(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-12
(54)【発明の名称】半導体構造を形成する方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/336 20060101AFI20240705BHJP
H01L 21/8234 20060101ALI20240705BHJP
H01L 29/786 20060101ALI20240705BHJP
【FI】
H01L29/78 301Y
H01L27/088 D
H01L29/78 619A
H01L29/78 618B
H01L29/78 618A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024501920
(86)(22)【出願日】2022-07-13
(85)【翻訳文提出日】2024-03-05
(86)【国際出願番号】 US2022036889
(87)【国際公開番号】W WO2023287838
(87)【国際公開日】2023-01-19
(32)【優先日】2021-07-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】サマッシュワー, リア
(72)【発明者】
【氏名】ギャングリ, セシャドリ
(72)【発明者】
【氏名】ユー, ラン
(72)【発明者】
【氏名】クリシュナン, シッダールス
(72)【発明者】
【氏名】ガンディコッタ, シュリーニヴァース
(72)【発明者】
【氏名】レンチ, ジャックリーン エス.
(72)【発明者】
【氏名】ヤン, イーシオン
【テーマコード(参考)】
5F048
5F110
5F140
【Fターム(参考)】
5F048AC03
5F048BA14
5F048BA15
5F048BA16
5F048BD06
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5F140BH27
5F140BJ08
5F140BJ11
5F140BJ17
5F140BJ18
5F140BJ20
5F140BK17
5F140BK29
(57)【要約】
半導体構造を形成するための方法、および半導体構造が説明される。方法は、第1の開口および第2の開口を形成するために基板をパターニングすることであって、基板が、nトランジスタとpトランジスタとを備え、第1の開口が、nトランジスタの上にあり、第2の開口が、pトランジスタの上にある、基板をパターニングすることと、基板を前洗浄することと、プラズマ強化化学気相堆積(PECVD)によって、nトランジスタ上におよびpトランジスタ上に、チタンシリサイド(TiSi)層を堆積させることと、任意選択的に、チタンシリサイド(TiSi)層上に第1のバリア層を堆積させ、pトランジスタから第1のバリア層を選択的に除去することと、nトランジスタおよびpトランジスタ上のチタンシリサイド(TiSi)層上にモリブデンシリサイド(MoSi)層を選択的に形成することと、モリブデンシリサイド(MoSi)層上に第2のバリア層を形成することと、半導体構造をアニールすることとを備える。方法は、真空を破ることなしに処理チャンバにおいて実施され得る。
【選択図】
図1F
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体構造を形成する方法であって、
第1の開口および第2の開口を形成するために基板をパターニングすることであって、前記基板が、nトランジスタとpトランジスタとを備え、前記第1の開口が、前記nトランジスタの上にあり、前記第2の開口が、前記pトランジスタの上にある、基板をパターニングすることと、
前記基板を前洗浄することと、
プラズマ強化化学気相堆積(PECVD)によって、前記nトランジスタ上におよび前記pトランジスタ上に、チタンシリサイド(TiSi)層を堆積させることと、
任意選択的に、前記チタンシリサイド(TiSi)層上に第1のバリア層を堆積させ、前記pトランジスタから前記第1のバリア層を選択的に除去することと、
前記nトランジスタおよび前記pトランジスタ上の前記チタンシリサイド(TiSi)層上にモリブデンシリサイド(MoSi)層を形成することと、
前記モリブデンシリサイド(MoSi)層上に第2のバリア層を形成することと、
前記半導体構造をアニールすることと
を備える、方法。
【請求項2】
前記nトランジスタが、リン(P)でドープされたシリコン(Si)を備え、前記pトランジスタが、ホウ素(B)でドープされたシリコンゲルマニウム(SiGe)を備える、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1のバリア層が、窒化チタン(TiN)、窒化タンタル(TaN)、窒化タングステン(WN)、および窒化モリブデン(MoN)のうちの1つまたは複数を備える、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記第1のバリア層が、原子層堆積(ALD)プロセスまたは物理気相堆積(PVD)プロセスのうちの一方または両方によって形成される、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記第2のバリア層が、窒化モリブデン(MoN)、窒化されたモリブデンシリサイド(MoSi)およびPVD金属膜を備える、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
間隙充填材料で前記第1の開口および前記第2の開口を独立して充填することをさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記間隙充填材料は、実質的にボイドまたはシームがない、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記間隙充填材料が、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、コバルト(Co)およびルテニウム(Ru)のうちの1つまたは複数を備える、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記半導体構造をアニールすることが、前記nトランジスタ上におよび前記pトランジスタ上に、オーミックコンタクトおよび擬似オーミックコンタクトのうちの一方または両方を形成する、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記nトランジスタ上の前記チタンシリサイド(TiSi)層が、約0.4eVから約0.55eVまでの範囲内のショットキーバリア高さを有する、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
半導体構造を形成する方法であって、
第1の開口を形成するために基板をパターニングすることであって、前記基板が、nトランジスタとpトランジスタとを備え、前記第1の開口が、前記nトランジスタの上にある、基板をパターニングすることと、
前記基板を前洗浄することと、
プラズマ強化化学気相堆積(PECVD)によって、前記nトランジスタ上にチタンシリサイド(TiSi)層を堆積させることと、
第1の間隙充填材料で前記第1の開口を充填することと、
前記nトランジスタの上面上にマスク層を形成することと、
前記pトランジスタの上に第2の開口を形成するために前記基板をパターニングすることと、
前記pトランジスタ上にモリブデンシリサイド(MoSi)層を形成することと、
前記半導体構造をアニールすることと、
第2の間隙充填材料で前記第2の開口を充填することと
を備える、方法。
【請求項12】
前記マスク層が、ハードマスク層およびフォトレジスト層のうちの一方または両方を備える、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記nトランジスタ上の前記チタンシリサイド(TiSi)層上にバリア層を形成することをさらに備える、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記pトランジスタ上の前記モリブデンシリサイド(MoSi)層上に前記バリア層を堆積させ、前記pトランジスタから前記バリア層を選択的に除去することをさらに備える、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記バリア層が、窒化チタン(TiN)、窒化タンタル(TaN)、窒化タングステン(WN)、および窒化モリブデン(MoN)のうちの1つまたは複数を備える、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記第1の間隙充填材料および前記第2の間隙充填材料が、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、コバルト(Co)およびルテニウム(Ru)のうちの1つまたは複数を独立して備える、請求項11に記載の方法。
【請求項17】
nトランジスタおよびpトランジスタと、
前記nトランジスタおよび前記pトランジスタのうちの一方または両方上のチタンシリサイド(TiSi)層と、
前記nトランジスタおよび前記pトランジスタのうちの一方または両方上のモリブデンシリサイド(MoSi)層と、
任意選択的に、前記チタンシリサイド(TiSi)層および前記モリブデンシリサイド(MoSi)層のうちの一方または両方上のバリア層と、
間隙充填材料と
を備える、半導体構造。
【請求項18】
前記チタンシリサイド(TiSi)層が、前記nトランジスタおよび前記pトランジスタの両方上にあり、前記モリブデンシリサイド(MoSi)層が、前記nトランジスタ上の前記チタンシリサイド(TiSi)層上にある、請求項17に記載の半導体構造。
【請求項19】
前記チタンシリサイド(TiSi)層が、前記nトランジスタ上にあり、前記モリブデンシリサイド(MoSi)層が、前記pトランジスタ上にある、請求項17に記載の半導体構造。
【請求項20】
前記バリア層が、窒化チタン(TiN)、窒化タンタル(TaN)、窒化タングステン(WN)、および窒化モリブデン(MoN)のうちの1つまたは複数を備える、請求項17に記載の半導体構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施形態は、半導体デバイスおよび半導体デバイス製作の分野に関する。より詳細には、本開示の実施形態は、オーミックコンタクトおよび擬似オーミックコンタクトを有するシリサイド層を選択的に形成する方法に関係する。
【背景技術】
【0002】
集積回路は、単一のチップ上に何百万ものトランジスタ、キャパシタ、および抵抗器を含むことができる複雑なデバイスに進化してきた。集積回路進化の過程において、機能密度(換言すれば、チップ面積ごとの相互接続されたデバイスの数)は、一般に、幾何学サイズ(換言すれば、製造プロセスを使用して作成され得る最も小さい構成要素(またはライン))が減少しながら、増加してきた。
【0003】
トランジスタは、たいていの集積回路の重要な構成要素である。トランジスタの駆動電流、つまり速度は、トランジスタのゲート幅に比例するので、より速いトランジスタは、一般に、より大きいゲート幅を必要とする。これにより、トランジスタサイズと速度との間にはトレードオフがあり、「フィン」電界効果トランジスタ(finFET)が、最大駆動電流と最小サイズとを有するトランジスタという相反する目標に対処するために開発されてきた。finFETは、トランジスタの設置面積を著しく増加させることなしにトランジスタのサイズを大幅に増加させるフィン形チャネル領域を特徴とし、現在、多くの集積回路において適用されている。しかしながら、finFETは、それら自体の欠点を有する。
【0004】
トランジスタデバイスのフィーチャーサイズは、より高い回路密度およびより高い性能を達成するために縮小し続けているので、静電結合を改善し、寄生容量およびオフ状態漏れなどの悪影響を低減するために、トランジスタデバイス構造を改善する必要性がある。トランジスタデバイス構造の例は、平面構造、フィン電界効果トランジスタ(finFET)構造、およびゲートオールアラウンド(GAA)構造を含む。論理ゲート性能は、使用される材料の特性ならびに構造層の厚さおよび面積に関連する。しかしながら、いくつかのゲート特性は、デバイススケーリングに適応するように調整されるので、課題が生じる。
【0005】
オーミックコンタクトまたは擬似オーミックコンタクトが、トランジスタにおけるソース/ドレインコンタクトにおいて低接触抵抗を達成する際の重要な要素である。nFETコンタクトとpFETコンタクトの両方上にオーミックコンタクトおよび擬似オーミックコンタクトを選択的に形成する方法に対するニーズが当技術分野において存在する。
【発明の概要】
【0006】
本開示の1つまたは複数の実施形態は、半導体構造を形成する方法を対象とする。方法は、第1の開口および第2の開口を形成するために基板をパターニングすることであって、基板が、nトランジスタとpトランジスタとを備え、第1の開口が、nトランジスタの上にあり、第2の開口が、pトランジスタの上にある、基板をパターニングすることと、基板を前洗浄することと、プラズマ強化化学気相堆積(PECVD)によって、nトランジスタ上におよびpトランジスタ上に、チタンシリサイド(TiSi)層を堆積させることと、任意選択的に、チタンシリサイド(TiSi)層上に第1のバリア層を堆積させ、pトランジスタから第1のバリア層を選択的に除去することと、nトランジスタおよびpトランジスタ上のチタンシリサイド(TiSi)層上にモリブデンシリサイド(MoSi)層を選択的に形成することと、モリブデンシリサイド(MoSi)層上に第2のバリア層を形成することと、半導体構造をアニールすることとを備える。
【0007】
本開示の別の実施形態は、半導体構造を形成する方法を対象とする。方法は、第1の開口を形成するために基板をパターニングすることであって、基板が、nトランジスタとpトランジスタとを備え、第1の開口が、nトランジスタの上にある、基板をパターニングすることと、基板を前洗浄することと、プラズマ強化化学気相堆積(PECVD)によって、nトランジスタ上にチタンシリサイド(TiSi)層を堆積させることと、第1の間隙充填材料で第1の開口を充填することと、nトランジスタの上面上にマスク層を形成することと、pトランジスタの上に第2の開口を形成するために基板をパターニングすることと、pトランジスタ上にモリブデンシリサイド(MoSi)層を選択的に形成することと、半導体構造をアニールすることと、第2の間隙充填材料で第2の開口を充填することとを備える。
【0008】
本開示のさらなる実施形態は、半導体構造を対象とする。半導体構造は、nトランジスタおよびpトランジスタと、nトランジスタおよびpトランジスタのうちの一方または両方上のチタンシリサイド(TiSi)層と、nトランジスタおよびpトランジスタのうちの一方または両方上のモリブデンシリサイド(MoSi)層と、任意選択的に、チタンシリサイド(TiSi)層およびモリブデンシリサイド(MoSi)層のうちの一方または両方上のバリア層と、間隙充填材料とを備える。
【0009】
本開示の上記で具陳された特徴が詳細に理解され得るように、上記で手短に要約された本開示のより具体的な説明が、それらのうちのいくつかが添付の図面中に図示されている、実施形態を参照することによって行われ得る。しかしながら、添付の図面は、本開示の典型的な実施形態を図示するにすぎず、それゆえ、それの範囲の限定と見なされるべきではなく、なぜならば、本開示は、他の等しく効果的な実施形態を認め得るからであることに留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1A】本開示の1つまたは複数の実施形態による、半導体構造を図示する図である。
【
図1B】本開示の1つまたは複数の実施形態による、半導体構造を図示する図である。
【
図1C】本開示の1つまたは複数の実施形態による、半導体構造を図示する図である。
【
図1D】本開示の1つまたは複数の実施形態による、半導体構造を図示する図である。
【
図1E】本開示の1つまたは複数の実施形態による、半導体構造を図示する図である。
【
図1F】本開示の1つまたは複数の実施形態による、半導体構造を図示する図である。
【
図2A】本開示の1つまたは複数の実施形態による、半導体構造を図示する図である。
【
図2B】本開示の1つまたは複数の実施形態による、半導体構造を図示する図である。
【
図2C】本開示の1つまたは複数の実施形態による、半導体構造を図示する図である。
【
図2D】本開示の1つまたは複数の実施形態による、半導体構造を図示する図である。
【
図2E】本開示の1つまたは複数の実施形態による、半導体構造を図示する図である。
【
図2F】本開示の1つまたは複数の実施形態による、半導体構造を図示する図である。
【
図2G】本開示の1つまたは複数の実施形態による、半導体構造を図示する図である。
【
図3】本開示の1つまたは複数の実施形態による、方法のプロセスフロー図である。
【
図4】本開示の1つまたは複数の実施形態による、方法のプロセスフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
添付の図中で、類似の構成要素および/またはフィーチャーは、同じ参照ラベルを有し得る。さらに、ダッシュと、類似の構成要素間を区別する第2のラベルとを参照ラベルの後に付けることによって、同じタイプの様々な構成要素が区別される場合がある。第1の参照ラベルのみが、本明細書において使用される場合、説明は、第2の参照ラベルにかかわらず、同じ第1の参照ラベルを有する類似の構成要素のいずれにも適用可能である。
【0012】
本発明の数個の例示の実施形態を説明する前に、本発明は、以下の説明において記載される構成またはプロセスステップの詳細に限定されないことを理解されたい。本発明は、他の実施形態が可能であり、様々なやり方で実践されるか、または行われることが可能である。
【0013】
本明細書で使用される、「基板」という用語は、プロセスがそれに対して作用する、表面、または表面の部分を指す。基板への言及は、コンテキストが別様に明確に指し示さない限り、基板の一部分のみを指すこともできることも、当業者には理解されよう。追加として、基板上に堆積させることへの言及は、ベア基板と、その上に堆積または形成された1つまたは複数の膜またはフィーチャーを持つ基板の両方を意味することができる。
【0014】
追加として、本明細書で使用される「基板」という用語は、膜処理が製造プロセス中にそれに対して実施される、基板、または基板上に形成された材料表面を指す。たとえば、処理がそれに対して実施され得る基板表面は、用途に応じて、シリコン、酸化ケイ素、ストレインドシリコン(IBMが開発したもの)、シリコンオン絶縁体(SOI)、炭素ドープ酸化ケイ素、アモルファスシリコン、ドープシリコン、ゲルマニウム、ガリウムヒ素、ガラス、サファイアなどの材料、および金属、金属窒化物、金属合金、誘電体材料、他の導電性材料などの任意の他の材料、またはそれらの組合せを含む。いくつかの実施形態では、基板は、シリコン(Si)、ルテニウム(Ru)、コバルト(Co)、タングステン(W)、リン化ケイ素(SiP)、チタンシリコン(TiSi)、窒化チタン(TiN)、チタンアルミナイド(TiAl)、シリコンゲルマニウム(SiGe)、シリコンゲルマニウムホウ素(SiGeB)、酸化ハフニウム(HfO2)、酸化アルミニウム(Al2O3)またはそれらの組合せを備える。基板は、限定はしないが、半導体ウエハを含む。基板は、基板表面を研磨する、エッチングする、還元する、酸化する、ヒドロキシル化する、アニールするおよび/または焼成するための前処理プロセスにさらされ得る。基板の表面自体に対して直接的に実施される膜処理に加えて、本開示では、開示される膜処理ステップのうちのいずれかは、以下でより詳細に開示されるように、基板上に形成された下層に対して実施されてもよく、「基板表面」という用語は、コンテキストが指し示すような下層を含むことを意図される。
【0015】
1つまたは複数の実施形態によれば、膜または膜の層に関して「上(on)」という用語は、膜または層が、表面、たとえば、基板表面の直接上にあること、ならびに膜または層と表面、たとえば、基板表面との間に1つまたは複数の下層があることを含む。これにより、1つまたは複数の実施形態では、「基板表面上(on the substrate surface)」という句は、1つまたは複数の下層を含むことを意図される。他の実施形態では、「直接上(directly on)」という句は、介在層なしに表面、たとえば、基板表面と接触している層または膜を指す。これにより、「基板表面の直接上の層(a layer directly on the substrate surface)」という句は、間の層なしに基板表面と直接接触している層を指す。
【0016】
本明細書で使用される、「基板表面」という用語は、層がその上に形成され得る任意の基板表面を指す。基板表面は、その中に形成された1つまたは複数のフィーチャー、その上に形成された1つまたは複数の層、およびそれらの組合せを有し得る。特徴の形状は、限定はしないが、ピーク、トレンチ、および円筒形ビアを含む、任意の好適な形状であり得る。この点に関して使用されるとき、「フィーチャー」という用語は、任意の意図的な表面不規則性を指す。特徴の好適な例は、限定はしないが、上部と、2つの側壁と、底部とを有するトレンチ、上部と、表面から上方へ延びる2つの側壁とを有するピーク、および開いた底部を持つ、表面から下に延びる側壁を有するビアを含む。
【0017】
本明細書で使用される、「処理チャンバ」という用語は、処理チャンバの内部容積全体を包含するとは限らない、基板表面に隣接する処理チャンバの部分を含む。たとえば、空間的に分けられた処理チャンバのセクタにおいて、基板表面に隣接する処理チャンバの部分は、1つまたは複数の反応性化合物を、限定はしないが、反応性化合物を何もまたは実質的に何も含んでいない処理チャンバの部分またはセクタにガスカーテンを通して基板を移動させることを含む、任意の好適な技法によってパージされる。
【0018】
本明細書で使用される、「原子層堆積」または「周期的堆積」という用語は、基板表面上に材料の層を堆積させるための、2つまたはそれ以上の反応性化合物に連続して曝露することを指す。基板、または基板表面の部分は、処理チャンバの反応ゾーンの中に導入された2つまたはそれ以上の反応性化合物に連続して曝露される。反応性ガスの連続した曝露は、反応性ガス間の気相反応を防止するかまたは最小限に抑える。時間ドメインALDプロセスでは、各反応性化合物への曝露は、時間遅延によって分けられて、各化合物が、基板表面に付着しおよび/または基板表面上で反応することを可能にする。空間的ALDプロセスでは、基板表面の異なる部分または基板表面上の材料は、基板上の所与の点が、同時に2つ以上の反応性化合物に実質的に曝露されないように、2つまたはそれ以上の反応性化合物に同時に曝露される。本明細書および添付の特許請求の範囲で使用される、この観点で使用される「実質的に」という用語は、当業者によって理解されるように、基板の小さい部分が拡散により同時に複数の反応性ガスに曝露され得る可能性があること、および同時曝露は意図されないことを意味する。
【0019】
時間ドメインALDプロセスの一態様では、第1の反応性ガス(換言すれば、第1の前駆体または化合物A)が、反応ゾーンの中にパルス的に導入され、その後に、第1の時間遅延が続く。次に、第2の前駆体または化合物Bが、反応ゾーンの中にパルス的に導入され、その後に、第2の時間遅延が続く。各時間遅延中に、アルゴンなど、パージガスが、反応ゾーンをパージするか、またはさもなければ反応ゾーンから残留する反応性化合物または副産物を除去するために、処理チャンバの中に導入される。代替的に、パージガスは、パージガスのみが、反応性化合物のパルスの間の時間遅延中に流れるように、堆積プロセス全体にわたって連続的に流れ得る。反応性化合物は、所望の膜または膜厚さが基板表面上に形成されるまで、交互にパルス化される。いずれのシナリオにおいても、化合物A、パージガス、化合物Bおよびパージガスをパルス化するALDプロセスは、サイクルである。サイクルは、化合物Aまたは化合物Bのいずれかで始まり、所望の厚さを持つ膜を達成するまで、サイクルのそれぞれのオーダーを継続することができる。1つまたは複数の実施形態では、時間ドメインALDプロセスは、あらかじめ決定された順番で3つ以上の反応性化合物を用いて実施され得る。
【0020】
空間的ALDプロセスの態様では、第1の反応性ガスおよび第2の反応性ガスは、反応ゾーンに同時に供給されるが、不活性ガスカーテンおよび/または真空カーテンによって分けられる。基板は、基板上の所与の点が第1の反応性ガスおよび第2の反応性ガスに曝露されるように、ガス供給装置に対して移動させられる。1つまたは複数の実施形態では、空間的ALDプロセスは、あらかじめ決定された順番で3つ以上の反応性化合物を用いて実施され得る。
【0021】
いくつかの実施形態では、基板表面は、実質的に連続して第1の反応性化合物および第2の反応性化合物に曝露される。本明細書全体を通してここで使用される、「実質的に連続して」は、いくらかの重なりはあり得るが、第1の反応性化合物曝露の持続時間の大部分が、第2の反応性化合物曝露と重ならないことを意味する。
【0022】
本明細書で使用される、「化学気相堆積」という用語は、基板表面上に材料の層を堆積させるための、少なくとも1つの反応性化合物を曝露することを指す。いくつかの実施形態では、化学気相堆積(CVD)プロセスは、反応性化合物の気相反応および堆積を可能にするために、処理チャンバにおいて2つまたはそれ以上の反応性化合物を混合することを備える。いくつかの実施形態では、CVDプロセスは、同時に2つまたはそれ以上の反応性化合物に基板表面を曝露することを備える。いくつかの実施形態では、CVDプロセスは、第2の反応性化合物への間欠的な曝露と連続的に第1の反応性化合物に基板表面を曝露することを備える。いくつかの実施形態では、基板表面は、あらかじめ決定された厚さを有する膜を堆積させるために、CVD反応を受ける。CVDプロセスでは、膜は、混合された反応性化合物への1回の曝露において堆積され得るか、または間にパージを伴う混合された反応性化合物への複数回の曝露であり得る。いくつかの実施形態では、基板表面は、実質的に同時に第1の反応性化合物および第2の反応性化合物に曝露される。
【0023】
本明細書全体を通してここで使用される、「実質的に同時に」は、第1の反応性化合物曝露の持続時間の大部分が、第2の反応性化合物曝露と重なることを意味する。
【0024】
本明細書で使用される、「パージ」という用語は、プロセス領域から未反応前駆体、反応生成物および副産物を除去する任意の好適なパージプロセスを含む。好適なパージプロセスは、反応物を何もまたは実質的に何も含んでいない処理領域の部分またはセクタに、ガスカーテンを通して基板を移動させることを含む。1つまたは複数の実施形態では、処理チャンバをパージすることは、真空を適用することを備える。いくつかの実施形態では、処理領域をパージすることは、基板の上にパージガスを流すことを備える。いくつかの実施形態では、パージプロセスは、不活性ガスを流すことを備える。1つまたは複数の実施形態では、パージガスは、窒素(N2)、ヘリウム(He)、およびアルゴン(Ar)のうちの1つまたは複数から選択される。いくつかの実施形態では、第1の反応性化合物は、第2の反応性化合物に基板を曝露する前に、0.2秒から30秒まで、0.2秒から10秒まで、0.2秒から5秒まで、0.5秒から30秒まで、0.5秒から10秒まで、0.5秒から5秒まで、1秒から30秒まで、1秒から10秒まで、1秒から5秒まで、5秒から30秒まで、5秒から10秒まで、または10秒から30秒までの範囲内の持続時間の間、反応チャンバからパージされる。
【0025】
プラズマ強化化学気相堆積(PECVD)は、費用効率および膜特性の汎用性により、薄膜を堆積させるために広く使用されている。PECVDプロセスでは、たとえば、気相炭化水素、またはキャリアガス中に混入された液相炭化水素の蒸気など、炭化水素源が、PECVDチャンバの中に導入される。プラズマ開始ガス、典型的にはヘリウムも、チャンバの中に導入される。次いで、プラズマが、励起CH-ラジカルを作成するためにチャンバにおいて開始される。励起CH-ラジカルは、チャンバ中に配置された基板の表面に化学的に結合され、基板の表面上に所望の膜を形成する。PECVDプロセスに関して本明細書で説明される実施形態は、任意の好適な薄膜堆積システムを使用して実行され得る。本明細書において説明されるいかなる装置説明も、本明細書で説明される実施形態の範囲を限定するものと解釈または解されるべきではない。
【0026】
本明細書で使用される、「ライナ」または「バリア層」という用語は、層の堆積より前の開口の実質的な部分が、層の堆積の後に未充填のままであるように、開口の側壁および/または下側表面の少なくとも一部分に沿って共形的に形成された層を指す。ライナは、開口の側壁および下側表面の全体に沿って形成され得る。ライナは、当業者に知られている任意のプロセスによって形成され得る。いくつかの実施形態では、ライナは、金属窒化物、PVD金属またはそれらの組合せを備える。
【0027】
トランジスタは、しばしば半導体デバイス上に形成される、回路構成要素または要素である。回路設計に応じて、キャパシタ、インダクタ、抵抗器、ダイオード、導電性ライン、または他の要素に加えて、多くのトランジスタが、半導体デバイス上に形成され得る。金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)は、電界効果トランジスタ(FET)の一種である。MOSFETは、それの電圧がデバイスの導電率を決定する、絶縁ゲートを有する。印加電圧の量を用いて導電率を変更するこの能力は、電子信号を増幅するかまたはスイッチングに使用される。
【0028】
一般に、トランジスタは、ソース領域とドレイン領域との間に形成されたゲートを含む。ソース領域およびドレイン領域は、基板のドープ領域を含み得、特定の用途に好適なドーピングプロファイルを呈し得る。ゲートは、チャネル領域の上に配置され、基板においてゲート電極とチャネル領域との間に挿入されたゲート誘電体を含み得る。
【0029】
本明細書で使用される、「電界効果トランジスタ」または「FET」という用語は、デバイスの電気的挙動を制御するために電界を使用するトランジスタを指す。電界効果トランジスタは、一般に、低温において極めて高い入力インピーダンスを示す。ドレイン端子とソース端子との間の導電率は、デバイスのボディとゲートとの間の電圧差によって生成された、デバイスにおける電界によって制御される。FETの3つの端子は、キャリアがそれを通ってチャネルに入るソース(S)と、キャリアがそれを通ってチャネルを出るドレイン(D)と、ゲート(G)、すなわち、チャネル導電率を変調する端子と、である。従来、ソース(S)においてチャネルに入る電流はISと表され、ドレイン(D)においてチャネルに入る電流はIDと表される。ドレインソース間電圧は、VDSと表される。ゲート(G)に電圧を印加することによって、ドレインにおいてチャネルに入る電流(すなわち、ID)は、制御され得る。
【0030】
金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)は、電界効果トランジスタ(FET)の一種である。MOSFETは、それの電圧がデバイスの導電率を決定する、絶縁ゲートを有する。印加電圧の量を用いて導電率を変更するこの能力は、電子信号を増幅するかまたはスイッチングに使用される。MOSFETは、ボディ電極とボディの上方に位置するゲート電極との間の金属酸化膜半導体(MOS)キャパシタンスによる電荷濃度の変調に基づくものであり、ゲート誘電体層によってすべての他のデバイス領域から絶縁される。MOSキャパシタと比較して、MOSFETは、2つの追加の端子(ソースおよびドレイン)を含み、各々は、ボディ領域によって分けられた個々の高度にドープされた領域に接続される。これらの領域は、pタイプまたはnタイプのいずれかであり得るが、それらは、両方とも、同じタイプのものであり、ボディ領域とは反対のタイプのものであり得る。ソースおよびドレインは(ボディとは異なり)、ドーピングのタイプの後の「+」符号によって示されるように、高度にドープされる。
【0031】
MOSFETが、nチャネルまたはnMOS FETである場合、ソースおよびドレインはn+領域であり、ボディはp領域である。MOSFETが、pチャネルまたはpMOS FETである場合、ソースおよびドレインはp+領域であり、ボディはn領域である。ソースは、それが、チャネルを通って流れる電荷キャリア(nチャネルの場合は電子、pチャネルの場合は孔)のソースであるので、そのように名付けられ、類似的に、ドレインは、電荷キャリアがチャネルを出るところである。
【0032】
本開示の実施形態は、半導体構造、および半導体構造を形成するための方法を提供する。オーミックコンタクトおよび/または擬似オーミックコンタクトは、ソース/ドレインコンタクトについて低接触抵抗を達成する際の重要な要素である。1つまたは複数の実施形態は、nFETコンタクトとpFETコンタクトの両方上にオーミックコンタクト/擬似オーミックコンタクトを作成するために、デュアルシリサイドをもたらすための集積スキームを有利に提供する。
【0033】
本開示の実施形態は、nFETコンタクトとpFETコンタクトの両方上のオーミックコンタクト/擬似オーミックコンタクト上にデュアルシリサイドを形成するためのプロセスを図示する図を介して説明される。
図1A~
図1Eを参照すると、半導体構造100が示されている。半導体構造100は、nトランジスタ102とpトランジスタ104とを備える。1つまたは複数の実施形態では、nトランジスタ102およびpトランジスタ104の各々は、誘電体材料110、ソース/ドレイン材料120、および基板130を備える。
【0034】
1つまたは複数の実施形態では、誘電体材料110は、当業者に知られている任意の好適な誘電体材料を備え得る。いくつかの実施形態では、誘電体材料110は、シリコン、酸化ケイ素、窒化ケイ素、炭化ケイ素、および低k誘電体のうちの1つまたは複数を備える。本明細書で使用される、「酸化ケイ素」および「窒化ケイ素」などの用語は、シリコンおよび酸素を備える材料、またはシリコンおよび窒素を備える材料を指す。「酸化ケイ素」および「窒化ケイ素」は、何らかの化学量論比を暗示すると理解されるべきではない。言い方を変えれば、酸化ケイ素または窒化ケイ素を備える誘電体材料は、化学量論的であることも非化学量論的であることもあり、シリコンリッチであることもシリコンプアであることもある。いくつかの実施形態では、誘電体材料110は、酸化ケイ素(SiO2)を備える。
【0035】
いくつかの実施形態では、nトランジスタ102およびpトランジスタ104は、ソースコンタクトおよびドレインコンタクトを備える。1つまたは複数の実施形態では、ソース/ドレイン材料120は、2つ以上の層を有し得る。いくつかの実施形態では、ソース/ドレイン材料120は、ドープepiを持つシリコン(たとえば、SiGe、SiPなど)の層と、ニッケル(Ni)、チタン(Ti)、アルミニウム(Al)などを含んでいることがあるシリサイドの第2の層と、限定はしないが、コバルト、タングステン、ルテニウムなどの金属であり得る第3の、または上部層とを備える。
【0036】
1つまたは複数の特定の実施形態では、nトランジスタ102のソース/ドレイン材料120は、リン(P)でドープされたシリコン(Si)を備える。1つまたは複数の実施形態では、nトランジスタ102のソース/ドレイン材料120は、約1.0eV~約1.2eVの範囲内のバンドギャップを有する。
【0037】
1つまたは複数の実施形態では、pトランジスタ104のソース/ドレイン材料120は、ホウ素(B)でドープされたシリコンゲルマニウム(SiGe)を備える。1つまたは複数の実施形態では、pトランジスタ104のソース/ドレイン材料120は、約0.5eV~約1.0eVの範囲内のバンドギャップを有する。
【0038】
図1A~
図1Dを参照すると、nトランジスタ102の上に第1の開口106があり、pトランジスタ104の上に第2の開口108がある。第1の開口および第2の開口は、任意の好適なアスペクト比(開口の深さと開口の幅との比)を有することができる。1つまたは複数の実施形態では、第1の開口および第2の開口は、3:1から15:1まで、6:1から15:1まで、9:1から15:1まで、12:1から15:1までの範囲内のアスペクト比、または10:1よりも大きいアスペクト比を独立して有し得る。
【0039】
1つまたは複数の実施形態では、構造(または構造の表面)100は、洗浄される。いくつかの実施形態では、構造100を洗浄することは、表面から酸化物を除去する。いくつかの実施形態では、酸化物は、自然酸化物である。いくつかの実施形態では、表面を洗浄することは、実質的に酸化物がない表面を形成する。この様式で使用される、「実質的に酸化物がない」という用語は、表面上に5%、2%、1%または0.5%よりも少ないかあるいはそれに等しい酸素原子があることを意味する。1つまたは複数の実施形態では、異方性エッチングが、表面から酸化物を除去するために使用される。1つまたは複数の実施形態では、異方性エッチングは、誘電体材料110よりもソース/ドレイン材料120の表面から多く酸化物を除去する。1つまたは複数の実施形態では、構造を洗浄することは、実質的に酸化物がないソース/ドレイン材料120を形成する。
【0040】
図1Bを参照すると、チタンシリサイド(TiSi)層140が、nトランジスタ102およびpトランジスタ104の各々上に堆積される。チタンシリサイド層140は、任意の好適な厚さを有し得る。いくつかの実施形態では、チタンシリサイド層140は、20Åから約100Åまでの範囲内の、または約30Åから約90Åまでの範囲内の、または約40Åから約80Åまでの範囲内の、または約50Åから約70Åまでの範囲内の厚さを有する。1つまたは複数の実施形態では、チタンシリサイド(TiSi)層140は、約40Åの厚さを有する。nトランジスタ102上のチタンシリサイド(TiSi)層140は、約0.4eVから約0.55eVまでの範囲内のショットキーバリア高さを有する。
【0041】
図1Cを参照すると、随意の第1のバリア層150が、nトランジスタ102およびpトランジスタ104の各々上に堆積される。1つまたは複数の実施形態では、随意の第1のバリア層150は、金属を備える。1つまたは複数の実施形態では、随意の第1のバリア層150は、金属窒化物を備える。1つまたは複数の実施形態では、随意の第1のバリア層150は、窒化チタン(TiN)、窒化タンタル(TaN)、窒化タングステン(WN)、および窒化モリブデン(MoN)のうちの1つまたは複数を備える。1つまたは複数の実施形態では、随意の第1のバリア層150を有するnトランジスタ102は、随意の第1のバリア層を有しないnトランジスタよりも低いショットキーバリア高さを有する。
【0042】
図1Dを参照すると、存在するとき、pトランジスタ104上の第1のバリア層150は、選択的に、pトランジスタ104から除去され、nトランジスタからは削除されない。第1のバリア層150は、当業者に知られている任意の好適な技法によって除去され得る。1つまたは複数の実施形態では、第1のバリア層150は、エッチング、化学機械研磨(CMP)、平坦化などのうちの1つまたは複数によって除去される。
【0043】
図1Eを参照すると、モリブデンシリサイド(MoSi)層160が、nトランジスタ102およびpトランジスタ104の各々上のチタンシリサイド(TiSi)層140上に形成される。1つまたは複数の実施形態では、モリブデンシリサイド(MoSi)層160は、nトランジスタ102上の随意の第1のバリア層150上に形成される。モリブデンシリサイド(MoSi)層160は、任意の好適な厚さを有し得る。いくつかの実施形態では、モリブデンシリサイド(MoSi)層160は、20Åから約100Åまでの範囲内の、または約30Åから約90Åまでの範囲内の、または約40Åから約80Åまでの範囲内の、または約50Åから約70Åまでの範囲内の厚さを有する。1つまたは複数の実施形態では、モリブデンシリサイド(MoSi)層160は、約40Åの厚さを有する。
【0044】
モリブデンシリサイド(MoSi)層160は、当業者に知られている任意の好適なプロセスに従って形成され得る。1つまたは複数の実施形態では、構造100は、最初に、表面から酸化物を除去するために洗浄される。いくつかの実施形態では、酸化物は、自然酸化物である。いくつかの実施形態では、表面を洗浄することは、実質的に酸化物がない表面を形成する。この様式で使用される、「実質的に酸化物がない」という用語は、表面上に5%、2%、1%または0.5%よりも少ないかあるいはそれに等しい酸素原子があることを意味する。1つまたは複数の実施形態では、異方性エッチングが、表面から酸化物を除去するために使用される。
【0045】
1つまたは複数の実施形態では、モリブデンシリサイド(MoSi)層160を形成するために、金属膜が、チタンシリサイド(TiSi)層140上に選択的に形成される。いくつかの実施形態では、構造100は、金属前駆体および反応物に曝露される。金属膜は、ALD堆積プロセス、CVD堆積プロセス、またはそれらの組合せによって堆積され得る。いくつかの実施形態では、金属膜は、モリブデンシリサイド(MoSi)膜を備える。
【0046】
1つまたは複数の実施形態では、金属前駆体は、モリブデン前駆体を備える。いくつかの実施形態では、モリブデン前駆体は、ハロゲン化モリブデンを備える。いくつかの実施形態では、ハロゲン化モリブデンは、フッ化モリブデン、塩化モリブデン、またはそれらの組合せを備える。特定の実施形態では、モリブデン前駆体は、フッ化モリブデンを備える。他の特定の実施形態では、モリブデン前駆体は、塩化モリブデンを備える。1つまたは複数の実施形態では、前駆体は、キャリアガスを使用して表面の上に流される。いくつかの実施形態では、キャリアガスは、前駆体を備えるアンプルを通って流される。いくつかの実施形態では、キャリアガスは、不活性ガスである。いくつかの実施形態では、不活性ガスは、N2、Ar、およびHeのうちの1つまたは複数を備える。
【0047】
1つまたは複数の実施形態では、反応物は、酸化剤、還元剤、またはそれらの組合せを備える。いくつかの実施形態では、反応物は、水素(H2)、アンモニア(NH3)、シラン、ポリシラン、またはそれらの組合せを備える。いくつかの実施形態では、シランは、ジシラン、トリシラン、テトラシラン、高次シラン、および置換シランのうちの1つまたは複数から選択される。特定の実施形態では、反応物は、モリブデンシリサイド(MoSi)層160を形成するために、シランを備える。1つまたは複数の実施形態では、反応物は、キャリアガスを使用して表面の上に流される。いくつかの実施形態では、キャリアガスは、不活性ガスである。いくつかの実施形態では、不活性ガスは、N2、Ar、およびHeのうちの1つまたは複数を備える。他の実施形態では、反応物ガスは、連続的に流され得、チャンバへのモリブデン前駆体の流れは、オンおよびオフにされる。
【0048】
図1Eを参照すると、第2のバリア層170が、nトランジスタ102およびpトランジスタ104の各々上に形成される。第2のバリア層170は、当業者に知られている任意の好適な材料を備え得る。1つまたは複数の実施形態では、第2のバリア層170は、PVD金属膜を備える。1つまたは複数の実施形態では、第2のバリア層170は、窒化されたモリブデンシリサイド(MoSiN)を備える。1つまたは複数の実施形態では、第2のバリア層170は、窒化モリブデン(MoN)を備える。1つまたは複数の実施形態では、第2のバリア層170は、モリブデンシリサイド(MoSi)層160上での酸化物の形成を防止する。1つまたは複数の実施形態では、その上に形成された第2のバリア層170を有するnトランジスタ102は、その上に形成された第2のバリア層を有しないnトランジスタよりも低いショットキーバリア高さを有する。1つまたは複数の実施形態では、その上に形成された第2のバリア層170を有するpトランジスタ104は、その上に形成された第2のバリア層を有しないpトランジスタよりも低いショットキーバリア高さを有する。
【0049】
第2のバリア層170は、当業者に知られている任意のプロセスによって形成され得る。いくつかの実施形態では、第2のバリア層170は、モリブデンシリサイド(MoSi)層160上に形成される。いくつかの実施形態では、モリブデンシリサイド(MoSi)層160は、第2のバリア層170を形成するために処理される。いくつかの実施形態では、第2のバリア層170は、モリブデンシリサイド(MoSi)層160またはそれの一部分を窒化することによって形成される。いくつかの実施形態では、第2のバリア層170は、アンモニア(NH3)を使用してモリブデンシリサイド(MoSi)層160を窒化することによって形成される。いくつかの実施形態では、第2のバリア層170は、モリブデンシリサイド(MoSi)層160を窒化するために、モリブデンシリサイド(MoSi)層160をプラズマで処理することによって形成される。いくつかの実施形態では、プラズマ処理は、窒素(N2)プラズマ処理を備える。いくつかの実施形態では、第2のバリア層170は、金属窒化物、PVD金属、またはそれらの組合せを備える。
【0050】
図1Fを参照すると、nトランジスタ102の上の第1の開口106およびpトランジスタ104の上の第2の開口108は、それぞれ、間隙充填材料180および間隙充填材料182を独立して充填される。1つまたは複数の実施形態では、間隙充填材料180は、実質的にボイドまたはシームがない。間隙充填材料180および間隙充填材料182は、当業者に知られている任意の好適な間隙充填材料を独立して備え得る。1つまたは複数の実施形態では、間隙充填材料180および間隙充填材料182は、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、コバルト(Co)およびルテニウム(Ru)のうちの1つまたは複数を独立して備える。1つまたは複数の実施形態では、nトランジスタ102の上の第1の開口106中の間隙充填材料180は、pトランジスタ104の上の第2の開口108中の間隙充填材料182と同じである。1つまたは複数の実施形態では、nトランジスタ102の上の第1の開口106中の間隙充填材料180は、pトランジスタ104の上の第2の開口108中の間隙充填材料182とは異なる。
【0051】
間隙充填プロセスは、当業者に知られている任意の好適な間隙充填プロセスを備え得る。1つまたは複数の実施形態では、間隙充填プロセスは、金属前駆体および反応物に半導体構造100を曝露することを備える。いくつかの実施形態では、金属前駆体は、モリブデン前駆体、タングステン前駆体、コバルト前駆体、およびルテニウム前駆体のうちの1つまたは複数を備える。
【0052】
いくつかの実施形態では、間隙充填プロセスは、ボトムアップ間隙充填プロセスである。他の実施形態では、間隙充填プロセスは、共形間隙充填プロセスを備える。
【0053】
図2A~
図2Gは、半導体構造200を図示する。半導体構造200は、nトランジスタ202とpトランジスタ204とを備える。nトランジスタ202およびpトランジスタ204の各々は、誘電体材料210、ソース/ドレイン材料220、および基板230を備える。
【0054】
1つまたは複数の実施形態では、誘電体材料210は、当業者に知られている任意の好適な材料を備え得る。いくつかの実施形態では、誘電体材料210は、シリコン、酸化ケイ素、窒化ケイ素、炭化ケイ素、および低k誘電体のうちの1つまたは複数を備える。いくつかの実施形態では、誘電体材料210は、酸化ケイ素(SiO2)を備える。
【0055】
いくつかの実施形態では、nトランジスタ202およびpトランジスタ204は、ソースコンタクトおよびドレインコンタクトを備える。1つまたは複数の実施形態では、ソース/ドレイン材料220は、2つ以上の層を有し得る。いくつかの実施形態では、ソース/ドレイン材料220は、ドープepiを持つシリコン(たとえば、SiGe、SiPなど)の層と、ニッケル(Ni)、チタン(Ti)、アルミニウム(Al)などを含んでいることがあるシリサイドの第2の層と、限定はしないが、コバルト、タングステン、ルテニウムなどの金属であり得る第3の、または上部層とを備える。
【0056】
1つまたは複数の実施形態では、nトランジスタ202のソース/ドレイン材料220は、リン(P)でドープされたシリコン(Si)を備える。1つまたは複数の実施形態では、nトランジスタ202のソース/ドレイン材料220は、約1.0eV~約1.2eVの範囲内のバンドギャップを有する。
【0057】
1つまたは複数の実施形態では、pトランジスタ204のソース/ドレイン材料220は、ホウ素(B)でドープされたシリコンゲルマニウム(SiGe)を備える。1つまたは複数の実施形態では、pトランジスタ204のソース/ドレイン材料220は、約0.5eV~約1.0eVの範囲内のバンドギャップを有する。
【0058】
図2A~
図2Bを参照すると、nトランジスタ202の上に第1の開口206があり、pトランジスタ204の上に第2の開口208がある。第1の開口206および第2の開口208は、任意の好適なアスペクト比(開口の深さと開口の幅との比)を有することができる。1つまたは複数の実施形態では、第1の開口206および第2の開口208は、3:1から15:1まで、6:1から15:1まで、9:1から15:1まで、12:1から15:1までの範囲内のアスペクト比、または10:1よりも大きいアスペクト比を独立して有し得る。
【0059】
図2Bを参照すると、チタンシリサイド(TiSi)層240が、nトランジスタ202上に堆積される。チタンシリサイド(TiSi)層240は、任意の好適な厚さを有し得る。いくつかの実施形態では、チタンシリサイド(TiSi)層240は、20Åから約100Åまでの範囲内の、または約30Åから約90Åまでの範囲内の、または約40Åから約80Åまでの範囲内の、または約50Åから約70Åまでの範囲内の厚さを有する。1つまたは複数の実施形態では、チタンシリサイド(TiSi)層240は、約40Åの厚さを有する。
【0060】
図2Cを参照すると、随意のバリア層250が、nトランジスタ202上のチタンシリサイド(TiSi)層240上に形成される。1つまたは複数の実施形態では、随意の第1のバリア層250は、金属を備える。1つまたは複数の実施形態では、随意の第1のバリア層250は、金属窒化物を備える。1つまたは複数の実施形態では、随意の第1のバリア層250は、窒化チタン(TiN)、窒化タンタル(TaN)、窒化タングステン(WN)、および窒化モリブデン(MoN)のうちの1つまたは複数を備える。
【0061】
1つまたは複数の実施形態では、nトランジスタ202の上の第1の開口206は、第1の間隙充填材料280を充填される。1つまたは複数の実施形態では、第1の間隙充填材料280は、実質的にボイドまたはシームがない。1つまたは複数の実施形態では、第1の間隙充填材料280は、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、コバルト(Co)およびルテニウム(Ru)のうちの1つまたは複数を備える。
【0062】
間隙充填プロセスは、当業者に知られている任意の好適な間隙充填プロセスを備え得る。1つまたは複数の実施形態では、間隙充填プロセスは、金属前駆体および反応物に半導体構造200を曝露することを備える。いくつかの実施形態では、金属前駆体は、モリブデン前駆体、タングステン前駆体、コバルト前駆体、およびルテニウム前駆体のうちの1つまたは複数を備える。
【0063】
図2Dを参照すると、マスク層270が、nトランジスタ202およびpトランジスタ204の上面上に形成される。1つまたは複数の実施形態では、マスク層270は、ハードマスク層272およびフォトレジスト層274のうちの一方または両方を備える。ハードマスク層272は、当業者に知られている任意の好適な材料を備え得る。1つまたは複数の実施形態では、ハードマスク層272は、二酸化ケイ素(SiO
2)を備える。フォトレジスト層274は、当業者に知られている任意の好適な材料を備え得る。当業者によって認識されるように、フォトレジスト層274は、pトランジスタにないものとして図示されているが、これは、描画を容易にするためであるにすぎない。当業者は、ハードマスク層272およびフォトレジスト層274が、nトランジスタ202とpトランジスタ204の両方の上面上に形成されることを理解する。第2の開口208を形成するための処理は、フォトレジスト層274を除去する。1つまたは複数の実施形態では、第2の開口208は、pトランジスタ204の上に形成される。第2の開口208は、当業者に知られている任意の好適なプロセスによって形成され得る。1つまたは複数の実施形態では、第2の開口208は、エッチングによって形成される。
【0064】
第2の開口208は、任意の好適なアスペクト比を有することができる。1つまたは複数の実施形態では、第2の開口は、3:1から15:1まで、6:1から15:1まで、9:1から15:1まで、12:1から15:1までの範囲内のアスペクト比、または10:1よりも大きいアスペクト比を有し得る。
【0065】
図2Eを参照すると、フォトレジスト層274は、nトランジスタ202のマスク層270から除去される。フォトレジスト層274は、当業者に知られている任意の好適な手段によって除去され得る。1つまたは複数の実施形態では、フォトレジスト層274は、ストリッピングによって除去される。
【0066】
図2Fを参照すると、モリブデンシリサイド(MoSi)層245が、pトランジスタ204のソース/ドレイン材料220上に選択的に形成される。モリブデンシリサイド(MoSi)層245は、当業者に知られている任意の好適なプロセスによって形成され得る。モリブデンシリサイド(MoSi)層245は、任意の好適な厚さを有し得る。いくつかの実施形態では、モリブデンシリサイド(MoSi)層245は、20Åから約100Åまでの範囲内の、または約30Åから約90Åまでの範囲内の、または約40Åから約80Åまでの範囲内の、または約50Åから約70Åまでの範囲内の厚さを有する。1つまたは複数の実施形態では、モリブデンシリサイド(MoSi)層245は、約40Åの厚さを有する。
【0067】
モリブデンシリサイド(MoSi)層245は、当業者に知られている任意の好適なプロセスに従って形成され得る。1つまたは複数の実施形態では、構造200は、最初に、表面から酸化物を除去するために洗浄される。いくつかの実施形態では、酸化物は、自然酸化物である。いくつかの実施形態では、表面を洗浄することは、実質的に酸化物がない表面を形成する。この様式で使用される、「実質的に酸化物がない」という用語は、表面上に5%、2%、1%または0.5%よりも少ないかあるいはそれに等しい酸素原子があることを意味する。1つまたは複数の実施形態では、異方性エッチングが、表面から酸化物を除去するために使用される。
【0068】
1つまたは複数の実施形態では、モリブデンシリサイド(MoSi)層245を形成するために、金属膜が、ソース/ドレイン材料220上に選択的に形成される。いくつかの実施形態では、半導体構造200は、金属前駆体および反応物に曝露される。金属膜は、ALD堆積プロセス、CVD堆積プロセス、またはそれらの組合せによって堆積され得る。いくつかの実施形態では、金属膜は、モリブデンシリサイド膜を備える。
【0069】
1つまたは複数の実施形態では、金属前駆体は、モリブデン前駆体を備える。いくつかの実施形態では、モリブデン前駆体は、ハロゲン化モリブデンを備える。いくつかの実施形態では、ハロゲン化モリブデンは、フッ化モリブデン、塩化モリブデン、またはそれらの組合せを備える。特定の実施形態では、モリブデン前駆体は、フッ化モリブデンを備える。他の特定の実施形態では、モリブデン前駆体は、塩化モリブデンを備える。1つまたは複数の実施形態では、前駆体は、キャリアガスを使用して表面の上に流される。いくつかの実施形態では、キャリアガスは、前駆体を備えるアンプルを通って流される。いくつかの実施形態では、キャリアガスは、不活性ガスである。いくつかの実施形態では、不活性ガスは、N2、Ar、およびHeのうちの1つまたは複数を備える。
【0070】
1つまたは複数の実施形態では、反応物は、酸化剤、還元剤、またはそれらの組合せを備える。いくつかの実施形態では、反応物は、水素(H2)、アンモニア(NH3)、シラン、ポリシラン、またはそれらの組合せを備える。いくつかの実施形態では、シランは、ジシラン、トリシラン、テトラシラン、高次シラン、および置換シランのうちの1つまたは複数から選択される。特定の実施形態では、反応物は、モリブデンシリサイド(MoSi)層245を形成するために、シランを備える。1つまたは複数の実施形態では、反応物は、キャリアガスを使用して表面の上に流される。いくつかの実施形態では、キャリアガスは、不活性ガスである。いくつかの実施形態では、不活性ガスは、N2、Ar、およびHeのうちの1つまたは複数を備える。他の実施形態では、反応物ガスは、連続的に流され得、チャンバへのモリブデン前駆体の流れは、オンおよびオフにされる。
【0071】
図2Gを参照すると、nトランジスタ202およびpトランジスタ204の上面の各々上に形成されたマスク層270は、除去される。マスク層270は、当業者に知られている任意の好適な手段によって除去され得る。いくつかの実施形態では、マスク層270は、エッチングまたは平坦化によって除去される。
【0072】
1つまたは複数の実施形態では、pトランジスタ204の上の第2の開口208は、第2の間隙充填材料282を充填される。1つまたは複数の実施形態では、第2の間隙充填材料282は、実質的にボイドまたはシームがない。第1の間隙充填材料280および第2の間隙充填材料282は、当業者に知られている任意の好適な間隙充填材料を独立して備え得る。1つまたは複数の実施形態では、第2の間隙充填材料282は、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、コバルト(Co)およびルテニウム(Ru)のうちの1つまたは複数を備える。1つまたは複数の実施形態では、nトランジスタ202の上の間隙充填材料280は、pトランジスタ204の上の間隙充填材料282と同じである。1つまたは複数の実施形態では、間隙充填材料280は、間隙充填材料282とは異なる。
【0073】
間隙充填プロセスは、当業者に知られている任意の好適な間隙充填プロセスを備え得る。1つまたは複数の実施形態では、間隙充填プロセスは、金属前駆体および反応物に半導体構造200を曝露することを備える。いくつかの実施形態では、金属前駆体は、モリブデン前駆体、タングステン前駆体、コバルト前駆体、およびルテニウム前駆体のうちの1つまたは複数を備える。
【0074】
いくつかの実施形態では、間隙充填プロセスは、ボトムアップ間隙充填プロセスである。他の実施形態では、間隙充填プロセスは、共形間隙充填プロセスを備える。
【0075】
図3は、半導体構造を形成する方法300のプロセスフロー図を図示する。
図3は、
図1A~
図1Fおよび
図2A~
図2G中に示されている1つまたは複数の実施形態の半導体構造のうちのいずれかを形成する方法を図示する。
【0076】
1つまたは複数の実施形態では、半導体構造を形成する方法300は、処理310において、第1の開口および第2の開口を形成するために基板をパターニングすることであって、基板が、nトランジスタとpトランジスタとを備え、第1の開口が、nトランジスタの上にあり、第2の開口が、pトランジスタの上にある、基板をパターニングすることを備える。処理320において、方法300は、基板を前洗浄することを備える。処理330において、方法300は、プラズマ強化化学気相堆積(PECVD)によって、nトランジスタ上におよびpトランジスタ上に、チタンシリサイド(TiSi)層を堆積させることを備える。処理340において、方法300は、チタンシリサイド(TiSi)層上に第1のバリア層を堆積させ、pトランジスタから第1のバリア層を選択的に除去することを任意選択的に含む。処理350において、方法300は、nトランジスタおよびpトランジスタ上のチタンシリサイド(TiSi)層上にモリブデンシリサイド(MoSi)層を選択的に形成することを備える。処理360において、方法300は、モリブデンシリサイド(MoSi)層上に第2のバリア層を形成することを備える。処理370において、方法300は、半導体構造をアニールすることを備える。
【0077】
処理310において、方法300は、第1の開口および第2の開口のうちの少なくとも1つを形成するために基板をパターニングすることを備える。1つまたは複数の実施形態では、基板をパターニングすることは、超小型電子デバイス製作の当業者に知られている1つまたは複数のパターニング技法を使用することを備える。
【0078】
処理320において、方法300は、基板を前洗浄することを備える。1つまたは複数の実施形態では、前洗浄プロセスを真空下に保つことは、酸化物が方法300中に基板表面上に導入されない/形成されないことを保証する。いくつかの実施形態では、基板(または基板の表面)を前洗浄することは、表面から酸化物を除去する。いくつかの実施形態では、酸化物は、自然酸化物である。いくつかの実施形態では、表面を洗浄することは、実質的に酸化物がない表面を形成する。この様式で使用される、「実質的に酸化物がない」という用語は、表面上に5%、2%、1%または0.5%よりも少ないかあるいはそれに等しい酸素原子があることを意味する。1つまたは複数の実施形態では、異方性エッチングが、表面から酸化物を除去するために使用される。1つまたは複数の実施形態では、異方性エッチングは、誘電体材料よりもソース/ドレイン材料の表面から多く酸化物を除去する。1つまたは複数の実施形態では、表面を前洗浄することは、実質的に酸化物がないソース/ドレイン材料を形成する。
【0079】
処理330において、方法300は、プラズマ強化化学気相堆積(PECVD)によって、nトランジスタおよびpトランジスタ上に、チタンシリサイド(TiSi)層を堆積させることを備える。1つまたは複数の実施形態では、nトランジスタおよびpトランジスタ上にチタンシリサイド(TiSi)層を堆積させた後に、ラピッドサーマルプロセス(RTP)が実施される。1つまたは複数の実施形態では、ラピッドサーマルプロセス(RTP)は、約500℃~約700℃の範囲内の温度にチタンシリサイド(TiSi)層を加熱することを備える。1つまたは複数の実施形態では、ラピッドサーマルプロセス(RTP)は、約1分間実施される。1つまたは複数の実施形態では、ラピッドサーマルプロセス(RTP)は、チタンシリサイド(TiSi)層から未反応金属を除去する。
【0080】
処理340において、方法300は、nトランジスタ上のチタンシリサイド(TiSi)層上に第1のバリア層を堆積させ、pトランジスタから第1のバリア層を選択的に除去することを任意選択的に含む。1つまたは複数の実施形態では、pトランジスタから第1のバリア層を選択的に除去することは、pトランジスタ上のモリブデンシリサイド(MoSi)層が、pトランジスタ上のチタンシリサイド(TiSi)層とのオーミックコンタクトを形成することを可能にする。
【0081】
いくつかの実施形態では、nトランジスタ上のおよびpトランジスタ上のチタンシリサイド(TiSi)層は、第1のバリア層によって酸化物形成から保護される。第1のバリア層は、当業者に知られている任意のプロセスによって形成され得る。1つまたは複数の実施形態では、処理340において、第1のバリア層は、原子層堆積(ALD)プロセスによって形成される。1つまたは複数の実施形態では、処理340において、第1のバリア層は、物理気相堆積(PVD)プロセスによって形成される。
【0082】
いくつかの実施形態では、第1のバリア層は、チタンシリサイド(TiSi)層上に形成される。いくつかの実施形態では、チタンシリサイド(TiSi)層は、第1のバリア層を形成するために処理される。いくつかの実施形態では、第1のバリア層は、チタンシリサイド(TiSi)層を窒化することによって形成される。いくつかの実施形態では、第1のバリア層は、アンモニア(NH3)を使用してチタンシリサイド(TiSi)層を窒化することによって形成される。いくつかの実施形態では、第1のバリア層は、チタンシリサイド(TiSi)層を窒化するために、プラズマでチタンシリサイド(TiSi)層を処理することによって形成される。いくつかの実施形態では、プラズマ処理は、窒素(N2)プラズマ処理を備える。
【0083】
1つまたは複数の実施形態では、チタンシリサイド(TiSi)層を窒化することによって第1のバリア層を形成することは、窒化チタンシリコン(TiSiN)層を形成する。1つまたは複数の実施形態では、窒化チタンシリコン(TiSiN)層を有する半導体構造は、窒化チタンシリコン(TiSiN)層を有しない半導体構造よりも低減されたショットキーバリア高さを有する。1つまたは複数の実施形態では、窒化チタンシリコン(TiSiN)層を有する半導体構造は、約0.50eVから約0.55eVまでの範囲内のショットキーバリア高さを有する。1つまたは複数の実施形態では、窒化チタンシリコン(TiSiN)層を有しない半導体構造は、約0.6eVから約0.7eVまでの範囲内のショットキーバリア高さを有する。
【0084】
いくつかの実施形態では、処理350において、方法300は、nトランジスタおよびpトランジスタ上のチタンシリサイド(TiSi)層上にモリブデンシリサイド(MoSi)層を選択的に形成することを備える。1つまたは複数の実施形態では、モリブデンシリサイド(MoSi)層は、pトランジスタの、ホウ素(B)でドープされたシリコンゲルマニウム(SiGe)の基板上に形成される。1つまたは複数の実施形態では、pトランジスタ上にモリブデンシリサイド(MoSi)層を選択的に形成した後に、ラピッドサーマルプロセス(RTP)が実施される。1つまたは複数の実施形態では、ラピッドサーマルプロセス(RTP)は、約500℃~約700℃の範囲内の温度にモリブデンシリサイド(MoSi)層を加熱することを備える。1つまたは複数の実施形態では、ラピッドサーマルプロセス(RTP)は、約1分間実施される。1つまたは複数の実施形態では、ラピッドサーマルプロセス(RTP)は、モリブデンシリサイド(MoSi)層から未反応金属を除去する。
【0085】
本開示の別の態様では、半導体構造を形成する方法300は、半導体構造の接触抵抗を低減することを含む。いくつかの実施形態では、処理370において、半導体構造をアニールすることは、接触抵抗を低減する。1つまたは複数の実施形態では、半導体構造をアニールすることは、滑らかな表面をもたらす。1つまたは複数の実施形態では、処理370において、半導体構造をアニールすることは、nトランジスタ上におよびpトランジスタ上に、オーミックコンタクトおよび擬似オーミックコンタクトのうちの一方または両方を形成する。
【0086】
半導体構造は、当業者に知られている任意のプロセスによってアニールされ得る。いくつかの実施形態では、半導体構造は、ラピッドサーマルプロセス(RTP)によってアニールされる。1つまたは複数の実施形態では、ラピッドサーマルプロセス(RTP)は、約500℃~約700℃の範囲内の温度に半導体構造をアニールすることを備える。1つまたは複数の実施形態では、ラピッドサーマルプロセス(RTP)は、約600℃の温度に半導体構造をアニールすることを備える。
【0087】
いくつかの実施形態では、アニールされた半導体構造は、4%から30%未満まで、4%から20%未満まで、4%から10%未満まで、10%から30%未満まで、10%から20%未満まで、または20%から30%未満までの範囲内の2乗平均(RMS)粗さを有する。
【0088】
いくつかの実施形態では、方法300は、間隙充填プロセスを実施することを備える。1つまたは複数の実施形態では、間隙充填プロセスは、nトランジスタの上の第1の開口、およびpトランジスタの上の第2の開口を独立して充填することを備える。いくつかの実施形態では、間隙充填プロセスは、ボトムアップ間隙充填プロセスである。他の実施形態では、間隙充填プロセスは、共形間隙充填プロセスを備える。1つまたは複数の実施形態では、方法300は、第1の間隙充填材料でnトランジスタの上の第1の開口を充填することと、第2の間隙充填材料でpトランジスタの上の第2の開口を充填することとを備える。1つまたは複数の実施形態では、第1の間隙充填材料および第2の間隙充填材料の各々は、実質的にボイドまたはシームがない。1つまたは複数の実施形態では、第1の間隙充填材料および第2の間隙充填材料の各々は、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、コバルト(Co)およびルテニウム(Ru)のうちの1つまたは複数を備える。
【0089】
1つまたは複数の実施形態では、方法300は、随意の後プロセス処理を含む。
【0090】
図4は、半導体構造を形成する方法400のプロセスフロー図を図示する。
図4は、
図1A~
図1Fおよび
図2A~
図2G中に示されている1つまたは複数の実施形態の半導体構造のうちのいずれかを形成する方法を図示する。
【0091】
いくつかの実施形態では、半導体構造を形成する方法400は、処理410において、第1の開口を形成するために基板をパターニングすることであって、基板が、nトランジスタとpトランジスタとを備え、第1の開口が、nトランジスタの上にある、基板をパターニングすることを備える。処理420において、方法400は、基板を前洗浄することを備える。処理430において、方法400は、プラズマ強化化学気相堆積(PECVD)によってnトランジスタ上にチタンシリサイド(TiSi)層を堆積させることを備える。処理430において、方法400は、nトランジスタ上のチタンシリサイド(TiSi)層上にバリア層を形成することを任意選択的に含む。処理440において、方法400は、第1の間隙充填材料で第1の開口を充填することを備える。処理450において、方法400は、nトランジスタの上面上にマスク層を形成することを備える。処理460において、方法400は、pトランジスタの上に第2の開口を形成するために基板をパターニングすることを備える。1つまたは複数の実施形態では、方法400は、チタンシリサイド(TiSi)層上に第1のバリア層を堆積させ、pトランジスタから第1のバリア層を選択的に除去することを任意選択的に含む。処理470において、方法400は、pトランジスタ上にモリブデンシリサイド(MoSi)層を選択的に形成することを備える。処理480において、方法400は、半導体構造をアニールすることを備える。処理490において、方法400は、第2の間隙充填材料で第2の開口を充填することを備える。
【0092】
処理410において、方法400は、nトランジスタの上に第1の開口を形成するために基板をパターニングすることを備える。1つまたは複数の実施形態では、基板をパターニングすることは、超小型電子デバイス製作の当業者に知られている1つまたは複数のパターニング技法を使用することを備える。
【0093】
処理420において、方法400は、基板を前洗浄することを備える。1つまたは複数の実施形態では、前洗浄プロセスを真空下に保つことは、酸化物が方法400中に基板表面上に導入されない/形成されないことを保証する。いくつかの実施形態では、基板(または基板の表面)を前洗浄することは、表面から酸化物を除去する。いくつかの実施形態では、酸化物は、自然酸化物である。いくつかの実施形態では、表面を洗浄することは、実質的に酸化物がない表面を形成する。この様式で使用される、「実質的に酸化物がない」という用語は、表面上に5%、2%、1%または0.5%よりも少ないかあるいはそれに等しい酸素原子があることを意味する。1つまたは複数の実施形態では、異方性エッチングが、表面から酸化物を除去するために使用される。1つまたは複数の実施形態では、異方性エッチングは、誘電体材料よりもソース/ドレイン材料の表面から多く酸化物を除去する。1つまたは複数の実施形態では、表面を前洗浄することは、実質的に酸化物がないソース/ドレイン材料を形成する。
【0094】
処理430において、方法400は、プラズマ強化化学気相堆積(PECVD)によってnトランジスタ上にチタンシリサイド(TiSi)層を堆積させることを備える。1つまたは複数の実施形態では、nトランジスタ上にチタンシリサイド(TiSi)層を堆積させた後に、ラピッドサーマルプロセス(RTP)が実施される。1つまたは複数の実施形態では、ラピッドサーマルプロセス(RTP)は、約500℃~約700℃の範囲内の温度にチタンシリサイド(TiSi)層を加熱することを備える。1つまたは複数の実施形態では、ラピッドサーマルプロセス(RTP)は、約1分間実施される。1つまたは複数の実施形態では、ラピッドサーマルプロセス(RTP)は、チタンシリサイド(TiSi)層から未反応金属を除去する。
【0095】
処理435において、方法400は、nトランジスタ上のチタンシリサイド(TiSi)層上に第1のバリア層を堆積させることを任意選択的に含む。いくつかの実施形態では、nトランジスタ上のチタンシリサイド(TiSi)層は、第1のバリア層によって酸化物形成から保護される。第1のバリア層は、当業者に知られている任意のプロセスによって形成され得る。1つまたは複数の実施形態では、処理435において、第1のバリア層は、原子層堆積(ALD)プロセスによって形成される。1つまたは複数の実施形態では、処理435において、第1のバリア層は、物理気相堆積(PVD)プロセスによって形成される。
【0096】
いくつかの実施形態では、第1のバリア層は、チタンシリサイド(TiSi)層上に形成される。いくつかの実施形態では、チタンシリサイド(TiSi)層は、第1のバリア層を形成するために処理される。いくつかの実施形態では、第1のバリア層は、チタンシリサイド(TiSi)層を窒化することによって形成される。いくつかの実施形態では、第1のバリア層は、アンモニア(NH3)を使用してチタンシリサイド(TiSi)層を窒化することによって形成される。いくつかの実施形態では、第1のバリア層は、チタンシリサイド(TiSi)層を窒化するために、プラズマでチタンシリサイド(TiSi)層を処理することによって形成される。いくつかの実施形態では、プラズマ処理は、窒素(N2)プラズマ処理を備える。
【0097】
1つまたは複数の実施形態では、チタンシリサイド(TiSi)層を窒化することによって第1のバリア層を形成することは、窒化チタンシリコン(TiSiN)層を形成する。1つまたは複数の実施形態では、窒化チタンシリコン(TiSiN)層を有する半導体構造は、窒化チタンシリコン(TiSiN)層を有しない半導体構造よりも低減されたショットキーバリア高さを有する。1つまたは複数の実施形態では、窒化チタンシリコン(TiSiN)層を有する半導体構造は、約0.50eVから約0.55eVまでの範囲内のショットキーバリア高さを有する。1つまたは複数の実施形態では、窒化チタンシリコン(TiSiN)層を有しない半導体構造は、約0.6eVから約0.7eVまでの範囲内のショットキーバリア高さを有する。
【0098】
処理440において、方法400は、第1の間隙充填材料で第1の開口を充填することを備える。いくつかの実施形態では、第1の開口を充填することは、ボトムアップ間隙充填プロセスを備える。他の実施形態では、第1の開口を充填することは、共形間隙充填プロセスを備える。1つまたは複数の実施形態では、第1の間隙充填材料は、実質的にボイドまたはシームがない。1つまたは複数の実施形態では、第1の間隙充填材料は、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、コバルト(Co)およびルテニウム(Ru)のうちの1つまたは複数を備える。
【0099】
いくつかの実施形態では、処理450において、方法400は、nトランジスタの上面上にマスク層を形成することを備える。1つまたは複数の実施形態では、マスク層は、ハードマスク層およびフォトレジスト層のうちの一方または両方を備える。ハードマスク層は、当業者に知られている任意の好適な材料を備え得る。1つまたは複数の実施形態では、ハードマスク層は、二酸化ケイ素(SiO2)を備える。フォトレジスト層は、当業者に知られている任意の好適な材料を備え得る。
【0100】
処理460において、方法400は、pトランジスタの上に第2の開口を形成するために基板をパターニングすることを備える。1つまたは複数の実施形態では、基板をパターニングすることは、超小型電子デバイス製作の当業者に知られている1つまたは複数のパターニング技法を使用することを備える。
【0101】
処理470において、方法400は、pトランジスタ上のチタンシリサイド(TiSi)層上にモリブデンシリサイド(MoSi)層を選択的に形成することを備える。1つまたは複数の実施形態では、pトランジスタ上にモリブデンシリサイド(MoSi)層を選択的に形成した後に、ラピッドサーマルプロセス(RTP)が実施される。1つまたは複数の実施形態では、ラピッドサーマルプロセス(RTP)は、約500℃~約700℃の範囲内の温度にモリブデンシリサイド(MoSi)層を加熱することを備える。1つまたは複数の実施形態では、ラピッドサーマルプロセス(RTP)は、約1分間実施される。1つまたは複数の実施形態では、ラピッドサーマルプロセス(RTP)は、モリブデンシリサイド(MoSi)層から未反応金属を除去する。
【0102】
本開示の別の態様では、半導体構造を形成する方法400は、半導体構造の接触抵抗を低減することを含む。いくつかの実施形態では、処理480において、半導体構造をアニールすることは、接触抵抗を低減する。1つまたは複数の実施形態では、半導体構造をアニールすることは、滑らかな表面をもたらす。1つまたは複数の実施形態では、処理480において、半導体構造をアニールすることは、nトランジスタ上におよびpトランジスタ上に、オーミックコンタクトおよび擬似オーミックコンタクトのうちの一方または両方を形成する。
【0103】
半導体構造は、当業者に知られている任意のプロセスによってアニールされ得る。いくつかの実施形態では、半導体構造は、ラピッドサーマルプロセス(RTP)によってアニールされる。1つまたは複数の実施形態では、ラピッドサーマルプロセス(RTP)は、約500℃~約700℃の範囲内の温度に半導体構造をアニールすることを備える。1つまたは複数の実施形態では、ラピッドサーマルプロセス(RTP)は、約600℃の温度に半導体構造をアニールすることを備える。
【0104】
いくつかの実施形態では、アニールされた半導体構造は、4%から30%未満まで、4%から20%未満まで、4%から10%未満まで、10%から30%未満まで、10%から20%未満まで、または20%から30%未満までの範囲内の2乗平均(RMS)粗さを有する。
【0105】
処理490において、方法400は、第2の間隙充填材料で第2の開口を充填することを備える。いくつかの実施形態では、第2の開口を充填することは、ボトムアップ間隙充填プロセスを備える。他の実施形態では、第2の開口を充填することは、共形間隙充填プロセスを備える。1つまたは複数の実施形態では、第2の間隙充填材料は、実質的にボイドまたはシームがない。1つまたは複数の実施形態では、第2の間隙充填材料は、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、コバルト(Co)およびルテニウム(Ru)のうちの1つまたは複数を備える。
【0106】
1つまたは複数の実施形態では、方法400は、随意の後処理処理を含む。
【0107】
「の下(beneath)」、「の下方(below)」、「下側(lower)」、「の上方(above)」、「上側(upper)」など、空間的相対用語は、図に図示されている、ある要素またはフィーチャーの、別の要素またはフィーチャーとの関係を説明するために、説明しやすいように本明細書で使用され得る。空間的相対用語は、図に描かれている配向に加えて、使用または処理中のデバイスの異なる配向を包含することを意図されることが理解されよう。たとえば、図中のデバイスが裏返された場合、他の要素またはフィーチャー「の下方」あるいは他の要素またはフィーチャー「の下」と説明された要素は、その場合、他の要素またはフィーチャー「の上方」に配向されることになる。これにより、「の下方」という例示の用語は、上方および下方の配向の両方を包含し得る。デバイスは、別様に配向される(90度回転される、または他の配向にある)ことがあり、本明細書で使用される空間的相対記述子は、相応に解され得る。
【0108】
本明細書で論じられる材料および方法を説明するコンテキストにおける(とりわけ、以下の特許請求の範囲のコンテキストにおける)「1つの(a)」および「1つの(an)」および「その(the)」という用語ならびに類似の指示物の使用は、本明細書で別様に指し示されない限り、またはコンテキストによって明確に否定されない限り、単数形と複数形の両方をカバーすると解釈されるべきである。本明細書での値の範囲の具陳は、本明細書で別様に指し示されない限り、範囲内に入る各別個の値を個々に指す略記法として働くことを意図されるにすぎず、各別個の値は、それが本明細書で個々に具陳されたかのように、本明細書に組み込まれる。本明細書で説明されるすべての方法は、本明細書で別様に指し示されない限り、またはさもなければコンテキストによって明確に否定されない限り、任意の好適な順序で実施され得る。本明細書で提供される任意のおよびすべての例または例示の言葉(たとえば、「など」)の使用は、材料および方法をより良く明らかにすることを意図されるにすぎず、別様に特許請求されない限り、範囲に限定を課すものではない。本明細書中のいかなる言葉も、特許請求されていない要素を、開示される材料および方法の実践に不可欠なものとして指し示すと解釈されるべきではない。
【0109】
「一実施形態」、「いくらかの実施形態」、「1つまたは複数の実施形態」または「実施形態」への本明細書全体を通しての言及は、実施形態に関して説明される特定の特徴、構造、材料、または特性が、本開示の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。これにより、本明細書全体にわたる様々な場所での「1つまたは複数の実施形態では」、「いくらかの実施形態では」、「一実施形態では」または「実施形態では」などの句の出現は、本開示の同じ実施形態を必ずしも指しているとは限らない。1つまたは複数の実施形態では、特定の特徴、構造、材料、または特性は、任意の好適な様式で組み合わせられる。
【0110】
本明細書の開示は、特定の実施形態を参照しながら説明されたが、これらの実施形態は、本開示の原理および用途の例示的なものにすぎないことを理解されたい。様々な変更形態および変形形態が、本開示の趣旨および範囲から逸脱することなく本開示の方法および装置に対して行われ得ることが当業者には明らかであろう。これにより、本開示は、添付の特許請求の範囲およびそれらの等価物の範囲内にある変更形態および変形形態を含むことが意図される。
【国際調査報告】