非接触変位センサである。非接触変位センサを利用することは、コンディショニングディスク128が回転するときに発生する機械的故障および摩耗など、問題を防ぐ。
【0030】
例として、コンディショニングディスク変位センサ210a、210bは、誘導性センサ、レーザセンサ、または容量性センサであり得る。コンディショニングディスク変位センサ210a、210bが誘導性センサである実施形態では、コンディショニングディスク変位センサ210a、210bは、コンディショニングディスク変位センサ210a、210bの端部と、その端部の下に配置されたコンディショニングディスクパッド204の金属表面との間の1つまたは複数の距離Z4またはZ5を決定するために渦電流を測定する。第1のコンディショニングディスク距離Z4が、第1のコンディショニングディスク変位センサ210aによって測定される。第2のコンディショニングディスク距離Z5が、第2のコンディショニングディスク変位センサ210bによって測定される。第1のコンディショニングディスク変位センサ210aと第2のコンディショニングディスク変位センサ210bとは、コンディショニングディスク128の異なる部分までの距離を測定するように構成される。コンディショニングディスク変位センサ210aとコンディショニングディスク変位センサ210bとは、コンディショニングディスク128の配向を決定するために組み合わせて使用される。
【0031】
コンディショニングディスク128の配向ならびにアーム変位センサ238によって測定されたアーム変位は、研磨パッド112の厚さにおける凹部または不均一性を正確に考慮する、より良い研磨パッド厚さプロファイルが作成されることを可能にする。コンディショニングディスク変位センサ210a、210bの数が増加されるにつれて、研磨パッド厚さプロファイルの分解能および正確さが改善され得る。コンディショニングディスク変位センサ210a、210bは、機械的にまたは遠隔でのいずれかでシステムコントローラ110に接続され得る。コンディショニングディスク変位センサ210a、210bがシステムコントローラ110に遠隔で接続される実施形態では、コンディショニングディスク変位センサ210a、210bは、短距離ワイヤレス(BLUETOOTH(登録商標))、高周波、またはWi-Fi接続を含む。
【0032】
図示されたパッドコンディショナアセンブリ108は、2つのコンディショニングディスク変位センサ210a、210bを含むが、いくつかの実施形態では、単一のコンディショニングディスク変位センサ210aのみがあり、あるいは、
図4A~
図4Cに示されているように3つまたはそれ以上のコンディショニングディスク変位センサ210a、210bがある。単一のコンディショニングディスク変位センサ210aを利用するとき、コンディショニングディスク128の傾きの1つの程度のみが測定されることが可能である。2つのコンディショニングディスク変位センサ210a、210bを利用するとき、コンディショニングディスク128の2つの傾きが測定されることが可能である。3つまたはそれ以上のコンディショニングディスク変位センサ210a、210bを利用するとき、コンディショニングディスク128の3つの傾きのすべてが測定されることが可能である。3つのコンディショニングディスク変位センサ210a、210bを超えた追加のコンディショニングディスク変位センサ210a、210bの使用は、コンディショニングディスク傾き測定の分解能および精度、ならびにその後、研磨パッド厚さプロファイルを改善するのを支援する。
【0033】
いくつかの実施形態では、パッドコンディショナアセンブリ108は、第2のゾーン120bに隣接する第1のゾーン120aおよび第3のゾーン120c中の研磨パッド112の表面に対する、第2のゾーン120b中の研磨パッド112の表面の凹関係を維持するために使用される。それらの実施形態では、システムコントローラ110は、第2のゾーン120b中のコンディショニングディスク128の滞在時間および/またはコンディショニングディスク128上のダウンフォースを変更するために使用され得る。本明細書で使用される滞在時間は、コンディショニングディスク128が、その下で研磨パッド112を移動させるためにプラテン102が回転するにつれて、研磨パッド112の内半径から外半径まで掃引されるとき、コンディショニングディスク128が半径方向の位置において費やす平均持続時間を指す。たとえば、第2のゾーン120b中の研磨パッド表面エリアのcm2当たりのコンディショニング滞在時間は、第2のゾーン120bに隣接する第1のゾーン120aおよび/または第3のゾーン120cの一方または両方中の研磨パッド表面エリアのcm2当たりのコンディショニング滞在時間に対して増加または減少され得る。
【0034】
図3は、コンディショニングディスク128が研磨パッド112上の複数の位置にある、
図1Aの研磨システム100の一部分の概略断面図である。コンディショニングディスク128は、異なる高さおよび配向において示されている。コンディショニングディスク128は、研磨パッド112の表面にわたって進みながら、軸Cを中心として回転されるように構成される。
【0035】
本明細書で説明されるコンディショニングディスク128は、何らかの欠陥またはディボットが、コンディショニングディスク128が研磨パッド112の静止位置とは異なる角度において傾くことを引き起こすことがなければ、研磨パッド112の一部分上にコンディショニングディスク128が配置されるとき、第1の配向O1において示される。第1の配向O1は、ホーム配向または静止位置と見なされ得る。
【0036】
コンディショニングディスク128’は、コンディショニングディスク128’が少なくとも部分的に、研磨パッド112内のディボットまたは特徴上に配設されるように示されている。本明細書に示されているように、研磨パッド112内のディボットまたはフィーチャーは、上記で説明されたように、パッド取付表面118bの第2のゾーン120bなど、プラテン本体114内のディボットまたはフィーチャーによって引き起こされる。コンディショニングディスク128’は、研磨パッド112内のディボット上にある間、第2の配向O2において配設される。第2の配向O2は、第1のコンディショニングディスク距離Z4と第2のコンディショニングディスク距離Z5とを測定することによって測定される。本明細書に示されているように、第1のコンディショニングディスク距離Z4は、第2のコンディショニングディスク距離Z5よりも小さく、したがって、コンディショニングディスク128’の配向が決定される。より小さいコンディショニングディスク128および/または追加のコンディショニングディスク変位センサ210a、210bの場合、研磨パッド112内のフィーチャーのより細かい分解能が可能であり得る。
【0037】
コンディショニングディスク128’’は、コンディショニングディスク128’’が、少なくとも部分的に、コンディショニングディスク128’と同じ、研磨パッド112内のディボットまたはフィーチャー上に配置されるが、そのディボットまたはフィーチャーの異なる部分上に配置されるように示されている。本明細書に示されているように、コンディショニングディスク128’とコンディショニングディスク128’’の両方、ならびにそれぞれの第1のアクチュエータ130の、平均高さは、同じである。しかしながら、コンディショニングディスク128’およびコンディショニングディスク128’’の各々の配向O2と配向O3とは、異なる。コンディショニングディスク変位センサ210a、210bがなければ、アーム変位センサ238は、コンディショニングディスク128’または128’’の配向を測定することが可能でないことになる。したがって、コンディショニングディスク128’と128’’の両方が、同じ高さであるように見えることになる。これは、本明細書で説明されるコンディショニングディスク128がより小さいフィーチャーおよびディボット上を通るとき、悪化させられる。したがって、フィーチャーまたは溝のサイズおよび形状は、変位センサ238の使用のみの場合、正確に測定されないが、コンディショニングディスク変位センサ210a、210bの追加の使用は、サイズおよび形状がより正確に測定されることを可能にする。
【0038】
研磨パッド112上のまた別の位置において、コンディショニングディスク128’’’が、部分的に、研磨パッド112内の不均一性上に配置される。不均一性は、研磨パッド112が1つのエリア中でより大きい量を摩耗されてしまったように、研磨パッド112がより狭いまたはより厚いエリアであり得る。この実施形態では、コンディショニングディスク変位センサ210a、210bは、第1のコンディショニングディスク距離Z4と第2のコンディショニングディスク距離Z5とを測定する。第1のコンディショニングディスク距離Z4が第2のコンディショニングディスク距離Z5よりも大きいことは、コンディショニングディスク128’’’の第4の配向O4を示す。
【0039】
コンディショニングディスク変位センサ210a、210bとアーム変位センサ238との組合せは、パッド取付表面118bの第2のゾーン120bによって引き起こされる、研磨パッド112内の不均一性の正確な測定を可能にする。コンディショニングディスク変位センサ210a、210bとアーム変位センサ238との組合せは、研磨パッド112が研磨パッド112の下にプラテン本体114の一様でない厚さまたは形状を有することによって不均一性が引き起こされるかどうかを、コントローラが決定することをさらに可能にする。
【0040】
図4A~
図4Cは、コンディショニングディスク変位センサ210a~210dの異なる構成をもつコンディショニングディスク128の概略平面図である。コンディショニングディスク変位センサ210a~210dの異なる構成は、コンディショニングディスク変位センサ210a~210dの異なる配向および数を含む。コンディショニングディスク128の回転軸Cを中心とする半径方向角度αは、変更され得る。
【0041】
また、コンディショニングディスク変位センサ210a~210dが、第1のアクチュエータ130の底表面上に配置されないことがあるが、コンディショニングディスク128の一部分の変位を測定するために配向されるように依然として構成されるように、コンディショニングディスク変位センサ210a~210dは、第1のアクチュエータ130から半径方向内向きまたは半径方向外向きのいずれかに配置され得る。いくつかの実施形態(図示せず)では、コンディショニングディスク変位センサ210a~210dは、第1のアクチュエータ130の側表面上に配置され、コンディショニングディスク128の変位を測定するために配向される。
【0042】
図4Aの第1の構成400aに示されているように、2つのコンディショニングディスク変位センサ210a、210bのみが利用される。コンディショニングディスク変位センサ210a、210bは、第1のアクチュエータ130の底表面上に配置される。コンディショニングディスク変位センサ210a、210bは、平面Eに沿って整列される。平面Eは、軸Cと位置合わせされ、軸Cを通過する。第1の構成400aでは、コンディショニングディスク変位センサ210aとコンディショニングディスク変位センサ210bとは、互いに対して約180度の半径方向角度αにおいて配置される。他の実施形態では、2つのコンディショニングディスク変位センサ210a、210bが使用され得るが、半径方向角度αは、コンディショニングディスク128の別の自由度の測定を可能にするために、センサ210aとセンサ210bとが異なる平面上に配置されるように、180度以外の角度に変更される。
【0043】
図4Bの第2の構成400bに示されているように、3つのコンディショニングディスク変位センサ210a、210b、210cが利用される。3つのコンディショニングディスク変位センサは、軸Cを中心として中心を合わされており、コンディショニングディスク変位センサ210a、210b、210cの各々が、軸Cにおいて交差するが同じでない別個の平面上に配置されるように、互いに対して半径方向角度αにおいて配置される。第1のコンディショニングディスク変位センサ210aは第1の平面F上に配置され、第2のコンディショニングディスク変位センサ210bは第2の平面G上に配置され、第3のコンディショニングディスク変位センサ210cは第3の平面H上に配置される。第1の平面F、第2の平面G、および第3の平面Hの各々は、半径方向角度αがそれらの間に配置される。半径方向角度αは、約10度~約150度など、約10度~約120度など、約45度~約120度など、約90度~約120度など、約10度~約170度である。
【0044】
図4Cの第3の構成400cに示されているように、4つのコンディショニングディスク変位センサ210a、210b、210c、210dが利用される。4つのコンディショニングディスク変位センサ210a、210b、210c、210dは、軸Cを中心として中心を合わされており、コンディショニングディスク変位センサ210a、210b、210c、210dが、軸Cにおいて交差するが同じでない別個の平面上に配置されるように、互いに対して半径方向角度αにおいて配置される。第1のコンディショニングディスク変位センサ210aは第1の平面I上に配置され、第2のコンディショニングディスク変位センサ210bは第2の平面J上に配置され、第3のコンディショニングディスク変位センサ210cは第3の平面K上に配置され、第4のコンディショニングディスク変位センサ210dは第4の平面L上に配置される。第1の平面I、第2の平面J、第3の平面K、および第4の平面Lの各々は、半径方向角度αがそれらの間に配置される。半径方向角度αは、約10度~約100度など、約45度~約100度など、約60度~約90度など、約10度~約110度である。一実施形態では、平面Iと平面Kとは、図示のように同じ平面である。他の実施形態と組み合わせられ得る、一実施形態では、平面Jと平面Lとは、図示のように同じ平面である。他の実施形態では、すべての4つの平面が別個の平面である。
【0045】
図5は、本明細書で説明される実施形態による、研磨パッド厚さプロファイルを形成する方法500の流れ図である。研磨パッド厚さプロファイルは、研磨パッド厚さおよび配向のマップである。研磨パッド厚さプロファイルは、継続的にまたは周期的に、本明細書で説明されるセンサおよび方法を使用して更新され得る。研磨パッドの厚さプロファイルを知ることは、それに応じてコンディショニングディスク128ならびに基板キャリア104の滞在時間が調整されることを可能にする。
【0046】
方法500中に、コンディショニングディスク128など、コンディショニングディスクは、処理502中に、研磨パッド114など、研磨パッドの上面に対して押しつけられる。コンディショニングディスクは、コンディショニングディスクおよび研磨パッドが回転するとき、研磨パッドの上面にわたって掃引され得る。コンディショニングディスクが研磨パッド上に押される圧力、ならびに滞在時間は、所定のまたは調整可能な値であり得る。
【0047】
研磨パッドに対してコンディショニングディスクを押しつけ始めた後に、別の処理504中に、コンディショニングアーム132など、コンディショニングアームと、プラテン本体114など、研磨プラテンとの間の距離が測定される。研磨プラテンは、研磨パッドの下に配置される。距離は、アーム変位センサ238など、1つまたは複数のアーム変位センサを使用して測定される。アーム変位センサは、研磨パッド取付表面118など、研磨パッド取付表面までの距離を測定するように構成される。
【0048】
別の処理506中に、コンディショニングディスクの配向が、コンディショニングディスク変位センサ210a~dなど、1つまたは複数のコンディショニングディスク変位センサを使用して決定される。コンディショニングディスクの配向は、コンディショニングディスク傾きの3次元画像が取得され得るように、単一の方向においてまたは複数の方向において傾きを測定することによって決定され得る。処理506中にコンディショニングディスクの配向を取得することは、処理504中のコンディショニングアームと研磨プラテンとの間の距離の測定と同時に実施される。同時に2つの測定値を取得することは、2つの測定値が相関されることを可能にし、研磨パッドのより正確な厚さ測定値が、任意の所与の時間において取得され得る。
【0049】
測定処理504、506は、異なるロケーションにおける研磨パッドの厚さを測定するためにループされ得る。組み合わせられたコンディショニングディスク配向およびアーム変位測定値を使用して研磨パッドの厚さを測定した後に、別の処理508中に、研磨パッドの厚さプロファイルが決定される。処理508中に、データテーブルが、研磨パッドの厚さ測定値とともに伝搬される。いくつかの実施形態では、処理504、506中に得られた厚さ測定値は、研磨パッドの厚さプロファイルが処理508中に継続的に更新されるように、前の厚さ測定値または厚さ推定値を上書きする。研磨パッドの厚さプロファイルは、研磨パッドの3次元マップが作成されるように、3次元プロファイル測定値であり得る。
【0050】
研磨パッドの厚さプロファイルが決定されると、別の処理510中に、1つまたは複数のコンディショニングパラメータが、研磨パッドの決定された厚さプロファイルに基づいて変更され得る。1つまたは複数のコンディショニングパラメータは、研磨パッド上のコンディショニングディスクの滞在時間、研磨パッド上のコンディショニングディスクによって加えられる圧力、研磨パッド上へのプロセス流体注入の速度、基板キャリア滞在時間および圧力、または別のプロセスパラメータであり得る。いくつかの実施形態では、研磨パッドの一部分が、ある厚さを下回ると決定された場合、または研磨パッドのプロファイルが、許容できる均一性レベルの外にある場合、研磨処理は中止され得、研磨パッドは、研磨パッドを新しい研磨パッドと交換する前に取り外され得る。
【0051】
本明細書で説明された装置および方法は、化学機械研磨動作中に研磨パッドのより正確な厚さ測定を可能にする。研磨パッドの厚さは、コンディショニングディスクアームに結合されたアーム変位センサならびに1つまたは複数のコンディショニングディスク変位センサの組合せを使用して測定され得る。厚さ測定値は、研磨パッドの厚さプロファイルを決定するためにマッピングされ得、コンディショニングディスク滞在時間など、プロセス条件が変えられ得る。
【0052】
上記は本開示の実施形態を対象とするが、本開示の他のおよびさらなる実施形態が、その基本的範囲から逸脱することなく考案され得、その範囲は以下の特許請求の範囲によって決定される。
【国際調査報告】