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特表2024-523821スペクトルデータ収集を強化するための終点検出システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-02
(54)【発明の名称】スペクトルデータ収集を強化するための終点検出システム
(51)【国際特許分類】
   G01N 21/27 20060101AFI20240625BHJP
   H01L 21/66 20060101ALI20240625BHJP
【FI】
G01N21/27 B
H01L21/66 J
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023574806
(86)(22)【出願日】2022-06-09
(85)【翻訳文提出日】2023-12-05
(86)【国際出願番号】 US2022032882
(87)【国際公開番号】W WO2022261359
(87)【国際公開日】2022-12-15
(31)【優先権主張番号】17/344,791
(32)【優先日】2021-06-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100101502
【弁理士】
【氏名又は名称】安齋 嘉章
(72)【発明者】
【氏名】ハン ペンユ
(72)【発明者】
【氏名】リェン レイ
【テーマコード(参考)】
2G059
4M106
【Fターム(参考)】
2G059AA05
2G059BB08
2G059BB10
2G059EE02
2G059EE12
2G059JJ11
2G059JJ17
2G059MM09
2G059MM10
4M106AA01
4M106BA04
4M106BA05
4M106CA21
4M106DB02
4M106DB14
4M106DB16
(57)【要約】
スペクトルデータ収集を強化するための終点検出システムが提供される。光バンドルは、入射光を生成するように構成された光源に結合される。光バンドルは、各々が出射光ファイバと入射光ファイバを含む2セット以上の光ファイバを含む。入射光ファイバは、各々の出射光ファイバに対してペア角度で光バンドル内に配置される。また、光バンドルは、色消しレンズを含むコリメータアセンブリに結合される。色消しレンズは、第1の出射光ファイバから入射光の第1の光ビームを受光し、第1の光ビームのスペクトル成分を基板表面の第1及び第2の部分に向ける。基板表面の第1の部分は、第2の部分と実質的に同じである。色消しレンズは、基板表面の第1及び第2の部分に向けられたスペクトル成分により生成される反射スペクトル成分を収集する。色消しレンズは、反射スペクトル成分を光ファイババンドルの第1の入射ファイバに伝送し、第1の入射ファイバは反射されたスペクトル成分を光検出コンポーネントに伝送する。光検出コンポーネントに結合された処理デバイスは、反射スペクトル成分に基づいて基板表面の反射率を決定する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
終点検出システムであって、
入射光を生成するように構成された光源コンポーネントと、
光源に結合された光バンドルであって、
第1の出射光ファイバと第1の入射光ファイバとを含む第1のセットの光ファイバであって、第1の出射光ファイバは第1の入射光ファイバに対してペア角度で配置される第1のセットの光ファイバと、
第2の出射光ファイバと第2の入射光ファイバとを含む第2のセットの光ファイバであって、第2の出射光ファイバは第2の入射光ファイバに対してペア角度で配置される第2のセットの光ファイバを備え、
第1の出射光ファイバと第2の出射光ファイバは、光源からの入射光を受け取るように構成される光バンドルと、
光バンドルに結合されたコリメータアセンブリであって、コリメータアセンブリは色消しレンズを備え、色消しレンズは、
第1の出射光ファイバからの入射光の第1の光ビームの受光に応答して、第1の光ビームの第1の複数のスペクトル成分を基板表面の第1の部分に向け、第1の光ビームの第2の複数のスペクトル成分を基板表面の第2の部分に向け、第1の部分は第2の部分と実質的に同じであり、
基板表面から光の第1の複数の反射スペクトル成分と光の第2の複数の反射スペクトル成分を収集し、光の第1の複数の反射スペクトル成分は基板表面の第1の部分に向けられた第1の複数のスペクトル成分により生成され、光の第2の複数の反射スペクトル成分は基板表面の第2の部分に向けられた第2の複数のスペクトル成分により生成され、
第1の複数の反射スペクトル成分及び第2の複数の反射スペクトル成分を光バンドルの第1の入射光ファイバに伝送する色消しレンズと、
光バンドルに結合され光検出コンポーネントであって、第1の複数の反射スペクトル成分及び第2の複数の反射スペクトル成分を第1の入射光ファイバから受信するように構成される光検出コンポーネントと、
光検出コンポーネントに通信可能に結合された処理デバイスであって、第1の複数の反射スペクトル成分及び第2の複数の反射スペクトル成分に基づいて基板表面の反射率を決定するように構成された処理デバイスを含む終点検出システム。
【請求項2】
コリメータアセンブリの色消しレンズは、
第2の出射光ファイバからの入射光の第2の光ビームの受光に応答して、第2の光ビームの第3の複数のスペクトル成分を基板表面の第3の部分に向け、第2の光ビームの第4の複数のスペクトル成分を基板表面の第4の部分に向け、第3の部分は第4の部分と実質的に同じであり、
基板表面から光の第3の複数の反射スペクトル成分と光の第4の複数の反射スペクトル成分を収集し、光の第3の複数の反射スペクトル成分は基板表面の第3の部分に向けられた第3の複数のスペクトル成分により生成され、光の第4の複数の反射スペクトル成分は基板表面の第4の部分に向けられた第4の複数のスペクトル成分により生成され、
第3の複数の反射スペクトル成分と第4の複数の反射スペクトル成分を光バンドルの第2の入射光ファイバに伝送し、
処理デバイスは、更に、第3の複数の反射スペクトル成分及び第4の複数の反射スペクトル成分に基づいて基板表面の反射率を決定するように構成される、請求項1に記載の終点検出システム。
【請求項3】
光バンドルとコリメータアセンブリとの間に結合された偏光子コンポーネントであって、偏光子は、第1の出射光ファイバを介して伝送される入射光の第1の光ビームに直線偏光又は円偏光のうちの少なくとも1つを適用するように構成される、偏光子コンポーネントを含む、請求項1に記載の終点検出システム。
【請求項4】
ペア角度は約175度から約185度の間である、請求項1に記載の終点検出システム。
【請求項5】
ペア角度は約180度である、請求項1に記載の終点検出システム。
【請求項6】
色消しレンズは、収束光学素子と発散光学素子とを備えるダブレットレンズである、請求項1に記載の終点検出システム。
【請求項7】
色消しレンズはトリプレットレンズである、請求項1に記載の終点検出システム。
【請求項8】
第2の部分が第1の部分と実質的に同じとなるため、第2の部分と第1の部分との間の重なりが、第2の部分と第1の部分の各々の少なくとも90%である、請求項1に記載の終点検出システム。
【請求項9】
第2の部分が第1の部分と実質的に同じとなるため、第2の部分と第1の部分との間の重なりが、第2の部分と第1の部分の各々の少なくとも95%である、請求項1に記載の終点検出システム。
【請求項10】
第1の出射光ファイバは第2の出射光ファイバに対して分離角度で配置され、分離角度は約180度未満である、請求項1に記載の終点検出システム。
【請求項11】
光バンドルは、第1のセットの光ファイバと第2のセットの光ファイバの各々を取り囲む絶縁材料を更に備え、絶縁材料は、第1の出射光ファイバと第1の入射光ファイバ、又は第2の出射光ファイバと第2の入射光ファイバのうちの少なくとも1つの間のペア角度を維持するように構成される、請求項1に記載の終点検出システム。
【請求項12】
コリメータアセンブリは、基板の表面の基準点に対するコリメータアセンブリのコリメータハウジングの軸の位置合わせを修正するように構成された傾斜機構を更に備える、請求項1に記載の終点検出システム。
【請求項13】
コリメータアセンブリの色消しレンズが、基板を含む処理チャンバの外壁内に埋設された透明窓の外面とインターフェースするように構成される、請求項1に記載の終点検出システム。
【請求項14】
透明窓は、処理チャンバの環境とインターフェースするように構成された内面を備え、透明窓の外面は透明窓の内面と平行ではない、請求項13に記載の終点検出システム。
【請求項15】
製造システムであって、
処理チャンバと、
処理チャンバ内に配置される基板と、
処理チャンバに結合され、基板の表面の反射率を決定するように構成された終点検出システムであって、
入射光を生成するように構成された光源コンポーネントと、
光源に結合された光バンドルであって、
第1の出射光ファイバと第1の入射光ファイバとを含む第1のセットの光ファイバであって、第1の出射光ファイバは第1の入射光ファイバに対してペア角度で配置される第1のセットの光ファイバと、
第2の出射光ファイバと第2の入射光ファイバとを含む第2のセットの光ファイバであって、第2の出射光ファイバは第2の入射光ファイバに対してペア角度で配置される第2のセットの光ファイバを備え、
第1の出射光ファイバと第2の出射光ファイバは、光源からの入射光を受け取るように構成される光バンドルと、
光バンドルに結合されたコリメータアセンブリであって、コリメータアセンブリは色消しレンズを備え、色消しレンズは、
第1の出射光ファイバからの入射光の第1の光ビームの受光に応答して、第1の光ビームの第1の複数のスペクトル成分を基板表面の第1の部分に向け、第1の光ビームの第2の複数のスペクトル成分を基板表面の第2の部分に向け、第1の部分は第2の部分と実質的に同じであり、
基板表面から光の第1の複数の反射スペクトル成分と光の第2の複数の反射スペクトル成分を収集し、光の第1の複数の反射スペクトル成分は基板表面の第1の部分に向けられた第1の複数のスペクトル成分により生成され、光の第2の複数の反射スペクトル成分は基板表面の第2の部分に向けられた第2の複数のスペクトル成分により生成され、
第1の複数の反射スペクトル成分及び第2の複数の反射スペクトル成分を光バンドルの第1の入射光ファイバに伝送する色消しレンズと、
光バンドルに結合され光検出コンポーネントであって、第1の複数の反射スペクトル成分及び第2の複数の反射スペクトル成分を第1の入射光ファイバから受信するように構成される光検出コンポーネントと、
光検出コンポーネントに通信可能に結合された処理デバイスであって、第1の複数の反射スペクトル成分及び第2の複数の反射スペクトル成分に基づいて基板表面の反射率を決定するように構成された処理デバイスを含む終点検出システムを備える製造システム。
【請求項16】
処理チャンバの外壁内に埋設された透明窓を備え、透明窓は、処理チャンバの環境とインターフェースするように構成された内面と、終点検出システムとインターフェースするように構成された外面とを含み、終点検出システムのコリメータアセンブリの色消しレンズは、透明窓の外面とほぼ位置合わせされるように構成される、請求項15に記載の製造システム。
【請求項17】
透明窓の内面は透明窓の外面と平行ではない、請求項16に記載の製造システム。
【請求項18】
コリメータアセンブリの色消しレンズは、
第2の出射光ファイバからの入射光の第2の光ビームの受光に応答して、第2の光ビームの第3の複数のスペクトル成分を基板表面の第3の部分に向け、第2の光ビームの第4の複数のスペクトル成分を基板表面の第4の部分に向け、第3の部分は第4の部分と実質的に同じであり、
基板表面から光の第3の複数の反射スペクトル成分と光の第4の複数の反射スペクトル成分を収集し、光の第3の複数の反射スペクトル成分は基板表面の第3の部分に向けられた第3の複数のスペクトル成分により生成され、光の第4の複数の反射スペクトル成分は基板表面の第4の部分に向けられた第4の複数のスペクトル成分により生成され、
第3の複数の反射スペクトル成分と第4の複数の反射スペクトル成分を光バンドルの第2の入射光ファイバに伝送し、
処理デバイスは、更に、第3の複数の反射スペクトル成分及び第4の複数の反射スペクトル成分に基づいて基板表面の反射率を決定するように構成される、請求項15に記載の製造システム。
【請求項19】
方法であって、
光バンドルの第1のセットの光ファイバの第1の出射光ファイバと、光バンドルの第2のセットの光ファイバの第2の出射光ファイバを介して入射光を伝送する工程であって、第1のセットの光ファイバは、第1の出射光ファイバに対してペア角度で配置された第1の入射光ファイバを備え、第2のセットの光ファイバは、第2の出射光ファイバに対してペア角度で配置された第2の入射光ファイバを更に備える工程と、
コリメータアセンブリの色消しレンズを介して、第1の出射光ファイバを介して伝送される入射光の第1の光ビームの第1の複数のスペクトル成分を基板表面の第1の部分に向け、第1の光ビームの第2の複数のスペクトル成分を基板表面の第2の部分に向け、第1の部分は第2の部分と実質的に同じである工程と、
光バンドルに結合された光検出コンポーネントから、コリメータアセンブリの色消しレンズにより収集された第1の複数の反射スペクトル成分及び第2の複数の反射スペクトル成分を受け取る工程であって、第1の複数の反射スペクトル成分は、基板表面の第1の部分に向けられた第1の複数のスペクトル成分により生成され、第2の複数の反射スペクトル成分は、基板表面の第2の部分に向けられた第2の複数のスペクトル成分により生成され、第1の複数の反射スペクトル成分と第2の複数の反射スペクトル成分は、色消しレンズから、第1のセットの光ファイバの第1の入射光ファイバを介して、光検出コンポーネントに伝送される行程と、
第1の複数の反射スペクトル成分と第2の複数の反射スペクトル成分に基づいて基板の表面の反射率を決定する工程を有する方法。
【請求項20】
コリメータアセンブリの色消しレンズを介して、第2の出射光ファイバを介して伝送される入射光の第2の光ビームの第3の複数のスペクトル成分を基板表面の第3の部分に向け、第2の光ビームの第4の複数のスペクトル成分を基板表面の第4の部分に向ける工程であって、第3の部分は第4の部分と実質的に同じである工程と、
光検出コンポーネントから、コリメータアセンブリの色消しレンズにより収集される第3の複数の反射スペクトル成分及び第4の複数の反射スペクトル成分を受け取る工程であって、第3の複数の反射スペクトル成分は、基板表面の第3の部分に向けられた第3の複数のスペクトル成分により生成され、第4の複数の反射スペクトル成分は、基板表面の第4の部分に向けられた第4の複数のスペクトル成分により生成され、第3の複数の反射スペクトル成分と第4の複数の反射スペクトル成分は、第2のセットの光ファイバの第2の入射光ファイバを介して色消しレンズから光検出コンポーネントに伝送される行程とを含み、
基板表面の反射率は、第3の複数の反射スペクトル成分及び第4の複数の反射スペクトル成分に基づいて更に決定される、請求項19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施形態は、一般に、製造システムに関し、より詳細には、スペクトルデータ収集を強化するための終点検出システムに関する。
【背景】
【0002】
マイクロエレクトロニクス及び集積回路デバイスの製造には、多くの場合、半導体、誘電体、及び導電性の基板上で多数のオペレーションを実行することが含まれる。幾つかの例では、単結晶、半導体膜、コーティング、その他多数の物質が電子デバイスの製造やその他の実用用途に使用される。選択されたタイプの原子が基板に追加され(例えば、堆積により)、又は基板から除去される(例えば、エッチングにより)ため、効率的且つ正確な終点監視技術及びシステムが価値を有している。処理不足(例えば、堆積不足、エッチング不足)及び処理過剰(例えば、堆積過剰、処理過剰)は、標準以下で、誤動作するデバイスという結果をもたらす可能性がある。従って、デバイス製造の様々な段階をリアルタイムで監視できる光学制御システムは製品の品質を大幅に向上させることができ、高品質の半導体デバイスに対する要求が絶え間なく高まっていることを考えると、特に有用である。
【概要】
【0003】
説明される実施形態の幾つかは、終点検出システムをカバーする。終点検出システムは、入射光を生成するように構成された光源コンポーネントを含む。更に、終点検出システムは、光源に結合された光バンドルを含む。光バンドルは、第1の出射光ファイバと第1の入射光ファイバとを含む第1のセットの光ファイバを含む。第1の出射光ファイバは、第1の入射光ファイバに対してペア角度で配置される。光バンドルは、更に、第2の出射光ファイバと第2の入射光ファイバを含む第2のセットの光ファイバを含む。第2の出射光ファイバは、第2の入射光ファイバに対してペア角度で配置される。第1の出射光ファイバ及び第2の出射光ファイバは、光源からの入射光を受け取るように構成される。更に、終点検出システムは、光バンドルに結合されたコリメータアセンブリを含み、コリメータアセンブリは色消しレンズを含む。色消しレンズは、第1出射光ファイバからの入射光の第1光ビームの受光に応答し、第1光ビームの第1のセットのスペクトル成分を基板表面の第1の部分に向けるように構成される。更に、色消しレンズは、第1の光ビームの第2のセットのスペクトル成分を基板表面の第2の部分に向けるように構成される。第1の部分は第2の部分と実質的に同じである。更に、色消しレンズは、基板表面からの光の第1のセットの反射スペクトル成分と光の第2のセットの反射スペクトル成分を収集するように構成される。光の反射スペクトル成分のセットは、基板表面の第1の部分に向けられた第1のセットのスペクトル成分により生成され、光の第2のセットの反射スペクトル成分は、基板表面の第2の部分に向けられた第2のセットのスペクトル成分により生成される。更に、色消しレンズは、第1のセットの反射スペクトル成分と第2のセットの反射スペクトル成分を光ファイババンドルの第1の入射光ファイバに伝送するように構成される。更に、光バンドルは、光バンドルに結合された光検出コンポーネントを含む。光検出コンポーネントは、第1入射光ファイバから第1のセットの反射スペクトル成分と第2のセットの反射スペクトル成分を受信するように構成される。更に、光バンドルは、光検出コンポーネントに通信可能に結合された処理デバイスを含む。処理デバイスは、第1のセットの反射スペクトル成分と第2のセットの反射スペクトル成分のセットに基づいて基板表面の反射率を決定するように構成される。
【0004】
幾つかの実施形態では、製造システムが提供される。製造システムは、処理チャンバと、処理チャンバ内に配置された基板とを含む。更に、製造システムは、処理チャンバに結合され、基板の表面の反射率を決定するように構成される終点検出システムを含む。終点検出システムは、入射光を生成するように構成された光源コンポーネントを含む。更に、終点検出システムは、光源に結合された光バンドルを含む。光バンドルは、第1の出射光ファイバと第1の入射光ファイバを含む第1のセットの光ファイバを含む。第1の出射光ファイバは、第1の入射光ファイバに対してペア角度で配置される。更に、光バンドルは、第2の出射光ファイバと第2の入射光ファイバを含む第2のセットの光ファイバを含む。第2の出射光ファイバは、第2の入射光ファイバに対してペア角度で配置される。第1の出射光ファイバ及び第2の出射光ファイバは、光源からの入射光を受け取るように構成される。更に、終点検出システムは光バンドルに結合されたコリメータアセンブリを含み、コリメータアセンブリは色消しレンズを含む。色消しレンズは、第1出射光ファイバからの入射光の第1光ビームの受光に応答して、第1光ビームの第1のセットのスペクトル成分を基板表面の第1部分に向けるように構成される。更に、色消しレンズは、第1の光ビームの第2のセットのスペクトル成分を基板表面の第2の部分に向けるように構成される。第1の部分は第2の部分と実質的に同じである。更に、色消しレンズは、基板表面からの光の第1のセットの反射スペクトル成分と光の第2のセットの反射スペクトル成分を収集するように構成される。光の反射スペクトル成分のセットは、基板表面の第1の部分に向けられた第1のセットのスペクトル成分により生成され、光の第2のセットの反射スペクトル成分は、基板表面の第2の部分に向けられたスペクトル成分の第2のセットにより生成される。更に、色消しレンズは、第1のセットの反射スペクトル成分と第2のセットの反射スペクトル成分を光ファイババンドルの第1入射光ファイバに伝送するように構成される。更に、光バンドルは、光バンドルに結合された光検出コンポーネントを含む。光検出コンポーネントは、第1入射光ファイバから第1のセットの反射スペクトル成分と第2のセットの反射スペクトル成分を受信するように構成される。更に、光バンドルは、光検出コンポーネントに通信可能に結合された処理デバイスを含む。処理デバイスは、第1のセットの反射スペクトル成分と第2のセットの反射スペクトル成分に基づいて基板表面の反射率を決定するように構成される。
【0005】
幾つかの実施形態では、強化されたスペクトルデータ収集のための方法が提供される。この方法は、光バンドルの第1のセットの光ファイバの第1出射光ファイバと、光バンドルの第2のセットの光ファイバの第2出射光ファイバを介して入射光を伝送することを含む。更に、第1のセットの光ファイバは、第1の出射光ファイバに対してペア角度で配置された第1の入射光ファイバを含む。更に、第2のセットの光ファイバは、第2の出射光ファイバに対してペア角度で配置された第2の入射光ファイバを含む。更に、この方法は、コリメータアセンブリの色消しレンズを介して、第1の出射光ファイバを介して伝送される入射光の第1の光ビームの第1のセットのスペクトル成分を基板表面の第1の部分に向け、第1の光ビームの第2のセットのスペクトル成分を基板表面の第2の部分に向けることを含む。第1の部分は第2の部分と実質的に同じである。更に、この方法は、光バンドルに結合された光検出コンポーネントから、コリメータアセンブリの色消しレンズにより収集された第1のセットの反射スペクトル成分と第2のセットの反射スペクトル成分を受け取ることを含む。第1のセットの反射スペクトル成分は、基板表面の第1の部分に向けられたスペクトル成分の第1のセットにより生成される。第2のセットの反射スペクトル成分は、基板表面の第2部分に向けられた第2のセットのスペクトル成分により生成される。第1のセットの反射スペクトル成分及び第2のセットの反射スペクトル成分は、色消しレンズから、第1のセットの光ファイバの第1入射光ファイバを介して光検出コンポーネントに伝送される。更に、この方法は、第1のセットの反射スペクトル成分と第2のセットの反射スペクトル成分に基づいて基板の表面の反射率を決定することを含む。
【図面の簡単な説明】
【0006】
本開示は、限定するものではなく例として添付図面に示されており、同様の参照符号は同様の要素を示している。本開示における「1つの」実施形態又は一実施形態への異なる言及は、必ずしも同じ実施形態を指すわけではなく、そのような言及は少なくとも1つを意味することに留意すべきである。
図1】本開示の態様による、例示的なコンピュータシステムアーキテクチャを示す。
図2】本開示の態様による、例示的な製造システムの上面概略図である。
図3】本開示の態様による、終点検出システムを示す。
図4A】~
図4B】本開示の態様による、終点検出システムの光バンドル及び色消しアセンブリを示す図である。
図5A】本開示の態様による、光バンドルの一例の断面図を示す。
図5B】本開示の態様による、光バンドルの別の例の断面図を示す。
図6A】~
図6C】本開示の態様による、終点検出システムにより得られる強化されたスペクトルデータ収集を示す。
図7】本開示の態様による、終点検出システムによりスペクトルデータを収集する方法のフローチャートである。
図8】本開示の態様による、複数の処理チャンバで終点検出システムにより収集されたスペクトルデータを使用して機械学習モデルをトレーニングする方法のフローチャートである。
図9】本開示の1つ以上の態様により動作する例示的なコンピュータシステムのブロック図を示す。
【実施形態の詳細な説明】
【0007】
本開示の実施形態は、スペクトルデータ収集を強化するための終点検出システムを対象とする。基板プロセス(例えば、堆積プロセス、エッチングプロセス等)は、製造システムの処理チャンバで基板に対して実行することができる。基板プロセスの終点とは、基板のプロファイルが目標基板プロファイルに対応する(即ち、一致又は実質的に一致する)プロセスの点を指す。例えば、目標基板プロファイルのパターンを含むマスクは、基板(例えば、シリコンウエハ等)のエッチングプロセス中に使用することができる。マスクは、ウエハの表面上に配置され、反応性(例えば、ウェット又はドライエッチング)環境に暴露され、マスクにより保護されていない基板の部分を除去することができる。また、エッチングプロセスの終点とは、基板のプロファイルがマスクにより提供される目標基板プロファイルのパターンに対応するエッチングプロセスの点を意味する。
【0008】
プロセス手順からの逸脱により、基板プロセスの速度及び/又は均一性が変動する可能性がある。例えば、エッチング環境の変化やフォトマスクパターンの違いにより、基板の表面全体に亘って、及び複数の基板のエッチングプロセス間で、エッチングの速度と均一性にばらつきが生じる可能性がある。このような変化を追跡し、それに応答するには、基板プロセス中の様々な期間で基板の表面を特徴付ける正確且つ実質的な光学応答データを収集できる、正確で調整可能な光学終点システムを伴う。精度の目標は、マイクロエレクトロニックデバイスの寸法の縮小、フォトマスクの設計の益々の複雑化、デバイスの均一性への要求の高まりにより更に推進されている。終点制御用の既存の光学システムでは、多くの場合、このような増大する技術的要求に応えることができない。
【0009】
本開示の態様及び実施形態は、スペクトルデータ収集を強化するための終点検出システムを提供することにより、従来技術のこの欠点及び他の欠点に対処する。終点検出システムは、処理チャンバに結合又は処理チャンバ内に配置することができ、基板プロセス中に基板のスペクトルデータを収集するように構成することができる。スペクトルデータは、基板の表面から反射された光の各々の波長について検出されたエネルギーの波の強度(即ち、エネルギーの強度又は量)に関連するデータを意味する。終点検出システムの光バンドルは、光源コンポーネント、光検出器、及びコリメータアセンブリに結合される。光バンドルは、少なくとも、第1の出射ファイバと、第1の出射ファイバに対してペア角度で配置された第1の入射ファイバを含む第1のセットの光ファイバを含む。更に、光バンドルは、少なくとも、第2の出射ファイバと、第1の出射ファイバに対してペア角度で配置された第2の入射ファイバを含む第2のセットの光ファイバを含む。ペア角度は約175度から約180度の間である。
【0010】
光源は入射光を生成し、その入射光を第1の出射ファイバ及び第2の出射ファイバを介してコリメータアセンブリに伝送する。コリメータアセンブリは、第1出射ファイバにより伝送された入射光を第1の入射光ビームに変換し、第2出射ファイバにより伝送された入射光を第2の入射光ビームに変換するように構成された色消しレンズを含む。各々の入射光ビームは、広範囲の波長内で均一な空間プロファイルを有する。各々の光ビームは、各々が異なる波長範囲に関連付けられたスペクトル成分の複数のセットを含むことができる。コリメータアセンブリは、第1の光ビームの第1のセットのスペクトル成分を基板表面の第1の部分に向け、第1の光ビームの第2のセットのスペクトル成分を基板表面の第2の部分に向ける。また、コリメータアセンブリは、第2の光ビームの第1のセットのスペクトル成分を基板の表面の第3の部分に向け、第2の光ビームの第2のセットのスペクトル成分を基板表面の第4の部分に向ける。
【0011】
第1の反射光ビームと第2の反射光ビームは基板表面から色消しレンズに伝送される。第1の反射光ビームは、第1の光ビームの第1のセットのスペクトル成分により生成される第1のセットの反射スペクトル成分と、第1の光ビームの第2のセットのスペクトル成分により生成される第2のセットの反射スペクトル成分を含む。第2の反射光ビームは、第2の光ビームの第1のセットのスペクトル成分により生成される第1のセットの反射スペクトル成分と、第2の光ビームの第2のセットのスペクトル成分により生成される第2のセットの反射スペクトル成分を含む。色消しレンズは、第1の反射光ビームを光バンドルの第1の入射ファイバに伝送し、第2の反射光ビームを第2の入射ファイバに伝送する。光バンドルに結合された光検出器は、第1及び第2の反射光ビームを受光し、基板表面の第1の部分及び第2の部分の反射率を(例えば、光検出器に結合された処理デバイスを介して)決定する。決定された反射率は、基板のスペクトルデータの基礎となるか、又はスペクトルデータに含めることができ、基板プロセスの終点を検出するために使用することができる。
【0012】
本開示の終点検出システムは、従来の終点検出システムでは不可能であった強化されたスペクトルデータ収集を提供する。本開示の終点検出システムの光バンドルは、光源コンポーネントから基板表面への複数の入射光信号の伝送、及び基板表面から光検出器への複数の反射光信号の伝送を、送信信号のパワーを低減することがある追加の機器(例えば、ビームスプリッター等)使用することなく可能にする。そのため、光バンドルは反射光をより効率的に収集し、反射光ビームの信号損失を低減し、反射光信号が従来の光ファイバーケーブルよりも全体的に大きくなるようにすることができる。終点検出システムのコリメータアセンブリは、広範囲の波長に対して均一な空間プロファイルを有する入射光のビームを生成する。例えば、入射光ビームの幅は、ビームの250nmのスペクトル成分についても、ビームの750nmのスペクトル成分についても同じであってもよい。強化された均一性により、処理チャンバ内の基板表面の目標部分の光学応答のより正確な測定が可能になり、これによって、基板プロセス中の基板プロファイルの状態をより正確に決定できるより正確なデータが提供される。
【0013】
図1は、本開示の態様による、例示的なコンピュータシステムアーキテクチャ100を示す。コンピュータシステムアーキテクチャ100は、クライアントデバイス120、製造装置122、計測装置130、予測サーバ112(例えば、予測データの生成、モデル適応の提供、知識ベースの使用等)、及びデータストア150を含む。予測サーバ112は予測システム110の一部であってもよい。更に、予測システム110はサーバマシン170、180を含むことができる。幾つかの実施形態では、コンピュータシステムアーキテクチャ100は、基板を処理するための製造システム(例えば、図2の製造システム200等)を含むか、又はその一部であってもよい。
【0014】
クライアントデバイス120、製造装置122、計測装置130、予測システム110、及び/又はデータストア150のコンポーネントは、ネットワーク140を介して相互に結合することができる。幾つかの実施形態では、ネットワーク140は、クライアントデバイス120に予測サーバ112、データストア150、及び他の公的に利用可能なコンピューティングデバイスへのアクセスを提供するパブリックネットワークである。幾つかの実施形態では、ネットワーク140は、クライアントデバイス120に製造装置122、計測装置130、データストア150、及び他の私的に利用可能なコンピューティング装置へのアクセスを提供するプライベートネットワークである。ネットワーク140は、1つ以上のワイドエリアネットワーク(WAN)、ローカルエリアネットワーク(LAN)、有線ネットワーク(例えば、イーサネットネットワーク)、無線ネットワーク(例えば、802.11ネットワーク又はWi‐Fiネットワーク)、セルラーネットワーク(例えば、ロングタームエボリューション(LTE)ネットワーク)、ルータ、ハブ、スイッチ、サーバコンピューター、クラウドコンピューティングネットワーク、及び/又はこれらの組み合わせを含むことができる。
【0015】
クライアントデバイス120は、パーソナルコンピュータ(PC)、ラップトップ、携帯電話、スマートフォン、タブレットコンピュータ、ネットブックコンピュータ、ネットワーク接続テレビ(「スマートTV」)、ネットワーク接続メディアプレーヤー(例えば、ブルーレイプレーヤー)、セットトップボックス、オーバーザトップ(OTT)ストリーミングデバイス、オペレータボックス等のコンピューティングデバイスを含むことができる。
【0016】
製造装置122は、レシピに従って製品を生産するか、又は一定期間に亘って作用を実行することができる。幾つかの実施形態では、製造装置122は、基板に対して異なる機能を実行するように構成された1つ以上のステーション(例えば、処理チャンバ、搬送チャンバ、ロードロック等)を含む処理ツールを含むか、又はその一部であってもよい。更に、製造装置122は、製造装置122において基板に対して実行されるプロセスの終点を検出するように構成された終点検出システム124を含むことができる。基板プロセスの終点とは、基板のプロファイルが目標(ターゲット)プロファイルに対応する(即ち、一致又は実質的に一致する)プロセスの点を意味する。終点検出システム124は、基板プロセス中に基板のプロファイルの1つ以上の部分に関連するスペクトルデータを収集及び/又は生成するように構成された1つ以上のコンポーネントを含むことができる。スペクトルデータは、検出された波の各波長に対するエネルギーの検出された波の強度(即ち、エネルギーの強度又は量)に関連するデータを意味する。
【0017】
幾つかの実施形態では、終点検出システム124は、光源からの入射光を基板の表面に導き、基板の表面からの反射光を光検出コンポーネントに伝送するように構成された光ファイババンドル及びコリメータアセンブリを含むことができる。終点検出システム124の処理デバイスは、光検出コンポーネントに伝送された反射光に基づいて基板のプロファイルのスペクトルデータを生成することができる。終点検出システム124の処理デバイスは、スペクトルデータに基づいて基板プロセスの終点に到達したかどうかを決定することができる。基板プロセスの終点に到達したとの決定に応答して、終点検出システム124は、処理チャンバでの基板プロセスを終了することができる。終点検出システム124に関する更なる詳細は、図3に関して提供される。
【0018】
幾つかの実施形態では、製造装置122の1つ以上のステーションは、製造装置122に関連するセンサデータを生成及び/又は収集するように構成されたセンサを含むことができる。センサデータは、温度(例えば、ヒータ温度)、スペース(SP)、圧力、高周波周波数(HFRF)、静電チャック(ESC)の電圧、電流、流量、電力、電圧等の1つ以上の値を含むことができる。センサーデータは、ハードウェアパラメーター等の製造パラメーター(例えば、製造装置122の設定又はコンポーネント(例えば、サイズ、タイプ等)等)、又は製造装置122のプロセスパラメータに関連付け、又は表示することができる。センサデータは、製造装置122が基板プロセスを実行している間に提供することができる。センサデータは基板ごとに異なる場合がある。
【0019】
幾つかの実施形態では、コンピュータシステムアーキテクチャ100は、計測装置130を含むことができる。計測装置130は、製造装置122により処理される基板に関連する計測データを生成するように構成することができる。計測データは、膜特性データ(例えば、ウエハ空間膜特性)、寸法(例えば、厚さ、高さ等)、誘電率、ドーパント濃度、密度、欠陥等の1つ以上の値を含むことができる。更に、幾つかの実施形態では、計測データは、1つ以上の表面プロファイル特性データ(例えば、エッチング速度、エッチング速度の均一性、基板の表面に含まれる1つ以上のフィーチャの限界寸法、基板の表面に亘る限界寸法の均一性、エッジ配置誤差等)の値を含むことができる。計測データは、最終的なもの又は準最終的なものの場合がある。計測データは基板ごとに異なる場合がある。
【0020】
幾つかの実施形態では、計測機器130は、製造機器122とは別個(即ち、外部)の計測測定装置を含むことができる。例えば、計測機器130は、製造機器122のいかなるステーションにも結合されていないスタンドアロン機器とすることができる。このような実施形態では、製造システムのユーザ(例えば、エンジニア、オペレータ等)は、製造装置122で処理された基板を製造装置122から取り出し、測定のために基板を計測装置130に移送することができる。幾つかの実施形態では、計測機器130は、基板に関して生成された計測データを、ネットワーク140を介して計測機器130に結合されたクライアントデバイス120に転送することができる。他の又は同様の実施形態では、製造システムのユーザは、計測機器130から基板の計測データを得て、計測データをクライアントデバイス120のグラフィカルユーザインターフェース(GUI)を介してコンピュータシステムに提供することができる。追加的の又は代替的の実施形態では、計測装置130を、製造装置122の一部として含めることができる。例えば、計測装置130を製造装置122の処理ツールの真空環境に含めることができる(即ち、搬送チャンバに結合される)。このような計測機器はインライン計測機器と称される。別の例では、計測機器130を、処理ツールの非真空環境に含めることができる(即ち、ファクトリインターフェースに結合する)。このような計測機器は統合計測機器と称される。
【0021】
データストア150は、メモリ(例えば、ランダムアクセスメモリ)、ドライブ(例えば、ハードドライブ、フラッシュドライブ)、データベースシステム、又はデータを格納できる他の種類のコンポーネント又はデバイスであってもよい。データストア150は、複数のコンピューティングデバイス(例えば、複数のサーバコンピュータ)をスパンすることができる複数のストレージコンポーネント(例えば、複数のドライブ又は複数のデータベース)を含むことができる。データストア150は、スペクトルデータ、非スペクトルデータ(例えば、センサデータ)、計測データ、予測データ等を記憶することができる。スペクトルデータは、過去のスペクトルデータ(例えば、製造装置122又はネットワーク140を介してデータストア150に結合された他の製造装置で処理された以前の基板に対して生成されたスペクトルデータ)、及び/又は現在のスペクトル(製造装置122で処理されている現在の基板に対して生成されたスペクトルデータ)を含むことができる。幾つかの実施形態では、現在のスペクトルデータは、予測データが生成されるデータであってもよい。幾つかの実施形態では、計測データは、過去の計測データ(例えば、製造装置122又は他の製造装置で処理された以前の基板の計測測定値)を含むことができる。また、データストア150は、製造システムで処理されている基板に関連するコンテキストデータ(例えば、レシピ名、レシピステップ番号、予防保守インジケータ、オペレータ等)を保存することもできる。
【0022】
幾つかの実施形態では、データストア150は、製造システムのユーザ(例えば、オペレータ、エンジニア等)がアクセスできないデータを格納するように構成することができる。例えば、製造システムで処理される基板に関して取得されたスペクトルデータ、非スペクトルデータ、及び/又はコンテキストデータは、製造装置122のユーザがアクセスすることができない。幾つかの実施形態では、データストア150に格納されている全てのデータはユーザはアクセスすることができず、他の又は同様の実施形態では、データストア150に格納されたデータの一部はユーザがアクセスできない一方、データストア150に格納されたデータの別の部分はユーザがアクセスすることができる。幾つかの実施形態では、データストア150のアクセス不可能なデータは、ユーザに知られていない暗号化機構を使用して暗号化することができる(例えば、データは秘密暗号鍵を使用して暗号化される)。他の又は同様の実施形態では、データストア150は、ユーザがアクセスできないデータが1つ以上の第1のデータストアに保存され、ユーザがアクセスできるデータが1つ以上の第2のデータストアに保存される複数のデータストアを含むことができる。
【0023】
幾つかの実施形態では、予測システム110は、サーバマシン170及びサーバマシン180を含む。サーバマシン170は、機械学習モデル190又は機械学習モデル190のセットをトレーニング、検証、及び/又はテストするためのトレーニングデータセット(例えば、データ入力のセット及び目標出力のセット)を生成することができるトレーニングセット生成器172を含む。幾つかの実施形態では、トレーニングセット生成器172は、トレーニングデータをトレーニングセット、検証セット、及びテストセットに分割することができる。
【0024】
サーバマシン180は、トレーニングエンジン182、検証エンジン184、選択エンジン185、及び/又はテストエンジン186を含むことができる。エンジンは、ハードウェア(例えば、回路、専用ロジック、プログラマブルロジック、マイクロコード、処理デバイス等)、ソフトウェア(例えば、処理デバイス、汎用コンピュータシステム、又は専用マシン上で実行される命令等)、ファームウェア、マイクロコード、又はこれらの組み合わせを意味することができる。トレーニングエンジン182は、機械学習モデル190又は機械学習モデル190のセットをトレーニングすることができる。機械学習モデル190は、トレーニング入力及び対応する目標出力(各々のトレーニング入力に対する正解)を含むトレーニングデータを使用してトレーニングエンジン182により生成されるモデルアーチファクトを意味することができる。トレーニングエンジン182は、トレーニング入力を目標出力(予測される答え)にマッピングするトレーニングデータ内のパターンを見つけ、これらのパターンを捕捉する機械学習モデル190を提供することができる。機械学習モデル190は、線形回帰モデル、部分最小二乗回帰モデル、ガウス回帰モデル、ランダムフォレストモデル、サポートベクタマシンモデル、ニューラルネットワーク、リッジ回帰モデル等を含むことができる。
【0025】
検証エンジン184は、トレーニングセット生成器172からの検証セットの対応するフィーチャセットを使用して、トレーニング済み機械学習モデル190を検証することができる。検証エンジン184は、トレーニング済み機械学習モデル190の各々の精度を、検証セットの対応するフィーチャセットに基づいて検証することができる。検証エンジン184は、閾値精度を満たさない精度を有するトレーニング済み機械学習モデル190を破棄することができる。幾つかの実施形態では、選択エンジン185は、閾値精度を満たす精度を有するトレーニング済み機械学習モデル190を選択することができる。幾つかの実施形態では、選択エンジン185は、トレーニング済み機械学習モデル190の中で最も高い精度を有するトレーニング済み機械学習モデル190を選択することができる。テストエンジン186は、データセット生成器172からのテストセットの対応するフィーチャのセットを使用してトレーニング済み機械学習モデル190をテストすることができる。例えば、トレーニングセットの第1のフィーチャセットを使用してトレーニング済み第1のトレーニング済み機械学習モデル190は、テストセットの第1のフィーチャセットを使用してテストすることができる。テストエンジン186は、テストセットに基づいて、トレーニング済み機械学習モデルの全ての中で最も高い精度を有するトレーニング済み機械学習モデル190を決定することができる。
【0026】
予測サーバ112は、1つ以上の入力に対してトレーニング済み機械学習モデル190を実行して1つ以上の出力を得ることができる予測エンジン114を含む。例えば、予測コンポーネント114は、製造装置122で処理されている現在の基板の一部についてのスペクトルデータ及び/又は非スペクトルデータを、トレーニング済み機械学習モデル190への入力として提供し、その入力上でトレーニング済み機械学習モデル190を実行し、1つ以上の出力を取得することができる。幾つかの実施形態では、出力は、現在の基板に対する現在のプロセスが終点に到達したかどうかを示すデータを含むことができる。例えば、1つ以上の出力は、現在の基板の計測データを含むことができる。計測データは、現在の基板プロセスの終点に到達したかどうかを決定するために(例えば、終点検出システム124により)使用することができる。
【0027】
幾つかの他の実装形態では、予測サーバ112と同様に、サーバマシン170、180の機能は、より少ない数のマシンにより提供することができることに留意すべきである。例えば、幾つかの実施形態では、サーバマシン170、180を単一のマシンに統合することができ、他の幾つかの又は類似の実施形態では、サーバマシン170、180、及び予測サーバ112を単一のマシンに統合することができる。
【0028】
一般に、一実施形態においてサーバマシン170、サーバマシン180、及び/又は予測サーバ112により実行されるものとして説明されている機能は、クライアントデバイス120上でも実行することができる。更に、特定のコンポーネントに起因する機能は、異なる又は一緒に動作する複数のコンポーネントにより実行することもできる。
【0029】
実施形態では、「ユーザ」は単一の個人として表すことができる。しかし、本開示の他の実施形態は、複数のユーザ及び/又は自動ソースにより制御されるエンティティである「ユーザ」を包む。例えば、管理者のグループとしてフェデレーションされた一連の個々のユーザーを「ユーザー」とみなすことができる。
【0030】
図2は、本開示の態様による例示的な製造システム200の上面概略図である。製造システム200は、基板202上で1つ以上のプロセスを実行することができる。基板202は、その上に電子デバイス又は回路コンポーネントを製造するのに適した任意の適切な剛性の固定寸法の平面物品(例えば、シリコン含有ディスク又はウエハ、パターン化されたウエハ、ガラス板等)であってもよい。
【0031】
製造システム200は、処理ツール204と、処理ツール204に結合されたファクトリインターフェース206を含むことができる。処理ツール204は、内部に搬送チャンバ210を有するハウジング208を含むことができる。搬送チャンバ210は、その周囲に配置され、それに結合された1つ以上の処理チャンバ(プロセスチャンバとも呼ばれる)214、216、218を含むことができる。処理チャンバ214、216、218は、各々のポート(例えば、スリットバルブ等)を介して搬送チャンバ210に結合することができる。また、搬送チャンバ210は、処理チャンバ214、216、218、ロードロック220等の間で基板202を搬送するように構成された搬送チャンバロボット212を含むことができる。搬送チャンバロボット212は1つ以上のアームを含み、各々のアームは各々のアームの端部に1つ以上のエンドエフェクタを含むことができる。エンドエフェクタは、ウエハ等の特定の物体を取り扱うように構成することができる。
【0032】
処理チャンバ214、216、218は、基板202上で任意の数のプロセスを実行するように適合させることができる。同じ又は異なる基板プロセスを各々の処理チャンバ214、216、218で実行することができる。基板プロセスは、原子層堆積(ALD)、物理気相堆積(PVD)、化学気相堆積(CVD)、エッチング、アニーリング、硬化、前洗浄、金属又は金属酸化物の除去等を含むことができる。他のプロセスをその中の基板上で実行することができる。幾つかの実施形態では、終点検出装置108(例えば、図1に関して説明された終点検出システム124の終点検出装置)を、本明細書で説明するように、処理チャンバ214、216、218に結合するか、処理チャンバ214、216、218内に配置することができる。
【0033】
ロードロック220をハウジング208及び搬送チャンバ210に結合することができる。ロードロック220は、一方の側で搬送チャンバ210及びファクトリインターフェース206とインターフェースし、それらに結合されるように構成することができる。幾つかの実施形態では、ロードロック220は、真空環境(搬送チャンバ210との間で基板を搬送する)から、大気圧又は大気圧に近い不活性ガス環境(ファクトリインターフェース206との間で基板を搬送する)に変更することができる環境制御雰囲気を有することができる。
【0034】
ファクトリインターフェース206は、例えば機器フロントエンドモジュール(EFEM)等の任意の適切なエンクロージャとすることができる。ファクトリインターフェース206は、ファクトリインターフェース206の様々なロードポート224にドッキングされた基板キャリア222(例えば、フロントオープニングユニファイドポッド(FOUP))から基板202を受け取るように構成することができる。ファクトリインターフェースロボット226(破線で示す)は、基板キャリア(コンテナとも称される)とロードロック220の間で基板を搬送するように構成することができる。他の実施形態及び/又は類似の実施形態では、ファクトリインターフェース206は、交換部品保管コンテナ222から交換部品を受け取るように構成することができる。
【0035】
また、製造システム200は、製造システム200に関する情報をユーザ(例えば、オペレータ)に提供するように構成されたクライアントデバイス(例えば、図1のクライアントデバイス120)に接続することができる。幾つかの実施形態では、クライアントデバイスは、1つ以上のグラフィカルユーザインターフェース(GUI)を介して、製造システム200のユーザに情報を提供することができる。例えば、クライアントデバイスは、GUIを介して、処理チャンバ214、216、218で実行される基板プロセスの終点に関する情報を提供することができる。
【0036】
また、製造システム200は、システムコントローラ228を含むか、システムコントローラ228に結合することができる。システムコントローラ228は、コンピューティングデバイス(例えば、パーソナルコンピュータ、サーバコンピュータ、プログラマブルロジックコントローラ(PLC)、マイクロコントローラ等)であってもよく、及び/又はこれらを含むことができる。システムコントローラ228は1つ以上の処理デバイスを含むことができ、この処理デバイスは汎用処理デバイス(例えば、マイクロプロセッサ、中央処理装置等)であってもよい。より具体的には、処理デバイスは、複合命令セットコンピューティング(CISC)マイクロプロセッサ、縮小命令セットコンピューティング(RISC)マイクロプロセッサ、超長命令ワード(VLIW)マイクロプロセッサ、他の命令セットを実行するプロセッサ、又は命令セットの組み合わせを実行するプロセッサであってもよい。処理デバイスは、1つ以上の専用処理デバイス(例えば、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、ネットワークプロセッサ等)であってもよい。システムコントローラ228は、データ記憶装置(例えば、1つ以上のディスクドライブ及び/又はソリッドステートドライブ)、メインメモリ、スタティックメモリ、ネットワークインターフェース、及び/又は他のコンポーネントを含むことができる。システムコントローラ228は、本明細書に記載される方法及び/又は実施形態のうちの任意の1つ又は複数を実行するための命令を実行することができる。幾つかの実施形態では、システムコントローラ228は、プロセスレシピに従って製造システム200で1つ以上のオペレーションを実行するための命令を実行することができる。命令はコンピュータ可読記憶媒体に記憶することができ、これはメインメモリ、スタティックメモリ、二次記憶装置、及び/又は処理デバイス(命令の実行中)を含むことができる。
【0037】
幾つかの実施形態では、終点検出システム124の処理デバイスは、システムコントローラ228に対応することができる。そのような実施形態では、システムコントローラ228は、処理チャンバ214、216、218での基板プロセス中に終点検出システム124の機器からスペクトルデータを受け取ることができる。本明細書に記載の実施形態に従い、コントローラ228は、受け取ったスペクトルデータに基づいて、処理チャンバ214、216、218において基板プロセスの終点に到達したかどうかを決定することができる。他の又は同様の実施形態では、終点検出システム124の処理デバイスは、システムコントローラ228から分離することができる。従って、基板プロセスの終点の検出に応答して、終点検出システム124は、システムコントローラ228に命令を送信して、システムコントローラ228は、各々の処理チャンバ314、316、318で基板プロセスを終了させることができる。
【0038】
終点検出システム124の機器、又は製造システム200の他のコンポーネントから受け取ったスペクトルデータは、データストア250に記憶することができる。データストア250はシステムコントローラ228内のコンポーネントとして含めることができ、又はシステムとは別個のコンポーネントとすることもできる。図1に関して説明されたように、幾つかの実施形態では、データストア250は、データストア150の一部であるか、又はその一部を含むことができる。
【0039】
図3は、本開示の態様による、処理チャンバ310に結合された終点検出システム300を示す。終点検出システム300は、図1に関して説明された終点検出システム124に対応することができる。処理チャンバ310は、図2に関して説明された処理チャンバ214、216、218のいずれかに対応することができる。幾つかの実施形態では、処理チャンバ310は、腐食性プラズマ環境が提供されるプロセスに使用することができる。例えば、処理チャンバ310は、プラズマエッチャ又はプラズマエッチングリアクタ、プラズマクリーナ等のためのチャンバであってもよい。他の又は同様の実施形態では、処理チャンバ310は、非腐食性環境が提供されるプロセスに使用することができる。例えば、処理チャンバ310は、化学着気相堆積(CVD)チャンバ、物理気相堆積(PVD)チャンバ、原子層堆積(ALD)チャンバ、イオンアシスト堆積(IAD)チャンバ、及び他のタイプの処理チャンバとして使用することができる。処理チャンバ310は、上述したように、基板202のプロセスを実行するように構成することができる。
【0040】
簡単に言えば、処理チャンバ310は、内部容積306を取り囲むチャンバ本体302、蓋330及び/又はシャワーヘッド(図示せず)を含む。チャンバ本体302は、一般に、側壁308及び底部312を含む。シャワーヘッドは、シャワーヘッド基部と、シャワーヘッドのガス分配プレートを含むことができる。蓋330及び/又はシャワーヘッドは、チャンバ本体302の側壁308上に支持することができる。シャワーヘッド(又は蓋330)は、処理チャンバ310の内部容積306へのアクセスを可能にするために開くことができ、また、閉じている時には、処理チャンバ310へシールを提供することができる。ガスパネル(図示せず)を処理チャンバ310に結合し、蓋330及びノズル(例えば、シャワーヘッド又は蓋及びノズルの開口部を通して)、及び/又はシャワーヘッドを介して内部容積306に処理ガス及び/又はクリーニングガスを提供することができる。排気ポート326はチャンバ本体302内に画定することができ、内部容積306をポンプシステム328に結合することができる。ポンプシステム328は、処理チャンバの内部容積306の圧力を排気し、調整するために用いられる1つ以上のポンプ及びスロットルバルブを含むことができる。基板支持アセンブリ348は、内部容積306内で、蓋330及び/又はシャワーヘッドの下に配置される。基板支持アセンブリ348は処理中に基板202を保持する。一実施形態では、基板支持アセンブリ348は、静電チャック350を支持する台座352を含む。
【0041】
終点検出システム300は、基板プロセス中に内部容積306の環境を光学的に監視するように構成することができる。図3に示されるように、終点検出システム300はチャンバ本体302に機械的に結合され、内部容積306の環境と光学的にインターフェースされることができる(即ち、チャンバインターフェース370を介して)。他の又は類似の実施形態では、終点検出システム300の1つ以上のコンポーネントは、内部容積306内に配置することができる。終点検出システム300は、コリメータアセンブリ354、光ファイババンドル356、光コンポーネント362、処理デバイス376、及び幾つかの実施形態では、偏光子コンポーネント368を含むことができる。図3に示されるように、コリメータアセンブリ354をチャンバインターフェース370に結合することができる。幾つかの実施形態では、チャンバインターフェース370は、オリフィス、収束又は発散レンズ、透明スラブ、又はコリメータアセンブリ354と内部容積306の環境の間で光を伝送することができる任意の他のデバイス又は材料であってもよい。図3は蓋332内に埋設されているチャンバインターフェース370を示すが、チャンバインターフェース370は、処理チャンバ310の任意の部分(例えば、側壁308、底部312等)内に埋設するか、又はそれに結合することができる。
【0042】
光バンドル356の第1の端部はコリメータアセンブリ354に結合することができ、光バンドル356の第2の端部は光コンポーネント362に結合することができる。光バンドル356は、光バンドル356の絶縁材料内に配置される1つ以上の出射ファイバ358及び1つ以上の入射ファイバ360を含むことができる。光バンドル356に関する更なる詳細が本明細書に提供される。光コンポーネント362は、光を生成するように構成された光源364を含むことができる。本明細書において、「光」は、可視光、遠近赤外(IR)、遠近紫外(UV)等を含む任意のスペクトル範囲の電磁放射を指す。更に、「光」は、非偏光(例えば、自然)光、直線偏光、円偏光、又は楕円偏光、部分偏光、集束光、発散光、平行光等を含むことができる。幾つかの実施形態では、光源364は、発光ダイオード(LED)、レーザ、電球等の狭帯域光源を含むことができる。他の又は同様の実施形態では、光源364は広帯域光を含むことができる。幾つかの実施形態では、光源364は、(一緒にすると)広帯域光入力を生成する複数の狭帯域光源等の2つ以上のコンポーネント光源を含むことができる。光源364は、光のスペクトル分布及び/又は偏光を制御するために、追加の光学要素(即ち、フィルタ、吸収体、偏光子等)を含むことができる。
【0043】
光源364により生成された光(本明細書では入射光と呼ぶ)は、光バンドル356の1つ以上の出射ファイバ358を介してコリメータアセンブリ354に伝送することができる。出射ファイバ358を介して入射光を受け取ると、コリメータアセンブリ354は、入射光を1つ以上の光ビームに変換するように構成することができる。例えば、入射光は、コリメータアセンブリ354の1つ以上の光学要素(例えば、レンズ、反射器、フィルタ、アパーチャ等)を通過することができる。幾つかの実施形態では、コリメータアセンブリ354により生成される光ビームの空間特性は、光ビーム372の複数のスペクトル成分について同じであってもよい。例えば、光ビーム372の直径は、入射光に含まれる様々なスペクトル成分の波長λの広い範囲内で同じであってもよい。既存の終点検出システムでは、従来の光ビームの直径は波長λに応じて変化する場合がある。例えば、緑色コンポーネント(λ=550nm)は9nmの直径を有し、赤色コンポーネント(λ=650nm)は13nmの直径を有することができる。その結果、異なるスペクトル成分が異なる光路に沿って伝播する。これにより、得られた基板の反射率R(λ)に重大な誤差が生じる可能性があり、従って、基板202の表面の誤った特性評価につながる可能性がある。対照的に、コリメータアセンブリ354は、光の直径が波長λの広い範囲に亘って同一である光ビーム372を生成することができる。幾つかの実施形態では、コリメータアセンブリ354は、1つ以上の色消し(アクロマティック)レンズを含むことができる。このような実施形態では、コリメータアセンブリ354により生成される光ビーム372は、無彩色の光ビームになることができる。コリメータアセンブリ354に関する更なる詳細は、図4A~4Bに関して提供される。
【0044】
図3に示されるように、幾つかの実施形態では、コリメータアセンブリ354は偏光子コンポーネント368を含むことができる。偏光子コンポーネント368は、光源364により生成された非偏光(例えば自然)光を偏光するように構成される。例えば、偏光子コンポーネント368は、非偏光の入射光を線形、円形又は楕円形偏光に変換することができる。なお、図3は、偏光子コンポーネント368をコリメータアセンブリ354の一部として示しているが、偏光子コンポーネント568は、入射光をチャンバインターフェース370に通過させる終点検出システム300の任意の部分に結合することができる。例えば、偏光子コンポーネント368を、光源364の出口、1つ以上の出射光ファイバ358の出口、コリメータアセンブリとチャンバインターフェース370の間等に結合することができる。
【0045】
コリメータ354は、チャンバインターフェース370を介して、基板支持アセンブリ348上に配置された基板202の表面に光ビーム372を導くことができる。光ビーム372は反射光ビーム374として基板202の表面で反射され、コリメータアセンブリ354により受光されることができる。光バンドル356の1つ以上の入射光ファイバ360は、反射光ビーム374を光コンポーネント362の光検出器366に伝送することができる。光検出器366は、1つ以上の分光器、分光計、回折格子、ミラー、レンズ、フォトダイオード、及び他のデバイスを含むことができる。光検出器366は、単独で、又は処理デバイス376と連携して、反射光ビーム374に基づいて基板202の表面に関連する1つ以上の光学応答を決定することができる。例えば、光検出器366及び/又は処理デバイス376は、反射率R(λ)、屈折率n(λ)、又は反射光374に基づいて基板202を特徴付けるために使用できる他の任意の光量を決定することができる。幾つかの実施形態では、光学応答を使用して、基板202について、反射率の偏光依存性、反射時の偏光面の回転角、発光強度等を特徴付けることができる。本出願に関して説明されるように、スペクトルデータは、反射光374の光学応答、及び/又は反射光374の光学応答から導出される基板202の光学特性に対応するデータを意味することができる。
【0046】
幾つかの実施形態では、処理デバイス376は、処理チャンバ310を含む製造システム用のシステムコントローラ(例えば、システムコントローラ228)の一部として含まれることができる。そのような実施形態では、処理デバイス376は、基板202に対して生成されたスペクトルデータを、処理デバイス376に結合されたデータストア(例えば、データストア250等)に記憶することができる。他の又は同様の実施形態では、処理デバイス376は、システムコントローラ228とは別個であるが、ネットワークを介してシステムコントローラ228に結合される処理コンポーネントとすることができる。処理デバイス376は、生成されたスペクトルデータを、製造システム200の各々のデータストアに記憶するためにシステムコントローラ228に送信することができる。
【0047】
幾つかの実施形態では、コリメータアセンブリ354は、コリメータの光軸の調整を可能にする傾斜調整機構378を備えることができる。幾つかの実施形態では、傾斜機構378は、メンテナンス後のコリメータアセンブリ354のセンタリングを容易にし、又はチャンバ間の一貫性を確保することができる。他の又は類似の実施形態では、傾斜機構378は、中心から外れた基板表面の部分(例えば、基板表面のエッジ部分等)のスペクトルデータを収集するための光軸の調整を容易にすることができる。
【0048】
図4A~4Bは、本開示の態様による、終点検出システム300のコリメータアセンブリ354及び光バンドル356を示す。図3に関して説明されたように、コリメータアセンブリ354は、処理チャンバ310のチャンバインターフェース370に結合することができる。幾つかの実施形態では、コリメータアセンブリ354は、コリメータハウジング410を含むことができる。コリメータハウジング410は、コリメータアセンブリ354のチャンバインターフェース370への結合を容易にするように構成されたチャンバインターフェース412を含むか、又はチャンバインターフェース412に結合することができる。幾つかの実施形態では、チャンバインターフェース412は、コリメータハウジング410と永久的に融着することができる。他の又は同様の実施形態では、チャンバインターフェース412はネジを介してコリメータハウジング410に取り外し可能に取り付けることができ、又は、摩擦、保持ネジ、ピン、戻り止め等によりコリメータハウジング410に保持されることができる。チャンバインターフェース412は、処理チャンバの受け入れオリフィス(例えば、チャンバインターフェース370の受け入れオリフィス等)に嵌合し、又はチャンバインターフェース370に結合されるように構成することができる。チャンバインターフェース412及び処理チャンバ310の受け入れオリフィスは、処理チャンバ310の環境からのガスの漏出を防止するために、密閉(即ち、1つ以上の耐ガスシール又はガスケットにより)することができる。
【0049】
図4Aに示されるように、光バンドル356は、少なくとも、第1の出射ファイバ358A及び第1の入射ファイバ360Aを含む第1のセットの光ファイバと、第2の出射ファイバ358B及び第2の入射ファイバ358Bを含む第2のセットの第2の光ファイバを含むことができる。他の又は同様の実施形態では、光バンドル356は、各々が少なくとも1つの出射ファイバと1つの入射ファイバを含む光ファイバの任意の数のセットを含むことができる。幾つかの実施形態では、光バンドル356の各々の光ファイバは、光バンドル356の中心点の周りに配置される。図5Aは、本開示の態様による光バンドル356の一例の断面図を示す。図5Aに示されるように、点502は光バンドル356の中心点に対応する。光ファイバの第1のセット及び第2のセットの各々のファイバは、中心点502の周りに配置することができる。上述したように、特定の配置では、光バンドル356は、各々の光ファイバの位置を維持するように構成された絶縁材料504を含むことができる。更に、絶縁材料504は、各々の光ファイバ間のバリアとして機能し、隣接する光ファイバ間のクロストークを最小化又は実質的に排除することができる。幾つかの実施形態では、絶縁材料504は、プラスチック材料(例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)材料)、及び/又はセラミック材料を含むことができる。他の又は同様の実施形態では、断熱材504は空気であってもよい。
【0050】
図5Aに示されるように、絶縁材料504は、第1のペア角度506だけ第1の入射ファイバ360Aから半径方向に離れた位置に第1の出射ファイバ358Aを維持する。追加的又は代替的に、絶縁材料504は、第2のペア角度506だけ第2の入射ファイバ360Aから半径方向に離れた位置に第2の出射ファイバ358Bを維持する。幾つかの実施形態では、第1のペア角度506及び/又は第2のペア角度508は、約175度から約185度の間である。幾つかの実施形態では、第1のペア角度506及び/又は第2のペア角度508は約180度である。更に、絶縁材料504は、第1の出射ファイバ358Aを、第1の分離角度510だけ第2の出射ファイバ358Bから離れた位置に維持することができる。追加的又は代替的に、絶縁材料504は、第1の入射ファイバ360Aを第2の分離角度512だけ第2の入射ファイバから離れた位置に維持することができる。
【0051】
第1の分離角度510及び/又は第2の分離角度512は、各々の出射ファイバが各々の入射ファイバに対して約180度の対角にある限り、約180度未満の任意の角度とすることができる。例えば、第1の分離角510及び/又は第2の分離角512は、約0.25度から約180度未満までの任意の角度とすることができる。幾つかの実施形態では、第1の分離角510と第2の分離角512は等しい。例えば、第1の分離角510と第2の分離角512は、約85度から約95度の間である。別の例では、第1の分離角510と第2の分離角512は約90度である。他の又は同様の実施形態では、第1の角度510と第2の分離角度512は等しくなくてもよい。例えば、第1の出射ファイバ358Aと第1の入射ファイバ360Aとの間の第1のペア角度506は約180度であり、第2の出射ファイバ358Bと第2の入射ファイバ360Bとの間の第2のペア角度508は約175度であってもよい。従って、第1の出射ファイバ358Aと第2の出射ファイバ358Bとの間の第1の分離角度510は約90度であってもよく、第1の入射ファイバ360Aと第2の入射ファイバ360Bとの間の第2の分離角512は約85度であってもよい。
【0052】
図5Bは、本開示の態様による、他の例示的な光バンドル356の断面図を示す。幾つかの実施形態では、光バンドル356の光ファイバは、対のファイバ列に配置することができる。中心線518は、対のファイバ列を放射セクション520と入射セクション522に分岐させることができる。図5Bに示されるように、放出セクション520は、入射セクション522の第1の入射列514Bと対になる第1の出射列514Aを含むことができる。追加的又は代替的に、出射セクション520は、第2の入射列516Bと対になる第2の出射列516Aを含むことができる。第1の放射列514Aは、約175度から約185度の間のペア角度で各々の入射光ファイバと対にされる1つ以上の出射光ファイバを含むことができる。例えば、第1の放射列514Aの第1の出射光ファイバ358Aは、約180度のペア角度で第1の入射列514Bの第1の入射光ファイバ360Aとペアリングすることができる。追加的又は代替的に、第2の放射列516Aは、約175度から約185度の間のペア角度で各々の入射光ファイバとペアになった1つ以上の入射光ファイバを含むことができる。
【0053】
光ファイバの対(例えば、第1の出射光ファイバ358A及び第1の入射光ファイバ360A)は中心点502に関して対称であるため、ファイバのペアの順序により、光ファイバの各ペアが確実に位置合わせされる。更に、第1の放射列514Aと第1の入射列514Bと中心線518からほぼ等距離である。従って、中心線518(即ち、仮想線)は、光バンドル356を実質的に等しい断面積に分割する。
【0054】
図4Aに戻ると、光バンドル356は、コリメータハウジング410のコンジット414においてコリメータアセンブリ354に結合される。図3の光発生器362で生成された入射光は、光発生器362から第1の出射ファイバ358A及び第2の出射ファイバ358Bを介してコンジット414に伝送される。幾つかの実施形態では、コンジット414は、コリメータハウジング410の上部(即ち、ガイドキャップ)に配置することができる。他の又は同様の実施形態では、コンジット414は、コリメータハウジング410の他の部分(例えば、コリメータハウジング410の側壁)に配置することができる。
【0055】
コリメータハウジング410はエンクロージャを画定し、コリメータアセンブリ354の様々な光学要素(例えば、色消し(広帯域)レンズ416、光学フィラー(図示せず)、及び/又は光インターフェース418等)を収容することができる。インターフェース418は、開口部、導波管、レンズ等を含むことができる。インターフェース418は光の通過を可能にするが、汚染物質の侵入を防ぐことができるように構成することができる。例えば、光バンドル356を出ると、入射光は、光学的に透明な材料のスラブ又はフィルム、又はコンジット414を機械的にシールする発散又は収束レンズを通過することができる。光学フィラーは、光路の一貫性を促進するように構成された透明な材料を含むことができる。例えば、光学フィラーは、入射光及び基板202の表面から反射された光(反射光又は出力光と称される)の光路に沿った空気、湿気、及び/又は他の考えられる汚染物質の存在を最小限に抑えることができる。幾つかの実施形態では、光学フィラーを、光学インターフェース418と色消しレンズ416との間の空間に配置することができる。
【0056】
色消しレンズ416は、光バンドル356の各々の出射光ファイバ358から伝送される入射光を各々の色消し入射光ビームに変換するように構成することができる。無彩色光ビームは、幅Δλ=100nm(又は、150nm、200nm、又はその他の波長範囲)のスペクトル範囲等の複数のスペクトル範囲Δλのビームのスペクトル内容に基づいて特徴付けることができる。スペクトル範囲は、一連の中心波長Δλ1、Δλ2、Δλ3等を中心とすることができる。幾つかの実施形態では、範囲は重複しており、Δλは隣接する中心波長間の距離よりも大きい。他の又は類似の実施形態では、Δλは中心波長間の距離に等しい(例えば、Δλ=λ3―λ2)。他の又は同様の実施形態では、Δλは中心波長間の距離よりも大きい(即ち、範囲が重なり合わない)。幾つかの例では、範囲の幅が異なる。代替的に、範囲を等しい周波数インターバルに対応させることができる。幾つかの例では、範囲Δλは、光源364の様々な発光体の実際の発光範囲に対応する。他の又は同様の例では、範囲Δλは特性評価のみを目的として定義され、特定の物理的な発光体に限定されない場合がある。
【0057】
色消しレンズ416は、広範囲の波長に対して色収差を最小限に抑えるように設計された広帯域レンズであってもよい。例えば、色消しレンズ416は、異なる材料で作られた複数のレンズを有することができ、幾つかの材料は屈折率のより高い分散を有し、幾つかの材料はより低い分散を有する。幾つかの実施形態では、色消しレンズ416は、2つの光学素子(例えば、収束レンズ及び発散レンズ)を有するダブレットレンズである。他の又は同様の実施形態では、色消しレンズ416は、3つ以上の光学素子を有するトリプレットレンズであってもよい。色消しレンズ416は、同じ焦点を有するように、2つ、3つ、又はそれ以上の基準波長用に設計することができる。例えば、上述したように、基準波長の一部又は全てを中心波長とすることができる。これにより、基準波長の間にある波長であっても色収差を小さく保持することが可能になる。色消しレンズ416の様々な要素の焦点距離は、光バンドル356の出射ファイバ358により伝送される入射光により色消しレンズ416により変換された光ビームがコリメートされる(ほぼ平行になる)ように構成することができる。
【0058】
光インターフェース418では、入射光が出射ファイバ358から受け取られ、色消しレンズ416に向けられる。例えば、図4Aの入射光信号422A及び422Bは、第1出射光ファイバ358Aから光インターフェース418で受け取られ、色消しレンズ416に向けられる入射光を表す。他の例では、入射光信号422A及び422Bは、第2出射光ファイバ358Bから光インターフェース418で受け取られる入射光を表す。入射光が受光されると、色消しレンズ416は入射光を無彩色光ビームに変換することができる。コリメータアセンブリ354は、無彩色光ビームを基板202の表面426の1つ以上の部分に向けることができる。一例では、色消しレンズ416は、光信号420Aを無彩色光ビーム424Aに変換し、光信号420Bを無彩色光ビーム424Bに変換することができる。色消しレンズ416は入射光をコリメートされた無彩色光ビームに変換するように構成されるため、基板表面426に向けられると、無彩色光ビーム、光ビーム424A及び光ビーム424Bはほぼ平行になる。従って、コリメータアセンブリ354は、光ビーム424Aを基板表面426の第1の部分428に導き、光ビーム424Bを基板表面426の第2の部分430に導くことができる。追加的又は代替的に、色消しレンズ416は、入射光信号422Aを無彩色光ビーム432Aに変換し、入射光信号422Bを無彩色光ビーム32Bに変換することができる。光ビーム432A及び光ビーム432Bは、基板表面426に向けられると、ほぼ平行になることができる。従って、コリメータアセンブリは、光ビーム432Aを基板表面426の第1の部分428に向け、光ビーム432Bを基板表面426の第2の部分430に向けることができる。
【0059】
上述の実施形態を考慮すると、光ビーム424A、424B、432A、及び432Bの各々は、多数の波長範囲を含むことができる。各々の範囲は、その中心波長とその幅により特徴付けることができる。従って、各々の範囲は複数のスペクトル成分を含む可能性がある。幾つかの実施形態では、スペクトル成分は連続体を表すことができるため、各々の範囲内のスペクトル成分の数は非常に多くなるか、又は無限になることさえある。例えば、各光ビーム424A、424B、432A、及び432Bは2セットのスペクトル成分を有し、第1のセットのスペクトル成分は第1の波長範囲に属し、第2のセットは第2波長範囲に属する。しかし、本明細書で提供される実施形態によれば、各々の光ビームは、より多くの又はより少ない数のスペクトル成分のセットを含むことができることに留意すべきである。幾つかの実施形態では、第1の波長範囲は400~700nmの波長間隔内にあり、第2の波長範囲は400~700nmの波長間隔の外側にある。本明細書で提供される実施形態によれば、他の第1の波長範囲及び/又は第2の波長範囲は、他の波長間隔内又は外側にあってもよいことに留意すべきである。
【0060】
色消しレンズ416は、第1のセットのスペクトル成分の各々を基板表面426の目標セクションの第1の部分に向け、第2のセットのスペクトル成分の各々を目標セクションの第2の部分に向けるように構成することができる。例えば、色消しレンズ416は、光ビーム424Aの第1のセットのスペクトル成分を基板表面426の第1のセクション428の第1の部分に向け、光ビーム424Aの第2のセットのスペクトル成分を第1のセクション428の第2の部分に向けることができる。幾つかの実施形態では、第1のセクション428の第1の部分は、第1のセクション428の第2の部分と実質的に同様である。例えば、第1のセクション428の第2の部分と第1の部分との間の重なりは、第1の部分と第2の部分の各々の少なくとも90%であってもよい。別の例では、第1のセクション4289の第2の部分と第1の部分との間の重なりは、第1の部分と第2の部分の各々の少なくとも85%であってもよい。上述したように、色消しレンズ416は、光ビーム424Aに加えて、光ビーム432Aを基板表面426の第1のセクション428に向けることができる。このような実施形態では、色消しレンズ416は、光ビーム432Aの第1のセットのスペクトル成分の各々を第1のセクション428の第3の部分に向け、光ビーム432Aの第2のセットのスペクトル成分を第1のセクション428の第4の部分に向けることができる。幾つかの実施形態では、第1のセクション428の第3の部分は、第1のセクション428の第1の部分及び/又は第2の部分と同じであってもよく、又は異なっていてもよい。同様に、第1のセクション428の第4の部分は、第1のセクション428の第1の部分及び/又は第2の部分と同じであってもよいし、又は異なっていてもよい。光ビーム424A及び432Aに関して説明された実施形態は、光ビーム424B及び432Bにも同様に適用することができる。
【0061】
色消しレンズ416により生成された各々の無彩色光ビームは、入射角434で基板表面426に向けることができる。各々の無彩色光ビームが入射角424で基板表面426に到達すると、入射光の光ビームは、反射角436でコリメータアセンブリ354に向かって反射される。反射光線は反射ビームと呼ばれる。例えば、基板表面426の第1セクション428における光ビーム424Aの光ビームは、反射光ビーム438Aとしてコリメータアセンブリ354に向かって反射され、基板表面426の第2セクション430における光ビーム424Bの光ビームは、反射光ビーム438Bとしてコリメータアセンブリ354に向かって反射される。基板表面426に向けられた光ビーム424A及び424Bはほぼ平行であるため、反射光ビーム438A及び438Bも同様にほぼ平行である。追加的又は代替的に、基板表面426の第1のセクション428における光ビーム432Aの光ビームは、反射光ビーム440Aとしてコリメータアセンブリ354に向かって反射され、基板表面426の第2のセクション430における光ビーム432Bは反射光ビーム440Bとしてコリメータアセンブリ354に向かって反射される。基板表面426に向けられた光ビーム432A及び432Bはほぼ平行であるため、反射光ビーム440A及び440Bも同様にほぼ平行である。
【0062】
反射光ビーム438A、438B、440A、440Bの各々は、対応する入射光ビーム424A、424B、432A、432Bのスペクトル成分の各々のセットにより生成される反射スペクトル成分のセットを含むことができる。例えば、反射光ビーム438Aは、光ビーム424Aの第1のセットのスペクトル成分により生成される第1のセットの反射スペクトル成分と、光ビーム424Aの第2のセットのスペクトル成分により生成される第2のセットの反射スペクトル成分を含むことができる。
【0063】
基板表面426から反射された光ビームは、色消しレンズ416により受光され、光インターフェース418に伝送される。幾つかの実施形態では、色消しレンズ416は、その後反射光ビームを生成する入射光を提供する出射光ファイバと対になっている入射光ファイバに反射光ビームを伝送することができる。例えば、第1の出射光ファイバ358Aは、入射光を光信号420A及び光信号420Bとしてコリメータアセンブリに伝送する。色消しレンズ416は、光信号420Aを光ビーム424Aに変換する。コリメータアセンブリ354は、光ビーム424Aを入射角434で基板表面426に導き、光ビーム424Aは基板表面428の第1のセクション428から反射光ビーム438Aとして反射される。色消しレンズ416は反射光ビーム438Aを光インターフェース418に伝送し、ここで反射光ビーム438Aは第1の入射光ファイバ360Aにより受光される。前述の実施形態によれば、第1の入射光ファイバ360Aは、受信光ビーム438Aを光検出器366に伝送する。同様に、第1の入射光ファイバ360Aは、色消しレンズ416からの反射光ビーム438Bを受光することができる。追加的又は代替的に、第2の入射光ファイバ360Bは、上述のように、色消しレンズ416からの反射光ビーム440A及び/又は反射光ビーム440Bを受光することができる。
【0064】
幾つかの実施形態では、チャンバインターフェース370は、処理チャンバ310の一部(例えば、蓋332)内に埋設された透明窓を含むことができる。幾つかの実施形態では、コリメータハウジング410の内部のサイズ(例えば、直径等)は、透明窓のサイズに対応することができる。例えば、図4Bに示されるように、コリメータハウジング410の内部のサイズは、透明窓470のサイズに対応することができる。透明窓470は、内面472及び外面474を含むことができる。幾つかの実施形態では、コリメータハウジング410は、処理チャンバ310の外部に結合することができ、これによって、コリメータハウジング410の内部が透明窓470の外面474とほぼ整列する。
【0065】
幾つかの実施形態では、透明窓470の内面472と外面474はほぼ平行であってもよい。他の又は同様の実施形態では、透明窓470の内面472と外面474は平行ではない。例えば、図4Bに示されるように、外面474は処理チャンバ310の外面とほぼ平行であってもよい。しかし、内面472は傾斜面であってもよく、これは内面472が外面474及び/又は処理チャンバ310の外部に対して平行ではないことを意味する。
【0066】
図6A~6Cは、本開示の態様による、終点検出システムにより得られる強化されたスペクトルデータ収集を示す。図6Aは、本明細書に記載の終点検出システム300の終点検出装置と比較した、従来の終点検出装置により検出される光の様々な波長の大きさを示すグラフ600を示す。幾つかの実施形態では、グラフ600は、光の様々な波長の平均の大きさを表すことができる。図6Aの破線は、反射光ビームの振幅を示す。この振幅は、例えば、図4に関して説明された反射光ビーム438A、438B、440A、440B等の反射光ビームの振幅であり、これらは従来の終点検出装置(即ち、本明細書で説明するコリメータアセンブリ354及び光バンドル356を含まない終点検出装置)により検出される。幾つかの実施形態では、破線は反射光ビームの平均振幅を表すことができる。図6Aに示されるように、従来の終点検出装置により検出された信号は各々、特定の大きさの範囲内(即ち、大きさ0nmと大きさXnmとの間)に入る。図6Aの実線は、本明細書に記載の実施形態に従って、終点検出システム300により検出される反射光ビームの振幅を表す。幾つかの実施形態では、実線は反射光ビームの平均振幅を表すことができる。図6Aに見られるように、終点検出システム300により検出される信号は、従来の終点検出装置により検出される波長を含む特定の大きさの範囲内及び範囲外に含まれる。従って、終点検出システム300は従来の終点では検出できない反射光ビームの信号を検出できるため、従来の終点検出装置よりも大幅に高いスループット及びダイナミックレンジ(即ち、許容又は可能な振幅の範囲)を有する。幾つかの実施形態では、終点検出システム300のスループットは、従来の終点検出装置のスループットよりも60%も高くなることができる。
【0067】
図6Bは、従来の終点検出装置により基板の表面に向けられた光信号又は光ビーム(例えば、光ビーム424A、424B、432A、432B)の広帯域波長の正規化された振幅を各々表す複数の曲線を含むグラフ610を示す。線612は、光がウエハ基板上に垂直に入射するときの相対振幅(即ち、垂直入射におけるスペクトル強度に対する新たなスペクトル強度の比)を表す。図6Bに示されるように、光ビームの広帯域波長の相対振幅は、線614、616、及び618で表されるように、入射角が増加するとき(例えば、第1の角度から第2の角度に増加するとき)に大きく異なる。線614、616、及び618は、ビームにわずかな位置ずれがある場合、ビーム直径とスペクトル形状の両方が大きく変化することを示す。この違いは、前述したように、従来の終点検出装置に存在する波長分散により引き起こされる可能性がある。図6Cは、終点検出システム300により表面基板に向けられる光ビームの広帯域波長の正規化された振幅を各々表す複数の曲線を含むグラフ620を示す。図6Cに示されるように、線614、616、及び618により表されるように、入射角が第1の角度から第2の角度に増加するとき、光ビームの各波長の相対振幅は、光ビームの広帯域波長に亘ってほぼ同じである。図6Cの線612と、線614、616、及び618の間の距離は、例えばビームにわずかな位置ずれがある場合、ビーム直径とスペクトル形状の両方が同じままであることを示す。図4A図4Bに関して上で説明されたように、コリメータアセンブリの色消しレンズは、光ビームの各波長の直径をほぼ同じにする可能性がある光ビームの色分散を大幅に低減し、場合によりは除去することができる。更に、光バンドル356の出射ファイバ及び入射ファイバの構成により、たとえ光ビームの方向が基板表面の目標部分からずれていたとしても、色分散の低減及び/又は除去を維持することができる。
【0068】
図7は、本開示の態様による、終点検出システムによりスペクトルデータを収集するための方法700のフローチャートである。方法700は、図1図5Bに記載されたシステム及び/又はコンポーネント又はそれらの任意の組み合わせを使用して実行することができる。幾つかの実施形態では、方法700の1つ以上のオペレーションは、ハードウェア(回路、専用ロジック等)、ソフトウェア(汎用コンピュータシステム又は専用マシン上で実行されるもの等)、ファームウェア、又はこれらの組み合わせを含むことができるシステム及び又はコンポーネントを使用して実行することができる。一実施形態では、方法700は、製造システム用のコントローラ(例えば、システムコントローラ228)により実行することができる。他の又は同様の実装形態では、方法700は、終点検出システム300用の1つ以上のローカルコントローラ(例えば、光コンポーネント362及び/又はコリメータアセンブリ354用のローカルコントローラ等)により実行することができる。更に他の又は同様の実装形態では、方法700の1つ以上のオペレーションは、図示されていない1つ以上の他のマシンにより実行することができる。
【0069】
ブロック710において、入射光は光バンドルを通って伝送される。幾つかの実施形態では、前述の実施形態によれば、入射光は、光コンポーネント362により生成され、光バンドル356を介して伝送することができる。例えば、入射光は、第1のセットの光ファイバの第1の出射ファイバと、第2のセットの光ファイバの第2の出射ファイバを介して伝送することができる。更に、第1のセットの光ファイバは、第1の出射ファイバに対してペア角度で配置された第1の入射ファイバを含むことができる。第2のセットの光ファイバは、第2の出射ファイバに対してペア角度で配置された第2の入射ファイバを含むことができる。幾つかの実施形態では、ペア角度は、約175度から約185度の間であってもよい。幾つかの実施形態では、ペア角度は約180度であってもよい。
【0070】
ブロック712では、入射光の第1の光ビームの第1のセットのスペクトル成分が基板表面の第1の部分に向けられ、第1の光ビームの第2のセットのスペクトル成分が基板表面の第2の部分に向けられる。幾つかの実施形態では、第1の入射光信号は、第1の出射ファイバを介して終点検出システム300のコリメータアセンブリ354により受信される。コリメータアセンブリ354の色消しレンズ416は、第1の入射光信号を、各々が光の異なる波長に対応する複数のスペクトル成分を含む第1の光ビームに変換することができる。色消しレンズ416は、第1のセットのスペクトル成分(即ち、第1の光ビームの1つ以上の第1の波長)を基板表面の第1の部分に向け、第2のセットのスペクトル成分(即ち、第2の光ビームの1つ以上の第2の波長)を基板表面の第1の部分に向けることができる。基板表面の第1の部分は、基板表面の第2の部分と実質的に同じ(即ち、ほぼ等しい)であってもよい。
【0071】
ブロック714では、入射光の第2の光ビームの第3のセットのスペクトル成分が基板表面の第3の部分に向けられ、第2の光ビームの第4のセットのスペクトル成分が基板表面の第4の部分に向けられる。幾つかの実施形態では、第2の入射光信号は、第2のセットの光ファイバの第2の出射ファイバを介してコリメータアセンブリ354により受信される。上述したように、色消しレンズ416は、第2の入射光信号を、異なる光の波長に各々対応する複数のスペクトル成分を含む第2の光ビームに変換することができる。色消しレンズ416は、第3のセットのスペクトル成分を基板表面の第3の部分に向け、第4のセットのスペクトル成分を基板表面の第4の部分に向けることができる。幾つかの実施形態では、第3のセットのスペクトル成分は、第1の光ビームの第1の波長に対応する第2の光ビームの1つ以上の第1の波長と関連付けることができる。他の又は同様の実施形態では、第3のセットのスペクトル成分は、第1の光ビームの第1の波長とは異なる第2の光ビームの1つ以上の第1の波長と関連付けることができる。追加的又は代替的実施形態では、第4のセットのスペクトル成分は、第1の光ビームの第2の波長に対応する、又は対応しない第2の光ビームの1つ以上の第2の波長と関連付けることができる。幾つかの実施形態では、基板表面の第3の部分は、基板表面の第4の部分と実質的に同じ(即ち、ほぼ等しい)であってもよい。
【0072】
ブロック716では、基板表面の第1の部分に向けられた第1のセットのスペクトル成分により生成された第1のセットの反射スペクトル成分が受信される。また、基板表面の第2の部分に向けられた第2のセットのスペクトル成分により生成された第2のセットの反射スペクトル成分も受信される。図4A~Bに関して説明されたように、コリメータアセンブリは、1つ以上のスペクトル成分を含む入射光ビームを、ある入射角で基板表面の目標部分に向けることができる。基板表面の目標部分から反射された入射光ビームは、コリメータアセンブリ354の色消しレンズ416により受光される。従って、基板表面の第1の部分に向けられる(即ち、第1の入射光として)第1のセットのスペクトル成分は、反射スペクトル成分の第1のセットとして基板表面の第1の部分から反射される。追加的又は代替的に、基板表面の第2の部分に向けられる(即ち、第2の入射光ビームとして)スペクトル成分の第2のセットは、反射スペクトル成分の第2のセットとして基板表面の第2の部分から反射される。色消しレンズ416は、前述したように、反射スペクトル成分の第1及び/又は第2のセットを受け取る。幾つかの実施形態では、反射スペクトル成分の第1及び/又は第2のセットは、光ファイババンドル356の第1のセットの光ファイバの第1入射ファイバを介して(即ち、第1の反射光ビーム及び/又は第2の反射光ビームとして)光コンポーネント362の光検出器366に伝送される(前述の実施形態による)。
【0073】
ブロック718では、基板表面の第3の部分に向けられた第3のセットのスペクトル成分により生成された第3のセットの反射スペクトル成分が受信される。また、基板表面の第4の部分に向けられた第4のセットのスペクトル成分により生成された第4のセットの反射スペクトル成分も受信される。ブロック716に関して説明された実施形態によれば、基板表面の第3の部分に向けられた(即ち、第3の入射光ビームとして)スペクトル成分の第3のセットは、基板表面の第3の部分から第3のセットの反射スペクトル成分として反射される。追加的又は代替的に、基板表面の第4の部分に向けられた(即ち、第4の入射光ビームとして)スペクトル成分の第4のセットは、反射スペクトル成分の第4のセットとして基板表面の第4の部分から反射される。色消しレンズ416は、前述したように、反射スペクトル成分の第3及び/又は第4のセットを受け取る。幾つかの実施形態では、反射スペクトル成分の第3及び/又は第4のセットは、前述の実施形態により、ファイババンドル356の第2のセットの光ファイバの第2入射ファイバを介して、光検出器366に伝送される(即ち、第3の反射光ビーム及び/又は第4の反射光ビームとして)。
【0074】
ブロック720において、基板表面の反射率が、反射スペクトル成分の第1及び第2のセット、又は反射スペクトル成分の第3及び第4のセットのうちの少なくとも1つに基づいて決定される。光検出器368は、前述の実施形態に従って、第1の入射ファイバを介して反射スペクトル成分の第1及び/又は第2のセットを受信し、第2の入射光ファイバから反射スペクトル成分の第3及び/又は第4のセットを受信することができる。幾つかの実施形態では、光検出器366及び/又は光コンポーネント362に結合された処理デバイス(例えば、システムコントローラ228の処理デバイス)は、受信された反射スペクトル成分のセットに基づき、基板表面の1つ以上の部分(例えば、第1の部分、第2の部分、第3の部分又は第4の部分)の反射率を決定することができる。基板表面の1つ以上の部分の反射率は、前述したように、基板に対して生成されるスペクトルデータの基礎となることができ、又はそれに含まれることができる。
【0075】
図8は、本開示の態様による、複数の処理チャンバで終点検出システムにより収集されたスペクトルデータを使用して機械学習モデルをトレーニングする方法800のフローチャートである。方法800は、ハードウェア(回路、専用ロジック等)、ソフトウェア(汎用コンピュータシステム又は専用マシン上で実行されるもの等)、ファームウェア、又はこれらの組み合わせを含むことができるプロセスロジックにより実行することができる。一実施形態では、方法800は、図1のコンピュータシステムアーキテクチャ100等のコンピュータシステムにより実行することができる。他の又は同様の実装形態では、方法800の1つ以上のオペレーションは、図示されていない1つ以上の他のマシンにより実行することができる。
【0076】
ブロック810で、プロセスロジックは、製造システムの第1の処理チャンバで実行される第1の基板プロセス中の第1の基板の表面の反射率を示す第1のメトリックを取得することができる。幾つかの実施形態では、第1の基板の表面の反射率は、第1の基板処理中に第1の終点検出システム300により第1の基板に関して収集されたスペクトルデータに含めることができる。ブロック812で、プロセスロジックは、第1の処理チャンバの第1のメトリックに基づいてトレーニングデータを生成することができる。幾つかの実施形態では、トレーニングデータは、トレーニング入力及び目標出力のセットを含むことができる。プロセスロジックは、第1の処理チャンバに対する第1のメトリックに基づいて第1のトレーニング入力を生成することができ、トレーニング入力のセットに第1のトレーニング入力を含めることができる。幾つかの実施形態では、プロセスロジックは、基板プロセス後に基板の1つ以上のプロファイル特性に関連するデータを取得し、取得したデータに基づいて第1の目標出力を生成することができる。例えば、プロセスロジックは、第1の基板プロセス後に第1の基板に対して(即ち、インライン計測装置、統合計測装置、外部計測装置等により)生成された計測測定値に基づいて、第1の目標出力を生成することができる。プロセスロジックは、第1のトレーニング入力と第1の目標出力の間のマッピングを生成し、第1の目標出力をトレーニングデータの目標出力のセットに追加することができる。追加的又は代替的実施形態では、プロセスロジックは、第1の基板に関連付けられた他のデータ(例えば、センサデータ等)に基づいて、第1のトレーニング入力及び/又は第1の目標出力を生成することができる。
【0077】
ブロック814で、プロセスロジックは、生成されたトレーニングデータを使用して基板プロセスの終点を予測するために機械学習モデルをトレーニングすることができる。幾つかの実施形態では、プロセスロジックは、基板プロセス中に基板について収集されたスペクトルデータに基づいて基板の計測測定値を提供するように機械学習モデルをトレーニングすることにより、基板プロセスの終点を予測するように機械学習モデルをトレーニングすることができる。ブロック816で、プロセスロジックは、第2の製造システムの第2の処理チャンバで実行される第2の基板プロセス中の第2の基板の表面の反射率を示す第2のメトリックを取得することができる。幾つかの実施形態では、第2の基板の表面の反射率は、前述の実施形態に従って、第2の基板プロセス中に第2の終点検出システム300により第2の基板に関して収集されたスペクトルデータに含めることができる。
【0078】
幾つかの実施形態では、第1の製造システム及び第2の製造システムは、製造システム200等の同じ製造システムであってもよい。従って、第1の処理チャンバ及び第2の処理チャンバは、同じ製造システムの別個の処理チャンバ(例えば、処理チャンバ214及び処理チャンバ216)であってもよい。他の又は同様の実施形態では、第1の製造システム及び第2の製造システムは同じ製造システムであってもよく、第1の処理チャンバは第2の処理チャンバと同じであってもよい。このような実施形態では、第1の終点検出システムは第2の終点検出システムと同じであってもよい。更に他の又は同様の実施形態では、第1の製造システムと第2の製造システムは異なる製造システムであってもよい。例えば、第1の製造システムは製造システム200であってもよく、第2の製造システムは製造システム200とは別個のものであってもよい。このような実施形態では、第2の製造システムの処理デバイスは、(例えば、ネットワークを介して等)コンピュータアーキテクチャ100の予測システム110に結合することができる。
【0079】
ブロック818で、プロセスロジックは、第2のメトリックに関連付けられたデータを、トレーニング済み機械学習モデルへの入力として提供することができる。プロセスロジックは、トレーニング済み機械学習モデルの1つ以上の出力を取得することができる。幾つかの実施形態では、1つ以上の出力は、計測測定値の表示及び計測測定値が第2の基板に関連する信頼レベルの表示を含むことができる。幾つかの実施形態では、プロセスロジックは、信頼レベル基準が満たされる(例えば、信頼レベルが信頼閾値レベルを超える)との決定に応答して、計測測定値が第2の基板に関連付けられると決定することができる。ブロック820で、プロセスデータは、トレーニング済み機械学習モデルの1つ以上の出力に基づいて、第2の基板プロセスに関連する終点基準が満たされると決定することができる。幾つかの実施形態では、プロセスロジックは、第2の基板に対して提供された計測値が第2の基板に対する目標計測値に対応すると決定することにより、終点基準が満たされると決定することができる。目標計測測定値は、第2基板プロセスの終点に関連付けることができる。例えば、プロセスロジックは、提供された計測測定値と基板プロセスの終点に関連付けられた目標計測測定値との間の差が差閾値を下回ると決定することができる。提供された計測値が目標計測値に対応する場合、これは、第2の基板プロセスの終点に到達し、第2の基板プロセスが終了されることを示すことができる。
【0080】
ブロック822で、プロセスロジックは、第2のチャンバでの第2の基板プロセスを終了することができる。幾つかの実施形態では、プロセスロジックは、ブロック820に従って、第2の基板プロセスに関連する終点基準が満たされたとの決定に応答して、第2のチャンバでの基板プロセスを終了することができる。プロセスロジックは、第2の処理チャンバの処理デバイス(例えば、システムコントローラ228等のシステムコントローラ、又は処理チャンバのローカルコントローラ等)に第2の基板プロセスを終了させる命令を生成及び送信することにより第2の基板プロセスを終了することができる。幾つかの実施形態では、第2の基板プロセスに関連する終点基準が満たされていない(例えば、提供された計測測定値が目標計測計測値に対応しない)との決定に応答して、プロセスロジックは、第2の処理チャンバで第2の基板プロセスを継続することができる。例えば、プロセスロジックは、第2の基板処理を継続するために第2の処理チャンバの処理デバイスに命令を送信することもできるし、第2の処理チャンバの処理デバイスに命令を送信しないこともできる。
【0081】
図9は、本明細書で説明される方法のいずれか1つ以上をマシンに実行させるための命令セットを実行することができるコンピューティングデバイス900の例示的な形態のマシンの図表示を示す。代替的実施形態では、マシンは、ローカルエリアネットワーク(LAN)、イントラネット、エクストラネット、又はインターネット内の他のマシンに接続(例えば、ネットワーク接続)することができる。マシンは、クライアント/サーバネットワーク環境ではサーバ又はクライアントマシンとして動作でき、又はピアツーピア(又は、分散)ネットワーク環境ではピアマシンとして動作することができる。このマシンは、パーソナルコンピュータ(PC)、タブレットコンピュータ、セットトップボックス(STB)、携帯情報端末(PDA)、携帯電話、Webアプライアンス、サーバ、ネットワークルータ、スイッチ又はブリッジ、又はそのマシンが実行するアクションを指定する命令セット(順次又はその他)を実行できる任意のマシンであってもよい。更に、単一のマシンのみが図示されているが、「マシン」という用語は、本明細書で説明されている方法の1つ以上を実行する1つ以上の命令セット(又は複数セット)を個別に又は共同で実行するマシンの集合(例えば、コンピュータ)も含むものと解釈される。実施形態では、コンピューティングデバイス900は、本明細書で説明されるように、サーバマシン170、サーバマシン180、予測サーバ112、又はシステムコントローラ228のうちの1つ以上に対応することができる。
【0082】
例示的なコンピューティングデバイス900は、処理デバイス902、メインメモリ904(例えば、リードオンリー専用メモリ(ROM)、フラッシュメモリ、同期DRAM(SDRAM)等のダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)等)、スタティックメモリ906(例えば、フラッシュメモリ、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)等)、及び二次メモリ(例えば、データ記憶装置928)を含み、これらはバス908を介して互いに通信する。
【0083】
処理デバイス902は、マイクロプロセッサ、中央処理装置等の1つ以上の汎用プロセッサを表すことができる。より具体的には、処理デバイス902は、複合命令セットコンピューティング(CISC)マイクロプロセッサ、縮小命令セットコンピューティング(RISC)マイクロプロセッサ、超長命令ワード(VLIW)マイクロプロセッサ、他の命令セットを実行するプロセッサ、又は命令セットの組み合わせを実行するプロセッサであってもよい。また、処理デバイス902は、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、ネットワークプロセッサ等の1つ以上の専用処理デバイスであってもよい。また、処理デバイス902は、システムオンチップ(SoC)、プログラマブルロジックコントローラ(PLC)、又は他の種類の処理デバイスであってもよいし、それらを含むこともできる。処理デバイス902は、本明細書で説明するオペレーション及びステップを実行するための処理ロジックを実行するように構成される。
【0084】
更に、コンピューティングデバイス900は、ネットワーク964と通信するためのネットワークインターフェースデバイス922を含むことができる。また、コンピューティングデバイス900は、ビデオ表示ユニット910(例えば、液晶ディスプレイ(LCD)又は陰極線管(CRT))、英数字入力装置912(例えば、キーボード)、カーソル制御装置914(例えば、マウス)、及び信号生成装置920(例えば、スピーカ)を含むことができる。
【0085】
データ記憶装置928は、本明細書で記載された方法又は機能のいずれか1つ又は複数を具体化する1つ以上の命令セット926が記憶されるマシン可読記憶媒体(又はより具体的には、非一時的コンピュータ可読記憶媒体)924を含むことができる。ここで、非一時的記憶媒体とは、搬送波以外の記憶媒体を指す。また、命令926は、コンピュータ装置900、メインメモリ904、及びコンピュータ可読記憶媒体を装置を構成する処理デバイス902により、実行中にメインメモリ904、及び/又は処理デバイス内に常駐することができる。
【0086】
コンピュータ可読記憶媒体924は、例示的な実施形態では単一の媒体であるように示されているが、「コンピュータ可読記憶媒体」という用語は、1つ以上の命令セットを保存する単一の媒体又は複数の媒体(例えば、集中型又は分散型データベース、及び/又は関連するキャッシュ及びサーバ)を意味する。「コンピュータ可読記憶媒体」という用語は、マシンによる実行のための一連の命令を記憶又は符号化することができ、マシンに本開示の方法のいずれかを実行させる任意の媒体も含むと解釈される。従って、「コンピュータ可読記憶媒体」という用語は、ソリッドステートメモリ、光媒体及び磁気媒体を含むものと解釈されるが、これらに限定されない。
【0087】
前述の説明では、本開示の幾つかの実施形態の十分な理解を提供するために、特定のシステム、コンポーネント、方法等の例等の多くの特定の詳細を記載した。しかし、本開示の少なくとも幾つかの実施形態は、これらの特定の詳細がなくても実施できることが当業者には明らかである。他の例では、本開示を不必要に曖昧にすることを避けるために、周知の構成要素又は方法は詳細に説明されないか、又は単純なブロック図形式で提示されている。従って、記載された具体的な詳細は単なる例示にすぎない。特定の実施は、これらの例示的な詳細とは異なる場合があるが、依然として本開示の範囲内にあると考えられる。
【0088】
本明細書全体に亘る「一実施形態」又は「実施形態」への言及は、実施形態に関連して説明される特定のフィーチャ、構造、又は特徴が少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。従って、本明細書全体の様々な場所に現れる「一実施形態において」又は「実施形態において」という語句は、必ずしも全てが同じ実施形態を指すわけではない。更に、用語「又は」は、排他的な「又は」ではなく、包括的な「又は」を意味することを意図している。「約」又は「およそ」という用語が本明細書で使用される場合、これは、提示された公称値が±10%以内の精度であることを意味することを意図している。
【0089】
本明細書における方法のオペレーションは特定の順序で示され説明されているが、各々の方法のオペレーションの順序を変更することができ、特定のオペレーションを逆の順序で実行し、特定のオペレーションを、少なくとも部分的に、他のオペレーションと並行して実行することができる。別の実施形態では、別個のオペレーションの命令又はサブオペレーションは、断続的及び/又は交互の方法で行うことができる。
【0090】
上記の説明は例示を目的としたものであり、限定的なものではないと理解される。上記の説明を読んで理解すれば、他の多くの実施形態が当業者には明らかとなる。従って、本開示の範囲は、添付の特許請求の範囲と、そのような特許請求の範囲が権利を有する均等物の全範囲を参照して決定されるべきである。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5A
図5B
図6A
図6B
図6C
図7
図8
図9
【国際調査報告】