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特表2024-523243高アスペクト比構造をエッチングするためのシステムおよび方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-28
(54)【発明の名称】高アスペクト比構造をエッチングするためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/3065 20060101AFI20240621BHJP
【FI】
H01L21/302 105A
H01L21/302 101B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023576026
(86)(22)【出願日】2021-12-22
(85)【翻訳文提出日】2024-02-09
(86)【国際出願番号】 US2021065019
(87)【国際公開番号】W WO2022265673
(87)【国際公開日】2022-12-22
(31)【優先権主張番号】63/212,095
(32)【優先日】2021-06-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】592010081
【氏名又は名称】ラム リサーチ コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】LAM RESEARCH CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】弁理士法人明成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ドール・ニキル
(72)【発明者】
【氏名】柳川 匠
(72)【発明者】
【氏名】ハドソン・エリック・エイ.
(72)【発明者】
【氏名】ウォン・マーレット
(72)【発明者】
【氏名】ジョイ・アニルッダ
【テーマコード(参考)】
5F004
【Fターム(参考)】
5F004BA09
5F004BB13
5F004BB18
5F004BB22
5F004BB28
5F004BB29
5F004BC03
5F004CA01
5F004CA03
5F004CB02
5F004DA00
5F004DA15
5F004DA16
5F004DA17
5F004DB02
5F004DB03
5F004DB07
5F004EA28
5F004EB01
5F004EB04
(57)【要約】
【解決手段】積層をエッチングするための方法が説明される。この方法は、非金属ガスを適用することにより積層の第1の窒素含有層をエッチングする工程と、第1の酸化物層に達したことを決定すると非金属ガスの適用を停止する工程と、を含む。第1の酸化物層は、第1の窒素含有層の下にある。この方法はさらに、金属含有ガスを適用することにより第1の酸化物層をエッチングする工程を含む。金属含有ガスの適用は、第2の窒素含有層に達するだろうことを決定すると停止される。第2の窒素含有層は、第1の酸化物層の下にある。この方法は、非金属ガスを適用することにより第2の窒素含有層をエッチングする工程を含む。
【選択図】図2B
【特許請求の範囲】
【請求項1】
積層をエッチングするための方法であって、
非金属ガスを適用することにより前記積層の第1の窒素含有層をエッチングする工程と、
前記第1の窒素含有層の下にある第1の酸化物層に達したことを決定すると、前記非金属ガスの適用を停止する工程と、
金属含有ガスを適用することにより前記第1の酸化物層をエッチングする工程と、
前記第1の酸化物層の下にある第2の窒素含有層に達することを決定すると、前記金属含有ガスの適用を停止する工程と、
前記非金属ガスを適用することにより前記第2の窒素含有層をエッチングする工程と、
を含む、方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、
前記第1の酸化物層は、前記第1の酸化物層がエッチングされているときに到達され、前記酸化物層の上面から予め定められた深さに達するときはエッチングされている、方法。
【請求項3】
請求項1に記載の方法であって、
前記第1の窒素含有層をエッチングする工程は、前記第1の酸化物層に凹部が形成されるまで続き、前記非金属ガスの適用は、前記凹部が前記第1の酸化物層に形成されたことを決定すると停止される、方法。
【請求項4】
請求項3に記載の方法であって、
前記凹部は、予め定められた深さを有する、方法。
【請求項5】
請求項1に記載の方法であって、さらに、
前記第1の窒素含有層をエッチングする工程のために、第1の一次パラメータレベルおよび第2の一次パラメータレベルを有する低周波無線周波数(LFRF)信号を供給する工程と、
前記第1の酸化物層をエッチングするときに、前記第1の一次パラメータレベルを第3の一次パラメータレベルに修正し、前記第2の一次パラメータレベルを第4の一次パラメータレベルに修正する工程と、
を含む、方法。
【請求項6】
請求項5に記載の方法であって、
前記第2の一次パラメータレベルは前記第1の一次パラメータレベルよりも低く、前記第4の一次パラメータレベルは前記第3の一次パラメータレベルよりも低く、前記第3の一次パラメータレベルは前記第1の一次パラメータレベルよりも高く、前記第4の一次パラメータレベルは前記第2の一次パラメータレベルよりも高い、方法。
【請求項7】
請求項5に記載の方法であって、さらに、
前記第1の窒素含有層をエッチングする工程のために、第1の二次パラメータレベルおよび第2の二次パラメータレベルを有する高周波RF(HFRF)信号を供給する工程と、
前記第1の酸化物層をエッチングするときに、前記第1の二次パラメータレベルを第3の二次パラメータレベルに修正し、前記第2の二次パラメータレベルを第4の二次パラメータレベルに修正する工程と、
を含む、方法。
【請求項8】
請求項7に記載の方法であって、
前記第2の二次パラメータレベルは前記第1の二次パラメータレベルよりも低く、前記第4の二次パラメータレベルは前記第3の二次パラメータレベルよりも低く、前記第3の二次パラメータレベルは前記第1の二次パラメータレベルよりも高く、前記第4の二次パラメータレベルは前記第2の二次パラメータレベルよりも高い、方法。
【請求項9】
請求項8に記載の方法であって、
前記第1の二次パラメータレベルに対する前記第1の一次パラメータレベルの比は0.75~1.25であり、前記第2の二次パラメータレベルに対する前記第2の一次パラメータレベルの比は0.75~1.25である、方法。
【請求項10】
請求項8に記載の方法であって、
前記第3の二次パラメータレベルに対する前記第3の一次パラメータレベルの比は2~4であり、前記第4の二次パラメータレベルに対する前記第4の一次パラメータレベルの比は2~4である、方法。
【請求項11】
請求項1に記載の方法であって、
前記金属含有ガスは、カルボニルまたは金属フッ化物を含む、方法。
【請求項12】
請求項11に記載の方法であって、
前記金属フッ化物は、六フッ化タングステンである、方法。
【請求項13】
請求項11に記載の方法であって、
前記金属含有ガスは、フルオロカーボンまたは三フッ化窒素(NF3)と共に適用される、方法。
【請求項14】
請求項1に記載の方法であって、
前記非金属ガスは、ハイドロフルオロカーボンを含む、方法。
【請求項15】
請求項1に記載の方法であって、さらに、
前記第2の窒素含有層をエッチングするために用いられる前記非金属ガスの適用を停止する工程と、
前記第2の窒素含有層の下に位置する第2の酸化物層をエッチングするために前記金属含有ガスを適用する工程と、
を含む、方法。
【請求項16】
請求項15に記載の方法であって、さらに、
第3の窒素含有層が前記第2の酸化物層の下に位置するときに、前記第3の窒素含有層に近接する予め定められたレベルに達したことを決定すると、前記第2の酸化物層をエッチングするために用いられる前記金属含有ガスの前記適用を停止する工程と、
前記第2の酸化物層をエッチングするために用いられた前記金属含有ガスの前記適用を停止する前記工程の後に、前記非金属ガスを適用することにより前記第3の窒素含有層をエッチングする工程と、
を含む、方法。
【請求項17】
積層をエッチングするためのコントローラであって、
プロセッサであって、
非金属ガスを適用することにより、前記積層の第1の窒素含有層のエッチングを制御し、
前記第1の窒素含有層の下にある第1の酸化物層に達したことを決定すると、前記非金属ガスの前記適用を停止し、
金属含有ガスを適用することにより前記第1の酸化物層のエッチングを制御し、
前記第1の酸化物層の下にある第2の窒素含有層に達するだろうことを決定すると、前記金属含有ガスの前記適用を停止し、
前記非金属ガスを適用することにより前記第2の窒素含有層のエッチングを制御するように構成されたプロセッサと、
前記プロセッサに接続されたメモリデバイスと、
を備える、コントローラ。
【請求項18】
請求項17に記載のコントローラであって、
前記非金属ガスの適用は、前記第1の酸化物層に凹部が形成されるまで制御され、前記非金属ガスの前記適用は、前記第1の酸化物層に前記凹部が形成されたことを決定すると停止される、コントローラ。
【請求項19】
請求項17に記載のコントローラであって、
前記プロセッサは、
前記第1の窒素含有層をエッチングするために、第1の一次パラメータレベルおよび第2の一次パラメータレベルを有する低周波無線周波数(LFRF)信号を供給するようにLFRF発生器を制御し、
前記第1の酸化物層をエッチングするために、前記第1の一次パラメータレベルを第3の一次パラメータレベルに修正し、前記第2の一次パラメータレベルを第4の一次パラメータレベルに修正する
ように構成されている、コントローラ。
【請求項20】
請求項19に記載のコントローラであって、
前記プロセッサは、
前記第1の窒素含有層をエッチングするために、第1の二次パラメータレベルおよび第2の二次パラメータレベルを有する高周波(HF)RF信号を供給するようにHFRF発生器を制御し、
前記第1の酸化物層がエッチングされるときに、前記第1の二次パラメータレベルを第3の二次パラメータレベルに修正し、前記第2の二次パラメータレベルを第4の二次パラメータレベルに修正する
ように構成されている、コントローラ。
【請求項21】
積層をエッチングするためのプラズマシステムであって、
金属含有ガスを蓄えるように構成された第1のガス源と、
非金属ガスを蓄えるように構成された第2のガス源と、
第1のガスラインを介して前記第1のガス源に接続され、第2のガスラインを介して前記第2のガス源に接続されたプラズマチャンバと、
前記第1のガスラインおよび前記第2のガスラインに接続されたホストコンピュータであって、
前記非金属ガスを適用することにより前記積層の第1の窒素含有層のエッチングを制御し、
前記第1の窒素含有層の下にある第1の酸化物層に達したことを決定すると、前記非金属ガスの前記適用を停止し、
前記金属含有ガスを適用することにより前記第1の酸化物層のエッチングを制御し、
前記第1の酸化物層の下にある第2の窒素含有層に達するだろうことを決定すると、前記金属含有ガスの前記適用を停止し、
前記非金属ガスを適用することにより前記第2の窒素含有層のエッチングを制御するように構成されたホストコンピュータと、
を備える、プラズマシステム。
【請求項22】
請求項21に記載のプラズマシステムであって、さらに、
低周波無線周波数(LFRF)信号を生成するように構成されたLFRF発生器と、
高周波RF信号を生成するように構成されたHFRF信号と、
前記LFRF発生器および前記HFRF発生器に接続されたインピーダンス整合回路であって、前記インピーダンス整合回路は、前記LFRF信号および前記HFRF信号を受信して修正RF信号を出力するように構成され、前記プラズマチャンバは、前記修正RF信号を受信するために前記インピーダンス整合回路に接続され、前記ホストコンピュータは、
前記第1の窒素含有層をエッチングするために、第1の一次パラメータレベルおよび第2の一次パラメータレベルを有するLFRF信号を供給するように前記LFRF発生器を制御し、
前記第1の酸化物層をエッチングするために、前記第1の一次パラメータレベルを第3の一次パラメータレベルに修正し、前記第2の一次パラメータレベルを第4の一次パラメータレベルに修正し、
前記第1の窒素含有層をエッチングするために、第1の二次パラメータレベルおよび第2の二次パラメータレベルを有するHFRF信号を供給するように前記HFRF発生器を制御し、
前記第1の酸化物層をエッチングするために、前記第1の二次パラメータレベルを第3の二次パラメータレベルに修正し、前記第2の二次パラメータレベルを第4の二次パラメータレベルに修正するように構成されている、インピーダンス整合回路と、
を備える、プラズマシステム。
【請求項23】
積層をエッチングするための方法であって、
金属含有ガスを適用することにより酸化物層をエッチングする工程と、
前記酸化物層の下にあるシリコン含有層に達することを決定すると、前記金属含有ガスの適用を停止する工程と、
非金属ガスを適用することにより前記シリコン含有層をエッチングする工程と、
を含む、方法。
【請求項24】
請求項23に記載の方法であって、
前記酸化物層は、前記酸化物層がエッチングされているときに到達され、前記酸化物層の上面から予め定められた深さに達したときはエッチングされている、方法。
【請求項25】
請求項23に記載の方法であって、
前記シリコン含有層は、窒化シリコン層またはポリシリコン層である、方法。
【請求項26】
請求項23に記載の方法であって、
前記金属含有ガスは、カルボニルまたは金属フッ化物を含む、方法。
【請求項27】
請求項26に記載の方法であって、
前記金属フッ化物は、六フッ化タングステンである、方法。
【請求項28】
請求項23に記載の方法であって、
前記金属含有ガスは、フルオロカーボンまたは三フッ化窒素(NF3)と共に適用される、方法。
【請求項29】
請求項23に記載の方法であって、
前記非金属ガスは、ハイドロフルオロカーボンを含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示に記載の実施形態は、高アスペクト比構造をエッチングするためのシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
本明細書に記載の背景技術は、本開示の内容を一般的に提示するためである。現在名前が挙げられている発明者の発明は、本背景技術欄、および出願時の先行技術に該当しない説明の態様において記載される範囲で、本開示に対する先行技術として明示的にも黙示的にも認められない。
【0003】
無線周波数(RF)発生器はRF信号を生成し、整合器を介してプラズマ反応器にRF信号を供給する。プラズマ反応器は、プラズマ反応器にRF信号が供給され、エッチングガスが供給されたときは、エッチングされる半導体ウエハを有する。しかし、半導体ウエハに関する所望のエッチング速度は、半導体ウエハがエッチングされる間に実現されない。
【0004】
本開示に記載の実施形態は、このような状況で生じた。
【発明の概要】
【0005】
本開示の実施形態は、高アスペクト比構造をエッチングするための装置、方法、およびコンピュータプログラムを提供する。本実施形態は、いくつかの方法(例えば、プロセス、装置、システム、ハードウェア、またはコンピュータ可読媒体における方法)で実施できることを認識されたい。以下に、いくつかの実施形態が説明される。
【0006】
ダイナミックランダムアクセスメモリ積層などの高アスペクト比構造をエッチングするために、金属含有化学物質が用いられる。金属含有化学物質は、高アスペクト比フィーチャのエッチング中のマスク残量における向上を示すことができる。しかし、高アスペクト比構造の窒素含有層をエッチングするために金属含有化学物質が用いられたときは、窒素含有層のアンダエッチング、または窒素含有層におけるエッチストップが生じる。例えば、窒素含有層は、予め定められたエッチング速度未満でエッチングされる、またはエッチングされない。
【0007】
実施形態では、積層をエッチングするための方法が説明される。この方法は、非金属ガスを適用することにより積層の第1の窒素含有層をエッチングする工程と、第1の酸化物層に達したことを決定すると非金属ガスの適用を停止する工程と、を含む。第1の酸化物層は、第1の窒素含有層の下にある。この方法はさらに、金属含有ガスを適用することにより第1の酸化物層をエッチングする工程を含む。金属含有ガスの適用は、第2の窒素含有層に達するだろうことが決定されると停止される。第2の窒素含有層は、第1の酸化物層の下にある。この方法は、非金属ガスを適用することにより第2の窒素含有層をエッチングする工程を含む。
【0008】
一実施形態では、積層をエッチングするためのコントローラが説明される。コントローラは、積層の第1の窒素含有層をエッチングするために非金属ガスの適用を制御するプロセッサを含む。プロセッサはその後、第1の酸化物層に達したことを決定すると非金属ガスの適用を中止する。第1の酸化物層は、第1の窒素含有層の下にある。プロセッサはさらに、金属含有ガスを適用することにより第1の酸化物層のエッチングを制御する。プロセッサは次に、第2の窒素含有層に達するだろうことを決定すると金属含有ガスの適用を停止する。第2の窒素含有層は、第1の酸化物層の下にある。プロセッサはさらに、非金属ガスを適用することにより第2の窒素含有層のエッチングを制御する。コントローラは、プロセッサに接続されたメモリデバイスも含む。
【0009】
実施形態では、積層をエッチングするためのプラズマシステムが説明される。プラズマシステムは、金属含有ガスを蓄える第1のガス源を含む。プラズマシステムはさらに、非金属ガスを蓄える第2のガス源を含む。プラズマシステムは、第1のガスラインを介して第1のガス源に接続され、第2のガスラインを介して第2のガス源に接続されたプラズマチャンバを含む。プラズマシステムは、第1および第2のガスラインに接続されたホストコンピュータも含む。ホストコンピュータは、非金属ガスを適用することにより積層の第1の窒素含有層のエッチングを制御する。ホストコンピュータは次に、第1の酸化物層に達したことを決定すると非金属ガスの適用を停止する。ホストコンピュータはさらに、金属含有ガスを適用することにより第1の酸化物層のエッチングを制御する。ホストコンピュータは、第2の窒素含有層に達するだろうことを決定すると金属含有ガスの適用を停止する。ホストコンピュータは次に、非金属ガスを適用することにより第2の窒素含有層のエッチングを制御する。
【0010】
本明細書に記載の、高アスペクト比構造をエッチングするためのシステムおよび方法のいくつかの利点は、非金属ガスを用いて高アスペクト比構造の窒素含有層をエッチングし、金属含有ガスを用いて高アスペクト比構造の酸化物層をエッチングすることを含む。酸化物層は、金属含有ガスを用いて予め定められた速度によりエッチングされる。金属含有ガスの代わりに非金属ガスを用いて窒素含有層をエッチングすることにより、高アスペクト比構造をエッチングするための予め定められたエッチング速度が実現される。
【0011】
本明細書に記載の、高アスペクト比構造をエッチングするためのシステムおよび方法のさらなる利点は、予め定められた速度により一次無線周波数(RF)信号および二次RF信号のパラメータレベルをパルス化することを含む。一次RF信号の例は低周波(LF)RF信号であり、二次RF信号の例は高周波(HF)RF信号である。予め定められた速度を実現することにより、パッシベーションによる堆積はフィーチャの底部よりも上部にかけて多く推進される。そのように堆積を推進することで、高アスペクト比構造の窒素含有層のアンダエッチングの可能性は低減される。
【0012】
いくつかの他の態様は、添付の図面と併せて以下の発明を実施するための形態から明らかになるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0013】
実施形態は、添付の図面と併せて以下の説明を参照して理解される。
【0014】
図1】高アスペクト比コンタクト(高アスペクト比)構造の実施形態図。
【0015】
図2A図1の高アスペクト比構造の処理を示す高アスペクト比構造の実施形態図。
【0016】
図2B図2Aの高アスペクト比構造のさらなる処理を示す高アスペクト比構造の実施形態図。
【0017】
図2C図2Bの高アスペクト比構造のさらなる処理を示す高アスペクト比構造の実施形態図。
【0018】
図2D図2Cの高アスペクト比構造のさらなる処理を示す高アスペクト比構造の実施形態図。
【0019】
図2E図2Dの高アスペクト比構造のさらなる処理を示す高アスペクト比構造図。
【0020】
図3図1の高アスペクト比構造への化学物質AおよびBの適用を示すシステムの実施形態図。
【0021】
図4A】化学物質Aの適用と化学物質Bの適用との間で切り替える時間を決定するための光センサの使用を示すシステムの実施形態図。
【0022】
図4B図1の高アスペクト比構造の異なる層をエッチングするための光強度範囲の使用を示すシステムの実施形態図。
【0023】
図5A】一次RF信号のパルス化対時間tを示すグラフの実施形態。
【0024】
図5B】二次RF信号のパルス化対時間tを示すグラフの実施形態。
【0025】
図6】化学物質AおよびBの適用中のレベル間パルスのための低周波(LF)無線周波数(RF)発生器および高周波(HF)RF発生器を示すシステムの実施形態図。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下の実施形態は、高アスペクト比構造をエッチングするためのシステムおよび方法を説明する。本実施形態は、これらの特定の詳細の一部または全てなしで実施されてよいことが明らかだろう。他の例では、本実施形態を必要以上に分かりにくくしないように、周知のプロセス動作は詳細には説明されていない。
【0027】
図1は、高アスペクト比構造100の実施形態図である。高アスペクト比構造100の例は、ダイナミックランダムアクセスメモリ積層およびシリコン-酸化物-窒化物-酸化物-シリコン(SONOS)積層を含む。例として、ダイナミックランダムアクセスメモリでは、各データビットは、コンデンサおよびトランジスタを含むメモリセルに格納される。この例では、コンデンサが充電されるとメモリセルに1ビットが格納され、コンデンサが放電するとメモリセルに0ビットが格納される。例として、SONOS積層は、フラッシュメモリ、電気的に消去可能な読み込み専用メモリ(EEPROM)などの不揮発性メモリにおいて用いられる。
【0028】
高アスペクト比構造100は、マスク層、窒素含有層1、酸化物層1、別の窒素含有層2、別の酸化物層2、窒素含有層3、および基板層を含む。例として、高アスペクト比構造の窒素含有層および酸化物層の交互配置は、高アスペクト比構造の各コンデンサの誘電体層を形成し、窒素含有層および酸化物層は、高アスペクト比構造のコンデンサを製作するようにエッチングされる。例として、基板層はシリコンから製作される。図のように、窒素含有層3は基板層の上に重ねられ、酸化物層2は窒素含有層3の上に重ねられる。また、窒素含有層2は酸化物層2の上に堆積され、酸化物層1は窒素含有層2の上に堆積される。同様に、窒素含有層1は酸化物層1の上に重ねられ、マスク層は窒素含有層1の上に堆積される。例えば、窒素含有層1は酸化物層1に隣接し、酸化物層1は窒素含有層2に隣接する。窒素含有層2は酸化物層2に隣接し、酸化物層2は窒素含有層3に隣接する。窒素含有層3は基板層に隣接し、マスク層は窒素含有層1に隣接する。例えば、高アスペクト比構造100の2つの層(例えば、窒素含有層1および酸化物層1、または酸化物層1および窒素含有層2)は、その2層間に層がないときは互いに隣接する。
【0029】
本明細書に記載の窒素含有層の例は、窒化シリコン(SiN)、または炭窒化シリコン(SiCN)、または酸窒化シリコン(SiON)、またはこれらの組み合わせで製作された窒素含有膜である。例えば、窒素含有層は、本明細書では窒素含有シリコン層または窒化物層と呼ばれることもある。例として、高アスペクト比構造100の各窒素含有層は、15ナノメータ(nm)~300nmの高さを有する。例えば、窒素含有層1の厚さは30nmであり、窒素含有層2の厚さは50nmであり、窒素含有層3の厚さは60nmである。例として、高アスペクト比構造100の各酸化物層は、15nm~300nmの高さを有する。例えば、酸化物層1の厚さは100nmであり、酸化物層2の厚さは200nmである。
【0030】
一実施形態では、窒素含有層の代わりに、ポリシリコン(P)層または窒素-シリコン層などのシリコン含有層が用いられる。例えば、高アスペクト比積層100の各窒素含有層1、2、および3は、それぞれシリコン含有層に置き換えられる。シリコン含有層は、窒素含有層1、2、および3がエッチングされたのと同様にエッチングされる。例えば、窒素含有層1の代わりに用いられる第1のシリコン含有層は、窒素含有層1がエッチングされたのと同様にエッチングされ、窒素含有層2の代わりに用いられる第2のシリコン含有層は、窒素含有層2がエッチングされたのと同様にエッチングされ、窒素含有層3の代わりに用いられる第3のシリコン含有層は、窒素含有層3がエッチングされたのと同様にエッチングされる。窒素-シリコン層の例は、窒化シリコン層である。
【0031】
図2Aは、高アスペクト比構造100(図1)の処理を示すための高アスペクト比構造200の実施形態図である。高アスペクト比構造200は、高アスペクト比構造100(図1)と同じ層を含むが、高アスペクト比構造200では、マスク層および窒素含有層1がそれらの内部にフィーチャ202(流路など)を形成するようにエッチングされる。高アスペクト比100の残りの層は、分かりにくくしないように図2Aには示されていない。
【0032】
マスク層および窒素含有層1をエッチングするために、化学物質Aが適用される。化学物質Aの例は、非金属ガス(ハイドロフルオロカーボンまたは酸素など)を含む。ハイドロフルオロカーボンの例は、ジフルオロメタン(CH22)、フッ化メチル(CH3F)、およびトリフルオロメタン(CHF3)を含む。化学物質Aは、水平レベル212が酸化物層1の内部に達するまで窒素含有層1をエッチングするために適用される。例として、水平レベルはx軸に沿ったレベルである。水平レベル212は、酸化物層1の上面206から予め定められた深さ204にある。例えば、所定高さの凹部201は、酸化物層1の内部に穿孔される。凹部201は、フィーチャ202の一部である。本明細書に記載の高さは、y軸に沿って測定される。y軸は、水平方向に沿うx軸に垂直である。y軸は垂直方向に沿う。x軸およびy軸の両方は、z軸に垂直である。
【0033】
予め定められた深さ204は、酸化物層1の上面206から決定される。予め定められた深さ204の例は、約50nmの垂直距離である。例えば、予め定められた深さ204は40nm~60nmである。別の例として、予め定められた深さ204は45nm~55nmである。さらに別の例として、予め定められた深さ204は、酸化物層1の深さの何分の1かである。例えば、予め定められた深さ204は、酸化物層1の深さの1~10パーセントである。酸化物層1の深さは、酸化物層1の上面206から底面208に延びる。例として、本明細書で用いられる層の深さはy軸に沿って延びる。
【0034】
フィーチャ202の内部では、水平レベル212に達すると酸化物層1の中間面210が露出される。中間面210は、フィーチャ202の底面を形成する。水平レベル212に達すると、酸化物層1の内部に空間を有する凹部201が形成される。例えば、凹部201は上面206と中間面210との間に形成され、予め定められた深さ204を有する。中間面210は、上面206と底面208との間に位置する。例えば、中間面210の高さは、上面206の高さよりも小さいが底面208の高さよりも大きい。例えば、高アスペクト比構造200の各面の高さは、基板層の底面212から測定される。
【0035】
窒素含有層1をエッチングするために化学物質Aが用いられるときは、別の化学物質Bは窒素含有層1をエッチングするのに用いられない。例えば、窒素含有層1をエッチングするために化学物質Aが適用される期間に、化学物質Bは窒素含有層1をエッチングするために適用されない。化学物質Bの例は、金属含有化合物を含む。例として、金属含有化合物は、十分な蒸気圧で適用されたときに高アスペクト比構造100にガスの供給をもたらす化合物である。金属含有化合物の例は、金属含有ガス(カルボニルまたは金属フッ化物など)である。例えば、金属フッ化物は、六フッ化タングステン(WF6)である。この例では、金属含有ガスは、フルオロカーボンおよび三フッ化窒素(NF3)が適用される。この例では、フルオロカーボンは、炭化水素中の1つ以上の水素原子を1つ以上のフッ素原子で置換することにより形成された化合物である。金属含有化合物の他の例は、六フッ化レニウム(ReF6)、六フッ化モリブデン(MoF6)、MoCl22、五フッ化タンタル(TaF5)、フッ化バナジウム(VF5)、オキシ三塩化バナジウム(VOCl3)、四塩化チタン(TiCl4)、プルンバン(PbH4)、テトラメチルスズ(Sn(CH34)、ニッケルテトラカルボニル(Ni(CO)4)、ジメチル亜鉛(Zn(CH32)、四塩化酸化タングステン(VI)(WOCl4)、ビス(t-ブチルイミド)ビス(ジメチルアミノ)タングステン(VI)(((CH33CN)2W(N(CH322)、メシチレンタングステントリカルボニル(C63(CH33W(CO)3)、オキシ四フッ化タングステン(VI)(WOF4)、WO22、および二塩化二酸化タングステン(WO2Cl2)を含む。カルボニルの例は、タングステンヘキサカルボニル(W(CO)6)である。
【0036】
化学物質Aの代わりに化学物質Bが用いられた場合は、窒素含有層1の内部でエッチストップが生じる、または、窒素含有層1がアンダエッチングされることに注意されたい。窒素含有層1がアンダエッチングされたときは、窒素含有層1のエッチング速度は予め定められたエッチング速度未満である。
【0037】
図2Bは、高アスペクト比構造200(図2A)のさらなる処理を示すための高アスペクト比構造220の実施形態図である。高アスペクト比構造220は、高アスペクト比構造100(図1)と同じ層を含むが、高アスペクト比構造220では、マスク層および窒素含有層1に加えて酸化物層1がエッチングされて、マスク層、窒素含有層1、および酸化物層1にフィーチャ222が形成される。例えば、フィーチャ202(図2A)はさらにエッチングされて、フィーチャ222が形成される。高アスペクト比構造100の残りの層は、分かりにくくしないように図2Bには示されていない。
【0038】
窒素含有層1をエッチングするための化学物質Aの適用が停止された後、酸化物層1の一部をエッチングするために化学物質Bが適用される。例えば、化学物質Bの適用は水平レベル212(図2A)で開始する。化学物質Bは、水平レベル224に達するまで適用される。酸化物層1のエッチングされる部分は、水平レベル212と水平レベル224との間に位置する。酸化物層1のエッチングされる部分の量の例は、酸化物層1の90~95%である。水平レベル224は、窒素含有層2の上面228から所定距離226にある。窒素含有層2の上面228は、酸化物層1の底面208に隣接する、または隣り合う。例えば、上面228と底面208との間に空間はない。酸化物層1をエッチングするために化学物質Bが適用される期間に、化学物質Aは適用されないことに注意されたい。
【0039】
水平レベル224に達したときに、化学物質Bの適用は低減される、または停止される。水平レベル224に達したときに化学物質Bが低減された場合は、窒素含有層2の上面228の水平レベルに達したときに化学物質Bの適用が停止する。酸化物層1をエッチングするために化学物質Bが加えられる期間に、化学物質Aは適用されないことに注意されたい。
【0040】
化学物質Bが停止または低減された後に、化学物質Bの適用からの残留化学物質Bが予め定められた期間にわたって酸化物層1の残りの部分をエッチングする。例えば、化学物質Bが水平レベル224で停止または低減された後に、酸化物層1の酸化物は、窒素含有層2に達するまで残留化学物質Bによってエッチングされる。
【0041】
化学物質Bの適用が停止または低減されてから予め定められた期間が経過した後に、化学物質Aが適用される。化学物質Aが適用されて、窒素含有層2のエッチングが開始される。
【0042】
図2Cは、高アスペクト比構造220(図2B)のさらなる処理を示すための高アスペクト比構造240の実施形態図である。高アスペクト比構造240は、高アスペクト比構造100(図1)と同じ層を含むが、高アスペクト比構造240では、マスク層、窒素含有層1、および酸化物層1に加えて窒素含有層2がエッチングされて、マスク層、窒素含有層1、酸化物層1、および窒素含有層2にフィーチャ242が形成される。例えば、フィーチャ222(図2B)はさらにエッチングされて、フィーチャ242が形成される。高アスペクト比構造100の残りの層は、分かりにくくしないように図2Cには示されていない。
【0043】
化学物質Aが適用されて酸化物層1に凹部201(図2A)が形成されたのと同様に、窒素含有層2は酸化物層2に凹部243が形成されるまでエッチングされる。例えば、化学物質Aが適用されて水平レベル244が酸化物層2の内部に達するまで、酸化物層2はエッチングされる。水平レベル244は、酸化物層2の上面248から予め定められた深さ246にある。例えば、予め定められた高さの凹部は酸化物層2の内部に穿孔される。予め定められた深さ246は、酸化物層2の上面248から決定される。
【0044】
予め定められた深さ246の例は、約50nmの垂直距離である。例えば、予め定められた深さ246は40nm~60nmである。別の例として、予め定められた深さ246は45nm~50nmである。さらに別の例として、予め定められた深さ246は、酸化物層2の深さの何分の1かである。例えば、予め定められた深さ246は、酸化物層2の深さの1~10パーセントである。酸化物層2の深さは、酸化物層2の上面248から底面250に延びる。
【0045】
例として、予め定められた深さ246は予め定められた深さ204(図2A)に等しい。別の例として、予め定められた深さ246は予め定められた深さ204に等しくない。例えば、予め定められた深さ246は予め定められた深さ204よりも大きい、または小さい。
【0046】
フィーチャ242の内部では、水平レベル244に達したときに酸化物層2の中間面252が露出される。中間面252は、上面248と底面250との間に位置する。例えば、中間面252の高さは、上面248の高さよりも小さいが底面250の高さよりも大きい。前述したように、高アスペクト比構造240の各表面の高さは、底面212から測定される。
【0047】
窒素含有層2をエッチングするために化学物質Aが用いられるときは、別の化学物質Bは窒素含有層2をエッチングするのに用いられない。例えば、窒素含有層2をエッチングするために化学物質Aが適用される期間に、化学物質Bは窒素含有層2をエッチングするのに適用されない。化学物質Aの代わりに化学物質Bが用いられる場合は、窒素含有層2がエッチングされないエッチストップが生じる、または、窒素含有層2はアンダエッチングされることに注意されたい。窒素含有層2がアンダエッチングされたときは、窒素含有層2のエッチング速度は予め定められたエッチング速度未満である。
【0048】
図2Dは、高アスペクト比構造240(図2C)のさらなる処理を示す高アスペクト比構造260の実施形態図である。高アスペクト比構造260は、高アスペクト比構造100(図1)と同じ層を含むが、高アスペクト比構造260では、マスク層、窒素含有層1、酸化物層1、および窒素含有層2に加えて酸化物層2がエッチングされて、マスク層、窒素含有層1、酸化物層1、窒素含有層2、および酸化物層2にフィーチャ262が形成される。例えば、フィーチャ242(図2C)はさらにエッチングされて、フィーチャ262が形成される。高アスペクト比構造100の残りの層は、分かりにくくしないように図2Dには示されていない。
【0049】
窒素含有層2をエッチングするための化学物質Aの適用が停止された後、酸化物層2をエッチングするために化学物質Bが適用される。例えば、化学物質Bの適用は水平レベル244(図2C)で開始する。化学物質Bは、水平レベル264に達するまで適用される。水平レベル264は、窒素含有層3に近接する。例えば、水平レベル264は、窒素含有層3の上面268から所定距離266にある。別の例として、水平レベル264は、窒素含有層2よりも窒素含有層3に近い。例えば、水平レベル264は、酸化物層2の下半分にあり、酸化物層2の上半分にはない。窒素含有層3の上面268は、酸化物層2の底面250に隣接する、または隣り合う。例えば、上面268と底面250との間に空間はない。酸化物層2をエッチングするために化学物質Bが適用される期間に、化学物質Aは適用されないことに注意されたい。
【0050】
水平レベル264に達したときは、化学物質Bの適用は低減または停止される。水平レベル264に達したときに化学物質Bが低減された場合は、窒素含有層2の上面268の水平レベルに達したときに化学物質Bの適用が停止する。酸化物層2をエッチングするために化学物質Bが適用される期間に、化学物質Aは適用されないことに注意されたい。
【0051】
化学物質Bが停止または低減された後に、化学物質Bの適用からの残留化学物質Bが所定期間にわたって酸化物層2の残りの部分をエッチングする。例えば、化学物質Bが水平レベル264で停止または低減された後に、酸化物層2の酸化物は、窒素含有層3に達するまで残留化学物質Bによってエッチングされる。
【0052】
化学物質Bの適用が停止または低減されてから所定期間が経過した後に、化学物質Aが適用されて窒素含有層3のエッチングが開始される。例として、酸化物層2をエッチングする所定期間は、酸化物層1をエッチングする予め定められた期間に等しい。別の例として、酸化物層2をエッチングする所定期間は、酸化物層1をエッチングする予め定められた期間に等しくない(例えば、予め定められた期間よりも長いまたは短い)。
【0053】
図2Eは、高アスペクト比構造260(図2D)のさらなる処理を示すための高アスペクト比構造280の図である。高アスペクト比構造280は、高アスペクト比構造100(図1)と同じ層を含むが、高アスペクト比構造280では、マスク層、窒素含有層1、酸化物層1、窒素含有層2、および酸化物層2に加えて窒素含有層3がエッチングされて、マスク層、窒素含有層1、酸化物層1、窒素含有層2、酸化物層2、および窒素含有層3にフィーチャ282が形成される。例えば、フィーチャ262(図2D)はさらにエッチングされて、フィーチャ282が形成される。高アスペクト比構造100の残りの層は、分かりにくくしないように図2Eには示されていない。
【0054】
化学物質Aは、基板層に達するまで窒素含有層3をエッチングするために適用される。例えば、化学物質Aは、基板層の上面284に達するまで適用される。基板層は、上面284から底面212に延びる。
【0055】
窒素含有層3をエッチングするために化学物質Aが用いられるときは、化学物質Bは窒素含有層3をエッチングするのに用いられない。例えば、窒素含有層3をエッチングするために化学物質Aが適用される期間は、化学物質Bは窒素含有層3をエッチングするのに適用されない。化学物質Aの代わりに化学物質Bが用いられる場合は、窒素含有層3がエッチングされないエッチストップが生じる、または窒素含有層3はアンダエッチングされることに注意されたい。窒素含有層3がアンダエッチングされるときは、窒素含有層3のエッチング速度は予め定められたエッチング速度未満である。このようにして、図2A~2Eを参照して説明したように、化学物質AおよびBは、高アスペクト比構造100の窒化物層および酸化物層をエッチングするために交互に、または連続して適用される。
【0056】
図3は、化学物質AおよびBの適用を示すシステム300の実施形態図である。システム300は、ホストコンピュータ302、低周波(LF)無線周波数(RF)発生器、高周波(HF)RF発生器、整合器、およびプラズマチャンバ304を備える。例として、LFRF発生器は、400キロヘルツ(kHz)または2メガヘルツ(MHz)の動作周波数を有する。例として、HFRF発生器は、13.56MHz、または27MHz、または60MHzの動作周波数を有する。HFRF発生器の動作周波数は、LFRF発生器の動作周波数よりも大きいことに注意されたい。LFRF発生器は一次発生器の例であり、HFRF発生器は二次発生器の例である。
【0057】
整合器は、回路部品(インダクタ、コンデンサ、抵抗器など)のネットワークである。例えば、整合器は、1つ以上のシャント回路および1つ以上の直列回路を含む。各シャント回路は1つ以上の回路部品を有し、各直列回路も同様である。1つ以上のシャント回路もしくは1つ以上の直列回路、またはこれらの組み合わせを含む第1の分岐回路は、整合器の入力310と出力314との間に接続される。また、1つ以上のシャント回路もしくは1つ以上の直列回路、またはこれらの組み合わせを含む第2の分岐回路は、整合器の入力312と出力314との間に接続される。
【0058】
ホストコンピュータ302の例は、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、コントローラ、タブレット、およびスマートフォンを含む。ホストコンピュータ302は、プロセッサ306およびメモリデバイス308を備える。プロセッサ306は、メモリデバイス308に接続される。本明細書で用いられるプロセッサの例は、マイクロプロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)、プログラマブルロジックデバイス(PLD)、統合型マイクロコントローラ、および中央処理装置(CPU)を含む。本明細書で用いられるメモリデバイスの例は、リードオンリメモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、フラッシュメモリ、ストレージディスクアレイ、ハードディスクなどを含む。
【0059】
プラズマチャンバ304は、静電チャック(ESC)などの基板支持体316を備える。ESCは、下部電極318を備える。プラズマチャンバ106はさらに、上部電極322が埋設されたシャワーヘッド320を備える。下部電極318および上部電極322の各々は、金属(例えば、アルミニウムまたはアルミニウム合金)で製作される。シャワーヘッド320の底面は、基板支持体316の上面に対向してその上方に位置する。基板Sは、基板316の上面に設置される。基板Sの例は、高アスペクト比構造100(図1)である。
【0060】
システム300はさらに、ガス源324および別のガス源326を備える。ガス源の例は、本明細書に記載の化学物質を蓄えるための容器を含む。例えば、ガス源324は化学物質Aを蓄え、ガス源326は化学物質Bを蓄える。別の例として、ガス源326は、化学物質Bのフルオロカーボンおよび三フッ化窒素を蓄える。システム300はさらに、ドライバAおよびドライバBを備える。ドライバの例は、1つ以上のトランジスタを含む。例えば、ドライバは、互いに接続された1つ以上の電界効果トランジスタ(FET)を含む。
【0061】
LFRF発生器は、RFケーブルRFC1を介して入力310に接続された出力328を有し、入力310は、整合器310の第1の分岐回路に接続される。また、HFRF発生器は、RFケーブルRFC2を介して入力312に接続された出力330を有し、入力312は、整合器310の第2の分岐回路に接続される。第1および第2の分岐回路は互いに、および出力314に接続される。出力314は、RF伝送線路RFTを介して下部電極318に接続される。上部電極322は、接地電位などの基準電位に接続される。
【0062】
また、プロセッサ306は、伝送ケーブルTC1を介してLFRF発生器に接続され、伝送ケーブルTC2を介してHFRF発生器に接続される。伝送ケーブルの例は、データのシリアル転送に用いられるケーブル、データの並列転送に用いられるケーブル、およびユニバーサルシリアルバス(USB)ケーブルを含む。
【0063】
ガス源324は、ガス供給ライン332を介してシャワーヘッド320に接続される。また、ガス源326は、ガス供給ライン334を介してシャワーヘッド320に接続される。ガス供給ラインの例は、ガスダクトおよびガス管を含む。プロセッサ306はドライバAに接続され、ドライバBにも接続される。ドライバAは、ガス供給ライン332に接続された弁336に接続される。例えば、弁336は、ガス供給ライン332の内部に設置される。同様に、ドライバBは、ガス供給ライン334に接続された弁337に接続される。弁の例は弁アセンブリを含む。例えば、弁アセンブリは、静止弁プレートおよび可動弁プレートを含む。可動弁プレートは、静止弁プレートに対してスライドする。静止弁は、複数の開口を有する。弁アセンブリの別の例は、ソレノイド弁を含む。
【0064】
プロセッサ306は、レシピを有するレシピ信号を生成し、伝送ケーブルTC1を通じてLFRF発生器に提供する。LFRF発生器に提供されるレシピの例は、LFRF発生器によって生成されるLFRF信号338(例えば、正弦波信号)の周波数レベルおよびパラメータレベルである。レシピを受信すると、LFRF発生器はレシピを記憶する。
【0065】
同様に、プロセッサ306は、レシピを有するレシピ信号を生成し、伝送ケーブルTC2を通じてHFRF発生器に提供する。HFRF発生器に提供されるレシピの例は、HFRF発生器によって生成されるHFRF信号340(例えば、正弦波信号)の周波数レベルおよびパラメータレベルである。レシピを受信すると、HFRF発生器はレシピを記憶する。
【0066】
プロセッサ306は、トリガ信号(例えば、単一デジタルパルスを有する信号)を生成し、伝送ケーブルTC1を通じてLFRF発生器にトリガ信号を送信する。またプロセッサ306は、伝送ケーブルTC2を通じてHFRF発生器にトリガ信号を送信する。
【0067】
トリガ信号の受信に応答して、LFRF発生器はRF信号338を生成し、出力328およびRFケーブルRFC1を通じて入力310にRF信号338を送信する。また、トリガ信号の受信に応答して、HFRF発生器はRF信号340を生成し、出力330およびRFケーブルRFC2を通じて入力312にRF信号340を送信する。
【0068】
整合器314の第1の分岐回路は、入力310を通じてRF信号338を受信し、整合器314の第2の分岐回路は、入力312を通じてRF信号340を受信する。整合器314は、RF信号338および340のインピーダンスを修正して、第1および第2の修正RF信号を出力する。RF信号338および340のインピーダンスは、出力314に接続された負荷のインピーダンスを、入力310および312に接続されたソースのインピーダンスと整合することにより修正される。負荷の例は、RF伝送線路RFTおよびプラズマチャンバ304を含む。ソースの例は、RFケーブルRFC1およびRFC2、ならびに、LFRF発生器およびHFRF発生器を含む。整合器314はさらに、第1および第2の修正RF信号を合成(例えば、合算または加算)して、出力314において修正RF信号342を出力する。修正RF信号342は、RF伝送線路RFTを通じて下部電極318に提供される。
【0069】
また、修正RF信号342がプラズマチャンバ304に提供されたときは、化学物質AおよびBが交互にプラズマチャンバ304に供給される。例えば、プロセッサ306は閉駆動信号を生成して、ドライバAに送信する。閉駆動信号を受信すると、ドライバAは電流信号を生成し、弁336に電流信号を提供して弁336を閉じる。例えば、弁336を閉じるために電流信号が弁336に供給されたときは、電場などの場が生成されて、弁336の静止弁プレートに関して弁336の可動弁プレートが回転し、静止弁プレートの全ての開口が閉まる。弁336が閉まると、ガス源324に蓄えられた化学物質Aは、ガス供給ライン332を通じてシャワーヘッド320に供給されない。このようにして、弁336が閉じているときは、プラズマチャンバ304への化学物質Aの適用は止まる。
【0070】
別の例として、プロセッサ306は、完全開駆動信号を生成してドライバAに送信する。完全開駆動信号を受信すると、ドライバAは電流信号を生成し、弁336に電流信号を提供して弁336を完全に開ける。例えば、弁336を完全に開けるために電流信号が弁336に供給されたときは、電場などの場が形成されて、弁336の静止弁プレートに関して弁336の可動弁プレートが回転し、静止弁プレートの全ての開口が開く。弁336が完全に開くと、ガス源324に蓄えられた化学物質Aがガス供給ライン332を通じてシャワーヘッド320に供給される。
【0071】
さらに別の例として、プロセッサ306は、部分開駆動信号を生成してドライバAに送信する。部分開駆動信号を受信すると、ドライバAは電流信号を生成し、弁336に電流信号を提供して弁336を部分的に開ける。例えば、弁336を部分的に開けるために電流信号が弁336に供給されたときは、電場などの場が形成されて、弁336の静止弁プレートに関して弁336の可動弁プレートが回転し、静止弁プレートの全ての開口または開口の一部ではなく、少なくとも1つの開口が開く。弁336が部分的に開くと、ガス源324に蓄えられた化学物質Aがガス供給ライン332を通じてシャワーヘッド320に少量供給される。例えば、化学物質Aの量は、弁336が完全に開いたときに供給される化学物質Aの量よりも実質的に少ないときに少量供給される。さらに例えると、化学物質Aの量は、弁336が完全に開いているときの化学物質Aの量の0.1%~10%であるときに、化学物質Aの量よりも実質的に少ない。このようにして、弁336が部分的に開いているときは、弁336が完全に開いているときに比べて化学物質Aの適用は低減される。
【0072】
同様にして、例としてプロセッサ306は、閉駆動信号を生成してドライバBに送信する。閉駆動信号を受信すると、ドライバBは電流信号を生成し、弁337に電流信号を提供して弁337を閉める。例えば、弁337を閉めるために弁337に電流信号が供給されたときは、電場などの場が形成されて、弁337の静止弁プレートに関して弁337の可動弁プレートが回転し、静止弁プレートの全ての開口が閉まる。弁337が閉まると、ガス源326に蓄えられた化学物質Bは、ガス供給ライン334を通じてシャワーヘッド320に供給されない。このようにして、弁337が閉鎖されると化学物質Bの適用は止まる。
【0073】
別の例として、プロセッサ306は、完全開駆動信号を生成してドライバBに送信する。完全開駆動信号を受信すると、ドライバBは電流信号を生成し、弁337に電流信号を提供して弁337を完全に開ける。例えば、弁337を完全に開けるために電流信号が弁337に供給されたときは、場が形成されて、弁337の静止弁プレートに関して弁337の可動弁プレートが回転し、静止弁プレートの全ての開口が開く。弁337が完全に開くと、ガス源326に蓄えられた化学物質Bがガス供給ライン334を通じてシャワーヘッド320に供給される。
【0074】
さらに別の例として、プロセッサ306は、部分開駆動信号を生成してドライバBに送信する。部分開駆動信号を受信すると、ドライバBは電流信号を生成し、弁337に電流信号を提供して弁337を部分的に開ける。例えば、弁337を部分的に開けるために電流信号が弁337に供給されたときは、電場などの場が形成されて、弁337の静止弁プレートに関して弁337の可動弁プレートが回転し、静止弁プレートの全ての開口または開口の一部ではなく、少なくとも1つの開口が開く。弁337が部分的に開くと、ガス源326に蓄えられた化学物質Bがガス供給ライン334を通じてシャワーヘッド320に少量供給される。例えば、化学物質Bの量は、弁337が完全に開いているときに供給される化学物質Bの量よりも実質的に少ないときに少量供給される。さらに例えると、化学物質Bの量は、弁337が完全に開いているときの化学物質Bの量の0.1%~10%であるときに、化学物質Bの量よりも実質的に少ない。このようにして、弁337が部分的に開いているときは、弁337が完全に開いているときに比べて化学物質Bの適用は低減される。
【0075】
化学物質AまたはBは、シャワーヘッド320を通じてシャワーヘッド320と基板支持体316との間のギャップ344に交互に供給される。修正信号342および化学物質AまたはBがプラズマチャンバ304に供給されると、プラズマがギャップ344で生成または維持されて、基板Sが処理(例えば、エッチング)される。
【0076】
一実施形態では、予め定められた期間に化学物質AおよびBの適用を制御するためのテーブルが提供される。このテーブルはメモリデバイス308に記憶され、基板Sを処理する前に生成される。テーブルは、高アスペクト比構造100(図1)の層、および層のエッチングの予め定められた期間のリストを含む。例えば、テーブルは、窒素含有層1が第1の期間にエッチングされ、酸化物層1が第2の期間にエッチングされ、窒素含有層2が第3の期間にエッチングされ、酸化物層2が第4の期間にエッチングされ、窒素含有層3が第5の期間にエッチングされることを含む。
【0077】
プロセッサ306は、メモリデバイス308からテーブルにアクセスし、テーブルの期間に従って化学物質AおよびBを適用することを決定する。例えば、プロセッサ306は、窒素含有層1をエッチングするために第1の期間に化学物質Aを適用することを決定し、酸化物層1をエッチングするために第2の期間に化学物質Bを適用することを決定する。またプロセッサ306は、窒素含有層2をエッチングするために第3の期間に化学物質Aを適用し、酸化物層2をエッチングするために第4の期間に化学物質Bを適用することを決定する。プロセッサ306は、窒素含有層3をエッチングするために第5の期間に化学物質Aを適用することを決定する。
【0078】
プロセッサ306は、高アスペクト比構造100の窒素含有層および酸化物層をエッチングするために、第1~第5の期間の対応する1つの期間にドライバAおよびB(図3)の各々を制御する。例えば、プロセッサ306は、弁336(図3)を完全に開けるようにドライバAを制御する。弁336は、第1の期間に完全に開くように制御される。第1の期間の後、プロセッサ306は、弁336を閉めるようにドライバAを制御する。さらにこの例では、弁336が第1の期間の最後に閉じた後、プロセッサ306は、弁337(図3)を完全に開けるようにドライバBを制御する。弁337は、第2の期間に完全に開くように制御される。第2の期間の後、プロセッサ306は、弁337を閉めるようにドライバBを制御する。この例では、弁337が第2の期間の最後に閉じた後、プロセッサ306は、弁336が第1の期間に完全に開くように制御されたのと同様に、第3の期間に完全に開くように弁336を閉じる。この例では、プロセッサ306は、第3の期間後に閉じるように弁336を制御する。またこの例では、弁336が第3の期間の最後に閉じた後、プロセッサ306は、第4の期間に完全に開くように弁337を制御する。この例では、プロセッサ306は、第4の期間後に閉じるように弁337を制御する。さらにこの例では、プロセッサ306は第4の期間の最後に、第5の期間に完全に開くように弁336を制御する。プロセッサ306は、第5の期間後に閉じるように弁336を制御する。
【0079】
第1の期間に、窒素含有層1および酸化物層1の一部は、水平レベル212(図2A)に達するまで化学物質Aによってエッチングされることに注意されたい。同様に、第2の期間に、酸化物層1は、水平レベル224(図2B)に達するまで化学物質Bによってエッチングされる。また、第3の期間に、窒素含有層2および酸化物層2の一部は、水平レベル244(図2C)に達するまで化学物質Aによってエッチングされる。さらに、第4の期間に、酸化物層2は、水平レベル264(図2D)に達するまで化学物質Bによってエッチングされる。また、第5の期間に、窒素含有層3は、基板層に達するまで化学物質Aによってエッチングされる。
【0080】
一実施形態では、テーブルの予め定められた期間は、高アスペクト比構造100の酸化物層および窒素含有層の厚さに応じて事前計算される。テーブルの期間は、高アスペクト比構造100をエッチングする前に実験ルーチン中に事前計算される。例えば、窒素含有層2が窒素含有層1よりも厚いときは、第3の期間は第1の期間よりも長い。別の例として、酸化物層1が酸化物層2よりも厚いときは、第2の期間は第4の期間よりも長い。別の例として、テーブルの予め定められた期間を計算するために高アスペクト比構造100を模倣したダミー基板が用いられる。
【0081】
実施形態では、プロセッサ306は、水平レベル224が窒素含有層2に近接することを決定する。例えば、水平レベル224は、窒素含有層1よりも窒素含有層2に近い。例えば、水平レベル224は酸化物層1の下半分にあり、酸化物層1の上半分にはない。
【0082】
図4Aは、化学物質Aの適用と化学物質Bの適用とを切り替える時間を決定するための光センサ402の使用を示すシステム400の実施形態図である。システム400は、光センサ402を備えること以外はシステム300(図3)と同じ構成部品を有する。光センサ402の例は、発光分光分析装置(OES)、またはエンドポイント検出センサ、または赤外線センサを含む。
【0083】
光センサ402は、ギャップ344で形成されたプラズマを見通せるようにプラズマチャンバ304に対して設置される。例えば、光センサ402は、プラズマチャンバ304の側壁406に一体化された窓404に結合される。側壁406は、プラズマチャンバ304の上壁408および底壁410に固定される。側壁406は、壁408と壁410との間に位置する。
【0084】
光センサ402は、プロセッサ306に接続される。プロセッサ306は、窒素含有層1をエッチングするために、化学物質Aをギャップ344に適用するように弁336を制御する。修正RF信号342および化学物質Aを用いて基板Sの窒素含有層1がエッチングされる間、光センサ402は、ギャップ344で形成されたプラズマの第1の波長を感知して第1の期間に第1の電気信号を出力する。第1の電気信号は、第1の期間に光センサ402からプロセッサ306に送信される。プロセッサ306は、第1の電気信号によって示される第1の波長の強度が、以下に説明する光強度範囲1などの予め定められた範囲内にあるかどうかを決定する。予め定められた範囲内にある場合は、プロセッサ306は、窒素含有層1が依然としてエッチングされていることを決定する。窒素含有層1がエッチングされ、酸化物層1のエッチングが開始された後に、光センサ402はギャップ344におけるプラズマの第2の波長を感知して、第2の電気信号を生成する。第2の電気信号は、光センサ402からプロセッサ306に送信される。プロセッサ306は、第2の電気信号によって示される第2の波長の強度が予め定められた範囲外にあるかどうかを決定する。例えば、プロセッサ306は、第2の波長の強度が以下に説明する光強度範囲2内にあるかどうかを決定する。光強度範囲2内にある場合は、プロセッサ306は、弁336が閉まるように制御する。
【0085】
弁336が閉まるように制御した後に、プロセッサ306は弁337が開くように制御する。弁337が開いたときは、光センサ402は、ギャップ344で形成されたプラズマの第2の波長を感知して、第2の期間に第2の電気信号を出力する。第2の期間は、第1の期間に続く。プロセッサ306は、第2の期間が予め定められた期間に等しいかどうかを決定する。第2の期間が予め定められた期間に等しいことを決定すると、プロセッサ306は、弁337が閉まるように制御する。弁377が閉まるように制御した後に、プロセッサ306は弁336が開くように制御する。
【0086】
弁336が開いているときに、光センサ402は、ギャップ344で形成されたプラズマの第1の波長を感知して、第2の期間に続く第3の期間に第1の電気信号を出力する。第1の電気信号は、第2の期間に光センサ402からプロセッサ306に送信される。プロセッサ306は、第2の電気信号で示される第1の波長の強度が予め定められた範囲内であるかどうかを決定する。予め定められた範囲内である場合は、プロセッサ306は、窒素含有層2が依然としてエッチンされていることを決定する。窒素含有層2がエッチングされ、酸化物層2がエッチングされ始めた後に、光センサ402はギャップ344内のプラズマの第2の波長を感知して、第2の電気信号を生成する。プロセッサ306は、第2の電気信号で示される第2の波長の強度が予め定められた範囲外であるかどうかを決定し、そのように決定すると弁336が閉まるように制御する。
【0087】
第3の期間の後であって、再び弁336が閉まるように制御した後に、プロセッサ306は弁337が開くように制御する。弁337が開くと、光センサ402はギャップ337で形成されたプラズマの第2の波長を感知して、第4の期間に第2の電気信号を出力する。第4の期間は、第3の期間に連続する。プロセッサ306は、第4の期間が所定期間に等しいかどうかを決定する。第4の期間が所定期間に等しいことを決定すると、プロセッサ306は、弁337が閉じるように制御する。第4の期間の最後に弁337が閉じるように制御した後、プロセッサ306は弁336が開くように制御する。
【0088】
第4の期間後に弁336が開くと、窒素含有層3をエッチングするために化学物質Aがギャップ344に適用される。修正RF信号343および化学物質Aを用いて基板Sの窒素含有層3がエッチングされる間に、光センサ402はギャップ344で形成されたプラズマの第1の波長を感知して、第5の期間に第1の電気信号を出力する。第5の期間は、第4の期間に連続する。第1の電気信号は、第5の期間に光センサ402からプロセッサ306に送信される。プロセッサ306は、第1の電気信号で示される第1の波長の強度が予め定められた範囲内にあるかどうかを決定する。予め定められた範囲内にある場合は、プロセッサ306は、窒素含有層3が依然としてエッチングされていることを決定する。第1の電気信号で示された第1の波長の強度が予め定められた範囲内であることを決定すると、プロセッサ306は、第5の期間があらかじめ記憶された期間に等しいかどうかを決定する。第5の期間があらかじめ記憶された期間に等しいことの決定に応答して、プロセッサ306は、高アスペクト比構造280(図2E)のエッチングを停止するために弁336が閉まるように制御する。
【0089】
一実施形態では、プロセッサ306は、光センサ402から出力された電気信号によって示される波長の強度がその波長に反比例することを決定する。例えば、高波長であるときの強度は低く、低波長であるときの強度は高い。別の例として、光波長が増加するにつれて光強度は低下し、波長が減少するにつれて強度は増加する。
【0090】
実施形態では、プロセッサ306は、電気信号によって示された光強度を電気信号の振幅に基づいて決定する。例えば、高振幅であるときの強度は高いことが決定され、低振幅であるときの強度は低いことが決定される。別の例として、振幅が増加するにつれて強度は増加することが決定され、振幅が減少するにつれて強度は低下することが決定される。
【0091】
一実施形態では、プロセッサ306はクロックソースに接続されて、クロックソースからクロック信号が受信される。プロセッサ306は、クロック信号のクロックサイクル数を合計することにより本明細書に記載の期間を決定する。
【0092】
一実施形態では、プロセッサ306は、第5の期間があらかじめ記憶された期間に等しいかどうかを決定する代わりに、光センサ402から出力された第3の電気信号によって示された第3の波長の強度が予め定められた範囲外であるかどうかを決定する。光センサ402から出力された第3の電気信号によって示された第3の波長の強度が予め定められた範囲外であることを決定すると、プロセッサ306は弁336が閉まるように制御する。例えば、第3の波長の強度が光強度範囲3以内であることの決定に応答して、プロセッサ306は弁336が閉まるように制御する。例えば、光強度範囲3は光強度範囲1および2とは異なる。さらに例えると、光強度範囲3は光強度範囲1および2を含まない。
【0093】
実施形態では、予め定められた、所定の、および、あらかじめ記憶されたという用語は、本明細書では同義で用いられる。
【0094】
図4Bは、高アスペクト比構造100(図1)の異なる層をエッチングするための光強度範囲の使用を示すシステム450の実施形態図である。システム450は、プロセッサ306およびメモリデバイス308を備える。メモリデバイス308は、光強度範囲および対応する層のリスト452を記憶する。例えば、リスト452は、光強度範囲1と、高アスペクト比構造100の窒素含有層1、2、または3との間の対応付け(例えば、マッピング)を含む。リスト452はさらに、光強度範囲2と、高アスペクト比構造100の酸化物層1または2との間の対応付けを含む。
【0095】
光強度範囲1の1つ以上の値は、光強度範囲2の1つ以上の値とは異なる(例えば、等しくない)ことに注意されたい。例として、光強度範囲1の値は光強度範囲2の値を含まない。
【0096】
プロセッサ306は、光センサ402(図4A)から受信した電気信号によって示される光強度が光強度範囲1内にあるかどうかを決定する。光強度範囲1内にあることを決定すると、プロセッサ306は、窒素含有層1、2、または3がエッチングされていることを決定する。
【0097】
プロセッサ306はさらに、光センサ402から得た電気信号によって示される光強度が光強度範囲2内にあるかどうかを決定する。光強度範囲2内にあるとの決定に応答して、プロセッサ306は、酸化物層1または2がエッチングされていることを決定する。
【0098】
一実施形態では、リスト452は、光強度範囲3と基板層との間の対応付けを含む。プロセッサ306は、光センサ402から受信した電気信号によって示される光強度が光強度範囲3内にあるかどうかを決定する。光強度範囲3内にあることを決定すると、プロセッサ306は、基板層がエッチングされていることを決定する。
【0099】
図5Aは、RF信号338(図3)のパルス対時間tを示すグラフ500の実施形態である。グラフ500は、RF信号338のパラメータレベル対時間tを描く。パラメータの例は、電圧および電力を含む。パラメータレベルの例は、ピーク間振幅である。パラメータレベルの別の例は、ゼロ・ピーク振幅である。RF信号338のパラメータレベルはy軸に描かれ、時間tはx軸に描かれている。
【0100】
y軸は、パラメータレベルPR0、PR1、PR3、PR5、PR7、PR9、PR11、およびPR13を描き、x軸は、時間taおよびt(a+1)までの時間t0、t1、t2、t3などを描く(aは3よりも大きい整数)。x軸はさらに、時間t(a+b)までの時間t(a+2)、時間t(a+3)などを描く(bは3よりも大きい整数)。
【0101】
パラメータレベルPR3はパラメータレベルPR1よりも大きく、パラメータレベルPR1はパラメータレベルPR0よりも大きい。同様に、パラメータレベルPR5はパラメータレベルPR3よりも大きく、パラメータレベルPR7はパラメータレベルPR5よりも大きい。また、パラメータレベルPR9はパラメータレベルPR7よりも大きく、パラメータレベルPR11はパラメータレベルPR9よりも大きい。パラメータレベルPR13は、パラメータレベルPR11よりも大きい。
【0102】
y軸も同様に、パラメータレベルPR2、PR4、PR6、PR8、PR10、およびPR12を有する。パラメータレベルPR2は、パラメータレベルPR1とPR3との間(例えば、中間)にある。同様に、パラメータレベルPR4はパラメータレベルPR3とPR5との間にあり、パラメータレベルPR6はパラメータレベルPR5とPR7との間にある。また、パラメータレベルPR8はパラメータレベルPR7とPR9との間にあり、パラメータレベルPR10はパラメータレベルPR9とPR11との間にあり、パラメータレベルPR12はパラメータレベルPR11とPR13との間にある。
【0103】
シャワーヘッド322(図3)を通じて基板Sに化学物質Aが適用される期間に、RF信号338はパラメータレベルPR3およびPR1を有し、パラメータレベルPR3とPR1との間で周期的に遷移する。例えば、RF信号338は、時間t0と時間t1との時間間隔ではパラメータレベルPR3にある。RF信号338は、時間t1においてパラメータレベルPR3からパラメータレベルPR1に遷移し、時間t1と時間t2との時間間隔ではパラメータレベルPR1に留まる。RF信号338は、時間t2においてパラメータレベルPR1からパラメータレベルPR3に遷移し、時間t2と時間t3との時間間隔ではパラメータレベルPR3に留まる。RF信号338は、時間t3においてパラメータレベルPR3からパラメータレベルPR1に遷移する。そのため、RF信号338は、化学物質Aの適用中はパラメータレベルPR1とPR3との間で遷移する。化学物質Aは、時間t0から時間taに適用される。
【0104】
別の例として、プロセッサ306(図3)は、時間t0において基板Sに化学物質Aを適用するように弁336を制御することを決定する。また、時間t0において、プロセッサ306はLFRF発生器(図3)に第1の命令信号を送信して、RF信号338をパラメータレベルPR11またはPR13からパラメータレベルPR3に遷移させ、RF信号338を周期的にパラメータレベルPR3とPR1との間で遷移させる。時間t0における第1の命令信号の受信に応答して、LFRF発生器は、RF信号338のパラメータレベルPR11またはPR13をパラメータレベルPR3に修正し、時間t0と時間taとの時間間隔中にRF信号338をパラメータレベルPR3とPR1との間で遷移させる。
【0105】
さらに、基板Sに化学物質Bが適用される期間に、RF信号338はパラメータレベルPR13およびPR11を有し、パラメータレベルPR13とPR11との間で周期的に遷移する。例として、RF信号338は、時間taと時間t(a+1)との時間間隔ではパラメータレベルPR13にある。RF信号338は、時間t(a+1)においてパラメータレベルPR13からパラメータレベルPR11に遷移し、時間t(a+1)と時間t(a+2)との時間間隔ではパラメータレベルPR11に留まる。RF信号338は、時間t(a+2)においてパラメータレベルPR11からパラメータレベルPR13に遷移し、時間t(a+2)と時間t(a+3)との時間間隔ではパラメータレベルPR13に留まる。RF信号338は、時間t(a+3)においてパラメータレベルPR13からパラメータレベルPR11に遷移する。そのため、RF信号338は、化学物質Bの適用中はパラメータレベルPR11とPR13との間で遷移する。化学物質Bは、時間taから時間t(a+b)に適用される。
【0106】
別の例として、プロセッサ306(図3)は、時間taにおいて基板Sに化学物質Bを適用するように弁337を制御することを決定する。また、時間taにおいて、プロセッサ306はLFRF発生器(図3)に第2の命令信号を送信して、RF信号338をパラメータレベルPR1からパラメータレベルPR13に遷移させ、RF信号338を周期的にパラメータレベルPR13とPR11との間で遷移させる。時間taにおける第2の命令信号の受信に応答して、LFRF発生器は、RF信号338のパラメータレベルPR1またはPR3をパラメータレベルPR13に修正し、時間taと時間t(a+b)との時間間隔中にRF信号338をパラメータレベルPR13とPR11との間で遷移させる。このようにして、図5Aを参照して説明したように、RF信号338は、化学物質AまたはBのいずれが適用されるかに基づいて、パラメータレベルPR3およびPR1のセット間またはパラメータレベルPR13およびPR11のセット間で交互になるように、LFRF発生器を介してプロセッサ306によって制御される。
【0107】
化学物質Aの適用の間、パラメータレベルPR3はRF信号338の状態S1に相当し、パラメータレベルPR1はRF信号338の状態S0に相当することに注意されたい。同様に、パラメータレベルPR13は化学物質Bの適用中のRF信号338の状態S1を規定し、パラメータレベルPR11は化学物質Bの適用中のRF信号338の状態S0を規定する。
【0108】
一実施形態では、RF信号338は、パラメータレベルPR1とPR3との間で遷移する代わりに、パラメータレベルPR0とPR2との間で遷移する。
【0109】
図5Bは、RF信号340(図3)のパルス対時間tを示すグラフ550の実施形態である。グラフ550は、RF信号340のパラメータレベル対時間tを描く。RF信号340のパラメータレベルはy軸に描かれ、時間tはx軸に描かれている。グラフ550のy軸は、パラメータレベルPR0~PR4を描く。グラフ550のx軸は、時間t(a+b)までの時間t0、t1、t2、t3などを描く。
【0110】
基板Sに化学物質Aが適用される期間に、RF信号340はパラメータレベルPR3およびPR1を有し、RF信号338がパラメータレベルPR3とPR1との間で遷移するのと同様に、パラメータレベルPR3とPR1との間で周期的に遷移する。例として、プロセッサ306(図3)は、時間t0において基板Sに化学物質Aを適用するために弁336を開くことを決定する。また、時間t0において、プロセッサ306はHFRF発生器(図3)に第1の命令信号を送信して、RF信号340をパラメータレベルPR4またはPR2からパラメータレベルPR3に遷移させ、RF信号340を周期的にパラメータレベルPR3とPR1との間で遷移させる。時間t0における第1の命令信号の受信に応答して、HFRF発生器はRF信号340のパラメータレベルPR4またはPR2をパラメータレベルPR3に修正し、時間t0とtaとの時間間隔にRF信号340をパラメータレベルPR3とPR1との間で遷移させる。
【0111】
別の例として、時間t0とtaとの期間におけるRF信号338のパラメータレベルとRF信号340のパラメータレベルとの比は、0.75以上1.25以下である。例えば、時間t0とtaとの期間において、RF信号338のパラメータレベルは、RF信号340のパラメータレベルの75%または80%である。別の例として、時間t0とtaとの期間において、RF信号338のパラメータレベルは、RF信号340のパラメータレベルに等しい。さらに別の例として、時間t0とtaとの期間において、RF信号338のパラメータレベルは、RF信号340のパラメータレベルの120%である。
【0112】
さらに別の例として、時間taとt(a+b)との期間におけるRF信号338のパラメータレベルとRF信号340のパラメータレベルとの比は、2以上4以下である。例えば、時間taとt(a+b)との期間におけるRF信号338のパラメータレベルは、RF信号340のパラメータレベルの2倍である。別の例として、時間taとt(a+b)との期間におけるRF信号338のパラメータレベルは、RF信号340のパラメータレベルの3倍に等しい。
【0113】
さらに、基板Sに化学物質Bが適用される期間に、RF信号340はパラメータレベルPR4およびPR2を有し、パラメータレベルPR4とPR2との間で周期的に遷移する。例として、RF信号340は、時間taとt(a+1)との時間間隔においてパラメータレベルPR4にある。RF信号340は、時間t(a+1)においてパラメータレベルPR4からパラメータレベルPR2に遷移し、時間t(a+1)と時間t(a+2)との時間間隔ではパラメータレベルPR2に留まる。RF信号340は、時間t(a+2)においてパラメータレベルPR2からパラメータレベルPR4に遷移し、時間t(a+2)とt(a+3)との時間間隔ではパラメータレベルPR4に留まる。RF信号340は、時間t(a+3)においてパラメータレベルPR4からパラメータレベルPR2に遷移する。そのため、RF信号340は、化学物質Bの適用中はパラメータレベルPR4とPR2との間で遷移する。
【0114】
別の例として、プロセッサ306は、時間taにおいてHFRF発生器に命令信号を送信して、RF信号340をパラメータレベルPR1からパラメータレベルPR4に遷移させ、次にRF信号340をパラメータレベルPR4とPR2との間で周期的に遷移させる。時間taにおける第2の命令信号の受信に応答して、HFRF発生器は、RF信号338のパラメータレベルPR1またはPR3をパラメータレベルPR4に修正し、時間taとt(a+b)との時間間隔中にRF信号340をパラメータレベルPR4とPR1との間で遷移させる。このようにして、図5Bを参照して説明したように、RF信号340は、プラズマチャンバ304に化学物質AまたはBのいずれが適用されるかに基づいて、パラメータレベルPR3およびPR1のセット間またはパラメータレベルPR4およびPR2のセット間で交互になるように、HFRF発生器を介してプロセッサ306によって制御される。
【0115】
RF信号のパラメータレベルは、RF信号のパラメータの1つ以上の値を含むことに注意されたい。例えば、第1のパラメータレベルは別のパラメータ値を含まない。例えば、第1のパラメータレベルの全ての値は、第2のパラメータレベルの値を含まない(例えば、それに等しくない)。
【0116】
化学物質Aの適用中に、パラメータレベルPR3はRF信号340の状態S1に相当し、パラメータレベルPR1はRF信号340の状態S0に相当することにさらに注意されたい。同様に、パラメータレベルPR4は、化学物質Bの適用中のRF信号340の状態S1を規定し、パラメータレベルPR2は、化学物質Bの適用中のRF信号340の状態S0を規定する。
【0117】
図6は、化学物質AおよびBの適用中にレベル間のパルス化を実現するためのLFRF発生器およびHFRF発生器を示すシステム600の実施形態図である。システム600は、プロセッサ306、メモリデバイス308、LFRF発生器、およびHFRF発生器を備える。
【0118】
LFRF発生器は、デジタル信号プロセッサDSPLF、パラメータコントローラPRSLF1、別のパラメータコントローラPRSLF0、自動周波数チューナAFTLFを含む。LFRF発生器はさらに、ドライバDRVRLFおよび電源PLFを含む。本明細書で用いられるコントローラの例は、ASIC、PLD、およびメモリデバイスに接続されたマイクロプロセッサを含む。本明細書で用いられるチューナの例は、コントローラを含む。例えば、チューナは、マイクロプロセッサ、ASIC、またはPLDを含む。本明細書で用いられる電源の例は、正弦RF信号などの周期的に振動する電子信号を生成する電子振動子またはRF振動子を含む。
【0119】
デジタル信号プロセッサDSPLFは、パラメータコントローラPRSLF1およびPRSLF0、ならびに自動周波数チューナAFTLFに接続される。また、パラメータコントローラPRSLF1およびPRSLF0、ならびに自動周波数チューナAFTLFの各々は、電源PLFに接続されたドライバDRVRLFに接続される。電源PLFは、RFケーブルRFC1に接続される。
【0120】
同様に、HFRF発生器は、デジタル信号プロセッサDSPHF、パラメータコントローラPRSHF1、別のパラメータコントローラPRSHF0、自動周波数チューナAFTHFを含む。HFRF発生器はさらに、ドライバDRVRHFおよび電源PHFを含む。
【0121】
デジタル信号プロセッサDSPHFは、パラメータコントローラPRSHF1およびPRSHF0、ならびに自動周波数チューナAFTHFに接続される。また、パラメータコントローラPRSHF1およびPRSHF0、ならびに自動周波数チューナAFTHFの各々は、電源PHFに接続されたドライバDRVRHFに接続される。電源PHFは、RFケーブルRFC2に接続される。
【0122】
プロセッサ306は、伝送ケーブルTC1を介してデジタル信号プロセッサDSPLFに接続される。また、プロセッサ306は、伝送ケーブルTC2を介してデジタル信号プロセッサDSPHFに接続される。
【0123】
プロセッサ306は、伝送ケーブルTC1を通じてデジタル信号プロセッサDSPLFにレシピ信号602を送信する。レシピ信号602は、化学物質Aの適用中に実現されるべきRF信号338の状態S1のパラメータレベルと、化学物質Aの適用中に実現されるべきRF信号338の状態S0のパラメータレベルと、化学物質Bの適用中に実現されるべきRF信号338の状態S1のパラメータレベルと、化学物質Bの適用中に実現されるべきRF信号338の状態S0のパラメータレベルとを含む。また、レシピ信号602は、化学物質AおよびBの適用中に実現されるべきRF信号338の周波数を含む。レシピ信号602はさらに、化学物質Aの適用時の状態S1のデューティサイクル、および、化学物質Bの適用時の状態S1のデューティサイクルを含む。
【0124】
レシピ信号602を受信すると、デジタル信号プロセッサDSPLFは、化学物質AおよびBの適用中に実現されるべきRF信号338の状態S1のパラメータレベルおよびデューティサイクルをパラメータコントローラPRSLF1に送信する。同様に、レシピ信号602の受信に応答して、デジタル信号プロセッサDSPLFは、化学物質AおよびBの適用中に実現されるべきRF信号338の状態S1のデューティサイクルおよび信号338の状態S0のパラメータレベルをパラメータコントローラPRSLF0に送信する。また、デジタル信号プロセッサDSPLFは、化学物質AおよびBの適用中に実現されるべきRF信号338の周波数を自動周波数チューナAFTLFに送信する。
【0125】
パラメータコントローラPRSLF1は、化学物質AおよびBの適用中に実現されるべきRF信号338の状態S1のパラメータレベルおよびデューティサイクルを、パラメータコントローラPRSLF1のメモリデバイスに記憶する。同様にして、パラメータコントローラPRSLF0は、化学物質AおよびBの適用中に実現されるべきRF信号338の状態S1のデューティサイクルおよびRF信号338の状態S0のパラメータレベルを、パラメータコントローラPRSLF0のメモリデバイスに記憶する。また、自動周波数チューナAFTLFは、化学物質AおよびBの適用中に実現されるべきRF信号338の周波数を、自動周波数チューナAFTLFのメモリデバイスに記憶する。
【0126】
化学物質L(例えば、化学物質AまたはB)の適用中または適用と同時に、プロセッサ306は対応する命令信号(例えば、第1または第2の命令信号)を生成し、伝送ケーブルTC1を通じてデジタル信号プロセッサDSPLFに送信する。例えば、第1の命令信号は化学物質Aに対応(例えば、1対1で関係、またはマッピングを有)し、第2の命令信号は化学物質Bに対応する。
【0127】
プロセッサ306から対応する命令信号を受信すると、デジタル信号プロセッサDSPLFは、化学物質Lの適用中に生成された対応する命令信号をパラメータコントローラPRSLF1およびPRSLF0ならびに自動周波数チューナAFTLFに送信する。化学物質Lの適用中の対応する命令信号の受信に応答して、パラメータコントローラPRSLF1は、RF信号338の状態S1のパラメータレベルに基づいてコマンド信号を生成し、ドライバDRVRLFにコマンド信号を送信する。コマンド信号はドライバDRVRLFに送信されて、化学物質Lの適用中の状態S1のデューティサイクル期間についての駆動信号(例えば、電流信号)が生成される。加えて、化学物質Lの適用中に対応する命令信号を受信すると、自動周波数チューナAFTLFは、生成されるべきRF信号338の周波数に基づいてコマンド信号を生成し、ドライバDRVRLFにコマンド信号を送信する。パラメータコントローラPRSLF1および自動周波数チューナAFTLFからコマンド信号を受信すると、ドライバDRVRLFは、化学物質Lの適用中のRF信号338の状態S1のデューティサイクル期間中に駆動信号を生成する。電源PLFは、状態S1の期間にドライバDRVRLFから駆動信号を受信し、化学物質Lの適用期間にRF信号338の状態S1を生成し、状態S1を有するRF信号338を出力338およびRFケーブルRFC1を通じて整合器に送信する。
【0128】
さらに、化学物質Lの適用中に対応する命令信号を受信すると、パラメータコントローラPRSLF0は、RF信号338の状態S0のパラメータレベルに基づいてコマンド信号を生成する前に、RF信号338の状態S1のデューティサイクルの期間だけ待機する。待機後に、パラメータコントローラPRSLF0はコマンド信号を生成し、ドライバDRVRLFにコマンド信号を送信する。コマンド信号はドライバDRVRLFに送信されて、化学物質Lの適用中に状態S0のデューティサイクルの期間に関する駆動信号が生成される。例として、RF信号338の状態S0のデューティサイクルは、RF信号338の100%と状態S1のデューティサイクルとの差である。パラメータコントローラPRSLF0および自動周波数チューナAFTLFからコマンド信号を受信すると、ドライバDRVRLFは、化学物質Lの適用中にRF信号338の状態S0のデューティサイクルの期間に関する駆動信号を生成する。電源PLFは、ドライバDRVRLFから状態S0の駆動信号を受信し、化学物質Lの適用中に状態S0の期間に関するRF信号338の状態S0を生成し、状態S0を有するRF信号338を出力328およびRFケーブルRFC1を通じて整合器に送信する。
【0129】
化学物質Lの適用中のRF信号338の状態S0に関する駆動信号は、クロック信号のクロックサイクルの残りの期間に生成および送信されることに注意されたい。例えば、化学物質Lの適用中のRF信号338の状態S1のデューティサイクルは、クロックサイクルの50%であり、残りの期間はクロックサイクルの残りの50%である。クロック信号はプロセッサ306によって生成され、プロセッサ306によって伝送ケーブルTC1を通じてデジタル信号プロセッサDSPLFに供給される。デジタル信号プロセッサDSPLFは、パラメータコントローラPRSLF1およびPRSLF2にクロック信号を送信する。化学物質Lの適用中の状態S0に関する駆動信号がクロックサイクルの残りの期間に生成および送信された後、パラメータコントローラPRSLF1は、RF信号338の状態S1のパラメータレベルに基づいてコマンド信号を再び生成し、ドライバDRVRLFにコマンド信号を送信する。このようにして、RF信号338の状態S1およびS0は、化学物質Lの適用中に周期的に交互になる。
【0130】
同様に、HFRF発生器について、プロセッサ306は、伝送ケーブルTC2を通じてデジタル信号プロセッサDSPHFにレシピ信号604を送信する。レシピ信号604は、化学物質Aの適用中に実現されるべきRF信号340の状態S1のパラメータレベルと、化学物質Aの適用中に実現されるべきRF信号340の状態S0のパラメータレベルと、化学物質Bの適用中に実現されるべきRF信号340の状態S1のパラメータレベルと、化学物質Bの適用中に実現されるべきRF信号340の状態S0のパラメータレベルとを含む。また、レシピ信号604は、化学物質AおよびBの適用中に実現されるべきRF信号340の周波数を含む。レシピ信号604はさらに、化学物質Aの適用中のRF信号340の状態S1に関するデューティサイクル、および、化学物質Bの適用中のRF信号340の状態S1に関するデューティサイクルを含む。
【0131】
レシピ信号604を受信すると、デジタル信号プロセッサDSPHFは、化学物質AおよびBの適用中に実現されるべきRF信号340の状態S1のパラメータレベルおよびデューティサイクルをパラメータコントローラPRSHF1に送信する。同様に、レシピ信号604の受信に応答して、デジタル信号プロセッサDSPHFは、化学物質AおよびBの適用中に実現されるべきRF信号340の状態S1のデューティサイクルおよびRF信号340の状態S0のパラメータレベルをパラメータコントローラPRSHF0に送信する。また、デジタル信号プロセッサDSPHFは、化学物質AおよびBの適用中に実現されるべきRF信号340の周波数を自動周波数チューナAFTHFに送信する。
【0132】
パラメータコントローラPRSHF1は、化学物質AおよびBの適用中に実現されるべきRF信号340の状態S1のデューティサイクルおよびパラメータレベルを、パラメータコントローラPRSHF1のメモリデバイスに記憶する。同様にして、パラメータコントローラPRSHF0は、化学物質AおよびBの適用中に実現されるべきRF信号340の状態S1のデューティサイクルおよびRF信号340の状態S0のパラメータレベルを、パラメータコントローラPRSHFのメモリデバイスに記憶する。また、自動周波数チューナAFTHFは、化学物質AおよびBの適用中に実現されるべきRF信号340の周波数を、自動周波数チューナAFTHFのメモリデバイスに記憶する。
【0133】
化学物質Lの適用中に、プロセッサ306は対応する命令信号を生成し、伝送ケーブルTC2を通じてデジタル信号プロセッサDSPHFに送信する。対応する命令信号を受信すると、デジタル信号プロセッサDSPHFは、化学物質Lの適用中に生成された対応する命令信号をパラメータコントローラPRSHF1およびPRSHF0ならびに自動周波数チューナAFTHFに送信する。化学物質Lの適用中の対応する命令信号の受信に応答して、パラメータコントローラPRSHF1は、RF信号340の状態S1のパラメータレベルに基づいてコマンド信号を生成し、ドライバDRVRHFにコマンド信号を送信する。コマンド信号はドライバDRVRHFに送信されて、化学物質Lの適用中に状態S1のデューティサイクル期間についての駆動信号(例えば、電流信号)が生成される。加えて、化学物質Lの適用中に対応する命令信号を受信すると、自動周波数チューナAFTHFは、RF信号340の周波数に基づいてコマンド信号を生成し、ドライバDRVRHFにコマンド信号を送信する。パラメータコントローラPRSHF1および自動周波数チューナAFTHFからコマンド信号を受信すると、ドライバDRVRHFは、化学物質Lの適用中にRF信号340の状態S1の期間に関する駆動信号を生成する。電源PHFは、ドライバDRVRHFから状態S1の駆動信号を受信し、化学物質Lの適用中にRF信号340の状態S1の期間に関するRF信号340の状態S1を生成し、状態S1を有するRF信号340を出力330およびRFケーブルRFC2を通じて整合器に送信する。
【0134】
さらに、化学物質Lの適用中に対応する命令信号を受信すると、パラメータコントローラPRSHF0は、RF信号340の状態S0のパラメータレベルに基づいてコマンド信号を生成する前に、RF信号340の状態S1のデューティサイクルの期間だけ待機する。待機後に、パラメータコントローラPRSHF0はコマンド信号を生成し、ドライバDRVRHFにコマンド信号を送信する。コマンド信号はドライバDRVRHFに送信されて、化学物質Lの適用中に状態S0のデューティサイクルの期間に関する駆動信号が生成される。パラメータコントローラPRSHF0および自動周波数チューナAFTHFからコマンド信号を受信すると、ドライバDRVRHFは、化学物質Lの適用中にRF信号340の状態S0の期間に関する駆動信号を生成する。RF信号340の状態S0の期間は、RF信号340の100%と状態S1のデューティサイクル期間との差である。電源PHFは、ドライバDRVRHFから状態S0の駆動信号を受信し、化学物質Lの適用中にRF信号340の状態S0の期間に関するRF信号340の状態S0を生成し、状態S0を有するRF信号340を出力330およびRFケーブルRFC2を通じて整合器に送信する。
【0135】
化学物質Lの適用中のRF信号340の状態S0に関する駆動信号は、クロック信号のクロックサイクルの残りの期間に生成および送信されることに注意されたい。例えば、化学物質Lの適用中のRF信号340の状態S1に関するデューティサイクルは、クロックサイクルの50%であり、残りの期間はクロックサイクルの残りの50%である。クロック信号は、プロセッサ306によって伝送ケーブルTC2を通じてデジタル信号プロセッサDSPHFに供給される。デジタル信号プロセッサDSPHFは、クロック信号をパラメータコントローラPRSHF1およびPRSHF2に送信する。
【0136】
化学物質Lの適用中の状態S0の駆動信号がクロックサイクルの残りの期間に生成および送信された後、パラメータコントローラPRSHF1は、RF信号340の状態S1のパラメータレベルに基づいてコマンド信号を再び生成し、ドライバDRVRHFにコマンド信号を送信する。このようにして、RF信号340の状態S1およびS0は、化学物質Lの適用中に周期的に交互になる。
【0137】
一実施形態では、デジタル信号プロセッサDSPLF、ならびに、コントローラPRSLF1、PRSLF0、およびAFTLFの1つ以上は、任意の数のコントローラ内で統合される。例えば、本明細書においてデジタル信号プロセッサDSPLF、ならびに、コントローラPRSLF1、PRSLF0、およびAFTLFの1つ以上によって実行されると記載された機能は、単一コントローラによって実行される。別の例として、本明細書においてデジタル信号プロセッサDSPLF、ならびに、コントローラPRSLF1、PRSLF0、およびAFTLFの1つ以上によって実行されると記載された機能は、2つ以上のコントローラによって実行される。
【0138】
同様に、一実施形態では、デジタル信号プロセッサDSPHF、ならびに、コントローラPRSHF1、PRSHF0、およびAFTHFの1つ以上は、任意の数のコントローラ内で統合される。例えば、本明細書においてデジタル信号プロセッサDSPHF、ならびに、コントローラPRSHF1、PRSHF0、およびAFTHFの1つ以上によって実行されると記載された機能は、単一コントローラによって実行される。別の例として、本明細書においてデジタル信号プロセッサDSPHF、ならびに、コントローラPRSHF1、PRSHF0、およびAFTHFの1つ以上によって実行されると記載された機能は、2つ以上のコントローラによって実行される。
【0139】
実施形態では、各化学物質AまたはBは、化学物質の適用後であって別の化学物質BまたはAの適用前にプラズマチャンバ304(図3)から除去される。例えば、化学物質Aは化学物質Bの適用前に除去され、化学物質Bは化学物質Aの適用前に除去される。さらに例えると、1つ以上の真空ポンプがプラズマチャンバ304に接続される。プロセッサ306は、対応する1つ以上のドライバを介して1つ以上の真空ポンプに接続される。化学物質L(例えば、化学物質AまたはB)がギャップ344(図3)に適用された後であって、化学物質Lの適用から事前設定された期間が経過した後に、プロセッサ306は、1つ以上のドライバに1つ以上のターンオンコマンド信号を送信する。1つ以上のターンオンコマンド信号を受信すると、対応する1つ以上のドライバは1つ以上の電流信号を生成し、対応する1つ以上の真空ポンプに対応する1つ以上の電流信号を送信して、1つ以上の真空ポンプをオンにする。1つ以上の真空ポンプがオンされると、1つ以上の真空ポンプは、プラズマチャンバ304から化学物質Lを除去する。
【0140】
この実施形態では、プロセッサ306は、1つ以上の真空ポンプがオンされてから事前設定された時間が経過したかどうかを決定する。事前設定された時間が経過したことを決定すると、プロセッサ306は、1つ以上の真空ポンプをオフすることを決定する。1つ以上の真空ポンプをオフするために、プロセッサ306は、1つ以上のドライバに1つ以上のターンオフコマンド信号を送信する。1つ以上のターンオフコマンド信号を受信すると、対応する1つ以上のドライバは対応する1つ以上の電流信号を生成し、対応する1つ以上の真空ポンプに対応する1つ以上の電流信号を送信して、1つ以上の真空ポンプをオフする。1つ以上の真空ポンプがオフされたときは、1つ以上の真空ポンプはプラズマチャンバ304から化学物質Lを除去しない。また、1つ以上の真空ポンプがオフされている期間に、化学物質L(例えば、BまたはA)がプラズマチャンバ304のギャップ344に適用される。このようにして、化学物質AおよびBは交互に適用され、プラズマチャンバ304から除去される。
【0141】
本明細書に記載の実施形態は、ハンドヘルドハードウェアユニット、マイクロプロセッサシステム、マイクロプロセッサベース家電またはプログラマブル家電、ミニコンピュータ、メインフレームコンピュータなどを含む、様々なコンピュータシステム構成によって実行されてよい。本明細書に記載の実施形態は、コンピュータネットワークを通じて連結されたリモート処理ハードウェアユニットによってタスクが実行される分散コンピューティング環境においても実施できる。
【0142】
いくつかの実施形態では、コントローラは、上記の例の一部でありうるシステムの一部である。このシステムは、処理ツール、チャンバ、処理用プラットフォーム、および/または、特定の処理部品(ウエハ台座、ガス流システムなど)を備える半導体処理装置を含む。このシステムは、半導体ウエハまたは基板の処理前、処理中、および処理後の動作を制御するための電子機器と統合される。これらの電子機器は「コントローラ」と呼ばれてよく、システムの様々な構成部品または副部品を制御してよい。コントローラは、処理要件および/またはシステムの種類に応じて、処理ガスの供給、温度設定(例えば、加熱および/または冷却)、圧力設定、真空設定、電力設定、RF発生器の設定、RF整合回路の設定、周波数設定、流量設定、流体供給設定、位置動作設定、ツールおよび他の搬送ツールに対するウエハ搬入出、ならびに/または、特定のシステムに接続もしくは結合されたロードロックに対するウエハ搬入出を含む、本明細書に開示のあらゆるプロセスを制御するようにプログラムされる。
【0143】
概して様々な実施形態では、コントローラは、命令を受信し、命令を発行し、動作を制御し、洗浄動作を可能にし、エンドポイント測定を可能にするなどの様々な集積回路、ロジック、メモリ、および/または、ソフトウェアを有する電子機器として定義される。集積回路は、プログラム命令を記憶するファームウェア形式のチップ、DSP、ASICとして定義されるチップ、プログラム命令(例えば、ソフトウェア)を実行する1つ以上のマイクロプロセッサまたはマイクロコントローラを含む。プログラム命令は、半導体ウエハ上で、もしくは半導体ウエハ向けにプロセスを実行するための動作パラメータを定義する様々な個別設定(または、プログラムファイル)の形でコントローラに伝達される命令である。いくつかの実施形態では、動作パラメータは、1つ以上の層、材料、金属、酸化物、シリコン、二酸化シリコン、表面、回路、および/または、ウエハ金型の製造時における1つ以上の処理工程を実現するために、プロセスエンジニアによって定義されるレシピの一部である。
【0144】
いくつかの実施形態では、コントローラは、システムと一体化もしくは接続された、そうでなければシステムにネットワーク接続された、もしくはこれらが組み合わされたコンピュータの一部である、またはそのコンピュータに接続される。例えば、コントローラは、ウエハ処理のリモートアクセスを可能にする「クラウド」内にある、またはファブホストコンピュータシステムの全てもしくは一部である。コントローラは、システムへのリモートアクセスを可能にして、製造動作の進捗状況を監視し、過去の製造動作の経歴を調査し、複数の製造動作から傾向または性能の基準を調査して、現在の処理のパラメータを変更する、現在の処理に続く処理工程を設定する、または新しいプロセスを開始する。
【0145】
いくつかの例では、リモートコンピュータ(例えば、サーバ)は、ローカルネットワークまたはインターネットを含むコンピュータネットワークを通じて、システムにプロセスレシピを提供する。リモートコンピュータは、次にリモートコンピュータからシステムに伝達されるパラメータおよび/もしくは設定のエントリまたはプログラミングを可能にするユーザインタフェースを含む。いくつかの例では、コントローラは、ウエハを処理するための命令を設定形式で受信する。この設定は、ウエハ上で実施されるプロセスの種類、および、コントローラが接続または制御するツールの種類に固有であることを理解されたい。よって、上記のように、コントローラは、例えば互いにネットワーク接続された1つ以上の別々のコントローラを含むことと、例えば本明細書に記載のプロセスを実行するという共通の目的に向けて協働することとにより分散される。そのような目的のために分散されたコントローラの例は、遠隔に(例えば、プラットフォームレベルで、またはリモートコンピュータの一部として)位置し、協働してチャンバにおけるプロセスを制御する1つ以上の集積回路と連通する、チャンバの1つ以上の集積回路を含む。
【0146】
制限するものではないが、様々な実施形態では、本明細書に記載のプラズマシステムは、プラズマエッチングチャンバ、堆積チャンバ、スピンリンスチャンバ、金属めっきチャンバ、洗浄チャンバ、ベベルエッジエッチングチャンバ、物理蒸着(PVD)チャンバ、化学蒸着(CVD)チャンバ、原子層堆積(ALD)チャンバ、原子層エッチング(ALE)チャンバ、イオン注入チャンバ、トラックチャンバ、または、半導体ウエハの製作および/もしくは製造において関連または使用する任意の他の半導体処理チャンバを含む。
【0147】
上記の動作は、平行プレートプラズマチャンバ(例えば、容量結合プラズマチャンバなど)を参照して説明されたが、いくつかの実施形態では、上記の動作は、他の種類のプラズマチャンバ(例えば、誘導結合プラズマ(ICP)反応器、トランス結合プラズマ(TCP)反応器、コンダクタツール、誘電体ツール、電子サイクロトロン共鳴(ECR)反応器を含むプラズマチャンバなど)に用いられる。例えば、XMHzのRF発生器、YMHzのRF発生器、およびZMHzのRF発生器は、ICPプラズマチャンバ内のインダクタに接続される。
【0148】
上記のように、ツールによって実施される処理工程に応じて、コントローラは、他のツール回路もしくはモジュール、他のツール部品、クラスタツール、他のツールインタフェース、隣接するツール、近接するツール、工場全体に設置されたツール、メインコンピュータ、別のコントローラ、または、半導体製造工場においてツール位置および/もしくはロードポートに対してウエハ容器を搬入出する材料搬送に用いられるツール、のうちの1つ以上と連通する。
【0149】
上記の実施形態を念頭に置いて、いくつかの実施形態は、コンピュータシステムに記憶されたデータに関する様々なコンピュータ実施動作を用いることを理解されたい。コンピュータ実施動作は、物理量を操作する動作である。
【0150】
いくつかの実施形態は、これらの動作を実施するためのハードウェアユニットまたは装置にも関する。この装置は、専用コンピュータ向けに特別に構成される。専用コンピュータとして定義されると、コンピュータは、特定用途のために動作しながら、それでも特定用途の一部ではない他の処理、プログラムの実行、またはルーチンを実施できる。
【0151】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の動作は、選択的に起動されたコンピュータによって実施される、または、コンピュータメモリに記憶された1つ以上のコンピュータプログラムによって設定される、または、コンピュータネットワークを通じて得られる。コンピュータネットワークを通じてデータが得られたときは、データは、コンピュータネットワーク(例えば、コンピューティング資源のクラウド)上の他のコンピュータによって処理されてよい。
【0152】
本明細書に記載の1つ以上の実施形態は、非一時的コンピュータ可読媒体上のコンピュータ可読コードとしても作成できる。非一時的コンピュータ可読媒体とは、後にコンピュータシステムによって読み込まれるデータを記憶する任意のデータストレージハードウェアユニット(例えば、メモリデバイスなど)である。非一時的コンピュータ可読媒体の例は、ハードドライブ、ネットワークアタッチストレージ(NAS)、ROM、RAM、コンパクトディスクROM(CD-ROM)、読み込み可能CD(CD-R)、書き換え可能CD(CD-RW)、磁気テープ、ならびに、他の光学および非光学データストレージハードウェアユニットを含む。いくつかの実施形態では、非一時的コンピュータ可読媒体は、コンピュータ可読コードが分散して記憶および実行されるように、ネットワーク接続されたコンピュータシステムを通じて分散されたコンピュータ可読有形媒体を含む。
【0153】
上記のいくつかの方法動作は特定の順序で示されたが、様々な実施形態では、他のハウスキーピング動作が方法動作間に実施される、または、方法動作は、わずかに異なる時間で生じるように調節される、もしくは、様々な間隔での方法動作の発生を可能にするシステムにおいて分散される、もしくは、上記とは異なる順序で実施される。
【0154】
実施形態では、上記の任意の実施形態の1つ以上の特徴は、本開示に記載の様々な実施形態で説明された範囲を逸脱することなく、任意の他の実施形態の1つ以上の特徴と組み合わされることにさらに注意されたい。
【0155】
前記の実施形態は、明確な理解のためにある程度詳細に説明されたが、添付の特許請求の範囲内で一定の変更および修正が可能であることが明らかだろう。従って、本実施形態は制限的ではなく例示的とみなされるべきであり、実施形態は本明細書に記載の詳細に限定されるべきでないが、添付の特許請求およびその同等物の範囲内で修正されてよい。
図1
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図3
図4A
図4B
図5A
図5B
図6
【国際調査報告】