(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-02
(54)【発明の名称】紫外線LED構造のための方法及びシステム
(51)【国際特許分類】
H01L 33/12 20100101AFI20240625BHJP
H01L 33/32 20100101ALN20240625BHJP
【FI】
H01L33/12
H01L33/32
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023576051
(86)(22)【出願日】2022-05-26
(85)【翻訳文提出日】2024-02-06
(86)【国際出願番号】 US2022031138
(87)【国際公開番号】W WO2022260868
(87)【国際公開日】2022-12-15
(32)【優先日】2021-06-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ヤン, ツーハオ
(72)【発明者】
【氏名】ツォウ, モンナン
(72)【発明者】
【氏名】チュー, ミンウェイ
(72)【発明者】
【氏名】イシカワ, デーヴィッド マサユキ
(72)【発明者】
【氏名】パティバンドラ, ナグ
【テーマコード(参考)】
5F241
【Fターム(参考)】
5F241AA03
5F241AA11
5F241BC05
5F241CA40
5F241CA65
5F241CA66
5F241CA73
(57)【要約】
LED構造を形成する例示的な処理方法は、物理的気相堆積プロセスを介して窒化アルミニウム層を基板上に堆積させることを含み得る。本方法は、窒化アルミニウム層を約1500℃以上の温度に加熱することを含み得る。本方法は、有機金属化学気相堆積又は分子線エピタキシを用いて、窒化アルミニウム層の上に紫外線発光ダイオード構造を形成することを含み得る。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
LED構造の形成方法であって、
物理的気相堆積プロセスを介して窒化アルミニウム層を基板上に堆積させることと、
前記窒化アルミニウム層を約1500℃以上の温度に加熱することと、
有機金属化学気相堆積又は分子線エピタキシを用いて、前記窒化アルミニウム層の上に紫外線発光ダイオード(「LED」)構造を形成することと
を含む方法。
【請求項2】
前記窒化アルミニウム層を堆積させた後に前記基板をキャリアに移送することであって、前記キャリアは炭素を含み、前記キャリアは前記基板が着座するレッジを画定する、前記窒化アルミニウム層を堆積させた後に前記基板をキャリアに移送すること
を更に含む、請求項1に記載のLED構造の形成方法。
【請求項3】
第1のカバーウエハは前記キャリア上の前記基板の上に配置され、第2のカバーウエハは前記キャリア上の前記基板の下に配置され、前記第1のカバーウエハ及び前記第2のカバーウエハの各々は窒化アルミニウム層を有する基板を含む、請求項2に記載のLED構造の形成方法。
【請求項4】
前記第1のカバーウエハ及び前記第2のカバーウエハは、前記基板と略同じ方向に配向される、請求項3に記載のLED構造の形成方法。
【請求項5】
前記基板は前記キャリア上に下向きに配置される、請求項3に記載のLED構造の形成方法。
【請求項6】
少なくとも2つの基板は、前記キャリア上の前記第1のカバーウエハと前記第2のカバーウエハとの間に直接接触して配置される、請求項3に記載のLED構造の形成方法。
【請求項7】
前記窒化アルミニウム層は約1600℃から約1800℃の温度に加熱される、請求項1に記載のLED構造の形成方法。
【請求項8】
前記窒化アルミニウム層は少なくとも100分間約1000℃以上に加熱される、請求項1に記載のLED構造の形成方法。
【請求項9】
前記窒化アルミニウム層の(102)結晶方向に沿ったX線回折ロッキング曲線の半値全幅は約300アーク秒以下である、請求項1に記載のLED構造の形成方法。
【請求項10】
前記窒化アルミニウム層を加熱した後、前記基板は前記窒化アルミニウム層の約85%以上のカバレッジを維持する、請求項1に記載のLED構造の形成方法。
【請求項11】
LED構造の形成方法であって、
物理的気相堆積プロセスを介して第1の基板及び第2の基板上に窒化アルミニウム層を堆積させることと、
前記第1の基板をキャリアに下向きに位置決めすることと、
前記第2の基板を前記第1の基板と接触するように下向きに位置決めすることと、
前記第1の基板及び前記第2の基板を約1500℃以上の温度に加熱することと
を含む方法。
【請求項12】
有機金属化学気相堆積又は分子線エピタキシを用いて、前記窒化アルミニウム層の上に紫外線発光ダイオード構造を形成すること
を更に含む、請求項11に記載のLED構造の形成方法。
【請求項13】
前記窒化アルミニウム層は約1600℃から約1800℃の温度に加熱される、請求項11に記載のLED構造の形成方法。
【請求項14】
前記キャリアは炭素を含み、前記キャリアは前記第1の基板と前記第2の基板の両方が着座するレッジを画定する、請求項11に記載のLED構造の形成方法。
【請求項15】
前記第1の基板を前記キャリアに下向きに位置決めすることは、
前記第1の基板を第1のカバーウエハ上に位置決めすること
を含む、請求項11に記載のLED構造の形成方法。
【請求項16】
第2のカバーウエハを前記キャリア上の第2の基板の上に位置決めすること
を更に含む、請求項15に記載のLED構造の形成方法。
【請求項17】
第1のカバーウエハ及び前記第2のカバーウエハの各々は、窒化アルミニウム層を有する基板を含む、請求項16に記載のLED構造の形成方法。
【請求項18】
前記第1のカバーウエハ、前記第2のカバーウエハ、第1の基板、及び第2の基板の各々は、略同じ方向に配向される、請求項17に記載のLED構造の形成方法。
【請求項19】
LED構造の形成方法であって、
物理的気相堆積プロセスを介して基板上に窒化アルミニウム層を堆積させることと、
前記基板をキャリアに位置決めされた第1のカバーウエハの上に下向きに位置決めすることと、
第2のカバーウエハを前記基板の上に位置決めすることと、
前記窒化アルミニウム層を約1500℃以上の温度に加熱することと、
有機金属化学気相堆積又は分子線エピタキシを用いて、前記窒化アルミニウム層の上に紫外線発光ダイオード(「LED」)構造を形成することと
を含む方法。
【請求項20】
前記窒化アルミニウム層の(102)結晶方向に沿ったX線回折ロッキング曲線の半値全幅は約300アーク秒以下である、請求項19に記載のLED構造の形成方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001]本出願は、2021年6月11日に出願の「METHOD AND SYSTEMS FOR UV LED STRUCTURES」と題する米国非仮出願第17/345,992号の利益及び優先権を主張するものであり、その内容を全て、参照により本明細書に援用する。
【0002】
[0002]本技術は、半導体処理及び材料に関する。より具体的には、本技術は、LED部品の形成プロセス及び材料に関する。
【背景技術】
【0003】
[0003]LEDパネル又はデバイスは、デバイス上のピクセルとして動作する多数の光源で形成され得る。ピクセルは単色光源で形成された後に、変換層を通して供給されてカラーを生成し得る、又はピクセルはそれぞれ個別の赤、青、緑の光源で形成され得る。いずれのシナリオでも、最大数百万の任意の数の光源を形成及び接続して、動作させることができる。可視LEDはよく開発されているが、紫外線スペクトルで動作するLEDは性能が大幅に低下する。
【0004】
[0004]従って、高品質のデバイス及び構造を製造するために使用できる改良されたシステム及び方法が必要とされている。これら及び他の必要は、本技術によって対処される。
【発明の概要】
【0005】
[0005]LED構造を形成する例示的な処理方法は、物理的気相堆積プロセスを介して窒化アルミニウム層を基板上に堆積させることを含み得る。本方法は、窒化アルミニウム層を約1500℃以上の温度に加熱することを含み得る。本方法は、有機金属化学気相堆積又は分子線エピタキシを用いて、窒化アルミニウム層の上に紫外線発光ダイオード構造を形成することを含み得る。
【0006】
[0006]幾つかの実施形態では、本方法は、窒化アルミニウム層を堆積させた後に基板をキャリアに移送することを含み得る。キャリアは炭素であってよく、又は炭素を含んでいてよく、キャリアは基板が着座し得るレッジ(ledge)を画定し得る。第1のカバーウエハはキャリア上の基板の上に配置され得る。第2のカバーウエハはキャリア上の基板の下に配置され得る。第1のカバーウエハ及び第2のカバーウエハの各々は窒化アルミニウム層を有する基板であってよい。第1のカバーウエハ及び第2のカバーウエハは、基板と略同じ方向に配向され得る。基板はキャリア上に下向きに配置され得る。少なくとも2つの基板は、キャリア上の第1のカバーウエハと第2のカバーウエハとの間に直接接触して配置され得る。窒化アルミニウム層は約1600℃から約1800℃の温度に加熱され得る。窒化アルミニウム層は少なくとも100分間約1000℃以上に加熱され得る。窒化アルミニウム層の(102)結晶方向に沿ったX線回折ロッキング曲線の半値全幅は約300アーク秒以下であり得る。窒化アルミニウム層を加熱した後、基板は窒化アルミニウム層の約85%以上のカバレッジを維持し得る。
【0007】
[0007]本技術の幾つかの実施形態は、LED構造の形成方法を包含し得る。本方法は、物理的気相堆積プロセスを介して第1の基板及び第2の基板上に窒化アルミニウム層を堆積させることを含み得る。本方法は、第1の基板をキャリアに下向きに位置決めすることを含み得る。本方法は、第2の基板を第1の基板と接触するように下向きに位置決めすることを含み得る。本方法は、第1の基板及び第2の基板を約1500℃以上の温度に加熱することを含み得る。
【0008】
[0008]幾つかの実施形態では、本方法は、有機金属化学気相堆積又は分子線エピタキシを用いて、窒化アルミニウム層の上に紫外線発光ダイオード構造を形成することを含み得る。窒化アルミニウム層は約1600℃から約1800℃の温度に加熱され得る。キャリアは炭素であってよく、又は炭素を含んでいてよく、キャリアは第1の基板と第2の基板の両方が着座するレッジを画定し得る。第1の基板をキャリアに下向きに位置決めすることは、第1の基板を第1のカバーウエハ上に位置決めすることを含み得る。本方法は、第2のカバーウエハをキャリア上の第2の基板の上に位置決めすることを含み得る。第1のカバーウエハ及び第2のカバーウエハの各々は、窒化アルミニウム層を有する基板であってよい。第1のカバーウエハ、第2のカバーウエハ、第1の基板、及び第2の基板の各々は、略同じ方向に配向され得る。
【0009】
[0009]本技術の幾つかの実施形態は、LED構造の形成方法を包含し得る。本方法は、物理的気相堆積プロセスを介して基板上に窒化アルミニウム層を堆積させることを含み得る。本方法は、基板をキャリアに位置決めされた第1のカバーウエハの上に下向きに位置決めすることを含み得る。本方法は、第2のカバーウエハを基板の上に位置決めすることを含み得る。本方法は、窒化アルミニウム層を約1500℃以上の温度に加熱することを含み得る。本方法は、有機金属化学気相堆積又は分子線エピタキシを用いて、窒化アルミニウム層の上に紫外線発光ダイオード(「LED」)構造を形成することを含み得る。幾つかの実施形態では、窒化アルミニウム層の(102)結晶方向に沿ったX線回折ロッキング曲線の半値全幅は約300アーク秒以下であり得る。
【0010】
[0010]上記技術は、従来のシステム及び技法に勝る多数の利点を提供し得る。例えば、本技術は、貫通転位の減少を特徴とする高品質の緩衝層を形成する方法を提供することができる。更に、本技術は、従来のデバイスよりも性能が向上していることを特徴とする紫外線発光ダイオードを製造するために、キャリア及び位置決め配置を利用することができる。これら及び他の実施形態を、それらの多くの利点及び特徴と共に、以下の説明及び添付の図面と併せて、より詳細に説明する。
【0011】
[0011]開示された技術の性質及び利点の更なる理解は、本明細書の残りの部分及び図面を参照することによって得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本技術の幾つかの実施形態に係る例示的な処理システムの一実施形態を示す上面図である。
【
図2】本技術の幾つかの実施形態に係る発光ダイオード構造の形成方法における選択された工程を示す図である。
【
図3】Aは、本技術の幾つかの実施形態に係る開発されたデバイスを示す概略図であり、Bは、本技術の幾つかの実施形態に係る製造された膜のロッキング曲線スキャンを示すグラフである。
【
図4】本技術の幾つかの実施形態に係る高温処理用キャリアを示す概略図である。
【
図5】本技術の幾つかの実施形態に係る製造された膜を有する基板のウエハ反りを示すグラフである。
【
図6】A~Bは、本技術の幾つかの実施形態に係る製造された膜のロッキング曲線スキャンを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
[0019]図の幾つかは概略図として含まれている。図は説明のためのものであり、縮尺が具体的に記載されていない限り、縮尺通りとみなすべきではないことを理解されたい。更に、概略図として、図は理解を助けるために提供されており、現実的な表現と比較して、全ての態様又は情報を含まない場合があり、説明のために誇張された材料を含む場合がある。
【0014】
[0020]添付の図では、同様の構成要素及び/又は特徴には、同じ参照ラベルが付いている場合がある。更に、同じ種類の様々な構成要素は、参照ラベルの後に類似の構成要素を区別する文字を付けることで区別され得る。本明細書で第1の参照ラベルのみを使用した場合、その説明は、文字に関係なく、同じ第1の参照ラベルを有する類似の構成要素のいずれか1つに適用可能である。
【0015】
[0021]深紫外光とは、約280nmから約200nmの波長内で生成される光を指し、従来は水銀ガス放電ランプで生成されていた。しかし、より環境に優しいUV光の生成方法が普及するにつれて、従来の技術では、十分な動作効率でこれらの波長に対応することができなくなってきている。従来のUV発光ダイオード(「LED」)の多くは、サファイア基板上に物理的に堆積された窒化アルミニウム緩衝物上に形成されている。この種の基板は、標準的な青色LEDの構成では効果的に動作し得るが、UVLEDでは効果的に動作しない可能性がある。例えば、青色LEDは約50%以上の量子効率を特徴とするため、比較的低品質のLED構造でも十分な光が生成される可能性がある。しかし、UVLEDは、幾つかの構造的及び材料的な問題により、量子効率が約10%以下、約5%以下、又はそれ未満等、はるかに低いことを特徴とする。例えば、結晶品質の低い材料は、UVLEDの性能を決定的に低下させ得る制限要因となり得る。
【0016】
[0022]上述したように、LEDに使用される窒化ガリウムベースの構造の多くは、シリコン又はサファイアであり得る基板を含む場合がある。デバイスの動作を改善するために、本技術では、有機金属化学気相堆積又は分子線エピタキシによりLED構造を形成する前に、基板の上に緩衝層を形成することができる。しかしながら、非限定的な一例として窒化アルミニウム等の誘電体材料であってよい緩衝層は、サファイアと比較して異なる結晶構造を特徴とし得る。これにより、材料間の格子不整合が生じる場合があり、緩衝層の構造が弛緩して、緩衝層に貫通転位が発生する可能性がある。これらの転位は、LED活性領域を含む、形成された後続のデバイス層を貫通する可能性があり、デバイスの量子効率を更に低下させ得る。
【0017】
[0023]本技術は、形成後に緩衝層の高温アニールを行うことによって、これらの問題を克服することができる。アニールプロセスは、緩衝層の結晶構造の再配置及び改善を促進することができ、緩衝層内の貫通転位を低減又は除去し得る。これにより、その後に形成されるLED構造の品質を向上させることができ、デバイスの量子効率の向上が促進され得る。残りの開示では、開示された技術を用いた特定のLED材料及びプロセスを常に特定するが、システム及び方法は、ディスプレイを製造するために行われ得る様々な材料及びプロセスに等しく適用可能であることが容易に理解されるであろう。従って、本技術は、UVプロセスのみへの使用に限定されると考えられるべきではない。本技術の幾つかの実施形態に従って使用され得る例示的なチャンバシステムについて説明した後、高品質のデバイスを製造するための方法及び構成要素について説明する。
【0018】
[0024]
図1は、本技術の幾つかの実施形態に係る態様又は工程を実施するように特に構成され得るマルチチャンバ処理システム100を示す上面図である。マルチチャンバ処理システム100は、半導体デバイスを形成するために、任意の数の半導体基板等の個々の基板に1又は複数の製造プロセスを実行するように構成され得る。マルチチャンバ処理システム100は、移送チャンバ106、バッファチャンバ108、シングルウエハロードロック110及び112(デュアルロードロックも含まれ得るが)、処理チャンバ114、116、118、120、122及び124、予熱チャンバ123及び125、ならびにロボット126及び128の一部又は全部を含み得る。シングルウエハロードロック110及び112は、加熱要素113を含んでいてよく、バッファチャンバ108に取り付けられていてよい。処理チャンバ114、116、118、及び120は移送チャンバ106に取り付けられていてよい。処理チャンバ122及び124は、バッファチャンバ108に取り付けられていてよい。2つの基板移送プラットフォーム102及び104が移送チャンバ106とバッファチャンバ108との間に配置され、ロボット126と128との間の移送を容易にし得る。プラットフォーム102、104は、移送チャンバ及びバッファチャンバに対して開放されていてよい、あるいは、プラットフォームは、移送チャンバ106とバッファチャンバ108との間で異なる動作圧力を維持できるように、チャンバから選択的に隔離又は密閉されていてよい。移送プラットフォーム102、104はそれぞれ、配向又は測定工程等のための1又は複数のツール105を含んでいてよい。
【0019】
[0025]マルチチャンバ処理システム100の動作は、コンピュータシステム130によって制御され得る。コンピュータシステム130は、以下に説明する工程を実施するように構成された任意のデバイス又はデバイスの組合せを含み得る。従って、コンピュータシステム130は、実行されると、本技術の実施形態に係る方法に関連して説明する工程を実行し得る、非一過性コンピュータ可読媒体上に記憶されたソフトウェアで構成されたコントローラ又はコントローラのアレイ、及び/又は汎用コンピュータであってよい。処理チャンバ114、116、118、120、122、及び124はそれぞれ、半導体構造の製造における1又は複数のプロセスステップを実行するように構成され得る。より具体的には、処理チャンバ114、116、118、120、122、及び124は、他の任意の数の基板プロセスのうち、ドライエッチングプロセス、周期的層堆積、原子層堆積、化学気相堆積、物理的気相堆積、エッチング、前洗浄、ガス抜き、配向を含む、多数の基板処理工程を実行するように装備され得る。
【0020】
[0026]
図2を見てみると、LED構造を形成するための製造方法200の選択された工程が例示されている。方法200は、フロントエンド処理、堆積、エッチング、研磨、洗浄、又は記載された工程の前に実行され得る任意の他の工程を含む、本方法の開始前の1又は複数の工程を含み得る。例えば、幾つかの実施形態では、堆積のために基板を準備するために、シリコン基板又はサファイア基板等の基板にガス抜き工程を実行する場合がある。本方法は、本技術に係る方法の幾つかの実施形態に特に関連していてよい又は関連していなくてよい、多数のオプションの工程を含み得る。例えば、工程の多くは、構造形成のより広い範囲を提供するために記載されているが、本技術にとっては重要ではない、あるいは、更に後述するように、代替の方法論によって実行することが可能である。方法200は、
図3に概略的に示す工程を説明するものであるが、その図示は、方法200の工程と併せて説明される。
図3は、部分的な概略図を示しているに過ぎず、基板は、図示したような態様を有する任意の数のLEDセクション、ならびにこれもまた本技術の態様から利益を得ることができる代替の構造的態様を含み得ることを理解されたい。
【0021】
[0027]方法200は、特定の製造工程に構造を発展させるためのオプションの工程を含み得る。
図3に示すように、LEDソース基板305を使用して、基板の上への複数のLEDの形成又は成長を促進することができる。1つのLED構造のみを図示したが、基板には、数百、数千、数百万、又はそれ以上のLEDが形成されていてよく、また、本技術は、他のあらゆる種類のLED構造の中でもマイクロLEDを包含し得るため、いかなるサイズであってもよいことを理解されたい。基板305は、シリコン含有材料、サファイアを含むアルミニウム材料、又はディスプレイ又は半導体製造に使用され得る他のいずれかの材料等の構造が形成され得る任意の基板であってよい。基板は、2インチ、3インチ、4インチ、6インチ、又は本技術の実施形態における基板サイズより大きいサイズを含む、任意のサイズであってよい。基板は、例えば、LEDを製造するために基板上に1又は複数の材料の層を堆積させるための準備として洗浄又は処理することができるが、任意の数の他の半導体構造も同様に、本技術の態様から利益を得ることができる。本技術は、いかなる種類のLED構造を製造するためにも適用することができ、幾つかの実施形態では、構造は、深UVLED等の青色LEDであってよい。
【0022】
[0028]方法200は、
図3に示すように、基板の上に材料の緩衝層、例えば緩衝層310を形成又は堆積させることを含み得る。緩衝層は、緩衝層の上への構造の形成を促進し得る材料で形成され、例えば、有機金属化学気相堆積又は分子線エピタキシによって製造され得る。基板とLED構造との間に緩衝層を含めることにより、デバイスの性能を向上させることができる。緩衝層は任意の数の材料であってよく、幾つかの実施形態では窒化アルミニウムであってよい。緩衝層は、堆積又は形成のための任意の数のプロセスによって形成することができるが、幾つかの実施形態では、窒化アルミニウム緩衝層は、物理的気相堆積プロセスによって形成され得る。物理的気相堆積によって緩衝層を形成することにより、LED製造の熱収支を低減させることができ、層間の結晶配向及び形態を改善することができ、従来技術と比較してより高速な堆積が可能になるとともに、貫通転位の形成が低減する可能性がある。
【0023】
[0029]上記で説明したように、窒化アルミニウム層は、サファイア等の下の基板とは異なる結晶構造を特徴とし得る。従って、この格子不整合のために、窒化アルミニウム層は応力下で形成されることがある。構造が形成された後に弛緩すると、構造が調整され得、
図3に示す転位312等の貫通転位が層内に形成される可能性がある。形成中、多数の転位が緩衝層全体に形成される可能性があり、この転位は、未処理の場合、その後に形成されるLED構造を通って延びる可能性がある。従って、本技術は、残存する転位の数を制限又は減少させるために、緩衝層構造を処理又は再配置する追加の工程を含み得る。貫通転位の数を減少させることにより、LED構造の品質を改善することができ、形成されるLED構造の量子効率を向上させることができる。
【0024】
[0030]緩衝層の結晶品質を向上させ、貫通転位の数を減少させるために、本技術は、緩衝層にアニールプロセスを実行し得る。アニールは、システム100等のシステム上の処理チャンバのいずれかで実行され得るが、幾つかの実施形態では、アニール工程は、別のチャンバで実行され得る。例えば、窒化アルミニウム等の緩衝層を含む基板は、オプションの工程210において窒化アルミニウム層を堆積させた後、キャリアに移送され得る。次いで、キャリアは、基板を加熱し得る炉チャンバ又は他のチャンバに位置決めされ得る。次いで、方法200は、工程215において、結晶品質を改善し、貫通転位を除去するのに十分な温度まで基板、又は緩衝層を加熱することを含み得る。加熱工程に続いて、工程220において、再調整された緩衝層の上にLED構造を形成することができ、これにはUVLED構造の形成が含まれ得る。LED構造は、有機金属化学気相堆積プロセス又は分子線エピタキシ、ならびに
図3に示す構造等の任意の数のLED構造を製造することができる任意の他の形成技法によって形成することができる。例えば、緩衝層310の上には、任意の数の材料及び/又は層を含む構造を形成することができる。1つの非限定的な例として、構造は、窒化アルミニウムガリウム等のnドープ層315を含み得る。多重量子井戸層320をnドープ領域の上に形成することができ、電子阻止層325を多重量子井戸層の上に形成することができる。幾つかの実施形態では、両方の層が窒化アルミニウムガリウムであってもよいが、任意の数の他の材料を同様に使用することが可能である。
【0025】
[0031]pドープ層330が電子阻止層の上に形成され、その後層330の上に後続のpドープ層335が形成され得る。これらの層はまた、窒化アルミニウムガリウム、窒化ガリウム、又は任意の数の他の材料であってもよい、又はこれらを含んでもよい。その後、構造をパターニングし、コンタクトを形成することができる。例えば、nドープ層315の上にn金属コンタクトを形成し、pドープ層335の上にp金属コンタクトが形成することができる。貫通転位312が構造を貫通する可能性があるため、本技術の実施形態に従ってアニールを実行することによって、構造を貫通して延びる転位を限定することができ、量子効率を向上させることができる。例えば、本技術の幾つかの実施形態に係るプロセスを用いることによって、深UVLEDの効率は、約1%以上、約2%以上、又は約5%以上であってよい。
【0026】
[0032]アニール工程は、層内の貫通転位を減少させ、結晶構造の再編成を促進するために実行することができ、加熱は、結晶構造内の欠陥を修復するのに十分な温度で行うことができる。例えば、窒化アルミニウム緩衝層では、基板及び/又は窒化アルミニウム層を約1000℃以上に加熱することができ、約1100℃以上、約1200℃以上、約1300℃以上、約1400℃以上、約1500℃以上、約1550℃以上、約1600℃以上、約1650℃以上、約1700℃以上、約1750℃以上、約1800℃以上、約1850℃以上、又はそれ以上に加熱することができる。本技術を特定のいかなる理論にも拘束する意図はないが、活性化エネルギーが結晶欠陥を修復し、緩衝層の結晶構造を改善するのに十分な温度が存在し得る。しかし、温度が上昇し続けるにつれて、表面の熱的な粗化が生じ、エッジ材料が失われる可能性がある。例えば、堆積プロセスにより、基板のエッジ領域の厚さが減少し、アニールプロセス中の損失に対してより敏感な膜が製造され得る。更に、緩衝層の表面に窒化アルミニウムの損傷等の欠陥が生じ始め、動作効率が低下する可能性がある。従って、幾つかの実施形態では、材料の損失及び欠陥の発生を制限しながら、貫通転位を確実に除去し得るように、温度は約1850℃以下に維持され得、また、約1800℃以下、約1750℃以下、約1600℃から約1800℃、約1650℃から約1750℃、又は約1675℃から約1725℃に維持され得る。
【0027】
[0033]処理チャンバ内の圧力は可変であってよく、従って、幾つかの実施形態では、圧力は、約700Torr以下、約600Torr以下、約500Torr以下、約400Torr以下、又はそれ未満のわずかな真空に維持され得る。更に、アニールは、例えば窒素環境等の不活性環境下で実行することができる。基板全体にわたってより均一な処理をもたらすために、上述のいずれかの温度での処理時間は、約60分以上に維持され得、約80分以上、約100分以上、約110分以上、約120分以上、約130分以上、約140分以上、約150分以上、約160分以上、約170分以上、約180分以上、約190分以上、約200分以上、又はそれ以上に維持され得る。十分な時間アニールを実行することにより、結晶品質の均一性が基板全体に更に広がる可能性がある。例えば、
図3Bは、x方向に沿ったロッキング曲線スキャン、又はウエハ平坦部に平行なロッキング曲線スキャンを示す図であり、膜品質が基板全体で実質的に均一であり、半値全幅測定値がウエハ全体で260アーク秒未満であることを示している。しかし、処理を長く実行し得るほど、基板全体で緩衝層材料の更なる損失が発生する可能性がある。従って、材料を維持し、アニールプロセスを改善するために、本技術の幾つかの実施形態では、アニールプロセス中に基板を着座させるキャリアを用いる場合がある。
【0028】
[0034]
図4は、本技術の幾つかの実施形態に係る高温処理用のキャリア400を示す概略図であり、これは、例えば、方法200に関して説明したアニール工程において使用され得る。キャリア400は、本技術によって包含されるキャリアの例示的な特徴を示すために図示されており、キャリアは、図示したいかなる特定の特徴によっても限定されるものではない。本技術の幾つかの実施形態に係るキャリアは、緩衝層が堆積された基板等の1又は複数の基板を着座させるように構成され得る。例えば、キャリア400は、1又は複数の基板415が着座し得るレッジ410を画定し得るハウジング405を含み得る。各基板を含む1又は複数の基板は、基板の第1の表面上に配置された緩衝層416を含み得る。
【0029】
[0035]1つのレッジ、及び1組の基板を図示したが、本技術の実施形態に係るキャリアは、以下に説明するように、それぞれが1又は複数の基板及び/又はカバーウエハを支持し得る複数のレッジを含み得る。キャリアは、ポストの長さに沿って1又は複数のレッジを画定する2つ、3つ、4つ、又はそれ以上のポスト420を有する等、図示したような概ね開放設計であってよい。取り外し可能なロッド又は要素425が、ポストのうちの1つ、又はポスト間の間隙に嵌め込まれ、キャリア内にねじ込まれていてよい、又は他の方法で取り外し可能に着座していてよい。例えば、要素425は、キャリアのヘッドを通してアクセス可能であり、キャリアの基部に形成された凹部に着座していてよい。ポストを着座又は離座させるために、ばね又は戻り止め機構等の構成要素を含むことができるが、幾つかの実施形態では、キャリアが高温工程に暴露される可能性があるため、キャリアはこれらの構成要素を明示的に含んでいなくてよい。要素425は、キャリアの1又は複数のレッジから基板を堆積させる又は除去するために取り外すことができ、その後、処理前に基板を固定するために要素を交換することができる。
【0030】
[0036]キャリア400は、炉の環境に耐えるように、またキャリアとの熱応力の問題、及びキャリアと1つの基板又は複数の基板との間の熱応力の問題を制限するように構成された1又は複数の材料であってよい、又はそれを含んでいてよい。例えば、幾つかの実施形態では、キャリア400は、炭素又は炭素含有材料であってよい、又はそれを含んでいてよい。例えば、キャリアは、グラファイト、ならびに炭化ケイ素でコーティングされたグラファイト材料等のコーティングされたグラファイト、又は高温環境に耐え得る任意の他の材料であってよい、又はそれを含んでいてよい。幾つかの実施形態では、基板は、図示したように、少なくとも1つの追加の基板又は他の構成要素と接触するように位置決めされ得る。更に、基板は、キャリア内で1又は複数の方法で配向され得る。例えば、基板は、キャリア内で対面するように、あるいは背中合わせに配向され得るが、幾つかの実施形態では、基板は、少なくとも1つの追加基板と略同じ方向に配向させることができ、図示した幾つかの実施形態では、各基板は、同じ方向に配向され得る。基板を略同じ方向に配向させることにより、緩衝層のカバレッジを向上させることができ、他の配向と比較して大幅に向上させることができる。
【0031】
[0037]例えば、第1の基板の緩衝層が第2の基板の緩衝層に面する等、基板が対面するように位置決めされた場合、緩衝層材料の損失が増加し、材料の品質が低下する可能性があることが試験により示されている。例えば、対面の配向は、アニール後に、例えば、アニール中の材料の蒸発に起因して、基板の表面全体にわたって約80%以下のカバレッジを有することによって特徴付けられ得、約75%以下のカバレッジ、約65%以下のカバレッジ、約60%以下のカバレッジ、又はそれ未満のカバレッジを有することによって特徴付けられ得る。しかし、基板が図示のように同じ方向に下向きに配向されている場合、基板は、アニール後に基板の表面全体にわたって約80%以上のカバレッジを維持することができ、約85%以上のカバレッジ、約90%以上のカバレッジ、又はそれ以上を維持することができる。
【0032】
[0038]更に、基板の配向は、高温での持続時間によって引き起こされる膜応力効果に影響を与える可能性がある。例えば、基板が上部基板でも底部基板でもない状態に維持される場合、膜応力は、上部基板又は底部基板と比較して、アニールによる影響を受けにくくなる可能性がある。窒化アルミニウム膜が形成された基板は、膜の内部応力特性により、ある程度の反りによって特徴付けられ得る。図示したように多数の基板が積層される場合、最初と最後の基板又は上部及び下部基板等の外側の基板は、基板の反りが更に増加することによって特徴付けられ得、この反りは、約10μm以上増加することがあり、約15μm以上増加することがあり、約20μm以上増加することがあり、約25μm以上又はそれ以上増加することがある。これは、膜の剥がれ、又は基板上の損失の増大につながる可能性がある。しかしながら、内部基板は、約10μm以下の反りの増加によって特徴付けられ得、ウエハ反りの増加が全くないだけでなく、約1μm以上、約3μm以上、約5μm以上、又はそれ以上のウエハ反りの減少を含む、約5μm以下、約3μm以下、約1μm以下、又はそれ未満の反りの増加によって特徴付けられ得る。例えば、
図5に示すように、ウエハスタックの中央に位置するウエハは、幾つかの実施形態では、配向に関係なく、反りが制限されている又は実質的に反りがないことによって特徴付けられる。
【0033】
[0039]従って、幾つかの実施形態では、処理工程は、キャリアにおける基板の位置決め中に1又は複数のカバーウエハを用いることを含み得る。カバーウエハは、アニール環境に耐え得る任意の材料で形成することができるが、幾つかの実施形態では、カバーウエハは、アニールされる内部基板と同様の膜を含み得る。物理的気相堆積された窒化アルミニウム等の類似の材料層を有するサファイア等の類似の基板を含むことによって、カバーウエハは、処理される他の基板と類似のウエハ反りによって特徴付けられ得、内部ウエハに対するアニールの効果を改善することができる。例えば、第1のカバーウエハをキャリアのレッジ410に着座させ、第1のカバーウエハの上にアニールされる1又は複数の基板を着座させることができる。このような基板を2枚図示したが、本技術に包含される実施形態では、約1枚以上の基板、約2枚以上の基板、約3枚以上の基板、約4枚以上の基板、約5枚以上の基板、約6枚以上の基板、約7枚以上の基板、約8枚以上の基板、約9枚以上の基板、約10枚以上の基板、又はそれ以上の基板が第1のカバーウエハの上に積層され得る。
【0034】
[0040]次に、第2のカバーウエハが、スタックの1又は複数の内部基板の上に位置決めされ得る。その結果、処理された基板はキャリア上に直接着座していなくてよく、例えばキャリアの外側レールに対する点接触等の目立たない位置でのみ接触し得る。幾つかの実施形態では、スタックの内部基板はキャリアとほとんど接触しない場合がある、あるいは全く接触しない場合がある。更に、幾つかの実施形態では、カバーウエハは、処理される基板よりも直径が大きいことを特徴としていてよく、これにより、基板がキャリアと接触しない、又は限定的にしか接触しないことが更に確実になり、基板全体にわたるあらゆる温度効果が低減し得る。
【0035】
[0041]図示したように、基板は、互いに直接接触して位置決めされる場合があり、幾つかの実施形態では、基板の第1の表面上に形成された緩衝層は、処理される隣接する基板又はカバーウエハの、基板の裏側等の第1の表面とは反対側の基板の第2の表面と接触して位置決めされ得る。基板はすべて同じ方向に配向していてよく、幾つかの実施形態では、すべての基板及びカバーウエハは、キャリアのスタック内で下向きに位置決めされ得る。基板を下向きに位置決めすることで、膜によって課される応力が配向によって少なくとも部分的に打ち消される可能性があり、アニールプロセス中の膜応力又はウエハ反りの増加の低減又は制限が更に促進される可能性がある。従って、本技術の実施形態に従って処理される内部基板、又は任意の基板は、アニール中の膜の露出を制限することによって、上述のようにカバレッジが向上することを特徴とすることができ、蒸発又は他の損失を制限することができる。
【0036】
[0042]試験された基板のX線回折は、基板又はバッファ膜を十分な温度で十分な時間アニールすることによって、また、例えば、基板を特定の構成で配向させながら、膜質を向上させることができ、基板全体にわたる一貫性が向上する可能性があることを示した。例えば、最大300nmの平均窒化アルミニウム厚さを有する緩衝層から生成されたX線回折ロッキング曲線では、約300アーク秒以下の(102)結晶方向に沿った半値全幅測定値が生じる可能性があり、(102)結晶方向に沿って、約290アーク秒以下、約280アーク秒以下、約270アーク秒以下、約260アーク秒以下、約250アーク秒以下、約240アーク秒以下、約230アーク秒以下、約220アーク秒以下、又はそれ未満の半値全幅が生じ得る。例えば、
図6A~
図6Bは、窒化アルミニウムのX線回折ロッキング曲線を示す。
図6Aは、(002)結晶方向に沿った曲線を示し、線605によるアニール前の曲線と曲線610によるアニール後の曲線との間の強度変化を示す。同様に、
図6Bは(102)結晶方向に沿った曲線を示し、線615によるアニール前の曲線と線620によるアニール後の曲線との間の強度変化を示す。これらの測定値は、ウエハ平坦部に平行であり得るx方向と、ウエハ平坦部に垂直であり得るy方向の両方にわたって一貫していてよい。本技術の実施形態に係るプロセス及び材料を用いることにより、貫通転位の減少及び表面カバレッジの向上を特徴とする高品質の緩衝層が製造され得る。これにより、緩衝層の上にLED構造を製造する時間が短縮され、従来の製造されたデバイスよりも改善された動作効率によって特徴付けられるLEDが製造され得る。
【0037】
[0043]前述の説明では、説明の目的で、本技術の様々な実施形態の理解を提供するために、多数の詳細が記載されている。しかしながら、当業者には、特定の実施形態が、これらの詳細の一部を伴わずに、又は追加の詳細を伴って実施され得ることが明らかであろう。
【0038】
[0044]幾つかの実施形態を開示してきたが、当業者であれば、実施形態の主旨から逸脱することなく、様々な変更、代替的な構成、及び等価物を使用することができることを認識するであろう。更に、本技術が不必要に不明瞭にならないように、多くのよく知られたプロセス及び要素は説明していない。従って、上記の説明は、本技術の範囲を限定するものとみなすべきではない。
【0039】
[0045]値の範囲が提供される場合、文脈が明確に別段の指示をしていない限り、その範囲の上限と下限との間の、下限の単位の最小部分までの各介在値もまた、具体的に開示されることを理解されたい。いずれかの記載された値又は記載された範囲の記載されていない介在値と、その記載された範囲の他のいずれかの記載された値又は介在値との間のいかなるより狭い範囲も含まれる。これらのより小さい範囲の上限と下限は、独立して範囲に含まれる又は除外される場合があり、より小さい範囲に範囲のうちの一方の限界値、又は両方の限界値が含まれる、又は範囲のうちのどちらの限界値も含まれない各範囲も、記載された範囲におけるいずれかの具体的に除外された限界値に従って、本技術内に含まれる。記載された範囲に限界値の一方又は両方が含まれる場合、それら含まれる限界値の一方又は両方を除外する範囲も含まれる。
【0040】
[0046]本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用される場合、単数形「a」、「an」、及び「the」は、文脈が明確に別段の指示をしない限り、複数形の参照を含む。従って、例えば、「1つの層(a layer)」への言及は、複数の上記層を含み、「LED」への言及は、当業者に周知の1又は複数のLED及びその同等物への言及等を含む。
【0041】
[0047]また、本明細書及び以下の特許請求の範囲で使用する場合、「含む、備える(comprise)」、「含む、備える(comprising)」、「含む(contain)」、「含む(containing)」、「含む(include)」、及び「含む(including)」という用語は、記載された特徴、整数、構成要素、又は工程の存在を指定するものであるが、1又は複数の他の特徴、整数、構成要素、工程、動作、又は群の存在又は追加を排除するものではない。
【国際調査報告】