(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-28
(54)【発明の名称】電場誘導露光後ベークによる金属酸化物レジストのパターニング
(51)【国際特許分類】
H01L 21/027 20060101AFI20240621BHJP
G03F 7/004 20060101ALI20240621BHJP
G03F 7/20 20060101ALN20240621BHJP
【FI】
H01L21/30 568
H01L21/30 564
G03F7/004
G03F7/004 531
G03F7/20 521
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023574710
(86)(22)【出願日】2022-05-06
(85)【翻訳文提出日】2024-02-01
(86)【国際出願番号】 US2022028084
(87)【国際公開番号】W WO2022260788
(87)【国際公開日】2022-12-15
(32)【優先日】2021-06-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ダイ, ホイシオン
(72)【発明者】
【氏名】バンガー, マンゲシュ アショク
(72)【発明者】
【氏名】ネマニ, シュリニヴァス ディ.
(72)【発明者】
【氏名】ウェルチ, スティーブン ハイローング
(72)【発明者】
【氏名】イー, エリー ワイ.
(72)【発明者】
【氏名】ルボミルスキー, ドミトリー
【テーマコード(参考)】
2H197
2H225
5F146
【Fターム(参考)】
2H197HA03
2H197JA13
2H225AP08P
2H225CA12
2H225CB14
2H225CC01
2H225CC18
5F146JA04
5F146JA20
5F146KA04
5F146LA18
(57)【要約】
基板を処理する方法が記載される。該方法は、基板上に金属含有レジスト層を形成すること、金属含有レジスト層をパターニングすること、及び金属含有レジスト層上に露光後ベークを実施することを含む。金属含有レジスト層上での露光後ベークは、フィールドガイド露光後ベーク動作であり、金属含有レジスト層内のイオン又は荷電種をガイドするための電場の使用を含む。フィールドガイド露光後ベーク動作は、現像後フィールドガイドベーク動作と組み合わせることができる。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
膜スタックを処理する方法において、
基板上に金属含有レジスト層を形成することであって、前記金属含有レジスト層が金属をドープされたレジスト層又は金属酸化物レジスト層のうちの一方である、金属含有レジスト層を形成すること、
前記金属含有レジスト層をパターニングして前記金属含有レジスト層の複数の非露光部分と前記金属含有レジスト層の複数の露光部分とを形成すること、及び
前記金属含有レジスト層をパターニングした後に露光後ベークプロセスを実施することであって、前記金属含有レジスト層全体にわたり、前記基板の主面に垂直に電場が印加されて、前記金属含有レジスト層の前記複数の露光部分を処理する、露光後ベークプロセスを実施すること
を含む、方法。
【請求項2】
前記基板上に前記金属含有レジスト層を形成することが、スピンコーティング、CVD、又はALDによって前記金属含有レジスト層を堆積することを含み、
前記金属含有レジスト層をパターニングする前に前記金属含有レジスト層をベークすること、及び
前記露光後ベークプロセスの実施後にウェット又はドライ現像プロセスを使用して前記金属含有レジスト層を現像すること
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記基板が、
前記基板の上に堆積されたデバイス層、及び
前記デバイス層の上部かつ前記金属含有レジスト層の下部に堆積された下地層
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記金属含有レジスト層が、前記金属酸化物レジスト層であり、
金属酸化物ナノ粒子、及び
前記金属酸化物に結合した配位子
を含む、方法。
【請求項5】
前記金属含有レジスト層が、酸化スズ(IV)、二酸化チタン、二酸化ジルコニウム、二酸化ハフニウム、酸化インジウム(III)、及び酸化亜鉛のうちの1つ又はそれらの組合せを含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記金属含有レジスト層が、金属をドープされたレジスト層であり、
フォトレジスト層、及び
前記フォトレジスト層内に配置された金属ナノ粒子
を含んでいる、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記金属含有レジスト層が、スズ、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、インジウム、又は亜鉛のうちの1つ又はそれらの組合せを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記露光後ベークプロセスが約100℃から約300℃の温度で行われる、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記露光後ベークプロセスが約100mTorrから約1200Torrの圧力で行われる、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
膜スタックを処理する方法において、
基板上に金属含有レジスト層を形成することであって、前記金属含有レジスト層が金属ナノ粒子又は金属酸化物ナノ粒子を含む、金属含有レジスト層を形成すること、
前記金属含有レジスト層をパターニングして前記金属含有レジスト層の複数の非露光部分と前記金属含有レジスト層の複数の露光部分とを形成すること、及び
前記基板を約150℃から約300℃に加熱し、前記金属含有レジスト層全体にわたり第1の電場を印加することによって前記金属含有レジスト層をパターニングした後に露光後ベークプロセスを実施すること
を含む、方法。
【請求項11】
前記金属含有レジスト層をパターニングする前に前記金属含有レジスト層をベークすること、及び
前記露光後ベークプロセスの実施後にウェット又はドライ現像プロセスを使用して前記金属含有レジスト層を現像すること
をさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記金属含有レジスト層の現像後に、前記基板を約150℃から約250℃に加熱し、前記基板の主面に垂直な前記金属含有レジスト層全体にわたり第2の電場を印加すること
をさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記基板を現像することが、前記金属含有レジスト層の前記複数の露光部分の少なくとも一部をエッチングすることを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記露光後ベークプロセスを実施することが、
前記基板が約100mTorrから約1200Torrの間の圧力で処理される容積を維持すること
をさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項15】
前記基板上に前記金属含有レジスト層を形成することが、
前記基板上の前記金属含有レジスト層をスピンコーティングすること
をさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項16】
前記基板上に前記金属含有レジスト層を形成することが、
化学気相堆積プロセス又は原子層堆積プロセスによって前記金属含有レジスト層を堆積すること
をさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項17】
基板を処理する方法において、
基板上に金属含有レジスト層を形成することであって、前記金属含有レジスト層が金属酸化物ナノ粒子又は金属ナノ粒子を含む、金属含有レジスト層を形成すること、
前記金属含有レジスト層をベークすること、
前記ベーク金属含有レジスト層をパターニングして前記金属含有レジスト層の複数の非露光部分と前記金属含有レジスト層の複数の露光部分とを形成すること、
前記基板を約80℃から約300℃に加熱し、前記基板の主面に垂直な前記金属酸化物レジスト層全体にわたり第1の電場を印加することによって、前記金属含有レジスト層をパターニングした後に露光後ベークプロセスを実施すること、
前記露光後ベークプロセスの実施後にウェット又はドライ現像プロセスを使用して前記基板を現像すること、及び
前記基板を加熱し、前記基板の主面に垂直な前記金属含有レジスト層全体にわたり第2の電場を印加することによって前記基板の現像後に現像後ベークを実施すること
を含む、方法。
【請求項18】
前記基板を現像することが、
前記金属含有レジスト層の前記複数の露光部分の少なくとも一部を除去すること
を含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記基板を現像することが、
領域選択的原子層堆積プロセスを実施すること
をさらに含む、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
前記金属含有レジスト層をパターニングすることが、
前記金属含有レジスト層の前記露光部分を約5nmから約20nmの波長を有する放射線に露光すること
をさらに含む、請求項17に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施形態は、概して、基板を処理する方法及び装置に関する。より詳細には、本開示は、金属酸化物レジストのプロファイル制御を強化するための方法及び装置を対象とする。
【背景技術】
【0002】
集積回路は、単一のチップ上に何百万もの部品(例えば、トランジスタ、コンデンサ、及び抵抗)を含みうる、複雑な装置へと進化してきた。フォトリソグラフィは、チップ上に部品を形成するために用いることができるプロセスである。概して、フォトリソグラフィのプロセスには、幾つかの基礎段階が含まれる。最初に、基板上にフォトレジスト層が形成される。化学増幅型フォトレジストは通常、レジスト樹脂と光酸発生剤とを含む。光酸発生剤は、その後の露光段階で電磁放射線に露光されると、現像プロセスにおけるフォトレジストの溶解性を変化させる。電磁放射線は、任意の適切な波長、例えば、193nmのArFレーザ、極紫外光(EUVとしても知られる)などの任意の適切な波長を有することができ、あるいは電子ビーム、イオンビーム、又は他の適切な電磁放射線源であってもよい。
【0003】
露光段階では、基板のある特定の領域を電磁放射線に選択的に露光させるために、フォトマスク又はレチクルが用いられる。他の露光方法としては、マスクレス露光方法などが挙げられる。光への露光によって光酸発生剤が分解され、それによって酸が生成し、レジスト樹脂内に酸潜像が生じる。露光後、基板は露光後ベークプロセスにおいて加熱される。露光後ベークプロセス中に、光酸発生剤によって生成された酸がレジスト樹脂と反応し、その後の現像プロセス中にレジストの溶解度を変化させる。
【0004】
露光後ベークの後、基板、特にフォトレジスト層が現像され、すすがれて、パターン化されたマスクが生成される。用いられるフォトレジストのタイプに応じて、電磁放射線に露光された基板の領域は、除去に対して耐性を有するか、又は除去されやすくなる。現像及びすすぎの後、マスクのパターンは、ウェット又はドライエッチングプロセスを使用して、基板に転写される。
【0005】
チップ設計の進化は、回路の高速化と回路密度の向上を継続的に追求している。より高い回路密度に対する要求は、通常、集積回路部品の寸法の縮小を利用する。集積回路部品の寸法が縮小するにつれて、より多くの要素を半導体集積回路上の所定の領域に配置することができるようになる。したがって、リソグラフィプロセスでは、高度なチップ設計仕様を満たすために、さらに小さい特徴部が基板上に転写され、リソグラフィは、損傷することなく、精密かつ正確に転写される。特徴部を精密かつ正確に基板上に転写するために、高解像度リソグラフィは、短波長の放射線を提供する光源を利用する。短波長は、基板又はウエハ上に印刷可能な最小サイズを縮小するのに役立つ。しかしながら、短波長リソグラフィには、スループットの低下、線エッジの粗さの増加、レジスト感度の低下、及び/又は線のブリッジ/ブレークによるナノパターン欠陥の増加などの問題がある。
【0006】
電極アセンブリは、リソグラフィの露光/現像解像度を向上させるために、露光プロセスの前後に電場を生成し、基板上に堆積されたフォトレジスト層に電場を伝達して、電磁放射線が透過するフォトレジスト層の部分の化学的特性を変更するために利用される。しかしながら、現在のフォトレジスト材料とベークプロセスを使用して基板上での印刷サイズを縮小するのは困難である。
【0007】
したがって、基板上にレジストをパターン化するための改良された方法が必要とされている。
【発明の概要】
【0008】
一実施形態では、膜スタックを処理する方法が記載される。該方法は、基板上に金属含有レジスト層を形成すること、該金属含有レジスト層をパターニングすること、及び金属含有レジスト層のパターニング後に露光後ベークプロセスを実施することを含む。金属含有レジスト層は、金属をドープされたレジスト層又は金属酸化物レジスト層のうちの一方である。金属含有レジスト層をパターニングすることにより、金属含有レジスト層の複数の非露光部分と、金属含有レジスト層の複数の露光部分とが形成される。電場は、金属含有レジスト層全体にわたり、基板の主面(major plane)に垂直に印加されて、金属含有レジスト層の複数の露光部分を処理する。
【0009】
別の実施形態では、膜スタックを処理する方法は、基板上に金属含有レジスト層を形成すること、該金属含有レジスト層をパターニングすること、及び金属含有レジスト層のパターニング後に露光後ベークプロセスを実施することを含む。金属含有レジスト層は、金属ナノ粒子又は金属酸化物ナノ粒子を含む。金属含有レジスト層をパターニングすることにより、金属含有レジスト層の複数の非露光部分と、金属含有レジスト層の複数の露光部分とが形成される。基板を約150℃から約300℃に加熱し、金属含有レジスト層全体にわたり第1の電場を印加することによって、露光後ベークプロセスが行われる。
【0010】
さらに別の実施形態では、基板を処理する方法は、基板上に金属含有レジスト層を形成すること、該金属含有レジスト層をベークすること、ベーク金属含有レジスト層をパターニングすることを含み、金属含有レジスト層のパターニング後に露光後ベークプロセスが行われ、露光後ベークプロセスの実施後にウェット又はドライ現像プロセスを使用して基板が現像され、基板の現像後に現像後ベークが行われる。金属含有レジスト層は、金属酸化物ナノ粒子又は金属ナノ粒子を含む。ベーク金属含有レジスト層は、パターニングして、金属含有レジスト層の複数の非露光部分と、金属含有レジスト層の複数の露光部分とを形成する。露光後ベークプロセスは、基板を約80℃から約300℃に加熱すること、及び金属酸化物レジスト層全体にわたり基板の主面に垂直に第1の電場を印加することを含む。現像後ベークは、基板を加熱すること、及び金属含有レジスト層全体にわたり基板の主面に垂直に第2の電場を印加することを含む。
【0011】
本開示の上記特徴を詳細に理解することができるように、その一部が添付の図面に示されている実施形態を参照することにより、上に簡単に要約されている本開示のより詳細な説明を得ることができる。しかしながら、添付の図面は例示的な実施形態のみを示すものであり、したがって、本開示の範囲を限定すると見なすべきではなく、他の等しく有効な実施形態も許容されうることに留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】一実施形態による、基板処理システムの概略的な平面図
【
図2】一実施形態による、
図1の基板処理システム内の処理モジュールの概略的な断面図
【
図3A】基板処理のさまざまな段階における基板上に堆積された膜スタックの断面図
【
図3B】基板処理のさまざまな段階における基板上に堆積された膜スタックの断面図
【
図3C】基板処理のさまざまな段階における基板上に堆積された膜スタックの断面図
【
図3D】基板処理のさまざまな段階における基板上に堆積された膜スタックの断面図
【
図3E】基板処理のさまざまな段階における基板上に堆積された膜スタックの断面図
【
図3F】基板処理のさまざまな段階における基板上に堆積された膜スタックの断面図
【
図3G】基板処理のさまざまな段階における基板上に堆積された膜スタックの断面図
【
図4】
図3A~3Gに示される順序に従って膜スタックを処理する方法のフロー図
【発明を実施するための形態】
【0013】
理解を容易にするため、可能な場合には、図面に共通する同一の要素を示すために同一の参照番号が用いられる。一実施形態の要素及び特徴は、さらなる記載がなくとも、他の実施形態に有益に組み込むことができることが想定されている。
【0014】
本開示は、概して、金属酸化物レジストのプロファイル制御を強化するための方法及び装置に関する。本明細書に開示される方法及び装置は、半導体処理用途のためのフォトリソグラフィプロセスにおいて、線エッジ/幅粗さを低減し、パターンのブリッジング/ブレーキングライン欠陥(pattern bridging/breaking line defects)を削減し、露光解像度を向上させるのに役立つ。
【0015】
金属酸化物フォトレジストは、従来のフォト酸レジストと比較して、半導体基板上の線間隔を小さくすることができる。金属酸化物フォトレジスト上で少なくとも1回のフィールドガイドベークを実施すると、エッジの平滑性、基板上に形成された線の材料特性、及び線量感度が改善され、同時に線幅の粗さが低減され、金属酸化物フォトレジストを使用しつつ、より広い焦点深度のプロセスウィンドウを提供することが示されている。フィールドガイドベークは、基板の現像の前後の両方で実施することができ、第1のフィールドガイドベークは露光後フィールドガイドベークであり、第2のフィールドガイドベークは現像後フィールドガイドベークである。金属酸化物フォトレジスト上で第1のフィールドガイドベークと第2のフィールドガイドベークの両方を使用すると、線量感度がさらに向上し、線幅の粗さが低減する。
【0016】
本明細書に記載される場合、「基板」又は「基板表面」は、概して、その上に処理が行われる任意の基板表面を指す。処理には、堆積、エッチング、及び半導体処理中に利用される他の方法が含まれる。例えば、処理されうる基板表面は、用途に応じて、ケイ素、酸化ケイ素、ドープされたケイ素、シリコンゲルマニウム、ゲルマニウム、ヒ化ガリウム、ガラス、サファイア、並びに他の任意の材料、例えば、金属、金属窒化物、金属合金、及び他の導電性又は半導性の材料を含む。処理されうる基板又は基板表面はまた、二酸化ケイ素、窒化ケイ素、有機ケイ酸塩、及び炭素をドープされた酸化ケイ素又は窒化ケイ素材料などの導電性材料も含む。基板自体は特定のサイズ又は形状に限定されない。本明細書に記載される実施形態は、概して円形の200mm又は300mmの基板を参照して作製されているが、本明細書に記載される実施形態に従って、多角形、正方形、長方形、湾曲した、又は他の非円形のワークピースなど、他の形状を利用することもできる。
【0017】
図1は、基板処理システム100の概略的な平面図を示している。基板処理システム100は、基板上にさまざまな処理を実施することによって半導体基板を処理するために用いられる。本明細書に記載される基板処理システム100は、移送チャンバ110、複数の処理チャンバ130a~130d、ロードロックチャンバ120a、120b、及びファクトリインターフェース(FI)140を含む。FI140は、幾つかの前方開口型統一ポッド(FOUP)150と結合されて示されている。処理チャンバ130a~d及びロードロックチャンバ120a、120bは、移送チャンバ110に連結されている。移送チャンバ110は、処理チャンバ130a~dとロードロックチャンバ120a、120bとの間で基板を移動させるロボット115を含む。
【0018】
ロードロックチャンバ120a、120bは、FI140と移送チャンバ110との間で連結される。FI140は、ロードロックチャンバ120a、120bとは反対側に連結されたFOUP150を受け入れる。ロードロックチャンバ120a、120bは、その中に配置された基板支持体135を含み、これは、移送チャンバ110のロボット115とFI140のロボット108との基板交換を容易にするために用いられる。移送チャンバ110は、その中に配置された移送ロボット115を含む。基板支持体135は、ロックチャンバ120a、120bが移送チャンバ110の真空レベルまでポンプダウンされるか、又はFI140の圧力(通常は大気圧)まで通風されるときに、基板を保持する。
【0019】
各処理チャンバ130a~dは、移送チャンバ110に隣接して配置された基板移送ポート125を含み、そこを通って基板がロボット115を介して処理チャンバ130a~dに出入りする。基板移送ポート125は、処理チャンバ130a~dの各々に配置された基板を移送チャンバ110から隔離するために、スリットバルブ(図示せず)を使用して密閉可能でありうる。
【0020】
システム100は、
図1に示される4つの処理チャンバ130a~dよりも多い又は少ない処理チャンバを有しうることが想定されている。さらに、処理チャンバ130a~dの位置は、図示される位置とは異なっていてもよい。システム100は、クラスタツールの配置で移送チャンバ110に連結された処理チャンバ130a~dを示しているが、システム100は、代わりに、インライン、バッチ、直線、又は他の適切な方式で配置された処理チャンバ130a~dを有していてもよい。処理チャンバ130a~dは、エッチングチャンバ、リソグラフィ露光チャンバ、堆積チャンバ、若しくはスピンコーティングチャンバ、ベーキングチャンバ、アニーリングチャンバ、又は他のタイプの半導体処理チャンバとして構成することができる。あるいは、リソグラフィ露光チャンバ、堆積チャンバ、及びベーキングチャンバは、別個のツール上に位置づけられ、ツール間で基板が移送される。
【0021】
図2は、
図1に示される基板処理システム100の処理チャンバ130aの概略的な断面図を示している。幾つかの実施形態では、処理チャンバ130aは、独立したスタンドアロン型の処理チャンバであってもよい。処理チャンバ130aは、以下に詳細に説明され、露光前ベーク、露光後ベーク、及び/又は他の処理ステップにおいて使用することができる。
【0022】
処理チャンバ130aは、チャンバ壁202、電極アセンブリ216、及び基板支持アセンブリ238を含む。チャンバ壁202は、側壁206、リッドアセンブリ210、及び底部208を含む。チャンバ壁202は、処理容積212を部分的に取り囲む。処理容積212は、ロボット115による移送チャンバ110から処理チャンバ130aに出入りする基板200の移動を容易にするように構成された基板移送ポート125(
図1に示される)を介してアクセスされる。
【0023】
処理容積212を排気システムに連結するために、処理チャンバ130aのリッドアセンブリ210、側壁206、又は底部208のうちの1つを通ってポンピングポート214が配置されうる。排気システムには、真空ポンプ、フォアライン、スロットルバルブなどのさまざまな真空ポンプ構成要素が含まれる。排気システムは、処理容積212内の圧力を制御し、あらゆるガス及び/又は処理副生成物を処理チャンバ130aから排気するために利用される。
【0024】
処理チャンバ130aは、1つ以上の処理ガスを処理容積212に供給するための1つ以上の供給源204に連結される。本明細書に記載される実施形態では、供給源204は、アルゴン(Ar)、ヘリウム(He)、キセノン(XE)、又はネオン(He)などの不活性ガスを供給するように構成される。供給源204はまた、酸素(O2)又は蒸気(H2O)のうちの一方を供給することもできる。
【0025】
基板支持アセンブリ238は、処理チャンバ130a内の中央に配置される。基板支持アセンブリ238は、処理中、基板200を支持する。基板支持アセンブリ238は、少なくとも1つの埋め込み式ヒータ232を封入する本体224を含みうる。幾つかの実施形態では、基板支持アセンブリ238は静電チャックでありうる。抵抗要素などのヒータ232は、基板支持体アセンブリ238内に配置される。ヒータ232は、基板支持アセンブリ238及びその上に位置付けられた基板200を所定の処理温度まで制御可能に加熱する。ヒータ232は、基板200の温度を急速に上昇させて、基板200の温度を正確に制御するように構成される。幾つかの実施形態では、ヒータ232は電源274に接続される。電源274、したがって基板200の温度は、コントローラ175によって制御される。代替的に又は追加的に、電源274は、基板支持アセンブリ238に電力を印加することができる。電源274は、以下に論じる電源270と同様に構成することができる。さらには、ヒータ232は、基板支持アセンブリ238上に配置された基板200に熱エネルギーを提供するために必要に応じて、チャンバ壁、チャンバライナ、基板を囲むエッジリング、チャンバ天井など、処理チャンバ130aの他の位置に配置されてもよいことに留意されたい。
【0026】
概して、基板支持アセンブリ238は、第1の表面234と第2の表面226とを有する。第1の表面234は、第2の表面226とは反対側にある。第1の表面234は、基板200を支持するように構成される。第2の表面226にはステム242が連結される。基板200は、誘電体基板、ガラス基板、半導体基板、又は導電体基板など、任意のタイプの基板でありうる。基板支持アセンブリ238の第1の表面234は、電極アセンブリ216からz方向に距離dだけ分離される。ステム242は、上昇した処理位置(
図2に示される)と下降した基板移送位置との間で基板支持アセンブリ238を移動させるためのリフトシステム(図示せず)に連結される。リフトシステムは、基板支持アセンブリ238及びその上に配置された基板200のz方向の位置を正確かつ厳密に制御することができる。幾つかの実施形態では、リフトシステムは、基板支持アセンブリ238及びその上に配置された基板200を、x方向、y方向、又はx方向及びy方向に移動させるように構成することもできる。ステム242はさらに、基板支持アセンブリ238と処理チャンバ130aの他の構成要素との間に電気リード線及び熱電対リード線のための導管を提供する。ベローズ246が基板支持アセンブリ238に連結されて、処理容積212と処理チャンバ130aの外側の雰囲気との間に真空シールを提供し、基板支持アセンブリ238のz方向の移動を容易にする。
【0027】
リッドアセンブリ210は、供給源204によって提供されるガスがそれを通って処理チャンバ130aに流入することができる入り口280を任意選択的に含んでもよい。供給源204は、任意選択的に、窒素、アルゴン、ヘリウム、他のガス、又はそれらの組合せなどのガスによって、処理容積212を制御可能に加圧することができる。供給源204からのガスによって、処理チャンバ130aの処理容積212内に制御された環境を作り出すことができる。入り口280は、処理チャンバ130aの他の部分に配置されてもよい。任意選択的に、リッドアセンブリ210と電極アセンブリ216との間にアクチュエータ290が連結されてもよい。アクチュエータ290は、電極アセンブリ216をx、y、及びz方向のうちの1つ以上に移動させるように構成される。アクチュエータ290により、距離dを調整することが可能となる。
【0028】
電極アセンブリ216は、少なくとも電極258を含む。示されるように、電極258は電源270に連結される。幾つかの実施形態では、電極258は接地に連結されており、基板支持体238に電力を供給する電源274は、正バイアスと負バイアスとの間で切り替わるバイポーラ電力供給である。電極アセンブリ216は、基板支持アセンブリ238の第1の表面234に垂直な電場を生成するように構成される。例えば、電極アセンブリ216は、z又は-z方向に電場を生成するように構成することができる。
【0029】
電源270は、例えば、約1Vから約100kVの間を電極アセンブリ216に供給して、約0.1MV/mから約100MV/mの間の強度を有する電場を生成するように構成される。幾つかの実施形態では、電源274はまた、電極アセンブリ216に電力を供給するように構成されてもよい。幾つかの実施形態では、電源270又は電源274のいずれか又は両方が、パルス直流(DC)電力供給である。パルスDC波は、半波整流器又は全波整流器由来でありうる。AC/DC電力は、約1Hzから1MHzの間の周波数を有することができる。パルスDC電力のデューティサイクルは、約5%から約95%の間、例えば約20%から約60%の間でありうる。幾つかの実施形態では、パルスDC電力のデューティサイクルは、約20%から約40%の間でありうる。他の実施形態では、パルスDC電力のデューティサイクルは約60%でありうる。パルスDC電力の立ち上がり時間及び立ち下がり時間は、約1nsから約1000nsの間、例えば約10nsから約500nsの間でありうる。他の実施形態では、パルスDC電力の立ち上がり時間及び立ち下がり時間は、約10nsから約100nsの間でありうる。幾つかの実施形態では、パルスDC電力の立ち上がり時間及び立ち下がり時間は、約500nsでありうる。幾つかの実施形態では、電源270又は電源274のいずれか又は両方が交流(AC)電力供給である。AC電力供給は、約1Hzから1MHzの間の周波数を有しうる。AC電力供給は、約1Vから約100kVのピーク値を電極アセンブリ216に供給するように構成される。他の実施形態では、電源270又は電源274のいずれか又は両方がDC電力供給である。
【0030】
幾つかの実施形態では、電源270及び電源274のいずれか又は両方によって提供される電圧又は電力は、AC/DCオフセットを使用することができる。AC/DCオフセットは、例えば、印加電圧の約0%から約75%の間、例えば印加電圧の約5%から約60%の間でありうる。幾つかの実施形態では、電極258は負にパルスされ、一方、基板支持アセンブリ238もまた負にパルスされる。これらの実施形態では、電極258及び基板支持アセンブリ238に供給される電力は同期されるが、時間的にオフセットされる。例えば、基板支持アセンブリが「ゼロ」電力状態にある間、電極258は「1」電力状態であってよく、その後、電極258が「ゼロ」電力状態にある間、基板支持アセンブリ238は「ゼロ」電力状態でありうる。
【0031】
幾つかの実施形態では、1つ以上の磁石296が処理チャンバ130a内に位置づけることができる。
図1に示される実施形態では、磁石296は側壁206の内面に連結される。他の実施形態では、磁石296は、処理チャンバ130a内又は処理チャンバ130aの外側の他の位置に位置づけることができる。磁石296は、例えば、永久磁石又は電磁石でありうる。代表的な永久磁石としては、セラミック磁石及び希土類磁石が挙げられる。磁石296が電磁石である実施形態では、磁石296は電源(図示せず)に連結されうる。磁石296は、基板支持アセンブリ238の第1の表面234において電極アセンブリ216によって生成された電場線の方向に対して垂直又は平行な方向に磁場を生成するように構成される。
【0032】
図3A~3Gは、膜スタックを形成する方法400のさまざまな段階中に基板200上に堆積された膜スタック300の断面図である。方法400のフロー図が
図4に示されている。方法400の少なくとも一部は、
図2の処理チャンバ130aなど、
図1の処理チャンバ130a~dのうちの1つ以上において行われる。方法400は、コントローラ175のメモリによってアクセス可能な命令として格納される。コントローラ175は、方法400を実行するための命令を基板処理システム100及び処理チャンバ130aのうちの少なくとも一方に提供する。
図3Aに示されるように、基板200上に堆積された膜スタック300は、基板200の上部に堆積されたデバイス層304と、該デバイス層304の上部に堆積された下地層306とを含む。デバイス層304は、1つ以上の半導体デバイスであってよく、その中に複数の層又は特徴部を含むことができる。下地層306はデバイス層304を覆い、デバイス層304を保護する。あるいは、幾つかの実施形態では、下地層306はハードマスク層である。下地層306の上面308は、下地層306のデバイス層304とは反対側に堆積された平坦な表面である。
【0033】
下地層306は、酸剤(例えば、光酸発生剤(PAG)又は酸触媒)、塩基剤、接着促進剤、又は感光性成分などの1つ以上の添加剤を含む。該1つ以上の添加剤は、有機溶媒又は樹脂及び/又は無機マトリクス材料に堆積されうる。光酸発生剤(PAG)及び/又は酸触媒を含む酸剤の適切な例は、スルホン酸類(例えば、p-トルエンスルホン酸、スチレンスルホン酸)、スルホナート類(例えば、p-トルエンスルホン酸ピリジニウム、トリルオロメタンスルホン酸ピリジニウム、3-ニトロベンゼンスルホン酸ピリジニウム)、及びそれらの混合物からなる群より選択することができる。適切な有機溶媒には、2つ以上の繰り返し単位とポリマー主鎖とを含むホモポリマー又はより高次のポリマーが含まれうる。有機溶媒の適切な例としては、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート(PGMEA)、乳酸エチル(EL)、プロピレングリコールメチルエーテル(PGME)、プロピレングリコールn-プロピルエーテル(PnP)、シクロヘキサノン、アセトン、ガンマブチロラクトン(GBL)、及びそれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。下地層306は、化学気相堆積(CVD)、物理的気相堆積(PVD)、又は原子層堆積(ALD)動作のうちの1つを使用して堆積することもできる。CVD、PVD、又はALD動作のうちの1つによって形成された下地層306は、前述の下地層306と同様の組成である。
【0034】
一例では、下地層306は、リソグラフィ露光プロセス、露光前ベークプロセス、又は露光後ベークプロセス中に、活性な酸剤、塩基剤、電子、イオン、又はイオン/非イオン種を提供する。
【0035】
下地層306がハードマスク層である実施形態では、ハードマスク層は、酸化ケイ素、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素、炭化ケイ素、アモルファスカーボン、ドープされたアモルファスカーボン、TEOS酸化物、USG、SOG、有機シリコン、酸化物含有材料窒化チタン、酸窒化チタン、それらの組合せなどからなる群より製造された、スピンオン又はCVD/PVD/ALD堆積層でありうる。
【0036】
方法400は、
図3Bに示されるように、膜スタック300上に金属含有レジスト層310を堆積することによって動作402で始まる。一例では、金属含有レジスト層310はスピンコーティングによって堆積される。別の例では、金属含有レジスト層310は、化学気相堆積(CVD)又は原子層堆積(ALD)プロセスによって堆積される。金属含有レジスト層310は下地層306の上面308に形成される。金属含有レジスト層310は、金属酸化物レジスト層又は金属をドープされたレジスト層のいずれかである。その後、金属酸化物レジスト層を使用して、金属含有レジスト層310は、金属酸化物ナノ粒子と、該金属酸化物ナノ粒子に結合した1つ以上の配位子とを含む。金属酸化物ナノ粒子は、配位子が結合するコアとして機能する。金属酸化物と配位子は、ルイス酸/ルイス塩基対を形成し、金属含有レジスト層310内で互いに会合する。金属含有レジスト層310は、ポリマーレジストなどの他の材料をさらに含むことができる。金属含有レジスト層310がCVD又はALDプロセスによって堆積される実施形態では、金属酸化物ナノ粒子及び結合した配位子は、金属含有レジスト層310の実質的にすべてを形成する。
【0037】
金属酸化物ナノ粒子及び配位子がポリマーレジストとともに金属含有レジスト層310の一部として堆積される実施形態では、金属含有レジスト層310内の金属酸化物ナノ粒子及び対応する配位子は、金属含有レジスト層310の約5%から約30%、例えば約10%から約25%、例えば約15%から約25%のパーセント組成を有する。金属酸化物レジスト層310内の金属酸化物は、酸化スズ(IV)(SnO2)、二酸化チタン(TiO2)、二酸化ジルコニウム(ZrO2)、二酸化ハフニウム(HfO2)、酸化インジウム(III)(In2O3)、又は酸化亜鉛(ZnO)のうちの1つ又はそれらの組合せでありうる。金属酸化物は、金属含有レジスト層310内にナノ粒子として形成される。金属酸化物としてのナノ粒子の使用により、金属酸化物粒子と配位子との会合の改善が可能となり、その後のフィールドガイドベーク動作の結果が向上する。各金属酸化物ナノ粒子のサイズは、幅約25nm未満、例えば幅約20nm未満、例えば幅約15nm未満、例えば幅約10nm未満である。各金属酸化物ナノ粒子の小さいサイズは、露光中及び露光後ベーク動作中の解像度の向上を可能にするのに役立つ。他の金属酸化物も想定されるが、本明細書では開示されていない。
【0038】
金属含有レジスト層310内の配位子は、有機配位子、例えば、水酸化物(-OH)、一酸化炭素(-CO)、亜硝酸(N-O2
1)、炭酸(CO3
-2)、又はシュウ酸(COO)2-
2のうちの1つ又はそれらの組合せなどでありうる。他の配位子も利用することができる。より小さい配位子は、露光中及び露光後ベーク動作中の解像度を向上させるために利用される。配位子及び金属酸化物は、リソグラフィ露光中及びその後の露光後ベーク動作中に、金属含有レジスト層310の一部分内で金属酸化物ナノ粒子と配位子の制御された解離を可能にするように選択される。加えて、配位子及び金属酸化物は、極紫外波長での高い吸収率を考慮して選択される。
【0039】
方法400の動作402中に金属含有レジスト層が膜スタック300上にスピンコーティングされる場合、金属酸化物及び配位子は樹脂として堆積されるか、又は別の樹脂若しくは溶液内に配置される。膜スタック300は、樹脂又は溶液に浸漬させてもよく、あるいは膜スタック300を中心軸の周りで回転させつつ、樹脂又は溶液の流れを下地層306の上面308に分配させてもよい。これにより、樹脂又は溶液が膜スタック300の上面に沿って広がる。
【0040】
金属含有レジスト層310が方法400の動作402中に化学気相堆積(CVD)又は原子層堆積(ALD)を使用して堆積される実施形態では、金属酸化物及び配位子は、金属酸化物を含む第1の前駆体と配位子を含む第2の前駆体とを導入することによって堆積されうる。第1の前駆体及び第2の前駆体の前駆体流は、混合して、金属酸化物材料又は有機金属材料を形成することができる。第1の前駆体と第2の前駆体との混合は、金属酸化物レジスト層310の堆積と同時に行われる。
【0041】
幾つかの実施形態では、金属含有レジスト層310は、その中に金属ドーパントが配置されたレジスト層である。レジスト層はポリマーレジストでありうる。金属ドーパントは、スズ(Sn)、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)、インジウム(In)、又は亜鉛(Zn)のうちの1つ又はそれらの組合せでありうる。金属ドーパントは、レジスト層310内にナノ粒子として形成される。金属ナノ粒子ドーパントを使用すると、その後のフィールドガイドベーク動作の結果が向上する。各金属ナノ粒子のサイズは、幅約25nm未満、例えば幅約20nm未満、例えば幅約15nm未満、例えば幅約10nm未満である。各金属ナノ粒子の小さいサイズは、露光中及び露光後ベーク動作中の解像度の向上を可能にするのに役立つ。他の金属ナノ粒子組成物も想定されるが、本明細書では開示されていない。
【0042】
金属含有レジスト層310のレジスト層成分は、酸剤(例えば、光酸発生剤(PAG)又は酸触媒)、塩基剤、接着促進剤、又は感光性成分などの1つ以上の添加剤を含む。1つ以上の添加剤は、有機溶媒又は樹脂及び/又は無機マトリクス材料に堆積されうる。光酸発生剤(PAG)及び/又は酸触媒を含む酸剤の適切な例は、スルホン酸類(例えば、p-トルエンスルホン酸、スチレンスルホン酸)、スルホナート類(例えば、p-トルエンスルホン酸ピリジニウム、トリルオロメタンスルホン酸ピリジニウム、3-ニトロベンゼンスルホン酸ピリジニウム)、及びそれらの混合物からなる群より選択することができる。適切な有機溶媒には、2つ以上の繰り返し単位とポリマー主鎖とを含むホモポリマー又はより高次のポリマーが含まれうる。有機溶媒の適切な例としては、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート(PGMEA)、乳酸エチル(EL)、プロピレングリコールメチルエーテル(PGME)、プロピレングリコールn-プロピルエーテル(PnP)、シクロヘキサノン、アセトン、ガンマブチロラクトン(GBL)、及びそれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。レジスト層は、化学気相堆積(CVD)、物理的気相堆積(PVD)、又は原子層堆積(ALD)動作のうちの1つを使用して堆積することもできる。レジスト層は、CVD、PVD、又はALD動作のうちの1つによって形成されてもよく、前述のレジスト層と同様の組成である。
【0043】
金属含有レジスト層310が方法400の動作402中にCVD又はALDを使用して堆積される実施形態では、金属ナノ粒子は、該金属ナノ粒子を含む第1の前駆体と、フォトレジスト材料を形成する1つ以上の第2の前駆体とを導入することによって堆積される。第1の前駆体及び第2の前駆体の前駆体流は、混合して、金属をドープされたレジスト層を形成することができる。第1の前駆体と第2の前駆体との混合は、金属酸化物レジスト層310の堆積と同時に行われる。金属ナノ粒子がポリマーレジストとともに金属含有レジスト層310の一部として堆積される実施形態では、金属含有レジスト層310内の金属ナノ粒子は、金属含有レジスト層310の約5%から約30%、例えば約10%から約25%、例えば約15%から約25%のパーセント組成を有する。
【0044】
方法400中に利用される提案された処理条件は、金属酸化物レジスト層又は金属をドープされたレジスト層のいずれかを用いる実施形態において利用される。したがって、同様の露光及びベーク動作は、本明細書に記載される金属酸化物レジスト層又は金属をドープされたレジスト層の実施形態のいずれを用いて実施されてもよい。
【0045】
動作404では、その上に金属含有レジスト層310が堆積された膜スタック300は、
図3Cに示されるように、ベーク動作404に供される。膜スタック300をベークすることは、金属含有レジスト層310を約80℃から約300℃、例えば約80℃から約250℃、例えば約100℃から約250℃の温度に加熱することを含む。膜スタック300のベークは、金属含有レジスト層310の形成と同じ処理チャンバ内、又は異なる処理チャンバ内で行われる。膜スタック300をベークすることにより、金属含有レジスト層310が硬化し、金属含有レジスト層310からベーク金属含有レジスト層312が形成される。ベーク金属含有レジスト層312は固体層であり、剛性である。
【0046】
動作406では、
図3Dに示されるように、膜スタック300上に堆積されたベーク金属含有レジスト層312が露光される。露光動作406は、チャンバ130c~dのうちの1つ、又は他の適切なチャンバでありうるリソグラフィ処理チャンバ内で行われる。膜スタック300は放射線に露光されて、ベーク金属含有レジスト層312をパターニングする。ベーク金属含有レジスト層312をパターニングすることは、ベーク金属含有レジスト層312から複数の非露光部分312aと複数の露光部分312bとを形成することを含む。非露光部分312aは放射線に露光されず、したがって、ベーク金属含有レジスト層312と実質的に同じままである。露光部分312bは、金属酸化物ナノ粒子を配位子から解離させる周波数及び強度で放射線に露光される。金属酸化物ナノ粒子と配位子の解離により、金属酸化物から分離されたルイス酸が形成され、配位子からルイス塩基が形成される。露光部分312bは、放射線への露光によってさらに架橋されうる。したがって、露光部分312bの物理的特性及び化学的特性は、非露光部分312aとは異なるように変化する。本明細書に記載されるように、ベーク金属含有レジスト層312はポジ型レジスト層である。しかしながら、幾つかの実施形態では、ベーク金属含有レジスト層312の一部を放射線に露光すると、露光部分312b内の架橋が解除される可能性があり、ベーク金属含有レジスト層312はネガ型レジスト層として機能する。
【0047】
露光動作406は、露光部分312bをUV光放射などの放射線に露光することを含む。本明細書に記載される実施形態では、複数の露光部分312bは、約5nmから約400nm、例えば約5nmから約20nm、例えば約10nmから約14nmの波長を有する放射線に露光される。UV光放射は極紫外光(EUV光)である。極紫外光は、露光部分312b内の金属酸化物と配位子との解離を可能にする。
【0048】
動作406の後、露光された膜スタック300は、
図3Eに示されるように、露光後フィールドガイドベーク動作408に供される。露光後フィールドガイドベーク動作408は、
図2に示される処理チャンバ130aと同様の処理チャンバ、又は他の適切な処理チャンバ内で実施することができる。露光後フィールドガイドベーク動作408は、膜スタック300を加熱すること、並びに電場がベーク金属含有レジスト層312の複数の非露光部分312a及び複数の露光部分312bと相互作用するように膜スタック及びベーク金属含有レジスト層312に電場を印加することを含む。電場は、解離した金属酸化物と配位子によって形成されるルイス酸及びルイス塩基、並びにベーク金属含有レジスト層312内に配置される任意の追加イオンと相互作用する。電場は、露光部分312b内の金属酸化物ナノ粒子と配位子を架橋させることができる。電場は、電極258と基板支持アセンブリ238の第1の表面234との間に印加される。
【0049】
露光後フィールドガイドベーク動作408が行われると、ベーク金属含有レジスト層312内の配位子及び他のイオンの分布及びドリフトは、電場によって制御される。電場は、基板200の下地層306の上面308に対してほぼ垂直など、膜スタック300の上面に対してほぼ垂直に配向される。電場は、基板の主面に対して直角又は垂直に配向されていると説明することもできる。基板の主面は、ウエハ面と呼ばれることがある。主面は、基板200の直径に沿って配向される。主面は、下地層306の上面308又は膜スタック300の上面に対して垂直でありうる。主面は、基板の長さに沿って配向される。電場は、金属酸化物と配位子の反応の方向を制御して、解離した金属酸化物及び配位子の非露光部分312aへの拡散を防止する。露光後フィールドガイドベーク動作408中、露光部分312bは、複数のベーク後露光部分314に変換される。ベーク後露光部分314は、より大きい架橋を有し、露光後フィールドガイドベーク動作408中のベーク金属含有レジスト層312内の電場に平行な荷電粒子の移動により、線エッジの粗さが低減される。したがって、電場は、フォトレジストの線エッジの粗さ、線の限界寸法の均一性、及び線量感度の改善に役立つ。
【0050】
幾つかの実施形態では、電場は、下地層306の上面308に平行、又は主面に平行など、異なる方向に配向されるように制御することができる。電場は、膜スタック300にわたり、約100MV/mから約2000MV/mの強度を有する。電場は、電極258と基板支持アセンブリ238の第1の表面234との間の、約0Vから約4000V、例えば約10Vから約4000V、例えば約100Vから約4000Vの電圧差によって引き起こされる。あるいは、約10μAから約1Aの電流が電極258に流されてもよい。
【0051】
露光後フィールドガイドベーク動作408中、基板200及び膜スタック300は、約100℃から約300℃の温度、例えば約100℃から約250℃の温度、例えば約150℃から約250℃の温度、例えば約175℃から約250℃の温度に加熱される。フィールドガイドベーク動作408を100℃を上回る温度で実施すると、露光部分312b内の確率論及び架橋が改善される。露光後フィールドガイドベーク動作408中に温度が例えば約150℃など、約250℃に向かって上昇すると、解離した配位子及び他の荷電イオンの移動度は露光部分312b内で増加する。露光後フィールドガイドベーク動作408は、約100mTorrから約800Torr、例えば約100mTorrから約760Torr、例えば約1Torrから約600Torrの圧力でさらに行われる。
【0052】
露光後フィールドガイドベーク動作408は、ドライプロセス又はウェットプロセスのいずれかでありうる。露光後フィールドガイドベーク動作408がドライプロセスである例では、処理容積212内の媒体はガスである。ガスは、アルゴン(Ar)、ヘリウム(He)、キセノン(XE)、ネオン(He)、窒素(N2)、又は周囲空気のうちの1つ又はそれらの組合せなど、不活性ガスでありうる。幾つかの実施形態では、処理容積212は真空下にあり、露光後フィールドガイドベーク動作408中に処理容積212にガスは流入しない。他の実施形態では、ガスは、二酸化炭素(CO2)、酸素(O2)、又は蒸気(H2O)を含む。蒸気は気相状態に保たれ、処理チャンバ130a内の温度及び圧力では凝縮しない。露光後フィールドガイドベーク動作408がウェットプロセスである例では、処理容積内の媒体は液体又はスラリーである。考えられる媒体には、炭素ベースの液体又は脱イオン液体水が含まれる。
【0053】
現像動作410では、
図3Fに示されるように、膜スタック300は、ウェット現像プロセス又はドライ現像プロセスに供される。任意選択的に、現像動作410には、領域選択的ALDプロセスを含めることもできる。領域選択的ALDプロセスは、非露光部分312a又は露光部分312bのうちの一方の上に選択的に層を堆積するために用いることができる。領域選択的ALDは、ベーク金属含有レジスト層312上に別個のハードマスク層を堆積することができる。領域選択的ALDは、非露光部分312aと露光部分312bの各々の表面特性が異なるため、選択的に堆積される。
【0054】
具体的には、
図3Fは、膜スタック300の現像後の膜スタックを示している。現像は、非露光部分312a又は露光部分312bのいずれかを除去するように構成される。非露光部分312b又は露光部分312bのいずれが除去されるかは、現像プロセスがポジ現像プロセスとなるように構成されるかネガ現像プロセスとなるように構成されるかに少なくとも部分的に依存する。ポジ型現像プロセスでは、
図3Fに示されるように、ベーク後露光部分314が除去されて、非露光部分312fが残る。ネガ型現像プロセスでは、ベーク後露光部分314が残され、一方、非露光部分は除去される(図示せず)。ベーク金属含有レジスト層312は、ウェットエッチング又はドライエッチングを使用して処理される。ウェットエッチング又はドライエッチングは、露光後フィールドガイドベーク動作408が行われる処理チャンバ130aとは別のチャンバ内で行われる。本明細書に示されるように、エッチングは、ベーク後露光部分314の少なくとも一部を除去し、各非露光部分312a間に複数の開口部316を形成するために行われる。したがって、非露光部分312aの各々の側壁318は露出され、ベーク金属含有レジスト層312内に開口部316を形成する。ベーク後露光部分314が完全に除去されると、下地層306の上面308が露出して、開口部316の底面を形成する。あるいは、ウェット又はドライ現像により、ベーク金属含有レジスト層312の非露光部分312aを除去することもできる。
【0055】
ドライ現像は、選択的エッチングプロセスなどの異方性エッチングプロセスでありうる。膜スタック300は、非露光部分312a又はベーク後露光部分314を除去するために、プラズマ又は他の熱プロセスに曝露されてもよい。
【0056】
ウェット現像は、ベーク後露光部分314又は非露光部分312aのうちの一方を除去するように構成された溶媒又は他の液体を適用することを含むことができる。溶媒は、ベーク後露光部分314又は非露光部分312aのうちの一方の少なくとも一部を除去する。
【0057】
領域選択的ALDは、
図3Fには示されていないが、領域選択的ハードマスクを形成することが望ましい場合に実施することができる。領域選択的ALDは、ベーク後露光部分314又は非露光部分312aのうちの一方に金属又は金属酸化物を選択的に堆積するために行われる。領域選択的ALDは、ベーク後露光部分314又は非露光部分312aのうちの一方にのみ金属又は金属酸化物を堆積し、したがって、所定の表面品質を有するベーク金属含有レジスト層312の領域に対して選択的である。
【0058】
現像動作410の実施後、現像後フィールドガイドベーク/アニールプロセスなどの任意選択的な現像後フィールドガイドベーク又はアニールが、動作412において実施される。任意選択的な現像後フィールドガイドベーク又はアニールは、エッジの平滑性を改善し、ベーク金属含有レジスト層312内の架橋を改善することによってベーク金属含有レジスト層312の残りの部分の材料特性を向上させるために行われる。現像後フィールドガイドベーク動作412は、露光後フィールドガイドベーク動作408について説明した条件と同様のプロセス条件を使用して実施することができる。現像後フィールドガイドベーク動作412中の温度は、約100℃から約300℃、例えば約100℃から約250℃、例えば約150℃から約250℃の温度、例えば約175℃から約250℃の温度である。現像後フィールドガイドベーク動作412中の圧力は、約100mTorrから約800Torr、例えば約100mTorrから約760Torr、例えば約100mTorrから約600Torrである。
【0059】
幾つかの実施形態では、露光後フィールドガイドベーク動作408及び現像後フィールドガイドベーク/アニール動作412のうちの一方又は両方が、超大気圧で実施される。超大気圧は、約760Torrから約1500Torr、例えば約760Torrから約1200Torrである。超大気圧は架橋を改善し、ベーク時間を短縮することが示されている。したがって、幾つかの実施形態では、露光後フィールドガイドベーク動作408及び/又は現像後フィールドガイドベーク/アニール動作412中の圧力は、約100mTorrから約1200Torrである。
【0060】
現像後フィールドガイドベーク/アニール動作412中に膜スタック300に印加される電場は、露光後フィールドガイドベーク動作408中に印加される電場と同様である。電場は、現像後フィールドガイドベーク/アニール動作412、512中、膜スタック300全体にわたり、約100MV/mから約2000MV/mの強度を有する。電場は、電極258と基板支持アセンブリ238の第1の表面234との間の約0Vから約4000V、例えば約10Vから約4000V、例えば約100Vから約4000Vの電圧差によって生成される。あるいは、電流は、約10μAから約1Aの電流となるように、電極258に流すことができる。
【0061】
現像後フィールドガイドベーク動作412は、ドライプロセス又はウェットプロセスのいずれかでありうる。現像後フィールドガイドベーク動作412がドライプロセスである動作では、処理容積212内の媒体はガスである。ガスは、アルゴン(Ar)、ヘリウム(He)、キセノン(XE)、又はネオン(He)のうちの1つ又はそれらの組合せなど、不活性ガスでありうる。他の実施形態では、ガスは、酸素(O2)又は蒸気(H2O)を含む。現像後フィールドガイドベーク動作412がウェットプロセスである動作では、処理容積内の媒体は、液体又はスラリーである。考えられる媒体には、フッ化炭素ベースの液体、又は油などの炭化水素ベースの流体が含まれる。脱イオン液体水も媒体として機能しうる。
【0062】
現像410の後、任意選択的に第2の現像後フィールドガイドベーク動作412の後に、
図3Gに示されるように、エッチング動作414が行われる。エッチング動作414は、ベーク金属含有レジスト層312の開口部316を通じて下地層306の少なくとも一部をエッチングすることを含む。エッチング動作414は、任意の適切なドライ又はウェットエッチングプロセスでありうる。下地層306をエッチングすることにより、下地層306を貫通して形成される複数の下地層開口部320が形成される。下地層開口部320の各々は、側壁322と、デバイス層304の上面324によって形成される底部とを有する。
【0063】
乾燥又は洗浄動作(図示せず)も、本明細書に記載される方法400中又はその後のいずれかに実施することができる。乾燥又は洗浄動作は、任意の適切な乾燥又は洗浄プロセスを含むことができる。
【0064】
本明細書に記載される方法は、金属含有レジスト層を使用する場合に、線量感度を改善し、線幅の粗さを低減することを可能にする。フィールドガイド露光後ベークプロセスは、金属含有レジスト層内のイオンと荷電粒子のドリフトに影響を与える。パターニングレジスト感度、線幅の粗さ、及び線エッジ粗さを改善することにより、膜スタック300上において、より小さくより均一な特徴部が可能になる。したがって、デバイスの歩留まりに対する線幅の粗さの影響を軽減しつつ、小さい線幅を利用することができる。
【0065】
上記は本開示の実施態様を対象としているが、本開示の他の及びさらなる実施態様は、その基本的な範囲から逸脱することなく考案することができ、その範囲は、以下の特許請求の範囲によって決定される。
【国際調査報告】