(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-05
(54)【発明の名称】基板を処理するための方法および装置
(51)【国際特許分類】
C23C 14/14 20060101AFI20240628BHJP
C23C 14/35 20060101ALI20240628BHJP
H01L 21/285 20060101ALI20240628BHJP
H01L 21/3205 20060101ALI20240628BHJP
【FI】
C23C14/14 B
C23C14/14 C
C23C14/14 D
C23C14/35 Z
H01L21/285 S
H01L21/88 B
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024501745
(86)(22)【出願日】2022-06-16
(85)【翻訳文提出日】2024-01-12
(86)【国際出願番号】 US2022033809
(87)【国際公開番号】W WO2023287544
(87)【国際公開日】2023-01-19
(32)【優先日】2021-07-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100141553
【氏名又は名称】鈴木 信彦
(74)【代理人】
【識別番号】100176418
【氏名又は名称】工藤 嘉晃
(72)【発明者】
【氏名】メバルキ ベンチェルキ
(72)【発明者】
【氏名】イ ジョン ジュ
(72)【発明者】
【氏名】ガーデ コマル
(72)【発明者】
【氏名】カラシパラムビル キショー クマール
(72)【発明者】
【氏名】タン シャンミン
(72)【発明者】
【氏名】シエ シャンジン
(72)【発明者】
【氏名】リ ルイ
【テーマコード(参考)】
4K029
4M104
5F033
【Fターム(参考)】
4K029BA03
4K029BA06
4K029BA08
4K029BA10
4K029BA11
4K029BA12
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4K029BA17
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4K029EA09
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4M104HH13
5F033HH07
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5F033WW00
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5F033WW07
5F033XX02
(57)【要約】
基板を処理するための方法および装置が提供される。例えば、方法は、PVDチャンバ内でターゲットから材料をスパッタリングして、基板の特徴を含む層上に材料層を形成することであって、特徴が第1の側壁および第2の側壁によって画定された開口幅を有し、材料層が層の頂面において、特徴内の第1の側壁または第2の側壁上の厚さよりも大きい横方向厚さを有する、形成することと、低電力のRFバイアスで層にバイアスをかけることによって、層上に追加の材料を堆積させることと、高電力のRFバイアスで層にバイアスをかけることによって、層から材料層をエッチングすることと、所定の周波数で低電力と高電力とを交互に繰り返すことと、を含む。
【選択図】
図2C
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上での物理的気相堆積の方法であって、
物理的気相堆積(PVD)チャンバ内でターゲットから材料をスパッタリングして、層の頂面から前記層を堆積させたベース層の頂面までの深さに延在する特徴を含む前記層上に材料層を形成することであって、前記特徴が、第1の側壁および第2の側壁によって画定される開口幅を有し、前記材料層が、前記層の前記頂面において、前記特徴内の前記第1の側壁または前記第2の側壁上の厚さよりも大きい横方向厚さを有する、形成することと、
低電力のRFバイアスで前記層にバイアスをかけることによって、前記層上に追加の材料を堆積させることと、
高電力のRFバイアスで前記層にバイアスをかけることによって、前記層から前記材料層をエッチングすることと、
前記低電力と前記高電力とを所定の周波数で交互に繰り返し、前記層の前記頂面における前記横方向厚さと、前記特徴内の前記第1の側壁または前記第2の側壁上の前記横方向厚さとの差を低減することと、
を含む、方法。
【請求項2】
前記基板が実質的に損傷を受けない、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記RFバイアスのデューティサイクルが約1%~約99%であり、前記デューティサイクルが前記層の前記頂面に前記高電力の前記RFバイアスを印加するのに費やされるサイクルの時間割合である、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記ターゲットが、アルミニウム(Al)、コバルト(Co)、銅(Cu)、インジウム(In)、モリブデン(Mo)、ニッケル(Ni)、ロジウム(Rh)、ルテニウム(Ru)、タンタル(Ta)、チタン(Ti)、タングステン(W)のうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記低電力が約5W~約100Wである、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記高電力が約200W~約3000Wである、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記所定の周波数が約1Hz~約10kHzである、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記材料をスパッタリングすることにより、前記頂面に約3nm~40nmの厚さを有する前記材料層が形成される、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記低電力と前記高電力とを交互に繰り返すことによって、前記頂面に約3nm~20nmの厚さを有する前記材料層を形成する、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記特徴の前記開口幅が前記材料をスパッタリングする前に約3nm~約40nmである、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記特徴の前記開口幅が前記材料をスパッタリングする前に約3nm~約20nmであり、
前記材料をスパッタリングすることにより、前記層の前記頂面に約3nm~40nmの厚さを有する前記材料層が形成され、
前記低電力の前記RFバイアスと前記高電力の前記RFバイアスとを交互に繰り返すことにより、前記頂面に約3nm~40nmの厚さを有する前記材料層が形成され、
前記材料をスパッタリングし、前記低電力の前記RFバイアスと前記高電力の前記RFバイアスとを交互に繰り返した後、前記特徴の前記開口幅が約7nm以上となる、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記層の前記頂面における前記横方向厚さと、前記特徴内の前記第1の側壁または前記第2の側壁上の前記横方向厚さとの前記差を低減した後に、前記特徴内に導電性充填材料を堆積させることをさらに含む、請求項1~11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
命令を記憶した非一過性コンピュータ可読ストレージ媒体であって、前記命令がプロセッサによって実行されると、基板上での物理的気相堆積の方法を実行し、前記方法が、
物理的気相堆積(PVD)チャンバ内でターゲットから材料をスパッタリングして、層の頂面から前記層を堆積させたベース層の頂面までの深さに延在する特徴を含む前記層上に材料層を形成することであって、前記特徴が、第1の側壁および第2の側壁によって画定される開口幅を有し、前記材料層が、前記層の前記頂面において、前記特徴内の前記第1の側壁または前記第2の側壁上の厚さよりも大きい横方向厚さを有する、形成することと、
低電力のRFバイアスで前記層にバイアスをかけることによって、前記層上に追加の材料を堆積させることと、
高電力のRFバイアスで前記層にバイアスをかけることによって、前記層から前記材料層をエッチングすることと、
前記低電力と前記高電力とを所定の周波数で交互に繰り返し、前記層の前記頂面における前記横方向厚さと、前記特徴内の前記第1の側壁または前記第2の側壁上の前記横方向厚さとの差を低減することと、
を含む、非一過性コンピュータ可読ストレージ媒体。
【請求項14】
前記基板が実質的に損傷を受けない、請求項13に記載の非一過性コンピュータ可読ストレージ媒体。
【請求項15】
前記高電力の前記RFバイアスのデューティサイクルが約1%~約99%であり、前記デューティサイクルが前記高電力の前記RFバイアスを前記頂面に印加するのに費やされるサイクルの時間割合である、請求項13に記載の非一過性コンピュータ可読ストレージ媒体。
【請求項16】
前記ターゲットが、アルミニウム(Al)、コバルト(Co)、銅(Cu)、インジウム(In)、モリブデン(Mo)、ニッケル(Ni)、ロジウム(Rh)、ルテニウム(Ru)、タンタル(Ta)、チタン(Ti)、タングステン(W)のうちの少なくとも1つを含む、請求項13に記載の非一過性コンピュータ可読ストレージ媒体。
【請求項17】
前記低電力の前記RFバイアスが約5W~約300Wである、請求項13に記載の非一過性コンピュータ可読ストレージ媒体。
【請求項18】
前記高電力の前記RFバイアスが約200W~約3000Wである、請求項13に記載の非一過性コンピュータ可読ストレージ媒体。
【請求項19】
前記所定の周波数が約1Hz~約10kHzである、請求項13~18のいずれか1項に記載の非一過性コンピュータ可読ストレージ媒体。
【請求項20】
基板上での物理的気相堆積の方法であって、
物理的気相堆積(PVD)チャンバ内でターゲットから材料をスパッタリングして、層の頂面から前記層を堆積させたベース層の頂面までの深さに延在する特徴を含む前記層上に材料層を形成することであって、前記特徴が、第1の側壁および第2の側壁によって画定される開口幅を有し、前記材料層が、前記層の前記頂面において、前記特徴内の前記第1の側壁または前記第2の側壁上の厚さよりも大きい横方向厚さを有する、形成することと、
低電力かつ約2MHz~約60MHzのデュアル周波数のRFバイアスで前記層にバイアスをかけることによって、前記層上に追加の材料を堆積させることと、
高電力かつ約2MHz~約60MHzの前記デュアル周波数のRFバイアスで前記層にバイアスをかけることによって、前記層から前記材料層をエッチングすることと、
前記デュアル周波数内の所定の周波数で前記低電力と前記高電力とを交互に繰り返し、前記層の前記頂面における前記横方向厚さと、前記特徴内の前記第1の側壁または前記第2の側壁上の前記横方向厚さとの差を低減することと、
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施形態は、一般に、基板を処理するための方法および装置に関し、より詳細には、特徴内に堆積させた物理的気相堆積(PVD)膜のオーバーハングを低減し、開口幅を改善するための方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体回路素子の小型化は、45nm、32nm、28nm、20nm、さらにはそれ以下の特徴サイズが商業規模で製造されるまでに至っている。特徴の寸法が小さくなり続けるにつれて、回路素子間の間隙を充填するようなプロセスステップに対して新たな課題が生じる。素子間の幅が縮小し続けるにつれて、素子間の間隙は、しばしば、より高くかつより狭くなり、間隙充填材料がボイドおよび脆弱なシームを生成することなく間隙を充填することがより困難になる。
【0003】
PVDとも呼ばれるスパッタリングは、半導体集積回路の製造において金属および他の材料の堆積に使用されている。スパッタリングの使用は、高アスペクト比(HAR)の孔の側壁またはビアもしくは他の垂直相互接続構造などの間隙への材料層の堆積にまで拡張されている。
【0004】
PVD技術では、多くの場合、間隙が完全に充填される前に、間隙の頂部において材料の過成長またはオーバーハングに遭遇する。オーバーハングは、堆積させた材料がオーバーハングによって切り離された間隙にボイドまたはシームを生成する可能性があり、問題はブレッドローフィングと呼ばれる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
オーバーハングを低減する現在の方法は、基板に印加する連続波(CW)バイアスを利用するものであるが、このような方法では、電力範囲が限られる。さらに、CWバイアスは、高電力レベルで動作させると、下にある基板に損傷を引き起こす可能性がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
基板を処理するための方法および装置が本明細書で提供される。一部の実施形態では、基板上での物理的気相堆積の方法は、物理的気相堆積(PVD)チャンバ内でターゲットから材料をスパッタリングして、層の頂面から層を堆積させたベース層の頂面までの深さに延在する特徴を含む層上に材料層を形成することであって、特徴が、第1の側壁および第2の側壁によって画定される開口幅を有し、材料層が、層の頂面において、特徴内の第1の側壁または第2の側壁上の厚さよりも大きい横方向厚さを有する、形成することと、低電力のRFバイアスで層にバイアスをかけることによって、層上に追加の材料を堆積させることと、高電力のRFバイアスで層にバイアスをかけることによって、層から材料層をエッチングすることと、低電力と高電力とを所定の周波数で交互に繰り返し、層の頂面における横方向厚さと、特徴内の第1の側壁または第2の側壁上の横方向厚さとの差を低減することと、を含む。
【0007】
少なくとも一部の実施形態によると、非一過性コンピュータ可読ストレージ媒体は、プロセッサによって実行されると、基板上での物理的気相堆積の方法を実行する命令を記憶する。本方法は、物理的気相堆積(PVD)チャンバ内でターゲットから材料をスパッタリングして、層の頂面から層を堆積させたベース層の頂面までの深さに延在する特徴を含む層上に材料層を形成することであって、特徴が、第1の側壁および第2の側壁によって画定される開口幅を有し、材料層が、層の頂面において、特徴内の第1の側壁または第2の側壁上の厚さよりも大きい横方向厚さを有する、形成することと、低電力のRFバイアスで層にバイアスをかけることによって、層上に追加の材料を堆積させることと、高電力のRFバイアスで層にバイアスをかけることによって、層から材料層をエッチングすることと、低電力と高電力とを所定の周波数で交互に繰り返し、層の頂面における横方向厚さと、特徴内の第1の側壁または第2の側壁上の横方向厚さとの差を低減することと、を含む。
【0008】
少なくとも一部の実施形態によると、基板上での物理的気相堆積の方法は、物理的気相堆積(PVD)チャンバ内でターゲットから材料をスパッタリングして、層の頂面から層を堆積させたベース層の頂面までの深さに延在する特徴を含む層上に材料層を形成することであって、特徴が、第1の側壁および第2の側壁によって画定される開口幅を有し、材料層が、層の頂面において、特徴内の第1の側壁または第2の側壁上の厚さよりも大きい横方向厚さを有する、形成することと、低電力かつ約2MHz~約60MHzのデュアル周波数のRFバイアスで層にバイアスをかけることによって、層上に追加の材料を堆積させることと、高電力かつ約2MHz~約60MHzのデュアル周波数のRFバイアスで層にバイアスをかけることによって、層から材料層をエッチングすることと、デュアル周波数内の所定の周波数で低電力と高電力とを交互に繰り返し、層の頂面における横方向厚さと、特徴内の第1の側壁または第2の側壁上の横方向厚さとの差を低減することと、を含む。
【0009】
本開示の他のおよびさらなる実施形態を以下に説明する。
【0010】
上で簡潔に要約され、以下でより詳細に論じる本開示の実施形態は、添付の図面に表される本開示の例示的な実施形態を参照することによって理解することができる。しかしながら、添付の図面は、本開示の典型的な実施形態のみを示しており、したがって、本開示が他の等しく有効な実施形態を認めることができるため、範囲を限定するものと考えられるべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本開示の少なくとも一部の実施形態による、処理チャンバの概略断面図である。
【
図2A】本開示の少なくとも一部の実施形態による、オーバーハングが低減された材料層を有する基板の図である。
【
図2B】本開示の少なくとも一部の実施形態による、オーバーハングが低減された材料層を有する基板の図である。
【
図2C】本開示の少なくとも一部の実施形態による、オーバーハングが低減された材料層を有する基板の図である。
【
図3】本開示の少なくとも一部の実施形態による、基板を処理するための方法の流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
理解を容易にするために、可能な場合には、図面に共通する同一の要素を示すために同一の参照番号が使用されている。図面は縮尺通りに描かれておらず、明確にするために簡略化されている場合がある。一実施形態の要素および特徴は、さらに詳述することなく他の実施形態に有益に組み込まれることがある。
【0013】
基板を処理するための方法および装置の実施形態が本明細書で提供される。例えば、基板上での物理的気相堆積の方法は、PVDチャンバ内でターゲットから材料をスパッタリングして、層の頂面から層を堆積させたベース層の頂面までの深さに延在する特徴を含む層上に材料層を形成することを含むことができる。少なくとも一部の実施形態では、特徴は、第1の側壁および第2の側壁によって画定される開口幅を有する。材料層は、層の頂面において、特徴内の第1の側壁または第2の側壁上の厚さよりも大きい横方向厚さを有することができる。次に、低電力のRFバイアスで層にバイアスをかけることによって、追加の材料を層上に堆積させることができる。次に、高電力のRFバイアスで層にバイアスをかけることによって、材料層を層からエッチングすることができる。次に、本方法は、所定の周波数で低電力と高電力とを交互に繰り返し、層の頂面における横方向厚さと、特徴内の第1の側壁または第2の側壁上の横方向厚さとの差を低減することを含むことができる。本明細書に記載される方法および装置は、PVDプロセスに関連するオーバーハングの問題を軽減/最小化し、より大きな頂部特徴開口部を提供することによって、その後のメタライゼーションステップを容易に達成できるようにする。
【0014】
図1は、本開示の少なくとも一部の実施形態による、処理チャンバ100(例えば、プラズマ処理チャンバ)の概略側面図を示す。一部の実施形態では、処理チャンバ100は、所与の直径を有する基板上に材料をスパッタ堆積させるのに適したPVD処理チャンバである。本開示から利益を得るように適合させることができる適切なPVDチャンバの例示的な例としては、カリフォルニア州サンタクララのアプライドマテリアルズ社から市販されているものが挙げられる。アプライドマテリアルズ社ならびに他のメーカーから入手可能な他の処理チャンバも、本明細書に記載された実施形態に従って適合され得る。
【0015】
処理チャンバ100は、一般に、上部側壁102と、下部側壁103と、接地アダプタ104と、内部容積106を囲む本体105を画定するリッドアセンブリ111とを含む。アダプタプレート107が上部側壁102と下部側壁103との間に配置されることがある。
【0016】
基板支持体108が処理チャンバ100の内部容積106に配置される。基板支持体108は、所与の直径(例えば、150mm、200mm、300mm、450mmなど)を有する基板を支持するように構成されている。基板移送ポート109が下部側壁103に形成され、基板を内部容積106の内外に移送する。
【0017】
ガス源110は、処理チャンバ100に結合されて、プロセスガスを内部容積106に供給する。一部の実施形態では、プロセスガスは、必要に応じて、不活性ガス、非反応性ガス、および反応性ガスを含むことができる。ガス源110によって供給され得るプロセスガスの例としては、とりわけ、アルゴンガス(Ar)、ヘリウム(He)、ネオンガス(Ne)、窒素ガス(N2)、酸素ガス(O2)、および水(H2O)蒸気が挙げられるが、これらに限定されない。
【0018】
ポンピング装置112は、処理チャンバ100に結合され、内部容積106と連通して内部容積106の圧力を制御する。一部の実施形態では、堆積中、処理チャンバ100の圧力レベルは約0.001mTorr~約1Torrに維持されてもよい。
【0019】
接地アダプタ104は、ターゲット114などのターゲットを支持することができる。ターゲット114は、基板上に堆積させる材料から製造される。一部の実施形態では、ターゲット114は、アルミニウム(Al)、コバルト(Co)、銅(Cu)、インジウム(In)、モリブデン(Mo)、ニッケル(Ni)、ロジウム(Rh)、ルテニウム(Ru)、タンタル(Ta)、チタン(Ti)、タングステン(W)、それらの合金、それらの組合せなどから製造されてもよい。一部の実施形態では、処理チャンバ100は、例えば、アルミニウム(Al)、コバルト(Co)、銅(Cu)、インジウム(In)、モリブデン(Mo)、ニッケル(Ni)、ロジウム(Rh)、ルテニウム(Ru)、タンタル(Ta)、チタン(Ti)、タングステン(W)、それらの合金、それらの組合せなどを基板上に堆積させるように構成されている。一部の実施形態では、処理チャンバ100は、例えば、酸化アルミニウム(AlO2)、酸窒化アルミニウム(ALONなど)、窒化タンタル(TaN)、酸窒化タンタル(TaOxNy)、酸窒化Ti(TiOxNy)、または窒化タングステン(WN)を堆積させるように構成されている。ターゲット114の前面の形状は、内径部分よりも厚い外周縁部を有する平面または略凹面であってもよい。
【0020】
ターゲット114は、ターゲット114用の電源117を備えるソースアセンブリに結合されていてもよい。一部の実施形態では、電源117は、整合ネットワーク116を介してターゲット114に結合されることがあるRF電源であってもよい。一部の実施形態では、電源117は、代替として直流電源であってもよく、その場合、整合ネットワーク116は省略される。一部の実施形態では、電源117は、直流電源とRF電源の両方を含むことができる。電源117は、ターゲット114を接地アダプタ104または接地シールドに対して負にバイアスして、プラズマガスをプラズマ165に励起する。例えば、電源117のタイプにかかわらず、ターゲット114に供給される電力は、プラズマ処理ガスをプラズマに励起し、正に帯電したプラズマのイオンがターゲット114に向かって加速され、ターゲット114から材料をスパッタリングする。
【0021】
さらに、一部の実施形態では、ターゲット114は、ターゲット114の構造的安定性を向上させるために設けることができるバッキング板(
図1には図示せず)を含むことができる。バッキング板は、銅-亜鉛、銅-クロム、またはターゲット114と同じ材料などの導電性材料を含むことができ、RF電力、および任意でDC電力を、バッキング板を介してターゲット114に結合することができる。あるいは、バッキング板は、非導電性であってもよく、電気フィードスルーなどの導電性要素(図示せず)を含んでもよい。
【0022】
マグネトロン170は、ターゲット114の上方に配置されており、処理チャンバ100および基板101の中心軸と軸方向に整列させることができるシャフト176に接続されたベースプレート174によって支持された、経路に沿って回転可能な1つまたは複数の磁石172を含むことができる。1つまたは複数の磁石172は、ターゲット114の前面の近くの処理チャンバ100内で磁場を生成してプラズマを生成し、そのため、かなりのイオン束がターゲット114に衝突し、ターゲット材料のスパッタ放出を引き起こす。1つまたは複数の磁石172は、ターゲット114の表面にわたる磁場の均一性を高めるために、シャフト176を中心に回転させることができる。一般に、1つまたは複数の磁石172は、1つまたは複数の磁石172の回転中の最も内側の磁石位置が、処理されている基板の直径を越えてまたは直径の外側に配置されるように回転させることができる(例えば、回転軸から1つまたは複数の磁石172の最も内側の位置までの距離は、処理されている基板の直径以上である)。
【0023】
コリメータ118は、ターゲット114と基板支持体108との間の内部容積106に配置することができる。コリメータ118の中央領域135は、処理されている基板の直径に概ね対応する(例えば、基板の直径に等しい、または実質的に等しい)。したがって、コリメータ118の周辺領域133は、処理されている基板の半径方向外側の環状領域に概ね対応する(例えば、周辺領域133の内径は、基板の直径と実質的に等しい、またはそれよりも大きい)。一部の実施形態では、コリメータ118は、基板へのイオン束および基板における中性角度分布を制御するために、ならびに追加されたDCバイアスにより堆積速度を高めるために、電気的にバイアスされてもよい。
【0024】
コリメータ118は、上部シールド113に結合されており、上部シールド113は、プロセスツールアダプタ138に結合されている。プロセスツールアダプタ138は、処理チャンバ100内の処理条件に適合する適切な導電性材料から作製することができる。プロセスツールアダプタ138を接地アダプタ104から電気的に絶縁するために、プロセスツールアダプタ138の両側に絶縁体リング156および絶縁体リング157が配置されている。絶縁体リング156、157は、適切なプロセス適合性誘電体材料から作製することができる。
【0025】
一部の実施形態では、第1の組の磁石196が、接地アダプタ104に隣接して配置され、ターゲット114から追い出されたイオンを、周辺領域133を通して誘導するための磁場を生成するのを支援することができる。一部の実施形態では、第2の組の磁石194が、コリメータ118の底部と基板との間に磁場を形成する位置に配置され、ターゲット114から追い出された金属イオンを誘導し、イオンを基板101上により均一に分布させることができる。一部の実施形態では、第3の組の磁石154が、第1の組の磁石196と第2の組の磁石194との間に配置され、コリメータ118の中央領域135の基板対向面と略同心にまたはその下方に配置されて、金属イオンを基板101の中心に向かってさらに誘導することができる。
【0026】
プロセスツールアダプタ138は、コリメータ118などのプロセスツールを内部容積106内で支持することを容易にする1つまたは複数の特徴を含む。例えば、
図1に示すように、プロセスツールアダプタ138は、上部シールド113を支持するために半径方向内向きに延在する取り付けリングまたは棚164を含む。
【0027】
一部の実施形態では、処理中に生成された熱を除去するためにプロセスツールアダプタ138を通して冷却剤を流すことを容易にするために、プロセスツールアダプタ138に冷却剤チャネル166を設けることができる。例えば、冷却剤チャネル166は、水(イオンが除去された水)、窒素、アルゴン、または他の希ガス、清浄乾燥空気(CDA)、または腐食性ガスなどの適切な冷却剤を供給するために、冷却装置153(冷却剤源)に結合されてもよい。冷却剤チャネル166は、有利には、接地アダプタ104などの他の冷却されたチャンバ部品に容易には伝達されない熱をプロセスツール(例えば、コリメータ118)から除去する。
【0028】
処理チャンバ100の内部容積106内の中央開口部内で上部シールド113を支持するために、半径方向内向きに延在するレッジ(例えば、取り付けリングまたは棚164)が設けられている。一部の実施形態では、棚164は、冷却剤チャネル166に近接した位置に配置され、使用中にコリメータ118から冷却剤チャネル166内を流れる冷却剤への熱伝達を最大化することを容易にする。
【0029】
一部の実施形態では、下部シールド120が、コリメータ118に近接して、接地アダプタ104または上部側壁102の内部に設けられることがある。下部シールド120は、管状本体121の上面に配置された半径方向外側に延びるフランジ122を有する管状本体121を含むことができる。フランジ122は、上部側壁102の上面との嵌合インターフェースを提供する。一部の実施形態では、下部シールド120の管状本体121は、管状本体121の残りの部分の内径よりも小さい内径を有する肩部領域123を含むことができる。一部の実施形態では、管状本体121の内面は、テーパ面124に沿って、肩部領域123の内面まで半径方向内向きに移行する。シールドリング126は、処理チャンバ100内で下部シールド120に隣接し、下部シールド120とアダプタプレート107との中間に配置されてもよい。シールドリング126は、下部シールド120の肩部領域123の反対側とアダプタプレート107の内部側壁とによって形成された凹部128内に少なくとも部分的に配置されてもよい。
【0030】
一部の実施形態では、シールドリング126は、下部シールド120の肩部領域123の外径よりも大きい内径を有する、軸方向に突出する環状側壁127を含むことができる。放射状フランジ130が環状側壁127から延びている。放射状フランジ130は、放射状フランジ130の下面に形成された突部132を含む。突部132は、放射状フランジ130の表面から、シールドリング126の環状側壁127の内径面に実質的に平行な向きに延在する円形リッジであってもよい。突部132は、概して、基板支持体108上に配置されたエッジリング136に形成された凹部134と嵌合するように適合されている。凹部134は、エッジリング136に形成された円形の溝であってもよい。突部132と凹部134との係合により、シールドリング126が基板支持体108の長手方向軸に対してセンタリングされる。基板101(リフトピン140上に支持されて示されている)は、基板支持体108とロボットブレード(図示せず)との間の位置決め較正を調整することによって、基板支持体108の長手方向軸に対してセンタリングされる。
【0031】
1つまたは複数の追加のRF電源(例えば、バイアス電源)を処理チャンバ100に結合することができる。例えば、1つまたは複数のRF電源180が、基板支持体108を介して処理チャンバ100に結合されて、ターゲット114と、電極として働くように導電性である基板支持体108との間にバイアス電力を供給することができる。例えば、処理チャンバ100内のプラズマの存在下でのバイアスにより、基板支持体108上に負の自己バイアスが発生し、スパッタリングされた材料(例えば、金属イオン)が基板101に向かって加速され、基板101に形成された高アスペクト比の孔または特徴内に深く入り込むことができる。一部の実施形態では、RF電源180と基板支持体108との間に整合ネットワーク(例えば、整合ネットワーク116)を結合することができる。一部の実施形態では、RF電源180は、約400Hz~約60MHz、例えば約13.56MHzの周波数を有することができる。少なくとも一部の実施形態では、RF電源は、2つ以上の周波数でRF電力を供給するように構成することができる。例えば、少なくとも一部の実施形態では、RF電源は、異なる周波数でRF電力を供給することができるデュアル周波数(例えば、約13.56MHz~約40MHzなど、約2MHz~約60MHz)とすることができる。少なくとも一部の実施形態では、それぞれが異なる周波数でRF電力を供給するように動作可能な2つ以上のRF電源を使用することができる。例えば、第1のRF電源は、約13.56MHzの周波数でRF電力を供給するように動作可能とすることができ、第2の電源は、約40MHzの周波数でRF電力を供給するように動作可能とすることができる。少なくとも一部の実施形態では、誘導結合プラズマ(ICP)コイル155(ファントムで示す)を使用して、約2MHzのRF電力を別個に供給することができる。一部の実施形態では、RF電源180は、以下でより詳細に説明するように、振幅パルス変調位相シフトキーイング信号を供給し、整合ネットワーク116が動作するのと同じ周波数でRF電力を供給する。
【0032】
動作において、基板101が配置されたロボットブレード(図示せず)は、基板移送ポート109を通って延出する。基板支持体108を下降させて、基板101を基板支持体108から延びるリフトピン140に移送させることを可能にし得る。基板支持体108および/またはリフトピン140の昇降は、基板支持体108に結合された駆動装置142によって制御されてもよい。基板支持体108の基板受け面144上に基板101を下降させることができる。基板101が基板支持体108の基板受け面144上に配置された状態で、基板101上にスパッタ堆積を行うことができる。エッジリング136は、処理中に基板101から電気的に絶縁されていてもよい。
【0033】
スパッタ堆積後、リフトピン140を利用して、基板101を基板支持体108から離間した位置まで上昇させることができる。上昇位置は、アダプタプレート107に隣接するシールドリング126およびリフレクタリング148の一方または両方に近接していてもよい。アダプタプレート107は、リフレクタリング148の下面とアダプタプレート107の凹面152との中間の位置に、アダプタプレート107に結合された1つまたは複数のランプ150を含む。ランプ150は、赤外線(IR)および/または紫外線(UV)スペクトルなどの可視波長または近可視波長の光エネルギーおよび/または放射エネルギーを提供する。ランプ150からのエネルギーは、基板101の裏側(すなわち、下面)に向かって半径方向内向きに集束されて、基板101およびその上に堆積させた材料を加熱する。
【0034】
基板101を所定の温度に制御した後、基板101を基板支持体108の基板受け面144上の位置まで下降させる。基板101は、基板支持体108の熱制御チャネル146を利用して伝導を介して急速に冷却されてもよい。例えば、冷却装置153は、基板支持体108に接続され、1つまたは複数の冷却剤を基板支持体に供給するように構成され得る。基板101は、さらなる処理のために、基板移送ポート109を通して処理チャンバ100から取り出されてもよい。
【0035】
コントローラ198が処理チャンバ100に結合されている。コントローラ198は、中央処理装置160、メモリ158、およびサポート回路162を含む。コントローラ198は、プロセスシーケンスを制御するために利用され、ガス源110から処理チャンバ100へのガス流を調整し、ターゲット114のイオン衝撃を制御する。中央処理装置160は、産業環境で使用することができる任意の形態の汎用コンピュータプロセッサであってもよい。ソフトウェアルーチン(例えば、命令)は、ランダムアクセスメモリ、読み取り専用メモリ、フロッピーもしくはハードディスクドライブ、または他の形態のデジタルストレージなどのメモリ158(例えば、非一過性コンピュータ可読ストレージ媒体)に記憶することができる。サポート回路162は、従来通り、中央処理装置160に結合され、キャッシュ、クロック回路、入出力サブシステム、電源などを備えることができる。ソフトウェアルーチンは、中央処理装置160によって実行されると、以下に開示されるプロセスが本開示の実施形態に従って実行されるように、中央処理装置を、処理チャンバ100を制御する特定目的のコンピュータに変換する。ソフトウェアルーチンはまた、処理チャンバ100から遠隔に位置する第2のコントローラ(図示せず)によって記憶および/または実行されてもよい。
【0036】
処理中、材料がターゲット114からスパッタリングされ、基板101の表面に堆積する。ターゲット114および基板支持体108は、電源117またはRF電源180によって互いに対してバイアスされ、ガス源110によって供給されるプロセスガス(例えば、アルゴン(Ar)、ヘリウム(He)、クリプトン(Kr)、ネオン(Ne)、またはキセノン(Xe)のうちの少なくとも1つ)から形成されるプラズマを維持する。コリメータ118に印加されるDCパルスバイアス電力はまた、コリメータ118を通過するイオンと中性粒子との比率を制御するのを支援し、トレンチの側壁および底部の充填能力を有利に高める。プラズマからのイオンは、ターゲット114に向かって加速され、ターゲット114に衝突し、ターゲット材料をターゲット114から追い出す。追い出されたターゲット材料およびプロセスガスは、基板101上に所望の組成物を有する層を形成する。
【0037】
図2A~
図2Cは、本開示の少なくとも一部の実施形態による、オーバーハングが低減された材料層を有する基板200(例えば、基板101)の図である。
【0038】
基板200は、ベース層202と、層204の頂面208からベース層202の露出した頂面210までの深さに延在する特徴206(例えば、ビア、トレンチ、デュアルダマシンなど)を含む層204とを含む(
図2A)。少なくとも一部の実施形態では、特徴206の深さは、層204の底面まで延在することができ、例えば、ベース層202の頂面210は、層204の一部によって覆われ、露出していない。特徴206は、第1の側壁212および第2の側壁214によって画定された開口幅Woを有する。一部の実施形態では、第1の側壁212および第2の側壁214は、連続的な側壁(例えば、円形ビア)の対向面である。開口幅Woは、約3nm~約40nm、例えば、約10nm、14nm、16nm、20nm、22nm、26nm、または28nmである。
【0039】
ベース層202は誘電体を含む。例えば、少なくとも一部の実施形態では、ベース層302は、炭化ケイ素(SiC)、炭窒化ケイ素(SiCN)、窒化ケイ素(SiN)、酸化ケイ素(SiO2)、酸炭化ケイ素(SiOC)、酸窒化ケイ素(SiON)を含むか、または本質的にこれらから構成されている。本明細書で定義されるように、記載された材料から本質的に構成された材料は、モル基準で記載された材料の約95%以上、約98%以上、約99%以上、または約99.5%以上を含む。
【0040】
図3は、本開示の少なくとも一部の実施形態による、基板(例えば、基板200)を処理するための方法300の流れ図である。方法300およびそれに関連付けられたプロセスは、コントローラ198によって制御される。
【0041】
例えば、再び
図2Aおよび
図2Bを参照すると、302において、方法300は、PVDチャンバ(例えば、処理チャンバ100)内で、材料を(例えば、ターゲット114から)スパッタリングして、層の頂面(例えば、層204の頂面208)から層を堆積させた層の頂面(例えば、ベース層202の頂面210)までの深さに延在する特徴(例えば、特徴206)を含む層上に材料層(例えば、材料層216)を形成することを含む。上述したように、材料は、アルミニウム(Al)、コバルト(Co)、銅(Cu)、インジウム(In)、モリブデン(Mo)、ニッケル(Ni)、ロジウム(Rh)、ルテニウム(Ru)、タンタル(Ta)、チタン(Ti)、タングステン(W)、それらの合金、それらの組合せなどのうちの少なくとも1つを含む導電性材料、または酸化アルミニウム(AlO
2)、酸窒化アルミニウム(ALONなど)、窒化アルミニウム(AlN)、窒化ロジウム(RhN)、窒化ルテニウム(RuN)、酸化ケイ素(SiO)、窒化タンタル(TaN)、酸窒化タンタル(TaOxNy)、酸窒化チタン(TiOxNy)、もしくは窒化タングステン(WN)のうちの少なくとも1つを含む誘電体材料とすることができる。また、上述したように、特徴は、第1の側壁212および第2の側壁214によって画定される開口幅(例えば、Wo)を有することができる。材料層は、頂面において、特徴内の第1の側壁または第2の側壁上の厚さ(T
S)よりも大きい横方向厚さ(T
L)を有することができる(
図2B参照)。少なくとも一部の実施形態では、302において、材料層216は、特徴の外側の頂面において、約3nm~約40nm、例えば、約10nm、14nm、16nm、20nm、22nm、26nm、または28nmの横方向厚さT
Lを有することができる。少なくとも一部の実施形態では、302において、材料層216は、約15nmの横方向厚さT
Lを有することができる。
【0042】
TLとTSの差は、典型的には、オーバーハングと呼ばれる。特徴の頂部における特徴の開口幅Woは、材料層216が堆積した第1の側壁212と第2の側壁214との間の特徴の幅よりも小さい。
【0043】
方法300は、堆積段階およびエッチング段階を含む堆積-エッチングサイクルによってオーバーハングを減少させることによって継続する。少なくとも一部の実施形態では、堆積-エッチングサイクル中に、堆積段階をエッチング段階の前に実行することができ、またはその逆も可能である。
【0044】
例えば、次に、304において、方法300は、低電力のRFバイアスで層にバイアスをかけることによって、層204上に(例えば、材料層216の上に)追加の材料を堆積させることを含む。例えば、堆積段階は、低電力バイアスのRFバイアスで頂面208にバイアスをかけることによって、頂面208上(例えば、材料層216上)に追加の材料層を堆積させる。例えば、低電力バイアスは、約5W~約300W(例えば、約70W~約100W)とすることができる。さらに、低電力バイアスは、デュアル周波数、例えば、2MHz~約60MHzで供給することができる。少なくとも一部の実施形態では、上述のように、低電力バイアスは、約13.56MHz~約40MHzで供給することができる。
【0045】
次に、306において、方法300は、高電力のRFバイアスで層にバイアスをかけることによって、層から材料層216をエッチングすることを含む。例えば、エッチング段階は、高電力バイアスのRFバイアスで頂面208にバイアスをかけることによって、頂面208から材料層216をエッチングする。例えば、高電力バイアスは、約200W~約3000W(例えば、約1000W、約1400W、または約2000W)とすることができる。本発明者らは、高電力バイアスを長時間にわたって頂面208に印加することができないことを見出した。例えば、高電力バイアスが過度に長く印加された場合、ベース層302が高電力バイアスによって損傷を受ける可能性がある(例えば、基板から処理チャンバの他の部分へのアーク放電)。したがって、本発明者らは、高電力バイアスおよび低電力バイアスの短いバーストを使用することによって、下にあるベース層302に損傷を与えることなく材料層216をエッチングすることができることを見出した。さらに、高電力バイアスは、例えば、2MHz~約60MHzのデュアル周波数で供給することができる。少なくとも一部の実施形態では、低電力バイアスは、約13.56MHz~約40MHzで供給することができる。少なくとも一部の実施形態では、低電力バイアスおよび高電力バイアスは、同じ周波数または異なる周波数で供給することができる。一部の実施形態では、基板(例えば、ベース層302および層204を含む)は、実質的に損傷を受けない。
【0046】
次に、308において、方法300は、低電力バイアスと高電力バイアス(304と306)とを所定の周波数で交互に繰り返し、頂面における横方向厚さと特徴内の第1の側壁または第2の側壁上の横方向厚さとの差を低減させることを含む。例えば、堆積-エッチングサイクルの間、堆積段階とエッチング段階とが交互に繰り返される。少なくとも一部の実施形態では、堆積段階とエッチング段階との間の時間が最小化される。例えば、少なくとも一部の実施形態では、低電力バイアスおよび高電力バイアスの所定の周波数は、約1Hz~約100kHz、例えば、約10kHzとすることができる。
【0047】
同様に、高電力のRFバイアスを基板表面に印加するのに費やされるサイクルの時間割合であるデューティサイクルは、約1%~約99%、例えば、約30%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、または約70%とすることができる。
【0048】
308の間に、特徴206の開口幅Woが十分であるかどうかを確認するための判定が行われる。例えば、開口幅Woが十分でない場合、追加の堆積-エッチングサイクルが308において実行される。例えば、308(例えば、堆積-エッチングサイクル)は、十分な厚さのオーバーハングが除去されるまで繰り返される。例えば、
図2Cに示すように、複数の堆積-エッチングサイクルの後、基板は、オーバーハングが低減された材料層216を有する。すなわち、例えば、
図2Bと
図2Cを比較すると、特徴206の頂面における低減された横方向厚さT
Lと、特徴206内の第1の側壁212および第2の側壁214上の厚さT
Sとの差が低減されている。一部の実施形態では、特徴206内の厚さT
Sは、堆積-エッチングサイクルによって実質的に変化しない。あるいは、一部の実施形態では、特徴206内の厚さT
Sは、堆積-エッチングサイクルによって増加する。
【0049】
堆積-エッチングサイクルは、特徴206の外側の頂面208に追加の材料層を堆積させることができる。例えば、堆積-エッチングサイクルは、特徴206の外側の頂面208に約2nm~約8nmの追加の材料層を堆積させる。少なくとも一部の実施形態では、堆積-エッチングサイクルは、特徴206の外側の頂面208に約4nm~約6nmの追加の材料層を堆積させる。
【0050】
308の後、開口幅Woが十分な場合には、基板200はさらなる処理を受けることができる。例えば、少なくとも一部の実施形態では、方法300は、特徴206内に導電性充填材料を堆積させることをさらに含む。導電性充填材料は、材料層216と同じまたは異なる材料を含む。少なくとも一部の実施形態では、導電性充填材料は、金属を含む(例えば、コバルト(Co)、銅(Cu)、インジウム(In)、イリジウム(Ir)、モリブデン(Mo)、ロジウム(Rh)、ルテニウム(Ru)、またはタングステン(W)、あるいは金属合金(例えば、CuMn、CuAlなど)のうちの少なくとも1つを含む)。
【0051】
少なくとも一部の実施形態では、特徴206の開口幅Woは、材料をスパッタリングする前に約3nm~約40nmであり、材料をスパッタリングすることにより、特徴206の外側の頂面208上に約15nmの厚さを有する材料層216が形成され、低電力バイアスと高電力バイアスとを交互に繰り返すことにより、特徴206の外側の頂面208に約6nmの厚さを有する追加の材料層が形成される。このような実施形態では、特徴206の開口幅Woは、材料をスパッタリングし、低電力バイアスと高電力バイアスとを交互に繰り返した後、約3nm以上となる。
【0052】
上記は、本開示の実施形態を対象としているが、本開示の他のおよびさらなる実施形態が本開示の基本的な範囲から逸脱することなく考案され得る。
【国際調査報告】