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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-28
(54)【発明の名称】極端紫外線板上の結合層
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/673 20060101AFI20240621BHJP
【FI】
H01L21/68 U
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023577489
(86)(22)【出願日】2022-06-16
(85)【翻訳文提出日】2024-01-30
(86)【国際出願番号】 US2022033792
(87)【国際公開番号】W WO2022266320
(87)【国際公開日】2022-12-22
(31)【優先権主張番号】63/212,270
(32)【優先日】2021-06-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】505307471
【氏名又は名称】インテグリス・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ワン, ホアピン
(72)【発明者】
【氏名】カークランド, エリック エー.
(72)【発明者】
【氏名】ラシュク, ラス ヴィ.
【テーマコード(参考)】
5F131
【Fターム(参考)】
5F131AA04
5F131AA10
5F131AA12
5F131CA09
5F131GA12
5F131GA18
5F131GA24
5F131GA32
5F131GA53
5F131GA55
5F131GA62
5F131GA87
5F131GA99
(57)【要約】
装置はレチクルポッドを含む。レチクルポッドは、第1の表面を有するベースプレートと、第2の表面を有するカバーと、少なくとも1つの層とを含む。第1の表面は、第1の合わせ面を含む。第2の表面は第2の合わせ面を含む。少なくとも1つの層は、第1の合わせ面の少なくとも一部分および第2の合わせ面の少なくとも一部分のうちの1つまたは複数に結合される。第1の表面および第2の表面は、カバーがベースプレートに取り付けられるとき、第1の合わせ面および第2の合わせ面で重なり合う。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
レチクルポッドを備える装置であって、前記レチクルポッドは、
第1の表面を有するベースプレートであって、前記第1の表面は第1の合わせ面を含む、ベースプレートと、
第2の表面を有するカバーであって、前記第2の表面は第2の合わせ面を含む、カバーと、
前記第1の合わせ面および前記第2の合わせ面のうちの1つに結合される結合層と、を有し、
前記第1の表面および前記第2の表面は、前記カバーが前記ベースプレートに取り付けられるとき、前記第1の合わせ面および前記第2の合わせ面で重なり合う、装置。
【請求項2】
前記レチクルポッドは極端紫外線(EUV)レチクルポッドであり、
前記ベースプレートおよび前記カバーは、前記カバーが前記ベースプレートに取り付けられるとき、レチクルを収納するように構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
外側ポッドドームおよび外側ポッドドアをさらに備え、前記外側ポッドドームおよび前記外側ポッドドアは、前記外側ポッドドアが前記外側ポッドドームに取り付けられるとき、前記外側ポッドドーム内に前記ベースプレートおよび前記カバーを収納するように構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記結合層の材料は、ガラス、グラファイト、炭化ケイ素、またはセラミックである、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記第1の合わせ面または前記第2の合わせ面に前記結合層を結合するように構成される結合材をさらに含む、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記結合材は接着剤である、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記結合材はエポキシ樹脂である、請求項5に記載の装置。
【請求項8】
前記結合層は、磁気結合または加熱結合によって、前記第1の合わせ面または前記第2の合わせ面に結合されている、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記ベースプレートおよび前記カバーは基板を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記基板はコーティング材料でコーティングされている、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記結合層は前記コーティング材料に結合されている、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記結合層は、約50ミクロンから約1ミリメートルの厚さを有する、請求項1に記載の装置。
【請求項13】
前記結合層は、約0.2ミクロン未満の粗さ平均の所定の粗さを有する、請求項1に記載の装置。
【請求項14】
前記結合層は、約+/-5ミクロン未満の所定の厚さ均一性を有する、請求項1に記載の装置。
【請求項15】
前記結合層は前記第1の合わせ面に結合される第1の結合層であり、前記第2の合わせ面に結合される第2の結合層をさらに含み、
前記カバーが前記ベースプレートに取り付けられるとき、前記第1の結合層は前記第2の結合層と重なり合わない、請求項1に記載の装置。
【請求項16】
前記第1の結合層は前記第1の合わせ面の半分に結合され、前記第2の結合層は前記第2の合わせ面の半分に結合される、請求項15に記載の装置。
【請求項17】
レチクルポッドを製作する方法であって、前記レチクルポッドはベースプレートおよびカバーを含み、前記ベースプレートは第1の表面を有し、前記第1の表面は第1の合わせ面を含み、前記カバーは第2の表面を有し、前記第2の表面は第2の合わせ面を含み、前記方法は、
前記第1の合わせ面および前記第2の合わせ面のうちの1つまたは複数に少なくとも1つの層を結合することを含む、方法。
【請求項18】
前記ベースプレートおよび前記カバーの基板にコーティング材料をコーティングすることをさらに含み、
コーティングは結合の前に行われる、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記第1の合わせ面および前記第2の合わせ面のうちの1つまたは複数に少なくとも1つの層を結合することは、前記第1の合わせ面および前記第2の合わせ面のうちの1つまたは複数に少なくとも1つの層を結合するための結合材を施すことを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
前記第1の合わせ面および前記第2の合わせ面のうちの1つまたは複数に少なくとも1つの層を結合することは、前記第1の合わせ面および前記第2の合わせ面のうちの1つまたは複数に少なくとも1つの層を磁気結合または加熱結合することを含む、請求項17に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般的に、レチクルに使用されるレチクルポッドに関する。より詳細には、本開示は、極端紫外線(EUV)レチクルポッドなどのレチクルポッドのベースプレートおよび/またはカバー上の1つまたは複数の層を結合するための装置および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
レチクルポッドはレチクルを収容するために使用される。レチクルは、例えば、EUV処理中など、半導体加工中に使用されるフォトリソグラフィーマスクを含んでよい。レチクルポッドは、レチクルの格納および搬送のために使用可能である。レチクルポッドは、加工中に1つまたは複数のツールによって取り扱われかつ操作される内側ポッドを含むことができる。レチクルポッドの内側ポッドは、ベースプレートおよびカバーを含む。ベースプレートおよびカバーは、レチクルを収容し、レチクルを、搬送、格納、および加工の間の汚染または物理的損傷から保護する。内側ポッドはクロムでコーティング可能である。クロムコーティングは、表面の反射率および外観を改善し、酸化からの反射率の損失に抵抗するのに役立ち得る。レチクルポッドは、例えば、EUVフォトリソグラフィーツールによる使用のためのEUVポッドを含む。レチクルポッドは、ポッドドアおよびポッドドームを有して内側ポッドを収容する外側ポッドを含むことができる。
【発明の概要】
【0003】
本開示は、一般的に、レチクルに使用されるレチクルポッドに関する。より詳細には、本開示は、EUVレチクルポッドなどのレチクルポッドのベースプレートおよび/またはカバー上の1つまたは複数の層を結合するための装置および方法に関する。
【0004】
レチクルポッドは、内側ポッド(例えば、金属内側ポッド)を含むことができる。レチクルポッドの内側ポッドは、表面の反射率および外観を改善し、酸化からの反射率の損失に抵抗するのに役立つように、例えば、クロムでコーティング可能である。レチクルポッドを研磨する、コーティングする、および/またはめっきするプロセスは、一貫性がない可能性があり、外観不良の可能性があり得る。レチクルポッドの表面に1つまたは複数の層を結合することによって、レチクルポッドは、いずれの第2の研磨、めっき、および/またはコーティングも実施しないで済ませることが可能になり得る。
【0005】
一実施形態では、装置はレチクルポッドを含む。レチクルポッドは、第1の表面を有するベースプレートと、第2の表面を有するカバーと、少なくとも1つの層とを含む。第1の表面は第1の合わせ面を含む。第2の表面は第2の合わせ面を含む。少なくとも1つの層は、第1の合わせ面の少なくとも一部分および第2の合わせ面の少なくとも一部分のうちの1つまたは複数に結合される。第1の表面および第2の表面は、カバーがベースプレートに取り付けられるとき、第1の合わせ面および第2の合わせ面で重なり合う。
【0006】
一実施形態では、レチクルポッドはEUVレチクルポッドである。ベースプレートおよびカバーは、カバーがベースプレートに取り付けられるとき、レチクルを収納するように構成される。
【0007】
一実施形態では、装置は、外側ポッドドームおよび外側ポッドドアをさらに含む。外側ポッドドームおよび外側ポッドドアは、外側ポッドドアが外側ポッドドームに取り付けられるとき、外側ポッドドーム内にベースプレートおよびカバーを収納するように構成される。
【0008】
一実施形態では、少なくとも1つの層は、ガラス、グラファイト、炭化ケイ素、またはセラミックを含んでよい。
【0009】
一実施形態では、装置は、第1の合わせ面および第2の合わせ面のうちの1つまたは複数に少なくとも1つの層を結合するように構成される結合材をさらに含む。
【0010】
一実施形態では、結合材は接着剤である。一実施形態では、結合材はエポキシ樹脂である。
【0011】
一実施形態では、少なくとも1つの層は、磁気結合および加熱結合によって、第1の合わせ面および第2の合わせ面のうちの1つまたは複数に結合される。
【0012】
一実施形態では、ベースプレートおよびカバーは基板を含む。一実施形態では、基板はコーティング材料でコーティングされる。一実施形態では、少なくとも1つの層はコーティング材料に結合される。
【0013】
一実施形態では、少なくとも1つの層は、約50ミクロンの所定の最小厚さを有する。一実施形態では、少なくとも1つの層は、約1ミリメートルの所定の最大厚さを有する。一実施形態では、少なくとも1つの層は、約0.2ミクロン未満の粗さ平均(Ra)の所定の粗さを有する。一実施形態では、少なくとも1つの層は、約+/-5ミクロン未満の所定の厚さ均一性を有する。
【0014】
一実施形態では、少なくとも1つの層は第1の層および第2の層を含み、第1の層は第1の合わせ面の少なくとも一部分に結合され、第2の層は第2の合わせ面の少なくとも一部分に結合され、カバーがベースプレートに取り付けられるとき、第1の層は第2の層と重なり合わず、第1の層と第2の層との組み合わせは、第1の合わせ面全体または第2の合わせ面全体と重なり合う。
【0015】
一実施形態では、第1の層は第1の合わせ面の半分に結合され、第2の層は第2の合わせ面の半分に結合される。
【0016】
一実施形態では、レチクルポッドを製作する方法が提供される。レチクルポッドはベースプレートおよびカバーを含む。ベースプレートは第1の表面を有する。第1の表面は第1の合わせ面を含む。カバーは第2の表面を有する。第2の表面は第2の合わせ面を含む。方法は、第1の合わせ面および第2の合わせ面のうちの1つまたは複数に少なくとも1つの層を結合することを含む。
【0017】
一実施形態では、方法は、ベースプレートおよびカバーの基板にコーティング材料をコーティングすることをさらに含む。コーティングは結合の前に行われる。
【0018】
一実施形態では、第1の合わせ面および第2の合わせ面のうちの1つまたは複数に少なくとも1つの層を結合することは、第1の合わせ面および第2の合わせ面のうちの1つまたは複数に少なくとも1つの層を結合するための結合材を施すことを含む。
【0019】
一実施形態では、第1の合わせ面および第2の合わせ面のうちの1つまたは複数に少なくとも1つの層を結合することは、第1の合わせ面および第2の合わせ面のうちの1つまたは複数に少なくとも1つの層を磁気結合または加熱結合することを含む。
【0020】
一実施形態では、少なくとも1つの層の材料は、ガラス、グラファイト、炭化ケイ素、またはセラミックである。
【0021】
本開示の一部分を形成し、かつ本明細書に記載されるシステムおよび方法が実践可能である実施形態を示す添付の図面を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1A】一実施形態による、閉鎖されたときのレチクルポッドの内側ポッドの断面図である。
図1B】一実施形態による、開放されたときの図1Aの内側ポッドの断面図である。
図2】一実施形態による、レチクルポッドにおけるベースプレートの上面図である。
図3】一実施形態による、レチクルポッド用のカバーの底面図である。
図4】一実施形態による、レチクルポッド用のベースプレートおよびカバーの合わせ面の断面図である。
図5】一実施形態による、レチクルポッドの斜視図(prospective view)である。
図6】一実施形態による、レチクルポッドを製作する方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
全体を通して、同様の参照番号は同様の部分を表す。
【0024】
本開示は、一般的に、レチクルに使用されるレチクルポッドに関する。より詳細には、本開示は、EUVレチクルポッドなどのレチクルポッドのベースプレートおよび/またはカバー上の1つまたは複数の層を結合するための装置および方法に関する。
【0025】
下記の定義は本開示全体を通して適用可能である。本明細書に定義されるように、用語「層」は、材料のシート、量、および/または厚さ、典型的には表面を覆ういくつかのもののうちの1つを指すことができる。
【0026】
本明細書に定義されるように、用語「接着剤」は、物体または材料を共に接合するために使用される基板を指すことができる。一実施形態では、接着剤は、共に接合される物体または材料から独立した層とすることができる。
【0027】
本明細書に定義されるように、用語「結合する」は、粘着性物質、加熱加工、加圧加工、および/または磁気加工などによって、何か他のものに接続する、接合する、および/またはしっかりと接合されていることを指すことができる。
【0028】
本明細書に定義されるように、用語「加熱結合」は、物体または材料を接続するまたは接合するために熱を加えることによって、物体または材料を共に結合するプロセスを指すことができる。一実施形態では、「加熱結合」は、物体および/または材料を共に接続するおよび/または接合するために物体および/または材料を溶融するプロセスを指すことができる。
【0029】
本明細書に定義されるように、用語「磁気結合」は、物体または材料の磁性によって物体または材料を共に結合するプロセスを指すことができる。一実施形態では、「磁気結合」は、(接続または接合される)物体のうちの1つもしくは複数または材料のうちの1つもしくは複数を永久磁石にするプロセスを含むことができる。永久磁石は、限定はされないが、ネオジム-鉄-ホウ素磁石、サマリウムコバルト磁石、アルニコ(例えば、アルミニウム、ニッケル、およびコバルトなどの合金)磁石、およびセラミックまたはフェライト(例えば、酸化鉄とニッケル、ストロンチウム、またはコバルトなどとを混合して作られたセラミック状材料)磁石などを含むことができる。
【0030】
本明細書で使用される際、用語「約」は、当業者が、値が適用範囲内にあるとみなすであろう範囲内を意味する。いくつかの実施形態では、これは10%以内である。いくつかの実施形態では、これには、値に与えられる有効数字が反映され、例えば、5の値は、5に丸められる4.5~5.4の値を含んでよいが、5.0の値は、4.95から5.04までの値を含んでよい。
【0031】
本開示の特定の実施形態について、添付の図面を参照しながら本明細書において説明する。しかしながら、開示された実施形態が本開示の単なる例であり、これらはさまざまな形態で具現化可能であることは、理解されたい。周知の機能または構成については、本開示を不必要な詳細で不明瞭にすることを回避するために詳細には記載されていない。したがって、本明細書に開示された特有の構造的および機能的詳細は、限定するものと解釈されるべきではなく、単に特許請求の範囲の基礎として、および、本開示を実質的にいずれの適当に詳述された構造においてもさまざまに用いるように当業者に教示するための代表的な基礎として、解釈されるべきである。本明細書および図面において、同様の参照番号は、同じ、同様の、または同等の機能を実行することができる要素を表す。
【0032】
本開示の範囲は、本明細書に挙げられる例によってではなく、添付の特許請求の範囲およびそれらの法的等価物によって判断されるべきである。例えば、任意の方法の特許請求項に記載される工程は、任意の順序で実行可能であり、特許請求の範囲に提示される順序に限定されない。さらに、具体的に本明細書に「重大」または「必須」と記載されていない限り、本開示を実践する際に必須である要素はない。
【0033】
図1Aおよび図1Bは、一実施形態による、レチクルポッドの内側ポッド1の断面図を示す。図1Aは、閉鎖されたときの内側ポッド1を示す。図1Bは、開放されたときの内側ポッド1を示す。内側ポッド1は、レチクル5を収容するためのレチクル収容部3を有する内部空間を有する。ポッド1は、内側ポッド1内のレチクル5を支持するためのレチクル収容部3内のレチクル支持体7A、7Bを含むことができる。
【0034】
内側ポッド1は、ベースプレート10およびカバー40を含む。ベースプレート10およびカバー40は、共に接合されるように構成される。図1Aに示されるように、内側ポッド1の内部空間は、カバー40をベースプレート10上に設置することによって密閉(例えば、閉鎖)される。カバー40はベースプレート10に直接接触している。とりわけ、カバー40の底部42は、ベースプレート10の上部12と接触している。内側ポッド1は、カバー40をベースプレート10から遠ざけることによって(例えば、カバーを方向Dにおいて上方に移動させることによって)開放される。例えば、外部のツール(例えば、自動アーム)は、レチクル収容部3に進入しレチクル5を取り去るために内側ポッド1を開放する。
【0035】
ベースプレート10およびカバー40は、ベースプレート10およびカバー40を互いに合わせるように構成される1つまたは複数の合わせ面を含む。一実施形態では、1つまたは複数の合わせ面は、ベースプレート10とカバー40との間にシーリングを提供する1つまたは複数のシール面とすることができる。例えば、シーリングは、外部の汚染物質(containment)(例えば、空気、粉塵など)がベースプレート10とカバー40との間を通過することによってポッド1に入ることを少なくするまたは防止するように構成される。ベースプレート10は、カバー40がベースプレート10上に設置されるとき、カバー40に直接接触する1つまたは複数の合わせ面を含むことができる。カバー40は、カバー40がベースプレート10上に設置されるとき、ベースプレート10に直接接触するように構成される1つまたは複数の合わせ面を含む。例えば、ベースプレート10は、カバー40に直接接触するように構成される第1の合わせ面(例えば、合わせ面14)を含むことができ、カバー40は、ベースプレート10に直接接触するように構成される第2の合わせ面(例えば、合わせ面44)を含むことができる。
【0036】
図2は、一実施形態による、レチクルポッド用のベースプレート10の上面図である。図2は、ベースプレート10の上部12を示す。カバー40は、ベースプレート10の上部12上に設置されるように構成される。ベースプレート10は、レチクル支持体7Aも含むことができる。
【0037】
ベースプレート10は、合わせ面14およびベースプレート本体16を含む。合わせ面14は、ベースプレート本体16上に形成される。図2におけるベースプレート10は、単一の連続した合わせ面14を含む。合わせ面14は、ベースプレート10の周囲全体に沿って広がっている。しかしながら、ベースプレート10は、一実施形態では複数の合わせ面を含むことができる。例えば、別々の合わせ面14が、ベースプレート10とカバー40との間で摩耗の量が多くなる場所に設けられ得る。一実施形態では、ベースプレート10の合わせ面14は、ベースプレート10の周囲の一部に沿ってのみ広がることができる。
【0038】
図2に示されるように、1つまたは複数の合わせ面14は、ベースプレート10の75%未満を覆うように配設される。一実施形態では、1つまたは複数の合わせ面14は、ベースプレート10の50%未満を覆うように配設される。本明細書に説明されかつ記載される実施形態は、説明される量に限定されない。すなわち、本明細書に説明されかつ記載される量は、便宜的に提供されているだけであり、限定することを意図するものではない。
【0039】
図3は、一実施形態による、内側ポッド用のカバー40の底面図である。図3はカバー40の底部42を示す。カバー40の底部42は、カバー40がベースプレート10上に設置されるとき、ベースプレート40の上部12に接触するように構成される。カバー40は、レチクル収容部3、および内側ポッド内のレチクルを支持するレチクル支持体7Bも含むことができる。
【0040】
カバー40は、合わせ面44およびカバー本体46を含む。合わせ面44はカバー本体46上に形成される。図3におけるカバー40は、単一の連続した合わせ面44を含む。しかしながら、カバー40は、一実施形態において複数の合わせ面を含むことができる。例えば、合わせ面44のそれぞれは、ベースプレート40の周囲の一部に沿ってのみ広がる。例えば、別々の合わせ面44は、ベースプレート10とカバー40との間で摩耗の量が多くなる場所に設けられ得る。
【0041】
合わせ面44はカバー40の周囲全体に沿って広がっている。それ故に、カバー40がベースプレート10上に設置されるとき、合わせ面44は、ベースプレート10の周囲全体に沿って広がるように配設される。いくつかの実施形態では、ベースプレート10の1つまたは複数の合わせ面14およびカバー40の1つまたは複数の合わせ面44は、組み合わせてベースプレート10の周囲全体に広がるように配設可能である。例えば、ベースプレート10の合わせ面14はベースプレート10の周囲全体に沿って広がることができず、カバー40の合わせ面44は、合わせ面14なしでベースプレート10の周囲の一部に沿って広がる。ベースプレート10の合わせ面14およびカバー40の合わせ面44は、組み合わせて検討されると、ベースプレート10の周囲全体に沿って広がることになる。
【0042】
合わせ面44は、カバー40の75%未満を覆うように設けられる。一実施形態では、合わせ面44は、カバー40の50%未満を覆う。内側ポッド1の合わせ面14、44は、ベースプレート10およびカバー40の75%未満を覆うように形成される。一実施形態では、合わせ面14、44は、ベースプレート10およびカバー40の50%未満を覆うように形成される。本明細書に説明されかつ記載される実施形態は、説明される量に限定されない。すなわち、本明細書に説明されかつ記載される量は、便宜的に提供されているだけであり、限定することを意図するものではない。
【0043】
図4は、一実施形態による、ベースプレート10およびカバー40の合わせ面14、44における断面図である。例えば、図4における断面は、図2における破線Aおよび図3における破線Aを通して広がる。図4は、(例えば、図1Bに示されるように)カバー40がベースプレート10上に設置されるときの合わせ面14、44の構造および相互作用を示す。
【0044】
いくつかの実施形態では、ベースプレート10およびカバー40のうちの1つのみが合わせ面を有することができることは、認識されるであろう。例えば、カバー40には1つまたは複数の合わせ面44を設けることができるが、ベースプレート10はいずれの合わせ面も含まず、この逆もまた同様である。
【0045】
合わせ面14はベースプレート本体16上に形成され、合わせ面44はカバー本体46上に形成される。一実施形態では、ベースプレート本体16およびカバー本体46は、それぞれ、金属、またはその他の適した材料で形成される。一実施形態では、ベースプレート本体16およびカバー本体46は同じ金属で形成可能である。一実施形態では、ベースプレート本体16は基板(例えば、アルミニウム、ニッケル、ステンレス鋼、またはその他の適した材料)を含み、合わせ面14はベースプレート本体16の基板上に形成される。一実施形態では、カバー本体46は基板(例えば、アルミニウム、ニッケル、ステンレス鋼、またはその他の適した材料)を含み、合わせ面44はカバー本体46の基板上に形成される。一実施形態では、ベースプレート本体16およびカバー本体46は、異なる材料で形成可能である。
【0046】
一実施形態では、合わせ面14は、ベースプレート本体16の基板と同じ材料で形成可能である。合わせ面44は、カバー本体46の基板と同じ材料で形成可能である。一実施形態では、クロムコーティング、ニッケルコーティング、プラズマコーティング、または任意の他の適したコーティングが、ベースプレート本体16の基板、カバー本体46の基板、合わせ面14、および/または合わせ面44に施されて、ベースプレート本体16の表面、カバー本体46の基板、合わせ面14、および/または合わせ面44へのコーティングとしてクロム、ニッケル、またはプラズマなどを施すことができる。
【0047】
例えば、図4に示されるように、コーティング層20は、ベースプレート本体16および/または合わせ面14上に形成可能である。コーティング層20は、限定はされないが、ニッケル、クロム、プラズマなどとすることができる。一実施形態では、複数のコーティング層20(例えば、最終層または最上層としてのクロムを有する約3つの層であり、これらの層は、ニッケルおよび/またはクロムおよび/またはプラズマで形成可能であり、約25ミクロンの厚さを有することができる)は、ベースプレート本体16および/または合わせ面14上に設けられ得る。コーティング層20は、ベースプレート10の1つまたは複数の性質を改善することができる(例えば、反応性の低下、強度の向上など)。一実施形態では、カバー40(カバー本体46および/または合わせ面14)は、コーティング層20について上述されたのと同様に、コーティング層50を含むことができる。
【0048】
一実施形態では、合わせ面14、44は、ベースプレート本体16の基板および/またはカバー本体46の基板に対するコーティングと異なるコーティングを有することができる。例えば、それぞれの合わせ面14、44はあるコーティングを含むことができ、このコーティングは、限定はされないが、窒化チタン、窒化クロム、および/またはダイヤモンド状炭素(DLC)などとすることができる。合わせ面14、44のそのようなコーティングの種々の実施形態が、米国特許出願第63/017825号に記載されており、この全体が参照により本明細書に組み込まれていることは認識されるであろう。
【0049】
図4に示されるように、層11は、ベースプレート10が、例えば、コーティング層20でコーティングされた後にベースプレート10の合わせ面14に結合可能である。層21は、カバー40が、例えば、コーティング層50でコーティングされた後にカバー40の合わせ面44に結合可能である。別の実施形態では、層11のみが合わせ面14に結合され、層21は随意のものである。さらなる一実施形態では、層21のみが合わせ面44に結合され、層11は随意のものである。図1A図4において、ベースプレート10およびカバー40は少なくとも1つの結合層11、21を備える。コーティングされたベースプレート10の結合層11は、結合層21を有するコーティングされたカバー40が結合層11を有するコーティングされたベースプレート10上に設置されたとき、コーティングされたカバー40の結合層21に直接接触する。他の実施形態では、層11、21は、対向するコーティングされた合わせ面の結合層に接触できない。層11、21は、対向するコーティングされた合わせ面に直接接触することができる。例えば、層11は、コーティングされたカバー40が結合層11を有するコーティングされたベースプレート10上に設置されるとき、コーティングされたカバー40に直接接触することができる。別の実施形態では、層11は、ベースプレート10の合わせ面14に結合可能であり、ベースプレート10はコーティング層でコーティングされない。層21はカバー40の合わせ面44に結合可能であり、カバー40はコーティング層でコーティングされない。
【0050】
一実施形態では、層11は、合わせ面14の少なくとも一部分に結合可能である。層21は、合わせ面44の少なくとも一部分に結合可能である。カバー40がベースプレート10に取り付けられるとき、層11は層21と重なり合わず、層11と層21との組み合わせは、合わせ面14全体または合わせ面44全体と重なり合う。
【0051】
例えば、層11は合わせ面14の半分に結合可能であり、層21は合わせ面44の半分に結合可能である。カバー40がベースプレート10に取り付けられるとき、層11は層21と重なり合わないが、層11および/または層21の組み合わせは、合わせ面14全体または合わせ面44全体と重なり合う。層11が合わせ面14の任意の適した一部または分割部分または区分に結合可能であり、層21が合わせ面44の任意の適した一部または分割部分または区分に結合可能であることは、認識されるであろう。そのような実施形態では、層11と層21との組み合わせは、合わせ面14全体または合わせ面44全体と重なり合って適切なシーリングを提供することができる。
【0052】
一実施形態では、層11、21は、ガラス、グラファイト、炭化ケイ素(SiC)、セラミック、または任意の他の適した材料で形成された結合層とすることができる。層11は厚さTを有する。層21は厚さTを有する。一実施形態では、厚さT、Tのそれぞれは、約50ミクロンの最小厚さを有することができる。最小厚さが層の取り扱いを容易にする助けとなり得ることは認識されるであろう。厚さT、Tのそれぞれは、約1ミリメートルの最大厚さを有することができる。最大厚さが、層の製造を容易にする助けとなり、かつ層の均一な厚さを維持することができることは、認識されるであろう。厚さT、Tのそれぞれは、約0.2ミクロン未満の粗さ平均(Ra)の粗さを有することができる。その粗さが、摩耗性能を改善し、潜在的な粒子を低減させ、シーリング性能を改善し、および/または適切な摩擦係数を維持することができることは、認識されるであろう。厚さT、Tのそれぞれは、約+/-5ミクロン未満の厚さ均一性を有することができる。この厚さ均一性が、適切な表面平坦性を助長させ、および/またはシーリング性能を改善することができることは、認識されるであろう。
【0053】
それぞれの層11、21は、このコーティングされた合わせ面14、44の全長に沿って広がり得る。例えば、層11は、合わせ面14について、同様に上述されかつ図2に示されるように、ベースプレート10の周囲全体に沿って広がることができる。
【0054】
図4に戻ると、ベースプレート10のそれぞれのコーティングされた合わせ面14に沿って、層11はベースプレート10の重なり面18を提供する。カバー40のそれぞれのコーティングされた合わせ面44に沿って、層21はカバー40の重なり面48を提供する。それ故に、ベースプレート10上に設置されたときのカバー40は、重なり面18、48のうちの1つまたは複数を介してベースプレート10にのみ接触する。
【0055】
一実施形態では、層11、21は、層11、21と、対応するコーティングされた合わせ面14、44との間の結合材を必要とすることなく、加熱結合、加圧結合(例えば、感圧接着剤など)、磁気結合、機械的結合(例えば、機械的連動など)、化学線硬化型接着剤、光硬化型接着剤、または任意の他の適した結合プロセスによって、コーティングされた合わせ面14、44に結合可能である。
【0056】
一実施形態では、層11、21は、層11、21とコーティングされた合わせ面14、44との間に結合材(図示せず)を施すことによって、各々のコーティングされた合わせ面14、44に結合可能である。結合材は、層11、21をコーティングされた合わせ面14、44に結合するように構成された層とすることができる。一実施形態では、結合材は、接着剤または任意の他の適した材料とすることができる。一実施形態では、結合材は、エポキシ樹脂、感圧接着剤、または任意の他の適した材料とすることができる。
【0057】
層11、21をコーティングされたベースプレート10および/またはコーティングされたカバー40に結合することによって、ベースプレート10および/またはカバー40にいずれの第2の研磨、めっき、またはコーティングも実施しないで済ませることを可能にし得ることは、認識されるであろう。層11、21は、コーティングされたベースプレート10および/またはコーティングされたカバー40よりも一貫した表面品質を有することができ、かつコーティングされたベースプレート10および/またはコーティングされたカバー40の損耗を低減させることができる。層11、21は、予め製造され、薄く、平坦で、固体であり、および/または滑らかである可能性があり、例えば、耐摩耗性材料で形成され得る。結合層のより滑らかな表面(例えば、重なり面18、48)によって、耐摩耗性が良好になり得ることは、認識されるであろう。層11、21をコーティングされたベースプレート10および/またはコーティングされたカバー40に結合することは、外観上の問題を制御するのに役立つおよび/または歩留まり損失を低減させる可能性がある。(ベースプレート10および/またはカバー40に結合される)層11、21の性質によって、層の取り扱いの容易さの保証、層の製造の容易さの保証、層の均一な厚さの維持、摩耗性の改善、潜在的な粒子の低減、適切な摩擦係数の維持、適切な表面平坦性の保証、および/またはシーリング性能の改善がなされ得る。
【0058】
図5は、一実施形態による、レチクルポッド200の斜視図(prospective view)である。レチクルポッド200は、内側ポッド210および外側ポッド220を含む。例えば、レチクルポッド200は、限定はされないが、フォトリソグラフィーマスクのEUV加工などのためのレチクルポッドなどとすることができる。一実施形態では、内側ポッド210は、約8インチの長さおよび約8インチの幅を有する。
【0059】
内側ポッド210は、カバー212およびベースプレート214を含む。カバー212およびベースプレート214は共に接合されるように構成される。カバー212およびベースプレート214は、共に接合されるとき、レチクル230を収容するようにサイズ合わせされかつ成形された内部空間を画定する。例えば、レチクル230は、限定はされないが、EUV加工などに使用されることになるフォトリソグラフィーマスクとすることができる。いくつかの実施形態では、カバー212およびベースプレート214のうちの少なくとも1つは、図1A図4におけるベースプレート10およびカバー40について上に同様に論じたように、1つまたは複数の結合層216を含む。いくつかの実施形態では、カバー212およびベースプレート214はそれぞれ、(図5ではカバー212について不明瞭である)結合層216のうちの少なくとも1つを含む。カバー212は、例えば、上述されかつ図1A図1B、および図3に示されるカバー40とすることができる。ベースプレート214は、例えば、上述されかつ図1A図1B、および図2に示されるベースプレート10とすることができる。
【0060】
外側ポッド220は外側ポッドドーム222および外側ポッドドア224を含む。外側ポッド220は、外側ポッドドーム222および外側ポッドドア224によって画定される内部空間内に内側ポッド210を収納するように構成される。外側ポッドドーム222は、例えば、レチクルポッド200の搬送および取り扱い中に、内部空間を囲みかつ内側ポッド210を収容するように外側ポッドドア224に固定され得る。外側ポッドドーム222および外側ポッドドア224はそれぞれ、1つまたは複数のポリマー材料または任意の他の適した材料を含むことができる、または全体がこれらで作られ得る。
【0061】
図6は、一実施形態による、レチクルポッドを製作する方法600のフローチャートである。例えば、方法600は、上述されかつ図5におけるレチクルポッド200を形成することができる、または上述されかつ図1A図4におけるレチクルポッド用のベースプレート10およびカバー40のうちの1つまたは両方を形成することができる。一実施形態では、レチクルポッドはEUVレチクルポッドである。
【0062】
動作または加工フローチャート600は、1つまたは複数のブロック610、620、630、640、および650によって示される1つまたは複数の動作、作用、または機能を含むことができる。別個のブロックとして示されるが、さまざまなブロックが、所望の実装形態に応じて、付加的なブロックに分割され、より少ないブロックに組み合わせられ、または削除され得る。方法600は、ブロック610またはブロック620のどちらかで開始可能である。ブロック610がブロック620より前に行われる可能性がありまたはその逆も可能であることは、認識されるであろう。
【0063】
610において、結合層(例えば、層11および/または層21)が準備される、提供される、および/または製造される。620において、ベースプレート(例えば、ベースプレート10、ベースプレート214)、カバー(例えば、カバー40、カバー212)、および/または合わせ面(例えば、合わせ面14および44)を含むレチクルポッドが提供される。一実施形態では、620は、ベースプレートおよびカバーのうちの1つまたはこの両方を形成することを含むことができる。620において、1つまたは複数の合わせ面(例えば、合わせ面14、合わせ面44、合わせ面216)は、ベースプレートのベースプレート本体(例えば、ベースプレート本体16)およびカバーのカバー本体(例えば、カバー本体46)のうちの少なくとも1つの上に形成される。1つまたは複数の合わせ面は、例えば、ベースプレートとカバーとの間にシーリングを提供するように構成される。620において、レチクルポッドは、例えば、クロムコーティング、ニッケルコーティング、プラズマコーティング、または任意の他の適したコーティングによってコーティングされる。方法600はその後、630に進む。
【0064】
630において、結合層11、21は、レチクルポッドに結合可能である。一実施形態では、層11のみがベースプレート10のコーティングされた合わせ面14に結合される。一実施形態では、層21のみがカバー40のコーティングされた合わせ面44に結合される。一実施形態では、層11はベースプレート10のコーティングされた合わせ面14に結合され、層21はカバー40のコーティングされた合わせ面44に結合される。方法600はその後、640または650のどちらかに進む。
【0065】
640において、結合層11、21をコーティングされた合わせ面14、44に結合するために、結合層11、21とコーティングされた合わせ面14、44との間に結合材が施され得る。結合材は、接着剤、エポキシ樹脂、または結合層11、21をコーティングされた合わせ面14、44に結合可能である任意の他の適した材料とすることができる。
【0066】
650において、層11、21とコーティングされた合わせ面14、44との間の結合材を必要とすることのない、加熱結合、加圧結合、磁気結合、機械的結合、および/または任意の他の適した結合プロセスが施されて、結合層11、21をコーティングされた合わせ面14、44に結合することができる。
【0067】
さまざまな実施形態における方法600が、図1A図4におけるベースプレート10およびカバー40に関して上に論じられたものに類似した特徴を達成するように修正可能であることは、認識されるべきである。例えば、一実施形態における方法600は、ベースプレートの周囲全体に沿って広がるように1つまたは複数の合わせ面を形成することができる。
【0068】
本明細書に開示された実施形態は、レチクルポッドの摩耗性を改善することができるため、レチクルポッドの寿命および/または歩留まりを改善することができる。記載された特徴は、欠陥(例えば、経時的に通常より早く摩耗させ得る隆起部)および/または凹凸および/または不整合性を軽減し得る。
【0069】
態様:
態様1~17のいずれかは、態様18~22のいずれかと組み合わせ可能である。
【0070】
態様1.レチクルポッドを備える装置であって、レチクルポッドは、第1の表面を有するベースプレートであって、第1の表面は第1の合わせ面を含む、ベースプレートと、第2の表面を有するカバーであって、第2の表面は第2の合わせ面を含む、カバーと、第1の合わせ面または第2の合わせ面に結合される結合層と、を有し、第1の表面および第2の表面は、カバーがベースプレートに取り付けられるとき、第1の合わせ面および第2の合わせ面で重なり合う、装置。
【0071】
態様2.レチクルポッドは極端紫外線(EUV)レチクルポッドであり、ベースプレートおよびカバーは、カバーがベースプレートに取り付けられるとき、レチクルを収納するように構成されている、態様1の装置。
【0072】
態様3.外側ポッドドームおよび外側ポッドドアをさらに備え、外側ポッドドームおよび外側ポッドドアは、外側ポッドドアが外側ポッドドームに取り付けられるとき、外側ポッドドーム内にベースプレートおよびカバーを収納するように構成されている、態様1または態様2の装置。
【0073】
態様4.結合層の材料は、ガラス、グラファイト、炭化ケイ素、またはセラミックである、態様1~3のいずれか1つの装置。
【0074】
態様5.第1の合わせ面または第2の合わせ面に結合層を結合するように構成される結合材をさらに含む、態様1~4のいずれか1つの装置。
【0075】
態様6.結合材は接着剤である、態様5の装置。
【0076】
態様7.結合材はエポキシ樹脂である、態様5の装置。
【0077】
態様8.結合層は、磁気結合および加熱結合によって、第1の合わせ面または第2の合わせ面に結合されている、態様1~7のいずれか1つの装置。
【0078】
態様9.ベースプレートおよびカバーは基板を含む、態様1~8のいずれか1つの装置。
【0079】
態様10.基板はコーティング材料でコーティングされている、態様9の装置。
【0080】
態様11.結合層はコーティング材料に結合されている、態様10の装置。
【0081】
態様12.結合層は、約50ミクロンの所定の最小厚さを有する、態様1~11のいずれか1つの装置。
【0082】
態様13.結合層は、約1ミリメートルの所定の最大厚さを有する、態様1~12のいずれか1つの装置。
【0083】
態様14.結合層は、約0.2ミクロン未満の粗さ平均の所定の粗さを有する、態様1~13のいずれか1つの装置。
【0084】
態様15.結合層は、約+/-5ミクロン未満の所定の厚さ均一性を有する、態様1~14のいずれか1つの装置。
【0085】
態様16.結合層は第1の結合層であり、第1の合わせ面に結合され、第2の合わせ面に結合される第2の結合層をさらに含み、カバーがベースプレートに取り付けられるとき、第1の結合層は第2の結合層と重なり合わない、態様1~15のいずれか1つの装置。
【0086】
態様17.第1の結合層は第1の合わせ面の半分に結合され、第2の結合層は第2の合わせ面の半分に結合されている、態様16の装置。
【0087】
態様18.レチクルポッドを製作する方法であって、レチクルポッドはベースプレートおよびカバーを含み、ベースプレートは第1の表面を有し、第1の表面は第1の合わせ面を含み、カバーは第2の表面を有し、第2の表面は第2の合わせ面を含み、方法は、第1の合わせ面および第2の合わせ面のうちの1つまたは複数に少なくとも1つの層を結合することを含む、方法。
【0088】
態様19.ベースプレートおよびカバーの基板にコーティング材料をコーティングすることをさらに含み、コーティングは結合の前に行われる、態様18の方法。
【0089】
態様20.第1の合わせ面および第2の合わせ面のうちの1つまたは複数に少なくとも1つの層を結合することは、第1の合わせ面および第2の合わせ面のうちの1つまたは複数に少なくとも1つの層を結合するための結合材を施すことを含む、態様18または態様19の方法。
【0090】
態様21.第1の合わせ面および第2の合わせ面のうちの1つまたは複数に少なくとも1つの層を結合することは、第1の合わせ面および第2の合わせ面のうちの1つまたは複数に少なくとも1つの層を磁気結合または加熱結合することを含む、態様18~20のいずれか1つの方法。
【0091】
態様22.少なくとも1つの層の材料は、ガラス、グラファイト、炭化ケイ素、またはセラミックである、態様18~21のいずれか1つの方法。
【0092】
本出願において開示された例は、あらゆる点で、限定するものではなく例示としてのみ考慮されるものとする。本発明の範囲は、前述の説明ではなく添付の特許請求の範囲によって示されるものであり、特許請求の範囲の等価性の意味および範囲内で生じる全ての変更はそれらの範囲内に包含されることが意図される。
【0093】
本明細書において使用される専門用語は、特定の実施形態を説明することを意図するものであり、限定的であることを意図するものではない。用語「a」、「an」、および「the」は、別段明確に指示されていない限り、複数形も同様に含む。用語「comprises(備える)」および/または「comprising(備える)」は、本明細書で使用されるとき、述べられた特徴、整数、工程、動作、要素、および/または構成要素の存在を指定するが、1つまたは複数の他の特徴、整数、工程、動作、要素、および/または構成要素の存在または追加を除外しない。
【0094】
上記の説明に関して、本開示の範囲から逸脱することなく、特に、用いられる構成材料、ならびに部品の形状、サイズ、および配置に関して、詳細な変更がなされ得ることは理解されたい。本明細書および説明した実施形態は例示的なものに過ぎず、本開示の真の範囲および趣旨は、添付の特許請求の範囲によって示される。
図1A
図1B
図2
図3
図4
図5
図6
【手続補正書】
【提出日】2024-02-28
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
レチクルポッドを備える装置であって、前記レチクルポッドは、
第1の表面を有するベースプレートであって、前記第1の表面は第1の合わせ面を含む、ベースプレートと、
第2の表面を有するカバーであって、前記第2の表面は第2の合わせ面を含む、カバーと、
前記第1の合わせ面および前記第2の合わせ面のうちの1つに結合される結合層と、を有し、
前記第1の表面および前記第2の表面は、前記カバーが前記ベースプレートに取り付けられるとき、前記第1の合わせ面および前記第2の合わせ面で重なり合う、装置。
【請求項2】
外側ポッドドームおよび外側ポッドドアをさらに備え、前記外側ポッドドームおよび前記外側ポッドドアは、前記外側ポッドドアが前記外側ポッドドームに取り付けられるとき、前記外側ポッドドーム内に前記ベースプレートおよび前記カバーを収納するように構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記第1の合わせ面または前記第2の合わせ面に前記結合層を結合するように構成される結合材をさらに含む、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
レチクルポッドを製作する方法であって、前記レチクルポッドはベースプレートおよびカバーを含み、前記ベースプレートは第1の表面を有し、前記第1の表面は第1の合わせ面を含み、前記カバーは第2の表面を有し、前記第2の表面は第2の合わせ面を含み、前記方法は、
前記第1の合わせ面および前記第2の合わせ面のうちの1つまたは複数に少なくとも1つの層を結合することを含む、方法。
【請求項5】
前記ベースプレートおよび前記カバーの基板にコーティング材料をコーティングすることをさらに含み、
コーティングは結合の前に行われる、請求項に記載の方法。
【国際調査報告】