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特表2024-524132基板処理システムの部品追跡のためのインラインマシンビジョンシステム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-05
(54)【発明の名称】基板処理システムの部品追跡のためのインラインマシンビジョンシステム
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/68 20060101AFI20240628BHJP
【FI】
H01L21/68 F
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023577843
(86)(22)【出願日】2022-06-15
(85)【翻訳文提出日】2024-02-02
(86)【国際出願番号】 US2022033694
(87)【国際公開番号】W WO2022271513
(87)【国際公開日】2022-12-29
(31)【優先権主張番号】63/214,681
(32)【優先日】2021-06-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】592010081
【氏名又は名称】ラム リサーチ コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】LAM RESEARCH CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】弁理士法人明成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】サデジ・ホセイン
(72)【発明者】
【氏名】ジェネッティ・ダモン・タイローン
(72)【発明者】
【氏名】ワン・デキ
(72)【発明者】
【氏名】バルドウィン・スコット
【テーマコード(参考)】
5F131
【Fターム(参考)】
5F131AA02
5F131BA03
5F131BA04
5F131BA19
5F131CA42
5F131CA45
5F131DA20
5F131DA22
5F131DA42
5F131DB01
5F131DB51
5F131DD03
5F131DD43
5F131KA10
5F131KA14
5F131KA43
5F131KA52
5F131KA62
5F131KB22
5F131KB38
(57)【要約】
【解決手段】基板処理システム内の消耗部品を追跡するためのシステムは、内部に消耗部品を保管するために使用される消耗部品ステーションを有する取り付けエンクロージャを含む。画像捕捉システムは、消耗部品上のコードの画像を捕捉するように構成される。画像捕捉システムは、カメラおよび光源を含む。
【選択図】図10A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板処理システム内の消耗部品を追跡および検証するためのマシンビジョンシステムであって、
内部に消耗部品を保管するための消耗部品ステーションを有する取り付けエンクロージャであって、前記取り付けエンクロージャは、前記基板処理システムの機器フロントエンドモジュール(EFEM)に向かう開口部を有し、前記EFEM内のロボットが前記消耗部品ステーションから消耗部品を取り出すことを可能にする取り付けエンクロージャと、
前記消耗部品上のコードの画像を捕捉するように構成された画像捕捉システムであって、前記画像捕捉システムは、カメラおよび光源を含み、前記画像捕捉システムは、前記取り付けエンクロージャの前記開口部の近くに位置決めされ、前記カメラおよび前記光源は、前記取り付けエンクロージャの前記開口部を向くように配向される画像捕捉システムと、
前記画像捕捉システムおよびコントローラに通信可能に接続されたプロセッサであって、前記プロセッサは、前記画像捕捉システムによって捕捉された前記コードの前記画像を処理および分析し、前記コントローラに返される前記消耗部品に対する識別子を生成するように構成されるプロセッサと、
前記ロボットに、前記取り付けエンクロージャの前記開口部を介して前記消耗部品ステーションから前記消耗部品を移動させ、前記画像捕捉システムの視野内に前記消耗部品の前記コードを位置決めさせ、前記プロセッサによって提供された前記識別子に応答して、前記消耗部品が後続の動作に適していることを検証するように構成された前記コントローラと
を備える、マシンビジョンシステム。
【請求項2】
請求項1に記載のマシンビジョンシステムであって、
前記プロセッサは、
前記画像を強化する画像強化モジュール、
強化された画像を復号し、前記消耗部品を識別する文字列を生成するデコーダ、
検証のために前記消耗部品を識別する前記文字列を前記コントローラに通信する通信モジュール
と相互作用するように構成される、マシンビジョンシステム。
【請求項3】
請求項2に記載のマシンビジョンシステムであって、
前記コントローラは、
信号を前記プロセッサに提供して前記光源を作動させ、前記コードの前記画像の捕捉を開始し、
前記プロセッサによって転送された前記文字列を使用して前記消耗部品を検証する
ように構成される、マシンビジョンシステム。
【請求項4】
請求項1に記載のマシンビジョンシステムであって、
前記光源は、複数の光要素を含み、前記複数の光要素の場所は、前記コードを照明し、前記消耗部品が読み取り配向に位置決めされたとき、前記コードが存在する前記消耗部品の表面上のエリアを少なくとも覆う重複領域を提供するように画定される、マシンビジョンシステム。
【請求項5】
請求項4に記載のマシンビジョンシステムであって、
前記ロボットは、前記消耗部品を前記読み取り配向に位置合わせするために使用されるアライナを含む、マシンビジョンシステム。
【請求項6】
請求項5に記載のマシンビジョンシステムであって、
前記アライナは、前記消耗部品上に配置された基準マーカを検出するように構成され、前記基準マーカは、前記消耗部品の前記コードから所定の角度で配置され、前記ロボットは、前記コントローラからの命令に基づいて前記消耗部品を移動させ、前記命令は、前記基準マーカに対して前記消耗部品を移動させる前記所定の角度を指定し、それにより前記光源によって照明された前記コードの前記画像を捕捉するための前記画像捕捉システムの前記カメラの前記視野内で前記コードを位置合わせする、マシンビジョンシステム。
【請求項7】
請求項4に記載のマシンビジョンシステムであって、
前記読み取り配向は、前記ロボットのエンドエフェクタによって覆われていない前記消耗部品の開放領域と対応し、それにより前記画像を捕捉するための前記カメラに対して前記コードが妨げられずに見えるように画定される、マシンビジョンシステム。
【請求項8】
請求項1に記載のマシンビジョンシステムであって、
前記画像捕捉システムは、前記取り付けエンクロージャの前記開口部に面する上部部分に画定された透明カバーを含み、前記透明カバーは、前記画像捕捉システムの前記カメラおよび前記光源を遮蔽するように構成される、マシンビジョンシステム。
【請求項9】
請求項1に記載のマシンビジョンシステムであって、
前記画像捕捉システムの前記カメラは、前記コードが配置される前記消耗部品の前記表面から第1の距離に配置され、前記光源は、複数の光要素を含み、前記複数の光要素の各光要素は、第2の距離だけ別の光要素から分離される、マシンビジョンシステム。
【請求項10】
請求項9に記載のマシンビジョンシステムであって、
前記第1の距離は、前記第2の距離に比例し、約1:1.3~約1:1.7であるように画定される、マシンビジョンシステム。
【請求項11】
請求項1に記載のマシンビジョンシステムであって、
前記画像捕捉システムは、拡散板、または偏光板、または拡散板と偏光板の両方を含み、
前記光源は、一対の発光ダイオードであり、
各拡散板は、存在する場合、所定の第1の距離で前記一対の発光ダイオードの一方または両方の前に配置され、
各偏光板は、存在する場合、所定の第2の距離で前記一対の発光ダイオードの一方もしくは両方の前に配置されるか、または所定の第3の距離で前記カメラのレンズの前に配置されるか、または前記所定の第2の距離で前記カメラの前記レンズの両方の前に配置され、前記所定の第3の距離で前記発光ダイオードの1つまたは複数の両方の前に配置される、
マシンビジョンシステム。
【請求項12】
請求項1に記載のマシンビジョンシステムであって、
前記消耗部品ステーションは、前記取り付けエンクロージャの前記開口部の反対側に配向した外側壁を有し、前記外側壁は、前記消耗部品のロードおよびアンロードのために前記消耗部品ステーションにアクセスするための第2の開口部を有する、マシンビジョンシステム。
【請求項13】
請求項1に記載のマシンビジョンシステムであって、
前記消耗部品ステーション内の消耗部品は、2つの部品で作製され、前記コードは、前記2つの部品の各部品の表面上に配置され、前記2つの部品のうちの第1の部品における第1のコードは、第2の部品における第2のコードから所定の距離だけ分離され、
前記ロボットは、前記コントローラからの命令に基づいて前記消耗部品を移動させ、前記命令は、前記消耗部品を移動させ、それにより前記第1の部品上に配置された前記第1のコードを前記画像捕捉システムの視野内に入れ、同時に前記光源を作動させて前記第1のコードを照明し、前記カメラを作動させて前記第1のコードの画像を捕捉する第1の命令のセットと、前記消耗部品を移動させ、それにより前記第2の部品上に配置された前記第2のコードを前記画像捕捉システムの前記視野内に入れ、同時に前記光源を作動させて前記第2のコードを照明し、前記カメラを作動させて前記第2の部品上に配置された前記第2のコードの画像を捕捉する第2の命令のセットとを含む、
マシンビジョンシステム。
【請求項14】
請求項13に記載のマシンビジョンシステムであって、
前記2つの部品からなる消耗部品の前記第1の部品および前記第2の部品は、同じ材料で作製され、前記材料は、石英または炭化ケイ素のうちの1つである、マシンビジョンシステム。
【請求項15】
請求項13に記載のマシンビジョンシステムであって、
前記2つの部品からなる消耗部品の前記第1の部品は、前記第2の部品とは異なる材料で作製され、前記2つの部品からなる消耗部品の前記第1の部品は、石英で作製され、前記第2の部品は、炭化ケイ素で作製される、マシンビジョンシステム。
【請求項16】
請求項1に記載のマシンビジョンシステムであって、
前記光源は、接線方向に前記コードを照明するように配置される、マシンビジョンシステム。
【請求項17】
請求項1に記載のマシンビジョンシステムであって、
前記プロセッサは、エッジプロセッサであり、前記エッジプロセッサは、前記コードの前記画像を保管し、前記画像を処理し、前記画像を分析し、前記消耗部品を識別する前記文字列を生成し、検証のために前記文字列を前記コントローラに送信するように構成され、
前記エッジプロセッサは、イーサネットスイッチを介して前記コントローラに接続される、
マシンビジョンシステム。
【請求項18】
請求項1に記載のマシンビジョンシステムであって、
前記消耗部品は、前記基板処理システムのプロセスモジュール内のウエハ支持面上に受け取られたウエハに隣接して配置されるエッジリングである、マシンビジョンシステム。
【請求項19】
基板処理システム内の消耗部品を追跡するためのロボットであって、
アーム上に画定されたエンドエフェクタであって、前記エンドエフェクタは、前記消耗部品を支持するために使用されるキャリアプレートを支持するように設計されるエンドエフェクタと、
前記アーム上に配置されたアライナであって、前記アライナは、軸に沿って前記消耗部品と共に前記キャリアプレートを回転させるように構成され、前記アライナは、前記消耗部品の表面上に画定された基準マーカを追跡し、前記基準マーカのオフセット座標を前記基板処理システムのコントローラに提供するセンサを有するアライナと
を備え、
前記ロボットは、前記コントローラから命令のセットを受信し、前記ロボットに、前記キャリアプレート上に支持された前記消耗部品を消耗部品ステーションから前記基準マーカに対する読み取り配向に移動させるように構成され、前記読み取り配向は、前記基板処理システムの画像捕捉システムの視野内に前記消耗部品の前記表面上に配置されたコードを載置し、前記画像捕捉システムが前記コードの画像を捕捉することを可能にするように画定され、
前記画像捕捉システムによって捕捉された前記コードの前記画像は、前記消耗部品に対する識別子を生成するために処理され、前記識別子は、前記消耗部品の検証のために前記コントローラによって使用される、
ロボット。
【請求項20】
請求項19に記載のロボットであって、
前記画像捕捉システムは、前記コントローラに通信可能に接続され、前記画像捕捉システムは、前記コントローラから第2の命令のセットを受信し、前記第2の命令のセットは、前記画像捕捉システム内に配置された光源を作動させて前記コードを照明する第1の命令と、前記画像捕捉システム内のカメラを作動させて前記コードの前記画像の捕捉をトリガする第2の命令とを含む、ロボット。
【請求項21】
請求項19に記載のロボットであって、
前記基準マーカは、前記コードから所定の角度で前記消耗部品の前記表面上に画定された光学マーカであり、
前記読み取り配向は、前記キャリアプレートのアーム延長部によって覆われるエリアの外側にある前記消耗部品の開放領域と対応するように画定される、
ロボット。
【請求項22】
請求項19に記載のロボットであって、
前記アライナの前記センサは、ファイバ上にライナカーテンヘッドを有するレーザセンサまたはスルービームLEDファイバセンサのうちの1つである、ロボット。
【請求項23】
請求項19に記載のロボットであって、
前記ロボットは、前記基板処理システムの機器フロントエンドモジュール(EFEM)内に配置され、前記EFEMは、前記基板処理システムの取り付けエンクロージャの消耗部品ステーションに保管されている前記消耗部品へのアクセスを提供し、前記取り付けエンクロージャの前記消耗部品ステーション内の前記消耗部品への前記アクセスは、前記EFEMに向かって画定された開口部を介して前記ロボットに提供される、ロボット。
【請求項24】
請求項19に記載のロボットであって、
前記基準マーカの前記オフセット座標および前記コードの前記画像は、前記コントローラによってプロセッサを介して前記画像捕捉システムに転送され、前記プロセッサは、画像強化プロセッサと相互作用して前記画像捕捉システムによって捕捉された前記コードの前記画像を強化し、デコーダと相互作用して前記画像を復号し、前記画像を分析し、前記消耗部品の前記識別子を表す文字列を生成し、通信モジュールと相互作用して前記消耗部品の検証のために前記文字列を前記コントローラに通信する、ロボット。
【請求項25】
請求項19に記載のロボットであって、
前記消耗部品ステーションから前記消耗部品を移動させるように構成された前記ロボットの前記エンドエフェクタは、前記基板処理システム内のプロセスモジュールに送給するためにウエハステーションからウエハを移動させるように構成され、前記ロボットの前記アライナは、前記プロセスモジュールに送給する前に、前記ウエハ内のノッチを検出し、前記ノッチに対する前記ウエハの配向を制御するように構成される、ロボット。
【請求項26】
請求項19に記載のロボットであって、
前記消耗部品は、第1の部品および第2の部品で作製され、第1のコードが、前記第1の部品の表面上に配置され、第2のコードが、前記第2の部品の表面上に配置され、前記第1の部品の前記第1のコードは、前記第2の部品の前記第2のコードから所定の距離だけ分離され、
前記ロボットに提供される前記命令のセットは、前記消耗部品を移動させ、前記第1の部品上に配置された前記第1のコードを前記基準マーカに対して前記読み取り配向に持って行き、前記第1のコードの画像の捕捉を可能にする第3の命令と、前記消耗部品を移動させ、前記第2の部品上に配置された前記第2のコードを前記基準マーカに対して前記読み取り配向に持って行き、前記第2の部品上に配置された前記第2のコードの画像の捕捉を可能にする第4の命令とを含む、
ロボット。
【請求項27】
基板処理システム内の消耗部品を追跡および検証するためのマシンビジョンシステムであって、
内部に消耗部品を保管するための消耗部品ステーションを有する取り付けエンクロージャであって、前記取り付けエンクロージャは、前記基板処理システムの機器フロントエンドモジュール(EFEM)に向かう開口部を有し、前記EFEM内のロボットが前記消耗部品ステーションから消耗部品を取り出すことを可能にする取り付けエンクロージャと、
前記EFEM内の前記ロボットに、前記取り付けエンクロージャの前記開口部を介して前記消耗部品ステーションから前記消耗部品を移動させ、画像捕捉システムの視野内に前記消耗部品のコードを位置決めさせるように構成されたコントローラであって、
前記画像捕捉システムは、前記消耗部品上のコードの画像を捕捉するように構成され、前記画像捕捉システムは、少なくともカメラおよび光源を含み、前記画像捕捉システムは、前記取り付けエンクロージャの前記開口部の近くに位置決めされ、前記カメラおよび前記光源は、前記取り付けエンクロージャの前記開口部を向くように配向される、
コントローラと、
前記画像捕捉システムおよび前記コントローラに通信可能に接続されたプロセッサであって、前記プロセッサは、前記画像捕捉システムによって捕捉された前記コードの前記画像を処理および分析し、前記消耗部品が後続の動作に適していることを検証するように構成されるプロセッサと
を備える、マシンビジョンシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本実施形態は、半導体ウエハ処理に関し、より詳細には、基板処理システム内のプロセスモジュールに提供される消耗部品の追跡に関する。
【背景技術】
【0002】
典型的な製作システムは、複数のクラスタツールアセンブリまたは処理ステーションを含む。半導体ウエハの製造プロセスで使用される各処理ステーションは、1つまたは複数のプロセスモジュールを含み、各プロセスモジュールは、特定の製造動作を実施するために使用される。異なるプロセスモジュール内で実施される製造動作の一部には、洗浄動作、エッチング動作、堆積動作、リンス動作、乾燥動作などが挙げられる。これらの動作を実施するためにプロセスモジュールで使用されるプロセス化学物質、プロセス条件、およびプロセスは、プロセスモジュール内の過酷な条件に常に曝露されるハードウェア構成要素の一部に対して損傷を引き起こす。これらの損傷または摩耗したハードウェア構成要素は、損傷したハードウェア構成要素がプロセスモジュール内の他のハードウェア構成要素を過酷な条件に曝露しないようにするために、かつ半導体ウエハの品質を保証するために、定期的かつ迅速に交換する必要がある。その場所、および過酷な化学物質およびプロセスモジュール内で実施されるプロセスに継続的に曝露されることによって損傷を受ける可能性のあるハードウェア構成要素の一部には、ウエハを囲むエッジリング、カバーリングなどが挙げられる。エッジリングは、一定数のプロセスサイクル後に侵食される場合があり、侵食されたエッジリングがチャック、接地リングなどの下にあるハードウェア構成要素を過酷なプロセス条件に曝露しないようにするために、速やかに交換する必要がある。交換可能なハードウェア構成要素は、本明細書では消耗部品と呼ぶことができる。
【0003】
エッジリングなどの消耗部品は、プロセスの性能にとって非常に重要である。これらの消耗部品は、典型的には手動で交換され、エッジリングを交換するためにプロセスモジュールの通気が必要となる。あるいは、消耗部品は、新しいエッジリングをバッファステーション(例えば、ウエハ(ウエハ交換ステーション)をバッファリングするために使用されるフロントオープニングユニファイドポッド(FOUP)と同様のFORP(フロントオープニングリングポッド-エッジリング交換ステーション)にロードし、エッジリングをFORPから処理ステーションのロードポートに搬送し、システムロボティクスを使用してプロセスモジュールから古いエッジリングを取り外し、新しいエッジリングを設置することを伴う自動化されたアプローチを使用して交換される。消耗部品の交換は、プロセスモジュール間でのウエハの搬送と同様の方式で真空下で実施される。エッジリングは、ウエハ交換ステーションからウエハを搬送するために使用されるファブの自動マテリアルハンドリングシステム(AMHS)を通してバッファステーションから搬送され得る。単一のバッファステーションを使用して、プロセスモジュールから取り外された新しいエッジリングと摩耗したエッジリングの両方を保管することが可能であり、または異なるバッファステーションを使用して、新しいエッジリングおよび使用済みのエッジリングを別々に保管することが可能である。摩耗したエッジリングは速やかに処分する必要があり、完全に使い果たされた場合、新しいエッジリングをロードする必要がある。
【0004】
エッジリングの正確な形状および高さは、プロセス用途に基づいて最適化される。その結果、使用中であり、効率的に管理する必要がある多数の異なるエッジリングが存在する。異なるタイプのエッジリングにおける違いは、多くの場合、非常にわずかであり、目では知覚することができない。さらに、バッファステーションに入ると、異なるエッジリングを区別することはほとんど不可能になる。生産環境では、エッジリングバッファステーションは、単一のタイプのエッジリング、複数のタイプのエッジリング、または他の消耗部品と混合された単一のタイプもしくは複数のタイプのエッジリングを含み得る。エッジリングは、典型的にはバッファステーションの異なるスロットに手動でロードされ、ロードされたエッジリングはシステムコンピュータに登録される。手動ロード/登録プロセス中、エラーが発生する余地がある。例えば、ユーザがエッジリングを間違ったスロットにロードする可能性がある(例えば、エッジリングをスロット1ではなくスロット2にロードする)。あるいは、ユーザは、バッファステーションの特定のスロットにロードされたエッジリングについて不正確な情報(シリアル番号、部品番号、スロット番号、寸法など)を入力する可能性がある。このようなエラーにより、間違ったエッジリングがクラスタツール内のプロセスモジュールに送給される場合がある。例えば、不正確なエッジリングがプロセスモジュールに意図せずにロードされると、容認できないウエハのスクラップ事象をもたらす可能性がある。そのような問題はかなりの期間にわたって検出されない場合があり、かつ処理中のウエハの品質に重大な影響を及ぼす可能性があり、それによって半導体製造業者に対する利益率に重大な影響を与えることになる。現在、正しいエッジリングがFORPにロードされていることを自動的に検証したり、またはツール内のそれらの場所(すなわち、スロット番号)を決定したりする効率的な方法は存在しない。
【0005】
本発明の実施形態は、このような状況で生じるものである。
【発明の概要】
【0006】
本開示の実施形態は、正しいエッジリングが基板処理システム内の正しいプロセスモジュールに送給され得るように、エッジリングを追跡し、エッジリングのIDを検証するためのシステムおよび方法を含む。追跡は、マシンビジョンシステム、および基板処理システム内で使用されるロボットのアーム上に配置されたアライナ(すなわち、クラスタツールなど)を使用して行われる。基板処理システムまたはクラスタツールは、1つまたは複数のロードロックを通して真空移送モジュール(VTM)に結合された大気圧移送モジュール(ATM)を含み、VTMは、1つまたは複数のプロセスモジュールに結合される。ATMのロボットおよびVTMのロボットは、ウエハバッファステーションと1つまたは複数のプロセスモジュールとの間でウエハを移動させるために使用される。ATMのロボットには、ウエハをプロセスモジュールに送給する前にウエハを位置合わせするために使用されるアライナが備えられる。次に、位置合わせされたウエハは、処理のために基板表面の上に受け取られる。ATMおよびVTMのロボットはまた、プロセスモジュールと、消耗部品を保管するために使用される消耗部品ステーションとの間で消耗部品を移動させるために使用される。識別子が、消耗部品の各々に配置される。いくつかの実施態様では、識別子は、消耗部品の上面、底面、上面と底面の両方、または上面と底面との間のどこかに配置されたコード(例えば、機械可読コード)であってもよい。いくつかの実施態様では、マシンビジョンシステムは、消耗部品上に配置されたコードの画像を捕捉し、画像を処理して消耗部品を識別するために使用され、ロボットのアライナは、コードの画像がマシンビジョンシステムのカメラまたは画像捕捉デバイスによって捕捉することができるように、マシンビジョンシステムの上の消耗部品上のコードを位置合わせするために使用される。いくつかの実施態様では、コードの画像は、消耗部品データベースに対して検証され、プロセスモジュールへの送給が予定されている消耗部品がプロセスモジュールに適切であるかどうかを決定する。消耗品のIDが正常に検証されると、消耗部品は、設置のためにプロセスモジュールに送給される。
【0007】
マシンビジョンシステムは、人為的エラーにより不正確な消耗部品が基板処理システム内のプロセスモジュールに提供されることを回避するために、消耗部品の追加の検証を提供する。異なるプロセスモジュールで利用可能および使用される消耗部品のタイプが大きく異なるため、実施されるプロセスを最適化するために、異なるプロセスモジュールで使用される異なるタイプの消耗部品(例えば、エッジリング)を追跡し、正しいタイプの消耗部品を異なる処理ステーション内の各プロセスモジュールに送給することが重要である。マシンビジョンシステムは自動化された検証を実施し、それによってかなりの時間およびコストを節約する。
【0008】
エッジリングなどの消耗部品の追跡を支援するために、いくつかの実施態様では、コードが消耗部品に画定され、消耗部品は消耗部品データベースに対してコードを検証することによって追跡される。消耗部品がプロセスモジュールへの送給のために取り出されるとき、消耗部品はまず識別され、次にプロセスモジュールへの送給前に検証される。検証の一部として、いくつかの実施態様では、コードの画像がマシンビジョンシステムを使用して捕捉され、捕捉された画像が処理されてコードを識別し、消耗部品に対する識別子を生成する。消耗部品識別子は、異なるタイプの消耗部品、および各タイプの消耗部品を使用する製作施設内の異なるプロセスモジュールに関する情報を含む消耗部品データベースに対して検証される。検証が成功すると、消耗部品は、ATMおよびVTMのロボットによってプロセスモジュールに搬送される。各消耗部品を追跡することにより、正しい消耗部品が各プロセスモジュールに送給されるようになり、それによってあらゆるロードエラー(例えば、ロード中に消耗部品に関して記録された不正確な情報、または消耗部品ステーションにおけるスロットへの消耗部品の不正確なロード)が排除される。追跡および検証により、不正確な消耗部品がプロセスモジュールに誤ってロードされないようになり、したがって、そのようなエラーによる不必要なウエハのスクラップが回避される。
【0009】
一実施態様では、基板処理システム内の消耗部品を追跡および検証するためのマシンビジョンシステムが開示される。いくつかの実施態様では、マシンビジョンシステムは、取り付けエンクロージャと、画像捕捉システムと、プロセッサ(例えば、エッジプロセッサ)と、コントローラとを含む。取り付けエンクロージャは、内部に消耗部品を保管するための消耗部品ステーションを有する。取り付けエンクロージャは、基板処理システムの機器フロントエンドモジュール(EFEM)に向かう開口部を有し、EFEM内のロボットが消耗部品ステーションから消耗部品を取り出すことを可能にする。画像捕捉システムは、消耗部品上のコードの画像を捕捉するように構成される。画像捕捉システムは、カメラおよび光源を含む。画像捕捉システムは、取り付けエンクロージャの開口部の近くに位置決めされ、開口部を向くように配向される。プロセッサは、画像捕捉システムおよび基板処理システムのコントローラに通信可能に接続される。プロセッサは、画像捕捉システムによって捕捉されたコードの画像を処理および分析し、コントローラに返される消耗部品に対する識別子を生成するように構成される。コントローラは、ロボットに、取り付けエンクロージャの開口部を介して消耗部品ステーションから消耗部品を移動させ、それにより画像捕捉システムの視野内に消耗部品のコードを位置決めさせるコマンドを発行するように構成される。コントローラは、プロセッサによって提供された識別子に応答して、消耗部品が後続の動作に適していることを検証するようにさらに構成される。
【0010】
一実施態様では、プロセッサは、(a)画像捕捉システムによって捕捉されたコードの画像を強化する画像強化モジュール、(b)強化された画像を復号し、消耗部品を識別する文字列を生成するデコーダ、および(c)検証のために消耗部品を識別する文字列をコントローラに通信する通信モジュールと相互作用するように構成される。
【0011】
一実施態様では、コントローラは、信号をプロセッサに提供して光源を作動させ、カメラを起動してコードの画像を捕捉し、プロセッサによって転送された文字列を使用して消耗部品を検証するように構成される。
【0012】
一実施態様では、光源は、複数の光要素を含み、複数の光要素の場所は、コードを照明し、消耗部品が読み取り配向に位置決めされたとき、コードが存在する消耗部品の表面上のエリアを少なくとも覆う重複領域を提供するように画定される。
【0013】
一実施態様では、ロボットは、消耗部品を読み取り配向に位置合わせするために使用されるアライナを含む。
【0014】
一実施態様では、アライナは、消耗部品上に配置された基準マーカを検出するように構成され、基準マーカは、消耗部品のコードから所定の角度で配置される。ロボットは、コントローラからの命令に基づいて消耗部品を移動させる。コントローラからの命令は、基準マーカに対して消耗部品を移動させる所定の角度を指定し、それにより光源によって照明されたコードの画像を捕捉するための画像捕捉システムのカメラの視野内でコードを位置合わせする。
【0015】
一実施態様では、読み取り配向は、ロボットのエンドエフェクタによって覆われていない消耗部品の開放領域と対応し、それにより画像を捕捉するためのカメラに対してコードが妨げられずに見えるように画定される。
【0016】
一実施態様では、画像捕捉システムは、取り付けエンクロージャの開口部に面する上部部分に画定された透明カバーを含む。画像捕捉システムのカメラおよび光源を遮蔽するように構成された透明カバー。
【0017】
一実施態様では、画像捕捉システムのカメラは、コードが配置される消耗部品の表面から第1の距離に配置され、光源は、複数の光要素を含み、複数の光要素の各光要素は、第2の距離だけ別の光要素から分離される。
【0018】
一実施態様では、第1の距離は、第2の距離に比例し、約1:1.3~約1:1.7であるように画定される。
【0019】
一実施態様では、画像捕捉システムは、拡散板、または偏光板、または拡散板と偏光板の両方を含む。光源は、一対の発光ダイオードである。各拡散板は、存在する場合、所定の第1の距離で一対の発光ダイオードの各一方または両方の前に配置される。同様に、各偏光板は、存在する場合、所定の第2の距離で一対の発光ダイオードの一方もしくは両方の前に配置されるか、または所定の第3の距離でカメラのレンズの前に配置されるか、または所定の第2の距離でカメラのレンズの両方の前に配置され、所定の第3の距離で一対の発光ダイオードの一方もしくは両方の前に配置される。
【0020】
一実施態様では、消耗部品ステーションは、取り付けエンクロージャの開口部の反対側に配向した外側壁を有する。外側壁は、消耗部品のロードおよびアンロードのために消耗部品ステーションにアクセスするための第2の開口部を有する。
【0021】
一実施態様では、消耗部品ステーション内の消耗部品は、2つの部品で作製され、コードは、2つの部品の各部品の表面上に配置される。2つの部品のうちの第1の部品における第1のコードは、第2の部品における第2のコードから所定の距離だけ分離される。ロボットは、コントローラからの命令に基づいて消耗部品を移動させる。ロボットに提供される命令は、消耗部品を移動させ、それにより第1の部品上に配置された第1のコードを画像捕捉システムの視野内に入れ、同時に光源を作動させて第1のコードを照明し、カメラを作動させて第1のコードの画像を捕捉する第1の命令のセットと、消耗部品を移動させ、それにより第2の部品上に配置された第2のコードを画像捕捉システムの視野内に入れ、同時に光源を作動させて第2のコードを照明し、カメラを作動させて第2のコードの画像を捕捉する第2の命令のセットとを含む。
【0022】
一実施態様では、光源は、接線方向にコードを照明するように配置された一対の発光ダイオードである。
【0023】
一実施態様では、2つの部品からなる消耗部品の第1の部品および第2の部品は、同じ材料で作製され、材料は、石英または炭化ケイ素のうちの1つである。
【0024】
一実施態様では、2つの部品からなる消耗部品の第1の部品は、第2の部品とは異なる材料で作製され、2つの部品からなる消耗部品の第1の部品は、石英材料で作製され、第2の部品は、炭化ケイ素材料で作製される。
【0025】
一実施態様では、プロセッサは、エッジプロセッサである。エッジプロセッサは、コードの画像を保管し、画像を処理し、画像を分析し、消耗部品を識別する文字列を生成し、検証のために文字列をコントローラに送信するように構成される。エッジプロセッサは、イーサネットスイッチを介してコントローラに接続される。
【0026】
一実施態様では、消耗部品は、基板処理システムのプロセスモジュール内のウエハ支持面上に受け取られたウエハに隣接して配置されるエッジリングである。
【0027】
一実施態様では、基板処理システム内の消耗部品を追跡するためのロボットが開示される。ロボットは、エンドエフェクタと、アライナとを含む。エンドエフェクタは、ロボットのアーム上に画定され、消耗部品を支持するために使用されるキャリアプレートを支持するように設計される。アライナは、アーム上に配置される。アライナは、軸に沿って消耗部品と共にキャリアプレートを回転させるように構成される。アライナは、消耗部品の表面上に画定された基準マーカを追跡し、基準マーカのオフセット座標を基板処理システムのコントローラに提供するセンサを有する。ロボットは、コントローラから命令のセットを受信し、ロボットに、キャリアプレート上に支持された消耗部品を消耗部品ステーションから基準マーカに対する読み取り配向にd移動させるように構成され、読み取り配向は、基板処理システムの画像捕捉システムの視野内に消耗部品の表面上に配置されたコードを載置し、画像捕捉システムがコードの画像を捕捉することを可能にするように画定される。画像捕捉システムによって捕捉されたコードの画像は、消耗部品に対する識別子を生成するために処理される。識別子は、消耗部品の検証のためにコントローラによって使用される。
【0028】
一実施態様では、画像捕捉システムは、コントローラに通信可能に接続される。画像捕捉システムは、コントローラから第2の命令のセットを受信する。第2の命令のセットは、画像捕捉システム内に配置された光源を作動させてコードを照明する第1の命令と、画像捕捉システムのカメラを作動させてコードの画像の捕捉を開始する第2の命令とを含む。
【0029】
一実施態様では、基準マーカは、コードから所定の角度で消耗部品の表面上に画定された光学マーカである。読み取り配向は、キャリアプレートのアーム延長部によって覆われるエリアの外側にある消耗部品の開放領域と対応するように画定される。
【0030】
一実施態様では、アライナのセンサは、ファイバ上にライナカーテンヘッドを有するレーザセンサまたはスルービームLEDファイバセンサのうちの1つである。
【0031】
一実施態様では、ロボットは、基板処理システムの機器フロントエンドモジュール(EFEM)内に配置される。EFEMは、基板処理システムの取り付けエンクロージャの消耗部品ステーションに保管されている消耗部品へのアクセスを提供する。消耗部品へのアクセスは、EFEMに向かって画定された開口部を介してロボットに提供される。
【0032】
一実施態様では、基準マーカのオフセット座標およびコードの画像は、コントローラによってプロセッサを介して画像捕捉システムに転送される。プロセッサは、画像強化プロセッサと相互作用して画像捕捉システムによって捕捉されたコードの画像を強化し、デコーダと相互作用してコードの画像を復号し、消耗部品を識別する文字列を生成し、通信モジュールと相互作用して消耗部品の検証のために文字列をコントローラに通信する。
【0033】
一実施態様では、消耗部品ステーションから消耗部品を移動させるように構成されたロボットのエンドエフェクタはまた、基板処理システム内のプロセスモジュールに送給するためにウエハステーションからウエハを移動させるように構成される。ロボットのアライナは、プロセスモジュールに送給する前に、ウエハ内のノッチを検出し、ノッチに対するウエハの配向を制御するように構成される。
【0034】
一実施態様では、消耗部品は、第1の部品および第2の部品で作製される。第1のコードが、第1の部品の表面上に配置され、第2のコードが、第2の部品の表面上に配置される。第1の部品の第1のコードは、第2の部品の第2のコードから所定の距離だけ分離される。ロボットに提供される命令のセットは、消耗部品を移動させ、第1の部品上に配置された第1のコードを基準マーカに対して読み取り配向に持って行き、第1のコードの画像の捕捉を可能にする第3の命令と、消耗部品を移動させ、第2の部品上に配置された第2のコードを基準マーカに対して読み取り配向に持って行き、第2の部品上に配置された第2のコードの画像の捕捉を可能にする第4の命令とを含む。
【0035】
さらに別の実施態様では、基板処理システム内の消耗部品を追跡および検証するためのマシンビジョンシステムが開示される。マシンビジョンシステムは、取り付けエンクロージャと、コントローラと、画像捕捉システムと、プロセッサとを含む。取り付けエンクロージャは、内部に消耗部品を保管するための消耗部品ステーションを有する。取り付けエンクロージャは、基板処理システムの機器フロントエンドモジュール(EFEM)に向かう開口部を有し、EFEM内のロボットが消耗部品ステーションから消耗部品を取り出すことを可能にする。コントローラは、EFEM内のロボットに、取り付けエンクロージャの開口部を介して消耗部品ステーションから消耗部品を移動させ、画像捕捉システムの視野内に消耗部品のコードを位置決めさせるように構成される。画像捕捉システムは、消耗部品上のコードの画像を捕捉するように構成される。画像捕捉システムは、少なくともカメラおよび光源を含む。画像捕捉システムは、取り付けエンクロージャの開口部の近くに位置決めされる。カメラおよび光源は、取り付けエンクロージャの開口部を向くように配向される。プロセッサは、画像捕捉システムおよびコントローラに通信可能に接続される。プロセッサは、画像捕捉システムによって捕捉されたコードの画像を処理および分析し、消耗部品が後続の動作に適していることを検証するように構成される。
【0036】
消耗部品を追跡する利点は、消耗部品ステーションから取り出された消耗部品が、基板処理システム内のプロセスモジュールの対象となる正しい消耗部品であることを確実にすることである。追跡から取得された情報を使用して、消耗部品がいつプロセスモジュールに提供されたか、および消耗部品の使用履歴を追跡し、プロセスモジュール内の消耗部品がいつ使用寿命に到達し、そして交換する必要があるかを決定することが可能である。これらおよび他の利点については以下で説明され、明細書、図面、および特許請求の範囲を読めば当業者によって理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0037】
図1図1は、一実施態様における、基板処理システムで使用される消耗部品を追跡するためのマシンビジョンシステムを用いる基板処理システムの簡略化されたブロック図である。
図1A図1Aは、一実施態様における、基板処理システムで使用される消耗部品の拡大図である。
【0038】
図2図2は、一実施態様における、消耗部品上に配置されたコードの画像を捕捉するための画像捕捉システムを含むマシンビジョンシステムの簡略化された表現を示す図である。
【0039】
図3図3は、一実施態様における、消耗部品を識別するために使用されるマシンビジョンシステムのプロセッサの様々な構成要素の簡略化された表現を示す図である。
【0040】
図4図4は、一実施態様における、消耗部品の追跡に使用されるマシンビジョンシステムの概要を示す図である。
【0041】
図5A図5Aは、一実施態様における、消耗部品上に配置されたコードの画像を捕捉するために使用される画像捕捉システムの様々な図である。
図5B図5Bは、一実施態様における、消耗部品上に配置されたコードの画像を捕捉するために使用される画像捕捉システムの様々な図である。
図5C図5Cは、一実施態様における、消耗部品上に配置されたコードの画像を捕捉するために使用される画像捕捉システムの様々な図である。
図5D図5Dは、一実施態様における、消耗部品上に配置されたコードの画像を捕捉するために使用される画像捕捉システムの様々な図である。
【0042】
図6図6は、一実施態様における、消耗部品の表面上に配置された基準マーカを検出するために使用されるアライナセンサを有する大気圧移送モジュールで使用されるロボットのアームの一部を示す図である。
【0043】
図7A図7Aは、一実施態様における、消耗部品を追跡するために使用されるコードに対する基準マーカの相対位置を示す消耗部品の上面図である。
【0044】
図7B図7Bは、一実施態様における、コードに対する基準マーカの相対位置を示す消耗部品の底面図である。
【0045】
図8A図8Aは、一実施態様における、画像捕捉システムの上で位置合わせする前に、消耗部品ステーション内のロボットアーム上に支持されたキャリアプレート上でバランスがとられている消耗部品を示す図である。
【0046】
図8B図8Bは、一実施態様における、コードの捕捉を可能にするために画像捕捉システムの上で位置合わせされるプロセスにあるコードを有する消耗部品を示す図である。
【0047】
図9A図9Aは、一実施態様における、一対の発光ダイオードによって照明され、カメラの上に位置合わせされたコードの画像を捕捉する画像捕捉システムの簡略化された表現を示す図である。
【0048】
図9B図9Bは、一実施態様における、消耗部品上のコードを照明する画像捕捉システムの一対の発光ダイオードの照明エリアの二次元表現を示す図である。
【0049】
図9C図9Cは、一実施態様における、画像捕捉システムによって捕捉されたコードの画像から検出された消耗部品上のコードのサンプル部分を示す図である。
【0050】
図9D-1】図9D-1は、一実施態様における、コードが第1の材料で作製された消耗部品上に配置される場合の表面特性の変化を示す図である。
図9D-2】図9D-2は、一実施態様における、消耗部品の表面上に配置されたサンプルコードを示す図である。
【0051】
図9E-1】図9E-1は、代替の実施態様における、コードが第2の材料で作製された消耗部品上に配置される場合の表面特性の変化を示す図である。
図9E-2】図9E-2は、代替の実施態様における、消耗部品の表面上に配置されたサンプルコードを示す図である。
【0052】
図10A図10Aは、一実施態様における、特定の材料で作製された消耗部品、および画像捕捉システムによって捕捉された消耗部品の表面上のコードの場所の一例を示す図である。
【0053】
図10B-1】図10B-1は、一実施態様における、第1のコードが第1の部品の表面上にあり、第2のコードが第2の部品上にある、第1の部品および第2の部品で作製された消耗部品の一例を示す図であり、第1の部品および第2の部品は、同じ特定の材料で作製される。
図10B-2】図10B-2は、一実施態様における、第1のコードが第1の部品の表面上にあり、第2のコードが第2の部品上にある、第1の部品および第2の部品で作製された消耗部品の一例を示す図であり、第1の部品および第2の部品は、同じ特定の材料で作製される。
【0054】
図10C-1】図10C-1は、一実施態様における、第1のコードが第1の部品の表面上にあり、第2のコードが第2の部品の表面上にある、第1の部品および第2の部品で作製された消耗部品の一例を示す図であり、第1の部品および第2の部品は、異なる材料で作製され、第1のコードは、第2のコードとは異なる深さに配置される。
図10C-2】図10C-2は、一実施態様における、第1のコードが第1の部品の表面上にあり、第2のコードが第2の部品の表面上にある、第1の部品および第2の部品で作製された消耗部品の一例を示す図であり、第1の部品および第2の部品は、異なる材料で作製され、第1のコードは、第2のコードとは異なる深さに配置される。
【0055】
図10D図10Dは、一実施態様における、コードを配置することができる異なる表面を示す消耗部品(例えば、エッジリング)の断面図である。
【0056】
図10E図10Eは、一実施態様における、消耗部品の表面上で検出された基準マーカの画像の上面図である。
図10F図10Fは、一実施態様における、消耗部品上に画定された基準マーカの画像の底面図である。
【0057】
図11A図11Aは、一実施態様における、基板処理システムで使用される消耗部品をバッファリングするために使用される消耗部品ステーションの後面図(すなわち、背面図)である。
【0058】
図11B図11Bは、一実施態様における、図11Aに示される消耗部品ステーションの上面図である。
図11C図11Cは、一実施態様における、消耗部品ステーションの内側を見えるようにする、消耗部品ステーションの上面に画定された上部窓の拡大図である。
【0059】
図12A図12Aは、一実施態様における、コードの画像の捕捉を可能にするための、基準マーカに対するキャリアプレート上に支持された消耗部品の表面上に配置されたコードの位置合わせを示す図である。
図12B図12Bは、一実施態様における、コードの画像の捕捉を可能にするための、基準マーカに対するキャリアプレート上に支持された消耗部品の表面上に配置されたコードの位置合わせを示す図である。
図12C図12Cは、一実施態様における、コードの画像の捕捉を可能にするための、基準マーカに対するキャリアプレート上に支持された消耗部品の表面上に配置されたコードの位置合わせを示す図である。
図12D図12Dは、一実施態様における、コードの画像の捕捉を可能にするための、基準マーカに対するキャリアプレート上に支持された消耗部品の表面上に配置されたコードの位置合わせを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0060】
以下の説明では、本発明の特徴の完全な理解を提供するために、多数の具体的な詳細が記載されている。しかし、本発明がこれらの具体的な詳細の一部または全部がなくても実践することができることは、当業者には明らかであろう。他の例では、本発明を不必要に曖昧にしないように、周知のプロセス動作は詳細に説明されていない。
【0061】
本開示の実施形態は、消耗部品の表面上に配置されたコードなどの識別子を使用して、エッジリングなどの消耗部品を追跡する詳細を提供する。コードは、消耗部品の底面もしくは上面に配置されてもよく、または消耗部品の上面と底面の両方に配置されてもよく、上面にあるコードは底面にあるコードと重なるか、または消耗部品の内側に埋め込まれる。コードは、クイックレスポンス(QR)コード(QRコードは登録商標。以下同じ)などのデータマトリックスタイプのコードであってもよいし、バーコード、印刷された文字コード、または消耗部品(例えば、エッジリング)を識別するために使用することができる任意の他のタイプのデータマトリックスもしくは識別マーカであってもよい。追跡は、コードを照明してコードの画像を捕捉する画像捕捉システムと、画像を強化し、コードを復号し、消耗部品を識別する文字列を生成するプロセッサとを含むマシンビジョンシステムを使用して行われる。次いで、文字列識別子が、検証のためにコントローラに転送される。コントローラは、基板処理システムが正常に機能するように様々なパラメータを制御するために使用される。コントローラは、消耗部品データベースと照合して情報を検証し、消耗部品のIDおよび消耗部品が使用されるプロセスモジュールのタイプを決定する。
【0062】
プロセスモジュールがエッジリングの交換を必要とする場合、例えば、基板処理システムのロボットを使用して、基板処理システムの異なるプロセスモジュールで使用される消耗部品を保管する消耗部品ステーションからエッジリングを取り出す。消耗部品ステーションは、消耗部品のための一時的な保管場所(すなわち、プロセスモジュールへの送給前の保管場所、およびプロセスモジュールからの取り出し後の保管場所)を提供し、したがってそのような保管は、本明細書では代替的に「バッファリング」と呼ばれる場合がある。基板処理システム内のプロセスモジュールおよび製作施設における異なる基板処理システム内のプロセスモジュールは、異なるタイプの消耗部品を使用することができ、消耗部品の各タイプは、わずかな点または実質的な点で他のタイプと異なっていてもよい。場合によっては、消耗部品は、複数部品からなる消耗部品(例えば、積み重ねられた消耗部品)であってもよく、部品は互いに連動するか、または互いに重なり合ってもよい。そのような場合、複数部品からなる消耗部品の各部品は、それぞれの部品の表面上に配置されたコードを有してもよく、マシンビジョンシステムは、消耗部品内の部品の数を検出し、各部品のコードの画像を捕捉して全体として消耗部品を識別するように構成される。
【0063】
いくつかの実施態様では、基板処理システム内のロボットは、消耗部品を移動させ、それによりコードが画像捕捉システムの視野内および被写界深度内に位置合わせされるように位置決めされ、画像捕捉システムはコードの画像を捕捉することが可能になる。マシンビジョンシステムの画像捕捉システムは、消耗部品上のコードの画像を捕捉するカメラ(レンズ付き)などの画像捕捉デバイスと、コードが配置される消耗部品のエリアを照明する発光ダイオードなどの少なくとも光源とを含み、それによりカメラによって捕捉された画像が明確であり、容易に解読することができるようになる。画像捕捉システムと位置合わせされた消耗部品の検出に応答して、コントローラは、信号をプロセッサに生成し、消耗部品上に配置されたコードの画像を捕捉する。プロセッサは、これに応答して、信号を送信して(a)光源(例えば、発光ダイオード)を作動させ、画像捕捉システムと位置合わせされた消耗部品上のコードを有するエリアを照明し、(b)カメラを作動させ、カメラが消耗部品上に配置されたコードの画像を捕捉することができるようにする。
【0064】
次に、捕捉された画像が分析され、復号され、そこに含まれる識別情報を決定する。復号された情報は、消耗部品を識別する文字列(「文字列識別子」とも呼ばれる)を生成するために使用される。文字列識別子は、検証のためにコントローラに転送される。コントローラは、消耗部品データベースにクエリを実行し、消耗部品のID、および消耗部品を使用するプロセスモジュールのタイプを決定することによって消耗部品の検証を実施するように構成されたソフトウェアを含む。ソフトウェアによる消耗部品の検証が成功すると、ソフトウェアは、ロボットに消耗部品を移動させてプロセスモジュールに送給するように指示する。消耗部品の追跡および検証により、正しい消耗部品が適切なプロセスモジュールに送給されるようになり、それによって不正確な消耗部品がプロセスモジュールに送給されることがなくなる。実施態様の上記の一般的な理解に基づいて、次に、様々な図面を参照して様々な具体的な詳細を説明する。
【0065】
図1は、一実施態様における、様々なプロセスモジュール内で使用されるエッジリングなどの消耗部品が追跡される、例示的な基板処理システム100の簡略化されたブロック図を示している。図示された基板処理システムは、複数のそのような基板処理システムが用いられ得る製作施設の一部であってもよい。基板処理システム100は、コントローラ108からの信号によって制御される、複数のモジュール、例えば機器フロントエンドモジュール(EFEM、本明細書では大気圧移送モジュールまたはATMとも呼ばれる)102、1つまたは複数のロードロック110、真空移送モジュール(VTM)104、および1つまたは複数のプロセスモジュール112~116を含む。EFEM102は大気圧条件に維持されており、第1の側に画定され、1つまたは複数のウエハステーションを受け取るように構成された1つまたは複数のロードポート106を含む。ロードポート106上のウエハステーションは、1つまたは複数の隔離弁によって制御される開口部を介してアクセスされる。ウエハステーションは、半導体デバイスを画定する処理のためにプロセスモジュール112~116に提供される複数のウエハ(すなわち、半導体基板)をバッファリングする。ウエハは、EFEM102内のロボット(ATMロボット102aとも呼ばれる)によってウエハステーションから取り出される。ATMロボット102aは、エンドエフェクタが配置されるアームを含む。エンドエフェクタは、ウエハステーションから取り出されたウエハを支持し、ウエハをロードロック110に送給し、その後プロセスモジュール(112~116)に送給するように構成される。ATMロボット102aはまた、消耗部品を支持することができるキャリアプレートを支持するように構成される。キャリアプレートの使用により、エンドエフェクタの再設計を必要とせずに、ウエハの移送に使用されるATMロボット102aの同じエンドエフェクタもまた、消耗部品をロードロック110に移送し、その後プロセスモジュール112~116に送ることが可能になる。
【0066】
図1に示される実施態様では、基板処理システム100は、一方の側でEFEM102に、他方の側でVTM104に結合される一対のロードロック110-L、110-Rを含む。ロードロック110-L、110-Rは、大気圧条件に維持されるEFEM102と真空(すなわち、制御された環境)に維持される真空移送モジュール(VTM)104との間の中間モジュールとして作用する。ロードロック110-L、110-Rは、EFEM102の第2の側に配置される。一実施態様では、第2の側は、第1の側の反対側となるように画定される。代替の実施態様では、第2の側は、第1の側に隣接するように画定されてもよい。ロードロック110-L、110-Rの各々は、EFEM102に結合される側に第1の隔離弁(図示せず)を含み、VTM104に結合される側に第2の隔離弁(図示せず)を含む。ウエハステーションからのウエハがロードロック(例えば、110-L)に送給されるとき、ロードロック110-Lの第1の隔離弁が開かれ、第2の隔離弁は閉じたままにされる。ウエハがロードロック110-Lに送給されると、第1の隔離弁が閉じられる。次いで、第1および第2の隔離弁の両方が閉じられたままの状態で、ロードロックが真空に排気される。ロードロック110-Lが真空に到達すると、第2隔離弁が開かれ、VTM104のVTMロボット104aが使用され、ウエハをロードロックから処理のために適切なプロセスモジュール112~116に移動させる。
【0067】
エッジリングなどの消耗部品122がプロセスモジュール112~116内で交換される際、ウエハの送給に使用されるプロセスと同様のプロセスが続く。消耗部品122の場合、消耗部品は、EFEM102のATMロボット102aによって消耗部品ステーション120から取り出され、プロセスモジュール112~116へのその後の送給のためにロードロック110-Lまたは110-Rのうちの1つに送給される。一実施態様では、消耗部品ステーション120は、ロードロック110-L、110-Rと同じ側に配置され、ロードロック110-L、110-Rの上に画定される。消耗部品ステーション120は、消耗部品122がバッファリングまたは保管される複数のスロットを含むことができる。ATMロボット102aのアーム上に配置されたエンドエフェクタは、最初にキャリアプレート(図示せず)を取り出すために消耗部品ステーション120内に到達する。キャリアプレートを取り出した後、ATMロボット102aは、消耗部品ステーション120におけるスロットの1つから消耗部品122を取り出し、キャリアプレート上の消耗部品122のバランスをとる。次に、消耗部品122は、消耗部品ステーション120からEFEM102に移動される。
【0068】
プロセスモジュール内の消耗部品122を交換するプロセスは、オペレータからの信号、基板処理システムの様々なパラメータを追跡するコントローラからの信号、またはプロセスモジュールからの信号に基づいて行われ得る。信号は、消耗部品に残された使用寿命に基づいて生成され得る。例えば、消耗部品がその使用寿命の終わりに到達した場合、または使用寿命がプロセスモジュール内で実施されるプロセスのプロセスサイクルに必要な時間よりも短い場合、信号は、プロセスモジュールによって自動的に生成することが可能である。あるいは、信号は、コントローラによって生成されてもよいし、プロセスモジュール内の消耗部品を交換するためにオペレータによって手動で開始されてもよい。信号に応答して、コントローラは、消耗部品ステーション120に保管されている消耗部品を取り出し、消耗部品を消耗部品ステーション120からEFEM102に移動させるための命令のセットをATMロボット102aに送信することができる。一実施態様では、コントローラは、消耗部品データベースにクエリを実行し、プロセスモジュールで使用される消耗部品のタイプを識別することができる。消耗部品データベースは、基板処理システムが位置する製作施設内の様々なツールで使用されるすべての消耗部品のリポジトリである。使用される消耗部品のタイプに加えて、消耗部品データベースは、異なるプロセスモジュールで使用される異なるタイプの消耗部品の使用履歴を維持することができる。例えば、消耗部品データベースは、消耗部品ステーションの異なるスロットにロードされた消耗部品のリストおよびステータス(新しい、使用済み、残り使用寿命、タイプ、各タイプの消耗部品を使用するプロセスモジュールなど)を維持することが可能である。消耗部品のリストは、手動ロード中にオペレータによって、または消耗部品ステーションへの消耗部品のロード中に自動化されたシステム(例えば、ロボットまたは自動化された消耗部品ハンドリングシステム)によって提供されてもよい。例えば、新しい消耗部品は、オペレータまたはロボットによって消耗部品ステーションのスロット1~5(例えば、新しい部品セクション内のスロット)の1つにロードされ得、プロセスモジュールから取り外された使用済みの消耗部品は、スロット6~10(例えば、使用済み部品セクション内のスロット)にロードされ得る。プロセスモジュール内の消耗部品を交換するための信号に応答して、コントローラは、消耗部品データベースにクエリを実行し、プロセスステーションへの送給のために消耗部品をそこから取り出す必要があるスロット番号を識別することができる。スロット番号は、コントローラによってATMロボット102aに提供される命令のセットで提供され得る。命令に応答して、ATMロボット102aのエンドエフェクタは、消耗部品ステーションに到達し、識別されたスロットから消耗部品を取り出す。取り出された消耗部品122は、消耗部品をプロセスモジュールに送給する前に、消耗部品データベースに登録された消耗部品の詳細が、識別されたスロットから取り出された消耗部品に実際に対応することを確実にするために検証される。本出願で使用される消耗部品には、プロセスモジュールで使用される任意の交換可能な部品が挙げられ得ることに留意されたい。
【0069】
消耗部品ステーション120内の消耗部品122の各々には、クイックレスポンス(QR)コード125(図1A)などの識別子が備えられる。いくつかの実施態様では、QRコード125に加えて、基準マーカ123も消耗部品122上に配置される。図1Aは、エッジリング(すなわち、消耗部品)122が基準マーカ123およびQRコード125を含む、1つのそのような実施態様を示している。基準マーカ123は、QRコード125から所定の角度で配置され、消耗部品122の位置合わせに使用される光学マーカであってもよい。ATMロボット102aのエンドエフェクタが消耗部品ステーション120から消耗部品122を取り出すとき、ATMロボット102aのアーム上に配置されたアライナ(図示せず)を使用して、基準マーカ123を追跡し、QRコード125がEFEM102に配置された画像捕捉システム130の視野および被写界深度にわたって位置合わせされるように基準マーカ123に対して消耗部分122を位置合わせすることによって、消耗部分122を位置合わせする。一実施態様では、画像捕捉システム130は、消耗部品ステーション120へのEFEM102の開口部の下に配置される。画像捕捉システム130は、開口部の下に配置されることに限定されず、消耗部品122上のQRコード125の鮮明な画像を捕捉することができるように、開口部の上、またはEFEM102内の任意の他の場所に配置することも可能である。消耗部品が画像捕捉システム130の上で位置合わせされると、一対の発光ダイオードなどの光源が作動してQRコードを有する消耗部品122の領域を照明し、画像捕捉デバイス(例えば、カメラ)が作動してQRコード125の画像を捕捉する。
【0070】
捕捉された画像は、消耗部品122の識別情報を含むQRコード125に関する情報を取得するために、画像捕捉システム130が結合されているプロセッサ128によって処理される。一実施態様では、捕捉された画像を処理するプロセッサは、エッジプロセッサである。エッジプロセッサは、プロセスネットワークのエッジにあるコンピューティングデバイスとして定義され、データが生成/捕捉される場所の近く(すなわち、プロセスネットワークのエッジ)でデータを捕捉、保管、処理、および分析する動作を実施するために使用される。現在の実施態様では、画像捕捉システムによって捕捉された画像データは、画像データが捕捉される(すなわち、収集される)エッジプロセッサにおいてローカルに処理、保管、および分析され、消耗部品の識別子を表す文字列が生成される。エッジプロセッサは、画像捕捉システムによって収集されたデータの基本的な計算を実施し、最小限のデータ(すなわち、計算の結果-消耗部品の文字列識別子)をコントローラに送信するように構成され、それによってコントローラ(すなわち、集中型コンピューティングデバイス)へのデータ送信中に消費される帯域幅の量を削減する。これにより、データの大部分が、処理および保管のためにコントローラおよび/または集中型コンピューティングデバイスに送信されるのではなく、エッジプロセッサでローカルにフィルタリングおよび処理されるため、最適な帯域幅消費がもたらされる。エッジプロセッサ(すなわち、エッジコンピューティング)を使用する利点には、データの処理速度(すなわち、より多くのデータがローカルに処理され、より少ないデータが他のコンピューティングデバイスに送信される)、最適な帯域幅の使用、セキュリティ、スケーラビリティ、多用途性、および信頼性が挙げられる。用途全体を通じて、画像データの捕捉、保管、および分析は「エッジプロセッサ」を使用して行われるように定義されているが、様々な実施態様はエッジプロセッサの使用に限定されないことに留意されたい。代わりに、処理の一部がローカルに実施され、残りの部分がコントローラまたは他のコンピューティングデバイス(クラウドコンピューティングデバイスを含む)で行われる、他のタイプのプロセッサも想定することができる。
【0071】
文字列に埋め込まれた消耗部品122の識別情報は、その後、さらなる処理のためにソフトウェア126に転送される。ソフトウェア126は、コントローラ108に結合された別々のプロセッサであってもよいし、コントローラ108上に展開されてもよい。コントローラ108は、基板処理システム100に対してローカルなコンピューティングデバイスの一部であってもよいし、インターネットまたはWifiなどのネットワークを介して、クラウドコンピューティングデバイスなどのリモートコンピューティングデバイスに結合されたコンピューティングデバイスであってもよい。ソフトウェア126は、文字列に含まれる消耗部品122の識別情報を使用してコントローラ108が利用可能な消耗部品データベースにクエリを実行し、消耗部品ステーション120から取り出された消耗部品122が基板処理システム100で使用される有効な消耗部品であること、および消耗部品を使用するプロセスモジュール(112~116)の仕様を検証する。検証が成功すると、消耗部品122はロードロック110に移動され、その後プロセスモジュール112~116に送られる。消耗部品122を検証することに加えて、ソフトウェア126はまた、コマンドをプロセッサ128に発行することができる。コントローラ108のソフトウェア126からのコマンドに応答して、プロセッサ128に展開されたソフトウェアは、光源134の作動/停止、光源134の光強度に対する調整、カメラ136の作動/停止、カメラ136によって捕捉されたコードの画像の画質強化、コードの捕捉された画像の復号、消耗部品122を識別する文字列の生成、および検証のためにコントローラ108への消耗部品122を識別する文字列の通信を行う。
【0072】
図1は、画像捕捉システムが基板処理システム内で使用される消耗部品を追跡および検証するために配置される基板処理システムの一例であることに留意されたい。実施態様は図1の基板処理システムに限定されず、異なる構成のモジュールを有する、または異なるモジュールを有する他のタイプの基板処理システムもまた、内部で使用される消耗部品を追跡および検証するための画像捕捉システムを展開するために考慮され得る。
【0073】
図2は、一実施態様における、プロセスモジュールに送給する前に消耗部品122を追跡および検証するために使用されるマシンビジョンシステム132の簡略化されたブロック図を示している。マシンビジョンシステム132は、画像捕捉システム130と、エッジコンピューティング(またはエッジプロセッサ)128とを含む。画像捕捉システムは、消耗部品122上のコードの画像を捕捉するカメラ(レンズ付き)と、カメラ136が対象物の画像を捕捉するために所望の部位を照明するように使用される一対の発光ダイオード(LED)(134a、134b)とを含む。本実施態様では、所望の部位は、対象物(例えば、QRコードなどのコード)125が画定される消耗部品122の表面上のエリアであってもよい。所望の部位を照明するために使用されるLEDの数(すなわち、対)は、単なる例として提供されており、3つ、4つ、5つ、6つ、8つなど、追加の数のLEDを含むことができる。コード125が画定される消耗部品122の表面は、上面であっても底面であってもよい。一実施態様では、消耗部品122は、透明な材料で作製されてもよく、QRコード125は、上面および底面に画定されてもよく、上面にあるQRコード125は、底面にあるQRコード125と重なっている。カメラは、下からQRコード125の画像を捕捉するのに十分強力である。
【0074】
画像捕捉システム130は、エッジプロセッサ128に結合される。画像捕捉システム130によって捕捉されたコードの画像は、エッジプロセッサ128に転送される。エッジプロセッサ128は、コードを処理してQRコード125に含まれる消耗部品122の識別情報を取得する。消耗部品122の識別情報は、消耗部品を識別する文字列識別子を生成するために使用される。文字列識別子は、コントローラ108に転送され、コントローラ108は、消耗部品122を検証し、消耗部品122を使用するプロセスモジュール112~116を識別する。検証が成功すると、消耗部品122は、プロセスモジュール(112~116)に送給される。一実施態様では、消耗部品122が基板処理システム100のプロセスモジュールで使用される消耗部品であることを検証することに加えて、識別情報はまた、消耗部品122が新しい消耗部品であるか、使用済みの消耗部品であるか、および/または消耗部品122に残された使用寿命を決定するためにも使用され得る。典型的には、使用済みの消耗部品は、消耗部品122が使用寿命に到達するとプロセスモジュールから取り外される。したがって、消耗部品ステーション120から取り出された消耗部品が新しいことを追加で検証することにより、プロセスモジュール112~116用に予定されている消耗部品が十分な使用寿命を有することが保証される。
【0075】
図3は、一実施態様における、消耗部品122を追跡するために使用されるコントローラ108およびエッジプロセッサ128のいくつかの構成要素を示す簡略化されたブロック図を示している。コントローラ108およびエッジプロセッサ128は、基板処理システム100の一部である。コントローラ108は、基板処理システム100の様々な構成要素の動作を制御するために使用されるプロセッサを含む。コントローラは、独立したコンピューティングデバイスであってもよいし、コンピューティングデバイスのネットワークの一部(例えば、クラウドシステムの一部)であってもよい。コントローラ108は、基板処理システム100の様々な構成要素、例えば大気圧移送モジュール(ATM)102、ATM102のATMロボット102a、真空移送モジュール(VTM)104、VTMのロボット104a、ロードロック110、プロセスモジュール112~116、ロードポート106に画定された隔離弁(図示せず)、消耗部品ステーション120、ウエハステーション(図示せず)、ロードロック110、VTM104など、電源、化学物質源などにも接続される。コントローラ108は、様々な構成要素の動作を制御するために使用される適切なコマンドを生成し、基板処理システム100の異なるプロセスモジュール112~116内で様々なプロセスを実施するために使用される適切なプロセスパラメータを提供するために必要な論理を提供するように構成されたソフトウェアモジュール(または単に「ソフトウェア」と呼ばれる)126を含む。ソフトウェア126は、コントローラ108が利用可能な消耗部品データベース108aにクエリを実行して消耗部品122の詳細を取得し、消耗部品122を検証し、消耗部品ステーション120内にバッファリングされたあらゆる消耗部品122が使用されるプロセスモジュール(112~116)を識別するようにさらに構成される。
【0076】
コントローラ108は、基板処理システム100の様々な構成要素に接続されていることに加えて、エッジプロセッサ128にも接続される。一実施態様では、コントローラ108へのエッジプロセッサ128の結合は、スイッチ150を介して行われ、そのような結合は、有線接続を通じて行うことができる。例えば、第1のケーブル(例えば、イーサネットまたはEtherCAT(登録商標)ケーブル、または他のタイプのケーブル)を使用して、コントローラ108をスイッチ150に接続することができ、第2の同様または異なるタイプのケーブルを使用して、スイッチ150をエッジプロセッサ128に接続することができる。代替の実施態様では、コントローラ108とエッジプロセッサ128との間の接続は、無線接続を通じて行われてもよい。いくつかの実施態様では、スイッチ150は、別々のケーブルを使用して複数のエッジプロセッサ(例えば、EP1 128a、EP2 128b、EP3 128c、EP4 128dなど)に結合され、各エッジプロセッサ(EP1、EP2、EP3、EP4など)は、基板処理システム100の動作に関する異なる機能を実施するために使用される。スイッチ150は、複数のエッジプロセッサ(例えば、128a~128d)を一緒にコントローラ108に接続するイーサネットとして作用し、コンピューティングデバイスのネットワーク(例えば、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、メトロポリタンエリアネットワーク(MAN)、またはクラウドシステムの一部など)を形成する。いくつかの実施態様では、スイッチ150は、コントローラ108およびエッジプロセッサ128をクラウドシステムに接続することが可能である。エッジプロセッサEP1 128aのうちの1つは、消耗部品(122)を追跡するように構成される。追跡は、消耗部品(122)上に配置されたコード(125)の画像を捕捉し、画像を処理してコード(125)を解読し、消耗部品(122)を識別する文字列を生成し、検証のために生成された文字列をコントローラ108に転送することによって行われる。
【0077】
消耗部品(122)上のコード(125)の画像の捕捉を容易にするために、エッジプロセッサ128は、画像捕捉システム130に結合され、結合は、有線(すなわち、ケーブル)または無線手段を介して行われる。いくつかの実施態様では、プロセッサ(例えば、エッジプロセッサ)128は、画像捕捉システム130に近接して位置し、プロセッサ128に展開されるソフトウェアは、異なる消耗部品(122)のコード(125)の画像を受信し、画像に捕捉されたコードを解読して対応する消耗部品(122)を識別する文字列を生成し、検証のために消耗部品(122)の文字列識別子をコントローラ108に転送し、その後、使用のために消耗部品を異なるプロセスモジュール(112~116)に転送するように構成される。エッジプロセッサ128は、画像捕捉システム130と共にマシンビジョンシステム(132)を構成する。
【0078】
いくつかの実施態様では、エッジプロセッサ128との結合に加えて、コントローラ108は、EFEM(102)のロボット(本明細書では「ATMロボット」102aとも呼ばれる)にも結合され、結合は、有線または無線手段を介し行われ得る。コントローラ108は、EFEM(102)内のATMロボット102aの機能を制御するコマンドを生成する。コントローラ108によって生成されるいくつかの例示的なコマンドは、いくつか例を挙げると、ウエハステーションからウエハをフェッチし、ロードロック(110)に送給してその後処理のためにプロセスモジュール(112~116)に送るための第1のフェッチコマンドと、ロードロック(110)から処理されたウエハを取り出し、ウエハステーションに送り返す第2のフェッチコマンドと、消耗部品ステーション(120)から新しい消耗部品(122)をフェッチし、プロセスモジュールに設置するためにロードロックに送給するための第3のフェッチコマンドと、ロードロックから使用済みの消耗部品(122)を取り出し、消耗部品ステーション(120)に送り返す第4のフェッチコマンドとを含んでもよい。当然のことながら、コントローラ108によってATMロボット102aに生成されるコマンドの前述のリストは、単なる例として提供されており、網羅的であると考えられるべきではない。
【0079】
消耗部品(122)を追跡する必要がある場合、コントローラ108のソフトウェア126は、コマンドをEFEM(102)内のATMロボット102aに発行して消耗部品ステーション(120)におけるスロットから消耗部品(122)を取り出し、消耗部品(122)を読み取り配向に位置合わせし、それにより消耗部品(122)の表面上に配置されたコードは、EFEM(102)の内側側壁上に配置された画像捕捉システム130の視野、およびいくつかの実施態様では被写界深度にわたって位置合わせされるようになる。いくつかの実施態様では、画像捕捉システム130は、消耗部品ステーションを有する取り付けエンクロージャの開口部の近くに位置する。取り付けエンクロージャの開口部は、EFEM(102)に向かって画定される。開口部により、EFEM102のロボットは、消耗部品ステーション120から消耗部品を取り出すことが可能になる。画像捕捉システムは、取り付けエンクロージャの開口部に向かうように配向された光源(例えば、LED134)およびカメラ136を含む。消耗部品ステーション(120)を有する取り付けエンクロージャは、EFEM(102)の外側側壁(外側壁とも呼ばれる)上に配置される。いくつかの実施態様では、消耗部品ステーション(120)は、基板処理システム(100)のEFEM(102)と真空移送モジュール(104)との間に画定された一対のロードロック(110)の同じ側かつ上方に配置される。いくつかの実施態様では、一対のロードロック(110)および消耗部品ステーション(120)がEFEM(図示せず)に結合される側は、複数のロードポート(図示せず)が画定される第1の側の反対側である。ロードポートは、EFEMの第1の側上の外側側壁に画定され、プロセスモジュールで処理されるウエハを保管するために使用されるウエハステーションを受け取るように設計される。代替の実施態様では、消耗部品ステーションおよびロードロックが画定される第2の側は、第1の側に隣接してもよい。消耗部品ステーション(120)の場所、したがってEFEM102に対する消耗部品ステーション(120)の開口部は、一例として提供されており、ロードロック(110)の上に画定されることに限定されず、EFEM(102)の他の側に位置することもできる。その結果、画像捕捉システム130の場所は、消耗部品ステーション(120)を有する取り付けエンクロージャの開口部がEFEM(102)のどちら側に画定されるかに依存し得る。同様に、画像捕捉システム130の場所は、開口部の下に配置されることに限定されず、画像捕捉システム130が消耗部品(122)上のコードの完全かつ鮮明な画像を捕捉することができる限り、開口部の上、または開口部に対して任意の他の場所/配向に画定することが可能である。
【0080】
ソフトウェア126からのコマンドに応答して、ATMロボット102aは、いくつかの実施態様によれば、ATMロボット102aのアーム上に画定されたエンドエフェクタを延長して開口部を通して到達させ、消耗部品ステーション120に収容されているキャリアプレート162を取り出す。支持されたキャリアプレート162を有するエンドエフェクタは、その後、消耗部品ステーション120におけるスロットに到達し、そこに配置されている消耗部品122を取り出す。いくつかの実施態様では、消耗部品が取り出されるスロットは、コントローラからの信号に基づいて提供され得る。次にATMロボット102aは、エンドエフェクタをEFEM102内に引き込み、消耗部品122は、ATMロボット102aのアーム上に配置されたアライナ(図示せず)を使用して位置合わせされる。消耗部品122の位置合わせはまた、コード125がキャリアプレート162のいかなる部分(アーム延長部を含む)によっても覆われない開放セクションにあるように行われる。消耗部分122上に画定された基準マーカ123を使用して、消耗部分122を位置合わせすることが可能である。基準マーカ123は、コード125とは別々であり、コード125から所定の角度で画定され、所定の角度は、コードが消耗部品の開放セクションにあり、キャリアプレート162のアーム延長部によって覆われない限り、直交(すなわち、+/-90°)、または180°、またはその間の任意の角度であってもよい。開放セクション内のコード125の場所により、画像捕捉システム130のLED134およびカメラ136がコード125を妨げられずに見ることができる。LED134は、コードを照明するために使用され、画像捕捉システム130のカメラ136は、コードの画像を捕捉するために使用される。
【0081】
コントローラ108に通信可能に接続されたエッジプロセッサ128は、コントローラ108からコマンドを受信する。コントローラ108からのコマンドに応答して、様々なエッジプロセッサ(128a~128d)に展開される異なるソフトウェアアプリケーションは、関連信号をエッジプロセッサ(128a~128d)内の、またはエッジプロセッサ(128a~128d)に結合された異なる構成要素に生成し、異なる機能を実施し、関連データ(存在する場合)をコントローラ108に返すように構成要素に指示する。図3は、1つの例示的な実施態様における、消耗部品122を追跡するためにエッジプロセッサ128aに展開されたソフトウェアアプリケーションによって制御され得るエッジプロセッサ128aの構成要素の一部を示す。代替の実施態様では、エッジプロセッサ128aは、様々な構成要素と相互作用し、様々な構成要素に異なる機能を実施させるために必要な信号を提供するようにプログラムされ得る。エッジプロセッサ128aに展開されたソフトウェアアプリケーションによって、またはエッジプロセッサ128a内で定義されたプログラムによって生成された信号を使用して制御され得る構成要素は、画像強化138、通信サーバ140、カメラドライバ142、ロガー144、デコーダ(例えば、QRデコーダ)146、およびLEDドライバ148を含み得る。エッジプロセッサ128aによって制御される構成要素の前述のリストは、一例として提供されており、網羅的であると考えられるべきではない。エッジプロセッサ128aは、消耗部品122の追跡に関与する様々な機能を実施する追加の構成要素を含んでもよい。いくつかの実施態様では、エッジプロセッサ128aに展開されるソフトウェアアプリケーションは画像処理アプリケーションであり、様々な構成要素およびその依存関係はドッカーコンテナ141などのコンテナ内で実行されるため、画像処理アプリケーションは、自動的かつ一貫して任意のエッジ処理プラットフォーム上で起動することができる。
【0082】
エッジプロセッサ128a内の通信サーバ140は、コントローラ108のソフトウェア126からコマンドを受信し、コマンドをソフトウェアアプリケーション(例えば、画像処理アプリケーション)に転送する。コントローラからのコマンドは、消耗部品122の表面上に配置されたコード125の識別情報を捕捉して提供することである場合がある。コントローラからのコマンドは、一実施態様では、スキャンコマンドであってもよい。スキャンコマンドは、表面上に画定されたコードを有する消耗部品がATMロボット102aによって消耗部品が読み取り配向(すなわち、画像捕捉システムの視野内)に移動されたことに応答してコントローラによって生成され得る。ATMロボット102aは、コントローラからATMロボット102aへのコマンドに応答して、消耗部品を読み取り配向に移動させてもよく、コマンドは、消耗部品に残っている使用寿命に基づいて、または消耗部品が展開されるプロセスモジュールからの通信に基づいてコントローラによって自動的に生成されてもよいし、ATMロボット102aへのコマンドは、オペレータからのコマンドに基づいて生成されてもよい。
【0083】
コントローラ108からのスキャンコマンドに応答して、例えば、エッジプロセッサ128aに展開されたソフトウェアアプリケーションは、LEDドライバ148に光源(例えば、一対のLED134、または任意の他のタイプもしくは数の光源)を作動させるよう命令する第1の信号をLEDドライバ148に生成し、かつカメラドライバ142にカメラ136を作動させるように命令する第2の信号をカメラドライバ142に生成する。LED134およびカメラ136(レンズ付き)は、一緒に画像捕捉システム130を表す。ソフトウェアアプリケーションからの信号に応答して、光源(すなわち、LED134)が作動してコードを照明し、カメラが作動する。作動されたカメラ136は、ATMロボット102aによって読み取り配向に運ばれ、LED134によって照明されたコード125の画像を捕捉する。本明細書で説明される様々な実施態様において、コード125は、QRコードであるとみなされる。しかし、実施態様はQRコードに限定されず、他のタイプのデータマトリックスコード、バーコード、印刷された文字コード、または画像内に捕捉されて識別され、識別情報を取得することができる任意の他のタイプの識別マーカを含んでもよい。
【0084】
カメラ136によって捕捉された画像は、天然材料および天然材料にエッチング/彫刻/印刷されたコード(例えば、QRコード)125を含む消耗部品のセクションを捕捉する。いくつかの実施態様では、コード125は、レーザを使用して消耗部品の上面または底面のいずれかにエッチングされる(例えば、レーザエッチング)。他の実施態様では、コード125は、他の手段を使用して画定されてもよい。いくつかの実施態様では、エッチングされたコード125は、天然材料とコードを含むエッチングされた表面との間のコントラストを決定することによって識別される。エッチングされた表面と天然材料を有する表面との間のコントラストを決定することは、コントラストが非常に微細であるため困難な場合がある。コードを正確に解読するためには、エッチングされた表面と天然材料の表面との間のコントラストを増加させる必要がある。コントラストを改善するために、カメラによって捕捉された画像は、ソフトウェアアプリケーションによって画像品質強化モジュール138に転送され、画像の品質が強化される。画像強化モジュール138は、カメラ136によって提供される生画像を取得し、画像を処理して画像ノイズを除去し、コントラストを増加させ、全体的に画像の品質を改善する。画像強化モジュール138からの強化された画像は、ソフトウェアアプリケーションによってデコーダ(QRデコーダなど)146に転送され、コードの画像を分析し、画像に含まれる情報を解読し、消耗部品122を識別する文字列(すなわち、文字列識別子)を生成する。画像に捕捉されたコード125は、QRコード、データマトリックスコード、印刷可能な文字コード、バーコードなどであり得ることに留意されたい。その結果、一実施態様では、単一のデコーダは、QRコードを含む任意のタイプのコード125の画像の分析を実施し、消耗部品122に対して適切な文字列識別子を生成するように構成され得る。代替の実施態様では、エッジプロセッサ128は、消耗部品122で使用される各タイプのコード125を分析し、コード125に対して適切な文字列識別子を生成するための対応するデコーダを含んでもよい。デコーダ146は、分析の一部として、コード125の画像に含まれる詳細を解読し、消耗部品を識別する文字列識別子を生成する。デコーダ146によって生成された文字列識別子は、ソフトウェアアプリケーションによってエッジプロセッサ128の通信サーバ140に転送され、その後検証のためにコントローラ108に送られる。加えて、文字列識別子および対応するコードの強化された画像は、保管のためにロガー144に転送される。ロガー144は、デコーダ146によって解読された、画像捕捉システムによって捕捉された異なるコードの画像、および復号されたQRコード、異なる消耗部品の対応する文字列識別子、消耗部品エラーなどの履歴を維持する。
【0085】
一実施態様では、通信サーバ140は、消耗部品の詳細を有する文字列識別子をコントローラ108のソフトウェア126に転送する。ソフトウェア126は、消耗部品の文字列識別子を受信し、コントローラ108のソフトウェア126が利用可能な消耗部品データベース108aに保管されている消耗部品の詳細と照合して文字列識別子に含まれる詳細を検証する。消耗部品データベース108aは、基板処理システム100が配置される製作施設で使用されるあらゆるタイプの消耗部品の詳細情報および各タイプのあらゆる消耗部品のIDを保管するリポジトリである。検証は、画像捕捉システム130のカメラによってスキャンおよび捕捉されたコード125に関連する消耗部品122が、製作施設の1つまたは複数のプロセスモジュールで使用される有効なものであることを保証し、消耗部品を使用するプロセスモジュールのIDを取得することであり得る。消耗部品ステーション120から取り出された消耗部品122の検証が成功した後、ソフトウェア126は、コマンドをATMロボット102aに送信して検証が成功したことを示し、消耗部品122を消耗部品が設置される関連プロセスモジュールに移動させることが可能である。一方、検証が失敗した場合、コントローラに関連する表示画面上に表示するためのエラーメッセージが生成される。エッジプロセッサ128aは、消耗部品上のコードの画像の捕捉および処理を実施して消耗部品に対する文字列識別子を生成し、検証のために文字列識別子のみをコントローラ108に転送し、それによってコントローラ108に送信されるデータの量を削減または制限する。
【0086】
図4は、一実施態様における、マシンビジョンシステム132の特定の構成要素、および基板処理システム100で使用される消耗部品を追跡するために考慮される必要がある特定の構成要素に関連する様々なパラメータを示している。一実施態様では、マシンビジョンシステム132は、カメラ(レンズ付き)136および光源(例えば、LED)134を有する画像捕捉システムと、エッジプロセッサ128とを含む。マシンビジョンシステム132は、画像捕捉システムおよびエッジプロセッサ128に加えて、追加の構成要素を含んでもよい。マシンビジョンシステム132に関連する様々なパラメータは、対象物体(例えば、コード125(すなわち、QRコード))の明確かつ鮮明な画像を取得するために考慮される必要があり、それによりエッジプロセッサ128は、画像に含まれるより細かい詳細を検出し、その詳細を使用してコードに含まれる情報を解読し、消耗部品122を識別することができる。図4に示される実施態様では、マシンビジョンシステム132の5つの主要な構成要素と、主要な構成要素の各々に関連する様々なパラメータが示されている。例えば、マシンビジョンシステムの5つの主要な構成要素は、照明源134、対象物体(例えば、QRコード125)、レンズ136a、エッジプロセッサ(画像/ビデオ処理を実施するために使用される)128、およびカメラ136を含み得る。前述の構成要素は、一例として提供されており、限定的に考慮されるべきではない。マシンビジョンシステム132を設計する際、より少ない数の、またはより多い数の構成要素が考慮されてもよい。いくつかの実施態様では、レンズ136aは、カメラ136とは別々に示されている。そのような実施態様では、焦点距離、視野、被写界深度、解像度などの異なる仕様を有する異なるレンズを使用して、カメラに取り付けることが可能である。いくつかの実施態様では、レンズ136aは、カメラ136の一部であってもよい。
【0087】
照明源134の場合、コード125の鮮明な画像を捕捉するのに関係する照明源134に関連するパラメータの一部には、照明源の場所、入射角、量、強度、スペクトル/色、画角、拡散板、および/または偏光板が挙げられる。一実施態様では、照明源は、一対のLEDとして定義される。カメラが影またはグレアのないコードの画像のより細かい詳細を捕捉するために、LEDからの光がコードを含む消耗部品の領域に対して最適な照明を提供することを確実にするには、LEDがカメラに関連した場所に載置されなければならない。影またはグレアにより、カメラによって捕捉されたコードの詳細が不明瞭になる可能性がある。一実施態様では、一対のLEDを使用して、消耗部分のコードを照明する。LEDの数(すなわち、数量)は、コードが十分に照明されることを確実にするように決定される。いくつかの他の実施態様では、一対のLEDの代わりに、小さなLEDのリングがカメラの周囲に配置されてもよい。実施態様は一対のLEDまたはLEDのリングに限定されず、必要に応じて追加のLED(例えば、4つ、6つ、8つなど(すなわち、対を超える))を含むことができ、対について考慮する必要がある様々なパラメータは、単一または追加のLEDにも関連する。いくつかの実施態様では、LEDは、コードを照明するのに十分な光が提供され、画像が飽和しすぎないように、色、強度などに関してプログラム可能である。
【0088】
いくつかの実施態様では、画像捕捉システム130内のLEDの場所は、例えば、2つのLED間の分離の長さを含む。LEDの分離の長さに加えて、コード(すなわち、対象物体)125がある消耗部品の表面からのLEDおよびカメラユニットの分離の高さ(視野の深さ)も画定される。一実施態様では、2つのLEDの分離の長さは、コードからのLEDの対の分離の高さに比例する。1つの例示的な実施態様では、比は、コードが配置される消耗部品の表面領域を覆う重複照明エリアを形成するように約1:1.3~約1:1.7になるように定義される。いくつかの実施態様では、コードのすべての特徴を明確に識別するために、消耗部品の表面仕上げおよび透明度に応じて、明視野、暗視野、ドーム光、軸上光(DOAL)、またはバックライトなどの照明技法を使用することができる。前述の照明技法は、一例として提供されており、網羅的であると考えられるべきではなく、他のタイプの照明技法も使用することができることに留意されたい。照明の強度および光の重複エリアは、カメラによって捕捉された画像がコードのより細かい詳細すべてを含むように画定される。入射角は、コードが位置する消耗部品の部分に最適な照明を提供するように画定される必要がある。対のLEDの場合、対の一方のLEDから発する光の円錐が対の他方のLEDの他方の円錐と重なり、重複エリアが少なくともコードのサイズを覆うように、入射角を画定する必要があり得る。LEDの数(すなわち、数量)は、コードが消耗部品上に配置されるエリアが十分に照明されることを確実にするように決定される。コードが配置される消耗品の部分が十分に明るくされ、影またはグレアなしで(または捕捉された画像の鮮明さを妨げない妥当な/容認可能な量の影および/またはグレアを伴って)画像が捕捉されることを確実にするために、LEDの強度ならびにスペクトル/色も考慮する必要がある。同様に、カメラが画像を捕捉するためにコードが完全に照明されることを確実にするために、LEDの画角を考慮する必要がある。一実施態様では、画像においてLEDによって提供される照明によって引き起こされる画像内のグレアを回避するために、拡散板および/または偏光板を設ける必要がある場合がある。一実施態様では、拡散板は、存在する場合、所定の距離で各LEDの前に配置され得る。いくつかの実施態様では、拡散板に加えて、または拡散板の代わりに、1つまたは複数の偏光板も設けられ得る。偏光板は、存在する場合、1つまたは複数のLEDの前、ならびに/またはLEDおよび/もしくはレンズから所定の距離でカメラのレンズの前に設けることができる。
【0089】
一実施態様では、マシンビジョンシステム132の他の構成要素の様々なパラメータを決定する際、対象物体(すなわち、コード125(例えば、QRコード))に関する属性およびパラメータを考慮する必要がある場合がある。例えば、照明の場所、照明の強度、カメラの解像度などを決定する際、コードのサイズ、コード内の様々な特徴のサイズ、コードの幾何学的形状、およびコード内の特徴の幾何学的形状をすべて考慮する必要がある
【0090】
マシンビジョンシステムの構成要素の様々なパラメータを定義する際、消耗部品の作製に使用される材料も考慮する必要がある場合がある。例えば、表面特性により、異なる材料は異なる光を反射する可能性があり、画像は、消耗部品の表面上の異なる部分によって反射される光の量に基づいて捕捉される。結果として、コード125の画像を捕捉するために使用されるLEDの特徴、カメラの特徴、レンズの特徴などを決定する際、消耗部品に使用される異なる材料によって透過される光の量、使用される材料のタイプ(すなわち、透明または不透明な材料)、材料の色、表面仕上げ(すなわち、表面テクスチャ)などを考慮する必要がある。さらに、QRコードなどのコード125は、消耗部品122の上面または底面にレーザエッチングされてもよい。結果として、消耗部品の表面特性は、レーザエッチングによりコードが画定されるエリアで変化する可能性があり、天然材料を含む表面の部分は、レーザエッチングされたコードを含む部分とは異なる表面特性(例えば、光反射性、光反射率)を示す。
【0091】
消耗部品の表面上にコードを画定することに加えて、基準マーカを消耗部品上に画定することもできる。基準マーカは、消耗部品の上面もしくは底面、または上面と底面の両方に載置された光学マーカであってもよい。基準マーカが上面と底面の両方にある場合、上面にある基準マーカは、底面にある基準マーカと重なるように画定される。基準マーカは、コードから所定の距離に画定される。基準マーカは、コードの場所を決定することができる基準点として作用する。基準マーカは、ATMロボットのアームに配置されたセンサによって検出することができる隆起したマーカまたはエッチングされた表面であってもよい。センサは、レーザセンサであってもよく、ATMロボットのアーム上に画定されたアライナの一部であってもよい。他の実施態様では、センサは、スルービームLEDセンサであってもよい。一実施態様では、センサは、ファイバ上に線形カーテンヘッドを有するアナログスルービームLEDファイバセンサであってもよい。アライナは、軸(例えば、水平軸)に沿って消耗部品を回転させるために使用され得、センサは、ATMロボットのロボットアーム上に配置されたアライナ上の特定の点に対する基準マーカの場所(すなわち、座標)を検出するために使用される。基準マーカの座標が決定されると、アライナを使用して時計回りまたは反時計回りに所定の角度だけ水平軸に沿って消耗部品を回転させ、それによりLEDがコードを含む消耗部品のエリアを照明し、かつカメラがコードの画像を捕捉するための画像捕捉システムの視野および被写界深度に沿ってコードを位置決めすることが可能である。コードは、カメラがコードを妨げられずに見ることができるように、消耗部品が受け取られるキャリアプレートの開放エリアにコードが位置決めされるように位置合わせされる。
【0092】
カメラ136で使用されるレンズ136aの様々な特性は、対象物体(例えば、コード125)、LED134、およびカメラの特性によって影響を受ける可能性がある。例えば、レンズの焦点距離は、コード(例えば、QRコード)の微細な特徴を捕捉するために不可欠である。例えば、QRコードは、サイズが3×3mmまたは4×4mmであり得、要素(例えば、点、線、正方形、長方形など)の各々は、サイズが約100ミクロンであり得、正しい焦点距離を選択することにより、カメラがQRコードの微細な詳細を捕捉することが可能になる。被写界深度もまた、適切なレンズを選択する際に考慮する必要がある別のパラメータである。例えば、ATMロボットが消耗部品を画像捕捉システムに運ぶとき、コードを有する消耗部品が載置される距離は100%正確ではない可能性があり、位置合わせの深さにわずかな変動が生じる場合がある。そのような場合、より深い被写界深度を有するレンズを選択することは、ロボットの画像を捕捉するのを支援し得る。カメラのレンズは、一実施態様では、ロックリングを使用して画像捕捉システムのハウジング内に固定され得る。代替の実施態様では、レンズは、ハウジング内で上下に移動するように設計されてもよい。この実施態様では、EFEM内のスペースが限られているため、レンズが移動することを可能にされ得る程度は事前に定義されてもよい。カメラのレンズを決定する際、レンズのマウントタイプを考慮する必要がある。レンズには様々なタイプのマウントが存在し、カメラのレンズにとって適切なマウントを選択することが重要である。例えば、マウントのいくつかのタイプには、Cマウント、Sマウント、およびCSマウントが挙げられる。Sマウントは小型のレンズ用であり、CマウントおよびCSマウントは大型のレンズ用である。レンズが大きいほど、より優れた光学性能を提供することが可能である。いくつかの実施態様では、スペースおよびサイズの制約により、SマウントレンズはCマウントレンズおよびCSマウントレンズよりもサイズが大幅に小さいため、Sマウントをレンズとして考慮することができる。レンズにとっての有効スキャンエリアは、画像の異なるセクションで発生する歪み/収差の量に依存し得、典型的には、画像の外縁はより大きな歪み/収差を経験し、画像の内側セクションはほとんど歪み/収差がない。したがって、カメラに対するレンズの選択は、コードに存在し得る歪みの量を考慮する必要があり、歪みは、消耗部品の材料、消耗部品上にコードを画定するために使用される技法のタイプなどに基づき得る。レンズのサイズはマウントタイプに依存し、マウントタイプはEFEM内の画像捕捉システムが利用可能なスペースの量に依存する。
【0093】
画像捕捉システム用のカメラ136を選択する際に考慮する必要があり得る特性のいくつかには、フレームレート、グローバル/ローリングシャッタ、量子効率、インターフェースなどに加えて、解像度、センササイズ、シャッタスピード、ピクセルサイズ、ダークノイズ、モノクロ/カラー、サイズ、およびマウントが挙げられる。一実施態様では、コードの画像を捕捉するために、1メガピクセルの解像度を有するカメラが選択され得る。代替の実施態様では、コードの画像を捕捉するために、5メガピクセルの解像度を有するカメラが選択されてもよい。一実施態様では、捕捉された画像が静止画像でありビデオではないため、フレームレートはそれほど重要ではない場合がある。代替の実施態様では、コードの画像を捕捉するために、フレームレートが考慮され得る。同様に、動画を捕捉するためにグローバル/ローリングシャッタを使用することができるが、捕捉されている画像は静止画像であるため、シャッタタイプはそれほど重要ではない場合がある。代替の実施態様では、グローバル/ローリングシャッタは、コードの画像を捕捉するためのカメラのパラメータの1つとして考慮され得る。
【0094】
画像/ビデオ処理に関して、エッジプロセッサ128は、画像捕捉システムによって捕捉されたコードの画像をローカルに処理することができるように、マシンビジョンシステム132の画像捕捉システムに近接して設けられ、処理された情報は、消耗部品を識別する文字列を生成し、消耗部品の識別のために消耗部品の文字列識別子を基板処理システムのコントローラに提供するために使用される。一実施態様では、エッジプロセッサ128は、中央処理装置(CPU)ベースであってもよい。代替の実施態様では、エッジプロセッサ128は、グラフィック処理装置(GPU)ベースであってもよい。GPUは、典型的にはCPUよりも速く画像を処理することができる。しかし、ハイエンドCPUは、ローエンドGPUよりも速く画像を処理することが可能である。したがって、画像が受ける必要がある処理のタイプおよびCPUまたはGPUの処理速度に応じて、エッジプロセッサは、CPUベースまたはGPUベースのいずれかであり得る。プロセッサのタイプに関係なく、エッジプロセッサ128は、並列計算、画像処理、例えばカラーフィルタリング、エッジ検出、背景減算、コントラスト強化、二値化、形態学的変換などを実施する能力を有するように選択される。同様に、コントローラの一部であるソフトウェアは、エッジプロセッサによって送信された文字列識別子を受信し、消耗部品データベースにクエリを実行して消耗部品を検証し、続いて、その後のプロセスモジュールへの送給のために消耗部品をロードロックに移送するようにATMロボットに指示するように構成される。図4で識別されるように、様々な構成要素が、消耗部品を正確に追跡および検証するために異なる構成要素の様々なパラメータを考慮することによって選択または構成され、それにより検証された消耗部品のみが基板処理システム内のプロセスモジュールに送給される。
【0095】
図5A図5Dは、いくつかの実施態様における、画像捕捉システム130の異なる等角図を示す。図5Aは画像捕捉システム130の上面等角図を示し、図5Bは側面等角図を示し、図5Cは背面等角図を示し、図5Dは上面斜視図を示している。図5A図5Dを同時に参照すると、画像捕捉システム130は、カメラ136および一対のLED134a、134bが取り付けられるハウジング156(図5D)を含む。カメラ136およびLED134a、134bを保持するハウジング156は、一対のブラケットを使用してEFEMの内側側壁に取り付けられる。画像捕捉システムは、カメラ136の両側に配置された一対のLED134a、134bを有するように示されている。一対のLED(134a、134b)は、長さL1だけ分離されて示されている。一実施態様では、長さL1は、約70mm~約80mmであるように画定される。一対のブラケットを除いたハウジングは、長さL2だけ延びる。一実施態様では、長さL2は、約90mm~約110mmであるように画定される。一対のブラケットを含むハウジングは、全長L3にわたって延びる。一実施態様では、長さL3は、約130mm~約150mmであるように画定される。ハウジングは、幅W1だけ延びる。一実施態様では、幅W1は、約32mm~約38mmであるように画定される。一対のブラケットは、左ブラケット152-Lおよび右ブラケット152-Rを含み、左右のブラケット(152-L、152-R)は各々、画像捕捉システム130をEFEMの内側側壁(図示せず)に取り付ける締結/結合手段を受け取るための穴を有する。一実施態様では、右ブラケット152-Rの高さH1は、約50mm~約60mmであるように画定される。左ブラケット152-Lの高さH2は、約30mm~約40mmであるように画定される。一実施態様では、ハウジングの上部は、カバー154を含む。カバー154は、画像捕捉システムのLEDおよび他の構成要素が汚染物質に曝露されるのを遮蔽するために使用され得る。いくつかの実施態様では、カメラ136は、カメラの底面が分離距離H3(例えば、被写界深度)だけハウジング156の底面から分離されるように配置され得る。一実施態様では、分離距離H3は、約5mm~約9mmであるように画定することができる。画像捕捉システム130の様々な特徴に提供される寸法は、単なる例として提供されており、様々な寸法は、EFEMへの消耗部品ステーションの開口部の下の側壁上で利用可能なスペースの量に基づいて変化し得ることが理解される。
【0096】
図6は、一実施態様における、ATMと消耗部品ステーションとの間で消耗部品を移動させるために使用されるATMロボット102aのアーム166の図を示している。ATMロボット102aのアーム166は折り畳まれた位置で示されており、一端でATMロボット102aの本体に接続され、他端でエンドエフェクタ164に接続される。エンドエフェクタ164は、消耗部品122が消耗部品ステーションと基板処理システムのロードロックとの間で移動する必要がある場合、キャリアプレート162および消耗部品122を支持するように構成される。エンドエフェクタ164はまた、ウエハがウエハステーションと基板処理システムのロードロックとの間で移動する必要がある場合、ウエハを支持するように構成される。ATMロボット102aのアーム166はまた、軸(例えば、水平軸)に沿って消耗部品122を回転させるために使用されるアライナ158を含み、それによりアライナ158上に配置されたアライナセンサ160は、消耗部品122の表面上に配置されたコードの場所を検出することができる。消耗部品122の表面上のコードの場所を特定するのを支援するために、基準マーカ123が使用され得る。基準マーカ123は、コード125とは異なり、コード125から所定の角度で画定された光学マーカであってもよい。エンドエフェクタは、キャリアプレート162上に受け取られた消耗部品122を運び、回転子チャック(図示せず、単に「回転子」とも呼ばれる)が上方に移動し、エンドエフェクタから消耗部品を有するキャリアプレートを持ち上げる。キャリアプレートが持ち上げられると、エンドエフェクタは、邪魔にならない場所に移動する。その後、アライナは、アライナセンサ160(例えば、レーザセンサ)が、基準マーカがアライナセンサ160の下を通過する際に消耗部品上に画定された基準マーカ123を検出する間、キャリアプレートと共に回転子をスピンさせる。
【0097】
基準マーカ123を検出すると、アライナセンサ160は、基準マーカ123の座標を識別する。ATMロボットのアーム166には、基準マーカ123に対するコード125のオフセット座標が提供され、オフセット座標は、基準マーカの座標および基準マーカ123に対するコードの所定の角度を使用して計算される。次に、アライナ158は、オフセットを補償するために時計回りまたは反時計回りに軸に沿って消耗部品122を回転させ、それによりATMロボット102aのアーム166が消耗部品ステーションから後退されたとき、画像捕捉システムの視野の上にある位置にコード125を並べる。位置合わせされたコードの画像は、画像捕捉システムのカメラによって捕捉され、消耗部品122の文字列識別子を決定するために使用される。コード125はQRコードであってもよく、したがって、様々な実施態様において、コード125は、互換的にQRコード125とも呼ばれる。コード125はQRコードに限定されず、消耗部品122を識別するためのバーコードまたは他のタイプのマーカも含むことができることに留意されたい。
【0098】
図7Aおよび図7Bは、消耗部品の表面上に画定された基準マーカ123に関連したコード125の場所のいくつかの例を示している。図7Aは、一実施態様における、基準マーカ123およびコード125が上面に画定された消耗部品122の上面図を示している。基準マーカが画定される表面は、消耗部品に使用される材料のタイプに基づいてもよいことに留意されたい。いくつかの実施態様では、消耗部品が透明な材料(例えば、石英)で作製される場合、上面および底面は、LEDの光を分散させるのに十分なテクスチャを有する。そのような実施態様では、基準マーカは、上面に画定された基準マーカが底面に画定された基準マーカと重なるように、レーザ研磨を使用して底面と上面の両方に画定されてもよい。そのような二重表面エッチングは、基準マーカが十分に検出することができることを確実にするためでのものであり得る。消耗部品の上面が火炎研磨されている場合、基準マーカは、底面に画定される(上面はすでに研磨されているため)。基準マーカが画定される表面は、基準マーカが本来の表面から確実に区別することができるように決定される。コード125は、時計回り方向に基準マーカ123に直交して画定されるように示されている。消耗部品122の一部の拡大図が図7Aの中心に示されており、消耗部品の上面に画定された基準マーカ123およびコード(例えば、QRコード)125の相対的なサイズを示している。図7Bは、別の実施態様における、基準マーカ123に対するQRコード125の相対位置を示す消耗部品122の底面図を示している。この実施態様では、QRコード125は、反時計回り方向に基準マーカ123に直交して画定される。アライナは、QRコード125が画像捕捉システムのカメラの視野内に位置合わせされるように、検出された基準マーカ123に基づいてQRコード125を位置合わせするために使用される。
【0099】
図8Aおよび図8Bは、一実施態様における、消耗部品ステーション120からEFEM102への消耗部品122の取り出し、およびプロセスモジュール(図示せず)で使用する前に検証するための画像捕捉システム130の上の消耗部品122上のコードの位置決めを示している。ATMロボット102aは、消耗部品ステーション120から消耗部品122を取り出すために使用される。一実施態様では、消耗部品ステーション120は、複数の消耗部品のためのハウジング(すなわち、バッファ)を提供し、消耗部品122を受け取るために垂直方向に配置された複数のスロットを含む。別々のハウジングが、キャリアプレート162に設けられる。キャリアプレート162用のハウジングは、消耗部品ステーション120の底面の上部、または上面の下側、または上面と底面との間に画定された分離プレートの上部に画定されてもよい。一実施態様では、基板処理システムのコントローラ(図示せず)は、第1のコマンドをATMロボット102aに発行して消耗部品ステーション120に位置する消耗部品122を取り出し、第2のコマンドをエッジプロセッサ(図示せず)に発行して消耗部品122を識別する。コントローラからの第1のコマンドに応答して、ATMロボット102aは、前側120f(すなわち、開口部でEFEM102に結合された消耗部品ステーション120の側)の開口部を介してエンドエフェクタ164を備えたそのアーム166を消耗部品ステーション120内に延ばし、スロットから消耗部品を取り出す。ATMロボット102aは、最初にキャリアプレートハウジング(図示せず)からキャリアプレート162を取り出し、次に消耗部品ステーション120におけるスロットに移動し、そこに受け取られた消耗部品122を取り出す。複数の消耗部品は、背面に画定された外側壁における開口部120bから消耗部品ステーション120に手動でロードされ、それにより消耗部品122上に画定された基準マーカ123はすべて、互いに位置合わせされ、消耗部品ステーション120上に画定された特定のマーカに位置合わせされる。一実施態様では、消耗部品122は、基準マーカ123の向きを揃え、消耗部品ステーション120の上面に画定された透明窓の中心と位置合わせするようにロードされる。コード(例えば、QRコード)125は、時計回り方向に基準マーカ123に直交して配置されるように示されている。次に、取り出された消耗部品は、画像捕捉システム130に対して位置合わせされる。さらに、消耗部品122の位置合わせは、基準マーカ123およびQRコード125がキャリアプレート162のアーム延長部163によって覆われるエリアの外側になるように行われる。そのような位置合わせは、QRコード125がカメラに見え、キャリアプレート162のいかなる部分によっても妨げられないことを確認するためのものである。図8Aおよび図8Bに示される実施態様では、基準マーカ123およびQRコード125のサイズは説明のために誇張されているが、実際には、そのサイズははるかに小さい(例えば、サイズは約80~120ミクロン)。
【0100】
消耗部品122はスロットから取り出され、エンドエフェクタ164上でバランスがとられる。その後、キャリアプレート162上に消耗部品122を有するエンドエフェクタ164が消耗部品ステーション120から後退され、それにより消耗部品122がEFEM102内に運ばれる。EFEM102内では、ATMロボット102aのアーム166上に配置されたアライナ158(図6)は、消耗部品122を位置合わせするために使用され、それにより消耗部品122が画像捕捉システム130の上に位置決めされると、消耗部品122のQRコード125は、画像捕捉システム130のカメラの視野および被写界深度(すなわち、読み取り位置)内に位置合わせされる。図8Bは、エンドエフェクタ164を有するアーム166が画像捕捉システム130の上の読み取り位置に位置合わせされた消耗部品122を位置決めする際、画像捕捉システム130のカメラの上に画定された視野内に位置合わせされるQRコード125を示す。
【0101】
画像捕捉システム130の上に位置決めされた消耗部品を検出すると(例えば、コントローラは、開口部の近くもしくは開口部に、および/または画像捕捉システム130に位置決めされた1つまたは複数のセンサから信号を受信することができる)、コントローラは、第2のコマンドをエッジコントローラに発行してQRコード125の画像を捕捉する。第2のコマンドに応答して、エッジコントローラは、第1の信号をLEDドライバに発行してLEDを作動させ、第2の信号をカメラドライバに発行してカメラを作動させる。第1の信号に応答して、LEDドライバはLEDをオンにし、QRコード125がLEDの上に位置合わせされた状態で消耗部品のエリアを照明する。同様に、第2の信号に応答して、カメラドライバはカメラをオンにし、QRコード125が存在するエリアの画像を捕捉する。
【0102】
図9A図9Cは、一実施態様における、LEDの対によって照明されるエリア、およびカメラ136のレンズの視野を示している。図9Aは、画像捕捉システム130の上に位置合わせされたQRコード125を有する消耗部品の一部の等角図を示している。カメラ136の両側に配置されたLED134は、QRコード125を有する消耗部品の部分を照明し、それにより第1のLED134aからの光円錐の一部(すなわち、照明エリアIA1)は、第2のLED134bからの光円錐の一部(すなわち、照明エリアIA2)と重なる。2つのLED134a、134b間の分離の距離は、L1によって画定される。LED134a、134b間の分離距離L1は、IA1、IA2によって画定された重複エリアが少なくともQRコード125のサイズを覆うように画定される。さらに、分離距離L1は、LEDからの光が小さすぎて影が生じたり、または多すぎて捕捉されているQRコード125のエリアにグレアが生じたりしないように画定される。QRコード125が画定される消耗部品122の表面とカメラ136との間の分離距離は、SD1によって画定される。分離距離SD1は、L1に比例する。いくつかの実施態様では、カメラがQRコード125の画像を捕捉するための最も有効な視野を達成するために、最適なL1距離およびSD1距離は、約1:1.3~約1:1.7になるように画定され得る。QRコード125を有する消耗部品が画像捕捉システムの視野内および最適な被写界深度内に位置合わせされるとき、重複エリアCA1は、QRコード125が配置されるエリアを覆う。カメラ136は、一対のLED(134a、134b)によって照明されたQRコード125の画像を捕捉する。図9Bは、QRコード125に関連して、一対のLEDによって照明されるエリアおよび重複エリアの二次元表現を示している。LED134aの照明エリアIA1は、LED134bの照明エリアIA2と重なり、QRコード125が配置されるエリアを覆うカバーエリアCA1を画定する。
【0103】
カメラ136によって捕捉された画像は、さらに強化するために画像強化モジュール(図3の138)によって受信される。強化された画像はデコーダ(例えば、QRデコーダ(136))に転送され、そこで分析され、復号され、QRコード125のあらゆる特徴の詳細を識別する。QRコード125のあらゆる特徴の詳細を使用して、消耗部品についての文字列識別子を生成する。図9Cは、QRコード125の強化された画像から識別される特徴125f1の一例を示している。QRコード125の拡大画像から分かるように、QRコード125は、複数の特徴を含み、特徴は、異なる形状およびサイズである。特徴の形状およびサイズを解釈し、QRコード125の様々な詳細を識別することが可能である。QRコード125の詳細は、消耗部品を識別する文字列を生成するために使用される。図9D-1~図9E-2は、いくつかの実施態様における、消耗部品122の表面上にエッチングされたQRコード125の表面特性を示している。図9D-1は、一実施態様における、図9D-2に示すQRコード125が一方の表面上にレーザエッチングされる、石英材料で作製された消耗部品の一部の表面特性を示している。図9E-1は、代替の実施態様における、図9E-2のQRコード125が消耗部品122の表面上にレーザエッチングされる、炭化ケイ素材料で作製された消耗部品の一部の表面特性を示している。図9D-1の左側(LHS)は、レーザエッチングされた表面を示し、図9D-1の右側(RHS)は、天然材料(すなわち、石英材料)を示す。レーザエッチングされた表面は滑らかであるが、レーザエッチングされていない(すなわち、天然材料を有する)表面は、表面特性を有する(すなわち、粗い)。表面テクスチャの差異により、LED134からの入射光は、異なる反射をする可能性がある。
【0104】
エッチングされた表面とエッチングされていない表面との間の表面テクスチャの差異(すなわち、相対的な粗さ)は、ミクロン範囲であり得る。異なる表面からの光の反射の差異がカメラによって捕捉され、光の反射は、QRコード125を画定するためにレーザエッチングされたセクションよりも、表面が粗い(すなわち、テクスチャを有する)天然材料のセクションの方がはるかに多い。異なるセクションの画像は、画像強化モジュール138を使用して強化され、サイズが数ミクロンであり得る特徴125f1(図9Cに示す)を含む、異なる特徴を識別するのに使用される。図9E-1のLHSは、レーザエッチングされた表面を示し、図9E-2のRHSは、天然材料を示す。炭化ケイ素材料で作製された消耗部品122のエッチングされた表面の表面テクスチャは、石英材料で作製された消耗部品のエッチングされた表面の表面テクスチャとは異なり、カメラは、異なる表面からの光の反射の変化を捕捉することができる。エッジプロセッサの異なるモジュールを使用して画像を強化し、画像を分析し、消耗部品に使用される材料および消耗部品の表面上のコードを画定するために使用される技法のタイプに基づいて特徴を識別する。QRコード125の様々な特徴が組み合わされて消耗部品122の詳細を決定し、この詳細は、消耗部品を識別する文字列を定義するために使用される。消耗部品の文字列識別子は、検証のためにコントローラに転送される。消耗部品122が基板処理システム内の特定のプロセスモジュールで使用される有効な消耗部品として検証されると、コントローラは、コマンドをATMロボットに発行して消耗部品をロードロックに搬送し、その後設置のために特定のプロセスモジュールに送る。
【0105】
図10A図10Cは、いくつかの実施態様における、基板処理システム内のプロセスモジュールで使用され得るエッジリングなどの消耗部品の異なる設計を示している。エッジリングなどの消耗部品は、単一のリングであってもよいし、リングのセットであってもよい。リングのセットの場合、リングは互いに連動するか、または互いに積み重なっていてもよい。リングのセットにおいて各リングは、単一の材料または異なる材料で作製されてもよい。消耗部品に使用される材料のタイプに応じて、コードは、両方のリングの底面もしくは上面、または上面と底面の両方で画定され、上面にあるコードは、底面にあるコードと重なる。図10Aは、一実施態様における、石英材料で作製された一体型の消耗部品である消耗部品122を示している。消耗部品122についてのQRコード125は、上面、底面、または上面と底面の両方に画定されてもよい。図10Aでは、QRコード125は、消耗部品122の底面に画定される。ATMロボットのアライナによって位置合わせされると、QRコード125は、図10AにCA1として示す重複エリアにQRコードが入るように配向される。重複エリアCA1は、LED134aの照明エリアIA1およびLED134bの照明エリアIA2から画定される。重複エリアCA1は、画像捕捉システム130のカメラ136がQRコード125の画像を捕捉することが可能であるように十分な照明を提供するが、光が多すぎてグレアが生じたり、光が少なすぎて影が生じたりすることはない。消耗部品の作製に使用される材料は石英に限定されず、炭化ケイ素または他の同様の材料であってもよい。
【0106】
図10B-1および図10B-2は、消耗部品が一対のリングで作製され、リングが互いに連動する代替の実施態様を示している。一対のリングの各リングは、同じ材料(例えば、石英)で作製され、それぞれのリングの表面上に配置された別々のコードを有する。各リング上のコードは、異なる場所で画定される。図10Bの実施態様では、リングの連動により、第1のリング122aの上面が第2のリング122bの上面と同一平面上になる。第1のリング122aの第1のコード125aおよび第2のリング122bの第2のコード125bは、それぞれ第1および第2のリングの底面に画定される。この実施態様では、ATMロボットは、別々に第1および第2のコード125a、125bを読み取るように命令される。その結果、ATMロボットは、図10B-1に示すように、第1のリング122aの第1のコード125aをカメラの視野内に位置合わせする第1の命令、および第2のリング122bの第2のコード125bをカメラと位置合わせするように時計回りまたは反時計回りに消耗部品を移動させる第2の命令を受信する。図10B-2に示される例では、第2の命令は、第1のコードと第2のコードとの間の分離距離によって駆動される長さだけ時計回り方向に消耗部品を移動させるためのものである。ATMロボットの位置合わせを支援するために、第1のリング122aの第1のコード125aおよび第2のリング122bの第2のコード125bの座標は、エッジプロセッサを介してコントローラによって提供される。同様に、第1の命令(すなわち、コマンド)がエッジコンピュータに提供され、LEDを作動させて第1のコード125aを有する消耗部品のエリアを照明し、カメラを作動させて第1のリング122aの第1のコード125aの画像を捕捉し、第2の命令が提供され、LEDを作動させて第2のリング122bの第2のコード125bのエリアを照明し、カメラを作動させて第2のコード125bの画像を捕捉する。いくつかの実施態様では、カメラが第1のコード125aの画像を捕捉すると、カメラおよびLEDは停止され、第2の命令によって再作動される。したがって、LEDは、一度に1つのコードの周囲のエリアを照明するために使用され、両方のコードを同時に照明するためには使用されない。さらに、LEDは、影が映るのを防止するために接線方向にコードを照射する。
【0107】
図10C-1および図10C-2は、消耗部品が2つのピース(すなわち、一対のエッジリング)で作製される別の代替の実施態様を示している。さらに、対の各ピース(すなわち、各リング)は、異なる材料で作製される。例えば、第1のリング(すなわち、第1のピース)122aは、石英材料で作製され、第2のリング(すなわち、第2のピース)122bは、炭化ケイ素で作製される。さらに、第2のリング122bは、第1のリング122aの上部に積層される。結果として、第1のリング122aの第1のコード125aは、第2のリング122b’の第2のコード125b’とは異なる深さに配置され、両方のコードは、各リング(122a、122b’)の底面に画定される。図10B-1、図10B-2を参照して定義された実施態様と同様に、ATMロボットには2つのコード125a、125b’の座標が提供され、ATMロボットが画像捕捉システムのカメラの視野内で別々に2つのコードを位置合わせするのを支援する。座標を提供することに加えて、ATMロボットには、2つのコード125a、125b’の深さの詳細も提供され、カメラが連続的に2つのコードの画像を捕捉することを可能にすることも可能である。図10B-1、図10B-2の実施態様と同様に、ATMロボットは、第1のリング122aの第1のコード125aを画像捕捉システムのカメラの視野内に位置合わせし、LEDとカメラの両方は、エッジプロセッサを介したコントローラからの命令に応答して作動される。カメラは、図10C-1に示すように第1のコード125aの画像を捕捉する。第1のコード125aの画像が捕捉されると、コントローラからの第2のコマンドにより、ATMロボットが第2のリング122b’の第2のコード125b’を画像捕捉システムのカメラの視野内に位置合わせし、LEDとカメラの両方は、図10C-2に示すように、作動されてカメラが第2のコード125b’の画像を捕捉することを可能にする。図10B-2と図10C-2との間の1つの違いは、カメラの被写界深度およびLEDの照明エリアが図10B-2よりも図10C-2の方が遠いことであり、これは、コード125bおよび125b’の深度の違いによるものである。カメラで使用されるレンズは、第1の深さで第1のコードの画像を捕捉し、第2の深さで第2のコードの画像を捕捉できるように選択される。
【0108】
図10Dは、一実施態様における、内径に画定されたポケットを有する消耗部品(例えば、エッジリング)の断面図を示している。この実施態様では、消耗部品の上部は、高度に研磨される(すなわち、ほぼ光学的にきれいな表面である)。結果として、コードは、上面とは異なる表面上に画定されなければならない。これは、高度に研磨されているため、上面の反射率が低いからである。コードがそのような高度に研磨された表面上に画定される場合、消耗部品のコードのあるセクションとコードのないセクションの反射率の差異は、非常に小さくなり得る。コードの画像が適切に捕捉され、読み取られることを確実にするために、コードは、底面(125-1)またはポケットの内径の床(125-2)のいずれかに画定される。そのような表面上に画定されたコードは、かかる表面からの光の反射率の差異に基づいて容易に決定することができる。いくつかの実施態様では、ウエハが消耗部品と共にプロセスモジュールに受け取られるときに、ウエハへの支持を提供するために内径ポケットが消耗部品に画定される。消耗部品の位置合わせに使用されるアライナは、基板処理システムに受け取られたとき、ウエハの位置合わせにも使用される。消耗部品の場合、アライナは、基準マーカを検出するように構成される。ウエハの場合、アライナは、ウエハがプロセスモジュールに送給される前にウエハを位置合わせするためにウエハにおけるノッチを検出するように構成され得る。基準マーカは、ウエハが消耗部品上に受け取られる前に消耗部品上で検出される。さらに、いくつかの実施態様では、プロセスモジュールに送給するために消耗部品を位置合わせすることは、消耗部品の基準マーカをウエハのノッチと位置合わせすることを含む。
【0109】
図10Eおよび図10Fは、いくつかの実施態様における、コードに対する基準マーカの配向を示している。図10Eは、消耗部品上に画定された基準マーカの上面図を示し、図10Fは、底面図を示す。図10Eおよび図10Fで捕捉された画像から示されるように、基準マーカが消耗部品の底面ではなく上面に作成される場合、基準マーカは、より明確に検出される。さらに、上面にあるマーカは、消耗部品ステーションへの手動のロードおよび消耗部品ステーションからのアンロード中に視認性をオペレータに提供し、それにより消耗部品ステーション内の消耗部品は、適切に位置合わせされる。図10Eの上面図では、影領域が、基準マーカが画定される場所に示されている。上面図に示す影領域は、消耗部品の特定の深さまでのみ延び、影領域は、基準マーカの存在の指標として使用され得る。基準マーカは、エッチングされた部分として画定されてもよく、この部分は、消耗部品の深さ全体にわたってエッチングされるわけではない。底面図もまた、影を示す。しかし、底面図における影の強度は、上面図に示す影の強度よりも小さい。影の強度が小さいのは、基準マーカが消耗部品の深さ全体にわたって完全に画定されていないという事実によるものであり得る。いくつかの実施態様では、アライナのセンサは、一実施態様では、ファイバ上に線形カーテンヘッドを有するスルービームLEDファイバセンサ、または影の強度を検出して基準マーカが消耗部品上のどこに画定されているかを決定することが可能な単純なレーザセンサである。基準マーカが存在する領域では、基準マーカが存在しない領域よりも多くの光が透過される。アライナセンサは、この差異を検出し、この差異を基準マーカの存在に関連付けることができる。基準マーカの存在を検出すると、ATMロボットは、座標を基準マーカに関連付ける。基準マーカの座標は、基準点onmtheアライナに関連している。次いで基準マーカの座標は、コードの場所を決定する際に使用され、また、消耗部品が設置のためにプロセスモジュールに送給されるときに消耗部品を位置合わせする際にも使用される。消耗部品上の基準マーカの検出は、プロセスモジュールで使用されるウエハ上のノッチの検出と同様の方式で行われる。
【0110】
図11A図11Cは、基板処理システムの異なるプロセスモジュールで使用される消耗部品をバッファリングするために使用される消耗部品ステーションを示している。消耗部品ステーション120は、EFEMに開口する前面120f上の開口部を含む。消耗部品ステーション120は、一対のロードロックが画定される側でEFEMの外側側壁に結合され得る。いくつかの実施態様では、ロードロックは、EFEMと真空移送モジュールとの間に画定される。一実施態様では、EFEMおよびロードロックが画定される側壁は、ロードポートのセットが画定される第2の側の反対側であってもよい。ロードポートは、第2の側の外側側壁上に画定される。ロードポートは、基板処理システムのプロセスモジュールで処理されるウエハをバッファリングするために使用されるウエハステーションを受け取るように構成され、ウエハステーション間のウエハの移動を可能にする開口部を含む。代替の実施態様では、消耗部品ステーションは、ロードロックが画定される側、またはウエハステーションが画定される側に隣接する側に画定されてもよい。いくつかの実施態様では、消耗部品ステーションは、プロセスモジュールで使用される消耗部品を受け取ってバッファリングするように構成された垂直配向に画定された複数のスロットを含む。いくつかの実施態様では、消耗部品ステーションはまた、消耗部品ステーションとプロセスモジュールとの間で消耗部品を移動させる必要があるときに消耗部品を支持するために使用されるキャリアプレート162を収容する。キャリアプレートは、底面上、または上面の下側上、または上面と底面との間に画定される分離プレート上に収容され得る。消耗部品ステーションはまた、消耗部品を消耗部品ステーションにロードするために、外側壁(すなわち、裏側に画定された側壁)に画定された第2の開口部を含む。図11Aは、第2の開口部を示すためにバックドアが取り外された状態の消耗部品ステーション120の内側の等角図を示す。消耗部品ステーション120はまた、消耗部品ステーション120の内側を見えるようにするために、上面に透明またはシースルーの窓120Wを含む。一実施態様では、透明窓120Wは、プレキシガラスで作製される。一実施態様では、消耗部品は、基準マーカが許容範囲(例えば、+/-5°)内になるように消耗部品ステーションの背面に位置合わせされるように、消耗部品ステーション120にロードされ、それによりATMロボット上のアライナはより細かい位置合わせを行うことが可能である。消耗部品がATMロボットによって消耗部品ステーションから移動されるとき、ATMロボットは、消耗部品ステーション120の前面開口部(図示せず)を通って到達し、キャリアプレート162上に支持された消耗部品122を消耗部品ステーションからEFEMに移動させる。前面開口部は、消耗部品ステーション120から移動される際、前面開口部の縁部と消耗部品122との間に十分な隙間があるように設計される。いくつかの実施態様では、隙間は、約3mm~約7mmである。代替の実施態様では、隙間は、前述の範囲よりも小さくても大きくてもよい。
【0111】
図11Bは、一実施態様における、消耗部品ステーション120の上面の俯瞰図を示す。上面は、消耗部品ステーション間で消耗部品をロードおよびアンロードするために使用される背面開口部(すなわち、消耗部品ステーション120の背面に画定された外側壁に画定された第2の開口部)120bに近接して画定された透明(すなわち、シースルー)窓120Wを示す。窓120Wは、消耗部品ステーション120の内側を見えるようにするのぞき窓として作用する。消耗部品は、基準マーカが窓120Wの背面および中心に位置合わせされるようにロードされる。ロード(例えば、手動ロードまたは機械ロード)中、消耗部品の基準マーカ123がすべて正確に位置合わせされていないことがあり、所望の場所からの位置合わせオフセットが存在する場合がある。図11Cは、消耗部品ステーションに受け取られた10個の消耗部品(例えば、エッジリング)のスタックを見下ろした斜めの図を示す。消耗部品は、消耗部品が消耗部品ステーションにロードされるとき、様々な消耗部品の基準マーカ123が容認可能な位置合わせのオフセットの許容範囲内に収まるように位置合わせされる。一実施態様では、位置合わせオフセットの容認可能な許容範囲は、窓120Wの中心から+/-5°とすることができる。容認可能な位置合わせオフセットの許容範囲限界は、一例として提供されており、他の範囲も考慮することが可能である。ロード中に消耗部品の位置合わせを維持することは、消耗部品が画像捕捉システムの上で移動するとき、画像捕捉システムの上でのコードのより迅速な位置合わせを支援する。位置合わせが速くなると画像の捕捉および処理がより速くなり、したがって消耗部品の識別および検証がより速くなる。
【0112】
図12A図12Dは、いくつかの実施態様における、消耗部品上のコードに関連した、および消耗部品ステーションに関連した基準マーカの位置合わせを示している。基準マーカは、キャリアプレート162およびキャリアプレート162のアーム延長部によって覆われる消耗部品のエリアの外側に位置合わせされる。図11A図11Cを参照して述べたように、消耗部品を消耗部品ステーションにロードするとき、基準マーカが消耗部品ステーションの背面に画定された所定の場所に対して位置合わせされるように消耗部品が位置合わせされる。場合によっては、消耗部品は、すべてが所定の場所に位置合わせされておらず、許容範囲限界(例えば、+/-5°)内でオフセットされていてもよい。図12Aは、ATMロボットのエンドエフェクタ(図示せず)上に支持されたキャリアプレート162の上に受け取られた消耗部品の俯瞰図を示している。図12Aはまた、一実施態様における、基準マーカ123の場所および基準マーカ123に対するコード125の場所を示す。コード125は、この実施態様では、時計回り方向に基準マーカ123に直交(すなわち、90°)するように画定される。消耗部品は、コードと基準マーカの両方が、アーム延長部163を含むキャリアプレート162のどの部分によっても覆われないエリアにあるように位置合わせされ、それによってコードの画像を捕捉するためのカメラに対してコードが鮮明に見えるようにする。図12Bは、消耗部品ステーション120内の信託マーカの相対的な配向を示している。上記のように、信託マーカは消耗部品ステーション120の背面に位置合わせし、キャリアプレート162のアーム延長部163が位置するエリアの外側にあるように位置合わせされる。図12Cは、基準マーカ123に対する消耗部品122上のコード125の代替の場所を示している。コード125は、時計回り(場所1)または反時計回り(場所3)方向に基準マーカ123に直交して配向されてもよいし、基準マーカから真横(場所2)に配向されてもよい。いくつかの実施態様では、コード125は、時計回りまたは反時計回り方向に所定の半径角度(例えば、90°、180°、270°など)だけ基準マーカから配向され得る。いくつかの実施態様では、コード125は、直交または真横の配向ではなく、コード125および基準マーカ123が、キャリアプレート162のどの部分によっても隠されない消耗部品122の領域にあるような角度で配置される。図12Dは、コード125の画像を捕捉する際の画像捕捉システムのカメラのスキャンエリア(すなわち、視野)を示している。QRコード125はサイズが小さい(例えば、約3~5mm)場合があり、したがってQRコード125の詳細を捕捉するには高精度で捕捉する必要がある。その結果、カメラは、QRコードを含む消耗部品の一部の表面上の詳細を捕捉するように構成される。図12Dに示される実施態様では、QRコードの場所の半径に応じて、カメラは約+/-1°~約+/-1.3°のスキャンエリアを捕捉し、これはQRコードの縁部から約+/-3.5mmのマージンに換算される。例えば、QRコード125のサイズが約4mm四方である場合、画像内に捕捉されるスキャンエリアは+/-3.5mmを包含し得、総スキャンエリアは約11mmとなる。図12Dは、QRコード125によって覆われるエリアおよびQRコード125を囲むスキャンエリアを示す。したがって、消耗部品上のQRコード125の場所に基づいて、カメラによって捕捉されたQRコードの画像は、QRコードのエリアだけでなく、QRコードエリアの周囲のエリアも含む。QRコードの特徴は、スキャンエリアの異なる部分の表面特性の違いを検出することによって決定することができる。
【0113】
本明細書に記載の様々な実施態様は、プロセスモジュールに搬送する前に消耗部品を追跡および検証する方法を提供する。検証により、間違った消耗部品をプロセスモジュールに捕捉すること、または消耗部品を間違ったプロセスモジュールに送給することが回避される。基板処理システムの一部であるインラインカメラシステム(すなわち、画像捕捉システム)は、使用される材料、消耗部品を構成するピースの数、その上に画定されたコードのサイズおよび幾何学的形状などに関係なく、消耗部品の表面上に画定されたQRコードの画像を捕捉することができる。様々な実施態様がQRコードであるコードを参照して説明されてきたが、これは他のタイプのコード(例えば、バーコード、他のデータマトリックスコード)に拡張することも可能である。
【0114】
様々な実施態様の前述の説明は、例示および説明の目的で提供されたものである。これは、網羅的であること、または本発明を限定することを意図するものではない。特定の実施態様の個々の要素または特徴は、一般に、その特定の実施態様に限定されるものではなく、適用可能であれば、具体的に図示または説明されていない場合であっても、交換可能であり、選択された実施態様で使用することができる。また、これは多くの方法で変更されてもよい。そのような変形は本発明からの逸脱と見なされるべきではなく、すべてのそのような修正は本発明の範囲内に含まれることを意図している。
【0115】
前述の実施形態は、明確な理解のために多少詳しく説明されてきたが、一定の変更および修正が添付の特許請求の範囲の範囲内で実践されてもよいことは明らかであろう。したがって、本実施形態は、限定ではなく例示と見なされるべきであり、実施形態は本明細書に述べられる詳細に限定されるべきではなく、特許請求の範囲の範囲および均等物内で修正されてもよい。
図1
図1A
図2
図3
図4
図5A
図5B
図5C
図5D
図6
図7A
図7B
図8A
図8B
図9A
図9B
図9C
図9D-1】
図9D-2】
図9E-1】
図9E-2】
図10A
図10B-1】
図10B-2】
図10C-1】
図10C-2】
図10D
図10E
図10F
図11A
図11B
図11C
図12A
図12B
図12C
図12D
【国際調査報告】