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特表2024-526009EUVソースにおいてターゲット材料の液滴を生成する装置及び方法
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  • 特表-EUVソースにおいてターゲット材料の液滴を生成する装置及び方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-17
(54)【発明の名称】EUVソースにおいてターゲット材料の液滴を生成する装置及び方法
(51)【国際特許分類】
   G03F 7/20 20060101AFI20240709BHJP
   H05G 2/00 20060101ALI20240709BHJP
【FI】
G03F7/20 503
G03F7/20 521
H05G2/00 K
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023564426
(86)(22)【出願日】2022-06-02
(85)【翻訳文提出日】2023-12-22
(86)【国際出願番号】 EP2022064988
(87)【国際公開番号】W WO2022268468
(87)【国際公開日】2022-12-29
(31)【優先権主張番号】63/214,903
(32)【優先日】2021-06-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】504151804
【氏名又は名称】エーエスエムエル ネザーランズ ビー.ブイ.
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】エルショフ,アレクサンダー,イーゴレヴィッチ
(72)【発明者】
【氏名】ドリエッセン,テオドルス,ウィルヘルムス
(72)【発明者】
【氏名】ツリーズ,ディートマー,ウーベ,ハーバート
(72)【発明者】
【氏名】テルカー,ヴィカス,ギリドハル
【テーマコード(参考)】
2H197
4C092
【Fターム(参考)】
2H197CA10
2H197CA20
2H197GA01
2H197GA05
2H197GA24
2H197HA03
4C092AA06
4C092AB12
4C092AC09
4C092BD18
(57)【要約】
EUV放射を発生させるために使用される液滴を加速する装置及び方法は、照射領域へ誘導されるレーザビームを生成する配置と、液滴源と、を含む。液滴源は、液滴に分裂する流れとしてノズル(200)から流出する流体を含み、かかる液滴はその後、合体する。液滴を加速する目的で提供されるガスは、ノズルを通過して流れ方向に流れる。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
極端紫外線(EUV)ソース材料の液滴流を発生させる液滴発生器であって、
EUVソース材料の前記液滴流を流れ方向に放出するように適合されたノズルオリフィスを有するノズル本体と、
前記ノズルオリフィスを通過して前記流れ方向に流れるように前記ノズルオリフィスの上流側にガスを導入するように配置されたガス導入アセンブリと、
前記ノズルオリフィスから離れて前記流れ方向に延びるガスチューブであって、前記ガスチューブは、EUVソース材料の前記液滴流のための流路の少なくとも一部に平行に延びて前記少なくとも一部を実質的に取り囲み、前記ガスチューブは、前記ガスチューブ内のガスが前記流れ方向に流れるようにするように構成される、ガスチューブと、
を含む、液滴発生器。
【請求項2】
前記ガス導入アセンブリは、ガス入口チューブと、前記ガス入口チューブと流体連通するガスマニホールドと、前記ガスマニホールドと流体連通するガスプレナムと、を含み、
前記ガスプレナムは、前記ノズルオリフィスと、前記ノズルオリフィスに隣接する前記ノズル本体の一部と、を実質的に取り囲む、請求項1に記載の液滴発生器。
【請求項3】
前記ガスプレナムは、前記プレナムが略円錐台形状を有するように、直径が前記ガスマニホールドとの境界面から前記ガスチューブとの境界面に向かってガス流方向に先細りになる略円形断面を有する、請求項2に記載の液滴発生器。
【請求項4】
前記ガスプレナムの断面積は、前記ガスマニホールドとの境界面から前記ガスチューブとの境界面に向かってガス流方向に漸減する、請求項2に記載の液滴発生器。
【請求項5】
前記ガスプレナムは、前記ノズルオリフィスの上流側で始まり、次いで前記ノズルオリフィスを通過して均一に流れる円対称なガス流を生じさせるように構成される、請求項2に記載の液滴発生器。
【請求項6】
前記ガスプレナムは、前記ノズルオリフィスの上流側で始まり、次いで前記ノズルオリフィスを通過して均一に流れるガス流を加速するように構成される、請求項2に記載の液滴発生器。
【請求項7】
前記ガス導入アセンブリは、前記ガスマニホールドと前記ガスプレナムとの間に位置決めされたディフューザを含む、請求項2に記載の液滴発生器。
【請求項8】
液滴EUVソース材料の前記流れは、合体長さの範囲内で形成された合体液滴を含み、
液状EUVソース材料の前記流れの少なくとも一部に平行に延びて前記少なくとも一部を実質的に取り囲む前記ガスチューブは、少なくとも前記合体長さを延長する、請求項1に記載の液滴発生器。
【請求項9】
液滴EUVソース材料の前記流れに平行に延びる前記ガスチューブの少なくとも一部は、円形断面を有する、請求項1に記載の液滴発生器。
【請求項10】
前記ノズル本体に機械的に結合されたアダプタと、前記アダプタに機械的に結合されたアクチュエータと、を更に含み、
前記アダプタ及び前記アクチュエータは、前記ノズルオリフィスの角度位置を調整するように動作可能である、請求項1に記載の液滴発生器。
【請求項11】
前記ガス導入アセンブリと流体連通するガス源を更に含み、
前記ガスは、低いEUV吸収性を有する、請求項1に記載の液滴発生器。
【請求項12】
前記ガスは、水素を含む、請求項11に記載の液滴発生器。
【請求項13】
前記ノズルオリフィスにおける前記ガスの流量は、約0.1slm~約10slmの範囲である、請求項11に記載の液滴発生器。
【請求項14】
前記ガスチューブは、高融点金属を含む、請求項1に記載の液滴発生器。
【請求項15】
前記ガスチューブは、モリブデン、タングステン、タンタル、レニウム、又はモリブデン、タングステン、タンタル、若しくはレニウムの合金を含む、請求項14に記載の液滴発生器。
【請求項16】
前記ガスチューブの内面は、窒化ホウ素コーティングを含む、請求項1に記載の液滴発生器。
【請求項17】
極端紫外線(EUV)ソース材料の液滴を加速する方法であって、
液状EUVソース材料の流れをノズルオリフィスの前部から流れ方向に放出するように適合された前記ノズルオリフィスを設けることと、
ガス供給構造を設けることと、
前記ノズルオリフィスの周りにガス流を導入することと、
前記ノズルオリフィスから液状EUVソース材料の流れを放出することであって、前記ガス流は、前記ノズルオリフィスの後方位置から前記流れに対して導入され、前記ノズルオリフィスを通過して前記流れ方向に流れることと、
を含む、方法。
【請求項18】
前記ガス供給構造は、ガス入口チューブと、前記ガス入口チューブと流体連通するガスマニホールドと、前記ガスマニホールドと流体連通するガスプレナムと、を含み、
前記ガスプレナムは、前記ノズルオリフィスを実質的に取り囲む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記ガス供給構造は、前記ガスマニホールドと前記ガスプレナムとの間に位置決めされたディフューザを含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
液状EUVソース材料の前記流れは、合体して合体長さの範囲内の合体液滴になる液滴の流れに分裂し、液状EUVソース材料の前記流れの少なくとも一部に平行に延びて前記少なくとも一部を実質的に取り囲み、少なくとも前記合体長さを延長するガスチューブを設けることを更に含む、請求項17に記載の方法。
【請求項21】
前記流れに平行に延びる前記ガスチューブの少なくとも一部は、円形断面を有する、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記ノズルは、ノズル本体の一部であり、
前記ノズル本体に機械的に結合されたアダプタと、前記アダプタに機械的に結合されたアクチュエータと、を設けることを更に含み、
前記アダプタ及び前記アクチュエータは、前記ノズルオリフィスの角度位置を調整するように動作可能である、請求項17に記載の方法。
【請求項23】
前記ガスは、低いEUV吸収性を有する、請求項17に記載の方法。
【請求項24】
前記ガスは、水素を含む、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記ノズルオリフィスにおける前記ガスの流量は、約0.1slm~約10slmの範囲である、請求項17に記載の方法。
【請求項26】
前記ガスチューブは、高融点金属を含む、請求項20に記載の方法。
【請求項27】
前記ガスチューブは、モリブデン、タングステン、タンタル、レニウム、又はモリブデン、タングステン、タンタル、若しくはレニウムの合金を含む、請求項20に記載の方法。
【請求項28】
前記ガスチューブの内面は、窒化ホウ素コーティングを含む、請求項20に記載の方法。
【請求項29】
極端紫外線(EUV)ソース材料の液滴流を発生させる液滴発生器であって、
ノズルオリフィスから液状EUVソース材料を放出するように適合されたノズルと、
ガス源に接続されるように適合された少なくとも1つの入口と、
前記入口と流体連通する第1の構造であって、前記ノズルオリフィスを取り囲んで前記ノズルオリフィスの前方及び後方に延びるガスプレナムを画定する、第1の構造と、
を含む、液滴発生器。
【請求項30】
前記ノズルオリフィスから離れて前記流れ方向に延びるガスチューブを更に含み、
前記ガスチューブは、前記EUVソース材料のための流路の少なくとも一部に平行に延びて前記少なくとも一部を実質的に取り囲み、
前記ガスチューブは、前記ガスチューブ内のガスが前記流れ方向に流れるようにするように構成される、請求項29に記載の液滴発生器。
【請求項31】
前記ガスプレナムは、前記プレナムが略円錐台形状を有するように、直径が前記ガスチューブとの境界面に向かってガス流方向に先細りになる略円形断面を有する、請求項30に記載の液滴発生器。
【請求項32】
前記ガスプレナムの断面積は、前記ガスチューブとの境界面に向かってガス流方向に漸減する、請求項30に記載の液滴発生器。
【請求項33】
前記ガスプレナムは、前記ノズルオリフィスの上流側で始まり、次いで前記ノズルオリフィスを通過して均一に流れる円対称なガス流を生じさせるように構成される、請求項29に記載の液滴発生器。
【請求項34】
前記ガスプレナムは、前記ノズルオリフィスの上流側で始まり、次いで前記ノズルオリフィスを通過して均一に流れるガス流を加速するように構成される、請求項29に記載の液滴発生器。
【請求項35】
極端紫外線(EUV)ソース材料の液滴を加速する方法であって、
液滴発生器のノズルオリフィスから液状EUVソース材料の流れを放出することと、
ガスが、液状EUVソース材料の前記流れの中のEUVソース材料の液滴を同伴して加速するように、前記ノズルオリフィスを通過して液状EUVソース材料の前記流れに平行に流れるようにすることと、
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001] 本出願は、2021年6月25日に出願された、「APPARATUS FOR AND METHOD PRODUCING DROPLETS OF TARGET MATERIAL IN AN EUV SOURCE」という名称の、米国特許出願第63/214,903号の優先権を主張するものであり、その全体が参照によって本明細書に組み込まれる。
【0002】
[0002] 本出願は、極端紫外線(「EUV」)光源及びその動作方法に関する。これらの光源は、ソース材料又はターゲット材料からプラズマを作り出すことによってEUV光を発生させる。ある用途では、EUV光は、半導体集積回路を作製するために、収集され、フォトリソグラフィプロセスにおいて使用される。
【背景技術】
【0003】
[0003] シリコンウェーハなどのレジストコート基板を露光させて基板内又は基板上に極めて小さなフィーチャを作製するために、EUV光のパターン付与されたビームを使用することができる。極端紫外線光(軟X線と称されることもある)は、一般に、約5nm~約100nmの範囲の波長を有する電磁放射として定義される。フォトリソグラフィのための対象となるある特定の波長は13.5nmで発生する。
【0004】
[0004] EUV光を生成する方法は、ソース材料をEUV領域に輝線を有する化学元素を有するプラズマ状態に変換することを含むが、必ずしもこれに限定されない。これらの元素は、キセノン、リチウム、及びスズを含む可能性があるが、これらに限定されない。
【0005】
[0005] レーザ生成プラズマ(「LPP」)と呼ばれることが多い、そのような1つの方法では、例えば液滴、流れ、又はワイヤの形態の、ソース材料をレーザビームで照射することによって、所望のプラズマを生成することができる。放電生成プラズマ(「DPP」)と呼ばれることが多い、別の方法では、適切な輝線を有するソース材料を一対の電極間に位置決めして電極間に放電を発生させることによって、所要のプラズマを発生させることができる。
【0006】
[0006] 液滴を発生させる1つの技術は、スズなどのターゲット材料又はソース材料を溶融し、次いで、約0.5μm~約30μmの直径を有するオリフィスなどの、比較的小さな直径のオリフィスを通じて液体スズを高圧下に追いやって、液滴の流れを生成することを伴う。ほとんどの条件下では、レイリー分裂と呼ばれるプロセスにおいて、オリフィスから流出する流れの中で自然発生する不安定性、例えばノイズが、流れを微小液滴に分裂させることになる。これらの液滴は、様々な速度を有し得るとともに、液滴が流れの中を移動するにつれて互いに結合してより大きな液滴へと合体し得る。
【0007】
[0007] 液滴発生器の課題は、液滴がEUV生成のために用いられるコレクタミラーの主焦点に液滴を置くことである。液滴は、ある特定の空間的及び時間的な安定性基準内で、すなわち、許容可能なマージン内で繰り返し可能な位置及びタイミングで、主焦点に到達しなければならない。また、液滴は、所与の周波数及び速度で到達しなければならない。更に、液滴は、完全に合体されなければならならず、すなわち、液滴が(均一なサイズの)単分散でなければならず、所与の駆動周波数で到達しなければならないことを意味する。
【0008】
[0008] 高繰り返し数での高いEUVパワーに対するニーズの高まりによって、より大きな液滴間隔を有するより高速の液滴に対する要件が厳しくなっている。液滴発生器によって発生させた液滴の加速は、以前には駆動ガス圧力を高めることによって達成されていた。しかしながら、駆動ガス圧を高めることによって液滴速度を高めることができる程度には限界がある。かかる高圧を使用することによって、これらの圧力での材料性能及び安定性、高圧での液滴合体長さの増加、安全性、規制要件などを含むが、これらに限定されない、数多くの問題が生じる。また、オリフィス内の流体流は、所与の流体速度及びノズルジオメトリで乱流になり、液滴の不安定性の原因となる可能性がある。
【0009】
[0009] また、EUVターゲット材料の液滴を発生させるには、液滴発生器のノズルに非常に小さなオリフィスが必要である。このノズルは、ターゲット材料の副生成物によって容易に詰まる可能性がある。例えば、ターゲット材料としてスズが使用される際に、ノズルオリフィスからスズが噴出し始める場所の上流側でO及びHOガスなどの酸化性汚染物質がノズルオリフィス内のスズに到達する可能性がある場合、SnOx粒子が形成される可能性がある。それゆえ、ノズル内部のターゲット材料を外部の汚染物質から保護することが非常に重要である。
【0010】
[0010] 液滴発生器の起動中に、動作範囲まで駆動圧を上昇させなければならない。その上昇中に、液滴が生成されるが、これらの液滴は、EUV発生に使用される通常の液滴よりも低い速度及び小さなサイズを有する。これらのより遅くより小さな液滴は、通常の液滴と異なる軌道を有する可能性がある。結果として、より遅くより小さな液滴は、スズキャッチなどの、ターゲット材料によるソース内の、特にコレクタ上の、汚染を軽減するように意図されたソース容器内の構造に当たらず、したがって、望ましくない汚染をもたらす。
【0011】
[0011] 液滴発生器によって発生させた液滴のガス加速は、駆動ガス圧を高める必要なしに液滴速度を高める方法として考慮されてきた。例えば、Mestromらを発明者として指名する「EUV Radiation Source Comprising a Droplet Accelerator and Lithographic Apparatus」という名称の、2013年12月3日に発行された米国特許第8,598,551号は、その全体が参照により本明細書に組み込まれ、ガスを使用して液滴を加速するように構成された液滴加速器を含むEUV放射源を開示している。
【0012】
[0012] この文脈において、本発明の必要性が生じる。
【発明の概要】
【0013】
[0013] 以下に、実施形態の基本的な理解を与えるために、1つ以上の実施形態の簡略化された概要を提示する。この概要は、企図される全ての実施形態を広く概観するものではなく、また、全ての実施形態の主要な又は極めて重要な要素を識別することも、任意又は全ての実施形態の範囲に制限を課すことも意図されていない。その唯一の目的は、後に提示するより詳細な説明の前置きとして、1つ以上の実施形態のいくつかの概念を簡略された形式で提示することである。
【0014】
[0014] 実施形態の態様によれば、EUVターゲット材料の流れを放出するように適合されたノズルオリフィスを有する液滴発生器であって、流れは、様々なサイズ、速度、及び合体状態の液滴を含み、ガス流は、液滴を加速するために、ノズルオリフィスを通過して流れ方向に流れるように導入される、液滴発生器が開示される。実施形態の別の態様によれば、ガスがノズルオリフィスを通過して流れ方向に流れるようにすることによって様々なサイズ、速度、及び合体状態の液滴を加速する関連方法が開示される。
【0015】
[0015] 実施形態の一態様によれば、極端紫外線(EUV)ソース材料の流れを発生させる液滴発生器であって、液状EUVソース材料の流れをノズルオリフィスから流れ方向に放出するように適合されたノズルオリフィスを有するノズル本体と、ノズルオリフィスを通過して流れ方向に流れるようにノズルオリフィスの上流側にガスを導入するように配置されたガス導入アセンブリと、ノズルオリフィスから離れて流れ方向に延びるガスチューブであって、ガスチューブは、液状EUVソース材料の流れの少なくとも一部に平行に延びてそれを実質的に取り囲み、ガスもまた、液体流に平行な流れ方向にガスチューブ内を流れる、ガスチューブと、を含む、液滴発生器が開示される。ガス導入アセンブリは、ガス入口チューブと、ガス入口チューブと流体連通するガスマニホールドと、ガスマニホールドと流体連通するガスプレナムと、を含み得、ガスプレナムは、ノズルオリフィスと、ノズルオリフィスに隣接するノズル本体の一部と、を実質的に取り囲む。ガスプレナムは、プレナムが略円錐台形状を有し得るように、直径がガスマニホールドとの境界面からガスチューブとの境界面に向かってガス流方向に先細りになる略円形断面を有し得る。ガスプレナムの断面積は、ガスマニホールドとの境界面からガスチューブとの境界面に向かってガス流方向に漸減し得る。ガスプレナムは、ノズルオリフィスの上流側で始まり、次いでノズルオリフィスを通過して均一に流れる円対称のガス流を生じさせるように構成され得る。ガスプレナムは、ノズルオリフィスの上流側で始まり、次いでノズルオリフィスを通過して均一に流れるガス流を加速するように構成され得る。
【0016】
[0016] 上記配置の何れにおいても、ガス導入アセンブリは、ガスマニホールドとガスプレナムとの間に位置決めされたディフューザを含み得る。液状EUVソース材料の流れの少なくとも一部に平行に延びてそれを実質的に取り囲むガスチューブは、少なくとも合体長さまで延びる。流れに平行に延びるガスチューブの部分は、円形断面を有し得る。装置は、ノズル本体に機械的に結合されたアダプタと、アダプタに機械的に結合されたアクチュエータと、を更に含み得、アダプタ及びアクチュエータは、ノズルオリフィスの角度位置を調整するように適合される。
【0017】
[0017] 上記配置の何れにおいても、ガスは、低いEUV吸収性を有し得るとともに、水素を含み得る。ノズルオリフィスにおけるガスの流量は、約0.1slm~約10slmの範囲であり得る。ガスチューブは高融点金属を含み得る。ガスチューブは、モリブデン、タングステン、タンタル、レニウム、又はモリブデン、タングステン、タンタル、若しくはレニウムの合金を含み得る。ガスチューブの内面は、窒化ホウ素コーティングを含み得る。
【0018】
[0018] 実施形態の別の態様によれば、極端紫外線(EUV)ソース材料の液滴を加速する方法であって、液状EUVソース材料の流れをノズルオリフィスの前部から流れ方向に放出するように適合されたノズルオリフィスを設けることと、ガス供給構造を設けることと、ノズルオリフィスの周りにガス流を導入することと、ノズルオリフィスから液状EUVソース材料の流れを放出することであって、ガス流は、ノズルオリフィスの後方位置から流れに対して導入されることと、を含む方法が開示される。ガス供給構造は、ガス入口チューブと、ガス入口チューブと流体連通するガスマニホールドと、ガスマニホールドと流体連通するガスプレナムと、を含み得、ガスプレナムは、ノズルオリフィスと、ノズルオリフィスに隣接するノズル本体の一部と、を実質的に取り囲む。ガス供給構造は、ガスマニホールドとガスプレナムとの間に位置決めされたディフューザを含み得る。ガスチューブは、液状EUVソース材料の流れの少なくとも一部に平行に延びてそれを実質的に取り囲み、少なくとも合体長さまで延び得る。流れに平行に延びるガスチューブの少なくとも一部は、円形断面を有し得る。方法は、ノズル本体に機械的に結合されたアダプタと、アダプタに機械的に結合されたアクチュエータと、を設けることを更に含み得、アダプタ及びアクチュエータは、ノズルオリフィスの角度位置を調整するように適合される。
【0019】
[0019] 上記方法の何れにおいても、ガスは、低いEUV吸収性を有し得るとともに、水素を含み得る。ノズルオリフィスにおけるガスの流量は、約0.1slm~約10slmの範囲であり得る。ガスチューブは、モリブデン、タングステン、タンタル、レニウム、又はモリブデン、タングステン、タンタル、若しくはレニウムの合金を含み得る高融点金属を含み得る。ガスチューブの内面は、窒化ホウ素コーティングを含み得る。
【0020】
[0020] 実施形態の別の態様によれば、極端紫外線(EUV)ソース材料の液滴流を発生させる液滴発生器であって、ノズルオリフィスから液状EUVソース材料を放出するように適合されたノズルと、ガス源に接続されるように適合された少なくとも1つの入口と、ガス源と流体連通する第1の構造であって、ノズルオリフィスを取り囲んでノズルオリフィスの前方及び後方に延びるガスプレナムを画定する、第1の構造と、を含む、液滴発生器が開示される。ガスプレナムは、プレナムが略円錐台形状を有し得るように、直径がガスチューブとの境界面に向かってガス流方向に先細りになる略円形断面を有し得る。ガスプレナムの断面積は、ガスチューブとの境界面に向かってガス流方向に漸減し得る。ガスプレナムは、ノズルオリフィスの上流側で始まり、次いでノズルオリフィスを通過して均一に流れる円対称のガス流を生じさせるように構成され得る。ガスプレナムは、ノズルオリフィスの上流側で始まり、次いでノズルオリフィスを通過して均一に流れるガス流を加速するように構成され得る。
【0021】
[0021] 実施形態の別の態様によれば、極端紫外線(EUV)ソース材料の液滴を加速する方法であって、液滴発生器のノズルオリフィスから液状EUVソース材料の流れを放出することと、ガスが、液状EUVソース材料の流れの中のEUVソース材料の液滴を同伴して加速するように、ノズルオリフィスを通過して流れ、EUVソース材料の流れに平行に流れるようにすることと、を含む方法が開示される。
【0022】
[0022] 本発明の更なる実施形態、特徴及び利点、並びに様々な実施形態の構造及び動作について、添付図面を参照して以下に詳細に説明する。
【0023】
[0023] 本明細書に組み込まれ、本明細書の一部をなす添付の図面は、限定としてではなく、例として、本発明の実施形態の方法及びシステムを図示する。詳細な説明と共に、これらの図面は更に、本明細書に提示する方法及びシステムの原理を説明し、当業者が、これらの方法及びシステムを作製及び使用することを可能にすることに役立つ。図面の特徴は、必ずしも原寸に比例したものではない。図面では、類似の参照符号は、同一又は機能的に同様の要素を示す。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】[0024]LPP EUV光照射器を有するEUV光源を含む装置の簡略化された概略図である。
図2】[0025]液滴流における合体の状態を図示する液滴発生器の縮尺通りでない断面図である。
図3】[0026]実施形態の態様による液滴加速器を備えた液滴発生システムの平面図である。
図4】[0027]図3に示す液滴加速器の分解図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
[0028] 本発明の更なる特徴及び利点、並びに本発明の様々な実施形態の構造及び動作について、添付図面を参照して以下に詳細に説明する。本発明は、本明細書で説明する具体的な実施形態に限定されないことに留意されたい。そのような実施形態は、単なる例示の目的で本明細書に提示される。本明細書に含まれる教示に基づいて、当業者には追加の実施形態が明らかになるであろう。
【0026】
[0029] ここで、全体を通して類似の要素を指すために類似の参照符号が使用される、図面を参照して様々な実施形態を説明する。以下の記載では、説明の目的で、1つ以上の実施形態の完全な理解を促進するために数多くの具体的な詳細について述べる。しかしながら、いくつかの又はあらゆる場合において、以下に説明する具体的な設計詳細を採用せずに、以下に説明する任意の実施形態を実施できることは明らかであり得る。他の場合には、1つ以上の実施形態の説明を容易にするために、周知の構造及びデバイスがブロック図の形式で示される。以下に、実施形態の基本的な理解を与えるために、1つ以上の実施形態の簡略化された概要を提示する。この概要は、企図される全ての実施形態を広く概観するものではなく、また、全ての実施形態の主要な又は極めて重要な要素を識別することも、任意又は全ての実施形態の範囲に制限を課すことも意図されていない。
【0027】
[0030] しかしながら、そのような実施形態をより詳細に説明する前に、本発明の実施形態が実施され得る例示的な環境を提示することは有益である。以下の説明及び特許請求の範囲では、「上方(up)」、「下方(down)」、「上部(top)」、「底部(bottom)」、「垂直な(vertical)」、「水平な(horizontal)」及び類似の用語が用いられ得る。これらの用語は、単に相対的な向きを示すように意図されたものであり、重力に対する向きを示すようには意図されていない。また、場合によっては、「上流側(upstream)」、「下流側(upstream)」及び「流れ方向(streamwise)」という用語は、以下に説明する液滴流に対する向き及び位置に関連して使用される。これらの用語は、上流側についてはソース(又はノズル)に近く、下流側についてはソース(又はノズル)から遠く、流れ方向については流れの方向という通常の慣例的な意味を有するように意図されている。
【0028】
[0031] 図1は、LPP EUV光照射器を有するEUV光源20を含む装置10の具体例を図示する。図示のように、EUV光源20は、一連の光パルスを発生させるとともにその光パルスを光源チャンバ26内に送出するシステム22を含み得る。光パルスは、1つ以上のビームパスに沿ってシステム22からチャンバ26内に進み、照射領域28でソース材料14の液滴を照明して、露光デバイス50内での基板52の露光のためのEUV光出力を生成し得る。
【0029】
[0032] 図1に示すレーザシステム22での使用に好適なレーザは、例えばDC又はRF励起によって約9.3μm又は10.6μmの放射を生成し、比較的高いパワー、例えば10kW以上及び高パルス繰り返し数、例えば50kHz以上で動作するパルスガス放電COレーザデバイスなどのパルスレーザデバイスを含み得る。他の波長の放射を生成し、他のパワー及び異なる繰り返し数で動作する他のレーザは、他の実施形態において使用され得る。特定の一実施態様において、レーザは、複数の増幅段を有する発振器-増幅器構成(例えば主発振器/パワー増幅器(MOPA)又はパワー発振器/パワー増幅器(POPA))を有するとともに、比較的低エネルギー且つ高繰り返し数、例えば100kHzでの動作が可能なQスイッチ式発振器によって開始されるシードパルスを有する軸流RFポンプ式COレーザであり得る。発振器から、レーザパルスはその後、照射領域28に達する前に、増幅され、整形され、及び/又は集束され得る。連続ポンプ式CO増幅器がレーザシステム22に使用され得る。代替的に、レーザは、液滴が光学キャビティの1つのミラーとしての役割を果たす、いわゆる「自己ターゲット式」レーザシステムとして構成され得る。
【0030】
[0033] 用途に応じて、高いパワー及び高パルス繰り返し数で動作するエキシマレーザ又は分子フッ素レーザなどの、他のタイプのレーザも好適であり得る。他の好適な例は、例えばファイバ状、ロッド状、スラブ状、又はディスク状の活性媒体を有する固体レーザ、1つ以上のチャンバ、例えば1つの発振器チャンバと1つ以上の増幅チャンバ(並列又は直列の複数の増幅チャンバを有する)とを有する他のレーザアーキテクチャ、主発振器/パワー発振器(MOPO)配置、主発振器/パワーリング増幅器(MOPRA)配置、或いは1つ以上のエキシマ、分子フッ素又はCO増幅器若しくは発振器チャンバにシード光を送出する固体レーザを含む。他の設計も好適であり得る。
【0031】
[0034] 場合によっては、ソース材料は、まずプリパルスによって照射され、その後メインパルスによって照射され得る。プリパルスシード及びメインパルスシードは、単一の発振器によって発生させてもよく、又は2つの別個の発振器によって発生させてもよい。いくつかの設定では、プリパルスシードとメインパルスシードの両方を増幅するために、1つ以上の共通の増幅器が使用され得る。他の配置では、プリパルスシード及びメインパルスシードを増幅するために、別個の増幅器が使用され得る。
【0032】
[0035] システム22は、照射部位28に達するビームの拡大、ステアリング、及び/又は集束などのビーム調節のための1つ以上の光学素子を有するビーム調節ユニットを含み得る。例えば、1つ以上のミラー、プリズム、レンズなどを含み得る、ステアリングシステムが提供され、レーザ焦点をチャンバ26内の異なる場所にステアリングするように配置され得る。ステアリングシステムは、第1のミラーを独立に2次元で移動させ得る可動アクチュエータに取り付けられた第1の平面ミラーと、第2のミラーを独立に2次元で移動させ得る可動アクチュエータに取り付けられた第2の平面ミラーとを含み得る。この配置を用いて、ステアリングシステムは、ビーム伝搬方向(ビーム軸)に対して実質的に直角な方向に焦点を制御可能に移動させ得る。
【0033】
[0036] 更に図1に示すように、EUV光源20はまた、例えば、スズ液滴などのソース材料を照射領域又は主焦点28に向けてチャンバ26内部に送出する液滴源92を含むソース材料送出システム90を含み得、照射領域又は主焦点28では、液滴がシステム22からの光パルスと相互作用して、最終的にプラズマを生成するとともにEUV放射を発生させ、露光デバイス50内のレジストコートウェーハなどの基板52を露光させる。様々な液滴ディスペンサ構成に関する更なる詳細は、例えば、2011年1月18日に発行された「Systems and Methods for Target Material Delivery in a Laser Produced Plasma EUV Light Source」という名称の米国特許第7,872,245号、2008年7月29日に発行された「Method and Apparatus For EUV Plasma Source Target Delivery」という名称の米国特許第7,405,416号、及び2008年5月13日に発行された「LPP EUV Plasma Source Material Target Delivery System」という名称の米国特許第7,372,056号に見出される可能性があり、これらの明細書の各々の内容は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0034】
[0037] 基板露光用のEUV光出力を生成するためのソース材料は、スズ、リチウム、キセノン、又はこれらの組み合わせを含む材料を含み得るが、必ずしもこれらに限定されない。EUV放出元素、例えばスズ、リチウム、キセノンなどは、液体小滴及び/又は液体小滴に含有された固体粒子の形態をとり得る。例えば、元素スズは、純スズとして、スズ化合物、例えばSnBr、SnBr、SnHとして、スズ合金、例えばスズ-ガリウム合金、スズ-インジウム合金、スズ-インジウム-ガリウム合金、又はこれらの組み合わせとして使用され得る。使用される材料に応じて、ソース材料は、室温若しくは室温付近(例えばスズ合金、SnBr)、高温(例えば純スズ)、又は室温を下回る温度(例えばSnH)を含む様々な温度で照射領域に提示されることがあり、いくつかの場合には、比較的揮発性、例えばSnBrとすることができる。
【0035】
[0038] 引き続き図1を参照すると、装置10はまた、EUVコントローラ60を含み得る。この装置はまた、システム22内のデバイスを制御するためのドライブレーザ制御システム65を含み得、それによって、チャンバ26内への送出のための及び/又はシステム22内の光学素子の移動を制御するための光パルスを発生させる。装置はまた液滴位置検出システムを含み得、このシステムは、例えば照射領域28に対する1つ以上の液滴の位置を表す出力を提供する1つ以上の液滴イメージャ70を含み得る。イメージャ70は、この出力を液滴位置検出フィードバックシステム62に提供し得る。このシステム62は、例えば、液滴の位置及び軌道を計算することができ、そこから、例えば1滴毎に又は平均して、液滴エラーを計算することができる。その後、液滴エラーは、コントローラ60への入力として提供され得る。このコントローラ60は、例えば、位置、方向及び/又はタイミング補正信号をシステム22に提供して、例えばチャンバ26内の照射領域28に送出されている光パルスの場所及び/又は集光力を変更するように、レーザトリガタイミングを制御し及び/又はシステム22内の光学素子の移動を制御することができる。また、EUV光源20に関しては、ソース材料送出システム90は、例えば、所望の照射領域28に到達する液滴のエラーを補正するように放出点、初期の液滴流の方向、液滴放出タイミング及び/又は液滴変調を修正するためにコントローラ60からの信号(いくつかの実施態様では、上で説明した液滴エラー又はそこから導き出される何らかの量を含み得る)に応答して動作可能な制御システムを有し得る。
【0036】
[0039] 図1を続けると、装置は、例えばモリブデン及びシリコンの交互層、いくつかの場合には、1つ以上の高温拡散バリア層、平滑化層、キャッピング層及び/又はエッチング停止層を含む漸変多層コーティングを有する長球(すなわち、その長軸を中心に回転させた楕円)の形態の反射面を有する近法線入射コレクタミラーなどの光学素子30も含み得る。図1は、システム22によって発生させた光パルスが通過して照射領域28に達することを可能にするためのアパーチャを有して光学素子30が形成され得ることを示す。図示のように、光学素子30は、例えば、照射領域28内又はその付近に第1の焦点を、及びいわゆる中間領域40に第2の焦点を有する長球ミラーであり得、EUV光は、この中間領域40においてEUV光源20から出力され、EUV光を利用する露光デバイス50、例えば集積回路リソグラフィツールに入力され得る。長球ミラーの代わりに、EUV光を利用するデバイスへのその後の送出のために光を集光して中間位置に誘導するために他の光学素子が使用され得ることが認識されるべきである。
【0037】
[0040] 水素、ヘリウム、アルゴン又はこれらの組み合わせなどのバッファガスが、チャンバ26内に導入され、補充され及び/又はチャンバ26から除去され得る。バッファガスは、プラズマ放電中にチャンバ26内に存在してもよく、プラズマによって生じたイオンの速度を低下させて光学素子の劣化を低減し及び/又はプラズマ効率を高めるように作用し得る。代替的に、高速イオン損傷を低減するために、磁界及び/又は電界(図示せず)が単独で又はバッファガスと組み合わせて使用され得る。
【0038】
[0041] 図2は、簡略化された液滴源92のコンポーネントを概略的な形式で図示する。図2に示すように、液滴源92は、流体、例えば溶融スズを圧力下に保持する毛細管200を含み得る。毛細管200は、ガラスなどの材料で作製され得る。同じく図示のように、毛細管200は、加圧流体がノズル端部210を通って流れ、後に液滴240の流れに分裂する連続流230を確立することを可能にする端部又はオリフィス210を備えたノズルを有して形成され得る。図示の液滴源92は、流体と動作可能に結合された電子作動可能要素250と、電子作動可能要素250を駆動する信号発生器260と、を有する、流体中に擾乱を生じさせるサブシステムを更に含む。電子作動可能要素250は、圧電要素などの、電気信号の制御下で動力を生成するための任意のデバイスであり得る。
【0039】
[0042] 電子作動可能要素250は、異なる初期速度を有する液滴を発生させる擾乱を流体中に生じさせ、少なくともいくつかの隣接する液滴対を照射領域に達する前に合体させる。初期液滴と合体した液滴との比は、2、3又はそれ以上、いくつかの場合には数十以上であり得る。これは、液滴を生成するための1つのシステムに過ぎない。例えば、ガス圧が単にノズルオリフィスでのターゲット材料の液滴の形成には十分であるが、噴流の形成には不十分である「液滴オンデマンド」モードのために、例えば、ノズルオリフィスにおいて個々の液滴を作り出すシステムなどの、他のシステムも使用され得ることが明らかであろう。開示全体が参照により本明細書に組み込まれる、「Method and Apparatus for EUV Plasma Source Target Delivery Target Material Handling」という名称の、2008年11月11日に発行された、米国特許第7,449,703号を参照されたい。
【0040】
[0043] ターゲット材料が最初にノズル端部210から流出するときに、ターゲット材料は、速度摂動された定常流230の形態である。流れは、様々な速度を有する一連の微小液滴に分裂する。微小液滴は、合体し、サブ合体した液滴と称される、互いに対して様々な速度を有する中間サイズの液滴になる。サブ合体した液滴は、合体して、所望の最終的なサイズを有する液滴240になる。合体ステップの数は可変である。ノズルから液滴が最終的な合体状態に達する点までの距離は、合体距離Lである。
【0041】
[0044] 上記説明は、単に説明を簡略化するために具体的な例示の目的で、特定のタイプの液滴発生器に関するものである。スズなどのターゲット材料をノズルに提供するための他の配置、及び使用できる、本明細書における教示が有利に適用され得る他の調整手段もあることは明らかであろう。
【0042】
[0045] 前述のように、高繰り返し数での高いEUVパワーに対する将来の需要を満たすには、液滴間の間隔のより広い、より高速の液滴が必要となる。液滴発生器によって発生させた液滴のガス加速は、駆動ガス圧を高める必要なしに液滴速度を高める方法として考慮されてきた。しかしながら、ガスを液滴加速器に導入し、同時に、許容できない不安定性を液滴流にもたらさない方法で導入しなければならない。
【0043】
[0046] 前述のように、より高圧で液滴を発生させる際の主な課題の1つは、これらの高圧が液滴の合体に悪影響を及ぼす可能性があることである。例えば、ソースは、50kHzの周波数で移動する直径30ミクロン程度の液滴を必要とする場合がある。しかしながら、液滴発生器のノズルから出る液滴は、より小さくより多い。液滴はまた、僅かに変化する速度で生成される。液滴がソース内の主焦点に向かって移動するにつれて、より速い液滴がより遅い液滴に追い付くので、液滴が合体してより大きな液滴になる。結果として、最終的な50kHz、30ミクロンの液滴が作り出される。しかしながら、この合体プロセスには時間がかかるので、液滴の完全な合体は、ノズルから少し離れた場所で起こる。この距離は、合体長さと称され、図2では合体距離Lとして識別される。この合体長さは、高圧で増加し、合体していない液滴がソース内でより長い距離を移動してソース内部の流れの影響を受けるため、ソースの動作を困難にする。
【0044】
[0047] 加えて、高速の液滴を生成するために高圧を使用することによって、高圧での材料性能及び安定性、安全性、規制要件などの、合体長さ以外の数多くの問題が生じる。
【0045】
[0048] また、ノズル内でのSnOx粒子の形成は、液滴発生器の起動不良につながるので、現在問題となっている。これには、関連するソースのダウンタイム及びコストを伴う液滴発生器の交換が必要となる場合がある。
【0046】
[0049] また、望ましくない場所においてEUVソースの表面の内側に衝突し、液滴発生器の加圧中にスズ堆積又はスズ書込みをもたらす、スズ液滴は、ソースパワー出力の低下につながり、更にはコレクタの早期交換が必要となる、汚染をコレクタにもたらす可能性があるので、問題である。
【0047】
[0050] ガス加速器を設計する際の技術的考慮事項の1つは、ノズル及び合体領域又は合体域に対する加速ガス(すなわち、加速用ガス)の導入場所である。例えば、完全に合体した液滴のみを加速ガスが加速するように加速ガスを導入することが可能である。いくつかの実施態様では、これには、ガス流が、より小さくより軽いサブ合体した液滴の流れに摂動を導入しないという利点があり得る。しかしながら、このような配置では、より大きくより重い合体液滴の加速を達成するために大量のガスが必要となる。また、液滴が完全に合体している必要があるため、その適用が、比較的低い初期の液滴発生器圧力に制限される場合がある。
【0048】
[0051] これらの制約を回避するために、実施形態の態様によれば、加速ガスは、ノズルの上流側に、すなわち、加速ガスが導入される場所の下流側にノズルが位置決めされるように、及び、加速ガスが液滴流全体(微小液滴、サブ合体した液滴、及び完全に合体した液滴)を加速するように、導入される。
【0049】
[0052] 実施形態の態様によれば、抗力補助型液滴発生器は、ガス加速器アセンブリを使用して、ノズルオリフィス付近に抗力を生じさせる。高速のガス流がノズルの後方に導入され、ガス加速器アセンブリがノズルの近傍に位置するため、ガス加速器アセンブリを通る液滴流の方向制御が簡素化される。ここでは及び他の箇所では、ノズルに言及する際の「後方」及び「上流側」とは、ターゲット材料流がノズルオリフィスから流出する方向とは反対方向にあるノズルオリフィスからの位置を意味する。ガスチューブの断面を減少させることができ、したがって、ノズルの下流側に少し距離をおいて加速ガス流を導入することによって同じ加速を達成するために必要とされるガス流量の要件が緩和される。追加的に、新たなガス加速器アセンブリを使用して加速ガスを導入することによって液滴の合体が促進されるので、低い初期圧力で液滴発生器を起動する必要がない。ガス加速器アセンブリによって液滴の合体を改善できるため、初期圧力をより高い値まで高めることができる。
【0050】
[0053] したがって、ガス加速器アセンブリは、大きな液滴よりも小さな液滴を高速に加速することによって液滴合体を促進する。これによって、結果として得られる合体液滴の速度が高まる。このような合体補助は、電子作動可能要素250によって誘発される液滴の合体が弱い高圧での液滴発生器の動作に特に重要である。また、いくつかの実施形態では、合体補助は、最終的な液滴の緩やかな加速も可能にする。合体補助の追加の利益として、約10m/s以上の全体的な加速がもたらされ得る。また、合体補助によって、SnOx関連の不良などの汚染関連の不良を低減するために、ノズルオリフィス付近の清浄な又は還元ミニ環境の維持も促進される。これは、ガス加速器アセンブリで使用される清浄なガス又は還元ガス、例えばHを用いてノズル付近のガスを常にリフレッシュすることによって実現される。それはまた、遅い液滴をより高い速度まで加速することによって、加圧中のソースにおけるターゲット材料(例えばスズ)の汚染の問題を軽減する。
【0051】
[0054] 図3に示すように、毛細管200は、キャビティ300と流体連通し、フェルール310及びノズル本体330内のノズルナット320によって適所に保持される。毛細管200は、プレナム340内に突出する。ガスは、ガス供給からガス供給チューブ350と吸気マニホールドキャビティ365を備えた吸気マニホールド360とを通してプレナム340に導入される。入口マニホールド360からのガスは、ディフューザ370を通ってプレナム340に達する。ガスは、毛細管200のノズルオリフィスを通過し、ガスチューブ380に流入する。プレナム340に流入し、ガスチューブ380の長さに沿って下方に流れるガスは、毛細管200からの微小液滴と合体液滴とを含むガスチューブ380内の液滴を加速する。アダプタ390もまた、ノズルアセンブリを適所に保持する。実施形態の態様によれば、ガス供給チューブ350、マニホールド360、及びプレナム340は一緒になって、ガス供給システム又はガス導入システムを構成する。
【0052】
[0055] プレナム340は、いくつかの実施形態では、プレナム340が略截頭円錐(円錐台)形状を有するように、直径が入口マニホールド360との境界面からガスチューブ380との境界面への方向に先細りになる略円形断面を有する。したがって、プレナム340の断面積は、この方向に徐々に、すなわち滑らかに、換言すれば急激な変化なしに減少する。これによって、ノズルオリフィス出口210の上流側で始まり、次いでノズルオリフィス出口210を通過して均一に流れる円対称なガス流がもたらされる。断面積の減少によって、ガスがプレナム340を通過するときに加速される。
【0053】
[0056] また図3に示すように、実施形態の態様によれば、ガスチューブ380の断面積は、有利には、いくつかの用途では丸く、更には円形にされる。ガスチューブ380の内部は、ガスがチューブ380に沿って移動するにつれてガスが加速するように、他の実施形態の態様に従って構成される。しかしながら、概して、断面の鋭利な縁部を避け、表面を空気抵抗の少ない形にすることが望ましい。
【0054】
[0057] 概して、ガスがノズルオリフィスを通過して流れる速度は、合体長さの範囲内で合体が確実に起こるように選択すべきである。これを達成するために、ガス導入システムは、約0.1slm~約10slmの流量を達成するように配置され、ガスを供給される。ここでは及び特許請求の範囲では、「約」という用語は、これらの範囲端が、測定精度の範囲内で得られる値の表現であり、抽象的な数学的精度の表現ではなく、性能に悪影響が及ばない限り、端点からの多少の逸脱が許容されることを示すために使用される。いくつかの実施形態は、10slmよりも更に高い流量を使用することができる。
【0055】
[0058] ガスは、ガスチューブ380内の液滴を同伴して加速する。換言すれば、このガスチューブ380内において、ガスは、液滴流に実質的に平行に流れ方向に流れ、微小液滴、サブ合体液滴、及び合体液滴を同伴する。この文脈における「実質的に平行」とは、流れ方向を横切る方向への有意な速度をガス流が液滴に与えないことを意味する。
【0056】
[0059] 実施形態の一態様によれば、液滴の加速は、液滴流に不安定性をもたらすことを避けるために、緩やかになるように選択される。
【0057】
[0060] 液滴を加速させるために使用されるガスは、概して、低いEUV吸収性を有するガスであるべきである。1つの好適なガスはHである。別のガスはアルゴンである。液滴を加速させるガスとして他のガス及びガスの混合物が使用され得ることが当業者には明らかになるであろう。
【0058】
[0061] ガスチューブ380の内面を作製するために使用される材料は、有利には、ソース材料、この例ではスズからの腐食に対する耐性を有するように選択される。好適な材料としては、モリブデン、タングステン、タンタル、レニウム、及びそれらの合金などの高融点金属が挙げられる。また、表面には、BN、TiN、SiC、及びCrNを含むセラミック材料などのコーティングが施され得る。かかるコーティングが使用される場合、液滴加速器の下地材料は、ステンレス鋼又は類似の材料などのより一般的な合金とすることができる。
【0059】
[0062] 実施形態の別の態様によれば、液滴を加速するために使用されるガスは、ガスチューブ380に導入される前に熱化される。
【0060】
[0063] ガスチューブ380は、その長さに沿って一定の直径、その長さに沿って縮小する直径、又はその長さに沿って増大する直径を有し得る。一定の直径のチューブの場合、チューブの入口から出口にガスが流れるにつれて、チューブ内部のガス速度が実際に高まる。ガス速度が高まるのは、ガスがチューブの長さに沿って下方に移動するにつれてガス圧が低くなるが、質量流量が一定のままであるためである。
【0061】
[0064] 図4は、図3のガス供給システムの分解図である。図示のように、ガスチューブ380は、ディフューザ370が間に取り付けられた状態でマニホールド360の外側に嵌合する。アダプタ390は、電子作動可能要素250がアダプタ390内に受け入れられ、その後、その組み合わされたアセンブリがマニホールド360内に受け入れられた状態で、マニホールド360と毛細管200との間に介在する。アダプタ390は、弾性材料で作製することができる。アクチュエータである要素400も示されている。アクチュエータ400は、ガスチューブ380内部に対して液滴流を整える目的で、ガスチューブ380に対する毛細管200の角度を微調整するために使用することができる。いくつかの実施形態は、2つ以上のアダプタ390を使用して、液滴流を異なる方向に整えることができる。
【0062】
[0065] 本発明について、指定の機能及びその関係の実装を図示する機能構成ブロックの助けを借りて上で説明してきた。これらの機能構成ブロックの境界は、説明の便宜上、本明細書では任意に定義されている。指定の機能及びその関係が適切に実行される限り、代替境界を定義することができる。
【0063】
[0066] 具体的な実施形態の前述の説明は、本発明の全般的性質を完全に明らかにしているため、当該分野の技術の範囲内の知識を適用することによって、他者が、本発明の基本概念から逸脱することなく、過度の実験の必要なく容易に、かかる具体的な実施形態を様々な用途に合わせて修正し及び/又は適合させることができるだろう。したがって、そのような適合及び修正は、本明細書に提示された教示及び手引きに基づき、開示された実施形態の均等物の意味及び範囲内であるように意図される。本明細書中の表現又は用語は、限定ではなく説明を目的とするものであり、本明細書の用語又は表現は、当業者によって教示及び手引きに照らして解釈されるべきことを理解すべきである。本発明の広さ及び範囲は、上で説明した例示的な実施形態の何れによっても限定されるべきでなく、以下の特許請求の範囲及びその均等物に基づいてのみ定義されるべきである。
【0064】
[0067] 実施形態については、以下の条項を使用して更に説明することができる。
1.極端紫外線(EUV)ソース材料の液滴流を発生させる液滴発生器であって、
EUVソース材料の液滴流を流れ方向に放出するように適合されたノズルオリフィスを有するノズル本体と、
ノズルオリフィスを通過して流れ方向に流れるようにノズルオリフィスの上流側にガスを導入するように配置されたガス導入アセンブリと、
ノズルオリフィスから離れて流れ方向に延びるガスチューブであって、ガスチューブは、EUVソース材料の液滴流のための流路の少なくとも一部に平行に延びて少なくとも一部を実質的に取り囲み、ガスチューブは、ガスチューブ内のガスが流れ方向に流れるようにするように構成される、ガスチューブと、
を含む、液滴発生器。
2.ガス導入アセンブリは、ガス入口チューブと、ガス入口チューブと流体連通するガスマニホールドと、ガスマニホールドと流体連通するガスプレナムと、を含み、ガスプレナムは、ノズルオリフィスと、ノズルオリフィスに隣接するノズル本体の一部と、を実質的に取り囲む、条項1に記載の液滴発生器。
3.ガスプレナムは、プレナムが略円錐台形状を有するように、直径がガスマニホールドとの境界面からガスチューブとの境界面に向かってガス流方向に先細りになる略円形断面を有する、条項2に記載の液滴発生器。
4.ガスプレナムの断面積は、ガスマニホールドとの境界面からガスチューブとの境界面に向かってガス流方向に漸減する、条項2に記載の液滴発生器。
5.ガスプレナムは、ノズルオリフィスの上流側で始まり、次いでノズルオリフィスを通過して均一に流れる円対称なガス流を生じさせるように構成される、条項2に記載の液滴発生器。
6.ガスプレナムは、ノズルオリフィスの上流側で始まり、次いでノズルオリフィスを通過して均一に流れるガス流を加速するように構成される、条項2に記載の液滴発生器。
7.ガス導入アセンブリは、ガスマニホールドとガスプレナムとの間に位置決めされたディフューザを含む、条項2に記載の液滴発生器。
8.液滴EUVソース材料の流れは、合体長さの範囲内で形成された合体液滴を含み、液状EUVソース材料の流れの少なくとも一部に平行に延びて少なくとも一部を実質的に取り囲むガスチューブは、少なくとも合体長さを延長する、条項1に記載の液滴発生器。
9.液滴EUVソース材料の流れに平行に延びるガスチューブの少なくとも一部は、円形断面を有する、条項1に記載の液滴発生器。
10.ノズル本体に機械的に結合されたアダプタと、アダプタに機械的に結合されたアクチュエータと、を更に含み、アダプタ及びアクチュエータは、ノズルオリフィスの角度位置を調整するように動作可能である、条項1に記載の液滴発生器。
11.ガス導入アセンブリと流体連通するガス源を更に含み、ガスは、低いEUV吸収性を有する、条項1に記載の液滴発生器。
12.ガスは水素を含む、条項11に記載の液滴発生器。
13.ノズルオリフィスにおけるガスの流量は、約0.1slm~約10slmの範囲である、条項11に記載の液滴発生器。
14.ガスチューブは、高融点金属を含む、条項1に記載の液滴発生器。
15.ガスチューブは、モリブデン、タングステン、タンタル、レニウム、又はモリブデン、タングステン、タンタル、若しくはレニウムの合金を含む、条項14に記載の液滴発生器。
16.ガスチューブの内面は、窒化ホウ素コーティングを含む、条項1に記載の液滴発生器。
17.極端紫外線(EUV)ソース材料の液滴を加速する方法であって、
液状EUVソース材料の流れをノズルオリフィスの前部から流れ方向に放出するように適合されたノズルオリフィスを設けることと、
ガス供給構造を設けることと、
ノズルオリフィスの周りにガス流を導入することと、
ノズルオリフィスから液状EUVソース材料の流れを放出することであって、ガス流は、ノズルオリフィスの後方位置から流れに対して導入され、ノズルオリフィスを通過して流れ方向に流れる、放出することと、
を含む、方法。
18.ガス供給構造は、ガス入口チューブと、ガス入口チューブと流体連通するガスマニホールドと、ガスマニホールドと流体連通するガスプレナムと、を含み、ガスプレナムは、ノズルオリフィスを実質的に取り囲む、条項17に記載の方法。
19.ガス供給構造は、ガスマニホールドとガスプレナムとの間に位置決めされたディフューザを含む、条項18に記載の方法。
20.液状EUVソース材料の流れは、合体して合体長さの範囲内の合体液滴になる液滴の流れに分裂し、液状EUVソース材料の流れの少なくとも一部に平行に延びて少なくとも一部を実質的に取り囲み、少なくとも合体長さを延長するガスチューブを設けることを更に含む、条項17に記載の方法。
21.流れに平行に延びるガスチューブの少なくとも一部は、円形断面を有する、条項20に記載の方法。
22.ノズルはノズル本体の一部であり、ノズル本体に機械的に結合されたアダプタと、アダプタに機械的に結合されたアクチュエータと、を設けることを更に含み、アダプタ及びアクチュエータは、ノズルオリフィスの角度位置を調整するように動作可能である、条項17に記載の方法。
23.ガスは、低いEUV吸収性を有する、条項17に記載の方法。
24.ガスは、水素を含む、条項23に記載の方法。
25.ノズルオリフィスにおけるガスの流量は、約0.1slm~約10slmの範囲である、条項17に記載の方法。
26.ガスチューブは、高融点金属を含む、条項20に記載の方法。
27.ガスチューブは、モリブデン、タングステン、タンタル、レニウム、又はモリブデン、タングステン、タンタル、若しくはレニウムの合金を含む、条項20に記載の方法。
28.ガスチューブの内面は、窒化ホウ素コーティングを含む、条項20に記載の方法。
29.極端紫外線(EUV)ソース材料の液滴流を発生させる液滴発生器であって、
ノズルオリフィスから液状EUVソース材料を放出するように適合されたノズルと、
ガス源に接続されるように適合された少なくとも1つの入口と、
入口と流体連通する第1の構造であって、ノズルオリフィスを取り囲んでノズルオリフィスの前方及び後方に延びるガスプレナムを画定する、第1の構造と、
を含む、液滴発生器。
30.ノズルオリフィスから離れて流れ方向に延びるガスチューブを更に含み、ガスチューブは、EUVソース材料のための流路の少なくとも一部に平行に延びて少なくとも一部を実質的に取り囲み、ガスチューブは、ガスチューブ内のガスが流れ方向に流れるようにするように構成される、条項29に記載の液滴発生器。
31.ガスプレナムは、プレナムが略円錐台形状を有するように、直径がガスチューブとの境界面に向かってガス流方向に先細りになる略円形断面を有する、条項30に記載の液滴発生器。
32.ガスプレナムの断面積は、ガスチューブとの境界面に向かってガス流方向に漸減する、条項30に記載の液滴発生器。
33.ガスプレナムは、ノズルオリフィスの上流側で始まり、次いでノズルオリフィスを通過して均一に流れる円対称なガス流を生じさせるように構成される、条項29に記載の液滴発生器。
34.ガスプレナムは、ノズルオリフィスの上流側で始まり、次いでノズルオリフィスを通過して均一に流れるガス流を加速するように構成される、条項29に記載の液滴発生器。
35.極端紫外線(EUV)ソース材料の液滴を加速する方法であって、
液滴発生器のノズルオリフィスから液状EUVソース材料の流れを放出することと、
ガスが、液状EUVソース材料の流れの中のEUVソース材料の液滴を同伴して加速するように、ノズルオリフィスを通過して液状EUVソース材料の流れに平行に流れるようにすることと、
を含む、方法。
【0065】
[0068] これら及び他の実施態様も特許請求の範囲内である。
図1
図2
図3
図4
【手続補正書】
【提出日】2023-12-26
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
極端紫外線(EUV)ソース材料の液滴流を発生させる液滴発生器であって、
EUVソース材料の前記液滴流を流れ方向に放出するように適合されたノズルオリフィスを有するノズル本体と、
前記ノズルオリフィスを通過して前記流れ方向に流れるように前記ノズルオリフィスの上流側にガスを導入するように配置されたガス導入アセンブリと、
前記ノズルオリフィスから離れて前記流れ方向に延びるガスチューブであって、前記ガスチューブは、EUVソース材料の前記液滴流のための流路の少なくとも一部に平行に延びて前記少なくとも一部を実質的に取り囲み、前記ガスチューブは、前記ガスチューブ内のガスが前記流れ方向に流れるようにするように構成される、ガスチューブと、
を含む、液滴発生器。
【請求項2】
前記ガス導入アセンブリは、ガス入口チューブと、前記ガス入口チューブと流体連通するガスマニホールドと、前記ガスマニホールドと流体連通するガスプレナムと、を含み、
前記ガスプレナムは、前記ノズルオリフィスと、前記ノズルオリフィスに隣接する前記ノズル本体の一部と、を実質的に取り囲む、請求項1に記載の液滴発生器。
【請求項3】
前記ガスプレナムは、前記プレナムが略円錐台形状を有するように、直径が前記ガスマニホールドとの境界面から前記ガスチューブとの境界面に向かってガス流方向に先細りになる略円形断面を有する、請求項2に記載の液滴発生器。
【請求項4】
前記ガスプレナムは、前記ノズルオリフィスの上流側で始まり、次いで前記ノズルオリフィスを通過して均一に流れる円対称なガス流を生じさせるように構成される、請求項2に記載の液滴発生器。
【請求項5】
前記ガス導入アセンブリは、前記ガスマニホールドと前記ガスプレナムとの間に位置決めされたディフューザを含む、請求項2に記載の液滴発生器。
【請求項6】
液滴EUVソース材料の前記流れは、合体長さの範囲内で形成された合体液滴を含み、
液状EUVソース材料の前記流れの少なくとも一部に平行に延びて前記少なくとも一部を実質的に取り囲む前記ガスチューブは、少なくとも前記合体長さを延長する、請求項1に記載の液滴発生器。
【請求項7】
前記ノズル本体に機械的に結合されたアダプタと、前記アダプタに機械的に結合されたアクチュエータと、を更に含み、
前記アダプタ及び前記アクチュエータは、前記ノズルオリフィスの角度位置を調整するように動作可能である、請求項1に記載の液滴発生器。
【請求項8】
前記ガス導入アセンブリと流体連通するガス源を更に含み、
前記ガスは、低いEUV吸収性を有する、請求項1に記載の液滴発生器。
【請求項9】
前記ノズルオリフィスにおける前記ガスの流量は、約0.1slm~約10slmの範囲である、請求項に記載の液滴発生器。
【請求項10】
前記ガスチューブは、高融点金属を含む、請求項1に記載の液滴発生器。
【請求項11】
前記ガスチューブの内面は、窒化ホウ素コーティングを含む、請求項1に記載の液滴発生器。
【請求項12】
極端紫外線(EUV)ソース材料の液滴を加速する方法であって、
液状EUVソース材料の流れをノズルオリフィスの前部から流れ方向に放出するように適合された前記ノズルオリフィスを設けることと、
ガス供給構造を設けることと、
前記ノズルオリフィスの周りにガス流を導入することと、
前記ノズルオリフィスから液状EUVソース材料の流れを放出することであって、前記ガス流は、前記ノズルオリフィスの後方位置から前記流れに対して導入され、前記ノズルオリフィスを通過して前記流れ方向に流れることと、
を含む、方法。
【請求項13】
前記ガス供給構造は、ガス入口チューブと、前記ガス入口チューブと流体連通するガスマニホールドと、前記ガスマニホールドと流体連通するガスプレナムと、を含み、
前記ガスプレナムは、前記ノズルオリフィスを実質的に取り囲む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記ガス供給構造は、前記ガスマニホールドと前記ガスプレナムとの間に位置決めされたディフューザを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
液状EUVソース材料の前記流れは、合体して合体長さの範囲内の合体液滴になる液滴の流れに分裂し、液状EUVソース材料の前記流れの少なくとも一部に平行に延びて前記少なくとも一部を実質的に取り囲み、少なくとも前記合体長さを延長するガスチューブを設けることを更に含む、請求項12に記載の方法。
【請求項16】
前記ノズルは、ノズル本体の一部であり、
前記ノズル本体に機械的に結合されたアダプタと、前記アダプタに機械的に結合されたアクチュエータと、を設けることを更に含み、
前記アダプタ及び前記アクチュエータは、前記ノズルオリフィスの角度位置を調整するように動作可能である、請求項12に記載の方法。
【請求項17】
前記ガスは、低いEUV吸収性を有する、請求項12に記載の方法。
【請求項18】
前記ノズルオリフィスにおける前記ガスの流量は、約0.1slm~約10slmの範囲である、請求項12に記載の方法。
【請求項19】
前記ガスチューブは、高融点金属を含む、請求項15に記載の方法。
【請求項20】
極端紫外線(EUV)ソース材料の液滴流を発生させる液滴発生器であって、
ノズルオリフィスから液状EUVソース材料を放出するように適合されたノズルと、
ガス源に接続されるように適合された少なくとも1つの入口と、
前記入口と流体連通する第1の構造であって、前記ノズルオリフィスを取り囲んで前記ノズルオリフィスの前方及び後方に延びるガスプレナムを画定する、第1の構造と、
を含む、液滴発生器。
【請求項21】
前記ノズルオリフィスから離れて前記流れ方向に延びるガスチューブを更に含み、
前記ガスチューブは、前記EUVソース材料のための流路の少なくとも一部に平行に延びて前記少なくとも一部を実質的に取り囲み、
前記ガスチューブは、前記ガスチューブ内のガスが前記流れ方向に流れるようにするように構成される、請求項20に記載の液滴発生器。
【請求項22】
前記ガスプレナムは、前記プレナムが略円錐台形状を有するように、直径が前記ガスチューブとの境界面に向かってガス流方向に先細りになる略円形断面を有する、請求項21に記載の液滴発生器。
【国際調査報告】