(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-12
(54)【発明の名称】半導体デバイスのパッケージング方法
(51)【国際特許分類】
H01L 23/12 20060101AFI20240705BHJP
H05K 3/46 20060101ALI20240705BHJP
【FI】
H01L23/12 N
H05K3/46 B
H05K3/46 Q
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023566987
(86)(22)【出願日】2022-07-11
(85)【翻訳文提出日】2023-12-25
(86)【国際出願番号】 US2022036724
(87)【国際公開番号】W WO2023075873
(87)【国際公開日】2023-05-04
(32)【優先日】2021-10-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ソワン, マクレス
(72)【発明者】
【氏名】バンナ, サーメル
【テーマコード(参考)】
5E316
【Fターム(参考)】
5E316AA32
5E316AA43
5E316CC09
5E316CC17
5E316CC18
5E316CC32
5E316CC33
5E316CC34
5E316CC37
5E316CC38
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5E316CC55
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5E316EE12
5E316FF03
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5E316GG15
5E316GG17
5E316GG22
5E316GG28
5E316HH32
5E316HH33
5E316HH40
5E316JJ25
5E316JJ28
(57)【要約】
本開示は、薄いフォームファクタの半導体デバイスパッケージを形成するための方法および装置に関する。特定の実施形態では、ガラスまたはシリコン基板がレーザアブレーションによってパターニングされて、この基板を貫通する相互接続部を後で形成するための構造が形成される。基板はその後、半導体デバイスパッケージを形成するためのフレームとして利用され、その中には1つまたは複数のダイが埋め込まれてもよい。特定の実施形態では、基板上に予備構造化した絶縁膜を積層することによって、基板の上に絶縁層が形成される。絶縁膜はそこに構造が形成されるようにレーザアブレーションによって予備構造化してもよく、その後、形成された構造の側壁を選択的に硬化させてもよい。
【選択図】
図23G
【特許請求の範囲】
【請求項1】
パターニングした基板の上に予備構造化した絶縁膜を配置することであって、前記予備構造化した絶縁膜は流動可能なポリマーベースの誘電体材料を含み、
前記パターニングした基板はシリコン基板に形成された1つまたは複数の特徴部を備え、前記1つまたは複数の特徴部は第1のビアを備え、
前記予備構造化した絶縁膜は、前記予備構造化した絶縁膜に形成された第2のビアを更に備え、前記第2のビアは、前記予備構造化した絶縁膜の配置時に前記第1のビアと位置合わせされる、予備構造化した絶縁膜を配置することと、
前記予備構造化した絶縁膜を前記パターニングした基板上に積層することと、
前記予備構造化した絶縁膜を硬化させることと、
前記第1のビアおよび前記第2のビアを貫通して延びる導電層を形成することと、
を含む、半導体デバイスパッケージを形成する方法。
【請求項2】
レーザアブレーションプロセスによって前記パターニングした基板に前記第1のビアを形成することを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記予備構造化した絶縁膜を形成するために絶縁膜を構造化することであって、
前記絶縁膜にレーザアブレーションによって前記第2のビアを備える1つまたは複数の特徴部をパターニングすることと、
前記絶縁膜にパターニングされた前記特徴部の側壁を硬質化するために、前記側壁を選択的に硬化させることと、を含む、絶縁膜を構造化すること
を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記予備構造化した絶縁膜はエポキシ樹脂を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記エポキシ樹脂はセラミック粒子を含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記パターニングした基板にパターニングされた前記1つまたは複数の特徴部はキャビティを更に備え、前記パターニングした基板の上に前記予備構造化した絶縁膜を配置する前に、前記キャビティ内に半導体ダイが配置される、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記パターニングした基板上に前記予備構造化した絶縁膜を積層することにより、前記流動可能なポリマーベースの誘電体材料が前記半導体ダイの表面と前記キャビティの表面との間の間隙を埋めることになる、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
シリコン基板に1つまたは複数の特徴部をパターニングすることであって、前記1つまたは複数の特徴部は少なくとも第1のビアを備える、1つまたは複数の特徴部をパターニングすることと、
第1の予備構造化した絶縁膜上に前記シリコン基板を配置することであって、前記第1の予備構造化した絶縁膜は第2のビアを備え、前記第2のビアは前記シリコン基板の配置時に前記第1のビアと位置合わせされる、前記シリコン基板を配置することと、
前記シリコン基板の上に第2の予備構造化した絶縁膜を配置することであって、前記第2の予備構造化した絶縁膜は第3のビアを備え、前記第3のビアは前記第2の予備構造化した絶縁膜の配置時に前記第1のビアと位置合わせされる、第2の予備構造化した絶縁膜を配置することと、
前記シリコン基板上に前記第1の予備構造化した絶縁膜および前記第2の予備構造化した絶縁膜を積層することと、
前記第1の予備構造化した絶縁膜および前記第2の予備構造化した絶縁膜を硬化させることと、
少なくとも前記第1のビア、前記第2のビア、および前記第3のビアを貫通して延びる導電層を形成することと、
を含む、半導体デバイスパッケージを形成する方法。
【請求項9】
前記シリコン基板はレーザアブレーションによってパターニングされる、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記予備構造化した絶縁膜を形成するために絶縁膜を構造化することであって、
前記絶縁膜にレーザアブレーションによって前記第2のビアを備える1つまたは複数の特徴部をパターニングすることと、
前記絶縁膜にパターニングされた前記特徴部の側壁を硬質化するために、前記側壁を選択的に硬化させることと、を含む、絶縁膜を構造化すること
を更に含む、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記予備構造化した絶縁膜はエポキシ樹脂を含む、請求項8に記載の方法。
【請求項12】
前記エポキシ樹脂はセラミック粒子を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記シリコン基板にパターニングされた前記1つまたは複数の特徴部はキャビティを更に備え、前記シリコン基板の上に前記予備構造化した絶縁膜を配置する前に、前記キャビティ内に半導体ダイが配置される、請求項8に記載の方法。
【請求項14】
前記シリコン基板上に前記予備構造化した絶縁膜を積層することにより、流動可能なポリマーベースの誘電体材料が前記半導体ダイの表面と前記キャビティの表面との間の間隙を埋めることになる、請求項8に記載の方法。
【請求項15】
シリコン基板に1つまたは複数の特徴部をパターニングすることであって、前記1つまたは複数の特徴部は少なくとも第1のビアを備える、1つまたは複数の特徴部をパターニングすることと、
第1の予備構造化した絶縁膜上に前記シリコン基板を配置することであって、前記第1の予備構造化した絶縁膜は第2のビアを備え、前記第2のビアは前記シリコン基板の配置時に前記第1のビアと位置合わせされる、前記シリコン基板を配置することと、
前記第1の予備構造化した絶縁膜および前記シリコン基板を第1の積層プロセスにかけることと、
前記シリコン基板の上に第2の予備構造化した絶縁膜を配置することであって、前記第2の予備構造化した絶縁膜は第3のビアを備え、前記第3のビアは前記第2の予備構造化した絶縁膜の配置時に前記第1のビアと位置合わせされる、第2の予備構造化した絶縁膜を配置することと、
前記第1の予備構造化した絶縁膜、前記基板、および前記第2の予備構造化した絶縁膜を第2の積層プロセスにかけることと、
前記第1の予備構造化した絶縁膜および前記第2の予備構造化した絶縁膜を硬化させることと、
少なくとも前記第1のビア、前記第2のビア、および前記第3のビアを貫通して延びる導電層を形成することと、
を含む、半導体デバイスパッケージを形成する方法。
【請求項16】
前記予備構造化した絶縁膜を形成するために絶縁膜を構造化することであって、
レーザアブレーションによって前記絶縁膜に前記第2のビアを備える1つまたは複数の特徴部をパターニングすることと、
前記絶縁膜にパターニングされた前記特徴部の側壁を硬質化するために、前記側壁を選択的に硬化させることと、を含む、絶縁膜を構造化すること
を更に含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記予備構造化した絶縁膜はエポキシ樹脂を含む、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記エポキシ樹脂はセラミック粒子を含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記シリコン基板にパターニングされた前記1つまたは複数の特徴部はキャビティを更に備え、前記シリコン基板の上に前記予備構造化した絶縁膜を配置する前に、前記キャビティ内に半導体ダイが配置される、請求項15に記載の方法。
【請求項20】
前記基板上に前記予備構造化した絶縁膜を積層することにより、流動可能なポリマーベースの誘電体材料が前記半導体ダイの表面と前記キャビティの表面との間の間隙を埋めることになる、請求項15に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施形態は一般に、半導体デバイスパッケージおよびこれを形成する方法に関する。より詳細には、本明細書に記載する実施形態は、薄いフォームファクタの半導体デバイスパッケージの構造およびこれを形成する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
関連技術の説明
半導体デバイス技術の開発の以前からの傾向は、小型化され回路密度の向上した半導体部品をもたらすものであった。性能能力を向上させながら半導体デバイスのスケーリングを続けるという要求に従って、これらの部品および回路は、を大幅に縮小し、複雑な3D半導体デバイスパッケージに組み込まれ、これにより、デバイスのフットプリントで、大幅な縮小が図られ、部品間のより短距離でより高速の接続を可能にされている。このようなパッケージには例えば、電子デバイスの回路基板上に装着される半導体チップおよび複数の他の電子部品を組み込むことができる。
【0003】
従来、半導体デバイスパッケージは、有機複合材料に関連するパッケージ製造コストが比較的低いことに加え、特徴および接続の形成が容易であることから、有機パッケージ基板上に作製されてきた。合しかしながら、回路密度の高まりおよび半導体デバイスの更なる微細化につれて、デバイスのスケーリングおよび関連する性能要求を維持するための材料構造解像度の限界に起因して、有機パッケージ基板の利用は現実的ではなくなっている。
【0004】
ここ最近では、有機パッケージ基板に関連する限界のうちのいくつかを補償するために、再配線層としてパッシブシリコンインターポーザを利用する、2.5Dおよび/または3Dパッケージが製造されている。シリコンインターポーザの利用を促しているのは、高帯域幅密度、より低電力のチップ間通信、および高度パッケージング用途における異種統合要件に対する可能性である。それでもやはり、シリコン貫通ビア(TSV)などのシリコンインターポーザへの特徴部の形成は、依然として困難かつ高コストである。特に、高アスペクト比のシリコンビアエッチング、化学機械平坦化、および半導体バックエンドオブライン(BEOL)相互接続には、高いコストがかかる。
【0005】
したがって当技術分野では、高度なパッケージング用途のための改善された半導体デバイスパッケージ構造、およびこれを形成する方法が必要とされている。
【発明の概要】
【0006】
本開示の実施形態は、薄いフォームファクタの半導体デバイスパッケージ用の構造、およびこれを形成する方法に関する。
【0007】
特定の実施形態では、半導体デバイスパッケージを形成する方法が提供される。方法は、シリコン基板に1つまたは複数の特徴部をパターニングすることであって、1つまたは複数の特徴部は第1のビアを備える、1つまたは複数の特徴部をパターニングすることと、基板の上に予備構造化した絶縁膜を配置することであって、予備構造化した絶縁膜は流動可能なポリマーベースの誘電体材料を含み、予備構造化した絶縁膜はそこに形成された第2のビアを更に備え、第2のビアは、予備構造化した絶縁膜の配置時に第1のビアと位置合わせされる、予備構造化した絶縁膜を配置することと、予備構造化した絶縁膜を基板上に積層することと、予備構造化した絶縁膜を硬化させることと、第1のビアおよび第2のビアを貫通して延びる導電層を形成することと、を含む。
【0008】
特定の実施形態では、半導体デバイスパッケージを形成する方法が提供される。方法は、シリコン基板に1つまたは複数の特徴部をパターニングすることであって、1つまたは複数の特徴部は少なくとも第1のビアを備える、1つまたは複数の特徴部をパターニングすることと、基板を第1の予備構造化した絶縁膜上に配置することであって、第1の予備構造化した絶縁膜は第2のビアを備え、第2のビアは基板の配置時に第1のビアと位置合わせされる、基板を配置することと、基板の上に第2の予備構造化した絶縁膜を配置することであって、第2の予備構造化した絶縁膜は第3のビアを備え、第3のビアは第2の予備構造化した絶縁膜の配置時に第1のビアと位置合わせされる、第2の予備構造化した絶縁膜を配置することと、基板上に第1の予備構造化した絶縁膜および第2の予備構造化した絶縁膜を積層することと、第1の予備構造化した絶縁膜および第2の予備構造化した絶縁膜を硬化させることと、少なくとも第1のビア、第2のビア、および第3のビアを貫通して延びる導電層を形成することと、を含む。
【0009】
特定の実施形態では、半導体デバイスパッケージを形成する方法が提供される。方法は、シリコン基板に1つまたは複数の特徴部をパターニングすることであって、1つまたは複数の特徴部は少なくとも第1のビアを備える、1つまたは複数の特徴部をパターニングすることと、基板を第1の予備構造化した絶縁膜上に配置することであって、第1の予備構造化した絶縁膜は第2のビアを備え、第2のビアは基板の配置時に第1のビアと位置合わせされる、基板を配置することと、第1の予備構造化した絶縁膜および基板を第1の積層プロセスにかけることと、基板の上に第2の予備構造化した絶縁膜を配置することであって、第2の予備構造化した絶縁膜は第3のビアを備え、第3のビアは第2の予備構造化した絶縁膜の配置時に第1のビアと位置合わせされる、第2の予備構造化した絶縁膜を配置することと、第1の予備構造化した絶縁膜、基板、および第2の予備構造化した絶縁膜を第2の積層プロセスにかけることと、第1の予備構造化した絶縁膜および第2の予備構造化した絶縁膜を硬化させることと、少なくとも第1のビア、第2のビア、および第3のビアを貫通して延びる導電層を形成することと、を含む。
【0010】
上に列挙した本開示の特徴の様式を詳細に理解できるように、付属の図面にいくつかを図示した実施形態を参照して、上で簡潔に要約した本開示をより具体的に説明することができる。ただし、付属の図面は例示的な実施形態を図示しているに過ぎず、したがってその範囲を限定するものと見なすべきではなく、他の等しく有効な実施形態を許容し得ることに留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本明細書に記載の実施形態に係る、半導体デバイスパッケージを形成するためのプロセスのフロー図である。
【
図2】本明細書に記載の実施形態に係る、半導体デバイスパッケージを形成するための基板構造化のためのプロセスのフロー図である。
【
図3A-3D】本明細書に記載の実施形態に係る、
図2に描かれている基板構造化プロセスの様々な段階における基板の概略断面図である。
【
図4A-4F】本明細書に記載の実施形態に係る、特徴部形成および続くダメージ除去の様々な段階における基板の概略断面図である。
【
図5A-5F】本明細書に記載の実施形態に係る、特徴部形成および続くダメージ除去の様々な段階における基板の概略断面図である。
【
図6A-6E】本明細書に記載の実施形態に係る、特徴部形成および続くダメージ除去の様々な段階における基板の概略断面図である。
【
図7A-7D】本明細書に記載の実施形態に係る、特徴部形成および続くダメージ除去の様々な段階における基板の概略断面図である。
【
図9】本明細書に記載の実施形態に係る、アセンブリ貫通ビアとコンタクトホールとを有する埋め込みダイアセンブリを形成するためのプロセスのフロー図である。
【
図10A-10K】本明細書に記載の実施形態に係る、
図9に描かれているプロセスの様々な段階における埋め込みダイアセンブリの概略断面図である。
【
図11】本明細書に記載の実施形態に係る、アセンブリ貫通ビアとコンタクトホールとを有する埋め込みダイアセンブリを形成するためのプロセスのフロー図である。
【
図12A-12G】本明細書に記載の実施形態に係る、
図11に描かれているプロセスの様々な段階における埋め込みダイアセンブリの概略断面図である。
【
図13】本明細書に記載の実施形態に係る、埋め込みダイアセンブリに相互接続部を形成するためのプロセスのフロー図である。
【
図14A-14H】本明細書に記載の実施形態に係る、
図13に描かれている相互接続部形成プロセスの様々な段階における埋め込みダイアセンブリの概略断面図である。
【
図15】本明細書に記載の実施形態に係る、埋め込みダイアセンブリ上に再配線層を形成し続いてパッケージ個片化を行うためのプロセスのフロー図である。
【
図16A-16L】本明細書に記載の実施形態に係る、
図15に描かれているような再分配層の形成および続くパッケージ個片化の様々な段階における、埋め込みダイアセンブリの概略断面図である。
【
図17】本明細書に記載の実施形態に係る、埋め込みダイアセンブリ上に再配線層を形成し続いて個片化を行うための、別のプロセスのフロー図である。
【
図18A-18C】本明細書に記載の実施形態に係る、
図17に描かれているような再分配層の形成および続くパッケージ個片化の様々な段階における、埋め込みダイアセンブリの概略断面図である。
【
図19】本明細書に記載の実施形態に係る、半導体デバイスパッケージの基板とは別個の絶縁膜を予備構造化するためのプロセスのフロー図である。
【
図20A-20C】本明細書に記載の実施形態に係る、
図19に描かれている構造化プロセスの様々な段階における絶縁膜の概略断面図である。
【
図22】本明細書に記載の実施形態に係る、基板の上に絶縁層を形成するためのプロセスのフロー図である。
【
図23A-23G】本明細書に記載の実施形態に係る、
図22に描かれているプロセスの様々な段階における埋め込みダイアセンブリの概略断面図である。
【
図24A-24B】本明細書に記載の実施形態に係る、
図1~
図23Gに描かれているプロセスを利用して形成される複数の半導体デバイスパッケージを含むダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)スタックの概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
理解を容易にするために、可能な場合は、複数の図に共通する同一の要素には同一の参照符号を使用している。ある実施形態の要素および特徴を、更に詳述することなく他の実施形態に有利に組み込み得ることが企図されている。
【0013】
本開示は、薄いフォームファクタの半導体デバイスパッケージを形成するための方法および装置に関する。特定の実施形態では、基板を貫通する相互接続部を形成できるように、基板がマイクロブラストによって構造化または成形される。別の実施形態では、基板は直接のレーザパターニングによって構造化される。基板はその後、ダイが配設された1つまたは複数の半導体デバイスパッケージを形成するためのパッケージフレームとして利用される。更に他の実施形態では、基板は、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)スタックなどの半導体デバイススタック用のフレームとして利用される。
【0014】
本明細書で開示される方法および装置は、ガラス繊維充填エポキシフレームおよびシリコンインターポーザを再分配層として利用するより従来型のパッケージ構造を置き換えることを意図した、新規な薄いフォームファクタの半導体デバイスパッケージを更に含む。一般に、現行のパッケージの拡張性は、様々なパッケージ構造を形成するために利用される材料(例えば、エポキシ成形コンパウンド、エポキシ樹脂バインダーを用いたFR-4およびFR-5グレードの織ガラス繊維布など)の剛性および平面度によって制限される。これらの材料に微細な(例えば50μm未満の)特徴部をパターニングすることは、それらの固有の特性に起因して困難である。また更に、現行のパッケージ材料の熱特性の結果として、パッケージ基板と成形コンパウンドとそこに組み込まれた任意の半導体ダイとの間に熱膨張係数(CTE)の不調和が生じる場合があり、このため現行のパッケージ構造では、CTE不調和に起因するいかなる反りも緩和するために、より間隔の広いより大きいはんだバンプが必要とされる。したがって、従来のパッケージは、低いダイ対パッケージ面積比およびパッケージ全体の低い帯域幅を特徴とし、結果的に全体的な電力効率が低下する。本明細書で開示する方法および装置は、上記した従来のパッケージアーキテクチャに関連する欠点のうちの多くを克服する半導体デバイスパッケージを提供する。
【0015】
図1は、薄いフォームファクタの半導体デバイスパッケージを形成する代表的な方法100のフロー図を示す。方法100は、複数の工程110、120、130、および140を有する。各工程について
図2~
図16Lを参照してより詳細に説明する。方法は、定義された工程のうちのいずれかの前に、定義された工程のうちの2つの間に、または定義された工程の全ての後で実行される、1つまたは複数の追加の工程を含み得る(文脈上その可能性が除外される場合を除く)。
【0016】
一般に、方法100は、工程110において、パッケージフレームとして使用されることになる基板を構造化することを含み、このことは
図2、
図3A~
図3D、
図4A~
図4F、
図5A~
図5F、
図6A~
図6E、
図7A~
図7D、および
図8を参照してより詳細に説明される。工程120において、1つまたは複数の埋め込みダイと絶縁層とを有する埋め込みダイアセンブリが形成されるが、これについては
図9および
図10A~
図10K、
図11および
図12A~
図12G、ならびに
図22および
図23A~
図23Gを参照してより詳細に説明する。工程130において、埋め込みダイアセンブリにおよび/または埋め込みダイアセンブリを貫通して、埋め込みダイ-フレームのセットの相互接続のための1つまたは複数の相互接続部が形成されるが、これについては
図13および
図14A~
図14Hを参照してより詳細に説明する。工程140において、相互接続部の接点を埋め込みダイアセンブリ表面の所望の横方向位置に移し替えるために、埋め込みダイアセンブリ上に第1の再配線層が形成される。いくつかの実施形態では、個々のパッケージが埋め込みダイアセンブリから個片化される前に、第1の再配線層に加えて、1つまたは複数の追加の再配線層が形成されてもよく、これについては
図15および
図16A~
図16L、ならびに
図1および
図18A~
図18Cを参照してより詳細に説明する。
【0017】
図2は、半導体デバイスパッケージの形成中にフレームとして利用されることになる基板を構造化するための代表的な方法200のフロー図を示す。
図3A~
図3Dは、
図2に表された基板構造化プロセス200の様々な段階における基板302の断面図を概略的に示す。したがって、明確にするために、本明細書では
図2および
図3A~
図3Dを一緒に説明する。
【0018】
方法200は工程210から始まり、
図3Aに対応している。基板302は、III-V族化合物半導体材料、シリコン、結晶シリコン(例えば、Si<100>またはSi<111>)、酸化ケイ素、シリコンゲルマニウム、ドープまたは非ドープシリコン、ドープまたは非ドープポリシリコン、窒化ケイ素、石英、ホウケイ酸ガラス、ガラス、サファイア、アルミナ、およびセラミックを含むがこれらに限定されない、任意の好適なフレーム材料で形成される。特定の実施形態では、基板302はp型またはn型の単結晶シリコン基板である。特定の実施形態では、基板302はp型またはn型の多結晶シリコン基板である。別の実施形態では、基板302はp型またはn型のシリコンソーラー基板である。基板302は更に、多角形または円形の形状を更に有し得る。例えば、基板302は、面取りされたエッジを有するまたは有さない、約120mm~約180mmの横方向寸法を有する実質的に正方形のシリコン基板を含み得る。別の例では、基板302は、約20mm~約700mm、例えば約100mm~約500mm、例えば約300mmの直径を有する、円形のシリコン含有ウエハを含み得る。
【0019】
特に断りのない限り、本明細書に記載する実施形態および例は、約50μm~約1000μm、例えば約90μm~約780μmの厚さを有する基板上で実施される。例えば、基板302は約100μm~約300μmの厚さ、例えば約110μm~約200μmの厚さを有する。別の例では、基板302は約60μm~約160μmの厚さ、例えば約80μm~約120μmの厚さを有する。
【0020】
工程210の前に、基板302は、ワイヤソー切断、スクライビングおよびブレーキング、機械的研磨ソー切断、またはレーザ切断によって、バルク材料からスライスされ分離され得る。スライシングは通常、そこから形成される基板表面に機械的欠陥または変形、例えばスクラッチ、マイクロクラック、チッピング、および他の機械的欠陥を引き起こす。したがって、基板302は工程210において、後の構造化工程およびパッケージング工程に備えて、その表面を平滑化および平坦化しあらゆる機械的欠陥を除去するための、第1のダメージ除去プロセスにかけられる。いくつかの実施形態では、基板302は、第1のダメージ除去プロセスのプロセスパラメータを調整することによって、更に薄くされ得る。例えば、基板302の厚さは、第1のダメージ除去プロセスに長くかけられるほど、減少する可能性がある。
【0021】
工程210におけるダメージ除去工程は、基板302を基板研磨プロセスおよび/またはエッチングプロセスにかけ、続いてリンスプロセスおよび乾燥プロセスにかけることを含む。いくつかの実施形態では、工程210は化学機械研磨(CMP)プロセスを含む。特定の実施形態では、エッチングプロセスは、所望の材料(例えば、汚染物質および他の望ましくない化合物)の除去に関して選択的なバッファードエッチングプロセスを含む、湿式エッチングプロセスである。他の実施形態では、エッチングプロセスは、等方性水性エッチングプロセスを利用した湿式エッチングプロセスである。湿式エッチングプロセスには、任意の好適な湿式エッチャントまたは湿式エッチャントの組合せが使用され得る。特定の実施形態では、基板302はエッチングのためにHFエッチング水溶液に浸漬される。別の実施形態では、基板302はエッチングのためにKOHエッチング水溶液に浸漬される。
【0022】
いくつかの実施形態では、エッチング溶液はエッチングプロセス中に、約30℃~約100℃、例えば約40℃~約90℃の温度まで加熱される。例えば、エッチング溶液は約70℃の温度まで加熱される。更に他の実施形態では、工程210におけるエッチングプロセスはドライエッチングプロセスである。ドライエッチングプロセスの一例として、プラズマベースのドライエッチングプロセスが挙げられる。基板302の厚さは、エッチングプロセス中に使用されるエッチャント(例えばエッチング溶液)への基板302の曝露時間を制御することによって調節される。例えば、基板302の最終厚さは、エッチャントへの曝露が増加するほど薄くなる。別法として、基板302は、エッチャントへの曝露が減少するほど最終厚さが厚くなり得る。
【0023】
工程220および230において、この時点で平坦化され実質的に欠陥のない基板302には、1つまたは複数の特徴部、例えばビア303およびキャビティ305がパターニングされ、平滑化される(
図3Bの基板302の下側の断面には、1つのキャビティ305および4つのビア303が描かれている)、を有する。ビア303は、基板302を貫通する直接接触の電気相互接続部を形成するために利用され、キャビティ305は、その中に1つまたは複数の半導体ダイを受けて取り囲む(すなわち埋め込む)ために利用される。
図4A~
図4C、
図5A~
図5C、
図6A~
図6C、および
図7A~
図7Bは、本明細書に記載の実施形態に係る、特徴部形成およびダメージまたは欠陥除去(例えば平滑化)のプロセスの様々な段階における基板302の断面図を示す。したがって、次に工程220および230について、
図4A~
図4C、
図5A~
図5C、
図6A~
図6C、および
図7A~
図7Bを参照して、より詳細に説明する。
【0024】
基板302が約200μm未満の厚さ、例えば約100μmの厚さ、または約50μmの厚さを有する実施形態では、基板302は最初に、
図4Aおよび
図5Aに描かれているような任意選択的なキャリアプレート406に接合されてもよい。キャリアプレート406は、基板構造化プロセス200中に基板302に機械的支持を提供し、基板302の破損を防止する。キャリアプレート406は、ガラス、セラミック、金属などを含むがこれらに限定されない、化学的および熱的に安定な任意の好適な剛性材料で形成される。キャリアプレート406は約1mm~約10mm、例えば約2mm~約5mmの厚さを有する。特定の実施形態では、キャリアプレート406はテクスチャ加工された表面を有する。他の実施形態では、キャリアプレート406は研磨または平滑化された表面を有する。
【0025】
基板302は接着層408を介してキャリアプレート406に接合され得る。接着層408は、ワックス、接着剤、または同様の結合材料を含むがこれらに限定されない、任意の好適な一時的結合材料で形成される。接着層408は、機械的圧延、プレス、積層、スピンコーティング、またはドクターブレードによって、キャリアプレート406上に適用される。特定の実施形態では、接着層408は水溶性または溶媒可溶性の接着層である。他の実施形態では、接着層408はUV剥離接着層である。更に他の実施形態では、接着層408は熱剥離接着層である。このような実施形態では、接着層408の結合特性は、接着層408を110℃を超える、例えば150℃を超える温度に曝すなどの熱処理を受けると、劣化する。接着層408は、ライナー、ベースフィルム、感圧膜、および他の好適な層などの、追加の膜の1つまたは複数の層(図示せず)を更に含み得る。
【0026】
いくつかの実施形態では、基板302をキャリアプレート406に結合した後で、
図4Aおよび
図5Aに描かれているレジスト層404を形成するために、基板302にレジスト膜が適用される。基板302が約200μmを超える厚さ、例えば約250μmの厚さを有する実施形態では、レジスト層404は、最初に基板302をキャリアプレート406に接合せずに、基板302上に形成される。レジスト層404は、その後の処理工程中にレジスト層404が形成される基板302に、所望のパターンを転写するために使用される。レジスト層404はパターニングされると、後の構造化工程中に、下にある基板302の選択された領域を保護する。
【0027】
基板302は一般に、レジスト層404が表面に形成される実質的に平坦な表面を有する。
図5Aに図示されている実施形態のようないくつかの実施形態では、レジスト層404は、レジスト接着層409を介して基板302に結合される。レジスト接着層409は、ポリビニルアルコール、2-エチル-2-(ヒドロキシメチル)-1,3-プロパンジオールを有するトリエステル、および他の水溶性または溶媒可溶性材料を含むがこれらに限定されない、任意の好適な一時的結合材料で形成される。特定の実施形態では、レジスト接着層409は接着層408とは異なる材料で形成される。特定の実施形態では、レジスト接着層409は接着層408と実質的に同様の組成である。レジスト接着層409は、機械的圧延、プレス、積層、スピンコーティング、またはドクターブレードによって、基板302上に適用される。他の実施形態では、レジスト層404はポリビニルアルコールなどの一時的な結合材料で形成され、このことにより、レジスト層404を基板302の表面に直接適用し結合させることが可能になる。レジスト層404は1つまたは複数の層、例えば、第1のレジスト層および第2のレジスト層(図示せず)を含み得る。
【0028】
図4Aに示されている実施形態のような特定の実施形態では、レジスト層404は感光性層(例えばフォトレジスト)である。レジスト層404は、溶媒、フォトレジスト樹脂、および光酸発生剤を含み得る。フォトレジスト樹脂は、任意のポジ型フォトレジスト樹脂であっても任意のネガ型フォトレジスト樹脂であってもよい。代表的なフォトレジスト樹脂としては、アクリレート、ノボラック樹脂、ポリ(メチルメタクリレート)、およびポリ(オレフィンスルホン)が挙げられる。他のフォトレジスト樹脂を使用してもよい。光酸発生剤は電磁放射に曝露されると、酸カチオンおよび酸アニオンなどの荷電種を生成する。光酸発生剤は分極種も生成し得る。光酸発生剤は樹脂に電磁放射への感受性を与える。代表的な光酸発生剤としては、例えばスルホン化塩、スルホン化エステル、スルホニルオキシケトンなどの、スルホン酸塩化合物が挙げられる。他の好適な光酸発生剤としては、アリールジアゾニウム塩、ハロニウム塩、芳香族スルホニウム塩、およびスルホキソニウム塩、またはセレニウム塩などの、オニウム塩が含まれる。他の代表的な光酸発生剤としては、ニトロベンジルエステル、s-トリアジン誘導体、イオン性ヨードニウムスルホネート、ペルフルオロアルカンスルホネート、アリールトリフラートならびにその誘導体および類似体、ピロガロール誘導体、ならびにアルキルジスルホンが挙げられる。他の光酸発生剤も使用され得る。
図5Aに示されている実施形態のような特定の実施形態では、レジスト層404はレーザ感応性レジストである。
【0029】
レジスト層404の形成後、表面にレジスト層404が形成された基板302は、
図4Bおよび
図5Bに描かれているレジスト層404をパターニングするために、電磁放射に曝露される。
図4Bで示されている実施形態では、表面にレジスト層404が形成された基板302は、紫外(UV)域の電磁放射線に曝露される。レジスト層404の一部はUV放射に選択的に曝露され、またレジスト層404の一部はUV放射に選択的に曝露されない。UV放射に暴露されると、レジスト層404の選択的に曝露された部分は構造的に弱くなり(ハッチングで図示)、一方で選択的に曝露されていない部分はその構造的完全性を維持する。特定の実施形態では、UV放射曝露前に、感光性レジスト層404上にまたは感光性レジスト層404と隣り合って、所望のパターンを有するマスク412が形成される。他の実施形態では、マスク412は、レジスト層404とUV放射源との間に位置付けられるレチクルである。マスク412は、レジスト層404にUV放射の所望のパターンを転写するように構成されている。マスク412は、PTFE、PVDF、FEP、ポリイミドなどを含むがこれらに限定されない、任意の好適な高分子材料で形成される。
【0030】
図5Bで示されている実施形態では、表面にレーザ感応性レジスト層404が形成されている基板302は、UV放射源の代わりにレーザ源307によって生成された電磁放射に曝露される。この場合、パターニングは、マスクを使用することなく、ターゲットを絞ったレーザアブレーションによって達成される。レーザ源307は、レジスト層404のパターニングに適した任意の種類のレーザであり得る。いくつかの例では、レーザ源307はフェムト秒グリーンレーザである。他の例では、レーザ源307はフェムト秒UVレーザである。レーザ源307は、レジスト層404をパターニングするための、連続またはパルスレーザビーム310を生成する。例えば、レーザ源307は、100kHz~1200kHz、例えば約200kHz~約1000kHzの周波数を有するパルスレーザビーム310を生成し得る。レーザ源307は一般に、レジスト層404に任意の所望のパターンを形成するように構成されている。動作時の電磁放射にはレーザビームの代わりに電子ビームまたはイオンビームが代替として含まれ得ることが、更に企図される。
【0031】
レジスト層404は、レジスト層404のパターニング後に、例えば、ネガ型フォトレジストを電磁放射に曝露してレジスト中の材料を架橋させた後で、好適な硬度を有する、任意の材料で形成され得る。一般に、レジスト層404は、レジスト層404のパターニング(例えば、堆積、露光、現像)後に、1つまたは複数の望ましい機械的特性を有する必要がある。特定の実施形態では、レジスト層404は、パターニング後に40~90、例えば60~70のショアAスケール硬度値を有する材料で形成される。例えば、レジスト層404は、パターニング後に約65のショアAスケール硬度値を有する材料で形成される。特定の実施形態では、レジスト層404は、パターニング後に約0.5MPa~約10MPa、例えば約1MPa~約8MPaの引張強度を有する材料で形成される。例えば、レジスト層404は、パターニング後に約7MPaの引張強度を有する材料で形成され得る。特定の実施形態では、レジスト層404はポリジメチルシロキサン材料で形成される。他の実施形態では、レジスト層404は、ポリビニルアルコール、2-エチル-2-(ヒドロキシメチル)-1,3-プロパンジオールを有するトリエステル、などで形成される。
【0032】
レジスト層404のパターニングに続いて、表面にレジスト層404が形成された基板302は、
図4Cおよび
図5Cに描かれているように、基板302に所望のパターンを形成するためにマイクロブラストされる。マイクロブラストプロセス中、高圧キャリアガスの使用によって粉末粒子309の流れが基板302に向かって推進されて、基板302の露出部分および/またはその表面に形成された層が離脱する。マイクロブラストプロセスは任意の好適な基板研磨システムを用いて実行される。
【0033】
マイクロブラストプロセスは、粉末粒子309の材料特性、基板302の露出表面に衝突する粉末粒子の運動量、および基板302の材料特性と、適用可能である場合はレジスト層404の選択的に露出した部分と、によって決定される。所望の基板パターニング特徴を達成するために、粉末粒子309の種類およびサイズ、研磨システムのアプリケータノズルのサイズおよび基板302までの距離、粉末粒子309を推進するために利用されるキャリアガスの速度および流量と相関のある圧力、ならびに流体流中の粉末粒子309の密度に関して、調整が行われる。例えば、所望の固定マイクロブラストデバイスのノズル開口部サイズに対する、粉末粒子309を基板302に向かって推進するために使用されるキャリアガスの所望の流体圧力は、基板302および粉末粒子309の材料に基づいて決定される。特定の実施形態では、基板302をマイクロブラストするために利用される流体圧力は約50psi~約150psi、例えば約75psi~約125psiの範囲であり、これにより毎秒約300~約1000メートル(m/s)のキャリアガスおよび粒子の速度、ならびに/または毎秒約0.001~約0.002立方メートル(m3/s)の流量が達成される。例えば、マイクロブラスト中に粉末粒子309を推進するために利用される不活性ガス(例えば窒素(N2)、CDA、アルゴン)の流体圧力は、約2350m/sのキャリアガスおよび粒子の速度を達成するためには、約95psiである。特定の実施形態では、基板302をマイクロブラストするために利用されるアプリケータノズルは、約0.1~約2.5ミリメートル(mm)の内径を有し、これが基板302から約1mm~約5mm、例えば約2mm~約4mmの距離に配設される。例えば、アプリケータノズルはマイクロブラスト中、基板302から約3mmの距離に配設される。
【0034】
一般に、マイクロブラストプロセスは、基板302および/またはその表面に形成された任意の層との接触時に粒子が付着するのを防止するための、十分な硬度および高い融点を有する、粉末粒子309を用いて実行される。例えば、マイクロブラストプロセスは、セラミック材料で形成された粉末粒子309を利用して実行される。特定の実施形態では、マイクロブラストプロセスで利用される粉末粒子309は、酸化アルミニウム(Al2O3)で形成される。別の実施形態では、粉末粒子309は炭化ケイ素(SiC)で形成される。粉末粒子309に適した他の材料も企図される。粉末粒子309はのサイズは一般に、直径約15μm~約60μm、例えば直径約20μm~約40μmの範囲にわたる。例えば、粉末粒子309は直径約27.5μmの平均粒子サイズである。別の例では、粉末粒子309は直径約23μmの平均粒子サイズを有する。
【0035】
図4Cおよび
図5Cに描かれている工程220におけるマイクロブラストプロセスの有効性は、レジスト層404の材料特性に更に依存する。ショアAスケール硬度が高過ぎる材料を利用すると、レジスト層404の側壁同士の間で粉末粒子309の望まれない跳ね返りが発生する場合があり、この結果、粉末粒子309が基板302に衝突する速度が低下し、最終的には基板302の露出領域を侵食するかまたは離脱させる粉末粒子309の有効性が低下する。逆に、ショアAスケール硬度が低すぎる材料を利用すると、レジスト層404への粉末粒子309の望まれない付着が生じる場合がある。上記したように、レジスト層404の材料には、約40~約90のショアAスケール硬度値が利用されることが企図される。
【0036】
図4Cに描かれている実施形態のような、レジスト層404がフォトレジストである実施形態では、基板302はマイクロブラストプロセスの開始時にはまだ露光していない。このように、粉末粒子309はまずフォトレジストの表面に衝突し、このことにより、フォトレジストのUV露光されて構造的に弱くなった部分の材料が離脱して除去される。粉末粒子309は最終的に、脆いUV露光部分を貫通し除去してレジスト層404に空隙を形成し、その結果、基板302の所望の領域が露出されるが、他の領域はフォトレジストのUV未露光部分によってシールドされたままである。マイクロブラストはその後、粉末粒子309によって基板302の露出領域から所望の量または深さの材料が離脱し除去されるまで継続され、この結果、基板302に所望のパターンが形成される。
図5Cに描かれている実施形態のように、レジスト層404がレーザアブレーションによってパターニングされる実施形態では、マイクロブラストプロセスの前にレジスト層404の空隙を通して、基板302の所望の領域が既に露出している。この場合、マイクロブラスト中のレジスト層404の除去は最小限であるか全く行われないことが企図されている。
【0037】
工程220における基板302に特徴部を形成するための上記したプロセスでは、基板302の表面にチッピングおよびクラックなどの望まれない機械的欠陥が生じる場合がある。したがって、基板302に所望の特徴部を形成するための工程220を実行した後で、基板302は工程230において、基板302の表面を平滑化し望まれないデブリを除去するための第2のダメージ除去および洗浄プロセスにかけられ、続いて、キャリアプレート406からのレジスト層404の剥離および基板302の任意選択的な脱結合が行われる。
図4D~
図4Fおよび
図5D~
図5Fは、本明細書に記載の実施形態に係る第2のダメージ除去、洗浄、レジスト剥離、および基板剥離のプロセスの様々な段階における、基板302の断面図を示す。したがって、次に工程230について、
図4D~
図4Fおよび
図5D~
図5Fを参照して、より詳細に説明する。
【0038】
工程230における第2のダメージ除去プロセスは、工程210における第1のダメージ除去プロセスと実質的に同様であり、基板302をエッチングプロセスにかけ、続いてリンスおよび乾燥を行うことを含む。エッチングプロセスは、基板302の表面、特にマイクロブラストプロセスにかけられた表面を平滑化するために予め定められた継続時間の間、進行する。別の態様では、エッチングプロセスは、マイクロブラストプロセスから残った望まれないデブリを除去するために利用される。基板302に付着した残りの粉末粒子はエッチングプロセス中に除去され得る。
図4Dおよび
図5Dは、デブリの除去および表面平滑化の後の基板302を示す。
【0039】
特定の実施形態では、エッチングプロセスは、レジスト層404の材料よりも基板表面を優先的にエッチングするバッファードエッチングプロセスを利用する、湿式エッチングプロセスである。例えば、バッファードエッチングプロセスはポリビニルアルコールに対して選択的である。他の実施形態では、エッチングプロセスは、水性エッチングプロセスを利用した湿式エッチングプロセスである。湿式エッチングプロセスには、任意の好適な湿式エッチャントまたは湿式エッチャントの組合せが使用され得る。特定の実施形態では、基板302は、エッチングのためにHFエッチング水溶液に浸漬される。別の実施形態では、基板302は、エッチングのためにKOHエッチング水溶液に浸漬される。エッチング溶液はエッチングプロセス中に約40℃~約80℃、例えば約50℃~約70℃の温度まで更に加熱され得る。例えば、エッチング溶液は約60℃の温度まで加熱される。エッチングプロセスは等方性であっても異方性であってもよい。更に他の実施形態では、工程230におけるエッチングプロセスはドライエッチングプロセスである。ドライエッチングプロセスの一例としては、プラズマベースのドライエッチングプロセスが挙げられる。
【0040】
デブリが除去され基板表面が平滑化された後で、基板302はレジスト剥離プロセスにかけられる。剥離プロセスは、
図4Eおよび
図5Eに描かれているように、基板302からレジスト層404を脱結合するために利用される。特定の実施形態では、レジスト接着層409を溶解/可溶化することによって基板302からレジスト層404を剥離するために、湿式プロセスが使用される。レジスト接着層409を剥離させるための他の種類のエッチングプロセスも企図される。特定の実施形態では、機械的圧延プロセスを使用して、基板302からレジスト層404またはレジスト接着層409を物理的に剥がし取る。特定の実施形態では、アッシングプロセスを使用して、例えば酸素プラズマ支援プロセスを使用することで、基板302からレジスト層404を除去する。
【0041】
レジスト剥離プロセスの後で、基板302は、
図4Fおよび
図5Fに描かれているように、任意選択的なキャリア脱結合プロセスにかけられる。キャリア剥離プロセスの利用は、基板302がキャリアプレート406に結合されているかどうか、および基板302とキャリアプレート406を接合するために利用される結合材料のタイプによる。上記されておりかつ
図4A~
図4Fおよび
図5A~
図5Fに描かれているように、基板302が約200μm未満の厚さを有する実施形態では、基板302は、工程220における特徴部の形成中の機械的支持のために、キャリアプレート406に結合される。基板302は接着層408を介してキャリアプレート406に結合される。したがって、マイクロブラストならびにそれに続く基板エッチングおよびレジスト剥離の後で、キャリアプレート406に接合された基板302は、接着層408を剥離させることによって基板302をキャリアプレート406から剥離させる、キャリア剥離プロセスにかけられる。
【0042】
特定の実施形態では、接着層408は、基板302をベークプロセスにかけることによって剥離される。基板302は約50℃~約300℃の温度、例えば約100℃~約250℃の温度に曝される。例えば、基板302は、接着層408を剥離させるために、約150℃~約200℃の温度、例えば約160℃の温度に、所望の時間の間曝露される。他の実施形態では、接着層408は、基板302をUV放射曝露することによって剥離される。
【0043】
図4Fおよび
図5Fは、工程210~230の完了後の基板302を示す。
図4Fおよび
図5Fの基板302の断面図には、この基板を貫通して形成されかつ側方がいずれも2つのビア303によって取り囲まれている、単一のキャビティ305が描かれている。
図8には、
図4A~
図4Fおよび
図5A~
図5Fを参照して説明した工程の完了時の、基板302の概略上面図が描かれているが、これについては以下で更に詳細に説明する。
【0044】
図6A~
図6Eは、上記したものと同様の工程220および230の代替のシークエンス中の、基板302の概略断面図を示す。工程220および230に関して描かれている代替のシークエンスには、ただ1つの表面とは対照的に、基板302を両側の2つの主要な表面上でパターニングすることが含まれ、この結果、基板302の構造化中の効率の向上が可能になる。
図6A~
図6Eに描かれている実施形態は、
図4A~
図4Fおよび
図5A~
図5Fを参照して説明したプロセスの実質的に全てを含む。例えば、
図6Aは
図4Aおよび
図5Aに対応しており、
図6Bは
図4Bおよび
図5Bに対応しており、
図6Cは
図4Cおよび
図5Cに対応しており、
図6Dは
図4Dおよび
図5Dに対応しており、
図6Eは
図4Fおよび
図5Fに対応している。しかしながら、これまでの実施形態とは異なり、
図6A~
図6Eに描かれている工程220の実施形態は、単一の表面上に形成された1つのレジスト層404とは対照的に、両側の主要な表面606、608上に2つのレジスト層404が形成されている、基板302を含む。したがって、工程210~230の間に実行されるプロセスは、各工程中に基板の両側で同じ時間に(すなわち同時に)または次々に(すなわち連続的に)実行される必要がある。
図6A~
図6Eはビア303の形成のみを図示しているが、本明細書に記載するプロセスはキャビティ305の、またはキャビティ305およびビア303の形成にも使用することができる。
【0045】
これに応じて、表面608を含む側など基板302の一方側のレジスト層404を電磁放射線に曝露してパターニングした後で、
図6Bに描かれているように、反対側の表面606上のレジスト層404も電磁放射に曝露されてパターニングされるように、基板302を任意選択的に反転させてもよい。同様に、基板302の表面608にマイクロブラストプロセスを実行した後で、
図6Cに描かれているように、反対側の表面606に対してマイクロブラストが行われ得るように、基板302を任意選択的に反転させてもよい。その後、基板302は、
図6D~
図6Eに描かれているように、第2のダメージ除去および洗浄プロセスおよびレジスト剥離プロセスにかけられる。基板302の両側の主要な表面606、608上の2つのレジスト層404を利用し、両方の表面606および608に対してマイクロブラストプロセスを実行することによって、マイクロブラストプロセスによってそこに形成される特徴部の起こり得る先細りを低減または排除することができ、基板302を構造化するために使用されるプロセスの効率を高めることができる。
【0046】
図7A~
図7Dは、直接レーザアブレーションによって基板302に所望のパターンが形成される、工程220および230の別の代替のシークエンス中の、基板302の概略断面図を示す。
図7Aに描かれているように、ソーラー基板または更には半導体ウエハなどである基板302は、レーザアブレーションシステム(図示せず)のスタンド706上に配置される。スタンド706は、レーザアブレーション中に基板302に機械的支持を提供するための、平坦なまたはテクスチャ加工された(例えば構造化された)、任意の好適な剛性表面であり得る。いくつかの実施形態では、スタンド706は、基板302をスタンド706に静電チャックするための静電チャックを含む。いくつかの実施形態では、スタンド706は、基板302をスタンド706に真空チャックするための真空チャックを含む。基板302をスタンド706上に配置した後で、
図7Bに描かれているレーザアブレーションによって、基板302に所望のパターンが形成される。
【0047】
レーザアブレーションシステムは、基板302をパターニングするための任意の好適な種類のレーザ源307を含み得る。いくつかの例では、レーザ源307は赤外(IR)レーザである。いくつかの例では、レーザ源307はピコ秒UVレーザである。他の例では、レーザ源307はフェムト秒UVレーザである。更に他の例では、レーザ源307はフェムト秒グリーンレーザである。レーザ源307は、基板302をパターニングするための、連続またはパルスレーザビーム310を生成する。例えば、レーザ源307は、5kHz~500kHz、例えば10kHz~約200kHzの周波数を有するパルスレーザビーム310を生成し得る。一例では、レーザ源307は、約200nm~約1200nmの波長で、約10ns~約5000nsのパルス持続時間で、約10ワット~約100ワットの出力で、パルスレーザビームを供給するように構成されている。レーザ源307は基板302に、キャビティ305およびビア303を含む、任意の所望のパターンおよび特徴部を形成するように構成されている。
【0048】
マイクロブラストと同様に、基板302を直接レーザパターニングするプロセスでは、基板302の表面にチッピングおよびクラックを含む望まれない機械的欠陥が生じる場合がある。この場合、直接レーザパターニングによって基板302に所望の特徴部を形成した後で、基板302は、上記した実施形態と実質的に同様の、第2のダメージ除去および洗浄プロセスにかけられる。
図7C~
図7Dは、第2のダメージ除去および洗浄プロセスを実行する前および実行した後の、構造化された基板302を示しており、このプロセスの結果、1つのキャビティ305および4つのビア303が形成された平滑化された基板302が得られる。
【0049】
ここで再び
図2および
図3Dを参照すると、工程230で基板302の機械的欠陥を除去した後で、特定の実施形態では、工程240において、基板302を、その所望の表面上に絶縁酸化物の膜(すなわち層)314を成長または堆積させるための、酸化プロセスにかけることができる。例えば、酸化物膜314は、これが基板302を取り囲むように、基板302の全ての表面上に形成され得る。絶縁酸化物膜314は基板302上のパッシベーション層として機能し、腐食および他の形態のダメージに対する外側の保護バリアを提供する。特定の実施形態では、酸化プロセスは熱酸化プロセスである。熱酸化プロセスは約800℃~約1200℃、例えば約850℃~約1150℃の温度で実行される。例えば、熱酸化プロセスは約900℃~約1100℃の温度、例えば約950℃~約1050℃の温度で実行される。特定の実施形態では、熱酸化プロセスは、酸化剤として水蒸気を利用する湿式酸化プロセスである。特定の実施形態では、熱酸化プロセスは、酸化剤として分子状酸素を利用する乾式プロセスである。工程240において、基板302を、その表面に酸化物膜314を形成するために、任意の好適な酸化プロセスにかけることのできることが企図される。酸化物層314は一般に、約100nm~約3μm、例えば約200nm~約2.5μmの厚さを有する。例えば、酸化物膜314は約300nm~約2μm、例えば約1.5μmの厚さを有する。
【0050】
特定の実施形態では、基板302は、工程240において、その1つまたは複数の表面に金属クラッド層316を形成するための、金属化プロセスにかけられる。特定の実施形態では、金属クラッド層316は、金属クラッド層316が基板302を実質的に取り囲むように、基板302の実質的に全ての外側表面上に形成される。金属クラッド層316は基準層(例えば、接地層または電圧供給層)として機能するもので、基板302上に配設されて、後で形成される相互接続部を電磁干渉から保護するとともに、基板302を形成するために使用される半導体材料(Si)からの電気信号を遮蔽する。特定の実施形態では、金属クラッド層316は、ニッケル、アルミニウム、金、コバルト、銀、パラジウム、スズなどを含む、導電性金属層を含む。特定の実施形態では、金属クラッド層316は、ニッケル、アルミニウム、金、コバルト、銀、パラジウム、スズなどを含む合金または純金属を含む、金属層を含む。金属クラッド層316は一般に、約50nm~約10μm、例えば約100nm~約5μmの厚さを有する。
【0051】
特定の例では、金属クラッド層316の少なくとも一部は、基板302(例えば、n-Si基板またはp-Si基板)の表面上に直接置換メッキまたは置換メッキによって形成された、堆積ニッケル(Ni)層を含む。例えば、基板302は、0.5MのNiSO4およびNH4OHを含む組成を有する、温度が約60℃~約95℃、pHが約11のニッケル置換メッキ浴に、約2~約4分の期間の間かけられる。シリコン基板302をニッケルイオンを添加した水性電解液に還元剤非存在下で曝露すると、基板302の表面で局所的な酸化/還元反応が起こり、この結果その表面に金属ニッケルがメッキされる。この場合、ニッケル置換メッキによって、基板400のシリコン材料上に安定した溶液を利用して純粋な薄いニッケル層を選択的に形成することが可能になる。また更に、このプロセスは自己制限的であり、したがって、基板302の全ての表面がメッキされると(例えば、表面にニッケルを形成できるシリコンがなくなってしまうと)、反応は停止する。特定の実施形態では、ニッケル金属クラッド層316は、追加の金属層のメッキのための、例えば、無電解メッキ法および/または電解メッキ法によるニッケルまたは銅のメッキのための、シード層として利用され得る。更なる実施形態では、基板302は、基板302へのニッケル金属クラッド層316の接着を促進するために、ニッケル置換メッキ浴の前に、SC-1前洗浄溶液およびHF酸化物エッチング溶液に曝される。
【0052】
その後のパッケージング工程において、金属クラッド層316は、得られる半導体デバイスパッケージ内に形成される、金属クラッド層316を共通グランドに接続するための1つまたは複数の接続点、例えば相互接続部に結合され得る。例えば、金属クラッド層316をグランドに接続するために、得られる半導体デバイスパッケージの片側または両側に相互接続部が形成され得る。別法として、金属クラッド層316は、電源電圧などの基準電圧に接続されてもよい。
【0053】
図8は、一実施形態に係る例示的な構造化された基板302の概略上面図を示す。基板302は、
図2、
図3A~
図3D、
図4A~
図4F、
図5A~
図5F、
図6A~
図6E、および
図7A~
図7Dを参照して上記したように、工程210~240の間に構造化され得る。基板302は2つの四辺形キャビティ305を有するものとして図示されており、各キャビティ305は複数のビア303によって取り囲まれている。特定の実施形態では、各キャビティ305は、四辺形キャビティ305の各エッジ306a~dに沿って配置された、ビア303の2つの列801、802によって取り囲まれている。各列801、802には10個のビア303が描かれているが、任意の所望の数のビア303が一列に形成され得ることが企図される。更に、工程220中基板302に、任意の所望の数および配置のキャビティ305およびビア303を形成することができる。例えば、基板302には、2つよりも多いかまたは少ないキャビティ305が形成されてもよい。別の例では、基板302には、キャビティ305の各エッジ306a~dに沿って、2列よりも多いかまたは少ないビア303が形成されてもよい。別の例では、基板302はビア303の列を2列以上有してもよく、その場合各列のビア303は別の列のビア303と互い違い(千鳥配置)になり、一列にならない。
【0054】
特定の実施形態では、キャビティ305およびビア303は基板302の厚さに等しい深さを有し、この結果、基板302の両側の表面に(例えば、基板302の厚さを貫通して)穴が形成される。例えば、基板302に形成されたキャビティ305およびビア303は、基板302の厚さに応じて、約50μm~約1mm、例えば約100μm~約200μm、例えば約110μm~約190μmの深さを有し得る。他の実施形態では、キャビティ305および/またはビア303は、基板302の厚さに等しいかまたはそれよりも小さい深さを有してもよく、この結果、基板302の一方の表面(例えば側)にのみ穴が形成される。
【0055】
特定の実施形態では、各キャビティ305は、パッケージ製造中にそこに埋め込まれる1つまたは複数の半導体ダイ1026(
図10Bに示す)のサイズに応じて、約3mm~約50mm、例えば約8mm~約12mm、例えば約9mm~約11mmの範囲の横方向寸法を有する(以下で更に詳細に説明する)。半導体ダイは一般に、1個の半導体材料などの基板材料上におよび/またはそのような基板材料内に形成される、複数の集積電子回路を含む。特定の実施形態では、キャビティ305は、その中に埋め込まれるダイ1026の横方向寸法と実質的に同様の横方向寸法を有するようなサイズである。例えば、各キャビティ305は、ダイ1026の横方向寸法を約150μm未満、例えば約120μm未満、例えば約100μm未満だけ上回る横方向寸法を有して形成される。キャビティ305およびそこに埋め込まれるダイ1026のサイズのばらつきを小さくすることで、その後使用される隙間充填材の量が低減される。
【0056】
特定の実施形態では、各ビア303は、約50μm~約200μm、例えば約60μm~約130μm、例えば約80μm~約110μmの範囲の直径を有する。列801中のビア303の中心と列802中の隣り合うビア303の中心との間の最小ピッチ807は、約70μm~約200μm、例えば約85μm~約160μm、例えば、約100μm~約140μmである。
図8を参照して実施形態について説明するが、工程210~240、ならびに
図2、
図3A~
図3B、
図4A~
図4C、
図5A~
図5C、
図6A~
図6C、および
図7A~
図7Bを参照して上記した基板構造化プロセスを利用して、基板302に任意の所望の深さ、横方向寸法、および形態を有するパターニングされた特徴部を形成することができる。
【0057】
基板302の構造化後、基板302をフレームとして利用することによって、基板302の周囲に1つまたは複数のパッケージが形成される。
図9および
図11はそれぞれ、最終的なパッケージ形成の前に基板302の周囲に中間埋め込みダイアセンブリ1002を製造するための、代表的な方法900および1100のフロー図を示す。
図10A~
図10Kは、
図9に描かれた方法900の様々な段階における基板302の断面図を概略的に示し、
図12A~
図12Gは、
図11に描かれている方法1100の様々な段階における基板302の断面図を概略的に示す。明確にするために、
図9および
図10A~
図10Kは本明細書では一緒に説明され、また
図11および
図12A~
図12Gは本明細書では一緒に説明される。
【0058】
一般に、方法900は工程902および
図10Aから始まり、その場合、この時点で所望の特徴部が形成されている基板302の第1の側1075(例えば、酸化物層または金属クラッド層が表面に形成され得る表面606)が、第1の絶縁膜1016a上に配置される。特定の実施形態では、第1の絶縁膜1016aは、ポリマーベースの誘電体材料で形成された1つまたは複数の層を含む。例えば、第1の絶縁膜1016aは、流動可能なビルドアップ材料で形成された1つまたは複数の層を含む。
図10Aに描かれている実施形態では、第1の絶縁膜1016aは流動可能層1018aを含む。流動可能層1018aは、シリカ(SiO
2)粒子を充填した(例えば含有する)エポキシ樹脂などの、セラミックフィラー含有エポキシ樹脂で形成され得る。絶縁膜1016aの流動可能層1018aおよび他の層を形成するために利用され得るセラミックフィラーまたは粒子の他の例としては、窒化アルミニウム(AlN)、酸化アルミニウム(Al
2O
3)、炭化ケイ素(SiC)、窒化ケイ素(Si
3N
4)、Sr
2Ce
2Ti
5O
16、ケイ酸ジルコニウム(ZrSiO
4)、ウォラストナイト(CaSiO
3)、酸化ベリリウム(BeO)、二酸化セリウム(CeO
2)、窒化ホウ素(BN)、酸化カルシウム銅チタン(CaCu
3Ti
4O
12)、酸化マグネシウム(MgO)、二酸化チタン(TiO
2)、酸化亜鉛(ZnO)などが挙げられる。いくつかの例では、流動可能層1018aを形成するために利用されるセラミックフィラーは、約40nm~約1.5μm、例えば約80nm~約1μmの範囲のサイズの粒子を有する。例えば、流動可能層1018aを形成するために利用されるセラミックフィラーは、約200nm~約800nm、例えば約300nm~約600nmの範囲のサイズの粒子を有する。いくつかの実施形態では、流動可能層1018aを形成するために利用されるセラミックフィラーは、所望の特徴部(例えば、ビア、キャビティ、またはアセンブリ貫通ビア)の幅または直径の約25%未満、例えば所望の特徴部の幅または直径の約15%未満のサイズを有する粒子を含む。
【0059】
流動可能層1018aは、典型的には約60μm未満、例えば、約5μm~約50μmの厚さを有する。例えば、流動可能層1018aは約10μm~約25μmの厚さを有する。特定の実施形態では、絶縁膜1016aは1つまたは複数の支持層を更に含む。例えば、絶縁膜1016aは、ポリエチレンテレフタレート(PET)または類似の軽量プラスチックの支持層1022aを含む。ただし、絶縁膜1016aには、層と絶縁材料の任意の好適な組合せが企図される。いくつかの実施形態では、絶縁膜1016aは全体で約120μm未満の厚さ、例えば約90μm未満の厚さを有する。
【0060】
基板302は、その第1の側1075で絶縁膜1016aに、詳細には絶縁膜1016aの流動可能層1018aに接合されており、更に、後の処理工程中の機械的支持のためのキャリア1024上に、任意選択的に配置され得る。キャリアは機械的および熱的に安定な任意の好適な材料で形成される。例えば、キャリア1024はポリテトラフルオロエチレン(PTFE)で形成される。別の例では、キャリア1024はPETで形成される。
【0061】
工程904において、
図10Bに描かれているように、1つまたは複数の半導体ダイ1026が基板302に形成されたキャビティ305内に配置され、半導体ダイ1026はこの時点で、片側で絶縁膜1016aに固着されるようになっている(
図10Bには単一の半導体ダイ1026が描かれている)。特定の実施形態では、ダイ1026は、その活性表面1028上に集積回路が形成されている多目的ダイである。ダイ1026はキャビティ305内に配置され、キャビティ305を通して露出する絶縁膜1016aの表面上に位置付けられる。特定の実施形態では、ダイ1026は、絶縁膜1016a上に配設または形成された接着層(図示せず)上に配置される。
【0062】
キャビティ305内にダイ1026を配置した後で、工程906および
図10Cにおいて、基板302の第2の側1077(例えば表面608)の上に第1の保護膜1060が配置される。保護膜1060は、第1の絶縁膜1016aとは反対側にある基板302の第2の側1077に、キャビティ305内に配設されたダイ1026の活性表面1028に接触してこれを覆うように接合される。特定の実施形態では、保護膜1060は、支持層1022aの材料と同様の材料で形成される。例えば、保護膜1060は二軸PETなどのPETで形成される。ただし保護膜1060は任意の好適な保護材料で形成されてもよい。いくつかの実施形態では、保護膜1060は約50μm~約150μmの厚さを有する。
【0063】
この時点で第1の側1075の絶縁膜1016aおよび第2の側1077の保護膜1060に固着されており、更にその中にダイ1026が配置されている、基板302は、工程908において積層プロセスにかけられる。積層プロセス中基板302は高温に曝され、このことによって絶縁膜1016aの流動可能層1018aが軟化し、絶縁膜1016aと保護膜1060との間の開いた空隙または容積内へと、例えば、ビア303およびキャビティ305の内壁とダイ1026との間の間隙1051内へと流れ込む。これを受けて、半導体ダイ1026は、
図10Dに描かれているように、絶縁膜1016aおよび基板302の材料内に、少なくとも部分的に埋め込まれた状態になる。
【0064】
特定の実施形態では、積層プロセスは、オートクレーブまたは他の好適なデバイス内で実行され得る、真空積層プロセスである。特定の実施形態では、積層プロセスはホットプレスプロセスを用いて実行される。特定の実施形態では、積層プロセスは、約80℃~約140℃の温度で、約5秒~約1.5分、例えば約30秒~約1分の期間の間、実行される。いくつかの実施形態では、積層プロセスは、基板302および絶縁膜1016aに、約5秒~約1.5分の期間の間、約80℃~約140℃の温度を適用しながら、約1psig~約50psigの圧力を加えることを含む。例えば、積層プロセスは、約10秒~約1分の期間の間、約5psig~約40psigの圧力で、約100℃~約120℃の温度で実行される。例えば、積層プロセスは、約110℃の温度で約20秒の期間の間実行される。
【0065】
工程910において、保護膜1060が除去され、流動可能層1018aの積層された絶縁材料がこの時点で基板302および1つまたは複数のダイ1026を少なくとも部分的に取り囲んでいる、基板302が、第2の保護膜1062上に配置される。
図10Eに描かれているように、第2の保護膜1062は、第2の保護膜1062が絶縁膜1016aの支持層1022aに当接して(例えば隣り合って)配設されるように、基板302の第1の側1075に接合される。いくつかの実施形態では、この時点で保護膜1062に接合されている基板302は、第1の側1075で追加の機械的支持が得られるように、キャリア1024上に任意選択的に配置され得る。いくつかの実施形態では、保護膜1062は、保護膜1062を、この時点で絶縁膜1016aと積層されている基板302と接合する前に、キャリア1024上に配置される。一般に、保護膜1062は、保護膜1060と実質的に同様の組成である。例えば、保護膜1062は、二軸PETなどのPETで形成され得る。ただし保護膜1062は任意の好適な保護材料で形成されてもよい。いくつかの実施形態では、保護膜1062は約50μm~約150μmの厚さを有する。
【0066】
基板302が第2の保護膜1062に結合されると、工程912および
図10Fにおいて、基板302の第2の側1077に第1の絶縁膜1016aと実質的に同様の第2の絶縁膜1016bが配置され、このことにより保護膜1060が置き換えられる。特定の実施形態では、第2の絶縁膜1016bは、基板302の第2の側1077に、第2の絶縁膜1016bの流動可能層1018bがキャビティ305内のダイ1026の活性表面1028に接触しこれを覆うように位置付けられる。特定の実施形態では、基板302上に第2の絶縁膜1016bを配置すると、絶縁膜1016bと、1つまたは複数のダイ1026を部分的に取り囲む流動可能層1018aの既に積層された絶縁材料との間に、1つまたは複数の空隙が形成される場合がある。第2の絶縁膜1016bは、流動可能なポリマーベースの誘電体材料で形成された1つまたは複数の層を含み得る。
図10Fに描かれているように、第2の絶縁膜1016bは、上記した流動可能層1018aと同様の流動可能層1018bを含む。第2の絶縁膜1016bは、PETまたは他の軽量プラスチック材料など、支持層1022aと同様の材料で形成された支持層1022bを更に含み得る。
【0067】
工程914において、
図10Gに描かれているように、第2の絶縁膜1016bの上に第3の保護膜1064が配置される。一般に、保護膜1064は、保護膜1060、1062と実質的に同様の組成である。例えば、保護膜1064は二軸PETなどのPETで形成される。ただし保護膜1064は任意の好適な保護材料で形成されてもよい。いくつかの実施形態では、保護膜1064は約50μm~約150μmの厚さを有する。
【0068】
この時点で第2の側1077の絶縁膜1016bおよび支持層1064に、ならびに第1の側1075の保護膜1062および任意選択的なキャリア1024に固着されている、基板302は、工程916および
図10Hにおいて、第2の積層プロセスにかけられる。工程908における積層プロセスと同様に、基板302は高温に曝され、このことにより絶縁膜1016bの流動可能層1018bが軟化し、絶縁膜1016bと流動可能層1018aの既に積層された絶縁材料との間のいずれかの開いた空隙または容積内へと流れ込み、この結果、流動可能層1018aの絶縁材料と流動可能層1018bが一体化する。これを受けて、キャビティ305およびビア303は絶縁材料で満たされた(例えば、充填された、封止された)状態になり、キャビティ305内に先に配置された半導体ダイ1026は、流動可能層1018a、1018bの絶縁材料内に完全に埋め込まれた状態になる。
【0069】
特定の実施形態では、積層プロセスは、オートクレーブまたは他の好適なデバイス内で実行され得る、真空積層プロセスである。特定の実施形態では、積層プロセスはホットプレスプロセスを用いて実行される。特定の実施形態では、積層プロセスは、約80℃~約140℃の温度で、約1分~約30分の期間の間実行される。いくつかの実施形態では、積層プロセスは、基板302および絶縁膜1016bに、約1分~約30分の期間の間、約80℃~約140℃の温度を適用しながら、約10psig~約150psigの圧力を加えることを含む。例えば、積層プロセスは、約2分~10分の期間の間、約20psig~約100psigの圧力で、約100℃~約120℃の温度で実行される。例えば、積層プロセスは約110℃の温度で約5分の期間の間実行される。
【0070】
積層後、工程918において、基板302はキャリア1024から取り外され、保護膜1062、1064が除去されて、積層された埋め込みダイアセンブリ1002が得られる。
図10Iに描かれているように、埋め込みダイアセンブリ1002は、流動可能層1018a、1018bの絶縁誘電体材料で充填されている1つまたは複数のキャビティ305および/またはビア303が形成されている基板302と、キャビティ305内の埋め込みダイ1026と、を含む。流動可能層1018a、1018bの絶縁誘電体材料は、絶縁材料が基板302の少なくとも2つの表面または面、例えば2つの主要な表面606、608を覆い、埋め込み半導体ダイ1026の全ての面を覆うように、基板302を取り囲む。いくつかの例では、工程918において、埋め込みダイアセンブリ1002から支持層1022a、1022bも除去される。一般に、支持層1022aおよび1022b、キャリア1024、ならびに保護膜1062および1064は、埋め込みダイアセンブリ1002から、そこから剥離するなどの任意の好適な機械的プロセスによって除去される。
【0071】
支持層1022a、1022bおよび保護膜1062、1064が除去されると、埋め込みダイアセンブリ1002は、流動可能層1018a、1018bの絶縁誘電体材料を完全に硬化させる(すなわち、化学反応および架橋によって硬質化させる)ための硬化プロセスにかけられ、この結果硬化した絶縁層1018が形成される。絶縁層1018は、基板302およびこれに埋め込まれた半導体ダイ1026を、実質的に取り囲んでいる。例えば、絶縁層1018は、基板302(表面606、608を含む)の少なくとも側1075、1077と、
図10Iに示すように直方柱形状を有する(つまり、2D視では4つの表面1028および1029のみが示されている)半導体ダイ1026の各々の、少なくとも6つの面もしくは表面と、に接触するか、またはこれらを封入する。
【0072】
特定の実施形態では、硬化プロセスは、埋め込みダイアセンブリ1002が完全に硬化するように、高温で実行される。例えば、硬化プロセスは、約140℃~約220℃の温度で約15分~約45分の期間の間、例えば、約160℃~約200℃の温度で約25分~約35分の期間の間、実行される。例えば、硬化プロセスは約180℃の温度で約30分の期間の間実行される。更なる実施形態では、工程918における硬化プロセスは、周囲(例えば大気)圧力条件で、またはその近傍で実行される。
【0073】
硬化後、工程920において、埋め込みダイアセンブリ1002を貫通して1つまたは複数のアセンブリ貫通ビア1003が穿孔されて、続く相互接続部形成のための、埋め込みダイアセンブリ1002の全厚さを貫通するチャネルが形成される。いくつかの実施形態では、埋め込みダイアセンブリ1002は、アセンブリ貫通ビア1003および続くコンタクトホール1032の形成中に機械的支持が得られるように、キャリア1024などのキャリア上に配置され得る。アセンブリ貫通ビア1003は基板302に形成されたビア303を貫通して穿孔され、その後絶縁層1018で充填される。この結果、アセンブリ貫通ビア1003は、ビア303内に充填された絶縁層1018によって円周方向に取り囲まれ得る。絶縁層1018のセラミックフィラー含有エポキシ樹脂材料でビア303の壁をライニングすることによって、導電性シリコンベース基板302と相互接続部1444(
図13および
図14E~
図14Hを参照して説明する)との間の容量性結合、ならびにしたがって、完成したパッケージ1602(
図15ならびに
図16Kおよび
図16Lを参照して説明する)における、隣り合って位置付けられたビア303同士のおよび/または再配線接続部1644(
図15および
図16H~
図16Lを参照して説明する)同士の間の容量性結合が、従来のビア絶縁ライナーまたは膜を利用する他の従来の相互接続構造と比較して、著しく低減される。また更に、エポキシ樹脂材料の流動可能な性質によってより一貫性および信頼性の高い封入および絶縁が可能になり、その結果、完成したパッケージ1602の漏れ電流を最小限にすることで、電気的性能が高められる。
【0074】
特定の実施形態では、アセンブリ貫通ビア1003は、約100μm未満、例えば約75μm未満の直径を有する。例えば、アセンブリ貫通ビア1003は約60μm未満、例えば約50μm未満の直径を有する。特定の実施形態では、アセンブリ貫通ビア1003は約25μm~約50μmの直径、例えば約35μm~約40μmの直径を有する。特定の実施形態では、アセンブリ貫通ビア1003は、任意の好適な機械的プロセスを用いて形成される。例えば、アセンブリ貫通ビア1003は、機械的な穴あけプロセスを用いて形成される。特定の実施形態では、アセンブリ貫通ビア1003は、レーザアブレーションによって埋め込みダイアセンブリ1002を貫通して形成される。例えば、アセンブリ貫通ビア1003は紫外線レーザを用いて形成される。特定の実施形態では、レーザアブレーションに利用されるレーザ源は、約5kHz~約500kHzの周波数を有する。特定の実施形態では、レーザ源は、約50マイクロジュール(μJ)~約500μJのパルスエネルギーで、約10ns~約100nsのパルス持続時間でパルスレーザビームを供給するように構成される。小さなセラミックフィラー粒子を有するエポキシ樹脂材料を利用することで、ビア1003などの小径のビアのより精密で正確なレーザパターニングが更に促進されるが、その理由は、小さなセラミックフィラー粒子が含まれる場合、レーザアブレーションプロセス中のレーザ光の反射、散乱、回折、およびビアが形成されることになる領域から外れるレーザ光の透過が減少するからである。
【0075】
工程922および
図10Kにおいて、1つまたは複数のコンタクトホール1032が絶縁層1018を貫通して穿孔されて、各埋め込みダイ1026の活性表面1028上に形成された1つまたは複数のコンタクト1030が露出される。コンタクトホール1032はレーザアブレーションによって絶縁層1018を貫通して穿孔され、この結果、半導体ダイ1026の全ての外側表面は絶縁層1018で覆われかつ取り囲まれることになり、コンタクト1030は露出することになる。このように、コンタクトホール1032の形成によってコンタクト1030が露出する。特定の実施形態では、レーザ源は、約100kHz~約1000kHzの周波数を有するパルスレーザビームを生成し得る。特定の実施形態では、レーザ源は、約100nm~約2000nmの波長で、約10E-4ns~約10E-2nsのパルス持続時間で、および約10μJ~約300μJのパルスエネルギーで、パルスレーザビームを供給するように構成される。特定の実施形態では、コンタクトホール1032は、CO
2レーザ、グリーンレーザ、またはUVレーザを使用して穿孔される。特定の実施形態では、コンタクトホール1032は、約5μm~約60μmの直径、例えば約20μm~約50μmの直径を有する。
【0076】
工程922において、コンタクトホール1032の形成後、埋め込みダイアセンブリ1002は、アセンブリ貫通ビア1003およびコンタクトホール1032の形成中にレーザアブレーションによって生じた何らかの望まれない残渣および/またはデブリを除去するための、デスミアプロセスにかけられる。デスミアプロセスによってこのように、続くメタライゼーションのために、アセンブリ貫通ビア1003およびコンタクトホール1032が洗浄され、埋め込みダイ1026の活性表面1028上のコンタクト1030が完全に露出される。特定の実施形態では、デスミアプロセスは湿式デスミアプロセスである。湿式デスミアプロセスには、任意の好適な水性エッチャント、溶媒、および/またはこれらの組合せが利用され得る。一例として、エッチャントとして過マンガン酸カリウム(KMnO4)溶液が利用され得る。残渣の厚さに応じて、工程922における埋め込みダイアセンブリ1002への湿式デスミアプロセスの適用を変更することができる。別の実施形態では、デスミアプロセスは乾式デスミアプロセスである。例えば、デスミアプロセスは、O2:CF4混合ガスによるプラズマデスミアプロセスであり得る。プラズマデスミアプロセスは、約700Wの電力を印加しO2:CF4を約10:1(例えば、100:10sccm)の比率で約60秒~約120秒の間の時間流すことによって、プラズマを生成することを含み得る。更なる実施形態では、デスミアプロセスは湿式プロセスと乾式プロセスの組合せである。
【0077】
工程922におけるデスミアプロセスが終わると、埋め込みダイアセンブリ1002に相互接続経路を形成する準備が整うが、これについては
図13および
図14A~
図14Hを参照して以下で説明する。
【0078】
上で検討したように、
図9および
図10A~
図10Kは、中間埋め込みダイアセンブリ1002を形成するための代表的な方法900を示す。
図11および
図12A~
図12Gは、方法900と実質的に同様だが工程のより少ない代替の方法1100を示す。方法1100は一般に7つの工程1110~1170を含む。ただし、方法1100の工程1110、1120、1160、および1170はそれぞれ、方法900の工程902、904、920、および922と実質的に同様である。したがって、明確にするために、本明細書では、
図12C、
図12D、および
図12Eにそれぞれ描かれている工程1130、1140、および1150のみを説明する。
【0079】
キャビティ305を通して露出した絶縁膜1016aの表面上に1つまたは複数の半導体ダイ1026を配置した後で、第2の絶縁膜1016bは、積層の前に、工程1130および
図12Cにおいて、基板302の第2の側1077(例えば表面608)の上に位置付けられる。いくつかの実施形態では、第2の絶縁膜1016bは、基板302の第2の側1077に、第2の絶縁膜1016bの流動可能層1018bがキャビティ305内のダイ1026の活性表面1028に接触しこれを覆うように位置付けられる。いくつかの実施形態では、後の処理工程中に追加の機械的支持が得られるように、第2の絶縁膜1016bの支持層1022bに、第2のキャリア1025が固着される。
図12Cに描かれているように、絶縁膜1016aと絶縁膜1016bとの間に、ビア303、および半導体ダイ1026とキャビティ305の内壁との間の間隙1051を通って、1つまたは複数の空隙1050が形成される。
【0080】
工程1140および
図12Dにおいて、この時点で絶縁膜1016aおよび1016bに固着されておりかつダイ1026が配設されている基板302は、単一積層プロセスにかけられる。単一積層プロセス中、基板302は高温に曝され、このことによって両方の絶縁膜1016a、1016bの流動可能層1018aおよび1018bが軟化し、絶縁膜1016a、1016bの間の開いた空隙または容積内へと、例えば、ビア303内およびキャビティ305の内壁とダイ1026との間の間隙1051内へと流れ込む。このようにして、半導体ダイ1026は絶縁膜1016a、1016bの材料内に埋め込まれた状態になり、ビア303はこの材料で充填された状態になる。
【0081】
図9および
図10A~
図10Kを参照して説明した積層プロセスと同様に、工程1140における積層プロセスは、オートクレーブまたは他の好適なデバイス内で実行され得る、真空積層プロセスであり得る。別の実施形態では、積層プロセスはホットプレスプロセスを用いて実行される。特定の実施形態では、積層プロセスは、約80℃~約140℃の温度で、約1分~約30分の期間の間実行される。いくつかの実施形態では、積層プロセスは、基板302および絶縁膜1016a、1016bの層に、約1分~約30分の期間の間、約80℃~約140℃の温度を適用しながら、約1psig~約150psigの圧力を加えることを含む。例えば、積層プロセスは、約2分~約10分の期間の間、約10psig~約100psigの圧力で、約100℃~約120℃の温度で実行される。例えば、積層プロセスは約110℃の温度で約5分の期間の間実行される。
【0082】
工程1150において、絶縁膜1016aおよび1016bの1つまたは複数の支持層が基板302から除去され、この結果積層された埋め込みダイアセンブリ1002が得られる。
図12Eに描かれているように、埋め込みダイアセンブリ1002は、流動可能層1018a、1018bの絶縁誘電体材料で充填されている1つまたは複数のキャビティ305および/またはビア303が形成されている基板302と、キャビティ305内の埋め込みダイ1026と、を含む。絶縁材料は、絶縁材料が基板302の少なくとも2つの表面または側面、例えば表面606、608を覆うように、基板302を取り囲む。一例では、支持層1022a、1022bは埋め込みダイアセンブリ1002から除去され、この結果、埋め込みダイアセンブリ1002がキャリア1024、1025から取り外される。一般に、支持層1022a、1022bおよびキャリア1024、1025は、そこから剥離するなどの任意の好適な機械的プロセスによって除去される。
【0083】
支持層1022a、1022bが除去されると、埋め込みダイアセンブリ1002は、流動可能層1018a、1018bの絶縁誘電体材料を完全に硬化させるための硬化プロセスにかけられる。絶縁材料の硬化により、硬化した絶縁層1018が形成される。
図12Eに描かれているようにおよび
図10Iに対応する工程918と同様に、絶縁層1018は、基板302およびその中に埋め込まれた半導体ダイ1026を実質的に取り囲む。
【0084】
特定の実施形態では、硬化プロセスは、埋め込みダイアセンブリ1002が完全に硬化するように、高温で実行される。例えば、硬化プロセスは、約140℃~約220℃の温度で約15分~約45分の期間の間、例えば、約160℃~約200℃の温度で約25分~約35分の期間の間、実行される。例えば、硬化プロセスは約180℃の温度で約30分の期間の間実行される。更なる実施形態では、工程1150における硬化プロセスは、周囲(例えば大気)圧力条件で、またはその近傍で実行される。
【0085】
工程1150における硬化後は、方法1100は、方法900の工程920および922と実質的に同様である。例えば、埋め込みダイアセンブリ1002は、絶縁層1018を貫通して穿孔された、1つまたは複数のアセンブリ貫通ビア1003および1つまたは複数のコンタクトホール1032を有する。続いて埋め込みダイアセンブリ1002はデスミアプロセスにかけられ、これが終わると埋め込みダイアセンブリ1002に相互接続経路を形成する準備が整うが、これについては以下で説明する。
【0086】
図13は、埋め込みダイアセンブリ1002を貫通する電気相互接続部を形成する代表的な方法1300のフロー図を示す。
図14A~
図14Hは、
図13に描かれた方法1300のプロセスの様々な段階における埋め込みダイアセンブリ1002の断面図を概略的に示す。したがって、明確にするために、本明細書では
図13および
図14A~
図14Hを一緒に説明する。
【0087】
特定の実施形態では、埋め込みダイアセンブリ1002を貫通して形成される電気相互接続部は銅で形成される。この場合、方法1300は任意選択的に、アセンブリ貫通ビア1003およびコンタクトホール1032が形成されている埋め込みダイアセンブリ1002の表面に接着層1440および/またはシード層1442が形成される、工程1310および
図14Aから始まってもよい。埋め込みダイアセンブリ1002上に形成された接着層1440およびシード層1442の部分拡大図が、
図14Hに参考のために描かれている。接着層1440は、絶縁層1018の所望の表面、例えば埋め込みダイアセンブリ1002の主要な表面1005、1007上に、ならびに、各ダイ1026上のコンタクトホール1032の活性表面1028およびアセンブリ貫通ビア1003の内壁上に形成されてもよく、このことにより、接着の促進と、続いて形成されるシード層1442および銅相互接続部1444の拡散の阻止とが支援される。この結果、特定の実施形態では接着層1440は接着層として機能し、別の実施形態では接着層1440はバリア層として機能する。ただしいずれの実施形態においても、以下では接着層1440は「接着層」として記載する。
【0088】
特定の実施形態では、任意選択的な接着層1440は、チタン、窒化チタン、タンタル、窒化タンタル、マンガン、酸化マンガン、モリブデン、酸化コバルト、窒化コバルト、もしくは任意の他の好適な材料、またはこれらの組合せで形成される。特定の実施形態では、接着層1440は約10nm~約300nm、例えば約50nm~約150nmの厚さを有する。例えば、接着層1440は約75nm~約125nm、例えば約100nmの厚さを有する。接着層1440は、化学気相堆積(CVD)、物理気相堆積(PVD)、プラズマエンハンストCVD(PECVD)、原子層堆積(ALD)などを含むがこれらに限定されない任意の好適な堆積プロセスによって形成される。
【0089】
任意選択的なシード層1442は、接着層1440上に形成されても、または絶縁層1018上に直接(例えば、接着層1440を形成せずに)形成されてもよい。シード層1442は、銅、タングステン、アルミニウム、銀、金、または他の適切な材料、あるいはこれらの組合せなどの、導電性材料で形成される。特定の実施形態では、シード層1442は、約50nm~約500nm、例えば約100nm~約300nmの厚さを有する。例えば、シード層1442は約150nm~約250nm、例えば約200nmの厚さを有する。特定の実施形態では、シード層1442は約0.1μm~約1.5μmの厚さを有する。接着層1440と同様に、シード層1442は、乾式プロセスであるCVD、PVD、PECVD、ALD、湿式無電解メッキプロセスなどの、任意の好適な堆積プロセスによって形成される。特定の実施形態では、埋め込みダイアセンブリ上に銅シード層1442と組み合わせてモリブデン接着層1440が形成される。Mo-Cu接着およびシード層の組合せにより、絶縁層1018の表面との接着の改善が可能になるとともに、工程1370における続くシード層エッチングプロセス中の導電性相互接続線のアンダーカットが低減される。
【0090】
図14Bおよび
図14Cにそれぞれ対応している工程1320および1330において、スピンオン/スプレーオンレジスト膜またはドライレジスト膜1450、例えばフォトレジストが、埋め込みダイアセンブリ1002の両方の主要な表面1005、1007上に適用され、続いてパターニングされる。特定の実施形態では、レジスト膜1450は、UV放射への選択的な露光を介してパターニングされる。特定の実施形態では、レジスト膜1450を形成する前に、埋め込みダイアセンブリ1002に接着促進剤(図示せず)が適用される。接着促進剤は、レジスト膜1450用の界面結合層を生成することによって、および埋め込みダイアセンブリ1002の表面からあらゆる水分を除去することによって、埋め込みダイアセンブリ1002へのレジスト膜1450の接着を改善する。いくつかの実施形態では、接着促進剤は、ビス(トリメチルシリル)アミンまたはヘキサメチルジシラザン(HMDS)およびプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)で形成される。
【0091】
工程1340および
図14Dにおいて、埋め込みダイアセンブリ1002はレジスト膜現像プロセスにかけられる。
図14Dに描かれているように、レジスト膜1450の現像の結果、この時点で表面に接着層1440およびシード層1442が形成されている、アセンブリ貫通ビア1003およびコンタクトホール1032が露出する。特定の実施形態では、膜現像プロセスは、レジストを溶媒に曝すことを含む湿式プロセスなどの、湿式プロセスである。特定の実施形態では、膜現像プロセスは、水性エッチングプロセスを利用した湿式エッチングプロセスである。他の実施形態では、膜現像プロセスは、所望の材料に対して選択的なバッファードエッチングプロセスを利用した、湿式エッチングプロセスである。レジスト膜現像プロセスには、任意の好適な湿式溶媒、または湿式エッチャントの組合せが使用され得る。
【0092】
図14Eおよび
図14Fにそれぞれ対応する工程1350および1360において、露出したアセンブリ貫通ビア1003およびコンタクトホール1032を介して相互接続部1444が形成され、その後、レジスト膜1450が除去される。相互接続部1444は、電気メッキおよび無電解メッキを含む任意の好適な方法によって形成される。特定の実施形態では、レジスト膜1450は湿式プロセスを介して除去される。
図14Eおよび
図14Fに描かれているように、形成された相互接続部1444は、アセンブリ貫通ビア1003およびコンタクトホール1032を充填し、および/またはそれらの内周壁を覆い、レジスト膜1450が除去されると埋め込みダイアセンブリ1002の表面1005、1007、および1028から突出する。特定の実施形態では、相互接続部1444は銅で形成されている。他の実施形態では、相互接続部1444は、アルミニウム、金、ニッケル、銀、パラジウム、スズなどを含むがこれらに限定されない、任意の好適な導電性材料で形成され得る。
【0093】
工程1370および
図14Gにおいて、相互接続部1444が形成されている埋め込みダイアセンブリ1002は、接着層1440およびシード層1442を除去するために接着層および/またはシード層エッチングプロセスにかけられる。特定の実施形態では、シード層エッチングは、埋め込みダイアセンブリ1002のリンスおよび乾燥を含む湿式エッチングプロセスである。特定の実施形態では、シード層エッチングプロセスは、銅、タングステン、アルミニウム、銀、または金などの所望の材料に対して選択的な、バッファードエッチングプロセスである。他の実施形態では、エッチングプロセスは水性エッチングプロセスである。シード層エッチングプロセスには、任意の好適な湿式エッチャントまたは湿式エッチャントの組合せが使用され得る。
【0094】
工程1370におけるシード層エッチングプロセスに続いて、1つまたは複数の電気的に機能するパッケージが、埋め込みダイアセンブリ1002から個片化され得る。別法として、埋め込みダイアセンブリ1002は、埋め込みダイアセンブリ1002の表面上の所望の場所への相互接続部1444の接点の再ルーティングを可能にするための必要に応じてその表面に形成された、1つまたは複数の再配線層1658および/または1660(
図16K~
図16Lに示されている)を有し得る。
図15は、埋め込みダイアセンブリ1002上に再分配層1658を形成する代表的な方法1500のフロー図を示す。
図16A~
図16Lは、
図15に描かれた方法1500の様々な段階における埋め込みダイアセンブリ1002の断面図を概略的に示す。したがって、明確にするために、本明細書では
図15および
図16A~
図16Lを一緒に説明する。
【0095】
方法1500は、上記した方法900、1100、および1300と実質的に同様である。一般に、方法1500は、絶縁膜1616が埋め込みダイアセンブリ1002上に配置されその後積層される、工程1502および
図16Aから始まる。絶縁膜1616は絶縁膜1016と実質的に同様であってもよく、ポリマーベースの流動可能誘電体材料で形成された1つまたは複数の層を含む。特定の実施形態では、
図16Aに描かれているように、絶縁膜1616は、流動可能層1618と1つまたは複数の支持層1622とを含む。特定の実施形態では、絶縁膜1616は、セラミックフィラー含有エポキシ樹脂の流動可能層1618と、1つまたは複数の支持層1622と、を含み得る。別の例では、絶縁膜1616は、感光性ポリイミドの流動可能層1618と、1つまたは複数の支持層1622と、を含み得る。感光性ポリイミドの材料特性は、感光性ポリイミドから形成される結果的な相互接続層を貫通してより小さい(例えばより狭い)ビアを形成することを可能にする。ただし、絶縁膜1616には、層と絶縁材料の任意の好適な組合せが企図される。例えば、絶縁膜1616は、非感光性ポリイミド、ポリベンゾオキサゾール(PBO)、二酸化ケイ素、および/または窒化ケイ素の流動可能層1618を含み得る。1つまたは複数の支持層1622に適した材料の例としては、PETおよびポリプロピレン(PP)が挙げられる。
【0096】
いくつかの例では、流動可能層1618は、上記した流動可能層1018a、1018bとは異なるポリマーベースの流動可能誘電体材料を含む。例えば、流動可能層1018はセラミックフィラー含有エポキシ樹脂を含み、流動可能層1618は感光性ポリイミドを含み得る。別の例では、流動可能層1618は、流動可能層1018a、1018bとは異なる無機誘電体材料から形成される。例えば、流動可能層1018a、1018bはセラミックフィラー含有エポキシ樹脂を含んでもよく、流動可能層1618は二酸化ケイ素層を含んでもよい。
【0097】
絶縁膜1616は約200μm未満の厚さ、例えば約10μm~約180μmの厚さを有する。例えば、流動可能層1618、およびPET支持層1622を含む絶縁膜1616は、約50μm~約100μmの合計厚さを有する。特定の実施形態では、流動可能層1618は、約60μm未満の厚さ、例えば約5μm~約50μmの厚さ、例えば、約20μmの厚さを有する。絶縁膜1616は、ダイ1026の活性表面1028上のコンタクト1030に接合されているおよび/またはメタライズされたアセンブリ貫通ビア1003に接合されている、露出した相互接続部1444を有する、埋め込みダイアセンブリ1002の表面、例えば主要な表面1005上に配置される。
【0098】
絶縁膜1616の配置後、埋め込みダイアセンブリ1002は、工程908、916、および1140を参照して説明した積層プロセスと実質的に同様の積層プロセスにかけられる。埋め込みダイアセンブリ1002は高温に曝されて流動可能層1618を軟化させ、その後、埋め込みダイアセンブリ1002上に既に形成されている絶縁層1018に結合する。この結果、特定の実施形態では、流動可能層1618は絶縁層1018と一体化し、その延長部を形成する。流動可能層1618と絶縁層1018の一体化の結果、それまで露出していた相互接続部1444を覆う拡張し一体化した絶縁層1018が得られる。このため本明細書では、結合された流動可能層1618および絶縁層1018を、併せて絶縁層1018と記載する。ただし他の実施形態では、流動体1618の積層および続く硬化により、絶縁層1018上に第2の絶縁層(図示せず)が形成される。いくつかの例では、第2の絶縁層は絶縁層1018とは異なる材料層で形成される。
【0099】
特定の実施形態では、積層プロセスは、オートクレーブまたは他の好適なデバイス内で実行され得る、真空積層プロセスである。特定の実施形態では、積層プロセスはホットプレスプロセスを用いて実行される。特定の実施形態では、積層プロセスは、約80℃~約140℃の温度で、約1分~約30分の期間の間実行される。いくつかの実施形態では、積層プロセスは、基板302および絶縁膜1616に、約1分~約30分の期間の間、約80℃~約140℃の温度を適用しながら、10psig~約100psigの圧力を加えることを含む。例えば、積層プロセスは、約2分~約10分の期間の間、約30psig~約80psigの圧力で、約100℃~約120℃の温度で実行される。例えば、積層プロセスは約110℃の温度で約5分の期間の間実行される。更なる例では、積層プロセスは約30psig~約70psig、例えば約50psigの圧力で実行される。
【0100】
工程1504および
図16Bにおいて、支持層1622およびキャリア1624は、機械的プロセスによって埋め込みダイアセンブリ1002から除去される。支持層1622およびキャリア1624を除去した後で、埋め込みダイアセンブリ1002は、新たに拡張された絶縁層1018を完全に硬化させるための、硬化プロセスにかけられる。特定の実施形態では、硬化プロセスは、工程918および1150を参照して説明した硬化プロセスと実質的に同様である。例えば、硬化プロセスは、約140℃~約220℃の温度で約15分~約45分の期間の間、例えば、約160℃~約200℃の温度で約25分~約35分の期間の間、実行される。例えば、硬化プロセスは約180℃の温度で約30分の期間の間実行される。更なる実施形態では、工程1504における硬化プロセスは周囲圧力条件で、またはその近傍で実行される。
【0101】
次いで埋め込みダイアセンブリ1002は、工程1506および
図16Cにおいて、レーザアブレーションによって選択的にパターニングされる。工程1506におけるレーザアブレーションは、新たに拡張された絶縁層1018を貫通して再配線ビア1603を形成し、その接点の再分配のために所望の相互接続部1444を露出させる。特定の実施形態では、再配線ビア1603は、約5μm~約60μmの直径、例えば約10μm~約50μm、例えば約20μm~約45μmの直径を有する。特定の実施形態では、工程1506におけるレーザアブレーションプロセスは、CO
2レーザを利用して実行される。特定の実施形態では、工程1506におけるレーザアブレーションプロセスは、UVレーザを利用して実行される。特定の実施形態では、工程1506におけるレーザアブレーションプロセスは、グリーンレーザを利用して実行される。例えば、レーザ源は、約100kHz~約1000kHzの周波数を有するパルスレーザビームを生成し得る。一例では、レーザ源は、約100nm~約2000nmの波長で、約10E-4ns~約10E-2nsのパルス持続時間で、および約10μJ~約300μJのパルスエネルギーで、パルスレーザビームを供給するように構成される。
【0102】
埋め込みダイアセンブリ1002のパターニング後、埋め込みダイアセンブリ1002は、工程922および1170におけるデスミアプロセスと実質的に同様のデスミアプロセスにかけられる。工程1506におけるデスミアプロセス中、再配線ビア1603の形成中にレーザアブレーションによって形成された何らかの望まれない残渣およびデブリが、続くメタライゼーションのためにその表面をきれいに(例えば清浄)するために、再分配ビア1603から除去される。特定の実施形態では、デスミアプロセスは湿式プロセスである。湿式デスミアプロセスには、任意の好適な水性エッチャント、溶媒、および/またはこれらの組合せが利用され得る。一例として、エッチャントとしてKMnO4溶液が利用され得る。別の実施形態では、デスミアプロセスは乾式デスミアプロセスである。例えば、デスミアプロセスは、O2/CF4混合ガスによるプラズマデスミアプロセスであり得る。更なる実施形態では、デスミアプロセスは湿式プロセスと乾式プロセスの組合せである。
【0103】
工程1508および
図16Dにおいて、絶縁層1018上に任意選択的な接着層1640および/またはシード層1642が形成される。特定の実施形態では、接着層1640は、チタン、窒化チタン、タンタル、窒化タンタル、マンガン、酸化マンガン、モリブデン、酸化コバルト、窒化コバルト、もしくは任意の他の好適な材料、またはこれらの組合せから形成される。特定の実施形態では、接着層1640は約10nm~約300nm、例えば約50nm~約150nmの厚さを有する。例えば、接着層1640は約75nm~約125nm、例えば約100nmの厚さを有する。接着層1640は、CVD、PVD、PECVD、ALDなどを含むがこれらに限定されない、任意の好適な堆積プロセスによって形成され得る。
【0104】
任意選択的なシード層1642は、銅、タングステン、アルミニウム、銀、金、または他の適切な材料、あるいはこれらの組合せなどの、導電性材料から形成される。特定の実施形態では、シード層1642は、約50nm~約500nm、例えば約100nm~約300nmの厚さを有する。例えば、シード層1642は約150nm~約250nm、例えば約200nmの厚さを有する。特定の実施形態では、シード層1642は約0.1μm~約1.5μmの厚さを有する。接着層1640と同様に、シード層1642は、乾式プロセスであるCVD、PVD、PECVD、ALD、湿式無電解メッキプロセスなどの、任意の好適な堆積プロセスによって形成され得る。特定の実施形態では、工程1520における続くシード層エッチングプロセス中の導電性相互接続線のアンダーカットを低減するために、埋め込みダイアセンブリ1002上にモリブデン接着層1640および銅シード層1642が形成される。
【0105】
図16E、
図16F、および
図16Gにそれぞれ対応している工程1510、1512、および1514において、スピンオン/スプレーオンレジスト膜または乾式レジスト膜1650、例えばフォトレジストが、埋め込みダイアセンブリ1002の接着表面および/またはシード表面の上に適用され、続いてパターニングされ現像される。特定の実施形態では、レジスト膜1650を配置する前に、埋め込みダイアセンブリ1002に接着促進剤(図示せず)が適用される。レジスト膜1650の露光と現像の結果、再分配ビア1603が開口する。このように、レジスト膜1650のパターニングは、レジスト膜1650の一部をUV放射に選択的に曝露し、続いて湿式エッチングプロセスなどの湿式プロセスによってレジスト膜1650を現像することによって実行され得る。特定の実施形態では、レジスト膜の現像プロセスは、所望の材料に対して選択的なバッファードエッチングプロセスを利用した、湿式エッチングプロセスである。他の実施形態では、レジスト膜現像プロセスは、水性エッチングプロセスを利用した湿式エッチングプロセスである。レジスト膜現像プロセスには、任意の好適な湿式エッチャント、または湿式エッチャントの組合せが使用され得る。
【0106】
図16Hおよび
図16Iにそれぞれ対応している工程1516および1518において、露出した再配線ビア1603を通る再配線接続部1644が形成され、その後レジスト膜1650が除去される。再分配層1644は、電気メッキおよび無電解メッキを含む任意の好適な方法によって形成される。特定の実施形態では、レジスト膜1650は湿式プロセスを介して除去される。
図16Hおよび
図16Iに描かれているように、再配線接続部1644は再配線ビア1603を充填し、レジスト膜1650が除去されると埋め込みダイアセンブリ1002の表面から突出する。特定の実施形態では、再配線接続部1644は銅で形成されている。他の実施形態では、再配線接続部1644は、アルミニウム、金、ニッケル、銀、パラジウム、スズなどを含むがこれらに限定されない、任意の好適な導電性材料で形成され得る。
【0107】
工程1520および
図16Jにおいて、再配線接続部1644が表面に形成されている埋め込みダイアセンブリ1002は、工程1370の場合と実質的に同様のシード層エッチングプロセスにかけられる。特定の実施形態では、シード層エッチングは、埋め込みダイアセンブリ1002のリンスおよび乾燥を含む湿式エッチングプロセスである。特定の実施形態では、シード層エッチングプロセスは、シード層1642の所望の材料に対して選択的なバッファードエッチングプロセスを利用した、湿式エッチングプロセスである。他の実施形態では、エッチングプロセスは、水性エッチングプロセスを利用した湿式エッチングプロセスである。シード層エッチングプロセスには、任意の好適な湿式エッチャントまたは湿式エッチャントの組合せが使用され得る。
【0108】
工程1522において、
図16Kおよび
図16Lに描かれているように、埋め込みダイアセンブリ1002から、1つまたは複数の完成したパッケージ1602が個片化される。ただし、工程1522の前に、
図16Lに描かれているように、上記したシークエンスおよびプロセスを利用して、埋め込みダイアセンブリ1002上に追加の再配線層を形成してもよい(
図16Kには1つの追加の再配線層1658を有する完成したパッケージ1602が描かれている)。例えば、埋め込みダイアセンブリ1002の第1の追加の再配線層1658とは反対側の面または表面、例えば主要な表面1007上に、1つまたは複数の追加の再配線層1660を形成してもよい。別法として、第1の追加の再配線層1658(図示せず)と同じ面または表面、例えば主要な表面1005上に、1つまたは複数の追加の再配線層1660を形成してもよい。完成したパッケージ1602はその後、全ての所望の再配線層が形成されたた後で、埋め込みダイアセンブリ1002から個片化され得る。
【0109】
図17は、再配線層を形成するときに埋め込みダイアセンブリ1002上に絶縁層を配置し積層するための代替の方法1700のフロー図である。
図18A~
図18Cは、方法1700の様々な段階における埋め込みダイアセンブリ1002の断面図を概略的に示す。したがって、明確にするために、本明細書では
図17および
図18A~
図18Cを一緒に説明する。方法1700の工程1702~1706を実行する際に、再配線層の形成を完了するための方法1500の工程1508~1522、例えば、接着層および/またはシード層の堆積、再配線接続部のメッキ、等が実行され得ることに留意されたい。
【0110】
方法1700は、上記した方法のうちの1つまたは複数と実質的に同様である。一般に、方法1700は、予備構造化した絶縁膜1816が位置合わせされ埋め込みダイアセンブリ1002上に配置される、工程1702および
図18Aから始まる。上記した絶縁膜1616、1016と同様に、絶縁膜1816は、ポリマーベースの流動可能誘電体材料で形成された1つまたは複数の層を含み得る。例えば、特定の実施形態では、絶縁膜1816は、流動可能層1818と1つまたは複数の支持層1822とを含む。特定の実施形態では、絶縁膜1816は、セラミックフィラー含有エポキシ樹脂の流動可能層1818と、1つまたは複数の支持層1822と、を含む。別の例では、絶縁膜1816は、感光性ポリイミドの流動可能層1818と、1つまたは複数の支持層1822と、を含む。ただし、絶縁膜1816には、絶縁膜1616および1016を参照して上記したもののような、層および絶縁材料の任意の好適な組合せが企図される。例えば、特定の実施形態では、流動可能層1818は、非感光性ポリイミド、ポリベンゾオキサゾール(PBO)、二酸化ケイ素、および/または窒化ケイ素で形成され得る。1つまたは複数の支持層1822に適した材料の例としては、PET、PP、ポリエチレン(PE)、ポリカーボネート、ポリスチレンなどが挙げられる。
【0111】
いくつかの例では、流動可能層1818は、流動可能層1018a、1018bとは異なるポリマーベースの流動可能誘電体材料から形成される。例えば、流動可能層1018a、1018bはセラミックフィラー含有エポキシ樹脂層を含んでもよく、一方で流動可能層1818は感光性ポリイミド層を含んでもよく、またはその逆であってもよい。別の例では、流動可能層1818は、流動可能層1018a、1018bとは異なる無機誘電体材料から形成される。例えば、流動可能層1018a、1018bはセラミックフィラー含有エポキシ樹脂層を含んでもよく、一方で、流動可能層1818は二酸化ケイ素層を含んでもよく、またはその逆であってもよい。
【0112】
流動可能層1818は、典型的には約120μm未満、例えば、約10μm~約100μmの厚さを有する。例えば、流動可能層1818は約20μm~約80μmの厚さを有する。特定の実施形態では、絶縁膜1816は全体で約200μm未満の厚さ、例えば約160μm未満の厚さを有する。
【0113】
ただし、これまでの絶縁膜の例とは異なり、絶縁膜1816は予備構造化されている、すなわち、埋め込みダイアセンブリ1002上に配置し積層する前に構造化されている。例えば、絶縁膜1816には、続く再配線接続部のメッキのための1つまたは複数のビア1803が形成されており、ビア1803の側壁は選択的に硬化される。絶縁膜1816の予備構造化については、
図19、
図20A~
図20C、および
図21A~
図21Bを参照して更に詳細に説明する。この場合、埋め込みダイアセンブリ1002上への絶縁膜1816の配置中に、絶縁膜1816は、予備構造化したビア1803が相互接続部1444の接点またはパッドに対して位置合わせされるように、埋め込みダイアセンブリ1002と位置合わせされ、この結果、相互接続部1444と続いて形成される再配線接続部との接続が可能になる。特定の実施形態では、絶縁膜1816の表面には、埋め込みダイアセンブリ1002との位置合わせを容易にするための1つまたは複数の基準点マークが形成されており、埋め込みダイアセンブリ1002には、対となるその表面上に、1つまたは複数の対応する基準点マーク(例えば、エッチングされた領域または堆積された材料の領域)が形成されていてもよい。ただし任意の好適な位置合わせ方法が企図される。
【0114】
工程1704および
図18Bにおいて、予備構造化した絶縁膜1816の配置後、埋め込みダイアセンブリ1002は、上記した積層プロセスと実質的に同様の積層プロセスにかけられる。埋め込みダイアセンブリ1002はこうして高温に曝されて流動可能層1818を軟化させ、その後、埋め込みダイアセンブリ1002上に既に形成されている絶縁層1018に結合する。この結果、特定の実施形態では、流動可能層1818は絶縁層1018と一体化し、その延長部を形成する。流動可能層1818と絶縁層1018の一体化の結果、それまで露出していた相互接続部1444を覆う拡張し一体化した絶縁層1018が得られる。このため本明細書では、結合された流動可能層1818および絶縁層1018を、併せて絶縁層1018と記載する。ただし他の実施形態では、流動可能層1818の積層により、絶縁層1018上に第2の絶縁層(図示せず)が形成される。いくつかの例では、第2の絶縁層は絶縁層1018とは異なる材料で形成される。いくつかの実施形態では、第2の絶縁層は、絶縁層1018とは異なる、構造に関する、電気に関する、または組成に関する材料特性を有し得る。他の実施形態では、第2の絶縁層は絶縁層1018と同じ材料を含むが、異なる構造特性(例えば厚さ)を有する。
【0115】
特定の実施形態では、積層プロセスは、オートクレーブまたは他の好適なデバイス内で実行され得る、真空積層プロセスである。特定の実施形態では、積層プロセスはホットプレスプロセスを用いて実行される。特定の実施形態では、積層プロセスは、約80℃~約140℃の温度で、約1分~約30分の期間の間実行される。いくつかの実施形態では、積層プロセスは、基板302および絶縁膜1616に、約1分~約30分の期間の間、約80℃~約140℃の温度を適用しながら、10psig~約100psigの圧力を加えることを含む。例えば、積層プロセスは、約2分~約10分の期間の間、約30psig~約80psigの圧力で、約100℃~約120℃の温度で実行される。例えば、積層プロセスは約110℃の温度で約5分の期間の間実行される。更なる例では、積層プロセスは約30psig~約70psig、例えば約50psigの圧力で実行される。
【0116】
工程1706および
図18Cにおいて、支持層1822は、機械的プロセスによって、埋め込みダイアセンブリ1002上に積層された流動可能層1818から除去される。支持層1822を除去した後で、特定の実施形態では、埋め込みダイアセンブリ1002は、新たに拡張された絶縁層1018を完全に硬化させるための、硬化プロセスにかけられる。特定の実施形態では、硬化プロセスは、工程918および1150を参照して上記した硬化プロセスと実質的に同様である。例えば、硬化プロセスは、約140℃~約220℃の温度で約15分~約45分の期間の間、例えば、約160℃~約200℃の温度で約25分~約35分の期間の間、実行される。例えば、硬化プロセスは約180℃の温度で約30分の期間の間実行される。更なる実施形態では、工程1504における硬化プロセスは周囲圧力条件で、またはその近傍で実行される。
【0117】
その後、再分配層の形成を完了するための方法1500の工程1508~1522、例えば、上記したような、接着層および/またはシード層の堆積、再配線接続部のメッキ、等が実行され得る。
【0118】
図19は、本明細書に記載の実施形態に係る、例えば埋め込みダイアセンブリまたは他の半導体デバイスパッケージ構造上に配置する前に、絶縁膜を予備構造化するための方法1900の流れ図を示す。
図20A~
図20Cは、
図19に描かれた予備構造化方法1900の様々な段階における絶縁膜の断面図を概略的に示す。したがって、明確にするために、本明細書では
図19および
図20A~
図20Cを一緒に説明する。
【0119】
方法1900は、工程1902および対応する
図20Aで始まり、絶縁膜、例えば絶縁膜1816は、その流動可能層にビア1803などの1つまたは複数の特徴部が形成されるように、レーザアブレーションによってパターニングされる。ただしいくつかの実施形態では、リソグラフィおよび現像プロセス、または機械的なプレス加工プロセスによって絶縁膜がパターニングされて、そこに1つまたは複数の特徴部が形成される。特に断りのない限り、本明細書に記載する実施形態および例は、2つ以上の支持層またはカバー/保護層の間に挟まれた厚さ10~100μmの流動可能層を備える、任意の絶縁シートまたは絶縁膜上で実施され得る。
図20A~
図20Cに示す例では、絶縁膜1816は上記したような支持層1822に取り付けられた流動可能層1818を含み、更に、流動可能層1818の支持層1822の反対側の面に接着されたカバー層1824を含む。特定の実施形態では、カバー層1824は、支持層1822の材料と同様の材料で製作される。例えば、カバー層1824は軽量プラスチック材料、例えばPET、PP、PE、等で形成され得る。カバー層1824は、絶縁膜1816の予備構造化の際に、絶縁膜1816を例えば埋め込みダイアセンブリまたは他の半導体デバイスパッケージ構造上に配置する前に、除去され得る。
【0120】
また更に、本明細書に記載する実施形態および例は、バルクの絶縁膜に対して実施されても事前に個片化された絶縁膜に対して実施されてもよい。例えば、絶縁膜のロールに対して予備構造化を実施し、その後この絶縁膜を(例えば工程1906において)、バッチ式にまたは単一デバイスとして配置および積層できるように、任意選択的に個片化してもよい。
【0121】
上で検討したように、絶縁膜1816のパターニングは、任意の好適な種類のレーザ源2007を有するレーザアブレーションシステムを用いて達成され得る。特定の実施形態では、レーザ源2007は赤外(IR)レーザである。特定の実施形態では、レーザ源2007は、355nmのUVレーザまたは248nmのエキシマUVレーザなどの、UVレーザである。例えば、レーザ源2007は、ピコ秒またはフェムト秒UVレーザであってもよい。特定の実施形態では、レーザ源2007はフェムト秒グリーンレーザである。更に他の実施形態では、レーザ源2007はCO2レーザである。レーザ源2007は、絶縁膜1816をパターニングするための、連続またはパルスレーザビーム2010を生成し得る。例えば、特定の実施形態では、レーザ源2007は、約100kHz~約1000kHzの周波数を有するパルスレーザビームを生成し得る。一例では、レーザ源は、約100nm~約2000nmの波長で、約10E-4ns~約10E-2nsのパルス持続時間で、および約10μJ~約300μJのパルスエネルギーで、パルスレーザビームを供給するように構成される。
【0122】
レーザ源2007は、ビア1803を含め、絶縁膜1816に任意の所望のパターンおよび/または特徴部を形成するように構成されるが、それらは流動可能層1818を通る電気接続部をメッキするために利用され得る。例えば、レーザ源2007は、約5μm~約60μmの直径、例えば約10μm~約50μm、例えば約20μm~約45μmの直径を有するビア1803を形成するために利用され得る。ビア1803は、ビア1803内に続いてメッキされる電気接続部と、例えば、絶縁膜1816が表面に積層される埋め込みダイアセンブリまたは他の半導体デバイスパッケージ構造内の、相互接続部および/または再配線接続部との間の、接触/接合が可能になるような任意の所望の配置で/場所に、絶縁膜1816を貫通して配設され得る。
【0123】
パターニング後、絶縁膜1816は、工程1904および
図20Bにおいて、パターニングされた任意の特徴部の側壁を選択的に硬化させるための選択的な硬化プロセスにかけられ、この結果、パターニングされた特徴部が続く工程中にその形態を維持することが可能になる。例えば、工程1904における硬化プロセスは、方法1700を参照して説明したように、絶縁膜1816を、例えば埋め込みダイアセンブリ1002上への配置および積層中にビア1803がその形態および構造的完全性を維持するように、ビア1803の側壁を硬質化する(
図20Bに2020として示されている硬質化された側壁)ために利用され得る。この場合、選択的な硬化プロセスによって、例えば配置および積層中に、絶縁膜1816にパターニングされたいずれかの特徴が崩壊するのが防止される。
【0124】
一般に、硬化プロセスは高温で、例えば約140℃~約220℃の温度、例えば約160℃~約200℃の温度、例えば約180℃の温度で、実行され得る。特定の実施形態では、硬化プロセスはプラズマ硬化プロセスであり、パターニングされた絶縁膜1816は、N2、CH4、H2、CF4、および/またはO2種を含むプラズマに曝される。特定の他の実施形態では、硬化プロセスはUV硬化プロセスである。絶縁膜1816は、約1~約60秒の期間、例えば約2~約30秒の期間、例えば約5~約20秒の期間、例えば約10秒の期間の間、硬化プロセスにかけられ得る。
【0125】
工程1906および
図20Cにおいて、パターニングされ硬化された絶縁膜1816は、半導体デバイスパッケージ上に配置し積層するために任意選択的に個片化される。ただし特定の実施形態では、絶縁膜1816は、バッチまたはバルク半導体デバイスパッケージ構造上に配置および積層され、絶縁膜1816は上記したように、(更なる処理の後に)半導体デバイスパッケージ構造とともに個々のパッケージへと個片化され得る。更に他の実施形態では、絶縁膜1816は、予備構造化の前に個片化される。
【0126】
予備構造化がバルク絶縁膜上で実行される特定の実施形態では、方法1900は、ロールツーロール式の予備構造化装置を使用して実行される。
図21Aおよび
図21Bは、方法1900の間に使用される例示的なロールツーロール式の予備構造化装置2100を概略的に示す。装置2100は、巻き戻しモジュール2104と、巻き取りモジュール2106と、これらの間に配設された1つまたは複数の処理ステーションと、を含み得る。
図21Aの例では、装置2100は3つの処理ステーション2110、2120、および2130を有して示されており、これらは各々、方法1900の別個の工程を実行するのに利用され得る。例えば、処理ステーション2110は、
図21Bに示すように、工程1902を実行するためのレーザアブレーションシステムであってもよく、処理ステーション2120は、工程1904を実行するための処理チャンバまたはオーブンなどの硬化システムであってもよく、任意選択的な処理ステーション2130は、工程1906を実行するための個片化ステーションであってもよい。
【0127】
特定の実施形態によれば、各々が1つまたは複数のローラを含み得る巻き戻しモジュール2104および巻き取りモジュール2106は、処理ステーション2110、2120、および2130の各々を通る絶縁膜1816の供給(例えば圧延)が容易になるように、連動して動作する。絶縁膜1816は、絶縁膜1816の所望の領域が予備構造化中に順次パターニングされ、硬化され、個片化されるように、各処理ステーションに順次通され得る。
【0128】
再配線層を形成するために利用されることに加えて、予備構造化した絶縁膜1816は、埋め込みダイアセンブリまたは他の半導体デバイスパッケージ構造の基板/フレームおよび任意の半導体ダイを封入する、絶縁層を形成するためにも利用され得る。例えば、2つの予備構造化した絶縁膜1816を利用することによって、絶縁層1018と実質的に同様の絶縁層2318を、基板/フレーム、例えば上記した基板302上に形成することができる。
図22は、本明細書に記載の実施形態に係る、そのような絶縁層を形成するための方法2200のフロー図を示す。
図23A~
図23Gは、
図22に描かれた方法2200の様々な段階における基板302の断面図を概略的に示す。したがって、明確にするために、本明細書では
図22および
図23A~
図23Gを一緒に説明する。
【0129】
一般に、方法2200は、既にパターニングされ所望の特徴部が形成されている基板302が(例えば基準点を介して)位置合わせされ、第1の予備構造化した絶縁膜1816上に配置される、工程2202および
図23Aから始まる。特定の実施形態では、絶縁膜1816は、絶縁膜1816の流動可能層1818が基板302に積層されるとき、相互接続部、例えば相互接続部1444が後でビア303および1803の両方を通してメッキされ得るように、基板302に形成されたビア303と横方向に関して位置合わせされた、1つまたは複数のビア1803を含むように、予備構造化、すなわち基板302上に配置される前に構造化される。
【0130】
特定の実施形態では、基板302を絶縁膜1816上に、詳細にはその流動可能層1818上に配置した後で、基板302および絶縁膜1816を、同様の方法を参照して上記したように、後の処理工程中に機械的支持が得られるように、キャリア1024上に任意選択的に配置することができる。
【0131】
工程2204において、
図23Bに描かれているように、基板302に形成されたキャビティ305内に1つまたは複数の半導体ダイ1026が配置され、半導体ダイ1026はこの時点で、1つの面を絶縁膜1816によっておよび例えばその4つの面を基板302によって境界付けられるようになっている(
図23Bには単一の半導体ダイ1026が描かれている)。特定の実施形態では、ダイ1026は、その活性表面1028上に集積回路が形成されている多目的ダイである。ダイ1026はキャビティ305内に配置され、キャビティ305を通して露出した絶縁膜1816の表面上に位置付けられる。特定の実施形態では、ダイ1026は、絶縁膜1816上に配設または形成された接着層(図示せず)上に配置される。
【0132】
工程2206および
図23Cにおいて、この時点で絶縁膜1816上に配置されておりかつダイ1026が更に配設されている基板302が、積層プロセスにかけられる。積層プロセス中、基板302は高温に曝され、このことによって絶縁膜1816の流動可能層1818が軟化し、キャビティ305の内壁とダイ1026との間の間隙1051内へと流れ込む一方、基板302のビア303は、ビア1803の側壁2020の事前の硬化に起因して、充填されないままである。上記したように、ビア1803の側壁2020を選択的に硬化させることによりその構造的完全性が維持され、この結果、積層時に流動可能層1818の誘電体材料がビア303内に流れ込むことが防止される(例えば、流動可能層1818がビア3030を塞ぐことが防止される)。これを受けて、半導体ダイ1026は、
図23Cに描かれているように、絶縁膜1816および基板302の材料内に、少なくとも部分的に埋め込まれた状態になる。加えて、基板302は流動可能層1818に固着された状態になる。
【0133】
特定の実施形態では、積層プロセスは、オートクレーブまたは他の好適なデバイス内で実行され得る、真空積層プロセスである。特定の実施形態では、積層プロセスはホットプレスプロセスを用いて実行される。特定の実施形態では、積層プロセスは、約80℃~約140℃の温度で、約5秒~約1.5分、例えば約30秒~約1分の期間の間、実行される。いくつかの実施形態では、積層プロセスは、基板302および絶縁膜1016aに、約5秒~約1.5分の期間の間、約80℃~約140℃の温度を適用しながら、約1psig~約50psigの圧力を加えることを含む。例えば、積層プロセスは、約10秒~約1分の期間の間、約5psig~約40psigの圧力で、約100℃~約120℃の温度で実行される。例えば、積層プロセスは、約110℃の温度で約20秒の期間の間実行される。
【0134】
特定の実施形態では、積層の前に、
図23Cに示すように、基板302の露出面、例えば面1077の上に、保護膜、例えば保護膜1060が配置される。特定の実施形態では、保護膜1060は、支持層1022aの材料と同様の材料で形成される。例えば、保護膜1060は二軸PETなどのPETで形成される。ただし保護膜1060は任意の好適な保護材料で形成されてもよい。保護膜1060は、積層後、後で検討する工程2208の前に除去される。
【0135】
工程2208および
図23Dにおいて、第2の予備構造化した絶縁膜1816が(例えば基準点を介して)位置合わせされ、基板302の反対側、例えば側1077に配置される。特定の実施形態では、第2の絶縁膜1816は、その流動可能層1818がキャビティ305内のダイ1026の活性表面1028に接触しこれを覆うように位置付けられる。第2の絶縁膜1816は、基板302に形成されたビア303と横方向に関して位置合わせされた1つまたは複数のビア1803と、各埋め込みダイ1026の活性表面1028上に形成されたコンタクト1030と横方向に関して位置合わせされた1つまたは複数のビア1803と、を含むように、予備構造化され得る。この場合、相互接続部、例えば相互接続部1444は、続いてビア303および1803の両方を通してメッキされてもよく、埋め込みダイ1026を他のデバイスに接続するためのコンタクト1030に更に配線されてもよい。
【0136】
この時点で第1の側1075の第1の絶縁膜1816に固着されておりかつ第2の側1077に第2の絶縁膜1816が配置されている、基板302は、工程2210および
図23Eにおいて、第2の積層プロセスにかけられる。工程2206における積層プロセスと同様に、基板302は高温に曝され、このことによって第2の絶縁膜1816の流動可能層1818が軟化し、キャビティ305の内壁とダイ1026との間の残りの開いた間隙1051内へと流れ込み、この結果、第1の絶縁膜1816の流動可能層1818の絶縁材料と流動可能層1818が一体化する。これを受けて、キャビティ305は満たされた(例えば、充填された、封止された)状態になり、半導体ダイ1026は流動可能層1818の絶縁材料内に完全に埋め込まれた状態になるが、ビア303および1803は開かれたままである。
【0137】
特定の実施形態では、第2の積層プロセスは、オートクレーブまたは他の好適なデバイス内で実行され得る、真空積層プロセスである。特定の実施形態では、積層プロセスはホットプレスプロセスを用いて実行される。特定の実施形態では、積層プロセスは、約80℃~約140℃の温度で、約1分~約30分の期間の間実行される。いくつかの実施形態では、積層プロセスは、基板302および絶縁膜1016bに、約1分~約30分の期間の間、約80℃~約140℃の温度を適用しながら、約10psig~約150psigの圧力を加えることを含む。例えば、積層プロセスは、約2分~10分の期間の間、約20psig~約100psigの圧力で、約100℃~約120℃の温度で実行される。例えば、積層プロセスは約110℃の温度で約5分の期間の間実行される。
【0138】
工程2212および
図23Fにおいて、積層された埋め込みダイアセンブリ1002はいずれかのキャリアおよび/または保護膜から取り外され、支持層1822が除去され、埋め込みダイアセンブリ1002は硬化プロセスにかけられる。一般に、支持層1822ならびに任意のキャリアおよび/または保護膜は、埋め込みダイアセンブリ1002から、そこから剥離するなどの任意の好適な機械的プロセスによって除去される。その後、埋め込みダイアセンブリ1002は、流動可能層1818の絶縁誘電体材料を完全に硬化させる(すなわち、化学反応および架橋によって硬質化させる)ための硬化プロセスにかけられ、この結果硬化した絶縁層2318が形成される。絶縁層2318は、ビア303の側壁を除いて、基板302およびこれに埋め込まれた半導体ダイ1026を実質的に取り囲んでいる。例えば、絶縁層2318は、基板302(表面606、608を含む)の少なくとも側1075、1077と、各半導体ダイ1026の少なくとも6つの面もしくは表面とに接触するか、またはこれらを封入するが、ビア303の側壁は露出したままとする。
【0139】
特定の実施形態では、硬化プロセスは、埋め込みダイアセンブリ1002が完全に硬化するように、高温で実行される。例えば、硬化プロセスは、約140℃~約220℃の温度で約15分~約45分の期間の間、例えば、約160℃~約200℃の温度で約25分~約35分の期間の間、実行される。例えば、硬化プロセスは約180℃の温度で約30分の期間の間実行される。更なる実施形態では、工程2212における硬化プロセスは、周囲(例えば大気)圧力条件で、またはその近傍で実行される。
【0140】
硬化が終わると、
図13および
図14A~
図14Hを参照して上記したように埋め込みダイアセンブリ1002に相互接続経路を形成し、個片化を行って、完成したパッケージを形成する準備が整う。
図23Gには参考のために例示的なパッケージ2302が描かれている。上記した方法を利用して、ダイ1026を含む1つまたは複数の構成要素および/または他のパッケージ構造の相互接続のために、埋め込みダイアセンブリ1002のビア303および1803を通して相互接続部1444が形成され得る。ただし、先に説明した例とは異なり、方法2200の積層プロセス中にはビア303内に絶縁材料が流れ込まないので、相互接続部1444、ならびに/または接着層1440および/もしくはシード層1442は、(ビア303内に形成されたアセンブリ貫通ビア内ではなく)ビア303の側壁上に直接形成されてもよい。この場合、(
図2および
図3Dを参照して説明したように)ビア303の側壁上には酸化物層が形成されている場合があるので、相互接続部1444は、ビア303内の酸化物層の上に形成されてもよい。
【0141】
上では2つの予備構造化した絶縁膜1816の各々について別個の積層プロセスを用いて説明したが、特定の実施形態では、方法2200は両方の膜に対して単一の積層プロセスのみを含み、その結果、方法2200の工程の量が少なくなる。例えば、特定の実施形態では、工程2204においてキャビティ305内にダイ1026が配置された後で、第2の絶縁膜1816が基板302の上に配置される工程2208が実行されてもよい。これを受けてその後、工程2210において、両方の絶縁膜1816を、上記した積層パラメータに従って同時に積層することができる。
【0142】
特定の実施形態では、方法2200は、予めメタライズされた基板302を用いて実行され得ることに留意されたい。例えば、基板302は、メッキされた相互接続部1444が既に中に形成されている1つまたは複数のビア302(ならびに/あるいは接着層1440および/またはシード層1442)を含み得る。この場合、その上に予備構造化した絶縁膜1816を積層し硬化させた後で、予めメタライズされた相互接続部を、本明細書で検討する任意の好適な技術によって、ビア1803を通して延長することができる。
【0143】
図17、
図18A~
図18C、
図19、
図20A~
図20C、
図21A~
図21B、
図22、および
図23A~
図23Gを参照して上記したように、予備構造化した絶縁膜を利用することにより、より従来的な絶縁および/またはビルドアップ方法と比較して、いくつかの利点が得られる。例えば、予備構造化した絶縁膜を利用することで、短波長レーザ(例えばエキシマレーザ)を使用して、その誘電体材料を損傷することなく、直径約5μm以下などの、大幅に寸法を縮小した再配線ビアの形成が可能になる。絶縁膜のレーザアブレーションはそこに固着された支持層および/またはカバー層を除去する前に行われるため、支持層および/またはカバー層は、構造化中に流動可能層の表面に蓄積された何らかの熱を吸収することになり、その後除去され得る。更に、絶縁膜の構造化は基板とは別に行われるため、基板/フレーム上の既にメタライズされたコンタクトパッドの何らかの切除、改変、アンダーカット、および/または炭化を回避することができ、先にメタライズされた層のデブリまたは銅のオーバーハングを除去するために必要となり得る有害なエッチングプロセスまたはデスミアプロセスが不要になり得る。加えて、いくつかの工程(例えば、積層、デスミア、エッチング等の後の基板/フレームのビアを貫通する再穿孔)を回避できるので、半導体デバイスパッケージの形成に必要な工程の総数を減らすことができ、以って半導体デバイスパッケージの製造がより効率的になる。
【0144】
上記した方法によって形成されたパッケージ構造、例えばパッケージ1602および2302は、任意の好適なパッケージング用途で、任意の好適な構成で利用され得る。
図24Aに描かれている1つの例示的な実施形態では、スタック型DRAM構造2400を形成するために、4つのパッケージ1602が利用される。この場合、各パッケージ1602は、基板302内に埋め込まれかつ絶縁層1018によって封入された(例えば、各面の一部が絶縁層1018と接触している)、メモリダイ2426(すなわちメモリチップ)を含む。各パッケージ1602の厚さ全体にわたって1つまたは複数の相互接続部1444が形成され、これは、隣り合う(すなわち上下にスタックされた)パッケージ1602の主要な表面1005と主要な表面1007との間に配設された、1つまたは複数のはんだバンプ2446と直接接触している。例えば、スタック型DRAM構造2400に描かれているように、隣り合うパッケージ1602の間に4つ以上のはんだバンプ2446が配設されて、各パッケージ1602の相互接続部1444を、隣り合うパッケージ1602の相互接続部1444と橋渡し(例えば、接続、結合)する。
【0145】
特定の実施形態では、はんだバンプ2446の信頼性を高めるために、はんだバンプ2446によって接続された隣り合うパッケージ1602の間の空隙が、封入材料2448で充填される。封入材料2448は、任意の好適な種類の封入材またはアンダーフィルであり得る。一例では、封入材料2448としては、ノーフローアンダーフィル(NUF)材料、非導電性ペースト(NCP)材料、および非導電性膜(NCF)材料などの、プリアセンブリアンダーフィル材料が挙げられる。一例では、封入材料2448としては、キャピラリアンダーフィル(CUF)材料および成形アンダーフィル(MUF)材料などの、ポストアセンブリアンダーフィル材料が挙げられる。特定の実施形態では、封入材料2448は、SiO2、AlN、Al2O3、SiC、Si3N4、Sr2Ce2Ti5O16、ZrSiO4、CaSiO3、BeO、CeO2、BN、CaCu3Ti4O12、MgO、TiO2、ZnOなどを充填した(例えば含有する)エポキシ樹脂などの、低膨張フィラー含有樹脂を含む。
【0146】
特定の実施形態では、はんだバンプ2446は、スズ(Sn)と鉛(Pb)、銀(Ag)、Cu、またはその任意の他の好適な金属の組合せなどの、1種または複数種の金属間化合物で形成される。例えば、はんだバンプ2446は、Sn-Pb、Sn-Ag、Sn-Cuなどのはんだ合金、または他の好適な材料もしくはそれらの組合せで形成される。特定の実施形態では、はんだバンプ2446はC4(制御コラスプチップ接続)バンプを含む。特定の実施形態では、はんだバンプ2446は、C2(はんだキャップ付きCuピラーなどのチップ接続)バンプを含む。C2はんだバンプを使用することで、コンタクトパッド間のピッチをより小さくすること、ならびにスタック型DRAM構造2400の熱特性および/または電気特性を改善することが可能になる。いくつかの実施形態では、はんだバンプ2446は約10μm~約150μmの直径、例えば約50μm~約100μmの直径を有する。はんだバンプ2446は更に、電気化学堆積(ECD)および電気メッキを含むがこれらに限定されない、任意の好適なウエハバンピングプロセスによって形成され得る。
【0147】
図24Bに描かれている別の例示的な実施形態では、4つのパッケージ1602をスタックし、各パッケージ1602の1つまたは複数の相互接続部1444を、1つまたは複数の隣り合うパッケージ1602の相互接続部1444と直接結合することによって、スタック型DRAM構造2401が形成される。描かれているように、パッケージ1602はハイブリッド接合によって接合されてもよく、その場合、隣り合うパッケージの主要な表面1005および1007は平坦化され、互いに完全に接触している。したがって、各パッケージ1602の1つまたは複数の相互接続部1444は各パッケージ1602の厚さ全体を通して形成され、少なくとも1つの別の隣り合うパッケージ1602の1つまたは複数の相互接続部1444と直接接触する。
【0148】
スタック型DRAM構造2400および2401では、従来のDRAM構造と比較して複数の利点が得られる。そのような利点には薄いフォームファクタおよび高いダイ対パッケージ体積比が含まれ、これらによって、人工知能(AI)および高性能コンピューティング(HPC)の高まり続ける帯域幅および電力効率の要求に応えるようなより大きいI/Oスケーリングが可能になる。構造化したシリコンフレームを利用することによって、3次元集積回路(3D IC)アーキテクチャの電気的性能、熱管理、および信頼性を改善するための、最適な材料剛性および熱伝導性が得られる。また更に、本明細書に記載するアセンブリ貫通ビアおよびビアインビア構造の製造方法は、3D集積のための高い性能および適応性を、従来のTSV技術と比較して比較的低い製造コストで実現する。
【0149】
本明細書に記載する実施形態は有利には、高度な集積回路パッケージを製造するための基板構造化およびダイ組立ての改善された方法を提供する。上記した方法を利用することにより、ガラス基板および/またはシリコン基板上に高アスペクト比の特徴部を形成することができ、この結果、より薄くより面積の小さい半導体デバイスパッケージを経済的に形成することが可能になる。上記した方法を利用して製造された薄型でフォームファクタの小さいパッケージでは、高いI/O密度ならびに帯域幅および電力の改善に加えて、重量/慣性の低減と柔軟なはんだボール分布を可能にするパッケージアーキテクチャとに起因して応力が低減され、信頼性がより高くなるという利益も得られる。上記した方法の更なるメリットとして、両面メタライゼーション能力による経済的な製造、ならびに、従来のおよび先進のパッケージの大量製造で特徴部のダメージが発生し易い、フリップチップ実装およびオーバーモールドのステップを省くことによる、高い生産歩留まりが挙げられる。
【0150】
上記の内容は本開示の実施形態に向けられているが、本開示の他の更なる実施形態がその基本的範囲から逸脱することなく考案され得、その範囲は以下の特許請求の範囲によって決定される。
【国際調査報告】