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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-05
(54)【発明の名称】除草性フェニルウラシル
(51)【国際特許分類】
   C07D 239/54 20060101AFI20240628BHJP
   A01P 13/00 20060101ALI20240628BHJP
   A01N 43/54 20060101ALI20240628BHJP
   C07D 401/12 20060101ALI20240628BHJP
   C07D 405/14 20060101ALI20240628BHJP
【FI】
C07D239/54
A01P13/00
A01N43/54 F
C07D401/12 CSP
C07D405/14
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2024501698
(86)(22)【出願日】2022-07-06
(85)【翻訳文提出日】2024-01-12
(86)【国際出願番号】 EP2022068674
(87)【国際公開番号】W WO2023285222
(87)【国際公開日】2023-01-19
(31)【優先権主張番号】21185972.3
(32)【優先日】2021-07-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】508020155
【氏名又は名称】ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】Carl-Bosch-Strasse 38, 67056 Ludwigshafen am Rhein, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】弁理士法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ザイザー,トビアス
(72)【発明者】
【氏名】ウィッチェル,マティアス
(72)【発明者】
【氏名】ペトコワ,デシスラヴァ スラヴチェヴァ
(72)【発明者】
【氏名】ベッツ,マイケル
(72)【発明者】
【氏名】ニュートン,トレヴァー ウィリアム
(72)【発明者】
【氏名】パラ ラパド,リリアナ
(72)【発明者】
【氏名】パボン ロメロ,リカルド フーゴ
【テーマコード(参考)】
4H011
【Fターム(参考)】
4H011AB01
4H011BA05
4H011BB09
4H011DA15
4H011DA16
(57)【要約】
本発明は、式(I)のフェニルウラシル、又はそれらの農業的に許容可能な塩若しくは誘導体(変数は本明細書に従って定義される)、それらを含む組成物、及び除草剤としてのそれらの使用、すなわち有害な植物を防除するための使用、さらに、式(I)の少なくとも1つのフェニルウラシルの除草有効量を植物、それらの種子及び/又はそれらの生息地に作用させることを含む、望ましくない植生を防除するための方法に関する。
【化1】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
それらの農業的に許容可能な塩、アミド、エステル又はチオエステルを含む、式(I)
【化1】
(式中、置換基は、以下の意味を有する:
は、CHであり;
は、水素、ハロゲン、C~C-アルキル、C~C-ハロアルキル、C~C-アルコキシ、C~C-ハロアルコキシであり;
は、水素、ハロゲン、C~C-アルキル、C~C-ハロアルキル、C~C-アルコキシ、C~C-ハロアルコキシであり;
は、H又はハロゲンであり;
は、ハロゲン、CN、NH、NOであり;
は、H、ハロゲン、C~C-アルキル、C~C-アルコキシであり;
は、H、C~C-アルキル、C~C-アルコキシであり;
は、OR、SR、NR1011、NROR、NRS(O)10又はNRS(O)NR1011であり、ここで、
は、水素、C~C-アルキル、C~C-アルケニル、C~C-アルキニル、C~C-ハロアルキル、C~C-ハロアルケニル、C~C-ハロアルキニル、C~C-シアノアルキル、C~C-アルコキシ-C~C-アルキル、C~C-アルコキシ-C~C-アルコキシ-C~C-アルキル、ジ(C~C-アルコキシ)C~C-アルキル、C~C-ハロアルコキシ-C~C-アルキル、C~C-アルケニルオキシ-C~C-アルキル、C~C-ハロアルケニルオキシ-C~C-アルキル、C~C-アルケニルオキシ-C~C-アルコキシ-C~C-アルキル、C~C-アルキルチオ-C~C-アルキル、C~C-アルキルスルフィニル-C~C-アルキル、C~C-アルキルスルホニル-C~C-アルキル、C~C-アルキルカルボニル-C~C-アルキル、C~C-アルコキシカルボニル-C~C-アルキル、C~C-ハロアルコキシカルボニル-C~C-アルキル、C~C-アルケニルオキシカルボニル-C~C-アルキル、C~C-アルキニルオキシカルボニル-C~C-アルキル、アミノ、(C~C-アルキル)アミノ、ジ(C~C-アルキル)アミノ、(C~C-アルキルカルボニル)アミノ、アミノ-C~C-アルキル、(C~C-アルキル)アミノ-C~C-アルキル、ジ(C~C-アルキル)アミノ-C~C-アルキル、アミノカルボニル-C~C-アルキル、(C~C-アルキル)アミノカルボニル-C~C-アルキル、ジ(C~C-アルキル)アミノカルボニル-C~C-アルキル、
-N=CR1213(式中、R12及びR13は、互いに独立して、H、C~C-アルキル又はフェニルである);
~C-シクロアルキル、C~C-シクロアルキル-C~C-アルキル、C~C-ヘテロシクリル、C~C-ヘテロシクリル-C~C-アルキル、フェニル、フェニル-C~C-アルキル、又は5員若しくは6員のヘテロアリールであり、
ここで各シクロアルキル、ヘテロシクリル、フェニル又はヘテロアリール環は、R14、又は3員~7員のカルボシクラスの炭素環から選択される1~4個の置換基によって置換されていることが可能であり、
炭素環は、任意選択的に、炭素原子に加えて、-N(R12)-、-N=N-、-C(=O)-、-O-及び-S-からなる群から選択される1個又は2個の環員を有し、且つ
炭素環は、任意選択的に、R14から選択される1個~4個の置換基によって置換され;
14は、ハロゲン、NO、CN、C~C-アルキル、C~C-ハロアルキル、C~C-アルコキシ又はC~C-アルコキシカルボニルである)であり;
10、R11は、互いに独立して、Rであるか、又は一緒になって、3員~7員の炭素環を形成し、
炭素環は、任意選択的に、炭素原子に加えて、-N(R12)-、-N=N-、-C(=O)-、-O-及び-S-からなる群から選択される1個又は2個の環員を有し、且つ
炭素環は、任意選択的に、R14から選択される1個~4個の置換基によって置換され;
nが、1~3であり;
Q、W、X、Y、Yは、互いに独立して、O又はSであり;
ZCH又はNである)
のフェニルウラシルであるが、ただし、式(I)の化合物がカルボキシル基を有することを条件とするフェニルウラシル。
【請求項2】
及びRがFである、請求項1に記載の式(I)のフェニルウラシル。
【請求項3】
がH、CH又はOCHである、請求項1又は2に記載の式(I)のフェニルウラシル。
【請求項4】
がC~C-アルコキシである、請求項1又は2に記載の式(I)のフェニルウラシル。
【請求項5】
がORであり、Rが水素又はC~C-アルキルである、請求項1~4のいずれか一項に記載の式(I)のフェニルウラシル。
【請求項6】
nが1である、請求項1~5のいずれか一項に記載の式(I)のフェニルウラシル。
【請求項7】
Q、W及びXがOである、請求項1~6のいずれか一項に記載の式(I)のフェニルウラシル。
【請求項8】
ZがCHである、請求項1~7のいずれか一項に記載の式(I)のフェニルウラシル。
【請求項9】
ZがNである、請求項1~7のいずれか一項に記載の式(I)のフェニルウラシル。
【請求項10】
請求項1に記載の少なくとも1種の式(I)のフェニルウラシルの除草活性量と、少なくとも1種の不活性液体及び/又は固体担体と、必要に応じて少なくとも1種の界面活性物質とを含む除草組成物。
【請求項11】
請求項1に記載の少なくとも1種の式(I)のフェニルウラシルの除草活性量と、少なくとも1種の不活性液体及び/又は固体担体と、必要に応じて少なくとも1種の界面活性物質とを混合することを含む、除草活性組成物の調製方法。
【請求項12】
望ましくない植生を防除する方法であって、請求項1に記載の式(I)の少なくとも1種のフェニルウラシルの除草活性量を植物、その環境又は種子に作用させることを含む方法。
【請求項13】
除草剤としての請求項1に記載の式(I)のフェニルウラシルの使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、下に定義される式(I)のフェニルウラシル及び除草剤としてのその使用に関する。
【背景技術】
【0002】
欧州特許第1122244号明細書、欧州特許第1106607号明細書及び国際公開第19/101551号パンフレットには、除草作用が記載された類似の化合物が開示されているが、ウラシルがトリフルオロメチル基によって置換された化合物のみが明確に開示されている。
【0003】
これらの既知の化合物の望ましくない植生に関する除草特性は、必ずしも完全に満足できるものではない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、本発明の目的は、改善された除草作用を有する式(I)のフェニルウラシルを提供することである。特に提供されるべきは、特に低適用率であっても高い除草活性を有し、商業的利用のための作物植物に十分に適合する式(I)のフェニルウラシルである。
【0005】
これら及びさらなる目的は、以下に定義される式(I)のフェニルウラシル及びそれらの農業的に適切な塩によって達成される。
【課題を解決するための手段】
【0006】
したがって、本発明は、それらの農業的に許容可能な塩、アミド、エステル又はチオエステルを含む、式(I)
【化1】
(式中、置換基は、以下の意味を有する:
は、CHであり;
は、水素、ハロゲン、C~C-アルキル、C~C-ハロアルキル、C~C-アルコキシ、C~C-ハロアルコキシであり;
は、水素、ハロゲン、C~C-アルキル、C~C-ハロアルキル、C~C-アルコキシ、C~C-ハロアルコキシであり;
は、H又はハロゲンであり;
は、ハロゲン、CN、NH、NOであり;
は、H、ハロゲン、C~C-アルキル、C~C-アルコキシであり;
は、H、C~C-アルキル、C~C-アルコキシであり;
は、OR、SR、NR1011、NROR、NRS(O)10又はNRS(O)NR1011であり、ここで、
は、水素、C~C-アルキル、C~C-アルケニル、C~C-アルキニル、C~C-ハロアルキル、C~C-ハロアルケニル、C~C-ハロアルキニル、C~C-シアノアルキル、C~C-アルコキシ-C~C-アルキル、C~C-アルコキシ-C~C-アルコキシ-C~C-アルキル、ジ(C~C-アルコキシ)C~C-アルキル、C~C-ハロアルコキシ-C~C-アルキル、C~C-アルケニルオキシ-C~C-アルキル、C~C-ハロアルケニルオキシ-C~C-アルキル、C~C-アルケニルオキシ-C~C-アルコキシ-C~C-アルキル、C~C-アルキルチオ-C~C-アルキル、C~C-アルキルスルフィニル-C~C-アルキル、C~C-アルキルスルホニル-C~C-アルキル、C~C-アルキルカルボニル-C~C-アルキル、C~C-アルコキシカルボニル-C~C-アルキル、C~C-ハロアルコキシカルボニル-C~C-アルキル、C~C-アルケニルオキシカルボニル-C~C-アルキル、C~C-アルキニルオキシカルボニル-C~C-アルキル、アミノ、(C~C-アルキル)アミノ、ジ(C~C-アルキル)アミノ、(C~C-アルキルカルボニル)アミノ、アミノ-C~C-アルキル、(C~C-アルキル)アミノ-C~C-アルキル、ジ(C~C-アルキル)アミノ-C~C-アルキル、アミノカルボニル-C~C-アルキル、(C~C-アルキル)アミノカルボニル-C~C-アルキル、ジ(C~C-アルキル)アミノカルボニル-C~C-アルキル、
-N=CR1213(式中、R12及びR13は、互いに独立して、H、C~C-アルキル又はフェニルである);
~C-シクロアルキル、C~C-シクロアルキル-C~C-アルキル、C~C-ヘテロシクリル、C~C-ヘテロシクリル-C~C-アルキル、フェニル、フェニル-C~C-アルキル、又は5員若しくは6員のヘテロアリールであり、
ここで各シクロアルキル、ヘテロシクリル、フェニル又はヘテロアリール環は、R14、又は3員~7員の炭素環(carbocyclus)から選択される1~4個の置換基によって置換されていることが可能であり、
炭素環は、任意選択的に、炭素原子に加えて、-N(R12)-、-N=N-、-C(=O)-、-O-及び-S-からなる群から選択される1個又は2個の環員を有し、且つ
炭素環は、任意選択的に、R14から選択される1個~4個の置換基によって置換され;
14は、ハロゲン、NO、CN、C~C-アルキル、C~C-ハロアルキル、C~C-アルコキシ又はC~C-アルコキシカルボニルであり;
10、R11は、互いに独立して、Rであるか、又は一緒になって、3員~7員の炭素環を形成し、
炭素環は、任意選択的に、炭素原子に加えて、-N(R12)-、-N=N-、-C(=O)-、-O-及び-S-からなる群から選択される1個又は2個の環員を有し、且つ
炭素環は、任意選択的に、R14から選択される1個~4個の置換基によって置換され;
nは、1~3であり;
Q、W、X、Y、Yは、互いに独立して、O又はSであり;
Zは、CH又はNである)
のフェニルウラシルであるが、ただし、式(I)の化合物がカルボキシル基を有することを条件とするものを提供する。
【0007】
本発明は、さらに、それらの農業的に許容可能な塩、アミド、エステル又はチオエステルを含む、式(I)
【化2】
(式中、置換基は、以下の意味を有する:
は、C~C-アルキル、C~C-アルケニル又はC~C-アルキニルであり;
は、水素、ハロゲン、C~C-アルキル、C~C-ハロアルキル、C~C-アルコキシ、C~C-ハロアルコキシであり;
は、水素、ハロゲン、C~C-アルキル、C~C-ハロアルキル、C~C-アルコキシ、C~C-ハロアルコキシであり;
は、H又はハロゲンであり;
は、ハロゲン、CN、NH、NOであり;
は、H、ハロゲン、C~C-アルキル、C~C-アルコキシであり;
は、H、C~C-アルキル、C~C-アルコキシであり;
は、OR、SR、NR1011、NROR、NRS(O)10又はNRS(O)NR1011であり、ここで、
は、水素、C~C-アルキル、C~C-アルケニル、C~C-アルキニル、C~C-ハロアルキル、C~C-ハロアルケニル、C~C-ハロアルキニル、C~C-シアノアルキル、C~C-アルコキシ-C~C-アルキル、C~C-アルコキシ-C~C-アルコキシ-C~C-アルキル、ジ(C~C-アルコキシ)C~C-アルキル、C~C-ハロアルコキシ-C~C-アルキル、C~C-アルケニルオキシ-C~C-アルキル、C~C-ハロアルケニルオキシ-C~C-アルキル、C~C-アルケニルオキシ-C~C-アルコキシ-C~C-アルキル、C~C-アルキルチオ-C~C-アルキル、C~C-アルキルスルフィニル-C~C-アルキル、C~C-アルキルスルホニル-C~C-アルキル、C~C-アルキルカルボニル-C~C-アルキル、C~C-アルコキシカルボニル-C~C-アルキル、C~C-ハロアルコキシカルボニル-C~C-アルキル、C~C-アルケニルオキシカルボニル-C~C-アルキル、C~C-アルキニルオキシカルボニル-C~C-アルキル、アミノ、(C~C-アルキル)アミノ、ジ(C~C-アルキル)アミノ、(C~C-アルキルカルボニル)アミノ、アミノ-C~C-アルキル、(C~C-アルキル)アミノ-C~C-アルキル、ジ(C~C-アルキル)アミノ-C~C-アルキル、アミノカルボニル-C~C-アルキル、(C~C-アルキル)アミノカルボニル-C~C-アルキル、ジ(C~C-アルキル)アミノカルボニル-C~C-アルキル、
-N=CR1213(式中、R12及びR13は、互いに独立して、H、C~C-アルキル又はフェニルである);
~C-シクロアルキル、C~C-シクロアルキル-C~C-アルキル、C~C-ヘテロシクリル、C~C-ヘテロシクリル-C~C-アルキル、フェニル、フェニル-C~C-アルキル、又は5員若しくは6員のヘテロアリールであり、
ここで各シクロアルキル、ヘテロシクリル、フェニル又はヘテロアリール環は、R14、又は3員~7員の炭素環から選択される1~4個の置換基によって置換されていることが可能であり、
炭素環は、任意選択的に、炭素原子に加えて、-N(R12)-、-N=N-、-C(=O)-、-O-及び-S-からなる群から選択される1個又は2個の環員を有し、且つ
炭素環は、任意選択的に、R14から選択される1個~4個の置換基によって置換され;
14は、ハロゲン、NO、CN、C~C-アルキル、C~C-ハロアルキル、C~C-アルコキシ又はC~C-アルコキシカルボニルであり;
10、R11は、互いに独立して、Rであるか、又は一緒になって、3員~7員の炭素環を形成し、
炭素環は、任意選択的に、炭素原子に加えて、-N(R12)-、-N=N-、-C(=O)-、-O-及び-S-からなる群から選択される1個又は2個の環員を有し、且つ
炭素環は、任意選択的に、R14から選択される1個~4個の置換基によって置換され;
nは、1~3であり;
Q、W、X、Y、Yは、互いに独立して、O又はSであり;
Zは、CH又はNである)
のフェニルウラシルであるが、ただし、式(I)の化合物がカルボキシル基を有することを条件とするものを開示する。
【0008】
本発明は、少なくとも1種の式(I)のフェニルウラシルと、作物保護剤の配合用に慣用されている補助剤とを含む配合物も提供する。
【0009】
本発明は、除草剤としての、すなわち、望ましくない植生を防除するための式(I)のフェニルウラシルの使用も提供する。
【0010】
さらに本発明は、少なくとも1種の式(I)のフェニルウラシルの除草有効量を植物、その種子及び/又はその生息地上で作用させる、望ましくない植生を防除するための方法を提供する。
【0011】
さらに、本発明は、式(I)のフェニルウラシルを調製するためのプロセス及び中間体に関する。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本明細書に記載の式(I)のフェニルウラシルが、幾何異性体、例えば、E/Z異性体を形成することができる場合、本発明に従って、純粋な異性体及びそれらの混合物の両方を使用することが可能である。
【0013】
本明細書に記載の式(I)のフェニルウラシルが、1つ又は複数のキラリティーの中心を有し、結果として、エナンチオマー又はジアステレオマーとして存在する場合、本発明に従って、純粋なエナンチオマー及びジアステレオマー及びそれらの混合物の両方を使用することが可能である。
【0014】
本明細書に記載の式(I)のフェニルウラシルがイオン化可能な官能基を有する場合、それらは、それらの農業的に許容される塩の形態でも利用可能である。適切なものは、一般に、それらのカチオンの塩及びそれらの酸の酸付加塩であり、そのカチオン及びアニオンは、それぞれ活性化合物の活性に有害な影響を及ぼさない。
【0015】
好ましいカチオンは、アルカリ金属、好ましくはリチウム、ナトリウム及びカリウムのイオン、アルカリ土類金属、好ましくはカルシウム及びマグネシウムのイオン、並びに遷移金属、好ましくはマンガン、銅、亜鉛及び鉄のイオン、さらにアンモニウム及び1~4個の水素原子がC~C-アルキル、ヒドロキシ-C~C-アルキル、C~C-アルコキシ-C~C-アルキル、ヒドロキシ-C~C-アルコキシ-C~C-アルキル、フェニル又はベンジルによって置換されている置換アンモニウム、好ましくはアンモニウム、メチルアンモニウム、イソプロピルアンモニム、ジメチルアンモニウム、ジエチルアンモニウム、ジイソプロピルアンモニウム、トリメチルアンモニウム、トリエチルアンモニウム、トリス(イソプロピル)アンモニウム、ヘプチルアンモニウム、ドデシルアンモニウム、テトラデシルアンモニウム、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、テトラブチルアンモニウム、2ヒドロキシエチルアンモニウム(オラミン塩)、2-(2-ヒドロキシエタ-1-オキシ)エタ-1-イルアンモニウム(ジグリコールアミン塩)、ジ(2-ヒドロキシエタ-1-イル)アンモニウム(ジオラミン塩)、トリス(2-ヒドロキシエチル)アンモニウム(トロラミン塩)、トリス(2-ヒドロキシプロピル)アンモニウム、ベンジルトリメチルアンモニウム、ベンジルトリエチルアンモニウム、N,N,N-トリメチルエタノールアンモニウム(コリン塩)、さらにホスホニウムイオン、スルホニウムイオン、好ましくはトリ(C~C-アルキル)スルホニウム、例えば、トリメチルスルホニウム及びスルホキソニウムイオン、好ましくはトリ(C~C-アルキル)スルホキソニウム、最後にN,N-ビス-(3-アミノプロピル)メチルアミン及びジエチレントリアミンなどの多塩基アミンの塩である。
【0016】
有用な酸付加塩のアニオンは、主に塩化物、臭化物、フッ化物、ヨウ化物、硫酸水素、メチル硫酸、硫酸、リン酸二水素、リン酸水素、硝酸、重炭酸、カルボン酸、ヘキサフルオロケイ酸、ヘキサフルオロリン酸、安息香酸、さらにC~C-アルカン酸のアニオン、好ましくはギ酸、酢酸、プロピオン酸及び酪酸である。
【0017】
カルボキシル基を有する本明細書に記載の式(I)のフェニルウラシルは、酸の形態で、上記のような農業的に適切な塩の形態で、又は農業的に許容される誘導体の形態で、例えばアミドとして、例えば、モノ-及びジ-C~C-アルキルアミド又はアリールアミドとして、エステルとして、例えば、アリルエステル、プロパルギルエステル、C~C10-アルキルエステル、アルコキシアルキルエステル、テフリル((テトラヒドロフラン-2-イル)メチル)エステルとして、またチオエステルとして、例えば、C~C10-アルキルチオエステルとして利用することができる。好ましいモノ-及びジ-C~C-アルキルアミドは、メチルアミド及びジメチルアミドである。好ましいアリールアミドは、例えば、アニリド及び2-クロロアニリドである。好ましいアルキルエステルは、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、ペンチル、メキシル(1-メチルヘキシル)、メプチル(1-メチルヘプチル)、ヘプチル、オクチル又はイソオクチル(2-エチルヘキシル)エステルである。好ましいC~C-アルコキシ-C~C-アルキルエステルは、直鎖又は分岐C~C-アルコキシエチルエステル、例えば2-メトキシエチル、2-エトキシエチル、2-ブトキシエチル(ブトチル)、2-ブトキシプロピル又は3-ブトキシプロピルエステルである。直鎖又は分岐C~C10-アルキルチオエステルの例は、エチルチオエステルである。
【0018】
可変要素R~R13の定義において述べた有機部分は、ハロゲンという用語と同様に、その群の個々の構成員の個々の列挙の総称である。ハロゲンという用語は、それぞれの場合にフッ素、塩素、臭素又はヨウ素を表す。全ての炭化水素鎖は直鎖状又は分岐状であることが可能であり、接頭辞のC~Cは、それぞれの場合において、基中の可能な炭素原子数を示す。
【0019】
そのような意味の例は、以下の通りである:
- C~C-アルキル:例えば、CH、C、n-プロピル及びCH(CH
- C~C-アルキル、及びまたフェニル-C~C-アルキルのC~C-アルキル部分:例えば、CH、C、n-プロピル、CH(CH、n-ブチル、CH(CH)-C、CH-CH(CH及びC(CH
- C~C-アルキル、及びまたC~C-シアノアルキル、C~C-アルキロキシ-C~C-アルキル、C~C-アルコキシ-C~C-アルコキシ-C~C-アルキル、ジ(C~C-アルコキシ)C~C-アルキル、C~C-ハロアルコキシ-C~C-アルキル、C~C-アルケニルオキシ-C~C-アルキル、C~C-ハロアルケニルオキシ-C~C-アルキル、C~C-アルケニルオキシ-C~C-アルコキシ-C~C-アルキル、C~C-アルキルチオ-C~C-アルキル、C~C-アルキルスルフィニル-C~C-アルキル、C~C-アルキルスルホニル-C~C-アルキル、C~C-アルキルカルボニル-C~C-アルキル、C~C-アルコキシカルボニル-C~C-アルキル、C~C-ハロアルコキシカルボニル-C~C-アルキル、C~C-アルケニルオキシカルボニル-C~C-アルキル、C~C-アルキニルオキシカルボニル-C~C-アルキル、(C~C-アルキルカルボニル)アミノ、アミノ-C~C-アルキル、(C~C-アルキル)アミノ-C~C-アルキル、ジ(C~C-アルキル)アミノ-C~C-アルキル、アミノカルボニル-C~C-アルキル、(C~C-アルキル)アミノカルボニル-C~C-アルキル、ジ(C~C-アルキル)アミノカルボニル-C~C-アルキル、C~C-シクロアルキル-C~C-アルキル、C~C-ヘテロシクリル-C~C-アルキルのC~C-アルキル部分:上記のC~C-アルキル及びまた、例えばn-フェニル、1-メチルブチル、2-メチルブチル、3-メチルブチル、2,2-ジメチルプロピル、1-エチルプロピル、n-ヘキシル、1,1-ジメチルプロピル、1,2-ジメチルプロピル、1-メチルフェニル、2-メチルフェニル、3-メチルフェニル、4-メチルフェニル、1,1-ジメチルブチル、1,2-ジメチルブチル、1,3-ジメチルブチル、2,2-ジメチルブチル、2,3-ジメチルブチル、3,3-ジメチルブチル、1-エチルブチル、2-エチルブチル、1,1,2-トリメチルプロピル、1,2,2-トリメチルプロピル、1-エチル-1-メチルプロピル又は1-エチル-2-メチルプロピル、好ましくはメチル、エチル、n-プロピル、1-メチルエチル、n-ブチル、1,1-ジメチルエチル、n-フェニル又はn-ヘキシル;
- C~C-ハロアルキル:フッ素、塩素、臭素及び/又はヨウ素によって部分的又は完全に置換されている上記C~C-アルキル、例えばクロロ-メチル、ジクロロメチル、トリクロロメチル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、クロロフルオロメチル、ジクロロフルオロメチル、クロロジフルオロメチル、ブロモメチル、ヨードメチル、2-フルオロエチル、2-クロロエチル、2-ブロモエチル、2-ヨードエチル、2,2-ジフルオロエチル、2,2,2-トリフルオロエチル、2-クロロ-2-フルオロエチル、2-クロロ-2,2-ジフルオロエチル、2,2-ジクロロ-2-フルオロエチル、2,2,2-トリクロロエチル、ペンタフルオロエチル、2-フルオロプロピル、3-フルオロプロピル、2,2-ジフルオロプロピル、2,3-ジフルオロプロピル、2-クロロプロピル、3-クロロプロピル、2,3-ジクロロプロピル、2-ブロモプロピル、3-ブロモプロピル、3,3,3-トリフルオロプロピル、3,3,3-トリクロロプロピル、2,2,3,3,3-ペンタフルオロプロピル、ヘプタフルオロプロピル、1-(フルオロメチル)-2-フルオロエチル、1-(クロロメチル)-2-クロロエチル、1-(ブロモメチル)-2-ブロモエチル、4-フルオロブチル、4-クロロブチル、4-ブロモブチル、ノナフルオロブチル、1,1,2,2,-テトラフルオロエチル及び1-トリフルオロメチル-1,2,2,2-テトラフルオロエチル;
-C~C-ハロアルキル:上記C~C-ハロアルキル及びまた例えば5-フルオロフェニル、5-クロロフェニル、5-ブロモフェニル、5-ヨードフェニル、ウンデカフルオロフェニル、6-フルオロヘキシル、6-クロロヘキシル、6-ブロモヘキシル、6-ヨードヘキシル及びドデカフルオロヘキシル;
- C~C-アルケニル、及びまたC~C-アルケニルオキシ-C~C-アルキル、C~C-アルケニルオキシ-C~C-アルコキシ-C~C-アルキル、C~C-アルケニルオキシカルボニル-C~C-アルキルのC~C-アルケニル部分:例えば、1-プロペニル、2-プロペニル、1-メチルエテニル、1-ブテニル、2-ブテニル、3-ブテニル、1-メチル-1-プロペニル、2-メチル-1-プロペニル、1-メチル-2-プロペニル、2-メチル-2-プロペニル、1-ペンテニル、2-ペンテニル、3-ペンテニル、4-ペンテニル、1-メチル-1-ブテニル、2-メチル-1-ブテニル、3-メチル-1-ブテニル、1-メチル-2-ブテニル、2-メチル-2-ブテニル、3-メチル-2-ブテニル、1-メチル-3-ブテニル、2-メチル-3-ブテニル、3-メチル-3-ブテニル、1,1-ジメチル-2-プロペニル、1,2-ジメチル-1-プロペニル、1,2-ジメチル-2-プロペニル、1-エチル-1-プロペニル、1-エチル-2-プロペニル、1-ヘキセニル、2-ヘキセニル、3-ヘキセニル、4-ヘキセニル、5-ヘキセニル、1-メチル-1-ペンテニル、2-メチル-1-ペンテニル、3-メチル-1-ペンテニル、4-メチル-1-ペンテニル、1-メチル-2-ペンテニル、2-メチル-2-ペンテニル、3-メチル-2-ペンテニル、4-メチル-2-ペンテニル、1-メチル-3-ペンテニル、2-メチル-3-ペンテニル、3-メチル-3-ペンテニル、4-メチル-3-ペンテニル、1-メチル-4-ペンテニル、2-メチル-4-ペンテニル、3-メチル-4-ペンテニル、4-メチル-4-ペンテニル、1,1-ジメチル-2-ブテニル、1,1-ジメチル-3-ブテニル、1,2-ジメチル-1-ブテニル、1,2-ジメチル-2-ブテニル、1,2-ジメチル-3-ブテニル、1,3-ジメチル-1-ブテニル、1,3-ジメチル-2-ブテニル、1,3-ジメチル-3-ブテニル、2,2-ジメチル-3-ブテニル、2,3-ジメチル-1-ブテニル、2,3-ジメチル-2-ブテニル、2,3-ジメチル-3-ブテニル、3,3-ジメチル-1-ブテニル、3,3-ジメチル-2-ブテニル、1-エチル-1-ブテニル、1-エチル-2-ブテニル、1-エチル-3-ブテニル、2-エチル-1-ブテニル、2-エチル-2-ブテニル、2-エチル-3-ブテニル、1,1,2-トリメチル-2-プロペニル、1-エチル-1-メチル-2-プロペニル、1-エチル-2-メチル-1-プロペニル及び1-エチル-2-メチル-2-プロペニル;
- C~C-アルケニル:例えば、エテニル、1-プロペニル、2-プロペニル、1-メチルエテニル、1-ブテニル、2-ブテニル、3-ブテニル、1-メチル-1-プロペニル、2-メチル-1-プロペニル、1-メチル-2-プロペニル、2-メチル-2-プロペニル、
- C~C-ハロアルケニル及びまたC~C-ハロアルケニルオキシ-C~C-アルキルのC~C-ハロアルケニル部分:フッ素、塩素、臭素及び/又はヨウ素によって部分的又は完全に置換されている上記のC~C-アルケニル基、例えば、2-クロロプロパ-2-エン-1-イル、3-クロロプロパ-2-エン-1-イル、2,3-ジクロロプロパ-2-エン-1-イル、3,3-ジクロロプロパ-2-エン-1-イル、2,3,3-トリクロロ-2-エン-1-イル、2,3-ジクロロブタ-2-エン-1-イル、2-ブロモプロパ-2-エン-1-イル、3-ブロモプロパ-2-エン-1-イル、2,3-ジブロモプロパ-2-エン-1-イル、3,3-ジブロモプロパ-2-エン-1-イル、2,3,3-トリブロモ-2-エン-1-イル又は2,3-ジブロモブタ-2-エン-1-イル;
- C~C-アルキニル:例えば、エチニル、1-プロピニル、2-プロピニル、1-ブチニル、2-ブチニル、3-ブチニル、1-メチル-2-プロピニル;
-C~C-アルキニル及びまたC~C-アルキニルオキシカルボニル-C~C-アルキルのC~C-アルキニル部分:例えば、1-プロピニル、2-プロピニル、1-ブチニル、2-ブチニル、3-ブチニル、1-メチル-2-プロピニル、1-ペンチニル、2-ペンチニル、3-ペンチニル、4-ペンチニル、1-メチル-2-ブチニル、1-メチル-3-ブチニル、2-メチル-3-ブチニル、3-メチル-1-ブチニル、1,1-ジメチル-2-プロピニル、1-エチル-2-プロピニル、1-ヘキシニル、2-ヘキシニル、3-ヘキシニル、4-ヘキシニル、5-ヘキシニル、1-メチル-2-ペンチニル、1-メチル-3-ペンチニル、1-メチル-4-ペンチニル、2-メチル-3-ペンチニル、2-メチル-4-ペンチニル、3-メチル-1-ペンチニル、3-メチル-4-ペンチニル、4-メチル-1-ペンチニル、4-メチル-2-ペンチニル、1,1-ジメチル-2-ブチニル、1,1-ジメチル-3-ブチニル、1,2-ジメチル-3-ブチニル、2,2-ジメチル-3-ブチニル、3,3-ジメチル-1-ブチニル、1-エチル-2-ブチニル、1-エチル-3-ブチニル、2-エチル-3-ブチニル及び1-エチル-1-メチル-2-プロピニル;
- C~C-ハロアルキニル:フッ素、塩素、臭素及び/又はヨウ素によって部分的又は完全に置換された上記のC~C-アルキニル基、例えば、1,1-ジフルオロプロパ-2-イン-1-イル、3-クロロプロパ-2-イン-1-イル、3-ブロモプロパ-2-イン-1-イル、3-ヨードプロパ-2-イン-1-イル、4-フルオロブタ-2-イン-1-イル、4-クロロブタ-2-イン-1-イル、1,1-ジフルオロブタ-2-イン-1-イル、4-ヨードブタ-3-イン-1-イル、5-フルオロペンタ-3-イン-1-イル、5-ヨードペンタ-4-イン-1-イル、6-フルオロヘキサ-4-イン-1-イル又は6-ヨードヘキサ-5-イン-1-イル;
- C~C-アルコキシ:例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ;
- C~C-アルコキシ及びまたC~C-アルコキシカルボニルのC~C-アルコキシ部分;例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、1-メチルエトキシブトキシ、1-メチルプロポキシ、2-メチルプロポキシ及び1,1-ジメチルエトキシ;
- C~C-アルコキシ及びまたC~C-アルコキシ-C~C-アルキル、C~C-アルコキシ-C~C-アルコキシ-C-C-アルキル、ジ(C~C-アルコキシ)C-C-アルキル、C~C-アルケニルオキシ-C~C-アルコキシ-C~C-アルキル、C~C-アルコキシカルボニル-C~C-アルキルのC~C-アルコキシ部分:上記C~C-アルコキシ及びまた例えばペントキシ、1-メチルブトキシ、2-メチルブトキシ、3-メトキシルブトキシ、1,1-ジメチルプロポキシ、1,2-ジメチルプロポキシ、2,2-ジメチルプロポキシ、1-エチルプロポキシ、ヘキソキシ、1-メチルペントキシ、2-メチルペントキシ、3-メチルペントキシ、4-メチルペントキシ、1,1-ジメチルブトキシ、1,2-ジメチルブトキシ、1,3-ジメチルブトキシ、2,2-ジメチルブトキシ、2,3-ジメチルブトキシ、3,3-ジメチルブトキシ、1-エチルブトキシ、2-エチルブトキシ、1,1,2-トリメチルプロポキシ、1,2,2-トリメチルプロポキシ、1-エチル-1-メチルプロポキシ及び1-エチル-2-メチルプロポキシ;
- C~C-ハロアルコキシ:フッ素、塩素、臭素及び/又はヨウ素によって部分的又は完全に置換されている上記C~C-アルコキシ基、例えば、フルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、クロロジフルオロメトキシ、ブロモジフルオロメトキシ、2-フルオロエトキシ、2-クロロエトキシ、2-ブロモメトキシ、2-ヨードエトキシ、2,2-ジフルオロエトキシ、2,2,2-トリフルオロエトキシ、2-クロロ-2-フルオロエトキシ、2-クロロ-2,2-ジフルオロエトキシ、2,2-ジクロロ-2-フルオロエトキシ、2,2,2-トリクロロエトキシ、ペンタフルオロエトキシ、2-フルオロプロポキシ、3-フルオロプロポキシ、2-クロロプロポキシ、3-クロロプロポキシ、2-ブロモプロポキシ、3-ブロモプロポキシ、2,2-ジフルオロプロポキシ、2,3-ジフルオロプロポキシ、2,3-ジクロロプロポキシ、3,3,3-トリフルオロプロポキシ、3,3,3-トリクロロプロポキシ、2,2,3,3,3-ペンタフルオロプロポキシ、ヘプタフルオロプロポキシ、1-(フルオロメチル)-2-フルオロエトキシ、1-(クロロメチル)-2-クロロエトキシ、1-(ブロモメチル)-2-ブロモエトキシ、4-フルオロブトキシ、4-クロロブトキシ、4-ブロモブトキシ及びノナフルオロブトキシ;
- C~C-ハロアルコキシ、及びまたC~C-ハロアルコキシ-C~C-アルキル、C~C-ハロアルコキシカルボニル-C~C-アルキルのC~C-ハロアルコキシ部分:上記のC~C-ハロアルコキシ、及びまた、例えば、5-フルオロペントキシ、5-クロロペントキシ、5-ブロモペントキシ、5-ヨードペントキシ、ウンデカフルオロペントキシ、6-フルオロヘキソキシ、6-クロロヘキソキシ、6-ブロモヘキソキシ、6-ヨードヘキソキシ及びドデカフルオロヘキソキシ;
-C~C-アルキルチオ:例えば、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、1-メチルエチルチオ、ブチルチオ、1-メチルプロピルチオ、2-メチルプロピルチオ及び1,1-ジメチルエチルチオ;
- C~C-アルキルチオ、及びまたC~C-アルキルチオ-C~C-アルキルのC~C-アルキルチオ部分:上記のC~C-アルキルチオ、及びまた、例えば、ペンチルチオ、1-メチルブチルチオ、2-メチルブチルチオ、3-メチルブチルチオ、2,2-ジメチルプロピルチオ、1-エチルプロピルチオ、ヘキシルチオ、1,1-ジメチルプロピルチオ、1,2-ジメチルプロピルチオ、1-メチルペンチルチオ、2-メチルペンチルチオ、3-メチルペンチルチオ、4-メチルペンチルチオ、1,1-ジメチルブチルチオ、1,2-ジメチルブチルチオ、1,3-ジメチルブチルチオ、2,2-ジメチルブチルチオ、2,3-ジメチルブチルチオ、3,3-ジメチルブチルチオ、1-エチルブチルチオ、2-エチルブチルチオ、1,1,2-トリメチルプロピルチオ、1,2,2-トリメチルプロピルチオ、1-エチル-1-メチルプロピルチオ及び1-エチル-2-メチルプロピルチオ;
- C~C-アルキルスルフィニル(C~C-アルキル-S(=O)-)、及びまたC~C-アルキルスルフィニル-C~C-アルキルC~C-アルキルスルフィニル部分:例えば、メチルスルフィニル、エチルスルフィニル、プロピルスルフィニル、1-メチルエチルスルフィニル、ブチルスルフィニル、1-メチルプロピルスルフィニル、2-メチルプロピルスルフィニル、1,1-ジメチルエチルスルフィニル、ペンチルスルフィニル、1-メチルブチルスルフィニル、2-メチルブチルスルフィニル、3-メチルブチルスルフィニル、2,2-ジメチルプロピルスルフィニル、1-エチルプロピルスルフィニル、1,1-ジメチルプロピルスルフィニル、1,2-ジメチルプロピルスルフィニル、ヘキシルスルフィニル、1-メチルペンチルスルフィニル、2-メチルペンチルスルフィニル、3-メチルペンチルスルフィニル、4-メチルペンチル-スルフィニル、1,1-ジメチルブチルスルフィニル、1,2-ジメチルブチルスルフィニル、1,3-ジメチルブチル-スルフィニル、2,2-ジメチルブチルスルフィニル、2,3-ジメチルブチルスルフィニル、3,3-ジメチルブチル-スルフィニル、1-エチルブチルスルフィニル、2-エチルブチルスルフィニル、1,1,2-トリメチルプロピルスルフィニル、1,2,2-トリメチルプロピルスルフィニル、1-エチル-1-メチルプロピルスルフィニル及び1-エチル-2-メチルプロピルスルフィニル;
- C~C-アルキルスルホニル(C~C-アルキル-S(O) )、及びまたC~C-アルキルスルホニル-C~C-アルキルC~C-アルキルスルホニル部分:例えば、メチルスルホニル、エチルスルホニル、プロピルスルホニル、1-メチルエチルスルホニル、ブチルスルホニル、1-メチルプロピルスルホニル、2-メチル-プロピルスルホニル、1,1-ジメチルエチルスルホニル、ペンチルスルホニル、1-メチルブチルスルホニル、2-メチルブチルスルホニル、3-メチルブチルスルホニル、1,1-ジメチルプロピルスルホニル、1,2-ジメチルプロピルスルホニル、2,2-ジメチルプロピルスルホニル、1-エチルプロピルスルホニル、ヘキシルスルホニル、1-メチルペンチルスルホニル、2-メチルペンチルスルホニル、3-メチルペンチルスルホニル、4-メチルペンチルスルホニル、1,1-ジメチルブチルスルホニル、1,2-ジメチルブチルスルホニル、1,3-ジメチルブチルスルホニル、2,2-ジメチルブチルスルホニル、2,3-ジメチルブチルスルホニル、3,3-ジメチルブチルスルホニル、1-エチルブチルスルホニル、2-エチルブチルスルホニル、1,1,2-トリメチル-プロピルスルホニル、1,2,2-トリメチルプロピルスルホニル、1-エチル-1-メチルプロピルスルホニル及び1-エチル-2-メチルプロピルスルホニル;
- (C~C-アルキル)アミノ:例えば、メチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミノ、1-メチルエチルアミノ、ブチルアミノ、1-メチルプロピルアミノ、2-メチルプロピルアミノ又は1,1-ジメチルエチルアミノ;
- (C~C-アルキル)アミノ、及びまた(C~C-アルキル)アミノ-C~C-アルキルの(C~C-アルキル)アミノ部分:上記の(C~C-アルキル)アミノ、及びまた、例えば、ペンチルアミノ、1-メチルブチルアミノ、2-メチルブチルアミノ、3-メチルブチルアミノ、2,2-ジメチルプロピルアミノ、1-エチルプロピルアミノ、ヘキシルアミノ、1,1-ジメチルプロピルアミノ、1,2-ジメチルプロピルアミノ、1-メチルペンチルアミノ、2-メチルペンチルアミノ、3-メチルペンチルアミノ、4-メチルペンチルアミノ、1,1-ジメチルブチルアミノ、1,2-ジメチルブチルアミノ、1,3-ジメチルブチルアミノ、2,2-ジメチルブチルアミノ、2,3-ジメチルブチル-アミノ、3,3-ジメチルブチルアミノ、1-エチルブチルアミノ、2-エチルブチルアミノ、1,1,2-トリメチルプロピルアミノ、1,2,2-トリメチル-プロピルアミノ、1-エチル-1-メチルプロピルアミノ又は1-エチル-2-メチルプロピルアミノ;
- ジ(C~C-アルキル)アミノ:例えば、N,N-ジメチルアミノ、N,N-ジエチルアミノ、N,N-ジ(1-メチルエチル)アミノ、N,N-ジプロピルアミノ、N,N-ジブチルアミノ、N,N-ジ(1-メチルプロピル)アミノ、N,N-ジ(2-メチルプロピル)アミノ、N,N-ジ(1,1-ジメチルエチル)アミノ、N-エチル-N-メチルアミノ、N-メチル-N-プロピルアミノ、N-メチル-N-(1-メチルエチル)アミノ、N-ブチル-N-メチルアミノ、N-メチル-N-(1-メチルプロピル)アミノ、N-メチル-N-(2-メチルプロピル)アミノ、N-(1,1-ジメチルエチル)-N-メチルアミノ、N-エチル-N-プロピルアミノ、N-エチル-N-(1-メチルエチル)アミノ、N-ブチル-N-エチルアミノ、N-エチル-N-(1-メチルプロピル)アミノ、N-エチル-N-(2-メチルプロピル)アミノ、N-エチル-N-(1,1-ジメチルエチル)アミノ、N-(1-メチルエチル)-N-プロピルアミノ、N-ブチル-N-プロピルアミノ、N-(1-メチルプロピル)-N-プロピルアミノ、N-(2-メチルプロピル)-N-プロピルアミノ、N-(1,1-ジメチルエチル)-N-プロピルアミノ、N-ブチル-N-(1-メチルエチル)アミノ、N-(1-メチルエチル)-N-(1-メチルプロピル)アミノ、N-(1-メチルエチル)-N-(2-メチルプロピル)アミノ、N-(1,1-ジメチルエチル)-N-(1-メチルエチル)アミノ、N-ブチル-N-(1-メチルプロピル)アミノ、N-ブチル-N-(2-メチルプロピル)アミノ、N-ブチル-N-(1,1-ジメチルエチル)アミノ、N-(1-メチルプロピル)-N-(2-メチルプロピル)アミノ、N-(1,1-ジメチルエチル)-N-(1-メチルプロピル)アミノ又はN-(1,1-ジメチルエチル)-N-(2-メチルプロピル)アミノ;
- ジ(C~C-アルキル)アミノ、及びまたジ(C~C-アルキル)アミノ-C~C-アルキルのジ(C~C-アルキル)アミノ部分:上記のジ(C~C-アルキル)アミノ、及びまた、例えば、N-メチル-N-ペンチルアミノ、N-メチル-N-(1-メチルブチル)アミノ、N-メチル-N-(2-メチルブチル)アミノ、N-メチル-N-(3-メチルブチル)アミノ、N-メチル-N-(2,2-ジメチルプロピル)アミノ、N-メチル-N-(1-エチルプロピル)アミノ、N-メチル-N-ヘキシルアミノ、N-メチル-N-(1,1-ジメチルプロピル)アミノ、N-メチル-N-(1,2-ジメチルプロピル)アミノ、N-メチル-N-(1-メチルペンチル)アミノ、N-メチル-N-(2-メチルペンチル)アミノ、N-メチル-N-(3-メチルペンチル)アミノ、N-メチル-N-(4-メチルペンチル)アミノ、N-メチル-N-(1,1-ジメチルブチル)アミノ、N-メチル-N-(1,2-ジメチルブチル)アミノ、N-メチル-N-(1,3-ジメチルブチル)アミノ、N-メチル-N-(2,2-ジメチルブチル)アミノ、N-メチル-N-(2,3-ジメチルブチル)アミノ、N-メチル-N-(3,3-ジメチルブチル)アミノ、N-メチル-N-(1-エチルブチル)アミノ、N-メチル-N-(2-エチルブチル)アミノ、N-メチル-N-(1,1,2-トリメチルプロピル)アミノ、N-メチル-N-(1,2,2-トリメチルプロピル)アミノ、N-メチル-N-(1-エチル-1-メチルプロピル)アミノ、N-メチル-N-(1-エチル-2-メチルプロピル)アミノ、N-エチル-N-ペンチルアミノ、N-エチル-N-(1-メチルブチル)アミノ、N-エチル-N-(2-メチルブチル)アミノ、N-エチル-N-(3-メチルブチル)アミノ、N-エチル-N-(2,2-ジメチルプロピル)アミノ、N-エチル-N-(1-エチルプロピル)アミノ、N-エチル-N-ヘキシルアミノ、N-エチル-N-(1,1-ジメチルプロピル)アミノ、N-エチル-N-(1,2-ジメチルプロピル)アミノ、N-エチル-N-(1-メチルペンチル)アミノ、N-エチル-N-(2-メチルペンチル)アミノ、N-エチル-N-(3-メチルペンチル)アミノ、N-エチル-N-(4-メチルペンチル)アミノ、N-エチル-N-(1,1-ジメチルブチル)アミノ、N-エチル-N-(1,2-ジメチルブチル)アミノ、N-エチル-N-(1,3-ジメチルブチル)アミノ、N-エチル-N-(2,2-ジメチルブチル)アミノ、N-エチル-N-(2,3-ジメチルブチル)アミノ、N-エチル-N-(3,3-ジメチルブチル)アミノ、N-エチル-N-(1-エチルブチル)アミノ、N-エチル-N-(2-エチルブチル)アミノ、N-エチル-N-(1,1,2-トリメチルプロピル)アミノ、N-エチル-N-(1,2,2-トリメチルプロピル)アミノ、N-エチル-N-(1-エチル-1-メチルプロピル)アミノ、N-エチル-N-(1-エチル-2-メチルプロピル)アミノ、N-プロピル-N-ペンチルアミノ、N-ブチル-N-ペンチルアミノ、N,N-ジペンチルアミノ、N-プロピル-N-ヘキシルアミノ、N-ブチル-N-ヘキシルアミノ、N-ペンチル-N-ヘキシルアミノ又はN,N-ジヘキシルアミノ;
- C~C-シクロアルキル、及びまたC~C-シクロアルキル-C~C-アルキルのシクロアルキル部分:3~6個の環員を有する単環式飽和炭化水素、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル及びシクロヘキシル;
- C~C-ヘテロシクリル、及びまたC~C-ヘテロシクリル-C~C-アルキルのヘテロシクリル部分:炭素原子に加えて、1~4個の窒素原子、又は1~3個の窒素原子及び酸素原子若しくは硫黄原子、又は酸素原子若しくは硫黄原子を含有する、3~6個の環員を有する脂肪族複素環、例えば、3員又は4員複素環、例えば、2-オキセタニル、3-オキセタニル、2-チエタニル、3-チエタニル、1-アゼチジニル、2-アゼチジニル、1-アゼチニル、2-アゼチニル;5員飽和複素環、例えば、2-テトラヒドロフラニル、3-テトラヒドロフラニル、2-テトラヒドロチエニル、3-テトラヒドロチエニル、1-ピロリジニル、2-ピロリジニル、3-ピロリジニル、3-イソキサゾリジニル、4-イソキサゾリジニル、5-イソキサゾリジニル、2-イソチアゾリジニル、3-イソチアゾリジニル、4-イソチアゾリジニル、5-イソチアゾリジニル、1-ピラゾリジニル、3-ピラゾリジニル、4-ピラゾリジニル、5-ピラゾリジニル、2-オキサゾリジニル、4-オキサゾリジニル、5-オキサゾリジニル、2-チアゾリジニル、4-チアゾリジニル、5-チアゾリジニル、1-イミダゾリジニル、2-イミダゾリジニル、4-イミダゾリジニル、3-オキサゾリジニル、1,2,4-オキサジアゾリジン-3-イル、1,2,4-オキサジアゾリジン-5-イル、3-チアゾリジニル、1,2,4-チアジアゾリジン-3-イル、1,2,4-チアジアゾリジン-5-イル、1,2,4-トリアゾリジン-3-イル、1,2,4-オキサジアゾリジン-2-イル、1,2,4-オキサジアゾリジン-4-イル、1,3,4-オキサジアゾリジン-2-イル、1,2,4-チアジアゾリジン-2-イル、1,2,4-チアジアゾリジン-4-イル、1,3,4-チアジアゾリジン-2-イル、1,2,4-トリアゾリジン-1-イル、1,3,4-トリアゾリジン-2-イル;6員飽和複素環、例えば、1-ピペリジニル、2-ピペリジニル、3-ピペリジニル、4-ピペリジニル、1,3-ジオキサン-5-イル、1,4-ジオキサニル、1,3-ジチアン-5-イル、1,3-ジチアニル、1,3-オキサチアン-5-イル、1,4-オキサチアニル、2-テトラヒドロピラニル、3-テトラヒドロピラニル、4-テトラヒドロピラニル、2-テトラヒドロチオピラニル、3-テトラヒドロチオピラニル、4-テトラヒドロチオピラニル、1-ヘキサヒドロピリダジニル、3-ヘキサヒドロピリダジニル、4-ヘキサヒドロピリダジニル、1-ヘキサヒドロピリミジニル、2-ヘキサヒドロピリミジニル、4-ヘキサヒドロピリミジニル、5-ヘキサヒドロピリミジニル、1-ピペラジニル、2-ピペラジニル、1,3,5-ヘキサヒドロトリアジン-1-イル、1,3,5-ヘキサヒドロトリアジン-2-イル、1,2,4-ヘキサヒドロトリアジン-1-イル、1,2,4-ヘキサヒドロトリアジン-3-イル、テトラヒドロ-1,3-オキサジン-1-イル、テトラヒドロ-1,3-オキサジン-2-イル、テトラヒドロ-1,3-オキサジン-6-イル、1-モルホリニル、2-モルホリニル、3-モルホリニル;
- 5員又は6員ヘテロアリール:炭素に加えて、1~4個の窒素原子、又は1~3個の窒素原子及び酸素原子若しくは硫黄原子、又は酸素原子若しくは窒素原子を含有する、5個又は6個の環員を有する芳香族ヘテロアリール、例えば、5員芳香族環、例えば、フリル(例えば、2-フリル、3-フリル)、チエニル(例えば、2-チエニル、3-チエニル)、ピロリル(例えば、ピロル-2-イル、ピロル-3-イル)、ピラゾリル(例えば、ピラゾル-3-イル、ピラゾル-4-イル)、イソキサゾリル(例えば、イソキサゾル-3-イル、イソキサゾル-4-イル、イソキサゾル-5-イル)、イソチアゾリル(例えば、イソチアゾル-3-イル、イソチアゾル-4-イル、イソチアゾル-5-イル)、イミダゾリル(例えば、イミダゾール-2-イル、イミダゾール-4-イル)、オキサゾリル(例えば、オキサゾル-2-イル、オキサゾル-4-イル、オキサゾル-5-イル)、チアゾリル(例えば、チアゾル-2-イル、チアゾル-4-イル、チアゾル-5-イル)、オキサジアゾリル(例えば、1,2,3-オキサジアゾル-4-イル、1,2,3-オキサジアゾル-5-イル、1,2,4-オキサジアゾル-3-イル、1,2,4-オキサジアゾル-5-イル、1,3,4-オキサジアゾル-2-イル)、チアジアゾリル(例えば、1,2,3-チアジアゾル-4-イル、1,2,3-チアジアゾル-5-イル、1,2,4-チアジアゾル-3-イル、1,2,4-チアジアゾル-5-イル、1,3,4-チアジアゾリル-2-イル)、トリアゾリル(例えば、1,2,3-トリアゾル-4-イル、1,2,4-トリアゾル-3-イル);1-テトラゾリル;6員芳香族環、例えば、ピリジル(例えば、ピリジン-2-イル、ピリジン-3-イル、ピリジン-4-イル)、ピラジニル(例えば、ピリダジン-3-イル、ピリダジン-4-イル)、ピリミジニル(例えば、ピリミジン-2-イル、ピリミジン-4-イル、ピリミジン-5-イル)、ピラジン-2-イル、トリアジニル(例えば、1,3,5-トリアジン-2-イル、1,2,4-トリアジン-3-イル、1,2,4-トリアジン-5-イル、1,2,4-トリアジン-6-イル);
- 3員~7員炭素環:炭素原子に加えて、任意選択的に、-N(R12)-、-N=N-、-C(=O)-、-O-及び-S-からなる群から選択される1個又は2個の環員を含む、3~7個の環員を有する3員~7員の単環式、飽和、部分的不飽和又は芳香族環。
【0020】
本明細書では、以下に記載する本発明の好ましい実施形態は、互いに独立して又は互いに組み合わせて好ましいものとして理解されなければならない。
【0021】
本発明の好ましい実施形態によれば、変量が、互いに独立して、又は互いに組み合わせて、以下の意味を有する式(I)のフェニルウラシルが好ましい。
【0022】
が、C~C-アルキルであり;
好ましくは、CHである、式(I)のフェニルウラシルが好ましい。
【0023】
が、H、ハロゲン又はC~Cアルキルであり;
好ましくは、H、F、Cl又はCHであり;
より好ましくは、H又はFであり;
特に好ましくは、Hであり;
また特に好ましくは、Fである、式(I)のフェニルウラシルも好ましい。
【0024】
が、H又はハロゲンであり;
好ましくは、ハロゲンであり;
より好ましくは、Fである、式(I)のフェニルウラシルも好ましい。
【0025】
が、H、ハロゲン又はC~Cアルキルであり;
好ましくは、H、F、Cl又はCHであり;
より好ましくは、H又はFであり;
特に好ましくは、Hであり;
また特に好ましくは、Fである、式(I)のフェニルウラシルも好ましい。
【0026】
が、ハロゲンであり;
好ましくは、Fである、式(I)のフェニルウラシルも好ましい。
【0027】
が、H、F又はClであり;
特に好ましくは、H又はFであり;
特に好ましくは、Hであり;
また特に好ましくは、H又はClであり;
特に好ましくは、Clであり;
また特に好ましくは、F又はClであり;
特に好ましくは、Fである、式(I)のフェニルウラシルも好ましい。
【0028】
が、ハロゲンであり;
好ましくは、Fである、式(I)のフェニルウラシルも好ましい。
【0029】
が、ハロゲン又はCNであり;
好ましくは、F、Cl、Br又はCNであり;
特に好ましくは、Cl、Br又はCNであり;
特に好ましくは、Cl又はBrであり;
より好ましくは、Clであり;
またより好ましくは、Brである、式(I)のフェニルウラシルも好ましい。
【0030】
が、ハロゲンであり;
好ましくは、Clである、式(I)のフェニルウラシルも好ましい。
【0031】
が、H、F、C~C-アルキル又はC~C-アルコキシであり;
特に好ましくは、H、CH又はOCHであり;
特に好ましくは、Hである、式(I)のフェニルウラシルも好ましい。
【0032】
が、H、CH又はOCHであり;
特に好ましくは、H又はOCHであり;
特に好ましくは、Hであり;
また特に好ましくは、OCHである、式(I)のフェニルウラシルも好ましい。
【0033】
が、H又はC~Cアルコキシであり;
好ましくは、C~C-アルコキシである、式(I)のフェニルウラシルも好ましい。
【0034】
が、OR、SR、NR1011、NRS(O)10又はNRS(O)NR1011であり;
特に好ましくは、OR、NR1011、NRS(O)10又はNRS(O)NR1011であり;
特に好ましくは、OR、NRS(O)10又はNRS(O)NR1011であり;
特に好ましくは、OR又はNRS(O)10であり;
より好ましくは、ORである、式(I)のフェニルウラシルも好ましい。
【0035】
が、水素、C~C-アルキル、C~C-アルケニル、C~C-アルキニル、C~C-ハロアルキル、C~C-ハロアルケニル、C~C-ハロアルキニル、C~C-シアノアルキル、C~C-アルコキシ-C~C-アルキル、C~C-アルコキシ-C~C-アルコキシ-C~C-アルキル、ジ(C~C-アルコキシ)C~C-アルキル、C~C-ハロアルコキシ-C~C-アルキル、C~C-アルケニルオキシ-C~C-アルキル、C~C-ハロアルケニルオキシ-C~C-アルキル、C~C-アルケニルオキシ-C~C-アルコキシ-C~C-アルキル、C~C-アルキルチオ-C~C-アルキル、C~C-アルキルスルフィニル-C~C-アルキル、C~C-アルキルスルホニル-C~C-アルキル、C~C-アルキルカルボニル-C~C-アルキル、C~C-アルコキシカルボニル-C~C-アルキル、C~C-ハロアルコキシカルボニル-C~C-アルキル、C~C-アルケニルオキシカルボニル-C~C-アルキル、C~C-アルキニルオキシカルボニル-C~C-アルキル、アミノ、(C~C-アルキル)アミノ、ジ(C~C-アルキル)アミノ、(C~C-アルキルカルボニル)アミノ、アミノ-C~C-アルキル、(C~C-アルキル)アミノ-C~C-アルキル、ジ(C~C-アルキル)アミノ-C~C-アルキル、アミノカルボニル-C~C-アルキル、(C~C-アルキル)アミノカルボニル-C~C-アルキル、ジ(C~C-アルキル)アミノカルボニル-C~C-アルキル、
-N=CR1213
(式中、R12及びR13は、互いに独立して、H、C~C-アルキル又はフェニルである);
~C-シクロアルキル、C~C-シクロアルキル-C~C-アルキル、C~C-ヘテロシクリル、フェニル、フェニル-C~C-アルキル、又は5員若しくは6員のヘテロアリール
(式中、各シクロアルキル、ヘテロシクリル、フェニル又はヘテロアリール環は、R14、又は3員~7員の炭素環から選択される1~4個の置換基によって置換されていることが可能であり、
炭素環は、任意選択的に、炭素原子に加えて、-N(R12)-、-N=N-、-C(=O)-、-O-及び-S-からなる群から選択される1個又は2個の環員を有し、且つ
炭素環は、任意選択的に、R14から選択される1個~4個の置換基によって置換され;
14は、ハロゲン、NO、CN、C~C-アルキル、C~C-ハロアルキル、C~C-アルコキシ又はC~C-アルコキシカルボニルである)であり;
好ましくは、水素、C~C-アルキル、C~C-アルケニル、C~C-アルキニル又はC~C-ハロアルキルであり;
特に好ましくは、水素、C~C-アルキル、C~C-アルケニル又はC~C-アルキニルであり;
特に好ましくは、水素又はC~C-アルキルであり;
より好ましくは、水素、CH又はCである、式(I)のフェニルウラシルも好ましい。
【0036】
が、H、C~C-アルキル、C~C-シアノアルキル、C~C-アルコキシ-C~C-アルキル又はC~C-ヘテロシクリル-C~C-アルキルであり;
好ましくは、H、CH、C2H5、CHCN、COCH又はCH-2-テトラヒドロフラニルである、式(I)のフェニルウラシルも好ましい。
【0037】
が、水素、C~C-アルキル又はC~C-アルコキシ-C~C-アルキルであり;
好ましくは、C~C-アルキル又はC~C-アルコキシ-C~C-アルキルであり;
特に好ましくは、C~C-アルキルである、式(I)のフェニルウラシルも好ましい。
【0038】
10が、C~C-アルキル又はC~C-アルコキシであり;
特に好ましくは、C~C-アルキルであり;
より好ましくは、CHである、式(I)のフェニルウラシルも好ましい。
【0039】
11が、H、C~C-アルキル又はC~C-アルコキシカルボニル-C~C-アルキルであり;
特に好ましくは、H又はC~C-アルキルであり;
より好ましくは、Hであり;
またより好ましくは、C~C-アルキルである、式(I)のフェニルウラシルも好ましい。
【0040】
12が、フェニル又はC~C-アルキルであり;
特に好ましくは、フェニル又はCHであり;
また特に好ましくは、フェニルであり;
また特に好ましくは、C~C-アルキルである、式(I)のフェニルウラシルも好ましい。
【0041】
13が、フェニル又はC~C-アルキルであり;
特に好ましくは、フェニル又はCHであり;
また特に好ましくは、フェニルであり;
また特に好ましくは、C~C-アルキルである、式(I)のフェニルウラシルも好ましい。
【0042】
14が、ハロゲン又はC~C-アルキルであり;
特に好ましくは、F、Cl又はCHであり;
また特に好ましくは、ハロゲンであり;
特に好ましくは、F又はClであり;
また特に好ましくは、C~C-アルキルであり;
特に好ましくは、CHである、式(I)のフェニルウラシルも好ましい。
【0043】
nが、1又は2であり;
特に好ましくは、2であり;
また特に好ましくは、1である、式(I)のフェニルウラシルも好ましい。
【0044】
Qが、Oであり、
また好ましくは、Sである、式(I)のフェニルウラシルも好ましい。
【0045】
Wが、Oであり、
また好ましくは、Sである、式(I)のフェニルウラシルも好ましい。
【0046】
Xが、Oであり、
また好ましくは、Sである、式(I)のフェニルウラシルも好ましい。
【0047】
が、Oであり、
また好ましくは、Sである、式(I)のフェニルウラシルも好ましい。
【0048】
が、Oであり、
また好ましくは、Sである、式(I)のフェニルウラシルも好ましい。
【0049】
Zが、CHであり、
また好ましくは、Nである、式(I)のフェニルウラシルも好ましい。
【0050】
が、CHであり;
が、Fであり;
が、Fであり;
が、Fであり;
が、Cl又はBrであり;
が、Hであり;
が、H又はOCHであり;
が、ORであり、Rが、H、CH又はCであり;
nが、1であり、
Q、W、X、Y及びYがOである、式(I)のフェニルウラシルも好ましい。
【0051】
が、CHであり;
が、Fであり;
が、Fであり;
が、Fであり;
が、Cl又はBrであり;
が、Hであり;
が、Hであり;
が、ORであり、Rが、H、CH又はCであり;
nが、1であり、
Q、W、X、Y及びYがOである、式(I)のフェニルウラシルも好ましい。
【0052】
が、CHであり;
が、Fであり;
が、Fであり;
が、Fであり;
が、Clであり;
が、Hであり;
が、Hであり;
が、ORであり;
が、水素、C~C-アルキル又はC~C-アルコキシ-C~C-アリルであり;
好ましくは、C~C-アルキル又はC~C-アルコキシ-C~C-アルキルであり;
特に好ましくは、C~C-アルキルであり;
nが、1であり、
Q、W、X、Y及びYがOである、式(I)のフェニルウラシルも好ましい。
【0053】
が、CHであり;
が、Fであり;
が、Fであり;
が、Fであり;
が、Cl又はBrであり;
が、Hであり;
が、OCHであり;
が、ORであり;
が、H、CH又はCであり;
nが、1であり、
Q、W、X、Y及びYがOである、式(I)のフェニルウラシルも好ましい。
【0054】
が、CH、C~C-アルケニル又はC~C-アルキニルであり;
が、H、F、C~C-アルキル、C~C-ハロアルキル、C~C-アルコキシ又はC~C-ハロアルコキシであり;
が、H、F、C~C-アルキル、C~C-ハロアルキル、C~C-アルコキシ又はC~C-ハロアルコキシであり;
好ましくは、
が、CHであり;
が、H、Fであり;
が、Fであり;
特に好ましくは、
が、CHであり;
が、Fであり;
が、Fである、式(I)のフェニルウラシルも好ましい。
【0055】
が、CH、C~C-アルケニル又はC~C-アルキニルであり;
が、H、F、C~C-アルキル、C~C-ハロアルキル、C~C-アルコキシ又はC~C-ハロアルコキシであり;
が、H、F、C~C-アルキル、C~C-ハロアルキル、C~C-アルコキシ又はC~C-ハロアルコキシであり;
ZがCHであり;
好ましくは、
が、CHであり;
が、H、Fであり;
が、Fであり;
ZがCHである、式(I)のフェニルウラシルも好ましい。
【0056】
が、CH、C~C-アルケニル又はC~C-アルキニルであり;
が、H、F、C~C-アルキル、C~C-ハロアルキル、C~C-アルコキシ又はC~C-ハロアルコキシであり;
が、H、F、C~C-アルキル、C~C-ハロアルキル、C~C-アルコキシ又はC~C-ハロアルコキシであり;
ZがNであり;
好ましくは、
が、CHであり;
が、H、Fであり;
が、Fであり;
ZがNである、式(I)のフェニルウラシルも好ましい。
【0057】
式(I.1)のフェニルウラシル(RがCHであり、R及びRがFであり、RがHであり、nが1であり、Q、W、X、Y及びYがOである式(I)に対応)であって、
【化3】
式中、
が、H又はハロゲンであり、
が、ハロゲンであり;
が、H又はC~Cアルコキシであり;
が、ORであり、
が、H、C~C-アルキル、C~C-シアノアルキル、C~C-アルコキシ-C-C-アルキル、又はC~C-ヘテロシクリル-C~C-アルキルであり;
Zが、CH又はNであるものが好ましい。
【0058】
が、H又はFであり、
が、Cl又はBrであり;
が、H又はOCHであり;
が、ORであり、
が、H、CH、C2H5、CHCN、COCH又はCH-2-テトラヒドロフラニルであり;
Zが、CH又はNである、式(I.1)のフェニルウラシルが特に好ましい。
【0059】
式(I.a)のフェニルウラシル(RがCHであり、R及びRがFであり、RがHであり、nが1であり、Q、W、X、Y及びYがOであり、ZがCHである式(I)に対応)であって、
【化4】
式中、変数R、R、R及びRが、上記で定義された意味、特に好ましい意味を有する式(I.1)のフェニルウラシルが特に好ましい。
【0060】
式(I.a.1)~(I.a.168)、好ましくは(I.a.1)~(I.a.144)の表Aのフェニルウラシルが特に好ましく、ここで変数R、R、R及びRの定義は、本発明による化合物に関して、互いとの組合せでのみならず、それぞれの場合において単独でも特に重要である。
【0061】
【表1】
【0062】
【表2】
【0063】
【表3】
【0064】
【表4】
【0065】
式(I.b)のフェニルウラシルも好ましく、式(I.b.1)~(I.b.168)のフェニルウラシルが特に好ましく、式(I.b.1)~(I.b.144)のフェニルウラシルがより好ましく、これらは、ZがNであるという点においてのみ、式(I.a.1)~(I.a.168)、好ましくは式(I.a.1)~(I.a.144)の対応するフェニルウラシルと異なる。
【化5】
【0066】
式(I.c)のフェニルウラシルも好ましく、式(I.c.1)~(I.c.168)のフェニルウラシルが特に好ましく、式(I.c.1)~(I.c.144)のフェニルウラシルがより好ましく、これらは、XがSであるという点においてのみ、式(I.a.1)~(I.a.168)、好ましくは式(I.a.1)~(I.a.144)の対応するフェニルウラシルと異なる。
【化6】
【0067】
式(I.d)のフェニルウラシルも好ましく、式(I.d.1)~(I.d.168)のフェニルウラシルが特に好ましく、式(I.d.1)~(I.d.144)のフェニルウラシルがより好ましく、これらは、XがSであり、ZがNであるという点でのみ、式(I.a.1)~(I.a.168)、好ましくは式(I.a.1)~(I.a.144)の対応するフェニルウラシルと異なる。
【化7】
【0068】
式(I.e)のフェニルウラシルも好ましく、式(I.e.1)~(I.e.168)のフェニルウラシルが特に好ましく、式(I.e.1)~(I.e.144)のフェニルウラシルがより好ましく、これらは、QがSであるという点でのみ、式(I.a.1)~(I.a.168)、好ましくは式(I.a.1)~(I.a.144)の対応するフェニルウラシルと異なる。
【化8】
【0069】
式(I.f)のフェニルウラシルも好ましく、式(I.f.1)~(I.f.168)のフェニルウラシルが特に好ましく、式(I.f.1)~(I.f.144)のフェニルウラシルがより好ましく、これらは、QがSであり、ZがNであるという点でのみ、式(I.a.1)~(I.a.168)、好ましくは式(I.a.1)~(I.a.144)の対応するフェニルウラシルと異なる。
【化9】
【0070】
式(I.g)のフェニルウラシルも好ましく、式(I.g.1)~(I.g.168)のフェニルウラシルが特に好ましく、式(I.g.1)~(I.g.144)のフェニルウラシルがより好ましく、これらは、X及びQがSであるという点でのみ、式(I.a.1)~(I.a.168)、好ましくは式(I.a.1)~(I.a.144)の対応するフェニルウラシルと異なる。
【化10】
【0071】
式(I.h)のフェニルウラシルも好ましく、式(I.h.1)~(I.h.168)のフェニルウラシルが特に好ましく、式(I.h.1)~(I.h.144)のフェニルウラシルがより好ましく、これらは、X及びQがSであり、ZがNであるという点でのみ、式(I.a.1)~(I.a.168)、好ましくは式(I.a.1)~(I.a.144)の対応するフェニルウラシルと異なる。
【化11】
【0072】
ZがCH又はNである式(I.i)のフェニルウラシル、すなわち、上記で定義した式(I.a)及び(I.b)のフェニルウラシルも好ましく、
ZがCH又はNである式(I.i.1)~(I.i.168)のフェニルウラシル、すなわち、上記で定義した式(I.a.1)~(I.a.168)及び(I.b.1)~(I.b.144)のフェニルウラシルが特に好ましく;
ZがCH又はNである式(I.i.1)~(I.i.144)のフェニルウラシル、すなわち、上記で定義した式(I.a.1)~(I.a.144)及び(I.b.1)~(I.b.144)のフェニルウラシルがより好ましい。
【化12】
【0073】
本発明による式(I)のフェニルウラシルは、有機化学の標準プロセス、例えば、以下のプロセスによって調製することができる。
【0074】
プロセスA)
式(I)のウラシルピリジンは、塩基の存在下、式(III)の化合物との反応により、式(II)の酸ハロゲン化物から得られる。
【化13】
【0075】
式(II)の酸ハロゲン化物の中で、Lはハロゲンであり;好ましくはF、Cl又はBrであり;特に好ましくはF又はClであり、より好ましくはClである。
【0076】
式(II)の酸ハロゲン化物の代わりに、カルボニルジイミダゾール、N,N’-ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDC)又はN-メチル-2-クロロピリジニウムクロリドなどの活性化剤と組み合わせた対応する酸(例えば、LがOHである式(II)の酸ハロゲン化物)を使用することもできる。反応条件は、式(II)の酸ハロゲン化物について記載したものと同一である。
【0077】
化合物(III)は、それらの塩、特にナトリウム塩及びカリウム塩の形態で使用することも可能であり、その場合、塩基の存在は必要ではない。
【0078】
酸ハロゲン化物(II)と化合物(III)との反応は、通常、不活性有機溶媒中、塩基の存在下、0℃から反応混合物の沸点、好ましくは0℃~100℃、特に好ましくは0℃~40℃で実行される。
【0079】
反応は原則的に実質的に実行され得る。しかしながら、有機溶媒中で酸ハロゲン化物(II)を化合物(III)と反応させることが好ましい。酸ハロゲン化物(II)及び化合物(III)を反応条件下で少なくとも部分的に、好ましくは完全に溶解することができる全ての溶媒は原則的に適切である。
【0080】
適切な溶媒の例は、脂肪族炭化水素、例えば、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ニトロメタン及びC5~C8-アルカンの混合物;芳香族炭化水素、例えば、ベンゼン、クロロベンゼン、トルエン、クレゾール、ο-、m-及びp-キシレン;ハロゲン化炭化水素、例えば、ジクロロメタン、1,2-ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素及びクロロベンゼン;エーテル、例えば、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、tert.-ブチルメチルエーテル(TBME)、ジオキサン、アニソール及びテトラヒドロフラン(THF);エステル、例えば、酢酸エチル及び酢酸ブチル;ニトリル、例えば、アセトニトリル及びプロピオニトリル;ケトン、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、tert-ブチルメチルケトン、シクロヘキサノン;双極性非プロトン性溶媒、例えば、スルホラン、ジメチル-スルホキシド、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N-ジメチルアセトアミド(DMAC)、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン(DMI)、N,N’-ジメチルプロピレン尿素(DMPU)、ジメチルスルホキシド(DMSO)及び1-メチル-2ピロリジノン(NMP)である。
【0081】
好ましい溶媒は、上記のハロゲン化炭化水素、エーテル及び双極性非プロトン性溶媒である。
【0082】
上述の溶媒の混合物を使用することも可能である。
【0083】
適切な塩基の例としては、金属含有塩基及び窒素含有塩基が挙げられる。
【0084】
適切な金属含有塩基の例は、無機化合物、例えば、アルカリ金属及びアルカリ土類金属の酸化物及び他の金属酸化物、例えば、酸化リチウム、酸化ナトリウム、酸化カリウム、酸化マグネシウム、酸化カルシウム及び酸化マグネシウム、酸化鉄、酸化銀;アルカリ金属及びアルカリ土類金属の水素化物、例えば、水素化リチウム、水素化ナトリウム、水素化カリウム及び水素化カルシウム;アルカリ金属及びアルカリ土類金属の炭酸塩、例えば、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸マグネシウム及び炭酸カルシウム;アルカリ金属炭酸水素塩(重炭酸塩)、例えば、炭酸水素リチウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム;アルカリ金属及びアルカリ土類金属のリン酸塩、例えば、リン酸カリウム、リン酸カルシウム;さらに有機塩基、例えば、第三アミン、例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、トリブチルアミン、及びN-メチルピペリジン、ピリジン、置換ピリジン、例えば、コリジン、ルチジン、N-メチルモルホリン及び4-ジメチルアミノピリジン、並びにまた二環式アミンである。
【0085】
適切な窒素含有塩基の例は、C1~C6-アルキルアミン、好ましくは、トリアルキルアミン、例えば、トリエチルアミン、トリメチルアミン、N-エチルジイソプロピルアミン;ピリジン、ルチジン、コリジン、4-(ジメチルアミノ)ピリジン(DMAP)、イミダゾール、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデク-7-エン(DBU)又は1,5-ジアザビシクロ[4.3.0]ノン-5-エン(DBN)である。
【0086】
好ましい塩基は、アルカリ金属及びアルカリ土類金属の炭酸塩、並びに上記で定義した窒素含有塩基であり;特に好ましいのは、トリエチルアミン、ピリジン又は炭酸ナトリウムである。
【0087】
本明細書で使用される塩基という用語は、は上記の化合物の2種以上、好ましく2種の混合物も含む。1種の塩基を使用することが特に好ましい。
【0088】
塩基は、一般に過剰量で使用され、より好ましくは、酸ハロゲン化物(II)を基準として1~3当量で使用され、それらは溶媒として使用されてもよい。しかしながら、これらは触媒量でも使用可能である。
【0089】
反応のために、酸ハロゲン化物(II)、化合物(III)及び塩基は、それ自体任意の方法で接触させることができる。
【0090】
したがって、反応パートナー及び塩基を反応容器に導入し、別々に、同時に又は連続して反応させてよい。
【0091】
反応物は一般に等モル量で使用される。例えば、他方の反応物の反応を完結させる目的で、一方の反応物を過剰量で使用することが有利となり得る。
【0092】
反応は、大気圧下、減圧下又は昇圧下、適切な場合、不活性ガス下において連続的に又はバッチ式で行うことができる。
【0093】
反応の終了は、熟練作業者が定型的な方法で容易に判断することができる。
【0094】
反応混合物は、例えば、水と混合し、相を分離し、適切な場合、粗生成物のクロマトグラフィー精製によって慣用的な方法で仕上げられる。
【0095】
中間体及び最終生成物の一部は粘性油状物の形態で得られ、これは減圧下及び適度な高温で精製又は揮発性成分から分離することができる。
【0096】
中間体及び最終生成物が固体として得られる場合、再結晶及びダイジェスション(digestion)によって精製することも可能である。
【0097】
式(III)の化合物は市販品として入手可能である。
【0098】
プロセスB)
別の方法として、Rがハロゲン又はCNである式(I)のフェニルウラシルは、RがNHである式(I)のフェニルウラシルを、任意選択的に銅塩の存在下でジアゾ化剤と反応させることによって調製することもできる。
【化14】
【0099】
がNHである式(I)のフェニルウラシルのハロゲン化は、亜硝酸アルキル(例えば、亜硝酸イソアミル、亜硝酸tert-ブチル又はNaNO)によるジアゾ化、続いて銅(I)及び/又は銅(II)ハロゲン化物(例えば、CuCl、CuCl、CuBr、CuBr又はCuCN)を用いて、アセトニトリルなどの溶媒中、0℃から溶媒の還流温度までの温度で処理することによって実行され、これにより、Rが塩化物又は臭化物などのハロゲン、又はCNである式(I)の対応するフェニルウラシルが得られる(例えば、国際公開第2011/137088号パンフレット)。
【0100】
この反応は「サンドマイヤー(Sandmeyer)」反応として知られている(例えば、L.Kurti,B.Czako Strategic Applications of Named Reactions in Organic Synthesis,Elsevier:San Diego,2005,p.394-395を参照)。
【0101】
がヨウ素である式(I)のフェニルウラシルを得るためには、銅塩は必要ない。
【0102】
銅塩の代わりにヨウ化カリウムなどのヨウ素塩をジアゾ化後に添加して、下記の反応条件を用いることができる。
【0103】
がフッ素である式(I)のフェニルウラシルを得るためには、ジアゾニウム化合物のテトラフルオロホウ酸塩を使用することができる。これらは、ジアゾ化の間にテトラフルオロホウ酸ヒドロゲンを添加することによって得られる。その後の熱分解又は光分解により、対応するフッ素化合物が得られる(Langlois,B.In Introduction of Fluorine via Diazonium Compounds(Fluorodediazoniation);Baasner,B.,Hagemann,H.,Tatlow,J.C.,Eds.;Houben-Weyl,Methods of Organic Chemistry;Thieme:Stuttgart,1999;Vol.E10a,Organo-Fluorine Compounds,pp 686-740)。
【0104】
がNHである式(I)のフェニルウラシルと、ジアゾ化剤及び任意選択的に銅塩との反応は、通常、不活性溶媒中、0℃から反応混合物の沸点まで、好ましくは0℃~100℃、特に好ましくは0℃~40℃で実行される。
【0105】
反応は原則的に実質的に実行され得る。しかしながら、RがNHである式(I)のフェニルウラシルを有機溶媒中で銅塩及びジアゾ化剤と反応させることが好ましい。
【0106】
がNHである式(I)の化合物、銅塩及びジアゾ化剤を反応条件下で少なくとも部分的に、好ましくは完全に溶解することができる全ての溶媒は原則的に適切である。
【0107】
適切な溶媒の例は、脂肪族炭化水素、例えば、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ニトロメタン及びC5~C8-アルカンの混合物;芳香族炭化水素、例えば、ベンゼン、クロロベンゼン、トルエン、クレゾール、ο-、m-及びp-キシレン;ハロゲン化炭化水素、例えば、ジクロロメタン、1,2-ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素及びクロロベンゼン;エーテル、例えば、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、tert.-ブチルメチルエーテル(TBME)、ジオキサン、アニソール及びテトラヒドロフラン(THF);エステル、例えば、酢酸エチル及び酢酸ブチル、ニトリル、例えば、アセトニトリル及びプロピオニトリル;ケトン、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、tertブチルメチルケトン、シクロヘキサノン;双極性非プロトン性溶媒、例えばスルホラン、ジメチルスルホキシド、Ν,Ν-ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N-ジメチルアセトアミド(DMAC)、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン(DMI)、Ν,Ν’-ジメチルプロピレンウレア(DMPU)、ジメチルスルホキシド(DMSO)及び1-メチル-2ピロリジノン(NMP)、及び極性プロトン性溶媒、例えば、水である。
【0108】
好ましい溶媒は、上記のようなニトリル又は極性プロトン性溶媒である。
【0109】
上述の溶媒の混合物を使用することも可能である。
【0110】
銅塩は、一般に過剰量で使用され、より好ましくは、式(I)のフェニルウラシルを基準にして1~3当量で使用され、ここでRはNHである。
【0111】
ジアゾ化剤は、一般に過剰量で使用され、より好ましくは、式(I)の化合物を基準にして1~3当量で使用され、ここでRはNHである。
【0112】
反応のために、RがNHである式(I)のフェニルウラシル、銅塩及びジアゾ化剤は、それ自体任意の方法で接触させることができる。
【0113】
反応は、大気圧下、減圧下又は昇圧下、適切な場合、不活性ガス下において連続的に又はバッチ式で行うことができる。
【0114】
銅塩及びジアゾ化剤は市販品として入手可能である。
【0115】
がNHである式(I)のフェニルウラシルは、RがNOである式(I)のフェニルウラシルから調製することができる。
【化15】
【0116】
ニトロ基の還元は、酢酸中、0℃~100℃の範囲の温度で鉄粉を用いて処理することによって達成することができる。或いは、還元は、水素ガス中、70~700kPa、好ましくは270~350kPaの圧力で、常温でエタノールなどの溶媒中に懸濁させた担体に対する金属の重量比が5~20%の活性炭などの不活性担体上に担持されたパラジウムなどの金属触媒の存在下、触媒水素化により実施することができる(例えば、国際公開第2011/137088号パンフレット参照)。
【0117】
がNOである式(I)のフェニルウラシルと還元剤との反応は、通常、不活性溶媒中、0℃から反応混合物の沸点まで、好ましくは20℃から反応混合物の沸点までで実行される。反応は原則的に実質的に実行され得る。
【0118】
しかしながら、RがNOである式(I)の化合物を有機溶媒中で還元剤と反応させることが好ましい。RがNOである式(I)の化合物を反応条件下で少なくとも部分的に、好ましくは完全に溶解することができる全ての溶媒は原則的に適切である。
【0119】
適切な溶媒の例は、エタノールなどのアルコールである。
【0120】
還元剤は、一般に過剰量で使用され、より好ましくは、ニトロ化合物を基準として1~6当量で使用される。
【0121】
反応は、大気圧下、減圧下又は昇圧下、適切な場合、不活性ガス下において連続的に又はバッチ式で行うことができる。
【0122】
還元剤は市販品として入手可能である。
【0123】
がNOである式(I)のフェニルウラシルは、塩基の存在下での式(IV)のウラシルと式(V)の化合物との反応によって調製することができる。
【化16】
【0124】
式(IV)のウラシルの中で、Lは、ハロゲン、C~C-アルキルスルホネート又はアリールスルホネートなどの脱離基であり;好ましくは、F、C~C-アルキルスルホネート又はアリールスルホネートであり;特に好ましくは、F、メシラト又はトシラトである。
【0125】
塩基の存在下での式(IV)のウラシルと式(V)の化合物との反応は、通常、0℃から反応混合物の沸点まで、好ましくは20℃~100℃で実行される。
【0126】
反応は原則的に実質的に実行され得る。しかしながら、式(IV)のウラシルを式(V)の化合物と有機溶媒中で反応させることが好ましい。式(IV)のウラシル及び式(V)の化合物を反応条件下で少なくとも部分的に、好ましくは完全に溶解することができる全ての溶媒は原則的に適切である。
【0127】
適切な溶媒の例は、脂肪族炭化水素、例えばペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ニトロメタン及びC~C-アルカンの混合物;芳香族炭化水素、例えばベンゼン、クロロベンゼン、トルエン、クレゾール、ο-、m-及びp-キシレン;ハロゲン化炭化水素、例えばジクロロメタン、1,2-ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素及びクロロベンゼン、エーテル、例えばジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、tert.-ブチルメチルエーテル(TBME)、ジオキサン、アニソール及びテトラヒドロフラン(THF)、エステル、例えば酢酸エチル及び酢酸ブチル、ニトリル、例えばアセトニトリル及びプロピオニトリル並びに双極性非プロトン性溶媒、例えばスルホラン、ジメチルスルホキシド、Ν,Ν-ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N-ジメチルアセトアミド(DMAC)、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン(DMI)、Ν,Ν’-ジメチルプロピレンウレア(DMPU)、ジメチルスルホキシド(DMSO)及び1-メチル-2ピロリジノン(NMP)である。
【0128】
好ましい溶媒は、上記のエーテル、ニトリル、双極性非プロトン性溶媒である。
【0129】
適切な金属含有塩基の例は、無機化合物、例えば、アルカリ金属及びアルカリ土類金属水酸化物、並びに他の金属水酸化物、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム及び水酸化アルミニウム;アルカリ金属及びアルカリ土類金属酸化物、並びに他の金属酸化物、例えば、酸化リチウム、酸化ナトリウム、酸化カリウム、酸化マグネシウム、酸化カルシウム及び酸化マグネシウム、酸化鉄、酸化銀;アルカリ金属及びアルカリ土類金属水素化物、例えば、水素化リチウム、水素化ナトリウム、水素化カリウム及び水素化カルシウム、アルカリ金属アミド、例えば、リチウムアミド、ナトリウムアミド及びカリウムアミド、アルカリ金属及びアルカリ土類金属炭酸塩、例えば、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸マグネシウム、炭酸セシウム及び炭酸カルシウム、並びにアルカリ金属炭酸水素塩(重炭酸塩)、例えば、炭酸水素リチウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム;アルカリ金属及びアルカリ土類金属リン酸塩、例えば、リン酸カリウム、リン酸カルシウム;有機金属化合物、好ましくは、アルカリ金属アルキル、例えば、メチルリチウム、ブチルリチウム及びフェニルリチウム、アルキルマグネシウムハロゲン化物、例えば、塩化メチルマグネシウム、並びにアルカリ金属及びアルカリ土類金属アルコキシド、例えば、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムエトキシド、カリウムtert-ブトキシド、カリウムtert-ペントキシド及びジメトキシマグネシウムである。
【0130】
式(V)の化合物は、文献から既知であり、且つ/又は市販品として入手可能である。
【0131】
式(IV)のウラシルは、塩基の存在下、式(VI)のウラシルと式(VII)の化合物との反応によって調製することができる。
【化17】
【0132】
式(VII)の化合物の中で、Lは、ハロゲン、C~C-アルキルスルホネート又はアリールスルホネートなどの脱離基であり;好ましくは、F、C~C-アルキルスルホネート又はアリールスルホネートであり;特に好ましくは、F、メシラト又はトシラトである。
【0133】
式(VII)の化合物の中で、Lは、F、C~C-アルキルスルホネート又はアリールスルホネートのような脱離基であり;好ましくは、F、メシラト又はトシラトである。
【0134】
塩基の存在下での式(VI)のウラシルと式(VII)の化合物との反応は、通常0℃から反応混合物の沸点まで、好ましくは20℃~100℃で実行される。
【0135】
反応は原則的に実質的に実行され得る。しかしながら、式(VI)のウラシルを式(VII)の化合物と有機溶媒中で反応させることが好ましい。
【0136】
式(VI)のウラシル及び式(VII)の化合物を反応条件下で少なくとも部分的に、好ましくは完全に溶解することができる全ての溶媒は原則的に適切である。
【0137】
適切な溶媒の例は、双極性非プロトン性溶媒、例えば、スルホラン、ジメチルスルホキシド、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N-ジメチルアセトアミド(DMAC)、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン(DMI)、N,N’-ジメチルプロピレン尿素(DMPU)、ジメチルスルホキシド(DMSO)及び1-メチル-2ピロリジノン(NMP)である。
【0138】
適切な金属含有塩基の例は、無機化合物、例えば、アルカリ金属及びアルカリ土類金属水酸化物、並びに他の金属水酸化物、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム及び水酸化アルミニウム;アルカリ金属及びアルカリ土類金属酸化物、並びに他の金属酸化物、例えば、酸化リチウム、酸化ナトリウム、酸化カリウム、酸化マグネシウム、酸化カルシウム及び酸化マグネシウム、酸化鉄、酸化銀;アルカリ金属及びアルカリ土類金属水素化物、例えば、水素化リチウム、水素化ナトリウム、水素化カリウム及び水素化カルシウム、アルカリ金属アミド、例えば、リチウムアミド、ナトリウムアミド及びカリウムアミド、アルカリ金属及びアルカリ土類金属炭酸塩、例えば、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸マグネシウム、炭酸セシウム及び炭酸カルシウム、並びにアルカリ金属炭酸水素塩(重炭酸塩)、例えば、炭酸水素リチウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム;アルカリ金属及びアルカリ土類金属リン酸塩、例えば、リン酸カリウム、リン酸カルシウム;有機金属化合物、好ましくは、アルカリ金属アルキル、例えば、メチルリチウム、ブチルリチウム及びフェニルリチウム、アルキルマグネシウムハロゲン化物、例えば、塩化メチルマグネシウム、並びにアルカリ金属及びアルカリ土類金属アルコキシド、例えば、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムエトキシド、カリウムtert-ブトキシド、カリウムtert-ペントキシド及びジメトキシマグネシウムである。
【0139】
式(VII)の化合物は、文献から既知であり、且つ/又は市販品として入手可能である。
【0140】
式(VI)のウラシルは、塩基の存在下、ヨウ化メチル、硫酸メチル又はスルホン酸メチル、例えば、CFSOCHなどのメチル化試薬を用いて、式(VIII)のNH-ウラシルから調製することができる。
【化18】
【0141】
反応は原則的に実質的に実行され得る。しかしながら、式(VIII)のウラシルを有機溶媒中で反応させることが好ましい。
【0142】
式(VIII)のウラシルを反応条件下で少なくとも部分的に、好ましくは完全に溶解することができる全ての溶媒は原則的に適切である。
【0143】
適切な溶媒の例は、エーテル、例えばジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、tert.-ブチルメチルエーテル(TBME)、ジオキサン、アニソール及びテトラヒドロフラン(THF)、エステル、例えば酢酸エチル及び酢酸ブチル、ニトリル、例えばアセトニトリル及びプロピオニトリル並びに双極性非プロトン性溶媒、例えばスルホラン、ジメチルスルホキシド、Ν,Ν-ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N-ジメチルアセトアミド(DMAC)、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン(DMI)、Ν,Ν’-ジメチルプロピレンウレア(DMPU)、ジメチルスルホキシド(DMSO)及び1-メチル-2ピロリジノン(NMP)である。
【0144】
適切な金属含有塩基の例は、アルカリ金属及びアルカリ土類金属水素化物、例えば、水素化リチウム、水素化ナトリウム、水素化カリウム及び水素化カルシウム、アルカリ金属アミド、例えば、リチウムアミド、ナトリウムアミド及びカリウムアミド、アルカリ金属及びアルカリ土類金属炭酸塩、例えば、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸マグネシウム、炭酸セシウム及び炭酸カルシウム、並びにアルカリ金属炭酸水素塩(重炭酸塩)、例えば、炭酸水素リチウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム;アルカリ金属及びアルカリ土類金属リン酸塩、例えば、リン酸カリウム、リン酸カルシウム;有機金属化合物、好ましくは、アルカリ金属アルキル、例えば、メチルリチウム、ブチルリチウム及びフェニルリチウム、アルキルマグネシウムハロゲン化物、例えば、塩化メチルマグネシウム、並びにアルカリ金属及びアルカリ土類金属アルコキシド、例えば、カリウムtert-ブトキシドである。
【0145】
式(VIII)のNH-ウラシルは、KNCOなどのイソシアネート塩を用いて式(IX)のアミノクロトン酸塩から調製することができる。
【化19】
【0146】
反応は原則的に実質的に実行され得る。しかしながら、有機溶媒中での反応が好ましい。
【0147】
式(IX)のアミノクロトン酸塩及びイソシアネート塩を反応条件下で少なくとも部分的に、好ましくは完全に溶解することができる全ての溶媒は原則的に適切である。
【0148】
適切な溶媒の例は、エーテル、例えばジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、tert.-ブチルメチルエーテル(TBME)、ジオキサン、アニソール及びテトラヒドロフラン(THF)、エステル、例えば酢酸エチル及び酢酸ブチル、ニトリル、例えばアセトニトリル及びプロピオニトリル並びに双極性非プロトン性溶媒、例えばスルホラン、ジメチルスルホキシド、Ν,Ν-ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N-ジメチルアセトアミド(DMAC)、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン(DMI)、Ν,Ν’-ジメチルプロピレンウレア(DMPU)、ジメチルスルホキシド(DMSO)及び1-メチル-2ピロリジノン(NMP)である。
【0149】
式(IX)のアミノクロトン酸塩は、文献(例えば、米国特許出願公開第2003/0216594号明細書参照)に記載されているように、式(X)のベータ-ケト-エステルから調製することができる。
【化20】
【0150】
式(X)のベータ-ケト-エステルは、塩基の存在下、式(XI)のエステルと式(XII)の酢酸エステルとの反応によって調製することができる。
【化21】
【0151】
反応は原則的に実質的に実行され得る。しかしながら、有機溶媒中での反応が好ましい。
【0152】
式(XI)のエステルを反応条件下で少なくとも部分的に、好ましくは完全に溶解することができる全ての溶媒は原則的に適切である。
【0153】
適切な溶媒の例は、エーテル、例えばジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、tert.-ブチルメチルエーテル(TBME)、ジオキサン、アニソール及びテトラヒドロフラン(THF)、エステル、例えば酢酸エチル及び酢酸ブチル、ニトリル、例えばアセトニトリル及びプロピオニトリル並びに双極性非プロトン性溶媒、例えばスルホラン、ジメチルスルホキシド、Ν,Ν-ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N-ジメチルアセトアミド(DMAC)、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン(DMI)、Ν,Ν’-ジメチルプロピレンウレア(DMPU)、ジメチルスルホキシド(DMSO)及び1-メチル-2ピロリジノン(NMP)である。
【0154】
適切な金属含有塩基の例は、アルカリ金属及びアルカリ土類金属水素化物、例えば、水素化リチウム、水素化ナトリウム、水素化カリウム及び水素化カルシウム、アルカリ金属アミド、例えば、リチウムアミド、ナトリウムアミド及びカリウムアミド、アルカリ金属及びアルカリ土類金属炭酸塩、例えば、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸マグネシウム、炭酸セシウム及び炭酸カルシウム、並びにアルカリ金属炭酸水素塩(重炭酸塩)、例えば、炭酸水素リチウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム; アルカリ金属及びアルカリ土類金属リン酸塩、例えば、リン酸カリウム、リン酸カルシウム;有機金属化合物、好ましくは、アルカリ金属アルキル、例えば、メチルリチウム、ブチルリチウム及びフェニルリチウム、アルキルマグネシウムハロゲン化物、例えば、塩化メチルマグネシウム、並びにアルカリ金属及びアルカリ土類金属アルコキシド、例えば、カリウムtert-ブトキシドである。
【0155】
式(XI)及び(XII)の化合物は、文献から既知であり、且つ/又は市販品として入手可能である。
【0156】
プロセスC)
式(I)のフェニルウラシルはまた、既知のプロセス(例えば、国際公開第11/137088号パンフレット)に類似して、塩基の存在下、式(XIII)の化合物を式(XIV)のアルキル化剤と反応させることによって調製することができる。
【化22】
【0157】
式(XIV)のアルキル化剤の中で、Lはハロゲン、C~C-アルキルスルホネート又はアリールスルホネートのような脱離基であり、好ましくはCl又はBrである。
【0158】
反応は原則的に実質的に実行され得る。しかしながら、有機溶媒中で式(XIII)の化合物を式(XIV)のアルキル化剤と反応させることが好ましい。
【0159】
式(XIII)の化合物及び式(XIV)のアルキル化剤を反応条件下で少なくとも部分的に、好ましくは完全に溶解することができる全ての溶媒は原則的に適切である。
【0160】
適切な溶媒の例は、エーテル、例えばジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、tert.-ブチルメチルエーテル(TBME)、ジオキサン、アニソール及びテトラヒドロフラン(THF)、エステル、例えば酢酸エチル及び酢酸ブチル、ニトリル、例えばアセトニトリル及びプロピオニトリル並びに双極性非プロトン性溶媒、例えばスルホラン、ジメチルスルホキシド、Ν,Ν-ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N-ジメチルアセトアミド(DMAC)、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン(DMI)、Ν,Ν’-ジメチルプロピレンウレア(DMPU)、ジメチルスルホキシド(DMSO)及び1-メチル-2ピロリジノン(NMP)である。
【0161】
適切な金属含有塩基の例は、無機化合物、例えば、アルカリ金属及びアルカリ土類金属水酸化物、並びに他の金属水酸化物、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム及び水酸化アルミニウム;アルカリ金属及びアルカリ土類金属酸化物、並びに他の金属酸化物、例えば、酸化リチウム、酸化ナトリウム、酸化カリウム、酸化マグネシウム、酸化カルシウム及び酸化マグネシウム、酸化鉄、酸化銀;アルカリ金属及びアルカリ土類金属水素化物、例えば、水素化リチウム、水素化ナトリウム、水素化カリウム及び水素化カルシウム、アルカリ金属アミド、例えば、リチウムアミド、ナトリウムアミド及びカリウムアミド、アルカリ金属及びアルカリ土類金属炭酸塩、例えば、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸マグネシウム、炭酸セシウム及び炭酸カルシウム、並びにアルカリ金属炭酸水素塩(重炭酸塩)、例えば、炭酸水素リチウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム; アルカリ金属及びアルカリ土類金属リン酸塩、例えば、リン酸カリウム、リン酸カルシウム;有機金属化合物、好ましくは、アルカリ金属アルキル、例えば、メチルリチウム、ブチルリチウム及びフェニルリチウム、アルキルマグネシウムハロゲン化物、例えば、塩化メチルマグネシウム、並びにアルカリ金属及びアルカリ土類金属アルコキシド、例えば、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムエトキシド、カリウムtert-ブトキシド、カリウムtert-ペントキシド及びジメトキシマグネシウム;さらに有機塩基、例えば、第三アミン、例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン及びN-メチルピペリジン、ピリジン、置換ピリジン、例えば、コリジン、ルチジン、N-メチルモルホリン及び4-ジメチルアミノピリジン、並びにまた二環式アミンである。
【0162】
式(XIV)のアルキル化剤は、市販品として入手可能であるか、又は既知の方法によって調製することができる(例えば、Lowell,Andrew N.et al,Tetrahedron,6(30),5573-5582,2010;国際公開第11/137088号パンフレット)。
【0163】
式(XIII)の化合物は、以下のように調製することができる。
【化23】
【0164】
式(XV)の化合物中、「PG」は、C~C-アルキル、C~C-シアノアルキル、C~C-ハロアルキル、C~C-アルキルチオ-C1~C4-アルキル、C~C-アルコキシ-C~C-アルキル、C~C-アルコキシ-C~C-アルコキシ-C~C-アルキル、(トリ-C~C-アルキル)シリル-C~C-アルキル、(トリ-C~C-アルキル)シリル-C~C-アルコキシ-C~C-アルキル、C~C-アルケニル、C~C-アルキニル、C~C-シクロアルキル、C~C-シクロアルキル-C~C-アルキル、C~C-シクロアルケニル、テトラヒドロピラニル、(トリ-C~C-アルキル)シリル、[(ジフェニル)(C~C-アルキル)]シリル、ホルミル、C~C-アルキル-カルボニル、C~C-アルキル-O-カルボニル、C~C-アルケニル-O-カルボニル、[(ジフェニル)(C~C-アルキル)]シリル-C~C-アルキル、フェニル-C~C-アルキル、フェニルチオ-C~C-アルキル、フェニルカルボニルからなる群から選択される保護基であり、ここで、各フェニル環は、ハロゲン、CN、NO2、C1~C4-アルキル及びC1~C4-アルコキシからなる群から選択される1~3個の置換基で置換されていてもよい。
【0165】
好ましくは、PGは、C~C-アルキル、C~C-アルコキシ-C~C-アルキル、(トリ-C~C-アルキル)シリル-C1~C4-アルキル、C~C-アルケニル、テトラヒドロピラニル、(トリ-C~C-アルキル)シリル、[(ジフェニル)(C~C-アルキル)]シリル又はフェニル-C~C-アルキルである。
【0166】
例えば、式(XIII)の化合物は、「PG」がメチルである式(XV)の化合物を、ジクロロメタン、アセトニトリル又は1,4-ジオキサンなどの溶媒中で、又は溶媒を用いずに、0℃~150℃の範囲の温度で、三臭化ホウ素によって処理することによって調製することができる。
【0167】
或いは、式(XIII)の化合物は、「PG」がベンジル基である式(XV)の化合物を、水素ガス雰囲気中、70~700kPa、好ましくは270~350kPaの圧力で、常温でエタノールなどの溶媒中に懸濁させた担体に対する金属の重量比が5~20%の活性炭などの不活性担体上に担持されたパラジウムなどの金属触媒の存在下、触媒水素化により調製することができる。
【0168】
保護基のプロセス、使用及び選択は、化学合成の当業者には明らかであろう(例えば、Greene,T.W.;Wuts,P.G.M.Protective Groups in Organic Synthesis,4th ed.;Wiley:New York,2007参照)。
【0169】
式(XV)の化合物は、式(XVI)のアミノ化合物から、プロセスBに記載されるように、「サンドマイヤー」反応を用いて調製することができる。
【化24】
【0170】
式(XVI)のアミノ化合物は、プロセスBに記載されるように、還元条件を使用して、式(XVII)のニトロ化合物から調製することができる。
【化25】
【0171】
式(XVII)のニトロ化合物は、プロセスBに記載されるように、式(XVIII)の化合物を使用して、塩基の存在下で式(IV)のウラシルから調製することができる。
【化26】
【0172】
式(XVIII)の化合物は、文献から既知であり、且つ/又は市販品として入手可能である。
【0173】
作用スペクトルを広げ、相乗効果を得るために、式(I)のフェニルウラシルは、他の除草活性成分群又は生育調節活性成分群の多数の代表と混合され、その後、同時に適用され得る。組合せのために適切な成分は、例えば、アセトアミド、アミド、アリールオキシフェノキシプロピオネート、ベンズアミド、ベンゾフラン、安息香酸、ベンゾチアジアジノン、ビピリジウム、カルバメート、クロロアセトアミド、クロロカルボン酸、シクロヘキサンジオン、ジニトロアニリン、ジニトロフェノール、ジフェニルエーテル、グリシン、イミダゾリノン、イソキサゾル、イソキサゾリジノン、ニトリル、N-フェニルフタルイミド、オキサジアゾル、オキサゾリジンジオン、オキシアセトアミド、フェノキカルボン酸、フェニルカルバメート、フェニルピラゾール、フェニルピラゾリン、フェニルピリダジン、ホスフィン酸、ホスホロアミデート、ホスホロジチオエート、フタラメート、ピラゾール、ピリダジノン、ピリジン、ピリジンカルボン酸、ピリジンカルボキサミド、ピリミジンジオン、ピリミジニル(チオ)ベンゾエート、キノリンカルボン酸、セミカルバゾン、スルホニルアミノカルボニルトリアゾリノン、スルホニルウレア、テトラゾリノン、チアジアゾール、チオカルバメート、トリアジン、トリアジノン、トリアゾール、トリアゾリノン、トリアゾロカルボキサミド、トリアゾロピリミジン、トリケトン、ウラシル、ウレアのクラスからの除草剤である。
【0174】
式(I)のフェニルウラシルを単独で、又は他の除草剤と組み合わせて、或いは他の作物保護剤、例えば害虫又は植物病原性真菌又は細菌を制御するための薬剤との混合物の形態で適用することはさらに有益であり得る。栄養及び微量元素の欠乏を治療するために使用されるミネラル塩溶液との混和性も興味深い。植物毒性がない油及び濃縮油などの他の添加剤も添加し得る。
【0175】
本発明はまた、少なくとも補助剤と、本発明による式(I)のフェニルウラシルの少なくとも1種とを含む配合物にも関する。
【0176】
配合物は、式(I)のフェニルウラシルの農薬有効量を含む。「有効な量」は、望ましくない植生の防除、とりわけ、作物(即ち、栽培植物)中の望ましくない植生を防除するのに十分であり、且つ処理された作物植物に実質的に損傷を与えない、組合せ又は式(I)のフェニルウラシルの量を指す。そのような量は広い範囲で変化し得、防除すべき望ましくない植生、処理される作物植物又は材料、気候条件及び使用する具体的な式(I)のフェニルウラシルなどの様々な要素に依存する。
【0177】
式(I)のフェニルウラシル、それらの塩、アミド、エステル又はチオエステルは、慣用の種類の配合物、例えば、溶液、エマルジョン、懸濁液、ダスト、粉剤、ペースト、顆粒、プレス、カプセル、及びそれらの混合物に変換することができる。製剤の種類には、例えば、懸濁製剤(例えば、SC、OD、FS)、乳剤(例えば、EC)、エマルジョン(例えば、EW、EO、ES、ME)、カプセル剤(例えば、CS、ZC)、ペースト剤、固形燻蒸剤(pastille)、水和剤又は水和性微粉(wettable dust)(例えば、WP、SP、WS、DP、DS)、加圧成形物(例えば、BR、TB、DT)、粒剤(例えば、WG、SG、GR、FG、GG、MG)、殺虫用品(insecticidal article)(例えば、LN)及び種子などの植物繁殖材料を処理するためのゲル状製剤(例えば、GF)がある。これらの製剤及びさらなる製剤の種類は、“Catalogue of pesticide formulation types and international coding system”,Technical Monograph No.2,6th Ed.May 2008,CropLife Internationalに定義されている。
【0178】
配合物は、例えば、Mollet及びGrubemann,Formulation technology,Wiley VCH,Weinheim,2001;又はKnowles,New developments in crop protection product formulation,Agrow Reports DS243,T&F Informa,London,2005に記載されている既知の方法で調製される。
【0179】
適切な助剤は、溶媒、液体担体、固体担体又は充填剤、界面活性剤、分散剤、乳化剤、湿潤剤、アジュバント、可溶化剤、浸透促進剤、保護コロイド、付着剤、増粘剤、保湿剤、忌避剤、誘引剤、摂食促進剤、相溶化剤、殺菌剤、凍結防止剤、消泡剤、着色剤、粘着剤及び結合剤である。
【0180】
適切な溶媒及び液体担体は、水及び有機溶媒、例えば、中沸点から高沸点の鉱油留分、例えば、ケロシン、ディーゼル油;植物又は動物起源の油;脂肪族、環状及び芳香族炭化水素、例えば、トルエン、パラフィン、テトラヒドロナフタレン、アルキル化ナフタレン;アルコール、例えば、エタノール、プロパノール、ブタノール、ベンジルアルコール、シクロヘキサノール;グリコール;DMSO;ケトン、例えば、シクロヘキサノン;エステル、例えば、乳酸エステル、炭酸エステル、脂肪酸エステル、ガンマ-ブチロラクトン;脂肪酸;ホスホネート;アミン;アミド、例えば、N-メチルピロリドン、脂肪酸ジメチルアミド;及びそれらの混合物である。
【0181】
適切な固体担体又は充填剤は、鉱物土、例えばシリケート、シリカゲル、タルク、カオリン、石灰石、石灰、チョーク、粘土、ドロマイト、珪藻土、ベントナイト、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、酸化マグネシウム;多糖類、例えばセルロース、でんぷん;肥料、例えば硫酸アンモニウム、リン酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、ウレア;植物由来の製品、例えば穀物粕、樹皮粕、木材粕、木の実粕及びこれらの混合物である。
【0182】
好適な界面活性剤は、アニオン性、カチオン性、非イオン性及び両性界面活性剤、ブロックポリマー、高分子電解質及びこれらの混合物のような界面活性化合物である。このような界面活性剤は、乳化剤、分散剤、可溶化剤、湿潤剤、浸透促進剤、保護コロイド又はアジュバントとして使用することができる。界面活性剤の例は、McCutcheon’s,Vol.1:Emulsifiers & Detergents,McCutcheon’s Directories,Glen Rock,USA,2008(International Ed.又はNorth American Ed.)に記載されている。
【0183】
好適なアニオン性界面活性剤は、スルホネート、サルフェート、ホスフェート、カルボキシレート及びそれらの混合物のアルカリ塩、アルカリ土類塩又はアンモニウム塩である。スルホネートの例は、アルキルアリールスルホネート、ジフェニルスルホネート、アルファ-オレフィンスルホネート、リグニンスルホネート、脂肪酸及び油のスルホネート、エトキシル化アルキルフェノールのスルホネート、アルコキシル化アリールフェノールのスルホネート、縮合ナフタレンのスルホネート、ドデシル-及びトリデシルベンゼンのスルホネート、ナフタレン及びアルキルナフタレンのスルホネート、スルホスクシネート又はスルホスクシナメートである。スルフェートの例は、脂肪酸及び油、エトキシル化アルキルフェノール、アルコール、エトキシル化アルコール又は脂肪酸エステルのスルフェートである。ホスフェートの例は、リン酸エステルである。カルボキシレートの例は、アルキルカルボキシレート及びカルボキシル化アルコール又はアルキルフェノールエトキシレートである。
【0184】
適切な非イオン性界面活性剤は、アルコキシレート、N-置換脂肪酸アミド、アミンオキシド、エステル、糖系界面活性剤、高分子界面活性剤、及びそれらの混合物である。アルコキシレートの例は、1~50当量でアルコキシル化された、アルコール、アルキルフェノール、アミン、アミド、アリールフェノール、脂肪酸又は脂肪酸エステルなどの化合物である。アルコキシル化には、エチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシド、好ましくはエチレンオキシドを使用することができる。N-置換脂肪酸アミドの例は、脂肪酸グルカミド又は脂肪酸アルカノールアミドである。エステルの例は、脂肪酸エステル、グリセリンエステル又はモノグリセリドである。糖系界面活性剤の例は、ソルビタン、エトキシル化ソルビタン、スクロース及びグルコースエステル又はアルキルポリグルコシドである。ポリマー系界面活性剤の例は、ビニルピロリドン、ビニルアルコール又は酢酸ビニルのホモポリマー又はコポリマーである。
【0185】
適切なカチオン界面活性剤は、第4級界面活性剤、例えば1つ又は2つの疎水基を有する第4級アンモニウム化合物又は長鎖第1級アミンの塩である。適切な両性界面活性剤は、アルキルベタイン及びイミダゾリンである。適切なブロックポリマーは、ポリエチレンオキシド及びポリプロピレンオキシドのブロックを含むA-B又はA-B-A型のブロックポリマー又はアルカノール、ポリエチレンオキシド及びポリプロピレンオキシドを含むA-B-C型のブロックポリマーである。適切な高分子電解質は、ポリ酸又はポリ塩基である。ポリ酸の例は、ポリアクリル酸のアルカリ塩又はポリアクリル酸櫛型ポリマーである。ポリ塩基の例は、ポリビニルアミン又はポリエチレンアミンである。
【0186】
適切なアジュバントは、それ自体の農薬活性が無視できる、又は全くない化合物であり、標的に対する式(I)のフェニルウラシルの生物学的性能を向上させるものである。例は、界面活性剤、鉱油又は植物油及び他の助剤である。さらなる例は、Knowles,Adjuvants and additives,Agrow Reports DS256,T&F Informa UK,2006,chapter 5に記載されている。
【0187】
適切な増粘剤は、多糖類(例えば、キサンタンガム、カルボキシメチルセルロース)、無機粘土(有機変性されたか又は未変性のもの)、ポリカルボキシレート及びシリケートである。
【0188】
適切な殺菌剤は、ブロノポール及びイソチアゾリノン誘導体、例えばアルキルイソチアゾリノン及びベンズイソチアゾリノンである。
【0189】
適切な凍結防止剤は、エチレングリコール、プロピレングリコール、ウレア及びグリセリンである。
【0190】
適切な消泡剤は、シリコーン、長鎖アルコール及び脂肪酸の塩である。
【0191】
適切な着色剤(例えば、赤、青又は緑)は、低水溶性顔料及び水溶性染料である。例えば、無機着色剤(例えば、酸化鉄、酸化チタン、ヘキサシアノ鉄)並びに有機着色剤(例えば、アリザリン、アゾ及びフタロシアニン着色剤)である。
【0192】
適切な増粘剤又は結合剤は、ポリビニルピロリドン、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリアクリレート、生物又は合成ワックス及びセルロースエーテルである。
【0193】
配合物の種類及びその調製方法の例は、以下の通りである。
【0194】
i)水溶性濃縮液(SL、LS)
10~60重量%の本発明による式(I)のフェニルウラシル及び5~15重量%の湿潤剤(例えば、アルコールアルコキシレート)を、100重量%までの残量の水及び/又は水溶性溶媒(例えば、アルコール)中に溶解させる。活性物質は水で希釈する際に溶解する。
【0195】
ii)分散型濃縮液(DC)
5~25重量%の本発明による式(I)のフェニルウラシル及び1~10重量%の分散剤(例えば、ポリビニルピロリドン)を、100重量%までの残量の有機溶媒(例えば、シクロヘキサノン)中に溶解させる。水で希釈すると、分散体が得られる。
【0196】
iii)乳化性濃縮物(EC)
15~70重量%の本発明による式(I)のフェニルウラシル及び5~10重量%の乳化剤(例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸カルシウム、ヒマシ油エトキシレート)を、100重量%までの残量の非水溶性有機溶媒(例えば、芳香族炭化水素)中に溶解させる。水で希釈すると、エマルジョンが得られる。
【0197】
iv)エマルジョン(EW、EO、ES)
5~40重量%の本発明による式(I)のフェニルウラシル及び1~10重量%の乳化剤(例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸カルシウム、ヒマシ油エトキシレート)を20~40重量%の非水溶性有機溶媒(例えば、芳香族炭化水素)中に溶解させる。この混合物を、乳化装置を用いて、100重量%までの残量の水に導入し、均質な乳濁液にする。水で希釈すると、エマルジョンが得られる。
【0198】
v)懸濁液(SC、OD、FS)
撹拌ボールミル中、20~60重量%の本発明による式(I)のフェニルウラシルを2~10重量%の分散剤及び湿潤剤(例えば、リグノスルホン酸ナトリウム及びアルコールエトキシレート)、0.1~2重量%の増粘剤(例えば、ザンタンガム)及び100重量%までの残量の水を添加して粉砕し、微細活性物質懸濁液とする。水で希釈すると、活性物質の安定な懸濁液が得られる。FS型配合物に関しては、40重量%までの結合剤(例えば、ポリビニルアルコール)が添加される。
【0199】
vi)水分散性顆粒及び水溶性顆粒(WG、SG)
50~80重量%の本発明による式(I)のフェニルウラシルを、100重量%までの残量の分散剤及び湿潤剤(例えば、リグノスルホン酸ナトリウム及びアルコールエトキシレート)を添加して微細粉砕し、技術設備(例えば、押出、スプレータワー、流動床)によって水分散性又は水溶性顆粒として調製する。水で希釈すると、活性物質の安定な分散体又は溶液が得られる。
【0200】
vii)水分散性粉体及び水溶性粉体(WP、SP、WS)
50~80重量%の本発明による式(I)のフェニルウラシルを、1~5重量%の分散剤(例えば、リグノスルホン酸ナトリウム)、1~3重量%の湿潤剤(例えば、アルコールエトキシレート)及び100重量%までの残量の固体担体(例えば、シリカゲル)を添加してローターステーターミル中で粉砕する。水で希釈すると、活性物質の安定な分散体又は溶液が得られる。
【0201】
viii)ゲル(GW、GF)
撹拌ボールミル中、5~25重量%の本発明による式(I)のフェニルウラシルを、3~10重量%の分散剤(例えば、リグノスルホン酸ナトリウム)、1~5重量%の増粘剤(例えば、カルボキシメチルセルロース)及び100重量%までの残量の水を添加して粉砕し、活性物質の微細懸濁液を得る。水で希釈すると、活性物質の安定な懸濁液が得られる。
【0202】
iv)マイクロエマルジョン(ME)
5~20重量%の本発明による式(I)のフェニルウラシルを、5~30重量%の有機溶媒ブレンド(例えば、脂肪酸ジメチルアミド及びシクロヘキサノン)、10~25重量%の界面活性剤ブレンド(例えば、アルコールエトキシレート及びアリールフェノールエトキシレート)及び100%までの残量の水に添加する。この混合物を1時間撹拌すると、熱力学的に安定なマイクロエマルジョンが自然に生成する。
【0203】
iv)マイクロカプセル(CS)
5~50重量%の本発明による式(I)のフェニルウラシル、0~40重量%の非水溶性有機溶媒(例えば、芳香族炭化水素)、2~15重量%のアクリルモノマー(例えば、メチルメタクリレート、メタクリル酸及びジ-又はトリアクリレート)を含む油相を、保護コロイド(例えば、ポリビニルアルコール)の水性溶液中に分散させる。ラジカル開始剤によって開始されるラジカル重合により、ポリ(メタ)アクリレートマイクロカプセルが形成される。或いは、5~50重量%の本発明による式(I)のフェニルウラシル、0~40重量%の非水溶性有機溶媒(例えば、芳香族炭化水素)、及びイソシアネートモノマー(例えば、ジフェニルメテン-4,4’-ジイソシアネート)を含む油相を保護コロイド(例えば、ポリビニルアルコール)の水性溶液中に分散させる。ポリアミン(例えば、ヘキサメチレンジアミン)を添加することにより、ポリ尿素マイクロカプセルが形成される。モノマーの量は1~10重量%である。重量%は、CS製剤全体を対象とする。
【0204】
ix)ダスタブル粉末(DP、DS)
1~10重量%の本発明による式(I)のフェニルウラシルを微細粉砕し、100重量%までの残量の固体担体(例えば、微細粉砕カオリン)と密接に混合させる。
【0205】
x)顆粒(GR、FG)
0.5~30重量%の本発明による式(I)のフェニルウラシルを微細粉砕し、100重量%までの残量の固体担体(例えば、シリケート)と関連付ける。顆粒化は、押出、噴霧乾燥又は流動床によって達成される。
【0206】
xi)超低容量液体(UL)
1~50重量%の本発明による式(I)のフェニルウラシルを、100重量%までの残量の有機溶媒(例えば、芳香族炭化水素)中に溶解させる。
【0207】
配合物の種類i)~xi)は、任意選択的に、0.1~1重量%の殺菌剤、5~15重量%の凍結防止剤、0.1~1重量%の消泡剤、及び0.1~1重量%の着色剤などの補助剤をさらに含んでもよい。
【0208】
配合物は、一般に、0.01~95重量%、好ましくは0.1~90重量%、特に0.5~75重量%の式(I)のフェニルウラシルを含む。
【0209】
式(I)のフェニルウラシルは、90%~100%、好ましくは95%~100%の純度で利用される(NMRスペクトルに基づく)。
【0210】
種子処理用溶液(LS)、サスポエマルジョン(SE)、流動性濃縮物(FS)、乾燥処理用粉末(DS)、スラリー処理用水分散性粉末(WS)、水溶性粉末(SS)、エマルジョン(ES)、乳化性濃縮物(EC)及びゲル(GF)は、植物種苗、特に種子の処理目的で通常用いられる。当該配合物は、2~10倍に希釈後、レディートゥーユーズ(ready-to-use)製剤において、0.01~60重量%、好ましくは0.1~40重量%の活性物質濃度を与える。
【0211】
式(I)のフェニルウラシル、その配合物を植物種苗、特に種子に適用する方法としては、繁殖材料のドレッシング、コーティング、ペレット化、ダスティング、浸漬及びインファーロー適用の方法が挙げられる。好ましくは、式(I)のフェニルウラシル、その配合物は、それぞれ、植物繁殖材料に、発芽を誘導しない方法で、例えば、種子の粉衣、ペレット化、被覆及び散粉により適用される。
【0212】
式(I)のフェニルウラシル、それらを含む配合物には、様々の種類の油、湿潤剤、アジュバント、肥料、又は微量栄養素、及びさらなる農薬(例えば、除草剤、殺虫剤、殺菌剤、成長調節剤、解毒剤)がプレミックスとして添加され得るか、又は適切であれば使用直前まで添加されなくてもよい(タンクミックス)。これらの薬剤は、1:100~100:1、好ましくは1:10~10:1の重量比で、本発明による配合物と混和することができる。
【0213】
使用者は、本発明による式(I)のフェニルウラシル、それらを含む配合物を、通常、前投薬装置、ナップザックスプレイヤー、スプレータンク、スプレー飛行機又は灌水装置から適用する。通常、製剤は、水、緩衝剤及び/又はさらなる補助剤を用いて所望の施用濃度になるように調製され、こうすることにより、本発明による使用準備済の散布液又は製剤が得られる。通常、農業有用面積1ヘクタール当たり、20~2000リットル、好ましくは50~400リットルのレディートゥーユーズスプレー液が適用される。
【0214】
一実施形態によると、本発明による配合物の個々の成分又は部分的にプレミックスされた成分、例えば式(I)のフェニルウラシルを含む成分のいずれかは、スプレータンク内で使用者によって混合され、適切な場合、さらなる補助剤及び添加剤が添加され得る。
【0215】
さらなる実施形態において、キットの一部又は二成分若しくは三成分混合物の一部などの本発明による配合物の個々の成分は、スプレータンク中で使用者自身によって混合され、適切であればさらなる補助剤が添加されてもよい。
【0216】
さらなる実施形態において、本発明による配合物の個々の成分又は部分的にプレミックスされた成分、例えば式(I)のフェニルウラシルを含む成分のいずれかを、(例えば、タンクミックスの後に)一緒に又は連続的に適用することができる。
【0217】
式(I)のフェニルウラシルは、除草剤として適切である。それらは、そのままで又は適切な配合物として適切である。
【0218】
式(I)のフェニルウラシルは、非農耕地の望ましくない植生を、特に高使用量で非常に有効に防除する。これらは、小麦、米、トウモロコシ、大豆及び綿などの作物の広葉雑草及びイネ科雑草に対して、作物植物に大きい損傷を与えることなく作用する。この効果は、主に低い適用率で観察される。
【0219】
式(I)のフェニルウラシルは、望ましくない植生に対して、すなわち経済的に重要な有害な単子葉雑草及び双子葉雑草の広範な範囲に対して、卓越した除草活性を有する。
【0220】
以下に、式(I)のフェニルウラシルによって防除可能である単子葉雑草及び双子葉雑草の代表的なものを挙げるが、その列挙は特定の種に限定されるものではない。
【0221】
好ましくは、式(I)のフェニルウラシルは、単子葉雑草を防除するために使用される。
【0222】
式(I)のフェニルウラシルが有効に作用する単子葉雑草の例は、オオムギ属種(Hordeum spp.)、ヒエ属種(Echinochloa spp.)、イチゴツナギ属種(Poa spp.)、スズメノチャヒキ属種(Bromus spp.)、メヒシバ属種(Digitaria spp.)、ナルコビエ属種(Eriochloa spp.)、エノコログサ属種(Setaria spp.)、チカラシバ属種(Pennisetum spp.)、オヒシバ属種(Eleusine spp.)、スズメガヤ属種(Eragrostis spp.)、キビ属種(Panicum spp.)、ドクムギ属種(Lolium spp.)、ブラキアリア属種(Brachiaria spp.)、アゼガヤ属種(Leptochloa spp.)、カラスムギ属種(Avena spp.)、カヤツリグサ属種(Cyperus spp.)、アキソノプリス属種(Axonopris spp.)、モロコシ属種(Sorghum spp.)及びメリヌス属種(Melinus spp.)から選択される。
【0223】
式(I)のフェニルウラシルが有効に作用する単子葉雑草の好ましい例は、ムギクサ(Hordeum murinum)、イヌビエ(Echinochloa crus-galli)、スズメノカタビラ(Poa annua)、チャボチャヒキ(Bromus rubens L.)、ヒゲナガスズメノチャヒキ(Bromus rigidus)、カラスノチャヒキ(Bromus secalinus L.)、オニメヒシバ(Digitaria sanguinalis)、ススキメヒシバ(Digitaria insularis)、ホソナルコビエ(Eriochloa gracilis)、アキノエノコログサ(Setaria faberi)、エノコログサ(Setaria viridis)、トウジンビエ(Pennisetum glaucum)、エレオヒシバ(Eleusine indica)、ミチカゼクサ(Eragrostis pectinacea)、キビ(Panicum miliaceum)、ネズミムギ(Lolium multiflorum)、メリケンニクキビ(Brachiaria platyphylla)、ハマガヤ(Leptochloa fusca)、カラスムギ(Avena fatua)、クグガヤツリ(Cyperus compressus)、シペルス・エスクレンテス(Cyperus esculentes)、アキソノプリス・オフィニス(Axonopris offinis)、ソルグム・ハラペンセ(Sorghum halapense)及びメリヌス・レペンス(Melinus repens)の種から選択される。
【0224】
式(I)のフェニルウラシルが有効に作用する単子葉雑草の特に好ましい例は、ヒエ属種(Echinochloa spp.)、メヒシバ属種(Digitaria spp.)、エノコログサ属種(Setaria spp.)、オヒシバ属種(Eleusine spp.)、及びブラキアリア属種(Brachiarium spp.)から選択される。
【0225】
また好ましくは、式(I)のフェニルウラシルは、双子葉雑草の防除に使用される。
【0226】
式(I)のフェニルウラシルが有効に作用する双子葉雑草の例は、ヒユ属種(Amaranthus spp.)、ムカシヨモギ属種(Erigeron spp.)、イズハハコ属種(Conyza spp.)、タデ属種(Polygonum spp.)、ウマゴヤシ属種(Medicago spp.)、ザクロソウ属種(Mollugo spp.)、マツバゼリ属種(Cyclospermum spp.)、ハコベ属種(Stellaria spp.)、ハハコグサ属種(Gnaphalium spp.)、タンポポ属種(Taraxacum spp.)、マツヨイグサ属種(Oenothera spp.)、ワルタビラコ属種(Amsinckia spp.)、オランダフウロ属種(Erodium spp.)、ムカシヨモギ属種(Erigeron spp.)、キオン属種(Senecio spp.)、オドリコソウ属種(Lamium spp.)、ホウキギ属種(Kochia spp.)、アカザ属種(Chenopodium spp.)、アキノノゲシ属種(Lactuca spp.)、ゼニアオイ属種(Malva spp.)、サツマイモ属種(Ipomoea spp.)、アブラナ属種(Brassica spp.)、シロガラシ属種(Sinapis spp.)、イラクサ属種(Urtica spp.)、キンゴジカ属種(Sida spp)、スベリヒユ属種(Portulaca spp.)、ハシカグサモドキ属種(Richardia spp.)、ブタクサ属種(Ambrosia spp.)、カランドリニア属種(Calandrinia spp.)、キハナハタザオ属種(Sisymbrium spp.)、ツノクサネム属種(Sesbania spp.)、ナズナ属種(Capsella spp.)、ノゲシ属種(Sonchus spp.)、トウダイグサ属種(Euphorbia spp.)、ヒマワリ属種(Helianthus spp.)、カラクサナズナ属種(Coronopus spp.)、オカヒジキ属種(Salsola spp.)、イチビ属種(Abutilon spp.)、ソラマメ属種(Vicia spp.)、アカバナ属種(Epilobium spp.)、タネツケバナ属種(Cardamine spp.)、コウゾリナ属種(Picris spp.)、シャジクソウ属種(Trifolium spp.)、コゴメギク属種(Galinsoga spp.)、イカリソウ属種(Epimedium spp.)、ゼニゴケ属種(Marchantia spp.)、ナス属種(Solanum spp.)、カタバミ属種(Oxalis spp.)、メトリカリア属種(Metricaria spp.)、オオバコ属種(Plantago spp.)、ハマビシ属種(Tribulus spp.)、クリノイガ属種(Cenchrus spp.)、センダングサ属種(Bidens spp.)、クワガタソウ属種(Veronica spp.)及びエゾコウゾリナ属種(Hypochaeris spp.)の属から選択される。
【0227】
式(I)のフェニルウラシルが有効に作用する双子葉雑草の好ましい例は、ハリビユ(Amaranthus spinosus)、ソバカズラ(Polygonum convolvulus)、ウマゴヤシ(Medicago polymorpha)、クルマバザクロソウ(Mollugo verticillata)、マツバゼリ(Cyclospermum leptophyllum)、コハコベ(Stellaria media)、ウスベニチチコグサグ(Gnaphalium purpureum)、セイヨウタンポポ(Taraxacum offi cinale)、コマツヨイグサ(Oenothera laciniata)、アムシンキア・インテルメディア(Amsinckia intermedia)、オランダフウロ(Erodium cicutarium)、ジャコウオランダフウロ(Erodium moschatum)、アレチノギク(Erigeron bonariensis)(コニザ・ボナリエンシス(Conyza bonariensis))、ノボロギク(Senecio vulgaris)、ホトケノザ(Lamium amplexicaule)、ヒメムカシヨモギ(Erigeron canadensis)、ミチヤナギ(Polygonum aviculare)、ホウキギ(Kochia scoparia)、シロザ(Chenopodium album)、トゲチシャ(Lactuca serriola)、ウサギアオイ(Malva parviflora)、ゼニバアオイ(Malva neglecta)、アメリカアサガオ(Ipomoea hederacea)、イポモエア・ラクノセ(Ipomoea lacunose)、クロガラシ(Brassica nigra)、ノハラガラシ(Sinapis arvensis)、セイヨウイラクサ(Urtica dioica)、アメリカビユ(Amaranthus blitoides)、アオゲイトウ(Amaranthus retroflexus)、ホソアオゲイトウ(Amaranthus hybridus)、イヌビユ(Amaranthus lividus)、アメリカキンゴジカ(Sida spinosa)、スベリヒユ(Portulaca oleracea)、ハシカグサモドキ(Richardia scabra)、ブタクサ(Ambrosia artemisiifolia)、マツゲボタンカランドリニア・カウレッセンス(Calandrinia caulescens)、ホソエガラシ(Sisymbrium irio)、アメリカツノクサネム(Sesbania exaltata)、ナズナ(Capsella bursa-pastoris)、ノゲシ(Sonchus oleraceus)、ユーフォルビア・マクラテ(Euphorbia maculate)、ヒマワリ(Helianthus annuus)、カラクサナズナ(Coronopus didymus)、ハリヒジキ(Salsola tragus)、イチビ(Abutilon theophrasti)、ベニクサフジ(Vicia benghalensis L.)、エピロビウム・パニクラツム(Epilobium paniculatum)、タネツケバナ属種(Cardamine spp)、コウゾリナ(Picris echioides)、シャジクソウ属種(Trifolium spp.)、コゴメギク属種(Galinsoga spp.)、イカリソウ属種(Epimedium spp.)、ゼニゴケ属種(Marchantia spp.)、ナス属種(Solanum spp.)、カタバミ属種(Oxalis spp.)、メトリカリア・マトリッカリオイデス(Metricaria matriccarioides)、オオバコ属種(Plantago spp.)、ハマビシ(Tribulus terrestris)、ノハラヒジキ(Salsola kali)、クリノイガ属種(Cenchrus spp.)、コバノセンダングサ(Bidens bipinnata)、クワガタソウ属種(Veronica spp.)及びブタナ(Hypochaeris radicata)の種から選択される。
【0228】
式(I)のフェニルウラシルが有効に作用する双子葉雑草の特に好ましい例は、ヒユ属種(Amaranthus spp.)、ムカシヨモギ属種(Erigeron spp.)、イズハハコ属種(Conyza spp.)、ホウキギ属種(Kochia spp.)、及びイチビ属種(Abutilon spp.)から選択される。
【0229】
式(I)のフェニルウラシル又はそれらを含む配合物は、主に葉にスプレーすることにより植物に適用される。その場合、施用は、例えば、水を担体として使用し、一般的な散布技法により、散布液量を約100~1000l/ha(例えば、300~400l/ha)として実施することができる。式(I)のフェニルウラシル又はそれらを含む配合物は、低容量法若しくは超低容量法によって又は微粒子の形態でも適用され得る。
【0230】
式(I)のフェニルウラシル、又はそれらを含む配合物は、望ましくない植生の出現前、出現中及び/又は出現後、好ましくは出現中及び/又は出現後に行うことができる。
【0231】
式(I)のフェニルウラシル、又は配合物の適用は、播種の前又は播種の間に行うことができる。
【0232】
式(I)のフェニルウラシル、又はそれらを含む配合物は、出現前、出現後若しくは植え付け前又は作物植物の種子とともに適用することができる。式(I)のフェニルウラシル、又はそれらを含む配合物で前処理した作物植物の種子を適用することにより、式(I)のフェニルウラシル、又はそれらを含む配合物を適用することも可能である。特定の作物植物がこの活性成分に十分な耐性を有しない場合、この組合せを、散布器具を利用して、感受性を有する作物植物の葉面に可能な限り接触させず、その一方で、その下で生育している望ましくない植生又は被覆されていない土壌(bare soil)の表面に活性成分が到達するような形で散布する、施用技法を用いることができる(根元散布(post-directed)、レイバイ(lay-by))。
【0233】
さらなる実施形態において、式(I)のフェニルウラシル、又はそれらを含む配合物は、種子を処理することによって適用することができる。種子の処理は、式(I)のフェニルウラシル、又はそれらを含む配合物に基づいて、当業者に周知の全ての手順(種子ドレッシング、種子コーティング、種子ダスティング、種子ソーキング、種子フィルムコーティング、種子多層コーティング、種子包被、種子ドリッピング及び種子ペレット化)を本質的に含む。この場合、組合せは希釈又は無希釈で施用することができる。
【0234】
「種子」という用語は、あらゆる形態の種子、例えば、穀類の種籾(corn)、種子、果実、塊茎、苗及び類似の形態などを含む。本明細書において、種子という用語は、好ましくは、穀類の種籾及び種子を表す。使用される種子は、上に述べた作物植物の種子であってもよいが、遺伝子導入植物又は慣用されている育種法により得られた植物の種子であってもよい。
【0235】
植物保護で利用される場合、配合助剤を含まない活性物質、すなわち式(I)のフェニルウラシルの適用量は、所望の効果の種類に応じて、1ha当たり0.001~2kg、好ましくは1ha当たり0.002~1kg、より好ましくは1ha当たり0.005~0.5kg、特に1ha当たり0.01~0.2kgである。
【0236】
本発明の別の実施形態において、式(I)のフェニルウラシルの適用率は、活性物質(a.s.)に対して0.001~3kg/ha、好ましくは0.005~2.5kg/ha、特に0.01~2kg/haである。
【0237】
本発明の別の好ましい実施形態において、本発明による式(I)のフェニルウラシルの適用率(式(I)のフェニルウラシルの総量)は、防除対象、季節、対象植物及び成長段階に応じて、0.1g/ha~3000g/ha、好ましくは10g/ha~1000g/haである。
【0238】
本発明の別の好ましい実施形態において、式(I)のフェニルウラシルの適用率は、0.1g/ha~5000g/haの範囲であり、好ましくは1g/ha~2500g/ha又は5g/ha~2000g/haの範囲にある。
【0239】
本発明の別の好ましい実施形態において、式(I)のフェニルウラシルの適用率は、0.1~1000g/ha、好ましくは1~750g/ha、より好ましくは5~500g/haである。
【0240】
種子などの植物繁殖材料の処理、例えば、種子に散粉、被覆又は灌注することによる処理においては、概して、植物繁殖材料(好ましくは種子)100キログラム当たりの活性物質の量を、0.1~1000g、好ましくは1~1000g、より好ましくは1~100g、最も好ましくは5~100gとすることが必要である。
【0241】
本発明の別の実施形態において、種子を処理するために、活性物質、すなわち式(I)のフェニルウラシルの適用量は、一般に、種子100kg当たり0.001~10kgの量で利用される。
【0242】
材料又は貯蔵製品の保護に使用する場合、活性物質の適用量は、適用領域の種類及び所望の効果に依存する。材料の保護に慣用的に適用される量は、処理される材料1立方メートル当たり0.001g~2kg、好ましくは0.005g~1kgである。
【0243】
当該適用方法に応じて、式(I)のフェニルウラシル、又はそれらを含む配合物は、望ましくない植生を排除するために、さらに多くの作物植物に追加的に利用されることが可能である。
【0244】
本発明によれば、本明細書に記載の全ての作物植物(栽培植物)は、それぞれの栽培植物に属する全ての種、亜種、変種、品種及び/又は雑種を含むものとして理解され、特にコムギ及びオオムギなどの穀類並びにナタネにおける冬品種及び春品種、例えば冬コムギ、春コムギ、冬オオムギなどを含むが、これらに限定されない。
【0245】
例えば、トウモロコシ(corn)は、飼料用トウモロコシ及びスイートコーンなどのあらゆる種類を含むトウモロコシ(Indian corn)又はトウモロコシ(maize)(トウモロコシ(Zea mays))としても知られている。本発明によれば、全てのトウモロコシ(maize)又はトウモロコシの亜種及び/若しくは変種、特に、フラワーコーン(flour corn)(フラワーコーン(Zea mays var.amylacea))、ポップコーン(popcorn)(ポップコーン(Zea mays var.everta))、デントコーン(dent corn)(デントコーン(Zea mays var.indentata))、フリントコーン(flint corn)(フリントコーン(Zea mays var.indurata))、スイートコーン(sweet corn)(スイートコーン(Zea mays var.saccharata)及びスイートコーン(Zea mays var.rugosa))、ワキシーコーン(waxy corn)(ワキシーコーン(Zea mays var.ceratina))、アミロメイズ(高アミローストウモロコシ(Zea mays)品種)、有ふ種トウモロコシ(pod corn)又はワイルドメイズ(wild maize)(有ふ種トウモロコシ(Zea mays var.tunicata))及びストライプドトウモロコシ(striped maize)(ストライプドトウモロコシ(Zea mays var.japonica))が含まれる。
【0246】
さらに、ほとんどのダイズ品種は、無限及び有限生長習性に分類されるが、ダイズの野生の祖先であるグリシネ・ソヤ(Glycine soja)は、無限である(PNAS 2010,107(19)8563-856)。無限生長習性(成熟度グループ、MG 00~MG 4.9)は、開花が始まった後も植物成長が継続することを特徴とする一方、有限ダイズ品種(成熟度グループ、(MG)5~MG 8)は、開花が始まった時点で植物成長の大部分が終了していることを特徴とする。本発明によれば、全てのダイズ栽培品種又は品種が含まれ、特に無限及び有限栽培品種又は品種が含まれる。
【0247】
好適な作物の例を以下に示す:
タマネギ(Allium cepa)、パイナップル(Ananas comosus)、ラッカセイ(Arachis hypogaea)、アスパラガス(Asparagus officinalis)、エンバク(Avena sativa)、テンサイ(Beta vulgaris spec.altissima)、ベタ・ブルガリス・ラパ種(Beta vulgaris spec.rapa)、セイヨウアブラナ(Brassica napus var.napus)、ルタバガ(Brassica napus var.napobrassica)、ブラシカ・ラパ・シルベストリス変種(Brassica rapa var.silvestris)、ヤセイカンラン(Brassica oleracea)、クロガラシ(Brassica nigra)、チャ(Camellia sinensis)、ベニバナ(Carthamus tinctorius)、ペカン(Carya illinoinensis)、レモン(Citrus limon)、オレンジ(Citrus sinensis)、アラビカコーヒーノキ(Coffea arabica)(ロブスタコーヒーノキ(Coffea canephora)、リベリカコーヒーノキ(Coffea liberica))、キュウリ(Cucumis sativus)、ギョウギシバ(Cynodon dactylon)、ニンジン(Daucus carota)、アブラヤシ(Elaeis guineensis)、エゾヘビイチゴ(Fragaria vesca)、ダイズ(Glycine max)、アプランドワタ(Gossypium hirsutum)、(キダチワタ(Gossypium arboreum)、シロバナワタ(Gossypium herbaceum)、カイトウメン(Gossypium vitifolium))、ヒマワリ(Helianthus annuus)、パラゴムノキ(Hevea brasiliensis)、オオムギ(Hordeum vulgare)、ホップ(Humulus lupulus)、サツマイモ(Ipomoea batatas)、シナノグルミ(Juglans regia)、ヒラマメ(Lens culinaris)、アマ(Linum usitatissimum)、トマト(Lycopersicon lycopersicum)、リンゴ属種(Malus spec.)、キャッサバ(Manihot esculenta)、アルファルファ(Medicago sativa)、バナナ属種(Musa spec.)、タバコ(Nicotiana tabacum)(マルバタバコ(N.rustica))、オリーブ(Olea europaea)、イネ(Oryza sativa)、ライマメ(Phaseolus lunatus)、インゲンマメ(Phaseolus vulgaris)、オウシュウトウヒ(Picea abies)、マツ属種(Pinus spec.)、ピスタチオ(Pistacia vera)、エンドウ(Pisum sativum)、セイヨウウミザクラ(Prunus avium)、モモ(Prunus persica)、セイヨウナシ(Pyrus communis)、アンズ(Prunus armeniaca)、スミミザクラ(Prunus cerasus)、アーモンド(Prunus dulcis)及びセイヨウスモモ(prunus domestica)、フサスグリ(Ribes sylvestre)、ヒマ(Ricinus communis)、サトウキビ(Saccharum officinarum)、ライムギ(Secale cereale)、シロガラシ(Sinapis alba)、ジャガイモ(Solanum tuberosum)、モロコシ(Sorghum bicolor(s.vulgare))、カカオ(Theobroma cacao)、アカツメクサ(Trifolium pratense)、パンコムギ(Triticum aestivum)、ライコムギ(Triticale)、デュラムコムギ(Triticum durum)、ソラマメ(Vicia faba)、ブドウ(Vitis vinifera)及びトウモロコシ(Zea mays)。
【0248】
好ましい作物は、ラッカセイ(Arachis hypogaea)、テンサイ(Beta vulgaris spec.altissima)、セイヨウアブラナ(Brassica napus var.napus)、ヤセイカンラン(Brassica oleracea)、レモン(Citrus limon)、オレンジ(Citrus sinensis)、アラビカコーヒーノキ(Coffea arabica)(ロブスタコーヒーノキ(Coffea canephora)、リベリカコーヒーノキ(Coffea liberica))、ギョウギシバ(Cynodon dactylon)、ダイズ(Glycine max)、アプランドワタ(Gossypium hirsutum)(キダチワタ(Gossypium arboreum)、シロバナワタ(Gossypium herbaceum)、カイトウメン(Gossypium vitifolium))、ヒマワリ(Helianthus annuus)、オオムギ(Hordeum vulgare)、シナノグルミ(Juglans regia)、ヒラマメ(Lens culinaris)、アマ(Linum usitatissimum)、トマト(Lycopersicon lycopersicum)、リンゴ属種(Malus spec.)、アルファルファ(Medicago sativa)、タバコ(Nicotiana tabacum)(マルバタバコ(N.rustica))、オリーブ(Olea europaea)、イネ(Oryza sativa)、ライマメ(Phaseolus lunatus)、インゲンマメ(Phaseolus vulgaris)、ピスタチオ(Pistacia vera)、エンドウ(Pisum sativum)、アーモンド(Prunus dulcis)、サトウキビ(Saccharum officinarum)、ライムギ(Secale cereale)、ジャガイモ(Solanum tuberosum)、モロコシ(Sorghum bicolor(モロコシ(s.vulgare)))、ライコムギ(Triticale)、パンコムギ(Triticum aestivum)、デュラムコムギ(Triticum durum)、ソラマメ(Vicia faba)、ブドウ(Vitis vinifera)及びトウモロコシ(Zea mays)である。
【0249】
特に好ましい作物は、穀類、トウモロコシ、ダイズ、コメ、セイヨウアブラナ、ワタ、ジャガイモ、ラッカセイの作物又は永年作物である。
【0250】
本発明による式(I)のフェニルウラシル、又はそれらを含む配合物は、植物に新しい形質を提供するため、又は既に存在する形質を改変するために、突然変異誘発又は遺伝子工学によって改変された作物に使用することも可能である。
【0251】
本明細書において使用される「作物」という用語は、植物に新たな形質を付与するか又は既に存在する形質を改変するために変異誘発又は遺伝子工学により改変されている(作物)植物も含む。
【0252】
変異誘発は、X線又は変異原性化学物質を使用するランダム変異誘発技法のみならず、植物ゲノムの特定の遺伝子座に変異を作製するための標的変異誘発技法も含む。多くの標的変異誘発技法では、ターゲッティング効果が得られるように、オリゴヌクレオチド又はCRISPR/Cas、ジンクフィンガーヌクレアーゼ、TALEN又はメガヌクレアーゼのようなタンパク質を使用している。
【0253】
遺伝子工学では、通常、自然環境下では交配、変異誘発又は自然の組換えによって容易に得ることができない改変を植物ゲノムに加えるために、組換えDNA技法を使用している。典型的には、形質を追加又は形質を改良するために1つ又は複数の遺伝子を植物のゲノムに組み込む。このような組み込まれる遺伝子は、当該技術分野においては導入遺伝子とも称され、このような導入遺伝子を含む植物は遺伝子導入植物と称される。植物形質転換の過程では、通常、導入遺伝子が組み込まれるゲノム遺伝子座が異なる、幾つかの形質転換イベントが起こる。特定のゲノム遺伝子座に特定の導入遺伝子を含む植物は、通常、特定の「イベント」を含むと表現され、特定のイベント名で呼ばれる。植物に導入された又は改変された形質としては、特に、除草剤耐性、昆虫抵抗性、高い収量及び渇水などの非生物的条件に対する耐性が挙げられる。
【0254】
除草剤耐性は、変異誘発を用いることのみならず、遺伝子工学を用いることによっても作出される。変異誘発及び育種の従来法によって、アセト乳酸合成酵素(ALS)阻害除草剤に対する耐性が付与された植物には、Clearfield(登録商標)の名称で市販されている植物品種が含まれる。しかしながら、除草剤耐性形質の大部分は導入遺伝子の使用を介して作出されている。
【0255】
グリホサート、グルホシネート、2,4-D、ジカンバ、ブロモキシニル及びイオキシニルなどのオキシニル除草剤、スルホニルウレア除草剤、ALS阻害剤除草剤並びにイソキサフルトール及びメソトリオンなどの4-ヒドロキシフェニルピルビン酸ジオキシゲナーゼ(HPPD)阻害剤に対する除草剤耐性が作出されている。
【0256】
除草剤耐性形質の付与に使用されている導入遺伝子は、次に示すものを含む:グリホサート耐性付与:cp4 epsps、epsps grg23ace5、mepsps、2mepsps、gat4601、gat4621及びgoxv247;グルホシネート耐性付与:pat及びbar;2,4-D耐性付与:aad-1及びaad-12;ジカンバ耐性付与:dmo;オキシニル除草剤耐性付与:bxn;スルホニルウレア除草剤耐性付与:zm-hra、csr1-2、gm-hra、S4-HrA、ALS阻害剤除草剤耐性付与:csr1-2;HPPD阻害剤除草剤耐性付与:hppdPF、W336及びavhppd-03。
【0257】
除草剤耐性遺伝子を含む遺伝子導入トウモロコシイベントは、例えば、他を排除するものではないが、DAS40278、MON801、MON802、MON809、MON810、MON832、MON87411、MON87419、MON87427、MON88017、MON89034、NK603、GA21、MZHG0JG、HCEM485、VCO-OE1981-5、676、678、680、33121、4114、59122、98140、Bt10、Bt176、CBH-351、DBT418、DLL25、MS3、MS6、MZIR098、T25、TC1507及びTC6275である。
【0258】
除草剤耐性遺伝子を含むトランスジェニックダイズイベントは、例えば、他を排除するものではないが、GTS 40-3-2、MON87705、MON87708、MON87712、MON87769、MON89788、A2704-12、A2704-21、A5547-127、A5547-35、DP356043、DAS44406-6、DAS68416-4、DAS-81419-2、GU262、SYHTOEH2、W62、W98、FG72及びCV127である。
【0259】
除草剤耐性遺伝子を含むトランスジェニックコットンイベントは、例えば、他を排除するものではないが、19-51a、31707、42317、81910、281-24-236、3006-210-23、BXN10211、BXN10215、BXN10222、BXN10224、MON1445、MON1698、MON88701、MON88913、GHB119、GHB614、LLCotton25、T303-3及びT304-40である。
【0260】
除草剤耐性遺伝子を含むトランスジェニックカノーライベントは、例えば、他を排除するものではないが、MON88302、HCR-1、HCN10、HCN28、HCN92、MS1、MS8、PHY14、PHY23、PHY35、PHY36、RF1、RF2及びRF3である。
【0261】
昆虫抵抗性は、主に殺虫タンパク質の細菌遺伝子を植物に導入することによって作成されている。最も多く使用されている導入遺伝子は、cry1A、cry1Ab、cry1Ab-Ac、cry1Ac、cry1A.105、cry1F、cry1Fa2、cry2Ab2、cry2Ae、mcry3A、ecry3.1Ab、cry3Bb1、cry34Ab1、cry35Ab1、cry9C、vip3A(a)、vip3Aa20のようなバシラス属菌種(Bacillus spec.)の毒素遺伝子及びその合成変異体である。しかし、植物由来の遺伝子も他の植物に導入されている。特に、CpTI及びpinIIのようなプロテアーゼ阻害剤をコードする遺伝子である。さらに、昆虫遺伝子を標的にしてダウンレギュレートするために、植物で二本鎖RNAを産生するための導入遺伝子を使用するアプローチもある。このような導入遺伝子の例は、dvsnf7である。
【0262】
殺虫タンパク質又は二本鎖RNAの遺伝子を含むトランスジェニックコーンイベントは、例えば、他を排除するものではないが、Bt10、Bt11、Bt176、MON801、MON802、MON809、MON810、MON863、MON87411、MON88017、MON89034、33121、4114、5307、59122、TC1507、TC6275、CBH-351、MIR162、DBT418及びMZIR098である。
【0263】
殺虫タンパク質の遺伝子を含むトランスジェニックダイズイベントは、例えば、他を排除するものではないが、MON87701、MON87751及びDAS-81419である。
【0264】
殺虫性タンパク質の遺伝子を含むトランスジェニックコットンイベントは、例えば、他を排除するものではないが、SGK321、MON531、MON757、MON1076、MON15985、31707、31803、31807、31808、42317、BNLA-601、Event1、COT67B、COT102、T303-3、T304-40、GFM Cry1A、GK12、MLS 9124、281-24-236、3006-210-23、GHB119及びSGK321である。
【0265】
コーンイベントMON87403に存在する導入遺伝子athb17を用いた穂のバイオマスの増加、又はダイズイベントMON87712に存在する導入遺伝子bbx32を用いた光合成の促進により、収量の増加が生じる。
【0266】
gm-fad2-1、Pj.D6D、Nc.Fad3、fad2-1A及びfatb1-Aという導入遺伝子を用いて、油分を改良した作物が作成されている。これらの遺伝子の少なくとも1種を含むダイズイベントは:260-05、MON87705及びMON87769である。
【0267】
非生物学的条件に対する耐性、特に干ばつに対する耐性は、コーンイベントMON87460によって構成される導入遺伝子cspBを使用することによって、またダイズイベントIND-OEOE41OE-5によって構成される導入遺伝子Hahb-4を使用することによって作成されている。
【0268】
形質は、形質転換イベントにおいて遺伝子を組み合わせることによって、又は品種改良プロセスにおいて異なるイベントを組み合わせることによって、頻繁に組み合わせられる。好ましい形質の組合せは、異なるグループの除草剤に対する除草剤耐性、異なる種類の昆虫に対する昆虫耐性、特に鱗翅目及び鞘翅目の昆虫に対する耐性、1つ又はいくつかの種類の昆虫耐性を有する除草剤耐性、収量の増加を伴う除草剤耐性、並びに除草剤耐性及び非生物学的条件に対する耐性の組合せである。
【0269】
特異的形質又はスタック形質、並びにこれらの形質を提供する遺伝子及びイベントを含む植物は、当技術分野でよく知られている。例えば、突然変異又は統合された遺伝子及びそれぞれのイベントに関する詳細な情報は、組織「International Service for the Acquisition of Agri-biotech Applications(ISAAA)」(http://www.isaaa.org/gmapprovaldatabase)及び「Center for Environmental Risk Assessment(CERA)」(http://cera-gmc.org/GMCropDatabase)のウェブサイト、並びに欧州特許第3028573号明細書及び国際公開第2017/011288号パンフレットのような特許出願で入手可能である。
【0270】
本発明による式(I)の化合物又はそれらを含む配合物若しくは組合せの作物に対する使用は、特定の遺伝子又はイベントを含む作物に対して特異的な効果をもたらし得る。これらの効果は、成長挙動の変化又は生物学的若しくは非生物学的ストレス因子に対する抵抗性の変化を伴い得る。この種の効果は、特に、収量の増加、昆虫、線虫、真菌、細菌、マイコプラズマ、ウイルス又はウイロイド病原体に対する抵抗性又は耐性の向上及び早期生長、早熟又は追熟、低温又は高温耐性並びにアミノ酸又は脂肪酸スペクトル又は含有量の変化を含み得る。
【0271】
さらに、特に原料の生産を改善するために、組換えDNA技法を用いることによって成分の含有量を調整した又は新たな成分を含有させた植物、例えば、アミロペクチンの産生量が増加したジャガイモ(例えば、Amflora(登録商標)ジャガイモ、BASF SE、Germany)も含まれる。
【0272】
さらに、本発明による式(I)のフェニルウラシル、又はそれらを含む配合物は、綿、ジャガイモ、ナタネ、ヒマワリ、ダイズ又はソラマメなどの作物、特に綿の植物部分、特に綿の落葉及び/又は乾燥にも適切であることが見出された。このことに関連して、作物を乾燥及び/又は落葉させるための配合物、この配合物を調製するためのプロセス並びに式(I)のフェニルウラシルを使用して植物体を乾燥及び/又は落葉させるための方法が見出された。
【0273】
乾燥剤として、式(I)のフェニルウラシルは、ジャガイモ、ナタネ、ヒマワリ及びダイズのような作物植物の地上部を乾燥させるために特に適切であるが、穀物を乾燥させるためにも適切である。これにより、これらの重要な作物植物の完全な機械的収穫が可能になる。
【0274】
また、収穫を容易にすることも経済的に興味深く、これにより、柑橘類、オリーブ、並びにその他の種及び品種の果実、石果及びナッツにおいて、裂開を一定時間内に集中させること、又は木への付着の減少によって可能となる。また、有用植物、特に綿の制御落葉にも、同じメカニズム、すなわち、植物の果実部又は葉部及びシュート部の間の落葉組織の発達促進が不可欠である。
【0275】
さらに、個々の綿植物が成熟する時間間隔を短くすることは、収穫後の繊維品質の向上につながる。
【実施例
【0276】
A 調製例
実施例1.1:
エチル2-[[3-[2-クロロ-5-[4-(1,1-ジフルオロエチル)-3-メチル-2,6-ジオキソ-ピリミジン-1-イル]-4-フルオロ-フェノキシ]-2-ピリジル]オキシ]アセテート
【化27】
【0277】
実施例1.1 - ステップ1:
エチル4,4-ジフルオロ-3-オキソ-ペンタノエート
【化28】
テトラヒドロフラン(THF)中の市販品として入手可能なエチル2,2-ジフルオロプロパノエート(CAS 28781-85-3;114g、826.1mmol)の溶液に、酢酸エチル(87.6g、991.3mmol)を15℃で添加し、次いでNaH(39.7g、991.3mmol)を0℃で添加した。混合物を15℃で16時間撹拌した。混合物を水中に注ぎ入れ、酢酸エチルで抽出し、有機層をブラインで洗浄し、NaSO上で乾燥し、濾過し、濃縮して、エチル4,4-ジフルオロ-3-オキソ-ペンタノエート(140g、粗製)を褐色油として得、これを次のステップで直接使用した。
【0278】
実施例1.1 - ステップ2:
エチル(Z)-3-アミノ-4,4-ジフルオロ-ペント-2-エノエート
【化29】
エタノール及びHO中のエチル4,4-ジフルオロ-3-オキソ-ペンタノエート(140g、778mmol)の溶液に酢酸アンモニウム(180g、2333mmol)を15℃で添加し、90℃で16時間撹拌した。混合物を水中に注ぎ入れ、酢酸エチルで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、乾燥し、濃縮して、エチル(Z)-3-アミノ-4,4-ジフルオロ-ペント-2-エノエート(120g、粗製)を褐色油として得、これを次のステップで直接使用した。
【0279】
実施例1.1 - ステップ3:
6-(1,1-ジフルオロエチル)-1H-ピリミジン-2,4-ジオン
【化30】
ジメチルホルムアミド(DMF)中のエチル(Z)-3-アミノ-4,4-ジフルオロ-ペント-2-エノエート(30g、167.6mmol)の溶液に、KNCO(203.6g、2514mmol)を添加し、140℃で96時間撹拌した。混合物を濃縮してDMFを除去し、粗製物をメチル-tert-ブチル-エーテル(MTBE)で研和し、濾過し、次いで水中に注ぎ入れ、水相をpH<1に調整し、濾過し、水相を酢酸エチルで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、NaSO上で乾燥し、濾過し、濃縮して、6-(1,1-ジフルオロエチル)-1H-ピリミジン-2,4-ジオン(17g、57.6%)を褐色固体として得た。
H NMR(400MHz,DMSO):δ ppm=11.42(s,1H),11.37(s,1H),5.71(s,1H),1.94(t,3H)
【0280】
実施例1.1 - ステップ4:
6-(1,1-ジフルオロエチル)-1-メチル-ピリミジン-2,4-ジオン
【化31】
THF中の6-(1,1-ジフルオロエチル)-1H-ピリミジン-2,4-ジオン(17g、96.6mmol)の溶液に、カリウムtert-ブタノレート(t-BuOK)(13g、115.9mmol)及びCFSOCH(19.3g、115.9mmol)をN下0℃でゆっくりと添加した。その後、混合物を15℃で4時間撹拌した。混合物を濃縮してTHFを除去し、粗製物を水(500ml)中に注ぎ入れ、水相をpH=7に調整し、酢酸エチルで抽出し、有機層をブラインで洗浄し、NaSO上で乾燥し、濾過し、濃縮して、6-(1,1-ジフルオロエチル)-1-メチル-ピリミジン-2,4-ジオン(13g、粗製)を黄色固体として得、これを次のステップで直接使用した。
【0281】
実施例1.1 - ステップ5:
6-(1,1-ジフルオロエチル)-3-(2,5-ジフルオロ-4-ニトロ-フェニル)-1-メチル-ピリミジン-2,4-ジオン
【化32】
DMF(40mL)中の6-(1,1-ジフルオロエチル)-1-メチル-ピリミジン-2,4-ジオン(3.5g、18.4mmol)の混合物に、1,2,4-トリフルオロ-5-ニトロ-ベンゼン(3.9g、22mmol)及びCsCO(7.7g、22mmol)を20℃で添加した。混合物をN下、80℃で16時間撹拌した。混合物を水中に注ぎ入れ、酢酸エチルで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、NaSO上で乾燥し、濃縮し、カラムクロマトグラフィー(石油エーテル中の酢酸エチル;酢酸エチル部分を0%から100%へと増加)で精製して、6-(1,1-ジフルオロエチル)-3-(2,5-ジフルオロ-4-ニトロ-フェニル)-1-メチル-ピリミジン-2,4-ジオン(4.7g、73.6%)を得た。
H NMR(CDCl 400MHz):δ ppm=7.99(dd,1H),7.32(dd,1H),6.18(s,1H),3.60(s,3H),2.08(t,3H)
【0282】
実施例1.1 - ステップ6:
エチル2-[[3-[5-[4-(1,1-ジフルオロエチル)-3-メチル-2,6-ジオキソ-ピリミジン-1-イル]-4-フルオロ-2-ニトロ-フェノキシ]-2-ピリジル]オキシ]アセテート
【化33】
DMF中の6-(1,1-ジフルオロエチル)-3-(2,5-ジフルオロ-4-ニトロ-フェニル)-1-メチル-ピリミジン-2,4-ジオン(3.47g、10mol)の溶液に、エチル2-[(3-ヒドロキシ-2-ピリジル)オキシ]アセテート(3g、15mol)及びKCO(2.76g、20mol)を添加した。得られた混合物を15℃で12時間撹拌した。混合物を水中に注ぎ入れ、酢酸エチルで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、NaSO上で乾燥し、濾過し、濃縮して、粗製エチル2-[[3-[5-[4-(1,1-ジフルオロエチル)-3-メチル-2,6-ジオキソ-ピリミジン-1-イル]-4-フルオロ-2-ニトロ-フェノキシ]-2-ピリジル]オキシ]アセテート(5.2g、粗製)を得、これを次のステップで直接使用した。
【0283】
実施例1.1 - ステップ7:
エチル2-[[3-[2-アミノ-5-[4-(1,1-ジフルオロエチル)-3-メチル-2,6-ジオキソ-ピリミジン-1-イル]-4-フルオロ-フェノキシ]-2-ピリジル]オキシ]アセテート
【化34】
40mlのエタノール中のエチル2-[[3-[5-[4-(1,1-ジフルオロエチル)-3-メチル-2,6-ジオキソ-ピリミジン-1-イル]-4-フルオロ-2-ニトロ-フェノキシ]-2-ピリジル]オキシ]アセテート(5.2g、10mmol)の溶液に、15℃でHO、Fe(2.8g、50mmol)及びNHCl(2.7g、50mmol)を添加した。混合物を80℃で1時間撹拌した。次いで、混合物を濾過し、濃縮し、カラムクロマトグラフィーで精製して、エチル2-[[3-[2-アミノ-5-[4-(1,1-ジフルオロエチル)-3-メチル-2,6-ジオキソ-ピリミジン-1-イル]-4-フルオロ-フェノキシ]-2-ピリジル]オキシ]アセテート(4g、80%)を黄色油として得、これを次のステップで直接使用した。
【0284】
実施例1.1 - ステップ8:
エチル2-[[3-[2-クロロ-5-[4-(1,1-ジフルオロエチル)-3-メチル-2,6-ジオキソ-ピリミジン-1-イル]-4-フルオロ-フェノキシ]-2-ピリジル]オキシ]アセテート
【化35】
アセトニトリル中のエチル2-[[3-[2-アミノ-5-[4-(1,1-ジフルオロエチル)-3-メチル-2,6-ジオキソ-ピリミジン-1-イル]-4-フルオロ-フェノキシ]-2-ピリジル]オキシ]アセテート(4g、8mmol)の混合物に、15℃でCuCl(4g、40mmol)、CuCl(5.4g、40mmol)及び亜硝酸tert-ブチル(4g、40mmol)を添加した。混合物を15℃で30分間撹拌した。混合物を水中に注ぎ入れ、酢酸エチルで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、無水NaSO上で乾燥し、濃縮し、分取HPLC(トリフルオロ酢酸とのアセトニトリル-HO)で精製して、エチル2-[[3-[2-クロロ-5-[4-(1,1-ジフルオロエチル)-3-メチル-2,6-ジオキソ-ピリミジン-1-イル]-4-フルオロ-フェノキシ]-2-ピリジル]オキシ]アセテート(2.2g、53.6%)を黄色固体として得た。
H NMR(CDCl 400MHz):δ ppm=7.91(dd,1H),7.37(d,1H),7.29(dd,1H),6.98-6.85(m,2H),6.09(s,1H),4.93(s,2H),4.18(q,2H),3.54(s,3H),2.03(t,3H),1.25(t,3H).
【0285】
実施例1.2:
エチル2-[[3-[2-クロロ-5-[4-(1,1-ジフルオロエチル)-3-メチル-2,6-ジオキソ-ピリミジン-1-イル]-4-フルオロ-フェノキシ]-2-フェノキシ]アセテート
【化36】
【0286】
実施例1.2-ステップ1:
6-(1,1-ジフルオロエチル)-3-[2-フルオロ-5-(2-メトキシフェノキシ)-4-ニトロ-フェニル]-1-メチル-ピリミジン-2,4-ジオン
【化37】
50mlのアセトニトリル中の6-(1,1-ジフルオロエチル)-3-(2,5-ジフルオロ-4-ニトロ-フェニル)-1-メチル-ピリミジン-2,4-ジオン(3.47g、10mmol、s.実施例1-ステップ5)の溶液に、2-メトキシフェノール(1.4g、11mmol)及びKCO(6.5g、20mmol)を添加した。得られた混合物を20℃で16時間撹拌した。混合物を水中に注ぎ入れ、酢酸エチルで抽出し、有機層をブラインで洗浄し、NaSO上で乾燥し、濾過し、濃縮して、6-(1,1-ジフルオロエチル)-3-[2-フルオロ-5-(2-メトキシフェノキシ)-4-ニトロ-フェニル]-1-メチル-ピリミジン-2,4-ジオン(10g、粗製)を得、これを次のステップで直接使用した。
【0287】
実施例1.2 - ステップ2:
3-[4-アミノ-2-フルオロ-5-(2-メトキシフェノキシ)フェニル]-6-(1,1-ジフルオロエチル)-1-メチル-ピリミジン-2,4-ジオン
【化38】

80mlのエタノール中の6-(1,1-ジフルオロエチル)-3-[2-フルオロ-5-(2-メトキシフェノキシ)-4-ニトロ-フェニル]-1-メチル-ピリミジン-2,4-ジオン(10g、22mmol)の溶液に、水、Fe(6.21g、111mmol)及びNHCl(5.9g、111mmol)を15℃で添加した。混合物を80℃で1時間撹拌し、濾過し、濃縮し、カラムクロマトグラフィー(石油エーテル中の酢酸エチル;酢酸エチルの部分を0%から100%へと増加)で精製して、3-[4-アミノ-2-フルオロ-5-(2-メトキシフェノキシ)フェニル]-6-(1,1-ジフルオロエチル)-1-メチル-ピリミジン-2,4-ジオン(7g、75%)を黄色固体として得た。
H NMR(CDCl 400MHz):δ ppm=7.16-6.85(m,4H),6.69-6.51(m,2H),6.08(s,1H),4.20(br s,2H),3.85(s,3H),3.54(s,3H),2.01(t,3H)
【0288】
実施例1.2 - ステップ3:
3-[4-クロロ-2-フルオロ-5-(2-メトキシフェノキシ)フェニル]-6-(1,1-ジフルオロエチル)-1-メチル-ピリミジン-2,4-ジオン
【化39】
アセトニトリル中の3-[4-アミノ-2-フルオロ-5-(2-メトキシフェノキシ)フェニル]-6-(1,1-ジフルオロエチル)-1-メチル-ピリミジン-2,4-ジオン(7g、16.6mmol)の混合物に、15℃でCuCl(8.3g、83mmol)、CuCl2(11.2g、83mmol)及び亜硝酸tert-ブチル(8.3g、83mmol)を添加した。混合物を15℃で30分間撹拌した後、水中に注ぎ入れ、酢酸エチルで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、無水NaSO上で乾燥し、濃縮し、カラムクロマトグラフィー(石油エーテル中の酢酸エチル;酢酸エチル部分を0%から15%へと増加)で精製して、3-[4-クロロ-2-フルオロ-5-(2-メトキシフェノキシ)フェニル]-6-(1,1-ジフルオロエチル)-1-メチル-ピリミジン-2,4-ジオン(7.2g、粗製)を得た。
H NMR(CDCl 400MHz):δ ppm=7.36(d,J=8.9Hz,1H),7.21-7.12(m,1H),7.07-6.89(m,3H),6.63(d,J=6.6Hz,1H),6.09(s,1H),3.82(s,3H),3.54(s,3H),2.01(t,3H)
【0289】
実施例1.2 - ステップ4:
3-[4-クロロ-2-フルオロ-5-(2-ヒドロキシフェノキシ)フェニル]-6-(1,1-ジフルオロエチル)-1-メチル-ピリミジン-2,4-ジオン
【化40】
ジクロロメタン中の3-[4-クロロ-2-フルオロ-5-(2-メトキシフェノキシ)フェニル]-6-(1,1-ジフルオロエチル)-1-メチル-ピリミジン-2,4-ジオン(7.2g、16.4mmol)の混合物に、0℃でBBr(8.2g、32.7mmol)を添加した。混合物を20℃で1時間撹拌した後、水中に注ぎ入れ、ジクロロメタンで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、無水NaSO上で乾燥し、濃縮して、3-[4-クロロ-2-フルオロ-5-(2-ヒドロキシフェノキシ)フェニル]-6-(1,1-ジフルオロエチル)-1-メチル-ピリミジン-2,4-ジオン(6g、86%)を得、これを次のステップで直接使用した。
【0290】
実施例1.2 - ステップ5:
エチル2-[[3-[2-クロロ-5-[4-(1,1-ジフルオロエチル)-3-メチル-2,6-ジオキソ-ピリミジン-1-イル]-4-フルオロ-フェノキシ]-2-フェノキシ]アセテート
【化41】
アセトニトリル中の3-[4-クロロ-2-フルオロ-5-(2-ヒドロキシフェノキシ)フェニル]-6-(1,1-ジフルオロエチル)-1-メチル-ピリミジン-2,4-ジオン(6g、14.08mmol)の混合物に、KCO(3.9g、28.2mmol)及び2-ブロモ酢酸エチル(3.53g、21.1mmol)を20℃で添加した。混合物を20℃で16時間撹拌した後、水中に注ぎ入れ、酢酸エチルで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、無水NaSO上で乾燥し、濃縮し、カラムクロマトグラフィー(石油エーテル中の酢酸エチル;酢酸エチル部分を0%から15%へと増加)で精製して、エチル2-[[3-[2-クロロ-5-[4-(1,1-ジフルオロエチル)-3-メチル-2,6-ジオキソ-ピリミジン-1-イル]-4-フルオロ-フェノキシ]-2-フェノキシ]アセテート(4.09g、56.7%)を得た。
H NMR(CDCl 400MHz):δ ppm=7.36(d,J=8.9Hz,1H),7.15-7.09(m,1H),7.08-7.03(m,1H),7.02-6.96(m,1H),6.93(d,J=8.1Hz,1H),6.77(d,J=6.6Hz,1H),6.08(s,1H),4.65(s,2H),4.21(q,J=7.1Hz,2H),3.53(s,3H),2.01(t,J=18.8Hz,3H),1.26(t,J=7.1Hz,3H)
【0291】
以下の表1及び表2に示す化合物は、上述の実施例と同様に調製することができる。
【化42】
【0292】
【表5】
【0293】
【化43】
【0294】
【表6】
【0295】
B 使用例
式(I)のフェニルウラシルの除草活性を以下に示す温室実験により実証した。
【0296】
使用した培養容器は、基質として腐葉土を約3.0%含む壌砂を入れたプラスチック製植木鉢であった。試験植物の種子は、各種に分けて播種した。
【0297】
出芽前処理では、水中に懸濁又は乳化させた活性成分を播種後に微量散布ノズルによって直接適用した。発芽及び成長を促進するために容器は穏やかに灌水され、その後、試験植物が発根するまで透明なプラスチックフードで覆った。この覆いにより、活性成分によって発芽が阻害されない限り、試験植物は均一に発芽した。
【0298】
発芽後処理に関しては、最初に試験植物を植物の習性に応じて3~15cmの高さまで成長させ、その後のみ、水に懸濁又は乳化させた活性成分で処理した。この目的のために、試験植物は同一容器中で直接播種して成長させるか、又は苗として別々に育て、処理の数日前に試験容器に移植した。
【0299】
試験植物は、品種によって、それぞれ10~25℃、又は20~35℃に保持された。
【0300】
試験期間は2週間~3週間であった。この期間中、試験植物の世話をし、個々の処理に対する反応を評価した。
【0301】
評価は0~100の尺度を用いて行った。100は、試験植物が発芽しないか又は少なくとも地上部が完全に枯死したことを意味し、0は、損傷を受けないか又は通常の生育過程を辿ることを意味する。少なくとも70の値で良好な除草活性を示し、少なくとも85の値で非常に良好な除草活性を示す。
【0302】
なお、温室実験に用いた試験植物は、以下の種であった。
【0303】
【表7】
【0304】
16g/haの適用量で、化合物(実施例)1.1、1.2及び1.3を出芽後に適用した場合、AMARE、CHEAL、POLCO及びSETVIに対して非常に良好な除草活性を示した。
【0305】
16g/haの適用量で、化合物(実施例)1.6、1.7、2.5及び2.6を出芽前に適用した場合、AMARE、POLCO及びSETVIに対して非常に良好な除草活性を示した。
【0306】
16g/haの適用量で、化合物(実施例)1.8、2.3及び2.4を出芽前に適用した場合、AMARE及びSETVIに対して非常に良好な除草活性を示した。
【0307】
16g/haの適用量で、化合物(実施例)2.1及び2.2を出芽前に適用した場合、AMARE、CHEAL、POLCO及びSETVIに対して非常に良好な除草活性を示した。
【0308】
表3、4及び5:欧州特許第1122244号明細書(第8の化合物、表2、75頁)から既知の化合物I-2-8及び本発明の実施例1.1の除草活性の比較:
【化44】
【0309】
【表8】
【0310】
【表9】
【0311】
【表10】
【0312】
ウラシル環の4位に結合した置換基(文献から既知)のフッ素原子1個を本発明によるメチル基で置換すると、欧州特許第1122244号明細書から既知の化合物I-2-8によって達成された結果と比較して、より高い適用量においてのみならず、より低い適用量においても、より良好な除草活性が得られる。
【手続補正書】
【提出日】2023-07-25
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
それらの農業的に許容可能な塩、1-メチルヘキシル、ヘプチル、オクチル、2-エチルヘキシル、2-メトキシエチル、2-エトキシエチル、2-ブトキシエチル、2-ブトキシプロピル及び3-ブトキシプロピルエステル、又はC ~C 10 -アルキルチオエステルからなる群から選択されるエステルを含む、式(I)
【化1】
(式中、置換基は、以下の意味を有する:
はCH であり;
はハロゲンであり;
はハロゲンであり;
はハロゲンであり;
はハロゲンであり;
はHであり;
はH又はC ~C -アルコキシであり;
はOR (式中、R は水素又はC ~C -アルキルである)であり;
nは1であり;
Q、W、X、Y 、Y はOであり;
ZはCH又はNである)のフェニルウラシルであるが、ただし、式(I)の化合物がカルボキシル基を有することを条件とするフェニルウラシル。
【請求項2】
及びR がFである、請求項1に記載の式(I)のフェニルウラシル。
【請求項3】
がFである、請求項1又は2に記載の式(I)のフェニルウラシル。
【請求項4】
がCl又はBrである、請求項1~3のいずれか一項に記載の式(I)のフェニルウラシル。
【請求項5】
がH又はOCH である、請求項1~4のいずれか一項に記載の式(I)のフェニルウラシル。
【請求項6】
がC ~C -アルコキシである、請求項1~4のいずれか一項に記載の式(I)のフェニルウラシル。
【請求項7】
が水素、CH 又はC である、請求項1~6のいずれか一項に記載の式(I)のフェニルウラシル。
【請求項8】
ZがCHである、請求項1~7のいずれか一項に記載の式(I)のフェニルウラシル。
【請求項9】
ZがNである、請求項1~7のいずれか一項に記載の式(I)のフェニルウラシル。
【請求項10】
請求項1に記載の少なくとも1種の式(I)のフェニルウラシルの除草活性量と、少なくとも1種の不活性液体及び/又は固体担体と、必要に応じて少なくとも1種の界面活性物質とを含む除草組成物。
【請求項11】
請求項1に記載の少なくとも1種の式(I)のフェニルウラシルの除草活性量と、少なくとも1種の不活性液体及び/又は固体担体と、必要に応じて少なくとも1種の界面活性物質とを混合することを含む、除草活性組成物の調製方法。
【請求項12】
望ましくない植生を防除する方法であって、請求項1に記載の式(I)の少なくとも1種のフェニルウラシルの除草活性量を植物、その環境又は種子に作用させることを含む方法。
【請求項13】
除草剤としての請求項1に記載の式(I)のフェニルウラシルの使用。
【国際調査報告】