(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-09
(54)【発明の名称】試料の検査のためのケア領域の設定
(51)【国際特許分類】
G01N 21/956 20060101AFI20240702BHJP
【FI】
G01N21/956 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023574630
(86)(22)【出願日】2022-07-05
(85)【翻訳文提出日】2023-12-04
(86)【国際出願番号】 US2022036064
(87)【国際公開番号】W WO2023283160
(87)【国際公開日】2023-01-12
(31)【優先権主張番号】202141030072
(32)【優先日】2021-07-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IN
(32)【優先日】2021-11-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500049141
【氏名又は名称】ケーエルエー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】バーンウォール ラジャ
(72)【発明者】
【氏名】マジュムダー サプタルシ
【テーマコード(参考)】
2G051
【Fターム(参考)】
2G051AA51
2G051AB02
2G051BA10
2G051BA20
2G051CA02
2G051CA03
2G051CB01
2G051CB05
2G051EB01
2G051ED01
(57)【要約】
試料の検査のためのケア領域(CA)を設定するための方法およびシステムが提供される。1つのシステムは、試料の画像を生成するように構成された撮像サブシステムと、試料上に形成された反復パターン化領域内で生成された画像のうちの1つまたは複数内の所定のセル内で検出された欠陥の数を決定するように構成されたコンピュータサブシステムとを含む。コンピュータサブシステムはまた、所定のセルのうちの2つ以上の各々において検出された欠陥の数を所定の閾値と比較し、欠陥の数が所定の閾値よりも大きい所定のセルのうちの2つ以上のいずれか1つ以上を1つ以上のCAとして指定するように構成される。加えて、コンピュータサブシステムは、試料の検査に使用するための1つ以上のCAについての情報を記憶するように構成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1. 試料の検査のためのケア領域を設定するように構成されたシステムであって、
前記試料の画像を生成するように構成された撮像サブシステムと、
コンピュータサブシステムであって、
前記試料上に形成された反復パターン化領域内で生成された画像のうちの1つ以上内の所定のセル内で検出された欠陥の数を決定するステップと、
前記所定のセルのうちの2つ以上の各々において検出された前記欠陥の数を所定の閾値と比較するステップと、
前記欠陥の数が前記所定の閾値より大きい2つ以上の前記所定のセルのうちのいずれか1つ以上を1つ以上のケア領域として指定するステップと、
前記試料の検査に使用するための1つ以上のケア領域に関する情報を記憶するステップと、
を実行するように構成されたコンピュータサブシステムと、
を備えるシステム。
【請求項2】
前記所定の閾値は、系統的ノイズが存在する場合に検出される欠陥の数よりも少なくなるように選択されることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記所定の閾値は、系統的ノイズが存在しない場合に検出される欠陥の数よりも大きくなるように選択されることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記試料の検査は、前記試料上のランダム欠陥を検出するために行われることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記1つ以上のケア領域は、前記検査が実行されない前記試料上の前記反復パターン化領域内の1つ以上の領域であることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記1つ以上のケア領域は、前記検査が前記試料上の前記反復パターン化領域内の他の領域よりも低い感度で実行される前記試料上の前記反復パターン化領域内の1つ以上の領域であることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記所定のセルは、前記所定のセルの規則的なアレイを含むことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記所定のセルの少なくとも大部分は、同じ形状及びサイズを有することを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記所定のセルの特性は、前記反復パターン化領域の設計とは無関係であることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記欠陥の数を決定するステップは、
前記反復パターン化領域の複数のインスタンスに対応する画像のうちの1つ以上内の前記所定のセル内で検出された欠陥についての情報を積み重ねるステップと、
積み重ねられた前記情報から前記所定のセル内で検出された欠陥の数を決定するステップと、
を備えることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記所定のセルは、第1のサイズを有し、
前記コンピュータサブシステムはさらに、前記第1のサイズとは異なる第2のサイズを有する他の所定のセルに対して、前記決定するステップ、前記比較するステップ、および前記指定するステップを実行するように構成されることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
前記コンピュータサブシステムはさらに、ホット閾値を使用して、前記画像のうちの1つ以上における欠陥を検出するように構成されることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
前記撮像サブシステムはさらに、複数のモードで前記試料の前記画像を生成するように構成され、
前記コンピュータサブシステムはさらに、前記複数のモードのうちの2つ以上の各々に対して独立して、前記決定するステップ、前記比較するステップ、および前記指定するステップを実行するように構成されることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項14】
前記複数のモードのうちの2つ以上のうちの第1のモードのための1つ以上のケア領域は、前記複数のモードのうちの2つ以上のうちの第2のモードのための1つ以上のケア領域とは異なることを特徴とする請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記試料上に形成された前記反復パターン化領域は、前記試料上に形成された反復ダイであることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項16】
前記試料はウェハであることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項17】
前記撮像サブシステムは、光ベースの撮像サブシステムであることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項18】
前記撮像サブシステムは、電子ベースの撮像サブシステムであることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項19】
試料の検査のためのケア領域を設定するためのコンピュータ実装方法を実行するためのコンピュータシステム上で実行可能なプログラム命令を記憶する、コンピュータ可読媒体であって、前記コンピュータ実装方法は、
前記試料上に形成された反復パターン化領域内の撮像サブシステムによって生成された前記試料の1つ以上の画像内の所定のセル内で検出された欠陥の数を決定するステップと、
前記所定のセルのうちの2つ以上の各々において検出された前記欠陥の数を所定の閾値と比較するステップと、
前記欠陥の数が前記所定の閾値より大きい2つ以上の前記所定のセルのうちのいずれか1つ以上を1つ以上のケア領域として指定するステップと、
前記試料の検査に使用するための前記1つ以上のケア領域に関する情報を記憶するステップと、
を備えるコンピュータ可読媒体。
【請求項20】
試料の検査のためのケア領域を設定するためのコンピュータ実装方法であって、
前記試料上に形成された反復パターン化領域内の撮像サブシステムによって生成された前記試料の1つ以上の画像内の所定のセル内で検出された欠陥の数を決定するステップと、
前記所定のセルのうちの2つ以上の各々において検出された前記欠陥の数を所定の閾値と比較するステップと、
前記欠陥の数が前記所定の閾値より大きい2つ以上の前記所定のセルのうちのいずれか1つ以上を1つ以上のケア領域として指定するステップと、
前記試料の検査に使用するための前記1つ以上のケア領域についての情報を記憶するステップと、
を備え、前記決定、前記比較、前記指定、および前記記憶するステップは、前記撮像サブシステムに結合されたコンピュータサブシステムによって実行される方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、試料の検査のためのケア領域を設定するための方法及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
以下の説明および実施例は、このセクションに含まれることによって先行技術であるとは認められない。
【0003】
検査プロセスは、レチクルおよびウェハ上の欠陥を検出するために半導体製造プロセス中の様々なステップで使用され、製造プロセスにおけるより高い歩留まり、したがってより高い利益を促進する。検査は、半導体デバイスを製造する上で常に重要な部分であった。しかしながら、半導体デバイスの寸法が減少するにつれて、より小さい欠陥がデバイスの故障を引き起こし得るため、検査は、許容可能な半導体デバイスの製造の成功にとってさらに重要になる。
【0004】
当該技術分野において一般に言及される「ケア領域」は、検査目的で関心のある試料上の領域である。検査される試料上の領域と検査プロセスで検査されない試料上の領域とを区別するために、ケア領域(CA)が使用されることがある。さらに、CAは、1つ以上の異なるパラメータで検査される試料上の領域を識別するために使用されることがある。例えば、試料の第1の区域が試料上の第2の区域よりもクリティカルである場合、第1の区域を第2の区域よりも高い感度で検査して、第1の区域内で欠陥をより高い感度で検出することができる。検査プロセスの他のパラメータは、同様にCAからCAに変更することができる。
【0005】
現在、異なるカテゴリの検査CAが使用されている。1つのカテゴリは、伝統的に手書きされるレガシーCAである。ほとんど全てのユーザが設計誘導検査を採用すると、現在使用されているレガシーCAはごくわずかである。別のカテゴリは、設計ベースのCAである。これらは、試料上に印刷されたチップ設計パターンに関するヒューリスティックスに基づいて導出されたCAである。ユーザは、チップ設計を見てCAの導出を助ける方法/スクリプトを導出しようとする。これらの設計ベースのCAを定義するために利用可能な複数の技術およびツールがある。それらは、グラウンドトゥルース(チップ設計)から導出されるので、高精度で実質的に小さいCAを提供することができ、検査システムが大量のCAを格納することも可能にする。これらのCAは、単に欠陥検出の観点から重要であるだけでなく、ノイズ抑制にとって重要であることが多い。
【0006】
いくつかの現在使用されている検査方法はまた、異なる雑音挙動のCAが一緒にグループ化され、1つの単一のCAでさえも異なる雑音挙動の多くの異なる構造を含むことができる、CAの規則的なグループを使用する。ノイズがより高い領域を識別するために、いわゆる設計ベースの検索のいくつかの反復が何度も実行されなければならない。この手順には多くの時間がかかる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許第6466895号
【特許文献2】米国特許出願公開第2006-0182333号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、検査CAを設定するための現在使用されている方法およびシステムは、いくつかの欠点を有する。例えば、検査CAを設定するための多くの方法およびシステムは、少なくともその一部が検査されているデバイスを設計したエンティティのCDSファイルなどの知的財産へのアクセスを必要とする計算的に高価な方法である。加えて、系統的ノイズ源は、ターゲット位置においてCAを手動で描画することによって抑制され得る。しかしながら、この方法は、プロセス層上に1000を超えるホットスポット位置が存在し得るので、面倒で時間がかかる。したがって、上述の欠点の1つ以上を有しない、試料の検査のためのCAを設定するためのシステムおよび方法を開発することが有利であろう。
【課題を解決するための手段】
【0009】
様々な実施形態の以下の説明は、添付の特許請求の範囲の主題を限定するものとして決して解釈されるべきではない。
【0010】
一実施形態は、試料の検査のためのケア領域(CA)を設定するように構成されたシステムに関する。システムは、試料の画像を生成するように構成された撮像サブシステムと、試料上に形成された反復パターン化領域内で生成された画像のうちの1つ以上内の所定のセル内で検出された欠陥の数を決定するように構成されたコンピュータサブシステムとを含む。コンピュータサブシステムはまた、2つ以上の所定のセルの各々において検出された欠陥の数を所定の閾値と比較するように構成される。加えて、コンピュータサブシステムは、欠陥の数が所定の閾値より大きい2つ以上の所定のセルのうちのいずれか1つ以上を1つ以上のCAとして指定するように構成される。コンピュータサブシステムは、試料の検査に使用するための1つ以上のCAに関する情報を記憶するようにさらに構成される。システムはさらに、本明細書に説明されるように構成されてもよい。
【0011】
別の実施形態は、試料の検査のためにCAを設定するためのコンピュータ実装方法に関する。本方法は、上述の決定、比較、指定、および記憶ステップを含む。この方法のステップは、上述の撮像サブシステムに結合されたコンピュータサブシステムによって実行される。本方法のステップの各々は、本明細書にさらに記載されるように実行され得る。本方法は、本明細書で説明される任意の他の方法の任意の他のステップを含んでもよい。本方法は、本明細書で説明されるシステムのうちのいずれかによって実施されてもよい。別の実施形態は、試料の検査のためにCAを設定するためのコンピュータ実装方法を実行するためのコンピュータシステム上で実行可能なプログラム命令を記憶する非一時的なコンピュータ可読媒体に関する。コンピュータ実装方法は、上述の方法のステップを含む。コンピュータ可読媒体は、本明細書で説明するようにさらに構成され得る。コンピュータ実装方法のステップは、本明細書でさらに説明されるように実行されてもよい。加えて、プログラム命令が実行可能であるコンピュータ実装方法は、本明細書で説明される任意の他の方法の任意の他のステップを含んでもよい。
【図面の簡単な説明】
【0012】
本発明のさらなる利点は、好ましい実施形態の以下の詳細な説明の利益を得て、添付の図面を参照して、当業者には明らかになるであろう:
【
図1】本明細書に記載されるように構成されるシステムの実施形態の側面図を示す概略図である。
【
図2】本明細書に記載されるように構成されるシステムの実施形態の側面図を示す概略図である。
【
図3】本明細書に記載のコンピュータサブシステムによって実行されるステップの一実施形態を示すフローチャートである。
【
図4】試料の反復パターン化領域内で検出された欠陥の例の平面図、および検出された欠陥および異なるサイズを有する所定のセルに基づいて試料の検査のためのケア領域(CA)を設定するための本明細書で説明される種々のステップの結果を示す概略図である
【
図5】試料の反復パターン化領域内で検出された欠陥の例の平面図、および検出された欠陥および異なるサイズを有する所定のセルに基づいて試料の検査のためのケア領域(CA)を設定するための本明細書で説明される種々のステップの結果を示す概略図である。
【
図6】本明細書で説明されるコンピュータ実装方法をコンピュータシステムに実行させるためのプログラム命令を記憶する非一時的コンピュータ可読媒体の一実施形態を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明は、種々の修正および代替形態を受け入れる余地があるが、その特定の実施形態が、例として図面に示され、本明細書で詳細に説明される。図面は縮尺通りではない場合がある。しかしながら、図面およびその詳細な説明は、本発明を開示される特定の形態に限定することを意図するものではなく、逆に、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の精神および範囲内に入る全ての修正、均等物、および代替を網羅することを意図することを理解されたい。
【0014】
本明細書で使用される「ニューサンス」(「ニューサンス欠陥」と互換的に使用されることもある)は、概して、ユーザが気づかない欠陥、および/または試料上で検出されるが、実際には試料上の実際の欠陥ではないイベントとして定義される。実際には欠陥ではないニューサンスは、試料上の非欠陥ノイズ源(例えば、試料上の金属ラインのグレイン、試料上の下層または材料からの信号、ラインエッジラフネス(LER)、パターン化された属性の比較的小さいクリティカルディメンション(CD)変動、厚さ変動など。)に起因する、および/または検査システム自体もしくは検査に使用されるその構成における限界に起因するイベントとして検出され得る。
【0015】
本明細書で使用するとき、用語「関心欠陥(DOI)」は、試料上で検出される欠陥として定義され、試料上の実際の欠陥である。したがって、DOIは、ユーザが概して、検査されている試料上の実際の欠陥の数および種類について気にするので、ユーザにとって興味深い。いくつかの文脈では、「DOI」という用語は、試料上の実際の欠陥のすべてのサブセットを指すために使用され、これは、ユーザが気にかける実際の欠陥のみを含む。例えば、任意の所与の試料上に複数のタイプのDOIが存在してもよく、それらのうちの1つ以上は、1つ以上の他のタイプよりもユーザにとってより興味深いものであり得る。しかし、本明細書で説明する実施形態の文脈では、「DOI」という用語は、試料上のあらゆる実際の欠陥を指すために使用される。本明細書で互換的に使用される「設計」、「設計データ」、および「設計情報」という用語は、概して、ICまたは他の半導体デバイスの物理的設計(レイアウト)と、複雑なシミュレーションまたは単純な幾何学的およびブール演算を通して物理的設計から導出されるデータとを指す。設計は、2010年3月9日にKulkamiらに発行された共同所有の米国特許7,570,796号(2009年8月4日、Zafarら)及び7,676,077号に記載されている任意の他の設計データまたは設計データプロキシを含むことができ、その両方は、参照により本明細書に完全に規定されているかのように取り込まれる。加えて、設計データは、標準セルライブラリデータ、統合レイアウトデータ、1つ以上の層の設計データ、設計データの派生物、および完全または部分的なチップ設計データであり得る。さらに、本明細書で説明される「設計」、「設計データ」、および「設計情報」は、設計プロセスにおいて半導体デバイス設計者によって生成される情報およびデータを指し、したがって、レチクルおよびウェハ等の任意の物理的試料上に設計を印刷する前に、本明細書で説明される実施形態での使用に利用可能である。
【0016】
ここで図面を参照すると、図は縮尺通りに描かれていないことに留意されたい。特に、図の要素のいくつかの縮尺は、要素の特性を強調するために大きく誇張されている。図面は同じ縮尺で描かれていないことにも留意されたい。同様に構成され得る複数の図に示される要素は、同じ参照番号を使用して示されている。本明細書において別段の注記がない限り、説明および図示される要素のいずれも、任意の好適な市販の要素を含み得る。
【0017】
一実施形態は、試料の検査のためのケア領域(CA)を設定するように構成されたシステムに関する。本明細書でさらに説明されるように、実施形態は、有利には、検査CA生成のための系統的雑音場所を識別するための高度な方法を提供する。概して、本明細書で説明する実施形態は、本明細書で説明するプロセス・ウェハまたは別の試料を検査した後にノイズ源を識別することができるという事実を利用する。例えば、ランダム欠陥の位置は、ダイまたは試料上の他の反復パターン化領域全体に比較的広がると予想される。対照的に、系統的ノイズホットスポットからの事象は、特定の位置に集中する。本明細書に記載される独特の実施形態は、そのような集中したノイズ位置を識別し、それらをランダム欠陥から分離するために開発された。このようにして、本明細書で説明される実施形態は、系統的ニューサンスに対処するための高度なCA設定のための方法およびシステムを提供する。
【0018】
一実施形態では、試料はウェハである。ウェハは、半導体技術分野で知られている任意のウェハを含むことができる。別の実施形態では、試料はレチクルである。レチクルは、半導体技術分野で知られている任意のレチクルを含むことができる。いくつかの実施形態は、1つ以上のウェハに関して本明細書で説明されることがあるが、実施形態は、それらを使用することができる試料に限定されない。例えば、本明細書に記載の実施形態は、レチクル、フラットパネル、パーソナルコンピュータ(PC)ボード、および他の半導体試料などの試料に使用することができる。
【0019】
そのようなシステムの一実施形態は、試料の画像を生成するように構成された撮像サブシステムを含む。いくつかの実施形態では、撮像サブシステムは、少なくともエネルギー源および検出器を含む。エネルギー源は、試料に向けられるエネルギーを生成するように構成される。検出器は、試料からのエネルギーを検出し、検出されたエネルギーに応答して出力を生成するように構成される。
一実施形態では、撮像サブシステムは、光ベースの撮像サブシステムである。例えば、
図1に示すシステムの実施形態では、撮像サブシステム10は、光を試料14に向けるように構成された照明サブシステムを含む。照明サブシステムは、少なくとも1つの光源、例えば光源16を含む。照明サブシステムは、1つ以上の斜角および/または1つ以上の垂直角を含むことができる1つ以上の入射角で試料に光を向けるように構成される。
図1に示すように、光源16からの光は、光学素子18を通り、次いでレンズ20を通ってビームスプリッタ21に導かれ、ビームスプリッタは、光を垂直入射角で試料14に導く。入射角は、例えば、試料の特性および試料上で検出される欠陥に応じて変化し得る任意の適切な入射角を含むことができる。照明サブシステムは、異なる時間に異なる入射角で試料に光を向けるように構成することができる。例えば、撮像サブシステムは、照明サブシステムの1つ以上の要素の1つ以上の特性を変更して、
図1に示す入射角とは異なる入射角で試料に光を向けることができるように構成することができる。そのような一例では、撮像サブシステムは、光が試料に異なる入射角で向けられるように光源16、光学素子18、およびレンズ20を移動させるように構成することができる。
【0020】
場合によっては、撮像サブシステムは、同時に複数の入射角で試料に光を向けるように構成することができる。例えば、撮像サブシステムは、複数の照明チャネルを含んでもよく、照明チャネルのうちの1つは、
図1に示されるように、光源16、光学要素18、およびレンズ20を含んでもよく、照明チャネルのうちの別のもの(図示せず)は、異なるように構成されてもよい、または同じであってもよい、類似要素を含んでもよい。または、少なくとも光源と、場合によっては、本明細書でさらに説明されるもの等の1つ以上の他の構成要素とを含んでもよい。そのような光が他の光と同時に試料に向けられる場合、異なる入射角で試料に向けられる光の1つ以上の特性(例えば、波長、偏光など。)は、異なる入射角での試料の照明から生じる光を検出器で互いに区別することができるように異なり得る。
【0021】
別の例では、照明サブシステムは、1つの光源(例えば、
図1に示す光源16である)のみを含んでもよく、光源からの光は、照明サブシステムの1つ以上の光学素子(図示せず)によって異なる光路(例えば、波長、偏光などに基づく。)に分離されてもよい。異なる光路の各々の光は、次いで試料に向けることができる。複数の照明チャネルを、同時にまたは異なる時間(例えば、異なる照明チャネルを使用して試料を順次照明する場合である)に試料に光を向けるように構成することができる。他の例では、同じ照明チャネルを、異なる時間に異なる特性で試料に光を向けるように構成することができる。例えば、場合によっては、光学素子18をスペクトルフィルタとして構成することができ、スペクトルフィルタの特性は、異なる波長の光を異なる時間に試料に向けることができるように、様々な異なる方法(例えば、スペクトルフィルタをスワップアウトすることによる)で変更することができる。照明サブシステムは、異なるまたは同じ特性を有する光を異なるまたは同じ入射角で順次または同時に試料に向けるための、当技術分野で知られている任意の他の適切な構成を有することができる。
【0022】
一実施形態では、光源16は、広帯域プラズマ(BBP)光源を含む。このようにして、光源によって生成され、試料に向けられる光は、広帯域光を含むことができる。しかしながら、光源は、レーザ等の任意の他の好適な光源を含んでもよく、レーザは、当技術分野で公知の任意の好適なレーザであってもよく、当技術分野で公知の任意の好適な波長で光を生成するように構成されてもよい。レーザは、単色またはほぼ単色である光を生成するように構成されてもよい。このように、レーザは狭帯域レーザであってもよい。光源はまた、複数の離散波長または波長帯で光を生成する多色光源を含んでもよい。
【0023】
光学素子18からの光は、レンズ20によってビームスプリッタ21に集束され得る。レンズ20は単一の屈折光学素子として
図1に示されているが、実際には、レンズ20は、組み合わせて光学素子からの光を試料に集束させるいくつかの屈折および/または反射光学素子を含むことができる。
図1に示され、本明細書で説明される照明サブシステムは、任意の他の好適な光学要素(図示せず)を含んでもよい。そのような光学要素の例は、偏光要素(polarization component)、スペクトルフィルタ(spectral filter)、空間フィルタ(spatial filter)、反射光学要素(reflective optical element)、アポダイザ(apodizer)、ビームスプリッタ(beam splitter)、アパーチャ(aperture)などを含むが、これらに限定されず、当技術分野で知られている任意のそのような好適な光学要素を含むことができる。加えて、システムは、撮像に使用される照明の種類に基づいて、照明サブシステムの1つ以上の要素を変更するように構成されてもよい。
【0024】
撮像サブシステムはまた、光を試料上で走査させるように構成された走査サブシステムを含むことができる。例えば、撮像サブシステムは、撮像中に試料14が配置されるステージ22を含むことができる。走査サブシステムは、光が試料にわたって走査され得るように試料を移動させるように構成され得る、任意の好適な機械的および/またはロボットアセンブリ(ステージ22を含む)を含んでもよい。それに加えて、またはその代わりに、撮像サブシステムは、撮像サブシステムの1つ以上の光学素子が試料上で光のいくらかの走査を実行するように構成することができる。光は、任意の適切な方法で試料上で走査することができる。
【0025】
撮像サブシステムはさらに、1つ以上の検出チャネルを含む。1つ以上の検出チャネルのうちの少なくとも1つは、撮像サブシステムによる試料の照明に起因する試料からの光を検出し、検出された光に応答して出力を生成するように構成された検出器を含む。例えば、
図1に示される撮像サブシステムは、2つの検出チャネルを含み、一方はコレクタ24、要素26、および検出器28によって形成され、他方はコレクタ30、要素32、および検出器34によって形成される。
図1に示されるように、2つの検出チャネルは、異なる収集角度で光を収集および検出するように構成される。場合によっては、一方の検出チャネルは、正反射光を検出するように構成され、他方の検出チャネルは、試料から正反射されない光(例えば、散乱、回折など。)を検出するように構成される。しかし、2つ以上の検出チャネルは、試料からの同じタイプの光(例えば、正反射光)を検出するように構成することができる。
図1は、2つの検出チャネルを含む撮像サブシステムの実施形態を示すが、撮像サブシステムは、異なる数の検出チャネル(例えば、1つの検出チャネルのみ、または2つ以上の検出チャネルである)を含んでもよい。コレクタの各々は、単一の屈折光学素子として
図1に示されているが、コレクタの各々は、1つ以上の屈折光学素子及び/又は1つ以上の反射光学素子を含むことができる。
【0026】
1つ以上の検出チャネルは、光電子増倍管(PMT)、電荷結合素子(CCD)、および時間遅延積分(TDI)カメラなど、当技術分野で知られている任意の適切な検出器を含むことができる。検出器はまた、非撮像検出器または撮像検出器を含んでもよい。検出器が非撮像検出器である場合、検出器の各々は、強度などの散乱光の特定の特性を検出するように構成され得るが、撮像平面内の位置の関数としてそのような特性を検出するように構成されないことがある。したがって、各検出チャネルに含まれる各検出器によって生成される出力は、画像信号または画像データではなく、信号またはデータであってもよい。このような場合、コンピュータサブシステム36などのコンピュータサブシステムは、検出器の非撮像出力から試料の画像を生成するように構成することができる。しかしながら、他の事例では、検出器は、撮像信号または画像データを生成するように構成される、撮像検出器として構成されてもよい。したがって、撮像サブシステムは、いくつかの方法で画像を生成するように構成されてもよい。
【0027】
図1は、本明細書で説明されるシステムの実施形態に含まれ得る撮像サブシステムの構成を概略的に図示するために本明細書で提供されることに留意されたい。明らかに、本明細書で説明される撮像サブシステム構成は、市販の撮像システムを設計するときに通常行われるように、システムの性能を最適化するように変更されてもよい。加えて、本明細書に記載されるシステムは、KLA Corp.,カリフォルニア州ミルピタスから市販されているツールの29xxおよび39xxシリーズ等の既存の撮像システム(例えば、本明細書に記載の機能を既存の検査システムに追加することによって)を使用して実装されてもよい。いくつかのそのようなシステムに関して、本明細書に説明される実施形態は、撮像システム(例えば、撮像システムの他の機能に加えて、)の随意の機能性として提供されてもよい。代替として、本明細書に説明される撮像サブシステムは、完全に新しい撮像システムを提供するように「スクラッチから」設計されてもよい。
【0028】
システムのコンピュータサブシステム36は、コンピュータサブシステムが試料の走査中に検出器によって生成された出力を受け取ることができるように、任意の適切な様式(たとえば、「有線」および/または「無線」伝送媒体を含み得る1つ以上の伝送媒体を介して)で撮像サブシステムの検出器に結合することができる。コンピュータサブシステム36は、本明細書で説明されるような検出器の出力および本明細書でさらに説明される任意の他の機能を使用して、いくつかの機能を行うように構成されてもよい。このコンピュータサブシステムは、本明細書に記載されるようにさらに構成されてもよい。このコンピュータサブシステム(ならびに本明細書に記載の他のコンピュータサブシステム)は、本明細書ではコンピュータシステムと呼ぶこともできる。本明細書で説明されるコンピュータサブシステムまたはシステムの各々は、パーソナルコンピュータシステム、画像コンピュータ、メインフレームコンピュータシステム、ワークステーション、ネットワークアプライアンス、インターネットアプライアンス、または他のデバイスを含む、種々の形態を成してもよい。概して、「コンピュータシステム」という用語は、メモリ媒体からの命令を実行する1つ以上のプロセッサを有する任意のデバイスを包含するように広く定義され得る。コンピュータサブシステムまたはシステムはまた、並列プロセッサ等の当技術分野で公知の任意の好適なプロセッサを含んでもよい。加えて、コンピュータサブシステムまたはシステムは、スタンドアロンツールまたはネットワークツールのいずれかとして、高速処理およびソフトウェアを有するコンピュータプラットフォームを含んでもよい。
【0029】
システムが複数のコンピュータサブシステムを含む場合、本明細書でさらに説明するように、画像、データ、情報、命令などをコンピュータサブシステム間で送信できるように、異なるコンピュータサブシステムを互いに結合することができる。例えば、コンピュータサブシステム36は、当技術分野で知られている任意の適切な有線および/または無線伝送媒体を含み得る任意の適切な伝送媒体によってコンピュータサブシステム102に結合され得る(
図1に破線で示されるように)。そのようなコンピュータサブシステムのうちの2つ以上はまた、共有コンピュータ可読記憶媒体(図示せず)によって効果的に結合されてもよい。
【0030】
撮像サブシステムは、光学または光ベースのサブシステムであるとして上記で説明されるが、撮像サブシステムは、電子ベースのサブシステムであってもよい。例えば、一実施形態では、試料に向けられるエネルギーは電子を含み、試料から検出されるエネルギーは電子を含む。このようにして、エネルギー源は電子ビーム源とすることができる。
図2に示される1つのそのような実施形態では、撮像サブシステムは、コンピュータサブシステム124に結合される電子カラム122を含む。
【0031】
図2にも示すように、電子カラムは、1つ以上の要素130によって試料128に集束される電子を生成するように構成された電子ビーム源126を含む。電子ビーム源は、例えば、カソード源またはエミッタ先端を含んでもよく、1つ以上の要素130は、例えば、銃レンズ、アノード、ビーム制限アパーチャ、ゲート弁、ビーム電流選択アパーチャ、対物レンズ、および走査サブシステムを含んでもよく、その全ては、当技術分野で公知の任意のそのような好適な要素を含んでもよい。
【0032】
試料から戻ってきた電子(例えば、二次電子)は、1つ以上の要素132によって検出器134に集束させることができる。1つ以上の要素132は、たとえば、要素130に含まれるのと同じ走査サブシステムであり得る走査サブシステムを含み得る。
【0033】
電子カラムは、当技術分野で公知の任意の他の好適な要素を含んでもよい。さらに、電子カラムは、参照により本明細書に完全に規定されているかのように取り込まれる、2014年4月8日にKojimaらに発行された米国特許8,664,594号(2014年4月4日、Jiangら)、8,692,204号、2014年4月15日にGubbensらに発行された8,698,093号、および2014年5月6日にMacDonaldらに発行された8,716,662号に記載されているようにさらに構成することができる。
【0034】
電子カラムは、電子が斜めの入射角で試料に向けられ、別の斜めの角度で試料から散乱されるように構成されるものとして
図2に示されているが、電子ビームは、任意の適切な角度で試料に向けられ、試料から散乱されてもよいことを理解されたい。さらに、電子ビームサブシステムは、試料の画像(例えば、異なる照明角度、集光角度などを有する。)を生成するために複数のモードを使用するように構成されている。電子ビームサブシステムの複数のモードは、サブシステムの任意の画像生成パラメータにおいて異なり得る。
【0035】
コンピュータサブシステム124は、上述のように検出器134に結合されてもよい。検出器は、試料の表面から戻ってきた電子を検出し、それによって試料の電子ビーム画像を形成することができる。電子ビーム画像は、任意の適切な電子ビーム画像を含み得る。コンピュータサブシステム124は、検出器の出力および/または電子ビーム画像を使用して、本明細書に説明される機能のうちのいずれかを行うように構成されてもよい。コンピュータサブシステム124は、本明細書で説明される任意の追加のステップを行うように構成されてもよい。
図2に示される撮像サブシステムを含むシステムは、本明細書に記載されるようにさらに構成され得る。
【0036】
図2は、本明細書で説明される実施形態に含まれ得る電子ベースの撮像サブシステムの構成を概略的に図示するために本明細書で提供されることに留意されたい。上述の光学サブシステムと同様に、本明細書に記載される電子ビームサブシステム構成は、市販の撮像システムを設計するときに通常行われるように、サブシステムの性能を最適化するように変更されてもよい。加えて、本明細書で説明されるシステムは、既存の撮像システム(例えば、本明細書に記載される機能を既存の撮像システムに追加することによって、)を使用して実装されてもよい。いくつかのそのようなシステムに関して、本明細書で説明される実施形態は、システムの随意の機能性(例えば、システムの他の機能に加えて、)として提供されてもよい。あるいは、本明細書に記載されるシステムは、完全に新しいシステムを提供するように「スクラッチから」設計されてもよい。
【0037】
撮像サブシステムは、光ベースまたは電子ビームベースのサブシステムであるとして上記で説明されるが、撮像サブシステムは、イオンビームベースのサブシステムであってもよい。そのような撮像サブシステムは、電子ビーム源が、当技術分野で公知の任意の好適なイオンビーム源と置換されてもよいことを除いて、
図2に示されるように構成されてもよい。したがって、一実施形態では、試料に向けられるエネルギーはイオンを含む。加えて、撮像サブシステムは、市販の集束イオンビーム(FIB)システム、ヘリウムイオン顕微鏡(HIM)システム、および二次イオン質量分析(SIMS)システムに含まれるもの等の任意の他の好適なイオンビームベースの撮像サブシステムであってもよい。
【0038】
本明細書で説明する撮像サブシステムは、複数のモードで試料の出力、例えば画像を生成するように構成することができる。一般に、「モード」は、試料の出力および/または画像を生成するために使用される撮像サブシステムのパラメータ(または試料の画像を生成するために使用される出力)の値によって定義される。したがって、モードは、撮像サブシステムのパラメータ(出力が生成される試料上の位置以外)のうちの少なくとも1つの値において異なり得る。例えば、光学サブシステムにおいて、異なるモードは、照明のために異なる波長の光を使用し得る。モードは、本明細書でさらに説明されるように、照明波長において異なり得る(例えば、異なるモードに対して異なる光源、異なるスペクトルフィルタなどを使用することによって)。別の例では、異なるモードは、光学サブシステムの異なる照明チャネルを使用してもよい。例えば、上述のように、光学サブシステムは、複数の照明チャネルを含んでもよい。したがって、異なる照明チャネルを異なるモードに使用することができる。モードは、加えて、または代替として、光学サブシステムの1つ以上の収集/検出パラメータにおいて異なってもよい。モードは、撮像サブシステムの任意の1つ以上の変更可能なパラメータ(例えば、照明偏光、角度、波長等、検出偏光、角度、波長等)において異なり得る。撮像サブシステムは、例えば、同時に試料を走査するために複数のモードを使用する能力に応じて、同じ走査または異なる走査で異なるモードで試料を走査するように構成することができる。
【0039】
同様に、電子ビームサブシステムによって生成される出力は、電子ビームサブシステムのパラメータの2つ以上の異なる値を用いて電子ビームサブシステムによって生成される出力、例えば画像を含んでもよい。電子ビームサブシステムの複数のモードは、試料の出力および/または画像を生成するために使用される電子ビームサブシステムのパラメータの値によって定義することができる。したがって、モードは、電子ビームサブシステムの電子ビームパラメータのうちの少なくとも1つの値において異なり得る。例えば、異なるモードは、照明のために異なる入射角を使用してもよい。
【0040】
上述のように、光学、電子、およびイオンビームサブシステムは、試料の物理的バージョンにわたってエネルギー(例えば、光、電子などである。)を走査し、それによって、試料の物理的バージョンのための出力を生成するように構成される。このように、光学、電子、およびイオンビームサブシステムは、「仮想「サブシステムではなく、「実際の」サブシステムとして構成されてもよい。しかしながら、
図1に示される記憶媒体(図示せず)およびコンピュータサブシステム102は、「仮想」システムとして構成されてもよい。特に、記憶媒体およびコンピュータサブシステムは、Duffyらの2015年8月29日に発行された同一譲受人に譲渡された米国特許8,126,255号(2012年2月28日、Bhaskarら)及び9,222,895号に記載されるような「仮想」検査システムとして構成することができ、これらは両方とも、参照により本明細書に完全に規定されているかのように取り込まれる。本明細書に記載される実施形態は、これらの特許に記載されるようにさらに構成され得る。
【0041】
コンピュータサブシステムは、
図3のステップ300に示すように、試料上に形成された反復パターン化領域内で生成された画像のうちの1つ以上内の所定のセル内で検出された欠陥の数を決定するように構成される。各所定のセル当たりの欠陥の数は、試料上の異なる領域における検出された欠陥の一種の局所空間分布または局所欠陥密度として使用することができる。すなわち、各所定のセル内の欠陥の数は、検出された欠陥が試料上のいくつかの領域にどのように広がるか、および/または試料上の他の領域にどのように集中するかの指標を与える。本明細書でさらに説明するように、ランダム欠陥の位置は、試料上のダイまたは他の反復パターン化領域を通して比較的広がると予想される。対照的に、系統的雑音ホットスポットからの事象は、典型的には、特定の場所に集中するであろう。したがって、所定のセル内で検出された欠陥の数を決定することによって、それらの数を使用して、そのような集中した雑音位置を識別し、それらをランダム欠陥から分離することができる。
【0042】
所定のセル内で検出された欠陥の数を決定するステップは、所与のプロセス層上で試料検査を実行するステップを含むことができる。このようにして、本明細書に記載の実施形態は、撮像サブシステムによって生成された画像を使用して欠陥検出を実行するように構成することができる。例えば、試料上の1回の繰り返しパターン領域に対する画像から基準画像を減算し、それによって差分画像を生成することができる。参照画像は、データベースタイプ参照(試料画像なしで試料の設計から生成された)、試料上の異なる反復パターン化領域からの試料の画像(ダイツーダイ検査など)、複数の反復パターン化領域の複数の画像から生成された画像(例えば、標準参照ダイ画像)、または当技術分野で知られている任意の他の適切な参照画像とすることができる。次いで、閾値を差分画像に適用して、欠陥を検出することができる。特に、閾値を上回る値を有する任意の信号または画像部分は、欠陥として指定されてもよく、閾値を下回る値を有する全ての他の信号または画像部分は、欠陥として指定されなくてもよい。もちろん、そのような欠陥検出は、おそらく最も単純なタイプの欠陥検出であり、本明細書で説明する欠陥は、当技術分野で知られている任意の欠陥検出方法またはアルゴリズムを使用して検出することができる。言い換えれば、本明細書で説明される実施形態は、欠陥が検出される方法に限定されない。
【0043】
その数が本明細書で説明されるように決定される欠陥は、撮像サブシステムによって生成される画像を使用して、本明細書で説明されるコンピュータサブシステムによって検出されてもよい。しかしながら、別のコンピュータサブシステムが欠陥検出を実行してもよく、本明細書に記載されるコンピュータサブシステムが、検出された欠陥を使用して、本明細書に記載されるステップを実行してもよい。例えば、あるコンピュータサブシステムが欠陥検出を実行してもよく、本明細書に記載されるコンピュータサブシステムは、そのコンピュータサブシステムから、または他のコンピュータサブシステムが欠陥検出結果を記憶した記憶媒体から欠陥検出結果を取得してもよい。1つのそのような例では、1つのコンピュータサブシステムは、結果をエクスポートするためにKLAから市販されているいくつかの検査ツールの標準的な専用ファイルフォーマットであるKLARFなどの欠陥検出または検査結果ファイルをエクスポートすることができ、そのようなファイルは、本明細書で説明するステップを実行するために本明細書で説明するコンピュータサブシステムに供給されるか、またはそれによって取得され得る。本明細書で説明されているように欠陥の数を決定するために使用される欠陥検出結果は、パターン形成された領域サイズ(たとえば、ダイサイズ)および欠陥の座標(たとえば、ダイベースの座標)を繰り返すなど、欠陥検出によって生成される任意の情報を含むことができる。
【0044】
その数が本明細書に記載されるように決定される試料上で検出された欠陥は、試料上で検出されたすべての事象を含む。たとえば、画像を使用して検出される「欠陥」は、実際の欠陥またはDOI、ニューサンス、ノイズなどを含み得る。したがって、本工程で用いる「欠陥」は、ニューサンスフィルタリングや欠陥分類等の検出後処理工程により欠陥として確認された欠陥ではないので、「検出イベント」または「欠陥候補」と言い換えることができる。別の実施形態では、コンピュータサブシステムは、ホット閾値を使用して画像のうちの1つ以上における欠陥を検出するように構成される。例えば、撮像およびコンピュータサブシステムは、所与の層に対して実質的にホットスキャンを実行してもよい。「ホット閾値」は、概して、撮像サブシステムによって生成される画像のノイズフロアに、または実質的にその近くに意図的に設定される潜在的欠陥を検出するために使用される閾値として定義することができる。ホット閾値を使用して実行される「ホットスキャン」は、典型的には、可能な限り多くの潜在的欠陥及び実際の欠陥を検出するために実行され、大部分の欠陥又は興味深い欠陥の全てが捕捉されることを確実にし、及び/又は比較的弱い信号を有する欠陥が捕捉されることを確実にする。例えば、本明細書で説明されている実施形態では、ホット閾値を使用して欠陥を検出することにより、すべてのランダム欠陥が検出され、系統的ニューサンスが見つかることが確実になり、その結果、これらの結果に基づいてCAを正確に定義することができる。ホット閾値は、本明細書で説明されるように生成された差分画像に適用されてもよく、ホット閾値を上回る任意の画像信号またはデータは、潜在的欠陥として識別されてもよく、ホット閾値を上回らない信号またはデータは、潜在的欠陥として識別されない。
【0045】
一実施形態では、試料上に形成される反復パターン化領域は、試料上に形成される反復ダイである。しかしながら、反復パターン化領域は、系統的ニューサンスが観察または予期される、試料上の任意の選択された特定の領域であってもよい。例えば、所定のセルは、試料上に形成されるダイの領域と重ね合わされるか、またはその領域内に画定されてもよいが、フィールド、ダイ内の特定の領域のみ等の、本明細書で説明されるもの等の試料上の任意の他の反復パターン化領域が使用されてもよい。
【0046】
一実施形態では、所定のセルは、所定のセルの規則的なアレイを含む。別の実施形態では、所定のセルの少なくとも大部分は、同じ形状及びサイズを有する。例えば、反復パターン化領域全体は、単位サイズのセルに分割される:ここで、xおよびyは所定のユーザ入力である。所与のx、yについて、反復パターン化領域レイアウト全体がm×n個のセルに分割される。例えば、
図4に示すように、欠陥検出結果400は、繰り返しパターン化された領域内の位置の関数として検出された欠陥402のマップ又はプロットを含むことができる。すなわち、これらの結果に示される各ドットは、
図4に示されるX方向およびY方向のドットの位置における繰り返しパターン領域内の欠陥の検出を示している。結果400は、反復パターン化領域(例えば、単一ダイ)の単一インスタンスに対するものであってもよく、または反復パターン化領域(例えば、ダイスタック)の複数のインスタンスに対するものであってもよく、これは、本明細書でさらに説明されるように生成されてもよい。
【0047】
次いで、結果404に示すように、反復パターン化領域全体を(m×n)個のセルに分割することができる。例えば、反復パターン化領域は、X方向及びY方向の両方に延在する破線406によって画定される所定のセル408に分割される。各セルのX方向の寸法はxであり、Y方向の寸法はyである。このようにして、所定のセルの少なくとも大部分は、X方向及びY方向の両方において同じ寸法を有し、反復パターン化領域内に規則的な配列で配置される。特に、
図4に示されるように、反復パターン化領域の上部および底部における所定のセルのいくつかは、Y方向により小さい寸法を有し、これはまた、反復パターン化領域の寸法が所定のセル単位幅または長さによって均等に割り切れない場合に、X方向に生じ得る(
図4に図示せず)。所定のセル単位サイズに均等に分割することができない領域は、本明細書で説明するステップでは評価されないことがある。
図4に示すように、所定のセルは、X方向及びY方向の両方において同じサイズを有することができ、したがって正方形の形状を有することができるが、これは必須ではない。例えば、所定のセルは、X方向及びY方向に異なる寸法を有することができ、その結果、それらはそれぞれ矩形形状を有する。いずれの場合も、所定のセルの各々は、好ましくは、XおよびYにおいて、各々の他の所定のセルと同じ単位サイズを有し、その結果、所定のセル当たりの欠陥の数は、各々の所定のセルが系統的ノイズを含むか否かを評価するために使用され得る。
【0048】
次いで、セルは、XおよびYにおけるそれらの位置によってセル(i,j)と称され得、
図4に示されるように、iは、i=1からi=mまでのXにおいて定義され、jは、j=1からj=nまでのYにおいて定義される。
図4は、反復パターン化領域内のある数のセルを示すが、セルの数は、示されるものから変動し得、セル単位サイズに依存し得、これは、ユーザによって、または任意の他の好適な様式で選択され得る。加えて、所定のセル境界は、繰り返しパターン化された領域内の所定のセルの領域がユーザによって容易に見ることができるように欠陥検出結果400と重ねて示されているが、本明細書に記載される実施形態は、繰り返しパターン化された領域及び所定のセルに対する欠陥の位置のそのような視覚的表現を必ずしも生成する必要はない。例えば、反復パターン化領域内の所定のセルの座標が既知である場合(所定のセルがユーザまたはコンピュータサブシステムによってどのように設定されたかに基づく)、それらの座標および検出された欠陥の座標を使用して、欠陥を異なる所定のセルに割り当てることができる。欠陥をセルに割り当てることは、例えば、欠陥が位置するセルのIDを欠陥に割り当てることを含むことができる。
図4の結果404に示すように、所定のセルが繰り返しパターン化された領域内に定義されると、所定のセルの各々において検出された欠陥の数は、コンピュータサブシステムによって容易に決定することができる。これは、所定のセルの視覚的表現と、反復パターン化領域内の検出された欠陥位置とが生成され、欠陥が位置する所定のセルを識別するために使用されるかどうかにかかわらず当てはまる。
【0049】
さらなる実施形態では、所定のセルの特性は、反復パターン化領域の設計から独立している。このように、本明細書に記載の実施形態は、欠陥位置のみに基づいて、試料の設計情報を使用せずにCAを定義することができる。したがって、検査CAを設定するための以前に使用されたシステムおよび方法とは異なり、本明細書で説明される実施形態は、計算的に高価な方法ではなく、少なくともその一部が検査されているデバイスを設計したエンティティのGDSファイルなどの知的財産へのアクセスを必要としない。加えて、本明細書で説明される実施形態は、系統的雑音源を自動的に識別し、それらの系統的雑音源が位置する領域をCAとして指定することができ、それによって、本明細書で説明される実施形態は、他の現在使用されている方法およびシステムと比較して、検査CAを設定するためにはるかに高速になる。
【0050】
いくつかの実施形態では、欠陥の数を決定するステップは、反復パターン化領域の複数のインスタンスに対応する画像のうちの1つ以上内の所定のセル内で検出された欠陥についての情報を積み重ねるステップと、積み重ねられた情報から所定のセル内で検出された欠陥の数を決定するステップとを含む。例えば、系統的ノイズホットスポットから特定の場所へのイベントの集中は、ダイ積層ビューにおいてより顕著になる。
図4および5に示される欠陥検出結果、例えば、結果400および500は、試料走査によって生成されるダイ積層ビューであり得る。系統的ニューサンス位置の識別は、単一のダイからの欠陥データを使用して行うことができるが、(ダイ積層内の)複数のダイ情報を使用することは、ニューサンス源を強化し、系統的ノイズ源識別のより高い精度をもたらすことができる。
【0051】
ダイ積層は、当技術分野で公知の任意の好適な様式で実施されてもよい。例えば、ダイの複数のインスタンスについての欠陥情報は、ダイの複数のインスタンスについての欠陥情報を互いに位置合わせし、次いで、その欠陥情報を互いの上に重ね合わせることによって複数のインスタンスについての欠陥情報を組み合わせることによってスタックされ得る。このようにして、ダイ積層は、複数のダイにおいて検出された欠陥について、
図4および
図5に示すような視覚的表現を生成することができる。しかしながら、オーバーレイされた欠陥情報のそのような視覚的表現を生成することは必要ではなく、代わりに、欠陥情報は、純粋に定量的な様式などの別の様式で組み合わせることができ、例えば、単位セル積層当たりの総欠陥数の単一の値を生成する。
【0052】
コンピュータサブシステムはまた、
図3のステップ302に示すように、2つ以上の所定のセルの各々において検出された欠陥の数を所定の閾値と比較するように構成される。ユーザは、単位セル(T)当たりの欠陥数の閾値を入力することができる。ユーザは、単位セル内の5を超える欠陥がその単位セルを系統的ニューサンスを含むと認定するなど、Tの任意の適切な値を選択することができる。しかしながら、所定の閾値は、本明細書で説明される実施形態によって、いくつかの方法で定義され得る。例えば、各所定のセルにおいて検出された欠陥の数を決定することができ、次いで、異常値セル(すなわち、所定のセルは、他の所定のセルにおいて検出された欠陥の数と比較して外れ値である欠陥の数を含む)を識別し、適切な閾値(例えば、Tを、外れ値セルにおける単位セル当たりの欠陥の数未満に設定する)を決定するために使用することができる。本発明者らは、N
i,jを、任意の所与のセル(i,j)内に位置する欠陥の数と定義する。
【0053】
一実施形態では、所定の閾値は、系統的ノイズが存在するときに検出される欠陥の数よりも低くなるように選択される。別の実施形態では、所定の閾値は、系統的ノイズが存在しないときに検出される欠陥の数よりも高くなるように選択される。例えば、ランダム欠陥は、反復パターン化領域内の任意の特定の位置に向かってより少ないバイアスを有する傾向がある。結果として、各セルは、ランダム欠陥のみが存在し、検出された場合、より少ない数の欠陥カウントを有する。反対に、系統的ノイズ源からの欠陥は、反復パターン化領域上の特定のプロセスまたは設計特徴の周りに集まる傾向がある。したがって、系統的ノイズ源がセル内に存在する場合、そのセルはより高い欠陥数を有することになる。このように、本明細書に記載の実施形態は、ウェハマップからの欠陥位置に基づいて系統的ノイズホットスポットを識別することを目的とする新規な方法を提供する。系統的ニューサンスが、それらの位置に基づいて他の検出された欠陥から分離されると、コンピュータサブシステムは、本明細書でさらに説明するように、最適な感度のためにターゲット位置上でCAを作成することができる。
【0054】
したがって、本明細書に記載の実施形態は、Tに対するN
i,j(所与のセルにおける欠陥の数)に基づいてセルを区別することを目的とする。この演算からの出力は、以下の条件(C)を満たすセルの位置座標である
【数1】
したがって、コンピュータサブシステムは、条件Cを満たすセルにフラグを立ててもよく、この情報をCA生成に使用することができる。例えば、コンピュータサブシステムは、系統的雑音位置条件の真を満たす任意のセルのセル位置座標を記録することができ、系統的雑音位置条件に対して偽である任意のセルを無視することができる。Tの値は、検査プラットフォームに適するようにユーザによって選択することができる。この動作からの出力は、本明細書でさらに説明されるように、カスタマイズされたCAを生成するために使用され得る。
【0055】
図4に示す例では、結果410は、所定のセル内で検出された欠陥の数を閾値と比較した結果を視覚的に示す。特に、反復パターン化領域レイアウトが結果404に示されるようにセルに分割されると、条件Cがセルの各々に適用され得る。網掛けされた所定のセルとして結果410に示される所定のセルのグループ412,414,及び416は、これらの所定のセルにおいて検出された欠陥の数が所定の閾値よりも大きいので、条件Cを満たす。
図4に示される残りの所定のセルは、条件Cを満たさず、したがって、系統的ノイズ位置条件に対して真であるとしてフラグが立てられない。このようにして、コンピュータサブシステムは、基準を満たすために陰影が付けられたセルにフラグを立ててもよく、フラグが立てられたセルのセル座標を記録してもよい。
【0056】
本明細書では、実施形態は、単位セル当たりの実際の欠陥数である所定のセル当たりの欠陥数に基づいて所定のセルをCAとして指定するものとして説明されているが、欠陥数は、単位セル当たりの欠陥の絶対数以外の何かであってもよい。例えば、単位セル当たりの絶対欠陥数を使用することは、系統的ニューサンスを含む領域を識別するための最も単純かつ直接的な方法であるが、反復パターン化領域の複数のインスタンスにおける単位セル内の欠陥の平均または総数など、単位セル当たりの欠陥の数を定量化する他の方法を使用してもよい。反復パターン化領域の1つ以上のインスタンスにおいて単位セル内で検出される欠陥の密度、反復パターン化領域の1つ以上のインスタンスにおいて単位セル内で検出される欠陥の空間分布などである。言い換えれば、本明細書で説明される実施形態の利点の1つは、試料上の系統的ニューサンス位置を識別するために、反復パターン化領域内の単位セル当たりの欠陥数を効果的に使用するというそれらの予想外の単純さである。しかしながら、本明細書で説明される実施形態は、CA識別のために単に単位セル当たりの欠陥カウントを使用することに限定されず、単位セル当たりの欠陥を定量化するためのより複雑なまたは複雑な方法が使用され得る。CA識別のために欠陥カウントまたは何らかの他の尺度を使用して単位セル当たりの欠陥を定量化するかどうかは、任意の適切な方法で決定することができ、系統的ニューサンスの予想される特性に応じて変化することができる。
【0057】
他の実施形態では、試料の検査を実行して試料上のランダム欠陥を検出する。例えば、本明細書に記載の実施形態は、ランダム欠陥と系統的ニューサンスとの間のより良好な分離を提供するのに特に有用である。系統的ニューサンス位置が識別されると、この情報を使用して、ターゲットCAを生成することができる。次いで、ユーザは、本明細書で説明されるように「領域をケアしない」と指定された所定のセルのいずれかに新しいCAを割り当てるか、または異なる感度でそれらを検査することを選択することができる。言い換えれば、本明細書で説明されるように識別されるCAは、これらのCAに存在する系統的ニューサンスが検出されないように、全く検査されない、またはより低い感度で検査される領域である。試料上の他の位置から系統的ニューサンス位置を分離することにより、ユーザは、ランダム欠陥検出のために試料の残りの部分に対してより高い感度を有することが可能になる。
【0058】
したがって、上述のように、一実施形態では、1つ以上のCAは、検査が実施されない試料上の反復パターン化領域内の1つ以上の領域である。別の実施形態では、1つ以上のCAは、検査が試料上の反復パターン化領域内の他の領域よりも低い感度で実行される試料上の反復パターン化領域内の1つ以上の領域である。本明細書に記載の実施形態の1つの利点は、CA生成のための系統的ノイズホットスポット位置を識別することによって検査感度を改善することができることである。次いで、本明細書に記載されるように同定されたCAは、他の領域よりも低い感度で検査することができるか、または欠陥について全く検査することができない。
【0059】
コンピュータサブシステムは、
図3のステップ304に示すように、欠陥の数が所定の閾値より大きい2つ以上の所定のセルのいずれか1つ以上を1つ以上のCAとして指定するようにさらに構成される。例えば、コンピュータサブシステムは、
図4に示す結果410におけるフラグ付けされたセル座標に基づいてCAを生成することができる。言い換えれば、コンピュータサブシステムは、条件Cを満たすフラグが立てられた所定のセルのグループ412,414,および416とそれぞれ同じ特性を有するCA420,422,および424を含み得るCA情報418を生成し得る。
【0060】
図4に示すように、互いに隣接する任意のフラグ付きセルは、単一のCAに結合され得る。しかしながら、これは必須ではなく、互いに隣接するフラグが立てられたセルはそれぞれ異なるCAとして指定されてもよい。さらに、
図4に示されるCAの各々は正方形または長方形の形状を有するが、そのような規則的な形状は限定的ではない。例えば、どのセルにフラグが立てられるかに応じて、複数のフラグが立てられたセルから生成されたCAは、L字形、U字形、O字形などを有し得る。したがって、本明細書で説明されるように生成されるCAは、不規則な多角形形状を有し得る。加えて、特定の数のCAが
図4に示されているが、CAとして指定されるセルの数は、本明細書で説明される実施形態では限定されない。いくつかの事例では、ユーザは、試料上の許容可能な領域がプロセスで検査されるように、本明細書で説明されている実施形態で指定されているCAの数に上限を設けることができる。CAとしてフラグが立てられるセルの数が上限を超える場合、これは、欠陥を検出するために使用される撮像サブシステムまたはコンピュータサブシステムのパラメータを調整する必要があり得ること(あまりにも多くの系統的ニューサンスが検出されているため)、または異なる試料を検査する必要がある可能性があること(なぜなら、検査された試料には、検出すべき系統的ニューサンスが多すぎる問題があり得るからである)の指標としても使用され得る。
【0061】
一実施形態では、所定のセルは第1のサイズを有し、コンピュータサブシステムは、第1のサイズとは異なる第2のサイズを有する他の所定のセルに対して決定、比較、および指定ステップを実行するように構成される。例えば、反復パターン化領域全体を単位サイズのセルに分割することは、検査プラットフォームに適切で異なる(x,y)値で繰り返すことができる。
図5は、本明細書に記載されるが、
図4で使用されるものよりも小さい所定のセルサイズを有するステップを実行する一例を示す。例えば、欠陥検出結果500は、試料上の繰り返しパターン化領域内で検出された欠陥502の位置を示す。欠陥検出結果は、本明細書に記載の任意の方法で生成された本明細書に記載のもののいずれかを含むことができる。結果504は、破線506を欠陥検出結果500に重ね合わせることによって生成することができ、これは、反復パターン化領域内の所定のセル508の領域を画定する。所定のセルは、それらが
図4で使用されたものとは異なるxおよびyの寸法を有することを除いて、本明細書で説明されるようにさらに構成され得る。結果510に示すように、閾値より大きい欠陥の数を含むセルにフラグを立てることができ、それらのセルは、結果において、セルの陰影付きグループ512として示される。フラグが立てられたセルについての情報は、反復パターン化領域内に位置するCA516を示す結果514を生成するために使用され得る。結果510および514の比較によって示されるように、CAは、フラグ付けされた所定のセルと同じ特性を有する。
【0062】
より小さいサイズを有するステップを決定し、比較し、指定することを実行することは、本明細書に記載されるようにさらに構成され得る。
【0063】
別の実施形態では、撮像サブシステムは、複数のモードで試料の画像を生成するように構成され、コンピュータサブシステムは、複数のモードのうちの2つ以上のそれぞれに対して独立して、判定、比較、および指定ステップを行うように構成される。そのような一実施形態では、複数のモードのうちの2つ以上のうちの第1のモードのための1つ以上のCAは、複数のモードのうちの2つ以上のうちの第2のモードのための1つ以上のCAとは異なる。このように、異なるCAが、異なるモードのために使用され得る。例えば、系統的ニューサンス位置は、大部分が検査プラットフォームのアーキテクチャに依存する。本明細書に説明される実施形態は、欠陥場所のみに作用し、したがって、そのアーキテクチャおよび光学にかかわらず、任意の検査プラットフォームに適用することができる。異なる検査(例えば、光学または電子ビーム)ツールは、それらのアーキテクチャに基づいて、系統的ニューサンスの存在を異なるように知覚するであろう。本明細書で説明される実施形態は、そのような場所を識別および分離するために、プラットフォームにわたって機能することができる。加えて、異なる光学または撮像構成は、異なるニューサンス源を有してもよく、したがって、それらの光学または撮像構成に特有のCAもまた、本明細書に説明される実施形態によって設定され、複数のモードを使用する検査で使用されてもよい。このようにして、本明細書で説明される実施形態は、複数のモードに対して本明細書で説明されるステップを複数回実行し、それによって、異なる撮像モードまたは設定に対して異なるCAを生成するように構成され得る。
【0064】
実施形態はまた、すべてのノードおよびプロセス層にわたってそれらの適用を見出す。例えば、本明細書で説明されている実施形態は、単位セルごとに検出された欠陥のみに基づいてCAを識別することができるので、実施形態を使用して、試料上の任意の層またはすべての層に対してCAを設定することができる。実施形態はまた、時間および/またはプロセス変化にわたって用途を見出す。例えば、本明細書に記載の実施形態は、指定された間隔で再実行されて、系統的ニューサンス位置が変化したかどうかをチェックすることができる(例えば、プロセスのドリフトによる)。本明細書で説明される実施形態はまた、プロセスが意図的に変更された場合に、それが系統的ニューサンス位置の変更を引き起こし得るため、再実施され得る。
【0065】
コンピュータサブシステムはまた、
図3のステップ306に示されるように、試料の検査において使用するための1つ以上のCAのための情報を記憶するように構成される。例えば、コンピュータサブシステムは、CAファイルを生成することができ、CAファイルは、.binファイルなどの任意の適切なファイルフォーマットまたは拡張子を有することができる。1つ以上のCAについての情報は、CAロケーションおよびサイズなどの任意の適切な情報を含み得る。検査中、本明細書に記載される撮像サブシステムおよびコンピュータサブシステムを含んでも含まなくてもよい、検査を実行しているツールは、記憶された情報によって指定される位置および寸法を有するCAを自動生成してもよい。いくつかのそのような事例では、検査ツールは、ツールのユーザが情報の理解を得ることができるように、記憶された情報またはその表現を検査ツールのメインUI内のCA UIにインポートすることができる。
【0066】
コンピュータサブシステムはまた、CA情報をレシピに、またはCAが使用される検査のためのレシピを生成することによって記憶するように構成されてもよい。本明細書で使用される「レシピ」という用語は、試料に対してプロセスを実行するためにツールによって使用され得る命令のセットとして定義される。このようにして、レシピを生成することは、プロセスがどのように実行されるべきかについての情報を生成することを含んでもよく、この情報は、次いで、そのプロセスを実行するための命令を生成するために使用され得る。コンピュータサブシステムによって記憶されるCAについての情報は、選択されたCA(例えば、ファイル名や格納場所などである)を識別し、アクセスし、および/または使用するために使用され得る任意の情報を含み得る。記憶されるCAについての情報はまた、CAを適用し、適用されたCAに基づいて欠陥を検出するための実際のコード、命令、アルゴリズムなどを含み得る。
【0067】
コンピュータサブシステムは、CAについての情報を任意の適切なコンピュータ可読記憶媒体に格納するように構成され得る。情報は、本明細書で説明される結果のいずれかとともに記憶されてもよく、当技術分野で公知の任意の様式で記憶されてもよい。記憶媒体は、本明細書で説明する任意の記憶媒体または当技術分野で知られている任意の他の好適な記憶媒体を含み得る。情報が記憶された後、情報は、記憶媒体内でアクセスされ、本明細書で説明される方法またはシステム実施形態のうちのいずれかによって使用される、ユーザへの表示のためにフォーマットされる、別のソフトウェアモジュール、方法、またはシステムによって使用される等することができる。例えば、本明細書に記載の実施形態は、上述のように検査レシピを生成することができる。次いで、この検査レシピを記憶し、システムまたは方法(または別のシステムまたは方法)によって使用して、試料または他の試料を検査し、それによって試料または他の試料についての情報(例えば、欠陥情報)を生成することができる。
【0068】
試料または同じタイプの他の試料に対して検査を実行することによって生成された結果および情報は、本明細書で説明する実施形態および/または他のシステムおよび方法によって様々な方法で使用することができる。そのような機能は、限定はしないが、検査された試料または別の試料に対してフィードバックまたはフィードフォワード方式で実行された、または実行されることになる製造プロセスまたはステップなどのプロセスを変更することを含む。例えば、本明細書で説明するコンピュータサブシステムは、本明細書で説明するように検査された試料に対して実行されたプロセス、および/または検出された欠陥に基づいて試料に対して実行されるプロセスに対する1つ以上の変更を決定するように構成することができる。プロセスに対する変更は、プロセスの1つ以上のパラメータに対する任意の好適な変更を含んでもよい。コンピュータサブシステムは、好ましくは、修正されたプロセスが実行される他の試料上で欠陥が低減または防止され得るように、試料上で実行される別のプロセスにおいて試料上で欠陥が修正または排除され得るように、試料上で実行される別のプロセスにおいて欠陥が補償され得るようになど、これらの変化を決定する。本明細書で説明されるコンピュータサブシステムは、当技術分野で知られている任意の好適な方法でそのような変化を決定することができる。
【0069】
次いで、これらの変更は、半導体製造システム(図示せず)または本明細書に記載のコンピュータサブシステムおよび半導体製造システムにアクセス可能な記憶媒体(図示せず)に送信することができる。半導体製造システムは、本明細書に記載のシステムの実施形態の一部であってもなくてもよい。例えば、本明細書で説明されるシステムは、例えば、筐体、電源、試料取扱いデバイスまたは機構等の1つ以上の共通要素を介して、半導体製造システムに連結されてもよい。半導体製造システムは、リソグラフィツール、エッチングツール、化学機械研磨(CMP)ツール、堆積ツールなど、当技術分野で知られている任意の半導体製造システムを含むことができる。
【0070】
したがって、本明細書で説明されるように、実施形態は、新しい検査プロセスまたはレシピを設定するために使用することができる。実施形態はまた、既存の検査プロセスまたはレシピを修正するために使用されてもよく、それは、試料のために使用された検査プロセスまたはレシピであるか、またはある試料のために作成され、別の試料のために適合されている検査プロセスまたはレシピであるかにかかわらずである。加えて、本明細書で説明される実施形態は、CAの作成または修正のみに限定されない。例えば、本明細書で説明される実施形態はまた、本明細書で説明される実施形態によって識別される系統的雑音源に基づいて行われるモード選択、系統的ニューサンス源領域対他の領域で使用される欠陥検出感度等の出力処理パラメータ選択、CAが本明細書に記載されるように設定された検査プロセスの任意の他のパラメータ等の検査のための1つ以上の他のパラメータを選択するために使用することができる。本明細書で説明される実施形態は、検査プロセスのためにCAを設定するための以前に使用された方法およびシステムに勝るいくつかの利点を提供する。例えば、本明細書に説明される実施形態は、検査プラットフォームおよび研究中のプロセス層にかかわらず、系統的雑音を抑制するのを助けるために使用することができる。加えて、本明細書で説明される実施形態は、欠陥座標のみを使用してCAを設定することができ、設計ファイルまたは任意の他の形態の制限された知的財産へのアクセスを必要としない。したがって、検査プラットフォームは、本明細書で説明される実施形態を使用して、制限されたまたは敏感な知的財産へのアクセスを有することなく、系統的迷惑を抑止することができる。本明細書で説明される実施形態はまた、先進技術とレガシーノードレイヤの両方に同様に適用され得る。さらに、本明細書で説明される実施形態で生成されるCAを使用して、検査プラットフォームは、ニューサンス率を低減し、したがって、実際の欠陥を見つける機会を増加させ、ユーザの欠陥レビュー負荷を低減することができる。
【0071】
上記のシステムの各々の実施形態の各々は、1つの単一の実施形態に一緒に組み合わせることができる。
【0072】
別の実施形態は、試料の検査のためにCAを設定するためのコンピュータ実装方法に関する。この方法は、欠陥の数を決定するステップと、欠陥の数を比較するステップと、所定のセルのうちの2つ以上のいずれか1つ以上をCAとして指定するステップと、上述の情報ステップを記憶するステップとを含む。
【0073】
本方法のステップの各々は、本明細書にさらに記載されるように実行され得る。本方法はまた、本明細書に説明される撮像サブシステム、コンピュータサブシステム、および/またはシステムによって行われることができる、任意の他のステップを含んでもよい。本方法のステップは、撮像サブシステムに連結されるコンピュータサブシステムによって行われ、その両方とも、本明細書に説明される実施形態のうちのいずれかに従って構成されてもよい。加えて、上述の方法は、本明細書に記載されるシステムの実施形態のいずれかによって実行されてもよい。
【0074】
さらなる実施形態は、試料の検査のためにCAを設定するためのコンピュータ実装方法を実行するためのコンピュータシステム上で実行可能なプログラム命令を記憶する非一時的なコンピュータ可読媒体に関する。そのような一実施形態を
図6に示す。特に、
図6に示すように、非一時的コンピュータ可読媒体600は、コンピュータシステム604上で実行可能なプログラム命令602を含む。コンピュータ実装方法は、本明細書で説明される任意の方法の任意のステップを含んでもよい。
【0075】
本明細書に説明されるもの等の方法を実装するプログラム命令602は、コンピュータ可読媒体600上に記憶されてもよい。コンピュータ可読媒体は、磁気もしくは光ディスク、磁気テープ、または当技術分野で知られている任意の他の好適な非一時的コンピュータ可読媒体などの記憶媒体であり得る。
【0076】
プログラム命令は、とりわけ、プロシージャベースの技法、コンポーネントベースの技法、および/またはオブジェクト指向技法を含む、様々な方法のいずれかで実装され得る。例えば、プログラム命令は、所望に応じて、ActiveX制御、C++オブジェクト、JavaBeans、Microsoft Foundation Casses(「MFC」)、SSE(Streaming SIMD Extension)、または他の技術もしくは方法論を使用して実装されてもよい。
【0077】
コンピュータシステム604は、本明細書に記載される実施形態のいずれかに従って構成され得る。
【0078】
本発明のさまざまな態様のさらなる修正および代替実施形態は、この説明を考慮すれば当業者には明らかであろう。例えば、試料の検査のためにCAを設定するための方法およびシステムが提供される。したがって、この説明は、単なる例示として解釈されるべきであり、本発明を実施する一般的な方法を当業者に教示する目的のためである。本明細書に示され、記載される本発明の形態は、現在好ましい実施形態として解釈されるべきであることを理解されたい。要素および材料は、本明細書に図示および説明されるものと置換されてもよく、部品およびプロセスは、逆にされてもよく、本発明のある特徴は、独立して利用されてもよく、全て、本発明の本説明の利益を享受した後、当業者に明白となるであろう。以下の特許請求の範囲に記載される本発明の精神および範囲から逸脱することなく、本明細書に記載される要素に変更が行われ得る。
【国際調査報告】