(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-17
(54)【発明の名称】光学アセンブリのキャビティ長を能動的に制御するためのシステム
(51)【国際特許分類】
H01S 3/10 20060101AFI20240709BHJP
G03F 7/20 20060101ALI20240709BHJP
H01S 3/106 20060101ALI20240709BHJP
【FI】
H01S3/10 Z
G03F7/20 502
G03F7/20 521
H01S3/106
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023573344
(86)(22)【出願日】2022-05-06
(85)【翻訳文提出日】2024-01-22
(86)【国際出願番号】 US2022028188
(87)【国際公開番号】W WO2022256133
(87)【国際公開日】2022-12-08
(32)【優先日】2021-06-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】513192029
【氏名又は名称】サイマー リミテッド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】ダス,サプタパルナ
(72)【発明者】
【氏名】メイソン,エリック,アンダース
【テーマコード(参考)】
2H197
5F172
【Fターム(参考)】
2H197CA08
2H197CA12
2H197CA17
2H197DB03
2H197DB05
2H197HA03
5F172AD06
5F172DD03
5F172EE22
5F172NP02
5F172NQ14
5F172NR06
(57)【要約】
システムは、第1の反射光学素子、第2の反射光学素子、及び光結合系であって、第1の反射光学素子と第2の反射光学素子との間の距離は光キャビティ内の分離距離を定め、光結合系は光のパルスをキャビティに入れるように、及び光のパルスがキャビティから出ることを可能にするように構成される、光結合系を含む、光パルスストレッチャーを含む。本システムは、分離距離を制御するように構成される作動システムと、キャビティから出る少なくとも2つの光のパルスに関連するデータを生成するように構成されるセンサと、作動システムに結合される制御システムであって、データに基づいて作動システム及び分離距離を制御するように構成される、制御システムとを更に含む。
【選択図】
図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の反射光学素子、
第2の反射光学素子、及び
光結合系であって、前記第1の反射光学素子と前記第2の反射光学素子との間の距離は光キャビティ内の分離距離を定め、前記光結合系は光のパルスを前記キャビティに入れるように、及び光のパルスが前記キャビティから出ることを可能にするように構成される、光結合系
を含む、光パルスストレッチャーと、
前記分離距離を制御するように構成される作動システムと、
前記キャビティから出る少なくとも2つの光のパルスに関連するデータを生成するように構成されるセンサと、
前記作動システムに結合される制御システムであって、前記データに基づいて前記作動システム及び前記分離距離を制御するように構成される、制御システムと
を含む、システム。
【請求項2】
前記制御システムが、
前記作動システムを制御した後に前記センサからの追加データを解析し、
前記解析した追加データに基づいて前記作動システムを再び制御するかどうかを判定する
ように更に構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記制御システムが、前記データ内の少なくとも2つの光のパルスを識別するように、及び前記データ内の前記識別された光のパルスの位置を決定するように構成され、
前記決定した位置に基づいて前記作動システム及び前記分離距離を前記制御システムが制御する、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記センサが2次元イメージングセンサを含み、前記イメージングセンサからの前記データが2次元画像を含む、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記データ内の前記識別された光のパルスの位置を決定することは、前記データ内で識別された少なくとも2つの光のパルス間の空間的分離を決定することを含み、前記制御システムは、前記決定された空間的分離に基づいて前記作動システム及び前記分離距離を制御する、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記制御システムが、前記第1の反射光学素子及び前記第2の反射光学素子の1つ又は複数を移動することによって前記作動システム及び前記分離距離を制御する、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記制御システムが、前記決定された空間的分離に基づいて前記第1の反射光学素子及び前記第2の反射光学素子の前記1つ又は複数を移動する方向を決定するように更に構成される、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記制御システムが、前記決定された空間的分離に基づいて前記第1の反射光学素子及び前記第2の反射光学素子の前記1つ又は複数を移動する量を決定するように更に構成される、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記決定された空間的分離が第1の決定された空間的分離を含み、前記制御システムが、
前記作動システムを制御した後に前記センサからの追加データを解析すること、
前記追加データ内の少なくとも1つの追加の光のパルスを識別すること、
第2の空間的分離を決定することであって、前記第2の空間的分離は前記少なくとも1つの追加の識別された光のパルスと少なくとも1つの他の光のパルスとの間の空間的分離である、決定すること、
前記第1の空間的分離と前記第2の空間的分離とを比較すること、及び
前記比較に基づいて前記作動システムを再び制御するかどうかを判定すること
を行うように更に構成される、請求項5に記載のシステム。
【請求項10】
前記制御システムは、前記第2の空間的分離が前記第1の空間的分離よりも閾値を超えて大きい場合にのみ前記作動システムを再び制御する、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記空間的分離が、前記データ内で識別される少なくとも2つの光のパルスそれぞれの中心間である、請求項5に記載のシステム。
【請求項12】
前記第1の反射光学素子が第1の湾曲反射面を含み、前記第2の反射光学素子が第2の湾曲反射面を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
前記分離距離が前記第1の湾曲反射面の中心と前記第2の湾曲反射面の中心との間の前記距離である、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記光結合系が、前記第1の反射光学素子及び前記第2の反射光学素子とは分離され別個のビームスプリッタを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項15】
前記作動システムが、
前記第1の反射光学素子に結合される第1の作動モジュールであって、第1の活性化モジュールは前記制御システムからのコマンドに基づいて前記第1の反射光学素子を移動させるように構成される、第1の作動モジュールと、
前記第2の反射光学素子に結合される第2の作動モジュールであって、第2の活性化モジュールは前記制御システムからのコマンドに基づいて前記第2の反射光学素子を移動させるように構成される、第2の作動モジュールと
を含み、
前記制御システムが、前記第1の作動モジュール及び前記第2の作動モジュールの1つ又は複数にコマンドを出すことによって前記作動システムを制御するように構成される、
請求項1に記載のシステム。
【請求項16】
前記キャビティが利得媒体を欠いている、請求項1に記載のシステム。
【請求項17】
第1の湾曲光学面を含む第1の光学素子、及び
第2の湾曲光学面を含む第2の光学素子
を含む光学アセンブリであって、前記第1の湾曲光学面及び前記第2の湾曲光学面は光キャビティの少なくとも一部を画定する、光学アセンブリと、
前記キャビティから出る少なくとも2つの光のパルスに関連するデータを生成するように構成されるセンサと、
前記センサからのデータに基づいて前記第1の光学素子及び前記第2の光学素子の1つ又は複数の位置を制御し、それにより前記第1の湾曲光学面及び前記第2の湾曲光学面の1つ又は複数の曲率半径の変化を補償するように構成される制御システムと
を含む、システム。
【請求項18】
前記データが、前記キャビティから出る少なくとも2つの光のパルスの位置に関連する情報を含む、請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
前記データが、前記キャビティから出る少なくとも2つの光のパルスのダイバージェンスに関連する情報を含む、請求項17に記載のシステム。
【請求項20】
前記第1の光学素子及び前記第2の光学素子の1つ又は複数に結合される作動システムを更に含む、請求項17に記載のシステム。
【請求項21】
前記第1の湾曲面が第1の公称曲率半径を有する第1の湾曲反射面であり、前記第2の湾曲面が第2の公称曲率半径を有する第2の湾曲面である、請求項17に記載のシステム。
【請求項22】
前記キャビティが共焦点キャビティを含む、請求項21に記載のシステム。
【請求項23】
第1の湾曲反射面と第2の湾曲反射面との間の距離が前記キャビティの長さを定め、前記制御システムが、前記キャビティの長さを調節することによって前記第1の湾曲光学面及び前記第2の湾曲光学面の1つ又は複数の前記曲率半径の変化を補償するように構成される、請求項17に記載のシステム。
【請求項24】
前記光学アセンブリがパルスストレッチャーを含む、請求項17に記載のシステム。
【請求項25】
光のパルスが、前記第1の光学素子及び前記第2の光学素子の1つを通って前記キャビティから出る、請求項17に記載のシステム。
【請求項26】
光のパルスが、前記第1の光学素子及び前記第2の光学素子とは分離され別個の光学素子を通って前記キャビティから出る、請求項17に記載のシステム。
【請求項27】
センサからのデータを解析するように構成されるデータ解析モジュールであって、前記センサは異なる時間に光キャビティから出る2つ以上の光のパルスの少なくとも一部を感知するように構成され、前記データ解析モジュールは前記データを解析するために前記センサからの前記データに基づいて前記光のパルスの少なくとも2つの1つ又は複数の特性を決定するように構成される、データ解析モジュール
を含み、
前記1つ又は複数の特性に基づいて前記光キャビティに結合される作動システムのためのコマンド信号を決定し、
前記光キャビティの長さを調節するために前記作動システムに前記コマンド信号を提供する
ように構成される作動制御モジュールを更に含む、
光パルスストレッチャーと共に使用するように構成される、制御システム。
【請求項28】
前記決定される1つ又は複数の特性が、前記光のパルスの伝搬方向に対して垂直な平面内の前記少なくとも2つの光のパルスそれぞれの位置を含む、請求項27に記載の制御システム。
【請求項29】
前記決定される1つ又は複数の特性が、前記光のパルスの伝搬方向に対して垂直な平面内の前記少なくとも2つの光のパルスそれぞれのダイバージェンスを含む、請求項28に記載の制御システム。
【請求項30】
増幅されたパルス光ビームをビームパス上で放射するように構成される光発振器と、
前記ビームパス上に配置されるように構成されるパルスストレッチャーであって、
第1の湾曲光学面を含む第1の光学素子、及び
第2の湾曲光学面を含む第2の光学素子
を含み、前記第1の湾曲光学面及び前記第2の湾曲光学面はキャビティを画定する、
パルスストレッチャーと、
前記キャビティから出る前記増幅されたパルス光ビームの少なくとも2つのパルスに関連するデータを生成するように構成されるセンサと、
前記センサからのデータに基づいて前記第1の光学素子及び前記第2の光学素子の1つ又は複数の位置を制御し、それにより前記第1の湾曲光学面及び前記第2の湾曲光学面の1つ又は複数の曲率半径の変化を補償するように構成される制御システムと
を含む、光学系。
【請求項31】
前記光発振器が、1つ又は複数のDUV波長を有する増幅光ビームを放出するように構成される深紫外(DUV)光発振器である、請求項30に記載の光学系。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001] 本願は、参照によりその全体を本明細書に援用する、2021年6月1日に出願され、光学アセンブリのキャビティ長を能動的に制御するためのシステム(SYSTEM FOR ACTIVELY CONTROLLING A CAVITY LENGTH OF AN OPTICAL ASSEMBLY)と題された米国特許出願第63/195,390号の優先権を主張するものである。
【0002】
[0002] 本開示は、光学アセンブリのキャビティ長を能動的に制御するためのシステムに関する。光学アセンブリは、例えば遠紫外光(DUV)源と共に使用されるパルスストレッチャーであり得る。
【背景技術】
【0003】
[0003] フォトリソグラフィは、半導体回路をシリコンウェーハ等の基板上にパターニングするプロセスである。フォトリソグラフィ光源は、ウェーハ上のフォトレジストを露光するために使用される深紫外(DUV)光を供給する。フォトリソグラフィに使用されるガス放電光源の一種は、エキシマ光源又はレーザとして知られている。エキシマ光源は通常、アルゴン、クリプトン、又はキセノン等の1つ又は複数の希ガスと、フッ素又は塩素等の反応種との組み合わせである混合ガスを使用する。エキシマ光源は、電気的刺激(供給されるエネルギー)と(混合ガスの)高圧との適切な条件下で、通電状態でのみ存在し紫外域の増幅光を発生させるエキシマと呼ばれる擬似分子が生成されることからその名が付いた。エキシマ光源は、深紫外(DUV)域の波長を有する光ビームを生成し、この光ビームはフォトリソグラフィ装置において半導体基板(又はウェハ)のパターニングに使用される。エキシマ光源は、単一のガス放電チャンバを使用して又は複数のガス放電チャンバを使用して構築することができる。ガス放電チャンバ内の混合ガスは、ガス放電チャンバから排気され得る。
【発明の概要】
【0004】
[0004] 一態様では、本システムは、第1の反射光学素子、第2の反射光学素子、及び光結合系であって、第1の反射光学素子と第2の反射光学素子との間の距離は光キャビティ内の分離距離を定め、光結合系は光のパルスをキャビティに入れるように、及び光のパルスがキャビティから出ることを可能にするように構成される、光結合系を含む、光パルスストレッチャーを含む。本システムは、分離距離を制御するように構成される作動システムと、キャビティから出る少なくとも2つの光のパルスに関連するデータを生成するように構成されるセンサと、作動システムに結合される制御システムであって、データに基づいて作動システム及び分離距離を制御するように構成される、制御システムとを更に含む。
【0005】
[0005] 実装形態は以下の特徴の1つ又は複数を含み得る。制御システムは、作動システムを制御した後にセンサからの追加データを解析し、解析した追加データに基づいて作動システムを再び制御するかどうかを判定するように更に構成され得る。
【0006】
[0006] 制御システムは、データ内の少なくとも2つの光のパルスを識別するように、及びデータ内の識別された光のパルスの位置を決定するように構成することができ、決定した位置に基づいて作動システム及び分離距離を制御システムが制御し得る。
【0007】
[0007] センサは2次元イメージングセンサとすることができ、イメージングセンサからのデータは2次元画像を含み得る。一部の実装形態では、データ内の識別された光のパルスの位置を決定することは、データ内で識別された少なくとも2つの光のパルス間の空間的分離を決定することを含み、制御システムは、決定された空間的分離に基づいて作動システム及び分離距離を制御する。制御システムは、第1の反射光学素子及び第2の反射光学素子の1つ又は複数を移動することによって作動システム及び分離距離を制御することができる。制御システムは、決定された空間的分離に基づいて第1の反射光学素子及び第2の反射光学素子の1つ又は複数を移動する方向を決定するように構成することもできる。制御システムは、決定された空間的分離に基づいて第1の反射光学素子及び第2の反射光学素子の1つ又は複数を移動する量を決定するように構成することもできる。
【0008】
[0008] 一部の実装形態では、決定された空間的分離が第1の決定された空間的分離を含み、制御システムは、作動システムを制御した後にセンサからの追加データを解析すること、追加データ内の少なくとも1つの追加の光のパルスを識別すること、第2の空間的分離を決定することであって、第2の空間的分離は少なくとも1つの追加の識別された光のパルスと少なくとも1つの他の光のパルスとの間の空間的分離である、決定すること、第1の空間的分離と第2の空間的分離とを比較すること、及び比較に基づいて作動システムを再び制御するかどうかを判定することを行うように更に構成される。一部の実装形態では、制御システムは、第2の空間的分離が第1の空間的分離よりも閾値を超えて大きい場合にのみ作動システムを再び制御する。空間的分離は、データ内で識別される少なくとも2つの光のパルスそれぞれの中心間であり得る。
【0009】
[0009] 第1の反射光学素子は第1の湾曲反射面を含むことができ、第2の反射光学素子は第2の湾曲反射面を含むことができる。分離距離は、第1の湾曲反射面の中心と第2の湾曲反射面の中心との間の距離であり得る。
【0010】
[0010] 光結合系は、第1の反射光学素子及び第2の反射光学素子とは分離され別個のビームスプリッタを含み得る。
【0011】
[0011] 作動システムは、第1の反射光学素子に結合される第1の作動モジュールであって、第1の活性化モジュールは制御システムからのコマンドに基づいて第1の反射光学素子を移動させるように構成される、第1の作動モジュールと、第2の反射光学素子に結合される第2の作動モジュールであって、第2の活性化モジュールは制御システムからのコマンドに基づいて第2の反射光学素子を移動させるように構成される、第2の作動モジュールとを含むことができ、制御システムは、第1の作動モジュール及び第2の作動モジュールの1つ又は複数にコマンドを出すことによって作動システムを制御するように構成され得る。
【0012】
[0012] キャビティは利得媒体を欠いていてもよい。
【0013】
[0013] 別の態様では、システムが、第1の湾曲光学面を含む第1の光学素子及び第2の湾曲光学面を含む第2の光学素子を含む光学アセンブリを含み、第1の湾曲光学面及び第2の湾曲光学面は光キャビティの少なくとも一部を画定する。本システムは、キャビティから出る少なくとも2つの光のパルスに関連するデータを生成するように構成されるセンサと、センサからのデータに基づいて第1の光学素子及び第2の光学素子の1つ又は複数の位置を制御し、それにより第1の湾曲光学面及び第2の湾曲光学面の1つ又は複数の曲率半径の変化を補償するように構成される制御システムとを更に含む。
【0014】
[0014] 実装形態は以下の特徴の1つ又は複数を含む。
【0015】
[0015] データは、キャビティから出る少なくとも2つの光のパルスの位置に関連する情報を含み得る。
【0016】
[0016] データは、キャビティから出る少なくとも2つの光のパルスのダイバージェンスに関連する情報を含み得る。
【0017】
[0017] 本システムは、第1の光学素子及び第2の光学素子の1つ又は複数に結合される作動システムも含み得る。
【0018】
[0018] 第1の湾曲面は第1の公称曲率半径を有することができ、第2の湾曲面は第2の公称曲率半径を有することができる。キャビティは共焦点キャビティであり得る。
【0019】
[0019] 第1の湾曲反射面と第2の湾曲反射面との間の距離がキャビティの長さを定めることができ、制御システムは、キャビティの長さを調節することによって第1の湾曲光学面及び第2の湾曲光学面の1つ又は複数の曲率半径の変化を補償するように構成され得る。
【0020】
[0020] 光学アセンブリはパルスストレッチャーを含んでもよい。
【0021】
[0021] 光のパルスは、第1の光学素子及び第2の光学素子の1つを通ってキャビティから出ることができる。
【0022】
[0022] 光のパルスは、第1の光学素子及び第2の光学素子とは分離され別個の光学素子を通ってキャビティから出ることができる。
【0023】
[0023] 別の態様では、光パルスストレッチャーと共に使用するように構成される制御システムが、センサからのデータを解析するように構成されるデータ解析モジュールを含む。センサは、異なる時間に光キャビティから出る2つ以上の光のパルスの少なくとも一部を感知するように構成され、データを解析するために、データ解析モジュールはセンサからのデータに基づいて光のパルスの少なくとも2つの1つ又は複数の特性を決定するように構成される。制御システムは、1つ又は複数の特性に基づいて光キャビティに結合される作動システムのためのコマンド信号を決定し、光キャビティの長さを調節するために作動システムにコマンド信号を提供するように構成される作動制御モジュールも含む。
【0024】
[0024] 実装形態は以下の特徴の1つ又は複数を含み得る。
【0025】
[0025] 決定される1つ又は複数の特性は、光のパルスの伝搬方向に対して垂直な平面内の少なくとも2つの光のパルスそれぞれの位置を含み得る。決定される1つ又は複数の特性は、光のパルスの伝搬方向に対して垂直な平面内の少なくとも2つの光のパルスそれぞれのダイバージェンスを含み得る。
【0026】
[0026] 別の態様では、光学系は、増幅されたパルス光ビームをビームパス上で放射するように構成される光発振器と、ビームパス上に配置されるように構成されるパルスストレッチャーとを含み、パルスストレッチャーは第1の湾曲光学面を含む第1の光学素子及び第2の湾曲光学面を含む第2の光学素子を含む。第1の湾曲光学面及び第2の湾曲光学面はキャビティを画定する。光学系は、キャビティから出る増幅されたパルス光ビームの少なくとも2つのパルスに関連するデータを生成するように構成されるセンサと、センサからのデータに基づいて第1の光学素子及び第2の光学素子の1つ又は複数の位置を制御し、それにより第1の湾曲光学面及び第2の湾曲光学面の1つ又は複数の曲率半径の変化を補償するように構成される制御システムとを更に含む。
【0027】
[0027] 一部の実装形態では、光発振器は、1つ又は複数のDUV波長を有する増幅光ビームを放出するように構成される深紫外(DUV)光発振器である。
【0028】
[0028] 上記で説明した及び本明細書の技法の何れかの実装形態はプロセス、装置、及び/又は方法を含み得る。1つ又は複数の実装形態の詳細を添付図面及び以下の説明の中で記載する。他の特徴が説明及び図面から並びに特許請求の範囲から明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1A】[0029]システムの一例のブロック図である。
【
図2A】[0031]システムの別の例のブロック図である。
【
図3】[0033]システムの別の例のブロック図である。
【
図4】[0034]プロセスの一例のフローチャートである。
【
図5】[0035]フォトリソグラフィシステムの一例のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
[0036]
図1Aは、パルスストレッチャー110、センサ130、及び制御システム180を含むシステム100のブロック図である。制御システム180は、センサ130からのデータ132を使用してパルスストレッチャー110の使用中にパルスストレッチャー110のキャビティ長112を調節する。キャビティ長112を意図的に調節することは、パルスストレッチャー110の使用中に発生し得る熱影響及び他の変動を補償する。
【0031】
[0037] パルスストレッチャー110は光結合系111、第1の光学素子114a、及び第2の光学素子114bを含む。
図1Aの例では、第1の光学素子114a及び第2の光学素子114bはそれぞれの反射面115a及び115bを有する。反射面115a及び115bは互いに対向し、面115aと面115bとの間の空間に光キャビティ116を画定する。光は光キャビティ116内を伝搬する。光キャビティ116は利得媒体を含まない。反射面115a及び115bは、キャビティ長112によって互いから隔てられる。キャビティ長112は、第1の反射面115aの中心点119aと第2の反射面115bの中心点119bとの間の距離とすることができる。
【0032】
[0038] 動作使用時に、光のパルス106が光結合系111と相互作用することによって光キャビティ116に入る。図示の例では、光結合系111は、基板又は材料の第1の面111a上の反射面と第2の面111b上の反射面とを含む。面111a及び111b上の反射面は、パルス106内の波長に対して部分的に反射し得る。換言すれば、パルス106の一部が光結合系111を通過し得る。面111a及び111bは光結合系111の対向する面である。パルス106は面111bから第2の反射面115bに向かって反射する。その後、パルス106は第2の反射面115bに反射し、キャビティ116内を伝搬し、第1の反射面115aに反射する。第1の反射面115aに反射した後、パルス106内の光の一部は光結合系111の第1の面111a上の反射面と相互作用し、第1のドーターパルス(daughter pulse)106aとしてキャビティ116の外に反射される。第1のドーターパルス106aは概ねZ方向に沿って伝搬する。パルス106内の残りの光はキャビティ116内を伝搬し続け、後続のドーターパルスとしてキャビティの外に反射されるまで反射面115a及び115bから反射する。
図1Aの例は、3つのドーターパルス106a、106b、及び106cを示す。更に多くのドーターパルスが作られてもよいが3つだけ示されている。ドーターパルス106b及び106cは、ドーターパルス106aの後にキャビティ116から出てドーターパルス106aよりも低い光学強度を有する。ドーターパルス106a~106cは、ドーターパルス106a~106cに作用するエンドユーザの応用に使用され又は装置に提供される。例えばドーターパルス106a~106cは、
図5に示すリソグラフィ露光装置569に与えることができる。
【0033】
[0039] センサ130は、キャビティ116から出るパルス(ドーターパルス106a、106b、及び106c等)に関する情報を測定し、その情報をデータ132として制御システム180に提供する。データ132は、例えばドーターパルスのダイバージェンスの指示、ドーターパルスの画像、ドーターパルス間の時間の指示、ドーターパルスの時間的持続時間の指示、及び/又はドーターパルスの強度に関連する情報を含み得る。
図1Bは、データ132が光結合系111に対して下流側(Z方向)のX-Y平面におけるドーターパルス106aの2次元画像である一例を示す。X-Y平面はパルス106aの伝搬方向に対して概ね垂直である。ドーターパルス106aは水平ダイバージェンス134及びポインティング133を有する。水平ダイバージェンス134は、伝搬方向に対して垂直な方向に沿ったパルス106aの幅である(この例ではダイバージェンス134はY軸に沿っている)。水平ダイバージェンス134は、パルス106aの幅(例えば全幅半値(FWHM))であり得る。ポインティング133は、X-Y平面におけるパルス106aの位置である。例えばポインティング133は、パルス106aの空間的中心の位置又はパルス106aのFWHMの空間的中心の位置であり得る。
【0034】
[0040] 制御システム180は、データ132を使用し、アクチュエータ140を制御することによってキャビティ長112を調節する。
図1Aの例では、アクチュエータ140は光学素子114aに結合されている。アクチュエータ140を制御することは、反射面115aを反射面115bの方に又は反射面115bから離れるように移動させ、それによりキャビティ長112をそれぞれ減少又は増加させる。
【0035】
[0041] 制御システム180は、キャビティ116の使用中にキャビティ長112を調節することを可能にする。製造時又は設置時にキャビティ長112を設定する従来の手法、又はキャビティ116内に光が伝搬しない整備事象中にのみキャビティ長112を手動で調節できる手法と比較し、キャビティ長112を使用中に調節することはパルスストレッチャー110の性能を改善し、システム100のダウンタイムを短縮する。光のパルスとの相互作用が繰り返されることは反射面115a及び115bを加熱し、これらの熱影響が反射面115a及び115bの曲率半径を変化させる。熱影響によって引き起こされる曲率半径の変化は、キャビティ116から出るドーターパルスのポインティング133及び/又は水平ダイバージェンス134も変化させる。
【0036】
[0042] キャビティ116から出るドーターパルスの間で一定のポインティング及びダイバージェンスを維持することが望ましい。例えば上記で論じたように、ドーターパルスは別個のデバイス又はエンドユーザの応用に提供される。ドーターパルスのポインティング133及び/又はダイバージェンス134が経時的に変化する場合、別個のデバイス及び/又は応用は期待される全光量を受け取らない。このことは不十分な結果又は障害につながる可能性がある。パルスストレッチャー110の使用中にキャビティ長112を調節することは、キャビティ116から出るドーターパルスの間でポインティング133及びダイバージェンス134が一定に保たれることをもたらす。従って、動作使用中にキャビティ長112を調節することにより、制御システム180はパルスストレッチャー110の性能を改善する。
【0037】
[0043] 更に、製造及び/又は設置の際のばらつきにより、反射面115aが経験する熱影響は反射面115bが経験する熱影響と異なる場合があり、反射面115a及び/又は115bは他のパルスストレッチャー内の反射面と異なる量の熱影響を経験する場合がある。更に、異なるエンドユーザは、自らの応用のニーズに基づいてパルスストレッチャー110を異なるように動作させ、特定のエンドユーザの応用のニーズは整備事象間で変わり得る。例えば一部のエンドユーザは、より高い強度のパルス及び/又はより高い繰り返し率のパルスをパルスストレッチャー110に通すことがあり、又はユーザは特定のパルスストレッチャー110を使用している間にかかる特性を素早く変えることがある。(例えば500ヘルツを上回る)高い繰り返し率は低い繰り返し率よりも強い熱影響を引き起こし、キャビティ長を調節する必要性が高まる。このような動作上の違いは、パルスストレッチャー110内で発生する熱的加熱量も変える。制御システム180が様々なパルスストレッチャーと共に使用され得るように、データ132に基づいてキャビティ長112を使用中に調節することにより制御システム180はこれらの変化に対処する。最後に、キャビティ長112の能動的調節は、パルスストレッチャー110の整備中に行われる手動調節よりも作動的で迅速であり、制御システム180によって実行される能動的調節はより頻繁に実行され、従ってより安定的である。
【0038】
[0044]
図2Aは、システム200のブロック図である。システム200は、パルスストレッチャー210及び制御システム280を含む。パルスストレッチャー210は共焦点ジオメトリを有する。一例では、湾曲反射面間の距離に等しい曲率半径をそれぞれ有する2つの湾曲反射面により(パルスストレッチャー210等の)共焦点ジオメトリを有するキャビティが形成される。他の例では、共焦点ジオメトリを有するキャビティは、キャビティ内の各往復中に循環光のビームを固定位置における少なくとも1つの焦点に集束させる2つ以上のミラーを含むことができる。
【0039】
[0045] パルスストレッチャー210は、光学素子214a及び214bを含む。光学素子214aは、基板217a及び基板217a上の湾曲反射面215aを含む。光学素子214bは、基板217b及び基板217b上の湾曲反射面215bを含む。反射面215a及び215bは、それぞれの基板217a及び217b上に形成される光学的に反射性のコーティング又は膜である。反射面215a及び215bはキャビティ216を画定し、キャビティ216は反射面215aと反射面215bとの間にあり、キャビティ長212を有する。
【0040】
[0046] 反射面215aは曲率半径R1を有し、反射面215bは曲率半径R2を有する。R1及びR2の値は名目上同じであり、キャビティ長212もR1及びR2の値に名目上等しい。パルスストレッチャー210の使用中、反射面215aに誘起される応力により曲率半径R1が公称値から外れる場合があり、及び/又は反射面215bに誘起される応力により曲率半径R2が変化する場合がある。例えばStoneyの式である式(1)によれば、
【数1】
式(1) ROCは曲率半径であり、σ
fは膜応力であり、ν
sは基板のポアソン比であり、Esは基板のヤング率であり、tは膜厚であり、dは基板厚さである。式1を用いて反射面215aの実際の曲率半径を求めるには、σ
fは反射面215aの応力であり、ν
sは基板217aのポアソン比であり、tは反射面215aの厚さであり、dは基板217cの厚さである。
【0041】
[0047] 動作条件下では、反射面215aの応力(σf)は100から500メガパスカル(MPa)の間とすることができ、ポアソン比は0.1から0.3の間とすることができ、ヤング率(Es)は70から80ギガパスカル(GPa)の間とすることができ、反射面215aの実際の曲率半径は公称R1値と比較して約30から170マイクロメートル(μm)増加する可能性がある。波長が193ナノメートル(nm)のパルスでは、反射面215a及び215bの曲率半径が170μm変化することはドーターパルス206a~206cのダイバージェンスが約0.068ミリラジアン(mrad)増加することを引き起こし得る。曲率半径R1及び/又はR2の変化は、パルスストレッチャー210から出るパルス(ドーターパルス206a~206c等)のポインティングも変える。
【0042】
[0048] 制御システム280は、パルスストレッチャー210の使用中に生じ得るR1及び/又はR2の変化を補償するために、センサ230からのデータ232に基づいてキャビティ長212を調節する。センサ230は、例えばカメラ又はドーターパルス内の波長に対して感度のあるフォトダイオードの2次元アレイとすることができる。
図2B~
図2Dも参照し、センサ230は、この例では2次元画像235a(
図2B)、235b(
図2C)、及び235c(
図2D)を含むデータ232を生成する。データ232は、光結合系111に対して下流側(Z方向)のX-Y平面におけるドーターパルスの2次元画像である。X-Y平面は、ドーターパルスの伝搬方向に対して概ね垂直である。データ232は、反射面215a及び/又は215bの曲率半径が変化したときに変化するドータービームの特性に関連する情報を提供する。
【0043】
[0049] 各画像235a、235b、235cは、或る期間にわたってキャビティ216から出る複数のドーターパルスの表現を含む。各画像235a、235b、235cは、1つのドーターパルスのみの表現を含む画像に基づく合成画像又は複合画像であり得る。一部の実装形態では、各画像235a、235b、235cは、1つのドーターパルスの表現をそれぞれ含む個々の画像の集まりである。
【0044】
[0050] 画像235aは、ドーターパルス206_1’、206_2’、及び206_3’の表現を含む。ドーターパルス206_1’、206_2’、206_3’は、キャビティ216から出る任意のドーターパルスである。例えばドーターパルス206_1’、206_2’、206_3’は、ドーターパルス206a、206b、206cの画像であり得る。別の例では、ドーターパルス206_1’、206_2’、206_3’は、別々の元のパルスからそれぞれ生じるドーターパルスの画像である。例えばドーターパルス206_2’及び206_3’は、パルス206の数百パルス後の元のパルスから生じ得る。画像235aの形態にかかわらず、画像235aは時間の経過と共にキャビティ216から出る様々なドーターパルスの表現を含む。表現の特性は、キャビティ長212を調節すべきかどうかを示す。例えば画像235aでは、ドーターパルス206a、206b、及び206cのポインティングは一定ではなく、反射面215a又は215b上の熱影響によってキャビティ長212が変化していることを示す。
【0045】
[0051] 画像235b及び235cは、キャビティ216を出るドーターパルスの表現も含む。画像235bは、単一の表現206_4’を含む。画像235bにおいて、ドーターパルスは一貫したポインティング及び水平ダイバージェンスを有し、従って互いに整列され、画像235bの同じ位置にあり、これは単一の表現206_4’として現れる。単一の表現206_4’は、キャビティ長212が熱影響によって変化していないことを示している。画像235cは、表現206_5’、206_6’、及び206_7’を含む。各表現206_5’、206_6’、及び206_7’は画像235bの異なる位置にあり、反射面215a及び/又は215bの曲率半径が熱影響によって変化しており、キャビティ長212を調節すべきであることを示している。
【0046】
[0052] データ232の他の形態も可能である。例えば一部の実装形態では、センサ230はフォトダイオード等の1次元センサである。これらの実装形態では、データ232は特定の時間における空間内の固定点における光量の表現である。データ232の形態にかかわらず、データ232は、ドーターパルスのポインティング及び/又はダイバージェンス等、反射面215a及び/又は215bの曲率半径の変化の影響を受ける特性を示す又は表す情報を含む。様々なドーターパルスの特性を解析することにより、制御システム280はキャビティ長216を調節するかどうか及びどのように調節するかを決定する。
【0047】
[0053] 制御システム280は、電子処理モジュール281、電子記憶デバイス282、及びI/Oインターフェイス283を含む。電子処理モジュール281は、汎用マイクロプロセッサ又は専用マイクロプロセッサ等のコンピュータプログラムの実行に適した1つ又は複数のプロセッサ、及び任意の種類のデジタルコンピュータの何れか1つ又は複数のプロセッサを含む。概して、電子プロセッサは、読み取り専用メモリ、ランダムアクセスメモリ(RAM)、又はその両方から命令及びデータを受信する。電子処理モジュール281は、任意の種類の電子プロセッサを含むことができる。電子処理モジュール281の電子プロセッサは命令を実行し、電子記憶デバイス282上に記憶されたデータにアクセスする。電子プロセッサは、電子記憶デバイス282にデータを書き込むこともできる。
【0048】
[0054] 電子記憶デバイス282は、RAM等の揮発性メモリ又は不揮発性メモリとすることができる。一部の実装形態では、及び電子記憶デバイス282は不揮発性及び揮発性の部分又はコンポーネントを含む。電子記憶デバイス282は、制御システム280の動作に使用されるデータ及び情報を記憶する。例えば電子記憶デバイス282は、ドーターパルスのダイバージェンス及び/又はポインティングの許容値の範囲を規定する仕様情報を記憶することができる。許容値の範囲は、パルス繰り返し率又はキャビティ216の圧力等の様々な動作条件に関連して記憶することができる。許容値の範囲は、異なる動作条件ごとに異なってもよい。電子記憶デバイス282は、追加の仕様及びメトリクを記憶することができる。例えば電子記憶デバイス282は、2つのドーターパルス間のダイバージェンス又はポインティングの最大許容差を表す値又は規則を記憶することができる。
【0049】
[0055] 電子記憶デバイス282は、データ解析モジュール284及び作動制御モジュール285を定義する(例えばコンピュータプログラム形式の)機械実行可能命令も記憶する。データ解析モジュール284はデータ232を処理し、キャビティ長216を調節すべきかどうかの指示を生成する。一部の実装形態では、データ解析モジュール284は
図4に示すプロセス400を実装する。
【0050】
[0056] 作動制御モジュール285は、アクチュエータ240に制御信号247を与える。制御信号247は、データ解析モジュール284によって生成される指示によって指定されるようにアクチュエータ240にキャビティ長216を調節させる。制御信号247の形式は、アクチュエータ240の特性に依存する。例えば制御信号247は、アクチュエータ240の一部に印加される電圧信号、又はモータインターフェイスを制御する信号であり得る。アクチュエータ240は光学素子214aに結合され、光学素子214aをパス242に沿って移動させることができる。パス242は直線パスであり、
図2Aの例ではY軸に沿っている。光学素子214aを+Y方向に移動することはキャビティ長212を短くする。光学素子214aを-Y方向に移動することはキャビティ長212を長くする。
【0051】
[0057] アクチュエータ240は、光学素子214aを移動させることができる任意の種類のデバイスである。
図2Aに示す例では、アクチュエータ240は、プラットフォーム244に取り付けられた制御可能素子243を含む。光学素子215aはプラットフォーム244に取り付けられる。プラットフォーム244は、例えばプレート又はステージであり得る。制御可能素子243は、作動制御モジュール285によって作動可能な任意の種類のデバイスである。例えば制御可能素子243は、プラットフォーム244に機械的に結合される出力を有するリニアモータであり得る。この実装形態では、作動制御モジュール243はモータを制御してパス242に沿ってプラットフォーム244を移動させる。別の例では、制御可能素子243は、印加される電圧信号に応答してパス242に沿って伸縮する圧電構造である。これらの実装形態では、圧電構造がパス242に沿って伸縮するように、作動制御モジュール285は電圧源(不図示)を制御して特定の大きさ及び極性を有する電圧を印加する。
【0052】
[0058] 電子記憶デバイス282は、制御システム280にシステム200内の他のコンポーネント及びサブシステムと相互作用させる機械実行可能命令を記憶することもできる。例えば電子記憶デバイス282は、ドーターパルスのダイバージェンス及び/又はポインティングが許容値の範囲外にある場合に、アラーム又は感知可能な警告をI/Oインターフェイスに表示又は生成させる命令を記憶することができる。
【0053】
[0059] I/Oインターフェイス283は、制御システム280がオペレータ、センサ230、アクチュエータ240、及び/又は別の電子デバイス上で実行される自動化プロセスとデータ及び信号をやり取りすることを可能にする任意の種類のインターフェイスである。例えば電子記憶デバイス282上に記憶された規則、仕様、又は命令が編集され得る実装形態では、編集はI/Oインターフェイス283によって行うことができる。I/Oインターフェイス283は、視覚ディスプレイ、キーボード、並びにパラレルポート、ユニバーサルシリアルバス(USB)接続、及び/又は例えばイーサネット等の任意の種類のネットワークインターフェイス等の通信インターフェイスの1つ又は複数を含むことができる。I/Oインターフェイス283は、例えばIEEE802.11、Bluetooth、又は近距離無線通信(NFC)接続により、物理的接触なしに通信を可能にすることもできる。
【0054】
[0060] 制御システム280は、データ接続254によってセンサ230及びアクチュエータ240に結合される。データ接続254は、物理ケーブル又は他の物理データ導管(データに基づくIEEE802.3の伝送をサポートするケーブル等)、無線データ接続(IEEE802.11又はBluetoothによってデータを提供するデータ接続等)、又は有線データ接続及び無線データ接続の組み合わせとすることができる。データ接続上で提供されるデータ及び情報は、任意の種類のプロトコル又はフォーマットによって設定することができる。データ接続254は、センサ230及びアクチュエータ240の一部である通信インターフェイスにおいてセンサ230及びアクチュエータ240にそれぞれ接続される。通信インターフェイスは、データを送受信することができる任意の種類のインターフェイスであり得る。例えばデータインターフェイスは、イーサネットインターフェイス、シリアルポート、パラレルポート、又はUSB接続の何れかであり得る。一部の実装形態では、データインターフェイスは無線データ接続によるデータ通信を可能にする。例えば各データインターフェイスは、IEEE811.11トランシーバ、Bluetooth、又はNFC接続であり得る。
【0055】
[0061] システム200の他の実装形態も可能である。例えばアクチュエータ240は、プラットフォーム244なしで実装することができる。これらの実装形態では、制御可能素子243が光学素子214aに直接結合される。例えば制御可能素子243は、光学素子214aの面218aの中心に直接取り付けられる圧電構造であり得る。更にアクチュエータは、光学素子214aに取り付けられるのに加えて又はその代わりに、光学素子214bに取り付けることができる。アクチュエータ240が光学素子214aに取り付けられ、別のアクチュエータが光学素子214bに取り付けられる実装形態では、アクチュエータ240及び他のアクチュエータは作動制御モジュール285によって制御される同一のデバイスであり得る。
【0056】
[0062]
図1A及び
図2Aの例では、キャビティ長が2つの反射面のジオメトリ又は配置を表す。他の例では、キャビティ長は光キャビティ内の往復光路の長さ、又は光キャビティ内の往復光路の長さの一部を表し得る。
【0057】
[0063]
図3は、パルスストレッチャー310の別の例を含むシステム300のブロック図である。パルスストレッチャー310は、パルスストレッチャー210(
図2A)と同様だが、パルスストレッチャー310はそれぞれの湾曲反射面315a_1、315a_2、315b_1、315b_2を含む4つの光学素子314a_1、314a_2、314b_1、314b_2を含む。
【0058】
[0064] 反射面315a_1、315a_2、315b_1、315b_2の公称曲率半径は、それぞれRa_1、Ra_2、Rb_1、Rb_2である。湾曲反射面315a_1、315a_2、315b_1、315b_2は、共焦点ジオメトリを有するキャビティ316を画定する。つまり湾曲反射面315a_1、315a_2、315b_1、315b_2のそれぞれは、先行する反射面の曲率半径に等しい距離だけ先行する反射面から隔てられる。
【0059】
[0065] 動作使用時に、光のパルス306が光結合系111の面111bから反射して反射面315b_1に伝搬することによってキャビティ316に入る。パルス306は反射面315b_1から反射面315a_2へ反射し、次いで反射面315b_2へ反射し、その後反射面315a_1へ反射する。反射面315a_1から反射した後、パルス306の一部が光結合素子111の面111aと相互作用し、ドーターパルス306aとしてキャビティ316から出る。
図3に示す構成では反射面315b_1が反射面315a_2に先行し、反射面315a_2が反射面315b_2に先行し、反射面315b_2が反射面315a_1に先行する。
【0060】
[0066] パルスストレッチャー310は、反射面315a_2が反射面315b_1からRb_1に等しい距離隔てられ、反射面315b_2が反射面315a_2からRa_2に等しい距離隔てられ、反射面315a_1が反射面315b_2からRb_2に等しい距離隔てられた状態で最初に構成される。しかし、パルスストレッチャー310の使用中に、様々な反射面315a_1、315a_2、315b_1、315b_2の曲率半径が熱応力によって変化することがある。曲率半径の変化はパルスがパルスストレッチャー内を移動するパス長を変化させ、それによりパルスストレッチャー310から出るパルスのポインティング及び水平ダイバージェンスを変化させる。
【0061】
[0067] 曲率半径の変化に対処するために、システム300はセンサ230及び制御システム280を含む。センサ230は、キャビティ316から出る少なくとも2つのドーターパルスの1つ又は複数の特性を測定し、データ232を制御システム280に提供する。上記で論じたように、データ解析モジュール284はデータを解析し、アクチュエータ240を制御することによってキャビティ316の長さを調節するかどうかを判定する。例えばキャビティ316から出る2つのパルス間で水平ダイバージェンスが一定でない場合、又は水平ダイバージェンスが許容値の範囲外にある場合、制御システム280はアクチュエータ240を制御してキャビティ316の長さを調節する。
【0062】
[0068]
図3に示す例では、アクチュエータ240は光学素子314a_1に取り付けられている。キャビティ316の長さを調節するために、作動制御モジュール285は、光学素子314b_2に向かって又は光学素子314b_2から離れて直線パス342に沿って移動するようにアクチュエータ240を制御する。他の実装形態も可能である。例えばアクチュエータ240は、光学素子314a_2、314b_1、又は314b_2の何れかに結合することができる。更に、システム300は、それぞれが異なる光学素子に結合されるアクチュエータ240の複数のインスタンスを含むことができる。これらの実装形態では、制御システム280はアクチュエータ240の全てのインスタンスを制御し、アクチュエータの各インスタンスを別々に制御することができる。例えば光学素子314a_1、314a_2、314b_1、及び314b_2のそれぞれがアクチュエータ240のインスタンスに結合される実装形態でさえ、制御システム280は光学素子314a_1、314a_2、314b_1、及び314b_2の一部だけを移動させることができる。
【0063】
[0069]
図4は、プロセス400の一例のフローチャートである。このプロセス400の例は、パルスストレッチャーの使用中にパルスストレッチャーのキャビティ長を調節するために使用される。換言すれば、パルスストレッチャー内で光が伝搬している間にプロセス400が使用される。従って、プロセス400を実行するためにパルスストレッチャーを使用停止にする必要はない。プロセス400は、制御システム180又は制御システム280によって実行することができる。プロセス400は、パルスストレッチャー210(
図2A)及び制御システム280に関して論じるが、パルスストレッチャー110(
図1A)又はパルスストレッチャー310(
図3)等の他のパルスストレッチャーを用いて実行してもよい。
【0064】
[0070] キャビティ216から出る少なくとも2つのパルスは、センサ230(410)によって感知される。例えばパルス206a、206b、及び206cはセンサ230によって感知され得る。別の例では、パルス206a及びパルス206の後にキャビティ216に入るパルスから生じるドーターパルスがセンサ230によって感知される。
【0065】
[0071] センサ230はデータ232を制御システム280に提供する。データ232は、ドーターパルスの伝搬方向に対して垂直なX-Y平面における感知されたドーターパルスのポインティング又は位置決めに関連する情報、及び/又は水平ダイバージェンス(
図2AにおけるY軸に沿った感知されたドーターパルスの程度)に関連する情報を含む。データ232は、例えば
図2B、
図2C、及び
図2Dにそれぞれ示す画像235a、235b、235cであり得る。
【0066】
[0072] センサ230によって感知される少なくとも2つのパルスそれぞれの1つ又は複数の特性を決定する(420)。データ232はデータ解析モジュール284によってアクセスされ、データ解析モジュール284は1つ又は複数の特性を決定する。特性は、反射面215a及び/又は215bの曲率半径が経時的に変化していることを示すドーターパルスの特性に関連する特性である。データ232は、特性を決定するために処理される。例えばデータ232が画像235aを含む場合、画像235aの残りの部分から表現を抽出するために、表現206_1’、206_2’、206_3’にエッジ検出器又は他のフィルタが適用される。次に、抽出表現が解析され、特性が決定される。例えば一部の実装形態では、各ドーターパルスのポインティングの推定値を決定するために、データ解析モジュール284がそれぞれの抽出表現の空間的中心を決定するように構成される。他の実装形態では、各ドーターパルスの水平ダイバージェンスの推定値を決定するために、データ解析モジュール284がY軸に沿ったそれぞれの抽出表現の幅を決定するように構成される。
【0067】
[0073] 少なくとも2つのドーターパルスの1つ又は複数の特性を解析する(430)。例えば或るドーターパルスの特性を別のドーターパルスの特性と比較して、ドーターパルスの特性が時間と共に変化しているかどうかを判断する。この特性はキャビティの安定性メトリクを導出するために使用される。具体例を示すと、表現206_1’から決定された推定ポインティングを、表現206_2’及び206_3’から決定された推定ポインティングと比較する。ポインティング値の差をキャビティの安定性メトリクとして決定し、ポインティング値の許容差範囲と比較する。ポインティングの差は、特定のX-Y平面におけるドーターパルスの空間的分離の測度である。
【0068】
[0074] ポインティング値の許容差範囲は電子記憶デバイス281上に記憶され、I/Oインターフェイス283を介してエンドユーザによってプログラムされ又は編集され得る。許容可能な値域は、正の数及び負の数を含むことができる。一部の実装形態では、ポインティング値の許容範囲がゼロのみを含み、ドーターパルス間のポインティングのばらつきが許容できないと見なされることを示す。
【0069】
[0075] 同様に、水平ダイバージェンス等の他の特性もキャビティの安定性メトリクとして解析に使用することができる。水平ダイバージェンスを解析する実装形態では、少なくとも2つのドーターパルスの推定水平ダイバージェンスを比較してダイバージェンスの差を決定する。ダイバージェンスの差は許容値の範囲と比較される。
【0070】
[0076] 他の実装形態も可能である。例えば一部の実装形態では、複数のドーターの特性の差が許容値の範囲と比較される代わりに規則で試験される。規則は、或るドーターパルスの特性が別のドーターパルスの同じ特性と異なる値を有する場合、キャビティ長212を調節すべきであることを示し得る。
【0071】
[0077] キャビティ長を調節するかどうかを判定する(440)。キャビティ長212を調節するかどうかの判定は、(430)における解析に基づいて行われる。例えばキャビティの安定性メトリクとしてポインティングの差を使用する実装形態では、ポインティングの差を許容可能な値域又は試験と比較する。
【0072】
[0078] 差が許容可能な値域の内側にある場合又は差が試験を満たす場合、プロセス400は(410)に戻る。差が許容可能な値域の外側にある場合又は差が試験を満たさない場合、キャビティ長212を調節し、プロセスはアクチュエータ240にコマンド信号を与えること(450)に進む。コマンド信号は、命じられた量だけアクチュエータ240に光学素子214aを移動させる任意の種類の信号である。例えばアクチュエータ240が圧電デバイスを含む実装形態では、コマンド信号は圧電デバイスに印加される電圧信号である。電圧信号の大きさ及び極性は、(430)における解析から決定される。ポインティング値の差の大きさがより大きいことは、キャビティ長212の調節もポインティング値の差が小さい場合よりも大きくなるべきことを示す。この例では、熱影響によって引き起こされる曲率半径R1及び/又はR2の意図しない変化に対処するのに十分な距離だけ圧電デバイスが光学素子214aを移動させるように電圧信号の大きさが大きくなる。
【0073】
[0079] プロセス400はキャビティ長212を調節した後で(410)に戻り、パルスストレッチャー210から出るパルスのモニタを継続する。例えば一部の実装形態では少なくとも1つの追加のドーターパルスがデータ内で識別され、その追加のパルスの特性が、先に発生したドーターパルスの同じ特性と比較される。特性はポインティング又は空間的位置とすることができ、比較は特定のX-Y平面における先のドーターパルスと後のドーターパルスとの間の空間的分離の測度を生成する。これらの実装形態では、2つのドーターパルス間の空間的分離が閾値未満になるまで制御システム280がキャビティ長212を調節し続ける。例えば制御システム280は、2つのドーターパルス間の空間的分離が0.01mrad未満になるまでデータ232を処理し続けるように構成され得る。更に制御システム280は、空間閾値(又は他の特性閾値)に達した後でもデータ232のモニタリング及びプロセス400の実行を続けるように構成され得る。
【0074】
[0080]
図5を参照し、フォトリソグラフィシステム550のブロック図が示されている。システム550はDUV光源560を含む。システム550は、パルスストレッチャー310及び制御システム280も含む。パルスストレッチャー310は、局所重力ベクトルに対して水平配置に又は局所重力ベクトルに対して垂直の向きに方向付けることができる。パルスストレッチャー310の向き(水平又は垂直)は用途によって決定され、最も効率的な構成になり最小のビーム方向変化をもたらす向きが使用される。
【0075】
[0081] 光源560は、パルスストレッチャー310に与えられるパルス光ビーム541を生成する。パルスストレッチャー310によって生成されるドーターパルスはリソグラフィ露光装置569に与えられる。光源560は、パワー増幅器(PA)568にシード光ビーム542を与える主発振器(MO)567を含む2段式レーザシステムである。MO567及びPA568は、光源560のサブシステム又は光源560の一部であるシステムと考えることができる。PA568はMO567からシード光ビーム542を受光し、シード光ビーム542を増幅してリソグラフィ露光装置569で使用するための光ビーム541を生成する。例えば一部の実装形態では、MO567は、1パルス当たり約1ミリジュール(mJ)のシードパルスエネルギーを有するパルスシード光ビームを放射することができ、これらのシードパルスはPA568によって約10から15mJに増幅され得る。
【0076】
[0082] MO567は、2つの細長い電極562a_1及び562b_1を有する放電チャンバ565_1と、混合ガスである利得媒体561_1と、電極562a_1、562b_1間で混合ガスを循環させるためのファン(不図示)とを含む。放電チャンバ565_1の一方の側のライン狭隘化モジュール586と、放電チャンバ565_1の第2の側の出力カプラ581との間に共振器が形成される。
【0077】
[0083] 放電チャンバ565_1は、第1のチャンバウィンドウ563_1及び第2のチャンバウィンドウ564_1を含む。第1のチャンバウィンドウ563_1及び第2のチャンバウィンドウ564_1は、放電チャンバ565_1の両側にある。第1のチャンバウィンドウ563_1及び第2のチャンバウィンドウ564_1はDUV域の光を透過し、DUV光が放電チャンバ565_1に入ること及びそこから出ることを可能にする。
【0078】
[0084] ライン狭隘化モジュール586は、放電チャンバ565_1のスペクトル出力を微調整する回折格子等の回折光学系を含むことができる。光源560は、出力カプラ581及びビーム結合光学系583から出力光ビームを受光する線中心解析モジュール584も含む。線中心解析モジュール584は、シード光ビーム542の波長を測定し又はモニタするために使用され得る測定システムである。線中心解析モジュール584は光源560内の他の位置に配置することができ、又は光源560の出力に配置することができる。
【0079】
[0085] 利得媒体561_1である混合ガスは、用途に必要な波長及び帯域幅において光ビームを生成するのに適した任意のガスであり得る。エキシマ源では、混合ガス561_1はヘリウム等の緩衝ガスとは別に、例えばアルゴン又はクリプトン等の希ガス(貴ガス)、例えばフッ素又は塩素等のハロゲン、及びキセノンの痕跡を含むことができる。混合ガスの具体例は、約193nmの波長で発光するフッ化アルゴン(ArF)、約248nmの波長で発光するフッ化クリプトン(KrF)、又は約351nmの波長で発光する塩化キセノン(XeCl)を含む。従って光ビーム541及び542は、この実装形態ではDUV域の波長を含む。エキシマ利得媒体(混合ガス)は、細長い電極562a_1、562b_1に電圧を印加することにより、高電圧放電において短い(例えばナノ秒の)電流パルスで励起される。
【0080】
[0086] PA568は、MO567からシード光ビーム542を受光し、シード光ビーム542を放電チャンバ565_2によってビームターニング光学素子582に導くビーム結合光学系583を含み、ビームターニング光学素子582はシード光ビーム542が放電チャンバ565_2内に再び送られるようにシード光ビーム542の方向を修正又は変更する。ビームターニング光学素子582及びビーム結合光学系583は、リング増幅器内への入力がビーム結合光学系583においてリング増幅器の出力と交差する循環及び閉ループ光路を形成する。
【0081】
[0087] 放電チャンバ565_2は、1対の細長い電極562a_2、562b_2と、利得媒体561_2と、電極562a_2、562b_2間で利得媒体561_2を循環させるためのファン(不図示)とを含む。利得媒体561_2を形成する混合ガスは、利得媒体561_1を形成する混合ガスと同じであり得る。
【0082】
[0088] 放電チャンバ565_2は、第1のチャンバウィンドウ563_2及び第2のチャンバウィンドウ564_2を含む。第1のチャンバウィンドウ563_2及び第2のチャンバウィンドウ564_2は、放電チャンバ565_2の両側にある。第1のチャンバウィンドウ563_2及び第2のチャンバウィンドウ564_2は、DUV域の光を透過し、DUV光が放電チャンバ565_2に入ること及びそこから出ることを可能にする。
【0083】
[0089] 出力光ビーム541は、リソグラフィ露光装置469に到達する前にビーム準備システム585によって導かれる。ビーム準備システム585は、ビーム541の様々なパラメータ(帯域幅又は波長等)を測定する帯域幅解析モジュールを含むことができる。ビーム準備システム585は、出力光ビーム541の各パルスを時間的に引き延ばすパルスストレッチャー310も含む。ビーム準備システム585は、例えば反射及び/又は屈折光学素子(例えばレンズ及びミラー等)、フィルタ、及び光学的開口(自動シャッタを含む)等のビーム541に作用することができる他のコンポーネントも含み得る。
【0084】
[0090] DUV光源560は、DUV光源560の内部578と流体連通しているガス管理システム579も含む。上記で論じたように、ガス管理システム579はパージガス412を内部578に与える。
図5の例では、パージガス412はチャンバ565_1及び565_2を取り囲み、DUV光源560のサブシステムの一部の光学コンポーネントも取り囲む。例えばパージガス412は、ライン狭隘化モジュール586、出力カプラ581、線中心解析モジュール584、ビーム結合光学系583、及びビームターニング光学素子582内の光学コンポーネントを取り囲む。パージガス412は内部578にあり、放電チャンバ565_1及び565_2並びに他の様々な光学コンポーネントを取り囲むが、パージガス412は放電チャンバ565_1及び565_2を貫通せず、利得媒体561_1及び561_2の化学組成を乱すこと又は変えることはない。
【0085】
[0091] フォトリソグラフィシステム550は、制御システム280も含む。制御システム280は、上記で論じたようにパルスストレッチャー310のキャビティ長を制御する。制御システム280は、リソグラフィ露光装置569に結合され、データ232をリソグラフィ露光装置569から又はセンサ230(
図5には不図示)から受信することができる。
【0086】
[0092] リソグラフィ露光装置569は、例えば温度制御デバイス(空調デバイス及び/又は加熱デバイス等)、及び/又は様々な電気コンポーネント用の電源を含んでもよい。制御システム580は、これらのコンポーネントを制御することもできる。一部の実装形態では、制御システム580は、リソグラフィ露光装置569の制御の側面に充てられる少なくとも1つのサブ制御システム(リソグラフィコントローラ)と共に、複数のサブ制御システムを含むように実装される。これらの実装形態では、リソグラフィ露光装置469の側面を制御するために、リソグラフィコントローラを使用する代わりに又はリソグラフィコントローラに加えて制御システム580を使用することができる。
【0087】
[0093] 電極562a_1、562b_1、又は562a_2、562b_2にそれぞれ電圧を印加することによって利得媒体561_1又は561_2が励起されるとき、利得媒体561_1及び/又は561_2が発光する。電極に電圧が一定の時間間隔で印加されるとき、光ビーム541がパルス化される。従って、パルス光ビーム541の繰り返し率は電極に電圧が印加される速度によって決定される。パルスの繰り返し率は、様々な用途について約500Hzから約6,000Hzに及び得る。一部の実装形態では、繰り返し率は6,000Hzよりも大きくてもよく、例えば12,000Hz以上であり得るが、他の実装形態では他の繰り返し率が使用されてもよい。
【0088】
[0094] 実施形態は、以下の条項を用いて更に説明することができる:
1.第1の反射光学素子、
第2の反射光学素子、及び
光結合系であって、第1の反射光学素子と第2の反射光学素子との間の距離は光キャビティ内の分離距離を定め、光結合系は光のパルスをキャビティに入れるように、及び光のパルスがキャビティから出ることを可能にするように構成される、光結合系
を含む、光パルスストレッチャーと、
分離距離を制御するように構成される作動システムと、
キャビティから出る少なくとも2つの光のパルスに関連するデータを生成するように構成されるセンサと、
作動システムに結合される制御システムであって、データに基づいて作動システム及び分離距離を制御するように構成される、制御システムと
を含む、システム。
2.制御システムが、
作動システムを制御した後にセンサからの追加データを解析し、
解析した追加データに基づいて作動システムを再び制御するかどうかを判定する
ように更に構成される、条項1に記載のシステム。
3.制御システムが、データ内の少なくとも2つの光のパルスを識別するように、及びデータ内の識別された光のパルスの位置を決定するように構成され、決定した位置に基づいて作動システム及び分離距離を制御システムが制御する、条項1に記載のシステム。
4.センサが2次元イメージングセンサを含み、イメージングセンサからのデータが2次元画像を含む、条項3に記載のシステム。
5.データ内の識別された光のパルスの位置を決定することは、データ内で識別された少なくとも2つの光のパルス間の空間的分離を決定することを含み、制御システムは、決定された空間的分離に基づいて作動システム及び分離距離を制御する、条項4に記載のシステム。
6.制御システムが、第1の反射光学素子及び第2の光学素子の1つ又は複数を移動することによって作動システム及び分離距離を制御する、条項5に記載のシステム。
7.制御システムが、決定された空間的分離に基づいて第1の反射光学素子及び第2の反射光学素子の1つ又は複数を移動する方向を決定するように更に構成される、条項6に記載のシステム。
8.制御システムが、決定された空間的分離に基づいて第1の反射光学素子及び第2の反射光学素子の1つ又は複数を移動する量を決定するように更に構成される、条項7に記載のシステム。
9.決定された空間的分離が第1の決定された空間的分離を含み、制御システムが、
作動システムを制御した後にセンサからの追加データを解析すること、
追加データ内の少なくとも1つの追加の光のパルスを識別すること、
第2の空間的分離を決定することであって、第2の空間的分離は少なくとも1つの追加の識別された光のパルスと少なくとも1つの他の光のパルスとの間の空間的分離である、決定すること、
第1の空間的分離と第2の空間的分離とを比較すること、及び
比較に基づいて作動システムを再び制御するかどうかを判定すること
を行うように更に構成される、条項5に記載のシステム。
10.制御システムは、第2の空間的分離が第1の空間的分離よりも閾値を超えて大きい場合にのみ作動システムを再び制御する、条項9に記載のシステム。
11.空間的分離が、データ内で識別される少なくとも2つの光のパルスそれぞれの中心間である、条項5に記載のシステム。
12.第1の反射光学素子が第1の湾曲反射面を含み、第2の反射光学素子が第2の湾曲反射面を含む、条項1に記載のシステム。
13.分離距離が第1の湾曲反射面の中心と第2の湾曲反射面の中心との間の距離である、条項12に記載のシステム。
14.光結合系が、第1の反射光学素子及び第2の反射光学素子とは分離され別個のビームスプリッタを含む、条項1に記載のシステム。
15.作動システムが、
第1の反射光学素子に結合される第1の作動モジュールであって、第1の活性化モジュールは制御システムからのコマンドに基づいて第1の反射光学素子を移動させるように構成される、第1の作動モジュールと、
第2の反射光学素子に結合される第2の作動モジュールであって、第2の活性化モジュールは制御システムからのコマンドに基づいて第2の反射光学素子を移動させるように構成される、第2の作動モジュールと
を含み、
制御システムが、第1の作動モジュール及び第2の作動モジュールの1つ又は複数にコマンドを出すことによって作動システムを制御するように構成される、
条項1に記載のシステム。
16.キャビティが利得媒体を欠いている、条項1に記載のシステム。
17.第1の湾曲光学面を含む第1の光学素子、及び
第2の湾曲光学面を含む第2の光学素子
を含む光学アセンブリであって、第1の湾曲光学面及び第2の湾曲光学面は光キャビティの少なくとも一部を画定する、光学アセンブリと、
キャビティから出る少なくとも2つの光のパルスに関連するデータを生成するように構成されるセンサと、
センサからのデータに基づいて第1の光学素子及び第2の光学素子の1つ又は複数の位置を制御し、それにより第1の湾曲光学面及び第2の湾曲光学面の1つ又は複数の曲率半径の変化を補償するように構成される制御システムと
を含む、システム。
18.データが、キャビティから出る少なくとも2つの光のパルスの位置に関連する情報を含む、条項17に記載のシステム。
19.データが、キャビティから出る少なくとも2つの光のパルスのダイバージェンスに関連する情報を含む、条項17に記載のシステム。
20.第1の光学素子及び第2の光学素子の1つ又は複数に結合される作動システムを更に含む、条項17に記載のシステム。
21.第1の湾曲面が第1の公称曲率半径を有する第1の湾曲反射面であり、第2の湾曲面が第2の公称曲率半径を有する第2の湾曲面である、条項17に記載のシステム。
22.キャビティが共焦点キャビティを含む、条項21に記載のシステム。
23.第1の湾曲反射面と第2の湾曲反射面との間の距離がキャビティの長さを定め、制御システムが、キャビティの長さを調節することによって第1の湾曲光学面及び第2の湾曲光学面の1つ又は複数の曲率半径の変化を補償するように構成される、条項17に記載のシステム。
24.光学アセンブリがパルスストレッチャーを含む、条項17に記載のシステム。
25.光のパルスが、第1の光学素子及び第2の光学素子の1つを通ってキャビティから出る、条項17に記載のシステム。
26.光のパルスが、第1の光学素子及び第2の光学素子とは分離され別個の光学素子を通ってキャビティから出る、条項17に記載のシステム。
27.センサからのデータを解析するように構成されるデータ解析モジュールであって、センサは異なる時間に光キャビティから出る2つ以上の光のパルスの少なくとも一部を感知するように構成され、データ解析モジュールはデータを解析するためにセンサからのデータに基づいて光のパルスの少なくとも2つの1つ又は複数の特性を決定するように構成される、データ解析モジュール
を含み、
1つ又は複数の特性に基づいて光キャビティに結合される作動システムのためのコマンド信号を決定し、
光キャビティの長さを調節するために作動システムにコマンド信号を提供する
ように構成される作動制御モジュールを更に含む、
光パルスストレッチャーと共に使用するように構成される、制御システム。
28.決定される1つ又は複数の特性が、光のパルスの伝搬方向に対して垂直な平面内の少なくとも2つの光のパルスそれぞれの位置を含む、条項27に記載の制御システム。
29.決定される1つ又は複数の特性が、光のパルスの伝搬方向に対して垂直な平面内の少なくとも2つの光のパルスそれぞれのダイバージェンスを含む、条項28に記載の制御システム。
30.増幅されたパルス光ビームをビームパス上で放射するように構成される光発振器と、
ビームパス上に配置されるように構成されるパルスストレッチャーであって、
第1の湾曲光学面を含む第1の光学素子、及び
第2の湾曲光学面を含む第2の光学素子
を含み、第1の湾曲光学面及び第2の湾曲光学面はキャビティを画定する、
パルスストレッチャーと、
キャビティから出る増幅されたパルス光ビームの少なくとも2つのパルスに関連するデータを生成するように構成されるセンサと、
センサからのデータに基づいて第1の光学素子及び第2の光学素子の1つ又は複数の位置を制御し、それにより第1の湾曲光学面及び第2の湾曲光学面の1つ又は複数の曲率半径の変化を補償するように構成される制御システムと
を含む、光学系。
31.光発振器が、1つ又は複数のDUV波長を有する増幅光ビームを放出するように構成される深紫外(DUV)光発振器である、条項30に記載の光学系。
【0089】
[0095] 更に他の実装形態が添付の特許請求の範囲に含まれる。
【国際調査報告】