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特表2024-525947システムおよび光デリバリを分配するための方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-12
(54)【発明の名称】システムおよび光デリバリを分配するための方法
(51)【国際特許分類】
   G03F 7/20 20060101AFI20240705BHJP
【FI】
G03F7/20 501
G03F7/20 521
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024503940
(86)(22)【出願日】2022-07-04
(85)【翻訳文提出日】2024-02-05
(86)【国際出願番号】 EP2022068478
(87)【国際公開番号】W WO2023001536
(87)【国際公開日】2023-01-26
(31)【優先権主張番号】21187368.2
(32)【優先日】2021-07-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】504151804
【氏名又は名称】エーエスエムエル ネザーランズ ビー.ブイ.
(74)【代理人】
【識別番号】100105924
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 賢樹
(74)【代理人】
【識別番号】100134256
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 武司
(72)【発明者】
【氏名】ウィンターズ、ジャスパー
(72)【発明者】
【氏名】ファン ズウェット、アーウィン、ジョン
(72)【発明者】
【氏名】ファン デル ランズ、マルクス、ヨハンネス
(72)【発明者】
【氏名】デ ヤーハー、ピーター、ウィレム、ヘルマン
(72)【発明者】
【氏名】クラメル、ゲーテン、フランス、イスブラント
【テーマコード(参考)】
2H197
【Fターム(参考)】
2H197AA28
2H197CC05
2H197DA04
2H197DA09
2H197DB06
2H197HA03
(57)【要約】
【解決手段】リソグラフィプロセスにおける光デリバリの改良されたシーケンシングのための方法は、実質的に光が基板に届けられない強度のシーケンス内のインターバルを含む、届けられるべき光の強度のシーケンスを決定することと、デジタルミラーデバイス(DMD)を利用する光源によって、強度のシーケンスに従って光を基板に届けることと、を含む。
【選択図】図5A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
リソグラフィプロセスにおける光デリバリの改良されたシーケンシングのための方法であって、
実質的に光が基板に届けられない強度のシーケンス内のインターバルを含む、届けられるべき光の強度のシーケンスを決定することと、
デジタルミラーデバイス(DMD)を利用する光源によって、前記強度のシーケンスに従って光を基板に届けることと、
を備える方法。
【請求項2】
前記基板におけるスポットに届ける光の目標強度を決定することを更に備える、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記決定された強度のシーケンスは、前記目標強度に達するように、前記デジタルミラーデバイス(DMD)によって前記基板に届けられ、
前記インターバル中は実質的に光が前記基板に届けられない、
請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記光の強度のシーケンスのための命令のセットを物理メモリに格納することを更に備える、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記インターバルの存在は、前記DMDの構成のために前記物理メモリに格納されている、来るべき前記強度のシーケンスにおける命令のセットの影響を低減する、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記強度のシーケンスは、物理メモリに格納されているビットによって表され、
前記インターバルは、最上位ビット後のシーケンスにおいて特定される、
請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記スポットの届けられる重心および前記スポットの目標重心の間の差を低減する、前記強度のシーケンスの非対称分布を決定することを更に備える、請求項2に記載の方法。
【請求項8】
リソグラフィプロセスにおける光デリバリの改良されたシーケンシングのための方法であって、
基板におけるスポットに届ける光の目標強度を決定することと、
前記目標強度に達するように、実質的に光が前記基板に届けられない強度のシーケンス内のインターバルを含む、デジタルミラーデバイス(DMD)によって前記基板に届けられるべき光の強度のシーケンスを決定することと、
前記光の強度のシーケンスのための命令のセットを物理メモリに格納することと、
前記DMDを利用する光源によって、前記強度のシーケンスに従って光を前記基板に届けることと、
を備え、
前記インターバルの存在は、前記DMDの構成のために前記物理メモリに格納されている、来るべき前記強度のシーケンスにおける命令のセットの影響を低減する、
方法。
【請求項9】
前記強度のシーケンスは、物理メモリに格納されているビットによって表され、
前記インターバルは、最上位ビット後のシーケンスにおいて特定される、
請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記スポットの届けられる重心および前記スポットの目標重心の間の差を低減する、前記強度のシーケンスの対称分布を決定することを更に備える、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記強度のシーケンス内に非対称性を含めることによって、前記対称分布を非対称分布に変更することを更に備え、
前記非対称性は、前記届けられる重心および前記目標重心の間の前記差を更に低減する、
請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記強度のシーケンスまたは前記インターバルの場所を変えることによって、届けられる重心を調整することを更に備える、請求項8に記載の方法。
【請求項13】
前記強度のシーケンスは、二つの光の届けられるインターバルの間で前記光のデリバリをスキップすることを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項14】
前記DMDにおける複数のミラーのそれぞれについて、前記強度のシーケンスを個別に決定することを更に備える、請求項8に記載の方法。
【請求項15】
前記強度のシーケンスまたは前記インターバルの場所を変えることは、
強度の関数としての複数の代替的なビット位置およびそれらの対応する重心(COG)を演算することと、
前記DMDを備える光学システムによって届けられる強度パターンの中央から、前記強度のシーケンスのCOGが最小の偏差を有するように、代替的なビット位置を選ぶことと、
を更に備える請求項12に記載の方法。
【請求項16】
コンピュータによって実行された時に請求項1から15のいずれかに記載の方法を実施する命令が記録された非一時的なコンピュータ可読媒体を備えるコンピュータプログラム製品。
【請求項17】
光を基板に届けるためのシステムであって、
光源と、
デジタルミラーデバイスと、
前記デジタルミラーデバイスを利用した前記光源からの光のデリバリのための命令を格納するように構成される物理メモリと、
命令が記録された非一時的なコンピュータ可読媒体と、
を備え、
前記命令は、コンピュータによって実行された時に、
基板におけるスポットに届ける光の目標強度を決定することと、
前記目標強度に達するように、実質的に光が前記基板に届けられない強度のシーケンス内のインターバルを含む、デジタルミラーデバイス(DMD)によって前記基板に届けられるべき光の強度のシーケンスを決定することと、
前記光の強度のシーケンスのための命令のセットを物理メモリに格納することと、
前記DMDを利用する光源によって、前記強度のシーケンスに従って光を前記基板に届けることと、
を含むオペレーションをもたらし、
前記インターバルの存在は、前記DMDの構成のために前記物理メモリに格納されている、来るべき前記強度のシーケンスにおける命令のセットの影響を低減する、
システム。
【請求項18】
前記シーケンスを前記物理メモリに格納するために利用される電荷が、前記DMDにおけるミラーの角度における偏差をもたらすように、前記物理メモリが前記DMDの近くに配置される、請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
前記システムは、コンピュータチップを製造するように構成される、請求項17に記載のシステム。
【請求項20】
前記システムは、フラットパネルディスプレイを製造するように構成される、請求項17に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願へのクロスリファレンス]
本出願は、2021年7月23日に出願された欧州/米国出願21187368.2の優先権を主張し、その全体が参照によって本書に援用される。
【0002】
[技術分野]
ここでの記述は、概してパターニングプロセスに関する。より具体的には、開示は、リソグラフィプロセスにおける光のデリバリを改良するための装置、方法、およびコンピュータプログラム製品を含む。
【背景技術】
【0003】
リソグラフィ投影装置は、例えば、集積回路(IC)の製造において使用されうる。ICの個別の層に対応するパターン(「デザインレイアウト」)は、パターニングデバイス上のパターンを通じてターゲット部分を照明すること等の方法によって、放射感応性材料(「レジスト」)の層でコーティングされた基板(例えば、シリコンウェーハ)上のターゲット部分(例えば、一または複数のダイを含む)上に転写されうる。一般的に、単一の基板は、リソグラフィ投影装置によってパターンが連続的に転写される(一回につき一つのターゲット部分)複数の近接するターゲット部分を含む。一つのタイプのリソグラフィ投影装置では、パターニングデバイス全体のパターンが、一つのターゲット部分上に一度に転写される。このような装置は、ステッパと表されてもよい。代替的な装置では、ステップおよびスキャン装置が、与えられた参照方向(「スキャン」方向)に平行または非平行に基板を同時に駆動しながら、パターニングデバイスに亘って投影ビームに当該参照方向においてスキャンさせうる。パターニングデバイス上のパターンの異なる部分が、一つのターゲット部分に漸進的に転写される。一般的に、リソグラフィ投影装置は縮小率M(例えば、4)を有するため、基板が駆動されるスピードFは、投影ビームがパターニングデバイスをスキャンするスピードの1/M倍になる。リソグラフィデバイスに関するより多くの情報は、例えば、参照によって本書に援用されるUS6,046,792において見つかりうる。
【0004】
パターニングデバイスから基板にパターンを転写する前に、プライミング、レジストコーティングおよびソフトベーク等の様々な手順を基板が経る可能性がある。露光後、基板は、露光後ベーク(PEB)、現像、ハードベークおよび転写されたパターンの測定/検査等の他の手順(「露光後手順」)を経る可能性がある。この手順のアレイは、IC等のデバイスの個別の層を作るための基礎として使用される。そして、基板は、デバイスの個別の層を完成させるためのエッチング、イオン注入(ドーピング)、メタライゼーション、酸化、化学機械的研磨等の様々なプロセスを経る可能性がある。複数の層がデバイスにおいて必要な場合、全手順またはその変形が各層について繰り返される。結果的に、基板上の各ターゲット部分にデバイスが存在する。これらのデバイスは、ダイシングまたはソーイング等の技術によって互いに分離され、個別のデバイスは、例えば、キャリア上にマウントされ、ピンに接続されうる。
【0005】
このように、半導体デバイス等のデバイスの製造は、典型的に、デバイスの様々なフィーチャおよび複数の層を形成するための多くの加工プロセスを使用して、基板(例えば、半導体ウェーハ)を処理することを伴う。このような層およびフィーチャは、典型的に、例えば、デポジション、リソグラフィ、エッチング、化学機械的研磨、およびイオン注入を使用して製造および処理される。複数のデバイスは、基板上の複数のダイ上に製造されてもよく、個別のデバイスに分離されてもよい。このデバイス製造プロセスは、パターニングプロセスと解釈されてもよい。パターニングプロセスは、パターニングデバイス上のパターンを基板に転写するために、リソグラフィ装置におけるパターニングデバイスを使用する光学および/またはナノインプリントリソグラフィ等のパターニングステップを伴い、典型的に(但し、オプションで)、現像装置によるレジスト現像、ベークツールを使用する基板のベーキング、エッチング装置を使用するパターンを使用するエッチング等の一または複数の関連するパターン処理ステップを伴う。
【0006】
前述されたように、リソグラフィは、基板上に形成されるパターンがマイクロプロセッサ、メモリチップ等のデバイスの機能要素を定める、IC等のデバイスの製造における主要なステップである。同様のリソグラフィ技術は、フラットパネルディスプレイ、MEMS(Micro-Electro Mechanical Systems)および他のデバイスの形成、および2Dおよび/または3D積層造形においても使用される。
【0007】
半導体製造プロセスが進歩を続けるにつれて、「ムーアの法則」と表されるトレンドに従って、過去数十年に亘ってデバイス毎のトランジスタ等の機能要素の量が着実に増加しながら、機能要素の寸法は継続的に低減されている。現状の技術では、深紫外照明ソースからの照明を使用してデザインレイアウトを基板上に投影し、100nmを優に下回る寸法(すなわち、照明ソース(例えば、193nmの照明ソース)からの放射の半波長以下)を有する個別の機能要素を生成するリソグラフィ投影装置を使用して、デバイスの層が製造される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
リソグラフィ投影装置の古典的な解像度限界より小さい寸法を有するフィーチャがプリントされる当該プロセスは、解像度の式「CD = k1×λ/NA」に従って低k1リソグラフィと表されうる。ここで、λは利用される放射の波長(例えば、248nmまたは193nm)であり、NAはリソグラフィ投影装置における投影光学素子の開口数であり、CDは「臨界寸法」(一般的に、プリントされる最小のフィーチャサイズ)であり、k1は経験的な解像度ファクタである。一般的に、k1が小さくなるにつれて、特定の電気的機能および性能を実現するために設計者によって設計された形状および寸法に似たパターンを、基板上に再現することが難しくなる。これらの困難を克服するために、リソグラフィ投影装置、デザインレイアウト、またはパターニングデバイスに対して、洗練された微調整ステップが適用される。これらは、例えば、NAおよび光学コヒーレンス設定の最適化、カスタマイズされた照明スキーム、位相シフト型パターニングデバイスの使用、デザインレイアウトにおける光近接効果補正(OPC:「光学およびプロセス補正」とも表されることもある)、または「解像度向上技術」(RET)と一般的に定義される他の方法を含むが、これらに限定されない。ここで使用される用語「投影光学素子」は、例えば、屈折光学素子、反射光学素子、アパーチャおよび反射屈折型光学素子を含む、様々なタイプの光学システムを包含するものと広義に解釈されるべきである。用語「投影光学素子」は、複数または単数で、放射の投影ビームの方向付け、形成または制御のためのこれらのデザインタイプのいずれかに従って動作するコンポーネントを含んでもよい。用語「投影光学素子」は、リソグラフィ投影装置における任意の光学コンポーネントを含んでもよい(リソグラフィ投影装置の光路上のどこに光学コンポーネントが配置されるかは問わない)。投影光学素子は、放射がパターニングデバイスを通過する前における、ソースからの放射の形成、調整および/または投影のための光学コンポーネント、および/または、放射がパターニングデバイスを通過した後における、放射の形成、調整および/または投影のための光学コンポーネントを含んでもよい。投影光学素子は、一般的に、ソースおよびパターニングデバイスを含まない。
【課題を解決するための手段】
【0009】
リソグラフィプロセス中の光のデリバリを改良するための方法、システム、およびコンピュータプログラムが開示される。一つの側面では、リソグラフィプロセスにおける光デリバリの改良されたシーケンシングのための方法が、実質的に光が基板に届けられない強度のシーケンス内のインターバルを含む、届けられるべき光の強度のシーケンスを決定することと、デジタルミラーデバイス(DMD)を利用する光源によって、強度のシーケンスに従って光を基板に届けることと、を含む。
【0010】
いくつかの変形例では、方法が、基板におけるスポットに届ける光の目標強度を決定することを更に含みうる。決定された強度のシーケンスは、目標強度に達するように、デジタルミラーデバイス(DMD)によって基板に届けられうる。ここで、インターバル中は実質的に光が基板に届けられない。これは、光の強度のシーケンスのための命令のセットを物理メモリに格納することを含みうる。このように、いくつかの変形例では、インターバルの存在が、DMDの構成のために物理メモリに格納されている、来るべき強度のシーケンスにおける命令のセットの影響を低減しうる。
【0011】
他の変形例では、強度のシーケンスが、物理メモリに格納されているビットによって表され、インターバルが、最上位ビット後のシーケンスにおいて特定される。スポットの届けられる重心およびスポットの目標重心の間の差を低減する、強度のシーケンスの非対称分布が決定されうる。
【0012】
関連する側面では、リソグラフィプロセスにおける光デリバリの改良されたシーケンシングのための方法が、基板におけるスポットに届ける光の目標強度を決定することと、目標強度に達するように、実質的に光が基板に届けられない強度のシーケンス内のインターバルを含む、デジタルミラーデバイス(DMD)によって基板に届けられるべき光の強度のシーケンスを決定することと、光の強度のシーケンスのための命令のセットを物理メモリに格納することと、DMDを利用する光源によって、強度のシーケンスに従って光を基板に届けることと、を含む。インターバルの存在は、DMDの構成のために物理メモリに格納されている、来るべき強度のシーケンスにおける命令のセットの影響を低減する。
【0013】
いくつかの変形例では、強度のシーケンスが、物理メモリに格納されているビットによって表され、インターバルが、最上位ビット後のシーケンスにおいて特定されうる。スポットの届けられる重心およびスポットの目標重心の間の差を低減する、強度のシーケンスの対称分布が決定されうる。
【0014】
他の変形例では、方法が、強度のシーケンス内に非対称性を含めることによって、対称分布を非対称分布に変更することも含みうる。非対称性は、届けられる重心および目標重心の間の差を更に低減する。強度のシーケンスまたはインターバルの場所を変えることによって、届けられる重心が調整されうる。
【0015】
更に他の変形例では、強度のシーケンスが、8ビット強度分布でもよいし、対称でもよいし、および/または二つの光の届けられるインターバルの間で光のデリバリをスキップすることを含みうる。
【0016】
また、いくつかの変形例は、DMDにおけるミラーのそれぞれについて、強度のシーケンスを個別に決定することを含みうる。
【0017】
関連する側面では、コンピュータプログラム製品が、コンピュータによって実行された時に以上のいずれかの側面に係る方法を実施する命令が記録された非一時的なコンピュータ可読媒体を備える。
【0018】
他の関連する側面では、光を基板に届けるためのシステムが、光源と、デジタルミラーデバイスと、デジタルミラーデバイスを利用した光源からの光のデリバリのための命令を格納するように構成される物理メモリと、命令が記録された非一時的なコンピュータ可読媒体と、を含む。命令は、コンピュータによって実行された時に、基板におけるスポットに届ける光の目標強度を決定することと、目標強度に達するように、実質的に光が基板に届けられない強度のシーケンス内のインターバルを含む、デジタルミラーデバイス(DMD)によって基板に届けられるべき光の強度のシーケンスを決定することと、光の強度のシーケンスのための命令のセットを物理メモリに格納することと、DMDを利用する光源によって、強度のシーケンスに従って光を基板に届けることと、を含むオペレーションをもたらす。インターバルの存在は、DMDの構成のために物理メモリに格納されている、来るべき強度のシーケンスにおける命令のセットの影響を低減する。
【0019】
いくつかの変形例では、シーケンスを物理メモリに格納するために利用される電荷が、DMDにおけるミラーの角度における偏差をもたらすように、物理メモリがDMDの近くに配置されうる。例えば、物理メモリは、デジタルミラーデバイスから1mm以内に配置されうる。また、システムは、光の強度のシーケンスを基板に届けるために、デジタルミラーデバイスにおけるミラーを駆動するように構成される制御システムを含みうる。システムは、DMDから基板に光を向けるように構成されるマイクロレンズアレイ(MLA)を含んでもよい。システムは、コンピュータチップまたはフラットパネルディスプレイを製造するように構成されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0020】
本明細書の一部を構成する付随する図面は、ここで開示される主題の特定の側面を示し、記述と共に、開示される実施形態に関する原理のいくつかを説明するのに役に立つ。
【0021】
図1は、一実施形態に係る、例示的なマスクレスリソグラフィシステムを例示する単純化された図である。
【0022】
図2は、一実施形態に係る、例示的な基板および露光パターンを例示する単純化された図である。
【0023】
図3は、一実施形態に係る、基板でのピクセルグリッドイメージングを例示する単純化された図である。
【0024】
図4Aは、一実施形態に係る、ミラー位置に対する次のパターンの影響を例示する単純化された図である。
【0025】
図4Bは、一実施形態に係る、正確な位置におけるミラーを例示する単純化された図である。
【0026】
図4Cは、一実施形態に係る、不正確な位置におけるミラーを例示する単純化された図である。
【0027】
図5Aは、一実施形態に係る、臨界寸法のシフトを例示する単純化された図である。
【0028】
図5Bは、一実施形態に係る、次のパターンの影響の緩和を例示する他の例示的な実施形態を例示する単純化された図である。
【0029】
図6は、一実施形態に係る、マスクレスリソグラフィ方法を例示するプロセスフロー図である。
【0030】
図7Aは、一実施形態に係る、光強度のシーケンスの重心の例示的な調整を例示する単純化された図である。
【0031】
図7Bは、一実施形態に係る、光が届けられないインターバルのための交互の場所の演算を例示する。
【0032】
図8は、一実施形態に係る、コンピュータシステム例のブロック図である。
【0033】
図9は、一実施形態に係る、リソグラフィ投影装置の模式図である。
【0034】
図10は、一実施形態に係る、他のリソグラフィ投影装置の模式図である。
【0035】
図11は、一実施形態に係る、リソグラフィ投影装置の詳細図である。
【0036】
図12は、一実施形態に係る、リソグラフィ投影装置のソースコレクタモジュールの詳細図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
ここで使用されるように、用語「基板」は、製造プロセスの一部として光が向けられうる材料を記述する。例えば、基板は、フォトレジスト、ウェーハ、フラットパネルディスプレイ、感光性材料および金属または他の機能性材料等の粒子を有するスラリー等を含みうる。
【0038】
ここで使用されるように、用語「パターニングプロセス」または「プリンティング」は、リソグラフィプロセスの一部としての光の指定されたパターンの適用によって、エッチングされる基板を生成するプロセスを意味する。パターニングプロセスは、製造、例えば、フラットスクリーンデバイスまたは集積回路の開発における、光のデリバリを伴う任意のプロセスも含みうる。
【0039】
リソグラフィシステムおよび装置、リソグラフィ方法、プログラマブルパターニングデバイスおよび他の装置、製造物および方法の一または複数の実施形態が、ここで記述される。一実施形態では、低コストおよび/または柔軟なマスクレスリソグラフィ装置が提供される。マスクレスであるため、例えば、IC(コンピュータチップ)またはフラットパネルディスプレイの製造における使用のためにパターンを露光するために、従来のマスクが必要ない。同様に、パッケージングアプリケーションのために一または複数のリングが必要ない。プログラマブルパターニングデバイスが、エッジ投影を避けるために、パッケージングアプリケーションのためのデジタルエッジ処理「リング」を提供できる。マスクレス(デジタルパターニング)は、柔軟な基板上のパターニングも可能にしうる。ここで記述されるように、開示されるシステムおよび方法の様々な実施形態が、リソグラフィ製造において使用されるようなレンズアレイのアライメント/ポジショニングについての公差の拡大を可能にする。
【0040】
図1は、一実施形態に係る例示的なリソグラフィシステムを例示する単純化された図である。図1に示されるように、リソグラフィ装置100は、パターニングデバイス110および投影システム150を含みうる。パターニングデバイス110は、光源112(ここで議論されるようなレーザダイオード等)およびミラーアレイ140を含みうる。ミラーアレイ140は、光源112から光(ここでは放射ビームまたはビーム114とも表される)を受け取り、Xおよび/またはY方向においてビーム114を横に変位させることができる。一実施形態では、パターニングデバイス110が、光源112からの放射ビーム114をミラーアレイ140に対して結像するためのレンズ130を含んでもよい。
【0041】
ミラーアレイ140から偏向されたビーム114は、投影システム150によって受け取られうる。投影システム150は、対物レンズ152、レンズアレイ154、およびフォーカシング、拡大、収差補正等を実行するための任意の数の他のレンズまたはレンズアレイを含みうる。対物レンズ152は、パターニングデバイス110からビーム114を受け取るように設けられうる。図1の例では、ビーム114が対物レンズ152から広がり、任意の数の個別のレンズを含みうるレンズアレイ154によって受け取られる。そして、レンズアレイ154は、ビーム114を基板160上に集めうる。ここで更に記述されるように、基板160は、矢印によって例示されるように、リソグラフィ装置100に対して移動できる。
【0042】
基板160の特定の場所上にイメージングされる光の振幅を制御することによって、マスクレスリソグラフィ、およびリソグラフィプロセスに対して便益を提供するグレイスケーリング(更に詳細に後述される)を組み込んだ方法が実行されうる。このように、一実施形態では、リソグラフィを実行する方法が、ミラーアレイ140をビーム114で照明することを含みうる。ミラーアレイ140は、光を受け取る多くのミラーを含みうる。光は、パターンを生成するために、基板160上にイメージングされうる。
【0043】
一実施形態では、ミラーアレイ140に対して単一の光源112があってもよい。他の実施形態では、光源112が、照明を提供するために組み合わされる複数(例えば、2、3、6、10等)の光源を備えうる。一実施形態では、光源112が、ミラーアレイ140の調整周波数に対応するトグル周波数で、オンおよびオフが切り替えられうる。例えば、ミラーアレイ140が、その構成を1秒間に30回変えられる場合(例えば、静止状態の1/60秒と調整のための1/60秒)、光源112は、その1/60秒の調整期間の間にミラーアレイ140が照明されないように、オンおよびオフが切り替わるように動作されうる。他の実施形態では、一または複数のレーザダイオードが、光源112として機能し、例えば、トグル周波数またはパターンで、または連続的に、光を放出するように制御されうる。
【0044】
他の実施形態では、リソグラフィシステムが、複数の光振幅を有する光を生成するように構成される複数の光源(図1において光源112として集合的に例示される)を含みうる。そして、光は、パターンを有する光を基板に向けるように構成されるミラーアレイにおいてパターンを形成しうる。
【0045】
オプションで、リソグラフィ装置は、複数の光源112に対して放射(例えば、紫外(UV)放射)を供給するための放射システム(不図示)を備えうる。パターニングデバイス自体が放射ソースである場合(例えば、レーザダイオードアレイまたはLEDアレイ)、リソグラフィ装置は、放射システムなしで(すなわち、パターニングデバイス自体と異なる放射ソースなしで)、または少なくとも単純化された放射システムと共にデザインされうる。
【0046】
放射システムは、放射ソースから放射を受け取るように構成される照明システム(イルミネータ)を含みうる。照明システムは、次のエレメントの一または複数を含みうる:放射デリバリシステム(例えば、適切な方向付けミラー)、放射調整デバイス(例えば、ビームエキスパンダ)、放射の角度振幅分布(一般的に、イルミネータの瞳面における振幅分布の、少なくとも外側および/または内側半径範囲(それぞれ「σ-outer」および「σ-inner」と表されうる)が調整されうる)を設定するための調整デバイス、インテグレータ、および/またはコンデンサ。照明システムは、光源112に対して提供される放射が、その断面において所望の一様性および振幅分布を有するように調整するために使用されうる。照明システムは、例えば、それぞれが複数の光源112の一または複数に関連付けられうるサブビームに、放射を分割するように設けられうる。例えば、二次元回折格子が、放射をサブビームに分割するために使用されうる。本記述では、用語「放射のビーム」「放射ビーム」および「ビーム」が、ビーム114が複数のこのような放射のサブビームによって構成される状況を包含するが、これに限定されない。
【0047】
他の実施形態では、放射システムが、光源112に対してまたは光源112によって供給するための、放射を生成する放射ソース(例えば、エキシマレーザ)も含みうる。例えば、放射ソースがエキシマレーザである場合、放射ソースおよびリソグラフィ装置100は別の物体でもよい。このような場合、放射ソースはリソグラフィ装置100の一部を構成するものと解釈されず、放射はソースからイルミネータに渡される。例えば、ソースが水銀ランプである他の場合、放射ソースはリソグラフィ装置100の一部でもよい。これらのシナリオの両方が、本発明の範囲内として考慮される。
【0048】
一実施形態では、光源112でもよい放射ソースが、少なくとも5nm、例えば、少なくとも10nm、少なくとも50nm、少なくとも100nm、少なくとも150nm、少なくとも175nm、少なくとも200nm、少なくとも250nm、少なくとも275nm、少なくとも300nm、少なくとも325nm、少なくとも350nm、または少なくとも360nmの波長を有する放射を提供できる。一実施形態では、放射が、多くとも450nm、例えば、多くとも425nm、多くとも375nm、多くとも360nm、多くとも325nm、多くとも275nm、多くとも250nm、多くとも225nm、多くとも200nm、または多くとも175nmの波長を有する。一実施形態では、放射が、436nm、405nm、365nm、355nm、248nm、193nm、157nm、126nm、および/または13.5nmを含む波長を有しうる。一実施形態では、放射が、約365nmまたは約355nmの波長を含みうる。一実施形態では、放射が、例えば、365nm、405nmおよび436nmを包含する波長の広帯域を含みうる。355nmのレーザソースも使用されうる。一実施形態では、放射が、約405nmの波長を有しうる。
【0049】
一実施形態では、放射が、照明システムからパターニングデバイス110へ、0および90°の間、例えば、5および85°の間、15および75°の間、25および65°の間、または35および55°の間の角度で向けられうる。照明システムからの放射は、パターニングデバイス110に対して直接的に提供されうる(すなわち、ミラーアレイ140に依存することなく)。代替的な実施形態では、放射が最初にビームスプリッタによって反射され、パターニングデバイス110に向けられるように構成されるビームスプリッタによって、放射が照明システムからパターニングデバイス110へ向けられうる。パターニングデバイス110は、ビーム114を変調でき、変調されたビームを基板160に向けて送るビームスプリッタに対して反射して戻すことができる。但し、パターニングデバイス110および続いて基板160に対して放射を向けるために、代替的な配置が使用されうる。特に、透過型パターニングデバイス110(例えば、LCDアレイ)が使用される場合、または、パターニングデバイス110が自己発光型(例えば、レーザダイオード)である場合、照明システム配置は必要ではない。
【0050】
発明の一実施形態に係るリソグラフィ装置100が、ここでは基板を露光するためのものとして記述されるが、リソグラフィ装置100は、基板上のレジストを露光するためにも、または、レジストレスリソグラフィにおける使用のためにパターン形成されたビーム114を投影するためにも使用されうる。
【0051】
露光される必要がある基板上のピクセル(または、より一般的には場所)をアドレスするために、ビーム114を所望の位置に向けるミラーアレイ140が提供されうる。一実施形態では、ビーム114が、ミラーアレイ140によって、露光される必要がある基板160上のスポットに向けられうる。一実施形態では、ミラーアレイ140が、基板上のピクセル上にスポットを配置するために、XおよびY方向の両方においてビーム114を偏向するように構成されうる。ビーム114の一部が必要ではない場合、それはビームダンプに向かって偏向されうる。
【0052】
以上で議論されたように、ミラーアレイ140は、光源112からのビーム114のXおよび/またはY方向における偏向を容易にしうる。換言すれば、このタイプのミラーアレイ140は、レンズアレイ154上ひいては基板160上の特定の場所に、ビーム114を向けることができる。一実施形態では、ミラーアレイ140が、Y方向のみまたはX方向のみに放射を偏向できる。一実施形態では、ミラーアレイ140が、XおよびY方向の両方に放射を偏向できる。
【0053】
一実施形態では、ミラーアレイ140が、機械式(すなわち、ガルバノメータタイプ)、電気光学式、および/または音響光学式のミラーアレイでもよい。機械式ミラーアレイは、最大の数の解像可能な放射スポット(すなわち、解像可能なスポットは、それ自身の角度スプレッドと等しい角度だけビームが偏向されることを意味する)を提供する傾向があるが、スポットスキャンレートに関して最も遅い傾向がある。電気光学式ミラーアレイは、スポットスキャンレートに関して最も速い傾向があるが、最小の数の解像可能な放射スポットを有する傾向がある。
【0054】
一実施形態では、ミラーアレイ140が電気光学式ミラーアレイでもよい。電気光学式ミラーアレイは、数ナノ秒までのスイッチングスピードを提供できる。一実施形態では、電気光学式ミラーアレイが、±15度の偏向角度を提供できる。一実施形態では、これが、0.05度の入力ビーム発散に対して、約600個の放射スポットをもたらしうる。一実施形態では、電気光学式ミラーアレイの使用が、放射偏向に対して高速移動する機械部品を有することを回避できる。一実施形態では、放射ソース112および基板160の間に、移動する光学エレメントがなくてもよい。
【0055】
電気光学式ミラーアレイは、光学的に透明なピエゾ材料を含みうる。このように、一実施形態では、ピエゾ材料に適用される電位差のために、ビーム114が操作されうる。例えば、このような光学的に透明な材料に亘って電位差が適用される場合、材料の屈折率が変わり、ビーム伝播の方向を変える(すなわち、放射ビームが偏向されうる)。一実施形態では、材料が次の中から選択される:LiNbO3、LiTaO3、KH2PO4(KDP)、またはNH4H2PO4(ADP)。LiTaO3は、405nmの波長で透明である。
【0056】
投影システム150(例えば、クォーツおよび/またはCaF2レンズシステムまたはこのような材料から作られたレンズエレメントを備える反射屈折型システム、またはミラーシステム)は、基板160上にビーム114を投影するために使用されうる。投影システム150は、第1グレイスケールパターンが基板160上でコヒーレントに形成されるように、光源112およびミラーアレイ140によって提供される第1グレイスケールパターンを投影できる。
【0057】
これに関して、投影システムは、フォーカシングエレメント、または多くのフォーカシングエレメント(ここではミラーアレイまたはレンズアレイ154と総称的に表される)、例えば、二次的なソースを形成し、基板160上にスポットをイメージングするためのマイクロレンズアレイ154(MLA)またはフレネルレンズアレイ154を含みうる。
【0058】
一実施形態では、光を基板160上に集めるレンズを含むレンズアレイ154上に光がイメージングされうる。他の実施形態では、総光振幅を届けるために、一つの場所において複数回に亘って基板160が照明されうる。
【0059】
一実施形態では、レンズアレイ154(例えば、MLA)が、少なくとも10個のフォーカシングエレメント、例えば、少なくとも100個のフォーカシングエレメント、少なくとも1,000個のフォーカシングエレメント、少なくとも10,000個のフォーカシングエレメント、少なくとも100,000個のフォーカシングエレメント、または少なくとも1,000,000個のフォーカシングエレメントを含みうる。いくつかの実施形態では、レンズアレイ154における多くのレンズが、ミラーアレイ140におけるミラーの数に等しくてもよい。
【0060】
一実施形態では、レンズアレイ154が、例えば、一または複数のアクチュエータの使用によって、少なくとも基板に近づく方向および基板から遠ざかる方向において移動可能である。基板に対してレンズアレイ154が移動可能であることは、例えば、基板160を動かすことなくフォーカス調整を可能にする。一実施形態では、レンズアレイ154における個別のレンズエレメント(例えば、レンズアレイ154における各個のレンズエレメント)が、少なくとも基板に近づく方向および基板から遠ざかる方向において移動可能である(例えば、平らでない基板上のローカルフォーカス調整のため、または、各鏡筒を同じ焦点距離に持ってくるため)。
【0061】
レンズアレイ154におけるいずれのレンズも、基板上のスポット上に光を集めることができる。ここで使用されるように、「スポット」は、一または複数のレンズからの光が基板160に達する基板上のエリアを意味する。スポットは、特定のレンズのいずれかの焦点でもよいが、必ずしもそうでなくてもよい。いくつかの実施形態では、スポットが、ガウシアンビームのウエストに対応しうる。基板およびビームの距離、角度等、任意のレンズの形状、所定形状のアパーチャを有するビームブロック等の結果として、スポットは円形、楕円形、または任意の他の形状でもよい。
【0062】
一実施形態では、スポットサイズが、10ミクロン以下、5ミクロン以下、例えば、3ミクロン以下、2ミクロン以下、1ミクロン以下、0.5ミクロン以下、0.3ミクロン以下、または約0.1ミクロンでもよい。一実施形態では、基板上のスポットサイズが、0.1ミクロン以上、0.2ミクロン以上、0.3ミクロン以上、0.5ミクロン以上、0.7ミクロン以上、1ミクロン以上、1.5ミクロン以上、2ミクロン以上、または5ミクロン以上である。一実施形態では、スポットサイズが約0.1ミクロンである。一実施形態では、スポットサイズが約0.5ミクロンである。一実施形態では、スポットサイズが約1ミクロンである。このようなサイズは、直径、長軸または半長軸、または他の関連するスポットの寸法に適用されうる。
【0063】
いくつかの実施形態では、リソグラフィ装置が、露光プロセス中の各ステージにおいてパターニングデバイスを要求される状態に設定するための信号を生成するコントローラを含みうる。基板上に形成されるべきパターンは、ベクトルで定められたフォーマット(例えば、GDSII)において、リソグラフィ装置に対して提供されうる。デザイン情報を制御信号に変換するために、コントローラは、パターンを表すデータストリームに対して処理ステップを実行するように構成されうる一または複数のデータ操作デバイスを含みうる。データ操作デバイスは、集合的に「データパス」と表されうる。
【0064】
データパスのデータ操作デバイスは、次の機能の一または複数を実行するように構成されうる:ベクトルに基づくデザイン情報をビットマップパターンデータに変換すること;ビットマップパターンデータを所要の放射ドーズマップ(すなわち、基板に亘る所要の放射ドーズプロファイル)に変換すること;所要の放射ドーズマップを各光源についての所要の放射振幅値に変換すること;各光源についての所要の放射振幅値を対応する制御信号に変換すること。
【0065】
一実施形態では、光源112および/または一または複数の他のデバイス(例えば、ミラーアレイおよび/またはセンサ)に対して、制御信号が有線または無線の通信によって供給されうる。更に、光源112および/または一または複数の他のデバイス(例えば、ミラーアレイおよび/またはセンサ)からの信号は、コントローラに対して通信されうる。制御信号と同様の態様において、光源112または一または複数の他のデバイス(例えば、ミラーアレイおよび/またはセンサ)に対して、パワーが有線または無線の手段によって供給されうる。例えば、有線の実施形態では、信号を搬送するものと同じまたは異なる一または複数の線によって、パワーが供給されうる。パワーを送るために滑り接触配置が提供されうる。無線の実施形態では、RFカップリングによってパワーが届けられうる。
【0066】
先の議論は光源112および/または一または複数の他のデバイス(例えば、ミラーアレイおよび/またはセンサ)に対して供給される制御信号にフォーカスされていたが、加えてまたは代えて、これらは、光源112および/または一または複数の他のデバイス(例えば、ミラーアレイおよび/またはセンサ)からコントローラへの、適切な構成を通じた信号の送信を包含するものと理解されるべきである。通信は、単方向(例えば、光源112および/または一または複数の他のデバイス(例えば、ミラーアレイおよび/またはセンサ)のみへ、または、光源112および/または一または複数の他のデバイスのみから)でもよいし、双方向(すなわち、光源112および/または一または複数の他のデバイス(例えば、ミラーアレイおよび/またはセンサ)から、および、光源112および/または一または複数の他のデバイスへ)でもよい。
【0067】
一実施形態では、パターンを提供するための制御信号が、基板上のパターンの適切な供給および/または実現に影響を及ぼしうるファクタを説明するために変更されうる。例えば、光源112、レンズ等の一または複数の加熱を説明するために、補正が制御信号に対して適用されうる。このような加熱は、光源112、レンズ等の向きの変化、放射の一様性における変化等をもたらしうる。一実施形態では、光源112および/または他のエレメントに関するセンサ等からの測定された温度および/または膨張/収縮が、パターンを形成するために提供される制御信号を変更するために使用されうる。例えば、露光中、光源112の温度は変動しうる。この変動は、単一の一定温度で提供される投影されるパターンの変化をもたらす。そこで、このような変動を説明するために、制御信号が変更されうる。同様に、一実施形態では、アライメントセンサおよび/またはレベルセンサ150からの結果が、光源112によって提供されるパターンを変更するために使用されうる。例えば、光源112および基板160の間の光学素子(もしあれば)、基板160のポジショニングにおける不規則性、基板160の不均一性等に起因しうる歪等を補正するために、パターンが変更されうる。
【0068】
ポジショニングデバイス(および、オプションでベース上の位置センサ(例えば、干渉ビームを受け取る干渉測定デバイス、リニアエンコーダまたは容量センサ))によって、例えば、異なるターゲット部分をビーム114の経路上に配置するように、基板160が正確に駆動されうる。他の実施形態では、光源112のためのポジショニングデバイスが、例えば、スキャン中に、ビーム114の経路に対する光源112の位置を正確に補正するために使用されうる。例えば、いくつかの実施形態は、MLAまたはここで記述される鏡筒の他のコンポーネント(例えば、図1におけるコンポーネントの任意の組合せを有するもの)に対する基板のスキャンを制御する制御システムを含みうる。このように、制御システムは、基板の二次元の水平な並進、鉛直な並進、または基板の回転を、任意の組合せにおいて提供できる。
【0069】
図2は、スキャンされる基板に対するパターンのプリンティングのための例示的なリソグラフィシステムおよび方法を例示する単純化された図である。一実施形態では、リソグラフィ装置100が、基板上への投影のための個別のピクセルを形成するのではなく、基板上への投影のための実質的に連続的なイメージを形成する態様で、光源112の放射を基板上に投影できる。リソグラフィ装置100(特に、光源112)は、ここでより詳細に記述されるように、ピクセルグリッドイメージングを提供するように設けられうる。図2の上側に示されるように、スポット210が、マイクロレンズアレイにおけるレンズレットの間隔に基づくオーバーラップを有するように現れる。しかし、特定の角度で基板をスキャンすることによって、プリントされるパターンが、プリンティングにおけるギャップを避けるように、スポットサイズの十分なオーバーラップと共に生成されうる。
【0070】
図2の下側における黒丸は、投影システム150におけるレンズアレイ154によって基板160上に投影されるスポットSのアレイを表す(または、側面視における310)。基板160は、一連の露光が基板上に露光されるにつれて、投影システム150に対してX方向に駆動される。白丸は、基板160上に先に露光されているかもしれないスポット露光SE(または、側面視における210)を表す。示されるように、投影システム150内のレンズアレイ154によって基板160上に投影される各スポットは、スポット露光の列Rを基板160上に露光する。基板160のための完全なパターンは、スポットSのそれぞれによって露光される、スポット露光SEの全ての列Rの和によって生成される。このような配置は、「ピクセルグリッドイメージング」と表されうる。図2は模式図であり、ここで更に議論されるように、例えば、スポットSは実際に重複してもよいと理解される。
【0071】
放射スポットSのアレイは、基板スキャン方向に対して角度αで設けられうることが分かる(基板160のエッジはXおよびY方向に平行である)。これは、基板160がスキャン方向(X方向)に駆動される時、各放射スポットが基板の異なるエリア上を通り、基板全体が放射スポットSのアレイによってカバーされるように行われる。様々な実施形態では、角度αが、約80°、75°、60°、45°、30°、20°、10°、5°、3°、1°、0.5°、0.25°、0.10°、0.05°、または0.01°でもよい。一実施形態では、角度αが、少なくとも0.0001°、例えば、少なくとも0.001°である。傾斜の角度αおよびスキャン方向におけるアレイの幅は、基板160の表面エリア全体が処理されることを担保するために、イメージスポットサイズおよびスキャン方向に垂直な方向におけるアレイ間隔に応じて決定される。ここで更に議論される実施形態の多くでは、提示される例示的なミラーアレイのために、スキャン角度とも表される角度が約45°でもよい。
【0072】
ここで使用されるように、スキャン角度に関する用語「約」は、角度が、厳密に特定の角度でなくてもよく、システムの幾何学的詳細のために、実際には僅かに異なっていてもよいことを意味する。従って、このような数字は、主に例示目的で与えられ、当業者は厳密な値が変動すると認識すると理解されるべきである。
【0073】
フォトリソグラフィでは、基板上のレジストの層を、選択的に放射に露光することによって、所望のフィーチャが基板上に生成されうる。特定の最小の放射ドーズ(「ドーズ閾値」)を受け取ったレジストのエリアでは、化学反応が起こる一方で、他のエリアでは変化が起こらない。このようにレジスト層において生成された化学的な違いは、レジストを現像すること、すなわち、少なくとも最小のドーズを受け取ったエリア、または、最小のドーズを受け取らなかったエリアを選択的に除去することを可能にする。結果として、基板の一部が依然としてレジストによって保護される一方で、レジストが除去された基板のエリアが露光される。これは、基板の選択的なエッチング、選択的な金属デポジション等の追加的な処理ステップを可能にし、所望のフィーチャを生成する。放射のパターニングは、所望のフィーチャ内の基板上のレジスト層のエリアに送られる放射が十分に高い振幅を有するため、当該エリアが露光中にドーズ閾値を上回る放射のドーズを受け取る一方で、基板上の他のエリアが、零または顕著に低い放射振幅を提供することによって、ドーズ閾値を下回る放射ドーズを受け取るように、パターニングデバイス110を制御することによって実行されうる。
【0074】
実際には、所望のフィーチャのエッジでの放射ドーズは、フィーチャ境界の一方側で最大放射振幅を提供し、他方側で最小放射振幅を提供するように設定されていたとしても、与えられた最大ドーズから零ドーズに急激に変化しない。代わりに、回折効果のために、放射ドーズのレベルは、遷移ゾーンに亘って低下しうる。レジストを現像した後に最終的に形成される所望のフィーチャの境界の位置は、受け取られたドーズが放射ドーズ閾値より低下した位置によって決まる。遷移ゾーンに亘る放射ドーズの低下のプロファイル、およびフィーチャ境界の厳密な位置は、フィーチャ境界の上または近くの基板上の点に対して、最大または最小の振幅レベルだけでなく、最大および最小の振幅レベルの間の振幅レベルの放射を提供することによって、より正確に制御されうる。これは、「グレイスケーリング」または「グレイレベリング」と表されうる。
【0075】
グレイスケーリングは、基板に対して提供される放射振幅が二つの値のみ(すなわち、最大値および最小値のみ)に設定されうるリソグラフィシステムより優れたフィーチャ境界の位置の制御を提供できる。一実施形態では、少なくとも三つの異なる放射振幅値(例えば、少なくとも4個の放射振幅値、少なくとも8個の放射振幅値、少なくとも16個の放射振幅値、少なくとも32個の放射振幅値、少なくとも64個の放射振幅値、少なくとも100個の放射振幅値、少なくとも128個の放射振幅値、または少なくとも256個の放射振幅値)が投影されうる。パターニングデバイス自体が放射ソース(例えば、発光ダイオードまたはレーザダイオードのアレイ)である場合、送られている放射の振幅レベルを制御することによって、グレイスケーリングが実行されうる。パターニングデバイスがミラーアレイ140を含む場合、ミラーアレイ140の傾斜角度を制御することによって、グレイスケーリングが実行されうる。また、複数のプログラマブルエレメントおよび/またはミラーアレイをグルーピングし、与えられた時刻にオンまたはオフに切り替えられるグループ内のエレメントおよび/またはミラーアレイの数を制御することによって、グレイスケーリングは実行されうる。
【0076】
一つの例では、パターニングデバイス(一または複数の基板の露光のシーケンスを提供する一または複数のリソグラフィデバイスを備えるもの)が、次のものを含む一連の状態を有しうる:(a)提供される放射が最小、またはその対応するピクセルの振幅分布に対する寄与が零である黒状態;(b)提供される放射が最大の寄与をもたらす最白状態;(c)提供される放射が中間の寄与をもたらす複数の中間状態。複数の状態は、グレイスケールプリンティングを可能にするために選択可能な、黒および白の間の灰状態のシーケンスとしてまとめて記述されうる。
【0077】
図3は、いくつかの実施形態に係る、与えられた重心を有する光を基板に届ける例示的なシーケンスを例示する単純化された図である。基板に対してプリントする時、典型的に、与えられた合計または目標強度の光が特定の点またはスポットに届けられることが要求される。ピクセルグリッドイメージングを実行する時、必要な強度は、例えば、「グレイスケーリング」を参照して前述されたように、ビット単位のスケールでの強度を有する多くのスポットから構築されうる。このように、特定の強度の光を届けることは、「強度ビット」の特定の組合せを必要とする。例えば、「5」の強度(光学システムによって届けることが可能な光強度についてのいくつかのビット単位のスケール上)は、二つの強度「1」ビット(2×2)および一つの強度「1」ビット(1×2)のデリバリを必要とする。これらの光パルスが届けられる態様に応じて、結果としての強度パターンが中央からずれうる。このように中央からずれたスポットは、リソグラフィ製造プロセスにおいて欠陥または他の問題をもたらしうる。パターニングのために利用される強度スケールは、遅れたデリバリにおいて所望の解像度を提供するために必要に応じて変わりうると理解される。例えば、いくつかの実施形態では、強度のシーケンスが、16、32、64、128、256等の異なる強度値を提供するために、4、5、6、7、8等のビット強度分布に従って届けられてもよい。256個の放射振幅値を提供するための8ビット強度パターンは、図2を参照して前述された。
【0078】
図3の頂部は、異なる時刻(プロットの横座標)および基板における僅かに異なる位置に届けられる強度の分布(プロットの縦座標)を示す。分布における異なる時刻/位置は、ここでは「シーケンス」と表される。ここで、シーケンス310は、それぞれが特定のビット強度を有する光デリバリの六つの「インターバル」312を有する一例である。いくつかの実施形態では、必要な総強度を届けながらシステムによってできるだけ対称的に制御される分布が、それにも関わらず、中央からずれて滲んだスポットをもたらしうる非対称性を有する。これは、幾何学的中心314を、結果的としての強度で重み付けされた分布の中心である「重心」316と比較することによって(例えば、各側に三つのインターバルがある図3において)分かる。ここで使用されるように、用語「重心」(または、COG)は、基板に届けられた光の強度の重み付けされた中心を意味するものと理解される。
【0079】
図3の中間部は、シーケンス320の二つの部分の間で光を届けないことが、重心に対して及ぼす影響の一例を示す。この例は、光が基板に届けられないインターバルを含めることが、重心に対して及ぼす影響を例示することが意図されている。示されるように、シーケンス320における四番目および六番目のビットが、実際には基板に届けられない。いくつかの実装では、スイッチングオフビット(すなわち、光を基板に届けないもの)が、強度を変調するために利用されうる。しかし、これは、COGにおける寄生的なシフトをもたらしうる。特定のインターバル中に光を基板に届けることを避けるために、いくつかの実施形態では、基板の代わりにダンプに対してビームを向ける異なる位置に、DMDの特定のミラーがトグルされてもよい。他の実装では、例えば、レーザがゲートオフされてもよいし、ビームデリバリを遮るために異なる光学素子が操作されてもよい。示されるように、シーケンスにおける特定のインターバルの非デリバリは、幾何学的重心314により近いが低減された強度での、結果としてのスポットのシフトされた重心326をもたらしうる。
【0080】
図3の底部は、シーケンス330がシーケンス320と同じ強度を対称的なパターンにおいて届ける交互のソリューションを例示する。ここで、対称性のために、幾何学的中心334および重心336は、同じ面にある。但し、この例では、対称的なパターンを生成することが、シーケンス310における6個の代わりに13個のインターバルを必要とし、約2のファクタ(所要の強度を届けるための二倍の時間のために)でスループットを実質的に低減する。
【0081】
図4Aは、いくつかの実施形態に係る、ミラー位置に対する次のパターンの影響を例示する単純化された図である。基板においてプリントされるパターンは、しばしばナノメートルのスケールでの精度を要求するため、光のデリバリに対する非常に小さい影響であっても、許容不能な偏差をもたらしうる。多くの実施形態では、光パターンを基板に対して提供する時、それを通って基板がスキャンされるにつれて格納および実行される必要がある、非常に多くのDMDの構成があってもよい。特定の実施形態では、シーケンス(例えば、シーケンスにおける次のビットを含む)を物理メモリに格納するために利用される電荷が、DMDにおけるミラーの角度における偏差をもたらすように、物理メモリ(例えば、CMOSメモリ回路)がDMDの近くに配置されうる。例えば、特定の実施形態では、物理メモリが、DMDから1mm以内(例えば、10マイクロメートル)に配置されうる。このように、本開示によって解決される一つの技術的な課題は、後の構成を格納するために使用される電荷が、現在の構成のデリバリに影響を及ぼすほど十分近くにある可能性があるということである。これは、ここでは「次のパターンの影響」(NPE)と表される。
【0082】
図4Aの単純化された例に例示されるように、物理メモリ410は、DMDのミラーのための現在の構成422を第1場所420に格納できる。先に説明されたように、現在の構成は、与えられた時点におけるDMDのミラーの位置(オン/オフ)でもよい。基板がDMDに対してスキャンされるにつれて、光の総(目標)強度が、DMDの多くの構成を介して基板に届けられる。第1場所420における現在の構成422の電荷分布は、正(+)および負(-)で示されている。
【0083】
DMDの単一のミラー412の例が図4Aに示されている。ミラー412は、光を基板に届けるための目標位置424を有するように設定されうる。しかし、物理メモリ410における次の場所430が、ミラーの方向(意図される角度440によって表される)に影響を及ぼす次の電荷分布432を有する次のパターンを含みうる。いくつかの実施形態では、開示されるシステムが、光の強度のシーケンスを基板に届けるためのデジタルミラーデバイスにおける与えられた方向を有するように、ミラーを駆動するように構成される制御システムを含みうる。DMDのミラーの方向は、光を基板に届ける位置および光を基板に届けない位置の間でミラー角度を切り替えるために、特定の静電位を提供する制御システムによって実現されうる。MEMSに基づく光スイッチは、DMDと共に使用されてもよい一例である。このように、ミラー角度に対する非常に僅かな変化が、次の電荷分布432からの電場と静電的に配置されるミラーの相互作用によってもたらされうる。これは、目標位置424から新たな(不正確な)位置434への、ミラー位置の変化によって示されている(例示目的のために誇張されている)。ここで更に記述されるように、この次のパターンの影響は、届けられるべき光の強度のシーケンスに対する、物理メモリに格納されているパターンによる変更を利用して緩和されうる。
【0084】
図4Bおよび4Cは、次のパターンの影響の更なる例示を示す。図4Bは、DMDに対して実質的に影響がないように、例えば、次の場所430にパターンが格納されていない場合、電荷が格納されていない場合、第1場所420から離れている場合、自己キャンセリングする電荷分布の場合、目標位置424におけるDMDおよび/または意図された角度440を有するDMDを例示する。図4Cは、異なる次のパターンの影響による、不正確な位置におけるミラーの二つの例を例示する。図4Cの頂部は、多くのまたは優勢な正の電荷を有する例示的な次の電荷分布432による、次のパターンの影響の誇張されたバージョンを例示する。この影響例は、矢印および不正確な位置434によって示されるように、ミラーの角度を低減する。図4Cの底部は、次の電荷分布における電荷が負で優勢な逆の例を例示する。ここで、ミラーは逆方向に偏向され、意図された角度440より角度を大きくする。
【0085】
いくつかの実施形態では、「次の」パターン以外の他のパターンが、ミラーアライメントに対して同様の影響を及ぼしうる。例えば、ミラーに十分に近い「前の」パターンのストレージも、このような影響をもたらしうる。前のパターンは、記録目的または後のシーケンスにおける効率的な再利用のためのメモリバッファに格納されてもよい。このように、本開示は、電子的な命令を物理メモリに格納する影響が、ミラーを所望の方向から乖離させる静電気的な影響をもたらしうることを考慮する。このように、ここで記述される方法は、パターンストレージ一般の影響を緩和するために利用されうる。ここで、パターンは、それを格納することがDMDに影響を及ぼすような、シーケンスにおける「次の」「前の」または任意の他のパターンでもよい。
【0086】
図5Aは、いくつかの実施形態に係る、次のパターンの影響を緩和するための方法を例示する単純化された図である。次のパターンの影響は、図3を参照して先に議論されたものと同様の戦略によって緩和されうる。前述のように、次のパターンの影響は、光が届けられる場所を僅かに変えうる。この結果は、特定の強度のシーケンスに基づく光の重心における変化の図3の例と同様である。対応するビットが依然として物理メモリに格納されていたとしても、光が基板に届けられないインターバルを、計画されたシーケンスに導入することによって、次のパターンの影響は同様に緩和されうる。NPEが決定論的であるため、与えられるシーケンスに対して、重心に対する影響が予め正確に決定されうる。
【0087】
図5Aの頂部は、11個のインターバルにおいて届けられる光の例示的なシーケンス510を示す。シーケンスは対称であり、重心がシーケンスの幾何学的中心516と同じであると期待される。しかし、次のパターンの影響のために、実際の重心514は多少シフトされる(例示目的のために誇張されて示されている)。
【0088】
図5Aの中間部は、基板に届けられない特定のインターバル528を有するシーケンス520を選択することによって、NPEが緩和されうることを例示する。この例では、五つのこのようなインターバル528(中心インターバルおよび各側に二つ)がある。これは、NPEによる重心524および幾何学的中心516(シーケンス510についてと同じ)の間の差を低減する効果を有する。但し、シーケンスにおける光の全ては届けないことによって、これは届けられる光の総強度を所望または目標強度と異なるものに変える。
【0089】
図5Aの底部は、次のパターンの影響を緩和するための他の方法を例示する一例を示す。示されるシーケンス530は、図5Aの中間部に示される例と同様に、届けられるインターバルのそれぞれの間のインターバルがスキップされながら、所望の強度(例えば、シーケンス510と同じ強度)を届けることができる。この方法は、全てのビットの「次のパターン」が「0」であり、各ミラーについてのCOGシフトおよび各電位和強度が同じになるため、幾何学的中心534および重心536の間の小さい差から明らかなように、NPEを大幅に低減する。但し、これは略二倍のインターバルを必要とするというコストを伴う。このように、この方法は、ほとんど「2」のファクタで光を届けるために、製造スループットを低下させるというコストを伴う。
【0090】
シーケンス530に示されるようにフレームをスキップすることは、実質的に光が基板に届けられないインターバル528を有することとは異なる。例えば、シーケンス520では、(次の)インターバル528が、物理メモリに格納されている対応するビットを依然として有し、ミラーの現在の位置に影響を及ぼす。但し、このインターバルにおける光は基板に届けられないため、結果としてプリントされるスポットの重心が、幾何学的(または、意図された)重心に効果的に近くなるという効果が得られる。対照的に、インターバルを完全にスキップすることは、物理メモリにビットが格納されないことを意味する。ここで、メモリに格納されるビットは、ミラー位置をトグルするために固定されたビット(例えば、「1」または「0」)である。このように、強度に依存しないビットのストレージは、次のパターンの影響を緩和する。これは、「次の」ビット/インターバル(強度に依存する)が、物理メモリにおいて現在の命令パターンから遠くに離れているため、次のパターンの影響を顕著に低減する。換言すれば、これらの遠くに格納された命令からの電場が、この増加した距離によってミラー場所において実質的に低減され、次のパターンの影響が大幅に少なくなる。
【0091】
図5Bは、次のパターンの影響の緩和を例示する他の例示的な実施形態である。シーケンス540は、COG544がシーケンスの幾何学的中心546とほとんどアラインされている対称的なパターンである。図5Bの中間部における変更されたシーケンス550は、基板に届けられない一つのインターバルを含むために、COG544と異なるCOG554を有する。これは、シーケンスによって届けられる総強度を低下させる影響も有する。図5Bの底部におけるシーケンス560は、ほとんど正確なCOG564を有する。シーケンス530と同様に、各サイクルは、光が基板に届けられない「次の」インターバルも含む。COG564は幾何学的中心546に顕著に近いが、これも必要なサイクルの数を増加させる。
【0092】
図6は、いくつかの実施形態に係る、次のパターンの影響を緩和するための方法を例示する単純化された図である。本開示は、リソグラフィプロセスにおける光デリバリの改良されたシーケンシングのための方法を含む。図6に示されるように、これは、実質的に光が基板に届けられない強度のシーケンス内のインターバル(ここでは「届けられないインターバル」とも表される)を含む、届けられるべき光の強度のシーケンスを決定することを含みうる。シーケンスが決定された後、方法は、デジタルミラーデバイス(DMD)を利用する光源によって、強度のシーケンスに従って光を基板に届けることを含みうる。いくつかの実装では、インターバルの存在が、DMDの構成のために物理メモリに格納されている、来るべき強度のシーケンスにおける命令のセットの影響を低減できる。
【0093】
いくつかの実施形態は、例えば、フォトレジストを処理するために必要とされてもよい、基板におけるスポットに届ける光の目標強度を決定することも含みうる。このように、インターバル中に実質的に光が基板に届けられない様々な実施形態では、決定された強度のシーケンスが、目標強度に達するように、デジタルミラーデバイス(DMD)によって基板に届けられうる。いくつかの実施形態では、これが、DMDにおけるミラーの一または複数(または、それぞれ)について、強度のシーケンスを個別に決定することを含みうる。
【0094】
図6の頂部に示されるシーケンスの例は、前述されたものと同様であるが、NPE緩和を容易にして低減された数のインターバルで所要の強度を届けるいくつかの追加的な詳細を有する。インターバル自体の分布は、対称的である必要はなく、低減された(または、他の実施形態では最小の)数のインターバルで所要の強度を届ける、いくつかの分布に決定されてもよい。このような実施形態は、基板におけるスポットに届ける光の目標強度を決定することを含みうる。ここで開示される様々な技術を使用することによって、いくつかの方法は、スポットの届けられる重心およびスポットの目標重心の間の差を低減する強度のシーケンスの非対称分布を決定することを更に含みうる。最適化されたシーケンスにおける非対称性は、所望の総パワー(例えば、強度ビットの和によって表される)を保ちながら、実質的に光が基板に届けられない一または複数のインターバルを有する最適化プロセスによってもたらされうる。
【0095】
図6の例(頂部)は、必要なインターバルの総数を低減する非対称分布を有するシーケンス610を有する。重心616は、インターバル「6」に示されている。また、シーケンス610の例は、実質的に光が基板に届けられない三つのインターバル618を含む。いくつかの実施形態では、強度のシーケンスが、物理メモリに格納されているビットによって表されうるため、NPEを緩和する効果は、届けられないインターバルが、大きい強度またはビット値を有する届けられるインターバルに続く時に最大になる。このように、インターバルは、概して最大ビットの後になるように決定されうる。このように、いくつかの実施形態では、少なくとも一つのインターバルが、最上位ビット後のシーケンスにおいて特定されうる。これは、図6において、位置「5」にある最上位ビット(MSB)612および位置「6」にある届けられないインターバル618によって示される。他の届けられないインターバルを、シーケンスにおける選択場所に含めることによって、更なる便益が実現されうる。例えば、図6では、次の二つの最上位ビット(位置「3」および「7」)の後に、同様の届けられないインターバルが位置「4」および「8」にある。但し、いくつかの実装では、概してより大きい強度ビットのみが次のパターンの影響に最も寄与するため、全てのインターバルが、対応する届けられないインターバルを有する必要はない。前述のように、全ての届けられるインターバルの間に届けられないインターバルを含む図3の例では、スループットが顕著に低下した。このように、届けられないインターバルを更に含めることによる、次のパターンの影響を緩和する効果(リターン)は逓減する。そこで、いくつかの実施形態では、強度のシーケンスおよび任意の届けられないインターバルの決定が、正確な重心を有することと、そのためのインターバルの数の増加の間のバランスを反映したコスト関数の利用を更に含みうる。このようなコスト関数は、ここで記述されるように製造プロセスを最適化する際に非常に有益である。但し、インターバルの数を増やすことはスループットを下げるが、特定の実施形態は、精度を向上させるためにスループットを犠牲にしてもよい。そこで、いくつかの実施形態は、最上位ビットに対応する1-5個の追加的なサイクルを有する6、7、または8ビットのシーケンスを利用してもよい。
【0096】
図6の底部は、いくつかの実施形態で使用されてもよい交互のソリューションの一例を例示する。ここで、決定は、対称な強度のシーケンス620をもたらしうる。これは、スポットの届けられる重心およびスポットの目標重心の間の差を低減(または、除去)できる。このソリューションは、ここで開示されるいくつかの他の実施形態と比べて、技術的に単純化された実装を提供できる利点も有する。シーケンス620は、いくつかの実施形態では、強度のシーケンスが、二つの光の届けられるインターバルの間で、光のデリバリをスキップすることを含みうることも例示する。但し、インターバルの余分な総数のために、これは、ここでの他の例において先に説明されたように、スループットが低減されてもよいことを要求しうる。
【0097】
図7Aは、いくつかの実施形態に係る、光強度のシーケンスの重心の例示的な調整を例示する単純化された図である。光の強度のシーケンスおよび任意の届けられないインターバル718を決定することは、いくつかの場合、重心を最適化するために、シーケンスにおける異なる場所に、届けられないインターバルを配置することを含みうる。例えば、図7の頂部は、届けられるインターバル712が位置「5」にあり、届けられないインターバル714が位置「6」にある、シーケンス710の一例である。全体的なシーケンスは、特定の重心716を有する。いくつかの実施形態では、開示される方法が、強度のシーケンスまたは(届けられない)インターバルの場所を変えることによって、届けられる重心を調整することを含みうる。強度のシーケンスを変えることは、シーケンスをより対称的にすること、より非対称的にすること、または強度ビットを一の位置から他の位置にシフトさせた結果としての任意の他の変化をもたらすことを含みうる。いくつかの実施形態では、届けられないインターバルについて同様の操作が実行されうる。例えば、変更されたシーケンス720について図7Aの底部に示されるように、インターバル712および714がシーケンス710から入れ替えられている。示されるように、これは重心726を僅かに変える。このように、システムおよび関連するアルゴリズムは、アプリケーションにとって必要とされるように、重心を決定および微調整できる。
【0098】
図7Bは、光が届けられないインターバルについての交互の場所の演算を例示する。強度パターン(代替的なビット位置を含む)、書き込まれた強度、およびNPE値(例えば、nmにおける)が与えられて、COGは演算されうる。図7Bでは、-66[nm]の与えられたNPEについて、COG演算例が実行された。全ての強度パターンについて、代替的なビット位置および対応するCOGが演算されうる。この例では、3個の代替的な場所(8、16および32)からの八つの可能性が、演算のために実際に使用されたが、例示目的のために二つの可能性740、750のみが示されている。使用される代替的なビット位置は、強度のシーケンスのCOGが強度パターンの中央(太線760によって示されている)から最小の偏差を有するように、各個別の強度について個別に選ばれうる。
【0099】
いくつかの実装では、最も良く適した強度パターンを見つけるために、ブルートフォースアプローチが使用されうる。最良の強度パターンを決定するために、どの強度パターンが最良の結果を与えるかを判定するコスト関数(CF)を定義できる。コストの一つの例は、強度自体で重み付けされた後のプロファイルの各強度について演算されたCOG値に亘るRMS値でもよい。これは、図7Bにおけるカーブ760のRMS値である。より低いコストを有するように演算される強度パターンは、より高いコストを有するものより小さいCOGシフトを有し、改良されたパターニングをもたらす。
【0100】
ブルートフォースアプローチの一つの例として、テストすべきシーケンスにおけるフレームの各数においてテストすべき全ての数のビットについて、全ての可能な強度パターンを決定することによって、全ての可能な強度パターンのコストが決定されうる。そして、各強度パターンにおいて可能な零フレーム/バランシングビット位置を決定する。いくつかの実装では、最終結果に大きな影響を及ぼすことなくパラメータ空間を低減するために、いくつかの低強度ビットが固定されうる(すなわち、最適化の一部として場所が変わらない)。例えば、可能性を低減するために、低い方から二つの強度が、最も外側の場所に固定されうる。そして、可能な強度パターンおよび可能な代替的なビット位置のそれぞれについて、コストを演算する。これは、極めて多くの構成をもたらしうる。最低のコストを与える強度パターンおよび代替的なビット位置が、選択されうる。
【0101】
他の実装では、決定されるシーケンスが最初は対称的であるが、強度のシーケンス内に非対称性を含めることによって、対称分布を非対称分布に変更することを更に含む方法(シーケンス610と同様)のために、非対称性が届けられる重心および目標重心の間の差を更に低減する。異なる強度寄与を有するが同じ総強度を有する他の組合せの代わりに、ビットの一つの組合せを使用することによって、このような非対称性は生成されうる。
【0102】
図8は、一実施形態に係るコンピュータシステム例CSのブロック図である。
【0103】
コンピュータシステムCSは、バスBSまたは情報を通信するための他の通信メカニズム、およびバスBSと結合された情報を処理するためのプロセッサPRO(または複数のプロセッサ)を含む。コンピュータシステムCSは、バスBSに結合され、情報およびプロセッサPROによって実行される命令を格納するための、ランダムアクセスメモリ(RAM)または他の動的記憶デバイス等の主メモリMMも含む。主メモリMMは、プロセッサPROによって実行される命令の実行中の一時的な変数または他の中間情報を格納するために使用されてもよい。コンピュータシステムCSは、バスBSに結合され、プロセッサPROのための静的な情報および命令を格納するための、リードオンリーメモリ(ROM)ROMまたは他の静的記憶デバイスを更に含む。磁気ディスクまたは光学ディスク等のストレージデバイスSDが提供され、情報および命令を格納するためにバスBSに結合される。
【0104】
コンピュータシステムCSは、コンピュータのユーザに対して情報を表示するためのブラウン管(CRT)またはフラットパネルまたはタッチパネルディスプレイ等のディスプレイDSに、バスBSを介して結合されてもよい。アルファベットと数字の組合せおよび他のキーを含む入力デバイスIDは、情報およびコマンド選択をプロセッサPROに通信するためにバスBSに結合される。他のタイプのユーザ入力デバイスは、方向情報およびコマンド選択をプロセッサPROに通信し、ディスプレイDS上のカーソルの動きを制御するための、マウス、トラックボール、またはカーソル方向キー等のカーソルコントロールCCである。この入力デバイスは、典型的に二つの軸(第1軸(例えば、x)および第2軸(例えば、y))における二つの自由度を有し、デバイスが面内の位置を指定することを可能にする。タッチパネル(スクリーン)ディスプレイが、入力デバイスとして使用されてもよい。
【0105】
一実施形態によれば、ここで記述される一または複数の方法の一部が、主メモリMMに格納されている一または複数の命令の一または複数のシーケンスを実行するプロセッサPROに応じて、コンピュータシステムCSによって実行されてもよい。このような命令は、ストレージデバイスSD等の他のコンピュータ読取可能媒体から主メモリMMに読み出されてもよい。主メモリMMに格納されている命令のシーケンスの実行は、ここで記述される処理ステップをプロセッサPROに実行させる。マルチプロセッサ配置における一または複数のプロセッサが、主メモリMMに格納されている命令のシーケンスを実行するために利用されてもよい。代替的な実施形態では、ハードウェア実装される回路が、ソフトウェア命令の代わりにまたはソフトウェア命令との組合せで使用されてもよい。このように、ここでの記述は、ハードウェア回路およびソフトウェアの特定の組合せに限定されない。
【0106】
ここで使用される用語「コンピュータ読取可能媒体」は、プロセッサPROに対して実行のために命令を提供することに関与する任意の媒体を表す。このような媒体は、不揮発性媒体、揮発性媒体、および伝送媒体を含むが、これらに限定されない多くの形態を取ってもよい。不揮発性媒体は、例えば、ストレージデバイスSD等の光学または磁気ディスクを含む。揮発性媒体は、主メモリMM等の動的メモリを含む。伝送媒体は、バスBSを構成する線を含む同軸ケーブル、銅線および光ファイバを含む。伝送媒体は、高周波(RF)および赤外線(IR)データ通信中に生成されるもの等の音響または光の波の形態も取りうる。コンピュータ読取可能媒体は、非一時的な、例えば、フロッピーディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、磁気テープ、任意の他の磁気媒体、CD-ROM、DVD、任意の他の光学媒体、パンチカード、紙テープ、穴のパターンを有する任意の他の物理媒体、RAM、PROM、およびEPROM、FLASH-EPROM、任意の他のメモリチップまたはカートリッジでもよい。非一時的コンピュータ読取可能媒体は、命令が記録されうる。命令は、コンピュータによって実行された時に、ここで記述される任意の特徴を実施できる。一時的コンピュータ読取可能媒体は、搬送波または他の伝播する電磁気信号を含みうる。
【0107】
各種の形態のコンピュータ読取可能媒体が、一または複数の命令の一または複数のシーケンスの、実行のためのプロセッサPROへの搬送に関与してもよい。例えば、命令は、最初、遠隔のコンピュータの磁気ディスク上に保持されていてもよい。遠隔のコンピュータは、その動的メモリに命令をロードし、モデムを使用する電話線上で命令を送信できる。コンピュータシステムCSに設けられるモデムは、電話線上でデータを受け取り、赤外線送信機を使用してデータを赤外線信号に変換できる。バスBSに結合された赤外線検出器は、赤外線信号で搬送されるデータを受け取り、データをバスBS上に置ける。バスBSはデータを主メモリMMに伝送し、そこからプロセッサPROが命令を取得および実行する。主メモリMMによって受け取られた命令は、オプションで、プロセッサPROによる実行前または実行後にストレージデバイスSD上に格納されてもよい。
【0108】
コンピュータシステムCSは、バスBSに結合された通信インターフェースCIを含んでもよい。通信インターフェースCIは、ローカルネットワークLANに接続されるネットワークリンクNDLに対する双方向データ通信結合を提供する。例えば、通信インターフェースCIは、対応するタイプの電話線に対するデータ通信接続を提供するISDN(Integrated Services Digital Network)カードまたはモデムでもよい。他の例として、通信インターフェースCIは、互換性のあるLANに対するデータ通信接続を提供するローカルエリアネットワーク(LAN)カードでもよい。無線リンクが実装されてもよい。任意のこのような実装では、通信インターフェースCIが、各種のタイプの情報を表すデジタルデータストリームを搬送する電気、電磁気または光信号を送受信する。
【0109】
ネットワークリンクNDLは、典型的に、一または複数のネットワークを通じた、他のデータデバイスへのデータ通信を提供する。例えば、ネットワークリンクNDLは、ローカルネットワークLANを通じたホストコンピュータHCに対する接続を提供してもよい。これは、一般的に「インターネット」INTと表される全世界パケットデータ通信ネットワークを通じて提供されるデータ通信サービスを含みうる。ローカルネットワークLAN(インターネット)は、デジタルデータストリームを搬送する電気、電磁気または光信号を使用する。コンピュータシステムCSとの間のデジタルデータを搬送する、各種のネットワークを通じた信号およびネットワークデータリンクNDL上のおよび通信インターフェースCIを通じた信号は、搬送波が搬送する情報の例示的な形態である。
【0110】
コンピュータシステムCSは、ネットワーク、ネットワークデータリンクNDL、および通信インターフェースCIを通じて、メッセージを送信でき、プログラムコードを含むデータを受信できる。インターネットの例では、ホストコンピュータHCが、インターネットINT、ネットワークデータリンクNDL、ローカルネットワークLANおよび通信インターフェースCIを通じて、アプリケーションプログラムのための要求されたコードを送信してもよい。一つのこのようにダウンロードされたアプリケーションは、例えば、ここで記述される方法の全部または一部を提供してもよい。受け取られたコードは、そのままプロセッサPROによって実行されてもよい、および/または、後の実行のためにストレージデバイスSD、または他の不揮発性ストレージに格納されてもよい。このように、コンピュータシステムCSは、搬送波の形でアプリケーションコードを取得できる。
【0111】
図9は、一実施形態に係る、リソグラフィ投影装置の模式図である。
【0112】
リソグラフィ投影装置は、照明システムIL、第1オブジェクトテーブルMT、第2オブジェクトテーブルWT、および投影システムPSを含みうる。
【0113】
照明システムILは、放射のビームBを調整できる。この特定の場合、照明システムは、放射ソースSOも備える。
【0114】
第1オブジェクトテーブル(例えば、パターニングデバイステーブル)MTには、パターニングデバイスMA(例えば、レチクル)を保持するためのパターニングデバイスホルダが提供され、パターニングデバイスをアイテムPSに対して正確に配置するための第1ポジショナに接続されうる。第2オブジェクトテーブル(基板テーブル)WTには、基板W(例えば、レジストがコーティングされたシリコンウェーハ)を保持するための基板ホルダが提供され、アイテムPSに対して基板を正確に配置するための第2ポジショナに接続されうる。
【0115】
投影システム(「レンズ」)PS(例えば、屈折型、反射型または反射屈折型の光学システム)は、基板Wのターゲット部分C(例えば、一または複数のダイを含む)上に、パターニングデバイスMAの照明された部分をイメージングできる。
【0116】
ここで示されるように、装置は、透過タイプ(すなわち、透過型パターニングデバイスを有する)でもよい。但し、一般的に、それは例えば反射タイプ(反射型パターニングデバイスを有する)でもよい。装置は、従来のマスクと異なる種類のパターニングデバイスを利用してもよい。例えば、プログラマブルミラーアレイまたはLCDマトリックスが含まれる。
【0117】
ソースSO(例えば、水銀ランプまたはエキシマレーザ、LPP(レーザ生成プラズマ)EUVソース)は、放射のビームを生成する。このビームは、直接的に、または、ビームエキスパンダEx等の調整装置を経た後に、照明システム(イルミネータ)IL内に供給される。イルミネータILは、ビームにおける振幅分布の外側および/または内側半径範囲(一般的に、それぞれ「σ-outer」および「σ-inner」と表される)を設定するための調整デバイスADを備えてもよい。加えて、それは、インテグレータINおよびコンデンサCO等の様々な他のコンポーネントを一般的に備える。このように、パターニングデバイスMAに当たるビームBは、その断面において所望の一様性および振幅分布を有する。
【0118】
いくつかの実施形態では、ソースSOが、リソグラフィ投影装置のハウジング内にあってもよいが(ソースSOが水銀ランプ等である場合によく見られる)、リソグラフィ投影装置から離れていてもよく、それが生成する放射ビームが装置内に導かれてもよい(例えば、適切な方向付けミラーによって)。この後者のシナリオは、ソースSOがエキシマレーザ(例えば、KrF、ArFまたはF2レージングに基づくもの)である場合によく見られる。
【0119】
続いて、ビームPBは、パターニングデバイステーブルMT上に保持されているパターニングデバイスMAによって捕らえられうる。パターニングデバイスMAを経たビームBは、基板Wのターゲット部分C上にビームBを集めるレンズPLを通過できる。第2ポジショニング装置(および、干渉測定装置IF)によって、例えば、異なるターゲット部分CをビームPBの経路上に配置するために、基板テーブルWTが正確に駆動されうる。同様に、第1ポジショニング装置が、例えば、パターニングデバイスライブラリからのパターニングデバイスMAの機械的な取り出し後、またはスキャン中に、パターニングデバイスMAをビームBの経路に対して正確に配置するために使用されうる。一般的に、オブジェクトテーブルMT、WTの移動は、長ストロークモジュール(粗動位置決め)および短ストロークモジュール(微動位置決め)によって実現されうる。但し、(ステップおよびスキャンツールではない)ステッパの場合、パターニングデバイステーブルMTは、短ストロークアクチュエータのみに接続されてもよいし、固定されてもよい。
【0120】
示されるツールは、二つの異なるモード(ステップモードおよびスキャンモード)において使用されうる。ステップモードでは、パターニングデバイステーブルMTが実質的に静止状態に保たれ、パターニングデバイスイメージ全体がターゲット部分C上に一度に投影される(すなわち、単一の「フラッシュ」)。異なるターゲット部分CがビームPBによって照明されうるように、基板テーブルWTがxおよび/またはy方向にシフトされうる。
【0121】
スキャンモードでは、与えられたターゲット部分Cが単一の「フラッシュ」で露光されないことを除いて、実質的に同じシナリオが当てはまる。代わりに、パターニングデバイステーブルMTは、投影ビームBがパターニングデバイスイメージに亘ってスキャンされるように、与えられた方向(いわゆる「スキャン方向」(例えば、y方向))にスピードvで移動可能である。この時、基板テーブルWTは、同じまたは反対の方向にスピードV=Mvで同時に駆動される。ここで、MはレンズPLの倍率である(典型的に、M=1/4または1/5)。このように、解像度を犠牲にすることなく、比較的大きいターゲット部分Cが露光されうる。
【0122】
図10は、一実施形態に係る、他のリソグラフィ投影装置(LPA)の模式図である。
【0123】
LPAは、ソースコレクタモジュールSO、放射ビームB(例えば、EUV放射)を調整するように構成される照明システム(イルミネータ)IL、支持構造MT、基板テーブルWT、および投影システムPSを含みうる。
【0124】
支持構造(例えば、パターニングデバイステーブル)MTは、パターニングデバイス(例えば、マスクまたはレチクル)MAを支持するように構成され、パターニングデバイスを正確に配置するように構成される第1ポジショナPMに接続されうる。
【0125】
基板テーブル(例えば、ウェーハテーブル)WTは、基板(例えば、レジストでコーティングされたウェーハ)Wを保持するように構成され、基板を正確に配置するように構成される第2ポジショナPWに接続されうる。
【0126】
投影システム(例えば、反射型投影システム)PSは、基板Wのターゲット部分C(例えば、一または複数のダイを含む)上に、パターニングデバイスMAによって放射ビームBに形成されたパターンを投影するように構成されうる。
【0127】
ここで示されるように、LPAは、反射タイプ(例えば、employing 反射型パターニングデバイスを利用するもの)でもよい。なお、ほとんどの材料がEUV波長範囲内では吸収性であるため、パターニングデバイスは、例えば、モリブデンおよびシリコンのマルチスタックを備える多層リフレクタを有してもよい。一つの例では、マルチスタックリフレクタが、各層の厚さが1/4波長である、40層のモリブデンおよびシリコンのペアを有する。更に短い波長がX線リソグラフィで生成されてもよい。ほとんどの材料がEUVおよびX線波長で吸収性であるため、パターニングデバイストポグラフィ上のパターン形成された吸収性材料の薄片(例えば、多層リフレクタ表面上のTaN吸収体)が、どこでフィーチャがプリントされるか(正のレジスト)、プリントされないか(負のレジスト)を定める。
【0128】
イルミネータILは、ソースコレクタモジュールSOから極端紫外放射ビームを受け取ることができる。EUV放射を生成する方法は、キセノン、リチウムまたはスズ等のEUV範囲における一または複数の輝線を有する少なくとも一つの元素を有する材料をプラズマ状態に変えることを含むが、必ずしもそれに限定されない。一つのこのような方法では、しばしばレーザ生成プラズマ(LPP)ソースと表されるプラズマが、線放出エレメントを有する材料のドロップレット、ストリームまたはクラスタ等の燃料を、レーザビームで照明することによって生成されうる。ソースコレクタモジュールSOは、燃料を励起するレーザビームを提供するためのレーザを含むEUV放射システムの一部でもよい。結果としてのプラズマは、ソースコレクタモジュール内に配置される放射コレクタを使用して収集されるEUV放射等の出力放射を放出する。例えば、燃料励起のためのレーザビームを提供するためにCO2レーザが使用される場合、レーザおよびソースコレクタモジュールは別の物体でもよい。
【0129】
このような場合、レーザは、リソグラフィ装置の一部を構成するものと解釈されなくてもよく、放射ビームは、例えば、適切な方向付けミラーおよび/またはビームエキスパンダを備えるビームデリバリシステムによって、レーザからソースコレクタモジュールへ渡されうる。例えば、ソースが、しばしばDPPソースと表される放電生成プラズマEUVジェネレータである他の場合には、ソースは、ソースコレクタモジュールの一部でもよい。
【0130】
イルミネータILは、放射ビームの角度振幅分布を調整するためのアジャスタを備えてもよい。一般的に、イルミネータの瞳面における振幅分布の少なくとも外側および/または内側半径範囲(一般的に、それぞれ「σ-outer」および「σ-inner」と表される)が調整されうる。加えて、イルミネータILは、ファセットフィールドおよび瞳ミラーデバイス等の様々な他のコンポーネントを備えてもよい。イルミネータは、放射ビームが断面における所望の一様性および振幅分布を有するように調整するために使用されてもよい。
【0131】
放射ビームBは、支持構造(例えば、パターニングデバイステーブル)MT上に保持されているパターニングデバイス(例えば、マスク)MA上に入射し、パターニングデバイスによってパターン形成されうる。パターニングデバイス(例えば、マスク)MAから反射された後、基板Wのターゲット部分C上にビームを集める投影システムPSを通過する。第2ポジショナPWおよび位置センサPS2(例えば、干渉デバイス、リニアエンコーダまたは容量センサ)によって、基板テーブルWTが正確に駆動されうる(例えば、放射ビームBの経路上に、異なるターゲット部分Cを配置するように)。同様に、第1ポジショナPMおよび他の位置センサPS1が、パターニングデバイス(例えば、マスク)MAを、放射ビームBの経路に対して正確に配置するために使用されうる。パターニングデバイス(例えば、マスク)MAおよび基板Wは、パターニングデバイスアライメントマークM1、M2および基板アライメントマークP1、P2を使用してアラインされてもよい。
【0132】
示される装置LPAは、次のモード(ステップモード、スキャンモード、および静止モード)の少なくとも一つにおいて使用されうる。
【0133】
ステップモードでは、支持構造(例えば、パターニングデバイステーブル)MTおよび基板テーブルWTが、放射ビームに形成された全体パターンがターゲット部分C上に一度に投影される(例えば、単一静的露光)間、実質的に静止状態に保たれる。そして、異なるターゲット部分Cが露光されうるように、基板テーブルWTがXおよび/またはY方向にシフトされる。
【0134】
スキャンモードでは、支持構造(例えば、パターニングデバイステーブル)MTおよび基板テーブルWTが、放射ビームに形成されたパターンがターゲット部分C上に投影される(すなわち、単一動的露光)間、同時にスキャンされる。支持構造(例えば、パターニングデバイステーブル)MTに対する基板テーブルWTの速度および方向は、投影システムPSの倍率および像反転特性によって決定されてもよい。
【0135】
静止モードでは、支持構造(例えば、パターニングデバイステーブル)MTが、プログラマブルパターニングデバイスを保持しながら実質的に静止状態に保たれ、放射ビームに形成されたパターンがターゲット部分C上に投影される間に、基板テーブルWTが駆動またはスキャンされる。このモードでは、一般的にパルス放射ソースが利用されてもよく、プログラマブルパターニングデバイスが、必要に応じて、基板テーブルWTの各移動後またはスキャン中の連続する放射パルスの間に更新される。この動作モードは、前述されたようなタイプのプログラマブルミラーアレイ等のプログラマブルパターニングデバイスを利用するマスクレスリソグラフィに容易に適用されうる。
【0136】
図11は、一実施形態に係る、リソグラフィ投影装置の詳細図である。
【0137】
示されるように、LPAは、ソースコレクタモジュールSO、照明システムIL、および投影システムPSを含みうる。ソースコレクタモジュールSOは、真空環境がソースコレクタモジュールSOの包囲構造ES内で維持されうるように構成されるおよび設けられる。EUV放射放出高温プラズマHPは、放電生成プラズマソースによって生成されてもよい。EUV放射は、電磁スペクトルのEUV範囲における放射を放出するための高温プラズマHPが生成される、キセノンガス、リチウム蒸気またはスズ蒸気等のガスまたは蒸気によって生成されてもよい。高温プラズマHPは、例えば、少なくとも部分的にイオン化されたプラズマをもたらす電気的な放電によって生成される。Xe、Li、Sn蒸気または任意の他の適切なガスまたは蒸気の例えば10Paの分圧が、放射の効率的な生成のために要求されてもよい。一実施形態では、EUV放射を生成するためにスズ(Sn)励起プラズマが提供される。
【0138】
高温プラズマHPによって放出された放射は、ソースチャンバSCにおける開口の内部または後方に配置されるオプションのガスバリアまたは汚染物質トラップCT(いくつかの場合では、汚染物質バリアまたはフォイルトラップとも表される)を介して、ソースチャンバSCからコレクタチャンバCC内に渡される。汚染物質トラップCTは、チャネル構造を含んでもよい。また、汚染物質トラップCTは、ガスバリアまたはガスバリアおよびチャネル構造の組合せを含んでもよい。ここで更に示される汚染トラップ230(または、汚染バリア)は、少なくともチャネル構造を含む。ここで更に示される汚染物質トラップまたは汚染物質バリアCTは、当技術分野で知られているように、少なくともチャネル構造を含む。
【0139】
コレクタチャンバCCは、いわゆる斜入射型コレクタでもよい放射コレクタCOを含んでもよい。放射コレクタCOは、上流放射コレクタ側USおよび下流放射コレクタ側DSを有する。放射コレクタCOを通過した放射は、格子スペクトルフィルタSFによって反射され、一点鎖線「O」によって示される光軸に沿って、仮想ソース点IFに集められうる。仮想ソース点IFは中間焦点と表され、包囲構造ESにおける開口OP上または近くに中間焦点IFが位置するように、ソースコレクタモジュールが設けられうる。仮想ソース点IFは、放射放出プラズマHPのイメージである。
【0140】
続いて、放射は、パターニングデバイスMAでの放射ビームBの所望の角度分布およびパターニングデバイスMAでの放射振幅の所望の一様性を提供するように設けられるファセットフィールドミラーデバイスFMおよびファセット瞳ミラーデバイスpmを含んでもよい照明システムILを通過する。支持構造MTによって保持されているパターニングデバイスMAでの放射のビームBの反射の際にパターン形成されたビームPBが形成され、投影システムPSによって反射型エレメントREを介して基板テーブルWTによって保持されている基板W上にイメージングされる。
【0141】
一般的に、図示されたものより多くのエレメントが照明光学ユニットILおよび投影システムPSに存在してもよい。リソグラフィ装置のタイプに応じて、格子スペクトルフィルタSFがオプションで存在してもよい。更に、図に示されたものより多くのミラーが存在してもよい。例えば、1~6の追加的な反射型エレメントが、投影システムPSに存在してもよい。
【0142】
コレクタ光学素子COは、コレクタ(または、コレクタミラー)の単なる一例として、斜入射型リフレクタGRによる入れ子状のコレクタでもよい。斜入射型リフレクタGRは、光軸Oの周りに軸対称に配置され、このタイプのコレクタ光学素子COは、しばしばDPPソースと呼ばれる放電生成プラズマソースとの組合せで使用されてもよい。
【0143】
図12は、一実施形態に係る、リソグラフィ投影装置LPAのソースコレクタモジュールSOの詳細図である。
【0144】
ソースコレクタモジュールSOは、LPA放射システムの一部でもよい。レーザLAは、キセノン(Xe)、スズ(Sn)またはリチウム(Li)等の燃料内にレーザエネルギーを投入するように設けられ、数十eVの電子温度を有する高度にイオン化されたプラズマHPを生成する。これらのイオンの脱励起および再結合中に生成されるエネルギー放射は、プラズマから放出され、近法線入射コレクタ光学素子COによって収集され、包囲構造ESにおける開口OP上に集められる。
【0145】
ここで開示されるコンセプトは、任意の一般的なイメージングシステムを、サブ波長フィーチャをイメージングするために、シミュレートまたは数学的にモデル化してもよく、ますます短くなる波長を生成できる新たなイメージング技術にとって特に有用である。既に使用されている新たな技術は、EUV(極端紫外)、ArFレーザの使用による193nmの波長およびフッ素レーザの使用による157nmの波長を生成できるDUVリソグラフィを含む。更に、EUVリソグラフィは、シンクロトロンを使用することによって、または、この範囲(20-50nm)内の光子を生成するために高エネルギー電子を材料(固体またはプラズマ)に当てることによって、20-50nmの範囲内の波長を生成できる。
【0146】
ここで開示されるコンセプトは、シリコンウェーハ等の基板上のイメージングのために使用されてもよいが、開示されるコンセプトは、シリコンウェーハ以外の基板上のイメージングのために使用されるもの等の、任意のタイプのリソグラフィイメージングシステムと共に使用されてもよいと理解される。
【0147】
以上の記述は、非限定的な例示を目的としている。従って、以下で示される請求項の範囲から逸脱することなく、記述されたものに対して変更が加えられてもよいことは当業者にとって明らかである。
【0148】
更なる実施形態は、番号が付された項目の以下のリストにおいて開示される。
項目1:
リソグラフィプロセスにおける光デリバリの改良されたシーケンシングのための方法であって、
実質的に光が基板に届けられない強度のシーケンス内のインターバルを含む、届けられるべき光の強度のシーケンスを決定することと、
デジタルミラーデバイス(DMD)を利用する光源によって、前記強度のシーケンスに従って光を基板に届けることと、
を備える方法。
項目2:
前記基板におけるスポットに届ける光の目標強度を決定することを更に備える、項目1に記載の方法。
項目3:
前記決定された強度のシーケンスは、前記目標強度に達するように、前記デジタルミラーデバイス(DMD)によって前記基板に届けられ、
前記インターバル中は実質的に光が前記基板に届けられない、
項目1または2に記載の方法。
項目4:
前記光の強度のシーケンスのための命令のセットを物理メモリに格納することを更に備える、項目1から3のいずれかに記載の方法。
項目5:
前記インターバルの存在は、前記DMDの構成のために前記物理メモリに格納されている、来るべき前記強度のシーケンスにおける命令のセットの影響を低減する、項目1から4のいずれかに記載の方法。
項目6:
前記強度のシーケンスは、物理メモリに格納されているビットによって表され、
前記インターバルは、最上位ビット後のシーケンスにおいて特定される、
項目1から5のいずれかに記載の方法。
項目7:
前記スポットの届けられる重心および前記スポットの目標重心の間の差を低減する、前記強度のシーケンスの非対称分布を決定することを更に備える、項目1から6のいずれかに記載の方法。
項目8:
リソグラフィプロセスにおける光デリバリの改良されたシーケンシングのための方法であって、
基板におけるスポットに届ける光の目標強度を決定することと、
前記目標強度に達するように、実質的に光が前記基板に届けられない強度のシーケンス内のインターバルを含む、デジタルミラーデバイス(DMD)によって前記基板に届けられるべき光の強度のシーケンスを決定することと、
前記光の強度のシーケンスのための命令のセットを物理メモリに格納することと、
前記DMDを利用する光源によって、前記強度のシーケンスに従って光を前記基板に届けることと、
を備え、
前記インターバルの存在は、前記DMDの構成のために前記物理メモリに格納されている、来るべき前記強度のシーケンスにおける命令のセットの影響を低減する、
方法。
項目9:
前記強度のシーケンスは、物理メモリに格納されているビットによって表され、
前記インターバルは、最上位ビット後のシーケンスにおいて特定される、
項目1から8のいずれかに記載の方法。
項目10:
前記スポットの届けられる重心および前記スポットの目標重心の間の差を低減する、前記強度のシーケンスの対称分布を決定することを更に備える、項目1から9のいずれかに記載の方法。
項目11:
前記強度のシーケンス内に非対称性を含めることによって、前記対称分布を非対称分布に変更することを更に備え、
前記非対称性は、前記届けられる重心および前記目標重心の間の前記差を更に低減する、
項目1から10のいずれかに記載の方法。
項目12:
前記強度のシーケンスまたは前記インターバルの場所を変えることによって、届けられる重心を調整することを更に備える、項目1から11のいずれかに記載の方法。
項目13:
前記強度のシーケンスは、8ビット強度分布である、項目1から12のいずれかに記載の方法。
項目14:
前記強度のシーケンスは、対称である、項目1から13のいずれかに記載の方法。
項目15:
前記強度のシーケンスは、二つの光の届けられるインターバルの間で前記光のデリバリをスキップすることを含む、項目1から14のいずれかに記載の方法。
項目16:
前記DMDにおける複数のミラーのそれぞれについて、前記強度のシーケンスを個別に決定することを更に備える、項目1から15のいずれかに記載の方法。
項目17:
前記強度のシーケンスまたは前記インターバルの場所を変えることは、
強度の関数としての複数の代替的なビット位置およびそれらの対応する重心を演算することと、
前記DMDによって届けられる強度パターンの中央からの最小の偏差を有する代替的なビット位置を選ぶことと、
を更に備える項目1から16のいずれかに記載の方法。
項目18:
前記演算することは、少なくとも一つの固定される低強度ビットを除いて、パラメータ空間における全ての可能な強度パターンを演算するために、ブルートフォースアプローチを実行することを含む、項目1から17のいずれかに記載の方法。
項目19:
コンピュータによって実行された時に項目1から18のいずれかに記載の方法を実施する命令が記録された非一時的なコンピュータ可読媒体を備えるコンピュータプログラム製品。
項目20:
光を基板に届けるためのシステムであって、
光源と、
デジタルミラーデバイスと、
前記デジタルミラーデバイスを利用した前記光源からの光のデリバリのための命令を格納するように構成される物理メモリと、
命令が記録された非一時的なコンピュータ可読媒体と、
を備え、
前記命令は、コンピュータによって実行された時に、
基板におけるスポットに届ける光の目標強度を決定することと、
前記目標強度に達するように、実質的に光が前記基板に届けられない強度のシーケンス内のインターバルを含む、デジタルミラーデバイス(DMD)によって前記基板に届けられるべき光の強度のシーケンスを決定することと、
前記光の強度のシーケンスのための命令のセットを物理メモリに格納することと、
前記DMDを利用する光源によって、前記強度のシーケンスに従って光を前記基板に届けることと、
を含むオペレーションをもたらし、
前記インターバルの存在は、前記DMDの構成のために前記物理メモリに格納されている、来るべき前記強度のシーケンスにおける命令のセットの影響を低減する、
システム。
項目21:
前記シーケンスを前記物理メモリに格納するために利用される電荷が、前記DMDにおけるミラーの角度における偏差をもたらすように、前記物理メモリが前記DMDの近くに配置される、項目20に記載のシステム。
項目22:
前記物理メモリは、前記デジタルミラーデバイスから1mm以内に配置される、項目20または21に記載のシステム。
項目23:
前記光の強度のシーケンスを前記基板に届けるために、前記デジタルミラーデバイスにおけるミラーを駆動するように構成される制御システムを更に備える、項目20から22のいずれかに記載のシステム。
項目24:
前記DMDから前記基板に光を向けるように構成されるマイクロレンズアレイ(MLA)を更に備える、項目20から23のいずれかに記載のシステム。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図5A
図5B
図6
図7A
図7B
図8
図9
図10
図11
図12
【国際調査報告】