(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-17
(54)【発明の名称】センサ、撮像システム、およびセンサを形成する方法
(51)【国際特許分類】
H01L 27/146 20060101AFI20240709BHJP
H01L 27/144 20060101ALI20240709BHJP
H01L 27/148 20060101ALI20240709BHJP
G01N 21/88 20060101ALI20240709BHJP
H01L 31/00 20060101ALN20240709BHJP
【FI】
H01L27/146 D
H01L27/144 K
H01L27/148 H
G01N21/88 Z
H01L31/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023557386
(86)(22)【出願日】2022-06-14
(85)【翻訳文提出日】2023-09-19
(86)【国際出願番号】 US2022033323
(87)【国際公開番号】W WO2022266025
(87)【国際公開日】2022-12-22
(32)【優先日】2021-06-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2022-06-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】500049141
【氏名又は名称】ケーエルエー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ザメク スティーブ
(72)【発明者】
【氏名】ブラウン デイビッド エル
(72)【発明者】
【氏名】チャーン ハワード
(72)【発明者】
【氏名】アイヤー ベンカトラマン
【テーマコード(参考)】
2G051
4M118
5F149
【Fターム(参考)】
2G051AB02
2G051CA03
4M118AA10
4M118AB01
4M118BA04
4M118BA10
4M118BA14
4M118CA01
4M118CB01
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4M118GA08
4M118GA10
4M118GC20
4M118GD03
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4M118HA21
4M118HA25
4M118HA26
4M118HA31
4M118HA36
5F149AB02
5F149AB07
5F149AB09
5F149BB03
5F149LA01
5F149LA02
5F149LA03
5F149LA07
(57)【要約】
センサ、撮像システム、および指定された深さの外形を有するセンサを形成する方法が提供される。1つのセンサは、基板104、および基板104に取り付けられた1つ以上の部品110を備える。センサは、薄型の裏面222と、センサダイ108の薄型の裏面222を照射するエネルギーを検出するように構成されたエネルギー感応素子116とを有するセンサダイ108も含む。センサは、フリップチッププロセスによってセンサダイ108の前面224と基板104との間に形成され、これによりセンサダイ108を基板104に接合し、センサダイ108の薄型の裏面222を事前に選択された形状にする、分離した熱伝導構造体212をさらに備える。分離した熱伝導構造体212のうちの少なくとも一部は、センサダイ108を、1つ以上の部品110に電気的に接続する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板に取り付けられた1つ以上の部品と、
薄型の裏面と、センサダイの前記薄型の裏面を照射するエネルギーを検出するように構成されたエネルギー感応素子とを備える、センサダイと、
フリップチッププロセスによって、前記センサダイの前面と前記基板との間に形成され、これにより、前記センサダイが前記基板に接合され、前記センサダイの前記薄型の裏面が、事前に選択された形状を有するようになる、分離した熱伝導構造体であって、前記分離した熱伝導構造体の少なくとも一部が、前記センサダイを、前記1つ以上の部品に電気的に接続する、分離した熱伝導構造体と
を備えることを特徴とする、センサ。
【請求項2】
請求項1に記載のセンサであって、前記フリップチッププロセスで前記センサダイを前記基板に接合する前に、前記分離した熱伝導構造体が前記基板上に形成され、前記分離した熱伝導構造体の組合せが、前記事前に選択された形状と実質的に同じ形状を有するように、前記分離した熱伝導構造体のうちの1つ以上の形状が変形されることを特徴とする、センサ。
【請求項3】
請求項1に記載のセンサであって、前記事前に選択された形状が、前記フリップチッププロセスの前に決定され、前記基板上に形成される前記分離した熱伝導構造体のうちの1つ以上の形状が、前記フリップチッププロセスで前記センサダイを前記基板に接合する前に、前記事前に選択された形状に基づいて変更されることを特徴とする、センサ。
【請求項4】
請求項1に記載のセンサであって、前記分離した熱伝導構造体が形成される前記基板の表面が、前記事前に選択された形状とは別の形状を有することを特徴とする、センサ。
【請求項5】
請求項1に記載のセンサであって、前記分離した熱伝導構造体が形成される前記基板の表面が、前記事前に選択された形状に基づいて決定された形状を有することを特徴とする、センサ。
【請求項6】
請求項1に記載のセンサであって、前記事前に選択された形状が、湾曲した形状であることを特徴とする、センサ。
【請求項7】
請求項1に記載のセンサであって、前記事前に選択された形状が、高次の多項式によって画定されることを特徴とする、センサ。
【請求項8】
請求項1に記載のセンサであって、前記基板が、セラミック材料で形成されることを特徴とする、センサ。
【請求項9】
請求項1に記載のセンサであって、前記基板が、前記センサダイのサイズおよび前記事前に選択された形状によって決まる、材料の熱膨張率に基づいて選択される、前記材料で形成されることを特徴とする、センサ。
【請求項10】
請求項1に記載のセンサであって、前記分離した熱伝導構造体が、前記センサダイのサイズおよび前記事前に選択された形状によって決まる、材料のリフロー温度に基づいて選択される、前記材料で形成されることを特徴とする、センサ。
【請求項11】
請求項1に記載のセンサであって、前記センサダイの前記前面と前記基板との間で、前記分離した熱伝導構造体の周囲に形成される、アンダーフィル材料をさらに備えることを特徴とする、センサ。
【請求項12】
請求項11に記載のセンサであって、前記アンダーフィル材料が、前記センサダイが真空に晒されたときに、前記センサダイを安定させるように構成されることを特徴とする、センサ。
【請求項13】
請求項11に記載のセンサであって、前記アンダーフィル材料が、高い熱伝導率を有する誘電体材料で形成された、分散粒子を含有する樹脂を含むことを特徴とする、センサ。
【請求項14】
請求項1に記載のセンサであって、前記基板内に形成され、少なくともサブセットが、前記分離した熱伝導構造体の少なくとも前記一部を前記1つ以上の部品に接続し、これにより、前記センサダイを、前記1つ以上の部品に接続するように構成された、熱伝導性で導電性のビアをさらに備えることを特徴とする、センサ。
【請求項15】
請求項1に記載のセンサであって、前記1つ以上の部品が、前記検出したエネルギーに応じた、前記エネルギー感応素子によって生成される出力に対して、1つ以上の機能を実行するように構成されることを特徴とする、センサ。
【請求項16】
請求項1に記載のセンサであって、前記エネルギー感応素子が、深紫外光を検出するようにさらに構成されることを特徴とする、センサ。
【請求項17】
請求項1に記載のセンサであって、前記エネルギー感応素子が、真空紫外光を検出するようにさらに構成されることを特徴とする、センサ。
【請求項18】
請求項1に記載のセンサであって、前記エネルギー感応素子が、極紫外光を検出するようにさらに構成されることを特徴とする、センサ。
【請求項19】
請求項1に記載のセンサであって、前記エネルギー感応素子が、X線を検出するようにさらに構成されることを特徴とする、センサ。
【請求項20】
照明サブシステムによって試料に向けられるエネルギーを生成するように構成される、エネルギー源と、
前記試料からのエネルギーを検出し、前記検出したエネルギーに応じた出力を生成するように構成されるセンサであって、前記センサが、
基板と、
前記基板に取り付けられた1つ以上の部品と、
薄型の裏面と、センサダイの前記薄型の裏面を照射する、前記試料からの前記エネルギーを検出するように構成されたエネルギー感応素子とを有する、センサダイと、
フリップチッププロセスによって、前記センサダイの前面と前記基板との間に形成され、これにより、前記センサダイが前記基板に接合され、前記センサダイの前記薄型の裏面が、事前に選択された形状を有するようになる、分離した熱伝導構造体であり、前記分離した熱伝導構造体の少なくとも一部が、前記センサダイを、前記1つ以上の部品に電気的に接続する、分離した熱伝導構造体と
を備える、センサと
を備えることを特徴とする、撮像システム。
【請求項21】
請求項20に記載のシステムであって、前記センサによって生成された前記出力に基づいて、前記試料の欠陥を検出するように構成される、コンピュータサブシステムをさらに備えることを特徴とする、システム。
【請求項22】
請求項20に記載のシステムであって、前記センサによって生成された前記出力に基づいて、前記試料に関する情報を決定するように構成される、コンピュータサブシステムをさらに備えることを特徴とする、システム。
【請求項23】
請求項22に記載のシステムであって、前記情報には、前記試料上に形成された1つ以上の構造体の測定値が含まれることを特徴とする、システム。
【請求項24】
請求項20に記載のシステムであって、前記試料からの前記エネルギーを前記センサに向けるように構成された、カメラレンズサブシステムをさらに備えることを特徴とする、システム。
【請求項25】
請求項20に記載のシステムであって、前記試料からの前記エネルギーを前記センサに向けるように構成された、チューブレンズサブシステムをさらに備えることを特徴とする、システム。
【請求項26】
請求項20に記載のシステムであって、前記試料からの追加のエネルギーを検出し、前記検出した追加のエネルギーに応じた出力を生成するように構成される、追加のセンサをさらに備え、前記追加のセンサが、
追加の基板と、
前記追加の基板に取り付けられた1つ以上の追加の部品と、
薄型の裏面と、追加のセンサダイの前記薄型の裏面を照射する、前記試料からの前記追加のエネルギーを検出するように構成された、追加のエネルギー感応素子とを備える、追加のセンサダイと、
フリップチッププロセスによって、前記追加のセンサダイの前面と前記追加の基板との間に形成され、これにより、前記追加のセンサダイが前記追加の基板に接合され、前記追加のセンサダイの前記薄型の裏面が、追加の事前に選択された形状を有するようになる、追加の分離した熱伝導構造体であり、前記追加の分離した熱伝導構造体の少なくとも一部が、前記追加のセンサダイを、前記1つ以上の追加の部品に電気的に接続する、追加の分離した熱伝導構造体と
を備えることを特徴とする、システム。
【請求項27】
請求項26に記載のシステムであって、前記事前に選択された形状と、前記追加の事前に選択された形状とが相異なることを特徴とする、システム。
【請求項28】
請求項26に記載のシステムであって、前記事前に選択された形状と、前記追加の事前に選択された形状とが同じであることを特徴とする、システム。
【請求項29】
請求項26に記載のシステムであって、前記撮像システムが、前記撮像システムの前記センサおよび前記追加のセンサの位置を別々に制御するように構成されることを特徴とする、システム。
【請求項30】
請求項20に記載のシステムであって、前記照明サブシステムによって前記試料に向けられた前記エネルギーを、前記試料上で走査するように構成された走査サブシステムをさらに備え、前記照明サブシステムが、前記試料上に実質的に像面湾曲のない視野を有し、前記事前に選択された形状が、湾曲した形状であることを特徴とする、システム。
【請求項31】
請求項30に記載のシステムであって、前記センサが、時間遅延積分センサとしてさらに構成されることを特徴とする、システム。
【請求項32】
センサを形成する方法であって、
基板上に、分離した熱伝導構造体を形成するステップと、
センサダイの薄型の裏面の事前に選択された形状に基づいて、前記分離した熱伝導構造体の形状を変更するステップと、
前記センサダイの前面を、前記分離した熱伝導構造体を介して前記基板に接合し、これにより、前記センサダイの前記薄型の裏面を、前記事前に選択された形状にするステップであり、前記分離した熱伝導構造体の少なくとも一部が、前記センサダイを、前記基板に取り付けられた1つ以上の部品に電気的に接続する、ステップと
を含み、
前記センサダイが、前記センサダイの前記薄型の裏面を照射するエネルギーを検出するように構成されたエネルギー感応素子を備えることを特徴とする、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、センサ、撮像システム、およびセンサを形成する方法に関する。特定の実施形態は、センサ組立てを通じたセンサ形状制御に関する。
【背景技術】
【0002】
以下の説明および例は、この段落に含まれることによって、先行技術であるとみなされるものではない。
【0003】
裏面照射型画像センサは、高い量子効率(QE:quantum efficiency)および良好な変調伝達関数(MTF:modulation transfer function)を達成することができ、様々な半導体および他の基板の検査に広く使用されている。このセンサは、高速動作を可能にするため、特定用途向け集積回路(ASIC:application-specific integrated circuit)に密接に接続されており、ASICは、以下の機能のうちの1つ以上を実行することができる。アナログ-デジタル(A/D:analog-to-digital)変換、信号調整、デジタル信号処理、および外部コンピュータとの通信。
【0004】
かかるセンサ構成は、センサの光活性エリアの形状の適切な制御に関する課題を提起する。たとえば、裏面照射型センサの場合、光活性エリアは、薄い膜であり、機械的に不安定になる可能性がある。センサダイのフリップチップ組立てにより、裏面照射に適合する高速動作が可能となる。センサのセラミック基板上へのフリップチップ組立てによって、センサが凸形、凹形、または皺になることがある。フリップチップ組立てがセンサ形状に及ぼす影響は、高度に制御され、単純な形状が必要な光学システムに関して、課題を提起する可能性がある。光学用途では、特定の湾曲を有する、湾曲した画像面が好まれる場合がある。したがって、組立て中にセンサ形状を制御できること、および特定のセンサ形状を目標とする組立体を設計できることが、かかるシステムの撮像性能にとって重要となる可能性がある。
【0005】
光学システム設計では、通常、負の湾曲、正の湾曲、または平坦な像面を生成する。一方、画像センサは、セラミック基板上に組み立てられ得、セラミック基板の形状は、基板の製造プロセスのせいで、制御することが困難である。センサ組立体の形状を制御できないと、有効視野が減少し、システムレベルの光学的許容範囲が減少し、光学収差の量が増加する可能性がある。
【0006】
したがって、現在使用されているセンサ組立方法の欠点には、セラミック基板の形状を容易に制御できず、一方で、高性能の光学設計には、高いセンサ平面性または特定のセンサ形状が必要であり得ることが含まれる。現在使用されている組立方法のさらなる欠点は、ダイの共平面性が比較的低く、これにより、センサダイを適切に取り付けることが困難になる可能性があり、これが組立体の熱性能に影響を与えることである。現在使用されているセンサの組立方法の別の欠点は、放熱であり、放熱は、高速で低ノイズの動作にとって重要である。現在使用されているセンサの組立方法のさらなる欠点は、像面湾曲によってテレセントリックな画像空間の実現が困難になる可能性があることであり、テレセントリックな画像空間は、計測用途において重要となる可能性がある。さらに、現在の組立方法では、センサ形状の良好な制御または再現性が得られない。
【0007】
現在、携帯電話および天文学の用途向けに、裏面照射の薄型センサダイの形状を制御する、いくつかの方法が提案されている。しかし、そうした用途のすべてで、ワイヤボンディングされたセンサダイが使用されている。ワイヤボンディングされたセンサダイは、相互接続数および読出し速度を制限し、上記で説明された光学検査の用途にはあまり適していない。かかるセンサ形状制御に現在使用されている方法は、良好な熱接触、高密度に相互接続するフリップチップ、または真空中での使用を実現するのにも適していない場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許出願公開第2018/0076257号
【特許文献2】米国特許出願公開第2018/0102312号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
したがって、上記で説明された欠点を1つも有していない、センサのシステムおよび方法、撮像システム、およびセンサを形成する方法を開発することは、有益であろう。
【課題を解決するための手段】
【0010】
様々な実施形態の以下の説明は、決して添付の特許請求の範囲の主題を限定するものではないと解釈されたい。
【0011】
一実施形態は、基板、および基板に取り付けられた1つ以上の部品を備える、センサに関する。センサは、薄型の裏面と、センサダイの薄型の裏面を照射するエネルギーを検出するように構成されたエネルギー応答素子とを備える、センサダイも具備する。センサは、フリップチッププロセスによってセンサダイの前面と基板との間に形成され、これによりセンサダイを基板に接合し、センサダイの薄型の裏面を事前に選択された形状にする、分離した熱伝導構造体をさらに備える。分離した熱伝導構造体のうちの少なくとも一部は、センサダイを1つ以上の部品に電気的に接続する。センサはさらに、本明細書で説明されるように構成され得る。
【0012】
別の実施形態は、照明サブシステムによって試料に向けられるエネルギーを生成するように構成されたエネルギー源を備える撮像システムに関する。撮像システムはまた、試料からのエネルギーを検出し、検出したエネルギーに応じた出力を生成するように構成された、センサを備える。センサはさらに、上記で説明されたように構成される。撮像システムはさらに、本明細書で説明されるように構成され得る。
【0013】
別の実施形態は、センサを形成する方法に関する。この方法は、基板上に、分離した熱伝導構造体を形成するステップと、センサダイの薄型の裏面の事前に選択された形状に基づいて、分離した熱伝導構造体の形状を変更するステップとを含む。この方法は、分離した熱伝導構造体を介してセンサダイの前面を基板に接合し、これにより、センサダイの薄型の裏面を、事前に選択された形状にするステップも含む。分離した熱伝導構造体の少なくとも一部は、センサダイを、基板に取り付けられた1つ以上の部品に、電気的に接続する。センサダイは、センサダイの薄型の裏面を照射するエネルギーを検出するように構成されたエネルギー感応素子を備える。
【0014】
この方法のそれぞれのステップはさらに、本明細書で説明されるように実行され得る。この方法には、本明細書で説明される任意の他の方法の任意の他のステップが含まれ得る。この方法は、本明細書で説明されるシステムのうちのいずれかによって実行され得る。
【0015】
本発明のさらなる利点は、以下の好ましい実施形態の詳細な説明のおかげで、また以下の添付図面を参照することにより、当業者には明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】センサ組立体の一実施形態の断面側面図および平面底面図を示す、概略図である。
【
図2】センサ組立体を形成する方法の一実施形態を示す、流れ図である。
【
図3】はんだボールおよび金スタッドを使用した相互接続形成の実施形態を示す、流れ図である。
【
図4】凹形または凸形のはんだボールの外形に適合する、センサ組立方法の一実施形態を示す、流れ図である。
【
図5】自立しているセンサダイ、およびはんだバンプと接触している同じセンサダイの、幾何形状の実施形態の断面図を示す、概略図である。
【
図6】完全なセンサ組立体の一部の一実施形態の断面図を、センサ組立体内の熱流束の大きさおよび方向を示す、重ね書きされた矢印と共に示す、概略図である。
【
図7a】本明細書で説明されるセンサの実施形態に結合された、カメラレンズサブシステムの実施形態の側面図を示す、概略図である。
【
図7b】本明細書で説明されるセンサの実施形態に結合された、カメラレンズサブシステムの実施形態の側面図を示す、概略図である。
【
図7c】センサの実施形態の湾曲の一例の、表面のサグである、等高線のプロットである。
【
図7d】
図7aおよび
図7bに示された実施形態の視野(FOV:field of view)全体にわたる、スポットサイズの幾何2乗平均平方根(RMS:root mean square)の一例のプロットである。
【
図8a】本明細書で説明されるセンサの実施形態に結合された、チューブレンズサブシステムの実施形態の側面図を示す、概略図である。
【
図8b】本明細書で説明されるセンサの実施形態に結合された、チューブレンズサブシステムの実施形態の側面図を示す、概略図である。
【
図8c】センサの実施形態の湾曲の一例の、表面のサグである、等高線のプロットである。
【
図8d】
図8aおよび
図8bに示された実施形態のFOV全体にわたる、スポットサイズの幾何RMSの一例のプロットである。
【
図9a】本明細書で説明されるように構成された2つ以上のセンサを備える、撮像システムの一部の一実施形態の斜視図の、概略図である。
【
図9b】
図9aに示された撮像システムの実施形態の一部の画像面の湾曲の一例の、表面のサグである、等高線のプロットである。
【
図9c】
図9aに示された複数のセンサの実施形態の湾曲の一例の、表面のサグである、等高線のプロットである。
【
図9d】
図9aに示された複数のセンサの実施形態の、最適化されたセンサの湾曲の一例の、表面のサグである、等高線のプロットである。
【
図10】試料空間上に投影され得る画像空間での、相異なる格子の実施形態の平面図を示す、概略図である。
【
図11】本明細書で説明されるように構成された、撮像システムの実施形態の側面図を示す、概略図である。
【
図11a】本明細書で説明されるように構成された、撮像システムの実施形態の側面図を示す、概略図である。
【
図12】本明細書で説明されるコンピュータで実施される方法を、コンピュータシステムに実行させるためのプログラム命令を記憶する、非一時的コンピュータ可読媒体の一実施形態を示す、構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明は、様々な変形および代替形態が可能であるが、本発明の特定の実施形態が、例として図面に示され、本明細書で詳細に説明される。図面は、縮尺通りでない場合がある。ただし、図面および図面の詳細な説明は、本発明を、開示された特定の形態に限定することを意図するものではなく、逆に、添付の特許請求の範囲によって定義される、本発明の精神および範囲内にあるすべての変形、等価物、および代替物を網羅することを意図している。
【0018】
ここで図面に目を向けると、図は、縮尺通りに描かれていないことに留意されたい。特に、図の一部の要素の縮尺は、要素の特徴を強調するために、大幅に誇張されている。図は、同じ縮尺で描かれていないことにも留意されたい。同様に構成され得る、複数の図に示された要素は、同じ参照番号を使用して示されている。本明細書に別段の記載がない限り、説明および図示された要素のいずれにも、任意の好適な市販の要素が含まれ得る。
【0019】
本明細書で説明される実施形態は、概ね、センサ、撮像システム、およびセンサを形成する方法である。より詳細には、本明細書で説明される実施形態は、検査および計測などの用途のための、センサ組立ておよび形状制御の方法である。実施形態は、これに限定されるものではないが、部分真空または他の制御された環境で動作でき、様々なセラミック基板上に組み立てられる、深紫外(DUV:deep ultraviolet)および極紫外(EUV:extreme ultraviolet)を使用する時間遅延積分(TDI:time delay integration)センサを含む、画像センサを提供する。本明細書で説明される実施形態は、比較的高速で比較的低ノイズの動作を維持しながら、制御されたセンサ形状を有する、かかるセンサを実現する方法を示しているので有益である。本明細書で説明される実施形態は、加えて、センサダイの実質的に良好な熱接触、実質的に高密度の相互接続を有するフリップチップ組立て、および真空中での使用への適合を可能にしながら、センサ形状を制御する方法を提供する。
【0020】
本明細書で使用される「エネルギー感応素子」という用語は、光、電子、他の荷電粒子などを含む、本明細書で説明されるエネルギーの種類のうちの1つに感応または応答する、センサ素子と定義される。こうしたエネルギー感応素子は、検出に使用されるエネルギーの種類に応じて、様々な部品の形で形成され得る。本明細書では、「感光素子」という用語を使用して多くの実施形態および例が説明されるが、この用語のいかなる使用も、そうした実施形態および例が、本明細書で説明される他のどんな種類のエネルギー感応素子をも、除外することを意味するものではない。言い換えると、「エネルギー感応素子」および「感光素子」という用語は、本明細書では便宜上同じ意味で使用され、「感光素子」という用語のいかなる例も、本明細書で説明される「エネルギー感応素子」として、より広義に解釈されるべきである。
【0021】
実施形態は、かかるセンサをベースとする検査システムなどの撮像システムも含み、これにより、現在利用可能な検査システムと比較して優れた撮像性能を、したがってより高い欠陥感度およびスループットを達成する。本明細書で説明される、制御された湾曲を有するセンサ組立てを可能にすることにより、撮像システムの光学視野(FOV)を拡大し、撮像システムレベルの光学許容範囲を緩和し、システム内の光学収差の量を低減することができるので有益である。本明細書で説明される実施形態はまた、湾曲した画像空間または他の平坦でない画像空間用に設計され、十分なスループット(したがって、より低い所有コスト)での検査などの用途向けに、より高い感度を提供する、比較的大型のセンサおよびタイル状に配置されたセンサアレイを実現可能にするので有益である。
【0022】
以下の様々な実施形態の説明から明らかとなるように、本明細書で説明されるセンサは、現在使用されているセンサに勝る、いくつかのさらなる利点を有する。こうしたさらなる利点には、セラミック基板の形状は容易に制御され得ないが、実質的に高いセンサダイ平面性または事前に選択された特定のセンサダイ形状を有するセンサダイを、本明細書で説明されるような基板に接合できることが含まれ、これによりセンサは、特に実質的に高性能の光学設計に好適なものとなる。本明細書で説明される実施形態の別の利点は、事前に選択されたセンサダイの形状に関係なく、本明細書で説明される実施形態により、センサダイとの十分な接触が可能となり、組立体の熱性能が最適化され、これにより、センサダイの比較的高速で比較的低ノイズの動作が可能となることである。本明細書で説明される実施形態のさらなる利点は、センサダイが、撮像システムのどんな像面湾曲にもかかわらず、テレセントリックな画像空間を実現可能にすることができ、これは計測用途にとって重要である。本明細書で説明されているこれらの利点および他の利点は、センサダイの形状の実質的に正確な制御を可能にする、本明細書で説明されるセンサ組立方法によってもたらされる。
【0023】
本明細書でさらに説明されるように、センサダイの実施形態は、薄型の裏面と、センサダイの薄型の裏面を照射するエネルギーを検出するように構成された、感光素子とを備える。センサダイによって検出されるエネルギーは、薄型の裏面に向けられ、次いでセンサダイの本体を通過し、その結果、前面に形成された素子によって電荷を収集することができる。裏側表面の外形は、センサの画像面の場所を画定する。そのため、センサダイの形状は、本明細書でさらに説明されるものを含む理由から、ほぼ間違いなく、センサダイの最も重要な特性のうちの1つである。
【0024】
本明細書で使用される「センサダイの薄型の裏面の事前に選択された形状」という用語は、本明細書では、「センサ形状」および「センサダイ形状」という用語と同じ意味で使用される。「センサダイの薄型の裏面の事前に選択された形状」は、本明細書では、何らかの基準または座標系に対する、センサダイの薄型の裏面の位置と定義され、センサダイ全体にわたる位置の関数と定義される。「センサダイの薄型の裏面の事前に選択された形状」は、たとえば、センサダイ全体にわたる位置の関数である、センサダイの薄型の裏面の深さまたは垂直高さで、画定することができる。この深さまたは高さの関数は、センサダイ全体にわたって、2次元(2D:two dimensions)で定義され得る。「センサダイの薄型の裏面の事前に選択された形状」は、したがって、センサの裏面の高さまたは深さの2Dの外形も画定する。「センサダイの薄型の裏面の事前に選択された形状」は、言い換えると、センサダイの裏面のz方向の位置を、xおよびyの関数として効率的に画定する。
【0025】
本明細書でさらに説明されるように、「センサダイの薄型の裏面の事前に選択された形状」は、本明細書で説明される新規で有利なセンサ組立方法によって実現可能となり、センサ膜(感光素子)の厚さまたは垂直高さを、決して変えないことが好ましい。膜の形状は一定であり、他の次元の形状は固定されている。言い換えると、本明細書で説明されるセンサ組立方法は、感光素子の任意の特性を変えることによって、センサダイの形状を変えることはない(ただし、無視できる程度の変化は生じることがある)。感光素子は、それどころか、センサの組立前と組立後とで、同じ特性を有することが好ましい。このように、センサ組立後のセンサダイの裏面の高さ(または深さ)の変化は、センサダイの前面の高さ(または深さ)の変化と、同様となろう。逆に、別の部品への取付けによる前面の外形の変化は、裏面の外形にも同様の変化をもたらすことになる。
【0026】
センサの一実施形態は、基板、基板に取り付けられた1つ以上の部品、および基板に接合されたセンサダイを備える。画像センサダイは、したがって、一実施形態では、
図1に示されている共通の基板上に組み立てられた、他のダイとワンパッケージ化される。
図1は、センサ組立体の側面
図100およびセンサ組立体の底面
図102を含む。センサ組立体のこの実施形態は、側面図に示されているように、電気的相互接続部106が内部に形成された基板104を備える。電気的相互接続部106のうちの少なくとも一部は、基板の一方の側面に取り付けられたセンサダイ108と、基板の他方の側面に取り付けられた1つ以上の部品110とを、電気的に接続する。基板はまた、センサダイとは逆の基板の側面で、ヒートシンク112に取り付けられ得る。底面
図102は、ヒートシンクがない状態のセンサ組立体を示し、これにより、基板104に取り付けられた1つ以上の部品110をさらに示している。この図には4つの部品が示されているが、センサは、本明細書でさらに説明されるように構成され得る、1つ以上の部品のどれほどの数も、またどんな配置も備え得る。
【0027】
側面
図100にさらに示されているように、センサダイ108は、薄型化された裏面114(
図1には図示せず)、およびセンサダイの薄型の裏面を照射するエネルギー120(光または電子など)を検出するように構成されたエネルギー感応素子116を備える。実施形態は、多くの様々なセンサ構成に適用できるので、エネルギー感応素子116は、本明細書では、非常に汎用的に示されている。エネルギー感応素子116は、一般に、相異なる素子(図示せず)の組合せを備え、素子の一部は、相異なる機能を有する場合がある。エネルギー感応素子は、たとえば、実際にエネルギーを検出する素子ばかりでなく、検出したエネルギーに応じて信号または電荷を蓄積する素子も備え得る。エネルギー感応素子は、かかる一例において、エネルギーがセンサダイの裏面114付近(または場合によっては、いくつかの事例では、センサダイのバルクのより深いところ)で電荷に変換され、信号電荷が収集され、センサダイの前面118またはその付近の素子に蓄積されるように構成され得る。
【0028】
本明細書でさらに説明されるように、実施形態は、エネルギー感応素子が、DUV光、真空紫外もしくは極紫外(VUV:vacuum ultraviolet/EUV)光、電子ビーム、および/またはX線を検出するように構成される実施形態のような、センサダイが真空内で動作している状況に、特に好適である。この実施形態は、エネルギー感応素子が可視光または赤外(IR:infrared)光を検出するように構成される場合のような、非真空用途にも好適である。
【0029】
センサダイは、電荷結合素子(CCD:charge coupled device)、TDIセンサ、または相補型金属酸化膜半導体(CMOS:complementary metal-oxide-semiconductor)画像センサダイとして構成することができる。センサダイはまた、シリコン(Si)、インジウムガリウムヒ素(InGaAs)、インジウムアンチモン(InSb)、テルル化カドミウム(CdTe)、またはX線、VUV光、DUV光、可視光、およびIR光を含むがこれらに限定されるものではない、スペクトル全体にわたるエネルギー検出に好適な、他のどんな化合物でも、作ることができる。実施形態のうちのいくつかは、本明細書で、シリコンベースのセンサダイについて説明されている場合があるが、本明細書で説明される実施形態は、他のどんな好適な材料で作られたセンサにも適用することができる。
【0030】
一実施形態では、1つ以上の部品110は、エネルギー感応素子によって検出されたエネルギーに応じた、エネルギー感応素子116によって生成される出力に対して、1つ以上の機能を実行するように構成される。1つ以上の他の部品(または他のダイ)は、アナログ-デジタル(A/D)チップ、デジタル-アナログ変換部品(DAC:digital-to-analog component)、画像信号処理ダイ、特定用途向け集積回路(ASIC)、またはこれらの組合せの可能性がある。1つ以上の部品によって実行される1つ以上の機能には、たとえば、増幅、A/D変換、信号調整、デジタル画像処理、および外部コンピュータへの通信が含まれ得る。1つ以上の機能は、したがって、センサダイの出力をセンサ組立体の外部の部品に転送するだけの単純なものであってもよく、または出力をある種類から別の種類に変換すること、何らかのやり方でセンサ出力を変更することなどを、含んでもよい。組立体は、ピングリッドアレイ(PGA:pin grid array)、ボールグリッドアレイ(BGA:ball grid array)、フレキシブル回路、およびランドグリッドアレイ(LGA:land grid array)を含むがこれらに限定されるものではない、様々なインタフェース(
図1には図示されていないが、本明細書で説明される他の図には示されている)を使用することができる。一実施形態では、基板は、セラミック材料で形成される。基板は、たとえば、ガラス、アルミナ、窒化アルミニウム、または本明細書でさらに説明されるように選択される、他の材料をベースとするセラミックであることが好ましい。
【0031】
図2は、センサを形成する方法の一実施形態を示している。この図には、セラミック基板を作製するステップと、基板からセンサ組立体を作り出すステップとが含まれているが、本明細書で説明される実施形態には、
図2に示されているすべてのステップよりも少ないステップしか含まれない場合がある。たとえば、この方法を、下記でさらに説明されるステップa)から開始するのではなく、この方法が、下記で説明されるステップg)から始まってもよく、ステップg)の前のステップが、別の方法またはシステムによって実行されてもよい。
【0032】
ステップa)に示されているように、セラミック基板200が作製される。このステップでは、基板は一般に、次のステップで除去される犠牲材料を含むように、公称設計よりも厚く作製されることになる。ステップb)では、基板の上面が所望の形状に研磨され、これにより、研磨された上面を有するセラミック基板202が形成される。この研磨プロセスにより、基板内に形成された内部のビア(
図2には図示せず)が露出され得る。ステップc)では、基板の底面が平坦な表面になるまで研磨され、これにより、2つの研磨された側面を有するセラミック基板204が形成される。セラミック基板は、
図2において、基板の両面が特定の形状に研磨されるように示されているが、基板の両面の形状は、
図2に示されているものとは異なっていてもよく、本明細書でさらに説明されるように選択されてもよい。
【0033】
ステップd)では、金属206が、基板の上面に堆積され、パターン形成される。平坦な表面上へのパターン形成は、当技術分野で知られている標準的なリソグラフィ方法を使用して、実現することができる。凹面上へのパターン形成は、やはり当技術分野で知られているダイレクトイメージングなど、パターン形成のための直接描画法を使用して、実現することができる。ステップe)では、ステップd)と同じプロセスが、基板の底面に実施され得、これにより、基板の底面に金属208が形成される。金属206および208は、当技術分野で知られている任意の好適な材料で形成され得、当技術分野で知られている任意の好適な構成を有し得る。ステップf)では、ASICチップなどの1つ以上の部品210が、当技術分野で知られている任意の好適なフリップチッププロセスを使用して、基板の底面上に組み立てられる。
【0034】
この方法は、基板上に、分離した熱伝導構造体を形成するステップを含む。たとえば、ステップg)では、上部表面で、はんだバンプ加工(solder bumping)が実行され、これにより、基板の上面に分離した熱伝導構造体212が形成される。この方法は、センサダイの薄型の裏面の事前に選択された形状に基づいて、分離した熱伝導構造体の形状を変更するステップも含む。たとえば、ステップh)において、分離した熱伝導構造体、たとえばはんだボールは、矢印218で示される方向に低くなった、所望の形状(
図2に示されている湾曲形状)に研磨された表面216を有するツール214を使って、表面216が分離した熱伝導構造体に接触して力を及ぼすまで、スタンピング(コイニング)され得る。
【0035】
この方法は、センサダイの前面を、分離した熱伝導構造体を介して基板に接合し、これにより、センサダイの薄型の裏面を、事前に選択された形状にするステップをさらに含む。センサは、このようにして、フリップチッププロセスによってセンサダイの前面と基板との間に形成され、これによりセンサダイを基板に接合し、センサダイの薄型の裏面を事前に選択された形状にする、分離した熱伝導構造体を備える。分離した熱伝導構造体の少なくとも一部は、センサダイを、基板204に取り付けられた1つ以上の部品210に、電気的に接続する。たとえば、分離した熱伝導構造体のすべてが、部品またはデバイスに電気的に接続し得るわけではない。感光素子が形成される領域(たとえば、膜領域)では、導電性構造体は、機械的および熱的利点を実現し得るが、電気的目的を有していない場合もある。センサダイはさらに、本明細書で説明されるように構成され得る。たとえば、ステップi)に示されているように、センサダイ220は、薄型の裏面222、前面224、およびセンサダイの薄型の裏面を照射するエネルギーを検出するように構成されたエネルギー感応素子(
図2には図示せず)を備え得る。
【0036】
ステップi)では、ホットバーまたは類似のものなどの接触方法を使用して、センサダイ220の周辺部が基板にはんだづけされる。ホットバー226は、たとえば、センサダイの周辺部が、センサダイの周辺部の近くにある分離した熱伝導構造体だけに接触し、はんだづけされるように、センサダイの裏面222を、矢印228で示された方向に押し下げ得る。このようにして、センサダイは、このステップ後、分離した熱伝導構造体の一部だけに接合され得、センサダイは、後のステップで、残りの分離した熱伝導構造体に接合され得る。
【0037】
一実施形態では、センサは、センサダイの前面と基板との間で、分離した熱伝導構造体の周囲に形成される、アンダーフィル材料を備える。かかる一実施形態では、アンダーフィル材料は、センサダイが真空に晒されているときに、センサダイを安定させるように構成される。本明細書に説明されている実施形態の、1つの新規で有利な特徴は、たとえば、湾曲した画像センサが、アンダーフィルを備えて、セラミック基板上にパッケージ化されることにより、真空ベースの動作が可能となることである。アンダーフィル樹脂230は、ステップj)に示されているように、センサダイ220と基板との間に加えられ、はんだ接合を強化する。アンダーフィル樹脂は、このようにして、はんだ接合を安定させ、これにより、センサにかかるか、さもなければセンサが晒される、真空もしくは他の圧力が存在するときでさえも、センサダイの形状を維持する助けとなり得る。センサは、たとえば、検出されているエネルギーがVUV光、EUV光、電子などである場合、かかる真空に晒す必要があり得る。ステップk)では、フローセル232が、センサダイ220を加圧して、センサダイのより薄い部分と基板との間の接触を確立するために使用される。さらにアンダーフィルの硬化も、このステップで行うことができる。
【0038】
ステップj)およびk)に示されているように、センサダイの裏面は、センサダイが、分離した熱伝導構造体のすべてに接合された後、湾曲した形状を有し得、分離した熱伝導構造体は、組み合わせて事前に選択された形状を有するように、スタンピングまたはコイニングされている。本明細書で説明されている実施形態の1つの新規で有利な特徴は、したがって、裏面が薄型で湾曲した画像センサを、フリップチッププロセスによって組み立てることができ、DUV、VUVなどの裏面照射と、実質的に高速の動作との両方が可能となることである。
【0039】
図2に示されるステップは、本明細書でさらに説明される1つ以上の手法において、修正されてもよい。たとえば、ステップb)において、用途が、実質的に平坦なセンサダイを必要とする場合であり得るとき、セラミックの前面は、湾曲した表面ではなく平坦な表面に研磨されてもよい。その場合、
図2に示される方法が、十分同様に適用され得るが、セラミックの製造プロセスおよび組立プロセスは、大幅に簡略化され得る。
【0040】
この方法のそれぞれのステップはさらに、本明細書で説明されるように実行され得る。この方法はまた、本明細書で説明されているセンサ、撮像システム、コンピュータサブシステム、部品などを使って実行できる、他のどんなステップを含んでもよい。上記で説明された方法によって形成されたセンサ、およびそのセンサが備えられる撮像システムは、本明細書で説明される実施形態のうちのいずれかに従って構成され得る。この方法は、本明細書で説明されるシステムの実施形態のうちのいずれかによって実行され得る。
【0041】
コイニングされたはんだバンプを用いて、基板上に集積回路(IC:integrated circuit)を組み立てるという一般的な考えは、2012年12月6日に公開されたスリ ジャヤンサ(Sri-Jayantha)らによる米国特許出願公開第2012/0309187号で説明されており、この特許を、本願に、あたかも完全に記載されているかのように、引用して援用する。しかし、かかる方法を画像センサ向けに実現する際の課題は、センサダイ表面の機械的接触が、画素アレイに損傷を与え、組立ての歩留まりが比較的低くなる場合があるので、望ましくないという事実から生じる。
図3は、基板が形成され得る方法の一実施形態を示し、
図4は、センサ組立てのプロセスの流れの一実施形態を示している。
【0042】
図3のステップ300では、セラミック基板302は、当技術分野で知られている任意の好適なプロセスであり得る、同時焼成プロセスを使用して作製される。基板は、セラミック層およびセラミック内の導電性インク(図示せず)の収縮差のせいで、反りおよび非平坦性を示すであろう。次のステップでは、インタフェース材料が加えられる。インタフェース材料は、スタンピングまたはコイニングによる形成を可能にするのに十分な柔らかさであることが好ましい。かかるインタフェース材料の例には、はんだバンプおよび金スタッドが含まれるが、これらに限定されるものではない。たとえば、ステップ304では、はんだバンプ306が、セラミック基板302上に形成され得る。金スタッドの場合、ステップ308において、金スタッド310がセラミック基板302上に形成され得る。
【0043】
インタフェース材料は、次いで、成形ツールを使用して、コイニングされることになる。たとえば、ステップ312では、はんだバンプ306は、ツール314を矢印316が示す方向に移動させ、ツールをはんだバンプに当接し、はんだバンプ上に力を加えることによって、スタンピングまたはコイニングされ得る。同様に、ステップ318では、金スタッド310は、ツール320を矢印322が示す方向に移動させ、ツールを金スタッドに当接し、金スタッド上に力を加えることによって、スタンピングまたはコイニングされ得る。
【0044】
本明細書で説明されている実施形態の1つの新規で有利な特徴は、膜下にあるバンプのスタンピング/コイニングを使用して、裏面が薄型の画像センサの形状を、実質的に正確に制御することが可能であり、これによりセンサ形状を、特定の像面湾曲に合うようにすることができることである。たとえば、一実施形態では、フリップチッププロセスでセンサダイを基板に接合する前に、分離した熱伝導構造体が基板上に形成され、分離した熱伝導構造体の組合せが、事前に選択された形状と実質的に同じ形状を有するように、分離した熱伝導構造体のうちの1つ以上の形状が変形される。別の実施形態では、事前に選択された形状は、フリップチッププロセスの前に決定されており、基板上に形成される分離した熱伝導構造体のうちの1つ以上の形状は、フリップチッププロセスでセンサダイを基板に接合する前に、事前に選択された形状に基づいて変更される。
図3に示されているように、分離した熱伝導構造体をスタンピングまたはコイニングするために使用されるツールの表面の形状は、様々な実施形態で相異なる場合があり、事前に選択された形状に応じて変わり得る。特に、はんだバンプまたは金スタッドに接触するツールの表面の形状は、事前に選択された形状が、はんだバンプまたは金スタッドに転写され、次いでセンサダイがはんだバンプまたは金スタッドに接合されるときに、センサダイに転写されるように、事前に選択された形状と実質的に同じであり得る。
【0045】
一実施形態では、分離した熱伝導構造体が形成される基板の表面は、事前に選択された形状とは別の形状を有する。たとえば、
図3に示されている実施形態では、はんだバンプの形状は、実質的に平坦な表面を有するツールを用いて実行される、スタンピングまたはコイニングによって変更され、その結果、はんだバンプの組合せは、スタンピングまたはコイニングの後、実質的に平坦な表面を有する。はんだバンプのかかるスタンピングまたはコイニングは、事前に選択された形状が実質的に平坦な形状である場合に、適切であろう。
図3からわかるように、スタンピングまたはコイニングされたはんだバンプは、セラミック基板が平坦でないか、または反っているにも係わらず、はんだバンプの組合せ全体にわたって実質的に平坦な、表面を有することもできる。このようにして、センサダイの前面が、スタンピングまたはコイニングされたはんだバンプに接合されると、センサ組立体は、セラミック基板が平坦でないか、または反っているにも係わらず、実質的に平坦な外形を有し得る。
【0046】
対照的に、
図3に示されているように、金スタッドの形状は、湾曲した表面を有するツールを用いて実行されるスタンピングまたはコイニングによって変更され、その結果、金スタッドの組合せは、スタンピングまたはコイニングの後、湾曲した表面を有する。金スタッドのかかるスタンピングまたはコイニングは、事前に選択された形状が湾曲した形状である場合に、適切であろう。
図3からわかるように、スタンピングまたはコイニングされた金スタッドは、セラミック基板の形状と相異なる金スタッドの組合せ全体にわたって、湾曲した表面を有することもできる。このようにして、センサダイの前面が、スタンピングまたはコイニングされた金スタッドに接合されると、センサ組立体は、セラミック基板が平坦でないか、または反っているにも係わらず、またセンサダイの裏面の事前に選択された湾曲した形状と、セラミック基板の表面の形状とで違いがあるにも係わらず、湾曲した形状を有し得る。したがって、本明細書で説明されているように、分離した熱伝導構造体の形状を変更することにより、セラミック基板の形状に関する制約が軽減される。
【0047】
図4はさらに、はんだを、凹形(上)、凸形(下)、または他の任意の形状のどんな表面にもコイニングできる方法を示している。言い換えると、実施形態400は、はんだボールの凹形の外形に適合する、センサの組立方法を示し、実施形態402は、はんだボールの凸形の外形に適合する、センサの組立方法を示している。どちらの場合も、はんだボール404は、基板406上に形成され得る。両方の実施形態に示されているように、基板は、センサダイ向けに選択された形状と同じ形状を有する必要がないので、凹形でもなく凸形でもない形状を有している。はんだボールおよび基板は、本明細書で説明されたように形成され得、本明細書でさらに説明されるように構成され得る。
図4は、はんだボールに関して図示され、説明されているが、本明細書で説明されている他の分離した熱伝導構造体が、この図に示されているように、形状を変更されてもよい。
【0048】
成形ツールおよび分離した熱伝導構造体の形状によって、結果的に基板上に組み立てられるセンサダイの、正確な形状が決定されることになる。センサダイが、成形された、分離した熱伝導構造体上に配置されると、分離した熱伝導構造体が加熱され、分離した熱伝導構造体がリフローされ、センサダイと基板との間に恒久的な接続が確立される。加熱中に、センサダイを基板に押し付ける必要があり、これは、センサダイの周辺部をホットバーによって押し付ける、または専用治具を介してガス圧を加えるなど、様々な手段を用いて実行することができる。
図4の実施形態では、部分的筐体408は、センサダイ412と接触する密封リング410との組合せで、フローチャンバ414を形成する。たとえば、フローチャンバ内の圧力を制御するガス流416によって、フローチャンバを通してセンサダイに圧力を加えることにより、センサダイは、コイニングされた、分離した熱伝導構造体の形状に適合せざるを得ないようになる。
【0049】
本明細書でさらに説明される実施形態は、センサダイが、特定の形状を有するよう設計される、実際の例を示している。本明細書でさらに説明されるように、一実施形態では、事前に選択された形状は、湾曲した形状である。別の実施形態では、事前に選択された形状は、高次の多項式によって画定される。たとえば、センサ形状を高次の多項式で記述できるため、光学システム設計の柔軟性をより高めることができる例を、強調する価値がある。
【0050】
いくつかの実施形態では、分離した熱伝導構造体が形成される基板の表面は、事前に選択された形状に基づいて決定された形状を有する。たとえば、セラミック基板が、所望の形状から実質的に外れており、はんだボールでは、所望のセンサダイの形状とセラミックの形状との隔たりを埋めることができない場合、セラミック基板を所望の形状に研磨でき、はんだパッドを画定する上部金属パターンを、表面上にパターン形成することができる。これは、
図2を参照して上記で説明された、ステップb)およびd)で説明および図示されたように実行され得る。
【0051】
いくつかの実施形態では、基板は、センサダイのサイズおよび事前に選択された形状によって決まる、材料の熱膨張率(CTE:coefficient of thermal expansion)に基づいて選択される材料で形成される。別の実施形態では、分離した熱伝導構造体は、センサダイのサイズおよび事前に選択された形状によって決まる、材料のリフロー温度に基づいて選択される材料で形成される。ここで、組み立てられるセンサが、性能要件を確実に満たすことができるようにするのを補助できる、基板およびはんだ材料を選択する方法について説明する。
【0052】
はんだのリフローは高温で行われるので、室温または動作温度まで冷却すると、センサダイとセラミック基板との両方が収縮する。この温度変化は、所望のダイ形状を達成することと、さらに応力のため、はんだ接合の信頼性を確保することとの両方に対して、いくつかの課題を提起する。実質的に応力のないはんだ接合の条件は、単純な1Dモデルを使用した、幾何学的な考察に基づいて決定することができる。
【0053】
最初は平坦なセンサダイおよび完全に適合した最終形状を示す実施形態が、
図5に示されている。センサダイは、比較的高温での、
図2のステップi)のはんだリフロー中に、おそらく、
図5の寸法500で示されている初期長さLsを有している。センサダイは、目標温度まで冷却し、
図2のその後のステップj)およびk)を行った後の、
図5の寸法502で示される最終長さLs’を想定して、コイニングされたバンプの外形に適合することになる。基板も温度差により収縮を起こすことになり、そのため外側のバンプパッド間の長さは、寸法504で示されるLcから寸法506で示されるLc’まで縮小することになる。収縮差間の不一致により、はんだ接合部に、ダイの周辺部に近い外側のバンプで最悪となる、残留応力が生じることになる。
【0054】
この例では、差(Lc’-Ls’)を最小限に抑えることができれば、外側のはんだ接合部の応力は最小限となろう。Lc’-Ls’=0の場合、応力のないはんだ接合部が実現する。この条件を満たすための要件は、単純な幾何学的考察によって修正することができる。1Dで示された例では、セラミック基板の曲がりがないと仮定すると、以下が得られる。
【数1】
ここで、Rは、ダイの目標曲率半径、α
cおよびα
sは、セラミックおよびシリコンダイの熱膨張率(CTE)、ΔTは、
図2のステップj)からステップk)までの、リフローからの温度差である。パラメータL
s’およびRは、適用要件によって設定される。パラメータα
cおよびΔTは、適切なセラミック材料およびはんだを選択することによって、選ぶことができる。シリコンダイのCTEよりも大きなCTEを有するセラミック材料が、市販されている。ΔTは、はんだの選択によって決まる。様々なリフロー温度のはんだも、市販されている。
【0055】
この例は、いくつかの近似を含む簡略化された場合であるが、提案されている組立てにおいて、はんだ応力を最小限に抑えるための重要なプロセス条件を選択する方法を示している。条件は、実際の2Dの幾何形状では、数値モデリングを使用して得られ得る。平坦なセンサダイ(Rは無限大)の単純な場合では、センサダイとセラミック基板との間でCTEがほぼ一致しているときに、最適な条件が得られる。CTEがぴったり一致するシリコンを含むセラミックIC基板も、複数の供給業者から市販されている。これらの材料は、ある範囲のCTEにわたり、酸化物セラミックスと非酸化物セラミックスとの両方が含まれる。非酸化物セラミックスには、窒化アルミニウム(CTEは、約4.4~4.7ppm/℃)、炭化ケイ素(CTEは、約3.7~3.9ppm/℃)、窒化ケイ素(CTEは、約2.8~3.5ppm/℃)が含まれる。この範囲は、種類ごとにCTEが異なる、様々な組成を示す。日本の京都にある京セラ株式会社から市販されているような酸化物ベースのセラミックスには、3.4から12.3ppm/℃の範囲のCTEを有する材料が含まれる。シリコンダイの場合、CTEは2.6ppm/℃である。ダイサイズおよび曲率が与えられると、当技術分野で知られている任意の好適な数値モデリングを使って、最適なCTEを有する材料を選択することができる。
【0056】
不一致をさらに最小限に抑えるために、所望のリフロー温度のはんだが使用される。約60℃から220℃超までの全温度範囲にわたる、様々なはんだ材料が市販されている。はんだ材料には、インジウム-ビスマス-錫(In-Bi-Sn)、インジウム-ビスマス(In-Bi)、インジウム-錫(In-Sn)、錫-銀-銅(SACx)、および他の合金が含まれ、複数の供給業者から市販されている。適切なはんだおよびセラミック材料を選択することにより、どのようにしてパラメータαcおよびΔTを選択し、それによりはんだ接合部を、実質的に応力のない状態に近づけることができるかが、明らかとなる。はんだでできた、分離した熱伝導構造体には、融点が区別できるほど異なる、複数の材料が含有される場合もある。材料のうちの一方が、所望の形状をより容易に維持できる、より融点の高いはんだであり得、材料のうちのもう一方が、はるかに低い温度で部品またはデバイスに電気接続できる、より融点の低いはんだであり得ることは、有利である。かかる材料の組合せは、任意の好適な市販のはんだ材料から、任意の好適なやり方で選択され得る。
【0057】
実質的に高速に動作させるためには、比較的多数の相互接続信号を、センサダイから1つ以上の部品、たとえばASICへ引き出す必要がある。多くの回路を駆動するには、トランジスタが必要である。かかる実施態様の例は、2020年9月1日にチュアン(Chuang)らに付与された米国特許第10,764,527号に提示されており、この特許を、本願に、あたかも完全に記載されているかのように、引用して援用する。本明細書で説明されているセンサはさらに、この特許で説明されているように構成されてもよい。実質的に高速な動作、および比較的多数の信号を可能にするために、パッケージ化技術は、セラミック基板の比較的高密度のルーティング、および比較的低いチャネル寄生容量を提供する必要がある。その両方が、低温同時焼成セラミック(LTCC:low-temperature cofired ceramic)上でのセンサダイのフリップチップ組立てによって、同時に可能となる。かかる技術では、150umピッチ以下での相互接続が利用可能である。かかる相互接続が、セラミック基板全体にわたって、10ギガサンプル/秒(GS/秒)を超えるデータを、ASICへ転送可能とすることができる。
【0058】
図6は、センサダイ600、セラミック基板602、ヒートシンク604、樹脂606およびインタフェース材料608を備えるインタフェース材料、ならびにセンサダイを基板に接合するバンプ610を具備する、完全なセンサ組立体の断面を示している。
図6に示されている実施形態は、この図には示されていないが、本明細書でさらに説明される他の素子を備え得る。たとえば、
図6に示されている完全なセンサ組立体の一部は、電気相互接続部と1つ以上の部品、たとえばASICとの間にある、
図1に示されたセンサ組立体の中央部分に対応する。
図6には、センサ組立体内の熱伝達に関するさらなる詳細をより明確に示すことができるように、センサ組立体全体のうちの一部しか示されていない。
【0059】
この図の重ね書きされた矢印は、センサ組立体内の熱流束の大きさおよび方向を示している。本明細書で説明されている組立方法の実施形態は、センサ組立体にとって熱的な利点を有する。たとえば、センサダイを支持するバンプ610は、センサダイの形状を画定するだけでなく、画像センサダイによって生成される熱の効率的な熱導管としても機能する。センサダイとセラミック基板との間隙は、信頼性を高めるために、はんだ接続部を固化し、強化する樹脂で満たされ得る。この目的のためにエレクトロニクス業界で開発されたすべての樹脂は、典型的には1W/mK(ワット/メートルケルビン)未満である、比較的低い熱伝導率を示す。はんだバンプまたは金ピラーの熱伝導率は実質的により高く、これは、熱流束の大部分が、はんだバンプまたは金ピラーの分離した熱伝導構造体を通って伝導されることを意味する。
図6は、樹脂およびはんだバンプを備える、かかるインタフェースを熱モデル化した結果を示している。組立体の断面図に示されている厚さは、明確にするために、原寸に比例していない。重ね書きされた矢印は、熱流の方向を示し、矢印の長さは、熱流束の大きさに比例している。この図に示されているように、センサダイからセラミック基板までの熱伝導度は、樹脂ではなく、主にバンプによって決まるであろう。
【0060】
一実施形態では、センサは、基板内に形成され、少なくともサブセットが、分離した熱伝導構造体の少なくとも一部を1つ以上の部品に接続し、これにより、センサダイを1つ以上の部品に接続するように構成された、熱伝導性で導電性のビアを備える。セラミック基板602は、たとえば、センサ組立体の熱性能をさらに向上させるために、熱伝導性で導電性のビアのアレイ(
図6には図示せず)を備え得る。別の実施形態では、アンダーフィル材料は、高い熱伝導率を有する誘電体材料で形成された、分散粒子を含有する樹脂を含む。アンダーフィル樹脂606は、たとえば、分散粒子(図示せず)を含むことが好ましい場合がある。かかる粒子は、窒化アルミニウム、サファイア、またはダイヤモンドなどの、高い熱伝導率を有する誘電体材料で作製されることが好ましい。本明細書で使用される「高い熱伝導率」という用語は、概して、30W/mKから2000W/mKの熱伝導率と定義される。
【0061】
別の実施形態は、撮像システムに関する。撮像システムは、一般に、照明サブシステムによって試料に向けられるエネルギーを生成するように構成されたエネルギー源(たとえば、光源、電子ビーム源など)を備える。かかるエネルギー源および照明サブシステムは、本明細書でさらに説明され、
図11および
図11aに示されるように構成され得る。いくつかの実施形態では、試料はウェハである。ウェハには、半導体技術分野で知られている、任意のウェハが含まれ得る。本明細書では、いくつかの実施形態は、1枚または複数のウェハについて説明されることがあるが、実施形態は、使用できる試料について限定されるものではない。本明細書で説明される実施形態は、たとえば、レチクル、平面パネル、パーソナルコンピュータ(PC:personal computer)ボード、および他の半導体試料などの試料に対して使用され得る。
【0062】
システムはまた、試料からのエネルギーを検出し、検出したエネルギーに応じた出力を生成するように構成された、センサも備える。センサは、本明細書でさらに説明されるように構成される。センサで検出されるエネルギーには、電子、荷電粒子、X線、VUV光、EUV光、DUV光、可視光、およびIR光など、本明細書で説明されている任意のエネルギーが含まれ得る。本明細書でさらに説明されるように、センサで検出されるエネルギーの種類には、システムの構成に応じて、鏡面反射光、散乱光、またはその両方も含まれ得る。センサによって生成される出力には、画像データ、画像信号、画像でないデータ、画像でない信号など、またはこれらの何らかの組合せなどの、任意の好適な出力が含まれ得る。センサおよびセンサに結合された撮像システムの1つ以上の素子はさらに、本明細書で説明されるように構成され得る。
【0063】
一実施形態では、撮像システムは、試料からのエネルギーをセンサに向けるように構成された、カメラレンズサブシステムを備える。たとえば、
図7aに示されているように、事前に選択された湾曲した形状を有する画像センサが、カメラレンズシステムで使用されてもよく、
図7bに示されているように、事前に選択された平坦な形状を有する画像センサが、カメラレンズシステムで使用されてもよい。カメラレンズサブシステムは、
図7aでは、湾曲した形状を有する画像センサ710に、組み合わせて光712の焦点を合わせる、4つの屈折レンズ700、702、704、および706、ならびに開口絞り708を備える。同様に、カメラレンズサブシステムは、
図7bでは、実質的に平坦な形状を有する画像センサ724に、組み合わせて光726の焦点を合わせる、4つの屈折レンズ714、716、718、および720、ならびに開口絞り722を備える。
図7aおよび
図7bは、湾曲した画像センサ対平坦な画像センサ向けに最適化された、2つの設計を示している。湾曲した画像センサの場合、センサの湾曲も最適化される。かかるシステムには、例として、以下のシステム仕様を選択することができる。FOVは±14度、開口絞りは直径20mm、センサフォーマットは対角50mm、画像空間F値(f/#)=5.5、有効焦点距離(EFL)728は100mm。かかるパラメータは、DUV、可視、またはIRスペクトルの対象となる波長に対して選択できる、狭帯域設計の典型的な適用要件の一例を表している。
【0064】
カメラレンズサブシステムは、
図7aおよび
図7bでは、4つの屈折レンズを備えるものとして示されているが、カメラレンズサブシステムは、別の数の屈折レンズを備えてもよい。
図7aおよび
図7bに示されているカメラレンズサブシステムは、加えて、1つ以上の屈折レンズ素子の代わりに、または1つ以上の屈折レンズ素子と組み合わせて、1つ以上の反射レンズ素子(図示せず)を備えるよう修正されてもよい。さらに、
図7aおよび
図7bからわかるように、これらの図では概括的に示されているに過ぎない屈折レンズ素子の形状は、画像センサの形状に応じて修正され得る。特に、
図7aおよび
図7bからわかるように、屈折レンズ704および718は実質的に相異なる形状を有し、屈折レンズ706および720でさえも、少なくとも若干相異なる形状を有する。
図7aおよび
図7bに示されているすべての屈折素子の形状は、画像センサと共に使用され得る、実際のどんな屈折レンズまたは反射ミラーの特性をも限定するか、または示すことを意図するものではない。そうではなくて、当業者には明らかなように、カメラレンズサブシステムに備えられる屈折レンズおよび他のどんな素子も、センサが使用される適用例(たとえば、散乱光対鏡面光、検査対計測、DUV光対VUV光など)に加えて、センサの構成ばかりでなく、撮像システムの全体構成にも応じて、最適化され得る。
【0065】
図7cは、画像センサダイの湾曲を、表面のサグ730で示しており、この湾曲は、最適化された結果である。かかる表面の外形は、上記で説明された方法を使用して実現できる。このプロットに示されている正確な値、および値が相当する正確な曲率に関しては、本実施形態の理解にとって重要ではない。この値および表面のサグは、本明細書でさらに説明される考察に基づいて、当技術分野で知られている任意の好適なやり方で決定および最適化され得、このプロットは、センサダイの形状の特性を決定および最適化できる方法を、図を用いて示すためにここに含まれている。
図7dは、FOV全体にわたるスポットサイズの幾何2乗平均平方根(RMS)を示している。スポットサイズのRMSは、システムによってもたらされる収差の量の測定値である。2つのプロットは、平坦なセンサダイ(実線)対湾曲したセンサダイ(破線と点との両方からなる)の、2つの場合に対応する。この図に示されている他の線(破線だけからなる)は、撮像システムにおける撮像の回折限界に相当する。このプロットから明らかにわかるように、湾曲したセンサダイにより、平坦な形状のセンサダイよりも、画像のぼけを大幅に低減することができる。検査システムでは、ぼけの低減は、より高いレベルの欠陥検出、すなわちより高い検査感度につながる。この場合も、この
図7dのプロットに示されている正確な値、および値が相当する正確な収差に関しては、本実施形態の理解にとって重要ではない。このプロットは単に、様々なセンサダイの形状が、撮像システムの収差にどのような影響を与えることができるかを、図を用いて示すために、ここに含まれている。
【0066】
湾曲した画像センサダイをベースとする設計の開口絞りはまた、平坦なセンサダイをベースとする設計の開口絞りより、大きくすることもできる。開口絞りは、
図7aで提示された例では、初期設計の収差に合わせながら、直径最大26mmまで大きくすることができる。これは、カメラレンズサブシステムの集光力が(26/20)
2倍、すなわち約70%増加することを意味する。この高まった集光能力により、検出される光信号が改善され、その結果、欠陥検出のレベルがより高まる。かかるレンズは、比較的大きな欠陥の目視検査およびレビューのための、フィルム計測を目的とした、ウェハ、パネル、またはIC基板の撮像用途向けに最適化され得る。
【0067】
別の実施形態では、システムは、試料からのエネルギーをセンサに向けるように構成された、チューブレンズサブシステムを備える。かかる構成は、顕微鏡と共に使用されるDUVカメラのチューブレンズ用に使用され得る。この実施形態では、
図8aおよび
図8bに示されているように、事前に選択された形状を有する画像センサが、チューブレンズサブシステムと共に使用される。たとえば、
図8aに示されているように、事前に選択された湾曲した形状を有する画像センサダイが、チューブレンズシステムで使用されてもよく、
図8bに示されているように、事前に選択された平坦な形状を有する画像センサダイが、チューブレンズシステムで使用されてもよい。
図8aでは、光は、開口800を通ってチューブレンズサブシステムに入射され得、チューブレンズサブシステムは、湾曲した形状を有する画像センサダイ810に、組み合わせて光808の焦点を合わせる、3つの屈折レンズ802、804、および806を備える。同様に、
図8bでは、光は、開口814を通って、このチューブレンズサブシステムの実施形態に入射され得、チューブレンズサブシステムは、実質的に平坦な形状を有する画像センサダイ824に、組み合わせて光822の焦点を合わせる、3つの屈折レンズ816、818、および820を備える。例として、以下のシステム仕様が選択された。FOV=±10度、開口絞り直径=8mm、センサフォーマットは対角12mm、画像空間F値(f/#)は4.2、EFL828は34mm、および総レンズトラックは<40mm。
【0068】
チューブレンズサブシステムは、
図8aおよび
図8bでは、3つの屈折レンズを備えるものとして示されているが、チューブレンズサブシステムは、別の数の屈折レンズを備えてもよい。
図8aおよび
図8bに示されているチューブレンズサブシステムは、加えて、1つ以上の屈折素子の代わりに、または1つ以上の屈折素子と組み合わせて、1つ以上の反射レンズ素子および/または回折レンズ素子(図示せず)を備えるよう修正されてもよい。さらに、
図8aおよび
図8bからわかるように、これらの図では概括的に示されているに過ぎない素子の特性は、画像センサダイの形状に応じて修正され得る。特に、
図8aおよび
図8bからわかるように、屈折レンズ806および820は、相異なる形状を有する。
図8aおよび
図8bに示されている設計例は、画像センサに必要な、どんな設計またはレンズ材料をも限定するか、または示すことを意図するものではない。そうではなくて、当業者には明らかなように、チューブレンズサブシステムに備えられる素子は、センサが使用される適用例(たとえば、散乱光対鏡面光、検査対計測、DUV光対VUV光など)に加え、センサの構成ばかりでなく、撮像システムの全体構成にも応じて、最適化され得る。
【0069】
3つの素子を備えるチューブレンズサブシステムが、
図8aに示されているように、センサダイの湾曲が許容される場合と、
図8bに示されているように、センサダイが平坦であるように制約された場合との、2つの場合について最適化された。これらの最適化の結果がそれぞれ、
図8cおよび
図8dに示されている。
図8cは、最適化した結果である、センサ表面のサグの等高線プロット830を、mm単位で示している。これは、約50mmの曲率半径に相当する。かかる形状を有するセンサダイは、この場合も、本明細書で説明されている方法の実施形態を使用して得ることができる。2つの円錐面(L1-LおよびL3-L)を備えた3つの光学素子だけを使用することで、FOV全体にわたって回折限界の設計が得られる。
【0070】
かかる設計の収差は、
図8dのスポットサイズのRMSのプロット832に示されているように、平面状画像センサダイをベースとする同等の設計と比較して、約10倍小さい。最も重要なことは、この設計により、歪みが2倍以上減少し、主光線の角度が実質的に小さくなり、FOV全体にわたるセンサの応答性がより均一になることである。幾何収差は、サブミクロンの範囲にあり、実際のどんな画像センサの画素サイズをも実質的に下回る。収差がより小さいことは、パターン形成されるウェハ、パネル、またはIC基板の光学検査用途にとって、特に有益である。この例は、湾曲した画像センサダイを使用することにより、これらの用途向けの簡単なチューブレンズの設計が、どのように可能となるかを示している。特に、センサの湾曲を使用することにより、必要な反射素子の数を減らし、EUV照明を使用するシステムで可能な実際の像面サイズを広げることができる。こうしたシステムは、非常に制約が多く、高価な素子および製造方法が必要である。
【0071】
図8cのプロットに示されている正確な値、および値が相当する正確な曲率に関しては、本実施形態の理解にとって重要ではない。この値および表面のサグは、本明細書でさらに説明される考察に基づいて、当技術分野で知られている任意の好適なやり方で決定および最適化され得、このプロットは、センサダイの形状の特性を決定および最適化できる方法を、図を用いて示すためにここに含まれている。
図8dは、FOV全体にわたるスポットサイズの幾何RMSを示している。スポットサイズのRMSは、システムによってもたらされる収差の量の測定値である。2つのプロットは、平坦なセンサダイ(実線)対湾曲したセンサダイ(破線)の、2つの場合に対応する。このプロットから明らかにわかるように、湾曲したセンサダイにより、平坦な形状のセンサダイと比較して、ぼけを大幅に低減することができる。この場合も、この
図8dのプロットに示されている特定の値は、本実施形態の理解にとって重要ではない。このプロットは、様々なセンサダイの形状が、撮像システムの収差にどのような影響を与えることができるかを、図を用いて示すために含まれている。
【0072】
本明細書で説明される実施形態は、湾曲したセンサのアレイを備え得る。たとえば、本明細書で説明される実施形態は、本明細書で説明されているセンサのうちの2つ以上を備え得、センサのセンサダイは、事前に選択された同じ形状、サイズなど、同じ特性を有してもよく、または、事前に選択された相異なる形状および/または相異なるサイズなど、1つ以上の相異なる特性を有してもよい。かかる一実施形態では、撮像システムは、試料からの追加のエネルギーを検出し、検出した追加のエネルギーに応じた出力を生成するように構成された、追加のセンサを備える。追加のセンサは、本明細書でさらに説明されるように、追加のエネルギーを検出し、出力を生成するように構成され得る。2つのセンサで検出されるエネルギーは、エネルギーの種類(散乱対鏡面反射)、波長、偏光など、1つ以上の相異なる特性を有し得る。たとえば、下記でさらに説明されるように、相異なる検出チャネルが、相異なるセンサを備え得、それぞれのセンサは、本明細書で説明されるように構成され得る。しかし、複数のセンサの実施形態の、1つの特に有利な実施態様は、たとえその画像面が湾曲していても、または他の何らかの平坦でない形状を有していても、複数のセンサが、同じ画像面のエネルギーを検出するように、同じ収集器または収集サブシステムに結合された、複数のセンサを備えるものである。
【0073】
追加のセンサは、追加の基板、および追加の基板に取り付けられた1つ以上の追加の部品を備える。追加のセンサは、追加の、薄型の裏面を有するセンサダイ、および追加のセンサダイの薄型の裏面を照射する、試料からの追加のエネルギーを検出するように構成された、追加のエネルギー感応素子も備える。追加のセンサは、加えて、フリップチッププロセスによって、追加のセンサダイの前面と追加の基板との間に形成され、これにより、追加のセンサダイを追加の基板に接合し、追加のセンサダイの薄型の裏面を追加の事前に選択された形状にする、追加の分離した熱伝導構造体を備える。追加の分離した熱伝導構造体のうちの少なくとも一部は、追加のセンサダイを1つ以上の追加の部品に電気的に接続する。追加のセンサのそれぞれのこうした素子はさらに、本明細書で説明されるように構成され得る。
【0074】
本明細書で説明されているセンサの実施形態のうちの2つ以上を、単一の検出チャネルで使用することは、試料からの光が、画像面の比較的広いエリアに向けられる場合、および/または画像面が、単一のセンサでは容易に実現できない湾曲を有している場合などの、いくつかの状況において、特に有益となる可能性がある。いずれの場合も、事前に選択された形状、および追加の事前に選択された形状(別のセンサのセンサダイの裏面の、事前に選択された形状)は、相異なっていてもよく、または同じであってもよい。撮像システムは、加えて、本明細書でさらに説明されるように、いくつかの実施形態では、撮像システムのセンサおよび追加のセンサの位置を別々に制御するように構成される。撮像システムは、画像システム制御の技術分野で知られている任意の適切なソフトウェアおよび/またはハードウェアを使用して、任意の好適なやり方で、それぞれのセンサの位置を制御するように構成され得る。
【0075】
図9aは、様々な湾曲を有する複数の画像センサを、タイル状に配置した一実施形態を示している。この実施形態では、画像面の前の撮像システム(
図9aには図示せず)の一番後ろの光学素子900が、光902を4つの画像センサ904、906、908、および910に向ける。この実施形態では、湾曲したセンサのアレイが焦点面に配置されている。センサの可能な配置およびその検査への応用の例は、2004年9月9日に公開されたキャバン(Cavan)による米国特許出願公開第2004/0175028号、および2015年7月7日にブラウン(Brown)らに付与された米国特許第9,077,862号に見ることができ、これらの特許を、本願に、あたかも完全に記載されているかのように、引用して援用する。撮像システムはさらに、これらの参考文献で説明されているように構成されてもよい。比較的広いFOVおよび比較的高い倍率を有するシステムでは、画像空間が実質的に大きくなる場合があり、画像全体をカバーするために複数のセンサが使用されることがある。かかる画像空間は、典型的には、当技術分野で知られているゼルニケ関数の重ね合わせ、または偶多項式および奇多項式(even and odd polynomials)の重ね合わせによって表される、比較的大きい曲率を有するであろう。実質的に高品質の画像を得るために、焦点面は、像面湾曲に応じて湾曲され得る。
【0076】
図9aは、4つの画像センサのアレイの例を示している。それらの画像センサは、
図9bに示されている像面の湾曲を精密に模倣した湾曲を有していることが好ましいであろう。この図は、表面のサグの等高線プロット912を示している。等高線プロットは、最高の光学性能を得るよう最適化された表面形状を表している。正確な最適形状は、具体的な撮像システムの設計によって異なるが、撮像システムの大部分は、図に示されているものと本質的に同様の湾曲を生じさせるであろう。焦点面(または焦点表面)は、上記の参考文献で説明されている理由により、センサのアレイによって撮像される。
図9cは、
図9aに示されている画像センサ904、906、908、および910が、それぞれに、最良の焦点表面に近づかなければならない可能性がある、湾曲916、918、920、および922の例914を示している。
【0077】
図9cに示されている、個々のセンサごとの表面のサグの量は、本明細書で説明されている組立プロセスを使用して達成するには大きすぎる場合がある。同様に、等高線の密度によって表される、各センサの全体にわたる表面のサグの偏差は、提案した方法を使用して達成するには大きすぎる場合がある。この問題に対処するために、以下の機能強化を実施することができる。相異なる画像センサを共通の基板上に組み立てる必要はないが、各センサは、それ自体の基板を有してもよく、センサの位置は、他のすべてのセンサに対して、6自由度すべてに変えることが可能である。たとえば、
図9に示されているセンサ904、906、908、および910のそれぞれは、それ自体の基板上に形成され得る。別法として、2つ以上のセンサ904、906、908、および910が単一の基板上に形成されてもよく、同じ基板上に形成されたどのセンサも、たとえば基板を切断することによって分離され、これにより、4つの別個のセンサを4枚の別個の基板上に生成してもよい。いずれの場合も、光軸(Z軸)に沿った各センサの位置、ならびにXZ平面およびYZ平面での各センサの傾斜角を操作して、画像センサの基板に対する、画像センサの最小の表面のサグを実現させることができる。
図9dは、かかる最適化の結果を示している。この場合、プロット924は、
図9aに示されている画像センサ904、906、908、および910のそれぞれの湾曲926、928、930、および932と、試料上でスワスが走査される方向934とを示している。この図の表面のサグの疎らな等高線(
図9cと比較して)は、提案した方法を使用してより容易に実現できる、画像センサの実質的に緩やかな湾曲および表面のサグを示している。
【0078】
図9a~
図9dは、特定の構成を示しているが、画像センサ形状を最適化する方法は、本質的に汎用である。焦点表面の形状を常に最適化して、最高の撮像性能を得ることができる。個々の画像センサのZ軸に沿った位置および傾斜角は、曲率および表面のサグを最小限に抑えるために、常に最適化することができる。かかる最適化により、典型的には、表面のサグの大きさが1桁減少し、本明細書で概説されている組立方法の利用が、より容易になるであろう。したがって、最も一般的な場合、各センサの正確な表面形状は、ゼルニケ係数を使って表すことができる。各センサは、光学システムに関して軸外にあるので、概して、表面は軸対称にならないであろう。
【0079】
図9b~
図9dの様々な数値はやはり、本明細書で説明されている実施形態の理解および完全な開示にとって、重要ではないことに留意されたい。この数値は、わざと判読できないようになっているのではなく、これらのプロットの元のバージョンの実物およびその再現性のせいである。この数値を本出願に含めているのは、複数のセンサの実施形態を、画像面内の像面形状に基づいてどのように構成し、最適化できるかを、単に例示するためだけに過ぎない。
【0080】
この実施形態に示されているチェッカ盤センサパターンは、一般に、ラスタ走査式検査システムとステップアンドリピート式検査システムとの両方で有用である。ラスタ走査である前者の場合、検査されている試料は、y方向に移動し(
図9aを参照)、試料の画像は、画像センサに対してy軸に沿って移動することになる。x方向の画像センサの重なりにより、x方向に沿った検査領域に、間隙のない試料の画像のスワスが生成されることになる。ステップアンドリピート式検査システムでは、結果として生じる2つの検査ステップごとに、検査範囲の間隙がなくなるように、センサの場所が選択され得る。
【0081】
本明細書で説明されている実施形態は、走査式検査システムでの、歪みが引き起こすぼけを低減するのにも効果的である。いくつかの実施形態では、撮像システムは、照明サブシステムによって試料に向けられるエネルギーを、試料上で走査するように構成された走査サブシステムを備え、照明サブシステムは、試料上に実質的に像面湾曲のないFOVを有し、センサダイの事前に選択された形状は、湾曲した形状である。走査および照明サブシステムはさらに、本明細書で説明されるように構成され得る。
【0082】
図10は、かかる実施形態の利点を例示するために、光学歪み、および走査システムの光学解像度に対する光学歪みの影響を示している。オブジェクト空間に投影された、画像空間における「完全な」格子および湾曲した格子は、それぞれ、湾曲した格子1000および完全な格子1002の、歪みの逆転をもたらす。「完全な」格子は、本明細書では、格子全体にわたって実質的に湾曲のない格子と定義される。言い換えると、本明細書で使用されている「完全な」格子という用語は、実質的に平坦であるか、または格子全体にわたって無視できる量の非平坦性しか有していない格子と定義される。比較的広いFOVを有する走査撮像システムは、通常、湾曲した格子1000によって示されるように、かなりの像面湾曲を示す。オブジェクト空間における完全な格子が、画像空間の歪んだ格子に対応するのと同様に、その逆も当てはまる。すなわち、検査対象の試料が保持されているオブジェクト空間に、完全な画素アレイが投影されると、湾曲した格子1000が生成されることになる。
【0083】
試料は光学系およびセンサに対して走査されるので、像面の縁部にある検出したい欠陥(DOI:defect of interest)には、複数の画素にわたってスミアが生じる場合がある。たとえば、試料(
図10には図示せず)上の欠陥1004および1006からの光がそれぞれ、スワス1008および1010において、湾曲した格子1000を横切って走査される場合、欠陥からの光は、湾曲が相異なる、格子の別の部分を横切って走査される。特に、欠陥1004は、水平方向の歪みがほとんどないか、またはまったくない像面の中心にわたって走査され、欠陥1006は、比較的大きな水平方向の歪みを有する像面の縁部にわたって走査される。したがって、欠陥1004および1006が、たとえすべて同じ特性を有し、すべて同じ特性を有する光で照射された場合でも、この欠陥についてセンサで生成された出力信号は、相異なる可能性がある。たとえば、
図10に示されているように、欠陥1004の画像1012は、像面の歪みによって引き起こされる、像面の縁部にある複数の画素にわたる欠陥1006からの光のスミアにより、欠陥1006の画像1014とは実質的に相異なる。
【0084】
かかる一実施形態では、センサは、TDIセンサとして構成される。たとえば、本明細書で説明されている、検査用に構成される撮像システムでは、典型的には、画像が画素アレイ全体にわたって走査されるように光信号を蓄積する、TDIセンサを使用することになる。これにより、実効点像分布関数(PSF:point spread function)がより大きくなり、したがって解像度がより低下し、信号対雑音比(SNR:signal-to-noise ratio)がより低下することになる。逆に、湾曲した表面上に画像センサを組み立てると、システムの歪みが模倣されることになる。したがって、物体面上に投影されるかかるセンサは、完全な格子1002で示されている、ほぼ完全な格子に対応し、これにより、像面の中心から離れたところの解像度およびSNRが向上する。たとえば、
図10に示されているように、欠陥1004の画像1016は、実質的に完全な格子1002の特質のおかげで、像面の縁部にある複数の画素にわたる欠陥1006からの光のスミアがないので、欠陥1006の画像1018と実質的に同じである。したがって、本明細書で説明されている実施形態により、TDI走査アーキテクチャに基づくシステムの、さらに大幅な改善が可能となる。
【0085】
撮像システムの一実施形態が、
図11に示されている。撮像システム1100は、本明細書でさらに説明されるように構成され得るコンピュータサブシステム、たとえばコンピュータサブシステム1102、および/または1つ以上のコンピュータシステム1104を備え、かつ/または結合され得る。この撮像システムは、本明細書で説明されているフリップチップセンサの実施形態をベースとしており、検査または計測などの様々な用途向けに構成され得る。
【0086】
本明細書で説明されている撮像システムは、概ね、少なくともエネルギー源、センサ、および走査サブシステムを備える。エネルギー源は、照明サブシステムによって試料に向けられる、エネルギーを生成するように構成される。センサは、試料からのエネルギーを検出し、検出したエネルギーに応じた出力を生成するように構成される。走査サブシステムは、試料にエネルギーが向けられ、試料からのエネルギーが検出される、試料上の位置を変更するように構成される。一実施形態では、
図11に示されているように、試料に向けられるエネルギーは光であり、したがって、撮像システムは、光ベースの撮像システムとして構成される。
【0087】
図11に示されている撮像システムの実施形態では、撮像システムは、光を試料1106に向けるように構成された、照明サブシステムを備える。エネルギー源には、少なくとも1つの光源、たとえば光源1108が含まれる。照明サブシステムは、1つ以上の斜角および/または1つ以上の法線角を含み得る1つ以上の入射角で、光を試料に向けるように構成される。たとえば、
図11に示されているように、光源1108からの光は、光学素子1110を通り、次いでレンズ1112を通って、斜めの入射角で試料1106に向けられている。斜めの入射角には、たとえば、試料の特性、および試料に対して実行されているプロセスに応じて異なり得る、任意の好適な斜めの入射角が含まれ得る。
【0088】
照明サブシステムは、その時々に様々な入射角で、光を試料に向けるように構成され得る。撮像システムは、たとえば、光を、
図11に示されている入射角とは別の入射角で試料に向けることができるように、照明サブシステムの1つ以上の素子の1つ以上の特性を、変更するように構成され得る。撮像システムは、かかる一例では、光が、様々な斜めの入射角または法線(もしくは法線に近い)入射角で試料に向けられるように、光源1108、光学素子1110、およびレンズ1112を移動させるように構成され得る。
【0089】
撮像システムは、場合によっては、同時に複数の入射角で、光を試料に向けるように構成され得る。照明サブシステムは、たとえば、複数の照明チャネルを備えてもよく、照明チャネルのうちの1つは、
図11に示されている光源1108、光学素子1110、およびレンズ1112を備えてもよく、照明チャネルのうちの別の照明チャネル(図示せず)は、別様に構成されていてもよく、もしくは同じものであってもよい、類似の素子を備えてもよく、または少なくとも光源と、場合によっては本明細書でさらに説明されるような1つ以上の他の部品とを備えてもよい。かかる光が、他の光と同時に試料に向けられる場合、相異なる入射角で試料に向けられる光の1つ以上の特性(たとえば、波長、偏光など)が異なり得、これにより、相異なる入射角での、試料の照明から生じる光を、センサで互いに区別することができる。
【0090】
撮像システムは、別の例では、1つの光源(たとえば、
図11に示されている光源1108)だけを備えてもよく、光源からの光が、照明サブシステムの1つ以上の光学素子(図示せず)によって、相異なる光路に分離されてもよい(たとえば、波長、偏光などに基づいて)。相異なる光路のそれぞれの光が、次いで、試料に向けられてもよい。複数の照明チャネルは、同時に、またはその時々に(たとえば、相異なる照明チャネルが、試料を連続的に照射するために使用される場合)、試料に光を向けるように構成され得る。別の例では、同じ照明チャネルが、その時々に相異なる特性で、試料に光を向けるように構成され得る。光学素子1110は、たとえば、分光フィルタとして構成されてもよく、分光フィルタの特性を、相異なる波長の光をその時々に試料に向けることができるように、様々な相異なるやり方で(たとえば、ある分光フィルタを別の分光フィルタと交換することによって)変更することができる。照明サブシステムは、相異なるまたは同じ特性を有する光を、相異なるまたは同じ入射角で、連続的または同時に試料に向けるための、当技術分野で知られている他の任意の好適な構成を有していてもよい。照明サブシステムは、光が試料に下から入り(
図11には図示せず)、センサで受信される前に試料を透過するように構成されてもよい。
【0091】
光源1108には、レーザなどの狭帯域光源、またはEUVもしくは広帯域プラズマ(BBP:broadband plasma)光源などのプラズマ源が含まれ得る。このようにして、光源によって生成され、試料に向けられる光には、狭帯域光または広帯域光が含まれ得る。光源にはまた、当技術分野で知られ、任意の好適な波長の光を生成するように構成された、レーザ設計物が含まれ得る。レーザは、単色またはほぼ単色の光を生成するように構成され得る。レーザは、このように、狭帯域レーザであり得る。光源には、複数の個々の波長または波長帯で光を生成する、多色光源も含まれ得る。
【0092】
光学素子1110からの光は、レンズ1112によって、試料1106に焦点を合わせられ得る。レンズ1112は、
図11では単一の屈折光学素子として示されているが、レンズ1112は、実際には、組み合わせて、光学素子からの光の焦点を試料に合わせる、いくつかの屈折、回折、および/または反射光学素子を備え得る。
図11に示され、本明細書で説明されている照明サブシステムは、他の好適な光学素子(図示せず)を備え得る。かかる光学素子の例には、偏光部品、分光フィルタ、空間フィルタ、反射光学素子、アポダイザ、ビームスプリッタ、絞りなどが含まれるが、これらに限定されるものではなく、当技術分野で知られている、かかる任意の好適な光学素子が含まれ得る。撮像システムは、加えて、撮像に使用されるべき照明の種類に基づいて、照明サブシステムの素子のうちの1つ以上を変更するように構成され得る。
【0093】
撮像システムはまた、試料に光が向けられ、試料から光が検出される、試料上の位置を変更し、可能な限り試料上で光を走査させるように構成された、走査サブシステムを備え得る。撮像システムは、たとえば、撮像中に試料1106が配置されるステージ1114を備え得る。走査サブシステムは、光を試料上の様々な位置に向け、様々な位置から検出できるように、試料を移動させるように構成できる、任意の好適な機械式組立体および/またはロボット組立体(ステージ1114を備える)を具備し得る。撮像システムは、追加的または代替的に、撮像システムの1つ以上の光学素子が、試料上で光の何らかの走査を実行するように構成され得、これにより、光を、試料上の様々な位置に向け、様々な位置から検出することができる。光が試料上で走査される場合、光は、蛇行状の経路または螺旋状の経路など、任意の好適な手法で試料上を走査され得る。
【0094】
撮像システムは、1つ以上の検出チャネルをさらに備える。検出チャネルの少なくとも1つは、撮像システムが試料を照射することによる、試料からの光を検出し、検出した光に応じた出力を生成するように構成された、センサを備える。たとえば、
図11に示されている撮像システムは、2つの検出チャネルを備え、一方は、収集器1116、素子1118、およびセンサ1120で形成され、他方は、収集器1122、素子1124、およびセンサ1126で形成される。2つの検出チャネルは、
図11に示されているように、相異なる収集角度で光を収集および検出するように構成される。場合によっては、両方の検出チャネルが散乱光を検出するように構成され、検出チャネルは、試料から様々な角度で散乱される光を検出するように構成される。しかし、1つ以上の検出チャネルは、試料からの別の種類の光(たとえば、反射光)を検出するように構成されてもよい。
【0095】
図11にさらに示されているように、両方の検出チャネルが、紙面に配置されるよう示され、照明サブシステムも、紙面に配置されるよう示されている。したがって、この実施形態では、両方の検出チャネルが、入射面(たとえば、入射面の中心)に配置されている。しかし、1つ以上の検出チャネルが、入射面から外れて配置されてもよい。たとえば、収集器1122、素子1124、およびセンサ1126で形成される検出チャネルは、入射面から外れて散乱される光を収集し、検出するように構成されてもよい。かかる検出チャネルは、したがって、一般に「サイド」チャネルと呼ばれることがあり、かかるサイドチャネルは、入射面に対して実質的に垂直な面の中心に位置し得る。
【0096】
図11は2つの検出チャネルを備える撮像システムの実施形態を示しているが、撮像システムは、様々な数の検出チャネル(たとえば、1つの検出チャネルだけ、または2つ以上の検出チャネル)を備えてもよい。かかる一例では、収集器1122、素子1124、およびセンサ1126で形成される検出チャネルは、上記で説明されたように、1つのサイドチャネルを形成してもよく、撮像システムは、入射面の反対側に位置する別のサイドチャネルとして形成された、追加の検出チャネル(図示せず)を備えてもよい。撮像システムは、したがって、収集器1116、素子1118、およびセンサ1120を備え、入射面の中心に配置され、試料の表面の法線または法線に近い散乱角で、光を収集して検出するように構成された、検出チャネルを備えてもよい。この検出チャネルは、したがって、一般に「トップ」チャネルと呼ばれることがあり、撮像システムはまた、上記で説明されたように構成される、2つ以上のサイドチャネルを備えてもよい。撮像システムは、したがって、少なくとも3つのチャネル(すなわち、1つのトップチャネル、および2つのサイドチャネル)を備えてもよく、少なくとも3つのチャネルのそれぞれは、それ自体の収集器を備え、収集器のそれぞれは、他の収集器のそれぞれとは相異なる散乱角で光を収集するように構成される。
【0097】
さらに上記で説明されたように、撮像システムに設けられる検出チャネルのそれぞれは、散乱光を検出するように構成され得る。したがって、
図11に示される撮像システムは、試料の暗視野(DF:dark field)撮像用に構成され得る。しかし、撮像システムはさらに、または代替的に、試料の明視野(BF:bright field)撮像用に構成された検出チャネルを備えてもよい。言い換えると、撮像システムは、試料から鏡面反射された光を検出するように構成された、少なくとも1つの検出チャネルを備えてもよい。本明細書で説明されている撮像システムは、したがって、DFのみ、BFのみ、またはDFとBFとの両方の撮像用に構成され得る。収集器のそれぞれは、
図11では単一の屈折光学素子として示されているが、収集器のそれぞれは、1つ以上の屈折光学素子および/または1つ以上の反射光学素子を備えてもよい。
図11に示されている収集器はまた、本明細書で説明されているカメラレンズサブシステムまたはチューブレンズサブシステムの実施形態として構成されるか、またはカメラレンズサブシステムまたはチューブレンズサブシステムの実施形態と置き換えられてもよい。
【0098】
1つ以上の検出チャネルに設けられるセンサは、本明細書で説明される実施形態のいずれかに従って構成され得る。撮像システムの検出チャネルのそれぞれに設けられた、センサのそれぞれによって生成される出力は、画像信号、画像データ、または当技術分野で知られている他の任意の好適な出力であり得る。加えて、検出チャネルのそれぞれは、単一のセンサを備えるものとして
図11に示されているが、検出チャネルのそれぞれは、
図9aに示されたように構成され、本明細書でさらに説明される、複数のセンサを備えてもよい。さらに、撮像システムに設けられる様々な検出チャネルは、本明細書で説明される様々なセンサの実施形態を備えてもよい。センサ1120は、たとえば、センサ1126とは相異なる、事前に選択された形状を有するように構成されてもよい。
【0099】
図11は、本明細書で説明されているセンサの実施形態のうちの1つ以上を備え得る、撮像システムの構成の一実施形態を全体的に示すために、本明細書で提示されていることに留意されたい。本明細書で説明されている撮像システムの構成は、明らかに、商用の撮像システムを設計するときに通常実行されるように、撮像システムの性能を最適化するために変更されてもよい。本明細書で説明されている撮像システムは、加えて、カリフォルニア州のミルピタスにあるKLA Corp.から市販されているツールの29xx/39xxシリーズなど、既存のシステムを使用して(たとえば、本明細書で説明されている機能を、既存の検査システムに追加することによって)実現され得る。いくつかのかかる撮像システムでは、本明細書で説明されているセンサは、撮像システムの任意選択の素子として提供され得る(たとえば、撮像システムの他の既存のセンサに加えて)。別法として、本明細書で説明されている撮像システムは、完全に新しい撮像システムを実現するために、「ゼロから」設計されてもよい。
【0100】
コンピュータサブシステム1102は、コンピュータサブシステムが、センサによって生成された出力を受信できるように、任意の好適なやり方で(たとえば、「有線」および/または「無線」伝送媒体を含み得る、1つ以上の伝送媒体を介して)、撮像システムのセンサに結合され得る。コンピュータサブシステム1102は、センサの出力の有無にかかわらず、本明細書でさらに説明されるステップおよび機能を含む、いくつかの機能を実行するように構成され得る。したがって、本明細書で説明されるステップは、撮像システムに結合されるか、または撮像システムの一部である、コンピュータサブシステムによって、「ツール上で」実行され得る。コンピュータシステム1104は、追加的または代替的に、本明細書で説明されるステップのうちの1つ以上を実行し得る。したがって、本明細書で説明されるステップのうちの1つ以上は、撮像システムに直接結合されていないコンピュータシステムによって、「ツール外で」実行され得る。コンピュータサブシステム1102およびコンピュータシステム1104はさらに、本明細書で説明されるように構成され得る。
【0101】
コンピュータサブシステム1102はまた(のみならず、本明細書で説明されている他のコンピュータサブシステムも)、本明細書ではコンピュータシステムとも呼ばれ得る。本明細書で説明されているコンピュータサブシステムまたはシステムのそれぞれは、パーソナルコンピュータシステム、画像コンピュータ、メインフレームコンピュータシステム、ワークステーション、ネットワークアプライアンス、インターネットアプライアンス、または他のデバイスを含む、様々な形態をとり得る。「コンピュータシステム」という用語は、概ね、メモリ媒体からの命令を実行する、1つ以上のプロセッサを備える任意のデバイスを包含するように、広く定義され得る。コンピュータサブシステムまたはシステムはまた、並列プロセッサなど、当技術分野で知られている任意の好適なプロセッサを備え得る。コンピュータサブシステムまたはシステムには、加えて、独立型ツールまたはネットワーク化されたツールである、高速処理部およびソフトウェアを有するコンピュータプラットフォームが含まれ得る。
【0102】
システムが複数のコンピュータサブシステムを備える場合、相異なるコンピュータサブシステムが、画像、データ、情報、命令などをコンピュータサブシステム間で送信できるように、互いに結合され得る。コンピュータサブシステム1102は、たとえば、
図11に破線で示されているように、当技術分野で知られている任意の好適な有線および/または無線伝送媒体が含まれ得る、任意の好適な伝送媒体によって、コンピュータシステム1104に結合され得る。かかるコンピュータサブシステムのうちの2つ以上はまた、共有されたコンピュータ可読記憶媒体(図示せず)によって、効率的に結合され得る。
【0103】
撮像システムは、光学的または光ベースのエネルギー源を備えるものとして、上記で説明されているが、別の実施形態では、エネルギー源は、電子ビーム源として構成される。かかる撮像システムでは、試料に向けられるエネルギーには電子が含まれ、試料から検出されるエネルギーには電子が含まれる。
図11aに示されている、かかる一実施形態では、撮像システムは、コンピュータサブシステム1130に結合され得る電子カラム1128を備える。コンピュータサブシステム1130は、上記で説明されたように構成され得る。かかる撮像システムは、加えて、上記で説明され、
図11に示したものと同じやり方で、別の1つ以上のコンピュータシステムに結合され得る。
【0104】
電子カラムは、やはり
図11aに示されているように、1つ以上の素子1136によって試料1134に集束される電子を生成するように構成された、電子ビーム源1132を備える。電子ビーム源は、たとえば、カソード源またはエミッタ先端部を備えてもよく、1つ以上の素子1136は、たとえば、ガンレンズ、アノード、ビーム制限開口、ゲートバルブ、ビーム電流選択開口、荷電粒子の撮像に好適な静電型または磁気型対物レンズ、および走査サブシステムを備えてもよく、素子1136のすべてが、当技術分野で知られているかかる任意の素子を備えてもよい。
【0105】
試料から戻った電子は、1つ以上の素子1138によって、センサ1140に集束され得る。1つ以上の素子1138は、たとえば、本明細書で説明されているように構成され得る、カメラレンズサブシステムまたはチューブレンズサブシステムを備えてもよい。センサ1140は、本明細書で説明されている実施形態のいずれかに従って構成され得る。センサ1140は、加えて、
図9aに示され上記でさらに説明されたようなセンサアレイと、置き換えられてもよい。
【0106】
電子カラムは、当技術分野で知られている他の任意の好適な素子を備え得る。加えて、電子カラムはさらに、2014年4月4日にジアン(Jiang)らに付与された米国特許第8,664,594号、2014年4月8日にコジマ(Kojima)らに付与された米国特許第8,692,204号、2014年4月15日にガベンズ(Gubbens)らに付与された米国特許第8,698,093号、および2014年5月6日にマクドナルド(MacDonald)らに付与された米国特許第8,716,662号で説明されているように構成されてもよく、これらの特許を、本願に、あたかも完全に記載されているかのように、引用して援用する。
【0107】
電子カラムは、電子が、斜めの入射角で試料に向けられ、別の斜めの角度で試料から散乱されるように構成されているものとして、
図11aに示されているが、電子ビームは、任意の好適な角度で試料に向けられ、任意の好適な角度で試料から散乱されてもよい。撮像システムは、加えて、本明細書でさらに説明されるように、複数のモードを使用して、試料に関する出力を生成するように構成され得る(たとえば、相異なる照明角度、収集角度などで)。撮像システムの複数のモードは、撮像システムの任意の出力生成パラメータが、相異なっていてもよい。
【0108】
コンピュータサブシステム1130は、上記で説明されたセンサ1140に結合され得る。センサは、試料の表面から戻ってきた電子を検出し、これにより、試料の画像(または試料の他の出力)を形成し得る。コンピュータサブシステム1130は、センサ1140によって生成された出力に対して、1つ以上の機能を実行するように構成され得、機能は、本明細書でさらに説明されるように実行され得る。コンピュータサブシステム1130は、本明細書で説明されている任意の追加のステップを実行するように構成され得る。
図11aに示されている撮像システムを含むシステムはさらに、本明細書で説明されているように構成され得る。
【0109】
図11aは、本明細書で説明されているセンサの実施形態のうちの1つ以上を備え得る、撮像システムの構成の別の実施形態を全体的に例示するために、本明細書に提示されていることに留意されたい。
図11aに示されている撮像システムの構成は、
図11に示された撮像システムと同様に、商用システムを設計するときに通常実行されるように、撮像システムの性能を最適化するために変更されてもよい。本明細書で説明されている撮像システムは、加えて、KLAから市販されているツールなどの既存のシステムを使用して(たとえば、本明細書で説明されているセンサを既存のシステムに追加することによって)、実現され得る。本明細書で説明されているセンサは、いくつかのかかるシステムでは、システムの任意選択の要素として(たとえば、システムの既存のセンサに加えて)提供され得る。別法として、本明細書で説明されている撮像システムは、完全に新しい撮像システムを実現するために、「ゼロから」設計されてもよい。
【0110】
撮像システムは、光または電子ビームエネルギー源を備えるものとして上記で説明されているが、撮像サブシステムは、イオンビームエネルギー源を備えてもよい。かかる撮像システムは、電子ビーム源が、当技術分野で知られている任意の好適なイオンビーム源と置き換えられ得ることを除いて、
図11aに示されているように構成され得る。撮像システムには、加えて、市販の集束イオンビーム(FIB:focused ion beam)システム、ヘリウムイオン顕微鏡(HIM:helium ion microscopy)システム、および2次イオン質量分析(SIMS:secondary ion mass spectroscopy)システムに設けられるものなど、他の任意の好適なイオンビーム撮像システムが含まれ得る。
【0111】
撮像システムは、上記でさらに言及されたように、複数のモードを有するように構成され得る。「モード」は、概ね、試料に関する出力を生成するために使用される、撮像システムのパラメータ値によって定義される。したがって、モードが相異なると、撮像システムの撮像パラメータのうちの少なくとも1つの値(出力が生成される試料上の位置を除く)が、相異なり得る。たとえば、光ベースの撮像システムの場合、相異なるモードで、相異なる波長の光が使用され得る。モードは、本明細書でさらに説明されるように、試料に向けられる光の波長が相異なり得る(たとえば、相異なるモード向けに、相異なる光源、相異なる分光フィルタなどを使用することによって)。別の実施形態では、相異なるモードで、相異なる照明チャネルが使用され得る。たとえば、上記で言及されたように、撮像システムは、複数の照明チャネルを備え得る。そのため、相異なる照明チャネルが、相異なるモード向けに使用されてもよい。
【0112】
複数のモードは、照明および/または収集/検出においても、相異なり得る。たとえば、上記でさらに説明されたように、撮像システムは、複数のセンサを備え得る。したがって、センサのうちの1つが、1つのモードに使用され得、センサのうちの別のセンサが、別のモードに使用されてもよい。さらに、モードは、本明細書で説明されている複数の手法において互いに相異なり得る(たとえば、相異なるモードは、1つ以上の相異なる照明パラメータ、および1つ以上の相異なる検出パラメータを有し得る)。複数のモードは、加えて、視点が相異なっていてもよく、これは相異なる入射角および収集角のうちの一方または両方を有することを意味し、これは上記でさらに説明されたように達成可能である。撮像システムは、たとえば、複数のモードを使用して試料を同時に走査する能力に応じて、同じ走査または相異なる走査において、相異なるモードで試料を走査するように構成されてもよい。
【0113】
本明細書で説明されている撮像システムは、場合によっては、検査システムとして構成され得る。しかし、本明細書で説明されている撮像システムは、欠陥レビューシステムおよび計測システムなど、別の種類の半導体関連品質管理タイプのシステムとして構成されてもよい。たとえば、本明細書で説明され、
図11および
図11aに示された撮像システムの実施形態では、使用されることになる用途に応じて、様々な撮像能力を実現するために、1つ以上のパラメータが修正され得る。かかる一例では、
図11に示された撮像システムは、検査ではなく、欠陥レビューまたは計測に使用されるべき場合に、より高い解像度を有するように構成され得る。
図11および
図11aに示された撮像システムの実施形態は、言い換えると、当業者には明らかないくつかのやり方で調整して、様々な用途にだいたい好適な、様々な撮像能力を有する撮像システムを作り出すことができる撮像システムの、ある程度汎用の、様々な構成について説明している。
【0114】
撮像システムは、上記で言及されたように、エネルギー(たとえば、光、電子)を試料の物理バージョンに向け、かつ/またはエネルギーを試料の物理バージョン上で走査し、これにより、試料の物理バージョンの実際の画像を生成するように構成される。撮像システムは、このようにして、「仮想」システムではなく「実際の」撮像システムとして構成され得る。しかし、記憶媒体(図示せず)および
図11に示されたコンピュータシステム1104は、「仮想」システムとして構成され得る。記憶媒体およびコンピュータシステムは、特に、撮像システム1100の一部ではなく、試料の物理バージョンを扱うどんな能力も有していないが、記憶されたセンサ出力を使用して、検査のような機能を実行する仮想検査器、計測のような機能を実行する仮想計測システム、欠陥レビューのような機能を実行する仮想欠陥レビューツールなどとして構成され得る。「仮想」システムとして構成されるシステムおよび方法は、2012年2月28日にブスカ(Bhaskar)らに付与された、同一出願人による米国特許第8,126,255号、2015年12月29日にダッフィ(Duffy)らに付与された米国特許第9,222,895号、および2017年11月14日にダッフィ(Duffy)らに付与された米国特許第9,816,939号に説明されており、これらの特許を、本願に、あたかも完全に記載されているかのように、引用して援用する。本明細書で説明されている実施形態はさらに、これらの特許で説明されているように構成されてもよい。たとえば、本明細書で説明されるコンピュータサブシステムはさらに、これらの特許で説明されているように構成されてもよい。
【0115】
一実施形態では、撮像システムは、センサによって生成された出力に基づいて、試料に関する情報を決定するように構成される、コンピュータサブシステムを備える。
図11に示された撮像システムは、たとえば、コンピュータサブシステム1102および/またはコンピュータシステム1104を備え得、
図11aに示された撮像システムは、コンピュータサブシステム1130を備え得る。これらのコンピュータサブシステムまたはシステムは、コンピュータサブシステムまたはシステムが、センサによって生成された出力を受信するように、上記で説明された撮像システムの1つ以上のセンサに結合され得る。決定される情報、および1つ以上のセンサによって生成される出力が、情報決定に使用されるやり方は、試料に対して実行されているプロセスに応じて異なり得る。情報を決定するステップは、本明細書でさらに説明されるもののうちの1つ、または当技術分野で知られている他の任意の好適なアルゴリズムもしくは方法などの、アルゴリズムまたは方法を使用して、コンピュータサブシステムによって実行され得る。
【0116】
別の実施形態では、撮像システムは、センサによって生成された出力に基づいて、試料の欠陥を検出するように構成される、コンピュータサブシステムを備える。センサによって生成される出力は、概ね、他のどんな画像とも同じやり方で、欠陥検出に使用され得る。言い換えると、本明細書で説明されているセンサによって生成される出力は、欠陥検出アルゴリズムまたは方法に固有のものではなく、出力を使用する欠陥の検出は、当技術分野で知られている任意の好適な欠陥検出アルゴリズムまたは方法を使用して実行され得る。欠陥検出は、たとえば、出力から基準を減算することで差分画像を生成し、差分画像に対して閾値を用いることにより実行され得る。閾値を超える値を有する差分画像内のどの画素も、欠陥として特定され得、他のすべての画素は、欠陥として特定され得ない。もちろんこれは、おそらく欠陥検出を実行できる最も簡単な手法であり、単に非限定的な例として本明細書に含まれている。
【0117】
いくつかの実施形態では、したがって、試料の欠陥を検出することには、試料で検出されたどんな欠陥に関する情報も含まれ得る、試料に関する情報を生成または決定することが含まれ得る。かかる場合において、情報には、たとえば、試料画像、試料、撮像システム、および試料に関する設計物のうちの1つ以上に関する、検出された欠陥の種類、検出された欠陥の位置、ならびに欠陥検出方法もしくはアルゴリズム、および/またはコンピュータサブシステムによって生成された、欠陥に関する他の任意の情報が含まれ得る。コンピュータサブシステムによって決定される情報にはさらに、または代替的に、本明細書で説明されている出力、および/または設計データなど、試料に関する他の情報に対する、出力の整合状態から決定できる、たとえば、分類、サイズ、形状など(報告された欠陥の位置以外)、任意の好適な欠陥の属性が含まれ得る。かかる情報は、本明細書でさらに説明されるように、コンピュータサブシステムによって出力および/または記憶され得る。
【0118】
欠陥レビュープロセスは、検査プロセスとは異なり、概して、欠陥が検出されている試料上の個々の位置を再調査する。欠陥レビュー向けに構成された撮像システムでは、本明細書で説明されている試料画像が生成され得、試料画像は、欠陥再検出、欠陥属性決定、欠陥分類、および欠陥根元原因特定など、1つ以上の欠陥レビュー機能のために、本明細書で説明されているコンピュータサブシステムに入力され得る。コンピュータサブシステムはまた、欠陥レビュー用途では、センサ出力からの欠陥または試料に関する情報を、場合によっては、欠陥レビュープロセスによって、またはセンサ出力から決定された、他の任意の情報と組み合わせて決定するために、任意の好適な欠陥レビューツール上で使用される、任意の好適な欠陥レビュー方法またはアルゴリズムを使用するようにも構成され得る。
【0119】
いくつかの実施形態では、撮像システムは、試料の計測用に構成され得る。かかる一実施形態では、情報には、試料上に形成された1つ以上の構造体の測定値が含まれる。本明細書で説明されている撮像システムは、たとえば、計測ツールとして構成されてもよく、かかる計測ツールによって生成されたセンサ出力を使用して、試料の計測情報を決定することができる。計測情報には、試料上の構造体に応じて異なり得る、任意の関心のある計測情報が含まれ得る。かかる計測情報の例には、線幅などの限界寸法(CD:critical dimension)、および試料の構造体の他の寸法が含まれるが、これらに限定されるものではない。コンピュータサブシステムはまた、計測用途では、センサ出力からの試料に関する情報を、場合によっては、計測プロセスによって、またはセンサ出力から決定された、他の任意の情報と組み合わせて決定するために、任意の好適な計測ツール上で使用される、任意の好適な計測方法またはアルゴリズムを使用するようにも構成され得る。
【0120】
コンピュータサブシステムはまた、本明細書で説明されている結果または情報のいずれかが含まれ得る、決定された情報が含まれる結果を、生成するようにも構成され得る。情報決定の結果は、コンピュータサブシステムによって、任意の好適なやり方で生成され得る。本明細書で説明されているすべての実施形態は、実施形態の1つ以上のステップの結果を、コンピュータ可読記憶媒体に記憶するように構成され得る。結果には、本明細書で説明されている結果のいずれかが含まれ得、当技術分野で知られている任意のやり方で記憶され得る。決定された情報を含む結果は、標準ファイルタイプなどの、任意の好適な形式またはフォーマットを有し得る。記憶媒体には、本明細書で説明されている任意の記憶媒体、または当技術分野で知られている他の任意の好適な記憶媒体が含まれ得る。
【0121】
結果が記憶された後、この結果は、記憶媒体にアクセスし、本明細書で説明されている方法またはシステムの実施形態のいずれかで使用し、ユーザに表示するためにフォーマットし、別のソフトウェアモジュール、方法、またはシステムなどで使用して、その試料または同じ種類の別の試料について、1つ以上の機能を実行することができる。コンピュータサブシステムによって生成される結果には、たとえば、検出された欠陥のバウンディングボックスの場所など、試料上で検出された任意の欠陥に関する情報、検出スコア、種類ラベルもしくはIDなど、欠陥の分類に関する情報、画像などのいずれかから決定される任意の欠陥の属性、予測される試料の構造体の測定値、寸法、形状など、または当技術分野で知られている任意のかかる好適な情報が含まれ得る。その情報は、コンピュータサブシステムまたは別のシステムもしくは方法によって、欠陥レビューまたは他の分析のための欠陥のサンプリング、欠陥の根本原因の決定など、試料および/または検出された欠陥に対して追加機能を実行するために使用され得る。
【0122】
かかる機能には、試料に対して、フィードバックまたはフィードフォワード方式などで実行された、または実行されることになる、製造プロセスまたはステップなどのプロセスの変更も含まれるが、これに限定されるものではない。コンピュータサブシステムは、たとえば、試料に対して実行されたプロセス、および/または決定された情報に基づいて試料に対して実行されることになるプロセスへの、1つ以上の変更を決定するように構成され得る。プロセスへの変更には、プロセスの1つ以上のパラメータへの、任意の好適な変更が含まれ得る。コンピュータサブシステムは、かかる一例では、そうした変更を決定し、これにより、改訂されたプロセスが実行される他の試料の欠陥を、低減または防止できること、試料に対して実行される別のプロセスで、試料の欠陥を補正または除去できること、試料に対して実行される別のプロセスで、欠陥を補償できることなどが好ましい。コンピュータサブシステムは、当技術分野で知られている任意の好適なやり方で、かかる変更を決定してもよい。
【0123】
そうした変更は、次いで、コンピュータサブシステムと半導体製造システムとの両方がアクセス可能な、半導体製造システム(図示せず)または記憶媒体(図示せず)に送信することができる。半導体製造システムは、本明細書で説明されたシステムの実施形態の一部であってもよく、そうでなくてもよい。たとえば、本明細書で説明された撮像サブシステムおよび/またはコンピュータサブシステムは、たとえば、ハウジング、電源、試料操作デバイスまたは機構など、1つ以上の共通要素を介して、半導体製造システムに結合され得る。半導体製造システムには、リソグラフィツール、エッチングツール、化学機械研磨(CMP:chemical-mechanical polishing)ツール、堆積ツールなどの、当技術分野で知られている任意の半導体製造システムが含まれ得る。
【0124】
上記で説明されたそれぞれのシステムの、それぞれの実施形態は、一緒に、単一の実施形態に組み合わされてもよい。
【0125】
さらなる実施形態は、試料に関する情報を決定する、コンピュータで実施される方法を実行するための、コンピュータシステムで実行可能なプログラム命令を記憶する、非一時的コンピュータ可読媒体に関する。かかる一実施形態が、
図12に示されている。非一時的コンピュータ可読媒体1200は、特に、
図12に示されているように、コンピュータシステム1204上で実行可能なプログラム命令1202を有する。コンピュータで実施される方法には、本明細書で説明された任意の方法の任意のステップが含まれ得る。
【0126】
本明細書で説明されたような方法を実現する、アルゴリズムに関するプログラム命令1202は、コンピュータ可読媒体1200に記憶され得る。コンピュータ可読媒体は、磁気もしくは固体ディスク、磁気テープ、または当技術分野で知られている、他の任意の好適な非一時的コンピュータ可読媒体などの、記憶媒体であってもよい。
【0127】
アルゴリズムは、とりわけ、手順ベースの技法、コンポーネントベースの技法、オブジェクト指向の技法、ニューラルネットワークアーキテクチャの実施態様を含む、様々な手法のうちのいずれかで実施され得る。プログラム命令は、たとえば、C、C++、またはPythonなど、当技術分野で知られている好適なプログラミングフレームワークおよび言語を使用して実現され、構内の、遠隔の、もしくは一元的に管理された計算システム、またはこれらのシステムの組合せ上で実行され得る。カスタムアクセラレータは、特定用途向け集積回路デバイス(ASICチップ)、カスタム構成のフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA:field-programmable gate array)、またはグラフィックス処理ユニット(GPU:graphics processing unit)内で、個別にまたは必要に応じて組み合わせて実現され得る。
【0128】
コンピュータシステム1204は、本明細書で説明されている実施形態のいずれかに従って構成されてもよい。
【0129】
本発明の様々な態様のさらなる変形および代替実施形態は、この説明を考慮すれば、当業者には明らかであろう。たとえば、センサ、撮像システム、およびセンサを形成する方法が提供されている。したがって、この説明は、例示に過ぎないものと解釈されるべきであり、本発明を実行する概括的なやり方を、当業者に教示することを目的としている。本明細書で図示され説明された本発明の形態は、現時点で好ましい実施形態と解釈されるべきであることを理解されたい。要素および材料は、本明細書で例示され、説明されたものと置き換えられてもよく、パーツおよびプロセスは、逆になってもよく、本発明の一部の特徴は、別々に利用されてもよく、これらはすべて、本発明のこの説明を読めば当業者には明らかとなろう。以下の特許請求の範囲で説明される、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、本明細書で説明された要素に変更が加えられてもよい。
【国際調査報告】