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特表2024-526241ブルトン型チロシンキナーゼの阻害剤及びその使用方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-17
(54)【発明の名称】ブルトン型チロシンキナーゼの阻害剤及びその使用方法
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/519 20060101AFI20240709BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20240709BHJP
   A61K 31/496 20060101ALI20240709BHJP
   A61K 31/675 20060101ALI20240709BHJP
   A61K 31/706 20060101ALI20240709BHJP
   A61K 31/475 20060101ALI20240709BHJP
   A61K 31/573 20060101ALI20240709BHJP
   A61K 39/395 20060101ALI20240709BHJP
【FI】
A61K31/519
A61P35/00
A61K31/496
A61K31/675
A61K31/706
A61K31/475
A61K31/573
A61K39/395 N
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023580477
(86)(22)【出願日】2022-06-29
(85)【翻訳文提出日】2023-12-27
(86)【国際出願番号】 EP2022067957
(87)【国際公開番号】W WO2023275173
(87)【国際公開日】2023-01-05
(31)【優先権主張番号】63/216,796
(32)【優先日】2021-06-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】397060175
【氏名又は名称】ヤンセン ファーマシューティカ エヌ.ベー.
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100095360
【弁理士】
【氏名又は名称】片山 英二
(74)【代理人】
【識別番号】100093676
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 純子
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 規雄
(74)【代理人】
【識別番号】100194423
【弁理士】
【氏名又は名称】植竹 友紀子
(72)【発明者】
【氏名】ブッソラーリ,ジャクリーヌ シリーロ
(72)【発明者】
【氏名】フィリッパー,ウルリケ
(72)【発明者】
【氏名】スティール,アンドリュー
(72)【発明者】
【氏名】ティチェナー,マーク エス.
【テーマコード(参考)】
4C085
4C086
【Fターム(参考)】
4C085AA14
4C085BB11
4C085EE03
4C086AA01
4C086AA02
4C086CB05
4C086CB21
4C086CB27
4C086DA10
4C086DA35
4C086EA02
4C086GA16
4C086MA01
4C086MA02
4C086MA04
4C086MA52
4C086NA05
4C086NA14
4C086ZB26
(57)【要約】
本開示は、DLBCLの治療における、式(III)の化合物の使用を対象とする。
【化1】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象におけるDLBCLを治療する方法であって、(a)患者に由来するサンプルにおけるCCL3、CCL4、ACTG2、LOR、GAPT、CCND2、SELL、GENl、HDAC9、又はそれらの任意の組み合わせの発現レベルを判定することと、(b)CCL3、CCL4、ACTG2、LOR、GAPT、CCND2、SELL、GENl、HDAC9、又はそれらの任意の組み合わせの前記発現が、対照又は参照レベルに対して増加している場合に、治療有効量の式(III)の化合物:
【化1】
を投与することと、を含む、方法。
【請求項2】
前記DLBCLが、ABC-DLBCLである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記対照又は参照レベルが、正常な患者におけるCCL3、CCL4、ACTG2、LOR、GAPT、CCND2、SELL、GENl、HDAC9、又はそれらの任意の組み合わせの発現のレベルである、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
対象におけるGCB-DLBCLを治療する方法であって、(a)患者に由来するサンプルにおけるCD10、BCL6、及びMUM1の発現レベルを判定することと、(b)CD10及びBCL6の前記発現が、対照又は参照レベルに対して増加しており、MUM1の発現が、対照又は参照レベルに対して増加していない場合に、治療有効量の式(III)の化合物:
【化2】
を投与することと、を含む、方法。
【請求項5】
前記参照レベルが、正常な患者におけるCD10、BCL6、及びMUM1の発現のレベルである、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
対象におけるDLBCLを治療する方法であって、(a)対象における1つ又は2つ以上のバイオマーカー遺伝子における修飾の存在又は非存在を判定することであって、前記バイオマーカー遺伝子が、MYD88、CD79B、PIM1、CDKN2A、HLA-B、OSBPL10、ETV6、SPIB、TOX、BTG1、BTG2、HLA-A、SETD1B、HLA-C、MPEG1、FOXC1、TBL1XR1、KLHL14、GRHPR、CD58、PRDM1、VMP1、PIM2、WEE1、BCL11A、CHST2、ARID5B、HASPIN、IL16、PPP1R9B、又はHNF1Bから選択される、判定することと、(b)前記1つ又は2つ以上のバイオマーカー遺伝子における修飾が存在する場合に、前記対象に、治療有効量の式(III)の化合物を投与することと、を含む、方法。
【請求項7】
式(III)の化合物での治療のために、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)を有する対象を選択するための方法であって、(a)対象における1つ又は2つ以上のバイオマーカー遺伝子における修飾の存在又は非存在を判定することであって、前記バイオマーカー遺伝子が、MYD88、CD79B、PIM1、CDKN2A、HLA-B、OSBPL10、ETV6、SPIB、TOX、BTG1、BTG2、HLA-A、SETD1B、HLA-C、MPEG1、FOXC1、TBL1XR1、KLHL14、GRHPR、CD58、PRDM1、VMP1、PIM2、WEE1、BCL11A、CHST2、ARID5B、HASPIN、IL16、PPP1R9B、又はHNF1Bから選択される、判定することと、(b)前記1つ又は2つ以上のバイオマーカー遺伝子における修飾が存在する場合に、前記対象を選択し、前記対象に、治療有効量の前記式(III)の化合物を投与することと、を含む、方法。
【請求項8】
DLBCLの治療のために、式(III)の化合物を受けている対象が、療法に対する耐性を生じているか、又はそれを発症する可能性があるかどうかを監視する方法であって、対象における1つ又は2つ以上のバイオマーカー遺伝子における修飾の存在又は非存在を判定することであって、前記バイオマーカー遺伝子が、MYD88、CD79B、PIM1、CDKN2A、HLA-B、OSBPL10、ETV6、SPIB、TOX、BTG1、BTG2、HLA-A、SETD1B、HLA-C、MPEG1、FOXC1、TBL1XR1、KLHL14、GRHPR、CD58、PRDM1、VMP1、PIM2、WEE1、BCL11A、CHST2、ARID5B、HASPIN、IL16、PPP1R9B、又はHNF1Bから選択され、前記1つ又は2つ以上のバイオマーカー遺伝子における改変が存在する場合に、前記対象が、前記療法に対する耐性を生じる可能性がある、判定することを含む、方法。
【請求項9】
びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)の治療のために、式(III)の化合物を受けている対象の療法を最適化する方法であって、(a)対象における1つ又は2つ以上のバイオマーカー遺伝子における改変の存在又は非存在を判定することであって、前記バイオマーカー遺伝子が、CARD11、CD79A、CD79B、BCL10、KLHL6、BTK、SYK、NFKBIA、TNFAIP3、CDKN2A、CDKN2B、SMARCA4、TNFRSF14、HIST1H1D、ARID1A、EPHA3、ASTML、MYD88、MLL2、FOXO1、PCLO、TP53、ICK、MAP3K13、HIST1H1E、SOCS1、MTOR、TBL1XR1、BTG1、NOTCH2、SPEN、PLCG、NFKBIZ、NFKBID、ATM、BCL2、CXCR4、EZH2、KMT2D、NOTCH1、PLCG2、ZC3H12D、ZC3H12A、RC3H1、CYLD、N4BP1、RELB、及びRBCK1から選択される、判定することと、(b)前記1つ又は2つ以上のバイオマーカー遺伝子における改変の存在又は非存在に基づいて、前記治療を修正することと、を含む、方法。
【請求項10】
前記式(III)の化合物の前記治療有効量が、約140mg~約560mgである、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記式(III)の化合物の前記治療有効量が、約140mgである、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記式(III)の化合物の前記治療有効量が、約280mgである、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記式(III)の化合物の前記治療有効量が、約560mgである、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記治療有効量の前記式(III)の化合物が、1日1回投与される、請求項1~13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記治療有効量の前記式(III)の化合物が、1日2回投与される、請求項1~13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記治療有効量の前記式(III)の化合物が、1日3回投与される、請求項1~13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記式(III)の化合物が、経口投与される、請求項1~16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
4-(4-{[2-(4-クロロフェニル)-4,4-ジメチルシクロヘキサ-1-エン-1-イル]メチル}ピペラジン-1-イル)-N-({3-ニトロ-4-[(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルメチル)アミノ]フェニル}スルホニル)-2-(1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン5-イルオキシ)ベンズアミド)を投与することを更に含む、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチン、プレドニゾン、及びリツキシマブを投与することを更に含む、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
対象におけるDLBCLを治療する方法において使用するための式(III)の化合物であって、
【化3】
前記方法が、(a)前記対象からのサンプルにおけるCCL3、CCL4、ACTG2、LOR、GAPT、CCND2、SELL、GENl、HDAC9、又はそれらの任意の組み合わせの発現レベルを判定することと、(b)CCL3、CCL4、ACTG2、LOR、GAPT、CCND2、SELL、GENl、HDAC9、又はそれらの任意の組み合わせの前記発現が、対照又は参照レベルに対して増加している場合に、治療有効量の前記式(III)の化合物を投与することと、を含む、使用のための化合物。
【請求項21】
前記DLBCLが、ABC-DLBCLである、請求項20に記載の使用のための化合物。
【請求項22】
前記対照又は参照レベルが、正常な対象におけるCCL3、CCL4、ACTG2、LOR、GAPT、CCND2、SELL、GENl、HDAC9、又はそれらの任意の組み合わせの発現のレベルである、請求項20に記載の使用のための化合物。
【請求項23】
対象におけるGCB-DLBCLを治療する方法において使用するための式(III)の化合物であって、
【化4】
前記方法が、(a)前記対象からのサンプルにおけるCD10、BCL6、及びMUM1の発現レベルを判定することと、(b)CD10及びBCL6の前記発現が、対照又は参照レベルに対して増加しており、MUM1の発現が、対照又は参照レベルに対して増加していない場合に、治療有効量の前記式(III)の化合物を投与することと、を含む、使用のための化合物。
【請求項24】
前記参照レベルが、正常な対象におけるCD10、BCL6、及びMUM1の発現のレベルである、請求項23に記載の使用のための化合物。
【請求項25】
対象におけるDLBCLを治療する方法において使用するための式(III)の化合物であって、
【化5】
前記方法が、(a)対象における1つ又は2つ以上のバイオマーカー遺伝子における改変の存在又は非存在を判定することであって、前記バイオマーカー遺伝子が、MYD88、CD79B、PIM1、CDKN2A、HLA-B、OSBPL10、ETV6、SPIB、TOX、BTG1、BTG2、HLA-A、SETD1B、HLA-C、MPEG1、FOXC1、TBL1XR1、KLHL14、GRHPR、CD58、PRDM1、VMP1、PIM2、WEE1、BCL11A、CHST2、ARID5B、HASPIN、IL16、PPP1R9B、又はHNF1Bから選択される、判定することと、(b)前記1つ又は2つ以上のバイオマーカー遺伝子における改変が存在する場合に、前記対象に、治療有効量の前記式(III)の化合物を投与することと、を含む、使用のための化合物。
【請求項26】
式(III)の化合物での治療のために、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)を有する対象を選択するための方法において使用するための式(III)の化合物であって、
【化6】
前記方法が、(a)対象における1つ又は2つ以上のバイオマーカー遺伝子における改変の存在又は非存在を判定することであって、前記バイオマーカー遺伝子が、MYD88、CD79B、PIM1、CDKN2A、HLA-B、OSBPL10、ETV6、SPIB、TOX、BTG1、BTG2、HLA-A、SETD1B、HLA-C、MPEG1、FOXC1、TBL1XR1、KLHL14、GRHPR、CD58、PRDM1、VMP1、PIM2、WEE1、BCL11A、CHST2、ARID5B、HASPIN、IL16、PPP1R9B、又はHNF1Bから選択される、判定することと、(b)前記1つ又は2つ以上のバイオマーカー遺伝子における改変が存在する場合に、前記対象を選択し、前記対象に、治療有効量の前記式(III)の化合物を投与することと、を含む、使用のための化合物。
【請求項27】
びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)の治療のために、式(III)の化合物を受けている対象の療法を最適化する方法において使用するための式(III)の化合物であって、
【化7】
前記方法が、(a)対象における1つ又は2つ以上のバイオマーカー遺伝子における改変の存在又は非存在を判定することであって、前記バイオマーカー遺伝子が、CARD11、CD79A、CD79B、BCL10、KLHL6、BTK、SYK、NFKBIA、TNFAIP3、CDKN2A、CDKN2B、SMARCA4、TNFRSF14、HIST1H1D、ARID1A、EPHA3、ASTML、MYD88、MLL2、FOXO1、PCLO、TP53、ICK、MAP3K13、HIST1H1E、SOCS1、MTOR、TBL1XR1、BTG1、NOTCH2、SPEN、PLCG、NFKBIZ、NFKBID、ATM、BCL2、CXCR4、EZH2、KMT2D、NOTCH1、PLCG2、ZC3H12D、ZC3H12A、RC3H1、CYLD、N4BP1、RELB、及びRBCK1から選択される、判定することと、(b)前記1つ又は2つ以上のバイオマーカー遺伝子における改変の存在又は非存在に基づいて、前記治療を変更することと、を含む、使用のための化合物。
【請求項28】
前記式(III)の化合物の前記治療有効量が、約140mg~約560mgである、請求項20~27のいずれか一項に記載の使用のための化合物。
【請求項29】
前記式(III)の化合物の前記治療有効量が、約140mgである、請求項20~27のいずれか一項に記載の使用のための化合物。
【請求項30】
前記式(III)の化合物の前記治療有効量が、約280mgである、請求項20~27のいずれか一項に記載の使用のための化合物。
【請求項31】
前記式(III)の化合物の前記治療有効量が、約560mgである、請求項20~27のいずれか一項に記載の使用のための化合物。
【請求項32】
前記治療有効量の前記式(III)の化合物が、1日1回投与される、請求項20~31のいずれか一項に記載の使用のための化合物。
【請求項33】
前記治療有効量の前記式(III)の化合物が、1日2回投与される、請求項20~31のいずれか一項に記載の使用のための化合物。
【請求項34】
前記治療有効量の前記式(III)の化合物が、1日3回投与される、請求項20~31のいずれか一項に記載の使用のための化合物。
【請求項35】
前記式(III)の化合物が、経口投与される、請求項20~34のいずれか一項に記載の使用のための化合物。
【請求項36】
4-(4-{[2-(4-クロロフェニル)-4,4-ジメチルシクロヘキサ-1-エン-1-イル]メチル}ピペラジン-1-イル)-N-({3-ニトロ-4-[(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルメチル)アミノ]フェニル}スルホニル)-2-(1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン5-イルオキシ)ベンズアミド)を投与することを更に含む、請求項20~27のいずれか一項に記載の使用のための化合物。
【請求項37】
シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチン、プレドニゾン、及びリツキシマブを投与することを更に含む、請求項20~27のいずれか一項に記載の使用のための化合物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2021年6月30日に出願された、「Inhibitors Of Bruton’s Tyrosine Kinase And Methods Of Their Use」と題される米国特許仮出願第63/216,796号の優先権を主張し、これは、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
(発明の分野)
本開示は、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(Diffuse Large B-Cell Lymphoma、DLBCL)の治療のための、小分子チロシンキナーゼ阻害剤の使用を対象とする。
【背景技術】
【0003】
悪性腫瘍、特に、DLBCLは、患者を苦しめ続けている。DLBCLは、米国において最も一般的なタイプの侵襲性非ホジキンリンパ腫(Non-Hodgkin’s Lymphoma、NHL)である。活性化B細胞びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(Activated B-Cell Diffuse Large B-Cell Lymphoma、ABC-DLBCL)は、全DLBCL診断の約30%を占める。DLBCLを有する患者の大部分は、初期治療への応答を示すが、患者の約3分の1は、難治性疾患を有するか、又は標準的な療法後に再発を経験する。B細胞受容体(B Cell Receptor、BCR)シグナル伝達は、DLBCLを含む様々なB細胞悪性腫瘍における重要な増殖及び生存経路である。代替的で効果的ながんの治療法が、依然として必要とされている。ヒトブルトン型チロシンキナーゼ(Bruton’s Tyrosine Kinase、「BTK」)は、非受容体型チロシンキナーゼのTecファミリーに属する約76kDaのタンパク質である。Tecキナーゼは、BTKに加えて4つの他のメンバー:相同キナーゼTEC、ITK、TXK/RLK及びBMXからなる、哺乳動物細胞において細胞質チロシンキナーゼの第2の大ファミリーを形成する。Tecキナーゼは、脊椎動物全体にわたって進化的に保存されている。これらは、より大きなSrc及びSykキナーゼファミリーに関連するが、構造的に異なる。Tecファミリータンパク質は、造血組織において豊富に発現され、哺乳動物の血液及び内皮細胞の増殖及び分化において重要な役割を果たす。当該技術分野で記載されているIHC研究からのBTK発現に基づいて、Btk阻害は、B細胞、マクロファージ、マスト細胞、破骨細胞、及び血小板微小粒子と関連する生物学を調整する潜在性を有する。Corneth,O.B.,et al.Curr.Top.Microbiol.Immunol.BTK Signaling in B Cell Differentiation and Autoimmunity.2015 Sept.5。
【発明の概要】
【0004】
対象におけるDLBCLを治療する方法であって、(a)患者に由来するサンプルにおけるCCL3、CCL4、ACTG2、LOR、GAPT、CCND2、SELL、GENl、HDAC9、CD10、BCL6、MUM1、MYD88、CD79B、PIM1、CDKN2A、HLA-B、OSBPL10、ETV6、SPIB、TOX、BTG1、BTG2、HLA-A、SETD1B、HLA-C、MPEG1、FOXC1、TBL1XR1、KLHL14、GRHPR、CD58、PRDM1、VMP1、PIM2、WEE1、BCL11A、CHST2、ARID5B、HASPIN、IL16、PPP1R9B、HNF1B、又はそれらの任意の組み合わせから選択される1つ又は2つ以上のバイオマーカー遺伝子の発現レベル又は改変を判定することと、(b)1つ又は2つ以上のバイオマーカー遺伝子の発現が、対照若しくは参照レベルに対して増加している場合に、又は1つ若しくは2つ以上のバイオマーカー遺伝子における改変が存在する場合に、治療有効量の式(III)の化合物:
【0005】
【化1】
を投与することと、を含む、方法が、本明細書に開示される。いくつかの態様では、対照又は参照レベルは、正常な患者におけるバイオマーカー遺伝子の発現のレベルである。いくつかの実施形態では、改変は、塩基置換、挿入、欠失、DNA再編成、転座、コピー数変化、又はそれらの組み合わせである。
【0006】
また、対象における活性化B細胞びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(ABC-DLBCL)を治療する方法であって、(a)患者に由来するサンプルにおけるCCL3、CCL4、ACTG2、LOR、GAPT、CCND2、SELL、GENl、HDAC9、CD10、BCL6、MUM1、MYD88、CD79B、PIM1、CDKN2A、HLA-B、OSBPL10、ETV6、SPIB、TOX、BTG1、BTG2、HLA-A、SETD1B、HLA-C、MPEG1、FOXC1、TBL1XR1、KLHL14、GRHPR、CD58、PRDM1、VMP1、PIM2、WEE1、BCL11A、CHST2、ARID5B、HASPIN、IL16、PPP1R9B、HNF1B、又はそれらの任意の組み合わせから選択される1つ又は2つ以上のバイオマーカー遺伝子の発現レベル又は改変を判定することと、(b)1つ又は2つ以上のバイオマーカー遺伝子の発現が、対照若しくは参照レベルに対して増加している場合に、又は1つ若しくは2つ以上のバイオマーカー遺伝子における改変が存在する場合に、治療有効量の式(III)の化合物:
【0007】
【化2】
を投与することと、を含む、方法が開示される。いくつかの態様では、対照又は参照レベルは、正常な患者におけるバイオマーカー遺伝子の発現のレベルである。いくつかの実施形態では、改変は、塩基置換、挿入、欠失、DNA再編成、転座、コピー数変化、又はそれらの組み合わせである。
【0008】
また、対象における非胚中心B細胞びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(non-Germinal Center B-cell Diffuse Large B-Cell Lymphoma、非GCB-DLBCL)を治療する方法であって、(a)患者に由来するサンプルにおけるCCL3、CCL4、ACTG2、LOR、GAPT、CCND2、SELL、GENl、HDAC9、CD10、BCL6、MUM1、MYD88、CD79B、PIM1、CDKN2A、HLA-B、OSBPL10、ETV6、SPIB、TOX、BTG1、BTG2、HLA-A、SETD1B、HLA-C、MPEG1、FOXC1、TBL1XR1、KLHL14、GRHPR、CD58、PRDM1、VMP1、PIM2、WEE1、BCL11A、CHST2、ARID5B、HASPIN、IL16、PPP1R9B、HNF1B、又はそれらの任意の組み合わせから選択される1つ又は2つ以上のバイオマーカー遺伝子の発現レベル又は改変を判定することと、(b)1つ又は2つ以上のバイオマーカー遺伝子の発現が、対照若しくは参照レベルに対して増加している場合に、又は1つ若しくは2つ以上のバイオマーカー遺伝子における改変が存在する場合に、治療有効量の式(III)の化合物:
【0009】
【化3】
を投与することと、を含む、方法が開示される。いくつかの態様では、対照又は参照レベルは、正常な患者におけるバイオマーカー遺伝子の発現のレベルである。いくつかの実施形態では、改変は、塩基置換、挿入、欠失、DNA再編成、転座、コピー数変化、又はそれらの組み合わせである。
【0010】
また、対象における胚中心B細胞びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(Germinal Center B-cell Diffuse Large B-Cell Lymphoma、GCB-DLBCL)を治療する方法であって、(a)患者に由来するサンプルにおけるCCL3、CCL4、ACTG2、LOR、GAPT、CCND2、SELL、GENl、HDAC9、CD10、BCL6、MUM1、MYD88、CD79B、PIM1、CDKN2A、HLA-B、OSBPL10、ETV6、SPIB、TOX、BTG1、BTG2、HLA-A、SETD1B、HLA-C、MPEG1、FOXC1、TBL1XR1、KLHL14、GRHPR、CD58、PRDM1、VMP1、PIM2、WEE1、BCL11A、CHST2、ARID5B、HASPIN、IL16、PPP1R9B、HNF1B、又はそれらの任意の組み合わせから選択される1つ又は2つ以上のバイオマーカー遺伝子の発現レベル又は改変を判定することと、(b)1つ又は2つ以上のバイオマーカー遺伝子の発現が、対照若しくは参照レベルに対して増加している場合に、又は1つ若しくは2つ以上のバイオマーカー遺伝子における改変が存在する場合に、治療有効量の式(III)の化合物:
【0011】
【化4】
を投与することと、を含む、方法が開示される。いくつかの態様では、対照又は参照レベルは、正常な患者におけるバイオマーカー遺伝子の発現のレベルである。いくつかの実施形態では、改変は、塩基置換、挿入、欠失、DNA再編成、転座、コピー数変化、又はそれらの組み合わせである。
【0012】
いくつかの態様では、式(III)の化合物の治療有効量は、約140mg~約560mgである。いくつかの態様では、式(III)の化合物の治療有効量は、約140mgである。いくつかの態様では、式(III)の化合物の治療有効量は、約280mgである。いくつかの態様では、式(III)の化合物の治療有効量は、約560mgである。いくつかの態様では、治療有効量の式(III)の化合物は、1日1回投与される。いくつかの態様では、治療有効量の式(III)の化合物は、1日2回投与される。いくつかの態様では、治療有効量の式(III)の化合物は、1日3回投与される。いくつかの態様では、式(III)の化合物は、経口投与される。
【0013】
いくつかの態様は、4-(4-{[2-(4-クロロフェニル)-4,4-ジメチルシクロヘキサ-1-エン-1-イル]メチル}ピペラジン-1-イル)-N-({3-ニトロ-4-[(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルメチル)アミノ]フェニル}スルホニル)-2-(1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン5-イルオキシ)ベンズアミド)を投与することを更に含む。いくつかの態様は、シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチン、プレドニゾン、及びリツキシマブを投与することを更に含む。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本開示は、以下の用語集及び結論付ける実施例を含む、以下の説明を参照することによって、より完全に理解され得る。また、明確さのために本明細書では別々の態様の文脈で説明される、本開示の組成物及び方法の特定の特徴は、単一の態様において組み合わせて提供され得ることも理解される。逆に、簡潔さのために単一の態様の文脈で説明される、本開示の組成物及び方法の種々の特徴が、別々に又は任意の部分的組み合わせで提供され得る。広くは、本明細書で、特に、添付の特許請求の範囲(例えば、添付の特許請求の範囲の本文)で使用される用語は、概ね、「オープンな」用語として意図されていること(例えば、「含む(including)」という用語は、「限定するものではないが、含む(including but not limited to)」として解釈されるべきであり、「有する(having)」という用語は、「少なくとも有する(having at least)」として解釈されるべきであり、「含む(includes)」という用語は、「限定するものではないが、含む(includes but is not limited to)」として解釈されるべきであることなど)が、当業者には理解されよう。更に、導入された請求項記載(introduced claim recitation)において特定の数が意図される場合、かかる意図は当該請求項中に明確に記載され、またかかる記載がない場合は、かかる意図は存在しないことが、当業者には理解されるであろう。例えば、理解を助けるものとして、後続の添付の特許請求の範囲は、「少なくとも1つの(at least one)」及び「1つ又は2つ以上の(one or more)」という導入句を、請求項記載を導入するために含み得る。しかしながら、このような句の使用は、同じ請求項が、「1つ又は2つ以上の」又は「少なくとも1つの」という導入句及び「a」又は「an」などの不定冠詞を含むときでも、不定冠詞「a」又は「an」よって導入された請求項記載事項が、このような導入された請求項記載事項を含有するいかなる特定の請求項を、このような記載事項を1つのみ含有する態様に限定することを示唆すると解釈されるべきでない(例えば、「a」及び/又は「an」とは、「少なくとも1つの」又は「1つ又は2つ以上の」を意味すると解釈されるべきである)。定冠詞を使用して請求項記載を導入する場合にも、同様のことが当てはまる。加えて、導入された請求項記載事項の特定の数が、明示的に記載される場合でも、このような記載事項は、少なくとも記載される数を意味すると解釈されるべきであることが、当業者には認識されよう(例えば、他の修飾語を有しない「2つの記載事項」というありのままの記載事項は、少なくとも2つの記載事項、又は2つ若しくは3つ以上の記載事項を意味する)。更に、「A、B、及びCなどのうちの少なくとも1つ」に相似する表記が使用される事例では、広くは、このような構文は、当業者がこの表記を理解する意味で意図されている(例えば、「A、B、及びCのうちの少なくとも1つを有するシステム」は、限定するものではないが、Aのみ、Bのみ、Cのみ、A及びBを一緒に、A及びCを一緒に、B及びCを一緒に、かつ/又はA、B、及びCを一緒に有するシステムなどを含む)。「A、B、又はCなどのうちの少なくとも1つ」に相似する表記が使用される事例では、広くは、このような構文は、当業者がこのような表記を理解する意味で意図されている(例えば、「A、B、又はCのうちの少なくとも1つを有するシステム」は、限定するものではないが、Aのみ、Bのみ、Cのみ、A及びBを一緒に、A及びCを一緒に、B及びCを一緒に、かつ/又はA、B、及びCを一緒に有するシステムなどを含む)。明細書、特許請求の範囲、又は図面のいずれにおいても、2つ以上の代替用語を提示する事実上全ての分離語及び/又は句は、用語のうちの1つ、用語のいずれか、又は両用語を含む可能性を考慮すると理解されるべきであることを当業者は更に理解するだろう。例えば、「A又はB」という句は、「A」又は「B」又は「A及びB」の可能性を含むと理解される。
【0015】
加えて、本開示の特徴又は態様が、マーカッシュ群に関して記載されている場合、当業者は、それにより本開示がまた、マーカッシュ群の任意の個々のメンバー又はメンバーの下位群に関して記載されることを認識するであろう。
【0016】
当業者には理解されるように、あらゆる目的で、例えば、書面の説明を提供するという観点から、本明細書に開示される全ての範囲はまた、あらゆる可能な部分範囲及びそれらの部分範囲の組み合わせを包含する。いかなる列挙される範囲は、同じ範囲が、少なくとも等しい半分、3分の1、4分の1、5分の1、10分の1などに分解されることを十分に記載するとしてかつこれを可能にするとして容易に認識され得る。非限定的な例として、本明細書で考察される各範囲は、下位3分の1、中間3分の1、及び上位3分の1などに容易に分解され得る。また、当業者には理解されるように、「最大で」及び「少なくとも」などの全ての文言は、列挙される数を含み、上記で考察されるように、その後、部分範囲に分解され得る範囲を指す。最後に、当業者には理解されるように、範囲は、各個々のメンバーを含む。したがって、例えば、1~3個の細胞を有する群は、1、2又は3個の細胞を有する群を指す。同様に、1~5個の細胞を有する群は、1、2、3、4又は5個の細胞を有する群等を指す。
【0017】
上記で開示される特徴及び機能、並びに他の特徴及び機能のうちの様々なもの、又はそれらの代替形態は、組み合わされて、他の多くの異なるシステム又は用途になされ得る。それらにおける様々な現在予想されない又は予期されない代替形態、修正形態、変形形態、又は改善形態が、その後、当業者によってなされ得、それらの各々もまた、開示される態様によって包含されることが意図されている。
【0018】
本明細書で使用される場合、「約」という用語は、数値の直前にあるときに、別途本開示の文脈が示さない限り、又は本開示の文脈が以下の解釈と矛盾しない限り、この値のプラス又はマイナス10%の範囲を意味し、例えば、「約50」とは、45~55を意味し、「約25,000」とは、22,500~27,500などを意味する。
【0019】
「医薬的に許容される」は、連邦政府若しくは州政府の規制当局又は米国以外の国の該当する当局により承認された又は承認可能であること、あるいは動物における、より具体的にはヒトにおける使用について米国薬局方又は他の一般的に認知されている薬局方に列挙されていることを意味する。
【0020】
「医薬的に許容される塩」は、医薬的に許容され、親化合物の所望の薬理学的活性を有する、本開示の化合物の塩を指す。特に、そのような塩は、非毒性であり、無機又は有機酸付加塩及び塩基付加塩であり得る。具体的には、かかる塩として、(1)無機酸、例えば塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸などと形成された、若しくは、有機酸、例えば酢酸、プロピオン酸、ヘキサン酸、シクロペンタンプロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、乳酸、マロン酸、コハク酸、リンゴ酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、3-(4-ヒドロキシベンゾイル)安息香酸、ケイ皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、1,2-エタン-ジスルホン酸、2-ヒドロキシエタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、4-クロロベンゼンスルホン酸、2-ナフタレンスルホン酸、4-トルエンスルホン酸、カンファースルホン酸、4-メチルビシクロ[2.2.2]-オクタ-2-エン-1-カルボン酸、グルコヘプトン酸、3-フェニルプロピオン酸、トリメチル酢酸、三級ブチル酢酸、ラウリル硫酸、グルコン酸、グルタミン酸、ヒドロキシナフトエ酸、サリチル酸、ステアリン酸、ムコン酸などと形成された、酸付加塩、又は、(2)どちらかの親化合物中に存在する酸性プロトンが、金属イオン、例えば、アルカリ金属イオン、アルカリ土類イオン、若しくはアルミニウムイオンで置換されるときに形成された塩、若しくは、有機塩基、例えばエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N-メチルグルカミンなどと配位された塩が挙げられる。更なる塩類としては、あくまで例示にすぎないが、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、アンモニウム、テトラアルキルアンモニウムなど、化合物が塩基性官能基を含有する場合は、塩酸塩、臭化水素酸塩、酒石酸塩、メシル酸塩、酢酸塩、マレイン酸塩、シュウ酸塩のような非毒性の有機酸又は無機酸の塩が挙げられる。
【0021】
「医薬的に許容されるビヒクル」は、本開示の化合物と共に投与される希釈剤、アジュバント、賦形剤、又は担体を指す。「医薬的に許容される賦形剤」は、薬理学的組成物に添加されるか、又はそうでない場合、薬剤の投与を容易にするビヒクル、担体、若しくは希釈剤として使用され、かつその薬剤と適合する、不活性な物質などの、無毒性であり、生物学的に耐容性であり、かつそうでなければ対象への投与に生物学的に好適である物質を指す。賦形剤の例としては、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、様々な糖及び様々な種類のデンプン、セルロース誘導体、ゼラチン、植物油、並びにポリエチレングリコールが挙げられる。
【0022】
「対象」としては、ヒトが挙げられる。「ヒト」、「患者」、及び「対象」という用語は、本明細書において互換可能に使用される。
【0023】
任意の疾患又は障害を「治療すること」又はその「治療」とは、一態様では、疾患又は障害を寛解させること(すなわち、疾患の発症、又はその臨床症状のうちの少なくとも1つの発症を抑止又は低減すること)を指す。別の態様では、「治療すること」又は「治療」とは、対象によって認識可能でないことがある少なくとも1つの身体的パラメータを寛解させることを指す。更に別の態様では、「治療すること」又は「治療」とは、疾患又は障害を、身体的(例えば、認識可能な症状の安定化)若しくは生理学的(例えば、身体的パラメータの安定化)のいずれかで又は両方で調整することを指す。更に別の態様では、「治療すること」又は「治療」とは、疾患又は障害の発病を遅延させることを指す。
【0024】
「本開示の化合物」及び均等な表現は、本明細書に記載される式(III)の化合物を包含することを意味し、この表現は、文脈により許容される場合、それらの医薬的に許容される塩及び溶媒和物、例えば、水和物及び多形を含む。同様に、中間体に対する言及は、それ自体が特許請求されているかどうかにかかわらず、状況から許容される場合は、その塩及び溶媒和物を包含することを意味する。
【0025】
本明細書で使用するとき、「同位体変種」という用語は、そのような化合物を構成する1つ以上の原子に、不自然な割合の同位体を含有する化合物を指す。例えば、化合物の「同位体変種」は、放射標識され得、すなわち、1つ又は2つ以上の非放射性同位体、例えば、重水素(H若しくはD)、炭素13(13C)、又は窒素15(15N)などを含有することができる。このような同位体置換がなされている化合物において、後続の原子は、存在する場合、変動し得、このため、例えば、任意の水素は、H/Dであり得、任意の炭素は、13Cであり得るか、又は任意の窒素は、15Nであり得ること、及びこのような原子の存在又は配置は、当該技術分野の巧みさ内で判定され得ることが理解されよう。同様に、本開示は、例えば、得られる化合物が薬物及び/又は基質組織分布研究に使用され得る場合に、放射線同位体による同位体変種の調製を含み得る。本開示の放射標識化合物を、単光子放出コンピュータ断層撮影法(SPECT)などの診断法で使用することができる。放射性同位体である三重水素、すなわち、H、及び炭素14、すなわち、14Cは、それらの組み込みの容易さ及び検出の容易な手段のため、特に有用である。更に、陽電子放出同位体、例えば、11C、18F、15O、及び13Nで置換されている化合物が、調製され得、基質受容体占有率を調査するための陽電子放出トポグラフィ(Positron Emission Topography、PET)研究において有用である。
【0026】
本開示の化合物の全ての同位体変種は、放射性であっても、なくても、本発明の範囲内に包含されることが意図される。
【0027】
同じ分子式を有するが、性質又はその原子の結合の配列若しくは空間におけるその原子の配置が異なる化合物を、「異性体」と称することも、理解される。空間におけるその原子の配置において異なる異性体は、「立体異性体」、例えば、ジアステレオマー、鏡像異性体、及びアトロプ異性体と呼ばれる。
【0028】
互いの鏡像ではない立体異性体を、「ジアステレオマー」と称し、互いの重ね合わせられない鏡像である立体異性体を、「鏡像異性体」と称する。化合物が不斉中心を有するとき、例えば、4つの異なる基に結合している場合に、一対の鏡像異性体が可能である。鏡像異性体は、その不斉中心の絶対配置によって特性化され得、Cahn and PrelogのR及びS順位則によって、又は分子が偏光面を回転させる様式によって記述され、右旋性又は左旋性として(すなわち、それぞれ、(+)又は(-)異性体として)指定される。キラル化合物は、個々の鏡像異性体又はその混合物のいずれかとして、存在し得る。等比率の鏡像異性体を含有する混合物は、「ラセミ混合物」と呼ばれる。
【0029】
「アトロプ異性体」は、単結合の周りの回転を妨げるために生じる立体異性体を指す。
【0030】
「互変異性体」は、特定の化合物構造の互換可能な形態であり、水素原子及び電子の置換が異なる化合物を指す。したがって、2つの構造は、π電子及び原子(通常、H)の移動を通して、平衡であり得る。例えば、エノール及びケトンは、酸又は塩基のいずれかで処理することによって迅速に相互変換されるため、互変異性体である。互変異性の別の例は、フェニルニトロメタンの酸形態及びニトロ形態であり、これらは同様に酸又は塩基で処理することにより形成される。
【0031】
互変異性体型は、対象となる化合物の最適な化学的反応性及び生物活性の達成に関連する場合がある。
【0032】
本開示の化合物は、1つ以上の不斉中心を有し得るので、したがって、このような化合物は、個々の(R)若しくは(S)立体異性体として、又はそれらの混合物として生成され得る。
【0033】
特に指示しない限り、本明細書及び特許請求の範囲における特定の化合物の記載又は命名は、ラセミ体又は他のもののその個々の鏡像異性体及び混合物の両方を含むことを意図する。本開示内で、本明細書に記載のいずれかの構造中の炭素、酸素又は窒素原子上に現れる任意の空の原子価は、水素原子の存在を示す。キラル中心が構造中に存在し、その中心について特定の立体化学は示されていない場合、両方の鏡像異性体は、別々に又は混合物として、その構造によって包含される。立体化学の判定及び立体異性体の分離のための方法は、当該技術分野で周知である。
【0034】
本開示は、式(III)の化合物:
【0035】
【化5】
又はその医薬的に許容される塩、水和物、多形、若しくは溶媒和物の使用を対象とする。式(III)の化合物は、N-((1R,2S)-2-アクリルアミドシクロペンチル)-5-(S)-(6-イソブチル-4-メチルピリジン-3-イル)-4-オキソ-4,5-ジヒドロ-3H-1-チア-3,5,8-トリアザアセナフチレン-2-カルボキサミドとしても既知である。
【0036】
本開示は、ブルトン型チロシンキナーゼよって媒介される疾患、障害、若しくは症状を有すると診断されたか、又は疾患、障害、若しくは症状に罹患している対象を治療するために、本明細書に記載される化合物を使用する方法に関する。これらの方法は、ブルトン型チロシンキナーゼを阻害するのに十分な量で本開示の化合物を対象に投与することによって達成される。更なる態様では、治療を必要としている対象におけるブルトン型チロシンキナーゼを阻害するための方法であって、対象に、治療有効量の式(III)の化合物を含有する組成物を投与することによってそれを行う、方法が、本明細書で提供される。
【0037】
本開示のいくつかの態様は、悪性腫瘍を患う対象を治療する方法であって、対象に、治療有効量の式(III)の化合物を含有する組成物を投与することによってそれを行う、方法を対象とする。いくつかの態様では、悪性腫瘍は、DLBCLである。いくつかの態様では、悪性腫瘍は、ABC-DLBCL、GCB-DLBCL、又は非胚中心B細胞びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(非GCB-DLBCL)である。DLBCLの治療のために使用されるときに、式(III)の化合物は、単一の薬剤として投与され得る。代替的に、DLBCLの治療のために使用されるときに、式(III)の化合物は、DLBCLの治療に有用であることが既知の他の薬剤との組み合わせで投与され得る。ABC-DLBCL、GCB-DLBCL、又は非GCB-DLBCLの治療のために使用されるときに、式(III)の化合物は、単一の薬剤として投与され得る。代替的に、ABC-DLBCL、胚中心B細胞びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(GCB-DLBCL)、又は非胚中心B細胞びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(非GCB-DLBCL)の治療のために使用されるときに、式(III)の化合物は、DLBCLの治療に有用であることが既知の他の薬剤との組み合わせで投与され得る。
【0038】
本開示の他の態様は、DLBCLを患う対象を治療する方法であって、対象に、治療有効量の式(III)の化合物を含有する組成物を投与することによってそれを行う、方法を対象とする。更に他の態様では、本開示の化合物は、ABC-DLBCL、GCB-DLBCL、又は非GCB-DLBCLを治療するために使用され得る。
【0039】
DLBCLは、米国において最も一般的なタイプの侵襲性非ホジキンリンパ腫(NHL)である。DLBCLを有する患者の臨床コースは、非常に不均一である。DLBCLを有する患者の大部分は、初期治療への応答を示すが、患者の約3分の1は、難治性疾患を有するか、又は標準的な療法後に再発を経験する。DLBCLは、臨床的にかつ生物学的に不均一な疾患であり、これは、いくつかの臨床的な分子的に定義された予後モデルによって実証され得る。
【0040】
DLBCLの早期の有効な治療は、DLBCL患者の生存に影響する重要な要因である。DLBCLが耐性を示す治療レジメンの選択は、がんの有効な治療の開始を遅延させ、がんの増殖及び転移をもたらし得る。次いで、これは、患者の治療転帰への負の効果を有し得る。抗がん剤、例えば、式(III)の化合物への応答性と関連する腫瘍特異的特性、例えば、1つ又は2つ以上の特定の遺伝子及び/又はコードされるタンパク質の発現は、より早期の段階における式(III)の化合物での治療に応答する可能性又はそれに失敗する可能性がある潜在的な患者を識別するための予後バイオマーカーとして有用である。結果として、このようなバイオマーカーを発現するDLBCLを患う患者が、式(III)の化合物での治療のために選択され得る。加えて、バイオマーカーは、式(III)の化合物での治療への応答を評価するために用いられ得る。
【0041】
遺伝子発現プロファイリングに基づくバイオマーカー
ある事例では、遺伝子発現プロファイリング(Gene Expression Profiling、GEP)が、分子不均一性を精査するために、かつDLBCLにおける転帰を予測するために用いられている。GEPは、GCB-DLBCL及びABC-DLBCLの2つの予後サブタイプを区別することができ、それらの機能的差異のうち、BCRシグナル伝達の活性を含む。ABC-DLBCL細胞は、慢性活性BCRシグナル伝達を有し、それらの生存は、それに高度に依存する。
【0042】
BCRシグナル伝達は、DLBCLを含む様々なB細胞悪性腫瘍における重要な増殖及び生存経路である。BCR刺激後に、正常及び悪性B細胞は、ケモカインCCL3及びCCL4(MIP-1α及びβ)を分泌し、これらは、Tヘルパー細胞などのアクセサリー細胞とのB細胞相互作用を促進する。CCL3及びCCL4は、CCサブファミリーのケモカインであり、いくつかの造血細胞、特に、適応免疫応答に関与するもの(マクロファージ、樹状細胞、並びにB及びTリンパ球)において誘導可能である。CCL3は、ケモカイン受容体CCR1及びCCR5を介してシグナル伝達し、CCL4は、CCR5のみを介してシグナル伝達する。CCL3は、B細胞における重要な応答遺伝子であり、これは、BCRシグナル伝達によって上方調節され、Bcl-6によって抑圧される。血漿CCL3及びCCL4レベルは、DLBCL及び慢性リンパ性白血病(Chronic Lymphocytic Leukemia、CLL)などのB細胞悪性腫瘍を有する患者において上昇している。DLBCLにおいて、CCL3をコードする遺伝子であるSCYA3は、DLBCLにおけるABCサブタイプにおいて高度に発現された。ABC-DLBCL細胞は、GCB細胞とは異なり、BCR誘発後に、高いレベルのCCL3及びCCL4を分泌し、これは、イブルチニブなどのBTK阻害剤での阻害に感受性があった。高いCCL3血清中濃度(40pg/ml超)は、Ann Arbor進行期で、より高い国際予後指標(International Prognostic Index、IPI)、LDH、及びβ2ミクログロブリンと相関し、CCL4(180pg/ml超)も同様であった。高いCCL3は、有意により短い無増悪生存期間及び全生存期間と相関する。更に、GCBサブタイプとの比較でのABC-DLBLサブタイプにおける抗IgM応答性と、イブルチニブ治療への感受性との間の相関が観察された。更に、ほとんどの患者において、高い血清中CCL3及びCCL4濃度は、イブルチニブ療法後に、低いレベルに戻った。これらの知見の結果として、CCL3及びCCL4タンパク質濃度は、DLBCLにおけるBCR経路活性化及び予後、並びにBTK阻害剤療法の効力の評価のためのバイオマーカーとして使用され得る。DLBCLにおける予後及びBTK阻害剤療法の効力の評価のためのバイオマーカーとして同様に使用され得る他のバイオマーカーは、ACTG2、LOR、GAPT、CCND2、SELL、GENl、及びHDAC9から選択されるバイオマーカー遺伝子を含む。これらの遺伝子は、それぞれ、ACTG2、LOR、GAPT、CCND2、SELL、GENl、及びHDAC9タンパク質をコードする。ACTG2(アクチン、ガンマ2、平滑筋、腸)は、細胞運動性及び細胞骨格の維持に関与する、遍在的に発現される高度に保存されたタンパク質である。LORは、表皮の最外層である角質層の主要なタンパク質構成要素であるタンパク質ロリクリンをコードする。GAPT(GRB2結合アダプタタンパク質、膜貫通)は、B細胞受容体を介する刺激後に、B細胞増殖を負に調節する。CCND2(サイクリンD2)は、サイクリン依存性キナーゼの調節因子であり、細胞周期調節に関与する。SELL(セレクチンL又はCD62L)は、リンパ球上に見出される細胞接着分子であり、リンパ球-内皮細胞相互作用に関与する。GENl(Genエンドヌクレアーゼ相同体1)は、相同組換え及びDNA修復中にホリデイジャンクションを分解するエンドヌクレアーゼをコードする。HDAC9又はヒストンデアセチラーゼ9は、転写調節、細胞周期進行、及び発生事象に関与する酵素である。ACTG2、LOR、GAPT、CCND2、SELL、GENl、HDAC9、又はそれらの任意の組み合わせの上昇した発現は、DLBCLを示す。ACTG2、LOR、GAPT、CCND2、SELL、GENl、HDAC9、又はそれらの任意の組み合わせの上昇した発現は、ABC-DLBCLを示す。
【0043】
本明細書で提供される方法は、レスポンダー集団、特に、式(III)の化合物での治療に感受性がある可能性がある患者を識別するための予測バイオマーカーとしての、CCL3、CCL4、ACTG2、LOR、GAPT、CCND2、SELL、GENl、又はHDAC9発現の使用に関する。本明細書で提供される方法は、臨床的利点を、DLBCLの診断及び治療に提供し、臨床的利点は、CCL3、CCL4、ACTG2、LOR、GAPT、CCND2、SELL、GENl、HDAC9、又はそれらの任意の組み合わせが、血漿及び血清サンプルにおいて確実に定量化され得ることを考慮すると、サンプルへの容易なアクセスを含み、低コストの分析、及びBCRを標的とする療法による迅速な調整(数日以内の正常化)を含む。いくつかの態様では、CCL3、CCL4、ACTG2、LOR、GAPT、CCND2、SELL、GENl、HDAC9、又はそれらの任意の組み合わせの血清中レベルは、酵素結合免疫吸着アッセイ(Enzyme-Linked Immunosorbent Assay、ELISA)又は他の迅速なタンパク質検出方法によって容易に定量化され得る。
【0044】
したがって、いくつかの態様では、CCL3、CCL4、ACTG2、LOR、GAPT、CCND2、SELL、GENl、HDAC9、又はそれらの任意の組み合わせの正常発現レベルよりも高い発現レベルを提示する患者は、式(III)の化合物での治療に感受性がある可能性がある。いくつかの態様では、正常に対して、CCL3、CCL4、ACTG2、LOR、GAPT、CCND2、SELL、GENl、HDAC9、又はそれらの任意の組み合わせのほぼ同じ又はより低い発現レベルを示す患者は、式(III)の化合物での治療に対して耐性がある可能性がある。したがって、CCL3、CCL4、ACTG2、LOR、GAPT、CCND2、SELL、GENl、HDAC9、又はそれらの任意の組み合わせの発現レベル、遺伝子又はタンパク質発現の測定は、式(III)の化合物での療法に応答する可能性がある患者を識別するのに特に有用である。
【0045】
いくつかの態様は、式(III)の化合物への、DLBCLを有する患者の正の応答を予測する方法であって、CCL3、CCL4、ACTG2、LOR、GAPT、CCND2、SELL、GENl、HDAC9、又はそれらの任意の組み合わせの発現が、式(III)の化合物での治療後に減少する程度を評価することによってそれを行う、方法を対象とする。
【0046】
いくつかの態様は、式(III)の化合物への患者感受性を判定するための方法及び手順を対象とする。いくつかの態様は、DLBCLのための療法を必要としている個体が、治療に応答するかどうかを、治療の投与前に判定又は予測するための方法であって、治療が、式(III)の化合物の投与を含む、方法を対象とする。ある態様では、式(III)の化合物での治療のために、DLBCLと診断された患者を選択するための方法であって、バイオマーカーCCL3、CCL4、ACTG2、LOR、GAPT、CCND2、SELL、GENl、HDAC9、又はそれらの任意の組み合わせ発現のレベルに基づいてそれを行う、方法が、本明細書に開示される。いくつかの態様では、方法は、式(III)の化合物での治療に応答する可能性がある患者を識別することを含む。いくつかの態様では、方法は、治療レジメンを判定することを含む。また、ある態様では、DLBCLの治療を必要としている個体において、DLBCLの治療を評価するための方法であって、個体に、治療有効量の式(III)の化合物を投与することと、CCL3、CCL4、ACTG2、LOR、GAPT、CCND2、SELL、GENl、HDAC9、又はそれらの任意の組み合わせの発現のレベルに基づいて、治療への患者の応答性を判定することと、を含む、方法が、本明細書に開示される。また、ある態様では、DLBCLの治療を必要としている個体においてそれを行うための方法であって、個体に、治療有効量の式(III)の化合物を投与することと、CCL3、CCL4、ACTG2、LOR、GAPT、CCND2、SELL、GENl、HDAC9、又はそれらの任意の組み合わせの発現のレベルに基づいて、治療への患者の応答性を判定することと、CCL3、CCL4、ACTG2、LOR、GAPT、CCND2、SELL、GENl、HDAC9、又はそれらの任意の組み合わせの発現のレベルが、所定の量減少した場合に、治療を継続することと、を含む、方法が、本明細書に開示される。また、ある態様では、DLBCL又はABC-DLBCLの治療を必要としている個体においてそれを行うための方法であって、個体に、治療有効量の式(III)の化合物を投与することと、CCL3、CCL4、ACTG2、LOR、GAPT、CCND2、SELL、GENl、HDAC9、又はそれらの任意の組み合わせの発現のレベルに基づいて、治療への患者の応答性を判定することと、CCL3、CCL4、ACTG2、LOR、GAPT、CCND2、SELL、GENl、HDAC9、又はそれらの任意の組み合わせの発現のレベルが、所定の量減少していない場合に、治療を中断することと、を含む、方法が本明細書に開示される。いくつかの態様では、治療前の、CCL3、CCL4、ACTG2、LOR、GAPT、CCND2、SELL、GENl、HDAC9、又はそれらの任意の組み合わせの高い発現レベルは、式(III)の化合物での治療への治療応答を予測する。いくつかの態様では、式(III)の化合物の投与後の、CCL3、CCL4、ACTG2、LOR、GAPT、CCND2、SELL、GENl、HDAC9、又はそれらの任意の組み合わせの発現のレベルの減少(例えば、発現の正常化)は、DLBCL又はABC-DLBCLの治療のための、式(III)の化合物の効力を予測する。
【0047】
いくつかの態様では、DLBCL又はABC-DLBCLを治療するための方法であって、CCL3、CCL4、ACTG2、LOR、GAPT、CCND2、SELL、GENl、HDAC9、又はそれらの任意の組み合わせの上昇したレベルを示す患者を予め選択し、それによって、式(III)の化合物への患者における応答の可能性を増加させることによってそれを行う、方法が提供される。いくつかの態様では、DLBCL又はABC-DLBCLを治療することを必要としている患者においてそれを行うための方法であって、患者が、CCL3、CCL4、ACTG2、LOR、GAPT、CCND2、SELL、GENl、HDAC9、又はそれらの任意の組み合わせの上昇したレベルを示すかどうかを評価し、それによって、式(III)の化合物への患者における応答の可能性を増加させることによってそれを行う、方法が提供される。いくつかの態様では、DLBCL又はABC-DLBCLを治療することを必要としている患者においてそれを行うための方法であって、患者が、式(III)の化合物での治療後に、CCL3、CCL4、ACTG2、LOR、GAPT、CCND2、SELL、GENl、HDAC9、又はそれらの任意の組み合わせの発現レベルの変化を示すかどうかを評価することによってそれを行う、方法が提供される。
【0048】
いくつかの態様では、DLBCLは、ABCサブタイプDLBCLである。いくつかの態様では、DLBCLの活性化B細胞様(Activated B Cell-like、ABC)サブタイプは、CD79B変異によって特性化される。いくつかの態様では、CD79B変異は、免疫受容体チロシン活性化モチーフ(Immunoreceptor Tyrosine-based Activation Motif、ITAM)シグナル伝達モジュールの変異である。いくつかの態様では、CD79B変異は、第1の免疫受容体チロシン活性化モチーフ(ITAM)チロシンのミスセンス変異である。いくつかの態様では、CD79B変異は、表面BCR発現を増加させ、Lynキナーゼ活性を減弱する。いくつかの態様では、DLBCLのABCサブタイプは、CD79A変異によって特性化される。いくつかの態様では、CD79A変異は、免疫受容体チロシン活性化モチーフ(ITAM)シグナル伝達モジュール内にある。いくつかの態様では、CD79A変異は、ITAMシグナル伝達モジュールのスプライス供与部位変異である。いくつかの態様では、CD79A変異は、ITAMシグナル伝達モジュールを欠失させる。いくつかの態様では、DLBCLのABCサブタイプは、MyD88、A20、又はそれらの組み合わせにおける変異によって特性化される。いくつかの態様では、MyD88変異は、MYD88 Toll/IL-1受容体(Toll/IL-1 Receptor、TIR)ドメインにおけるアミノ酸置換L265Pである。
【0049】
いくつかの態様は、DLBCL又はABC-DLBCLを治療することを必要としている患者においてそれを行うための方法であって、(a)患者に由来するサンプル(例えば、血清サンプル)におけるCCL3、CCL4、ACTG2、LOR、GAPT、CCND2、SELL、GENl、HDAC9、又はそれらの任意の組み合わせの発現レベルを判定することと、(b)CCL3、CCL4、ACTG2、LOR、GAPT、CCND2、SELL、GENl、HDAC9、又はそれらの任意の組み合わせの発現が、対照又は参照レベルに対して増加している場合に、患者に、治療有効量の式(III)の化合物を投与することと、を含む、方法を対象とする。いくつかの態様では、参照レベルは、正常な患者(例えば、DLBCLを有しない患者)におけるCCL3、CCL4、ACTG2、LOR、GAPT、CCND2、SELL、GENl、HDAC9、又はそれらの任意の組み合わせの発現のレベルである。
【0050】
いくつかの態様では、DLBCL又はABC-DLBCLを有する患者における式(III)の化合物への応答を評価するための方法であって、治療有効量の式(III)の化合物の投与後の、患者に由来するサンプル(例えば、血清サンプル)におけるCCL3、CCL4、ACTG2、LOR、GAPT、CCND2、SELL、GENl、HDAC9、又はそれらの任意の組み合わせの発現レベルを判定することを含み、患者サンプルが、対照又は参照レベルに対して、CCL3、CCL4、ACTG2、LOR、GAPT、CCND2、SELL、GENl、HDAC9、又はそれらの任意の組み合わせの発現のレベルの減少を示す場合に、式(III)の化合物での治療についての順調な転帰が予測される、方法が提供される。いくつかの態様では、DLBCL又はABC-DLBCLを有する患者における式(III)の化合物への応答を評価するための方法であって、治療有効量の式(III)の化合物の投与後の、患者に由来するサンプル(例えば、血清サンプル)におけるCCL3、CCL4、ACTG2、LOR、GAPT、CCND2、SELL、GENl、HDAC9、又はそれらの任意の組み合わせの発現レベルを判定することを含み、患者サンプルが、対照又は参照レベルに対して、CCL3、CCL4、ACTG2、LOR、GAPT、CCND2、SELL、GENl、HDAC9、又はそれらの任意の組み合わせの発現のレベルの減少を示す場合に、患者が、式(III)の化合物での治療に応答するとして特性化される、方法が提供される。いくつかの態様では、参照レベルは、正常な患者(例えば、DLBCLを有しない患者)におけるCCL3、CCL4、ACTG2、LOR、GAPT、CCND2、SELL、GENl、HDAC9、又はそれらの任意の組み合わせの発現のレベルである。いくつかの態様では、式(III)の化合物での治療後の、CCL3、CCL4、ACTG2、LOR、GAPT、CCND2、SELL、GENl、HDAC9、又はそれらの任意の組み合わせの発現のレベルは、イブルチニブでの治療後に、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、又は99%以上減少する。いくつかの態様では、治療後の、CCL3発現のレベルは、式(III)の化合物での治療後に、正常な患者における発現のレベルに減少する(すなわち、正常化する)。いくつかの態様では、CCL3、CCL4、ACTG2、LOR、GAPT、CCND2、SELL、GENl、HDAC9、又はそれらの任意の組み合わせの発現のレベルは、式(III)の化合物での治療の1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、7時間、8時間、9時間、10時間、11時間、12時間、14時間、16時間、18時間、20時間、24時間、36時間、又は48時間以上後に測定される。
【0051】
いくつかの態様では、DLBCL又はABC-DLBCLを治療することを必要としている患者においてそれを行うための例示的な方法は、(a)治療有効量の式(III)の化合物の投与後の、患者に由来するサンプル(例えば、血清サンプル)におけるCCL3、CCL4、ACTG2、LOR、GAPT、CCND2、SELL、GENl、HDAC9、又はそれらの任意の組み合わせの発現レベルを判定することと、(b)対照又は参照レベルに対する、CCL3、CCL4、ACTG2、LOR、GAPT、CCND2、SELL、GENl、HDAC9、又はそれらの任意の組み合わせの発現に基づいて、治療を変更、中断、又は継続することと、を含む。いくつかの態様では、参照レベルは、治療有効量の式(III)の化合物の投与前の、患者から採取されたサンプル(例えば、血清サンプル)におけるCCL3、CCL4、ACTG2、LOR、GAPT、CCND2、SELL、GENl、HDAC9、又はそれらの任意の組み合わせの発現のレベルである。いくつかの態様では、治療レジメンは継続される。いくつかの態様では、治療レジメンは変更される。いくつかの態様では、式(III)の化合物の投薬量は増加する。いくつかの態様では、式(III)の化合物の投薬量は減少する。いくつかの態様では、式(III)の化合物の投薬量は変更されない。いくつかの態様では、式(III)の化合物の投与の頻度は増加する。いくつかの態様では、式(III)の化合物の投与の頻度は減少する。いくつかの態様では、式(III)の化合物の投与の頻度は変更されない。いくつかの態様では、式(III)の化合物の投与のタイミングは変更される(例えば、時刻、又は他の治療剤の投与に対する時間)。いくつかの態様では、式(III)の化合物の投与のタイミングは変更されない。いくつかの態様では、追加の治療剤が投与される。いくつかの態様では、追加の抗がん剤が投与される。
【0052】
いくつかの態様では、DLBCL又はABC-DLBCLを治療することを必要としている患者においてそれを行うための例示的な方法は、(a)治療有効量の式(III)の化合物を含む治療を投与することと、(b)治療の投与後の、患者に由来するサンプルにおけるCCL3、CCL4、ACTG2、LOR、GAPT、CCND2、SELL、GENl、HDAC9、又はそれらの任意の組み合わせの発現レベルを判定することと、(c)CCL3、CCL4、ACTG2、LOR、GAPT、CCND2、SELL、GENl、HDAC9、又はそれらの任意の組み合わせの発現が、治療前の、CCL3、CCL4、ACTG2、LOR、GAPT、CCND2、SELL、GENl、HDAC9、又はそれらの任意の組み合わせの発現レベルに対して、所定の量減少していない場合に、治療を中断することと、を含む。いくつかの態様では、所定の量は、CCL3、CCL4、ACTG2、LOR、GAPT、CCND2、SELL、GENl、HDAC9、又はそれらの任意の組み合わせの発現のレベルが、式(III)の化合物での治療後に、3%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、又は99%以上減少するものである。いくつかの態様では、CCL3、CCL4、ACTG2、LOR、GAPT、CCND2、SELL、GENl、HDAC9、又はそれらの任意の組み合わせの発現のレベルは、式(III)の化合物での治療の1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、7時間、8時間、9時間、10時間、11時間、12時間、14時間、16時間、18時間、20時間、24時間、36時間、又は48時間以上後に測定される。
【0053】
いくつかの態様では、DLBCL又はABC-DLBCLを有する患者における式(III)の化合物への応答を予測するための方法であって、式(III)の化合物の投与前の、患者に由来するサンプル(例えば、血清サンプル)におけるCCL3、CCL4、ACTG2、LOR、GAPT、CCND2、SELL、GENl、HDAC9、又はそれらの任意の組み合わせの発現レベルを判定することと、それを、対照又は参照と比較することと、を含み、患者サンプルが、対照又は参照レベルに対して、CCL3、CCL4、ACTG2、LOR、GAPT、CCND2、SELL、GENl、HDAC9、又はそれらの任意の組み合わせの高い発現レベルを示す場合に、式(III)の化合物でのリートメントについての順調な転帰が予測される、方法が提供される。いくつかの態様では、参照レベルは、正常な患者(例えば、DLBCLを有しない患者)におけるCCL3、CCL4、ACTG2、LOR、GAPT、CCND2、SELL、GENl、HDAC9、又はそれらの任意の組み合わせの発現のレベルである。
【0054】
いくつかの態様では、選択された患者におけるDLBCL又はABC-DLBCLを治療するための方法であって、選択された患者に、治療有効量の式(III)の化合物を、DLBCL又はABC-DLBCLを治療するのに有効な量で投与することを含み、当該選択された患者が、式(III)の化合物の投与前に、CCL3、CCL4、ACTG2、LOR、GAPT、CCND2、SELL、GENl、HDAC9、又はそれらの任意の組み合わせの高い発現レベルを有し、正常に対して、CCL3、CCL4、ACTG2、LOR、GAPT、CCND2、SELL、GENl、HDAC9、又はそれらの任意の組み合わせの高い発現レベルが、選択された患者が、式(III)の化合物での継続治療から利益を得ることを示す、方法が提供される。
【0055】
いくつかの態様では、式(III)の化合物での治療に治療的に応答する可能性がある患者を識別するための方法であって、(a)DLBCL若しくはABC-DLBCLを有するか、又はDLBCL若しくはABC-DLBCLを有する疑いがある患者から得られたサンプル(例えば、血清サンプル)において、CCL3、CCL4、ACTG2、LOR、GAPT、CCND2、SELL、GENl、HDAC9、又はそれらの任意の組み合わせの発現レベルを測定することと、(b)ステップ(a)で得られたレベルを、対照サンプルにおける当該CCL3、CCL4、ACTG2、LOR、GAPT、CCND2、SELL、GENl、HDAC9、又はそれらの任意の組み合わせの発現のレベルと比較することと、を含み、対照サンプルに対する、ステップ(a)で測定されたCCL3、CCL4、ACTG2、LOR、GAPT、CCND2、SELL、GENl、HDAC9、又はそれらの任意の組み合わせのレベルの増加が、患者が、式(III)の化合物での治療に治療的に応答することを示し、対照サンプルに対して増加していないか又は減少している、CCL3、CCL4、ACTG2、LOR、GAPT、CCND2、SELL、GENl、HDAC9、又はそれらの任意の組み合わせのレベルが、患者が、式(III)の化合物での治療に応答する可能性がないこと、又はそれに対して耐性がある可能性があることを示す、方法が提供される。
【0056】
いくつかの態様は、患者が、式(III)の化合物を投与することを含む、DLBCL又はABC-DLBCLを治療する方法に治療的に応答するかどうかを予測するための方法であって、(a)患者から得られたサンプル(例えば、血清サンプル)において、CCL3、CCL4、ACTG2、LOR、GAPT、CCND2、SELL、GENl、HDAC9、又はそれらの任意の組み合わせの発現レベルを測定することと、(b)ステップ(a)で得られたレベルを、対照サンプルにおける当該CCL3、CCL4、ACTG2、LOR、GAPT、CCND2、SELL、GENl、HDAC9、又はそれらの任意の組み合わせの発現のレベルと比較することと、を含み、ステップ(a)で測定されたCCL3、CCL4、ACTG2、LOR、GAPT、CCND2、SELL、GENl、HDAC9、又はそれらの任意の組み合わせのレベルの増加が、患者が、式(III)の化合物での治療に治療的に応答することを示し、対照サンプルに対して増加していないか又は減少している、CCL3、CCL4、ACTG2、LOR、GAPT、CCND2、SELL、GENl、HDAC9、又はそれらの任意の組み合わせのレベルが、患者が、式(III)の化合物での治療に応答する可能性がないこと、又はそれに対して耐性がある可能性があることを示す、方法が提供される。
【0057】
いくつかの態様では、本明細書で提供される方法は、経時的に反復して実施され、方法において、治療前又は参照サンプルに対して、患者サンプルにおけるCCL3、CCL4、ACTG2、LOR、GAPT、CCND2、SELL、GENl、HDAC9、又はそれらの任意の組み合わせの減少したレベルは、式(III)の化合物での治療への患者の順調な応答を示唆し、対照サンプルに対して、患者サンプルにおけるCCL3、CCL4、ACTG2、LOR、GAPT、CCND2、SELL、GENl、HDAC9、又はそれらの任意の組み合わせの増加したレベルは、患者が、式(III)の化合物での治療に応答する可能性がないこと、又はそれに対して耐性がある可能性があることを示す。したがって、いくつかの態様では、DLBCL又はABC-DLBCLを有する患者の治療を監視する方法であって、DLBCL又はABC-DLBCLが、患者に、式(III)の化合物を、単独で又は抗がん剤若しくは腫瘍剤との組み合わせで投与することを含む方法によって治療される、方法が提供される。
【0058】
いくつかの態様では、CCL3、CCL4、ACTG2、LOR、GAPT、CCND2、SELL、GENl、HDAC9、又はそれらの任意の組み合わせの発現のレベルは、式(III)の化合物での治療の1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、7時間、8時間、9時間、10時間、11時間、12時間、14時間、16時間、18時間、20時間、24時間、36時間、又は48時間以上後に測定される。いくつかの態様では、CCL3、CCL4、ACTG2、LOR、GAPT、CCND2、SELL、GENl、HDAC9、又はそれらの任意の組み合わせの発現レベルは、式(III)の化合物での単一投薬量の1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、7時間、8時間、9時間、10時間、11時間、12時間、14時間、16時間、18時間、20時間、24時間、36時間、又は48時間以上後に測定される。いくつかの態様では、CCL3、CCL4、ACTG2、LOR、GAPT、CCND2、SELL、GENl、HDAC9、又はそれらの任意の組み合わせの発現レベルは、式(III)の化合物での複数回の投与の1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、7時間、8時間、9時間、10時間、11時間、12時間、14時間、16時間、18時間、20時間、24時間、36時間、又は48時間以上後に測定される。いくつかの態様では、CCL3、CCL4、ACTG2、LOR、GAPT、CCND2、SELL、GENl、HDAC9、又はそれらの任意の組み合わせの発現レベルは、式(III)の化合物での複数回の投与及び最後の投薬量の1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、7時間、8時間、9時間、10時間、11時間、12時間、14時間、16時間、18時間、20時間、24時間、36時間、又は48時間以上後に測定される。いくつかの態様では、CCL3、CCL4、ACTG2、LOR、GAPT、CCND2、SELL、GENl、HDAC9、又はそれらの任意の組み合わせの発現レベルは、治療レジメンにおける最後の投薬量の式(III)の化合物の投与の1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、7時間、8時間、9時間、10時間、11時間、12時間、14時間、16時間、18時間、20時間、24時間、36時間、又は48時間以上後に測定される。
【0059】
いくつかの態様では、CCL3、CCL4、ACTG2、LOR、GAPT、CCND2、SELL、GENl、HDAC9、又はそれらの任意の組み合わせの発現レベルは、式(III)の化合物での治療レジメンのコース中に経時的に監視される。いくつかの態様では、CCL3、CCL4、ACTG2、LOR、GAPT、CCND2、SELL、GENl、HDAC9、又はそれらの任意の組み合わせの発現レベルは、毎日、2日毎、3日毎、4日毎、5日毎、6日毎、毎週、2週間毎、3週間毎、毎月、又はそれよりも長い間隔で測定される。いくつかの態様では、CCL3、CCL4、ACTG2、LOR、GAPT、CCND2、SELL、GENl、HDAC9、又はそれらの任意の組み合わせの発現レベルは、式(III)の化合物での治療レジメンのコース中に経時的に監視され、CCL3、CCL4、ACTG2、LOR、GAPT、CCND2、SELL、GENl、HDAC9、又はそれらの任意の組み合わせの発現レベルは、式(III)の化合物の各投与後に判定される。いくつかの態様では、CCL3、CCL4、ACTG2、LOR、GAPT、CCND2、SELL、GENl、HDAC9、又はそれらの任意の組み合わせの発現レベルは、式(III)の化合物での治療レジメンのコース中に経時的に監視され、CCL3、CCL4、ACTG2、LOR、GAPT、CCND2、SELL、GENl、HDAC9、又はそれらの任意の組み合わせの発現レベルは、式(III)の化合物の複数回の投与後に判定される。いくつかの態様では、CCL3、CCL4、ACTG2、LOR、GAPT、CCND2、SELL、GENl、HDAC9、又はそれらの任意の組み合わせの発現レベルは、式(III)の化合物での治療レジメンのコース中に経時的に監視され、CCL3、CCL4、ACTG2、LOR、GAPT、CCND2、SELL、GENl、HDAC9、又はそれらの任意の組み合わせの発現レベルは、式(III)の化合物の2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、又は12回以上の投与後に判定される。
【0060】
いくつかの態様では、CCL3、CCL4、ACTG2、LOR、GAPT、CCND2、SELL、GENl、HDAC9、又はそれらの任意の組み合わせの発現レベルは、式(III)の化合物での治療レジメンのコース中に経時的に監視され、CCL3、CCL4、ACTG2、LOR、GAPT、CCND2、SELL、GENl、HDAC9、又はそれらの任意の組み合わせの発現レベルの増加は、患者が、式(III)の化合物での治療に対して耐性があること、又はそれに対して耐性があるようになることを示す。いくつかの態様では、CCL3、CCL4、ACTG2、LOR、GAPT、CCND2、SELL、GENl、HDAC9、又はそれらの任意の組み合わせの発現レベルは、式(III)の化合物での治療レジメンのコース中に経時的に監視され、CCL3、CCL4、ACTG2、LOR、GAPT、CCND2、SELL、GENl、HDAC9、又はそれらの任意の組み合わせの発現レベルの変化が、参照レベルに対して検出される場合に、治療レジメンは、変更、継続、又は中断される。いくつかの態様では、治療レジメンは中断される。いくつかの態様では、治療レジメンは継続される。いくつかの態様では、治療レジメンは変更される。いくつかの態様では、式(III)の化合物の投薬量は増加する。いくつかの態様では、式(III)の化合物の投薬量は減少する。いくつかの態様では、変更されない式(III)の化合物の投薬量。いくつかの態様では、式(III)の化合物の投与の頻度は増加する。いくつかの態様では、式(III)の化合物の投与の頻度は減少する。いくつかの態様では、式(III)の化合物の投与の頻度は変更されない。いくつかの態様では、式(III)の化合物の投与のタイミングは変更される(例えば、時刻、又は他の治療剤の投与に対する時間)。いくつかの態様では、式(III)の化合物の投与のタイミングは変更されない。いくつかの態様では、追加の治療剤が投与される。
【0061】
いくつかの態様では、CCL3、CCL4、ACTG2、LOR、GAPT、CCND2、SELL、GENl、HDAC9、又はそれらの任意の組み合わせの発現レベルが、式(III)の化合物での療法のコースにわたって増加している場合に、式(III)の化合物の投薬量は増加する。いくつかの態様では、CCL3、CCL4、ACTG2、LOR、GAPT、CCND2、SELL、GENl、HDAC9、又はそれらの任意の組み合わせの発現レベルが、療法のコースにわたって増加している場合に、式(III)の化合物の投与の頻度は増加する。いくつかの態様では、CCL3、CCL4、ACTG2、LOR、GAPT、CCND2、SELL、GENl、HDAC9、又はそれらの任意の組み合わせの発現レベルが、療法のコースにわたって増加している場合に、追加の治療剤が投与される。
【0062】
いくつかの態様では、正常に対して、患者におけるCCL3、CCL4、ACTG2、LOR、GAPT、CCND2、SELL、GENl、HDAC9、又はそれらの任意の組み合わせの「高い発現レベル」とは、患者が、CCL3、CCL4、ACTG2、LOR、GAPT、CCND2、SELL、GENl、HDAC9、又はそれらの任意の組み合わせのプレティエン発現レベルにおいて、1.5倍、2倍、3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、15倍、20倍、25倍、30倍、35倍、40倍、45倍、50倍、55倍、60倍、65倍、70倍、75倍、80倍、85倍、90倍、95倍、又は100倍以上の増加を示すことを意味する。いくつかの態様では、正常に対して、患者におけるCCL3、CCL4、ACTG2、LOR、GAPT、CCND2、SELL、GENl、HDAC9、又はそれらの任意の組み合わせの「高い発現レベル」とは、患者が、CCL3、CCL4、ACTG2、LOR、GAPT、CCND2、SELL、GENl、HDAC9、又はそれらの任意の組み合わせをコードする核酸(例えば、mRNA)の発現において、1.5倍、2倍、3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、15倍、20倍、25倍、30倍、35倍、40倍、45倍、50倍、55倍、60倍、65倍、70倍、75倍、80倍、85倍、90倍、95倍、又は100倍以上の増加を示すことを意味する。
【0063】
いくつかの態様では、方法は、サンプル(例えば、血清サンプル)を、患者から得ることと、CCL3、CCL4、ACTG2、LOR、GAPT、CCND2、SELL、GENl、HDAC9タンパク質、又はそれらの任意の組み合わせのタンパク質発現レベルを測定することと、を含む。いくつかの態様では、CCL3、CCL4、ACTG2、LOR、GAPT、CCND2、SELL、GENl、HDAC9、又はそれらの任意の組み合わせのタンパク質発現レベルを測定することは、イムノアッセイを含む。いくつかの態様では、CCL3、CCL4、ACTG2、LOR、GAPT、CCND2、SELL、GENl、HDAC9、又はそれらの任意の組み合わせのタンパク質発現レベルを測定することは、ELISAを含む。いくつかの態様では、CCL3、CCL4、ACTG2、LOR、GAPT、CCND2、SELL、GENl、HDAC9、又はそれらの任意の組み合わせのタンパク質発現レベルを測定することは、CCL3、CCL4、ACTG2、LOR、GAPT、CCND2、SELL、GENl、HDAC9タンパク質、又はそれらの任意の組み合わせを、抗体で検出することを含む。いくつかの態様では、抗体は、標識されている。いくつかの態様では、CCL3、CCL4、ACTG2、LOR、GAPT、CCND2、SELL、GENl、HDAC9、又はそれらの任意の組み合わせのタンパク質発現レベルを測定することは、CCL3、CCL4、ACTG2、LOR、GAPT、CCND2、SELL、GENl、HDAC9、又はそれらの任意の組み合わせを、第1の抗体で検出して、CCL3、CCL4、ACTG2、LOR、GAPT、CCND2、SELL、GENl、HDAC9、又はそれらの任意の組み合わせとの抗体複合体を形成することと、次いで、抗体複合体を、第1の抗体に結合する二次抗体で検出することと、を含む。いくつかの態様では、抗体は、標識されている。
【0064】
いくつかの態様では、方法は、核酸を含有するサンプルを、患者から得ることと、CCL3、CCL4、ACTG2、LOR、GAPT、CCND2、SELL、GENl、HDAC9、又はそれらの任意の組み合わせをコードする核酸の発現レベルを測定することと、を含む。いくつかの態様では、方法は、mRNAを、サンプルから単離又は精製することを含む。いくつかの態様では、方法は、mR A転写物を、例えば、RT-PCRによって増幅することを含む。いくつかの態様では、(例えば、蛍光が、CCL3、CCL4、ACTG2、LOR、GAPT、CCND2、SELL、GENl、HDAC9、又はそれらの任意の組み合わせの設定閾値レベル(「ct」)mRNA発現を超える、サイクル数を判定することによって評価される場合の)CCL3、CCL4、ACTG2、LOR、GAPT、CCND2、SELL、GENl、HDAC9、又はそれらの任意の組み合わせのより高いベースラインレベルは、がんが、式(III)の化合物での治療に感受性がある可能性がより高いことを示す。
【0065】
いくつかの態様では、サンプルにおけるCCL3、CCL4、ACTG2、LOR、GAPT、CCND2、SELL、GENl、HDAC9、又はそれらの任意の組み合わせの発現のレベルは、参照DLBCL若しくはABC-DLBCL細胞、又はDLBCL若しくはABC-DLBCL細胞の集団における発現のレベルと比較される。いくつかの態様では、サンプルにおけるCCL3、CCL4、ACTG2、LOR、GAPT、CCND2、SELL、GENl、HDAC9、又はそれらの任意の組み合わせの発現のレベルは、参照DLBCL又はABC-DLBCL細胞株における発現のレベルと比較される。いくつかの態様では、サンプルにおけるCCL3、CCL4、ACTG2、LOR、GAPT、CCND2、SELL、GENl、HDAC9、又はそれらの任意の組み合わせの発現のレベルは、式(III)の化合物での治療に対して耐性があることが既知の参照DLBCL細胞又はDLBCL細胞の集団における発現のレベルと比較される。いくつかの態様では、サンプルにおけるCCL3、CCL4、ACTG2、LOR、GAPT、CCND2、SELL、GENl、HDAC9、又はそれらの任意の組み合わせの発現のレベルは、式(III)の化合物での治療に感受性があることが既知の参照DLBCL細胞又はDLBCL細胞の集団における発現のレベルと比較される。いくつかの態様では、サンプルにおけるCCL3、CCL4、ACTG2、LOR、GAPT、CCND2、SELL、GENl、HDAC9、又はそれらの任意の組み合わせの発現のレベルは、式(III)の化合物での治療に対して耐性があることが既知の参照DLBCL細胞株における発現のレベルと比較される。いくつかの態様では、サンプルにおけるCCL3、CCL4、ACTG2、LOR、GAPT、CCND2、SELL、GENl、HDAC9、又はそれらの任意の組み合わせの発現のレベルは、式(III)の化合物での治療に感受性があることが既知の参照DLBCL細胞株における発現のレベルと比較される。いくつかの態様では、DLBCL細胞株は、活性化B細胞様(ABC)-DLBCL細胞株である。いくつかの態様では、DLBCL細胞株は、胚中心B細胞様(Germinal Center B-cell-like、GCB)-DLBCL細胞株である。いくつかの態様では、DLBCL細胞株は、OCI-Lyl、OCI-Ly2、OCI-Ly3、OCI-Ly4、OCI-Ly6、OCI-Ly7、OCI-LylO、OCI-Lyl8、OCI-Lyl9、U2932、DB、HBL-1、RIVA、又はTMD8である。いくつかの態様では、式(III)の化合物での治療に感受性があるDLBCL細胞株は、TMD8、HBL-1、又はOCI-Lyl 0である。いくつかの態様では、式(III)の化合物での治療に対して耐性があるDLBCL細胞株は、OCI-Ly3、DB、又はOCI-Lyl 9である。
【0066】
いくつかの態様は、DLBCLを有する対象が、治療有効量の式(III)の化合物で、6か月超間治療され、約6か月間の治療後に、対象が、所定の時間間隔で監視されて、CCL3及び/又はCCL4の発現のレベルが判定される、方法を対象とする。いくつかの態様では、監視することは、(a)式(III)の化合物での治療のコース後又はこのコース中の、サンプル(例えば、血清サンプル)におけるCCL3、CCL4、ACTG2、LOR、GAPT、CCND2、SELL、GENl、HDAC9、又はそれらの任意の組み合わせの発現レベルを判定することと、(b)対照又は参照レベルに対する、CCL3、CCL4、ACTG2、LOR、GAPT、CCND2、SELL、GENl、HDAC9、又はそれらの任意の組み合わせの発現に基づいて、治療を変更又は継続することと、を含む。いくつかの態様では、参照レベルは、治療有効量の式(III)の化合物の投与前の、患者から採取されたサンプル(例えば、血清サンプル)におけるCCL3、CCL4、ACTG2、LOR、GAPT、CCND2、SELL、GENl、HDAC9、又はそれらの任意の組み合わせの発現のレベルである。いくつかの態様では、参照レベルは、正常な患者(例えば、DLBCLを有しない患者)におけるCCL3、CCL4、ACTG2、LOR、GAPT、CCND2、SELL、GENl、HDAC9、又はそれらの任意の組み合わせの発現のレベルである。いくつかの態様では、治療レジメンは継続される。いくつかの態様では、治療レジメンは変更される。いくつかの態様では、式(III)の化合物の投薬量は増加する。いくつかの態様では、式(III)の化合物の投薬量は減少する。いくつかの態様では、変更されない式(III)の化合物の投薬量。いくつかの態様では、式(III)の化合物の投与の頻度は増加する。いくつかの態様では、式(III)の化合物の投与の頻度は減少する。いくつかの態様では、式(III)の化合物の投与の頻度は変更されない。いくつかの態様では、式(III)の化合物の投与のタイミングは変更される(例えば、時刻、又は他の治療剤の投与に対する時間)。いくつかの態様では、式(III)の化合物の投与のタイミングは変更されない。いくつかの態様では、追加の治療剤が投与される。いくつかの態様では、追加の抗がん剤が投与される。
【0067】
いくつかの態様では、方法は、CCL3、CCL4、ACTG2、LOR、GAPT、CCND2、SELL、GENl、HDAC9、又はそれらの任意の組み合わせの発現のレベルが、式(III)の化合物での治療のコースにわたって、参照又は対照に対して増加する場合に、式(III)の化合物での治療を中断することを更に含む。いくつかの態様では、方法は、CCL3、CCL4、ACTG2、LOR、GAPT、CCND2、SELL、GENl、HDAC9、又はそれらの任意の組み合わせの発現のレベルが、参照レベルに対して減少する場合に、式(III)の化合物での治療を継続することを更に含む。いくつかの態様では、参照は、DLBCL患者におけるCCL3、CCL4、ACTG2、LOR、GAPT、CCND2、SELL、GENl、HDAC9、又はそれらの任意の組み合わせの発現のレベルである。いくつかの態様では、参照は、式(III)の化合物での治療前の、同じ患者におけるCCL3、CCL4、ACTG2、LOR、GAPT、CCND2、SELL、GENl、HDAC9、又はそれらの任意の組み合わせの発現のレベルである。
【0068】
いくつかの態様では、個体が、対照に対して、CCL3、CCL4、ACTG2、LOR、GAPT、CCND2、SELL、GEN1、HDAC9、又はそれらの任意の組み合わせから選択される少なくとも1つのバイオマーカーにおける発現レベルの増加を示す場合に、個体は、DLBCLを有するとして特性化される。
【0069】
また、いくつかの態様では、式(III)の化合物での治療のために、DLBCL又はABC-DLBCLを有する個体を評価する方法であって、CCL3、CCL4、ACTG2、LOR、GAPT、CCND2、SELL、GEN1、HDAC9、又はそれらの任意の組み合わせから選択される少なくとも1つのバイオマーカーの発現レベルを判定することと、CCL3、CCL4、ACTG2、LOR、GAPT、CCND2、SELL、GEN1、HDAC9、又はそれらの任意の組み合わせから選択される少なくとも1つのバイオマーカーにおける発現レベルの増加がある場合に、個体に、治療有効量の式(III)の化合物を投与することと、によってそれを行う、方法が、本明細書に開示される。
【0070】
いくつかの態様では、DLBCL又はABC-DLBCLを有する個体における疾患進行を監視する方法であって、CCL3、CCL4、ACTG2、LOR、GAPT、CCND2、SELL、GEN1、HDAC9、又はそれらの任意の組み合わせから選択される少なくとも1つのバイオマーカーの発現レベルを判定することと、個体が、少なくとも1つのバイオマーカーCCL3、CCL4、ACTG2、LOR、GAPT、CCND2、SELL、GEN1、HDAC9、又はそれらの任意の組み合わせにおける発現レベルの増加を示す場合に、個体を、DLBCL又はABC-DLBCLを有するとして特性化することと、によってそれを行う、方法が、本明細書に更に開示される。
【0071】
本明細書で提供される方法は、レスポンダー集団、特に、式(III)の化合物などの式(III)の化合物での治療に感受性がある可能性がある患者を識別するための予測バイオマーカーとしての、CD10、BCL6、又はMUM1発現の使用に関する。本明細書で提供される方法は、臨床的利点を、GCB-DLBCLの診断及び治療に提供し、臨床的利点は、CD10、BCL6、MUM1、又はそれらの任意の組み合わせが、血漿及び血清サンプルにおいて確実に定量化され得ることを考慮すると、サンプルへの容易なアクセスを含み、低コストの分析、及びBCRを標的とする療法による迅速な調整(数日以内の正常化)を含む。いくつかの態様では、CD10、BCL6、MUM1、又はそれらの任意の組み合わせの血清中レベルは、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)又は他の迅速なタンパク質検出方法によって容易に定量化され得る。CD10、BCL6、MUM1、又はそれらの任意の組み合わせを検出するための他の方法は、Hans et.Al.(Confirmation of the molecular classification of diffuse large B-cell lymphoma by immunohistochemistry using a tissue microarray;Neoplasia(2004)103:275-282)に見出すことができ、これは、その全体が本明細書に組み込まれる。したがって、いくつかの態様では、CD10、BCL6、又はそれらの組み合わせの正常発現レベルよりも高い発現レベル、及びMUM1の正常発現よりも低い発現を提示する患者は、式(III)の化合物での治療に感受性がある可能性がある。いくつかの態様は、正常に対して、CD10、BCL、又はそれらの組み合わせのほぼ同じ又はより低い発現レベル、及びMUM1の正常発現よりも高い発現を示す患者は、式(III)の化合物での治療に対して耐性がある可能性がある。したがって、CD10、BCL6、MUM1、又はそれらの組み合わせの発現レベル、遺伝子又はタンパク質発現の測定は、式(III)の化合物での療法に応答する可能性がある患者を識別するために特に有用である。
【0072】
いくつかの態様は、式(III)の化合物への患者感受性を判定するための方法及び手順を対象とする。いくつかの態様は、GCB-DLBCLのための療法を必要としている個体が、治療に応答するかどうかを、治療の投与前に判定又は予測するための方法であって、治療が、式(III)の化合物の投与を含む、方法を対象とする。ある態様では、式(III)の化合物での治療のために、びまん性大細胞型GCB-DLBCLと診断された患者を選択するための方法であって、バイオマーカーCD10、BCL6、MUM1、又はそれらの任意の組み合わせ発現のレベルに基づいてそれを行う、方法が、本明細書に開示される。いくつかの態様では、方法は、式(III)の化合物での治療に応答する可能性がある患者を識別することを含む。いくつかの態様では、方法は、治療レジメンを判定することを含む。また、ある態様では、GCB-DLBCLの治療を必要としている個体において、GCB-DLBCLの治療を評価するための方法であって、個体に、治療有効量の式(III)の化合物を投与することと、CD10、BCL6、MUM1、又はそれらの任意の組み合わせの発現のレベルに基づいて、治療への患者の応答性を判定することと、を含む、方法が、本明細書に開示される。いくつかの態様では、治療前の、CD10、BCL6、又はそれらの組み合わせの高い発現レベル、及びMUM1の低い発現レベルは、式(III)の化合物での治療への治療応答を予測する。いくつかの態様では、GCB-DLBCLを治療するための方法であって、CD10、BCL6、又はそれらの組み合わせの上昇したレベル、及びMUM1の低いレベルを示す患者を予め選択し、それによって、式(III)の化合物への患者における応答の可能性を増加させることによってそれを行う、方法が提供される。いくつかの態様では、GCB-DLBCLを治療することを必要としている患者においてそれを行うための方法であって、患者が、CD10、BCL6、又はそれらの組み合わせの上昇したレベル、及びMUM1の低いレベルを示すかどうかを評価し、それによって、式(III)の化合物への患者における応答の可能性を増加させることによってそれを行う、方法が提供される。いくつかの態様は、GCB-DLBCLを治療することを必要としている患者においてそれを行うための方法であって、(a)患者に由来するサンプル(例えば、血清サンプル)におけるCD10、BCL6、MUM1、又はそれらの任意の組み合わせの発現レベルを判定することと、(b)CD10、BCL6、又はそれらの組み合わせの発現が、対照又は参照レベルに対して増加しており、MUM1の発現が、対照又は参照レベルに対して減少している場合に、患者に、治療有効量の式(III)の化合物を投与することと、を含む、方法を対象とする。いくつかの態様では、参照レベルは、正常な患者(例えば、DLBCL又はGCB-DLBCLを有しない患者)におけるCD10、BCL6、MUM1、又はそれらの任意の組み合わせの発現のレベルである。
【0073】
いくつかの態様では、GCB-DLBCLを治療することを必要としている患者においてそれを行うための例示的な方法は、(a)治療有効量の式(III)の化合物の投与後の、患者に由来するサンプル(例えば、血清サンプル)におけるCD10、BCL6、MUM1、又はそれらの任意の組み合わせの発現レベルを判定することと、(b)対照又は参照レベルに対する、CD10、BCL6、MUM1、又はそれらの任意の組み合わせの発現に基づいて、治療を変更、中断、又は継続することと、を含む。いくつかの態様では、参照レベルは、治療有効量の式(III)の化合物の投与前の、患者から採取されたサンプル(例えば、血清サンプル)におけるCD10、BCL6、MUM1、又はそれらの任意の組み合わせの発現のレベルである。いくつかの態様では、治療レジメンは継続される。いくつかの態様では、治療レジメンは変更される。いくつかの態様では、式(III)の化合物の投薬量は増加する。いくつかの態様では、式(III)の化合物の投薬量は減少する。いくつかの態様では、式(III)の化合物の投薬量は変更されない。いくつかの態様では、式(III)の化合物の投与の頻度は増加する。いくつかの態様では、式(III)の化合物の投与の頻度は減少する。いくつかの態様では、式(III)の化合物の投与の頻度は変更されない。いくつかの態様では、式(III)の化合物の投与のタイミングが変更される(例えば、時刻、又は他の治療剤の投与に対する時間)。いくつかの態様では、式(III)の化合物の投与のタイミングは変更されない。いくつかの態様では、追加の治療剤が投与される。いくつかの態様では、追加の抗がん剤が投与される。
【0074】
いくつかの態様では、GCB-DLBCLを有する患者における式(III)の化合物への応答を予測するための方法であって、式(III)の化合物の投与前の、患者に由来するサンプル(例えば、血清サンプル)におけるCD10、BCL6、MUM1、又はそれらの任意の組み合わせの発現レベルを判定することと、それを、対照又は参照と比較することと、を含み、患者サンプルが、対照又は参照レベルに対して、CD10、BCL6、MUM1、又はそれらの任意の組み合わせの高い発現レベルを示す場合に、式(III)の化合物での治療についての順調な転帰が予測される、方法が提供される。いくつかの態様では、参照レベルは、正常な患者(例えば、DLBCL又はGCB-BLBCLを有しない患者)におけるCD10、BCL6、MUM1、又はそれらの任意の組み合わせの発現のレベルである。
【0075】
いくつかの態様では、選択された患者におけるGCB-DLBCLを治療するための方法であって、選択された患者に、治療有効量の式(III)の化合物を、GCB-DLBCLを治療するのに有効な量で投与することを含み、当該選択された患者が、式(III)の化合物の投与前に、CD10、BCL6、又はそれらの組み合わせの高い発現レベル、及びMUM1の低い発現レベルを有し、正常に対して、CD10、BCL6、又はそれらの組み合わせの高い発現レベル、及びMUM1の低いレベルが、選択された患者が、式(III)の化合物での継続治療から利益を得ることを示す、方法が提供される。
【0076】
いくつかの態様では、式(III)の化合物での治療に治療的に応答する可能性がある患者を識別するための方法であって、(a)GCB-DLBCLを有するか又はGCB-DLBCLを有する疑いがある患者から得られたサンプル(例えば、血清サンプル)において、CD10、BCL6、MUM1、又はそれらの任意の組み合わせの発現レベルを測定することと、(b)ステップ(a)で得られたレベルを、対照サンプルにおける当該CD10、BCL6、MUM1、又はそれらの任意の組み合わせの発現のレベルと比較することと、を含み、対照サンプルに対する、ステップ(a)で測定されたCD10、BCL6、又はそれらの組み合わせのレベルの増加、及びMUM1のレベルの減少が、患者が、式(III)の化合物での治療に治療的に応答することを示す、方法が提供される。
【0077】
いくつかの態様は、患者が、式(III)の化合物を投与することを含む、GCB-DLBCLを治療する方法に治療的に応答するかどうかを予測するための方法であって、(a)患者から得られたサンプル(例えば、血清サンプル)において、CD10、BCL6、MUM1、又はそれらの任意の組み合わせの発現レベルを測定することと、(b)ステップ(a)で得られたレベルを、対照サンプルにおける当該CD10、BCL6、MUM1、又はそれらの任意の組み合わせの発現のレベルと比較することと、を含み、ステップ(a)で測定されたCD10、BCL6、又はそれらの組み合わせのレベルの増加、及びMUM1発現の減少が、患者が、式(III)の化合物での治療に治療的に応答することを示す、方法が提供される。
【0078】
いくつかの態様では、正常に対して、患者におけるCD10、BCL6、又はそれらの組み合わせの「高い発現レベル」とは、患者が、CD10、BCL6、又はそれらの組み合わせのタンパク質発現レベルにおいて、1.5倍、2倍、3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、15倍、20倍、25倍、30倍、35倍、40倍、45倍、50倍、55倍、60倍、65倍、70倍、75倍、80倍、85倍、90倍、95倍、又は100倍以上の増加を示すことを意味する。いくつかの態様では、正常に対して、患者におけるCD10、BCL6、又はそれらの組み合わせの「高い発現レベル」とは、患者が、CD10、BCL6、MUM1、又はそれらの任意の組み合わせをコードする核酸(例えば、mRNA)の発現において、1.5倍、2倍、3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、15倍、20倍、25倍、30倍、35倍、40倍、45倍、50倍、55倍、60倍、65倍、70倍、75倍、80倍、85倍、90倍、95倍、又は100倍以上の増加を示すことを意味する。いくつかの態様では、正常に対して、患者におけるMUM1の「低い発現レベル」とは、患者が、MUM1のタンパク質発現レベルにおいて、1.5倍、2倍、3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、15倍、20倍、25倍、30倍、35倍、40倍、45倍、50倍、55倍、60倍、65倍、70倍、75倍、80倍、85倍、90倍、95倍、又は100倍以上の減少を示すことを意味する。いくつかの態様では、正常に対して、患者におけるMUM1の「低い発現レベル」とは、患者が、コードする核酸(例えば、mRNA)の発現において、1.5倍、2倍、3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、15倍、20倍、25倍、30倍、35倍、40倍、45倍、50倍、55倍、60倍、65倍、70倍、75倍、80倍、85倍、90倍、95倍、又は100倍以上の減少を示すことを意味する。
【0079】
いくつかの態様では、方法は、サンプル(例えば、血清サンプル)を、患者から得ることと、CD10、BCL6、MUM1タンパク質、又はそれらの任意の組み合わせのタンパク質発現レベルを測定することと、を含む。いくつかの態様では、CD10、BCL6、MUM1、又はそれらの任意の組み合わせのタンパク質発現レベルを測定することは、イムノアッセイを含む。いくつかの態様では、CD10、BCL6、MUM1、又はそれらの任意の組み合わせのタンパク質発現レベルを測定することは、ELISAを含む。いくつかの態様では、CD10、BCL6、MUM1、又はそれらの任意の組み合わせのタンパク質発現レベルを測定することは、CD10、BCL6、MUM1、又はそれらの任意の組み合わせのタンパク質レベルを、抗体で検出することを含む。いくつかの態様では、抗体は、標識されている。いくつかの態様では、CD10、BCL6、MUM1、又はそれらの任意の組み合わせのタンパク質発現レベルを測定することは、CD10、BCL6、MUM1、又はそれらの任意の組み合わせを、第1の抗体で検出して、CD10、BCL6、MUM1、又はそれらの任意の組み合わせとの抗体複合体を形成することと、次いで、抗体複合体を、第1の抗体に結合する二次抗体で検出することと、を含む。いくつかの態様では、抗体は、標識されている。
【0080】
いくつかの態様では、方法は、核酸を含有するサンプルを、患者から得ることと、CD10、BCL6、MUM1、又はそれらの任意の組み合わせをコードする核酸の発現レベルを測定することと、を含む。いくつかの態様では、方法は、mRNAを、サンプルから単離又は精製することを含む。いくつかの態様では、方法は、mRNA転写物を、例えば、RT-PCRによって増幅することを含む。いくつかの態様では、(例えば、蛍光が、CD10、BCL6、MUM1、又はそれらの任意の組み合わせの設定閾値レベル(「ct」)mRNA発現を超える、サイクル数を判定することによって評価される場合の)CD10、BCL6、MUM1、又はそれらの任意の組み合わせのより高いベースラインレベルは、がんが、式(III)の化合物での治療に感受性がある可能性がより高いことを示す。
【0081】
いくつかの態様では、サンプルにおけるCD10、BCL6、MUM1、又はそれらの任意の組み合わせの発現のレベルは、参照GCB-DLBCL細胞又はGCB-DLBCL細胞の集団における発現のレベルと比較される。いくつかの態様では、サンプルにおけるCD10、BCL6、MUM1、又はそれらの任意の組み合わせの発現のレベルは、参照GCB-DLBCL細胞株における発現のレベルと比較される。いくつかの態様では、サンプルにおけるCD10、BCL6、MUM1、又はそれらの任意の組み合わせの発現のレベルは、式(III)の化合物での治療に対して耐性があることが既知の参照GCB-DLBCL細胞又はGCB-DLBCL細胞の集団における発現のレベルと比較される。いくつかの態様では、サンプルにおけるCD10、BCL6、MUM1、又はそれらの任意の組み合わせの発現のレベルは、式(III)の化合物での治療に感受性があることが既知の参照GCB-DLBCL細胞又はGCB-DLBCL細胞の集団における発現のレベルと比較される。いくつかの態様では、サンプルにおけるCD10、BCL6、MUM1、又はそれらの任意の組み合わせの発現のレベルは、式(III)の化合物での治療に対して耐性があることが既知の参照DLBCL細胞株における発現のレベルと比較される。いくつかの態様では、サンプルにおけるCD10、BCL6、MUM1、又はそれらの任意の組み合わせの発現のレベルは、式(III)の化合物での治療に感受性があることが既知の参照GCB-DLBCL細胞株における発現のレベルと比較される。いくつかの態様では、GCB-DLBCL又はDLBCL細胞株は、OCI-Lyl、OCI-Ly2、OCI-Ly3、OCI-Ly4、OCI-Ly6、OCI-Ly7、OCI-LylO、OCI-Lyl8、OCI-Lyl9、U2932、DB、HBL-1、RIVA、又はTMD8である。いくつかの態様では、式(III)の化合物での治療に感受性があるGCB-DLBCL又はDLBCL細胞株は、TMD8、HBL-1、又はOCI-Lyl 0である。いくつかの態様では、式(III)の化合物での治療に対して耐性があるGCB-DLBCL又はDLBCL細胞株は、OCI-Ly3、DB、又はOCI-Lyl 9である。
【0082】
いくつかの態様では、維持療法は、1日投薬量の式(III)の化合物の投与を含む。本明細書に記載される診断的及び治療的用途に使用するため、キット及び製品も本明細書に記載される。かかるキットは、バイアル、チューブなどの1つ以上の容器を受容するように区画化されたキャリア、パッケージ、又は容器を備えることができ、容器の各々は、本明細書に記載の方法で使用される別々の要素のうち1つを備える。好適な容器として、例えば、瓶、バイアル、注射器、及び試験管が挙げられる。容器は、例えば、ガラス又はプラスチックなどの任意の許容される材料から形成される。いくつかの態様では、本明細書で提供されるキットは、CD10、BCL6、MUM1、又はそれらの組み合わせの発現のレベルの判定において使用するためのものである。いくつかの態様では、本明細書で提供されるキットは、式(III)の化合物でのコンパニオン診断としての使用のためのものである。いくつかの態様では、キットは、式(III)の化合物での治療のために、患者を選択するために用いられ、対象を、式(III)の化合物に感受性があるとして識別するために用いられ、式(III)の化合物での治療を評価するために用いられる。いくつかの態様では、キットは、式(III)の化合物での治療のために、患者を選択するために使用されるか、対象を、式(III)の化合物に対して耐性があるとして、若しくはそれに対して耐性があるようになる可能性があるとして識別するために使用されるか、式(III)の化合物に対する耐性を生じることを監視するために使用されるか、又はそれらの組み合わせのために使用される。
【0083】
本明細書で提供されるキットは、CD10、BCL6、MUM1、又はそれらの任意の組み合わせの発現の検出のための1つ又は2つ以上の試薬を含有する。例示的な試薬としては、限定するものではないが、抗体、緩衝剤、核酸、マイクロアレイ、ELISAプレート、酵素染色のための基質、クロマゲン、又は他の材料、例えば、スライド、容器、マイクロタイタープレート、及び任意選択的に、方法の実行についての説明書が挙げられる。当業者は、様々な材料と接触させるのに使用できる多くの他の可能な容器及びプレート及び試薬を認識するであろう。
【0084】
いくつかの態様では、個体が、対照に対して、CD10、BCL6、又はそれらの組み合わせから選択される少なくとも1つのバイオマーカーにおける発現レベルの増加、及び任意選択的に、MUM1の愛人レベルを示す場合に、個体は、GCB-DLBCLを有するとして特性化される。
【0085】
また、いくつかの態様では、式(III)の化合物での治療のために、GCB-DLBCLを有する個体を評価する方法であって、CD10、BCL6、MUM1、又はそれらの任意の組み合わせから選択される少なくとも1つのバイオマーカーの発現レベルを判定することと、CD10、BCL6、又はそれらの組み合わせから選択される少なくとも1つのバイオマーカーにおける発現レベルの増加、及び任意選択的に、MUM1の発現レベルの減少がある場合に、個体に、治療有効量の式(III)の化合物を投与することと、によってそれを行う、方法が、本明細書に開示される。
【0086】
いくつかの態様では、対象は、本明細書に開示されるバイオマーカー遺伝子の発現のレベルを判定するために、毎月、2か月毎、3か月毎、4か月毎、5か月毎、6か月毎、7か月毎、8か月毎、9か月毎、10か月毎、11か月毎、又は毎年監視される。
【0087】
遺伝子改変に基づくバイオマーカー
いくつかの態様では、本明細書に開示される方法は、改変の存在又は非存在を検出することに基づき、塩基置換、挿入、欠失、DNA再編成、転座、コピー数変化、又はそれらの組み合わせである。
【0088】
本明細書で提供される方法は、MYD88、CD79B、PIM1、CDKN2A、HLA-B、OSBPL10、ETV6、SPIB、TOX、BTG1、BTG2、HLA-A、SETD1B、HLA-C、MPEG1、FOXC1、TBL1XR1、KLHL14、GRHPR、CD58、PRDM1、VMP1、PIM2、WEE1、BCL11A、CHST2、ARID5B、HASPIN、IL16、PPP1R9B、又はHNF1Bにおける改変を、レスポンダー集団、特に、式(III)の化合物での治療に感受性がある可能性がある患者を識別するための予測バイオマーカーとして検出することに関する。本明細書で提供される方法は、臨床的利点を、B細胞リンパ腫の診断及び治療に提供し、臨床的利点は、本明細書に記載されるバイオマーカー遺伝子への改変が、確実に検出され得ることを考慮すると、サンプルへの容易なアクセスを含む。
【0089】
いくつかの態様では、対象におけるDLBCLを治療する方法は、(a)対象における1つ又は2つ以上のバイオマーカー遺伝子における改変の存在又は非存在を判定することであって、バイオマーカー遺伝子が、MYD88、CD79B、PIM1、CDKN2A、HLA-B、OSBPL10、ETV6、SPIB、TOX、BTG1、BTG2、HLA-A、SETD1B、HLA-C、MPEG1、FOXC1、TBL1XR1、KLHL14、GRHPR、CD58、PRDM1、VMP1、PIM2、WEE1、BCL11A、CHST2、ARID5B、HASPIN、IL16、PPP1R9B、又はHNF1Bから選択される、判定することと、(b)1つ又は2つ以上のバイオマーカー遺伝子における改変が存在する場合に、対象に、治療有効量の式(III)の化合物を投与することと、を含む。いくつかの実施形態では、DLBCLサブタイプは、活性化B細胞びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(ABC-DLBCL)、胚中心B細胞びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(GCB-DLBCL)、又は非胚中心B細胞びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(非GCB-DLBCL)である。
【0090】
いくつかの態様では、DLBCLの治療のために、式(III)の化合物を受けている対象が、療法に対する耐性を生じているか、又はそれを生じる可能性があるかどうかを監視する方法は、(a)対象における1つ又は2つ以上のバイオマーカー遺伝子における改変の存在又は非存在を判定することであって、バイオマーカー遺伝子が、MYD88、CD79B、PIM1、CDKN2A、HLA-B、OSBPL10、ETV6、SPIB、TOX、BTG1、BTG2、HLA-A、SETD1B、HLA-C、MPEG1、FOXC1、TBL1XR1、KLHL14、GRHPR、CD58、PRDM1、VMP1、PIM2、WEE1、BCL11A、CHST2、ARID5B、HASPIN、IL16、PPP1R9B、又はHNF1Bから選択され、1つ又は2つ以上のバイオマーカー遺伝子における改変が存在する場合に、対象が、療法に対する耐性を生じる可能性がある、判定することを含み。いくつかの実施形態では、DLBCLサブタイプは、活性化B細胞びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(ABC-DLBCL)、胚中心B細胞びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(GCB-DLBCL)、又は非胚中心B細胞びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(非GCB-DLBCL)である。
【0091】
いくつかの態様では、DLBCLの治療のために、式(III)の化合物を受けている対象における応答を予測する方法は、対象における1つ又は2つ以上のバイオマーカー遺伝子における改変の存在又は非存在を判定することであって、バイオマーカー遺伝子が、MYD88、CD79B、PIM1、CDKN2A、HLA-B、OSBPL10、ETV6、SPIB、TOX、BTG1、BTG2、HLA-A、SETD1B、HLA-C、MPEG1、FOXC1、TBL1XR1、KLHL14、GRHPR、CD58、PRDM1、VMP1、PIM2、WEE1、BCL11A、CHST2、ARID5B、HASPIN、IL16、PPP1R9B、又はHNF1Bから選択され、1つ又は2つ以上のバイオマーカー遺伝子における改変が存在する場合に、対象が、療法に応答する可能性がある、判定することを含む。いくつかの実施形態では、DLBCLサブタイプは、活性化B細胞びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(ABC-DLBCL)、胚中心B細胞びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(GCB-DLBCL)、又は非胚中心B細胞びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(非GCB-DLBCL)である。
【0092】
いくつかの態様では、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)の治療のために、式(III)の化合物を受けている対象の療法を最適化する方法であって、(a)対象における1つ又は2つ以上のバイオマーカー遺伝子における改変の存在又は非存在を判定することであって、バイオマーカー遺伝子が、MYD88、CD79B、PIM1、CDKN2A、HLA-B、OSBPL10、ETV6、SPIB、TOX、BTG1、BTG2、HLA-A、SETD1B、HLA-C、MPEG1、FOXC1、TBL1XR1、KLHL14、GRHPR、CD58、PRDM1、VMP1、PIM2、WEE1、BCL11A、CHST2、ARID5B、HASPIN、IL16、PPP1R9B、又はHNF1Bから選択される、判定することと、(b)1つ又は2つ以上のバイオマーカー遺伝子における改変の存在又は非存在に基づいて、治療を変更することと、を含む、方法が、本明細書に更に開示される。いくつかの実施形態では、DLBCLサブタイプは、活性化B細胞びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(ABC-DLBCL)、胚中心B細胞びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(GCB-DLBCL)、又は非胚中心B細胞びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(非GCB-DLBCL)である。
【0093】
いくつかの態様では、対象における式(III)の化合物での治療を評価する方法は、(a)対象における1つ又は2つ以上のバイオマーカー遺伝子における改変の存在又は非存在を判定することであって、バイオマーカー遺伝子が、MYD88、CD79B、PIM1、CDKN2A、HLA-B、OSBPL10、ETV6、SPIB、TOX、BTG1、BTG2、HLA-A、SETD1B、HLA-C、MPEG1、FOXC1、TBL1XR1、KLHL14、GRHPR、CD58、PRDM1、VMP1、PIM2、WEE1、BCL11A、CHST2、ARID5B、HASPIN、IL16、PPP1R9B、又はHNF1Bから選択される、判定することと、(b)1つ又は2つ以上のバイオマーカー遺伝子における改変の存在又は非存在に基づいて、治療を変更、中断、又は継続することと、を含む。いくつかの実施形態では、治療レジメンは変更される。いくつかの実施形態では、式(III)の化合物の投薬量は増加する。いくつかの実施形態では、式(III)の化合物の投薬量は減少する。いくつかの実施形態では、式(III)の化合物の投薬量は変更されない。いくつかの実施形態では、式(III)の化合物の投与の頻度は増加する。いくつかの実施形態では、式(III)の化合物の投与の頻度は減少する。いくつかの実施形態では、式(III)の化合物の投与の頻度は変更されない。いくつかの実施形態では、式(III)の化合物の投与は中断される。
【0094】
また、式(III)の化合物での治療のために、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)を有する対象を選択するための方法であって、(a)対象における1つ又は2つ以上のバイオマーカー遺伝子における改変の存在又は非存在を判定することであって、バイオマーカー遺伝子が、MYD88、CD79B、PIM1、CDKN2A、HLA-B、OSBPL10、ETV6、SPIB、TOX、BTG1、BTG2、HLA-A、SETD1B、HLA-C、MPEG1、FOXC1、TBL1XR1、KLHL14、GRHPR、CD58、PRDM1、VMP1、PIM2、WEE1、BCL11A、CHST2、ARID5B、HASPIN、IL16、PPP1R9B、又はHNF1Bから選択される、判定することと、(b)1つ又は2つ以上のバイオマーカー遺伝子における改変が存在する場合に、対象を選択し、対象に、治療有効量の式(III)の化合物を投与することと、を含む、方法が、本明細書に開示される。いくつかの実施形態では、DLBCLサブタイプは、活性化B細胞びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(ABC-DLBCL)、胚中心B細胞びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(GCB-DLBCL)、又は非胚中心B細胞びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(非GCB-DLBCL)である。
【0095】
いくつかの態様では、DLBCLを有する対象が、MYD88、CD79B、PIM1、CDKN2A、HLA-B、OSBPL10、ETV6、SPIB、TOX、BTG1、BTG2、HLA-A、SETD1B、HLA-C、MPEG1、FOXC1、TBL1XR1、KLHL14、GRHPR、CD58、PRDM1、VMP1、PIM2、WEE1、BCL11A、CHST2、ARID5B、HASPIN、IL16、PPP1R9B、又はHNF1Bから選択される1つ又は2つ以上のバイオマーカー遺伝子における改変を有する場合に、対象は、式(III)の化合物での療法に対して耐性があるとして、又はそれに対して耐性があるようになる可能性があるとして特性化される。いくつかの実施形態では、DLBCLサブタイプは、活性化B細胞びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(ABC-DLBCL)、胚中心B細胞びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(GCB-DLBCL)、又は非胚中心B細胞びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(非GCB-DLBCL)である。
【0096】
いくつかの態様では、DLBCLの活性化B細胞びまん性大細胞型B細胞リンパ腫サブタイプ(ABC-DLBCL)は、MYD88、CD79B、PIM1、CDKN2A、HLA-B、OSBPL10、ETV6、SPIB、TOX、BTG1、BTG2、HLA-A、SETD1B、HLA-C、MPEG1、FOXC1、TBL1XR1、KLHL14、GRHPR、CD58、PRDM1、VMP1、PIM2、WEE1、BCL11A、CHST2、ARID5B、HASPIN、IL16、PPP1R9B、又はHNF1Bへの1つ又は2つ以上の改変によって特性化される。改変は、塩基置換、挿入、欠失、DNA再編成、転座、コピー数変化、又はそれらの組み合わせであり得る。
【0097】
いくつかの態様では、DLBCLの胚中心(GCB)サブタイプは、MYD88、CD79B、PIM1、CDKN2A、HLA-B、OSBPL10、ETV6、SPIB、TOX、BTG1、BTG2、HLA-A、SETD1B、HLA-C、MPEG1、FOXC1、TBL1XR1、KLHL14、GRHPR、CD58、PRDM1、VMP1、PIM2、WEE1、BCL11A、CHST2、ARID5B、HASPIN、IL16、PPP1R9B、又はHNF1Bへの1つ又は2つ以上の改変によって特性化される。改変は、塩基置換、挿入、欠失、DNA再編成、転座、コピー数変化、又はそれらの組み合わせであり得る。
【0098】
いくつかの態様では、DLBCLの非胚中心(non-Germinal Center、非GCB)サブタイプは、MYD88、CD79B、PIM1、CDKN2A、HLA-B、OSBPL10、ETV6、SPIB、TOX、BTG1、BTG2、HLA-A、SETD1B、HLA-C、MPEG1、FOXC1、TBL1XR1、KLHL14、GRHPR、CD58、PRDM1、VMP1、PIM2、WEE1、BCL11A、CHST2、ARID5B、HASPIN、IL16、PPP1R9B、又はHNF1Bへの1つ又は2つ以上の改変によって特性化される。改変は、塩基置換、挿入、欠失、DNA再編成、転座、コピー数変化、又はそれらの組み合わせであり得る。
【0099】
いくつかの態様では、方法において使用するためのサンプルは、患者に由来する任意の組織又は流体からのものである。サンプルとして、全血、分離骨髄、骨髄穿刺液、胸膜液、腹膜液、中枢性髄液、腹腔内液、膵液、脳脊髄液、脳液、腹水、心膜液、尿、唾液、気管支洗浄液、汗、涙液、耳液、痰、水瘤液、精液、膣液、乳汁、羊膜液、及び気道、腸管、又は尿生殖路の分泌液が挙げられるが、これらに限定されない。特定の態様では、サンプルは、血清サンプルである。特定の態様では、サンプルは、腫瘍生検サンプルである。特定の態様では、サンプルは、リンパ系又は循環系の一部又はそれと関連する、流体又は組織からのものである。いくつかの態様では、サンプルは、血液サンプルであり、血液サンプルは、静脈、動脈、末梢、組織、臍帯血液サンプルである。特定の態様では、サンプルは、1つ又は2つ以上の末梢血単核細胞(Peripheral Blood Mononuclear Cell、PBMC)を含有する血液細胞サンプルである。いくつかの態様では、サンプルは、1つ又は2つ以上の循環腫瘍細胞(Circulating Tumor Cell、CTC)を含有する。いくつかの態様では、サンプルは、1つ又は2つ以上の播種性腫瘍細胞(Disseminated Tumor Cell、DTC、例えば、骨髄穿刺液サンプルにおけるDTC)を含有する。
【0100】
いくつかの態様では、サンプルは、周知かつ常用の臨床的方法を使用してサンプルを得る任意の好適な手段によって、対象から得られる。対象から流体サンプルを得る手順は周知である。例えば、全血及びリンパを採取して処理する手順は周知であり、それを用いて、提供される方法で使用するサンプルを得ることができる。典型的には、血液サンプルの採取には、抗凝固剤(例えばEDTA、又はクエン酸及びヘパリン、又はCPD(クエン酸、リン酸、デキストロース)、又は同等のもの)サンプルに加えて、血液凝固を予防する。いくつかの例では、血液サンプルを、血液サンプルの凝固を予防するための量のEDTAを含む採取管に採取する。
【0101】
いくつかの態様では、対象に由来するサンプルの採集は、例えば、1日、2日、3日、4日、5日、6日、1週間、2週間、週間、4週間、1か月、2か月、3か月、4か月、5か月、6か月、1年、毎日、毎週、隔月、年4回、隔年、又は毎年などの定期的な間隔で実行される。いくつかの態様では、サンプルは、抗がん剤での治療前に、この治療中に、若しくはこの治療後に、又はこの逐次治療間に、所定の時間又は定期的な間隔で採集される。特定の例では、抗癌剤投与による治療前、及びその後治療が行われた後の一定の間隔で再び、サンプルを対象から得る。
【0102】
いくつかの態様では、サンプルの採集は、式(III)の化合物での治療に対して所定の時間又は定期的な間隔で実行される。例えば、サンプルは、式(III)の化合物での治療前に、この治療中に、若しくはこの治療後に、又はこの逐次治療間に、所定の時間又は定期的な間隔で、患者から採集される。特定の例では、サンプルは、式(III)の化合物の投与前に、患者から得られ、次いで、式(III)の化合物での治療が行われた後に、再び、定期的な間隔で得られる。いくつかの態様では、患者は、式(III)の化合物及び1つ又は2つ以上の追加の抗がん剤を投与される。
【0103】
いくつかの態様では、サンプルは、式(III)の化合物の最初の投与の1週間、2週間、3週間、1か月、2か月、3か月、4か月、5か月、6か月、7か月、8か月、9か月、10か月、11か月、12か月、14か月、16か月、18か月、20か月、22か月、24か月、26か月、28か月、30か月、32か月、34か月、又は36か月以上後に得られる。いくつかの態様では、サンプルは、DLBCL又はABC-DLBCLを有する対象への式(III)の化合物の最初の投与の1週間、2週間、3週間、1か月、2か月、3か月、4か月、5か月、6か月、7か月、8か月、9か月、10か月、11か月、12か月、14か月、16か月、18か月、20か月、22か月、24か月、26か月、28か月、30か月、32か月、34か月、又は36か月以上後に得られる。いくつかの態様では、サンプルは、式(III)の化合物での治療のコースにわたって、1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10回以上得られる。いくつかの態様では、対象は、式(III)の化合物が最初に投与されたときに、式(III)の化合物での治療応答性がある。
【0104】
いくつかの態様では、サンプルは、式(III)の化合物の最初の投与の1週間、2週間、3週間、1か月、2か月、3か月、4か月、5か月、6か月、7か月、8か月、9か月、10か月、11か月、12か月、14か月、16か月、18か月、20か月、22か月、24か月、26か月、28か月、30か月、32か月、34か月、又は36か月以上後に得られる。
【0105】
好ましい態様では、式(III)の化合物は、DLBCLを治療するために使用され得る。更に他の態様では、本開示の化合物は、ABC-DLBCL、GCB-DLBCL、又は非GCB-DLBCLを治療するために使用され得る。
【0106】
本開示による治療方法では、このような疾患、障害、若しくは症状に罹患しているか、又はこれらを有すると診断された対象に、本開示による有効量の薬剤が投与される。「治療有効量」とは、指定の疾患、障害、又は状態のためのこのような治療を必要としている患者において、所望の治療利益を概ねもたらすのに十分な量又は用量を意味する。本開示の化合物の治療有効量又は用量は、常用の方法、例えば、モデル化、用量漸増研究、又は臨床試験によって確認され得、常用の要因、例えば、投与又は薬物送達の様式又は経路、化合物の薬物動態、疾患、障害、又は状態の重症度及びコース、対象の以前又は進行中の療法、対象の健康状態及び薬物への応答、並びに治療している医者の判断を考慮することによって確認され得る。用量の例は、単一又は分割投薬量単位(例えば、1日2回、1日3回、1日4回)で、1日当たり対象の体重1kg当たり約0.0001~約1,000mgの化合物、好ましくは、約0.05~100mg/kg/日又は約1~35mg/kg/日の範囲である。70kgのヒトの場合では、好適な投薬量の例解的な範囲は、約0.05~約7g/日又は約0.2~約2.5g/日である。
【0107】
いくつかの態様では、式(III)の化合物の治療有効量は、約0.0001mg~約10,000mgである。いくつかの態様では、式(III)の化合物の治療有効量は、約0.0001mg~約1,000mgである。いくつかの態様では、式(III)の化合物の治療有効量は、約0.0001mg~約100mgである。いくつかの態様では、式(III)の化合物の治療有効量は、約100mg~約200mgである。いくつかの態様では、式(III)の化合物の治療有効量は、約100mg~約300mgである。いくつかの態様では、式(III)の化合物の治療有効量は、約100mg~約400mgである。いくつかの態様では、式(III)の化合物の治療有効量は、約100mg~約500mgである。いくつかの態様では、式(III)の化合物の治療有効量は、約100mg~約600mgである。いくつかの態様では、式(III)の化合物の治療有効量は、約100mg~約700mgである。いくつかの態様では、式(III)の化合物の治療有効量は、約100mg~約800mgである。いくつかの態様では、式(III)の化合物の治療有効量は、約100mg~約900mgである。いくつかの態様では、式(III)の化合物の治療有効量は、約100mg~約1,000mgである。いくつかの態様では、式(III)の化合物の治療有効量は、約140mg~約560mgである。いくつかの態様では、式(III)の化合物の治療有効量は、約140mgである。いくつかの態様では、式(III)の化合物の治療有効量は、約280mgである。いくつかの態様では、式(III)の化合物の治療有効量は、約560mgである。
【0108】
いくつかの態様では、治療有効量の式(III)の化合物は、1日1回投与される。いくつかの態様では、治療有効量の式(III)の化合物は、1日2回投与される。いくつかの態様では、治療有効量の式(III)の化合物は、1日3回投与される。いくつかの態様では、治療有効量の式(III)の化合物は、経口投与される。
【0109】
いくつかの態様では、維持療法は、1日投薬量の式(III)の化合物の投与を含む。いくつかの態様では、維持療法は、式(III)の化合物の投与の複数のサイクルを含む。いくつかの態様では、投与のサイクルは、1か月、2か月、3か月、4か月、6か月、6か月、7か月、8か月、9か月、10か月、11か月、又は12か月以上である。いくつかの態様では、投与のサイクルは、サイクルにわたる、単一治療投薬量の式(III)の化合物の投与を含む。いくつかの態様では、投与のサイクルは、サイクルにわたる、2つ又は3つ以上の異なる投薬量の式(III)の化合物を含む。いくつかの態様では、式(III)の化合物の投薬量は、連続サイクルにわたって異なる。いくつかの態様では、式(III)の化合物の投薬量は、連続サイクルにわたって増加する。いくつかの態様では、式(III)の化合物の投薬量は、連続サイクルにわたって同じである。
【0110】
更に、本開示の化合物は、追加の活性成分と組み合わせて、上述の症状の治療で使用され得る。追加の活性成分は、本開示の化合物とは別々か、又は同時に投与され得るか、又はかかる薬剤を本発明の医薬組成物に含まれ得る。この組み合わせは、(例えば、本開示による活性剤の効力若しくは有効性を高める化合物を組み合わせに含めることによって)有効性を増大させる、1つ以上の副作用を減少させる、又は本開示による活性剤の必要用量を減少させるのに役立ち得る。
【0111】
本開示の化合物は、本開示の医薬組成物を製剤化するために、単独で又は1つ以上の追加の活性成分と組み合わせて使用される。本開示の医薬組成物は、(a)有効量の、本開示による少なくとも1つの化合物と、(b)医薬的に許容される賦形剤と、を含む。
【0112】
いくつかの態様では、式(III)の化合物は、1つ又は2つ以上の追加の治療剤との組み合わせで投与され得る。いくつかの態様では、更なる追加の治療剤のうちの1つは、シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチン、プレドニゾン、及びリツキシマブ(R-CHOP)である。
【0113】
いくつかの態様では、対象が、DLBCL又はその任意のサブセットを患っている場合に、抗がん剤が、式(III)の化合物に加えて、対象に投与される。一態様では、抗がん剤は、マイトジェン活性化プロテインキナーゼシグナル伝達の阻害剤、例えば、U0126、PD98059、PD184352、PD0325901、ARRY-142886、SB239063、SP600125、BAY 43-9006、ワートマニン、又はLY294002である。がんの治療のために使用されるときに、式(III)の化合物は、単一の薬剤として投与され得る。代替的に、がん又は悪性腫瘍の治療のために使用されるときに、式(III)の化合物は、がんの治療に有用であることが既知の他の薬剤との組み合わせで投与され得る。
【0114】
いくつかの態様では、式(III)の化合物は、1つ又は2つ以上の追加の治療剤との組み合わせで投与され得る。いくつかの態様では、更なる追加の治療剤のうちの1つは、Bcl2阻害剤である。いくつかの態様では、Bcl2阻害剤は、ベネトクラクスとしても既知の4-(4-{[2-(4-クロロフェニル)-4,4-ジメチルシクロヘキサ-1-エン-1-イル]メチル}ピペラジン-1-イル)-N-({3-ニトロ-4-[(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルメチル)アミノ]フェニル}スルホニル)-2-(1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン5-イルオキシ)ベンズアミド)である。いくつかの態様では、4-(4-{[2-(4-クロロフェニル)-4,4-ジメチルシクロヘキサ-1-エン-1-イル]メチル}ピペラジン-1-イル)-N-({3-ニトロ-4-[(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルメチル)アミノ]フェニル}スルホニル)-2-(1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン5-イルオキシ)ベンズアミド)は、毎週漸増投薬量レジメンに従って投与され、毎週漸増投薬量レジメンは、第1の週に約20mg/日、第2の週に約50mg/日、第3の週に約100mg/日、第3の週に200mg/日、及び第4の週以降に400mg/日を投与することを含む。いくつかの態様では、4-(4-{[2-(4-クロロフェニル)-4,4-ジメチルシクロヘキサ-1-エン-1-イル]メチル}ピペラジン-1-イル)-N-({3-ニトロ-4-[(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルメチル)アミノ]フェニル}スルホニル)-2-(1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン5-イルオキシ)ベンズアミド)は、経口投与される。いくつかの態様では、式(III)の化合物は、4-(4-{[2-(4-クロロフェニル)-4,4-ジメチルシクロヘキサ-1-エン-1-イル]メチル}ピペラジン-1-イル)-N-({3-ニトロ-4-[(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルメチル)アミノ]フェニル}スルホニル)-2-(1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン5-イルオキシ)ベンズアミド)及びリツキシマブとの組み合わせで投与され得る。いくつかの態様では、式(III)の化合物は、4-(4-{[2-(4-クロロフェニル)-4,4-ジメチルシクロヘキサ-1-エン-1-イル]メチル}ピペラジン-1-イル)-N-({3-ニトロ-4-[(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルメチル)アミノ]フェニル}スルホニル)-2-(1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン5-イルオキシ)ベンズアミド)及びオビヌツズマブとの組み合わせで投与され得る。
【0115】
いくつかの態様では、式(III)の化合物は、化学療法剤、ステロイド、免疫療法剤、標的療法、及びそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される1つ又は2つ以上の追加の治療剤との組み合わせで投与され得る。いくつかの態様では、1つ又は2つ以上の追加の治療剤は、限定するものではないが、B細胞受容体経路阻害剤、B細胞受容体シグナル伝達阻害剤、PI3K阻害剤、IAP阻害剤、mTOR阻害剤、放射免疫療法薬、DNA損傷剤、プロテオソーム阻害剤、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤、プロテインキナーゼ阻害剤、ヘッジホッグ阻害剤、Hsp90阻害剤、テロメラーゼ阻害剤、Jakl/2阻害剤、プロテアーゼ阻害剤、PKC阻害剤、PARP阻害剤、及びそれらの任意の組み合わせを含む。いくつかの態様では、B細胞受容体経路阻害剤は、限定するものではないが、CD79A阻害剤、CD79B阻害剤、CD 19阻害剤、Lyn阻害剤、Syk阻害剤、PI3K阻害剤、Blnk阻害剤、PLCy阻害剤、PKCP阻害剤、又はそれらの組み合わせを含む。いくつかの態様では、1つ又は2つ以上の追加の治療剤は、限定するものではないが、クロラムブシル、イホスファミド、ドキソルビシン、メサラジン、サリドマイド、レナリドマイド、テムシロリムス、エベロリムス、フルダラビン、ホスタマチニブ、パクリタキセル、ドセタキセル、オファツムマブ、リツキシマブ、デキサメタゾン、プレドニゾン、CAL-101、イブリツモマブ、トシツモマブ、ボルテゾミブ、ペントスタチン、エンドスタチン、シクロホスファミド、ヒドロキシダウノルビシン、ビンクリスチン、プレドニゾン、リツキシマブ、ベンダムスチン、エトポシド、プレドニゾロン、及びそれらの任意の組み合わせを含む。いくつかの態様では、1つ又は2つ以上の治療剤は、限定するものではないが、ベンダムスチン、クロラムブシル、クロルメチン、シクロホスファミド、イホスファミド、メルファラン、プレドニムスチン、トロホスファミドを含むナイトロジェンマスタード;スルホン酸アルキル、例えば、限定するものではないが、ブスルファン、マンノスルファン、トレオスルファン;エチレンイミン、カルボクオン、チオテパ、トリアジクオン;ニトロソウレア、例えば、限定するものではないが、カルムスチン、フォテムスチン、ロムスチン、ニムスチン、ラニムスチン、セムスチン、ストレプトゾシン;エポキシド、例えば、限定するものではないが、エトグルシド;他のアルキル化剤、例えば、限定するものではないが、ダカルバジン、ミトブロニトール、ピポブロマン、テモゾロミド;葉酸類似体、例えば、限定するものではないが、メトトレキサート、ペルメトレキセド、プララトレキサート、ラルチトレキセド;プリン類似体、例えば、限定するものではないが、クラドリビン、クロファラビン、フルダラビン、メルカプトプリン、ネララビン、チオグアニン;ピリミジン類似体、例えば、限定するものではないが、アザシチジン、カペシタビン、カルモフール、シタラビン、デシタビン、フルオロウラシル、ゲムシタビン、テガフール;ビンカ;アルカロイド、例えば、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン、ビンフルニン、ビノレルビン;ポドフィロトキシン誘導体、例えば、限定するものではないが、エトポシド、テニポシド;コルヒチン誘導体、例えば、限定するものではないが、デメコルシン;タキサン、例えば、限定するものではないが、ドセタキセル、パクリタキセル、パクリタキセルポリグルメックス;他の植物アルカロイド及び自然産物、例えば、限定するものではないが、トラベクテジン;アクチノマイシン、例えば、限定するものではないが、ダクチノマイシン;アントラサイクリン、例えば、アクラルビシン、ダウノルビシン、ドキソルビシン、エピルビシン、イダルビシン、ミトキサントロン、ピラルビシン、バルルビシン、ゾルビンシン;他の細胞毒性抗生物質、例えば、限定するものではないが、ブレオマイシン、イクサベピロン、マイトマイシン、プリカマイシン;白金化合物、例えば、カルボプラチン、シスプラチン、オキサリプラチン、サトラプラチン;メチルヒドラジン、例えば、限定するものではないが、プロカルバジン;増感剤、例えば、限定するものではないが、アミノレブリン酸、エファプロキシラル、アミノレブリン酸メチル、ポルフィマーナトリウム、テモポルフィン;プロテインキナーゼ阻害剤、例えば、限定するものではないが、ダサチニブ、エルロチニブ、エベロリムス、ゲフィチニブ、イマチニブ、ラパチニブ、ニロチニブ、パゾナニブ、ソラフェニブ、スニチニブ、テムシロリムス;他の抗腫瘍薬、例えば、限定するものではないが、アリトレチノイン、アルトレタミン、アムザクリン、アナグレリド、三酸化ヒ素、アスパラギナーゼ、ベキサロテン、ボルテゾミブ、セレコキシブ、デニロイキンジフチトクス、エストラムスチン、ヒドロキシカルバミド、イリノテカン、ロニダミン、マソプロコール、ミルテフォセイン、ミトグアゾン、ミトタン、オブリメルセン、ペグアスパルガーゼ、ペントスタチン、ロミデプシン、シチマジーンセラデノベック、チアゾフリン、トポテカン、トレチノイン、ボリノスタット;エストロゲン、例えば、限定するものではないが、ジエチルスチルベノール、エチニルエストラジオール、ホスフェストロール、ポリエストラジオールホスフェート;プロゲストーゲン、例えば、限定するものではないが、ゲストノロン、メドロキシプロゲステロン、メゲストロール;ゴナドトロピン放出ホルモン類似体、例えば、限定するものではないが、ブセレリン、ゴセレリン、リュープロレリン、トリプトレリン;抗エストロゲン剤、例えば、限定するものではないが、フルベストラント、タモキシフェン、トレミフェン;抗アンドロゲン剤、例えば、限定するものではないが、ビカルタミド、フルタミド、ニルタミド、酵素阻害剤、アミノグルテチミド、アナストロゾール、エキセメスタン、ホルメスタン、レトロゾール、ボロゾール;他のホルモンアンタゴニスト、例えば、限定するものではないが、アバレリクス、デガレリクス;免疫賦活剤、例えば、限定するものではないが、ヒスタミン二塩酸塩、ミファムルチド、ピドチモド、プレリキサホル、ロキニメックス、チモペンチン;免疫抑制剤、例えば、限定するものではないが、エベロリムス、グスペリムス、レフルノミド、ミコフェノール酸、シロリムス;カルシニューリン阻害剤、例えば、限定するものではないが、シクロスポリン、タクロリムス;他の免疫抑制剤、例えば、限定するものではないが、アザチオプリン、レナリドマイド、メトトレキサート、サリドマイド;及び放射性医薬品、例えば、限定するものではないが、イオベングアン、インターフェロン、インターロイキン、腫瘍壊死因子、又は増殖因子など、免疫賦活剤、例えば、限定するものではないが、アンセスチム、フィルグラスチム、レノグラスチム、モルグラモスチム、ペグフィルグラスチム、サルグラモスチム;インターフェロン、例えば、限定するものではないが、自然インターフェロンアルファ、インターフェロンアルファ-2a、インターフェロンアルファ-2b、インターフェロンアルファコン-1、インターフェロンアルファ-nl、自然インターフェロンベータ、インターフェロンベータ-la、インターフェロンベータ-lb、インターフェロンガンマ、ペグインターフェロンアルファ-2a、ペグインターフェロンアルファ-2b;インターロイキン、例えば、限定するものではないが、アルデスロイキン、オプレルベキン;他の免疫賦活剤、例えば、限定するものではないが、BCGワクチン、グラチラマーアセテート、ヒスタミン二塩酸塩、イムノシアニン、レンチナン、黒色腫ワクチン、ミファムルチド、ペガデマーゼ、ピドチモド、プレリキサホル、ポリI:C、ポリICLC、ロキニメックス、タソネルミン、チモペンチン;免疫抑制剤、例えば、限定するものではないが、アバタセプト、アベチムス、アレファセプト、抗リンパ球免疫グロブリン(ウマ)、抗胸腺細胞免疫グロブリン(ウサギ)、エクリズマブ、エファリズマブ、エベロリムス、グスペリムス、レフルノミド、ムロマブ-CD3、ミコフェノール酸、ナタリズマブ、シロリマス;TNFアルファ阻害剤、例えば、アダリムマブ、アフェリモマブ、セルトリズマブペゴル、エタネルセプト、ゴリムマブ、インフリキシマブ;インターロイキン阻害剤、例えば、限定するものではないが、アナキンラ、バシリキシマブ、カナキヌマブ、ダクリズマブ、メポリズマブ、リロナセプト、トシリズマブ、ウステキヌマブ;
カルシニューリン阻害剤、例えば、限定するものではないが、シクロスポリン、タクロリムス;他の免疫抑制剤、例えば、限定するものではないが、アザチオプリン、レナリドマイド、メトトレキサート、サリドマイド、アダリムマブ、アレムツズマブ、バシリキシマブ、ベバシズマブ、セツキシマブ、セルトリズマブペゴル、ダクリズマブ、エクリズマブ、エファリズマブ、ゲムツズマブ、イブリツモマブチウキセタン、インフリキシマブ、ムロモナブ-CD3、ナタリズマブ、パニツムマブ、ラニビズマブ、リツキシマブ、トシツモマブ、トラスツズマブであり、追加のがん治療レジメンは、モノクローナル抗体、例えば、限定するものではないが、アレムツズマブ、ベバシズマブ、カツマキソマブ、セツキシマブ、エドレコロマブ、ゲムツズマブ、オファツムマブ、パニツムマブ、リツキシマブ、トラスツズマブ、免疫抑制剤、エクリズマブ、エファリズマブ、ムロマブ-CD3、ナタリズマブ;TNFアルファ阻害剤、例えば、限定するものではないが、アダリムマブ、アフェリモマブ、セルトリズマブペゴル、ゴリムマブ、インフリキシマブ、インターロイキン阻害剤、バシリキシマブ、カナキヌマブ、ダクリズマブ、メポリズマブ、トシリズマブ、ウステキヌマブ、放射性医薬品、イブリツモマブチウキセタン、トシツモマブ;他のモノクローナル抗体、例えば、限定するものではないが、アバゴボマブ、アデカツムマブ、アレムツズマブ、抗CD30モノクローナル抗体Xmab2513、抗METモノクローナル抗体MetMab、アポリズマブ、アポマブ、アルシツモマブ、バシリキシマブ、二重特異性抗体2B1、ブリナツモマブ、ブレンツキシマブベドチン、カプロマブペンデチド、シクツムマブ、クラウディキシマブ、コナツムマブ、ダセツズマブ、デノスマブ、エクリズマブ、エプラツズマブ、エプラツズマブ、エルツマキソマブ、エタラシズマブ、フィギツムマブ、フレソリムマブ、ガリキシマブ、ガニツマブ、ゲムツズマブオゾガマイシン、グレムバツムマブ、イブリツモマブ、イノツズマブオゾガマイシン、イピリムマブ、レキサツムマブ、リンツズマブ、リンツズマブ、ルカツムマブ、マパツムマブ、マツズマブ、ミラツズマブ、モノクローナル抗体CC49、ネシツムマブ、ニモツズマブ、オファツムマブ、オレゴボマブ、ペルツズマブブ、ラマクリマブ、ラニビズマブ、シプリズマブ、ソネプシズマブ、タネズマブ、トシツモマブ、トラスツズマブ、トレメリムマブ、ツコツズマブセルモロイキン、ベルツズマブ、ビジリズマブ、ボロシキシマブ、ザルツムマブを含む。追加のがん治療レジメンは、腫瘍微小環境に影響する薬剤、例えば、限定するものではないが、細胞シグナル伝達ネットワーク(例えば、ホスファチジルイノシトール3キナーゼ(Phosphatidylinositol 3-Kinase、PI3K)シグナル伝達経路、B細胞受容体及びIgE受容体からのシグナル伝達)を含む。いくつかの態様では、1つ又は2つ以上の治療剤は、PI3Kシグナル伝達阻害剤又はsycキナーゼ阻害剤である。一態様では、syk阻害剤は、R788である。別の態様では、PKCy阻害剤、例えば、限定するものではないが、エンザスタウリンである。腫瘍微小環境に影響する薬剤の例としては、限定するものではないが、PI3Kシグナル伝達阻害剤、sycキナーゼ阻害剤、プロテインキナーゼ阻害剤、例えば、限定するものではないが、ダサチニブ、エルロチニブ、エベロリムス、ゲフィニチブ、イマチニブ、ラパチニブ、ニロチニブ、パゾナニブ、ソラフェニブ、スニチニブ、テムシロリムス;他の血管新生阻害剤、例えば、限定するものではないが、GT-111、JI-101、R1530;他のキナーゼ阻害剤、例えば、AC220、AC480、ACE-041、AMG 900、AP24534、Arry-614、AT7519、AT9283、AV-951、アキシチニブ、AZD1 152、AZD7762、AZD8055、AZD8931、バフェチニブ、BAY 73-4506、BGJ398、BGT226、BI 811283、BI6727、BIBF 1120、BIBW 2992、BMS-690154、BMS-777607、BMS-863233、BSK-461364、CAL-101、CEP-11981、CYC116、DCC-2036、ジナシクリブ、ドビチニブラクテート、E7050、EMD 1214063、ENMD-2076、ホスタマチニブ二ナトリウム、GSK2256098、GSK690693、INCB18424、INNO-406、JNJ-26483327、JX-594、KX2-391、リニファニブ、LY2603618、MGCD265、MK-0457、MK1496、MLN8054、MLN8237、MP470、NMS-1116354、NMS-1286937、ON 01919.Na、OSI-027、OSI-930、Btk阻害剤、PF-00562271、PF-02341066、PF-03814735、PF-04217903、PF-04554878、PF-04691502、PF-3758309、PHA-739358、PLC3397、プロゲニポエチン、R547、R763、ラムシルマブ、レゴラフェニブ、R05185426、SAR103168、S3333333CH 727965、SGI-1176、SGX523、SNS-314、TAK-593、TAK-901、TKI258、TLN-232、TTP607、XL147、XL228、XL281R05126766、XL418、XL765、マイトジェン活性化プロテインキナーゼシグナル伝達の阻害剤、例えば、限定するものではないが、U0126、PD98059、PD184352、PD0325901、ARRY-142886、SB239063、SP600125、BAY 43-9006、ワートマニン、又はLY294002;Syk阻害剤;mTOR阻害剤;及び抗体(例えば、リツキサン)、アドリアマイシン、ダクチノマイシン、ブレオマイシン、ビンブラスチン、シスプラチン、アシビシン;アクラルビシン;アコダゾール塩酸塩;アクロニン;アドゼレシン;アルデスロイキン;アルトレタミン;アンボマイシン;アメタントロン酢酸塩;アミノグルテチミド;アムサクリン;アナストロゾール;アントラマイシン;アスパラギナーゼ;アスペルリン;アザシチジン;アゼテパ;アゾトマイシン;バチマスタット;ベンゾデパ;ビカルタミド;ビサントレン塩酸塩;ビスナフィドジメシレート;ビセレシン;ブレオマイシン硫酸塩;ブレキナルナトリウム;ブロピリミン;ブスルファン;カクチノマイシン;カルステロン;カラセミド;カルベチマー;カルボプラチン;カルムスチン;カルビシン塩酸塩;カルゼルシン;セデフィンゴール;クロラムブシル;シロレマイシン;クラドリビン;クリスナトールメシレート;シクロホスファミド;シタラビン;ダカルバジン;ダウノルビシン塩酸塩;デシタビン;デキソルマプラチン;デザグアニン;デザグアニンメシレート;ジアジクオン;ドキソルビシン;ドキソルビシン塩酸塩;ドロロキシフェン;ドロロキシフェンクエン酸塩;プロピオン酸ドロモスタノロン;デュアゾマイシン;エダトレキサート;エフロルニチン塩酸塩;エルサミトルシン;エンロプラチン;エンプロマート;エピプロピジン;エピルビシン塩酸塩;エルブロゾール;エソルビシン塩酸塩;エストラムスチン;リン酸エストラムスチンナトリウム;エタニダゾール;エトポシド;リン酸エトポシド;エトプリン;ファドロゾール塩酸塩;ファザラビン;フェンレチニド;フロクスウリジン;フルダラビンリン酸塩;フルオロウラシル;フルロシタビン;ホスキドン;フォストリエシンナトリウム;ゲムシタビン;ゲムシタビン塩酸塩;ヒドロキシ尿素;イダルビシン塩酸塩;イホスファミド;イイモホシン(iimofosine);(組換えインターロイキンII又はrlL2を含む)インターロイキンII;インターフェロンアルファ-2a;インターフェロンアルファ-2b;インターフェロンアルファ-nl;インターフェロンアルファ-n3;インターフェロンベータ-1a;インターフェロンガンマ-1b;イプロプラチン;イリノテカン塩酸塩;ランレオチド酢酸塩;レトロゾール;ロイプロリド酢酸塩;リアロゾール塩酸塩;ロメテレキソールナトリウム;ロムスチン;ロソキサントロン塩酸塩;マソプロコール;マイタンシン;メクロレタミン塩酸塩;メゲストロール酢酸塩;メレンゲストロール酢酸塩;メルファラン;メノガリル;メルカプトプリン;メトトレキサート;メトトレキサートナトリウム;メトプリン;メツレデパ;ミチンドミド;ミトカルシン;ミトクロミン;ミトギリン;ミトマルシン;マイトマイシン;ミトスペル;ミトタン;ミトキサントロン塩酸塩;ミコフェノール酸;ノコダゾイエ;ノガラマイシン;オルマプラチン;オキシスラン;ペグアスパルガーゼ;ペリオマイシン;ペンタムスチン;ペプロマイシン硫酸塩;ペルホスファミド;ピポブロマン;ピポスルファン;ピロキサントロン塩酸塩;プリカマイシン;プロメスタン;ポルフィマーナトリウム;ポルフィロマイシン;プレドニムスチン;プロカルバジン塩酸塩;ピューロマイシン;ピューロマイシン塩酸塩;ピラゾフリン;リボプリン;ログレチミド;サフムゴール;サフムゴール塩酸塩;セムスチン;シムトラゼン;スパルフォセートナトリウム;スパルソマイシン;スピロゲルマニウム塩酸塩;スピロムスチン;スピロプラチン;ストレプトニグリン;ストレプトゾシン;スロフェヌル;タリソマイシン;テコガランナトリウム;テガフール;テロキサントロン塩酸塩;テモポルフム;テニポシド;テロキシロン;テストラクトン;チアミプリン;チオグアニン;チオテパ;チアゾフリン;チラパザミン;トレミフェンクエン酸塩;トレストロン酢酸塩;トリシリビンリン酸塩;トリメトレキサート;トリメトレキサートグルクロン酸塩;トリプトレリン;ツブロゾール塩酸塩;ウラシルマスタード;ウレデパ;バプレオチド;ベルテポルフム;ビンブラスチン硫酸塩;ビンクリスチン硫酸塩;ビンデシン;ビンデシン硫酸塩;ビネピジン硫酸塩;ビングリシナート硫酸塩;ビンレウロシン硫酸塩;ビノレルビン酒石酸塩;ビンロシジン硫酸塩;ビンゾリジン硫酸塩;ボロゾール;ゼニプラチン;ジノスタチン;ゾルビシン塩酸塩;20-エピ-l,25ジヒドロキシビタミンD3;5-エチニルウラシル;アビラテロン;アクラルビシン;アシルフルベン;アデシペノール;アドゼレシン;アルデスロイキン;ALL-TKアンタゴニスト;アルトレタミン;アンバムスチン;アミドックス;アミホスチン;アミノレブリン酸;アムルビシン;アムサクリン;アナグレリド;アナストロゾール;アンドログラホリド;血管新生阻害剤;アンタゴニストD;アンタゴニストG;アンタレリックス;抗背側化形態形成タンパク質1;抗アンドロゲン剤、前立腺がん;抗エストロゲン剤;アンチネオプラストン;アンチセンスオリゴヌクレオチド;アフィジコリングリシネート;アポトーシス遺伝子モジュレータ;アポトーシス調節因子;アプリン酸;ara-CDP-DL-PTBA;
アルギニンデアミナーゼ;アスラクリン;アタメスタン;アトリムスチン;アキシナスタチン1;アキシナスタチン2;アキシナスタチン3;アザセトロン;アザトキシン;アザチロシン;バッカチンIII誘導体;バラノール;バチマスタット;BCR/ABLアンタゴニスト;ベンゾクロリン;ベンゾイルスタウロスポリン;ベータラクタム誘導体;ベータアレチン;ベタクラマイシンB;ベツリン酸;bFGF阻害剤;ビカルタミド;ビサントレン;ビサジリジニルスペルミン;ビスナフィド;ビストラテンA;ビセレシン;ブレフラート;ブロピリミン;ブドチタン;ブチオニンスルホキシミン;カルシポトリオール;カルホスチンC;カンプトテシン誘導体;カナリア痘IL-2;カペシタビン;カルボキサミド-アミノ-トリアゾール;カルボキシアミドトリアゾール;CaRest M3;CARN 700;軟骨由来阻害剤;カルゼルシン;カゼインキナーゼ阻害剤(ICOS);カスタノスペルミン;セクロピンB;セトロレリクス;クロルンズ;クロロキノキサリンスルホンアミド;シカプロスト;シス-ポルフィリン;クラドリビン;クロミフェン類似体;クロトリマゾール;コリスマイシンA;コリスマイシンB;コンブレタスタチンA4;コンブレタスタチン類似体;コナゲニン;クラムベシジン816;クリスナトール;クリプトフィシン8;クリプトフィシンA誘導体;クラシンA;シクロペンタントラキノン;シクロプラタム;シペマイシン;シタラビンオクホスファート;細胞溶解因子;シトスタチン;ダクリキシマブ;デシタビン;デヒドロジデムニンB;デスロレリン;デキサメタゾンデクスイホスファミド;デクスラゾキサン;デクスベラパミル;ジアジクオン;ジデムニンB;ジドックス;ジエチルノルスペルミン;ジヒドロ-5-アザシチジン;9-ジオキサマイシン;ジフェニルスピロムスチン;ドコサノール;ドラセトロン;ドキシフルリジン;ドロロキシフェン;ドロナビノール;デュオカルマイシンSA;エブセレン;エコムスチン;エデルフォシン;エドレコロマブ;エフロルニチン;エレメン;エミテフル;エピルビシン;エプリステリド;エストラムスチン類似体;エストロゲンアゴニスト;エストロゲンアンタゴニスト;エタニダゾール;リン酸エトポシド;エキセメスタン;ファドロゾール;ファザラビン;フェンレチニド;フィルグラスチム;フィナステリド;フラボピリドール;フレゼラスチン;フルアステロン;フルダラビン;フルオロダウノルニシン塩酸塩;ホルフェニメックス;ホルメスタン;ホストリエシン;フォテムスチン;ガドリニウムテキサフィリン;硝酸ガリウム;ガロシタビン;ガニレリクス;ゼラチナーゼ阻害剤;ゲムシタビン;グルタチオン阻害剤;ヘプスルファム;ヘレグリン;ヘキサメチレンビスアセトアミド;ヒペリシン;イバンドロン酸;イダルビシン;イドキシフェン;イドラマントン;イルモホシン;イロマスタット;イミダゾアクリドン;イミキモド;免疫賦活剤ペプチド;インスリン、例えば、増殖因子1受容体阻害剤;インターフェロンアゴニスト;インターフェロン;インターロイキン;ヨーベングアン;ヨードドキソルビシン;4-イポメアノール;イロプラクト;イルソグラジン;イソベンガゾール;イソホモハリコンドリンB;イタセトロン;ジャスプラキノリド;カハラリドF;ラメラリン-Nトリアセテート;ランレオチド;レイナマイシン;レノグラスチム;レンチナンサルフェート;レプトルスタチン;レトロゾール;白血病阻害因子;白血球アルファインターフェロン;ロイプロリド+エストロゲン+プロゲステロン;リュープロレリン;レバミソール;リアロゾール;直鎖ポリアミン類似体;親油性二糖ペプチド;親油性白金化合物;リッソクリナミド7;ロバプラチン;ロンブリシン;ロメトレキソール;ロニダミン;ロソキサントロン;ロバスタチン;ロキソリビン;ルルトテカン;ルテチウムテキサフィリン;リソフィリン;溶解ペプチド;マイタンシン;マンノスタチンA;マリマスタット;マソプロコール;マスピン;マトリリシン阻害剤;マトリックスメタロプロテイナーゼ阻害剤;メノガリル;メルバロン;メテレリン;メチオニナーゼ;メトクロプラミド;MIF阻害剤;ミフェプリストン;ミルテフォシン;ミリモスチム;ミスマッチ二本鎖RNA;ミトグアゾン;ミトラクトール;マイトマイシン類似体;ミトナフィド;マイトトキシン線維芽細胞増殖因子-サポリン;ミトキサントロン;モファロテン;モルグラモスチム;モノクローナル抗体、ヒト絨毛性性腺刺激ホルモン;モノホスホリルリピドA+ミオバクテリウム細胞壁sk;モピダモール;多剤耐性遺伝子阻害剤;多発性腫瘍抑制因子1ベースの療法;マスタード抗がん剤;ミカペルオキシドB;マイコバクテリア細胞壁抽出物;ミリアポロン;N-アセチルジナリン;N-置換ベンズアミド;ナファレリン;ナグレスティプ;ナロキソン+ペンタゾシン;ナパビン;ナフテルピン;ナルトグラスチム;ネダプラチン;ネモルビシン;ネリドロン酸;中性エンドペプチダーゼ;ニルタミド;ニサマイシン;一酸化窒素モジュレータ;ニトロキシド抗酸化剤;ニトルリン;06-ベンジルグアニン;オクトレオチド;オキセノン;オリゴヌクレオチド;オナプリストン;オンダンセトロン;オンダンセトロン;オラシン;経口サイトカイン誘導剤;オルマプラチン;オサテロン;オキサリプラチン;オキサウノマイシン;パラウアミン;パルミトイルリゾキシン;パミドロン酸;パナキシトリオール;パノミフェン;パラバクチン;パゼリプチン;ペグアスパルガーゼ;ペルデシン;ペントサンポリ硫酸ナトリウム;ペントスタチン;ペントロゾール;ペルフルブロン;ペルホスファミド;ペリリルアルコール;フェナジノマイシン;フェニルアセテート;ホスファターゼ阻害剤;ピシバニール;ピロカルピン塩酸塩;ピラルビシン;ピリトレキシム;プラセチンA;プラセチンB;プラスミノーゲン活性化因子阻害剤;白金錯体;白金化合物;白金-トリアミン錯体;ポルフィマーナトリウム;ポルフィロマイシン;プレドニゾン;プロピルビス-アクリドン;プロスタグランジンJ2;プロテアソーム阻害剤;プロテインAベースの免疫モジュレータ;プロテインキナーゼC阻害剤;プロテインキナーゼC阻害剤、微細藻類;タンパク質チロシンホスファターゼ阻害剤;プリンヌクレオシドホスホリラーゼ阻害剤;プルプリン;ピラゾロアクリジン;ピリドキシル化ヘモグロビンポリオキシエチレリーコンジュゲート;rafアンタゴニスト;ラルチトレキセド;ラモセトロン;rasファルネシルタンパク質トランスフェラーゼ阻害剤;ras阻害剤;ras-GAP阻害剤;脱メチル化レテリプチン;レニウムRe 186エチドロネート;リゾキシン;リボザイム;RIIレチナミド;ログレチミド;ロヒツカイン;ロムルチド;ロキニメックス;ルビギノンBl;ルボキシル;サフィンゴール;サイントピン;SarCNU;サルコフィトールA;サルグラモスチム;Sdi 1模倣物質;セムスチン;老化由来阻害剤1;センスオリゴヌクレオチド;シグナル伝達阻害剤;シグナル伝達モジュレータ;単鎖抗原結合タンパク質;シゾフィラン;ソブゾキサン;ボロカプテイトナトリウム;フェニル酢酸ナトリウム;ソルベロール;ソマトメジン結合タンパク質;ソネルミン;スパルフォシン酸;スピカマイシンD;スピロムスチン;スプレノペンチン;スポンギスタチン1;スクアラミン;幹細胞阻害剤;幹細胞分裂阻害剤;スチピアミド;ストロメリシン阻害剤;スルフィノシン;超活性血管作用性腸ペプチドアンタゴニスト;スラディスタ;スラミン;スワインソニン;合成グリコサミノグリカン;タリムスチン;タモキシフェンメチオジド;タウロムスチン;タザロテン;テコガランナトリウム;テガフール;テルラピリリウム;テロメラーゼ阻害剤;テモポルフィン;テモゾロマイド;テニポシド;テトラクロロデカオキシド;テトラゾミン;タリブラスチン;チオコラリン;トロンボポエチン;トロンボポエチン模倣物質;チマルファシン;チモポエチン受容体アゴニスト;チモトリナン;甲状腺刺激ホルモン;エチルエチオプルプリンスズ;チラパザミン;チタノセン二塩化物;トプセンチン;
トレミフェン;全能性幹細胞因子;翻訳阻害剤;トレチノイン;トリアセチルウリジン;トリシリビン;トリメトレキサート;トリプトレリン;トロピセトロン;ツロステリド;チロシンキナーゼ阻害剤;チルホスチン;UBC阻害剤;ウベニメックス;泌尿生殖洞由来増殖阻害因子;ウロキナーゼ受容体アンタゴニスト;バプレオチド;バリオリンB;ベクター系、赤血球遺伝子療法;ベラレソール;ベラミン;ベルジン;ベルテポーフム;ビノレルビン;ビンキサルチン;ビタキシン;ボロゾール;ザノテロン;ゼニプラチン;ジラスコルブ;並びにジノスタチンスチマラマーが挙げられる。式(III)の化合物との組み合わせで用いることができる更に他の抗がん剤は、アルキル化剤、代謝拮抗剤、自然産物、又はホルモン、例えば、限定するものではないが、ナイトロジェンマスタード(例えば、限定するものではないが、メクロロエタミン、シクロホスファミド、クロラムブシルなど)、スルホン酸アルキル(例えば、限定するものではないが、ブスルファン)、ニトロソウレア(例えば、限定するものではないが、カルムスチン、ロムシトネなど)、又はトリアゼン(デカルバジンなど)を含む。代謝拮抗剤の例としては、限定するものではないが、葉酸類似体(例えば、限定するものではないが、メトトレキサート)、又はピリミジン類似体(例えば、限定するものではないが、シタラビン)、プリン類似体(例えば、限定するものではないが、メルカプトプリン、チオグアニン、ペントスタチン)が挙げられる。式(III)の化合物との組み合わせで用いることができるアルキル化剤の例としては、限定するものではないが、ナイトロジェンマスタード(例えば、限定するものではないが、メクロロエタミン、シクロホスファミド、クロラムブシル、メイファランなど)、エチレンイミン及びメチルメラミン(例えば、限定するものではないが、ヘキサメチメラミン、チオテパ)、スルホン酸アルキル(例えば、限定するものではないが、ブスルファン)、ニトロソウレア(例えば、限定するものではないが、カルムスチン、ロムスチン、セムスチン、ストレプトゾシンなど)、又はトリアゼン(デカルバジンなど)が挙げられる。代謝拮抗剤の例としては、限定するものではないが、葉酸類似体(例えば、限定するものではないが、メトトレキサート)、又はピリミジン類似体(例えば、限定するものではないが、フルオロウラシル、フロキソウリジン、シタラビン)、プリン類似体(例えば、限定するものではないが、メルカプトプリン、チオグアニン、ペントスタチンが挙げられる。安定化された微小管に起因してG2-M期における細胞を抑止することによって作用し、式(III)化合物の化合物との組み合わせで使用され得る抗がん剤の例としては、限定するものではないが、以下の市販の薬物及び開発中の薬物:エルブロゾール(R-55104としても既知)、ドラスタチン10(DLS-10及びNSC-376128としても既知)、ミボブリンイセチオネート(CI-980としても既知)、ビンクリスチン、NSC-639829、ジスコデルモリド(NVP-XX-A-296としても既知)、ABT-751(Abbott;E-7010としても既知)、アルトルヒルチン(例えば、アルトルヒルチンA及びアルトルヒルチンC)、スポンジスタチン(例えば、スポンジスタチン1、スポンジスタチン2、スポンジスタチン3、スポンジスタチン4、スポンジスタチン5、スポンジスタチン6、スポンジスタチン7、スポンジスタチン8、及びスポンジスタチン9)、セマドチン塩酸塩(LU-103793及びNSC-D-669356としても既知)、エポチロン(例えば、エポチロンA、エポチロンB、エポチロンC(デスオキシエポチロンA又はdEpoAとしても既知)、エポチロンD(KOS-862、dEpoB、及びデスオキシエポチロンBとも称される)、エポチロンE、エポチロンF、エポチロンB N-オキシド、エポチロンA N-オキシド、16-アザ-エポチロンB、21-アミノエポチロンB(BMS-310705としても既知)、21-ヒドロキシエポチロンD(デスオキシエポチロンF及びdEpoFとしても既知)、26-フルオロエポチロン)、アウリスタチンPE(NSC-654663としても既知)、ソブリドチン(TZT-1027としても既知)、LS-4559-P(Pharmacia;LS-4577としても既知)、LS-4578(Pharmacia;LS-477-Pとしても既知)、LS-4477(Pharmacia)、LS-4559(Pharmacia)、RPR-112378(Aventis)、ビンクリスチンサルフェート、DZ-3358(Daiichi)、FR-182877(Fujisawa;WS-9885Bとしても既知)、GS-164(Takeda)、GS-198(Takeda)、KAR-2(Hungarian Academy of Sciences)、BSF-223651(BASF;ILX-651及びLU-223651としても既知)、SAH-49960(Lilly/Novartis)、SDZ-268970(Lilly/Novartis)、AM-97(Armad/Kyowa Hakko)、AM-132(Armad)、AM-138(Armad/Kyowa Hakko)、IDN-5005(Indena)、クリプトフィシン52(LY-355703としても既知)、AC-7739(Ajinomoto;AVE-8063A及びCS-39.HCIとしても既知)、AC-7700(Ajinomoto;AVE-8062、AVE-8062A、CS-39-L-Ser.HCI、及びRPR-258062Aとしても既知)、ビチレブアミド、ツブリシンA、カナデンソール、センタウレイジン(NSC-106969としても既知)、T-138067(Tularik;T-67、TL-138067、及びΤI-138067としても既知)、COBRA-1(Parker Hughes Institute;DDE-261及びWHI-261としても既知)、H10(Kansas State University)、H16(Kansas State University)、オンコシジンAl(BTO-956及びDIMEとしても既知)、DDE-313(Parker Hughes Institute)、フィジアノリドB、ラウリマリド、SPA-2(Parker Hughes Institute)、SPA-1(Parker Hughes Institute;SPIKET-Pとしても既知)、3-IAABU(Cytoskeleton/Mt.Sinai School of Medicine;MF-569としても既知)、ナルコシン(NSC-5366としても既知)、ナスカピン、D-24851(Asta Medica)、A-105972(Abbott)、ヘミアステリン、3-B A ABU(Cytoskeleton/Mt.Sinai School of Medicine;MF-191としても既知)、TMPN(Arizona State University)、バナドセンアセチルアセトネート、T-138026(Tularik)、モンサトロール、ルナノシン(NSC-698666としても既知)、3-1AABE(Cytoskeleton/Mt.Sinai School of Medicine)、A-204197(Abbott)、T-607(Tuiarik;T-900607としても既知)、RPR-115781(Aventis)、エロイテロビン(例えば、デスメチルエロイテロブム、デスアエチルエロイテロビン、イソエロイテロビンA、及びZ-エロイテロビン)、カリベオシド、カリベオリン、ハリコンドリンB、D-64131(Asta Medica)、D-68144(Asta Medica)、ジアゾナミドA、A-293620(Abbott)、NPI-2350(Nereus)、タッカロノリドA、TUB-245(Aventis)、A-259754(Abbott)、ジオゾスタチン、(-)-フェニルアヒスチン(NSCL-96F037としても既知)、D-68838(Asta Medica)、D-68836(Asta Medica)、ミオセベリンB、D-43411(Zentaris;D-81862としても既知)、A-289099(Abbott)、A-318315(Abbott)、HTI-286(SPA-110、トリフルオロアセテート塩としても既知)(Wyeth)、D-82317(Zentaris)、D-82318(Zentaris)、SC-12983(NCI)、レスベラスタチンホスフェートナトリウム、BPR-OY-007(National Health Research Institutes)、及びSSR-250411(Sanofi)が挙げられる。
【0116】
1つ又は2つ以上の投薬量単位の活性剤を含有する医薬組成物の送達形態は、好適な医薬的賦形剤及び当業者に既知であるか又は利用可能になっている調合技法を使用して調製され得る。この組成物は、本発明の方法において、好適な送達経路、例えば、経口、非経口、直腸内、局所、若しくは眼経路によって、又は吸入によって投与され得る。
【0117】
調製物は、錠剤、カプセル剤、サッシェ剤、糖衣錠、粉剤、顆粒剤、トローチ剤、再構成用粉剤、液体調製物、又は座薬の形態であり得る。好ましくは、組成物は、静脈内注射、局所投与、又は経口投与用に製剤化される。
【0118】
経口投与の場合、本開示の化合物は、錠剤若しくはカプセルの形態で、又は溶液、乳剤、若しくは懸濁剤として提供され得る。経口組成物を調製するために、化合物は、例えば、1日当たり約0.05~約100mg/kg、1日当たり約0.05~約35mg/kg、又は1日当たり約0.1~約10mg/kgの投薬量を生じるように製剤化され得る。例えば、1日当たり約5mg~5gの合計日投薬量は、1日当たり1回、2回、3回、又は4回投与することによって達成され得る。
【0119】
経口錠剤は、医薬的許容される賦形剤、例えば、不活性希釈剤、崩壊剤、結合剤、滑沢剤、甘味剤、着香剤、着色剤、及び保存剤と混合された本開示による化合物を含み得る。好適な不活性充填剤としては、炭酸ナトリウム及び炭酸カルシウム、リン酸ナトリウム及びリン酸カルシウム、ラクトース、デンプン、糖、グルコース、メチルセルロース、ステアリン酸マグネシウム、マンニトール、ソルビトールなどが挙げられる。例示的な経口用液体賦形剤としては、エタノール、グリセロール、水などが挙げられる。デンプン、ポリビニルピロリドン(polyvinyl-pyrrolidone、PVP)、グリコール酸ナトリウムデンプン、微結晶セルロース、及びアルギン酸は、好適な崩壊剤である。結合剤としては、デンプン及びゼラチンが挙げられ得る。潤滑剤は、存在する場合、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸又はタルクであり得る。所望される場合、錠剤は、消化管内での吸収を遅延させるために、モノステアリン酸グリセリル若しくはジステアリン酸グリセリルなどの物質でコーティングされ得るか、又は腸溶コーティングでコーティングされ得る。
【0120】
経口投与用カプセルとしては、硬質ゼラチンカプセル及び軟質ゼラチンカプセルが挙げられる。硬質ゼラチンカプセルを調製するために、本開示の化合物は、固体、半固体又は液体の希釈剤と混合され得る。軟質ゼラチンカプセルは、本開示の化合物を水、ピーナッツ油若しくはオリーブ油などの油、流動パラフィン、短鎖脂肪酸のモノグリセリドとジグリセリドとの混合物、ポリエチレングリコール400、又はプロピレングリコールと混合することによって、調製され得る。
【0121】
経口投与用の液体は、懸濁液、溶液、乳剤、又はシロップ剤の形態であり得るか、又は使用前に水若しくは他の好適なビヒクルで再構成するために、凍結乾燥され得るか、若しくは乾燥製品として提示され得る。そのような液体組成物は、任意選択的に、医薬的に許容される賦形剤、例えば、懸濁剤(例えば、ソルビトール、メチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ゼラチン、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ステアリン酸アルミニウムゲルなど);非水性ビヒクル、例えば、油(例えば、アーモンド油又は分留ヤシ油)、プロピレングリコール、エチルアルコール又は水;保存剤(例えば、p-ヒドロキシ安息香酸メチル若しくはp-ヒドロキシ安息香酸プロピル、又はソルビン酸);レシチンなどの湿潤剤;及び必要に応じて着香剤又は着色剤を含有し得る。
【0122】
また、本開示の活性剤は、非経口経路によって投与され得る。例えば、組成物は、直腸内投与のために座剤として製剤化され得る。静脈内、筋肉内、腹腔内又は皮下経路を含む非経口用途の場合、本開示の化合物は、適切なpH及び等張性に緩衝された滅菌水溶液若しくは懸濁液、又は非経口的に許容される油中で提供され得る。好適な水性ビヒクルとしては、リンガー液及び等張性塩化ナトリウムが挙げられる。そのような形態は、アンプル又は使い捨て注射デバイスなどの単位用量形態、適切な用量を引き抜くことができるバイアルなどの多用量形態、又は注射可能な製剤を調製するために使用され得る固体形態若しくは予濃縮物で提示されることになる。例解的な注入用量は、数分間から数日間の範囲の期間にわたる、医薬的担体と混合した化合物の約1~1000μg/kg/分の範囲であり得る。
【0123】
局所投与の場合、化合物を、ビヒクルに対して約0.1%~約10%の薬物の濃度で医薬的担体と混合し得る。本開示の化合物を投与する別の形態は、経皮送達を行うためにパッチ製剤を利用し得る。
【0124】
代替的に、本開示の化合物は、経鼻又は経口経路を介した吸入によって、例えば、好適な担体も含有する噴霧製剤による本開示の方法で投与され得る。
【0125】
本開示の化合物は、本開示と組み合わせて当業者の知識を使用して調製され得る。例えば、本開示の化合物は、米国特許第10,717,745号、米国特許第10,934,310号、及び国際出願第2017/100662号に開示されているスキーム及び実施例に従って調製され得、それらの各々は、その全体が本明細書に組み込まれる。
【0126】
本明細書に記載される診断的及び治療的用途に使用するため、キット及び製品も本明細書に記載される。かかるキットは、バイアル、チューブなどの1つ以上の容器を受容するように区画化されたキャリア、パッケージ、又は容器を備えることができ、容器の各々は、本明細書に記載の方法において使用される別々の要素のうち1つを備える。好適な容器として、例えば、瓶、バイアル、注射器、及び試験管が挙げられる。容器は、例えば、ガラス又はプラスチックなどの任意の許容される材料から形成される。いくつかの態様では、本明細書で提供されるキットは、バイオマーカー遺伝子の発現又はバイオマーカー遺伝子の改変のレベルの判定において使用するためのものである。いくつかの態様では、本明細書で提供されるキットは、式(III)の化合物でのコンパニオン診断としての使用のためのものである。いくつかの態様では、キットは、式(III)の化合物での治療のために、患者を選択するために用いられ、対象を、の式(III)の化合物に感受性があるとして識別するために用いられ、式(III)の化合物での治療を評価するために用いられる。いくつかの態様では、キットは、式(III)の化合物での治療のために、患者を選択するために使用されるか、対象を、式(III)の化合物に対して耐性があるとして、若しくはそれに対して耐性があるようになる可能性があるとして識別するために使用されるか、式(III)の化合物に対する耐性が生じることを監視するために使用されるか、又はそれらの組み合わせのために使用される。
【0127】
本明細書で提供されるキットは、CCL3、CCL4、ACTG2、LOR、GAPT、CCND2、SELL、GENl、HDAC9、CD10、BCL6、MUM1、又はそれらの任意の組み合わせの発現の検出のための1つ又は2つ以上の試薬を含有する。いくつかの実施形態では、本明細書で提供されるキットは、MYD88、CD79B、PIM1、CDKN2A、HLA-B、OSBPL10、ETV6、SPIB、TOX、BTG1、BTG2、HLA-A、SETD1B、HLA-C、MPEG1、FOXC1、TBL1XR1、KLHL14、GRHPR、CD58、PRDM1、VMP1、PIM2、WEE1、BCL11A、CHST2、ARID5B、HASPIN、IL16、PPP1R9B、又はHNF1Bの改変の検出のための1つ又は2つ以上の試薬を含有する。例示的な試薬としては、限定するものではないが、抗体、緩衝剤、核酸、マイクロアレイ、ELISAプレート、酵素染色のための基質、クロマゲン、又は他の材料、例えば、スライド、容器、マイクロタイタープレート、及び任意選択的に、方法の実行についての説明書が挙げられる。当業者は、様々な材料と接触させるのに使用できる多くの他の可能な容器及びプレート及び試薬を認識するであろう。
【0128】
態様
本開示はまた、以下の態様を対象とする。
【0129】
態様1.式(III)の化合物:
【0130】
【化6】
【0131】
態様2.式(III)の化合物が、その医薬的に許容される塩、水和物、多形、又は溶媒和物である、態様1に記載の式(III)の化合物。
【0132】
態様3.式(III)の化合物、又はその医薬的に許容される塩、水和物、多形、若しくは溶媒和物と、医薬的に許容される賦形剤と、を含む、医薬組成物。
【0133】
態様4.ブルトン型チロシンキナーゼを阻害する方法であって、キナーゼを、式(III)の化合物と接触させることを含む、方法。
【0134】
態様5.患者におけるDLBCLを治療する方法において使用するための、式(III)の化合物、又はその医薬的に許容される塩、水和物、多形、若しくは溶媒和物。
【0135】
態様6.DLBCLが、ABC-DLBCL、胚中心B細胞びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(GCB-DLBCL)、又は非胚中心B細胞びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(非GCB-DLBCL)である、態様5に記載の使用のための化合物。
【0136】
態様7.対象におけるDLBCLの治療において使用するための式(III)の化合物であって、治療が、(a)対象に由来するサンプルにおけるCCL3、CCL4、ACTG2、LOR、GAPT、CCND2、SELL、GENl、HDAC9、又はそれらの任意の組み合わせの発現レベルを判定することと、(b)CCL3、CCL4、ACTG2、LOR、GAPT、CCND2、SELL、GENl、HDAC9、又はそれらの任意の組み合わせの発現が、対照又は参照レベルに対して増加している場合に、治療有効量の式(III)の化合物を投与することと、を含む、使用のための化合物。
【0137】
態様8.対象におけるABC-DLBCLの治療において使用するための式(III)の化合物であって、治療が、(a)対象に由来するサンプルにおけるCCL3、CCL4、ACTG2、LOR、GAPT、CCND2、SELL、GENl、HDAC9、又はそれらの任意の組み合わせの発現レベルを判定することと、(b)CCL3、CCL4、ACTG2、LOR、GAPT、CCND2、SELL、GENl、HDAC9、又はそれらの任意の組み合わせの発現が、対照又は参照レベルに対して増加している場合に、治療有効量の式(III)の化合物を投与することと、を含む、使用のための化合物。
【0138】
態様9.対照又は参照レベルが、正常対象におけるCCL3、CCL4、ACTG2、LOR、GAPT、CCND2、SELL、GENl、HDAC9、又はそれらの任意の組み合わせの発現のレベルである、態様7に記載の使用のための化合物。
【0139】
態様10.対象におけるGCB-DLBCLの治療において使用するための式(III)の化合物であって、治療が、(a)対象に由来するサンプルにおけるCD10、BCL6、及びMUM1の発現レベルを判定することと、(b)CD10及びBCL6の発現が、対照又は参照レベルに対して増加しており、MUM1の発現が、対照又は参照レベルに対して増加していない場合に、治療有効量の式(III)の化合物を投与することと、を含む、使用のための化合物。
【0140】
態様11.参照レベルが、正常対象におけるCD10、BCL6、及びMUM1の発現のレベルである、態様10に記載の使用のための化合物。
【0141】
態様12.対象におけるDLBCLの治療において使用するための式(III)の化合物であって、治療が、(a)対象における1つ又は2つ以上のバイオマーカー遺伝子における改変の存在又は非存在を判定することであって、バイオマーカー遺伝子が、MYD88、CD79B、PIM1、CDKN2A、HLA-B、OSBPL10、ETV6、SPIB、TOX、BTG1、BTG2、HLA-A、SETD1B、HLA-C、MPEG1、FOXC1、TBL1XR1、KLHL14、GRHPR、CD58、PRDM1、VMP1、PIM2、WEE1、BCL11A、CHST2、ARID5B、HASPIN、IL16、PPP1R9B、又はHNF1Bから選択される、判定することと、(b)1つ又は2つ以上のバイオマーカー遺伝子における改変が存在する場合に、対象に、治療有効量の式(III)の化合物を投与することと、を含む、使用のための化合物。
【0142】
態様13.式(III)の化合物での治療のために、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)を有する対象を選択することにおいて使用するための式(III)の化合物であって、選択することが、(a)対象における1つ又は2つ以上のバイオマーカー遺伝子における改変の存在又は非存在を判定することであって、バイオマーカー遺伝子が、MYD88、CD79B、PIM1、CDKN2A、HLA-B、OSBPL10、ETV6、SPIB、TOX、BTG1、BTG2、HLA-A、SETD1B、HLA-C、MPEG1、FOXC1、TBL1XR1、KLHL14、GRHPR、CD58、PRDM1、VMP1、PIM2、WEE1、BCL11A、CHST2、ARID5B、HASPIN、IL16、PPP1R9B、又はHNF1Bから選択される、判定することと、(b)1つ又は2つ以上のバイオマーカー遺伝子における改変が存在する場合に、対象を選択し、対象に、治療有効量の式(III)の化合物を投与することと、を含む、使用のための化合物。
【0143】
態様14.DLBCLの治療のために、式(III)の化合物を受けている対象が、療法に対する耐性を生じているか、又はそれを生じる可能性があるかどうかを監視することにおいて使用するための式(III)の化合物であって、監視することが、対象における1つ又は2つ以上のバイオマーカー遺伝子における改変の存在又は非存在を判定することであって、バイオマーカー遺伝子が、MYD88、CD79B、PIM1、CDKN2A、HLA-B、OSBPL10、ETV6、SPIB、TOX、BTG1、BTG2、HLA-A、SETD1B、HLA-C、MPEG1、FOXC1、TBL1XR1、KLHL14、GRHPR、CD58、PRDM1、VMP1、PIM2、WEE1、BCL11A、CHST2、ARID5B、HASPIN、IL16、PPP1R9B、又はHNF1Bから選択される、判定することを含み、1つ又は2つ以上のバイオマーカー遺伝子における改変が存在する場合に、対象が、療法に対する耐性を生じる可能性がある、使用のための化合物。
【0144】
態様15.びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)の治療のために、式(III)の化合物を受けている対象の療法を最適化することにおいて使用するための式(III)の化合物であって、最適化することが、(a)対象における1つ又は2つ以上のバイオマーカー遺伝子における改変の存在又は非存在を判定することであって、バイオマーカー遺伝子が、CARD11、CD79A、CD79B、BCL10、KLHL6、BTK、SYK、NFKBIA、TNFAIP3、CDKN2A、CDKN2B、SMARCA4、TNFRSF14、HIST1H1D、ARID1A、EPHA3、ASTML、MYD88、MLL2、FOXO1、PCLO、TP53、ICK、MAP3K13、HIST1H1E、SOCS1、MTOR、TBL1XR1、BTG1、NOTCH2、SPEN、PLCG、NFKBIZ、NFKBID、ATM、BCL2、CXCR4、EZH2、KMT2D、NOTCH1、PLCG2、ZC3H12D、ZC3H12A、RC3H1、CYLD、N4BP1、RELB、及びRBCK1から選択される、判定することと、(b)1つ又は2つ以上のバイオマーカー遺伝子における改変の存在又は非存在に基づいて、治療を変更することと、を含む、使用のための化合物。
【0145】
態様16.1つ又は2つ以上のバイオマーカー遺伝子における改変が、塩基置換、挿入、欠失、DNA再編成、転座、コピー数変化、又はそれらの組み合わせを含む、態様10~15に記載の使用のための化合物。
【0146】
態様17.式(III)の化合物の治療有効量が、約140mg~約560mgである、態様5~16に記載の使用のための化合物。
【0147】
態様18.式(III)の化合物の治療有効量が、約140mgである、態様5~16に記載の使用のための化合物。
【0148】
態様19.式(III)の化合物の治療有効量が、約280mgである、態様5~16に記載の使用のための化合物。
【0149】
態様20.式(III)の化合物の治療有効量が、約560mgである、態様5~16に記載の使用のための化合物。
【0150】
態様21.治療有効量の式(III)の化合物が、1日1回投与される、態様5~20に記載の使用のための化合物。
【0151】
態様22.治療有効量の式(III)の化合物が、1日2回投与される、態様5~20に記載の使用のための化合物。
【0152】
態様23.治療有効量の式(III)の化合物が、1日3回投与される、態様5~20に記載の使用のための化合物。
【0153】
態様24.式(III)の化合物が、経口投与される、態様5~23に記載の使用のための化合物。
【0154】
態様25.4-(4-{[2-(4-クロロフェニル)-4,4-ジメチルシクロヘキサ-1-エン-1-イル]メチル}ピペラジン-1-イル)-N-({3-ニトロ-4-[(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルメチル)アミノ]フェニル}スルホニル)-2-(1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン5-イルオキシ)ベンズアミド)を投与することを更に含む、態様5~24に記載の使用のための化合物。
【0155】
態様26.4-(4-{[2-(4-クロロフェニル)-4,4-ジメチルシクロヘキサ-1-エン-1-イル]メチル}ピペラジン-1-イル)-N-({3-ニトロ-4-[(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルメチル)アミノ]フェニル}スルホニル)-2-(1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン5-イルオキシ)ベンズアミド)が、毎週漸増投薬量レジメンに従って投与され、毎週漸増投薬量レジメンが、第1の週に約20mg/日、第2の週に約50mg/日、第3の週に約100mg/日、第3の週に200mg/日、及び第4の週以降に400mg/日を投与することを含む、態様25に記載の使用のための化合物。
【0156】
態様27.シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチン、プレドニゾン、及びリツキシマブを投与することを更に含む、態様5~24に記載の使用のための化合物。
【国際調査報告】