(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-28
(54)【発明の名称】ポリ乳酸重合体の製造方法
(51)【国際特許分類】
C08G 63/08 20060101AFI20240621BHJP
C08L 101/16 20060101ALI20240621BHJP
【FI】
C08G63/08
C08L101/16
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023578825
(86)(22)【出願日】2022-07-04
(85)【翻訳文提出日】2023-12-20
(86)【国際出願番号】 KR2022009617
(87)【国際公開番号】W WO2023282562
(87)【国際公開日】2023-01-12
(31)【優先権主張番号】10-2021-0087959
(32)【優先日】2021-07-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500239823
【氏名又は名称】エルジー・ケム・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100122161
【氏名又は名称】渡部 崇
(72)【発明者】
【氏名】ウォン・ヒ・ウ
(72)【発明者】
【氏名】ワン・キュ・オ
(72)【発明者】
【氏名】ユジン・アン
【テーマコード(参考)】
4J029
4J200
【Fターム(参考)】
4J029AA02
4J029AB04
4J029AC01
4J029AD01
4J029AE01
4J029EH03
4J029JA251
4J029JF371
4J029KB25
4J029KD02
4J029KE05
4J029KE08
4J200AA10
4J200BA14
4J200EA04
4J200EA17
(57)【要約】
本発明は、ポリ乳酸重合体の製造方法に関するものであって、具体的にラクチド開環重合反応で、特定の触媒を用いて目的とする高分子量を有するポリ乳酸重合体を製造する方法に関するものである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
SnHPO
3触媒の存在下で、ラクチドを開環重合してポリ乳酸重合体を製造するステップを含み、
下記数学式1で定義される重量平均分子量の変化率が正の値を有する、
ポリ乳酸重合体の製造方法。
[数学式1]
重量平均分子量の変化率=(M
(t+30)-M
(t))/M
(t)*100(%)
M
(t)は、温度t℃で開環重合反応により製造されるポリ乳酸重合体の重量平均分子量であり、
M
(t+30)は、温度t+30℃で開環重合反応により製造されるポリ乳酸重合体の重量平均分子量であり、
tは、150℃ないし250℃である。
【請求項2】
前記数学式1で定義される重量平均分子量の変化率が10%ないし80%である、請求項1に記載のポリ乳酸重合体の製造方法。
【請求項3】
前記開環重合は、150℃ないし240℃で行う、請求項1に記載のポリ乳酸重合体の製造方法。
【請求項4】
前記SnHPO
3触媒は、ラクチドに対して、100ppmmolないし1,000ppmmolで含まれる、請求項1に記載のポリ乳酸重合体の製造方法。
【請求項5】
前記ラクチドおよびSnHPO
3触媒は、それぞれ独立して、50℃ないし70℃および7mbarないし10mbarで1時間ないし3時間の間前処理する、
請求項1に記載のポリ乳酸重合体の製造方法。
【請求項6】
前記ポリ乳酸重合体は、重量平均分子量が20,000ないし50,000である、請求項1に記載のポリ乳酸重合体の製造方法。
【請求項7】
前記ポリ乳酸重合体は、数平均分子量が18,000ないし33,000である、請求項1に記載のポリ乳酸重合体の製造方法。
【請求項8】
前記ポリ乳酸重合体は、PDIが1.18ないし1.5である、請求項1に記載のポリ乳酸重合体の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリ乳酸重合体の製造方法に関するものであって、具体的にラクチド開環重合反応で特定の触媒を用いて目的とする高分子量を有するポリ乳酸重合体を製造する方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ポリ乳酸(PLA;polylactic acid)は、トウモロコシなどの植物から得られる植物由来の樹脂であって、生分解性特性を有しかつ引張強度および弾性率にも優れた親環境素材として注目を集めている。
【0003】
従来使用されているポリスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリエチレンなどの石油系樹脂とは異なり、ポリ乳酸には石油資源の枯渇防止、炭酸ガスの排出抑制などの効果があるので、石油系プラスチック製品のデメリットである環境汚染を減らすことができる。したがって、廃プラスチックなどによる環境汚染問題が社会問題として浮上するにつれて、食品包装材および容器、電子製品ケースなど一般のプラスチック(石油系樹脂)が使用された製品分野まで適用範囲を拡大しようと努力している。
【0004】
一方、ポリ乳酸は、微生物発酵によって生産された乳酸を重合して製造されているが、乳酸の直接重合によっては低い分子量の重合体だけが生成される。高分子量のポリ乳酸を合成するためには、乳酸の直接重合で得られた低い分子量のポリ乳酸から鎖カップリング剤(chain coupling agent)を用いてより分子量の大きいポリ乳酸に重合する方法があるが、工程が複雑で、カップリング剤と有機溶媒が共に使用され、これらの除去が容易ではないというデメリットがある。
【0005】
現在、商用化されている高分子量のポリ乳酸の生産工程は、乳酸をラクチド(lactide)に転換し、ラクチドリングの開環反応を通じてポリ乳酸を合成する化学合成方法が使用されている。ただし、この場合でも、商用化に適した程度の高分子量の達成が難しいという問題がある。
【0006】
通常、高分子量化の達成のために使用されるSn(Oct)2の触媒の場合、液体触媒で粘度が高く正確な計量が難しく、酸素および水分に脆弱で触媒自体の安定性が低いという問題があった。特に、Sn(Oct)2触媒は高温で急速に分解され、これにより製造される樹脂の色に悪影響を与え、経済性も低下するという問題があった。
【0007】
そこで、優れた物性を有するとともに、多様な産業に適用できるように高分子量化が容易なポリ乳酸重合体の製造方法に関する開発が必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、ラクチド開環重合反応で、特定の触媒を用いて、重合温度変化による重合体の分子量変化率を特定の範囲で制御することによって、目的とする程度の高分子量を有するポリ乳酸重合体を製造する方法を提供する。
【0009】
また、高温の重合反応条件下でも優れた安定性を示す触媒を用いることによって、反応完了後に触媒の除去および再使用が容易で経済性に優れ、触媒分解による重合体の物性変化の問題を発生させないポリ乳酸重合体を製造する方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記課題を解決するために、本発明は、下記のステップを含むポリ乳酸重合体の製造方法を提供する。
【0011】
まず、SnHPO3触媒の存在下で、ラクチドを開環重合してポリ乳酸重合体を製造するステップを含み、
下記数学式1で定義される重量平均分子量の変化率が正の値を有する。
[数学式1]
重量平均分子量の変化率=(M(t+30)-M(t))/M(t)*100(%)
ここで、M(t)は、温度t℃で開環重合反応により製造されるポリ乳酸重合体の重量平均分子量であり、
M(t+30)は、温度t+30℃で開環重合反応により製造されるポリ乳酸重合体の重量平均分子量であり、
tは、150℃ないし250℃である。
【0012】
本明細書全体において、特に言及しない限り「含む」または「含有」というのは、ある構成要素(または、構成成分)を特別な制限なく含むことを称し、他の構成要素(または、構成成分)の付加を除外するものと解釈されてはならない。
【0013】
(ポリ乳酸重合体の製造方法)
現在、商用化されているポリ乳酸の生産工程は、ラクチド環の開環反応を通じてポリ乳酸を合成する化学合成方法が使用されている。ただし、商用化に適した程度の高分子量の達成が難しいという問題があり、特に、高分子量化の達成のために使用されるSn(Oct)2触媒の場合、液体触媒で粘度が高く正確な計量が難しく、酸素および水分に脆弱で触媒自体の安定性が低いという問題があった。特に、Sn(Oct)2触媒は高温で急速に分解され、これにより製造される樹脂の色に悪影響を与え、経済性も低下するという問題があった。
【0014】
そこで、本発明者等は、乳酸オリゴマーの開環重合反応で、高温安定性に優れたSnHPO3触媒を用い、反応条件を制御することによって、高温の条件下でも触媒活性が低下せず、高分子量を有するポリ乳酸重合体を容易に製造できることを確認し、本発明を完成した。さらに、前記触媒は、反応完了後に触媒の除去および再使用が容易で経済性に優れる。
【0015】
本発明の一具現例によると、SnHPO3触媒の存在下で、ラクチド(lactide)を開環重合(Ring Opening Polymerization)してポリ乳酸重合体を製造するステップを含む。
【0016】
前記SnHPO3触媒は、Tin(II) Phosphiteであり、亜リン酸陰イオン(P03
-)のスズ(Sn)塩である。前記SnHPO3触媒は、ラクチドの開環重合反応に求められる高温条件下でも分解されないため、反応完了後に触媒の除去および再使用が容易で経済性に優れる。また、前記SnHPO3触媒は、固体パウダー型の不均一(heterogeneous)触媒であり、使用が便利である。
【0017】
前記SnHPO3触媒は、ラクチドに対して、100ppmmolないし1,000ppmmolで含んでもいてもよく。好ましくは、150ppmmolないし900ppmmol、300ppmmolないし700ppmmol、500ppmmolないし700ppmmolで含んでもいてもよい。前記の範囲で開環重合を促進すると同時に副産物の生成を抑制することができる。
【0018】
前記開環重合は、好ましくは、150℃以上、150℃ないし250℃または150℃ないし240℃で行われてもよい。前記温度範囲でSnHPO3触媒を用いても、触媒の活性変化なく重合反応を容易に行うことができる。また、前記温度範囲で開環重合を行うことによって、目的とする程度の高分子量を有するポリ乳酸重合体の形成が容易であり、副産物の発生を最少化することができる。また、SnHPO3触媒が分解されることなく、重合体の色変化なく目的とする程度の高分子量を有するポリ乳酸重合体を容易に製造することができる。一方、前記反応温度が150℃未満の場合、開環重合の活性が低くなることがある。
【0019】
さらに好ましくは、前記開環重合は、160℃以上、170℃以上、180℃以上または240℃下で行われてもよい。前記範囲で前述の問題なく目的とする高分子量を有するポリ乳酸重合体を容易に製造することができる。
【0020】
前記開環重合反応は、SnHPO3触媒下で行われ、特に、下記数学式1で定義される重量平均分子量の変化率が正の値を有する。
[数学式1]
重量平均分子量の変化率=(M(t+30)-M(t))/M(t)*100(%)
M(t)は、温度t℃で開環重合反応により製造されるポリ乳酸重合体の重量平均分子量であり、
M(t+30)は、温度t+30℃で開環重合反応により製造されるポリ乳酸重合体の重量平均分子量であり、
tは、150℃ないし250℃である。
【0021】
前記変化率は、開環重合反応温度を30℃増加させることによって製造されるポリ乳酸の重量平均分子量の変化率であり、前記変化率は、高温で触媒の分解程度を説明する指標として解釈することができる。前記変化率が正の値を有するとは、重合反応温度の増加による重合体の重量平均分子量が増加するということを意味する。理論的には、0%超過を意味するが、実際には約1%以上、約3%以上または約5%以上を意味することができる。
【0022】
従来、開環重合に使用されていたSn(Oct)2の場合、開環反応の高温の重合温度内で触媒が分解されるようになるので、重合体の重量平均分子量が減少して目的とする高分子量化を具現し難いという問題点があった。そこで、本願発明に係る開環重合反応は、前記のように重量平均分子量の変化率が正の値を有することで、このような問題を解決した。
【0023】
好ましくは、前記重量平均分子量の変化率は、10%ないし80%であってもよく、20%ないし70%または40%ないし60%であってもよい。前記範囲内で、高温で重合反応が行われる場合でも、触媒の分解なく優れた高分子量化を具現するのに適しており、触媒の再活用が可能であるため経済的である。
【0024】
前記重合体の重量平均分子量の測定は、後述する実験例の内容でより詳細に説明することにする。
【0025】
一方、必要に応じて前記開環重合前に、重合反応器をinert conditionに置換し、具体的に、反応器の締結後、vacuum-argon purgeを約3回行って反応器の内部をinert conditionに置換してもよい。
【0026】
また、必要に応じて前記開環重合前にラクチドおよびSnHPO3触媒は、それぞれ独立して、50℃ないし70℃および7mbarないし10mbarで1時間ないし3時間の間前処理するステップを行ってもよい。前記前処理ステップを通じてラクチドおよびSnHPO3触媒内部の酸素、水分、不純物などを除去することができる。
【0027】
(ポリ乳酸重合体)
発明の一具現例によると、前述の製造方法によって製造される、ポリ乳酸共重合体を提供する。
【0028】
前記ポリ乳酸重合体の重量平均分子量(Mw)は、20,000ないし50,000であってもよく、好ましくは、30,000ないし50,000であってもよい。
【0029】
前記ポリ乳酸重合体の数平均分子量(Mn)は、18,000ないし33,000であってもよく、好ましくは、25,000ないし33,000であってもよい。
【0030】
前記ポリ乳酸重合体の多分散指数(PDI)は、1.18ないし1.5であってもよく、好ましくは、1.2ないし1.5であってもよい。
【0031】
前記ポリ乳酸重合体のY.I.(yellow index)は、13ないし33であり、好ましくは13ないし31、または13.3ないし30.3である。
【0032】
前記重量平均分子量、数平均分子量、多分散指数およびY.I.の測定方法は、後述する実験例の内容で詳細に説明することにする。
【0033】
(物品)
また、本発明の他の一具現例によると、前記ポリ乳酸重合体を含む物品を提供する。
【発明の効果】
【0034】
前述のように、本発明に係るポリ乳酸重合体の製造方法は、ラクチドの開環重合反応で、特定の触媒を用いて、重合温度変化による重合体の分子量変化率を特定の範囲で制御することによって、目的とする程度の高分子量を有するポリ乳酸重合体を製造する方法を提供する。
【0035】
また、高温の重合反応条件下でも優れた安定性を示す触媒を用いることによって、反応完了後に触媒の除去および再使用が容易で経済性に優れ、触媒分解による重合体の物性変化の問題を発生させないポリ乳酸重合体を製造することができる。
【0036】
また、前記方法によって製造されるポリ乳酸重合体は高分子量を有し、色変化安定性に優れる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【
図1】
図1は、製造例1で得られたパウダー型SnHPO
3触媒のXRD分析結果を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下、本発明の具現例を下記の実施例でより詳細に説明する。ただし、下記の実施例は、本発明の具現例を例示するものであるだけで、本発明の内容が下記の実施例によって限定されるものではない。
【実施例】
【0039】
<製造例>
製造例1-SnHPO3、Tin(II) phosphite触媒合成
Oil bathに3-neck round flaskを用意し、前記フラスコにPhosphorous acid(H3PO3)10gを投入し、窒素置換条件下でRefluxしながら74℃まで昇温させて溶かした。この後、前記フラスコを180℃まで昇温させながらTin(II) oxide9.5gを5~10回に分けて投入して溶かした。
【0040】
フラスコ内の粘性の混合物が透明になると、Oil bathをオフにして温度を常温(24±1℃)までゆっくり下げる。前記フラスコに水を添加すると固体が析出される。5±2℃のmethanolおよび5±2℃のwaterで洗浄して残存するH
3PO
3を除去し、vacuum乾燥して固体パウダー型の触媒を得た。以降、得られたパウダー型触媒のXRD分析を行い、その結果を
図1に示した。
【0041】
XRDパターン上、Tin oxideのpeakが存在せず、これにより、触媒が合成されたことを確認した。PLA触媒SnHPO3単一相が観察され、合成に使用されたTin oxideおよびH3PO3結晶相は観察されなかった。SnHPO3触媒の結晶粒の大きさは、ほぼ150~165nmである。
【0042】
<実施例および比較例>
実施例1
0.5L lab-scale硝子反応器をsettingした後、overnightの間、Ar状態を維持しながら反応器の内部をArに置き換えた。500mL beakerにViton O-ringを取り付けた後、ラクチドをbeakerのlevelを基準に30~40%程度(約170g)投入した。反応器の締結後、ダイヤフラムポンプおよび真空コントローラーを用いて10mbarで1分間維持しながらleakテストを行う。この後、schlenk lineを用いて、vacuum-argon purgeを約3回行って反応器の内部をinert conditionに置き換える。最終的にはAr状態に置き換えた。
【0043】
触媒投入口(septum)を開け、製造例1のSnHPO3のpowder触媒500ppmmol(Lactideの投入量に対する換算)(約120mg)をweighingして投入した。Schlenk lineを用いて、vacuum条件で約2時間60℃に加熱(下部マントル60℃)して不純物を除去した。反応器をArに置き換えた後、240℃(下部マントル240℃、上部マントル240℃)に昇温させた。反応温度が240℃に到達した以降から3hの間反応を行い、ポリ乳酸重合体を製造した。
【0044】
実施例2
実施例1において、重合反応温度を210℃で行ったことを除いては、実施例1と同一の方法でポリ乳酸重合体を製造した。
【0045】
実施例3
実施例1において、重合反応温度を180℃で行ったことを除いては、実施例1と同一の方法でポリ乳酸重合体を製造した。
【0046】
比較例1ないし3
実施例1ないし3において、SnHPO3触媒の代わりに、Sn(Oct)2触媒を50ppmmol含有量で用いたことを除いては、実施例1ないし3と同一の方法でポリ乳酸重合体を製造した。
【0047】
<実験例>
前記実施例および比較例で製造した共重合体に対して、下記のようにその特性を評価した。
【0048】
1)分子量特性評価
前記実施例および比較例で製造される重合体に対して、ゲル透過クロマトグラフィー(GPC:gel permeation chromatography、Tosoh ECO SEC Elite)で重量平均分子量、数平均分子量、多分散指数を測定し、その結果を表1に示した。
溶媒:chloroform(eluent)
流速:1.0ml/min
コラム温度:40℃
Standard:Polystyrene(3次関数で補正)
【0049】
2)色変化特性評価
前記実施例および比較例で製造される重合体に対して、2軸押出機でペレット試片を製造し、製造された試片に対して、ASTM E 313[D65/10]に基づいて、Y.I.(Yellow Index)を測定し、その結果を表1に示した。
【0050】
【0051】
前記表1で確認できるように、実施例1ないし3の場合、開環重合反応温度の増加により合成される重合体の重量平均分子量が増加することが確認できた。これにより、高温で重合反応を行ってもSnHPO3触媒が分解されることなく優れた活性を示すことが確認できた。
【0052】
一方、比較例1ないし3の場合、開環重合反応温度の増加により合成される重合体の重量平均分子量が減少し、これにより触媒が分解され、高温での活性が顕著に低下することが確認できた。
【0053】
また、180℃で重合された比較例3の場合、同一の温度で重合された実施例3と類似の程度のY.I.値を有するが、比較例2および1をみると、重合温度が210℃、240℃に増加するほど重合体のY.I.値が実施例に対して顕著に増加することが確認できた。
【国際調査報告】