(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-28
(54)【発明の名称】半導体製造に関連する変動源をデカップリングするための方法
(51)【国際特許分類】
G03F 7/20 20060101AFI20240621BHJP
【FI】
G03F7/20 521
G03F7/20 501
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023579667
(86)(22)【出願日】2022-06-02
(85)【翻訳文提出日】2024-02-26
(86)【国際出願番号】 EP2022065027
(87)【国際公開番号】W WO2023280486
(87)【国際公開日】2023-01-12
(32)【優先日】2021-07-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】504151804
【氏名又は名称】エーエスエムエル ネザーランズ ビー.ブイ.
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】フリーマン,ジル,エリサベス
(72)【発明者】
【氏名】ジェイン,ヴィヴェック,クマール
(72)【発明者】
【氏名】パオ,クオ-フェン
(72)【発明者】
【氏名】テル,ウィン,テジッボ
【テーマコード(参考)】
2H197
【Fターム(参考)】
2H197BA10
2H197CA03
2H197CA06
2H197CA09
2H197CA10
2H197CC05
2H197DA02
2H197DB06
2H197DB11
2H197HA03
2H197HA05
2H197HA10
2H197JA22
2H197JA23
(57)【要約】
本明細書では、半導体製造における経時的なプロセスドリフト又は外れ値ウェーハを決定するための方法が説明される。方法は、経時的な半導体プロセスの性能を特徴付ける重要業績評価指標(KPI)のばらつき(例えば、LCDU)及び半導体プロセスと関連付けられた因子セットと関連付けられたデータを得ることを伴う。KPIのモデル及びデータは、KPIのばらつきに対する第1の因子セットの寄与を決定するために使用され、第1の因子セットは、統計的な閾値を超える。残差KPIのばらつきを得るために、KPIのばらつきに対する第1の因子セットからの寄与がモデルから除去される。残差KPIのばらつきに基づいて、残差閾値を超える残差値が決定される。残差値は、半導体プロセスにおける経時的なプロセスドリフト又は特定の時間における残差値に対応する外れ値基板を示す。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
命令が記録された非一時的なコンピュータ可読媒体であって、前記命令が、1つ又は複数のプロセッサによって実行されると、半導体製造における経時的なプロセスドリフトを決定するための方法を実施し、前記方法が、
経時的な半導体プロセスの性能を特徴付ける重要業績評価指標(KPI)のばらつき及び前記半導体プロセスと関連付けられた因子セットと関連付けられたデータを得ることと、
前記KPIのモデルを使用して及び前記モデルへの入力として前記データを使用して、前記KPIのばらつきに対する第1の因子セットの寄与を決定することであって、前記第1の因子セットが、統計的な閾値を超える、決定することと、
残差KPIのばらつきを得るために、前記KPIのばらつきに対する前記第1の因子セットからの前記寄与を除去することと、
前記残差KPIのばらつきに基づいて、残差閾値を超える残差値を決定することであって、前記残差値が、前記半導体プロセスにおける経時的なプロセスドリフト又は特定の時間における前記残差値に対応する外れ値基板を示す、決定することと
を含む、媒体。
【請求項2】
前記第1の因子セットを前記決定することが、
前記半導体製造と関連付けられた前記因子セットに基づいて前記モデルを構成することと、
前記KPIにおける前記ばらつきに対する前記因子セットからの寄与の量を決定するために、前記データに前記モデルを適用することと
を含む、請求項1に記載の媒体。
【請求項3】
前記モデルが、
前記KPIを前記因子セットの関数と残差項に分解するように構成された統計モデル、及び、
前記因子セットに関連する前記データを入力として受信し、前記残差KPIのばらつきを出力として生成するように構成された機械学習モデル
の1つを含む、請求項1に記載の媒体。
【請求項4】
前記第1の因子セットを決定することが、
前記KPIのばらつきに対する前記因子セットの各々の寄与を決定するために、分散分析(ANOVA)又は共分散分析(ANCOVA)技法を前記統計モデルに適用すること
を含む、請求項3に記載の媒体。
【請求項5】
前記KPIが、
パターニングプロセスを介して基板上に結像されたパターンと関連付けられたローカルクリティカルディメンション均一性(LCDU)、
前記パターニングプロセスを介して前記基板上に結像されたパターンと関連付けられたエッジ配置誤差、及び、
前記パターニングプロセスを介して前記基板上に結像された前記パターンと関連付けられたオーバーレイ
の少なくとも1つである、請求項1に記載の媒体。
【請求項6】
前記KPIのばらつきが、複数のリソグラフィ装置、複数のプロセス装置、複数のレチクル、複数のメトロロジツール及び/又は1つ若しくは複数の測定可能なパラメータを使用することによって得られる、請求項1に記載の媒体。
【請求項7】
前記因子セットが、
前記KPIのばらつきに対する前記複数のリソグラフィ装置の寄与を特徴付けるための第1のカテゴリ変数、
前記KPIにおける前記ばらつきに対する前記複数のレチクルの寄与を特徴付けるための第2のカテゴリ変数、
前記KPIのばらつきに対する前記複数のメトロロジツールの寄与を特徴付けるための第3のカテゴリ変数、及び、
前記KPIのばらつきに寄与する測定可能なウェーハパラメータを含む第4の変数
の少なくとも1つを含む、請求項1に記載の媒体。
【請求項8】
前記測定可能なパラメータが、パターンの平均クリティカルディメンション、リソグラフィ装置のドーズ、及び前記リソグラフィ装置の焦点の少なくとも1つを含む、請求項7に記載の媒体。
【請求項9】
前記命令は、
前記残差KPIのばらつきにおけるシステマティクスを検出することと、
検出されたシステマティクスに応答して、前記システマティクスと関連付けられた根本原因を決定することと、
前記KPIのばらつきに対する寄与因子として前記根本原因と関連付けられた因子を含むように前記モデルを調整することと
をさらに含む、請求項1に記載の媒体。
【請求項10】
前記根本原因は、前記残差KPIのばらつきが前記半導体プロセスの下流のプロセスの特性によって生じることを示す、請求項9に記載の媒体。
【請求項11】
前記根本原因は、前記残差KPIのばらつきが前記半導体プロセスの上流のプロセスの特性によって生じることを示す、請求項9に記載の媒体。
【請求項12】
前記システマティクスを前記検出することは、
一定の期間にわたって前記残差KPIのばらつきのレベルにおけるシフトを識別すること
を含む、請求項9に記載の媒体。
【請求項13】
前記システマティクスを前記検出することは、
前記残差KPIのばらつきにおけるシステマティクスを識別するように構成された統計モデルを実行すること
を含む、請求項9に記載の媒体。
【請求項14】
前記命令は、
一定の間隔で又は連続的に、前記半導体プロセスと関連付けられた前記因子セットに関連するデータを捕捉することと、
捕捉された前記データに基づいて前記残差KPIのばらつきを更新することと
をさらに含む、請求項1に記載の媒体。
【請求項15】
前記残差KPIのばらつきが、測定されたKPIにおける信号対雑音比と比較して、より高い信号対雑音比を含む、請求項1に記載の媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001] この出願は、本明細書に参照によりその全体が援用される、2021年7月9日に出願された米国特許出願第63/220,309号の優先権を主張する。
【0002】
[0002] 本開示は、半導体製造プロセスの性能を向上させる方法に関する。本方法は、リソグラフィ装置又はメトロロジ装置に関連して使用されてもよい。
【背景技術】
【0003】
[0003] リソグラフィ装置は、所望のパターンを基板のターゲット部分に転写する機械である。リソグラフィ装置は、例えば、集積回路(IC)の製造において使用することができる。その状況では、代替的にマスク又はレチクルと呼ばれるパターニングデバイスが、ICの個々の層に対応した回路パターンを生成するために使用されてもよく、及びこのパターンは、放射感応性材料(レジスト)の層を有する基板(例えばシリコンウェーハ)上のターゲット部分(例えば、1つ又は幾つかのダイの一部を含む)に結像することができる。一般に、単一の基板は、連続して露光される隣接するターゲット部分のネットワークを含む。既知のリソグラフィ装置は、各ターゲット部分が、パターン全体を1回でターゲット部分に露光させることによって照射される、いわゆるステッパと、ビームを用いてある方向(「スキャン」方向)にパターンをスキャンすると同時に、この方向に対して平行又は逆平行に基板を同期してスキャンすることによって各ターゲット部分が照射される、いわゆるスキャナとを含む。
【0004】
[0004] パターニングデバイスから基板に回路パターンを転写する前に、基板は、プライミング、レジストコーティング、及びソフトベークなどの様々なプロセスを経てもよい。露光後に、基板は、ポストベーク(PEB)、現像、ハードベーク、及び転写された回路パターンの測定/インスペクションなどの他のプロセスを受けてもよい。この多数のプロセスは、デバイス、例えばICデバイスの個々の層を作るための基礎として使用される。基板は、次に、デバイスの個々の層を生産するために、エッチング、イオン注入(ドーピング)、メタライゼーション、酸化、化学機械研磨などの様々なプロセスを経てもよい。デバイスに幾つかの層が必要とされる場合、プロシージャ全体又はそれの異形が、各層に対して繰り返されてもよい。最終的に、基板上の各ターゲット部分にデバイスが存在する。これらのデバイスは、次に、ダイシング又はソーイングなどの技術によって互いに分離され、その結果として、個々のデバイスがキャリア上に取り付けられること、ピンに接続されることなどが可能である。
【0005】
[0005] 従って、半導体デバイスの製造は、一般的に、デバイスの様々なフィーチャ及び複数の層を形成するための多数の製作プロセスを用いて、基板(例えば半導体ウェーハ)を処理することを含む。このような層及びフィーチャは、一般的に、例えば、堆積、リソグラフィ、エッチング、化学機械研磨、及びイオン注入を用いて、製造及び処理される。複数のデバイスが、基板上の複数のダイ上で製作され、その後、個々のデバイスに分離されてもよい。デバイス製造は一般的に、パターニングプロセスを含む。パターニングプロセスは、パターニングデバイス上のパターンを基板に転写するために、リソグラフィ装置においてパターニングデバイス(例えばマスク)を用いる光及び/又はナノインプリントリソグラフィなどのパターニングステップを含み、及び一般的に(但し任意選択的に)、現像装置によるレジスト現像、ベークツールを用いた基板のベーク、エッチング装置を用いたパターンを使用するエッチングなどの1つ又は複数の関連のパターン処理ステップを含む。
【発明の概要】
【0006】
[0006] 半導体製造は、回路のナノスケールのフィーチャを基板上に正確に印刷できるように、製造において使用される1つ又は複数のプロセス及び装置のモニタリング及び制御を伴う。例えば、リソグラフィプロセスでは、経時的なプロセス性能を示す1つ又は複数の重要業績評価指標(KPI)データ(例えば、ローカルクリティカルディメンション均一性(LCDU)、故障率など)を分析することによって、プロセスドリフト若しくはエクスカーション又は外れ値基板を検出し、フラグを付けるために、プロセスや装置がモニタリングされる。これらのKPI(例えば、ローカルCD均一性(LCDU)、故障率など)のモニタリングは、一定の間隔で所定のプロセスを使用して基板に露光し、これらの基板を測定し、KPIデータを計算し、一定の期間にわたってKPIデータにおける傾向をモニタリングすることによって行われる。例えば、大量製造(HVM)設定では、所定のプロセスにおいて、経時的なKPIのばらつきに寄与することが見込まれる複数のツール及びレチクルが採用される場合があり、平均クリティカルディメンション(CD)又はドーズなどの他の測定可能なプロセス雑音も存在し得、これもまた、測定するKPIに影響を及ぼす。これらのばらつきを考慮するため、別個の仕様限度を用いて異なるツール及びレチクルを別々にモニタリングすることができ、フィーチャのCDができる限りターゲットCDに近くなるように、高度なプロセス制御を適用してもよい。
【0007】
[0007] 本開示によれば、本明細書では、KPI関連仕様を満たすものとしてマスキングされている可能性があるプロセスドリフト又は外れ値基板を捕捉するための機構が提供される。本機構は、KPIのばらつきに対する特定の因子セット(ツール及びレチクルなど)からの寄与の分解及びフィルタリングを行い、残差KPIのばらつきをモニタリングする。様々な因子からの寄与を除去することにより、半導体プロセスに関連する経時的な残差KPIのばらつきの信号対雑音比が改善される。次に、信号対雑音比の改善は、有利には、プロセスドリフト又は外れ値基板を時間内に識別する上で役立つ。
【0008】
[0008] 実施形態では、半導体製造における経時的なプロセスドリフト又は外れ値ウェーハを決定するための方法が提供される。方法は、経時的な半導体プロセスの性能を特徴付ける重要業績評価指標(KPI)のばらつき(例えば、LCDU)及び半導体プロセスと関連付けられた因子セットと関連付けられたデータを得ることと、KPIのモデルを使用して及びモデルへの入力としてデータを使用して、KPIのばらつきに対する第1の因子セットの寄与を決定することであって、第1の因子セットが、統計的な閾値を超える、決定することと、残差KPIのばらつきを得るために、KPIのばらつきに対する第1の因子セットからの寄与を除去することと、残差KPIのばらつきに基づいて、残差閾値を超える残差値を決定することであって、残差値が、半導体プロセスにおける経時的なプロセスドリフト又は特定の時間における残差値に対応する外れ値基板を示す、決定することとを伴う。
【0009】
[0009] 実施形態では、モデルは、半導体製造と関連付けられた因子セットに基づいて構成される。モデルは、KPIにおけるばらつきに対する因子セットからの寄与を決定するために、データに適用される。実施形態では、KPIのばらつきに対する因子セットの各々の寄与を決定するために、分散分析(ANOVA)、共分散分析(ANCOVA)又は他の統計若しくはモデリング技法を統計モデルに適用することができる。
【0010】
[0010] 実施形態では、因子セットは、カテゴリ変数、測定可能なパラメータ(例えば、ドーズ、CD、焦点など)又はそれらの組合せを含む。例えば、因子は、KPIのばらつきに対する複数のリソグラフィ装置の寄与を特徴付けるための第1のカテゴリ変数、KPIにおけるばらつきに対する複数のレチクルの寄与を特徴付けるための第2のカテゴリ変数、KPIのばらつきに対する複数のメトロロジツールの寄与を特徴付けるための第3のカテゴリ変数、及び、KPIのばらつきに寄与する測定可能なウェーハパラメータ(例えば、平均CD)を含む第4の変数の1つ又は複数を含み得る。
【0011】
[0011] 実施形態では、方法は、残差KPIのばらつきにおけるシステマティクス(例えば、データパターン)を検出することと、検出されたシステマティクスに応答して、システマティクスと関連付けられた根本原因を決定することと、KPIのばらつきに対する寄与因子として根本原因と関連付けられた因子を含むようにモデルを調整することとをさらに含む。実施形態では、根本原因は、残差KPIのばらつきが半導体プロセスの下流のプロセスの特性及び/又は半導体プロセスの上流のプロセスの特性によって生じることを示す。モデル調整に続いて、有利には、検出されたシステマティクスの寄与を後続の残差KPIモニタリングから分離することができ、それにより、残差KPIのばらつきの信号対雑音比がさらに改善される。
【0012】
[0012] その上、実施形態では、命令を含む非一時的なコンピュータ可読媒体であって、命令が、1つ又は複数のプロセッサによって実行されると、上記で論じられる方法のステップを含む動作を行わせる、非一時的なコンピュータ可読媒体が提供される。
【0013】
[0013] ここでは、添付の図面を参照して、単なる例として、実施形態について説明する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】[0014]実施形態による、リソグラフィ装置を概略的に示す。
【
図2】[0015]実施形態による、処理パラメータのカテゴリの例を示す。
【
図3】[0016]実施形態による、半導体製造における経時的なプロセスドリフトを決定するための方法のフローチャートである。
【
図4】[0017]実施形態による、異なるツール及びレチクルを使用してパターン形成された異なるウェーハに対するローカルクリティカルディメンション均一性(LCDU)と平均CDのプロットである。
【
図5A】[0018]実施形態による、異なるウェーハに対する測定された例示的なLCDUを示す。
【
図5B】[0019]実施形態による、異なるウェーハに対する例示的なモデリングされたLCDUを示す。
【
図5C】[0020]実施形態による、異なるウェーハに対する例示的な残差LCDUを示す。
【
図5D】[0021]実施形態による、異なるウェーハに対する別の例示的な残差LCDUにおけるパターンを示す。
【
図6A】[0022]実施形態による、LCDUのヒストグラムを示す。
【
図6B】[0023]実施形態による、残差LCDUのヒストグラムを示し、
図6AのLCDUと比べて信号対雑音比が増加することで、外れ値が目立っている。
【
図7】[0024]実施形態による、例示的なコンピュータシステムのブロック図である。
【
図8】[0025]実施形態による、例示的な極端紫外線(EUV)リソグラフィ投影装置の図である。
【
図9】[0026]実施形態による、
図8の例示的な装置のより詳細な図である。
【
図10】[0027]実施形態による、
図8及び
図9の装置のソースコレクタモジュールのより詳細な図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
[0028] 本文において、ICの製造におけるリソグラフィ装置の使用に対して具体的な言及がなされる場合があるが、本明細書に記載のリソグラフィ装置は、集積光学システム、磁気ドメインメモリ用のガイダンス及び検出パターン、液晶ディスプレイ(LCD)、薄膜磁気ヘッドなどの製造といった他の適用例も有し得ることが理解されるものとする。当業者は、このような代替適用例の文脈において、本明細書の「ウェーハ」又は「ダイ」という用語の使用が、それぞれ、より一般的な用語である「基板」又は「ターゲット部分」と同義であると見なすことができることを認識するだろう。本明細書における基板は、露光の前又は後に、例えばトラック(一般的に、レジストの層を基板に塗布し、及び露光レジストを現像するツール)又はメトロロジ又はインスペクションツールにおいて処理されてもよい。適用可能な場合、本明細書の開示は、上記及び他の基板プロセスツールに適用されてもよい。さらに、基板は、例えば多層ICを生成するために、2回以上処理されてもよく、そのため、本明細書で使用される基板という用語は、複数の処理された層を既に含む基板も指す場合がある。
【0016】
[0029] 本明細書で使用される「放射」及び「ビーム」という用語は、紫外線(UV)(例えば、365、248、193、157、又は126nmの波長を有する)及び極端紫外線(EUV)(例えば、5~20nmの範囲の波長を有する)を含むあらゆるタイプの電磁放射、並びにイオンビーム又は電子ビームなどの粒子ビームを包含する。
【0017】
[0030] 本明細書で使用される「パターニングデバイス」という用語は、例えば基板のターゲット部分にパターンを生成するために、その断面にパターンを持つ放射ビームを付与するために使用することができるデバイスを指すと広く解釈されるものとする。放射ビームに付与されるパターンは、基板のターゲット部分の所望のパターンに正確に一致しない場合があることに留意されたい。一般に、放射ビームに付与されるパターンは、集積回路などのターゲット部分に生成されるデバイス内の特定の機能層に対応する。
【0018】
[0031] パターニングデバイスは、透過型又は反射型でもよい。パターニングデバイスの例は、マスク、プログラマブルミラーアレイ、及びプログラマブルLCDパネルを含む。マスクは、リソグラフィにおいてよく知られており、バイナリ、レベンソン型(alternating)位相シフト、及びハーフトーン型(attenuated)位相シフトなどのマスクタイプ、並びに様々なハイブリッドマスクタイプを含む。プログラマブルミラーアレイの一例は、小型ミラーのマトリックス配置を採用し、各小型ミラーは、入射する放射ビームを異なる方向に反射するように個々に傾斜させることができ、このようにして、反射されたビームがパターン形成される。
【0019】
[0032] サポート構造が、パターニングデバイスを保持する。それは、パターニングデバイスの配向、リソグラフィ装置の設計、及び例えばパターニングデバイスが真空環境で保持されるか否かなどの他の条件に応じたやり方で、パターニングデバイスを保持する。サポートは、機械的クランプ、真空、又は例えば真空条件下での静電クランプといった他のクランプ技術を用いることができる。サポート構造は、例えば、必要に応じて固定されてもよく、又は移動可能であってもよく、及び例えば投影系に対して所望の位置にパターニングデバイスがあることを確実にすることができるフレーム又はテーブルでもよい。本明細書における「レチクル」又は「マスク」という用語の使用は、より一般的な用語である「パターニングデバイス」と同義であると見なすことができる。
【0020】
[0033] 本明細書で使用される「投影系」という用語は、例えば、使用されている露光放射に、又は液浸液の使用又は真空の使用などの他のファクタに応じて適切に、屈折光学系、反射光学系、及び反射屈折光学系を含む様々なタイプの投影系を包含すると広く解釈されるものとする。本明細書における「投影レンズ」という用語の使用は、より一般的な用語である「投影系」と同義であると見なすことができる。
【0021】
[0034] 照明系は、放射ビームの誘導、整形、又は制御用の屈折、反射、及び反射屈折光学コンポーネントを含む様々なタイプの光学コンポーネントも包含してもよく、このようなコンポーネントは、以下において、まとめて、又は単独で「レンズ」と呼ばれる場合もある。
【0022】
[0035]
図1は、ある実施形態によるリソグラフィ装置を模式的に描く。この装置は、
[0036] -放射(例えば、UV放射又はDUV放射)ビームPBを調節するための照明系(イルミネータ)IL、
[0037] -パターニングデバイス(例えばマスク)MAを支持し、且つアイテムPLに対してパターニングデバイスを正確に位置決めするための第1の位置決めデバイスPMに接続されたサポート構造MT、
[0038] -基板(例えばレジストコートウェーハ)Wを保持し、且つアイテムPLに対して基板を正確に位置決めするための第2の位置決めデバイスPWに接続された基板テーブル(例えばウェーハテーブル)WT、及び
[0039] -パターニングデバイスMAによって放射ビームPBに付与されたパターンを基板Wのターゲット部分C(例えば、1つ又は複数のダイを含む)上に結像するように構成された投影系(例えば屈折投影レンズ)PL、
を含む。
【0023】
[0040] ここに描かれるように、本装置は、透過型(例えば、透過型マスクを用いる)である。代替的に、本装置は、反射型(例えば、上述のタイプのプログラマブルミラーアレイを用いる)でもよい。
【0024】
[0041] イルミネータILは、放射源SOから放射ビームを受ける。放射源及びリソグラフィ装置は、例えば放射源がエキシマレーザである場合に、別個のエンティティでもよい。そのような場合には、放射源は、リソグラフィ装置の一部を形成するとは見なされず、及び放射ビームは、例えば適切な誘導ミラー及び/又はビームエキスパンダを含むビームデリバリシステムBDを用いて、放射源SOからイルミネータILへと渡される。他のケースでは、放射源は、例えば放射源が水銀ランプである場合に、装置の一体化部分でもよい。放射源SO及びイルミネータILは、必要であればビームデリバリシステムBDと共に、放射システムと呼ばれる場合がある。
【0025】
[0042] イルミネータILは、ビームの強度分布を変更することができる。イルミネータは、イルミネータILの瞳面内の環状領域内で強度分布が0でないように放射ビームの半径範囲を限定するように配置されてもよい。追加的又は代替的に、イルミネータILは、瞳面内の複数の等間隔セクタにおいて強度分布が0でないように、瞳面内のビームの分布を限定するように動作可能でもよい。イルミネータILの瞳面内の放射ビームの強度分布は、照明モードと呼ばれる場合がある。
【0026】
[0043] イルミネータILは、ビームの強度分布を調整するように構成されたアジャスタAMを含んでもよい。一般に、少なくともイルミネータの瞳面内の強度分布の外側及び/又は内側半径範囲(通常、それぞれσ-outer及びσ-innerと呼ばれる)を調整することができる。イルミネータILは、ビームの角度分布を変化させるように動作可能でもよい。例えば、イルミネータは、強度分布が0でない瞳面内のセクタの数及び角度範囲を変更するように動作可能でもよい。イルミネータの瞳面内のビームの強度分布を調整することによって、異なる照明モードが達成されてもよい。例えば、イルミネータILの瞳面内の強度分布の半径及び角度範囲を限定することによって、強度分布は、例えば、ダイポール、四極、又は六極分布などの多極分布を有してもよい。所望の照明モードが、例えば、その照明モードを提供する光学部品をイルミネータILに挿入することによって、又は空間光変調器を用いることによって、得られてもよい。
【0027】
[0044] イルミネータILは、ビームの偏光を変更するように動作可能でもよく、及びアジャスタAMを用いて偏光を調整するように動作可能でもよい。イルミネータILの瞳面にわたる放射ビームの偏光状態は、偏光モードと呼ばれる場合がある。異なる偏光モードの使用は、基板W上に形成される像において、より大きなコントラストの達成を可能にすることができる。放射ビームは、非偏光でもよい。代替的に、イルミネータは、放射ビームを直線偏光するように配置されてもよい。放射ビームの偏光方向は、イルミネータILの瞳面にわたって異なってもよい。放射の偏光方向は、イルミネータILの瞳面内の異なる領域において異なってもよい。放射の偏光状態は、照明モードに基づいて選択されてもよい。多極照明モードの場合、放射ビームの各極の偏光は、イルミネータILの瞳面内のその極の位置ベクトルに対してほぼ垂直でもよい。例えば、ダイポール照明モードの場合、放射は、ダイポールの2つの対向するセクタを二等分する線に対してほぼ垂直な方向に直線偏光されてもよい。放射ビームは、X偏光状態及びY偏光状態と呼ばれる場合がある2つの異なる直交方向の一方に偏光されてもよい。四極照明モードの場合、各極のセクタにおける放射は、そのセクタを二等分する線に対してほぼ垂直な方向に直線偏光されてもよい。この偏光モードは、XY偏光と呼ばれる場合がある。同様に、六極照明モードの場合、各極のセクタにおける放射は、そのセクタを二等分する線に対してほぼ垂直な方向に直線偏光されてもよい。この偏光モードは、TE偏光と呼ばれる場合がある。
【0028】
[0045] さらに、イルミネータILは、一般に、インテグレータIN及びコンデンサCOなどの様々な他のコンポーネントを含む。イルミネータは、断面に所望の均一性及び強度分布を持つ、調節された放射ビームPBを提供する。
【0029】
[0046] 放射ビームPBは、サポート構造MT上に保持されるパターニングデバイス(例えばマスク)MAに入射する。ビームPBは、パターニングデバイスMAを横断した後、ビームの焦点を基板Wのターゲット部分Cに合わせるレンズPLを通過する。第2の位置決めデバイスPW及び位置センサIF(例えば干渉デバイス)を用いて、例えば異なるターゲット部分CをビームPBのパス内に位置決めするように、基板テーブルWTを正確に移動させることができる。同様に、例えばマスクライブラリの機械検索後に、又はスキャン中に、第1の位置決めデバイスPM及び別の位置センサ(
図1では明確に描かれていない)を用いて、ビームPBのパスに対してパターニングデバイスMAを正確に位置決めすることができる。一般に、オブジェクトテーブルMT及びWTの移動は、位置決めデバイスPM及びPWの一部を形成するロングストロークモジュール(粗動位置決め)及びショートストロークモジュール(微動位置決め)を用いて実現される。但しステッパの場合は(スキャナとは対照的に)、サポート構造MTは、ショートストロークアクチュエータのみに接続されてもよく、又は固定されてもよい。パターニングデバイスMA及び基板Wは、パターニングデバイスアライメントマークM1、M2及び基板アライメントマークP1、P2を用いてアライメントされてもよい。
【0030】
[0047] 投影系PLは、不均一となり得る(これは、基板W上に結像されるパターンに影響を与え得る)光学伝達関数を有する。非偏光放射の場合、このような影響は、投影系PLを出射する放射の透過(アポディゼーション)及び相対位相(収差)を、それの瞳面内での位置の関数として記述する2つのスカラーマップによって、かなり良く表すことができる。透過マップ及び相対位相マップと呼ばれる場合があるこれらのスカラーマップは、基底関数の完全なセットの線形結合として表現することができる。特に便利なセットは、単位円上で定義される直交多項式のセットを形成するゼルニケ多項式である。各スカラーマップの決定は、そのような展開における係数を決定することを含んでもよい。ゼルニケ多項式は、単位円上で直交するので、ゼルニケ係数は、各ゼルニケ多項式と測定されたスカラーマップの内積を順に演算し、これを、当該ゼルニケ多項式のノルムの二乗で除算することによって決定されてもよい。
【0031】
[0048] 透過マップ及び相対位相マップは、フィールド及びシステムに依存する。すなわち、一般に、各投影系PLは、各フィールド点に対して(すなわち、それの像面における各空間位置に対して)異なるゼルニケ展開を有する。瞳面内の投影系PLの相対位相は、例えば、投影系PLの対物面(すなわち、パターニングデバイスMAの面)内の点状放射源から投影系PLを通して放射を投影することによって、及びシヤリング干渉計を用いて波面(すなわち、同じ位相を持つ点の軌跡)を測定することによって決定されてもよい。シヤリング干渉計は、共通経路干渉計であり、従って、有利に、波面の測定に二次基準ビームが必要とされない。シヤリング干渉計は、投影系の像面(すなわち、基板テーブルWT)内に回折格子(例えば二次元グリッド)と、投影系PLの瞳面と共役な面内で干渉パターンを検出するように配置された検出器とを含んでもよい。干渉パターンは、シヤリング方向の瞳面内の座標に対する放射の位相の導関数に関連する。検出器は、例えば電荷結合デバイス(CCD)などのセンシング要素のアレイを含んでもよい。
【0032】
[0049] 回折格子は、投影系PLの座標系の軸(x及びy)と一致してもよい、又はこれらの軸に対して45度などの角度を成していてもよい、2つの直角を成す方向に順次スキャンされてもよい。スキャンは、例えば1格子周期といった整数の格子周期にわたって行われてもよい。スキャンは、一方の方向における位相変動を平均し、他方の方向における位相変動が再構築されることを可能にする。これは、波面が両方向の関数として決定されることを可能にする。
【0033】
[0050] 最先端のリソグラフィ装置LAの状態の投影系PLは、可視フリンジを生成せず、従って、例えば、回折格子を移動させるなど、位相ステッピング技法を使用して、波面の決定精度を向上させることができる。ステッピングは、回折格子の平面において、測定の走査方向に垂直な方向に実行することができる。ステッピング範囲は、一格子周期であり得、少なくとも3つの(一様に分布された)位相ステップを使用することができる。従って、例えば、y方向において3回の走査測定を実行することができ、各走査測定は、x方向の異なる位置に対して実行される。回折格子のこのステッピングは、位相変動を強度変動に効果的に変換し、それにより、位相情報の決定が可能になる。検出器を較正するため、格子は、回折格子に垂直な方向(z方向)においてステッピングを行うことができる。
【0034】
[0051] 瞳面内の投影系PLの透過(アポディゼーション)は、例えば、投影系PLの対物面(すなわち、パターニングデバイスMAの面)内の点状放射源から投影系PLを通して放射を投影することによって、及び検出器を用いて投影系PLの瞳面と共役な面内の放射の強度を測定することによって決定されてもよい。収差を決定するための波面の測定に使用されたのと同じ検出器が使用されてもよい。投影系PLは、複数の光学(例えばレンズ)要素を含んでもよく、及び収差(フィールド全体の瞳面にわたる位相変動)を補正するために光学要素の1つ又は複数を調整するように構成された調整機構PAをさらに含んでもよい。これを達成するために、調整機構PAは、投影系PL内の1つ又は複数の光学(例えばレンズ)要素を1つ又は複数の異なるやり方で操作するように動作可能でもよい。投影系は、光軸がz方向に延びる座標系を有してもよい。調整機構PAは、以下の任意の組み合わせを行うように動作可能でもよい:1つ又は複数の光学要素を変位させること;1つ又は複数の光学要素を傾斜させること;及び/又は1つ又は複数の光学要素を変形させること。光学要素の変位は、任意の方向(x、y、z又はそれらの組み合わせ)のものでもよい。光学要素の傾斜は、一般的に、x又はy方向の軸周りを回転することによって(z軸周りの回転は、非回転対称非球面光学要素に使用されてもよい)、光軸に垂直な面から外れる。光学要素の変形は、低周波形状(例えば非点収差)及び高周波形状(例えば自由形状非球面)の両方を含んでもよい。光学要素の変形は、例えば、1つ又は複数のアクチュエータを用いて光学要素の1つ又は複数の側面に力を及ぼすことによって、及び/又は1つ又は複数の加熱要素を用いて光学要素の1つ又は複数の選択された領域を加熱することによって行われてもよい。一般に、アポディゼーション(瞳面にわたる透過変動)を補正するために投影系PLを調整することが可能ではない場合がある。リソグラフィ装置LA用のパターニングデバイス(例えばマスク)MAを設計する際に、投影系PLの透過マップが使用されてもよい。計算機リソグラフィ技術を用いて、パターニングデバイスMAは、少なくとも部分的にアポディゼーションを補正するように設計されてもよい。
【0035】
[0052] リソグラフィプロセスのパラメータは、「処理パラメータ」と呼ばれることがある。リソグラフィは、実際の露光の上流及び下流のプロセスを含み得る。
図2は、処理パラメータ270のカテゴリの例を示す。第1のカテゴリは、リソグラフィ装置又はリソグラフィプロセスで使用される他の任意の装置のパラメータ210であり得る。このカテゴリの例は、リソグラフィ装置のソース、投影光学系、基板ステージなどのパラメータを含む。第2のカテゴリは、リソグラフィプロセスで実行される任意の手順のパラメータ220であり得る。このカテゴリの例は、焦点、ドーズ、帯域幅、露光期間、現像温度、現像に使用される化学組成などを含む。第3のカテゴリは、設計レイアウトのパラメータ230であり得る。このカテゴリの例は、アシストフィーチャの形状及び場所、並びに、解像度向上技法(RET)によって適用される調整を含み得る。第4のカテゴリは、基板のパラメータ240であり得る。その例は、レジスト層の下の構造の特性、レジスト層の化学組成及び物理的寸法を含む。第5のカテゴリは、リソグラフィプロセスのいくつかのパラメータの時間的変動の特性250であり得る。例えば、処理パラメータは、高周波ステージ移動の特性(例えば、周波数、振幅など)、高周波レーザ帯域幅変化(例えば、周波数、振幅など)及び/又は高周波レーザ波長変化を含み得る。これらの高周波変化又は移動は、基本的なパラメータ(例えば、ステージ位置及びレーザ強度)を調整するための機構の応答時間を超えるものである。第6のカテゴリは、PEB、現像、エッチング、堆積、ドーピング及びパッケージングなどの露光の下流のプロセスの特性260であり得る。
【0036】
[0053] 処理パラメータの一部又は全ての値は、適切な方法によって決定することができる。例えば、これらの値は、様々な基板メトロロジツールを用いて得られたデータから決定されてもよい。これらの値は、リソグラフィ装置上の様々なセンサから得られてもよい。また、これらの値は、リソグラフィプロセスのオペレータからのものでもよい。
【0037】
[0054] 既存の技法は、1つ又は複数のKPIに基づいて、半導体製造プロセスをモニタリングする。例えば、KPIのばらつきをモニタリングすることにより、経時的なプロセス性能の劣化の根本原因分析をトリガするためのプロセスドリフト又はエクスカーションの検出及びフラグ付けを行うことができる。例として、KPIのモニタリングは、一定の間隔で所定のプロセスを使用してウェーハに露光し、これらのウェーハを測定し、KPIのばらつきを計算し、経時的なKPIのばらつきを分析することによって行われる。例えば、大量製造設定では、半導体製造プロセスにおいて、複数のリソグラフィツール及びレチクルが採用される場合があり、平均CD又はドーズなどの他の測定可能なプロセス雑音も存在し得、これもまた、KPIのばらつきに影響を及ぼす。ツール及びレチクルにおける差によって生じるKPIのばらつきを考慮するため、別個の仕様限度を用いて異なるツール及びレチクルを別々にモニタリングすることができる。仕様限度の違反が検出され次第、KPIが所望の限度内に収まるように、是正措置が適用され得る(例えば、高度なプロセス制御を介して)。例として、是正措置は、印刷されるウェーハCDができる限りターゲットCDに近くなるように制御するために適用され得る。しかし、KPIベースのモニタリング及びプロセス制御では、特定のウェーハ又はプロセスドリフトは、KPI仕様を満たすものとしてマスキングされる可能性がある。
【0038】
[0055] 本開示は、KPI関連仕様を満たすものとしてマスキングされている可能性があるプロセスドリフト又は外れ値基板を捕捉するための機構を提供する。実施形態では、プロセスドリフトが検出された時点で、関係のあるプロセスドリフトの原因がより正確に決定され得る。本機構は、KPIのばらつきに対する様々な因子(ツール及びレチクルなど)からの寄与の分解及びフィルタリングを行い、残差KPIのばらつきをモニタリングする。様々な因子からの寄与を除去することにより、半導体プロセスに関連する経時的な残差ばらつきの信号対雑音比が改善される。次に、信号対雑音比の改善は、プロセスドリフト又は外れ値基板を時間内に識別する上で役立つ。本明細書の機構は、カテゴリ独立変数(レチクル、ツール及び連続独立変数平均CDなど)による影響を受け得るローカルCD均一性(LCDU)のKPIを使用して説明される。しかし、本開示は、LCDUに限定されず、他のKPI(CD、露光寛容度(EL)又は焦点深度(DOF)など)及び独立変数の他の組合せを使用して、同じ機構を適用することができる。
【0039】
[0056]
図3は、本開示の実施形態による、半導体製造における経時的なプロセスドリフトを決定するための例示的な方法のフローチャートである。方法は、KPIのばらつきに対する選択された変数又は因子セット(例えば、ツール、レチクルなど)の寄与を決定することを伴う。いくつかの実施形態では、これらの因子は、KPIのばらつきの測定可能な及び定量化可能な原因である。従って、これらの寄与が除去されると、残りのKPIのばらつきは、オリジナルのKPIより優れた、懸念されるプロセスドリフト又はエクスカーションの指標となり得る。以下では、プロセスP301、P303、P305及びP307に関して、方法300の例示的な実装形態について論じる。方法300は、1つ又は複数のプロセッサ(例えば、
図7の104)上の命令として実施することができる。
【0040】
[0057] プロセスP301は、経時的な半導体プロセスの性能を特徴付ける重要業績評価指標(KPI)のばらつき及び半導体プロセスと関連付けられた因子セットのデータ301を得ることを伴う。実施形態では、半導体製造プロセスは、1つ又は複数のリソグラフィ装置によって実行されるパターニングプロセス、メトロロジプロセス、プレパターニングプロセス(例えば、CMP)及びポストパターニングプロセス(例えば、エッチング)又は他の半導体製造関連プロセスを含み得る。
【0041】
[0058] 実施形態では、KPIは、パターニングプロセスを介して基板上に結像されたパターンと関連付けられたLCDU、パターニングプロセスを介して基板上に結像されたパターンと関連付けられたエッジ配置誤差、パターニングプロセスを介して基板上に結像されたパターンと関連付けられたオーバーレイ、又は、プロセスモニタリング若しくは特性化に関連する他の任意の適切なKPIの少なくとも1つであり得る。実施形態では、KPIデータは、一定の期間にわたって得られ、半導体製造プロセスの間、複数のリソグラフィ装置、プレ/ポストパターニングプロセス装置、複数のレチクル、複数のメトロロジツール及び/又は1つ若しくは複数の測定可能なパラメータを採用することができる。
【0042】
[0059] 実施形態では、KPIのばらつきに寄与する因子セットは、カテゴリ変数、測定可能なパラメータ(例えば、
図2を参照)又はそれらの組合せであり得る。例えば、因子セットは、KPIのばらつきに対する複数のリソグラフィ装置の寄与を特徴付けるための第1のカテゴリ変数、KPIにおけるばらつきに対する複数のレチクルの寄与を特徴付けるための第2のカテゴリ変数、KPIのばらつきに対する複数のメトロロジツールの寄与を特徴付けるための第3のカテゴリ変数、及び、KPIのばらつきに寄与する測定可能な基板パラメータを含む第4の変数の少なくとも1つであり得る。実施形態では、測定可能なパラメータは、基板又は基板の一部分上に印刷されるパターンの平均クリティカルディメンション(CD)、リソグラフィ装置のドーズ、及びリソグラフィ装置の焦点の少なくとも1つを含む。追加の例は、
図2に示されている。
【0043】
[0060]
図3に戻ると、プロセスP303は、KPIのモデルを使用して及びモデルへの入力としてデータ301を使用して、KPIのばらつきに対する第1の因子セット302の寄与を決定することを伴う。実施形態では、第1の因子セット302は、統計的な閾値を超える統計値を有する因子を指す。例えば、第1の因子セット302と関連付けられた値は、統計的に有意である(例えば、p値が0.9より大きい)と考えることができる。実施形態では、その寄与が統計的に有意ではない因子は、モデルから除去されない。言い換えれば、統計的に有意ではない因子からの寄与は、モデルにおける残差の一部として含めることができる。
【0044】
[0061] 実施形態では、モデルは、KPIのばらつきを因子セット及び残差項の関数に分解するように構成された統計モデルであり得る。実施形態では、モデルは、KPIのばらつきを因子セットの関数と残差項に分解するように構成された線形又は回帰モデルであり得る。実施形態では、機械学習モデルは、因子セットに関連するデータ301を入力として受信し、残差KPIのばらつき304を出力として生成するように構成される。KPIのばらつきを分解するように構成された他のモデルも、本開示の範囲内であり得る。
【0045】
[0062] 実施形態では、第1の因子セット302を決定することは、半導体製造(例えば、パターニングプロセス)と関連付けられた因子セットに基づいてモデルを構成することを伴う。モデルは、KPIのばらつきに対する因子セットからの寄与を決定するために、因子セットと関連付けられたデータ301に適用される。例えば、第1の因子セット302を決定することは、KPIのばらつきに対する因子セットの各々の寄与を決定するために、分散分析(ANOVA)又は共分散分析(ANCOVA)技法を統計モデルに適用することを伴い得る。本開示は、寄与を決定するための特定の技法に限定されない。他の技法も適用することができる。
【0046】
[0063] 例として、KPIのばらつき(例えば、LCDUのばらつき)の3つのソースの寄与及び統計的有意性が考慮され得る。例えば、ANOVA又はANCOVAは、
LCDU=μ+αi+βj+γ*CDijk+εijk
などのKPI(例えば、LCDU)の統計モデルを使用して、データセットにおいて実行することができる。
【0047】
[0064] 上記のLCDUモデルでは、iは、レチクルを指し、jは、ツールを指し、αi及びβjはそれぞれ、レチクル及びツールのカテゴリ変数からの寄与を示す。CD項は、k番目の基板のCDデータを指し、レチクルi及びツールjを使用して処理される。εijk項は、残差KPIのばらつきを指す。実施形態では、ANCOVAは、連続共変量平均CDを考慮した後に、レチクルに基づくLCDU及びツールに基づくLCDU間に統計的に有意な差があるかどうかを示すために、p値を生成する。
【0048】
[0065]
図4は、モニタリングされている一連の基板における、平均CDに対するLCDUの例示的な散布図を示す。各ポイントは、単一の基板における測定されたCD及びLCDUを表し、データポイントの形状及びパターンは、特定の基板を処理するために使用されたツール及びレチクルを示す。例えば、ツールは、T1又はT2であり得、レチクルは、R1又はR2であり得る。プロットは、測定されたLCDUにおける有意量のばらつきを平均CDで説明できることを示す。上記のLCDUモデルを使用したANCOVAは、LCDUのばらつきの多くが3つの変数(ツール、レチクル及び平均CD)で考慮できることを示す。
【0049】
[0066]
図3に戻ると、プロセスP305は、残差KPIのばらつき304を得るために、KPIのばらつきに対する第1の因子セット302からの寄与を除去することを伴う。例えば、上記のLCDU方程式を参照すると、ツール、レチクル及び平均CDの寄与が定量化された後(例えば、ANOCVAを適用することによって)、因子セットと関連付けられたデータセットからそれらの寄与を除去することができる。例えば、データセットから除去することは、測定されたKPI値からモデリングされたKPI値を減ずることによって、又は、他の任意の数学的若しくは演算上の技術若しくは動作によって達成される。残差(ε
ijk)KPIのばらつきは、ツール間の差、レチクル間の差及び/又は平均CDで考慮されない残りのばらつきである。言い換えれば、LCDUのばらつきは、(i)ツール、レチクル及び平均CDで考慮できる成分と(ii)1つ又は複数のプロセスによって及び経時的なプロセスドリフトによって生じるばらつきを表す残差成分に分解されている。因子からの寄与が統計的に有意ではない場合は、そのような因子及びその寄与は、データセットから除去されず、残差KPIのばらつき304の一部として含めることができる。
【0050】
[0067] プロセスP307は、残差KPIのばらつき304に基づいて、残差閾値を超える残差値320を決定することを伴う。残差値320は、半導体プロセスにおける経時的なプロセスドリフト又は特定の時間における残差値320に対応する外れ値基板を示す。例えば、外れ値を識別するために、オリジナルのKPIの代わりに、残差KPIのばらつき304を経時的に傾向分析することができる。外れ値は、特定の時間における残差KPIのばらつき304が閾値を超えて増加していることを示し、従って、その時間又は外れ値残差値320に対応する基板は、プロセスに対して適切な制御調整を行えるように、さらなる分析を行い、問題を処理する必要がある。別の例として、外れ値残差値320は、一定の期間にわたって生じるいくつかのプロセスドリフトが原因で、残差値320が増加することを示し得る。従って、先行する残差値に対してドリフトが始まると、ドリフトを引き起こすプロセスパラメータ又は事象をモニタリングし、適切な措置を取ることができる。例えば、残差KPIのばらつきにおけるドリフト又は特定のパターンの原因になり得るため、レチクルの洗浄を行うこと、マスクの冷却システムを起動すること、又は、パターニングプロセスの設定における他の変化をモニタリングすることができる。残差におけるパターンを引き起こす他の例は、レジストバッチの交換、上流又は下流のプロセス(洗浄又はエッチングなど)の変更であり得る。
【0051】
[0068]
図5A~5Cは、経時的な測定されたLCDU 510、モデリングされたLCDU 520及び残差LCDU 530に対する例示的なトレンドチャートを示す。モデリングされたLCDU 520は、ANCOVAから所定のツール、レチクル及び平均CDに対して推定されたLCDUであり得る。残差LCDU 530は、ツール、レチクル及び平均CDからの寄与が除去された際の残りのばらつきであり得る。トレンドチャートの各ポイントは、基板(例えば、W2及びW7)に対応する。チャートから分かるように、LCDU 510、モデリングされたLCDU 520及び残差LCDU 530に対して割り当てられた閾値限度に基づいて、測定されたLCDU 510のトレンドチャートと比較して、残差LCDU 530における外れ値として、異なる基板にフラグを付けることができる。しかし、上述したように、ばらつきの特定の測定可能な原因(例えば、懸念されるプロセスドリフトに関連がないもの)は除去されているため、残差は、懸念されるプロセスドリフト又はエクスカーションのより良い指標となり得る。例えば、LCDU 510では、ウェーハW2及びW7は、LCDUトレンドチャートに割り当てられた外れ値閾値TH1を超えていない。しかし、残差LCDU 530は、これらのウェーハW2及びW7に対応する残差値が残差閾値Rth1を超えているため、ウェーハW2及びW7が外れ値であることを示している。従って、ウェーハW2及びW7は、問題がないものとしてマスキングされたものであるが、残差LCDUはそうでないことを示している。
【0052】
[0069] 実施形態では、方法300は、残差KPIのばらつき304におけるシステマティクス(例えば、データパターン)を検出することと、検出されたシステマティクスに応答して、システマティクスと関連付けられた根本原因を決定することと、根本原因に基づいてモデルを調整することとをさらに含み得る。例えば、残差KPIのばらつき304では、データパターンは、時間と共に進化し得る。そのようなデータパターンと関連付けられた根本原因は、モデルに追加することができる因子として考えることができる。例えば、レチクルの洗浄時、残差KPIのばらつき304は、第1の範囲の値から第2の範囲の値へのレベル変化(例えば、
図5Dを参照)を含み得る。例えば、
図5Dでは、一連の基板L1と関連付けられた残差KPIのばらつきは、第1のレベルにあり、第2の一連の基板L2と関連付けられた残差KPIのばらつきは、第2のレベルにある。そのようなレベル変化は、レチクルの洗浄が原因で起こり得る。従って、レチクル洗浄の影響を定量化し、KPIのばらつきからレチクル洗浄の寄与を潜在的に除去するため、レチクル洗浄をモデルのカテゴリ変数として含めることができる。例として、他の原因は、レチクル又はペリクル劣化又は交換であり得る。
【0053】
[0070] 実施形態では、根本原因分析は、残差KPIのばらつき304を使用して検出された外れ値又はプロセスドリフトが、半導体製造プロセスの下流のプロセスの特性によって生じることを示す。例えば、基板の露光の下流である。実施形態では、根本原因分析は、残差KPIのばらつき304が、半導体製造プロセスの上流のプロセスの特性によって生じることを示す。例えば、基板の露光の上流である。実施形態では、システマティクスを検出することは、一定の期間にわたって残差KPIのばらつき304のレベルのシフトを識別することを伴う。実施形態では、システマティクスを検出することは、残差KPIのばらつき304におけるシステマティクス(例えば、データパターン)を識別するように構成された統計モデルを実行することを伴う。
【0054】
[0071] 実施形態では、方法300は、一定の間隔で又は連続的に、半導体製造プロセスと関連付けられた因子セットに関連する新しいデータ301を捕捉することと、捕捉データ301に基づいて残差KPIのばらつき304を更新することとをさらに伴い得る。実施形態では、モデルは、捕捉データ及び検出されたシステマティクスに基づいて更新することができる。
【0055】
[0072] 実施形態では、残差KPIのばらつき304は、測定されたKPIにおける信号対雑音比と比較して、より高い信号対雑音比を含む。例えば、
図6は、測定されたLCDUのヒストグラム610及び残差LCDU のヒストグラム620を示す。これらのヒストグラムは、残差LCDUヒストグラム620では、外れ値621を明確に示しているが、LCDUヒストグラム610では、これらの外れ値は、雑音611の中に隠れている。これらのヒストグラムは、残差LCDU 620では、経時的なプロセス変動の信号/雑音が改善されることを示している。
【0056】
[0073] 本明細書で論じられる機構は、特定のKPI又はKPIのばらつきに寄与する因子セットに限定されないことを理解することができる。いくつかの実施形態では、LCDUなどのKPIは、単一のドーズ及び焦点条件に対して測定され得る。このKPIの場合、基板上に印刷されるパターンの平均CDは、露光ドーズ又は他の因子における雑音に起因する基板センタリングにおけるばらつきを考慮するために、連続共変量として使用することができる。いくつかの実施形態では、基板を印刷するために使用される焦点露光マトリックス(FEM)にわたる複数のドーズ及び焦点条件から収集されたデータに基づいて、露光寛容度及び焦点深度などの他のKPIが計算され得る。これらの「基板ベースの」KPIの場合、基板センタリングにおけるばらつきの制御は不要であり得る。従って、モデルでは、露光ツール及びレチクルに対するカテゴリ変数のみが使用され得る。それに従って、本明細書で論じられるように、ANOVAが実行されると、レチクル及び露光ツールからの寄与が決定され、後に、残差KPIのばらつきを演算するために除去され得る。
【0057】
[0074] いくつかの実施形態では、KPIは、プロセス条件ベースのメトリクス、基板ベースのメトリクス又は他の半導体関連のメトリクスであり得る。実施形態では、条件ベースのKPIは、基板に対する単一の焦点及びドーズ条件(例えば、公称条件)で決定され得る。例えば、LCDUは、公称条件での1つの像又は視野(FOV)あたりのCD測定値の3シグマの平均として決定され得る。別の例として、CDUは、公称条件での全ての像/FOVにわたるCD測定値の3シグマとして決定され得る。さらなる別の例として、モデリングされた故障率は、公称条件でのプロセスウィンドウメトロロジによってモデリングすることができる。これらのKPIのモデルでは、カテゴリ変数は、半導体製造において使用される複数のリソグラフィツール、レチクル又は他のツールに相当し得る。実施形態では、一部のKPIは、レチクルに対するものなど、共通のカテゴリ変数を含み得、その他のKPIでは、カテゴリ変数は異なり得る。カテゴリ変数の選択は、特定のカテゴリ変数が寄与するKPIのばらつきの量に依存し得る。実施形態では、カテゴリ変数は、発見的経験に基づいて選択することができる。
【0058】
[0075] 実施形態では、基板ベースのKPIは、基板上で測定された全ての焦点及びドーズ条件データに基づいて決定され得る。例えば、第1のKPI(CDPW_ELと呼ばれる)は、CDプロセスウィンドウ内にフィットする楕円の最大面積から決定された露光寛容度であり得る。楕円は、固定焦点深度による制約を受け得る。第1のKPIの場合、カテゴリ変数は、リソグラフィツールではなく、レチクルに相当し得る。第2のKPI(CDPW_DoFと示される)は、CDプロセスウィンドウ内にフィットする楕円の最大面積から決定された焦点深度であり得る。楕円は、固定露光寛容度による制約を受け得る。第2のKPIの場合、カテゴリ変数は、リソグラフィツールではなく、レチクルに相当し得る。第3のKPIは、CDプロセスウィンドウ内にフィットする楕円の最大面積であり得る。第3のKPIの場合、カテゴリ変数は、レチクルとリソグラフィツールに相当し得る。第4のKPI(FRPW ELと示される)は、故障率プロセスウィンドウ内にフィットする楕円の最大面積から決定された露光寛容度であり得る。楕円は、固定焦点深度による制約を受け得る。第5のKPI(FRPW DoFと示される)は、故障率プロセスウィンドウ内にフィットする楕円の最大面積から決定された焦点深度であり得る。楕円は、固定露光寛容度による制約を受け得る。第6のKPI(FRPW最大楕円面積と示される)は、故障プロセスウィンドウ内にフィットする楕円の最大面積であり得る。第7のKPIは、オーバーラップしたCD及び故障率プロセスウィンドウ内にフィットする楕円の最大面積から決定された露光寛容度であり得る。楕円は、固定焦点深度による制約を受け得る。第8のKPIは、オーバーラップしたCD及び故障率プロセスウィンドウ内にフィットする楕円の最大面積から決定された焦点深度であり得る。楕円は、固定露光寛容度による制約を受け得る。第9のKPIは、オーバーラップしたCD及び故障プロセスウィンドウ内にフィットする楕円の最大面積であり得る。第10のKPIは、ターゲットCDを得るために必要なドーズであり得、ドーズの関数であるCDモデルから計算することができる。第11のKPIは、最高のエネルギー又は最高の焦点でのドーズ感度であり得る。ドーズ感度は、CDモデルから最高のエネルギー/最高の焦点で計算される、ドーズの変化に伴うCDの変化として演算することができる。第12のKPIは、プロセスウィンドウメトロロジ手法によってモデリングされるような全ての焦点及びドーズ条件にわたる最小故障率であり得る。上記のKPIのリストでは、各KPIに対するカテゴリ変数は指定されていないが、当業者によって理解されよう。それぞれのカテゴリ変数は、特定のリソグラフィツール、レチクル、メトロロジツールなどからの可能性の高い寄与に適切に基づき得る。本明細書で論じられるように、前述のKPIの1つ又は複数を使用できること、及び、対応する残差KPIのばらつきを決定できることを理解することができる。
【0059】
[0076]
図7は、本開示の実施形態による、本明細書で開示される方法及びフローを実施する際に支援するように構成された例示的なコンピュータシステム100を示すブロック図である。コンピュータシステム100は、バス102又は情報を通信するための他の通信機構と、情報を処理するためにバス102と結合されたプロセッサ104(又は複数のプロセッサ104及び105)とを含む。コンピュータシステム100は、ランダムアクセスメモリ(RAM)又は他の動的ストレージデバイスなどの、プロセッサ104によって実行される情報及び命令を保存するためにバス102に結合されたメインメモリ106も含む。メインメモリ106は、プロセッサ104によって実行される命令の実行中に、一時変数又は他の中間情報を保存するためにも使用されてもよい。コンピュータシステム100は、リードオンリーメモリ(ROM)108、又はプロセッサ104のための静的情報及び命令を保存するためにバス102に結合された他の静的ストレージデバイスをさらに含む。情報及び命令を保存するための磁気ディスク又は光ディスクなどのストレージデバイス110が設けられると共に、バス102に結合される。
【0060】
[0077] コンピュータシステム100は、バス102を介して、情報をコンピュータユーザに表示するための、陰極線管(CRT)、フラットパネル、又はタッチパネルディスプレイなどのディスプレイ112に結合されてもよい。英数字及び他のキーを含む入力デバイス114が、情報及びコマンド選択をプロセッサ104に通信するためにバス102に結合される。別のタイプのユーザ入力デバイスは、プロセッサ104に方向情報及びコマンド選択を通信するため、及びディスプレイ112上でカーソルの移動を制御するための、マウス、トラックボール、又はカーソル方向キーなどのカーソル制御部116である。この入力デバイスは、一般的に、2つの軸(第1の軸(例えばx)及び第2の軸(例えばy))において、デバイスがある面内で位置を特定することを可能にする2つの自由度を有する。タッチパネル(スクリーン)ディスプレイが、入力デバイスとして使用されてもよい。
【0061】
[0078] ある実施形態によれば、プロセスの部分は、メインメモリ106に含まれる1つ又は複数の命令の1つ又は複数のシーケンスを実行するプロセッサ104に応答して、コンピュータシステム100によって行われてもよい。このような命令は、ストレージデバイス110などの別のコンピュータ可読媒体からメインメモリ106に読み込まれてもよい。メインメモリ106に含まれる命令のシーケンスの実行は、プロセッサ104に本明細書に記載のプロセスステップを行わせる。メインメモリ106に含まれる命令のシーケンスを実行するために、多重処理構成の1つ又は複数のプロセッサが用いられてもよい。ある代替実施形態では、ソフトウェア命令の代わりに、又はソフトウェア命令と一緒に、ハードワイヤード回路が用いられてもよい。従って、本明細書の記載は、ハードウェア回路及びソフトウェアの特定の組み合わせに限定されない。
【0062】
[0079] 本明細書で使用される「コンピュータ可読媒体」という用語は、実行のためにプロセッサ104に命令を提供することに関与するあらゆる媒体を指す。このような媒体は、限定されないが、不揮発性媒体、揮発性媒体、及び伝送媒体を含む、多くの形態をとり得る。不揮発性媒体は、例えば、ストレージデバイス110などの光又は磁気ディスクを含む。揮発性媒体は、メインメモリ106などの動的メモリを含む。伝送媒体は、同軸ケーブル、銅線及び光ファイバ(バス102を含むワイヤを含む)を含む。伝送媒体は、無線周波数(RF)及び赤外線(IR)データ通信中に生成されるものなどの、音波又は光波の形態もとり得る。コンピュータ可読媒体の一般的形態は、例えば、フロッピーディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、磁気テープ、その他の磁気媒体、CD-ROM、DVD、その他の光媒体、パンチカード、紙テープ、孔のパターンを有したその他の物理媒体、RAM、PROM、及びEPROM、FLASH-EPROM、その他のメモリチップ又はカートリッジ、以下に記載されるような搬送波、又はコンピュータが読み取ることができるその他の媒体を含む。
【0063】
[0080] コンピュータ可読媒体の様々な形態が、実行のためにプロセッサ104に1つ又は複数の命令の1つ又は複数のシーケンスを運ぶことに関与してもよい。例えば、命令は、最初は、リモートコンピュータの磁気ディスクにある場合がある。リモートコンピュータは、命令をそれの動的メモリにロードし、及びモデムを使用して電話回線上で命令を送ることができる。コンピュータシステム100にローカルなモデムが、電話回線上のデータを受信し、及び赤外線送信機を用いてデータを赤外線信号に変換することができる。バス102に結合された赤外線検出器が、赤外線信号で搬送されたデータを受信し、及びそのデータをバス102にのせることができる。バス102は、データをメインメモリ106に搬送し、そこからプロセッサ104が、命令の読み出し及び実行を行う。メインメモリ106によって受信された命令は、任意選択的に、プロセッサ104による実行の前又は後に、ストレージデバイス110に保存されてもよい。
【0064】
[0081] コンピュータシステム100は、望ましくは、バス102に結合された通信インターフェース118も含む。通信インターフェース118は、ローカルネットワーク122に接続されたネットワークリンク120に結合する双方向データ通信を提供する。例えば、通信インターフェース118は、対応するタイプの電話回線にデータ通信接続を提供するデジタル総合サービス網(ISDN)カード又はモデムでもよい。別の例として、通信インターフェース118は、互換性のあるLANへのデータ通信接続を提供するローカルエリアネットワーク(LAN)カードでもよい。ワイヤレスリンクが実施されてもよい。このような実施において、通信インターフェース118は、様々なタイプの情報を表すデジタルデータストリームを搬送する電気、電磁、又は光信号の送信及び受信を行う。
【0065】
[0082] ネットワークリンク120は、一般的に、1つ又は複数のネットワークを通して、他のデータデバイスにデータ通信を提供する。例えば、ネットワークリンク120は、ローカルネットワーク122を通して、ホストコンピュータ124又はインターネットサービスプロバイダ(ISP)126によって操作されるデータ機器への接続を提供することができる。ISP126は、次に、ワールドワイドパケットデータ通信ネットワーク(現在、一般に「インターネット」128と呼ばれる)によるデータ通信サービスを提供する。ローカルネットワーク122及びインターネット128は共に、デジタルデータストリームを搬送する電気、電磁、又は光信号を使用する。コンピュータシステム100に対して、及びコンピュータシステム100からデジタルデータを搬送する、様々なネットワークを通る信号、及びネットワークリンク120上の、及び通信インターフェース118を通る信号は、情報を運ぶ搬送波の形態例である。
【0066】
[0083] コンピュータシステム100は、1つ又は複数のネットワーク、ネットワークリンク120、及び通信インターフェース118を通して、メッセージを送信すること、及びプログラムコードを含むデータを受信することができる。インターネット例では、サーバ130は、インターネット128、ISP126、ローカルネットワーク122、及び通信インターフェース118を通して、アプリケーションプログラムの要求コードを送信する場合がある。そのようなダウンロードされたあるアプリケーションは、例えば実施形態の照明最適化を提供することができる。受信されたコードは、受信された際にプロセッサ104によって実行されてもよく、及び/又は後で実行するためにストレージデバイス110又は他の不揮発性ストレージに保存されてもよい。このようにして、コンピュータシステム100は、搬送波の形態のアプリケーションコードを取得してもよい。
【0067】
[0084]
図8は、本開示の実施形態による、別の例示的なリソグラフィ投影装置1000を示す。装置1000は、
- 放射を提供するためのソースコレクタモジュールSOと、
- ソースコレクタモジュールSOからの放射ビームB(例えば、EUV放射)を調節するように構成された照明系(イルミネータ)ILと、
- パターニングデバイス(例えば、マスク又はレチクル)MAを支持ように構築され、パターニングデバイスを正確に位置決めするように構成された第1のポジショナPMに接続されたサポート構造(例えば、マスクテーブル)MTと、
- 基板(例えば、レジストコートウェーハ)Wを保持するように構築され、基板を正確に位置決めするように構成された第2のポジショナPWに接続された基板テーブル(例えば、ウェーハテーブル)WTと、
- パターニングデバイスMAによって放射ビームBに付与されたパターンを基板Wのターゲット部分C(例えば、1つ又は複数のダイを含む)上に投影するように構成された投影系(例えば、反射投影系)PSと
を含む。
【0068】
[0085] 本明細書で示されるように、装置1000は、反射型である(例えば、反射型マスクを採用する)。ほとんどの材料はEUV波長範囲内で吸収性を有するため、パターニングデバイスは、例えば、モリブデン及びシリコンの多層スタックを含む多層リフレクタを有し得ることに留意されたい。一例では、多層リフレクタは、モリブデン及びシリコンの40層対を有し、各層の厚さは、4分の1波長である。さらに小さな波長でさえも、X線リソグラフィで生産することができる。ほとんどの材料はEUV及びX線波長で吸収性を有するため、パターニングデバイスのトポグラフィ上にパターニングされた薄い吸収材料片(例えば、多層リフレクタ上のTaN吸収体)は、フィーチャが印刷される場所(ポジ型レジスト)又は印刷されない場所(ネガ型レジスト)を定義する。
【0069】
[0086]
図8を参照すると、イルミネータILは、ソースコレクタモジュールSOから極端紫外線放射ビームを受け取る。EUV放射を発生させるための方法は、EUV範囲の1つ又は複数の輝線を有する少なくとも1つの元素(例えば、キセノン、リチウム又はスズ)を有するプラズマ状態に材料を変換することを含むが、必ずしもこれに限定されるとは限らない。そのような方法の1つでは、レーザ生成プラズマ(「LPP」)と呼ばれる場合が多いが、線発光元素を有する材料の液滴、ストリーム又はクラスタなどの燃料にレーザビームを照射することによって、プラズマを生成することができる。ソースコレクタモジュールSOは、燃料を励起するレーザビームを提供するためのレーザ(
図8には図示せず)を含むEUV放射システムの一部であり得る。結果として生成されたプラズマは、出力放射(例えば、EUV放射)を放出し、その出力放射は、ソースコレクタモジュールに配置される放射コレクタを使用して収集される。例えば、燃料励起のためのレーザビームを提供するためにCO2レーザが使用される際は、レーザ及びソースコレクタモジュールは、別個のエンティティでもよい。
【0070】
[0087] そのような事例では、レーザは、リソグラフィ装置の一部を形成するものとは考えられず、放射ビームは、例えば、適切な誘導ミラー及び/又はビームエキスパンダを含むビームデリバリシステムを用いて、レーザからソースコレクタモジュールに渡される。他の事例では、例えば、放射源が放電生成プラズマEUVジェネレータである際は(DPP放射源と呼ばれる場合が多い)、放射源は、ソースコレクタモジュールと一体化されてもよい。
【0071】
[0088] イルミネータILは、放射ビームの角度強度分布を調整するためのアジャスタを含み得る。一般に、イルミネータの瞳面における強度分布の少なくとも外径及び/又は内径範囲(通常、それぞれσ-outer及びσ-innerと呼ばれる)を調整することができる。それに加えて、イルミネータILは、様々な他のコンポーネント(ファセットフィールド及び瞳ミラーデバイスなど)を含み得る。イルミネータは、放射ビームの断面に所望の均一性及び強度分布を有するように放射ビームを調節するために使用することができる。
【0072】
[0089] 放射ビームBは、サポート構造(例えば、マスクテーブル)MT上で保持されるパターニングデバイス(例えば、マスク)MAに入射し、パターニングデバイスによってパターン形成される。パターニングデバイス(例えば、マスク)MAから反射した後、放射ビームBは、投影系PSを通過し、投影系PSは、基板Wのターゲット部分C上にビームを集束させる。第2のポジショナPW及び位置センサPS2(例えば、干渉デバイス、リニアエンコーダ又は静電容量センサ)を用いることで、例えば、放射ビームBの経路に異なるターゲット部分Cが位置決めされるように、基板テーブルWTを正確に動かすことができる。同様に、第1のポジショナPM及び別の位置センサPS1を使用して、放射ビームBの経路に対してパターニングデバイス(例えば、マスク)MAを正確に位置決めすることができる。パターニングデバイス(例えば、マスク)MA及び基板Wは、パターニングデバイスアライメントマークM1、M2及び基板アライメントマークP1、P2を使用して位置合わせすることができる。
【0073】
[0090] 示される装置1000は、以下のモードの少なくとも1つで使用することができる。
1.ステップモードでは、放射ビームに付与されたパターン全体が一度にターゲット部分C上に投影される間、サポート構造(例えば、マスクテーブル)MT及び基板テーブルWTは、本質的には静止状態で維持される(すなわち、1回の静的露光)。次に、基板テーブルWTは、異なるターゲット部分Cに露光できるように、X及び/又はY方向にシフトされる。
2.走査モードでは、放射ビームに付与されたパターンがターゲット部分C上に投影される間、サポート構造(例えば、マスクテーブル)MT及び基板テーブルWTは、同期して走査される(すなわち、1回の動的露光)。サポート構造(例えば、マスクテーブル)MTに対する基板テーブルWTの速度及び方向は、投影系PSの拡大(縮小)及び像反転特性によって決定することができる。
3.別のモードでは、放射ビームに付与されたパターンがターゲット部分C上に投影される間、サポート構造(例えば、マスクテーブル)MTは、プログラマブルパターニングデバイスを保持して本質的には静止状態で維持され、基板テーブルWTは、移動されるか又は走査される。このモードでは、一般に、パルス放射源が採用され、基板テーブルWTの各移動後又は走査の間の連続放射パルス間に、プログラマブルパターニングデバイスが必要に応じて更新される。この動作モードは、上記で言及されるタイプのプログラマブルミラーアレイなどのプログラマブルパターニングデバイスを利用するマスクレスリソグラフィに容易に適用することができる。
【0074】
[0091]
図9は、ソースコレクタモジュールSO、照明系IL及び投影系PSを含む装置1000をさらに詳細に示す。ソースコレクタモジュールSOは、ソースコレクタモジュールSOの閉鎖構造220において真空環境を維持できるように構築され、配置される。EUV放射放出プラズマ210は、放電生成プラズマ放射線源によって形成することができる。EUV放射は、ガス又は蒸気(例えば、Xeガス、Li蒸気又はSn蒸気)によって生成することができ、電磁スペクトルのEUV範囲の放射を放出するために非常に高温のプラズマ210が生成される。非常に高温のプラズマ210は、例えば、少なくとも部分的に電離したプラズマを引き起こす放電によって生成される。放射を効率的に発生させるため、Xe、Li、Sn蒸気又は他の任意の適切なガス若しくは蒸気の分圧(例えば、10Pa)が必要とされ得る。実施形態では、EUV放射を生成するために、励起されたスズ(Sn)のプラズマが提供される。
【0075】
[0092] 高温のプラズマ210によって放出される放射は、ソースチャンバ211の開口部内又は開口部の後方に位置決めされるオプションのガスバリア又は汚染物質トラップ230(場合によっては、汚染物質バリア又はホイルトラップとも呼ばれる)を介して、ソースチャンバ211からコレクタチャンバ212に渡される。汚染物質トラップ230は、チャネル構造を含み得る。また、汚染トラップ230は、ガスバリア又はガスバリアとチャネル構造の組合せも含み得る。本明細書でさらに示される汚染物質トラップ又は汚染物質バリア230は、当技術分野で知られているように、少なくともチャネル構造を含む。
【0076】
[0093] コレクタチャンバ212は、いわゆる、斜入射型コレクタであり得る、放射コレクタCOを含み得る。放射コレクタCOは、上流側の放射コレクタ251及び下流側の放射コレクタ252を有する。コレクタCOを横断する放射は、格子スペクトルフィルタ240で反射し、点線「O」で示される光軸に沿って仮想光源点IFに集束される。仮想光源点IFは、一般に、中間焦点と呼ばれ、ソースコレクタモジュールは、中間焦点IFが閉鎖構造220の開口部221又はその近くに位置するように配置される。仮想光源点IFは、放射放出プラズマ210の像である。
【0077】
[0094] その後、放射は、照明系ILを横断し、照明系ILは、パターニングデバイスMAにおいて放射ビーム21の所望の角度分布を提供するように及びパターニングデバイスMAにおいて放射強度の所望の均一性を提供するように配置されたファセットフィールドミラーデバイス22及びファセット瞳ミラーデバイス24を含み得る。サポート構造MTによって保持されるパターニングデバイスMAにおいて放射ビーム21が反射され次第、パターン形成ビーム26が形成され、パターン形成ビーム26は、投影系PSによって、反射要素28、30を介して、基板テーブルWTによって保持される基板W上に結像される。
【0078】
[0095] 一般に、照明光学系ユニットIL及び投影系PSには、示されているものより多くの要素が存在し得る。リソグラフィ装置のタイプに応じて、任意選択的に、格子スペクトルフィルタ240が存在し得る。さらに、図に示されているものより多くのミラーが存在し得、例えば、
図9に示されている以外にも、1~6つの追加の反射要素が投影系PSに存在し得る。
【0079】
[0096]
図9に示されるように、コレクタ光学系COは、コレクタ(又はコレクタミラー)のほんの一例として、斜入射型リフレクタ253、254、255を有する入れ子コレクタとして示されている。斜入射型リフレクタ253、254、255は、光軸Oを中心に軸方向に対称的に配置され、このタイプのコレクタ光学系COは、放電生成プラズマ放射線源と組み合わせて使用することが望ましい。
【0080】
[0097] 或いは、ソースコレクタモジュールSOは、
図10に示されるようなLPP放射システムの一部であり得る。レーザLASは、キセノン(Xe)、スズ(Sn)、リチウム(Li)など、燃料にレーザエネルギーを蓄積させ、数十eVの電子温度を有する高電離プラズマ210を生成するように配置される。これらのイオンの脱励起及び再結合の際に発生する高エネルギー放射は、プラズマから放出され、近法線入射コレクタ光学系COによって収集され、閉鎖構造220の開口部221に集束される。
【0081】
[0098] 本明細書で開示される概念は、サブ波長フィーチャを結像するための一般的な結像系をシミュレーションするか又は数学的にモデリングすることができ、特に、ますますサイズが小さくなる波長の生成が可能な新しい結像技術に有用であり得る。既に使用されている新しい技術には、ArFレーザを使用した193nmの波長の生成が可能な及びフッ素レーザを使用した157nmの波長の生成さえも可能なEUV(極端紫外線)リソグラフィが含まれる。その上、EUVリソグラフィは、20~5nmの範囲内の波長を生成することができ、これは、シンクロトロンを使用することによって又は材料(固体若しくはプラズマ)に高エネルギーの電子をぶつけてこの範囲の光子を発生させることによって行われる。
【0082】
[0099] 本明細書で開示される概念は、シリコンウェーハなどの基板上の結像に使用することができるが、開示される概念は、例えば、シリコンウェーハ以外の基板上の結像に使用されるものなど、いかなる種類のリソグラフィ結像系でも使用できることを理解するものとする。
【0083】
[00100] 本文において、ICの製造における実施形態の使用に対して具体的な言及がなされる場合があるが、本明細書の実施形態は、他の多くの可能な適用例も有し得ることを理解すべきである。例えば、本明細書の実施形態は、集積光学システム、磁気ドメインメモリ用のガイダンス及び検出パターン、液晶ディスプレイ(LCD)、薄膜磁気ヘッド、マイクロメカニカルシステム(MEM)などの製造において採用することができる。当業者は、そのような代替の適用例の文脈において、本明細書の「レチクル」、「ウェーハ」又は「ダイ」という用語の使用が、それぞれ、より一般的な用語である「パターニングデバイス」、「基板」又は「ターゲット部分」と同義であるか又は交換可能であると見なせることが理解されよう。本明細書で言及される基板は、露光の前又は後に、例えば、トラック(典型的には、レジストの層を基板に塗布し、露光レジストを現像するツール)又はメトロロジ若しくはインスペクションツールにおいて処理することができる。適用可能な場合、本明細書の開示は、そのような及び他の基板処理ツールに適用することができる。さらに、基板は、例えば、多層ICを生成するために、複数回処理することもでき、その結果、本明細書で使用される基板という用語は、複数の処理された層を既に含む基板を指すこともある。
【0084】
[00101] 本文書では、本明細書で使用される「放射」及び「ビーム」という用語は、紫外線放射(例えば、約365、約248、約193、約157又は約126nmの波長を有する)及び極端紫外線(EUV)放射(例えば、5~20nmの範囲の波長を有する)を含むあらゆるタイプの電磁放射、並びに、イオンビーム又は電子ビームなどの粒子ビームを包含する。
【0085】
[00102] 本明細書で使用される「最適化する」及び「最適化」という用語は、結果及び/又はプロセスがより望ましい特性(基板上への設計パターンの投影のより高い精度、より大きなプロセスウィンドウなど)を有するようにパターニング装置(例えば、リソグラフィ装置)、パターニングプロセスなどを調整することを指すか又は意味する。従って、本明細書で使用される「最適化する」及び「最適化」という用語は、1つ又は複数のパラメータに対する1つ又は複数の値の初期セットと比較して、少なくとも1つの関係のあるメトリクスにおいて改善(例えば、局所最適)を提供するそれらの1つ又は複数のパラメータに対する1つ又は複数の値を特定するプロセスを指すか又は意味する。「最適な」及び他の関連用語は、相応に解釈すべきである。実施形態では、最適化ステップは、1つ又は複数のメトリクスにおけるさらなる改善を提供するために、反復して適用することができる。
【0086】
[00103] 本発明の態様は、任意の便利な形態で実装することができる。例えば、実施形態は、有形キャリア媒体(例えば、ディスク)でも、無形キャリア媒体(例えば、通信信号)でもよい、適切なキャリア媒体上で搬送され得る1つ又は複数の適切なコンピュータプログラムによって実装することができる。本発明の実施形態は、具体的には、本明細書で説明されるような方法を実施するように配置されたコンピュータプログラムを実行するプログラマブルコンピュータの形態を取り得る、適切な装置を使用して実装することができる。従って、本開示の実施形態は、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア又はそれらの任意の組合せで実装することができる。本開示の実施形態は、1つ又は複数のプロセッサによって読み取り及び実行を行うことができる、機械可読媒体に保存された命令として実施されてもよい。機械可読媒体は、機械(例えば計算デバイス)によって読み取り可能な形態で、情報を保存又は送信する機構を含んでもよい。例えば、機械可読媒体は、リードオンリーメモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、磁気ディスクストレージ媒体、光ストレージ媒体、フラッシュメモリデバイス、電気、光、音、又は他の形態の伝搬信号(例えば、搬送波、赤外線信号、デジタル信号など)などを含み得る。さらに、ファームウェア、ソフトウェア、ルーチン、命令は、本明細書では、特定の動作を行うと記載される場合がある。しかし、このような記載は、単に便宜上のものであり、このような動作は、実際には、計算デバイス、プロセッサ、コントローラ、又はファームウェア、ソフトウェア、ルーチン、命令などを実行する他のデバイスから生じることが理解されるものとする。
【0087】
[00104] ブロック図では、図示されたコンポーネントが離散機能ブロックとして描かれるが、実施形態は、本明細書に記載される機能性が図示通りに編成されるシステムに限定されない。各コンポーネントによって提供される機能性は、現在描かれているものとは異なるように編成されたソフトウェア又はハードウェアモジュールによって提供されてもよく、例えば、そのようなソフトウェア又はハードウェアは、混合、結合、複製、分割、配布(例えば、データセンター内で、又は地理的に)が行われてもよく、或いは、異なって編成されてもよい。本明細書に記載の機能性は、タンジブルで非一時的な機械可読媒体に保存されたコードを実行する1つ又は複数のコンピュータの1つ又は複数のプロセッサによって提供されてもよい。場合によっては、サードパーティコンテンツ配信ネットワークが、ネットワーク上で伝達される情報の一部又は全てをホスティングしてもよく、その場合、情報(例えばコンテンツ)が供給される、或いは提供されると言われている範囲で、コンテンツ配信ネットワークからその情報を読み出す命令を送ることによって、情報が提供されてもよい。
【0088】
[00105] 特に別段の記載のない限り、上記説明から明らかなように、本明細書全体を通して、「処理する」、「計算する」、「演算する」、「決定する」などの用語を利用した説明は、専用コンピュータ又は類似の専用電子処理/計算デバイスなどの特定の装置の動作又はプロセスを指すことが認識される。
【0089】
[00106] 読み手は、本出願が幾つかの発明を記載することを認識するはずである。これらの発明を複数の分離した特許出願に分けるのではなく、これらの発明は、それらの関連した主題が出願プロセスの経済性に適しているという理由で、単一の文書にまとめられている。しかし、このような発明の異なる利点及び局面は、1つにまとめられないものとする。場合によっては、実施形態は、本明細書に記載された欠点の全てに対処するが、これらの発明は、独立して有用であり、幾つかの実施形態は、このような問題の一部にのみ対処し、又は本開示を精査する当業者には明白となる他の言及されていない利点を提供することが理解されるものとする。コストの制約により、本明細書に開示される幾つかの発明は、現在請求されていない場合があり、及び継続出願などの後の出願で、又は現在の請求項の補正により、請求される場合がある。同様に、スペースの制約により、本文書の要約書部分及び概要部分のどちらも、上記発明の全て、又は上記発明の全ての局面の包括的リストを含むと見なされるべきものではない。
【0090】
[00107] 本明細書及び図面は、本開示を開示された特定の形態に限定することを意図したものではなく、逆に、その意図は、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の精神及び範囲内に入る全ての変更形態、等価形態、及び代替形態を対象に含めることと理解されるものとする。
【0091】
[00108] 本発明の様々な局面の変更形態及び代替実施形態は、本明細書に鑑みて、当業者には明らかとなるだろう。従って、本明細書及び図面は、単なる例示と見なされるべきものであり、及び本発明を実施する一般的な態様を当業者に教示する目的のものである。本明細書に図示及び記載される本発明の形態は、実施形態の例と見なされるべきであることが理解されるものとする。本発明の本明細書の恩恵を受けた後に全て当業者には明らかとなるように、要素及び材料が、本明細書に図示及び記載されたものの代わりに使用されてもよく、部品及びプロセスの反転、又は削除が行われてもよく、特定のフィーチャが独立して利用されてもよく、及び複数の実施形態又は複数の実施形態のフィーチャが組み合わせられてもよい。以下の特許請求の範囲に記載されるような本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、本明細書に記載された要素に変更が行われてもよい。本明細書に使用される見出しは、単なる構成目的のものであり、本明細書の範囲を限定するために使用されることは意図されない。
【0092】
[00109] 本出願全体を通して、「してもよい(may)」という語は、義務的な意味(すなわち、「しなければならない(must)」の意味)ではなく、許容の意味(すなわち、「~する可能性がある」の意味)で使用される。「含む(include)」、「含んでいる(including)」、及び「含む(includes)」などの語は、「限定されることなく含んでいること」を意味する。本出願全体を通して、単数形「a」、「an」、及び「the」は、内容が明らかにそうでないことを示さない限り、複数の指示対象を含む。従って、例えば、「1つの(an)」要素又は「1つの(a)」要素に対する言及は、「1つ又は複数の(one or more)」などの1つ又は複数の要素に対する他の用語及びフレーズの使用にもかかわらず、2つ以上の要素の組み合わせを含む。「又は(or)」という用語は、別段の指示のない限り、非排他的であり、すなわち、「及び(and)」と「又は(or)」の両方を包含する。例えば、「Xに応答して、Y」、「Xに際して、Y」、「もしXであれば、Y」「Xの時にY」などといった条件関係を表す用語は、先行詞が必要な因果条件であり、先行詞が十分な因果条件であり、又は先行詞が結果の一因となる因果条件である(例えば、「条件Yの獲得に際して、状態Xが生じる」は、「Yに際してのみXが生じる」及び「Xが、Y及びZに際して生じる」を包括する)因果関係を包含する。このような条件関係は、一部の結果が遅延され得ることから、先行詞の後にすぐさま続く獲得する結果に限定されず、条件文において、先行詞はそれらの結果に関係があり、例えば、先行詞は、結果が生じる可能性に関係する。複数の属性又は機能が複数の対象に対応付けられる文(例えば、1つ又は複数のプロセッサが、ステップA、B、C、及びDを行う)は、別段の指示がない限り、全てのそのような属性又は機能が、全てのそのような対象に対応付けられること、及び属性又は機能のサブセットが、属性又は機能のサブセットに対応付けられることの両方(例えば、全プロセッサのそれぞれが、ステップA~Dを行うこと、及びプロセッサ1がステップAを行い、プロセッサ2がステップB及びステップCの一部を行い、及びプロセッサ3がステップCの一部及びステップDを行うケースの両方)を包含する。さらに別段の指示がない限り、1つの値又は動作が別の条件又は値に「基づく」文は、その条件又は値が、唯一の因子である場合、及びその条件又は値が、複数の因子の中の1つの因子である場合の両方を包含する。別段の指示のない限り、ある集団の「各々の」例が、ある特性を有するという文は、より大きな集団の他の点では同一又は類似のメンバーがその特性を持たないケースを排除すると解釈されるべきではなく、すなわち、「各々」は、必ずしも、「ありとあらゆる」を意味しない。範囲からの選択への言及は、範囲の端点を含む。
【0093】
[00110] 上記の説明では、フローチャートのいかなるプロセス、説明又はブロックも、プロセスの特定の論理機能又はステップを実施するための1つ又は複数の実行可能命令を含むモジュール、セグメント又はコードの一部分を表すものとして理解すべきであり、当業者によって理解されるように、代替の実装形態は、本発明の例示的な実施形態の範囲内に含まれ、機能は、関与する機能性に応じて、実質的に同時に又は逆の順番を含めて、示される又は論じられる順番以外で実行することができる。
【0094】
[00111] 実施形態は、以下の条項を使用してさらに説明することができる。
1.命令が記録された非一時的なコンピュータ可読媒体であって、命令が、1つ又は複数のプロセッサによって実行されると、半導体製造における経時的なプロセスドリフトを決定するための方法を実施し、方法が、
経時的な半導体プロセスの性能を特徴付ける重要業績評価指標(KPI)のばらつき及び半導体プロセスと関連付けられた因子セットと関連付けられたデータを得ることと、
KPIのモデルを使用して及びモデルへの入力としてデータを使用して、KPIのばらつきに対する第1の因子セットの寄与を決定することであって、第1の因子セットが、統計的な閾値を超える、決定することと、
残差KPIのばらつきを得るために、KPIのばらつきに対する第1の因子セットからの寄与を除去することと、
残差KPIのばらつきに基づいて、残差閾値を超える残差値を決定することであって、残差値が、半導体プロセスにおける経時的なプロセスドリフト又は特定の時間における残差値に対応する外れ値基板を示す、決定することと
を含む、媒体。
2.第1の因子セットを決定することが、
半導体製造と関連付けられた因子セットに基づいてモデルを構成することと、
KPIにおけるばらつきに対する因子セットからの寄与の量を決定するために、データにモデルを適用することと
を含む、条項1に記載の媒体。
3.モデルが、
KPIを因子セットの関数と残差項に分解するように構成された統計モデル、及び、
因子セットに関連するデータを入力として受信し、残差KPIのばらつきを出力として生成するように構成された機械学習モデル
の1つを含む、条項1又は2に記載の媒体。
4.第1の因子セットを決定することが、
KPIのばらつきに対する因子セットの各々の寄与を決定するために、分散分析(ANOVA)又は共分散分析(ANCOVA)技法を統計モデルに適用すること
を含む、条項3に記載の媒体。
5.KPIが、
パターニングプロセスを介して基板上に結像されたパターンと関連付けられたローカルクリティカルディメンション均一性(LCDU)、
パターニングプロセスを介して基板上に結像されたパターンと関連付けられたエッジ配置誤差、及び、
パターニングプロセスを介して基板上に結像されたパターンと関連付けられたオーバーレイ
の少なくとも1つである、条項1~4の何れか一項に記載の媒体。
6.KPIのばらつきが、複数のリソグラフィ装置、複数のプロセス装置、複数のレチクル、複数のメトロロジツール及び/又は1つ若しくは複数の測定可能なパラメータを使用することによって得られる、条項1~5の何れか一項に記載の媒体。
7.因子セットが、
KPIのばらつきに対する複数のリソグラフィ装置の寄与を特徴付けるための第1のカテゴリ変数、
KPIにおけるばらつきに対する複数のレチクルの寄与を特徴付けるための第2のカテゴリ変数、
KPIのばらつきに対する複数のメトロロジツールの寄与を特徴付けるための第3のカテゴリ変数、及び、
KPIのばらつきに寄与する測定可能なウェーハパラメータを含む第4の変数
の少なくとも1つを含む、条項1~6の何れか一項に記載の媒体。
8.測定可能なパラメータが、パターンの平均クリティカルディメンション、リソグラフィ装置のドーズ、及びリソグラフィ装置の焦点の少なくとも1つを含む、条項7に記載の媒体。
9.前記命令は、
残差KPIのばらつきにおけるシステマティクスを検出することと、
検出されたシステマティクスに応答して、システマティクスと関連付けられた根本原因を決定することと、
KPIのばらつきに対する寄与因子として根本原因と関連付けられた因子を含むようにモデルを調整することと
をさらに含む、条項1~8の何れか一項に記載の媒体。
10.根本原因は、残差KPIのばらつきが半導体プロセスの下流のプロセスの特性によって生じることを示す、条項9に記載の媒体。
11.根本原因は、残差KPIのばらつきが半導体プロセスの上流のプロセスの特性によって生じることを示す、条項9に記載の媒体。
12.システマティクスを検出することは、
一定の期間にわたって残差KPIのばらつきのレベルにおけるシフトを識別すること
を含む、条項9に記載の媒体。
13.システマティクスを検出することは、
残差KPIのばらつきにおけるシステマティクスを識別するように構成された統計モデルを実行すること
を含む、条項9~12の何れか一項に記載の媒体。
14.前記命令は、
一定の間隔で又は連続的に、半導体プロセスと関連付けられた因子セットに関連するデータを捕捉することと、
捕捉された前記データに基づいて残差KPIのばらつきを更新することと
をさらに含む、条項1~13の何れか一項に記載の媒体。
15.残差KPIのばらつきが、測定されたKPIにおける信号対雑音比と比較して、より高い信号対雑音比を含む、条項1~14の何れか一項に記載の媒体。
16.半導体製造における経時的なプロセスドリフトを決定するための方法であって、
経時的な半導体プロセスの性能を特徴付ける重要業績評価指標(KPI)のばらつき及び半導体プロセスと関連付けられた因子セットと関連付けられたデータを得ることと、
KPIのモデルを使用して及びモデルへの入力としてデータを使用して、KPIのばらつきに対する第1の因子セットの寄与を決定することであって、第1の因子セットが、統計的な閾値を超える、決定することと、
残差KPIのばらつきを得るために、KPIのばらつきに対する第1の因子セットからの寄与を除去することと、
残差KPIのばらつきに基づいて、残差閾値を超える残差値を決定することであって、残差値が、半導体プロセスにおける経時的なプロセスドリフト又は特定の時間における残差値に対応する外れ値基板を示す、決定することと
を含む、方法。
17.第1の因子セットを決定することが、
半導体製造と関連付けられた因子セットに基づいてモデルを構成することと、
KPIにおけるばらつきに対する因子セットからの寄与の量を決定するために、データにモデルを適用することと
を含む、条項16に記載の方法。
18.モデルが、
KPIを因子セットの関数と残差項に分解するように構成された統計モデル、及び、
因子セットに関連するデータを入力として受信し、残差KPIのばらつきを出力として生成するように構成された機械学習モデル
の1つを含む、条項16又は17に記載の方法。
19.第1の因子セットを決定することが、
KPIのばらつきに対する因子セットの各々の寄与を決定するために、分散分析(ANOVA)又は共分散分析(ANCOVA)技法を統計モデルに適用すること
を含む、条項18に記載の方法。
20.KPIが、
パターニングプロセスを介して基板上に結像されたパターンと関連付けられたローカルクリティカルディメンション均一性(LCDU)、
パターニングプロセスを介して基板上に結像されたパターンと関連付けられたエッジ配置誤差、及び、
パターニングプロセスを介して基板上に結像されたパターンと関連付けられたオーバーレイ
の少なくとも1つである、条項16~19の何れか一項に記載の方法。
21.KPIのばらつきが、複数のリソグラフィ装置、複数のプロセス装置、複数のレチクル、複数のメトロロジツール及び/又は1つ若しくは複数の測定可能なパラメータを使用することによって得られる、条項16~20の何れか一項に記載の方法。
22.因子セットが、
KPIのばらつきに対する複数のリソグラフィ装置の寄与を特徴付けるための第1のカテゴリ変数、
KPIにおけるばらつきに対する複数のレチクルの寄与を特徴付けるための第2のカテゴリ変数、
KPIのばらつきに対する複数のメトロロジツールの寄与を特徴付けるための第3のカテゴリ変数、及び、
KPIのばらつきに寄与する測定可能なウェーハパラメータを含む第4の変数
の少なくとも1つを含む、条項16~21の何れか一項に記載の方法。
23.測定可能なパラメータが、パターンの平均クリティカルディメンション、リソグラフィ装置のドーズ及びリソグラフィ装置の焦点の少なくとも1つを含む、条項22に記載の方法。
24.残差KPIのばらつきにおけるシステマティクスを検出することと、
検出されたシステマティクスに応答して、システマティクスと関連付けられた根本原因を決定することと、
KPIのばらつきに対する寄与因子として根本原因と関連付けられた因子を含むようにモデルを調整することと
をさらに含む、条項16~23の何れか一項に記載の方法。
25.根本原因が、残差KPIのばらつきが半導体プロセスの下流のプロセスの特性によって生じることを示す、条項24に記載の方法。
26.根本原因が、残差KPIのばらつきが半導体プロセスの上流のプロセスの特性によって生じることを示す、条項24に記載の方法。
27.システマティクスを検出することが、
一定の期間にわたって残差KPIのばらつきのレベルにおけるシフトを識別すること
を含む、条項24に記載の方法。
28.システマティクスを検出することが、
残差KPIのばらつきにおけるシステマティクスを識別するように構成された統計モデルを実行すること
を含む、条項24~27の何れか一項に記載の方法。
29.一定の間隔で又は連続的に、半導体プロセスと関連付けられた因子セットに関連するデータを捕捉することと、
捕捉データに基づいて残差KPIのばらつきを更新することと
をさらに含む、条項16~28の何れか一項に記載の方法。
30.残差KPIのばらつきが、測定されたKPIにおける信号対雑音比と比較して、より高い信号対雑音比を含む、条項16~29の何れか一項に記載の方法。
【0095】
[00112] 特定の実施形態について説明してきたが、これらの実施形態は、単なる例として提示されており、本開示の範囲を制限することを意図するものではない。実際に、本明細書で説明される新規の方法、装置及びシステムは、他の多様な形態で具体化することができ、その上、本開示の精神から逸脱しない範囲で、本明細書で説明される方法、装置及びシステムの形態における様々な省略、代用及び変更を行うことができる。添付の特許請求の範囲及びそれらの均等物は、本開示の範囲及び精神内に収まるため、そのような形態又は変更形態をカバーすることが意図される。
【国際調査報告】