(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-17
(54)【発明の名称】高濃度の分子水素および他のガスの基板処理システムへの送給
(51)【国際特許分類】
C23C 16/448 20060101AFI20240709BHJP
F17D 1/04 20060101ALI20240709BHJP
C23C 16/52 20060101ALI20240709BHJP
H01L 21/3065 20060101ALI20240709BHJP
【FI】
C23C16/448
F17D1/04
C23C16/52
H01L21/302 101G
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023577505
(86)(22)【出願日】2022-06-15
(85)【翻訳文提出日】2024-02-15
(86)【国際出願番号】 US2022033516
(87)【国際公開番号】W WO2022266159
(87)【国際公開日】2022-12-22
(32)【優先日】2021-06-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】592010081
【氏名又は名称】ラム リサーチ コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】LAM RESEARCH CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】弁理士法人明成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】リッチ・アンソニー・ジョン
(72)【発明者】
【氏名】ブアン・ラモン・リワナグ
(72)【発明者】
【氏名】リクター・ウェイン・エドワード
(72)【発明者】
【氏名】ペナ・クリストファー・ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】アマヤ・マリッサ・エレナ・オリッツ
【テーマコード(参考)】
3J071
4K030
5F004
【Fターム(参考)】
3J071AA01
3J071CC03
3J071CC13
3J071DD26
3J071EE03
3J071FF11
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4K030KA11
4K030KA39
4K030KA41
4K030LA15
5F004BA03
5F004BB22
5F004BB25
5F004BB26
5F004BC06
5F004CA02
5F004CA04
5F004DA24
5F004DA25
5F004DA26
(57)【要約】
基板処理ツール用のガス送給システムは、N個のガスの第1のセットから選択された1つまたは複数のガスを含む第1のガス混合物を第1の基板処理チャンバに供給するように構成される第1のガスボックスを含み、Nは、1より大きい整数である。第2のガスボックスは、M個のガスの第2のセットから選択された1つまたは複数のガスを含む第2のガス混合物を第2の基板処理チャンバに選択的に供給するように構成され、Mは、1より大きい整数である。第3のガスボックスは、第3のガスを第1の濃度で第1の基板処理チャンバに供給するように、および、第3のガスを第2の濃度で第2の基板処理チャンバに供給するように構成される。第3のガスは、N個のガスの第1のセットにおける1つまたは複数のガス、およびM個のガスの第2のセットにおける1つまたは複数のガスと相溶性がない。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板処理ツール用のガス送給システムであって、
N個のガスの第1のセットから選択された1つまたは複数のガスを含む第1のガス混合物を第1の基板処理チャンバに供給するように構成される、第1のガスボックスであって、Nは、1より大きい整数である、第1のガスボックスと、
M個のガスの第2のセットから選択された1つまたは複数のガスを含む第2のガス混合物を第2の基板処理チャンバに選択的に供給するように構成される、第2のガスボックスであって、Mは、1より大きい整数である、第2のガスボックスと、
第3のガスを第1の濃度で前記第1の基板処理チャンバに供給するように、および、前記第3のガスを第2の濃度で前記第2の基板処理チャンバに供給するように構成される、第3のガスボックスと、
を備える、ガス送給システム。
【請求項2】
請求項1に記載のガス送給システムであって、前記第3のガスは、前記N個のガスの第1のセットにおける1つまたは複数のガス、および前記M個のガスの第2のセットにおける1つまたは複数のガスと相溶性がない、ガス送給システム。
【請求項3】
請求項2に記載のガス送給システムであって、前記N個のガスの第1のセットにおける前記1つまたは複数のガスは、分子酸素を含む、ガス送給システム。
【請求項4】
請求項3に記載のガス送給システムであって、前記M個のガスの第2のセットにおける前記1つまたは複数のガスは、分子酸素を含む、ガス送給システム。
【請求項5】
請求項4に記載のガス送給システムであって、前記第3のガスは、分子水素を含む、ガス送給システム。
【請求項6】
請求項3に記載のガス送給システムであって、前記第3のガスは、アンモニアを含む、ガス送給システム。
【請求項7】
請求項5に記載のガス送給システムであって、前記第3のガスの前記第1の濃度は、4%を上回る、ガス送給システム。
【請求項8】
請求項5に記載のガス送給システムであって、前記第3のガスの前記第1の濃度は、4%~100%の範囲にある、ガス送給システム。
【請求項9】
請求項5に記載のガス送給システムであって、前記第3のガスの前記第2の濃度は、4%を上回る、ガス送給システム。
【請求項10】
請求項5に記載のガス送給システムであって、前記第3のガスの前記第2の濃度は、4%~100%の範囲にある、ガス送給システム。
【請求項11】
請求項1に記載のガス送給システムであって、前記第3のガスが、前記第1の基板処理チャンバに送給されるのと同時に、前記第1の基板処理チャンバへの前記N個のガスの第1のセットにおける前記1つまたは複数のガスの送給を選択的に防止するように構成されるインターロック回路をさらに備える、ガス送給システム。
【請求項12】
請求項11に記載のガス送給システムであって、前記インターロック回路は、チャンバインターロック信号がアサートされるとき、前記第3のガスの送給を選択的に防止するようにさらに構成される、ガス送給システム。
【請求項13】
請求項11に記載のガス送給システムであって、前記インターロック回路は、前記第3のガスが、前記第2の基板処理チャンバに送給されるのと同時に、前記第2の基板処理チャンバへの前記M個のガスの第2のセットにおける前記1つまたは複数のガスの送給を選択的に防止するようにさらに構成される、ガス送給システム。
【請求項14】
請求項1に記載のガス送給システムであって、
前記N個のガスの第1のセットにおける前記1つまたは複数のガスは、分子酸素を含み、
前記M個のガスの第2のセットにおける前記1つまたは複数のガスは、分子酸素を含み、
前記第3のガスは、分子水素を含み、
前記第3のガスの前記第1の濃度は、4%を上回り、
前記第3のガスの前記第2の濃度は、4%を上回る、ガス送給システム。
【請求項15】
請求項14に記載のガス送給システムであって、
前記第3のガスが、前記第1の基板処理チャンバに送給されるのと同時に、前記第1の基板処理チャンバへの前記N個のガスの第1のセットにおける前記1つまたは複数のガスの送給を選択的に防止するように、および、
前記第3のガスが、前記第2の基板処理チャンバに送給されるのと同時に、前記第2の基板処理チャンバへの前記M個のガスの第2のセットにおける前記1つまたは複数のガスの送給を選択的に防止するように
構成されるインターロック回路をさらに備える、ガス送給システム。
【請求項16】
請求項15に記載のガス送給システムであって、前記インターロック回路は、チャンバインターロック信号がアサートされるとき、前記第3のガスの送給を選択的に防止するようにさらに構成される、ガス送給システム。
【請求項17】
請求項1に記載のガス送給システムであって、前記第3のガスボックスは、排気システムに接続されるエンクロージャを含む、ガス送給システム。
【請求項18】
請求項17に記載のガス送給システムであって、前記エンクロージャ内の圧力を監視するための圧力センサをさらに備える、ガス送給システム。
【請求項19】
請求項18に記載のガス送給システムであって、前記圧力が、あらかじめ定められた圧力を上回るとき、チャンバインターロック信号をアサートするように構成されるコントローラをさらに備える、ガス送給システム。
【請求項20】
請求項1に記載のガス送給システムであって、前記N個のガスの第1のセットにおける前記1つまたは複数のガスから前記第3のガスに切り替えるとき、および前記第3のガスから前記N個のガスの第1のセットにおける前記1つまたは複数のガスに切り替えるとき、第1のあらかじめ定められた期間に前記第1の基板処理チャンバのパージまたはポンプダウンのうちの少なくとも1つを行うように構成されるコントローラをさらに備える、ガス送給システム。
【請求項21】
基板処理ツールであって、
基板搬送モジュールと、
2P個の基板処理チャンバであって、Pは、1より大きい整数であり、前記2P個の基板処理チャンバは、前記基板搬送モジュールに接続される、2P個の基板処理チャンバと、
請求項1に記載の前記ガス送給システムと、
前記第1の基板処理チャンバと、
前記第2の基板処理チャンバと、
を備え、
前記第1の基板処理チャンバおよび前記第2の基板処理チャンバは、前記基板搬送モジュールに接続される、基板処理ツール。
【請求項22】
請求項21に記載の基板処理ツールであって、P=5である、基板処理ツール。
【請求項23】
請求項21に記載の基板処理ツールであって、前記2P個の基板処理チャンバのうちのP個は、前記基板搬送モジュールの1つの側における第1の列に配置され、前記2P個の基板処理チャンバのうちのP個は、前記基板搬送モジュールの反対側における第2の列に配置される、基板処理ツール。
【請求項24】
請求項23に記載の基板処理ツールであって、前記第1の基板処理チャンバおよび前記第2の基板処理チャンバは、前記基板搬送モジュールの一端に配置される、基板処理ツール。
【請求項25】
請求項24に記載の基板処理ツールであって、前記2P個の基板処理チャンバは、基板のエッチングを行い、前記第1の基板処理チャンバおよび前記第2の基板処理チャンバは、前記基板の剥離を行う、基板処理ツール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2021年6月16日に出願された米国仮出願第63/211,224号の利益を主張するものである。上記に参照される出願の開示全体は、参照により本明細書に組み込まれている。
【0002】
本開示は、基板処理システムに関し、より詳細には、基板処理システムのガス送給システムに関する。
【背景技術】
【0003】
ここに提供される背景技術の説明は、本開示の文脈を大まかに提示することを目的とする。この背景技術の節において記載される範囲での、現在名前が記されている発明者の業績、および、出願の時点で従来技術として特にみなされない場合がある説明の態様は、本開示と対比する従来技術として明示的にもまたは黙示的にも認められない。
【0004】
基板処理システムは、半導体ウエハなどの基板を処理するために使用され得る。基板上で行われ得る例示の処理は、限定はされないが、化学蒸着(CVD)、原子層堆積(ALD)、誘導体エッチング、導体エッチング、および/または他のエッチング、堆積、剥離、もしくは洗浄プロセスを含む。基板は、基板処理システムの処理チャンバにおいて、ペデスタル、静電チャック(ESC)などの基板支持体上に配置されてよい。剥離およびエッチング中、1つまたは複数の前駆体を含むガス混合物は、処理チャンバに導入され得、プラズマは、化学反応を起こすために使用されてよい。
【発明の概要】
【0005】
基板処理ツール用のガス送給システムは、N個のガスの第1のセットから選択された1つまたは複数のガスを含む第1のガス混合物を第1の基板処理チャンバに供給するように構成される第1のガスボックスを含み、Nは、1より大きい整数である。第2のガスボックスは、M個のガスの第2のセットから選択された1つまたは複数のガスを含む第2のガス混合物を第2の基板処理チャンバに選択的に供給するように構成され、Mは、1より大きい整数である。第3のガスボックスは、第3のガスを第1の濃度で第1の基板処理チャンバに供給するように、および、第3のガスを第2の濃度で第2の基板処理チャンバに供給するように構成される。
【0006】
他の特徴において、第3のガスは、N個のガスの第1のセットにおける1つまたは複数のガス、およびM個のガスの第2のセットにおける1つまたは複数のガスと相溶性がない。N個のガスの第1のセットにおける1つまたは複数のガスは、分子酸素を含む。M個のガスの第2のセットにおける1つまたは複数のガスは、分子酸素を含む。第3のガスは分子水素を含む。第3のガスはアンモニアを含む。第3のガスの第1の濃度は、4%を上回る。第3のガスの第1の濃度は、4%~100%の範囲にある。第3のガスの第2の濃度は、4%を上回る。第3のガスの第2の濃度は、4%~100%の範囲にある。
【0007】
他の特徴において、インターロック回路は、第3のガスが、第1の基板処理チャンバに送給されるのと同時に、第1の基板処理チャンバへのN個のガスの第1のセットにおける1つまたは複数のガスの送給を選択的に防止するように構成される。インターロック回路は、チャンバインターロック信号がアサートされるとき、第3のガスの送給を選択的に防止するようにさらに構成される。インターロック回路は、第3のガスが、第2の基板処理チャンバに送給されるのと同時に、第2の基板処理チャンバへのM個のガスの第2のセットにおける1つまたは複数のガスの送給を選択的に防止するようにさらに構成される。
【0008】
他の特徴において、N個のガスの第1のセットにおける1つまたは複数のガスは、分子酸素を含む。M個のガスの第2のセットにおける1つまたは複数のガスは、分子酸素を含む。第3のガスは、分子水素を含む。第3のガスの第1の濃度は、4%を上回り、第3のガスの第2の濃度は、4%を上回る。
【0009】
他の特徴において、インターロック回路は、第3のガスが、第1の基板処理チャンバに送給されるのと同時に、第1の基板処理チャンバへのN個のガスの第1のセットにおける1つまたは複数のガスの送給を選択的に防止するように構成される。インターロック回路は、第3のガスが、第2の基板処理チャンバに送給されるのと同時に、第2の基板処理チャンバへのM個のガスの第2のセットにおける1つまたは複数のガスの送給を選択的に防止するようにさらに構成される。
【0010】
他の特徴において、インターロック回路は、チャンバインターロック信号がアサートされるとき、第3のガスの送給を選択的に防止するようにさらに構成される。第3のガスボックスは、排気システムに接続されるエンクロージャを含む。圧力センサは、エンクロージャ内の圧力を監視する。コントローラは、圧力があらかじめ定められた圧力を上回るとき、障害信号をアサートするように構成される。
【0011】
他の特徴において、コントローラは、N個のガスの第1のセットにおける1つまたは複数のガスから第3のガスに切り替えるとき、および第3のガスからN個のガスの第1のセットにおける1つまたは複数のガスに切り替えるとき、第1のあらかじめ定められた期間に第1の基板処理チャンバのパージまたはポンプダウンのうちの少なくとも1つを行うように構成される。
【0012】
基板処理ツールは、基板搬送モジュール、および2P個の基板処理チャンバを含み、Pは、1より大きい整数である。2P個の基板処理チャンバは、基板搬送モジュールに接続される。基板処理ツールは、ガス送給システム、第1の基板処理チャンバ、および第2の基板処理チャンバをさらに含む。第1の基板処理チャンバおよび第2の基板処理チャンバは、基板搬送モジュールに接続される。
【0013】
他の特徴において、P=5である。2P個の基板処理チャンバのうちのP個は、基板搬送モジュールの1つの側における第1の列に配置され、2P個の基板処理チャンバのうちのP個は、基板搬送モジュールの反対側における第2の列に配置される。
【0014】
他の特徴において、第1の基板処理チャンバおよび第2の基板処理チャンバは、基板搬送モジュールの一端に配置される。
【0015】
他の特徴において、2P個の基板処理チャンバは、基板のエッチングを行い、第1の基板処理チャンバおよび第2の基板処理チャンバは、基板の剥離を行う。
【0016】
本開示の適用可能性のさらなる領域は、詳細な説明、特許請求の範囲、および図面から明らかになるであろう。詳細な説明および特定の例は、例示のみを目的とすることが意図されており、本開示の範囲を限定することは意図されていない。
【0017】
本開示は、詳細な説明および添付の図面から、より十分に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本開示による2つのツールの部分の一例の斜視図である。
【0019】
【
図2】本開示による、
図1のツールのうちの1つの一部分の一例の上面図である。
【0020】
【
図3】本開示によるガス送給システムの一例の機能ブロック図である。
【0021】
【
図4A】本開示によるガス送給システム用のコントローラの一例の機能ブロック図である。
【0022】
【
図4B】本開示によるインターロック回路の機能ブロック図である。
【0023】
【
図5】本開示によるガス送給システムを動作させるための方法の一例のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図面において、参照番号は、同様のおよび/または同一の要素を識別するために再利用され得る。
【0025】
半導体ツールは、典型的には、製作(ファブ)室に配置される。ファブ室における床面積は高価であるため、半導体製造者は、単位面積当たりのスループットを最大化するように試みる。その結果、半導体ツールの接地面積を最小化することにかなりの注意が向けられている。
【0026】
前述の説明において、内方に面し、かつ共通の基板搬送モジュールに接続されるP個の処理チャンバ(Pは、1より大きい整数である)をそれぞれが含む2つの隣接する列を含む半導体ツールの文脈で、ガス送給システムについて説明される。R個の処理チャンバは、基板処理ツールの一端に配置され、また、基板搬送モジュールと連通する(Rはゼロより大きい整数である)。いくつかの例では、P個の処理チャンバは、エッチングを行い、R個の処理チャンバは、剥離を行うが、他のタイプの処理が、実行されてよい。いくつかの例では、P=5、R=2であるが、追加のまたはより少ない基板処理チャンバが、使用可能である。
【0027】
本開示によるガス送給システムは、第1のガスおよび1つまたは複数の他のガスを、R個の基板処理チャンバに送給するように構成される。いくつかの例では、ガス送給システムは、N個のガスの第1のセットおよびM個のガスの第2のセットをそれぞれ送給する第1のガスボックスおよび第2のガスボックスを含み、MおよびNは整数である。第3のガスボックスは第3のガスを送給する。いくつかの例では、N個のガスの第1のセットおよびM個のガスの第2のセットは、分子窒素(N2)、分子酸素(O2)、アルゴン(Ar)、フォーミングガス、および/あるいは、1つまたは複数の他のプロセスガスもしくは不活性ガスを含んでよい。いくつかの例では、第3のガスは、N個のガスの第1のセットまたはM個のガスの第2のセットにおける1つまたは複数のガスと相溶性がないガスを含む。例えば、第3のガスは、分子水素(H2)、アンモニア(NH3)、または他のガスを含む。
【0028】
いくつかの例では、第3のガスは、ガス混合物の0%~100%の濃度で送給可能である。第3のガスが、H2であるとき、より高い濃度のもの(例えば、4%~100%)は、処理チャンバに同時に送給可能である、N個のガスの第1のセットもしくはM個のガスの第2のセット(分子酸素O2など)のうちの1つまたは複数と相溶性がない場合がある。換言すれば、O2は、より高い濃度のH2と相溶性がない。通常、H2の送給は、(フォーミングガスなどにおける)O2と相溶性がある0%から4%までの濃度に限定される。いくつかの例では、第3のガスボックスは、1つまたは両方のチャンバに対して10,000sccm(例えば、同時に動作させる場合は、両方に対して5000sccm)で第3のガスを供給することができるが、より高いまたはより低い流量が、使用可能である。
【0029】
図1および
図2は、ファブ室において並んで配設されるツール100、102(1つは、100における実線のもの、およびもう1つは、102における破線のもの)の部分を示す。ツールのそれぞれは、2つの列の基板処理チャンバを含む(ツールのそれぞれに対して1つの列が示されている)。基板処理チャンバは、基板搬送モジュール(明確にするために
図1には示されていない)に隣接して位置している。
【0030】
ツール100、102は、Front Opening Unified Pod(FOUP)104と、Equipment Front End Module(EFEM)およびロードロック106と、高周波発生器107およびガスボックス108を有する処理チャンバと、パワーロックアウトおよびタグアウトパネル110と、を含む。基板処理チャンバは、プロセスモジュールバイアスアセンブリ112をさらに含む。
【0031】
基板処理チャンバのそれぞれは、例えば、高周波(RF)プラズマを使用して基板をエッチングするために使用され得る。基板処理チャンバは、誘導結合されたプラズマを使用して、導電性エッチングプロセスもしくは誘導体エッチングプロセス、または他の基板処理を行ってよい。
【0032】
図2は、ツール100の平面図を示す。ツール100は、FOUP104と、EFEMおよびロードロック106と、基板処理チャンバ109と、パワーロックアウトおよびタグアウトパネル110と、を含む。ツールは、点線220によって識別される設置面積全体を有する。ツール100は、基板処理チャンバ109へおよび基板処理チャンバ109から基板を搬送するための基板搬送モジュール222をさらに含む。基板搬送モジュール222は、基板の一時的な格納のためのロボット224、226およびバッファ228を含み得る。ロボット224、226は、基板処理チャンバ109およびバッファ228へおよび基板処理チャンバ109およびバッファ228から、基板を搬送する。いくつかの例では、基板搬送モジュール222は、真空中または大気中で動作する。
【0033】
ツール100は、基板処理を行うために、基板搬送モジュール222の同じ端部に位置する、第1の基板処理チャンバ250および第2の基板処理チャンバ252をさらに含む。いくつかの例では、第1の基板処理チャンバ250および第2の基板処理チャンバ252は、薄膜、マスク、または他の材料の剥離を行うための剥離チャンバである。いくつかの例では、第1の基板処理チャンバ250および第2の基板処理チャンバ252は、薄膜の剥離中に、リモートプラズマおよび高濃度のガス(4%を上回る分子水素(H2)など)を利用する。
【0034】
ここで、
図3を参照すると、第1の基板処理チャンバ250および第2の基板処理チャンバ252用のガス送給システム300が示されている。ガス送給システム300は、第1の基板処理チャンバ250およびリモートプラズマ源(RPS)304-1にガス混合物を供給する。いくつかの例では、第1の基板処理チャンバ250は、チャンバエンクロージャ306-1、バルブまたは可変制限オリフィス310-1、およびポンプ312-1をさらに含む。
【0035】
いくつかの例では、ガス送給システム300はまた、ガス混合物を第2の基板処理チャンバ252およびリモートプラズマ源(RPS)304-2に供給する。いくつかの例では、第2の基板処理チャンバ252は、チャンバエンクロージャ306-2、バルブまたは可変制限オリフィス310-2、およびポンプ312-2をさらに含む。特定のタイプのチャンバが示されているが、他のタイプのチャンバが、プラズマありまたはプラズマなしのどちらかで使用可能である。
【0036】
ガス送給システム300は、設備インターフェースパネル(FIP)エンクロージャ320を含む。ガス1、ガス2、…およびガスNを含むN個のガス(Nは整数)は、FIPエンクロージャ320に送給される。いくつかの例では、ガス1は、分子窒素(N2)に対応し、ガス2は、分子酸素(O2)に対応する。残りのガスは、行われる特定のプロセスに基づいて選択される、他のプロセスガス、パージガス、不活性ガスなどを含んでよい。
【0037】
バルブ322-1、322-2、…および322-N(まとめてバルブ322)の入口は、ガス1、ガス2、…およびガスNを含むN個のガスを受け入れ、これらのバルブ322-1、322-2、…および322-Nの出口への流れをそれぞれ制御する。バルブ324-1、324-2、…および324-N(まとめてバルブ324)の入口は、バルブ322-1、322-2、…および322-Nの出口にそれぞれ接続される。バルブ324-1、324-2、…および324-Nの出口は、以下にさらに説明されるように、ガスボックス340および360と流体的に連通している。圧力センサ326-1、326-2、…および326-Nは、バルブ324-1、324-2、…および324-Nの出口でそれぞれ圧力を監視する。
【0038】
バルブ330は、バルブ322-1の出口およびバルブ324-1の入口と流体的に連通している入口を有する。バルブ330の出口は、ガスボックス380の入口と流体的に連通している。圧力センサ332は、バルブ330の出口における圧力を監視する。
【0039】
ガスボックス340は、バルブ324-1、324-2、…および324-Nの出口とそれぞれ流体的に連通している入口を有するバルブ342-1、342-2、…および342-N(まとめてバルブ342)を含む。マスフローコントローラ(MFC)344-1、344-2、…および344-Nは、各々のガスの流量を制御するために、バルブ342-1、342-2、…および342-Nの出口とそれぞれ連通している。MFC344-1、344-2、…および344-Nの出口は、バルブ348-1、348-2、…および348-N(まとめてバルブ348)の入口とそれぞれ流体的に連通している。バルブ350の入口は、バルブ330の出口と流体的に連通している。バルブ348-1、348-2、…および348-Nならびに350の出口は、バルブ352の入口と流体的に連通している。バルブ352の出口は、第1の基板処理チャンバ250と流体的に連通している。
【0040】
ガスボックス360は、バルブ324-1、324-2、…および324-Nの出口とそれぞれ流体的に連通している入口を有するバルブ362-1、362-2、…および362-N(まとめてバルブ362)を含む。マスフローコントローラ(MFC)364-1、364-2、…および364-Nは、各々のガスの流量を制御するために、バルブ362-1、362-2、…および362-Nの出口とそれぞれ連通している。MFC364-1、364-2、…および364-Nの出口は、バルブ368-1、368-2、…および368-N(まとめてバルブ368)の入口とそれぞれ流体的に連通している。バルブ370の入口は、バルブ330の出口と流体的に連通している。バルブ368-1、368-2、…および368-Nならびに370の出口は、バルブ372の入口と流体的に連通している。バルブ372の出口は、第2の基板処理チャンバ252と流体的に連通している。
【0041】
いくつかの例では、エンクロージャ381を含むガスボックス380は、第1の基板処理チャンバ250および第2の基板処理チャンバ252のうちの1つまたは両方に、分子水素(H2)などの第3のガスの濃度を供給するように構成される。ガスボックス380は、ガスを受け入れる入口を有するバルブ382を含む。バルブ382の出口は、バルブ384の入口と連通している。バルブ384の出口は、バルブ388-1の入口、および圧力センサ386と連通している。
【0042】
バルブ388-1の出口は、ガス流量を制御するマスフローコントローラ(MFC)392-1の入口と連通している。MFC392-1の出口は、バルブ396-1の入口と連通している。バルブ393の入口は、バルブ330の出口と流体的に連通している。バルブ393の出口は、MFC392-1の入口および出口とそれぞれ流体的に連通している出口を有するバルブ390-1および394-1の入口に接続されている。
【0043】
バルブ384の出口はまた、バルブ388-2の入口と連通している。バルブ388-2の出口は、マスフローコントローラ(MFC)392-2の入口と連通している。MFC392-2の出口は、バルブ396-2の入口と連通している。バルブ393の出口は、MFC392-1の入口および出口とそれぞれ流体的に連通している出口を有するバルブ390-2および394-2の入口に流体的に接続されている。いくつかの例では、エンクロージャ381は、排気システム314に接続されるガス封止型エンクロージャである。
【0044】
いくつかの例では、ガス1は、分子窒素(N2)などのパージガスに対応する。場合によっては、ガスボックス380を通るガス送給ラインは、バルブ322-1、330、393、390-1、394-1、390-2、394-2、および396-1を開放することによって、パージガスを使用してパージされる。ポンプ312-1および312-2は、パージガスを、第1の基板処理チャンバ301-1および第2の基板処理チャンバ252からそれぞれ、排気システム314に送る。同様に、バルブ322-1、330、350、352、370、372は、開放されて、ラインをガスボックス340および360からそれぞれパージする。
【0045】
いくつかの例では、ガス送給ラインは、高濃度のガス(H2など)の供給から別のガス(O2など)の供給に切り替えるとき、あらかじめ定められた期間にポンプダウンおよび/またはパージされる。同様に、ガス送給ラインは、あるガス(O2など)の供給から高濃度のガス(H2など)の供給に切り替えるとき、あらかじめ定められた期間にポンプダウンおよび/またはパージされる。
【0046】
いくつかの例では、バルブ322および362は、手動バルブであり、バルブ330および384は、圧力調整バルブであり、残りのバルブは、ソレノイド作動式空気圧バルブであるが、他のタイプのバルブが、使用可能である。
【0047】
いくつかの例では、エンクロージャ381は封止され、エンクロージャ381の内部の圧力は、圧力センサ397によって監視される。代替的には、エンクロージャ381からの排気ラインにおける圧力は、圧力センサ399によって監視される。排気システムが正確に動作していない場合、圧力センサ397および/または圧力センサ399によって測定された圧力は、変化することになる。例えば、ポンプ398が作動しなくなる場合、真空状態が失われるにつれて圧力が増大することになる。いくつかの例では、測定された圧力は、あらかじめ定められた圧力閾値と比較可能であり、ガスボックス380によって供給された第3のガス(H2など)のエンクロージャ381からの漏れを防止するために、圧力が、圧力閾値を上回る時に、障害が表され得る。いくつかの例では、圧力が、あらかじめ定められた圧力閾値を上回って増大すると、チャンバインターロック信号はローになる。
【0048】
ここで
図4Aを参照すると、ガス送給システム300のための制御システム400が示されている。制御システム400は、1つまたは複数のレシピ、処理チャンバ制御コード、ガス送給制御コード、および圧力センサ428からのフィードバックに基づいて、インターロック回路418およびバルブソレノイド420、MFC424、ならびにポンプ432に制御信号を出力するコントローラ410を含む。
【0049】
いくつかの例では、インターロック回路418は、ガスボックス380が、第1の基板処理チャンバ250および/または第2の基板処理チャンバ252に第3のガスを供給しているのと同時に、ガスボックス340がガスのうちの1つまたは複数を供給しないようにする。例えば、インターロック回路418は、ガスボックス380が(任意の濃度で、および/またはあらかじめ定められた濃度を上回る濃度で)第3のガス(H2など)を供給しているのと同時に、ガスボックス340および360があるガス(O2など)を送給しないように構成される。圧力コントローラ443は、1つまたは複数の圧力センサ428の出力を受け入れ、スロットルバルブ445を調節してよい。
【0050】
ここで
図4Bを参照すると、インターロック回路418の一例が示されている。インターロック回路418は、第3のガスの供給を、別のガス(O
2など)を同時に送給するときにおよび/またはチャンバインターロックがアサートされるときに防止する1つまたは複数の論理ゲートを含む。いくつかの例では、論理ゲートは、1つまたは複数のNANDゲート460および/またはANDゲート461を含む。
【0051】
NANDゲート460は、ガスボックス340から第1の基板処理チャンバ250へのあるガス(O2など)の供給を可能にするための第1の信号、および、ガスボックス380から第1の基板処理チャンバ250への第3のガス(H2など)の供給を可能にするための第2の信号を受信する。NANDゲート460、第2の信号、および、チャンバインターロック信号に対応する第3の信号の出力は、ANDゲート461への入力である。NANDゲート460は、2つの入力のうちの1つがハイであるときにはハイであり、その他の場合はローである。ANDゲート461は、NANDゲート460の出力がハイであり、第2の信号がハイであり、およびチャンバインターロック信号がハイである(実施可能な状態に対応する)ときにはハイであり、その他の場合はローである。ANDゲート461の出力は、分子水素を第1の基板処理チャンバ250に供給するためのバルブと関連付けられたソレノイド462を選択的に有効にする。
【0052】
インターロック回路418はまた、第2の基板処理チャンバに対する同様の機能を実行する論理ゲートを含む。いくつかの例では、論理ゲートは、ガスボックス360から第2の基板処理チャンバ252へのO2の供給を可能にするための第4の信号、および、ガスボックス380から第2の基板処理チャンバ252へのH2の供給を可能にするための第5の信号を受信するNANDゲート470を含む。ANDゲート471は、NANDゲート470、第5の信号、およびチャンバインターロック信号に対応する第6の信号の出力を受信する。ANDゲート471の出力は、第2の基板処理チャンバ252にH2を供給するためのバルブと関連付けられたソレノイド472を選択的に有効にする。
【0053】
理解できるように、第1の信号および第2の信号が同時にアサートされる場合、NANDゲート460は、ソレノイド462をディスエーブルするためのディスエーブル信号を出力する。換言すれば、O2が第1の基板処理チャンバ250に供給されている場合、H2が、第1の基板処理チャンバ250に供給されないようにする。さらに、チャンバインターロック信号はまた、ローであるとき、H2またはO2のどちらかの供給を防止することができる。
【0054】
同様に、第4の信号および第5の信号が両方共、同時にアサートされる場合、NANDゲート470は、ソレノイド472をディスエーブルするためのディスエーブル信号を出力する。換言すれば、O2が第2の基板処理チャンバ252に供給されている、またはチャンバインターロックがアサートされる場合、H2が、第2の基板処理チャンバ252に供給されないようにする。さらに、チャンバインターロック信号はまた、ローであるとき、H2またはO2のどちらかの供給を防止することができる。
【0055】
このタイプのハードウェアインターロックは、第1の基板処理チャンバ250および第2の基板処理チャンバ252それぞれへの相溶性がないガスおよび/またはガス混合物の送給を防止する。さらに、ソフトウェアインターロックはまた、以下にさらに説明されるように、第1の基板処理チャンバ250および第2の基板処理チャンバ252それぞれへの相溶性がないガスおよび/またはガス混合物の送給を防止するために使用される。
【0056】
いくつかの例では、インターロック回路418をディスエーブルすることができる。例えば、使用される第3のガスが、ガスボックス340または360によって供給されたガスと相溶性があるときに、インターロック回路418をディスエーブルすることができる。
【0057】
ここで
図5を参照すると、ガス送給システムを動作させるための方法500が示されている。510において、方法では、チャンバが動作しているかどうかを判断する。510が真である場合、方法は、514に進み、排気システムの動作を監視する。518において、排気システムが正確に動作していない場合、処理チャンバをシャットダウンする。いくつかの例では、排気システムの圧力および/またはエンクロージャ381の圧力は、排気システムが動作しているかどうかを判断するために監視されるが、付加的なまたは異なる方法が、使用されてよい。この工程は、下記:全てのプロセスガス供給バルブを閉止すること、オプションとして、上述されるように、チャンバおよび/またはガスラインのパージを行うこと、および/または処理チャンバの他のコンポーネントに対する電源を切ることのうちの1つまたは複数を含んでよい。
【0058】
518が偽である(排気システムが作動している)場合、方法は、530に進み、プロセスにおいて、第3のガス(H2など)の供給に移行することが必要であるかどうかを判断する。530が真である場合、方法は、534に進み、バルブが開放される場合、N個のガスの第1のセットのうちの1つおよび/またはガス(O2など)のM個のガスの第2のセットのうちの1つを供給するバルブを閉止する。
【0059】
538において、方法では、チャンバおよび/またはガス送給ラインを第1のあらかじめ定められた期間にポンプダウンまたはパージする。いくつかの例では、第1のあらかじめ定められた期間は、あらかじめ定められた範囲内に設定可能である。いくつかの例では、第1のあらかじめ定められた範囲は、0~300秒である。542において、第1のあらかじめ定められた期間の後、方法では、H2などの第3のガスを供給するバルブを有効にする。
【0060】
530が偽である場合、方法は、550に進み、プロセスにおいて、N個のガスの第1のセットのうちの1つおよび/またはガス(O2など)のM個のガスの第2のセットのうちの1つの供給に移行する必要があるかどうかを判断する。550が真である場合、方法は、554に進み、第3のガス(H2など)を供給するバルブを閉止する。558において、方法では、チャンバおよび/またはガス送給ラインを第2のあらかじめ定められた期間にポンプダウンまたはパージする。いくつかの例では、第2のあらかじめ定められた期間は、あらかじめ定められた範囲内に設定可能である。いくつかの例では、第2のあらかじめ定められた範囲は、0~300秒であるが、他の期間が、使用可能である。562において、第2のあらかじめ定められた期間の後、方法では、O2などの第3のガスを供給するバルブを有効にする。
【0061】
前述の説明は、単なる説明的な性質のものであり、決して、本開示、本出願、または使用を限定することを意図するものではない。本開示の広範な教示は、さまざまな形態で実施可能である。従って、本開示は、特定の例を含むが、その他の修正が、図面、本明細書、および以下の特許請求の範囲を検討すると明らかになるため、本開示の真の範囲は、そのように限定されるべきではない。方法の範囲内の1つまたは複数の工程が、本開示の原理を変えることなく、異なる順序で(または同時に)実行されてよいことは、理解されるべきである。さらに、実施形態のそれぞれは、ある特定の特徴を有するとして上述されているが、本開示の任意の実施形態に関して説明されたそれらの特徴の任意の1つまたは複数は、他の実施形態のいずれかにおいて、実施可能である、および/または、他の実施形態のいずれかの特徴と、その組み合わせが、明示的に説明されていない場合でも組み合わせ可能である。換言すれば、説明した実施形態は、互いに排他的ではなく、1つまたは複数の実施形態の相互の置換は、本開示の範囲内にある。
【0062】
要素の間(例えば、モジュールの間、回路要素の間、半導体層などの間)の空間的関係および機能的関係が、「接続される」、「係合される」、「連結される」、「隣接する」、「~の隣に」、「~の上部に」、「~より上に」、「~より下に」、および、「配設される」を含む、さまざまな用語を使用して記載されている。第1の要素と第2要素との間の関係が、上記の開示で説明されるとき、「直接」であると明示的に記載されていない限り、その関係は、他に介在する要素が、第1の要素と第2の要素との間に存在しない直接的な関係であり得るが、1つまたは複数の介在する要素が、第1の要素と第2の要素との間に(空間的または機能的に)存在する間接的な関係でもあり得る。本明細書で使用される際、A、B、およびCのうちの少なくとも1つという言い回しは、非排他的論理和ORを使用して、論理(AまたはBまたはC)を意味すると解釈されるべきであり、「Aの少なくとも1つ、Bの少なくとも1つ、およびCの少なくとも1つ」という意味であると解釈されるべきではない。
【0063】
いくつかの実装形態において、上述した例の一部であり得るコントローラは、システムの一部である。そのようなシステムは、1つもしくは複数の処理ツール、1つもしくは複数のチャンバ、1つもしくは複数の処理用プラットフォーム、および/または特定の処理コンポーネント(ウエハペデスタル、ガス流量システムなど)を含む半導体処理装置を含むことができる。これらのシステムは、半導体ウエハまたは基板の処理前、処理中、および処理後におけるそれらシステムの動作を制御するための電子機器と一体化されてよい。電子機器は、「コントローラ」と呼ばれてよく、1つまたは複数のシステムのさまざまなコンポーネントまたは子部品を制御してよい。コントローラは、処理要件および/またはシステムのタイプに応じて、本明細書に開示されるプロセス、例えば、処理ガスの送給、温度設定(例えば、加熱および/または冷却)、圧力設定、真空設定、電力設定、高周波(RF)発生器の設定、RF整合回路の設定、周波数設定、流量設定、流体送給設定、位置および動作設定、ツールに対するウエハの搬入出、ならびに、特定のシステムと接続または連動されたその他の搬送ツールおよび/またはロードロックに対するウエハの搬入出のいずれも制御するようにプログラムされてよい。
【0064】
大まかに言えば、コントローラは、命令を受信する、命令を発行する、動作を制御する、洗浄動作を可能にする、およびエンドポイント測定を可能にすることなどを行うさまざまな集積回路、論理、メモリ、および/またはソフトウェアを有する電子機器として定義されてよい。集積回路は、プログラム命令を格納するファームウェアの形態のチップ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)として定義されるチップ、および/または、プログラム命令(例えば、ソフトウェア)を実行する1つもしくは複数のマイクロプロセッサまたはマイクロコントローラを含み得る。プログラム命令は、さまざまな個々の設定(またはプログラムファイル)の形態でコントローラに通信されて、半導体ウエハに対するまたは半導体ウエハのための特定のプロセスを実行するための動作パラメータ、または、システムへの動作パラメータを定義する命令であってよい。動作パラメータは、いくつかの実施形態において、ウエハの1つまたは複数の層、材料、金属、酸化物、シリコン、二酸化シリコン、表面、回路、および/またはダイの製作中に1つまたは複数の処理工程を達成するためにプロセス技術者によって定義されるレシピの一部であってよい。
【0065】
コントローラは、いくつかの実装形態において、システムと一体化されるか、システムに連結されるか、その他の方法でシステムとネットワーク化されるか、または、これらの組み合わせでシステムに連結されたコンピュータの一部であってよい、またはコンピュータに連結されてよい。例えば、コントローラは、「クラウド」内にあってよく、またはウエハ処理のリモートアクセスを可能にできるファブホストコンピュータシステムの全部または一部であってよい。コンピュータは、現在の処理のパラメータを変更する、現在の処理に従って処理工程を設定する、または、新たなプロセスを開始するために、システムへのリモートアクセスを可能にして、製作動作の現在の進捗を監視する、過去の製作動作の履歴を調べる、複数の製作動作からの傾向または性能測定基準を調べる場合がある。いくつかの例では、リモートコンピュータ(例えば、サーバ)は、ローカルネットワークまたはインターネットを含み得るネットワークを通じてシステムにプロセスレシピを提供することができる。リモートコンピュータは、パラメータおよび/または設定の入力またはプログラミングを可能にするユーザインターフェースを含んでよく、パラメータおよび/または設定は、次いで、リモートコンピュータからシステムに通信される。いくつかの例において、コントローラは、データの形式で命令を受信し、命令は、1つまたは複数の動作中に実行される処理工程のそれぞれのためのパラメータを指定する。パラメータは、実行されるプロセスのタイプ、およびコントローラがインターフェース接続するまたは制御するように構成されたツールのタイプに固有であり得ることは、理解されるべきである。よって、上述されるように、コントローラは、ネットワーク化されて、本明細書に説明されるプロセスおよび制御などの共通の目的に向けて作動している1つまたは複数の別個のコントローラを備えることなどによって、分散されてよい。そのような目的のための分散コントローラの一例は、チャンバ上でのプロセスを制御するために結合するリモートに配置された(プラットフォームレベルにある、または、リモートコンピュータの一部としてなど)1つまたは複数の集積回路と通信するチャンバ上の1つまたは複数の集積回路であることが考えられる。
【0066】
限定はしないが、例示のシステムは、プラズマエッチングチャンバまたはモジュール、蒸着チャンバまたはモジュール、スピンリンスチャンバまたはモジュール、金属メッキチャンバまたはモジュール、洗浄チャンバまたはモジュール、ベベルエッジエッチングチャンバまたはモジュール、物理蒸着(PVD)チャンバまたはモジュール、化学蒸着(CVD)チャンバまたはモジュール、原子層堆積(ALD)チャンバまたはモジュール、原子層エッチング(ALE)チャンバまたはモジュール、イオン注入チャンバまたはモジュール、トラックチャンバまたはモジュール、および、半導体ウエハの製作および/または製造において関連付けられ得るまたは使用され得る任意の他の半導体処理システムを含んでよい。
【0067】
上記のように、ツールによって実行される1つまたは複数の処理工程に応じて、コントローラは、他のツール回路またはモジュール、他のツールコンポーネント、クラスタツール、他のツールインターフェース、隣接するツール、近くのツール、工場全体にわたって配置されるツール、メインコンピュータ、別のコントローラ、または、半導体製造工場におけるツール位置および/またはロードポートへおよびそこからウエハのコンテナを運ぶ材料輸送に使用されるツールのうちの1つまたは複数と通信してよい。
【国際調査報告】