(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-09
(54)【発明の名称】部分的にエッチングされた構造の非共形不動態化のためのin-situの炭化水素系層
(51)【国際特許分類】
H01L 21/3065 20060101AFI20240702BHJP
【FI】
H01L21/302 105A
H01L21/302 101B
H01L21/302 101C
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023577293
(86)(22)【出願日】2022-06-13
(85)【翻訳文提出日】2024-01-30
(86)【国際出願番号】 US2022033292
(87)【国際公開番号】W WO2022266007
(87)【国際公開日】2022-12-22
(32)【優先日】2021-06-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】592010081
【氏名又は名称】ラム リサーチ コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】LAM RESEARCH CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】弁理士法人明成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ハドソン・エリック
(72)【発明者】
【氏名】レディ・カプ・シリシュ
(72)【発明者】
【氏名】プセンコヴィラカム・ラゲシュ
(72)【発明者】
【氏名】デシュムク・シャシャンク
(72)【発明者】
【氏名】クマル・プラバート
(72)【発明者】
【氏名】プラバカラ・ゴパラダス
(72)【発明者】
【氏名】ユン・ソクミン
(72)【発明者】
【氏名】チャン・シン
【テーマコード(参考)】
5F004
【Fターム(参考)】
5F004AA09
5F004BA09
5F004BA20
5F004BB13
5F004BB18
5F004BB22
5F004BB23
5F004BB25
5F004BB26
5F004BB28
5F004BD04
5F004CA02
5F004CA03
5F004CA04
5F004DA00
5F004DA15
5F004DA23
5F004DA26
5F004DA27
5F004DA28
5F004DB03
5F004EA03
5F004EA07
5F004EA28
5F004EB01
(57)【要約】
【解決手段】スタックの第2の領域に対して第1の領域に少なくとも1つのフィーチャを選択的にエッチングするための方法が提供される。第1の領域に少なくとも1つの部分フィーチャを形成するために、第1の領域は、第2の領域に対して選択的にエッチングされ、少なくとも1つの部分フィーチャは、第2の領域の表面に対して深さを有する。in-situでフッ素を含まない非共形炭素含有マスクが第1の領域および第2の領域の上に堆積され、炭素含有マスクは、第1の厚さである第1の領域に対して第2の厚さで第2の領域上に選択的に堆積され、第2の厚さは、第1の厚さよりも大きい。第1の領域は、in-situでさらにエッチングされ、少なくとも1つの部分フィーチャをエッチングし、炭素含有マスクは、第2の領域に対するエッチングマスクとして作用する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
スタックの第2の領域に対して第1の領域に少なくとも1つのフィーチャを選択的にエッチングするための方法であって、
a)前記第1の領域に少なくとも1つの部分フィーチャを形成するために前記第2の領域に対して前記第1の領域を選択的にエッチングし、前記少なくとも1つの部分フィーチャは、前記第2の領域の表面に対して深さを有し、
b)前記第1の領域および前記第2の領域の上にフッ素を含まない非共形炭素含有マスクをin-situで堆積させ、前記炭素含有マスクは、第1の厚さである前記第1の領域に対して第2の厚さで前記第2の領域上に選択的に堆積され、前記第2の厚さは、前記第1の厚さよりも大きく、
c)前記少なくとも1つの部分フィーチャをエッチングするために前記第1の領域をin-situでさらにエッチングすること、を備え、前記炭素含有マスクは、前記第2の領域に対するエッチングマスクとして作用する、方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、
前記第1の領域は、酸化ケイ素領域を備え、前記第2の領域は、低酸素領域を備える、方法。
【請求項3】
請求項2に記載の方法であって、
前記第2の領域は、窒化ケイ素領域を備える、方法。
【請求項4】
請求項1に記載の方法であって、
前記第1の領域を選択的にエッチングすることは、少なくとも1つの部分フィーチャを少なくとも20nmの深さまでエッチングすることを備える、方法。
【請求項5】
請求項1に記載の方法であって、
前記炭素含有マスクは、炭化水素を備える、方法。
【請求項6】
請求項5に記載の方法であって、
前記炭素含有マスクは、プラズマ強化化学気相堆積(PECVD)によって堆積される、方法。
【請求項7】
請求項6に記載の方法であって、
前記さらにエッチングすることは、原子層エッチングすることである、方法。
【請求項8】
請求項7に記載の方法であって、
ステップbおよびcを繰り返すことをさらに備える、方法。
【請求項9】
請求項1に記載の方法であって、
前記炭素含有マスクは、20℃~250℃の温度で堆積される、方法。
【請求項10】
請求項1に記載の方法であって、
前記さらにエッチングすることは、原子層エッチングすることである、方法。
【請求項11】
請求項1に記載の方法であって、
ステップbおよびcを繰り返すことをさらに備える、方法。
【請求項12】
請求項1に記載の方法であって、
前記炭素含有マスクをアッシングすることをさらに備える、方法。
【請求項13】
請求項1に記載の方法であって、
前記第1の領域における前記少なくとも1つの部分フィーチャは、前記スタックの凹状領域を形成し、前記スタックの残りの部分は、前記スタックの非凹状領域を形成し、前記第1の領域および前記第2の領域の上にフッ素を含まない非共形炭素含有マスクをin-situで堆積させることは、幾何学的形状に基づいて前記凹状領域に対して前記非凹状領域上に選択的に堆積させることを備える、方法。
【請求項14】
スタックの第2の領域に対して第1の領域に少なくとも1つのフィーチャを選択的にエッチングするための装置であって、
(a)プロセッサと、
(b)前記プロセッサによって実行可能な命令を記憶する非一時的メモリと
を備え、
(c)前記命令は、前記プロセッサによって実行されると、
i)前記第1の領域に少なくとも1つの部分フィーチャを形成するために前記第2の領域に対して前記第1の領域を選択的にエッチングするステップと、前記少なくとも1つの部分フィーチャは、前記第2の領域の表面に対して深さを有し、
ii)前記第1の領域および前記第2の領域の上にフッ素を含まない非共形炭素含有マスクをin-situで堆積させるステップと、前記炭素含有マスクは、第1の厚さである前記第1の領域に対して第2の厚さで前記第2の領域上に選択的に堆積され、前記第2の厚さは、前記第1の厚さよりも大きく、
iii)前記少なくとも1つの部分フィーチャをエッチングするために前記第1の領域をin-situでさらにエッチングするステップと実施し、前記炭素含有マスクは、前記第2の領域に対するエッチングマスクとして作用する
装置。
【請求項15】
請求項14に記載の装置であって、
前記第1の領域は、酸化ケイ素領域を備え、前記第2の領域は、低酸素領域を備える、装置。
【請求項16】
請求項15に記載の装置であって、
前記第2の領域は、窒化ケイ素領域を備える、装置。
【請求項17】
請求項14に記載の装置であって、
前記第1の領域を選択的にエッチングすることは、少なくとも1つの部分フィーチャを少なくとも20nmの深さまでエッチングすることを備える、装置。
【請求項18】
請求項14に記載の装置であって、
前記炭素含有マスクは、炭化水素を備える、装置。
【請求項19】
請求項18に記載の装置であって、
前記炭素含有マスクは、プラズマ強化化学気相堆積(PECVD)によって堆積される、装置。
【請求項20】
請求項19に記載の装置であって、
前記さらにエッチングするステップは、原子層エッチングするステップである、装置。
【請求項21】
スタックの窒化物領域に対して酸化物領域に少なくとも1つのフィーチャを選択的にエッチングするための方法であって、
リアクタチャンバに窒化物領域および酸化物領域を有するスタック構造を提供し、
60W未満のバイアスで前記リアクタチャンバにCOガスを追加し、
炭素系マスクを、前記窒化物領域上の前記マスクが前記酸化物領域上の前記マスクよりも高い速度で堆積されるように選択的に堆積し、前記酸化物領域よりも厚い層を前記窒化物領域上に形成し、
前記スタック上でin-situでエッチングを実施し、それによって前記酸化物領域をエッチングして前記酸化物領域にフィーチャを形成すること、を備える、方法。
【請求項22】
請求項21に記載の方法であって、
前記酸化物領域は、SiO
2を含む、方法。
【請求項23】
請求項21に記載の方法であって、
前記窒化物領域は、SiNを含む、方法。
【請求項24】
請求項21に記載の方法であって、
H
2ガスは、前記リアクタチャンバ内で前記COガスと混合される、方法。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本出願は、2021年6月15日に出願された米国出願第63/210,807号の優先権の利益を主張し、上記の開示は、あらゆる目的で参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
ここで提供される背景の説明は、本開示の内容を概ね提示することを目的とする。この背景技術のセクションで説明されている情報、ならびに出願の時点で先行技術として別途みなされ得ない説明の態様は、明示または暗示を問わず、本開示に対抗する先行技術として認められない。
【0003】
本開示は、半導体ウエハ上に半導体デバイスを形成する方法に関する。より具体的には、本開示は、非共形(non-conformal)不動態化の使用による材料の選択的エッチングに関する。
【0004】
半導体デバイスの最小のフィーチャ寸法は、ムーアの法則に従って絶えず縮小されている。半導体ウエハ上のマスキング層内に小さなフィーチャをエッチングすることは、困難な場合がある。これらのフィーチャの1つは、第1の金属層と、ゲートおよびソース/ドレイン(S/D)を有するケイ素層との間のコンタクトである。
【0005】
コンタクトのホールまたはトレンチが、下にあるゲートおよびS/Dに対して非常に正確に載置されることが望ましい。現在のフォトリソグラフィツールは、コンタクトの載置要件を部分的にしか満たすことができない。したがって、コンタクトエッチングにより、ゲートの周囲のスペーサが露出してしまう場合がある。そのような露出は、多くの場合、スペース材料の角部の損失を引き起こし、結果として電気漏れが生じる。
【0006】
ゲートキャップ層のエッチングに関して、キャップの不動態化と開口部(例えば、コンタクトホール)の臨界寸法(CD)の減少との間のトレードオフにより、最終的なCDが目標を下回るか、またはCDが小さすぎるか閉じられている領域におけるコンタクトのエッチングが不完全になる場合がある。
【0007】
現在の技術は、フルオロカーボン(FC)、典型的にはヘキサフルオロ-1,3-ブタジエン(C4F6)および/またはハイドロフルオロカーボン(HFC)、典型的にはフルオロメタン(CH3F)前駆体に基づく堆積層を介した不動態化に依存しており、場合によっては他の反応剤と混合される。これにより、中程度の密度およびかなりのフッ素含有量を有するポリマーが生成され、その結果、キャップ層を不動態化する際の膜の有効性が低下する。特に、高エネルギーのイオンがエッチングまたは原子層エッチング(ALE)活性化ステップ中に不動態化膜に衝突すると、不動態化中のフッ素が結合しなくなり、キャップ窒化物と反応しやすくなり、したがってキャップのエッチングを促進する可能性がある。
【発明の概要】
【0008】
上記を達成するために、本開示の目的に従って、スタックの第2の領域に対して第1の領域に少なくとも1つのフィーチャを選択的にエッチングするための方法が提供される。第1の領域に少なくとも1つの部分フィーチャを形成するために、第1の領域は、第2の領域に対して選択的にエッチングされ、少なくとも1つの部分フィーチャは、第2の領域の表面に対して深さを有する。in-situでフッ素を含まない非共形炭素含有マスク(fluorine-free, non-conformal, carbon-containing mask)が第1の領域および第2の領域の上に堆積され、炭素含有マスクは、第1の厚さである第1の領域に対して第2の厚さで第2の領域上に選択的に堆積され、第2の厚さは、第1の厚さよりも大きい。第1の領域は、in-situでさらにエッチングされ、少なくとも1つの部分フィーチャをエッチングし、炭素含有マスクは、第2の領域に対するエッチングマスクとして作用する。
【0009】
別の明示では、スタックの第2の領域に対して第1の領域に少なくとも1つのフィーチャを選択的にエッチングするための装置が提供される。プロセッサが提供される。命令を記憶する非一時的メモリは、プロセッサによって実行可能である。命令は、プロセッサによって実行されると、第1の領域に少なくとも1つの部分フィーチャを形成するために、第2の領域に対して第1の領域を選択的にエッチングし、少なくとも1つの部分フィーチャは、第2の領域の表面に対して深さを有し、第1の領域および第2の領域の上にフッ素を含まない非共形炭素含有マスクをin-situで堆積し、炭素含有マスクは、第1の厚さである第1の領域に対して第2の厚さで第2の領域上に選択的に堆積され、第2の厚さは、第1の厚さよりも大きいことと、第1の領域をin-situでさらにエッチングし、少なくとも1つの部分フィーチャをエッチングすることであって、炭素含有マスクは、第2の領域に対するエッチングマスクとして作用することとを含むステップを実施する。
【0010】
別の明示では、スタックの窒化物領域に対して酸化物領域に少なくとも1つのフィーチャを選択的にエッチングするための方法が提供される。窒化物領域および酸化物領域を有するスタック構造が、リアクタチャンバに提供される。COガスが、60W未満のバイアスでリアクタチャンバに追加される。炭素系マスクが、窒化物領域上のマスクが酸化物領域上よりも高い速度で堆積されるように選択的に堆積され、酸化物領域よりも厚い層を窒化物領域上に形成する。in-situでエッチングがスタック上で実施され、それによって酸化物領域をエッチングして酸化物領域にフィーチャを形成する。
【0011】
本開示のこれらおよび他の特徴は、詳細な説明において以下の図と併せて以下でより詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
本開示は、限定としてではなく例として添付の図面の図に示されており、図において同様の参照番号は同様の要素を指す。
【0013】
【
図1】
図1は、一実施形態の高レベルフロー図である。
【0014】
【
図2A】
図2Aは、一実施形態に従って処理されたスタック構造の概略断面図である。
【
図2B】
図2Bは、一実施形態に従って処理されたスタック構造の概略断面図である。
【
図2C】
図2Cは、一実施形態に従って処理されたスタック構造の概略断面図である。
【
図2D】
図2Dは、一実施形態に従って処理されたスタック構造の概略断面図である。
【0015】
【
図3】
図3は、別の実施形態の詳細なフローチャートである。
【0016】
【
図4】
図4は、別の実施形態に従って処理された構造の概略断面図である。
【0017】
【
図5】
図5は、別の実施形態の高レベルフローチャートである。
【0018】
【
図6A】
図6Aは、一実施形態に従って処理されたスタック構造の概略断面図である。
【
図6B】
図6Bは、一実施形態に従って処理されたスタック構造の概略断面図である。
【
図6C】
図6Cは、一実施形態に従って処理されたスタック構造の概略断面図である。
【
図6D】
図6Dは、一実施形態に従って処理されたスタック構造の概略断面図である。
【0019】
【
図7】
図7は、一実施形態で使用することができるエッチングチャンバの概略図である。
【0020】
【
図8】
図8は、一実施形態を実践する際に使用することができるコンピュータシステムの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
次に、本開示は、添付の図面に示されるそのいくつかの例示的な実施形態を参照して詳細に説明される。以下の説明では、本開示の完全な理解を提供するために、多数の具体的な詳細が記載されている。しかし、本開示がこれらの具体的な詳細の一部または全部がなくても実践することができることは、当業者には明らかであろう。他の例では、本開示を不必要に曖昧にしないように、周知のプロセスステップおよび/または構造は詳細に説明されていない。
【0022】
本開示の技術の一態様は、部分エッチング後にエッチングツール内でin-situで堆積される非共形の緻密な炭素層または膜であり、これによりフィーチャ(例えば、開口部)の臨界寸法(CD)の減少を最小限に抑える非常に薄い膜によるキャップ層の不動態化が可能になる。一実施形態では、炭素層の堆積は、炭化水素前駆体を使用してフッ素を含まない炭素層を生成するプラズマ強化化学気相堆積(PECVD)プロセスを介して実施される。炭素層の堆積は、エッチング前のスタック堆積によってではなく、エッチングプロセス中にin-situで形成される。したがって、エッチングおよびカーボンPECVD堆積プロセスは、同じプロセスの実行中に同じリアクタ内で実施される。
【0023】
本明細書に開示されるプロセスは、半導体ウエハ上のマスキング層内に小さなフィーチャをエッチングするのに特に有用であり、特に、第1の金属層と、ゲートおよびソース/ドレイン(S/D)を有するケイ素層との間のコンタクトをエッチングするのに有用である。
【0024】
そのようなフィーチャは、典型的には、自己整合コンタクト(SAC)と呼ばれるプロセスによって準備される。現在のSACエッチングプロセスは、一連の酸化物原子層エッチング(ALE)ステップを利用して、キーとなる重要な結果:(1)キャップ材料(典型的にはSiNまたは低kのSiONライナ)の損失を最小限に抑え、コンタクトとゲートとの間の漏れ/短絡を回避すること、および(2)コンタクト内の酸化物の堅牢かつ完全なエッチングをもたらすのに十分な大きさのCDを維持し、非常に低いコンタクト抵抗の故障率(典型的には<1/1e8)を確実にすること、の間のトレードオフを管理する。実際には、このトレードオフは、キャップ層がカットマスクの異なる周囲レイアウトを有するためにさらに複雑であり、すべてが上記の結果に影響を与えるシェーディング条件の範囲が生じる。典型的には、影が濃いエリアは不動態化が少なく、過度のキャップ損失が起こりやすく、影が少ないエリアは不動態化が多く、小さなCD/不完全なエッチングが起こりやすい。この負荷効果は、上記のトレードオフを回避するためにプロセスウィンドウをさらに制限する。
【0025】
本技術の一実施形態は、in-situのPECVD炭素系不動態膜を導入することによって現在の問題に対処する。そのような実施形態では、非共形カーボンPECVD堆積は、酸化物コンタクトが少なくとも20nmだけ凹状にされたとき、部分エッチング後に実施される。その後のコンタクト内の酸化物のエッチングは、小さなCDおよび/または不完全なエッチングの問題を引き起こすことなく、キャップ窒化物の効果的な不動態化を提供する炭素膜で行われる。この場合、酸化物の最初の凹部は、キャップ層表面に対して酸化物のエッチングフロントでより大きなシェーディングを生み出す。これにより、酸化物のエッチングフロントよりもキャップ層上により多くの炭素堆積が可能となり、エッチングフロントでの炭素堆積による望ましくないエッチストップが回避される。
【0026】
別の実施形態は、酸化物領域に対して窒化物領域のin-situ不動態化のための選択的堆積プロセスであり、炭素系膜またはマスクは、酸化物領域よりもはるかに高い速度で窒化物領域上に選択的に堆積される。一実施形態では、選択的堆積プロセスは、小さなCDのSACエッチングのために酸化物領域(例えば、SiO2を含む)の一部を除去することを目的としたエッチングの一部として実施され得る。この実施形態では、選択的堆積プロセスは、エッチングチャンバ内の環境と共に2つの領域間の特有の材料性質を利用して、炭素系マスクの選択的堆積を行う。
【0027】
理解を容易にするために、
図1は、一実施形態の高レベルフロー図である。第1および第2の領域を有するスタック構造200が提供される(ステップ104)。
図2Aは、層230内に交互の第1の領域204および第2の領域208を有するスタック構造200の一部の概略断面図である。一実施形態では、層230は、最終的に第1の領域204内にコンタクトを形成し、第2の領域208内にゲートを形成する層を含む。この例では、第1の領域204は、酸化ケイ素などの安定な酸化物を含む酸化物領域を含み、第2の領域208は、低酸素領域を含む。一実施形態では、低酸素領域は、例えば、SiN、酸窒化ケイ素(SiON)、酸炭窒化ケイ素(SiOCN)、酸窒化ケイ素(SiON)、酸炭化ケイ素(SiOC)、炭窒化ケイ素(SiCN)、有機酸化ケイ素(SiOCHx)(バックエンドオブライン(BEOL)低k)、炭化ケイ素(SiC)などの材料を有する低酸素ケイ素含有領域をさらに含むことができる。他の実施形態では、低酸素ケイ素含有領域の代わりに他の低酸素領域が使用されてもよい。例えば、シリコンゲルマニウム(SiGe)、ゲルマニウム(Ge)、元素金属、または金属窒化物は、低酸素領域を形成することができ、かつ保護することができ、それによりSiO
2がこれらの材料に関して選択的にエッチングされ得る。低酸素領域は、酸化ケイ素よりも酸素濃度が低い。
【0028】
図2A~
図2Dに示す実施形態の幾何学的形状は、簡略化された形で提示されており、そこに開示される要素に関する具体的な詳細(例えば、ゲートまたはコンタクト構造/幾何学的形状)は、明確にするために省略されていることを理解されたい。例えば、様々な実施形態において、第2の領域208は、均質な材料で構成されるのではなく、層230の表面216を形成する低酸素含有材料(例えば、窒化物)を含むキャップ層(図示せず)、ならびに第2の領域208の側面における窒化物スペーサ(図示せず)によって包含された多数の材料または領域から形成され、第1の領域204と第2の領域208との間にバッファを形成する。
【0029】
マスク212が、層230の表面216の上に形成される。一実施形態では、マスク212は、パターニングされたフォトレジストのフォトリソグラフィマスクを含む。
図2A~
図2Dに示すように、マスク212は、多数の交互の第1の領域204および第2の領域208を広く露出するように構成され得る。
【0030】
スタック構造200が提供された後、フォトリソグラフィマスク212によって覆われていない第1の領域204の1つまたは複数にフィーチャを部分的にエッチングする選択的部分エッチングが実施される(ステップ108)。第2の領域208は、第1の領域204よりもエッチングがはるかに少ない。
図2Bは、選択的部分エッチング(ステップ108)が完了した後のスタック構造200の断面図である。この例では、フォトリソグラフィマスク212によって覆われていない第1の領域204が部分的にエッチングされ、層230の表面の下の第1の深さd
1まで部分フィーチャ220、特にトレンチまたは凹部を形成する。一実施形態では、深さd
1は、少なくとも20nmである。
【0031】
この実施形態では、フィーチャ220(例えば、トレンチまたはホール)は、10nm未満の臨界寸法(CD)または幅を有する。様々な実施形態において、フィーチャ220は、6~15nmの幅を有する。したがって、部分エッチング(ステップ108)後のフィーチャ220の深さ対幅のアスペクト比は、一般に、少なくとも2:1となる。様々な実施形態において、第1の領域204にエッチングされるフィーチャ220の最終的な深さ対幅のアスペクト比は、少なくとも6:1である。例えば、フィーチャ220は、深さ対幅のアスペクト比を有し、6:1~12:1以上である。
【0032】
一実施形態では、各第1の領域204は、半導体処理チャンバ、特に
図7に提供されるエッチングチャンバ700などの誘電体エッチングチャンバ内で原子層エッチング(ALE)プロセスを使用して選択的にエッチングされる。この実施形態では、ALEは、ヘキサフルオロ-1,3-ブタジエン(C
4F
6)の反応剤ガスを供給する。C
4F
6は、第1の(例えば、酸化ケイ素)領域204(および、存在する場合には自然酸化ケイ素層)の上にポリマー堆積層を形成する。反応剤ガスがパージされ、アルゴン(Ar)の活性化ガスが供給される。Arは堆積層を活性化し、堆積されたフッ素が第1の領域204における(部分)フィーチャ220を選択的にエッチングするようにする。所望に応じて、選択的堆積ステップおよび選択的エッチングステップのALEプロセスは、第1の深さd
1が達成されるまで複数のサイクルにわたって繰り返すことができる。しかし、ステップ104の選択性が高くないため、第2の領域208の一部もエッチングで除去される可能性がある。したがって、このエッチングは、プロセスにおける次のステップに好ましい所望の幾何学的形状(例えば、フィーチャ220のアスペクト比)を確立する部分エッチングとしてのみ使用される。
【0033】
一例では、5~500mTorrのチャンバ圧力が提供される。エッチングガスは、1~200標準立方センチメートル毎分(sccm)の六フッ化タングステン(WF6)、1~300sccmのジフルオロメタン(CH2F2)、1~200sccmの酸素、および50~1000sccmのArを含む。エッチングを形成するために、ガスおよび20~1000Wの変圧器結合プラズマ(TCP)バイアスが提供される。別の実施形態では、エッチングガスは、C4F6を含み得る。
【0034】
いくつかの実施形態では、エッチングガスは、酸素含有成分をさらに含む。いくつかの実施形態では、酸素含有成分は、酸素(O2)、オゾン(O3)、二酸化炭素(CO2)、一酸化炭素(CO)、一酸化窒素(NO)、二酸化窒素(NO2)、亜酸化窒素(N2O)、二酸化硫黄(SO2)、三酸化硫黄(SO3)、水(H2O)、過酸化物(H2O2)、および硫化カルボニル(COS)の少なくとも1つを含む。様々な実施形態において、エッチングガスは、不活性ガスをさらに含む。いくつかの実施形態では、不活性ガスは、窒素、ヘリウム、アルゴン、およびネオンからなる群から選択される。様々な実施形態において、プラズマが、5~500ミリトルの圧力において30~500ワットの電力で形成される。
【0035】
選択的部分フィーチャエッチングが完了した後(ステップ108)、堆積ステップ(ステップ112)が部分エッチングステップ108の処理に使用されるのと同じチャンバ内でin-situで実施され、スタック構造200の非マスク領域の上にフッ素を含まない炭素含有非共形マスク224(ハードマスクとも呼ばれる)を形成する。
図2Cに見られるように、非共形マスク224は、第2の領域208に対して第1の領域204の上に異なるように配置された層を含み、第2の領域に対するエッチングマスクとして作用する。特に、ハードマスク224は、凹状の第1の領域204のエッチングされたフィーチャ220に堆積される厚さt
1よりも大幅に大きい第2の厚さt
2で第2の領域208上に選択的に堆積される。ハードマスク224の非共形性は、主に幾何学的形状と相関しており、すなわち、層230の層表面216における堆積のレベルまたは厚さと比較すると、層表面216/非凹状の第2の領域208に対してエッチングフロント(フィーチャ220)におけるシェーディングが大きいため、フィーチャ220(例えば、トレンチ、凹部など)内には堆積がほとんどまたは全く発生しない。一実施形態では、トレンチまたはフィーチャ220における厚さt
1は、0nm~4nmの範囲である。別の実施形態では、フィーチャ220におけるマスク224の厚さt
1は、1nm~2nmの範囲である。対応して、表面216/第2の領域208におけるマスク224の厚さt
2は、1nm~4nmの範囲である。
【0036】
一実施形態では、非共形マスク224は、プラズマ強化化学気相堆積(PECVD)プロセスを使用して適用されるin-situの炭素系不動態化膜を含む。典型的なフッ素系前駆体(例えば、フルオロカーボン(FC、典型的にはC4F6)および/またはハイドロフルオロカーボン(HFC、典型的にはCH3F))ではなく、ステップ112のPECVDプロセスは、炭化水素を利用して非共形マスク224を生成し、すなわち、PECVDプロセスで使用されるガスは、フッ素もハロゲンも含まない。例示的なHC前駆体には、C2H2(アセチレン)、C2H4(エチレン)、C3H6(プロピレン)などが挙げられ得る。堆積されたマスク224は、後続のエッチングプロセスに耐える高密度の炭素系膜を含む。いくつかの実施形態では、マスク224は、炭化水素(HC)を含む。様々な実施形態において、炭化水素含有層は、純粋な炭化水素層であってもよい。
【0037】
一実施形態では、PECVD非共形堆積ステップ112は、典型的なエッチングリアクタ/チャンバと適合する条件下で実施される。例えば、一実施形態では、非共形堆積ステップ112は、マスク224が0℃~250℃のウエハ温度で堆積されるように実施される。他の実施形態では、マスク224は、60℃~180℃のウエハ温度で堆積される。さらなる実施形態では、マスク224は、80℃~140℃のウエハ温度で堆積される。加えて、一実施形態では、堆積ステップ112は、マスク224が5mTorr~500mTorrのチャンバ圧力で堆積されるように実施される。他の実施形態では、マスク224は、200mTorr未満のチャンバ圧力で堆積される。
【0038】
堆積ステップ112が完了すると、スタック構造200のさらなるエッチングがステップ108および112と同じチャンバ内でin-situにおいてエッチングステップ116で実施され、層表面216に関して追加の深さをトレンチまたはフィーチャ220に追加する。
図2Dに見られるように、エッチングステップ116後の層表面216に関するトレンチまたはフィーチャ220の深さは、深さd
2まで増加する。一実施形態では、深さd
2は、フィーチャ220に望ましい最終的な深さであり、例えば、スタック構造200の少なくとも一部に構成されるフィン電界効果トランジスタ(FinFET)におけるフィン(図示せず)に達するのに望ましい深さである。一実施形態では、さらなるエッチングステップ116は、上で詳述したステップ108と同様のALEプロセスを介して実施される。
【0039】
ステップ112で堆積されたマスク224は誘電体エッチングプロセスに対して耐性があるため、第2の領域208の上のより厚い炭素膜は、小さなCDおよび/または不完全なエッチングに関する問題を引き起こすことなく、第2の領域208の効果的な不動態化を提供する。この場合、フィーチャ220におけるマスク224のゼロまたは小さな厚さが迅速に除去され、それによりフィーチャ220がさらに選択的にエッチングされる一方、第2の領域は、より厚いマスク224のカバーの下で実質的にエッチングされないままである。第2の領域208の角部228は、エッチングプロセスに対して特に敏感である。典型的には、角部228の大幅な丸みまたは面取りは、コンタクトエッチングプロセスの結果として生じる。しかし、
図2Cに詳述されている炭素系非共形マスク224を用いると、そのような丸みは、第2の領域208の適切な不動態化の結果として最小限に抑えられ、かつ/または回避される。
【0040】
炭素系非共形マスク224は、以下の理由により従来のFCまたはHFCのin-situの不動態化膜よりも優れている:(1)より高い膜密度により単位厚さ当たりのイオンの減衰が増大し、第2の領域208をイオン誘起エッチング反応からより良好に保護する、および(2)フッ素含有量が低いかゼロであるため、エッチング(ALE)プロセスに固有の第2の領域208の望ましくないエッチングを促進する傾向がある潜在的なフッ素源が除去される。
【0041】
一実施形態では、さらなるエッチングステップ116後に達成される深さは十分であり、すなわち、達成される深さd2=dfinalである。例えば、スタック構造200の一実施形態では、トレンチまたはフィーチャ220の深さは、(図示されていない後続の処理ステップにおいて)金属材料で充填されたとき、スタック構造200における適切なフィーチャによるコンタクトを形成するような深さである。様々な実施形態において、さらなるエッチングステップ116後の第2の領域208におけるマスク224もまた、第2の領域208の材料を実質的に除去することなく、深さd2に達した時点でエッチングまたは除去される。そのような実施形態では、堆積ステップ112中に堆積される第2の領域208における厚さt2は、材料がさらなるエッチングステップ116後に全くまたはほとんど残らないように調節され得る。他の実施形態では、追加の後処理ステップ(例えば、ウェット洗浄、アッシング、または同様のプロセス)を使用して、残留する非共形マスク224を除去することが可能である。一実施形態では、アンモニア(NH3)および過酸化水素(H2O2)の水溶液を使用して、残っている非共形マスク224を選択的に除去する。別の実施形態では、エッチングステップ116後、in-situのO2系プラズマストリップが同じリアクタ内で実施され、残っている非共形マスク224を選択的に除去する。別の実施形態では、エッチングステップ116後、ポリマーストリップが、典型的な酸化または還元ストリップ化学物質および条件を使用して異なるリアクタ内で実施されてもよい。
【0042】
別の実施形態では、さらなるエッチングステップ116後の深さは、十分ではない(例えば、d
2≠d
final)。そのような場合、堆積ステップ112およびさらなるエッチングステップ116は、深さd
finalが達成されるまで反復的にサイクルされてもよい。
図3に示されるように、第1および第2の領域を有するスタック構造200が提供される(ステップ304)。スタック構造200が提供された後、フォトリソグラフィマスク212によって覆われていない第1の領域204の1つまたは複数にフィーチャ220を部分的にエッチングする選択的部分エッチングが実施される(ステップ308)。堆積ステップ(ステップ312)が、部分エッチングステップ308の処理に使用されるのと同じチャンバ内でin-situで実施され、スタック構造200の非マスク領域の上にフッ素を含まない炭素含有非共形マスク224を形成する。次に、スタック構造200のさらなるエッチングが、ステップ308および312と同じチャンバ内でin-situにおいてステップ316で実施され、層表面216に関して追加の深さをトレンチまたはフィーチャ220に追加する。ステップ320において、所望の深さに達したかどうかが決定される。達していない場合(例えば、d
2≠d
final)、最終的な深さが達成されるまで(例えば、d
2=d
final)、ステップ312および316が繰り返される。ステップ320における決定は、センサを介して、またはステップ316におけるさらなるエッチングの深さが再現可能および/もしくは予測可能である場合には自動的に行われてもよい。
【0043】
本説明、ならびに
図1、
図2A~
図2D、および
図3に示すプロセスステップの目的のために、in-situは、すべてのプロセス(例えば、部分エッチング、マスク堆積、さらなるエッチング)が、同じ基板支持体上の同じチャンバ内で同じガス供給下で行われることを意味すると定義される。
【0044】
図4は、交互の第1の領域404および第2の領域408を有するスタック構造400の一部の概略断面図であり、マスク412は、はるかに少ない部分だけ表面416を露出している。この実施形態では、1つの第2の領域408の1つの角部428のみが露出され、最終的に第1の領域404内にコンタクトを形成し、第2の領域408内に対応するゲートを形成する。
【0045】
図5は、酸化物よりもはるかに高い速度で窒化物領域上に炭素系膜またはマスクを選択的に堆積する、酸化物領域に対して窒化物領域のin-situ不動態化に用いられる別の実施形態のハイレベルフロー図である。窒化物領域および酸化物領域を有するスタック構造が提供される(ステップ504)。
図6Aは、半導体処理またはリアクタチャンバ632(例えば、容量結合された小ギャップエッチングリアクタチャンバ)内に配置された層630内に交互の酸化物領域604および窒化物領域608を有するスタック構造600の一部の概略断面図である。一実施形態では、層630は、最終的に酸化物領域604内にコンタクトを形成し、第2の領域608内にゲートを形成する層を含む。この例では、酸化物領域604は、酸化ケイ素(SiO)または二酸化ケイ素(SiO
2)などの安定した酸化物を含む。一実施形態では、窒化物領域608の材料は、例えば、窒化ケイ素(SiN)、酸窒化ケイ素(SiON)、酸炭窒化ケイ素(SiOCN)、酸窒化ケイ素(SiON)、炭窒化ケイ素(SiCN)、または同様の材料を含んでもよい。
【0046】
マスク612が、層630の表面616の上に形成される。一実施形態では、マスク212は、パターニングされたフォトレジストのフォトリソグラフィマスクを含む。
図6A~
図6Dに示すように、マスク612は、
図4に示すように多数の交互の酸化物領域604および窒化物領域608、または1つの領域もしくは領域の角部だけを露出するように構成され得る。
【0047】
選択的堆積(PECVD)プロセスは、小さなCDのSACエッチングのためにSiO2を除去することを目的としたエッチングの一部として実施され得る。この実施形態では、選択的堆積プロセスは、エッチングチャンバ内の環境と共に窒化物領域と酸化物領域との間の特有の材料性質を利用して、非共形炭素系マスクを生成する。
【0048】
スタック構造600が提供された後、COガス(任意選択でH
2と混合される)がリアクタチャンバ632に追加され(ステップ508)、バイアスはかなり低く保たれる(例えば、15ワット(W)、2メガヘルツ(MHz)電力)。一実施形態では、「低バイアス」は、60W未満のバイアスを意味し、より具体的には、2(メガヘルツ)MHz~400(キロヘルツ)kHzの周波数で60W~10Wの範囲のバイアスを意味する。
図6Bは、COおよびH
2ガスがリアクタチャンバ632に追加されているスタック構造600の概略断面図である。
【0049】
COガスがリアクタチャンバ632内に存在する状態で、炭素系非共形マスク624が非マスク領域上に選択的に堆積され(ステップ512)、それにより窒化物領域608上のマスクは酸化物領域604上よりもはるかに高い速度で堆積され、酸化物領域604よりも厚い層を窒化物領域608上に形成する。
図6Cは、マスク624の堆積後のスタック構造600の概略断面図である。窒化物領域608上のマスク624のより厚い犠牲層を介したこの不動態化は、ターゲット酸化物領域604のエッチングを妨げることなく、窒化物領域608のその後のエッチングを低減する。
【0050】
炭素系非共形マスク624が所定の位置にある状態で、エッチング(ステップ516)がスタック構造600上でin-situで実施され、マスク624を除去して酸化物領域604をエッチングし、酸化物領域604にフィーチャ620(例えば、トレンチ)を形成する。
図6Dは、エッチングステップ516が実施された後のスタック構造600の概略断面図である。
【0051】
一実施形態では、堆積されたマスク624は、以下の所望の能力を有するように調節することができる:(1)一連のフィーチャに対するキャップレベルでの負荷が最小限であり、および(2)窒化物領域608を保護するために、堆積されたマスク624がエッチングプロセスに対して最適な耐性を有する。
【0052】
上で詳述したin-situ選択的堆積プロセスは特にSACに適しているが、in-situ選択的不動態化について説明された能力は、高いエッチング選択性が望まれる他の用途にも価値を有し得る。例えば、in-situ選択的堆積プロセスは、SiO2ターゲットエッチング膜の上にSiNマスクを用いた任意の用途に使用されてもよい。また、in-situ選択的堆積プロセスは、SiN対SiO2上の炭素系膜のエリア選択的堆積として、また場合によっては他の材料に対して選択的に実施することが可能である。in-situ選択的堆積プロセスはまた、SiNではなくSiO2上でのエリア選択的堆積を可能にする保護犠牲膜として使用されてもよい。
【0053】
図7は、一実施形態で使用することができるエッチングリアクタの概略図である。1つまたは複数の実施形態では、エッチングチャンバ700は、チャンバ壁752によって取り囲まれたプラズマ処理チャンバ749内に、ガス入口および静電チャック(ESC)734を設けるシャワーヘッドの形態のガス分配プレート706を備える。プラズマ処理チャンバ749内では、ウエハまたはスタック構造200がESC734の上に位置決めされ、エッジリング736がスタック構造を囲む。ESC734は、ESC源748からバイアスを提供することができる。エッチングガス源710が、ガス分配プレート706を通してプラズマ処理チャンバ749に接続される。エッチングガス源710は、改質ガス源および活性化ガス源であってもよい。ESC温度コントローラ750が、チラー714に接続される。この実施形態では、チラー714は、冷却剤をESC734内またはその近くのチャネル712に供給する。高周波(RF)源730が、RF電力を下部電極および/または上部電極に供給する。この実施形態では、下部電極はESC734であり、上部電極はガス分配プレート706である。例示的な実施形態では、400kHz、60MHz、および任意選択で2MHz、27MHzの電源が、RF源730およびESC源748を構成する。この実施形態では、上部電極は接地される。この実施形態では、1つの発生器が周波数ごとに設けられる。他の実施形態では、発生器は別々のRF源内にあってもよく、または別々のRF発生器が異なる電極に接続されてもよい。例えば、上部電極は、異なるRF源に接続された内側電極および外側電極を有することが可能である。RF源および電極の他の配置が、他の実施形態で使用されてもよい。
【0054】
コントローラ735が、RF源730、ESC源748、排気ポンプ720、およびエッチングガス源710に制御可能に接続される。そのようなエッチングチャンバの一例は、カリフォルニア州フリーモントのLam Research社によって製造されるExelan Flex(商標)またはFlex GL(登録商標)エッチングシステムである。この実施形態では、エッチングチャンバ700は、容量結合プラズマエネルギーを提供する。プロセスチャンバは、CCP(容量結合プラズマ)リアクタまたはICP(誘導結合プラズマ)リアクタであり得る。他の実施形態は、誘電体および導電性エッチングチャンバまたは堆積チャンバなどの他のタイプのプラズマ処理チャンバを使用してもよい。
【0055】
高流量ライナ760がプラズマ処理チャンバ749内に設けられ、ガス源からのガスを閉じ込め、ガス源710から排気ポンプ720に至るガスの制御された流れを維持するスロット702を有する。
【0056】
一実施形態におけるコントローラ735の一例を提供するために、
図8は、実施形態で使用されるコントローラ735を実装するのに適したコンピュータシステム800を示す高レベルブロック図である。コンピュータシステムは、集積回路、プリント回路基板、および小型ハンドヘルドデバイスから巨大なスーパーコンピュータに及ぶまで、多くの物理的形態を有し得る。コンピュータシステム800は、1つまたは複数のプロセッサ802を含み、さらに、電子ディスプレイデバイス804(グラフィックス、テキスト、および他のデータを表示するため)、メインメモリ806(例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM))、記憶デバイス808(例えば、ハードディスクドライブ)、リムーバブル記憶デバイス810(例えば、光ディスクドライブ)、ユーザインターフェースデバイス812(例えば、キーボード、タッチスクリーン、キーパッド、マウス、または他のポインティングデバイスなど)、および通信インターフェース814(例えば、無線ネットワークインターフェース)を含むことができる。一実施形態では、メインメモリ806は、1つまたは複数のプロセッサ802上で実行可能な命令を記憶するための非一時的メモリを備える。通信インターフェース814は、リンクを介してコンピュータシステム800と外部デバイスとの間でソフトウェアおよびデータを転送することを可能にする。システムはまた、前述のデバイス/モジュールに接続された通信インフラストラクチャ816(例えば、通信バス、クロスオーバーバー、またはネットワーク)を含むことが可能である。
【0057】
通信インターフェース814を介して転送される情報は、信号を運ぶ通信リンクを介して、通信インターフェース814によって受信することが可能な電子信号、電磁信号、光信号、もしくは他の信号などの信号の形態であってもよく、ワイヤもしくはケーブル、光ファイバ、電話回線、携帯電話リンク、無線周波数リンク、および/または他の通信チャネルを使用して実装されてもよい。そのような通信インターフェースを用いて、1つまたは複数のプロセッサ802は、上述の方法ステップを実施する過程でネットワークから情報を受信するか、または情報をネットワークに出力し得ることが考えられる。さらに、方法の実施形態は、プロセッサ上でのみ実行することができ、または処理の一部を共有するリモートプロセッサと連携してインターネットなどのネットワークを介して実行することができる。
【0058】
「非一時的コンピュータ可読媒体」という用語は、一般に、メインメモリ、二次メモリ、リムーバブルストレージ、および記憶デバイス、例えばハードディスク、フラッシュメモリ、ディスクドライブメモリ、CD-ROM、および他の形式の永続メモリなどの媒体を指すために使用され、搬送波または信号などの一時的な主題を包含すると解釈されないものとする。コンピュータコードの例には、コンパイラによって生成されるものなどのマシンコード、およびインタプリタを使用してコンピュータによって実行される高レベルコードを含むファイルが挙げられる。コンピュータ可読媒体はまた、搬送波に組み込まれ、プロセッサによって実行可能な一連の命令を表すコンピュータデータ信号によって送信されるコンピュータコードであってもよい。
【0059】
本開示をいくつかの例示的な実施形態に関して説明してきたが、本開示の範囲内に含まれる変更、修正、置換、および様々な代替均等物が存在する。本開示の方法および装置を実装する多くの代替の方法が存在することにも留意されたい。したがって、以下の添付の特許請求の範囲は、本開示の真の精神および範囲内に含まれるすべてのそのような変更、修正、置換、および様々な代替均等物を含むものとして解釈されることを意図している。
【国際調査報告】