(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-12
(54)【発明の名称】リソグラフィシステム、基板撓み補償器、および方法
(51)【国際特許分類】
G03F 7/20 20060101AFI20240705BHJP
【FI】
G03F7/20 521
G03F7/20 501
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024501864
(86)(22)【出願日】2022-06-28
(85)【翻訳文提出日】2024-01-22
(86)【国際出願番号】 EP2022067792
(87)【国際公開番号】W WO2023285139
(87)【国際公開日】2023-01-19
(32)【優先日】2021-07-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】504151804
【氏名又は名称】エーエスエムエル ネザーランズ ビー.ブイ.
(74)【代理人】
【識別番号】100105924
【氏名又は名称】森下 賢樹
(74)【代理人】
【識別番号】100134256
【氏名又は名称】青木 武司
(72)【発明者】
【氏名】ファン デ ケルクホフ、マルクス、アドリアヌス
【テーマコード(参考)】
2H197
【Fターム(参考)】
2H197CD02
2H197CD07
2H197DC04
2H197DC14
2H197HA03
(57)【要約】
【解決手段】システムは、一または複数の突起を有する支持テーブルおよび圧力デバイスを含む。一または複数の突起は、基板が支持テーブルから浮くように、基板に接触して支持する。支持テーブルによって支持された時の基板の撓みは、基板の材料および/または寸法に基づく。圧力デバイスは、撓みが低減されるように、基板の一方側の圧力を調整する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板が支持テーブルから浮くように、前記基板に接触して支持するように構成される一または複数の突起を備える支持テーブルであって、前記支持テーブルによって支持された時の前記基板の撓みが、前記基板の材料および/または寸法に基づく支持テーブルと、
前記撓みが低減されるように、前記基板の一方側の圧力を調整するように構成される圧力デバイスと、
を備えるシステム。
【請求項2】
前記圧力デバイスは、前記基板および前記支持テーブルの間のギャップに結合される導管を備え、
前記圧力デバイスは、前記基板の一方側の圧力を調整するために、前記ギャップとの間で加圧ガスを導入および/または除去するように更に構成され、
前記圧力デバイスは、前記基板の一方側の圧力を調整するために、前記基板の一方側での加圧ガスの流れを生成するように構成される、
請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記圧力を調整するために、前記圧力デバイスを制御するように構成されるコントローラと、
測定信号を生成するように構成される圧力センサであって、前記コントローラが、受け取った前記測定信号に基づいて前記圧力を判定するように構成される圧力センサと、
を更に備え、
前記コントローラは、前記判定された圧力に基づいて制御信号を生成するように更に構成され、
前記圧力デバイスは、受け取った前記制御信号に基づいて前記圧力を調整するように更に構成される、
請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記圧力センサは、前記基板および前記支持テーブルの間のギャップに配置され、
前記システムは、前記システムの雰囲気に曝され、第2測定信号を生成するように構成される第2圧力センサを更に備え、
前記コントローラは、前記第2測定信号を受け取り、前記測定信号および前記第2測定信号に基づいて、前記ギャップおよび前記雰囲気の間の圧力差を判定するように更に構成され、
前記制御信号を生成することは、前記圧力差に更に基づく、
請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記圧力デバイスは、前記浮いた基板および前記支持テーブルの間のギャップでの圧力を調整するように更に構成され、
前記圧力デバイスは、前記システムの雰囲気圧力を調整するように更に構成される、
請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記支持テーブルを駆動するように構成されるアクチュエータであって、前記圧力デバイスが、前記駆動に伴う圧力変化を補償するように更に構成されるアクチュエータと、
前記駆動に伴う圧力変化を補償するために、前記圧力デバイスを制御するように構成されるコントローラと、
を更に備える請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
一または複数の突起を備える支持テーブルによって支持される基板の撓みを低減するための方法であって、
前記支持テーブルの前記一または複数の突起を、前記基板を支持するように接触させることであって、前記支持テーブルによって支持された時の前記基板の撓みが、前記基板の材料および/または寸法に基づく接触させることと、
前記撓みが低減されるように、圧力デバイスを使用して前記基板の一方側の圧力を調整することと、
を備える方法。
【請求項8】
前記圧力を調整することは、前記圧力デバイスを使用して、前記基板の一方側での加圧ガスの流れを供給することを備える、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
圧力センサを使用して前記基板の一方側での圧力を判定することを更に備え、
前記調整することは、
コントローラを使用して、前記判定された圧力に基づいて制御信号を生成することと、
前記調整することを実行するために、前記圧力デバイスで前記制御信号を受け取ることと、
を備える請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記圧力センサによって提供される情報は、前記基板および前記支持テーブルの間のギャップに対応し、
前記支持テーブルの雰囲気に曝される第2圧力センサを使用して、前記ギャップおよび前記雰囲気の間の圧力差を判定することを備え、
前記制御信号を生成することは、前記圧力差に更に基づく、
請求項9に記載の方法。
【請求項11】
アクチュエータを使用して前記支持テーブルを駆動することを更に備え、
前記圧力を調整することは、前記駆動に伴う圧力変化を補償することを備える、
請求項7に記載の方法。
【請求項12】
パターニングデバイスのパターンを照明するように構成される照明システムと、
前記パターンのイメージを基板上に投影するように構成される投影システムと、
前記パターニングデバイスが支持テーブルから浮くように、前記パターニングデバイスに接触して支持するように構成される一または複数の突起を備える支持テーブルであって、前記支持テーブルによって支持された時の前記パターニングデバイスの撓みが、前記パターニングデバイスの材料および/または寸法に基づく支持テーブルと、
前記撓みが低減されるように、前記基板の一方側の圧力を調整するように構成される圧力デバイスと、
を備えるリソグラフィシステム。
【請求項13】
前記圧力デバイスは、前記基板の一方側の圧力を調整するために、前記基板の一方側での加圧ガスの流れを生成するように構成される、請求項12に記載のリソグラフィシステム。
【請求項14】
前記圧力を調整するために、前記圧力デバイスを制御するように構成されるコントローラと、
測定信号を生成するように構成される圧力センサであって、前記コントローラが、受け取った前記測定信号に基づいて前記圧力を判定し、前記判定された圧力に基づいて制御信号を生成するように構成される圧力センサと、
を更に備え、
前記圧力デバイスは、受け取った前記制御信号に基づいて前記圧力を調整するように更に構成される、
請求項12に記載のリソグラフィシステム。
【請求項15】
前記支持テーブルを駆動するように構成されるアクチュエータであって、前記圧力デバイスが、前記駆動に伴う圧力変化を補償するように更に構成されるアクチュエータと、
前記駆動に伴う圧力変化を補償するために、前記圧力デバイスを制御するように構成されるコントローラと、
を更に備える請求項12に記載のリソグラフィシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願へのクロスリファレンス]
本出願は、2021年7月13日に出願された米国仮特許出願63/221,129号の優先権を主張し、その全体が参照によって本書に援用される。
【0002】
[技術分野]
本開示は、基板テーブル等の薄い基板のための支持構造と、リソグラフィ装置およびシステムにおける使用のための圧力デバイスに関する。
【背景技術】
【0003】
リソグラフィ装置は、基板上、通常は基板のターゲット部分上に所望のパターンを適用する装置である。リソグラフィ装置は、例えば、集積回路(IC)の製造において使用されうる。この場合、マスクまたはレチクルとも表されるパターニングデバイスが、ICの個々の層上に形成される回路パターンを生成するために使用されうる。このパターンは、基板(例えば、シリコンウェーハ)上のターゲット部分(例えば、ダイの部分、一つのダイ、または複数のダイを含む)上に転写されうる。パターンの転写は、典型的に、基板上に提供される放射感応性材料(レジスト)の層上へのイメージングによる。一般的に、単一の基板は、連続的にパターン形成される近接したターゲット部分のネットワークを含む。リソグラフィ装置は、ターゲット部分上に全体パターンを一度に露光することで各ターゲット部分が照明されるいわゆるステッパ、および、放射ビームを通じてパターンを所定方向(「スキャン」方向)にスキャンすると同時に、このスキャン方向に平行または非平行にターゲット部分をスキャンすることで、各ターゲット部分が照明されるいわゆるスキャナを含みうる。基板上にパターンをインプリントすることで、パターニングデバイスから基板にパターンを転写することも可能である。
【0004】
他のリソグラフィシステムは、パターニングデバイスが存在せず、光ビームが二つのビームに分けられ、反射システムの使用を通じて当該二つのビームが基板のターゲット部分で干渉される干渉リソグラフィシステムである。干渉によって、基板のターゲット部分に線が形成される。
【0005】
リソグラフィプロセスの異なるステージで計測を実行することが重要である。例えば、リソグラフィオペレーション中に、異なる処理ステップは、異なる層が順に基板上に形成されることを要求しうる。従って、基板上に先に形成されたパターンに対して、当該基板を高い精度で配置することが求められうる。一般的に、アライメントマークがアライメント対象の基板上に配置され、第2オブジェクトを参照して位置が特定される。マスクからの正確な露光を担保するために、リソグラフィ装置は、アライメントマークの位置を検出し、アライメントマークを使用して基板を配置するために、アライメント装置を使用してもよい。二つの異なる層におけるアライメントマークの間のミスアライメントは、オーバーレイエラーとして測定される。
【0006】
リソグラフィプロセスを監視するために、パターン形成された基板のパラメータが測定される。パラメータは、例えば、パターン形成された基板内または上に形成された連続する層の間のオーバーレイエラーや、現像された感光性レジストの臨界線幅を含んでもよい。この測定は、製品基板および/または専用の計測ターゲットに対して実行されうる。走査電子顕微鏡および様々な特別なツールの使用を含み、リソグラフィプロセスにおいて形成された微細構造の測定を行うための様々な技術がある。高速および非侵襲的な形態の特別な検査ツールは、基板の表面上のターゲット上に放射のビームが向けられ、散乱または反射されたビームの特性が測定されるスキャトロメータである。基板によって反射または散乱された前後のビームの特性を比較することによって、基板の特性が判定されうる。これは、例えば、既知の基板特性に関する既知の測定のライブラリに格納されているデータと、反射されたビームを比較することによって行われうる。分光スキャトロメータは、広帯域放射ビームを基板上に向け、特定の狭い角度範囲内に散乱される放射のスペクトル(波長の関数としての強度)を測定する。対照的に、角度分解スキャトロメータは、単色の放射ビームを使用し、角度の関数としての散乱された放射の強度を測定する。
【0007】
このような光学スキャトロメータは、現像された感光性レジストの臨界寸法またはパターン形成された基板内または上に形成される二つの層の間のオーバーレイエラー(OV)等のパラメータを測定するために使用されうる。基板の特性は、ビームが基板によって反射または散乱された前後の照明ビームの特性を比較することによって判定されうる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
前述されたリソグラフィおよび計測プロセスは、典型的に、正確にマシニングされた基板テーブル(例えば、略完全な平坦性を有するもの)に依存している。リソグラフィ製造のサブミクロンの公差要求を満たすために、基板(例えば、ウェーハおよびパターニングデバイス)の平坦性が公差マージン内であることが重要である。パターニングデバイスは、その表面エリアの寸法(例えば、直径で約150mm)と比べて、比較的薄く(例えば、厚さが4mm、2mm、または1mmより小さい)、弱い不均一な力を受けただけでも歪みうる。このような歪みは、基板に対して実行される後続のリソグラフィおよび計測プロセスに悪影響を及ぼしうる。
【0009】
従って、基板テーブル上で支持されている間に基板が曲がることを防止できるデバイスおよび方法を開発することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0010】
いくつかの実施形態では、システムが、一または複数の突起を有する支持テーブルと圧力デバイスを備える。一または複数の突起は、基板が支持テーブルから浮くように、基板に接触して支持するように構成される。支持テーブルによって支持された時の基板の撓みは、基板の材料および/または寸法によってもたらされうる。圧力デバイスは、撓みが低減されるように、基板の一方側の圧力を調整するように構成される。
【0011】
いくつかの実施形態では、一または複数の突起を有する支持テーブルによって支持される基板の撓みを低減するための方法が、支持テーブルの一または複数の突起を、基板を支持するように接触させることを備える。支持テーブルによって支持された時の基板の撓みは、基板の材料および/または寸法に基づく。方法は、撓みが低減されるように、圧力デバイスを使用して基板の一方側の圧力を調整することを更に備える。
【0012】
いくつかの実施形態では、リソグラフィシステムが、照明システム、投影システム、一または複数の突起を備える支持テーブル、および圧力デバイスを備える。照明システムは、パターニングデバイスのパターンを照明するように構成される。投影システムは、パターンのイメージを基板上に投影するように構成される。一または複数の突起は、基板が支持テーブルから浮くように、パターニングデバイスに接触して支持するように構成される。支持テーブルによって支持された時のパターニングデバイスの撓みは、パターニングデバイスの材料および/または寸法によってもたらされうる。圧力デバイスは、撓みが低減されるように、パターニングデバイスの一方側の圧力を調整するように構成される。
【0013】
本開示の更なる特徴は、様々な実施形態の構造および動作と共に、付随する図面を参照して以下で詳細に記述される。本開示は、ここで記述される具体的な実施形態に限定されないと理解される。このような実施形態は、例示のみを目的として、ここで提示される。追加的な実施形態は、ここに含まれる教示に基づいて、当業者にとって明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0014】
ここで援用されて明細書の一部を構成する付随する図面は、本開示を例示し、その記述と共に、ここで記載される実施形態を当業者が製造および使用できるように、本開示の原理を説明するために更に利用される。
【0015】
図1Aは、いくつかの実施形態に係る反射型リソグラフィ装置を示す。
【0016】
図1Bは、いくつかの実施形態に係る透過型リソグラフィ装置を示す。
【0017】
図2は、いくつかの実施形態に係る反射型リソグラフィ装置を示す。
【0018】
図3は、いくつかの実施形態に係るリソグラフィセルを示す。
【0019】
図4は、いくつかの実施形態に係る撓み補償のためのシステムを示す。
【0020】
図5は、いくつかの実施形態に係る基板の撓みを低減するための方法ステップのフローチャートを示す。
【0021】
本開示の特徴は、図面(同様の参照記号は一貫して対応する要素を表す)と併せて解釈される以下の詳細な記述からより明らかになる。図面における同様の参照番号は、概して、同一、機能的に同様、および/または構造的に同様の要素を示す。加えて、概して、参照番号における最も左の数字は、当該参照番号が最初に現れる図を表す。特に断らない限り、開示を通じて提供される図面は、実際の寸法に忠実なものと解釈されるべきではない。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本明細書は、本開示の特徴を備える一または複数の実施形態を開示する。開示される実施形態は、例として提供される。本開示の範囲は、開示される実施形態に限定されない。請求項に係る特徴は、添付される特許請求の範囲によって定められる。
【0023】
記述される実施形態や、明細書における「一つの実施形態」「一実施形態」「一実施例」等への言及は、記述される実施形態が特定の特徴、構造、または特質を含んでもよいが、全ての実施形態が必ずしも特定の特徴、構造、または特質を含まなくてもよいということを表す。更に、このような言い回しは、必ずしも同じ実施形態を指すとは限らない。更に、特定の特徴、構造、または特質がある実施形態に関して記述される場合、このような特徴、構造、または特質を他の実施形態に関して有効にすることは、明示的に記述されるか否かによらず当業者の知識の範囲内であると理解される。
【0024】
「下」(例えば、beneath、below、lower)や「上」(例えば、above、on、upper)等の空間的に相対的な用語は、図示される一方の要素または特徴の、他方の要素または特徴に対する関係の記述を容易にするためにここで使用されうる。空間的に相対的な用語は、図示される方向に加えて、使用中または動作中のデバイスの異なる方向も包含する趣旨である。装置は異なる方向(90度回転された方向や他の方向)を向いていてもよく、ここで使用される空間的に相対的な用語は、それに合わせて同様に解釈されてもよい。
【0025】
用語「約」は、特定の技術に基づいて変動しうる与えられた量の値を示すために、ここで使用されてもよい。特定の技術に基づいて、用語「約」は、例えば、値の10-30%(例えば、値の±10%、±20%、または±30%)の範囲内で変動する与えられた量の値を示してもよい。
【0026】
開示の実施形態は、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、またはこれらの任意の組合せとして実装されうる。開示の実施形態は、一または複数のプロセッサによって読み込まれて実行されうる、機械読取可能媒体に格納された命令として実装されてもよい。機械読取可能媒体は、装置(例えば、演算デバイス)によって読取可能な態様で情報を格納または送信するための任意のメカニズムを含んでもよい。例えば、機械読取可能媒体は、リードオンリーメモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、磁気ディスクストレージ媒体、光学ストレージ媒体、フラッシュメモリデバイス、電気/光/音その他の態様の伝送信号(例えば、搬送波、赤外線信号、デジタル信号等)等を含んでもよい。更に、ファームウェア、ソフトウェア、ルーチン、および/または命令は、特定のアクションを実行するものとしてここで記述されうる。但し、このような記述は単に便宜的なものに過ぎず、このようなアクションは実際には、ファームウェア、ソフトウェア、ルーチン、命令等を実行する演算デバイス、プロセッサ、コントローラその他のデバイスによって引き起こされると理解されるべきである。
【0027】
このような実施形態を詳細に記述する前に、本開示の実施形態が実施されうる環境例を参考のために提示する。
【0028】
リソグラフィシステム例
【0029】
図1Aおよび1Bは、本開示の実施形態が実装されうるリソグラフィ装置100およびリソグラフィ装置100’のそれぞれの模式図である。リソグラフィ装置100およびリソグラフィ装置100’のそれぞれは次の要素を含む:放射ビームB(例えば、深紫外または極端紫外放射)を調整するように構成される照明システム(イルミネータ)IL;パターニングデバイス(例えば、マスク、レチクル、または動的なパターニングデバイス)MAを支持するように構成され、当該パターニングデバイスMAを正確に配置するように構成される第1ポジショナPMに接続される支持構造(例えば、マスクテーブル)MT;基板(例えば、レジストがコーティングされたウェーハ)Wを保持するように構成され、当該基板Wを正確に配置するように構成される第2ポジショナPWに接続される基板テーブル(例えば、ウェーハテーブル)WT。リソグラフィ装置100および100’は、パターニングデバイスMAによって放射ビームBに形成されたパターンを、基板Wのターゲット部分(例えば、一または複数のダイを含む)C上に投影するように構成される投影システムPSも有する。リソグラフィ装置100では、パターニングデバイスMAおよび投影システムPSが反射型である。リソグラフィ装置100’では、パターニングデバイスMAおよび投影システムPSが透過型である。
【0030】
照明システムILは、放射ビームBの方向付け、形成、または制御のための、屈折型、反射型、反射屈折型、磁気型、電磁気型、静電型その他のタイプの光学コンポーネント、またはそれらの任意の組合せ等の様々なタイプの光学コンポーネントを含みうる。
【0031】
支持構造MTは、参照フレームに対するパターニングデバイスMAの方向、リソグラフィ装置100および100’の少なくとも一つのデザイン、およびパターニングデバイスMAが真空環境に保持されるか否か等の他の条件に応じた態様で、パターニングデバイスMAを保持する。支持構造MTは、パターニングデバイスMAを保持するために、機械型、真空型、静電型、または他のクランプ技術を使用しうる。支持構造MTは、例えば、必要に応じて固定されまたは移動可能なフレームまたはテーブルでもよい。センサを使用することで、支持構造MTは、パターニングデバイスMAを、例えば投影システムPSに対する所望の位置に確実に配置できる。
【0032】
用語「パターニングデバイス」MAは、例えば、基板Wのターゲット部分Cにパターンを生成するように、放射ビームBの断面にパターンを形成するために使用されてもよい任意のデバイスを指すものと広義に解釈されるべきである。放射ビームBに形成されるパターンは、集積回路を形成するためにターゲット部分Cに生成されるデバイスにおける特定の機能層に対応しうる。
【0033】
パターニングデバイスMAは、透過型(例えば、
図1Bのリソグラフィ装置100’におけるように)でもよいし、反射型(例えば、
図1Aのリソグラフィ装置100におけるように)でもよい。透過または反射の品質は、例えば、EUVまたはDUV放射の使用に基づいて選ばれてもよい。パターニングデバイスMAの例は、レチクル、マスク、プログラマブルミラーアレイ、またはプログラマブルLCDパネルを含む。マスクはリソグラフィにおいて周知であり、バイナリ型、レベンソン型位相シフト、またはハーフトーン型位相シフト、および様々なハイブリッドマスクタイプ等のマスクタイプを含む。プログラマブルミラーアレイの一例は、入射ビームを異なる方向に反射するために個別に傾けられうる小ミラーのマトリックス配置を利用する。傾けられたミラーは、放射ビームBにパターン(小ミラーのマトリックスによって反射されたもの)を形成する。
【0034】
用語「投影システム」PSは、使用される露光放射や、基板W上での液浸液の使用または真空の使用等の他のファクタにとって適切な、屈折型、反射型、反射屈折型、磁気型、電磁気型および静電型の光学システム、またはそれらの任意の組合せを含む、任意のタイプの投影システムを包含してもよい。他のガスが放射または電子を過剰に吸収しうるため、EUVまたは電子ビームの放射のために真空環境が使用されうる。このため、真空壁および真空ポンプによって、真空環境がビーム経路全体に提供されうる。
【0035】
リソグラフィ装置100および/またはリソグラフィ装置100’は、2(デュアルステージ)またはそれより多い基板テーブルWT(および/または、2以上のマスクテーブル)を有するタイプでもよい。このような「複数ステージ」装置では、追加的な基板テーブルWTが並列に使用されうる、または、一または複数の他の基板テーブルWTが露光のために使用されている間に、準備ステップが一または複数のテーブル上で実行されうる。いくつかの状況では、追加的なテーブルが、基板テーブルWTでなくてもよい。
【0036】
リソグラフィ装置は、投影システムおよび基板の間のスペースを満たすために、基板の少なくとも一部が、水等の比較的高い屈折率を有する液体によって覆われうるタイプでもよい。液浸液は、リソグラフィ装置における他のスペース、例えば、マスクおよび投影システムの間にも適用されうる。液浸技術は、投影システムの開口数を高めるための周知技術である。ここで使用される用語「液浸」は、基板等の構造が液体中に沈まなくてはならないことを意味するのではなく、露光中に液体が投影システムおよび基板の間に位置することのみを意味する。
【0037】
図1Aおよび1Bを参照して、イルミネータILは、放射ソースSOから放射ビームを受け取る。例えば、ソースSOがエキシマレーザの場合、ソースSOおよびリソグラフィ装置100、100’は、物理的に別の物でもよい。このような場合、ソースSOは、リソグラフィ装置100または100’の一部を構成するものと解釈されず、例えば、適切な方向付けミラーおよび/またはビームエキスパンダを含むビームデリバリシステムBD(
図1B参照)によって、放射ビームBがソースSOからイルミネータILに渡される。例えば、ソースSOが水銀ランプである他の場合では、ソースSOが、リソグラフィ装置100、100’の一部でもよい。ソースSOおよびイルミネータILは、必要に応じてビームデリバリシステムBDと共に、放射システムと表されうる。
【0038】
イルミネータILは、放射ビームの角強度分布を調節するためのアジャスタAD(
図1B参照)を含みうる。一般的に、イルミネータの瞳面における強度分布の少なくとも外側半径範囲および/または内側半径範囲(一般的に、「σ-outer」および「σ-inner」とそれぞれ表される)が調整されうる。加えて、イルミネータILは、インテグレータINおよびコンデンサCO等の様々な他のコンポーネント(
図1B参照)を備えうる。イルミネータILは、放射ビームBが断面における所望の均一性および強度分布を有するように調整するために使用されうる。
【0039】
図1Aを参照して、放射ビームBは、支持構造(例えば、マスクテーブル)MT上に保持されたパターニングデバイス(例えば、マスク)MA上に入射し、当該パターニングデバイスMAによってパターン形成される。リソグラフィ装置100では、放射ビームBが、パターニングデバイス(例えば、マスク)MAから反射される。放射ビームBは、パターニングデバイス(例えば、マスク)MAから反射された後、基板Wのターゲット部分C上に放射ビームBを集光する投影システムPSを通過する。第2ポジショナPWおよび位置センサIF2(例えば、干渉デバイス、リニアエンコーダ、または容量センサ)によって、基板テーブルWTが正確に駆動されうる(例えば、放射ビームBの経路に異なるターゲット部分Cを配置するように)。同様に、第1ポジショナPMおよび他の位置センサIF1は、パターニングデバイス(例えば、マスク)MAを放射ビームBの経路に対して正確に配置するために使用されうる。パターニングデバイス(例えば、マスク)MAおよび基板Wは、マスクアライメントマークM1、M2および基板アライメントマークP1、P2を使用してアラインされうる。
【0040】
図1Bを参照して、放射ビームBは、支持構造(例えば、マスクテーブルMT)上に保持されたパターニングデバイス(例えば、マスクMA)上に入射し、当該パターニングデバイスによってパターン形成される。マスクMAを通過した放射ビームBは、基板Wのターゲット部分C上にビームを集光する投影システムPSを通過する。投影システムは、照明システム瞳IPUに対する瞳共役PPUを有する。放射の部分は、照明システム瞳IPUでの強度分布から発出され、マスクパターンでの回折によって影響されることなく当該マスクパターンを通過し、照明システム瞳IPUでの強度分布のイメージを生成する。
【0041】
投影システムPSは、基板W上にコーティングされたフォトレジスト層上に、マスクパターンMPのイメージを投影する。ここで、イメージは、強度分布からの放射によってマスクパターンMPから生成される回折ビームによって形成される。例えば、マスクパターンMPは、線およびスペースのアレイを含みうる。零次回折と異なるアレイでの回折放射は、線に直交する方向における方向の変化を伴う逸れた回折ビームを生成する。非回折ビーム(すなわち、いわゆる零次回折ビーム)は、伝送方向における変化を伴わずにパターンを通過する。零次回折ビームは、投影システムPSの瞳共役PPUの上流において投影システムPSの上方レンズまたは上方レンズグループを通過し、瞳共役PPUに到達する。零次回折ビームと関連付けられる瞳共役PPUの面における強度分布の部分は、照明システムILの照明システム瞳IPUにおける強度分布のイメージである。開口デバイスPDは、例えば、投影システムPSの瞳共役PPUを含む面に実質的に配置される。
【0042】
投影システムPSは、レンズまたはレンズグループLによって、零次回折ビームだけでなく、一次または一次および高次回折ビーム(不図示)も捕捉するように設けられる。いくつかの実施形態では、ダイポール照明の解像度向上効果を利用するために、線に直交する方向に延びる線パターンをイメージングするためのダイポール照明が使用されうる。例えば、一次回折ビームは、対応する零次回折ビームとウェーハWのレベルで干渉し、線パターンMPのイメージを可能な限り高い解像度およびプロセスウィンドウ(すなわち、許容可能な露光ドーズ偏差との組合せにおいて使用可能な焦点深度)で生成する。いくつかの実施形態では、照明システム瞳IPUと反対の象限に放射極(不図示)を提供することによって、非点収差が低減されうる。更に、いくつかの実施形態では、反対の象限における放射極と関連付けられる投影システムの瞳共役PPUにおいて零次ビームをブロックすることによって、非点収差が低減されうる。これは、その全体が参照によって本書に援用される、2009年3月31日に発行された米国特許7,511,799B2において、より詳細に記述されている。
【0043】
第2ポジショナPWおよび位置センサIF(例えば、干渉デバイス、リニアエンコーダ、または容量センサ)によって、基板テーブルWTが正確に駆動されうる(例えば、異なるターゲット部分Cを放射ビームBの経路上に配置するように)。同様に、第1ポジショナPMおよび他の位置センサ(
図1Bでは不図示)が、放射ビームBの経路に対してマスクMAを正確に配置するために使用されうる(例えば、マスクライブラリからの機械的な取出し後やスキャン中)。
【0044】
一般的に、マスクテーブルMTの移動は、第1ポジショナPMの一部を構成する長ストロークモジュール(粗動位置決め)および短ストロークモジュール(微動位置決め)によって実現されうる。同様に、基板テーブルWTの移動は、第2ポジショナPWの一部を構成する長ストロークモジュールおよび短ストロークモジュールを使用して実現されうる。(スキャナではない)ステッパの場合、マスクテーブルMTは短ストロークアクチュエータのみに接続されてもよいし、固定されてもよい。マスクMAおよび基板Wは、マスクアライメントマークM1、M2および基板アライメントマークP1、P2を使用してアラインされうる。基板アライメントマークは、図示のように専用のターゲット部分を占めるが、ターゲット部分の間のスペースに配置されうる(スクライブラインアライメントマークとして知られている)。同様に、複数のダイがマスクMA上に提供される状況では、マスクアライメントマークがダイの間に配置されうる。
【0045】
マスクテーブルMTおよびパターニングデバイスMAは、真空内ロボットIVRがマスク等のパターニングデバイスを真空チャンバ内外で駆動するために使用されうる真空チャンバV内に置かれうる。あるいは、マスクテーブルMTおよびパターニングデバイスMAが真空チャンバ外にある場合、真空外ロボットが、真空内ロボットIVRと同様に様々な移送オペレーションのために使用されうる。真空内および真空外ロボットは共に、移送ステーションの固定されたキネマティックマウントに任意のペイロード(例えば、マスク)を円滑に移送するために較正されるべきである。
【0046】
リソグラフィ装置100および100’は、以下のモードの少なくとも一つにおいて使用されうる。
【0047】
1.ステップモードでは、支持構造(例えば、マスクテーブル)MTおよび基板テーブルWTが、放射ビームBに形成された全体パターンがターゲット部分C上に一度に投影される(すなわち、単一静的露光)間、実質的に静止状態に保たれる。そして、異なるターゲット部分Cが露光されうるように、基板テーブルWTがXおよび/またはY方向にシフトされる。
【0048】
2.スキャンモードでは、支持構造(例えば、マスクテーブル)MTおよび基板テーブルWTが、放射ビームBに形成されたパターンがターゲット部分C上に投影される(すなわち、単一動的露光)間、同時にスキャンされる。支持構造(例えば、マスクテーブル)MTに対する基板テーブルWTの速度および方向は、投影システムPSの倍率および像反転特性によって決定されうる。
【0049】
3.他のモードでは、支持構造(例えば、マスクテーブル)MTが、プログラマブルパターニングデバイスを保持しながら実質的に静止状態に保たれ、放射ビームBに形成されたパターンがターゲット部分C上に投影される間に、基板テーブルWTが駆動またはスキャンされる。パルス放射ソースSOが利用されてもよく、プログラマブルパターニングデバイスは、必要に応じて、基板テーブルWTの各移動後またはスキャン中の連続する放射パルスの間に更新される。この動作モードは、プログラマブルミラーアレイ等のプログラマブルパターニングデバイスを利用するマスクレスリソグラフィに容易に適用されうる。
【0050】
以上の使用モードの組合せおよび/または変形や、全く異なる使用モードが利用されてもよい。
【0051】
更なる実施形態では、リソグラフィ装置100が、極端紫外(EUV)リソグラフィのためのEUV放射のビームを生成するように構成されるEUVソースを含む。一般的に、EUVソースは放射システムにおいて構成され、対応する照明システムはEUVソースのEUV放射ビームを調整するように構成される。
【0052】
図2は、ソースコレクタ装置SO、照明システムIL、および投影システムPSを含むリソグラフィ装置100をより詳細に示す。ソースコレクタ装置SOは、ソースコレクタ装置SOの閉鎖構造220において真空環境が維持されうるように、構成および配置される。EUV放射放出プラズマ210は、放電生成プラズマソースによって形成されうる。EUV放射は、電磁スペクトルのEUV範囲における放射を放出するための極高温プラズマ210が生成されるガスまたは蒸気(例えば、Xeガス、Li蒸気、またはSn蒸気)によって生成されうる。極高温プラズマ210は、例えば、少なくとも部分的にイオン化されたプラズマをもたらす電気的な放電によって生成される。Xe、Li、Sn蒸気や、他の任意の適切なガスまたは蒸気の10Pa等の分圧が、放射の効率的な生成のために要求されうる。いくつかの実施形態では、EUV放射を生成するためにスズ(Sn)励起プラズマが提供される。
【0053】
高温プラズマ210によって放出された放射は、ソースチャンバ211における開口の内部または後方に位置するオプションのガスバリアまたは汚染トラップ230(いくつかの場合、汚染バリアまたはフォイルトラップとも表される)を介して、ソースチャンバ211からコレクタチャンバ212内に渡される。汚染トラップ230は、チャネル構造を含みうる。また、汚染トラップ230は、ガスバリアまたはガスバリアおよびチャネル構造の組合せを含みうる。ここで更に示される汚染トラップ230(または、汚染バリア)は、少なくともチャネル構造を含む。
【0054】
コレクタチャンバ212は、いわゆる斜入射型コレクタでもよい放射コレクタCOを含みうる。放射コレクタCOは、上流放射コレクタ側251および下流放射コレクタ側252を有する。コレクタCOを通過する放射は、格子スペクトルフィルタ240から反射され、仮想ソース点IFに集められうる。仮想ソース点INTFは一般的に中間焦点と表され、ソースコレクタ装置は中間焦点INTFが閉鎖構造220における開口219上または付近に位置するように設けられる。仮想ソース点INTFは、放射放出プラズマ210のイメージである。格子スペクトルフィルタ240は、特に赤外線(IR)放射を抑えるために使用される。
【0055】
続いて、放射は、パターニングデバイスMAでの所望の放射ビーム221の角度分布、およびパターニングデバイスMAでの所望の放射強度の均一性を提供するために設けられるファセットフィールドミラーデバイス222およびファセット瞳ミラーデバイス224を含みうる照明システムILを通過する。支持構造MTによって保持されたパターニングデバイスMAでの放射のビーム221の反射の際にパターン形成されたビーム226が形成され、当該パターン形成されたビーム226は、投影システムPSによって、反射エレメント228、229を介して、ウェーハステージまたは基板テーブルWTによって保持された基板W上にイメージングされる。
【0056】
一般的に、図示されたものより多くのエレメントが照明光学ユニットILおよび投影システムPSに存在しうる。リソグラフィ装置のタイプに応じて、格子スペクトルフィルタ240がオプションで存在しうる。更に、
図2に示されたものより多くのミラーが存在しうる。例えば、1と6の間の追加的な反射エレメントが、
図2に示されたものに加えて投影システムPSに存在しうる。
【0057】
図2に例示されるようなコレクタ光学要素COは、コレクタ(または、コレクタミラー)の単なる一例として、斜入射型リフレクタ253、254、および255による入れ子状のコレクタとして示されている。斜入射型リフレクタ253、254、および255は、光軸Oの周りに軸対称に配置され、このタイプのコレクタ光学要素COは、しばしばDPPソースと呼ばれる放電生成プラズマソースとの組合せで使用されるのが好ましい。
【0058】
例示的なリソグラフィセル
【0059】
図3は、いくつかの実施形態に係る、リソセルまたはクラスタとも表されるリソグラフィセル300を示す。リソグラフィ装置100または100’は、リソグラフィセル300の一部を構成しうる。また、リソグラフィセル300は、露光前および露光後のプロセスを基板に対して実行する一または複数の装置を含みうる。従来、これらは、レジスト層を形成するためのスピンコータSC、露光されたレジストを現像するためのデベロッパDE、冷却プレートCH、およびベークプレートBKを含む。基板ハンドラまたはロボットROは、基板を入力/出力ポートI/O1、I/O2からピックアップし、それらを異なる処理装置の間で動かし、それらをリソグラフィ装置100または100’のローディングベイLBに搬送する。しばしばトラックと総称されるこれらのデバイスは、リソグラフィ制御ユニットLACUを介してリソグラフィ装置も制御する監視制御システムSCSによってそれ自体が制御されるトラック制御ユニットTCUの制御下にある。このように、異なる装置がスループットおよび処理効率を最大化するために動作しうる。
【0060】
基板テーブルのための例示的な撓み補償器
【0061】
撓み補償システムの文脈において、用語「基板」は、支持テーブル(例えば、WTまたはMT(
図1A、1B))によって支持される実質的に平らな平面構造を広く表すために、ここで使用されうると理解されるべきである。この意味で、用語「パターニングデバイス」「ウェーハ」「フィルム」等は、基板の具体例でありうる。材料の硬さおよび厚さ(または、材料の柔らかさおよび薄さ)に応じて、基板は支持テーブル上に支持されている時に撓みうる。例えば、支持テーブルは、支持テーブルの本体の上方に基板を浮かせる、より小さい脚または突起を有しうる。突起に直接的に接触しない基板の部分は、沈みうるまたは撓みうる(例えば、重力の影響によって)。撓みの量は、基板の材料および/または寸法に基づきうる。撓みは、平らな基板に依存するリソグラフィおよび計測プロセスの精度に悪影響を及ぼしうる。本開示は、これらの課題を解決するための構造および機能を提供する。例えば、方法は、基板を撓みに反して押すために圧力差を使用する。圧力差は、撓んだ基板に対して力を適用するための固体構造に依存することなく撓みを防止できる。
【0062】
図4は、いくつかの実施形態に係るシステム400を示す。いくつかの実施形態では、システム400が、支持テーブル402および圧力デバイス406を備えうる。支持テーブル402は、一または複数の突起404を備えうる。圧力デバイス406は、導管408を備えうる。支持テーブル402は、例えば、ウェーハテーブルWTまたはマスクテーブルMT(
図1)を表しうる。いくつかの実施形態では、突起404が、支持テーブル402の頂側に配置される。支持テーブルの文脈において、用語「頂(top)」「上(upper)」等は、基板412と相互作用する支持テーブルの側を記述するために、ここで使用されうる。反対の用語「底(bottom)」「下(lower)」等は、それらの反対の意味で使用されてもよい。
【0063】
いくつかの実施形態では、支持テーブル402が、基板412を支持しうる。但し、大きい接触表面積は、二つの表面の間での汚染物質の交換の可能性を高める。互いの接触表面積の量を低減することが望ましい場合がある。例えば、一または複数の突起404は、基板412を支持テーブル402から浮かせるように、基板412と接触しうる。つまり、基板412が支持テーブル402に固定された時(例えば、クランプ(不図示)を介して)、基板412および支持テーブル402の頂面の間にギャップ414が存在する。ギャップ414は、汚染の問題を緩和するのに役立ちうる。突起404が遠く離れた場合に、基板412の撓みはより深刻になりうる。突起を互いに遠く離す理由は、大面積の基板412を透過モードで使用するためでもよい(透過ビームの経路を妨げないように突起が遠く離される)。この提供される例は非限定的であり、反射型および透過型の両方の基板が、ここで記述される実施形態を実現できることを当業者は理解する。
【0064】
いくつかの実施形態では、光学品質を高める(例えば、より良い透過)ために、および/またはパターニングデバイスの質量を低減する(これによって、スキャナにおける高加速中のスリップのリスクを低減できる)ために、基板412の厚さを低減することが望ましい。しかし、厚さの削減は、特に、基板412に対して作用する力に対抗するための基板412の硬さが十分でない場合、顕著な基板412の撓みをもたらしうる。更に、いくつかの例では、基板412がフィルムと呼ばれうるほどに、極めて薄い基板412を使用することが望ましい。
【0065】
いくつかの実施形態では、基板412の撓みに対抗するための方法が、撓みが低減されるように基板412の一方側の圧力を調整することでもよい。圧力は、圧力デバイス406を使用して調整されうる。基板の文脈において、用語「側(side)」は、基板の広い側(すなわち、最大の平面エリアを有する側)を表すために使用される一方で、用語「エッジ」「周辺」等は、広い側を囲む基板の端を表すために使用されうると理解されるべきである。例えば、ディスク基板の円形表面は、基板の頂側および底側である一方で、円形側の円周は、基板のエッジまたは周辺である。
【0066】
いくつかの実施形態では、圧力デバイス406が、ギャップ414でのスペースに結合されうる(例えば、流体が流通する)。いくつかの実施形態では、導管408が、ギャップ414に結合されうる。圧力デバイス406は、例えば、ギャップ414との間で加圧流体(例えば、ガス)を導入または除去するポンプデバイスを備えうる。ギャップ414での圧力を調整することによって、基板412の二つの側の間で圧力差が生成される。例えば、基板412が紙面における下方に撓んでいる場合、ギャップ414における圧力が、当該ギャップ414と反対の基板412の一方側のスペース416における雰囲気圧力より大きくされうる(例えば、Pgap>Pambient)。圧力は、撓みに対向する力で、基板412を上方に押す。
【0067】
いくつかの実施形態では、圧力デバイス406が、ギャップ414に結合されるものに限られる必要はない。例えば、圧力デバイス406は、スペース416に結合されうる(この構成は
図4では示されない)。このシナリオでは、基板412の撓みを防止するために、P
gap>P
ambientという条件を生成するように、雰囲気圧力が調整されうる。撓み防止の文脈において、用語「防止する」等は、撓みの完全または部分的な低減を表すために使用されうる。例えば、圧力補償なしでは、基板412が約5ミクロン撓むかもしれない。圧力補償があると、撓みは約2ミクロンに低減されうる。そして、圧力デバイス406を使用して、約3ミクロンの撓みが防止されたと言える。ここで記述される実施形態は、約2ミクロン以下、1ミクロン以下、0.5ミクロン以下、または0.1ミクロン以下に、撓みを低減できると理解されるべきである。
【0068】
いくつかの実施形態では、システム400が、圧力センサ418およびコントローラ420を備えうる。圧力センサ418は、ギャップ414に配置されうる。圧力センサ418は、ギャップ414での圧力を測定できる。圧力センサ418は、ギャップ414での圧力についての情報を含む測定信号を生成できる。コントローラ420は、ギャップ414での圧力を判定するために、圧力センサ418から測定信号を受け取ることができる。判定された圧力に基づいて、コントローラ420は、ギャップ414での圧力を調整する、および/またはスペース416での雰囲気圧力を調整するように、圧力デバイス406を制御するための制御信号を生成できる。
【0069】
いくつかの実施形態では、システム400が、圧力センサ418に代えてまたは加えて、圧力センサ422を備えうる。圧力センサ422は、スペース416に配置されうる(すなわち、システム400の雰囲気に曝される)。圧力センサ418がギャップ414に対するものであるのと同様に、圧力センサ422はスペース416に対するものである。コントローラ420は、圧力センサ418および422から受け取られた測定信号を分析することによって、ギャップ414および雰囲気の間の圧力差を判定できる。コントローラ420によって生成される制御信号は、基板412の上下において測定された圧力における差に基づきうる。
【0070】
いくつかの実施形態では、想定される雰囲気条件についての情報、基板412の材料特性および寸法についての情報、および/または基板412の撓み挙動に影響を及ぼす任意の他の情報を有するように、コントローラ420がプログラミングされうる。コントローラ420によって生成される制御信号は、システム400の様々なセンサからのデータに代えてまたは加えて、想定される雰囲気条件についてのプログラミングされた情報、基板412の材料特性および寸法についてのプログラミングされた情報、および/または基板412の撓み挙動に影響を及ぼす任意の他のプログラミングされた情報に基づきうる。他のセンサからのデータが利用できない時、コントローラ420は、先を見る構成(システム400について予めプログラミングされた情報に基づく予測)において動作すると言える。センサからのデータが利用できる時(特に、リアルタイムで)、コントローラは、フィードバック構成において動作すると言える。
【0071】
いくつかの実施形態では、システム400が、アクチュエータ410を備えうる。アクチュエータ410は、支持テーブル402に結合されうる。アクチュエータ410は、基板412を一の位置から他の位置に動かすために、支持テーブル402を駆動(例えば、並進、回転等)できる。移動の際、基板412の直上のスペース416で流れが観測される。ベルヌーイの定理の結果として、ギャップ414およびスペース416の間の圧力差が、基板412の動きによって変動しうる。リソグラフィ装置では、マスクテーブルMT(
図1)が、基板の上下における有意な圧力差をもたらす高速スキャンオペレーションを行いうる。圧力デバイス406は、基板412の駆動に伴う圧力変化を補償するために使用されうる。コントローラ420は、基板412の動きに起因する圧力差の量を考慮するようにプログラミングされうる。例えば、コントローラ420は、方程式1(Eq. 1)に基づいて、ギャップ414およびスペース416の間の圧力差を推定するように構成されうる。
【0072】
【0073】
ここで、ρは空気の密度(空気は、非限定的な例として使用される)であり、vrはレチクルスキャン速度であり、vspaceはスペース416での流速であり、vgapはギャップ414での流速である。vrが増加する時、コントローラ420は、駆動に伴う圧力変化を補償するために、制御信号を介して圧力デバイス406と通信できる。
【0074】
いくつかの実施形態では、ギャップ414および/またはスペース416における流速が、圧力デバイス406を使用して調整されうると理解されるべきである。圧力デバイス406は、ギャップ414および/またはスペース416におけるガス流を生成するための真空ポンプおよび/またはブロワを備えうる。撓みが低減されるように基板412の一方側の圧力を調整することは、ギャップ414および/またはスペース416との間で、流れが生成されるように加圧ガスを導入/除去することによって達成されうる。一つの例では、vgapおよびvspaceがvrと比べて速い場合、方程式1において示される近似によって示されるように、支持テーブル402の動きは無視されうる。この条件に達するために、いくつかの実施形態では、約2、5、10、またはそれ以上のファクタで異なる速度における差を生成するために、コントローラ420が使用されうる。
【0075】
いくつかの実施形態では、コントローラ420によって生成される制御信号が、追加的なセンサを使用して強化されうる。例えば、システム400は、基板412上のフィーチャを測定するための光学センサ424を備えうる。フィーチャは、基板412が撓んだ時の変化が光学センサ424によって測定されうるように構成されうる。光学センサ424は、コントローラ420によって受け取られる測定信号を生成できる。コントローラ420は、撓みを補償するように制御信号を変更するために、光学センサ424からの情報を使用できる。
【0076】
図5は、いくつかの実施形態に係る、基板の撓みを低減するための方法ステップを示す。システム400(
図4)が、方法ステップのために使用されうる。ステップ502では、一または複数の突起404が、基板412に接触する。支持テーブル402によって支持されている時の基板412の撓みは、基板412の材料および/または寸法に基づきうる。ステップ504では、撓みが低減されるように、圧力デバイス406を使用して、基板412の一方側の圧力が調整される。
【0077】
図5の方法ステップは、任意の考えられる順序で実行され、全てのステップが実行される必要はない。更に、前述された
図5の方法ステップは、単なるステップの一例を反映する非限定的なものである。つまり、
図1~4を参照して記述される実施形態に基づいて、更なる方法ステップおよび機能が考えられうる。
【0078】
実施形態は、更に以下の項目を使用して記述されてもよい。
項目1:
基板が支持テーブルから浮くように、前記基板に接触して支持するように構成される一または複数の突起を備える支持テーブルであって、前記支持テーブルによって支持された時の前記基板の撓みが、前記基板の材料および/または寸法に基づく支持テーブルと、
前記撓みが低減されるように、前記基板の一方側の圧力を調整するように構成される圧力デバイスと、
を備えるシステム。
項目2:
前記圧力デバイスは、前記基板および前記支持テーブルの間のギャップに結合される導管を備え、
前記圧力デバイスは、前記基板の一方側の圧力を調整するために、前記ギャップとの間で加圧ガスを導入および/または除去するように更に構成される、
項目1に記載のシステム。
項目3:
前記圧力デバイスは、前記基板の一方側の圧力を調整するために、前記基板の一方側での加圧ガスの流れを生成するように構成される、項目1に記載のシステム。
項目4:
前記圧力を調整するために、前記圧力デバイスを制御するように構成されるコントローラを更に備える、項目1に記載のシステム
項目5:
測定信号を生成するように構成される圧力センサであって、前記コントローラが、受け取った前記測定信号に基づいて前記圧力を判定するように構成される圧力センサを更に備える、項目4に記載のシステム。
項目6:
前記コントローラは、前記判定された圧力に基づいて制御信号を生成するように更に構成され、
前記圧力デバイスは、受け取った前記制御信号に基づいて前記圧力を調整するように更に構成される、
項目5に記載のシステム。
項目7:
前記圧力センサは、前記基板および前記支持テーブルの間のギャップに配置され、
前記システムは、前記システムの雰囲気に曝され、第2測定信号を生成するように構成される第2圧力センサを更に備え、
前記コントローラは、前記第2測定信号を受け取り、前記測定信号および前記第2測定信号に基づいて、前記ギャップおよび前記雰囲気の間の圧力差を判定するように更に構成され、
前記制御信号を生成することは、前記圧力差に更に基づく、
項目6に記載のシステム。
項目8:
前記圧力デバイスは、前記浮いた基板および前記支持テーブルの間のギャップでの圧力を調整するように更に構成される、項目1に記載のシステム。
項目9:
前記圧力デバイスは、前記システムの雰囲気圧力を調整するように更に構成される、項目1に記載のシステム。
項目10:
前記支持テーブルを駆動するように構成されるアクチュエータであって、前記圧力デバイスが、前記駆動に伴う圧力変化を補償するように更に構成されるアクチュエータを更に備える、項目1に記載のシステム。
項目11:
前記駆動に伴う圧力変化を補償するために、前記圧力デバイスを制御するように構成されるコントローラを更に備える、項目10に記載のシステム。
項目12:
一または複数の突起を備える支持テーブルによって支持される基板の撓みを低減するための方法であって、
前記支持テーブルの前記一または複数の突起を、前記基板を支持するように接触させることであって、前記支持テーブルによって支持された時の前記基板の撓みが、前記基板の材料および/または寸法に基づく接触させることと、
前記撓みが低減されるように、圧力デバイスを使用して前記基板の一方側の圧力を調整することと、
を備える方法。
項目13:
前記圧力を調整することは、前記圧力デバイスを使用して、前記基板の一方側での加圧ガスの流れを供給することを備える、項目12に記載の方法。
項目14:
圧力センサを使用して前記基板の一方側での圧力を判定することを更に備え、
前記調整することは、
コントローラを使用して、前記判定された圧力に基づいて制御信号を生成することと、
前記調整することを実行するために、前記圧力デバイスで前記制御信号を受け取ることと、
を備える項目12に記載の方法。
項目15:
前記圧力センサによって提供される情報は、前記基板および前記支持テーブルの間のギャップに対応し、
前記支持テーブルの雰囲気に曝される第2圧力センサを使用して、前記ギャップおよび前記雰囲気の間の圧力差を判定することを備え、
前記制御信号を生成することは、前記圧力差に更に基づく、
項目14に記載の方法。
項目16:
アクチュエータを使用して前記支持テーブルを駆動することを更に備え、
前記圧力を調整することは、前記駆動に伴う圧力変化を補償することを備える、
項目12に記載の方法。
項目17:
パターニングデバイスのパターンを照明するように構成される照明システムと、
前記パターンのイメージを基板上に投影するように構成される投影システムと、
前記パターニングデバイスが支持テーブルから浮くように、前記パターニングデバイスに接触して支持するように構成される一または複数の突起を備える支持テーブルであって、前記支持テーブルによって支持された時の前記パターニングデバイスの撓みが、前記パターニングデバイスの材料および/または寸法に基づく支持テーブルと、
前記撓みが低減されるように、前記基板の一方側の圧力を調整するように構成される圧力デバイスと、
を備えるリソグラフィシステム:
項目18:
前記圧力デバイスは、前記基板の一方側の圧力を調整するために、前記基板の一方側での加圧ガスの流れを生成するように構成される、項目17に記載のリソグラフィシステム。
項目19:
前記圧力を調整するために、前記圧力デバイスを制御するように構成されるコントローラと、
測定信号を生成するように構成される圧力センサであって、前記コントローラが、受け取った前記測定信号に基づいて前記圧力を判定し、前記判定された圧力に基づいて制御信号を生成するように構成される圧力センサと、
を更に備え、
前記圧力デバイスは、受け取った前記制御信号に基づいて前記圧力を調整するように更に構成される、
項目17に記載のリソグラフィシステム。
項目20:
前記支持テーブルを駆動するように構成されるアクチュエータであって、前記圧力デバイスが、前記駆動に伴う圧力変化を補償するように更に構成されるアクチュエータと、
前記駆動に伴う圧力変化を補償するために、前記圧力デバイスを制御するように構成されるコントローラと、
を更に備える項目17に記載のリソグラフィシステム。
【0079】
本テキストにおいて、ICの製造におけるリソグラフィ装置の使用について、具体的な参照がなされたかもしれないが、ここで記述されるリソグラフィ装置は他の用途を有してもよいと理解されるべきである。他の用途としては、集積光学システム、磁気ドメインメモリのためのガイダンスおよび検出パターン、フラットパネルディスプレイ、LCD、薄膜磁気ヘッド等の製造が例示される。このような代替的な用途の文脈において、ここでの用語「ダイ」の使用は、より一般的な用語「ターゲット部分」の具体例として解釈されてもよいと当業者は理解する。ここで参照される基板は、露光の前または後において、例えば、トラックユニット(典型的に、基板に対してレジスト層を適用し、露光されたレジストを現像するツール)、計測ユニットおよび/または検査ユニットにおいて処理されてもよい。適用可能な場合、ここでの開示は、このような他の基板処理ツールに対して適用されてもよい。更に、例えば、複数層のICを形成するために、基板は複数回に亘って処理されてもよく、ここで使用される用語「基板」は、複数の処理された層を既に含む基板を表してもよい。
【0080】
光学リソグラフィの文脈における開示された実施形態の使用について、以上で具体的な参照がなされたかもしれないが、開示された実施形態は、インプリントリソグラフィ等の他の用途において使用されてもよく、文脈が許す場合、光学リソグラフィに限定されないと理解される。インプリントリソグラフィでは、パターニングデバイスにおけるトポグラフィが、基板上に生成されるパターンを定める。パターニングデバイスのトポグラフィは、基板に供給されたレジスト層内にプレスされてもよく、その上で電磁放射、熱、圧力またはこれらの組合せを適用することによってレジストが硬化される。レジストが硬化された後にパターニングデバイスがレジスト外に駆動されると、当該レジスト内にパターンが残される。
【0081】
ここでの表現または用語は、非限定的な記述を目的としており、本開示の用語または表現は、ここでの教示の下で当業者によって解釈されると理解される。
【0082】
以上の例は、本開示の実施形態の非限定的な例示である。現場で通常現れる様々な条件およびパラメータの、当業者にとって明らかな他の適切な変更および適合は、開示の精神および範囲内である。
【0083】
開示の具体的な実施形態が前述されたが、本開示の実施形態は、記述されたものと異なる態様で実施されてもよいと理解される。記述は、非限定的な例示を目的としている。従って、以下で示される請求項の範囲から逸脱することなく、記述された開示に対して変更が加えられてもよいことは当業者にとって明らかである。
【0084】
「発明の概要」および「要約書」ではなく、「発明を実施するための形態」が「特許請求の範囲」を解釈するために使用されることが意図されていると理解される。「発明の概要」および「要約書」は、発明者が想到した一または複数の本開示の実施例を示すが、その全てを示すものではないため、いかなる態様でも本開示および付随する「特許請求の範囲」を限定する趣旨ではない。
【0085】
特定の機能およびそれらの関係の実施形態を例示する機能構成ブロックを利用して、本開示が前述された。これらの機能構成ブロックの境界は、記述の便宜のために、ここで任意に定められている。特定の機能およびそれらの関係が適切に実現される限り、他の境界が定められうる。
【0086】
具体的な実施形態の以上の記述は、他者が、当技術分野における知識を適用することによって、過度な実験や本開示の概念からの逸脱を伴わずに、このような具体的な実施形態を、様々な用途に合わせて容易に変更できる、および/または、適合させられるように、本開示の本質を完全に明らかにする。従って、このような適合および変更は、ここで提示された教示および示唆に基づいて、開示された実施形態の均等物の意味および範囲内にあることが意図されている。
【0087】
保護される主題の幅および範囲は、前述の例示的な実施形態のいずれによっても限定されるべきでなく、以下の特許請求の範囲およびそれらの均等物のみによって定められるべきである。
【国際調査報告】