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特表2024-524429ウエハエッジ性能を改善するためのシャドウリングリフト
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-05
(54)【発明の名称】ウエハエッジ性能を改善するためのシャドウリングリフト
(51)【国際特許分類】
   C23C 16/44 20060101AFI20240628BHJP
   C23C 16/455 20060101ALI20240628BHJP
   H01L 21/285 20060101ALI20240628BHJP
   H01L 21/3205 20060101ALI20240628BHJP
【FI】
C23C16/44 B
C23C16/455
H01L21/285 Z
H01L21/88 M
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023580780
(86)(22)【出願日】2022-04-19
(85)【翻訳文提出日】2024-02-27
(86)【国際出願番号】 US2022025416
(87)【国際公開番号】W WO2023277995
(87)【国際公開日】2023-01-05
(31)【優先権主張番号】63/217,583
(32)【優先日】2021-07-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/473,118
(32)【優先日】2021-09-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100141553
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 信彦
(74)【代理人】
【識別番号】100176418
【弁理士】
【氏名又は名称】工藤 嘉晃
(72)【発明者】
【氏名】フアン ズービン
(72)【発明者】
【氏名】ラヴィ ジャレパリー
(72)【発明者】
【氏名】ウー カイ
(72)【発明者】
【氏名】ユアン シャオション
【テーマコード(参考)】
4K030
4M104
5F033
【Fターム(参考)】
4K030AA03
4K030AA04
4K030AA06
4K030AA07
4K030AA11
4K030AA12
4K030AA13
4K030AA17
4K030AA18
4K030BA20
4K030EA06
4K030FA01
4K030FA03
4K030FA04
4K030FA10
4K030GA02
4K030HA01
4K030JA03
4K030KA45
4K030LA15
4M104BB18
4M104BB33
4M104DD22
4M104DD33
4M104DD43
5F033HH19
5F033PP03
5F033PP04
5F033PP09
5F033PP14
5F033QQ90
(57)【要約】
基板を処理するための方法および装置が、本明細書で説明される。説明される方法および装置は、複数の基板リフトピンと同時に、またはそれとは別個に、プロセスチャンバ内でのシャドウリングの上昇および下降を可能にする。シャドウリングは、シャドウリングリフトアセンブリを使用して上昇および下降され、ラジカル処理工程中基板より上の事前決定された高さまで上昇され得る。シャドウリングリフトアセンブリはまた、複数の基板リフトピンを上昇および下降させて、基板がプロセスチャンバの内外に移送されるとき、シャドウリングと基板リフトピンの両方を移送位置まで上昇させることができる。
【選択図】図4A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板処理のためのプロセスチャンバであって、
チャンバ本体と、
前記チャンバ本体内に配置され、上面を有する基板支持体と、
前記基板支持体を貫いて配置された複数の基板リフトピンと、
前記基板支持体の前記上面のエッジのまわりに位置づけられたシャドウリングを上昇および下降させるように構成されたシャドウリングリフトと
を含む、プロセスチャンバ。
【請求項2】
前記シャドウリングリフトが、前記複数の基板リフトピンを上昇および下降させるようにさらに構成される、請求項1に記載のプロセスチャンバ。
【請求項3】
前記シャドウリングリフトが、
リフトピンホルダであり、前記複数の基板リフトピンの各々のベースのまわりに配置され、前記複数の基板リフトピンを前記リフトピンホルダの中で上昇および下降させることを可能にするように構成されている、リフトピンホルダと、
前記リフトピンホルダの半径方向外側に配置され、前記シャドウリングの底面に接触するように構成された複数のシャドウリングリフトピンと、
前記リフトピンホルダの各々を支持するように構成されたリフトフープと
をさらに含む、請求項2に記載のプロセスチャンバ。
【請求項4】
前記リフトフープに、前記複数の基板リフトピンと前記シャドウリングリフトピンの両方の位置を変更させるように構成されたコントローラをさらに含む、請求項3に記載のプロセスチャンバ。
【請求項5】
前記複数の基板リフトピンの各々が、前記リフトピンホルダのうちの1つの中に配置されるように構成されたリフトピンベースを含む、請求項3に記載のプロセスチャンバ。
【請求項6】
前記基板支持体の上方に配置されたシャワーヘッドをさらに含む、請求項1に記載のプロセスチャンバ。
【請求項7】
1つまたは複数のガス源および1つまたは複数のラジカル発生器をさらに含み、前記1つまたは複数のガス源および前記1つまたは複数のラジカル発生器が、1つまたは複数の堆積ガスまたは1つまたは複数のプラズマを前記シャワーヘッドを通して前記チャンバ本体の処理容積部に供給するように構成される、請求項6に記載のプロセスチャンバ。
【請求項8】
リフトピンアクチュエータが、前記シャドウリングリフトに結合され、前記シャドウリングリフトを垂直に作動させるように構成される、請求項1に記載のプロセスチャンバ。
【請求項9】
基板処理のためのプロセスチャンバであって、
チャンバ本体と、
前記チャンバ本体内に配置され、上面を有する基板支持体と、
前記チャンバ本体内におよび前記基板支持体の前記上面より上に配置されたシャワーヘッドと、
前記基板支持体を貫いて配置された複数の基板リフトピンと、
前記チャンバ本体内に配置され、前記基板支持体を囲む環状ライナと、
前記環状ライナの一部に配置されたシャドウリングスペーサであり、前記シャドウリングスペーサが、前記シャワーヘッドから第1の高さで前記基板支持体の前記上面のエッジのまわりに位置づけられたシャドウリングを保持するように構成される、シャドウリングスペーサと
を含む、プロセスチャンバ。
【請求項10】
前記第1の高さが、約1.5mm~約4mmである、請求項9に記載のプロセスチャンバ。
【請求項11】
複数のシャドウリングスペーサが前記環状ライナの内周のまわりに配置されている、請求項10に記載のプロセスチャンバ。
【請求項12】
前記シャドウリングスペーサが、約9mm~約15mmのスペーサ高さを有する、請求項9に記載のプロセスチャンバ。
【請求項13】
基板を処理する方法であって、
シャドウリングを処理位置まで上昇させることであり、前記シャドウリングと、基板の上面とが、処理間隔だけ離隔される、上昇させることと、
プロセスチャンバ内で核生成プロセスを基板に実行することと、
前記シャドウリングが前記処理位置にある間に、前記プロセスチャンバ内で差異的抑制プロセスを前記基板に実行することと、
前記シャドウリングおよび複数の基板リフトピンを堆積位置に位置づけることであり、前記シャドウリングと前記基板の上面とが、前記処理間隔よりも少ない堆積間隔だけ離隔される、位置づけることと、
前記プロセスチャンバ内で堆積プロセスを前記基板に実行することと
を含む、方法。
【請求項14】
前記堆積間隔が約1mm未満である、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記核生成プロセス中および前記差異的抑制プロセス中の前記基板リフトピンの垂直位置が同じである、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記処理間隔が0.5mm~約11mmである、請求項13に記載の方法。
【請求項17】
前記核生成プロセスが、原子層堆積プロセスと、前記基板をタングステン含有前駆体に曝露して、前記基板上に核形成層を形成することとをさらに含む、請求項13に記載の方法。
【請求項18】
前記差異的抑制プロセスが、窒素を含む処理ガスに前記核形成層を曝露することを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記処理ガスが、N2、H2、NH3、NH4、またはそれらの組合せを含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記シャドウリングが、
リフトピンホルダであり、前記複数の基板リフトピンの各々のベースのまわりに配置され、前記複数の基板リフトピンを前記リフトピンホルダの中で上昇および下降させることを可能にするように構成されている、リフトピンホルダと、
前記リフトピンホルダの半径方向外側に配置され、前記シャドウリングの底面に接触するように構成された複数のシャドウリングリフトピンと、
前記リフトピンホルダの各々を支持するように構成されたリフトフープと
を含むシャドウリングリフトによって上昇および下降されるように構成される、請求項13に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書の実施形態は、電子デバイス製造において使用されるシステムおよび方法に関し、より詳細には、半導体デバイスにおいてタングステン特徴部を形成するために使用されるシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
タングステン(W)は、比較的低い電気抵抗およびエレクトロマイグレーションへの相対的に高い耐性が要求される導電性特徴部を形成するために集積回路(IC)デバイス製造において広く使用されている。例えば、タングステンは、ソースコンタクト、ドレインコンタクト、メタルゲート充填、ゲートコンタクト、相互接続部(例えば、誘電体材料層の表面に形成された水平特徴部)、およびビア(例えば、誘電体材料層の上および下に配置された他の相互接続特徴部を接続するために誘電体材料層を通して形成された垂直特徴部)を形成するための金属充填材料として使用することができる。相対的に低い抵抗率のために、タングステンはまた、一般に、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)デバイスのメモリセルアレイ内の個々のメモリセルをアドレス指定するために使用されるビットラインおよびワードラインを形成するのに使用される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
回路密度が増加し、次世代の半導体デバイスの要求を満たすためにデバイス特徴部が縮小し続けるにつれて、タングステン特徴部を確実に作り出すことがますます困難になっている。従来のタングステン堆積プロセス中に形成されるボイドおよびシームなどの問題は、特徴部サイズの減少とともに拡大され、デバイスの性能および信頼性に悪影響を及ぼし、またはさらにデバイスを作動不能にすることがある。
【0004】
シャドウリングは、シーム抑制タングステン膜プロセス中の基板のベベルエッジの近くの堆積を防止するために、化学気相堆積(CVD)タングステン(W)膜の堆積の間基板のエッジのまわりで利用される。しかしながら、シャドウリングは、CVD堆積の後に実行される窒素ラジカル処理工程中の基板のエッジの有効な処理を妨げることが示されている。基板のエッジの有効な処理を妨げると、基板のエッジの近くの弱いインキュベーション遅延に起因するシーム抑制タングステン膜の中心からエッジにかけての不均一性が引き起こされる。
【0005】
したがって、当技術分野において必要とされるものは、上述の問題を解決する処理システムおよび方法である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の実施形態は、一般に、基板処理のためのプロセスチャンバに向けられている。処理チャンバは、チャンバ本体と、チャンバ本体内に配置され、上面を有する基板支持体と、基板支持体を貫いて配置された複数の基板リフトピンと、シャドウリングリフトとを含む。シャドウリングリフトは、基板支持体の上面のエッジのまわりに位置づけられたシャドウリングを上昇および下降させるように構成される。
【0007】
別の実施形態では、基板処理のための別のプロセスチャンバが説明される。処理チャンバは、チャンバ本体と、チャンバ本体内に配置され、上面を有する基板支持体と、チャンバ本体内に、および基板支持体の上面より上に配置されたシャワーヘッドと、基板支持体を貫いて配置された複数の基板リフトピンと、チャンバ本体内に配置され、基板支持体を囲む環状ライナと、環状ライナの一部に配置されたシャドウリングスペーサとを含む。シャドウリングスペーサは、シャワーヘッドから第1の高さで基板支持体の上面のエッジのまわりに位置づけられたシャドウリングを保持するように構成される。
【0008】
さらに別の実施形態では、基板を処理する方法が説明される。
この方法は、シャドウリングを処理位置まで上昇させることであり、シャドウリングと、基板の上面とが、処理間隔だけ離隔される、上昇させることと、プロセスチャンバ内で核生成プロセスを基板に実行することと、プロセスチャンバ内で差異的抑制プロセスを基板に実行することと、シャドウリングおよび複数の基板リフトピンを堆積位置に位置づけることと、プロセスチャンバ内で堆積プロセスを基板に実行することとを含む。差異的抑制プロセスは、シャドウリングが処理位置にある間に実行される。堆積位置にある間、シャドウリングと基板の上面とは、処理間隔よりも少ない堆積間隔だけ離隔される。
【0009】
さらに別の実施形態では、基板を処理する方法が説明され、この方法は、核生成プロセスを基板に実行することと、第1のプロセスチャンバ内で差異的抑制プロセスを基板に実行することと、基板を第2のプロセスチャンバに移送することと、プロセスチャンバ内で堆積プロセスを基板に実行することとを含む。差異的抑制プロセス中、シャドウリングの底面と基板の上面との間の距離は処理間隔である。堆積プロセス中、第2のシャドウリングの底面と基板の上面との間の距離は、処理間隔よりも少ない堆積間隔である。
【0010】
本開示の上述で列挙した特徴を詳細に理解することができるように、上述で簡単に要約した開示のより詳細な説明を、実施形態を参照して行うことができ、その一部を添付の図面に示す。しかしながら、添付の図面は、本明細書の例示的な実施形態のみを示し、それゆえに、本明細書が他の等しく効果的な実施形態を認めることができるので、その範囲を限定するものとみなされるべきではないことに留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1A】本開示の実施形態による、基板を処理するために使用することができる処理システムの実施形態を概略的に示す図である。
図1B】本開示の実施形態による、基板を処理するために使用することができる処理システムの実施形態を概略的に示す図である。
図2A】本開示の実施形態による、図1Bのシャドウリングスペーサの概略クローズアップ断面図である。
図2B】本開示の実施形態による、図1Bのシャドウリングスペーサの一部の部分上面図である。
図3】本開示の実施形態による、基板を処理するために使用することができる処理システムの別の実施形態を概略的に示す図である。
図4A】本開示の実施形態による、異なる処理位置における図3のシャドウリングリフトアセンブリの概略クローズアップ断面図である。
図4B】本開示の実施形態による、異なる処理位置における図3のシャドウリングリフトアセンブリの概略クローズアップ断面図である。
図4C】本開示の実施形態による、異なる処理位置における図3のシャドウリングリフトアセンブリの概略クローズアップ断面図である。
図5A】本開示の実施形態による、第1のプロセスまたは第2のプロセスを受けた後の基板の直径にわたるライン走査測定値のグラフである。
図5B】本開示の実施形態による、第1のプロセスまたは第2のプロセスを受けた後の基板の直径にわたるライン走査測定値のグラフである。
図6A】本開示の実施形態による、基板の外側10mmでの図5A図5Bのライン走査測定値のグラフである。
図6B】本開示の実施形態による、基板の外側10mmでの図5A図5Bのライン走査測定値のグラフである。
図7A】本開示の実施形態による、シャドウリングの場所を交替している間の基板の異なる部分の膜飽和のグラフである。
図7B】本開示の実施形態による、シャドウリングの場所を交替している間の基板の異なる部分の膜飽和のグラフである。
図7C】本開示の実施形態による、シャドウリングの場所を交替している間の基板の異なる部分の膜飽和のグラフである。
図8A】本開示の実施形態による、基板を処理する方法を示す図である。
図8B】本開示の実施形態による、基板を処理する方法を示す図である。
図8C】本開示の実施形態による、基板を処理する方法を示す図である。
図8D】本開示の実施形態による、基板を処理する方法を示す図である。
図9A図8A図8Dに記載の方法の様々な態様を示す基板の一部の概略断面図である。
図9B図8A図8Dに記載の方法の様々な態様を示す基板の一部の概略断面図である。
図9C図8A図8Dに記載の方法の様々な態様を示す基板の一部の概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
理解を容易にするために、図に共通する同一の要素を指定するのに、可能であれば、同一の参照番号が使用されている。
ある実施形態の要素および特徴は、さらなる詳述なしに、他の実施形態に有益に組み込まれ得ることが意図されている。
【0013】
本開示は、基板処理チャンバ内でシャドウリングを移動させるための装置および方法に向けられている。シャドウリングを移動させることにより、シャドウリングをあるプロセス工程中基板の表面の近くに位置づけることができ、他のプロセス工程中基板の表面から遠くに位置づけることができる。本明細書に記載の実施形態では、シーム抑制タングステン膜プロセス中の基板のベベルエッジの近くの堆積を防止するために、化学気相堆積(CVD)タングステン(W)膜の堆積の間基板の表面の近くにシャドウリングがあることは有益である。しかしながら、シャドウリングが基板の上面の直ぐ近くにあると、後続の窒素ラジカル処理工程中の基板のエッジの有効な処理が妨げられることが示されている。窒素ラジカル処理工程は、CVD堆積の後、同じプロセスチャンバで実行される。基板のエッジの有効な処理を妨げると、基板のエッジの近くの弱いインキュベーション遅延に起因するシーム抑制タングステン膜の中心からエッジにかけての不均一性が引き起こされる。
【0014】
本明細書で論じるように、堆積工程と比較してラジカル処理工程中基板の上面に対してシャドウリングの相対位置を変更すると、エッジの近くの基板の処理の均一性が改善されることが見いだされた。それゆえに、シャドウリングと基板の上面との間の距離を変更するための様々な装置および方法が、本明細書で説明される。本明細書に記載の実施形態では、シャドウリングはまた、非接触シャドウリングと表現されることがある。
【0015】
図1Aは、本明細書に記載のボトムアップタングステン間隙充填基板処理方法を実行するために使用することができる処理システム100aの一実施形態を概略的に示す。ここで、処理システム100aは、単一処理チャンバ102内で、すなわち、複数の処理チャンバ間で基板を移送することなく、核生成プロセス、抑制処理プロセス、選択的間隙充填プロセス、およびオーバーバーデン堆積プロセスの各々にとって望ましい異なる処理条件を提供するように構成される。
【0016】
処理システム100aは、処理チャンバ102と、処理チャンバ102に流体的に結合されたガス供給システム104と、システムコントローラ108とを含む。処理チャンバ102は、チャンバリッドアセンブリ110と、1つまたは複数の側壁112と、チャンバベース114とを含み、それらは、集合的に処理容積部115を画定する。処理容積部115は、処理容積部115を準大気圧条件に維持し、そこから処理ガスおよび処理副産物を排出するために使用される1つまたは複数の真空ポンプなどの排気部117に流体的に結合される。
【0017】
チャンバリッドアセンブリ110は、リッドプレート116と、リッドプレート116に結合されたシャワーヘッド118とを含み、それらにより、ガス分配容積部119が画定される。ここで、リッドプレート116は、それに熱的に結合された1つまたは複数のヒータ129を使用して所望の温度に維持される。シャワーヘッド118は、処理容積部115に配置された基板支持アセンブリ120に面する。以下で論じるように、基板支持アセンブリ120は、基板支持体122、したがって基板支持体122に配置された基板130を、上昇した基板処理位置(図示のような)と下降した基板移送位置(図示せず)との間で、移動させるように構成される。基板支持アセンブリ120が上昇した基板処理位置にあるとき、シャワーヘッド118および基板支持体122は、処理領域121を画定する。
【0018】
ここで、ガス供給システム104は、リッドプレート116を通して配置されたガス入口を介して処理チャンバ102に流体的に結合される。ガス供給システム104を使用することによって供給される処理ガスまたは洗浄ガスは、ガス入口123を通ってガス分配容積部119内に流れ、シャワーヘッド118の複数の開口部を通して処理領域121に分配される。いくつかの実施形態では、チャンバリッドアセンブリ110は、ガス入口123とシャワーヘッド118との間に配置された有孔ブロッカプレート125をさらに含む。これらの実施形態では、ガス分配容積部119に流入するガスは、最初に、ブロッカプレート125によって拡散されて、シャワーヘッド118が加わって、より均一なまたは所望の分布のガス流が処理領域121内に供給される。
【0019】
ここで、処理ガスおよび処理副生成物は、処理領域121を取り巻く環状チャネル126を通して処理領域121から半径方向外側に排出される。環状チャネル126は、1つまたは複数の側壁112の半径方向内側に配置された第1の環状ライナ127に形成されてもよく(図示のように)、または1つまたは複数の側壁112に形成されてもよい。いくつかの実施形態では、処理チャンバ102は、1つまたは複数の第2のライナ128を含み、それは、1つまたは複数の側壁112またはチャンバベース114の内部表面を腐食性ガスおよび/または望ましくない材料堆積から保護するために使用される。
【0020】
いくつかの実施形態では、処理容積部115に流体連結するパージガス源137が、アルゴン(Ar)などの化学的に不活性なパージガスを、基板支持体122の真下に配置された領域に、例えば、基板支持体122の支持シャフト162を取り囲むチャンバベース114の開口部を通して流すために使用される。パージガスは、基板処理中に基板支持体122の下に正圧(処理領域121の圧力と比較して)の領域を作り出すために使用することができる。一般に、パージガスは、チャンバベース114を通して、そこから上の方に、基板支持体122のエッジの周囲に流れ、環状チャネル126を通して処理容積部115から排出される。パージガスは、基板支持体122の真下の表面への望ましくない材料堆積を、そこへの材料前駆体ガスの流れを減少させ、および/または防止することによって低減する。
【0021】
ここで、基板支持アセンブリ120は、チャンバベース114の下の領域でベローズ165によって囲まれるものなどの、チャンバベース114を通って密閉して延びる可動支持シャフト162と、可動支持シャフト162上に配置された基板支持体122とを含む。基板支持体122へのおよびそこからの基板の移送を容易にするために、基板支持アセンブリ120は、リフトフープ168に結合された、または係合して配置された複数の基板リフトピン167を含むリフトピンアセンブリ166を含む。複数の基板リフトピン167が、基板支持体122を通して形成された開口部に移動可能に配置される。
【0022】
基板支持体122が、降下した基板移送位置(図示せず)に配置されると、複数の基板リフトピン167が、基板支持体122の基板受け面の上方に延びて、そこから基板130を持ち上げ、基板ハンドラ(図示せず)によって基板130の裏側の(非活性の)表面にアクセスできるようにする。基板支持体122が、上昇または処理位置(図示のように)にあるとき、複数の基板リフトピン167は、基板支持体122の基板受け面の真下に後退して、その上に基板130が載るのを可能にする。
【0023】
複数の基板リフトピン167が、リフトピンアクチュエータ170によって上昇および下降される。リフトピンアクチュエータ170は、ステッピングモータ、サーボモータ、またはダイレクトドライブモータなどのモータまたは他のアクチュエータとすることができる。いくつかの実施形態では、リフトピンアクチュエータ170は、システムコントローラ108などのシステムコントローラに電気的に結合される。リフトピンアクチュエータ170は、1つまたは複数のピンリフトシャフト173を介してリフトピンアセンブリに結合され得る。ピンリフトシャフト173は、リフトフープ168に結合され得る。本明細書に記載の実施形態では、リフトフープ168は、1つまたは複数のピンリフトシャフト173によって支持され、少なくともリフトピンアセンブリ166を支持するように構成されたプレートまたはディスクとすることができる。
【0024】
ここで、基板130は、1つまたは複数の側壁112のうちの1つに配置されたドア171、例えばスリットバルブを通して、基板支持体122におよびそこから移送される。ここで、ドア171を囲む領域内の1つまたは複数の開口部、例えば、ドアハウジングの開口部は、パージガス源137、例えばArガス源に流体的に結合される。パージガスは、処理ガスおよび洗浄ガスが、ドアを囲むシールに接触するのを、および/またはドアを囲むシールを劣化させるのを防止し、それにより、ドアの使用寿命を延ばすために使用される。
【0025】
ここで、基板支持体122は、基板130と基板受け面との間の界面に真空を適用することによって基板130が基板支持体122に固定される真空チャック用に構成される。真空は、基板支持体122の基板受け面に形成された1つまたは複数のチャネルまたはポートに流体的に結合された真空源172を使用して適用される。他の実施形態では、例えば、処理チャンバ102が直接プラズマ処理用に構成される場合、基板支持体122は、静電チャック用に構成されてもよい。いくつかの実施形態では、基板支持体122は、それにバイアス電圧を供給する連続波(CW)RF電源またはパルスRF電源などのバイアス電圧電源(図示せず)に結合された1つまたは複数の電極(図示せず)を含む。
【0026】
図示のように、基板支持アセンブリ120は、基板支持体122の異なる領域内で独立した温度制御を行うためのデュアルゾーン温度制御システムを特徴とする。基板支持体122の異なる温度制御領域は、その上に配置された基板130の異なる領域に対応する。ここで、温度制御システムは、第1のヒータ163および第2のヒータ164を含む。第1のヒータ163は、基板支持体122の中央領域に配置され、第2のヒータ164は、第1のヒータ163を囲むように中央領域から半径方向外側に配置される。他の実施形態では、基板支持体122は、単一のヒータまたは3つ以上のヒータを有することがある。
【0027】
基板支持アセンブリ120は、基板130の円周方向ベベルエッジ上への望ましくない材料堆積を防止するために使用される環状シャドウリング135をさらに含む。基板支持体122へのおよび基板支持体122からの基板移送の間、すなわち、基板支持アセンブリ120が下降位置に配置されている(図示せず)とき、シャドウリング135は、処理容積部115内の環状レッジ上に載る。基板支持アセンブリ120が上昇または処理位置に配置されるとき、基板支持体122の半径方向外側の表面は、シャドウリング135が基板支持体122上に配置された基板130を囲むように環状シャドウリング135に係合する。ここで、シャドウリング135は、基板支持アセンブリ120が上昇基板処理位置にあるときに、シャドウリング135の半径方向内側に面する部分が基板130のベベルエッジの上に配置されるように形作られる。
【0028】
いくつかの実施形態では、基板支持アセンブリ120は、基板130を囲むように基板支持体122に配置された環状パージリング136をさらに含む。それらの実施形態では、シャドウリング135は、基板支持アセンブリ120が上昇基板処理位置にあるとき、パージリング136上に配置され得る。一般に、パージリング136は、パージガス源137と流体連結した複数の半径方向内側に面する開口部を特徴とする。基板処理中に、パージガスは、シャドウリング135、パージリング136、基板支持体122、および基板130のベベルエッジによって画定される環状領域に流れ込み、処理ガスが環状領域に入り、基板130のベベルエッジへの望ましくない材料堆積を引き起こすのを防止する。
【0029】
いくつかの実施形態では、処理チャンバ102は直接プラズマ処理用に構成される。それらの実施形態では、シャワーヘッド118は、RF電源などの第1の電源131に電気的に結合され、第1の電源131は、処理領域121に流入する処理ガスのプラズマを点火および維持するための電力を、処理ガスとの容量結合を介して供給する。いくつかの実施形態では、処理チャンバ102は、誘導プラズマ発生器(図示せず)を含み、プラズマは、RF電力を処理ガスに誘導的に結合させることを介して形成される。
【0030】
ここで、処理システム100aは、処理チャンバ102から基板130を取り出すことなく、ボイドフリーおよびシームフリータングステン間隙充填プロセス方式のタングステン核形成、抑制処理、およびバルクタングステン堆積プロセスの各々を実行するように構成され得る。間隙充填プロセス方式の個々のプロセスを実行するために、および処理チャンバの内部表面から残留物を洗浄するために使用されるガスは、処理チャンバ102に、それと流体的に結合されたガス供給システム104を使用して供給される。
【0031】
一般に、ガス供給システム104は、1つまたは複数の遠隔プラズマ源、ここでは、第1および第2のラジカル発生器106A~106Bと、堆積ガス源140と、ラジカル発生器106A~106Bおよび堆積ガス源140をリッドアセンブリ110に流体的に結合する導管システム194とを含む。ガス供給システム104は、ラジカル発生器106A~106Bとリッドプレート116との間にそれぞれ配置された複数の分離バルブ、ここでは、第1および第2のバルブ190A~190Bをさらに含み、これらは、ラジカル発生器106A~106Bの各々を処理チャンバ102からおよび互いに流体的に分離させるために使用することができる。
【0032】
ラジカル発生器106A~106Bの各々は、それぞれの電源193A~193Bに結合される。電源193A~193Bは、ラジカル発生器106A~106B内のプラズマチャンバ容積部に流体的に結合された対応する第1のガス源187Aまたは第2のガス源187Bからラジカル発生器106A~106B内のプラズマチャンバ容積部に供給されるガスのプラズマを点火および維持するために使用される。いくつかの実施形態では、第1のラジカル発生器106Aは、差異的抑制プロセスで使用されるラジカルを生成する。例えば、第1のラジカル発生器106Aは、第1のガス源187Aから第1のプラズマチャンバ容積部に供給される非ハロゲン含有混合ガスから処理プラズマを点火および維持するために使用することができる。第2のラジカル発生器106Bは、第2のガス源187Bから第2のプラズマチャンバ容積部に供給されるハロゲン含有混合ガスから洗浄プラズマを点火および維持することによってチャンバ洗浄プロセスで使用される洗浄ラジカルを生成するために使用することができる。
【0033】
いくつかの実施形態では、第1のラジカル発生器106Aはまた、第2のガス源187Bに流体的に結合され、第2のガス源187Bは、プラズマ源条件プロセスで使用されるように第1のプラズマチャンバ容積部にハロゲン含有調整ガスを供給する。それらの実施形態では、ガス供給システム104は、ハロゲン含有混合ガスを第2のガス源187Bからラジカル発生器106Aの第1のプラズマチャンバ容積部に導くように動作可能な複数のディバータバルブ191をさらに含むことができる。
【0034】
ラジカル発生器106A~106Bの一方または両方で使用することができる適切な遠隔プラズマ源は、高周波(RF)もしくは超高周波(VHRF)容量結合プラズマ(CCP)源、誘導結合プラズマ(ICP)源、マイクロ波誘導(MW)プラズマ源、電子サイクロトロン共鳴(ECR)チャンバ、または高密度プラズマ(HDP)チャンバを含む。
【0035】
処理システム100aの動作は、システムコントローラ108によって促進される。システムコントローラ108は、メモリ196(例えば、不揮発性メモリ)およびサポート回路197により動作可能であるプログラマブル中央処理装置、ここではCPU195を含む。CPU195は、様々なチャンバ部品およびサブプロセッサを制御するためにプラグラム可能な論理制御装置(PLC)などの産業環境で使用される任意の形態の汎用コンピュータプロセッサのうちの1つである。CPU195に結合されたメモリ196は、処理チャンバの動作を促進する。サポート回路197は、従来、CPU195に結合され、基板処理動作の制御を容易にするために、処理システム100の様々な構成要素に結合されたキャッシュ、クロック回路、入力/出力サブシステム、電源など、およびそれらの組合せを含む。
【0036】
ここで、メモリ196内の命令は、本開示の方法を実施するプログラムなどのプログラム製品の形態のものである。1つの例では、本開示は、コンピュータシステムで使用するためのコンピュータ可読ストレージ媒体に格納されたプログラム製品として実施され得る。プログラム製品のプログラムは、実施形態の機能(本明細書に記載の方法を含む)を定義する。したがって、コンピュータ可読ストレージ媒体は、本明細書に記載の方法の機能を指示するコンピュータ可読命令を保持する場合、本開示の実施形態である。
【0037】
有利には、上述の処理システム100は、核形成、抑制、間隙充填堆積、およびオーバーバーデン堆積プロセスの各々を実行するために使用し、それにより、単一チャンバシームフリーのタングステン間隙充填の解決策を提供することができる。
【0038】
図1Bは、本明細書に記載のボトムアップタングステン間隙充填基板処理方法を実行するために使用することができる処理システム100bの別の実施形態を概略的に示す。ここで、処理システム100bは、処理システム100aに類似しているが、第1の環状ライナ127の一部の上方に配置されたシャドウリングスペーサ150をさらに含む。シャドウリングスペーサ150は、環状チャネル126の半径方向内側にある。シャドウリングスペーサ150は、シャドウリング135を基板130の上面から離隔するように構成される。シャドウリングスペーサ150を基板130の上面から離隔することにより、差異的抑制プロセス/ラジカル処理工程中に生成されるラジカルは、中央部分と比較して、基板のベベルエッジの近くの基板の表面をより均一に処理することができる。シャドウリングスペーサ150は、図2A図2Bに関してさらに説明される。
【0039】
いくつかの実施形態では、基板130などの基板は、図1Aの第1の処理システム100aと図1Bの第2の処理システム100bとの間で移送される。第1の処理システム100aは、化学気相堆積(CVD)タングステン(W)膜の堆積の間利用される。第1の処理システム100aは、シャドウリング135が基板130の上面に隣接して配置され、それゆえに、基板のベベルエッジの近くの堆積が、シーム抑制タングステン膜プロセス中防止されるという点で有益である。しかしながら、シャドウリングが基板の上面の直ぐ近くにあると、アクティビティ805、853(図8A図8D)の差異的抑制プロセスなどの後続の窒素ラジカル処理工程中の基板のエッジの有効な処理が妨げられることが示されている。それゆえに、基板130は、窒素ラジカル処理工程を実行する前に、図1Bの第2の処理システム100bなどの第2の処理システムに移動される。
【0040】
図2Aは、シャドウリングスペーサ150を含む図1Bの処理システム100bの一部の概略クローズアップ断面図を示す。シャドウリングスペーサ150は、第1の環状ライナ127のレッジ252の上に配置される。上部スペーサ表面256は、シャドウリング135の底部シャドウリング表面254に接触して、基板130のエッジの上方の上昇位置にシャドウリング135を保持する。本明細書に記載の実施形態では、シャドウリングスペーサ150は、基板130とシャドウリング135とを離隔して、基板130の上面のラジカルの処理の改善を可能にする。しかしながら、シャワーヘッド118の底面と基板130の上面との間の距離は、核生成プロセスと差異的抑制プロセスの両方の間、同じままである。
【0041】
いくつかの実施形態では、シャワーヘッド118の底面と基板130の上面との間の距離Dは、約25mm未満、例えば約20mm未満など、例えば約15mm未満など、例えば約5mm~約15mmなどである。シャドウリング135の上面は、シャワーヘッド118の底面から第1の高さH1だけ離隔される。第1の高さH1は、約1.5mm~約4mm、例えば約2mm~約3mmなど、例えば約2.5mm~約2.75mmなど、例えば約2.54mmなどである。底部シャドウリング表面254は、基板130の上面から第2の高さH2に配置される。第2の高さH2は、約12mm未満、例えば約2mm~約11mmなど、例えば約2mm~約10mmなどである。第2の高さH2は、基板130のエッジの近くの堆積および処理工程を制御する。シャドウリング135が基板130より上の第2の高さH2に配置されると、本明細書に記載の処理工程は、基板130のエッジをより均一に処理するように実行され得る。シャドウリングスペーサ150は高さH3を有する。シャドウリングスペーサ150の高さH3は、第1の環状ライナ127および処理チャンバ102の構造に応じて変わることができる。いくつかの実施形態では、高さH3は、約9mm~約15mm、例えば約10mm~約14mmなど、例えば約11mm~約13mmなど、例えば約12mm~約13mmなど、例えば約12.7mmなどである。
【0042】
シャドウリングスペーサ150のない第1の処理システム100aでは、シャドウリング135と基板130との間の垂直間隔(図2AのH2に類似する)は、約2mm未満、例えば約1.5mm未満など、例えば約1mm未満などである。シャドウリングスペーサ150は、排気部117に流体的に結合された1つまたは複数の排気通路210の半径方向内側に配置される。1つまたは複数の排気通路210は、処理領域121の周囲に配置される。環状チャネル126が、1つまたは複数の排気通路210とシャドウリングスペーサ150との間に配置され得る。いくつかの実施形態では、第1の環状ライナ127の周囲に配置された複数のシャドウリングスペーサ150がある。シャドウリングスペーサ150の内面212は、環状パージリング136および基板支持体アセンブリ120の半径方向外側に配置される。
【0043】
図2Bは、本開示の実施形態による、図1Bの処理システムの一部の部分上面図を示す。図2Bは、明確にするために、シャドウリング135が配置されていないシャドウリングスペーサ150を示す。図2Bに示されるように、シャドウリングスペーサ150は、第1の環状ライナ127のレッジ252の一部に沿って配置された離散的なスペーサである。本明細書に記載の実施形態では、レッジ252の周囲に半径方向に配置された複数のシャドウリングスペーサ150、例えば、レッジ252に沿って均等に離間された3つ以上のシャドウリングスペーサ150などがあり得る。上部スペーサ表面256は、シャドウリングスペーサ150の上部の一部に沿って配置され、シャドウリングスペーサ150に形成された溝とすることができる。シャドウリングスペーサ150の高さH3は、第1の環状ライナ127および処理チャンバ102の構造に応じて変わることができる。いくつかの実施形態では、高さH3は、約9mm~約15mm、例えば約10mm~約14mmなどである。
【0044】
図3は、基板130を処理するために使用することができる処理システム100cの別の実施形態を概略的に示す。図3の処理システム100cは、図1Bの処理システム100bに類似しているが、シャドウリングスペーサ150の代わりに、処理システム100cは、シャドウリングリフトアセンブリ300を含む。シャドウリングリフトアセンブリ300は、リフトピンアセンブリ166と一体化され、その結果、リフトフープ168は、複数の基板リフトピン167ならびに複数のシャドウリングリフトピン302の両方に取り外し可能に結合することができる。シャドウリングリフトアセンブリ300は、処理工程間または処理工程中にシャドウリング135を上昇および下降させるように構成される。シャドウリング135と基板リフトピン167の両方は、本明細書に記載されるように、同時にまたは別々に上昇および下降され得る。
【0045】
図4A図4Cは、リフトピンアセンブリ166が異なる位置に配置されている間の図3の処理システム100cの一部の概略クローズアップ断面図を示す。図4A図4Cに示されるように、シャドウリングリフトアセンブリ300は、リフトフープ168と、リフトピンアセンブリ166と、シャドウリングリフトピン302と、シャドウリングリフトプレート312と、シャドウリングリフトプレート312から延びる1つまたは複数のシャドウリングリフトアーム304と、シャドウリングリフトプレート312を通って延びる複数のリフトピンハウジング306とを含む。複数のリフトピンハウジング306は、シャドウリングリフトプレート312を貫く開口部であり、基板リフトピン167のためのガイドを提供するためにシャドウリングリフトプレート312から下方に延びる側壁を含む。
【0046】
リフトピンハウジング306の各々の底面は、リフトフープ168に結合され、リフトフープ168の上に配置される。いくつかの実施形態では、リフトピンハウジング306は、リフトフープ168を貫いて配置され、リフトフープ168を貫く開口部を形成する。いくつかの実施形態では、リフトピンハウジング306は、部分的にリフトフープ168より上および部分的にリフトフープ168より下の両方に配置され、その結果、リフトピンハウジング306は、リフトフープ168を貫いて配置されるシャフトである。リフトピンハウジング306は、シャドウリングリフトアーム304の各々に機械的に結合され得る。シャドウリングリフトアーム304は、シャドウリングリフトプレート312から外向きに延び、シャドウリングリフトピン302をシャドウリングリフトプレート312およびリフトピンハウジング306に結合させ、続いて、リフトフープ168が上向きおよび下向きの動きで移動するとき、シャドウリングリフトピン302の動きを可能にする。
【0047】
リフトフープ168は、1つまたは複数のピンリフトシャフト173およびリフトピンアクチュエータ170に結合されて、リフトフープ168の垂直の動きを可能にすることができる。次いで、リフトフープ168は、リフトピンアセンブリ166またはシャドウリングリフトアセンブリ300の一方または両方に動きを与えることができる。リフトピンアクチュエータ170は、モータまたは空気圧アクチュエータとすることができる。コントローラ108(図3)は、図4A図4Cに関して説明するように、リフトフープ168、基板リフトピン167、シャドウリングリフトピン302、およびリフトピンハウジング306を位置づけるようにリフトピンアクチュエータ170を制御することができる。いくつかの実施形態では、シャドウリングリフトプレート312は、リフトフープ168に結合され、リフトフープ168上に配置され、リフトピンハウジング306の各々の底面は、リフトフープ168に接触しない。
【0048】
リフトピンアセンブリ166は、各々のリフトピン167に結合されたリフトピンベース310を含む。リフトピン167は、基板支持体122の一部を通って延びて、基板130の裏側に接触するように構成される。リフトピン167は、基板支持体122内に配置されたスロットに載るように構成される。リフトピン167の底部遠位端は、リフトピンベース310に結合される。リフトピンベース310は、円筒形ベースとすることができ、リフトピンハウジング306の各々の中空内面308と実質的に同様の直径を有するように構成される。リフトピンハウジング306の各々は、その中をリフトピンベース310が移動できるように中空内面308を有する。ある実施形態では、リフトピンハウジング306は、リフトピンベース310の周囲全体を取り囲む。他の実施形態では、リフトピンハウジング306は、リフトピンベース310の周囲を部分的に取り囲む。
【0049】
図4Aに示されるように、基板支持体122、シャドウリングリフトアセンブリ300、およびリフトピンアセンブリ166は基板移送位置にあり、その結果、基板130は、基板支持体122から持ち上げられ、シャドウリング135は移送位置にある。基板移送位置では、移送ロボット(図示せず)を使用して、基板130を処理システム100cの内外に移送することができる。基板130は、処理チャンバ102の側面を貫いて配置された開口部314と同じ高さである。図1A図1B、および図3に関して説明したように、開口部314は、そこに配置されたスリットバルブまたはドアを含むことができる。図4Aからは明らかでないが、シャドウリングリフトピン302は、処理チャンバ102の内外への基板130の移動を可能にするために開口部314からオフセットされていることに留意されたい。
【0050】
基板移送位置にある間、リフトフープ168は、リフトピンベース310ならびにリフトピンハウジング306に接触する。リフトフープ168は、1つまたは複数のリフトピンシャフト173に接続するリングであり、基板ならびにシャドウリング135を持ち上げるためのベースとして使用される。基板移送位置にある間、シャワーヘッド118の底面と基板支持体122の上面との間の第1の距離D1は、約40mm~約80mm、例えば約50mm~約70mmなど、例えば約55mm~約65mmなどである。基板移送位置にある間、シャドウリング135およびシャドウリングリフトピン302は、基板支持体122および基板130より上の様々な位置にあり得る。本明細書で説明するように、シャドウリング135の高さは、処理領域121の内外に基板130を移送する間の基板リフトピン167の位置に少なくとも部分的に依存する。
【0051】
基板移送位置にある間、シャドウリングリフトピン302は、シャドウリング135の底面に接触する。シャドウリングリフトピン302の各々は、基板130の半径方向外側に配置され、基板移送中に、それらの間を基板130が通過し、開口部314に入るのを可能にするように、基板支持体122の周囲に鈍角で配置される。
【0052】
図4Bに示されるように、シャドウリングリフトアセンブリ300およびリフトピンアセンブリ166は、処理位置にある。処理位置にある間、リフトフープ168は、シャドウリング135が基板130より上にある位置にあり、一方、基板リフトピン167は下降位置にある。基板リフトピン167の下降位置は、基板リフトピン167の上部が、基板支持面および基板130と平行であるかまたは基板支持面および基板130の下に配置される位置である。基板支持体122は、基板支持体122の基板支持面がシャワーヘッド118の底面から第2の距離D2に配置されるように、処理位置にある間上昇位置に配置される。第2の距離D2は、約25mm未満、例えば約20mm未満など、例えば約15mm未満など、例えば約10mm~約15mmなどである。
【0053】
シャドウリング135の上面は、シャワーヘッド118の底面から第1の高さH1だけ離隔される。第1の高さH1は、約11mm未満、例えば約1mm~約10mmなどである。底部シャドウリング表面154は、パージリング136および基板130の一方または両方の上面から第2の高さH2に配置される。第2の高さH2は、約1mm~約11mm、例えば約1mm~約10mmなど、例えば約5mm~約8mmなどの間で変化することができる。シャドウリング135が上昇された(図4Bに示されるように)処理工程中、第2の高さH2は、約5mm~約11mm、例えば約6mm~約10mmなど、例えば約6mm~約8mmなど、例えば約6.35mmなどである。
【0054】
処理位置にある間、基板リフトピン167は、基板支持体122から自由に吊された状態にあり、その結果、リフトピンベース310は、リフトフープ168の上面に接触しないが、依然としてリフトピンハウジング306の中空内面308内に配置される。リフトピンベース310とリフトフープ168との間に間隙を配置することができ、その結果、基板リフトピン167は、リフトピンハウジング306内に少なくとも部分的に配置されるが、リフトフープ168によって機械的に支持されない。シャドウリングリフトプレート312、および/またはリフトピンハウジング306のうちの1つまたは複数は、処理位置にある間、リフトフープ168に接触しており、その結果、シャドウリングリフトプレート312およびシャドウリングリフトピン302は上昇位置にある。上昇位置にある間、シャドウリングリフトプレート312および1つまたは複数のシャドウリングリフトアーム304は、チャンバベース114の下壁316から離隔される。
【0055】
図4Cに示されるように、シャドウリング135と基板リフトピン167の両方は、堆積位置にあるように示されており、その結果、シャドウリング135は、堆積プロセス中基板130を保護するように構成される。シャドウリング135は、図4Bの処理位置よりも低い位置にあり、その結果、リフトフープ168およびリフトピンハウジング306は下降されている。基板リフトピン167は、図4Bの処理位置と同じように、基板支持体122から自由にぶら下がっている。基板リフトピン167は、シャドウリング135が処理位置から堆積位置まで下降されている間、またはシャドウリング135が堆積位置から処理位置まで上昇されている間、移動しない。
【0056】
堆積位置にある間、シャドウリングリフトピン302は、依然として、シャドウリング135の底部に接触していてもよく、またはシャドウリングリフトピン302は、シャドウリング135から離隔されていてもよい。下降位置にある間、図4Bに関して説明した第2の高さH2は、約1mm未満、例えば約0.5mm未満など、例えば約0.3mm未満など、例えば約0.2mm~約0.3mmなどに減少する。いくつかの実施形態では、シャドウリングリフトプレート312および/またはシャドウリングリフトアーム304は、チャンバベース114の下壁316の上に配置され、それに接触する。チャンバベース114の下壁316に接触することにより、シャドウリングリフトプレート312はリフトフープ168から係脱することができる。
【0057】
シャドウリングリフトプレート312、リフトフープ168、およびリフトピンベース310の各々の位置づけは、基板リフトピン167およびシャドウリングリフトピン302の各々の長さ、ならびに基板130への処理および堆積の間の所望の第2の距離D2に対して調節され得る。
【0058】
図5A図5Bは、第1のプロセスおよび第2のプロセスを受けた後の基板の直径にわたるライン走査測定値のグラフである。ライン走査測定は、図8A図8Dおよび図9A図9Cで説明するものと同様の核形成工程、処理工程、およびバルク堆積の後のタングステン(W)膜厚を測定する。図5Aは、第1のプロセス方策を使用して第1のプロセスを受けた後の基板の直径にわたるライン走査測定値を示す。図5Bは、第2のプロセス方策を使用して第2のプロセスを受けた後の基板の直径にわたるライン走査測定値を示す。第1のプロセスおよび第2のプロセスは、基板上に核形成層を作り出す核形成工程と、基板のトレンチ内に勾配を形成するための処理工程と、ボトムアップ充填プロセスで材料をトレンチ内に堆積させるバルク堆積工程とを含む。本明細書に示されるライン走査測定は、バルク堆積工程の後にタングステン(W)膜厚を測定する。第1のプロセスおよび第2のプロセスは、核形成および基板処理の間異なる前駆体濃度および流量を使用する。第1のプロセスおよび第2のプロセスの各々を使用して、3つの異なるテストが実行された。本明細書に記載のラジカル処理工程は、図8A図8Dの方法800、825、850、および875で説明されるような差異的抑制プロセスを含むことができる。第1のテストは、ラジカルの処理工程中シャドウリング135の使用なし(NCSRなし)に行われた。第2のテストは、図1Aまたは図4Cの位置などにおけるラジカルの処理工程中、基板130に隣接して配置されたシャドウリング135を使用して(NCSRありで)行われた。第3のテストは、ラジカルの処理工程中、基板130からシャドウリング135を約250milだけ離隔するためのシャドウリングスペーサ150またはシャドウリングリフトピン302などのスペーサ(250ミルNCSRスペーサ)を使用して行われた。
【0059】
図示のように、第1のプロセスと第2のプロセスの両方において、シャドウリング135を使用しない場合、またはシャドウリングスペーサ150(もしくはシャドウリングリフトピン302)をもつシャドウリング135を使用する場合のタングステン(W)膜厚は、シャドウリング135がラジカルの処理工程中基板130に隣接して配置されている場合よりも基板のエッジの近くで均一である。
【0060】
図6A図6Bは、それぞれ、基板の外側10mmでの図5A図5Bのライン走査測定値のグラフを示す。図6A図6Bで分かるように、基板のエッジの近くの窒素濃度は、シャドウリングなしで、または基板から離隔されたシャドウリングで実行されたテストではより均一である。これは、第1のプロセス(図6A)において特に優勢であり、基板に隣接するシャドウリングを使用するプロセス(NCSRあり)は、基板のエッジの近くで窒素濃度の急激な増加を示している。
【0061】
図7A図7Cは、窒素処理工程中、シャドウリングの場所を交替するか、またはシャドウリングをすべて取り除きながらの膜内の窒素飽和の後の基板にわたる膜厚低減のグラフを示す。図7Aは、シャドウリングスペーサ150またはシャドウリングリフトピン302などのシャドウリングスペーサを使用したときの基板上の異なる場所の膜厚減少を示す。それゆえに、シャドウリングは、シャドウリングスペーサまたはシャドウリングリフトピンがない場合よりも基板からさらに離隔される。各テストを実行した後に、4つの異なる領域内の基板の膜厚減少が測定されている。4つの領域は、中心領域(基板の中央領域)、ゾーン1(中心領域の半径方向外側の環状領域)、ゾーン2(ゾーン1の半径方向外側の環状領域)、およびエッジ(ゾーン2の半径方向外側の環状領域)である。膜厚減少は、第1の方策(R1)、第2の方策(R2)、第3の方策(R3)、第4の方策(R4)、および第5の方策(R5)などの異なるプロセス方策を使用した膜処理工程を実行した後に決定された。図7Aに示されるように、基板のエッジの近くの膜厚減少は、R1、R2、R3、R4、およびR5のすべてにおいて、中心、ゾーン1、またはゾーン2の濃度よりも著しく小さい。
【0062】
図7Bは、異なるプロセス方策を使用した場合の基板上の異なる場所における膜厚減少を同様に示すが、シャドウリングは、膜の窒素処理の間利用されていない。図7Aと同様のプロセス方策およびゾーン分布が利用され、唯一の違いは、基板のエッジのまわりからシャドウリングが取り除かれていることである。図7Bに示されるように、シャドウリングを取り除くことにより、エッジと、中心、ゾーン1、およびゾーン2の各々との間の膜厚減少の差が減少している。この結果は、利用されたプロセス方策(R1、R2、R3、R4、およびR5)にかかわらず見られる。
【0063】
図7Cは、シャドウリングが基板に隣接して利用される場合の膜厚減少を示す。図7Cに示される結果は、基板の異なる部分における膜厚減少の間の差を比較するためのベースラインとして使用することができる。図7Aおよび図7Bと同じプロセス方策のうちのいくつか(R1、R3、およびR5)が利用され、第6の方策(R6)が追加されている。図7Cに示されるように、シャドウリングが、基板に隣接して、スペーサなしで利用される場合、異なる領域(中心、ゾーン1、ゾーン2、エッジ)を通しての膜厚減少は、スペーサが利用されるか、またはシャドウリングが完全に取り除かれる場合よりも均一ではない。
【0064】
図7A図7Cの各々は、膜厚減少軸に沿った同じスケーリングを含む。図示のように、シャドウリングなしおよびシャドウリングスペーサありで実行されたテストは、基板の内部領域(中央領域、ゾーン1、およびゾーン2)の近くの膜厚減少と比べて、基板のエッジの近くでより均一な膜厚減少を有する。
【0065】
図8Aは、処理システム100cを使用して実行することができる、一実施形態による、基板を処理する方法800を示す図である、図9A図9Cは、ボイドフリーおよびシームフリータングステン間隙充填プロセスの異なる段階における方法800の態様を示す基板900の一部の概略断面図である。
【0066】
アクティビティ801において、方法800は、基板を処理チャンバ102の処理容積部115に受け入れることを含む。基板は、1つまたは複数の移送デバイスまたはロボット(図示せず)によって処理容積部115に移動され得る。アクティビティ802において、方法800は、シャドウリングおよび複数の基板リフトピンを基板の上面に対して下降させることを含む。シャドウリングおよび複数の基板リフトピンは、移送位置(図4Aの移送位置と同様の)から堆積位置(図4Cの堆積位置と同様の)まで下降される。堆積位置にある間、シャドウリングは、基板900の上面に隣接しており、その結果、シャドウリングの底面は、基板900の上面からの第1の間隔にある。第1の間隔は、基板900の上面から約1mm未満、例えば約0.5mm未満など、例えば約0.3mm未満など、例えば約0.2mm~約0.3mである。第1の間隔はまた、堆積間隔と呼ばれることもある。シャドウリングは、アクティビティ803において形成されるような核形成層904を制御するのを支援することができる。
【0067】
シャドウリングおよび複数の基板リフトピンを基板の上面に対して下降させることは、基板が配置される基板支持体アセンブリ120などの基板支持体アセンブリを移動させることを含むことができる。いくつかの実施形態では、シャドウリングおよび複数の基板リフトピンは所定の位置に留まりながら、基板支持体アセンブリはシャワーヘッドの方に垂直上方に移動される。いくつかの実施形態では、シャドウリングおよび複数の基板リフトピンは、アクティビティ802の間に全体として垂直上方向に移動するが、基板900の上面および基板支持体アセンブリ120に対して垂直下方向に移動する。
【0068】
アクティビティ803において、方法800は、核生成プロセスを使用して、基板上に核形成層904を形成することを含む。核形成層904が上に形成された例示的な基板900の一部が、図9Aに概略的に示される。
【0069】
ここで、基板900は、そこに形成された複数の開口部905(1つが示されている)を有する誘電体材料層902を含むパターン化表面901を特徴とする。いくつかの実施形態では、複数の開口部905は、約1μm以下、例えば、約800nm以下または約500nm以下などの幅と、約2μm以上、例えば、約3μm以上または約4μm以上などの深さとを有する高アスペクト比のビアまたはトレンチ開口部のうちの1つまたは組合せを含む。いくつかの実施形態では、開口部905の個々のものは、約5:1以上、例えば、約10:1以上、約15:1以上など、または約10:1と約40:1との間、例えば、約15:1と約40:1との間などのアスペクト比(深さ対幅の比)を有することができる。図示のように、パターン化表面901は、開口部905を共形にライニングし、タングステン核形成層904の後続の堆積を容易にするために誘電体材料層902上に堆積されたバリアまたは接着層903(例えば、窒化チタン(TiN)層)を含む。いくつかの実施形態では、接着層903は、約2オングストローム(Å)と約100Åとの間の厚さに堆積される。
【0070】
いくつかの実施形態では、方法800は、基板を処理チャンバ202に受け入れる前に、マルチチャンバ処理システムの第2の処理チャンバを使用して接着層903を堆積させることを含む。いくつかの実施形態では、方法800は、同じ処理チャンバ102内で接着層903および核形成層904を順次堆積させることを含む。いくつかの実施形態では、接着層903は、その上への後続のバルクタングステン堆積を可能にする核形成層として機能する。接着層903が核形成層として機能する実施形態では、方法800は、アクティビティ803を含まなくてもよい。
【0071】
いくつかの実施形態では、核形成層904は、原子層堆積(ALD)プロセスを使用して堆積される。一般に、ALDプロセスは、交互に、基板900をタングステン含有前駆体に曝露することおよび基板900を還元剤に曝露することと、交互の曝露間に処理領域121をパージすることとのサイクルを繰り返すことを含む。適切なタングステン含有前駆体の例は、タングステンヘキサフルオリド(WF6)、タングステンヘキサクロライド(WCl6)、またはそれらの組合せなどのタングステンハライドを含む。適切な還元剤の例は、水素ガス(H2)、ボラン、例えばB26、およびシラン、例えばSiH4、Si26、またはそれら組合せを含む。いくつかの実施形態では、タングステン含有前駆体はWF6を含み、還元剤は、B26、SiH4、またはそれらの組合せを含む。いくつかの実施形態では、タングステン含有前駆体は、有機金属前駆体、および/またはフッ素フリー前駆体、例えば、MDNOW(メチルシクロペンタジエニル-ジカルボニルニトロシル-タングステン)、EDNOW(エチルシクロペンタジエニル-ジカルボニルニトロシル-タングステン)、タングステンヘキサカルボニル(W(CO)6)、またはそれらの組合せを含む。
【0072】
核生成プロセスの間、処理容積部115は、一般に、約120Torr未満の圧力、例えば、約900mTorrと約120Torrとの間、約1Torrと約100Torrとの間、または例えば約1Torrと約50Torrとの間などの圧力に維持される。基板900をタングステン含有前駆体に曝露することは、堆積ガス源140から処理領域121にタングステン含有前駆体を、約10sccm超、例えば、約10sccmと約1000sccmとの間、例えば約10sccmと約750sccmとの間、または約10sccmと約500sccmとの間など、などの流量で流すことを含む。基板900を還元剤に曝露することは、堆積ガス源140から処理領域121に還元剤を、約10sccmと約1000sccmとの間、例えば約10sccmと約750sccmとの間などの流量で流すことを含む。本明細書に記載の様々な堆積および処理プロセスの流量は、300mm直径の基板を処理するように構成された処理システム100c向けであることに留意されたい。適切なスケーリングが、異なるサイズの基板を処理するように構成された処理システムに使用されてもよい。
【0073】
ここで、タングステン含有前駆体および還元剤は、各々、処理領域121に、約0.1秒と約10秒との間、例えば、約0.5秒と約5秒との間などの期間流される。処理領域121は、処理領域121内にアルゴン(Ar)などの不活性パージガスを、約0.1秒と約10秒との間、例えば、約0.5秒と約5秒との間などの期間流すことによって、交互の曝露の間にパージすることができる。パージガスは、堆積ガス源140またはバイパスガス源138から供給することができる。一般に、核生成プロセスのサイクルの繰り返しは、核形成層904が、約10Åと約200Åとの間、例えば、約10Åと約150Åとの間、または約20Åと約150Åとの間などの厚さを有するまで続く。アクティビティ803の間基板900に隣接するシャドウリングが存在すると、基板900のベベルエッジの近くの堆積速度が低減する。
【0074】
アクティビティ804において、方法800は、シャドウリングを堆積位置(図4Cの堆積位置と同様の)から処理位置(図4Bの処理位置と同様の)まで上昇させることを含む。処理位置は、基板リフトピンが下降位置にあり、一方、シャドウリングが基板900に対して上昇位置にあることを含む。シャドウリングの位置づけは、所望に応じてより高くまたはより低くなるように調節されてもよい。シャドウリングは、アクティビティ805の前に上昇される。シャドウリングを上昇させることは、リフトフープを垂直上方向に作動させることと、シャドウリングリフトピンを使用してシャドウリングを上昇させることとを含む。シャドウリングが堆積位置と処理位置との間で作動されている間、基板リフトピンは所定の位置に留まることができる。それゆえに、基板は、処理工程中、基板支持体122の上に留まり、基板支持体122に接触している。シャドウリングの上昇の間、基板支持体は、静止したままであり、シャドウリングと基板支持体の上面との間の全体的な距離を増加させることができる。本明細書に記載の実施形態では、シャドウリングの底部と基板の上面との間の距離は、約0.5mm~約11mm、例えば約1mm~約11mmなど、例えば約5mm~約10mmなど、例えば約6mm~約6.5mmなど、例えば約6.35mmなどの第2の高さH2である。いくつかの実施形態では、第2の高さH2は、処理間隔として定義される。シャドウリングを上昇させることにより、アクティビティ805の間に実行される処理の均一性が改善されることが示されている。本明細書に記載の実施形態では、シャドウリングの上昇は、約9mm~約15mm、例えば約10mm~約14mmなど、例えば約11mm~約13mmなどである。
【0075】
アクティビティ805において、方法800は、基板900のフィールド表面へのタングステン堆積を抑制するために、および差異的抑制プロセスを使用することによって複数の開口部905内に差異的抑制プロファイルを形成するために、核形成層904を処理することを含む。一般に、差異的抑制プロファイルを形成することは、処理ガスの活性化核種、例えば、図9Bに示される処理ラジカル906に核形成層904を曝露することを含む。抑制プロセスに使用することができる適切な処理ガスは、N2、H2、NH3、NH4、O2、CH4、またはそれらの組合せを含む。いくつかの実施形態では、処理ガスは、N2などの窒素、H2、NH3、NH4、またはそれらの組合せなどを含み、活性化核種は、窒素ラジカル、例えば、原子窒素を含む。いくつかの実施形態では、処理ガスは、処理混合ガスを形成するために、Ar、He、またはそれらの組合せなどの不活性キャリアガスと組み合わされる。
【0076】
理論に束縛されるものではないが、活性化窒素核種(処理ラジカル906)は、活性化窒素核種の吸着によって、および/または核形成層904の金属タングステンとの反応によって、核形成層904の一部に組み込まれて、窒化タングステン(WN)表面が形成されると考えられる。タングステン核形成層904の吸着窒素および/または窒化表面は、望ましくは、さらなるタングステン核形成、それゆえに、その上への後続のタングステン堆積を遅らせる(抑制する)。
【0077】
一般に、複数の開口部905への処理ラジカル906の拡散は、特徴部の開口部905内に所望の抑制勾配をもたらすように制御される。ここで、処理ラジカル906の拡散は、パターン化表面901のフィールドからの距離の増加とともに開口部905の壁におけるタングステン成長抑制効果が減少するように制御される(図9B図9C)。その結果として、タングステン核形成は、特徴部の底部またはその近くの場所でより容易に確立され、確立された後、開口部905内のタングステン成長(間隙充填材料908の堆積)が、核形成の点から(例えば、開口部905の底部の抑制のないまたは抑制の低い領域から)から加速して、ボトムアップシームレスタングステン間隙充填が可能になる。抑制の高い領域から抑制のないまたは抑制の低い領域への抑制勾配の方向が、矢印917によって示される(図9C)。開口部905への処理ラジカル906の拡散は、一般に、開口部905のサイズおよびアスペクト比に少なくとも部分的に依存し、とりわけ、パターン化表面901における処理ラジカル906のエネルギー、フラックス、および実施形態によっては方向性を制御することによって調節することができる。
【0078】
いくつかの実施形態では、核形成層904を処理ラジカル906に曝露することは、第1のラジカル発生器106Aを使用して実質的にハロゲンフリー処理混合ガスの処理プラズマを形成することと、処理プラズマの放出物を処理領域121に流すこととを含む。いくつかの実施形態では、第1のラジカル発生器106Aへの処理混合ガスの流量、したがって、処理領域121への処理プラズマ放出物の流量は、約1sccmと約3000sccmとの間、例えば、約1sccmと約2500sccmとの間、約1sccmと約2000sccmとの間、約1sccmと約1000sccmとの間、約1sccmと約500sccmとの間、約1sccmと約250sccmとの間、約1sccmと約100sccmとの間、または約1sccmと約75sccmとの間など、例えば、約1sccmと約50sccmとの間である。
【0079】
いくつかの実施形態では、処理混合ガス中の実質的にハロゲンフリーの処理ガスの濃度は、約0.5体積%と約50体積%との間、例えば、約0.5体積%と約40体積%との間、約0.5体積%と約30体積%との間、約0.5体積%と約20体積%との間など、または例えば約0.5体積%と約10体積%との間、例えば、約0.5体積%と約5体積%との間などである。
【0080】
いくつかの実施形態では、例えば、実質的にハロゲンフリー処理ガスがN2、NH3、および/またはNH4を含む場合、第1のラジカル発生器106Aは、300mm直径の基板の抑制処理プロセスの間、約0.02mgと約150mgとの間、例えば、約0.02mgと約150mgとの間、または約0.02mgと約100mgとの間、または約0.1mgと約100mgとの間、または約0.1mgと約100mgとの間、または約1mgと約100mgとの間などの原子窒素を活性化させるために使用することができる。いくつかの実施形態では、第1のラジカル発生器106Aは、300mm直径の基板の抑制処理プロセスの間、約0.02mg以上、例えば、約0.2mg以上、約0.4mg以上、約0.6mg以上、約0.8mg以上、約1mg以上、約1.2mg以上、約1.4mg以上、約1.6mg以上、約1.8mg以上、約2mg以上、約2.2mg以上、約2.4mg以上、約2.6mg以上、約2.8mg、または約3mg以上などの原子窒素を活性化させるために使用することができる。適切なスケーリングが、異なるサイズの基板を処理するように構成された処理システムに使用されてもよい。
【0081】
他の実施形態では、処理ラジカル906は、シャワーヘッド118によって処理領域121から分離された処理容積部115の一部、例えば、シャワーヘッド118とリッドプレート116の間などにおいて点火および維持される遠隔プラズマ(図示せず)を使用して形成することができる。それらの実施形態では、活性化処理ガスは、それから実質的にすべてのイオンを取り除くために、処理ラジカル906が処理領域121および基板900の表面に達する前にイオンフィルタを通して流すことができる。いくつかの実施形態では、シャワーヘッド118は、イオンフィルタとして使用されてもよい。他の実施形態では、処理ラジカルを形成するために使用されるプラズマは、シャワーヘッド118と基板900との間の処理領域121に形成されたインシトゥプラズマである。いくつかの実施形態では、例えば、インシトゥ処理プラズマを使用する場合、基板900にバイアスをかけて、処理ガスから形成されたイオン、例えば帯電した処理ラジカルを、基板表面に向けて、方向性を制御し、および/またはそれを加速することができる。
【0082】
アクティビティ805の差異的抑制プロセスの後、シャドウリング135は、図4Cに示された位置と同様の堆積位置まで下降される。シャドウリング135は、アクティビティ806の間に堆積位置まで下降される。シャドウリング135は、リフトフープ168を下降させることによって下降される。リフトピンは、基板支持体122に対して所定の位置に留まり、基板支持体122から自由にぶら下がることができる。堆積位置にある間、シャドウリングは、基板900の上面に隣接しており、その結果、シャドウリングの底面は、基板900の上面からの第1の間隔にある。第1の間隔は、基板900の上面から約1mm未満、例えば約0.5mm未満など、例えば約0.3mm未満など、例えば約0.2mm~約0.3mmなどである。シャドウリングは、アクティビティ807の間の基板900のベベルエッジへの間隙充填材料908の堆積を制御するのを支援することができる。
【0083】
アクティビティ807において、方法300は、アクティビティ805における抑制処理によって設けられた差異的抑制プロファイルに従って複数の開口部905内にタングステン間隙充填材料908を選択的に堆積させる(図9C)ことを含む。1つの実施形態では、タングステン間隙充填材料908は、タングステン含有前駆体ガスおよび還元剤を処理領域121に同時に流す(並行に流す)ことと、それに基板900を曝露することとを含む低応力化学気相堆積(CVD)プロセスを使用して形成される。タングステン間隙充填CVDプロセスで使用されるタングステン含有前駆体および還元剤は、アクティビティ803において記載されたタングステン含有前駆体と還元剤の任意の組合せを含むことができる。いくつかの実施形態では、タングステン含有前駆体はWF6を含み、還元剤はH2、B26、SiH4またはそれらの組合せを含む。
【0084】
ここで、タングステン含有前駆体は、約50sccmと約1000sccmとの間、または約50sccm超、または約1000Torr未満、または約100sccmと約900sccmとの間のレートで処理領域121に流される。還元剤は、約500sccm超、例えば、約750sccm超、約1000sccm超など、または約500sccmと約10000sccmとの間、例えば、約1000sccmと約9000sccmとの間、または約1000sccmと約8000sccmとの間などのレートで処理領域121に流される。
【0085】
いくつかの実施形態では、タングステン間隙充填CVDプロセス条件は、従来のタングステンCVDプロセスと比較して、相対的に低い残留膜応力を有するタングステン特徴部を提供するように選択される。例えば、いくつかの実施形態では、タングステン間隙充填CVDプロセスは、基板を、約250℃以上、例えば、約300℃以上など、または約250℃と約600℃との間、または約300℃と約500℃との間の温度に加熱することを含む。CVDプロセスの間、処理領域121は、一般に、約500Torr未満、約600Torr未満、約500Torr未満、約400Torr未満、または約1Torrと約500Torrとの間、例えば、約1Torrと約450Torrとの間、または約1Torrと約400Torrとの間など、または例えば、約1Torrと約300Torrとの間の圧力に維持される。
【0086】
別の実施形態では、タングステン間隙充填材料908は、アクティビティ807において、原子層堆積(ALD)プロセスを使用して堆積される。タングステン間隙充填ALDプロセスは、基板900をタングステン含有前駆体ガスと還元剤に交互に曝露することと、交互の曝露の間に処理領域121をパージすることとのサイクルを繰り返すことを含む。タングステン間隙充填ALDプロセスで使用されるタングステン含有前駆体および還元剤は、アクティビティ803において記載されたタングステン含有前駆体と還元剤の任意の組合せを含むことができる。いくつかの実施形態では、タングステン含有前駆体はWF6を含み、還元剤はH2を含む。
【0087】
ここで、タングステン含有前駆体および還元剤は、各々、約0.1秒と約10秒との間、例えば約0.5秒と約5秒との間などの期間処理領域121に流される。処理領域121は、一般に、交互の曝露の間に、約0.1秒と約10秒との間、例えば約0.5秒と約5秒との間などの期間、アルゴン(Ar)などの不活性パージガスを処理領域121に流すことによってパージされる。
【0088】
基板900をタングステン含有前駆体に曝露することは、堆積ガス源140から処理領域121にタングステン含有前駆体を、約10sccmと約1000sccmとの間、例えば、約100sccmと約1000sccmとの間、約200sccmと約1000sccmとの間、約400sccmと約1000sccmとの間、または約500sccmと約900sccmとの間などの流量で流すことを含むことができる。基板900を還元剤に曝露することは、堆積ガス源140から処理領域121に還元剤を、約500sccmと約10000sccmの間、例えば、約500sccmと約8000sccmとの間、約500sccmと約5000sccmとの間、または約1000sccmと約4000sccmとの間などの流量で流すことを含むことができる。
【0089】
いくつかの実施形態では、タングステン間隙充填ALDプロセスは、基板を、約250℃以上、例えば、約300℃以上など、または約250℃と約600℃との間、または約300℃と約500℃との間の温度に加熱することを含む。いくつかの実施形態では、ALDプロセスは、処理領域121を、約150Torr未満、約100Torr未満、約50Torr未満、例えば約30Torr未満、または約0.5Torrと約50Torrとの間、例えば約1Torrと約20Torrとの間などの圧力に維持することを含む。
【0090】
他の実施形態では、タングステン間隙充填材料908は、処理領域121をパージすることなく、基板900をタングステン含有前駆体ガスと還元剤に交互に曝露するサイクルを繰り返すことを含むパルスCVD法を使用して堆積される。タングステン間隙充填パルスCVD法の処理条件は、タングステン間隙充填ALDプロセスについて上述したものと同じ、実質的に同じ、または同じ範囲内とすることができる。
【0091】
アクティビティ808において、方法800は、シャドウリングと基板リフトピンの両方を基板の上面に対して上昇させることを含む。アクティビティ808中に、シャドウリングおよび基板リフトピンは、図4Aの移送位置などの移送位置まで上昇させることができる。基板および基板支持体はまた、基板支持体に対するシャドウリングおよび基板リフトピンの上昇と同時に、前に、または後に図4Aの移送位置まで下降させることができる。アクティビティ808は、アクティビティ807の堆積プロセスの後に実行される。シャドウリングおよび基板リフトピンは、処理位置(図4B)または下降位置(図4C)のいずれかから移送位置まで持ち上げられ得る。本明細書で説明するように、シャドウリングおよび基板リフトピンは、リフトフープ168などのリフトフープがリフトピンベース310などの基板リフトピンの各々のベースに接触しているように位置づけられる。リフトフープを作動することにより、基板支持体とシャドウリングがさらに離隔され、その結果、シャドウリングは、基板支持体の上面から離隔される。基板リフトピンは、基板リフトピンの各々の上部が基板支持体の上面より上に配置され、基板900が基板支持体の上面から離隔されるように作動される。基板支持体から基板900を離隔することにより、続いて、シャドウリングと基板支持体との間に形成された開口部を通して、基板900をプロセスチャンバの処理領域から取り出すことが可能になる。
【0092】
いくつかの実施形態では、基板支持体は、アクティビティ808中に垂直下方に作動され、その結果、基板支持体の上面は、プロセスチャンバの側壁内の開口部314などの開口部と位置合せされるか、または開口部の下に位置合せされる。基板支持体が垂直下方に作動される場合、リフトピンおよびシャドウリングは、移動されることなく基板の上面に対して上昇され得る。いくつかの実施形態では、リフトピンおよびシャドウリングは、シャワーヘッドから離れるように垂直下方に作動されるが、基板支持体は、より大きい量だけ、またはより大きい全体速度で下方に移動する。それゆえに、リフトピンとシャドウリングの両方が下方に作動されている場合でさえ、リフトピンおよびシャドウリングは、基板支持体の上面から離れるように作動され得る。いくつかの実施形態では、シャドウリングおよびリフトピンは、所定の位置に留まることができ、一方、基板支持体は、リフトピンが上部部分を基板支持体の基板支持面より上に配置されるように位置づけられるまで下方に移動する。
【0093】
図8Bは、処理システム100cを使用して実行することができる、一実施形態による、基板を処理する方法825を示す図である。図9A図9Cは、ボイドフリーおよびシームフリータングステン間隙充填プロセスの異なる段階での方法825の態様を示す基板900の一部の概略断面図である。方法825は、図8Aの方法800と類似しているが、アクティビティ802およびアクティビティ804が省略され、一方、アクティビティ809が追加されている。アクティビティ809はアクティビティ802に取って代わる。アクティビティ809は、基板がアクティビティ801の間に処理容積部内に受け取られた後、およびアクティビティ803の核生成プロセスを実行する前に実行される。
【0094】
アクティビティ809は、シャドウリングを処理位置まで上昇させることと、複数の基板リフトピンを基板の上面に対して下降させることとを含む。複数の基板リフトピンは、移送位置(図4Aの移送位置と同様の)から処理位置(図4Bの堆積位置と同様の)まで下降される。処理位置にある間、シャドウリングは、基板900の上面/基板支持体の上面から第2の高さH2にあり、その結果、シャドウリングの底面は、基板900の上面/基板支持体の上面から第1の間隔にある。第2の高さは、基板900の上面または基板支持体の上面から約12mm未満、例えば約2mm~約11mmなど、例えば約2mm~約10mmなどである。
【0095】
シャドウリングは、アクティビティ805の差異的抑制工程中の窒素処理の改善を可能にするために、基板900の上面から離隔される。アクティビティ803で形成される核形成層904の厚さが小さいために、核形成層904は、シャドウリングが基板の上面から離隔されているか、または基板の上面に隣接して配置されているかどうかにかかわらず、依然として比較的均一であることが示されている。それゆえに、シャドウリングの位置は、いくつかの実施形態では、アクティビティ803の核生成プロセスとアクティビティ804の差異的抑制プロセスとの間一定に保持される。アクティビティ803とアクティビティ804との間でシャドウリングを一定の位置に保持することにより、全体的なプロセス時間を短縮することができる。
【0096】
基板の上面に対するシャドウリングの上昇および複数の基板リフトピンの下降は、基板が配置される基板支持体アセンブリ120などの基板支持体アセンブリを移動させることを含むことができる。いくつかの実施形態では、基板支持体アセンブリは、シャワーヘッドの方に垂直上方に移動されるが、シャドウリングおよび複数の基板リフトピンは、所定の位置に留まる。いくつかの実施形態では、シャドウリングおよび複数の基板リフトピンは、アクティビティ802の間に全体的に垂直上方向に移動するが、基板900の上面および基板支持体アセンブリ120に対して垂直下方向に移動する。
【0097】
図8Cは、図1Aの処理システム100aおよび図1Bの処理システム100bを使用して実行される、一実施形態による、基板を処理する方法850を示す別の図である。図9A図9Cは、ボイドフリーおよびシームフリータングステン間隙充填プロセス方式の異なる段階での方法850の態様を示す基板900の一部の概略断面図として利用することもできる。
【0098】
アクティビティ851において、基板900は、第1の処理システムの第1の処理チャンバ、例えば処理チャンバ102などに位置づけられる。第1の処理システムは、図1Bの処理システム100bとすることができる。第1の処理システムは、処理チャンバ内に配置されたシャドウリングと、シャドウリングを基板900からさらに離隔するためのシャドウリングスペーサ150などのスペーサとを含む。基板900は、ロボットなどの1つまたは複数の移送デバイスによって第1の処理チャンバ内に配置することができる。基板900が、基板支持体122などの基板支持体の基板支持面に配置されると、基板支持体122は、処理位置まで上方に作動され得る。処理位置は、図1Bに示されたものと同様である。シャドウリングは、スペーサを使用して第1の環状ライナ127から離隔される。スペーサはまた、基板とシャドウリングの底面との間に間隙を与える。スペーサは、核生成プロセスおよび差異的抑制プロセス(処理プロセス)ならびにバルク堆積プロセスのために、基板とシャワーヘッドとの間の距離を同じに維持しながら、シャドウリングと基板との間の距離を増加させることができる。いくつかの実施形態では、第2の処理チャンバは、シャドウリングスペーサ150およびシャドウリング135のいずれも含まない。
【0099】
アクティビティ851の後、核生成プロセスが、アクティビティ852の間に基板900に実行される。アクティビティ852は、図8Aの方法800のアクティビティ803の間に実行される核生成プロセスと同様である。核生成プロセスは、第1の処理チャンバにおいて、基板支持体が上昇位置にあり、シャドウリングが基板の上面から離隔されるような処理位置で実行される。
【0100】
アクティビティ852の後、差異的抑制プロセスが、アクティビティ853の間に基板900に実行される。差異的抑制プロセスは、処理工程であり、図8Aの方法800のアクティビティ805の差異的抑制プロセスと同様である。差異的抑制プロセスは、第1の処理チャンバにおいて、処理位置で実行され、その結果、基板支持体は、アクティビティ852の上昇位置にある。
【0101】
いくつかの実施形態では、シャドウリングおよびスペーサは、アクティビティ852の核生成プロセスまたはアクティビティ853の差異的抑制プロセス中存在せず、その結果、第1の処理チャンバは、シャドウリングおよびスペーサを含まない。これらの実施形態では、基板900と、シャワーヘッド118などのシャワーヘッドまたはプレートスタックの別の部分との間の容積は、いかなる他のチャンバ部品も含まず、シャワーヘッドは、基板900の各々の部分への直線的な見通し線を有する。
【0102】
アクティビティ853の差異的抑制プロセスの後、基板900は、アクティビティ854の間に第2の処理システムの処理チャンバ102などの第2の処理チャンバに移送される。第2の処理システムは、図1Aの処理システム100aと同様である。基板900は、ロボットなどの移送デバイスを使用して、第1の処理チャンバと第2の処理チャンバとの間を移動される。いくつかの実施形態では、基板900は、第1の処理チャンバと第2の処理チャンバとの間を通過する間に移送チャンバを通して移動されてもよい。第2の処理システムはスペーサを含まない。スペーサがないことにより、アクティビティ852および853の処理プロセスならびにアクティビティ855の堆積プロセスの両方に対して、基板とシャワーヘッドとの間の距離を同じに維持しながら、シャドウリングと基板との間の距離を減少させることができる。
【0103】
基板900がアクティビティ854の間に第2の処理チャンバに移送された後、アクティビティ855の間に堆積プロセスが基板に実行される。堆積プロセスは、バルク堆積プロセスであり、図8Aの堆積プロセス807と同様とすることができる。アクティビティ855の堆積プロセスは、基板900のベベルエッジの近くの堆積速度を低減するために、第2の処理チャンバにおいて実行される。第2の処理チャンバは、基板900の上面とシャドウリングの底面との間の距離が、アクティビティ852および853の間の距離と比べて、アクティビティ855の間減少するように構成される。
【0104】
アクティビティ855の堆積プロセスとは別のチャンバでアクティビティ852および853の処理プロセスを実行することにより、処理チャンバまたはプロセスパラメータを再構成することなく、シャドウリングの間隔を2つのプロセス間で変更することができる。
【0105】
図8Dは、図1A図1Bの処理システム100aおよび100bを使用して実行される、一実施形態による、基板を処理する方法875を示す別の図である。図9A図9Cは、ボイドフリーおよびシームフリータングステン間隙充填プロセス方式の異なる段階での方法875の態様を示す基板900の一部の概略断面図として利用することもできる。
【0106】
アクティビティ856において、基板900は、第1の処理システムの第1の処理チャンバ、例えば処理チャンバ102などに位置づけられる。第1の処理システムは、図1Aの処理システム100aとすることができる。第1の処理システムは、処理チャンバ内に配置されたシャドウリングを含むが、基板900からシャドウリングをさらに離隔するためのスペーサを含まない。基板900は、ロボットなどの1つまたは複数の移送デバイスによって第1の処理チャンバ内に配置することができる。基板900が、基板支持体122などの基板支持体の基板支持面に配置されると、基板支持体122は、処理位置まで上方に作動され得る。処理位置は、図1Aに示されたものと同様である。
【0107】
アクティビティ856の後、核生成プロセスが、アクティビティ852の間に基板900に実行される。アクティビティ852は、図8Aの方法800のアクティビティ803の間に実行される核生成プロセスと同様である。核生成プロセスは、第1の処理チャンバで実行される。
【0108】
アクティビティ852の核生成プロセスの後、基板900は、アクティビティ857の間に第2の処理システムの第2の処理チャンバ、例えば処理チャンバ102などに移送される。第2の処理システムは、図1Bの処理システム100bと同様である。基板900は、ロボットなどの移送デバイスを使用して、第1の処理チャンバと第2の処理チャンバとの間を移動される。いくつかの実施形態では、基板900は、第1の処理チャンバと第2の処理チャンバとの間を通過する間に移送チャンバを通して移動されてもよい。第2の処理システムは、シャドウリングを第1の環状ライナ127から離隔するシャドウリングスペーサ150などのスペーサを含む。スペーサはまた、基板とシャドウリングの底面との間に間隙を与える。スペーサは、核生成プロセスと差異的抑制プロセス(処理プロセス)の両方のために、基板とシャワーヘッドとの間の距離を同じに維持しながら、シャドウリングと基板との間の距離を増加させることができる。いくつかの実施形態では、第2の処理チャンバは、シャドウリングスペーサ150およびシャドウリング135のいずれも含まない。
【0109】
アクティビティ857の後、差異的抑制プロセスが、アクティビティ853の間に基板900に実行される。差異的抑制プロセスは、処理工程であり、図8Aの方法800のアクティビティ805の差異的抑制プロセスと同様である。差異的抑制プロセスは、第2の処理チャンバにおいて、処理位置で実行され、その結果、基板支持体は、上昇位置にある。
【0110】
アクティビティ852の核生成プロセスおよびアクティビティ853の差異的抑制プロセスを別のチャンバで実行することにより、処理チャンバまたはプロセスパラメータを再構成することなく、シャドウリングの間隔を2つのプロセス間で変更することができる。
【0111】
いくつかの実施形態では、シャドウリングおよびスペーサは、アクティビティ853の差異的抑制プロセス中存在せず、その結果、第2の処理チャンバは、シャドウリングおよびスペーサを含まない。これらの実施形態では、基板900と、シャワーヘッド118などのシャワーヘッドまたはプレートスタックの別の部分との間の容積は、いかなる他のチャンバ部品も含まず、シャワーヘッドは、基板900の各々の部分への直線的な見通し線を有する。
【0112】
アクティビティ853の差異的抑制プロセスの後、基板900は、アクティビティ858の間に第3の処理システムの第3の処理チャンバ、例えば処理チャンバ102などに移送される。第3の処理システムは、図1Aの処理システム100aと同様である。基板900は、ロボットなどの移送デバイスを使用して、第2の処理チャンバと第3の処理チャンバとの間を移動される。いくつかの実施形態では、基板900は、第2の処理チャンバと第3の処理チャンバとの間を通過する間に移送チャンバを通して移動されてもよい。第3の処理システムはスペーサを含まない。スペーサがないことにより、アクティビティ852および853の処理プロセスならびにアクティビティ855の堆積プロセスの両方に対して、基板とシャワーヘッドとの間の距離を同じに維持しながら、シャドウリングと基板との間の距離を減少させることができる。いくつかの実施形態では、第3の処理システムは、第1の処理システムと同じであり、その結果、第1の処理システムおよび第2の処理システムのみが利用される。核形成工程とバルク堆積プロセス工程の両方の間の基板支持体が同じ温度であるように構成される場合、第3の処理システムは第1の処理システムと同じである。核形成工程およびバルク堆積工程中、基板支持体が異なる温度に保持されるように構成される実施形態では、3つの異なる処理システムが利用される。
【0113】
基板900がアクティビティ858の間に第3の処理チャンバに移送された後、堆積プロセスが、アクティビティ855の間に基板に実行される。堆積プロセスは、バルク堆積プロセスであり、図8Aの堆積プロセス807と同様とすることができる。アクティビティ855の堆積プロセスは、基板900のベベルエッジの近くの堆積速度を低減するために、第3の処理チャンバで実行される。第3の処理チャンバは、基板900の上面とシャドウリングの底面との間の距離が、アクティビティ855の間、アクティビティ853の間の距離と比べて減少するように構成される。
【0114】
本明細書に記載の装置および方法は、基板とシャドウリングとの間の距離を、異なるプロセス工程間で変更することができるようにする。本明細書で説明したように、堆積工程中基板とシャドウリングとの間の距離を減少させることは有益であるが、シャドウリングが基板に接近すると、後のプロセスアクティビティの間に不均一な処理が引き起こされる。処理は、核形成工程と差異的抑制工程の両方、または単に差異的抑制工程を含むことができる。本明細書に記載の実施形態では、基板へのシャドウリングの接近が、堆積工程と処理工程との間で変更されて、処理/差異的抑制工程中シャドウリングと基板との間の間隔が増加される。処理が核形成工程と差異的抑制工程の両方を含むプロセスでは、シャドウリングは、両方の工程中上昇位置とすることができる。処理が差異的抑制工程のみを含むプロセスでは、シャドウリングは、核形成工程中下降位置、差異的抑制工程中上昇位置、堆積工程中下降位置とすることができる。本明細書に記載の実施形態は、基板のベベルエッジへの膜堆積を低減しながら、処理結果を改善することが示されている。
【0115】
前述は本開示の実施形態を対象とするが、本開示の他のおよびさらなる実施形態が、本開示の基本範囲から逸脱することなく考案され得、本開示の範囲は、以下の特許請求の範囲によって決定される。
図1A
図1B
図2A
図2B
図3
図4A
図4B
図4C
図5A
図5B
図6A
図6B
図7A
図7B
図7C
図8A
図8B
図8C
図8D
図9A
図9B
図9C
【国際調査報告】