IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ アプライド マテリアルズ インコーポレイテッドの特許一覧

<>
  • 特表-SIB膜を堆積するためのプロセス 図1
  • 特表-SIB膜を堆積するためのプロセス 図2
  • 特表-SIB膜を堆積するためのプロセス 図3
  • 特表-SIB膜を堆積するためのプロセス 図4
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-02
(54)【発明の名称】SIB膜を堆積するためのプロセス
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/3065 20060101AFI20240625BHJP
   H01L 21/31 20060101ALI20240625BHJP
   C23C 16/30 20060101ALI20240625BHJP
【FI】
H01L21/302 105A
H01L21/31 C
C23C16/30
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023578032
(86)(22)【出願日】2022-06-16
(85)【翻訳文提出日】2024-02-13
(86)【国際出願番号】 US2022033744
(87)【国際公開番号】W WO2022266296
(87)【国際公開日】2022-12-22
(31)【優先権主張番号】17/352,039
(32)【優先日】2021-06-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】アイディン, アイクト
(72)【発明者】
【氏名】チェン, ルイ
(72)【発明者】
【氏名】ジャナキラマン, カーティック
(72)【発明者】
【氏名】マリック, アビジット ビー.
(72)【発明者】
【氏名】越澤 武仁
(72)【発明者】
【氏名】チー, ポー
【テーマコード(参考)】
4K030
5F004
5F045
【Fターム(参考)】
4K030AA06
4K030AA07
4K030AA09
4K030BA26
4K030BA29
4K030BA49
4K030CA11
4K030JA05
4K030JA09
4K030JA10
4K030KA05
4K030LA15
5F004AA09
5F004AA16
5F004BA04
5F004BB13
5F004BD04
5F004EA03
5F004EA12
5F045AA06
5F045AA08
5F045AB31
5F045AC01
5F045AC03
5F045AC05
5F045AC07
5F045AC15
5F045AC16
5F045AC17
5F045AD05
5F045AD06
5F045AD07
5F045AD08
5F045AE21
5F045AE23
5F045AE25
5F045AF02
5F045AF03
5F045AF04
5F045AF05
5F045AF08
5F045AF10
5F045BB08
5F045CB06
5F045DC51
5F045DC52
5F045DC53
5F045DP03
5F045DQ10
5F045EF05
5F045EH13
(57)【要約】
【要約】
本開示の実施形態は、概して、例えば、スペーサによって画定されたパターニング用途において使用するためのケイ素及びホウ素を含有する膜を形成するためのプロセスに関する。一実施形態では、スペーサによって画定されるパターニングプロセスが提供される。当該プロセスは、処理チャンバの処理空間内に基板を配置することであって、当該基板上にパターニングされたフィーチャが形成されている、基板を配置することと、第1の処理ガスを処理空間内に流し込むことであって、当該第1の処理ガスが、ケイ素含有種を含み、ケイ素含有種が、SiHより多い分子量を有する、第1の処理ガスを前記処理空間内に流し込むこととを含む。当該プロセスは、第2の処理ガスを処理空間内に流し込むことであって、当該第2の処理ガスが、ホウ素含有種を含む、第2の処理ガスを処理空間内に流し込むことと、堆積条件下で、パターニングされたフィーチャ上に共形膜を堆積することであって、当該共形膜が、ケイ素及びホウ素を含む、共形膜を堆積することとをさらに含む。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
スペーサによって画定されるパターニングプロセスであって、
処理チャンバの処理空間内に基板を配置することであって、当該基板上にパターニングされたフィーチャが形成されている、基板を配置することと、
第1の処理ガスを前記処理空間内に流し込むことであって、当該第1の処理ガスが、ケイ素含有種を含み、前記ケイ素含有種が、SiHより多い分子量を有する、第1の処理ガスを前記処理空間内に流し込むことと、
第2の処理ガスを前記処理空間内に流し込むことであって、当該第2の処理ガスが、ホウ素含有種を含む、第2の処理ガスを前記処理空間内に流し込むことと、
堆積条件下で、前記パターニングされたフィーチャ上に共形膜を堆積することであって、当該共形膜が、ケイ素及びホウ素を含む、共形膜を堆積することと
を含むプロセス。
【請求項2】
前記ケイ素含有種内のケイ素原子の数が、2個から6個である、請求項1に記載のプロセス。
【請求項3】
前記ケイ素含有種が、
式Si2n+2を有する化合物であって、nが2以上である、化合物、
式SiX′(2x+2-y)を有する化合物であって、
xが1以上であり、
yが1以上であり、
各X′が、独立して、ハロゲン、C-Cヒドロカルビル、C-C20置換ヒドロカルビル、C-C22アリール、C-C22置換アリール、-NR′、-SR′、-OR′、-OSiR′、若しくは-PR′、或いはそれらの組み合わせであり、各R′が、独立して、水素、ハロゲン、C-C10アルキル、若しくはC-C10アリールである、化合物、又は
それらの組み合わせ
である、請求項1に記載のプロセス。
【請求項4】
前記ケイ素含有種が、ジシラン、トリシラン、テトラシラン、ジクロロシラン、トリクロロシラン、テトラクロロシラン、ジヨードシラン、ビス(t-ブチルアミノ)シラン、トリス(ジメチルアミノ)シラン、又はそれらの組み合わせを含む、請求項3に記載のプロセス。
【請求項5】
前記ケイ素含有種がジシランを含み、前記ホウ素含有種がジボランを含む、請求項1に記載のプロセス。
【請求項6】
前記第1の処理ガス及び前記第2の処理ガスが、前記処理空間内へ共流させられる、請求項1に記載のプロセス。
【請求項7】
前記第1の処理ガスが前記処理空間内に流し込まれる間に、前記第2の処理ガスが断続的に前記処理空間内に流し込まれる、請求項1に記載のプロセス。
【請求項8】
前記堆積中、追加の量の前記第2の処理ガスが、前記処理空間内に流し込まれる、請求項1に記載のプロセス。
【請求項9】
前記堆積条件が、
前記基板を約150℃から約350℃の温度まで加熱すること、
前記処理空間を約1Torrから約150Torrの圧力で維持すること、又は
それらの組み合わせ
を含む、請求項1に記載のプロセス。
【請求項10】
前記処理空間内への前記ケイ素含有種の流量が、300mmサイズの基板に対して、約100sccmから約500sccmであり、
前記処理空間内への前記ホウ素含有種の流量が、300mmサイズの基板に対して、約10sccmから約60sccmであり、又は
それらの組み合わせ
である、請求項1に記載のプロセス。
【請求項11】
前記第1の処理ガスが、非反応性ガスをさらに含む、請求項1に記載のプロセス。
【請求項12】
前記処理空間内への前記非反応性ガスの流量が、300mmサイズの基板に対して、約200sccmから約1500sccmである、請求項11に記載のプロセス。
【請求項13】
スペーサを形成するために、前記共形膜の一部、前記パターニングされたフィーチャ、又はそれらの組み合わせをエッチングすることをさらに含む、請求項1に記載のプロセス。
【請求項14】
膜の粗さを制御するためのプロセスであって、
処理チャンバの処理空間内に基板を配置することであって、当該基板上にパターニングされたフィーチャが形成されている、基板を配置することと、
ケイ素含有種を含む第1の処理ガスを前記処理空間内に流し込むことであって、前記ケイ素含有種が、SiHより多い分子量を有する、第1の処理ガスを前記処理空間内に流し込むことと、
ホウ素含有種を含む第2の処理ガスを前記処理空間内に流し込むことと、
堆積条件下で、パターニングされた前記フィーチャ上に膜を堆積することであって、当該膜が、ケイ素及びホウ素を含み、当該膜が、約1.5nm以下のラインエッジ粗さを有する、膜を堆積することと
を含むプロセス。
【請求項15】
前記ケイ素含有種が、
式Si2n+2を有する化合物であって、nが2から6である、化合物、
式SiX′(2x+2-y)を有する化合物であって、
xが1以上であり、
yが1以上であり、
各X′が、独立して、ハロゲン、C-Cヒドロカルビル、C-C20置換ヒドロカルビル、C-C22アリール、C-C22置換アリール、若しくは-NR′であり、各R′が、独立して、水素、ハロゲン、C-C10ヒドロカルビル、若しくはC-C10アリールである、化合物、又は
それらの組み合わせ
である、請求項12に記載のプロセス。
【請求項16】
前記ケイ素含有種が、ジシラン、トリシラン、テトラシラン、ジクロロシラン、トリクロロシラン、テトラクロロシラン、ジヨードシラン、ビス(t-ブチルアミノ)シラン、トリス(ジメチルアミノ)シラン、又はそれらの組み合わせを含む、請求項13に記載のプロセス。
【請求項17】
前記堆積条件が、
前記基板を約150℃から約350℃の温度まで加熱すること、
前記処理空間を約1Torrから約150Torrの圧力で維持すること、又は
それらの組み合わせ
を含む、請求項13に記載のプロセス。
【請求項18】
パターニングプロセスであって、
熱化学気相堆積チャンバの処理空間内に基板を配置することであって、当該基板上にパターニングされたフィーチャが形成されている、基板を配置することと、
ケイ素含有種を含む第1の処理ガスを前記処理空間内に流し込むことであって、前記ケイ素含有種が、ジシラン、トリシラン、テトラシラン、ジクロロシラン、トリクロロシラン、テトラクロロシラン、ジヨードシラン、ビス(t-ブチルアミノ)シラン、トリス(ジメチルアミノ)シラン、又はそれらの組み合わせを含む、第1の処理ガスを前記処理空間内に流し込むことと、
ホウ素含有種を含む第2の処理ガスを前記処理空間内に流し込むことであって、前記ホウ素含有種が、ジボラン(B)、トリメチルボラン(B(CH)、トリエチルボラン(B(C)、三フッ化ホウ素(BF)、又はそれらの組み合わせを含む、第2の処理ガスを前記処理空間内に流し込むことと、
前記パターニングされたフィーチャ上にSiB膜を堆積させることと、
前記SiB膜の一部、前記パターニングされたフィーチャ、又はそれらの組み合わせをエッチングすることと
を含むパターニングプロセス。
【請求項19】
前記ケイ素含有種がジシランを含み、前記ホウ素含有種がジボランを含む、請求項18に記載のプロセス。
【請求項20】
堆積中、前記基板が約200℃から約250℃の温度で加熱され、
前記処理空間が、約10Torrから約130Torrの圧力で維持される、
請求項18に記載のプロセス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本開示の実施形態は、概して、例えば、スペーサによって画定されたパターニング用途において使用するためのケイ素及びホウ素を含有する膜を形成するためのプロセスに関する。
【背景技術】
【0002】
[0002]チップ設計の進化には、より高速な回路及びより高い回路密度が継続的に必要とされる。より高密度な回路への需要によって、集積回路部品の寸法の縮小が必要となる。集積回路部品の寸法が(例えば、サブミクロン単位の寸法まで)縮小するにつれて、より多くの要素が、半導体集積回路上の所与の領域内に配置されることが求められる。しかしながら、従来のリソグラフィに基づくパターニングプロセスは、このようなパターンの微細化の前で壁にぶち当たっている。微細化へのアプローチには、SADP(自己整合ダブルパターニング)やSAQP(自己整合クオドルプルパターニング)などのスペーサパターニングがある。
【0003】
[0003]自己整合ダブルパターニングでは、マンドレルが下層にパターニングされる。その後、膜(又は1つ若しくは層)が、マンドレルの露出した表面と下層に堆積される。次いで、膜及びマンドレルの水平面がエッチングされ、スペーサが形成される。このようなアプローチにより、元のピッチの半分のサイズで狭いゲートを形成することができる。しかしながら、SADP及び他のパターニングアプローチでは、レジストフィーチャの端部及び幅の変動量を示すラインエッジ粗さ(LER)とライン幅粗さ(LWR)の高さに悩まされる。さらに、LER及びLWRは、フィーチャのサイズが小さくなるにつれてますます大きくなり、それで半導体フィーチャの有効分解能が制限される。したがって、リソグラフィ技法によって構成要素の寸法の縮小が進むにつれて、LER及びLWRの要件を達成することがますます難しくなっている。
【0004】
[0004]特性の改善(例えば、粗さの低減)を実現したケイ素及びホウ素を含有する膜を形成するための、新規かつ改善されたプロセスが必要とされている。
【発明の概要】
【0005】
[0005]本開示の実施形態は、概して、例えば、スペーサによって画定されたパターニング用途において使用するためのケイ素及びホウ素を含有する膜を形成するためのプロセスに関する。
【0006】
[0006]一実施形態では、スペーサによって画定されるパターニングプロセスが提供される。当該プロセスは、処理チャンバの処理空間内に基板を配置することであって、当該基板上にパターニングされたフィーチャが形成されている、基板を配置することと、第1の処理ガスを処理空間内に流し込むことであって、当該第1の処理ガスが、ケイ素含有種を含み、ケイ素含有種が、SiHより多い分子量を有する、第1の処理ガスを前記処理空間内に流し込むこととを含む。当該プロセスは、第2の処理ガスを処理空間内に流し込むことであって、当該第2の処理ガスが、ホウ素含有種を含む、第2の処理ガスを処理空間内に流し込むことと、堆積条件下で、パターニングされたフィーチャ上に共形膜を堆積することであって、当該共形膜が、ケイ素及びホウ素を含む、共形膜を堆積することとをさらに含む。
【0007】
[0007]別の実施形態では、膜の粗さを制御するためのプロセスが提供される。当該プロセスは、処理チャンバの処理空間内に基板を配置することであって、当該基板上にパターニングされたフィーチャが形成されている、基板を配置することと、ケイ素含有種を含む第1の処理ガスを処理空間内に流し込むことであって、ケイ素含有種が、SiHより多い分子量を有する、第1の処理ガスを処理空間内に流し込むこととを含む。当該プロセスは、ホウ素含有種を含む第2の処理ガスを処理空間内に流し込むことと、堆積条件下で、パターニングされたフィーチャ上に膜を堆積することであって、当該膜が、ケイ素及びホウ素を含み、当該膜が、約1.5nm以下のラインエッジ粗さを有する、膜を堆積することとをさらに含む。
【0008】
[0008]別の実施形態では、パターニングプロセスが提供される。当該プロセスは、熱化学気相堆積チャンバの処理空間内に基板を配置することであって、当該基板上にパターニングされたフィーチャが形成されている、基板を配置することを含む。当該プロセスは、ケイ素含有種を含む第1の処理ガスを処理空間内に流し込むことであって、ケイ素含有種が、ジシラン、トリシラン、テトラシラン、ジクロロシラン、トリクロロシラン、テトラクロロシラン、ジヨードシラン(diiodosilane)、ビス(t-ブチルアミノ)シラン、トリス(ジメチルアミノ)シラン、又はそれらの組み合わせを含む、第1の処理ガスを処理空間内に流し込むことをさらに含む。当該プロセスは、ホウ素含有種を含む第2の処理ガスを処理空間内に流し込むことをさらに含み、ホウ素含有種が、ジボラン(B)、トリメチルボラン(B(CH)、トリエチルボラン(B(C)、三フッ化ホウ素(BF)、又はそれらの組み合わせを含む。当該プロセスは、パターニングされたフィーチャ上にSiB膜を堆積させることと、SiB膜の一部、パターニングされたフィーチャ、又はそれらの組み合わせをエッチングすることとをさらに含む。
【0009】
[0009]本開示の上述の特徴を詳細に理解できるように、上記で簡単に要約された本開示のより具体的な説明は、実施形態を参照することによって得ることができる。そのうちの幾つかの実施形態は添付の図面で例示されている。しかし、添付図面は、例示的な実施形態のみを示すものであり、したがって、本開示の範囲を限定すると見なすべきではなく、その他の等しく有効な実施形態も許容し得ることに留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】少なくとも1つの実施形態に従って本明細書に記載された操作を実行するための例示的なチャンバである。
図2】本開示の少なくとも1つの実施形態に係る、SiB膜を形成するための例示的なプロセスの選択された操作を示すフロー図である。
図3】本開示の少なくとも1つの実施形態に係る、例示的なパターニングシーケンスの概略図である。
図4】本開示の少なくとも1つの実施形態に係る、スペーサを形成するための例示的なプロセスの選択された操作を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
[0014]理解を促進するために、可能な場合には、複数の図に共通する同一の要素を指し示すのに同一の参照番号を使用した。さらなる記述がなくても、ある実施形態の要素及び特徴を他の実施形態に有利に組み込むことができるように意図されている。
【0012】
[0015]本開示の実施形態は、他の多くの用途の中でも、概して、例えば、スペーサによって画定されたパターニング用途において使用するためのケイ素及びホウ素を含有する膜を形成するためのプロセスに関する。発明者らは、ラインエッジ粗さ(LER)、ライン幅粗さ(LWR)、及びエッチング選択性などの特性が改善されたSiB含有膜を形成するための、新規かつ改善されたプロセスを見出した。簡潔にいうと、幾つかの実施形態では、SiB含有膜は、化学気相堆積を用いて、シリコン含有種を含む第1の処理ガスを処理チャンバ内に流し込み、ホウ素含有種を含む第2の処理ガスを処理チャンバ内に流し込むことによって堆積される。ケイ素含有種は、シラン(SiH)より多い分子量を有する。SiB含有膜は、例えば、スペーサ画定パターニングなどに使用される従来の膜に比べて、改善されたLER、改善されたLWR、及び/又は改善されたエッチング選択性を有する。
【0013】
[0016]SiB含有膜を形成するためのプロセスは、多くのSiB関連製品やスペーサ画定パターニングなどの用途に適用され得る。その他の製品及び用途には、例えば、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)キャパシタエッチングにおけるハードマスク用途に使用される熱化学気相堆積又はプラズマ化学気相堆積によって形成される製品などの高温製品がある。製品及び用途には、低温製品及びパターニングにおけるマルチカラー向けの用途も含まれる。
【0014】
[0017]発明者らは、堆積プロセス(例えば、熱化学気相堆積(TCVD)プロセスなどの化学気相堆積(CVD)プロセスにおいて、分子量がより高いケイ素含有種を利用することによって、堆積されたケイ素ーホウ素(SiB)膜(又は1つ若しくは複数の層)のパターンの粗さを改善することができることを見出した。幾つかの実施形態では、堆積された非晶質SiB膜の広範囲なプロセス条件及び最終的なホウ素濃度にわたって、シラン(SiH)の代わりにジシラン(又は他のより分子量の多いケイ素含有種)を使用した場合、ラインエッジ粗さ及びライン幅粗さに大きな改善が見られた。
【0015】
[0018]本明細書に記載されたプロセスによって形成されたSiB膜は、従来のSiN膜(例えば、原子層堆積によって作製されたSiN膜)、又はパターニングスキームに関わる他のエッチング可能な膜と比べて、エッチング選択性の利点を有する。例えば、本明細書に記載されたプロセスによって形成されるSiB膜は、SiN膜に比べると、正方形プロファイルの上面を有する、より均一なエッチング後のスペーサプロファイルを有し得る。このようなエッチング選択性の利点により、エッチングの進展とパターン集積化スキームを簡素化することができる。さらに、当該プロセスは、従来の方法と比べて、表面粗さ(例えば、LER及び/又はLWR)が改善されたSiB膜(又は1つ若しくは複数の層)の形成を可能にする。
【0016】
[0019]シラン(SiH)よりも分子量が多いケイ素含有種を利用することにより、LER及びLWRが改善される。理論に縛られることは望まないが、SiB堆積の粗面化メカニズムは核生成であると考えられている。より高分子量の種に切り替えると、様々なプロセス条件とホウ素濃度にわたって核形成が改善される。この改善の1つの理由としては、より多い分子量の種の方が、基板への付着性に優れ、より容易に臨界核サイズ超の核を生成するということが挙げられる。さらに、SiB膜のその後の成長の間、より多い分子量の種が、表面拡散から生じる粗さを抑制し得る。
【0017】
[0020]図1は、SiB膜を形成するためのプロセスの1つ又は複数の操作を実行するための基板処理システム132の一例である。適切なシステムの例としては、カリフォルニア州サンタクララ市のアプライドマテリアルズ社から市販されているCENTURA(登録商標)システム、PRECISION5000(登録商標)システム、PRODUCER(登録商標)システムが挙げられる。その他の処理システム(他の製造業者から入手可能なものを含む)も、本明細書に記載された実装形態を実施するよう適合させることができると想定される。
【0018】
[0021]基板処理システム132は、ガスパネル130に連結された処理チャンバ100、及びコントローラ110を含む。処理チャンバ100は、内部空間126を画定する、上壁124、側壁101、及び底壁122を含む。基板支持体150が、処理チャンバ100の処理空間126内に配置されている。基板支持体150は、ステム160によって支持されている。変位機構(図示せず)を用いて、基板支持体150を処理チャンバ100の内部で垂直に移動させることができる。基板支持体150は、基板支持体150の表面192上で支持された基板190の温度を制御するために、加熱素子170を含む。基板支持体150は、電源106から加熱素子170に電流を印加することによって抵抗加熱される。電源106から供給される電流は、コントローラ110によって制御されて、加熱素子170によって生成された熱が制御される。それにより、膜堆積の間、基板190及び基板支持体150が実質的に一定の温度で維持される。供給された電流を調節して、基板支持体150の温度を約100℃から約700℃まで選択的に制御することができる。
【0019】
[0022]基板支持体150内に埋め込まれた温度センサ172を利用して、基板支持体150の温度を監視することができる。コントローラ110は、測定温度を用いて加熱素子170に供給された電力を制御し、基板を所望の温度に維持する。真空ポンプ102が、処理チャンバ100の底壁122に形成されたポート134に連結される。真空ポンプ102は、処理チャンバ100内の所望のガス圧を維持し、処理チャンバ100からのプロセス後の処理ガス及び副生成物を排出する。
【0020】
[0023]複数の開孔128を有するシャワーヘッド120が、基板支持体150の上方で処理チャンバ100の上部に配置されている。1つ又は複数の処理ガスを処理チャンバ100内に導入するために、シャワーヘッド120の開孔128が利用される。シャワーヘッド120がガスパネル130に接続されることにより、様々なガスが処理空間126に供給される。シャワーヘッド120から排出される1つ又は複数の処理ガスからプラズマが形成されて、処理ガスの熱分解が促進され、その結果、基板190の表面191上に材料が堆積される。
【0021】
[0024]シャワーヘッド120及び基板支持体150は、処理空間126内で一対の離間された電極を形成することができる。1つ又は複数のRF電源140が、整合ネットワーク138を介してバイアス電位をシャワーヘッド120に供給し、シャワーヘッド120と基板支持体150との間でのプラズマ生成を促進する。代替的に、RF電源140及び整合ネットワーク138を、シャワーヘッド120に、基板支持体150に、若しくはシャワーヘッド120と基板支持体150の両方に連結してもよく、又は、処理チャンバ100の外部に配置されたアンテナ(図示せず)に連結してもよい。1つ又は複数のRF電源は、約100Wから約3000W(例えば、約500Wから約1800W)の電力を約50kHzから約13.6MHzの周波数で供給することができる。
【0022】
[0025]コントローラ110は、中央処理装置(CPU)112、メモリ116、及び支持回路114を含み、これらは、処理シーケンスを制御し、ガスパネル130からのガス流を調節するために利用される。CPU112は、任意の適切な形態の汎用コンピュータプロセッサであってもよい。ソフトウェアルーチンが、メモリ116(例えば、ランダムアクセスメモリ、読み出し専用メモリ、フロッピー、若しくはハードディスクドライブ、又はその他の形態のデジタルストレージ)に記憶され得る。支持回路114は、CPU112に連結されており、キャッシュ、クロック回路、入出力システム、電源などを含み得る。コントローラ110と、基板処理システム132の様々な構成要素との間の双方向通信は、信号バス118と総称される多数の信号ケーブル(その一部を図1に示している)を経由して処理される。
【0023】
[0026]図2は、本開示の少なくとも1つの実施形態に係る、SiB膜を形成するための例示的なプロセスの選択された操作を示すフロー図である。SiB膜は、単層膜又は多層膜であり得る。SiB膜は、非晶質であり得る。本明細書に記載されたSiB膜は、従来のSiN膜(例えば、原子層堆積によって作製されたSiN膜)、又はパターニングスキームに関わる他のエッチング可能な膜と比べて、エッチング選択性の利点を有する。例えば、本明細書に記載されたプロセスによって形成されるSiB膜は、SiN膜に比べると、正方形プロファイルの上面を有する、より均一なエッチング後のスペーサプロファイルを有し得る。さらに、当該プロセスは、従来の方法と比べて、表面粗さ(例えば、LER及び/又はLWR)が改善されたSiB膜(又は1つ若しくは複数の層)の形成を可能にする。
【0024】
[0027]プロセス200は、操作210において、基板処理チャンバの処理空間内に基板を配置することを含む。一例として、基板(例えば、基板190)は、処理チャンバ100内に移動させられ、任意の適切な手段によって(例えば、基板搬送ポートによって)基板支持体150上に移動させられる。変位機構を使用して、基板支持体150を処理位置へ調整することができる。基板190は、実質的に平面であり得る。代替的に、基板190は、パターニングされた構造と、トレンチ、孔、又はビアが形成された表面とを有することがある。基板190は、実質的に平らな表面であって、表面上又は内部に望ましい高さの構造が形成された、表面を有することもある。図1の基板190は単一体として図示されているが、基板190は、半導体デバイス(例えば、金属コンタクト、トレンチ隔離、ゲート、ビット線、又は他の任意の相互接続フィーチャ)を形成するのに使用される1つ又は複数の材料を含み得ると理解される。基板190は、半導体デバイスを製造するために利用される、1つ又は複数の金属層、1つ又は複数の誘電体材料、半導体材料、及びこれらの組み合わせを含み得る。例えば、基板190は、用途に応じて、酸化物材料、窒化物材料、ポリシリコン材料などを含み得る。
【0025】
[0028]メモリ用途が望まれる実施形態の場合、基板190は、ケイ素基板材料、酸化物材料、及び窒化物材料を含んでもよく、間にポリシリコンが挟まれていても挟まれていなくてもよい。別の実施形態では、基板190は、基板の表面上に堆積された、複数の交互になった酸化物材料と窒化物材料(例えば、酸化物-窒化物-酸化物(ONO))を含み得る(図示せず)。様々な実施形態では、基板190は、複数の交互になった酸化物材料と窒化物材料、1つ又は複数の酸化物材料若しくは窒化物材料、ポリシリコン材料若しくは非晶質シリコン材料、非晶質カーボンと交互になっている酸化物、ポリシリコンと交互になっている酸化物、ドープされたシリコンと交互になっているドープされていないシリコン、ドープされたポリシリコンと交互になっているドープされていないポリシリコン、又はドープされた非晶質シリコンと交互になっているドープされていない非晶質シリコンを含み得る。基板190は、膜処理が実施される任意の基板又は材料表面であり得る。例えば、基板190は、結晶シリコン、酸化ケイ素、シリコンオキシナイトライド、窒化ケイ素、ストレインドシリコン、シリコンゲルマニウム、タングステン、窒化チタン、ドープされた又はドープされていないポリシリコン、ドープされた又はドープされていないシリコンウエハ及びパターニングされた又はパターニングされていないウエハ、シリコンオンインシュレータ(SOI:silicon on insulator)、炭素がドープされた酸化ケイ素、窒化ケイ素、ドープされたケイ素、ゲルマニウム、ヒ化ガリウム、ガラス、サファイア、低誘電率誘電体、及びこれらの組み合わせといった材料であり得る。
【0026】
[0029]プロセス200は、操作220において、1つ又は複数のガスをチャンバ(例えば、熱CVDチャンバなどのCVDチャンバ)の内部の処理空間へ流し込むことをさらに含み得る。例えば、図1に示すように、様々なガス(例えば、ケイ素含有ガス、ホウ素含有ガス、及び/又は非反応性ガス)が、ガスパネル130からシャワーヘッド120へ流し込まれ、次いで処理空間126へ流し込まれる。幾つかの実施形態では、(1つ若しくは複数のガスの形態であり得るか、又は1つ若しくは複数のガスとして生成され得る)ケイ素含有種を含有する第1の処理ガスが、注入口を通して処理空間内に流し込まれ、(1つ若しくは複数のガスの形態であり得るか、又は1つ若しくは複数のガスとして生成され得る)ホウ素含有種を含有する第2の処理ガスが、同じ注入口又は異なる注入口を通して流し込まれる。第1の処理ガスは、1つより多くのケイ素含有種を含んでもよく、第2の処理ガスは、1つより多くのホウ素含有種を含んでもよい。第1の処理ガス及び/又は第2の処理ガスは、ヘリウム(He)、アルゴン(Ar)、及び/又はNなどの非反応性ガスを含み得る。追加的に又は代替的に、非反応性ガスを第1の処理ガス及び第2の処理ガスとは異なる注入口を通して流し込むことができる。
【0027】
[0030]幾つかの実施形態では、第1の処理ガス及び第2の処理ガスが、処理空間内へ共流させられる。例えば、1つ又は複数のケイ素含有種を含む第1の処理ガス及び1つ又は複数のホウ素含有種を含む第2の処理ガスが、処理空間内へ共流させられる。追加的に又は代替的に、第1の処理ガスが処理空間内に流し込まれる間に、第2の処理ガスが断続的に処理空間内に流し込まれ、又はその逆も然りである。1つ又は複数の非反応性ガスが、第1の処理ガス、第2の処理ガス、又はその両方と共に共流させられ得る。追加的に又は代替的に、第1の処理ガス及び/又は第2の処理ガスが処理空間内に流し込まれる間に、非反応性ガスが断続的に処理空間内に流し込まれ、又はその逆も然りである。
【0028】
[0031]追加的に又は代替的に、1つ又は複数のケイ素含有種を含む第1の処理ガス及び1つ又は複数のホウ素含有種を含む第2の処理ガスが、連続的に処理空間内に流し込まれてもよい。例えば、第1の処理ガスが処理空間内に流し込まれ、次いで、第2の処理ガスが処理空間内に流し込まれ、次いで、第1の処理ガスが再度処理空間内に流し込まれる。別の例としては、第2の処理ガスが処理空間内に流し込まれ、次いで、第1の処理ガスが処理空間内に流し込まれ、次いで、第2の処理ガスが再度処理空間内に流し込まれる。別の例としては、第1の処理ガス及び第2の処理ガスが処理空間内に共流させられ、次いで、第2の処理ガス又は第1の処理ガスがそれぞれまだ処理空間内に流れ込んでいる間に、第1の処理ガス又は第2の処理ガスの流れが止められる。ある時点で第1の処理ガス又は第2の処理ガスの流れが再開させられる。1つ若しくは複数のアンプル、1つ若しくは複数のバブラー、及び/又は1つ若しくは複数の液体気化器を用いて、第1の処理ガス、第2の処理ガス、又はそれらの組み合わせを処理チャンバに供給することができる。
【0029】
[0032]本明細書に記載された実施形態に有用なケイ素含有種又は前駆体は、シラン(SiH)、高次シラン(例えば、ハロゲン化シラン、オルガノシラン、及び/又は置換オルガノシラン)、並びに/又はそれらの混合物及び組み合わせを含む。高次シランとは、SiHよりも多い分子量(約32g/molよりも多い分子量)を有するケイ素含有種のことで、
式Si2n+2
を有する化合物を含み、
ここで、nは2以上、例えば2から10、2から6などである。例示的だが、非限定的な例としては、ジシラン(Si)、トリシラン(Si)、テトラシラン(Si10)、ペンタシラン(Si12)、ヘキサシラン(Si14)などが挙げられる。
【0030】
[0033]本明細書に記載の実施形態に有用な他のケイ素含有核種又は前駆体は、
式SiX′(2x+2-y)
を有する化合物を含み、
ここで、xは1以上であり、例えば、1から10、1から6、2から5などであり、
yは1以上であり、例えば、1から22、2から20、2から14、2から10などであり、
各X′は、独立して、ハロゲン(F、Cl、Br、若しくはI、又はそれらの組み合わせ)、C-C20ヒドロカルビル(例えば、C-C10ヒドロカルビル、C-Cヒドロカルビル、C-Cヒドロカルビル)、C-C20置換ヒドロカルビル(例えば、C-C10置換ヒドロカルビル、C-C置換ヒドロカルビル、C-C置換ヒドロカルビルなど)、C-C22アリール(例えば、C-C10アリール、C-C10アリール又はC-Cアリールなど)、C-C22置換アリール(例えば、C-C10置換アリール、C-C10置換アリール又はC-C置換アリール)、-NR′、-SR′、-OR′、-OSiR′、又は-PR′であり、ここで、各R′は、独立して、水素、ハロゲン、C-C20ヒドロカルビル若しくはC-C20置換ヒドロカルビル、又はC-C22アリール若しくはC-C22置換アリールである。
【0031】
[0034]式SiX′(2x+2-y)を有する化合物の例示的だが非限定的な例としては、ハロゲン化シランなどのハロゲン化シラン、オルガノシラン、及び/又は置換オルガノシランが挙げられる。ハロゲン化シランの非限定的な例としては、クロロシラン(SiHCl)、ジクロロシラン(SiHCl)、トリクロロシラン(SiHCl)、テトラクロロシラン(SiCl)、ヘキサクロロジシラン(SiCl)、ヨードシラン(iodosilane)(SiHI)、ジヨードシラン(diiodosilane)(SiH)、トリヨードシラン(triiodosilane)(SiHI)、四ヨウ化ケイ素(SiI)、ヘキサヨードシラン(hexaiodosilane)(Si)、ブロモシラン(bromosilane)(SiHBr)、ジブロモシラン(dibromosilane)(SiHBr)、トリブロモシラン(SiHBr)、四臭化ケイ素(SiBr)が挙げられる。非限定的な例又はオルガノシランとしては、X′のうちの1つ又は複数が、独立して、ヒドロカルビル(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル)、置換ヒドロカルビル、アリール、又は置換アリールである化合物、例えば、メチルシラン((CH)SiH)、ジメチルシラン((CHSiH)、エチルシラン((CHCH)SiH)、メチルジシラン((CH)Si)、ジメチルジシラン((CHSi)、及びヘキサメチルジシラン((CHSi)が挙げられる。
【0032】
[0035]置換オルガノシランには、アミノシラン及びハロゲン化アミノシランが含まれる。このような化合物の例としては、ビス(t-ブチルアミノ)シラン(C22Si)、トリス(ジメチルアミノ)シラン(C18Si)、N-[ビス(ジメチルアミノ)シリル]-N-メチルメタンアミン(C19Si)、N,N,N′,N′-テトラメチルシランジアミン(C12Si)、N-[ブロモ-ビス(ジメチルアミノ)シリル]-N-メチルメタンアミン(C18BrNSi)、N-[ビス(ジメチルアミノ)-ヨードシリル]-N-メチルメタンアミン(C18INSi)、並びにSiHI(N(iPr))及びSiHI(N(iBu))などのアミノ(ヨード)シランが挙げられる。
【0033】
[0036]本明細書に記載された実施形態に有用なホウ素含有種としては、ジボラン(B)、トリメチルボラン(B(CH)、トリエチルボラン(B(C)、三フッ化ホウ素(BF)、並びに/又はそれらの混合物及び組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。他のホウ素含有核種は、
式BR
を有する少なくとも1つのホウ素化合物を含み、
ここで、Rは、水素、又は1から5個の炭素原子を有する線形若しくは分枝状のヒドロカルビル、又は1から5個の炭素原子を有する線形若しくは分枝状のアルコキシ、さもなければアリール、又はアルキルアミド、又は1~5個の炭素原子を有する線形若しくは分枝状のヒドロキシルを表し、
及びRは、各々独立して、1から5個の炭素原子を有する線形若しくは分枝状のヒドロカルビル、又は1から5個の炭素原子を有する線形若しくは分枝状のアルコキシ、さもなければアリール、アルキルアミド、又は1から5個の炭素原子を有する線形若しくは分枝状のヒドロキシルを表すか、さもなければR及びRは共に、それらが結合しているホウ素原子と共に、環内に交互に配置された3個のホウ素原子及び3個の窒素原子を含む6個の環員を有する飽和複素環を形成し、前記複素環は、任意に、1から5個の炭素原子を有するヒドロカルビル、アリール、アルキルアミド、及び1から5個の炭素原子を有するアルコキシから選択される1から5個の置換基で置換される。
【0034】
[0037]プロセス200は、操作230において、堆積条件下で、パターニングされたフィーチャ上に膜(又は1つ若しくは複数の層)を堆積することをさらに含み、当該膜(又は1つ若しくは複数の層)は、ケイ素及びホウ素を含む。堆積された1つ又は複数の層は、非晶質であり得る。
【0035】
[0038]発明者らは、ケイ素含有種(例えば、ジシラン又は高次シラン)が、核形成中又は堆積の初期段階において重要な役割を果たし得ることを見出した。SiHを置換することに加えて、発明者らは、ケイ素及びホウ素を含有する種を堆積する前に、半導体構造(又はその上のフィーチャ、例えば、パターニングされたフィーチャ)上にケイ素含有前駆体を堆積させる前処理操作を利用することによって、優れた粗さ性能を見出した。したがって、幾つかの実施形態では、プロセス200は、前処理条件下で、パターニングされたフィーチャ上にSi材料を堆積させる前処理(又は核形成)操作をさらに含む。ケイ素含有種の流量は、堆積操作230において、ケイ素含有種の流量と同一であるか、又はそれより多い場合がある。
【0036】
[0039]発明者らは、ホウ素含有核種を、操作230の堆積プロセス中に利用される流量よりも多く流すことによって、粗さ性能を改善できることも観察した。したがって、幾つかの実施形態では、前処理操作は、ホウ素含有核種を、約100sccmから約300sccm、例えば、約150sccmから約250sccm、約175sccmから約225sccmなどの流量で流すことを含み得る。
【0037】
[0040]幾つかの実施形態では、基板190とシャワーヘッド120(又はシャワーヘッドの面板)との間の間隔は、本明細書に記載のプロセスの1つ又は複数の操作(例えば、SiB膜/層の堆積)によって変動し得る。変位機構を用いて基板支持体150を上下に動かすことによって、この間隔を調整することができる。幾つかの実施形態では、面板と基板との間の間隔は、約300ミル以下、例えば、約100ミルから約300ミル、約140ミルから約300ミル、約150ミルから約275ミル、約175ミルから約250ミル、約200ミルから約225ミルなどであり得る。少なくとも1つの実施形態では、面板と基板との間の間隔は、間隔から間隔の範囲(ミル単位)であり、間隔及び間隔は、間隔<間隔である限り、それぞれ個別に、約100、約110、約120、約130、約140、約150、約160、約170、約180、約190、約200、約210、約220、約230、約240、約250、約260、約270、約280、約290、又は約300である。
【0038】
[0041]本明細書に記載された例示的なプロセスの様々な操作(例えば、プロセス200)は、以下に記載するような1つ又は複数のプロセスを含む。例えば、操作220、操作230、又はその両方は、1つ又は複数のプロセスパラメータを含み得る。
【0039】
[0042]基板は、約400℃以下、例えば、約100℃から約350℃、約150℃から約350℃、約150℃から約250℃、約200℃から約250℃の温度を有し得る。少なくとも1つの実施形態では、基板の温度は、TからTの範囲(℃単位)であり、T及びTは、T<Tである限り、それぞれ個別に、約150、約160、約170、約180、約190、約200、約210、約220、約230、約240、約250、約260、約270、約280、約290、約300、約310、約320、約330、約340、又は約350である。
【0040】
[0043]処理空間の内部の圧力は、約200Torr以下、例えば、約150Torr以下、約130Torr以下、約100Torr以下、約50Torr以下、約20Torr以下、約10Torr以下などであり得る。少なくとも1つの実施形態では、処理空間の内部の圧力は、PからPの範囲(Torr単位)であり、P及びPは、P<Pである限り、それぞれ個別に、約1、約5、約10、約20、約30、約40、約50、約60、約70、約80、約90、約100、約110、約120、約130、約140、又は約150である。幾つかの実施形態では、処理空間の内部の圧力は、約1Torrから約150Torr、例えば、約10Torrから約130Torrであり得る。
【0041】
[0044]幾つかの実施形態では、圧力ランプ操作(pressure ramp operation)を利用することができる。ここで、例えば、非反応性ガスの有無に関わらず、処理チャンバ内へのケイ素含有種の流れは、約500sccmから約1000sccmであるが、ホウ素含有種は流れていない。この非限定的な実施例では、圧力が初期的に安定すると、ホウ素含有種が処理チャンバ内に流れ込み、SiBの堆積のための反応を触媒する。
【0042】
[0045]処理空間内への1つ又は複数のホウ素含有種の流量は、毎分約100標準立方センチメートル(sccm)以下、例えば、300mmサイズの基板に対して、約5sccmから約1000sccm、約10sccmから約800sccm、約50sccmから約500sccmなどであり得る。少なくとも1つの実施形態では、300mmサイズの基板に対する1つ又は複数のホウ素含有種の流量は、流量から流量の範囲(sccm単位)であり、流量及び流量は、流量<流量である限り、それぞれ個別に、約5、約10、約15、約20、約25、約30、約35、約40、約45、約50、約55、約60、約65、約70、約75、約80、約85、約90、約95、約100、約150、約200、約250、約300、約350、約400、約450、約500、約550、約600、約650、約700、約750、約800、約850、約900、約950、又は約1000であり得る。幾つかの実施形態では、1つ又は複数のホウ素含有種の流量は、300mmサイズの基板に対して約5sccmから約80sccm、例えば、約10sccmから約60sccm、約20sccmから約50sccm、約30sccmから約40sccmなどである。
【0043】
[0046]処理空間内への1つ又は複数のケイ素含有種の流量は、300mmサイズの基板に対して、約1000sccm以下、例えば、約50sccmから約1000sccm、約100sccmから約500sccm、約150sccmから約450sccm、約200sccmから約400sccm、約250sccmから約350sccmであり得る。少なくとも1つの実施形態では、300mmサイズの基板に対する1つ又は複数のケイ素含有種の流量は、流量から流量の範囲(sccm単位)であり、流量及び流量は、流量<流量である限り、それぞれ個別に約50、約100、約110、約120、約130、約140、約150、約160、約170、約180、約190、約200、約210、約220、約230、約240、約250、約260、約270、約280、約290、約300、約310、約320、約330、約340、約350、約360、約370、約380、約390、約400、約410、約420、約430、約440、約450、約460、約470、約480、約490、約500、約550、510、約520、約530、約540、又は約500である。
【0044】
[0047]1つ又は複数の非反応性ガスが利用される実施形態では、処理空間内への1つ又は複数の非反応性ガスの流量は、300mmサイズの基板に対して、約2000sccm以下、例えば、約100sccmから約1700sccm、約200sccmから約1500sccm、約400から約1200sccm、約600sccmから約1000sccm、約700sccmから約900sccmであり得る。少なくとも1つの実施形態では、300mmサイズの基板に対する1つ又は複数の非反応性ガスの流量は、流量から流量の範囲(sccm単位)であり、流量及び流量は、流量<流量である限り、それぞれ個別に、約100、約150、約200、約250、約300、約350、約400、約450、約500、約550、約600、約650、約700、約750、約800、約850、約900、約950、約1000、約1050、約1200、約1250、約1300、約1350、約1400、約1450、約1500、約1550、約1600、約1650、約1700、約1750、約1800、約1850、約1900、約1950、又は約2000であり得る。
【0045】
[0048]300mmサイズの基板に対して、1つ又は複数のケイ素含有種に対する1つ又は複数のホウ素含有種の流量比は、約0.025から約0.3、例えば、約0.05から約0.2、約0.1から約0.15であり得る。幾つかの実施形態では、1つ又は複数のケイ素含有種に対する1つ又は複数のホウ素含有種の流量比は、約0.025から約1.8、例えば、約0.05から約1.5、約0.1から約1、約0.1から約0.4である。
【0046】
[0049]1つ又は複数の非反応性ガスが利用される実施形態では、300mmサイズの基板に対して、1つ又は複数の非反応性ガスに対する1つ又は複数のケイ素含有種の流量比は、約0.05から約1、例えば、0.2から約0.8、約0.3から約0.7、約0.4から約0.6であり得る。少なくとも1つの実施形態では、300mmサイズの基板に対して、1つ又は複数の非反応性ガスに対する1つ又は複数のケイ素含有種の流量比は、約0.2から約0.4、約0.3から約0.5、約0.5から約0.6、約0.6から約0.7、又は約0.7から約0.8である。
【0047】
[0050]1つ又は複数のSiB膜/層の堆積時間は、約1秒以上、例えば、約1秒から約3000秒、約2秒から約2000秒、約30秒から約3000秒、又は約1000秒から約1500秒であり得る。少なくとも1つの実施形態では、堆積時間は、時間から時間の範囲(秒単位)であり、時間及び時間は、時間<時間である限り、それぞれ個別に、約1、約10、約30、約60、約90、約120、約150、約200、約240、約300、約360、約420、約480、約540、約600、660、約720、約780、約840、約900、約960、約1000、約1020、約1080、約1140、約1200、約1260、約1320、約1380、約1440、約1500、約1560、約1620、約1680、約1740、約1800、約1860、約1920、約1980、又は約2000であり得る。
【0048】
[0051]幾つかの実施形態では、堆積された1つ又は複数のSiB膜/層は、ホウ素濃度が、X線光電子分光(XPS)によると、約1wt%以上又は約50wt%以下、例えば、約5wt%から約45wt%、約15wt%から約30wt%、約20wt%から約25wt%である。少なくとも1つの実施形態では、1つ又は複数のSiB膜/層のホウ素濃度は、含有率から含有率の範囲(%単位)であり、含有率及び含有率は、含有率<含有率である限り、それぞれ個別に、約1、約5、約10、約15、約20、約25、約30、約35、約40、約45、又は約50である。
【0049】
例示的なパターニングスキーム
[0052]本開示の実施形態は、さらにパターニング用途に使用されるSiB膜に関連する。図3は、本開示の少なくとも1つの実施形態に係る、非限定的で例示的なパターニングシーケンスの概略図である。図3の図は、スペーサを形成するためのダブルパターニング操作(例えば、SADP)を示している。構造体300aでは、マンドレル304が基板302(又はその下層)上にパターニングされる。次に、マンドレル304及び/又は基板302(又はその下層)の露出面を覆うために、SiB膜306(又は1つ若しくは複数の層)が堆積され、構造体300bが設けられる。次に、SiB膜306及びマンドレル304の水平部分が(例えばエッチングによって)除去されて、複数のスペーサ308が形成される。構造300cが示すように、スペーサ308間に空隙310がある。クオドルプルパターニング(例えば、SAQP)などの他のパターニング操作や、パターニングを伴わない多色用途を実行することができる。
【0050】
[0053]図4は、本開示の少なくとも1つの実施形態に係る、例示的な堆積プロセス400の選択された操作を示すフロー図である。当該プロセスは、例えば、SiB膜306などのSiB膜の形成を可能にする。SiB膜は、スペーサ用途に使用される共形膜であり得る。SiB膜は、単層膜又は多層膜であり得る。SiB膜は、非晶質であり得る。本明細書に記載されたSiB膜は、従来のSiN膜(例えば、原子層堆積によって作製されたSiN膜)、又はパターニングスキームに関わる他のエッチング可能な膜と比べて、エッチング選択性の利点を有する。例えば、本明細書に記載されたプロセスによって形成されるSiB膜は、SiN膜に比べると、正方形プロファイルの上面を有する、より均一なエッチング後のスペーサプロファイルを有し得る。さらに、当該プロセスは、従来の方法と比べて、表面粗さ(例えば、LER及び/又はLWR)が改善されたSiB膜(又は1つ若しくは複数の層)の形成を可能にする。
【0051】
[0054]プロセス400は、操作410において、基板処理チャンバ(例えば、熱CVDチャンバなどのCVDチャンバ)の処理空間内に基板を配置することを含む。基板302(又はその下層)は、パターニングされたフィーチャを有し得る。マンドレル304は、他の材料の中でも、とりわけ、様々な適切な材料(例えば、炭素含有材料、ケイ素(例えば、ポリシリコン)、又は酸化ケイ素)を含むか、又はそれらから構成され得る。マンドレルは、炭素及び水素を含んでもよく、スピンオン炭素膜として堆積されてもよい。マンドレル304の形成は、基板上にマンドレル材料の平坦な層を形成し、リソグラフィ(例えば、フォトリソグラフィ)的に画定し、次いで、リソグラフィプロセスの分解能限界付近でマンドレルを形成することによって、行われ得る。
【0052】
[0055]一実施形態では、マンドレル304は、非晶質炭素と水素との組み合わせ(水素化非晶質炭素)である。水素化非晶質炭素膜は、カリフォルニア州サンタクララのApplied Materials社によって作製されたAdvanced Patterning Film(商標)であってもよい。水素化非晶質炭素は、約10%の水素から約60%の水素までの原子組成を有し得る。低温(例えば、約300℃)又は高温(例えば、約480℃、約550℃、約650℃)のAPF膜のいずれを使用してもよい。ここで、温度は膜の堆積温度を指し、膜は、簡潔にAPF300、APF480、APF550又はAPF650と呼ばれ得る。
【0053】
[0056]プロセス400は、操作420において、処理チャンバ内の処理空間内に1つ又は複数のガスを流し込むことをさらに含む。操作420は、操作220と同一又は同様の方法で実行され得る。
【0054】
[0057]プロセス400は、操作430において、堆積条件下で、パターニングされたフィーチャ上に膜(又は1つ若しくは複数の層)を堆積することをさらに含み、当該膜(又は1つ若しくは複数の層)は、ケイ素及びホウ素を含む。堆積された1つ又は複数の層は、非晶質であり得る。堆積された膜(又は1つ若しくは複数の層)は、図3に示すように、構造300bのSiB膜306によって表され得る。操作430の堆積は、操作230と同一又は同様の方法で実行され得る。堆積の結果、例えば、共形膜又はスペーサが形成される。
【0055】
[0058]操作430で堆積された膜は、様々な任意選択的なプロセスの対象となり得る。例えば、SiB膜(又は1つ若しくは複数の層)、パターニングされたフィーチャ、又はそれらの組み合わせの少なくとも一部がエッチングされるスペーサエッチング操作を実行することができる。一例として、操作350において、SiB膜306及び/又はマンドレル304の水平部分が除去され、構造300cによって示されるように、スペーサ308が形成される。スペーサ308は、SiB膜を含有する。除去/エッチングは、同一の又は別のチャンバで適切な方法によって達成され得る。
【0056】
[0059]本明細書に記載されたプロセス(例えば、プロセス200又はプロセス400)によって形成されたSiB膜(又は1つ若しくは複数の層)は、従来の方法によって作製されたSiB膜と比べて粗さが改善されている。例えば、LERは、約1.5nm以下、例えば、約1.0nm以下であってもよく、かつ/又は、LWRは、約1.5nm以下、例えば、約1.0nm以下であってもよい。LERは、直線からのラインエッジのずれの3σ(シグマ)であると定義することができ、LWRは、線にわたるフィーチャの幅の変動に対応する3σ(シグマ)であると定義することができる。
【0057】
[0060]本明細書に記載されたプロセスによって形成されるSiB膜(又は1つ若しくは複数の層)は、例えば、SiNに対してエッチング上の利点を有することがあり、それにより、本明細書で形成されるSiBはスペーサ用途において有用となる。例えば、形成されたSiBは、SiNに比べると、正方形プロファイルの上面を有する、より均一なエッチング後のスペーサプロファイルを有することができ、様々なパターニングスキームに関わる他の膜より優れたエッチング選択性を有し得る。
【0058】
[0061]粗さプロファイルなどの特性が改善されたSiB膜を形成するための新規かつ改善されたプロセスが本明細書に記載される。本明細書に記載されたプロセスによって形成されたSiB膜は、とりわけ、パターニングスキーム、ハードマスク用途、多色用途に応用することができる。したがって、本明細書に記載された実施形態は、例えば、デバイス性能の改善を可能にする。
【0059】
[0062]上述した概要及び具体的な実施形態から自明であるように、本開示の形態が図示かつ説明されているが、本開示の本質及び範囲から逸脱しない限り、様々な改変を行ってもよい。したがって、これにより本開示を限定することは意図されていない。同様に、「含む/備える(comprising)」という用語は、「含む(including)」という用語と同義とみなされる。同様に、「備える/含む(comprising)」という移行句が、組成物、要素、又は要素の群に先行する場合、その組成物、要素、又は要素の群の記載に「実質的に~からなる(consisting essentially of)」、「~からなる(consisting of)」、「~からなる群から選択される(selected from group of consisting of)」、又は「~である(is)」といった移行句が先行する場合も、同一の組成物又は要素の群が想定されると理解される。またその逆も然りである。
【0060】
[0063]本開示の目的のために、かつ別様に明記されていない限り、「群」及び「置換基」という用語は、交換可能に使用され得る。本開示の目的のために、かつ別様に明記されていない限り、「アルキル」又は「アルキル基」という用語は、交換可能に、炭素原子及び水素原子からなるヒドロカルビルを指す。アルキル基は、置換又は非置換でもよく、線形、分岐、又は環状であり得る。
【0061】
[0064]本開示の目的のために、かつ別様に明記されていない限り、「アルコキシ」という用語は、酸素原子に結合したアルキル基又はアリール基(例えば、酸素原子に結合したアルキルエーテル基又はアリールエーテル基)を指し、アルキル/アリール基がC-C10ヒドロカルビルであるものを含み得る。アルキル基は、直鎖、分岐、又は環状であり得る。アルキル基は、飽和又は不飽和であり得る。
【0062】
[0065]本開示の目的のために、かつ別様に明記されていない限り、「ヒドロカルビル」という用語は、水素原子及び炭素原子のみからなる基を指す。ヒドロカルビルは、飽和又は不飽和、線形又は分岐、環状又は非環状、芳香族又は非芳香族であり得る。本開示の目的のために、かつ別様に明記されていない限り、「アリール」又は「アリール基」という用語は、フェニル、ナフチル、キシリルなどの芳香族環を指す。本明細書では、「芳香族」という用語は、芳香族複素環リガンドと類似の特性及び(ほぼ平面の)構造を有する複素環置換基であるが、定義上芳香族ではない擬芳香族複素環も指す。
【0063】
[0066]本開示の目的のために、かつ別様に明記されていない限り、「置換」基は、少なくとも1つの原子が異なる原子又は基で置換された基を指す。したがって、「置換ヒドロカルビル」、「置換アリール」、及び「置換アルキル」は、ヒドロカルビル、アリール、又はアルキルであって、少なくとも1つの水素原子が、少なくとも1つのヘテロ原子若しくはヘテロ原子含有基(例えば、元素周期表の第13族~第17族からの1つ又は複数の元素、例えば、ハロゲン(F、Cl、Br、又はI)、O、N、Se、Te、P、As、Sb、S、B、Si、Ge、Sn、Pb等、例えば、C(O)R、C(O)NR 、C(O)OR、NR 、OR、PR 、SR、SO(例えば、x=2又は3)、BR 、SiR 、OSiR 等)であるか、又は少なくとも1つのヘテロ原子が、ヒドロカルビル、アリール、又はアルキル(例えば、ハロゲン(Cl、Br、I、F)、O、N、S、Se、Te、NR、PR、BR、SiR 等のうちの1つ又は複数)内に挿入されている、ヒドロカルビル、アリール、又はアルキルのことを差し、ここで、Rは、独立して、水素、ヒドロカルビル(例えば、C-C10)であるか、又は2つ以上のR*が、共に、置換若しくは非置換の、完全飽和、部分不飽和、完全不飽和された、若しくは芳香族環状或いは多環状の環状構造を形成し得る。
【0064】
[0067]本開示の目的のために、かつ別様に明記されていない限り、本明細書の詳細な説明及び特許請求の範囲内のすべての数値は、「おおよそ(about)」又は「約(approximately)」を付した値により修正され、当業者であれば予想される実験的誤差や変動を考慮に入れている。ある種の実施形態及び特徴は、数値の上限のセット及び数値の下限のセットを使用して説明されている。別途指示されない限り、任意の2つの値の組み合わせ(例えば、任意の下方値と任意の上方値との組み合わせ、任意の2つの下方値の組み合わせ、及び/又は任意の2つの上方値の組み合わせ)を含む範囲が想定されると、認識すべきである。特許請求の範囲には、特定の下限、上限、及び範囲が記載されている。
【0065】
[0068]以上の記載は本開示の実施形態を対象としているが、本開示の基本的な範囲から逸脱することなく、本開示の他の実施形態及びさらなる実施形態を考案してもよい。本開示の範囲は、下記の特許請求の範囲によって決定される。
図1
図2
図3
図4
【国際調査報告】