(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-17
(54)【発明の名称】ガス放電ステージ用のガス制御装置
(51)【国際特許分類】
H01S 3/036 20060101AFI20240709BHJP
H01S 3/02 20060101ALI20240709BHJP
【FI】
H01S3/036
H01S3/02
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023578795
(86)(22)【出願日】2022-06-02
(85)【翻訳文提出日】2024-02-16
(86)【国際出願番号】 US2022032007
(87)【国際公開番号】W WO2023278097
(87)【国際公開日】2023-01-05
(32)【優先日】2021-07-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】513192029
【氏名又は名称】サイマー リミテッド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】チェン,シユ
(72)【発明者】
【氏名】ウィリアムズ,スペンサー,ライアン
【テーマコード(参考)】
5F071
5F172
【Fターム(参考)】
5F071AA06
5F071JJ08
5F172AD06
5F172DD03
5F172NN34
(57)【要約】
ガス制御装置は、ガス放電チャンバと通信する制御システムを含む。制御システムは、ガス放電チャンバの標準動作モード中に、及び、ガス回収設定を使用するガス回収方式をガス放電チャンバに対して実施する合間に、ガス放電チャンバの1つ以上の性能パラメータをそれぞれの閾値と比較し、ガス回収設定を調整する必要があるかどうかを比較に基づいて判定し、判定に基づいてガス回収設定の値を調整する、ように構成された性能モニタリングモジュールを含む。制御システムは、ガス回収方式を実施するように構成されたガス回収モジュールを含み、ガス回収モジュールは、現在のガス回収方式を実施するときに性能モニタリングモジュールからガス回収設定の最新の調整値にアクセスするように構成される。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源内のガス放電チャンバに関連するガス制御装置であって、
前記ガス放電チャンバの1つ以上の性能パラメータを推定するように構成されたモニタリングシステムと、
前記モニタリングシステム及び前記ガス放電チャンバと通信する制御システムであって、前記ガス放電チャンバの標準動作モード中に、及び、ガス回収設定を使用するガス回収方式を前記ガス放電チャンバに対して実施する合間に、前記推定された1つ以上の性能パラメータをそれぞれの閾値と比較し、前記ガス回収設定を調整する必要があるかどうかを前記比較に基づいて判定し、前記判定に基づいて前記ガス回収設定の値を調整する、ように構成された、制御システムと、
を含む、ガス制御装置。
【請求項2】
前記ガス回収方式中に少なくとも1つのガス回収設定に従って及び前記制御システムの制御下でガス混合物の1種以上のガス成分を前記ガス放電チャンバに対して注入及び/又は除去するように構成されたガス供給システムを更に含む、請求項1に記載のガス制御装置。
【請求項3】
前記制御システムは、前記ガス放電チャンバの標準動作中に、及び、前記ガス回収設定を使用するガス回収方式を前記ガス放電チャンバに対して実施する合間に、前記ガス回収設定の前記調整値を保存するように構成される、請求項1に記載のガス制御装置。
【請求項4】
前記制御システムは、次のガス回収方式を実施するときに、前記ガス回収設定の最新の調整値にアクセスする、請求項1に記載のガス制御装置。
【請求項5】
前記ガス回収設定は、ガス特性の極端な動作値である、請求項1に記載のガス制御装置。
【請求項6】
前記ガス回収設定は、前記ガス放電チャンバ内の圧力の極値である、請求項1に記載のガス制御装置。
【請求項7】
前記ガス放電チャンバの1つ以上の性能パラメータを推定するように構成された前記モニタリングシステムは、前記ガス放電チャンバから出力される光ビームのエネルギー、前記ガス放電チャンバのエネルギー源アクチュエータのエネルギー変動予測子、前記ガス放電チャンバから出力される光ビームのスペクトルフィーチャ、前記エネルギー源アクチュエータを介して前記ガス放電チャンバに供給されるエネルギー、及び、アーク放電リスクの感度、のうちの1つ以上を推定する前記モニタリングシステムを含む、請求項1に記載のガス制御装置。
【請求項8】
前記判定に基づいて前記ガス回収設定の前記値を調整するように構成された前記制御システムは、最大極値と最小極値との間で増分量だけ前記ガス回収設定の前記値を調整することを含む、請求項1に記載のガス制御装置。
【請求項9】
前記推定された1つ以上の性能パラメータをそれぞれの閾値と比較するように構成された前記制御システムは、各性能パラメータがそのそれぞれの閾値を超えているかどうかを判定することを含み、
性能パラメータは、そのそれぞれの閾値を超えている場合には許容値にある、請求項1に記載のガス制御装置。
【請求項10】
前記ガス放電チャンバの標準動作中に、及び、前記ガス回収設定を使用するガス回収方式を前記ガス放電チャンバに対して実施する合間に、前記モニタリングシステムは、前記ガス放電チャンバの前記1つ以上の性能パラメータを周期間隔で推定する、請求項1に記載のガス制御装置。
【請求項11】
前記制御システムは、前記1つ以上の性能パラメータが前記モニタリングシステムによって推定される度に、前記推定された1つ以上の性能パラメータをそれぞれの閾値と比較し、前記ガス回収設定を調整すべきかどうかを前記比較に基づいて判定し、前記判定に基づいて前記ガス回収設定の前記値を調整する、ように構成される、請求項10に記載のガス制御装置。
【請求項12】
前記制御システムは更に、前記ガス回収方式の開始を示す指令が受信されたときに前記ガス回収設定の前記値の調整を停止するように構成される、請求項1に記載のガス制御装置。
【請求項13】
前記制御システムは、前記ガス放電チャンバへのガス再充填を指示した後にガス回収方式を実施するように構成される、請求項1に記載のガス制御装置。
【請求項14】
前記モニタリングシステムは、主発振器ガス放電チャンバとパワー増幅器ガス放電チャンバとを含む2ステージ光源の少なくとも1つのガス放電チャンバをモニタするように構成される、請求項1に記載のガス制御装置。
【請求項15】
前記制御システムは、前記主発振器ガス放電チャンバ及び前記パワー増幅器ガス放電チャンバと通信し、
前記ガス回収設定は、前記パワー増幅器ガス放電チャンバに関する、請求項14に記載のガス制御装置。
【請求項16】
前記ガス放電チャンバは、前記光源のガス放電ステージ内に実装され、
前記ガス放電ステージは、ガス混合物にエネルギーが与えられたときに前記ガス放電チャンバ内の前記ガス混合物中で生じる反転分布から増幅光ビームを生成する、請求項1に記載のガス制御装置。
【請求項17】
前記ガス放電チャンバの前記1つ以上の性能パラメータを推定するように構成された前記モニタリングシステムは、前記ガス放電チャンバの性能に関する1つ以上の態様を測定し、前記測定された態様を分析する前記モニタリングシステムを含む、請求項1に記載のガス制御装置。
【請求項18】
ガス放電光源内のガス放電チャンバのガス混合物を制御するための方法であって、
前記ガス放電チャンバの標準動作中に、及び、ガス回収設定を使用するガス回収方式を前記ガス放電チャンバに対して実施する合間に、
前記ガス放電チャンバの1つ以上の性能パラメータを推定することと、
前記推定された1つ以上の性能パラメータをそれぞれの閾値と比較することと、
前記ガス回収設定を調整する必要があるかどうかを前記比較に基づいて判定することと、
前記判定に基づいて前記ガス回収設定の値を調整することと、
を含む、方法。
【請求項19】
前記ガス放電チャンバの標準動作中に、及び、ガス回収設定を使用するガス回収方式を前記ガス放電チャンバに対して実施する合間に、前記ガス回収設定の前記調整値を保存することを更に含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記ガス回収設定の最新の調整値を次のガス回収方式に提供することを更に含む、請求項18に記載の方法。
【請求項21】
前記ガス回収設定は、ガス特性の極端な動作値である、請求項18に記載の方法。
【請求項22】
前記ガス回収設定は、前記ガス放電チャンバ内の圧力の極値である、請求項18に記載の方法。
【請求項23】
前記ガス放電チャンバの1つ以上の性能パラメータを推定することは、前記ガス放電チャンバから出力される光ビームのエネルギー、前記ガス放電チャンバのエネルギー源アクチュエータのエネルギー変動予測子、前記ガス放電チャンバから出力される光ビームのスペクトルフィーチャ、前記エネルギー源アクチュエータを介して前記ガス放電チャンバに供給されるエネルギー、及び、アーク放電リスクの感度、のうちの1つ以上を推定することを含む、請求項18に記載の方法。
【請求項24】
前記比較に基づいて前記ガス回収設定を調整する必要があるかどうかを判定することは、前記推定された1つ以上の性能パラメータの全てがそれらのそれぞれの閾値を超えている場合には前記ガス回収設定を調整する必要がないと判定することを含む、請求項18に記載の方法。
【請求項25】
性能パラメータは、その閾値よりも大きい場合にはその閾値を超えている、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記比較に基づいて前記ガス回収設定を調整する必要があるかどうかを判定することは、前記推定された1つ以上の性能パラメータの1つがそのそれぞれの閾値を超えておらず、前記推定された1つ以上の性能パラメータの残りがそれらのそれぞれの閾値を超えている場合には前記ガス回収設定を調整する必要があると判定することを含む、請求項24に記載の方法。
【請求項27】
前記比較に基づいて前記ガス回収設定を調整する必要があるかどうかを判定することは、前記推定された1つ以上の性能パラメータの全てがそれらのそれぞれの閾値を超えていない場合には前記ガス回収設定を調整する必要がないと判定することを含む、請求項24に記載の方法。
【請求項28】
前記判定に基づいて前記ガス回収設定の前記値を調整することは、最大極値と最小極値との間で増分量だけ前記ガス回収設定の前記値を調整することを含む、請求項18に記載の方法。
【請求項29】
前記推定された1つ以上の性能パラメータをそれぞれの閾値と比較することは、各性能パラメータがそのそれぞれの閾値を超えているかどうかを判定することを含み、
性能パラメータは、そのそれぞれの閾値を超えている場合には許容値にある、請求項18に記載の方法。
【請求項30】
前記ガス放電チャンバの標準動作中に、及び、前記ガス回収設定を使用するガス回収方式を前記ガス放電チャンバに対して実施する合間に、前記ガス放電チャンバの前記1つ以上の性能パラメータは、周期間隔で推定される、請求項18に記載の方法。
【請求項31】
前記1つ以上の性能パラメータが推定される度に、前記推定された1つ以上の性能パラメータがそれぞれの閾値と比較され、前記ガス回収設定を調整すべきどうかが前記比較に基づいて判定され、前記ガス回収設定の前記値が前記判定に基づいて調整される、ことを更に含む、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記ガス回収方式の開始を示す指令が受信されたときに前記ガス回収設定の前記値の調整を停止することを更に含む、請求項18に記載の方法。
【請求項33】
前記ガス放電チャンバへのガス再充填が実施された後にガス回収方式を前記ガス放電チャンバに対して実施することを更に含む、請求項18に記載の方法。
【請求項34】
前記ガス放電チャンバの前記1つ以上の性能パラメータを推定することは、前記ガス放電チャンバの性能に関する1つ以上の態様を測定し、前記測定された態様を分析することを含む、請求項18に記載の方法。
【請求項35】
ガス放電チャンバに関連するガス制御装置であって、
前記ガス制御装置は、前記ガス放電チャンバと通信する制御システムを含み、
前記制御システムは、
前記ガス放電チャンバの標準動作モード中に、及び、ガス回収設定を使用するガス回収方式を前記ガス放電チャンバに対して実施する合間に、前記ガス放電チャンバの1つ以上の性能パラメータをそれぞれの閾値と比較し、前記ガス回収設定を調整する必要があるかどうかを前記比較に基づいて判定し、前記判定に基づいて前記ガス回収設定の値を調整する、ように構成された性能モニタリングモジュールと、
前記ガス回収方式を実施するように構成されたガス回収モジュールであって、現在のガス回収方式を実施するときに前記性能モニタリングモジュールから前記ガス回収設定の最新の調整値にアクセスするように構成された、ガス回収モジュールと、
を含む、ガス制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001] 本出願は、2021年7月1日に出願された、「GAS CONTROL APPARATUS FOR GAS DISCHARGE STAGE」という名称の米国特許出願第63/217,537号の優先権を主張するものであり、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
[0002] 本開示の主題は、標準動作モード中にガス回収設定を推定するモジュールを含む、ガス放電ステージ用のガス制御装置に関する。
【背景技術】
【0003】
[0003] フォトリソグラフィで使用されるガス放電光源の一種は、エキシマ光源又はレーザと称される。典型的には、エキシマレーザは、アルゴン、クリプトン、又はキセノンを含み得る、1つ以上の希ガスと、フッ素又は塩素を含み得る、反応性ガスと、の組み合わせを使用する。エキシマレーザは、電気的シミュレーション(エネルギー供給されている)と(ガス混合物の)高圧の適切な条件下でエキシマ、すなわち擬似分子を形成することができ、エキシマは、エネルギーを与えられた状態でのみ存在する。エネルギーを与えられた状態のエキシマは、紫外線範囲の増幅光を生じさせる。エキシマ光源は、単一のガス放電チャンバ又は複数のガス放電チャンバを使用することができる。エキシマ光源が動作しているときに、エキシマ光源は、深紫外(DUV)光ビームを生成する。DUV光は、例えば、約100ナノメートル(nm)~約400nmの波長を含むことができる。
【0004】
[0004] DUV光ビームは、基板(シリコンウェーハなど)のターゲット部分上に所望のパターンを施す機械である、フォトリソグラフィ露光装置又はスキャナへ誘導することができる。DUV光ビームは、投影光学システムと相互作用し、この投影光学システムは、マスクを通してウェーハのフォトレジスト上にDUV光ビームを投影する。このようにして、チップ設計の1つ以上の層がフォトレジスト上にパターニングされ、その後、ウェーハがエッチングされ、洗浄される。
【発明の概要】
【0005】
[0005] いくつかの一般的な態様では、ガス制御装置は、光源内のガス放電チャンバに関連付けられる。ガス制御装置は、ガス放電チャンバの1つ以上の性能パラメータを推定するように構成されたモニタリングシステムと、モニタリングシステム及びガス放電チャンバと通信する制御システムと、を含む。制御システムは、ガス放電チャンバの標準動作モード中に、及びガス回収設定を使用するガス回収方式をガス放電チャンバに対して実施する合間に、推定された1つ以上の性能パラメータをそれぞれの閾値と比較し、ガス回収設定を調整する必要があるかどうかを比較に基づいて判定し、判定に基づいてガス回収設定の値を調整するように構成される。
【0006】
[0006] 実施態様は、以下のフィーチャの1つ以上を含むことができる。例えば、ガス制御装置は、ガス回収方式中に少なくとも1つのガス回収設定に従って及び制御システムの制御下でガス混合物の1種以上のガス成分をガス放電チャンバに対して注入及び/又は除去するように構成されたガス供給システムを更に含むことができる。
【0007】
[0007] 制御システムは、ガス放電チャンバの標準動作中に、及びガス回収設定を使用するガス回収方式をガス放電チャンバに対して実施する合間に、ガス回収設定の調整値を保存するように構成することができる。制御システムは、次のガス回収方式を実施するときに、ガス回収設定の最新の調整値にアクセスすることができる。ガス回収設定は、ガス特性の極端な動作値とすることができる。ガス回収設定は、ガス放電チャンバ内の圧力の極値とすることができる。
【0008】
[0008] ガス放電チャンバの1つ以上の性能パラメータを推定するように構成されたモニタリングシステムは、ガス放電チャンバから出力される光ビームのエネルギー、ガス放電チャンバのエネルギー源アクチュエータのエネルギー変動予測子、ガス放電チャンバから出力される光ビームのスペクトルフィーチャ、エネルギー源アクチュエータを介してガス放電チャンバに供給されるエネルギー、及びアーク放電リスクの感度のうちの1つ以上を推定するモニタリングシステムを含むことができる。
【0009】
[0009] 判定に基づいてガス回収設定の値を調整するように構成された制御システムは、最大極値と最小極値との間で増分量だけガス回収設定の値を調整することを含むことができる。推定された1つ以上の性能パラメータをそれぞれの閾値と比較するように構成された制御システムは、各性能パラメータがそのそれぞれの閾値を超えているかどうかを判定することを含むことができる。性能パラメータは、そのそれぞれの閾値を超えている場合には許容値にある可能性がある。
【0010】
[0010] ガス放電チャンバの標準動作中に、及びガス回収設定を使用するガス回収方式をガス放電チャンバに対して実施する合間に、モニタリングシステムは、ガス放電チャンバの1つ以上の性能パラメータを周期間隔で推定することができる。制御システムは、1つ以上の性能パラメータがモニタリングシステムによって推定される度に、推定された1つ以上の性能パラメータをそれぞれの閾値と比較し、ガス回収設定を調整すべきかどうかを比較に基づいて判定し、判定に基づいてガス回収設定の値を調整するように構成することができる。
【0011】
[0011] 制御システムは、ガス回収方式の開始を示す指令が受信されたときにガス回収設定の値の調整を停止するように構成することができる。制御システムは、ガス放電チャンバへのガス再充填を指示した後であって、ガス放電チャンバへのガス再充填が完了した後にガス回収方式を実施するように構成することができる。
【0012】
[0012] モニタリングシステムは、主発振器ガス放電チャンバとパワー増幅器ガス放電チャンバとを含む2ステージ光源の少なくとも1つのガス放電チャンバをモニタするように構成することができる。制御システムは、主発振器ガス放電チャンバ及びパワー増幅器ガス放電チャンバと通信することができ、ガス回収設定は、パワー増幅器ガス放電チャンバに関することができる。ガス放電チャンバは、光源のガス放電ステージ内に実装することができ、ガス放電ステージは、ガス混合物にエネルギーが与えられたときにガス放電チャンバ内のガス混合物中で生じる反転分布から増幅光ビームを生成する。
【0013】
[0013] ガス放電チャンバの1つ以上の性能パラメータを推定するように構成されたモニタリングシステムは、ガス放電チャンバの性能に関する1つ以上の態様を測定し、測定された態様を分析するモニタリングシステムを含むことができる。
【0014】
[0014] 他の一般的な態様では、方法は、ガス放電光源内のガス放電チャンバのガス混合物を制御するように構成される。方法は、ガス放電チャンバの標準動作中に、及びガス回収設定を使用するガス回収方式をガス放電チャンバに対して実施する合間に、ガス放電チャンバの1つ以上の性能パラメータを推定することと、推定された1つ以上の性能パラメータをそれぞれの閾値と比較することと、ガス回収設定を調整する必要があるかどうかを比較に基づいて判定することと、判定に基づいてガス回収設定の値を調整することと、を含む。
【0015】
[0015] 実施態様は、以下のフィーチャの1つ以上を含むことができる。例えば、方法は、ガス放電チャンバの標準動作中に、及びガス回収設定を使用するガス回収方式をガス放電チャンバに対して実施する合間に、ガス回収設定の調整値を保存することを更に含むことができる。方法は、ガス回収設定の最新の調整値を次のガス回収方式に提供することを更に含むことができる。
【0016】
[0016] ガス回収設定は、ガス特性の極端な動作値とすることができる。ガス回収設定は、ガス放電チャンバ内の圧力の極値とすることができる。
【0017】
[0017] ガス放電チャンバの1つ以上の性能パラメータは、ガス放電チャンバから出力される光ビームのエネルギー、ガス放電チャンバのエネルギー源アクチュエータのエネルギー変動予測子、ガス放電チャンバから出力される光ビームのスペクトルフィーチャ、エネルギー源アクチュエータを介してガス放電チャンバに供給されるエネルギー、及びアーク放電リスクの感度のうちの1つ以上を推定することによって推定することができる。
【0018】
[0018] ガス回収設定は、推定された1つ以上の性能パラメータの全てがそれらのそれぞれの閾値を超えている場合にはガス回収設定を調整する必要がないと判定することによって、比較に基づいて調整される必要があるものと判定することができる。性能パラメータは、その閾値よりも大きい場合にはその閾値を超えている可能性がある。ガス回収設定は、推定された1つ以上の性能パラメータの1つがそのそれぞれの閾値を超えておらず、推定された1つ以上の性能パラメータの残りがそれらのそれぞれの閾値を超えている場合にはガス回収設定を調整する必要があると判定することによって、比較に基づいて調整される必要があるものと判定することができる。ガス回収設定は、推定された1つ以上の性能パラメータの全てがそれらのそれぞれの閾値を超えていない場合にはガス回収設定を調整する必要がないと判定することによって、比較に基づいて調整される必要があるものと判定することができる。
【0019】
[0019] ガス回収設定の値は、最大極値と最小極値との間で増分量だけガス回収設定の値を調整することによって、判定に基づいて調整することができる。
【0020】
[0020] 各性能パラメータがそのそれぞれの閾値を超えているかどうかを判定することによって、推定された1つ以上の性能パラメータをそれぞれの閾値と比較することができ、性能パラメータは、性能パラメータがそのそれぞれの閾値を超えている場合には許容値にある。
【0021】
[0021] ガス放電チャンバの標準動作中に、及びガス回収設定を使用するガス回収方式をガス放電チャンバに対して実施する合間に、ガス放電チャンバの1つ以上の性能パラメータは、周期間隔で推定することができる。方法は、1つ以上の性能パラメータが推定される度に、推定された1つ以上の性能パラメータがそれぞれの閾値と比較され、ガス回収設定を調整すべきどうかを比較に基づいて判定でき、ガス回収設定の値を判定に基づいて調整できることを更に含むことができる。
【0022】
[0022] 方法はまた、ガス回収方式の開始を示す指令が受信されたときにガス回収設定の値の調整を停止することを含むことができる。方法は、ガス放電チャンバへのガス再充填が実施された後にガス回収方式をガス放電チャンバに対して実施することを更に含むことができる。
【0023】
[0023] ガス放電チャンバの1つ以上の性能パラメータは、ガス放電チャンバの性能に関する1つ以上の態様を測定し、測定された態様を分析することによって推定することができる。
【0024】
[0024] 他の一般的な態様では、ガス制御装置は、ガス放電チャンバに関連付けられ、ガス制御装置は、ガス放電チャンバと通信する制御システムを含む。制御システムは、性能モニタリングモジュールと、ガス回収モジュールと、を含む。性能モニタリングモジュールは、ガス放電チャンバの標準動作モード中に、及びガス回収設定を使用するガス回収方式をガス放電チャンバに対して実施する合間に、ガス放電チャンバの1つ以上の性能パラメータをそれぞれの閾値と比較し、ガス回収設定を調整する必要があるかどうかを比較に基づいて判定し、判定に基づいてガス回収設定の値を調整するように構成される。ガス回収モジュールは、ガス回収方式を実施するように構成される。ガス回収モジュールは、現在のガス回収方式を実施するときに性能モニタリングモジュールからガス回収設定の最新の調整値にアクセスするように構成される。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】[0025]増幅光ビームを出力装置に供給する光源のガス放電チャンバに関連するガス制御装置のブロック図である。
【
図2A】[0026]ガス放電チャンバ内の圧力に対する性能パラメータ、エネルギー変動予測子dE/dVのグラフである。
【
図2B】[0027]ガス放電チャンバ内の圧力に対する性能パラメータ、ガス回収方式を実施したときにガス放電チャンバに供給されるエネルギー(E150)のグラフである。
【
図3】[0028]出力装置がフォトリソグラフィ露光装置である、
図1の出力装置の実施態様のブロック図である。
【
図4】[0029]ガス供給システムの実施様態が示されており、ガス供給システムがガス放電チャンバと流体連通している、
図1のガス制御装置の実施態様のブロック図である。
【
図5】[0030]デュアルステージ光源が示されている、
図1のガス制御装置の実施態様のブロック図である。
【
図6】[0031]
図1のガス制御装置のモニタリングシステムの実施態様のブロック図である。
【
図7】[0032]
図1のガス制御装置の制御システムの実施態様のブロック図である。
【
図8】[0033]いくつかの実施態様では、
図1のガス制御装置によって実行される手順のフローチャートである。
【
図9】[0034]いくつかの実施態様では、
図8の手順のステップ824及び825に関する詳細を示すブロック図である。
【
図10】[0035]
図9を参照して述べた実施態様についての一セットのグラフを示し、これらのグラフでは、第1の性能パラメータはE150であり、第2の性能パラメータはdE/dVであり、ガス回収設定はminChamberPresであり、グラフ1036は、ガス放電チャンバの3つの別個の標準動作中のE150対時間を示し、グラフ1037は、同じ別個の標準動作中のdE/dV対時間を示し、グラフ1038は、同じ別個の標準動作中のガス放電チャンバ内の圧力CPを示し、グラフ1039は、同じ別個の標準動作中のガス放電チャンバに対するガス回収設定minChamberPresを示す。
【発明を実施するための形態】
【0026】
[0036]
図1を参照すると、ガス制御装置100は、光源160のガス放電チャンバ150に関連付けられる。光源160は、(ガス放電チャンバ150の出力から少なくとも一部が生成された)増幅光ビーム165を出力装置180に供給する(
図1には図示しない光学フィードバックを含む)光学システムの一部として構成される。出力装置180は、例えば、マイクロ電子フィーチャをウェーハなどの基板上にパターニングするフォトリソグラフィ露光装置とすることができる。
【0027】
[0037] ガス制御装置100は、モニタリングシステム140と、ガス供給システム170と、制御システム105と、を含む。制御システム105は、ガス回収方式をガス放電チャンバ150に対して実施するように構成されたガス回収モジュール110を含む。ガス回収方式は、制御システム105が、ガス放電チャンバ150へのガス再充填などのガス維持方式を実施して完了するようにガス供給システム170に指示した後、ガス放電チャンバ150に対して実施され、ガス回収方式は、典型的には、ガス再充填又は他のガス維持方式を実際に実施して完了した後に実施される。ガス再充填では、ガス放電チャンバ150内のガスの全ては、例えば、(例えば、古いガス混合物151をガスダンプへ抽気することで)ガス放電チャンバを空にし、その後、ガス放電チャンバ150に新鮮なガス混合物151を再充填することによって置換される。ガス再充填は、ガス放電チャンバ150内で特定の材料(フッ素など)の特定の圧力及び濃度を得る目的で実施することができる。ガス混合物151の100%未満が置換される方式などの他のガス維持方式では、ガス放電チャンバ150内のガス混合物151の一部は、新鮮なガス混合物151がガス放電チャンバ150に注入される前に空にされるか又は抽気される。
【0028】
[0038] ガス回収方式は、ガス放電チャンバ150の標準動作条件を回復し、したがって、ガス放電チャンバ150の標準動作モードを可能にする目的で、ガス放電チャンバ150内のガス圧を最適化するために実施される。ガス放電チャンバ150の標準動作モード中に、光ビーム165は、出力装置180の要件に従って生成される。様々な実施態様において、光ビーム165は、出力装置180からの命令に従って生成することができる。ガス回収方式は、光源160内の別のガス放電チャンバに関連する圧力及び他の特性の考慮を含むことができる。例えば、ガス放電チャンバ150は、光源160のガス放電ステージ155に関連付けることができ、光源160は、第2のガス放電ステージ自体のガス放電チャンバを備えた第2のガス放電ステージを含むことができる(このようなデュアルステージ光源について
図5を参照して説明する)。
【0029】
[0039] ガス回収方式の具体的な一実施態様において、ガス回収モジュール110は、より新鮮なガス混合物151を供給し、それによってガス放電チャンバ150内の圧力を最大圧力設定まで充填する又は上昇させるように、ガス供給システム170に命令する。ガス回収モジュール110は、ガス放電チャンバ150のエネルギー源152にエネルギーを供給し、それによってガス放電チャンバ150から増幅光ビーム153を生成するように、エネルギー源アクチュエータ154に命令する。増幅光ビーム153は、増幅光ビーム165に対応することができ、又は増幅光ビーム153は、増幅光ビーム165が生成される前駆光ビームとすることができる。次に、ガス回収モジュール110は、ガス回収方式に特有の一セットの性能閾値に対して光源160の性能を分析する。ガス回収モジュール110は、モニタリングシステム140によって追跡又はモニタされる性能パラメータにアクセスすることによって、この分析を実施することができる。例えば、モニタできる性能パラメータは、ガス放電チャンバ150に供給されるエネルギー(E150)、高電圧設定、又はエネルギー源アクチュエータ154のエネルギー変動予測子(dE/dV)を含む。エネルギー変動予測子は、入力(電圧とすることができる)の変化に伴うガス放電チャンバ150に供給されるエネルギーE150の変動を予測するために使用できる値である。したがって、エネルギー変動予測子dE/dVは、ガス放電チャンバ150のエネルギーE150の一定の変化を得るために、電圧入力がどの程度変化する必要があるかを示す。したがって、エネルギー変動予測子dE/dVは、エネルギー源アクチュエータ154の効率の指標である。モニタリングシステム140によって追跡又はモニタできる他の性能パラメータは、ガス放電チャンバ150から出力される光ビーム153(若しくは光ビーム165)のエネルギー、ガス放電チャンバ150から出力される光ビーム153のスペクトルフィーチャ、又はガス放電チャンバ150内のアーク放電に対するリスク感度を含む。
【0030】
[0040] ガス回収モジュール110は、光源160がガス回収方式に特有の性能閾値の範囲内で動作していないと判定した場合、1つ以上の条件が満たされるまでガス放電チャンバ150(又は光源160内のガス放電チャンバの全て)からガス混合物151を繰り返し抽気するようにガス供給システム170に命令することができる。満たすことができる1つの条件は、ガス回収設定に関する。例えば、1つのガス回収設定は、ガス放電チャンバ150内(又は光源160内の1つ以上のガス放電チャンバ内)の許容可能な最小圧力などのガス特性の極端な動作値に対応することができる。このガス回収設定は、minChamberPresと称される。回収モジュール110は、圧力の一部が逃がされて圧力の下限minChamberPresに達するまでガス放電チャンバ150からガス混合物151を繰り返し抽気するようにガス供給システム170に命令することができる。
【0031】
[0041] 従来のガス制御装置では、ガス回収設定(minChamberPresなど)は固定される。しかしながら、異なる光源160では又は使用年数の異なる同じ光源160でさえも、光源160の性能が異なる可能性があり、このことは、設定も同様に異なる可能性があることを意味する。そのような従来の状況では、ガス回収モジュール110によって実施されるガス回収方式は、不正確な設定を使用して動作する可能性があり、その結果、ガス回収方式が実施された後に、光源160の性能が損なわれる可能性がある。
【0032】
[0042] 例えば、
図2Aを参照すると、従来のガス制御装置では、ガス回収モジュール110は、ガス回収方式を実施するときに、(上述した)エネルギー変動予測子dE/dVと称される性能パラメータを考慮又は追跡しない場合がある。概して、エネルギー変動予測子が高いほど、ガス放電チャンバ150の動作効率が良くなる。
図2Aのグラフ211では、ガス放電チャンバ150内の圧力が低減されるにつれて、エネルギー変動予測子dE/dVが低下する。その一方で、
図2Bのグラフ212を参照すると、ガス回収モジュール110は、ガス回収方式を実施したときにガス放電チャンバ150に供給される性能パラメータエネルギー(E150)を考慮し、追跡する。例えば、ガス回収モジュール110は、ガス回収方式中にエネルギーE150を閾値と比較し、エネルギーE150がその閾値の範囲内にない場合、ガス回収モジュール110は、ガス放電チャンバ150内の圧力の一部を逃がす。これは、
図2Bに示すように、ガス放電チャンバ150内の圧力が低減されるにつれて性能パラメータエネルギーE150が増加するためである。よって、ガス回収モジュール110が、(エネルギーE150を改善するために)ガス放電チャンバ150からガス混合物151を繰り返し抽気するようにガス供給システム170に命令すると、エネルギー変動予測子dE/dVが、許容できない値(閾値の範囲内にない値)まで低下し、したがってガス放電ステージ155の非効率的な動作につながる可能性がある又は可能性が高い。
【0033】
[0043] 再び
図1を参照すると、ガス制御装置100は、ガス放電チャンバ150の標準動作モード中に1つ以上の性能パラメータ(エネルギー変動予測子dE/dV及びエネルギーE150など)を連続して分析するように構成された性能モニタリングモジュール115を含む。ガス放電チャンバ150の標準動作モードは、ガス回収方式が完了した後に開始する。性能モニタリングモジュール115は、この分析に基づいてガス回収設定(minChamberPresなど)を連続的に更新し、更新されたガス回収設定を制御システム105内に記憶することができる。このようにして、次回にガス回収モジュール110がガス回収方式を実施するときに、制御システム105内に記憶されたガス回収設定の値は、エネルギー変動予測子dE/dVの変化として現れる可能性がある光源160の性能の変化を考慮に入れるように既に調整されている。ガス回収モジュール110は、ガス回収方式を実施するときに最新版のガス回収設定を使用する。このようにして、ガス回収方式は、ガス放電ステージ155の効率的な動作及び性能を維持しながら実施することができる。その上、性能モニタリングモジュール115は、ガス回収設定を手動で調整する必要なしに、ガス回収設定の更新を実施する。ガス回収モジュール110によって使用される任意の設定に対する手動調整によって、光ビーム165の生成用に光源160を利用できる時間が低減される可能性があり、したがって、出力装置180の生成効率が低減される可能性がある。
【0034】
[0044] 次に、ガス制御装置100の構造及び動作について述べる前に、モニタリングシステム140、光源160、ガス供給システム170、及び出力装置180を説明する。
【0035】
[0045]
図3を参照すると、いくつかの実施態様では、出力装置180は、フォトリソグラフィ露光装置380である。露光装置380は、例えば、光ビーム165が基板(ウェーハ)382へ誘導される途中で通過する、1つ以上の集光レンズとマスクと対物レンズ配置とを有する照明システム381を含む光学配置を含む。マスクは、1つ以上の方向に沿って、例えば光ビーム165の軸線に沿って又は光ビーム165の軸線に直交する平面内で、移動可能である。対物レンズ配置は、例えば、投影レンズを含み、マスクからウェーハ382上のフォトレジストへの像転写を可能にする。照明システム381は、マスクに衝突する光ビーム165の角度範囲を調整する。露光装置380は、中でも特にウェーハ382上に層がどのようにプリントされるかを制御するリソグラフィコントローラ383を、数あるフィーチャの中でも特に、含むことができる。リソグラフィコントローラ383は、制御システム105と通信することができる。
【0036】
[0046]
図4を参照すると、いくつかの実施態様では、ガス供給システム170の実施態様470が示されている。ガス供給システム470は、ガス放電チャンバ150と流体連通する。光源160は、出力装置180(マイクロ電子フィーチャをウェーハ上にパターニングするフォトリソグラフィ露光装置など)に増幅光ビーム165を供給する光学システム445の一部として構成される。光学システム445はまた、ビーム作製システム467を含み、ビーム作製システム467は、光源160から出力された増幅光ビーム466を受け取り、光ビーム466を修正して増幅光ビーム165を形成し、この増幅光ビーム165は、その後、出力装置180が使用するために出力される。
【0037】
[0047] いくつかの実施態様では、
図5を参照して以下に述べるように、光源160は、複数のガス放電ステージを有するマルチステージシステムであり、各ガス放電ステージは、ガス放電チャンバ150と、ガス放電チャンバ150によって生成された光ビーム153と相互作用する他のコンポーネント(光学素子など)と、を含むガス放電ステージ155を含む。ガス制御装置400(
図4)は、マルチチャンバシステム内の各ガス放電チャンバ150と相互作用するように構成することができる。
【0038】
[0048] ガス放電ステージ155に焦点を当てると、エネルギー源152は、ガス放電チャンバ150のガス混合物151中の利得媒体にパルスエネルギー源を提供する。光源160がマルチステージシステムである場合、光源160の他のチャンバの各々内におけるガス混合物151の成分は、同一とすることができる。その上、例えば、マルチステージシステムでは、各チャンバの各ガス混合物151中の様々な成分の濃度は、異なる濃度とすることができる。
【0039】
[0049] ガス放電チャンバ150内で使用されるガス混合物151は、出力装置180が使用するために必要な波長、帯域幅、及びエネルギーの光ビーム153(ひいては光ビーム165)を生成するのに適したガスの組み合わせとすることができる。したがって、上述のように、ガス混合物151は、例えば、およそ193nmの波長で光を放出する、フッ化アルゴン(ArF)、又はおよそ248nmの波長で光を放出する、フッ化クリプトン(KrF)を含むことができる。
【0040】
[0050] ガス供給システム470は、1つ以上のガス源471A、471B、471Cと、ガス放電チャンバ150にガスを供給するための導管と、ガス源471A、471B、471Cとガス放電チャンバ150との間に1つ以上の流体制御弁を含む弁システム472と、を含む。ガス源471A、471B、471Cは、
図5を参照して述べたように、例えば、各々がガス放電チャンバを含む複数のステージを光源160が含む場合などに、複数のガス放電チャンバにガスを供給することができる。ガス源471A、471B、471Cは、例えば、密閉ガスボトル及び/又はキャニスタとすることができる。一例として、ガス混合物151は、アルゴン、ネオン、及び場合により合計で全圧Pとなる異なる分圧の他のガスを含む他のガスと共に、フッ素などのハロゲンを含むことができる。更に、1つ以上のガス源471A、471B、471Cは、弁システム472内の一セットの流体制御弁を介してガス放電チャンバ150に接続される。このシステムを用いて、ガス混合物151の特定の成分相対量でガスをガス放電チャンバ150内に注入することができる。例えば、ガス放電チャンバ150内の利得媒体がフッ化アルゴン(ArF)である場合、ガス源の1つ471Aは、ハロゲンであるフッ素、希ガスであるアルゴン、及びネオンのような不活性ガスを含む緩衝ガスなどの1種以上の他の希ガスを含むガスの混合物を収容することができる。説明した混合物を3成分ミックスと称することができる。この例では、ガス源471Bは、アルゴンと、フッ素を完全に除いた1種以上の他のガスと、を含むガスの混合物を収容することができる。説明した混合物を2成分ミックスと称することができる。3つのガス源471A、471B、471Cのみが示されているが、ガス供給システム470は、3つよりも少ない又は3つよりも多いガス源を有することができる。
【0041】
[0051] 制御システム105は、1つ以上の信号を使用して弁システム472と通信し、ガス再充填において、弁システム472に1つ以上の特定のガス源471A、471B、471Cからガス放電チャンバ150内にガスを移送させることができる。それに加えて又は代替的に、制御システム105は、必要な場合に弁システム472にガス放電チャンバ150からガスを抽気させるために、1つ以上の信号を使用して弁システム472と通信することができ、かかる抽気ガスをガスダンプ473へ排出することができる。追加的に、制御システム105は、ガス放電チャンバ150に対して再充填が実施されているかどうかを判定するために弁システム472内の1つ以上の流体制御弁のステータスをモニタする再充填ステータスモジュールを含むことができる。
【0042】
[0052] ガス放電光源160の動作中に、ガス放電チャンバ150内での光増幅のための利得媒体を提供する、フッ化アルゴン分子のフッ素が使用され、経時的に、ガス放電光源160の効率が低減される。それゆえ、増幅光ビーム165のエネルギーは、ガス放電チャンバ150が使用されるにつれて低減される。
【0043】
[0053] ガス放電チャンバ150に対して再充填が実施されるときに、ガス放電チャンバ150内のガスの全ては、一例として、ガス混合物151をガスダンプ473へ抽気することでガス放電チャンバ150を空にし、その後、ガス放電チャンバ150に新鮮な又は新たなガス混合物を再充填することによって置換される。再充填の目的は、ガス放電チャンバ150内でフッ素の特定の圧力及び濃度を得ることである。
【0044】
[0054] 複数のガス源471A、471B、471Cが必要である理由は、フッ素ガス源471Aが、典型的には、ガス放電チャンバ150の動作に望ましい分圧よりも高い特定の分圧にあるからである。所望のより低い分圧でガス放電チャンバ150にフッ素を加えるために、ガス源471A内のガスを希釈することができ、ガス源471B内の非ハロゲン含有ガスをこの目的で使用することができる。
【0045】
[0055] 図示されていないが、弁システム472の流体制御弁は、ガス放電チャンバ150に割り当てられた複数の弁を含むことができる。例えば、弁システム472は、ガスがガス放電チャンバ150に第1の速度で出入りすることを可能にする注入弁と、ガスがガス放電チャンバ150に第1の速度と異なる第2の速度で出入りすることを可能にするチャンバ充填弁とを含むことができる。
【0046】
[0056] 上述のように、いくつかの実施態様では、光源160はマルチステージシステムである。
図5に示す実施態様では、光源160は、2ステージ光源560である。光源560は、第1のステージとしての主発振器561Aと、第2のステージとしてのパワー増幅器561Bと、を含む。主発振器561Aは、主発振器ガス放電チャンバ550Aを含み、パワー増幅器561Bは、パワー増幅器ガス放電チャンバ550Bを含む。主発振器ガス放電チャンバ550Aは、エネルギー源552Aとして、チャンバ550A内のガス混合物551Aにパルスエネルギー源を提供する2つの細長い電極を含む。パワー増幅器ガス放電チャンバ550Bは、エネルギー源552Bとして、チャンバ550B内のガス混合物551Bにパルスエネルギー源を提供する2つの細長い電極を含む。
【0047】
[0057] 主発振器561Aは、パルス増幅光ビーム(シード光ビームと呼ばれる)562をパワー増幅器561Bに提供する。主発振器ガス放電チャンバ550Aは、増幅が起こる利得媒体を含むガス混合物551Aを収容し、主発振器561Aは、光共振器などの光フィードバック機構を含む。光共振器は、主発振器ガス放電チャンバ550Aの一方側のスペクトル光学システム563Aと、主発振器ガス放電チャンバ550Aの第2の側の出力カプラ564Aと、の間に形成される。パワー増幅器ガス放電チャンバ550Bは、主発振器561Aからのシード光ビーム562でシーディングされたときに増幅が起こる利得媒体を含むガス混合物551Bを収容する。パワー増幅器561Bは、再生リング共振器として設計される場合、パワーリング増幅器として説明されるが、この場合、十分な光フィードバックをリング設計から提供することができる。パワー増幅器561Bはまた、(リング増幅器への入力がリング増幅器から出る出力と交差する)循環及びループ経路を形成するために、(例えば反射によって)パワー増幅器ガス放電チャンバ552B内に戻るように光ビームを返すビームリターン(リフレクタなど)563Bと、シード光ビーム562を入力し、増幅光ビーム565を出力するための出力カプラ564Bと、をも含むことができる。光ビーム153は、シード光ビーム562又は増幅光ビーム565に対応することができる。
【0048】
[0058] それぞれの放電チャンバ550A、550B内で使用されるガス混合物(例えば、ガス混合物551A、551B)は、所要の波長、帯域幅及びエネルギー付近の増幅光ビームを生成するために適切なガスの組み合わせとすることができる。例えば、上述のように、ガス混合物551A、551Bは、約193nmの波長で光を放出する、フッ化アルゴン(ArF)、又は約248nmの波長で光を放出する、フッ化クリプトン(KrF)を含むことができる。
【0049】
[0059]
図6を参照すると、モニタリングシステム140の実施態様640が示されている。モニタリングシステム640は、光源160の態様を観測又は測定するように調整された一セットのサブユニット641、642、643を含む。例えば、モニタリングシステム640は、線中心分析サブユニット641と、スペクトルフィーチャサブユニット642と、アクチュエータサブユニット643と、を含む。線中心分析サブユニット641は、ガス放電ステージ155によって又はガス放電ステージ155内で生成された光ビーム153、165などの1つ以上の増幅光ビームのエネルギーを観測、測定、又は推定する。例えば、線中心分析サブユニット641は、光ビーム153、165の経路内に光パワーメータを含むことができる。追加的に、線中心分析サブユニット641は、光ビーム153、165の波長を測定するように構成された波長計を含むことができる。例えば、そのような波長計は、ビームスプリッタを使用して、ガス放電チャンバ150の出力の一部をサンプリングすることができる。追加的に、線中心分析サブユニット641は、十分に高い強度の広帯域光の存在を検出してガス放電チャンバ150内の利得媒体中の放電のタイミングを示す役割を果たすことができる広帯域光検出器を含むことができる。線中心分析サブユニット641は、決定された性能パラメータを示す値又は一セットの値を出力するように構成される。
【0050】
[0060] スペクトルフィーチャサブユニット642は、ガス放電ステージ155によって又はガス放電ステージ155内で生成された光ビーム153、165などの1つ以上の増幅光ビームの1つ以上のスペクトルフィーチャ(波長及び帯域幅など)を観測、測定、又は推定する。例えば、スペクトルフィーチャサブユニット642は、光ビームのこれらのスペクトルフィーチャを分析するために、光ビームの経路(又は光ビームの分離された部分)に配置された1つ以上の光学素子を含むことができる。光学素子は、分光デバイスを形成し、干渉計、回折格子、基準光源、基準帯域光源、共振器、及び/又はエタロンなどの素子を含むことができる。スペクトルフィーチャサブユニット642は、これらの決定されたスペクトルフィーチャを示す値又は一セットの値を出力するように構成される。
【0051】
[0061] アクチュエータサブユニット643は、ガス放電ステージ155を動作させることに関連するアクチュエータの他の動作特性を観測、推定、又は測定するように構成することができる。例えば、アクチュエータサブユニット643は、エネルギー源152からガス放電チャンバ150に供給されるエネルギー、又はエネルギー源152に供給される電圧を観測するように構成することができる。アクチュエータサブユニット643は、光ビーム153又は165をサンプリングして光ビーム153又は165の近視野プロファイルと遠視野プロファイルの両方を単一のカメラ像で捕捉するように構成されたビーム結像/分析モジュール内に存在することができる。このようなビーム結像/分析モジュールは、自動シャッタと、光ビームの性能をインシチュでモニタするために使用される追加のメトロロジとを含む。ビーム結像/分析モジュールは、ビームスプリッタによって光ビーム153又は165から分割された入力ビームを受け取る。自動シャッタは、閉鎖時に光ビーム153又は165の分割されない部分を遮断し、開放時に光ビームが干渉なしに出射することを可能にするように配置され、構成される。追加のメトロロジは、光ビーム153又は165の分割された部分を受け取るように配置され、様々な光検出器及び位置検出器を含むことができる。メトロロジはまた、光学システムと、光ビームの近視野及び遠視野2次元像であり得るが、中間像も含み得る、光ビームの像を捕捉する2次元カメラなどのイメージセンサとを含むことができる。したがって、ビーム結像/分析モジュールの1つの出力は、光ビームプロファイルの強度の2次元(2D)断面である。この2D断面は、光ビームプロファイルを測定するために及び歪み又は不規則性を検出するために使用することができる。そのデータは、即座に観測する目的で並びに長期間にわたって記憶及び検索する目的で、ビーム偏光、プロファイル、発散度、及び指向性に関する有用な情報を導出するために使用することができる。エネルギー変動予測子dE/dVは、ビーム結像/分析モジュール内のサブモジュールからの読取値から推測することができる。
【0052】
[0062]
図7を参照すると、制御システム105の実施態様705が示されている。制御システム705は、モニタリングシステム140及びガス回収モジュール110と通信する、性能モニタリングモジュール115を含む。制御システム705はまた、モニタリングシステム140及びガス供給システム170と通信する、ガス回収モジュール110を含む。
【0053】
[0063] 制御システム705は、光ビーム165を生成するために光源160を動作させるように構成された光源モジュール706を更に含むことができる。したがって、光源モジュール706は、モニタリングシステム140と通信するサブモジュールと、ガス供給システム170と通信するサブモジュールと、光源160内のコンポーネント(光学アクチュエータ及び電動アクチュエータなど)と通信するサブモジュールとを含むことができる。
【0054】
[0064] 制御システム705はまた、ガス放電チャンバ150が再充填モードにあるか又は標準動作モードにあるかを判定するように構成されたステータスモジュール707を含むことができる。ステータスモジュール707は、ガス混合物151の再充填が現在行われているか又は完了したところであるか否かを示す情報をガス放電ステージ155及び/又はガス供給システム170から受信することができる。例えば、いくつかの実施態様では、ステータスモジュール707は、ガス供給システム170内の1つ以上の流体制御弁のステータスを受信する。流体制御弁は、再充填事象中に開いてガス放電チャンバ150にガスを供給し、その他のときには閉じるように構成される。流体制御弁の1つ以上が開いている場合、このことは、ガス放電チャンバ150が再充填状態にあることを示すことができる。いくつかの実施態様では、ステータスモジュール707は、ガス放電ステージ155、ガス放電チャンバ150、又はガス供給システム170によって生成又は設定される「ガスステータス」変数にアクセスすることができる。ガス放電チャンバ150のガスステータスは、例えば、再充填が要求されたこと及び/又は実施されていること、ガス回収方式が実施されていること、又はガス放電チャンバ150が標準動作モードで動作していることを示すことができる。
【0055】
[0065] 制御システム705はまた、ガス放電チャンバ150内へのガス混合物151の再充填を制御するように構成された再充填モジュール713を含む。例えば、再充填モジュール713は、ガス供給システム170、470と通信して再充填を制御することができる。再充填モジュール713は、弁システム472を介してガス混合物151をガスダンプ473へ抽気することによってガス放電チャンバ150を空にするようにガス供給システム170、470に命令し、次いで、ガス放電チャンバ150に新鮮な又は新たなガス混合物を再充填するようにガス供給システム170、470に命令することができる。再充填モジュール713は、弁システム472に1つ以上の信号を送信して、ガス再充填中に弁システム472に1つ以上の特定のガス源471A、471B、471Cからガス放電チャンバ150内にガスを移送させることができる。
【0056】
[0066] 制御システム705は、制御システム705内のモジュールの1つ以上にアクセス可能であるメモリ708を含む。メモリ708は、制御システム705の動作中における他のモジュールによる様々な使用のために、これらのモジュールの各々から出力された情報又はモニタリングシステム140から受信した情報を記憶するように構成される。メモリ708は、読み取り専用メモリ及び/又はランダムアクセスメモリとすることができ、コンピュータプログラム命令及びデータを有形に具体化するのに適した記憶デバイスを提供することができる。
【0057】
[0067] 制御システム705はまた、1つ以上の入力及び/又は出力デバイス709(キーボード、タッチ対応デバイス、入力としての音声入力デバイス、及び出力用の音声又は映像など)と、1つ以上のプロセッサ710と、を含む。制御システム705は、説明しない他のモジュールを含むことができる。
【0058】
[0068] モジュール110、115、706、707、713の何れかとメモリ708との間の通信は、制御システム705のモジュールと、メモリ708と、ガス制御装置100の他のコンポーネントと、の間で情報を自由にやり取りできるように、直接若しくは物理的接続(例えば有線接続)又は無線接続によるものとすることができる。
【0059】
[0069] 制御システム705は、コンポーネントの全てが同じ場所に位置するように見えるボックスとして表されているが、制御システム705は、互いに物理的に離れた所にあるコンポーネント(モジュール110、115、706、707、713など)で構成されることが可能である。モジュール110、115、706、707、713の各々は、データを受信してデータを分析するための専用の処理システムとすることができ、又はモジュール110、115、706、707、713の1つ以上は、単一の処理システムに組み合わせることができる。モジュール110、115、706、707、713の各々は、1つ以上のプログラム可能なプロセッサ710を含むか、又は1つ以上のプログラム可能なプロセッサ710にアクセスすることができ、各々、入力データに基づいて動作し適切な出力を生成することによって所望の機能を果たす命令のプログラムを実行することができる。モジュール110、115、706、707、713は、デジタル電子回路、コンピュータハードウェア、ファームウェア、又はソフトウェアの何れかに実装することができる。
【0060】
[0070]
図8を参照すると、手順820は、ガス放電チャンバ150のガス混合物151を制御するための制御システム105によって実施される。手順820は、ガス放電チャンバ150に対して実施されるガス維持方式(再充填など)及び/又はガス回収方式の実施(821)から開始する。例えば、ステップ821において、ガス回収モジュール110は、ガス再充填が完了した後にガス回収方式を実施することができる。手順820は、現時点でガス放電チャンバ150が標準動作モードで動作すべきかどうかを判定することを含む(822)。特に、制御システム105は、ガス回収方式が完了したと判定することができ、したがって、ガス放電チャンバ150は、標準動作モードで動作することができる。
【0061】
[0071] ガス回収モジュール110がガス回収方式を完了した場合(822)、ガス放電チャンバ150は、標準動作モードに入り、制御システム105は、ガス放電チャンバ150の標準動作モード中に1つ以上の性能パラメータを推定する(823)。特に、性能モニタリングモジュール115は、モニタリングシステム140からデータを受信し、性能パラメータを推定することができる(823)。モニタリングシステム140は、増幅光ビーム153、165、エネルギー蓄積アクチュエータ154、及びガス供給システム170を含む、光源160の1つ以上の態様を光源160の標準動作中に一定の時間間隔でモニタする。
【0062】
[0072] 制御システム105は、推定された性能パラメータをそれらのそれぞれの閾値と比較する(824)。例えば、性能パラメータが推定された時点で(823)、性能モニタリングモジュール115は、メモリ708内に記憶されたそれぞれの閾値にアクセスし、各性能パラメータをそのそれぞれの閾値と比較することができる。ある比較では、性能モニタリングモジュール115は、各性能パラメータがそのそれぞれの閾値よりも大きいかどうかを判定する。他の比較では、性能モニタリングモジュール115は、各性能パラメータがそのそれぞれの閾値よりも小さいかどうかを判定することができる。更に他の比較では、性能モニタリングモジュール115は、性能パラメータの1つ以上がそれらのそれぞれの閾値よりも大きいかどうか、また、性能パラメータの1つ以上がそれらのそれぞれの閾値よりも小さいかどうかを判定することができる。
【0063】
[0073] 制御システム105は、ガス回収設定を調整する必要があるかどうかを824での比較に基づいて判定する(825)。例えば、いくつかの実施態様では、性能モニタリングモジュール115は、性能パラメータの1つ(及び1つのみ)がその閾値よりも大きくない場合、ガス回収設定を調整する必要があると判定する。他の実施態様では、性能モニタリングモジュール115は、性能パラメータの全てがそれらのそれぞれの閾値よりも大きくない場合、ガス回収設定を調整する必要があると判定することができる。次に、825においてガス回収設定を調整する必要があると判定された場合、制御システム105は、ガス回収設定を調整する(826)。例えば、性能モニタリングモジュール115は、ガス回収設定を上下の何れかに許容値の範囲内で段階的に変更し、次いで、次のガス回収方式が実施された(821)ときにガス回収モジュール110がガス回収設定にアクセスできるように、新たなガス回収設定をメモリ708内に保存することができる。
【0064】
[0074] 手順820におけるステップ823、824、825、826(性能モニタリングステップと称される)は、性能モニタリングモジュール115によって繰り返し、又はガス放電チャンバ150の標準動作モード中の一定秒数若しくは分数ごとに一度などの周期間隔で、実施される。一実施態様では、性能モニタリングステップは、標準動作中に2時間ごとに実施される。ガス回収設定の値(
図10に示すmCPなど)は、標準動作中に何度も更新される可能性がある。この値は、次のガス回収方式が実施されるときにガス回収モジュール110によってメモリ708からアクセスされるmCPの現在値である。手順820は、調整が行われた826後、ガス再充填及び/又はガス回収方式の開始を示す指令が受信されたとき821に性能モニタリングステップ823、824、825、826を終了すること(及びガス回収設定の更なる調整を停止すること)を更に含むことができる(822)。その上、ガス回収モジュール110は、ガス供給システム170を有効にし、ガス供給システム170が(再充填モジュール713の制御下で)ガス再充填を完了した後に、ガス供給システム170にガス回収方式を実施させる。
【0065】
[0075]
図9は、推定された性能パラメータがエネルギーE150(PP1)及びエネルギー変動予測子dE/dV(PP2)であり、ガス回収設定がガス放電チャンバ150内の圧力の下限(minChamberPres又はmCP)である例を示す。ステップ823において、性能モニタリングモジュール115は、性能パラメータPP1(E150)及びPP2(dE/dV)を推定しており、これらは、更なる分析のためにステップ824に転送される930。上述のように、ステップ824において、性能モニタリングモジュール115は、推定された性能パラメータをそれらのそれぞれの閾値と比較する。この例では、E150(PP1)の値は、その閾値T1と比較され、dE/dV(PP2)の値は、その閾値T2と比較される。次いで、ステップ825において、性能モニタリングモジュール115は、ガス回収設定mCPを調整する必要があるかどうかを判定し、上述したように、この判定を次のステップ826に転送する935。
【0066】
[0076] 以下のように、4つの可能な比較状態931-1、931-2、931-3、931-4が可能である。第1の比較状態931-1では、E150は、その閾値T1よりも大きく、dE/dVは、その閾値T2よりも大きい。性能モニタリングモジュール115は、824において状態931-1が真であると判定した場合、825においてガス回収設定mCPを調整する必要がない932-1と判定する。
【0067】
[0077] 第2の比較状態931-2では、E150は、その閾値T1よりも大きくなく、dE/dVは、その閾値T2よりも大きくない。824において状態931-2が真であると性能モニタリングモジュール115が判定した場合、ガス回収設定mCPを調整する必要がない932-2と判定し、また、825において警告を発するべきであると判定する。警告は、(性能パラメータの両方が許容レベルにないことによって示すような)光源160の劣悪な実施態様に対処するために標準動作中に制御システム105の他のコンポーネントによって1つ以上の改善策が必要であり得ることを示す。
【0068】
[0078] 第3の比較状態931-3では、E150は、その閾値T1よりも大きく、dE/dVは、その閾値T2よりも大きくない。性能モニタリングモジュール115は、824において状態931-3が真であると判定した場合、825において値を段階的に増加させることによってガス回収設定mCPを調整する必要がある932-3と判定する。例えば、minChamberPresと称される、ガス放電チャンバ150内(又は光源160内の1つ以上のガス放電チャンバ内)の最小圧力は、増加によって値が最大値と最小値との間の値の許容範囲内に維持される場合、5キロパスカル(kpa)の増分だけ増加させることができる。他の実施態様では、段階的な増加は、10kpa、15kpa、又は20kpaとすることができる。更なる実施態様では、段階的な増加は、任意の適切な値に構成可能及び修正可能とすることができる。
図2A及び
図2Bを参照して上述したように、この特定の状態931-3では、E150が値の許容範囲内に収まるとしても、dE/dVが低すぎる。したがって、minChamberPresは、dE/dVも値の許容範囲内に収まる(及び状態が931-1に戻る)まで増加させる必要がある。
【0069】
[0079] 第4の比較状態931-4では、E150は、その閾値T1よりも大きくなく、dE/dVは、その閾値T2よりも大きい。性能モニタリングモジュール115は、824において状態931-4が真であると判定した場合、825において値を段階的に減少させることによってガス回収設定mCPを調整する必要がある932-4と判定する。例えば、minChamberPresと称される、ガス放電チャンバ150内(又は光源160内の1つ以上のガス放電チャンバ内)の最小圧力は、減少によってminChamberPresが最大値と最小値との間の値の許容範囲内に維持される場合、5キロパスカル(kpa)の増分だけ減少させることができる。他の実施態様では、段階的な減少は、10kpa、15kpa、又は20kpaとすることができる。更なる実施態様では、段階的な減少は、任意の適切な値に構成可能及び修正可能とすることができる。
図2A及び
図2Bを参照して上述したように、この特定の状態931-4では、dE/dVが値の許容範囲内に収まるとしても、E150が低すぎる。したがって、minChamberPresは、E150も値の許容範囲内に収まる(及び状態が931-1に戻る)まで減少させる必要がある。
【0070】
[0080]
図10は、性能パラメータPP1がE150であり、性能パラメータPP2がdE/dVであり、ガス回収設定がminChamberPresである、
図9を参照して述べた例の一セットのグラフ1036、1037、1038、1039を示す。グラフ1036は、ガス放電チャンバ150の3つの別個の標準動作1034a、1034b、1034c中のE150(PP1)及びE150の閾値(T1)対時間を示し、グラフ1037は、ガス放電チャンバ150の同じ別個の標準動作1034a、1034b、1034c中のdE/dV(PP2)及びdE/dVの閾値(T2)対時間を示し、グラフ1038は、同じ別個の標準動作1034a、1034b、1034c中のガス放電チャンバ150内の圧力CPを示し、グラフ1039は、同じ別個の標準動作1034a、1034b、1034c中のガス放電チャンバ150に対するガス回収設定minChamberPresを示す。これらのグラフに示す時間窓では、標準動作1034aの後に再充填1035dが続き、標準動作1034bの後に再充填1035eが続く。性能パラメータE150及びdE/dVの値は、この目的で、再充填中に又は各再充填の後に続くガス回収方式中には追跡されない。各グラフの縦軸は異なるものとすることができる。
【0071】
[0081] 標準動作1034a中に、グラフ1036に示すように、時間κ1まで、E150(PP1)は、概して、その閾値T1未満で動作しており、その一方で、dE/dV(PP2)は、その閾値T2を上回って動作している。その上、ガス放電チャンバ150内の圧力CPは、ガス回収設定mCPの現在値の近傍にある、255kpaである。性能モニタリングモジュール115は、光源160が第4の比較状態931-4で動作していると判定する。したがって、時間κ1では、性能モニタリングモジュール115は、mCPの値を増分δ1だけ低減する(第4の調整932-4)。例えば、mCPの値は、255kpaから250kpaに低減することができ、したがって、増分δ1は5kpaである。再充填1035dが時間κ2で実施される。そして、ガス回収方式中(時間κ2と時間κ3との間)に、ガス放電チャンバ150内の圧力CPを圧力限界(mCP)まで良好に減少させる。その上、E150は、時間κ3後に改善したが、標準動作1034b中には依然としてその閾値T1未満であり、したがって、光源160は依然として第4の比較状態931-4で動作している。よって、時間κ4では、性能モニタリングモジュール115は、mCPの値を増分δ2だけ低減する(第4の調整932-4)。例えば、mCPの値は、250kpaから245kpaに低減することができ、したがって、増分δ2は5kpaである。第2の再充填1035eがκ5で実施される。第2の再充填1035e後に、E150は、改善しており、ここでその閾値T1よりも大きく、dE/dVは依然としてその閾値T2を上回っている。そして、ガス回収方式中(時間κ5と時間κ6との間)に、ガス放電チャンバ150内の圧力CPを圧力限界(mCP)のより近傍まで良好に減少させる。したがって、性能モニタリングモジュール115は、光源160が第1の比較状態931-1で動作しており、mCPの値を調整する措置を講じる必要がない(第1の調整932-1)と判定する。
【0072】
[0082] 実際には、
図10に示す再充填1035d及び1035eなどの再充填は、例えば、数日ごとに(又は月に一度)行われる。
【0073】
[0083] 実施態様及び/又は実施形態について、以下の条項を使用して更に説明することができる。
1.光源内のガス放電チャンバに関連するガス制御装置であって、
ガス放電チャンバの1つ以上の性能パラメータを推定するように構成されたモニタリングシステムと、
モニタリングシステム及びガス放電チャンバと通信する制御システムであって、ガス放電チャンバの標準動作モード中に、及び、ガス回収設定を使用するガス回収方式をガス放電チャンバに対して実施する合間に、推定された1つ以上の性能パラメータをそれぞれの閾値と比較し、ガス回収設定を調整する必要があるかどうかを比較に基づいて判定し、判定に基づいてガス回収設定の値を調整する、ように構成された、制御システムと、
を含む、ガス制御装置。
2.ガス回収方式中に少なくとも1つのガス回収設定に従って及び制御システムの制御下でガス混合物の1種以上のガス成分をガス放電チャンバに対して注入及び/又は除去するように構成されたガス供給システムを更に含む、条項1に記載のガス制御装置。
3.制御システムは、ガス放電チャンバの標準動作中に、及び、ガス回収設定を使用するガス回収方式をガス放電チャンバに対して実施する合間に、ガス回収設定の調整値を保存するように構成される、条項1に記載のガス制御装置。
4.制御システムは、次のガス回収方式を実施するときに、ガス回収設定の最新の調整値にアクセスする、条項1に記載のガス制御装置。
5.ガス回収設定は、ガス特性の極端な動作値である、条項1に記載のガス制御装置。
6.ガス回収設定は、ガス放電チャンバ内の圧力の極値である、条項1に記載のガス制御装置。
7.ガス放電チャンバの1つ以上の性能パラメータを推定するように構成されたモニタリングシステムは、ガス放電チャンバから出力される光ビームのエネルギー、ガス放電チャンバのエネルギー源アクチュエータのエネルギー変動予測子、ガス放電チャンバから出力される光ビームのスペクトルフィーチャ、エネルギー源アクチュエータを介してガス放電チャンバに供給されるエネルギー、及び、アーク放電リスクの感度、のうちの1つ以上を推定するモニタリングシステムを含む、条項1に記載のガス制御装置。
8.判定に基づいてガス回収設定の値を調整するように構成された制御システムは、最大極値と最小極値との間で増分量だけガス回収設定の値を調整することを含む、条項1に記載のガス制御装置。
9.推定された1つ以上の性能パラメータをそれぞれの閾値と比較するように構成された制御システムは、各性能パラメータがそのそれぞれの閾値を超えているかどうかを判定することを含み、性能パラメータは、そのそれぞれの閾値を超えている場合には許容値にある、条項1に記載のガス制御装置。
10.ガス放電チャンバの標準動作中に、及び、ガス回収設定を使用するガス回収方式をガス放電チャンバに対して実施する合間に、モニタリングシステムは、ガス放電チャンバの1つ以上の性能パラメータを周期間隔で推定する、条項1に記載のガス制御装置。
11.制御システムは、1つ以上の性能パラメータがモニタリングシステムによって推定される度に、推定された1つ以上の性能パラメータをそれぞれの閾値と比較し、ガス回収設定を調整すべきかどうかを比較に基づいて判定し、判定に基づいてガス回収設定の値を調整する、ように構成される、条項10に記載のガス制御装置。
12.制御システムは更に、ガス回収方式の開始を示す指令が受信されたときにガス回収設定の値の調整を停止するように構成される、条項1に記載のガス制御装置。
13.制御システムは、ガス放電チャンバへのガス再充填を指示した後にガス回収方式を実施するように構成される、条項1に記載のガス制御装置。
14.モニタリングシステムは、主発振器ガス放電チャンバとパワー増幅器ガス放電チャンバとを含む2ステージ光源の少なくとも1つのガス放電チャンバをモニタするように構成される、条項1に記載のガス制御装置。
15.制御システムは、主発振器ガス放電チャンバ及びパワー増幅器ガス放電チャンバと通信し、ガス回収設定は、パワー増幅器ガス放電チャンバに関する、条項14に記載のガス制御装置。
16.ガス放電チャンバは、光源のガス放電ステージ内に実装され、ガス放電ステージは、ガス混合物にエネルギーが与えられたときにガス放電チャンバ内のガス混合物中で生じる反転分布から増幅光ビームを生成する、条項1に記載のガス制御装置。
17.ガス放電チャンバの1つ以上の性能パラメータを推定するように構成されたモニタリングシステムは、ガス放電チャンバの性能に関する1つ以上の態様を測定し、測定された態様を分析するモニタリングシステムを含む、条項1に記載のガス制御装置。
18.ガス放電光源内のガス放電チャンバのガス混合物を制御するための方法であって、
ガス放電チャンバの標準動作中に、及び、ガス回収設定を使用するガス回収方式をガス放電チャンバに対して実施する合間に、
ガス放電チャンバの1つ以上の性能パラメータを推定することと、
推定された1つ以上の性能パラメータをそれぞれの閾値と比較することと、
ガス回収設定を調整する必要があるかどうかを比較に基づいて判定することと、
判定に基づいてガス回収設定の値を調整することと、
を含む、方法。
19.ガス放電チャンバの標準動作中に、及びガス回収設定を使用するガス回収方式をガス放電チャンバに対して実施する合間に、ガス回収設定の調整値を保存することを更に含む、条項18に記載の方法。
20.ガス回収設定の最新の調整値を次のガス回収方式に提供することを更に含む、条項18に記載の方法。
21.ガス回収設定は、ガス特性の極端な動作値である、条項18に記載の方法。
22.ガス回収設定は、ガス放電チャンバ内の圧力の極値である、条項18に記載の方法。
23.ガス放電チャンバの1つ以上の性能パラメータを推定することは、ガス放電チャンバから出力される光ビームのエネルギー、ガス放電チャンバのエネルギー源アクチュエータのエネルギー変動予測子、ガス放電チャンバから出力される光ビームのスペクトルフィーチャ、エネルギー源アクチュエータを介してガス放電チャンバに供給されるエネルギー、及び、アーク放電リスクの感度、のうちの1つ以上を推定することを含む、条項18に記載の方法。
24.比較に基づいてガス回収設定を調整する必要があるかどうかを判定することは、推定された1つ以上の性能パラメータの全てがそれらのそれぞれの閾値を超えている場合にはガス回収設定を調整する必要がないと判定することを含む、条項18に記載の方法。
25.性能パラメータは、その閾値よりも大きい場合にはその閾値を超えている、条項24に記載の方法。
26.比較に基づいてガス回収設定を調整する必要があるかどうかを判定することは、推定された1つ以上の性能パラメータの1つがそのそれぞれの閾値を超えておらず、推定された1つ以上の性能パラメータの残りがそれらのそれぞれの閾値を超えている場合にはガス回収設定を調整する必要があると判定することを含む、条項24に記載の方法。
27.比較に基づいてガス回収設定を調整する必要があるかどうかを判定することは、推定された1つ以上の性能パラメータの全てがそれらのそれぞれの閾値を超えていない場合にはガス回収設定を調整する必要がないと判定することを含む、条項24に記載の方法。
28.判定に基づいてガス回収設定の値を調整することは、最大極値と最小極値との間で増分量だけガス回収設定の値を調整することを含む、条項18に記載の方法。
29.推定された1つ以上の性能パラメータをそれぞれの閾値と比較することは、各性能パラメータがそのそれぞれの閾値を超えているかどうかを判定することを含み、性能パラメータは、そのそれぞれの閾値を超えている場合には許容値にある、条項18に記載の方法。
30.ガス放電チャンバの標準動作中に、及び、ガス回収設定を使用するガス回収方式をガス放電チャンバに対して実施する合間に、ガス放電チャンバの1つ以上の性能パラメータは、周期間隔で推定される、条項18に記載の方法。
31.1つ以上の性能パラメータが推定される度に、推定された1つ以上の性能パラメータがそれぞれの閾値と比較され、ガス回収設定を調整すべきどうかが比較に基づいて判定され、ガス回収設定の値が判定に基づいて調整されることを更に含む、条項30に記載の方法。
32.ガス回収方式の開始を示す指令が受信されたときにガス回収設定の値の調整を停止することを更に含む、条項18に記載の方法。
33.ガス放電チャンバへのガス再充填が実施された後にガス回収方式をガス放電チャンバに対して実施することを更に含む、条項18に記載の方法。
34.ガス放電チャンバの1つ以上の性能パラメータを推定することは、ガス放電チャンバの性能に関する1つ以上の態様を測定し、測定された態様を分析することを含む、条項18に記載の方法。
35.ガス放電チャンバに関連するガス制御装置であって、
ガス制御装置は、ガス放電チャンバと通信する制御システムを含み、
制御システムは、
ガス放電チャンバの標準動作モード中に、及び、ガス回収設定を使用するガス回収方式をガス放電チャンバに対して実施する合間に、ガス放電チャンバの1つ以上の性能パラメータをそれぞれの閾値と比較し、ガス回収設定を調整する必要があるかどうかを比較に基づいて判定し、判定に基づいてガス回収設定の値を調整する、ように構成された性能モニタリングモジュールと、
ガス回収方式を実施するように構成されたガス回収モジュールであって、現在のガス回収方式を実施するときに性能モニタリングモジュールからガス回収設定の最新の調整値にアクセスするように構成された、ガス回収モジュールと、
を含む、ガス制御装置。
【0074】
[0084] 他の実施態様も以下の特許請求の範囲内である。
【手続補正書】
【提出日】2024-02-21
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源内のガス放電チャンバに関連するガス制御装置であって、
前記ガス放電チャンバの1つ以上の性能パラメータを推定するように構成されたモニタリングシステムと、
前記モニタリングシステム及び前記ガス放電チャンバと通信する制御システムであって、前記ガス放電チャンバの標準動作モード中に、及び、ガス回収設定を使用するガス回収方式を前記ガス放電チャンバに対して実施する合間に、前記推定された1つ以上の性能パラメータをそれぞれの閾値と比較し、前記ガス回収設定を調整する必要があるかどうかを前記比較に基づいて判定し、前記判定に基づいて前記ガス回収設定の値を調整する、ように構成された、制御システムと、
を含む、ガス制御装置。
【請求項2】
前記ガス回収方式中に少なくとも1つのガス回収設定に従って及び前記制御システムの制御下でガス混合物の1種以上のガス成分を前記ガス放電チャンバに対して注入及び/又は除去するように構成されたガス供給システムを更に含む、請求項1に記載のガス制御装置。
【請求項3】
前記制御システムは、次のガス回収方式を実施するときに、前記ガス回収設定の最新の調整値にアクセスする、請求項1に記載のガス制御装置。
【請求項4】
前記ガス放電チャンバの1つ以上の性能パラメータを推定するように構成された前記モニタリングシステムは、前記ガス放電チャンバから出力される光ビームのエネルギー、前記ガス放電チャンバのエネルギー源アクチュエータのエネルギー変動予測子、前記ガス放電チャンバから出力される光ビームのスペクトルフィーチャ、前記エネルギー源アクチュエータを介して前記ガス放電チャンバに供給されるエネルギー、及び、アーク放電リスクの感度、のうちの1つ以上を推定する前記モニタリングシステムを含む、請求項1に記載のガス制御装置。
【請求項5】
前記ガス放電チャンバの標準動作中に、及び、前記ガス回収設定を使用するガス回収方式を前記ガス放電チャンバに対して実施する合間に、前記モニタリングシステムは、前記ガス放電チャンバの前記1つ以上の性能パラメータを周期間隔で推定する、請求項1に記載のガス制御装置。
【請求項6】
前記制御システムは、前記ガス放電チャンバへのガス再充填を指示した後にガス回収方式を実施するように構成される、請求項1に記載のガス制御装置。
【請求項7】
前記モニタリングシステムは、主発振器ガス放電チャンバとパワー増幅器ガス放電チャンバとを含む2ステージ光源の少なくとも1つのガス放電チャンバをモニタするように構成される、請求項1に記載のガス制御装置。
【請求項8】
前記ガス放電チャンバは、前記光源のガス放電ステージ内に実装され、
前記ガス放電ステージは、ガス混合物にエネルギーが与えられたときに前記ガス放電チャンバ内の前記ガス混合物中で生じる反転分布から増幅光ビームを生成する、請求項1に記載のガス制御装置。
【請求項9】
ガス放電光源内のガス放電チャンバのガス混合物を制御するための方法であって、
前記ガス放電チャンバの標準動作中に、及び、ガス回収設定を使用するガス回収方式を前記ガス放電チャンバに対して実施する合間に、
前記ガス放電チャンバの1つ以上の性能パラメータを推定することと、
前記推定された1つ以上の性能パラメータをそれぞれの閾値と比較することと、
前記ガス回収設定を調整する必要があるかどうかを前記比較に基づいて判定することと、
前記判定に基づいて前記ガス回収設定の値を調整することと、
を含む、方法。
【請求項10】
前記ガス回収設定の最新の調整値を次のガス回収方式に提供することを更に含む、請求項
9に記載の方法。
【請求項11】
前記ガス放電チャンバの1つ以上の性能パラメータを推定することは、前記ガス放電チャンバから出力される光ビームのエネルギー、前記ガス放電チャンバのエネルギー源アクチュエータのエネルギー変動予測子、前記ガス放電チャンバから出力される光ビームのスペクトルフィーチャ、前記エネルギー源アクチュエータを介して前記ガス放電チャンバに供給されるエネルギー、及び、アーク放電リスクの感度、のうちの1つ以上を推定することを含む、請求項
9に記載の方法。
【請求項12】
前記比較に基づいて前記ガス回収設定を調整する必要があるかどうかを判定することは、前記推定された1つ以上の性能パラメータの全てがそれらのそれぞれの閾値を超えている場合には前記ガス回収設定を調整する必要がないと判定することを含む、請求項
9に記載の方法。
【請求項13】
前記ガス放電チャンバの標準動作中に、及び、前記ガス回収設定を使用するガス回収方式を前記ガス放電チャンバに対して実施する合間に、前記ガス放電チャンバの前記1つ以上の性能パラメータは、周期間隔で推定される、請求項
9に記載の方法。
【請求項14】
前記1つ以上の性能パラメータが推定される度に、前記推定された1つ以上の性能パラメータがそれぞれの閾値と比較され、前記ガス回収設定を調整すべきどうかが前記比較に基づいて判定され、前記ガス回収設定の前記値が前記判定に基づいて調整される、ことを更に含む、請求項
13に記載の方法。
【請求項15】
前記ガス放電チャンバへのガス再充填が実施された後にガス回収方式を前記ガス放電チャンバに対して実施することを更に含む、請求項
9に記載の方法。
【請求項16】
前記ガス放電チャンバの前記1つ以上の性能パラメータを推定することは、前記ガス放電チャンバの性能に関する1つ以上の態様を測定し、前記測定された態様を分析することを含む、請求項
9に記載の方法。
【請求項17】
ガス放電チャンバに関連するガス制御装置であって、
前記ガス制御装置は、前記ガス放電チャンバと通信する制御システムを含み、
前記制御システムは、
前記ガス放電チャンバの標準動作モード中に、及び、ガス回収設定を使用するガス回収方式を前記ガス放電チャンバに対して実施する合間に、前記ガス放電チャンバの1つ以上の性能パラメータをそれぞれの閾値と比較し、前記ガス回収設定を調整する必要があるかどうかを前記比較に基づいて判定し、前記判定に基づいて前記ガス回収設定の値を調整する、ように構成された性能モニタリングモジュールと、
前記ガス回収方式を実施するように構成されたガス回収モジュールであって、現在のガス回収方式を実施するときに前記性能モニタリングモジュールから前記ガス回収設定の最新の調整値にアクセスするように構成された、ガス回収モジュールと、
を含む、ガス制御装置。
【国際調査報告】