(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-12
(54)【発明の名称】低い脆性を有し、かつ付着性が改善されたイソシアネート-エポキシハイブリッドフォーム
(51)【国際特許分類】
C08G 18/40 20060101AFI20240705BHJP
C08G 18/00 20060101ALI20240705BHJP
C08G 18/16 20060101ALI20240705BHJP
C08G 18/42 20060101ALI20240705BHJP
C08G 18/48 20060101ALI20240705BHJP
C08G 18/50 20060101ALI20240705BHJP
C08G 18/76 20060101ALI20240705BHJP
C08G 101/00 20060101ALN20240705BHJP
【FI】
C08G18/40 009
C08G18/00 H
C08G18/16
C08G18/40 018
C08G18/42
C08G18/48
C08G18/50 021
C08G18/76 057
C08G18/00 030
C08G101:00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024503685
(86)(22)【出願日】2022-07-14
(85)【翻訳文提出日】2024-02-29
(86)【国際出願番号】 EP2022069757
(87)【国際公開番号】W WO2023001686
(87)【国際公開日】2023-01-26
(32)【優先日】2021-07-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】508020155
【氏名又は名称】ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】Carl-Bosch-Strasse 38, 67056 Ludwigshafen am Rhein, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】アーネ クリンケビール
(72)【発明者】
【氏名】ゾンヤ シュミット
(72)【発明者】
【氏名】ユルゲン ボース
【テーマコード(参考)】
4J034
【Fターム(参考)】
4J034CA34
4J034DA01
4J034DA08
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4J034DB04
4J034DB05
4J034DC25
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4J034QC03
4J034RA05
4J034RA10
4J034RA12
4J034RA15
(57)【要約】
本発明は、イソシアネート-エポキシハイブリッドフォームを製造する方法に関し、ポリイソシアネート(a)を、少なくとも2種の、イソシアネートに対して反応性の水素を少なくとも2個有する化合物(b)、少なくとも1種の、少なくとも2個のエポキシ基を有する化合物(c)、少なくとも1種の、前記のイソシアネートに対して反応性の水素を少なくとも2個有する化合物(b)および前記のエポキシ基を有する化合物(c)と前記ポリイソシアネート(a)との反応を促進する触媒(d)、ギ酸を含有する化学発泡剤および/または物理発泡剤(e)、および任意に助剤および添加剤(f)と混合して、反応混合物を得て、ここで、前記ポリイソシアネート(a)中のイソシアネート基の、前記の少なくとも2個のエポキシ基を有する化合物(c)中のエポキシ基に対する当量比が、1.2:1~500:1であり、かつ前記反応混合物をフォームに変換し、前記のイソシアネートに対して反応性の水素原子を少なくとも2個有する化合物(b)が、195~400のヒドロキシル価および2~4の平均公称官能価を有する少なくとも1種のポリエステルオール(b1)および40~80のヒドロキシル価および2.6~6.5の平均公称官能価を有する少なくとも1種のポリエーテルポリオール(b2)を有することにより特徴付けられる。さらに、本発明は、そのような方法により得られたイソシアネート-エポキシハイブリッドフォーム、および本発明によるイソシアネート-エポキシハイブリッドフォームを含有するサンドイッチエレメントに関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
15~60g/Lの密度を有するイソシアネート-エポキシハイブリッドフォームを製造する方法であって、
a)ポリイソシアネートを、
b)少なくとも2種の、イソシアネートに対して反応性の水素を少なくとも2個有する化合物、
c)少なくとも1種の、90~500g/eqのエポキシ当量を有する、少なくとも2個のエポキシ基を有する化合物、
d)少なくとも1種の、前記のイソシアネートに対して反応性の水素を少なくとも2個有する化合物(b)および前記のエポキシ基を有する化合物(c)と、前記ポリイソシアネート(a)との反応を促進する触媒
e)ギ酸を含有する化学発泡剤および/または物理発泡剤、および
f)任意に助剤および添加剤
と混合して、反応混合物を得て、ここで、前記ポリイソシアネート(a)中のイソシアネート基の、前記の少なくとも2個のエポキシ基を有する化合物(c)中のエポキシ基に対する当量比は、1.2:1~500:1であり、かつ前記反応混合物を反応させて、前記イソシアネート-エポキシハイブリッドフォームを得て、
前記のイソシアネートに対して反応性の水素原子を少なくとも2個有する化合物(b)が、195~400mgKOH/gのヒドロキシル価および2~4の平均公称官能価を有する少なくとも1種のポリエステルオール(b1)および40~80mgKOH/gのヒドロキシル価および2.6~6.5の平均公称官能価を有する少なくとも1種のポリエーテルポリオール(b2)を有することを特徴とする、前記方法。
【請求項2】
ポリエステルポリオール(b1)が、少なくとも二官能性の酸成分と少なくとも二官能性のアルコール成分との縮合により製造でき、かつ前記酸成分が、少なくとも二官能性の芳香族酸または芳香族ジカルボン酸の誘導体を含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記の少なくとも二官能性の芳香族酸の割合が、前記酸成分および前記アルコール成分の全重量を基準として、少なくとも20重量%であることを特徴とする、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記ポリエーテルオール(b2)が、少なくとも1種のアミン開始ポリエーテルポリオールを含むことを特徴とする、請求項1から3までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
ポリエステルオール(b1)およびポリエーテルオール(b2)の全重量に対する前記ポリエステルオール(b1)の重量割合が、40~80重量%であることを特徴とする、請求項1から4までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記の少なくとも2個のエポキシ基を有する化合物(c)の、前記の少なくとも2個のエポキシ基を有する化合物(c)および前記のイソシアネートに対して反応性の水素を少なくとも2個の有する化合物(b)の全重量に対する重量割合が、35~80重量%であることを特徴とする、請求項1から5までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記イソシアネートa)が、MDIの少なくとも1種のオリゴマーと、低分子MDI誘導体2,2′-MDI、2,4′-MDIまたは4,4′-MDIのうち少なくとも1種との混合物を有することを特徴とする、請求項1から6までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
オリゴメリックMDIの含有率が、前記成分(a)の全重量を基準として、30重量%超~80重量%未満であることを特徴とする、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記の少なくとも2個のエポキシ基を有する化合物(c)が、ビスフェノールA、ビスフェノールFまたはノボラックのポリグリシジルエーテルまたはそれらの混合物からなる群から選択されることを特徴とする、請求項1から8までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記のイソシアネート/エポキシド反応を促進する触媒(d)が、イソシアネートに対して反応性の水素原子を少なくとも1個を有する少なくとも1種の触媒(d1)を有することを特徴とする、請求項1から9までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
前記成分(a)の化合物のイソシアネート基の、前記成分(b)のイソシアネートに対して反応性の基に対する比が、1.8超:1であることを特徴とする、請求項1から10までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
前記反応混合物を、下側の外被層上へ塗布し、かつ複合エレメントを前記ダブルベルト法により連続的に製造することを特徴とする、請求項1から11までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
請求項1から12までのいずれか1項により得ることができる、イソシアネート-エポキシハイブリッドフォーム。
【請求項14】
請求項13に記載のイソシアネート-エポキシハイブリッドフォームを含有するサンドイッチエレメント。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、15~60g/Lの密度を有するイソシアネート-エポキシハイブリッドフォームを製造する方法に関するものであって、ポリイソシアネート(a)を、少なくとも2種の、イソシアネートに対して反応性の水素を少なくとも2個有する化合物(b)、少なくとも1種の、90~500g/eqのエポキシ当量を有し、少なくとも2個のエポキシ基を有する化合物(c)、少なくとも1種の、前記のイソシアネートに対して反応性の水素を少なくとも2個有する化合物(b)および前記のエポキシ基を有する化合物(c)と前記ポリイソシアネート(a)との反応を促進する触媒(d)、ギ酸を含有する化学発泡剤および/または物理発泡剤(e)、および任意に助剤および添加剤(f)と混合して、反応混合物を得て、ここで、前記ポリイソシアネート(a)中のイソシアネート基の、前記の少なくとも2個のエポキシ基を有する化合物(c)中のエポキシ基に対する当量比が、1.2:1~500:1であり、かつ前記反応混合物をフォームに変換し、前記のイソシアネートに対して反応性の水素原子を少なくとも2個有する化合物(b)が、195~400のヒドロキシル価および2~4の平均公称官能価を有する少なくとも1種のポリエステルオール(b1)および40~80のヒドロキシル価および2.6~6.5の平均公称官能価を有する少なくとも1種のポリエーテルポリオール(b2)を有することにより特徴付けられる。さらに、本発明は、そのような方法により得られたイソシアネート-エポキシハイブリッドフォーム、および本発明によるイソシアネート-エポキシハイブリッドフォームを含有するサンドイッチエレメントに関する。
【0002】
ポリイソシアネートおよびポリエポキシドからの発泡体の製造は、例えば、米国特許第3793236号明細書(US 3 793 236)、米国特許第4129695号明細書(US 4 129 695)および米国特許第3242108号明細書(US 3 242 108)に記載されている。さらに、ポリイソシアネートおよびポリエポキシドに加えて、ポリオールも使用できることが公知である。これは、例えば、米国特許第3849349号明細書(US 3 849 349)に記載されている。これらのフォームの利点は、それらの高い耐炎性である。
【0003】
韓国登録特許第10-2224864号公報(KR 102224864)には、6官能性ポリエーテルポリオール、8官能性ポリエーテルポリオール、3官能性ポリエーテルポリオール、芳香族ポリエステルポリオール、イソシアネート、発泡剤およびビスフェノール系エポキシドを含む発泡性混合物から得られる、液化ガスタンク用の断熱材料が記載されている。
【0004】
国際公開第2004/085509号(WO2004085509)には、物理発泡剤としてn-ペンタンを用いるポリイソシアヌレート-エポキシフォームが開示されている。
【0005】
米国特許出願公開第2013/324626号明細書(US2013324626)には、ポリウレタンサンドイッチエレメントおよびそれらの製造が開示されている。
【0006】
欧州特許出願公開第3059270号明細書(EP3059270)には、高い防炎性を有し、イソシアネート-エポキシをベースとする熱安定性フォームが開示されている。そのようなフォームは、イソシアネートと、エポキシドと、イソシアネートに対して反応性の基を有する触媒と、発泡剤とを反応させてフォームを得ることによって得られる。
【0007】
より最近の従来技術には、ポリイソシアネートおよびポリエポキシドの反応混合物から、停止剤によって安定化された部分的に三量化されたイソシアヌレート基を有する中間段階(=中間体)を経る、そのようなイソシアネート-エポキシハイブリッドフォームの好ましい製造が記載されている。この場合に、この高温安定性フォームは、ポリイソシアネート、ポリエポキシド、触媒および停止剤の反応混合物を貯蔵安定でより高粘度の中間体に変換し(「予備三量化」)、このより高粘度の中間体を、発泡剤および前記イソシアネート/エポキシド反応を自発的に促進する触媒の添加により、最終的に発泡され、もはや可融ではない最終状態へ変換することにより得られる。そのようなイソシアネート-エポキシハイブリッドフォームは、例えば、欧州特許出願公開第3259295号明細書(EP3259295)に記載されている。例えば、欧州特許出願公開第3259295号明細書(EP 3259295)には、エポキシド-イソシアネートフォーム(EPICフォーム)が、停止剤なしでも製造することができ、それにもかかわらず高い防炎性を有することが開示されている。
【0008】
こうして製造されるフォームの品質は、特定の発泡剤が前記EPICフォームの製造に使用される場合に、国際公開第2012/80185号(WO 2012/80185 A1)および国際公開第2012/150201号(WO 2012/150201 A1)によれば非常に改善することができる。前記EPICフォームの製造は、これらの文献の教示によれば、好ましくは停止剤として作用する安定剤の存在下での出発物質の変換を経て、同様に行われる。
【0009】
これらのイソシアネート-エポキシハイブリッドフォーム、殊に2段法を用いて製造されるものの欠点は、そのイソシアネート(NCO)基の満足のいかない転化率である。しかしながら、前記フォーム中の遊離(未反応)イソシアネート基(いわゆる「残留NCO」)は、望ましくない老化プロセス、例えば付着問題および機械的性質の劣化、例えば脆化をまねくことがある。
【0010】
欧州特許出願公開第3259294号明細書(EP3259294)によれば、前記NCO基の転化率は、カルボジイミド構造(10重量%未満)の使用により改善された。欧州特許出願公開第3259293号明細書(EP3259293)には、1段法においてその後の熱処理を行わない、イソシアネートおよびポリエポキシドをベースとするそのようなイソシアネート-エポキシハイブリッドフォームの製造が開示されている。前記フォームの製造は、イソシアネート-エポキシド反応を促進する組み込み可能な触媒を用いて行われる。それにもかかわらず、これらのフォームは、依然として改善する必要がある機械的性質、殊に改善する必要がある脆性および改善する必要がある金属への付着性を有し、これは殊にサンドイッチエレメントの製造の際に重要である。
【0011】
しばしばサンドイッチエレメントとも呼ばれる、殊に金属外被層と、イソシアネートをベースとするフォームからなるコアとからの複合エレメントの製造は、バッチ式または連続的に、例えば連続的に操作するダブルベルト設備上で行うことができる。その際に、前記のダブルベルト設備上での連続的な製造は、現在、大規模に実施される。冷凍倉庫断熱用のサンドイッチエレメントに加えて、多種多様な建築物のファサードを形成するためのエレメントはますます重要になっている。
【0012】
したがって、本発明の課題は、前記イソシアネート-エポキシフォームの機械的性質、殊に脆性、およびそれらの金属への付着性を改善することであった。驚くべきことに、特定のポリイソシアネート、前記発泡剤の組み合わせた選択ならびに高分子量および低分子量のポリオールの使用により、脆性および金属外被層への付着性が、従来技術により製造されたイソシアネートおよびエポキシをベースとするフォームよりも明らかに優れているフォームを得ることができることが今や見出された。
【0013】
したがって、本発明による課題は、以下の方法により製造できる、15~60g/Lの密度を有するイソシアネート-エポキシハイブリッドフォームにより解決され、前記方法において、ポリイソシアネート(a)を、少なくとも2種の、イソシアネートに対して反応性の水素を少なくとも2個有する化合物(b)、少なくとも1種の、90~500g/eqのエポキシ当量を有する少なくとも2個のエポキシ基を有する化合物(c)、少なくとも1種の、前記のイソシアネートに対して反応性の水素を少なくとも2個有する化合物(b)および前記のエポキシ基を有する化合物(c)と、前記ポリイソシアネート(a)との反応を促進する触媒(d)、ギ酸を含有する化学発泡剤および/または物理発泡剤(e)、および任意に助剤および添加剤(f)と混合して、反応混合物を得て、ここで、イソシアネート基の、エポキシ基に対する当量比が、1.2:1~500:1であり、かつ前記反応混合物を、前記イソシアネート-エポキシハイブリッドフォームに変換し、前記のイソシアネートに対して反応性の水素原子を少なくとも2個有する化合物(b)が、195~400のヒドロキシル価および2~4の平均公称官能価を有する少なくとも1種のポリエステルオール(b1)および40~80のヒドロキシル価および2.6~6.5の平均公称官能価を有する少なくとも1種のポリエーテルポリオール(b2)を有することにより特徴付けられる。
【0014】
本発明のさらなる対象は、本発明によるイソシアネート-エポキシハイブリッドフォームを製造する方法および外被層と、イソシアネート-エポキシハイブリッドフォームからなるコアとからの複合エレメント、いわゆるサンドイッチエレメントの製造の際のそれらの使用である。好ましくは、外被層として、金属外被層、例えば薄鋼板、アルミニウム薄板または銅薄板が使用される。
【0015】
前記のサンドイッチエレメントを製造する方法は、連続的または不連続に行うことができる。不連続な操作方法は、例えば、ダブルベルトの始動過程時およびバッチ式に操作するプレスによって製造される複合エレメントの場合に考慮の対象になりうる。ダブルベルト設備の使用の際に連続的に適用される。その際に、ダブルベルト法の場合に、前記反応混合物は、例えば高圧または低圧技術で製造され、しばしば振動注型ダイまたは固定注型ダイを用いて下側の外被層上へ施工される。ついで、反応した反応混合物上へ、上側の外被層が施工される。引き続き、最終的な硬化が、好ましくはさらにダブルベルト内で行われて、フォームを得る。そのような方法は、公知であり、かつ例えば、Kunststoffhandbuch, Vol.7, “Polyurethane” Carl-Hanser-Verlag ミュンヘン, 第3版, 1993, 第4.2.2、6.2.2および6.2.3章に記載されている。
【0016】
外被層として、軟質または硬質の、好ましくは硬質の外被層、例えばせっこうボード、ガラスタイル、アルミニウムはく、アルミニウム薄板、銅薄板または薄鋼板、好ましくはアルミニウムはく、アルミニウム薄板または薄鋼板、特に好ましくは薄鋼板を使用することができる。その際に、前記外被層は、例えば通常の塗料により、コーティングされていてもよい。前記外被層は、コーティングされていてよく、または未コーティングであってよい。前記外被層は、例えばコロナ処理、アーク処理、プラズマ処理または他の通常の方法で、前処理することができる。
【0017】
前記外被層は、ダブルベルト法において、好ましくは、1~60m/min、好ましくは2~50m/min、特に好ましくは2.5~30m/minおよび殊に2.5~20m/minの一定速度で輸送される。その際に、前記外被層は、少なくとも前記フォーム系の施工以降、実質的に水平な状態にある。
【0018】
前記の下側の外被層上への前記反応混合物の施工前に、本発明による方法の場合に、前記の1つの外被層もしくは前記の複数の外被層は、好ましくはロールから巻き出され、任意にプロファイリングされ、任意に加熱され、任意に前処理されて、その発泡性を高め、かつ任意に接着促進剤でコーティングされる。連続的なダブルベルト法において、前記反応混合物は好ましくはダブルベルト内で硬化され、かつ最終的に所望の長さに切断される。
【0019】
ポリイソシアネート(a)として、それ自体として公知の有機の、脂肪族、脂環式、芳香脂肪族および好ましくは芳香族の多価イソシアネートが考慮に値する。この種の多官能性イソシアネートは、それ自体として公知であるか、またはそれ自体として公知の方法により製造することができる。前記多官能性イソシアネートは、殊に混合物としても使用することができるので、前記成分(a)は、この場合に異なる多官能性イソシアネートを含有する。ポリイソシアネートとして考慮に値する多官能性イソシアネートは、1分子あたり2個(以下にジイソシアネートと呼ぶ)または2個を超えるイソシアネート基を有する。
【0020】
詳細には、以下のものが殊に挙げられる:アルキレン基中に炭素原子4~12個を有するアルキレンジイソシアネート、例えば1,12-ドデカンジイソシアネート、2-エチルテトラメチレン-1,4-ジイソシアネート、2-メチルペンタメチレン-1,5-ジイソシアネート、テトラメチレン-1,4-ジイソシアネート、および好ましくはヘキサメチレン-1,6-ジイソシアネート、脂環式ジイソシアネート、例えばシクロヘキサン-1,3-および-1,4-ジイソシアネートならびにこれらの異性体の任意の混合物、1-イソシアナト-3,3,5-トリメチル-5-イソシアナトメチルシクロヘキサン(IPDI)、2,4-および2,6-ヘキサヒドロトルイレンジイソシアネートならびに対応する異性体混合物、4,4′-、2,2′-および2,4′-ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートならびに対応する異性体混合物、および好ましくは芳香族ポリイソシアネート、例えば2,4-および2,6-トルイレンジイソシアネートおよび対応する異性体混合物、4,4′-、2,4′-および2,2′-ジフェニルメタンジイソシアネートおよび対応する異性体混合物、4,4′-および2,4′-ジフェニルメタンジイソシアネートの混合物、ポリフェニルポリメチレンポリイソシアネート、4,4′-、2,4′-および2,2′-ジフェニルメタンジイソシアネートの混合物およびポリフェニルポリメチレンポリイソシアネート(粗製MDI)および粗製MDIとトルイレンジイソシアネートとの混合物。
【0021】
殊に適しているのは、2,2′-、2,4′-および/または4,4′-ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、1,5-ナフチレンジイソシアネート(NDI)、2,4-および/または2,6-トルイレンジイソシアネート(TDI)、3,3′-ジメチルジフェニルジイソシアネート、1,2-ジフェニルエタンジイソシアネートおよび/またはp-フェニレンジイソシアネート(PPDI)、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ヘプタメチレンジイソシアネートおよび/またはオクタメチレンジイソシアネート、2-メチルペンタメチレン-1,5-ジイソシアネート、2-エチルブチレン-1,4-ジイソシアネート、ペンタメチレン-1,5-ジイソシアネート、ブチレン-1,4-ジイソシアネート、1-イソシアナト-3,3,5-トリメチル-5-イソシアナトメチルシクロヘキサン(イソホロンジイソシアネート、IPDI)、1,4-および/または1,3-ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン(HXDI)、1,4-シクロヘキサンジイソシアネート、1-メチル-2,4-シクロヘキサンジイソシアネートおよび/または1-メチル-2,6-シクロヘキサンジイソシアネートおよび4,4′-、2,4′-および/または2,2′-ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートである。
【0022】
しばしば、変性ポリイソシアネート、すなわち、ポリイソシアネートの化学反応により得られ、かつ1分子あたり少なくとも2個の反応性イソシアネート基を有する生成物も使用される。殊に挙げられるのは、エステル基、尿素基、ビウレット基、アロファネート基、カルボジイミド基、イソシアヌレート基、ウレトジオン基、カルバメート基および/またはウレタン基を有するポリイソシアネートであり、しばしば、未反応ポリイソシアネートと一緒にも使用される。
【0023】
特に好ましくは、前記成分(a)のポリイソシアネートは、2,2′-MDIまたは2,4′-MDIまたは4,4′-MDI(モノメリックジフェニルメタンまたはMMDIとも呼ばれる)または少なくとも3個の芳香核および少なくとも3の官能価を有する、前記MDIのより多核の同族体からなるオリゴメリックMDI、または前記のジフェニルメタンジイソシアネートのうち2または3種の混合物、またはMDIの製造の際に生じる粗製MDI、または好ましくは、前記MDIの少なくとも1種のオリゴマーと、前記の低分子量MDI誘導体2,2′-MDI、2,4′-MDIまたは4,4′-MDIのうち少なくとも1種との混合物(ポリメリックMDIとも呼ばれる)を含有する。通常は、前記MDIの異性体および同族体は、粗製MDIの蒸留により得られる。
【0024】
好ましくは、ポリメリックMDIは、2核MDIに加えて、2を超え、殊に3または4または5の官能価を有する前記MDIの1種以上の多核縮合生成物を含有する。ポリメリックMDIは、公知であり、しばしば、ポリフェニルポリメチレンポリイソシアネートと呼ばれる。
【0025】
ポリメリックMDIを含有するポリイソシアネートの平均官能価は、約2.2~約4、殊に2.4~3.8および殊に2.6~3.0の範囲内にわたっていてよい。異なる官能価を有するMDI系多官能性イソシアネートのそのような混合物は、殊に、MDIの製造の際に中間生成物として得られる粗製MDIである。
【0026】
多官能性イソシアネートまたはMDIをベースとする複数の多官能性イソシアネートの混合物は、公知であり、例えば、BASF Polyurethanes GmbHから名称Lupranat(登録商標)M20またはLupranat(登録商標)M50で販売されている。
【0027】
好ましくは、前記成分(a)は、前記成分(a)の全重量を基準として、少なくとも70重量%、特に好ましくは少なくとも90重量%および殊に100重量%の、2,2′-MDI、2,4′-MDI、4,4′-MDIおよび前記MDIのオリゴマーからなる群から選択される、1種以上のイソシアネートを含有する。その際に、オリゴメリックMDIの含有率は、前記成分(a)の全重量を基準として、好ましくは少なくとも20重量%、特に好ましくは30重量%超~80重量%未満である。
【0028】
イソシアネートに対して反応性の水素原子を少なくとも2個有する化合物(b)として、通常ポリウレタンの製造の際に使用される、任意の有機化合物を使用することができる。本発明による化合物(b)は、195~400mgKOH/g、好ましくは200~300mgKOH/gのヒドロキシル価および2~4の平均公称官能価を有する少なくとも1種のポリエステルオール(b1)および40~80mgKOH/g、好ましくは50~70mgKOH/gのヒドロキシル価および2.6~6.5、好ましくは3~4.5の平均公称官能価を有する少なくとも1種のポリエーテルポリオール(b2)を含む。その際に、本発明の範囲内で、平均公称官能価は、その出発物化合物の平均官能価であると理解される。前記ポリオール(b)、殊に前記ポリエーテルポリオール(b2)の製造の際の、前記製造の際の副反応により起こりうる前記官能価の低下は無視される。
【0029】
さらに、前記成分(b)は、連鎖延長剤および/または架橋剤(b3)、ならびに前記化合物(b1)~(b3)の定義に含まれず、ポリウレタン化学において常用の、イソシアネートに対して反応性の水素原子を少なくとも2個有するさらなる化合物を含有していてよい。そのような、イソシアネートに対して反応性の水素原子を有するさらなる化合物は、公知であり、例えば、Kunststoffhandbuch, Vol.7, “Polyurethane” Carl-Hanser-Verlag ミュンヘン, 第3版, 1993, 第3.1または6.1.1章に記載されている。
【0030】
好ましくは、前記成分(b)中に、前記成分(b1)および(b2)に加えて、前記成分(b)の全重量を基準としてそれぞれ、20重量%未満、特に好ましくは10重量%未満の、イソシアネート基と反応性の水素原子を少なくとも2個有するさらなる化合物が含まれており、および殊にイソシアネート基と反応性の水素原子を少なくとも2個有するさらなる化合物は含まれていない。
【0031】
ポリエステルオール(b1)およびポリエーテルオール(b2)の全重量における前記ポリエステルオール(b1)の重量割合は、好ましくは40~80重量%、特に好ましくは50~75重量%および殊に60~70重量%である。
【0032】
好適なポリエステルポリオール(b1)は、好ましくは、芳香族ジカルボン酸、または芳香族ジカルボン酸と脂肪族ジカルボン酸との混合物から、特に好ましくはもっぱら芳香族ジカルボン酸および多価アルコールから製造することができる。前記遊離ジカルボン酸の代わりに、対応するジカルボン酸誘導体、例えば炭素原子1~4個を有するアルコールのジカルボン酸エステルまたはジカルボン酸無水物を使用することもできる。
【0033】
芳香族ジカルボン酸としてもしくは芳香族ジカルボン酸誘導体として、好ましくはフタル酸、無水フタル酸、テレフタル酸および/またはイソフタル酸が混合物でまたは単独で使用され、好ましくは、フタル酸、無水フタル酸、テレフタル酸またはこれらの酸の少なくとも2種の混合物が使用される。特に好ましくは、テレフタル酸またはジメチルテレフタレート、殊にテレフタル酸の使用である。脂肪族ジカルボン酸は、少量で芳香族ジカルボン酸と混合物で使用することができる。脂肪族ジカルボン酸の例は、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、デカンジカルボン酸、マレイン酸およびフマル酸である。好ましくは、前記の少なくとも二官能性の芳香族酸の割合は、前記酸成分および前記アルコール成分の全重量を基準として、少なくとも20重量%である。
【0034】
多価アルコールの例は、エタンジオール、ジエチレングリコール、1,2-もしくは1,3-プロパンジオール、ジプロピレングリコール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,10-デカンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパンおよびペンタエリトリトール、もしくはそれらのアルコキシレートである。好ましくは使用されるのは、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、もしくはそれらのアルコキシレートまたは挙げたポリオールのうち少なくとも2種の混合物である。
【0035】
本発明の特別な実施態様において、多価アルコールとして、グリセリンおよび/またはトリメチロールプロパンと、エチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキシド、好ましくはエチレンオキシドとの反応生成物であるポリエーテルアルコールも使用され、ここで、前記ポリエーテルアルコールのOH価は、500~750mgKOH/gの範囲内である。これにより、前記成分(b1)の改善された貯蔵安定性が得られる。
【0036】
前記ポリエステルポリオール(b1)の製造には、前記芳香族ジカルボン酸またはそれらの誘導体および前記多価アルコールに加えて、好ましくは少なくとも1種の脂肪酸または脂肪酸誘導体、好ましくは脂肪酸も使用される。
【0037】
前記脂肪酸は、ヒドロキシル基を有していてよい。さらに、前記脂肪酸は、二重結合を有していてよい。
【0038】
本発明の一実施態様において、前記脂肪酸は、好ましくはヒドロキシル基を有していない。
【0039】
前記成分(b1)の平均脂肪酸含有率は、その際に、前記成分(b1)の重量を基準として、好ましくは1重量%超、より好ましくは2.5重量%超、より好ましくは4重量%超および特に好ましくは5重量%超である。前記成分(b1)の平均脂肪酸含有率は、前記成分(b1)の全重量を基準として、好ましくは30重量%未満、より好ましくは20重量%未満である。
【0040】
好ましくは、前記脂肪酸または前記脂肪酸誘導体は、ひまし油、ポリヒドロキシ脂肪酸、リシノール酸、ヒドロキシル変性油、グレープシード油、黒キャラウェー油、カボチャ種子油、ルリジサ種子油、大豆油、小麦胚芽油、ナタネ油、ひまわり種子油、落花生油、杏仁油、ピスタチオ油、アーモンド油、オリーブ油、マカダミアナッツ油、アボカド油、シーバックソーン油、ごま油、麻実油、ヘーゼルナッツ油、月見草油、ワイルドローズ油、サフラワー油、クルミ油からなる群から選択される、再生可能原料をベースとする脂肪酸または脂肪酸誘導体、ミリストレイン酸、パルミトレイン酸、オレイン酸、バクセン酸、ペトロセリン酸、ガドレイン酸、エルカ酸、ネルボン酸、リノール酸、リノレン酸、ステアリドン酸、アラキドン酸、チムノドン酸、イワシ酸およびセルボン酸をベースとするヒドロキシル変性脂肪酸および脂肪酸エステルである。
【0041】
特に好ましくは、脂肪酸としてオレイン酸が使用される。
【0042】
前記ポリエステルポリオール(b1)の製造には、前記の脂肪族および芳香族のポリカルボン酸および/またはポリカルボン酸誘導体および多価アルコールは、触媒不含または好ましくはエステル化触媒の存在下で、好都合には不活性ガス、例えば窒素からなる雰囲気中で、溶融物中で150~280℃、好ましくは180~260℃の温度で、任意に減圧下で、有利には10未満、好ましくは2未満である所望の酸価まで、重縮合されることができる。好ましい実施態様によれば、前記エステル化混合物は、上記の温度で、400~195、好ましくは350~200のヒドロキシル価まで、標準圧力下および引き続き500mbar未満、好ましくは40~400mbarの圧力下で、重縮合される。エステル化触媒として、例えば、金属、金属酸化物または金属塩の形の鉄触媒、カドミウム触媒、コバルト触媒、鉛触媒、亜鉛触媒、アンチモン触媒、マグネシウム触媒、チタン触媒およびスズ触媒が考慮に値する。しかしながら、前記重縮合は、希釈剤および/または凝縮水の共沸留去のための共沸剤、例えばベンゼン、トルエン、キシレンまたはクロロベンゼンの存在下での液相中でも、実施することができる。
【0043】
前記ポリエステルポリオール(b1)の製造には、前記ポリカルボン酸および/またはポリカルボン酸誘導体および多価アルコールは、有利には1:1~2.3、好ましくは1:1.05~2.2および特に好ましくは1:1.1~2.1のモル比で重縮合される。
【0044】
好ましくは、前記ポリエステルポリオール(b1)は、2以上、好ましくは2超、特に好ましくは2.2超および殊に2.3超の数の重みを付けた平均官能価を有し、これは、これを用いて製造されるポリウレタンのより高い架橋密度、ひいてはそのポリウレタンフォームのより良好な機械的性質をもたらす。特に好ましくは、前記ポリエステルポリオール(b1)の数平均官能価は、4未満、殊に3未満である。
【0045】
得られたポリエステルポリオール(b1)は、一般に、250~1200g/mol、好ましくは300~1000g/molおよび殊に400~700g/molの数平均分子量を有する。
【0046】
前記ポリエーテルアルコール(b2)は、通常、アルキレンオキシドの、H官能性出発物質への付加により製造される。この方法は、一般に公知であり、かつこの種の製品の製造に普通である。
【0047】
出発物質として、アルコールまたはアミンを使用することができる。アミンとして、脂肪族アミン、例えばエチレンジアミンを使用することができる。本発明の別の実施態様において、芳香族アミン、殊にトルイレンジアミン(TDA)を、またはジフェニルメタンジアミンとポリフェニレンポリメチレンポリアミンとの混合物を、使用することができる。本発明の特に好ましい実施態様において、前記成分b)は、脂肪族アミン、殊にエチレンジアミンをベースとするポリエーテルアルコールを含有する。
【0048】
そのため、前記ポリエーテルアルコール(b1)の製造には、H官能性出発物質として多官能性アルコールが好ましい。
【0049】
アミンに加えて、アルコールも出発物分子として使用することができる。これらの例は、グリコール、例えばエチレングリコールまたはプロピレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリトリトール、ならびに糖アルコール、例えばサッカロースまたはソルビトールであり、例えば異なるアルコール同士の混合物としてである。殊に、固体の出発物質、例えばサッカロースおよびソルビトールは、しばしば、液体の出発物質、例えばグリコールまたはグリセリンと、混合される。前記出発物物質の官能価として、その際に、数平均官能価が選択される。
【0050】
特に好ましい実施態様において、ポリエーテル(b2)としてもっぱら、アミン開始ポリエーテルが使用される。
【0051】
アルキレンオキシドとして、好ましくはエチレンオキシド、プロピレンオキシドまたはこれらの化合物の混合物が使用される。特に好ましくは、純プロピレンオキシドまたはエチレンオキシドとプロピレンオキシドとの混合物の使用であり、ここで、エチレンオキシドは、前記反応の終わるころに添加されるので、第一級ヒドロキシル基を有するエチレンオキシド末端基が得られる。この場合に、プロピレンオキシドおよびエチレンオキシドの全重量を基準として、好ましくは少なくとも50重量%、特に好ましくは少なくとも70重量%および殊に少なくとも80重量%のプロピレンオキシドが使用される。
【0052】
前記アルキレンオキシドの、前記出発物質への付加は、好ましくは触媒の存在下で行われる。たいてい、触媒として塩基性化合物が使用され、ここで、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の酸化物および殊に前記水酸化物が最も工業的に重要である。たいてい、水酸化カリウムが触媒として使用される。
【0053】
本発明の一実施態様において、アミンは、前記ポリエーテルアルコール(b2)の製造用の触媒として使用される。それらは、好ましくは、少なくとも1個の第三級アミノ基を有するアミン、イミダゾール類、グアニジン類またはそれらの誘導体である。好ましくは、これらのアミン系触媒は、アルキレンオキシドと反応性の基、例えば第一級または第二級アミノ基または、特に好ましくは、ヒドロキシル基を少なくとも1個有する。
【0054】
前記のエポキシ基を含有する成分c)は、任意の、少なくとも2個のエポキシ基を有する、有機化合物、例えば脂肪族、脂環式、芳香族および/または複素環式の化合物であり、ここで、前記のエポキシ基を有する成分c)は、90~500g/eqのエポキシ当量を有する。成分c)として好適な好ましいエポキシドは、1分子あたり2~4個、特に好ましくは2個のエポキシ基および好ましくは95~400g/eq、特に好ましくは140~220g/eqのエポキシ当量を有する。
【0055】
好適なポリエポキシドは、例えば、多価フェノール、例えばピロカテコール、レソルシノール、ヒドロキノン、4,4′-ジヒドロキシジフェニルプロパン(ビスフェノールA)、4,4′-ジヒドロキシ-3,3′-ジメチルジフェニルメタン、4,4′-ジヒドロキシジフェニルメタン(ビスフェノールF)、4,4′-ジヒドロキシジフェニルシクロヘキサン、4,4′-ジヒドロキシ-3,3′-ジメチルジフェニルプロパン、4,4′-ジヒドロキシジフェニル、4,4′-ジヒドロキシジフェニルスルホン(ビスフェノールS)、トリス-(4-ヒドロキシフェニル)メタン、前記のジフェノールの塩素化生成物および臭素化生成物、ノボラック(すなわち、酸性触媒の存在下で1未満:1の当量比の、一価または多価フェノールおよび/またはクレゾールとアルデヒド、殊にホルムアルデヒドとの反応生成物)、芳香族オキシカルボン酸のナトリウム塩2モルとジハロゲンアルカンまたはジハロゲンジアルキルエステル1モルとのエステル化により得られたジフェノール(英国特許第1017612号明細書参照)またはフェノール類と少なくとも2個のハロゲン原子を含有する長鎖ハロゲンパラフィンとの縮合により得られたポリフェノール(英国特許第1024288号明細書(GB-PS 1 024 288)参照)のポリグリシジルエーテルである。さらに、以下のものが挙げられる:芳香族アミンおよびエピクロロヒドリンをベースとするポリエポキシ化合物、例えばN-ジ-(2,3-エポキシプロピル)アニリン、N,N′-ジメチル-N,N′-ジエポキシプロピル-4,4′-ジアミノジフェニルメタン、N,N-ジエポキシプロピル-4-アミノ-フェニルグリシジルエーテル(英国特許第772830号明細書(GB-PS 772 830)および同第816923号明細書参照)。
【0056】
さらに、以下のものが考慮に値する:多価の芳香族、脂肪族および脂環式カルボン酸のグリシジルエステル、例えばフタル酸ジグリシジルエステル、イソフタル酸ジグリシジルエステル、テレフタル酸ジグリシジルエステル、アジピン酸ジグリシジルエステルおよび芳香族または脂環式ジカルボン酸無水物1モルとジオール1/2モルもしくはn個のヒドロキシル基を有するポリオール1/nモルとの反応生成物のグリシジルエステルまたは任意にメチル基で置換されていてよいヘキサヒドロフタル酸ジグリシジルエステル。
【0057】
多価アルコールのグリシジルエーテル、例えば1,4-ブタンジオールのグリシジルエーテル(Araldite(登録商標)DY-D、Huntsman)、1,4-ブテンジオールのグリシジルエーテル、グリセリンのグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンのグリシジルエーテル(Araldite(登録商標)DY-T/CH、Huntsman)、ペンタエリトリトールのグリシジルエーテルおよびポリエチレングリコールのグリシジルエーテルは、同様に使用することができる。さらに興味深いのは、トリグリシジルイソシアヌレート、N,N′-ジエポキシプロピルオキシアミド、多価チオール、例えばビスメルカプトメチルベンゼンのポリグリシジルチオエーテル、ジグリシジルトリメチレントリスルホン、ヒダントインをベースとするポリグリシジルエーテルである。
【0058】
最後に、ポリ不飽和化合物、例えば植物油およびそれらの反応生成物のエポキシ化生成物も使用することができる。ジオレフィンおよびポリオレフィン、例えばブタジエン、ビニルシクロヘキサン、1,5-シクロオクタジエン、1,5,9-シクロドデカトリエン、さらにエポキシ化できる二重結合を有する、例えばポリブタジエン、ポリイソプレン、ブタジエン-スチレンコポリマー、ジビニルベンゼン、ジシクロペンタジエン、不飽和ポリエステルをベースとする、ポリマーおよびコポリマーのエポキシ化生成物、さらに、ディールス-アルダー付加により入手可能であり、引き続き過化合物でのエポキシ化によりポリエポキシドへ変換されるオレフィン、または2個のシクロペンテン環またはシクロヘキセン環を、橋かけ原子または橋かけ原子団を介して結合して含有する化合物のエポキシ化生成物は、同様に使用することができる。
【0059】
さらに、不飽和モノエポキシド、例えばメタクリル酸グリシジルエステルまたはアリルグリシジルエーテルのポリマーも使用することができる。
【0060】
好ましくは、本発明によれば、以下のポリエポキシ化合物またはそれらの混合物が成分(c)として使用される:
多価フェノールのポリグリシジルエーテル、殊にビスフェノールAのポリグリシジルエーテル(HuntsmanのAraldit(登録商標)GY250、Bakelite AGのRuetapox(登録商標)0162、Hexion Specialty Chemicals GmbHのEpikote(登録商標)Resin 162、Brenntag GmbHのEurepox 710、HuntsmanのAraldit(登録商標)GY250、The Dow Chemical CompanyのD.E.R.(商標)332、LEUNA-Harze GmbHのEpilox(登録商標)A 18-00)またはビスフェノールF(4,4′-ジヒドロキシジフェニルメタン)のポリグリシジルエーテル(HuntsmanのAraldit(登録商標)GY281、LEUNA-Harze GmbHのEpilox(登録商標)F 16-01、LEUNA-Harze GmbHのEpilox(登録商標)F 17-00)、芳香族アミンをベースとするポリエポキシ化合物、殊にビス(N-エポキシプロピル)アニリン、N,N′-ジメチル-N,N′-ジエポキシプロピル-4,4′-ジアミノジフェニルメタンおよびN,N-ジエポキシプロピル-4-アミノフェニルグリシジルエーテル、脂環式ジカルボン酸のポリグリシジルエステル、殊にヘキサヒドロフタル酸ジグリシジルエステルおよびヘキサヒドロフタル酸無水物nモルおよびn個のヒドロキシル基(n=2~6の整数)を有するポリオール1モル、殊にヘキサヒドロフタル酸無水物3モルおよび1,1,1-トリメチロールプロパン1モルの反応生成物のポリエポキシド、3,4-エポキシシクロヘキシルメタン-3,4-エポキシシクロヘキサンカルボキシレート。
【0061】
ビスフェノールAおよびビスフェノールFならびにノボラックのポリグリシジルエーテルまたは2種以上のこれらの化合物の混合物は、極めて特に好ましく、殊にビスフェノールFのポリグリシジルエーテルである。
【0062】
液体のポリエポキシドまたは低粘度のジエポキシド、例えばビス-(N-エポキシプロピル)アニリンまたはビニルシクロヘキサンジエポキシドは、特別な場合に、すでに液体のポリエポキシドの粘度をさらに低下させることができるかまたは固体のポリエポキシドを液体混合物へ変換することができる。
【0063】
前記成分(c)は、1.2:1~500:1、好ましくは3:1~65:1、殊に3:1~30:1、特に好ましくは3:1~15:1のイソシアネート基の、エポキシ基に対する当量比に相当するような量で使用される。本発明によれば、前記の少なくとも2個のエポキシ基を有する化合物(c)の、前記の少なくとも2個のエポキシ基を有する化合物(c)および前記のイソシアネートに対して反応性の水素を少なくとも2個有する化合物(b)の全重量に対する重量割合は、好ましくは35~80重量%、特に好ましくは40~70重量%および殊に45~60重量%である。
【0064】
触媒(d)は、前記のイソシアネートに対して反応性の水素を少なくとも2個有する化合物(b)および前記のエポキシ基を有する化合物(c)と、前記ポリイソシアネート(a)との反応を著しく促進する。
【0065】
触媒(d)は、好ましくは少なくとも1種の組み込み可能な触媒を有する。組み込み可能な触媒(d1)は、少なくとも1個、好ましくは1~8個および特に好ましくは1~2個の、イソシアネートに対して反応性の基、例えば第一級アミノ基、第二級アミノ基、ヒドロキシル基または尿素基を有する。その際に、本発明において、少なくとも1個の第三級アミノ基を有する組み込み可能な触媒は、イソシアネートに対して反応性の水素を少なくとも2個有する化合物(b)ではなく、触媒(d)とみなされる。その際に、アミドとアミノ基とは区別され、第一級および第二級アミドは、本発明の範囲内で、第一級もしくは第二級アミノ基とはいわない。好ましくは、前記の組み込み可能なアミン触媒は、第一級アミノ基、第二級アミノ基および/またはヒドロキシル基を有する。前記の組み込み可能なアミン触媒は、本発明によれば、1個もしくは複数個の、前記のイソシアネートに対して反応性の基に加えて、少なくとも1個の第三級アミノ基を有する。好ましくは、前記の組み込み可能な触媒の第三級アミノ基のうち少なくとも1個は、好ましくは基1個あたり炭素原子1~10個、特に好ましくは基1個あたり炭素原子1~6個を有する、少なくとも2個の脂肪族炭化水素基を有する。特に好ましくは、前記第三級アミノ基は、メチル基およびエチル基ならびにさらなる有機基から互いに独立して選択される2個の基を有する。使用できる組み込み可能な触媒の例は、例えばビスジメチルアミノプロピル尿素、ビス(N,N-ジメチルアミノエトキシエチル)カルバメート、ジメチルアミノプロピル尿素、N,N,N-トリメチル-N-ヒドロキシエチルビス(アミノプロピルエーテル)、N,N,N-トリメチル-N-ヒドロキシエチルビス(アミノエチルエーテル)、ジエチルエタノールアミン、ビス(N,N-ジメチル-3-アミノプロピル)アミン、ジメチルアミノプロピルアミン、3-ジメチルアミノプロピル-N,N-ジメチルプロパン-1,3-ジアミン、ジメチル-2-(2-アミノエトキシエタノール)および(1,3-ビス(ジメチルアミノ)-プロパン-2-オール)、N,N-ビス(3-ジメチルアミノプロピル)-N-イソプロパノールアミン、ビス(ジメチルアミノプロピル)-2-ヒドロキシエチルアミン、N,N,N-トリメチル-N-(3-アミノプロピル)-ビス(アミノエチルエーテル)、3-ジメチルアミノイソプロピルジイソプロパノールアミンまたはそれらの混合物である。
【0066】
前記の組み込み可能なアミン触媒に加えて、ポリウレタンの製造にも公知であるような、さらなる通常のアミン触媒(d2)を使用することができる。挙げられるのは、例えば、アミジン、例えば2,3-ジメチル-3,4,5,6-テトラヒドロピリミジン、第三級アミン、例えばトリエチルアミン、トリブチルアミン、トリエチレンジアミン、ジメチルシクロヘキシルアミン、ジメチルオクチルアミン、N,N-ジメチルベンジルアミン、N-メチルモルホリン、N-エチルモルホリン、N-シクロヘキシルモルホリン、N,N,N′,N′-テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N′,N′-テトラメチルブタンジアミン、N,N,N′,N′-テトラメチルヘキサンジアミン、ペンタメチルジエチレントリアミン、テトラメチルジアミノエチルエーテル、ビス(N,N-ジメチルアミノエチル)エーテル、ビス(ジメチルアミノプロピル)尿素、ジメチルピペラジン、1,2-ジメチルイミダゾール、1-アザビシクロ-(3.3.0)-オクタンおよび好ましくは1,4-ジアザ-ビシクロ-(2.2.2)-オクタンである。さらに適しているのは、例えばペンタメチルジエチレントリアミン、N-メチル-N′-ジメチルアミノエチルピペラジン、N,N-ジエチルエタノールアミンならびにシラモルホリン、三塩化ホウ素tert-アミン付加物ならびにN-[3-(ジメチルアミノ)プロピル]ホルムアミドである。
【0067】
組み込み可能な触媒に加えて、さらなる触媒が使用される場合には、これらは、好ましくは三塩化ホウ素tert-アミン付加物、N,N-ジメチルベンジルアミンおよび/またはN,N-メチルジベンジルアミンおよび/またはホウ素トリクロロ-N,N-ジメチルオクチルアミンを含有する。
【0068】
触媒(d)は、好ましくは、前記成分(a)、(b)、(c)および(d)の全重量を基準として、0.001~8重量%、特に好ましくは0.6~6重量%、さらに好ましくは1.5~5重量%および殊に2.1~5重量%の濃度で、触媒もしくは触媒組合せ物として使用される。その際に、イソシアネートに対して反応性の基を有する触媒の割合は、前記触媒(d)の全重量を基準として、少なくとも5重量%、特に好ましくは少なくとも8重量%および殊に8~25重量%である。
【0069】
本発明によるフォームの製造に使用される化学発泡剤および/または物理発泡剤(e)は、ギ酸を、任意にさらなる発泡剤との混合物で含有する。ギ酸および任意に水に加えて、化学発泡剤としてホスホリンオキシドが考慮に値する。これらの化学発泡剤はイソシアネート基と反応して、二酸化炭素を形成し、かつギ酸の場合に二酸化炭素および一酸化炭素が得られる。これらの発泡剤は、前記ガスを前記イソシアネート基との化学反応により遊離するので、これらは化学発泡剤と呼ばれる。それに加えて、物理発泡剤、例えば低沸点炭化水素を使用することができる。適しているのは、殊に、前記ポリイソシアネートa)に対して不活性であり、かつ大気圧で100℃未満、好ましくは50℃未満の沸点を有し、このため、発熱性の重付加反応の影響下で蒸発する、液体である。この種の、好ましくは使用される液体の例は、アルカン、例えばヘプタン、ヘキサン、n-ペンタンおよびイソペンタン、好ましくはn-ペンタンおよびイソペンタンの工業用混合物、n-ブタンおよびイソブタンおよびn-プロパンおよびイソプロパン、シクロアルカン、例えばシクロペンタンおよび/またはシクロヘキサン、エーテル、例えばフラン、ジメチルエーテルおよびジエチルエーテル、ケトン、例えばアセトンおよびメチルエチルケトン、カルボン酸アルキルエステル、例えばギ酸メチル、シュウ酸ジメチルおよび酢酸エチルおよびハロゲン化炭化水素、例えば塩化メチレン、ジクロロモノフルオロメタン、ジフルオロメタン、トリフルオロメタン、ジフルオロエタン、テトラフルオロエタン、クロロジフルオロエタン、1,1-ジクロロ-2,2,2-トリフルオロエタン、2,2-ジクロロ-2-フルオロエタン、ペンタフルオロプロパン、ヘプタフルオロプロパンおよびヘキサフルオロブテンである。これらの低沸点液体同士および/または他の置換または非置換の炭化水素との混合物も使用することができる。適しているのは、さらに有機カルボン酸、例えばギ酸、酢酸、シュウ酸、リシノール酸およびカルボキシル基含有化合物である。好ましくは、前記物理発泡剤は、前記成分(b)中に可溶性である。
【0070】
好ましくは、2重量%未満、特に好ましくは1重量%未満、より好ましくは0.5重量%未満のハロゲン化炭化水素が発泡剤(e)として使用され、かつ殊にハロゲン化炭化水素は使用されない。前記重量割合は、その際に、前記成分(a)~(f)の全重量をそれぞれ基準としている。好ましくは、化学発泡剤として、水、ギ酸-水混合物またはギ酸が使用され、特に好ましい化学発泡剤は、ギ酸-水混合物またはギ酸である。好ましくは、物理発泡剤として、ペンタン異性体、もしくはペンタン異性体の混合物が使用される。
【0071】
前記化学発泡剤は、その際に単独で、すなわち物理発泡剤を添加せずに、または物理発泡剤と一緒に使用することができる。好ましくは、前記化学発泡剤は単独で使用される。化学発泡剤が物理発泡剤と一緒に使用される場合には、好ましくは純水、ギ酸-水混合物または純ギ酸は、ペンタン異性体またはペンタン異性体の混合物と一緒に使用される。特に好ましい実施態様において、ギ酸は、唯一の発泡剤である。
【0072】
助剤および添加剤(e)として、例えば充填剤、例えば石英粉、チョーク、Microdol、酸化アルミニウム、炭化ケイ素、グラファイトまたはコランダム、顔料、例えば二酸化チタン、酸化鉄または有機顔料、例えばフタロシアニン顔料、可塑剤、例えばジオクチルフタレート、トリブチルホスフェートまたはトリフェニルホスフェート、組み込み可能な相溶化剤、例えばメタクリル酸β-ヒドロキシプロピルエステル、マレイン酸エステルおよびフマル酸エステル、難燃性向上物質、例えば赤リンまたは酸化マグネシウム、可溶性染料または強化材、例えばガラス繊維またはガラスクロスを使用することができる。同様に適しているのは、炭素繊維もしくは炭素繊維織物および他の有機ポリマー繊維、例えばアラミド繊維またはLCポリマー繊維(LC=「液晶」)である。さらに、充填剤として、金属充填剤、例えばアルミニウム、銅、鉄および/または鋼が考慮の対象になる。前記金属充填剤は、殊に、粒状形および/または粉末形で使用される。
【0073】
さらなる、任意に併用されうる助剤および添加剤(e)は、前記成分a)、b)およびc)の全重量を基準として、100重量%まで、好ましくは50重量%まで、殊に30重量%までの量で使用することができる、重合性のオレフィン性不飽和モノマーである。
【0074】
重合性のオレフィン性不飽和モノマーの添加剤の典型的な例は、NCO基に対して反応性の水素原子を有していないもの、例えばジイソブチレン、スチレン、C1~C4-アルキルスチレン、例えばα-メチルスチレン、α-ブチルスチレン、塩化ビニル、酢酸ビニル、マレインイミド誘導体、例えばビス(4-マレインイミドフェニル)メタン、アクリル酸-C1~C8-アルキルエステル、例えばアクリル酸メチルエステル、アクリル酸ブチルエステルまたはアクリル酸オクチルエステル、対応するメタクリル酸エステル、アクリロニトリルまたはジアリルフタレートおよびNCO基に対して反応性の水素原子を有するオレフィン性不飽和モノマー、例えばヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレートおよびアミノエチルメタクリレート。本発明の範囲内で、NCO基に対して反応性の水素原子を有するオレフィン性不飽和モノマーは、化合物(b)とはみなされない。
【0075】
この種のオレフィン性不飽和モノマーの任意の混合物は、同様に使用することができる。好ましくは、スチレンおよび/または(メタ)アクリル酸-C1~C4-アルキルエステルは、オレフィン性不飽和モノマーがそもそも使用されることを前提として、使用される。オレフィン性不飽和モノマーの併用の際に、古典的な重合開始剤、例えばベンゾイルペルオキシドの併用が可能であるが、しかしながら一般に不要である。
【0076】
前記助剤および添加剤e)は、さらにまた、ポリエーテルシロキサンタイプのさらに公知のフォーム安定剤、離型剤、例えばポリアミドワックスおよび/またはステアリン酸誘導体および/または天然ワックス、例えばカルナウバワックスを含有していてよい。
【0077】
前記助剤および添加剤e)は、本発明による方法の実施前に前記出発物質a)およびb)に添合されてもよく、後ではじめて混合されてもよい。
【0078】
本発明による方法を実施するには、前記出発物質a)、b)およびc)を互いに混合することができる。前記反応混合物に、任意にさらなる助剤および添加剤e)、前記触媒c)、および発泡剤(d)が添加され、その全部が完全混合され、かつこの発泡性混合物が開放式または密閉式のモールド中へ流し込まれる。選択的に、ポリイソシアネート(a)を含有するイソシアネート成分(B)を、化合物(b)および(c)を含有するイソシアネート反応性成分(A)と互いに混合する、二成分法において行うことができる。さらなる前記成分(d)~(f)は、前記成分、好ましくは前記イソシアネート反応性成分(A)のうち1つに添加することができる。
【0079】
ポリウレタン加工から公知の多成分ミキシングヘッドを使用する場合に、前記方法は、高いフレキシビリティーの点で優れている。前記成分(a)、(b)および(c)の混合比を変えることにより、1種の出発物質および同じ出発物質を用いて異なるフォーム特性を生じさせることができる。付加的に、異なる成分a)および異なる成分b)を異なる比で直接、前記ミキシングヘッドへ送ることもできる。前記助剤および添加剤e)、前記触媒c)および発泡剤d)は、別個にまたはバッチとして、前記ミキシングヘッドへ送ることができる。前記助剤および添加剤e)の、前記触媒c)と併せた配量および前記発泡剤d)の別個の配量も可能である。発泡剤の量を変えることにより、異なる見掛け密度範囲を有するフォームを製造することができる。
【0080】
前記成分の混合が1段階で行われることが好ましい(いわゆる「ワンショット」法)。特に好ましくは、前記反応は、予備三量化の工程なしで実施されるべきである。前記製造方法は、連続的またはバッチ式に行うことができる。
【0081】
好ましくは、前記成分(a)の化合物のイソシアネート基の、前記成分(b)のイソシアネートに対して反応性の基に対する比は、1.8超:1、特に好ましくは1.8~4.0対1、より好ましくは2.0~3.0対1および殊に2.0~2.5対1である。
【0082】
使用される成分に応じて、この発泡過程は、一般に2s~4minの待ち時間後に開始し、かつ通例2min~8min後に終了している。前記フォームは、微細なセルを有し、かつ均一である。
【0083】
本発明によるイソシアネート-エポキシハイブリッドフォームは、好ましくは15~60g/L、特に好ましくは20~40g/Lおよび殊に25~35g/Lの密度を有する。
【0084】
前記出発成分は、好ましくは15~90℃、特に好ましくは20~60℃および殊に20~45℃の温度で混合される。前記反応混合物を、高圧配量機または低圧配量機を用いて、密閉式支持金型中へ流し込むことができる。この技術により、例えば不連続なサンドイッチエレメントが製造される。
【0085】
本発明によるフォームの後からの熱処理は、不要である。前記の好ましい実施態様において、前記フォームは熱処理されない。
【0086】
密閉式モールドが本発明によるフォームを製造するために使用される(モールド発泡)場合、モールドをいっぱいにすることは、最適な性質を達成するために有利でありうる。いっぱいにすることは、開放式モールド中で発泡が完了した後に前記モールドの内部体積よりも大きな体積を占めるであろう発泡性混合物の量を充填することを意味する。
【0087】
好ましくは、本発明による硬質フォームは、連続的に操作するダブルベルト設備上で製造される。ダブルベルト法の場合に、好ましくは高圧機で、前記ポリオール成分および前記イソシアネート成分が配量され、かつミキシングヘッド内で混合される。前記ポリオール混合物に、前もって別個のポンプで触媒および/または発泡剤を配量することができる。前記反応混合物は、連続的に前記の下側の外被層上へ塗布される。前記反応混合物を有する前記の下側の外被層と、前記の上側の外被層とは、前記ダブルベルト内へ送り込まれ、前記ダブルベルト内で前記反応混合物は発泡し、かつ硬化する。前記ダブルベルトを出た後に、連続シートが所望の寸法へ切断される。このようにして、金属外被層を有するサンドイッチエレメントまたは軟質の外被層を有する遮断エレメントを製造することができる。
【0088】
本発明によるフォームは、低い熱伝導率、極めて良好な機械的性質、例えば高い圧縮強さ、および高い圧縮弾性率および低い脆性を有する。さらに、本発明によるフォームは、難燃性であり、かつ燃焼時に熱および煙をわずかにのみ発生する。これらは、低い誘電損失、防湿性および耐摩耗性を有し、ならびにモールド中での加工性が優れている。そのため、本発明によるフォームは、空洞用の充填フォームとして、電気絶縁用の充填フォームとして、サンドイッチ構造物のコアとして、あらゆる種類の屋内および屋外用途のための構造材料の製造のため、車両建造、船舶建造、飛行機建造およびロケット建造用の構造材料の製造のため、飛行機の内装品および外装品の製造のため、あらゆる種類の遮断材料の製造のため、遮断パネル、管絶縁物および容器絶縁物の製造のため、吸音材料の製造のため、エンジンルームにおける使用のため、研磨盤の製造のためおよび高温絶縁物および難燃性絶縁物の製造のために極めて好適である。特に好ましくは、サンドイッチエレメントのコアフォームとしての使用であり、ここで、特に少数のボイドおよびフォーム層と外被層との間の優れた付着性を有するサンドイッチエレメントが得られる。そのため、本発明のさらなる対象は、本発明によるイソシアネート-エポキシハイブリッドフォームを含有するサンドイッチエレメントである。
【0089】
以下に、本発明は、実施例の範囲内で説明される:
【実施例】
【0090】
実験室用フォームを製造するために、表1(重量部でのデータ)に従い、記載されたイソシアネート指数で、前記A成分の供給原料を、以下の順序で相互に添加した。エポキシ樹脂、ポリオールならびに水を混合した。引き続き、触媒混合物を添加し、かつ撹拌した。最後に、化学発泡剤ならびに物理発泡剤を前記成分に添加した。
前記A成分を、記載された量のイソシアネート成分と、実験室用撹拌機(Vollrath撹拌機)を用い、1850rpmの撹拌速度および3秒の撹拌時間でビーカー中で強力混合し、かつこの中で発泡させる。このいわゆるビーカー試験の際に、開始時間、硬化時間およびライズタイム、見掛け密度ならびに任意に脆性が決定される。さらなる特性を決定するために、2.5Lバケツをそれぞれ150gの秤量分で製造した。
【0091】
前記フォームを製造するために、以下の供給原料を使用した:
ポリエステルオール1:242mgKOH/gのOH価を有する、テレフタル酸、ジエチレングリコール、オレイン酸およびグリセリンとエチレンオキシドとをベースとするポリエーテルオールをベースとするポリエステル
ポリエステルオール2:55mgKOH/gのOH価を有する、アジピン酸、イソフタル酸、1,4-ブタンジオールおよびモノエチレングリコールをベースとするポリエステル。
ポリエーテルオール:60mgKOH/gのOH価を有する、エチレンオキシドおよびプロピレンオキシドをベースとするエチレンジアミン開始ポリエーテルポリオール。
TEP:トリエチルホスフェート
TCPP:トリス(2-クロロイソプロピル)ホスフェート
エポキシド1:Leuna、Epilox(登録商標)A 18-00、ビスフェノールAをベースとする低分子量エポキシ樹脂、LEUNA-Harze GmbH、ロイナ/ドイツの市販品、DIN 16945による178~185g/eqのエポキシ当量、DIN 53015による25℃での粘度8000~10000mPas。
安定剤:シリコーン安定剤Tegostab(登録商標)B 8498、ポリエーテルポリシロキサン、Evonik、エッセン、ドイツの市販品。
ギ酸:水中ギ酸85重量%
触媒:ジエチルトルエンジアミン、N,N,N′-トリメチルアミノエチルエタノールアミン、トリエチレンジアミンおよびビス(2-ジメチルアミノエチル)メチルアミンの触媒混合物
添加剤1:425mg/KOHgのOH価を有する、水、ジプロピレングリコールおよびグリセリンの混合物
イソシアネート:25℃で約500mPa・sの粘度を有する、ポリメリックメチレンジフェニルジイソシアネート(PMDI)。
【0092】
手での実験(ビーカー試験)における見掛け密度の決定:
前記フォームの見掛け密度は、ビーカー試験の際に、前記ビーカーのへりより上の前記フォームを切り離し、引き続き前記ビーカーを残りのフォームと一緒に秤量することにより決定される。この質量を、空のビーカーの質量(発泡前に測定)を差し引き、前記ビーカーの体積(0.735L)で割ることにより、見掛け密度が得られる。
【0093】
機械製試料:
厚さ100mmのサンドイッチエレメントを、前記ダブルベルト法により製造した。液体の見掛け密度を、前記触媒混合物を用いて33±1g/Lに調整した。
【0094】
以下の測定を、機械製フォームについて実施した:
硬質フォームの脆性の決定:
前記実験室用フォームの脆性を、ASTM C421(08) 2014を用いて求めた。そのためには、最初に24個の室内乾燥させたオークキューブ(19mm)を、オーク材製の立方体の箱(190×197×197mm)中へ置く。前記フォームを、目の細かいのこぎりを用いて、12個の小さなキューブ(2.5mm)へ切断する。これらの試験体を、精密てんびんで秤量し(M1)、かつ前記オークキューブと共に試験装置中へ置く。前記箱は、中心に堅固に取り付けられているので、前記箱の一つの面に対する垂線である軸線は、前記箱の回転可能な軸である。前記箱は、毎分回転数60±2で600±3回転で回転する。定義された試験段階の後に、前記の12個のフォーム片を前記箱から慎重に除去した。前記試料を、ダストおよび粒子残留物から除去し、引き続き改めて秤量する(M2)。その質量損失は、以下の等式に基づいて計算される:
質量損失(%)=[(M1-M2)/M1]×100
M1=当初質量 M2=最終質量。
【0095】
引張強さ
引張強さ試験を、DIN EN ISO 14509-1/EN 1607に相応して実施した。
【0096】
熱伝導率:
前記発泡後に、フォーム直方体を標準雰囲気で24時間貯蔵する。ついで前記試験体は、中心で前記フォーム直方体から切断され(すなわちその上側および下側が除去されている)、かつ200×200×30mmの寸法を有する。前記熱伝導率は、ついで、熱流測定プレート装置Hesto A50を用いて10℃の中温で決定される。
【0097】
圧縮強さの決定:
前記圧縮強さは、DIN 53421/DIN EN ISO 604に従って決定される。
【0098】
小バーナー試験(ユーロクラスE):
燃焼性試験を、EN-ISO 11925-2に相応して実施し、そのデータは、cmでの火炎の高さに相当する。
【0099】
【0100】
表1は、195~400mgKOH/gのOH価および2~4の官能性を有するポリエステルと、40~80mgKOH/gのOH価および2.6~6.5の官能価を有するポリエーテルとの本発明による組合せの場合に、同じ密度および匹敵する指数で、引張強さが改善され、かつ熱伝導率が低下されたフォームが得られることを示す。
【0101】
例2
例1に記載された発泡方法に従い、いろいろな量のポリエステルオール1を有するフォームを製造した。脆性を決定するために、35±1g/Lの密度を有する2.5Lバケツをそれぞれ上記の方法により製造した。前記出発物質の正確な組成ならびに機械的な値および前記脆性測定の結果は、表2に記載されている。
【0102】
表2:
フォーム配合物中の成分および物理的パラメーター。
【表2】
【0103】
表2における例は、ポリエステルオールおよびポリエーテルオールの使用により、その脆性を劇的に低下させることができることを示す。最も低い質量減量、ひいては最も低い脆性を示すのは、エポキシド11重量%の質量割合を有する前記フォームである。前記エポキシド成分の低下は、その脆性、しかしまた同時に圧縮強さを低下させる。高い圧縮強さおよび低下された脆性を有する最適条件は、前記A成分中のエポキシド41部およびポリエステルオール30部である。
【国際調査報告】