(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-12
(54)【発明の名称】プラズマ、温度、応力、または堆積の感知のためのMEMS共振器センサ基板
(51)【国際特許分類】
G01N 5/02 20060101AFI20240705BHJP
H05H 1/46 20060101ALI20240705BHJP
B81B 3/00 20060101ALI20240705BHJP
H03H 9/24 20060101ALI20240705BHJP
【FI】
G01N5/02 A
H05H1/46 R
B81B3/00
H03H9/24 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023580501
(86)(22)【出願日】2022-06-03
(85)【翻訳文提出日】2024-02-22
(86)【国際出願番号】 US2022032242
(87)【国際公開番号】W WO2023278100
(87)【国際公開日】2023-01-05
(32)【優先日】2021-07-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】リン, チュアン-チア
(72)【発明者】
【氏名】パターソン, デーヴィッド
(72)【発明者】
【氏名】クラウス, フィリップ アレン
(72)【発明者】
【氏名】バヤティ, アミール
【テーマコード(参考)】
2G084
3C081
5J108
【Fターム(参考)】
2G084AA02
2G084AA04
2G084AA05
2G084HH19
2G084HH20
2G084HH43
2G084HH46
3C081AA01
3C081BA22
3C081BA33
3C081BA43
3C081BA45
3C081BA48
3C081BA53
3C081BA55
3C081BA72
3C081CA13
3C081CA26
3C081DA03
3C081DA04
3C081DA06
3C081DA10
3C081DA29
3C081DA30
3C081EA01
3C081EA22
5J108AA09
(57)【要約】
本明細書で開示される実施形態は、診断基板と、プラズマパラメータを抽出するために診断基板を使用する方法とを含む。一実施形態では、診断基板が、基板と、基板にわたる共振器のアレイとを備える。一実施形態では、共振器のアレイは、少なくとも、第1の構造をもつ第1の共振器と第2の構造をもつ第2の共振器とを備える。一実施形態では、第1の構造は第2の構造とは異なる。
【選択図】
図3A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
診断基板であって、
基板と、
前記基板にわたる共振器のアレイとを備え、共振器の前記アレイが、少なくとも、第1の構造をもつ第1の共振器と第2の構造をもつ第2の共振器とを備え、前記第1の構造が前記第2の構造とは異なる、診断基板。
【請求項2】
共振器の前記アレイが、電磁共振器または音響共振器である、請求項1に記載の診断基板。
【請求項3】
共振器の前記アレイが、プラズマ特性、基板温度、質量変化、応力変化、または表面電位変化を検出するように構成された、請求項1に記載の診断基板。
【請求項4】
前記第1の構造および前記第2の構造が、膜、ディスク、ビーム、またはコイルを備える、容量性共振器または誘導性共振器である、請求項1に記載の診断基板。
【請求項5】
前記第1の構造および前記第2の構造が、表面音響波(SAW)共振器、バルク音響波(BAW)共振器、フィルムバルク音響共振器(FBAR)、または横方向励起バルク音響共振器(XBAR)を含む、圧電共振器である、請求項1に記載の診断基板。
【請求項6】
前記第1の構造が、前記基板から第1の距離の第1の共振部材を備え、前記第2の構造が、前記基板から第2の距離の第2の共振部材を備え、前記第1の距離が前記第2の距離とは異なる、請求項1に記載の診断基板。
【請求項7】
前記第1の構造が、前記第1の共振器の周りの第1のガードリングを備え、前記第2の構造が、前記第2の共振器の周りの第2のガードリングを備える、請求項1に記載の診断基板。
【請求項8】
前記第1のガードリングが、第1のバイアスを適用するように構成され、前記第2のガードリングが、第2のバイアスを適用するように構成され、前記第1のバイアスが前記第2のバイアスとは異なり、前記第1のバイアスおよび/または前記第2のバイアスが、DC構成要素とAC構成要素とを備えることができる、請求項7に記載の診断基板。
【請求項9】
前記第1のガードリングと前記第2のガードリングとが、異なる形状寸法を有し、前記第2のガードリングが、前記第1のガードリングとは異なる高さである、請求項7に記載の診断基板。
【請求項10】
前記第1の共振器および前記第2の共振器が、測定された周波数のワイヤレス通信を外部デバイスに提供するように構成されたアンテナに通信可能に結合される、請求項1に記載の診断基板。
【請求項11】
前記基板上に製造されたRF回路をさらに備え、前記RF回路が、シールド伝送線、カプラ、およびフィルタのうちの1つまたは複数を備える、
請求項1に記載の診断基板。
【請求項12】
診断基板であって、
基板と、
前記基板に取り付けられた第1の共振器であって、電気的に浮遊している、第1の共振器と、
前記第1の共振器の周りの第1のガードリングであって、第1の高さを有する、第1のガードリングと、
前記基板に取り付けられた第2の共振器であって、電気的に浮遊している、第2の共振器と、
前記第2の共振器の周りの第2のガードリングであって、前記第1の高さよりも大きい第2の高さを有する、第2のガードリングと
を備える、診断基板。
【請求項13】
前記第1の共振器の上面が前記基板から第1の距離にあり、前記第2の共振器の上面が前記基板から第2の距離にあり、前記第2の距離が前記第1の距離とは異なる、請求項12に記載の診断基板。
【請求項14】
前記第1の共振器と前記第2の共振器とに通信可能に結合されたアンテナ
をさらに備える、請求項12に記載の診断基板。
【請求項15】
プラズマチャンバにおいてプラズマパラメータを測定する方法であって、
前記プラズマチャンバにおいて診断基板を提供することであって、前記診断基板が、第1の形状寸法をもつ第1の共振器と第2の形状寸法をもつ第2の共振器とを備える、診断基板を提供することと、
プラズマなしの真空中での前記第1の共振器および前記第2の共振器からのベースライン応答を測定することと、
前記プラズマチャンバにおいてプラズマを生成することであって、前記第1の共振器および前記第2の共振器が前記プラズマ内にある、プラズマを生成することと、
前記第1の共振器の第1の共振周波数と前記第2の共振器の第2の共振周波数とを測定することと、
前記第1の共振周波数および前記第2の共振周波数から、前記プラズマパラメータまたはウエハパラメータを抽出することと
を含む、方法。
【請求項16】
前記プラズマパラメータが、電子密度、電子温度、電子エネルギー分布関数(EEDF)、イオン密度、またはイオンエネルギー分布関数(IEDF)であり、前記ウエハパラメータが、基板温度、質量変化、応力変化、または表面電位変化である、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記第1の共振周波数および前記第2の共振周波数が、プラズマ周波数とは異なる、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
第1のガードリングおよび第2のガードリングによって前記第1の共振器および前記第2の共振器に適用される変動するバイアスに対する、前記第1の共振器および前記第2の共振器の共振器応答を測定すること
をさらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項19】
前記第1の共振器の周りに第1のバイアスを適用することと、
前記第2の共振器の周りに第2のバイアスを適用することと
をさらに含み、前記第1のバイアスが前記第2のバイアスとは異なり、前記第1のバイアスおよび前記第2のバイアスが、変調されたバイアスである、請求項15に記載の方法。
【請求項20】
前記プラズマチャンバをベースライン化すること、前記プラズマチャンバのフィンガープリンティングを行うこと、前記プラズマチャンバにおいて変動をモニタすること、チャンバマッチングを行うこと、または前記プラズマチャンバを制御することを実施するために、人工知能モジュールおよび/または機械学習モジュールのための入力として前記プラズマパラメータを使用すること
をさらに含む、請求項15に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれる、2021年7月2日に出願された米国特許出願第17/367,250号の優先権を主張する。
【0002】
本開示の実施形態は、半導体処理の分野に関し、詳細には、処理チャンバにおける様々な処理パラメータの検出のための微小電気機械システム(MEMS)センサに関する。
【背景技術】
【0003】
半導体製造プロセスは、しばしば、プラズマ環境において実装される。たとえば、プラズマ処理チャンバを使用して、基板上に材料を堆積させる(たとえば、プラズマ化学気相堆積(PE-CVD)、プラズマ原子層堆積(PE-ALD)、物理的気相堆積(PVD)など)。さらに、プラズマ処理チャンバは、エッチングプロセスにおいて基板から材料を除去するために使用され得る。一般に、所与のプロセスを定量化するために使用される計測学は、プロセスの最終結果に限定される。すなわち、基板が(たとえば、エッチングプロセスまたは堆積プロセスを用いて)処理された後に、計測学は使用されて、どのくらいの材料が(たとえば、堆積プロセスにおいて)追加されたか、または(たとえば、エッチングプロセスにおいて)除去されたかを決定する。
【0004】
現在、プラズマ自体は、発光分光分析(OES:optical emission spectroscopy)などのシステムによりモニタされ得る。OESは、たとえば、プラズマ組成物など、プラズマのいくつかの態様を決定するために使用され得る。しかしながら、OESは、OESが、電子密度、プラズマ(電子)温度など、プラズマの特性、またはそのような特性における空間的差を考慮することができないという点で、限定される。プラズマ特性を測定するために、ラングミュアプローブも使用され得る。ラングミュアプローブは、IV曲線を測定し、IV曲線を使用して、プラズマの特性を決定する。しかしながら、ラングミュアプローブは、ラングミュアプローブが、一般にマクロスケールであり、多数のラングミュアプローブが基板の表面にわたって容易に統合され得ないという点で、限定される。
【発明の概要】
【0005】
本明細書で開示される実施形態は、診断基板と、プラズマパラメータを抽出するために診断基板を使用する方法とを含む。一実施形態では、診断基板が、基板と、基板にわたる共振器のアレイとを備える。一実施形態では、共振器のアレイは、少なくとも、第1の構造をもつ第1の共振器と第2の構造をもつ第2の共振器とを備える。一実施形態では、第1の構造は第2の構造とは異なる。
【0006】
追加の実施形態では、診断基板が、基板と、基板に取り付けられた第1の共振器であって、第1の共振器が電気的に浮遊している、第1の共振器とを備える。一実施形態では、診断基板は、第1の共振器の周りの第1のガードリングであって、第1のガードリングが第1の高さを有する、第1のガードリングをさらに備える。一実施形態では、診断基板は、基板に取り付けられた第2の共振器であって、第2の共振器が電気的に浮遊している、第2の共振器と、第2の共振器の周りの第2のガードリングであって、第2のガードリングが第2の高さを有し、第2の高さが第1の高さよりも大きい、第2のガードリングとをさらに備える。
【0007】
本明細書で開示される実施形態は、プラズマチャンバにおいてプラズマパラメータを測定する方法を含む。一実施形態では、本方法は、プラズマチャンバにおいて診断基板を提供することであって、診断基板が、第1の形状寸法をもつ第1の共振器と第2の形状寸法をもつ第2の共振器とを備える、診断基板を提供することを含む。本方法は、プラズマなしの真空中での第1の共振器および第2の共振器からのベースライン応答を測定することをさらに含み得る。一実施形態では、本方法は、プラズマチャンバにおいてプラズマを生成する(strike)ことであって、第1の共振器および第2の共振器がプラズマ内にある、プラズマを生成することと、第1の共振器の第1の共振周波数と第2の共振器の第2の共振周波数とを測定することとをさらに含む。一実施形態では、本方法は、第1の共振周波数および第2の共振周波数から、プラズマパラメータを抽出することをさらに含む。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】一実施形態による、診断基板の表面にわたる複数の共振器をもつ、診断基板の平面概略図である。
【
図2】一実施形態による、変動する寸法をもつ共振器センサをもつ、診断基板の平面図である。
【
図3A】一実施形態による、第1のガードリングをもつ第1の共振器と、第1のガードリングとは異なる高さである第2のガードリングをもつ第2の共振器とをもつ、診断基板の断面図である。
【
図3B】一実施形態による、第1の寸法をもつ第1の共振器と、第1の寸法よりも大きい第2の寸法をもつ第2の共振器とをもつ診断基板の断面図である。
【
図3C】一実施形態による、共振器の下に漏れ絶縁体をもつ診断基板の断面図である。
【
図4】一実施形態による、第1のバイアスをもつガードリングをもつ第1の共振器と、第1のバイアスよりも大きい第2のバイアスをもつガードリングをもつ第2の共振器とをもつ、診断基板の断面図である。
【
図5A】一実施形態による、第1のバイアスをもつガードリングをもつ第1の共振器をもつ診断基板の断面図である。
【
図5B】一実施形態による、第1のバイアスよりも大きい第2のバイアスをもつガードリングをもつ第1の共振器をもつ診断基板の断面図である。
【
図6A】一実施形態による、カバーの上にある共振器と、カバーの下の駆動および感知回路とをもつ診断基板の断面図である。
【
図6B】一実施形態による、カバーの下の駆動および感知回路とともにカバーの上の異なる高さにおける共振器をもつ診断基板の断面図である。
【
図7A】一実施形態による、本明細書で説明される診断基板に応じて使用され得る、追加の共振器構造の概略図である。
【
図7B】一実施形態による、本明細書で説明される診断基板に応じて使用され得る、追加の共振器構造の概略図である。
【
図7C】一実施形態による、圧電作動を使用する追加の共振器の概略図である。
【
図8】一実施形態による、診断基板を使用してプラズマ特性を決定するためのプロセスのフロー図である。
【
図9】本開示の一実施形態による、例示的なコンピュータシステムのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
処理チャンバにおける様々な処理パラメータの検出のための微小電気機械システム(MEMS)センサが、本明細書で説明される。以下の説明では、本開示の実施形態の完全な理解を提供するために、多数の具体的な詳細が記載される。これらの具体的な詳細なしに本開示の実施形態が実践され得ることは、当業者に明らかであろう。他の事例では、集積回路製造など、よく知られている態様は、本開示の実施形態を不必要に不明瞭にしないために、詳細に説明されない。さらに、図に示されている様々な実施形態は、例示的な表現であり、必ずしも一定の縮尺で描かれているとは限らないことを理解されたい。
【0010】
上述のように、プラズマチャンバにおいてプラズマパラメータを測定することが、現在、困難である。現在、プラズマは、OESツールを使用して調査され得るが、OESツールは、プラズマ密度および電子温度を提供することができない。さらに、OESツールは、材料堆積、材料エッチングなどの基板測定に関して提供することができない。さらに、測定は、リアルタイムで行われることが可能でない。
【0011】
したがって、本明細書で開示される実施形態は、プラズマプロセス中にリアルタイムでプラズマパラメータを測定する能力を可能にする、診断基板を含む。たとえば、プラズマパラメータは、限定はしないが、電子密度、電子温度、電子エネルギー分布関数(EEDF)、イオン密度、およびイオンエネルギー分布関数(IEDF)を含み得る。本明細書で開示される実施形態は、温度、堆積またはエッチングレート、表面応力、表面電荷など、表面パラメータ、および診断基板に関する他のパラメータを測定するためにも使用され得る。
【0012】
一実施形態では、診断基板は、複数のセンサを含み得る。本明細書で説明されるセンサは、概して、共振器センサと呼ばれることがある。たとえば、センサは、MEMSセンサまたはRF共振器を含み得る。容量的におよび圧電的に駆動される共振器も、使用され得る。センサは、限定はしないが、表面音響波(SAW)センサ、バルク音響波(BAW)センサ、フィルムバルク音響共振器(FBAR)センサ、横方向励起バルク音響共振器(XBAR)、膜共振器、ディスク共振器、ビーム共振器、コイル共振器などを含み得る。すなわち、共振器センサのいくつかの特定の例が、本明細書でより詳細に説明されるが、実施形態は、本明細書で説明される特定の例によって限定されると解釈されるべきでない。
【0013】
本明細書で開示される実施形態はまた、調査されている様々なプラズマおよび/または表面特性のリアルタイム特徴づけを可能にすることを諒解されたい。特に、本明細書で開示される実施形態は、アンテナに(直接または間接的にのいずれかで)結合された共振器を含む。診断基板の外部(および処理ツールの外部)の質問器は、アンテナから信号を受信し得る。
【0014】
特定の実施形態では、センサのアレイは、異なる形状寸法をもつセンサを含む。一事例では、センサのアレイは、下にある基板からの異なる高さを有する上面をもつセンサを含み得る。そのような実施形態では、個々のセンサが、プラズマおよび/またはシースの異なる部分にさらされることになるので、プラズマに関する空間的情報が提供され得る。別の実施形態では、個々のセンサの周りのガードリングが、異なる形状寸法を有し得る。ガードリングの異なる形状寸法は、共振器の周りの開孔を制御し得、プラズマとの異なる相互作用を可能にする。また別の実施形態では、ガードリングは、均一な形状寸法を有し得るが、開孔を制御するために異なるバイアスが適用され得る。さらに、単一のガードリングが、異なる開孔を備えるセンサを有するように、複数の異なるバイアスを供給され得る。
【0015】
次に
図1を参照すると、一実施形態による、診断基板100の平面図が示されている。図示の実施形態では、診断基板100の基板101は、ウエハのように、実質的に円形であるとして示されている。しかしながら、診断基板100は、ウエハのような寸法に限定されないことを諒解されたい。たとえば、いくつかの実施形態では、矩形基板101も使用され得る。一実施形態では、基板101はシリコン基板であり得る。しかしながら、他の材料も、基板として機能し得ることを諒解されたい。たとえば、基板101は、シリコンオン絶縁体(SOI)基板101、III-V族半導体基板101、ガラス基板101、有機基板101、またはそれらの任意の組合せを含み得る。
【0016】
図示のように、センサ120のアレイが、基板101の表面にわたって分散される。図示の実施形態では、センサ120のアレイは、格子状パターンで配列される。他の実施形態では、放射状のパターンも、使用され得る。追加の実施形態は、任意の好適なパターンを含み得る。100個未満のセンサ120が示されているが、実施形態は数千個または数万個のセンサ120を含み得ることを諒解されたい。より大きいセンサ輪郭は説明の目的のためであり、実施形態は、マクロサイズのデバイスに限定されない。
【0017】
一実施形態では、センサ120は、任意のタイプのMEMSまたはRF共振器であり得る。センサ120は、限定はしないが、表面音響波(SAW)センサ、バルク音響波(BAW)センサ、フィルムバルク音響共振器(FBAR)センサ、膜共振器、ディスク共振器、ビーム共振器、コイル共振器などを含み得る。特定の共振器センサのいくつかの例が、以下でより詳細に示されるが、多くの異なるタイプの共振器が、本明細書で開示される実施形態に従って使用され得ることを諒解されたい。
【0018】
一実施形態では、センサ120の各々は、
図1に示されていない回路によって、共振周波数まで駆動され得る。一実施形態では、駆動力は、容量性の力、圧電力などであり得る。共振周波数は、基板101上のアンテナ(図示せず)によって、診断基板100から外部の質問器(図示せず)に送信され得る。センサ120は、異なるアンテナに直接または間接的に結合され得る。センサ120の共振周波数は、プラズマパラメータの変化、材料の堆積、材料の除去、表面温度、表面電荷、応力など、様々な条件により変化し得る。共振周波数の変化は、センサ120によって測定されている様々な条件を定量化するために使用され得る。
【0019】
次に
図2を参照すると、一実施形態による、診断基板200の平面図が示されている。
図2では、簡単のために、センサ220
A、220
B、および220
Cの代表的セットが示されている。数千個または数万個のセンサ220が基板201上に提供され得ることを諒解されたい。一実施形態では、センサ220の各々が、ガードリング222と共振器221とを備え得る。図示のように、センサ220
A、220
B、および220
Cは、異なる直径Dを有する。異なる直径の共振器221をもつセンサ220を含むことは、より多くの知られている変数をもつ連立方程式を解くことによって、より正確な値を提供する能力を可能にする。センサ220の形状寸法の変動が、共振器221の異なる直径Dであるとして示されているが、他の形状変化も、診断基板200の感度を向上させるために使用され得ることを諒解されたい。たとえば、共振器221は、異なる高さであり得、ガードリング222は、共振器221に対する異なる離間、または多くの他の異なる変動を有し得る。
【0020】
次に
図3Aを参照すると、一実施形態による、診断基板300の断面図が示されている。一実施形態では、診断基板300は、基板301と、第1のセンサ320
Aと、第2のセンサ320
Bとを備える。2つのセンサ320
Aおよび320
Bが
図3Aに示されているが、数百個、数千個、または数万個のセンサ320が基板301上に提供され得ることを諒解されたい。一実施形態では、基板301は、シリコンウエハなど、半導体基板であり得る。とはいえ、
図1に関して上記で説明されたように、基板301は、他の材料またはフォームファクタを備え得ることを諒解されたい。
【0021】
一実施形態では、絶縁層302が、基板301上に提供される。いくつかの実施形態では、センサ320および必要な回路が、絶縁層302上に提供される。他の実施形態では、センサ320のための回路の一部(または、全部)が、絶縁層302内にまたはその下に提供され得る。一実施形態では、絶縁層は、酸化物(たとえば、酸化ケイ素)または窒化物(たとえば、窒化ケイ素)である。一実施形態では、電極391が、共振器321の下に提供され得る。図示の実施形態では、電極391は、絶縁層302の下に提供される。しかしながら、電極391は、いくつかの実施形態では、絶縁層302の上にも提供され得ることを諒解されたい。
【0022】
一実施形態では、センサ320の各々が、共振器321とガードリング322とを備え得る。共振器321は、いくつかの実施形態では、共振ディスクであり得る。ディスク共振器321が
図3Aに示されているが、共振器321が任意の1つまたは複数の共振構造であり得ることを諒解されたい。たとえば、共振器321は、容量的に駆動される共振器、圧電的に駆動される共振器、電磁共振器(electromagnetic resonator)、または音響共振器を含み得る。特定の実施形態では、共振器321は、代替的にSAW、BAW、FBAR、XBAR 膜、ディスク、ビーム、コイルなどであり得る。一実施形態では、ディスク共振器321は、パッド324およびポスト323によって絶縁層302の表面の上に上げられる。一実施形態では、共振器321は、銅、タングステン、ニッケルなど、金属材料であり得る。他の実施形態では、共振器321は、ポリシリコンであり得る。一実施形態では、共振器321は、電気的に浮遊していることがある。すなわち、共振器321は、特定の電圧またはバイアスにつながれないことがある。
【0023】
一実施形態では、ガードリング322は、ディスク共振器321の外周を囲み得る。ガードリング322は、ガードリング322をバイアス電位に保持するように構成された回路に接続され得る。以下でより詳細に説明されるように、バイアス電位は、プラズマとの相互作用を制限するまたは増加させるように、共振器321上の開孔を制御することができる。一実施形態では、ガードリング322の内面が、共振器321のエッジから離れて離間している。すなわち、共振している間、共振器321はガードリング322に接触し得ない。一実施形態では、電極391は共振器321の共振を駆動する。他の実施形態では、電極391は省略され得る。そのような実施形態では、共振器321は、ガードリング322によって駆動され得る。たとえば、バイアスが、DC信号を用いてガードリング322に適用され得、AC信号がDC信号上にスタックされて、共振器321における共振を駆動し得る。
【0024】
一実施形態では、ガードリング322の上面は、センサ320Aにおける共振器321の上面と実質的に同一平面上にあり得る。対照的に、ガードリング322の上面は、センサ320Bにおける共振器321の上面の実質的に上にあり得る。すなわち、センサ320Aは、センサ320Bとは異なる形状寸法また構造を有し得る。形状寸法の差は、同じバイアスがガードリング322の両方に適用されるとき、共振器の上の開孔が異なることを可能にする。
【0025】
一実施形態では、センサ320Aおよび320Bは、プラズマ特性(たとえば、プラズマ密度、電子温度など)、基板温度、(たとえば、堆積またはエッチングによる)質量変化、応力変化、または表面電位変化のうちの1つまたは複数を測定するように構成される。プラズマ特性の場合、プラズマからの電子および/またはイオンが、共振器321の表面に引きつけられる。共振器上の増加された電荷は、共振周波数の変化を生じる。いくつの電子および/またはイオンが共振器321の表面に引きつけられるかを決定することによって、プラズマ密度または電子温度が決定され得る。同様に、共振周波数の変化は、共振器321の質量、応力、温度などの変化の結果でもあり得る。単一の変数が変化させられることの影響を分離するために、異なる形状寸法、異なるバイアス、または他の変形形態をもつ、複数の異なる共振器が使用され得る。複数の異なる形状寸法を有することは、測定されることを望まれる所与の変数を分離するために、連立方程式の設定が使用されることを可能にする。
【0026】
一実施形態では、センサ320
Aおよび320
Bは、各々、アンテナ325に結合され得る。一実施形態では、アンテナ325は、導電性トレースと同程度に単純であり得る。他の実施形態では、パッチアンテナまたはデュアルパッチアンテナなど、より複雑なアンテナアーキテクチャが提供され得る。簡単のために、アンテナ325の一部分が
図3Aに示されている。概して、アンテナ325のサイズは、センサ320
Aおよび320
Bのサイズよりも著しく大きい。アンテナ325は、センサ320
Aおよび320
Bの共振周波数が診断基板300の外部の質問器にワイヤレス送信されることを可能にする。一実施形態では、センサ320
Aおよび320
Bは、
図3Aに示されているように、アンテナ325に直接結合され得る。他の実施形態では、センサ320
Aおよび320
Bは、(たとえば、容量性結合などよって)アンテナ325に間接的に結合され得る。一実施形態では、RF回路が、アンテナ325とセンサ320
Aおよび320
Bとの間の基板上に製造され得る。たとえば、RF回路は、シールド伝送線、カプラ、および/またはフィルタを備え得る。
【0027】
次に
図3Bを参照すると、追加の実施形態による、診断基板300の断面図が示されている。一実施形態では、診断基板300は、基板301を備え、基板301上の絶縁層302をもつ。基板301および絶縁層302は、
図3Aに関して上記で説明された基板301および絶縁層302と実質的に同様であり得る。
【0028】
一実施形態では、診断基板300は、第1のセンサ320Aと第2のセンサ320Bとを備え得る。一実施形態では、第1のセンサ320Aおよび第2のセンサ320Bは、各々、絶縁層302上のポスト323およびパッド324上で支持される共振器321を有し得る。第1のセンサ320Aおよび第2のセンサ320Bは、各々、共振器321の外周を囲むガードリング322をも有し得る。一実施形態では、第1のセンサ320Aおよび第2のセンサ320Bは、アンテナ325に通信可能に結合され得る。
【0029】
第1のセンサ320Aは、第2のセンサ320Bとは異なる形状寸法また構造を有し得る。図示の実施形態では、第1のセンサ320Aは、第1の直径DAをもつ共振器321を有し、第2のセンサ320Bは、第2の直径DBをもつ共振器321を有する。第2の直径DBは、第1の直径DAよりも大きくなり得る。したがって、センサ320Aとセンサ320Bとは一緒に使用されて、拡張された感度をプラズマ特性の測定に提供し得る。
【0030】
次に
図3Cを参照すると、追加の実施形態による、診断基板300の断面図が示されている。
図3C中の診断基板300は、共振器321の下の放電層303を除いて、
図3A中の診断基板300と実質的に同様であり得る。放電層303は、高抵抗材料層であり得る。たとえば、放電層303は、低ドープシリコンを備え得る。高抵抗は、電荷がゆっくり電荷を放出することを可能にする。これは、センサ320が放電スイッチの必要なしにリセットされることを可能にする。
【0031】
次に
図4を参照すると、一実施形態による、診断基板400の断面図が示されている。一実施形態では、診断基板400は、基板401と、基板401上の絶縁層402とを備える。基板401および絶縁層402は、上記でより詳細に説明された基板301および絶縁層302と実質的に同様であり得、ここでは繰り返されない。
【0032】
一実施形態では、センサ420
Aと420
Bとのペアが、
図4に示されている。2つのセンサ420
Aおよび420
Bが示されているが、数百個、数千個、または数万個のセンサ420が基板401にわたって提供され得ることを諒解されたい。一実施形態では、第1のセンサ420
Aの形状寸法は、第2のセンサ420
Bの形状寸法と実質的に同様であり得る。すなわち、第1のセンサ420
Aおよび第2のセンサ420
Bは、各々、ポスト423およびパッド424によって支持され、ガードリング422によって囲まれた、共振器421を備え得る。ディスク共振器421として示されているが、共振器421は、上記でより詳細に説明されたものなど、任意の好適な共振器を含み得ることを諒解されたい。
【0033】
第1のセンサ420Aと第2のセンサ420Bとの間の差は、ガードリング422に適用されるバイアスである。たとえば、第1のバイアス431が、第1のセンサ420Aの周りのガードリング422に適用され、第2のバイアス432が、第2のセンサ420Bの周りのガードリング422に適用される。第2のバイアス432は、第1のバイアス431よりも大きくなり得る。より大きいバイアス432は、バイアス431によって提供された共振器421の上の開孔と比較して、共振器421の上の開孔を低減する。すなわち、第1のセンサ420Aにおける電磁場線(electromagnetic field line)間の距離は、第2のセンサ420Bにおける電磁場線間の距離よりも大きい。したがって、異なる量の電子が、異なるセンサ420Aおよび420Bによって収集され得る。その差は、プラズマ密度または電子温度など、関心の変数を分離するために、連立方程式が設定されることを可能にする。一実施形態では、センサ420Aおよび420Bは、アンテナ425によって外部の質問器(図示せず)に結合され得る。
【0034】
一実施形態では、第1のバイアス431および第2のバイアス432は、DCバイアスであり得る。他の実施形態では、バイアス431および432は、ACバイアスであり得る。実施形態は、ACバイアスがDCバイアスの上に追加された、DCバイアスをも含み得る。一実施形態では、第1のバイアス431および第2のバイアス432は、動的バイアスであり得る。たとえば、いくつかの実施形態では、複数の異なる電圧にわたるバイアス掃引(bias sweep)が使用され得る。
【0035】
次に
図5Aおよび
図5Bを参照すると、一実施形態による、第1のセンサ520
Aをもつ診断基板500の断面図のペアが示されている。診断基板500は、上記でより詳細に説明された基板301および絶縁層302と同様の基板501および絶縁層502を備え得る。第1のセンサ520
Aは、ポスト523およびパッド524によって支持された共振器521を備える。ガードリング522が、共振器521の外周を囲み得る。ディスク共振器521として示されているが、共振器521は、上記でより詳細に説明されたものなど、任意の好適な共振器であり得ることを諒解されたい。第1のセンサ520
Aは、外部の質問器(図示せず)とワイヤレス通信するためにアンテナ525に結合され得る。
【0036】
図5Aに示されているように、ガードリング522は、第1のバイアス531を供給される。第1のバイアス531は、共振器521上の第1の開孔を生じる。
図5Bでは、ガードリング522は、第2のバイアス532を供給される。第2のバイアス532は、第1の開孔よりも小さい、共振器521上の第2の開孔を生じる。すなわち、単一のセンサ520は、異なるバイアスを供給され得る。いくつかの実施形態では、バイアスは、複数の異なるバイアスを包含するバイアス掃引であり得る。一実施形態では、バイアスは、DCバイアス、ACバイアス、またはACバイアスおよびDCバイアスを含み得る。
【0037】
次に
図6Aを参照すると、追加の実施形態による、診断基板600の断面図が示されている。一実施形態では、診断基板600は、基板601と、基板601上の絶縁層602とを備える。基板601および絶縁層602は、上記でより詳細に説明された絶縁層302および基板301と実質的に同様であり得る。
【0038】
一実施形態では、診断基板600は、ピラー651によって支持されるフレーム650を備え得る。第1のセンサ620Aおよび第2のセンサ620Bの駆動および感知回路は、フレーム650の下にあり得る。したがって、駆動および感知回路は、処理環境から保護される。駆動および感知回路は、共振器641の下に配置された1つまたは複数のコイル642とコア643とを備え得る。コア643は、コイル642の磁束を向上させる磁性材料であり得る。たとえば、コア643はフェライト材料を備え得る。第1のセンサ620Aおよび第2のセンサ620Bは、診断基板600の外部の質問器(図示せず)とのワイヤレス通信を可能にするために、アンテナ625に直接または間接的に結合され得る。
【0039】
共振器641は、フレーム650における開口にわたって広がる膜であり得る。
図6Aに示されているように、第1のセンサ620
Aおよび第2のセンサ620
Bにおける共振器641は、基板601に対して同じ高さにおいて提供される。他の実施形態では、
図6Bに示されているように、第1のセンサ620
Aの共振器641は、基板601に対して、第2のセンサ620
Bの共振器641とは異なる高さにあり得る。一実施形態では、第2のセンサ620
Bの共振器641は、フレーム650の底面上に提供され得る。
図6Aおよび
図6Bにおいて基板601の実質的にすべてをカバーするように示されているが、フレーム650は、センサ領域上に位置し得、基板601の残りは、フレーム650によってカバーされないことがあることを諒解されたい。
【0040】
上記で説明された実施形態では、ディスク共振器および膜共振器が詳細に説明された。しかしながら、本明細書で開示される実施形態において任意の共振器アーキテクチャが使用され得ることを諒解されたい。たとえば、
図7Aでは、一実施形態による、カンチレバービーム共振器(cantilever beam resonator)720の斜視図が示されている。ビーム共振器720は、アンカー761と、アンカー761から延びるビーム762とを含み得る。アンカー761は、基板701に(直接または間接的に)結合され得る。
図7Bでは、一実施形態による、動作において音叉と同様である共振器720の平面図が示されている。
図7Bでは、共振器720は、アンカー761と、アンカー761に取り付けられた共振フォーク763とを備える。アンカー761は、基板701に(直接または間接的に)結合され得る。
図7Aおよび
図7Bに示されているものなど、音響共振器に加えて、圧電共振器も使用され得る。圧電共振器の一例が、
図7Cに示されている。図示のように、圧電層765が、絶縁層702におけるキャビティにわたって広がり得る。第1の電極767は圧電層765の下にあり、第2の電極766は圧電層765の上にある。共振器の3つの追加の例が示されているが、実施形態が特定の構成に限定されないことを諒解されたい。
【0041】
次に
図8を参照すると、一実施形態による、プラズマチャンバにおいてプラズマ特性を決定するためのプロセス880のフロー図が示されている。一実施形態では、プロセス880は、プラズマチャンバにおいて診断基板を提供することを含む、動作881から始まり得る。一実施形態では、診断基板は、第1の形状寸法をもつ第1の共振器と第2の形状寸法をもつ第2の共振器とを備える。一実施形態では、異なる共振器は、上記でより詳細に説明されたものなど、任意の共振器であり得る。たとえば、形状寸法の差は、下にある基板に対する共振器の高さの差であり得る。他の実施形態では、形状寸法の差は、共振器の周囲のガードリングの高さの差であり得る。一実施形態では、ガードリングに適用されるバイアスが、異なる共振器について異なり得る。他の実施形態では、バイアスは、共振器の各々について変調され得る。たとえば、バイアス掃引が、共振器の各々について使用され得る。共振器に適用されるバイアスは、いくつかの実施形態では、AC構成要素とDC構成要素とを備え得る。
【0042】
一実施形態では、プロセス880は、プラズマチャンバにおいてプラズマを生成することを含む、動作882を続け得る。一実施形態では、プラズマは、任意のタイプのプラズマプロセスのために使用され得る。たとえば、プラズマは、PE-CVDプロセス、PE-ALDプロセス、PVDプロセス、エッチングプロセス、または任意の他の半導体製造プロセスのためのものであり得る。しかしながら、いくつかの実施形態では、プラズマを生成する前に、共振器のベースライン応答が決定され得る。たとえば、プロセス880は、プラズマなしの真空中での第1の共振器および第2の共振器からのベースライン応答を測定することをも含み得る。
【0043】
一実施形態では、プロセス880は、第1の共振器の第1の共振周波数と第2の共振器の第2の共振周波数とを測定することを含む、動作883を続け得る。一実施形態では、共振周波数は、形状寸法における変動および/または共振器の周りのガードリングに適用されるバイアスにおける変動により異なり得る。一実施形態では、第1の共振周波数および第2の共振周波数は、プラズマの周波数とは異なり得る。特定の実施形態では、第1の共振周波数および第2の共振周波数は、約100MHzまたはそれよりも大きくなり得る。
【0044】
一実施形態では、プロセス880は、第1の共振周波数および第2の共振周波数から、プラズマパラメータを抽出することを含む、動作884を続け得る。一実施形態では、共振周波数は、診断基板上のアンテナによって、プラズマチャンバの外部の質問器にワイヤレス送信され得る。プラズマパラメータは、電子密度、電子温度、EEDF、イオン密度、およびIEDF、または任意の他の検出可能なプラズマパラメータを含み得る。いくつかの実施形態では、プラズマパラメータは、空間的プラズマパラメータであり得る。すなわち、単一のプラズマパラメータ(たとえば、プラズマ密度)が、診断基板に対して異なるZ高さ(Z-height)において測定され得る。
【0045】
プロセス880が、異なる制御またはチャンバヘルスモニタリングを提供するために使用され得ることを諒解されたい。たとえば、プロセス880は、プロセスベースライン化、フィンガープリンティング(真正性確認)、変動モニタリング、チャンバマッチング、または他のチャンバ制御を提供するために使用され得る。さらに、プロセス880は、機械学習モジュールおよび/または人工知能モジュールとともに使用され得ることを諒解されたい。そのような実施形態では、プロセス880は、機械学習モジュールおよび/または人工知能モジュールへの入力として与えられ得るデータ(たとえば、プラズマパラメータ)を生成するために使用され得る。機械学習モジュールおよび/または人工知能モジュールは、限定はしないが、プロセスベースライン化、フィンガープリンティング、変動モニタリング、チャンバマッチングまた他のチャンバ制御など、1つまたは複数の処理ツールへのプロセス制御機能を提供するために、プロセス880からの生成されたデータを使用し得る。
【0046】
図9は、機械に本明細書で説明される方法論のうちのいずれか1つまたは複数を実施させるための命令のセットが実行され得る、コンピュータシステム900の例示的な形態の機械の図式表現を示す。代替実施形態では、機械は、ローカルエリアネットワーク(LAN)、イントラネット、エクストラネット、またはインターネット中で他の機械に接続され(たとえば、ネットワーク化され)得る。機械は、クライアントサーバネットワーク環境内のサーバ機械またはクライアント機械の資格で動作するか、あるいはピアツーピア(または分散型)ネットワーク環境内のピア機械として動作し得る。機械は、パーソナルコンピュータ(PC)、タブレットPC、セットトップボックス(STB)、携帯情報端末(PDA)、セルラー電話、ウェブアプライアンス、サーバ、ネットワークルータ、スイッチまたはブリッジ、あるいはその機械によってとられるべきアクションを指定する命令のセット(連続したまたはそれ以外)を実行することが可能な任意の機械であり得る。さらに、単一の機械のみが示されているが、「機械」という用語はまた、本明細書で説明される方法論のうちのいずれか1つまたは複数を実施するために命令のセット(または複数のセット)を個々にまたは一緒に実行する、機械(たとえば、コンピュータ)の任意の集合を含むと解釈されるものとする。
【0047】
例示的なコンピュータシステム900は、バス930を介して互いと通信する、プロセッサ902と、メインメモリ904(たとえば、読取り専用メモリ(ROM)、フラッシュメモリ、同期DRAM(SDRAM)などのダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)またはRambus DRAM(RDRAM)など)と、スタティックメモリ906(たとえば、フラッシュメモリ、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)、MRAMなど)と、2次メモリ918(たとえば、データストレージデバイス)とを含む。
【0048】
プロセッサ902は、マイクロプロセッサ、中央処理ユニットなど、1つまたは複数の汎用処理デバイスを表す。より詳細には、プロセッサ902は、複合命令セットコンピューティング(CISC)マイクロプロセッサ、縮小命令セットコンピューティング(RISC)マイクロプロセッサ、超長命令語(VLIW)マイクロプロセッサ、他の命令セットを実装するプロセッサ、または命令セットの組合せを実装するプロセッサであり得る。プロセッサ902はまた、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、ネットワークプロセッサなど、1つまたは複数の専用処理デバイスであり得る。プロセッサ902は、本明細書で説明される動作を実施するための処理論理926を実行するように構成される。
【0049】
コンピュータシステム900は、ネットワークインターフェースデバイス908をさらに含み得る。コンピュータシステム900は、ビデオディスプレイユニット910(たとえば、液晶ディスプレイ(LCD)、発光ダイオードディスプレイ(LED)、または陰極線管(CRT))と、英数字入力デバイス912(たとえば、キーボード)と、カーソル制御デバイス914(たとえば、マウス)と、信号生成デバイス916(たとえば、スピーカー)とをも含み得る。
【0050】
2次メモリ918は、本明細書で説明される方法論または機能のうちのいずれか1つまたは複数を具現する命令の1つまたは複数のセット(たとえば、ソフトウェア922)が記憶された機械アクセス可能ストレージ媒体(またはより詳細には、コンピュータ可読ストレージ媒体)931を含み得る。ソフトウェア922はまた、コンピュータシステム900によるソフトウェア922の実行中に、メインメモリ904内におよび/またはプロセッサ902内に完全にまたは少なくとも部分的に存在し得、メインメモリ904およびプロセッサ902は、機械可読ストレージ媒体をも構成する。ソフトウェア922は、さらに、ネットワークインターフェースデバイス908を介してネットワーク961上で送信または受信され得る。
【0051】
機械アクセス可能ストレージ媒体931は、例示的な実施形態において単一の媒体であることが示されているが、「機械可読ストレージ媒体」という用語は、命令の1つまたは複数のセットを記憶する単一の媒体または複数の媒体(たとえば、集中型または分散型データベース、ならびに/または関連するキャッシュおよびサーバ)を含むと解釈されるものとする。「機械可読ストレージ媒体」という用語はまた、機械による実行のための命令のセットを記憶または符号化することが可能であり、機械に本開示の方法論のうちのいずれか1つまたは複数を実施させる、任意の媒体を含むと解釈されるものとする。「機械可読ストレージ媒体」という用語は、したがって、限定はしないが、固体メモリと、光および磁気媒体とを含むと解釈されるものとする。
【0052】
本開示の一実施形態によれば、機械アクセス可能ストレージ媒体は命令を記憶しており、命令は、データ処理システムに、複数の異なる形状寸法を有する共振器をもつ診断基板を使用して、プラズマチャンバにおいてプラズマパラメータを測定する方法を実施させる。
【0053】
したがって、プラズマパラメータを測定するための方法が開示された。
【国際調査報告】