(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-17
(54)【発明の名称】パーソナルケア用洗浄組成物のための増粘剤
(51)【国際特許分類】
A61K 8/42 20060101AFI20240709BHJP
A61Q 19/10 20060101ALI20240709BHJP
A61K 8/44 20060101ALI20240709BHJP
A61K 8/60 20060101ALI20240709BHJP
A61Q 5/02 20060101ALI20240709BHJP
C09K 3/00 20060101ALI20240709BHJP
C11D 3/32 20060101ALI20240709BHJP
C11D 1/68 20060101ALI20240709BHJP
C11D 1/72 20060101ALI20240709BHJP
C11D 1/75 20060101ALI20240709BHJP
C11D 1/90 20060101ALI20240709BHJP
C11D 1/92 20060101ALI20240709BHJP
C11D 1/02 20060101ALI20240709BHJP
【FI】
A61K8/42
A61Q19/10
A61K8/44
A61K8/60
A61Q5/02
C09K3/00 103M
C11D3/32
C11D1/68
C11D1/72
C11D1/75
C11D1/90
C11D1/92
C11D1/02
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024500181
(86)(22)【出願日】2022-07-05
(85)【翻訳文提出日】2024-01-05
(86)【国際出願番号】 CN2022103926
(87)【国際公開番号】W WO2023280163
(87)【国際公開日】2023-01-12
(31)【優先権主張番号】PCT/CN2021/104780
(32)【優先日】2021-07-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】508020155
【氏名又は名称】ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】Carl-Bosch-Strasse 38, 67056 Ludwigshafen am Rhein, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】弁理士法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジュー,ベンチュアン
(72)【発明者】
【氏名】リン,ファンチン
(72)【発明者】
【氏名】フー,ティンティン
(72)【発明者】
【氏名】ワン,コー
(72)【発明者】
【氏名】ウー,イエファン
(72)【発明者】
【氏名】ヤン,セン
(72)【発明者】
【氏名】チュー,ウェイソン
(72)【発明者】
【氏名】ジョン,イージョウ
【テーマコード(参考)】
4C083
4H003
【Fターム(参考)】
4C083AA032
4C083AB032
4C083AC122
4C083AC172
4C083AC242
4C083AC302
4C083AC312
4C083AC392
4C083AC422
4C083AC532
4C083AC542
4C083AC641
4C083AC642
4C083AC661
4C083AC662
4C083AC682
4C083AC692
4C083AC711
4C083AC712
4C083AC792
4C083AC812
4C083AD072
4C083AD352
4C083AD391
4C083AD392
4C083BB04
4C083BB05
4C083BB07
4C083CC23
4C083CC38
4C083DD01
4C083DD22
4C083DD23
4C083EE07
4H003AB09
4H003AB17
4H003AC05
4H003AC08
4H003AC13
4H003AD04
4H003BA12
4H003DA02
4H003EA21
4H003EB05
4H003EB08
4H003EB09
4H003EB17
4H003EB28
4H003ED02
4H003FA16
4H003FA28
4H003FA30
(57)【要約】
本発明は、本明細書に定義される式(I)のアミドアミン及び式(II)のN-アシルアミノ酸塩
【化1】
【化2】
を含む増粘剤に関する。本発明は、この増粘剤を含むサルフェートフリーのパーソナルケア用洗浄組成物にも関する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
増粘剤であって、
- 式(I)
【化1】
(式中、
R
1及びR
2は、互いに独立に、H又は直鎖若しくは分岐C
1~C
6-アルキルであり、
R
3は、直鎖又は分岐C
1~C
6-アルキレンであり、及び
R
4は、直鎖又は分岐C
10~C
30-ヒドロカルビルであり、及び
R
5は、H又は直鎖若しくは分岐C
1~C
6-アルキルである)
のアミドアミンと、
- 式(II)
【化2】
(式中、
R
6は、直鎖又は分岐C
5~C
20-ヒドロカルビルであり、
R
7は、α-アミノ酸のα-炭素に結合され、且つカルボキシル置換基又はプロトン化可能な窒素含有置換基を含有しない基に対応する構造を有する基であり、及び
M
+は、アルカリ金属陽イオン、4級アンモニウム陽イオン及び4級ホスホニウム陽イオンから選択される)
のN-アシルアミノ酸塩と
を含む増粘剤。
【請求項2】
前記アミドアミンは、式(Ia)
【化3】
(式中、
R
1及びR
2は、互いに独立に、H又は直鎖若しくは分岐C
1~C
4-アルキルであり、
R
3は、直鎖C
1~C
4-アルキレンであり、及び
R
4は、直鎖又は分岐C
11~C
25-ヒドロカルビルである)
のものである、請求項1に記載の増粘剤。
【請求項3】
R
1及びR
2は、独立に、メチル又はエチル、好ましくはメチルである、請求項1又は2に記載の増粘剤。
【請求項4】
R
3は、直鎖C
1~C
3-アルキレン、好ましくは1,3-プロピレンである、請求項1~3のいずれか一項に記載の増粘剤。
【請求項5】
R
4は、直鎖C
11~C
20-ヒドロカルビル、好ましくはC
11~C
20-アルキルである、請求項1~4のいずれか一項に記載の増粘剤。
【請求項6】
式(II)において、R
6は、直鎖又は分岐C
7~C
17-ヒドロカルビル、好ましくは直鎖又は分岐C
9~C
15-ヒドロカルビルである、請求項1~5のいずれか一項に記載の増粘剤。
【請求項7】
前記N-アシルアミノ酸塩が誘導されるアミノ酸は、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、セリン、トレオニン、システイン、シスチン、メチオニン、フェニルアラニン及びチロシン、好ましくはグリシン、バリン、システイン及びアラニン、より好ましくはグリシン及びアラニンから選択される、請求項1~6のいずれか一項に記載の増粘剤。
【請求項8】
前記アミドアミン及び前記N-アシルアミノ酸塩は、0.7:1~1:0.2、好ましくは1:1~1:0.2の範囲、より好ましくは1:0.8~1:0.3の範囲、最も好ましくは1:0.7~1:0.4の範囲のモル比で含まれる、請求項1~7のいずれか一項に記載の増粘剤。
【請求項9】
前記アミドアミン及び前記N-アシルアミノ酸塩は、複合体の形態で存在する、請求項1~8のいずれか一項に記載の増粘剤。
【請求項10】
水を含む組成物の形態、例えばペーストとしてのものである、請求項1~9のいずれか一項に記載の増粘剤。
【請求項11】
パーソナルケア用洗浄組成物であって、
(A)非サルフェート系アニオン性界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン性界面活性剤及びこれらの任意の組合せからなる群から選択される少なくとも1種の界面活性剤と、
(B)請求項1~10のいずれか一項に記載の増粘剤と、
(C)水と
を含むパーソナルケア用洗浄組成物。
【請求項12】
いかなるサルフェート系界面活性剤も実質的に含まない、請求項11に記載のパーソナルケア用洗浄組成物。
【請求項13】
前記パーソナルケア用洗浄組成物の総重量を基準として、固形分として計算される1~8重量%、好ましくは1.5~5重量%、より好ましくは2~4重量%の量の前記増粘剤を含む、請求項11又は12に記載のパーソナルケア用洗浄組成物。
【請求項14】
前記非イオン性界面活性剤は、ポリエチレングリコール、ポリグリセロールアルキルエーテル、ポリグリセロールアルキルエステル、脂肪アルコール、特にC
8~C
16脂肪アルコールのエトキシル化誘導体、脂肪酸のエトキシル化誘導体、脂肪酸エステルのエトキシル化誘導体、マンニタンのエトキシル化誘導体、アルキルグリコシド、アルキルポリグリコシド、ポリオールグリコシド、ヒマシ油の誘導体、ポリソルベート、脂肪酸アルカノールアミド、N-アルキルアミン及びアミンオキシドを含む、請求項11~13のいずれか一項に記載のパーソナルケア用洗浄組成物。
【請求項15】
式(III)
【化4】
(式中、
R
8は、直鎖又は分岐C
6~C
24-ヒドロカルビルであり、
R
9は、直鎖C
2~C
4-アルキレンであり、
mは、0~10、好ましくは0~4の範囲の数であり、
Sは、5又は6つの炭素を有する還元糖の残部であり、及び
nは、1~5の範囲、好ましくは1又は2の数である)
のアルキル(ポリ)グリコシド、及び
その任意の組合せ
から選択される非イオン性界面活性剤を含む、請求項11~13のいずれか一項に記載のパーソナルケア用洗浄組成物。
【請求項16】
前記アニオン性界面活性剤は、スルホン酸塩、アルキルリン酸塩、アルキルエーテルリン酸塩、アルキルアミドスルホン酸塩、アルキルアリールスルホン酸塩、アルキルカルボン酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、アルキルエーテルスルホコハク酸塩、アルキルアミドスルホコハク酸塩、アルキルスルホ酢酸塩、アシルイセチオン酸塩、グリコシルカルボン酸塩、アルキル(ポリ)グルコシド誘導体及びN-アシルアミノ酸塩を含む、請求項11~15のいずれか一項に記載のパーソナルケア用洗浄組成物。
【請求項17】
アルキル(ポリ)グリコシド誘導体であるアニオン性界面活性剤、特にC
6~C
24-ヒドロカルビル(ポリ)グルコシドから得られる酢酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、スルホコハク酸塩、炭酸塩及びグリセロールエーテル、特にC
6~C
24-ヒドロカルビル(ポリ)グリコシドのカルボキシルメチルエーテルの塩を含む、請求項16に記載のパーソナルケア用洗浄組成物。
【請求項18】
好ましくは、N-(C
6~C
20-アシル)アミノ酸塩、より好ましくはN-(C
6~C
20-アシル)グルタミン酸塩から選択される、N-アシルアミノ酸塩であるアニオン性界面活性剤を含む、請求項11~17のいずれか一項に記載のパーソナルケア用洗浄組成物。
【請求項19】
前記両性界面活性剤は、アルキルベタイン、アルキルアミドベタイン、スルタイン、スルホベタイン、アルキルスルホベタイン、アルキルアミドアルキルスルホベタイン、イミダゾリンの誘導体、ホスホベタイン、アシルタウリン塩、アンホ酢酸塩及びアンホプロピオン酸塩、好ましくはアルキルベタイン、アルキルアミドベタイン、スルホベタイン、アルキルスルホベタイン、アルキルアミドアルキルスルホベタイン、アンホ酢酸塩、アンホジ酢酸塩、アンホプロピオン酸塩、アンホジプロピオン酸塩及びアンホカルボキシグリシン塩を含む、請求項11~18のいずれか一項に記載のパーソナルケア用洗浄組成物。
【請求項20】
C
8~C
20-アルキルベタイン及びC
8~C
20-アルキルアミド-C
1~C
6-アルキルベタインから選択される両性界面活性剤を含む、請求項19に記載のパーソナルケア用洗浄組成物。
【請求項21】
アンホ酢酸塩及びアンホプロピオン酸塩から選択される両性界面活性剤を含む、請求項19に記載のパーソナルケア用洗浄組成物。
【請求項22】
水性組成物、特にリンスオフ組成物である、請求項10~21のいずれか一項に記載のパーソナルケア用洗浄組成物。
【請求項23】
請求項1~9のいずれか一項に記載の式(I)のアミドアミンと式(II)のN-アシルアミノ酸塩との組合せ、特にその複合体の、サルフェートフリーの水性洗浄組成物、特にパーソナルケア用洗浄組成物における増粘剤としての使用。
【請求項24】
前記水性洗浄組成物は、4.5~6.0、例えば5.0~5.5の範囲のpHを有する、請求項23に記載の使用。
【請求項25】
請求項1~9のいずれか一項に記載の式(I)のアミドアミンと式(II)のN-アシルアミノ酸塩との組合せ、特にその複合体の、パーソナルケア用組成物における真珠光沢剤としての使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サルフェートフリーのパーソナルケア用洗浄組成物のための増粘剤及びそれを含有するサルフェートフリーのパーソナルケア用洗浄組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、顔、身体及び毛髪のためのパーソナルケア用洗浄製品は、通常、シャンプー、ローション、ゲル、液体石鹸及びウェットワイプ形態の水性配合物を含む。これらの配合物は、概して、皮膚又は毛髪に適用するのに十分な粘稠性を得るために増粘剤を含有する。パーソナルケア用洗浄製品に有用な様々な増粘剤、例えば塩化ナトリウム等の無機塩又は酸化物、アクリル酸ポリマー及びコポリマー、天然由来のガム、セルロース誘導体、セルロース系材料等の増粘又は安定化ポリマー、グリコールエステル又はグリコールエーテル、脂肪酸モノエタノールアミン等のアルカノールアミド並びにアルキルグルコシドは、知られていた。
【0003】
ラウリル硫酸ナトリウム及びラウリルエーテル硫酸ナトリウム等のサルフェート系界面活性剤は、その洗浄、泡立ち及び安定性における有効性から、パーソナルケア用洗浄製品に幅広く使用されている。しかしながら、サルフェート系界面活性剤を含むパーソナルケア用組成物には、重大な欠点がある。実際のところ、ラウレス硫酸エステル(SLS)等のサルフェート系界面活性剤は、とりわけ皮膚及び眼で耐性の問題が発生しやすいことが知られている。サルフェート系界面活性剤の他の欠点は、皮膚、頭皮及び毛髪の表面に本来含まれている油、脂肪又はタンパク質を奪いやすいことである。したがって、サルフェート系界面活性剤を含むパーソナルケア用組成物を長期間にわたり繰り返し使用すると、皮膚若しくは頭皮に炎症が生じ、且つ/又は毛髪繊維が損傷を受ける可能性がある。
【0004】
パーソナルケア用洗浄製品の分野における最近の動向として、非サルフェート系界面活性剤が使用されるようになっている。この種の配合物は、例えば、泡立ちの悪さ及び清澄度の低さといった幾つかの欠点を有する。加えて、N-アシルグルタメート等の非サルフェート系界面活性剤は、概して、親水性を示す大きい頭基を含むため、こうした配合物は、増粘することが困難である。パーソナルケア用洗浄製品について、サルフェートフリー界面活性剤に伴う欠点を克服するための多くの手法が提案されている。
【0005】
例えば、国際公開第2015089259A1号パンフレットは、サルフェートフリーのパーソナルケア用洗浄組成物を記載しており、これは、a)水と;b)パーソナルケア用洗浄組成物の総重量を基準として約10重量%以下の、アニオン性界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン性/アニオン性界面活性剤混合物及びこれらの組合せからなる群から選択される界面活性剤と;c)レオロジー調整ポリマーと;d)陽イオンで置換されたグアーガムと;e)アクリルアミドプロピルトリモニウムクロリドとアクリルアミドとのコポリマーとを含む。この特許出願の実施例に記載されているように、セルロースをベースとするレオロジー調整ポリマー及び陽イオンで置換されたグアーガムと、アクリルアミドプロピルトリモニウムクロリドとアクリルアミドとのコポリマーとの組合せは、配合物に所望の粘度を付与するために必須である。
【0006】
非サルフェート系界面活性剤を含む配合物の増粘は、依然として課題である。サルフェートフリーのパーソナルケア用洗浄配合物のための新規且つ有効な増粘剤が必要とされている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、サルフェートフリーのパーソナルケア用洗浄製品のための増粘剤を提供することである。本発明の他の目的は、所望の粘稠性を有するサルフェートフリーのパーソナルケア用洗浄組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の目的は、アミドアミンとN-アシルアミノ酸の塩との組合せ、特にその複合体によって達成されることが見出された。
【0009】
したがって、一態様において、本発明は、
- 式(I)
【化1】
(式中、
R
1及びR
2は、互いに独立に、H又は直鎖若しくは分岐C
1~C
6-アルキルであり、
R
3は、直鎖又は分岐C
1~C
6-アルキレンであり、及び
R
4は、直鎖又は分岐C
10~C
30-ヒドロカルビルであり、及び
R
5は、H又は直鎖若しくは分岐C
1~C
6-アルキルである)
のアミドアミンと、
- 式(II)
【化2】
(式中、
R
6は、直鎖又は分岐C
5~C
20-ヒドロカルビルであり、
R
7は、α-アミノ酸のα-炭素に結合され、且つカルボキシル置換基又はプロトン化可能な窒素含有置換基を含有しない基に対応する構造を有する基であり、及び
M
+は、アルカリ金属陽イオン、4級アンモニウム陽イオン及び4級ホスホニウム陽イオンから選択される)
のN-アシルアミノ酸塩と
を含む増粘剤に関する。
【0010】
他の態様において、本発明は、
(A)非サルフェート系アニオン性界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン性界面活性剤及びこれらの任意の組合せからなる群から選択される少なくとも1種の界面活性剤と、
(B)本明細書に記載する増粘剤と、
(C)水と
を含むパーソナルケア用洗浄組成物に関する。
【0011】
更なる態様において、本発明は、式(I)のアミドアミンと式(II)のN-アシルアミノ酸塩との組合せ、特にその複合体の、サルフェートフリーの水性洗浄組成物における増粘剤としての使用に関する。
【発明を実施するための形態】
【0012】
ここで、本発明を以下に詳細に説明する。本発明は、多くの異なる方法で具体化することができ、本明細書に記載する実施形態に限定されないと解釈されることを理解すべきである。他に言及しない限り、本明細書において使用する全ての技術及び科学用語は、本発明が属する技術分野における当業者が一般に理解する意味と同義である。
【0013】
本明細書において使用される単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」及び「その」は、文脈が明確にそうでないことを示さない限り、複数の指示対象を含む。
【0014】
本明細書において使用される、「含む」、「含んでいる」等の用語は、「含有する」、「含有している」等と互いに交換可能に使用され、非限定的な、オープンエンド様式で解釈されるべきである。即ち、例えば、更なる成分又は要素が存在し得る。「~からなる」若しくは「本質的に~からなる」又は同種の表現は、「含む」又は同種の表現に包含され得る。
【0015】
本明細書において使用される、配合物又は組成物に関連する「水性」という用語は、配合物又は組成物の溶媒が本質的に水からなるか又は水及び水溶性有機溶媒の組合せからなることを意味する。例えば、配合物又は組成物の溶媒の少なくとも50%は、水である。
【0016】
本明細書において使用される、本発明による組成物又は配合物に関連する「サルフェートフリー」という用語は、組成物又は配合物が、界面活性効果を発揮する任意の硫酸化された化合物を有意な量で含まないことと理解すべきである。特に、本明細書において以下では、界面活性効果を発揮する硫酸化された化合物は、組成物又は配合物の総重量を基準として0.01%未満の量、より具体的には検出できない量で存在することになると理解すべきである。界面活性剤に関連する「非サルフェート」という用語は、その界面活性剤が硫酸化された化合物ではないことと理解すべきである。
【0017】
<増粘剤>
アミドアミンとN-アシルアミノ酸との組合せが油性基剤の増粘に有用であることは、例えば、米国特許第8,187,579B2号明細書から知られている。しかしながら、米国特許第8,187,579B2号明細書には、アミドアミンとN-アシルアミノ酸塩との組合せを水性配合物中で使用すること及び水性配合物の増粘に関するその有効性については記載されていない。
【0018】
驚くべきことに、アミドアミンとN-アシルアミノ酸塩との組合せが、非サルフェート系界面活性剤を含む水性配合物の増粘に有効であることが見出された。
【0019】
本発明は、
- 式(I)
【化3】
(式中、
R
1及びR
2は、互いに独立に、H又は直鎖若しくは分岐C
1~C
6-アルキルであり、
R
3は、直鎖又は分岐C
1~C
6-アルキレンであり、及び
R
4は、直鎖又は分岐C
10~C
30-ヒドロカルビルであり、及び
R
5は、H又は直鎖若しくは分岐C
1~C
6-アルキルである)
のアミドアミンと、
- 式(II)
【化4】
(式中、
R
6は、直鎖又は分岐C
5~C
20-ヒドロカルビルであり、
R
7は、α-アミノ酸のα-炭素に結合され、且つカルボキシル置換基又はプロトン化可能な窒素含有置換基を含有しない基に対応する構造を有する基であり、及び
M
+は、アルカリ金属陽イオン、4級アンモニウム陽イオン及び4級ホスホニウム陽イオンから選択される)
のN-アシルアミノ酸塩と
を含む増粘剤を提供する。
【0020】
本明細書において使用される「アルキル」という用語は、例えば、1~6つ(「C1~C6-アルキル」)、1~4つ(「C1~C4-アルキル」)又は1~3つ(「C1~C3-アルキル」)の炭素原子を有し得る飽和炭化水素基を意味する。C1~C3-アルキルの例としては、メチル、エチル、プロピル及びイソプロピルが挙げられる。加えて、C1~C4-アルキルの例には、n-ブチル、1-メチルプロピル(sec-ブチル)、2-メチルプロピル(イソブチル)及び1,1-ジメチルエチル(tert-ブチル)が含まれる。更に、C1~C6-アルキルの例には、n-ペンチル、1-メチルブチル、1-エチルプロピル、ネオペンチル、n-ヘキシル、1-メチルペンチル、2-メチルペンチル、1-エチルブチル、2-エチルブチル等が含まれる。
【0021】
本明細書において使用される「アルキレン」という用語は、例えば、1~6つの炭素原子(「C1~C6-アルキレン」)、1~4つの炭素原子(「C1~C4-アルキレン」)又は1~3つの炭素原子(「C1~C3-アルキレン」)を有し得る二価のアルカンジイル基を意味する。C1~C4-アルキレンの例として、メチレン、1,2-エチレン、1,3-プロピレン及び1,4-ブチレンが挙げられるが、これらに限定されるものではない。加えて、C1~C6-アルキレンの例には、1,5-ペンチレン、1,6-ヘキシレン及びこれらの異性体が含まれる。
【0022】
本明細書において使用される「ヒドロカルビル」という用語は、飽和又は不飽和の炭化水素基を意味し、「アルキル」及び「アルケニル」を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
【0023】
本明細書において使用される「アシル」は、カルボニルを介して化合物の残部に直接結合している直鎖又は分岐ヒドロカルビルを指し、「ヒドロカルビル-C(O)-」で表すことができる。
【0024】
式(Ia)
【化5】
(式中、
R
1及びR
2は、互いに独立に、H又は直鎖若しくは分岐C
1~C
4-アルキルであり、
R
3は、直鎖C
1~C
4-アルキレンであり、及び
R
4は、直鎖又は分岐C
11~C
25-ヒドロカルビルである)
のアミドアミンは、本発明による増粘剤に特に有用である。
【0025】
好ましくは、式(Ia)のR1及びR2基は、独立に、メチル又はエチルであり、好ましくはメチルである。
【0026】
好ましくは、式(Ia)のR3基は、直鎖C1~C3-アルキレン、より好ましくは1,3-プロピレンである。
【0027】
好ましくは、式(Ia)のR4基は、直鎖C11~C20-ヒドロカルビル、好ましくはC15~C18-ヒドロカルビル、より好ましくはC17-ヒドロカルビルである。特にR4は、直鎖C11~C20-アルキル、好ましくはC15~C18-アルキル、より好ましくはC17-アルキルである。
【0028】
本発明によれば、R1及びR2がメチルであり、R3が1,3-プロピレンであり、R4が直鎖C15~C18-アルキルである、式(Ia)のアミドアミンが特に好ましい。より好ましくは、アミドアミンは、ステアラミドプロピルジメチルアミンである。
【0029】
アミドアミンは、公知のプロセスに従い、例えば、脂肪酸アルキルエステルをジアミンでアミノリシスすることにより調製することができる。市販のアミドアミン、例えば、BASFからものを使用することもできる。
【0030】
本発明による増粘剤に有用なN-アシルアミノ酸塩は、特に、式(II)のR6が直鎖又は分岐C7~C17-ヒドロカルビルであるもの、即ちN-(C8~C18-アシル)アミノ酸塩、好ましくは式(II)のR6が直鎖又は分岐C9~C15-ヒドロカルビルであるもの、即ちN-(C10~C16-アシル)アミノ酸塩である。
【0031】
N-アシルアミノ酸塩中のアシル基、即ち式(II)のR6-C(O)-の例としては、オクタノイル、2-エチルヘキサノイル、ノナノイル、デカノイル、ラウロイル、ミリストイル、ミリストレオイル、パルミトイル、パルミトレオイル、ステアロイル、オレオイル、リノレオイル、ココイル及びこれらの任意の組合せを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。このアシル基は、好ましくは、オクタノイル、2-エチルヘキサノイル、ノナノイル、デカノイル、ラウロイル、ミリストイル、ミリストレオイル、パルミトイル又はパルミトレオイルである。
【0032】
N-アシルアミノ酸塩が誘導される好適なアミノ酸としては、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、セリン、トレオニン、システイン、シスチン、メチオニン、フェニルアラニン及びチロシンを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。好ましくは、N-アシルアミノ酸塩は、グリシン、バリン、システイン及びアラニン、より好ましくはグリシン及びアラニンから誘導されたものから選択される。
【0033】
好ましくは、N-アシルアミノ酸塩は、アルカリ金属塩、例えば、リチウム塩、ナトリウム塩及びカリウム塩である。この場合、式(II)中のM+は、Li+、Na+及びK+から選択される。
【0034】
代わりに、N-アシルアミノ酸塩は、4級アンモニウム塩及び4級ホスホニウム塩であり得る。この場合、式(II)のM+は、式R’R’’R’’’R’’’’N+又はR’R’’R’’’R’’’’P+の陽イオンとなり得、R’、R’’、R’’’及びR’’’’は、独立に、H及び任意選択的に置換されたC1~C4-アルキルから選択される。C1~C4-アルキルは、例えば、OH又はCOOHで置換され得る。
【0035】
N-アシルアミノ酸塩は、公知のプロセスに従い、例えば、塩基性条件下における脂肪酸塩化物とアミノ酸とのショッテン・バウマン反応により調製することができる。市販のアシルアミノ酸塩、例えば、BASFからものを使用することもできる。
【0036】
本発明によれば、アミドアミン及びN-アシルアミノ酸塩は、0.7:1~1:0.2、好ましくは1:1~1:0.2の範囲、より好ましくは1:0.8~1:0.3の範囲、最も好ましくは1:0.7~1:0.4の範囲のモル比で含まれ得る。
【0037】
特に、増粘剤は、アミドアミン及びN-アシルアミノ酸塩の複合体を含む。
【0038】
増粘剤は、アミドアミン及びN-アシルアミノ酸塩を単に水に溶解することにより調製することができる。アミドアミン及びN-アシルアミノ酸塩は、両者が溶解した際に複合体を形成し得る。この調製は、構成成分の溶解、したがって複合体の形成を促進するために、撹拌下に、任意選択的に、例えば70~90℃の範囲の温度に加熱しながら実施することができる。
【0039】
得られた混合物は、後処理を一切行うことなく増粘剤として使用することができる。この場合、増粘剤は、水を含む組成物の形態、例えばペーストとしてのものである。
【0040】
<パーソナルケア用洗浄組成物>
第2の態様において、本発明は、パーソナルケア用洗浄組成物であって、
(A)非サルフェート系アニオン性界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン性界面活性剤及びこれらの任意の組合せからなる群から選択される少なくとも1種の界面活性剤と、
(B)増粘剤であって、
- 式(I)
【化6】
(式中、
R
1及びR
2は、互いに独立に、H又は直鎖若しくは分岐C
1~C
6-アルキルであり、
R
3は、直鎖又は分岐C
1~C
6-アルキレンであり、及び
R
4は、直鎖又は分岐C
10~C
30-ヒドロカルビルであり、及び
R
5は、H又は直鎖若しくは分岐C
1~C
6-アルキルである)
のアミドアミンと、
- 式(II)
【化7】
(式中、
R
6は、直鎖又は分岐C
5~C
20-ヒドロカルビルであり、
R
7は、α-アミノ酸のα-炭素に結合され、且つカルボキシル置換基又はプロトン化可能な窒素含有置換基を含有しない基に対応する構造を有する基であり、及び
M
+は、アルカリ金属陽イオン、4級アンモニウム陽イオン及び4級ホスホニウム陽イオンから選択される)
のN-アシルアミノ酸塩と
を含む増粘剤と、
(C)水と
を含むパーソナルケア用洗浄組成物を提供する。
【0041】
特に、本発明によるパーソナルケア用洗浄組成物は、サルフェートフリーである。換言すれば、パーソナルケア用洗浄組成物中の界面活性剤は、非サルフェート系界面活性剤からなるか又は非サルフェート系界面活性剤から実質的になり得る。
【0042】
サルフェートフリーのパーソナルケア用洗浄組成物は、1種類のみの非サルフェート系界面活性剤又は非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤及び両性界面活性剤から選択される異なる種類の非サルフェート系界面活性剤の組合せを含むことができる。例えば、サルフェートフリーのパーソナルケア用洗浄組成物は、少なくとも1種のアニオン性界面活性剤を含むか又は少なくとも1種の非イオン性界面活性剤と少なくとも1種のアニオン性界面活性剤との組合せを含むか又は少なくとも1種の非イオン性界面活性剤と少なくとも1種の両性界面活性剤との組合せを含むか又は少なくとも1種のアニオン性界面活性剤と少なくとも1種の両性界面活性剤との組合せを含むことができる。
【0043】
幾つかの実施形態において、パーソナルケア用洗浄組成物は、少なくとも1種の非イオン性界面活性剤と、少なくとも1種のアニオン性界面活性剤と、少なくとも1種の両性界面活性剤との組合せを含むことができる。
【0044】
本発明の目的のための非サルフェート系界面活性剤は、特に限定されない。パーソナルケア用洗浄組成物に好適な任意の界面活性剤が本発明に適用可能である。
【0045】
本発明によるパーソナルケア用洗浄組成物に有用な非イオン性界面活性剤の例として、ポリエチレングリコール、ポリグリセロールアルキルエーテル、ポリグリセロールアルキルエステル、脂肪アルコール、特にC8~C16脂肪アルコールのエトキシル化誘導体、脂肪酸、特にC8~C16脂肪酸のエトキシル化誘導体、脂肪酸エステル、特にC8~C16-脂肪酸エステルのエトキシル化誘導体、C8~C16-脂肪酸のモノグリセリドのエトキシル化誘導体、ソルビタンのエトキシル化誘導体、マンニタンのエトキシル化誘導体、アルキルグリコシド、アルキルポリグリコシド、ポリオールグリコシド、ヒマシ油の誘導体、ポリソルベート、脂肪酸アルカノールアミド、N-アルキルアミン及びアミンオキシドが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0046】
幾つかの実施形態において、本発明によるパーソナルケア用洗浄組成物は、式(III)
【化8】
(式中、
R
8は、直鎖又は分岐C
6~C
24-ヒドロカルビルであり、
R
9は、直鎖C
2~C
4-アルキレンであり、
mは、0~10囲、好ましくは0~4の範囲の数であり、
Sは、5又は6つの炭素を有する還元糖の残部であり、及び
nは、1~5の範囲、好ましくは1又は2の数である)
のアルキル(ポリ)グリコシド、及び
その任意の組合せ
から選択される非イオン性界面活性剤を含む。
【0047】
上記の式(III)において、R8は、好ましくは、直鎖又は分岐C8~C18-アルキル、例えばn-オクチル、n-ノニル、n-デシル、n-ウンデシル、n-ドデシル、n-トリデシル、n-テトラデシル、n-ペンタデシル、n-ヘキサデシル、ヘプタデシル又はオクタデシルである。加えて又は代わりに、Sは、グルコース、フルクトース、ガラクトース、キシロース又はアラビノース、好ましくはグルコースから選択される還元糖の残部である。
【0048】
好ましくは、上記の式(III)において、mは、0であり、及びnは、1である。
【0049】
本発明によるパーソナルケア用洗浄組成物に有用なアニオン性界面活性剤としては、例えば、α-オレフィンスルホン酸塩及びパラフィンスルホン酸塩等のスルホン酸塩、アルキルリン酸塩、アルキルエーテルリン酸塩、アルキルアミドスルホン酸塩、アルキルアリールスルホン酸塩、アルキルカルボン酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、アルキルエーテルスルホコハク酸塩、アルキルアミドスルホコハク酸塩、アルキルスルホ酢酸塩、アシルイセチオン酸塩、グリコシルカルボン酸塩、アルキルポリグルコシド誘導体、例えば、アルキル(ポリ)グルコシドから得られるクエン酸塩、酒石酸塩、スルホコハク酸塩、炭酸塩及びグリセロールエーテル並びにN-アシルアミノ酸塩が挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらのアニオン性界面活性剤は、アンモニウム塩,ホスホニウム塩又はアルカリ金属塩であり得る。
【0050】
幾つかの実施形態において、本発明によるパーソナルケア用洗浄組成物は、特に、アルキル(ポリ)グリコシド誘導体であるアニオン性界面活性剤を含む。特に、C6~C24-ヒドロカルビル(ポリ)グルコシドから得られる酢酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、スルホコハク酸塩、炭酸塩及びグリセロールエーテル、とりわけ、C6~C24-ヒドロカルビル(ポリ)グリコシドのカルボキシルメチルエーテルの塩を挙げることができる。
【0051】
特に、パーソナルケア用洗浄組成物は、(IV)
【化9】
(式中、
R
8は、直鎖又は分岐C
6~C
24-ヒドロカルビルであり、
R
9は、直鎖C
2~C
4-アルキレンであり、
mは、0~10、好ましくは0~4の範囲の数であり、
Sは、5又は6つの炭素を有する還元糖の残部であり、
nは、1~5の範囲、好ましくは1又は2の数であり、
M
x+は、4級アンモニウム陽イオン、4級ホスホニウム陽イオン、アルカリ金属陽イオン又はアルカリ土類金属陽イオンであり、及び
xは、1又は2であり、Mの正電荷と等しい)
のアルキル(ポリ)グリコシドのカルボキシルメチルエーテルの塩から選択されるアニオン性界面活性剤、及び
これらの任意の組合せ
を含む。
【0052】
上記の式(IV)において、R8は、好ましくは、直鎖又は分岐C8~C18アルキル、好ましくは直鎖C10~C14アルキル、例えばn-オクチル、n-ノニル、n-デシル、n-ウンデシル、n-ドデシル、n-トリデシル、n-テトラデシル、n-ペンタデシル、n-ヘキサデシル、ヘプタデシル又はオクタデシル、より好ましくはn-ドデシルである。加えて又は代わりに、Sは、グルコース、フルクトース、ガラクトース、キシロース又はアラビノースから、好ましくはグルコースから選択される還元糖の残部である。
【0053】
好ましくは、上記の式(IV)において、mは、0であり、nは、1であり、及びxは、1である。
【0054】
他の幾つかの実施形態において、パーソナルケア用洗浄組成物は、N-アシルアミノ酸をベースとする界面活性剤、即ちN-アシルアミノ酸塩から選択されるアニオン性界面活性剤を含む。好適なN-アシルアミノ酸塩としては、N-(C6~C20-アシル)アミノ酸塩、N-(C8~C18-アシル)アミノ酸塩及びN-(C10~C16-アシル)アミノ酸塩が挙げられるが、これらに限定されるものではない。N-アシルアミノ酸塩を誘導するのに好適なアミノ酸は、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、メチオニン、プロリン、システイン、フェニルアラニン、チロシン、トリプトファン、アルギニン、リジン、ヒスチジン、アスパラギン酸、グルタミン酸、セリン、トレオニン及びアスペルギンから選択することができる。特に、対応するN-アシルアミノ酸塩は特に増粘が難しいという理由から、グルタミン酸、アスパラギン酸、ヒスチジン、アルギニンを挙げることができる。
【0055】
特にパーソナルケア用洗浄組成物は、N-(C6~C20-アシル)グルタミン酸塩、好ましくはN-(C8~C18-アシル)グルタミン酸塩、より好ましくはN-(C10~C16-アシル)グルタミン酸塩から選択されるアニオン性界面活性剤を含み、その中でも、N-ココイルグルタミン酸塩を挙げることができる。
【0056】
本発明によるパーソナルケア用洗浄組成物に有用な両性界面活性剤の例としては、アルキルベタイン、例えばC8~C20-アルキルベタイン、アルキルアミドベタイン、例えば(C8~C20-アルキル)アミド(C2~C8-アルキル)ベタイン、スルタイン、スルホベタイン、アルキルスルホベタイン、アルキルアミドアルキルスルホベタイン、例えば(C8~C20-アルキル)アミド(C2~C8-アルキル)スルホベタイン、イミダゾリンの誘導体、ホスホベタイン、アシルタウリン塩、アンホ酢酸塩及びアンホプロピオン酸塩、好ましくはアルキルベタイン、アルキルアミドベタイン、スルホベタイン、アルキルスルホベタイン、アルキルアミドアルキルスルホベタイン、アンホ酢酸塩、アンホジ酢酸塩、アンホプロピオン酸塩、アンホジプロピオン酸塩及びアンホカルボキシグリシン塩が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0057】
幾つかの実施形態において、パーソナルケア用洗浄組成物は、C8~C20-アルキルベタイン及びC8~C20-アルキルアミド-C1~C6-アルキルベタインから選択される両性界面活性剤を含み、その中でも特に、ココベタイン及びコカミドプロピルベタインを挙げることができる。
【0058】
他の幾つかの実施形態において、パーソナルケア用洗浄組成物は、アンホ酢酸塩及びアンホプロピオン酸塩から選択される、特に式(V)
【化10】
(式中、
R
10は、任意選択的にヒドロキシル基で置換された直鎖又は分岐C
1~C
4-アルキルであり、
R
11は、直鎖又は分岐C
6~C
24-ヒドロカルビルであり、
R
12は、直鎖C
2~C
6-アルキレンであり、
R
13は、メチレン又はエチレンであり、
M
x+は、4級アンモニウム陽イオン、4級ホスホニウム陽イオン、アルカリ金属陽イオン又はアルカリ土類金属陽イオンであり、及び
xは、1又は2であり、Mの正電荷と等しい)
の両性界面活性剤、及び
これらの任意の組合せ
を含む。
【0059】
上記の式(V)において、R11は、好ましくは、直鎖又は分岐C8~C18アルキル、好ましくは直鎖C10~C14アルキル、例えばn-オクチル、n-ノニル、n-デシル、n-ウンデシル、n-ドデシル、n-トリデシル、n-テトラデシル、n-ペンタデシル、n-ヘキサデシル、ヘプタデシル又はオクタデシルである。加えて又は代わりに、R12は、好ましくは、C2~C4-アルキレン、より好ましくはエチレンである。加えて又は代わりに、R13は、好ましくは、メチレンである。R10は、好ましくは、ヒドロキシル基で置換された直鎖C1~C4-アルキル、より好ましくは、ヒドロキシメチル又はヒドロキシエチルである。
【0060】
特にパーソナルケア用洗浄組成物は、R11が直鎖C10~C14アルキル、好ましくはn-ウンデシルであり、R12がC2~C4-アルキレン、好ましくはエチレンであり、R13がメチレンであり、R10がヒドロキシル基で置換された直鎖C1~C4-アルキル、好ましくはヒドロキシメチル又はヒドロキシエチルであり、Mx+がアルカリ金属陽イオンである、式(V)のアンホ酢酸塩から選択される両性界面活性剤を含み、その中でも特に、N-(2-ヒドロキシエチル)-N-(2-ラウロイルアミノエチル)グリシンナトリウム(ラウロアンホ酢酸ナトリウム)及びN-(2-ヒドロキシエチル)-N-(2-ココイルアミノエチル)グリシンナトリウム(ココアンホ酢酸ナトリウム)を挙げることができる。
【0061】
パーソナルケア用洗浄組成物は、非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、両性界面活性剤又はこれらの任意の組合せを、任意の従来量、例えば、パーソナルケア用洗浄組成物の総重量を基準として5~50重量%、好ましくは5~30重量%、より好ましくは10~20重量%の総量で含むことができる。
【0062】
本発明によるパーソナルケア用洗浄組成物に有用な増粘剤は、第1の態様に関し上に記載した通りである。増粘剤の任意の一般的な説明及びその優先度を参照により本明細書に援用する。
【0063】
パーソナルケア用洗浄組成物は、パーソナルケア用洗浄組成物の総重量を基準として、固形分として計算される1~8重量%、好ましくは1.5~5重量%、より好ましくは2~4重量%の量の増粘剤を含むことができる。
【0064】
水は、本発明によるパーソナルケア用洗浄組成物中に担体として含まれる。水の量は、パーソナルケア用洗浄組成物の適用形態に応じて実質的に変化し得る。パーソナルケア用洗浄組成物は、少量の有機担体を含むことができ、これは、例えば、担体の総量を基準として50重量%未満、特に20重量%以下又は10重量%以下でさえある。皮膚及び/又は毛髪に適用するために使用するのに適した有機担体としては、C1~C6-アルコール、C1~C6-アルキル酢酸エステル及びこれらの任意の組合せを挙げることができる。幾つかの実施形態では、アセトン、イソブタン、ヘキサン、デセン等の炭化水素、ハロゲン化炭化水素並びにシクロメチコン等の揮発性シリコーンの少なくとも1種も担体として使用することができる。
【0065】
パーソナルケア用洗浄組成物は、パーソナルケア用洗浄組成物に通常使用される1種又は複数の補助剤及び/又は添加剤を更に含むことができる。有用な補助剤及び添加剤の例として、安定化剤、皮膜形成化合物、共溶媒、ハイドロトロープ剤、pH調整剤、可塑剤、乳化剤、乳白剤、真珠光沢剤、過脂肪剤、金属封鎖剤、キレート剤、酸化防止剤、香料、防腐剤、鉱物系フィラー又は顔料、角質剥離粒子及び質感付与剤が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0066】
パーソナルケア用洗浄組成物は、任意選択的に、洗浄すべき基材、例えば、毛髪及び皮膚に好ましい及び/又は有益な効果をもたらすことができる1種又は複数の有益剤を含むことができる。有益剤の例として、エモリエント剤、保湿剤、スキンコンディショナー又はヘアコンディショナーを含むコンディショナー、例えば、シリコーン、例えば、揮発性シリコーン、ゴム若しくは油又は非アミノシリコーン及びこれらの混合物、鉱物油、エステル(例えば、ミリスチン酸ブチル、パルミチン酸セチル、オレイン酸デシル、ラウリン酸グリセリル、リシノール酸グリセリル、ステアリン酸グリセリル、イソステアリン酸グリセリル、ラウリン酸ヘキシル、パルミチン酸イソブチル、ステアリン酸イソセチル、イソステアリン酸イソプロピル、ラウリン酸イソプロピル、リノール酸イソプロピル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸イソプロピル、モノラウリン酸プロピレングリコール、リシノール酸プロピレングリコール、ステアリン酸プロピレングリコール及びイソステアリン酸プロピレングリコール)、アセチル化ラノリンアルコール、ラノリン、豚脂、ミンク油及び牛脂等の動物性脂肪;ベヘン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニルアルコール、セチルアルコール、エイコサニルアルコール、イソセチルアルコール等の脂肪酸及びアルコール;ビタミン及びその誘導体、例えば、チアミン、ニコチン酸、ビオチン、パントテン酸、コリン、リボフラビン、ビタミンB6、ビタミンB12、ピリドキシン、イノシトール等のビタミンB複合体、カルニチン、ビタミンA、C、D、E、K及びこれらの誘導体、例えば、ビタミンAパルミタート並びにプロビタミン、例えば、パンテノール(プロビタミンB5)、トリ酢酸パンテニル並びにこれらの混合物;フリーラジカル捕捉剤;天然又は合成研磨剤;染料;毛髪着色剤;皮膚及び毛髪脱色剤を含む脱色剤;UV吸収剤、例えば、ベンゾフェノン、ボルネロン、PABA(パラアミノ安息香酸)、ブチルPABA、シンナミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド、ジスチリルビフェニルジスルホン酸二ナトリウム、メトキシケイ皮酸カリウム;UV防御剤、例えば、ブチルメトキシジベンゾイルメタン、メトキシケイ皮酸オクチル、オキシベンゾン、オクトクリレン、サリチル酸オクチル、フェニルベンズイミダゾールスルホン酸、ヒドロキシプロピルアミノ安息香酸エチル、アントラニル酸メンチル、アミノ安息香酸、シノキサート、メトキシケイ皮酸ジエタノールアミン、アミノ安息香酸グリセリル、二酸化チタン、酸化亜鉛、オキシベンゾン、ジメチルPABAオクチル(パジメートO)、赤色ワセリン;抗微生物剤;抗菌剤、例えば、バシトラシン、エリスロマイシン、トリクロサン、ネオマイシン、テトラサイクリン、クロロテトラサイクリン、塩化ベンゼトニウム、フェノール、パラクロロメタキシレノール(PCMX)、トリクロカルバン(TCC)、グルコン酸クロルヘキシジン(CHG)、ジンクピリチオン、硫化セレン;抗真菌剤;メラニン制御剤;日焼け促進剤;色素沈着抑制剤、例えば、レチノール等のレチノイド、麹酸及びその誘導体、例えば、ジパルミチン酸コジク、ヒドロキノン及びその誘導体、例えば、アルブチン、トランセキサム酸、ビタミン類、例えば、ナイアシン、ビタミンC及びその誘導体、アゼライン酸、プラセルチア、カンゾウ、カモミール及び緑茶等の抽出物(この中ではレチノール、麹酸及びヒドロキノンが好ましい);皮膚美白剤、例えば、ヒドロキノン、カテコール及びその誘導体、アスコルビン酸及びその誘導体;皮膚着色剤、例えば、ジヒドロキシアセトン;脂質調整剤;体重減少剤;抗にきび剤;抗脂漏剤;抗老化剤;抗しわ剤;角質溶解剤;抗炎症剤;抗にきび剤、例えば、トレチノイン、イソトレチノイン、モトレチニド、アダパレン、タザロテン、アゼライン酸、レチノール、サリチル酸、過酸化ベンゾイル、レゾルシノール、抗生物質、例えば、テトラサイクリン及びその異性体、エリスロマイシン、抗炎症剤、例えば、イブプロフェン、ナプロキセン、ヘトプロフェン、植物抽出物、例えば、ハンノキ属植物(alnus)、アルニカ、カワラヨモギ(artemisia capillaris)、サイシン、キンセンカ属植物(calendula)、カモミール、ニジウム、コンフリー、ウイキョウ、ゴバイシ、サンザシ、ドクダミ属植物(houttuynia)、オトギリソウ属植物(hypericum)、ナツメ、キーウィ、カンゾウ、モクレン属植物(magnolia)、オリーブ、ハッカ、フィロデンドロン属植物(philodendron)、サルビア属植物(salvia)、クマザサ(sasa albomarginata)、イミダゾール類、例えば、ケトコナゾール及びエルビオール;清涼化剤;瘢痕形成剤;血管保護剤;フケ(抗フケ剤)、脂漏性皮膚炎又は乾癬を低減する剤、例えば、亜鉛、スズ、カドミウム、マグネシウム、アルミニウム、ナトリウム、ジルコニウム等の重金属から形成される、ジンクピリチオンのようなピリチオン塩、シェール油及びその誘導体、例えば、スルホン化シェール油、硫化セレン、硫黄、サリチル酸、コールタール、ポビドンヨード、イミダゾール類、例えば、ケトコナゾール、ジクロロフェニルイミダゾロジオキサラン、クロトリマゾール、イトラコナゾール、ミコナゾール、クリンバゾール、チオコナゾール、スルコナゾール、ブトコナゾール、フルコナゾール、ミコナゾール亜硝酸塩及びその任意の可能な立体異性体及び誘導体、例えば、アントラリン、ピロクトンオラミン(Octopirox)、硫化セレン、シクロピロクスオラミン、抗乾癬剤、例えば、ビタミンD類似体、例えば、カルシポトリオール、カルシトリオール及びタカレイトロール、ビタミンA類似体、例えば、ビタミンAパルミタート等のビタミンAのエステル、レチノイド、レチノール及びレチノイン酸、コルチコステロイド、例えば、ヒドロコルチゾン、クロベタゾン、酪酸エステル、プロピオン酸クロベタゾール;制汗剤又は防臭剤、例えば、クロロヒドロキシアルミニウム、アルミニウムジルコニウムクロロハイドレート;免疫調節剤;養毛剤;脱毛剤、例えば、チオグリコール酸カルシウム、チオグリコール酸マグネシウム、チオグリコール酸カリウム、チオグリコール酸ストロンチウム;脱毛に対抗するための剤;パーマネントウェーブ用還元剤;反射材、例えば、雲母、アルミナ、ケイ酸カルシウム、ジオレイン酸グリコール、ジステアリン酸グリコール、シリカ、フルオロケイ酸(ナトリウム/マグネシウム);精油及び芳香剤並びに蛍光増白剤が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0067】
本明細書に記載する増粘剤を含むパーソナルケア用洗浄組成物は、とりわけ、6以下、好ましくは4.5~6.0の範囲、より好ましくは5.0~5.5の範囲のpHにおける粘度で特徴付けられる所望の粘稠性を示すことが見出された。
【0068】
したがって、第3の態様において、本発明は、
- 式(I)
【化11】
(式中、
R
1及びR
2は、互いに独立に、H又は直鎖若しくは分岐C
1~C
6-アルキルであり、
R
3は、直鎖又は分岐C
1~C
6-アルキレンであり、及び
R
4は、直鎖又は分岐C
10~C
30-ヒドロカルビルであり、及び
R
5は、H又は直鎖若しくは分岐C
1~C
6-アルキルである)
のアミドアミンと、
- 式(II)
【化12】
(式中、
R
6は、直鎖又は分岐C
5~C
20-ヒドロカルビルであり、
R
7は、天然のα-アミノ酸のα-炭素に結合され、且つカルボキシル置換基又はプロトン化可能な窒素含有置換基を含有しない基に対応する構造を有する基であり、及び
M
+は、アルカリ金属陽イオン、4級アンモニウム陽イオン及び4級ホスホニウム陽イオンから選択される)
のN-アシルアミノ酸塩と
の組合せの、サルフェートフリーの水性洗浄組成物の増粘剤としての使用に関する。
【0069】
式(I)のアミドアミン及び式(II)のN-アシルアミノ酸塩は、第1の態様に関し上に記載した通りである。式(I)のアミドアミン及び式(II)のN-アシルアミノ酸塩の任意の一般的な説明及びその優先度を参照により本明細書に援用する。
【0070】
式(I)のアミドアミン及び式(II)のN-アシルアミノ酸塩は、pHが4.5~6.0、例えば5.0~5.5の範囲である、特にリンスオフパーソナルケア用洗浄組成物、例えばシャンプー、ローション、ジェル若しくは液体石鹸又はウェットワイプに使用するためのサルフェートフリーの水性洗浄組成物に特に有用である。
【0071】
驚くべきことに、本発明者らは、ステアラミドプロピルジメチルアミン及びラウリルグリシン酸カリウムを少なくとも1種の界面活性剤と組み合わせて使用することにより、更に真珠光沢効果を、特に酸性pH条件下で達成できることを見出した。ステアラミドプロピルジメチルアミンとラウリルグリシン酸カリウムとの組合せは、パーソナルケア用組成物において真珠光沢剤として使用することができる。
【0072】
以下では、特に有利な実施形態を示す実施例により本発明を更に説明する。本発明を説明するために実施例を提供するが、これは本発明を限定することを意図するものではない。
【実施例】
【0073】
実施例に使用する材料の説明:
Dehyquart(登録商標)S18:ステアラミドプロピルジメチルアミン(100%)
Plantapon(登録商標)Amino KG-L:ココイルグリシンカリウム(30.0~35.0%)及び水(65.0~70.0%)
Plantapon(登録商標)LGC sorb:ラウリルグルコースカルボン酸ナトリウム(15~25%)、ラウリルグルコシド(10~20%)及び水(60~70%)
Plantapon(登録商標)ACG 50:ココイルグルタミン酸ナトリウム(40~50%)及び水(43.5~45.5%)
Plantacare(登録商標)818 UP:ヤシ油アルキルグルコシド(50~60%)及び水(40~50%)
Dehyton(登録商標)PK45:コカミドプロピルベタイン(44~46%)及び水(54~56%)
Dehyton(登録商標)ML:ラウロアンホ酢酸ナトリウム(25~29%)及び水(71~75%)
Dehyton(登録商標)DC-AS:ココアンホジ酢酸二ナトリウム(46~51%)及び水(49~54%)
Comperlan(登録商標)100C:コカミドMEA(100%)
Arlypon(登録商標)F:ラウレス-2(100%)
Lamesoft(登録商標)PO65:ヤシ油アルキルグルコシド(20~40%)、オレイン酸グリセリル(20~40%)及び水(32~35%)
Texapon(登録商標)SFA:2-スルホラルアート二ナトリウム(30~50%)及び水(50~70%)
Plantapon(登録商標)SF:ココアンホ酢酸ナトリウム(10~20%)、グリセリン(8~10%)、ラウリルグルコシド(5~15%)、ココイルグルタミン酸ナトリウム(最大5%)、ラウリルグルコースカルボン酸ナトリウム(最大5%)及び水(40~60%)
Salcare(登録商標)Super 7:ジアリルジメチルアンモニウムクロリド及びアクリルアミドコポリマーの水溶液
BioToLife:酵母発酵エキス(30.0~50.0%)及び水(50.0~70.0%)。
上に示した材料は全てBASFから市販されている。
Glydant Plus(登録商標)Liquid:DMDMヒダントイン及びブチルカルバミン酸ヨウ化プロピニル(77%)、Lonzaから市販
Euxyl(登録商標)PE 9010:防腐剤、Schuelkeから市販。
【0074】
増粘剤を調製するための一般手順
Plantapon(登録商標)Amino KG-L(INCI:ラウリルグリシン酸カリウム)を一定量のH2Oに溶解した溶液にDehyquart(登録商標)S18 solid(INCI:ステアラミドプロピルジメチルアミン)を添加した。得られた混合物を、Dehyquart(登録商標)S18が完全に溶解するまで撹拌しながら80℃に加熱した室温に冷却した後、ステアラミドプロピルジメチルアミン及びラウリルグリシン酸カリウムの複合体を含む、固形分が30%である真珠光沢剤のペーストを得た。
【0075】
水性界面活性剤基剤中における増粘性能の測定
表1に示す各水性配合物の増粘性能を、スピンドル6を備えたBrookfield RVT粘度計を用いて20rpmで測定された、23℃における粘度で特徴付けた。試験結果も表1にまとめる。
【0076】
【0077】
ステアラミドプロピルジメチルアミン及びラウリルグリシン酸カリウムを含む増粘剤は、とりわけモル比が0.7:1以上である場合、非サルフェート系界面活性剤を有効に増粘できることが分かる。本発明による増粘剤は、Comperlan 100C、Arlypon F及びLamesoft PO65に代表される従来の増粘剤と比較して、高い粘稠性を水性界面活性剤基剤に付与する。
【0078】
界面活性剤Plantacare(登録商標)818 UPと、ステアラミドプロピルジメチルアミン及びラウリルグリシン酸カリウムを含む増粘剤とを含む水性系で観察されるように、式(I)のアミドアミン及び式(II)のN-アシルアミノ酸塩を0.9:1以上の比で含む増粘剤は、非サルフェート系界面活性剤と良好な適合性を示すことも見出された。
【0079】
適用例
上述の一般的なプロセスを用いて調製したCatAnionicとして示す増粘剤を含む、リンスオフパーソナルケア用洗浄製品に有用な様々な配合物を提供し、外観及び粘度を評価した。
【0080】
【0081】
- A相を混合し、80℃で十分に撹拌する;
- 45℃に冷却した後、B相を加え、均一になるまで撹拌する;
- クエン酸でpHを調整する。
【0082】
【0083】
【0084】
- A相を混合し、80℃で十分に撹拌する;
- B相を加え、均一になるまで撹拌する;
- 45℃に冷却した後、C相を加え、均一になるまで撹拌する;
- クエン酸でpHを調整する。
【0085】
【0086】
【0087】
- A相を混合し、80℃で十分に撹拌する;
- 45℃に冷却した後、B相を加え、均一になるまで撹拌する;
- クエン酸でpHを調整する。
【0088】
【0089】
【0090】
- B相を混合し、70℃で十分に撹拌する;
- C相を撹拌下に予備混合した後、B相をC相に加える;
- A相をB+Cの混合物に加え、均一になるまで撹拌する;
- 撹拌しながらD相を45℃未満でゆっくりと加え、均一になるまで撹拌する。
【0091】
【0092】
真珠光沢効果の試験
【0093】
【0094】
上記の結果は、ステアラミドプロピルジメチルアミン及びラウリルグリシン酸カリウムの組合せを酸性条件下(pH<5)で様々な界面活性剤と一緒に使用すると、室温下で真珠光沢効果が明確に観察できることを示している。低刺激性界面活性剤、特にdehyton DC-AS(ココアンホジ酢酸二ナトリウム)の場合、pH7未満のより広いpH範囲で真珠光沢効果が観察されることになり、pH6未満でより明らかとなる。
【0095】
【0096】
【0097】
ステアラミドプロピルジメチルアミンとラウリルグリシン酸カリウムとの組合せと、1種又は複数の界面活性剤とを含む上述の配合物は、特に酸性条件下(pH<5)で真珠光沢効果を示す。
【国際調査報告】