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特表2024-525207VHHをベースとしたNKP30バインダー
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-10
(54)【発明の名称】VHHをベースとしたNKP30バインダー
(51)【国際特許分類】
   C07K 16/28 20060101AFI20240703BHJP
   C07K 16/46 20060101ALI20240703BHJP
   A61K 39/395 20060101ALI20240703BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20240703BHJP
   A61K 47/64 20170101ALI20240703BHJP
   C12P 21/08 20060101ALN20240703BHJP
   C12N 15/13 20060101ALN20240703BHJP
   C12N 15/62 20060101ALN20240703BHJP
【FI】
C07K16/28 ZNA
C07K16/46
A61K39/395 N
A61K39/395 T
A61K39/395 Y
A61P35/00
A61K47/64
C12P21/08
C12N15/13
C12N15/62 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023579268
(86)(22)【出願日】2022-06-22
(85)【翻訳文提出日】2024-02-20
(86)【国際出願番号】 EP2022066963
(87)【国際公開番号】W WO2022268857
(87)【国際公開日】2022-12-29
(31)【優先権主張番号】21180872.0
(32)【優先日】2021-06-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.TWEEN
(71)【出願人】
【識別番号】591032596
【氏名又は名称】メルク パテント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】Merck Patent Gesellschaft mit beschraenkter Haftung
【住所又は居所原語表記】Frankfurter Str. 250,D-64293 Darmstadt,Federal Republic of Germany
(74)【代理人】
【識別番号】110003971
【氏名又は名称】弁理士法人葛和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジエロンカ,ステファン
(72)【発明者】
【氏名】トレイキス,ラース
(72)【発明者】
【氏名】クラー,シモン
(72)【発明者】
【氏名】ピカー,ルーカス
(72)【発明者】
【氏名】エバース,アンドレアス
【テーマコード(参考)】
4B064
4C076
4C085
4H045
【Fターム(参考)】
4B064AG27
4B064CA10
4B064CA19
4B064CC03
4B064CC10
4B064CC24
4B064CD21
4B064CE12
4B064DA01
4C076AA95
4C076CC27
4C076EE41
4C076EE59
4C076FF68
4C085AA13
4C085AA14
4C085BB01
4C085BB11
4C085BB42
4C085CC22
4C085DD62
4C085EE01
4H045AA11
4H045AA30
4H045BA10
4H045BA41
4H045CA40
4H045DA76
4H045EA20
4H045FA74
4H045GA26
(57)【要約】
本開示は、好ましい特徴のある、VHHをベースとしたNKp30バインダーに関する。その上、本開示は、かかる化合物を含む医薬組成物、ならびに医学的処置方法におけるかかる化合物およびかかる医薬組成物の使用に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
VHH抗体ドメインまたはそのフラグメントを含む化合物であって、ここで
(a)該VHH抗体ドメインまたはそのフラグメントが、下のCDRの表に示されるとおりのVHH1~VHH16の1つの相補性決定領域CDR1、CDR2、およびCDR3を含む;
(b)該VHH抗体ドメインまたはそのフラグメントが、修飾のある、(a)において定義されるとおりの相補性決定領域CDR1、CDR2、およびCDR3を含み、ここで修飾は、CDR1、CDR2、およびCDR3の少なくとも1つの配列がヒト化されていることである;あるいは
(c)該VHH抗体ドメインまたはそのフラグメントが、修飾のある、(a)において定義されるとおりの相補性決定領域CDR1、CDR2、およびCDR3を含み、ここで修飾は、
- CDR1における最大3アミノ酸までの置き換え、付加、もしくは欠失、
- CDR2における最大3アミノ酸までの置き換え、付加、もしくは欠失、および/または
- CDR3における最大3アミノ酸までの置き換え、付加、もしくは欠失である;
CDRの表:
【表1-1】
【表1-2】
【請求項2】
該化合物が、配列番号1の配列と比較して1以上のアミノ酸置換のある、配列番号1によって表される配列(またはそのフラグメント)を含み、
ここで、かかるアミノ酸置換が、CDRの外側に位置付けられている場合、該アミノ酸置換(単数または複数)は、以下: D1E、Q5V、L11V、T24A、E44G、H45L、G47W、F70I、V79L、K87R、P88A、Q116Lから選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
該化合物が、以下の配列番号: 配列番号67、配列番号68、配列番号69、配列番号70、配列番号71、配列番号72、配列番号73、配列番号74、配列番号75、配列番号77のうちいずれか1つによって表される配列、またはそのフラグメントを有する、請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
該化合物が、配列番号2の配列と比較して1以上のアミノ酸置換のある、配列番号2によって表される配列(またはそのフラグメント)を含み、
ここで、かかるアミノ酸置換が、CDRの外側に位置付けられている場合、該アミノ酸置換(単数または複数)は、以下: D1E、Q5V、L11V、A14P、V24A、F37V、A44G、R45L、S47W、V79L、K87R、P88A、Q118Lから選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項5】
該化合物が、以下の配列番号: 配列番号79、配列番号80、配列番号81、配列番号83、配列番号84、配列番号85、配列番号86、配列番号89、配列番号90、配列番号93、配列番号94のうちいずれか1つによって表される配列、またはそのフラグメントを含み、請求項1に記載の化合物。
【請求項6】
VHH抗体ドメインまたはそのフラグメントを含む化合物であって、ここで
(A)該VHH抗体ドメインが、下のVHH配列VHH配列の表に示されるVHH1~VHH16のいずれか1つを含む;
(B)該VHH抗体ドメインが、修飾のある、(A)において定義されるとおりのVHH配列を含み、ここで修飾は、該配列がヒト化されていることである;
(C)該VHH抗体ドメインが、修飾のある、(A)において定義されるとおりのVHH配列を含み、ここで修飾は、最大25アミノ酸までの置き換え、付加、もしくは欠失である;または
(D)該VHH抗体ドメインが、(A)において触れられるVHH配列と少なくとも75%同一であるVHH配列を含む;
VHH配列の表:
【表2-1】
【表2-2】
【表2-3】
【請求項7】
該VHH抗体ドメインが、(B)または(C)の追加の修飾のある、VHH配列VHH配列の表に示されるVHH1またはそのフラグメントを含み、
ここで(B)または(C)の該修飾が、配列番号1の配列と比較して1アミノ酸以上の置換からなり、
ここで該アミノ酸置換(単数または複数)が、以下: D1E、Q5V、L11V、T24A、E44G、H45L、G47W、F70I、V79L、K87R、P88A、Q116Lから選択される、請求項6に記載の化合物。
【請求項8】
該VHH抗体ドメインが、以下の配列番号: 配列番号67、配列番号68、配列番号69、配列番号70、配列番号71、配列番号72、配列番号73、配列番号74、配列番号75、配列番号77のうちいずれか1つによって表されるVHH配列、またはそのフラグメントを含み、請求項6に記載の化合物。
【請求項9】
該VHH抗体ドメインが、(B)または(C)の追加の修飾のある、VHH配列VHH配列の表に示されるVHH1またはそのフラグメントを含み、
ここで(B)または(C)の該修飾が、配列番号2の配列と比較して1アミノ酸以上の置換からなり、
ここで該アミノ酸置換(単数または複数)が、以下: D1E、Q5V、L11V、A14P、V24A、F37V、A44G、R45L、S47W、V79L、K87R、P88A、Q118Lから選択される、請求項6に記載の化合物。
【請求項10】
該VHH抗体ドメインが、以下の配列番号: 配列番号79、配列番号80、配列番号81、配列番号83、配列番号84、配列番号85、配列番号86、配列番号89、配列番号90、配列番号93、配列番号94のうちいずれか1つによって表されるVHH配列、またはそのフラグメントを含み、請求項6に記載の化合物。
【請求項11】
該化合物が、KB緩衝剤(PBS+0.1%Tween-20+1%BSA)中NKp30の組換え細胞外ドメイン(NKp30-ECD、配列番号66)とのBLI(バイオレイヤー干渉法)による結合アッセイにおいて少なくとも約1×106M-1の親和性でNKp30へ結合する、請求項1~10のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項12】
該化合物が、標的化成分をさらに含む、請求項1~11のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項13】
該標的化成分が、腫瘍関連抗原へ特異的に結合することが可能である、請求項1~12のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項14】
該化合物が、Fc受容体への結合能力のある抗体Fc領域を含み、請求項1~13のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項15】
請求項1~14のいずれか一項に記載の化合物を含み、医薬組成物。
【請求項16】
医薬としての使用のための、請求項1~14のいずれか一項に記載の化合物または請求項15に記載の医薬組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の分野
本開示は、好ましい特徴のある、VHHをベースとしたNKp30バインダーに関する。その上、本開示は、かかる化合物を含む医薬組成物、ならびに医学的処置方法におけるかかる化合物およびかかる医薬組成物の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明の背景
過去数十年の臨床処置の進歩にもかかわらず、がんは依然として、先進国世界における死亡の主因の1つである。近年、免疫系の力を生かす新規アプローチによって、とりわけ人体中の免疫細胞を活性化してこれらを腫瘍細胞に対して向けさせることによって、相当な進展が期待されている。この点に関し大きな潜在力を示す1つの細胞型は、ナチュラルキラー細胞(NK細胞)である。
【0003】
NK細胞は、感染症および腫瘍に対する初期の宿主防御において中心的役割を果たしている。NK細胞は自然免疫細胞であって、これらは宿主を事前感作することなく抗腫瘍細胞の細胞傷害性を発揮することができたことに基づき1970年代に発見された。可変的なT細胞受容体を介して別個の抗原を認識するT細胞とは対照的に、健常細胞とストレスを受けた細胞との間の識別、その結果としてのNK細胞の抗腫瘍応答は、生殖細胞系列にコードされた多数の活性化受容体と阻害性受容体との間の高度な相互交流に基づく(Gonzales-Rodriguez et al.,2019; Chiossone et al.,2018)。
【0004】
ナチュラルキラー細胞は、正と負とのシグナルを統合することによって、複数の組織区画における不連続性および危険性を認識する自然リンパ球である。負のシグナルは一般に、組織上の自己MHC-Iとキラー-免疫グロブリン様受容体(KIR)ファミリーメンバーまたはナチュラルキラー群2A(NKG2A)のいずれかとの間の相互作用によって媒介される(Carlsten et al.,2019; Vivier et al.,2008)。正のシグナルは、ナチュラル細胞傷害性受容体(Natural Cytotoxicity Receptors,NCRs; NKp30、NKp46、NKp44)、NKG2D、およびDNAM-1を包含するNK活性化受容体の並び、ならびに4-1BBを包含する共刺激性分子と、それらのリガンドとの相互作用を介して伝達される(Koch et al.,2017;Morgado et al.,2011)。NCRおよびNKG2Dにとって、リガンドの多くは、ウイルス感染細胞および腫瘍細胞を包含するストレスを受け罹患した組織上で上方調節される「危険シグナル」である。NK細胞が活性化される別の機序は、NK細胞上の低親和性活性化FcγRIIIa(CD16a)の、IgG抗体または二重特異性抗体でオプソニン化された細胞との橋渡しである。NCRおよびNKG2Dとは違って、FcγRIIIaを通るシグナル伝達は、静止状態のNK細胞においてはしばしばより強固であるが、FcγRIIIaの機能的に別個の多形のバリアントならびに循環IgGとの結合についての競合を包含する、複数の変数によってモジュレートされる。結局は、活性化シグナルと阻害性シグナルとの均衡が、NK細胞が活性化されるかどうかを決定する。そのため、NK細胞は、健常組織と罹患組織との識別力を内在的に有する。
【0005】
結局は、NK細胞の活性化は、脱顆粒を介した標的細胞の溶解、すなわちパーフォリンおよびグランザイムなどの細胞傷害性物質の放出を、ならびに炎症促進性サイトカインおよびケモカインの産生をもたらす。
NK細胞は、種々のアプローチによってがんの処置に大きな潜在力を示してきた。
【0006】
がんの治療モダリティとして、野生型NK細胞もしくは遺伝子学的に修飾された(CARなど)NK細胞の、単独でまたは抗体と組み合わせた養子移植を採用した数種の初期臨床試験は、血液悪性腫瘍に対して有望な初期結果を示している(Gonzales-Rodriguez et al.,2019; Burger et al.,2019; Rezvani et al.,2019)。
【0007】
ex vivoにて活性化されたNK細胞での養子細胞治療は、有望なアプローチを代表するものではあるが、そのロジスティクスの(logistic)複雑さから、がん免疫治療に対してNK指向性抗体をベースとしたアプローチの開発も推進されている。この点において、NK細胞上の阻害性受容体、例として、NKG2AまたはKIR2DL1、KIR2DL2またはKIR2DL3と、免疫細胞の活性化を可能にするそれらのリガンドとの間の相互作用をブロックする抗体が開発されている(Andre et al.,2018; Kohrt et al.,2014; Benson et al.,2015)。さらにまた、圧倒的多数のNK細胞は、低親和性Fcγ受容体CD16aを発現する。その標的細胞へ結合した抗体のCD16a-ライゲーションは、強力なNK細胞脱顆粒を誘導する(Bryceson et al.,2005)。このプロセスは、抗体依存性の細胞の細胞傷害性(antibody-dependent cellular cytotoxicity)(ADCC)と称され、多くの治療用抗体の重要な作用機序の1つと見なされている(Seidel et al.,2013)。
【0008】
しかしながら、抗体のADCC惹起能は、標的細胞上の抗原密度の影響を受ける。抗体のCD16aとの低親和性相互作用に起因して、低抗原密度は典型的には、軽度のオプソニン化をもたらし、その結果として限定されたADCCの誘導をもたらす(Koch et al.,2017)。その上、ヒトにおいてCD16a多型が記載されており、患者の遺伝子型に依存して種々のレベルのADCCをもたらす。最終的に、従来の治療用抗体は、CD16aへの結合について血清免疫グロブリンと競合しなければならず、CD16a占有率が限定され、かつADCC力が制限される(Ellwanger et al.,2019)。
【0009】
古典的な抗体治療に内在するこれらの欠点を克服するため、二重-および多重特異性の(multispecific)NK細胞エンゲージャー(engagers)が開発され、その一方のパラトープは、活性化受容体CD16aへ高親和性で結合するのに対し、他方のパラトープは、腫瘍関連抗原に対して向かう(Koch et al.,2017; Rothe et al.,2015)。2019年に、Vivierおよび同僚らは、三機能性NK細胞エンゲージャーの効率的な生成を記載した(Gauthier et al.,2019)。彼らの研究において、著者らは、エフェクター細胞のエンゲージ(engagement)のためにNK細胞の2つの活性化受容体、NKp46ならびにCD16(Fc媒介性)を採用した。マウスのin vivo研究におけるリツキシマブとFc改変オビヌツズマブとの直接比較において、開発されたNK細胞エンゲージャーは、このクラスの分子が腫瘍処置に有望な治療実体であり得るという意見をより強力にサポートした。
【0010】
代替的に、NK細胞受容体の天然または合成のリガンドが、腫瘍標的化成分と二重特異性形式で組み合わせられ、よってエフェクター細胞エンゲージャーが構築され得る。NK細胞上の活性化受容体と腫瘍細胞上の腫瘍関連抗原(TAA)との間に橋を形成する、かかる二重特異性のまたは三機能性の実体は、NK細胞エンゲージャーと称される(Koch et al.,2017)。TAA(例としてCD20)およびNKp46、NKG2DおよびNKp30を標的化する二重特異性抗体(Peipp et al.,2015; Kellner et al.,2016)は、抗体部分またはリガンド(例としてULBP2)の外部ドメインの組換え形態のいずれかを介して(von Strandmann et al.,2006)、強力な標的依存的細胞傷害性およびサイトカイン放出をin vitroで実証した。
【0011】
NKp30は、NK細胞の大多数上に発現される活性化受容体である。その細胞結合リガンドB7-H6は、腫瘍細胞上で上方調節され、ほとんどの正常な細胞上には存在しない。十分に特徴付けられていないその他のリガンドは、核において発現され原形質膜へ輸送またはエキソソーム中へ放出され得る、HLA-B-associated transcript 3(BAT3)/Bcl2-associated athanogene 6(BAG6)である。重要なことに、減少したNKp30発現は、AMLの低減した生存率と相関があり、NKp30を発現するNK細胞は、健常ドナーと比較して胃がんまたは乳がんの患者において見出された数がより少かった。総合してこれらのデータは、NKp30受容体軸が種々の腫瘍実体の腫瘍監視において重要な役割を果たし得ることを示唆する。したがって、NKp30軸をモジュレートする強力なストラテジーは、抗腫瘍NK細胞応答を促進する有望なアプローチを代表する可能性がある。
【0012】
NK細胞エンゲージャーには大きな潜在力があるにもかかわらず、NK細胞にとって利用可能な活性化リガンドが生物物理的なおよび/または機能的な特徴の好適なプロファイルを有していない(例として、有効なNK細胞活性化には不充分な親和性しか有さず、経済的に大量に産生され得ず、熱および溶媒に晒されたとき良好な安定性を有さず、および/またはすべての所望される使用(足場、標識化、および特定のアミノ酸への変更など)のための遺伝子操作に適していない)ことから、実際にはそれらの使用は限定されている。
【0013】
結果的に、当該技術分野において改善されたがん処置の仕方へのニーズがある。その上、当該技術分野において改善されたNK細胞活性化の仕方へのニーズもある。その上、当該技術分野においてNK細胞を活性化する化合物への、とりわけ、改善された親和性、改善された特異性、改善された安定性、改善された製造可能性、改善された遺伝子操作への適性、腫瘍細胞を殺傷するための改善された効力および/または有効性、炎症促進性サイトカインの放出における増大した効果、改善された薬物動態、低減した副作用、増大した治療濃度域、および/または増大した患者安全性などの、改善された特徴をもつ、NK細胞を活性化する、NKp30へ結合する化合物へのニーズもある。その上、当該技術分野においてNK細胞を活性化する化合物への、とりわけ天然のB7-H6リガンドの存在の影響を受けない、NK細胞を活性化する、NKp30へ結合する化合物へのニーズもある。その上、当該技術分野において、NK細胞を(たとえば種々の標的化成分と組み合わせて)活性化するために幅広く使用され得るか、および/または安価でありかつ迅速な合成アクセス(synthetic access)を可能にする「標準化された」アプローチによって上記ニーズに対処するニーズもある。
本開示は、上記問題を克服して上記ニーズに対処する。
【発明の概要】
【0014】
本発明の概要
本開示は、下に記載の種々の側面および態様によって節「本発明の背景」における上に記載のニーズに対処する。
【0015】
本発明は、本開示に記載のとおりのVHH抗体ドメインまたはそのフラグメントを含む化合物が様々な有利な効果の組み合わせを呈するという驚くべき観察に、一部基づく。例えば、有利な効果は、(これらに限定されないが)NKp30に対する高親和性、 NKp30結合に対する高いKon速度、NKp30結合に対する低いKoff速度、NK細胞の活性化における高い効率、サイトカイン放出(インターフェロン-γ、TNF-α)、(とりわけ分子という文脈においてはまた、標的化成分も包含する)の誘導における高い効率、増強された細胞傷害性(例として、効力および/または有効性に関する)、ならびに改善された製造可能性を包含し得る。FcγRIIIa結合することが可能なFc領域と組み合わせて使用された場合、この細胞傷害性は、さらに増強される。
【0016】
ある側面において、本開示は、VHH抗体ドメインまたはそのフラグメントを含む化合物に関し、ここで
(a)該VHH抗体ドメインまたはそのフラグメントは、下のCDRの表に示されるとおりのVHH1~VHH16の1つの相補性決定領域CDR1、CDR2、およびCDR3を含む;
(b)該VHH抗体ドメインまたはそのフラグメントは、修飾のある、(a)において定義されるとおりの相補性決定領域CDR1、CDR2、およびCDR3を含み、ここで修飾は、CDR1、CDR2、およびCDR3の少なくとも1つの配列がヒト化されていることである;あるいは
(c)該VHH抗体ドメインまたはそのフラグメントは、修飾のある、(a)において定義されるとおりの相補性決定領域CDR1、CDR2、およびCDR3を含み、ここで修飾は、
- CDR1における最大3アミノ酸までの置き換え、付加、もしくは欠失、
- CDR2における最大3アミノ酸までの置き換え、付加、もしくは欠失、および/または
- CDR3における最大3アミノ酸までの置き換え、付加、もしくは欠失である;
CDRの表:
【表A-1】
【0017】
【表A-2】
【0018】
別の側面において、本開示は、VHH抗体ドメインまたはそのフラグメントを含む化合物に関し、ここで
(A)該VHH抗体ドメインは、下のVHH配列VHH配列の表に示されるVHH1~VHH16のいずれか1つを含む;
(B)該VHH抗体ドメインは、修飾のある、(A)において定義されるとおりのVHH配列を含み、ここで修飾は、該配列がヒト化されていることである;
(C)該VHH抗体ドメインは、修飾のある、(A)において定義されるとおりのVHH配列を含み、ここで修飾は、最大25アミノ酸までの置き換え、付加、もしくは欠失である;あるいは
(D)該VHH抗体ドメインは、(A)において触れられるVHH配列と少なくとも75%同一であるVHH配列を含む;
VHH配列の表:
【表B-1】
【0019】
【表B-2】
【0020】
別の側面において、本開示は、VHH抗体ドメインまたはそのフラグメントを含む化合物に関し、ここで
(A)該VHH抗体ドメインは、下のVHH配列VHH配列の表に示されるVHH1~VHH16のいずれか1つからなる;
(B)該VHH抗体ドメインは、修飾のある、(A)において定義されるとおりのVHH配列からなり、ここで修飾は、該配列がヒト化されていることである;
(C)該VHH抗体ドメインは、修飾のある、(A)において定義されるとおりのVHH配列からなり、ここで修飾は、最大25アミノ酸までの置き換え、付加、もしくは欠失である;または
(D)該VHH抗体ドメインは、(A)において触れられるVHH配列と少なくとも75%同一であるVHH配列からなる。
【0021】
別の側面において、本開示は、本開示に従う化合物を含む医薬組成物に関する。
別の側面において、本開示は、医薬としての使用のためのもしくは下に定義されるとおりの疾患の処置における使用のための、本開示に従う化合物または本開示に従う医薬組成物に関する。
【0022】
別の側面において、本開示は、疾患の処置を、これを必要とする患者においてする方法に関し、該患者へ、治療的に有効な量の、本開示に従う化合物または本開示に従う医薬組成物を投与するステップを含む。
【0023】
別の側面において、本開示は、医薬の製造のための、好ましくは下に定義されるとおりの疾患もしくは障害の処置のための医薬の製造のための、本開示に従う化合物の使用または本開示に従う医薬組成物の使用に関する。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図の簡単な記載
以下の言及は図に対してなされる。図の下の記載において触れられるすべての方法は、例において詳細に記載のとおりに実行された。
図1A-B】図1 酵母表面ディスプレー(YSD)と組み合わせられたラクダ科の動物への免疫付与によるNKp30特異的VHH単一ドメイン抗体に基づくNKCE(NK細胞エンゲージャー)の生成。(A)二重特異性NKCEを構築するのに利用された、NKp30を標的化するVHHの生成を描くスキーム。3頭のラクダ科の動物への組換えヒトNKp30での免疫付与後、抗原特異的VHHの単離のためにYSDを採用した。続いてVHHを、腫瘍標的化のためセツキシマブのヒト化Fab腕(arm)を内包する二重特異性SEEDボディ中へ組み込んだ。掘り下げて特徴付けするため、Fc媒介エフェクター機能を、Fc領域中に特定の点突然変異を導入することによって抑制した(silenced)。(B)完全長VHHディスプレーおよびNKp30結合について2次元染色ストラテジーを実践することによるNKp30特異的VHHの単離のためのFACS選択。注目すべきは、ソーティングラウンド1において、各免疫化標本に基づく3つすべてのサブライブラリを個別にソートし(ラマ由来サブライブラリのソートのみを示す)、これに続きソート1の出力をこれに続くソーティングラウンド2のために組み合わせた。
図1C-D】図1 酵母表面ディスプレー(YSD)と組み合わせられたラクダ科の動物への免疫付与によるNKp30特異的VHH単一ドメイン抗体に基づくNKCE(NK細胞エンゲージャー)の生成。(A)二重特異性NKCEを構築するのに利用された、NKp30を標的化するVHHの生成を描くスキーム。3頭のラクダ科の動物への組換えヒトNKp30での免疫付与後、抗原特異的VHHの単離のためにYSDを採用した。続いてVHHを、腫瘍標的化のためセツキシマブのヒト化Fab腕を内包する二重特異性SEEDボディ中へ組み込んだ。掘り下げて特徴付けするため、Fc媒介エフェクター機能を、Fc領域中に特定の点突然変異を導入することによって抑制した。(B)完全長VHHディスプレーおよびNKp30結合について2次元染色ストラテジーを実践することによるNKp30特異的VHHの単離のためのFACS選択。注目すべきは、ソーティングラウンド1において、各免疫化標本に基づく3つすべてのサブライブラリを個別にソートし(ラマ由来サブライブラリのソートのみを示す)、これに続きソート1の出力をこれに続くソーティングラウンド2のために組み合わせた。
【0025】
図2A図2は、NKp30への結合におけるVHH SEEDボディのB7-H6との競合または異なるVHH SEEDボディ間の競合を研究するバイオレイヤー干渉実験において得られた結果を示す。
図2B図2は、NKp30への結合におけるVHH SEEDボディのB7-H6との競合または異なるVHH SEEDボディ間の競合を研究するバイオレイヤー干渉実験において得られた結果を示す。
【0026】
図3図3は、EGFR陽性腫瘍細胞がNKp30 VHH SEEDボディで強力に殺傷させられたという結論に向かわせるクロム放出実験のデータを示す。高EGFR発現のA431細胞(左グラフ)およびより低EGFR発現のA549細胞(右グラフ)で、using 80:1のエフェクター-対-標的細胞(E:T)比率での健常ドナーのMNCと、漸増濃度のB7-H6と競合する(赤色)および競合しないVHH SEEDボディ(緑色/茶色)とを使用して、標準的な4hクロム放出アッセイを実施した。NKp30 VHH単一ドメイン抗体を欠く片腕の(one-armed)SEEDボディ(oa_hu225-SEEDボディ)およびモノクローナル抗体セツキシマブ(黒色四角)を、対照としておよび比較のために使用した。三通りの3つの独立した実験の平均値±SEMを示す。さらなる分析のための最有力候補を太字で描く。
【0027】
図4A図4は、VHH SEEDボディによる腫瘍細胞の溶解およびサイトカイン放出を研究するための実験を示す。B7-H6と競合するVHH SEEDボディ(eff-)は、競合しないVHH SEEDボディ(eff-)と比較して腫瘍細胞の改善された溶解を示すが、すべてのNKCESが、活性化されたNK細胞からの強力なサイトカイン放出を誘導する。(A)A431細胞(左グラフ)およびA549細胞(右グラフ)で、10:1のE:T比率での、健常ドナーの単離されたNK細胞と、漸増濃度のB7-H6と競合する(赤色)および競合しないVHH SEEDボディ(緑色/茶色)とを使用して、標準的な4hクロム放出アッセイを実施した。NKp30 VHH単一ドメイン抗体を欠く片腕のSEEDボディ(oa_hu225-SEEDボディ)およびモノクローナル抗体セツキシマブ(黒色四角)を、対照としておよび比較のために使用した。三通りの3つの独立した実験の平均値±SEMを示す。
図4B】(B)飽和濃度での選択されたVHH SEEDボディ(eff-)によって誘発されたサイトカイン放出。NKCEおよびセツキシマブを、定量化のためのサイトカインHTRFキットを使用し、NK細胞に媒介されるIFN-γおよびTNF-αの放出の促進に関してoa_hu225 SEEDボディと比較した。精製されたNK細胞を、分析に先立ちA431細胞と5:1のE:T比率にて24h共培養した。グラフは、箱ひげプロットを、7つの個々の実験のドットプロットを夫々重ね合わせたものとして示す。***pは0.001、**pは0.01、*pは0.05である。n.s.は、oa_hu225 SEEDボディと比較して有意ではない。
【0028】
図5図5は、VHH SEEDボディでのEGFR陽性腫瘍細胞の殺傷が高濃度の可溶性B7-H6によって損なわれないことを確認する実験のデータを示す。A431(左グラフ)およびA549細胞(右グラフ)で、10:1のE:T比率での健常ドナーのNK細胞と、B7-H6 ECDの存在下(灰色バー)または不在下(黒色バー)での飽和濃度のSEEDボディとを使用して、標準的な4hクロム放出アッセイを実施した。NKp30 VHH単一ドメイン抗体を欠く片腕のSEEDボディ(oa_hu225-SEEDボディ)、モノクローナル抗体セツキシマブ、およびB7-H6 ECDは単独で対照として働いた。4つの独立した実験の平均値±SEMを示す。VHH1=B7-H6の競合相手(competitor)、VHH2=B7-H6の非競合相手、VHH4=部分的な競合相手。
【0029】
図6図6は、非競合VHH SEEDボディによるEGFR陽性腫瘍細胞の殺傷がエフェクター機能性Fcによって改善されることを確認する実験のデータを示す。A431細胞(左グラフ)およびA549細胞(右グラフ)で、10:1のE:T比率での健常ドナーの単離されたNK細胞と、エフェクター機能性(eff+; 実線、塗りつぶされた記号)または非機能性Fc(eff-; 点線、白抜きの記号)を内包する、漸増濃度のB7-H6と競合するVHH1 SEEDボディ(オレンジ色)および競合しないVHH2 SEEDボディ(緑色)とを使用して、標準的な4hクロム放出アッセイを実施した。NKp30 VHH 単一ドメイン抗体を欠くが、エフェクター機能性(oa_hu225-SEEDボディ eff+)または非機能性(oa_hu225-SEEDボディ eff-)Fcを持つ片腕のSEEDボディ、ならびにモノクローナルIgG1抗体セツキシマブ(黒色四角)を、対照としておよび比較のために使用した。三通りの4つの独立した実験の平均値±SEMを示す。
【発明を実施するための形態】
【0030】
配列の概要
【表C-1】
【0031】
【表C-2】
【0032】
【表C-3】
【0033】
【表C-4】
【0034】
【表C-5】
【0035】
【表C-6】
【0036】
【表C-7】
【0037】
ある態様の詳細な記載
本開示は、上および下に詳細に記載されているものの、本開示によって記載される具体的な方法論、プロトコル、および試薬は変動してもよいから、本開示がこれらに限定されないことは理解されるべきである。本明細書に使用される専門用語は、具体的な態様を記載するためだけのものであって、添付のクレームによってのみ限定されるであろう本開示の範囲を限定することは意図されないこともまた、理解されるべきである。別様に定義されない限り、本明細書に使用されるすべての技術用語および科学用語は、当業者によって一般的に理解される意味と同じ意味を有する。
【0038】
以下において、特定の態様の記載を包含する本開示のある要素が、より詳細に記載されるであろう。しかしながら、様々に記載された例および好ましい態様は、本開示を明示的に記載された態様のみに限定するよう解釈されないはずである。この記載は、明示的に記載された態様を、開示されたおよび/または好ましいいくつもの要素と、形はどうあれ組み合わせる態様をサポートし網羅するものと理解されるはずである。さらにまた、本出願において記載されたすべての要素のいずれの順列および組み合わせも、これが論理的不一致へ繋がるかまたは文脈が別様に指し示す場合を除いて、本出願の記載によって開示されたと見なされるはずである。
【0039】
本明細書において別様に定義されない限り、本開示に関係して使用される科学用語および専門用語は、当業者によって一般的に理解される意味を有するものとする。一般に、本開示において触れられる命名法および技法、例として、有機化学、化学合成、生物学、医薬品化学および薬化学、医学、薬理学、または毒物学の命名法ならびに技法は、当該技術分野において周知であって、一般的に使用されている。本開示の方法および技法は、当該技術分野において周知である従来の方法に従い、引用される参考文献に記載のとおり一般に実施され、別様に指し示されない限り本開示を通してずっと考察されている。
【0040】
第1の側面に従うと、本開示は、VHH抗体ドメインまたはそのフラグメントを含む化合物に関し、ここで
(a)該VHH抗体ドメインまたはそのフラグメントは、下のCDRの表に示されるとおりのVHH1~VHH16の1つの相補性決定領域CDR1、CDR2、およびCDR3を含む;
(b)該VHH抗体ドメインまたはそのフラグメントは、修飾のある、(a)において定義されるとおりの相補性決定領域CDR1、CDR2、およびCDR3を含み、ここで修飾は、CDR1、CDR2、およびCDR3の少なくとも1つの配列がヒト化されていることである;あるいは
(c)該VHH抗体ドメインまたはそのフラグメントは、修飾のある、(a)において定義されるとおりの相補性決定領域CDR1、CDR2、およびCDR3を含み、ここで修飾は、
- CDR1における最大3アミノ酸までの置き換え、付加、もしくは欠失、
- CDR2における最大3アミノ酸までの置き換え、付加、もしくは欠失、および/または
- CDR3における最大3アミノ酸までの置き換え、付加、もしくは欠失である;
CDRの表:
【表D-1】
【0041】
【表D-2】
【0042】
「化合物」は、本開示において使用されるとき、具体的には限定されず、いずれの化学的分類の化学的実体を指すが、ただし上に定義されるとおりのタンパク質ドメインを包含する。よって、化合物は、例として有機化合物、または有機部分と無機部分とから構成される化合物であり得、単一のアミノ酸鎖から構成されるタンパク質、非共有結合的もしくは共有結合的のいずれかで会合した複数のアミノ酸鎖から構成されるタンパク質、または無機の構成要素を包含する非共有結合の複合体であり得る。化合物は、VHH抗体ドメインのアミノ酸配列もしくはそのフラグメント単独から成り得るか、または加えて、共有結合的もしくは非共有結合的に付着されていてもよいさらなるアミノ酸(単数もしくは複数)を包含し得るか、または無機の構成要素と会合し得る。好ましくは、化合物は、分子である。
【0043】
例えば、化合物は、その「腕」の一方を欠くIgG1抗体へ共有結合的に連結された、本開示に従うVHH抗体ドメインを含む二重特異性分子であり得る。あるいは化合物は、本開示に従うVHH抗体ドメインおよびSEED形式で調製された標的化成分をもつ抗体であってもよく、図1に示される構造をもつ二重特異性抗体がもたらされる。
【0044】
当業者が理解しているとおり、多くの他の形式の化合物もあり得るが、ただしその結果得られる化合物は、VHH抗体ドメインまたはそのフラグメントの機能、すなわちNKp30への結合およびNK細胞の活性化に干渉しない。
【0045】
本開示の化合物は、当業者に知られている遺伝子工学および組換えタンパク質技術の標準的な方法によって調製され得る(例として、Green and Sambrook, "Molecular Cloning: A Laboratory Manual",2014; Coligan et al., "Current Protocols in Protein Science",1997を見よ)。また例示の方法は、本開示の例の節においても記載されている。
【0046】
化合物が単体で発現され得ないケースにおいて、個々の部分は個々に調製されて、後に、例えば適切な反応基での化学反応(例としてマレイミド化学による連結)または酵素的連結(例としてトランスグルタミナーゼ触媒による連結)のいずれかによって共有結合的にカップリングされ得る。例えば、VHH抗体ドメインまたはそのフラグメントは、組換えタンパク質発現、続いて抗体または抗体フラグメントへ連結されることによって調製され得、例の節に記載のとおりの二重特異性抗体化合物がもたらされる。
【0047】
化合物が、生体分子ではない(ペプチド模倣物または小分子などの)構成要素を含む場合、これらの構成要素は、例として合成有機化学の標準的な方法によって得られてもよい。
【0048】
「抗体」は、免疫グロブリン遺伝子(単数もしくは複数)によって実質的にコードされるポリペプチド、またはその抗原結合性フラグメントであって、アナライト(抗原)へ特異的に結合し認識する。免疫グロブリン遺伝子は、カッパ、ラムダ、アルファ、ガンマ、デルタ、イプシロン、およびミューの定常領域遺伝子、ならびに無数の免疫グロブリン可変領域遺伝子を包含している。
【0049】
ヒトなどの霊長目の動物において、抗体の重鎖および軽鎖の可変ドメインは、組み合わされて特異的に抗原へ結合する。一般に、天然に存在する霊長目の動物(例として、ヒト)またはマウスの免疫グロブリンは、ジスルフィド結合によって相互接続された重(H)鎖および軽(L)鎖を有する。軽鎖にはラムダ(λ)およびカッパ(κ)の2タイプがある。抗体分子の機能活性を決定する重鎖には5つの主要なクラス(またはアイソタイプ)がある: IgM、IgD、IgG、IgA、およびIgE。霊長目の動物の抗体は、クラススイッチされ得る。
【0050】
哺乳動物のラマ種(Lama paccos、Lama glama、およびLama vicugna)などの新しい世界的メンバーを包含する、ラクダおよびヒトコブラクダ(Camelus bactrianusおよびCalelus dromaderius)ファミリーのメンバーからの、あるIgG抗体は自然界から見出されるとおり、軽鎖を欠き、よって他の動物からの抗体について2重鎖および2軽鎖を有する典型的な4鎖4次構造とは構造的に別個である。PCT/EP93/02214(1994年3月3日に公開されたWO 94/04678)を見よ。ラマのかかるIgGサブタイプは、軽鎖およびCH1ドメインを欠き、重鎖抗体と呼ばれる。重鎖のみからなる、これら天然に存在するラクダ科の動物の抗体は、機能的であって、軽鎖が存在していなくとも安定している。これらの重鎖抗体の抗原結合部位は、単一ドメインによってのみ形成されており、「VHH」と称され(Koenning et al.,2017)、つまりは本明細書において「VHH抗体ドメイン」と同義的に使用される。
【0051】
抗体の各軽鎖および重鎖は、定常領域および可変ドメインを含有する。「VH」への言及または「VH」は、免疫グロブリン重鎖の可変領域を指し、その抗体のフラグメントを包含する。「VL」への言及または「VL」は、霊長目の動物の抗体におけるそれなどの、免疫グロブリン軽鎖の可変領域を指す。重鎖抗体の可変ドメインは、VHHと呼ばれる。VHHは、15kDaの1ポリペプチド鎖のみから構成され、完全な抗原結合力をもつ、知られている最小の天然ドメインと考えられる。
【0052】
軽鎖および重鎖の可変ドメインは、「相補性決定領域」または「CDR」とも呼ばれる3つの超可変領域によって中断されている「フレームワーク」領域を含有する(例として、Kabat et al.,Sequences of Proteins of Immunological Interest,U.S.Department of Health and Human Services,1991を見よ)。種々の軽鎖または重鎖のフレームワーク領域の配列は、種内で相対的に保存されている。構成する軽鎖および重鎖の組み合わされたフレームワーク領域である、抗体のフレームワーク領域は、3次元空間中にCDRを位置付けてアラインするために働く。CDRは、主に抗原結合を担う。
【0053】
CDRは、典型的にはCDR1、CDR2、およびCDR3(N末端からC末端まで)と称され、また典型的には具体的なCDRが位置付けられている鎖によっても同定される。よって、VH CDR3は、これが見出される抗体の重鎖の可変ドメイン中に位置付けられているのに対し、VL CDR1は、これが見出される抗体の軽鎖の可変ドメインからのCDR1である。軽鎖CDRは、ときにCDR L1、CDR L2、およびCDR L3と称される。重鎖CDRは、ときにCDR H1、CDR H2、およびCDR H3と称される。VHHモノクローナル抗体は重鎖のみを有し、よって1つのCDR1、CDR2、およびCDR3のみを包含する。一般に、CDR3は、主に抗原特異性を担う。
【0054】
VHHは、N-~C-の方向で、以下の構造領域: N - FR1 - CDR1 - FR2 - CDR2 - FR3 - CDR3 - FR4 - Cを包含し、ここでFRは、フレームワーク領域のアミノ酸配列を表示し、およびCDRは、相補性決定領域のアミノ酸配列を表示する(例として、Kabat et al.,Sequences of Proteins of Immunological Interest,U.S.Department of Health and Human Services,1991を見よ)。
【0055】
フレームワーク領域およびCDRの範囲(extent)は同定されている(Kabat et al.,Sequences of Proteins of Immunological Interest,U.S.Department of Health and Human Services,1991を見よ)。重鎖可変ドメインのCDRは、Kabat付番系に従って残基31~35(CDR-H1)、残基50~65(CDR-H2)および残基95~102(CDR-H3)にて位置付けられる。霊長目の動物の抗体などの、軽鎖を包含する抗体(霊長目の動物の抗体など)において、軽鎖可変ドメインのCDRは、Kabat付番系に従って残基24~34(CDR-L1)、残基50~56(CDR-L2)、および残基89~97(CDR-L3)にて位置付けられる。Kabatデータベースは現在、オンラインで管理されている。ラクダ科の動物のCDRの場所もまた、決定され得る(例えば、Sircar et al.,J.Immunol.186:6357-6367,2011を見よ); ラクダ科の動物の抗体構造を決定するためのプログラムである、RosettaAntibodyプログラムは、インターネット上で利用可能である。
【0056】
「モノクローナル抗体」は、Bリンパ球の単一クローンによってかまたは単一抗体の重鎖遺伝子(および任意に、霊長目の動物の抗体などの軽鎖遺伝子)がトランスフェクトされた細胞によって産生された抗体である。モノクローナル抗体は、標準的なハイブリドーマ技術を包含する、当業者に知られている様々な技法(例として、Koehler and Milstein,Eur.J.Immunol.(1976),vol.5,p.511-519; Antibodies: A Laboratory Manual,2nd edition(2014),editor Greenfield,Cold Spring Harbor Laboratory Press(USA); Immunobiology,5th ed.(2001),editors Janeway et al.,Garland Publishing(USA)を見よ)および例として、その同質な(homogeneous)抗体をコードするDNA分子でトランスフェクトされた真核生物の宿主細胞からの発現またはその同質な抗体をコードするDNA分子でトランスフェクトされた原核生物の宿主細胞からの発現を使用して得られてもよい。
【0057】
VHH抗体ドメインは、標的に対して高親和性を有する小さいタンパク質を生産する遺伝子工学によって得られ、低分子量抗体に由来するタンパク質がもたらされ得る。例として、Sellmann et al.,2020; 1998年6月2日に発行された米国特許第5,759,808号を見よ; またDumoulin et al.,(2003); Pleschberger et al.,(2003); Cortez-Retamozo et al.,(2002);およびLauwereys et al.,(1998)も見よ。
【0058】
いくつかの態様において、VHH分子は、ハイブリドーマおよびマウスの使用を回避する種々の発現プラットホームにおいて、組換えモノクローナル抗体または抗原結合性フラグメントとして産生され得る。VHHモノクローナル抗体は、ヒト化モノクローナル抗体であり得る。いくつかの態様において、モノクローナル抗体は、キメラ抗体であり得る。
理論によって拘束されないが、VHHモノクローナル抗体は、ヒトIgG分子の分子量のおよそ1/10を有し、タンパク質は、数ナノメートルのみの物理的な直径を有する。
【0059】
小さいサイズによる1つの因果関係は、VHHモノクローナル抗体が、より大きな抗体タンパク質にとっては機能的に見えない抗原部位へ結合することができることであって、そのため、VHHモノクローナル抗体は、古典的な免疫学的技法の使用では発見されにくい(cryptic)抗原を検出するための試薬として有用であり、ひいては治療剤として役立つ。このように、小さいサイズによるもう1つの因果関係は、ラクダ科の動物のVHHモノクローナル抗体が、標的タンパク質の溝または狭い割れ目の中の特定部位への結合の結果として阻害し得、ゆえに古典的な抗体より低分子量の古典的な薬物の機能により近い力で働き得ることである。
【0060】
理論によって拘束されないが、低分子量およびコンパクトサイズはさらに、極度に熱的に安定し、極端なpHおよびタンパク消化に安定し、かつ抗原性の乏しいラクダ科の動物のVHHモノクローナル抗体をもたらす。さらに、これらの分子は、E.coliなどの原核細胞において完全に発現され得、バクテリオファージとの融合タンパク質として発現され、かつ機能的である。
【0061】
「ヒト化」抗体/抗体配列は、本明細書に使用されるとき、1以上の個々のアミノ酸をヒト抗体配列の対応するアミノ酸と置き換えることによって、非ヒト(ラクダ科の動物、ラマ、または合成などの)抗体配列をヒト抗体配列により類似するように適合させるプロセスを指す。典型的には、ヒト抗体配列は、非ヒト配列と殊更近い(すなわち、高度な配列相同性を有する)ものが選択されるであろう。かかるヒト抗体配列は、例としてBLAST検索によって、同定され得る。対応するアミノ酸は次いで、選択されたヒト抗体配列とヒト化される非ヒト抗体配列との間のペアワイズ(pairwise)配列アライメントによって同定され得る。ヒト化の後、ヒト化抗体は依然として、ヒト化前の元の非ヒト抗体と同じ抗原へ結合する。ヒト化された免疫グロブリンは、遺伝子工学を用いて構築され得る。VHH抗体ドメインは、VHH抗体ドメインの配列と高度に相同の配列を有するヒトVHドメインに基づき、容易にヒト化される。
【0062】
VHHは、多価および/または多重特異性抗体の構築物を生成するためのモジュール式構成ブロックとして使用され得るが、ここで「多価」は、構築物が1より多くの単一ドメイン抗体を網羅することを意味し、「多重特異性」は、1より多くの結合特異性の単一ドメイン抗体を網羅することを意味する。
【0063】
いくつかの場合にて、本開示は、あるタンパク質/アミノ酸配列Aが、別のタンパク質/アミノ酸配列Bの「フラグメント」であることを述べる。これは、タンパク質/アミノ酸Bと比較して、タンパク質/アミノ酸配列AがN末端にて1アミノ酸以上をおよび/またはC末端にて1アミノ酸以上を欠いていることを意味する。タンパク質/アミノ酸配列が、別のタンパク質/アミノ酸配列と比較して、N末端にて1アミノ酸以上をおよび/またはC末端にて1アミノ酸以上を欠いているかどうかは例えば、例としてBLASTファミリーのプログラムで配列アライメントを形成した際に容易に決定され得る。
【0064】
当業者が理解しているとおり、本開示が「VHH抗体ドメインまたはそのフラグメント」を指すとき、該フラグメントは、抗原結合性フラグメントである。よって、該フラグメントは、該フラグメントが由来する本開示に従う「完全長」VHH抗体ドメインと同じ抗原(つまりNKp30)へ結合する。好ましくは、該VHH抗体ドメインの該フラグメントは、C末フラグメントである。これは、「完全な」VHH抗体ドメイン配列と比較して該フラグメントがN末端にあるアミノ酸を欠くことを意味する。
【0065】
本開示が、VHH抗体ドメインまたはそのフラグメントが「CDRの表に示されるとおりのVHH1~VHH16の1つの」相補性決定領域CDR1、CDR2、およびCDR3を含むことを指し示しているとき、これは、該VHH抗体ドメインが、CDRの組み合わせまたはVHH1もしくはVHH2もしくはVHH3等々のいずれかを含むが、列挙されたVHHの異なるものから選択されるCDRの混合物は含まないことを意味する。よって、該VHH抗体ドメインまたはそのフラグメントは、例として、VHH1のCDR1、CDR2、およびCDR3(配列番号18、19および20)の組み合わせ、VHH2のCDR1、CDR2、およびCDR3の組み合わせ(配列番号21、22、および23)、またはVHH3のCDR1、CDR2、およびCDR3の組み合わせ(配列番号24、25、および26)等々を包含するが、VHH1のCDR1およびCDR2とVHH2のCDR3(配列番号18、19および23)との組み合わせは包含しない。
【0066】
本開示が、VHH抗体ドメインまたはそのフラグメントが、修飾のある、(a)において定義されるとおりの相補性決定領域CDR1、CDR2、およびCDR3を含み、ここで修飾が、例としてCDR1、CDR2、およびCDR3の少なくとも1つの配列がヒト化されていることを定義するとき、当業者は、このヒト化が、修飾なしのCDR配列の組み合わせを提供するCDRの表中の対応する配列と比較して存在することを分かっている。
【0067】
上の定義において、本開示が、ある数のアミノ酸(例として最大3個まで)の「置き換え、付加、または欠失」である修飾の存在を指し示している場合、当業者は、これが個々の置き換え、付加、または欠失であることを理解している。よって、置き換えられたか、付加されたか、または欠失したアミノ酸は、隣接する位置にあってもよく、またはアミノ酸配列内の独立した、単離された位置にあってもよい。その上、上のとおり、当業者は、この定義がCDRの表中の修飾されていない配列と比較して置き換え、付加、または欠失を指し示すことを分かっている。
【0068】
いくつかの態様において、(b)における修飾は、CDR3の配列ではなく、CDR1および/またはCDR2の配列がヒト化されていることである。
いくつかの態様において、(b)における修飾は、CDR2およびCDR3の配列ではなく、CDR1の配列がヒト化されていることである。
いくつかの態様において、(b)における修飾は、CDR1およびCDR3の配列ではなく、CDR2の配列がヒト化されていることである。
いくつかの態様において、(b)における修飾は、CDR1、CDR2、およびCDR3の2つ以上ではなく、その1つの配列がヒト化されていることである。
【0069】
いくつかの態様において、該CDR(単数または複数)の該ヒト化は、該CDRの配列中の少なくとも1アミノ酸を、ヒトVHドメインの対応するアミノ酸によって置き換えることによる。
いくつかの態様において、該CDR(単数または複数)の該ヒト化は、該CDRの配列中の最大3アミノ酸を、ヒトVHドメインの対応するアミノ酸によって置き換えることによる。
いくつかの態様において、該CDR(単数または複数)の該ヒト化は、CDR1および/またはCDR2の配列中の最大3アミノ酸およびCDR3の配列中の最大1アミノ酸を、ヒトVHドメインの対応するアミノ酸によって置き換えることによる。
いくつかの態様において、該CDR(単数または複数)の該ヒト化は、該CDRの配列中の最大2アミノ酸を、ヒトVHドメインの対応するアミノ酸によって置き換えることによる。
いくつかの態様において、該CDR(単数または複数)の該ヒト化は、CDR1および/またはCDR2の配列中の最大2アミノ酸およびCDR3の配列中の最大1アミノ酸を、ヒトVHドメインの対応するアミノ酸によって置き換えることによる。
いくつかの態様において、該CDR(単数または複数)の該ヒト化は、該CDRの配列中の1アミノ酸を、ヒトVHドメインの対応するアミノ酸によって置き換えることによる。
【0070】
いくつかの態様において、(c)における修飾は、
- CDR1における最大3アミノ酸までの置き換え、付加、もしくは欠失、
- CDR2における最大3アミノ酸までの置き換え、付加、もしくは欠失、および/または
- CDR3における最大1アミノ酸の置き換え、付加、もしくは欠失である。
【0071】
いくつかの態様において、(c)における修飾は、
- CDR1における最大2アミノ酸の置き換え、付加、もしくは欠失、
- CDR2における最大2アミノ酸の置き換え、付加、もしくは欠失、および/または
- CDR3における最大2アミノ酸の置き換え、付加、もしくは欠失である;
【0072】
いくつかの態様において、(c)における修飾は、
- CDR1における最大2アミノ酸の置き換え、付加、もしくは欠失;
- CDR2における最大2アミノ酸の置き換え、付加、もしくは欠失;および/または
- CDR3における最大1アミノ酸の置き換え、付加、もしくは欠失である。
【0073】
いくつかの態様において、(c)における修飾は、
- CDR1における最大2アミノ酸の置き換え、付加、もしくは欠失、および/または
- CDR2における最大2アミノ酸の置き換え、付加、もしくは欠失である;
ここでCDR3の配列は、修飾されていない。
【0074】
当業者が理解しているとおり、「CDR3の配列は修飾されていない」と指し示すことは、配列が、CDRの表中の問題となっているVHHに係るCDR3を規定する配列と比較して修飾されていないことを意味する。
【0075】
いくつかの態様において、(c)における修飾は、
- CDR1における最大2アミノ酸の置き換え、付加、もしくは欠失であり、
ここでCDR2およびCDR3の配列は、修飾されていない。
【0076】
いくつかの態様において、(c)における修飾は、
- CDR2における最大2アミノ酸の置き換え、付加、もしくは欠失であり、
ここでCDR1およびCDR3の配列は、修飾されていない。
【0077】
いくつかの態様において、(c)における修飾は、
- CDR1における最大1アミノ酸の置き換え、付加、もしくは欠失;
- CDR2における最大1アミノ酸の置き換え、付加、もしくは欠失;および/または
- CDR3における最大1アミノ酸の置き換え、付加、もしくは欠失である。
【0078】
いくつかの態様において、(c)における修飾は、
- CDR1における1アミノ酸の置き換え、付加、もしくは欠失、および/または
- CDR2における1アミノ酸の置き換え、付加、もしくは欠失である;
ここでCDR3の配列は、修飾されていない。
【0079】
いくつかの態様において、(c)における修飾は、
- CDR1における1アミノ酸の置き換え、付加、もしくは欠失であり、
ここでCDR2およびCDR3の配列は、修飾されていない。
【0080】
いくつかの態様において、(c)における修飾は、
- CDR2における1アミノ酸の置き換え、付加、もしくは欠失であり、
ここでCDR1およびCDR3の配列は、修飾されていない。
【0081】
いくつかの態様において、(c)における修飾は、アミノ酸の置き換えのみを含み、アミノ酸の付加も欠失も含まない。いくつかの態様において、該置き換えは、保存アミノ酸の置き換えである。
【0082】
本明細書に使用されるとき、「保存アミノ酸の置き換え」は、あるアミノ酸の別のアミノ酸、生物学的に同様のアミノ酸による置き換えを指す。保存的な置き換えは、タンパク質/アミノ酸配列の形状または特徴を変化させる可能性が低い。保存的な置き換えの例は、ある疎水性残基(イソロイシン、バリン、ロイシン、もしくはメチオニンなど)の別の残基との置き換え、またはある極性残基の別の残基との置換(アルギニンのリシンとの置換、グルタミン酸のアスパラギン酸との置換、もしくはグルタミンのアスパラギンとの置換など)を包含する。
【0083】
第2の側面に従うと、本開示は、VHH抗体ドメインまたはそのフラグメントを含む化合物に関し、ここで
(A)該VHH抗体ドメインは、下のVHH配列VHH配列の表に示されるVHH1~VHH16のいずれか1つを含む;
(B)該VHH抗体ドメインは、修飾のある、(A)において定義されるとおりのVHH配列を含み、ここで修飾は、該配列がヒト化されていることである;
(C)該VHH抗体ドメインは、修飾のある、(A)において定義されるとおりのVHH配列を含み、ここで修飾は、最大25アミノ酸までの置き換え、付加、もしくは欠失である;あるいは
(D)該VHH抗体ドメインは、(A)において触れられるVHH配列と少なくとも75%同一であるVHH配列を含む;
VHH配列の表:
【表E-1】
【0084】
【表E-2】
【0085】
【表E-3】
【0086】
第3の側面に従うと、本開示は、VHH抗体ドメインまたはそのフラグメントを含む化合物に関し、ここで
(A)該VHH抗体ドメインは、VHH配列VHH配列の表に示されるVHH1~VHH16のいずれか1つからなる;
(B)該VHH抗体ドメインは、修飾のある、(A)において定義されるとおりのVHH配列からなり、ここで修飾は、該配列がヒト化されていることである;
(C)該VHH抗体ドメインは、修飾のある、(A)において定義されるとおりのVHH配列からなり、ここで修飾は、最大25アミノ酸までの置き換え、付加、もしくは欠失である;あるいは
(D)該VHH抗体ドメインは、(A)において触れられるVHH配列と少なくとも75%同一であるVHH配列からなる。
【0087】
第2および第3の側面へ、上の第1の側面に関して提供される同じ説明および定義が結果的に適用される。
当業者が分かっているとおり、本開示が、VHH抗体ドメインが「VHH配列の表に示されるVHH配列VHH1~VHH16のいずれか1つを含む」ことを指し示す場合、これは、該VHH抗体ドメインが、VHH配列の表に列挙される配列の1つ(および複数でもすべてでもない)を含むことを意味する。
【0088】
よって、本開示が、VHH抗体ドメインまたはそのフラグメントが、修飾のある、(A)において定義されるとおりのVHH配列を含む/からなることを指し示す場合(ここで修飾は、該配列がヒト化されていることである)、当業者は、これが、修飾のない配列を提供するVHH配列の表中の対応する配列と比較してこのヒト化が存在することを意味することを分かっている。
【0089】
上の定義において、本開示が、ある数のアミノ酸(例として最大3個まで)の「置き換え、付加、または欠失」である修飾の存在を指し示している場合、当業者は、これが個々の置き換え、付加、または欠失であることを理解している。よって、置き換えられたか、付加されたか、または欠失したアミノ酸は、隣接する位置にあってもよく、またはアミノ酸配列内の独立した、単離された位置にあってもよい。その上、上のとおり、当業者は、この定義がVHH配列の表中の修飾されていない配列と比較して置き換え、付加、または欠失を指し示すことを分かっている。
【0090】
本開示が、ある配列Aが別の配列Bと「少なくともx%同一である」ことを述べる場合、これは、配列Aが配列Bと「x%の同一性を有する」との陳述と同義である。陳述は、配列を比較することによって決定された2つのポリペプチド配列AとBとの間の関係性を反映する。一般に、同一性は、比較されている配列の長さにわたり2つのポリペプチド配列夫々の厳密なアミノ酸同士の一致を指す。厳密に一致していない配列については、2つの配列が同一であるパーセンテージが決定されてもよい。一般に、比較される2つの配列は、アラインされて配列間の最大限の相関が与えられる。これは、一方または両方の配列のいずれかに「ギャップ(gaps)」を挿入してアライメント度(degree of alignment)を増強することを包含してもよい。%同一性は、比較されている配列の各々の全長にわたり(所謂、包括的なアライメント)(これは、同じ長さもしくは酷似する長さの配列にとって殊更好適である)、またはより短い規定の長さにわたり(所謂、局部的なアライメント)(これは、等しくない長さの配列にとってより好適である)決定されてもよい。
【0091】
2以上の配列の同一性を比較するための方法は、当該技術分野において周知である。よって、実例として、Wisconsin Sequence Analysis Package,version 9.1(Devereux J et al.,1984)における利用可能なプログラム、例えばプログラムBESTFITおよびGAPは、2つのポリヌクレオチド間の%同一性および2つのポリペプチド配列間の%同一性を決定するために使用されてもよい。BESTFITは、SmithおよびWaterman(1981)の「局部的な相同性」アルゴリズムを使用し、2配列間に類似性のある最良の単一領域を見出す。同一性配列を決定するための他のプログラムもまた、当該技術分野において知られており、実例としてBLASTファミリーのプログラム(Altschul S F et al,1990、Altschul S F et al,1997、www.ncbi.nlm.nih.govにてNCBIのホームページを通してアクセス可能である)およびFASTA(Pearson WR,1990)がある。好ましくは、本開示に従う%同一性は、BLASTファミリーのプログラム(Altschul S F et al,1990、Altschul S F et al,1997、www.ncbi.nlm.nih.govにてNCBIのホームページを通してアクセス可能である)に従って決定される。
【0092】
いくつかの態様において、該VHH抗体ドメインの該フラグメントは、該VHH抗体ドメインの配列のアミノ酸の少なくとも75%を含む。当業者が理解しているとおり、これは、そのフラグメントが該VHH抗体ドメインのアミノ酸総数の最大4分の1を欠くことを意味し、ここで「完全な」VHH抗体ドメイ配列と比較して、該アミノ酸はN末端またはC末端のいずれかにて欠けている。
【0093】
いくつかの態様において、該VHH抗体ドメインの該フラグメントは、該VHH抗体ドメインの配列のアミノ酸の少なくとも80%を含む。
いくつかの態様において、該VHH抗体ドメインの該フラグメントは、該VHH抗体ドメインの配列のアミノ酸の少なくとも85%を含む。
いくつかの態様において、ここで該VHH抗体ドメインの該フラグメントは、該VHH抗体ドメインの配列のアミノ酸の少なくとも90%を含む。
いくつかの態様において、該VHH抗体ドメインの該フラグメントは、該VHH抗体ドメインの配列のアミノ酸の少なくとも95%を含む。
いくつかの態様において、該VHH抗体ドメインの該フラグメントは、該VHH抗体ドメインの配列のアミノ酸の少なくとも98%を含む。
いくつかの態様において、該VHH抗体ドメインの該フラグメントは、該VHH抗体ドメインの配列のアミノ酸の少なくとも99%を含む。
【0094】
いくつかの態様において、該VHH抗体ドメインの該フラグメントは、相補性決定領域CDR1、CDR2、およびCDR3を含む。
いくつかの態様において、該VHH抗体ドメインの該フラグメントは、少なくとも該VHH抗体ドメインのCDR1のN末端からCDR3のC末端までの配列を含む。
【0095】
いくつかの態様において、(A)における該VHH抗体ドメインの該フラグメントは、該VHH抗体ドメインの相補性決定領域(CDR)をすべて含む。
いくつかの態様において、(B)における該配列の該ヒト化は、該配列の少なくとも1アミノ酸を、ヒトVH(可変重)ドメインの対応するアミノ酸によって置き換えることによる。
いくつかの態様において、(B)における該配列の該ヒト化は、該配列の最大25アミノ酸を(個々に)、ヒトVHドメインの対応するアミノ酸によって置き換えることによる。
【0096】
当業者が理解しているとおり、本開示が、ある配列/ドメインAのアミノ酸の、ある配列/ドメインBの「対応する」アミノ酸による置き換えを指す場合、これは、配列/ドメインAの該アミノ酸は、2配列のアライメントにおいて配列/ドメインAの該アミノ酸とアラインしている配列/ドメインB中のアミノ酸によって置き換えられていることを指定する。
【0097】
いくつかの態様において、(B)における該配列の該ヒト化は、該配列の最大20アミノ酸を、ヒトVHドメインの対応するアミノ酸によって置き換えることによる。
いくつかの態様において、(B)における該配列の該ヒト化は、該配列の最大15アミノ酸を、ヒトVHドメインの対応するアミノ酸によって置き換えることによる。
いくつかの態様において、(B)における該配列の該ヒト化は、該配列の最大10アミノ酸を、ヒトVHドメインの対応するアミノ酸によって置き換えることによる。
いくつかの態様において、(B)における該配列の該ヒト化は、該配列の最大5アミノ酸を、ヒトVHドメインの対応するアミノ酸によって置き換えることによる。
いくつかの態様において、(B)における該配列の該ヒト化は、該配列の最大3アミノ酸を、ヒトVHドメインの対応するアミノ酸によって置き換えることによる。
いくつかの態様において、(B)における該配列の該ヒト化は、該配列の最大2アミノ酸を、ヒトVHドメインの対応するアミノ酸によって置き換えることによる。
いくつかの態様において、(B)における該配列の該ヒト化は、該配列の1アミノ酸を、ヒトVHドメインの対応するアミノ酸によって置き換えることによる。
【0098】
いくつかの態様において、(B)における該ヒト化は、該VHH抗体ドメインのフレームワーク領域内、および/または該VHH抗体ドメインのCDR内にある。
いくつかの態様において、(B)における該ヒト化は、該VHH抗体ドメインのフレームワーク領域内にあるが、該VHH抗体ドメインのCDR内にはない。
いくつかの態様において、(B)における該ヒト化は、該VHH抗体ドメインのCDR内にあるが、該VHH抗体ドメインのフレームワーク領域内にはない。
【0099】
いくつかの態様において、(B)における該VHH抗体ドメインのCDR内の該ヒト化は、CDR1、CDR2、および/またはCDR3内にある。
いくつかの態様において、(B)における該VHH抗体ドメインのCDR内の該ヒト化は、CDR1および/またはCDR2内にある。
いくつかの態様において、(B)における該VHH抗体ドメインのCDR内の該ヒト化は、CDR1内にある。
いくつかの態様において、(B)における該VHH抗体ドメインのCDR内の該ヒト化は、CDR2内にある。
いくつかの態様において、(B)における該VHH抗体ドメインのCDR内の該ヒト化は、CDR3内にはない。
【0100】
いくつかの態様において、(C)における修飾は、最大20アミノ酸の置き換え、付加、または欠失である。
いくつかの態様において、(C)における修飾は、最大15アミノ酸の置き換え、付加、または欠失である。
いくつかの態様において、(C)における修飾は、最大10アミノ酸の置き換え、付加、または欠失である。
いくつかの態様において、(C)における修飾は、最大5アミノ酸の置き換え、付加、または欠失である。
いくつかの態様において、(C)における修飾は、最大3アミノ酸の置き換え、付加、または欠失である。
いくつかの態様において、(C)における修飾は、最大2アミノ酸の置き換え、付加、または欠失である。
いくつかの態様において、(C)における修飾は、1アミノ酸の置き換え、付加、または欠失である。
いくつかの態様において、(c)における修飾は、アミノ酸の置き換えのみ含み、アミノ酸の付加も欠失も含まない。
【0101】
いくつかの態様において、(A)における該VHH抗体ドメインまたはそのフラグメントは、CDRの表に示されるとおりのVHH1~VHH16の1つの相補性決定領域CDR1、CDR2、およびCDR3を含む。
【0102】
いくつかの態様において、(B)~(D)において、
(a)該VHH抗体ドメインまたはそのフラグメントは、CDRの表に示されるとおりのVHH1~VHH16の1つの相補性決定領域CDR1、CDR2、およびCDR3を含む;
(b)該VHH抗体ドメインまたはそのフラグメントは、修飾のある、(a)において定義されるとおりの相補性決定領域CDR1、CDR2、およびCDR3を含み、ここで修飾は、CDR1、CDR2、およびCDR3の少なくとも1つの配列がヒト化されていることである;
(c)該VHH抗体ドメインまたはそのフラグメントは、修飾のある、(a)において定義されるとおりの相補性決定領域CDR1、CDR2、およびCDR3を含み、ここで修飾は、
- CDR1における最大3アミノ酸までの置き換え、付加、もしくは欠失、
- CDR2における最大3アミノ酸までの置き換え、付加、もしくは欠失、および/または
- CDR3における最大3アミノ酸までの置き換え、付加、もしくは欠失である。
【0103】
いくつかの態様において、(b)における修飾は、CDR3の配列ではなく、CDR1および/またはCDR2の配列がヒト化されていることである。
いくつかの態様において、(b)における修飾は、CDR2およびCDR3の配列ではなく、CDR1の配列がヒト化されていることである。
いくつかの態様において、(b)における修飾は、CDR1およびCDR3の配列ではなく、CDR2の配列がヒト化されていることである。
いくつかの態様において、(b)における修飾は、CDR1、CDR2、およびCDR3の2つ以上ではなく、その1つの配列がヒト化されていることである。
【0104】
いくつかの態様において、該CDR(単数または複数)の該ヒト化は、該CDRの配列中の少なくとも1アミノ酸を、ヒトVHドメインの対応するアミノ酸によって置き換えることによる。
いくつかの態様において、該CDR(単数または複数)の該ヒト化は、該CDRの配列中の最大3アミノ酸を、ヒトVHドメインの対応するアミノ酸によって置き換えることによる。
いくつかの態様において、該CDR(単数または複数)の該ヒト化は、CDR1および/またはCDR2の配列中の最大3アミノ酸およびCDR3の配列中の最大1アミノ酸を、ヒトVHドメインの対応するアミノ酸によって置き換えることによる。
いくつかの態様において、該CDR(単数または複数)の該ヒト化は、該CDRの配列中の最大2アミノ酸を、ヒトVHドメインの対応するアミノ酸によって置き換えることによる。
いくつかの態様において、該CDR(単数または複数)の該ヒト化は、CDR1および/またはCDR2の配列中の最大2アミノ酸およびCDR3の配列中の最大1アミノ酸を、ヒトVHドメインの対応するアミノ酸によって置き換えることによる。
いくつかの態様において、該CDR(単数または複数)の該ヒト化は、該CDRの配列中の1アミノ酸を、ヒトVHドメインの対応するアミノ酸によって置き換えることによる。
【0105】
いくつかの態様において、(c)における修飾は、
- CDR1における最大3アミノ酸までの置き換え、付加、もしくは欠失、
- CDR2における最大3アミノ酸までの置き換え、付加、もしくは欠失、および/または
- CDR3における最大2アミノ酸の置き換え、付加、もしくは欠失である。
【0106】
いくつかの態様において、(c)における修飾は、
- CDR1における最大3アミノ酸までの置き換え、付加、もしくは欠失、
- CDR2における最大3アミノ酸までの置き換え、付加、もしくは欠失、および/または
- CDR3における最大1アミノ酸の置き換え、付加、もしくは欠失である。
【0107】
いくつかの態様において、(c)における修飾は、
- CDR1における最大3アミノ酸までの置き換え、付加、または欠失、および/または
- CDR2における最大3アミノ酸までの置き換え、付加、または欠失であり、
ここでCDR3の配列は、修飾されていない。当業者が分かっているとおり、「修飾されていない」は、CDRの表中の配列と比較して修飾されていないことを意味する。
【0108】
いくつかの態様において、(c)における修飾は、
- CDR1における最大2アミノ酸の置き換え、付加、もしくは欠失、
- CDR2における最大2アミノ酸の置き換え、付加、もしくは欠失、および/または
- CDR3における最大2アミノ酸の置き換え、付加、もしくは欠失である;
【0109】
いくつかの態様において、(c)における修飾は、
- CDR1における最大2アミノ酸の置き換え、付加、もしくは欠失;
- CDR2における最大2アミノ酸の置き換え、付加、もしくは欠失;および/または
- CDR3における最大1アミノ酸の置き換え、付加、もしくは欠失である。
【0110】
いくつかの態様において、(c)における修飾は、
- CDR1における最大2アミノ酸の置き換え、付加、もしくは欠失、および/または
- CDR2における最大2アミノ酸の置き換え、付加、もしくは欠失である;
ここでCDR3の配列は、修飾されていない。
【0111】
いくつかの態様において、(c)における修飾は、
- CDR1における最大2アミノ酸の置き換え、付加、もしくは欠失であり、
ここでCDR2およびCDR3の配列は、修飾されていない。
【0112】
いくつかの態様において、(c)における修飾は、
- CDR2における最大2アミノ酸の置き換え、付加、もしくは欠失であり、
ここでCDR1およびCDR3の配列は、修飾されていない。
【0113】
いくつかの態様において、(c)における修飾は、
- CDR1における最大1アミノ酸の置き換え、付加、もしくは欠失;
- CDR2における最大1アミノ酸の置き換え、付加、もしくは欠失;および/または
- CDR3における最大1アミノ酸の置き換え、付加、もしくは欠失である。
【0114】
いくつかの態様において、(c)における修飾は、
- CDR1における1アミノ酸の置き換え、付加、もしくは欠失、および/または
- CDR2における1アミノ酸の置き換え、付加、もしくは欠失である;
ここでCDR3の配列は、修飾されていない。
【0115】
いくつかの態様において、(c)における修飾は、
- CDR1における1アミノ酸の置き換え、付加、もしくは欠失であり、
ここでCDR2およびCDR3の配列は、修飾されていない。
【0116】
いくつかの態様において、(c)における修飾は、
- CDR2における1アミノ酸の置き換え、付加、もしくは欠失であり、
ここでCDR1およびCDR3の配列は、修飾されていない。
【0117】
いくつかの態様において、(c)における修飾は、アミノ酸の置き換えのみ含み、アミノ酸の付加も欠失も含まない。
【0118】
いくつかの態様において、該化合物は、VHH抗体ドメインを(そのフラグメントに限らず)含む。
いくつかの態様において、該化合物は、VHH抗体ドメインのフラグメント(完全長VHH抗体ドメインではない)からなる。
いくつかの態様において、該フラグメントは、少なくとも100アミノ酸からなる。
いくつかの態様において、該フラグメントは、少なくとも105アミノ酸からなる。
いくつかの態様において、該フラグメントは、少なくとも110アミノ酸からなる。
いくつかの態様において、該フラグメントは、少なくとも115アミノ酸からなる。
【0119】
いくつかの態様において、該化合物は、NKp30へ特異的に結合することが可能である。
いくつかの態様において、ある化合物、ドメイン、またはフラグメントが「NKp30へ特異的に結合することが可能である」という特定用語は、ヒトB7-H6(配列番号17)がNKp30へ結合する親和性と少なくとも等しい親和性で、該化合物、ドメイン、またはフラグメントがNKp30へ結合することが可能であることを意味する。かかる結合は、下の例1に記載のとおりの(バイオレイヤー干渉による)in vitroでの結合実験によって決定され得る。
【0120】
いくつかの態様において、該VHH抗体ドメインまたはそのフラグメントは、NKp30へ特異的に結合することが可能である。
いくつかの態様において、該VHH抗体ドメインまたはそのフラグメントは、組換えヒトNKp30へ、1x10-6MのKDでまたはこれより強く結合する。
いくつかの態様において、該VHH抗体ドメインまたはそのフラグメントは、組換えヒトNKp30へ、1x10-7MのKDでまたはこれより強く結合する。
いくつかの態様において、該VHH抗体ドメインまたはそのフラグメントは、組換えヒトNKp30へ、1x10-8MのKDでまたはこれより強く結合する。
いくつかの態様において、該VHH抗体ドメインまたはそのフラグメントは、組換えヒトNKp30へ、1x10-9MのKDでまたはこれより強く結合する。
【0121】
いくつかの態様において、該VHH抗体ドメインまたはそのフラグメントは、組換えヒトNKp30へ1x104(1/Ms)以上のkonで結合する。
いくつかの態様において、該VHH抗体ドメインまたはそのフラグメントは、組換えヒトNKp30へ1x105(1/Ms)以上のkonで結合する。
【0122】
いくつかの態様において、該VHH抗体ドメインまたはそのフラグメントは、組換えヒトNKp30へ5x10-3(1/Ms)以下のkoffで結合する。
いくつかの態様において、該VHH抗体ドメインまたはそのフラグメントは、組換えヒトNKp30へ1x10-3(1/Ms)以下のkoffで結合する。
いくつかの態様において、該VHH抗体ドメインまたはそのフラグメントは、組換えヒトNKp30へ1x10-4(1/Ms)以下のkoffで結合する。
いくつかの態様において、該VHH抗体ドメインまたはそのフラグメントは、組換えヒトNKp30へ1x10-5(1/Ms)以下のkoffで結合する。
いくつかの態様において、該VHH抗体ドメインまたはそのフラグメントは、組換えヒトNKp30へ1x10-6(1/Ms)以下のkoffで結合する。
いくつかの態様において、該VHH抗体ドメインまたはそのフラグメントは、組換えヒトNKp30へ1x10-7(1/Ms)以下のkoffで結合する。
【0123】
いくつかの態様において、(b)および(c)におけるVHH抗体ドメインまたはそのフラグメントは、修飾のない対応するVHH抗体ドメインの結合より5倍以上弱くない親和性(KD値)で組換えヒトNKp30へ結合する。
いくつかの態様において、(b)および(c)におけるVHH抗体ドメインまたはそのフラグメントは、修飾のない対応するVHH抗体ドメインの結合より2倍以上弱くない親和性(KD値)で組換えヒトNKp30へ結合する。
いくつかの態様において、(b)および(c)におけるVHH抗体ドメインまたはそのフラグメントは、修飾のない対応するVHH抗体ドメインの結合より1.5倍以上弱くない親和性(KD値)で組換えヒトNKp30へ結合する。
【0124】
いくつかの態様において、(b)および(c)におけるVHH抗体ドメインまたはそのフラグメントは、修飾のない対応するVHH抗体ドメインの結合より5倍以上強くない親和性(KD値)で組換えヒトNKp30へ結合する。
いくつかの態様において、(b)および(c)におけるVHH抗体ドメインまたはそのフラグメントは、修飾のない対応するVHH抗体ドメインの結合より2倍以上強くない親和性(KD値)で組換えヒトNKp30へ結合する。
いくつかの態様において、(b)および(c)におけるVHH抗体ドメインまたはそのフラグメントは、修飾のない対応するVHH抗体ドメインの結合より1.5倍以上強くない親和性(KD値)で組換えヒトNKp30へ結合する。
【0125】
いくつかの態様において、(B)および(C)におけるVHH抗体ドメインは、修飾のない対応するVHH抗体ドメインの結合より5倍以上弱くない親和性(KD値)で組換えヒトNKp30へ結合する。
いくつかの態様において、(B)および(C)におけるVHH抗体ドメインは、修飾のない対応するVHH抗体ドメインの結合より2倍以上弱くない親和性(KD値)で組換えヒトNKp30へ結合する。
いくつかの態様において、(B)および(C)におけるVHH抗体ドメインは、修飾のない対応するVHH抗体ドメインの結合より1.5倍以上弱くない親和性(KD値)で組換えヒトNKp30へ結合する。
【0126】
いくつかの態様において、(B)および(C)におけるVHH抗体ドメインは、修飾のない対応するVHH抗体ドメインの結合より5倍以上強くない親和性(KD値)で組換えヒトNKp30へ結合する。
いくつかの態様において、(B)および(C)におけるVHH抗体ドメインは、修飾のない対応するVHH抗体ドメインの結合より2倍以上強くない親和性(KD値)で組換えヒトNKp30へ結合する。
いくつかの態様において、(B)および(C)におけるVHH抗体ドメインは、修飾のない対応するVHH抗体ドメインの結合より1.5倍以上強くない親和性(KD値)で組換えヒトNKp30へ結合する。
【0127】
いくつかの態様において、(D)におけるVHH抗体ドメインのヒトNKp30への結合の親和性(KD値)は、(D)の該VHH抗体ドメインの配列と最高の配列同一性を有するVHH配列の表からの配列からなるVHH抗体ドメインのヒトNKp30への結合の親和性(KD値)より5倍以上弱くない。配列同一性の程度は、配列アライメントによって決定され得る。
いくつかの態様において、(D)におけるVHH抗体ドメインのヒトNKp30への結合の親和性(KD値)は、(D)の該VHH抗体ドメインの配列と最高の配列同一性を有するVHH配列の表からの配列からなるVHH抗体ドメインのヒトNKp30への結合の親和性(KD値)より2倍以上弱くない。
いくつかの態様において、(D)におけるVHH抗体ドメインのヒトNKp30への結合の親和性(KD値)は、(D)の該VHH抗体ドメインの配列と最高の配列同一性を有するVHH配列の表からの配列からなるVHH抗体ドメインのヒトNKp30への結合の親和性(KD値)より1.5倍以上弱くない。
【0128】
いくつかの態様において、(D)におけるVHH抗体ドメインのヒトNKp30への結合の親和性(KD値)は、(D)の該VHH抗体ドメインの配列と最高の配列同一性を有するVHH配列の表からの配列からなるVHH抗体ドメインのヒトNKp30への結合の親和性(KD値)より5倍以上強くない。
いくつかの態様において、(D)におけるVHH抗体ドメインのヒトNKp30への結合の親和性(KD値)は、(D)の該VHH抗体ドメインの配列と最高の配列同一性を有するVHH配列の表からの配列からなるVHH抗体ドメインのヒトNKp30への結合の親和性(KD値)より2倍以上強くない。
いくつかの態様において、(D)におけるVHH抗体ドメインのヒトNKp30への結合の親和性(KD値)は、(D)の該VHH抗体ドメインの配列と最高の配列同一性を有するVHH配列の表からの配列からなるVHH抗体ドメインのヒトNKp30への結合の親和性(KD値)より1.5倍以上強くない。
【0129】
いくつかの態様において、該KD値/該kon速度/該koff速度は、バイオレイヤー干渉による反応速度(kinetic)測定によって、KB緩衝剤(PBS+0.1%Tween-20+1%BSA)中25℃および1000rpmにて測定される。いくつかの態様において、結合(すなわち結合/特異的結合自体)は、このアプローチによって決定される。
【0130】
いくつかの態様において、該VHH抗体ドメインまたはそのフラグメントは、ヒトNKp30への結合についてヒトB7-H6と競合する。VHH抗体ドメインまたはそのフラグメントがヒトB7-H6と競合する場合、これは例の節に記載のとおりに決定され得る。
【0131】
いくつかの態様において、該VHH抗体ドメインまたはそのフラグメントは、ヒトNKp30への結合についてヒトB7-H6とは競合しない。
いくつかの態様において、該VHH抗体ドメインまたはそのフラグメントは、ヒトNKp30への結合についてヒトB7-H6と部分的に競合する。
【0132】
いくつかの態様において、(A)の該VHH抗体ドメインは、VHH配列の表に示されるVHH配列VHH1、VHH2、VHH3、VHH4、VHH5、VHH8、VHH9、VHH10、VHH11、VHH12、VHH13、VHH14、VHH15、またはVHH16のいずれか1つを含む。(かかるVHH抗体ドメインをもつ化合物につき、例として例3、表1から分かるとおり、E-09またはこれより強い範囲にあるKDが、NKp30への結合について観察された。)
【0133】
いくつかの態様において、(A)の該VHH抗体ドメインは、VHH配列の表に示されるVHH配列VHH1、VHH3、VHH5、VHH8、VHH10、VHH12、VHH13、VHH14、VHH15、またはVHH16のいずれか1つを含む。(かかるVHH抗体ドメインをもつ化合物につき、例として例3、表1から分かるとおり、E-10またはこれより強い範囲にあるKDが、NKp30への結合について観察された。)
【0134】
いくつかの態様において、(A)の該VHH抗体ドメインは、VHH配列の表に示されるVHH配列VHH15を含む。(かかるVHH抗体ドメインをもつ化合物につき、例として例3、表1から分かるとおり、E-12またはこれより強い範囲にあるKDおよびE-07またはこれより低い範囲にあるkoffが、NKp30への結合について観察された。)
【0135】
いくつかの態様において、(A)の該VHH抗体ドメインは、VHH配列の表に示されるVHH配列VHH1、VHH2、VHH3、VHH5、VHH6、VHH8、VHH9、VHH10、VHH11、VHH12、VHH13、VHH14、VHH15、またはVHH16のいずれか1つを含む。(かかるVHH抗体ドメインをもつ化合物につき、例として例3、表1から分かるとおり、E-05の範囲にあるkonが、NKp30への結合について観察された。)
【0136】
いくつかの態様において、(A)の該VHH抗体ドメインは、VHH配列の表に示されるVHH配列VHH1、VHH2、VHH3、VHH4、VHH5、VHH8、VHH10、VHH11、VHH12、VHH13、VHH14、VHH15、またはVHH16のいずれか1つを含む。(かかるVHH抗体ドメインをもつ化合物につき、例として例3、表1から分かるとおり、E-04またはこれより低い範囲にあるkoffが、NKp30への結合について観察された。)
【0137】
いくつかの態様において、(A)の該VHH抗体ドメインは、VHH配列の表に示されるVHH配列VHH10、VHH15、またはVHH16のいずれか1つを含む。(かかるVHH抗体ドメインをもつ化合物につき、例として例3、表1から分かるとおり、E-05またはこれより低い範囲にあるkoffが、NKp30への結合について観察された。)
【0138】
いくつかの態様において、(A)の該VHH抗体ドメインは、VHH配列の表に示されるVHH配列VHH1、VHH3、VHH5、VHH12、VHH13、VHH14、VHH15、またはVHH16のいずれか1つを含む。(かかるVHH抗体ドメインをもつ化合物につき、例として例3、表1から分かるとおり、B7-H6との競合が観察される。例4に示されるとおり、かかるVHH抗体ドメインは、標的にされた細胞の溶解を高い効率で媒介する化合物をもたらす。)
【0139】
いくつかの態様において、(A)の該VHH抗体ドメインは、VHH配列の表に示されるVHH配列VHH1、VHH5、またはVHH16のいずれか1つを含む。
【0140】
いくつかの態様において、(A)の該VHH抗体ドメインは、VHH配列の表に示されるVHH配列VHH2、VHH6、VHH7、VHH8、VHH9、VHH10、またはVHH11のいずれか1つを含む。(かかるVHH抗体ドメインをもつ化合物につき、例として例3、表1から分かるとおり、B7-H6との競合は観察されない。例4に示されるとおり、かかるVHH抗体ドメインは、標的にされた細胞の溶解を媒介する化合物をもたらすが、その効率はより低い。)
【0141】
いくつかの態様において、(A)の該VHH抗体ドメインは、VHH配列の表に示されるVHH配列VHH2、VHH4、またはVHH8のいずれか1つを含む。
いくつかの態様において、(A)の該VHH抗体ドメインは、VHH配列の表に示されるVHH配列VHH2、またはVHH8のいずれか1つを含む。
【0142】
いくつかの態様において、(A)の該VHH抗体ドメインは、VHH配列の表に示されるVHH配列VHH4を含む。(かかるVHH抗体ドメインをもつ化合物につき、例として例3、表1から分かるとおり、B7-H6との部分的な競合が観察される。)
【0143】
いくつかの態様において、(A)の該VHH抗体ドメインは、VHH配列の表に示されるVHH配列VHH12またはVHH15のいずれか1つを含む。(かかるVHH抗体ドメインをもつ化合物につき、例として例3から分かるとおり、部分的な競合相手VHH4との競合は観察されない。)
【0144】
いくつかの態様において、(A)の該VHH抗体ドメインは、VHH配列の表に示されるVHH配列VHH8、VHH9、VHH10、またはVHH11のいずれか1つを含む。(例として例3から分かるとおり、かかるVHH抗体ドメインをもつ化合物は、共通の特徴をもつ特定エピトープのビン(bin)に属する。)
【0145】
いくつかの態様において、(A)の該VHH抗体ドメインは、VHH配列の表に示されるVHH配列VHH2またはVHH6のいずれか1つを含む。(例として例3から分かるとおり、かかるVHH抗体ドメインをもつ化合物は、共通の特徴をもつ特定エピトープのビンに属する。)
【0146】
いくつかの態様において、(A)の該VHH抗体ドメインは、VHH配列の表に示されるVHH配列VHH2、VHH6、またはVHH7のいずれか1つを含む。(例として例3から分かるとおり、かかるVHH抗体ドメインをもつ化合物は、それらエピトープの標的化に関してユニークである。)
【0147】
いくつかの態様において、(A)における該VHH抗体ドメインまたはそのフラグメントは、CDRの表に示されるVHH配列VHH1、VHH2、VHH3、VHH4、VHH5、VHH8、VHH9、VHH10、VHH11、VHH12、VHH13、VHH14、VHH15、またはVHH16のいずれか1つの相補性決定領域CDR1、CDR2、およびCDR3の1つを含む。(かかるVHH抗体ドメインをもつ化合物につき、例として例3、表1から分かるとおり、E-09またはこれより強い範囲にあるKDが、NKp30への結合について観察された。)
【0148】
いくつかの態様において、(A)における該VHH抗体ドメインまたはそのフラグメントは、CDRの表に示されるVHH1、VHH3、VHH5、VHH8、VHH10、VHH12、VHH13、VHH14、VHH15、またはVHH16のいずれか1つの相補性決定領域CDR1、CDR2、およびCDR3の1つを含む。(かかるVHH抗体ドメインをもつ化合物につき、例として例3、表1から分かるとおり、E-10またはこれより強い範囲にあるKDが、NKp30への結合について観察された。)
【0149】
いくつかの態様において、(A)における該VHH抗体ドメインまたはそのフラグメントは、CDRの表に示されるVHH15の相補性決定領域CDR1、CDR2、およびCDR3の1つを含む。(かかるVHH抗体ドメインをもつ化合物につき、例として例3、表1から分かるとおり、E-12またはこれより強い範囲にあるKDおよびE-07またはこれより低い範囲にあるkoffが、NKp30への結合について観察された。)
【0150】
いくつかの態様において、(A)における該VHH抗体ドメインまたはそのフラグメントは、CDRの表に示されるVHH1、VHH2、VHH3、VHH5、VHH6、VHH8、VHH9、VHH10、VHH11、VHH12、VHH13、VHH14、VHH15、またはVHH16の相補性決定領域CDR1、CDR2、およびCDR3の1つを含む。(かかるVHH抗体ドメインをもつ化合物につき、例として例3、表1から分かるとおり、E-05の範囲にあるkonが、NKp30への結合について観察された。)
【0151】
いくつかの態様において、(A)における該VHH抗体ドメインまたはそのフラグメントは、CDRの表に示されるVHH1、VHH2、VHH3、VHH4、VHH5、VHH8、VHH10、VHH11、VHH12、VHH13、VHH14、VHH15、またはVHH16の相補性決定領域CDR1、CDR2、およびCDR3の1つを含む。(かかるVHH抗体ドメインをもつ化合物につき、例として例3、表1から分かるとおり、E-04またはこれより低い範囲にあるkoffが、NKp30への結合について観察された。)
【0152】
いくつかの態様において、(A)における該VHH抗体ドメインまたはそのフラグメントは、CDRの表に示されるVHH10、VHH15、またはVHH16の相補性決定領域CDR1、CDR2、およびCDR3の1つを含む。(かかるVHH抗体ドメインをもつ化合物につき、例として例3、表1から分かるとおり、E-05またはこれより低い範囲にあるkoffが、NKp30への結合について観察された。)
【0153】
いくつかの態様において、(A)における該VHH抗体ドメインまたはそのフラグメントは、CDRの表に示されるVHH1、VHH3、VHH5、VHH12、VHH13、VHH14、VHH15、またはVHH16の相補性決定領域CDR1、CDR2、およびCDR3の1つを含む。(かかるVHH抗体ドメインをもつ化合物につき、例として例3、表1から分かるとおり、B7-H6との競合が観察される。例4に示されるとおり、かかるVHH抗体ドメインは、標的にされた細胞の溶解を高い効率で媒介する化合物をもたらす。)
【0154】
いくつかの態様において、(A)における該VHH抗体ドメインまたはそのフラグメントは、CDRの表に示されるVHH1、VHH5、またはVHH16の相補性決定領域CDR1、CDR2、およびCDR3の1つを含む。
【0155】
いくつかの態様において、(A)における該VHH抗体ドメインまたはそのフラグメントは、CDRの表に示されるVHH2、VHH6、VHH7、VHH8、VHH9、VHH10、またはVHH11の相補性決定領域CDR1、CDR2、およびCDR3の1つを含む。(かかるVHH抗体ドメインをもつ化合物につき、例として例3、表1から分かるとおり、no B7-H6との競合は観察されない。例4に示されるとおり、かかるVHH抗体ドメインは、標的にされた細胞の溶解を媒介する化合物をもたらすが、その効率はより低い。)
【0156】
いくつかの態様において、(A)における該VHH抗体ドメインまたはそのフラグメントは、CDRの表に示されるVHH2、VHH4、またはVHH8の相補性決定領域CDR1、CDR2、およびCDR3の1つを含む。
いくつかの態様において、(A)における該VHH抗体ドメインまたはそのフラグメントは、CDRの表に示されるVHH2またはVHH8の相補性決定領域CDR1、CDR2、およびCDR3の1つを含む。
【0157】
いくつかの態様において、(A)における該VHH抗体ドメインまたはそのフラグメントは、CDRの表に示されるVHH4の相補性決定領域CDR1、CDR2、およびCDR3を含む。(かかるVHH抗体ドメインをもつ化合物につき、例として例3、表1から分かるとおり、B7-H6との部分的な競合が観察される。)
【0158】
いくつかの態様において、(A)における該VHH抗体ドメインまたはそのフラグメントは、CDRの表に示されるVHH12またはVHH15の相補性決定領域CDR1、CDR2、およびCDR3の1つを含む。(かかるVHH抗体ドメインをもつ化合物につき、例として例3から分かるとおり、部分的な競合相手VHH4との競合は観察されない。)
【0159】
いくつかの態様において、(A)における該VHH抗体ドメインまたはそのフラグメントは、CDRの表に示されるVHH8、VHH9、VHH10、またはVHH11の相補性決定領域CDR1、CDR2、およびCDR3の1つを含む。(例として例3から分かるとおり、かかるVHH抗体ドメインをもつ化合物は、共通の特徴をもつ特定エピトープのビンに属する。)
【0160】
いくつかの態様において、(A)における該VHH抗体ドメインまたはそのフラグメントは、CDRの表に示されるVHH2またはVHH6の相補性決定領域CDR1、CDR2、およびCDR3の1つを含む。(例として例3から分かるとおり、かかるVHH抗体ドメインをもつ化合物は、共通の特徴をもつ特定エピトープのビンに属する。)
【0161】
いくつかの態様において、(A)における該VHH抗体ドメインまたはそのフラグメントは、CDRの表に示されるVHH2、VHH6、またはVHH7の相補性決定領域CDR1、CDR2、およびCDR3の1つを含む。(例として例3から分かるとおり、かかるVHH抗体ドメインをもつ化合物は、それらエピトープの標的化に関してユニークである。)
【0162】
いくつかの態様において、該化合物は、分子である。
いくつかの態様において、該化合物は、タンパク質を含むかまたはタンパク質である。
【0163】
化合物がタンパク質を「含む」と述べることによって、本開示は、化合物が、その化学構造内にタンパク質である部分を包含することを指定する。タンパク質を含む化合物は、タンパク質ではない部分を含んでも含んでいなくてもよい。
いくつかの態様において、該化合物は、タンパク質である。
【0164】
化合物がタンパク質で「ある」と述べることによって、本開示は、化合物が、タンパク質のみからなること、かつタンパク質ではない部分を含まないことを指定する。
いくつかの態様において、該VHH抗体ドメインは、ラクダ科動物の抗体に由来する。いくつかの態様において、該VHH抗体ドメインは、ラマ抗体に由来する。
【0165】
いくつかの態様において、該化合物は、(A)、(B)、もしくは(C)に従う、VHH抗体ドメインまたはそのフラグメントを含む。
いくつかの態様において、該化合物は、(A)、(B)、もしくは(D)に従う、VHH抗体ドメインまたはそのフラグメントを含む。
いくつかの態様において、該化合物は、(A)、(C)、もしくは(D)に従う、VHH抗体ドメインまたはそのフラグメントを含む。
いくつかの態様において、該化合物は、(A)または(B)に従う、VHH抗体ドメインまたはそのフラグメントを含む。
いくつかの態様において、該化合物は、(A)または(C)に従う、VHH抗体ドメインまたはそのフラグメントを含む。
いくつかの態様において、該化合物は、(A)または(D)に従う、VHH抗体ドメインまたはそのフラグメントを含む。
いくつかの態様において、該化合物は、(A)に従う、VHH抗体ドメインまたはそのフラグメントを含む。
いくつかの態様において、該化合物は、(B)に従う、VHH抗体ドメインまたはそのフラグメントを含む。
【0166】
いくつかの態様において、該VHH抗体ドメインまたはそのフラグメントは、(a)または(b)に従う相補性決定領域を含む。
いくつかの態様において、該VHH抗体ドメインまたはそのフラグメントは、(a)または(c)に従う相補性決定領域を含む。
いくつかの態様において、該VHH抗体ドメインまたはそのフラグメントは、(a)に従う相補性決定領域を含む。
いくつかの態様において、ここで該VHH抗体ドメインまたはそのフラグメントは、(b)に従う相補性決定領域を含む。
【0167】
いくつかの態様において、該化合物は、標的化成分をさらに含む。
本明細書に使用されるとき、用語「標的化成分」は、該化合物と(典型的には共有結合的に)会合してかつ標的部位に結合する部分(すなわち分子群(molecular group)または化学構造)を指し、ここで該結合は、化合物を該標的部位へ動員することを可能にする。標的部位は典型的には、生物学的分子またはある一部の生物学的分子であろう。標的化成分の例は、NKp30結合VHH抗体ドメインへ共有結合的に連結されることで本開示に従う化合物を形成する抗原結合抗体フラグメントであり、ここで抗原結合性フラグメントは、ある細胞型の表面に存在するある受容体(その抗原)へ結合し、およびここで抗原結合性フラグメントのこの受容体への結合は、化合物のこの細胞型への動員をもたらす。
【0168】
標的化されない薬物は典型的には、全身への分布および受動拡散によってそれらの作用部位に到達する。対照的に、標的化された化合物は、全身にわたって均等には分布されない。標的化成分のその標的分子との相互作用に起因して、標的化成分を包含する化合物は、その標的部位にて優先的に濃縮される。したがって、例として標的化成分をもつ治療化合物は、治療的に有効であるためにより少なくい投薬量しか要さず、よって治療濃度域が改善される。
【0169】
いくつかの態様において、該化合物のすべての構成要素は、共有結合的に連結されている。
いくつかの態様において、該標的化成分は、標的分子またはそのフラグメントへ特異的に結合する分子群である。
いくつかの態様において、該標的分子は、細胞の表面にある受容体である。
いくつかの態様において、該標的分子は、標的細胞の表面上に存在する抗原である。
【0170】
本明細書に使用されるとき、「標的細胞の表面上に存在する標的分子」は、細胞外の環境からアクセス可能である(すなわち、例として抗体が細胞外の環境からそれへ結合し得る)ようなやり方で、標的細胞の表面上に存在する分子である。例えば、CD8は、細胞傷害性T細胞の膜貫通タンパク質であって、その細胞外ドメインは、CD8の細胞外ドメインに対して向かう抗体にとって細胞外の環境からアクセス可能である。よって本開示という意味において、CD8は、細胞傷害性T細胞の表面上に存在する標的分子である。
【0171】
着目した標的分子に「結合する」標的化成分は、標的化成分が、化合物を、標的分子を発現する細胞に対して標的化させるのに有用であるように、その標的分子に充分な親和性で結合することが可能な標的化成分である。
【0172】
本開示が、第2の分子/分子群(例として着目した抗原)へ「特異的に結合する(binding)」/「特異的に結合する(binds)」第1の分子/分子群(例として抗体/抗体構成要素)を指す場合、これは、第1の分子/分子群(この例において抗体)は、該第2の分子/分子群(この例において着目した抗原)へ、他の分子/分子群への、とりわけ人体における他の分子/分子群へのその親和性より少なくとも10倍を超えて大きい親和性(この例において、着目した該抗原(または密接に関わっている抗原)以外の非特異的な抗原(例として、BSA、カゼイン)への結合より少なくとも10倍を超えて大きいその親和性)で結合することを意味する。好ましい態様において、第2の分子/分子群(例として着目した抗原)へ「特異的に結合する」第1の分子/分子群(例として抗体/抗体構成要素)は、該抗原へ、他の分子/分子群への、とりわけ人体における他の分子/分子群へのその親和性より少なくとも100倍を超えて大きい親和性(この例において、着目した該抗原(または密接に関わっている抗原)以外の非特異的な抗原への結合より少なくとも100倍を超えて大きいその親和性で結合する。典型的には、該結合は、生理学的な条件下で決定されるであろう。第2の分子/分子群へ「特異的に結合する」第1の分子/分子群は、その第2の分子/分子群へ、少なくとも約1×107M-1の親和性で結合してもよい。
【0173】
いくつかの態様において、該標的化成分は、タンパク質、ペプチド、ペプチド模倣物、核酸、オリゴヌクレオチド、または小分子である。
本明細書に使用されるとき、用語「ペプチド模倣物」は、ペプチドを模倣するよう設計されたペプチド様の鎖を指す。ペプチド模倣物の例は、D-アミノ酸を含有するD-ペプチド模倣物であるが、これらに限定されない。
【0174】
本明細書に使用されるとき、「小分子」は、分子量が<1000Daの分子である。
いくつかの態様において、該標的化成分は、タンパク質を含むか、またはタンパク質である。
いくつかの態様において、該標的化成分は、タンパク質を含む。
いくつかの態様において、該標的化成分は、タンパク質である。
いくつかの態様において、該標的化成分は、細胞の表面にある受容体へ特異的に結合するタンパク質リガンドである。
いくつかの態様において、該標的化成分は、抗体またはその抗原結合性フラグメントである。
いくつかの態様において、該標的化成分は、腫瘍関連抗原へ特異的に結合することが可能である。
【0175】
いくつかの態様において、該化合物は、二重特異性抗体である。本開示が、化合物が二重特異性抗体であると述べる場合、該二重特異性抗体がさらなるドメインまたは部分へ連結されているという可能性を排除しない。
いくつかの態様において、該化合物は、SEED(鎖交換改変ドメイン(strand-exchange engineered domain))技術によって調製された二重特異性抗体である。
用語「二重特異性抗体」は、本開示に使用されたとき、2つの異なるエピトープへ同時に特異的に結合することが可能である抗体を指す。
【0176】
用語「エピトープ」または「抗原決定基」は、本明細書において互換的に使用され、具体的な抗体によって認識されて特異的に結合される抗原の一部を指す。抗原がポリペプチドであるとき、エピトープは、タンパク質の三次折り畳みによって隣り合って並んだ連続したアミノ酸と連続しないアミノ酸との両方から形成され得る。連続したアミノ酸から形成されるエピトープは典型的には、タンパク質変性の際にも保持されるが、三次折り畳みによって形成されるエピトープは典型的には、タンパク質変性の際に喪失される。エピトープは典型的には、ユニークな空間配座において、大抵、少なくとも3以上、少なくとも5または8~10アミノ酸を包含している。
【0177】
二重特異性抗体が結合する2つの異なるエピトープは、同じ抗原からまたは2つの異なる抗原からのものであり得る。好ましくは、2つのエピトープは、2つの異なる抗原からのものである。二重特異性抗体を作製するための方法は、当該技術分野において知られている。例えば、二重特異性抗体は、2つの免疫グロブリン重鎖/軽鎖の対の共発現を使用して組換えで産生され得る(例としてMilstein et al.,Nature(1983),vol.305,p.537-539を見よ)。代替的に、二重特異性抗体は、化学的な連結を使用して調製され得る(例としてBrennan et al.,Science (1985),vol.229,p.81を見よ)。二重特異性抗体はまた、例えばSEED技術によっても調製され得る(ヒトIgAおよびIgGの保存されたCH3ドメイン内の構造的に関係がある配列が交換されて、非対称ではあるが相補的な2つのドメインを形成する、二重特異性抗体の生成のためのアプローチ、WO 2016/087650を見よ)。さらなる詳細については例の節を見よ。
【0178】
いくつかの態様において、該二重特異性抗体の一方の結合部位は、該VHH抗体ドメインまたはそのフラグメントによって形成され、該二重特異性抗体の一方の結合部位は、該標的化成分によって形成される。
いくつかの態様において、該抗原結合性フラグメントは、Fab、Fab'、(Fab')2、Fv、scFv、ダイアボディ、およびVHHからなる群から選択される。
【0179】
「Fab」フラグメントは、抗体のパパイン消化によって得られるが、前記パパイン消化は「Fab」フラグメントと呼ばれる2つの同一の抗原結合性フラグメントおよび残余の「Fc」フラグメント(容易に結晶化できることを反映して指定)を産生する。Fabフラグメントは、H鎖(VH)の可変領域ドメインと併せてL鎖全体、および1つの重鎖(CH1)の第1の定常領域からなる。各Fabフラグメントは、抗原結合に関して一価である、すなわち単一の抗原結合部位を有する。
【0180】
「F(ab')2」フラグメントは、抗体のペプシン処置によって得られるが、前記ペプシン処置は単一の大きなF(ab')2フラグメントを生産し、これは大まかには、異なる抗原結合活性を有する2つのジスルフィド連結Fabフラグメントに対応し、依然として抗原を架橋することが可能である。
【0181】
「Fab'」フラグメントは、CH1ドメインのカルボキシ末端にて、抗体ヒンジ領域から1以上のシステインを包含する追加の数残基を有することによってFabフラグメントとは異なる。Fab'-SHは、定常領域のシステイン残基(単数または複数)が遊離のチオール基を持つFab'を指定する。F(ab')2抗体フラグメントは本来、Fab'フラグメントの対(これらの間にヒンジシステインを有する)として産生された。抗体フラグメントの他の化学的カップリングもまた知られている。
【0182】
Fcフラグメントは、ジスルフィドによってともに保持された両H鎖のカルボキシ末部分を含む。抗体のエフェクター機能は、Fc領域中の配列によって決定され、その領域はまた、あるタイプの細胞上に見出されるFc受容体(FcR)によっても認識される。
【0183】
「Fv」は、完全な抗原-認識および-結合部位を含有する最小の抗体フラグメントである。このフラグメントは、1重鎖可変領域ドメインと1軽鎖可変領域ドメインとが緊密な非共有結合で会合した二量体からなる。これら2つのドメインの折り畳みから、抗原結合のためのアミノ酸残基に寄与しかつ抗原結合特異性を抗体へ付与する6つの高可変ループ(H鎖およびL鎖から各3ループ)が生じる。しかしながら、単一の可変ドメイン(または抗原に特異的な3つのHVRのみを含む半分のFv)でさえも、結合部位全体より低い親和性ではあるが、抗原の認識能および結合能を有する。
【0184】
「単鎖Fv」は、また「scFv」とも略され、VH抗体ドメインとVL抗体ドメインとが接続されてなる単一のポリペプチド鎖を含む抗体フラグメントである。好ましくは、scFvポリペプチドは、scFvが抗原結合に所望される構造を形成できるポリペプチドリンカーをVHドメインとVLドメインとの間にさらに含む。scFvの総説については、Pluckthun,in: The Pharmacology of Monoclonal Antibodies,vol.113(1994),editors Rosenburg and Moore,Springer-Verlag(New York),p.269-315を見よ。
【0185】
用語「ダイアボディ」は、Vドメインの鎖間(鎖内ではない)の対形成が達成されそれによって二価フラグメント(すなわち、2つの抗原結合部位を有するフラグメント)がもたらされるように、VHドメインとVLドメインとの間に短いリンカー(約5~25残基)をもつscFvフラグメント(先の段落を見よ)を構築することによって調製される小さい抗体フラグメントを指す。二重特異性ダイアボディは、2つの「交差」scFvフラグメントのヘテロ二量体であって、ここで2つの抗体のVHドメインおよびVLドメインが、異なるポリペプチド鎖上に存在する。ダイアボディは、より詳細には、例えば、EP 0404097; WO 93/11161; Hollinger et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA(1993),vol.90,p.6444-6448に記載されている。
【0186】
いくつかの態様において、該抗原結合性フラグメントは、Fab、Fab'、(Fab')2、およびFvからなる群から選択される。
いくつかの態様において、該抗原結合性フラグメントは、Fabである。
いくつかの態様において、該抗原結合性フラグメントは、scFv、ダイアボディ、およびVHHからなる群から選択される。
いくつかの態様において、該抗原結合性フラグメントは、SEED(鎖交換改変ドメイン)形式をもつ抗体の抗原結合性フラグメントである。
【0187】
いくつかの態様において、該標的化成分は、標的細胞の表面上に存在する抗原へ特異的に結合することが可能である。
いくつかの態様において、該抗体は、標的細胞の表面上に存在する抗原に対する抗体である。
いくつかの態様において、該抗原結合性フラグメントは、標的細胞の表面上に存在する抗原に対する抗体の抗原結合性フラグメントである。
【0188】
ある抗原「に対する」抗体/抗原結合性フラグメントは、該抗原へ結合する抗原結合部位をもつ抗体/抗原結合性フラグメントである。抗体/抗原結合性フラグメントが抗原へ結合するかどうかは、例として、免疫蛍光実験において培養された細胞で、抗体が抗原をそれら細胞表面にて発現する細胞へ結合するかについて試験することによって決定され得る。
【0189】
いくつかの態様において、該標的細胞の表面上に存在する該抗原は、他の細胞型の表面上より該標的細胞の表面上に豊富にある。
【0190】
細胞型上の表面抗原の存在量は、当業者に知られている標準的な方法、例としてフローサイトメトリーによって(例として、該細胞タイプの細胞を着目した抗体へ晒し、続いて着目した抗体に対して向かう蛍光標識二次抗体での染色、およびフローサイトメトリーによる蛍光標識の検出によって)決定され得る。
【0191】
いくつかの態様において、該標的細胞の表面上に存在する該抗原は、該標的細胞の表面上に存在するが、他の細胞型の表面上には実質的にない。
【0192】
本明細書に使用されるとき、「該標的細胞の表面上に存在するが、他の細胞型の表面上には実質的にない」抗原は、該抗原に対する標的化成分(抗体またはその抗原結合性フラグメント)をもつ化合物の動員を生理学的な条件下で可能とするのに充分、標的細胞の表面に豊富にある。対照的に、他の細胞型の表面での該抗原の存在量は、生理学的な条件下での該化合物の動員がバックグラウンド結合を辛うじて上回る程度に低い。
【0193】
いくつかの態様において、該標的細胞の表面上に存在する該抗原は、該標的細胞の表面上には存在するが、他の細胞型の表面上にはない。
【0194】
本明細書に使用されるとき、「該標的細胞の表面上には存在するが、他の細胞型の表面上にはない」抗原は、該抗原に対する標的化成分(抗体またはその抗原結合性フラグメント)をもつ化合物の動員を生理学的な条件下で可能とするのに充分、標的細胞の表面に豊富にある。対照的に、他の細胞型の表面での該抗原の存在量は、生理学的な条件下での該化合物の動員がバックグラウンド結合を上回らないほど低い。
【0195】
いくつかの態様において、該標的化成分の、該標的細胞の表面上に存在する該抗原への該結合は、化合物を該標的細胞へ特異的に動員できる。
【0196】
用語「抗体-薬物抱合体該標的細胞へ特異的に動員できる」は、化合物が生理学的な条件下で該標的細胞へ、他の細胞型へ(すなわち、該化合物の投与の間中、該化合物が体内で晒され得る他の細胞型へ)の動員より少なくとも10倍高い、好ましくは少なくとも100倍高い効率で動員されることを意味する。
【0197】
いくつかの態様において、該標的細胞の表面上に存在する該抗原は、腫瘍関連抗原である。
【0198】
本明細書に使用されるとき、「腫瘍関連抗原」は、その最も広い意味において、治療作用または診断(例として、腫瘍部位の標識)が達成され得るように、ADCの腫瘍部位への動員を可能にする抗原である。腫瘍関連抗原は、腫瘍細胞の表面上に存在する抗原または腫瘍微小環境に関連する抗原のいずれかであってもよい。
【0199】
細胞表面発現および腫瘍関連抗原を同定して検証する方法に関する情報の典拠は、当業者に知られており、文献に記載されている(例として、Bornstein,AAPS J.(2015),vol.17(3),p.525-534; Hong et al.,BMC Syst Biol.(2018),vol.12(Suppl 2),p.17; Immune Epitope Database and Analysis Resource (https://www.iedb.org); Cancer Cell Line Encyclopedia(https://portals.broadinstitute.org/ccle); OASIS Database(http://oasis-genomics.org/)を見よ)。
【0200】
好ましい態様において、該腫瘍関連抗原は、腫瘍細胞の表面上に存在する抗原である。これらの態様において、用語「腫瘍関連抗原」は、腫瘍細胞の細胞表面に存在し、かつ腫瘍細胞を他の細胞型に対して区別できる抗原を指し示す。腫瘍関連抗原は、腫瘍細胞によって発現され、細胞外の環境からアクセス可能である分子(例としてタンパク質)の一部であってもよい。腫瘍関連抗原は、対応する非腫瘍細胞におけるその同等のものとは異なる(すなわち、定性的に異なる)こともある(例として、ここで分子は、1アミノ酸残基以上によるタンパク質である)。代替的に、腫瘍関連抗原は、対応する非腫瘍細胞におけるその同等のものと同一であってもよいが、対応する非腫瘍細胞の表面より高いレベルにて腫瘍細胞の表面上に存在する。例えば、腫瘍関連抗原は、腫瘍細胞の表面上のみに存在していてもよいが、非腫瘍細胞の表面上にはなく、または腫瘍関連抗原は、非腫瘍細胞の表面より高い(例として、少なくとも5倍高い、好ましくは少なくとも100倍高い)レベルにて腫瘍細胞の表面上に存在していてもよい。ある態様において、腫瘍関連抗原は、非腫瘍細胞の表面上より少なくとも1000倍高いレベルにて腫瘍細胞の表面上に存在する。
【0201】
いくつかの態様において、該標的化成分は、腫瘍関連抗原へ特異的に結合することが可能である。
いくつかの態様において、該腫瘍関連抗原は、腫瘍細胞の表面上に存在する抗原である。
いくつかの態様において、該腫瘍関連抗原は、EGFR(上皮成長因子受容体)である。
【0202】
いくつかの態様において、該化合物は、二重特異性分子または多重特異性分子である。いくつかの態様において、該化合物は、二重特異性分子である。いくつかの態様において、該化合物は、多重特異性分子である。いくつかの態様において、該化合物は、そのVHH抗体ドメインもしくはそのフラグメントを介してNKp30へ結合し、およびその標的化ドメインを介して腫瘍関連抗原へ結合する、二重特異性分子または多重特異性分子である。
いくつかの態様において、該化合物は、抗体Fc領域を含む。
【0203】
本明細書に使用されるとき、用語「抗体Fc領域」は、その2つの重鎖のFcドメインによって形成されるネイティブな免疫グロブリンの一部を指す(これは、免疫グロブリンの重鎖定常領域1(CH1)、重鎖定常領域2(CH2)、および重鎖定常領域3(CH3)を包含するが、免疫グロブリンの重鎖および軽鎖の可変領域および軽鎖定常領域1(CL1)は包含しない)。ネイティブなFc領域は、ホモ二量体である。いくつかの態様において、用語は、ネイティブなFc領域と比べて1以上の変更があるバリアントFc領域も包含する。Fc領域は、アミノ酸の置換、付加、および/または欠失、追加の部分の連結、および/またはネイティブなグリカンの変更によって変更されていてもよい。用語は、構成物質Fcドメインの各々が異なるFc領域も網羅する。ヘテロ二量体のFc領域の例は、限定せずに、例えば米国特許第8,216,805号に記載のとおりの「knobs into holes」技術を使用して、またはWO 2016/087650に記載のとおりのSEED技術によって作製されるFc領域を包含する。
【0204】
いくつかの態様において、該化合物は、Fc受容体への結合能力のある(competent in FC receptor binding)抗体Fc領域を含む。
抗体Fc領域が、Fc受容体(FcγRI、FcγRII、およびFcγRIIIのサブクラス、これらの受容体のアレルのバリアントおよび代替的にスプライスされた形態を包含する)の少なくとも1つへ結合することが可能である場合、該抗体Fc領域は「FC受容体への結合能力のある」。
【0205】
いくつかの態様において、該化合物は、Fc受容体への結合能力がない抗体Fc領域を含む。
いくつかの態様において、該化合物は、エフェクター能力のある抗体Fc領域を含まない。
【0206】
「エフェクター能力のある」Fc領域は、タンパク質および/または免疫系の細胞への機能的結合能を有するFc領域であって、抗体が対応する抗原へ結合した後に通常誘導される生物学的効果を媒介する。かかる生物学的効果は、例として、補体タンパク質(例としてC1q)への結合能、古典的な補体系の活性化をもたらしてオプソニン化へ繋がること、および細胞病原体の溶解(補体依存的細胞傷害性、CDCC)を包含する。他の生物学的効果は、免疫複合体のエンドサイトーシス、抗体で覆われた粒子または微生物の貪食および破壊(抗体依存的食作用もしくはADCPとも呼ばれる)、免疫複合体のクリアランス、抗体で覆われた標的細胞のキラー細胞による溶解(抗体依存的細胞媒介性の細胞傷害性もしくはADCCと呼ばれる)、炎症性メディエーターの放出、免疫系細胞活性化の調節、あるいは免疫グロブリン産生の制御である。
【0207】
いくつかの態様において、該化合物は、エフェクター能力のある抗体Fc領域を含む。
いくつかの態様において、該化合物は、ADCC(抗体依存性の細胞の細胞傷害性)を誘導することが可能な抗体Fc領域を含まない。
いくつかの態様において、該化合物は、ADCCを誘導することが可能な抗体Fc領域を含む。
いくつかの態様において、該化合物は、ADCCを誘導することが可能ではない抗体Fc領域を含む。
【0208】
いくつかの態様において、該化合物は、FcγRIIIaシグナル伝達と正の(すなわちNK細胞を活性化する)NKp30シグナル伝達との両方を誘導することが可能である。
いくつかの態様において、該化合物は、NK細胞上のNKp30へ特異的に結合することが可能である。
いくつかの態様において、該化合物は、NK細胞を、該NK細胞上のNKp30への結合によって活性化することが可能である。
【0209】
化合物またはドメインが、NK細胞上のNKp30への結合の際、NK細胞を活性化することが可能であるかどうかは、例1、節「NK細胞活性化アッセイ」に記載のとおり決定され得る。この活性化がNK細胞上のNKp30への結合の際に生じるかどうかは、例えば、タンパク質ドメインがNK細胞上のNKp30へアクセスできないようにNKp30がNKp30へ結合する競合相手分子によってブロックされる、NK細胞での対照実験を実行することによって決定され得る。
【0210】
好ましくは、NKp30への結合およびNK細胞の活性化は、完全な化合物という文脈において、該VHH抗体ドメインで査定される。
いくつかの態様において、該化合物の、NK細胞上のNKp30への結合は、該NK細胞を活性化する。
いくつかの態様において、該化合物は、NKp30のアゴニストである。
【0211】
いくつかの態様において、該化合物は、該VHH抗体ドメインまたはそのフラグメントのNK細胞上のNKp30への結合の際、NK細胞を活性化することが可能である。
いくつかの態様において、該化合物の、NK細胞上のNKp30への結合は、該NK細胞を活性化する。
いくつかの態様において、NK細胞の活性化は、フローサイトメトリーによって活性化マーカーCD69の発現を測定することによって決定される。
【0212】
いくつかの態様において、該化合物は、51Cr放出アッセイにおいて細胞傷害活性を示す。
いくつかの態様において、該51Cr放出アッセイは、4h 51Cr放出アッセイとして実行され、ここでヒトPBMCは、エフェクター細胞として、80:1のエフェクター-対-標的細胞(E:T)比率にて使用され、およびここでより高いパーセント溶解は、改善された細胞傷害活性を指し示す。
いくつかの態様において、該51Cr放出アッセイは、Repp et al.,2011に記載のとおりに実行される。
【0213】
本明細書に使用されるとき、参考文献「Repp et al.,2011」は、刊行物R.Repp et al.,「Combined Fc-protein- and Fc-glyco-engineering of scFv-Fc fusion proteins synergistically enhances CD16a binding but does not further enhance NK-cell mediated ADCC」,Journal of Immunological Methods(2011),vol.373,p.67-78を指す。
いくつかの態様において、該化合物の、NK細胞上のNKp30への結合は、インターフェロン-γ(IFN-γ)の放出をもたらす。
【0214】
いくつかの態様において、IFN-γの該放出は、以下のとおりに測定される: 単離されたヒトNK細胞は、100U/ml組換えヒトインターロイキン-2を含有する培地中で終夜インキュベートされ、異なるウェル中にA431細胞が播種されて3hインキュベートされ、化合物は85nMの最終濃度まで加えられ、5:1のE:T比率でのNK細胞の添加がこれに続き、24h後の培養上清中のヒトIFN-γがELISAによって分析される。
【0215】
いくつかの態様において、該化合物の、NK細胞上のNKp30への結合は、腫瘍壊死因子-α(TNF-α)の放出をもたらす。
【0216】
いくつかの態様において、TNF-αの該放出は、以下のとおりに測定される: 単離されたヒトNK細胞は、100U/ml組換えヒトインターロイキン-2を含有する培地中で終夜インキュベートされ、異なるウェル中にA431細胞が播種されて3hインキュベートされ、化合物は85nMの最終濃度まで加えられ、5:1のE:T比率でのNK細胞の添加がこれに続き、24h後の培養上清中のヒトTNF-αがELISAによって分析される。
【0217】
別の側面に従うと、本開示は、上に記載の側面または態様のいずれか1つに従う化合物を含む医薬組成物に関する。
医薬組成物を調製するための方法は、当業者に知られている(Remington: The Science and Practice of Pharmacy,22nd ed.(2012),Pharmaceutical Press)。
【0218】
いくつかの態様において、該医薬組成物は、薬学的に許容し得る担体、希釈剤、および/または賦形剤を含む。
【0219】
用語「薬学的に許容し得る」は、該担体、希釈剤、または賦形剤は、医薬製品中に使用され得るように、医薬組成物の他の成分にも適合しかつ医薬組成物が投与される患者に害のない、非毒性の不活性材料であることを指定する。医薬組成物中の担体、希釈剤、または賦形剤として好適な物質は、当業者に知られている(Remington: The Science and Practice of Pharmacy,22nd ed.(2012),Pharmaceutical Press)。医薬組成物は、例として、追加のアジュバント、抗酸化剤、緩衝剤、増量剤、着色料、乳化剤、充填剤、香味剤、保存料、安定剤、懸濁化剤、および/または他の慣用医薬補助剤をさらに包含していてもよい。
【0220】
いくつかの態様において、該医薬組成物は、少なくとも1の追加のアジュバント、抗酸化剤、緩衝剤、増量剤、着色料、乳化剤、充填剤、香味剤、保存料、安定剤、懸濁化剤、および/または他の慣用医薬補助剤をさらに包含する。
別の側面に従うと、本開示は、医薬としての使用のための、上に記載の側面もしくは態様のいずれかに従う化合物または上に記載の側面もしくは態様のいずれかに従う医薬組成物に関する。
【0221】
別の側面に従うと、本開示は、がんの処置における使用のための、上に記載の側面もしくは態様のいずれかに従う化合物または上に記載の側面もしくは態様のいずれかに従う医薬組成物に関する。
別の側面に従うと、本開示は、悪性腫瘍の処置における使用のための、上に記載の側面もしくは態様のいずれかに従う化合物または上に記載の側面もしくは態様のいずれかに従う医薬組成物に関する。
【0222】
いくつかの態様において、該化合物/該医薬組成物は、ヒトの処置における使用のためである。
本開示の化合物または本開示に従う医薬組成物を含有する医薬の産生は、周知である調剤の方法(pharmaceutical methods)に従って実施され得る。製剤化および投与のための技法に対するさらなる詳細は、例として、Remington: The Science and Practice of Pharmacy,22nd ed.(2012),Pharmaceutical Pressにおいて見出されてもよい。
【0223】
本明細書に使用されるとき、疾患の「処置」および疾患を「処置すること」は、該疾患が、緩和、低減、最小化、停止されるか、もしくは治癒さえされるか、および/または再発して疾患となる機会が低減されるか、もしくは再発して疾患となることが予防されされるように、対象に医薬の処置、例として薬物の投与を提供するプロセスを指す。
【0224】
疾患の処置における化合物の使用は、当業者に知られている(例として、Coats et al.,Clinical Cancer Research(2019),vol.25(18),p.5441-5448; Rudra,Bioconjugate Chemistry(2020),vol.31(3),p.462-473を見よ)。よって、当業者は、化合物、とりわけ標的化成分の構成要素が、成功した処置を可能にするために適切に選択されなければならないことを分かっている。例えば、特定のがんの処置につき、化合物の標的化成分は、標的化成分のその標的部位への結合が(例として、がん細胞の表面上に特異的に見出される腫瘍関連抗原に対する抗体構成要素を使用することによって)化合物を該がんへ向かわせるように、選択されなければならない。細胞傷害性効果は次いで、化合物に包含される親和性成熟した(affinity-matured)バリアントB7-H6配列によって達成されるであろう。加えて、ペイロードが、所望される追加の処置効果が達成されるように、化合物に包含されていてもよい。例えば、がんの処置のための細胞傷害性薬は、加えて包含されていてもよい。
【0225】
別の側面において、本開示は、疾患の処置を、これを必要とする患者においてするための方法に関し、該患者へ、治療的に有効な量の上に記載の側面もしくは態様のいずれかに従う化合物または上に記載の側面もしくは態様のいずれかに従う医薬組成物を投与するステップを含む。
【0226】
「治療的に有効な量」とは、疾患の症状を回復させるのに要される薬剤の量を意味する。本開示に従う疾患の治療的処置のために使用される有効量の活性剤(単数または複数)(例として、本開示に従う化合物)は、対象の投与のやり方、齢(age)、体重、および健康全般に依存して変動する。結局は、主治医または獣医が適切な量および投薬量レジメンを決めるであろう。かかる量は、「治療的に有効な」量と称される。
【0227】
用語「患者」は、本明細書に使用されるとき、哺乳動物(ヒト、ラット、マウス、サル、ブタ、ヤギ、ウシ、ウマ、イヌ、またはネコなど)を指す。好ましくは、患者は、ヒトである。
いくつかの態様において、該疾患は、がんである。
いくつかの態様において、該疾患は、悪性腫瘍である。
【0228】
本明細書に使用されるとき、用語「がん」は、悪性新生物を指す。がんは、血液がんまたは固形腫瘍を包含し得る。例えば、がんは、白血病(例として、急性骨髄性白血病(AML)、急性単球性白血病、前骨髄球性白血病、好酸球性白血病、急性Bリンパ芽球性白血病(B-ALL)などの急性リンパ芽球性白血病(ALL)、慢性骨髄性白血病(CML)、慢性リンパ球性白血病(CLL))、またはリンパ腫(例として、非ホジキンリンパ腫)、骨髄異形成症候群(MDS)、黒色腫、肺がん(例として、非小細胞肺がん;NSCLC)、卵巣がん、子宮内膜がん、腹膜がん、膵臓がん、乳がん、前立腺がん、頭部および頸部の扁平上皮細胞癌、もしくは子宮頸がんであり得る。好ましくは、本開示において用語「がん」は、固形悪性腫瘍を指す。
【0229】
いくつかの態様において、該患者は、ヒトである。
別の側面において、本開示は、医薬の製造のための、上に記載の側面もしくは態様のいずれかに従う化合物の、または上に記載の側面もしくは態様のいずれかに従う医薬組成物の使用に関する。
【0230】
別の側面において、本開示は、がんの処置のための医薬の製造のための、上に記載の側面もしくは態様のいずれかに従う化合物の、または上に記載の側面もしくは態様のいずれかに従う医薬組成物の使用に関する。
別の側面において、本開示は、悪性腫瘍の処置のための医薬の製造のための、上に記載の側面もしくは態様のいずれかに従う化合物の、または上に記載の側面もしくは態様のいずれかに従う医薬組成物の使用に関する。
【0231】
いくつかの態様において、該医薬は、ヒトへの投与のために調製されている。
以下の態様は、医学的処置における使用のための化合物もしくは医薬組成物、疾患の処置をこれを必要とする患者においてするための方法、医薬の製造のための使用のいずれか、または上に記載のそれらの態様のいずれかに関する。
【0232】
いくつかの態様において、該がんまたは悪性腫瘍は、ヒトの疾患である。
以下の態様は、化合物、医薬組成物、医学的処置における使用のための化合物もしくは医薬組成物、疾患の処置をこれを必要とする患者においてするための方法、医薬の製造のための使用のいずれか、または上に記載のそれらの態様のいずれかに関する。
【0233】
いくつかの態様において、該化合物は、配列番号1によって表される配列(またはそのフラグメント)を含み、配列番号1の配列と比較して1アミノ酸以上の置換があり、ここでかかるアミノ酸置換が、CDRの外側に位置付けられている場合、該アミノ酸置換(単数または複数)は、以下: D1E、Q5V、L11V、T24A、E44G、H45L、G47W、F70I、V79L、K87R、P88A、Q116Lから選択される。
【0234】
いくつかの態様において、該化合物は、配列番号1によって表される配列(またはそのフラグメント)を含み、少なくとも以下のアミノ酸置換: D1E、Q5V、L11V、V79L、K87R、P88A、Q116Lがある;および任意に、配列番号1の配列と比較してさらなる1アミノ酸以上の置換があり、ここでかかるさらなるアミノ酸置換が、CDRの外側に位置付けられている場合、かかるさらなるアミノ酸置換(単数または複数)は、以下:T24A、E44G、H45L、F70Iから選択される。
【0235】
いくつかの態様において、該化合物は、配列番号1によって表される配列(またはそのフラグメント)を含み、項目[1]~[11]のいずれか1つに従う(b)の追加の修飾があるか、または項目[1]もしくは[12]~[22]のいずれか1つに従う(c)の追加の修飾がある。
【0236】
いくつかの態様において、該化合物は、配列番号1によって表される配列(またはそのフラグメント)を含み、項目[1]~[11]のいずれか1つに従う(b)の追加の修飾があるか、または項目[1]または[12]~[22]のいずれか1つに従う(c)の追加の修飾がある;および配列番号1の配列と比較してさらなる1アミノ酸以上の置換があり、ここで該アミノ酸置換(単数または複数)は、以下: D1E、Q5V、L11V、T24A、E44G、H45L、G47W、F70I、V79L、K87R、P88A、Q116Lから選択される。
【0237】
いくつかの態様において、該化合物は、配列番号1によって表される配列(またはそのフラグメント)を含み、項目[1]~[11]のいずれか1つに従う(b)の追加の修飾があるか、または項目[1]もしくは[12]~[22]のいずれか1つに従う(c)の追加の修飾がある;およびアミノ酸置換D1E、Q5V、L11V、V79L、K87R、P88A、Q116Lがある;および任意に、配列番号1の配列と比較してさらなる1アミノ酸以上の置換があり、ここで該さらなるアミノ酸置換(単数または複数)は、以下: T24A、E44G、H45L、F70Iから選択される。
【0238】
いくつかの態様において、該化合物は、以下の配列番号: 配列番号67、配列番号68、配列番号69、配列番号70、配列番号71、配列番号72、配列番号73、配列番号74、配列番号75のいずれか1つによって表される配列、またはそのフラグメントを含む。
いくつかの態様において、該化合物は、以下の配列番号: 配列番号67、配列番号68、配列番号69のいずれか1つによって表される配列、またはそのフラグメントを有する。
いくつかの態様において、該化合物は、以下の配列番号: 配列番号67、配列番号68、配列番号69、配列番号70、配列番号71、配列番号72、配列番号73、配列番号74、配列番号75、配列番号77のいずれか1つによって表される配列、またはそのフラグメントを有する。
いくつかの態様において、該化合物は、以下の配列番号: 配列番号67、配列番号68、配列番号69、配列番号77のいずれか1つによって表される配列、またはそのフラグメントを有する。
いくつかの態様において、該化合物は、以下の配列番号: 配列番号67、配列番号68、配列番号69、配列番号70、配列番号71、配列番号72、配列番号73、配列番号74、配列番号75、配列番号78のいずれか1つによって表される配列、またはそのフラグメントを含む。
いくつかの態様において、該化合物は、以下の配列番号: 配列番号67、配列番号68、配列番号69、配列番号78のいずれか1つによって表される配列、またはそのフラグメントを含む。
いくつかの態様において、該化合物は、配列番号77によって定義される配列、またはそのフラグメントを含む。
いくつかの態様において、該化合物は、配列番号78によって定義される配列、またはそのフラグメントを含む。
【0239】
いくつかの態様において、該化合物は、以下の配列番号: 配列番号67、配列番号68、配列番号69、配列番号70、配列番号71、配列番号72、配列番号73、配列番号74、配列番号75、またはそのフラグメントのいずれか1つによって表される配列を含む;項目[1]~[11]のいずれか1つに従う(b)の追加の修飾があるか、または項目[1]または[12]~[22]のいずれか1つに従う(c)の追加の修飾がある。
【0240】
いくつかの態様において、該化合物は、以下の配列番号: 配列番号67、配列番号68、配列番号69のいずれか1つによって表される配列、またはそのフラグメントを含む;項目[1]~[11]のいずれか1つに従う(b)の追加の修飾があるか、または項目[1]もしくは[12]~[22]のいずれか1つに従う(c)の追加の修飾がある。
【0241】
いくつかの態様において、該化合物は、以下の配列番号: 配列番号67、配列番号68、配列番号69、配列番号70、配列番号71、配列番号72、配列番号73、配列番号74、配列番号75、配列番号77のいずれか1つによって表される配列、またはそのフラグメントを含む;項目[1]~[11]のいずれか1つに従う(b)の追加の修飾があるか、または項目[1]もしくは[12]~[22]のいずれか1つに従う(c)の追加の修飾がある。
【0242】
いくつかの態様において、該化合物は、以下の配列番号: 配列番号67、配列番号68、配列番号69、配列番号77のいずれか1つによって表される配列、またはそのフラグメントを含む;項目[1]~[11]のいずれか1つに従う(b)の追加の修飾があるか、または項目[1]もしくは[12]~[22]のいずれか1つに従う(c)の追加の修飾がある。
【0243】
いくつかの態様において、該化合物は、以下の配列番号: 配列番号67、配列番号68、配列番号69、配列番号70、配列番号71、配列番号72、配列番号73、配列番号74、配列番号75、配列番号78のいずれか1つによって表される配列、またはそのフラグメントを含む;項目[1]~[11]のいずれか1つに従う(b)の追加の修飾があるか、または項目[1]もしくは[12]~[22]のいずれか1つに従う(c)の追加の修飾がある。
【0244】
いくつかの態様において、該化合物は、以下の配列番号: 配列番号67、配列番号68、配列番号69、配列番号78のいずれか1つによって表される配列、またはそのフラグメントを含む;項目[1]~[11]のいずれか1つに従う(b)の追加の修飾があるか、または項目[1]もしくは[12]~[22]のいずれか1つに従う(c)の追加の修飾がある。
【0245】
いくつかの態様において、該化合物は、配列番号77によって定義される配列またはそのフラグメントを含み、項目[1]~[11]のいずれか1つに従う(b)の追加の修飾があるか、または項目[1]もしくは[12]~[22]のいずれか1つに従う(c)の追加の修飾がある。
【0246】
いくつかの態様において、該化合物は、配列番号78によって定義される配列またはそのフラグメントを含み、項目[1]~[11]のいずれか1つに従う(b)の追加の修飾があるか、または項目[1]もしくは[12]~[22]のいずれか1つに従う(c)の追加の修飾がある。
【0247】
いくつかの態様において、該化合物は、配列番号2によって表される配列(またはそのフラグメント)を含み、配列番号2の配列と比較して1アミノ酸以上の置換があり、ここでかかるアミノ酸置換が、CDRの外側に位置付けられている場合、該アミノ酸置換(単数または複数)は、以下: D1E、Q5V、L11V、A14P、V24A、F37V、A44G、R45L、S47W、V79L、K87R、P88A、Q118Lから選択される。
【0248】
いくつかの態様において、該化合物は、配列番号2によって表される配列(またはそのフラグメント)を含み、アミノ酸置換D1E、Q5V、L11V、K87R、P88A、Q118Lがある;および任意に、配列番号2の配列と比較してさらなる1アミノ酸以上の置換があり、ここでかかるアミノ酸置換が、CDRの外側に位置付けられている場合、かかるさらなるアミノ酸置換(単数または複数)は、以下: A14P、V24A、A44G、R45L、S47W、V79Lから選択される。
【0249】
いくつかの態様において、該化合物は、配列番号2によって表される配列(またはそのフラグメント)を含み、アミノ酸置換D1E、Q5V、L11V、A14P、V24A、K87R、P88A、Q118Lがある;および任意に、配列番号2の配列と比較してさらなる1アミノ酸以上の置換があり、ここでかかるアミノ酸置換が、CDRの外側に位置付けられている場合、かかるさらなるアミノ酸置換(単数または複数)は、以下: A44G、R45L、S47W、V79Lから選択される。
【0250】
いくつかの態様において、該化合物は、配列番号2によって表される配列(またはそのフラグメント)を含み、項目[1]~[11]のいずれか1つに従う(b)の追加の修飾があるか、または項目[1]もしくは[12]~[22]のいずれか1つに従う(c)の追加の修飾がある。
【0251】
いくつかの態様において、該化合物は、配列番号2によって表される配列(またはそのフラグメント)を含み、項目[1]~[11]のいずれか1つに従う(b)の追加の修飾があるか、または項目[1]もしくは[12]~[22]のいずれか1つに従う(c)の追加の修飾がある;および配列番号2の配列と比較してさらなる1アミノ酸以上の置換があり、ここで該アミノ酸置換(単数または複数)は、以下: D1E、Q5V、L11V、A14P、V24A、F37V、A44G、R45L、S47W、V79L、K87R、P88A、Q118Lから選択される。
【0252】
いくつかの態様において、該化合物は、配列番号2によって表される配列(またはそのフラグメント)を含み、項目[1]~[11]のいずれか1つに従う(b)の追加の修飾があるか、または項目[1]もしくは[12]~[22]のいずれか1つに従う(c)の追加の修飾がある;およびアミノ酸置換D1E、Q5V、L11V、K87R、P88A、Q118Lがある;および任意に、配列番号2の配列と比較してさらなる1アミノ酸以上の置換があり、ここで該さらなるアミノ酸置換(単数または複数)は、以下: A14P、V24A、A44G、R45L、S47W、V79Lから選択される。
【0253】
いくつかの態様において、該化合物は、配列番号2によって表される配列(またはそのフラグメント)を含み、項目[1]~[11]のいずれか1つに従う(b)の追加の修飾があるか、または項目[1]もしくは[12]~[22]のいずれか1つに従う(c)の追加の修飾がある;およびアミノ酸置換D1E、Q5V、L11V、A14P、V24A、K87R、P88A、Q118Lがある;および任意に、配列番号2の配列と比較してさらなる1アミノ酸以上の置換があり、ここで該さらなるアミノ酸置換(単数または複数)は、以下: A44G、R45L、S47W、V79Lから選択される。
【0254】
いくつかの態様において、該化合物は、以下の配列番号: 配列番号79、配列番号80、配列番号81、配列番号83、配列番号84、配列番号85、配列番号86、配列番号89、配列番号90、配列番号93、配列番号94のいずれか1つによって表される配列、またはそのフラグメントを含む。
【0255】
いくつかの態様において、該化合物は、以下の配列番号: 配列番号79、配列番号80、配列番号83、配列番号86、配列番号89、配列番号90、配列番号94のいずれか1つによって表される配列、またはそのフラグメントを含む。
【0256】
いくつかの態様において、該化合物は、以下の配列番号: 配列番号79、配列番号80、配列番号81、配列番号83、配列番号84、配列番号85、配列番号86、配列番号89、配列番号90、配列番号93、配列番号94のいずれか1つによって表される配列、またはそのフラグメントを含む;項目[1]~[11]のいずれか1つに従う(b)の追加の修飾があるか、または項目[1]もしくは[12]~[22]のいずれか1つに従う(c)の追加の修飾がある。
【0257】
いくつかの態様において、該化合物は、以下の配列番号: SEQ-ID 配列番号79、配列番号80、配列番号83、配列番号86、配列番号89、配列番号90、配列番号94のいずれか1つによって表される配列、またはそのフラグメントを含む;項目[1]~[11]のいずれか1つに従う(b)の追加の修飾があるか、または項目[1]もしくは[12]~[22]のいずれか1つに従う(c)の追加の修飾がある。
【0258】
いくつかの態様において、該VHH抗体ドメインは、VHH配列の表に示されるVHH配列VHH1またはそのフラグメントを含み、(B)または(C)の追加の修飾があり、ここで(B)または(C)の該修飾は、配列番号1の配列と比較して1アミノ酸以上の置換からなり、ここで該アミノ酸置換(単数または複数)は、以下: D1E、Q5V、L11V、T24A、E44G、H45L、G47W、F70I、V79L、K87R、P88A、Q116Lから選択される。
【0259】
いくつかの態様において、該VHH抗体ドメインは、VHH配列の表に示されるVHH配列VHH1またはそのフラグメントを含み、(B)または(C)の追加の修飾があり、ここで(B)または(C)の該修飾は、配列番号1の配列と比較してアミノ酸置換D1E、Q5V、L11V、V79L、K87R、P88A、Q116Lからなる;および任意に、配列番号1の配列と比較してさらなる1アミノ酸以上の置換があり、ここで該さらなるアミノ酸置換(単数または複数)は、以下: T24A、E44G、H45L、F70Iから選択される。
【0260】
いくつかの態様において、該VHH抗体ドメインは、以下の配列番号: 配列番号67、配列番号68、配列番号69、配列番号70、配列番号71、配列番号72、配列番号73、配列番号74、配列番号75のいずれか1つによって表されるVHH配列、またはそのフラグメントを含む。
【0261】
いくつかの態様において、該VHH抗体ドメインは、以下の配列番号: 配列番号67、配列番号68、配列番号69のいずれか1つによって表されるVHH配列、またはそのフラグメントを含む。
いくつかの態様において、該VHH抗体ドメインは、以下の配列番号: 配列番号67、配列番号68、配列番号69、配列番号70、配列番号71、配列番号72、配列番号73、配列番号74、配列番号75、配列番号77のいずれか1つによって表されるVHH配列、またはそのフラグメントを含む。
いくつかの態様において、該VHH抗体ドメインは、以下の配列番号: 配列番号67、配列番号68、配列番号69、配列番号77のいずれか1つによって表されるVHH配列、またはそのフラグメントを含む。
いくつかの態様において、該VHH抗体ドメインは、以下の配列番号: 配列番号67、配列番号68、配列番号69、配列番号70、配列番号71、配列番号72、配列番号73、配列番号74、配列番号75、配列番号78のいずれか1つによって表されるVHH配列、またはそのフラグメントを含む。
いくつかの態様において、ここで該VHH抗体ドメインは、以下の配列番号: 配列番号67、配列番号68、配列番号69、配列番号78のいずれか1つによって表されるVHH配列、またはそのフラグメントを含む。
【0262】
いくつかの態様において、該VHH抗体ドメインは、VHH配列の表に示されるVHH配列VHH1またはそのフラグメントを含み、(B)または(C)の追加の修飾があり、ここで(B)または(C)の該修飾は、配列番号2の配列と比較して1アミノ酸以上の置換からなり、ここで該アミノ酸置換(単数または複数)は、以下: D1E、Q5V、L11V、A14P、V24A、F37V、A44G、R45L、S47W、V79L、K87R、P88A、Q118Lから選択される。
【0263】
いくつかの態様において、該VHH抗体ドメインは、VHH配列の表に示されるVHH配列VHH1またはそのフラグメントを含み、(B)または(C)の追加の修飾があり、ここで(B)または(C)の該修飾は、配列番号2の配列と比較してアミノ酸置換D1E、Q5V、L11V、K87R、P88A、Q118Lからなる;および任意に、配列番号2の配列と比較してさらなる1アミノ酸以上の置換があり、ここで該さらなるアミノ酸置換(単数または複数)は、以下: A14P、V24A、A44G、R45L、S47W、V79Lから選択される。
【0264】
いくつかの態様において、該VHH抗体ドメインは、VHH配列の表に示されるVHH配列VHH1またはそのフラグメントを含み、(B)または(C)の追加の修飾があり、ここで(B)または(C)の該修飾は、配列番号2の配列と比較してアミノ酸置換D1E、Q5V、L11V、A14P、V24A、K87R、P88A、Q118Lからなる;および任意に、配列番号2の配列と比較してさらなる1アミノ酸以上の置換があり、ここで該さらなるアミノ酸置換(単数または複数)は、以下: A44G、R45L、S47W、V79Lから選択される。
【0265】
いくつかの態様において、該VHH抗体ドメインは、以下の配列番号: 配列番号79、配列番号80、配列番号81、配列番号83、配列番号84、配列番号85、配列番号86、配列番号89、配列番号90、配列番号93、配列番号94のいずれか1つによって表されるVHH配列、またはそのフラグメントを含む。
【0266】
いくつかの態様において、該VHH抗体ドメインは、以下の配列番号: 配列番号79、配列番号80、配列番号83、配列番号86、配列番号89、配列番号90、配列番号94のいずれか1つによって表されるVHH配列、またはそのフラグメントを含む。
【0267】
いくつかの態様において、該化合物は、KB緩衝剤(PBS+0.1%Tween-20+1%BSA)中NKp30の組換え細胞外ドメイン(NKp30-ECD、配列番号66)とのBLI(バイオレイヤー干渉法)による結合アッセイにおいて少なくとも約1×106M-1の親和性でNKp30へ結合する。
いくつかの態様において、該化合物は、KB緩衝剤(PBS+0.1%Tween-20+1%BSA)中NKp30の組換え細胞外ドメイン(NKp30-ECD、配列番号66)とのBLI(バイオレイヤー干渉法)による結合アッセイにおいて少なくとも約5×106M-1の親和性でNKp30へ結合する。
いくつかの態様において、該化合物は、KB緩衝剤(PBS+0.1%Tween-20+1%BSA)中NKp30の組換え細胞外ドメイン(NKp30-ECD、配列番号66)とのBLI(バイオレイヤー干渉法)による結合アッセイにおいて少なくとも約1×107M-1の親和性でNKp30へ結合する。
いくつかの態様において、該化合物は、KB緩衝剤(PBS+0.1%Tween-20+1%BSA)中NKp30の組換え細胞外ドメイン(NKp30-ECD、配列番号66)とのBLI(バイオレイヤー干渉法)による結合アッセイにおいて少なくとも約5×1087M-1の親和性でNKp30へ結合する。
いくつかの態様において、該化合物は、KB緩衝剤(PBS+0.1%Tween-20+1%BSA)中NKp30の組換え細胞外ドメイン(NKp30-ECD、配列番号66)とのBLI(バイオレイヤー干渉法)による結合アッセイにおいて少なくとも約1×108M-1の親和性でNKp30へ結合する。
【0268】
また上記主題に関し開示されるのには、以下もある:
[1] VHH抗体ドメインまたはそのフラグメントを含む化合物、ここで
(a)該VHH抗体ドメインまたはそのフラグメントは、下のCDRの表に示されるとおりのVHH1~VHH16の1つの相補性決定領域CDR1、CDR2、およびCDR3を含む;
(b)該VHH抗体ドメインまたはそのフラグメントは、修飾のある、(a)において定義されるとおりの相補性決定領域CDR1、CDR2、およびCDR3を含み、ここで修飾は、CDR1、CDR2、およびCDR3の少なくとも1つの配列がヒト化されていることである;あるいは
(c)該VHH抗体ドメインまたはそのフラグメントは、修飾のある、(a)において定義されるとおりの相補性決定領域CDR1、CDR2、およびCDR3を含み、ここで修飾は、
- CDR1における最大3アミノ酸までの置き換え、付加、もしくは欠失、
- CDR2における最大3アミノ酸までの置き換え、付加、もしくは欠失、および/または
- CDR3における最大3アミノ酸までの置き換え、付加、もしくは欠失である;
CDRの表:
【表F-1】
【0269】
【表F-2】
【0270】
[2] (b)における修飾は、CDR3の配列ではなく、CDR1および/またはCDR2の配列がヒト化されていることである、項目[1]の化合物。
【0271】
[3] (b)における修飾は、CDR2およびCDR3の配列ではなく、CDR1の配列がヒト化されていることである、項目[1]または[2]のいずれか1つの化合物。
【0272】
[4] (b)における修飾は、CDR1およびCDR3の配列ではなく、CDR2の配列がヒト化されていることである、項目[1]または[2]のいずれか1つの化合物。
【0273】
[5] (b)における修飾は、CDR1、CDR2、およびCDR3の2つ以上ではなく、その1つの配列がヒト化されていることである、項目[1]~[4]のいずれか1つの化合物。
【0274】
[6] 該CDR(単数または複数)の該ヒト化は、該CDRの配列中の少なくとも1アミノ酸を、ヒトVHドメインの対応するアミノ酸によって置き換えることによる、項目[1]~[5]のいずれか1つの化合物。
【0275】
[7] 該CDR(単数または複数)の該ヒト化は、該CDRの配列中の最大3アミノ酸を、ヒトVHドメインの対応するアミノ酸によって置き換えることによる、項目[1]~[6]のいずれか1つの化合物。
【0276】
[8] 該CDR(単数または複数)の該ヒト化は、CDR1および/またはCDR2の配列中の最大3アミノ酸およびCDR3の配列中の最大1アミノ酸を、ヒトVHドメインの対応するアミノ酸によって置き換えることによる、項目[1]~[6]のいずれか1つの化合物。
【0277】
[9] 該CDR(単数または複数)の該ヒト化は、該CDRの配列中の最大2アミノ酸を、ヒトVHドメインの対応するアミノ酸によって置き換えることによる、項目[1]~[6]のいずれか1つの化合物。
【0278】
[10] 該CDR(単数または複数)の該ヒト化は、CDR1および/またはCDR2の配列中の最大2アミノ酸およびCDR3の配列中の最大1アミノ酸を、ヒトVHドメインの対応するアミノ酸によって置き換えることによる、項目[1]~[6]のいずれか1つの化合物。
【0279】
[11] 該CDR(単数または複数)の該ヒト化は、該CDRの配列中の1アミノ酸を、ヒトVHドメインの対応するアミノ酸によって置き換えることによる、項目[1]~[10]のいずれか1つの化合物。
【0280】
[12] (c)における修飾は、
- CDR1における最大3アミノ酸までの置き換え、付加、もしくは欠失、
- CDR2における最大3アミノ酸までの置き換え、付加、もしくは欠失、および/または
- CDR3における最大1アミノ酸の置き換え、付加、もしくは欠失である、項目[1]~[11]のいずれか1つの化合物。
【0281】
[13] (c)における修飾は、
- CDR1における最大2アミノ酸の置き換え、付加、もしくは欠失、
- CDR2における最大2アミノ酸の置き換え、付加、もしくは欠失、および/または
- CDR3における最大2アミノ酸の置き換え、付加、もしくは欠失である、項目[1]~[11]のいずれか1つの化合物;
【0282】
[14] (c)における修飾は、
- CDR1における最大2アミノ酸の置き換え、付加、もしくは欠失;
- CDR2における最大2アミノ酸の置き換え、付加、もしくは欠失;および/または
- CDR3における最大1アミノ酸の置き換え、付加、もしくは欠失である、項目[1]~[11]のいずれか1つの化合物。
【0283】
[15] (c)における修飾は、
- CDR1における最大2アミノ酸の置き換え、付加、もしくは欠失、および/または
- CDR2における最大2アミノ酸の置き換え、付加、もしくは欠失である;
ここでCDR3の配列は、修飾されていない、項目[1]~[11]のいずれか1つの化合物。
【0284】
[16] (c)における修飾は、
- CDR1における最大2アミノ酸の置き換え、付加、もしくは欠失であり、
ここでCDR2およびCDR3の配列は、修飾されていない、項目[1]~[11]のいずれか1つの化合物。
【0285】
[17] (c)における修飾は、
- CDR2における最大2アミノ酸の置き換え、付加、もしくは欠失であり、
ここでCDR1およびCDR3の配列は、修飾されていない、項目[1]~[11]のいずれか1つの化合物。
【0286】
[18] (c)における修飾は、
- CDR1における最大1アミノ酸の置き換え、付加、もしくは欠失;
- CDR2における最大1アミノ酸の置き換え、付加、もしくは欠失;および/または
- CDR3における最大1アミノ酸の置き換え、付加、もしくは欠失である、項目[1]~[11]のいずれか1つの化合物。
【0287】
[19] (c)における修飾は、
- CDR1における1アミノ酸の置き換え、付加、もしくは欠失、および/または
- CDR2における1アミノ酸の置き換え、付加、もしくは欠失である;
ここでCDR3の配列は、修飾されていない、項目[1]~[11]のいずれか1つの化合物。
【0288】
[20] (c)における修飾は、
- CDR1における1アミノ酸の置き換え、付加、もしくは欠失であり、
ここでCDR2およびCDR3の配列は、修飾されていない、項目[1]~[11]のいずれか1つの化合物。
【0289】
[21] (c)における修飾は、
- CDR2における1アミノ酸の置き換え、付加、もしくは欠失であり、
ここでCDR1およびCDR3の配列は、修飾されていない、項目[1]~[11]のいずれか1つの化合物。
【0290】
[22] (c)における修飾は、アミノ酸の置き換えのみ含み、アミノ酸の付加も欠失も含まない、項目[1]~[21]のいずれか1つの化合物。
【0291】
[23] VHH抗体ドメインまたはそのフラグメントを含む化合物であり、ここで
(A)該VHH抗体ドメインは、下のVHH配列VHH配列の表に示されるVHH1~VHH16のいずれか1つを含む;
(B)該VHH抗体ドメインは、修飾のある、(A)において定義されるとおりのVHH配列を含み、ここで修飾は、該配列がヒト化されていることである;
(C)該VHH抗体ドメインは、修飾のある、(A)において定義されるとおりのVHH配列を含み、ここで修飾は、最大25アミノ酸までの置き換え、付加、もしくは欠失である;あるいは
(D)該VHH抗体ドメインは、(A)において触れられるVHH配列と少なくとも75%同一であるVHH配列を含む;
VHH配列の表:
【表G-1】
【0292】
【表G-2】
【0293】
【表G-3】
【0294】
[24] VHH抗体ドメインまたはそのフラグメントを含む化合物であり、ここで
(A)該VHH抗体ドメインは、VHH配列VHH配列の表に示されるVHH1~VHH16のいずれか1つからなる;
(B)該VHH抗体ドメインは、修飾のある、(A)において定義されるとおりのVHH配列からなり、ここで修飾は、該配列がヒト化されていることである;
(C)該VHH抗体ドメインは、修飾のある、(A)において定義されるとおりのVHH配列からなり、ここで修飾は、最大25アミノ酸までの置き換え、付加、もしくは欠失である;あるいは
(D)該VHH抗体ドメインは、(A)において触れられるVHH配列と少なくとも75%同一であるVHH配列からなる。
【0295】
[25] 該VHH抗体ドメインの該フラグメントは、該VHH抗体ドメインの配列のアミノ酸の少なくとも75%を含む、項目[23]または[24]のいずれか1つの化合物。
【0296】
[26] 該VHH抗体ドメインの該フラグメントは、該VHH抗体ドメインの配列のアミノ酸の少なくとも80%を含む、項目[23]または[24]のいずれか1つの化合物。
【0297】
[27] 該VHH抗体ドメインの該フラグメントは、該VHH抗体ドメインの配列のアミノ酸の少なくとも85%を含む、項目[23]または[24]のいずれか1つの化合物。
【0298】
[28] 該VHH抗体ドメインの該フラグメントは、該VHH抗体ドメインの配列のアミノ酸の少なくとも90%を含む、項目[23]または[24]のいずれか1つの化合物。
【0299】
[29] 該VHH抗体ドメインの該フラグメントは、該VHH抗体ドメインの配列のアミノ酸の少なくとも95%を含む、項目[23]または[24]のいずれか1つの化合物。
【0300】
[30] 該VHH抗体ドメインの該フラグメントは、該VHH抗体ドメインの配列のアミノ酸の少なくとも98%を含む、項目[23]または[24]のいずれか1つの化合物。
【0301】
[31] 該VHH抗体ドメインの該フラグメントは、該VHH抗体ドメインの配列のアミノ酸の少なくとも99%を含む、項目[23]または[24]のいずれか1つの化合物。
【0302】
[32] 該VHH抗体ドメインの該フラグメントは、相補性決定領域CDR1、CDR2、およびCDR3を含む、項目[23]~[31]のいずれか1つの化合物。
【0303】
[33] 該VHH抗体ドメインの該フラグメントは、該VHH抗体ドメインのCDR1のN末端からCDR3のC末端までの配列を少なくとも含む、項目[23]~[32]のいずれか1つの化合物。
【0304】
[34] (A)における該VHH抗体ドメインの該フラグメントは、該VHH抗体ドメインのすべての相補性決定領域(CDR)を含む、項目[23]~[33]のいずれか1つの化合物。
【0305】
[35] (B)における該配列の該ヒト化は、 該配列の少なくとも1アミノ酸を、ヒトVH(可変重)ドメインの対応するアミノ酸によって置き換えることによる、項目[23]~[34]のいずれか1つの化合物。
【0306】
[36] (B)における該配列の該ヒト化は、該配列の最大25アミノ酸を、ヒトVHドメインの対応するアミノ酸によって置き換えることによる、項目[23]~[35]のいずれか1つの化合物。
【0307】
[37] (B)における該配列の該ヒト化は、該配列の最大20アミノ酸を、ヒトVHドメインの対応するアミノ酸によって置き換えることによる、項目[23]~[35]のいずれか1つの化合物。
【0308】
[38] ここで(B)における該配列の該ヒト化は、該配列の最大15アミノ酸を、ヒトVHドメインの対応するアミノ酸によって置き換えることによる、項目[23]~[35]のいずれか1つの化合物。
【0309】
[39] (B)における該配列の該ヒト化は、該配列の最大10アミノ酸を、ヒトVHドメインの対応するアミノ酸によって置き換えることによる、項目[23]~[35]のいずれか1つの化合物。
【0310】
[40] (B)における該配列の該ヒト化は、該配列の最大5アミノ酸を、ヒトVHドメインの対応するアミノ酸によって置き換えることによる、項目[23]~[35]のいずれか1つの化合物。
【0311】
[41] (B)における該配列の該ヒト化は、該配列の最大3アミノ酸を、ヒトVHドメインの対応するアミノ酸によって置き換えることによる、項目[23]~[35]のいずれか1つの化合物。
【0312】
[42] (B)における該配列の該ヒト化は、該配列の最大2アミノ酸を、ヒトVHドメインの対応するアミノ酸によって置き換えることによる、項目[23]~[35]のいずれか1つの化合物。
【0313】
[43] (B)における該配列の該ヒト化は、該配列の1アミノ酸を、ヒトVHドメインの対応するアミノ酸によって置き換えることによる、項目[23]~[35]のいずれか1つの化合物。
【0314】
[44] (B)における該ヒト化は、該VHH抗体ドメインのフレームワーク領域内および/または該VHH抗体ドメインのCDR内にある、項目[23]~[43]のいずれか1つの化合物。
【0315】
[45] (B)における該ヒト化は、該VHH抗体ドメインのフレームワーク領域内にあるが、該VHH抗体ドメインのCDR内にはない、項目[23]~[43]のいずれか1つの化合物。
【0316】
[46] (B)における該ヒト化は、該VHH抗体ドメインのCDR内にあるが、該VHH抗体ドメインのフレームワーク領域内にはない、項目[23]~[43]のいずれか1つの化合物。
【0317】
[47] (B)における該VHH抗体ドメインのCDR内の該ヒト化は、CDR1、CDR2、および/またはCDR3内にある、項目[23]~[44]または[46]のいずれか1つの化合物。
【0318】
[48] (B)における該VHH抗体ドメインのCDR内の該ヒト化は、CDR1および/またはCDR2内にある、項目[23]~[44]または[46]~[47]のいずれか1つの化合物。
【0319】
[49] (B)における該VHH抗体ドメインのCDR内の該ヒト化は、CDR1内にある、項目[23]~[44]または[46]~[48]のいずれか1つの化合物。
【0320】
[50] (B)における該VHH抗体ドメインのCDR内の該ヒト化は、CDR2内にある、項目[23]~[44]または[46]~[49]のいずれか1つの化合物。
【0321】
[51] (B)における該VHH抗体ドメインのCDR内の該ヒト化は、CDR3内にはない、項目[23]~[50]のいずれか1つの化合物。
【0322】
[52] (C)における修飾は、最大20アミノ酸の置き換え、付加、または欠失である、項目[23]~[51]のいずれか1つの化合物。
【0323】
[53] (C)における修飾は、最大15アミノ酸の置き換え、付加、または欠失である、項目[23]~[51]のいずれか1つの化合物。
【0324】
[54] (C)における修飾は、最大10アミノ酸の置き換え、付加、または欠失である、項目[23]~[51]のいずれか1つの化合物。
【0325】
[55] (C)における修飾は、最大5アミノ酸の置き換え、付加、または欠失である、項目[23]~[51]のいずれか1つの化合物。
【0326】
[56] (C)における修飾は、最大3アミノ酸の置き換え、付加、または欠失である、項目[23]~[51]のいずれか1つの化合物。
【0327】
[57] (C)における修飾は、最大2アミノ酸の置き換え、付加、または欠失である、項目[23]~[51]のいずれか1つの化合物。
【0328】
[58] (C)における修飾は、1アミノ酸の置き換え、付加、または欠失である、項目[23]~[51]のいずれか1つの化合物。
【0329】
[59] (c)における修飾は、アミノ酸の置き換えのみを含み、アミノ酸の付加も欠失も含まない、項目[23]~[58]のいずれか1つの化合物。
【0330】
[60] (A)における該VHH抗体ドメインまたはそのフラグメントは、CDRの表に示されるとおりのVHH1~VHH16の1つの相補性決定領域CDR1、CDR2、およびCDR3を含む、項目[23]~[59]のいずれか1つの化合物。
【0331】
[61] (B)~(D)において、
(a)該VHH抗体ドメインまたはそのフラグメントは、CDRの表に示されるとおりのVHH1~VHH16の1つの相補性決定領域CDR1、CDR2、およびCDR3を含む;
(b)該VHH抗体ドメインまたはそのフラグメントは、修飾のある、(a)において定義されるとおりの相補性決定領域CDR1、CDR2、およびCDR3を含み、ここで修飾は、CDR1、CDR2、およびCDR3の少なくとも1つの配列がヒト化されていることである;
(c)該VHH抗体ドメインまたはそのフラグメントは、修飾のある、(a)において定義されるとおりの相補性決定領域CDR1、CDR2、およびCDR3を含み、ここで修飾は、
- CDR1における最大3アミノ酸までの置き換え、付加、もしくは欠失、
- CDR2における最大3アミノ酸までの置き換え、付加、もしくは欠失、および/または
- CDR3における最大3アミノ酸までの置き換え、付加、もしくは欠失である、項目[23]~[60]のいずれか1つの化合物。
【0332】
[62] (b)における修飾は、CDR3の配列ではなく、CDR1および/またはCDR2の配列がヒト化されていることである、項目[61]の化合物。
【0333】
[63] (b)における修飾は、CDR2およびCDR3の配列ではなく、CDR1の配列がヒト化されていることである、項目[61]または[62]のいずれか1つの化合物。
【0334】
[64] (b)における修飾は、CDR1およびCDR3の配列ではなく、CDR2の配列がヒト化されていることである、項目[61]または[62]のいずれか1つの化合物。
【0335】
[65] (b)における修飾は、CDR1、CDR2、およびCDR3の2つ以上ではなく、その1つの配列がヒト化されていることである、項目[61]~[64]のいずれか1つの化合物。
【0336】
[66] 該CDR(単数または複数)の該ヒト化は、該CDRの配列中の少なくとも1アミノ酸を、ヒトVHドメインの対応するアミノ酸によって置き換えることによる、項目[61]~[65]のいずれか1つの化合物。
【0337】
[67] 該CDR(単数または複数)の該ヒト化は、該CDRの配列中の最大3アミノ酸を、ヒトVHドメインの対応するアミノ酸によって置き換えることによる、項目[61]~[66]のいずれか1つの化合物。
【0338】
[68] 該CDR(単数または複数)の該ヒト化は、CDR1および/またはCDR2の配列中の最大3アミノ酸およびCDR3の配列中の最大1アミノ酸を、ヒトVHドメインの対応するアミノ酸によって置き換えることによる、項目[61]~[66]のいずれか1つの化合物。
【0339】
[69] 該CDR(単数または複数)の該ヒト化は、該CDRの配列中の最大2アミノ酸を、ヒトVHドメインの対応するアミノ酸によって置き換えることによる、項目[61]~[66]のいずれか1つの化合物。
【0340】
[70] 該CDR(単数または複数)の該ヒト化は、CDR1および/またはCDR2の配列中の最大2アミノ酸およびCDR3の配列中の最大1アミノ酸を、ヒトVHドメインの対応するアミノ酸によって置き換えることによる、項目[61]~[66]のいずれか1つの化合物。
【0341】
[71] 該CDR(単数または複数)の該ヒト化は、該CDRの配列中の1アミノ酸を、ヒトVHドメインの対応するアミノ酸によって置き換えることによる、項目[61]~[70]のいずれか1つの化合物。
【0342】
[72] (c)における修飾は、
- CDR1における最大3アミノ酸までの置き換え、付加、もしくは欠失、
- CDR2における最大3アミノ酸までの置き換え、付加、もしくは欠失、および/または
- CDR3における最大2アミノ酸の置き換え、付加、もしくは欠失である、項目[61]~[71]のいずれか1つの化合物。
【0343】
[73] (c)における修飾は、
- CDR1における最大3アミノ酸までの置き換え、付加、もしくは欠失、
- CDR2における最大3アミノ酸までの置き換え、付加、もしくは欠失、および/または
- CDR3における最大1アミノ酸の置き換え、付加、もしくは欠失である、項目[61]~[71]のいずれか1つの化合物。
【0344】
[74] (c)における修飾は、
- CDR1における最大3アミノ酸までの置き換え、付加、または欠失、および/または
- CDR2における最大3アミノ酸までの置き換え、付加、または欠失であり、
ここでCDR3の配列は、修飾されていない、項目[61]~[71]のいずれか1つの化合物。
【0345】
[75] (c)における修飾は、
- CDR1における最大2アミノ酸の置き換え、付加、もしくは欠失、
- CDR2における最大2アミノ酸の置き換え、付加、もしくは欠失、および/または
- CDR3における最大2アミノ酸の置き換え、付加、もしくは欠失である、項目[61]~[71]のいずれか1つの化合物;
【0346】
[76] (c)における修飾は、
- CDR1における最大2アミノ酸の置き換え、付加、もしくは欠失;
- CDR2における最大2アミノ酸の置き換え、付加、もしくは欠失;および/または
- CDR3における最大1アミノ酸の置き換え、付加、もしくは欠失である、項目[61]~[71]のいずれか1つの化合物。
【0347】
[77] (c)における修飾は、
- CDR1における最大2アミノ酸の置き換え、付加、もしくは欠失、および/または
- CDR2における最大2アミノ酸の置き換え、付加、もしくは欠失である;
ここでCDR3の配列は、修飾されていない、項目[61]~[71]のいずれか1つの化合物。
【0348】
[78] (c)における修飾は、
- CDR1における最大2アミノ酸の置き換え、付加、もしくは欠失であり、
ここでCDR2およびCDR3の配列は、修飾されていない、項目[61]~[71]のいずれか1つの化合物。
【0349】
[79] (c)における修飾は、
- CDR2における最大2アミノ酸の置き換え、付加、もしくは欠失であり、
ここでCDR1およびCDR3の配列は、修飾されていない、項目[61]~[71]のいずれか1つの化合物。
【0350】
[80] (c)における修飾は、
- CDR1における最大1アミノ酸の置き換え、付加、もしくは欠失;
- CDR2における最大1アミノ酸の置き換え、付加、もしくは欠失;および/または
- CDR3における最大1アミノ酸の置き換え、付加、もしくは欠失である、項目[61]~[71]のいずれか1つの化合物。
【0351】
[81] (c)における修飾は、
- CDR1における1アミノ酸の置き換え、付加、もしくは欠失、および/または
- CDR2における1アミノ酸の置き換え、付加、もしくは欠失である;
ここでCDR3の配列は、修飾されていない、項目[61]~[71]のいずれか1つの化合物。
【0352】
[82] (c)における修飾は、
- CDR1における1アミノ酸の置き換え、付加、もしくは欠失であり、
ここでCDR2およびCDR3の配列は、修飾されていない、項目[61]~[71]のいずれか1つの化合物。
【0353】
[83] (c)における修飾は、
- CDR2における1アミノ酸の置き換え、付加、もしくは欠失であり、
ここでCDR1およびCDR3の配列は、修飾されていない、項目[61]~[71]のいずれか1つの化合物。
【0354】
[84] (c)における修飾は、アミノ酸の置き換えのみを含み、アミノ酸の付加も欠失も含まない、項目[61]~[83]のいずれか1つの化合物。
【0355】
[85] 該化合物は、VHH抗体ドメインを含む(VHH抗体ドメインのフラグメントだけではない)、項目[1]~[84]のいずれか1つに従う化合物。
【0356】
[86] 該化合物は、VHH抗体ドメインのフラグメントからなる(完全長VHH抗体ドメインではない)、項目[1]~[84]のいずれか1つに従う化合物。
【0357】
[87] 該フラグメントは、少なくとも100アミノ酸からなる、項目[1]~[84]または[86]のいずれか1つに従う化合物。
【0358】
[88] 該フラグメントは、少なくとも105アミノ酸からなる、項目[1]~[84]または[86]のいずれか1つに従う化合物。
【0359】
[89] 該フラグメントは、少なくとも110アミノ酸からなる、項目[1]~[84]または[86]のいずれか1つに従う化合物。
【0360】
[90] 該フラグメントは、少なくとも115アミノ酸からなる、項目[1]~[84]または[86]のいずれか1つに従う化合物。
【0361】
[91] 該化合物は、NKp30へ特異的に結合することが可能である、項目[1]~[90]のいずれか1つに従う化合物。
【0362】
[92] 該VHH抗体ドメインまたはそのフラグメントは、NKp30へ特異的に結合することが可能である、項目[1]~[91]のいずれか1つに従う化合物。
【0363】
[93] 該VHH抗体ドメインまたはそのフラグメントは、組換えヒトNKp30へ1x10-6MのKDでまたはこれより強く結合する、項目[1]~[92]のいずれか1つに従う化合物。
【0364】
[94] 該VHH抗体ドメインまたはそのフラグメントは、組換えヒトNKp30へ1x10-7MのKDでまたはこれより強く結合する、項目[1]~[92]のいずれか1つに従う化合物。
【0365】
[95] 該VHH抗体ドメインまたはそのフラグメントは、組換えヒトNKp30へ1x10-8MのKDでまたはこれより強く結合する、項目[1]~[92]のいずれか1つに従う化合物。
【0366】
[96] 該VHH抗体ドメインまたはそのフラグメントは、組換えヒトNKp30へ1x10-9MのKDでまたはこれより強く結合する、項目[1]~[92]のいずれか1つに従う化合物。
【0367】
[97] 該VHH抗体ドメインまたはそのフラグメントは、組換えヒトNKp30へ1x104(1/Ms)以上のkonで結合する、項目[1]~[96]のいずれか1つに従う化合物。
【0368】
[98] 該VHH抗体ドメインまたはそのフラグメントは、組換えヒトNKp30へ1x105(1/Ms)以上のkonで結合する、項目[1]~[96]のいずれか1つに従う化合物。
【0369】
[99] 該VHH抗体ドメインまたはそのフラグメントは、組換えヒトNKp30へ5x10-3(1/Ms)以下のkoffで結合する、項目[1]~[98]のいずれか1つに従う化合物。
【0370】
[100] 該VHH抗体ドメインまたはそのフラグメントは、組換えヒトNKp30へ1x10-3(1/Ms)以下のkoffで結合する、項目[1]~[98]のいずれか1つに従う化合物。
【0371】
[101] 該VHH抗体ドメインまたはそのフラグメントは、組換えヒトNKp30へ1x10-4(1/Ms)以下のkoffで結合する、項目[1]~[98]のいずれか1つに従う化合物。
【0372】
[102] 該VHH抗体ドメインまたはそのフラグメントは、組換えヒトNKp30へ1x10-5(1/Ms)以下のkoffで結合する、項目[1]~[98]のいずれか1つに従う化合物。
【0373】
[103] 該VHH抗体ドメインまたはそのフラグメントは、組換えヒトNKp30へ1x10-6(1/Ms)以下のkoffで結合する、項目[1]~[98]のいずれか1つに従う化合物。
【0374】
[104] 該VHH抗体ドメインまたはそのフラグメントは、組換えヒトNKp30へ1x10-7(1/Ms)以下のkoffで結合する、項目[1]~[98]のいずれか1つに従う化合物。
【0375】
[105] (b)および(c)におけるVHH抗体ドメインまたはそのフラグメントは、修飾のない対応するVHH抗体ドメインの結合より5倍以上弱くない親和性(KD値)で組換えヒトNKp30へ結合する、項目[1]~[104]のいずれか1つに従う化合物。
【0376】
[106] (b)および(c)におけるVHH抗体ドメインまたはそのフラグメントは、修飾のない対応するVHH抗体ドメインの結合より2倍以上弱くない親和性(KD値)で組換えヒトNKp30へ結合する、項目[1]~[104]のいずれか1つに従う化合物。
【0377】
[107] (b)および(c)におけるVHH抗体ドメインまたはそのフラグメントは、修飾のない対応するVHH抗体ドメインの結合より1.5倍以上弱くない親和性(KD値)で組換えヒトNKp30へ結合する、項目[1]~[104]のいずれか1つに従う化合物。
【0378】
[108] (b)および(c)におけるVHH抗体ドメインまたはそのフラグメントは、修飾のない対応するVHH抗体ドメインの結合より5倍以上強くない親和性(KD値)で組換えヒトNKp30へ結合する、項目[1]~[107]のいずれか1つに従う化合物。
【0379】
[109] (b)および(c)におけるVHH抗体ドメインまたはそのフラグメントは、修飾のない対応するVHH抗体ドメインの結合より2倍以上強くない親和性(KD値)で組換えヒトNKp30へ結合する、項目[1]~[107]のいずれか1つに従う化合物。
【0380】
[110] (b)および(c)におけるVHH抗体ドメインまたはそのフラグメントは、修飾のない対応するVHH抗体ドメインの結合より1.5倍以上強くない親和性(KD値)で組換えヒトNKp30へ結合する、項目[1]~[107]のいずれか1つに従う化合物。
【0381】
[111] (B)および(C)におけるVHH抗体ドメインは、修飾のない対応するVHH抗体ドメインの結合より5倍以上弱くない親和性(KD値)で組換えヒトNKp30へ結合する、項目[23]~[110]のいずれか1つに従う化合物。
【0382】
[112] (B)および(C)におけるVHH抗体ドメインは、修飾のない対応するVHH抗体ドメインの結合より2倍以上弱くない親和性(KD値)で組換えヒトNKp30へ結合する、項目[23]~[110]のいずれか1つに従う化合物。
【0383】
[113] (B)および(C)におけるVHH抗体ドメインは、修飾のない対応するVHH抗体ドメインの結合より1.5倍以上弱くない親和性(KD値)で組換えヒトNKp30へ結合する、項目[23]~[110]のいずれか1つに従う化合物。
【0384】
[114] (B)および(C)におけるVHH抗体ドメインは、修飾のない対応するVHH抗体ドメインの結合より5倍以上強くない親和性(KD値)で組換えヒトNKp30へ結合する、項目[23]~[113]のいずれか1つに従う化合物。
【0385】
[115] (B)および(C)におけるVHH抗体ドメインは、修飾のない対応するVHH抗体ドメインの結合より2倍以上強くない親和性(KD値)で組換えヒトNKp30へ結合する、項目[23]~[113]のいずれか1つに従う化合物。
【0386】
[116] (B)および(C)におけるVHH抗体ドメインは、修飾のない対応するVHH抗体ドメインの結合より1.5倍以上強くない親和性(KD値)で組換えヒトNKp30へ結合する、項目[23]~[113]のいずれか1つに従う化合物。
【0387】
[117] (D)におけるVHH抗体ドメインのヒトNKp30への結合の親和性(KD値)は、(D)の該VHH抗体ドメインの配列と最高の配列同一性を有するVHH配列の表からの配列からなるVHH抗体ドメインのヒトNKp30への結合の親和性(KD値)より5倍以上弱くない、項目[23]~[116]のいずれか1つに従う化合物。
【0388】
[118] (D)におけるVHH抗体ドメインのヒトNKp30への結合の親和性(KD値)は、(D)の該VHH抗体ドメインの配列と最高の配列同一性を有するVHH配列の表からの配列からなるVHH抗体ドメインのヒトNKp30への結合の親和性(KD値)より2倍以上弱くない、項目[23]~[116]のいずれか1つに従う化合物。
【0389】
[119] (D)におけるVHH抗体ドメインのヒトNKp30への結合の親和性(KD値)は、(D)の該VHH抗体ドメインの配列と最高の配列同一性を有するVHH配列の表からの配列からなるVHH抗体ドメインのヒトNKp30への結合の親和性(KD値)より1.5倍以上弱くない、項目[23]~[116]のいずれか1つに従う化合物。
【0390】
[120] (D)におけるVHH抗体ドメインのヒトNKp30への結合の親和性(KD値)は、(D)の該VHH抗体ドメインの配列と最高の配列同一性を有するVHH配列の表からの配列からなるVHH抗体ドメインのヒトNKp30への結合の親和性(KD値)より5倍以上強くない、項目[23]~[119]のいずれか1つに従う化合物。
【0391】
[121] (D)におけるVHH抗体ドメインのヒトNKp30への結合の親和性(KD値)は、(D)の該VHH抗体ドメインの配列と最高の配列同一性を有するVHH配列の表からの配列からなるVHH抗体ドメインのヒトNKp30への結合の親和性(KD値)より2倍以上強くない、項目[23]~[119]のいずれか1つに従う化合物。
【0392】
[122] (D)におけるVHH抗体ドメインのヒトNKp30への結合の親和性(KD値)は、(D)の該VHH抗体ドメインの配列と最高の配列同一性を有するVHH配列の表からの配列からなるVHH抗体ドメインのヒトNKp30への結合の親和性(KD値)より1.5倍以上強くない、項目[23]~[119]のいずれか1つに従う化合物。
【0393】
[123] 該KD値/該kon速度/該koff速度は、バイオレイヤー干渉による反応速度測定によって、KB緩衝剤(PBS+0.1%Tween-20+1%BSA)中25℃および1000rpmにて測定される、項目[92]~[122]のいずれか1つに従う化合物。
【0394】
[124] 該VHH抗体ドメインまたはそのフラグメントは、ヒトNKp30への結合についてヒトB7-H6と競合する、項目[1]~[123]のいずれか1つに従う化合物。
【0395】
[125] 該VHH抗体ドメインまたはそのフラグメントは、ヒトNKp30への結合についてヒトB7-H6とは競合しない、項目[1]~[123]のいずれか1つに従う化合物。
【0396】
[126] 該VHH抗体ドメインまたはそのフラグメントは、ヒトNKp30への結合についてヒトB7-H6と部分的に競合する、項目[1]~[123]のいずれか1つに従う化合物。
【0397】
[127] (A)の該VHH抗体ドメインは、VHH配列の表に示されるVHH配列VHH1、VHH2、VHH3、VHH4、VHH5、VHH8、VHH9、VHH10、VHH11、VHH12、VHH13、VHH14、VHH15、またはVHH16のいずれか1つを含む、項目[23]~[126]のいずれか1つの化合物。(かかるVHH抗体ドメインをもつ化合物につき、例として例3、表1から分かるとおり、E-09またはこれより強い範囲にあるKDが、NKp30への結合について観察された。)
【0398】
[128] (A)の該VHH抗体ドメインは、VHH配列の表に示されるVHH配列VHH1、VHH3、VHH5、VHH8、VHH10、VHH12、VHH13、VHH14、VHH15、またはVHH16のいずれか1つを含む、項目[23]~[126]のいずれか1つの化合物。(かかるVHH抗体ドメインをもつ化合物につき、例として例3、表1から分かるとおり、E-10またはこれより強い範囲にあるKDが、NKp30への結合について観察された。)
【0399】
[129] (A)の該VHH抗体ドメインは、VHH配列の表に示されるVHH配列VHH15を含む、項目[23]~[126]のいずれか1つの化合物。(かかるVHH抗体ドメインをもつ化合物につき、例として例3、表1から分かるとおり、E-12またはこれより強い範囲にあるKDおよびE-07またはこれより低い範囲にあるkoffが、NKp30への結合について観察された。)
【0400】
[130] (A)の該VHH抗体ドメインは、VHH配列の表に示されるVHH配列VHH1、VHH2、VHH3、VHH5、VHH6、VHH8、VHH9、VHH10、VHH11、VHH12、VHH13、VHH14、VHH15、またはVHH16のいずれか1つを含む、項目[23]~[126]のいずれか1つの化合物。(かかるVHH抗体ドメインをもつ化合物につき、例として例3、表1から分かるとおり、E-05の範囲にあるkonが、NKp30への結合について観察された。)
【0401】
[131] (A)の該VHH抗体ドメインは、VHH配列の表に示されるVHH配列VHH1、VHH2、VHH3、VHH4、VHH5、VHH8、VHH10、VHH11、VHH12、VHH13、VHH14、VHH15、またはVHH16のいずれか1つを含む、項目[23]~[126]のいずれか1つの化合物。(かかるVHH抗体ドメインをもつ化合物につき、例として例3、表1から分かるとおり、E-04またはこれより低い範囲にあるkoffが、NKp30への結合について観察された。)
【0402】
[132] (A)の該VHH抗体ドメインは、VHH配列の表に示されるVHH配列VHH10、VHH15、またはVHH16のいずれか1つを含む、項目[23]~[126]のいずれか1つの化合物。(かかるVHH抗体ドメインをもつ化合物につき、例として例3、表1から分かるとおり、E-05またはこれより低い範囲にあるkoffが、NKp30への結合について観察された。)
【0403】
[133] (A)の該VHH抗体ドメインは、VHH配列の表に示されるVHH配列VHH1、VHH3、VHH5、VHH12、VHH13、VHH14、VHH15、またはVHH16のいずれか1つを含む、項目[23]~[126]のいずれか1つの化合物。(かかるVHH抗体ドメインをもつ化合物につき、例として例3、表1から分かるとおり、B7-H6との競合が観察される。例4に示されるとおり、かかるVHH抗体ドメインは、標的化された細胞の溶解を高い効率で媒介する化合物をもたらす。)
【0404】
[134] (A)の該VHH抗体ドメインは、VHH配列の表に示されるVHH配列VHH1、VHH5、またはVHH16のいずれか1つを含む、項目[23]~[126]のいずれか1つの化合物。
【0405】
[135] (A)の該VHH抗体ドメインは、VHH配列の表に示されるVHH配列VHH2、VHH6、VHH7、VHH8、VHH9、VHH10、またはVHH11のいずれか1つを含む、項目[23]~[126]のいずれか1つの化合物。(かかるVHH抗体ドメインをもつ化合物につき、例として例3、表1から分かるとおり、no B7-H6との競合が観察される。例4に示されるとおり、かかるVHH抗体ドメインは、標的化された細胞の溶解を媒介する化合物をもたらすが、その効率はより低い。)
【0406】
[136] (A)の該VHH抗体ドメインは、VHH配列の表に示されるVHH配列VHH2、VHH4、またはVHH8のいずれか1つを含む、項目[23]~[126]のいずれか1つの化合物。
【0407】
[137] (A)の該VHH抗体ドメインは、VHH配列の表に示されるVHH配列VHH2またはVHH8のいずれか1つを含む、項目[23]~[126]のいずれか1つの化合物。
【0408】
[138] (A)の該VHH抗体ドメインは、VHH配列の表に示されるVHH配列VHH4を含む、項目[23]~[126]のいずれか1つの化合物。(かかるVHH抗体ドメインをもつ化合物につき、例として例3、表1から分かるとおり、B7-H6との部分的な競合が観察される。)
【0409】
[139] (A)の該VHH抗体ドメインは、配列の表に示されるVHH配列VHH12またはVHH15VHHのいずれか1つを含む、項目[23]~[126]のいずれか1つの化合物。(かかるVHH抗体ドメインをもつ化合物につき、例として例3から分かるとおり、部分的な競合相手VHH4との競合は観察されない。)
【0410】
[140] (A)の該VHH抗体ドメインは、VHH配列の表に示されるVHH配列VHH8、VHH9、VHH10、またはVHH11のいずれか1つを含む、項目[23]~[126]のいずれか1つの化合物。(例として例3から分かるとおり、かかるVHH抗体ドメインをもつ化合物は、共通の特徴をもつ特定エピトープのビンに属する。)
【0411】
[141] (A)の該VHH抗体ドメインは、VHH配列の表に示されるVHH配列VHH2またはVHH6のいずれか1つを含む、項目[23]~[126]のいずれか1つの化合物。(例として例3から分かるとおり、かかるVHH抗体ドメインをもつ化合物は、共通の特徴をもつ特定エピトープのビンに属する。)
【0412】
[142] (A)の該VHH抗体ドメインは、VHH配列の表に示されるVHH配列VHH2、VHH6、またはVHH7のいずれか1つを含む、項目[23]~[126]のいずれか1つの化合物。(例として例3から分かるとおり、かかるVHH抗体ドメインをもつ化合物は、それらエピトープの標的化に関してユニークである。)
【0413】
[143] (A)における該VHH抗体ドメインまたはそのフラグメントは、CDRの表に示されるVHH配列VHH1、VHH2、VHH3、VHH4、VHH5、VHH8、VHH9、VHH10、VHH11、VHH12、VHH13、VHH14、VHH15、またはVHH16のいずれか1つの相補性決定領域CDR1、CDR2、およびCDR3を含む、項目[1]~[22]または[61]~[142]のいずれか1つの化合物。(かかるVHH抗体ドメインをもつ化合物につき、例として例3、表1から分かるとおり、E-09またはこれより強い範囲にあるKDが、NKp30への結合について観察された。)
【0414】
[144] (A)における該VHH抗体ドメインまたはそのフラグメントは、CDRの表に示されるVHH1、VHH3、VHH5、VHH8、VHH10、VHH12、VHH13、VHH14、VHH15、またはVHH16のいずれか1つの相補性決定領域CDR1、CDR2、およびCDR3の1つを含む、項目[1]~[22]または[61]~[142]のいずれか1つの化合物。(かかるVHH抗体ドメインをもつ化合物につき、例として例3、表1から分かるとおり、E-10またはこれより強い範囲にあるKDが、NKp30への結合について観察された。)
【0415】
[145] (A)における該VHH抗体ドメインまたはそのフラグメントは、CDRの表に示されるVHH15の1つの相補性決定領域CDR1、CDR2、およびCDR3を含む、項目[1]~[22]または[61]~[142]のいずれか1つの化合物。(かかるVHH抗体ドメインをもつ化合物につき、例として例3、表1から分かるとおり、E-12またはこれより強い範囲にあるKDおよびE-07またはこれより低い範囲にあるkoffが、NKp30への結合について観察された。)
【0416】
[146] (A)における該VHH抗体ドメインまたはそのフラグメントは、CDRの表に示されるVHH1、VHH2、VHH3、VHH5、VHH6、VHH8、VHH9、VHH10、VHH11、VHH12、VHH13、VHH14、VHH15、またはVHH16の1つの相補性決定領域CDR1、CDR2、およびCDR3を含む、項目[1]~[22]または[61]~[142]のいずれか1つの化合物。(かかるVHH抗体ドメインをもつ化合物につき、例として例3、表1から分かるとおり、E-05の範囲にあるkonが、NKp30への結合について観察された。)
【0417】
[147] (A)における該VHH抗体ドメインまたはそのフラグメントは、CDRの表に示されるVHH1、VHH2、VHH3、VHH4、VHH5、VHH8、VHH10、VHH11、VHH12、VHH13、VHH14、VHH15、またはVHH16の1つの相補性決定領域CDR1、CDR2、およびCDR3を含む、項目[1]~[22]または[61]~[142]のいずれか1つの化合物。(かかるVHH抗体ドメインをもつ化合物につき、例として例3、表1から分かるとおり、E-04またはこれより低い範囲にあるkoffが、NKp30への結合について観察された。)
【0418】
[148] (A)における該VHH抗体ドメインまたはそのフラグメントは、CDRの表に示されるVHH10、VHH15、またはVHH16の1つの相補性決定領域CDR1、CDR2、およびCDR3を含む、項目[1]~[22]または[61]~[142]のいずれか1つの化合物。(かかるVHH抗体ドメインをもつ化合物につき、例として例3、表1から分かるとおり、E-05またはこれより低い範囲にあるkoffが、NKp30への結合について観察された。)
【0419】
[149] (A)における該VHH抗体ドメインまたはそのフラグメントは、CDRの表に示されるVHH1、VHH3、VHH5、VHH12、VHH13、VHH14、VHH15、またはVHH16の1つの相補性決定領域CDR1、CDR2、およびCDR3を含む、項目[1]~[22]または[61]~[142]のいずれか1つの化合物。(かかるVHH抗体ドメインをもつ化合物につき、例として例3、表1から分かるとおり、B7-H6との競合が観察される。例4に示されるとおり、かかるVHH抗体ドメインは、標的化された細胞の溶解を高い効率で媒介する化合物をもたらす。)
【0420】
[150] (A)における該VHH抗体ドメインまたはそのフラグメントは、CDRの表に示されるVHH1、VHH5、またはVHH16の1つの相補性決定領域CDR1、CDR2、およびCDR3を含む、項目[1]~[22]または[61]~[142]のいずれか1つの化合物。
【0421】
[151] (A)における該VHH抗体ドメインまたはそのフラグメントは、CDRの表に示されるVHH2、VHH6、VHH7、VHH8、VHH9、VHH10、またはVHH11の1つの相補性決定領域CDR1、CDR2、およびCDR3を含む、項目[1]~[22]または[61]~[142]のいずれか1つの化合物。(かかるVHH抗体ドメインをもつ化合物につき、例として例3、表1から分かるとおり、B7-H6との競合は観察されない。例4に示されるとおり、かかるVHH抗体ドメインは、標的化された細胞の溶解を媒介する化合物をもたらすが、その効率はより低い。)
【0422】
[152] (A)における該VHH抗体ドメインまたはそのフラグメントは、CDRの表に示されるVHH2、VHH4、またはVHH8の1つの相補性決定領域CDR1、CDR2、およびCDR3を含む、項目[1]~[22]または[61]~[142]のいずれか1つの化合物。
【0423】
[153] (A)における該VHH抗体ドメインまたはそのフラグメントは、CDRの表に示されるVHH2またはVHH8の1つの相補性決定領域CDR1、CDR2、およびCDR3を含む、項目[1]~[22]または[61]~[142]のいずれか1つの化合物。
【0424】
[154] (A)における該VHH抗体ドメインまたはそのフラグメントは、CDRの表に示されるVHH4の相補性決定領域CDR1、CDR2、およびCDR3を含む、項目[1]~[22]または[61]~[142]のいずれか1つの化合物。(かかるVHH抗体ドメインをもつ化合物につき、例として例3、表1から分かるとおり、B7-H6との部分的な競合が観察される。)
【0425】
[155] (A)における該VHH抗体ドメインまたはそのフラグメントは、CDRの表に示されるVHH12またはVHH15の1つの相補性決定領域CDR1、CDR2、およびCDR3を含む、項目[1]~[22]または[61]~[142]のいずれか1つの化合物。(かかるVHH抗体ドメインをもつ化合物につき、例として例3から分かるとおり、部分的な競合相手VHH4との競合は観察されない。)
【0426】
[156] (A)における該VHH抗体ドメインまたはそのフラグメントは、CDRの表に示されるVHH8、VHH9、VHH10、またはVHH11の1つの相補性決定領域CDR1、CDR2、およびCDR3を含む、項目[1]~[22]または[61]~[142]のいずれか1つの化合物。(例として例3から分かるとおり、かかるVHH抗体ドメインをもつ化合物は、共通の特徴をもつ特定エピトープのビンに属する。)
【0427】
[157] (A)における該VHH抗体ドメインまたはそのフラグメントは、CDRの表に示されるVHH2またはVHH6の1つの相補性決定領域CDR1、CDR2、およびCDR3を含む、項目[1]~[22]または[61]~[142]のいずれか1つの化合物。(例として例3から分かるとおり、かかるVHH抗体ドメインをもつ化合物は、共通の特徴をもつ特定エピトープのビンに属する。)
【0428】
[158] (A)における該VHH抗体ドメインまたはそのフラグメントは、CDRの表に示されるVHH2、VHH6、またはVHH7の1つの相補性決定領域CDR1、CDR2、およびCDR3を含む、項目[1]~[22]または[61]~[142]のいずれか1つの化合物。(例として例3から分かるとおり、かかるVHH抗体ドメインをもつ化合物は、それらエピトープの標的化に関してユニークである。)
【0429】
[159] 該化合物は、分子である、項目[1]~[158]のいずれか1つに従う化合物。
【0430】
[160] 該化合物は、タンパク質を含むかまたはタンパク質である、項目[1]~[159]のいずれか1つに従う化合物。
【0431】
[161] 該化合物は、タンパク質である、項目[1]~[160]のいずれか1つに従う化合物。
【0432】
[162] 該化合物は、(A)、(B)、もしくは(C)に従うVHH抗体ドメインまたはそのフラグメントを含む、項目[23]~[161]のいずれか1つに従う化合物。
【0433】
[163] 該化合物は、(A)、(B)、もしくは(D)に従うVHH抗体ドメインまたはそのフラグメントを含む、項目[23]~[161]のいずれか1つに従う化合物。
【0434】
[164] 該化合物は、(A)、(C)、もしくは(D)に従うVHH抗体ドメインまたはそのフラグメントを含む、項目[23]~[161]のいずれか1つに従う化合物。
【0435】
[165] 該化合物は、(A)または(B)に従うVHH抗体ドメインまたはそのフラグメントを含む、項目[23]~[161]のいずれか1つに従う化合物。
【0436】
[166] 該化合物は、(A)もしくは(C)に従うVHH抗体ドメインまたはそのフラグメントを含む、項目[23]~[161]のいずれか1つに従う化合物。
【0437】
[167] 該化合物は、(A)もしくは(D)に従うVHH抗体ドメインまたはそのフラグメントを含む、項目[23]~[161]のいずれか1つに従う化合物。
【0438】
[168] 該化合物は、(A)に従うVHH抗体ドメインまたはそのフラグメントを含む、項目[23]~[161]のいずれか1つに従う化合物。
【0439】
[169] 該化合物は、(B)に従うVHH抗体ドメインまたはそのフラグメントを含む、項目[23]~[161]のいずれか1つに従う化合物。
【0440】
[170] 該VHH抗体ドメインまたはそのフラグメントは、(a)または(b)に従う相補性決定領域を含む、項目[1]~[22]または[61]~[169]のいずれか1つに従う化合物。
【0441】
[171] 該VHH抗体ドメインまたはそのフラグメントは、(a)または(c)に従う相補性決定領域を含む、項目[1]~[22]または[61]~[169]のいずれか1つに従う化合物。
【0442】
[172] 該VHH抗体ドメインまたはそのフラグメントは、(a)に従う相補性決定領域を含む、項目[1]~[22]または[61]~[169]のいずれか1つに従う化合物。
【0443】
[173] 該VHH抗体ドメインまたはそのフラグメントは、(b)に従う相補性決定領域を含む、項目[1]~[22]または[61]~[169]のいずれか1つに従う化合物。
【0444】
[174] 該化合物は、標的化成分をさらに含む、項目[1]~[173]のいずれか1つに従う化合物。
【0445】
[175] 該化合物のすべての構成要素は、共有結合的に連結されている、項目[1]~[174]のいずれか1つに従う化合物。
【0446】
[176] 該標的化成分は、標的分子またはそのフラグメントへ特異的に結合する分子群である、項目[174]または[175]のいずれか1つに従う化合物。
【0447】
[177] 該標的分子は、細胞の表面にある受容体である、項目[176]に従う化合物。
【0448】
[178] 該標的分子は、標的細胞の表面上に存在する抗原である、項目[176]または[177]のいずれか1つに従う化合物。
【0449】
[179] 該標的化成分は、タンパク質、ペプチド、ペプチド模倣物、核酸、オリゴヌクレオチド、または小分子である、項目[174]~[178]のいずれか1つに従う化合物。
【0450】
[180] 該標的化成分は、タンパク質を含むかまたはタンパク質である、項目[174]~[179]のいずれか1つに従う化合物。
【0451】
[181] 該標的化成分は、タンパク質を含む、項目[174]~[180]のいずれか1つに従う化合物。
【0452】
[182] 該標的化成分は、タンパク質である、項目[174]~[181]のいずれか1つに従う化合物。
【0453】
[183] 該標的化成分は、細胞の表面にある受容体へ特異的に結合するタンパク質リガンドである、項目[174]~[182]のいずれか1つに従う化合物。
【0454】
[184] 該標的化成分は、抗体またはその抗原結合性フラグメントである、項目[174]~[182]のいずれか1つに従う化合物。
【0455】
[185] 該標的化成分は、腫瘍関連抗原へ特異的に結合することが可能である、項目[174]~[184]のいずれか1つに従う化合物。
【0456】
[186] 該化合物は、二重特異性抗体である、項目[1]~[185]のいずれか1つに従う化合物。
【0457】
[187] 該化合物は、SEED(鎖交換改変ドメイン)技術によって調製される二重特異性抗体である、項目[1]~[186]のいずれか1つに従う化合物。
【0458】
[188] 該二重特異性抗体の一方の結合部位は、該VHH抗体ドメインまたはそのフラグメントによって形成されており、該二重特異性抗体の一方の結合部位は、該標的化成分によって形成されている、項目[186]または[187]のいずれか1つに従う化合物。
【0459】
[189] 該抗原結合性フラグメントは、Fab、Fab'、(Fab')2、Fv、scFv、ダイアボディ、およびVHHからなる群から選択される、項目[184]~[188]のいずれか1つに従う化合物。
【0460】
[190] 該抗原結合性フラグメントは、Fab、Fab'、(Fab')2、およびFvからなる群から選択される、項目[184]~[188]のいずれか1つに従う化合物。
【0461】
[191] 該抗原結合性フラグメントは、Fabである、項目[184]~[188]のいずれか1つに従う化合物。
【0462】
[192] 該抗原結合性フラグメントは、scFv、ダイアボディ、およびVHHからなる群から選択される、項目[184]~[188]のいずれか1つに従う化合物。
【0463】
[193] 該抗原結合性フラグメントは、SEED(鎖交換改変ドメイン)形式をもつ抗体の抗原結合性フラグメントである、項目[184]~[192]のいずれか1つに従う化合物。
【0464】
[194] 該標的化成分は、標的細胞の表面上に存在する抗原へ特異的に結合することが可能である、項目[174]~[193]のいずれか1つに従う化合物。
【0465】
[195] 該抗体は、標的細胞の表面上に存在する抗原に対する抗体である、項目[184]~[194]のいずれか1つに従う化合物。
【0466】
[196] 該抗原結合性フラグメントは、標的細胞の表面上に存在する抗原に対する抗体の抗原結合性フラグメントである、項目[184]~[195]のいずれか1つに従う化合物。
【0467】
[197] 該標的化成分の、該標的細胞の表面上に存在する該抗原への該結合は、化合物を該標的細胞へ特異的に動員させることを可能にする、項目[194]~[196]のいずれか1つに従う化合物。
【0468】
[198] 該標的細胞の表面上に存在する該抗原は、腫瘍関連抗原である、項目[178]~[197]のいずれか1つに従う化合物。
【0469】
[199] 該標的化成分は、腫瘍関連抗原へ特異的に結合することが可能である、項目[174]~[198]のいずれか1つに従う化合物。
【0470】
[200] 該腫瘍関連抗原は、腫瘍細胞の表面上に存在する抗原である、項目[185]~[199]のいずれか1つに従う化合物。
【0471】
[201] 該腫瘍関連抗原は、EGFR(上皮成長因子受容体)である、項目[185]~[199]のいずれか1つに従う化合物。
【0472】
[202] 該化合物は、二重特異性分子または多重特異性分子である、項目[1]~[201]のいずれか1つに従う化合物。
【0473】
[203] 該化合物は、抗体Fc領域を含む、項目[1]~[202]のいずれか1つに従う化合物。
【0474】
[204] 該化合物は、Fc受容体への結合能力のある抗体Fc領域を含む、項目[1]~[203]のいずれか1つに従う化合物。
【0475】
[205] 該化合物は、Fc受容体への結合能力がない抗体Fc領域を含む、項目[1]~[204]のいずれか1つに従う化合物。
【0476】
[206] 該化合物は、エフェクター能力のある抗体Fc領域を含まない、項目[1]~[205]のいずれか1つに従う化合物。
【0477】
[207] 該化合物は、エフェクター能力のある抗体Fc領域を含む、項目[1]~[205]のいずれか1つに従う化合物。
【0478】
[208] 該化合物は、ADCC(抗体依存性の細胞の細胞傷害性)を誘導することが可能な抗体Fc領域を含まない、項目[1]~[207]のいずれか1つに従う化合物。
【0479】
[209] 該化合物は、ADCCを誘導することが可能な抗体Fc領域を含む、項目[1]~[207]のいずれか1つに従う化合物。
【0480】
[210] 該化合物は、ADCCを誘導することが可能ではない抗体Fc領域を含む、項目[1]~[209]のいずれか1つに従う化合物。
【0481】
[211] 該化合物は、FcγRIIIaシグナル伝達と正の(すなわち、NK細胞を活性化する)NKp30シグナル伝達との両方を誘導することが可能である、項目[1]~[210]のいずれか1つに従う化合物。
【0482】
[212] 該化合物は、NK細胞上のNKp30へ特異的に結合することが可能である、項目[1]~[211]のいずれか1つに従う化合物。
【0483】
[213] 該化合物は、NK細胞上のNKp30へ結合することによって該NK細胞を活性化することが可能である、項目[1]~[212]のいずれか1つに従う化合物。
【0484】
[214] 該化合物の、NK細胞上のNKp30への結合は、該NK細胞を活性化する、項目[243]~[213]のいずれか1つに従う化合物。
【0485】
[215] 該化合物は、NKp30のアゴニストである、項目[1]~[214]のいずれか1つに従う化合物。
【0486】
[216] 該化合物は、該VHH抗体ドメインまたはそのフラグメントがNK細胞上のNKp30へ結合した際、NK細胞を活性化することが可能である、項目[1]~[215]のいずれか1つに従う化合物。
【0487】
[217] 該化合物の、NK細胞上のNKp30への結合は、該NK細胞を活性化する、項目[1]~[216]のいずれか1つに従う化合物。
【0488】
[218] NK細胞の活性化は、活性化マーカーCD69の発現をフローサイトメトリーにより測定することによって測定される、項目[211]~[217]のいずれか1つに従う化合物。
【0489】
[219] 該化合物は、51Cr放出アッセイにおいて細胞傷害活性を示す、項目[1]~[218]のいずれか1つに従う化合物。
【0490】
[220] 該51Cr放出アッセイは、4h 51Cr放出アッセイとして実行され、ここでヒトPBMCは、エフェクター細胞として、80:1のエフェクター-対-標的細胞(E:T)比率にて使用され、およびここでより高いパーセント溶解は、改善された細胞傷害活性を指し示す、項目[219]に従う化合物。
【0491】
[221] 該51Cr放出アッセイは、Repp et al.,2011に記載のとおりに実行される、項目[219]~[220]のいずれか1つに従う化合物。
【0492】
[222] 該化合物の、NK細胞上のNKp30への結合は、インターフェロン-γ(IFN-γ)の放出をもたらす、項目[1]~[221]のいずれか1つに従う化合物。
【0493】
[223] IFN-γの該放出は、以下のとおりに測定される: 単離されたヒトNK細胞は、100U/ml 組換えヒトインターロイキン-2を含有する培地中で終夜インキュベートされ、異なるウェル中のA431細胞は播種されて3hインキュベートされ、化合物は85nMの最終濃度まで加えられ、5:1のE:T比率でのNK細胞の添加がこれに続き、ヒトIFN-γは24h後培養上清中ELISAによって分析される、項目[222]に従う化合物。
【0494】
[224] 該化合物の、NK細胞上のNKp30への結合は、腫瘍壊死因子-α(TNF-α)の放出をもたらす、項目[1]~[223]のいずれか1つに従う化合物。
【0495】
[225] TNF-αの該放出は、以下のとおりに測定される: 単離されたヒトNK細胞は、100U/ml 組換えヒトインターロイキン-2を含有する培地中で終夜インキュベートされ、異なるウェル中のA431細胞は播種されて3hインキュベートされ、化合物は85nMの最終濃度まで加えられ、5:1のE:T比率でのNK細胞の添加がこれに続き、ヒトIFN-γは24h後培養上清中ELISAによって分析される、項目[224]に従う化合物。
【0496】
[226] 項目[1]~[225]のいずれか1つに従う化合物を含む、医薬組成物。
【0497】
[227] 該医薬組成物は、薬学的に許容し得る担体、希釈剤、および/または賦形剤を含む、項目[226]に従う医薬組成物。
【0498】
[228] 該医薬組成物は、少なくとも1の追加のアジュバント、抗酸化剤、緩衝剤、増量剤、着色料、乳化剤、充填剤、香味剤、保存料、安定剤、懸濁化剤、および/または他の慣用医薬補助剤をさらに包含する、項目[226]~[227]のいずれか1つに従う医薬組成物。
【0499】
[229] 医薬としての使用のための、項目[1]~[225]のいずれか1つに従う化合物または項目[226]~[228]のいずれか1つに従う医薬組成物。
【0500】
[230] がんの処置における使用のための、項目[1]~[225]のいずれか1つに従う化合物または項目[226]~[228]のいずれか1つに従う医薬組成物。
【0501】
[231] 悪性腫瘍の処置における使用のための、項目[1]~[225]のいずれか1つに従う化合物または項目[226]~[228]のいずれか1つに従う医薬組成物。
【0502】
[232] 項目[1]~[225]のいずれか1つに従う化合物または項目[226]~[228]のいずれか1つに従う医薬組成物であって、ここで該化合物/該医薬組成物は、ヒトの処置における使用のためのものである。
【0503】
[233] 疾患の処置を、これを必要とする患者においてするための方法であって、該患者へ、治療的に有効な量の項目[1]~[225]のいずれか1つに従う化合物または項目[226]~[228]のいずれか1つに従う医薬組成物を投与するステップを含む前記方法。
【0504】
[234] 該疾患は、がんである、項目[233]に従う方法。
【0505】
[235] 該疾患は、悪性腫瘍である、項目[233]に従う方法。
【0506】
[236] 該患者は、ヒトである、項目[233]~[235]のいずれか1つに従う方法。
【0507】
[237] 医薬の製造のための、項目[1]~[225]のいずれか1つに従う化合物または項目[226]~[228]のいずれか1つに従う医薬組成物の使用。
【0508】
[238] がんの処置のための医薬の製造のための、項目[1]~[225]のいずれか1つに従う化合物または項目[226]~[228]のいずれか1つに従う医薬組成物の使用。
【0509】
[239] 悪性腫瘍の処置のための医薬の製造のための、項目[1]~[225]のいずれか1つに従う化合物または項目[226]~[228]のいずれか1つに従う医薬組成物の使用。
【0510】
[240] 該医薬は、ヒトへの投与のために調製される、項目[237]~[239]のいずれか1つに従う使用。
【0511】
[241] 項目[230]もしくは[231]のいずれか1つに従う使用、または項目[234]もしくは[235]のいずれか1つに従う方法、または項目[238]もしくは[239]のいずれか1つに従う使用のための化合物あるいは医薬組成物であって、ここで該がんまたは悪性腫瘍は、ヒトの疾患である。
【0512】
[242] 該化合物は、配列番号1によって表される配列(またはそのフラグメント)を含み、配列番号1の配列と比較して1アミノ酸以上の置換があり、ここでかかるアミノ酸置換が、CDRの外側に位置付けられている場合、該アミノ酸置換(単数または複数)は、以下: D1E、Q5V、L11V、T24A、E44G、H45L、G47W、F70I、V79L、K87R、P88A、Q116Lから選択される、項目[1]~[22]もしくは[85]~[110]もしくは[123]~[126]もしくは[143]~[161]もしくは[170]~[225]もしくは[232]のいずれか1つの化合物、あるいは項目[226]~[228]もしくは[232]のいずれか1つに従う使用のための医薬組成物、あるいは項目[229]~[231]もしくは[241]のいずれか1つに従う使用のための化合物または医薬組成物、あるいは項目[233]~[236]もしくは[241]のいずれか1つに従う方法、または項目[237]~[241]のいずれか1つに従う使用。
【0513】
[243] 該化合物は、配列番号1によって表される配列(またはそのフラグメント)を含み、少なくとも以下のアミノ酸置換: D1E、Q5V、L11V、V79L、K87R、P88A、Q116Lがある;および任意に、配列番号1の配列と比較してさらなる1アミノ酸以上の置換があり、ここでかかるアミノ酸置換が、CDRの外側に位置付けられている場合、かかるさらなるアミノ酸置換(単数または複数)は、以下: T24A、E44G、H45L、F70Iから選択される、項目[1]~[22]もしくは[85]~[110]もしくは[123]~[126]もしくは[143]~[161]もしくは[170]~[225]もしくは[232]のいずれか1つの化合物、あるいは項目[226]~[228]もしくは[232]のいずれか1つに従う使用のための医薬組成物、あるいは項目[229]~[231]もしくは[241]のいずれか1つに従う使用のための化合物または医薬組成物、あるいは項目[233]~[236]もしくは[241]のいずれか1つに従う方法、あるいは項目[237]~[241]のいずれか1つに従う使用。
【0514】
[244] 該化合物は、配列番号1によって表される配列(またはそのフラグメント)を含み、項目[1]~[11]のいずれか1つに従う(b)の追加の修飾があるか、または項目[1]もしくは[12]~[22]のいずれか1つに従う(c)の追加の修飾がある、項目[1]~[22]もしくは[85]~[110]もしくは[123]~[126]もしくは[143]~[161]もしくは[170]~[225]もしくは[232]のいずれか1つの化合物、あるいは項目[226]~[228]もしくは[232]のいずれか1つに従う使用のための医薬組成物、あるいは項目[229]~[231]もしくは[241]のいずれか1つに従う使用のための化合物または医薬組成物、あるいは項目[233]~[236]もしくは[241]のいずれか1つに従う方法、あるいは項目[237]~[241]のいずれか1つに従う使用。
【0515】
[245] 該化合物は、配列番号1によって表される配列(またはそのフラグメント)を含み、項目[1]~[11]のいずれか1つに従う(b)の追加の修飾があるか、または項目[1]もしくは[12]~[22]のいずれか1つに従う(c)の追加の修飾がある;および配列番号1の配列と比較してさらなる1アミノ酸以上の置換があり、ここで該アミノ酸置換(単数または複数)は、以下: D1E、Q5V、L11V、T24A、E44G、H45L、G47W、F70I、V79L、K87R、P88A、Q116Lから選択される、項目[1]~[22]もしくは[85]~[110]もしくは[123]~[126]もしくは[143]~[161]もしくは[170]~[225]もしくは[232]のいずれか1つの化合物、あるいは項目[226]~[228]もしくは[232]のいずれか1つに従う使用のための医薬組成物、あるいは項目[229]~[231]もしくは[241]のいずれか1つに従う使用のための化合物または医薬組成物、あるいは項目[233]~[236]もしくは[241]のいずれか1つに従う方法、あるいは項目[237]~[241]のいずれか1つに従う使用。
【0516】
[246] 該化合物は、配列番号1によって表される配列(またはそのフラグメント)を含み、項目[1]~[11]のいずれか1つに従う(b)の追加の修飾があるか、または項目[1]もしくは[12]~[22]のいずれか1つに従う(c)の追加の修飾がある;およびアミノ酸置換D1E、Q5V、L11V、V79L、K87R、P88A、Q116Lがある;および任意に、配列番号1の配列と比較してさらなる1アミノ酸以上の置換があり、ここで該さらなるアミノ酸置換(単数または複数)は、以下: T24A、E44G、H45L、F70Iから選択される、項目[1]~[22]もしくは[85]~[110]もしくは[123]~[126]もしくは[143]~[161]もしくは[170]~[225]もしくは[232]のいずれか1つの化合物、あるいは項目[226]~[228]もしくは[232]のいずれか1つに従う使用のための医薬組成物、あるいは項目[229]~[231]もしくは[241]のいずれか1つに従う使用のための化合物または医薬組成物、あるいは項目[233]~[236]もしくは[241]のいずれか1つに従う方法、あるいは項目[237]~[241]のいずれか1つに従う使用。
【0517】
[247] 該化合物は、以下の配列番号: 配列番号67、配列番号68、配列番号69、配列番号70、配列番号71、配列番号72、配列番号73、配列番号74、配列番号75のいずれか1つによって表される配列、またはそのフラグメントを含む、項目[1]~[22]もしくは[85]~[110]もしくは[123]~[126]もしくは[143]~[161]もしくは[170]~[225]もしくは[232]のいずれか1つの化合物、あるいは項目[226]~[228]もしくは[232]のいずれか1つに従う使用のための医薬組成物、あるいは項目[229]~[231]もしくは[241]のいずれか1つに従う使用のための化合物または医薬組成物、あるいは項目[233]~[236]もしくは[241]のいずれか1つに従う方法、あるいは項目[237]~[241]のいずれか1つに従う使用。
【0518】
[248] 該化合物は、以下の配列番号: 配列番号67、配列番号68、配列番号69のいずれか1つによって表される配列、またはそのフラグメントを有する、項目[1]~[22]もしくは[85]~[110]もしくは[123]~[126]もしくは[143]~[161]もしくは[170]~[225]もしくは[232]のいずれか1つの化合物、あるいは項目[226]~[228]もしくは[232]のいずれか1つに従う使用のための医薬組成物、あるいは項目[229]~[231]もしくは[241]のいずれか1つに従う使用のための化合物または医薬組成物、あるいは項目[233]~[236]もしくは[241]のいずれか1つに従う方法、あるいは項目[237]~[241]のいずれか1つに従う使用。
【0519】
[249] 該化合物は、以下の配列番号: 配列番号67、配列番号68、配列番号69、配列番号70、配列番号71、配列番号72、配列番号73、配列番号74、配列番号75、配列番号77のいずれか1つによって表される配列、またはそのフラグメントを有する、項目[1]~[22]もしくは[85]~[110]もしくは[123]~[126]もしくは[143]~[161]もしくは[170]~[225]もしくは[232]のいずれか1つの化合物、あるいは項目[226]~[228]もしくは[232]のいずれか1つに従う使用のための医薬組成物、あるいは項目[229]~[231]もしくは[241]のいずれか1つに従う使用のための化合物または医薬組成物、あるいは項目[233]~[236]もしくは[241]のいずれか1つに従う方法、あるいは項目[237]~[241]のいずれか1つに従う使用。
【0520】
[250] 該化合物は、以下の配列番号: 配列番号67、配列番号68、配列番号69、配列番号77のいずれか1つによって表される配列、またはそのフラグメントを有する、項目[1]~[22]もしくは[85]~[110]もしくは[123]~[126]もしくは[143]~[161]もしくは[170]~[225]もしくは[232]のいずれか1つの化合物、あるいは項目[226]~[228]もしくは[232]のいずれか1つに従う使用のための医薬組成物、あるいは項目[229]~[231]もしくは[241]のいずれか1つに従う使用のための化合物または医薬組成物、あるいは項目[233]~[236]もしくは[241]のいずれか1つに従う方法、あるいは項目[237]~[241]のいずれか1つに従う使用。
【0521】
[251] 該化合物は、以下の配列番号: 配列番号67、配列番号68、配列番号69、配列番号70、配列番号71、配列番号72、配列番号73、配列番号74、配列番号75、配列番号78のいずれか1つによって表される配列、またはそのフラグメントを含む、項目[1]~[22]もしくは[85]~[110]もしくは[123]~[126]もしくは[143]~[161]もしくは[170]~[225]もしくは[232]のいずれか1つの化合物、あるいは項目[226]~[228]もしくは[232]のいずれか1つに従う使用のための医薬組成物、あるいは項目[229]~[231]もしくは[241]のいずれか1つに従う使用のための化合物または医薬組成物、あるいは項目[233]~[236]もしくは[241]のいずれか1つに従う方法、あるいは項目[237]~[241]のいずれか1つに従う使用。
【0522】
[252] 該化合物は、以下の配列番号: 配列番号67、配列番号68、配列番号69、配列番号78のいずれか1つによって表される配列、またはそのフラグメントを含む、項目[1]~[22]もしくは[85]~[110]もしくは[123]~[126]もしくは[143]~[161]もしくは[170]~[225]もしくは[232]のいずれか1つの化合物、あるいは項目[226]~[228]もしくは[232]のいずれか1つに従う使用のための医薬組成物、あるいは項目[229]~[231]もしくは[241]のいずれか1つに従う使用のための化合物または医薬組成物、あるいは項目[233]~[236]もしくは[241]のいずれか1つに従う方法、あるいは項目[237]~[241]のいずれか1つに従う使用。
【0523】
[253] 該化合物は、配列番号77によって定義される配列、またはそのフラグメントを含む、項目[1]~[22]もしくは[85]~[110]もしくは[123]~[126]もしくは[143]~[161]もしくは[170]~[225]もしくは[232]のいずれか1つの化合物、あるいは項目[226]~[228]もしくは[232]のいずれか1つに従う使用のための医薬組成物、あるいは項目[229]~[231]もしくは[241]のいずれか1つに従う使用のための化合物または医薬組成物、あるいは項目[233]~[236]もしくは[241]のいずれか1つに従う方法、あるいは項目[237]~[241]のいずれか1つに従う使用。
【0524】
[254] 該化合物は、配列番号78によって定義される配列、またはそのフラグメントを含む、項目[1]~[22]もしくは[85]~[110]もしくは[123]~[126]もしくは[143]~[161]もしくは[170]~[225]もしくは[232]のいずれか1つの化合物、あるいは項目[226]~[228]もしくは[232]のいずれか1つに従う使用のための医薬組成物、あるいは項目[229]~[231]もしくは[241]のいずれか1つに従う使用のための化合物または医薬組成物、あるいは項目[233]~[236]もしくは[241]のいずれか1つに従う方法、あるいは項目[237]~[241]のいずれか1つに従う使用。
【0525】
[255] 該化合物は、以下の配列番号: 配列番号67、配列番号68、配列番号69、配列番号70、配列番号71、配列番号72、配列番号73、配列番号74、配列番号75のいずれか1つによって表される配列、またはそのフラグメントを含む;項目[1]~[11]のいずれか1つに従う(b)の追加の修飾があるか、または項目[1]もしくは[12]~[22]のいずれか1つに従う(c)の追加の修飾がある、項目[1]~[22]もしくは[85]~[110]もしくは[123]~[126]もしくは[143]~[161]もしくは[170]~[225]もしくは[232]のいずれか1つの化合物、あるいは項目[226]~[228]もしくは[232]のいずれか1つに従う使用のための医薬組成物、あるいは項目[229]~[231]もしくは[241]のいずれか1つに従う使用のための化合物または医薬組成物、あるいは項目[233]~[236]もしくは[241]のいずれか1つに従う方法、あるいは項目[237]~[241]のいずれか1つに従う使用。
【0526】
[256] 該化合物は、以下の配列番号: 配列番号67、配列番号68、配列番号69のいずれか1つによって表される配列、またはそのフラグメントを含む;項目[1]~[11]のいずれか1つに従う(b)の追加の修飾があるか、または項目[1]もしくは[12]~[22]のいずれか1つに従う(c)の追加の修飾がある、項目[1]~[22]もしくは[85]~[110]もしくは[123]~[126]もしくは[143]~[161]もしくは[170]~[225]もしくは[232]のいずれか1つの化合物、あるいは項目[226]~[228]もしくは[232]のいずれか1つに従う使用のための医薬組成物、あるいは項目[229]~[231]もしくは[241]のいずれか1つに従う使用のための化合物または医薬組成物、あるいは項目[233]~[236]もしくは[241]のいずれか1つに従う方法、あるいは項目[237]~[241]のいずれか1つに従う使用。
【0527】
[257] 該化合物は、以下の配列番号: 配列番号67、配列番号68、配列番号69、配列番号70、配列番号71、配列番号72、配列番号73、配列番号74、配列番号75、配列番号77のいずれか1つによって表される配列、またはそのフラグメントを含む;項目[1]~[11]のいずれか1つに従う(b)の追加の修飾があるか、または項目[1]もしくは[12]~[22]のいずれか1つに従う(c)の追加の修飾がある、項目[1]~[22]もしくは[85]~[110]もしくは[123]~[126]もしくは[143]~[161]もしくは[170]~[225]もしくは[232]のいずれか1つの化合物、あるいは項目[226]~[228]もしくは[232]のいずれか1つに従う使用のための医薬組成物、あるいは項目[229]~[231]もしくは[241]のいずれか1つに従う使用のための化合物または医薬組成物、あるいは項目[233]~[236]もしくは[241]のいずれか1つに従う方法、あるいは項目[237]~[241]のいずれか1つに従う使用。
【0528】
[258] 該化合物は、以下の配列番号: 配列番号67、配列番号68、配列番号69、配列番号77のいずれか1つによって表される配列、またはそのフラグメントを含む;項目[1]~[11]のいずれか1つに従う(b)の追加の修飾があるか、または項目[1]もしくは[12]~[22]のいずれか1つに従う(c)の追加の修飾がある、項目[1]~[22]もしくは[85]~[110]もしくは[123]~[126]もしくは[143]~[161]もしくは[170]~[225]もしくは[232]のいずれか1つの化合物、あるいは項目[226]~[228]もしくは[232]のいずれか1つに従う使用のための医薬組成物、あるいは項目[229]~[231]もしくは[241]のいずれか1つに従う使用のための化合物または医薬組成物、あるいは項目[233]~[236]もしくは[241]のいずれか1つに従う方法、あるいは項目[237]~[241]のいずれか1つに従う使用。
【0529】
[259] 該化合物は、以下の配列番号: 配列番号67、配列番号68、配列番号69、配列番号70、配列番号71、配列番号72、配列番号73、配列番号74、配列番号75、配列番号78のいずれか1つによって表される配列、またはそのフラグメントを含む;項目[1]~[11]のいずれか1つに従う(b)の追加の修飾があるか、または項目[1]もしくは[12]~[22]のいずれか1つに従う(c)の追加の修飾がある、項目[1]~[22]もしくは[85]~[110]もしくは[123]~[126]もしくは[143]~[161]もしくは[170]~[225]もしくは[232]のいずれか1つの化合物、あるいは項目[226]~[228]もしくは[232]のいずれか1つに従う使用のための医薬組成物、あるいは項目[229]~[231]もしくは[241]のいずれか1つに従う使用のための化合物または医薬組成物、あるいは項目[233]~[236]もしくは[241]のいずれか1つに従う方法、あるいは項目[237]~[241]のいずれか1つに従う使用。
【0530】
[260] 該化合物は、以下の配列番号: 配列番号67、配列番号68、配列番号69、配列番号78のいずれか1つによって表される配列、またはそのフラグメントを含む;項目[1]~[11]のいずれか1つに従う(b)の追加の修飾があるか、または項目[1]もしくは[12]~[22]のいずれか1つに従う(c)の追加の修飾がある、項目[1]~[22]もしくは[85]~[110]もしくは[123]~[126]もしくは[143]~[161]もしくは[170]~[225]もしくは[232]のいずれか1つの化合物、あるいは項目[226]~[228]もしくは[232]のいずれか1つに従う使用のための医薬組成物、あるいは項目[229]~[231]もしくは[241]のいずれか1つに従う使用のための化合物または医薬組成物、あるいは項目[233]~[236]もしくは[241]のいずれか1つに従う方法、あるいは項目[237]~[241]のいずれか1つに従う使用。
【0531】
[261] 該化合物は、配列番号77によって定義される配列またはそのフラグメントを含み、項目[1]~[11]のいずれか1つに従う(b)の追加の修飾があるか、または項目[1]もしくは[12]~[22]のいずれか1つに従う(c)の追加の修飾がある、項目[1]~[22]もしくは[85]~[110]もしくは[123]~[126]もしくは[143]~[161]もしくは[170]~[225]もしくは[232]のいずれか1つの化合物、あるいは項目[226]~[228]もしくは[232]のいずれか1つに従う使用のための医薬組成物、あるいは項目[229]~[231]もしくは[241]のいずれか1つに従う使用のための化合物または医薬組成物、あるいは項目[233]~[236]もしくは[241]のいずれか1つに従う方法、あるいは項目[237]~[241]のいずれか1つに従う使用。
【0532】
[262] 該化合物は、配列番号78によって定義される配列またはそのフラグメントを含み、項目[1]~[11]のいずれか1つに従う(b)の追加の修飾があるか、または項目[1]もしくは[12]~[22]のいずれか1つに従う(c)の追加の修飾がある、項目[1]~[22]もしくは[85]~[110]もしくは[123]~[126]もしくは[143]~[161]もしくは[170]~[225]もしくは[232]のいずれか1つの化合物、あるいは項目[226]~[228]もしくは[232]のいずれか1つに従う使用のための医薬組成物、あるいは項目[229]~[231]もしくは[241]のいずれか1つに従う使用のための化合物または医薬組成物、あるいは項目[233]~[236]もしくは[241]のいずれか1つに従う方法、あるいは項目[237]~[241]のいずれか1つに従う使用。
【0533】
[263] 該化合物は、配列番号2によって表される配列(またはそのフラグメント)を含み、配列番号2の配列と比較して1アミノ酸以上の置換があり、ここでかかるアミノ酸置換が、CDRの外側に位置付けられている場合、該アミノ酸置換(単数または複数)は、以下: D1E、Q5V、L11V、A14P、V24A、F37V、A44G、R45L、S47W、V79L、K87R、P88A、Q118Lから選択される、項目[1]~[22]もしくは[85]~[110]もしくは[123]~[126]もしくは[143]~[161]もしくは[170]~[225]もしくは[232]のいずれか1つの化合物、あるいは項目[226]~[228]もしくは[232]のいずれか1つに従う使用のための医薬組成物、あるいは項目[229]~[231]もしくは[241]のいずれか1つに従う使用のための化合物または医薬組成物、あるいは項目[233]~[236]もしくは[241]のいずれか1つに従う方法、あるいは項目[237]~[241]のいずれか1つに従う使用。
【0534】
[264] 該化合物は、配列番号2によって表される配列(またはそのフラグメント)を含み、アミノ酸置換D1E、Q5V、L11V、K87R、P88A、Q118Lがある;および任意に、配列番号2の配列と比較してさらなる1アミノ酸以上の置換があり、ここでかかるアミノ酸置換が、CDRの外側に位置付けられている場合、かかるさらなるアミノ酸置換(単数または複数)は、以下: A14P、V24A、A44G、R45L、S47W、V79Lから選択される、項目[1]~[22]もしくは[85]~[110]もしくは[123]~[126]もしくは[143]~[161]もしくは[170]~[225]もしくは[232]もしくは[263]のいずれか1つの化合物、あるいは項目[226]~[228]もしくは[232]のいずれか1つに従う使用のための医薬組成物、あるいは項目[229]~[231]もしくは[241]のいずれか1つに従う使用のための化合物または医薬組成物、あるいは項目[233]~[236]もしくは[241]のいずれか1つに従う方法、あるいは項目[237]~[241]のいずれか1つに従う使用。
【0535】
[265] 該化合物は、配列番号2によって表される配列(またはそのフラグメント)を含み、アミノ酸置換D1E、Q5V、L11V、A14P、V24A、K87R、P88A、Q118Lがある;および任意に、配列番号2の配列と比較してさらなる1アミノ酸以上の置換があり、ここでかかるアミノ酸置換が、CDRの外側に位置付けられている場合、かかるさらなるアミノ酸置換(単数または複数)は、以下: A44G、R45L、S47W、V79Lから選択される、項目[1]~[22]もしくは[85]~[110]もしくは[123]~[126]もしくは[143]~[161]もしくは[170]~[225]もしくは[232]もしくは[263]のいずれか1つの化合物、あるいは項目[226]~[228]もしくは[232]のいずれか1つに従う使用のための医薬組成物、あるいは項目[229]~[231]もしくは[241]のいずれか1つに従う使用のための化合物または医薬組成物、あるいは項目[233]~[236]もしくは[241]のいずれか1つに従う方法、あるいは項目[237]~[241]のいずれか1つに従う使用。
【0536】
[266] 該化合物は、配列番号2によって表される配列(またはそのフラグメント)を含み、項目[1]~[11]のいずれか1つに従う(b)の追加の修飾があるか、または項目[1]もしくは[12]~[22]のいずれか1つに従う(c)の追加の修飾がある、項目[1]~[22]もしくは[85]~[110]もしくは[123]~[126]もしくは[143]~[161]もしくは[170]~[225]もしくは[232]のいずれか1つの化合物、あるいは項目[226]~[228]もしくは[232]のいずれか1つに従う使用のための医薬組成物、あるいは項目[229]~[231]もしくは[241]のいずれか1つに従う使用のための化合物または医薬組成物、あるいは項目[233]~[236]もしくは[241]のいずれか1つに従う方法、あるいは項目[237]~[241]のいずれか1つに従う使用。
【0537】
[267] 該化合物は、配列番号2によって表される配列(またはそのフラグメント)を含み、項目[1]~[11]のいずれか1つに従う(b)の追加の修飾があるか、または項目[1]もしくは[12]~[22]のいずれか1つに従う(c)の追加の修飾がある;および配列番号2の配列と比較してさらなる1アミノ酸以上の置換があり、ここで該アミノ酸置換(単数または複数)は、以下: D1E、Q5V、L11V、A14P、V24A、F37V、A44G、R45L、S47W、V79L、K87R、P88A、Q118Lから選択される、項目[1]~[22]もしくは[85]~[110]もしくは[123]~[126]もしくは[143]~[161]もしくは[170]~[225]もしくは[232]のいずれか1つの化合物、あるいは項目[226]~[228]もしくは[232]のいずれか1つに従う使用のための医薬組成物、あるいは項目[229]~[231]もしくは[241]のいずれか1つに従う使用のための化合物または医薬組成物、あるいは項目[233]~[236]もしくは[241]のいずれか1つに従う方法、あるいは項目[237]~[241]のいずれか1つに従う使用。
【0538】
[268] 該化合物は、配列番号2によって表される配列(またはそのフラグメント)を含み、項目[1]~[11]のいずれか1つに従う(b)の追加の修飾があるか、または項目[1]もしくは[12]~[22]のいずれか1つに従う(c)の追加の修飾がある;およびアミノ酸置換D1E、Q5V、L11V、K87R、P88A、Q118Lがある;および任意に、配列番号2の配列と比較してさらなる1アミノ酸以上の置換があり、ここで該さらなるアミノ酸置換(単数または複数)は、以下: A14P、V24A、A44G、R45L、S47W、V79Lから選択される、項目[1]~[22]もしくは[85]~[110]もしくは[123]~[126]もしくは[143]~[161]もしくは[170]~[225]もしくは[232]もしくは[267]のいずれか1つの化合物、あるいは項目[226]~[228]もしくは[232]のいずれか1つに従う使用のための医薬組成物、あるいは項目[229]~[231]もしくは[241]のいずれか1つに従う使用のための化合物または医薬組成物、あるいは項目[233]~[236]もしくは[241]のいずれか1つに従う方法、あるいは項目[237]~[241]のいずれか1つに従う使用。
【0539】
[269] 該化合物は、配列番号2によって表される配列(またはそのフラグメント)を含み、項目[1]~[11]のいずれか1つに従う(b)の追加の修飾があるか、または項目[1]もしくは[12]~[22]のいずれか1つに従う(c)の追加の修飾がある;およびアミノ酸置換D1E、Q5V、L11V、A14P、V24A、K87R、P88A、Q118Lがある;および任意に、配列番号2の配列と比較してさらなる1アミノ酸以上の置換があり、ここで該さらなるアミノ酸置換(単数または複数)は、以下: A44G、R45L、S47W、V79Lから選択される、項目[1]~[22]もしくは[85]~[110]もしくは[123]~[126]もしくは[143]~[161]もしくは[170]~[225]もしくは[232]もしくは[267]のいずれか1つの該化合物、あるいは項目[226]~[228]もしくは[232]のいずれか1つに従う使用のための医薬組成物、あるいは項目[229]~[231]もしくは[241]のいずれか1つに従う使用のための化合物または医薬組成物、あるいは項目[233]~[236]もしくは[241]のいずれか1つに従う方法、あるいは項目[237]~[241]のいずれか1つに従う使用。
【0540】
[270] 該化合物は、以下の配列番号: 配列番号79、配列番号80、配列番号81、配列番号83、配列番号84、配列番号85、配列番号86、配列番号89、配列番号90、配列番号93、配列番号94のいずれか1つによって表される配列、またはそのフラグメントを含む、項目[1]~[22]もしくは[85]~[110]もしくは[123]~[126]もしくは[143]~[161]もしくは[170]~[225]もしくは[232]のいずれか1つの化合物、あるいは項目[226]~[228]もしくは[232]のいずれか1つに従う使用のための医薬組成物、あるいは項目[229]~[231]もしくは[241]のいずれか1つに従う使用のための化合物または医薬組成物、あるいは項目[233]~[236]もしくは[241]のいずれか1つに従う方法、あるいは項目[237]~[241]のいずれか1つに従う使用。
【0541】
[271] 該化合物は、以下の配列番号: 配列番号79、配列番号80、配列番号83、配列番号86、配列番号89、配列番号90、配列番号94のいずれか1つによって表される配列、またはそのフラグメントを含む、項目[1]~[22]もしくは[85]~[110]もしくは[123]~[126]もしくは[143]~[161]もしくは[170]~[225]もしくは[232]のいずれか1つの化合物、あるいは項目[226]~[228]もしくは[232]のいずれか1つに従う使用のための医薬組成物、あるいは項目[229]~[231]もしくは[241]のいずれか1つに従う使用のための化合物または医薬組成物、あるいは項目[233]~[236]もしくは[241]のいずれか1つに従う方法、あるいは項目[237]~[241]のいずれか1つに従う使用。
【0542】
[272] 該化合物は、以下の配列番号: 配列番号79、配列番号80、配列番号81、配列番号83、配列番号84、配列番号85、配列番号86、配列番号89、配列番号90、配列番号93、配列番号94のいずれか1つによって表される配列、またはそのフラグメントを含む;項目[1]~[11]のいずれか1つに従う(b)の追加の修飾があるか、または項目[1]もしくは[12]~[22]のいずれか1つに従う(c)の追加の修飾がある、項目[1]~[22]もしくは[85]~[110]もしくは[123]~[126]もしくは[143]~[161]もしくは[170]~[225]もしくは[232]のいずれか1つの化合物、あるいは項目[226]~[228]もしくは[232]のいずれか1つに従う使用のための医薬組成物、あるいは項目[229]~[231]もしくは[241]のいずれか1つに従う使用のための化合物または医薬組成物、あるいは項目[233]~[236]もしくは[241]のいずれか1つに従う方法、あるいは項目[237]~[241]のいずれか1つに従う使用。
【0543】
[273] 該化合物は、以下の配列番号: 配列番号79、配列番号80、配列番号83、配列番号86、配列番号89、配列番号90、配列番号94のいずれか1つによって表される配列、またはそのフラグメントを含む;項目[1]~[11]のいずれか1つに従う(b)の追加の修飾があるか、または項目[1]もしくは[12]~[22]のいずれか1つに従う(c)の追加の修飾がある、項目[1]~[22]もしくは[85]~[110]もしくは[123]~[126]もしくは[143]~[161]もしくは[170]~[225]もしくは[232]のいずれか1つの化合物、あるいは項目[226]~[228]もしくは[232]のいずれか1つに従う使用のための医薬組成物、あるいは項目[229]~[231]もしくは[241]のいずれか1つに従う使用のための化合物または医薬組成物、あるいは項目[233]~[236]もしくは[241]のいずれか1つに従う方法、あるいは項目[237]~[241]のいずれか1つに従う使用。
【0544】
[274] 該VHH抗体ドメインは、VHH配列の表に示されるVHH配列VHH1またはそのフラグメントを含み、(B)または(C)の追加の修飾があり、ここで(B)または(C)の該修飾は、配列番号1の配列と比較して1アミノ酸以上の置換からなり、ここで該アミノ酸置換(単数または複数)は、以下: D1E、Q5V、L11V、T24A、E44G、H45L、G47W、F70I、V79L、K87R、P88A、Q116Lから選択される、項目[23]~[45]もしくは[52]~[142]もしくは[159]~[225]もしくは[232]のいずれか1つの化合物、あるいは項目[226]~[228]もしくは[232]のいずれか1つに従う使用のための医薬組成物または化合物、あるいは項目[229]~[231]もしくは[241]のいずれか1つに従う使用のための医薬組成物、あるいは項目[233]~[236]もしくは[241]のいずれか1つに従う方法、あるいは項目[237]~[241]のいずれか1つに従う使用。
【0545】
[275] 該VHH抗体ドメインは、VHH配列の表に示されるVHH配列VHH1またはそのフラグメントを含み、(B)または(C)の追加の修飾があり、ここで(B)または(C)の該修飾は、配列番号1の配列と比較してアミノ酸置換D1E、Q5V、L11V、V79L、K87R、P88A、Q116Lからなる;および任意に、配列番号1の配列と比較してさらなる1アミノ酸以上の置換があり、ここで該さらなるアミノ酸置換(単数または複数)は、以下: T24A、E44G、H45L、F70Iから選択される、項目[23]~[45]もしくは[52]~[142]もしくは[159]~[225]もしくは[232]のいずれか1つの化合物、あるいは項目[226]~[228]もしくは[232]のいずれか1つに従う使用のための医薬組成物または化合物、あるいは項目[229]~[231]もしくは[241]のいずれか1つに従う使用のための医薬組成物、あるいは項目[233]~[236]もしくは[241]のいずれか1つに従う方法、あるいは項目[237]~[241]のいずれか1つに従う使用。
【0546】
[276] 該VHH抗体ドメインは、以下の配列番号: 配列番号67、配列番号68、配列番号69、配列番号70、配列番号71、配列番号72、配列番号73、配列番号74、配列番号75のいずれか1つによって表されるVHH配列、またはそのフラグメントを含む、項目[23]~[45]もしくは[52]~[142]もしくは[159]~[225]もしくは[232]のいずれか1つの化合物、あるいは項目[226]~[228]もしくは[232]のいずれか1つに従う使用のための医薬組成物、あるいは項目[229]~[231]もしくは[241]のいずれか1つに従う使用のための化合物または医薬組成物、あるいは項目[233]~[236]もしくは[241]のいずれか1つに従う方法、あるいは項目[237]~[241]のいずれか1つに従う使用。
【0547】
[277] 該VHH抗体ドメインは、以下の配列番号: 配列番号67、配列番号68、配列番号69のいずれか1つによって表されるVHH配列、またはそのフラグメントを含む、項目[23]~[45]もしくは[52]~[142]もしくは[159]~[225]もしくは[232]のいずれか1つの化合物、あるいは項目[226]~[228]もしくは[232]のいずれか1つに従う使用のための医薬組成物、あるいは項目[229]~[231]もしくは[241]のいずれか1つに従う使用のための化合物または医薬組成物、あるいは項目[233]~[236]もしくは[241]のいずれか1つに従う方法、あるいは項目[237]~[241]のいずれか1つに従う使用。
【0548】
[278] 該VHH抗体ドメインは、以下の配列番号: 配列番号67、配列番号68、配列番号69、配列番号70、配列番号71、配列番号72、配列番号73、配列番号74、配列番号75、配列番号77のいずれか1つによって表されるVHH配列、またはそのフラグメントを含む、項目[23]~[45]もしくは[52]~[142]もしくは[159]~[225]もしくは[232]のいずれか1つの化合物、あるいは項目[226]~[228]もしくは[232]のいずれか1つに従う使用のための医薬組成物、あるいは項目[229]~[231]もしくは[241]のいずれか1つに従う使用のための化合物または医薬組成物、あるいは項目[233]~[236]もしくは[241]のいずれか1つに従う方法、あるいは項目[237]~[241]のいずれか1つに従う使用。
【0549】
[279] 該VHH抗体ドメインは、以下の配列番号: 配列番号67、配列番号68、配列番号69、配列番号77のいずれか1つによって表されるVHH配列、またはそのフラグメントを含む、項目[23]~[45]もしくは[52]~[142]もしくは[159]~[225]もしくは[232]のいずれか1つの化合物、あるいは項目[226]~[228]もしくは[232]のいずれか1つに従う使用のための医薬組成物、あるいは項目[229]~[231]もしくは[241]のいずれか1つに従う使用のための化合物または医薬組成物、あるいは項目[233]~[236]もしくは[241]のいずれか1つに従う方法、あるいは項目[237]~[241]のいずれか1つに従う使用。
【0550】
[280] 該VHH抗体ドメインは、以下の配列番号: 配列番号67、配列番号68、配列番号69、配列番号70、配列番号71、配列番号72、配列番号73、配列番号74、配列番号75、配列番号78のいずれか1つによって表されるVHH配列、またはそのフラグメントを含む、項目[23]~[45]もしくは[52]~[142]もしくは[159]~[225]もしくは[232]のいずれか1つの化合物、あるいは項目[226]~[228]もしくは[232]のいずれか1つに従う使用のための医薬組成物、あるいは項目[229]~[231]もしくは[241]のいずれか1つに従う使用のための化合物または医薬組成物、あるいは項目[233]~[236]もしくは[241]のいずれか1つに従う方法、あるいは項目[237]~[241]のいずれか1つに従う使用。
【0551】
[281] 該VHH抗体ドメインは、以下の配列番号: 配列番号67、配列番号68、配列番号69、配列番号78のいずれか1つによって表されるVHH配列、またはそのフラグメントを含む、項目[23]~[45]もしくは[52]~[142]もしくは[159]~[225]もしくは[232]のいずれか1つの化合物、あるいは項目[226]~[228]もしくは[232]のいずれか1つに従う使用のための医薬組成物、あるいは項目[229]~[231]もしくは[241]のいずれか1つに従う使用のための化合物または医薬組成物、あるいは項目[233]~[236]もしくは[241]のいずれか1つに従う方法、あるいは項目[237]~[241]のいずれか1つに従う使用。
【0552】
[282] 該VHH抗体ドメインは、VHH配列の表に示されるVHH配列VHH1またはそのフラグメントを含み、(B)または(C)の追加の修飾があり、ここで(B)または(C)の該修飾は、配列番号2の配列と比較して1アミノ酸以上の置換からなり、ここで該アミノ酸置換(単数または複数)は、以下: D1E、Q5V、L11V、A14P、V24A、F37V、A44G、R45L、S47W、V79L、K87R、P88A、Q118Lから選択される、項目[23]~[45]もしくは[52]~[142]もしくは[159]~[225]もしくは[232]のいずれか1つの化合物、あるいは項目[226]~[228]もしくは[232]のいずれか1つに従う使用のための医薬組成物、あるいは項目[229]~[231]もしくは[241]のいずれか1つに従う使用のための化合物または医薬組成物、あるいは項目[233]~[236]もしくは[241]のいずれか1つに従う方法、あるいは項目[237]~[241]のいずれか1つに従う使用。
【0553】
[283] 該VHH抗体ドメインは、VHH配列の表に示されるVHH配列VHH1またはそのフラグメントを含み、(B)または(C)の追加の修飾があり、ここで(B)または(C)の該修飾は、配列番号2の配列と比較してアミノ酸置換D1E、Q5V、L11V、K87R、P88A、Q118Lからなる;および任意に、配列番号2の配列と比較してさらなる1アミノ酸以上の置換があり、ここで該さらなるアミノ酸置換(単数または複数)は、以下: A14P、V24A、A44G、R45L、S47W、V79Lから選択される、項目[23]~[45]もしくは[52]~[142]もしくは[159]~[225]もしくは[232]のいずれか1つの化合物、または[282]あるいは項目[226]~[228]もしくは[232]のいずれか1つに従う使用のための医薬組成物、あるいは項目[229]~[231]もしくは[241]のいずれか1つに従う使用のための化合物または医薬組成物、あるいは項目[233]~[236]もしくは[241]のいずれか1つに従う方法、あるいは項目[237]~[241]のいずれか1つに従う使用。
【0554】
[284] 該VHH抗体ドメインは、VHH配列の表に示されるVHH配列VHH1またはそのフラグメントを含み、(B)または(C)の追加の修飾があり、ここで(B)または(C)の該修飾は、配列番号2の配列と比較してアミノ酸置換D1E、Q5V、L11V、A14P、V24A、K87R、P88A、Q118Lからなる;および任意に、配列番号2の配列と比較してさらなる1アミノ酸以上の置換があり、ここで該さらなるアミノ酸置換(単数または複数)は、以下: A44G、R45L、S47W、V79Lから選択される、項目[23]~[45]もしくは[52]~[142]もしくは[159]~[225]もしくは[232]のいずれか1つの化合物、または[282]~[283]あるいは項目[226]~[228]もしくは[232]のいずれか1つに従う使用のための医薬組成物、あるいは項目[229]~[231]もしくは[241]のいずれか1つに従う使用のための化合物または医薬組成物、あるいは項目[233]~[236]もしくは[241]のいずれか1つに従う方法、あるいは項目[237]~[241]のいずれか1つに従う使用。
【0555】
[285] 該VHH抗体ドメインは、以下の配列番号: 配列番号79、配列番号80、配列番号81、配列番号83、配列番号84、配列番号85、配列番号86、配列番号89、配列番号90、配列番号93、配列番号94のいずれか1つによって表されるVHH配列、またはそのフラグメントを含む、項目[23]~[45]もしくは[52]~[142]もしくは[159]~[225]もしくは[232]のいずれか1つの化合物、あるいは項目[226]~[228]もしくは[232]のいずれか1つに従う使用のための医薬組成物、あるいは項目[229]~[231]もしくは[241]のいずれか1つに従う使用のための化合物または医薬組成物、あるいは項目[233]~[236]もしくは[241]のいずれか1つに従う方法、あるいは項目[237]~[241]のいずれか1つに従う使用。
【0556】
[286] 該VHH抗体ドメインは、以下の配列番号: 配列番号79、配列番号80、配列番号83、配列番号86、配列番号89、配列番号90、配列番号94のいずれか1つによって表されるVHH配列、またはそのフラグメントを含む、項目[23]~[45]もしくは[52]~[142]もしくは[159]~[225]もしくは[232]のいずれか1つの化合物、あるいは項目[226]~[228]もしくは[232]のいずれか1つに従う使用のための医薬組成物、あるいは項目[229]~[231]もしくは[241]のいずれか1つに従う使用のための化合物または医薬組成物、あるいは項目[233]~[236]もしくは[241]のいずれか1つに従う方法、あるいは項目[237]~[241]のいずれか1つに従う使用。
【0557】
[287] 該化合物は、KB緩衝剤(PBS+0.1%Tween-20+1%BSA)中NKp30の組換え細胞外ドメイン(NKp30-ECD、配列番号66)とのBLI(バイオレイヤー干渉法)による結合アッセイにおいて少なくとも約1×106M-1の親和性でNKp30へ結合する、項目[1]~[225]もしくは[232]もしくは[242]~[286]のいずれか1つの化合物、あるいは項目[226]~[228]もしくは[232]のいずれか1つに従う使用のための医薬組成物または[242]~[286]、あるいは項目[229]~[231]もしくは[241]~[286]のいずれか1つに従う使用のための化合物または医薬組成物、あるいは項目[233]~[236]もしくは[241]~[286]のいずれか1つに従う方法、あるいは項目[237]~[286]のいずれか1つに従う使用。
【0558】
[288] 該化合物は、KB緩衝剤(PBS+0.1%Tween-20+1%BSA)中NKp30の組換え細胞外ドメイン(NKp30-ECD、配列番号66)とのBLI(バイオレイヤー干渉法)による結合アッセイにおいて少なくとも約5×106M-1の親和性でNKp30へ結合する、項目[1]~[225]もしくは[232]もしくは[242]~[286]のいずれか1つの化合物、あるいは項目[226]~[228]もしくは[232]のいずれか1つに従う使用のための医薬組成物または[242]~[286]、あるいは項目[229]~[231]もしくは[241]~[286]のいずれか1つに従う使用のための化合物または医薬組成物、あるいは項目[233]~[236]もしくは[241]~[286]のいずれか1つに従う方法、あるいは項目[237]~[286]のいずれか1つに従う使用。
【0559】
[289] 該化合物は、KB緩衝剤(PBS+0.1%Tween-20+1%BSA)中NKp30の組換え細胞外ドメイン(NKp30-ECD、配列番号66)とのBLI(バイオレイヤー干渉法)による結合アッセイにおいて少なくとも約1×107M-1の親和性でNKp30へ結合する、項目[1]~[225]もしくは[232]もしくは[242]~[286]のいずれか1つの化合物、あるいは項目[226]~[228]もしくは[232]のいずれか1つに従う使用のための医薬組成物または[242]~[286]、あるいは項目[229]~[231]もしくは[241]~[286]のいずれか1つに従う使用のための化合物または医薬組成物、あるいは項目[233]~[236]もしくは[241]~[286]のいずれか1つに従う方法、あるいは項目[237]~[286]のいずれか1つに従う使用。
【0560】
[290] 該化合物は、KB緩衝剤(PBS+0.1%Tween-20+1%BSA)中NKp30の組換え細胞外ドメイン(NKp30-ECD、配列番号66)とのBLI(バイオレイヤー干渉法)による結合アッセイにおいて少なくとも約5×107M-1の親和性でNKp30へ結合する、項目[1]~[225]もしくは[232]もしくは[242]~[286]のいずれか1つの化合物、あるいは項目[226]~[228]もしくは[232]もしくは[242]~[286]のいずれか1つに従う使用のための医薬組成物、あるいは項目[229]~[231]もしくは[241]~[286]のいずれか1つに従う使用のための化合物または医薬組成物、あるいは項目[233]~[236]もしくは[241]~[286]のいずれか1つに従う方法、あるいは項目[237]~[286]のいずれか1つに従う使用。
【0561】
[291] 該化合物は、KB緩衝剤(PBS+0.1%Tween-20+1%BSA)中NKp30の組換え細胞外ドメイン(NKp30-ECD、配列番号66)とのBLI(バイオレイヤー干渉法)による結合アッセイにおいて少なくとも約1×108M-1の親和性でNKp30へ結合する、項目[1]~[225]もしくは[232]もしくは[242]~[286]のいずれか1つの化合物、あるいは項目[226]~[228]もしくは[232]もしくは[242]~[286]のいずれか1つに従う使用のための医薬組成物、あるいは項目[229]~[231]もしくは[241]~[286]のいずれか1つに従う使用のための化合物または医薬組成物、あるいは項目[233]~[236]もしくは[241]~[286]のいずれか1つに従う方法、あるいは項目[237]~[286]のいずれか1つに従う使用。
【0562】

以下の例は、本開示に開示されるとおりのVHHをベースとしたNKp30バインダーと、関連する化合物および方法との調製ならびに特徴付けを比較開示とともに記載する。例において反映される本開示の様々な態様は、概説が上に提供されていることを考えれば実践され得ることが理解される。上記の発明は、理解を明確にするための解説および例として多少詳しくは記載されているものの、記載および例は、本発明の範囲を限定するものと解釈されるべきではない。
【0563】
例1
ラクダ科の動物への免疫付与
3頭のラクダ科の動物、すなわち1頭のラマ(Lama glama)、1頭のアルパカ(Vicugna pacos)、および1頭のウァリゾ(Lama glama x Vicugna pacos)を、preclinics GmbH,Germanyにて組換えヒト(rh)NKp30細胞外ドメイン(ECD; 社内で産生された; 配列番号66を見よ)で免疫付与した。すべての手順および動物飼育は、現地の動物福祉保護法および規制に従った。手短に、1ml PBSに希釈された200μg rh NKp30を、1mlフロイント完全アジュバント(最初の免疫付与)またはフロイント不完全アジュバント(これに続く免疫付与)のいずれかに乳化させた。皮下の3つの部位にて投与を実施した。合計6回の免疫付与(d0、d28、d42、d56、d70、およびd84)を84日間かけて実施した。第88日に100mlの体積の血液を収集し、全RNAを抽出してcDNAを合成した。この研究におけるすべての動物はpreclinics GmbHによって提供されたものであり、免疫付与手順の完了後も生存していた。
【0564】
酵母株および培地
酵母表面ディスプレー用に、Saccharomyces cerevisiae株EBY100(MATa URA3-52 trp1 leu2Δ1 his3Δ200 pep4::HIS3 prb1Δ1.6R can1 GAL(pIU211:URA3))(Thermo Fisher Scientific)を利用した。細胞を、20g/Lペプトン、20g/Lデキストロース、および10g/L酵母抽出物から構成され10ml/l penstrep(Gibco)で補充されたYPD培地中で培養した。相同組換えベースのクローニング後にライブラリプラスミド(pDisp)を内包する細胞を、最小SD塩基(Clontech)を、トリプトファンを除く(-Trp)すべての必須アミノ酸から構成される市販のドロップアウトミックス(Clontech)とともに使用し5.4g/L Na2HPO4および8.6g/L NaH2PO4×H2Oで補充された培地中、製造業者の指示に従って培養した。抗体の誘導のため、遺伝子発現細胞を、グルコースを10%(w/v)ポリエチレングリコール800(PEG 8000)で補充されたガラクトース含有SG塩基(Clontech)によって置き換えられたSGドロップアウト培地(-Trp)中へ移した。
【0565】
酵母表面ディスプレーおよびライブラリ生成のためのプラスミド
ギャップ修復クローニングと称される、酵母における相同組換えを、VHHサブライブラリの生成のために活用した。VHHフラグメントのPCR増幅ならびにライブラリ構築を、Roth et al.,2020に記載のとおりに実行した。要するに、ディスプレープラスミドpDispをBsaIで消化し、これに続きギャップ修復クローニングに起因するスタッファー(stuffer)配列の置き換えによるフレーム中のVHHライブラリ候補のAga2pへの遺伝子融合をし、結局は酵母細胞上のsdAbバリアントの表面提示が可能になった。さらにまた、Aga2pのC末端へ連結されたHAエピトープの挿入によって、酵母表面上の完全長VHHの検出が可能になった(図1A)。
【0566】
ライブラリソーティング
ライブラリソーティング用に、rh his-タグ付けされたNKp30 ECDをAbcamから購入した。EBY100ライブラリ細胞を、トリプトファンを欠く(-Trp)ドロップアウトミックスとのSD培地中30℃および120rpmにて終夜成長させた。表面発現の誘導のため、細胞をドロップアウトミックス(-Trp)とのSG培地中へ107細胞/mlにて移し、20℃での48hインキュベーションをこれに続けた。抗原結合を、his-タグ付けされたNKp30を使用する間接免疫蛍光によって監視し、これに続き抗hisマウスモノクローナル検出抗体(SureLight(登録商標) Allophycocyanin,Abcam,1:20に希釈)を適用した。完全長VHH表面発現を、FITC標識ウサギポリクローナル抗体(Abcam,1:20に希釈)を利用するHAエピトープ標識化によって同時に検出した。ライブラリ候補の検出および単離のため、BD FACSAria(商標)Fusionセルソーター(BD Biosciences)を採用した。所望される細胞集団のゲート調整を可能にする対照試料、すなわち未処置細胞、標識化試薬のみとインキュベートされた細胞、または標識化試薬とhis-タグ付けされたNKp30または無関係の抗原とインキュベートされた細胞をどの実験においても採用した。
【0567】
抗体の発現および精製
配列決定およびVHHクローン選択の後、バリアントをSEED AG鎖のヒンジ領域と融合し、pTT5中へクローニングすることで、SEED GA鎖上のヒト化されたセツキシマブFabと組み合わせて二重特異性SEEDボディを産生できるようにした(図1A)。SEEDボディを、野生型IgG1 CH2ドメインとともに(エフェクター能力のある、VHH SEEDボディ eff+)、または免疫エフェクター機能を無効にするFc領域中に点突然変異を導入することによってエフェクターが抑制させられた主鎖中で(VHH SEEDボディ eff-)、産生した。この目的のために、Expi293細胞を夫々の発現ベクターで、製造業者の指示(Thermo Fisher Scientific)従いトランスフェクトした。発現から5日後に上清を遠心分離によって回収し、MabSelect抗体精製クロマトグラフィー樹脂(GE Healthcare)を介して精製した。最終的に、緩衝剤を、Pur-A-Lyzer(商標)Maxi 3500 Dialysis Kit(Sigma Aldrich)を使用してPBS(pH6.8)と終夜交換した。その後、Ultrafree(登録商標)-CL GV 0.22μm遠心分離デバイス(MerckMillipore)での滅菌濾過後にNanodrop ND-1000(Peqlab)を使用して濃度を決定した。流速0.35ml/minでのAgilent HPLC系においてTSKgel SuperSW3000カラム(4.6×300mm,Tosoh Bioscience LLC)上1試料につき10μgタンパク質を使用する分析的サイズ排除クロマトグラフィーを介し、標的単量体ピーク[%]を決定することによって試料純度を査定した。
【0568】
バイオレイヤー干渉(BLI)
Octet RED96系(ForteBio,Pall Life Science)を、25℃および1000rpm攪拌での反応速度測定ならびに競合アッセイのために採用した。結合反応速度測定のため、二重特異性SEEDボディを、抗ヒトFc(AHC)バイオセンサ上PBS中5μg/mLにて3minロードし(loaded)、これに続きセンサを反応速度論用(kinetics)緩衝剤(KB; PBS、0.1% Tween-20、および1%ウシ血清アルブミン(BSA))で60秒濯いだ。その後、KB中6.25nMから200nMまで及ぶ変動濃度においてヒトNKp30(Abcam)への会合を300秒、これに続き解離を300秒(KB中)測定した。各実験において、1つの陰性対照を、無関係な抗原を使用して測定した。その上、抗原の代わりにKB中で抗体をインキュベートして1つの参照値を測定した。NKp30への結合について天然リガンドB7-H6との競合を分析するために、NKp30をPBS中3μg/mLにて3min、抗his tips(HIS1K)へロードし、これに続きセンサをKBで60秒濯いだ。VHH SEEDボディ(200nM)の会合を300秒間(KB中)行い、これに続き天然リガンドB7-H6(500nM、SEEDボディ融合として発現された)との追加の会合ステップを60秒間KB中で行った。KB中180秒間(第1の会合)と120秒間(第2の会合)との両方のVHH SEEDボディ会合ステップについて200nMを使用した以外は同様にVHH SEEDボディのエピトープビニング(binning)実験を行った。
【0569】
Savitzky-Golayフィルタリング後1:1結合モデルを使用するForteBioデータ分析ソフトウェア8.0でデータをフィッティングさせて分析した。
【0570】
細胞培養
EGFRを発現する腫瘍細胞株A431およびA549をDSMZから得て、10%FCS、100U/mlペニシリン、および100mg/mlストレプトマイシンで夫々補充されたRPMI 1640 Glutamax-I培地またはダルベッコ変法イーグル培地(R10+およびD10+; すべての構成要素はThermo Fisher Scientificから)中で培養した。加えて、チャイニーズハムスターの卵巣細胞(ExpiCHO,Thermo Fisher Scientific)を完全ExpiCHO発現培地に懸濁させて培養した。
【0571】
腫瘍細胞殺傷アッセイ
健常ドナーからのPBMCの調製物を、これまでに記載されたとおり(Repp et al.,2011)書面によるインフォームドコンセントを受領後に購入した。NK細胞を、NK細胞単離キット(Miltenyi Biotech)を使用する陰性選択によって単離し、R10+ 培地中2x106細胞/mlの密度にて終夜維持した。細胞傷害性を、Repp et al.,2011に記載のとおり200μlの総体積において96ウェルマイクロタイタープレート中で実施された標準的な4h 51Cr放出アッセイにおいて分析した。ヒトPBMCまたは精製されたNK細胞を夫々、80:1および10:1のエフェクター-対-標的細胞(E:T)比率にて、エフェクター細胞として使用した。VHH SEEDボディまたはセツキシマブを、指し示された濃度にて適用した。
【0572】
サイトカイン放出アッセイ
NK細胞によって放出されたIFN-γおよびTNF-αの定量化を、Pekar et al.,2021に記載のとおりヒトサイトカインHTRFキット(cisbio)を使用して実施した。手短に、1ウェルにつき2.500の生存能力のあるEGFR陽性A431細胞またはEGFR陰性CHO細胞を、384透明底マイクロタイタープレート(Greiner Bio-One)中に播種し3hインキュベートした。12.500の生存能力のあるNK細胞を、100U/ml組換えヒトインターロイキン-2(R&D systems)を含有する完全培地中、終夜インキュベーション後に加え、5:1のエフェクター細胞 対 標的細胞(E:T)比率がもたらされた。SEEDボディを最終濃度の50nMまで加えた。対照として、腫瘍細胞のみ、ならびにNK細胞エンゲージャーの不在下腫瘍細胞とともに培養されたNK細胞を利用した。24hインキュベーション後、細胞を遠心分離によって堆積させ、サイトカインを含有する上清を製造業者の指示に従ってさらに処理した。アッセイプレートをPHERAstar FSXデバイス(BMG Labtech)で測定した。励起を337nMにておよび放射を620nMならびに665nMにて使用するHTRF光学実体を利用した。その結果得られたデータの分析およびフィッティングは、キット製造業者の指示を受け標準曲線の4 Parameter Logistic(4PL 1/y2)モデルフィッティングを可能にするMARSソフトウェア(v.3.32,BMG)によって容易にした。
【0573】
NK細胞活性化アッセイ
二重特異性SEEDボディに媒介されるNK細胞活性化のため、初期活性化マーカーCD69をCD16およびCD16 CD56+ 細胞についてフローサイトメトリーを介して検出した。この目的のために、1ウェルにつき20.000の腫瘍細胞を96ウェルV底マイクロタイタープレート(Thermo Fisher Scientific)中へ播種し、100.000のNK細胞(100U/ml rh IL-2で補充された培地中に終夜置いた)の添加の前に3hインキュベートし、E:Tのエフェクター 対 標的比率=5:1がもたらされた。VHH SEEDボディを、37℃での24hのインキュベーション期間に先立ち50nMの最終濃度で加えた。その後、アッセイプレートをPBS+1%BSAで2度洗浄し、検出試薬、すなわちLIVE/DEAD(商標) Fixable Near-IR Dead Cell Stain(Thermo Fisher Scientific)、抗ヒトCD56 PE(Miltenyi Biotec)、およびアロフィコシアニン抱合抗CD69(abcam)とともに氷上で1hインキュベーションステップを続けた。洗浄を反復した後、Intellicyt(登録商標) iQue(登録商標) Screener Plus (Sartorius)系を使用するフローサイトメトリーを介して細胞を分析した。蛍光色素の補償のため、抗体捕捉分析ビーズ(OneComp eBeads(商標) Compensation Beads,Thermo Fisher Scientific)を製造業者の指示に従って採用した。
【0574】
データ処理および統計分析
グラフィカル分析および統計分析をGraphPad Prism 8ソフトウェアで実施した。推奨されるとおり反復測定ANOVAおよびボンフェローニもしくはテューキーの事後検定、または適切な場合はスチューデントt検定を採用してP値を算出した。p≦0.05を統計的に有意であると見なした。
例2~7におけるすべての方法を例1に記載のとおりに実行した。
【0575】
例2
NKp30特異的VHH単一ドメイン抗体(sdAb)の多様なパネルの選択
NKp30を標的化するsdAbを生成するために、1頭のラマ(Lama glama)、1頭のAlpaca (Vicugna pacos)、および1頭のウァリゾ(Lama glama x Vicugna pacos)を、組換えヒトNKp30細胞外ドメイン(ECD; 社内で産生された)で免疫付与した(図1A)。全血に由来するPBMCに基づき、酵母表面ディスプレーライブラリを1動物標本につき構築し、およそ5x108独立クローンの範囲のサイズで3つのサブライブラリが夫々もたらされた。これらのライブラリを蛍光活性化細胞ソーティング(FACS)をベースとした選択へ供した(図1B)。この目的のために、2次元標識化ストラテジーを、機能性VHH表面発現ならびにNKp30結合について同時に検出するために活用した。選択の第1ラウンドにおいて、各サブライブラリを、1μMのNKp30濃度を使用しFACSによって個別にソートした(図1C)。その後、ライブラリ出力を第2選択ラウンドのために、選択ストリンジェンシーを増強する目的で有意に低減させたNKp30濃度(100nM)と組み合わせた。続いて96クローンを配列決定のために発送し、76のユニークなクローンがもたらされた(図1D)。CDR3配列多様性に基づくクローンタイピング(clonotyping)選択出力から、18クローンを再形式(reformatting)のために選び、EGFRを標的化する治療用抗体セツキシマブ(Wong,2005; Davis et al.,2010)に由来するヒト化されたFab腕を内包する二重特異性SEEDボディとして発現させた。Fc媒介エフェクター機能を抑制するため(eff -)、特定のアミノ酸交換を二重特異性抗体誘導体の両重鎖中へ導入した。
【0576】
例3
NKp30を標的化するsdAbに基づき生成されたNK細胞エンゲージャーは広範な親和性および広いエピトープ適用範囲(coverage)を実証する
産生能(productivity)を何ら示さない2つのSEEDボディの他、二重特異性NK細胞エンゲージャーの発現収率は、1リットルにつき2桁~3桁ミリグラムスケールであった。その上、下の表1に示されるとおり、プロテインA精製後の分析的サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)によって指し示されるとおりの凝集特性は、かなり、すなわち90%を上回る標的種のほとんどの分子が好ましかった。
【0577】
表1: VHHベースのNK細胞エンゲージャーの生化学的および生物物理的な特徴付け。
【表1】
【0578】
興味深いことに、二重特異性抗体は、NKp30への結合に関し、3桁ナノモル濃度の結合(VHH6 SEEDボディ)からサブ(sub-)ナノモル濃度の範囲の親和性に及ぶ広い範囲の親和性を見せた(VHH1、VHH3、VHH5、VHH8、VHH10、VHH12-VHH16 SEEDボディ)。エピトープ特異性を、バイオレイヤー干渉(BLI)を使用して決定した。第1のアッセイにおいて、NKp30への結合についてVHH SEEDボディの天然リガンドB7-H6との競合を査定した。この目的のために、組換えNKp30 ECDをバイオセンサへ捕捉させた。続いて、夫々のVHH SEEDボディを採用する会合ステップを実施し、これに続きSEEDボディ融合として産生されたB7-H6のN末V様ドメインとのインキュベーションをした(Pekar et al.,2021)。概して、8つのVHH SEEDボディは、NKp30結合についてB7-H6との競合を示したが、これらの分子が天然リガンドと同じエピトープビンを共有することを指し示す(表1)。部分的に競合する1つの分子(VHH4 SEEDボディ)ならびに7つの競合しない部分を同定した。図2Aは、B7-H6競合相手(VHH1 SEEDボディ)、非競合相手(VHH2 SEEDボディ)、ならびに部分的競合相手(VHH4 SEEDボディ)についての代表的なBLIセンサグラムを示す。その上、エピトープ適用範囲をより慎重に精査するため、すべてのVHH SEEDボディをあらゆる実行可能な組み合わせにおいて使用しペアワイズ(pairwise)競合を実施した(表1、図2B)。これらの実験によって、すべてのB7-H6競合VHH SEEDボディは相互に結合を防止し、したがってNKp30上に酷似するエピトープを共有することが明らかにされた。加えて、これらのほとんどが、NKp30へ結合するB7-H6と部分的に競合するSEEDボディと重複エピトープを共有する。しかしながら、VHH12およびVHH15 SEEDボディは、VHH4 SEEDボディとの結合について競合しなかったが、またこの一連のB7-H6競合相手内のエピトープ標的化に微妙な差異もあることを指し示す。B7-H6と競合しない二重特異性のなかでも、VHH8、VHH9、VHH10、およびVHH11を内包するSEEDボディは、VHH2およびVHH6 SEEDボディのビンと部分的に重複する同じエピトープビンを共有する。その上、VHH2、VHH6、およびVHH7 SEEDボディは、エピトープ標的化に関してユニークであった。まとめると、生成されたVHH SEEDボディは、7つのエピトープビンによって表される広いエピトープ多様性を見せる。
【0579】
例4
VHH SEEDボディによるEGFR陽性腫瘍細胞の殺傷は、NKp30結合エピトープによって有意に影響を受ける
NK細胞をエンゲージする(engaging)VHH SEEDボディの当初機能的分析を、標準的なクロム放出アッセイにおいてエフェクター細胞として健常ドナーの単核細胞(MNC)を使用し、EGFRを発現する腫瘍細胞株A431およびA549で実施した。興味深いことに、B7-H6競合相手および非競合相手を2つの群にクラスター化し、B7-H6競合VHH SEEDボディは腫瘍細胞のより効率的な溶解を媒介した。これはEGFRを高発現する細胞株A431に当てはまり、EGFRをより低発現する細胞株A549ではさらにいっそう顕著であった(図3)。興味深いことに、NKp30(292nM)に対して最も低い親和性を有し、かつ天然リガンドB7-H6の結合部位には干渉しないVHH6 SEEDボディは、その効力に関しA431細胞の最も弱い殺傷を惹起した(図3)。その上、A549腫瘍細胞の殺傷は、この分子についてはほとんど観察されなかった。これは、NKp30結合についてB7-H6と競合する8つすべてのVHH SEEDボディとは全く対照的であった。これらの分子は、腫瘍細胞上のより高いまたはより低いEGFR発現に関係なく、モノクローナル抗体セツキシマブより強力な殺傷を誘導した一方で(図3)、専らNKp30を介してNK細胞を活性化した。これらの結果に基づき、最良の3つのB7-H6競合SEEDボディ(VHH1、VHH5、VHH16 SEEDボディ)、ならびに部分的競合相手としてVHH4 SEEDボディを包含する最良の3つの非競合SEEDボディ(VHH2、VHH4、VHH8 SEEDボディ)を、さらなる特徴付けのために選んだ。この目的のために、新たに単離されたNK細胞を使用するA431細胞およびA549細胞での腫瘍細胞殺傷アッセイを実施した(図4A; 表2)。結局は、B7-H6競合相手は、殊更、より低いEGFR陽性腫瘍細胞株A549を使用する腫瘍細胞殺傷に関し、B7-H6非競合相手より強力であったが、NKp30上の標的化されたエピトープに基づく、VHHをベースとしたNKCEの殺傷力の依存性が明確に確認された。
【0580】
ナチュラルキラー細胞活性化に起因して誘導された腫瘍細胞死を研究する第2実験において、表2にまとめられるとおりA431細胞を使用するMNCベースの殺傷アッセイについてEC50および最大殺傷を決定した。
【0581】
表2:
【表2】
【0582】
例5
VHH SEEDボディは、炎症促進性サイトカインNF-αおよびINF-γの強力な放出を誘導する
加えて、精査されたすべてのVHH SEEDボディは、標的に依存的なやり方で、TNF-αおよびINF-γの有意なNK細胞産生を促進した(図4B)。この点において、炎症促進性サイトカインの放出を導く能力は、B7-H6の非競合分子と競合分子との群間ではっきり異なるものではなかった。興味深いことに、上昇したレベルのTNF-αおよびINF-γの放出傾向もまた、治療用抗体セツキシマブとの直接比較において観察された。セツキシマブは、平均すると90.4pg/ml TNF-αおよび336.7pg/ml INF-γの放出を誘発した一方(注目すべきは、セツキシマブのその力は、一価EGFR標的化エフェクターが抑制されたSEEDボディ対照(平均すると8.6pg/ml TNF-αおよび53.8pg/ml INF-γ)と比較して統計的に有意には高くなかった)、VHH SEEDボディは、103.6~129.2pg/ml TNF-αならびに514.6~752.6pg/ml INF-γのNK細胞媒放出を促進したが、サイトカイン放出プロファイルは異なることを明確に指し示す。
表3:
【0583】
【表3】
【0584】
例6
可溶性のB7-H6は、VHH SEEDボディによって誘導される腫瘍細胞殺傷を損なわない
がん患者は意外なことに、彼らの血清中最大5nMという、健常個体と比較してより高い可溶性B7-H6(sB7-H6)濃度を有する(Rusakiewicz et al.,2017)。与えられた(shed)B7-H6が、NK細胞をエンゲージする生成されたVHH SEEDボディの殺傷力に負の影響を及ぼすか調べるために、我々は、高濃度(178.6nM)のB7-H6の細胞外ドメイン(B7-H6 ECD-His)の存在下または不在下でのB7-H6競合VHH1 SEEDボディ、部分的競合VHH4 SEEDボディ、および非競合VHH2 SEEDボディで殺傷アッセイを実施した(図5)。注目すべきは、可溶性B7-H6に媒介される受容体遮断の結果生じ得る微妙な効果を精査しかつ増幅さえさせるために、選択された濃度の178.6nM B7-H6は、がん患者において典型的に見出される濃度より実質的に高かった。興味深いことに、3つVHH SEEDボディのいずれかを通したA431細胞の殺傷もA549細胞の殺傷も、B7-H6 ECDの影響を受けなかったが、がん患者の血清中に与えられたB7-H6が、本明細書に記載のNKCEによって媒介される腫瘍細胞殺傷を十中八九損なわないことを指し示す。
【0585】
例7
追加のFcγRIIIaのエンゲージは、VHH SEEDボディの抗腫瘍活性を改善する
B7-H6競合VHH1および非競合VHH2 SEEDボディの細胞傷害性の潜在力をさらに増強する試みにおいて、我々はまた、FcγRIIIaへ結合することが可能なFc領域をもつこれらの分子も産生した(免疫エフェクター機能を無効にする突然変異を欠くSEEDボディ; eff+)。図6に示されるとおり、B7-H6競合VHH1 SEEDボディによって媒介される、EGFRを高発現するA431腫瘍細胞の溶解は、殺傷の有効性、すなわち最大溶解に関し、FcγRIIIaの同時エンゲージによってのみ改善され得た一方、殺傷効力は影響を受けないままであった(EC50 VHH1 SEEDボディ eff- = 2.2pM vs. EC50 VHH1 SEEDボディ eff+ = 3.2pM)。対照的に、B7-H6非競合VHH2 SEEDボディの効力は、エフェクター機能性Fc領域を組み込むことによって8.8倍まで有意に増大したのに対し(EC50 VHH2 SEEDボディ eff- = 34.4pM vs. EC50 VHH2 SEEDボディ eff+ = 3.9 pM)、両VHH2 SEEDボディによって達成される最大溶解速度に関し有意差は観察されなかった(図6)。
【0586】
まとめると、これらのデータは、VHHをベースとしたNKCEの殺傷力が、FcγRIIIaの同時エンゲージによって何らかの形で、すなわち効力または有効性の点で最適化され得ることを示唆する。抗腫瘍活性全体へ寄与するこの有益な効果は、それ自体の腫瘍細胞殺傷がそれほど強力ではなかったB7-H6非競合SEEDボディの方がより顕著なようである。
【0587】
例8
ヒト化されたVHH1バリアント
VHH1(配列番号1)のヒト化されたバリアントを調製した。これらVHH1のヒト化型において、CDRは、VHH1のそれらと同一であるが、フレームワーク領域中のVHH1の個々のアミノ酸と比較して、ヒト生殖細胞系列配列の対応するアミノ酸によって置換されている(配列番号67~78によって表されるVHH1.1~VHH1.12)。
【0588】
実験1に記載のとおりの小スケールの発現において構築物を発現させた。精製後(同一性は質量検証によって確認した)、精製されたバリアントをサイズ排除クロマトグラフィー(SEC)によって分析し、それらのNKp30への結合およびKD値を、実験1に記載のとおりのバイオレイヤー干渉(BLI)測定によって決定した。
【0589】
結果を下の表にまとめる:
【表4】
【0590】
これらのデータから以上のように、ヒト化されたバリアントVHH1.1~VHH1.9のすべてが、発現収率/純度、KD、結合力、ひいては期待される機能性の点でVHH1と同様のin vitro特性を示す。これらのうちVHH1.1~VHH1.3は、それらin vitro特性に関しVHH1と殊更十分に合致する。VHH1.10のみが、in vitro特性(KDおよび最大結合力)において全体的にあまり好ましくないことを示す。
【0591】
例9
ヒト化されたVHH2バリアント
VHH2(配列番号2)のヒト化されたバリアントを調製した。これらVHH2のヒト化型において、CDRは、VHH2のそれらと同一であるが、フレームワーク領域中のVHH2の個々のアミノ酸と比較して、ヒト生殖細胞系列配列の対応するアミノ酸によって置換されている(配列番号79~96によって表されるVHH2.1~VHH2.18)。
【0592】
実験1に記載のとおりの小スケールの発現において構築物を発現させた。精製後(同一性は質量検証によって確認した)、精製されたバリアントをサイズ排除クロマトグラフィー(SEC)によって分析し、それらのNKp30への結合およびKD値を、実験1に記載のとおりのバイオレイヤー干渉(BLI)測定によって決定した。
【0593】
結果を下の表にまとめる:
【表5】
【0594】
これらのデータから以上のように、ヒト化されたバリアントVHH2.1、VHH2.2、VHH2.3、VHH2.5、VHH2.6、VHH2.7、VHH2.8、VHH2.11、VHH2.12、VHH2.15、およびVHH2.16のすべてが、発現収率/純度、KD、結合力、ひいては期待される機能性の点でVHH1と同様のin vitro特性を示す。これらのうちVHH2.1、VHH2.2、VHH2.5、VHH2.8、VHH2.11、VHH2.12、およびVHH2.16は、それらin vitro特性に関しVHH2と殊更十分に合致する。VHH2.4、VHH2.9、VHH2.10、VHH2.13、VHH2.14、VHH2.17、およびVHH2.18は、in vitro特性(KDおよび最大結合力)において全体的にあまり好ましくないことを示す。
【0595】
参考文献
【表6-1】
【0596】
【表6-2】
【0597】
【表6-3】
【0598】
【表6-4】
図1A-B】
図1C-D】
図2A
図2B
図3
図4A
図4B
図5
図6
【配列表】
2024525207000001.app
【国際調査報告】