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特表2024-525404化学機械研磨(CMP)中のスラリ削減のためのスプレーシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-12
(54)【発明の名称】化学機械研磨(CMP)中のスラリ削減のためのスプレーシステム
(51)【国際特許分類】
   B24B 37/00 20120101AFI20240705BHJP
   B24B 37/30 20120101ALI20240705BHJP
   B24B 37/12 20120101ALI20240705BHJP
   B24B 37/005 20120101ALI20240705BHJP
   B24B 53/017 20120101ALI20240705BHJP
   B24B 53/12 20060101ALI20240705BHJP
   B24B 57/02 20060101ALI20240705BHJP
   H01L 21/304 20060101ALI20240705BHJP
【FI】
B24B37/00 K
B24B37/30 E
B24B37/12 D
B24B37/005 Z
B24B53/017 A
B24B53/12 Z
B24B57/02
H01L21/304 622E
H01L21/304 622R
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023579199
(86)(22)【出願日】2022-06-14
(85)【翻訳文提出日】2024-02-20
(86)【国際出願番号】 US2022033476
(87)【国際公開番号】W WO2022271492
(87)【国際公開日】2022-12-29
(31)【優先権主張番号】17/359,255
(32)【優先日】2021-06-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】チョウ, チー チュン
(72)【発明者】
【氏名】アイヤー, アーナンド ニラカンタン
(72)【発明者】
【氏名】ミハイリチェンコ, エカテリーナ
(72)【発明者】
【氏名】リー, クリストファー フンギュン
(72)【発明者】
【氏名】ロンダム, エリック
(72)【発明者】
【氏名】チャン, ティファニー ユー-ノン
(72)【発明者】
【氏名】チャン, シュー-ソン
【テーマコード(参考)】
3C047
3C158
5F057
【Fターム(参考)】
3C047AA15
3C047AA18
3C047AA34
3C047EE11
3C047FF08
3C047GG01
3C047GG19
3C047GG20
3C158AA07
3C158AA19
3C158AC04
3C158BB02
3C158BC01
3C158BC02
3C158CB03
3C158CB05
3C158DA12
3C158DA17
3C158EA13
3C158EB01
5F057AA03
5F057AA31
5F057BA11
5F057CA11
5F057DA03
5F057EB27
5F057FA20
5F057FA36
5F057FA39
5F057FA42
5F057GA07
5F057GA27
(57)【要約】
化学機械研磨(CMP)システム内の研磨パッド上に研磨液を分注するための方法及び装置が、本明細書において開示される。具体的には、本明細書の実施形態は、キャリアアセンブリを使用して研磨システムのパッドの表面に基板を押し付けることを含むCMP研磨方法に関する。流体は、流体供給アセンブリから可変流量でパッド上に分注され、可変流量の第1の流量は、周波数及びデューティサイクルでパルス化される。周波数とは、パッドの1回転あたりの第1の流量における流体のパルス数を指す。用語デューティサイクルとは、パッドが1回転する間に流体に暴露されるパッドの割合のことを指す。キャリアアセンブリは、回転軸を中心にキャリアアセンブリを回転させながら、パッドの表面を横切って平行移動される。
【選択図】図2A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板の研磨方法であって、
キャリアアセンブリを使用して研磨システムのパッドの表面に基板を押し付けることと、
流体供給アセンブリから可変流量で前記パッド上に流体を分注することであって、前記可変流量の第1の流量は周波数及びデューティサイクルでパルス化され、前記周波数は前記パッドの1回転あたりの前記第1の流量における前記流体のパルス数であり、前記デューティサイクルは前記パッドが1回転する間に流体に暴露される前記パッドの割合である、流体供給アセンブリから可変流量で前記パッド上に流体を分注することと、
回転軸を中心に前記キャリアアセンブリを回転させながら、前記パッドの表面を横切って前記キャリアアセンブリを平行移動させることと
を含む方法。
【請求項2】
前記パッド上に前記流体を分注することは、1又は複数のノズルから前記流体を分注することを含み、各ノズルは前記パッドに沿った対応する半径方向位置で前記流体を分注する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
対応する可変流量で分注するように各分注ノズルを制御することを更に含み、各可変流量を制御することは、対応する周波数及びデューティサイクルで各ノズルをオン及びオフすることを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記流体は、キャリアアセンブリの平行移動経路の先端に近接して前記パッド上に分注される、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記流体を分注することは更に、
少なくとも1つのパッド回転に対して、少なくとも1つのノズルのデューティサイクルを100%に設定することと、
前記少なくとも1つのノズルのデューティサイクルを減少させることと、
少なくとも1つのノズルの周波数及び少なくとも1つの流量を設定することと
を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項6】
前記流体を分注することは更に、単一の流体供給容器から前記流体を分注することを含み、前記流体は各ノズルに分割される、請求項2に記載の方法。
【請求項7】
各ノズルは、前記パッドの対応するゾーンに分注し、各ゾーンに分注された流体のスプレープロファイルは、前記ノズル全体にわたる流体流量比を調整することによって制御され、前記流体流量比は、互いに対する各ノズルの可変流量に基づいて決定される、請求項2に記載の方法。
【請求項8】
各ノズルのデューティサイクルは約25%から約80%である、請求項2に記載の方法。
【請求項9】
前記流体を分注することは、各ノズルから対応するファンジェットで流体を分注することを含み、各ファンジェットはエッジからエッジまでの角度を含み、各角度は約15度から約110度である、請求項2に記載の方法。
【請求項10】
前記流体を分注することは更に、異なる流体供給容器から異なる流体を分注することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
基板の処理装置であって、
プラテン上に配置されたパッドであって、パッド半径及び前記パッド半径が延びる中心軸を有するパッドと、
前記パッドの表面上に配置されるように構成され、キャリアアセンブリの回転軸から延びるキャリア半径を有するキャリアアセンブリと、
1又は複数のノズルを含む流体供給アセンブリであって、各ノズルは高速作動バルブに結合される、流体供給アセンブリと
を備える装置。
【請求項12】
前記流体供給アセンブリはパッドコンディショナアームに結合される、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記流体供給アセンブリは少なくとも2つのノズルを備え、各ノズルは対応する出口サイズを含み、各ノズルの出口サイズは少なくとも1つの他のノズルと異なる、請求項11に記載の装置。
【請求項14】
流体供給アセンブリであって、
アームと、
前記アームに結合されたプレートと、
フラットファンジェット形状を有する加圧流体を分注するように構成された1又は複数のファンジェットノズルであって、各ノズルは前記プレートの一部及び高速作動バルブに結合され、ノズル間の間隔は前記プレートの長さに沿って調整可能である、ファンジェットノズルと
を備える流体供給アセンブリ。
【請求項15】
前記プレートに結合され、前記プレートを後退位置と伸長位置との間で移動させるように構成されたアクチュエータを更に備える、請求項14に記載の流体供給アセンブリ。
【請求項16】
前記アクチュエータはリニアアクチュエータである、請求項15に記載の流体供給アセンブリ。
【請求項17】
各ノズルの位置は、前記プレートの主要面の長さ及び幅に沿って調整可能であり、前記プレートの主要面は、パッドの表面に対して実質的に垂直な平面上にある、請求項14に記載の流体供給アセンブリ。
【請求項18】
1又は複数のノズルの第1のノズルは、前記1又は複数のノズルの第2のノズルから半径方向外側に配置され、前記第1のノズルは、前記第2のノズルに対してより大きい出口直径を含む、請求項14に記載の流体供給アセンブリ。
【請求項19】
各隣接するノズル間の各間隔は互いに実質的に等しい、請求項14に記載の流体供給アセンブリ。
【請求項20】
ノズルクランプを含むアダプタを更に備え、前記アダプタは前記高速作動バルブに結合され、前記高速作動バルブはソレノイドバルブである、請求項14に記載の流体供給アセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本開示の実施形態は、概して、半導体デバイスの製造において使用される化学機械研磨(CMP)システム及び方法に関する。具体的には、本明細書の実施形態は、低減された量の研磨液を使用して研磨液を均一に分注するシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
[0002]化学機械研磨(CMP)は一般に、半導体デバイスの製造において、基板表面に堆積した材料層を平坦化又は研磨するために使用される。典型的なCMPプロセスでは、基板は、研磨液の存在下で基板の裏側を回転する研磨パッドに向けて押圧する基板キャリアに保持される。一般に、研磨液は、1又は複数の化学成分の水溶液と、水溶液中に懸濁されたナノスケールの研磨粒子とを含む。材料は、研磨液、及び基板と研磨パッドの相対運動によってもたらされる化学的及び機械的活性の組み合わせを通して、研磨パッドと接触している基板の材料層表面にわたって除去される。
【0003】
[0003]研磨液は、一般に、研磨パッドが回転するにつれて研磨液が研磨パッドの外側エッジに向かって移動するように、研磨パッドの中心に向かって第1のアームから研磨パッド上に分注される。研磨液は多くの場合、基板キャリアの下にある基板のエッジ近辺に蓄積する。基板エッジ近辺に研磨液が蓄積すると、基板材料の除去プロファイルが不均一になり、エッジ近辺の除去速度が上昇又は低下する。一般的な流体分注スラリ管又はスラリ供給ハードウェアは、低流量では流体を均一に分注しない。その結果、高流量の流体が連続的に使用され、工程中に流体が無駄になる。
【0004】
[0004]従って、パッド寿命への影響を最小限に抑え、流体消費を削減しながら、研磨液を均一に分配するシステム及び方法に対するニーズが当業界に存在する。
【発明の概要】
【0005】
[0005]幾つかの実施形態では、キャリアアセンブリを使用して研磨システムのパッドの表面に基板を押し付けることと、流体供給アセンブリから可変流量でパッド上に流体を分注することとを含む、基板の研磨方法が提供される。可変流量の第1の流量は周波数及びデューティサイクルでパルス化され、周波数はパッドの1回転あたりの第1の流量における流体のパルス数であり、デューティサイクルはパッドが1回転する間に流体に暴露されるパッドの割合である。本方法は、回転軸を中心にキャリアアセンブリを回転させながら、パッドの表面を横切ってキャリアアセンブリを平行移動させることを含む。
【0006】
[0006]幾つかの実施形態では、基板の処理装置が提供される。本装置は、プラテン上に配置されたパッドを含む。パッドは、パッド半径及びパッド半径が延びる中心軸を有する。キャリアアセンブリは、パッドの表面上に配置されるように構成され、キャリアアセンブリの回転軸から延びるキャリア半径を有する。1又は複数のノズルを含む流体供給アセンブリが提供され、各ノズルは高速作動バルブに結合される。
【0007】
[0007]幾つかの実施形態では、アームと、アームに結合されたプレートと、フラットファンジェット形状を有する加圧流体を分注するように構成された1又は複数のファンジェットノズルとを含む流体供給アセンブリが提供される。各ノズルは、プレートの一部及び高速作動バルブに結合される。ノズル間に設けられた間隔はプレートの長さに沿って調整可能である。
【0008】
[0008]上述した本開示の特徴を詳細に理解できるように、一部が添付の図面に例示された実施形態を参照しながら、上記に要約した本開示をより具体的に説明する。しかし、添付の図面は例示的な実施形態を示すものに過ぎず、したがって、その範囲を限定するものと見なすべきではなく、他の等しく有効な実施形態も許容しうることに留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】幾つかの実施形態に係る本開示の方法と共に使用され得る研磨システムの概略側面図である。
図2A】幾つかの実施形態に係る研磨システムの概略平面図である。
図2B】幾つかの実施形態に係る研磨システムの概略平面図である。
図2C】幾つかの実施形態に係る研磨システムの斜視図である。
図2D】幾つかの実施形態に係る研磨システムの概略平面図である。
図3A】幾つかの実施形態に係る研磨システムの概略平面図である。
図3B】幾つかの実施形態に係る研磨システムの斜視図である。
図4】幾つかの実施形態に係るノズル及び高速作動バルブの断面図である。
図5】幾つかの実施形態に係る流体ノズルプレートの主要面の平面図である。
図6】幾つかの実施形態に係る流体供給システムの概略図である。
図7】幾つかの実施形態に係る流体供給システムの概略図である。
図8】幾つかの実施形態に係る基板の研磨方法のフロー図である。
図9】幾つかの実施形態に係る研磨パッド全体にわたる例示的なスプレーゾーンプロファイルを示す図である。
図10】幾つかの実施形態に係る研磨パッド上のスプレーパターンの概略上面図である。
図11】幾つかの実施形態に係る研磨パッド上のスプレーパターンの概略上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[0024]理解を容易にするために、可能な限り、図面に共通の同一要素を示すのに同一の参照番号を使用している。一実施形態の要素及び特徴は、さらなる詳述なしに他の実施形態に有益に組み込まれ得ると考えられる。
【0011】
[0025]本開示の実施形態は、概して、CMPシステム内の研磨パッド上への研磨液の供給を制御することによって、化学機械研磨(CMP)処理における研磨液の使用量を削減するための装置及び方法に関する。研磨液は、オン及びオフパルス等の可変流体流量を有する1又は複数の流体ノズルを用いて供給される。流体ノズルは、回転するキャリアアセンブリ上に配置された基板が、流体が分注された直後に流体上を通過するように、回転するキャリアアセンブリの平行移動経路の先端に近接して研磨システム上に位置決めされる。流体ノズルは、アセンブリの異なる半径方向位置に沿ってアセンブリ上に位置決めされ、研磨パッドの異なるゾーンに研磨液の平坦なジェット流を分注することができる。平坦なジェット流は各々、パルシングのデューティサイクル及び分注の周波数を制御すること等により、独立して制御される。本明細書で使用する「デューティサイクル」という用語は、パッドが1回転する間に流体ノズルからの流体に暴露されるパッドの割合を指し、「周波数」という用語は、パッドの1回転あたりに流体ノズルが開位置に切り替えられる回数を指す。
【0012】
[0026]従来の流体分注システムは、ノズルから研磨パッド上に分注される研磨液の連続流量を使用する。研磨液の連続流は、基板が研磨液に到達する前に研磨液の一部が失われる結果となる。更に、従来の流体分注システムは、通常、流体を分注するために単一のノズルを使用する。その結果、基板の特定の領域に所望の流体を蓄積させるためには、大量の流体が必要となる。対照的に、本明細書で提供される装置及び方法は、基板の異なる領域における流体分注の制御を可能にし、工程中に分注される流体が少なくなるように流体をパルス化する。研磨液の化学的性質及び用途によっては、従来のプロセスに対して約30%から約50%の削減等、10%を超える研磨液の削減が達成される。幾つかの従来の流体分注プロセスにおいて、従来のシステムは、200mL/分以上の速度で研磨液を分注する。対照的に、本明細書に記載の装置及び方法は、約80mL/分から約190mL/分、例えば約100mL/分から約140mL/分で研磨液を分注する。低減された速度は、パッドの異なる領域に方向づけされた1又は複数のノズルをパルス化することによって可能である。
【0013】
[0027]CMPプロセスで使用される典型的な研磨液は、水溶液中に懸濁されたナノスケールの研磨粒子とともに、1又は複数の化学成分の水溶液を含む。CMP処理中の基板のエッジ近辺における研磨液の蓄積及び研磨粒子の濃度等の流体の蓄積及び流体成分の濃度の増加及び減少、及び/又は研磨液の化学組成により、基板のエッジ近辺における除去速度が加速又は減速し得る。
【0014】
[0028]従来のシステムで200mL/分未満の低流量を使用すると、除去速度が損なわれる、又は欠陥の発生が増加することが判明している。対照的に、本明細書で提供されるプロセス及び装置は、除去速度を損なうことなく、及び/又は欠陥の発生を増加させることなく、流体流の削減及びパッド表面の均一なカバレッジの増加を可能にする。本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができる幾つかの実施形態では、複数のノズルがアセンブリ上に位置決めされ、パッドの中心に対して半径方向内側に整列したフラットジェットスプレーとして方向づけされる。幾つかの構成では、プロセスは、パッド及び/又はプラテンの形状寸法、ならびに流体が研磨パッドに沿って、基板キャリア及び基板の下をどのように移動するかを考慮して、基板の中心等の基板の他の領域にわたる流体の濃度及び/又は流れに実質的に影響を与えることなく、基板のエッジ等の基板の所望の部分に流体を供給する。本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができる幾つかの実施形態では、基板キャリアの回転速度とプラテンの回転速度は可変である。プラテンと基板キャリアアセンブリの両方の回転速度は、研磨液が研磨プロセスに及ぼす影響に影響を与える。これは、プロセス結果を変化させ、所定の結果を得るために使用することができる。
【0015】
[0029]本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができる幾つかの実施形態では、基板キャリアは、毎分約30回転(rpm)から約165rpm、例えば約50rpmから約150rpmの速度で回転される。本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができる幾つかの実施形態では、プラテンが回転する間、基板キャリアアセンブリを静止させることができる。プラテンは、約20rpmから約150rpm、例えば約35rpmから約120rpmの速度で回転し得る。
【0016】
[0030]幾つかの実施形態では、基板キャリア及びプラテンは、本明細書に列挙した回転速度範囲よりも高い回転速度範囲又は低い回転速度範囲のいずれかで回転することができ、異なる研磨用途に対応するように調整することができる。幾つかの実施形態では、基板キャリア及びプラテンの両方が同様の速度で回転されるが、他の実施形態では、基板キャリア及びプラテンは、基板キャリアがプラテンよりも速く回転する、又はプラテンが基板キャリアよりも速く回転するように、異なる速度で回転される。本明細書に開示される実施形態では、基板のエッジは、基板の最も外側の10mmと定義され、直径300mmの基板の場合、基板の中心部分は半径の最も内側の140mmである。
【0017】
[0031]図1は、幾つかの実施形態に係る本明細書で提供される方法と共に使用され得る研磨システム100の概略側面図である。研磨システム100は、フレーム(図示せず)と、基板処理環境103を画定する複数のパネル101とを含む。研磨システム100は、基板処理環境103内に配置された複数の研磨ステーション102(1つ図示)及び複数の基板キャリアアセンブリ104(1つ図示)を含む。
【0018】
[0032]図1に示すように、研磨ステーション102は、プラテン106と、プラテン106上に取り付けられ、それに固定された研磨パッド105と、研磨パッドを洗浄及び/又は再生するためのパッドコンディショナアセンブリ138と、1又は複数の流体(例えば、研磨液及び/又は水)を研磨パッド105上に分注するための流体供給アセンブリ112と、研磨パッド105上に配置されるように構成された回転する基板キャリアアセンブリ104と、コントローラ160とを含む。幾つかの実施形態では、研磨ステーション102は更に、小型流体供給アセンブリ112に加えて、1又は複数の流体(例えば、研磨液及び/又は水)を研磨パッド105上に分注するための第2の流体供給アセンブリ110を含む。幾つかの実施形態では、研磨ステーション102は、単一の小型流体供給アセンブリ112を含む。コントローラ160は、プラテン106、パッドコンディショナアセンブリ138、及び流体供給アセンブリ112の各々に接続される。本明細書において、プラテン106は、ベースプレート114の上方に配置され、プラテンシールド120(両方とも断面で示す)によって取り囲まれており、これらは集合的に排水域116を画定する。排水域116は、プラテン106から半径方向外側に回転された流体を集め、排水域116と流体連結されたドレーン118を通して流体を排出するために使用される。
【0019】
[0033]パッドコンディショナアセンブリ138は、ブラシ(図示せず)等で研磨パッド105から研磨副生成物を掃引することによって、及び/又は研磨パッド105に研磨パッドコンディショニングディスク124(例えば、ダイヤモンド含浸ディスク)を押し付けることによって研磨パッド105を研磨することにより、研磨パッド105を洗浄及び/又は再生するために使用される。パッドコンディショニング工程は、基板を研磨する間に、すなわちエクスシトゥコンディショニング、基板を研磨するのと同時に、すなわちインシトゥコンディショニング、又はその両方で行うことができる。
【0020】
[0034]本明細書において、パッドコンディショナアセンブリ138は、ベースプレート114上に配置された第1のコンディショナアクチュエータ126と、第1のコンディショナアクチュエータ126に結合されたコンディショナアーム128と、それに固定結合されたコンディショナディスク124を有するコンディショナ取り付けプレート130とを含む。コンディショナアーム128の第1の端部は、第1のコンディショナアクチュエータ126に結合され、取り付けプレート130は、第1の端部から遠位のコンディショナアーム128の第2の端部に結合される。第1のコンディショナアクチュエータ126を使用して、軸Cを中心にコンディショナアーム128、したがってコンディショナディスク124を掃引することにより、研磨パッド105がその下方で回転する間に、コンディショナディスク124が研磨パッド105の内側半径と研磨パッド105の外側半径との間で振動する。幾つかの実施形態では、パッドコンディショナアセンブリ138は更に、コンディショナアーム128の第2の端部に配置され、それに結合された第2のコンディショナアクチュエータ132を含み、第2のコンディショナアクチュエータ132は、軸Dを中心としてコンディショナディスク124を回転させるために使用される。典型的には、取り付けプレート130は、それらの間に配置されたシャフト133を用いて第2のコンディショナアクチュエータ132に結合される。
【0021】
[0035]一般に、回転する基板キャリアアセンブリ104は、研磨パッド105がその下方のプラテン軸Bを中心に回転する間に、プラテン106の所望の領域を横切って前後に掃引される。幾つかの構成では、基板キャリアアセンブリ104は、回転する研磨パッド105の半径に沿って基板キャリアアセンブリ104が移動できるように、研磨パッド105及びプラテン106に対して半径方向に回転移動する。他の構成では、基板キャリアアセンブリ104は、CMP研磨システム(図示せず)の中心に対して弓形経路で、したがって研磨パッド105及びプラテン106を横切って非半径方向に回転移動する。基板キャリアアセンブリ104は、第1のアクチュエータ170を用いて回転移動される。第1のアクチュエータ170は、シャフトにおいて基板キャリアアセンブリ104に接続され、研磨パッド105の表面にわたる半径方向又は弓形経路のいずれかで基板キャリアアセンブリ104の移動を可能にするトラック又は一組のトラック(図示せず)を含み得る。
【0022】
[0036]基板キャリアアセンブリ104は、キャリアヘッド146と、キャリアヘッド146に結合されたキャリアリングアセンブリ149と、処理中に基板148を保持し研磨パッド105に押し付けるためにキャリアリングアセンブリ149の半径方向内側に配置された可撓性膜150とを備える。キャリアリングアセンブリ149は、それぞれ基板保持リング149a及びバッキングリング149b等の下部環状部分及び上部環状部分を含む。基板保持リング149aは、通常、ポリマーで形成され、その中に配置された結合層(図示せず)を用いてバッキングリング149bに結合される。バッキングリング149bは、金属又はセラミック等の剛性材料で形成され、複数の留め具(図示せず)を用いてキャリアヘッド146に固定される。基板保持リング149a及びバッキングリング149bをそれぞれ形成するために使用される適切な材料の例には、本明細書に記載の研磨液耐薬品性ポリマー、金属、及び/又はセラミックのいずれか1つ又は組み合わせが含まれる。可撓性膜150は、典型的には、1又は複数の環状膜クランプを用いてキャリアヘッド146に結合され、それと共に集合的に領域151を画定する。
【0023】
[0037]基板処理中、基板保持リング149aが基板148を取り囲み、基板148が基板キャリアアセンブリ104の下方から滑り落ちるのを防止する。典型的には、研磨プロセス中に領域151が加圧されることにより、基板キャリアアセンブリ104がキャリア軸Aを中心に回転する間、可撓性膜150が基板148に下向きの力を及ぼし、基板148を研磨パッド105に押し付ける。キャリア軸Aは、本明細書では、処理中に基板キャリアアセンブリ104が回転する回転軸とも称され得る。研磨の前後に、領域151に真空が印加されることにより、可撓性膜150が上向きに偏向して可撓性膜150と基板148との間に低圧ポケットが形成され、これにより基板148が基板キャリアアセンブリ104に真空チャックされる。
【0024】
[0038]流体供給アセンブリ112は、1又は複数の供給ノズル144を含む。1又は複数の供給ノズル144は、研磨液又は水のいずれか等の流体を、基板キャリアアセンブリ104の先端近辺の研磨パッド105上に供給するように構成される。幾つかの実施形態では、流体供給アセンブリ112は、パッドコンディショナアセンブリに(図2A~Dのアセンブリ238に示すように)結合される。幾つかの実施形態では、流体供給アセンブリ112は、パッドコンディショナアセンブリとは(図1図3A、及び図3Bのパッドコンディショナアセンブリ128及び流体供給アセンブリ112に示すように)別個であり、パッドコンディショナアセンブリに近接している。
【0025】
[0039]コントローラ160は、プラテン106、パッドコンディショナアセンブリ138、流体供給アセンブリ112、及び基板キャリアアセンブリ104の各々に接続されている。本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができる幾つかの実施形態では、コントローラ160は、プラテン106の回転を調整するとともに、流体供給アセンブリ112による研磨パッド105上への研磨液又は水の分注を調整する。幾つかの実装態様では、コントローラ160は、第2の流体供給アセンブリ110による研磨パッド105上への研磨液又は水の分注を調整する。本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができる幾つかの実施形態では、第2の流体供給アセンブリ110は、研磨パッド105の温度を下げるために、研磨パッド105上に冷却液を分注する。コントローラ160は、プラテン回転速度が低下するにつれて、第2の流体供給アセンブリ110からの冷却液を増加させることができる。冷却液は、脱イオン水、窒素ガス、又はそれらの組み合わせであってよい。コントローラ160は、基板キャリアアセンブリ104の移動を制御し、基板キャリアアセンブリ104によって基板148上に及ぼされる圧力の量を増加又は低下させることができる。コントローラ160は、パルス幅変調制御パネル(PWMパネル)161を含む、又はパルス幅変調制御パネル(PWMパネル)161に通信可能に結合されている。PWMパネル161は、流体供給アセンブリ112の各供給ノズル144を制御する。
【0026】
[0040]図2A及び図2Bは、流体供給アセンブリ112がパッドコンディショナアセンブリ138に結合され、幾つかの実施形態に係るパッドコンディショナ、流体供給アセンブリ238として共に図示されている以外は、研磨システム100と同様の研磨システムの概略平面図である。
【0027】
[0041]パッドコンディショナ、流体供給アセンブリ238、第2の流体供給アセンブリ110、及び基板キャリアアセンブリ104は、研磨パッド105の上方に配置される。一実施例では、研磨パッド105は、プラテン軸B(図1)を中心としてプラテン106に結合された回転アクチュエータ(図示せず)によって反時計回り方向202に回転される。コンディショナ取り付けプレート130及び基板キャリアアセンブリ104も、通常、上から見て反時計回り方向204に回転する。図2A及び図2Bの実施形態では、研磨パッド105、コンディショナ取り付けプレート130、及び基板キャリアアセンブリ104の各々は、同じ方向に回転する。幾つかの実施形態では、研磨パッド105、プラテン106、コンディショナ取り付けプレート130、及び基板キャリアアセンブリ104は、時計回り方向に回転する。幾つかの実施形態では、研磨パッド105、プラテン106、コンディショナ取り付けプレート130、及び基板キャリアアセンブリ104のうちの1又は複数が時計回り方向に回転し、他の構成要素は反時計回り方向に回転する。パッドコンディショナ、流体供給アセンブリ238は、支点230から旋回する可動アーム220と、可動アーム220に結合された1又は複数のエクステンダ222A、222Bと、流体ノズルプレート224とを含む。可動アーム220は経路212に沿って移動可能である。流体ノズルプレート224は、1又は複数のジェットスプレーノズル144a、144b、144cを含む。各ノズルは、ソレノイドバルブ等の対応する高速作動バルブ228a、228b、228cに結合されている。高速作動バルブ228a、228b、228cは、PWMパネル161によって制御される。流体供給アセンブリ138と同様に、PWMパネル161は、パッドコンディショナ、流体供給アセンブリ238の各ジェットスプレーノズル144a、144b、144cを制御する。コンディショナ取り付けプレート130は、支点230とは反対側の可動アーム220の遠位端に配置されている。
【0028】
[0042]研磨パッド105のパッド半径266は、約5インチ(127mm)から約15インチ(381mm)、例えば約6インチ(152mm)から約10インチ(154mm)、例えば約7インチ(178mm)から約8インチ(203mm)である。図2A及び図2Bに示すように、パッドコンディショナ、流体供給アセンブリ238は、図2Aに示す第1の位置から図2Bに示す第2の位置へ等のように、移動可能であり得る。幾つかの実施形態では、パッドコンディショナ、流体供給アセンブリ238からの流体は、図2Bに示す第2の位置で分注される。流体は、パッドコンディショニング中は少なくとも部分的に、又はパッドがコンディショニングされていないときに分注される。
【0029】
[0043]流体供給アセンブリ238が第1の位置にあるとき等の幾つかの実施形態では、流体供給アセンブリ238の少なくとも一部は、研磨パッド105のパッド半径266の少なくとも50%、例えば研磨パッド105のパッド半径266の少なくとも60%にわたって、例えばパッド半径266の少なくとも80%にわたって流体を供給するように構成される。ジェットスプレーノズル144a、144b、144cは、図2A及び図2Bに示すように、互いに対して、及び/又はノズルプレート224の長さに沿って整列している。ノズルプレート224は、支点230から測定されるパッドの半径に対して角度θ1で配向された第1の主要面を有するように位置決めされる。幾つかの実施形態では、ノズルプレート224の長さは、研磨パッド105の半径に沿った軸に対して実質的に垂直に、例えば約80度から約110度に配置される。流体供給アセンブリ238が第2の位置にあるとき等の幾つかの実施形態では、流体供給アセンブリ238の少なくとも一部は、パッド半径266の約40%から約60%の位置に流体を供給するように構成される。加えて、又は代替的に、流体供給アセンブリ238の少なくとも一部は、パッド半径266の50%未満、例えば約10%から約30%の位置で流体を供給するように構成される。幾つかの実施形態では、流体供給アセンブリ238は、パッド半径266全体に沿って流体を供給するように構成される。各ノズル、例えば144a、144b、144cは、内側ゾーン、中間ゾーン、外側ゾーン等の研磨パッド105のゾーンに対応する。幾つかの実施形態では、ノズルプレート224の長さは、パッド半径と実質的に整列している。ノズルプレート224は、第1の主要面が、支点230から測定したパッドの半径に対して10度未満、例えば約0度から5度の角度θ2に配向されるように位置決めされる。他の実施形態と組み合わせることができる幾つかの実施形態では、ノズルプレート224の位置は、工程中に第2の位置に固定される。他の実施形態と組み合わせることができる幾つかの実施形態では、流体ノズル144a、144b、144cの各々は、基板キャリアアセンブリ104から約70mmから約120mm、例えば約80mmから約100mmである。他の実施形態と組み合わせることができる幾つかの実施形態では、流体ノズル144a、144b、144cの各々は、パッドから約10mmから約50mm、例えば約20mmから約30mmである。
【0030】
[0044]図2Cは、図2Bの(例えば、第2の位置にある)研磨システム100の斜視図である。各ノズル144a、144b、144cは、それぞれジェットスプレー236a、236b、236cを分注するように構成されている。図2A図2Cに、エクステンダ222aをエクステンダ222bよりも短く示したが、他の相対的な長さも考えられる。図2Dは、実質的に同じ長さのエクステンダ222A、222Bを有するパッドコンディショナ、流体供給アセンブリ238を有する研磨システムを示す概略平面図である。流体ノズルプレート224は、可動アーム220に対して実質的に平行である。
【0031】
[0045]図3Aは、幾つかの実施形態に係る、流体供給アセンブリ112がパッドコンディショナアセンブリ138から分離している、研磨システム100と同様の研磨システムの概略平面図である。流体供給アセンブリ112は、パッドコンディショナアセンブリ138の支点230に隣接するベース302を含む。ベース302は、リニアアクチュエータ等のアクチュエータ304に結合されている。アクチュエータ304は、1又は複数の位置(例えば、322A、322B)で流体ノズルプレート324に結合されている。工程中、アクチュエータ304は、後退位置から伸長位置まで経路306に沿って移動可能である。流体ノズル144a、144b、144cは、伸長位置でスプレーする。幾つかの実施形態では、流体ノズル144a、144b、144cは、アクチュエータが後退位置と伸長位置との間を移動する際にスプレーする。流体ノズルプレート324は、図2A図2Dに示す流体ノズルプレート224と同様であり、ソレノイドバルブ等の高速作動バルブ328a、328b、328cを含む。高速作動バルブ328a、328b、328cは、それらが流体ノズルプレート324に垂直ではなく平行に配向されていること以外は、高速作動バルブ228a、228b、228cと実質的に同じである。高速作動バルブの任意の配向も考えられる。幾つかの実施形態では、工程中、流体供給アセンブリ112は、パッドコンディショナアセンブリ138によるコンディショニングの間、後退位置にある。
【0032】
[0046]図3Bは、幾つかの実施形態に係る図3Aの研磨システムの斜視図である。図示では、リニアアクチュエータ304は、レール308に沿って移動可能なブロック310に結合されている。ブロック310は、流体ノズルプレート324に結合されているエクステンダ322A、322Bに結合されている。流体ノズルプレート324は、パッドに対して垂直に配向されているように示したが、他の配向及び構成も考えられる。幾つかの実施形態では、リニアアクチュエータ304は、パッドに対して平行に配向されたプレートに結合される。水平に配向されたプレートは、流体ノズル144a、144b、144cが流体ノズルプレート324とパッドとの間に位置決めされるように、流体ノズル144a、144b、144cに直接結合される。エクステンダ322A、322Bは、水平に配向されたプレートを有する実施形態では使用されない。図2A図2B図2C図2D図3A、及び図3Bでは、アーム220の方を向いたノズルプレート224の側に流体ノズル144a、144b、144cを図示したが、追加の流体ノズル、及び/又は流体ノズル144a、144b、144cのうちの1又は複数がノズルプレート224の反対側に配置されることも考えられる。
【0033】
[0047]図4は、幾つかの実施形態に係るノズル144及び高速作動バルブ228の断面図である。ジェットスプレー236は、約15度から約110度、例えば約30度から約90度、例えば約40度から約60度の角度θ3を有するフラットジェットスプレーである。幾つかの実施形態では、各ノズル直径は、フラットジェットスプレー角度θ3を制御するように選択される。ノズル直径は、約0.005インチから約0.2インチ、例えば約0.007インチから約0.15インチの範囲である。ジェットスプレーは、パッド半径266の異なる半径方向位置等の、研磨パッド105の異なるゾーンを網羅するように配置される。各ノズル144は、アダプタ402によって対応する高速作動バルブ228に結合される。高速作動バルブの入口404は、研磨液及び/又は水等の流体を受け入れる。流体はアダプタ402を通り、出口406を通ってノズル144を通って流れる。各ノズル144は、取り外し可能であり、研磨液及び/又はプロセスの種類に応じて異なる出口半径を有する他のノズルと交換可能な出口406半径を有する。図では3つのノズルを示したが、1つのノズルから5つのノズル等の任意の数のノズルが考えられる。ノズル出口406のサイズは、分注流体の化学的性質を変えずにファンミストを生成するように選択される。小さすぎる出口サイズを選択してしまうと、研磨媒体中に懸濁されたナノ材料(例えば、研磨剤)の割合が減少する等、化学的性質が変化する。更に、出口サイズが小さすぎると、所望のジェットパターン又は所望の流体圧力を研磨パッド105上に生じさせないミストをもたらすことになる。幾つかの実施形態では、ノズル144a、144b、144cは、流体がスラリラインから各ノズルの出口まで非腐食性の表面のみに接触するように、高速作動バルブ228a、228b、228cに結合される。
【0034】
[0048]図5は、流体ノズルプレート224の第1の主要面224aの平面図である。ノズルプレート224は、ノズルプレート224の第1の主要面から第2の主要面まで貫通して配置された1又は複数の開孔502を含む。開孔502は、その上に1又は複数の調整プレート504を結合するために使用される締結具508を受容するように構成される。各調整プレート504は、それを貫通する締結具508を受容するための開孔506を含む。各調整プレート504は、ノズルプレート224の長さ512に沿って、及び/又はノズルプレート224の高さ510に沿って調整可能である。各調整プレート504は、対応する高速作動バルブ228及びノズル144に結合され、これにより、研磨パッド105の上方のノズル144の半径方向位置が調整可能である、及び/又はパッドとノズルとの間の距離が調整可能である。研磨パッド105とノズル144との間の距離は、約50mmから約80mm、例えば約60mmから約70mmである。図4を再び参照すると、ジェットスプレーのスパン408は、ノズル出口のサイズ、及び/又はノズルから研磨パッド105までの距離を変更することによって制御可能である。幾つかの実施形態では、各隣接するジェットスプレーのスパン408は重なっている。スパン408は、約80mmから約130mm、例えば約90mmから約100mm、又は約110mmから約120mmであり得る。
【0035】
[0049]図6及び図7は、幾つかの実施形態に係る例示的な流体供給システムの概略図である。高速作動バルブ228a、228b、228cの各々(例えば、集合的に228)は、流体供給システム600に示すように、単一の研磨液供給容器606に流体結合されている。更に、各高速作動バルブ228は、ガス源602及び/又は脱イオン水(DIW)源等の水源604に流体結合されている。ガス源602によって供給されるガスは、清浄乾燥空気(CDA)又は二原子窒素であり、研磨液供給容器606を加圧してノズルの全液体流量を制御するために使用され得る。幾つかの実施形態では、ガス源602からのガスは、1又は複数の流体の温度を制御するために使用される。単一の研磨液供給容器606からの研磨液は、ライン内での研磨液の沈降を防止するために、リサイクル流620を介して連続的に循環される。各高速作動バルブ228は、PWMパネル161の対応するPWMボード161a、161b、161cに通信可能に結合されている。PWMボードは、各バルブが研磨パッド105の1回転あたりの所定の周波数及び研磨パッド105が1回転する間に研磨パッド105が流体に暴露される割合である所定のデューティサイクルで開閉するように、対応する高速作動バルブ228に開閉信号を供給する。PWMボードは、各バルブ144a、144c、144dの入口の上流の各ライン全体にわたる流れを監視する流量計608、610、612に通信可能に結合されている。本明細書で使用する「上流」という用語は、流体の流れ方向に対するものである。
【0036】
[0050]流体供給システム700では、各高速作動バルブ228は、対応する研磨液供給容器706a、706b、706cに流体的に結合されている。ガス源602によって供給されるガスは、二原子窒素又は清浄乾燥空気であり、各研磨液供給容器706a、706b、706cを加圧して各対応する高速作動バルブ228の液体流量を制御するために使用され得る。PWMパネル161のPWMボードは、各バルブ144a、144c、144dの入口の上流の各ライン全体にわたる流量を監視する流量計708、710、712に通信可能に結合されている。
【0037】
[0051]図8は、本開示の幾つかの態様に係る基板の研磨方法800のフロー図である。方法800は、研磨システムの研磨パッド105の表面に基板を押し付けること802と、流体供給アセンブリから可変流量で研磨パッド105上に流体を分注すること804と、回転軸を中心にキャリアアセンブリを回転させながら、研磨パッド105の表面を横切ってキャリアアセンブリを平行移動させること806とを含む。流体を分注すること804は、可変流量の第1の流量で1又は複数のノズルから流体を分注することを含む。第1の流量は、周波数及びデューティサイクルで高速作動バルブの開位置に対応する。各ノズルは、ノズルの下方に配置された研磨パッド105上の半径方向位置に対応するゾーンに流体を分注する。流体を分注すること804は、DIWパージのための少なくとも1回のパッド回転に対して、又は研磨パッドを研磨液でプライミングするための連続流を得るために、少なくとも1つのノズルのデューティサイクルを100%に設定することを含む。少なくとも1つのノズルのデューティサイクルは、100%未満のデューティサイクルに低減される。各ノズルのデューティサイクルは、約10%から約90%、例えば約25%から約75%、例えば約50%から約60%に設定される。分注することは更に、流体のパルス化周波数を設定することを含む。幾つかの実施形態では、ノズル144a、144b、144cの1又は複数は、ノズルが詰まるのを防ぐためにDIWでパージされる。
【0038】
[0052]図9は、幾つかの実施形態に係る研磨パッド105全体にわたる例示的なスプレーゾーンプロファイルを示す図である。横軸920は、1又は複数のノズルの対応するジェットスプレーに暴露される研磨パッド105の中心から外側エッジまでの研磨パッド105の位置に対応し、縦軸922は、毎分mL単位等のジェットスプレーの流量分布に対応する。各ゾーンは、ゾーン上を通過する基板キャリアアセンブリ104の半径方向部分に対応する。基板直径902及び基板中心904は、スプレー後にゾーン上を通過する基板に対応するゾーンプロファイルを例示するために図示されている。内側ゾーン910、中間ゾーン912、外側ゾーン914等の各ゾーンは、プロセスに応じて制御可能である。内側ゾーン910に対応する第1のノズルはパッド中心から約70mmから約80mmであってよく、中間ゾーン912に対応する第2のノズルはパッド中心から約160mmから約180mmであってよく、外側ゾーン914に対応する第3のノズルはパッド中心から約250mmから約270mmであってよい。図9に示す分布例は、毎分100mLの総流量を内側ゾーン910、中間ゾーン912、及び外側ゾーン914の間で分割した状態を示している。ゾーンは、内側ゾーン910では約30mL/分、中間ゾーン912では約45mL/分、外側ゾーンでは約25mL/分の流量分布を有する。
【0039】
[0053]幾つかの実施形態では、外側ゾーンは、少なくとも1つの他のノズルに対してより大きい又はより小さい出口直径を有するノズルに対応する。幾つかの実施形態では、内側ゾーンは、少なくとも1つの他のノズルに対してより小さい又はより大きい出口直径を有するノズルに対応する。幾つかの実施形態では、外側ゾーンは、少なくとも1つの他のゾーンに対してより高い又はより低い流量を有するノズルに対応する。理論に束縛されることなく、遠心力により流体が研磨パッド105から迅速に流出するため、他のゾーンに対して半径方向外側に配置されたゾーンでより多くの流体が失われると考えられる。従来、流体の損失を考慮するために、分注される研磨液の総量が増加される。対照的に、本明細書に記載の研磨システム及び方法は、外側ゾーン914に配置されたノズルにおける流体流量を増加させる等、対象とするゾーンにおける研磨液の流れを増加させることを可能にする。1つのゾーンを増加させることは、総流量が影響を受けないように他のゾーンを減少させることによって置換することができる。
【0040】
[0054]1又は複数のゾーンを制御するためのプロセスパラメータは、プラテン速度、総流量、基板中心位置、ゾーン間の流量比、研磨液供給容器圧力、ジェットスプレースパン、ジェットスプレー角度、開位置にあるバルブの持続時間、デューティサイクル、周波数、ノズルと研磨パッドとの間の距離、パッドの半径に対する各ノズルの位置、又はそれらの組み合わせを調整することを含む。ノズル間の流体流量比は、互いに対する各ノズルの可変流量に基づいて決定される。各ノズルはパッドの対応するゾーンに分注し、スプレープロファイルを形成する。プロファイルは、各ゾーンに分注される流体の流量比を調整することによって形成される。プラテン速度は、約70rpmから約120rpm、例えば約80rpmから約100rpmでプラテンを回転させることを含む。幾つかの実施形態では、各ゾーンは、約20%から約70%、例えば約30%から約50%のデューティサイクルを有する。幾つかの実施形態では、各ノズルは、約10Hzから約40Hz、例えば約15Hzから約30Hzの周波数を有する。
【0041】
[0055]図10は、研磨パッド105上のスプレーパターン1000の概略上面図である。スプレー部分1004は、プラテンの1回転において流体に暴露される研磨パッド105の部分を示す。対応する部分1002は、流体に暴露されていない研磨パッド105の部分を示す。追加の回転後の後続のスプレーパターンは、図10に示すパターン1000を補完し得る、又は少なくとも重なり合っていてよい。各ノズルは、図10に示すように、内側ゾーン1040、中間ゾーン1012、及び外側ゾーン1010が整列するように、同じスプレーパターンを有していてよい。あるいは、各ノズルは、図11に示すように、ゾーンが整列していない異なるスプレーパターンを有していてよい。スプレー部分1104は、プラテンの1回転において流体に暴露される研磨パッド105の部分を示す。対応する部分1102は、流体に暴露されていない研磨パッド105の部分を示す。スプレーパターン1100は、内側ゾーン1140、中間ゾーン1112、及び外側ゾーン1110における異なるスプレーパターンを示す。他のスプレーパターン、例えば、異なるスプレー回数(例えば、周波数)、異なるスプレー持続時間及びパッドカバレッジ(例えば、デューティサイクル)も考えられる。図10に示すスプレーパターン1000では、ノズルは8回スプレーするが、2回から5回、又は10回から15回、又は20回から25回等の他の1回転あたりのスプレー回数も考えられる。
【0042】
[0056]本明細書に記載の流体供給システム及び方法は、パッド上に流体を均一に分配することによって研磨パッドの寿命が延びることを見い出した。従来の流体供給システムは、パッド上の一箇所に流体を分注し、これにより、例えばパッドの中心に近接するパッドの他の箇所において高い摩擦及び高温が生じる。従来の流体供給システムで使用されるパッドは、時間の経過とともに摩耗し、一定の頻度で交換される。本明細書に記載の流体供給システム及び方法で使用されるパッドは、摩擦及び摩耗が少なく、従来のシステム及び方法に比べて交換頻度が低い。
図1
図2A
図2B
図2C
図2D
図3A
図3B
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
【国際調査報告】