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特表2024-526172高アスペクト比エッチングのための多状態パルシング
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-17
(54)【発明の名称】高アスペクト比エッチングのための多状態パルシング
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/3065 20060101AFI20240709BHJP
【FI】
H01L21/302 101B
H01L21/302 105A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023579082
(86)(22)【出願日】2022-06-16
(85)【翻訳文提出日】2024-02-16
(86)【国際出願番号】 US2022033858
(87)【国際公開番号】W WO2023278171
(87)【国際公開日】2023-01-05
(31)【優先権主張番号】63/216,519
(32)【優先日】2021-06-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】592010081
【氏名又は名称】ラム リサーチ コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】LAM RESEARCH CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】弁理士法人明成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジョイ・アニルッダ
(72)【発明者】
【氏名】ドール・ニキル
(72)【発明者】
【氏名】ウォン・メレット
(72)【発明者】
【氏名】ハドソン・エリック
(72)【発明者】
【氏名】シース・ジェイ
【テーマコード(参考)】
5F004
【Fターム(参考)】
5F004AA02
5F004BA09
5F004BB12
5F004BB13
5F004BB22
5F004BB25
5F004BB26
5F004BD04
5F004CA03
5F004CA04
5F004CA06
5F004CA08
5F004DB03
5F004DB07
5F004EA03
5F004EA37
5F004EB01
(57)【要約】
【解決手段】基板上にエッチング処理を実施するための方法は、バイアス信号およびソース信号をプラズマ処理システムの電極に印加することを含む。バイアス信号およびソース信号は、繰り返されるパルス化RFサイクルを一緒に定義するパルス化RF信号であり、各パルス化RFサイクルは、第1の状態、第2の状態、第3の状態、および第4の状態を順次に含む。第1の状態におけるバイアス信号の電力レベルは、第3の状態よりも大きく、第3の状態におけるバイアス信号の電力レベルは、第2の状態よりも大きく、第2の状態におけるバイアス信号の電力レベルは、第4の状態よりも大きい。第1の状態におけるソース信号の電力レベルは、第3の状態よりも大きく、第3の状態におけるソース信号の電力レベルは、第2の状態よりも大きく、第2の状態におけるソース信号の電力レベルは、第4の状態よりも大きい。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラズマ処理システムにおいて基板上にエッチング処理を実施するための方法であって、
前記プラズマ処理システムの電極にバイアス信号を印加し、
ソース信号を前記電極に印加すること、を備え、
前記バイアス信号および前記ソース信号は、繰り返されるパルス化RFサイクルを一緒に定義するパルス化RF信号であり、各パルス化RFサイクルは、第1の状態、第2の状態、第3の状態、および第4の状態を順次に含み、
前記第1の状態は、第1のバイアス電力レベルでパルス化された前記バイアス信号、および第1のソース電力レベルでパルス化された前記ソース信号によって定義され、
前記第2の状態は、第2のバイアス電力レベルでパルス化された前記バイアス信号、および第2のソース電力レベルでパルス化された前記ソース信号によって定義され、
前記第3の状態は、第3のバイアス電力レベルでパルス化された前記バイアス信号、および第3のソース電力レベルでパルス化された前記ソース信号によって定義され、
前記第4の状態は、第4のバイアス電力レベルでパルス化された前記バイアス信号、および第4のソース電力レベルでパルス化された前記ソース信号によって定義され、
前記第1のバイアス電力レベルは、前記第3のバイアス電力レベルよりも大きく、前記第3のバイアス電力レベルは、前記第2のバイアス電力レベルよりも大きく、前記第2のバイアス電力レベルは、前記第4のバイアス電力レベルよりも大きく、
前記第1のソース電力レベルは、前記第3のソース電力レベルよりも大きく、前記第3のソース電力レベルは、前記第2のソース電力レベルよりも大きく、前記第2のソース電力レベルは、前記第4のソースRF電力レベルよりも大きい、
方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、
前記第2のバイアス電力レベルは、前記第2のソース電力レベルよりも低い、方法。
【請求項3】
請求項1に記載の方法であって、
前記第2のバイアス電力レベルは、前記第1のバイアス電力レベルの約1~20パーセントであり、
前記第2のソース電力レベルは、前記第1のソース電力レベルの約20~70パーセントである、
方法。
【請求項4】
請求項1に記載の方法であって、
前記第3のバイアス電力レベルは、前記第1のバイアス電力レベルの約30~70パーセントであり、
前記第3のソース電力レベルは、前記第1のソース電力レベルの約30~80パーセントである、
方法。
【請求項5】
請求項1に記載の方法であって、
前記第4のバイアス電力レベルは、実質的にゼロの電力レベルであり、前記第4のソース電力レベルは、実質的にゼロの電力レベルである、方法。
【請求項6】
請求項1に記載の方法であって、
前記第1の状態のデューティサイクルは、前記パルス化RFサイクルの期間の約3~30パーセントである、方法。
【請求項7】
請求項1に記載の方法であって、
前記第2の状態のデューティサイクルは、前記パルス化RFサイクルの期間の約3~30パーセントである、方法。
【請求項8】
請求項1に記載の方法であって、
前記第3の状態のデューティサイクルは、前記パルス化RFサイクルの期間の約3~30パーセントである、方法。
【請求項9】
請求項1に記載の方法であって、
前記第4の状態のデューティサイクルは、前記パルス化RFサイクルの期間の約35~75パーセントである、方法。
【請求項10】
請求項1に記載の方法であって、
前記第1の状態および前記第3の状態は、前記基板の表面上のフィーチャのエッチングを行うように構成されている、方法。
【請求項11】
請求項10に記載の方法であって、
前記第2の状態および前記第4の状態は、前記基板の前記表面上の前記フィーチャの不動態化を行うように構成されている、方法。
【請求項12】
請求項1に記載の方法であって、
前記バイアス信号は、約10MHz未満の周波数を有し、前記ソース信号は、約20MHzを超える周波数を有する、方法。
【請求項13】
プラズマ処理システムに、前記プラズマ処理システムにおいて基板上にエッチング処理を実施させるように構成されたコントローラデバイスであって、この方法は、
バイアス信号を前記プラズマ処理システムの電極に印加し、
ソース信号を前記電極に印加すること、を含み、
前記バイアス信号および前記ソース信号は、繰り返されるパルス化RFサイクルを一緒に定義するパルス化RF信号であり、各パルス化RFサイクルは、第1の状態、第2の状態、第3の状態、および第4の状態を順次に含み、
前記第1の状態は、第1のバイアス電力レベルでパルス化された前記バイアス信号、および第1のソース電力レベルでパルス化された前記ソース信号によって定義され、
前記第2の状態は、第2のバイアス電力レベルでパルス化された前記バイアス信号、および第2のソース電力レベルでパルス化された前記ソース信号によって定義され、
前記第3の状態は、第3のバイアス電力レベルでパルス化された前記バイアス信号、および第3のソース電力レベルでパルス化された前記ソース信号によって定義され、
前記第4の状態は、第4のバイアス電力レベルでパルス化された前記バイアス信号、および第4のソース電力レベルでパルス化された前記ソース信号によって定義され、
前記第1のバイアス電力レベルは、前記第3のバイアス電力レベルよりも大きく、前記第3のバイアス電力レベルは、前記第2のバイアス電力レベルよりも大きく、前記第2のバイアス電力レベルは、前記第4のバイアス電力レベルよりも大きく、
前記第1のソース電力レベルは、前記第3のソース電力レベルよりも大きく、前記第3のソース電力レベルは、前記第2のソース電力レベルよりも大きく、前記第2のソース電力レベルは、前記第4のソースRF電力レベルよりも大きい、
コントローラデバイス。
【請求項14】
請求項13に記載のコントローラデバイスであって、
前記第2のバイアス電力レベルは、前記第2のソース電力レベルよりも低い、コントローラデバイス。
【請求項15】
請求項13に記載のコントローラデバイスであって、
前記第2のバイアス電力レベルは、前記第1のバイアス電力レベルの約1~20パーセントであり、
前記第2のソース電力レベルは、前記第1のソース電力レベルの約20~70パーセントである、
コントローラデバイス。
【請求項16】
請求項13に記載のコントローラデバイスであって、
前記第3のバイアス電力レベルは、前記第1のバイアス電力レベルの約30~70パーセントであり、
前記第3のソース電力レベルは、前記第1のソース電力レベルの約30~80パーセントである、
コントローラデバイス。
【請求項17】
請求項13に記載のコントローラデバイスであって、
前記第4のバイアス電力レベルは、実質的にゼロの電力レベルであり、前記第4のソース電力レベルは、実質的にゼロの電力レベルである、コントローラデバイス。
【請求項18】
請求項13に記載のコントローラデバイスであって、
前記第1の状態のデューティサイクルは、前記パルス化RFサイクルの期間の約3~10パーセントである、コントローラデバイス。
【請求項19】
請求項13に記載のコントローラデバイスであって、
前記第2の状態のデューティサイクルは、前記パルス化RFサイクルの期間の約6~25パーセントである、コントローラデバイス。
【請求項20】
請求項13に記載のコントローラデバイスであって、
前記第3の状態のデューティサイクルは、前記パルス化RFサイクルの期間の約10~30パーセントである、コントローラデバイス。
【請求項21】
請求項13に記載のコントローラデバイスであって、
前記第4の状態のデューティサイクルは、前記パルス化RFサイクルの期間の約35~75パーセントである、コントローラデバイス。
【請求項22】
請求項13に記載のコントローラデバイスであって、
前記第1の状態および前記第3の状態は、前記基板の表面上のフィーチャのエッチングを行うように構成されている、コントローラデバイス。
【請求項23】
請求項22に記載のコントローラデバイスであって、
前記第2の状態および前記第4の状態は、前記基板の前記表面上の前記フィーチャの不動態化を行うように構成されている、コントローラデバイス。
【請求項24】
請求項13に記載のコントローラデバイスであって、
前記バイアス信号は、約10MHz未満の周波数を有し、前記ソース信号は、約20MHzを超える周波数を有する、コントローラデバイス。
【請求項25】
プラズマ処理システムにおいて基板上にエッチング処理を実施するための方法であって、
バイアス信号を前記プラズマ処理システムの第1の電極に印加し、
ソース信号を前記プラズマ処理システムの第2の電極に印加すること
を備え、
前記バイアス信号および前記ソース信号は、繰り返されるパルス化RFサイクルを一緒に定義するパルス化RF信号であり、各パルス化RFサイクルは、第1の状態、第2の状態、第3の状態、および第4の状態を順次に含み、
前記第1の状態は、第1のバイアス電力レベルでパルス化された前記バイアス信号、および第1のソース電力レベルでパルス化された前記ソース信号によって定義され、
前記第2の状態は、第2のバイアス電力レベルでパルス化された前記バイアス信号、および第2のソース電力レベルでパルス化された前記ソース信号によって定義され、
前記第3の状態は、第3のバイアス電力レベルでパルス化された前記バイアス信号、および第3のソース電力レベルでパルス化された前記ソース信号によって定義され、
前記第4の状態は、第4のバイアス電力レベルでパルス化された前記バイアス信号、および第4のソース電力レベルでパルス化された前記ソース信号によって定義され、
前記第1のバイアス電力レベルは、前記第3のバイアス電力レベルよりも大きく、前記第3のバイアス電力レベルは、前記第2のバイアス電力レベルよりも大きく、前記第2のバイアス電力レベルは、前記第4のバイアス電力レベルよりも大きく、
前記第1のソース電力レベルは、前記第3のソース電力レベルよりも大きく、前記第3のソース電力レベルは、前記第2のソース電力レベルよりも大きく、前記第2のソース電力レベルは、前記第4のソースRF電力レベルよりも大きい、
方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、半導体デバイスの製作に関する。
【背景技術】
【0002】
プラズマエッチング処理は、半導体ウエハ上での半導体デバイスの製造に使用されることが多い。プラズマエッチング処理では、製造中の半導体デバイスを含む半導体ウエハが、プラズマ処理容積内で生成されたプラズマに曝露される。プラズマは、半導体ウエハ上の材料と相互作用して半導体ウエハから材料を除去し、かつ/または材料を修飾し、その後の半導体ウエハからの除去を可能にする。プラズマは、プラズマの成分が、除去/修飾されるべきではないウエハ上の他の材料と著しく相互作用することなく、半導体ウエハから除去/修飾される材料と相互作用する特定の反応剤ガスを使用して生成することができる。プラズマは、無線周波数信号を使用して特定の反応剤ガスにエネルギーを与えることによって生成される。これらの無線周波数信号は、反応剤ガスを含むプラズマ処理容積を通して送信され、半導体ウエハは、プラズマ処理容積に曝露された状態で保持される。
【0003】
現在の最先端の高アスペクト比コンタクト(HARC)エッチング処理は、3状態RFパルシング方式を使用する。この方式では、状態1は、典型的には、高い選択性による高アスペクト比エッチングを促進する高ピーク電力状態である。状態2は、典型的には、「0」(実質的にゼロ電力)に設定され、マスク上に中性堆積(neutral deposition)を行って選択性を改善する。状態3は、反りを軽減するために不動態化を提供するレジーム、または非オープンマージン(not-open margin)を改善する異なるレジームとなるように選択することができる。その結果、典型的には、反り制御対選択性対非オープンマージンを伴うトレードオフが存在することになる。
【0004】
本開示は、このような状況で生じるものである。
【発明の概要】
【0005】
広義には、本開示の実施形態は、高アスペクト比誘電体エッチングを目的とした4状態パルシングのための方法およびシステムを提供する。現在の高アスペクト比誘電体エッチングは3状態パルシングを利用しており、これは以前および現在の技術ノードには十分である。しかし、高アスペクト比コンデンサ構造についてのピッチが縮小するにつれて、4状態パルシングは、高アスペクト比構造におけるプロファイルの反り、選択性、および非オープンマージンを調節および制御するためのより高い柔軟性を提供する。
【0006】
いくつかの実施態様では、プラズマ処理システムにおいて基板上にエッチング処理を実施するための方法が提供され、方法は、バイアス信号をプラズマ処理システムの電極に印加し、ソース信号を電極に印加することを備え、バイアス信号およびソース信号は、繰り返されるパルス化RFサイクルを一緒に定義するパルス化RF信号であり、各パルス化RFサイクルは、第1の状態、第2の状態、第3の状態、および第4の状態を順次に含み、第1の状態は、第1のバイアス電力レベルでパルス化されたバイアス信号、および第1のソース電力レベルでパルス化されたソース信号によって定義され、第2の状態は、第2のバイアス電力レベルでパルス化されたバイアス信号、および第2のソース電力レベルでパルス化されたソース信号によって定義され、第3の状態は、第3のバイアス電力レベルでパルス化されたバイアス信号、および第3のソース電力レベルでパルス化されたソース信号によって定義され、第4の状態は、第4のバイアス電力レベルでパルス化されたバイアス信号、および第4のソース電力レベルでパルス化されたソース信号によって定義され、第1のバイアス電力レベルは、第3のバイアス電力レベルよりも大きく、第3のバイアス電力レベルは、第2のバイアス電力レベルよりも大きく、第2のバイアス電力レベルは、第4のバイアス電力レベルよりも大きく、第1のソース電力レベルは、第3のソース電力レベルよりも大きく、第3のソース電力レベルは、第2のソース電力レベルよりも大きく、第2のソース電力レベルは、第4のソースRF電力レベルよりも大きい。
【0007】
いくつかの実施態様では、第2のバイアス電力レベルは、第2のソース電力レベルよりも低い。
【0008】
いくつかの実施態様では、第2のバイアス電力レベルは、第1のバイアス電力レベルの約1~20パーセントであり、第2のソース電力レベルは、第1のソース電力レベルの約20~70パーセントである。
【0009】
いくつかの実施態様では、第3のバイアス電力レベルは、第1のバイアス電力レベルの約30~70パーセントであり、第3のソース電力レベルは、第1のソース電力レベルの約30~80パーセントである。
【0010】
いくつかの実施態様では、第4のバイアス電力レベルは、実質的にゼロの電力レベルであり、第4のソース電力レベルは、実質的にゼロの電力レベルである。
【0011】
いくつかの実施態様では、第1の状態のデューティサイクルは、パルス化RFサイクルの期間の約3~30パーセントである。
【0012】
いくつかの実施態様では、第2の状態のデューティサイクルは、パルス化RFサイクルの期間の約3~30パーセントである。
【0013】
いくつかの実施態様では、第3の状態のデューティサイクルは、パルス化RFサイクルの期間の約3~30パーセントである。
【0014】
いくつかの実施態様では、第4の状態のデューティサイクルは、パルス化RFサイクルの期間の約35~75パーセントである。
【0015】
いくつかの実施態様では、第1の状態および第3の状態は、基板の表面上のフィーチャのエッチングを行うように構成されている。
【0016】
いくつかの実施態様では、第2の状態および第4の状態は、基板の表面上のフィーチャの不動態化を行うように構成されている。
【0017】
いくつかの実施態様では、バイアス信号は、約10MHz未満の周波数を有し、ソース信号は、約20MHzを超える周波数を有する。
【0018】
いくつかの実施態様では、コントローラデバイスが提供され、コントローラデバイスは、プラズマ処理システムに、前記プラズマ処理システムにおいて基板上にエッチング処理を実施させるように構成され、この方法は、バイアス信号をプラズマ処理システムの電極に印加し、ソース信号を電極に印加する工程を含み、バイアス信号およびソース信号は、繰り返されるパルス化RFサイクルを一緒に定義するパルス化RF信号であり、各パルス化RFサイクルは、第1の状態、第2の状態、第3の状態、および第4の状態を順次に含み、第1の状態は、第1のバイアス電力レベルでパルス化されたバイアス信号、および第1のソース電力レベルでパルス化されたソース信号によって定義され、第2の状態は、第2のバイアス電力レベルでパルス化されたバイアス信号、および第2のソース電力レベルでパルス化されたソース信号によって定義され、第3の状態は、第3のバイアス電力レベルでパルス化されたバイアス信号、および第3のソース電力レベルでパルス化されたソース信号によって定義され、第4の状態は、第4のバイアス電力レベルでパルス化されたバイアス信号、および第4のソース電力レベルでパルス化されたソース信号によって定義され、第1のバイアス電力レベルは、第3のバイアス電力レベルよりも大きく、第3のバイアス電力レベルは、第2のバイアス電力レベルよりも大きく、第2のバイアス電力レベルは、第4のバイアス電力レベルよりも大きく、第1のソース電力レベルは、第3のソース電力レベルよりも大きく、第3のソース電力レベルは、第2のソース電力レベルよりも大きく、第2のソース電力レベルは、第4のソースRF電力レベルよりも大きい。
【0019】
いくつかの実施態様では、プラズマ処理システムにおいて基板上にエッチング処理を実施するための方法が提供され、方法は、バイアス信号をプラズマ処理システムの第1の電極に印加し、ソース信号をプラズマ処理システムの第2の電極に印加することを含み、バイアス信号およびソース信号は、繰り返されるパルス化RFサイクルを一緒に定義するパルス化RF信号であり、各パルス化RFサイクルは、第1の状態、第2の状態、第3の状態、および第4の状態を順次に含み、第1の状態は、第1のバイアス電力レベルでパルス化されたバイアス信号、および第1のソース電力レベルでパルス化されたソース信号によって定義され、第2の状態は、第2のバイアス電力レベルでパルス化されたバイアス信号、および第2のソース電力レベルでパルス化されたソース信号によって定義され、第3の状態は、第3のバイアス電力レベルでパルス化されたバイアス信号、および第3のソース電力レベルでパルス化されたソース信号によって定義され、第4の状態は、第4のバイアス電力レベルでパルス化されたバイアス信号、および第4のソース電力レベルでパルス化されたソース信号によって定義され、第1のバイアス電力レベルは、第3のバイアス電力レベルよりも大きく、第3のバイアス電力レベルは、第2のバイアス電力レベルよりも大きく、第2のバイアス電力レベルは、第4のバイアス電力レベルよりも大きく、第1のソース電力レベルは、第3のソース電力レベルよりも大きく、第3のソース電力レベルは、第2のソース電力レベルよりも大きく、第2のソース電力レベルは、第4のソースRF電力レベルよりも大きい。
【0020】
上記は特定の実施態様の概要を表しており、本開示を完全に理解すると、さらなる実施態様が当業者には明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1図1は、いくつかの実施形態による、半導体チップ製造で使用するためのプラズマ処理システムの垂直断面図である。
【0022】
図2図2は、本開示の実施態様による、エッチングのためのウエハの一部の断面を概念的に示す図である。
【0023】
図3図3は、本開示の実施態様による、高アスペクト比誘電体エッチングのための4状態RFパルシングレジームについての様々な電力レジームを概念的に示すグラフである。
【0024】
図4図4は、本開示の実施態様による、4状態パルス化RF波形についてのRF電力対時間のグラフを概念的に示す図である。
【0025】
図5図5は、本開示の実施態様による、4状態RFパルシング構成で可能な改善された結果を概念的に示す図である。
【0026】
図6図6は、本開示の実施態様による、図1の制御システムの例示的な概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下の説明では、本開示の実施形態の理解を提供するために、多数の具体的な詳細が記載されている。しかし、本開示がこれらの具体的な詳細の一部または全部がなくても実践することができることは、当業者には明らかであろう。他の例では、本開示を不必要に曖昧にしないように、周知のプロセス動作は詳細に説明されていない。
【0028】
現在の最先端の高アスペクト比コンタクト(HARC)エッチング処理は、3状態RFパルシングを使用する。この方式では、状態1は、典型的には、高い選択性による高アスペクト比エッチングを促進する高ピーク電力状態である。状態2は、典型的には、実質的にゼロ(「0」)に設定され、マスク上に中性堆積を行って選択性を改善する。状態3は、反りを軽減するために不動態化を提供するレジーム、またはNOPマージンを改善する異なるレジームとなるように選択することができる。その結果、典型的には、反り制御対選択性対非オープンマージンを伴うトレードオフが存在することになる。しかし、第4の状態は、高アスペクト比のエッチングプロファイルを調節するための追加のノブおよび柔軟性を提供するが、その要件はますます厳しくなっている。
【0029】
以下でさらに詳細に説明するように、特別に選択された第3の状態に加えて第4の状態を追加することにより、反り制御、選択性、および非オープンマージンの間のトレードオフを管理する柔軟性が提供される。例えば、第4の状態は、反りまたは選択性に影響を与えることなく非オープンマージンが強化されるように選択することが可能である。HARCエッチングに関する特定の問題(すなわち、反り、選択性、非オープンマージン)に対処することができる、いくつかの電力レジームが識別されている。問題ステートメントおよび所望の結果に基づいて、トレードオフの軽減および管理を可能にするパルス状態の組み合わせを選択することができる。したがって、第4の状態の使用は、3状態パルシングを使用して以前は可能でなかったHARCエッチングに関する問題に対処するために使用することができる追加のノブを提供する。
【0030】
本明細書に記載の様々な実施態様は、プラズマ処理システムで実施することが可能である。図1を参照すると、例示的なプラズマ処理システムまたは装置は、ガス(105、107、109)(例えば、反応剤ガスおよびパージガス)または他の化学物質をチャンバ101に分配するためのガスインジェクタ/シャワーヘッド/ノズル103を有するチャンバ101と、チャンバ壁111と、処理される基板またはウエハ115を保持するためのチャック113とを含むことができ、チャック113は、ウエハをチャックおよびデチャックするための静電電極を含み得る。チャック113は熱制御のために加熱され、基板115を所望の温度まで加熱することを可能にする。
【0031】
いくつかの実施態様では、チャック113は、プラズマ処理システムの下部電極を画定する(または含む)。いくつかの実施態様では、ソース無線周波数(RF)信号発生器119が、高周波ソースRF電力を下部電極に供給し、基板115の上のプラズマ処理領域125にプラズマを生成するように構成される。いくつかの実施態様では、バイアスRF信号発生器117が、本開示の実施態様に従って、低周波バイアスRF電力を下部電極に供給するように構成される。
【0032】
いくつかの実施態様では、シャワーヘッド103は、プラズマ処理システムの上部電極を画定する。いくつかの実施態様では、ソースRF電力またはバイアスRF電力は、上部電極に印加される。特定の実施態様では、ソースRF電力が上部電極に印加され、バイアスRF電力が下部電極に印加される。
【0033】
いくつかの実施態様では、チャンバ壁は、熱管理および効率をサポートするために加熱される。真空源127が真空を供給し、排気ポートを通してチャンバ101からガスを排出する。システムまたは装置は、チャンバ圧力、不活性ガス流、プラズマ源電力、プラズマ源周波数、反応性ガス流、バイアス電力、バイアス周波数、温度、真空設定、および他のプロセス条件の調整など、チャンバまたは装置の動作の一部またはすべてを制御するためのシステムコントローラ129を含み得る。
【0034】
いくつかの実施態様では、システム/装置は、基板を処理するための複数のチャンバを含んでもよい。
【0035】
いくつかの実施形態では、基板は、製作手順を受けた半導体ウエハである。しかし、様々な実施形態において、ウエハは、プラズマベースの製作プロセスに供される本質的に任意のタイプの基板であり得ることを理解されたい。例えば、いくつかの実施形態では、ウエハは、ケイ素、サファイア、GaN、GaAsもしくはSiC、または他の基板材料で形成された基板であってもよく、ガラスパネル/基板、金属箔、金属シート、ポリマー材料などを含んでもよい。また、様々な実施形態において、ウエハは、形態、形状、および/またはサイズが異なっていてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、ウエハは、集積回路デバイスが製造される円形形状の半導体ウエハに対応し得る。様々な実施形態において、円形形状のウエハは、200mm(ミリメートル)、300mm、450mm、または別のサイズの直径を有することができる。また、いくつかの実施形態では、ウエハは、他の形状の中でも特に、フラットパネルディスプレイ用の長方形基板などの非円形基板に対応し得る。
【0036】
いくつかの実施態様では、プラズマ処理システムのチャックは、ファシリティプレート上に位置決めされ、上部セラミック層の下に配置された電極を含む。電極は、電極の温度を制御し、したがってウエハの温度を制御するために温度制御流体が流れる温度制御流体チャネルの配置を含むことができる。チャックは、電極内の対応する裏面ガス供給チャネルに流体接続される裏面ガス供給ポート(図示せず)の配置を含むことができる。リフトピンは、チャックの上面を通って延び、チャックの上面に対してウエハを垂直に移動させるように構成することが可能である。
【0037】
インピーダンス整合システムが、無線周波数電力がプラズマ処理領域125に伝送され得るようにインピーダンス整合を提供するようなサイズにされて接続されたインダクタおよびコンデンサの配置を含む。いくつかの実施形態では、ソースRF信号発生器119は、高周波無線周波数信号発生器であり、バイアスRF信号発生器117は、低周波無線周波数信号発生器である。いくつかの実施形態では、ソースRF信号発生器は、約50メガヘルツ(MHz)~約70MHzの範囲内、または約54MHz~約63MHzの範囲内、または約60MHzの無線周波数信号を生成する。いくつかの実施形態では、ソースRF信号発生器は、約5キロワット(kW)~約25kWの範囲内、または約10kW~約20kWの範囲内、または約15kW~約20kWの範囲内、または約10kW、または約16kWの無線周波数電力を供給する。いくつかの実施形態では、バイアスRF信号発生器117は、約50キロヘルツ(kHz)~約500kHzの範囲内、または約330kHz~約440kHzの範囲内、または約400kHzの無線周波数信号を生成する。いくつかの実施形態では、バイアスRF信号発生器は、約15kW~約100kWの範囲内の無線周波数電力を供給する。例示的な実施形態では、ソースRF信号発生器119は、約60MHzの周波数を有する無線周波数信号を生成するように設定され、バイアスRF信号発生器117は、約400kHzの周波数を有する無線周波数信号を生成するように設定される。
【0038】
プラズマ処理システム内でのプラズマ処理動作中、1つまたは複数のプロセスガスが、プロセスガス供給システムを介してプラズマ処理領域125に供給される。また、無線周波数信号は、無線周波数信号発生器、インピーダンス整合システム、ファシリティプレート、電極を介して、そしてセラミック層を通じてプラズマ処理領域に伝送される。無線周波数信号は、プラズマ処理領域125内でプロセスガスをプラズマに変換する。プラズマのイオンおよび/または反応性成分は、ウエハW上の1つまたは複数の材料と相互作用し、ウエハW上に存在する特定の材料の組成および/または形状の変化を引き起こす。
【0039】
図2は、本開示の実施態様による、エッチングのためのウエハの一部の断面を概念的に示している。図示の実施態様では、高アスペクト比コンタクトホール/ビアがエッチングされた典型的なDRAMコンデンサスタック構造を含むウエハの表面セクションが概念的に示されている。
【0040】
示すように、スタックは、上部ケイ素、ドープされたケイ素マスクまたはカーボンマスク層250、第1の窒化ケイ素(SiN)層252、第1の(中間)酸化ケイ素(SiO)層254、第2の(薄い)SiN層256、第2の(下部)SiO層258、第3の(薄い)SiN層260、およびタングステン(W)エッチストップ層262からなる。典型的なDRAMデバイスの場合、スタックは、高さが約1~1.5ミクロン程度であり得、そのようなDRAMデバイスの製造は、高アスペクト比コンタクトビアがスタックにエッチングされるコンデンサエッチング処理を伴うコンデンサの製作を含む。コンデンサエッチングは、非常に高いアスペクト比のフィーチャの適切なエッチングを必要とする誘電体エッチング処理の一例である。限定されない例として、いくつかの実施態様では、高アスペクト比フィーチャは、約60、70、80、90、または100対1以上の高さ対幅の比を有するフィーチャである。
【0041】
ピッチサイズがより小さいサイズにスケーリングされ続け、エッチングされたフィーチャのアスペクト比が増加し続けるにつれて、エッチング処理における欠陥に対する許容度が低下することが理解されるであろう。コンデンサエッチングの場合、限定されない例として、ピッチサイズは、いくつかの実施態様では50nm未満、いくつかの実施態様では40nm未満などとすることができる。本開示の実施態様は、DRAMコンデンサ構造を形成するためのHARCエッチングを参照して説明されるが、これは、非常に高いアスペクト比の誘電体エッチングを必要とするフィーチャの場面の一例にすぎないことが理解されるであろう。本開示の原理は、任意の適用可能なデバイスの場面における任意の高アスペクト比誘電体エッチング(例えば、3D NAND、例えばメモリホールエッチング)に適用することができることが理解されるであろう。
【0042】
RFパルシング技術は、連続波モード(CW)における動作からパルシングモードレジーム(例えば、オンオフ間、レベル間)に進歩している。現在の最先端のRFパルシングレジームは、3状態パルシング方式を使用して動作する。多状態RFパルシングにおける進歩により、プロセスマージン対エッチング選択性、プロファイルの反り、臨界寸法(CD)、およびエッチング速度均一性が改善されることによって高アスペクト比エッチングに対する改善が可能になった。しかし、デバイスサイズがさらに縮小し続け、ピッチサイズがさらに低減される(例えば、50nm以下に)ため、現在の最先端の3状態RFパルシング技術の下であっても、エッチング選択性対プロセスマージンのトレードオフにおいてさらなる改善を達成することは困難である。現在の技術レジームは、十分なプロセスマージン(例えば、アンダーエッチング、非オープン、キャッピング)を維持しながら、高アスペクト比エッチングの健全性のバランスを取るのに苦労している。
【0043】
RFパルシングは、高周波RF信号(ソース電力としても知られる、例えば、いくつかの実施態様では約60MHzの周波数)および低周波RF信号(バイアス電力としても知られる、例えば、いくつかの実施態様では約400kHzの周波数)に対するパルス化電力レベルの実施態様を伴う。例えば、2状態RFパルシング方式では、「状態1」(または「S1」)は、典型的には、例えば1kWを超える高バイアス電力および高ソース電力状態であり、3keVを超えるイオンエネルギーを有し、30mTorr未満の圧力で動作して狭いイオンエネルギー分布関数(IADF)を得る。典型的には「状態0」(または「S0」)と呼ばれるパルスにおける他の状態は、例えば1kW未満の低/ゼロのバイアスおよび低/ゼロのソース電力、イオンエネルギーが100eV未満の堆積ステップを表す。状態0は主に、直接イオン堆積およびイオン活性化中性堆積などの異なる機構に起因する不動態化を提供する。そのようなRFパルシングレジームを動作させるための典型的なパルス繰り返し率は、約100Hz~2kHzである。
【0044】
3状態パルシング方式は、上記の2つの状態を含み、状態1は、典型的には、高い選択性による高アスペクト比エッチングを促進する高ピーク電力であり、状態2は、典型的には、「0」に設定され、マスク上に中性堆積を行って選択性を改善する。これらに対して、状態3は、反りを軽減するために不動態化を提供するレジーム、または非オープンマージンを改善する異なるレジームとなるように選択することができる。したがって、3状態パルシングレジームでは、典型的には、反り制御対選択性対非オープンマージンを伴うトレードオフが存在することになる。したがって、第3の状態の追加は2状態RFパルシングよりも利点をもたらすが、ある点を超えると、これらのトレードオフにより、3状態パルシング方式をさらに改善することは不可能である。
【0045】
しかし、第4の状態の特定の適用により、反り制御、選択性、および非オープンマージンの間のトレードオフを管理するための望ましい柔軟性が提供されることが発見された。例えば、第4の状態は、反りまたは選択性に影響を与えることなく非オープンマージンが強化されるように選択することが可能である。HARCエッチングに関する特定の問題(すなわち、反り、選択性、非オープンマージン)に対処することができる、いくつかの電力レジームが識別されている。より具体的には、特定の第3の状態と組み合わせた第4の状態は、3状態パルシングでは以前は可能でなかったHARCエッチングに関する問題に対処することが判明した。
【0046】
図3は、本開示の実施態様による、高アスペクト比誘電体エッチングのための4状態RFパルシングレジームについての様々な電力レジームを概念的に示すグラフである。図示のグラフでは、高周波RF信号の電力対低周波RF信号の電力が示されており、別個のパルス化RF状態についての電力レジームが4状態RFパルシング方式に対して示されている。これらの電力レジームは、様々なパルス化RF状態に対する高周波RF信号および低周波RF信号の電力レベルについての範囲を定義し、さらに、様々な状態に対する高周波RF信号および低周波RF信号の電力レベルの関係または比を定義する。
【0047】
いくつかの実施態様では、状態1(S1)は、図示のグラフに概念的に示すように、電力レジーム300で構成される。状態1は、高アスペクト比エッチングを提供するように構成された高電力状態であり、高周波ソースRF信号と低周波バイアスRF信号の両方が、他の状態と比較して高い電力レベルで動作(パルス化)される。いくつかの実施態様では、S1バイアス(低周波RF)電力レベルは、20kWを超える範囲、いくつかの実施態様では、約30~40kWの範囲となるように構成される。いくつかの実施態様では、S1ソース(高周波RF)電力レベルは、7kWを超える範囲、いくつかの実施態様では、約8~10kWの範囲、いくつかの実施態様では、約9kWとなるように構成される。いくつかの実施態様では、バイアス電力レベル対ソース電力レベル(S1の場合)の比は、約3:1~4:1の範囲内である。いくつかの実施態様では、S1デューティサイクルは、(全パルス化RFサイクルの)約3~30パーセントの範囲内、いくつかの実施態様では、約7~9パーセントの範囲内である。
【0048】
一般に、S1は、パルス化RFサイクルの他の状態と比較して、バイアスおよびソースRF信号についての最高電力レベルを定義する。S1は、現在説明されているような低いデューティサイクルで実行される場合、マスクに対して高い選択性を有する高アスペクト比エッチングを提供する。しかし、S1は良好な選択性を提供することが可能であるが、S1についてのトレードオフは、オープンマージンおよびエッチングプロファイル(例えば、SiNの反り)が悪影響を受ける可能性があることである。
【0049】
いくつかの実施態様では、状態2(S2)は、電力レジーム302で構成される。示すように、S2は他の状態と比較して低電力状態であり、ソースRF信号とバイアスRF信号の両方が、S1と比較して比較的低い電力レベルで動作する。いくつかの実施態様では、S2バイアス(低周波RF)電力レベルは、約0.5kW~5kWの範囲内、いくつかの実施態様では、約1kW~3kWの範囲内となるように構成される。いくつかの実施態様では、S2ソース(高周波RF)電力レベルは、約2kW~7kWの範囲内、いくつかの実施態様では、約3~5kWの範囲内となるように構成される。
【0050】
いくつかの実施態様では、S2バイアス電力レベルは、S1バイアス電力レベルの約1~20パーセントの範囲内、いくつかの実施態様では、約4~9パーセントの範囲内、いくつかの実施態様では、約5~7パーセントの範囲内となるように構成される。いくつかの実施態様では、S2ソース電力レベルは、S1ソース電力レベルの約20~70パーセントの範囲内、いくつかの実施態様では、約25~55パーセントの範囲内、いくつかの実施態様では、約30~40パーセントの範囲内となるように構成される。
【0051】
S1とは異なり、S2は、バイアス電力レベルがソース電力レベルよりも低くなるように構成される。いくつかの実施態様では、バイアス電力レベル対ソース電力レベル(S2の場合)の比は、約1:1~1:2の範囲内であり、いくつかの実施態様では、比は、約0.8未満である。
【0052】
いくつかの実施態様では、S2デューティサイクルは、全サイクルの約3~30パーセントの範囲内、いくつかの実施態様では、約10~20パーセントの範囲内、いくつかの実施態様では、約15パーセントである。
【0053】
限定されない例として、いくつかの実施態様では、約3kWのS2バイアス電力レベルの場合、S2ソース電力レベルは、約5kWであり、約1.5kWのS2バイアス電力レベルの場合、S2ソース電力レベルは、約2.5kWである。
【0054】
いくつかの実施態様では、状態2のパルス構成は、ネックのトリミングを行い、それによってオープンマージンを改善する。しかし、S2についてのトレードオフは、マスクに対する選択性の低下である。
【0055】
いくつかの実施態様では、状態3(S3)は、図示のグラフに概念的に示すように、電力レジーム304で動作するように構成される。状態3は、中間電力状態として構成され、高周波ソースRF信号と低周波バイアスRF信号の両方が、ほぼ状態1と状態2との間の中間電力レベルで動作する。いくつかの実施態様では、S3バイアス(低周波RF)電力レベルは、約10~24kWの範囲内、いくつかの実施態様では、約14~20kWの範囲内、いくつかの実施態様では、約16~18kWの範囲内となるように構成される。いくつかの実施態様では、S3ソース(高周波RF)電力レベルは、約3~7kWの範囲内、いくつかの実施態様では、約4~6kWの範囲内、いくつかの実施態様では、約5kWとなるように構成される。
【0056】
一般に、S3バイアスおよびソース電力レベルは、S1とS2との間のレベルにある。いくつかの実施態様では、S3バイアス電力レベルは、S1バイアス電力レベルの約30~70パーセントの範囲内、いくつかの実施態様では、約40~60パーセントの範囲内、いくつかの実施態様では、約50パーセントである。いくつかの実施態様では、S3ソース電力レベルは、S1ソース電力レベルの約30~80パーセントの範囲内、いくつかの実施態様では、約40~70パーセントの範囲内、いくつかの実施態様では、約50~60パーセントの範囲内である。
【0057】
いくつかの実施態様では、バイアス電力レベル対ソース電力レベル(S3の場合)の比は、約1.3:1~3:1の範囲内である。したがって、限定されない例として、12kWのバイアス電力レベルの場合、ソース電力レベルは、いくつかの実施態様では約7kWであり得る。または14kWのバイアス電力レベルの場合、バイアス電力レベルは、いくつかの実施態様では約9kWであり得る。比の範囲内にある他の電力レベルがS3に対して可能であるため、これらは限定ではなく例として提供される。いくつかの実施態様では、S3についてのバイアス電力レベル対ソース電力レベルの比はS1の比と同様であるが、S3は、S1と比較してより低い電力レベルで構成されている。
【0058】
いくつかの実施態様では、S3デューティサイクルは、全RFパルシングサイクルの約3~30パーセントの範囲内、いくつかの実施態様では、約15~25パーセントの範囲内、いくつかの実施態様では、約20パーセントである。
【0059】
いくつかの実施態様では、S3は、中間電力エッチング状態として構成され、相対的な意味で、非常に良好な選択性ならびに適度に良好な酸化物および窒化物のプロファイルを提供するように構成されるが、S3のトレードオフは、ネッキングの問題によるオープンマージンである。S1と比較して、S3は、同様の選択性を提供するが、SiNの反りの低減および酸化物の反りの低減に関して改善されたエッチングプロファイルを提供するように構成することができる。
【0060】
いくつかの実施態様では、状態4(S4)は、実質的にゼロの電力状態または非常に低い電力状態として動作し、高周波RF信号および低周波RF信号の各々は、実質的にゼロの電力レベル、またはほぼゼロ、あるいはS2よりも実質的に低い電力レベルに設定される。いくつかの実施態様では、S4バイアス電力は、約0~1kWの範囲内であるが、いくつかの実施態様では、S4ソース電力は、約0~1kWの範囲内である。いくつかの実施態様では、状態4は状態0(S0)と呼ばれ、上記のように、マスク上に中性堆積を行い、それによって選択性を改善する。いくつかの実施態様では、S4デューティサイクルは、全パルス化RFサイクルの約35~75パーセントの範囲内、いくつかの実施態様では、約45~65パーセントの範囲内、いくつかの実施態様では、約50~60パーセントの範囲内にある。
【0061】
いくつかの実施態様では、S4は、中性堆積を行うように構成される。
【0062】
4状態RFパルシング方式の状態S1、S2、S3、およびS4を説明してきたが、次に、例示の目的で代表的なパルス化波形について説明する。
【0063】
図4は、本開示の実施態様による、4状態パルス化RF波形についてのRF電力対時間のグラフを概念的に示している。4状態パルス化RF波形の一例を示す目的で、2つの完全なサイクルが示されている。
【0064】
図示の実施態様に示すように、S1は、高ピーク電力状態であり、低周波数(バイアス)RF信号および高周波数(ソース)RF信号がパルス化RFサイクルの最高電力レベルを有する(最高電力レベルでパルス化される)ように構成される。図示の実施態様では、バイアスRF信号対ソースRF信号の電力レベルの比は、約2:1である。しかし、上記のように、この比は変化する可能性があり、異なる実施態様にある。S1のデューティサイクルは短く、例えば総RFパルシングサイクル期間の約3~10パーセントである。
【0065】
S2は、RFパルシングサイクルにおいてS1に続き、低電力状態であり、バイアス信号およびソース信号は、比較的低い電力レベルを有する(比較的低い電力レベルでパルス化される)。いくつかの実施態様では、S3中のバイアス信号および/またはソース信号の電力レベルは、S4を除いてサイクルの中で最も低い。いくつかの実施態様では、バイアス電力対ソース電力の比は、1未満である。異なる実施態様において、上で示したように、S2に対して様々な電力比が可能である。S2のデューティサイクルは、図示の実施態様に示すようにS1のデューティサイクルと同様とすることができるが、前述したようにS1のデューティサイクルよりも大きくすることも可能である。
【0066】
S3は、パルシングサイクルにおいてS2に続き、中間電力状態として構成される。すなわち、バイアス信号およびソース信号の電力レベルは、S1の電力レベルよりも小さいが、S2の電力レベルよりも大きい。図示の実施態様では、S3についてのバイアス信号対ソース信号の電力レベルの比は、約3:2である。S3についてのバイアス信号対ソース信号の電力レベルの比は、いくつかの実施態様ではS1の電力レベルと同様であり得る。一方、他の実施態様では、前述したように、S3に対して他の比が可能である。一般に、S3のデューティサイクルは、いくつかの実施態様ではS1よりも大きい。
【0067】
S4は、パルシングサイクルにおいてS3に続き、ゼロ電力状態として構成され、バイアス信号およびソース信号の電力レベルは、ゼロまたは実質的にゼロである。すなわち、S4中、RF電力は、バイアス信号およびソース信号に対してRF信号発生器によって積極的に印加されることはない。S4は、様々な状態の中で最も長いデューティサイクルを有する。いくつかの実施態様では、S4のデューティサイクルは、パルス化RFサイクルの総期間の半分よりも大きいか、または他の状態の合計デューティサイクルよりも大きい。
【0068】
図示の実施態様では、状態は、S1→S2→S3→S4の順序で繰り返し循環される。しかし、いくつかの実施態様では、状態は、S1→S2→S4→S3、またはS1→S4→S2→S3などの他の順序で繰り返し循環される。
【0069】
本開示に記載の4状態RFパルシング方式の実施態様は、現在の最先端のHARCエッチングで使用される3状態RFパルシングよりも改善された結果を提供する。3状態パルス化RF波形の場合、状態S1およびS0が存在するが、第3の状態は、S2またはS3と同様のレジームのいずれかから選択されることになり、それに伴うトレードオフは軽減されないままである。そしてさらに、S2とS3との間の電力レベルを選択しても、ここで開示される4状態RFパルシング方式の改善された結果は得られない。
【0070】
図5は、本開示の実施態様による、4状態RFパルシング構成で可能な改善された結果を概念的に示している。
【0071】
図示のグラフでは、様々なRFパルシングレジームについて、マスク厚さ(例えば、Rポリシリコン(nm))対底部から上部の臨界寸法比(B/T比)が示されている。マスク厚さは、エッチング処理の選択性を示し、B/T比は、エッチングされたプロファイル(例えば、テーパリングの量またはアスペクト比依存エッチング(ARDE))を示す。B/T比は、一般に、テーパリングおよびARDEにより1未満であり、改善によりB/T比が1に近づく。典型的には、B/T比についてのトレードオフは、マスク厚さである。すなわち、底部CDが上部CDに接近するように底部を開くために、エッチング処理は、典型的にはマスク厚さを犠牲にしなければならない。しかし、本開示の実施態様に従って4状態RFパルシングを利用することによって、B/T比およびマスク厚さの改善を同時に達成することが可能である。
【0072】
示すように、レベル間のRFパルシングは、残っているマスク厚さの量を最小にし、かつB/T比を最小にする。マスク厚さを増加させ、かつB/T比を増加させる3状態RFパルシングにより結果が改善される。しかし、これは選択性およびエッチングプロファイルに対する改善を表すが、ある点を超えると、他方とのトレードオフなしに選択性またはエッチングプロファイルのいずれかのさらなる改善を達成することは不可能である。
【0073】
しかし、図示のグラフに示すように、本開示の実施態様による4状態RFパルシングは、選択性とエッチングプロファイルの両方の改善を可能にし、それによって3状態RFパルシングの現在のトレードオフ制限を打ち破り、HARCエッチング処理の能力を拡張する。いくつかの実施態様では、これは、4状態RFパルシングサイクルの状態S1およびS3がマスク厚さを回復するように構成され、S2およびS4がエッチングされたフィーチャにおける反りを不動態化するように構成されることによって達成される。選択性およびエッチングプロファイルを同時に改善するここで説明された4状態RFパルシング方式の能力により、より低いピッチサイズでより高いアスペクト比のエッチングが可能となり、以前よりも高いデバイス歩留まりを得ることができる。
【0074】
本開示で説明される方法のいずれも、制御システム120によって自動的に実行されるように実装することができることが理解されるであろう。いくつかの実施態様では、制御システムに関連付けられたユーザインターフェースは、ユーザが上述の実施態様に従ってエッチング処理の様々な側面を制御することができるように構成される。限定されない例として、これらは、電力レベルおよびRFパルシングサイクルの異なる状態のデューティサイクルを設定するためのインターフェース制御を含むことができる。いくつかの実施態様では、特定の設定がユーザ定義である場合、他の設定は、ユーザ定義の設定に基づいてシステムによって自動的に決定することができ、そのような自動的に決定された設定は、ユーザによってさらにカスタマイズされてもされなくてもよい。例えば、いくつかの実施態様では、S1についての電力レベルおよびデューティサイクルがユーザ定義である場合、S2およびS3についての電力レベルおよびデューティサイクルは、S1に基づいて自動的に決定される。いくつかの実施態様では、S2およびS3の電力レベルおよびデューティサイクルは、S1の電力レベルおよびデューティサイクルの機能として決定される。いくつかの実施態様では、そのような機能は、ユーザインターフェースを通じてユーザ定義またはカスタマイズすることが可能である。いくつかの実施態様では、ユーザインターフェースは、使いやすさのために抽象化することができる事前定義された範囲内のカスタマイズを提供する。例えば、S3の電力レベルは、ユーザインターフェースによって提供される任意のスケール(例えば、1~10)に沿って調整され、これによりS1電力レベルの30~70パーセントの範囲でS3電力レベルが調整される。
【0075】
図6は、いくつかの実施形態による、図1の制御システム120の例示的な概略図を示す。いくつかの実施形態では、制御システム120は、プラズマ処理システム100内で実施される半導体製作プロセスを制御するためのプロセスコントローラとして構成される。様々な実施形態において、制御システム120は、プロセッサ1401、ストレージハードウェアユニット(HU)1403(例えば、メモリ)、入力HU1405、出力HU1407、入出力(I/O)インターフェース1409、I/Oインターフェース1411、ネットワークインターフェースコントローラ(NIC)1413、およびデータ通信バス1415を含む。プロセッサ1401、ストレージHU1403、入力HU1405、出力HU1407、I/Oインターフェース1409、I/Oインターフェース1411、およびNIC1413は、データ通信バス1415を介して互いにデータ通信する。入力HU1405は、多数の外部デバイスからデータ通信を受信するように構成される。入力HU1405の例には、データ取得システム、データ取得カードなどが挙げられる。出力HU1407は、データを多数の外部デバイスに送信するように構成される。出力HU1407の一例は、デバイスコントローラである。NIC1413の例には、ネットワークインターフェースカード、ネットワークアダプタなどが挙げられる。I/Oインターフェース1409および1411の各々は、I/Oインターフェースに結合された異なるハードウェアユニット間の互換性を提供するように定義される。例えば、I/Oインターフェース1409は、入力HU1405から受信した信号を、データ通信バス1415と互換性のある形式、振幅、および/または速度に変換するように定義することができる。また、I/Oインターフェース1407は、データ通信バス1415から受信した信号を、出力HU1407と互換性のある形式、振幅、および/または速度に変換するように定義することができる。様々な動作が制御システム120のプロセッサ1401によって実施されるものとして本明細書に記載されているが、いくつかの実施形態では、様々な動作が、制御システム120の複数のプロセッサによって、および/または制御システム120とデータ通信する複数のコンピューティングシステムの複数のプロセッサによって実施され得ることを理解されたい。
【0076】
いくつかの実施形態では、制御システム120は、感知された値に部分的に基づいて様々なウエハ製作システム内のデバイスを制御するために用いられる。例えば、制御システム120は、感知された値および他の制御パラメータに基づいて、弁1417、フィルタヒータ1419、ウエハ支持構造ヒータ1421、ポンプ1423、および他のデバイス1425の1つまたは複数を制御することができる。弁1417は、裏面ガス供給システム129、プロセスガス供給システム191、および温度制御流体循環システム125の制御に関連付けられた弁を含むことができる。制御システム120は、例えば、圧力計1427、流量計1429、温度センサ1431、および/または他のセンサ1433、例えば電圧センサ、電流センサなどから感知された値を受信する。制御システム120はまた、ウエハWに対するプラズマ処理動作の実施中にプラズマ処理システム100内のプロセス条件を制御するために用いられ得る。例えば、制御システム120は、プロセスガス供給システム191からプラズマ処理領域182に供給されるプロセスガスのタイプおよび量を制御することができる。また、制御システム120は、無線周波数信号発生器、インピーダンス整合システム143の動作を制御することが可能である。また、制御システム120は、クランプ電極用のDC電源117の動作を制御することが可能である。制御システム120はまた、リフトピン用の昇降デバイスの動作およびチャンバドアの動作を制御することもできる。制御システム120はまた、裏面ガス供給システムおよび温度制御流体循環システムの動作も制御する。制御システム120は、プラズマ処理システム100内の任意の機能をプログラム制御および/または手動制御するために備えられることを理解されたい。
【0077】
いくつかの実施形態では、制御システム120は、プロセスタイミング、プロセスガス送給システム温度、および圧力差、弁位置、プロセスガスの混合、プロセスガス流量、裏面冷却ガス流量、チャンバ圧力、チャンバ温度、ウエハ支持構造温度(ウエハ温度)、RF電力レベル、RF周波数、RFパルシング、インピーダンス整合システム設定、カンチレバーアームアセンブリ位置、バイアス電力、および特定のプロセスの他のパラメータを制御するための一連の命令を含むコンピュータプログラムを実行するように構成される。制御システム120に関連付けられたメモリデバイスに記憶された他のコンピュータプログラムが、いくつかの実施形態では用いられてもよい。いくつかの実施形態では、制御システム120に関連付けられたユーザインターフェースが存在する。ユーザインターフェースは、ディスプレイ1435(例えば、装置および/またはプロセス条件のディスプレイスクリーンおよび/またはグラフィカルソフトウェアディスプレイ)、およびポインティングデバイス、キーボード、タッチスクリーン、マイクロフォンなどのユーザ入力デバイス1437を含む。
【0078】
制御システム120の動作を指示するためのソフトウェアは、多くの異なる方法で設計または構成することができる。プロセスシーケンスにおいて様々なウエハ製作プロセスを実行するように制御システム120の動作を指示するためのコンピュータプログラムは、任意の従来のコンピュータ可読プログラミング言語(例えば、アセンブリ言語、C、C++、パスカル、フォートランなど)で書かれ得る。コンパイルされたオブジェクトコードまたはスクリプトは、プログラムに識別されたタスクを実施するためにプロセッサ1401によって実行される。制御システム120は、例えば、フィルタ圧力差、プロセスガス組成および流量、裏面冷却ガス組成および流量、温度、圧力、プラズマ条件、例えばRF電力レベルおよびRF周波数、バイアス電圧、冷却ガス/流体圧力、ならびにチャンバ壁温度などのプロセス条件に関連する様々なプロセス制御パラメータを制御するようにプログラムすることができる。ウエハ製作プロセス中に監視することができるセンサの例には、限定はしないが、質量流量制御モジュール、圧力センサ、例えば圧力計1427および温度センサ1431が挙げられる。適切にプログラムされたフィードバックおよび制御アルゴリズムをこれらのセンサからのデータと共に使用して1つまたは複数のプロセス制御パラメータを制御/調整し、所望のプロセス条件を維持することができる。
【0079】
いくつかの実施態様では、制御システム120は、より広範な製作制御システムの一部である。そのような製作制御システムは、処理ツール、チャンバ、および/もしくはウエハ処理用のプラットフォーム、ならびに/またはウエハ台座、ガス流システムなどの特定の処理構成要素を含む半導体処理機器を含むことができる。これらの製作制御システムは、ウエハの処理前、処理中、および処理後のシステム動作を制御するための電子機器と一体化されてもよい。制御システム120は、製作制御システムの様々な構成要素または副部品を制御してもよい。制御システム120は、ウエハ処理要件に応じて、本明細書に開示されるプロセスのいずれかを制御するようにプログラムされてもよい。そのようなプロセスとしては、処理ガスの送給、裏面冷却ガスの送給、温度設定(例えば、加熱および/または冷却)、圧力設定、真空設定、電力設定、無線周波数(RF)発生器設定、RF整合回路設定、周波数設定、流量設定、流体送給設定、位置および動作設定、特定のシステムに接続または連動するツールおよび他の移送ツールに対するウエハの搬入と搬出、および/またはロードロックに対するウエハの搬入と搬出が含まれる。
【0080】
広義には、制御システム120は、命令を受信し、命令を発行し、動作を制御し、ウエハ処理動作を可能にし、エンドポイント測定を可能にするなどの様々な集積回路、論理、メモリ、および/またはソフトウェアを有する電子機器として定義されてもよい。集積回路は、プログラム命令を記憶するファームウェアの形式のチップ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)として定義されたチップ、および/または1つまたは複数のマイクロプロセッサ、すなわちプログラム命令(例えば、ソフトウェア)を実行するマイクロコントローラを含んでもよい。プログラム命令は、様々な個々の設定(またはプログラムファイル)の形式で制御システム120に通信される命令であって、特定のプロセスをシステム100内のウエハW上で実行するための動作パラメータを定義してもよい。動作パラメータは、いくつかの実施形態では、1つまたは複数の層、材料、金属、酸化物、ケイ素、二酸化ケイ素、表面、回路、および/またはウエハダイの製作における1つまたは複数の処理ステップを実現するためプロセスエンジニアによって定義されるレシピの一部であってもよい。
【0081】
制御システム120は、いくつかの実施態様では、プラズマ処理システム100と統合または結合されるか、他の方法でシステム100にネットワーク接続されるコンピュータの一部であってもよく、またはそのようなコンピュータに結合されてもよく、またはそれらの組み合わせであってもよい。例えば、制御システム120は、「クラウド」内にあってもよいし、ファブホストコンピュータシステムのすべてもしくは一部であってもよい。これにより、ウエハ処理のリモートアクセスが可能となる。コンピュータは、システム100へのリモートアクセスを可能にして、製作動作の現在の進捗状況を監視し、過去の製作動作の履歴を検討し、複数の製作動作から傾向または性能基準を検討し、現在の処理のパラメータを変更し、現在の処理に続く処理ステップを設定するか、または新しいプロセスを開始してもよい。いくつかの例では、リモートコンピュータ(例えば、サーバ)は、ネットワークを通じてプロセスレシピをシステム100に提供することができる。そのようなネットワークは、ローカルネットワークまたはインターネットを含んでいてもよい。
【0082】
リモートコンピュータは、パラメータおよび/または設定のエントリまたはプログラミングを可能にするユーザインターフェースを含んでもよく、そのようなパラメータおよび/または設定は、その後リモートコンピュータからシステム100に通信される。いくつかの例では、制御システム120は命令をデータの形式で受信する。そのようなデータは、1つまたは複数の動作中に実施される各処理ステップのためのパラメータを特定するものである。パラメータは、プラズマ処理システム100内で実施されるプロセスのタイプに特有のものであってもよいことを理解されたい。したがって、上述したように、制御システム120は、例えば、互いにネットワーク接続され共通の目的(本明細書で説明されるプロセスおよび制御など)に向けて協働する1つまたは複数の個別のコントローラを備えることによって分散されてもよい。このような目的のための分散型コントローラの例として、プラズマ処理システム100上の1つまたは複数の集積回路であって、(例えば、プラットフォームレベルで、またはリモートコンピュータの一部として)遠隔配置されておりプラズマ処理システム100上で実施されるプロセスを制御するよう組み合わせられる1つまたは複数の集積回路と通信するものが挙げられるであろう。
【0083】
制御システム120が連動することができる例示的なシステムは、プラズマエッチングチャンバまたはモジュール、堆積チャンバまたはモジュール、スピンリンスチャンバまたはモジュール、金属めっきチャンバまたはモジュール、洗浄チャンバまたはモジュール、ベベルエッジエッチングチャンバまたはモジュール、物理気相堆積(PVD)チャンバまたはモジュール、化学気相堆積(CVD)チャンバまたはモジュール、原子層堆積(ALD)チャンバまたはモジュール、原子層エッチング(ALE)チャンバまたはモジュール、イオン注入チャンバまたはモジュール、追跡チャンバまたはモジュール、ならびに半導体ウエハの製作および/または製造に関連するか使用されてもよい任意の他の半導体処理システムを含むことができるが、これらに限定されない。上記のように、ツールによって実施される1つまたは複数のプロセスステップに応じて、制御システム120は、1つまたは複数の他のツール回路もしくはモジュール、他のツール構成要素、クラスタツール、他のツールインターフェース、隣接するツール、近接するツール、工場全体に位置するツール、メインコンピュータ、別のコントローラ、または半導体製造工場内のツール場所および/もしくはロードポートに対してウエハの容器を搬入および搬出する材料搬送に使用されるツールと通信してもよい。
【0084】
本明細書に記載の実施形態はまた、ハンドヘルドハードウェアユニット、マイクロプロセッサシステム、マイクロプロセッサベースまたはプログラム可能な家庭用電化製品、ミニコンピュータ、メインフレームコンピュータなどを含む様々なコンピュータシステム構成と併せて実装することができる。本明細書に記載の実施形態はまた、ネットワークを介してリンクされたリモート処理ハードウェアユニットによってタスクが実施される分散コンピューティング環境と併せて実装することができる。本明細書に記載の実施形態、特に制御システム120に関連する実施形態は、コンピュータシステムに記憶されたデータを伴う様々なコンピュータ実装動作を用いることができることを理解されたい。これらの動作は、物理量の物理的操作を必要とする動作である。実施形態の一部を形成する本明細書に記載の動作のいずれも、有用な機械動作である。実施形態はまた、これらの動作を実施するためのハードウェアユニットまたは装置に関する。装置は、専用コンピュータ用に特別に構築されてもよい。専用コンピュータとして定義される場合、コンピュータはまた、その専用の目的のために動作可能でありつつ、専用の目的の一部ではない他の処理、プログラム実行、またはルーチンを実施することができる。いくつかの実施形態では、動作は、コンピュータメモリ、キャッシュに記憶されるかネットワークを介して取得される1つまたは複数のコンピュータプログラムによって、選択的にアクティブ化または構成される汎用コンピュータによって処理され得る。データがネットワークを介して取得される場合、そのデータは、ネットワーク上の他のコンピュータ(例えば、計算資源のクラウド)によって処理されてもよい。
【0085】
本明細書に記載の様々な実施形態は、非一時的コンピュータ可読媒体上のコンピュータ可読コードとしてインスタンス化されたプロセス制御命令を通じて実装することができる。非一時的コンピュータ可読媒体は、データを記憶することができる任意のデータストレージハードウェアユニットであり、データはその後コンピュータシステムによって読み取られる。非一時的コンピュータ可読媒体の例は、ハードドライブ、ネットワーク接続ストレージ(NAS)、ROM、RAM、コンパクトディスクROM(CD-ROM)、CDレコーダブル(CD-R)、CDリライタブル(CD-RW)、磁気テープ、ならびに他の光学および非光学データストレージハードウェアユニットを含む。非一時的コンピュータ可読媒体は、コンピュータ可読コードが分散方式で記憶および実行されるように、ネットワーク結合コンピュータシステム上に分散されたコンピュータ可読有形媒体を含むことができる。
【0086】
前述の開示は、明確な理解のためにいくつかの詳細を含むが、一定の変更および修正が添付の特許請求の範囲の範囲内で実践されてもよいことは明らかであろう。例えば、本明細書に開示される任意の実施形態の1つまたは複数の特徴は、本明細書に開示される任意の他の実施形態の1つまたは複数の特徴と組み合わせることができることを理解されたい。したがって、本実施形態は、限定ではなく例示と見なされるべきであり、特許請求の範囲は本明細書に述べられる詳細に限定されるべきではなく、記載された実施形態の範囲および均等物内で修正されてもよい。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【国際調査報告】