IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ アプライド マテリアルズ インコーポレイテッドの特許一覧

<>
  • 特表-拡散接合のためのガス急冷 図1
  • 特表-拡散接合のためのガス急冷 図2
  • 特表-拡散接合のためのガス急冷 図3A
  • 特表-拡散接合のためのガス急冷 図3B
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-09
(54)【発明の名称】拡散接合のためのガス急冷
(51)【国際特許分類】
   B23K 20/00 20060101AFI20240702BHJP
【FI】
B23K20/00 310H
B23K20/00 310L
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023575546
(86)(22)【出願日】2022-05-19
(85)【翻訳文提出日】2024-02-02
(86)【国際出願番号】 US2022029981
(87)【国際公開番号】W WO2022260839
(87)【国際公開日】2022-12-15
(31)【優先権主張番号】17/343,482
(32)【優先日】2021-06-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ベーンケ, ジョセフ エフ.
(72)【発明者】
【氏名】ソマーズ, ジョセフ フレデリック
(72)【発明者】
【氏名】アガルワル, スミット
【テーマコード(参考)】
4E167
【Fターム(参考)】
4E167AA02
4E167AA06
4E167AA07
4E167AA08
4E167AA10
4E167AA13
4E167AA18
4E167AA19
4E167BA05
4E167BA11
4E167BA18
4E167CB03
4E167CB10
4E167CC01
4E167CC08
4E167DA05
4E167DB11
4E167DC02
(57)【要約】
半導体構成要素基板を冷却する例示的な方法が、半導体構成要素基板を、チャンバ中で500℃よりも大きいまたは約500℃の温度に加熱することを含み得る。半導体構成要素基板は、アルミニウムであるか、またはアルミニウムを含み得る。本方法は、チャンバにガスを供給することを含み得る。ガスは、100℃を下回るまたは約100℃の温度によって特徴づけられ得る。本方法は、半導体構成要素基板を、1分よりも小さいまたは約1分の第1の時間期間において、200℃を下回るまたは約200℃の温度に冷却することを含み得る。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体構成要素基板を冷却する方法であって、前記方法は、
前記半導体構成要素基板を、チャンバ中で500℃よりも大きいまたは約500℃の温度に加熱することであって、前記半導体構成要素基板がアルミニウムを含む、前記半導体構成要素基板を加熱することと、
前記チャンバにガスを供給することであって、前記ガスが、100℃を下回るまたは約100℃の温度によって特徴づけられる、ガスを供給することと、
前記半導体構成要素基板を、1分よりも小さいまたは約1分の第1の期間において、200℃を下回るまたは約200℃の温度に冷却することと
を含む、半導体構成要素基板を冷却する方法。
【請求項2】
前記半導体構成要素基板がアルミニウム6061を含む、請求項1に記載の半導体構成要素基板を冷却する方法。
【請求項3】
前記冷却することの後に、前記半導体構成要素基板が、100よりも大きいまたは約100のビッカース硬さによって特徴づけられる、請求項2に記載の半導体構成要素基板を冷却する方法。
【請求項4】
前記半導体構成要素基板を、1時間よりも大きいまたは約1時間の第2の期間の間、約150℃から約200℃の間の温度において維持すること
をさらに含む、請求項1に記載の半導体構成要素基板を冷却する方法。
【請求項5】
前記第2の期間の後に、前記半導体構成要素基板を空冷すること
をさらに含む、請求項4に記載の半導体構成要素基板を冷却する方法。
【請求項6】
前記半導体構成要素基板が、拡散接合されたアルミニウム基板を含む、請求項1に記載の半導体構成要素基板を冷却する方法。
【請求項7】
前記拡散接合されたアルミニウム基板が、前記拡散接合されたアルミニウム基板において画定された開孔を通してアクセス可能な、1つまたは複数の内部チャネルを画定する、請求項6に記載の半導体構成要素基板を冷却する方法。
【請求項8】
前記ガスが、空気、水蒸気、窒素、またはアルゴンを含む、請求項1に記載の半導体構成要素基板を冷却する方法。
【請求項9】
前記チャンバが、ヒータと、前記半導体構成要素基板のための支持体とを備え、複数のガス開孔が、前記支持体の周りに画定される、請求項1に記載の半導体構成要素基板を冷却する方法。
【請求項10】
前記チャンバが拡散接合チャンバである、請求項1に記載の半導体構成要素基板を冷却する方法。
【請求項11】
半導体構成要素基板を冷却する方法であって、前記方法は、
前記半導体構成要素基板に対して一軸力を加えながら、前記半導体構成要素基板を、拡散接合チャンバ中で500℃よりも大きいまたは約500℃の温度に加熱することであって、前記半導体構成要素基板が、第1のアルミニウムピースと第2のアルミニウムピースとを含む、前記半導体構成要素基板を加熱することと、
前記拡散接合チャンバにガスを供給することであって、前記ガスが、100℃を下回るまたは約100℃の温度によって特徴づけられる、ガスを供給することと、
前記半導体構成要素基板を、1分よりも小さいまたは約1分の第1の期間において、200℃を下回るまたは約200℃の温度に冷却することと
を含む、半導体構成要素基板を冷却する方法。
【請求項12】
前記半導体構成要素基板を、1時間よりも大きいまたは約1時間の第2の期間の間、約150℃から約200℃の間の温度において維持すること
をさらに含む、請求項11に記載の半導体構成要素基板を冷却する方法。
【請求項13】
前記第2の時間期間の後に、前記半導体構成要素基板を空冷すること
をさらに含む、請求項12に記載の半導体構成要素基板を冷却する方法。
【請求項14】
前記拡散接合チャンバが、ヒータと、前記半導体構成要素基板のための支持体と、機械プレスとを備え、複数のガス開孔が、前記支持体の周りに画定される、請求項11に記載の半導体構成要素基板を冷却する方法。
【請求項15】
前記拡散接合チャンバが、前記拡散接合チャンバにガスを供給しながら、前記拡散接合チャンバを通る流体流を維持するように構成された排気システムを備える、請求項14に記載の半導体構成要素基板を冷却する方法。
【請求項16】
前記第1のアルミニウムピースが1つまたは複数のチャネルを画定し、前記第2のアルミニウムピースが1つまたは複数の開孔を画定する、請求項11に記載の半導体構成要素基板を冷却する方法。
【請求項17】
前記第1のアルミニウムピースおよび前記第2のアルミニウムピースの各々がアルミニウム6061を含む、請求項11に記載の半導体構成要素基板を冷却する方法。
【請求項18】
前記冷却することの後に、前記半導体構成要素基板が、65よりも大きいまたは約65のビッカース硬さによって特徴づけられる、請求項11に記載の半導体構成要素基板を冷却する方法。
【請求項19】
前記半導体構成要素基板を冷却しながら、前記半導体構成要素基板に対して加えられている前記一軸力を調整すること
をさらに含む、請求項11に記載の半導体構成要素基板を冷却する方法。
【請求項20】
拡散接合システムであって、
複数のガス開孔を画定する、チャンバ側壁と、
基板支持体と、
ヒータと、
機械プレスと
を備える、チャンバと、
前記チャンバ側壁において画定された前記複数のガス開孔に流体結合される、ガス供給システムと、
前記拡散接合システムが、前記チャンバ内に配設された構成要素に空気急冷を実施するように構成された、排気システムと
を備える、拡散接合システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、その内容全体がすべての目的のために参照により本明細書に組み込まれる、2021年6月9日に出願され、「GAS QUENCH FOR DIFFUSION BONDING」と題する米国非仮出願第17/343,482号の利益および優先権を主張する。
【0002】
本技術は、拡散接合のためのプロセスおよびシステムに関する。より詳細には、本技術は、拡散接合動作の後に基板を冷却するためのシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0003】
半導体処理システムは、基板を支持することと、形成および除去材料を供給することと、処理領域および流路を画定することとを行うために使用される、いくつかの構成要素を含み得る。これらの構成要素は、高温度および低温度、高圧力および低圧力、ならびに様々な腐食性および浸食性材料に曝露され得る。したがって、多くの処理チャンバは、処理またはコーティングされた材料を含む。しかしながら、処理システムおよびチャンバがより複雑になるにつれて、システム内に組み込まれる構成要素は、1つまたは複数のやり方で連結または接合(bond)されなければならないマルチピース装置になり得る。これらのジョイントおよびシームは同様に、構成要素に損傷を生じることがある環境条件および材料に曝露され得る。
【0004】
したがって、高品質デバイスおよび構造を生成するために使用され得る、改善されたシステムおよび構成要素が必要である。これらおよび他の必要は、本技術によって対処される。
【発明の概要】
【0005】
半導体構成要素基板を冷却する例示的な方法が、半導体構成要素基板を、チャンバ中で500℃よりも大きいまたは約500℃の温度に加熱することを含み得る。半導体構成要素基板は、アルミニウムであるか、またはアルミニウムを含み得る。本方法は、チャンバにガスを供給することを含み得る。ガスは、100℃を下回るまたは約100℃の温度によって特徴づけられ得る。本方法は、半導体構成要素基板を、1分よりも小さいまたは約1分の第1期間において、200℃を下回るまたは約200℃の温度に冷却することを含み得る。
【0006】
いくつかの実施形態では、半導体構成要素基板は、アルミニウム6061であるか、またはアルミニウム6061を含み得る。冷却後に、半導体構成要素基板は、100よりも大きいまたは約100のビッカース硬さによって特徴づけられ得る。本方法は、半導体構成要素基板を、1時間よりも大きいまたは約1時間の第2期間の間、約150℃から約200℃の間の温度において維持することを含み得る。本方法は、第2期間の後に、半導体構成要素基板を空冷することを含み得る。半導体構成要素基板は、拡散接合されたアルミニウム基板であるか、または拡散接合されたアルミニウム基板を含み得る。拡散接合されたアルミニウム基板は、拡散接合されたアルミニウム基板において画定された開孔を通してアクセス可能な、1つまたは複数の内部チャネルを画定し得る。ガスは、空気、水蒸気、窒素、またはアルゴンであり得る。チャンバは、ヒータと、半導体構成要素基板のための支持体とを含み得る。複数のガス開孔が、支持体の周りに画定され得る。チャンバは拡散接合チャンバであり得る。
【0007】
本技術のいくつかの実施形態は、半導体構成要素基板を冷却する方法を包含し得る。本方法は、半導体構成要素基板に対して一軸力を加えながら、半導体構成要素基板を、拡散接合チャンバ中で500℃よりも大きいまたは約500℃の温度に加熱することを含み得る。半導体構成要素基板は、第1のアルミニウムピースと第2のアルミニウムピースとを含み得る。本方法は、拡散接合チャンバにガスを供給することを含み得る。ガスは、100℃を下回るまたは約100℃の温度によって特徴づけられ得る。本方法は、半導体構成要素基板を、1分よりも小さいまたは約1分の第1期間において、200℃を下回るまたは約200℃の温度に冷却することを含み得る。
【0008】
いくつかの実施形態では、本方法は、半導体構成要素基板を、1時間よりも大きいまたは約1時間の第2期間の間、約150℃から約200℃の間の温度において維持することを含み得る。本方法は、第2の時間期間の後に、半導体構成要素基板を空冷することを含み得る。拡散接合チャンバは、ヒータと、半導体構成要素基板のための支持体と、機械プレスとを含み得る。複数のガス開孔が、支持体の周りに画定され得る。拡散接合チャンバは、拡散接合チャンバにガスを供給しながら、拡散接合チャンバを通る流体流を維持するように構成された排気システムを含み得る。第1のアルミニウムピースは1つまたは複数のチャネルを画定し得、第2のアルミニウムピースは1つまたは複数の開孔を画定し得る。第1のアルミニウムピースおよび第2のアルミニウムピースの各々が、アルミニウム6061であるか、またはアルミニウム6061を含み得る。冷却後に、半導体構成要素基板は、65よりも大きいまたは約65のビッカース硬さによって特徴づけられ得る。本方法は、半導体構成要素基板を冷却しながら、半導体構成要素基板に対して加えられている一軸力を調整することを含み得る。
【0009】
本技術のいくつかの実施形態は、拡散接合システムを包含し得る。本システムは、チャンバを含み得る。チャンバは、チャンバ側壁を含み得る。チャンバ側壁は、複数のガス開孔を画定し得る。チャンバは、基板支持体を含み得る。チャンバは、ヒータを含み得る。チャンバは、機械プレスを含み得る。本システムは、ガス供給システムを含み得る。ガス供給システムは、チャンバ側壁において画定された複数のガス開孔に流体結合され得る。本システムは、排気システムを含み得る。拡散接合システムは、チャンバ内に配設された構成要素に空気急冷を実施するように構成され得る。
【0010】
そのような技術は、従来のシステムおよび技法に勝る多数の利益を提供し得る。たとえば、本技術は、従来の技術と比較して材料特性の改善によって特徴づけられる半導体システム構成要素を形成し得る。さらに、本技術は、接合された構成要素について材料特性を回復するための接合後処理を低減し得る。これらおよび他の実施形態は、それらの利点および特徴の多くとともに、以下の説明および添付図と併せて、より詳細に説明される。
【0011】
開示される技術の性質および利点のさらなる理解は、本明細書の残りの部分および図面を参照することによって実現され得る。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本技術のいくつかの実施形態による、構成要素を冷却する方法における選択された処理を示す図である。
図2】本技術のいくつかの実施形態による、構成要素を冷却する方法における選択された処理を示す図である。
図3A】本技術のいくつかの実施形態による、例示的な拡散接合チャンバセットアップの概略断面図である。
図3B】本技術のいくつかの実施形態による、例示的な拡散接合チャンバセットアップの概略断面図である。
【0013】
図のうちのいくつかは、概略図として含まれる。図は説明のためのものであり、縮尺通りであると明確に述べられていない限り、縮尺通りと見なされるべきでないことを理解されたい。さらに、概略図として、図は、理解を助けるために提供され、現実的な表現と比較してすべての態様または情報を含むとは限らないことがあり、説明のために誇張された材料を含み得る。
【0014】
添付の図において、同様の構成要素および/または特徴は、同じ参照ラベルを有し得る。さらに、同じタイプの様々な構成要素は、参照ラベルの後に、同様の構成要素同士を区別する文字を続けることによって区別され得る。第1の参照ラベルのみが本明細書において使用される場合、その説明は、その文字にかかわらず、同じ最初の参照ラベルを有する同様の構成要素のいずれにも適用可能である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
半導体プロセスは、半導体製造を容易にするための環境条件を生成するように構成されたシステムと、基板処理をサポートまたは容易にするためのいくつかの複雑な構成要素を含むシステムとを利用する。半導体プロセスが実施され得る環境のために、処理チャンバ内の多くの構成要素が、アルミニウムまたはアルミニウム合金から作られるか、あるいはアルミニウムまたはアルミニウム合金を含み得る。これらの構成要素の多くは、構成要素内でチャネル、流路、または密閉された領域を生成するために互いに接合された複数のピースを含む。接合(bond)は、任意の数のやり方で形成され得、いくつかのプロセスでは、本質的に、任意の数の内部特徴によって特徴づけられ得る単一構成要素部品を生成するために、拡散接合が実施される。
【0016】
拡散接合は、任意の数のやり方で実施され得、概して、構成要素を、界面において構成要素間の固溶体が形成することを可能にする温度に加熱することと、単一の構成要素を生成するために構成要素に圧力を加えることとを含み得る。しかしながら、互いに接合されるべきピースとして使用されるベース材料の多くは、接合プロセスによって影響を及ぼされ得る材料特性によって特徴づけられ得る。たとえば、本技術によって包含される例示的な材料が、アルミニウム6061であり得、アルミニウム6061は、析出硬化によって形成されるアルミニウム合金であり得る。各構成要素を生成するための一般的なプロセスは、一定期間の間、合金材料を比較的高い温度に加熱することを含み得、これは、すべての組み込まれた元素の固溶体を生成し得る。この後に、構成要素を急冷するまたは迅速に冷却するために、構成要素を浴(bath)に入れることが続き得、これは、いくつかの材料特性が生じることを誘起し得る。急冷浴は、水性浴であり得るか、あるいは、たとえば、油またはブラインを含み得る。高速冷却は材料応力を生じ得、したがって、応力を緩和し、材料特性を向上させるために、急冷の後に、エージングプロセスが実施され得、ここで、構成要素は、一定期間の間、再加熱される。これは、アルミニウム6061のためのマグネシウムおよびシリコン材料などの沈殿物が形成することを可能にし得、沈殿物は、次いで、構成要素にわたって拡散し、機械的特性を改善し得る。これは、T4またはT6焼き戻し(T4 or T6 temper)など、焼戻しを生成し得、これは、材料の強度および硬さを増加させることができる。
【0017】
しかしながら、拡散接合プロセスが、その後、2つまたはそれ以上の析出硬化材料を用いて実施されるとき、そのプロセスは、熱処理(heat treatment)中よりもさらに高い温度を加えることを含み得る。さらに、拡散接合チャンバは、一般に、応力を制御し、拡散接合チャンバのチャンバ構成要素を保護するために、徐冷を実施しなければならない。したがって、これは、溶体化(solutionizing)が再び生じ得るので、はるかに低減された材料特性とともに、構成要素をO焼戻しに戻し得るが、焼戻し処理は実施されないことがある。従来の技術の場合の結果は、生成された最終構成要素が機械的特性において制限され得るか、または接合の後に、熱処理が、追加の時間、実施され得、材料の材料特性をさらにひずませ、最終的な強度および硬さを低下させ得るかのいずれかである。
【0018】
焼戻しプロセスを繰り返すことによるさらなる問題は、従来の技術が、急冷のための流体浴を使用することである。これは、多くの半導体処理システム構成要素を汚染し得る。1つの非限定的な例として、拡散接合された材料が、半導体支持体に組み込まれ得、これは、裏側ガス流のためのものなど、いくつかのチャネルを画定し得、ここで、ガスが、基板支持体への汚染物質進入を制限するために、支持体を通して、および基板の裏側に沿って供給される。流体急冷動作は、任意の数の汚染物質が構成要素チャネルおよび凹部に入り込むことを可能にし得、これは、設置より前に、完全には除去されないことがある。ガスが構成要素を通って流されるとき、これらの汚染物質は、移動させられ、処理領域に供給され得、これは、汚染および歩留まり損失を生じることがある。
【0019】
本技術は、拡散接合の後に構成要素に対してガス急冷プロセスを実施することによって、これらの問題を克服する。拡散接合の後に熱処理を繰り返した後なのか、ガス急冷が採用され得る拡散接合チャンバにおいてなのかにかかわらず、本技術は、従来の技術と比較して材料特性の改善および構成要素汚染の低減を提供し得る。したがって、本技術のいくつかの実施形態では、材料ひずみの低減が生じ得、後処理が低減され得る。残りの開示は、慣例的に、開示される技術の態様を利用する特定の材料および構成要素を識別するが、システム、方法、および材料は、半導体処理システムにおいて、または、接合が実施され得る他の製造において生じ得るような、様々な他のデバイスおよびプロセスに等しく適用可能であることが容易に理解されよう。したがって、本技術は、説明される構成要素およびプロセスのみとともに使用するためのもののように限定されると見なされるべきでない。本開示は、本技術の実施形態に従って使用され得る例示的なプロセスおよび例示的なチャンバシステムの非限定的な処理について説明する。
【0020】
図1を参照すると、本技術のいくつかの実施形態による、半導体構成要素基板のガス冷却または急冷を実施する方法100における選択された処理が示されている。方法100の多くの処理は、以下でさらに説明される拡散接合チャンバ、ならびに説明されるシステムの任意の組合せを含む、または、方法100について説明される処理を実施するように構成され得る、たとえば、任意の数のチャンバまたはシステムにおいて、実施され得る。方法100は、本方法の開始より前に、接合され得る1つまたは複数の部品またはピース、ならびにすでに接合された構成要素を生成または準備するための処理を含む、1つまたは複数の動作を含み得る。たとえば、上流処理は、金属構成要素を鋳造または処理すること、ならびに2つまたはそれ以上の構成要素を互いに接合することを含み得る。本方法は、本技術による方法に特に関連付けられることも関連付けられないこともある、図に示されているようないくつかの随意の処理を含み得る。たとえば、処理の多くは、構造形成のより広い範囲を提供するために説明されるが、その技術にとって重要でないか、または以下でさらに説明されるように代替方法論によって実施され得る。
【0021】
本開示全体にわたって説明されるように、本技術の実施形態による基板は、任意の数の構成要素または構成要素セクションであるか、あるいはそれらを含み得る。たとえば、半導体処理システムにおける例示的な構成要素基板は、拡散または他の接合技法によって生成された材料を含み得る半導体処理システムに組み込まれた任意の構成要素を含み得る。たとえば、基板支持構成要素、シャワーヘッドまたはリッドプレートなどの流体供給構成要素、スペーサまたはライナなどの構造構成要素、ならびに、チャネル、フィーチャーを生成するために、または構成要素を埋め込むために接合され得る、任意の他のマルチピース構成要素が、本技術の実施形態による基板として包含され得る。構成要素は、アルミニウム、炭素、クロム、銅、鉄、マグネシウム、マンガン、ニッケル、シリコン、チタン、または亜鉛であり得るか、あるいはそれらを含み得る、任意の数の材料から作られ得る。構成要素は、アルミニウム合金などの合金であるか、またはそれらを含み得、これは、任意の数の材料を含み得る。例示的な合金は、1xxxシリーズ、2xxxシリーズ、3xxxシリーズ、4xxxシリーズ、5xxxシリーズ、6xxxシリーズ、または7xxxシリーズからの合金を含む、任意の知られているアルミニウム合金を含み得る。以下の説明は、通常、アルミニウム6061を参照し得るが、本技術は、任意のアルミニウム合金、ならびに任意の数の他の金属の合金とともに採用され得ることを理解されたい。
【0022】
方法100は、処理105において、半導体処理システム構成要素など、基板を、チャンバ中で400℃よりも大きいまたは約400℃の温度に加熱することを含み得、また、これは、使用されている材料に応じて、420℃よりも大きいまたは約420℃の温度に、440℃よりも大きいまたは約440℃の温度に、460℃よりも大きいまたは約460℃の温度に、480℃よりも大きいまたは約480℃の温度に、500℃よりも大きいまたは約500℃の温度に、520℃よりも大きいまたは約520℃の温度に、540℃よりも大きいまたは約540℃の温度に、560℃よりも大きいまたは約560℃の温度に、580℃よりも大きいまたは約580℃の温度に、600℃よりも大きいまたは約600℃の温度に、あるいはより大きい温度に、加熱され得る。上述のように、本技術による実施形態において利用されるチャンバは、拡散接合チャンバ、ならびに処理チャンバを含み得、これらは、ヒータおよびガス供給システムを含み得、これらは、方法100のプロセスの各々が実施されることを可能にし得る。構成要素は、析出硬化処理中など、1時間よりも大きいまたは約1時間になり得る、および2時間よりも大きいまたは約2時間、3時間よりも大きいまたは約3時間、4時間よりも大きいまたは約4時間、5時間よりも大きいまたは約5時間、あるいはより大きい時間になり得る期間の間、上述の温度範囲のいずれかにおいて維持され得る。以下でさらに説明されるように、上昇した温度にある時間はまた、拡散接合処理中など、いくつかの実施形態においてより小さくなり得る。
【0023】
上昇した温度にある期間の後に、方法100は、処理110においてチャンバにガスを供給することを含み得る。ガスは、構成要素の周りに流され得、処理115において構成要素が冷却されることを引き起こし得る。ガス流および冷却は、構成要素が、材料特性を改善するのに十分なレートで冷却されることを保証するように実施され得る。たとえば、ガス流の温度および流量は、冷却を改善するために調節され得、これは、構成要素が時間期間内にしきい温度を下回って冷却されることを可能にし得る。供給されているガスの温度は、構成要素が適切なレートで冷えることを保証するように制御され得る。たとえば、いくつかの実施形態では、ガスは、100℃を下回るまたは約100℃である温度において供給され得、95℃を下回るまたは約95℃、90℃を下回るまたは約90℃、85℃を下回るまたは約85℃、80℃を下回るまたは約80℃、75℃を下回るまたは約75℃、70℃を下回るまたは約70℃、65℃を下回るまたは約65℃、60℃を下回るまたは約60℃、55℃を下回るまたは約55℃、50℃を下回るまたは約50℃、45℃を下回るまたは約45℃、40℃を下回るまたは約40℃、35℃を下回るまたは約35℃、30℃を下回るまたは約30℃、25℃を下回るまたは約25℃、20℃を下回るまたは約20℃、15℃を下回るまたは約15℃、10℃を下回るまたは約10℃、5℃を下回るまたは約5℃、0℃を下回るまたは約0℃、あるいはより小さい温度である温度において供給され得るが、温度は、高速冷却によって誘起される応力を制限するために、0℃を上回るまたは約0℃、またはより大きい温度に維持され得る。
【0024】
ガスが供給され得る流量は、チャンバサイズおよび構成と、構成要素サイズと、冷却のレートと、供給されているガスの温度、とりわけ他の変数によって影響され得る広い範囲にわたって変動し得、したがって、ガスは、100sccmよりも小さいまたは約100sccmから数十slmの流量までの、またはより大きいレートで供給され得る。ガス供給を実施することによって、構成要素の温度は、50℃/分よりも大きいまたは約50℃/分のレートで低減され得、100℃/分よりも大きいまたは約100℃/分、150℃/分よりも大きいまたは約150℃/分、200℃/分よりも大きいまたは約200℃/分、250℃/分よりも大きいまたは約250℃/分、300℃/分よりも大きいまたは約300℃/分、350℃/分よりも大きいまたは約350℃/分、400℃/分よりも大きいまたは約400℃/分、450℃/分よりも大きいまたは約450℃/分、500℃/分よりも大きいまたは約500℃/分、550℃/分よりも大きいまたは約550℃/分、600℃/分よりも大きいまたは約600℃/分、650℃/分よりも大きいまたは約650℃/分、700℃/分よりも大きいまたは約700℃/分、750℃/分よりも大きいまたは約750℃/分、800℃/分よりも大きいまたは約800℃/分、850℃/分よりも大きいまたは約850℃/分、900℃/分よりも大きいまたは約900℃/分、950℃/分よりも大きいまたは約950℃/分、1000℃/分よりも大きいまたは約1000℃/分、あるいはより大きいレートで低減され得る。したがって、構成要素が冷却される時間期間は、1分よりも小さいまたは約1分であり得、55秒よりも小さいまたは約55秒、50秒よりも小さいまたは約50秒、45秒よりも小さいまたは約45秒、40秒よりも小さいまたは約40秒、35秒よりも小さいまたは約35秒、30秒よりも小さいまたは約30秒、25秒よりも小さいまたは約25秒、20秒よりも小さいまたは約20秒、15秒よりも小さいまたは約15秒、10秒よりも小さいまたは約10秒、5秒よりも小さいまたは約5秒、あるいはより小さいものであり得る。
【0025】
構成要素は、400℃を下回るまたは約400℃の温度に冷却されるなど、任意のしきい温度を下回って冷却され得、構成要素は、350℃を下回るまたは約350℃、300℃を下回るまたは約300℃、250℃を下回るまたは約250℃、200℃を下回るまたは約200℃、190℃を下回るまたは約190℃、180℃を下回るまたは約180℃、170℃を下回るまたは約170℃、160℃を下回るまたは約160℃、150℃を下回るまたは約150℃、140℃を下回るまたは約140℃、130℃を下回るまたは約130℃、120℃を下回るまたは約120℃、110℃を下回るまたは約110℃、100℃を下回るまたは約100℃、90℃を下回るまたは約90℃、80℃を下回るまたは約80℃、70℃を下回るまたは約70℃、60℃を下回るまたは約60℃、50℃を下回るまたは約50℃、あるいはより小さい温度に冷却され得る。いくつかの実施形態では、構成要素は、次いで、第2期間の間、随意の処理120においてエージングされ得る。エージングプロセスは、構成要素を、上述の任意の温度であり得るエージング温度に再加熱することを含み得るが、いくつかの実施形態では、急冷プロセスは、構成要素温度をエージング温度に低減するために実施されるにすぎないことがある。1つの非限定的な例として、構成要素は、約100℃から約200℃の間の温度に冷却されるにすぎないか、または、この温度範囲に再加熱され、前に説明されたようにエージングを誘起するために期間の間、この温度において維持され得る。いくつかの実施形態では、本方法は、次いで、随意の処理125において、ガス、液体、または単に空冷のいずれかによって、構成要素を冷却することを含み得る。エージングプロセスは、前述の任意の期間の間実施され得、いくつかの実施形態では、数時間の間実施され得る。
【0026】
上述のように、本技術は、1つまたは複数のガスまたは蒸気を供給することによって急冷処理を実施し得、これは、構成要素の汚染を制限し得る。いくつかの実施形態による構成要素が、複雑なチャネル構成と制限された開孔アクセスとを含み得るので、ガス流を利用することは、後で処理チャンバ中に放出され得る汚染物質の進入を制御し得る。たとえば、包含される構成要素は、基板支持体に組み込まれた構成要素を含み得る。いくつかの構成要素は、ヒータなどの構成要素を取り付け得るトレンチまたはチャネルを画定し得るか、または、構成要素の表面において画定された開孔を通して放出され得る、ガスなどの流体供給のための経路を画定し得る。本技術によって包含されるガスは、空気を含み得るが、いくつかの実施形態では、ガスは、酸素曝露を制限しないことがあり、したがって、いくつかの実施形態では、ガスは、温度制御され得る、窒素、アルゴン、ヘリウム、または何らかの他の非反応性ガスを含み得る。さらに、いくつかの実施形態では、水蒸気が、構成要素に噴霧または供給され得、これは、外側表面における温度低減を高め得、これは、構成要素への進入を制限し得る。
【0027】
プロセスに続いて、構成要素は、本技術によって向上させられ得る、または、前に説明されたように、汚染物質への構成要素の曝露を制限しながら与えられ得る、材料特性によって特徴づけられ得る。たとえば、プロセスは、増加された硬さと最終的な引張強度とによって特徴づけられた構成要素を与え得、これは、処理チャンバ中での使用に役立つ。たとえば、アルミニウム6061構成要素、ならびに、本技術に従って生成される、他の多くの材料が、T4またはT6焼き戻しと見なされるのに十分なビッカース硬さによって特徴づけられ得、65よりも大きいまたは約65、70よりも大きいまたは約70、75よりも大きいまたは約75、80よりも大きいまたは約80、85よりも大きいまたは約85、90よりも大きいまたは約90、95よりも大きいまたは約95、100よりも大きいまたは約100、105よりも大きいまたは約105、110よりも大きいまたは約110、あるいはより大きいビッカース硬さによって特徴づけられ得る。同様に、構成要素は、200MPaよりも大きいまたは約200MPaの最終的な引張強度によって特徴づけられ得、210MPaよりも大きいまたは約210MPa、220MPaよりも大きいまたは約220MPa、230MPaよりも大きいまたは約230MPa、240MPaよりも大きいまたは約240MPa、250MPaよりも大きいまたは約250MPa、260MPaよりも大きいまたは約260MPa、270MPaよりも大きいまたは約270MPa、280MPaよりも大きいまたは約280MPa、290MPaよりも大きいまたは約290MPa、300MPaよりも大きいまたは約300MPa、310MPaよりも大きいまたは約310MPa、320MPaよりも大きいまたは約320MPa、330MPaよりも大きいまたは約330MPa、340MPaよりも大きいまたは約340MPa、350MPaよりも大きいまたは約350MPa、あるいはより大きい最終的な引張強度によって特徴づけられ得、これは、従来の材料よりも改善された強度を提供し得る。
【0028】
前に説明されたように、本技術は、前に接合されており、材料特性を失ったかまたは低減していることがある、構成要素に適用され得る。さらに、本技術は、拡散接合プロセス中に急冷処理を実施するために適用され得、これは、後プロセス処理を低減または制限し得る。図2は、本技術のいくつかの実施形態による、構成要素を冷却する方法200における選択された処理を示す。方法200は、上記で説明された方法100の一部または全部の処理を含み得、いくつかの実施形態では、方法100の追加の詳細について説明し得る。方法200は、上記で説明されたように任意のチャンバ中で実施され得、以下でさらに説明されるように、拡散接合チャンバ中でも実施され得る。本方法は、本技術による方法に特に関連付けられることも関連付けられないこともある、図に示されているようないくつかの随意の処理を含み得る。たとえば、処理の多くは、構造形成のより広い範囲を提供するために説明されるが、その技術にとって重要でないか、または、本技術によって同様に包含されると当業者が諒解するような代替方法論によって実施され得る。
【0029】
方法200は、拡散接合プロセスの動作を含み得、チャンバ中に配置された2つまたはそれ以上の構成要素に対する処理を実施することを含み得る。たとえば、1つまたは複数の構成要素が、1つまたは複数のトレンチまたはチャネルを画定し得、1つまたは複数の構成要素が、その構成要素を通る1つまたは複数の開孔を画定し得る。接合処理の後に、チャネルおよび/または開孔は、構成要素内の流体経路またはゾーンを画定し得、ならびに/あるいは、追加の構成要素が取り付けられ得る凹部を生成し得る。処理205において、前に説明された構成要素のいずれかであり得、ならびに、前に説明された材料のいずれかから形成され得る、2つまたはそれ以上の構成要素は、拡散接合チャンバ内で加熱され得る。構成要素は、前に説明されたように、任意の温度に加熱され得る。加熱処理中に、構成要素はまた、処理210において圧縮され得る。たとえば、機械プレスは、構成要素に対して一軸力をかけ得、これは、熱と組み合わせられると、ピースの界面において構成要素が固溶体を生成することを引き起こし得、また、構成要素を拡散接合し得る。プレスは、構成要素、温度、および使用される材料に応じて、100psiから数千psiまでの力をかけ得る。前に説明された温度と時間のいずれも、方法200において利用され得るが、いくつかの実施形態では、拡散接合は、溶体化処理よりも小さい時間の間生じ得る。
【0030】
多くの従来の拡散接合チャンバは、接合の後に実施され得る冷却処理において制限され得る。たとえば、従来の拡散接合クールダウン処理は、急冷処理を行わないことがある、10℃/分よりも小さいまたは約10℃/分である温度レートで実施され得る。したがって、T6焼き戻しであった構成要素のピースが、たとえば、拡散接合中に材料強度を失い得、また徐冷によって各ピース内に、以前に生成されていた析出物が生成されないことがある。しかしながら、本技術は、処理215において構成要素を冷却し得、これは、拡散接合チャンバ中で実施され得る。たとえば、冷却は、方法100において前に説明されたように、拡散接合チャンバにガスを提供することと、基板を冷却することとを含み得る。前に説明された任意の材料を含む、任意のガスが提供され得る。
【0031】
冷却処理中に、熱は低減されるかまたは止められ得るが、いくつかの実施形態では、圧力は、依然として、冷却中に、ピースまたは接合された構成要素に加えられ得る。たとえば、機械プレスは、構成要素が冷却されるとき、構成要素に圧力を加え続け得る。プレスは、一定の圧力で維持され得るが、いくつかの実施形態では、圧縮は、冷却処理中に、増加または減少されるなど、随意の処理220において調整され得る。冷却は、構成要素が収縮することを引き起こし得るので、たとえば、プレスは、冷却処理中に接合が維持されることを保証するように、圧縮を調整し得る。温度は、上述の温度のいずれかに低減され得、いくつかの実施形態では、後続のエージングプロセスが、随意の処理225において実施され得る。たとえば、依然として拡散接合チャンバ中にある間、または、別個の加熱チャンバに移送された後に、基板は、前に説明されたように、一定期間の間、エージング温度において維持され得る。構成要素は、次いで、前に説明されたように、いくつかの実施形態では、随意の処理230において冷却され得る。得られた構成要素は、前に説明された材料特性のいずれかによって特徴づけられ得、プロセスは、拡散接合またはエージングプロセスの直後に完了され得る。これは、複数の焼戻しおよび接合処理が実施されるとき、構成要素に影響を及ぼし得る、熱的に誘起される応力を低減し得る。
【0032】
前に説明されたように、拡散接合チャンバが、ガス急冷を実施する能力がないことがあるので、本技術は、いくつかの実施形態では、ガス急冷を実施するように構成された拡散接合チャンバを含み得る。図3Aは、本技術のいくつかの実施形態による、例示的な拡散接合チャンバセットアップの概略断面図を示す。この図は、本技術に従って含まれ、上記で説明された方法が実施されることを可能にし得る、構成要素を示すことが意図されることを理解されたい。また、市販の実施形態における概略表現に対して任意の数の修正が実施され得、また、それらの修正が、依然として、拡散接合チャンバ中でガス急冷を実施するための本技術によって包含され得ることを理解されたい。
【0033】
図示のように、システム300が拡散接合チャンバ305を含み得、拡散接合チャンバ305は、接合プロセスが実施され得る容器であるか、またはその容器を含み得る。容器は、プロセスが生じ得るボリュームを画定する、1つまたは複数のチャンバ側壁310を含み得る。このボリューム内に基板支持体315があり得、その上で、構成要素が、たとえば、拡散接合され得る。チャンバは、1つまたは複数のヒータ320を含み得、ヒータ320は、図示のように、チャンバ側壁または基板支持体に組み込まれ得る。チャンバはまた、機械プレス325を付けられ得、機械プレス325は、拡散接合チャンバ内の構成要素を圧縮するように平行移動され得、また、前に説明されたように力を加えるように構成され得る。図示のように、ツーピース構成要素330が、基板支持体315上に配置され得、チャンバ内に単一の構成要素を生成するために接合され得る。容器は、ガスがチャンバにポンピングされる冷却処理中に加圧され得るので、プレス325は、いくつかの実施形態では、チャンバのためのシールとして動作し得るか、または、内部ボリュームを密閉して含んでいることがあるシールを通過し、ボリュームが加圧されることを可能にし得る。
【0034】
本技術は、前に説明された方法のいずれかによる、ガス冷却を提供するための構成要素または特徴をも含み得る。たとえば、システム300は、ガス源335および1つまたは複数の流体ライン340など、ガス供給システムを含み得、ならびに、拡散接合チャンバにガスを供給し得る、1つまたは複数のポンプを含み得る。図示のように、および以下でさらに詳細に説明されるように、チャンバ側壁310は、1つまたは複数のガス開孔345を画定し得、ガス開孔345は、上記で説明されたように、ガスが冷却動作中に拡散接合チャンバに供給されることを可能にし得、また、たとえば、水蒸気のものなど、噴霧パターンを生成し得るノズルを付けられ得る。システム300は、排気システムをも含み得、排気システムは、ポンプ350を含み得、また、いくつかの実施形態では、ガスが冷却処理中にチャンバからポンピングされること、ならびに真空環境を生成することを可能にし得る。供給されるガスが構成要素によって急速に加熱され得るので、排気システムは、供給されているガスのボリュームをアクティブにポンピングし得、これは、構成要素の冷却を向上させ得る。
【0035】
図3Bは、本技術のいくつかの実施形態による、例示的な拡散接合チャンバセットアップの概略断面図を示し、図3Aからの線A-Aに沿ったシステム300を示し得る。断面図に示されているように、チャンバ側壁310が、システムを通る複数の開孔345を画定し得、これは、チャンバの周りの複数のロケーションにおいてガスが供給されることを可能にし得る。これは、前に説明された冷却処理中の、部品のより均一な冷却を保証し得る。複数の開孔へのガス源335の結合は、個々の結合を伴うもの、ならびに、図示のように、側壁310上の単一のアクセスポイントへのものなど、任意の数のやり方で生じ得る。そのアクセスポイントは、チャンバの外周の周りに延在するチャネル360へのアクセスを提供し得、また、すべてのガス開孔345への流体アクセスを提供し得、これは、システムハードウェアおよび結合を制限し得る。プレス、ヒータ、ならびにガス供給および排気システムを動作させるためにコントローラが含まれ得、これは、前に説明された方法のいずれかに従って、ガス急冷が拡散接合チャンバ中で実施されることを可能にし得る。
【0036】
前述の説明では、説明の目的で、本技術の様々な実施形態の理解を提供するために、多数の詳細が記載された。しかしながら、いくつかの実施形態が、これらの詳細のうちのいくつかなしに、または追加の詳細とともに実践され得ることが、当業者には明らかであろう。
【0037】
いくつかの実施形態を開示したが、それらの実施形態の趣旨から逸脱することなく、様々な修正、代替構成、および等価物が使用され得ることが、当業者によって認識されよう。さらに、本技術を不必要に不明瞭にすることを回避するために、いくつかのよく知られているプロセスおよび要素は説明されていない。したがって、上記の説明は、本技術の範囲を限定するものとしてとられるべきでない。
【0038】
値の範囲が提供される場合、コンテキストが別段に明確に規定しない限り、その範囲の上限と下限との間の各介在値も、下限の単位の最も小さい部分まで、具体的に開示されることが理解される。述べられた範囲における任意の述べられた値または述べられていない介在値と、その述べられた範囲における任意の他の述べられた値または介在値との間の任意のより狭い範囲が包含される。それらのより小さい範囲の上限および下限は、独立して、範囲中に含まれるかまたは除外され得、より小さい範囲中に、いずれの限界も含まれない、いずれかの限界が含まれる、または両方の限界が含まれる、各範囲も、述べられた範囲における任意の明確に除外される限界を条件として、技術内に包含される。述べられた範囲が限界の一方または両方を含む場合、それらの含まれた限界のいずれかまたは両方を除く範囲も含まれる。
【0039】
本明細書および添付の特許請求の範囲で使用される単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈が別段に明確に規定しない限り、複数の参照を含む。したがって、たとえば、「1つの層(a layer)」への参照は、複数のそのような層を含み、「その前駆体(the precursor)」への参照は、1つまたは複数の前駆体と当業者に知られているそれの等価物とへの参照を含み、以下同様である。
【0040】
また、本明細書および以下の特許請求の範囲で使用される「備える、含む(comprise(s))」、「備える、含む(comprising)」、「含んでいる(contain(s))」、「含んでいる(containing)」、「含む(include(s))」、および「含む(including)」という単語は、述べられた特徴、整数、構成要素、または処理の存在を指定するものであるが、それらは、1つまたは複数の他の特徴、整数、構成要素、処理、行為、またはグループの存在または追加を排除しない。
図1
図2
図3A
図3B
【国際調査報告】